本発明者は、従来の技術と経験とは対照的に、(i)以下に記載の診断テストによってTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又はタキサンに対して高い感受性を示した患者にのみTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物と1以上のタキサンを投与すること、(ii)TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又はタキサンの毒性を最小限に抑え、なお且つ有効性を示す以下に記載の投与量レベルを採用すること、あるいは(iii)TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又はタキサンの毒性を最小限に抑える、以下に記載の投与計画を採用すること、の1つ又は組合せによって、腫瘍及び癌を治療するためのTCN、TCN-P、TCN-PM、及び関連化合物と1以上のタキサンとの併用における有効な利用方法を見出した。
本発明者は、従来の技術と経験とは対照的に、(i)以下に記載の診断テストによってTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又はトラスツズマブに対して高い感受性を示した患者にのみTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物と例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)レセプタ改質分子を投与すること、(ii)TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又はトラスツズマブ又はその塩の毒性を最小限に抑え、なお且つ有効性を示す以下に記載の投与量レベルを採用すること、(iii)TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又はトラスツズマブ又はその塩の毒性を最小限に抑える、以下に記載の投与計画を採用すること、の1つ又は組合せによって、腫瘍及び癌を治療するために、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び関連化合物と例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)レセプタ改質分子との併用における有効な利用方法を見出した。
本発明者は、従来の技術と経験とは対照的に、(i)以下に記載の診断テストによってTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又はアントラサイクリン誘導体に対して高い感受性を示した患者にのみTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物と1以上のアントラサイクリン誘導体を投与すること、(ii)TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又はアントラサイクリン誘導体の毒性を最小限に抑え、なお且つ有効性を示す以下に記載の投与量レベルを採用すること、あるいは(iii)TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又はアントラサイクリン誘導体の毒性を最小限に抑える、以下に記載の投与計画を採用すること、の1つ又は組合せによって、腫瘍及び癌を治療するためのTCN、TCN-P、TCN-PM、及び関連化合物と1以上のアントラサイクリン誘導体との併用における有効な利用方法を見出した。
本発明者は、従来の技術と経験とは対照的に、(i)以下に記載の診断テストによってTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又はエルロチニブ様化合物に対して高い感受性を示した患者にのみTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物と1以上のエルロチニブ様化合物を投与すること、(ii)TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又はエルロチニブ様化合物の毒性を最小限に抑え、なお且つ有効性を示す以下に記載の投与量レベルを採用すること、あるいは(iii)TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又はエルロチニブ様化合物の毒性を最小限に抑える、以下に記載の投与計画を採用すること、の1つ又は組合せによって、腫瘍及び癌を治療するためのTCN、TCN-P、TCN-PM、及び関連化合物と1以上のエルロチニブ様化合物との併用における有効な利用方法を見出した。
本発明者は、従来の技術と経験とは対照的に、(i)以下に記載の診断テストによってTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又は1以上の白金化合物に対して高い感受性を示した患者にのみTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物と1以上の白金化合物を投与すること、(ii)TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又は1以上の白金化合物の毒性を最小限に抑え、なお且つ有効性を示す以下に記載の投与量レベルを採用すること、あるいは(iii)TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又は1以上の白金化合物の毒性を最小限に抑える、以下に記載の投与計画を採用すること、の1つ又は組合せによって、腫瘍及び癌を治療するためのTCN、TCN-P、TCN-PM、及び関連化合物と1以上の白金化合物との併用における有効な利用方法を見出した。
本発明者は、従来の技術と経験とは対照的に、(i)以下に記載の診断テストによってTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又はボルテゾミブ及びその誘導体に対して高い感受性を示した患者にのみTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物と1以上のボルテゾミブ及びその誘導体を投与すること、(ii)TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又はボルテゾミブ及びその誘導体の毒性を最小限に抑え、なお且つ有効性を示す以下に記載の投与量レベルを採用すること、あるいは(iii)TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又はボルテゾミブ及びその誘導体の毒性を最小限に抑える、以下に記載の投与計画を採用すること、の1つ又は組合せによって、腫瘍及び癌を治療するためのTCN、TCN-P、TCN-PM、及び関連化合物とボルテゾミブ及びその誘導体との併用における有効な利用方法を見出した。
(定義)
本発明における「化合物」という用語は、化合物I-XXIII 、及びこれらの組合わせを言及している。
「癌」及び「癌の」という用語は、無制御な細胞増殖、すなわち、増殖性疾患を一般に特徴とする、哺乳動物の生理学的状態を表す。このような増殖性疾患の例には、癌腫、リンパ腫、芽細胞種、肉腫、及び白血病等の癌並びに本明細書に記載の他の癌が含まれる。このような癌のより具体的な例としては、乳癌、前立腺癌、大腸癌、扁平上皮細胞癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、胃腸癌、膵臓癌、子宮頸癌、卵巣癌、肝臓癌(例えば、肝癌)、膀胱癌、結腸直腸癌、子宮体癌、腎臓癌及び甲状腺癌が挙げられる。
癌の例としては他に、基底細胞癌、胆道癌、骨癌、脳及びCNSの癌、繊毛癌、結合組織癌、食道癌、目の癌、頭部及び頸部の癌、胃癌、上皮内新生物、咽頭癌、リンパ腫(ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫を含む)、黒色腫、骨髄腫、神経芽細胞腫、口腔癌(例えば、唇、舌、口腔及び咽頭の癌)、膵臓癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、直腸癌、呼吸器系の癌、肉腫、皮膚癌、胃癌、精巣癌、子宮癌、泌尿器系の癌、並びに他の癌腫及び肉腫がある(これらに限定されない)。
本明細書では、「腫瘍」という用語は、悪性又は良性に関わらず、新生物の成長増殖のすべて、並びに前癌性及び癌性の細胞及び組織のすべてを意味する。例えば、ある特定の癌は、固形腫瘤を特徴とする。固形腫瘤が存在するならば、それは原発腫瘤である。原発腫瘤とは、組織の正常な細胞の形質転換の結果、当該組織の癌細胞が増殖して形成されたものである。ほとんどの場合、この原発腫瘤は、嚢の存在によって同定され、肉眼法又は触診法によって、或いは組織の形状、手触り、又は質量の不規則性によって見出すことができる。しかし、いくつかの原発腫瘍は触知できず、X線等の医用画像技術(例えば、マンモグラフィー)又は針穿刺吸引によってのみ検出することができる。後者の技術の使用は、早期発見ではより一般的である。組織内癌細胞の分子分析及び表現型分析を行えば、通常、その癌が組織に対して内因性のものであるか、或いは病変部が他の部位からの転移によるものか、を確認することができる。
本明細書では、特に断らない限り、アルキルという用語は、例えば、C1〜C24の飽和直鎖、分枝若しくは環状、1級、2級若しくは3級の炭化水素を包含し、具体例としては、メチル、トリフルオロメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、3−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチル及び2,3−ジメチルブチルが挙げられる。このアルキルは、場合により、例えば、1個又は複数の置換基、例えば、ハロ(F、Cl、Br若しくはI)(例えば、CF3、2−Br−エチル、CH2F、CH2Cl、CH2CF3若しくはCF2CF3)、ヒドロキシル(例えば、CH2OH)、アミノ(例えば、CH2NH2、CH2NHCH3若しくはCH2N(CH3)2)、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、アジド(例えば、CH2N3)、シアノ(例えば、CH2CN)、スルホン酸、硫酸、ホスホン酸、リン酸又はホスホン酸塩、で置換されていてもよい。これらの置換基は、保護されていなくても、また、必要に応じて、当分野で公知の方法、例えば、Greene他、「有機合成における保護基」、John Wiley and Sons、第2版、1991(参照されることによって本明細書に組み込まれる。)で教示された方法で保護されていてもよい。
本明細書では、低級アルキルという用語は、特に断らない限り、置換されていても、置換されていなくてもよい、C1〜C4の飽和直鎖、分枝、又は環状(例えば、シクロプロピル)(適切な場合)のアルキル基のことである。
アルキルアミノ又はアリールアミノという用語は、それぞれ、1個又は2個のアルキル置換基又はアリール置換基を有するアミノ基を包含する。
アミノ酸という用語は、天然又は合成のα、β、γ若しくはδアミノ酸を包含し、例としては、タンパク質に見出されるアミノ酸、すなわち、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、プロリン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、アルギニン及びヒスチジン(これらに限定されない。)が挙げられる。好ましい実施形態では、アミノ酸はL型である。或いは、アミノ酸は、アラニル、バリル、ロイシル、イソロイシル、プロリル、フェニルアラニル、トリプトファニル、メチオニル、グリシル、セリル、スレオニル、システイニル、チロシル、アスパラギニル、グルタミニル、アスパルトイル、グルタロイル、リシル、アルギニル、ヒスチジル、β−アラニル、β−バリル、β−ロイシル、β−イソロイシル、β−プロリル、β−フェニルアラニル、β−トリプトファニル、β−メチオニル、β−グリシル、β−セリル、β−スレオニル、β−システイニル、β−チロシル、β−アスパラギニル、β−グルタミニル、β−アスパルトイル、β−グルタロイル、β−リシル、β−アルギニル又はβ−ヒスチジルの誘導体であってもよい。アミノ酸という用語が用いられている場合、天然若しくは合成のアミノ酸、例えば、D体及びL体で存在する、α、β、γ若しくはδのグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、プロリン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、アルギニン及びヒスチジン、のエステルの各々が具体的に、且つ独立に記載されているものとみなす。
本明細書では、「保護された」という用語は、特に断らない限り、更なる反応を阻止しするために、又は、他の目的のために、酸素、窒素、硫黄又はリン原子に基が付加されていることを包含する。酸素及び窒素の広範な保護基が有機合成の当業者に知られている(Greene及びWuts、「有機合成における保護基」、3版、John Wiley & Sons,Inc.、New York、NY、1999を参照されたい)。
本明細書では、アリールという用語は、特に断らない限り、フェニル、ビフェニル又はナフチル、好ましくはフェニルを包含する。アリール基は、場合により、1個又は複数の置換基、例えば、ハロ、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、硫酸、ホスホン酸、リン酸又はホスホン酸、で置換されている。これらの置換基は、保護されていなくても、また、必要に応じて、当分野で公知の方法、例えば、Greene他、「有機合成における保護基」、John Wiley and Sons、第3版、1999で教示された方法で保護されていてもよい。
アルカリール又はアルキルアリールという用語は、アリール置換基を有するアルキル基を包含する。アラルキル又はアリールアルキルという用語は、アルキル置換基を有するアリール基を包含する。
本明細書では、ハロという用語は、クロロ、ブロモ、ヨード及びフルオロを包含する。
アシルという用語は、エステル基の非カルボニル部分が、直鎖、分枝若しくは環状のアルキル若しくは低級アルキル、アルコキシアルキル(メトキシメチルを含む)、アラルキル(ベンジルを含む)、アリールオキシアルキル(フェノキシメチル等)、アリール(ハロゲン、C1〜C4アルキル若しくはC1〜C4アルコキシで置換されていてもよいフェニルを含む)、スルホン酸エステル(アルキル若しくはアラルキルスルホニル(メタンスルホニルを含む。)等)、一、二若しくは三リン酸エステル、トリチル若しくはモノメトキシトリチル、置換ベンジル、トリアルキルシリル(例えば、ジメチル−t−ブチルシリル)又はジフェニルメチルシリル、から選択されるカルボン酸エステルを包含する。このエステルのアリール基には、場合によってはフェニル基を包含する。「低級アシル」という用語は、非カルボニル部分が低級アルキルであるアシル基のことである。
本明細書では、鏡像異性的純度に関して用いられる、「実質的に含まない」又は「実質的に存在しない」という用語は、特定の鏡像異性体が、組成物中に、少なくとも85質量%若しくは90質量%、好ましくは95〜98質量%、より好ましくは99〜100質量%含まれることを示す。好ましい実施形態では、本発明の方法及び化合物において、当該化合物は実質的に他の鏡像異性体を含まない。
同様に、「単離された」という用語は、化合物の組成物が、当該化合物を、少なくとも85質量%若しくは90質量%、好ましくは95〜98質量%、より好ましくは99〜100質量%含み、残部は他の化学種又は鏡像異性体であることを示す。
本明細書では、「独立に」という用語は、独立に適用される変数が適用毎に独立に変化することを示すために用いられる。従って、R"XYR"で表される化合物では、R"が「独立に炭素又は窒素である」ならば、両方のR"が炭素であっても、両方のR"が窒素であっても、また、一方のR"が炭素で、他方のR"が窒素であってもよい。
本明細書では、「薬学的に許容される塩若しくはプロドラッグ」という用語は、患者に投与されると当該化合物をもたらす、当該化合物の任意の薬学的に許容される形態(例えば、エステル、リン酸エステル、又はエステル若しくは関連基の塩)を表すために用いられる。薬学的に許容される塩は、薬学的に許容される無機又は有機の塩基及び酸から得られたものを包含する。適切な塩には、医薬分野で周知の数多くの他の酸の中でも、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属から得られる塩が包含される。薬学的に許容されるプロドラッグとは、宿主内で代謝(例えば、加水分解若しくは酸化)を受けて、本発明の化合物を形成する化合物のことである。プロドラッグの典型例には、活性化合物の官能基に生物学的に不安定な保護基を有する化合物が包含される。プロドラッグには、酸化、還元、アミノ化、脱アミノ化、水酸化、脱水酸化、加水分解、脱水、アルキル化、脱アルキル化、アシル化、脱アシル化、リン酸化、脱リン酸化を受けて、活性化合物を生じることができる化合物が包含される。
本明細書では、「薬学的に許容されるエステル」という用語は、特に断らない限り、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、炎症、アレルギー反応等を伴わず、宿主の組織と接触して使用するのに適していると判断され、且つ、リスク便益比が適度であり、企図する用途に有効である、1種又は複数種の化合物のエステルを包含する。
本明細書では、「被治療者」という用語は、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトのことである。哺乳動物は、非ヒト哺乳動物、例えば、ブタ、ヒツジ、ヤギ、メスウシ(ウシ)、シカ、ラバ、ウマ、サル、他の非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、ラット、マウス、ウサギ、又は、他の公知の、若しくは本明細書に記載の動物であってもよい。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物という用語は、化合物IからIVを包含する。
(本発明の化合物)
他に指定のない限り、本明細書で使用される「TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物」、「トリシビリン」、「リン酸トリシビリン」、「リン酸トリシリビン一水和物」、及び「トリシビリン及び関連化合物」の用語は、以下の構造によって網羅される化合物を言及している。
式中、R2'、R3'及びR5'は、各々独立に、水素、置換されていてもよいリン酸若しくはホスホン酸(一、二若しくは三リン酸又は安定化リン酸プロドラッグを含む)、アシル(低級アシルを含む)、アルキル(低級アルキルを含む)、アミド、アルキル若しくはアリールアルキルを含むスルホン酸エステル、スルホニル(メタンスルホニルを含む。)及びベンジル(ここで、フェニル基は、例えば、本明細書中でアリールを定義する際に挙げた1個又は複数の置換基によって置換されていてもよい)、置換されていてもよいアリールスルホニル、脂質(リン脂質を含む)、アミノ酸、炭水化物、ペプチド又はコレステロール、或いは、R2'、R3'又はR5'が独立にH又は一、二若しくは三リン酸である化合物をin vivoで提供する、薬学的に許容される他の脱離基である。
Rx及びRyは、独立に、水素、置換されていてもよいリン酸、アシル(低級アシルを含む)、アミド、アルキル(低級アルキルを含む)、芳香族、ポリオキシアルキレン(ポリエチレングリコール等)、置換されていてもよいアリールスルホニル、脂質(リン脂質を含む)、アミノ酸、炭水化物、ペプチド又はコレステロール、或いは薬学的に許容される他の脱離基である。一実施形態では、当該化合物を、5'−ホスホエーテル脂質又は5'−エーテル脂質として投与する。
R1及びR2は、各々独立に、H、置換されていてもよい直鎖、分枝若しくは環状のアルキル(低級アルキルを含む)、アルケニル若しくはアルキニル、CO−アルキル、CO−アルケニル、CO−アルキニル、CO−アリール若しくはヘテロアリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、スルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニルである。
一実施形態では、R2'及びR3'は水素である。他の実施形態では、R2'及びR5'は水素である。更に他の実施形態では、R2'、R3'及びR5'は水素である。更に他の実施形態では、R2'、R3'、R5'、R1及びR2は水素である。
他の実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物は、以下の構造を有する。
式中、R3は、H、置換されていてもよい直鎖、分枝若しくは環状のアルキル(低級アルキルを含む)、アルケニル若しくはアルキニル、NH2、NHR4、N(R4)2、アリール、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、又は置換されたアリールであり、
R4は、各々独立に、H、アシル(低級アシルを含む)、アルキル(メチル、エチル、プロピル、シクロプロピル等の低級アルキルを含むが、これらに限定されない)、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル又はアリールである。下位の実施形態では、R3は、直鎖C1〜11アルキル、イソプロピル、t−ブチル又はフェニルである。
他の実施形態では、本明細書で提供されるTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物は、以下の構造を有する。
他の実施形態では、本明細書で提供されるトリシビリン化合物は次の構造を有する。
他の実施形態では、本明細書で提供されるトリシビリン化合物は次の構造を有する。
式中、R6は、H、アルキル(低級アルキルを含む)、アルケニル、アルキニル、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アリールアルキル、シクロアルキル、NH2、NHR4、NR4R4、CF3、CH2OH、CH2F、CH2Cl、CH2CF3、C(Y3)3、C(Y3)2C(Y3)3、C(=O)OH、C(=O)OR4、C(=O)−アルキル、C(=O)−アリール、C(=O)−アルコキシアルキル、C(=O)NH2、C(=O)NHR4、C(=O)N(R4)2であり、Y3は、各々独立に、H又はハロであり、
R4は、各々独立に、H、アシル(低級アシルを含む)、アルキル(メチル、エチル、プロピル、シクロプロピル等の低級アルキルを含むが、これらに限定されない)、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル又はアリールである。
下位の実施形態では、R6は、エチル、CH2CH2OH又はCH2−フェニルである。
他の実施形態では、本明細書で提供されるTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物は次の構造を有する。
[001]
式中、R7は、H、ハロ、アルキル(低級アルキルを含む)、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキル、シクロアルキル、ニトロ、シアノ、OH、OR4、NH2、NHR4、NR4R4、SH、SR4、CF3、CH2OH、CH2F、CH2Cl、CH2CF3、C(Y3)3、C(Y3)2C(Y3)3、C(=O)OH、C(=O)OR4、C(=O)−アルキル、C(=O)−アリール、C(=O)−アルコキシアルキル、C(=O)NH2、C(=O)NHR4、C(=O)N(R4)2又はN3であり、Y3は、各々独立に、H又はハロであり、R4は、各々独立に、H、アシル(低級アシルを含む)、アルキル(メチル、エチル、プロピル、シクロプロピル等の低級アルキルを含むが、これらに限定されない)、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ヒドロキシアルキルである。
下位の実施形態では、R7は、メチル、エチル、フェニル、クロロ又はNH2である。
他の実施形態では、本明細書で提供されるTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物は次の構造を有する。
他の実施形態では、本明細書で提供されるTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物は次の構造を有する。
本明細書で使用される「タキサン」の用語は、特に示さなければ次の化合物を言及している。
式中、R10及びR11は、各々独立に、水素、置換されていてもよい直鎖、分枝若しくは環状のアルキル(低級アルキルを含む)、アルケニル若しくはアルキニル、アリール、CO−アルキル、CO−アルケニル、CO−アルキニル、CO−アリール若しくはヘテロアリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、スルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニルである。
一実施形態では、タキサンは次の構造を有する。
式中、R11は各々独立に、水素、置換されていてもよい直鎖、分枝若しくは環状のアルキル(低級アルキルを含む)、アルケニル若しくはアルキニル、アリール、CO−アルキル、CO−アルケニル、CO−アルキニル、CO−アリール若しくはヘテロアリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、スルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニルである。
一実施形態では、タキサンは次の構造を有する。
R11は各々独立に、水素、置換されていてもよい直鎖、分枝若しくは環状のアルキル(低級アルキルを含む)、アルケニル若しくはアルキニル、アリール、CO−アルキル、CO−アルケニル、CO−アルキニル、CO−アリール若しくはヘテロアリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、スルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニルである。
一実施形態では、タキサンは次の構造を有する。
一実施形態では、タキサンは次の構造を有する。
本明細書で使用される「HER2/neu(erbB2)レセプタ改質分子」の用語は、特に示さなければ、ヒト上皮成長因子受容体2タンパク、すなわちHER2の細胞外ドメインに対して、細胞ベースのアッセイにおいて高い親和力で選択的に結合するヒト化モノクローナル抗体由来の組換え型DNAを言及している。ある実施形態では、上記抗体は、HER2に結合するマウス抗体(4D5)のヒト化のフレームワーク領域及び相補性決定領域を含むIgG1κである。
本明細書で使用される「トラスツズマブ」の用語は、特に示さなければ、トラスツズマブ又はその塩を言及している。ある実施形態では、トラスツズマブの用語は、Drug Bankの登録番号BTD00098、及び商品名Herceptinを言及しており、これは、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)と直接対抗するヒト化モノクローナル抗体の組換え体である。HER2は、多くの腺癌、特に乳腺癌によって過剰発現する。トラスツズマブは、腫瘍細胞の細胞表面にあるHER2に結合し、それによってHER2を過剰発現する腫瘍細胞に対して抗体依存性の細胞媒介性細胞障害を誘発する。
本明細書で使用される「アントラサイクリン誘導体」の用語は、特に示さなければ、化合物XVIII〜化合物XIXを言及している。ここで、化合物XVIIIは次の構造を有する。
式中、R1,R4,R6,R7は各々独立に、水素、ヒドロキシ、アルコキシであり、
R2及びR3は各々独立に、水素、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲンであり、
R5は、水素、置換されていてもよい直鎖、分枝若しくは環状のアルキル、ヒドロキシ、アルコキシであり、
R8は、CO−アルキル、CO−ハロゲン置換アルキル、CO−アリール若しくはヘテロアリールである。
他の実施形態では、「アントラサイクリン化合物」の用語は次の構造を有する化合物XIXに含まれる化合物を言及している。
式中、R1及びR2は各々独立に、水素、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲンであり、
R3及びR4は各々独立に、水素、置換されていてもよい直鎖、分枝若しくは環状のアルキル、置換されていてもよい直鎖、分枝若しくは環状のアルコール、置換されていてもよい直鎖、分枝若しくは環状のアミンである。
「化合物XVIII又はXIXのアントラサイクリン化合物」の用語によって表わされる具体的な化合物としては、構造A−Gの化合物が挙げられる(これらに限定されない。)。
本明細書で使用される「上皮成長因子受容体阻害剤」の用語は、特に示さなければ、種々の癌において多く発現し、時に変異する上皮成長因子受容体(EGFR)のチロシンキナーゼを対象とする化合物を言及している。ある実施形態では、上記化合物は、受容体のアデノシン三リン酸(ATP)結合サイトに可逆的に結合する。ある実施形態では、EGFRファミリーの2つのメンバーは一緒になってホモダイマーを形成する。このとき、これらは互いに自己リン酸化するためにATP分子を使用し、このことが細胞内の構造における立体構造的な変化をもたらし、これが結合タンパクのさらなる結合サイトを露出させ、このことが核へのシグナルカスケードを引き起こす。ATPを阻害することによって自己リン酸化ができなくなり、シグナルが停止する。上皮成長因子受容体阻害剤の具体例としては、例えばゲフィチニブ及びエルロチニブのようなエルロチニブ様化合物が挙げられる。
本明細書で使用される「エルロチニブ様化合物」の用語は、特に示さなければ、化合物XXを言及している。
式中、R1及びR2は各々独立に、水素、独立に置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアミン、芳香族アミン、ヘテロ芳香族アミン、置換されていてもよい直鎖、分枝若しくは環状のアルキルであり、
R3及びR4は各々独立に、水素、独立に置換されていてもよい芳香族アミン、ヘテロ芳香族アミン、若しくは環状のアミンである。
エルロチニブ様化合物の具体例としては、下記の構造が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書で使用される「白金化合物」の用語は、特に示さなければ、化合物XXIを言及している。
式中、R1,R2,R3及びR4は各々独立に、水素、置換されていてもよいアミン、芳香族アミン、ヘテロ芳香族アミン、置換されていてもよい直鎖、分枝若しくは環状のアルキルである。R1,R2,R3及びR4の間で芳香族環、ヘテロ芳香族環又は環を形成してもよい。
白金化合物の具体例としては構造A−Iが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書で使用される「ボルテゾミブ及びその誘導体」の用語は、特に示さなければ、化合物XXIIを言及している。
式中、R1,R2,R3,R4,R5は各々独立に、水素、ハロゲン化されてもよく置換されていてもよい直鎖、分枝若しくは環状のアルキル(低級アルキルを含む)、アルコキシ、アルケニル、若しくはアルキニル、アリール、CO−アルキル、CO−アルケニル、CO−アルキニル、CO−アリール若しくはヘテロアリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、スルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニルである。
一実施形態では、ボルテゾミブ及びその誘導体は次の構造を有する。
式中、R1,R2,R3,R4,R5は各々独立に、水素、ハロゲン化されてもよく置換されていてもよい直鎖、分枝若しくは環状のアルキル(低級アルキルを含む)、アルコキシ、アルケニル、若しくはアルキニル、アリール、CO−アルキル、CO−アルケニル、CO−アルキニル、CO−アリール若しくはヘテロアリール、CO−アルコキシアルキル、CO−アリールオキシアルキル、CO−置換アリール、スルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニルである。
一実施形態では、ボルテゾミブ及びその誘導体は次の構造を有する。
本明細書に記載の各化合物は市販されており、また当業者に公知の方法で合成することができる。
本明細書に記載の化合物は、キラル中心を含有してもよいことを理解されたい。このようなキラル中心は、(R)若しくは(S)配置のいずれかであることが可能で、又はそれらの混合物であることが可能である。従って、本明細書で提供される化合物は、鏡像異性的に純粋であるか、又は立体異性体若しくはジアステレオマーの混合物であることが可能である。本明細書での化合物の記載は、好ましくは本明細書に記載の有用な特性を有する任意のラセミ体、光学活性体、多形体、若しくは立体異性体、又はそれらの混合物を包含し、光学活性体の調製方法、及び本明細書に記載の標準的試験、若しくは当業者に周知の他の同様の試験を用いた活性の測定方法は、当分野で周知であることを理解されたい。
化合物の光学異性体を得るために用いることができる方法としては、次のものが挙げられる。
(i)結晶の物理的分離: 個々の鏡像異性体の肉眼的結晶を手作業で分離する技術。別々の鏡像異性体の結晶が存在するならば、すなわち、物質が凝集し、その結晶が視覚的に異なるならば、この技術を用いることができる。
(ii)同時結晶化: 個々の鏡像異性体をラセミ化合物溶液から別々に結晶化させる技術。ラセミ化合物が固体状の集合体である場合のみ可能である。
(iii)酵素的分割: 鏡像異性体の反応速度の違いによって、ラセミ化合物を酵素で部分的に、又は完全に分離する技術。
(iv)酵素的不斉合成: 合成の少なくとも1段階で、酵素反応を行って、所望の鏡像異性体の鏡像異性的に純粋な、又は濃縮された合成前駆体を得る合成技術。
(v)化学的不斉合成: 生成物中に非対称(すなわち、キラリティー)を生じる条件下で、所望の鏡像異性体を光学不活性前駆体から合成する合成技術。キラル触媒又はキラル補助剤を用いて実施してもよい。
(vi)ジアステレオマー分離: 個々の鏡像異性体をジアステレオマーに変換する、鏡像異性的に純粋な試薬(キラル補助剤)と、ラセミ化合物と、を反応させる技術。得られたジアステレオマーを、より明確になった構造的相違によってクロマトグラフィー若しくは結晶化によって分離し、その後、キラル補助剤を除去して、所望の鏡像異性体を得る。
(vii)1次及び2次不斉変換法: ラセミ化合物に由来のジアステレオマーを、所望の鏡像異性体に由来のジアステレオマーが溶液中で優先されるように平衡化する技術。或いは、所望の鏡像異性体に由来のジアステレオマーを優先的に結晶化させて平衡を変動させ、それによって、原理上は全物質を所望の鏡像異性体に由来の結晶性ジアステレオマーに変換させる技術。その後、所望の鏡像異性体をジアステレオマーから遊離させる。
(viii)動力学的分割: この技術は、動力学的条件下で、鏡像異性体とキラル、非ラセミ試薬又は触媒との相異なる反応速度によって、ラセミ化合物の部分的な、又は完全な分割(又は、部分的に分割した化合物の更なる分割)を行うものである。
(ix)非ラセミ前駆体からのエナンチオ選択的合成法: 所望の鏡像異性体を非キラル開始物質から得る技術。立体化学的強度が、合成過程全体に渡って減弱しないか、又は僅かしか減弱しない。
(x)キラル液体クロマトグラフィー法: ラセミ化合物の鏡像異性体を、固定相との異なる相互作用によって液体移動相中で分離する技術。固定相をキラル物質から作製するか、又は、異なる相互作用を引き起こす他のキラル物質を移動相に含有させることが可能である。
(xi)キラルガスクロマトグラフィー: ラセミ化合物を揮発させ、鏡像異性体を、固定された非ラセミのキラル吸着相を含有するカラムとの異なる相互作用を用いて、気体移動相中で分離する技術。
(xii)キラル溶媒による抽出: 鏡像異性体を、一方の鏡像異性体を特定のキラル溶媒に優先的に溶解させることによって分離させる技術。
(xiii)キラル膜横断輸送: ラセミ化合物を薄い膜障壁と接触するように配置する技術。この障壁は、一般に、一方がラセミ化合物を含有する2種の混和可能な液体を分離するものであり、濃度差、圧力差等の原動力によって、膜障壁を横切る選択的輸送が生じる。分離は、ラセミ化合物の一方の鏡像異性体のみを通過させる、膜の非ラセミなキラル性を原因として生じる。
いくつかの実施形態では、トリシリビン、リン酸トリシリビン(TCN−P)、トリシリビン5'−リン酸(TCN−P)、又はトリシリビンのDMF付加物(TCN−DMF)を提供する。TCNは、当分野で公知の任意の技術、例えば、Tetrahedron Letters、vol.49、pp.4757〜4760(1971)に記載の技術で合成することができる。TCN−Pは、当分野で公知の任意の技術、例えば、米国特許第4123524号に記載の技術で合成することができる。TCN−DMFの合成については、例えば、INSERM、vol.81、pp.37〜82(1978)に記載されている。本明細書に記載の他のTCN関連化合物は、例えば、Gudmundsson,K.S.他、「2',3'−ジデオキシサンギバマイシン、2',3'−ジデオキシトヨカマイシン及び2',3'−ジデオキシトリシリビンの炭素環式アナログの合成」、Nucleosides Nucleotides Nucleic Acids、20(10〜11):1823〜1830(2001年10月〜11月);Porcari,A.R.他、「6−N−アシルトリシリビンアナログ:アシル炭素鎖長とHIV−1に対する活性との間の構造−活性関係」、J.Med.Chem.、43(12):2457〜2463(2000年6月15日);Porcari,A.R.他、「トリシリビンの非環式糖アナログ:抗ウイルス活性及び抗増殖活性の欠如は細胞内リン酸化の低さと相関する」、Nucleosides Nucleotides、18(11〜12):2475〜2497(1999年11月〜12月)、Porcari,A.R.他、「トリシリビンのデオキシ糖アナログ:抗ウイルス活性及び抗増殖活性と細胞内リン酸化との相関」、J.Med.Chem.、43(12):2438〜2448(2000年6月15日)、Porcari,A.R.他、「トリシリビンの2−置換アナログの合成及び抗ウイルス活性」、Nucleosides Nucleotides Nucleic Acids、22(12):2171〜2193(2003年12月)、Porcari,A.R.他、「トリシリビンの改変全合成:抗新生物特性及び抗ウイルス特性を備えた三環式ヌクレオシド」、Nucleosides Nucleotides Nucleic Acids、23(1〜2):31〜39(2004)、Schweinsberg,P.D.他、「抗腫瘍性三環式ヌクレオシドの代謝物の同定(NSC−154020)」、Blochem.Pharmacol.、30(18):2521〜2526(1981年9月15日)、Smith,K.L.他、「抗HCM剤としての新規2'−ベータ−C−メチル関連トリシリビンアナログの合成」、Bioorg.Med.Chem.Lett.、14(13):3517〜3520(2004年7月5日)、Townsend,L.B.他、「ある種のペンタアザアセナフチレン、ヘキサアザアセナフチレン及びそれらの対応するヌクレオシドの合成及び生物学的活性」、Nucleic Acids Symp.Ser.、1986(17):41〜44(1986)、及び/又は、Wotring,L.L.他、「TCNのプロドラッグ型としてのリン酸化トリシリビン(TCN−P)の活性化機構」、Cancer Treat Rep.、70(4):491〜7(1986年4月)に記載の方法に従って合成することができる。
(薬学的に許容される塩、水和物及びプロドラッグ)
化合物が安定な非毒性の酸塩又は塩基塩を形成するのに十分な塩基性若しくは酸性である場合、この化合物を薬学的に許容される塩として投与することは適切と考えられる。薬学的に許容される塩は、薬学的に許容される無機又は有機の塩基及び酸から得られたものを含む。適切な塩には、医薬分野で周知の数多くの他の酸の中でも、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属から得られる塩が包含される。特に、薬学的に許容される塩としては、生理学的に許容される陰イオンを形成する、酸で形成された有機酸添加塩、例えば、トシル酸塩、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、α−ケトグルタル酸塩及びグリセロリン酸塩が挙げられる。硫酸塩、硝酸塩、重炭酸塩、炭酸塩等の適切な無機塩を形成してもよい。
他の実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物は、溶媒和物、例えば、リン酸トリシリビン一水和物(PCN−PM)である。
薬学的に許容される塩は、当分野で周知の標準的方法、例えば、アミン等の十分な塩基性の化合物と、生理学的に許容される陰イオンを生成する適切な酸と、を反応させることによって得ることができる。カルボン酸のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩若しくはリチウム塩)又はアルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩)を形成してもよい。
本明細書に記載のヌクレオチドのいずれかを、ヌクレオシドの活性、生物学的利用率、安定性を高めるために、或いはヌクレオシドの特性を変更するために、ヌクレオチドプロドラッグとして投与することができる。いくつかのヌクレオチドプロドラッグリガンドは公知である。一般に、ヌクレオシドの一、二若しくは三リン酸塩のアルキル化、アシル化、又は他の脂溶化は、このヌクレオチドの安定性を増大させる。リン酸部分の1個又は複数の水素を置換することが可能な置換基としては、アルキル、アリール、ステロイド、炭水化物(糖を含む)、1,2−ジアシルグリセロール及びアルコールが挙げられる。多くはR.Jones及びN.Bischofberger、Antiviral Research、27(1995)1〜17に記載されている。所望の効果を実現するために、これらのいずれかを、開示されたヌクレオシドと組み合わせて使用することができる。
一実施形態では、トリシリビン又は関連化合物は、5'−ヒドロキシル脂溶性プロドラッグとして提供される。ヌクレオシドに、好ましくはヌクレオシドの5'−OH位に共有的に組み込むことが可能な適切な脂溶性置換基又は脂溶性薬剤を開示した米国特許としては、例えば、米国特許第5149794号、第5194654号、第5223263号、第5256641号、第5411947号、第5463092号、第5543389号、第5543390号、第5543391号及び第5554728号(これらの開示内容はすべて、参照されることによって本明細書に組み込まれる)がある(これらに限定されない)。
本発明のトリシリビン若しくは関連化合物に結合可能な脂溶性置換基又は脂溶性薬剤を開示した外国特許出願としては、例えば、国際公開第89/102733号パンフレット、国際公開第90/100555号パンフレット、国際公開第91/116920号パンフレット、国際公開第91/18914号パンフレット、国際公開第93/00910号パンフレット、国際公開第94/126273号パンフレット、国際公開第/15132号パンフレット、EP0350287、EP93917054.4及び国際公開第91/19721号パンフレット(これらの開示内容はすべて、参照されることによって本明細書に組み込まれる)がある。
トリシリビン又は関連化合物の他の例としては、以下の刊行物に記載の置換基を含有するものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの誘導体化されたトリシリビン又は関連化合物は、参考文献に記載の適応症のため、或いは、抗HIV剤、抗HBV剤等の抗ウイルス剤として使用することができる。Ho D.H.W., Cancer Res., 1973 33: p. 2816−2820; Holy A. in Advances in Antiviral Drug Design, Vol. I, De Clercq (ed.), JAI Press, pp. 179−231; Hong C.I. et al. Biochem Biophys Rs Commun, 1979. 88: p. 1223−1229; Hong C.I. et al., J Med Chem, 1980. 28: p. 171−177; Hostetler K.Y. et al., J Biol Chem, 1990. 266: p. 11714−11717; Hostetler K.Y. et al, Antiviral Res, 1994. 24: p. 59−67; Hostetler K.Y. et al, Antimicrobial Agents Chemother, 1994. 38: p. 2792−2797; Hunston R.N. et al, J Med Chem, 1984. 27: p. 440−444; Ji Y.H. et al, J Med Chem, 1990. 33: p. 2264−2270; Jones A.S.et al., J Chem Soc Perkin Trans, 1984. I: p. 1471−1474; Juodka B.A. and Smart J., Coll Czech Chem Comm, 1974. 39: p. 363−968; Kataoka S. et al, Nucleic Acids Res Sym Ser, 1989. 21: p. 1−2; Kataoka S. et al, Heterocycles, 1991. 32: p. 1351−1356; Kinchington D. et al, Antiviral Chem Chemother, 1992. 3: p. 107−112; Kodama K. et al., Jpn J Cancer Res, 1989. 80: p. 679−685; Korty M. and Engels J., Naunyn−Schmiedeberg's Arch Pharmacol, 1979. 10: p. 103−111; Kumar A. et al., J Med Chem, 1990. 33: p. 2368−2375; LeBec C. and Huynh−dinh T., Tetrahedron Lett, 1991. 32: p. 6553−6556; Lichtenstein J. et al., J Biol Chem, 1960. 235: p. 457−465; Lucthy J. et al., Mitt Geg Lebensmittelunters Hyg, 1981. 72: p. 131−133 (Chem. Abstr. 95, 127093); McGuigan C. et al., Nucleic Acids Res, 1989. 17: p. 6065−6075; McGuigan C. et al., Antiviral Chem Chemother, 1990. 1: p. 107−113; McGuigan C. et al, Antiviral Chem Chemother, 1990. 1: p. 355−360; McGuigan C. et al., Antiviral Chem Chemother, 1990. 1: p. 25−33; McGuigan C. et al., Antiviral Res, 1991. 15: p. 255−263; McGuigan C. et al., Antiviral Res, 1992. 17: p. 311−321; McGuigan C. et al., Antiviral Chem Chemother, 1993. 4: p. 97−101; McGuigan C. et al., J Med Chem, 1993. 36: p. 1048−1052、これらの開示内容はすべて、参照されることによって本明細書に組み込まれる。
抗HIV剤AZTのアルキル水素リン酸誘導体は、親のヌクレオシドアナログよりも毒性が少ないと考えられる。Antiviral Chem Chemother. 5: 271−277; Meyer R.B. et al., Tetrahedron Lett, 1973. 269−272; Nagyvary J. et al., Biochem Biophys Rescommun, 1973. 55: p. 1072−1077; Namane A. et al., J Med Chem, 1992. 35: p. 3939−3044; Nargeot J. et al., Natl. Acad. Sci. U.S.A., 1983. 80: p. 2395−2399; Nelson K.A. et al., J Am Chem Soc, 1987. 109: p. 4058−4064; Nerbonne J.M. et al., Nature, 1984. 301: p. 74−76; Neumann J.M. et al., J Am Chem Soc,l 1989. 111: p. 4270−4277; Ohno R. et al., Oncology, 1991. 48: p. 451−455. Palomino E. et al., J Med Chem, 1989. 32: p. 622−625; Perkins R.M. et al., Antiviral Res, 1993. 20(Suppl. I): p. 84; Piantadosi C. et al., J Med Chem, 1991. 34: 1408−1414; Pompon A. et al., Antiviral Chem Chemother, 1994. 5: p. 91−98; Postemark T., Anu Rev Pharmacol, 1974. 14: p. 23−33; Prisbe E.J. et al., J Med Chem, 1986. 29: p. 671−675; Pucch F. et al., Antiviral Res, 1993. 22: p. 155−174; Pugaeva V.P. et al., Gig Trf Prof Zabol, 1969. 13: p. 47−48 (Chem. Abstr. 72, 212); Robins R.K., Pharm Res, 1984. 11−18; Rosowsky A. et al., J Med Chem, 1982. 25: p. 171−178; Ross W., Biochem Pharm, 1961. 8: p. 235−240; Ryu E.K. et al., J Med Chem, 1982. 25: p. 1322−1329; Saffhill R. and Hume W.J., Chem Biol Interact, 1986. 57: p. 347−355; Saneyoshi M. et al., Chem Pharm Bull, 1980. 28: p. 2915−2923; Sastry J.K. et al., Mol Pharmacol, 1992. 41: p. 441−445; Shaw J.P. et al., 9th Annual AAPS Meeting, 1994. San Diego, CA (Abstract). Shuto S. et al., Tetrahedron Lett, 1987. 28: p. 199−202; Shuto S. et al., Chem Pharm Bull, 1988. 36: p. 209−217。好ましいリン酸プロドラッグ基の一つは、S−アシル−2−チオエチル基であり、「SATE」とも呼ばれる。これらの開示内容はすべて、参照されることによって本明細書に組み込まれる。
使用可能なプロドラッグの他の例としては、次の特許及び特許出願に記載のものが挙げられる。米国特許第5614548号、第5512671号、第5770584号、第5962437号、第5223263号、第5817638号、第6252060号、第6448392号、第5411947号、第5744592号、第5484809号、第5827831号、第5696277号、第6022029号、第5780617号、第5194654号、第5463092号、第5744461号、第4444766号、第4562179号、第4599205号、第4493832号、第4221732号、第5116992号、第6429227号、第5149794号、第5703063号、第5888990号、第4810697号、第5512671号、第6030960号、2004/0259845、第6670341号、2004/0161398、2002/082242、第5512671号、2002/0082242、及び/又はPCT国際公開第90/11079号パンフレット、国際公開第96/39197号パンフレット及び/又は国際公開第93/08807号パンフレット。これらの開示内容はすべて、参照されることによって本明細書に組み込まれる。
(in vivoでの効果/投与計画)
本発明の他の態様では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物の毒性副作用を制限する投与計画を提供する。一実施形態では、このような投与計画は、毒性副作用、例えば、肝毒性、血小板減少症、高血糖、嘔吐、低カルシウム血症、貧血、低アルブミン血症、骨髄抑制、高トリグリセリド血症、高アミラーゼ血症、下痢、胃炎及び/又は発熱(これらに限定されない。)を最小限に抑える。
一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上のタキサンの投与は、被治療者の少なくとも15〜20%において、in ivoでは、少なくとも部分的な或いは完全な応答をもたらすことができる。特定の実施形態では、部分的な応答は、腫瘍の少なくとも15、20、25、30、35、40、50、55、 60、65、70、75、80 又は 85%の退縮である。他の実施形態では、この応答は、当該治療法によって治療された患者の少なくとも15、15、20、25、30、35、40、50、55、60、65、70、75、80、85又は90%で明瞭に現れる。他の実施形態では、このような応答率は、本明細書に記載の任意の治療計画によって得ることができる。
他の実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又は1以上のタキサンを週に1回、3週間投与し、その後の1週間は薬剤を投与しないことを含む(すなわち28日周期の)投与計画に従って、有効量のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又は1以上のタキサンを患者に投与することによって、癌と診断された被治療者を治療する方法が提供される。他の実施形態では、このような28日周期を、少なくとも2、3、4若しくは5回、又は腫瘍の退縮が明らかになるまで繰り返すことができる。
他の実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又はタキサンを週1回、4週間投与し、その後の2週間は薬剤を投与しない42日周期を実施することができる。他の実施形態では、このような42日周期を、少なくとも2、3、4若しくは5回、又は腫瘍の退縮が明らかになるまで繰り返すことができる。特定の実施形態では、12mg/m2未満、11mg/m2未満又は10mg/m2未満のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物を42日周期で投与することができる。他の特定の実施形態では、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11mg/m2のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物を42日周期で投与することができる。他の特定の実施形態では、約1mg〜約50mgの1以上のタキサンを投与することができる。特定の実施形態では、1、5、10、15、20、25、30、35、又は40mgの1以上のタキサンを42日周期で投与することができる。
一実施形態では、10mg/m2以下のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び30mg/m2以下の1以上のタキサンを週1回の投与計画で被治療者に投与することによって、被治療者の癌を治療する方法が提供される。特定の実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物を、週に1回、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5又は10mg/m2の用量で投与することができる。他の特定の実施形態では、1以上のタキサンを、週1回、1、5、10、15、20、25、30、35、又は40mgの用量で投与することができる。
本発明の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、短期間で、例えば、約5、10、15、20、30又は60分で、単回ボーラス投与することができる。他の実施形態では、化合物を、少なくとも24、48、72、96又は120時間持続注入することによって投与する投与計画が提供される。ある実施形態では、持続注射又はボーラス注射によるTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又はタキサンの投与は、少なくとも週に1回、2週間に1回、3週間に1回、月に1回、5週間に1回、6週間に1回、8週間に1回、10週間に1回及び/又は12週間に1回、という一定の頻度で繰り返すことができる。投与の種類及び頻度は、投与周期を作り出す、本明細書に記載の任意の方法で組み合わせることができる。TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又はタキサンは、一定の投与周期で投与することができ、例えば、2週間に1回、3ケ月間、繰り返しボーラス投与することができる。投与周期は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18又は24ケ月間実施することができる。或いは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15又は20投与周期、患者に対して実施することができる。TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又はタキサンは、本明細書に記載の任意の組合せに従って投与することができ、例えば、3週間に1回、3周期投与することができる。
他の実施形態では、上記化合物は、少なくとも1日1回、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9又は10日間、分けて投与することができる。このような投与の後には、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又はタキサンを投与しない一定の期間を設けることができる。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上のタキサンは、腫瘍退縮を引き起こすのに有効な量で患者に投与することができる。TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上のタキサンの投与は、被治療者の少なくとも15〜20%において、in ivoでは、少なくとも部分的な、例えば、少なくとも15、20又は30%の応答を、或いは完全な応答をもたらすことができる。ある実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物を、少なくとも2、5、10、15、20、30又は50mg/m2の用量で被治療者に投与することができる。ある実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物を、少なくとも0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、12、15、17、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、165、175、200、250、300又は350mg/m2の用量で被治療者に投与することができる。ある実施形態では、1以上のタキサンを1、5、10、15、20、25、30、35、又は40mgの用量で被治療者に投与することができる。
上記化合物の投与は、本明細書に記載の治療計画のいずれかに従って実施することができる。特定の実施形態では、投与計画は約20mg/m2未満のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び約30mg未満の1以上のタキサンを同時に、順次、又はある期間に渡って投与することを包含する。一実施形態では、20mg/m2未満のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び約30mg未満の1以上のタキサンを同時に週1回投与することができる。一実施形態では、20mg/m2未満のTCN又は関連化合物を週1回投与し、その次の週に約30mg未満の1以上のタキサンを投与することができる。
他の実施形態では、2mg/m2、5mg/m2、10mg/m2及び/又は15mg/m2のTCN、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び約30、25、20、15、又は10mg未満の1以上のタキサンを被治療者に投与することができる。一実施形態では、10mg/m2未満のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び約30mg未満の1以上のタキサンを少なくとも5日間の持続注入によって、被治療者に投与することができる。本発明は、本明細書に記載の投与の種類、頻度、周期の数、及び投与量の任意の組合せを提供する。
一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子の投与は、被治療者の少なくとも15〜20%において、in ivoでは、少なくとも部分的な或いは完全な応答をもたらすことができる。特定の実施形態では、部分的な応答は、腫瘍の少なくとも15、20、25、30、35、40、50、55、60、65、70、75、80又は85%の退縮である。他の実施形態では、この応答は、当該治療法によって治療された患者の少なくとも15、15、20、25、30、35、40、50、55、60、65、70、75、80、85又は90%で明瞭に現れる。他の実施形態では、このような応答率は、本明細書に記載の任意の治療計画によって得ることができる。
他の実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又は例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子を週に1回、3週間投与し、その後の1週間は薬剤を投与しないことを含む(すなわち28日周期の)投与計画に従って、有効量のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子を患者に投与することによって、癌と診断された被治療者を治療する方法が提供される。他の実施形態では、このような28日周期を、少なくとも2、3、4若しくは5回、又は腫瘍の退縮が明らかになるまで繰り返すことができる。
他の実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又は例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子を週1回、4週間投与し、その後の2週間は薬剤を投与しない42日周期を実施することができる。他の実施形態では、このような42日周期を、少なくとも2、3、4若しくは5回、又は腫瘍の退縮が明らかになるまで繰り返すことができる。特定の実施形態では、12mg/m2未満、11mg/m2未満又は10mg/m2未満のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物を42日周期で投与することができる。他の特定の実施形態では、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は15mg/m2のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物を42日周期で投与することができる。他の特定の実施形態では、約1mg〜約50mgの例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子を投与することができる。特定の実施形態では、1、5、10、15、20、25、30、35、又は40mgの例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子を42日周期で投与することができる。
一実施形態では、10mg/m2以下のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び約30mg/m2未満の例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子を週1回の投与計画で被治療者に投与することによって、被治療者の癌を治療する方法が提供される。特定の実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物を、週に1回、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5又は10mg/m2の用量で投与することができる。他の特定の実施形態では、例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子を、週1回、1、5、10、15、20、25、30、35、又は40mgの用量で投与することができる。
本発明の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、短期間で、例えば、約5、10、15、20、30又は60分で、単回ボーラス投与することができる。他の実施形態では、化合物を、少なくとも24、48、72、96又は120時間持続注入することによって投与する投与計画が提供される。ある実施形態では、持続注射又はボーラス注射によるTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又は例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子の投与は、少なくとも週に1回、2週間に1回、3週間に1回、月に1回、5週間に1回、6週間に1回、8週間に1回、10週間に1回及び/又は12週間に1回、という一定の頻度で繰り返すことができる。投与の種類及び頻度は、投与周期を作り出す、本明細書に記載の任意の方法で組み合わせることができる。TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又は例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子は、一定の投与周期で投与することができ、例えば、2週間に1回、3ケ月間、繰り返しボーラス投与することができる。投与周期は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18又は24ケ月間実施することができる。或いは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15又は20投与周期、患者に対して実施することができる。TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又は例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子は、本明細書に記載の任意の組合せに従って投与することができ、例えば、3週間に1回、3周期投与することができる。
他の実施形態では、上記化合物は、少なくとも1日1回、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9又は10日間、分けて投与することができる。このような投与の後には、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又は例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子を投与しない一定の期間を設けることができる。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子は、腫瘍退縮を引き起こすのに有効な量で患者に投与することができる。TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子の投与は、被治療者の少なくとも15〜20%において、in ivoでは、少なくとも部分的な、例えば、少なくとも15、20又は30%の応答を、或いは完全な応答をもたらすことができる。ある実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物を、少なくとも2、5、10、15、20、30又は50mg/m2の用量で被治療者に投与することができる。ある実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物を、少なくとも0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、12、15、17、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、165、175、200、250、300又は350mg/m2の用量で被治療者に投与することができる。ある実施形態では、例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子を1、5、10、15、20、25、30、35、又は40mgの用量で被治療者に投与することができる。
上記化合物の投与は、本明細書に記載の治療計画のいずれかに従って実施することができる。特定の実施形態では、投与計画は約20mg/m2未満のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び約30mg未満の例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子を同時に、順次、又はある期間に渡って投与することを包含する。一実施形態では、20mg/m2未満のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び約30mg未満の例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子を同時に週1回投与することができる。一実施形態では、20mg/m2未満のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物を週1回投与し、その次の週に約30mg未満の例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子を投与することができる。
他の実施形態では、2mg/m2、5mg/m2、10mg/m2及び/又は15mg/m2のTCN、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び約300、250、200、150、又は100mgの例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子を被治療者に投与することができる。一実施形態では、10mg/m2未満のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び約300mg未満の例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子を少なくとも5日間の持続注入によって、被治療者に投与することができる。本発明は、本明細書に記載の投与の種類、頻度、周期の数、及び投与量の任意の組合せを提供する。
一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上のアントラサイクリン誘導体の投与は、被治療者の少なくとも15〜20%において、in ivoでは、少なくとも部分的な或いは完全な応答をもたらすことができる。特定の実施形態では、部分的な応答は、腫瘍の少なくとも15、20、25、30、35、40、50、55、60、65、70、75、80又は85%の退縮である。他の実施形態では、この応答は、当該治療法によって治療された患者の少なくとも15、15、20、25、30、35、40、50、55、60、65、70、75、80、85又は90%で明瞭に現れる。他の実施形態では、このような応答率は、本明細書に記載の任意の治療計画によって得ることができる。
他の実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又はアントラサイクリン誘導体を週に1回、3週間投与し、その後の1週間は薬剤を投与しないことを含む(すなわち28日周期の)投与計画に従って、有効量のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上のアントラサイクリン誘導体を患者に投与することによって、癌と診断された被治療者を治療する方法が提供される。他の実施形態では、このような28日周期を、少なくとも2、3、4若しくは5回、又は腫瘍の退縮が明らかになるまで繰り返すことができる。
他の実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又はアントラサイクリン誘導体を週1回、4週間投与し、その後の2週間は薬剤を投与しない42日周期を実施することができる。他の実施形態では、このような42日周期を、少なくとも2、3、4若しくは5回、又は腫瘍の退縮が明らかになるまで繰り返すことができる。特定の実施形態では、12mg/m2未満、11mg/m2未満又は10mg/m2未満のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物を42日周期で投与することができる。他の特定の実施形態では、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11mg/m2のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物を42日周期で投与することができる。他の特定の実施形態では、約1mg〜約50mgのアントラサイクリン誘導体を投与することができる。特定の実施形態では、1、5、10、15、20、25、30、35、40、50又は100mgのアントラサイクリン誘導体を42日周期で投与することができる。
一実施形態では、10mg/m2以下のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び約30mg/m2未満の1以上のアントラサイクリン誘導体を週1回の投与計画で被治療者に投与することによって、被治療者の癌を治療する方法が提供される。特定の実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物を、週に1回、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5又は10mg/m2の用量で投与することができる。他の特定の実施形態では、アントラサイクリン誘導体を、週1回、1、5、10、15、20、25、30、35、40、50又は100mgの用量で投与することができる。
本発明の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、短期間で、例えば、約5、10、15、20、30又は60分で、単回ボーラス投与することができる。他の実施形態では、化合物を、少なくとも24、48、72、96又は120時間持続注入することによって投与する投与計画が提供される。ある実施形態では、持続注射又はボーラス注射によるTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又はアントラサイクリン誘導体の投与は、少なくとも週に1回、2週間に1回、3週間に1回、月に1回、5週間に1回、6週間に1回、8週間に1回、10週間に1回及び/又は12週間に1回、という一定の頻度で繰り返すことができる。投与の種類及び頻度は、投与周期を作り出す、本明細書に記載の任意の方法で組み合わせることができる。TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又はアントラサイクリン誘導体は、一定の投与周期で投与することができ、例えば、2週間に1回、3ケ月間、繰り返しボーラス投与することができる。投与周期は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18又は24ケ月間実施することができる。或いは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15又は20投与周期、患者に対して実施することができる。TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又はアントラサイクリン誘導体は、本明細書に記載の任意の組合せに従って投与することができ、例えば、3週間に1回、3周期投与することができる。
他の実施形態では、上記化合物は、少なくとも1日1回、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9又は10日間、分けて投与することができる。このような投与の後には、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又はアントラサイクリン誘導体を投与しない一定の期間を設けることができる。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上のアントラサイクリン誘導体は、腫瘍退縮を引き起こすのに有効な量で患者に投与することができる。TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上のアントラサイクリン誘導体の投与は、被治療者の少なくとも15〜20%において、in ivoでは、少なくとも部分的な、例えば、少なくとも15、20又は30%の応答を、或いは完全な応答をもたらすことができる。ある実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物を、少なくとも2、5、10、15、20、30又は50mg/m2の用量で被治療者に投与することができる。ある実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物を、少なくとも約0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、12、15、17、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、165、175、200、250、300又は350mg/m2の用量で被治療者に投与することができる。ある実施形態では、アントラサイクリン誘導体を1、5、10、15、20、25、30、35、40、50又は100mgの用量で被治療者に投与することができる。
上記化合物の投与は、本明細書に記載の治療計画のいずれかに従って実施することができる。特定の実施形態では、投与計画は約20mg/m2未満のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び約30mg未満のアントラサイクリン誘導体を同時に、順次、又はある期間に渡って投与することを包含する。一実施形態では、約20mg/m2未満のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び約30mg未満のアントラサイクリン誘導体を同時に週1回投与することができる。一実施形態では、約20mg/m2未満のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物を週1回投与し、その次の週に約30mg未満のアントラサイクリン誘導体を投与することができる。
他の実施形態では、2mg/m2、5mg/m2、10mg/m2及び/又は15mg/m2のTCN、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び約30、25、20、15、又は10mgのアントラサイクリン誘導体を被治療者に投与することができる。一実施形態では、10mg/m2未満のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び約30mg未満のアントラサイクリン誘導体を少なくとも5日間の持続注入によって、被治療者に投与することができる。本発明は、本明細書に記載の投与の種類、頻度、周期の数、及び投与量の任意の組合せを提供する。
一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物の投与は、被治療者の少なくとも15〜20%において、in ivoでは、少なくとも部分的な或いは完全な応答をもたらすことができる。特定の実施形態では、部分的な応答は、腫瘍の少なくとも15、20、25、30、35、40、50、55、60、65、70、75、80又は85%の退縮である。他の実施形態では、この応答は、当該治療法によって治療された患者の少なくとも15、15、20、25、30、35、40、50、55、60、65、70、75、80、85又は90%で明瞭に現れる。他の実施形態では、このような応答率は、本明細書に記載の任意の治療計画によって得ることができる。
他の実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物を週に1回、3週間投与し、その後の1週間は薬剤を投与しないことを含む(すなわち28日周期の)投与計画に従って、有効量のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物を患者に投与することによって、癌と診断された被治療者を治療する方法が提供される。他の実施形態では、このような28日周期を、少なくとも2、3、4若しくは5回、又は腫瘍の退縮が明らかになるまで繰り返すことができる。
他の実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又は例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物を週1回、4週間投与し、その後の2週間は薬剤を投与しない42日周期を実施することができる。他の実施形態では、このような42日周期を、少なくとも2、3、4若しくは5回、又は腫瘍の退縮が明らかになるまで繰り返すことができる。特定の実施形態では、12mg/m2未満、11mg/m2未満又は10mg/m2未満のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物を42日周期で投与することができる。他の特定の実施形態では、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は15mg/m2のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物を42日周期で投与することができる。他の特定の実施形態では、約1mg〜約50mgの例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物を投与することができる。特定の実施形態では、1、5、10、15、20、25、30、35、又は40mgの例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物を42日周期で投与することができる。
一実施形態では、10mg/m2以下のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び30mg/m2未満の例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物を週1回の投与計画で被治療者に投与することによって、被治療者の癌を治療する方法が提供される。特定の実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物を、週に1回、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5又は10mg/m2の用量で投与することができる。他の特定の実施形態では、例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物を、週1回、1、5、10、15、20、25、30、35、又は40mgの用量で投与することができる。
本発明の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、短期間で、例えば、約5、10、15、20、30又は60分で、単回ボーラス投与することができる。他の実施形態では、化合物を、少なくとも24、48、72、96又は120時間持続注入することによって投与する投与計画が提供される。ある実施形態では、持続注射又はボーラス注射によるTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又は例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物の投与は、少なくとも週に1回、2週間に1回、3週間に1回、月に1回、5週間に1回、6週間に1回、8週間に1回、10週間に1回及び/又は12週間に1回、という一定の頻度で繰り返すことができる。投与の種類及び頻度は、投与周期を作り出す、本明細書に記載の任意の方法で組み合わせることができる。TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又は例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物は、一定の投与周期で投与することができ、例えば、2週間に1回、3ケ月間、繰り返しボーラス投与することができる。投与周期は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18又は24ケ月間実施することができる。或いは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15又は20投与周期、患者に対して実施することができる。TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物は、本明細書に記載の任意の組合せに従って投与することができ、例えば、3週間に1回、3周期投与することができる。
他の実施形態では、上記化合物は、少なくとも1日1回、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9又は10日間、分けて投与することができる。このような投与の後には、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又は例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物を投与しない一定の期間を設けることができる。
本明細書に記載のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物は、腫瘍退縮を引き起こすのに有効な量で患者に投与することができる。本明細書に記載のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物の投与は、被治療者の少なくとも15〜20%において、in ivoでは、少なくとも部分的な、例えば、少なくとも15、20又は30%の応答を、或いは完全な応答をもたらすことができる。ある実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物を、少なくとも2、5、10、15、20、30又は50mg/m2の用量で被治療者に投与することができる。ある実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物を、少なくとも0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、12、15、17、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、165、175、200、250、300又は350mg/m2の用量で被治療者に投与することができる。ある実施形態では、例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物を1、5、10、15、20、25、30、35、又は40mgの用量で被治療者に投与することができる。
上記化合物の投与は、本明細書に記載の治療計画のいずれかに従って実施することができる。特定の実施形態では、投与計画は約20mg/m2未満のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び約30mg未満の例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物を同時に、順次、又はある期間に渡って投与することを包含する。一実施形態では、20mg/m2未満のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び約30mg未満の例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物を同時に週1回投与することができる。一実施形態では、20mg/m2未満のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物を週1回投与し、その次の週に約30mg未満の例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物を投与することができる。
他の実施形態では、2mg/m2、5mg/m2、10mg/m2及び/又は15mg/m2のTCN、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び約300、250、200、150、又は100mgの例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物を被治療者に投与することができる。一実施形態では、10mg/m2未満のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び約300mg未満の例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物を少なくとも5日間の持続注入によって、被治療者に投与することができる。本発明は、本明細書に記載の投与の種類、頻度、周期の数、及び投与量の任意の組合せを提供する。
一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上の白金化合物の投与は、被治療者の少なくとも15〜20%において、in ivoでは、少なくとも部分的な或いは完全な応答をもたらすことができる。特定の実施形態では、部分的な応答は、腫瘍の少なくとも15、20、25、30、35、40、50、55、60、65、70、75、80又は85%の退縮である。他の実施形態では、この応答は、当該治療法によって治療された患者の少なくとも15、15、20、25、30、35、40、50、55、60、65、70、75、80、85又は90%で明瞭に現れる。他の実施形態では、このような応答率は、本明細書に記載の任意の治療計画によって得ることができる。
他の実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又は1以上の白金化合物を週に1回、3週間投与し、その後の1週間は薬剤を投与しないことを含む(すなわち28日周期の)投与計画に従って、有効量のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上の白金化合物を患者に投与することによって、癌と診断された被治療者を治療する方法が提供される。他の実施形態では、このような28日周期を、少なくとも2、3、4若しくは5回、又は腫瘍の退縮が明らかになるまで繰り返すことができる。
他の実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又は1以上の白金化合物を週1回、4週間投与し、その後の2週間は薬剤を投与しない42日周期を実施することができる。他の実施形態では、このような42日周期を、少なくとも2、3、4若しくは5回、又は腫瘍の退縮が明らかになるまで繰り返すことができる。特定の実施形態では、12mg/m2未満、11mg/m2未満又は10mg/m2未満のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物を42日周期で投与することができる。他の特定の実施形態では、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11mg/m2のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物を42日周期で投与することができる。他の特定の実施形態では、約1mg〜約50mgの1以上の白金化合物を投与することができる。特定の実施形態では、1、5、10、15、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90又は100mgの白金化合物を42日周期で投与することができる。
一実施形態では、10mg/m2以下のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び30mg/m2未満の1以上の白金化合物を週1回の投与計画で被治療者に投与することによって、被治療者の癌を治療する方法が提供される。特定の実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物を、週に1回、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5又は10mg/m2の用量で投与することができる。他の特定の実施形態では、白金化合物を、週1回、1、5、10、15、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90又は100mgの用量で投与することができる。
本発明の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、短期間で、例えば、約5、10、15、20、30又は60分で、単回ボーラス投与することができる。他の実施形態では、化合物を、少なくとも24、48、72、96又は120時間持続注入することによって投与する投与計画が提供される。ある実施形態では、持続注射又はボーラス注射によるTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上の白金化合物の投与は、少なくとも週に1回、2週間に1回、3週間に1回、月に1回、5週間に1回、6週間に1回、8週間に1回、10週間に1回及び/又は12週間に1回、という一定の頻度で繰り返すことができる。投与の種類及び頻度は、投与周期を作り出す、本明細書に記載の任意の方法で組み合わせることができる。TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又は1以上の白金化合物は、一定の投与周期で投与することができ、例えば、2週間に1回、3ケ月間、繰り返しボーラス投与することができる。投与周期は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18又は24ケ月間実施することができる。或いは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15又は20投与周期、患者に対して実施することができる。TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又は1以上の白金化合物は、本明細書に記載の任意の組合せに従って投与することができ、例えば、3週間に1回、3周期投与することができる。
他の実施形態では、上記化合物は、少なくとも1日1回、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9又は10日間、分けて投与することができる。このような投与の後には、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又は1以上の白金化合物を投与しない一定の期間を設けることができる。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上の白金化合物は、腫瘍退縮を引き起こすのに有効な量で患者に投与することができる。TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上の白金化合物の投与は、被治療者の少なくとも15〜20%において、in ivoでは、少なくとも部分的な、例えば、少なくとも15、20又は30%の応答を、或いは完全な応答をもたらすことができる。ある実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物を、少なくとも2、5、10、15、20、30又は50mg/m2の用量で被治療者に投与することができる。ある実施形態では、本明細書に記載のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物を、少なくとも約0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、12、15、17、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、165、175、200、250、300又は350mg/m2の用量で被治療者に投与することができる。ある実施形態では、白金化合物を10、20、50、100、150、200、250、300、350、又は400mgの用量で被治療者に投与することができる。
上記化合物の投与は、本明細書に記載の治療計画のいずれかに従って実施することができる。特定の実施形態では、投与計画は約20mg/m2未満のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び約100 mg未満の白金化合物を同時に、順次、又はある期間に渡って投与することを包含する。一実施形態では、20mg/m2未満のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び約100 mg未満の白金化合物を同時に週1回投与することができる。一実施形態では、20mg/m2未満のTCN又は関連化合物を週1回投与し、その次の週に約100mg未満の白金化合物を投与することができる。
他の実施形態では、2mg/m2、5mg/m2、10mg/m2及び/又は15mg/m2のTCN、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び約30、25、20、50、又は100mgの白金化合物を被治療者に投与することができる。一実施形態では、10mg/m2未満のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び約100mg未満の白金化合物を少なくとも5日間の持続注入によって、被治療者に投与することができる。本発明は、本明細書に記載の投与の種類、頻度、周期の数、及び投与量の任意の組合せを提供する。
他の実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及びボルテゾミブ及びその誘導体を週に1回、3週間投与し、その後の1週間は薬剤を投与しないことを含む(すなわち28日周期の)投与計画に従って、有効量のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及びボルテゾミブ及びその誘導体を患者に投与することによって、癌と診断された被治療者を治療する方法が提供される。他の実施形態では、このような28日周期を、少なくとも2、3、4若しくは5回、又は腫瘍の退縮が明らかになるまで繰り返すことができる。
他の実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又はボルテゾミブ及びその誘導体を週1回、4週間投与し、その後の2週間は薬剤を投与しない42日周期を実施することができる。他の実施形態では、このような42日周期を、少なくとも2、3、4若しくは5回、又は腫瘍の退縮が明らかになるまで繰り返すことができる。特定の実施形態では、50mg/m2未満、25mg/m2未満又は10mg/m2未満のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物を42日周期で投与することができる。他の特定の実施形態では、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11mg/m2のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物を42日周期で投与することができる。他の特定の実施形態では、約0.1mg〜約50mgのボルテゾミブ及びその誘導体を投与することができる。特定の実施形態では、0.1、0.5、1、5、10、15、20、25、30、35、又は40mgのボルテゾミブ及びその誘導体を42日周期で投与することができる。
一実施形態では、10mg/m2以下のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び約30mg/m2未満のボルテゾミブ及びその誘導体を週1回の投与計画で被治療者に投与することによって、被治療者の癌を治療する方法が提供される。特定の実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物を、週に1回、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5又は10mg/m2の用量で投与することができる。他の特定の実施形態では、ボルテゾミブ及びその誘導体を、週1回、0.1、0.5、1、5、10、15、20、25、30、35、又は40mgの用量で投与することができる。
本発明の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、短期間で、例えば、約5、10、15、20、30又は60分で、単回ボーラス投与することができる。他の実施形態では、化合物を、少なくとも24、48、72、96又は120時間持続注入することによって投与する投与計画が提供される。ある実施形態では、持続注射又はボーラス注射によるTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又はボルテゾミブ及びその誘導体の投与は、少なくとも週に1回、2週間に1回、3週間に1回、月に1回、5週間に1回、6週間に1回、8週間に1回、10週間に1回及び/又は12週間に1回、という一定の頻度で繰り返すことができる。投与の種類及び頻度は、投与周期を作り出す、本明細書に記載の任意の方法で組み合わせることができる。TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又はボルテゾミブ及びその誘導体は、一定の投与周期で投与することができ、例えば、2週間に1回、3ケ月間、繰り返しボーラス投与することができる。投与周期は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18又は24ケ月間実施することができる。或いは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15又は20投与周期、患者に対して実施することができる。TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又はボルテゾミブ及びその誘導体は、本明細書に記載の任意の組合せに従って投与することができ、例えば、3週間に1回、3周期投与することができる。
他の実施形態では、上記化合物は、少なくとも1日1回、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9又は10日間、分けて投与することができる。このような投与の後には、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又はボルテゾミブ及びその誘導体を投与しない一定の期間を設けることができる。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及びボルテゾミブ誘導体は、腫瘍退縮を引き起こすのに有効な量で患者に投与することができる。TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及びボルテゾミブ誘導体の投与は、被治療者の少なくとも15〜20%において、in ivoでは、少なくとも部分的な、例えば、少なくとも15、20又は30%の応答を、或いは完全な応答をもたらすことができる。ある実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物を、少なくとも2、5、10、15、20、30又は50mg/m2の用量で被治療者に投与することができる。ある実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物を、少なくとも約0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、12、15、17、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、165、175、200、250、300又は350mg/m2の用量で被治療者に投与することができる。ある実施形態では、ボルテゾミブ誘導体を1、5、10、15、20、25、30、35、又は40mgの用量で被治療者に投与することができる。
上記化合物の投与は、本明細書に記載の治療計画のいずれかに従って実施することができる。特定の実施形態では、投与計画は約20mg/m2未満のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び約30mg未満のボルテゾミブ及びその誘導体を同時に、順次、又はある期間に渡って投与することを包含する。一実施形態では、20mg/m2未満のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び約10mg未満のボルテゾミブ及びその誘導体を同時に週1回投与することができる。一実施形態では、20mg/m2未満のTCN又は関連化合物を週1回投与し、その次の週に約30mg未満のボルテゾミブ及びその誘導体を投与することができる。
他の実施形態では、2mg/m2、5mg/m2、10mg/m2及び/又は15mg/m2のTCN、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び約30、25、20、15、5、1、0.5又は0.1mg未満のボルテゾミブ又はその誘導体を被治療者に投与することができる。一実施形態では、10mg/m2未満のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び約30mg未満のボルテゾミブ又はその誘導体を少なくとも5日間の持続注入によって、被治療者に投与することができる。本発明は、本明細書に記載の投与の種類、頻度、周期の数、及び投与量の任意の組合せを提供する。
(患者集団のスクリーニング)
本発明の他の態様では、トリシリビン(TCN)及び関連化合物の毒性作用に感受性を有する癌又は腫瘍を同定する方法が提供される。一実施形態では、(i)腫瘍から生物学的試料を得ること、(ii)癌又は腫瘍が、Aktキナーゼ、又は過剰活性化及びリン酸化Aktキナーゼを過剰発現するかどうかを決定すること、並びに(iii)癌又は腫瘍を、本明細書に記載のトリシリビ若しくは関連化合物で治療すること、を含む、哺乳動物の癌又は腫瘍を治療する方法が提供される。一実施形態では、生物学的試料は生検で得られるものである。他の実施形態では、生物学的試料は、液体、細胞、及び/又は腫瘍若しくは癌から得られた吸引液である。
生物学的試料は、当業者に公知の任意の技術によって得ることができる。一実施形態では、生検を実施して、生物学的試料を得ることができる。生検は、体から検査用の組織又は細胞を取り出すために実施される方法である。診療所で実施可能な生検もあるが、それ以外は病院施設内で実施する必要がある。また、麻酔で対象領域を麻痺させることが必要な生検もあるが、それ以外はいかなる鎮静も必要としない。ある実施形態では、内視鏡生検を実施する。この種の生検は、体の天然の開口部(すなわち、直腸)又は小切開(すなわち、関節鏡検査)を通じて挿入したファイバースコープ内視鏡(末端に観察用の近接焦点拡大鏡を備えた細長い管)を用いて行われる。内視鏡は、当該器官を観察して、異常な、又は異常の疑いのある領域を見つけ出し、検査用の少量の組織を得るのに用いられる。内視鏡法は、視覚化し、且つ/又は処置する器官又は領域で呼ばれる。医師は、胃腸管(消化管内視鏡)、膀胱(膀胱鏡検査)、腹腔(腹腔鏡検査)、関節腔(関節鏡検査)、胸部の中央部(縦隔鏡検査)、又は気管系及び気管支系(喉頭鏡検査及び気管支鏡検査)に内視鏡を挿入することができる。
他の実施形態では、骨髄生検を実施することができる。この種の生検は、胸骨又は腸骨稜寛骨(背中下部領域上の骨盤両側の骨領域)のいずれかから実施することができる。皮膚を洗浄し、局所麻酔して、この領域を麻痺させる。長く堅い針を骨髄に挿入し、検査用の細胞を吸引する。この段階は、場合によっては不快である。コア生検(骨髄から小さな骨「小片」を取り除く生検)は、吸引の後に行う。
他の実施形態では、切除生検又は切開生検を哺乳動物に実施することができる。この種の生検は、皮膚のより広くより深い部分が必要な場合に用いられることが多い。外科用メス(手術用メス)を用いて、更なる検査用に皮膚全層を取り出し、この傷を縫合する(手術用糸で縫い閉じる)。腫瘍全体を取り出す場合は、切除生検術と呼ぶ。腫瘍の一部のみを取り出す場合は、切開生検術と呼ぶ。切除生検は、例えば、黒色腫(皮膚癌の1種)の疑いがある場合に通常好まれる方法である。
更に他の実施形態では、針穿刺吸引(FNA)生検を用いることができる。この種の生検は、腫瘍から非常に小さな切片を取り出すために、細い針を用いることが必要である。局所麻酔を用いて対象領域を麻痺させることもあるが、この試験はあまり不快感を引き起こすことがなく、傷跡も残らない。FNAは、例えば、色素性母斑の診断には用いられないが、例えば、黒色腫の近くの大きなリンパ節の生検を行って、黒色腫が転移(進展)しているかどうかを診断するのに用いることができる。肺、肝臓等の内部器官内の腫瘍に針を導入するには、コンピュータ断層撮影法(CT又はCATスキャン)を用いることができる。
他の実施形態では、パンチ生検、シェーブ生検及び/又は皮膚生検を実施することができる。パンチ生検では、組織の短い円柱(「リンゴの芯」)を取り出す生検装置で、皮膚のより深い試料を採取する。局所麻酔を投与した後、真皮、上皮、及び皮下組織(脂肪)の最表面部を含む層全体を切断するまで、この装置を皮膚の表面上で転がす。シェーブ生検では、皮膚の上層を削いで、これを取り除く。シェーブ生検は、局所麻酔下で実施する。皮膚生検では、顕微鏡検査用の皮膚試料を採取して、例えば、黒色腫が存在するかどうかを決定する。この生検も、局所麻酔下で実施する。
特定の実施形態では、腫瘍がAktキナーゼを過剰発現するかどうかを決定する方法が提供される。Aktキナーゼの過剰発現とは、キナーゼのリン酸化状態を意味するということができる。Aktの過リン酸化は、本明細書に記載の方法によって検出することができる。一実施形態では、腫瘍生検は対照組織と比較して行う。対照組織は、生検を行った哺乳動物の正常な組織でも、また、健康な哺乳動物の正常な組織でもよい。生検で得られた腫瘍が、正常組織よりもAktキナーゼ及び/又はリン酸化Aktキナーゼを多く、例えば、対照組織と比較して、少なくとも約1.5、2、2.25、2.5、2.75、3、3.25、3.5、3.75、4、4.25、4.5、4.75、5、5.5、6、7、8、9又は10倍量含有していれば、Aktキナーゼの過剰発現又は過リン酸化があると決定することができる。
一実施形態では、本発明は、被治療者の細胞、細胞抽出物、血清若しくは他の試料、又は前記生物学的試料を、Aktキナーゼ又はその抗原部分に特異的な免疫反応性分子と接触させ、免疫反応性分子−Aktキナーゼ複合体形成のレベルをスクリーニングすることによって、被治療者、又は被治療者から得られた生物学的試料における異常なAktキナーゼ発現を検出する方法であって、正常細胞に比べて複合体の存在量が多いことを、Aktを発現又は過剰発現する異常細胞の指標とする方法を提供する。一実施形態では、細胞又は細胞抽出物のAktキナーゼレベルの増加を免疫学的にスクリーニングする。
他の実施形態では、細胞におけるAktの異常発現は、Aktキナーゼをコードする遺伝子の発現レベルをスクリーニングすることによって遺伝子レベルで検出され、ここでは、正常細胞に比べて転写発現産物(すなわち、mRNA)レベルが多いことが異常細胞の指標となる。ある実施形態では、リアルタイムPCR等のPCR法を用いて、転写活性を測定することができる。一実施形態では、mRNAを、被治療者の細胞から、又は被治療者の生物学的試料から得、また、場合によっては、cDNAを作製する。次いで、mRNA又はcDNAを、Aktキナーゼをコードするヌクレオチド配列又はその相補的ヌクレオチド配列の全部又は一部とハイブリダイズし、且つ/又は増幅させることができる遺伝子プローブと接触させる。そして、mRNA又はcDNAのレベルを検出し、正常対照と比較してmRNA又はcDNAのレベルが増加しているかどうかを評価する。
本発明の更に他の実施形態では、定量又は半定量診断キット(アッセイを行うのに必要な試薬をすべて含むことができる。)中で、Aktキナーゼに対するモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体を使用して、癌細胞の疑いのある患者の細胞におけるAktキナーゼの相対的レベルを測定する。一実施形態では、ELISAを実施するのに必要な試薬及び材料を用いたキットが提供される。試薬としては、例えば、洗浄緩衝液、抗体希釈緩衝液、阻止緩衝液、細胞染色液、発色液、停止液、抗リンタンパク質特異的抗体、抗Panタンパク質特異的抗体、第2抗体及び蒸留水が挙げられる。このキットはまた、使用指示書を含んでもよく、また、場合によっては、自動化又は半自動化されているか、或いは自動化機械又はソフトウェアに適合した形態であってもよい。一実施形態では、活性型AKT(セリン474がリン酸化されたAkt)を検出する蛍光体−ser−473Akt抗体を、診断キット中の抗体として用いる。例えば、Yuan他(2000)、「ヒト卵巣癌におけるホスフィノシチド−3−OHキナーゼ/Akt経路の阻害によるAKT2の頻繁な活性化、及びアポトーシスの阻害」、Oncogene 19:2324〜2330を参照されたい。
(Aktキナーゼ)
PKB3ともいうAktは、セリン/スレオニンキナーゼのサブファミリーを表す。このサブファミリーの中では、3種のメンバー:AKT1、AKT2及びAKT3が同定されている。Aktは、PI3Kに依存して、細胞外刺激によって活性化される(Datta,S.R.他、Genes Dev.13:2905〜2927、1999)。Aktの完全な活性化には、活性化ループ中のThr308、及びC末端活性化ドメインのSer437のリン酸化が必要である。Aktは、PTEN腫瘍抑制因子によって負に制御される。PTEN中の変異は種々の腫瘍で同定されているが、これはAkt経路の活性化を引き起こす(Datta,S.R.他、Genes Dev.13:2905〜2927、1999)。更に、Aktの増幅、過剰発現及び/又は活性化は、いくつかのヒト悪性腫瘍において検出されている(Datta,S.R.他、Genes Dev.13:2905〜2927、1999;Cheng,J.Q.、及びNicosia,S.V.、腫瘍形成におけるAKT情報伝達経路、In Schwab D編、Encyclopedic Reference of Cancer.Berlin Heidelberg and New York:Springer;2001.pp35〜7)。Akt、特に常時活性型Aktの異所発現は、細胞生存及び悪性転換を誘導し、他方、Akt活性の阻害は、種々の哺乳動物細胞においてアポトーシスを刺激する(Datta,S.R.他、Genes Dev.13:2905〜2927、1999;Cheng,J.Q.及びNicosia,S.V.、腫瘍形成におけるAKT情報伝達経路、Schwab D編 Encyclopedic Reference of Cancer.Berlin Heidelberg and New York:Springer;2001.pp35〜7;Sun,M,他、Am.J.Path.、159:431〜437、2001;Cheng,J.Q.他、Oncogene、14:2793〜2801、1997)。更に、Aktの活性化は、腫瘍の侵襲性及び化学物質耐性に関与することが示されている(West,K.A.他、Drug Resist.Updat.、5:234〜248、2002)。
Akt経路の活性化は、細胞の生存、増殖、移動、及び血管の形成を誘導することによって、悪性転換及び化学物質耐性において重要な役割を果たす。本発明は、Aktキナーゼ過剰発現のレベル、及び/又は過剰活性化及びリン酸化Aktキナーゼのレベルを測定する方法を提供する。
Aktキナーゼは、Akt1、Akt2及びAkt3を含む(これらに限定されない)、任意の公知のAktファミリーキナーゼ、又はそれに関連するキナーゼである。ヒトAkt1、Akt2及びAkt3のmRNA及びアミノ酸の配列を、それぞれ、図6a〜c、図7a〜d及び図8a〜cに示す。
他の実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び/又は1以上のタキサンを含む本発明の組成物は、Atkを発現した癌や腫瘍を死滅させる。
5.7.診断アッセイ
免疫学的アッセイ
一実施形態では、哺乳動物の細胞、細胞抽出物、血清若しくは他の試料、又は生物学的試料を、Aktキナーゼ又はその抗原部分に特異的な免疫反応性分子と接触させ、免疫反応性分子−Aktキナーゼ複合体形成のレベルをスクリーニングし、正常細胞に比べて複合体の存在量が多いかどうかを決定することによって、哺乳動物、又は哺乳動物の生物学的試料におけるAktキナーゼの異常発現を検出する方法が提供される。
上記免疫反応性分子は、Aktキナーゼ又はその抗原部分、相同体、或いはそれらの誘導体に特異性及び結合親和性を有する分子である。一実施形態では、免疫反応性分子は、イムノグロブリン分子である。他の実施形態では、免疫反応性分子は、抗体断片、1本鎖抗体、及び/又は脱免疫分子(ヒト化抗体、T細胞関連抗原結合分子(TABM)等)である。特定の一実施形態では、抗体はモノクローナル抗体である。他の特定の実施形態では、抗体はポリクローナル抗体である。免疫反応性分子は、Aktキナーゼ、より具体的にはAktキナーゼの抗原決定基又はエピトープに特異性を示す。Aktキナーゼの抗原決定基又はエピトープには、免疫応答が向けられる分子部分が含まれる。この抗原決定基又はエピトープは、B細胞エピトープ、又はT細胞エピトープ(適切な場合)である。一実施形態では、抗体は蛍光体−ser−473Akt抗体である。
本発明の一実施形態では、哺乳動物の細胞若しくは細胞抽出物、又は被治療者から得られた生物学的試料を、Aktキナーゼ又はその抗原決定基若しくはエピトープに特異性を有する抗体(Aktキナーゼ結合有効量)と接触させ、次いで、Aktキナーゼ−抗体複合体のレベルを定量的若しくは半定量的に測定して、正常細胞と比較して前記複合体のレベルが増加していることを決定することによって、異常なAkt活性が存在する、哺乳動物における癌若しくは癌様増殖を診断する方法が提供される。
抗体は、当業者に公知のいずれかの手段によって調製することができる。例えば、ヒトAktキナーゼ検出用抗体は、一般には、霊長類、家畜動物(例えば、ヒツジ、メウシ、ブタ、ヤギ、ウマ)、研究実験動物(例えば、マウス、ラット、モルモット、ウサギ)及び/又はペット(例えば、イヌ、ネコ)等の非ヒト動物から得られる(得られないこともある)。抗体はまた、組換え技術を用いて、原核又は真核宿主細胞で作製することができる。一般に、抗体をベースとしたアッセイは、生検で得られた細胞又は組織に対して、in vitroで実施することができる。しかし、抗体が適切に脱免疫されるか、又はヒト化される(ヒトで使用する場合)ならば、抗体を、例えば、核タグで標識して、患者に投与し、核標識が蓄積した部位を放射線技術で決定することができる。Aktキナーゼ抗体は、癌標的薬である。従って、本発明の他の実施形態では、ヒト及び非ヒト患者における癌イメージングで使用する脱免疫型抗体が提供される。
一般に、Aktキナーゼに対する抗体を作製するためには、当該酵素を生物学的試料から抽出する必要がある。生物学的試料は、ヒト組織を含む動物から得ても、細胞培養物から(組換え技術によって作製する場合)得てもよい。Aktキナーゼは、任意の適切な手段で生物学的試料から分離することができる。分離は、例えば、Aktキナーゼの表面電荷特性、サイズ、密度、生物学的活性、及び他の物質(例えば、それが結合し、又は会合する他のタンパク質又は化合物)に対する親和性、のいずれか1種又は複数を利用して行うことができる。従って、例えば、体液からのAktキナーゼの分離は、超遠心、イオン交換クロマトグラフィー(例えば、陰イオン交換クロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー)、電気泳動(例えば、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、等電点電気泳動)、サイズによる分離(例えば、ゲル濾過、限外濾過)、及び親和性を用いた分離(例えば、Dynabead(商標)分離等の磁気ビーズ分離、免疫クロマトグラフィー、免疫沈降(これらに限定されない。)を含む免疫親和性分離)のいずれか1種又は複数を用いて実施することができる。このような、体液からのAktキナーゼの分離は、キナーゼ上に存在する構造的エピトープを維持することができるものであり、また、それ故、酵素の変性を生じさせる技術を適切に回避するものである。他の実施形態では、上記キナーゼは、親和性分離、ゲル濾過及び/又は限外濾過のいずれか1種又は複数を用いて体液から分離することができる。
免疫、及びそれに続くモノクローナル抗体の作製は、当業者に公知の標準的方法、例えば、Kohler及びMilstein(Kohler及びMilstein、Nature 256:495〜499、1975;Kohler及びMilstein、Eur.J.Immunol.6(7):511〜519、1976)、Coligan他(「Current Protocol(手順書)s in Immunology、John Wiley & Sons,Inc.、1991〜1997)又はToyama他(Monoclonal Antibody、Experiment Manual」、Kodansha Scientific出版、1987)に記載の方法を用いて実施することができる。基本的には、標準的方法で、Aktキナーゼ含有体液若しくはそれらの画分、又は組換え型Aktキナーゼで動物を免疫し、抗体産生細胞、特に、抗体産生体細胞(例えば、Bリンパ球)を作製する。次いで、不死化のために、それらの細胞を、免疫した動物から取り出す。ある実施形態では、Aktキナーゼの断片を用いて抗体を作製する。この断片は、担体に結合させることができる。担体としては、免疫原性が全くないか、不十分な物質(例えば、ハプテン)が天然に、又は人為的に結合して、その免疫原性を高める物質(一般に高分子量)が考えられる。
抗体産生細胞の不死化は、当業者に周知の方法を用いて実施することができる。例えば、不死化は、エプスタインバーウイルス(EBV)を用いた形質転換法(Kozbor他、Methods in Enzymology 121:140、1986)によって実施することができる。他の実施形態では、モノクローナル抗体の作製に広く用いられている細胞融合法(Coligan他、1991〜1997、前述)を用いて、抗体産生細胞を不死化する。この方法では、抗体を産生する能力のある抗体産生体細胞、特にB細胞を骨髄腫細胞株と融合させる。これらの体細胞は、初回抗原刺激を受けた動物、好ましくはマウス、ラット等の齧歯類動物のリンパ節、脾臓及び末梢血から得ることができる。特定の実施形態では、マウスの脾臓細胞を用いることができる。他の実施形態ではまた、ラット、ウサギ又はヤギの細胞を用いることができる。特殊化骨髄腫細胞株は、ハイブリドーマを作製する融合過程で用いるために、リンパ球性腫瘍から開発されている(Kohler及びMilstein、1976、前述、Shulman他、Nature 276:269〜270、1978;Volk他、J.Virol.42(1):220〜227、1982)。多くの骨髄腫細胞株はまた、融合細胞ハイブリッド(例えば、P3.times.63−Ag8、P3.times.63−AG8.653、P3/NS1−Ag4−1(NS−1)、Sp2/0−Ag14及びS194/5.XXO.Bu.1)の作製に用いることができる。P3.times.63−Ag8及びNS−1細胞株は、Kohler及びMilstein(1976、前述)に記載されている。Shulman他(1978、前述)は、Sp2/0−Ag14骨髄腫細胞株を開発している。S194/5.XXO.Bu.1細胞株は、Trowbridge(J.Exp.Med.148(1):313〜323、1978)によって報告されている。抗体産生脾臓細胞又はリンパ節細胞と骨髄腫とのハイブリッドの作製方法では、通常、細胞膜の融合を促進する1種又は複数種の(化学的、ウイルス性、又は電気的)薬剤の存在下で、体細胞と骨髄腫とを10:1の割合(但し、この割合は約20:1から約1:1まで変化させることが可能である。)で混合する。融合方法は記載されている(Kohler及びMilstein、1975、前述;Kohler及びMilstein、1976、前述;Gefter他、Somatic Cell Genet.3:231〜236、1977;Volk他、1982、前述)。それらの研究者によって用いられた融合促進剤は、センダイウイルス及びポリエチレングリコール(PEG)であった。ある実施形態では、残存する未融合細胞、特に未融合骨髄腫細胞から融合細胞ハイブリッドを選択する手段が提供される。一般に、融合細胞ハイブリッドの選択は、ハイブリドーマの増殖は支持するが、未融合骨髄腫細胞(通常は、無限に分裂を続ける。)の増殖は阻害する培地中で、細胞を培養することによって行うことができる。融合に用いた体細胞は、in vitroの培養において長期生存能力を維持せず、それ故、問題とならない。融合細胞ハイブリッドを選択的に培養するには数週間必要である。この期間の初期に、後のクローニング及び増殖が可能になるように、所望の抗体を産生するハイブリッドを同定する必要がある。一般に、得られたハイブリッドの約10%が所望の抗体を産生するが、約1%乃至約30%の範囲は珍しくない。抗体産生ハイブリッドの検出は、標準的アッセイ(例えば、Kennet他(Monoclonal Antibodies and Hybridomas:A New Dimension in Biological Analyses、pp376〜384、Plenum Press、New York、1980)に記載の酵素結合免疫アッセイ及び放射免疫アッセイ)のいずれかによって、また、FACS分析(O'Reilly他、Biotechniques 25:824〜830、1998)によって実施することができる。
一旦所望の融合細胞ハイブリッドが選択され、個々の抗体産生細胞株にクローニングされたら、各細胞株を2種の標準的方法のいずれかで増殖させることができる。ハイブリドーマ細胞の懸濁液は、組織適合動物に注射する。その後、注射された動物は、融合細胞ハイブリッドによって産生される特異的モノクローナル抗体を分泌する腫瘍を生じる。この動物の体液(血清、腹水等)を採取すれば、高濃度のモノクローナル抗体が得られる。或いは、個々の細胞株をin vitroで、実験培養容器内で増殖させてもよい。この場合、単一の特異的モノクローナル抗体を高濃度で含有する培地をデカンテーション、濾過又は遠心によって収集し、その後、これを精製する。
細胞株は、任意の適切な免疫検出手段によって、Aktキナーゼを検出する特異性について試験することができる。例えば、細胞株をいくつかのウェルに分注して、インキュベートし、各ウェルの上清を酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、間接的蛍光抗体法等によって分析する。非標的エピトープは認識しないが、標的LIMキナーゼは認識可能なモノクローナル抗体を産生する細胞株を同定し、次いで、これをin vitroで直接培養するか、組織適合動物に注射して、腫瘍を形成させ、必要な抗体を作製、収集、精製する。
従って、本発明は、試料中でAktキナーゼ又はその断片、変種若しくは誘導体を検出する方法であって、試料と、抗体又はその断片若しくは誘導体と、を接触させること、並びに、抗体と、Aktキナーゼ又はその断片、変種若しくは誘導体と、を含有する複合体のレベルを測定し、正常対照と比較して、Aktキナーゼレベルの増加を決定すること、を含む方法を提供する。上記複合体の形成は、任意の適切な方法を用いて検出することができる。例えば、リポーター分子を結合させた本発明の抗体を、免疫アッセイで使用することができる。このような免疫アッセイとしては、当業者に周知の放射性免疫アッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、免疫クロマトグラフィー(ICT)及びウェスタンブロッティングが挙げられる(これらに限定されない)。免疫アッセイはまた、競合アッセイでもよい。本発明は、定性及び定量免疫アッセイを包含する。
適切な免疫アッセイは、例えば、米国特許第4016043号、第4424279号及び第4018653号に記載されている。これらには、非競合型の1部位(one−site)及び2部位(two−site)アッセイ、並びに従来の競合結合アッセイの両方が包含される。これらのアッセイにはまた、標的抗原に対する標識抗原結合分子の直接結合が包含される。
本発明は更に、動物、例えば、ヒト癌患者又は癌の疑いのある個体から得られた細胞又は組織試料におけるAktタンパク質の発現レベル及び活性化レベルを定量する方法を提供する。一実施形態では、本発明は、画像システムを定量的に用いて、Aktタンパク質の発現レベル又は活性化レベルを定量する方法を提供する。画像システムは、Aktタンパク質特異的染色で染色された細胞又は組織試料の画像を受像、増強、処理して、動物から得られた細胞及び組織試料で発現したAktタンパク質の量又は活性化レベルを測定するのに用いることができる。本発明の方法の実施形態では、AKT1及びAKT2タンパク質発現の検量線は、AKTタンパク質の異なる量を発現する少なくとも2種の細胞株について作成することができる。得られた検量線は、細胞又は組織試料で発現したAKTタンパク質の量を定量的に測定するのに用いることができる。活性化特性に特異的な試薬を用いて、類似の検量線を、活性化AKTタンパク質について作成することができる。これはまた、臨床的癌治療の前後に、AKTの量及び活性化状態の変化を測定するのに用いることができる。
本発明の方法の特定の一実施形態では、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を用いて、試料中のAKTタンパク質の量を測定することによって、細胞又は組織試料中のAKTタンパク質の発現を定量する。このような方法は、例えば、米国特許公報第2002/0015974号に記載されている。
他の実施形態では、酵素免疫アッセイを用いて、Aktキナーゼを検出する。このようなアッセイでは、一般にグルタルアルデヒド又は過ヨウ素酸塩を用いて、酵素を第2抗体に結合させる。酵素と共に用いられる基質としては、一般に、対応する酵素による加水分解を受けた場合に、検出可能な色調の変化を生じるものが選択される。発色基質ではなく、蛍光物質を生じる蛍光発生基質を用いることも可能である。酵素標識抗体を第1抗体−抗原複合体に添加し、結合させた後、過剰な試薬を洗い流す。次いで、適切な基質を含有する溶液を、抗体−抗原−抗体の複合体に添加する。この基質は、第2抗体に結合した酵素と反応して、定量的な可視信号をもたらす。そして、この信号を、通常分光光度法を用いて定量して、試料中に存在した抗原の量を測定する。或いは、フルオレセイン、ローダミン、ユーロピウム(EU)(ランタニド元素)等の蛍光化合物を、抗体の結合能力を変更することなく、抗体に化学的に結合させてもよい。蛍光色素標識抗体は、特定の波長の光の照射によって活性化されると、光エネルギーを吸収して、分子内の励起状態を誘導し、次いで、光学顕微鏡で視覚的に検出可能な特徴的な色の光を放射する。蛍光標識抗体は第1抗体−抗原複合体に結合させる。未結合の試薬を洗浄後、残存する三次複合体を適切な波長の光に曝露する。観察される蛍光は抗原の存在を示す。免疫蛍光アッセイ(IFMA)は当分野で十分に確立されているが、本発明の方法において特に有用である。しかし、他のリポーター分子、例えば、放射性同位元素、化学発光分子又は生物発光分子を用いることもできる。
特定の実施形態では、Aktキナーゼに対する抗体はまた、特に血清中又は他の循環液中のAktキナーゼのELISAによる検出において使用する。これは、抗Aktキナーゼ抗体を固相支持体に固定し、これを生物学的抽出物(例えば、血清、血液、リンパ液若しくは他の体液、細胞抽出物又は生検細胞)と接触させることによって実施する。次いで、標識抗Aktキナーゼ抗体を用いて、固定されたAktキナーゼを検出する。このアッセイは、いくつかのやり方で改変することができる。改変された形態はすべて本発明に包含され、また、当業者に公知である。この方法は、例えば、血清をベースにしたアッセイを用いて、Aktキナーゼレベルを迅速に検出、定量することを可能にする。
一実施形態では、Akt Elisa測定キットを本発明で用いる。例えば、Akt S473用Cellular Activation of Signaling ELISAキット(SuperArray Bioscience社製)を本発明で用いることができる。一実施形態では、この抗体はAkt S473を認識する抗pan抗体である。Elisa測定キットは、抗Akt抗体、及び他の試薬(例えば、洗浄緩衝液、抗体希釈液、阻止緩衝液、細胞染色液、発色液、停止液、第2抗体及び蒸留水。これらに限定されない。)を含有する。
ヌクレオチド検出
他の実施形態では、Aktキナーゼをコードするポリヌクレオチドの細胞内での発現レベルを検出することによって、Aktキナーゼを検出する方法が提供される。ポリヌクレオチドの発現は、当業者に公知の任意の適切な技術を用いて測定することができる。一実施形態では、細胞から得られたRNA抽出物のノーザンブロットにおいて、Aktキナーゼをコードする標識ポリヌクレオチドをプローブとして用いる。他の実施形態では、動物の核酸抽出物を、キナーゼをコードするポリヌクレオチドのセンス及びアンチセンス配列、又はその隣接配列、に対応するオリゴヌクレオチドプライマーと合わせて、RT PCR等の核酸増幅反応で用いる。例えば、Fodor他(Science 251:767〜777、1991)及びKazal他(Nature Medicine 2:753〜759、1996)に記載の種々の自動化固相検出法も当業者に利用可能である。
他の実施形態では、RNA転写物をコードするAktキナーゼを検出する方法が提供される。RNAを、AktキナーゼRNAを含有するものと推測される細胞試料から単離することができ、例えば、全RNAをヒト癌組織から単離することができる。RNAは、当分野で公知の方法、例えば、TRIZOL試薬(GIBCO−BRL/Life Technologies、Gaithersburg、Md.)を用いて単離することができる。オリゴ−dT又はランダム配列オリゴヌクレオチド、並びに配列特異的オリゴヌクレオチドは、単離されたRNAから1本鎖cDNAを調製する逆転写反応のプライマーとして用いることができる。得られた1本鎖cDNAは、配列特異的オリゴヌクレオチドを用いたPCR反応で増幅され、増幅産物を生成する。
ポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)は、例えば、米国特許第4683195号に記載のように、核酸、RNA及び/又はDNAの予め選択された断片の量を増幅する方法又は技術のことである。一般に、オリゴヌクレオチドプライマー設計のために、関心のある領域の両末端又はそれ以上の配列情報を用いる。これらのプライマーの配列は、増幅する鋳型の反対鎖と同一であるか、類似している。PCRは、特定のRNA配列、及び全細胞RNAから転写されたcDNAを増幅するために用いることができる。一般には、Mullis他を参照されたい(Quant.Biol.51:263、1987、Erlich編、PCR Technology、Stockton Press、NY、1989)。従って、PCRによる特定の核酸配列の増幅は、保存されたヌクレオチド配列を有するオリゴヌクレオチド(「プライマー」)に依存し、この保存された配列は、関連遺伝子又はタンパク質の配列の並び方、例えば、哺乳動物Aktキナーゼ遺伝子の配列を比較することによって推定することができる。例えば、アンチセンス鎖とアニールすることが予測される1つのプライマーを調製し、AktキナーゼをコードするcDNA分子のセンス鎖とアニールすることが予測されるもう1つのプライマーを調製する。一般に、反応混合物に対してアガロースゲル電気泳動又は他の便利な分離法を実施して、増幅産物を検出し、Aktキナーゼに固有の増幅DNAの相対的存在量を検出する。例えば、Aktキナーゼ増幅DNAは、特定のオリゴヌクレオチドプローブによるサザンハイブリダイゼーションを用いるか、或いは、分子量が公知のDNA標準物と、電気泳動の移動度を比較することによって検出することができる。増幅AktキナーゼDNAの単離、精製及び解析は、ゲルから断片を切り出すか、溶出し(例えば、Lawn他、Nucleic Acids Res.2:6103、1981;Goeddel他、Nucleic acid Res.8:4057〜1980を参照)、適切なベクター、例えば、pCRIIベクター(Invitrogen)のクローニング部位に増幅産物をクローニングし、クローニングした挿入部の配列を決定し、LIMキナーゼの公知の配列とDNA配列を比較することによって実施することができる。その後、LIMキナーゼmRNA及びcDNAの相対量を測定することができる。
一実施形態では、リアルタイムPCRを用いて、Aktヌクレオチドの転写レベルを測定することができる。転写活性の測定はまた、入手可能なmRNA転写物に基づく潜在的翻訳活性の測定を包含する。リアルタイムPCR等のPCR法では、PCR産物の検出のために、DNA結合蛍光体、5'エンドヌクレアーゼ、隣接した線状及びヘアピンオリゴプローブ、並びに自家蛍光性単位複製配列の結合等の化学反応が用いられる。これらの化学反応及びリアルタイムPCR一般については、例えば、Mackay他、Nucleic Acids Res 30(6):1292〜1305、2002;Walker,J.Biochem.Mol.Toxicology 15(3):121〜127、2001;Lewis他、J.Pathol.195:66〜71、2001で論じられている。
他の実施形態では、Aktの異常発現は、生物学的試料から単離されたヌクレオチド配列と、図6a〜c、図7a〜c若しくは図8a〜cのヌクレオチド配列から選択されたAkt配列又はそれらの断片に相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドプローブと、を接触させ、次いで、そのヌクレオチド配列にプローブをハイブリダイズして、配列を検出し、結果を正常試料と比較することによって同定することができる。生物学的試料に対するプローブのハイブリダイゼーションは、任意の検出薬剤でプローブを標識することによって検出することができる。このプローブは、例えば、放射性同位元素で、又は、ビオチン、蛍光色素、高電子密度試薬、酵素、ハプテン、若しくはその抗体が利用可能なタンパク質で標識することができる。検出可能な標識は、所望の手段(分光学的手段、光学的手段、生化学的手段、免疫化学的手段、放射性同位元素を用いた手段、化学的手段等)によってアッセイすることができる。プローブはまた、オリゴマー制限(oligomer restriction)法、ドットブロットアッセイ、逆ドットブロットアッセイ、ラインプローブ(line probe)アッセイ、5'ヌクレアーゼアッセイ等の技術を用いて検出することができる。或いは、プローブは、一般に適用可能なDNAアレイ技術(マクロアレイ、マイクロアレイ、DNAマイクロチップ等)のいずれかを用いて検出することができる。オリゴヌクレオチドプローブは、一般に、図6a〜c、図7a〜c及び図8a〜cから選択されたヌクレオチド又はそれらの断片にハイブリダイズする、少なくとも約14、15、16、18、20、25又は28個のヌクレオチドを含むものである。一般に、約25又は28個のヌクレオチドを上回る長さのプローブを用いることは好ましくない。オリゴヌクレオチドプローブは、Aktヌクレオチド配列を同定することができるように設計する。
キナーゼアッセイ
当分野で公知の任意の適切なキナーゼアッセイを用いて、Aktキナーゼの活性を測定することができる。例えば、Hogg他(Oncogene、1994、9:98〜96)、Mills他(J.Biol.Chem.1992、267:16000〜006)、Tomizawa他 2001(FEBS Lett.2001、492:221〜7)、Schmandt他(J.Immunol.1994、152:96〜105)に記載の方法を用いることができるが、それらに限定されるものではない。また、セリン、スレオニン及びチロシンキナーゼアッセイについては、Ausubel他(Short Protocols in Molecular Biology、1999、unit 17.6)に記載されている。
Aktキナーゼアッセイでは、一般に、Aktポリペプチド、標識供与体基質、及びAktに特異的又は非特異的な受容体基質を用いることができる。このようなアッセイでは、Aktは、標識部分を供与体基質から受容体基質に転移し、キナーゼ活性は、供与体基質から受容体基質に転移された標識部分の量によって測定される。Aktポリペプチドは、種々の発現系を用いて作製することができ、また、細胞から精製することができる。また、切断された、又は切断されていない組換え融合タンパク質の形態をとることができる。また、非Aktポリペプチド配列、例えば、Hisタグ又はベータ−ガラクトシダーゼをN又はC末端に有してもよい。測定すべきAktの供給源として癌細胞株を用いるならば、Akt活性をこの癌細胞株で測定することができる。Aktアッセイに適切な供与体基質としては、Aktによる脱リン酸化を受けやすい任意の分子、例えば、標識が33P、32P、35P若しくは他の放射性同位元素、又は適切な蛍光マーカーであるガンマ−標識ATP及びATPアナログが挙げられる。Aktアッセイに適切な受容体基質としては、Aktによってリン酸化を受けやすいポリペプチド等の分子が挙げられる。受容体基質は、Aktのin vivo標的の断片に由来するものでもよい。受容体基質の断片の長さは、アミノ酸8〜50個であり、通常は10〜30個、特に約10、12、15、18、20及び25個である。更に、受容体基質は、異なるポリペプチド等の分子のセットを用いて実験的に決定することができる。一旦反応が実施されると、TTKの受容体基質の標的を、反応の他の成分から精製することができる。この精製は、通常、分子相互作用を用いて行われる。すなわち、受容体基質をビオチン化し、ストレプトアビジンとの相互作用によって精製するか、或いは、受容体基質を特異的に認識可能な特異的抗体を用いて精製する。反応は、種々の条件で、例えば、固相上、ゲル中、溶液中又は生存細胞中で実施することができる。検出方法の選択は、供与体分子に用いられる標識の種類に依存するが、例えば、オートラジオグラフィー、シンチレーション、スキャニング又は蛍光光度分析を用いて、取り込まれた放射線又は蛍光を測定する方法を選択することができる。
(治療方法)
本明細書で提供される化合物及び医薬組成物は、腫瘍、癌、及び異常細胞増殖に関連する他の疾患を含む状態の治療に使用することができる。一実施形態では、本発明の化合物は、癌腫、肉腫、リンパ腫、白血病及び/又は骨髄腫を治療するために使用することができる。本発明の他の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、固形腫瘍を治療するために使用することができる。
本発明の化合物は、次の器官又は組織(これらに限定されない):乳房、前立腺、肺、気管支、大腸、尿路、膀胱、非ホジキンリンパ腫、黒色腫、腎臓、腎臓部、膵臓、上咽頭、甲状腺、胃、脳、多発性骨髄腫、食道、肝臓、肝内胆管、頸部、喉頭、急性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、心臓等の軟部組織、ホジキンリンパ腫、精巣、小腸、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、肛門、肛門管、肛門直腸、甲状腺、外陰、胆嚢、胸膜、目、鼻腔、中耳、鼻咽頭、尿管、腹膜、網、腸間膜及び胃腸、高悪性度神経膠腫、神経膠芽腫、結腸癌、直腸癌、膵臓癌、胃癌、肝細胞癌、頭部及び頸部の癌、癌腫、腎細胞癌、腺癌、肉腫、血管内皮腫、リンパ腫、白血病、菌状息肉腫等、の癌の治療に使用することができる。他の実施形態では、本発明の化合物は、次の皮膚疾患(これらに限定されない):悪性疾患血管肉腫、血管内皮細胞腫、基底細胞癌、扁平上皮細胞癌、悪性黒色腫及びカポジ肉腫、並びに非悪性疾患若しくは状態、例えば、乾癬、リンパ脈管新生、小児の血管腫、スタージ−ウェーバー症候群、尋常性いぼ、神経線維腫、結節性硬化症、化膿性肉芽腫、劣性栄養障害性上皮水疱症、静脈性潰瘍、ざ瘡、酒さ、湿疹、伝染性軟属腫、脂漏性角化症及び光線性角化症、の治療に使用することができる。
本発明の化合物を含む組成物は、これらの癌、及び他の癌を治療するために、癌の発見から進行段階までの任意の段階で使用することができる。更に、本発明の化合物を含む組成物は、原発癌及びその転移の治療で使用することができる。
本発明の他の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、例えば、下記表1−1〜表1−4に挙げた癌(これらに限定されない。)の治療で使用することができる。
本発明の他の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、血管形成関連疾患の治療で使用することができる。
抗血管新生小分子としては、NFkBを阻害することによって部分的に作用するサリドマイド;微小管活性化及び低酸素症誘導因子(HIF1a)活性化に影響を与える2−メトキシエストラジオール;シクロ−オキシゲナーゼ2(COX2)阻害剤;並びに従来の低用量化学治療薬(シクロホスファミド、タキサン、アントラサイクリン誘導体、ビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン)等)が挙げられる(D'Amato,R.J.他(1994)、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A 91、3964〜3968;D'Amato,R.J.他(1994)、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A 91、4082〜4085)。更に、ある種のチロシンキナーゼ阻害剤は、腫瘍及び間質細胞による、VEGF及び他の血管新生誘発因子の産生を減少させることによって、血管形成を間接的に低減させる。これらの薬剤には、ハーセプチン、イマチニブ(グリベック)及びイレッサが含まれる(Bergers,G.他(2003)、Journal of Clinical Investigation III、1287〜1295;Ciardiello,F.他(2001)、Clinical Cancer Research 7、1459〜1465;Plum,S.M.他(2003)、Clinical Cancer Research 9、4619〜4626)。
最近、血管形成阻害剤は、動物モデルからヒト患者に移行した。血管形成阻害剤は、種々の癌の治療法となることが期待されている。最近、血管内皮増殖因子(VEGF)に対して親和性の高いアバスチンは、進行した腎細胞癌では、単独で寿命を延長し、進行した大腸癌では、化学療法との併用により寿命を延長することが示された(Yang,J.C.他(2003)、New England Journal of Medicine 349、427〜434;Kabbinavar,F.他(2003)、Journal of Clinical Oncology 21、60〜65)。
血管新生関連疾患としては、炎症、自己免疫疾患及び感染性疾患;血管新生依存性癌(例えば、固形腫瘍、血液骨腫瘍(白血病等)及び腫瘍転移);良性腫瘍(例えば、血管腫、聴神経腫、神経線維腫、トラコーマ及び化膿性肉芽腫);関節リウマチ;乾癬;湿疹;目の血管新生疾患(例えば、糖尿病性網膜症、未熟児の網膜症、黄斑変性、角膜移植後拒絶反応、血管新生緑内障、水晶体後方繊維増殖症、ルベオーシス);オスラー−ウェーバー症候群;心筋血管形成;プラーク血管新生;毛細血管拡張症;血友病関節症;血管線維腫;及び創傷肉芽形成が挙げられる(これらに限定されない)。更に、本発明の組成物は、腸管癒着症、アテローム性動脈硬化、強皮症、いぼ、肥厚性瘢痕(すなわち、ケロイド)等の疾患の治療に使用することができる。本発明の組成物はまた、病理学的な結果として血管形成を生じる疾患(猫引っ掻き病(Rochele minalia quintosa)、潰瘍(ヘリコバクターピロリ)、結核、らい病等)の治療に使用することができる。
薬剤耐性腫瘍又は癌の治療法
本発明は、本明細書に記載の癌及びTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び/又は1以上の付加抗癌剤の実施形態を含む、薬剤耐性癌の治療に使用可能な化合物を提供する。
多剤耐性(MDR)は、ヒト癌に生じ、化学療法の成功に重大な障害となる可能性がある。多剤耐性は、1種の細胞毒性剤に曝露された腫瘍細胞が、in vitroで種々の構造的及び機能的に関連のない化合物に交差耐性を生じる現象である。更に、MDRは、化学療法剤に曝露したことがない癌において突発的に生じる場合がある。従って、一実施形態では、本発明は、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上の付加抗癌剤を投与することによって、薬剤耐性癌(例えば、多剤耐性癌)の患者を治療する方法を提供する。ある実施形態では、タキソール、ラパマイシン、タモキシフェン、シスプラチン及び/又はゲフィチニブ(イレッサ)に耐性の癌を治療するために、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上の付加抗癌剤を使用することができる。
一実施形態では、大腸、骨、腎臓、副腎、膵臓、肝臓の薬剤耐性癌、及び/又は当分野で公知の、又は本明細書に記載の任意の他の癌の治療に、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上の付加抗癌剤を使用することができる。
本発明は、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上のタキサンの投与によって、本明細書に記載の癌の実施形態を含む薬剤耐性癌の治療に使用可能な化合物を網羅する。
一実施形態では、本発明は、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上のタキサンを投与することによって、薬剤耐性癌(例えば、多剤耐性癌)の患者を治療する方法を網羅する。ある実施形態では、タキソール、ラパマイシン、タモキシフェン、シスプラチン及び/又はゲフィチニブ(イレッサ)に耐性の癌を治療するために、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上のタキサンを使用することができる。
一実施形態では、大腸、骨、腎臓、副腎、膵臓、肝臓の薬剤耐性癌、及び/又は当分野で公知の、又は本明細書に記載の任意の他の癌の治療に、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上のタキサンを使用することができる。
本発明は、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子の投与によって、本明細書に記載の癌の実施形態を含む薬剤耐性癌の治療に使用可能な化合物を網羅する。
一実施形態では、本発明は、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子を投与することによって、薬剤耐性癌(例えば、多剤耐性癌)の患者を治療する方法を網羅する。ある実施形態では、タキソール、ラパマイシン、タモキシフェン、シスプラチン及び/又はゲフィチニブ(イレッサ)に耐性の癌を治療するために、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子を使用することができる。
一実施形態では、大腸、骨、腎臓、副腎、膵臓、肝臓の薬剤耐性癌、及び/又は当分野で公知の、又は本明細書に記載の任意の他の癌の治療に、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子を使用することができる。
本発明は、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子の投与によって、本明細書に記載の癌の実施形態を含む薬剤耐性癌の治療に使用可能な化合物を網羅する。
一実施形態では、本発明は、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上のアントラサイクリン誘導体を投与することによって、薬剤耐性癌(例えば、多剤耐性癌)の患者を治療する方法を網羅する。ある実施形態では、タキソール、ラパマイシン、タモキシフェン、シスプラチン及び/又はゲフィチニブ(イレッサ)に耐性の癌を治療するために、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上のアントラサイクリン誘導体を使用することができる。
一実施形態では、大腸、骨、腎臓、副腎、膵臓、肝臓の薬剤耐性癌、及び/又は当分野で公知の、又は本明細書に記載の任意の他の癌の治療に、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上のアントラサイクリン誘導体を使用することができる。
本発明は、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物の投与によって、本明細書に記載の癌の実施形態を含む薬剤耐性癌の治療に使用可能な化合物を網羅する。
一実施形態では、本発明は、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物を投与することによって、薬剤耐性癌(例えば、多剤耐性癌)の患者を治療する方法を網羅する。ある実施形態では、タキソール、ラパマイシン、タモキシフェン、シスプラチン及び/又はゲフィチニブ(イレッサ)に耐性の癌を治療するために、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物を使用することができる。
一実施形態では、大腸、骨、腎臓、副腎、膵臓、肝臓の薬剤耐性癌、及び/又は当分野で公知の、又は本明細書に記載の任意の他の癌の治療に、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物を使用することができる。
本発明は、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上の白金化合物の投与によって、本明細書に記載の癌の実施形態を含む薬剤耐性癌の治療に使用可能な化合物を網羅する。
一実施形態では、本発明は、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上の白金化合物を投与することによって、薬剤耐性癌(例えば、多剤耐性癌)の患者を治療する方法を網羅する。ある実施形態では、タキソール、ラパマイシン、タモキシフェン、シスプラチン及び/又はゲフィチニブ(イレッサ)に耐性の癌を治療するために、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上の白金化合物を使用することができる。
一実施形態では、大腸、骨、腎臓、副腎、膵臓、肝臓の薬剤耐性癌、及び/又は当分野で公知の、又は本明細書に記載の任意の他の癌の治療に、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上の白金化合物を使用することができる。
本発明は、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及びボルテゾミブ又はその塩の投与によって、本明細書に記載の癌の実施形態を含む薬剤耐性癌の治療に使用可能な化合物を網羅する。
一実施形態では、本発明は、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及びボルテゾミブ又はその塩を投与することによって、薬剤耐性癌(例えば、多剤耐性癌)の患者を治療する方法を網羅する。ある実施形態では、タキソール、ラパマイシン、タモキシフェン、シスプラチン及び/又はゲフィチニブ(イレッサ)に耐性の癌を治療するために、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及びボルテゾミブ又はその塩を使用することができる。
一実施形態では、大腸、骨、腎臓、副腎、膵臓、肝臓の薬剤耐性癌、及び/又は当分野で公知の、又は本明細書に記載の任意の他の癌の治療に、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及びボルテゾミブ又はその塩を使用することができる。
併用療法
ある実施形態では、本発明のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上の第1付加抗癌剤は、細胞毒性剤と共に投与することができる。一実施形態では、本発明のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上の第1の付加抗癌剤、及びこれらの組成物は、固形腫瘍の治療に使用するとき、放射線の使用と共に投与することができる。
本発明の一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上の付加抗癌剤、及びこれらの組成物は、少なくとも1種の第2の化学療法剤と組み合わせることができる。第2の付加剤は、本明細書に記載の化合物と共に、又はその代わりに投与することができる。薬物は、同じ組成物の一部を形成しても、また、同時に、若しくは異なる時に投与するための別個の組成物として提供されてもよい。
一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上の付加抗癌剤、及びこれらの組成物は、効果を高めるために、抗血管新生剤と共に投与するか、或いは、他の抗血管新生剤と一緒にして、他の細胞毒性剤と共に投与することができる。他の実施形態では、固形癌の治療に使用するとき、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及びタキサン、及びこれらの組成物は、IL−12、レチノイド、インターフェロン、アンジオスタチン、エンドスタチン、サリドマイド、トロンボスポンジン−1、トロンボスポンジン−2、カプトプリル、抗新生物薬(アルファインターフェロン等)、COMP(シクロホスファミド、ビンクリスチン、メトトレキサート及びプレドニゾン)、エトポシド、mBACOD(メトトレキサート、ブレオマイシン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン及びデキサメタゾン)、PRO−MACE/MOPP(プレドニゾン、メトトレキサート(ロイコボリンを補助的に併用)、ドキソルビシン、シクロホスファミド、タキソール、エトポシド/メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾン及びプロカルバジン)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、アンジオインヒビン、TNP−470、ペントサンポリサルフェート、血小板因子4、アンジオスタチン、LM−609、SU−101、CM−101、Techgalan、サリドマイド、SP−PG及び放射線(これらに限定されない)、から選択された薬剤と共に投与することができる。他の実施形態では、当該化合物及び組成物は、有糸分裂阻害剤、例えば、細胞骨格要素を標的とする薬剤(例えば、微小管調節剤(タキサン剤(タキソール、パクリタキセル、タキソテール、ドセタキセル等))、ポドフィロトキシン、又はビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン));代謝拮抗剤(例えば、5−フルオロウラシル、シタラビン、ゲムシタビン、プリンアナログ(ペントスタチン等)、メトトレキサート);アルキル化剤又はナイトロジェンマスタード(例えば、ニトロソウレア、シクロホスファミド、イソファミド);DNAを標的とする薬剤(例えば、アントラサイクリン剤(アドリアマイシン、ドキソルビシン、ファモルビシン、エピルビシン));トポイソメラーゼを標的とする薬剤(例えば、エトポシド);ホルモン、及びホルモン作用薬若しくは拮抗薬(例えば、エストロゲン、抗エストロゲン剤(タモキシフェン及び関連化合物)、アンドロゲン、フルタミド、リュープロレリン、ゴセレリン、シプロテロン、オクトレオチド);腫瘍細胞における情報伝達を標的とする薬剤(例えば、抗体誘導体(ハーセプチン等));アルキル化剤(例えば、白金剤(シスプラチン、カルボンプラチン、オキサリプラチン、パラプラチン)、ニトロソウレア);腫瘍の転移に影響を及ぼす可能性がある薬剤(例えば、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤);遺伝子治療薬及びアンチセンス薬;抗体治療薬;海洋由来の他の生物活性化合物(特に、ダイデムニン(アプリジン等));ステロイドアナログ(特に、デキサメタゾン);抗炎症薬(例えば、非ステロイド剤(アセトアミノフェン、イブプロフェン等)、又はステロイド及びその誘導体(特に、デキサメタゾン);制吐剤(例えば、5HT−3阻害剤(グラニセトロン、オンダンセトロン等)、並びにステロイド及びそれらの誘導体(特に、デキサメタゾン))、と組み合わせて、又はその代わりに投与することができる。更に他の実施形態では、本発明の化合物及び組成物は、表2−1〜表2−5に記載した化学療法剤と組み合わせて、又はその代わりに使用することができる。
一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上のタキサンは、他の細胞毒性剤と共に投与することができる。一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上のタキサン、及びこれらの組成物は、固形腫瘍の治療に用いるとき、放射線使用と共に投与することができる。
本発明の一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上のタキサン、及びこれらの組成物は、少なくとも1種の付加化学療法剤と組み合わせることができる。付加剤は、本明細書に記載の化合物と共に、又はその代わりに投与することができる。薬物は、同じ組成物の一部を形成しても、また、同時に、若しくは異なる時に投与するための別個の組成物として提供されてもよい。
一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上のタキサン、及びこれらの組成物は、効果を高めるために、抗血管新生剤と共に投与するか、或いは、他の抗血管新生剤と一緒にして、他の細胞毒性剤と共に投与することができる。他の実施形態では、固形癌の治療に使用するとき、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上のタキサン、及びこれらの組成物は、IL−12、レチノイド、インターフェロン、アンジオスタチン、エンドスタチン、サリドマイド、トロンボスポンジン−1、トロンボスポンジン−2、カプトプリル、抗新生物薬(アルファインターフェロン等)、COMP(シクロホスファミド、ビンクリスチン、メトトレキサート及びプレドニゾン)、エトポシド、mBACOD(メトトレキサート、ブレオマイシン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン及びデキサメタゾン)、PRO−MACE/MOPP(プレドニゾン、メトトレキサート(ロイコボリンを補助的に併用)、ドキソルビシン、シクロホスファミド、タキソール、エトポシド/メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾン及びプロカルバジン)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、アンジオインヒビン、TNP−470、ペントサンポリサルフェート、血小板因子4、アンジオスタチン、LM−609、SU−101、CM−101、Techgalan、サリドマイド、SP−PG及び放射線(これらに限定されない)、から選択された薬剤と共に投与することができる。他の実施形態では、当該化合物及び組成物は、有糸分裂阻害剤、例えば、細胞骨格要素を標的とする薬剤(例えば、微小管調節剤(タキサン剤(タキソール、パクリタキセル、タキソテール、ドセタキセル等))、ポドフィロトキシン、又はビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン));代謝拮抗剤(例えば、5−フルオロウラシル、シタラビン、ゲムシタビン、プリンアナログ(ペントスタチン等)、メトトレキサート);アルキル化剤又はナイトロジェンマスタード(例えば、ニトロソウレア、シクロホスファミド、イソファミド);DNAを標的とする薬剤(例えば、アントラサイクリン剤(アドリアマイシン、ドキソルビシン、ファモルビシン、エピルビシン));トポイソメラーゼを標的とする薬剤(例えば、エトポシド);ホルモン、及びホルモン作用薬若しくは拮抗薬(例えば、エストロゲン、抗エストロゲン剤(タモキシフェン及び関連化合物)、アンドロゲン、フルタミド、リュープロレリン、ゴセレリン、シプロテロン、オクトレオチド);腫瘍細胞における情報伝達を標的とする薬剤(例えば、抗体誘導体(ハーセプチン等));アルキル化剤(例えば、白金剤(シスプラチン、カルボンプラチン、オキサリプラチン、パラプラチン)、ニトロソウレア);腫瘍の転移に影響を及ぼす可能性がある薬剤(例えば、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤);遺伝子治療薬及びアンチセンス薬;抗体治療薬;海洋由来の他の生物活性化合物(特に、ダイデムニン(アプリジン等));ステロイドアナログ(特に、デキサメタゾン);抗炎症薬(例えば、非ステロイド剤(アセトアミノフェン、イブプロフェン等)、又はステロイド及びその誘導体(特に、デキサメタゾン);制吐剤(例えば、5HT−3阻害剤(グラニセトロン、オンダンセトロン等)、並びにステロイド及びそれらの誘導体(特に、デキサメタゾン))、と組み合わせて、又はその代わりに投与することができる。更に他の実施形態では、本発明の化合物及び組成物は、表2−1〜表2−5に記載した化学療法剤と組み合わせて、又はその代わりに使用することができる。
一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子は、他の細胞毒性剤と共に投与することができる。一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子は、固形腫瘍の治療に用いるとき、放射線使用と共に投与することができる。
本発明の一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子、及びこれらの組成物は、少なくとも1種の付加化学療法剤と組み合わせることができる。付加剤は、本明細書に記載の化合物と共に、又はその代わりに投与することができる。薬物は、同じ組成物の一部を形成しても、また、同時に、若しくは異なる時に投与するための別個の組成物として提供されてもよい。
一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子、及びこれらの組成物は、効果を高めるために、抗血管新生剤と共に投与するか、或いは、他の抗血管新生剤と一緒にして、他の細胞毒性剤と共に投与することができる。他の実施形態では、固形癌の治療に使用するとき、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子、及びこれらの組成物は、IL−12、レチノイド、インターフェロン、アンジオスタチン、エンドスタチン、サリドマイド、トロンボスポンジン−1、トロンボスポンジン−2、カプトプリル、抗新生物薬(アルファインターフェロン等)、COMP(シクロホスファミド、ビンクリスチン、メトトレキサート及びプレドニゾン)、エトポシド、mBACOD(メトトレキサート、ブレオマイシン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン及びデキサメタゾン)、PRO−MACE/MOPP(プレドニゾン、メトトレキサート(ロイコボリンを補助的に併用)、ドキソルビシン、シクロホスファミド、タキソール、エトポシド/メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾン及びプロカルバジン)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、アンジオインヒビン、TNP−470、ペントサンポリサルフェート、血小板因子4、アンジオスタチン、LM−609、SU−101、CM−101、Techgalan、サリドマイド、SP−PG及び放射線(これらに限定されない)、から選択された薬剤と共に投与することができる。他の実施形態では、当該化合物及び組成物は、有糸分裂阻害剤、例えば、細胞骨格要素を標的とする薬剤(例えば、微小管調節剤(タキサン剤(タキソール、パクリタキセル、タキソテール、ドセタキセル等))、ポドフィロトキシン、又はビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン));代謝拮抗剤(例えば、5−フルオロウラシル、シタラビン、ゲムシタビン、プリンアナログ(ペントスタチン等)、メトトレキサート);アルキル化剤又はナイトロジェンマスタード(例えば、ニトロソウレア、シクロホスファミド、イソファミド);DNAを標的とする薬剤(例えば、アントラサイクリン剤(アドリアマイシン、ドキソルビシン、ファモルビシン、エピルビシン));トポイソメラーゼを標的とする薬剤(例えば、エトポシド);ホルモン、及びホルモン作用薬若しくは拮抗薬(例えば、エストロゲン、抗エストロゲン剤(タモキシフェン及び関連化合物)、アンドロゲン、フルタミド、リュープロレリン、ゴセレリン、シプロテロン、オクトレオチド);腫瘍細胞における情報伝達を標的とする薬剤(例えば、抗体誘導体(ハーセプチン等));アルキル化剤(例えば、白金剤(シスプラチン、カルボンプラチン、オキサリプラチン、パラプラチン)、ニトロソウレア);腫瘍の転移に影響を及ぼす可能性がある薬剤(例えば、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤);遺伝子治療薬及びアンチセンス薬;抗体治療薬;海洋由来の他の生物活性化合物(特に、ダイデムニン(アプリジン等));ステロイドアナログ(特に、デキサメタゾン);抗炎症薬(例えば、非ステロイド剤(アセトアミノフェン、イブプロフェン等)、又はステロイド及びその誘導体(特に、デキサメタゾン);制吐剤(例えば、5HT−3阻害剤(グラニセトロン、オンダンセトロン等)、並びにステロイド及びそれらの誘導体(特に、デキサメタゾン))、と組み合わせて、又はその代わりに投与することができる。更に他の実施形態では、本発明の化合物及び組成物は、表2−1〜表2−5に記載した化学療法剤と組み合わせて、又はその代わりに使用することができる。
一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上のアントラサイクリン誘導体は、他の細胞毒性剤と共に投与することができる。一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上のアントラサイクリン誘導体、及びこれらの組成物は、固形腫瘍の治療に用いるとき、放射線使用と共に投与することができる。
本発明の一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上のアントラサイクリン誘導体、及びこれらの組成物は、少なくとも1種の付加化学療法剤と組み合わせることができる。付加剤は、本明細書に記載の化合物と共に、又はその代わりに投与することができる。薬物は、同じ組成物の一部を形成しても、また、同時に、若しくは異なる時に投与するための別個の組成物として提供されてもよい。
一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上のアントラサイクリン誘導体、及びこれらの組成物は、効果を高めるために、抗血管新生剤と共に投与するか、或いは、他の抗血管新生剤と一緒にして、他の細胞毒性剤と共に投与することができる。他の実施形態では、固形癌の治療に使用するとき、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上のアントラサイクリン誘導体、及びこれらの組成物は、IL−12、レチノイド、インターフェロン、アンジオスタチン、エンドスタチン、サリドマイド、トロンボスポンジン−1、トロンボスポンジン−2、カプトプリル、抗新生物薬(アルファインターフェロン等)、COMP(シクロホスファミド、ビンクリスチン、メトトレキサート及びプレドニゾン)、エトポシド、mBACOD(メトトレキサート、ブレオマイシン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン及びデキサメタゾン)、PRO−MACE/MOPP(プレドニゾン、メトトレキサート(ロイコボリンを補助的に併用)、ドキソルビシン、シクロホスファミド、タキソール、エトポシド/メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾン及びプロカルバジン)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、アンジオインヒビン、TNP−470、ペントサンポリサルフェート、血小板因子4、アンジオスタチン、LM−609、SU−101、CM−101、Techgalan、サリドマイド、SP−PG及び放射線(これらに限定されない)、から選択された薬剤と共に投与することができる。他の実施形態では、当該化合物及び組成物は、有糸分裂阻害剤、例えば、細胞骨格要素を標的とする薬剤(例えば、微小管調節剤(タキサン剤(タキソール、パクリタキセル、タキソテール、ドセタキセル等))、ポドフィロトキシン、又はビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン));代謝拮抗剤(例えば、5−フルオロウラシル、シタラビン、ゲムシタビン、プリンアナログ(ペントスタチン等)、メトトレキサート);アルキル化剤又はナイトロジェンマスタード(例えば、ニトロソウレア、シクロホスファミド、イソファミド);DNAを標的とする薬剤(例えば、アントラサイクリン剤(アドリアマイシン、ドキソルビシン、ファモルビシン、エピルビシン));トポイソメラーゼを標的とする薬剤(例えば、エトポシド);ホルモン、及びホルモン作用薬若しくは拮抗薬(例えば、エストロゲン、抗エストロゲン剤(タモキシフェン及び関連化合物)、アンドロゲン、フルタミド、リュープロレリン、ゴセレリン、シプロテロン、オクトレオチド);腫瘍細胞における情報伝達を標的とする薬剤(例えば、抗体誘導体(ハーセプチン等));アルキル化剤(例えば、白金剤(シスプラチン、カルボンプラチン、オキサリプラチン、パラプラチン)、ニトロソウレア);腫瘍の転移に影響を及ぼす可能性がある薬剤(例えば、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤);遺伝子治療薬及びアンチセンス薬;抗体治療薬;海洋由来の他の生物活性化合物(特に、ダイデムニン(アプリジン等));ステロイドアナログ(特に、デキサメタゾン);抗炎症薬(例えば、非ステロイド剤(アセトアミノフェン、イブプロフェン等)、又はステロイド及びその誘導体(特に、デキサメタゾン);制吐剤(例えば、5HT−3阻害剤(グラニセトロン、オンダンセトロン等)、並びにステロイド及びそれらの誘導体(特に、デキサメタゾン))、と組み合わせて、又はその代わりに投与することができる。更に他の実施形態では、本発明の化合物及び組成物は、表2−1〜表2−5に記載した化学療法剤と組み合わせて、又はその代わりに使用することができる。
一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物は、他の細胞毒性剤と共に投与することができる。一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物、及びこれらの組成物は、固形腫瘍の治療に用いるとき、放射線使用と共に投与することができる。
本発明の一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物、及びこれらの組成物は、少なくとも1種の付加化学療法剤と組み合わせることができる。付加剤は、本明細書に記載の化合物と共に、又はその代わりに投与することができる。薬物は、同じ組成物の一部を形成しても、また、同時に、若しくは異なる時に投与するための別個の組成物として提供されてもよい。
一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物、及びこれらの組成物は、効果を高めるために、抗血管新生剤と共に投与するか、或いは、他の抗血管新生剤と一緒にして、他の細胞毒性剤と共に投与することができる。他の実施形態では、固形癌の治療に使用するとき、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物、及びこれらの組成物は、IL−12、レチノイド、インターフェロン、アンジオスタチン、エンドスタチン、サリドマイド、トロンボスポンジン−1、トロンボスポンジン−2、カプトプリル、抗新生物薬(アルファインターフェロン等)、COMP(シクロホスファミド、ビンクリスチン、メトトレキサート及びプレドニゾン)、エトポシド、mBACOD(メトトレキサート、ブレオマイシン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン及びデキサメタゾン)、PRO−MACE/MOPP(プレドニゾン、メトトレキサート(ロイコボリンを補助的に併用)、ドキソルビシン、シクロホスファミド、タキソール、エトポシド/メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾン及びプロカルバジン)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、アンジオインヒビン、TNP−470、ペントサンポリサルフェート、血小板因子4、アンジオスタチン、LM−609、SU−101、CM−101、Techgalan、サリドマイド、SP−PG及び放射線(これらに限定されない)、から選択された薬剤と共に投与することができる。他の実施形態では、当該化合物及び組成物は、有糸分裂阻害剤、例えば、細胞骨格要素を標的とする薬剤(例えば、微小管調節剤(タキサン剤(タキソール、パクリタキセル、タキソテール、ドセタキセル等))、ポドフィロトキシン、又はビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン));代謝拮抗剤(例えば、5−フルオロウラシル、シタラビン、ゲムシタビン、プリンアナログ(ペントスタチン等)、メトトレキサート);アルキル化剤又はナイトロジェンマスタード(例えば、ニトロソウレア、シクロホスファミド、イソファミド);DNAを標的とする薬剤(例えば、アントラサイクリン剤(アドリアマイシン、ドキソルビシン、ファモルビシン、エピルビシン));トポイソメラーゼを標的とする薬剤(例えば、エトポシド);ホルモン、及びホルモン作用薬若しくは拮抗薬(例えば、エストロゲン、抗エストロゲン剤(タモキシフェン及び関連化合物)、アンドロゲン、フルタミド、リュープロレリン、ゴセレリン、シプロテロン、オクトレオチド);腫瘍細胞における情報伝達を標的とする薬剤(例えば、抗体誘導体(ハーセプチン等));アルキル化剤(例えば、白金剤(シスプラチン、カルボンプラチン、オキサリプラチン、パラプラチン)、ニトロソウレア);腫瘍の転移に影響を及ぼす可能性がある薬剤(例えば、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤);遺伝子治療薬及びアンチセンス薬;抗体治療薬;海洋由来の他の生物活性化合物(特に、ダイデムニン(アプリジン等));ステロイドアナログ(特に、デキサメタゾン);抗炎症薬(例えば、非ステロイド剤(アセトアミノフェン、イブプロフェン等)、又はステロイド及びその誘導体(特に、デキサメタゾン);制吐剤(例えば、5HT−3阻害剤(グラニセトロン、オンダンセトロン等)、並びにステロイド及びそれらの誘導体(特に、デキサメタゾン))、と組み合わせて、又はその代わりに投与することができる。更に他の実施形態では、本発明の化合物及び組成物は、表2−1〜表2−5に記載した化学療法剤と組み合わせて、又はその代わりに使用することができる。
一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上の白金化合物は、他の細胞毒性剤と共に投与することができる。一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上の白金化合物、及びこれらの組成物は、固形腫瘍の治療に用いるとき、放射線使用と共に投与することができる。
本発明の一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上の白金化合物、及びこれらの組成物は、少なくとも1種の付加化学療法剤と組み合わせることができる。付加剤は、本明細書に記載の化合物と共に、又はその代わりに投与することができる。薬物は、同じ組成物の一部を形成しても、また、同時に、若しくは異なる時に投与するための別個の組成物として提供されてもよい。
一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上の白金化合物、及びこれらの組成物は、効果を高めるために、抗血管新生剤と共に投与するか、或いは、他の抗血管新生剤と一緒にして、他の細胞毒性剤と共に投与することができる。他の実施形態では、固形癌の治療に使用するとき、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上の白金化合物、及びこれらの組成物は、IL−12、レチノイド、インターフェロン、アンジオスタチン、エンドスタチン、サリドマイド、トロンボスポンジン−1、トロンボスポンジン−2、カプトプリル、抗新生物薬(アルファインターフェロン等)、COMP(シクロホスファミド、ビンクリスチン、メトトレキサート及びプレドニゾン)、エトポシド、mBACOD(メトトレキサート、ブレオマイシン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン及びデキサメタゾン)、PRO−MACE/MOPP(プレドニゾン、メトトレキサート(ロイコボリンを補助的に併用)、ドキソルビシン、シクロホスファミド、タキソール、エトポシド/メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾン及びプロカルバジン)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、アンジオインヒビン、TNP−470、ペントサンポリサルフェート、血小板因子4、アンジオスタチン、LM−609、SU−101、CM−101、Techgalan、サリドマイド、SP−PG及び放射線(これらに限定されない)、から選択された薬剤と共に投与することができる。他の実施形態では、当該化合物及び組成物は、有糸分裂阻害剤、例えば、細胞骨格要素を標的とする薬剤(例えば、微小管調節剤(タキサン剤(タキソール、パクリタキセル、タキソテール、ドセタキセル等))、ポドフィロトキシン、又はビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン));代謝拮抗剤(例えば、5−フルオロウラシル、シタラビン、ゲムシタビン、プリンアナログ(ペントスタチン等)、メトトレキサート);アルキル化剤又はナイトロジェンマスタード(例えば、ニトロソウレア、シクロホスファミド、イソファミド);DNAを標的とする薬剤(例えば、アントラサイクリン剤(アドリアマイシン、ドキソルビシン、ファモルビシン、エピルビシン));トポイソメラーゼを標的とする薬剤(例えば、エトポシド);ホルモン、及びホルモン作用薬若しくは拮抗薬(例えば、エストロゲン、抗エストロゲン剤(タモキシフェン及び関連化合物)、アンドロゲン、フルタミド、リュープロレリン、ゴセレリン、シプロテロン、オクトレオチド);腫瘍細胞における情報伝達を標的とする薬剤(例えば、抗体誘導体(ハーセプチン等));アルキル化剤(例えば、白金剤(シスプラチン、カルボンプラチン、オキサリプラチン、パラプラチン)、ニトロソウレア);腫瘍の転移に影響を及ぼす可能性がある薬剤(例えば、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤);遺伝子治療薬及びアンチセンス薬;抗体治療薬;海洋由来の他の生物活性化合物(特に、ダイデムニン(アプリジン等));ステロイドアナログ(特に、デキサメタゾン);抗炎症薬(例えば、非ステロイド剤(アセトアミノフェン、イブプロフェン等)、又はステロイド及びその誘導体(特に、デキサメタゾン);制吐剤(例えば、5HT−3阻害剤(グラニセトロン、オンダンセトロン等)、並びにステロイド及びそれらの誘導体(特に、デキサメタゾン))、と組み合わせて、又はその代わりに投与することができる。更に他の実施形態では、本発明の化合物及び組成物は、表2−1〜表2−5に記載した化学療法剤と組み合わせて、又はその代わりに使用することができる。
一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及びボルテゾミブ及びその誘導体は、他の細胞毒性剤と共に投与することができる。一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及びボルテゾミブ及びその誘導体、及びこれらの組成物は、固形腫瘍の治療に用いるとき、放射線使用と共に投与することができる。
本発明の一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及びボルテゾミブ及びその誘導体、及びこれらの組成物は、少なくとも1種の付加化学療法剤と組み合わせることができる。付加剤は、本明細書に記載の化合物と共に、又はその代わりに投与することができる。薬物は、同じ組成物の一部を形成しても、また、同時に、若しくは異なる時に投与するための別個の組成物として提供されてもよい。
一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及びボルテゾミブ及びその誘導体、及びこれらの組成物は、効果を高めるために、抗血管新生剤と共に投与するか、或いは、他の抗血管新生剤と一緒にして、他の細胞毒性剤と共に投与することができる。他の実施形態では、固形癌の治療に使用するとき、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及びボルテゾミブ及びその誘導体、及びこれらの組成物は、IL−12、レチノイド、インターフェロン、アンジオスタチン、エンドスタチン、サリドマイド、トロンボスポンジン−1、トロンボスポンジン−2、カプトプリル、抗新生物薬(アルファインターフェロン等)、COMP(シクロホスファミド、ビンクリスチン、メトトレキサート及びプレドニゾン)、エトポシド、mBACOD(メトトレキサート、ブレオマイシン、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン及びデキサメタゾン)、PRO−MACE/MOPP(プレドニゾン、メトトレキサート(ロイコボリンを補助的に併用)、ドキソルビシン、シクロホスファミド、タキソール、エトポシド/メクロレタミン、ビンクリスチン、プレドニゾン及びプロカルバジン)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、アンジオインヒビン、TNP−470、ペントサンポリサルフェート、血小板因子4、アンジオスタチン、LM−609、SU−101、CM−101、Techgalan、サリドマイド、SP−PG及び放射線(これらに限定されない)、から選択された薬剤と共に投与することができる。他の実施形態では、当該化合物及び組成物は、有糸分裂阻害剤、例えば、細胞骨格要素を標的とする薬剤(例えば、微小管調節剤(タキサン剤(タキソール、パクリタキセル、タキソテール、ドセタキセル等))、ポドフィロトキシン、又はビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン));代謝拮抗剤(例えば、5−フルオロウラシル、シタラビン、ゲムシタビン、プリンアナログ(ペントスタチン等)、メトトレキサート);アルキル化剤又はナイトロジェンマスタード(例えば、ニトロソウレア、シクロホスファミド、イソファミド);DNAを標的とする薬剤(例えば、アントラサイクリン剤(アドリアマイシン、ドキソルビシン、ファモルビシン、エピルビシン));トポイソメラーゼを標的とする薬剤(例えば、エトポシド);ホルモン、及びホルモン作用薬若しくは拮抗薬(例えば、エストロゲン、抗エストロゲン剤(タモキシフェン及び関連化合物)、アンドロゲン、フルタミド、リュープロレリン、ゴセレリン、シプロテロン、オクトレオチド);腫瘍細胞における情報伝達を標的とする薬剤(例えば、抗体誘導体(ハーセプチン等));アルキル化剤(例えば、白金剤(シスプラチン、カルボンプラチン、オキサリプラチン、パラプラチン)、ニトロソウレア);腫瘍の転移に影響を及ぼす可能性がある薬剤(例えば、マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤);遺伝子治療薬及びアンチセンス薬;抗体治療薬;海洋由来の他の生物活性化合物(特に、ダイデムニン(アプリジン等));ステロイドアナログ(特に、デキサメタゾン);抗炎症薬(例えば、非ステロイド剤(アセトアミノフェン、イブプロフェン等)、又はステロイド及びその誘導体(特に、デキサメタゾン);制吐剤(例えば、5HT−3阻害剤(グラニセトロン、オンダンセトロン等)、並びにステロイド及びそれらの誘導体(特に、デキサメタゾン))、と組み合わせて、又はその代わりに投与することができる。更に他の実施形態では、本発明の化合物及び組成物は、表2−1〜表2−5に記載した化学療法剤と組み合わせて、又はその代わりに使用することができる。
ある実施形態では、本発明の化合物を、インターフェロン(IFN)と組み合わせて使用することができる。適切なインターフェロンとしては、インターフェロンアルファ−2a、インターフェロンアルファ−2b、ペグ化インターフェロンアルファ(インターフェロンアルファ−2a、インターフェロンアルファ2b等)、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターフェロンタウ、インターフェロンオメガ、INFERGEN(インターフェロンアルファコン−1)(InterMune社製)、OMNIFERON(天然インターフェロン)(Viragen社製)、ALBUFERON(Human Genome Sciences社製)、REBIF(インターフェロンベータ−1a)(Ares−Serono社製)、BioMedicine社製のオメガインターフェロン、Amarillo Biosciences社製の経口インターフェロン、並びにInterMune社製のインターフェロンガンマ、インターフェロンタウ及びインターフェロンガンマ−1bが挙げられる。
一実施形態では、薬剤耐性癌(例えば、多剤耐性癌)の治療のために、他の化学療法剤(例えば、本明細書又は表2−1〜表2−5に記載のもの)と組み合わせて、又はその代わりに、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上のタキサンを使用することができる。薬剤耐性癌には、大腸、骨、腎臓、副腎、膵臓及び肝臓の癌、並びに当業者に公知の、又は本明細書に記載の任意の他の癌が含まれる。一実施形態では、化学療法剤はP−糖タンパク質阻害剤である。ある実施形態では、P−糖タンパク質阻害剤は、ベラパミル、シクロスポリン(例えば、シクロスポリンA)、タモキシフェン、カルモジュリン拮抗薬、デクスベラパミル、デクスニグルジピン、バルスポダル(valspodar)(PSC833)、ビリコダル(biricodar)(VX−710)、タリキダル(tariquidar)(XR9576)、ゾスキダル(zosuquidar)(LY335979)、ラニキダル(laniquidar)(R101933)及び/又はONT−093(これらに限定されない)、から選択される。
一実施形態では、薬剤耐性癌(例えば、多剤耐性癌)の治療のために、他の化学療法剤(例えば、本明細書又は表2−1〜表2−5に記載のもの)と組み合わせて、又はその代わりに、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子を使用することができる。薬剤耐性癌には、大腸、骨、腎臓、副腎、膵臓及び肝臓の癌、並びに当業者に公知の、又は本明細書に記載の任意の他の癌が含まれる。一実施形態では、化学療法剤はP−糖タンパク質阻害剤である。ある実施形態では、P−糖タンパク質阻害剤は、ベラパミル、シクロスポリン(例えば、シクロスポリンA)、タモキシフェン、カルモジュリン拮抗薬、デクスベラパミル、デクスニグルジピン、バルスポダル(valspodar)(PSC833)、ビリコダル(biricodar)(VX−710)、タリキダル(tariquidar)(XR9576)、ゾスキダル(zosuquidar)(LY335979)、ラニキダル(laniquidar)(R101933)及び/又はONT−093(これらに限定されない)、から選択される。
一実施形態では、薬剤耐性癌(例えば、多剤耐性癌)の治療のために、他の化学療法剤(例えば、本明細書又は表2−1〜表2−5に記載のもの)と組み合わせて、又はその代わりに、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上のアントラサイクリン誘導体を使用することができる。薬剤耐性癌には、大腸、骨、腎臓、副腎、膵臓及び肝臓の癌、並びに当業者に公知の、又は本明細書に記載の任意の他の癌が含まれる。一実施形態では、化学療法剤はP−糖タンパク質阻害剤である。ある実施形態では、P−糖タンパク質阻害剤は、ベラパミル、シクロスポリン(例えば、シクロスポリンA)、タモキシフェン、カルモジュリン拮抗薬、デクスベラパミル、デクスニグルジピン、バルスポダル(valspodar)(PSC833)、ビリコダル(biricodar)(VX−710)、タリキダル(tariquidar)(XR9576)、ゾスキダル(zosuquidar)(LY335979)、ラニキダル(laniquidar)(R101933)及び/又はONT−093(これらに限定されない)、から選択される。
一実施形態では、薬剤耐性癌(例えば、多剤耐性癌)の治療のために、他の化学療法剤(例えば、本明細書又は表2−1〜表2−5に記載のもの)と組み合わせて、又はその代わりに、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物を使用することができる。薬剤耐性癌には、大腸、骨、腎臓、副腎、膵臓及び肝臓の癌、並びに当業者に公知の、又は本明細書に記載の任意の他の癌が含まれる。一実施形態では、化学療法剤はP−糖タンパク質阻害剤である。ある実施形態では、P−糖タンパク質阻害剤は、ベラパミル、シクロスポリン(例えば、シクロスポリンA)、タモキシフェン、カルモジュリン拮抗薬、デクスベラパミル、デクスニグルジピン、バルスポダル(valspodar)(PSC833)、ビリコダル(biricodar)(VX−710)、タリキダル(tariquidar)(XR9576)、ゾスキダル(zosuquidar)(LY335979)、ラニキダル(laniquidar)(R101933)及び/又はONT−093(これらに限定されない)、から選択される。
一実施形態では、薬剤耐性癌(例えば、多剤耐性癌)の治療のために、他の化学療法剤(例えば、本明細書又は表2−1〜表2−5に記載のもの)と組み合わせて、又はその代わりに、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上の白金化合物を使用することができる。薬剤耐性癌には、大腸、骨、腎臓、副腎、膵臓及び肝臓の癌、並びに当業者に公知の、又は本明細書に記載の任意の他の癌が含まれる。一実施形態では、化学療法剤はP−糖タンパク質阻害剤である。ある実施形態では、P−糖タンパク質阻害剤は、ベラパミル、シクロスポリン(例えば、シクロスポリンA)、タモキシフェン、カルモジュリン拮抗薬、デクスベラパミル、デクスニグルジピン、バルスポダル(valspodar)(PSC833)、ビリコダル(biricodar)(VX−710)、タリキダル(tariquidar)(XR9576)、ゾスキダル(zosuquidar)(LY335979)、ラニキダル(laniquidar)(R101933)及び/又はONT−093(これらに限定されない)、から選択される。
一実施形態では、薬剤耐性癌(例えば、多剤耐性癌)の治療のために、他の化学療法剤(例えば、本明細書又は表2−1〜表2−5に記載のもの)と組み合わせて、又はその代わりに、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及びボルテゾミブ又はその塩又はその誘導体を使用することができる。薬剤耐性癌には、大腸、骨、腎臓、副腎、膵臓及び肝臓の癌、並びに当業者に公知の、又は本明細書に記載の任意の他の癌が含まれる。一実施形態では、化学療法剤はP−糖タンパク質阻害剤である。ある実施形態では、P−糖タンパク質阻害剤は、ベラパミル、シクロスポリン(例えば、シクロスポリンA)、タモキシフェン、カルモジュリン拮抗薬、デクスベラパミル、デクスニグルジピン、バルスポダル(valspodar)(PSC833)、ビリコダル(biricodar)(VX−710)、タリキダル(tariquidar)(XR9576)、ゾスキダル(zosuquidar)(LY335979)、ラニキダル(laniquidar)(R101933)及び/又はONT−093(これらに限定されない)、から選択される。
一実施形態では、薬剤耐性癌(例えば、多剤耐性癌)の治療のために、他の化学療法剤(例えば、本明細書又は表2−1〜表2−5に記載のもの)と組み合わせて、又はその代わりに、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上のタキサンを使用することができる。
一実施形態では、薬剤耐性癌(例えば、多剤耐性癌)の治療のために、他の化学療法剤(例えば、本明細書又は表2−1〜表2−5に記載のもの)と組み合わせて、又はその代わりに、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子を使用することができる。
一実施形態では、薬剤耐性癌(例えば、多剤耐性癌)の治療のために、他の化学療法剤(例えば、本明細書又は表2−1〜表2−5に記載のもの)と組み合わせて、又はその代わりに、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及びアントラサイクリン誘導体を使用することができる。
一実施形態では、薬剤耐性癌(例えば、多剤耐性癌)の治療のために、他の化学療法剤(例えば、本明細書又は表2−1〜表2−5に記載のもの)と組み合わせて、又はその代わりに、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物を使用することができる。
一実施形態では、薬剤耐性癌(例えば、多剤耐性癌)の治療のために、他の化学療法剤(例えば、本明細書又は表2−1〜表2−5に記載のもの)と組み合わせて、又はその代わりに、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上の白金化合物を使用することができる。
一実施形態では、薬剤耐性癌(例えば、多剤耐性癌)の治療のために、他の化学療法剤(例えば、本明細書又は表2−1〜表2−5に記載のもの)と組み合わせて、又はその代わりに、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及びボルテゾミブ又はその塩又はその誘導体を使用することができる。
(医薬組成物)
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上のタキサンを含む組成物は、任意に医薬担体又は賦形剤と共に投与することができる。本明細書で提供される化合物を投与するのに適した医薬担体としては、特定の投与様式に適切であることが当業者に公知の任意の担体を用いることができる。1以上のタキサンと組み合わせるTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物は、組成物中の唯一の薬効成分として処方しても、1以上のタキサンと共に処方してもよい。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上のタキサンを含む組成物は、経口、直腸、経鼻、局所(口腔、舌下等)、膣内、又は非経口(皮下、筋肉内、皮下、静脈内、皮内、眼内、気管内、大槽内、腹腔内、硬膜外、等)投与に適したものとすることができる。当該組成物は静脈内投与が好ましい。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子を含む組成物は、任意に医薬担体又は賦形剤と共に投与することができる。本明細書で提供される化合物を投与するのに適した医薬担体としては、特定の投与様式に適切であることが当業者に公知の任意の担体を用いることができる。例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子と組み合わせるTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物は、組成物中の唯一の薬効成分として処方しても、例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子と共に処方してもよい。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子を含む組成物は、経口、直腸、経鼻、局所(口腔、舌下等)、膣内、又は非経口(皮下、筋肉内、皮下、静脈内、皮内、眼内、気管内、大槽内、腹腔内、硬膜外、等)投与に適したものとすることができる。当該組成物は静脈内投与が好ましい。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上のアントラサイクリン誘導体を含む組成物は、任意に医薬担体又は賦形剤と共に投与することができる。本明細書で提供される化合物を投与するのに適した医薬担体としては、特定の投与様式に適切であることが当業者に公知の任意の担体を用いることができる。1以上のアントラサイクリン誘導体と組み合わせるTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物は、組成物中の唯一の薬効成分として処方しても、アントラサイクリン誘導体と共に処方してもよい。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上のアントラサイクリン誘導体を含む組成物は、経口、直腸、経鼻、局所(口腔、舌下等)、膣内、又は非経口(皮下、筋肉内、皮下、静脈内、皮内、眼内、気管内、大槽内、腹腔内、硬膜外、等)投与に適したものとすることができる。当該組成物は静脈内投与が好ましい。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物を含む組成物は、任意に医薬担体又は賦形剤と共に投与することができる。本明細書で提供される化合物を投与するのに適した医薬担体としては、特定の投与様式に適切であることが当業者に公知の任意の担体を用いることができる。例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物と組み合わせるTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物は、組成物中の唯一の薬効成分として処方しても、例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物と共に処方してもよい。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物を含む組成物は、経口、直腸、経鼻、局所(口腔、舌下等)、膣内、又は非経口(皮下、筋肉内、皮下、静脈内、皮内、眼内、気管内、大槽内、腹腔内、硬膜外、等)投与に適したものとすることができる。当該組成物は静脈内投与が好ましい。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上の白金化合物を含む組成物は、任意に医薬担体又は賦形剤と共に投与することができる。本明細書で提供される化合物を投与するのに適した医薬担体としては、特定の投与様式に適切であることが当業者に公知の任意の担体を用いることができる。1以上の白金化合物と組み合わせるTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物は、組成物中の唯一の薬効成分として処方しても、白金化合物と共に処方してもよい。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上の白金化合物を含む組成物は、経口、直腸、経鼻、局所(口腔、舌下等)、膣内、又は非経口(皮下、筋肉内、皮下、静脈内、皮内、眼内、気管内、大槽内、腹腔内、硬膜外、等)投与に適したものとすることができる。当該組成物は静脈内投与が好ましい。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及びボルテゾミブ及びその誘導体を含む組成物は、任意に医薬担体又は賦形剤と共に投与することができる。本明細書で提供される化合物を投与するのに適した医薬担体としては、特定の投与様式に適切であることが当業者に公知の任意の担体を用いることができる。ボルテゾミブ及びその誘導体と組み合わせるTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物は、組成物中の唯一の薬効成分として処方しても、ボルテゾミブ及びその誘導体と共に処方してもよい。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及びボルテゾミブ及びその誘導体を含む組成物は、経口、直腸、経鼻、局所(口腔、舌下等)、膣内、又は非経口(皮下、筋肉内、皮下、静脈内、皮内、眼内、気管内、大槽内、腹腔内、硬膜外、等)投与に適したものとすることができる。当該組成物は静脈内投与が好ましい。
上記組成物は、好都合にもユニット製剤で提供することができ、また、従来の医薬品技術によって調製することができる。このような技術は、1種又は複数種の本発明の組成物と、1種又は複数種の医薬担体又は賦形剤と、を混合するステップを有する。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上のタキサン、及びこれらの組成物は、適切な医薬製剤(例えば、経口投与用の液剤、懸濁剤、錠剤、分散可能な錠剤、丸剤、カプセル、散剤、徐放性製剤若しくはエリキシール、又は、非経口投与用の滅菌溶液若しくは懸濁液、並びに経皮パッチ製剤及び乾燥粉末吸入剤)に調製することができる。一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物は、当分野で周知の技術及び方法を用いて医薬組成物に調製される(例えば、Ansel Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms、4版、1985、126を参照されたい)。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子、及びこれらの組成物は、適切な医薬製剤(例えば、経口投与用の液剤、懸濁剤、錠剤、分散可能な錠剤、丸剤、カプセル、散剤、徐放性製剤若しくはエリキシール、又は、非経口投与用の滅菌溶液若しくは懸濁液、並びに経皮パッチ製剤及び乾燥粉末吸入剤)に調製することができる。一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物は、当分野で周知の技術及び方法を用いて医薬組成物に調製される(例えば、Ansel Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms、4版、1985、126を参照されたい)。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上のアントラサイクリン誘導体、及びこれらの組成物は、適切な医薬製剤(例えば、経口投与用の液剤、懸濁剤、錠剤、分散可能な錠剤、丸剤、カプセル、散剤、徐放性製剤若しくはエリキシール、又は、非経口投与用の滅菌溶液若しくは懸濁液、並びに経皮パッチ製剤及び乾燥粉末吸入剤)に調製することができる。一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物は、当分野で周知の技術及び方法を用いて医薬組成物に調製される(例えば、Ansel Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms、4版、1985、126を参照されたい)。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物、及びこれらの組成物は、適切な医薬製剤(例えば、経口投与用の液剤、懸濁剤、錠剤、分散可能な錠剤、丸剤、カプセル、散剤、徐放性製剤若しくはエリキシール、又は、非経口投与用の滅菌溶液若しくは懸濁液、並びに経皮パッチ製剤及び乾燥粉末吸入剤)に調製することができる。一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物は、当分野で周知の技術及び方法を用いて医薬組成物に調製される(例えば、Ansel Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms、4版、1985、126を参照されたい)。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上の白金化合物、及びこれらの組成物は、適切な医薬製剤(例えば、経口投与用の液剤、懸濁剤、錠剤、分散可能な錠剤、丸剤、カプセル、散剤、徐放性製剤若しくはエリキシール、又は、非経口投与用の滅菌溶液若しくは懸濁液、並びに経皮パッチ製剤及び乾燥粉末吸入剤)に調製することができる。一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物は、当分野で周知の技術及び方法を用いて医薬組成物に調製される(例えば、Ansel Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms、4版、1985、126を参照されたい)。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及びボルテゾミブ及びその誘導体、及びこれらの組成物は、適切な医薬製剤(例えば、経口投与用の液剤、懸濁剤、錠剤、分散可能な錠剤、丸剤、カプセル、散剤、徐放性製剤若しくはエリキシール、又は、非経口投与用の滅菌溶液若しくは懸濁液、並びに経皮パッチ製剤及び乾燥粉末吸入剤)に調製することができる。一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物は、当分野で周知の技術及び方法を用いて医薬組成物に調製される(例えば、Ansel Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms、4版、1985、126を参照されたい)。
上記組成物では、有効濃度の、1種又は複数種の化合物又はその薬学的に許容される誘導体は、1種又は複数種の適切な医薬担体と混合されていてもよい。本発明の上記化合物は、製剤化の前に、対応する塩、エステル、エノールエーテル、若しくはエステル、アセタール、ケタール、オルトエステル、ヘミアセタール、ヘミケタール、酸、塩基、溶媒和化合物、水和物、又はプロドラッグへ誘導体化することができる。組成物中の化合物の有効濃度とは、投与した場合に、標的疾患若しくは障害の1種又は複数種の症状を治療、予防又は軽減する量を送達するのに有効な濃度である。一実施形態では、上記組成物は単回投与用に調製する。組成物を調製するには、治療対象の疾患の緩和、予防、又は1種又は複数種の症状の軽減に有効な濃度となるように、一定の質量分率の化合物を、選択した担体に溶解、懸濁、分散、又は混合する。
経口投与に適した組成物は、例えば、所定量の1種又は複数種の組成物を含有するユニット(例えば、錠剤、カプレット、丸剤若しくは糖衣カプセル、又はカシェ剤);粉末若しくは顆粒;水性液体若しくは非水性液体中の溶液若しくは懸濁液;又は水中油型液体エマルジョン若しくは油中水型エマルジョンとして、或いはボーラスとして提供される。
例えば、薬剤として投与可能な液体組成物の調製は、上記活性化合物、及び医薬補助剤(必要な場合)を、例えば、水、生理食塩水、水性デキストロース、グリセロール、グリコール、エタノール等の担体中で溶解、分散、又は混合して、溶液又は懸濁液を得ることによって行うことができる。投与する医薬組成物はまた、必要に応じて、少量の非毒性補助物質(湿潤剤、乳化剤、可溶化剤、pH緩衝剤、保存剤、香料等)(例えば、酢酸塩、クエン酸ナトリウム、シクロデキストリン誘導体、モノラウリン酸ソルビタン、トリエタノールアミン酢酸ナトリウム、オレイン酸トリエタノールアミン等)を含有してもよい。このような製剤を調製する方法は当業者には公知又は明らかであるが、例えば、Remington's Pharmaceutical Science、Mack Publishing Company、Easton、Pa.、15版、1975を参照されたい。
口内に局所投与するために適した本発明の組成物としては、例えば、トローチ剤(lozenges)(風味付けした基剤(通常、スクロース、及びアラビアゴム若しくはトラガカント)中に成分を含有する)、香錠(pastilles)(不活性基剤(例えば、ゼラチン及びグリセリン、又はスクロース及びアラビアゴム)中に、本発明の1以上のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上のタキサンを含有する)、及び口内洗浄剤(適切な液体担体中に、1種又は複数種の本発明の組成物を含有する。)が挙げられる。
口内に局所投与するために適した本発明の組成物としては、例えば、トローチ剤(lozenges)(風味付けした基剤(通常、スクロース、及びアラビアゴム若しくはトラガカント)中に成分を含有する)、香錠(pastilles)(不活性基剤(例えば、ゼラチン及びグリセリン、又はスクロース及びアラビアゴム)中に、本発明の1以上のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子を含有する)、及び口内洗浄剤(適切な液体担体中に、1種又は複数種の本発明の組成物を含有する。)が挙げられる。
口内に局所投与するために適した本発明の組成物としては、例えば、トローチ剤(lozenges)(風味付けした基剤(通常、スクロース、及びアラビアゴム若しくはトラガカント)中に成分を含有する)、香錠(pastilles)(不活性基剤(例えば、ゼラチン及びグリセリン、又はスクロース及びアラビアゴム)中に、本発明の1以上のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上のアントラサイクリン誘導体を含有する)、及び口内洗浄剤(適切な液体担体中に、1種又は複数種の本発明の組成物を含有する。)が挙げられる。
口内に局所投与するために適した本発明の組成物としては、例えば、トローチ剤(lozenges)(風味付けした基剤(通常、スクロース、及びアラビアゴム若しくはトラガカント)中に成分を含有する)、香錠(pastilles)(不活性基剤(例えば、ゼラチン及びグリセリン、又はスクロース及びアラビアゴム)中に、本発明の1以上のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物を含有する)、及び口内洗浄剤(適切な液体担体中に、1種又は複数種の本発明の組成物を含有する。)が挙げられる。
口内に局所投与するために適した本発明の組成物としては、例えば、トローチ剤(lozenges)(風味付けした基剤(通常、スクロース、及びアラビアゴム若しくはトラガカント)中に成分を含有する)、香錠(pastilles)(不活性基剤(例えば、ゼラチン及びグリセリン、又はスクロース及びアラビアゴム)中に、本発明の1以上のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び白金化合物を含有する)、及び口内洗浄剤(適切な液体担体中に、1種又は複数種の本発明の組成物を含有する。)が挙げられる。
口内に局所投与するために適した本発明の組成物としては、例えば、トローチ剤(lozenges)(風味付けした基剤(通常、スクロース、及びアラビアゴム若しくはトラガカント)中に成分を含有する)、香錠(pastilles)(不活性基剤(例えば、ゼラチン及びグリセリン、又はスクロース及びアラビアゴム)中に、本発明の1以上のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及びボルテゾミブ及びその誘導体を含有する)、及び口内洗浄剤(適切な液体担体中に、1種又は複数種の本発明の組成物を含有する。)が挙げられる。
錠剤、丸剤、カプセル、トローチ等は、1種若しくは複数種の次の成分、又は同様の性質の化合物:結合剤、潤滑剤、希釈剤、流動促進剤、崩壊剤、着色剤、甘味剤、香料、湿潤剤、催吐コーティング及びフィルムコーティング、を含有することができる。結合剤としては、例えば、微結晶性セルロース、トラガカントゴム、グルコース溶液、アラビアゴム漿、ゼラチン溶液、糖蜜、ポリビニルピロリドン、ポビドン、クロスポビドン、スクロース及びデンプン糊が挙げられる。潤滑剤としては、例えば、タルク、デンプン、ステアリン酸マグネシウム若しくはカルシウム、ライカポジウム及びステアリン酸が挙げられる。希釈剤としては、例えば、ラクトース、スクロース、デンプン、カオリン、塩、マンニトール及びリン酸二カルシウムが挙げられる。流動促進剤としては、例えば、コロイド状二酸化ケイ素が挙げられる。崩壊剤としては、例えば、クロスカルメローゼナトリウム、グリコール酸デンプンナトリウム、アルギニン酸、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、ベントナイト、メチルセルロース、寒天及びカルボキシメチルセルロースが挙げられる。着色剤としては、例えば、認可水溶性FD及びC色素、それらの混合物、並びに、水酸化アルミニウムに吸着させた水不溶性FD及びC色素、のいずれかが挙げられる。甘味剤としては、例えば、人工甘味料(スクロース、ラクトース、マンニトール、サッカリン等)、及び噴霧乾燥香料が挙げられる。香料としては、例えば、果実等の植物から抽出された天然香料、及び、快い感覚をもたらす合成化合物ブレンド(ペパーミント、サリチル酸メチル等)が挙げられる。湿潤剤としては、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ジエチレングリコール及びポリオキシエチレンラウリルエーテルが挙げられる。催吐コーティングとしては、脂肪酸、脂肪、ワックス、シェラック、アンモニア化シェラック及び酢酸フタル酸セルロースが挙げられる。フィルムコーティングとしては、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000及び酢酸フタル酸セルロースが挙げられる。
皮膚への局所投与に適した組成物は、例えば、軟膏、クリーム、ジェル、及びペーストとして提供される。この場合、1種又は複数種の組成物は、薬学的に許容される担体中に含有された状態で投与される。
直腸投与用組成物は、例えば、適切な基剤(カカオ脂、サリチル酸塩等)を備えた座剤として提供される。
鼻内投与に適した組成物としては、担体が固体の場合、粒径が例えば20〜500ミクロンの粗粉末が挙げられる。このような微粉末は、嗅ぎタバコを吸う要領で(すなわち、鼻に接近させた粉末容器から、鼻内径路を通して迅速に吸入することによって)投与する。担体が液体(例えば、鼻内噴霧剤又は点鼻剤)の場合、1種又は複数種の組成物を水性又は油性溶液に混合して、鼻内径路に吸入又は噴霧することができる。
膣内投与に適した組成物は、例えば、1種又は複数種の組成物及び適切な担体を含有する、膣座薬、タンポン、クリーム、ジェル、ペースト、泡状物質、又は噴霧製剤として提供される。
非経口投与に適した組成物としては、水性及び非水性滅菌注射液(抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、及び非投与者の血液で製剤を等張にさせる溶質を含有してもよい)、並びに水性及び非水性滅菌懸濁液(懸濁剤及び増粘剤を含有してもよい。)が挙げられる。この組成物は、ユニットドーズ又はマルチドーズ容器(例えば、密封のアンプル、バイアル)中に入れておくことができる。また、凍結乾燥状態で保存することができ、使用する場合は、使用直前に、滅菌液体担体(例えば、注射用水)を添加するだけでよい。用時調製注射液及び懸濁液は、上述のような滅菌粉末、顆粒及び錠剤から調製することができる。
上記組成物を製造するために、経腸又は非経口投与に適した有機又は無機の、固体又は液体の医薬担体媒体を使用することができる。ゼラチン、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、植物性及び動物性油脂、ガム、ポリアルキレングリコール、水、又は他の公知の担体はすべて、担体媒体として適切である。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上のタキサンを含む組成物は、1種又は複数種の薬学的に許容される担体媒体及び/又は賦形剤と組み合わせて使用することができる。本明細書では、「薬学的に許容される担体媒体」には、所望の剤形に適した、あらゆる担体、溶媒、希釈剤、又は他の液体媒体、分散若しくは懸濁補助剤、界面活性剤、等張剤、増粘若しくは乳化剤、保存剤、固形結合剤、潤滑剤、補助剤、ビヒクル、送達系、崩壊剤、吸着剤、保存剤、界面活性剤、着色剤、香料、甘味剤等が含まれる。
更に、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上のタキサンを含む組成物は、薬学的に許容される賦形剤、及び、生分解性ポリマー等の徐放性マトリックス(必要な場合)と組み合わせて、治療組成物としてもよい。「薬学的に許容される賦形剤」には、非毒性固形、半固形若しくは液状充填剤、希釈剤、封入物質の他、あらゆるタイプの製剤補助物が含まれる。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子を含む組成物は、1種又は複数種の薬学的に許容される担体媒体及び/又は賦形剤と組み合わせて使用することができる。本明細書では、「薬学的に許容される担体媒体」には、所望の剤形に適した、あらゆる担体、溶媒、希釈剤、又は他の液体媒体、分散若しくは懸濁補助剤、界面活性剤、等張剤、増粘若しくは乳化剤、保存剤、固形結合剤、潤滑剤、補助剤、ビヒクル、送達系、崩壊剤、吸着剤、保存剤、界面活性剤、着色剤、香料、甘味剤等が含まれる。
更に、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子は、薬学的に許容される賦形剤、及び、生分解性ポリマー等の徐放性マトリックス(必要な場合)と組み合わせて、治療組成物としてもよい。「薬学的に許容される賦形剤」には、非毒性固形、半固形若しくは液状充填剤、希釈剤、封入物質の他、あらゆるタイプの製剤補助物が含まれる。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上のアントラサイクリン誘導体を含む組成物は、1種又は複数種の薬学的に許容される担体媒体及び/又は賦形剤と組み合わせて使用することができる。本明細書では、「薬学的に許容される担体媒体」には、所望の剤形に適した、あらゆる担体、溶媒、希釈剤、又は他の液体媒体、分散若しくは懸濁補助剤、界面活性剤、等張剤、増粘若しくは乳化剤、保存剤、固形結合剤、潤滑剤、補助剤、ビヒクル、送達系、崩壊剤、吸着剤、保存剤、界面活性剤、着色剤、香料、甘味剤等が含まれる。
更に、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上のアントラサイクリン誘導体を含む組成物は、薬学的に許容される賦形剤、及び、生分解性ポリマー等の徐放性マトリックス(必要な場合)と組み合わせて、治療組成物としてもよい。「薬学的に許容される賦形剤」には、非毒性固形、半固形若しくは液状充填剤、希釈剤、封入物質の他、あらゆるタイプの製剤補助物が含まれる。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物を含む組成物は、1種又は複数種の薬学的に許容される担体媒体及び/又は賦形剤と組み合わせて使用することができる。本明細書では、「薬学的に許容される担体媒体」には、所望の剤形に適した、あらゆる担体、溶媒、希釈剤、又は他の液体媒体、分散若しくは懸濁補助剤、界面活性剤、等張剤、増粘若しくは乳化剤、保存剤、固形結合剤、潤滑剤、補助剤、ビヒクル、送達系、崩壊剤、吸着剤、保存剤、界面活性剤、着色剤、香料、甘味剤等が含まれる。
更に、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物を含む組成物は、薬学的に許容される賦形剤、及び、生分解性ポリマー等の徐放性マトリックス(必要な場合)と組み合わせて、治療組成物としてもよい。「薬学的に許容される賦形剤」には、非毒性固形、半固形若しくは液状充填剤、希釈剤、封入物質の他、あらゆるタイプの製剤補助物が含まれる。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上の白金化合物を含む組成物は、1種又は複数種の薬学的に許容される担体媒体及び/又は賦形剤と組み合わせて使用することができる。本明細書では、「薬学的に許容される担体媒体」には、所望の剤形に適した、あらゆる担体、溶媒、希釈剤、又は他の液体媒体、分散若しくは懸濁補助剤、界面活性剤、等張剤、増粘若しくは乳化剤、保存剤、固形結合剤、潤滑剤、補助剤、ビヒクル、送達系、崩壊剤、吸着剤、保存剤、界面活性剤、着色剤、香料、甘味剤等が含まれる。
更に、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上の白金化合物を含む組成物は、薬学的に許容される賦形剤、及び、生分解性ポリマー等の徐放性マトリックス(必要な場合)と組み合わせて、治療組成物としてもよい。「薬学的に許容される賦形剤」には、非毒性固形、半固形若しくは液状充填剤、希釈剤、封入物質の他、あらゆるタイプの製剤補助物が含まれる。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及びボルテゾミブ及びその誘導体を含む組成物は、1種又は複数種の薬学的に許容される担体媒体及び/又は賦形剤と組み合わせて使用することができる。本明細書では、「薬学的に許容される担体媒体」には、所望の剤形に適した、あらゆる担体、溶媒、希釈剤、又は他の液体媒体、分散若しくは懸濁補助剤、界面活性剤、等張剤、増粘若しくは乳化剤、保存剤、固形結合剤、潤滑剤、補助剤、ビヒクル、送達系、崩壊剤、吸着剤、保存剤、界面活性剤、着色剤、香料、甘味剤等が含まれる。
更に、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及びボルテゾミブ及びその誘導体を含む組成物は、薬学的に許容される賦形剤、及び、生分解性ポリマー等の徐放性マトリックス(必要な場合)と組み合わせて、治療組成物としてもよい。「薬学的に許容される賦形剤」には、非毒性固形、半固形若しくは液状充填剤、希釈剤、封入物質の他、あらゆるタイプの製剤補助物が含まれる。
しかし、上記組成物の1日当たりの全用量は、健全な医学的判断の範囲内で主治医によって決定されることを理解されたい。どのような宿主であっても、特定の宿主に固有の治療有効用量レベルは、例えば、治療対象の障害及びその障害の重症度、使用する特定の組成物の活性、使用する特定の組成物、患者の年齢、体重、一般的健康状態、性別及び食事状態、投与時間、投与経路、使用する特定の化合物の排泄速度、治療期間、使用する特定の組成物と併用して若しくは同時に使用するTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又はタキサン、使用する特定の組成物と併用して若しくは同時に使用するTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又は例えばトラスツズマブ又はその塩のような1以上のHER2/neu(erbB2)受容体改質分子、使用する特定の組成物と併用して若しくは同時に使用するTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又はアントラサイクリン誘導体、使用する特定の組成物と併用して若しくは同時に使用するTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物、使用する特定の組成物と併用して若しくは同時に使用するTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又は1以上の白金化合物、使用する特定の組成物と併用して若しくは同時に使用するTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又は1以上のボルテゾミブ及びその塩の他、医療分野で周知の他の要素を含む種々の要素に依存する。例えば、組成物の用量を、所望の治療効果を実現するのに必要な量よりも低いレベルで開始し、所望の効果が実現するまで用量を徐々に増加させることは、当業者の技術の範囲内の技術である。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上のタキサンを含む組成物は、投与の簡便性及び薬剤の均一性の点で、ユニット製剤に調製されることが好ましい。本明細書では、「ユニット製剤」とは、治療する宿主に適した、物理的に区別された組成物のユニットのことである。各々の製剤は、それ自体で、又は選択された医薬担体媒体と一緒になって、所望の治療効果を生じるように計算された組成物量を含有するのがよい。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子を含む組成物は、投与の簡便性及び薬剤の均一性の点で、ユニット製剤に調製されることが好ましい。本明細書では、「ユニット製剤」とは、治療する宿主に適した、物理的に区別された組成物のユニットのことである。各々の製剤は、それ自体で、又は選択された医薬担体媒体と一緒になって、所望の治療効果を生じるように計算された組成物量を含有するのがよい。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上のアントラサイクリン誘導体を含む組成物は、投与の簡便性及び薬剤の均一性の点で、ユニット製剤に調製されることが好ましい。本明細書では、「ユニット製剤」とは、治療する宿主に適した、物理的に区別された組成物のユニットのことである。各々の製剤は、それ自体で、又は選択された医薬担体媒体と一緒になって、所望の治療効果を生じるように計算された組成物量を含有するのがよい。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物を含む組成物は、投与の簡便性及び薬剤の均一性の点で、ユニット製剤に調製されることが好ましい。本明細書では、「ユニット製剤」とは、治療する宿主に適した、物理的に区別された組成物のユニットのことである。各々の製剤は、それ自体で、又は選択された医薬担体媒体と一緒になって、所望の治療効果を生じるように計算された組成物量を含有するのがよい。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び1以上の白金化合物を含む組成物は、投与の簡便性及び薬剤の均一性の点で、ユニット製剤に調製されることが好ましい。本明細書では、「ユニット製剤」とは、治療する宿主に適した、物理的に区別された組成物のユニットのことである。各々の製剤は、それ自体で、又は選択された医薬担体媒体と一緒になって、所望の治療効果を生じるように計算された組成物量を含有するのがよい。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及びボルテゾミブ及びその誘導体を含む組成物は、投与の簡便性及び薬剤の均一性の点で、ユニット製剤に調製されることが好ましい。本明細書では、「ユニット製剤」とは、治療する宿主に適した、物理的に区別された組成物のユニットのことである。各々の製剤は、それ自体で、又は選択された医薬担体媒体と一緒になって、所望の治療効果を生じるように計算された組成物量を含有するのがよい。
好ましいユニット製剤は、投与成分の1日当たりの用量(ドーズ)若しくはユニット、サブドーズ、又は適切な割合のその一部、を含有するものである。例えば、1日当たりの約1〜5mgの本明細書に記載の化合物は、マウスの固形腫瘍の量を減少させることができる。
用量は、体重、年齢、表面積、代謝、組織分布、吸収速度、排泄速度等の宿主の要素に依存する。一実施形態では、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物を1日当たり約0.5〜7g、ヒトに投与する。場合によっては、この化合物を1日当たり約1〜4g、ヒトに投与する。ある実施形態では、0.001〜5mg/日をヒトに投与する。治療有効用量レベルは、前述の多くの要素に依存する。更に、組成物の用量を比較的低いレベルで開始し、所望の効果が実現するまで用量を徐々に増加させることは、当業者の技術の範囲内の技術である。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上のタキサンを含む組成物は、酵素的な、又は酸ベースの加水分解又は溶解によって分解可能な物質(通常はポリマー)で形成された徐放性マトリックスと共に使用することができる。一旦体内に取り込まれると、このマトリックスは酵素及び体液の作用を受ける。徐放性マトリックスは、例えば、リポソーム、ポリ乳酸(ポリ乳酸)、ポリグリコール酸(グリコール酸のポリマー)、ポリ乳酸コ−グリコール酸(乳酸及びグリコール酸のコポリマー)、無水重合体、ポリ(オルト)エステル、ポリペプチド、ヒアルロン酸、コラーゲン、コンドロイチン硫酸、カルボン酸、脂肪酸、リン脂質、多糖類、核酸、ポリアミノ酸、アミノ酸(フェニルアラニン、チロシン、イソロイシン等)、ポリヌクレオチド、ポリビニルプロピレン、ポリビニルピロリドン、シリコーン等の生体適合性物質から選択される。好ましい生分解性マトリックスは、ポリ乳酸、ポリグリコール酸又はポリ乳酸コ−グリコール酸(乳酸及びグリコール酸のコポリマー)のいずれかのマトリックスである。
また、上記TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上のタキサンは、リポソームの形態で投与することができる。当分野で公知のように、リポソームは、一般にリン脂質等の脂質物質から得られる。リポソームは、水性媒体に分散した単層又は多層の水和液晶によって形成される。リポソームを形成することができ、生理学的に許容される、代謝可能な非毒性の液体であれば、いかなるものでも使用することができる。上記リポソームは、1種又は複数種の本発明の組成物に加えて、安定剤、保存剤、賦形剤等を含有してもよい。脂質としては、天然及び合成のリン脂質及びホスファチジルコリン(レシチン)が挙げられる。リポソームの形成方法は当分野で公知である。
上記TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上のタキサンは、吸入等による投与のために、エアロゾルとして調製することができる。これらの呼吸器投与用製剤は、噴霧器用のエアロゾル若しくは溶液の形態で、又は吸入用微細粉末として、単独で、若しくは不活性担体(ラクトース等)と組み合わせて使用することができる。このような場合、製剤の粒子の直径は、一実施形態では50ミクロン未満であり、別の一実施形態では10ミクロン未満である。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上のタキサンを含む組成物は、前述の疾患の治療のための他の組成物及び/又は方法と組み合わせて使用することができる。例えば、腫瘍は、1種又は複数種の本発明の組成物と組み合わせて、従来のように手術、放射線又は化学療法で治療することができる。そして、1種又は複数種の本発明の組成物は、微小転移の休止状態を延長し、残存する原発腫瘍の増殖を安定化、阻害又は低減させるために、引き続き患者に投与することができる。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子を含む組成物は、酵素的な、又は酸ベースの加水分解又は溶解によって分解可能な物質(通常はポリマー)で形成された徐放性マトリックスと共に使用することができる。一旦体内に取り込まれると、このマトリックスは酵素及び体液の作用を受ける。徐放性マトリックスは、例えば、リポソーム、ポリ乳酸(ポリ乳酸)、ポリグリコール酸(グリコール酸のポリマー)、ポリ乳酸コ−グリコール酸(乳酸及びグリコール酸のコポリマー)、無水重合体、ポリ(オルト)エステル、ポリペプチド、ヒアルロン酸、コラーゲン、コンドロイチン硫酸、カルボン酸、脂肪酸、リン脂質、多糖類、核酸、ポリアミノ酸、アミノ酸(フェニルアラニン、チロシン、イソロイシン等)、ポリヌクレオチド、ポリビニルプロピレン、ポリビニルピロリドン、シリコーン等の生体適合性物質から選択される。好ましい生分解性マトリックスは、ポリ乳酸、ポリグリコール酸又はポリ乳酸コ−グリコール酸(乳酸及びグリコール酸のコポリマー)のいずれかのマトリックスである。
また、上記TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子は、リポソームの形態で投与することができる。当分野で公知のように、リポソームは、一般にリン脂質等の脂質物質から得られる。リポソームは、水性媒体に分散した単層又は多層の水和液晶によって形成される。リポソームを形成することができ、生理学的に許容される、代謝可能な非毒性の液体であれば、いかなるものでも使用することができる。上記リポソームは、1種又は複数種の本発明の組成物に加えて、安定剤、保存剤、賦形剤等を含有してもよい。脂質としては、天然及び合成のリン脂質及びホスファチジルコリン(レシチン)が挙げられる。リポソームの形成方法は当分野で公知である。
上記TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子は、吸入等による投与のために、エアロゾルとして調製することができる。これらの呼吸器投与用製剤は、噴霧器用のエアロゾル若しくは溶液の形態で、又は吸入用微細粉末として、単独で、若しくは不活性担体(ラクトース等)と組み合わせて使用することができる。このような場合、製剤の粒子の直径は、一実施形態では50ミクロン未満であり、別の一実施形態では10ミクロン未満である。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子を含む組成物は、前述の疾患の治療のための他の組成物及び/又は方法と組み合わせて使用することができる。例えば、腫瘍は、1種又は複数種の本発明の組成物と組み合わせて、従来のように手術、放射線又は化学療法で治療することができる。そして、1種又は複数種の本発明の組成物は、微小転移の休止状態を延長し、残存する原発腫瘍の増殖を安定化、阻害又は低減させるために、引き続き患者に投与することができる。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上のアントラサイクリン誘導体を含む組成物は、酵素的な、又は酸ベースの加水分解又は溶解によって分解可能な物質(通常はポリマー)で形成された徐放性マトリックスと共に使用することができる。一旦体内に取り込まれると、このマトリックスは酵素及び体液の作用を受ける。徐放性マトリックスは、例えば、リポソーム、ポリ乳酸(ポリ乳酸)、ポリグリコール酸(グリコール酸のポリマー)、ポリ乳酸コ−グリコール酸(乳酸及びグリコール酸のコポリマー)、無水重合体、ポリ(オルト)エステル、ポリペプチド、ヒアルロン酸、コラーゲン、コンドロイチン硫酸、カルボン酸、脂肪酸、リン脂質、多糖類、核酸、ポリアミノ酸、アミノ酸(フェニルアラニン、チロシン、イソロイシン等)、ポリヌクレオチド、ポリビニルプロピレン、ポリビニルピロリドン、シリコーン等の生体適合性物質から選択される。好ましい生分解性マトリックスは、ポリ乳酸、ポリグリコール酸又はポリ乳酸コ−グリコール酸(乳酸及びグリコール酸のコポリマー)のいずれかのマトリックスである。
また、上記TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上のアントラサイクリン誘導体は、リポソームの形態で投与することができる。当分野で公知のように、リポソームは、一般にリン脂質等の脂質物質から得られる。リポソームは、水性媒体に分散した単層又は多層の水和液晶によって形成される。リポソームを形成することができ、生理学的に許容される、代謝可能な非毒性の液体であれば、いかなるものでも使用することができる。上記リポソームは、1種又は複数種の本発明の組成物に加えて、安定剤、保存剤、賦形剤等を含有してもよい。脂質としては、天然及び合成のリン脂質及びホスファチジルコリン(レシチン)が挙げられる。リポソームの形成方法は当分野で公知である。
上記TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上のアントラサイクリン誘導体は、吸入等による投与のために、エアロゾルとして調製することができる。これらの呼吸器投与用製剤は、噴霧器用のエアロゾル若しくは溶液の形態で、又は吸入用微細粉末として、単独で、若しくは不活性担体(ラクトース等)と組み合わせて使用することができる。このような場合、製剤の粒子の直径は、一実施形態では50ミクロン未満であり、別の一実施形態では10ミクロン未満である。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上のアントラサイクリン誘導体を含む組成物は、前述の疾患の治療のための他の組成物及び/又は方法と組み合わせて使用することができる。例えば、腫瘍は、1種又は複数種の本発明の組成物と組み合わせて、従来のように手術、放射線又は化学療法で治療することができる。そして、1種又は複数種の本発明の組成物は、微小転移の休止状態を延長し、残存する原発腫瘍の増殖を安定化、阻害又は低減させるために、引き続き患者に投与することができる。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物を含む組成物は、酵素的な、又は酸ベースの加水分解又は溶解によって分解可能な物質(通常はポリマー)で形成された徐放性マトリックスと共に使用することができる。一旦体内に取り込まれると、このマトリックスは酵素及び体液の作用を受ける。徐放性マトリックスは、例えば、リポソーム、ポリ乳酸(ポリ乳酸)、ポリグリコール酸(グリコール酸のポリマー)、ポリ乳酸コ−グリコール酸(乳酸及びグリコール酸のコポリマー)、無水重合体、ポリ(オルト)エステル、ポリペプチド、ヒアルロン酸、コラーゲン、コンドロイチン硫酸、カルボン酸、脂肪酸、リン脂質、多糖類、核酸、ポリアミノ酸、アミノ酸(フェニルアラニン、チロシン、イソロイシン等)、ポリヌクレオチド、ポリビニルプロピレン、ポリビニルピロリドン、シリコーン等の生体適合性物質から選択される。好ましい生分解性マトリックスは、ポリ乳酸、ポリグリコール酸又はポリ乳酸コ−グリコール酸(乳酸及びグリコール酸のコポリマー)のいずれかのマトリックスである。
また、上記TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物は、リポソームの形態で投与することができる。当分野で公知のように、リポソームは、一般にリン脂質等の脂質物質から得られる。リポソームは、水性媒体に分散した単層又は多層の水和液晶によって形成される。リポソームを形成することができ、生理学的に許容される、代謝可能な非毒性の液体であれば、いかなるものでも使用することができる。上記リポソームは、1種又は複数種の本発明の組成物に加えて、安定剤、保存剤、賦形剤等を含有してもよい。脂質としては、天然及び合成のリン脂質及びホスファチジルコリン(レシチン)が挙げられる。リポソームの形成方法は当分野で公知である。
上記TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物は、吸入等による投与のために、エアロゾルとして調製することができる。これらの呼吸器投与用製剤は、噴霧器用のエアロゾル若しくは溶液の形態で、又は吸入用微細粉末として、単独で、若しくは不活性担体(ラクトース等)と組み合わせて使用することができる。このような場合、製剤の粒子の直径は、一実施形態では50ミクロン未満であり、別の一実施形態では10ミクロン未満である。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物を含む組成物は、前述の疾患の治療のための他の組成物及び/又は方法と組み合わせて使用することができる。例えば、腫瘍は、1種又は複数種の本発明の組成物と組み合わせて、従来のように手術、放射線又は化学療法で治療することができる。そして、1種又は複数種の本発明の組成物は、微小転移の休止状態を延長し、残存する原発腫瘍の増殖を安定化、阻害又は低減させるために、引き続き患者に投与することができる。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上の白金化合物を含む組成物は、酵素的な、又は酸ベースの加水分解又は溶解によって分解可能な物質(通常はポリマー)で形成された徐放性マトリックスと共に使用することができる。一旦体内に取り込まれると、このマトリックスは酵素及び体液の作用を受ける。徐放性マトリックスは、例えば、リポソーム、ポリ乳酸(ポリ乳酸)、ポリグリコール酸(グリコール酸のポリマー)、ポリ乳酸コ−グリコール酸(乳酸及びグリコール酸のコポリマー)、無水重合体、ポリ(オルト)エステル、ポリペプチド、ヒアルロン酸、コラーゲン、コンドロイチン硫酸、カルボン酸、脂肪酸、リン脂質、多糖類、核酸、ポリアミノ酸、アミノ酸(フェニルアラニン、チロシン、イソロイシン等)、ポリヌクレオチド、ポリビニルプロピレン、ポリビニルピロリドン、シリコーン等の生体適合性物質から選択される。好ましい生分解性マトリックスは、ポリ乳酸、ポリグリコール酸又はポリ乳酸コ−グリコール酸(乳酸及びグリコール酸のコポリマー)のいずれかのマトリックスである。
また、上記TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上の白金化合物は、リポソームの形態で投与することができる。当分野で公知のように、リポソームは、一般にリン脂質等の脂質物質から得られる。リポソームは、水性媒体に分散した単層又は多層の水和液晶によって形成される。リポソームを形成することができ、生理学的に許容される、代謝可能な非毒性の液体であれば、いかなるものでも使用することができる。上記リポソームは、1種又は複数種の本発明の組成物に加えて、安定剤、保存剤、賦形剤等を含有してもよい。脂質としては、天然及び合成のリン脂質及びホスファチジルコリン(レシチン)が挙げられる。リポソームの形成方法は当分野で公知である。
上記TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上の白金化合物は、吸入等による投与のために、エアロゾルとして調製することができる。これらの呼吸器投与用製剤は、噴霧器用のエアロゾル若しくは溶液の形態で、又は吸入用微細粉末として、単独で、若しくは不活性担体(ラクトース等)と組み合わせて使用することができる。このような場合、製剤の粒子の直径は、一実施形態では50ミクロン未満であり、別の一実施形態では10ミクロン未満である。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上の白金化合物を含む組成物は、前述の疾患の治療のための他の組成物及び/又は方法と組み合わせて使用することができる。例えば、腫瘍は、1種又は複数種の本発明の組成物と組み合わせて、従来のように手術、放射線又は化学療法で治療することができる。そして、1種又は複数種の本発明の組成物は、微小転移の休止状態を延長し、残存する原発腫瘍の増殖を安定化、阻害又は低減させるために、引き続き患者に投与することができる。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及びボルテゾミブ及びその誘導体を含む組成物は、酵素的な、又は酸ベースの加水分解又は溶解によって分解可能な物質(通常はポリマー)で形成された徐放性マトリックスと共に使用することができる。一旦体内に取り込まれると、このマトリックスは酵素及び体液の作用を受ける。徐放性マトリックスは、例えば、リポソーム、ポリ乳酸(ポリ乳酸)、ポリグリコール酸(グリコール酸のポリマー)、ポリ乳酸コ−グリコール酸(乳酸及びグリコール酸のコポリマー)、無水重合体、ポリ(オルト)エステル、ポリペプチド、ヒアルロン酸、コラーゲン、コンドロイチン硫酸、カルボン酸、脂肪酸、リン脂質、多糖類、核酸、ポリアミノ酸、アミノ酸(フェニルアラニン、チロシン、イソロイシン等)、ポリヌクレオチド、ポリビニルプロピレン、ポリビニルピロリドン、シリコーン等の生体適合性物質から選択される。好ましい生分解性マトリックスは、ポリ乳酸、ポリグリコール酸又はポリ乳酸コ−グリコール酸(乳酸及びグリコール酸のコポリマー)のいずれかのマトリックスである。
また、上記のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及びボルテゾミブ及びその誘導体は、リポソームの形態で投与することができる。当分野で公知のように、リポソームは、一般にリン脂質等の脂質物質から得られる。リポソームは、水性媒体に分散した単層又は多層の水和液晶によって形成される。リポソームを形成することができ、生理学的に許容される、代謝可能な非毒性の液体であれば、いかなるものでも使用することができる。上記リポソームは、1種又は複数種の本発明の組成物に加えて、安定剤、保存剤、賦形剤等を含有してもよい。脂質としては、天然及び合成のリン脂質及びホスファチジルコリン(レシチン)が挙げられる。リポソームの形成方法は当分野で公知である。
上記のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及びボルテゾミブ及びその誘導体は、吸入等による投与のために、エアロゾルとして調製することができる。これらの呼吸器投与用製剤は、噴霧器用のエアロゾル若しくは溶液の形態で、又は吸入用微細粉末として、単独で、若しくは不活性担体(ラクトース等)と組み合わせて使用することができる。このような場合、製剤の粒子の直径は、一実施形態では50ミクロン未満であり、別の一実施形態では10ミクロン未満である。
上記のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及びボルテゾミブ及びその誘導体を含む組成物は、前述の疾患の治療のための他の組成物及び/又は方法と組み合わせて使用することができる。例えば、腫瘍は、1種又は複数種の本発明の組成物と組み合わせて、従来のように手術、放射線又は化学療法で治療することができる。そして、1種又は複数種の本発明の組成物は、微小転移の休止状態を延長し、残存する原発腫瘍の増殖を安定化、阻害又は低減させるために、引き続き患者に投与することができる。
他の実施形態:
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上のタキサンを含む医薬組成物は、薬剤として有用な組成物を調製する公知の方法に従って調製することができる。製剤については、当業者に周知で、容易に入手可能な複数の文献に記載されている。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences(Martin EW(1995)Easton Pennsylvania、Mack Publishing Company、19版)には、本発明と併用可能な製剤が記載されている。投与に適した製剤としては、水性及び非水性滅菌注射液(抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、及び非投与者の血液で製剤を等張にさせる溶質を含有してもよい)、並びに水性及び非水性滅菌懸濁液(懸濁剤及び増粘剤を含有してもよい。)が挙げられる。この製剤は、ユニットドーズ又はマルチドーズ容器(例えば、密封のアンプル、バイアル)中に入れておくことができる。また、凍結乾燥状態で保存することができ、使用する場合は、使用直前に、滅菌液体担体(例えば、注射用水)を添加するだけでよい。用時調製注射液及び懸濁液は、上述のような滅菌粉末、顆粒及び錠剤から調製することができる。本発明の製剤は、特に記載した上述の成分に加えて、当該製剤の種類に応じて当分野で通常用いられる他の薬剤を含有してもよい。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子を含む医薬組成物は、薬剤として有用な組成物を調製する公知の方法に従って調製することができる。製剤については、当業者に周知で、容易に入手可能な複数の文献に記載されている。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Easton,Pa.には、本発明と併用可能な製剤が記載されている。投与に適した製剤としては、水性及び非水性滅菌注射液(抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、及び非投与者の血液で製剤を等張にさせる溶質を含有してもよい)、並びに水性及び非水性滅菌懸濁液(懸濁剤及び増粘剤を含有してもよい。)が挙げられる。この製剤は、ユニットドーズ又はマルチドーズ容器(例えば、密封のアンプル、バイアル)中に入れておくことができる。また、凍結乾燥状態で保存することができ、使用する場合は、使用直前に、滅菌液体担体(例えば、注射用水)を添加するだけでよい。用時調製注射液及び懸濁液は、上述のような滅菌粉末、顆粒及び錠剤から調製することができる。本発明の製剤は、特に記載した上述の成分に加えて、当該製剤の種類に応じて当分野で通常用いられる他の薬剤を含有してもよい。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上のアントラサイクリン誘導体を含む医薬組成物は、薬剤として有用な組成物を調製する公知の方法に従って調製することができる。製剤については、当業者に周知で、容易に入手可能な複数の文献に記載されている。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences(Martin EW(1995)Easton Pennsylvania、Mack Publishing Company、19版)には、本発明と併用可能な製剤が記載されている。投与に適した製剤としては、水性及び非水性滅菌注射液(抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、及び非投与者の血液で製剤を等張にさせる溶質を含有してもよい)、並びに水性及び非水性滅菌懸濁液(懸濁剤及び増粘剤を含有してもよい。)が挙げられる。この製剤は、ユニットドーズ又はマルチドーズ容器(例えば、密封のアンプル、バイアル)中に入れておくことができる。また、凍結乾燥状態で保存することができ、使用する場合は、使用直前に、滅菌液体担体(例えば、注射用水)を添加するだけでよい。用時調製注射液及び懸濁液は、上述のような滅菌粉末、顆粒及び錠剤から調製することができる。本発明の製剤は、特に記載した上述の成分に加えて、当該製剤の種類に応じて当分野で通常用いられる他の薬剤を含有してもよい。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物を含む医薬組成物は、薬剤として有用な組成物を調製する公知の方法に従って調製することができる。製剤については、当業者に周知で、容易に入手可能な複数の文献に記載されている。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Easton,Pa.には、本発明と併用可能な製剤が記載されている。投与に適した製剤としては、水性及び非水性滅菌注射液(抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、及び非投与者の血液で製剤を等張にさせる溶質を含有してもよい)、並びに水性及び非水性滅菌懸濁液(懸濁剤及び増粘剤を含有してもよい。)が挙げられる。この製剤は、ユニットドーズ又はマルチドーズ容器(例えば、密封のアンプル、バイアル)中に入れておくことができる。また、凍結乾燥状態で保存することができ、使用する場合は、使用直前に、滅菌液体担体(例えば、注射用水)を添加するだけでよい。用時調製注射液及び懸濁液は、上述のような滅菌粉末、顆粒及び錠剤から調製することができる。本発明の製剤は、特に記載した上述の成分に加えて、当該製剤の種類に応じて当分野で通常用いられる他の薬剤を含有してもよい。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上の白金化合物を含む医薬組成物は、薬剤として有用な組成物を調製する公知の方法に従って調製することができる。製剤については、当業者に周知で、容易に入手可能な複数の文献に記載されている。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Easton,Pa.には、本発明と併用可能な製剤が記載されている。投与に適した製剤としては、水性及び非水性滅菌注射液(抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、及び非投与者の血液で製剤を等張にさせる溶質を含有してもよい)、並びに水性及び非水性滅菌懸濁液(懸濁剤及び増粘剤を含有してもよい。)が挙げられる。この製剤は、ユニットドーズ又はマルチドーズ容器(例えば、密封のアンプル、バイアル)中に入れておくことができる。また、凍結乾燥状態で保存することができ、使用する場合は、使用直前に、滅菌液体担体(例えば、注射用水)を添加するだけでよい。用時調製注射液及び懸濁液は、上述のような滅菌粉末、顆粒及び錠剤から調製することができる。本発明の製剤は、特に記載した上述の成分に加えて、当該製剤の種類に応じて当分野で通常用いられる他の薬剤を含有してもよい。
上記のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及びボルテゾミブ及びその誘導体を含む医薬組成物は、薬剤として有用な組成物を調製する公知の方法に従って調製することができる。製剤については、当業者に周知で、容易に入手可能な複数の文献に記載されている。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences(Martin EW(1995)Easton Pennsylvania、Mack Publishing Company、19版)には、本発明と併用可能な製剤が記載されている。投与に適した製剤としては、水性及び非水性滅菌注射液(抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、及び非投与者の血液で製剤を等張にさせる溶質を含有してもよい)、並びに水性及び非水性滅菌懸濁液(懸濁剤及び増粘剤を含有してもよい。)が挙げられる。この製剤は、ユニットドーズ又はマルチドーズ容器(例えば、密封のアンプル、バイアル)中に入れておくことができる。また、凍結乾燥状態で保存することができ、使用する場合は、使用直前に、滅菌液体担体(例えば、注射用水)を添加するだけでよい。用時調製注射液及び懸濁液は、上述のような滅菌粉末、顆粒及び錠剤から調製することができる。本発明の製剤は、特に記載した上述の成分に加えて、当該製剤の種類に応じて当分野で通常用いられる他の薬剤を含有してもよい。
例えば、癌細胞を阻害する本発明の方法は、例えば、化学療法、放射線療法、Ras癌遺伝子シグナル伝達を選択的に阻害する治療、又は癌を治療、管理する当業者に公知の他の任意の治療(例えば、抗癌剤の投与)、のうちの少なくとも1種の治療方法と有利に組み合わせることができる。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物は、塩として投与してもよい。薬学的に許容される塩としては、生理学的に許容される陰イオンを形成する、酸で形成された有機酸添加塩(例えば、トシル酸塩、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、アスコルビン酸塩、アルファ−ケトグルタル酸塩及びアルファ−グリセロリン酸塩)が挙げられる。また、適切な無機塩(塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、重炭酸塩、炭酸塩等)を形成してもよい。
薬学的に許容される塩は、当分野で周知の標準的方法、例えば、十分な塩基性を有する化合物(アミン等)と、生理学的に許容される陰イオンをもたらす適切な酸と、を反応させることによって得ることができる。カルボン酸のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩若しくはリチウム塩)、又はアルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩)を形成してもよい。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上のタキサンは、選択された投与経路、すなわち、経口的又は非経口的な静脈内、筋肉内、局所若しくは皮下経路に適合する種々の形態で、医薬組成物として調製し、ヒト患者、患畜等の被治療者に投与することができる。
従って、本発明のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上のタキサンは、例えば、経口的に、薬学的に許容されるビヒクル(すなわち、担体)(例えば、不活性希釈剤、吸収可能な食用担体)と組み合わせて全身投与することができる。これらは、硬ゼラチンカプセル又は軟ゼラチンカプセルに封入しても、錠剤に圧縮しても、また、患者が摂取する食品に直接取り込ませてもよい。経口的な治療投与のために、上記化合物は1種又は複数種の賦形剤と組み合わせてもよく、例えば、消化可能な錠剤、口腔錠、トローチ剤、カプセル、エリキシール、懸濁剤、シロップ、カシェ剤等の形態で使用することができる。このような組成物及び製剤は、活性剤を少なくとも0.1%含有するのがよい。組成物及び製剤の割合は変化させることができるのはいうまでもないが、所与のユニット製剤の約2〜約60質量%の範囲であると好都合である。このような治療上有用な組成物における活性化合物の量は、有効用量レベルが得られるような量である。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子は、選択された投与経路、すなわち、経口的又は非経口的な静脈内、筋肉内、局所若しくは皮下経路に適合する種々の形態で、医薬組成物として調製し、ヒト患者、患畜等の被治療者に投与することができる。
従って、本発明のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子は、例えば、経口的に、薬学的に許容されるビヒクル(すなわち、担体)(例えば、不活性希釈剤、吸収可能な食用担体)と組み合わせて全身投与することができる。これらは、硬ゼラチンカプセル又は軟ゼラチンカプセルに封入しても、錠剤に圧縮しても、また、患者が摂取する食品に直接取り込ませてもよい。経口的な治療投与のために、上記化合物は1種又は複数種の賦形剤と組み合わせてもよく、例えば、消化可能な錠剤、口腔錠、トローチ剤、カプセル、エリキシール、懸濁剤、シロップ、カシェ剤等の形態で使用することができる。このような組成物及び製剤は、活性剤を少なくとも0.1%含有するのがよい。組成物及び製剤の割合は変化させることができるのはいうまでもないが、所与のユニット製剤の約2〜約60質量%の範囲であると好都合である。このような治療上有用な組成物における活性化合物の量は、有効用量レベルが得られるような量である。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上のアントラサイクリン誘導体は、選択された投与経路、すなわち、経口的又は非経口的な静脈内、筋肉内、局所若しくは皮下経路に適合する種々の形態で、医薬組成物として調製し、ヒト患者、患畜等の被治療者に投与することができる。
従って、本発明のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上のアントラサイクリン誘導体は、例えば、経口的に、薬学的に許容されるビヒクル(すなわち、担体)(例えば、不活性希釈剤、吸収可能な食用担体)と組み合わせて全身投与することができる。これらは、硬ゼラチンカプセル又は軟ゼラチンカプセルに封入しても、錠剤に圧縮しても、また、患者が摂取する食品に直接取り込ませてもよい。経口的な治療投与のために、上記化合物は1種又は複数種の賦形剤と組み合わせてもよく、例えば、消化可能な錠剤、口腔錠、トローチ剤、カプセル、エリキシール、懸濁剤、シロップ、カシェ剤等の形態で使用することができる。このような組成物及び製剤は、活性剤を少なくとも0.1%含有するのがよい。組成物及び製剤の割合は変化させることができるのはいうまでもないが、所与のユニット製剤の約2〜約60質量%の範囲であると好都合である。このような治療上有用な組成物における活性化合物の量は、有効用量レベルが得られるような量である。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物は、選択された投与経路、すなわち、経口的又は非経口的な静脈内、筋肉内、局所若しくは皮下経路に適合する種々の形態で、医薬組成物として調製し、ヒト患者、患畜等の被治療者に投与することができる。
従って、本発明のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物は、例えば、経口的に、薬学的に許容されるビヒクル(すなわち、担体)(例えば、不活性希釈剤、吸収可能な食用担体)と組み合わせて全身投与することができる。これらは、硬ゼラチンカプセル又は軟ゼラチンカプセルに封入しても、錠剤に圧縮しても、また、患者が摂取する食品に直接取り込ませてもよい。経口的な治療投与のために、上記化合物は1種又は複数種の賦形剤と組み合わせてもよく、例えば、消化可能な錠剤、口腔錠、トローチ剤、カプセル、エリキシール、懸濁剤、シロップ、カシェ剤等の形態で使用することができる。このような組成物及び製剤は、活性剤を少なくとも0.1%含有するのがよい。組成物及び製剤の割合は変化させることができるのはいうまでもないが、所与のユニット製剤の約2〜約60質量%の範囲であると好都合である。このような治療上有用な組成物における活性化合物の量は、有効用量レベルが得られるような量である。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上の白金化合物は、選択された投与経路、すなわち、経口的又は非経口的な静脈内、筋肉内、局所若しくは皮下経路に適合する種々の形態で、医薬組成物として調製し、ヒト患者、患畜等の被治療者に投与することができる。
従って、本発明のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上の白金化合物は、例えば、経口的に、薬学的に許容されるビヒクル(すなわち、担体)(例えば、不活性希釈剤、吸収可能な食用担体)と組み合わせて全身投与することができる。これらは、硬ゼラチンカプセル又は軟ゼラチンカプセルに封入しても、錠剤に圧縮しても、また、患者が摂取する食品に直接取り込ませてもよい。経口的な治療投与のために、上記化合物は1種又は複数種の賦形剤と組み合わせてもよく、例えば、消化可能な錠剤、口腔錠、トローチ剤、カプセル、エリキシール、懸濁剤、シロップ、カシェ剤等の形態で使用することができる。このような組成物及び製剤は、活性剤を少なくとも0.1%含有するのがよい。組成物及び製剤の割合は変化させることができるのはいうまでもないが、所与のユニット製剤の約2〜約60質量%の範囲であると好都合である。このような治療上有用な組成物における活性化合物の量は、有効用量レベルが得られるような量である。
上記のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及びボルテゾミブ及びその誘導体は、選択された投与経路、すなわち、経口的又は非経口的な静脈内、筋肉内、局所若しくは皮下経路に適合する種々の形態で、医薬組成物として調製し、ヒト患者、患畜等の被治療者に投与することができる。
従って、本発明の上記のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及びボルテゾミブ及びその誘導体は、例えば、経口的に、薬学的に許容されるビヒクル(すなわち、担体)(例えば、不活性希釈剤、吸収可能な食用担体)と組み合わせて全身投与することができる。これらは、硬ゼラチンカプセル又は軟ゼラチンカプセルに封入しても、錠剤に圧縮しても、また、患者が摂取する食品に直接取り込ませてもよい。経口的な治療投与のために、上記化合物は1種又は複数種の賦形剤と組み合わせてもよく、例えば、消化可能な錠剤、口腔錠、トローチ剤、カプセル、エリキシール、懸濁剤、シロップ、カシェ剤等の形態で使用することができる。このような組成物及び製剤は、活性剤を少なくとも0.1%含有するのがよい。組成物及び製剤の割合は変化させることができるのはいうまでもないが、所与のユニット製剤の約2〜約60質量%の範囲であると好都合である。このような治療上有用な組成物における活性化合物の量は、有効用量レベルが得られるような量である。
錠剤、トローチ剤、丸剤、カプセル等はまた、結合剤(トラガカントゴム、アラビアゴム、トウモロコシデンプン、ゼラチン等)、賦形剤(リン酸二カルシウム等)、崩壊剤(トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、アルギン酸等)、潤滑剤(ステアリン酸マグネシウム等)及び甘味剤(スクロース、フルクトース、ラクトース、アスパルテーム等)を含有してもよい。或いは、香料(ペパーミント、ウィンターグリーン油、チェリー香料等)を添加してもよい。ユニット製剤がカプセルの場合、上記のような材料に加えて、植物油、ポリエチレングリコール等の液体担体を含有させることができる。他の種々の材料を、コーティング用に、或いは、固形ユニット製剤の物理的形態を変更するために添加することができる。例えば、錠剤、丸剤又はカプセルを、ゼラチン、ワックス、シェラック又は糖等でコーティングすることができる。シロップ又はエリキシールは、本発明の化合物の他、甘味剤としてスクロース又はフルクトースを、保存剤としてメチル及びプロピルパラベンを含有してもよく、また、色素及び香料(チェリー、オレンジ香料等)を含有してもよい。いうまでもないが、いずれのユニット製剤の調製に使用するいかなる材料も、薬学的に許容され、且つ、当該使用量を使用した場合に実質的に非毒性でなければならない。更に、本発明の化合物は、徐放性の製剤及び装置に組み込んでもよい。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上のタキサンはまた、注入又は注射によって静脈内又は腹腔内に投与することができる。活性剤又はその塩の溶液は、水(必要に応じて、非毒性界面活性剤と混合した水)中で調製できる。分散液はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、トリアセチン及びそれらの混合物、並びに油中で調製することができる。これらの製剤は、通常の保存及び使用の条件下では、微生物の増殖を防止するために保存剤を含有する。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子はまた、注入又は注射によって静脈内又は腹腔内に投与することができる。活性剤又はその塩の溶液は、水(必要に応じて、非毒性界面活性剤と混合した水)中で調製できる。分散液はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、トリアセチン及びそれらの混合物、並びに油中で調製することができる。これらの製剤は、通常の保存及び使用の条件下では、微生物の増殖を防止するために保存剤を含有する。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上のアントラサイクリン誘導体はまた、注入又は注射によって静脈内又は腹腔内に投与することができる。活性剤又はその塩の溶液は、水(必要に応じて、非毒性界面活性剤と混合した水)中で調製できる。分散液はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、トリアセチン及びそれらの混合物、並びに油中で調製することができる。これらの製剤は、通常の保存及び使用の条件下では、微生物の増殖を防止するために保存剤を含有する。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物はまた、注入又は注射によって静脈内又は腹腔内に投与することができる。活性剤又はその塩の溶液は、水(必要に応じて、非毒性界面活性剤と混合した水)中で調製できる。分散液はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、トリアセチン及びそれらの混合物、並びに油中で調製することができる。これらの製剤は、通常の保存及び使用の条件下では、微生物の増殖を防止するために保存剤を含有する。
TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上の白金化合物はまた、注入又は注射によって静脈内又は腹腔内に投与することができる。活性剤又はその塩の溶液は、水(必要に応じて、非毒性界面活性剤と混合した水)中で調製できる。分散液はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、トリアセチン及びそれらの混合物、並びに油中で調製することができる。これらの製剤は、通常の保存及び使用の条件下では、微生物の増殖を防止するために保存剤を含有する。
上記のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及びボルテゾミブ及びその誘導体はまた、注入又は注射によって静脈内又は腹腔内に投与することができる。活性剤又はその塩の溶液は、水(必要に応じて、非毒性界面活性剤と混合した水)中で調製できる。分散液はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、トリアセチン及びそれらの混合物、並びに油中で調製することができる。これらの製剤は、通常の保存及び使用の条件下では、微生物の増殖を防止するために保存剤を含有する。
注射又は注入に適した医薬剤形としては、無菌で注射若しくは注入可能な溶液若しくは分散液の用時調製に適合し、活性成分を含有する無菌水性溶液若しくは分散液又は無菌粉末(これらは、リポソームに封入されていてもよい。)が挙げられる。いずれの場合においても、最終的な剤形は、製造及び保存条件下で、無菌且つ安定な液体でなければならない。液体担体又はビヒクルは、例えば、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール等)、植物油、非毒性グリセリルエステル、それらの適切な混合物、等の溶媒又は液体分散媒体である。適切な流動性は、例えば、リポソームの形成、必要な粒径の維持(分散液の場合)、又は界面活性剤の使用によって維持することができる。微生物作用は、種々の抗菌剤及び抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサール等)によって防止することができる。多くの場合、等張剤(例えば、糖、緩衝液、塩化ナトリウム)を含有することが好ましい。注射可能な組成物の持続吸収は、吸収を遅延させる薬剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウム、ゼラチン)を組成物中に使用することによって実現することができる。
注射可能な無菌溶液は、上述の他の種々の成分を含有する適切な溶媒中に必要量の本発明の化合物を組み入れ、更に、必要に応じて、フィルター滅菌することによって調製する。注射可能な無菌溶液の調製に用いる無菌粉末の場合、調製方法としては真空乾燥法及び凍結乾燥法が好ましく、これらの方法により、既に滅菌濾過された溶液中に存在する活性成分及び他の所望の成分の粉末が得られる。
本発明のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上のタキサンは、局所投与の場合は、純粋な形態で、すなわち、液体状態で適用してもよい。しかし、一般には、皮膚に許容される担体(固体でも液体でもよい。)と組み合わせて、組成物又は製剤として皮膚に投与するのが望ましい。
本発明のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子は、局所投与の場合は、純粋な形態で、すなわち、液体状態で適用してもよい。しかし、一般には、皮膚に許容される担体(固体でも液体でもよい。)と組み合わせて、組成物又は製剤として皮膚に投与するのが望ましい。
本発明のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上のアントラサイクリン誘導体は、局所投与の場合は、純粋な形態で、すなわち、液体状態で適用してもよい。しかし、一般には、皮膚に許容される担体(固体でも液体でもよい。)と組み合わせて、組成物又は製剤として皮膚に投与するのが望ましい。
本発明のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物は、局所投与の場合は、純粋な形態で、すなわち、液体状態で適用してもよい。しかし、一般には、皮膚に許容される担体(固体でも液体でもよい。)と組み合わせて、組成物又は製剤として皮膚に投与するのが望ましい。
本発明のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上の白金化合物は、局所投与の場合は、純粋な形態で、すなわち、液体状態で適用してもよい。しかし、一般には、皮膚に許容される担体(固体でも液体でもよい。)と組み合わせて、組成物又は製剤として皮膚に投与するのが望ましい。
本発明の上記のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及びボルテゾミブ及びその誘導体は、局所投与の場合は、純粋な形態で、すなわち、液体状態で適用してもよい。しかし、一般には、皮膚に許容される担体(固体でも液体でもよい。)と組み合わせて、組成物又は製剤として皮膚に投与するのが望ましい。
有用な固形担体としては、タルク、粘土、微結晶性セルロース、シリカ、アルミナ等の超微粒子固形物が挙げられる。有用な液体担体としては、水、アルコール若しくはグリコール、又は水−アルコール/グリコールブレンドが挙げられ、これらの担体には、必要に応じて非毒性界面活性剤を用いて、本発明の化合物を有効なレベルで溶解又は分散させることができる。目的の用途に応じて特性を最適化するために、香水等の補助剤、及び他の抗菌剤を添加することができる。得られた液体組成物は、吸収パッドから適用したり、包帯等に染み込ませたり、又はポンプ型若しくはエアロゾル噴霧器を用いて罹患領域に噴霧したりすることができる。
使用者の皮膚に直接適用するために、合成ポリマー、脂肪酸、脂肪酸塩、脂肪酸エステル、脂肪族アルコール、変性セルロース、変性鉱物等の増粘剤を、液体担体と共に用いて、ペースト、ジェル、軟膏、石けん等を得てもよい。本発明の化合物を皮膚に輸送するのに使用可能な有用な皮膚用組成物の例は、Jacquet他(米国特許第4608392号)、Geria(米国特許第4992478号)、Smith他(米国特許第4559157号)及びWoltzman(米国特許第4820508号)に開示されている。
本発明の医薬組成物の有用な投与量は、in vitroの活性と、動物モデルにおけるin vivoの活性と、を比較することによって決定することができる。マウス及び他の動物における有効な投与量をヒトに当てはめる方法は当分野で公知であり、例えば、米国特許第4938949号を参照されたい。
一実施形態(限定的なものではない。)では、ローション等の液体組成物における活性剤の濃度は、約0.1〜25wt%、又は約0.5〜10wt%である。一実施形態では、ジェル、粉末等の半固形又は固形組成物における濃度は、約0.1〜5wt%、好ましくは約0.5〜25wt%である。一実施形態では、注射、注入又は摂取の場合の1回の投与量は、一般に5〜1500mgである。すなわち、成人では、約0.1〜50mg/kgのレベルになるように、1日に1〜3回投与することができる。本発明における投与量は、1日当たり7.5〜45mg(これに限定されない。)であるが、個体の体重で適切に調節した量を経口投与することができる。
本発明は、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上のタキサン又はその薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される担体と共に含有する医薬組成物を包含する。一定量のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上のタキサン又はその薬学的に許容される塩を含有する、経口、局所又は非経口投与に適合した医薬組成物は、本発明の好ましい実施形態をなす。本発明の場合、被治療者、特にヒトに投与する用量は、合理的期間で患者の治療的応答が実現するのに十分な量であるのがよい。当業者であれば、投与量は、動物の状態、動物の体重、癌の重症度及びステージ等の種々の要素に依存することは理解するであろう。
適切な用量とは、腫瘍組織において所望の応答を達成することが知られているTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上のタキサンの濃度をもたらす用量である。投与量として好ましいのは、制御できない副作用なしに、癌細胞の増殖を最大限に阻害する量である。TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物(又は薬学的に許容されるその塩)の投与は、持続的に行っても、一定の間隔を置いて行ってもよい(当業者は、いずれにするかを決定することができる)。
本発明は、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子又はその薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される担体と共に含有する医薬組成物を包含する。一定量のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び例えばトラスツズマブ又はその塩のようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子又はその薬学的に許容される塩を含有する、経口、局所又は非経口投与に適合した医薬組成物は、本発明の好ましい実施形態をなす。本発明の場合、被治療者、特にヒトに投与する用量は、合理的期間で患者の治療的応答が実現するのに十分な量であるのがよい。当業者であれば、投与量は、動物の状態、動物の体重、癌の重症度及びステージ等の種々の要素に依存することは理解するであろう。
適切な用量とは、腫瘍組織において所望の応答を達成することが知られているTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び例えばトラスツズマブのようなHER2/neu(erbB2)受容体改質分子の濃度をもたらす用量である。投与量として好ましいのは、制御できない副作用なしに、癌細胞の増殖を最大限に阻害する量である。API−2(又は薬学的に許容されるその塩)の投与は、持続的に行っても、一定の間隔を置いて行ってもよい(当業者は、いずれにするかを決定することができる)。
本発明は、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上のアントラサイクリン誘導体又はその薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される担体と共に含有する医薬組成物を包含する。一定量のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上のアントラサイクリン誘導体又はその薬学的に許容される塩を含有する、経口、局所又は非経口投与に適合した医薬組成物は、本発明の好ましい実施形態をなす。本発明の場合、被治療者、特にヒトに投与する用量は、合理的期間で患者の治療的応答が実現するのに十分な量であるのがよい。当業者であれば、投与量は、動物の状態、動物の体重、癌の重症度及びステージ等の種々の要素に依存することは理解するであろう。
適切な用量とは、腫瘍組織において所望の応答を達成することが知られているTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上のアントラサイクリン誘導体の濃度をもたらす用量である。投与量として好ましいのは、制御できない副作用なしに、癌細胞の増殖を最大限に阻害する量である。API−2(又は薬学的に許容されるその塩)の投与は、持続的に行っても、一定の間隔を置いて行ってもよい(当業者は、いずれにするかを決定することができる)。
本発明は、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物を、薬学的に許容される担体と共に含有する医薬組成物を包含する。一定量のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物を含有する、経口、局所又は非経口投与に適合した医薬組成物は、本発明の好ましい実施形態をなす。本発明の場合、被治療者、特にヒトに投与する用量は、合理的期間で患者の治療的応答が実現するのに十分な量であるのがよい。当業者であれば、投与量は、動物の状態、動物の体重、癌の重症度及びステージ等の種々の要素に依存することは理解するであろう。
適切な用量とは、腫瘍組織において所望の応答を達成することが知られているTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び例えばゲフィチニブ、エルロチニブ、又はこれらの塩のようなエルロチニブ様化合物の濃度をもたらす用量である。投与量として好ましいのは、制御できない副作用なしに、癌細胞の増殖を最大限に阻害する量である。API−2(又は薬学的に許容されるその塩)の投与は、持続的に行っても、一定の間隔を置いて行ってもよい(当業者は、いずれにするかを決定することができる)。
本発明は、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上の白金化合物又はその薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される担体と共に含有する医薬組成物を包含する。一定量のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上の白金化合物又はその薬学的に許容される塩を含有する、経口、局所又は非経口投与に適合した医薬組成物は、本発明の好ましい実施形態をなす。本発明の場合、被治療者、特にヒトに投与する用量は、合理的期間で患者の治療的応答が実現するのに十分な量であるのがよい。当業者であれば、投与量は、動物の状態、動物の体重、癌の重症度及びステージ等の種々の要素に依存することは理解するであろう。
適切な用量とは、腫瘍組織において所望の応答を達成することが知られているTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び1以上の白金化合物の濃度をもたらす用量である。投与量として好ましいのは、制御できない副作用なしに、癌細胞の増殖を最大限に阻害する量である。API−2(又は薬学的に許容されるその塩)の投与は、持続的に行っても、一定の間隔を置いて行ってもよい(当業者は、いずれにするかを決定することができる)。
本発明は、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及びボルテゾミブ及びその誘導体又はその薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される担体と共に含有する医薬組成物を包含する。一定量のTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及びボルテゾミブ及びその誘導体又はその薬学的に許容される塩を含有する、経口、局所又は非経口投与に適合した医薬組成物は、本発明の好ましい実施形態をなす。本発明の場合、被治療者、特にヒトに投与する用量は、合理的期間で患者の治療的応答が実現するのに十分な量であるのがよい。当業者であれば、投与量は、動物の状態、動物の体重、癌の重症度及びステージ等の種々の要素に依存することは理解するであろう。
適切な用量とは、腫瘍組織において所望の応答を達成することが知られているTCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及びボルテゾミブ及びその誘導体の濃度をもたらす用量である。投与量として好ましいのは、制御できない副作用なしに、癌細胞の増殖を最大限に阻害する量である。API−2(又は薬学的に許容されるその塩)の投与は、持続的に行っても、一定の間隔を置いて行ってもよい(当業者は、いずれにするかを決定することができる)。
癌細胞の増殖を阻害する記載の方法から利益を得る哺乳動物種としては、例えば、類人猿、チンパンジー、オランウータン、ヒト、サル等の霊長類;イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ベトナム種ポットベリーピッグ、ウサギ、フェレット等の家畜(例えば、ペット);ウシ、水牛、野牛、ウマ、ロバ、ブタ、ヒツジ、ヤギ等の家畜;一般に動物園で見られる外来種の動物(例えば、クマ、ライオン、トラ、ヒョウ、ゾウ、カバ、サイ、キリン、レイヨウ、ナマケモノ、ガゼル、シマウマ、ヌー、プレーリードッグ、コアラ、カンガルー、フクロネズミ、アライグマ、パンダ、ハイエナ、アザラシ、アシカ、ゾウアザラシ、カワウソ、ネズミイルカ、イルカ及びクジラ)、が挙げられる。本明細書では、「患者」及び「被治療者」という用語は交換可能であり、ヒト及び非ヒト哺乳動物種を包含するものとする。同様に、本発明のin vitroの方法は、上記のような哺乳動物種の細胞に対して実施することができる。
本発明の方法を用いた治療を必要とする患者は、医学の専門家に公知の標準的方法によって同定することができる。
(実施例)
以下の実施例は例示のために提供されるものであり、限定するためのものではない。
(実施例1 in vitroスクリーニング)
細胞株及びNCI多様性セット(NCI Diversity Set):
この研究で使用した細胞株はすべて、ATCCから、又は文献(Cheng,J.Q.他、Oncogene、14:2793〜2801、1997;West,K.A.他、Drug Resist.Updat.、5:234〜248、2002;Satyamoorthy,K.他、Cancer Res.61:7318〜7324、2001)に記載の方法で購入した。NCI構造多様性セット(NCI Structural Diversity Set)は、NCIの保管薬剤である約140000種の化合物から選択された1992種の化合物のライブラリーである。これらの多様性セット化合物の選択、構造及び活性に関する詳細データは、NCI開発途上治療プログラムのウェブサイトで見ることができる。
Akt形質転換細胞増殖阻害のスクリーニング:
AKT2形質転換NIH3T3細胞、又はLXSNベクター形質移入NIH3T3対照細胞(Cheng,J.Q.他、Oncogene、14:2793〜2801、1997)を96ウェル組織培養プレートに播種した。NCI多様性セット化合物5μMで処理後、細胞増殖をCellTiter96 One SolutionProliferationキット(Promega社製)で検出した。AKT2形質転換NIH3T3細胞の増殖は阻害するが、LXSN形質移入NIH3T3細胞は阻害しない化合物を、Akt阻害剤候補と見なし、更に分析を行った。
in vitroタンパク質キナーゼ、細胞生存及びアポトーシスアッセイ
in vitroキナーゼは、文献(例えば、Jiang,K.、Coppola他、Mtg.Cell.Biol.、20:139〜148、2000)に記載の方法で実施した。細胞生存はMTS(Promega社製)で測定した。アポトーシスは、アネキシンVで検出され、文献(Jiang,K.、 Coppola他、Mal.Cell.Biol.、20:139〜148、2000)に記載の方法で実施した。組換えAkt及びPDK1は、Upstate Biotechnology Inc.から購入した。
結果:
Akt情報伝達経路の小分子阻害剤、API−2の同定:
Aktの頻繁な変異がヒト癌で検出されているが、Akt経路を破壊することによってアポトーシスが誘導され、腫瘍増殖が阻害される(Jetzt,A.他、Cancer Res.、63:697〜706、2003)。従って、Aktは、新規癌治療薬の開発において魅力的な分子標的と考えられている。Aktの小分子阻害剤を同定するために、NCI(NCI多様性セット)から得た1992種の化合物の化学ライブラリーについて、AKT2形質転換NIH3T3細胞の増殖を阻害できるが、空ベクターLXSN形質移入NIH3T3細胞の増殖は阻害できない薬剤であるかどうかを評価した。繰り返し実験により、32種の化合物がAKT2形質転換細胞の増殖のみを阻害することが示された。これらの中で最も能力の高い化合物、API−2(NCI識別子、NSC154020)は、50nMの濃度で細胞増殖を抑制した。図1Aは、トリシリビンとしても知られるAPI−2の化学構造を示す(Schweinsberg,P.D.他、Biochem Pharmacol.、30;2521〜2526、1981)。API−2が、形質転換されていない親細胞よりも、AKT−2で形質転換された細胞を選択的に阻害するという事実は、API−2がAKT2キナーゼの阻害剤であるかどうかの決定を促した。この目的を達成するために、抗AKT2抗体を用いて、AKT2をAKT−2形質転換NIH3T3細胞から免疫沈降させ、その後、API−2で処理した。AKT2免疫沈降を抗リン酸Akt抗体で免疫ブロットした。図1Bに示されるように、API−2は、AKT2の完全な活性化に必要なスレオニン309及びセリン474の両方におけるAKT二リン酸化を著しく阻害した(Datta,S.R.他、Genes Dev.13:2905〜2927、1999)。Aktの3個のアイソフォームは相同性が高く、構造が類似していることから、これらのキナーゼ活性に対するAPI−2の作用を評価した。HEK293細胞をHA−Akt1、HA−AKT2、及びHA−AKT3で形質移入し、一晩血清欠乏にして、EGF(50ng/ml)刺激の前に60分間、API−2で処理した。3種の実験により、API−2がEGF誘導性キナーゼ活性、及びAkt1、AKT2及びAKT3のリン酸化を抑制することが示された(図1C)。しかし、常時活性型組換えAKT−2(Myr−AKT2)のキナーゼ活性は、in vitroキナーゼ反応ではAPI−2によって阻害されなかった(図1D)。これにより、API−2がAktをin vitroでは直接阻害しないこと、及び、API−2はATPの競合相手として機能しないだけでなく、Aktの活性部位に結合する基質の競合相手としても機能しないことが示唆された。
APT−2は、Aktの公知の上流の活性化因子を阻害しない:
Aktは、細胞外刺激、及び細胞内シグナル分子(活性型Ras、Src等)によって、PI3Kに依存して活性化されることが報告されている。従って、AktのAPI−2による阻害は、Aktの上流分子を標的とした結果である可能性がある。PI3K及びPDK1は、Aktの上流制御因子を標的とする(Datta,S.R.他、Genes Dev.13:2905〜2927、1999)ことから、API−2がPI3K及び/又はPDK1を阻害するかどうかを調べた。HEK293細胞を血清欠乏にした後、EGF刺激の前に30分間、API−2、又はPI3阻害剤ウォルトマンニン(wortmannin)で処理した。PI3Kを抗p110α抗体で免疫沈降させた。この免疫沈降物について、基質としてPI−4−Pを用いて、in vitro PI3Kキナーゼアッセイを行った。図2Aに示されるように、EGF誘導性PI3K活性はウォルトマンニンでは阻害されたが、API−2では阻害されなかった。PDK1に対するAPI−2の作用を評価するために、組換えPDK1がAKT2ペプチドのスレオニン309リン酸化を促進するアッセイを、ホスファチジルイノシトール含有脂質小胞の存在下で行った。図2Bに示されるように、このアッセイは、対照PDK1阻害剤スタウロスポリンによって潜在的に阻害された(IC50=5nM)。対照的に、API−2は、試験した最高濃度(5.1μM)でも、21%の阻害しか示さなかった。これらのデータは、API−2がPDK1の潜在的阻害剤ではないことを示している。PDK1活性化に対するAPI−2の効果を更に評価するために、それ自体によってリン酸化され、活性に必須である残基、セリン241におけるPDK1の自己リン酸化レベルを評価し(Datta,S.R.他、Genes Dev.13:2905〜2927、1999)、その後、HEK293細胞をAPI−2で処理した。3回の実験により、PDK1のリン酸化レベルはAPI−2によって阻害されないことが示された(図2B)。しかし、予測通り、PI3K阻害剤ウォルトマンニンは、EGFで刺激されたPDK1を阻害した(図2B)。
API−2は、PKC、PKA、SGK、STAT、JNK、p38及びERK情報伝達経路よりもAkt情報伝達経路に対して選択性が高い:
Aktは、AGC(PKA/PKG/PKC)キナーゼファミリーに属する。このファミリーにはまた、PKA、PKC、血清及びグルココルチコイド誘導性キナーゼ(SGK)、p90リボソームS6キナーゼ、p70S6K、マイトジェン及びストレス活性化タンパク質キナーゼ及びPKC関連キナーゼが含まれる。AGCキナーゼファミリーの中で、PKA、PKC及びSGKのタンパク質構造は、他のメンバーに比べて、Aktキナーゼにより近い。そこで、次に、これらの3種のキナーゼの酵素活性に対するAPI−2の作用を調べた。HEK293細胞をHAタグPKA、PKC又はSGKで形質移入した。in vitroキナーゼアッセイ及び免疫ブロッティング分析により、PKA及びPKCαのキナーゼ活性が、それぞれPKAI及びRo 31−8220(PKC阻害剤)によって阻害されるが、API−2はそれらの活性に何ら影響を及ぼさないことが示された(図2C及び図2E)。更に、血清誘導性SGKキナーゼ活性は、ウォルトマンニンによって減弱するが、API−2によっては減弱しなかった(図2D)。更に、API−2が他の癌遺伝子生存経路に影響を及ぼすかどうかを決定した。市販の抗リン酸抗体によるウェスタンブロッティング分析により、Stat3、JNK、p38及びErk1/2のリン酸化レベルは、API−2処理の影響を受けないことが明らかになった(図2F)。これらのデータは、API−2が特異的にAkt情報伝達経路を阻害することを示している。
API−2はAkt過剰発現/活性化ヒト癌細胞株において細胞増殖を抑制し、アポトーシスを誘導する:
API−2がAkt経路を選択的に阻害することができるという事実は、API−2が、Aktが異常に発現/活性化している腫瘍細胞の増殖を選択的に阻害し、且つ/又はそのアポトーシスを誘導することを示唆する。ヒト悪性腫瘍におけるAktの活性化は、通常、Aktの過剰発現又はPTEN変異から生じるので、API−2は、AKTの過剰発現(OVCAR3、OVCAR8、PANC1及びAKT2形質転換NIH3T3)又はPTEN遺伝子の変異(PC−3、LNCaP、MDA−MB−468)によって常時活性型Aktを発現する細胞、及びそれを発現しない細胞(OVCAR5、DU−145、T47D、COLO357及びLXSN−NIH3T3)、並びにIGF−1によって活性化されてAktを活性化するが、IGF−1による増殖刺激には応答しない黒色腫細胞を治療するのに用いられる(Satyamoorthy,K.他、Cancer Res.61:7318〜7324、2001)。免疫ブロッティング分析により、Aktを強く発現しているか、又はIGF−1刺激に応答している細胞においてのみ、Aktのリン酸化レベルがAPI−2によって阻害されることが示された(図3A)。すなわち、API−2は、Aktを過剰発現/活性化している細胞では、Aktのレベルが低い細胞に比べてはるかに強い程度で細胞増殖を阻害した。図3Bに示されるように、API−2処理は、Aktを過剰発現/活性化している細胞株、すなわち、LNCaP、PC−3、OVCAR3、OVCA8、PANC1、MDA−MB−468及びWM35において細胞増殖を約50〜60%阻害したが、Aktの発現レベルが低いか、又はIGF−1による増殖刺激に応答しないDU145、OVCAR5、COLO357、T47D及びWM852細胞では約10〜20%しか阻害しなかった。更に、API−2は、アポトーシスを8倍(OVCAR3)、6倍(OVCAR8)、6倍(PANC1)及び3倍(AKT2−NIH3T3)誘導した。OVCAR5、COLO357及びLXSN−NIH3T3細胞では、API−2処理及びビヒクル(DMSO)処理の間で、アポトーシスの有意な差が認められなかった。このように、API−2は、異常なAktを発現する細胞において選択的に、細胞増殖を阻害し、アポトーシスを誘導する。
タキソールを併用したAPI−2は相乗的にAkt過剰発現/活性化ヒト癌細胞株において細胞増殖を抑制し、アポトーシスを誘導する:
API−2及びタキソールがAkt経路を選択的に阻害することができるという事実は、それが、Aktが異常に発現/活性化している腫瘍細胞の増殖を選択的に阻害し、且つ/又はそのアポトーシスを誘導することを示唆する。ヒト悪性腫瘍におけるAktの活性化は、通常、Aktの過剰発現又はPTEN変異から生じるので、API−2及びタキソールの併用は、AKTの過剰発現(OVCAR3、OVCAR8、PANC1及びAKT2形質転換NIH3T3)又はPTEN遺伝子の変異(PC−3、LNCaP、MDA−MB−468)によって常時活性型Aktを発現する細胞、及びそれを発現しない細胞(OVCAR5、DU−145、T47D、COLO357及びLXSN−NIH3T3)、並びにIGF−1によって活性化されてAktを活性化するが、IGF−1による増殖刺激には応答しない黒色腫細胞を治療するのに用いられる(図3A)。API−2及びタキソールは、Aktを過剰発現/活性化している細胞では、Aktのレベルが低い細胞に比べてはるかに強い程度で細胞増殖を阻害した。図9に示されるように、API−2/タキソール処理は、Aktを過剰発現/活性化している細胞株、すなわち、LNCaP、PC−3、OVCAR3、OVCA8、PANC1、MDA−MB−468及びWM35において細胞増殖を約50〜60%阻害したが、Aktの発現レベルが低いか、又はIGF−1による増殖刺激に応答しないDU145、OVCAR5、COLO357、T47D及びWM852細胞では約10〜20%しか阻害しなかった。このように、API−2及びタキソールは、細胞成長を相乗的に阻害し、異常なAktを発現する細胞において優先的に、細胞増殖を阻害し、アポトーシスを誘導する。
API−2はAktの下流標的を阻害する:
Aktは、いくつかのタンパク質のリン酸化によってその細胞作用を発揮することが示されている(Data,S.R.他、Genes Dev.13:2905〜2927、1999)。フォークヘッドタンパク質ファミリーのメンバー(FKHR、AFX及びFKHRL1)、ツベリン/TSC2、p70S6K、GSK−3β、p21WAF1/Cip1、p27kip1、MDM2、Bad、ASK1、IKKα等を含む20個を上回るタンパク質がAkt基質として同定されている。次に、API−2がAktの下流標的を阻害するかどうかを調べた。抗リン酸−ツベリン、抗リン酸−Bad、抗リン酸−AFX、及び抗リン酸−GSK−3β抗体が市販されているので、Aktによって誘導されるそれらのリン酸化に対するAPI−2の作用を測定した。API−2(1μM)で処理した後、OVAR3細胞を溶解し、個々の抗リン酸抗体で免疫ブロットした。図4Aは、ツベリンの安定化及びアップレギュレーションをもたらすツベリンのリン酸化レベルがAPI−2によってかなり阻害されることを示している(Dan,H.C.他、J.Biol.Chem.、277:35364〜35370、2002)。Bad、GSK−3β及びAFXのリン酸化レベルは、API−2によって部分的に低減した。これらのデータは、API−2が、その下流標的のリン酸化を阻害することによって細胞死及び細胞増殖停止を誘導することを示唆している。Akt下流標的のAPI−2による様々な程度の阻害は、これらの標的のリン酸化部位が他のキナーゼによっても制御されているという事実(例えば、Badセリン136は、Aktの他に、PAK1によってもリン酸化される。)によるものである可能性がある(Schurmann,A.他、Mal.Cell.Biol.、20:453〜461、2000)。
(実施例2 ヌードマウス腫瘍異種移植モデルにおける抗腫瘍活性)
腫瘍細胞を収集し、PBSに懸濁して、文献(Sun,J.、Blaskovic他、Cancer Res、59:4919〜4926、1999)に記載の方法で、8週齢雌ヌードマウスの左右脇腹に皮下(s.c.)注射した(2×106細胞/脇腹)。腫瘍が約100〜150mm3に達した時点で、動物を無作為化して、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又はその関連化合物、及び/又はタキサンのビヒクル0.2mlを毎日、腹腔内(i.p.)投与した。対照動物にはDMSO(20%)ビヒクルを与え、他方、処置動物には、20%DMSOに溶解したAPI−2(1mg/kg/日)を注射した。
API−2は、Aktを過剰発現するヌードマウスにおいて腫瘍の増殖を阻害する:
ヒト卵巣癌及び膵臓癌では、しばしばAKT1及びAKT2の過剰発現/活性化及び/又は増幅が観察されている(Cheng,J.Q.、及びNicosia,S.V.、AKT signal transduction pathway in oncogenesis、In Schwab D、Editor、Encyclopedic Reference of Cancer、Berlin Heidelberg and New York:Springer、2001、pp35〜7)。PI3K、HSP70、Src及びファルネシルトラスフェラーゼの阻害剤でAkt経路を阻害すると、細胞増殖停止及びアポトーシス誘導が引き起こされる(Solit,D.B.他、Cancer Res.、63:2139〜2144、2003;Xu,W.他、Cancer Res.、63:7777〜7784、2003)。最近の研究で、Aktが増加している異種移植片の腫瘍増殖もまた、ドミナントネガティブAKtのアデノウイルスを腫瘍内に注射することによって著しく阻害されることが示された(Jetzt,A.他、Cancer Res.、63:697〜706、2003)。API−2は、Aktレベルの高い癌細胞においてのみAkt情報伝達を阻害し、アポトーシス及び細胞増殖停止を誘導する(図3)ので、Aktレベルの高い腫瘍の増殖は、ヌードマウスにおいて、Aktレベルの低い腫瘍の増殖と比較して、API−2に対して感受性が高いはずである。この目的のために、s.c.Akt過剰発現細胞(OVCAR3、OVCAR8及びPANC−1)をマウスの右脇腹に皮下(s.c.)移植し、Aktの発現レベルが低い細胞株(OVCAR5及びCOLO357)を左脇腹に移植した。この腫瘍の平均の大きさが約100〜150mm3に達した時点で、動物を無作為化し、ビヒクル又はAPI−2(1mg/kg/日)のいずれかで腹腔内(i.p.)処理した。図4Bに示されるように、ビヒクルで処理したOVCAR−5及びCOLO357腫瘍は、腫瘍移植後49日目に約800〜1000mm3に増殖した。ビヒクル対照で処理したOVCAR3、OVCAR8及びPANC1腫瘍は、腫瘍移植後49日目に約700〜900mm3に増殖した。API−2は、OVCAR3、OVAR8及びPANC1の腫瘍増殖を、それぞれ90%、88%、及び80%阻害した。対照的に、API−2は、ヌードマウスにおいて、OVCAR5及びCOLO357細胞の増殖にはほとんど影響を与えなかった(図4B〜図4D、データは示さず)。1mg/kg/日の用量では、API−2は、マウスの血中グルコース濃度、体重、活動性及び食餌摂取に影響を及ぼさなかった。処理された腫瘍試料では、Akt総含有量が変化することなく、Akt活性がAPI−2によって阻害された(図4E)。まとめると、これらの結果は、API−2が、Aktレベルの高い腫瘍の増殖を選択的に阻害することを示している。
(実施例3 TCNは野生型Aktキナーゼ活性を直接阻害する)
API−2(TCN)は、in vitroでPDK1によって誘導される野生型Aktキナーゼ活性を直接阻害することができる(図1)。この結果は、API−2が直接的なAkt阻害剤であること、並びに、基礎となるメカニズムが、AktのPHドメイン及び/又はスレオニン308に対するAPI−2の結合である可能性があること、を支持するものである。in vitroキナーゼアッセイは、ホスファチジルイノシトール−3,4,5−P3(PIP3)、API−2、及び基質であるヒストンH2Bを含有するキナーゼ緩衝液中において、PDK1及びAktの組換え体を用いて実施した。30分間インキュベートした後、反応物をSDS−PAGEによって分離し、フィルムに曝露した。
(実施例4 TCNは癌耐性細胞において有効である)
TCN(API−2)の作用を、シスプラチン、パクリタキセル及びタモキシフェン耐性のA270CP、C13、OVCAR433及びMCF/TAM細胞で試験した。これらの細胞において、API−2は、シスプラチン、パクリタキセル及びタモキシフェン耐性を克服した。
本発明を、好ましい実施形態を参照して説明した。本発明の改変及び変更は、上述の本発明の詳細な説明から当業者には明らかであろう。これらの改変及び変更はすべて、本発明の範囲内に含まれるものとする。
(実施例5 TCNは、トラスツズマブによって成長阻害を増し、アポトーシスを誘導する)
材料と方法:
細胞株と細胞培養:
腫瘍化BT474.m1亜系統をFBS8−10%を含むダルベッコ変法イーグル培地:ハムF12培地(1:1)中で培養した。
抗体と試薬:
トラスツズマブはGenentech社(San Francisco, CA)からの贈呈である。RAD001(エベロリムス)はNovartis社(East Hanover,NJ)からの贈呈である。QLT0267及びKP372-1はQLT Inc. 社(Vancouver,BC) からの贈呈である。トリシリビン(6-アミノ-4-メチル-8-((3-D-リボフラノシル)-4H,8H-ピロロ[4,3,2-de]ピリミド[4,5-c] ピリダジン)はBerry & Associates, Inc.社 (Ann Arbor,MI)より購入した。エデルフォシンは、Calbiochem社(San Diego,CA)から購入した。選択的Akt阻害剤である4ADPIB(4-アミノ-2-(3,4-ジクロロ-フェニル)-N-(1H-インダゾール-5-イル)-ブチラミド)は合成した(米国特許第6,919340)。PTEN抗体は、Santa Cruz Biotechnology(Santa Cruz, CA)社製を用いた。3−アクチン抗体はSigma(St.Louis, MO)社製を用いた。他のすべての抗体は、Cell Signaling Technology(Danvers,MA)社から購入した。
PTENアンチセンス及び非特異オリゴヌクレオチドの形質移入:
PTENに特異的なアンチセンス(AS)オリゴヌクレオチド、及び対照の非特異(NS)オリゴヌクレオチドの形質移入は文献(Nagata Y.et al.,Cancer cell,2004. 6(2): p.117-27)に従って実施した。
細胞増殖アッセイ:
PTEN AS/NSを形質移入したBT474.m1細胞を、2500細胞/0.32cm2ウェル播種した。細胞に対してAkt/mTOR経路阻害剤を単独で、又はトラスツズマブと併用して5日間処理し、CellTiter 96 AQ非放射性細胞増殖アッセイキットを用い、メーカーの手順書(Promega社, Madison,WI)に従って、生存細胞をMTSアッセイによって測定した。処理した細胞について、DMSOで処理したBT474.m1細胞と比較して、成長阻害率を計算した。
APO-BRDU タネルアッセイ:
PTEN AS及びNSを形質移入したBT474.m1細胞を6ウェルプレートに播種した(4-6×105細胞/ウェル)。細胞を播種してから24時間後に、細胞をトラスツズマブ、TCN、及び/又はRAD001で処理した。浮遊及び付着している細胞を収集し、標識し、APO-BRDU(登録商標)タネルアッセイキット(Phonix Flow Systems社, Sandiego, CA)を用い、メーカーの手順書に従って染色した。データを集めて、FACS can flow cytometer及びCell Quest Pro4.02 software(Becton Dickinson社,Franklin Lakes,NJ)を用いて分析した。少なくとも10,000のデータについて分析した。
SDS-PAGE及び免疫ブロッティング分析:
PTEN AS/NSオリゴヌクレオチドで形質移入した細胞を所定処理した。文献(Nagata Y.et al.,Cancer cell,2004. 6(2): p.117-27)に従って、免疫ブロッティング分析を実施した。
結果:
トリシリビン及びRAD001はPTEN欠損細胞において、トラスツズマブの併用によって成長阻害を増強させる。トラスツズマブ耐性、特にPTEN欠損によって引き起こされる耐性を克服する方策を見出すために、ErbB2の過剰発現及びPTEN欠損によって活性化される主経路であるPI3K/Akt/mTOR情報伝達経路を直接的又は間接的に標的とする6個の異なる小分子阻害剤について試験した。目的は、毒性を最小化するために、好ましくは少ない化合物量で、トラスツズマブとの相乗効果を示す化合物を特定することであった。Akt、mTOR及びインテグリン結合キナーゼ(ILK)を標的とする薬剤を選択した(図10A)。BT474.m1細胞は、BT474乳癌細胞株の腫瘍亜系統であり、高レベルのErbB2を発現する。PTENアンチセンスオリゴヌクレオチド(PTEN AS)の形質移入によってPTENレベルが減少したとき、BT474.m1乳癌細胞は、PTENが正常レベルの細胞に比して、トラスツズマブの抗増殖効果に対してより大きい耐性を示し、PTEN欠損によってトラスツズマブ耐性が引き起こされる乳癌のための良い実験モデルを提供する(Nagata Y.et al.,Cancer cell,2004. 6(2): p.117-27、及び図9B、図9C).。対照として、非特異オリゴヌクレオチド(NS)を形質移入した。PTEN ASオリゴヌクレオチドを用いた処理では、PTENレベルが効果的に低減した(図12A及び12B)。PTEN ASとNS対照のいずれのオリゴヌクレオチドも、細胞のErbB2レベルは変えなかった。
PTEN AS及びNSで形質移入したBT474.m1細胞を、6つの化合物あるいはトラスツズマブをそれぞれ単独、あるいはこれらを組み合わせて5日間処理し、DMSOで処理した対照と比較して、細胞増殖を評価した。生物学的終点としての成長阻害を採用し、各薬剤におけるトラスツズマブとの協同効果の可能性を、薬剤単独投与のときの-20-40%の成長阻害が見られる投与量でもって比較した(図10A)。
ほぼすべての化合物は成長阻害効果を示し、これは特にPTEN欠損のない細胞において高レベルであった(図10A)。しかしながら、2つの化合物、トリシリビン及びRAD001は、トラスツズマブあるいは他の化合物単独と比較して、トラスツズマブと併用したとき、PTEN AS細胞における成長阻害が顕著に高まった(図10A)。Akt活性を阻害する化合物であるトリシリビン(API−2とも呼ばれる)については、20倍以上の濃度範囲に渡って、トラスツズマブ併用によって成長阻害が増強した(図10B)。mTOR阻害剤であるRAD001(エベロリムス)は、RAD001の投与量が低レベル(<1nM)であるとき、トラスツズマブ併用によって成長阻害が増強した(図10C)。注目すべきに、トリシリビン及びRAD001は、PTEN AS及びNS細胞において同様のレベルで細胞成長阻害に対してトラスツズマブと協同することができた(図10B及び図10C)。本質的に、トリシリビン及びRAD001は、PTEN欠損細胞に対するトラスツズマブ感性を修復することができた。トリシリビン及びRAD001はまた、それぞれ単一薬剤としては、PTEN AS及びNS細胞のいずれにおいてもトリシリビン5mM超及びRAD001 1.5nM超の投与量で、効果的であった(図10B及び10C)。
第3の化合物であるILK阻害剤QLT0267については、狭い投与量の範囲(-5-15pM)内において、トラスツズマブ併用によって成長増強が増強した(図10A)。QLT0267については、トラスツズマブとの協同効果を示す投与量の範囲が狭かったため、この化合物についてはそれ以上の調査は実施しなかった。QLT0267は20pM超の濃度ではトラスツズマブとの協同効果を示さなかったが、単一薬剤としては有意に細胞成長を阻害した。
併用療法によるアポトーシスの誘導:
アポトーシスによる成長阻害を評価するために、PTEN AS及びNSで形質移入したBT474.m1細胞を、トリシリビン、RAD001、及びトラスツズマブをそれぞれ単独で、あるいはこれらを組み合わせて処理し、アポトーシスのレベルを定量した(図10)。RAD001は、それ単独あるいはトラスツズマブ併用のいずれにおいても、アポトーシスを有意に誘導しなかった。トラスツズマブあるいはトリシリビン単独では、タネル陽性のアポトーシス細胞はやや増加したが、これは統計学的に有意なものではなかった。しかしながら、トリシリビンとトラスツズマブの併用は、PTEN AS及びNSで形質移入したいずれの細胞においても、他のすべての処理に比して、アポトーシスを有意に誘導した(図11)。
(実施例6:TCNはAkt活性及び下流情報伝達分子のmTORを阻害する)
免疫ブロッティング分析によって、トリシリビン及びRAD001が、Akt活性化、及びErbB2によって活性化される重要な情報伝達分子であり、トリシリビン及びRAD001それぞれの標的であるmTORを阻止することを確かめた。Thr308及びSer473におけるAktのリン酸化をAkt活性の指標として分析し、mTOR活性をmTORの標的であるp70S6K(70-kDaリボソームタンパクS6キナーゼ)のリン酸化で評価した。トリシリビン処理後、いずれの部位においてもAktのリン酸化は実質的に減少した (図12A)。PTEN欠損細胞において、トリシリビン及びトラスツズマブの併用療法によるAktリン酸化のレベルはPTEN欠損のない細胞と同様であった(図12A、レーン4及び8)。すなわち、トリシリビンは、効果的にAkt活性を阻止することによってPTEN欠損の有害作用を克服した。RAD001はp70S6Kのリン酸化を劇的に阻止した (図12B)。しかしながら、トラスツズマブと併用したRAD001は、それ単独以上にはp70S6Kのリン酸化を低減させなかった(図12B)。近年、RAD001のようなmTOR阻害剤を用いた療法によって、Aktのリン酸化及び活性化が起こるフィードバックループが見い出された (O'Reilly K.E.et al.,Cancer Res,2006. 66(3): p.1500-8)。また、mTOR阻害によるAkt活性化は上流受容体であるチロシンキナーゼに依存するという考え(O'Reilly K.E.et al.,Cancer Res,2006. 66(3): p.1500-8)に矛盾しないで、RAD001、及びRAD001とトラスツズマブの併用療法によるAktのフィードバック活性が、このフィードバックループによるAktリン酸化を低減することが観察された(図12B、レーン3と4)。要するに、いずれの薬剤についても予想される標的キナーゼを阻害するが、いかなる単独薬剤よりも併用療法では、PTEN欠損細胞においてさえ、Akt/mTOR情報伝達経路においてより大きな阻害効果を有した。
(実施例7 TCN及びトラスツズマブはPTEN欠損腫瘍において腫瘍増殖を阻害する)
材料と方法:
SCIDマウスにおける異種移植ヒト腫瘍モデル:
重症複合免疫不全症(SCID)の6週年齢雌マウスをTaconic Farms社(Hudson,NY)から得た。腫瘍異種移植は、文献(Nagata Y.et al.,Cancer cell,2004. 6(2): p.117-27)の記載に従って実施した。異種移植腫瘍の平均の大きさが約100〜150mm3に達した時点で、マウスは各グループあたり7匹のマウスからなり、腫瘍の大きさがほぼ同等の6グループに分け、以下の処理を実施した。各マウスに対して、PTENアンチセンス(30pg)オリゴヌクレオチドを腫瘍内注射によって毎週投与した。PTEN ASオリゴヌクレオチド投与後1週間後を薬剤治療開始とした。トラスツズマブを、腫瘍内注射によって、週に2度、200pL生理食塩水を用い、0.5mg/kgの投与量で複数の部位に投与した。トリシリビンを、腹腔内(I.P.)注射によって、200pL 20%DMSO生理食塩水溶液を用い、0.5mg/kg/日の投与量で投与した。RAD001を週に2度、胃管栄養によって、500pLの5%グルコース水を用い、1pg/kgの投与量で投与した。20%DMSO生理食塩水溶液(200pL/日)を腹腔内(I.P.)注射によって投与した。週に2度、測径器を用いて腫瘍を測定し、腫瘍体積を体積=長さ×幅2/2として、計算した。
統計分析:
Graph Pad Prism 3.0 for Windows(Graph Pad Software社, Sandiego, CA)を用いて、一元配置分散分析を実施した。
結果:
先の生物学的分子データは非常に有為であるが、in vivoの研究は治療効果にとって最も厳密な試験である。したがって、トリシリビン及びRAD001について、in vivoで試験した。BT474.m1異種移植細胞をSCID6週齢雌マウスの乳房の脂肪パッドに移植した。腫瘍が形成された後、マウスにPTEN ASを毎週、腫瘍内注射によって投与した。この実験計画は、in vivoにおけるPTEN欠損腫瘍の文献(Nagata Y.et al.,Cancer cell,2004. 6(2): p.117-27)を事実上モデルにしている。マウスは無作為に、トリシリビン、RAD001、トラスツズマブ、あるいはDMSO単独、あるいはこれらを組み合わせて投与するグループに分けた。治療後、DMSO、トラスツズマブ、RAD001、あるいはトリシリビンそれぞれ単独で処理した腫瘍の成長パターンは同様であった。(図13A及び13B)。腫瘍成長は阻害されておらず、大きな腫瘍のためにマウスを3週間後に安楽死させた。これに対して、トリシリビン及びトラスツズマブを用いた併用療法では、劇的にかつ有意に腫瘍増殖を阻害した(図13A)。腫瘍の多くは実際に大きさが小さくなり、7匹のマウス中4匹は5週間の治療後に明確な腫瘍が見られなかった。RAD001及びトラスツズマブを用いた治療では、RAD001あるいはトラスツズマブそれぞれ単独に比して、相対的に腫瘍成長が遅かった(図13B)。すなわち、トラスツズマブのトリシリビン又はRAD001との併用は、in vivoにおいて、PTEN欠損ヒト乳癌異種移植片におけるErbB2の過剰発現を効果的に阻害した。
本発明を、好ましい実施形態を参照して説明した。本発明の改変及び変更は、上述の本発明の詳細な説明から当業者には明らかであろう。これらの改変及び変更はすべて、本発明の範囲内に含まれるものとする。
免疫ブロッティング分析によって、トリシリビン及びRAD001が、Akt活性化、及びErbB2によって活性化される重要な情報伝達分子であり、トリシリビン及びRAD001それぞれの標的であるmTORを阻止することを確かめた。Thr308及びSer473におけるAktのリン酸化をAkt活性の指標として分析し、mTOR活性をmTORの標的であるp70S6K(70-kDaリボソームタンパクS6キナーゼ)のリン酸化で評価した。トリシリビン処理後、いずれの部位においてもAktのリン酸化は実質的に減少した(図12A)。PTEN欠損細胞において、トリシリビン及びトラスツズマブの併用療法によるAktリン酸化のレベルはPTEN欠損のない細胞と同様であった (図12A、レーン4及び8)。すなわち、トリシリビンは、効果的にAkt活性を阻止することによってPTEN欠損の有害作用を克服した。RAD001はp70S6Kのリン酸化を劇的に阻止した(図12B)。しかしながら、トラスツズマブと併用したRAD001は、それ単独以上にはp70S6Kのリン酸化を低減させなかった(図12B)。近年、RAD001のようなmTOR阻害剤を用いた療法によって、Aktのリン酸化及び活性化が起こるフィードバックループが見い出された (O'Reilly K.E.et al.,Cancer Res,2006. 66(3): p.1500-8)。また、mTOR阻害によるAkt活性化は上流受容体であるチロシンキナーゼに依存するという考え(O'Reilly K.E.et al.,Cancer Res,2006. 66(3): p.1500-8)に矛盾しないで、RAD001、及びRAD001とトラスツズマブの併用療法によるAktのフィードバック活性が、このフィードバックループによるAktリン酸化を低減することが観察された(図12B、レーン3と4)。要するに、いずれの薬剤についても予想される標的キナーゼを阻害するが、いかなる単独薬剤よりも併用療法では、PTEN欠損細胞においてさえ、Akt/mTOR情報伝達経路においてより大きな阻害効果を有した。
(実施例8 ヌードマウスの異種移植腫瘍モデルにおける抗腫瘍活性)
腫瘍細胞を収集し、PBSに懸濁して、文献(Sun,J.、Blaskovic他、Cancer Res、59:4919〜4926、1999)に記載の方法で、8週齢雌ヌードマウスの左右脇腹に皮下(s.c.)注射した(2×106細胞/脇腹)。腫瘍が約100〜150mm3に達した時点で、動物を無作為化して、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又はアントラサイクリン誘導体のビヒクル0.2mlを毎日、腹腔内(i.p.)投与した。対照動物にはDMSO(20%)ビヒクルを与え、他方、処置動物には、20%DMSOに溶解したAPI−2(1mg/kg/日)を注射した。
(実施例9 ヌードマウスの異種移植腫瘍モデルにおける抗腫瘍活性)
腫瘍細胞を収集し、PBSに懸濁して、文献(Sun,J.、Blaskovic他、Cancer Res、59:4919〜4926、1999)に記載の方法で、8週齢雌ヌードマウスの左右脇腹に皮下(s.c.)注射した(2×106細胞/脇腹)。腫瘍が約100〜150mm3に達した時点で、動物を無作為化して、TCN、TCN-P、TCN-PM、及び/又は関連化合物、及び/又は1以上の白金化合物のビヒクル0.2mlを毎日、腹腔内(i.p.)投与した。対照動物にはDMSO(20%)ビヒクルを与え、他方、処置動物には、20%DMSOに溶解したAPI−2(1mg/kg/日)を注射した。
API−2は、Aktを過剰発現するヌードマウスにおいて腫瘍の増殖を阻害する:
ヒト卵巣癌及び膵臓癌では、しばしばAKT1及びAKT2の過剰発現/活性化及び/又は増幅が観察されている(Cheng,et al.,AKT signal transduction pathway in oncogenesis、in Schwab D(ed)、Encyclopedic Reference of Cancer、Springer、pp35〜7)。PI3K、HSP70、Src及びファルネシルトラスフェラーゼの阻害剤でAkt経路を阻害すると、細胞増殖停止及びアポトーシス誘導が引き起こされる(Solit,et al.、2003、Cancer Res.、63:2139〜2144、Xu,et al.、2003、Cancer Res.、63:7777〜7784)。最近の研究で、Aktが増加している異種移植片の腫瘍増殖もまた、ドミナントネガティブAktのアデノウイルスを腫瘍内に注射することによって著しく阻害されることが示された(Jetzt,et al.、2003、Cancer Res.、63:697〜706)。API−2は、Aktレベルの高い癌細胞においてのみAkt情報伝達を阻害し、アポトーシス及び細胞増殖停止を誘導する(図3)ので、ヌードマウスにおいて、Aktレベルの高い腫瘍の増殖は、Aktレベルの低い腫瘍の増殖と比較して、API−2に対して感受性が高いはずである。この目的のために、Akt過剰発現細胞(OVCAR3、OVCAR8及びPANC−1)をマウスの右脇腹に皮下(s.c.)移植し、Aktの発現レベルが低い細胞株(OVCAR5及びCOLO357)を左脇腹に移植した。腫瘍の平均の大きさが約100〜150mm3に達した時点で、動物を無作為化し、ビヒクル又はAPI−2(1mg/kg/日)のいずれかで腹腔内(i.p.)処理した。図4Bに示されるように、ビヒクルで処理したOVCAR−5及びCOLO357腫瘍は、腫瘍移植後49日目に約800〜1000mm3に成長した。ビヒクル対照で処理したOVCAR3、OVCAR8及びPANC1腫瘍は、腫瘍移植後49日目に約700〜900mm3に成長した。API−2は、OVCAR3、OVAR8及びPANC1の腫瘍成長を、それぞれ90%、88%、及び80%阻害した。対照的に、API−2は、ヌードマウスにおいて、OVCAR5及びCOLO357細胞の成長にはほとんど影響を与えなかった(図4B〜図4D、データは示さず)。1mg/kg/日の用量では、API−2は、マウスの血中グルコース濃度、体重、活動性及び食餌摂取に影響を及ぼさなかった。処理された腫瘍試料では、Akt総含有量が変化することなく、Akt活性がAPI−2によって阻害された(図4E)。まとめると、これらの結果は、API−2が、Aktレベルの高い腫瘍の増殖を選択的に阻害することを示している。
(実施例10:TCNは、シスプラチン耐性の卵巣癌細胞におけるシスプラチン耐性を克服する)
シスプラチンに対して感受性のある卵巣癌細胞株であるA2780S及びOV2008、及び、これらのシスプラチン耐性誘導体であるA2780CP及びC13をそれぞれ、0、10、20、及び30μMのシスプラチンで処理し、シスプラチンからの生存細胞の割合で評価した。シスプラチン毒性に対する耐性は、A2780S及びC13の細胞株で確認された(図14A)。4つのすべての細胞から得られたライセートをSDS−PAGEによって分離し、リン酸化Akt及び全Aktに対する抗体を用いて分析した。シスプラチン耐性細胞株は、はるかに高いレベルでリン酸化Aktを内因性発現する(図14B)。
次に、TCNがシスプラチン耐性に対してどのような影響を有するか評価した。A2780CPとC13の卵巣癌細胞を、10μMのTCNあり又はなしの条件で0,5,10,及び20μMで処理し、その後、生存細胞を測定した。TCNの添加は、いずれの細胞株においてもシスプラチン耐性を有意に低下させた(図15)。C13細胞を、10μMのシスプラチンあり又はなしの条件で0,1,5,10,及び20μMのTCNで処理し、その後、生存細胞を測定した。TCNとシスプラチンの組み合わせは、相乗的に生存細胞を減少させた(図16)。
C13細胞をヌードマウスに皮下注射し、その後、ビヒクル(DMSO)、シスプラチンのみ(2mg/kg/日)、TCNのみ(2mg/kg/日)、又はTCN及びシスプラチンによる治療を実施した。4週間の間、毎週腫瘍を評価した。シスプラチンとTCNの併用は、腫瘍の成長と進行を抑える能力を向上させた(図17)。
(実施例11:TCNはmTOR阻害の効果を向上させる)
OV3細胞及びMCF7細胞を、mTOR阻害剤であるラパマイシン及びRAD001でそれぞれ24時間処理した。ライセートをSDS−PAGEによって分離し、ウェスタンブロッティングのために細胞膜に転写した。リン酸化Akt、全Akt、リン酸化p70S6K、及び全p70S6Kに対する抗体を用いて、細胞膜を試験した。OV3細胞に由来するライセートを含む細胞膜は、更にリン酸化FKHRL1と全FKHRL1に対する抗体を用いて試験した。mTOR阻害剤の使用は、いずれの細胞株においてもAkt経路の急速な活性化を引き起こす(図18)。
OV3細胞を、対照、ラパマイシン、又はラパマイシン及びTCNのいずれかで処理し、MCF7細胞を、対照、RAD001、又はRAD001及びTCNのいずれかで処理した。TCNは、p70S6K活性の増加を引き起こすことなく、mTOR阻害剤によるAktリン酸化の増加を顕著に減少させた(図19)。DU−145、MCF7、及びOV3細胞の成長速度を、対照、mTOR阻害剤、TCN、又はTCN及びmTOR阻害剤の存在下で6日間評価した。mTOR阻害剤による細胞の成長速度の阻害は、TCNによって向上した(図20)。
(実施例12:TCNはAurora-A誘導シスプラチン耐性を克服する)
Aurora-Aは、細胞周期の進行に関わるセリン/トレオニンキナーゼである。Aurora-Aのシスプラチン感受性に対する影響を調査した。A2780S細胞、A2780CP細胞、及びOV2008細胞に、空ベクター又はコード化したHAタグAurora-Aプロテインを形質移入した。Aurora-Aの発現は、SDS−PAGEによって分離され細胞膜に転写されたウェスタンブロッティングライセートによって確認された(図21、上図)。細胞の生存能力をパクリタキセル及びシスプラチンの存在下で評価した。Aurora-Aで形質移入したA2780S細胞及びOV2008細胞では、空ベクターのみで形質移入したA2780S細胞及びOV2008細胞よりも、生存能力の向上がみられた(図21)。
次に、Aurora-Aが、シスプラチンによって誘発されたアポトーシスの誘導に対してどのような影響を示すか評価した。A2780S細胞に空ベクター又はコード化したAurora-Aプロテインを形質移入した。その後、細胞をシスプラチンで処理した。免疫蛍光染色(図22A)は、Aurora-Aの発現がシトクロームcの遊離を阻害することを示している。Aurora-Aの導入によってAktのリン酸化及びAktキナーゼ活性が増加することが、ウェスタンブロット分析により明らかになった(図22B、図22C)。
次に、空ベクター又はAurora-Aで形質移入したA2780S細胞及びOV2008細胞を、シスプラチン、TCN、又はシスプラチン及びTCNのいずれかによって処理した。Aurora-Aを発現するA2780S細胞及びOV2008細胞の双方において、TCNの存在によって、シスプラチン耐性が顕著に減少することが示された(図23)。
本発明を、好ましい実施形態を参照して説明した。本発明の改変及び変更は、上述の本発明の詳細な説明から当業者には明らかであろう。これらの改変及び変更はすべて、本発明の範囲内に含まれるものとする。