本発明は概して、ユーザに音声信号を提供する装置のアクセサリに関する。
背景
音楽をオーディオプレーヤーでイヤホンを介して聴くことは、一般に行われている。音楽を聴くことは、例えば、聴く人をリラックスさせ、精神状態を改善するための手段の一つである。また、最近では、心身の状態を改善する様々な他の方法も行われている。運動や睡眠等の従来手段の改善が求められるが、光療法装置による光照射等のより技術的な他の手段も期待されている。しかし、これらの手段は相容れない場合もある。
本発明の実施形態は光療法を受けつつ、同時に音楽も聴けることを目的とする。
本発明のある側面に従って、特許請求の範囲における請求項1,9,13および23に記載の装置が提供される。
本発明のまたある側面に従って、特許請求の範囲における請求項24に記載のコンピュータプログラム製品が提供される。
本発明の実施形態は、特許請求の範囲における従属請求項にも記載されている。
以下、本発明を実施例および次の添付図面を参照しながら、より詳細に説明する。
ある実施形態に従う光療法を行う携帯型装置を示す。
図2Aおよび2Bは、ある実施形態に従うアクセサリを示す。
ある実施形態に従うアクセサリを示す。
図4A,4B,4Cは、インタフェースの実施例を示す。
ある実施形態に従うオーディオ装置を示す。
図6Aおよび6Bは、ある実施形態に従うイヤーピースユニットを示す。
図7Aおよび7Bは、別の実施形態に従うイヤーピースユニットを示す。
別の実施形態に従うイヤーピースユニットを示す。
実施例の説明
以下の実施形態は一例である。本明細書では、文書中の複数箇所で「ある」,「一つの」,「幾つかの」実施形態に言及するが、こうした記載は、各実施形態が同一の実施形態に対して記述されたり、一つの実施形態に対して特定の構成のみが適用されたりすることを意味するものではない。異なる実施形態における構成要素を組み合わせ、他の実施形態を提供してもよい。
先ず、図1を参照し、光療法の定義とその方法を説明する。人間の神経組織には、光の直接照射によって刺激される領域がある。刺激は代謝および/または神経反応を伴い、注意力や概日(サーカディアン)リズム,一部のホルモン・脳内伝達物質の濃度の変化として現われる。光照射は、自然からでも人工的によっても行われうる。可視光等の光照射のエネルギー量不足により、季節性情動障害(SAD)や鬱病等になることもある。
したがって、望ましくない生理的影響を防ぐほど自然光が十分ではない場合、人工光照射を使用することが求められる。この種の人工光は、家庭や職場等に設置される高照度光照射療法装置で生成される。しかしながら、携帯電子装置(PED)で光療法を行うこともできる。携帯電子装置は、ユーザ102の組織を刺激するために、光照射エネルギーをユーザ102の組織に非侵襲的に導く照射手段を備えてもよい。PEDは、PEDの中央ユニット100,光照射を放出する照射部材108A・108B,中央ユニット100と照射部材108A・108Bを接続する導線114A・114Bをそれぞれ備えてもよい。導線114A・114Bはそれぞれ、照射部材108A・108Bに命令を伝達したり、照射部材108A・108Bに光エネルギーを伝搬したりするのに使用されてもよい。
図1のある実施形態では、照射光106が携帯電子装置のユーザ102の外耳道110A・110Bを通って向かうように、ユーザ102がPEDを使用している。図はユーザ102の頭部を上から見たものである。外耳道110A・110Bは、ユーザ102の耳112A・112Bの一部をなす。照射部材108A・108Bはそれぞれ、ユーザ102の外耳道110A・110Bに照射光106を向け、光照射エネルギー106を頭蓋内神経組織104に伝達する。この例では、頭蓋内脳神経組織104で反応する療法が頭蓋内神経組織104に施される。この記載において、「照射光」や「光照射」,「光照射エネルギー」は同一の概念であり、両者には同一の参照番号106が使用される。照射光106は通常、赤外線から可視光,紫外線の波長領域を含む。
したがって、光照射エネルギー106は、放射線感受性のある神経組織で受け取られ、光照射エネルギー106で刺激される。例えば、光照射エネルギー106に応答する頭蓋内脳神経組織104は、大脳や小脳,前庭器官,聴覚器官,嗅覚器官,球,松果腺としても知られる松果体,自律神経系の領域等を含む。反応の大きさは、例えば、光照射106によるメラトニンホルモンの濃度変化に依存する。
ある実施形態では、光照射106に反応する頭蓋内神経組織は網膜を含み、その神経節細胞が後方から到達する光を感知してもよい。神経節細胞によるこの視覚は、通常の視覚とは別であり、一緒に含めることはない。神経節細胞はとりわけ拡散光に特化していて、その光感受性色素はメラノプシン蛋白質である。光に晒されると、神経節細胞は視交叉上核に信号を伝達する。視交叉上核はサーカディアンリズムの主要因子である。
ある実施形態では、光照射106に反応する頭蓋内神経組織は、松果体を調整する視交叉上核(SCN)を含む。松果体はメラトニンの分泌によってSCNを逆に調整する。視交叉上核はまた、サーカディアンリズムを制御する機能も有する。
光照射エネルギー106に反応する前述の頭蓋内脳神経組織104は一例に過ぎないことを留意されたい。光によっては、神経内分泌学等の他の手段を通じて概日リズムに影響を及ぼすものもある。頭蓋および頭蓋内神経組織には、光照射エネルギー106に対して非特異的な反応もあり、光照射エネルギー106によって温度上昇も起きる。こうした反応は、組織の代謝促進と免疫反応の変化を含む。
光照射106は、様々な方法でユーザ102に影響を及ぼしうる。ユーザ102の光感受性組織に光照射エネルギー106を伴って照射することを含む光療法は、ユーザ102の生理学的状態を改善できる。光療法で得られる効果には、限定はされないが、次のものがある:概日リズムの変化,時差ぼけの解消,交代勤務による不規則な睡眠の改善,睡眠リズムの例外的な変化,季節性情動障害(SAD),他の様々な感情症候群,身体機能の一時的向上,良好な目覚め,ストレス症候群の緩和,脳で感知される光不足による精神病,神経系の柔軟性の改善,性的不全の治療等。光療法にはまた、感染予防やパーキンソン病等の特定疾患の治療,鬱病や鬱症候群の治療等にも効果がある。例えば、双極性情動障害や躁病とも呼ばれる、双極性障害や躁鬱病の患者102は、頭蓋内神経組織等の光感受性組織に一定の光照射によって疾病治療を行ってもよい。適度の光照射106によって患者102は、鬱状態が軽減されるのを自覚できる。
患者の生理的状態を改善する他の方法として、音楽を聴くこともある。当然ながら、他の目的で音楽を聴いてもよい。音楽はオーディオプレーヤーで聴いてもよい。オーディオプレーヤーは、ユーザ102が持ち運びできる携帯型オーディオプレーヤーであってもよい。オーディオプレーヤーはこの場合、イヤホンに備わるスピーカー(トランスデューサー)にオーディオ電気信号を伝達してもよい。イヤホンは、スピーカーで生成されるオーディオ信号をユーザ102が聞けるように、ユーザ102の耳に装着される。しかし、ユーザ102が図1を参照して説明したような光療法の照射を受けている間は、こうして音楽を聴くことはできない。
このため、図2Aおよび2Bに示すように、オーディオ電気信号を提供できるオーディオ装置(AD)202のためのアクセサリ200が提供される。オーディオ装置は、携帯電話やMP3プレーヤー,パーム(小型)コンピュータ,パーソナルコンピュータ等であってもよい。
ある実施形態では、アクセサリ200は少なくとも一つのイヤーピースユニット204A・204Bを備え、その各々は、ユーザ102に音声を伝達するオーディオトランスデューサー206A・206Bを備える。イヤーピースユニットはイヤープラグやイヤホン等でもよい。ユーザ102は、イヤーピースユニット204A・204Bをそれぞれ自分の耳112A・112Bに装着してもよい。オーディオトランスデューサー206A・206Bはラウドスピーカー等でもよい。
アクセサリ200はまた、オーディオトランスデューサー206A・206Bをドライブするために、オーディオ電気信号をオーディオトランスデューサー206A・206Bにそれぞれ伝達する第1コンベヤ208A・208Bを備えてもよい。ドライブするとは、対象装置を制御および給電することを意味する。トランスデューサー206A・206Bはオーディオ電気信号を音声に変換してもよい。ラウドスピーカーは、オーディオ電気信号の変化に応じて動作し、空気や水等の媒体を通じて伝搬する音波を生成する。第1信号コンベヤ208A・208Bは、少なくとも1本の導線を備えてもよい。ある実施形態では、第1信号コンベヤ208A・208Bは、左右のオーディオチャンネルを生成するために、イヤーピースユニット204A・204B用の導線をそれぞれ備える。
アクセサリ200はまた、オーディオ装置202からオーディオ電気信号を受信し、第1信号コンベヤ208A・208Bにオーディオ電気信号を出力する、通信インタフェース210を備えてもよい。換言すれば、オーディオ装置202は図2Aで「AUDIO」接続と示されるオーディオ電気信号を出力する際、通信インタフェース210は、オーディオ電気信号をイヤーピースユニット204A・204Bと、ユーザ102に音楽を提供するオーディオトランスデューサー206A・206Bにそれぞれ転送してもよい。オーディオ装置202は、ラウドスピーカー206A・206B、すなわちイヤーピースユニット204A・204Bに異なるオーディオ信号を伝送してもよい。あるいは、オーディオ装置202から伝送されるオーディオ電気信号は、オーディオトランスデューサー206A・206Bの各々で共通であってもよい。この選択は、例えば、ステレオ音声の要否や、ユーザ102が一方のラウドスピーカーからある音声を聴き、他方のスピーカーからは別の音声トラックを聴きたいかどうか等に依存してもよい。
イヤーピースユニット204A・204Bの各々はまた、少なくとも一つの光照射源(ORS)212A・212Bを備えてもよい。少なくとも一つの光照射源212A・212Bは、ユーザ102に光照射を行い、光照射はユーザ102の光感受性組織に照射することである。こうして、ORS212A・212Bがユーザの光療法に使用される。少なくとも一つの光照射源212A・212Bは、少なくとも一つの発光ダイオードや光ファイバー等を備えてもよい。この点では、少なくとも一つの光照射源212A・212Bは図1の照射部材108A・108Bに類似する。しかし前述のように、イヤーピースユニット204A・204Bはオーディオトランスデューサー206A・206Bも装備している。
アクセサリはまた、光照射源212A・212Bをドライブするために、光電気信号を少なくとも一つの光照射源212A・212Bに伝達する第2信号コンベヤ214A・214Bを備えてもよい。ドライブするとは、対象装置を制御および給電することを意味する。光電気信号は、光照射源212A・212Bに伝送するための電気信号であってもよい。つまり、電力信号であってもよい。「光(電気信号)」という語句は、オーディオトランスデューサー206A・206Bに伝送される電気信号であるオーディオ電気信号と区別するために使用される。
オーディオトランスデューサー206A・206Bで生成される音声によって、音楽やオーディオブック等を聴くことができる。ある実施形態では、音声は、光療法を使い方に関するオーディオ命令を含む。この命令は、光照射を受ける時間と照射場所に関する情報を含む。これにより、ユーザがイヤホンを耳に装着すると、光療法に関する情報(例えば、光療法の利用方法に関する音声ガイド)を受信できるという利点がある。ある実施形態では、音声は、オーディオセラピーに関連する音声を含む。これにより、ユーザが別のリラクゼーション手段や光照射,オーディオセラピーを受けられるという利点がある。
また、オーディオトランスデューサー206A・206Bは、ユーザの周囲で聞こえるオーディオ信号を表現するオーディオ信号をユーザに伝達してもよい。この場合、アクセサリやオーディオ装置はマイクロフォンを備え、オーディオトランスデューサー206A・206Bがマイクロフォンで受信したオーディオ信号をユーザに伝達してもよい。マイクロフォンとオーディオトランスデューサー206A・206Bはこの場合、ロジック的に相互接続されていてもよい。
通信インタフェース210はまた、少なくとも一つの光電気信号を第2信号コンベヤ214A・214Bに出力するように構成されてもよい。光電気信号はこうして、少なくとも一つの光照射源(ORS)212A・212Bを制御するために使用されてもよい。第2信号コンベヤ214A・214Bは、少なくとも1本の導線を備えてもよい。ある実施形態では、第2信号コンベヤ214A・214Bは、イヤーピースユニット204A・204B用の各導線を備え、それぞれ右イヤーピースユニット204Aにある少なくとも一つの光照射源212Aと、左イヤーピースユニット204Bにある少なくとも一つの光照射源212Bとに対して、制御信号の提供と給電を行えてもよい。
第2信号コンベヤ214A・214Bは第1信号コンベヤ208A・208Bとは異なる点に留意されたい。これにより、ユーザ102は音楽を聴きながら同時に、光療法として光照射を受けられるという利点がある。別々の第1信号コンベヤと第2信号コンベヤにより、少なくとも一つの光照射源212A・212Bとオーディオトランスデューサー206A・206Bとを別々に、かつ同時に制御することが可能となる。こうして、音楽を聴く際、光療法を止める必要がない。少なくとも一つの光照射源212Aとオーディオトランスデューサー206Aの両方を同一の信号コンベヤに接続すると、音楽を聴くことと光療法を同時に行えなくなる。また、トランスデューサー206Aが少なくとも一つの光照射源212Aへ供給される電力の一部を使うために、光照射源212Aは供給電力の低下を被ることもあり、逆の場合もある。
少なくとも一つの光照射源212A・212Bをドライブする光電気信号は、照射時間、すなわち、少なくとも一つの光照射源212A・212Bが光照射を放出する時間や,照射強度等を決定するために使用されてもよい。照射時間は光電気信号を送信することで決定され、所定の照射時間のみ、少なくとも一つの光照射源212A・212Bに給電してもよい。照射頻度も同様に、所定の時間間隔に従って少なくとも一つの光照射源212A・212Bに光電気信号を送信することで決定されてもよい。少なくとも一つの光照射源212A・212Bによる照射の強度は、少なくとも一つの光照射源212A・212Bへ伝送される光電気信号の電流/電圧を制御することで決定されてもよい。
図2Aの実施形態で、オーディオ装置202は、少なくとも一つの光照射源212A・212Bをドライブする光電気信号の送信を実行する。これは、オーディオ装置202から通信インタフェース210への「OPT」接続で示される。こうして、少なくとも一つの光照射源212A・212Bを動作するのに必要な電力は、オーディオ装置から供給される。光電気信号はこうして、少なくとも一つの光照射源212A,212Bを制御可能にし、給電も行う。これにより、アクセサリ200には追加電源が不要であるという利点がある。
ある実施形態では、通信インタフェースはまた、各オーディオトランスデューサーと各光照射源に対する一つの基準信号点を備えてもよい。この種の基準点は図2Aと2Bの点線216で示すグランド等でもよい。
図2Bの実施形態で通信インタフェース210は、3.5mm4極オーディオジャック等のオーディオジャック218である。4極(「LEFT」,「RIGHT」,「MIC」,「GND」)は次のように使用される:1極(「RIGHT」)は、オーディオ装置202からのオーディオ電気信号を受信し、右オーディオチャンネルを生成するために同信号を第1信号コンベヤ208Aに出力する;1極(「LEFT」)は、オーディオ装置202からのオーディオ電気信号を受信し、左オーディオチャンネルを生成するために同信号を第1信号コンベヤ208Bに出力する;1極(「GND」)は、コモン基準点216を提供する;1極(「MIC」)は、オーディオ装置202からの光電気信号を受信し、少なくとも一つの光照射源212A・212Bを制御するために同信号を第2信号コンベヤ214A・214Bに出力する。したがって、マイクロフォンからの信号入力として「MIC」極を使用する代わりに、少なくとも一つの光照射源212A・212Bの制御・給電する光電気信号を送信するために「MIC」極(ピン)が使用される。
ある実施形態では、第2信号コンベヤ214は各光照射源212A・212Bに共通の単一導線である。この場合、通信インタフェース218は、各光照射源212A・212Bが導線214経由で光電気信号を取得するように、「MIC」極を経由して同光電気信号を出力するように構成される。図2Bには、導線214が最初に第1イヤーピースユニット204Aまで延ばされ、接地点216に接続される前に第2イヤーピースユニット204Bに続いている。二つのイヤーピースユニット204A・204B間の導線214ループの中間点217は、通信インタフェース218の外部または内部であってもよい。通信インタフェース218の外部に中間点217がある場合、通信インタフェース218に余分な開口部が不要となる利点がある。通信インタフェース218の内部に中間点217がある場合、導線214は第1信号コンベヤ208A・208Bおよび/または第2信号コンベヤ214の残りと混線したり縺れたりしにくい利点がある。
図2Aのようなある実施形態では、通信インタフェース210は、複数の光電気信号を出力し、各光電気信号が光照射源212A・212Bの一つを制御するように構成されてもよい。第2信号コンベヤ214Aを経由してくる光電気信号は光照射源212Aを制御し、第2信号コンベヤ214Bを経由してくる別の光電気信号は光照射源212Bを制御してもよい。これにより、少なくとも一つの光照射源212A・212Bが何時、どの程度の強度でユーザ102に光照射を行うかを、ユーザ102が各光照射源212A・212Bで個別に決定できる利点がある。
各イヤーピースユニット204A・204Bまたはその少なくとも一つが複数の光照射源を備える場合、一つのイヤーピースユニット204A・204B内における各光照射源を制御するために別々の光電気信号が使用されてもよい。これにより、特定の方向の光照射をユーザ102が行える利点がある。光照射の方向は、神経組織の特定部位や光感受性細胞にのみ作用するように定められてもよい。例えば、光照射源が一つのイヤーピースユニット内で円周に沿って配置される場合、ユーザ102は、光照射源の一部が照射するように光照射源を制御できる。これにより、例えば、神経組織の所望する特定の部位にのみ伝搬する光照射を行える。こうして、SAD等の特定の生理的状態に作用するように光照射を使用できる。この場合、複数の導線等で複数の第1信号コンベヤがあって、各光照射源に一つが使われ、複数の導線で光照射源を制御・給電してもよい。
ある実施形態では、アクセサリはまた、通信インタフェース210と動作可能であるように接続されるコントローラ302を備えてもよい。この種のアクセサリ300を図3に示す。図3は、ある実施形態に従うアクセサリ300を理解する上で必要な要素と機能エンティティのみを示す。簡略化のため、他の部品は省略されている。要素と機能エンティティの実装は、図3で示したものから変更されうる。図3に示す接続は、論理接続であって、実際の物理的接続とは異なりうる。この接続は、直接・間接を問わず、構成要素間の機能的関係のみを表わしている。当業者であれば、アクセサリ300は他の機能・構造でもよいことが理解される。
コントローラ302は、コンピュータ可読メディアに格納される適切なソフトウェアを備えるディジタルシグナルプロセッサや、特定用途向け集積回路(ASIC)等のロジック回路に実装されてもよい。例えば、コントローラ302はデュアルコアプロセッサやマルチコアプロセッサでもよい。アクセサリ300は、コントローラ302に接続するメモリ306を備えてもよい。しかし、メモリはコントローラ302に内蔵されていてもよく、その場合、メモリ306は不要である。メモリは例えば、ユーザ102が入力する光療法に関する情報を格納するために使用されてもよい。
アクセサリ300は電源308を備えてもよい。電源308はアクセサリ300がその機能を実行できように給電してもよい。しかし、アクセサリ300に接続するオーディオ装置202から、動作に必要な給電を受けてもよい。その場合、個別の電源308は不要である。
コントローラ302は、オーディオ装置202から受信したオーディオ電気信号を通信インタフェース210に転送するように構成されてもよい。こうして、図2Aと2Bを参照して説明したように、通信インタフェース210はイヤーピースユニット204A・204Bにオーディオ電気信号を伝送してもよい。しかしこの実施形態では、オーディオ装置202は、イヤーピースユニット204A・204Bに配置される少なくとも一つの光照射源に対する光電気信号を伝送しなくてもよい。その代わり、コントローラ302は、少なくとも一つの光照射源をドライブする少なくとも一つの光電気信号を生成し、通信インタフェース210に伝送してもよい。光照射源をドライブすることとは、少なくとも一つの光照射源が伝送する光電気信号で制御・給電されることを意味する。したがって、基本的には、オーディオ電気信号を出力するあらゆる電子装置は、機能変更せずにオーディオ装置202として使用できる。このことは、光照射を制御し光電気信号を生成するユーザ通信インタフェースに必要な機能が、アクセサリ300のコントローラ302に組み込まれているからである。オーディオ装置202の要件の詳細は後述する。
図3は各イヤーピースユニット204A・204Bに対して光電気信号とオーディオ電気信号を一つずつしか示していないが、複数の光電気信号と複数のオーディオ電気信号がイヤーピースユニット204A・204Bに伝達されてもよい。この場合、複数の第1および第2信号コンベヤ208A・208B,214A・214Bがコントローラ302と各イヤーピースユニット204A・204B間に用意されてもよい。これは特に、一つのイヤーピースユニットにある複数の光照射源212A・212Bを個別に制御する必要がある場合に有益である。例えば、各光照射源212A・212Bからの光照射の強度および/または時間を個別に制御できる。
図3の実施形態では、アクセサリはまた、コントローラ302と動作可能に接続する入力インタフェース304A・304Bを備え、ユーザ102からの入力命令をコントローラ302に渡すように構成されてもよい。入力命令は、少なくとも一つの光照射源をドライブする少なくとも一つの光電気信号の大きさと持続時間を制御する。ユーザ102は例えば、入力インタフェース304A・304Bを用いて光療法を起動してもよい。入力インタフェースは、ボタンやキーボード,マイクロフォン305等の音声命令を受信する手段,タッチボタン,スライドボタン等を備えてもよい。前述のように、光電気信号の持続時間は、光治療の時間パラメータ、すなわち少なくとも一つの光照射源が何時、どの位の時間光照射を行うかを決定してもよい。光電気信号の大きさは、光療法の強度を決定してもよい。光電気信号の大きさは、伝搬する信号の電圧や電流を示してもよい。
ある実施形態では、アクセサリ300は、コントローラ302と動作可能に接続する第2通信インタフェース310を備え、オーディオ装置202とコントローラ302との間を通信できるように構成されてもよい。これは、オーディオ装置202からのオーディオ電気信号を受信するために、および/またはアクセサリ200・300がオーディオ装置202に接続される際に必要とされてもよい。オーディオ装置202は、アクセサリ200・300から識別情報を取得する必要があってもよい。
通信インタフェース210または通信インタフェース310の何れかは、ユニバーサルシリアルバス(USB)やBluetooth(登録商標)接続,オーディオジャック等を備えてもよい。通信インタフェースのこれら実施例は図4A・4B・4Cに示される。図4Aでは、通信インタフェース210/310は、3.5mm4極オーディオジャック等のオーディオジャック404を備える。オーディオジャックは図2Bに関連して説明済みのものと同様である。つまり、通信インタフェース310は、オーディオジャックであってもよい。図4Bでは、通信インタフェース210/310は、USBコネクタ400を備える。図4Cの実施形態では、通信インタフェース210は、オーディオ装置202に対する無線Bluetoothコネクタ402を備える。これにより、複数の制御信号をオーディオ装置202とイヤーピース204との間、または(後述する)オーディオ装置とコントローラ302との間で通信し、光照射源の各々に個別の制御信号を使用できる。
図2Aと2Bの通信インタフェース210としてBluetooth接続を使う場合、各イヤーピースユニット204A・204Bは、オーディオトランスデューサー206A・206Bと少なくとも一つの光照射源212A・212Bに給電する電源を備えてもよい。この実施例では、第1および第2信号コンベヤは、イヤーピースユニット204A・204Bとオーディオ装置202との間、またはイヤーピースユニット204A・204Bとコントローラ302との間の空気界面に備わっているものとみなしてもよい。
図3の通信インタフェース310としてBluetooth接続を使う場合、電源308は、オーディオトランスデューサー206A・206Bと少なくとも一つの光照射源212A・212Bに給電するために必要である。
通信インタフェース210または310としてオーディオジャック404やUSBコネクタ400等の有線接続を使う場合、オーディオトランスデューサー206A・206Bと少なくとも一つの光照射源212A・212Bに給電する電源は、オーディオ装置202に設置されてもよい。こうして、アクセサリ200または300は電源を備える必要がない。
ある実施形態では、コントローラ302はイヤーピースユニット204A・204Bに配置される。この場合、コントローラ302は、対応するイヤーピースユニット204A・204B内の光照射源の各々を個別に制御してもよい。この実施形態ではまた、コントローラ302とオーディオトランスデューサー,光照射源(複数を含む)が全て単一のエンティティとして実装され、BluetoothやUSB,オーディオジャックを用いてオーディオ装置に接続するために、高度な集積構造を提供する。この実施形態では、コントローラ302を備えるイヤーピースユニットは、バッテリ308および/またはマイクロフォン305を備えてもよい。マイクロフォンはまた、前述のようにユーザがオーディオトランスデューサーを介して聞ける外部の音声信号を受信するために使用されてもよい。
オーディオ電気信号を出力できるオーディオ装置(AD)202も提供される。この種のオーディオ装置202を図5に示す。図5は、ある実施形態に従うオーディオ装置202を理解する上で必要な要素と機能エンティティのみを示す。簡略化のため、他の部品は省略されている。要素と機能エンティティの実装は、図5で示したものから変更されうる。図5に示す接続は、論理接続であって、実際の物理的接続とは異なりうる。この接続は、直接・間接を問わず、構成要素間の機能的関係のみを表わしている。当業者であれば、オーディオ装置202は他の機能・構造でもよいことが理解される。
オーディオ装置202は、図5で示すように、オーディオ電気信号を生成するように構成されるコントローラ502を備えてもよい。コントローラ502は、コンピュータ可読メディアに格納される適切なソフトウェアを備えるディジタルシグナルプロセッサや、特定用途向け集積回路(ASIC)等のロジック回路に実装されてもよい。例えば、コントローラ502はデュアルコアプロセッサやマルチコアプロセッサでもよい。オーディオ装置202は、コントローラ502に接続するメモリ506を備えてもよい。しかし、メモリはコントローラ502に内蔵されていてもよく、その場合、メモリ506は不要である。メモリ506は例えば、オーディオトラックや、ユーザ102が入力する光療法に関する情報を格納するために使用されてもよい。図5で示していないが、オーディオ装置202は電源を備えてもよい。電源は、オーディオ装置202と、必要に応じてアクセサリ200/300に給電するために使用されてもよい。
オーディオ装置202は、オーディオ電気信号を出力するように構成される通信インタフェース510を備えてもよい。通信インタフェース510はまた、アクセサリ200/300に接続するように構成されてもよい。より具体的には、通信インタフェース510は、アクセサリ200/300の通信インタフェース210/310を受けるように設計されていてもよい。こうして、イヤーピースユニット204A・204Bに配置されるオーディオトランスデューサーをドライブするオーディオ電気信号をアクセサリ200/300が受信するように、通信インタフェース510はアクセサリ200/300に信号を出力する。
コントローラ502はまた、アクセサリ200の少なくとも一つの光照射源をドライブする少なくとも一つの光電気信号を生成してもよい。結果として、コントローラ502は、少なくとも一つの光照射源212A・212Bをドライブする少なくとも一つの光電気信号をアクセサリ200に出力してもよい。アクセサリ200はこうして、少なくとも一つの光照射源212A・212Bをドライブする(制御・給電する)光電気信号を受け取る。
図3に示すアクセサリの実施形態では、アクセサリ300は光療法をドライブする光電気信号を生成するコントローラ302を備える。この場合、オーディオ装置は光電気信号ではなくオーディオ電気信号のみを出力する必要がある。こうして、携帯電話のような、オーディオ信号を出力できるオーディオ装置202のように動作する。
しかし、図2Aと2Bで示す簡単な装置200のように、アクセサリ自身がコントローラ302を備えない場合、オーディオ装置202は、少なくとも一つの光照射源212A・212Bをドライブする光電気信号を生成する必要があってもよい。このために、オーディオ装置202は、アクセサリ200/300の少なくとも一つの光照射源212A・212Bのパラメータを検出および制御してもよい。例えば、光照射源が発光ダイオード(LED)を備える場合、オーディオ装置202は、LEDの調整パラメータを知るためにLEDの種類を検出する必要があってもよい。調整パラメータの例として、LEDの抵抗やLEDの発光波長等が含まれる。光電気信号による最適電力が少なくとも一つの光照射源212A・212Bに供給されるようにするためには、調整パラメータが重要となる。異なる種類のLEDがある場合、電気制御信号の大きさ等のパラメータの選択は、調整パラメータの最高値を持つLEDに基づいてもよい。代替として、前述のように各光照射源212A・212Bが別々に提供されてもよい。
アクセサリ200/300の通信インタフェース210/310を受ける通信インタフェース510は、アクセサリ200/300がオーディオ装置202の通信インタフェース510と接続したことを検出するように構成される検出回路508を備えていてもよい。こうして、オーディオ装置202は、オーディオ電気信号と少なくとも一つの光照射源をドライブする光電気信号の両方を出力するか、オーディオ電気信号のみを出力するか、の何れを実行すべきかを知ることができる。この検出は、アクセサリ200/300からの識別情報を受信して実行されてもよい。この識別情報で、オーディオ電気信号と少なくとも一つの光照射源212A・212Bを制御する光電気信号をアクセサリ200/300が同時に提供する必要があることが明らかにされる。
オーディオ装置202はさらに、入力インタフェース504A・504Bを備えてもよい。それでコントローラ502は、ユーザ102から入力インタフェース504A・504Bを介して受信した入力命令に基づいて、出力する少なくとも一つの光電気信号の大きさや持続時間を制御してもよい。こうした制御は、図3に関連する入力インタフェース304A・304Bを用いて同様に行われてもよい。
ある実施形態では、通信インタフェース510はオーディオジャックである。オーディオプラグは、図2Bのオーディオジャック218との接続に適合するものであってもよい。そしてコントローラ502は、アクセサリ200の少なくとも一つの光照射源をドライブする少なくとも一つの光電気信号の出力として、オーディオプラグのマイクロフォン入力極を適用してもよい。アクセサリ200はこうして、図2Bに関連して前述した、オーディオジャック218の「MIC」極を介して光電気信号を受信する。
さらに、オーディオ装置202のコントローラ502は、マイクロフォン入力極を用いて、光電気信号の出力とマイクロフォン入力とを切り替えてもよい。こうして、光療法の制御で適用される光電気信号が出力されない場合、1極をマイクロフォン入力として使用してもよい。これにより、「MIC」の使用を動的に切り替え、光療法を制御する光電気信号を受信できるオーディオ装置202であっても、オーディオ情報を受信することが可能となる。
ある実施形態では、アクセサリ200・300は図2や3に示されるイヤーピースユニット204A・204Bを備える。イヤーピースユニットについては、三つの実施例600,700,800をそれぞれ図6,7,8に示し、図を参照して詳述する。これらの例示的イヤーピースユニット600・700・800は、必要に応じてアクセサリ200・300のイヤーピースユニット204A・204Bの代替としてもよい。
ある実施形態では、図6Aと6Bに示すように、イヤーピースユニット600は、信号受口614からオーディオ電気信号(「AUDIO」)を受信して、受信したオーディオ電気信号を音声に変換するように構成されるオーディオトランスデューサー206A・206Bを備える。イヤーピースユニット600はまた、信号受口614から少なくとも一つの光電気信号(「OPT」)を受信するように構成される電気回路702を備える。電気回路は、プリント配線基板や集積回路,有機電子回路等であってもよい。イヤーピースユニット600はまた、少なくとも一つの受信した光電気信号に基づいて光照射を生成するように構成される、少なくとも一つの光照射源212A・212Bを備えてもよい。生成した光照射は、図6Aの点線で示すユーザ102の外耳道110A・110Bに向けられる。光源はLED等でもよい。「AUDIO」と「OPT」の受信電気信号は、それぞれスピーカー206・206Bと光照射源212A・212Bに受け渡されてもよい。光電気信号は、それが受信されるときに光照射源212A・212Bが光照射を行うように、光照射を制御してもよい。光電気信号の大きさ(電圧/電流)が光療法の強度を決定してもよい。光電気信号が大きいほど、ルクス等で定義する光照射強度も高くなる。照射光は外耳道110A・110Bに向けられるため、光照射源212A・212Bは外耳道110A・110B以外の方向に照射しない。
図6と7のイヤーピースユニット600・700は、オーディオトランスデューサー206A・206Bと少なくとも一つの光照射源212A・212Bを備える主要部604を備えてもよい。主要部はユーザ102の外耳道110A・110Bに入れられない。オーディオトランスデューサー206A・206Bと光照射源212A・212Bは外耳道110A・110Bに熱を生じさせないため、このことは有利な点となる。むしろ、周囲の空気で主要部604は冷却されうる。
イヤーピースユニット600・700はまた、主要部604に取り付けられていて、ユーザ102の外耳道110A・110Bにフィットするように構成される、先端部606を備えてもよい。先端部606は楕円断面を有する。図7は、イヤーピースユニット700を破線706で仮想的に主要部604と先端部606に分けたものを示す。図6Bは、イヤーピースユニット600を矢印620の向きから見た先端部606の楕円断面の詳細を示す。図6Bでは、主要部604は円形断面を有し、先端部606は同図の最大楕円で示される。当然ながら、主要部604の形状は円形に限らず、他の適切な形状でもよい。また図6Aと6Bには、ソフトだがぴったりと耳にフィットさせるように、先端部606が溝608と拡張部610を備えてもよいことを示している。ぴったりとフィットさせるために、先端部606の少なくとも一部は、ゴムや泡状物質等の柔軟性のある材料からなっていてもよい。人の外耳道110A・110Bは通常楕円断面であるため、楕円断面の形状が外耳道110A・110Bにぴったりとフィットするのにも役立つ。イヤーピースユニットを自分の耳にあるようにデザインしたいユーザの要望を満たすために、個別形状の先端部606を用意することも可能である。
ある実施形態では、イヤーピースユニット600は、ユーザ2012の外耳道110A・110Bに照射光を導くように構成される、少なくとも一つの導光路602を備える。導光路602は光ファイバー等でもよい。導光路602の内側を伝搬する光が導光路の内側で反射するように、内側には反射性材料が用いられてもよい。各光照射源212A・212Bは、それぞれ導光路602を有してもよく、単独の導光路602が複数の光照射源212A・212Bからの照射を導光してもよい。
ある実施形態では、図6Aで示すように、導光路602が光照射源212A・212Bから分離していてもよい。代替として、導光路602は光照射源と一体でもよい。しかし、光照射源212A・212Bで生じる熱が導光路602に伝導せずに消散するように十分な空間を持てるため、分離する構成は有益である。こうして、外耳道110A・110Bで感じる熱を減らすことができる。また、分離構成により、光照射源212A・212Bと導光路602との間に空気界面が生成される。この空気界面により、照射源212A・212Bからディストーションせずに光照射を行える。導光路602が光源212A・212Bに接着される場合、光源212A・212Bを導光路602に接着する手段は光照射を歪めることもある。この接着手段は接着剤等でもよい。これにより、照射光が導光路602に全く入射せず、導光路602の接着手段で反射および/または吸収される可能性もある。さらに、分離構成により、光照射源212A・212Bからの照射を導光路602に確実に導光できる。ただし、これは照射光の波長に依存する。分離する距離を延ばすと、長波長の光は導光路に入射せず、短波長の光だけが入射する。特定の光照射に適合する分離構成は、光路を分析して予め決定されてもよい。このように必要に応じて、特定の波長を選別するために分離構成がとられてもよい。
少なくとも一つの導光路602は、主要部604から先端部606の内側まで延ばされていてもよい。すなわち、例えば光ファイバーが、ユーザ2012の外耳道110A・110Bに入れられるイヤーピースユニット600の一部まで延ばされていてもよい。これには、照射光がより効率的にユーザ102の神経組織104に入射される利点がある。
イヤーピースユニット600はまた、ユーザ102の外耳道110A・110Bに音声を伝達する導波路616を備えてもよい。導波路616は、主要部604から先端部606の内側まで延ばされている。導波路616の延長により、オーディオトランスデューサー206A・206Bで生成した音声をユーザの外耳道110A・110Bに効率よく導くことができる。こうして、音声は全方向に拡散されずに、導波路が生成した音声を集め、ユーザ102の外耳道110A・110Bに導くことができる。導波路616は、少なくとも1つの導光路602とは別の導波路であってもよい。これは、照射光と音声の両方がそれぞれの目的に応じて適切に導かれるため有益である。
導波路616と導光路602は図6Bで示すように、円形断面を有してもよい。これは、楕円断面の先端部606にとって有利である。(導波路616と導光路602の例示的な形状として)円形断面を有する二つの管が互いに隣接している場合、前述したように耳にぴったりとフィットさせる利点のために、周辺領域は楕円断面を有してもよい。
図7のイヤーピースユニット700では、少なくとも一つの光照射源212A・212Bが電気回路702に搭載される。電気回路はプリント配線基板(PWB)で、オーディオトランスデューサー206A・206Bを設置したり、導波路616を延長したりできる開口部を有する。これにより、非常に効率よく空間を利用できる。PWB702の貫通孔(開口部)を通る導波路616を備えることにより、導波路616をPWB702に隣接して設ける必要がない。
ある実施形態では、少なくとも二つの光照射源212A・212Bが電気回路702上を円周に沿って配置される。こうして、光照射源212A・212Bは、導波路616および/またはPWB702を突き出すオーディオトランスデューサー206A・206Bを取り囲んでもよい。これは、イヤーピースユニットに必要な物理的空間を省くのに有益である。複数の光照射源212A・212Bがある場合、前述のように、個別の光電気信号で各光照射源212A・212Bを制御することによって照射光の指向性を制御してもよい。
ある実施形態では、イヤーピースユニット700の先端部606と導波路616は、ユーザ102の外耳道110A・110Bに光照射を導光するように構成され、先端部606内側と導波路616の外側が少なくとも部分的に反射性材料でコーティングされている。この実施形態では、追加の導光路が不要である。少なくとも一つの光照射源212A・212Bからの照射光が先端部606の内側および/または導波路616の外側に当たると、照射光は当たった点で反射して開口部704に向かう。特に、図7Aに示すように、先端部606と導波路616は導光路としても機能し、照射光は点線で示すように、先端部606と導波路616によって外耳道110A・110Bに面する開口部704に進む。これは、イヤーピースユニットに要求される物理的空間を減らして製造コストを削減できる利点がある。
別の実施形態では、図7Aには示していないが、図7の各光照射源212A・212Bがそれぞれ自身の導光路602を有し、各導光路が光照射源212A・212Bからの光を外耳道110A・110Bへ導光してもよい。この実施形態では、先端部606が反射性材料である必要がない。
ある実施形態では、無線Bluetooth接続を介してアクセサリ200・300に接続する場合、イヤーピースユニット600・700は、オーディオトランスデューサー206A・206Bと少なくとも一つの光照射源212A・212Bに給電する電源を備えてもよい。アクセサリ200・300への接続が有線の場合、必要な動作電力はアクセサリ300やオーディオ装置202から供給され、追加の電源612は不要である。
図7Bは、ユーザ102の外耳道110A・110Bに面する側、すなわち、図7Aの矢印708で示す向きから見たイヤーピースユニット700を示す。この実施形態では、主要部604は円形断面である。しかし、主要部604の形状は任意でよく、例えば方形断面であってもよい。図7Bはまた、耳によくフィットする楕円状の先端部606を示す。電気回路702は右寄り斜線で示されている。電気回路702の開口部により、導波路616を、電気回路702を貫通して先端部606の内側まで延ばすことができる。前述のように、ある実施形態では、先端部606と導波路616は光照射源212からの照射光を外耳道110A・110Bへ導光する。別の実施形態では、図7Bで示すように、導光路602が照射光を導光する。
図8は、イヤーピースユニットの更なる実施例を示す。ある実施形態では、イヤーピースユニット800は、ユーザ102の外耳道110A・110Bに音声を導く導波路616と、ユーザ(102)の外耳道110A・110Bに生成した照射光を導光するように構成される、少なくとも一つの導光部602を備える。この実施形態では、導波路616と少なくとも一つの導光路602,電気回路702,少なくとも一つの光照射源212A・212Bが単一のエンティティ804に組み込まれている。エンティティ804はイヤーピースユニット800の残り部分と交換接続可能である。これにより、使わないときにユーザ102がエンティティ804を交換できる利点がある。
エンティティ804の少なくとも一部は、使用の際、ユーザ102の外耳道110A・110Bに入れられるように構成されている。こうして、元のエンティティを別のエンティティに交換できることで、ユーザ102は自分の外耳道110A・110Bの大きさに合わせてエンティティ804を選択してもよい。例えば、ユーザ102の外耳道110A・110Bが比較的狭い場合、ユーザ102は比較的小さい直径または断面の寸法のエンティティ804を選択してもよい。
イヤーピースユニット800の導波路616は、音声出力用に導波路616の縦方向に少なくとも一つの開口部818A・818Bを備えてもよい。電気回路702には、少なくとも一つの光照射源212A・212Bが搭載されるため、導波路616の終端に設置されてもよい。この構造により、少なくとも一つの光照射源212A・212Bは導波路616に搭載され、その導波路がまた電気回路702の取付板として機能するため、空間を有効に活用できる。
図8に示される実施形態では、従来型のイヤープラグをイヤーピースユニット800製品の開始点として使用できる。ユーザ102は、光療法と音楽を聴くことの両方に適したイヤーピースを得るために、エンティティ804を従来型のイヤープラグに追加してもよい。エンティティ804をスピーカー206A/206Bに接続するために、エンティティ804が締付ブラケットやサスペンションストラップ,固定ジョー(fixing jaw)等の接続機構を備えてもよい。ある実施形態では、エンティティ804は、スピーカー206A/206Bを覆うように延ばせるフレキシブルカバーを備え、スピーカー206A・206Bに装着したままにしておける。
オーディオ装置202とアクセサリ200・300を備える、音声−光療法を提供する構成であって、少なくとも一つのイヤーピースユニット204A・204Bがイヤーピースユニット600・700である、音声−光療法構成も提供される。
本発明の実施形態は、本発明の実施形態に従うオーディオ装置202やアクセサリ300におけるコンピュータプログラムとして実装されてもよい。コンピュータ可読な配布媒体に格納されるコンピュータプログラム製品であって、プログラム命令を含み、オーディオ装置202のコントローラ502にロードされると、オーディオ装置202のコントローラ502に、アクセサリ200の少なくとも一つの光照射源をドライブする、少なくとも一つの光電気信号を生成するように構成される、コンピュータプログラム製品も提供される。オーディオ装置202に実装されるコンピュータプログラムは、限定的ではないが、図1から5に関連するタスクを実行してもよい。
コンピュータ可読な配布媒体に格納されるコンピュータプログラム製品であって、プログラム命令を含み、アクセサリ300のコントローラ302にロードされると、アクセサリ300のコントローラ302に、アクセサリ200の少なくとも一つの光照射源をドライブする、少なくとも一つの光電気信号を生成するように構成される、コンピュータプログラム製品も提供される。アクセサリ300に実装されるコンピュータプログラムは、限定的ではないが、図1と図3から5に関連するタスクを実行してもよい。
コンピュータプログラムは、コンピュータ可読コンピュータプログラム配布媒体またはプロセッサに格納されてもよい。コンピュータプログラム媒体は、例えば、限定的でないが、電気的や磁気的,光学式,赤外線式,半導体式のシステムや装置,伝送媒体であってもよい。コンピュータプログラム媒体は次の媒体を少なくとも一つを含んでもよい:コンピュータ可読可能媒体,プログラム格納媒体,記憶媒体,コンピュータ可読メモリ,ランダムアクセスメモリ,消去可能プログラマブル・リードオンリメモリ,コンピュータ可読ソフトウェア配布パッケージ,コンピュータ可読信号,コンピュータ可読通信信号,コンピュータ可読印刷物,コンピュータ可読圧縮ソフトウェアパッケージ等。
本発明は添付の図面に従って特定の実施例を参照して記述されてきたが、本発明がこれらによって制限されることなく、添付の特許請求の範囲内のあらゆる方法で変更可能であることは明白である。また当業者であれば、記述した実施形態は、必須ではないが、あらゆる方法で他の実施形態と組み合わせ可能であることも明白である。