JP2015064249A - 放射線検出器 - Google Patents

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Abstract

【課題】放射線変換膜のリーク電流によるオフセットを低減できる放射線検出器の構成を得る。【解決手段】放射線検出器100は、入射した放射線に応じた量のキャリアを生成する放射線変換膜13と、放射線変換膜13の一方の面に電気的に接続され、放射線変換膜13にバイアス電圧を印加する電圧供給回路30と、放射線変換膜13の他方の面に電気的に接続されるキャパシタ122と、バイアス電圧を制御するバイアス制御回路221とを備える。バイアス制御回路221は、放射線変換膜13に放射線が照射される前の期間であるプリセット期間および前記放射線変換膜に放射線が照射された後の期間であるポストセット期間の少なくとも一方においては、バイアス電圧を所定の予備電圧に設定し、放射線変換膜に放射線が照射される期間である撮影期間においては、バイアス電圧を予備電圧と符号の異なるキャリア収集電圧に設定する。【選択図】図1

Description

本発明は、放射線検出器に関し、より詳しくは、直接変換型の放射線検出器に関する。
従来、X線等の放射線を電荷情報に直接変換する放射線検出器の構成が知られている。
特開2010−206819号公報には、光または放射線の入射により光または放射線の情報を電荷情報に変換する変換層と、2次元状に複数配列され、変換層で変換された電荷情報を蓄積して読み出す蓄積・読み出し回路と、同一列の蓄積・読み出し回路に接続された各ゲートラインと、同一行の蓄積・読み出し回路に接続された各データラインとを備え、各ゲートラインを逐次駆動して、蓄積・読み出し回路で読み出された電荷情報に基づいて画像を得る撮像装置であって、ある列における電荷情報を、その後に駆動される画像を得るための列から読み出された電荷情報に基づいて補正する画像情報補正手段を備える撮像装置が記載されている。
特開2010−206819号公報
特開2010−206819号公報に記載された撮像装置では、変換層(放射線変換膜)のリーク電流によるオフセットを、アナログ‐ディジタル(AD)変換後のディジタル信号処理によって行う。そのため、オフセットが大きい場合には、AD変換器またはその前段の読み出し回路において、信号が飽和する場合がある。
本発明の目的は、放射線変換膜のリーク電流によるオフセットを低減できる放射線検出器の構成を得ることである。
ここに開示する放射線検出器は、入射した放射線に応じた量のキャリアを生成する放射線変換膜と、前記放射線変換膜の一方の面に電気的に接続され、前記放射線変換膜にバイアス電圧を印加する電圧供給回路と、前記放射線変換膜の他方の面に電気的に接続されるキャパシタと、前記バイアス電圧を制御するバイアス制御回路とを備える。前記バイアス制御回路は、前記放射線変換膜に放射線が照射される前の期間であるプリセット期間および前記放射線変換膜に放射線が照射された後の期間であるポストセット期間の少なくとも一方においては、前記バイアス電圧を所定の予備電圧に設定し、前記放射線変換膜に放射線が照射される期間である撮影期間においては、前記バイアス電圧を前記予備電圧と符号の異なるキャリア収集電圧に設定する。
本発明によれば、放射線変換膜のリーク電流によるオフセットを低減できる放射線検出器の構成が得られる。
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる放射線検出器の構成を示す模式図である。 図2は、センサ部の構成の一部を模式的に示す断面図である。 図3Aは、センサ部の具体的な構成の一例を示す断面図である。 図3Bは、センサ部の具体的な構成の一例を示す平面図である。 図4は、放射線検出器による放射線検出の概略を説明するための図である。 図5は、放射線検出器の動作の一例において、放射線検出器の一つのキャパシタに蓄積された電荷Qの時間変化を示すグラフである。 図6は、トップ電極とボトム電極との間の抵抗rを説明するための図である。 図7は、比較例にかかる放射線検出器の一つのキャパシタに蓄積された電荷Qの時間変化を示すグラフである。 図8は、アナログ‐ディジタル変換器(ADC)のダイナミックレンジと信号電荷との関係を説明するための図である。 図9は、放射線変換膜の例としてCdTeとa−Seの特性を比較した表である。 図10は、放射線検出器の動作の他の例において、放射線検出器の一つのキャパシタに蓄積された電荷Qの時間変化を示すグラフである。 図11は、本発明の第2の実施形態にかかる放射線検出器の構成を示す模式図である。 図12は、制御信号CTRL1およびCTRL2、ならびにバイアス電圧Vbの関係を示すタイミングチャートである。 図13は、本発明の第2の実施形態の変形例にかかる放射線検出器の構成を示す模式図である。 図14は、制御信号CTRL1およびCTRL2、ならびにバイアス電圧Vbの関係を示すタイミングチャートである。 図15は、本発明の第3の実施形態にかかる放射線検出器の構成を示す模式図である。 図16は、制御信号CTRL1およびCTRL2、ならびにバイアス電圧Vbの関係を示すタイミングチャートである。 図17は、本発明の第3の実施形態の変形例にかかる放射線検出器の構成を示す模式図である。 図18は、制御信号CTRL1およびCTRL2、ならびにバイアス電圧Vbの関係を示すタイミングチャートである。
本発明の一実施形態にかかる放射線検出器は、入射した放射線に応じた量のキャリアを生成する放射線変換膜と、前記放射線変換膜の一方の面に電気的に接続され、前記放射線変換膜にバイアス電圧を印加する電圧供給回路と、前記放射線変換膜の他方の面に電気的に接続されるキャパシタと、前記バイアス電圧を制御するバイアス制御回路とを備える。前記バイアス制御回路は、前記放射線変換膜に放射線が照射される前の期間であるプリセット期間および前記放射線変換膜に放射線が照射された後の期間であるポストセット期間の少なくとも一方においては、前記バイアス電圧を所定の予備電圧に設定し、前記放射線変換膜に放射線が照射される期間である撮影期間においては、前記バイアス電圧を前記予備電圧と符号の異なるキャリア収集電圧に設定する(第1の構成)。
上記の構成によれば、撮影期間では、電圧供給回路からバイアス電圧としてキャリア収集電圧が印加される。キャリア収集電圧によって、放射線変換膜に生成されたキャリアは、キャパシタに蓄積される。このとき、キャパシタには、キャリアによる電流に加えて、リーク電流による電荷が蓄積される。一方、上記の構成によれば、放射線を照射する前の期間であるプリセット期間において、放射線変換膜に、バイアス電圧としてキャリア収集電圧と反対符号の予備電圧(プリセット電圧)を印加する。これによって、撮影時のリーク電流による電荷と反対符号の電荷を、キャパシタにあらかじめ蓄積しておく。あるいは、放射線を照射した後の期間であるポストセット期間において、放射線変換膜に、バイアス電圧としてキャリア収集電圧と反対符号の予備電圧(ポストセット電圧)を印加する。これによって、撮影時のリーク電流による電荷と反対符号の電荷を、キャパシタから取り除く。これによって、リーク電流による電荷が打ち消され、オフセットが低減される。
上記第1の構成において、前記電圧供給回路は、可変電圧電源を含む構成としても良い(第2の構成)。
上記第1の構成において、前記電圧供給回路は、前記予備電圧を供給する予備電圧供給用定電圧電源と、前記キャリア収集電圧を供給するキャリア収集電圧供給用定電圧電源とを含む構成としても良い(第3の構成)。
上記の構成では、2種類の定電圧電源を使用する。そのため、可変電圧電源を使用して電圧を切り替える場合と比較して、電圧を安定させる時間を省略することができる。
上記第3の構成において、前記電圧供給回路は、前記予備電圧供給用定電圧電源と前記放射線変換膜との間に接続される第1スイッチと、前記キャリア収集電圧供給用定電圧電源と前記放射線変換膜との間に接続される第2スイッチとをさらに備え、前記バイアス制御回路は、前記第1スイッチおよび前記第2スイッチの開閉を制御する制御信号を供給する構成としても良い(第4の構成)。
上記第4の構成において、前記第1スイッチと前記第2スイッチとが同時に閉状態にならないように、前記制御信号のタイミングを調整するタイミング調整回路をさらに備える構成とすることが好ましい(第5の構成)。
上記の構成によれば、予備電圧供給用定電圧電源とキャリア収集電圧供給用定電圧電源とが短絡するのをより確実に防止できる。
上記第1の構成において、前記電圧供給回路は、フローティング電源を含む構成としても良い(第6の構成)。
フローティング電源は、出力端の間の電圧が一定で、接地端子を切り替えることで供給する電圧の極性を変化させることができる。上記の構成によれば、可変電圧電源を使用して電圧を切り替える場合と比較して、電圧を安定させる時間を省略することができる。
上記第6の構成において、前記電圧供給回路は、前記フローティング電源の出力端子の一方と前記放射線変換膜との間に接続された第3スイッチと、前記フローティング電源の出力端子の一方と基準電位との間に接続された第4スイッチと、前記フローティング電源の出力端子の他方と前記基準電位との間に接続された第5スイッチと、前記フローティング電源の出力端子の他方と前記放射線変換膜との間に接続された第6スイッチとをさらに含み、前記バイアス制御回路は、前記第3スイッチ、前記第4スイッチ、前記第5スイッチ、および前記第6スイッチの開閉を制御する制御信号を供給する構成としても良い(第7の構成)。
上記第7の構成において、前記第3スイッチと前記第6スイッチとが同時に閉状態にならず、かつ第4スイッチと第5スイッチとが同時に閉状態にならないように、前記制御信号のタイミングを調整するタイミング調整回路をさらに備える構成とすることが好ましい(第8の構成)。
上記の構成によれば、フローティング電源の2つの出力端が短絡するのをより確実に防止できる。
上記第1〜第8のいずれかの構成において、前記キャパシタに接続されたスイッチング素子をさらに備えることが好ましい(第9の構成)。
上記第9の構成において、前記スイッチング素子は、酸化物半導体を含むことが好ましい(第10の構成)。
上記第10の構成において、前記酸化物半導体は、酸化インジウムガリウム亜鉛(In−Ga−Zn−O系半導体;インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)および酸素(O)を含む酸化物半導体)であることが好ましい(第11の構成)。
In−Ga−Zn−O系半導体は、オフ抵抗が極めて高い。そのため、In−Ga−Zn−O系半導体を用いれば、プリセット期間に蓄積した電荷のリークが少なくなり、オフセット低減の効果がより顕著に得られる。
[実施の形態]
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、説明を分かりやすくするために、以下で参照する図面においては、構成が簡略化または模式化して示されたり、一部の構成部材が省略されたりしている。また、各図に示された構成部材間の寸法比は、必ずしも実際の寸法比を示すものではない。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる放射線検出器100の構成を示す模式図である。放射線検出器100は、センサ部10と、センサ部10を駆動する駆動部20とを備えている。
センサ部10は、アレイ層12、放射線変換膜13、およびトップ電極14を備えている。駆動部20は、コントローラ21、ゲートドライバ22、読出アンプ23、アナログ‐ディジタル変換器(ADC)24、画像構成回路25、出力部26、および電圧供給回路30を備えている。
図2は、センサ部10の構成の一部を模式的に示す断面図である。図2に示すように、アレイ層12、放射線変換膜13、およびトップ電極14は、基板11の上に、この順番で形成されている。
アレイ層12は、複数の画素120を含んでいる。画素120は、アレイ層12の表面にマトリクス状に形成されている。画素120の各々は、ボトム電極121を含んでいる。ボトム電極121の各々は、放射線変換膜13と接続されている。
放射線変換膜13は、アレイ層12の全体を覆って形成されている。放射線変換膜13は、X線等の放射線を吸収して電気信号に変換する。放射線変換膜13は例えば、CdTe、CdZnTe、a‐Se(アモルファス‐セレン)、PbI、HgI、GaAs、Si等の膜である。放射線変換膜13は例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)によって形成される。
トップ電極14は、放射線変換膜13の全体を覆って形成されている。トップ電極14は、放射線変換膜13と接続されている。トップ電極14は例えば、Pt(プラチナ)を放射線変換膜13に蒸着させたオーミック電極である。トップ電極14はあるいは、In(インジウム)を堆積させてショットキーダイオードを形成した電極であっても良い。
図1に示すように、トップ電極14には、電圧供給回路30から、バイアス電圧Vbが印加される。電圧供給回路30は、可変電圧電源31を含み、符号(極性)および大きさの異なる任意のバイアス電圧Vbを、トップ電極14に印加することができる。バイアス電圧Vbの符号および大きさは、コントローラ21に含まれるバイアス制御回路211によって制御される。コントローラ21によるバイアス電圧の制御については後述する。
次に、図1を参照して、アレイ層12の構成を説明する。アレイ層12は、複数のゲート線GLと、複数の信号線SLとを含んでいる。ゲート線GLの各々は、ゲートドライバ22に接続されている。信号線SLの各々は、読出アンプ23に接続されている。ゲート線GLと信号線SLとは互いに直交しており、ゲート線GLと信号線SLとの交点の各々に、画素120が形成されている。
アレイ層12はさらに、ゲート線GLと概略平行に形成された、複数の容量線CLを含んでいる。容量線CLは、画素120の各々を横切るように形成されている。容量線CLは、基準電位(例えば接地電位)に接続されている。
画素120の各々は、ボトム電極121と、キャパシタ122と、スイッチング素子123とを含んでいる。図3Aおよび図3Bに、画素120の具体的な構成の一例を示す。図3Aおよび図3Bはあくまで一例であり、画素120の構成はこれに限定されない。
ボトム電極121は、放射線変換膜13と接続されている。ボトム電極121は、後述するように、放射線変換膜13の内部に生成されたキャリアを収集する。変換効率を高めるためには、ボトム電極121の面積は広い方が好ましい。そのため、ボトム電極121は例えば、層間絶縁膜124を挟んで、キャパシタ122およびスイッチング素子123を覆うように配置されている。
キャパシタ122は、後述するように、画素120に入射した放射線に応じた量の電荷を蓄積する。キャパシタ122の一方の電極は、ボトム電極121とスイッチング素子123のドレインとに並列に接続されている。キャパシタ122の他方の電極は、容量線CLに接続されている。容量線CLは基準電位に接続されているため、キャパシタ122の他方の電極の電位は、一定に保たれている。
スイッチング素子123は、例えばTFT(Thin Film Transistor)である。スイッチング素子123のソースは信号線SLに接続され、ゲートはゲート線GLに接続され、ドレインはボトム電極121とキャパシタ122の一方の電極とに並列に接続されている。
コントローラ21は、ゲートドライバ22、読出アンプ23、ADC24、画像構成回路25、および出力部26を制御する。コントローラ21は、これらを制御して、キャパシタ122の各々に蓄積された電荷を読み出し、読み出された電荷に基づいて画像を生成し、生成した画像を出力部26に出力する。
より具体的には、まず、ゲートドライバ22が、ゲート線GLを1本ずつ選択する。ゲートドライバ22は、選択した1本のゲート線GLの電位をハイレベルに、他のゲート線GLの電位をローレベルにする。ゲート線GLの電位がハイレベルになると、そのゲート線GLに接続されたスイッチング素子123がオン状態となる。これによって、キャパシタ122に蓄積された電荷が、信号線SLを通じて、読出アンプ23に転送される。
読出アンプ23は、信号線SLからの信号を増幅して、ADC24に供給する。なお、読出アンプ23は、複数の信号線SLからの信号を並列に処理しても良いし、1本ずつ選択して順番に処理しても良い。すなわち、読出しアンプ23は、線順次で処理を実行しても良いし、点順次で処理を実行しても良い。
ADC24は、読出アンプ23から供給されるアナログ信号をディジタル信号に変換して、画像構成回路25に供給する。画像構成回路25は、ADC24から順次供給される信号を集積して画像データとして再構成し、出力部26に供給する。出力部26は例えば、ディスプレイ、プロジェクタ、プリンタ、ストレージ(記憶媒体)等であり、画像構成回路25によって構成された画像を出力する。
次に、図4を参照して、放射線検出器100による放射線検出の概略を説明する。図4では、簡単のため、一つの画素120だけを図示している。
図4に示すように、放射線90が撮影対象物99を通過して放射線変換膜13に入射すると、放射線変換膜13の内部にキャリア(電子‐ホール対)が生成される。
放射線90を照射している間、トップ電極14には、電圧供給回路30によって、バイアス電圧Vbが印加されている。これによって、トップ電極14とボトム電極121との間に電界が形成される。
放射線変換膜13に形成された電界によって、電子およびホールの一方はトップ電極14側に移動し、他方はボトム電極121側に移動する。これによって、トップ電極14とボトム電極121との間に電流(ドリフト電流)が流れる。その結果、ボトム電極121に接続されたキャパシタ122には、放射線変換膜13内に生成したキャリアの量に対応する量の電荷が蓄積される。
放射線検出器100は、放射線90の照射が終了した後の期間である読出期間に、画素120の各々のキャパシタ122に蓄積された電荷を読み出す。これによって、画素120の各々に入射した放射線の強度を反映した画像を生成することができる。
ここで、放射線変換膜13の抵抗は有限であるため、バイアス電圧Vbが印加されている間、トップ電極14とボトム電極121との間には、リーク電流が流れる。そのため、キャパシタ122には、ドリフト電流による電荷とリーク電流による電荷とが蓄積される。リーク電流による電荷は、放射線とは無関係に生じるオフセットノイズ(offset noise:以下、単にオフセットという)であり、画像のコントラストを低下させる原因となる。
本実施形態にかかる放射線検出器100は、放射線変換膜13に放射線が照射される前の期間に、放射線変換膜13に逆方向のバイアス電圧を印加することによって、リーク電流の影響を低減する。より具体的には、バイアス制御回路211は、放射線が照射される前の期間であるプリセット期間においては、バイアス電圧Vbを所定の予備電圧(プリセット電圧)に設定し、放射線が照射される期間である撮影期間においては、バイアス電圧Vbを予備電圧と符号の異なる電圧(キャリア収集電圧)に設定する。
[放射線検出器100の動作]
以下、図5を参照して、放射線検出器100の動作の一例を具体的に説明する。図5は、放射線検出器100の動作の一例において、放射線検出器100の一つのキャパシタ122に蓄積された電荷Qの時間変化を示すグラフである。図5中、実線は放射線を照射したときの電荷Q(信号電荷+オフセット)の時間変化であり、破線は放射線を照射しないときの電荷Q(オフセットのみ)の時間変化である。
図5に示すように、放射線検出器100の動作を、リセット期間t1、プリセット期間t2、切替期間t3、撮影期間t4、待機期間t5、および読出期間t6に分けて説明する。
まず、リセット期間t1において、キャパシタ122をリセットする。キャパシタ122のリセットは、図示しないリセット回路によって行うことができる。また、キャパシタ122のリセットは、読出期間t6において読出時間を十分に長くして、キャパシタ122を十分に放電させておくことによって行っても良い。
次に、プリセット期間t2では、バイアス電圧Vb=Vb0(プリセット電圧)を放射線変換膜13に印加する。プリセット電圧Vb0は、撮影期間t4において印加される電圧(キャリア収集電圧Vb1)と反対符号である。すなわち、プリセット期間t2では、撮影期間t4と反対方向の電界が、放射線変換膜13に形成される。
ここで、プリセット期間t2の間にキャパシタ122に蓄積される電荷量Q0は、プリセット期間t2の長さをTb0、プリセット電圧Vb0の絶対値を|Vb0|、トップ電極14とボトム電極121との間の抵抗をrとすると、下記の式(1)で表される。
|Q0|=Tb0×|Vb0|/r 式(1)
なお、トップ電極14とボトム電極121との間の抵抗rは、図6に示すように、放射線変換膜13の抵抗率をρ、放射線変換膜13の厚さをt、画素120のピッチをpとして、r=ρ×t/pと表すことができる。
再び図5を参照して、説明を続ける。切替期間t3では、可変電圧電源31の電圧を、プリセット電圧Vb0からキャリア収集電圧Vb1に切り替える。
可変電圧電源31の電圧が安定した後、撮影対象物99(図4)および放射線検出器100に放射線を照射する。放射線が照射されている期間が、撮影期間t4である。
撮影期間t4では、バイアス電圧Vb=Vb1(キャリア収集電圧)を放射線変換膜13に印加する。前述のように、キャリア収集電圧Vb1は、プリセット電圧Vb0と反対符号の電圧である。そのため、撮影期間t4では、プリセット期間t2と反対方向の電界が、放射線変換膜13に形成される。
撮影期間t4では、ドリフト電流による電荷(信号電荷)とリーク電流による電荷(オフセット)とが、キャパシタ122に蓄積される。リーク電流によってキャパシタ122に蓄積される電荷量Q1は、撮影期間t4の長さをTb1、キャリア収集電圧Vb1の絶対値を|Vb1|とすると、下記の式(2)で表される。
|Q1|=Tb1×|Vb1|/r 式(2)
ここで、撮影期間t4において放射線変換膜13に形成される電界の方向は、プリセット期間t2における方向と反対である。そのため、撮影期間t4におけるリーク電流の方向も、プリセット期間t2における方向と反対である。したがって、キャパシタ122に蓄積される電荷の符号も反対になる。本実施形態によれば、図5に示すように、Q0とQ1とが打ち消し合って、リーク電流によるオフセットを低減することができる。
Q0とQ1とが完全に打ち消し合うようにするためには、Q0+Q1=0、すなわち、|Q0|=|Q1|とすれば良い。式(1)および式(2)から、下記の式(3)が得られる。
Tb0×|Vb0|=Tb1×|Vb1| 式(3)
式(3)から分かるように、必ずしもTb0とTb1とを等しくしなければならない訳ではなく、同様に、必ずしも|Vb0|と|Vb1|とを等しくしなければならない訳ではない。例えば、Vb1=+100V、Tb1=100msの場合、Vb0=−100V、Tb0=100msとしても良いし、Vb0=−200V、Tb0=50msとしても良い。
もっとも、常にQ0+Q1=0としておく必要はない。Q0とQ1とが反対符号であれば、すなわち、プリセット電圧Vb0とキャリア収集電圧Vb1とが反対符号であれば、Q0+Q1はQ1よりも小さくなり、オフセットを低減する効果が得られる。
待機時間t5は、キャパシタ122に蓄積された電荷Qが読み出されるまでの待ち時間である。前述のように、放射線検出器100は複数の画素120を備え、画素120の各々のキャパシタ122の電荷は、順番に読み出される。
読出期間t6は、キャパシタ122に蓄積された電荷Qを読み出す期間である。具体的には、キャパシタ122に接続されたスイッチング素子123がオン状態となって、キャパシタ122に蓄積された電荷が、信号線SLを通じて、読出アンプ23に転送される。
本実施形態によれば、リーク電流によるオフセットが取り除かれた(低減された)信号電荷が得られる。これによって、ADC24のダイナミックレンジを有効に利用して、コントラストの高い画像を得ることができる。
ここで、放射線検出器100の効果を説明するため、仮想的な比較例について説明する。図7は、比較例にかかる放射線検出器の一つのキャパシタに蓄積された電荷Qの時間変化を示すグラフである。比較例にかかる放射線検出器では、本実施形態におけるプリセット期間t2、切替期間t3における動作に対応する動作を実行しない。そのため、読出期間t6において読み出される電荷Qには、信号電荷とオフセットとの和になる。
図8は、ADCのダイナミックレンジと信号電荷との関係を説明するための図である。図8の左図はオフセットが小さい場合を、図8の右図はオフセットが大きい場合を、それぞれ表している。
図8の左図のようにオフセットが小さい場合、アナログ‐ディジタル変換後にオフセットを差し引く等の補正を行うことができる。一方、図8の右図のようにオフセットが大きい場合、ダイナミックレンジが飽和して信号情報の一部が失われる。そのため、アナログ‐ディジタル変換後に補正をすることができない。したがって、コントラストの高い画像を得ることができない。
図9は、放射線変換膜13の例としてCdTeとa−Seの特性を比較した表である。図9に示すように、a−SeはCdTeと比較して抵抗率が高い。そのため、リーク電流が小さく、オフセットが小さい。一方、CdTeはa−Seと比較して変換効率が高いものの、抵抗率が低く、オフセットが大きくなる。例えば医療用用途等、撮影対象物(患者)への放射線照射量を少なくしたい場合には、放射線変換膜13として変換効率の高いCdTeを用いることが好ましい。しかしながら、上述の特性のため、CdTeを用いる場合、コントラストの高い画像を得ることが難しくなる。
本実施形態によれば、放射線変換膜13に放射線が照射される前の期間に、放射線変換膜13に逆方向のバイアス電圧を印加することによって、リーク電流によるオフセットを低減する。これによって、放射線変換膜13としてCdTe等の抵抗率が低い物質を用いた場合でも、コントラストの高い画像を得ることができる。
また、本実施形態による放射線検出器100には、任意のスイッチング素子123を用いることができる。スイッチング素子123は、a−Si(アモルファス‐シリコン)を用いたものであっても良いし、酸化物半導体を用いたものでも良い。
酸化物半導体は、例えば、In−Ga−Zn−O系半導体、Zn−O系半導体、In−Zn−O系半導体、Zn−Ti−O系半導体、Cd−Ge−O系半導体、Cd−Pb−O系半導体、CdO、Mg−Zn−O系半導体、In−Sn−Zn−O系半導体、およびIn−Ga−Sn−O系半導体である。なかでも、In−Ga−Zn−O系半導体が好ましい。In−Ga−Zn−O系半導体は、In(インジウム)、Ga(ガリウム)、Zn(亜鉛)の三元系酸化物であって、In、Ga、およびZnの割合(組成比)は特に限定されず、例えばIn:Ga:Zn=2:2:1、In:Ga:Zn=1:1:1、In:Ga:Zn=1:1:2等を含む。In−Ga−Zn−O系半導体は、アモルファスでも良いし、結晶質部分を含み、結晶性を有していても良い。
In−Ga−Zn−O系半導体は、オフ抵抗が極めて高い。そのため、In−Ga−Zn−O系半導体を用いれば、プリセット期間t2後のリークが少なくなり、本実施形態の効果がより顕著に得られる。
[放射線検出器100の動作の変形例]
次に、図10を参照して、放射線検出器100の動作の他の例を説明する。図10は、放射線検出器100の動作の他の例において、放射線検出器100の一つのキャパシタ122に蓄積された電荷Qの時間変化を示すグラフである。図5と同様に、図10中の実線は放射線を照射したときの電荷Q(信号電荷+オフセット)の時間変化であり、破線は放射線を照射しないときの電荷Q(オフセットのみ)の時間変化である。
本変形例では、図5の例におけるプリセット期間t2に代えてポストセット期間t8を有し、切替期間t3に代えて切替期間t7を有している。本変形例では、放射線変換膜13に放射線が照射された後の期間であるポストセット期間t8において、キャリア収集電圧Vb1と逆方向の電圧を印加し、リーク電流の影響を低減する。
まず、図5の例と同様に、リセット期間t1において、キャパシタ122をリセットする。
次に、撮影期間t4において、撮影対象物99(図4)および放射線検出器100に放射線を照射する。撮影期間t4では、バイアス電圧Vb=Vb1(キャリア収集電圧)を放射線変換膜13に印加する。図5の例と同様に、撮影期間t4では、ドリフト電流による電荷(信号電荷)とリーク電流による電荷(オフセット)とが、キャパシタ122に蓄積される。リーク電流によってキャパシタ122に蓄積される電荷量は、図5の場合と同じQ1(式(2))である。
放射線の照射が終了した後、切替期間t7において、可変電圧電源31の電圧を、キャリア収集電圧Vb1からポストセット電圧Vb2に切り替える。
ポストセット期間t8では、バイアス電圧Vb=Vb2(ポストセット電圧)が放射線変換膜13に印加される。ポストセット電圧Vb2は、撮影期間t4において印加される電圧(キャリア収集電圧Vb1)と反対符号である。すなわち、ポストセット期間t8では、撮影期間t4と反対方向の電界が、放射線変換膜13に形成される。
ここで、ポストセット期間t8の間にキャパシタ122から放電される電荷量Q2は、ポストセット期間t8の長さをTb2、ポストセット電圧Vb2の絶対値を|Vb2|、トップ電極14とボトム電極121との間の抵抗をrとすると、下記の式(4)で表される。
|Q2|=Tb2×|Vb2|/r 式(4)
ここで、ポストセット期間t8において放射線変換膜13に形成される電界の方向は、撮影期間t4における方向と反対である。そのため、ポストセット期間t8におけるリーク電流の方向も、撮影期間t4における方向と反対である。したがって、キャパシタ122に蓄積(放電)される電荷の符号も反対になる。本実施形態によれば、図10に示すように、Q1とQ2とが打ち消し合って、リーク電流によるオフセットを低減することができる。
Q1とQ2とが完全に打ち消し合うようにするためには、Q1+Q2=0、すなわち、|Q1|=|Q2|とすれば良い。式(2)および式(4)から、下記の式(5)が得られる。
Tb1×|Vb1|=Tb2×|Vb2| 式(5)
式(3)の場合と同様に、必ずしもTb1とTb2とを等しくしなければならない訳ではなく、必ずしも|Vb1|と|Vb2|とを等しくしなければならない訳ではない。また、常にQ1+Q2=0としておく必要はない。Q1とQ2とが反対符号であれば、すなわち、ポストセット電圧Vb2とキャリア収集電圧Vb1とが反対符号であれば、Q1+Q2はQ1よりも小さくなり、オフセットを低減する効果が得られる。
本変形例によっても、リーク電流によるオフセットが取り除かれた(低減された)信号電荷が得られる。これによって、ADC24のダイナミックレンジを有効に利用して、コントラストの高い画像を得ることができる。
[第2の実施形態]
図11は、本発明の第2の実施形態にかかる放射線検出器200の構成を示す模式図である。放射線検出器200は、放射線検出器100の電圧供給回路30に代えて、電圧供給回路40を備えている。さらに、放射線検出器200は、放射線検出器100のバイアス制御回路211に代えて、バイアス制御回路212を備えている。
電圧供給回路40は、2種類の定電圧電源41,42と、スイッチ群43とを含んでいる。定電圧電源41は予備電圧−|VbP|を出力し、定電圧電源42はキャリア収集電圧+|Vb1|を出力する。スイッチ群43は、スイッチS1とスイッチS2とを含んでいる。スイッチS1は定電圧電源41の出力端子とトップ電極14との間に配置されおり、スイッチS2は定電圧電源42の出力端子とトップ電極14との間に配置されている。
バイアス制御回路212は、スイッチ群43を制御することによって、放射線変換膜13に印加するバイアス電圧Vbを制御する。より具体的には、バイアス制御回路212は、制御信号CTRL1およびCTRL2を生成して、スイッチ群43を制御する。スイッチS1は、制御信号CTRL1がハイレベルのときオン(閉)状態となり、CTRL1がローレベルのときオフ(開)状態となる。同様に、スイッチS2は、制御信号CTRL2がハイレベルのときオン(閉)状態となり、CTRL2がローレベルのときオフ(開)状態となる。
図12は、制御信号CTRL1およびCTRL2、ならびにバイアス電圧Vbの関係を示すタイミングチャートである。バイアス制御回路212は、互いに反対極性になるように制御信号CTRL1とCTRL2とを生成する。より詳しくは、バイアス制御回路212は、制御信号CTRL1をローレベルからハイレベルにするタイミングに同期して、制御信号CTRL2をハイレベルからローレベルにする。同様に、バイアス制御回路212は、制御信号CTRL1をハイレベルからローレベルにするタイミングに同期して、制御信号CTRL2をローレベルからハイレベルにする。これによって、バイアス電圧Vbは、予備電圧−|VbP|およびキャリア収集電圧+|Vb1|のいずれかとなる。
なお、バイアス制御回路212は、図5のように、プリセット期間t2にプリセット電圧Vb0として予備電圧−|VbP|を印加するように動作する構成であっても良いし、図10のようにポストセット期間t3に、ポストセット電圧Vb2として予備電圧−|Vb0|を印加するように動作する構成であっても良い。
本実施形態によれば、第1の実施形態と比較して、切替時間t3(図5)またはt7(図10)を短くすることができる。すなわち、第1の実施形態では可変電圧電源31(図1)の出力電圧の切り替えに伴い、出力電圧が安定するまで待機する必要がある。これに対し、本実施形態によればこの時間を省略することができる。
また、第1の実施形態における可変電圧電源31のように、正負の出力切替が可能であり、かつ出力電圧の絶対値も大きい電源は高価である。本実施形態では、定電圧電源を2つ用いることによって、このような高価な可変電圧電源を用いなくて済むため、コスト上も有利である。
[第2の実施形態の変形例]
図13は、本発明の第2の実施形態の変形例にかかる放射線検出器201の構成を示す模式図である。放射線検出器201は、放射線検出器200の構成に加えて、タイミング調整回路213をさらに備えている。
放射線検出器200と放射線検出器201とは、スイッチ群43の制御方法が異なる。図14は、制御信号CTRL1およびCTRL2、ならびにバイアス電圧Vbの関係を示すタイミングチャートである。本変形例では、タイミング調整回路213によって、制御信号CTRL1の極性が反転するタイミングと、制御信号CTRL2の極性が反転するタイミングとを、ΔTだけずらしている。より詳しくは、制御信号CTRL1がハイレベルからローレベルになるタイミングからΔTだけ遅延して、制御信号CTRL2がローレベルからハイレベルになる。同様に、制御信号CTRL2がハイレベルからローレベルになるタイミングからΔTだけ遅延して、制御信号CTRL1がローレベルからハイレベルになる。
放射線検出器200による制御方法(図11および図12)の場合、スイッチS1とS2とが同時に閉じる瞬間が生じる可能性がある。この場合、定電圧電源41と42とが短絡して、定電圧電源41および42を破損する可能性がある。本変形例によれば、制御信号CTRL1およびCTRL2の極性が反転するタイミングを明示的にずらすことによって、定電圧電源41と42とが短絡するのをより確実に防止できる。
なお、ノンオーバーラップ時間ΔTは、制御信号CTRL1およびCTRL2のtr/tf特性を考慮して、必要十分な時間を確保して設定すれば良い。
[第3の実施形態]
図15は、本発明の第3の実施形態にかかる放射線検出器300の構成を示す模式図である。放射線検出器300は、放射線検出器100の電圧供給回路30に代えて、電圧供給回路50を備えている。さらに、放射線検出器200は、放射線検出器100のバイアス制御回路211に代えて、バイアス制御回路214を備えている。
電圧供給回路50は、フローティング電源51と、スイッチ群52とを含んでいる。フローティング電源51は、出力端の間の電圧が一定(V0)であり、接地端子を切り替えることで供給する電圧の極性を変化させることができる装置である。スイッチ群52は、スイッチS3〜S6を含んでいる。スイッチS3はフローティング電源51の出力端子の一方とトップ電極14との間に配置され、スイッチS4はフローティング電源51の出力端子の一方と基準電位との間に配置されている。スイッチS5はフローティング電源51の出力端子の他方と基準電位との間に配置され、スイッチS6はフローティング電源51の出力端子の他方とトップ電極14との間に配置されている。
バイアス制御回路214は、スイッチ群52を制御することによって、放射線変換膜13に印加するバイアス電圧Vbを制御する。より具体的には、バイアス制御回路214は、制御信号CTRL1およびCTRL2を生成して、スイッチ群52を制御する。スイッチS3およびS5は、制御信号CTRL1がハイレベルのときオン(閉)状態となり、CTRL1がローレベルのときオフ(開)状態となる。同様に、スイッチS4およびS6は、制御信号CTRL2がハイレベルのときオン(閉)状態となり、CTRL2がローレベルのときオフ(開)状態となる。
図16は、制御信号CTRL1およびCTRL2、ならびにバイアス電圧Vbの関係を示すタイミングチャートである。バイアス制御回路214は、バイアス制御回路212と同様に、互いに反対極性になるように制御信号CTRL1とCTRL2とを生成する。これによって、バイアス電圧Vbは、−|V0|および+|V0|のいずれかとなる。
なお、バイアス制御回路214は、図5のように、プリセット期間t2にプリセット電圧Vb0として電圧−|V0|を印加するように動作する構成であっても良いし、図10のように、ポストセット期間t3にポストセット電圧Vb2として電圧−|V0|を印加するように動作する構成であっても良い。
本実施形態によっても、第1の実施形態と比較して、切替時間t3(図5)またはt7(図10)を短くすることができる。また、高価な可変電圧電源を用いなくて済むため、コスト上も有利である。
[第3の実施形態の変形例]
図17は、本発明の第3の実施形態の変形例にかかる放射線検出器301の構成を示す模式図である。放射線検出器301は、放射線検出器300の構成に加えて、タイミング調整回路215をさらに備えている。
放射線検出器300と放射線検出器301とは、スイッチ群52の制御方法が異なる。図18は、制御信号CTRL1およびCTRL2、ならびにバイアス電圧Vbの関係を示すタイミングチャートである。本変形例においても、第2の実施形態の変形例と同様に、タイミング調整回路215によって、制御信号CTRL1の極性が反転するタイミングと、制御信号CTRL2の極性が反転するタイミングとを、ΔTだけずらしている。
放射線検出器300による制御方法(図15および図16)の場合、スイッチS3とS6とが同時に閉じる瞬間が生じる可能性がある。あるいは、スイッチS4とS5とが同時に閉じる瞬間が生じる可能性がある。この場合、フローティング電源51の2つの出力端子が短絡して、フローティング端子を破損する可能性がある。本変形例によれば、制御信号CTRL1およびCTRL2の極性が反転するタイミングを明示的にずらすことによって、フローティング電源51の2つの出力端子が短絡するのをより確実に防止できる。
[その他の実施形態]
以上、本発明についての実施形態を説明したが、本発明は上述の各実施形態のみに限定されず、発明の範囲内で種々の変更が可能である。また、各実施形態は、適宜組み合わせて実施することが可能である。
なお、上述の各実施形態では、プリセット期間t2およびポストセット期間t8のいずれか一方において、バイアス電圧を予備電圧に設定する場合を説明した。しかし、プリセット期間t2およびポストセット期間t8の両方を設けて、両方の期間においてバイアス電圧を所定の予備電圧に設定して、オフセットを低減させても良い。
本発明は、放射線検出器として産業上の利用が可能である。
100,200,201,300,301 放射線検出器
10 センサ部
11 基板
12 アレイ層
120 画素
121 ボトム電極
122 キャパシタ
123 スイッチング素子
13 放射線変換膜
14 トップ電極
20 駆動部
21 コントローラ
211,212,214 バイアス制御回路
213,215 タイミング調整回路
30,40,50 電圧供給回路
31 可変電圧電源
41,42 定電圧電源
51 フローティング電源
43,52 スイッチ群

Claims (4)

  1. 入射した放射線に応じた量のキャリアを生成する放射線変換膜と、
    前記放射線変換膜の一方の面に電気的に接続され、前記放射線変換膜にバイアス電圧を印加する電圧供給回路と、
    前記放射線変換膜の他方の面に電気的に接続されるキャパシタと、
    前記バイアス電圧を制御するバイアス制御回路とを備え、
    前記バイアス制御回路は、
    前記放射線変換膜に放射線が照射される前の期間であるプリセット期間および前記放射線変換膜に放射線が照射された後の期間であるポストセット期間の少なくとも一方においては、前記バイアス電圧を所定の予備電圧に設定し、
    前記放射線変換膜に放射線が照射される期間である撮影期間においては、前記バイアス電圧を前記予備電圧と符号の異なるキャリア収集電圧に設定する、放射線検出器。
  2. 前記電圧供給回路は、可変電圧電源を含む、請求項1に記載の放射線検出器。
  3. 前記電圧供給回路は、
    前記予備電圧を供給する予備電圧供給用定電圧電源と、
    前記キャリア収集電圧を供給するキャリア収集電圧供給用定電圧電源とを含む、請求項1に記載の放射線検出器。
  4. 前記電圧供給回路は、フローティング電源を含む、請求項1に記載の放射線検出器。
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