JP2015065527A - 通信システム及び通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 伝送ネットワークにおいて、対象とするパケットについては、地理的に異なる場所にいるどのユーザから受けた場合でも当該ネットワークを通過するための経過時間を等しくすることを保証する。【解決手段】 伝送ネットワークにおいて、遅延等化制御装置2−1、2−2は、ネットワークに入ってきたパケットに対して時刻を含むタイムスタンプ情報を付与する。遅延等化制御装置2−3は、ネットワークから出ていくパケットに対しては、付与されているタイムスタンプ情報の時刻を元に、当該ネットワーク内で遅延させるべき時間を算出し、その時間分滞留させた後で送出を行う。【選択図】 図1

Description

本発明は、通信システム及び通信装置に係り、特に、制御信号/データ信号別に伝送ネットワーク通過時の遅延量を制御する通信システム及び通信装置に関する。
PCや携帯端末の普及によって、Web上の情報配信サービス、TVやラジオ放送、IP電話やSNSなどインターネットを利用した情報サービスの開発が加速している。ユーザ数の増加とインターネット上のコンテンツの充実に伴い、通信インフラでは更なる大容量化と高信頼化、及びより高いレベルの安全性が求められている。特に商用目的でのインターネット利用が増加し、消費活動に対しオンライン商取引が占める割合が年々高まっていることから、通信インフラにおいては、通信システムの安定運用に加えて、情報漏洩、改ざん、成りすまし等を含む正否様々なユーザ活動を想定した機能設計が重要となる。
このような状況下でユーザのインターネット利用を促進する施策の一つに、公平性の確保が挙げられる。インターネットなどのIPネットワークではベストエフォート型のパケット処理が基本である。そのため、例えば二人のユーザがそれぞれ地理的に離れた場所から携帯端末を用いてインターネットに接続し、それぞれが同時刻に、同一の情報サーバに対して情報配信要求や(商取引における)発注/注文処理をした場合でも、当該情報サーバから両者までの物理的距離(通信回線の長さ)や信号中継装置(IPルータやL2スイッチなど)のパケット処理能力の違いなどにより生じる情報サーバと各ユーザ端末との通信時間の差違により情報サーバにおけるサービス受付時刻が異なることが想定される。このようにサービス受付時刻が異なると、多くの場合に先着優先でサービスが提供されるため、この地理条件に起因する通信時間の差分によりユーザ間において不公平が生じてしまうことが想定される。
そのような中で、このネットワークに依存する不公平感を低減する方法が検討されている。IPルータやL2スイッチなどに具備されるQuality of Service(以下QoSと称す)機能では、ネットワークを流れる多くのトラフィックの中から優先度の高いものを識別して、当該トラフィックを優先的にネットワーク内を通過させる(該当するパケットを各通信装置で優先的に処理する)ことで遅延差を縮小させるなどの技術が知られている。
また、特許文献1に記載の通り、ユーザと情報サーバとを接続するネットワークにおいて、ユーザに近い位置に設置した通信装置が、ユーザが発行する情報サーバ宛てのパケットについて、当該パケットを受信した時刻をタイムスタンプとして付与しておき、サーバ側に近い位置に設置した別の通信装置で当該パケット内のタイムスタンプを参照して、ネットワーク外への転送順序を変更する技術が知られている。また、特許文献1では、ネットワークの遅延時間の公平性を提供するためにサーバ側に近い位置に設置した装置でネットワークの受信時刻から送信元毎に事前に設定された網の遅延時間経過後に宛先へ送出するという手法が開示されている。
特開2012−199728号公報
特許文献1では、ネットワーク内部におけるパケット処理の予期しない輻輳の発生などにより、ユーザ発行のパケットがサーバ側に近い通信装置に到達する時刻が想定時刻よりも遅れた場合であっても、送信元毎に設定された遅延時間の待ち合わせを行うため、パケットが当該ネットワークを通過するために要する時間が通常より長くなる可能性がある。反対にネットワーク内部におけるパケット処理の優先度の変更や経路変更に伴う通過する通信装置数の減少などにより、パケットが想定時刻よりも早くサーバ側に近い通信装置に到達する場合には、パケットが当該ネットワークを通過する時間が通常より早くなる。このようにパケットが通過するのに必要な遅延時間を一定とすることができないといった課題がある。
特許文献1では更に、ユーザに近い通信装置がネットワーク内にパケットを送出する際に時刻情報を含む順序情報を付与する。この場合、Webコンテンツ等のベストエフォートのデータ通信に代表される、遅延時間の公平性と無関係なパケットにも時刻情報及び順序情報が付与されるため、ネットワークを通過する際に該当コネクションに対して余計な帯域が必要となる。また、当該パケットを受信するサーバ側に近い通信装置では、全てのパケットに対して遅延付与を行うため、ネットワーク内でのパケット滞留時間が長びき、トラフィック処理効率が低下する可能性がある。更にサーバ側に近い通信装置では、遅延増大によるサービス停滞を回避するために、ある一定時間をパケット保持時間の上限として処理を実施しなければならないが、遅延時間の揺らぎによって規定時間内に未達となったパケットは破棄される可能性がある。このとき公平性と無関係なパケットが含まれてしまう場合も想定される。
本発明のひとつの目的は、以上の点に鑑み、通信区間に遅延時間を保証することが困難なベストエフォート型ネットワークを含む場合にも、遅延時間を安定させることで高い公平性を確保できる通信システム及び通信装置を提供することである。また、本発明の他の目的は、公平性を確保すると同時に、ベストエフォート通信のように公平性を必要としないトラフィックの処理効率を低下させない遅延制御機能を備える通信システム及び通信装置を提供することである。
本発明の第1の解決手段によると、
通信システムであって、
第1のネットワーク若しくは第1の装置と伝送ネットワークとを相互接続する第1の通信装置と、
第2のネットワーク若しくは第2の装置と前記伝送ネットワークとを相互接続する第2の通信装置と
を備え、

前記第1の通信装置は、
前記第1のネットワーク若しくは第1の装置から受信するパケットから遅延制御対象となる第1の特定パケットを抽出すると、前記第1の特定パケットを受信した時刻を前記第1の特定パケットにタイムスタンプ時刻として挿入する受信パケット処理部
を備え、前記第1のパケットを前記伝送ネットワークに送信し、

前記第2の通信装置は、
前記伝送ネットワークから受信するパケットから前記タイムスタンプ時刻を含む前記第1のパケットを抽出する送信パケット抽出部と、
前記送信パケット抽出部において抽出された前記第1の特定パケットからタイムスタンプ時刻を読出し、予め定められた前記伝送ネットワーク内の指定遅延時間から、前記第1の特定パケットを受信した時刻と前記タイムスタンプ時刻との差の時間を、引き算して追加遅延時間を算出し、前記第1の特定パケットを前記追加遅延時間が経過するまで保持するための遅延制御部と、
前記追加遅延時間が経過したら、前記遅延制御部から前記第1の特定パケットを受け取り、他のパケットに優先して前記第1の特定パケットを送信するための優先制御部
を備えた
ことを特徴とする通信システムが提供される。
本発明の第2の解決手段によると、
通信装置であって、
第1のネットワーク若しくは第1の装置と伝送ネットワークとを相互接続する場合、
前記第1のネットワーク若しくは第1の装置から受信するパケットから遅延制御対象となる第1の特定パケットを抽出すると、前記第1の特定パケットを受信した時刻を前記第1の特定パケットにタイムスタンプ時刻として挿入する受信パケット処理部
を備え、前記第1のパケットを前記伝送ネットワークに送信し、

第2のネットワーク若しくは第2の装置と前記伝送ネットワークとを相互接続する場合、
前記伝送ネットワークから受信するパケットから前記タイムスタンプ時刻を含む前記第1のパケットを抽出する送信パケット抽出部と、
前記送信パケット抽出部において抽出された前記第1の特定パケットからタイムスタンプ時刻を読出し、予め定められた前記伝送ネットワーク内の指定遅延時間から、前記第1の特定パケットを受信した時刻と前記タイムスタンプ時刻との差の時間を、引き算して追加遅延時間を算出し、前記第1の特定パケットを前記追加遅延時間が経過するまで保持するための遅延制御部と、
前記追加遅延時間が経過したら、前記遅延制御部から前記第1の特定パケットを受け取り、他のパケットに優先して前記第1の特定パケットを送信するための優先制御部
を備えた
ことを特徴とする通信装置が提供される。
本発明によると、通信区間に遅延時間を保証することが困難なベストエフォート型ネットワークを含む場合にも、遅延時間を安定させることで高い公平性を確保できる通信システム及び通信装置を提供することができる。また、本発明によると、公平性を確保すると同時に、ベストエフォート通信のように公平性を必要としないトラフィックの処理効率を低下させない遅延制御機能を備える通信システム及び通信装置を提供することができる。
本実施例における通信システムの基本的な構成例を示すネットワーク図である。 遅延等化制御装置(2−1、2−2、2−3)の機能構成例を示す機能ブロック図である。 伝送ネットワークのユーザ側エッジに設置されるユーザ回線制御インタフェース部の構成例である。 伝送ネットワークのサーバ側エッジに設置されるユーザ回線制御インタフェース部の構成例である。 本実施例におけるネットワーク回線制御インタフェース部の構成例である。 図3の受信パケット処理部202における、ユーザ側より受信したパケットに対する処理の流れを示すフローチャートである。 図4の送信パケット処理部205にて伝送ネットワーク5側より受信したパケットに対する処理の流れを示すフローチャートである。 本実施例における送信パケット処理部のタイマ満了処理フローチャートの一例である。 本実施例における時刻付与パケット判定テーブルの一例である。 本実施例におけるタイムスタンプ情報を付与されたパケットの一例である。 本実施例における測定パケット挿入部の遅延パケット送信処理フローチャートの一例である。 本実施例におけるパケット振分制御部の受信パケット振分け処理フローチャートの一例である。 本実施例における遅延時間算出部の遅延パケット受信処理フローチャートの一例である。 本実施例における送信情報管理テーブルの一例である。 本実施例における測定時間管理テーブルの一例である。 本実施例における装置管理部のネットワーク遅延時間判定処理のフローチャートの一例である。 本実施例における遅延時間測定の概略シーケンスの一例である。 実施例1の遅延等化ネットワークを適用した場合に異なるユーザ間での等化性を説明するためのタイミングチャートの一例である。 実施例1の遅延等化ネットワークを適用した場合にパケット種別による差分を説明するためのタイミングチャートの一例である。 実施例2における遅延時間管理テーブルの一例である。 実施例2における送信パケット処理部の送信パケット処理フローチャートの一例である。 実施例2の遅延等化ネットワークを適用した場合にパケット種別による差分を説明するためのタイミングチャートの一例である。 図4の優先制御部2054にてパケットの送信処理の流れを示すフローチャートである。 本実施例における優先送信時刻管理テーブルの一例である。
A. 概要

本実施例によると、上記課題を解決するために、
伝送ネットワークを介して第1及び第2のネットワークを相互に接続する通信システムにおいて、
前記第1のネットワークと前記伝送ネットワーク、或いは前記第2のネットワークと前記伝送ネットワークとを相互接続する機能を備える遅延等化制御装置であって、
外部リファレンスタイミング情報に装置内部時刻を同期させるタイミング同期部と、
前記遅延等化制御装置が前記第1のネットワークから受信するパケットから特定のパケット種別を抽出する受信パケット抽出部と、
前記パケット抽出部において抽出された第1の特定パケットを受信した時刻を、前記タイミング同期部にて前記外部リファレンスクロックと同期された装置内部時刻情報から入手し、前記特定パケットに挿入するタイムスタンプ部と、
前記遅延等化制御装置が前記伝送ネットワークから受信するパケットから前記装置内部時刻情報を含むパケットを抽出する送信パケット抽出部と、
前記パケット抽出部において抽出された第2の特定パケットからタイムスタンプ情報を読出し、前記読出しタイムスタンプ情報から抽出される中継開始時刻と、外部設定端末より前記遅延等化制御装置に設定される、前記伝送ネットワーク内の指定遅延時間を加えた外部送出時刻と前記タイミング同期部にて同期された装置内部時刻とを比較し、前記第2の特定パケットを当該装置内で保持すべき追加遅延時間を算出し、当該パケットを前記追加遅延時間が経過するまで保持する遅延調整部と、
を具備することを特徴とすることができる。
B.第1の実施の形態
1.システム

図1は、本実施例における通信システムの基本的な構成例を示すネットワーク図である。伝送ネットワーク5は通信事業者によって提供される伝送ネットワークであり、本実施例はこのネットワーク5に対して遅延時間の等化を実現するものである。本明細書において、このネットワーク5を遅延等化ネットワークと呼ぶ場合がある。
同図に示す通り、伝送ネットワーク5は、中間ノード4−1および4−2と本明細書にて説明する遅延等化制御装置2−1、2−2および2−3を備える。中間ノード4−1および4−2で使用される伝送装置はIPルータやL2スイッチ等の一般的な伝送装置である。その他のアクセスネットワーク6−1、6−2および6−3とネットワーク5を接続する境界に遅延等化制御装置2−1、2−2および2−3が配置される。さらに、アクセスネットワーク6−1、6−2および6−3配下にユーザ端末1−1および1−2、サーバ3が接続される構成をとる。本図のネットワーク構成例では、遅延等化制御装置2−1、2−2、2−3を通信事業者の提供する伝送ネットワーク5の境界に設置される通信装置としているが、ホームゲートウェイなどの加入者宅内に設置される通信事業者が管理する通信装置としてもよい。
本図では、ユーザAはユーザ端末1−1を使用し、アクセスネットワークA6−1、伝送ネットワーク5、アクセスネットワークC6−3を順に経由してサーバ3にアクセスする。ユーザAは伝送ネットワーク5を経由する際、中間ノードA4−1、中間ノードB4−2を経由する。同様に、ユーザBは、ユーザ端末1−2を使用し、アクセスネットワーク6−2、伝送ネットワーク5、アクセスネットワーク6−3を順に経由してサーバ3にアクセスする。ユーザBは伝送ネットワーク5を経由する際、中間ノードA4−1を経由しないで、中間ノードB4−2を経由する。このため、通常にアクセスした場合、ユーザBよりユーザAの方が伝送ネットワーク5を通過するのに必要な通信の遅延時間が長い場合が多くなることが想定される。
2.遅延等化制御装置

2−1.機能ブロック
図2は、遅延等化制御装置(2−1、2−2、2−3)の機能構成例を示す機能ブロック図である。
遅延等化制御装置(2−1、2−2、2−3。以下、これらをまとめて指す場合は遅延等化制御装置2と称する)は、遅延等化制御装置2全体を管理する装置制御部10、アクセスネットワーク側のインタフェースであるユーザ回路制御インタフェース部20(20−1、…、20−n)、伝送ネットワーク側のインタフェースであるネットワーク回線制御インタフェース部21(21−1、…、21−m)、それらを相互接続する内部スイッチ部30、外部からの同期信号のインタフェースであるタイミング同期部40を備える。なお、同図に出てくる設定端末50は遅延等化制御装置2に対して設定を行うための端末であり、この例では、本装置の範囲外の装置である。ユーザ回路制御インタフェース部20およびネットワーク回線制御インタフェース部21について詳細は後述する。
本実施例において、遅延等化制御装置2−1、2−2はそれぞれアクセスネットワーク6−1、6−2から伝送ネットワーク5に入る遅延制御が必要なパケットに対して時刻情報(タイムスタンプ)を付与し、伝送ネットワーク5へ送信する。そのパケットを伝送ネットワーク5から受け取りサーバ3側に送信する遅延等化制御装置2−3では、遅延等化制御装置2−3が保持する時刻とパケット内の時刻情報(タイムスタンプ)を比較した上で、当該パケットの滞留時間を決定する。このように、ユーザ側の遅延等化制御装置2−1、2−2とサーバ3側の遅延等化制御装置2−3は双方が互いに認識している時刻を使用して連携した動作を行うため、複数の遅延等化制御装置2間で時刻同期(少なくともクロック同期)をとる必要がある。パケット処理の詳細については図3以降で後述する。
時刻/クロック同期(以下、時刻同期と称する)を実現するため、前述のタイミング同期部40は、IEEE1588v2で規定されるPTP(Precision Time Protocol)やNTP(Network Time Protocol)などの時刻同期機能を利用して時刻同期を実現する機能を具備する。時刻同期を実現する機能としてGPS(Global Positioning System)などの時刻取得機能を利用してもよい。タイミング同期部40により外部時刻源や外部通信装置との同期が取れた時刻は内部インタフェース207を通じて装置内のユーザ回路制御インタフェース部20、21などに配られる。
2−2.ユーザ回路制御インタフェース部20
図3に本実施例においてユーザ側に設置される遅延等化制御装置2−1および2−2のユーザ回路制御インタフェース部20の機能ブロック構成の一例を示す。後述する図4に示すサーバ側に設置される遅延等化制御装置2−3のユーザ回路制御インタフェース部20と区別するために、本図の説明においては20Aと区分する。
ユーザ回線制御インタフェース部20Aは、ユーザネットワークインタフェース(以下、UNIと略す)側からのパケットの受信を行う物理層(PHY)終端部201、UNI側より受信したパケットに対する処理を行う受信パケット処理部202、内部スイッチ部へ送信するパケットを一時的に蓄える内部スイッチ部送信バッファ203、タイミング同期部40より時刻情報を取得するためのインタフェースである同期タイミング制御IF207、装置制御部10より各種設定を行うためのインタフェースであるCPU間通信IF208、ユーザ回線制御インタフェース部の管理を行うユーザ回線制御IF管理部209、設定データを保持しておくための不揮発メモリであるバックアップ情報200を備える。図中には記載をしていないが、ユーザ回線制御インタフェース部20Aは、内部スイッチ部側より受信したパケットをUNI側に送信する一般的な転送機能も有する。
このうち、受信パケット処理部202については、受信パケット抽出部2021およびタイムスタンプ部2022を構成する少なくとも1つ以上のCPUに搭載されたプログラムにて実現することが可能であるし、それぞれの機能に特化した専用ハードウェアとして実現することも可能である。
ユーザ回線制御IF管理部209は、CPU間通信IF208を通して装置制御部10より行われる各種設定を適宜ユーザ回線制御インタフェース部20Aに反映させることを可能とする。また、ユーザ回線制御IF管理部209は、前述したようにタイミング同期部40にて同期が実現された時刻情報をタイミング制御IF207経由で受け取り、ユーザ回線制御インタフェース部20内の各機能に配信する。さらに、ユーザ回線制御IF管理部209は、ユーザ回線制御インタフェース部20Aに設定された情報をパックアップ情報200に保存しておき、当該機能部がリブートした場合には、バックアップ情報200を用いて保持された状態へ自律に復帰することを可能とする。
前述のユーザ回線制御インタフェース部20A内の受信パケット処理部202は、機能ブロック部として、受信パケット抽出部2021およびタイムスタンプ部2022を具備する。
これらの機能は、ユーザ端末1より受信したパケットに対して事前に設定された条件に合致するか判定し、合致したパケットに対して時刻情報を付与する機能を実現する。受信パケット抽出部2021では、前述の事前に設定された条件に合致するかどうかの判定を行い、合致したパケットはタイムスタンプ部2022に、合致しなかったパケットは内部スイッチ部受信バッファ203にそれぞれ渡す処理を行う。事前に設定される条件としては、宛先IPアドレスおよび、宛先ポート番号、VLAN ID、プロトコル種別など特定のコネクションやサービスを特定するための条件およびそれらの組合せによる条件である。タイムスタンプ部2022では、受信パケット抽出部2021により選定された特定のパケットのみに対して、装置内で同期されている時刻を付与する処理を行う。
図4に本実施例においてサーバ側に設置される遅延等化制御装置2−3のユーザ回路制御インタフェース部20の機能ブロック構成の一例を示す。前述した図3に示すユーザ側に設置される遅延等化制御装置2−1、2−2のユーザ回路制御インタフェース部20と区別するために、本図の説明においては20Bと区分する。
同図に示すように、ユーザ回線制御インタフェース部20Bは、内部スイッチ側から受信したパケットを一時的に蓄える内部スイッチ部受信バッファ204、内部スイッチ側より受信したパケットに対する処理を行う送信パケット処理部205、UNI側へのパケットの物理レイヤ層の送信処理を行うPHY終端部206、タイミング同期部40より時刻情報を取得するためのインタフェースである同期タイミング制御IF207、装置制御部10より各種設定を行うためのインタフェースであるCPU間通信IF208、ユーザ回線制御インタフェース部の管理を行うユーザ回線制御IF管理部209、設定データを保持しておくための不揮発メモリであるバックアップ情報200を備える。図中には記載をしていないが、ユーザ回線制御インタフェース部20Bは、UNI側より受信したパケットを内部スイッチ側に送信する一般的な転送機能も有する。
このうち、送信パケット処理部205については、各処理部を構成する少なくとも1つ以上のCPUに搭載されたプログラムにて実現することが可能であるし、それぞれの機能に特化した専用ハードウェアとして実現することも可能である。
既に説明した図3で示した番号と同じ番号を振られた機能部については、同じ機能を実現するものであり、説明は省略する。
前述のユーザ回線制御インタフェース部20B内の送信パケット処理部205は、機能ブロックとして、送信パケット抽出部2051、遅延制御部2052、優先制御部2054を具備し、また、パケットを遅延させる際に貯めておく調整バッファ2053を具備する。
これらの機能は、伝送ネットワーク5より受信したパケットをサーバ3側に送出する際に、他の遅延等化制御装置2にて付与された時刻情報を含むパケットに対して事前に設定された遅延時間を経過した後で送信する機能を実現する。送信パケット抽出部2051では、他の遅延等化制御装置2にて付与された時刻情報が含まれるかどうか判定を行い、含まれている場合には遅延制御部2052に、含まれていない場合には通常送信キュー2057を経て優先制御部2054へ渡す処理を行う。遅延制御部2052では、パケットに含まれている時刻情報に事前に設定された遅延時間を加算した時刻が、現在時刻を超過しているか判定を行う。超過している場合には、遅延制御部2052は、優先送信キュー2056を経て優先制御部2054へパケットを渡す。この際にパケットに対して超過した時間などの補正情報を付与してもよい。また、超過したパケットは送信不要であれば廃棄してもよい。超過していない場合には、遅延制御部2052は、調整バッファ2053に該当パケットをプールすると共に超過する時刻までのタイマを起動する。タイマが満了した時点で遅延制御部2052は調整バッファ2053より該当パケットを取り出し、優先送信キュー2056を経て優先制御部2054へパケットを渡す。優先制御部2054では、送信パケット抽出部2051および遅延制御部2052からパケットを受け取るが、遅延制御部2052より受け取ったパケットを優先して送信する制御処理を行う。詳細については後述するが、厳密な遅延制御を行うために、優先制御部2054では、優先送信キュー2056内のパケットの送出予定時間およびパケットサイズを読み出すことで、そのパケット送出の帯域を確保するために、そのタイミングでの通常送信キュー2057からの読み出しを停止する機能も持つ。
図24は、優先送信時間管理テーブルT60の構成の一例を示す。同図に示すように、優先送信時間管理テーブルは、エントリを管理する管理番号T601、優先パケットを送信する(予定)時刻を表す優先送信時刻T602、その優先パケットのパケット長T603、該当エントリが送信済みか未送信かを示す送信フラグT604を含む。例えば後述の図23にて説明するように、優先送信時刻T602は、エントリの中から次に送信すべき優先パケットの送信時刻を検索するのに用いられる。パケットサイズT603は送信完了時刻を想定するための補助情報である。送信フラグT604は、送信済みか未送信かを判定するフラグであり、登録時は未送信で登録され、優先制御部2054により送信が完了した時点で送信済みに変更される。
図3および図4にて示したユーザ回線制御インタフェース部20は、本装置が収容する回線に応じて1つの本装置に対してユーザ回線制御インタフェース部20Aまたは20Bのどちらかのみを割り当ててもよいが、収容する回線が混在する場合などは、1つの本装置に対してユーザ回線制御インタフェース20Aおよび20Bを割り当てることも可能である。また、図3および図4に示した機能を併せ持つ1つのユーザ回線制御インタフェース部としてもよい。
図6は、図3に示す受信パケット処理部202にてユーザ側より受信したパケットを処理するフローチャートの具体例を示している。受信パケット抽出部2021では、PHY終端点にて受信したパケットの内容(例えば、宛先IPアドレス、宛先ポート番号、プロトコル種別など)を確認して、事前に登録されている後述する図9に示すような時刻付与パケット判定テーブル内の条件に一致するパケットかどうか判定する(S101)。前述S101の処理の判定条件に一致したパケットの場合には、タイムスタンプ部2022において本装置内で管理している時刻を基に受信時刻を示すタイムスタンプ情報を付与する(S102)。すなわち、前述S101の処理において判定条件に一致しなかったパケットの場合には、タイムスタンプ情報は付与しない。その後、内部スイッチ30側の送信バッファに受信パケットを格納する(S103)。その後内部スイッチ部30を通じて出力先に通じるネットワーク回線制御インタフェース部21に転送され、ネットワーク回線制御インタフェース21より伝送ネットワーク5へ送信される。
なお、タイムスタンプを付与する特定パケットには、例えば、IEEE1588 PTPの通信所要時間測定信号と、電子商取引における商品又は情報の発注乃至要求信号と、音声通信や放送などリアルタイムストリーミング信号のうちいずれかを含むことができる。
図7は、図4に示す送信パケット処理部205の点線で囲まれた範囲内に含まれる機能にてネットワーク側より受信したパケットを処理するフローチャートの具体例を示している。送信パケット抽出部2051では、内部スイッチ部受信バッファより送られてきたパケットにタイムスタンプ情報があるかどうかの判定を行う(S201)。タイムスタンプが付与されていた場合には、遅延制御部2052にてパケットに付与されているタイムスタンプ情報から伝送ネットワーク5に入った時刻(受信時刻Ttとする)を読み取る(S202)。さらに、遅延制御部2052は、後述する算出方法により該当パケットを本装置内で遅延させる時間(追加遅延時間D)の算出を行い(S203)、ユーザ側の遅延等化制御装置2−1、2−2にてパケットに付与されたタイムスタンプ情報を削除する(S204)。つぎに、遅延制御部2052は、タイムスタンプ情報を削除後のパケット長を算出する(S205)。遅延制御部2052は、優先送信時間管理テーブルT60に対して、現在時刻にS203で算出した値を足した時刻を該当パケットの優先送信時刻T602として、ステップS205の算出結果をパケットサイズT603としてそれぞれ登録する(S206)。遅延制御部2052は、ステップS203の算出処理で求めた追加遅延時間が0より大きいか判定を行う(S207)。追加遅延時間が0より大きい場合は、遅延制御部2052は、その追加遅延時間が満了するまでのタイマを登録し(S209)、調整バッファ2053に該当パケットを格納する(S210)。なお、S206の登録処理の際、既に優先送信時間管理テーブルT60が一杯となっていた場合には、送信フラグT604が送信済みとなっているエントリに上書きする。
遅延制御部2052においてステップS207の算出処理で求めた追加遅延時間が0以下である場合には、遅延制御部2052は、該当パケットを優先送信キュー2056に格納する(S208)。なお、ステップS208で、correctionField等の適宜のフィールドに補正情報を付加して該当パケットを優先送信キュー2056へ格納するようにしてもよいし、あるいは、該当パケットを廃棄するようにしてもよい。例えば、時刻同期用のPTPを遅延等化処理対象とした場合、指定遅延時間超過パケットをそのまま出力すると、パケットの揺らぎが発生するなどにより同期精度への影響などが懸念される場合があるため、この場合には、廃棄、又は補正情報付加によるメリットが考えられる。
前述のステップS201の処理において、タイムスタンプが付与されていないと判定されたパケットは、送信パケット抽出部2051により、通常送信キュー2057へ格納される(S211)。
前述のパケットを本装置内で遅延させる時間(追加遅延時間)Dは下式(1)で算出する。

D=Tt+Dnet−Tr ・・・・・・・・・・・・・・・(1)

このとき、Dnetは事前に設定された該当ネットワークで遅延させる指定遅延時間、Trはパケットを受信した遅延制御装置内の時刻である。Dnetを事前に設定するにあたっては、例えば、該当ネットワークで想定される最大遅延時間を調査し、その値に許容可能なマージン時間を足した値をDnetとして設定することができる。また、式(1)による算出結果が0より小さい値になった場合には、0とする。
図8は、図4に示す送信パケット処理部205にて調整バッファ2053に貯めておいたパケットを送出するタイミングが来たことを示すタイマが満了した場合の処理フローチャートの具体例を示している。遅延制御部2052では、タイマ満了した該当するパケットを特定しバッファから取り出し(S251)、優先送信キュー2056に格納する(S252)。
図23は、図4に示す送信パケット処理部205にて優先制御部2054の優先送信制御処理フローチャートの具体例を示している。優先制御部2054は、図24で上述した優先送信時間管理テーブルT60より、送信フラグT604が未送信となっているエントリが存在するか確認する(S701)。該当するエントリが1つ以上ある場合、優先制御部2054は、未送信となっているエントリの中で優先送信時刻T602の中から一番小さい時刻を次に優先的に送信すべきパケットの送信予定時刻(Tnext)として取得する(S702)。優先制御部2054は、非優先パケットが送信可能な時間(Dnon)を、次に優先的に送信すべきパケットの送信予定時刻(Tnext)から現在時刻を引いた値として算出する(S703)。優先制御部2054は、ステップS703で算出した値が0より大きいか判定を行う(S705)。0より大きい場合には、優先制御部2054は、非優先キューにパケットがあるか確認する(S706)。非優先キューにパケットがある場合は、優先制御部2054は、非優先パケット送信可能な時間(Dnon)内にそのパケットが送信完了するかを該当非優先パケットのパケット長により判定を行う(S707)。非優先パケットが送信可能な時間(Dnon)内に送信完了する場合には、優先制御部2054は、非優先キューよりパケットを取得しPHY終端部206へ送信し(S708)、先頭の処理ステップS701に戻る。ステップS706の判定処理にて非優先キューにパケットがない場合、およびステップS707の判定処理にて非優先パケット送信可能な時間(Dnon)内に非優先キューのパケットを送信不可の場合には、優先制御部2054は、次に優先的に送信すべきパケットの送信予定時刻(Tnext)まで待機する(S709)。優先制御部2054は、待機した後に、優先キューよりパケットを取得しPHY終端部206へ送信を行う(S710)。優先制御部2054は、送信したパケットに対する優先送信時間管理テーブルT60内の送信フラグT604を送信済みに変更して先頭の処理ステップS701に戻る。ステップS705の判定にて、非優先パケットが送信可能な時間(Dnon)が0以下の場合には、優先制御部2054は、優先キューよりパケット取り出しPHY終端部206へ送信を行う(S710)。ステップS701の判定にて、優先送信時間管理テーブルT60内に送信フラグT604が未送信となっているエントリが1つも登録されていない場合には、優先制御部2054は、非優先パケット送信時間を予め定められた最大値とする(S704)。以降の処理はステップS705以下の同様な処理を行うため説明は省略する。
図9では、ユーザに近い遅延等化制御装置2−1、2−2においてタイムスタンプ情報を付与するパケットを判定するための条件を保持しておく時刻付与パケット判定テーブルT10の一例を示している。本テーブルは管理番号T101と時刻付与パケット判定条件T102〜T105により構成される。この例では、時刻付与パケット判定条件として、宛先IPアドレスT102、宛先ポート番号T103、プロトコル種別T104およびVLAN IDT105を含む場合を示している。これらの条件は、保守者により設定端末50より装置制御部10を通して設定され、装置制御部より各ユーザ回線制御インタフェース部20に対して設定された契機で条件の追加・更新・削除が行われる。また、時刻付与パケット判定条件のうち、1つまたは複数の条件を組み合わせて使用することを可能とする。
タイムスタンプ情報は、中間ノード4−Aおよび4−Bの伝送処理に影響を及ぼさない位置に挿入する必要がある。例えば、Ethernet(登録商標)上でIPアドレスによる通信を行う場合には、Ethernet(登録商標)ヘッダおよびIPアドレスヘッダの情報を元にQoS制御や伝送処理が行われることが想定される。
図10に、Ethernet(登録商標)フレームかつIPパケット通信をする場合のタイムスタンプを付与したフレーム構成の一例を示す。この例ではIPヘッダの独自のオプションフィールドとして、ヘッダの最後にタイムスタンプ情報を付与している。タイムスタンプ情報は、独自のオプション種別を表すタイプ情報と、タイムスタンプ情報の長さ情報、時刻情報を含む。この独自オプションの代わりに、当該ネットワーク内でtimestampオプションを使用する予定が無い場合には、IPのオリジナルオプションtimestampを使用してもよい。この図ではEthernet(登録商標)フレームの場合を示しているがMPLS(Multi Protocol Label Switch)パケットの場合でも、MPLSのペイロード内にIPアドレスを含む場合は同様な構成が可能となる。MPLSのペイロード内にIPアドレスを含まない場合には、MPLSヘッダとMPLSペイロード間にタイムスタンプ情報を付与することで実現可能である。
2−3.ネットワーク回路制御インタフェース部21
図5に本実施例におけるネットワーク回路制御インタフェース部21のブロック図の一例を示す。同図に示すように、ネットワーク回線制御インタフェース部21は、内部スイッチ部から受信したパケットを一時的に保持する内部スイッチ部受信バッファ211、パケット転送制御を行うパケット転送制御部212、伝送ネットワークインタフェース(以下、NNIと略す)側とパケットの送受信を行うPHY終端部213、NNI側のネットワーク遅延時間の測定を行うネットワーク遅延測定部214、NNI側より受信したパケットの振分けを行うパケット振分制御部215、内部スイッチ部に送信するパケットを一時的に保持する内部スイッチ部送信バッファ216、ネットワーク回線制御インタフェース部の管理を行うユーザ回線制御IF管理部217、タイミング同期部40より時刻情報を取得するためのインタフェースである同期タイミング制御IF218、装置制御部10より各種設定を行うためのインタフェースであるCPU間通信IF219、設定データを保持しておくための不揮発メモリであるバックアップ情報21Aを備える。
前述のネットワーク回線制御インタフェース部21内のネットワーク遅延測定部214は、機能ブロックとして測定パケット挿入部2141および遅延時間算出部2142、時間管理部2143を具備する。
これらの機能は、ユーザ側に近い方に設置される遅延等化制御装置2−1および2−2と、サーバ側に近い方に設置される遅延等化制御装置2−3との間のネットワーク遅延時間を測定する機能を実現する。時刻管理部2143では、特定の時刻になった時点で測定パケット挿入部に対して定期的に通知を行う。測定パケット挿入部2141では、事前に登録されている対向装置に対して(図1の例ではユーザ側に近い方に設置される遅延制御装置2−1および2−2からサーバ側に近い方に設置される遅延制御装置2−3に向けて)自装置で管理している時刻情報を載せた遅延測定パケットを送出する。遅延時間算出部2142では、パケット振分制御部215から受信した前述の遅延測定パケット内に含まれる時刻情報と送信元IPアドレスより、該当装置間の遅延時間を自装置の現在時刻からパケット内に含まれる時刻情報の時刻を引くことで算出しその情報をネットワーク回線制御IF管理部217に通知する。
本機能は保守者により設定端末50より装置制御部10を通して機能を停止する、または利用するといった設定が可能である。また、本機能により測定されたネットワーク遅延時間は、装置管理部10に集められ、該当ネットワークに対する遅延等化時間を算出するのに使用される。保守者により設定端末50より装置制御部10を通して設定することが可能なネットワーク遅延時間の代わりに、この機能により算出された値をネットワーク遅延時間として使用することを可能とする。
ネットワーク回線制御IF管理部217では、パケット振分け制御部215から通知された送信元IPアドレスと遅延時間情報の組合せの情報をCPU間通信IF219経由で装置管理部10に通知する。
図14に、前述した送信情報管理テーブルT30の一例を示す。同図に示すように、送信情報管理テーブルT30は、エントリを管理する管理番号(T301)、送信対象のネットワーク名称(T302)、どのようなパケットとして送信するかといった送信パケット条件(T303)、該当エントリが有効か無効かを示す有効/無効フラグ(T304)を含む。この例では、送信パケット条件(T303)として宛先IPアドレス(T3031)、プロトコル種別(T3032)、VLAN ID(T3033)、Ethernet(登録商標)フレーム長(T3034)で構成された場合である。これらの管理情報は、保守者により設定端末50より装置制御部10を通して設定され、装置制御部より各ネットワーク回線制御インタフェース部21に対して設定された契機で条件の追加・更新・削除が行われる。また、送信パケット条件のうち、1つまたは複数の条件を組み合わせて使用することを可能とする。
図11では、ネットワーク遅延測定部214にて遅延等化制御装置2−1又は2−2と遅延等化制御装置2−3間のネットワーク遅延時間を測定するためのパケットを送信するフローチャートの具体例を示している。同図に示す処理は前述の通り、時刻管理部2143から定期的に通知を受け起動される。測定パケット挿入部2141では、上述した図14の送信情報管理テーブルT30の先頭から順に判定を行い、事前に登録されている宛先IPアドレスの中から送信すべき宛先があるか判定を行う(S301)。送信すべき宛先がある場合には、測定パケット挿入部2141は、さらに該当宛先IPアドレスは有効設定(T304)されているか判定を行う(S302)。宛先IPアドレスが有効である場合には、測定パケット挿入部2141は、送信情報管理テーブルT30(例えば、送出パケット条件T303)に従ったパケットを生成する(S303)。さらに、測定パケット挿入部2141は、自装置で管理している時刻をタイムスタンプ情報に入れて付与し(S304)、該当パケットをパケット転送制御部212向けのキューに格納する(S305)。その後、測定パケット挿入部2141は、送信情報管理テーブルT30内の次のエントリに変更し(S306)、ステップS301の処理に戻る。ステップS302の判定において、無効に設定されていた場合には、測定パケット挿入部2141は、該当アドレスに対する遅延測定パケットは送信せず、次のエントリに変更し(S306)、ステップS301の処理に戻る。測定パケット挿入部2141は、他の宛先アドレスに対しても同様な処理を行い、送信すべき宛先が無くなるまで送信処理を行う。ステップS301の処理で送信すべきアドレスが無くなった場合には処理を終了する。
図12では、ネットワーク回線制御インタフェース部21のパケット振分け制御部215にてPHY終端部213より受信パケットが送られてきた際の振分け制御のフローチャートの具体例を示している(S400)。パケット振分け制御部215では、受信したパケットの宛先IPアドレスが自装置のIPアドレスであるか判定を行う(S401)。受信したパケットが自装置IPアドレスであった場合には、パケット振分け制御部215は時刻情報が含まれているかどうかの判定を行う(S402)。時刻情報が含まれている場合には、パケット振分け制御部215はそのパケットを遅延測定パケットと判断してネットワーク遅延測定部214に該当パケットを渡す(S403)。ステップS401の処理で自装置のIPアドレスで無かった場合および、ステップS402の処理で時刻情報が含まれていなかった場合には、パケット振分け制御部215は、遅延測定パケット以外のパケットと判断して該当パケットを内部スイッチ送信バッファへ格納する(S404)。
図13では、ネットワーク回線制御インタフェース部21のネットワーク遅延測定部214にて、前述のようにパケット振分け制御部215より遅延測定パケットと判断されたパケットが送られてきた際のフローチャートの具体例を示している(S450)。遅延時間算出部2142では、送信元IPアドレスが予め事前に登録されている監視対象IPアドレスのリストに含まれるか確認し、該当パケットを送信してきた対向装置が監視対象であるか判定を行う(S451)。監視対象である場合には、遅延時間算出部2142は、受信パケットよりタイムスタンプ情報を取得する(S452)。遅延時間算出部2142は、送られてきたタイムスタンプ情報より取得した時刻より自装置の現在時刻が新しい時刻であるか判定を行う(S453)。自装置の現在時刻の方が新しい時刻であった場合、遅延時間算出部2142は、タイムスタンプ情報と自装置の現在時刻の差分を算出する(S454)。遅延時間算出部2142は、その算出した値と送信元IPアドレスの情報をネットワーク回線制御IF管理部217へ通知し(S455)、受信パケットを解放して(S456)処理を終了する。ステップS451の判定にて送信元IPアドレスが監視対象外であった場合および、ステップS453の判定にてタイムスタンプ情報の時刻が自装置の現在時刻よりも新しいと判定された場合には、遅延時間算出部2142は、受信パケットを解放し(S456)処理を終了する。
2−4.ネットワークに対する指定遅延時間Dnet
装置制御部10では複数のネットワーク回線制御インタフェース部より前述のネットワーク遅延時間の測定結果および対向装置のIPアドレス情報が送られてくるため、装置全体でまとめて管理する必要がある。
図15に、装置制御部10で管理する測定遅延時間管理テーブルT40の一例を示す。同図に示すように、測定情報管理テーブルは、エントリを管理する管理番号T401、本装置が収容する複数の伝送ネットワークから特定のネットワークを識別し、当該ネットワーク単位で最大遅延時間を管理するネットワーク情報T402、送信元を識別し、送信元単位での情報を管理する送信元情報T403を含む。この例では、ネットワーク情報T402は、ネットワーク名称T4021および最大遅延時間T4022で構成されている。また、送信元情報T403は、送信元IPアドレスT4031、最大遅延時間T4032、過去の測定結果(過去データ)T4033で構成されている。本テーブルの具体的な使用方法は図16の中で説明する。
図16では、図13の処理フローチャートにより算出されたネットワーク遅延時間の測定結果および対向装置のIPアドレスが送られてきた際、装置制御部10での処理フローチャートの具体例を示す。装置制御部10では、前述の図15の測定遅延時間管理テーブルT40内に該当する送信元IPアドレスが存在するか確認し管理対象であるか判定する(S601)。管理対象である場合には、装置制御部10は、該当IPアドレスの一定期間保持されている過去の測定結果(過去データ)T4033の中で期間を過ぎた古い情報を削除し、今回送られてきた情報を追加することで、遅延時間測定情報を更新する(S602)。装置制御部10は、該当IPアドレスの遅延時間測定情報の中で最大となるものを算出し、送信元IPアドレス毎の最大遅延時間T4032の情報を更新する(S603)。さらに、装置制御部10は、その更新された情報を含めて該当IPアドレスが属するネットワークの遅延時間の中で最大遅延時間となる値を算出し、ネットワークT402毎の最大遅延時間T4022情報を更新する(S604)。装置制御部10は、その更新されたネットワークT402内の最大遅延時間T4022が更新前の前回の値と変更があるか判定する(S605)。変更があった場合には、装置制御部10は、該当ネットワークに対する遅延時間を後述する式(2)を用いて算出する(S606)。装置制御部10は、事前に外部の設定端末50より設定されている遅延等化装置に対するコンフィグ情報が、遅延測定により算出された値をネットワーク遅延時間として使用する設定となっているか判定を行う(S607)。使用する設定となっている場合には、装置制御部10は、該当ネットワーク遅延時間が変更されたことをユーザ回線インタフェース制御部20に通知し(S608)、処理を終了する。ステップS601の処理にて送信元IPアドレスが管理対象外であった場合には、装置制御部10は、処理を終了する。また、ステップS605の処理にて最大遅延時間が前回値と同じであった場合および、ステップS607の処理にてネットワーク遅延時間としては使用しない設定になっていた場合には、装置制御部10は、ユーザ回線インタフェース制御部20への通知は行わず処理を終了する。
ネットワーク内の最大遅延時間Dmaxを元にネットワークに対する遅延時間(指定遅延時間)Dnetを算出する式を式(2)に示す。

Dnet = Dmax + Deqp + Dmrg ・・・・・・(2)

このとき、Deqpは遅延装置内の遅延時間、Dmrgは該当ネットワークに対して取り得るマージン時間である。Dmrgについては、例えば、Dmaxの1/10の時間と決めてもよいし、保守者により設定端末50より装置制御部10を通して設定された値としてもよい。
3.シーケンス
図17に、図1のネットワーク構成において本実施例が適用された場合に自律でネットワーク遅延時間を測定する遅延等化制御装置2間の概略シーケンスの具体例を示す。同図においてユーザ側に近い遅延等化制御装置2−1(図中の「本装置A」)および2−2(図中の「本装置B」)は、前述の図11の処理にて自装置内の送信時点での時刻情報を含むタイムスタンプ情報付きのパケットをサーバ側に近い遅延等化制御装置2−3(図中の「本装置C」)に対して送信する。それぞれのパケットは伝送ネットワーク5内のネットワーク経路に従い中間ノードA4−1および中間ノードB4−2を経由してサーバ側に近い遅延等化制御装置2−3(図中の「本装置C」)に到達する。サーバ側に近い遅延等化制御装置2−3(図中の「本装置C」)では、前述の図12および図13の処理にて該当対向装置との遅延時間を算出する。ユーザ側に近い遅延等化制御装置2−1(図中の「本装置A」)および2−2(図中の「本装置B」)では、前述のパケットの送信を定期的に行う。
図18は、図1のネットワーク構成において、本実施例が適用された場合に複数のユーザに対して伝送ネットワーク5を通過する遅延時間が等化される例のタイミングチャートを示す。この例では、伝送ネットワーク5は、遅延時間Dnetで等化する遅延等化ネットワークと定義する。
同図において、ユーザAおよびユーザBからサーバCに向けて送られるパケットは、図9に示す時刻付与パケット判定テーブルT10に登録された条件に合致する遅延等化対象パケットとする。ユーザAよりサーバCに向けて送られたパケットは遅延等化制御装置2−1(図中の「本装置A」)に届くと、到着した時刻Taをタイムスタンプ情報として付与されて中間ノードA4−1に送付される。その後、中間ノードA4−1より中間ノードB4−2に転送される際に、輻輳などによる揺らぎが発生し通常より遅れて中間ノードB4−2に到着し、さらに転送されて遅延等化制御装置2−3(図中の「本装置C」)に時刻Tcaに到着したものとする。一方、ユーザBよりサーバCに向けて送られたパケットは遅延等化制御装置2−2(図中の「本装置B」)に届くと、到着した時刻Tbをタイムスタンプ情報として付与された中間ノードB4−2に送付される。その後、中間ノードB4−2より転送され遅延等化制御装置2−3(図中の「本装置C」)に時刻Tcbに到着したものとする。従って、この例では事前に想定できる物理的なネットワーク構成により発生する通常の遅延差に加えて、実際にパケットを通してみないと分らない輻輳などによる揺らぎの遅延差によりネットワーク通過時間に差分が発生していることになる。
ユーザAおよびBからのパケットを受け取った遅延等化制御装置2−3(図中の「本装置C」)では、前述の式(1)に沿って同図中に示すように遅延時間DaおよびDbを算出しその時間分装置内で遅延させてから送信を行うため、ユーザAから送られたパケットは時刻Tsaに、ユーザBから送られたパケットは時刻Tsbにそれぞれ送られることとなる。これにより、次式のように、ユーザA、Bのパケットが遅延等化ネットワークに到着した時間TaおよびTb間の時間差と、それぞれが遅延等化ネットワークから送出された時間TsaおよびTsb間の時間差を同じとすることが可能となる。言い換えればユーザAのパケットが遅延等化ネットワークに到着した時間Taから送出された時間Tsaまでの時間差と、ユーザBのパケットが遅延等化ネットワークに到着した時間Tbから送出された時間Tsbまでの時間差を同じDnetとすることが可能になる。
Da=Dnet−(Tca−Ta)
Db=Dnet−(Tcb−Tb)
Tsa=Tca+Da=Dnet+Ta
Tsb=Tcb+Db=Dnet+Tb
Tsb−Tsa=Tb−Ta
図19は、本実施例が適用された図1のネットワーク構成において、ユーザAから遅延パケット対象のパケットとベストエフォートのパケットが送られた場合の処理を示すタイミングチャートの一例である。この例では、図18と同様に、伝送ネットワーク5は、遅延時間Dnetで等化する遅延等化ネットワークと定義する。
同図では、ユーザAはサーバCに対して、図9に示す時刻付与パケット判定テーブルT10に登録された条件に合致する遅延等化対象パケットを2つ(図中のA1およびA3)、および時刻付与パケット判定テーブルT10に登録された条件に合致しない通常のベストエフォートのパケットを2つ(図中のA2およびA4)の合計4つのパケットを送信した場合の例を示している。遅延等化対象パケットは遅延等化制御装置2−1(図中の「本装置A」)に届くと、到着した時刻TaおよびTcをタイムスタンプ情報として付与されて中間ノードA4−1に送付される。一方のベストエフォートパケットは、遅延等化制御装置2−1では時刻情報の付与はされずに中間ノードA4−1に送付される。その後、中間ノードAの処理輻輳発生などの影響などを受け、遅延等化制御装置2−3(図中の「本装置C」)にそれぞれ時刻Tc1、Tc2、Tc3、Tc4に時刻に到着したものとする。
パケットを受け取った遅延等化制御装置2−3(図中の「本装置C」)では、タイムスタンプ情報を含む遅延等化対象パケットに対しては、前述の式(1)に沿って同図中に示すように遅延時間Da1およびDa3を算出し、その時間分装置内で遅延させてから送信を行う。これにより図18と同じように遅延等化ネットワークをDnetかけて通過する。
これに対して、通常のベストエフォートパケットについては、タイムスタンプ情報が付与されていないため、遅延等化制御装置2−3(図中の「本装置C」)では遅延処理などは行わず、そのままサーバC側へ転送されるため、通常通りの転送が可能となる。
C.第2の実施の形態
実施例1では、遅延対象パケットが伝送ネットワーク5を一律同じ時間で通過する例を示したが、本実施例では、パケット種別により通過させる時間を変更することが可能となる遅延等化制御装置の例を説明する。
ネットワーク構成例としては図1と同じであり、説明を省略する。
また、ユーザに近い側に設置する遅延等化制御装置2−1および2−2については、装置構成および機能ブロック、実施する処理については実施例1と同じであり、説明を省略する。
サーバ側に近い側に設置する遅延等化制御装置2−3については、装置構成および機能ブロックは実施例1と同じであり、説明を省略する。
図20に、本実施例でサーバ側に設置する遅延等化制御装置2−3において管理する遅延時間管理テーブルT20の一例を示す。本図に示すように、遅延時間管理テーブルT20は管理番号T201および対象パケット判定条件T202〜T205、ネットワーク遅延時間T206を含む。この例では、対象パケット判定条件として、宛先IPアドレスT202、宛先ポート番号T203、プロトコル種別T204、VLAN IDT205の4つの組合せとしているが、パケットを特定することが可能であれば、これ以外の条件も含めて1つまたは複数の条件の組合せとしてもよい。ネットワーク遅延時間T206は、対象パケット判定条件に合致したパケットに対して、伝送ネットワーク5に到着した時刻から送出するまでに遅延させる時間(指定遅延時間)Dnetiを示す。遅延時間管理テーブルT20は、保守者により設定端末50より装置制御部10を通して設定され、装置制御部より各ユーザ回線制御インタフェース部20に対して設定された契機で条件の追加・更新・削除が行われる。
図21に本実施例でサーバ側に近い側に設置する遅延等化制御装置2−3において、図4に示す送信パケット処理部205にてネットワーク側より受信したパケットを処理するフローチャートの具体例を示している。送信パケット抽出部2051では、内部スイッチ部受信バッファより送られてきたパケットにタイムスタンプ情報があるかどうかの判定を行う(S501)。タイムスタンプ情報が含まれている場合には、遅延制御部2052に送られ、遅延制御部2052において、遅延時間管理テーブルT20の対象パケット判定条件(図20におけるT202〜T205)に合致するかどうかの判定を行う(S502)。対象パケット判定条件に合致した場合には、遅延制御部2052は、パケット内の時刻情報を取得し(S503)、その取得した時刻Tt、遅延時間管理テーブルT20の該当条件に対するネットワーク遅延時間(指定遅延時間)(図20におけるT206である)Dneti、該当装置の時刻Trを利用して本装置で遅延させる時間(追加遅延時間)Diを算出する。下式(3)に算出方法を示す。

Di=Tt+Dneti−Tr ・・・・・・・・・(3)

以降のステップS505〜S511の処理については、図7のステップS204〜S210の処理と同じであるため、説明は省略する。また、同図のステップS501の判定にてタイムスタンプ情報がない場合の処理については、図7のステップS201の判定にてタイムスタンプ情報がない場合の処理と同じであるため、説明は省略する。
同図のステップS502の判定にて遅延時間管理テーブルT20の条件に合致しなかった場合には、遅延制御部2052は、タイムスタンプ情報を削除し(S512)、通常送信キューに格納する(S513)。
上記以外の送信パケット処理部205の処理シーケンス(図8および図23)については実施例1と同様なため、説明は省略する。
図22に、本実施例が適用された図1のネットワーク構成において、ユーザAから2種類(映像、音声)の遅延等化対象パケットが送られた場合の処理を示すタイミングチャートの一例を示す。この例では遅延等化ネットワークの通過時間として、片方向の通信である映像の遅延等化対象パケットには比較的余裕をもった値のDmovの時間が、双方向の通信である音声の遅延等化対象パケットには比較的通過時間に近い値のDsndの時間が事前に設定されているものとする。
同図では、ユーザAがサーバCに対して映像と音声の遅延等化対象パケットを2つずつ送信している。第1の映像の遅延等化対象パケットは、遅延等化制御装置2−1(図中の「本装置A」)に届くと、到着した時刻T1をタイムスタンプ情報として付与され、中間ノードAに対して送信される。同様に第1の音声の遅延等化対象パケットはT2、第2の音声の遅延等化対象パケットはT3、第2の映像の遅延等化対象パケットはT4のそれぞれの遅延等化制御装置2−1(図中の「本装置A」)の到着時間をタイムスタンプ情報として付与され中間ノードA4−1に対して送信される。中間ノードA4−1では音声パケットの送信を優先して送信する優先制御が設定されており、輻輳が発生していたために、第1の音声パケット、第2の音声パケット、第1の映像パケット、第2の映像パケットの順で連続して送付したものとする。その後、それらのパケットは中間ノードB4−2を経由して、遅延等化制御装置2−3(図中の「本装置C」)に同じ順番でT5、T6、T7、T8に到着している。遅延等化制御装置2−3では、前述の式(3)に従ってそれぞれのパケット遅延時間を算出し遅延させる。この際、式(3)におけるDnetiには、第1の音声および第2の音声パケットに対してはDsndを使用し、第1の映像パケットおよび第2の映像パケットに対してはDmovを使用することでパケット種別による差別化を図る。その後、遅延時間が経過したパケットから順にサーバC側へ送出され、第1の音声パケットはT9に,第2の音声パケットはT10に、第1の映像パケットはT11に、第2の映像パケットはT12にそれぞれ送出される。これにより、伝送ネットワーク5を通過する音声パケットをDsndの等間隔でサーバ側へ通過させ、音声パケット間の遅延等化制御装置2−1(図中の「本装置A」)に到着した時間差T3−T2と、遅延等化制御装置2−3(図中の「本装置C」)から送出される時間差T10−T9を同じとすることで揺らぎをなくすと共に、映像パケットに比べて短時間で転送することが可能となる。
なお、以上の説明では、リアルタイム性の高いパケットの一例として音声パケットを挙げ、リアルタイム性の低いパケットの一例として映像パケットを挙げたが、これに限らず、それぞれ適宜のパケット種別を用いることができる。また、パケット種別は、2種類以上でもよい。そして、パケット種別が複数の存在する場合に、各パケット種別のリアルタイム性に応じてそれぞれ別の遅延時間(例えば、リアルタイム性が高いほど短い遅延時間)を設定することができる。
D.実施例の効果

本実施例により、遅延等化制御装置を用いたネットワーク内において、ネットワーク遅延に関する公平性が求められるパケットが遅延による揺らぎの影響を受けず、同じ遅延時間で当該ネットワークを通過し対向側のサーバへ送出することが可能となる。また、ベストエフォートや既存のQoSで伝送される遅延に関する公平性が求められないパケットについては、従来通り転送することで不必要な帯域を占有せずに通信することが可能となる。
E.付記

なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれている。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1:ユーザ端末
2:遅延等化制御装置
3:サーバ
4:中間ノードルータ
5:伝送ネットワーク
6:アクセスネットワーク


Claims (10)

  1. 通信システムであって、
    第1のネットワーク若しくは第1の装置と伝送ネットワークとを相互接続する第1の通信装置と、
    第2のネットワーク若しくは第2の装置と前記伝送ネットワークとを相互接続する第2の通信装置と
    を備え、

    前記第1の通信装置は、
    前記第1のネットワーク若しくは第1の装置から受信するパケットから遅延制御対象となる第1の特定パケットを抽出すると、前記第1の特定パケットを受信した時刻を前記第1の特定パケットにタイムスタンプ時刻として挿入する受信パケット処理部
    を備え、前記第1のパケットを前記伝送ネットワークに送信し、

    前記第2の通信装置は、
    前記伝送ネットワークから受信するパケットから前記タイムスタンプ時刻を含む前記第1のパケットを抽出する送信パケット抽出部と、
    前記送信パケット抽出部において抽出された前記第1の特定パケットからタイムスタンプ時刻を読出し、予め定められた前記伝送ネットワーク内の指定遅延時間から、前記第1の特定パケットを受信した時刻と前記タイムスタンプ時刻との差の時間を、引き算して追加遅延時間を算出し、前記第1の特定パケットを前記追加遅延時間が経過するまで保持するための遅延制御部と、
    前記追加遅延時間が経過したら、前記遅延制御部から前記第1の特定パケットを受け取り、他のパケットに優先して前記第1の特定パケットを送信するための優先制御部
    を備えた
    ことを特徴とする通信システム。
  2. 請求項1記載の通信システムであって、
    前記優先制御部は、前記遅延制御部における遅延調整後の前記第1の特定パケットを、前記第1の特定パケットの送出予定時刻及びパケットサイズに従い、送出する帯域を確保し、他のパケットよりも優先的に外部ネットワーク若しくは外部装置に送出することを特徴とする通信システム。
  3. 請求項1記載の通信システムであって、
    前記受信パケット処理部は、前記第1の特定パケットに該当しないパケットを、前記タイムスタンプ時刻を挿入せず前記伝送ネットワークへ送出することを特徴とする通信システム。
  4. 請求項1記載の通信システムであって、
    前記第2の通信装置が、前記伝送ネットワークから受信するパケットのうち、前記送信パケット抽出部において抽出される第1の特定パケット以外の他のパケットを受信した場合に、
    前記優先制御部は、前記第1の特定パケットへの送出予定時刻を確認し、前記第1の特定パケットの送出予定がなく外部ネットワーク若しくは外部装置へ出力可能な空時間帯を抽出し、前記空時間帯に前記他のパケットを特定の追加遅延を与えることなく送出することを特徴とする通信システム。
  5. 請求項1記載の通信システムであって、
    前記送信パケット抽出部は、前記伝送ネットワークから受信するパケットが前記タイムスタンプ時刻を含むパケットでない場合、通常送信キューに該パケットを格納し、
    前記優先制御部は、前記通常送信キュー内のパケットを外部ネットワーク若しくは外部装置に出力する
    ことを特徴とする通信システム。
  6. 請求項1記載の通信システムであって、
    前記遅延制御部は、
    前記伝送ネットワークから受信するパケットにタイムスタンプ時刻が含まれている場合には、当該タイムスタンプ時刻を取り除き、
    タイムスタンプ時刻を削除後のパケット長を算出し、現在時刻に前記追加遅延時間を足した時刻を該当パケットの優先送信時刻を求め、
    前記追加遅延時間が0より大きい場合は、該追加遅延時間が満了するまでのタイマを登録し、調整バッファに該当パケットを格納し、また、前記タイマが満了した該当パケットを前記調整バッファから取り出し、前記優先処理キューに格納し、
    一方、前記遅延調整時間が0以下である場合には、該当パケットを優先送信キューに格納し、又は、補正情報を付加して該当パケットを優先送信キューに格納し、又は、該当パケットを廃棄し、
    前記優先制御部は、前記優先送信キュー内のパケットを外部ネットワーク若しくは外部装置に出力する
    ことを特徴とする通信システム。
  7. 請求項1記載の通信システムであって、
    前記遅延制御部が保持する前記指定遅延時間Dnetは、
    前記伝送ネットワーク内の最大遅延時間Dmax、
    前記通信装置内の遅延時間Deqp、及び、
    予め定められた一定の余裕時間Dmrg、
    を加算して得られる時間であることを特徴とする通信システム。
  8. 請求項1記載の通信システムであって、
    前記通信装置は、パケット判定条件に対応して指定遅延時間を記憶した遅延時間管理テーブルを
    備え、
    前記送信パケット抽出部は、前記遅延時間管理テーブルを参照して、前記第1の特定パケットのパケット判定条件に基づき前記指定遅延時間を定めることを特徴とする通信システム。
  9. 請求項1記載の通信システムであって、
    前記送信パケット抽出部は、
    前記第1の特定パケットがリアルタイム性の高いパケットの場合に前記指定遅延時間として第1の値を用い、
    前記第1の特定パケットがリアルタイム性の低いパケットの場合に前記指定遅延時間として前記第1の値より長い第2の値を用いる
    ことを特徴とする通信システム。
  10. 通信装置であって、
    第1のネットワーク若しくは第1の装置と伝送ネットワークとを相互接続する場合、
    前記第1のネットワーク若しくは第1の装置から受信するパケットから遅延制御対象となる第1の特定パケットを抽出すると、前記第1の特定パケットを受信した時刻を前記第1の特定パケットにタイムスタンプ時刻として挿入する受信パケット処理部
    を備え、前記第1のパケットを前記伝送ネットワークに送信し、

    第2のネットワーク若しくは第2の装置と前記伝送ネットワークとを相互接続する場合、
    前記伝送ネットワークから受信するパケットから前記タイムスタンプ時刻を含む前記第1のパケットを抽出する送信パケット抽出部と、
    前記送信パケット抽出部において抽出された前記第1の特定パケットからタイムスタンプ時刻を読出し、予め定められた前記伝送ネットワーク内の指定遅延時間から、前記第1の特定パケットを受信した時刻と前記タイムスタンプ時刻との差の時間を、引き算して追加遅延時間を算出し、前記第1の特定パケットを前記追加遅延時間が経過するまで保持するための遅延制御部と、
    前記追加遅延時間が経過したら、前記遅延制御部から前記第1の特定パケットを受け取り、他のパケットに優先して前記第1の特定パケットを送信するための優先制御部
    を備えた
    ことを特徴とする通信装置。



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