JP2015072076A - 太陽熱集熱管及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】平坦化した水素透過抑制膜を形成することにより、水素透過抑制効果だけでなく光学選択膜の熱輻射抑制効果を高め、集熱効率及び寿命を向上させた太陽熱集熱管を提供する。
【解決手段】本発明は、内管2と外管3とを有し、前記内管2と前記外管3との間に真空領域4が形成された太陽熱集熱管1であって、前記内管2の外側表面に水素透過抑制膜6がウエットプロセスによって形成されていると共に、前記水素透過抑制膜6の表面に光学選択膜7が形成されていることを特徴とする太陽熱集熱管1である。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、内管2と外管3とを有し、前記内管2と前記外管3との間に真空領域4が形成された太陽熱集熱管1であって、前記内管2の外側表面に水素透過抑制膜6がウエットプロセスによって形成されていると共に、前記水素透過抑制膜6の表面に光学選択膜7が形成されていることを特徴とする太陽熱集熱管1である。
【選択図】図1
Description
本発明は、太陽熱集熱管及びその製造方法に関する。詳細には、本発明は、太陽熱集熱装置(特に、トラフ式の太陽熱集熱装置)に用いられる太陽熱集熱管及びその製造方法に関する。
放物面を有する集光手段を用いて太陽光を太陽熱集熱管に集光し、太陽熱集熱管の内管を流通する熱媒体を加熱するトラフ式の太陽熱集熱装置が知られている。この太陽熱集熱装置に用いられる太陽熱集熱管は、太陽光を効率良く熱に変換して熱損失を少なくするために、内管と外管とからなる二重管構造とし、内管と外管との間を真空状態にすることで断熱している。
ところが、集光によって太陽熱集熱管が高温になると、内管と外管との間の真空領域に水素ガスが発生して真空領域の真空度が低下する結果、断熱性が低下することがある。この水素ガスは、内管を流通する熱媒体に主に起因しており、熱媒体の経年劣化によって生じた水素ガスが内管を透過することで発生すると考えられている。
そこで、水素ガスの内管透過を抑制するために、内管の外側表面に水素バリヤとして酸化アルミニウム(アルミナ)膜を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
ところが、集光によって太陽熱集熱管が高温になると、内管と外管との間の真空領域に水素ガスが発生して真空領域の真空度が低下する結果、断熱性が低下することがある。この水素ガスは、内管を流通する熱媒体に主に起因しており、熱媒体の経年劣化によって生じた水素ガスが内管を透過することで発生すると考えられている。
そこで、水素ガスの内管透過を抑制するために、内管の外側表面に水素バリヤとして酸化アルミニウム(アルミナ)膜を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、従来の方法は、酸化アルミニウム膜をドライプロセス(「乾式プロセス」ともいう。)によって形成しているため、酸化アルミニウム膜の状態が内管の表面状態に左右されてしまい、平坦な酸化アルミニウム膜を形成することができないことがある。そのため、例えば、酸化アルミニウム膜にボイドやクラック等の欠陥、酸化アルミニウム膜が形成されない部分等が生じる結果、水素透過抑制膜としての効果が十分に得られないことがある。また、酸化アルミニウム膜の表面が平坦でない場合、凹凸により表面積が増えるため、酸化アルミニウム膜の表面に形成される光学選択膜の熱輻射が大きくなり、太陽熱集熱管の集熱効率が低下する。さらに、酸化アルミニウム膜のボイドやクラック等の欠陥の影響によって光学選択膜にも欠陥が生じてしまい、太陽熱集熱管の寿命も短くなる。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、平坦化した水素透過抑制膜を形成することにより、水素透過抑制効果だけでなく光学選択膜の熱輻射抑制効果を高め、集熱効率及び寿命を向上させた太陽熱集熱管を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記のような問題を解決すべく鋭意研究した結果、内管と外管とを有する二重管構造の太陽熱集熱管において、内管の外側表面に水素透過抑制膜をウエットプロセス(「湿式プロセス」ともいう。)によって形成することで、水素透過抑制膜を平坦化することができ、水素透過抑制効果だけでなく光学選択膜の熱輻射抑制効果を高め、集熱効率及び寿命を向上させ得ることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の第(1)項〜第(6)項である。
すなわち、本発明は、以下の第(1)項〜第(6)項である。
(1)内管と外管とを有し、前記内管と前記外管との間に真空領域が形成された太陽熱集熱管であって、
前記内管の外側表面に水素透過抑制膜がウエットプロセスによって形成されていると共に、前記水素透過抑制膜の表面に光学選択膜が形成されていることを特徴とする太陽熱集熱管。
(2)前記水素透過抑制膜が、アルミナ、酸化エルビウム、窒化ホウ素、窒化チタン、炭化チタン及び酸化クロムからなる群から選択される成分を1種以上含む膜であることを特徴とする第(1)項に記載の太陽熱集熱管。
(3)前記内管の内側表面に水素透過抑制膜がウエットプロセスによって形成されていることを特徴とする第(1)項又は第(2)項に記載の太陽熱集熱管。
前記内管の外側表面に水素透過抑制膜がウエットプロセスによって形成されていると共に、前記水素透過抑制膜の表面に光学選択膜が形成されていることを特徴とする太陽熱集熱管。
(2)前記水素透過抑制膜が、アルミナ、酸化エルビウム、窒化ホウ素、窒化チタン、炭化チタン及び酸化クロムからなる群から選択される成分を1種以上含む膜であることを特徴とする第(1)項に記載の太陽熱集熱管。
(3)前記内管の内側表面に水素透過抑制膜がウエットプロセスによって形成されていることを特徴とする第(1)項又は第(2)項に記載の太陽熱集熱管。
(4)前記水素透過抑制膜の膜厚が、前記光学選択膜の膜厚以上であることを特徴とする第(1)項〜第(3)項のいずれか一項に記載の太陽熱集熱管。
(5)前記水素透過抑制膜が浸漬法によって形成されていることを特徴とする第(1)項〜第(4)項のいずれか一項に記載の太陽熱集熱管。
(6)内管と外管とを有し、前記内管と前記外管との間に真空領域が形成された太陽熱集熱管の製造方法であって、
前記内管の外側表面に水素透過抑制膜をウエットプロセスによって形成した後、前記水素透過抑制膜の表面に光学選択膜を形成することを特徴とする太陽熱集熱管の製造方法。
(5)前記水素透過抑制膜が浸漬法によって形成されていることを特徴とする第(1)項〜第(4)項のいずれか一項に記載の太陽熱集熱管。
(6)内管と外管とを有し、前記内管と前記外管との間に真空領域が形成された太陽熱集熱管の製造方法であって、
前記内管の外側表面に水素透過抑制膜をウエットプロセスによって形成した後、前記水素透過抑制膜の表面に光学選択膜を形成することを特徴とする太陽熱集熱管の製造方法。
本発明によれば、平坦化した水素透過抑制膜を形成することにより、水素透過抑制効果だけでなく光学選択膜の熱輻射抑制効果を高め、集熱効率及び寿命を向上させた太陽熱集熱管を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
図1は、本発明の太陽熱集熱管の長手方向に垂直な断面図であり、図2は、本発明の太陽熱集熱管の長手方向に平行な拡大断面図である。
本発明の太陽熱集熱管1は、熱媒体5が流通する内管2と外管3とを有し、内管2と外管3との間に真空領域4が形成された二重管構造を有する。また、内管2の外側表面には水素透過抑制膜6がウエットプロセスによって形成されていると共に、水素透過抑制膜6の表面には光学選択膜7が形成されている。
図1は、本発明の太陽熱集熱管の長手方向に垂直な断面図であり、図2は、本発明の太陽熱集熱管の長手方向に平行な拡大断面図である。
本発明の太陽熱集熱管1は、熱媒体5が流通する内管2と外管3とを有し、内管2と外管3との間に真空領域4が形成された二重管構造を有する。また、内管2の外側表面には水素透過抑制膜6がウエットプロセスによって形成されていると共に、水素透過抑制膜6の表面には光学選択膜7が形成されている。
内管2の材質としては、特に限定されず、一般に、鉄系材料(例えば、ステンレス鋼、耐熱鋼、合金鋼、炭素鋼)、アルミニウム系材料等の耐熱性を有する金属を用いることができる。これらの中でも、使用環境(例えば、集熱管2の加熱温度)を考慮すると、ステンレス鋼製や耐熱鋼製の内管2を用いることが好ましい。
内管2の外側表面は、水素透過抑制膜6を均一且つ平坦に形成する観点から、研磨しておくことが好ましい。研磨方法としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法を用いることができる。
内管2の外側表面は、水素透過抑制膜6を均一且つ平坦に形成する観点から、研磨しておくことが好ましい。研磨方法としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法を用いることができる。
外管3の材質としては、特に限定されず、一般に、透明な耐熱ガラスを用いることができる。透明な耐熱ガラス製のガラス管としては、例えば、ホウケイ酸ガラス管等が挙げられる。
内管2と外管3との接続は、二重管構造を形成し得る方法であれば特に限定されず、公知の方法を用いて行うことができる。例えば、内管2と外管3とは、フランジを介して接続することができる。フランジは、内管2の外周部において外管3を両側から挟むようにして配置すればよい。また、内管2と外管3との間の熱膨張の差を吸収するため、フランジと外管3との間に、ベローズ、ダイアフラム等の熱膨張差吸収手段を設けてもよい。
内管2と外管3との接続は、二重管構造を形成し得る方法であれば特に限定されず、公知の方法を用いて行うことができる。例えば、内管2と外管3とは、フランジを介して接続することができる。フランジは、内管2の外周部において外管3を両側から挟むようにして配置すればよい。また、内管2と外管3との間の熱膨張の差を吸収するため、フランジと外管3との間に、ベローズ、ダイアフラム等の熱膨張差吸収手段を設けてもよい。
内管2の外側表面に形成される水素透過抑制膜6は、ウエットプロセスによって形成される。ウエットプロセスを用いることにより、ドライプロセスに比べて、内管2の外側表面全体に水素透過抑制膜6を平坦且つ容易に形成することができ、ボイドやクラック等の欠陥が生じることも少ない。また、ウエットプロセスを用いることにより、水素透過抑制膜6を平坦化することができるため、水素透過抑制膜6の表面に形成される光学選択膜7も平坦化され、光学選択膜7の熱輻射抑制効果も向上する。その結果、太陽熱集熱管1の集熱効率が低下することを防止すると共に、高寿命の太陽熱集熱管1を製造することが可能となる。
ここで、内管2の外側表面の凹凸は研磨等の機械的方法によって平坦化しようとしても、公知の機械的方法では十分に平坦な表面を得るのは難しい。特に、太陽熱集熱管に用いられる内管2は長さが約4mであり、研磨の際のハンドリングも難しく、十分に平坦化させるためには多大な工程数が必要とされる。他方、ドライプロセスを用いて水素透過抑制膜6を形成する場合、内管2の凹凸表面に略均一な厚みで成膜されるだけであるため、成膜後も凹凸はそのまま残ってしまう。これに対してウエットプロセスを用いて水素透過抑制膜6を形成すれば、凹部には厚く、凸部には薄く成膜できるため、平坦化することが可能となる。
ウエットプロセスとしては、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法を用いることができる。ウエットプロセスの例としては、浸漬法、噴霧法、フローコート法、ロールコート法、インクジェット法、めっき法等が挙げられる。これらの中でも、塗布性の観点から浸漬法が好ましい。ウエットプロセスの条件としては、特に限定されず、使用する材料の種類等に応じて適宜設定すればよい。
本発明において好ましいウエットプロセスとしては、前駆体ゾルを原料として用い、前駆体ゾルを浸漬法によって内管2の外側表面に塗布し、乾燥及び焼成して水素透過抑制膜6を形成するゾルゲルプロセスである。ゾルゲルプロセスに用いられる前駆体ゾルとしては、特に限定されず、形成する水素透過抑制膜6の種類に応じて適宜選択すればよい。
水素透過抑制膜6としては、水素透過抑制効果を有し且つウエットプロセスによって形成され得るものであれば特に限定されない。本発明において使用するのに好ましい水素透過抑制膜6の例としては、アルミナ(Al2O3)、酸化エルビウム(Er2O3)、窒化ホウ素(BN)、窒化チタン(TiN)、炭化チタン(TiC)及び酸化クロム(Cr2O3)等の成分を含む膜が挙げられる。これらの成分は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
水素透過抑制膜6の膜厚は、特に限定されないが、水素透過抑制膜6の表面に形成される光学選択膜7の膜厚以上であることが好ましい。このような膜厚に制御することにより、内管2の外側面全体に均一且つ平坦な水素透過抑制膜6を安定して形成することができると共に、光学選択膜7の熱輻射抑制効果を高めることができる。
水素透過抑制膜6の膜厚は、生産性及び熱伝導性の観点から、最大で数十μm以下であることが好ましい。水素透過抑制膜6が厚すぎる場合、断熱膜として機能してしまい、集熱効率が低下してしまうことがある上、生産性も低下する。
水素透過抑制膜6の膜厚は、生産性及び熱伝導性の観点から、最大で数十μm以下であることが好ましい。水素透過抑制膜6が厚すぎる場合、断熱膜として機能してしまい、集熱効率が低下してしまうことがある上、生産性も低下する。
光学選択膜7としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。ここで、光学選択膜7とは、太陽光の可視光線及び近赤外線を吸収し、熱媒体から輻射される遠赤外線を反射する膜のことを意味する。光学選択膜7を設けることにより、効率良く太陽光を吸収すると共に、熱媒体5からの熱輻射を抑えることが可能になる。光学選択膜7の例としては、水素透過抑制膜6側から、赤外反射層、太陽光吸収層及び反射防止層を順次形成した膜が挙げられる。赤外反射層、太陽光吸収層及び反射防止層としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを採用することができる。
光学選択膜7の形成方法としては、特に限定されず、ウエットプロセス、ドライプロセスのいずれを用いてもよい。光学選択膜7を形成する際の条件としては、特に限定されず、使用する材料の種類等に応じて適宜設定すればよい。
内管2を流通する熱媒体としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。熱媒体の例としては、水、油、溶融塩等が挙げられる。
本発明の太陽熱集熱管1は、水素透過抑制効果をより一層高める観点から、内管2の内側表面にウエットプロセスによって水素透過抑制膜6を形成してもよい。この実施形態に係る太陽熱集熱管1の長手方向に垂直な断面図を図3、この太陽熱集熱管の長手方向に平行な拡大断面図を図4に示す。
ウエットプロセスを用いることにより、ドライプロセスでは成膜が困難な内管2の内側表面にも水素透過抑制膜6を容易に形成することができる。また、内管2の外側表面だけでなく内側表面にも水素透過抑制膜6を形成することにより、水素透過抑制効果を容易且つ飛躍的に向上させることができる。
内管2の内側表面に形成される水素透過抑制膜6は、内管2の外側表面に形成される水素透過抑制膜6と同じであっても、異なっていてもよい。
内管2の内側表面に水素透過抑制膜6を形成する方法としては、特に限定されず、内管2の外側表面に水素透過抑制膜6を形成する方法と同様にして行うことができる。
内管2の内側表面に形成される水素透過抑制膜6は、内管2の外側表面に形成される水素透過抑制膜6と同じであっても、異なっていてもよい。
内管2の内側表面に水素透過抑制膜6を形成する方法としては、特に限定されず、内管2の外側表面に水素透過抑制膜6を形成する方法と同様にして行うことができる。
上記のような構造を有する本発明の太陽熱集熱管1は、内管2の外側表面に水素透過抑制膜6をウエットプロセスによって形成することで水素透過抑制膜6を平坦化することができるため、水素透過抑制効果だけでなく光学選択膜7の熱輻射抑制効果を高め、集熱効率及び寿命を向上させることができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明するが、これらによって本発明が限定されるものではない。
以下の(1)〜(6)の工程により、SUS板上にアルミナの水素透過抑制膜を形成した。
(1)アルミニウムイソプロポキシド、純水及び硝酸を含むアルミナの前駆体ゾルにSUS板を浸漬した後、0.5mm/秒の速度で引き上げ、SUS板の表面にアルミナの前駆体ゾルの塗膜を形成した。
(2)(1)で得たSUS板を常温で10分間放置して乾燥させた。
(3)(2)で得たSUS板を乾燥炉に入れて80℃で30分乾燥させた。
(4)(3)で得たSUS板を焼成炉に入れ、2℃/分の速度で3時間かけて600℃まで昇温させ、600℃で1時間保持した後、5℃/分の速度にて室温まで冷却した。
(5)焼成炉からSUS板を取り出し、純水洗浄を行った。
(6)(1)〜(5)の工程を2回繰り返した。
以下の(1)〜(6)の工程により、SUS板上にアルミナの水素透過抑制膜を形成した。
(1)アルミニウムイソプロポキシド、純水及び硝酸を含むアルミナの前駆体ゾルにSUS板を浸漬した後、0.5mm/秒の速度で引き上げ、SUS板の表面にアルミナの前駆体ゾルの塗膜を形成した。
(2)(1)で得たSUS板を常温で10分間放置して乾燥させた。
(3)(2)で得たSUS板を乾燥炉に入れて80℃で30分乾燥させた。
(4)(3)で得たSUS板を焼成炉に入れ、2℃/分の速度で3時間かけて600℃まで昇温させ、600℃で1時間保持した後、5℃/分の速度にて室温まで冷却した。
(5)焼成炉からSUS板を取り出し、純水洗浄を行った。
(6)(1)〜(5)の工程を2回繰り返した。
上記で得られたアルミナの水素透過抑制膜について、SEM(走査電子顕微鏡)観察を行った。このアルミナの水素透過抑制膜のSEM像の結果を図5に示す。また、比較として、アルミナの水素透過抑制膜を形成する前のSUS板のSEM像の結果を図6に示す。
図5及び図6のSEM像の結果から明らかなように、アルミナの水素透過抑制膜の表面は、SUS板の表面に比べて極めて平坦であった。したがって、このアルミナの水素透過抑制膜は、水素透過抑制効果だけでなく光学選択膜の熱輻射抑制効果を向上させることができ、二重管構造の太陽熱集熱管の内管の外側表面にアルミナの水素透過抑制膜を適用することで、集熱効率及び寿命を向上させることができる。
図5及び図6のSEM像の結果から明らかなように、アルミナの水素透過抑制膜の表面は、SUS板の表面に比べて極めて平坦であった。したがって、このアルミナの水素透過抑制膜は、水素透過抑制効果だけでなく光学選択膜の熱輻射抑制効果を向上させることができ、二重管構造の太陽熱集熱管の内管の外側表面にアルミナの水素透過抑制膜を適用することで、集熱効率及び寿命を向上させることができる。
したがって、本発明によれば、平坦化した水素透過抑制膜を形成することにより、水素透過防止効果だけでなく光学選択膜の熱輻射抑制効果を高め、集熱効率及び寿命を向上させた太陽熱集熱管を提供することができる。
1 太陽熱集熱管、2 内管、3 外管、4 真空領域、5 熱媒体、6 水素透過抑制膜、7 光学選択膜。
Claims (6)
- 内管と外管とを有し、前記内管と前記外管との間に真空領域が形成された太陽熱集熱管であって、
前記内管の外側表面に水素透過抑制膜がウエットプロセスによって形成されていると共に、前記水素透過抑制膜の表面に光学選択膜が形成されていることを特徴とする太陽熱集熱管。 - 前記水素透過抑制膜が、アルミナ、酸化エルビウム、窒化ホウ素、窒化チタン、炭化チタン及び酸化クロムからなる群から選択される成分を1種以上含む膜であることを特徴とする請求項1に記載の太陽熱集熱管。
- 前記内管の内側表面に水素透過抑制膜がウエットプロセスによって形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽熱集熱管。
- 前記水素透過抑制膜の膜厚が、前記光学選択膜の膜厚以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の太陽熱集熱管。
- 前記水素透過抑制膜が浸漬法によって形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の太陽熱集熱管。
- 内管と外管とを有し、前記内管と前記外管との間に真空領域が形成された太陽熱集熱管の製造方法であって、
前記内管の外側表面に水素透過抑制膜をウエットプロセスによって形成した後、前記水素透過抑制膜の表面に光学選択膜を形成することを特徴とする太陽熱集熱管の製造方法。
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