JP2015065616A - 撮像装置、触覚情報出力プログラムおよび触覚情報出力方法 - Google Patents

撮像装置、触覚情報出力プログラムおよび触覚情報出力方法 Download PDF

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Abstract

【構成】携帯電話機10は、カメラモジュール、ディスプレイ14、そのディスプレイ14に設けられる触覚パネル18などを備える。たとえば、カメラ機能が実行されると、ディスプレイ14にはAF処理によって合焦状態が調整されたプレビュー画像が表示される。このとき、プレビュー画像に対する画像解析処理によって得られる周波数成分のうち高域成分が抽出される。この高域成分に基づいて被写体の輪郭を示すエッジ情報が作成され、エッジ情報と高域成分とに基づいて触覚情報が作成される。この触覚情報が触覚パネル18から出力されると、プレビュー画像に写る被写体の輪郭に沿って擬似凹凸が生じる。
【効果】ユーザは、表示される画像の合焦状態を出力された触覚情報によって確認することが出来るため、表示される画像の合焦状態をより適切に把握することが出来る。
【選択図】図1

Description

この発明は撮像装置、触覚情報出力プログラムおよび触覚情報出力方法に関し、特にカメラモジュールを有する、撮像装置、触覚情報出力プログラムおよび触覚情報出力方法に関する。
背景技術の一例が特許文献1に開示されている。この特許文献1のデジタルカメラはバイブレータを有しており、バイブレータの振動によってオートフォーカスによって合焦したか否かが告知される。つまり、操作者は、ファインダーによって被写界を確認せずに、振動によって合焦したかを判断することができる。
特開2003-302692号公報[G03B 17/18, H04N 5/225]
ところが、バイブレータによってデジタルカメラを振動させると、その振動によって撮影に悪影響が出る可能性がある。そのため、デジタルカメラを振動させることによって合焦状態を告知する手法が実際に利用される可能性は低い。
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、撮像装置、触覚情報出力プログラムおよび触覚情報出力方法を提供することである。
この発明の他の目的は、合焦状態を適切に確認できる、撮像装置、触覚情報出力プログラムおよび触覚情報出力方法を提供することである。
この発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明等は、この発明の理解を助けるために記述する実施形態との対応関係を示したものであって、この発明を何ら限定するものではない。
第1の発明は、画像を出力する画像出力部、画像の合焦状態を調整する調整部、合焦状態が調整された画像を表示する表示装置、表示装置に設けられ、触覚情報を出力する触覚出力部、合焦状態が調整された画像の周波数成分に基づいて触覚情報を作成する作成部、および触覚情報を触覚出力部から出力させる出力処理部を備える、撮像装置である。
第1の発明では、撮像装置(10:実施例において対応する部分を例示する参照符号。以下、同じ。)の画像出力部(52−56)は、フォーカス用のレンズ(56)などを含み、被写界に対応する画像を出力する。調整部(30,S3,S21)は、たとえばレンズのレンズ位置を調整することで、画像の合焦状態を調整する。表示装置(14)は、このようにして合焦状態が調整された画像を、たとえばプレビュー画像として表示する。触覚出力部(18)は、たとえば触覚パネルとも呼ばれ、表示装置の表示面に設けられる。作成部(30,S5,S23)は、たとえば、合焦状態が調整された画像の周波数成分のうち高域成分に基づいて触覚情報を作成する。出力処理部(30,S11,S25)は、触覚情報に基づく擬似凹凸を、触覚出力部から出力させる。
第1の発明によれば、ユーザは、表示される画像の合焦状態を出力された触覚情報によって確認することが出来るため、表示される画像の合焦状態をより適切に把握することが出来る。
第2の発明は、第1の発明に従属し、作成部は、画像の周波数成分に基づいて、当該画像に写る被写体の輪郭を示すエッジ情報を作成する第1作成部および作成されたエッジ情報に基づいて被写体の輪郭を示す触覚情報を作成する第2作成部を含む。
第2の発明では、たとえば、画像の周波数成分のうち高域成分は被写体の輪郭、つまりエッジを示す。第1作成部(30,S45)は、このような高域成分に基づいて被写体の輪郭を示すエッジ情報を作成する。たとえば、第2作成部(30,S47)によって作成された触覚情報に基づく擬似凹凸は被写体の輪郭を示す。
第2の発明によれば、出力される触覚情報は、被写体の輪郭を示しているため、ユーザは出力された触覚情報に触れることで、被写体の形状を把握することが出来る。
第3の発明は、第1の発明または第2の発明に従属し、調整部は、オートフォーカス処理によって、画像の合焦状態を調整する第1調整部を含む。
第3の発明では、第1調整部(30,S3)は、たとえば画像出力部が出力した画像からフォーカス評価値を算出し、そのフォーカス評価値に基づいてレンズのレンズ位置を移動させることで、画像の合焦状態を調整する。
第3の発明によれば、ユーザは、オートフォーカス処理によって意図する被写体にピントを合わせることが出来る。
第4の発明は、第1の発明ないし第3の発明のいずれかに従属し、調整部は、マニュアルフォーカス処理によって、画像の合焦状態を調整するための第2調整部をさらに含み、マニュアルフォーカス処理による合焦状態を調整する調整操作を受け付ける受付部をさらに備える。
第4の発明では、受付部(30,S19)がユーザによる調整操作を受け付けると、第2調整部(30,S21)は、マニュアルフォーカス処理によって、画像の合焦状態を調整する。
第4の発明によれば、ユーザは、一方の指で合焦状態の変化を確認しつつ、他方の指で合焦状態を調整することが出来る。
第5の発明は、第1の発明ないし第4の発明のいずれかに従属し、出力処理部は、画像の平面座標と触覚情報の平面座標とが一致するように、触覚情報を触覚出力部から出力させる。
第5の発明では、たとえば、被写体の輪郭に沿って、触覚情報による擬似凹凸が出力される。
第5の発明によれば、プレビュー画像における輪郭と、触覚情報における疑似凹凸と一致するため、ユーザは触覚情報を直感的に把握することが出来る。
第6の発明は、第1の発明ないし第5の発明のいずれかに従属し、出力処理部は、画像に写る被写体とは関連しない位置に、触覚情報を触覚出力部から出力させる。
第6の発明では、たとえば、表示装置の右下などに設定される触覚領域(FA)から、触覚情報が出力される。
第6の発明によれば、表示される被写体とは関係しない位置に触覚情報を出力することで、全体の構図を見ながら、合焦状態を確認することが出来る。
第7の発明は、第1の発明ないし第6の発明のいずれかに従属し、作成部は、触覚情報に基づいて補助画像を作成する第3作成部をさらに含み、出力処理部は、作成された補助画像と共に触覚情報を出力する。
第7の発明では、第3作成部(30,S49)は、たとえば透過率を高く設定した補助画像を作成する。出力処理部は、透過率が高く設定された補助画像と共に触覚情報を出力する。
第7の発明によれば、補助画像が表示されているため、触覚情報が出力されている位置を把握することが出来る。
第8の発明は、第1の発明ないし第7の発明のいずれかに従属し、表示装置に設けられるタッチパネルをさらに備え、出力処理部は、タッチパネルがタッチ操作を受け付けたとき、触覚情報を触覚出力部から出力させる。
第8の発明では、タッチパネル(16)は、たとえば表示装置と触覚出力部との間に設けられる。出力処理部は、タッチパネルが操作を受け付けると、触覚情報が触覚出力部から出力される。
第8の発明によれば、触覚情報を出力するときの消費電力を抑えることが出来る。
第9の発明は、画像を出力する画像出力部(52−56)、画像の合焦状態を調整する調整部(30,S3,S21)、合焦状態が調整された画像を表示する表示装置(14)および表示装置に設けられ、触覚情報を出力する触覚出力部(18)を有する、撮像装置(10)のプロセッサ(30)を、合焦状態が調整された画像の周波数成分に基づいて触覚情報を作成する作成部(S5,S23)、および触覚情報を触覚出力部から出力させる出力処理部(S11,S25)として機能させる、触覚情報出力プログラムである。
第9の発明でも、第1の発明と同様、ユーザは、表示される画像の合焦状態を出力された触覚情報によって確認することが出来るため、表示される画像の合焦状態をより適切に把握することが出来る。
第10の発明は、画像を出力する画像出力部(52−56)、画像の合焦状態を調整する調整部(30,S3,S21)、合焦状態が調整された画像を表示する表示装置(14)および表示装置に設けられ、触覚情報を出力する触覚出力部(18)を有する、撮像装置における触覚情報出力方法であって、撮像装置(10)のプロセッサ(30)が、合焦状態が調整された画像の周波数成分に基づいて触覚情報を作成する作成ステップ(S5,S23)、および触覚情報を触覚出力部から出力させる出力処理ステップ(S11,S25)を実行する、触覚情報出力方法である。
第10の発明でも、第1の発明と同様、ユーザは、表示される画像の合焦状態を出力された触覚情報によって確認することが出来るため、表示される画像の合焦状態をより適切に把握することが出来る。
この発明によれば、合焦状態をより適切に把握することが出来る。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
図1はこの発明の一実施例の携帯電話機の外観の一例を示す外観図であり、図1(A)は携帯電話機の表面の外観を示し、図1(B)は携帯電話機の裏面の外観を示す。 図2は図1に示す携帯電話機の電気的な構成を示す図解図である。 図3は図1に示すディスプレイ、タッチパネルおよび触覚パネルが重なっている状態の一例を示す図解図である。 図4は図1に示すディスプレイにプレビュー画像が表示されている状態の一例を示す図解図である。 図5は図4に示すプレビュー画像においてAF(オートフォーカス)処理を行う操作の手順の一例を示す図解図であり、図5(A)はプレビュー画像に対してタッチ操作がされている状態の一例を示し、図5(B)はAF処理によって被写体にピントが合った状態の一例を示す。 図6は図1に示すディスプレイにプレビュー画像が表示されている状態の他の一例を示す図解図である。 図7は図6に示すプレビュー画像の周波数成分のうち高域成分が抽出された状態の一例を示す図解図であり、図7(A)はプレビュー画像の一部を示し、図7(B)はプレビュー画像から抽出された高域成分の一例を示す。 図8は図7(B)に示す高域成分の出力値の一例を示す図解図であり、図8(A)は高域成分の一部が選択されている状態の一例を示し、図8(B)は選択された部分の高域成分の出力値の一例を示す。 図9は図6に示すプレビュー画像においてMF(マニュアルフォーカス)処理が行われている状態の一例を示す図解図である。 図10は図6に示すプレビュー画像においてMF処理が行われている状態の他の一例を示す図解図である。 図11は図2に示すRAMのメモリマップの一例を示す図解図である。 図12は図2に示すプロセッサのカメラ機能処理の一例を示すフロー図である。 図13は図2に示すプロセッサの触覚情報作成処理の一例を示すフロー図である。 図14は図1に示すディスプレイにプレビュー画像が表示されている状態のその他の一例を示す図解図である。 図15は図1に示すディスプレイにプレビュー画像が表示されている状態のさらにその他の一例を示す図解図である。
<第1実施例>
図1(A),(B)を参照して、この発明の一実施例の携帯電話機10は、一例としてスマートフォン(smartphone)であり、縦長の扁平矩形のハウジング12を含む。ただし、この発明は、タッチパネル16を有する、タブレット端末、タブレットPC、ノートPCおよびPDAなど任意の撮像装置に適用可能であることを予め指摘しておく。
ハウジング12の一方主面(表面)には、表示装置とも呼ばれる、たとえば液晶や有機ELなどのディスプレイ14が設けられる。ディスプレイ14の上には、タッチパネル16が設けられ、タッチパネル16の上には触覚パネル18が設けられる。触覚パネル18は、触覚出力部とも呼ばれ、ディスプレイ14の表示に対応させて触覚情報を出力することで、擬似触覚(疑似凹凸)をユーザに知覚させる。そのため、触覚パネル18は触覚ディスプレイと呼ばれることがある。なお、触覚パネル18の詳細については後述するため、ここでの詳細な説明は省略する。
ハウジング12の縦方向一端の主面側にスピーカ20が内蔵され、縦方向他端の主面側にマイク22が内蔵される。
ハウジング12の一方主面には、タッチパネル16と共に入力操作手段を構成するハードキーとして、この実施例では、通話キー24a、終話キー24bおよびメニューキー24cが設けられる。
また、ハウジング12の他面(裏面)には、カメラモジュールのレンズ56などに通じるレンズ開口26が設けられる。
たとえば、ユーザは、ディスプレイ14に表示されたダイヤルパッドに対して、タッチパネル16によってタッチ操作を行うことで電話番号を入力でき、通話キー24aを操作して音声通話を開始することができる。終話キー24bを操作すれば、音声通話を終了することができる。なお、ユーザは終話キー24bを長押しすることによって、携帯電話機10の電源をオン/オフすることができる。
また、メニューキー24cを操作すれば、ディスプレイ14にホーム画面が表示され、その状態でディスプレイ14に表示されているオブジェクトなどに対して、タッチパネル16によるタッチ操作を行うことによってオブジェクトを選択し、その選択を確定させることができる。
たとえば、タッチ操作によってカメラ機能が実行されると、ディスプレイ14に被写界と対応するプレビュー画像(スルー画像)が表示される。そして、ユーザは、レンズ開口26が設けられている他面を任意の被写体に向けて撮影操作を行うことで、撮影することが出来る。
なお、携帯電話機10は、電話機能以外に、アドレス帳機能、メール機能およびブラウザ機能などを実行可能である。また、以下の説明では、ディスプレイ14に表示されるキーなどのGUIおよびアイコンなどは、まとめてオブジェクトと言うことがある。
図2を参照して、図1に示す実施例の携帯電話機10は、コンピュータまたはCPUと呼ばれるプロセッサ30などを含む。プロセッサ30には、無線通信回路32、A/D変換器36、D/A変換器38、入力装置40、表示ドライバ42、フラッシュメモリ44、RAM46、タッチパネル制御回路48、触覚パネル制御回路50およびカメラ制御回路52などが接続される。
プロセッサ30は、携帯電話機10の全体制御を司る。RAM46には、フラッシュメモリ44に予め設定されているプログラムの全部または一部が使用に際して展開され、プロセッサ30はこのRAM46上のプログラムに従って動作する。また、RAM46はさらに、プロセッサ30のワーキング領域ないしバッファ領域として用いられる。
入力装置40は、図1に示すハードキー24を含むものである。そのため、ハードキー24に対するユーザからのキー操作を受け付ける操作受付部を構成する。ユーザが操作したハードキーの情報(キーデータ)はプロセッサ30に入力される。
無線通信回路32は、アンテナ34を通して、音声通話やメールなどのための電波を送受信するための回路である。実施例では、無線通信回路32は、CDMA方式での無線通信を行うための回路である。たとえば、ユーザがタッチパネル16を操作して発呼(音声発信)を指示すると、無線通信回路32は、プロセッサ30の指示の下、音声発信処理を実行し、アンテナ34を介して音声発信信号を出力する。音声発信信号は、基地局および通信網を経て相手の電話機に送信される。そして、相手の電話機において音声着信処理が行われると、通信可能状態が確立され、プロセッサ30は通話処理を実行する。
A/D変換器36には図1に示すマイク22が接続され、上述のようにマイク22からの音声信号はこのA/D変換器36でディジタルの音声データに変換され、プロセッサ30に入力される。一方、D/A変換器38にはスピーカ20が接続される。D/A変換器38は、ディジタルの音声データを音声信号に変換して、アンプを介してスピーカ20に与える。したがって、音声データに基づく音声がスピーカ20から出力される。そして、通話処理が実行されている状態では、マイク22によって集音された音声が相手の電話機に送信され、相手の電話機で集音された音声が、スピーカ20から出力される。
なお、プロセッサ30は、たとえばユーザによるボリューム調整操作に応答して、D/A変換器38に接続されるアンプの増幅率を制御することによって、スピーカ20から出力される音声の音量を調整することが出来る。
表示ドライバ42には図1に示すディスプレイ14が接続され、したがって、ディスプレイ14はプロセッサ30から出力される映像または画像データに従って映像または画像を表示する。表示ドライバ42は表示する画像データを一時的に記憶するビデオメモリを含んでおり、プロセッサ30から出力されたデータはこのビデオメモリに記憶される。そして、表示ドライバ42は、ビデオメモリの内容に従って、ディスプレイ14に画像を表示する。つまり、表示ドライバ42は、プロセッサ30の指示の下、当該表示ドライバ42に接続されたディスプレイ14の表示を制御する。そのため、プロセッサ30は表示制御部と呼ばれることもある。なお、ディスプレイ14には、バックライトが設けられており、表示ドライバ42はプロセッサ30の指示に従って、そのバックライトの明るさや、点灯/消灯を制御する。
タッチパネル制御回路48には図1に示すタッチパネル16が接続される。タッチパネル制御回路48は、タッチパネル16に必要な電圧などを付与するとともに、タッチパネル16に対するユーザによるタッチの開始を示すタッチ開始信号、ユーザによるタッチの終了を示す終了信号、およびユーザがタッチしたタッチ位置を示す座標データをプロセッサ30に入力する。したがって、プロセッサ30はこの座標データに基づいて、ユーザがどのオブジェクトに対してタッチしたかを判断することが出来る。
実施例では、タッチパネル16は、その表面と指などの物体との間に生じる静電容量の変化を検出する静電容量方式のタッチパネルである。タッチパネル16は、たとえば1本または複数本の指がタッチパネル16に触れたことを検出する。そのため、タッチパネル16はポインティングデバイスとも呼ばれる。タッチパネル制御回路48は、タッチパネル16のタッチ有効範囲内でのタッチ操作を検出して、そのタッチ操作の位置を示す座標データをプロセッサ30に出力する。つまり、ユーザは、タッチパネル16の表面に対してタッチ操作を行うことによって、操作位置や、操作方向などを携帯電話機10に入力する。
本実施例のタッチ操作には、タップ操作、ロングタップ操作、フリック操作、スライド操作などが含まれる。
タップ操作は、タッチパネル16の表面に指を接触(タッチ)させた後、短時間のうちにタッチパネル16の表面から指を離す(リリースする)操作である。ロングタップ操作は、所定時間以上、指をタッチパネル16の表面に接触させ続けた後、指をタッチパネル16の表面から離す操作である。フリック操作は、タッチパネル16の表面に指を接触させ、任意の方向へ所定速度以上で指を弾く操作である。スライド操作は、タッチパネル16の表面に指を接触させたまま任意の方向へ移動させた後、タッチパネル16の表面から指を離す操作である。
また、上記のスライド操作には、ディスプレイ14の表面に表示されたオブジェクトに指を触れ、オブジェクトを移動させるスライド操作、いわゆるドラッグ操作も含まれる。また、ドラッグ操作の後、タッチパネル16の表面から指を離す操作をドロップ操作と呼ぶ。
なお、以下の説明では、タップ操作、ロングタップ操作、フリック操作、スライド操作、ドラッグ操作およびドロップ操作は、それぞれ「操作」を省略して記述されることがある。また、タッチ操作はユーザの指だけに限らず、スタイラスペンなどによって行われてもよい。
触覚パネル制御回路50は触覚情報ドライブ部とも呼ばれ、図1に示す触覚パネル18が接続される。触覚パネル制御回路50は触覚パネル18を動作させるのに必要な電力を供給すると共に、触覚情報を触覚パネル18に与える。触覚パネル18は電圧および周波数を様々なパターンで組み合わせることで、与えられた触覚情報に基づく疑似凹凸を出力する。具体的には、ユーザが触覚パネルに触れると、指先に微弱な静電気が発生し、それが擬似凹凸となって指先に伝わる。なお、触覚パネル18がタッチパネル16の上に設けられていても、タッチパネル16はタッチ操作を検出する。また、他の実施例の触覚パネル18は、超音波などを利用して疑似凹凸を出力してもよい。
また、図3はディスプレイ14、タッチパネル16および触覚パネル18が重なっている状態を示す図解図である。上述したように、ディスプレイ14の上にはタッチパネル16が設けられている。そして、タッチパネル16の上には触覚パネル18が設けられている。そのため、ユーザがタッチ操作を行うと、ユーザの指は触覚パネル18に触れることになる。なお、図3に示すディスプレイ14、タッチパネル16および触覚パネル18が重なっている状態は一例であり、他の実施例では異なる順番で重なっていてもよい。また、その他の実施例ではディスプレイ14および触覚パネル18、またはタッチパネル16および触覚パネル18が1つの部品として構成されていてもよい。また、ディスプレイ14、タッチパネル16および触覚パネル18が1つの部品として構成されていてもよい。
図2を再び参照して、カメラ制御回路52にはイメージセンサ54およびレンズ56のレンズ位置を調整するモータ(図示せず)などが接続される。また、カメラ制御回路52は、携帯電話機10で静止画像または動画像を撮影するための回路である。たとえば、カメラ機能を実行する操作が行われると、プロセッサ30はカメラ制御回路52を起動して、カメラ機能を実行する。なお、カメラ制御回路52、イメージセンサ54およびレンズ56は、まとめてカメラモジュール、画像出力部または撮影部と呼ばれる。
たとえば、被写体の光学像はイメージセンサ54に照射され、イメージセンサ54の撮像エリアには、たとえばSXGA(1280×1024画素)に対応する受光素子が配置されており、撮像エリアでは、光電変換によって、被写体の光学像に対応する電荷つまりSXGAの生画像信号が生成される。なお、ユーザは、画像データのサイズを、SXGAの他に、XGA(1024×768画素)およびVGA(640×480画素)などに変更することができる。
カメラ機能が実行されると、被写体のリアルタイム動画像つまりプレビュー画像をディスプレイ14に表示するべく、プロセッサ30は、カメラ制御回路52に内蔵されるイメージセンサドライバを起動させ、露光動作および指定された読み出し領域に対応する電荷読み出し動作を、イメージセンサドライバに命令する。
イメージセンサドライバは、イメージセンサ54の撮像面の露光と、当該露光によって生成された電荷の読み出しとを実行する。この結果、生画像信号が、イメージセンサ54から出力される。また、出力された生画像信号はカメラ制御回路52に入力され、カメラ制御回路52は入力された生画像信号に対して、色分離、白バランス調整、YUV変換などの処理を施し、YUV形式の画像データを生成する。そして、YUV形式の画像データはプロセッサ30に入力される。
ここで、カメラ制御回路52は生画像信号からフォーカス評価値を算出し、そのフォーカス評価値をプロセッサ30に出力する。プロセッサ30は、カメラ制御回路52から出力されたフォーカス評価値に基づいて、AF(オートフォーカス)処理を実行する。AF処理が実行されると、カメラ制御回路52はプロセッサ30の指示の下、レンズ56の焦点距離(レンズ位置)を調整する。その結果、被写体にピントが合わせられたスルー画像がディスプレイ14に表示される。
また、プロセッサ30に入力されたYUV形式の画像データは、プロセッサ30によってRAM46に格納(一時記憶)される。さらに、格納されたYUV形式の画像データは、プロセッサ30でRGBデータに変換された後に、RAM46から表示ドライバ42に与えられる。そして、RGB形式の画像データがディスプレイ14に出力される。これによって、被写体を表す低解像度(たとえば、320×240画素)のプレビュー画像がディスプレイ14に表示される。
ここで、静止画像の撮影操作が行われると、プロセッサ30は、静止画像の本撮影処理を実行する。つまり、プロセッサ30は、イメージセンサ54から出力されるSXGAの生画像信号に信号処理を施して、RAM46に一旦格納し、フラッシュメモリ44に対する記憶処理を実行する。記憶処理が実行されると、プロセッサ30を通してRAM46から画像データが読み出される。そして、プロセッサ30は、読み出した画像データにメタ情報を関連付けて、一つのファイルとしてフラッシュメモリ44に記憶する。さらに、プロセッサ30は、図示しないスピーカから、本撮影処理が実行されていること通知する音を出力させる。
なお、携帯電話機10にメモリカードが接続される場合、画像データはメモリカードに記憶されてもよい。また、画像データに関連付けられるメタ情報は、Exifフォーマットで記憶される。
また、ユーザが動画像を撮影する設定をして撮影操作を行うと、プロセッサ30は、動画像用の本撮影処理を実行する。このとき、プロセッサ30は、カメラ制御回路52に対して、VGAの生画像信号を所定のフレームレートで出力させる命令を発行する。そして、プロセッサ30は、静止画像の本撮影処理と同様、所定のフレームレートで読み出された各生画像信号に対して複数の処理を加えた後に、動画像データをフラッシュメモリ44に記憶する。
図4はディスプレイ14にプレビュー画像が表示されている状態の一例を示す図解図である。ディスプレイ14の表示範囲は状態表示領域60および機能表示領域62を含む。状態表示領域60には、アンテナ34による電波受信状態を示すピクト、二次電池の残電池容量を示すピクトおよび時刻が表示される。機能表示領域62には、カメラ画面が表示される。カメラ画面には、カメラモジュールの出力に基づくプレビュー画像が表示されると共に、シャッターキーが表示される。たとえば、シャッターキーに対するタップ操作は、撮影操作として受け付けられる。
また、プレビュー画像において任意の位置にタップ操作がされると、タップされた被写体にピントが合うように、AF処理が実行される。たとえば、図4では、背後の車にピントが合った状態であるが、図5(A)に示すように、手前の花壇の花に対してタップ操作がされると、その花壇にピントが合うようにAF処理が実行される。そして、ディスプレイ14には、図5(B)に示すように、手前の花壇の花にピントが合った状態のプレビュー画像が表示される。
なお、ここでの図示は省略するが、MF(マニュアルフォーカス)モードが設定された場合、プレビュー画面にタッチされると、ピントを調整するためのフォーカススライダーFS(図9参照)がカメラ画面の左側に表示される。ユーザは、フォーカススライダーFSに対して上下方向のスライド操作を行うことで、ピントを任意に調整することが出来る。
ここで、AF処理を利用して撮影を行う場合に、ユーザが意図する被写体以外にピントが合ってしまったり、被写体にピントが合わせなられなかったりすることがある。また、ユーザが撮影するときにディスプレイ14に表示されるプレビュー画面でピントの状態を視覚的に確認したとしても、撮影後にPCなどのディスプレイで撮影した画像を確認すると、意図した被写体にピントが合っていないことが分かることがある。
そこで、本実施例では、視覚情報に加えて触覚情報を利用して合焦状態(ピントが合った状態)を確認できるようにする。
具体的には、プレビュー画像に対して高速フーリエ変換(FFT)、離散コサイン変換(DCT)またはWavelet変換などの画像解析処理を加え、画像の周波数成分を抽出する。抽出された周波数成分のうち高域成分に基づいて、プレビュー画像から被写体の輪郭を示すエッジ情報を作成する。また、高域成分の出力レベルを擬似凹凸の高さに変換し、かつプレビュー画像のXY座標と対応させた触覚情報を作成する。そして、プレビュー画像がディスプレイ14に表示されているときに、作成された触覚情報を触覚パネル18から出力させると、合焦状態が視覚情報だけでなく触覚情報によっても示される。
たとえば、画像が鮮明でコントラストがはっきりしている部分では高域成分が増すため、その部分では擬似凸の高さが高くなる。一方、ピントが合っていない部分からは高域成分はほとんど出力されないため、擬似凸はあまり高くならない。つまり、作成された触覚情報は、プレビュー画像のコントラストの高さに相当する。これにより、ユーザは、出力された触覚情報によって擬似凹凸を確認することで、プレビュー画像内の合焦状態を比較することが出来る。
続いて、図面を用いて実施例を説明する。たとえば図6に示すように、人形が被写体として含まれるプレビュー画像がディスプレイ14に表示されると、プレビュー画像の中心にピントが合うようにAF処理が実行される。AF処理が実行されると、プレビュー画像から高域成分が抽出される。高域成分は近傍の変化が大きく、コントラストが高い部分であるため、図7(A)に示す被写体のプレビュー画像からは、図7(B)に示す高域成分が抽出される。このように、高域成分は、被写体の輪郭、つまり「線画になるエッジ情報」と考えることが出来る。抽出された高域成分は平面座標(XY座標)における座標毎に出力値を持つため、高域成分に基づいて作成されるエッジ情報、つまり線には出力値が存在する。たとえば、図8(A)に示す高域成分において、円Cの部分に着目すると、図8(B)に示すように横軸(X座標)に対応して、高域成分の出力値が存在する。
エッジ情報の出力値に基づいて触覚情報が作成され、触覚パネル18からその触覚情報が出力されると、画像の高域成分が疑似凸として表現される。そのため、凹凸感があるプレビュー画像が表示されることになる。
そして、プレビュー画像においてピントが合っていない場合は、被写体のエッジがボケた状態であるため、このようなプレビュー画像では高域成分が乏しくなる。このようなプレビュー画像に基づいて作成された触覚情報が触覚パネル18から出力された場合、高域成分が少ないため、疑似凸がほとんど得られない。そのため、凹凸感が少ないプレビュー画像が表示されることになる。このように、プレビュー画像に従った疑似凹凸の感触によって視覚に加えて触覚も利用して意図した被写体にピントが合っているかを確認することが出来る。
たとえば、図6を再び参照して、このようにして作成された触覚情報は、プレビュー画像の平面座標と一致するように出力される。つまり、プレビュー画像における輪郭と、触覚情報における疑似凹凸と一致するため、ユーザは触覚情報を直感的に把握することが出来る。
続いて、合焦状態の再調整について説明する。先に説明したように、プレビュー画像に対して任意の位置にタップ操作がされると、任意の位置を中心としてAF処理が実行される。つまり、ユーザは、オートフォーカス処理によって意図する被写体にピントを合わせることが出来る。
また、図9を参照して、ユーザがタッチしている状態で、カメラ画面の左側にさらにタッチされると、MF処理のためのフォーカススライダーFSが表示される。そして、フォーカススライダーFSに対してタッチしたまま上下にスライドすると、MF処理が実行され、合焦状態が調整される。つまり、ユーザは、一方の指で合焦状態の変化を確認しつつ、他方の指で合焦状態を調整することが出来る。
このように、実施例では、ユーザは、ピントが合っていることを期待する部分に触覚的に凸感をしっかり知覚することが出来れば、ピントが合っているということを認識することが出来る。一方、凸感をしっかり知覚することが出来ない場合は、ユーザはAF処理を再度実行したり、MF処理によって合焦状態を任意に調整したりすることが出来る。つまり、ユーザは、表示される画像の合焦状態を出力された触覚情報によって確認することが出来るため、表示される画像の合焦状態をより適切に把握することが出来る。
特に、実施例では、出力される触覚情報は、被写体の輪郭を示しているため、ユーザは出力された触覚情報に触れることで、被写体の形状を把握することが出来る。
なお、実施例では、触覚情報はタッチパネル16に対してタッチされたときに、触覚パネル18から出力されるようにしている。これにより、プロセッサ30への処理負担を軽減させると共に、触覚情報の出力による消費電力が抑えられる。ただし、他の実施例では、触覚パネル18から触覚情報が常に出力されるようにしてもよい。
また、実施例では、エッジ情報に基づいて輪郭を示す補助画像が作成され、触覚情報が出力されるときに、補助画像もあわせて表示される。補助画像は透過率が高くされているため、図6に示すプレビュー画像に対して補助画像が表示されても、ユーザは、補助画像をほぼ視認することは出来ない。
また、図10を参照して、その他の実施例では、ロングタップ操作がされると、MF処理として受け付けられ上下方向のスライド操作をおこなうことで、合焦状態が調整できてもよい。この場合は、タッチ位置に追従して、触覚情報の出力位置も変化する。これにより、ユーザは、1本の指でMF操作による合焦状態を調整しながら、合焦状態の変化を確認することができる。
また、さらにその他の実施例では、MF操作は、タッチ操作ではなく、専用のハードキーによって行われてもよい。
上述では本実施例の特徴を概説した。以下では、図11に示すメモリマップおよび図12、図13に示すフロー図を用いて詳細に説明する。
図11を参照して、RAM46には、プログラム記憶領域302とデータ記憶領域304とが形成される。プログラム記憶領域302は、先に説明したように、フラッシュメモリ44(図2参照)に予め設定しているプログラムデータの一部または全部を読み出して記憶(展開)しておくための領域である。
プログラム記憶領域302には、カメラ機能を実行するためのカメラ機能プログラム310および触覚情報を作成するための触覚情報作成プログラム312などが記憶される。なお、プログラム記憶領域302には、メール機能、ブラウザ機能などの機能を実行するためのプログラムも記憶される。
続いて、RAM46のデータ記憶領域304には、タッチバッファ330、プレビュー画像バッファ332、触覚情報バッファ334および補助画像バッファ336などが設けられる。また、データ記憶領域304には、タッチ座標マップ338および触覚座標マップ340などが記憶されると共に、タッチフラグ342などが設けられる。
タッチバッファ330には、タッチパネル制御回路48が出力するタッチ座標のデータ、タッチ操作の始点および終点のタッチ座標のデータなどが一時的に記憶される。プレビュー画像バッファ332には、カメラモジュールから出力された画像が一時的に記憶される。そして、プレビュー画像バッファ332に記憶された画像データに基づいて、プレビュー画像がディスプレイ14に表示される。触覚情報バッファ334には、作成された触覚情報が一時的に記憶される。補助画像バッファ336には、作成された補助画像が一時的に記憶される。
タッチ座標マップ338は、タッチ操作におけるタッチ座標とディスプレイ14の表示座標とを対応付けるためのデータである。つまり、タッチパネル16に対して行われたタッチ操作の結果が、タッチ座標マップ338に基づいてディスプレイ14の表示に反映される。触覚座標マップ340は、触覚パネル18の平面座標とディスプレイの表示座標(画像の平面座標)とを対応付けるためのデータである。
タッチフラグ342は、タッチパネル16に対してタッチされているか否かを判断するためのフラグである。たとえば、タッチフラグ342は、1ビットのレジスタで構成される。タッチフラグ342がオン(成立)されると、レジスタにはデータ値「1」が設定される。一方、タッチフラグ342がオフ(不成立)されると、レジスタにはデータ値「0」が設定される。また、タッチフラグ342は、タッチパネル制御回路48の出力に基づいてオン/オフが切り換えられる。
なお、データ記憶領域304には、オブジェクトを表示するためのデータが記憶されたり、プログラムの実行に必要な、他のフラグやタイマ(カウンタ)が設けられたりする。
プロセッサ30は、Windows(登録商標)ベースのOSや、Android(登録商標)およびiOS(登録商標)などのLinux(登録商標)ベースのOSなどその他のOSの制御下で、図12に示すカメラ機能処理および図13に示す触覚情報作成処理などを含む、複数のタスクを並列的に処理する。
図12はカメラ機能処理のフロー図である。たとえば、カメラ機能を実行する操作がされると、カメラ機能処理は開始される。ステップS1でプロセッサ30は、カメラ機能処理は、プレビュー画像を表示する。つまり、プレビュー画像バッファ332から画像を読み出し、その画像に基づくプレビュー画像がディスプレイ14に表示される。続いて、ステップS3でプロセッサ30は、AF処理を実行する。つまり、プレビュー画像の略中央にピントが合うように、AF処理が実行される。なお、ステップS3の処理を実行するプロセッサ30は第1調整部として機能する。
続いて、ステップS5でプロセッサ30は、触覚情報作成処理を実行する。この触覚情報作成処理についてはフロー図を用いて後述するため、ここでの詳細な説明は省略する。
続いて、ステップS7でプロセッサ30は、タッチ操作か否かを判断する。つまり、タッチフラグ342がオンであるかが判断される。ステップS7で“NO”であれば、つまりタッチ操作がされていなければ、プロセッサ30はステップS9で終了か否かを判断する。つまり、カメラ機能を終了する操作がされたかが判断される。ステップS9で“YES”であれば、つまりカメラ機能を終了する操作がされると、プロセッサ30はカメラ機能処理を終了する。一方、ステップS9で“NO”であれば、つまりカメラ機能を終了する操作がされなければ、プロセッサ30はステップS7の処理に戻る。
ステップS7で“YES”であれば、つまりタッチ操作がされると、ステップS11でプロセッサ30は、触覚情報を出力する。つまり、触覚情報作成処理で作成された触覚情報が触覚パネル18から出力される。続いて、ステップS13でプロセッサ30は、撮影操作か否かを判断する。つまり、シャッターキーに対してタップ操作がされたかが判断される。ステップS13で“YES”であれば、つまりシャッターキーに対してタッチ操作がされると、ステップS15でプロセッサ30は、本撮影処理を実行する。つまり、画像データがフラッシュメモリ44に記憶される。そして、ステップS15の処理が終了すれば、プロセッサ30はステップS1の処理に戻る。
また、ステップS13で“NO”であれば、つまり撮影操作でなければ、ステップS17でプロセッサ30は、AF操作か否かを判断する。つまり、プレビュー画像に対してタップ操作がされたかが判断される。ステップS17で“YES”であれば、つまりAF操作がされると、プロセッサ30はステップS3の処理に戻る。つまり、AF処理が再び実行され、触覚情報が再び作成される。
また、ステップS17で“NO”であれば、つまりAF操作でなければ、ステップS19でプロセッサ30は、MF操作か否かを判断する。たとえば、既にタッチされている状態で、カメラ画面の左側にタッチされたかが判断される。ステップS19で“NO”であれば、つまりMF操作がされていなければ、プロセッサ30はステップS7の処理に戻る。また、ステップS19で“YES”であれば、つまりMF操作であれば、ステップS21でMF処理を実行する。たとえば、フォーカススライダーFSを表示し、タッチ位置に基づいてレンズ56のレンズ位置を移動させる。続いて、プロセッサ30は、ステップS23でステップS5と同様に触覚情報作成処理を実行し、ステップS25でステップS11と同様に触覚情報を出力する。つまり、MF操作に応答して出力する触覚情報が更新される。なお、ステップS23で実行される触覚情報作成処理についてはフロー図を用いて後述するため、ここでの詳細な説明は省略する。なお、ステップS19の処理を実行するプロセッサ30は受付部として機能し、ステップS21の処理を実行するプロセッサ30は第2調整部として機能する。
続いて、ステップS27でプロセッサ30は、MF操作が終了したか否かを判断する。たとえば、フォーカススライダーFSから指が離されたかが判断される。ステップS27で“NO”であれば、つまりMF操作が継続していれば、プロセッサ30はステップS21の処理に戻る。一方、ステップS27で“YES”であれば、MF操作が終了すれば、プロセッサ30はステップS7の処理に戻る。
なお、ステップS3またはステップS21の処理を実行するプロセッサ30は調整部として機能する。また、ステップS5またはステップS23の処理を実行するプロセッサ30は作成部として機能する。そして、ステップS11またはステップS25の処理を実行するプロセッサ30は出力処理部として機能する。
図13は触覚情報作成処理のフロー図である。カメラ機能処理でステップS5またはステップS23の処理が実行されると、触覚情報作成処理が開始される。ステップS41でプロセッサ30は、画像解析処理を実行する。つまり、プレビュー画像バッファ332に記憶されているプレビュー画像に対して、画像解析処理が施される。続いて、ステップS43でプロセッサ30は、プレビュー画像の周波数成分を抽出する。たとえば、本実施例では、周波数成分のうち高域成分が抽出される。続いて、ステップS45でプロセッサ30は、エッジ情報を作成する。たとえば、図7(B)に示すように、被写体の輪郭を示すエッジ情報が作成される。続いて、ステップS47でプロセッサ30は、エッジ情報および周波数成分に基づいて、触覚情報を作成する。たとえば、高域成分の出力レベルを擬似凹凸の高さに変換し、かつプレビュー画像の平面座標と対応させた触覚情報が作成される。そして、作成された触覚情報は触覚情報バッファ334に記憶される。続いて、ステップS49でプロセッサ30は、補助画像を作成する。つまり、エッジ情報に基づいて被写体の輪郭を示す補助画像が作成される。そして、作成された補助画像は補助画像バッファ336に記憶される。なお、ステップS49の処理が終了すると、プロセッサ30は触覚情報作成処理を終了して、カメラ機能処理に戻る。
なお、ステップS45の処理を実行するプロセッサ30は第1作成部として機能し、ステップS47の処理を実行するプロセッサ30は第2作成部として機能する。そして、ステップS49の処理を実行するプロセッサ30は第3作成部として機能する。
<第2実施例>
第2実施例では、触覚情報はプレビュー画像の被写体とは異なる位置に出力する。たとえば、第1実施例のように、視覚情報の平面座標と触覚情報の平面座標とを一致させて出力した場合、合焦状態を確認するために疑似凹凸に触れると、プレビュー画像に写る被写体が隠れてしまう。この場合、視覚情報と触覚情報とを同時に利用しにくくなることが考えられる。そこで、第2実施例では、カメラ画面の任意の位置に触覚情報を出力することで、指によって被写体を隠すことなく、触覚情報を確認することが出来る。
なお、第2実施例の携帯電話機10は、第1実施例と略同じであるため、外観および電気的な構成などの説明は省略する。
たとえば、図14を参照して、カメラ画面には、触覚情報が出力される触覚領域FAおよび触覚領域FAと対応する対応領域CAが設けられる。たとえば、対応領域CAに人形の顔が含まれている場合、触覚領域FAには対応領域CAの範囲に含まれる被写体の触覚情報が出力される。また、触覚情報が出力されていることを示すために、触覚領域FAには補助画像が表示される。ここで、視覚情報と触覚情報とは別次元の情報であるため、2つの情報が干渉することなく、重ね合わせることが出来る。特に、透過率が高い補助画像を表示しないようにすれば、2つの情報の干渉は生じなくなる。
また、図15を参照して、触覚領域FAによって出力される触覚情報および補助画像は拡大して出力されてもよい。つまり、カメラ画面が触覚領域FAとして機能し、カメラ画面の全体を利用して触覚情報および補助画像が出力される。たとえば、ユーザは、プレビュー画像の合焦状態をより正確に確認したいと感じることがある。この場合、視覚情報、つまりプレビュー画像を拡大してカメラ画面の全体を利用して表示すると、全体の構図が確認できなくなってしまう。ところが、図15のように視覚情報と触覚情報とを出力することで、プレビュー画像によって全体の構図を確認しながら、拡大して出力されている触覚情報によって合焦状態を細かく確認することが出来る。なお、他の実施例では補助画像が表示されなくてもよい。
たとえば、既存のデジタルカメラなどMF操作を行う場合は、視覚で画像の鮮明度を確認する必要があるため、プレビュー画像の拡大画像がカメラ画面の略全体に表示されることがある。また、視覚情報で鮮明度を確認する場合には、拡大画像を透過させたりせずに表示する必要がある。そのため、既存のデジタルカメラなどでMF操作を行う場合には、全体の構図を確認しながらMF操作を行うことができないことがある。ところが、表示される被写体とは関係しない位置に触覚情報を出力することで、全体の構図を見ながら、合焦状態を確認することが出来る。また、補助画像が表示されているため、触覚情報が出力されている位置を把握することが出来る。
ここで、対象領域CAは、AF処理に基づいて設定される。たとえば、カメラ機能が実行された直後は、プレビュー画像の中心にピントが合うように合焦状態が調整されるため、対象領域CAはプレビュー画像の中心に基づいて設定される。また、タップ操作によってAF処理が再度行われると、タップ位置の周辺にピントが合うように合焦状態が調整される。そのため、対象領域CAはタップ位置に基づいて設定される。ただし、AF処理は、タップ操作だけに限らず、2に点を指定するマルチタッチ操作、カーソルなどによるピンチ位置を指定する操作、AFの基準となるマーカーをドラッグアンドドロップする操作などによって実行されてもよい。また、他の実施例では、対応領域CAの表示は省略されてもよい。
なお、第1実施例および第2実施例については、任意に組み合わせることが可能である。たとえば、第1実施例の図6の状態と、第2実施例の図14、図15の状態とはユーザによって、任意に切り替えることができるようにされてもよい。また、他の組み合わせについては容易に想像できるため、ここでの詳細な説明は省略する。
また、他の実施例では、画像の高域成分は、ハイパスフィルタやバンドバスフィルタによって抽出されてもよい。また、エッジ情報は、高域成分から作成せずに、他のアルゴリズムによって作成されてもよい。
また、実施例のカメラモジュールに含まれるイメージセンサ54は画像出力機能を有している。そして、この画像出力機能さえ有していれば、いかなる回路およびモジュールであっても本実施例の画像出力部に相当する。
また、触覚情報は、高域成分だけであってもよいし、高域および低域のそれぞれに重み付けをして両者を合成するようにしてもよい。
また、その他の実施例では、補助画像を透過させずに表示してもよい。また、触覚領域FAの位置は一例であり、他の実施例では他の場所に設けられてもよいし、ユーザによって任意に設定位置が変更されてもよい。
また、本実施例で用いられたプログラムは、データ配信用のサーバのHDDに記憶され、ネットワークを介して携帯電話機10に配信されてもよい。また、CD,DVD,BD(Blue-Ray Disk)などの光学ディスク、USBメモリおよびメモリカードなどの記憶媒体に複数のプログラムを記憶させた状態で、その記憶媒体が販売または配布されてもよい。そして、上記したサーバや記憶媒体などを通じてダウンロードされた、プログラムが本実施例と同等の構成の携帯電話機にインストールされた場合、本実施例と同等の効果が得られる。
そして、本明細書中で挙げた、具体的な数値は、いずれも単なる一例であり、製品の仕様変更などに応じて適宜変更可能である。
10 … 携帯電話機
14 … ディスプレイ
16 … タッチパネル
18 … 触覚パネル
30 … プロセッサ
44 … フラッシュメモリ
46 … RAM
48 … タッチパネル制御回路
50 … 触覚パネル制御回路
52 … カメラ制御回路
54 … イメージセンサ
56 … レンズ

Claims (10)

  1. 画像を出力する画像出力部、
    前記画像の合焦状態を調整する調整部、
    合焦状態が調整された画像を表示する表示装置、
    前記表示装置に設けられ、触覚情報を出力する触覚出力部、
    合焦状態が調整された画像の周波数成分に基づいて触覚情報を作成する作成部、および
    前記触覚情報を前記触覚出力部から出力させる出力処理部を備える、撮像装置。
  2. 前記作成部は、前記画像の周波数成分に基づいて、当該画像に写る被写体の輪郭を示すエッジ情報を作成する第1作成部および作成されたエッジ情報に基づいて前記被写体の輪郭を示す触覚情報を作成する第2作成部を含む、請求項1記載の撮像装置。
  3. 前記調整部は、オートフォーカス処理によって、前記画像の合焦状態を調整する第1調整部を含む、請求項1または2記載の撮像装置。
  4. 前記調整部は、マニュアルフォーカス処理によって、前記画像の合焦状態を調整する第2調整部をさらに含み、
    前記マニュアルフォーカス処理による合焦状態を調整するための調整操作を受け付ける受付部をさらに備える、請求項1ないし3のいずれかに記載の撮像装置。
  5. 前記出力処理部は、前記画像の平面座標と前記触覚情報の平面座標とが一致するように、前記触覚情報を前記触覚出力部から出力させる、請求項1ないし4のいずれかに記載の撮像装置。
  6. 前記出力処理部は、前記画像に写る被写体とは関連しない位置に、前記触覚情報を前記触覚出力部から出力させる、請求項1ないし4のいずれかに記載の撮像装置。
  7. 前記作成部は、前記触覚情報に基づいて補助画像を作成する第3作成部をさらに含み、
    前記出力処理部は、作成された補助画像と共に触覚情報を出力する、請求項1ないし6のいずれかに記載の撮像装置。
  8. 前記表示装置に設けられるタッチパネルをさらに備え、
    前記出力処理部は、前記タッチパネルがタッチ操作を受け付けたとき、前記触覚情報を前記触覚出力部から出力させる、請求項1ないし7のいずれかに記載の撮像装置。
  9. 画像を出力する画像出力部、前記画像の合焦状態を調整する調整部、合焦状態が調整された画像を表示する表示装置および前記表示装置に設けられ、触覚情報を出力する触覚出力部を有する、撮像装置のプロセッサを、
    合焦状態が調整された画像の周波数成分に基づいて触覚情報を作成する作成部、および
    前記触覚情報を前記触覚出力部から出力させる出力処理部として機能させる、触覚情報出力プログラム。
  10. 画像を出力する画像出力部、前記画像の合焦状態を調整する調整部、合焦状態が調整された画像を表示する表示装置および前記表示装置に設けられ、触覚情報を出力する触覚出力部を有する、撮像装置における触覚情報出力方法であって、撮像装置のプロセッサが、
    合焦状態が調整された画像の周波数成分に基づいて触覚情報を作成する作成ステップ、および
    前記触覚情報を前記触覚出力部から出力させる出力処理ステップを実行する、触覚情報出力方法。
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