JP2015063169A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Hiroshi Hamamoto
浩 濱本
康平 深渡瀬
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康平 深渡瀬
慶彦 大竹
Yoshihiko Otake
慶彦 大竹
晃 小森
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晃 小森
昂 松元
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昂 松元
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Abstract

【課題】暖房負荷が大きいときには高い暖房能力を得ることができるようにし、小さいときには通常のサイクルに戻してヒートポンプサイクルの高効率化を図る。【解決手段】下流側及び上流側車室内熱交換器31,32を設け、暖房負荷が大きいときには2段圧縮インジェクションサイクルとして下流側及び上流側車室内熱交換器31,32に冷媒を流す。暖房負荷が小さい場合には2段圧縮インジェクション用の気液分離器及び上流側車室内熱交換器32に冷媒を流さないようにする。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車に搭載する車両用空調装置に関するものである。
従来より、車両用空調装置に用いられるヒートポンプ装置のサイクル構成として、例えば特許文献1に開示されているように2段圧縮インジェクションサイクルが知られている。この2段圧縮インジェクションサイクルの圧縮機は、低圧側圧縮機構と高圧側圧縮機構とを備えており、低圧冷媒を低圧側圧縮機構で圧縮するとともに、気液分離器によって分離されたガス冷媒(中間圧冷媒)を圧縮行程の途中にある冷媒に合流させ、低圧側圧縮機構で圧縮された冷媒と一緒に高圧側圧縮機構で圧縮するように構成されており、これにより、サイクルの成績係数(COP)の向上を図っている。
特許文献1のヒートポンプ装置では、車室内において送風空気の流れ方向上流側と下流側とに配置される2つの車室内熱交換器を備えている。そして、極低外気時のように暖房負荷が大きいときの暖房運転モードでは、上述の2段圧縮となるように冷媒を流すとともに、下流側の車室内熱交換器に冷媒を流して放熱させ、上流側の車室内熱交換器には冷媒を流さないようにしている。一方、暖房負荷が小さいときの暖房運転モードでは、中間圧冷媒が圧縮機に流入しないように冷媒を流して2段圧縮とせず、また、下流側の車室内熱交換器に冷媒を流して放熱させ、上流側の車室内熱交換器には冷媒を流さないようにしている。
国際公開第2012/108211号公報
ところで、特許文献1では、空気流れ方向に上流側車室内熱交換器及び下流側車室内熱交換器の2つの熱交換器が配置されている。しかしながら、暖房運転モードのときには暖房負荷が大きい場合、及び小さい場合の両方で、下流側車室内熱交換器にしか高温冷媒を流さないので、上流側車室内熱交換器が有効に利用されず、特に暖房負荷が大きいときに高い暖房能力が得られないことが考えられる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、暖房負荷が大きいときには高い暖房能力を得ることができるようにし、小さいときにはヒートポンプサイクルのより一層の高効率化を図ることにある。
上記目的を達成するために、本発明では、第1及び第2車室内熱交換器を設け、暖房負荷が大きいときには2段圧縮インジェクションサイクルとして第1及び第2車室内熱交換器に冷媒を流し、暖房負荷が小さい場合には2段圧縮インジェクションサイクル用の気液分離器及び第2車室内熱交換器に冷媒を流さないようにした。
第1の発明は、
冷媒を圧縮する圧縮機と、
上記圧縮機の吐出部から吐出された冷媒が流入する第1車室内熱交換器と、
上記第1車室内熱交換器から流出した冷媒が流入する第2車室内熱交換器と、
上記第1車室内熱交換器及び上記第2車室内熱交換器に空調用空気を送風する送風機と、
上記第2車室内熱交換器の冷媒流れ上流側に配設される第1減圧弁と、
上記第2車室内熱交換器の冷媒流れ方向下流側に配設される車室外熱交換器と、
上記第2車室内熱交換器と上記車室外熱交換器との間に配設される第2減圧弁と、
上記第2車室内熱交換器と上記第2減圧弁との間に配設される気液分離器と、
上記気液分離器により分離されたガス冷媒を上記圧縮機の圧縮行程途中の冷媒に合流させる中間圧冷媒配管と、
上記第1車室内熱交換器と上記第1減圧弁との間の冷媒配管に接続され、上記第1車室内熱交換器から流出した冷媒を、上記第1減圧弁及び上記第2車室内熱交換器をバイパスさせて上記第2減圧弁に流すバイパス配管と、
上記第1車室内熱交換器と上記第1減圧弁との間に配設される冷媒流路切替部と、
上記第1減圧弁、上記第2減圧弁及び上記冷媒流路切替部を制御する空調制御装置とを備えたヒートポンプ装置を有する車両用空調装置において、
上記ヒートポンプ装置は、上記空調制御装置により、第1暖房運転モードと、第1暖房運転モード時よりも暖房負荷が小さいときに選択される第2暖房運転モードとを含む複数の運転モードに切り替えられるように構成され、
上記空調制御装置は、上記冷媒流路切替部を、第1暖房運転モード時に上記第1車室内熱交換器から流出した冷媒を上記第2車室内熱交換器に流入させるように制御する一方、第2暖房運転モード時に上記第1車室内熱交換器から流出した冷媒を上記バイパス配管に流入させるように制御するように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、暖房負荷が大きいときには、ヒートポンプ装置が第1暖房運転モードとなり、圧縮機の圧縮行程途中の冷媒に、気液分離器で分離されたガス冷媒が合流して圧縮されるので、2段圧縮インジェクションサイクルでの運転が行われる。さらに、第1暖房運転モードでは、第1車室内熱交換器から流出した冷媒が第2車室内熱交換器にも流入して伝熱面積が増え、暖房能力が高まる。一方、暖房負荷が小さいときには、ヒートポンプ装置が第2暖房運転モードとなり、第1車室内熱交換器から流出した冷媒をバイパス配管に流すことで、冷媒が、第1減圧弁、第2車室内熱交換器及び気液分離器をバイパスして流れるので、冷媒の圧力損失及び熱損失が小さくなる。これにより、凝縮圧力の低下による凝縮能力の低下が回避されるため、サイクルの高効率化が図られる。
また、第2減圧弁が車室外熱交換器の冷媒流れ方向上流側に配設されているので、第1暖房運転モードと第2暖房運転モードの両方で、車室外熱交換器に流入する前の冷媒の圧力を第2減圧弁によって調整することが可能になる。
また、第1減圧弁により冷媒圧力を中間圧まで減圧することで、第2車室内熱交換器では冷媒を凝縮することが可能になる。第2車室内熱交換器で凝縮された気液二相状態の冷媒が気液分離器でガス冷媒と液冷媒とに分離されて中間圧のガス冷媒が中間圧冷媒配管から圧縮機に流入して圧縮されることになる。
また、気液分離器で分離された中間圧の液冷媒が第2減圧弁に供給されるため、ガス冷媒が第2減圧弁に供給されることに起因する車室外熱交換器の吸熱量の低下を防止することが可能になる。
第2の発明は、第1の発明において、
上記ヒートポンプ装置は、冷房運転モードにも切り替えられるように構成され、
上記冷房運転モード時に上記第1車室内熱交換器から流出した冷媒を上記バイパス配管に流入させるように制御するように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、冷房運転モード時には、気液分離器をバイパスしたガス冷媒が車室外熱交換器に供給されるので、液冷媒が車室外熱交換器に供給されることに起因する凝縮性能の低下を防止することが可能になる。
第3の発明は、第1または2の発明において、
上記空調制御装置は、暖房負荷として要求暖房能力を算出し、要求暖房能力が所定値以上の場合、上記ヒートポンプ装置を第1暖房運転モードとする一方、要求暖房能力が所定値未満の場合、上記ヒートポンプ装置を第2暖房運転モードとするように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、要求暖房能力が所定値以上で高い場合には、第1暖房運転モード(2段圧縮インジェクションサイクル)として高い暖房能力が得られる。要求暖房能力が所定値未満で低い場合には、第2暖房運転モードとしてより高い効率が得られる。
第4の発明は、第3の発明において、
上記空調制御装置は、外気温度及び車室内への吹出空気温度と、上記第1車室内熱交換器の冷媒入口温度と、上記第1車室内熱交換器の冷媒出口温度と、上記圧縮機に吸入される冷媒温度とのうち、少なくとも1つに基づいて要求暖房能力を算出するように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、第1暖房運転モードと第2暖房運転モードの遷移が確実に、かつ、適切に行えるようになる。
第5の発明は、第1から4のいずれか1つの発明において、
上記第2減圧弁は、冷媒を減圧させる絞り状態から冷媒を減圧させない全開状態となるまで開度変化することを特徴とする。
この構成によれば、第2減圧弁を全開状態にすることにより、第2減圧弁を配設したことによる圧力損失を最小限にすることが可能になる。また、第2減圧弁をバイパスさせる回路や電磁弁等を別に配設する必要がなくなり、回路構成がシンプルになる。
第6の発明は、第1から5のいずれか1つの発明において、
上記空調制御装置は、第1暖房運転モード時に上記第1減圧弁を、冷媒を減圧させる絞り状態とし、該第1減圧弁の絞り量を、上記第2車室内熱交換器が放熱器として作用するように設定することを特徴とする。
この構成によれば、第1減圧弁の絞り量によって冷媒を中間圧とし、第2車室内熱交換器を放熱器とすることが可能になる。また、第1減圧弁の絞り量の調整により、第2車室内熱交換器にかかる冷媒圧力を所定以下にすることが可能になる。これにより、第2車室内熱交換器の耐圧強度及び繰り返し加圧強度を低く設定することが可能になる。
第7の発明は、第1から6のいずれか1つの発明において、
上記圧縮機には、低圧側圧縮機構及び高圧側圧縮機構が設けられ、該低圧側圧縮機構及び該高圧側圧縮機構の間に上記中間圧冷媒配管の下流側が接続されていることを特徴とする。
この構成によれば、圧縮機を二段昇圧式として圧縮比を高めることができるので、外気温度が極低温時に暖房能力の向上が可能となる。
第8の発明は、第1から7のいずれか1つの発明において、
上記車両用空調装置は、上記車室外熱交換器が吸熱器として作用した際に上記車室外熱交換器に霜が付着しているか否かを判定する着霜判定手段を備え、
上記空調制御装置は、上記着霜判定手段により上記車室外熱交換器に霜が付着していると判定された場合には、上記ヒートポンプ装置の運転モードを、上記圧縮機から吐出した高圧冷媒を上記第1車室内熱交換器に流した後、上記第2車室内熱交換器をバイパスさせて上記車室外熱交換器に供給する除霜運転モードに切り替えるように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、第1暖房運転モード及び第2暖房運転モード時に車室外熱交換器が着霜した場合に、圧縮機から吐出した高圧冷媒を、第2車室内熱交換器をバイパスさせて流すことで車室外熱交換器の除霜を素早く行うことが可能になる。
第9の発明は、第8の発明において、
上記空調制御装置は、除霜運転モード時に、第1暖房運転モード及び第2暖房運転モードに比べて上記第2減圧弁を開方向に制御するように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、車室外熱交換器に高温冷媒を早期に供給することが可能になる。
第10の発明は、第8または9の発明において、
上記空調制御装置は、上記ヒートポンプ装置の運転モードを第1暖房運転モード及び第2暖房運転モードから除霜運転モードに切り替える際、上記圧縮機の単位時間当たりの冷媒吐出量を第1暖房運転モード及び第2暖房運転モードよりも増加させるように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、第1暖房運転モード及び第2暖房運転モードから除霜運転モードに切り替える際に圧縮機の冷媒吐出量が増大するので、車室内への吹出空気温度の低下を抑制しつつ、除霜能力を十分に得ることが可能になる。
第11の発明は、第8から10のいずれか1つの発明において、
上記車両用空調装置は、上記第1車室内熱交換器を通過した空気と上記第2車室内熱交換器を通過した空気との混合割合を変更する温度調節ドアを備え、該温度調節ドアは上記空調制御装置により制御され、
上記空調制御装置は、上記ヒートポンプ装置の運転モードを第1暖房運転モード及び第2暖房運転モードから除霜運転モードに切り替える際、上記温度調節ドアを、車室内への吹出空気温度が上昇する側へ補正するように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、第1暖房運転モード及び第2暖房運転モードから除霜運転モードに切り替える際に車室内への吹出空気温度の低下が抑制される。
第12の発明は、第8から11のいずれか1つの発明において、
上記車両用空調装置は、空調用空気を加熱する電気式の空気加熱器を備え、
上記空調制御装置は、上記ヒートポンプ装置の運転モードを第1暖房運転モード及び第2暖房運転モードから除霜運転モードに切り替える際、上記空気加熱器を作動させるように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、第1暖房運転モード及び第2暖房運転モードから除霜運転モードに切り替える際に、空調用空気を空気加熱器により加熱することで車室内への吹出空気温度の低下を抑制することが可能になる。
第13の発明は、第8から11のいずれか1つの発明において、
上記空調制御装置は、上記ヒートポンプ装置の運転モードを第1暖房運転モード及び第2暖房運転モードから除霜運転モードに切り替える際、上記送風機の送風量を、第1暖房運転モード及び第2暖房運転モードよりも減少させるように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、第1暖房運転モード及び第2暖房運転モードから除霜運転モードに切り替える際に、空調用空気の送風量を減少させることで車室内への吹出空気の温度変化を抑制することが可能になる。
第14の発明は、第1から13のいずれか1つの発明において、
上記車両用空調装置は、空調用空気を加熱する電気式の空気加熱器を備え、
上記空調制御装置は、暖房負荷として要求暖房能力を算出し、上記第2暖房運転モード時の暖房能力が要求暖房能力に満たないと判定した場合、上記空気加熱器を作動させるように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、第2暖房運転モード時に暖房能力が不足する場合に空気加熱器で空調用空気を加熱することで所望の吹出空気温度とすることが可能になる。
第1の発明によれば、暖房負荷が大きいときには2段圧縮インジェクションサイクルとして第1車室内熱交換器及び第2車室内熱交換器に冷媒を流すようにしたので、高い暖房能力を得ることができる。暖房負荷が小さいときには冷媒が第1減圧弁、第2車室内熱交換器及び気液分離器をバイパスして流れるので、圧力損失を低減してサイクルの高効率化を図ることができる。
第2の発明によれば、冷房運転モード時に、第1車室内熱交換器から流出したガス冷媒を、第1減圧弁、第2車室内熱交換器及び気液分離器をバイパスして車室外熱交換器に供給できるので、凝縮性能の低下を防止することができ、サイクルの高効率化を図ることができる。
第3の発明によれば、要求暖房能力が所定値以上の場合、ヒートポンプ装置を第1暖房運転モードとする一方、要求暖房能力が所定値未満の場合、ヒートポンプ装置を第2暖房運転モードとするので、第1暖房運転モードと第2暖房運転モードとを適切に切り替えることができ、快適性と高効率とを高い次元で両立できる。
第4の発明によれば、外気温度及び車室内への吹出空気温度と、第1車室内熱交換器の冷媒入口温度と、第1車室内熱交換器の冷媒出口温度と、圧縮機に吸入される冷媒温度とのうち、少なくとも1つに基づいて要求暖房能力を算出するようにしたので、第1暖房運転モードと第2暖房運転モードの遷移を確実に、かつ、適切に行うことができる。
第5の発明によれば、第2減圧弁が冷媒を減圧させない全開状態となるので、圧力損失を最小限にして高い効率を得ることができ、また、回路構成をシンプルにすることができる。
第6の発明によれば、第1減圧弁の絞り量を、第2車室内熱交換器が放熱器として作用するようにしたので、第2車室内熱交換器の耐圧強度及び繰り返し加圧強度を低く設定できる。
第7の発明によれば、圧縮機を二段昇圧式として圧縮比を高めることができるので、外気温度が極低温時に暖房能力を向上できる。
第8の発明によれば、車室外熱交換器に霜が付着している場合に、圧縮機から吐出した高圧冷媒を、第2車室内熱交換器をバイパスさせて車室外熱交換器に供給するようにしたので、車室外熱交換器の除霜を素早く行うことができ、乗員の快適性を向上させることができる。
第9の発明によれば、除霜運転モード時に第2減圧弁を開方向に制御するようにしたので、車室外熱交換器に高温冷媒を早期に供給して車室外熱交換器の除霜を素早く行うことができ、乗員の快適性を向上させることができる。
第10の発明によれば、第1暖房運転モード及び第2暖房運転モードから除霜運転モードに切り替える際、圧縮機の冷媒吐出量を増大させることができるので、乗員の快適性をより一層向上できる。
第11の発明によれば、第1暖房運転モード及び第2暖房運転モードから除霜運転モードに切り替える際に車室内への吹出空気の温度低下を抑制できる。
第12の発明によれば、第1暖房運転モード及び第2暖房運転モードから除霜運転モードに切り替える際に空気加熱器を作動させることで車室内への吹出空気の温度低下を抑制できる。
第13の発明によれば、第1暖房運転モード及び第2暖房運転モードから除霜運転モードに切り替える際に送風量を減少させることができるので、吹出空気の温度が低下しても乗員が違和感を感じるのを抑制できる。
第14の発明によれば、第2暖房運転モード時に暖房能力が不足する場合に空気加熱器で空調用空気の加熱することで所望の吹出空気温度とすることができ、乗員の快適性を向上できる。
実施形態に係る車両用空調装置の概略構成図である。 車両用空調装置のブロック図である。 冷房運転モードにある場合の図1相当図である。 冷房運転モードにあるヒートポンプ装置のモリエル線図である。 第1暖房運転モードにある場合の図1相当図である。 第1暖房運転モードにあるヒートポンプ装置のモリエル線図である。 第2暖房運転モードにある場合の図1相当図である。 第2暖房運転モードにあるヒートポンプ装置のモリエル線図である。 除霜運転モードにある場合の図1相当図である。 暖房運転サブルーチン制御を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用空調装置1の概略構成図である。車両用空調装置1が搭載された車両は、走行用バッテリ(図示せず)及び走行用モーター(図示せず)を備えた電気自動車である。
車両用空調装置1は、ヒートポンプ装置20と、車室内空調ユニット21とを備えている。ヒートポンプ装置20は、空調制御装置22(図2に示す)を有しており、この空調制御装置22は、ヒートポンプ装置20の各構成要素及び車室内空調ユニット21を制御する。
ヒートポンプ装置20は、冷媒を圧縮する電動コンプレッサ30と、車室内に配設される下流側車室内熱交換器(第1車室内熱交換器)31と、車室内において下流側車室内熱交換器31の空気流れ方向上流側に配設される上流側車室内熱交換器(第2車室内熱交換器)32と、車室外に配設される車室外熱交換器33と、アキュムレータ34と、気液分離器35と、これら機器30〜35を接続する第1〜第4主冷媒配管41〜44と、第1及び第2分岐冷媒配管45、46と、バイパス配管47と、中間圧冷媒配管48とを備えている。
電動コンプレッサ30は、従来から周知の車載用のものであり、電動モーターによって駆動される。この電動コンプレッサ30は、ヒートポンプ装置20において冷媒を吸入し、圧縮して吐出する圧縮行程を行うものである。電動コンプレッサ30は、ハウジングの内部に固定容量型の圧縮機構からなる低圧側圧縮機構と、高圧側圧縮機構と、これら低圧側圧縮機構及び高圧側圧縮機構を回転駆動する電動モーターとを収容して構成された二段昇圧式のものである。この電動コンプレッサ30を用いることにより、2段圧縮インジェクションサイクルを実現することができる。2段昇圧式の電動コンプレッサ30を用いることで、圧縮比を高めることができる。
低圧側圧縮機構及び高圧側圧縮機構は、例えば、スクロール型圧縮機構、ベーン型圧縮機構、ローリングピストン型圧縮機構等を使用することができる。電動モーターは、空調制御装置22から出力される制御信号によってON及びOFFの切り替えと、回転数の制御が行われるものであり、交流モーター、直流モーターのいずれであってもよい。この電動モーターの回転数制御によって電動コンプレッサ30の単位時間当たりの冷媒吐出量が変更される。電動コンプレッサ30には、走行用バッテリから電力が供給される。
電動コンプレッサ30のハウジングには、ハウジングの外部から低圧側圧縮機構へ低圧冷媒を吸入させる吸入ポート30aと、ハウジングの外部からハウジングの内部へ中間圧冷媒を流入させて圧縮行程の途中の冷媒に合流させる中間圧ポート30bと、高圧側圧縮機構で圧縮された高圧冷媒をハウジングの外部へ吐出させる吐出ポート30cとが設けられている。中間圧ポート30bは、低圧側圧縮機構の冷媒吐出側で、かつ、高圧側圧縮機構の冷媒吸入側に連通するように設けられている。
尚、電動コンプレッサ30の構造は上記した構造に限られるものではなく、1つの圧縮機構を備えているコンプレッサであっても、中間圧冷媒を、その圧縮機構の吸入ポートと吐出ポートとの間に流入させて圧縮行程の途中の冷媒と合流させることができるように構成されたものであればよい。
車室外熱交換器33は、車両の前部に設けられたモータルーム(エンジン駆動車両におけるエンジンルームに相当)において該モータルームの前端近傍に配設され、走行風が当たるようになっている。
図1に示すように、車両にはクーリングファン37aが設けられている。クーリングファン37aは、ファンモーター37bによって駆動され、車室外熱交換器33に空気を送風するように構成されている。ファンモーター37bは、空調制御装置22に接続されてON及びOFFの切り替えと、回転数の制御が行われるようになっている。ファンモーター37bにも走行用バッテリから電力が供給される。尚、ファンモーター37bは、例えば走行用インバータ等を冷却するためのラジエータに空気を送風することもできるものであり、空調の要求時以外にも作動させることが可能である。
第1主冷媒配管41は、電動コンプレッサ30の吐出ポート30cと下流側車室内熱交換器31の冷媒流入口とを接続するものである。また、第2主冷媒配管42は、下流側車室内熱交換器31の冷媒流出口と上流側車室内熱交換器32の冷媒流入口とを接続するものである。また、第3主冷媒配管43は、上流側車室内熱交換器32の冷媒流出口と車室外熱交換器33の冷媒流入口とを接続するものである。第4主冷媒配管44は、車室外熱交換器33の冷媒流出口と電動コンプレッサ30の吸入ポート30aとを接続するものである。
また、第1分岐冷媒配管45は、第4主冷媒配管44から分岐しており、第3主冷媒配管43に接続されている。第2分岐冷媒配管46は、第4主冷媒配管44から分岐しており、第2主冷媒配管42に接続されている。
バイパス配管47は、第2主冷媒配管42から分岐して第3主冷媒配管43に接続されている。
アキュムレータ34は、第4主冷媒配管44の中途部に配設されており、第4主冷媒配管44の上流側から流れてきた冷媒の気液分離を行うためのものである。
気液分離器35は、第3主冷媒配管43の中途部に配設されており、第3主冷媒配管43の上流側から流れてきた冷媒の気液分離を行うためのものである。中間圧冷媒配管48の上流側は、気液分離器35のガス冷媒の吐出口に接続されている。中間圧冷媒配管48の下流側は、電動コンプレッサ30の中間圧ポート30bに接続されている。従って、中間圧冷媒配管48は、気液分離器35のガス冷媒(中間圧冷媒)を中間圧ポート30bに流入させるためのものである。
また、ヒートポンプ装置20は、第1流路切替弁51、第2流路切替弁52、第1減圧弁53、第2減圧弁54、第1逆止弁55、第2逆止弁56、第3逆止弁57及び第4逆止弁58を備えている。
第1流路切替弁51及び第2流路切替弁52は電動タイプの三方弁で構成されており、空調制御装置22によって制御される。第1流路切替弁51は、第2主冷媒配管42の中途部に設けられており、バイパス配管47の上流側が接続されている。第2流路切替弁52は、第4主冷媒配管44の中途部、即ち、第1分岐冷媒配管45の分岐部分に設けられており、第1分岐冷媒配管45は第2流路切替弁52に接続されている。
第1減圧弁53及び第2減圧弁54は、空調制御装置22によって制御される電動タイプのものであり、冷媒を減圧させる絞り状態から冷媒を減圧させない全開状態となるまで開度変化するように構成されている。第1減圧弁53及び第2減圧弁54の開度は、通常、空調負荷の状態に応じて設定されるが、空調負荷に関わらず、空調制御装置22から出力される制御信号により任意の開度に設定することもできるようになっている。
第1減圧弁53は、第2主冷媒配管42に設けられている。具体的には、第1減圧弁53は、第1流路切替弁51と、上流側車室内熱交換器32の冷媒流入口との間に配設されている。一方、第2減圧弁54は、第3主冷媒配管43に設けられている。具体的には、第2減圧弁54は、第3主冷媒配管43の車室外熱交換器33側、即ち、車室外熱交換器33の上流側に配設されている。
第1逆止弁55は、第3主冷媒配管43において気液分離器35よりも上流側に配設されており、第3主冷媒配管43の上流側車室内熱交換器32側から車室外熱交換器33側へ向けての冷媒の流れを許容し、逆方向への冷媒の流れを阻止するように構成されている。
第2逆止弁56は、第2分岐冷媒配管46に配設されており、第2分岐冷媒配管46の第4主冷媒配管44側から第2主冷媒配管42側へ向けての冷媒の流れを許容し、逆方向への冷媒の流れを阻止するように構成されている。
第3逆止弁57は、第3主冷媒配管43に配設されている。具体的には、第3逆止弁57は、気液分離器35と、バイパス配管47の下流側の端部との間に配設されている。この第3逆止弁57は、第3主冷媒配管43の上流側車室内熱交換器32側から車室外熱交換器33側へ向けての冷媒の流れを許容し、逆方向への冷媒の流れを阻止するように構成されている。
第4逆止弁58は、バイパス配管47に配設されており、バイパス配管47の第2主冷媒配管42側から第3主冷媒配管43側へ向けての冷媒の流れを許容し、逆方向への冷媒の流れを阻止するように構成されている。
また、車室内空調ユニット21は、下流側車室内熱交換器31及び上流側車室内熱交換器32を収容するケーシング60と、エアミックスドア(温度調節ドア)62と、エアミックスドア62を駆動するエアミックスドアアクチュエータ63と、吹出モード切替ドア64と、送風機65と、PTCヒータ(空気加熱器)67とを備えている。
送風機65は、車室内の空気(内気)と車室外の空気(外気)との一方を選択してケーシング60内に空調用空気として導入し、下流側車室内熱交換器31及び上流側車室内熱交換器32に送風するためのものである。送風機65は、シロッコファン65aと、シロッコファン65aを回転駆動する送風モーター65bとを備えている。送風モーター65bは、空調制御装置22に接続されてON及びOFFの切り替えと、回転数が制御されるようになっている。送風モーター65bにも走行用バッテリから電力が供給される。
送風機65には、内気を導入するための内気導入口65cと、外気を導入するための外気導入口65dとが形成されている。送風機65の内部には、内気導入口65cと外気導入口65dとの一方を開いて他方を閉じる内外気切替ドア65eが設けられている。さらに、送風機65には、内外気切替ドア65eを駆動する内外気切替ドアアクチュエータ61が設けられている。この内外気切替ドアアクチュエータ61は、空調制御装置22により制御される。送風機65の空気導入モードは、内気導入口65cを全開にして外気導入口65dを全閉にする内気導入モードと、内気導入口65cを全閉にして外気導入口65dを全開にする外気導入モードとに切り替えられるようになっている。内気導入モードと外気導入モードとの切り替えは、乗員によるスイッチ操作で行うことができるようになっているが、所定の条件下では、空調制御装置22が自動的に切り替えることができるようになっている。
ケーシング60は、車室内においてインストルメントパネル(図示せず)の内部に配設されている。ケーシング60には、デフロスタ吹出口60a、ベント吹出口60b及びヒート吹出口60cが形成されている。デフロスタ吹出口60aは、車室のフロントウインド内面に空調風を供給するためのものである。ベント吹出口60bは、車室の乗員の主に上半身に空調風を供給するためのものである。ヒート吹出口60cは、車室の乗員の足下に空調風を供給するためのものである。
これら吹出口60a〜60cはそれぞれ吹出モード切替ドア64によって開閉される。吹出モード切替ドア64は、図示しないが、空調制御装置22に接続されたアクチュエータによって動作するようになっている。
吹出モードとしては、例えば、デフロスタ吹出口60aに空調風を流すデフロスタ吹出モード、ベント吹出口60bに空調風を流すベント吹出モード、ヒート吹出口60cに空調風を流すヒート吹出モード、デフロスタ吹出口60a及びヒート吹出口60cに空調風を流すデフ/ヒートモード、ベント吹出口60b及びヒート吹出口60cに空調風を流すバイレベルモード等である。
ケーシング60内に導入された空調用空気は、全量が上流側車室内熱交換器32を通過するようになっている。
エアミックスドア62は、ケーシング60内において、上流側車室内熱交換器32と下流側車室内熱交換器31との間に収容されている。エアミックスドア62は、上流側車室内熱交換器32を通過した空気のうち、下流側車室内熱交換器31を通過する空気量を変更することによって、上流側車室内熱交換器32を通過した空気と、下流側車室内熱交換器31を通過した空気との混合割合を決定して空調風の温度調節を行うためのものである。
PTCヒータ67は、ケーシング60内において下流側車室内熱交換器31の空気流れ方向下流側に配設されており、ケーシング60内を流れる空調用空気を加熱するためのものである。PTCヒータ67は、空調制御装置22により制御され、ON、OFFの切替及び加熱量の変更が可能となっている。PTCヒータ67には走行用バッテリから電力が供給されるようになっている。
車両用空調装置1は、外気温度センサ70と、車室外熱交換器温度センサ71と、車室内熱交換器温度センサ73と、車室内への吹出空気温度を検出する内気温度センサ75と、下流側車室内熱交換器31の冷媒入口温度を検出する冷媒入口温度検出センサ76と、下流側車室内熱交換器31の冷媒出口温度を検出する冷媒出口温度検出センサ77と、電動コンプレッサ30の吸入ポート30aに吸入される冷媒温度を検出する吸入冷媒温度検出センサ78と、車室外冷媒温度センサ83(図2に示す)とを備えている。これらセンサは空調制御装置22に接続されている。
外気温度センサ70は、車室外熱交換器33よりも空気流れ方向上流側に配設されており、車室外熱交換器33に流入する前の外部空気の温度(外気温度)を検出するためのものである。一方、車室外熱交換器温度センサ71は、車室外熱交換器33の空気流れ方向下流側の面に配設されており、車室外熱交換器33の表面温度を検出するためのものである。
車室内熱交換器温度センサ73は、上流側車室内熱交換器32の空気流れ方向下流側に配設されており、上流側車室内熱交換器32の表面温度を検出するためのものである。
内気温度センサ75は、車室内の所定箇所に配設されている。内気温度センサ75は、従来から周知のものなので、詳細な説明は省略する。
冷媒入口温度検出センサ76は、下流側車室内熱交換器31の冷媒流入口に設けられている。冷媒出口温度検出センサ77は、下流側車室内熱交換器31の冷媒流出口に設けられている。吸入冷媒温度検出センサ78は、電動コンプレッサ30の吸入ポート30aに設けられている。車室外冷媒温度センサ83は、車室外熱交換器33の冷媒入口に設けられており、車室外熱交換器33の冷媒入口における冷媒温度を検出するためのものである。
また、図示しないが、車両用空調装置1には、日射量を検出するセンサ等も設けられている。
空調制御装置22は、例えば、乗員による設定温度や外気温、車室内温度、日射量等の複数の情報に基づいてヒートポンプ装置20等を制御するものであり、周知の中央演算装置やROM、RAM等によって構成されている。また、空調の負荷に応じて電動コンプレッサ30やファンモーター37bも制御する。
空調制御装置22は、通常のオートエアコン制御と同様にメインルーチンにおいて、ヒートポンプ装置20の運転モードの切り替え、送風機65の風量、エアミックスドア62の開度、吹出モードの切り替え、電動コンプレッサ30、送風モーター65bの制御を行い、例えば、ファンモーター37bは、基本的には電動コンプレッサ30の作動中には作動するが、電動コンプレッサ30が停止状態であっても、走行用インバーター等の冷却が必要な場合には作動するようになっている。
ヒートポンプ装置20の運転モードは、少なくとも、冷房運転モード、第1暖房運転モード、第2暖房運転モード、除霜運転モードがある。
図3に示す冷房運転モードは、例えば外気温度が25℃よりも高い場合に選択される運転モードである。冷房運転モードでは、下流側車室内熱交換器31を放熱器とし、上流側車室内熱交換器32を吸熱器とし、車室外熱交換器33を放熱器として作用させる。
すなわち、第1流路切替弁51は、下流側車室内熱交換器31から流出した冷媒を上流側車室内熱交換器32の流入口に流入させないように、バイパス配管47側へ流すように流路を切り替える。また、第2流路切替弁52は、上流側車室内熱交換器32から流出した冷媒をアキュムレータ34に流入させるように流路を切り替える。第1減圧弁53は冷媒を減圧させる状態にし、第2減圧弁54は全開状態にする。
この状態で電動コンプレッサ30を作動させると、電動コンプレッサ30から吐出された高圧冷媒が第1主冷媒配管41を流れて下流側車室内熱交換器31に流入し、下流側車室内熱交換器31を循環する。下流側車室内熱交換器31を循環した冷媒は、第2主冷媒配管42を通って第1流路切替弁51を経てバイパス配管47に流入する。従って、冷房運転モードでは、冷媒が気液分離器35を流れないので、圧力損失及び熱損失が低減される。
バイパス配管47に流入した冷媒は、第2減圧弁54を経て減圧することなく、車室外熱交換器33に流入する。車室外熱交換器33に流入した冷媒は放熱して第4主冷媒配管44、第2分岐冷媒配管46、第2主冷媒配管42を通って第1減圧弁53を通過することで減圧された後、上流側車室内熱交換器32に流入する。上流側車室内熱交換器32に流入した冷媒は、上流側車室内熱交換器32を循環して空調用空気から吸熱する。上流側車室内熱交換器32を循環した冷媒は、第3主冷媒配管43、第1分岐冷媒配管45、第4主冷媒配管44を通ってアキュムレータ34を経て電動コンプレッサ30に吸入される。
冷房運転モードにおける冷媒の相変化と圧力の関係は、図4に示すようになる。すなわち、下流側車室内熱交換器31及び車室外熱交換器33で放熱した後、減圧してから上流側車室内熱交換器32で吸熱する。
また、図5に示す第1暖房運転モードは、例えば外気温度が0℃よりも低い場合(極低外気時)のように、要求暖房能力が所定値以上の場合に選択される運転モードである。第1暖房運転モードでは、基本的には、下流側車室内熱交換器31及び上流側車室内熱交換器32を放熱器とし、車室外熱交換器33を吸熱器として作用させる。
すなわち、第1流路切替弁51は、下流側車室内熱交換器31から流出した冷媒を上流側車室内熱交換器32の流入口に流入させるように流路を切り替える。また、第2流路切替弁52は、車室外熱交換器33から流出した冷媒をアキュムレータ34に流入させるように流路を切り替える。第1減圧弁53は絞り状態とし、その開度は、上流側車室内熱交換器32内の冷媒が中間圧となり、上流側車室内熱交換器32が放熱器として作用するように調整する。第2減圧弁54は冷媒を減圧させる状態にする。
この状態で電動コンプレッサ30を作動させると、電動コンプレッサ30から吐出された高圧冷媒が第1主冷媒配管41を流れて下流側車室内熱交換器31に流入し、下流側車室内熱交換器31を循環する。下流側車室内熱交換器31を循環した冷媒は、第2主冷媒配管42に流入し、第1流路切替弁51、第1減圧弁53を経て上流側車室内熱交換器32に流入し、上流側車室内熱交換器32を循環する。つまり、下流側車室内熱交換器31及び上流側車室内熱交換器32に高温状態の冷媒が流入するので、空調用空気は、下流側車室内熱交換器31及び上流側車室内熱交換器32の両方によって加熱されることになり、よって、高い暖房能力が得られる。
上流側車室内熱交換器32を循環した冷媒は、第3主冷媒配管43を通って気液分離器35に流入して気液分離器35で気液分離される。気液分離器35で分離された液冷媒は、第3逆止弁57及び第2減圧弁54を通過する。冷媒は第2減圧弁54を通過することで減圧され、車室外熱交換器33に流入する。車室外熱交換器33に流入した冷媒は、外部空気から吸熱して第4主冷媒配管44を通ってアキュムレータ34を経て電動コンプレッサ30の吸入ポート30aに吸入される。
気液分離器35で分離されたガス冷媒は、中間圧冷媒配管48を通って電動コンプレッサ30の中間圧ポート30bに流入する。電動コンプレッサ30では、吸入ポート30aから吸入された冷媒が低圧側圧縮機構で圧縮される。また、中間圧ポート30bに流入した冷媒が、吸入ポート30aから吸入された冷媒と合流して高圧側圧縮機構で圧縮されて吐出ポート30cから吐出する。つまり、第1暖房運転モードでは、2段圧縮インジェクションサイクルとなる。
第1暖房運転モードにおける冷媒の相変化と圧力の関係は、図6に示すようになる。すなわち、下流側車室内熱交換器31で放熱した後、中間圧まで減圧してから上流側車室内熱交換器32で放熱し、気液分離器35で分離されたガス冷媒が電動コンプレッサ30の低圧側圧縮機構と高圧側圧縮機構との間に吸入される。気液分離器35で分離された液冷媒は車室外熱交換器33で吸熱した後、電動コンプレッサ30の低圧側圧縮機構に吸入される。
また、図7に示す第2暖房運転モードは、例えば外気温度が0℃以上で25℃未満の場合のように、暖房負荷が第1暖房運転モード時よりも小さいときに選択される運転モードである。第2暖房運転モードでは、下流側車室内熱交換器31を放熱器とし、車室外熱交換器33を吸熱器として作用させる。上流側車室内熱交換器32には冷媒を流さないようにする。
すなわち、第1流路切替弁51は、下流側車室内熱交換器31から流出した冷媒を上流側車室内熱交換器32の流入口に流入させないように、バイパス配管47側へ流すように流路を切り替える。また、第2流路切替弁52は、第1暖房運転モードと同じ状態にする。第2減圧弁54も第1暖房運転モードと同じ状態にする。
この状態で電動コンプレッサ30を作動させると、電動コンプレッサ30から吐出された高圧冷媒が第1主冷媒配管41を流れて下流側車室内熱交換器31に流入し、下流側車室内熱交換器31を循環する。下流側車室内熱交換器31を循環した冷媒は、第2主冷媒配管42を通って第1流路切替弁51を経てバイパス配管47に流入する。従って、第2暖房運転モードでは、冷媒が気液分離器35、第1減圧弁53及び上流側車室内熱交換器32を流れないので、圧力損失及び熱損失が低減される。
バイパス配管47に流入した冷媒は、第2減圧弁54を経て減圧した後、車室外熱交換器33に流入する。車室外熱交換器33に流入した冷媒は吸熱して第4主冷媒配管44を通ってアキュムレータ34を経て電動コンプレッサ30に吸入される。
第2暖房運転モードにおける冷媒の相変化と圧力の関係は、図8に示すようになる。すなわち、下流側車室内熱交換器31で放熱した後、減圧してから車室外熱交換器33で吸熱し、電動コンプレッサ30に吸入される。
第2暖房運転モードでは上流側車室内熱交換器32に高温状態の冷媒が流入しないのでトータルとして見たときに車室内における放熱面積が第1暖房運転モードよりも小さくなる。また、空調用空気は、下流側車室内熱交換器31のみで加熱されることになる。これらのことにより、第2暖房運転モードは第1暖房運転モードに比べて低い暖房能力となる。
図9に示す除霜運転モードは、第1暖房運転モード及び第2暖房運転モードで運転中に車室外熱交換器33が着霜した場合に、車室外熱交換器33の霜を溶かすために選択される運転モードである。除霜運転モードでは、下流側車室内熱交換器31及び車室外熱交換器33を放熱器として作用させる。また、上流側車室内熱交換器32には冷媒を流さない。
すなわち、第1流路切替弁51は、下流側車室内熱交換器31から流出した冷媒を上流側車室内熱交換器32の流入口に流入させないように、バイパス配管47側へ流すように流路を切り替える。第2流路切替弁52は、第1暖房運転モードと同じ状態にする。また、第2減圧弁54は、第1暖房運転モード及び第2暖房運転モードに比べて開方向に制御して冷媒が減圧しないようにする。
この状態で電動コンプレッサ30を作動させると、電動コンプレッサ30から吐出された冷媒が、下流側車室内熱交換器31を循環した後、バイパス配管47を通って第2減圧弁54を経て減圧することなく、車室外熱交換器33に流入する。車室外熱交換器33に流入した冷媒は放熱して霜を溶かす。その後、第4主冷媒配管44を通ってアキュムレータ34を経て電動コンプレッサ30に吸入される。この除霜運転モードでは、冷媒が上流側車室内熱交換器32、気液分離器35及び第2減圧弁54をバイパスして流れるので、圧力損失及び熱損失が低減されて車室外熱交換器33を霜を早期に溶かすことが可能になる。
図2に示すように、空調制御装置22は、車室外熱交換器33に霜が付着しているか否か、及び霜が付着している場合にその着霜量を検出する着霜検出部(着霜検出手段)22aを有している。着霜検出部22aは、外気温度センサ70で検出された外気温度(TG)から、車室外熱交換器温度センサ71で検出された車室外熱交換器33の表面温度を差し引いて、その値が例えば20(℃)よりも大きな値である場合には、着霜を検出したとする。すなわち、車室外熱交換器33に霜が付着していると、車室外熱交換器33において冷媒が吸熱できず、冷媒温度が上昇しないことを利用して着霜検出を行っている。従って、上記の20という値は、車室外熱交換器33が着霜しているか否かを判断できる値であればよく、他の値であってもよい。また、霜の付着を直接検出するようにしてもよい。また、着霜量の検出は、外気温度センサ70で検出された外気温度(TG)と車室外熱交換器温度センサ71で検出された温度との差で検出でき、両者の差が大きいほど、着霜量が多いとする。
この実施形態では、着霜検出部22aによって車室外熱交換器33の着霜量が第1の所定量以上であるか否か、及び第1の所定量よりも大きい第2の所定量以上であるか否かを検出することができるようになっている。第1の所定量とは、車室外熱交換器33による吸熱が行いにくくなる量に設定しており、また、第2の所定量とは、車室外熱交換器33の吸熱がほとんど不可能な状態で暖房を行うことができないような量に設定している。
また、空調制御装置22は、要求暖房能力算出部22bを有している。要求暖房能力算出部22bは、快適な暖房を行うために必要とされる暖房能力を算出するためのものであり、外気温度及び車室内への吹出空気温度と、下流側車室内熱交換器31の冷媒入口温度と、下流側車室内熱交換器31の冷媒出口温度と、電動コンプレッサ30の吸入ポート30aに吸入される冷媒温度とのうち、少なくとも1つに基づいて算出するように構成されている。尚、例えば、乗員によって設定された空調温度や、吹出モード、湿度等に基づいて要求暖房能力を算出するようにしてもよい。
外気温度及び車室内への吹出空気温度に基づいて要求暖房能力を算出する場合には、外気温度が車室内への吹出空気温度よりも低いことを前提とし、外気温度と車室内への吹出空気温度との差が大きければ大きいほど、要求暖房能力が大きくなるように算出する。
また、下流側車室内熱交換器31の冷媒入口温度に基づいて要求暖房能力を算出する場合には、下流側車室内熱交換器31の冷媒入口温度が低ければ低いほど、要求暖房能力が大きくなるように算出する。
また、下流側車室内熱交換器31の冷媒出口温度に基づいて要求暖房能力を算出する場合には、下流側車室内熱交換器31の冷媒出口温度が低ければ低いほど、要求暖房能力が大きくなるように算出する。
また、電動コンプレッサ30の吸入ポート30aに吸入される冷媒温度に基づいて要求暖房能力を算出する場合には、電動コンプレッサ30の吸入ポート30aに吸入される冷媒温度が低ければ低いほど、要求暖房能力が大きくなるように算出する。
そして、空調制御装置22は、要求暖房能力が所定値以上の場合、ヒートポンプ装置20を第1暖房運転モードとする一方、要求暖房能力が所定値未満の場合、ヒートポンプ装置20を第2暖房運転モードとするように構成されている。この所定値とは、極低外気時のように外気からの吸熱量がそれほど期待できない状況で、かつ、強い暖房が要求される場合に要求暖房能力算出部22bで算出される値とすることができる。
空調制御装置22では、乗員の設定温度や外気温等に基づいて、車室内空調ユニット21から吹き出す空気の目標吹出温度も算出される。
次に、空調制御装置22による制御手順を説明する。メインルーチンでは、図示しないが、外気温度センサ70で検出された外気温度(TG)が例えば0℃よりも低い場合には、ヒートポンプ装置20を暖房運転モードに切り替える。また、吹出空気の温度が目標温度となるように、エアミックスドア62を動作させる。暖房運転モードは、第1暖房運転モード及び第2暖房運転モードが含まれる。
また、外気温度(TG)が25℃よりも高い場合には、ヒートポンプ装置20を冷房運転モードに切り替える。
メインルーチンで暖房運転モードが選択された場合には、図10に示す暖房運転サブルーチン制御を行う。暖房運転サブルーチン制御では、はじめにステップS1で、要求暖房能力算出部22bで算出された要求暖房能力が所定値以上であるか否かを判定する。
ステップS1で要求暖房能力が所定値以上であれば、外気からの吸熱が期待できない状況で強い暖房が要求されているということであるので、ステップS2に進んで第1暖房運転モードを選択し、2段圧縮インジェクションサイクルでヒートポンプ装置20を運転するとともに、下流側車室内熱交換器31及び上流側車室内熱交換器32の両方に高温冷媒を供給する。ステップS1で要求暖房能力が所定値未満であれば、ステップS3に進んで第2暖房運転モードを選択する。
その後、ステップS4に進み、第1暖房運転モード及び第2暖房運転モードでの運転中に車室外熱交換器33が着霜したか否かを判定する。この判定は着霜検出部22aで行われる。車室外熱交換器33の着霜量が第1の所定量よりも少ない場合には、車室外熱交換器33が着霜していないと判定してステップS5に進む。ステップS5では、ステップS2、ステップS3で選択された暖房運転モードを継続する。
一方、車室外熱交換器33の着霜量が第1の所定量以上の場合には、車室外熱交換器33が着霜していると判定してステップS6に進む。ステップS6では、電動コンプレッサ30の単位時間当たりの冷媒吐出量を、第1暖房運転モード及び第2暖房運転モードよりも増加させる制御を行う。これは、例えば電動コンプレッサ30の電動モーターの回転数を増加させることで可能になる。
その後、ステップS7に進み、ヒートポンプ装置20の運転モードを除霜運転モードに切り替えて車室外熱交換器33の除霜を行う。すなわち、空調制御装置22は、ヒートポンプ装置20の運転モードを第1暖房運転モード及び第2暖房運転モードから除霜運転モードに切り替える際、電動コンプレッサ30の単位時間当たりの冷媒吐出量を第1暖房運転モード及び第2暖房運転モードよりも増加させるように構成されている。これにより、電動コンプレッサ30から吐出する冷媒の圧力及び温度を上昇させることができ、車室外熱交換器33の除霜を早期に行うことができるとともに、下流側車室内熱交換器31に流入する冷媒温度の急激な低下を抑制して吹出空気の温度低下も抑制できる。
尚、ステップS6では、電動コンプレッサ30の単位時間当たりの冷媒吐出量を増大させる代わりに、ヒートポンプ装置20の運転モードを第1暖房運転モード及び第2暖房運転モードから除霜運転モードに切り替える際、エアミックスドア62を、車室内への吹出空気が上昇する側へ補正するようにしてもよい。これにより、吹出空気の温度低下を抑制できる。
また、ステップS6では、電動コンプレッサ30の単位時間当たりの冷媒吐出量を増大させる代わりに、ヒートポンプ装置20の運転モードを第1暖房運転モード及び第2暖房運転モードから除霜運転モードに切り替える際、PTCヒータ67を作動させるようにしてもよい。第1暖房運転モード及び第2暖房運転モードで既にPTCヒータ67が作動している場合には、暖房能力が増大するようにPTCヒータ67を制御する。
また、ステップS6では、電動コンプレッサ30の単位時間当たりの冷媒吐出量を増大させる代わりに、ヒートポンプ装置20の運転モードを第1暖房運転モード及び第2暖房運転モードから除霜運転モードに切り替える際、送風機65の送風量を、第1暖房運転モード及び第2暖房運転モードよりも減少させるようにしてもよい。
ステップS7に続くステップS8では、車室外熱交換器33が除霜されたか否かを判定する。これは着霜検出部22aで行うことができる。車室外熱交換器33が除霜されていなければ、除霜運転モードを継続する。一方、車室外熱交換器33が除霜されていれば、ステップS9に進み、ステップS2及びステップS3でそれぞれ選択された暖房運転モードに復帰する。この制御が繰り返し行われる。
以上説明したように、この実施形態にかかる車両用空調装置1によれば、暖房負荷が大きいときには、ステップS2においてヒートポンプ装置20が第1暖房運転モードとなり、2段圧縮インジェクションサイクルでの運転が行われる。このとき、下流側車室内熱交換器31から流出した冷媒が上流側車室内熱交換器32にも流入して伝熱面積が増え、暖房能力が高まる。一方、暖房負荷が小さいときには、ステップS3においてヒートポンプ装置20が第2暖房運転モードとなり、下流側車室内熱交換器31から流出した冷媒をバイパス配管47に流すことで、冷媒が、第1減圧弁53、上流側車室内熱交換器32及び気液分離器35をバイパスして流れるので、冷媒の圧力損失及び熱損失が小さくなる。これにより、凝縮圧力の低下による凝縮能力の低下が回避されるため、サイクルの高効率化を図ることができる。
また、第2減圧弁54が車室外熱交換器33の冷媒流れ方向上流側に配設されているので、第1暖房運転モードと第2暖房運転モードの両方で、車室外熱交換器33に流入する前の冷媒の圧力を第2減圧弁54によって調整することが可能になる。
また、第1減圧弁53により上流側車室内熱交換器32の冷媒出口側の冷媒圧力を中間圧まで減圧することで、上流側車室内熱交換器32では冷媒を凝縮することが可能になる。上流側車室内熱交換器32で凝縮された気液二相状態の冷媒が気液分離器35でガス冷媒と液冷媒とに分離されて中間圧のガス冷媒が中間圧冷媒配管48から電動コンプレッサ30に流入して圧縮されることになる。
また、気液分離器35で分離された中間圧の液冷媒が第2減圧弁54に供給されるため、ガス冷媒が第2減圧弁54に供給されることに起因する車室外熱交換器33の吸熱量の低下を防止することが可能になる。
また、図3に示す冷房運転モード時には、気液分離器35をバイパスしたガス冷媒が車室外熱交換器33に供給されるので、液冷媒が車室外熱交換器33に供給されることに起因する凝縮性能の低下を防止することが可能になる。
また、図10に示す制御により、要求暖房能力が所定値以上で高い場合には、第1暖房運転モード(2段圧縮インジェクションサイクル)として高い暖房能力が得られ、要求暖房能力が所定値未満で低い場合には、第2暖房運転モードとしてより高い効率が得られる。
また、外気温度及び車室内への吹出空気温度と、下流側車室内熱交換器31の冷媒入口温度と、下流側車室内熱交換器31の冷媒出口温度と、電動コンプレッサ30に吸入される冷媒温度とのうち、少なくとも1つに基づいて要求暖房能力を算出するようにしているので、第1暖房運転モードと第2暖房運転モードの遷移が確実に、かつ、適切に行えるようになる。
また、車室外熱交換器33の冷媒流れ上流側に第2減圧弁54を配設しているが、この第2減圧弁54を全開状態にすることにより、第2減圧弁54を配設したことによる圧力損失を最小限にすることが可能になる。また、第2減圧弁54をバイパスさせる回路や電磁弁等を別に配設する必要がなくなり、回路構成がシンプルになる。
また、第1減圧弁53の絞り量によって冷媒を中間圧とし、上流側車室内熱交換器32を放熱器とすることが可能になる。また、第1減圧弁53の絞り量の調整により、上流側車室内熱交換器32にかかる冷媒圧力を所定以下にすることが可能になる。これにより、上流側車室内熱交換器32の耐圧強度及び繰り返し加圧強度を低く設定することが可能になる。
また、第1暖房運転モード及び第2暖房運転モード時に車室外熱交換器33が着霜した場合に、除霜運転モードに切り替えることで、電動コンプレッサ30から吐出した高圧冷媒を、上流側車室内熱交換器32をバイパスさせて車室外熱交換器33に流すことができる。これにより、車室外熱交換器33の除霜を素早く行うことが可能になる。
また、図10のステップS6において、第1暖房運転モード及び第2暖房運転モードから除霜運転モードに切り替える際に電動コンプレッサ30の冷媒吐出量を増大させることができるので、車室内への吹出空気温度の低下を抑制しつつ、除霜能力を十分に得ることが可能になる。
また、空調制御装置22は、第2暖房運転モード時にも要求暖房能力を算出し、第2暖房運転モードによって得られる暖房能力が要求暖房能力に満たない状況であるか否か、即ち、暖房能力が不足するか否かを判定し、不足する場合にはPTCヒータ67を作動させるように構成してもよい。PTCヒータ67によって空調用空気を加熱することで所望の吹出空気温度とすることが可能になる。
尚、この実施形態では、第1流路切替弁51及び第2流路切替弁52は三方弁で構成しているが、これに限らず、各切替弁51,52の機能を満足することができるものであればよく、例えば複数の弁を組み合わせて構成することもできる。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明に係る車両用空調装置は、例えば電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、ハイブリッド自動車等で使用することができる。
1 車両用空調装置
20 ヒートポンプ装置
21 車室内空調ユニット
22 空調制御装置
22a 着霜検出部(着霜検出手段)
22b 要求暖房能力算出部
30 電動コンプレッサ(圧縮機)
31 下流側車室内熱交換器(第1車室内熱交換器)
32 上流側車室内熱交換器(第2車室内熱交換器)
33 車室外熱交換器
35 気液分離器
47 バイパス配管
48 中間圧冷媒配管
51 第1流路切替弁(冷媒流路切替部)
52 第2流路切替弁
53 第1減圧弁
54 第2減圧弁
62 エアミックスドア(温度調節ドア)
65 送風機
67 PTCヒータ(空気加熱器)

Claims (14)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機と、
    上記圧縮機の吐出部から吐出された冷媒が流入する第1車室内熱交換器と、
    上記第1車室内熱交換器から流出した冷媒が流入する第2車室内熱交換器と、
    上記第1車室内熱交換器及び上記第2車室内熱交換器に空調用空気を送風する送風機と、
    上記第2車室内熱交換器の冷媒流れ上流側に配設される第1減圧弁と、
    上記第2車室内熱交換器の冷媒流れ方向下流側に配設される車室外熱交換器と、
    上記第2車室内熱交換器と上記車室外熱交換器との間に配設される第2減圧弁と、
    上記第2車室内熱交換器と上記第2減圧弁との間に配設される気液分離器と、
    上記気液分離器により分離されたガス冷媒を上記圧縮機の圧縮行程途中の冷媒に合流させる中間圧冷媒配管と、
    上記第1車室内熱交換器と上記第1減圧弁との間の冷媒配管に接続され、上記第1車室内熱交換器から流出した冷媒を、上記第1減圧弁及び上記第2車室内熱交換器をバイパスさせて上記第2減圧弁に流すバイパス配管と、
    上記第1車室内熱交換器と上記第1減圧弁との間に配設される冷媒流路切替部と、
    上記第1減圧弁、上記第2減圧弁及び上記冷媒流路切替部を制御する空調制御装置とを備えたヒートポンプ装置を有する車両用空調装置において、
    上記ヒートポンプ装置は、上記空調制御装置により、第1暖房運転モードと、第1暖房運転モード時よりも暖房負荷が小さいときに選択される第2暖房運転モードとを含む複数の運転モードに切り替えられるように構成され、
    上記空調制御装置は、上記冷媒流路切替部を、第1暖房運転モード時に上記第1車室内熱交換器から流出した冷媒を上記第2車室内熱交換器に流入させるように制御する一方、第2暖房運転モード時に上記第1車室内熱交換器から流出した冷媒を上記バイパス配管に流入させるように制御するように構成されていることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 請求項1に記載の車両用空調装置において、
    上記ヒートポンプ装置は、冷房運転モードにも切り替えられるように構成され、
    上記冷房運転モード時に上記第1車室内熱交換器から流出した冷媒を上記バイパス配管に流入させるように制御するように構成されていることを特徴とする車両用空調装置。
  3. 請求項1または2に記載の車両用空調装置において、
    上記空調制御装置は、暖房負荷として要求暖房能力を算出し、要求暖房能力が所定値以上の場合、上記ヒートポンプ装置を第1暖房運転モードとする一方、要求暖房能力が所定値未満の場合、上記ヒートポンプ装置を第2暖房運転モードとするように構成されていることを特徴とする車両用空調装置。
  4. 請求項3に記載の車両用空調装置において、
    上記空調制御装置は、外気温度及び車室内への吹出空気温度と、上記第1車室内熱交換器の冷媒入口温度と、上記第1車室内熱交換器の冷媒出口温度と、上記圧縮機に吸入される冷媒温度とのうち、少なくとも1つに基づいて要求暖房能力を算出するように構成されていることを特徴とする車両用空調装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、
    上記第2減圧弁は、冷媒を減圧させる絞り状態から冷媒を減圧させない全開状態となるまで開度変化することを特徴とする車両用空調装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、
    上記空調制御装置は、第1暖房運転モード時に上記第1減圧弁を、冷媒を減圧させる絞り状態とし、該第1減圧弁の絞り量を、上記第2車室内熱交換器が放熱器として作用するように設定することを特徴とする車両用空調装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、
    上記圧縮機には、低圧側圧縮機構及び高圧側圧縮機構が設けられ、該低圧側圧縮機構及び該高圧側圧縮機構の間に上記中間圧冷媒配管の下流側が接続されていることを特徴とする車両用空調装置。
  8. 請求項1から7のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、
    上記車両用空調装置は、上記車室外熱交換器が吸熱器として作用した際に上記車室外熱交換器に霜が付着しているか否かを判定する着霜判定手段を備え、
    上記空調制御装置は、上記着霜判定手段により上記車室外熱交換器に霜が付着していると判定された場合には、上記ヒートポンプ装置の運転モードを、上記圧縮機から吐出した高圧冷媒を上記第1車室内熱交換器に流した後、上記第2車室内熱交換器をバイパスさせて上記車室外熱交換器に供給する除霜運転モードに切り替えるように構成されていることを特徴とする車両用空調装置。
  9. 請求項8に記載の車両用空調装置において、
    上記空調制御装置は、除霜運転モード時に、第1暖房運転モード及び第2暖房運転モードに比べて上記第2減圧弁を開方向に制御するように構成されていることを特徴とする車両用空調装置。
  10. 請求項8または9に記載の車両用空調装置において、
    上記空調制御装置は、上記ヒートポンプ装置の運転モードを第1暖房運転モード及び第2暖房運転モードから除霜運転モードに切り替える際、上記圧縮機の単位時間当たりの冷媒吐出量を第1暖房運転モード及び第2暖房運転モードよりも増加させるように構成されていることを特徴とする車両用空調装置。
  11. 請求項8から10のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、
    上記車両用空調装置は、上記第1車室内熱交換器を通過した空気と上記第2車室内熱交換器を通過した空気との混合割合を変更する温度調節ドアを備え、該温度調節ドアは上記空調制御装置により制御され、
    上記空調制御装置は、上記ヒートポンプ装置の運転モードを第1暖房運転モード及び第2暖房運転モードから除霜運転モードに切り替える際、上記温度調節ドアを、車室内への吹出空気温度が上昇する側へ補正するように構成されていることを特徴とする車両用空調装置。
  12. 請求項8から11のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、
    上記車両用空調装置は、空調用空気を加熱する電気式の空気加熱器を備え、
    上記空調制御装置は、上記ヒートポンプ装置の運転モードを第1暖房運転モード及び第2暖房運転モードから除霜運転モードに切り替える際、上記空気加熱器を作動させるように構成されていることを特徴とする車両用空調装置。
  13. 請求項8から11のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、
    上記空調制御装置は、上記ヒートポンプ装置の運転モードを第1暖房運転モード及び第2暖房運転モードから除霜運転モードに切り替える際、上記送風機の送風量を、第1暖房運転モード及び第2暖房運転モードよりも減少させるように構成されていることを特徴とする車両用空調装置。
  14. 請求項1から13のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、
    上記車両用空調装置は、空調用空気を加熱する電気式の空気加熱器を備え、
    上記空調制御装置は、暖房負荷として要求暖房能力を算出し、上記第2暖房運転モード時の暖房能力が要求暖房能力に満たないと判定した場合、上記空気加熱器を作動させるように構成されていることを特徴とする車両用空調装置。
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