JP2015059486A - タービン静翼 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷却媒体の供給量を抑えつつ、効率よく冷却されるタービン静翼を提供する。
【解決手段】実施形態の静翼31は、前縁側に中空部41、中央および後縁側に貫通孔42、43を備える翼有効部40と、翼有効部40の外周側に設けられ、開口51a、51bおよび空隙部53を有する外輪側壁50と、翼有効部40の内周側に設けられ、空隙部61、62を有する内輪側壁60と、中空部41に挿入される噴出孔76を有する筒体部75を備えるインサート部材70とを備える。さらに、静翼31は、外輪側壁50および内輪側壁60に形成され、噴出孔76から噴出された冷却媒体を外部に導出する冷却孔55、65と、内輪側壁60に形成され、空隙部62に流入した冷却媒体の一部を外部に導出する冷却孔66と、外輪側壁50に形成され、空隙部53に流入した冷却媒体を外部に導出する冷却孔56とを備える。
【選択図】図3
【解決手段】実施形態の静翼31は、前縁側に中空部41、中央および後縁側に貫通孔42、43を備える翼有効部40と、翼有効部40の外周側に設けられ、開口51a、51bおよび空隙部53を有する外輪側壁50と、翼有効部40の内周側に設けられ、空隙部61、62を有する内輪側壁60と、中空部41に挿入される噴出孔76を有する筒体部75を備えるインサート部材70とを備える。さらに、静翼31は、外輪側壁50および内輪側壁60に形成され、噴出孔76から噴出された冷却媒体を外部に導出する冷却孔55、65と、内輪側壁60に形成され、空隙部62に流入した冷却媒体の一部を外部に導出する冷却孔66と、外輪側壁50に形成され、空隙部53に流入した冷却媒体を外部に導出する冷却孔56とを備える。
【選択図】図3
Description
本発明の実施形態は、タービン静翼に関する。
二酸化炭素の削減や省資源などの要求から、発電プラントの高効率化が進められている。そのため、ガスタービン発電プラントにおいては、作動流体の高温化などが積極的に進められている。この作動流体の高温化に伴って、静翼や動翼などの冷却方法についても様々な試みがなされている。
近年では、タービンの作動流体として二酸化炭素を使用した発電プラントが検討されている。この発電プラントでは、燃焼器において生成した二酸化炭素を作動流体として系統内に循環させている。具体的には、この発電プラントは、酸素および炭化水素などの燃料を燃焼させる燃焼器を備える。燃焼によって生成した二酸化炭素および水蒸気とともに、作動流体として燃焼器に導入された二酸化炭素をタービンに導入し、タービンを回転させて発電を行う。
タービンから排出されるタービン排気(二酸化炭素および水蒸気)を熱交換器によって冷却し、水分を除去して作動ガス(二酸化炭素)とする。作動ガスは、圧縮機によって昇圧されて超臨界流体となる。昇圧された作動ガスの大部分は、上記の熱交換器によって加熱され、燃焼器に循環される。昇圧された作動ガスのうち、外部から供給された燃料と酸素の燃焼によって生じた二酸化炭素に相当する分は、例えば回収され、他の用途に利用される。
このような超臨界の二酸化炭素を作動流体とする場合のタービンの入口圧力は、従来のガスタービンにおけるタービンの入口圧力の20倍程度となる。なお、タービンの入口における作動流体の温度は、1000℃を超え、現状のガスタービンのタービンの入口における作動流体の温度と同等である。そのため、二酸化炭素を作動流体とする場合、従来のガスタービンに比べて、静翼などの翼面における熱伝達率は、10倍程度となる。
上記したように、超臨界の二酸化炭素を作動流体とする発電プラントにおいては、静翼などの翼面における熱伝達率は増加する。そこで、翼の冷却を促進するため、翼に導入する冷却媒体の供給量を増加することが考えられるが、発電システムの効率向上の観点から妥当ではない。そのため、冷却媒体の供給量を抑えつつ、これまで以上の翼冷却効果が得られる技術が求められている。
本発明が解決しようとする課題は、冷却媒体の供給量を抑えつつ、効率よく冷却されるタービン静翼を提供するものである。
実施形態のタービン静翼は、翼有効部と、前記翼有効部の外周側に設けられた外輪側壁と、前記翼有効部の内周側に設けられた内輪側壁とを備える。さらに、タービン静翼は、前記翼有効部の内部に冷却媒体を通過させて前記翼有効部を冷却する翼有効部冷却通路と、前記外輪側壁および前記内輪側壁に前記翼有効部を冷却した前記冷却媒体を通過させて前記外輪側壁および前記内輪側壁を冷却する側壁冷却通路とを備える。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の静翼が設けられたタービンを備えるガスタービン設備10の系統図である。図1に示すように、酸素および燃料は、燃焼器20に供給され、燃焼する。また、燃焼器20には、作動流体として循環する二酸化炭素も導入される。燃料および酸素の流量は、例えば、それぞれが完全に混合した状態において量論混合比(理論混合比)となるように調整されている。燃料としては、例えば、天然ガス、メタンなどの炭化水素や、石炭ガス化ガスなどが使用される。
図1は、第1の実施の形態の静翼が設けられたタービンを備えるガスタービン設備10の系統図である。図1に示すように、酸素および燃料は、燃焼器20に供給され、燃焼する。また、燃焼器20には、作動流体として循環する二酸化炭素も導入される。燃料および酸素の流量は、例えば、それぞれが完全に混合した状態において量論混合比(理論混合比)となるように調整されている。燃料としては、例えば、天然ガス、メタンなどの炭化水素や、石炭ガス化ガスなどが使用される。
燃焼器20から排出された、燃焼によって生成した二酸化炭素、水蒸気、および作動流体の二酸化炭素からなる燃焼ガスは、タービン21に導入される。タービン21において膨張仕事をした燃焼ガスは、熱交換器22を通り、さらに熱交換器23を通る。熱交換器23を通る際、水蒸気が凝縮して水となる。水は、配管24を通り外部に排出される。なお、タービン21には、発電機25が連結されている。
水蒸気と分離された作動ガス(二酸化炭素)は、圧縮機26で昇圧され、超臨界流体となる。圧縮機26の出口において、作動ガスの圧力は、例えば、30MPa程度となる。
昇圧された作動ガスの一部は、熱交換器22において加熱され、燃焼器20に作動流体として供給される。燃焼器20に導入された作動ガスは、例えば、燃焼器20の上流側から燃料や酸化剤とともに燃焼領域に噴出されたり、燃焼器ライナの冷却後に希釈孔などから燃焼器ライナ内の燃焼領域の下流側に噴出される。
また、熱交換器22内の流路の途中から分岐された配管を介して超臨界流体の作動ガスの一部が、冷却媒体としてタービン21に導入される。この冷却媒体の温度は、冷却効果と冷却対象物に生ずる熱応力を考慮して、例えば、350〜550℃程度であることが好ましい。
昇圧された作動ガスの残りは、系統の外部に排出される。外部に排出された作動ガスは、例えば、回収装置により回収される。また、外部に排出された作動ガスは、例えば、石油採掘現場で用いられているEOR(Enhanced Oil Recovery)にも利用することができる。上記した系統において、例えば、燃焼器20において燃料と酸素を燃焼させることで生成した二酸化炭素の生成量に相当する分の二酸化炭素が系統の外部に排出される。
次に、第1の実施の形態の静翼31(タービン静翼)が設けられたタービン21の構成について説明する。
図2は、第1の実施の形態の静翼31が設けられたタービン21の縦断面の一部を示した図である。図2に示すように、円筒形状のケーシング30の内側には、周方向に複数の静翼31が配置され、静翼翼列を構成している。
また、静翼翼列の直下流側には、タービンロータ32のロータディスク33に周方向に複数の動翼34(タービン動翼)を植設して構成された動翼翼列が配置されている。静翼翼列と動翼翼列は、タービンロータ軸方向に沿って交互に配設されている。静翼翼列と、この静翼翼列の直下流の動翼翼列とで一つのタービン段落を構成している。
動翼34の外周は、例えば、シュラウドセグメント35で包囲されている。このシュラウドセグメント35は、燃焼ガスからケーシング30への入熱を防止するとともに、動翼34の先端との隙間を調整し、適正な隙間を維持するためのものである。シュラウドセグメント35は、例えば、図2に示すように、ケーシング30に固定された静翼31によって支持されている。この場合、シュラウドセグメント35と、ケーシング30との間に周方向に空隙部36が形成される。
このように、ケーシング30の内側には、静翼翼列および動翼翼列を有する円環状の燃焼ガス通路37が形成されている。
次に、第1の実施の形態の静翼31の構成について説明する。
図3は、第1の実施の形態の静翼31の縦断面を示す図である。図4は、図3のA−A断面を示す図である。図5は、図3のB−B断面を示す図である。なお、図3〜図5では、冷却媒体の流れを矢印で示している。また、図4および図5において、翼有効部40の外形を破線で示している。
図3に示すように、静翼31は、翼有効部40、翼有効部40の外周側(半径方向外側)に設けられた外輪側壁50、および翼有効部40の内周側(半径方向内側)に設けられた内輪側壁60を備える。
翼有効部40は、燃焼ガスが通過する通路部である。この翼有効部40は、例えば、前縁側(例えば、図4の左側)が湾曲断面形状を有し、後縁側(例えば、図4の右側)が先細断面形状を有する、翼型形状に構成されている。翼有効部40の前縁側は、両端が開口した中空部41で構成されている。中空部41の横断面形状は、特に限定されるものではないが、例えば、図4に示すように、前縁側の翼有効部40の外形形状に対応する形状とすることができる。
翼有効部40の中央および後縁側には、翼高さ方向(図3では上下方向)に貫通する貫通孔42、43が形成されている。貫通孔42、43の断面形状は、特に限定されない。ここでは、例えば、図4に示すように、貫通孔42として半楕円形状、貫通孔43として円形形状を例示している。
なお、翼有効部40の中央としては、例えば、翼有効部40のキャンバーラインの中央などが例示される。また、前縁側とは、翼有効部40の中央よりも前縁側をいい、後縁側とは、翼有効部40の中央よりも後縁側をいう。
後縁側に形成される貫通孔43は、少なくとも1つ形成され、ここでは複数形成された一例を示している。貫通孔43が複数形成された場合、貫通孔43は、例えば、等間隔に形成され、翼厚さの減少に伴って、貫通孔43の孔径が後縁側に向かって徐々に小さくなるように構成することができる。
翼有効部40の中空部41には、図3に示すように、インサート部材70が配置されている。このインサート部材70は、板状部71および筒体部75を備える。
板状部71は、中空部41に連通する、後述する外輪側壁50の開口51aおよび中央の貫通孔42に連通する、後述する外輪側壁50の開口51bを外周側から覆うように設けられている。板状部71には、開口51aに連通する開口72および開口51bに連通する開口73が形成されている。板状部71は、例えば、外周縁の一部を、後述する外輪側壁50における開口溝51の底部の所定の位置に固定される。
筒体部75は、一端が板状部71に固定され、他端が閉塞した筒体である。筒体部75は、中空部41の内壁41aと所定の空隙をあけて中空部41に挿入可能な形状に構成されている。筒体部75の、中空部41の内壁41aと面する箇所には、複数の噴出孔76が形成されている。
筒体部75の外側面75aと中空部41の内壁41aとの距離は、例えば、ほぼ一定となるように設定されることが好ましい。これによって、例えば、噴出孔76から噴出した冷却媒体を内壁41aに衝突させて翼有効部40を冷却する際、翼有効部40全体に亘って一様に冷却することができる。なお、冷却媒体としては、例えば、前述したように、熱交換器22内の流路の途中から抽気された超臨界流体の作動ガス(二酸化炭素)が使用される(図1参照)。
外輪側壁50は、例えば、多角形状の平板形状を有している。この外輪側壁50には、図3に示すように、冷却媒体を導入するための開口溝51が形成されている。そして、開口溝51の底部には、中空部41に連通する開口51aおよび中央の貫通孔42に連通する開口51bが形成されている。そして、開口51aは、中空部41と同一開口形状に形成され、開口51bは、貫通孔42と同一開口形状に形成されている。
ここで、後縁側の貫通孔43を形成する際、貫通孔43に連通する開口が形成されるが、後縁側の貫通孔43から半径方向外側(外周側)に所定の間隙をあけて、その開口は、平板52によって塞がれている。これによって、後縁側の貫通孔43に連通する空隙部53が形成される。なお、外輪側壁50は、例えば、翼有効部40と一体的に形成される。
前縁側に位置する外輪側壁50の内周側には、開口51aと、外輪側壁50の外部とを連通させる冷却孔55が形成されている。すなわち、この冷却孔55は、筒体部75の噴出孔76から中空部41の内壁41aに向かって噴出された冷却媒体によって外輪側壁50を冷却しつつ、冷却媒体を翼外部に排出する孔である。なお、噴出孔76から噴出された冷却媒体の一部は、内壁41aと筒体部75との間を開口51aに向かって流れる。冷却孔55は、例えば、図4に示すように、複数形成される。なお、冷却孔55は、前縁側冷却孔として機能する。
また、後縁側に位置する外輪側壁50の内周側には、空隙部53と、外輪側壁50の外部とを連通させる冷却孔56が形成されている。すなわち、この冷却孔56は、空隙部53に流入した冷却媒体によって外輪側壁50を冷却しつつ、冷却媒体を翼外部に排出する孔である。この冷却孔56は、例えば、図4に示すように、複数形成される。なお、冷却孔56は、後縁側外輪冷却孔として機能する。
ここで、静翼31を周方向に配置した際、隣接する静翼31の外輪側壁50間には、若干の隙間があるため、冷却孔55、56から翼外部に冷却媒体を排出することができる。
外輪側壁50の他方の端部には、ケーシング30の係合部溝に係合するための、係合突出部57が形成されている。この係合突出部57は、例えば、タービンロータ軸方向に突出している。この係合突出部57を備えることで、周方向に形成されたケーシング30の係合部溝80に沿って静翼31を周方向に配置して支持(固定)することができる(図2参照)。
そして、開口溝51は、例えば、ケーシング30によって外周側から覆われ、閉じられた状態となる(図2参照)。この開口溝51は、図示しないが、ケーシング30内に設けられた冷却媒体の供給通路と連通している。そして、この供給通路から開口溝51内に冷却媒体が導入される。
内輪側壁60は、外輪側壁50と同様に、例えば、多角形状の平板形状を有している。この内輪側壁60は、図3に示すように、中空部41に連通する空隙部61、および中央の貫通孔42および後縁側の貫通孔43に連通する空隙部62を備える。なお、空隙部61は、前縁側空隙部として、空隙部62は、後縁側空隙部として機能する。
ここで、空隙部61は、例えば、内輪側壁60の内面に形成された、中空部41の開口断面形状と同一の断面形状を有する凹部によって構成される。空隙部62は、例えば、貫通孔42および貫通孔43から半径方向内側(内周側)に所定の間隙をあけて、貫通孔42および貫通孔43に連通する開口部分を塞ぐ平板63を設けることで構成される。なお、内輪側壁60は、例えば、翼有効部40と一体的に形成される。
前縁側に位置する内輪側壁60の外周側には、空隙部61と、内輪側壁60の外部とを連通させる冷却孔65が形成されている。すなわち、この冷却孔65は、筒体部75の噴出孔76から中空部41の内壁41aに向かって噴出された冷却媒体によって内輪側壁60を冷却しつつ、冷却媒体を翼外部に排出する孔である。なお、噴出孔76から噴出された冷却媒体の一部は、内壁41aと筒体部75との間を空隙部61に向かって流れる。冷却孔65は、例えば、図5に示すように、複数形成される。なお、冷却孔65は、前縁側冷却孔として機能する。
また、後縁側に位置する内輪側壁60の外周側には、空隙部62と、内輪側壁60の外部とを連通させる冷却孔66が形成されている。すなわち、この冷却孔66は、空隙部62に流入した冷却媒体の一部によって内輪側壁60を冷却しつつ、その冷却媒体を翼外部に排出する孔である。冷却孔66は、例えば、図5に示すように、複数形成される。なお、冷却孔66は、後縁側内輪冷却孔として機能する。
ここで、静翼31を周方向に配置した際、隣接する静翼31の内輪側壁60間には、若干の隙間があるため、冷却孔65、66から翼外部に冷却媒体を排出することができる。また、内輪側壁60の他方の端部側は、閉じられた端部となっている。
上記した構成を備える静翼31は、いずれのタービン段落においても適用することができる。特に、温度および圧力が高い、例えば、タービン段落の初段の静翼に好適である。
次に、第1の実施の形態の静翼31における冷却媒体の流動について、図3〜図5を参照して説明する。
ケーシング30内の冷却媒体の供給通路(図示しない)から開口溝51内に導入された冷却媒体は、図3に示すように、板状部71の開口72、開口51a(筒体部75内の板状部71側)を介して筒体部75内に流入、または板状部71の開口73、開口51bを介して貫通孔42に流入する。
筒体部75内に流入した冷却媒体は、噴出孔76から中空部41の内壁41aに向けて噴出され、内壁41aに衝突する。冷却媒体を内壁41aに衝突させることで、内壁41aと冷却媒体との間の熱伝達が促進され、翼有効部40が効率よく冷却される。
内壁41aに衝突した冷却媒体の一部は、内壁41aと筒体部75との間を開口51aに向かって流れ、冷却孔55に流入する。内壁41aに衝突した冷却媒体の残部は、内壁41aと筒体部75との間を空隙部61に向かって流れ、冷却孔65に流入する。
冷却孔55を流れる冷却媒体は、外輪側壁50を冷却しつつ、外部に排出される。冷却孔65を流れる冷却媒体は、内輪側壁60を冷却しつつ、外部に排出される。冷却孔55または冷却孔65から外部に排出された冷却媒体は、燃焼ガス通路37を流れる燃焼ガスに混ざり、下流側へ流れる。
ここで、開口51a、筒体部75の内部(中空部41)、噴出孔76、内壁41aと筒体部75との間隙(中空部41)、空隙部61は、前縁側冷却通路を構成する。この前縁側冷却通路は、翼有効部冷却通路の一部として機能している。また、冷却孔55および冷却孔65は、前縁側冷却孔として機能するとともに、側壁冷却通路の一部として機能している。
一方、貫通孔42に流入した冷却媒体は、貫通孔42を構成する壁面を冷却しつつ、半径方向内側(内周側)へ流れ、空隙部62に流入する。空隙部62に流入した冷却媒体の一部は、各貫通孔43に流入する。貫通孔43に流入した冷却媒体は、貫通孔43を構成する壁面を冷却しつつ、半径方向外側(外周側)へ流れ、空隙部53に流入する。貫通孔42および複数の貫通孔43を流れる冷却媒体によって、翼有効部40が冷却される。そして、空隙部53に流入した冷却媒体は、冷却孔56に流入し、外輪側壁50を冷却しつつ、外部に排出される。
空隙部62に流入した冷却媒体の残部は、冷却孔66に流入し、内輪側壁60を冷却しつつ、外部に排出される。冷却孔56または冷却孔66から外部に排出された冷却媒体は、燃焼ガス通路37を流れる燃焼ガスに混ざり、下流側へ流れる。
ここで、開口51b、貫通孔42、空隙部62、貫通孔43、空隙部53は、後縁側冷却通路を構成する。この後縁側冷却通路は、翼有効部冷却通路の一部として機能している。また、後縁側外輪冷却孔として機能する冷却孔56および後縁側内輪冷却孔として機能する冷却孔66は、側壁冷却通路の一部として機能している。
上記したように、第1の実施の形態の静翼31によれば、翼有効部40以外にも、外輪側壁50および内輪側壁60を冷却することができる。また、翼有効部40を冷却した冷却媒体を外輪側壁50および内輪側壁60の冷却に使用することで、冷却媒体の流量を抑制しつつ、冷却媒体の冷却能力を最大限に利用することができる。これによって、静翼31を効率よく冷却することができる。
ここで、第1の実施の形態の静翼31の構成は、上記した構成に限られない。燃焼ガス通路37を流れる燃焼ガス(作動流体)に曝される、すなわち接触する静翼31の翼面に、例えば、遮熱コーティング(TBC)を施してもよい。
遮熱コーティング層は、例えば、耐環境性に優れた金属ボンド層と、低熱伝導性のセラミックストップ層とから構成される。なお、遮熱コーティング層の構成は、特に限定されるものではなく、使用する環境に応じて、一般的に使用されている構成を適用することができる。
このように遮熱コーティング層を備えることで、燃焼ガスからの入熱量が低減され、冷却媒体の流量を低減することができる。
また、中央の貫通孔42を構成する壁面に、貫通孔の中心側に突出する突条部を備えてもよい。図6は、第1の実施の形態の静翼31において、突条部90を備えた中央の貫通孔42の縦断面を示す図である。図6に示すように、貫通孔42の内壁面に、長手方向に複数段の突条部90を備えてもよい。なお、突条部90の形状は、これに限られない。突条部90は、貫通孔の中心側に突出して、貫通孔42を流れる冷却媒体の流れを乱す構成ならばよい。
このように、突条部90を備えることで、貫通孔42を流れる冷却媒体の流れが乱れ、貫通孔42の内壁面と冷却媒体との間の熱伝達が促進される。これによって、翼有効部40を効率よく冷却することができる。
(第2の実施の形態)
図7は、第2の実施の形態の静翼31の縦断面を示す図である。図7には、静翼31の直下流の動翼34、およびこの動翼34の外周を包囲するシュラウドセグメント35の構成も示している。なお、第1の実施の形態の静翼31の構成と同一の構成部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略または簡略する。
図7は、第2の実施の形態の静翼31の縦断面を示す図である。図7には、静翼31の直下流の動翼34、およびこの動翼34の外周を包囲するシュラウドセグメント35の構成も示している。なお、第1の実施の形態の静翼31の構成と同一の構成部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略または簡略する。
第2の実施の形態の静翼31では、図7に示すように、後縁側に位置する外輪側壁50の内周側に、冷却孔56に加えて、静翼31の空隙部53と、シュラウドセグメント35とケーシング30との間の空隙部36とを連通させる冷却孔100が形成されている。冷却孔100は、少なくとも1つ形成されている。冷却孔100を、例えば、複数形成してもよい。なお、冷却孔100は、第2の後縁側外輪冷却孔として機能するとともに、側壁冷却通路の一部としても機能している。
シュラウドセグメント35は、例えば、タービンロータ軸方向に突出した、外輪側壁50の内周側の突出部59に係止される。これにより、従来のようなシュラウドセグメントをケーシングに取り付けるためのフックなどの構成が不要となる。また、シュラウドセグメント35とケーシング30との間に空隙部36を構成することができる。
シュラウドセグメント35は、本体部110と、板状部材120とを備えている。本体部110の外周面には、内周面側に窪んだ窪み部111が形成されている。板状部材120は、窪み部111の底面111aと所定の空隙をあけて、窪み部111を外周側から 覆うように配置されている。この板状部材120には、冷却媒体を窪み部111の底面111aに噴出するための、複数の噴出孔121が形成されている。
窪み部111の底面111aには、動翼34の上流側に出口が位置するように設定された噴出孔112が形成されている。この噴出孔112は、少なくとも1つ形成されている。噴出孔112を、例えば、複数形成してもよい。
次に、第2の実施の形態の静翼31における冷却媒体の流動について、図7を参照して説明する。なお、第1の実施の形態の静翼31における冷却媒体の流動と同じ流動については説明を省略する。
貫通孔43を構成する壁面を冷却しつつ、半径方向外側(外周側)に流れ、空隙部53に流入した冷却媒体の一部は、前述したとおり、冷却孔56に流入し、外輪側壁50を冷却しつつ、外部に排出される。
一方、空隙部53に流入した冷却媒体の残部は、冷却孔100に流入し、外輪側壁50を冷却しつつ、シュラウドセグメント35とケーシング30との間の空隙部36に流入する。空隙部36に流入した冷却媒体は、空隙部36内に広がり、板状部材120の噴出孔121から窪み部111の底面111aに向けて噴出され、底面111aに衝突する。冷却媒体を底面111aに衝突させることで、底面111aと冷却媒体との間の熱伝達が促進され、シュラウドセグメント35が効率よく冷却される。
底面111aに衝突した冷却媒体は、噴出孔112に向かって流れ、噴出孔112から動翼34の上流側の燃焼ガス通路37に噴出される。燃焼ガス通路37に噴出された冷却媒体は、動翼34を通過することで仕事をする。このように、燃焼ガス通路37に噴出された冷却媒体が有効な仕事をすることで、タービン効率を向上させることができる。
上記したように、第2の実施の形態の静翼31によれば、翼有効部40以外にも、外輪側壁50、内輪側壁60およびシュラウドセグメント35を冷却することができる。また、翼有効部40を冷却した冷却媒体を外輪側壁50、内輪側壁60およびシュラウドセグメント35の冷却に使用することで、冷却媒体の流量を抑制しつつ、冷却媒体の冷却能力を最大限に利用することができる。これによって、静翼31やシュラウドセグメント35を効率よく冷却することができる。
なお、第2の実施の形態の静翼31においても、第1の実施の形態の他の構成で説明した構成を備えることができる。すなわち、燃焼ガス通路37を流れる燃焼ガス(作動流体)に曝される静翼31の翼面およびシュラウドセグメント35の内面に、例えば、遮熱コーティング(TBC)を施してもよい。また、中央の貫通孔42を構成する壁面に、貫通孔の中心側に突出する突条部を備えてもよい。
以上説明した実施形態によれば、冷却媒体の供給量を抑えつつ、効率よく冷却されることが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…ガスタービン設備、20…燃焼器、21…タービン、22,23…熱交換器、24…配管、25…発電機、26…圧縮機、30…ケーシング、31…静翼、32…タービンロータ、33…ロータディスク、34…動翼、35…シュラウドセグメント、36,53…空隙部、37…燃焼ガス通路、40…翼有効部、41…中空部、41a…内壁、42,43…貫通孔、50…外輪側壁、51…開口溝、51a,51b,72,73…開口、52,63…平板、55,56,65,66,100…冷却孔、57…係合突出部、59…突出部、60…内輪側壁、61,62…空隙部、70…インサート部材、71…板状部、75…筒体部、75a…外側面、76,112,121…噴出孔、80…係合部溝、90…突条部、110…本体部、111…窪み部、111a…底面、120…板状部材。
Claims (6)
- 翼有効部と、
前記翼有効部の外周側に設けられた外輪側壁と、
前記翼有効部の内周側に設けられた内輪側壁と、
前記翼有効部の内部に冷却媒体を通過させて前記翼有効部を冷却する翼有効部冷却通路と、
前記外輪側壁および前記内輪側壁に前記翼有効部を冷却した前記冷却媒体を通過させて前記外輪側壁および前記内輪側壁を冷却する側壁冷却通路と
を具備することを特徴とするタービン静翼。 - 前記翼有効部が、
前縁側に形成され、翼高さ方向に貫通する中空部と、
中央および後縁側に形成され、翼高さ方向に貫通する貫通孔と、
前記中空部に挿入され、前記中空部の内壁に向けて前記冷却媒体を噴出する複数の噴出孔が形成された筒体部を有するインサート部材と
を有し、
前記外輪側壁が、
前記中空部および中央の前記貫通孔に前記冷却媒体を導入する開口と、
後縁側の前記貫通孔に連通する空隙部と
を有し、
前記内輪側壁が、
前記中空部に連通する前縁側空隙部と、
中央の前記貫通孔および後縁側の前記貫通孔に連通する後縁側空隙部と
を有し、
前記翼有効部冷却通路が、
前記中空部に前記冷却媒体を導入する前記外輪側壁の開口、前記噴出孔、前記中空部および前記前縁側空隙部を備える前縁側冷却通路と、
中央の前記貫通孔に前記冷却媒体を導入する前記外輪側壁の開口、中央の前記貫通孔、前記後縁側空隙部、後縁側の前記貫通孔および前記外輪側壁の空隙部を備える後縁側冷却通路と
を有し、
前記側壁冷却通路が、
前縁側の前記外輪側壁および前記内輪側壁に複数形成され、前記噴出孔から噴出された前記冷却媒体を外部に導出する前縁側冷却孔と、
後縁側の前記内輪側壁に複数形成され、中央の前記貫通孔を通り前記後縁側空隙部に流入した前記冷却媒体の一部を外部に導出する後縁側内輪冷却孔と、
後縁側の前記外輪側壁に複数形成され、後縁側の前記貫通孔を通り前記外輪側壁の空隙部に流入した前記冷却媒体を外部に導出する後縁側外輪冷却孔と
を有することを特徴とする請求項1記載のタービン静翼。 - 前記側壁冷却通路が、
後縁側の前記外輪側壁に形成され、タービン動翼の外周を包囲するシュラウドセグメントと前記ケーシングとの間の空隙部に、前記外輪側壁の空隙部に流入した前記冷却媒体の一部を導く第2の後縁側外輪冷却孔をさらに具備することを特徴とする請求項2記載のタービン静翼。 - 中央の前記貫通孔の内壁面に、前記貫通孔の中心側に突出する突条部が設けられていることを特徴とする請求項2または3記載のタービン静翼。
- 作動流体と接触する翼面が、遮熱コーティングされていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のタービン静翼。
- 前記冷却媒体が、二酸化炭素であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のタービン静翼。
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