JP2015073510A - 種子春化型の性質が緑体春化型の性質に改変されたアブラナ科植物及びその製造方法 - Google Patents

種子春化型の性質が緑体春化型の性質に改変されたアブラナ科植物及びその製造方法 Download PDF

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Keiichi Okazaki
桂一 岡崎
龍 藤本
Tatsu Fujimoto
龍 藤本
祐貴 戸丸
Yuki Tomaru
祐貴 戸丸
友理 中村
Yuri Nakamura
友理 中村
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Abstract

【課題】種子春化型の性質が、初期生育期において低温不感応性である緑体春化型に改変されたアブラナ科植物、及びその製造方法の提供。
【解決手段】種子春化型アブラナ科植物と、キャベツとを交雑し、第1の雑種植物を作製する工程と、前記第1の雑種植物及び第1の雑種植物の子孫のいずれかに、前記種子春化型アブラナ科植物を戻し交雑し、第1の雑種植物の子孫を作製する工程と、前記第1の雑種植物の子孫から、緑体春化型の性質を有する植物を選択する工程とを含む種子春化型の性質が緑体春化型の性質に改変されたアブラナ科植物の製造方法などである。
【選択図】なし

Description

本発明は、種子春化型の性質が緑体春化型の性質に改変されたアブラナ科植物及びその製造方法に関する。
アブラナ科(Brassicaceae)の植物は、基本的に花が咲く状態になるために一定期間低温に遭遇する必要があり、この低温要求性は「春化」と言われる。
前記春化には、種子春化型と、緑体春化型の2種類がある。前記種子春化型とは、種子の吸水後、すぐに低温に感応することで花芽を形成するものをいう。前記種子春化型のアブラナ科植物としては、ハクサイ、カブ、ダイコンなどがある。一方、前記緑体春化型とは、植物体がある程度生育(茎の太さが5mm程度が目安)してから、はじめて低温に感応し、開花の準備をするものをいう。
前記一定期間低温に遭遇すると、アブラナ科(Brassicaceae)の植物は、とう立ち(「抽苔」と称することもある)する。この性質のため、葉根菜類の春まき栽培では、春先の低温に遭遇することにより、例えば、ハクサイでは結球の中心部に花茎が伸び出し、商品価値が無くなってしまうという問題がある。
前記問題は、「不時抽苔」と言われ、栽培現場では、抽苔を抑制する方法の開発や、とう立ちが遅い(「晩抽性」と称することもある)品種の開発が強く求められている。
前記抽苔を抑制する方法として、天然型アブシジン酸を有効成分として含有する抽苔抑制剤を用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、抽苔抑制剤を用いる方法は、栽培面積の多いアブラナ科作物への施用には大量の製剤が必要で、栽培管理やコスト面で問題がある上、抽苔抑制剤が環境に及ぼす影響の検討はなされいないという問題がある。このような問題を生じない種子春化型のアブラナ科植物を緑体春化型に改変した品種の育成が待たれている。
しかし、種子春化型のアブラナ科植物を緑体春化型に改変した品種及びその製造方法は、未だ提供されていない。
特開平4−217603号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、種子春化型の性質が、初期生育期において低温不感応性である緑体春化型に改変されたアブラナ科植物、及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。
即ち、本発明の種子春化型の性質が緑体春化型の性質に改変されたアブラナ科植物の製造方法は、
種子春化型アブラナ科植物と、キャベツとを交雑し、第1の雑種植物を作製する工程と、
前記第1の雑種植物及び第1の雑種植物の子孫のいずれかに、前記種子春化型アブラナ科植物を戻し交雑し、第1の雑種植物の子孫を作製する工程と、
前記第1の雑種植物の子孫から、緑体春化型の性質を有する植物を選択する工程とを含むことを特徴とする。
本発明のアブラナ科植物は、種子春化型の性質が緑体春化型の性質に改変されたことを特徴とする。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、種子春化型の性質が、初期生育期において低温不感応性である緑体春化型に改変されたアブラナ科植物、及びその製造方法を提供することができる。
図1は、実施例1のBC2世代の染色体数と、各染色体数を有する個体群における低温処理後の開花個体数(上段)及び不開花個体数(下段)とを示したグラフである。なお、染色体数 29は、不開花個体のみであり、その数値を示す。 図2は、実施例1のBC3世代の染色体数と、各染色体数を有する個体群における低温処理後の開花個体数(上段)及び不開花個体数(下段)とを示したグラフである。 図3は、実施例1のBC3世代における、特定の染色体特異的マーカーを有する個体における低温処理後の開花率(グレー)及び不開花率(黒)の割合を示したグラフである。 図4は、実施例1のBC3S1系統の個体群における低温処理後の開花までの日数と、個体数との関係を示したグラフである。
(種子春化型の性質が緑体春化型の性質に改変されたアブラナ科植物及びその製造方法)
本発明のアブラナ科植物は、種子春化型の性質が緑体春化型の性質に改変されたアブラナ科植物である。
本発明のアブラナ科植物は、本発明の種子春化型の性質が緑体春化型の性質に改変されたアブラナ科植物の製造方法により好適に製造することができる。
以下、本発明の製造方法の説明と併せて、本発明のアブラナ科植物についても説明する。
<アブラナ科植物の製造方法>
本発明のアブラナ科植物の製造方法は、第1の雑種植物作製工程と、戻し交雑工程と、選択工程とを少なくとも含み、さらに必要に応じてその他の工程を含む。
<<第1の雑種植物作製工程>>
前記第1の雑種植物作製工程は、種子春化型アブラナ科植物と、キャベツとを交雑し、第1の雑種植物を作製する工程である。
−種子春化型アブラナ科植物−
前記種子春化型アブラナ科植物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、葉根菜類が好ましい。
前記葉根菜類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ハクサイ、カブ、コマツナ、ミズナ(以上、Brassica rapa)、ダイコン(Raphanus sativus)などが挙げられる。これらの中でも、ハクサイ、カブ、ダイコンが好ましく、ハクサイがより好ましい。
前記種子春化型アブラナ科植物の品種としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ハクサイでは「CR歓喜」(株式会社日本農林社製)、カブでは「CR鷹丸」(株式会社武蔵野種苗園製)、ダイコンでは「おしん」(タキイ種苗株式会社製)などが挙げられる。
−キャベツ−
前記キャベツ(Brassica oleracea)の品種としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、「麗峰」(有限会社石井育種場製)などが挙げられる。
−交雑−
前記交雑の方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択して行うことができ、例えば、予め除雄した前記種子春化型アブラナ科植物の花へ、キャベツの花粉を交雑し、交雑後1週間から2週間経過したさく果を、5%蔗糖、0.8%寒天を含むMS培地で人工培養することにより交雑することができる。
これにより、第1の雑種植物が得られる。
前記交雑により得られる第1の雑種植物は、前記種子春化型アブラナ科植物と、前記キャベツとから染色体が伝達されており(例えば、ハクサイとキャベツとを交雑した場合には、ハクサイからn=10(Aゲノム)、キャベツからn=9(Cゲノム))、異種ゲノムの構成では、正常な配偶子が期待できないため、コルヒチン処理を行うことが好ましい。
前記コルヒチン処理の方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択して行うことができ、例えば、0.05%のコルヒチン溶液を含む脱脂綿を前記第1の雑種植物の腋芽上に24時間おくことにより行うことができる。
これにより、染色体数を倍加して、複二倍体の第1の雑種植物が得られる。前記複二倍体中には同一ゲノムがそれぞれ一対存在するため、正常な減数分裂が起こり稔性のある花粉及び種子を有する。
<<戻し交雑工程>>
前記戻し交雑工程は、前記第1の雑種植物及び第1の雑種植物の子孫のいずれかに、前記種子春化型アブラナ科植物を戻し交雑し、第1の雑種植物の子孫を作製する工程である。
−戻し交雑−
前記戻し交雑の方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択して行うことができ、例えば、予め除雄した記第1の雑種植物及び第1の雑種植物の子孫のいずれかの花へ、前記種子春化型アブラナ科植物の花粉を交雑することにより行うことができる。
これにより、第1の雑種植物の子孫が得られる。
前記戻し交雑工程の回数は、1回であってもよいし、複数回であってもよいが、複数回行うことが好ましい。
前記戻し交雑工程を複数回行う場合には、直前の戻し交雑工程で得られた第1の雑種植物の子孫に、前記種子春化型アブラナ科植物を戻し交雑することにより行うことができる。
前記戻し交雑工程では、得られた第1の雑種植物の子孫にBrassica oleraceaBoFLC2遺伝子領域が導入されていることが、前記子孫における低温処理後の不開花個体数の割合を向上させることができる点で、好ましい(後述の実施例1参照)。
前記BoFLC2遺伝子領域が導入されているか否かを確認する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、DNAマーカーの有無を測定することにより確認する方法が挙げられる。
前記DNAマーカーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記キャベツのC2染色体に座乗するBoFLC2遺伝子に特異的なDNAマーカーが好ましい。
前記BoFLC2遺伝子に特異的なDNAマーカーの具体例としては、下記配列番号:1、配列番号:2で表されるマーカーなどが挙げられる。
5’−cgcttccgttcctcttctctttac−3’(配列番号:1)
5’−ccgagaaatccacatgagatctg−3’(配列番号:2)
<<選択工程>>
前記選択工程は、前記第1の雑種植物の子孫から、緑体春化型の性質を有する、即ち初期生育期において低温不感応性である植物を選択する工程である。
前記初期生育期において低温不感応性である植物を選択する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記戻し交雑工程で得られた個体の種子を寒天培地に播種し、吸水させた種子の状態で4℃、8週間低温処理した後、前記低温処理した種子を鉢上げし、温室内で約2ヶ月間成長させ、各個体が開花するか否かを確認し、開花しなかった個体を初期生育期において低温不感応性である植物であるとして選択する方法が好ましい。
前記選択工程により、種子春化型の性質が緑体春化型の性質に改変されたアブラナ科植物を選択することができる。
また、前記選択工程では、選択に供する個体の染色体数を調べることが好ましい。前記染色体数を調べる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記キャベツのC1染色体〜C9染色体に特異的なDNAマーカーを用いる方法が挙げられる。
前記染色体数を調べ、該染色体数が目的とするアブラナ科植物が本来有する染色体数であり、かつ、前記低温不感応性である個体を選択することにより、より確実に、種子春化型の性質が緑体春化型の性質に改変されたアブラナ科植物を選択することができる。
前記選択工程の回数は、1回であってもよいし、複数回であってもよい。
前記選択工程を行う時期としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記戻し交雑工程の後、後述する自家受粉工程の後などが挙げられる。
<<その他の工程>>
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、自家受粉工程を含むことが好ましい。
−自家受粉工程−
前記自家受粉工程は、前記選択工程で選択された緑体春化型の性質を有する植物を自家受粉する工程である。
−−自家受粉−−
前記自家受粉の方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択して行うことができ、例えば、前記選択工程で得られた植物体の蕾に対して公知の方法である蕾受粉法を用いて行うことができる。
これにより、初期生育期において低温不感応性である緑体春化型の性質が固定されたアブラナ科植物を得ることができる。
前記自家受粉工程の回数は、1回であってもよいし、複数回であってもよいが、複数回行うことが好ましい。
本発明のアブラナ科植物は緑体春化型に改変されており、初期生育期において低温不感応性であるため、春まき栽培で問題となる不時抽苔を回避することができ、葉根菜類の早期春まき栽培に対応可能である。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1:種子春化型の性質が緑体春化型の性質に改変されたアブラナ科植物の製造)
<第1の雑種植物作製工程>
種子春化型アブラナ科植物として、ハクサイ(B. rapa、2n=20、ゲノム構成:AA)の「CR歓喜」(株式会社日本農林社製)を母親とし、キャベツ(B. oleracea、2n=18、ゲノム型CC)の「麗峰」(有限会社石井育種場製)と以下のようにして交雑した。
予め除雄したハクサイの花へ、キャベツの花粉を交雑し、交雑胚を得た。
前記交雑胚を含む交雑後1週間から2週間経過したさく果を、5%蔗糖、0.8%寒天を含むMS寒天培地上で無菌培養し、第1の雑種植物(以下、「F1雑種−1」と称することがある)を得た。得られたF1雑種−1は、鉢上げ後、農業用ビニールで覆い、適宜栽培条件に慣れさせた。
前記F1雑種−1(2n=19、ゲノム構成:AC)は、前記ハクサイからn=10(Aゲノム)、前記キャベツからn=9(Cゲノム)の染色体が伝達されているが、A+Cの異種ゲノムの構成では正常な配偶子(花粉、卵)が期待できないため、以下のコルヒチン処理を行い、染色体数を倍加して、ゲノム構成がAACC(2n=38)の複二倍体(以下、「F1雑種−2」と称することがある)を作製した。前記複二倍体中には同一ゲノムがそれぞれ一対存在するため、正常な減数分裂が起こり稔性のある花粉及び種子を有する。
−コルヒチン処理−
0.05%のコルヒチン溶液を含む脱脂綿を雑種植物の腋芽上に24時間おき、処理した。
<戻し交雑工程>
<<BC1個体の作製>>
前記F1雑種−2に、前記ハクサイの「CR歓喜」を以下のようにして戻し交雑し、AACのゲノム構成を持つ子孫(以下、「BC1個体」と称することがある)を作製した。
−戻し交雑−
予め除雄した前記F1雑種−2の花へハクサイの花粉を交雑した。
<<BC2世代の作製>>
前記BC1個体に、前記ハクサイの「CR歓喜」を上述と同様にして戻し交雑し、182個体の子孫(以下、「BC2世代」と称することがある)を作製した。
−添加染色体数の推定−
C1染色体〜C9染色体特異的な以下のDNAマーカー(以下、「プライマーセット」と称することがある)を用い、前記DNAマーカーの有無については、植物体からMurray and Thompson (1980)らの方法に従ってDNAを調製し、定法に従ったPCR法によって、前記染色体特異的なDNAマーカーの増幅によって判定することにより、前記BC2世代の染色体数を推定した。結果を図1に示す。
なお、染色体の推定には、1つの染色体に対して複数のDNAマーカーを用い、前記複数のDNAマーカーのうちの少なくとも1つが検出された場合には、当該染色体を有すると推定した。
〔DNAマーカー〕
(1) C1染色体
・ C1A検出用マーカー(以下、「C1A」と称することがある。)
5’−taacgctgttggtccaattctagtg−3’(配列番号:3)
5’−ccacaggatctttcctcctacctaa−3’(配列番号:4)
・ C1B検出用マーカー(以下、「C1B」と称することがある。)
5’−aatttaaacctcattttcttc−3’(配列番号:5)
5’−acctccattgtgtctgat−3’(配列番号:6)
(2) C2染色体
BoFLC2遺伝子検出用マーカー(以下、「C2FLC」と称することがある。)
5’−cgcttccgttcctcttctctttac−3’(配列番号:1)
5’−ccgagaaatccacatgagatctg−3’(配列番号:2)
・ C2A検出用マーカー(以下、「C2A」と称することがある。)
5’−gcgacatggtaattgaagtt−3’(配列番号:7)
5’−tttaatgggtccatgatagc−3’(配列番号:8)
・ C2B検出用マーカー(以下、「C2B」と称することがある。)
5’−cgcttctcttcatctgct−3’(配列番号:9)
5’−aatttgtttcttcagccg−3’(配列番号:10)
(3) C3染色体
・ C3A検出用マーカー(以下、「C3A」と称することがある。)
5’−tcccaacaaaagagtcca−3’(配列番号:11)
5’−cagcgaaccgagtctaaa−3’(配列番号:12)
・ C3B検出用マーカー(以下、「C3B」と称することがある。)
5’−gtgacatctatccccaaacgtacag−3’(配列番号:13)
5’−ataaacgaagcgagtgtgatggtta−3’(配列番号:14)
(4) C4染色体
・ C4A検出用マーカー(以下、「C4A」と称することがある。)
5’−tgacgtgtgagcaacaga−3’(配列番号:15)
5’−ctgagtcacaagccgagt−3’(配列番号:16)
・ C4B検出用マーカー(以下、「C4B」と称することがある。)
5’−cgatacttggagcgtgtc−3’(配列番号:17)
5’−ctggtgtcttaaccacgc−3’(配列番号:18)
(5) C5染色体
・ C5A検出用マーカー(以下、「C5A」と称することがある。)
5’−gagatcgaaggtctcggt−3’(配列番号:19)
5’−gagtcgaaacagtggtgg−3’(配列番号:20)
・ C5B検出用マーカー(以下、「C5B」と称することがある。)
5’−cgagatttacttgccgatttg−3’(配列番号:21)
5’−ataatcctggtaagtggtaac−3’(配列番号:22)
(6) C6染色体
・ C6A検出用マーカー(以下、「C6A」と称することがある。)
5’−cctaccttcctttaccaacc−3’(配列番号:23)
5’−ggtgatgatgatgggaga−3’(配列番号:24)
・ C6B検出用マーカー(以下、「C6B」と称することがある。)
5’−cgagggcgaattgga−3’(配列番号:25)
5’−ccatcaacagccatcttc−3’(配列番号:26)
(7) C7染色体
・ C7A検出用マーカー(以下、「C7A」と称することがある。)
5’−ctgtgactgcattgctga−3’(配列番号:27)
5’−acacaataaagtgcggct−3’(配列番号:28)
・ C7B検出用マーカー(以下、「C7B」と称することがある。)
5’−acaagatctggatcaacaccctt−3’(配列番号:29)
5’−cagagagattgcacgctggtt−3’(配列番号:30)
(8) C8染色体
・ C8A検出用マーカー(以下、「C8A」と称することがある。)
5’−ttgatccgaaattctctgg−3’(配列番号:31)
5’−aggcaagcaatagataaagg−3’(配列番号:32)
・ C8B検出用マーカー(以下、「C8B」と称することがある。)
5’−tggtgtatatgggatcgg−3’(配列番号:33)
5’−gtttgcagaccattctcg−3’(配列番号:34)
(9) C9染色体
・ C9A検出用マーカー(以下、「C9A」と称することがある。)
5’−attggtctcttaacccgc−3’(配列番号:35)
5’−ttctcgaatccctcgaa−3’(配列番号:36)
・ C9B検出用マーカー(以下、「C9B」と称することがある。)
5’−cagccaagaactctccatagt−3’(配列番号:37)
5’−ggaatcagagatccaagactc−3’(配列番号:38)
図1に示すように、前記BC2世代は、2n=20のAAゲノムに加え、Cゲノムの不特定の染色体(1本〜9本(図1の染色体数21〜29)を含んでおり、Cゲノム染色体を6本(図1の染色体数26)含む個体が一番多く観察された(19%)。
−抽苔特性の確認−
前記BC2世代の個体の抽苔特性を以下のようにして調べた。結果を図1に示す。
前記BC2世代の各個体の種子を寒天培地に播種し、吸水させた種子の状態で4℃、8週間低温処理した。その後、前記低温処理した種子を鉢上げし、温室内で約2ヶ月間成長させ、各個体が開花するか否かを確認した。
図1中、各棒グラフの上段は開花個体数を示し、下段は不開花個体数を示す。
図1に示すように、Cゲノムの染色体を1本〜5本持つ添加系統(図1の染色体数21〜25)では、開花個体数の割合が50%〜75%であるのに対し、Cゲノムの染色体を6本〜9本持つ添加系統(図1の染色体数26〜29)では、開花個体数の割合が0%〜12%であり、Cゲノムの染色体を5本より多く有すると不開花となる傾向が見られた。
<<BC3世代の作製>>
前記BC2世代で選抜した10個体(#6、#19、#47、#81、#88、#107、#118、#174、#209、#220)それぞれに、前記ハクサイの「CR歓喜」を上述と同様にして戻し交雑し、214個体の子孫(以下、「BC3世代」と称することがある)を作製した。
−添加染色体数の推定−
前記BC3世代の添加染色体数を、前記BC2世代と同様にして推定した。結果を図2に示す。
図2に示すように、前記BC3世代では、2n=20〜24の範囲の染色体数を持つ個体が得られ,そのうち90個体(42%)が、2n=20のハクサイの染色体数を持っていた。
−抽苔特性の確認−
前記BC3世代の抽苔特性を、前記BC2世代と同様にして確認した。結果を図2に示す。
図2中、各棒グラフの上段は開花個体数を示し、下段は不開花個体数を示す。
図2に示すように、2n=20のハクサイの染色体数を持っている個体のうち、24個体が低温処理後2ヶ月経っても開花しなかった。
また、前記BC3世代の個体において、特定の染色体特異的マーカーを有する個体群における、前記低温処理後の開花率及び不開花率を算出した結果を図3に示す。
図3中、「Maker Name」は、前記DNAマーカーの名前を示し、「n」は、前記マーカーが検出された個体数を示し、グレーの棒グラフは、開花した割合を示し、黒の棒グラフは、不開花の割合を示す。
図3に示すように、BoFLC2遺伝子に特異的なDNAマーカーが検出された個体群では、不開花の割合が有意に多いことがわかった。
<自家受粉工程>
<<BC3S1系統の作製>>
前記BC3世代の中で、2n=20の染色体数を持っており、低温処理後2ヶ月経っても開花しなかった個体のうち、「BC3.No.8 1−4」、「BC3.No.8 1−54」のそれぞれについて、以下のようにして自家受粉を行い、2つのBC3S1系統を育成した。
−自家受粉−
前記「BC3.No.8 1−4」、「BC3.No.8 1−54」のそれぞれについて、植物体の蕾から雌しべを露出させ、その雌しべに対して、その植物体の花粉を交配する蕾受粉法によって自家受粉を行った。
前記2つのBC3S1系統の個体(「BC3.No.8 1−4S1」、「BC3.No.8 1−54S1」について、前記BC2世代と同様に抽苔特性を調べた結果を図4に示す。
図4中、白の棒グラフは、「BC3.No.8 1−4S1」の結果を示し、黒の棒グラフは、「BC3.No.8 1−54S1」の結果を示す。
図4に示すように、2つの系統の約半数の個体が、低温処理後2ヶ月経っても開花しなかった(図4中の「NF」、「BC3.No.8 1−4S1」は10個体、「BC3.No.8 1−54S1」は7個体)。
なお、低温処理後3週間で開花した個体数は、「BC3.No.8 1−4S1」が9個体、「BC3.No.8 1−54S1」が0個体であり、低温処理後4週間で開花した個体数は、「BC3.No.8 1−4S1」が1個体、「BC3.No.8 1−54S1」が6個体であり、低温処理後1週間、2週間、及び5週間で開花した個体は、なかった。
<<BC3S2系統の作製>>
前記BC3S1系統の個体の中で、低温処理後2ヶ月経っても開花しなかった個体について、上述と同様にして自家受粉を行ってBC3S2系統を育成し、種子春化型の性質がキャベツ由来の緑体春化型の性質に改変されたハクサイを得た。
本発明の態様としては、例えば、以下のものなどが挙げられる。
<1> 種子春化型アブラナ科植物と、キャベツとを交雑し、第1の雑種植物を作製する工程と、
前記第1の雑種植物及び第1の雑種植物の子孫のいずれかに、前記種子春化型アブラナ科植物を戻し交雑し、第1の雑種植物の子孫を作製する工程と、
前記第1の雑種植物の子孫から、緑体春化型の性質を有する植物を選択する工程とを含むことを特徴とする種子春化型の性質が緑体春化型の性質に改変されたアブラナ科植物の製造方法である。
<2> 第1の雑種植物の子孫を作製する工程を複数回行う前記<1>に記載のアブラナ科植物の製造方法である。
<3> 選択された緑体春化型の性質を有する植物を自家受粉する工程を含む前記<1>から<2>のいずれかに記載のアブラナ科植物の製造方法である。
<4> 種子春化型アブラナ科植物が、葉根菜類である前記<1>から<3>のいずれかに記載のアブラナ科植物の製造方法である。
<5> 葉根菜類が、ハクサイ、カブ、及びダイコンのいずれかである前記<4>に記載のアブラナ科植物の製造方法である。
<6> 種子春化型の性質が緑体春化型の性質に改変されたことを特徴とするアブラナ科植物である。
<7> アブラナ科植物が、葉根菜類である前記<6>に記載のアブラナ科植物である。
<8> 葉根菜類が、ハクサイ、カブ、及びダイコンのいずれかである前記<7>に記載のアブラナ科植物である。
<9> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の製造方法により製造された前記<6>から<8>のいずれかに記載のアブラナ科植物である。

Claims (8)

  1. 種子春化型アブラナ科植物と、キャベツとを交雑し、第1の雑種植物を作製する工程と、
    前記第1の雑種植物及び第1の雑種植物の子孫のいずれかに、前記種子春化型アブラナ科植物を戻し交雑し、第1の雑種植物の子孫を作製する工程と、
    前記第1の雑種植物の子孫から、緑体春化型の性質を有する植物を選択する工程とを含むことを特徴とする種子春化型の性質が緑体春化型の性質に改変されたアブラナ科植物の製造方法。
  2. 第1の雑種植物の子孫を作製する工程を複数回行う請求項1に記載のアブラナ科植物の製造方法。
  3. 選択された緑体春化型の性質を有する植物を自家受粉する工程を含む請求項1から2のいずれかに記載のアブラナ科植物の製造方法。
  4. 種子春化型アブラナ科植物が、葉根菜類である請求項1から3のいずれかに記載のアブラナ科植物の製造方法。
  5. 葉根菜類が、ハクサイ、カブ、及びダイコンのいずれかである請求項4に記載のアブラナ科植物の製造方法。
  6. 種子春化型の性質が緑体春化型の性質に改変されたことを特徴とするアブラナ科植物。
  7. アブラナ科植物が、葉根菜類である請求項6に記載のアブラナ科植物。
  8. 葉根菜類が、ハクサイ、カブ、及びダイコンのいずれかである請求項7に記載のアブラナ科植物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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