JP2015062852A - マグネシウム等の含有量を低減したリチウム含有かん水を製造する方法及びその製造に適した電気吸着装置 - Google Patents

マグネシウム等の含有量を低減したリチウム含有かん水を製造する方法及びその製造に適した電気吸着装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2015062852A
JP2015062852A JP2013196474A JP2013196474A JP2015062852A JP 2015062852 A JP2015062852 A JP 2015062852A JP 2013196474 A JP2013196474 A JP 2013196474A JP 2013196474 A JP2013196474 A JP 2013196474A JP 2015062852 A JP2015062852 A JP 2015062852A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
salt lake
lake brine
activated carbon
electroadsorption
magnesium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013196474A
Other languages
English (en)
Inventor
藤田 豊久
Toyohisa Fujita
豊久 藤田
ドドビバ・ジョルジ
Gjergj Dodbiba
慶紘 金光
Yoshihiro Kanemitsu
慶紘 金光
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nittetsu Mining Co Ltd
Original Assignee
Nittetsu Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nittetsu Mining Co Ltd filed Critical Nittetsu Mining Co Ltd
Priority to JP2013196474A priority Critical patent/JP2015062852A/ja
Publication of JP2015062852A publication Critical patent/JP2015062852A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)
  • Water Treatment By Sorption (AREA)

Abstract

【課題】塩湖かん水からマグネシウム、ホウ素成分の含有量を低減したリチウム含有かん水の製造と同時にホウ素成分を回収する方法、及びその製造に適した電気吸着装置を提供する。
【解決手段】塩湖かん水に消石灰を混合して水酸化マグネシウムを形成して固液分離により水酸化マグネシウムを除去し、前記除去後に、活性炭に近接配置した電極を陽極4とし、それから離れた電極を陰極7として電圧を印加して塩湖かん水の電気吸着を行うことによりホウ素成分を選択的に活性炭に吸着させることにより、マグネシウム及びホウ素成分の減少したリチウム含有かん水を得る。また選択吸着したホウ素成分を脱着分離することによりホウ素成分を回収する。
【選択図】図1

Description

本発明は、塩湖かん水からマグネシウム等の含有量を低減したリチウムイオン含有かん水を製造する方法及びホウ素成分を回収する方法、並びにそれら製造等に適した電気吸着装置に関する。
より詳しくは、不純物濃度の高さ、リチウムイオン濃度の低さ等から未だ未利用となっている世界最大の埋蔵量を誇るウユニ塩湖かん水及びそれと同様の組成を持つかん水からマグネシウム及び/又はホウ素等の含有量を低減したリチウム含有かん水を製造する方法、同かん水からホウ素成分を回収する方法、並びにそれらの製造等に用いるのに適した電気吸着装置に関する。
リチウムの産業的な価値は高く、ガラス、セラミックス、ゴム、製薬、電池等、その用途は多岐に亘る。数ある用途の中でも、特にリチウム電池向けの需要が近年急増しており、リチウムの用途別シェアでは2012年1月時点では29%を占めている。
将来のリチウム需要は、電池需要の拡大によって牽引され、今後5年間で60%増加するとの試算もある。近い将来の需要逼迫に備え、リチウム資源開発プロジェクトが様々なフェーズで世界中に存在している。進行中のプロジェクトの大半は、鉱石からのリチウムの回収を目的としたものである。
しかしながら、世界全体のリチウム埋蔵量の大半は塩湖かん水中に溶存しており、かん水からのリチウム資源回収システムの構築がリチウム安定供給のために必要不可欠であるといえる。かん水からリチウムを回収する既存技術はコストが高く、適用可能な不純物濃度の制約条件が厳しい。商業的にリチウムを生産している塩湖も存在するが、不純物濃度の高さ、リチウムイオン濃度の低さ等により、世界最大の埋蔵量を誇るウユニ塩湖等多くの塩湖は未開発である。そのようなことから、経済性を担保できるかん水からリチウムを回収する技術は、まだ研究の余地がある。さらに、廃棄リチウム電池からリチウムイオンを選択的に回収する方法も必要とされている。
そのリチウム資源を回収する方法としては、共沈法、溶媒抽出法、沈殿浮選法、吸着法等があるが、リチウム資源に対しては、吸着法が経済的・操作的に優位であると考えられている。そのようなことから、リチウムに対して選択性を持つ吸着材に関する研究が盛んに行われており、酸化マンガン吸着材が非常に優れた吸着性能を有することが報告されている(非特許文献1、2文献参照)。しかし、その酸化マンガン系吸着材はコストが高く、経済性の点で実用化への課題が残る。それとは逆に安価な高性能な吸着材としては活性炭がよく知られているものの、我々が調査した限りリチウムに対しては殆ど吸着性能を持たない。
その活性炭を用いて選択的にリチウムを吸着する方法を確立すれば、安価で、簡便なリチウム資源回収方法につながり得ることになる。そこで、本発明者らは、電気吸着法(電界吸着法ということもある)をリチウムイオン含有水に対して試みた。
その電気吸着法は、活性炭等の吸着材に通常では吸着しない物質を、活性炭−電極間に電圧をかけることで吸着を促すものではあり、この電気吸着法により金属イオンを吸着回収することに関する報告は殆どない。
そのような中で、本発明者等は、活性炭を用いて電気吸着法によるリチウムイオンの回収を試み、その結果、活性炭をリチウムイオン含有水溶液中に配置し、電圧をかけるだけで、活性炭にリチウムイオンが吸着し、吸着後印加電圧を逆転させることによりリチウムを分離できることを見出した。その際には本発明者らが開発した新規な構造の吸着装置を使用した。すなわち、内部に収納した活性炭に均等に電圧が印加できると同時に、リチウムイオン含有水溶液の移動が自由にできる新規な構造の電気吸着装置を使用した。また、この電気吸着法により塩湖かん水中のホウ素成分も選択的に吸着できることを見出した。
J.ION EXCHANGE Vol.16 No.1(2005) p49−54 J.ION EXCHANGE Vol.17 No.1(2006) p7−13
前記の通りであるから、本願発明は、前記した新規な知見に基づいてマグネシウムを含有する塩湖かん水からマグネシウム含有量を低減したリチウムイオン含有かん水を製造することを発明の解決すべき課題とするものである。また、それと同様に塩湖かん水からホウ素成分を回収することを発明の解決すべき課題とするものである。さらに、マグネシウム及びホウ素成分の含有量を低減したリチウムイオン含有かん水を製造することも発明の解決すべき課題とするものである。
そして、それらの製造に適した電気吸着装置を提供することも発明の解決すべき課題とするものである。
本願の発明には、前記した通り4つの解決すべき課題があり、そのうちの第1の課題は、塩湖かん水からマグネシウム含有量を低減したリチウムイオン含有塩湖かん水を製造する方法を提供することである。この方法における解決するための手段は、活性炭に近接配置した電極を陰極とし、それから離れた位置に配置した電極を陽極として電圧を印加して塩湖かん水の電気吸着を行うことによりリチウムを活性炭に吸着させ、吸着後は塩湖かん水を水と交換した後、両電極の印加電圧を逆にしてリチウムを選択的に脱着することにより回収することを特徴とするものである。
本願発明における第2の課題は、塩湖かん水からホウ素成分を回収する方法を提供することである。この方法における解決するための手段も電気吸着を用いるものであり、それは、塩湖かん水に消石灰を混合して水酸化マグネシウムを形成して固液分離により水酸化マグネシウムをまず除去し、前記除去後に、活性炭に近接配置した電極を陽極とし、それから離れた電極を陰極として電圧を印加して塩湖かん水の電気吸着を行うことによりホウ素成分を選択的に活性炭に吸着させ、ホウ素成分を吸着した活性炭を塩湖かん水から分離することを特徴とするものである。
本願発明における第3の課題は、マグネシウム及びホウ素成分の含有量を低減したリチウム含有かん水を製造する方法を提供することである。
この方法における解決するための手段は、塩湖かん水に消石灰を混合して水酸化マグネシウムを形成して固液分離により水酸化マグネシウムを除去し、前記除去後に、活性炭に近接配置した電極を陽極とし、それから離れた電極を陰極として電圧を印加して塩湖かん水の電気吸着を行うことによりホウ素成分を選択的に活性炭に吸着させ、ホウ素成分を吸着した活性炭を塩湖かん水から分離することを特徴とするものである。なお、ホウ素成分は活性炭から脱着により分離することができる。
本願発明における第4の課題は、第1ないし第3の課題を解決するための手段に好適に用いることができる電気吸着装置を提供することである。
この電気吸着装置における解決するための手段は、内部に活性炭を収容し、底部及び側部に水溶液が自由に移動できる開孔を有する内容器、その内容器の内周面に沿って隙間を持って配置された内電極、前記内容器の外側に配置され、内部に液体を収容することができる外容器、その外容器の内周面に沿って配置された外電極とを具備することを特徴とするものである。
本願発明には4つの解決するための課題があり、その結果、それぞれの課題に対応して4つの態様がある。第1ないし第3の態様は、塩湖かん水から電気吸着を用いて、目的物を取得する回収方法又は製造方法である。
従来の吸着においては、リチウム等を選択的吸着により分離することはできないとされており、そのため、吸着により塩湖かん水からマグネシウム含有量を低減したリチウムイオン含有かん水を製造することは不可能とされていたが、本願発明により意外にもそれを可能とした。
また、同じく吸着により、塩湖かん水からマグネシウムに加えてホウ素成分の含有量も低減したリチウムイオン含有かん水を製造すること及びホウ素成分の回収を行うことも不可能とされていたが、それらの場合についても本願発明により意外にも可能とした。
さらに、第4の態様は、これら電気吸着に好適な電気吸着装置であり、これを用いることにより前記第1ないし第3の態様を円滑かつ効率的に行うことができる。
本願発明の作用効果について更に言及する。
世界最大の埋蔵量を誇るウユニ塩湖、及びそれと同様の組成を有する塩湖かん水は、前記した通り未開発・未利用である。本願発明によれば、その未開発・未利用のウユニ塩湖等の塩湖かん水から、その開発・利用の妨げとなっていたマグネシウム及びホウ素成分を予め分離・除去することができる。
前記した通りであるから、本願発明は、ウユニ塩湖等の塩湖かん水からリチウム化合物を製造する際の未開発・未利用原因を排除し、塩湖かん水からリチウム化合物を製造する際の道を拓いたものである。
また、塩湖かん水から分離されたホウ素成分を回収することにより世界的に需要が急増しているホウ素化合物の用途に対応することができる。
そして、本願発明の電気吸着装置は、これらマグネシウム及びホウ素成分の電気吸・脱着による分離に好適に利用することができる。
マグネシウム及びホウ素成分の含有量を低減したリチウムイオン含有かん水等を製造する際に好適に使用できるリチウム又はマグネシウム等を吸着するのに適した電気吸着装置を図示するものである。 電気吸着装置の内容器の構成物を個別に図示するものである。 実施例2における選択吸着及び選択脱着の結果を図示するものである。 実施例2中に記載した比較例の吸着結果を図示するものである。
以下において、本願発明のマグネシウムを含有する塩湖かん水からマグネシウム量を低減したリチウムイオン含有かん水を製造する方法、同様に塩湖かん水からホウ素成分を回収する方法、マグネシウム及びホウ素成分の含有量を低減したリチウムイオン含有かん水を製造する方法、並びにそれらの製造等に適した電気吸着装置について更に詳細に説明する。
まず、それら製造方法、回収方法に好適に使用できる電気吸着装置について、図1を用いて詳細に説明する。
この図1に図示された電気吸着装置1は、内容器2及び外容器6を備えており、内容器2は側部及び底部には孔3を有し、帯状内電極4が内容器2内周面に沿って僅かに隙間を配して所定幅で全面に設置され、外容器2に収納されている水等の液体が内容器2の内外を自由に移動できる構造となっている。内容器2内には活性炭5が収納されており、その内容器2の孔3の径は活性炭5が通過できない程度であり、その孔3を通過して外容器6内の液体が内容器2内に自由に流入し、活性炭に接触することによりリチウム、ホウ素成分等が選択的に電気吸着により吸着される。その外容器6に保持される液体の液面は、内容器2の頂部を超えていても下回っていてもよく、要は活性炭及び両電極が前記液体に浸っていればよい。
内容器2は、合成樹脂製等の非導電性材料できており、それは押し出し成形等により製造されたプラスチック製の容器に小さな開孔を形成したものでもよいし、多数の小さな開孔を有する網状体により容器状に形成されたものでもよい。
図1の電気吸着装置においては、帯状内電極4は内容器2内周面に沿って所定幅で全面に設置されているが、帯状内電極4は内周面全面に沿って配置される必要はなく、活性炭に均等に電荷が印加されれば、一部分欠けている構造であってもよい。
また、その図1においては、帯状内電極4は開口の無い構造となっているが、開口があってもよく、その場合には内容器2内周面との間に間隙を設けず密着して配置してもよい。
外容器6の内周面にも帯状外電極7が配置されており、この帯状外電極7と前記帯状内電極4との間に電圧を印加することにより電気吸着が行われる。この帯状外電極7も帯状内電極4の場合と同様に、所定幅で外容器内周面全面に沿って配置される必要はなく、活性炭に均等に電荷が印加されれば、一部分欠けている構造であってもよい。また、帯状外電極7は図1においては開口の無い構造となっているが、開口があってもよい。
それら電極に使用される材料は特に限定されることはなく、各種のものが使用でき、白金又は金属チタン等が例示できるが白金が好ましい。
この電気吸着装置を用いて、所望目的物質を分離する場合には、所定時間電気吸着を行って、所望の成分を吸着し、その後電流を逆に流し、すなわち、両帯状電極4、7に印加する電荷を逆転させることにより吸着された成分を脱着するものであり、これにより脱着成分を回収することにより所望の成分を取得することができる。また脱着成分を除去する場合には、電気吸着に用いた水溶液を回収することにより、吸着された成分の低減された水溶液を製造することができる。この電気吸着装置を用いて前記した第1ないし第3の態様の製造方法等により目的成分を円滑かつ効率的に取得することができる。
例えば、塩湖かん水からマグネシウム含有量を低減したリチウムイオン含有かん水を製造する場合には、内容器2に設置された帯状内電極4を陰極、外容器6に設置された帯状外電極7を陽極として電気吸着を行い、電気吸着後印加電圧を逆転して脱着することによりマグネシウム含有量の低減したリチウムイオン含有かん水を得ることができる。
また、塩湖かん水からホウ素成分を回収する場合には、内容器2に設置された帯状内電極4を陽極、外容器6に設置された帯状外電極7を陰極として電気吸着を行い、電気吸着後に外容器7内の水溶液を水に取り替え、その後両電極に印加する電荷を逆転させることにより吸着された成分を脱着することにより目的のホウ素成分を得ることができる。
以下において、図1に図示する電気吸着装置を用いて、前記した第1ないし第3の態様である製造方法等について順に述べる。
前記第1の態様は、塩湖かん水からマグネシウムを低減したリチウムイオン含有かん水を製造する方法であり、この場合には、内容器2内に活性炭5を導入し、外容器6内にマグネシウムを含有する塩湖かん水を供給し、供給後内容器2に設置された帯状内電極4を陰極、外容器6に設置された帯状外電極7を陽極として所定時間電気吸着を行う。
電気吸着終了後、印加電圧を逆転することにより脱着操作を行うが、この脱着操作によりリチウムは脱着するものの、マグネシウムは吸着したままの状態が継続される。その結果、この脱着操作により、マグネシウムを分離したリチウムイオン含有かん水を得ることができる。その脱着操作の際における外容器内6に存在させる水溶液については、前記した通り吸着時に用いた塩湖かん水をそのまま用いることもできるが、その場合には未吸着の各種成分が得られたリチウムイオン含有かん水に残留することになるので、各種成分の存在しない水に代えることによりマグネシウムを完全に分離したリチウムイオン含有水溶液を得ることができる。
前記第2の態様は、塩湖かん水からホウ素成分を回収する方法であり、この場合には塩湖かん水中に存在するマグネシウムをまず除去する。その際の除去方法としては、消石灰を用いて水酸化マグネシウムを生成させ、それを固液分離する方法がよい。このマグネシウムが分離された塩湖かん水からホウ素成分を回収する場合にも、内容器2内に活性炭5を導入し、外容器6内にマグネシウムを除去した塩湖かん水を供給し、その供給後に前記第1の態様とは異なり内容器2に設置された帯状内電極4を陽極、外容器6に設置された帯状外電極7を陰極として所定時間電気吸着を行う。
この電気吸着により陽極にホウ素成分が選択的に吸着されるので、そのホウ素成分を回収するために、外容器内6に存在する溶液を多くの成分が残留する塩湖かん水から、各種夾雑成分の存在しない水に代え、その後印加する電圧を逆転することによりホウ素成分を脱着してホウ素成分を含有する水溶液を回収する。
この電気吸着の際の塩湖かん水のpHについては、2〜6がよく、好ましくは3〜5がよく、この好ましい範囲を選択することによりホウ素成分をより選択的に吸着することができる。
この第2の態様によりホウ素成分を回収することができるが、このことを翻って考えてみると、まずマグネシウムが分離され、次いでホウ素成分が回収された後の塩湖かん水中には、これら両成分が存在しないことになる。
これが正に第3の態様が狙いとするところであり、前記両成分の存在しない塩湖かん水は第3の態様の目的物であるから、この態様が本願発明の第3の態様ということになる。
以下において、本願発明について複数の実施例を用いて説明するが、本発明はこれらの実施例によって何等限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって特定されるものであることはいうまでもない。
内容器2内に活性炭5を収納した図1に図示した構造の電気吸着装置1を用いて模擬かん水により電気吸着を行った。
〈模擬かん水の調製〉
その際に用いた模擬かん水は、塩化リチウム(和光純薬(株)製)、塩化マグネシウム(関東化学(株)製)の各試薬を用いて調製した。その模擬かん水中のリチウムイオン濃度、マグネシウムイオン濃度はいずれも100ppm(mg/L)とした。
〈活性炭の前処理〉
活性炭は洗浄したものを用いた。
内容器2内に1gの活性炭を導入し、外容器7内に下記の溶液20mLを供給して帯状内電極4を陽極、帯状外電極6を陰極として40V/50mAを荷電して電気吸着を行った。その吸着後は、両電極に印加する電圧を逆転して吸着時と同一の電圧、電流、すなわち40V/50mAを印加して脱着を行った。その際の模擬かん水としては、
(1)リチウムが単独で濃度100ppmで含有される模擬かん水
(2)リチウムとマグネシウムとそれぞれ100ppmの濃度で含有する模擬かん水
とを用いた。
その際における荷電時間は、吸着時及び脱着時のいずれの場合も120分とした。なお、その際には、参考のために荷電するなく吸着を行った場合についても試験を行った。
それらの試験結果を表1に示す。その試験結果によれば、リチウムだけが溶解している試料を用いて電気吸着を行った試料(1)の場合には、試料中の49.3%が吸着され、脱着時には吸着したリチウムの52.7%が脱着することがわかる。なお、活性炭に電荷を印加せず通常の吸着を行った試料(2)の場合、すなわち電気吸着によらない吸着の場合にはリチウムが僅か3.2%しか吸着しないことがわかる。
Figure 2015062852
そして、リチウムとマグネシウムが共存している試料を用いて電気吸着した場合、すなわち試料(3)を用いた場合には、リチウムの吸着率が27.6%であるのに対し、マグネシウムの吸着率は44.6%であり、マグネシウムの方がより吸着されることが判る。しかしながら、吸着操作後電流を逆に流すことにより脱着操作をした場合には、リチウムは100%脱着するのに対し、マグネシウムは全く脱着しないことがわかる。してみれば、この両者の脱着特性を利用することによりリチウムを選択的に回収することが可能となる。
この実施例の場合には、下記組成の模擬かん水を調製した。すなわちマグネシウム、リチウム、ホウ素成分を含有する模擬かん水を調製した。
〈模擬かん水の調製〉
その組成の模擬かん水を調製するに当たっては、硝酸マグネシウム(関東化学(株)製)、塩化リチウム(和光純薬(株)製)、四ホウ酸ナトリウム(関東化学(株)製)の各試薬を用いた。その模擬かん水中のリチウムイオン濃度は1800ppm、マグネシウムイオン濃度は37000ppm、ホウ酸濃度は1170ppmに調製した。
〈活性炭の前処理〉
活性炭は1M/Lの塩酸で洗浄したものを使用した。
この試料溶液を用いて電気吸着を行うに当たり、模擬かん水中に存在するマグネシウムを予め除去すべく、まず消石灰を用いて水酸化マグネシウムの沈殿を生成させ、これを固液分離により除去した。マグネシウム除去後のリチウムイオン濃度は1600ppm、ホウ酸濃度は840ppmであった。
その後、内容器2内に1gの活性炭を導入し、外容器7内に前記マグネシウムを除去した模擬かん水20mLを供給して帯状内電極4を陽極、帯状外電極6を陰極として、陰極出力電圧4.4V、陰極出力電流335mAを荷電して電気吸着を行った。
その結果は、図3に図示した。この図3によれば、pH4で電気吸着を行った場合には、40%のホウ素成分が活性炭に吸着するのに対し、リチウムは僅か1%しか吸着しないことがわかる。してみれば、ホウ素成分は、外容器6から模擬かんすい水を取り出し、取り出し後外容器6に水を供給し、その後印加電圧を逆転して活性炭5から脱着することにより回収することができる。
他方、外容器6から取り出された模擬かん水は、マグネシウム及びホウ素成分が減少しており、それら両成分が低減したかん水を回収することができる。
なお、実施例2と同じかん水を用いて、予めマグネシウムを除去しないまま電気吸着を行った場合には、図4に図示するようにホウ素成分とリチウムの吸着率には殆ど差が無く、吸着率はいずれも低い。前記の通りであるから、予めマグネシウムを除去しないまま電気吸着を行った場合には、塩湖かん水からホウ素成分を分離することはできない。
1 電気吸着装置
2 内容器
3 内容器の孔
4 帯状内電極
5 活性炭
6 外容器
7 帯状外電極

Claims (7)

  1. 活性炭に近接配置した電極を陰極とし、それから離れた位置に配置した電極を陽極として電圧を印加して塩湖かん水の電気吸着を行うことによりリチウムを活性炭に吸着させ、吸着後は、両電極の印加電圧を逆にしてリチウムを選択的に脱着することにより回収することを特徴とするマグネシウム含有量を低減した塩湖かん水の製造方法。
  2. 塩湖かん水に消石灰を混合して水酸化マグネシウムを形成して固液分離により水酸化マグネシウムを除去し、前記除去後に、活性炭に近接配置した電極を陽極とし、それから離れた電極を陰極として電圧を印加して塩湖かん水の電気吸着を行うことによりホウ素成分を選択的に活性炭に吸着させ、ホウ素成分を吸着した活性炭を塩湖かん水から分離することを特徴とするホウ素成分の回収方法。
  3. 請求項2において、塩湖かん水のpHを3〜5において電気吸着を行うホウ素成分の回収方法。
  4. 塩湖かん水に消石灰を混合して水酸化マグネシウムを形成して固液分離により水酸化マグネシウムを除去し、前記除去後に、活性炭に近接配置した電極を陽極とし、それから離れた電極を陰極として電圧を印加して塩湖かん水の電気吸着を行うことによりホウ素成分を選択的に活性炭に吸着させ、ホウ素成分を吸着した活性炭を塩湖かん水から分離することを特徴とするマグネシウム及びホウ素成分の含有量を低減した塩湖かん水の製造方法。
  5. 請求項4において、塩湖かん水のpHを3〜5において電気吸着を行うマグネシウム及びホウ素成分の含有量を低減した塩湖かん水の製造方法。
  6. 内部に活性炭を収容し、底部及び側部に水溶液が自由に移動できる開孔を有する内容器、その内容器の内周面に沿って隙間を持って配置された内電極、前記内容器の外側に配置され、外容器内に液体を収容することができる外容器、その外容器の内周面に沿って配置された外電極とを具備する電気吸着装置。
  7. 請求項6において、内電極及び外電極を帯状とした電気吸着装置。
JP2013196474A 2013-09-24 2013-09-24 マグネシウム等の含有量を低減したリチウム含有かん水を製造する方法及びその製造に適した電気吸着装置 Pending JP2015062852A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013196474A JP2015062852A (ja) 2013-09-24 2013-09-24 マグネシウム等の含有量を低減したリチウム含有かん水を製造する方法及びその製造に適した電気吸着装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013196474A JP2015062852A (ja) 2013-09-24 2013-09-24 マグネシウム等の含有量を低減したリチウム含有かん水を製造する方法及びその製造に適した電気吸着装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015062852A true JP2015062852A (ja) 2015-04-09

Family

ID=52831235

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013196474A Pending JP2015062852A (ja) 2013-09-24 2013-09-24 マグネシウム等の含有量を低減したリチウム含有かん水を製造する方法及びその製造に適した電気吸着装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015062852A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101710283B1 (ko) * 2015-11-11 2017-03-08 고려대학교 산학협력단 마그네슘이온 선택적 회수장치와 이를 이용한 마그네슘이온 선택적 회수방법
CN114538660A (zh) * 2022-02-28 2022-05-27 瑜华科技(上海)有限公司 一种盐湖水的除硼方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101710283B1 (ko) * 2015-11-11 2017-03-08 고려대학교 산학협력단 마그네슘이온 선택적 회수장치와 이를 이용한 마그네슘이온 선택적 회수방법
CN114538660A (zh) * 2022-02-28 2022-05-27 瑜华科技(上海)有限公司 一种盐湖水的除硼方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Wang et al. Electrochemical technologies for lithium recovery from liquid resources: A review
Kim et al. Rapid and selective lithium recovery from desalination brine using an electrochemical system
Calvo Electrochemical methods for sustainable recovery of lithium from natural brines and battery recycling
Kim et al. Lithium recovery from brine using a λ-MnO2/activated carbon hybrid supercapacitor system
Sun et al. Green recovery of lithium from geothermal water based on a novel lithium iron phosphate electrochemical technique
JP2535748B2 (ja) リチウム回収方法
CN104577243B (zh) 一种利用锂离子载体从含锂离子溶液中回收锂资源的方法
EP2287117A1 (en) Capacitive deionization device and manufacturing method thereof
KR20160040572A (ko) 금속 이온 회수 장치, 금속 이온 회수 방법
CN102373341A (zh) 锂的回收方法及锂的回收装置
WO2016077974A1 (zh) 一种高效提取水中铀酰离子的方法
Su Electrochemical separations for metal recycling
US20150129433A1 (en) Method for recovering a metal from solution, system for recovering a metal from solution, and system for recovering lithium from salt water
CN101857282B (zh) 选择性吸附分离水溶液中硫氰酸盐和硫代硫酸盐的方法
CN102689937A (zh) 可再生过滤单元、可再生过滤系统及其操作方法
KR20140040007A (ko) 전기화학법을 이용하여 간수부터 리튬을 회수하는 방법
JP2015062852A (ja) マグネシウム等の含有量を低減したリチウム含有かん水を製造する方法及びその製造に適した電気吸着装置
US20170044032A1 (en) System for recovering multiple kinds of ions
JP2011154811A (ja) リチウムの浸出方法及びリチウムの回収方法
KR102208041B1 (ko) 흡착재를 이용한 리튬의 흡착, 탈착 및 농축장치
CN110577260B (zh) 一种液态阴极及其应用
KR102285849B1 (ko) Cdi를 이용한 고효율 리튬 회수 시스템 및 방법
JP5811401B2 (ja) 放射性セシウム汚染土壌の処理方法
AU2017420270A1 (en) Method for recovering scandium from red mud from alumina production
Aytaç et al. Considering the ion types while evaluating the performance criteria in electrodialysis systems.