以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号、あるいは数字や記号に限定されない各セグメントの点灯パターン等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにより可変表示される複数種類の特別図柄には、それぞれを識別するための図柄番号が付されていればよい。一例として、「−」の記号を示す特別図柄には図柄番号として「0」が付されている他、複数種類の点灯パターンに対する図柄番号として「1」〜「9」が付されていればよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の可変表示と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の可変表示のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄(演出図柄ともいう)の可変表示(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果(可変表示の表示結果)として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hに設けられた複数の表示部位において、丸型(黒丸)の図形を表示することにより遊技者が第1特図保留記憶数を認識可能に表示する一方、星型の図形を表示することにより遊技者が第2特図保留記憶数を認識可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
画像表示装置5の表示領域に設けられた始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。あるいは、7セグメントのLEDを用いて、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを区別可能に表示してもよい。なお、合計保留記憶数のみを特定可能に表示してもよい。また、特図保留記憶数を示す数字を表示してもよい。始動入賞記憶表示エリア5Hに代えて、第1保留表示器25Aと第2保留表示器2Bとが設けられてもよい。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能な閉鎖状態または通過(進入)困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)を通過(進入)すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)を通過(進入)すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄は、それぞれ左図柄、中図柄、右図柄ともいう。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」(非特定表示結果)となる。
第1特別図柄表示装置4Aまたは第2特別図柄表示装置4Bに大当り図柄が停止表示(導出)されて可変表示結果が「大当り」となる場合には、画像表示装置5の表示領域において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定の開放上限時間(例えば29.5秒間または0.1秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「10」や「13」または「16」など)に達するまで繰返し実行される。
大当り遊技状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、所定の確変制御条件が成立したことに基づき継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(高確率状態)に制御されることがある。確変状態では、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる。確変状態は、所定回数(例えば200回)の可変表示が実行されること、または可変表示の実行回数が所定回数に達する以前に大当り遊技状態が開始されることなど、所定の確変終了条件が成立するまで継続するように制御される。なお、確変終了条件は、可変表示の実行回数にかかわらず、次回の大当り遊技状態が開始されるときに成立するようにしてもよい。
また、大当り遊技状態が終了した後には、確変状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、所定の時短制御条件が成立したことに基づき時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態に制御されることがある。時短状態では、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御される。時短状態は、所定回数(例えば100回)の可変表示が実行されたこと、または可変表示の実行回数が所定回数に達する以前に大当り遊技状態が開始されることなど、所定の時短終了条件が成立するまで継続するように制御される。なお、確変状態においても時短制御が行われてもよい。確変状態における時短制御は、時短状態の場合と同様に、所定回数(例えば100回)の可変表示が実行されたときに、終了してもよい。あるいは、確変状態における時短制御は、可変表示の実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続してもよい。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。なお、確変状態にて確変制御が行われるときでも、高開放制御が行われない場合があってもよい。
画像表示装置5において、最終停止図柄(例えば左図柄、中図柄、右図柄のうちの中図柄)となる図柄以外の飾り図柄が、所定時間継続して大当り組合せと一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の飾り図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出を、リーチ演出という。リーチ演出として、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させることや、背景画像の表示態様を変化させること、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させることといった、飾り図柄の変動態様を変化させることとは異なる演出動作が実行されてもよい。画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、リーチ演出に含まれていてもよい。リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、画像表示装置5の画面上で変動表示される図柄の表示結果が大当り組合せでない場合には「ハズレ」となり、変動表示状態は終了する。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマル、スーパーA、スーパーBといったリーチ演出が予め設定されている。そして、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、ノーマルのリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。また、スーパーリーチのリーチ演出のうちでも、スーパーBといった特定のリーチ演出が実行された場合には、スーパーAのリーチ演出が実行された場合に比べて、大当り期待度が高くなる。
このように飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応してリーチ演出が実行された後に、特図ゲームにおける確定特別図柄としてハズレ図柄となる特別図柄が導出表示される場合には、所定のリーチ組合せ(リーチハズレ組合せともいう)となる確定飾り図柄が停止表示される。こうした飾り図柄の可変表示内容は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチ(ハズレ)」ともいう)の可変表示態様と称される。また、特図ゲームにおける確定特別図柄としてハズレ図柄となる特別図柄が導出表示される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。こうした飾り図柄の可変表示内容は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「非リーチ(ハズレ)」ともいう)の可変表示態様と称される。なお、非リーチ組合せとなる確定飾り図柄と、リーチ組合せとなる確定飾り図柄は、まとめてハズレ組合せ(非特定の組合せ)の確定飾り図柄ともいう。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。一例として、飾り図柄の可変表示中には「擬似連」の可変表示演出が実行可能であればよい。「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの開始条件が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が導出表示されるまでに一旦仮停止させた後、再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回)まで行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数であればよい。
「擬似連」の可変表示演出では、一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、特殊組合せの擬似連チャンス目として予め定められた複数種類のハズレ組合せのいずれかとなる飾り図柄が仮停止表示される。例えば擬似連チャンス目のうちで「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される飾り図柄(中図柄)は、各回の擬似連変動(再可変表示)が実行される以前に停止表示(仮停止表示)される飾り図柄であって、例えば通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない所定の表示色(例えば赤色など)を有する星型などの記号を含む特殊な飾り図柄(擬似連図柄となるカード図柄)となっている。
カード図柄(擬似連図柄)を停止表示することのように、「擬似連」の可変表示演出において初回変動を含む複数回の変動表示に伴って実行される画像表示などの所定演出は、再変動演出という。なお、再変動演出は、画像表示装置5の画面上(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5C)にて画像表示(例えばカード図柄の仮停止表示)を行うことによるものに限定されず、各種の演出装置を用いた任意の演出動作を含んでいてもよい。
画像表示とは異なる再変動演出の一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、遊技領域の内部または外部に設けられた複数の装飾用LEDのうちで点灯されるものが1つずつ増えていくように制御されてもよい。また、各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、装飾用LEDの表示色が変化するように制御されてもよいし、複数の装飾用LEDのうちで点灯されるものが変化するように制御されてもよい。
画像表示とは異なる再変動演出のさらなる一例として、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、遊技領域の内部または外部に設けられた演出用模型(可動部材)が動作するように制御されてもよい。このとき、各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、演出用模型(可動部材)の動作態様が変化するように制御されてもよいし、複数の演出用模型(可動部材)のうちで動作するものが変化するように制御されてもよい。
再変動演出として、カード図柄(擬似連図柄)といった特殊な飾り図柄を停止表示することに代えて、あるいは特殊な飾り図柄の停止表示とともに、「擬似連」の可変表示演出による各変動表示(初回変動を含む)の期間中に、画像表示装置5の画面上に特定のキャラクタ画像といった所定の演出画像を表示するように制御されてもよい。また、再変動演出として、例えば擬似連チャンス目となる飾り図柄が仮停止表示されるときなどに、特殊な効果音となる音声をスピーカ8L、8Rから出力するように制御されてもよい。こうした再変動演出の一部または全部に加えて、あるいは、これらの再変動演出の一部または全部に代えて、装飾用LEDの点灯や点滅、演出用模型の動作、演出画像の表示、効果音の出力のうち、一部または全部を組み合わせた再変動演出を実行するように制御されてもよい。このとき、1種類の演出態様のみで再変動演出が実行される場合よりも、複数種類の演出態様を組み合わせた再変動演出が実行される期間を含んでいる場合や、複数回の再変動演出における演出態様が変化する場合に、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)といった、所定の遊技価値が付与される可能性が高まるようにしてもよい。
この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。そして、擬似連変動(再変動)の繰返し実行回数(擬似連回数)が多くなったときには、擬似連回数が少ないときよりも、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。また、擬似連変動の繰返し実行回数(擬似連回数)によって演出の発生割合が変化するように制御されてもよい。例えば擬似連変動が2回行われることにより「リーチ確定」となり、擬似連変動が3回行われることにより「スーパーリーチ確定」となるようにしてもよい。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「擬似連」の他にも、例えば「滑り」や「発展チャンス目」、「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、単一または複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
「発展チャンス目」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。一方、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組合せ(特殊組合せ)の飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出とは異なり、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの一部にて飾り図柄を再び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
なお、可変表示演出は、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを遊技者に報知するためのものに限定されず、飾り図柄の可変表示態様を通常時とは異なる可変表示態様とする任意の表示演出であればよい。この実施の形態では、飾り図柄の可変表示中に「反復変動」の可変表示演出を実行することがある。「反復変動」の可変表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンなどに基づいて、所定割合で実行するか否かが決定されればよい。
「反復変動」の可変表示演出は、例えば時短制御を伴う確変状態や時短状態といった所定の遊技状態において、変動パターンに対応した可変表示時間が第1可変表示時間よりも長い第2可変表示時間に決定されたときに、その第2可変表示時間内において第1可変表示時間の可変表示と同様の態様の可変表示が繰り返される。確変状態や時短状態において時短制御が行われる時短中には、第2特図保留記憶数が2以上であるときに、可変表示時間を通常時の可変表示時間よりも短縮された第1可変表示時間に決定することができる。一方、時短中の第2特図保留記憶数が0または1であるときには、可変表示時間を第1可変表示時間よりも長い第2可変表示時間に決定できる。具体的な一例として、第1可変表示時間は3秒(3000ms)であり、第2可変表示時間は6秒(6000ms)または9秒(9000ms)である。このように、第1可変表示時間は、第2可変表示時間の1/2以下に設定されていることから、第2可変表示時間内において第1可変表示時間の可変表示と同様の態様の可変表示を2回または3回といった複数回まで繰り返すことができる。ただし、第1可変表示時間と第2可変表示時間はいずれも、飾り図柄の可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」の場合に決定可能であり、「反復変動」の可変表示演出が実行されても可変表示結果が「大当り」となる可能性が高められないものでよい。なお、飾り図柄の可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」の場合や可変表示結果が「大当り」の場合にも、「反復変動」の可変表示演出を実行し、その後に飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに基づいてリーチ演出などが実行されてもよい。「反復変動」の可変表示演出が実行された後に飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった場合には、「反復変動」の可変表示演出が実行されずに飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった場合よりも、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高められるように、変動パターンの決定割合や可変表示演出の実行割合が設定されてもよい。
「反復変動」の可変表示演出が実行されるときには、飾り図柄の可変表示が開始されてから第1可変表示時間の可変表示と同様の態様で飾り図柄が減速停止するまでの初回変動が行われた後、さらに第1可変表示時間の可変表示と同様の態様で1回または2回の反復変動(第1反復変動、第2反復変動)が行われる。これにより、第2可変表示時間内において第1可変表示時間の可変表示と同様の態様の可変表示が、あたかも2回または3回まで繰り返されたようにみせることができる。なお、第1可変表示時間の可変表示と同様の態様の可変表示は、例えば飾り図柄の変動開始から減速停止が始まる前までの可変表示態様といった、少なくとも一部の可変表示態様が同一または類似の態様となるものであればよく、最終的に飾り図柄が減速停止するまでの時間まで厳密に一致するものでなくてもよい。また、飾り図柄の変動開始から減速停止が始まる前までは第1可変表示時間の可変表示と同一の態様で可変表示が行われ、その後に飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となってリーチ演出が実行される場合でも、第1可変表示時間の可変表示と同様の態様の可変表示が含まれているものといえる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め告知するための予告演出が実行されることがある。
予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に実行されるものが含まれていてもよい。このように、予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。こうした予告演出を実行する場合における演出動作の内容(演出態様)に対応して、複数の予告パターンが予め用意されている。
加えて、飾り図柄の可変表示中には、ミッション報知演出となる所定の演出動作が実行されることがある。ミッション報知演出では、可変表示結果が「大当り」となるための達成条件、あるいは、特定の変動パターン(例えばスーパーリーチのリーチ演出を実行する変動パターン)によるリーチ演出などが実行されて所定表示態様となるための達成条件として、あるミッション(課題または指令)を遊技者が認識可能に報知するための演出動作が行われる。ミッションを報知する演出動作としては、例えば画像表示装置5の画面上に達成条件を示す演出画像を表示するものや、遊技者が達成条件を認識できる音声をスピーカ8L、8Rから出力するもの、遊技効果ランプ9や装飾用LEDに含まれる所定のランプやLEDを点灯させて達成条件を報知するもの、遊技領域内または遊技領域外に設けられた演出用役物が備える可動部材を動作させることにより達成条件を報知するもの、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせて達成条件を遊技者に提示できるものであればよい。このミッション報知演出において報知されるミッションは、所定時間内に所定の演出が行われることといった、パチンコ遊技機1における遊技や演出の進行に関連したものであればよい。報知されるミッションが達成されることで出現可能となる所定表示態様は、例えばスーパーリーチのリーチ演出を実行する変動パターンによるリーチ演出における演出表示といった、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高いことを遊技者が認識可能な表示態様であればよい。ミッション報知演出は、特別図柄や飾り図柄の1回の可変表示においてのみ実行されるものであってもよいし、特別図柄や飾り図柄の複数回の可変表示にわたって実行可能なものであってもよい。ミッション報知演出が開始された後には、ミッションモードと称される通常の演出モードとは異なる演出モードに移行するようにしてもよい。
ミッション報知演出により報知されたミッションが達成されたときには、ミッション達成時演出を実行することができればよい。また、ミッション報知演出により報知されたミッションが達成されないことが確定したときには、ミッション失敗時演出を実行してもよい。なお、報知されたミッションが達成されないときでも、可変表示結果が「大当り」となることや、特定の変動パターンによるリーチ演出などが実行されて所定表示態様となることがあってもよい。このように、達成条件として提示されるミッションは、それが達成されたことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となることや、特定の変動パターンによるリーチ演出などが実行されて所定表示態様となることが確定する一方で、ミッションが達成されないときでも可変表示結果が「大当り」となる可能性や特定の変動パターンによるリーチ演出を実行する可能性があるものであればよい。あるいは、ミッションが達成されたときでも、可変表示結果が「大当り」とならないことや特定の変動パターンによるリーチ演出が実行されないことがあるようにしてもよい。この場合、可変表示結果が「大当り」とならないときや特定の変動パターンによるリーチ演出が実行されないときには、可変表示結果が「大当り」となるときや特定の変動パターンによるリーチ演出が実行されるときに比べて、ミッションが報知される可能性を十分に低下させて、ミッションが達成されたときに可変表示結果が「大当り」となることや特定の変動パターンによるリーチ演出が実行されることへの遊技者の期待感を高めるようにすればよい。
次に、パチンコ遊技機1の内部構成を説明する。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。これらの演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。
図3は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合と「リーチ(ハズレ)」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。
非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。
この実施の形態では、確変状態や時短状態において時短制御が行われる時短中に、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に対応して選択される非リーチ変動パターンとして、時短中第1ロングの変動パターンPB1−1と、時短中第2ロングの変動パターンPB1−2と、時短中ショートの変動パターンPB1−3とが、予め用意されている。また、通常時に選択可能な非リーチ変動パターンとして、通常時ロングの変動パターンPA1−1と、通常時第1ショートの変動パターンPA1−2と、通常時第2ショートの変動パターンPA1−3と、擬似連変動(1回)の変動パターンPA1−4とが、予め用意されている。時短中ショートの変動パターンPB1−3では、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間が3秒(3000ms)となり、通常時に選択可能な変動パターンPA1−1に対応した特図変動時間の12秒(12000ms)よりも短縮された第1可変表示時間となる。一方、時短中第1ロングの変動パターンPB1−1では、特図変動時間が9秒(9000ms)となり、変動パターンPB1−3に対応した第1可変表示時間よりも長い第2可変表示時間となる。また、時短中第2ロングの変動パターンPB1−2では、特図変動時間が6秒(6000ms)となり、変動パターンPB1−3に対応した第1可変表示時間よりも長い第2可変表示時間となる。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124やRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタなどにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。一例として、演出制御基板12の側では、予告決定用の乱数値や、反復変動決定用の乱数値などを示す数値データがカウント可能に制御される。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。例えば、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる最終停止図柄決定用の乱数値や、複数種類の再変動演出からいずれを実行するかを選択して決定するために用いられる再変動演出決定用の乱数値を示す数値データなどが、カウント可能に制御されてもよい。
再変動演出は、「擬似連」の可変表示演出において擬似連変動が行われることを遊技者が認識可能に報知する演出動作である。予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから、可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出表示されるまでに、その可変表示結果に基づいて大当り遊技状態となる可能性(大当り期待度)などを予告する演出動作である。再変動演出や予告演出、さらには演出態様(ノーマル、スーパーA、スーパーBなど)が異なるリーチ演出も含めて、大当り遊技状態となる可能性を示唆する示唆演出となる。
この実施の形態では、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果が導出されるまでに、互いに演出態様が異なる再変動演出や複数の予告演出を、組み合わせて実行することができる。複数の予告演出は、それぞれが実行される演出装置を異ならせてもよいし、同一の演出装置を用いて実行されるタイミングや動作態様の一部または全部を異ならせてもよい。例えば、複数のタイミングにて同一または別個の演出装置を用いて実行可能な予告演出として、メッセージ予告、ステップアップ予告、リーチ成立時予告が、設けられていればよい。
再変動演出や予告演出とは異なる可変表示演出として、「反復変動」の可変表示演出が実行されることがある。「反復変動」の可変表示演出では、第1可変表示時間よりも長い第2可変表示時間内において、第1可変表示時間の可変表示と同様の態様の可変表示が繰り返される。例えば図3に示された変動パターンPB1−1に対応する特図変動時間は9秒(9000ms)であり、変動パターンPB1−3に対応する特図変動時間である3秒(3000ms)と比べて3倍の長さを有している。したがって、変動パターンPB1−1による飾り図柄の可変表示では、変動パターンPB1−3による飾り図柄の可変表示と同様の態様の可変表示を、3回まで繰り返して行うことができる。なお、変動パターンPB1−1による飾り図柄の可変表示として、変動パターンPB1−3による飾り図柄の可変表示と同様の態様の可変表示が、2回繰り返して行われることがあってもよい。この場合、各回の可変表示が実行される期間は、例えば変動パターンPB1−3に対応する特図変動時間の3秒(3000ms)よりも長い4.5秒(4500ms)となってもよい。このように、「反復変動」の可変表示演出で繰り返される可変表示は、第1可変表示時間の可変表示と厳密に同一の態様で繰り返されるものに限定されず、第1可変表示時間の可変表示と所定の類似性を有する態様で繰り返されるものであってもよい。図3に示された変動パターンPB1−2に対応する特図変動時間は6秒(6000ms)であり、変動パターンPB1−3に対応する特図変動時間である3秒(3000ms)と比べて2倍の長さをを有している。したがって、変動パターンPB1−2による飾り図柄の可変表示では、変動パターンPB1−3による飾り図柄の可変表意と同様の態様の可変表示を、2回まで繰り返して行うことができる。
図4は、「反復変動」の可変表示演出を実行するための変動パターンに対応した可変表示の実行タイミングを示している。図4(A)は、時短中ショートの変動パターンPB1−3に対応して、可変表示時間が第1可変表示時間の3秒(3000ms)となる場合に、飾り図柄の可変表示が行われる実行例を示している。この場合には、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の可変表示(全図柄変動)が開始された後、所定時間が経過すると各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける飾り図柄が減速して停止表示(全図柄減速停止)され、第1可変表示時間である3秒(3000ms)が経過したときに、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示(完全停止表示)される。
図4(B)は、時短中第2ロングの変動パターンPB1−2に対応して、可変表示時間が第2可変表示時間のうち6秒(6000ms)となる場合に、飾り図柄の可変表示が行われる実行例を示している。この場合には、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の可変表示(全図柄変動)が開始された後、変動パターンPB1−3による可変表示と同様の態様で可変表示が行われ、第1可変表示時間と同じ3秒(3000ms)が経過したときに、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄が停止表示(仮停止)され、初回変動が終了する。続いて、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄が再び変動して1回目の反復変動となる第1反復変動が開始される。その後、変動パターンPB1−3による可変表示と同様の態様で第1反復変動が行われ、第1反復変動の開始から3秒(3000ms)が経過したときに、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示(完全停止表示)される。こうして、変動パターンPB1−2による可変表示では、変動パターンPB1−3による可変表示と同様の態様で可変表示が2回繰り返されたようにみせることができる。
図4(C)は、時短中第1ロングの変動パターンPB1−1に対応して、可変表示時間が第2可変表示時間のうち9秒(9000ms)となる場合に、飾り図柄の可変表示が行われる実行例を示している。この場合には、変動パターンPB1−2の場合と同様に初回変動と第1反復変動が行われ、第1反復変動の開始から3秒(3000ms)が経過したときに、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄が停止表示(仮停止)され、第1反復変動が終了する。続いて、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄が再び変動して2回目の反復変動となる第2反復変動が開始される。その後、変動パターンPB1−3による可変表示と同様の態様で第2反復変動が行われ、第2反復変動の開始から3秒(3000ms)が経過したときに、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示(完全停止表示)される。こうして、変動パターンPB1−1による可変表示では、変動パターンPB1−3による可変表示と同様の態様で可変表示が3回繰り返されたようにみせることができる。
なお、変動パターンPB1−1による可変表示では、初回変動と第1反復変動が、変動パターンPB1−3に対応する特図変動時間の3秒(3000ms)よりも長い4.5秒(4500ms)となるように行われ、第1反復変動が終了するときに可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示(完全停止表示)されてもよい。この場合には、変動パターンPB1−3による可変表示と同様の態様で可変表示が2回繰り返されたようにみせることができる。
図4(D)は、変動パターンPA2−4、変動パターンPB2−5、変動パターンPC2−5、変動パターンPA3−4、変動パターンPB3−5、変動パターンPC3−5に対応して、「反復変動」の可変表示演出が行われた後に、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるリーチ成立に応じてリーチ演出が行われる実行例を示している。この場合には、変動パターンPB1−2の場合と同様に初回変動が行われた後に第1反復変動が開始され、第1反復変動における飾り図柄の変動開始から減速停止が始まる前までの可変表示態様は、変動パターンPB1−3による可変表示と同様の態様であればよい。その後、「左」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が減速停止して、同一の飾り図柄が停止表示(仮停止)されることで、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となってリーチ成立となる。こうして、変動パターンPB1−3による可変表示と同様の態様で可変表示が2回繰り返されたようにみせてから、リーチ成立に応じたリーチ演出の実行が開始されればよい。
図4(E)は、変動パターンPB2−6、変動パターンPC2−6、変動パターンPB3−6、変動パターンPC3−6に対応して、「反復変動」の可変表示演出が行われた後に、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるリーチ成立に応じてリーチ演出が行われる実行例を示している。この場合には、変動パターンPB1−1の場合と同様に初回変動と第1反復変動が行われた後に第2反復変動が開始され、第2反復変動における飾り図柄の変動開始から減速停止が始まる前までの可変表示態様は、変動パターンPB1−3による可変表示と同様の態様であればよい。その後、「左」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が減速停止して、同一の飾り図柄が停止表示(仮停止)されることで、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となってリーチ成立となる。こうして、変動パターンPB1−3による可変表示と同様の態様で可変表示が3回繰り返されたようにみせてから、リーチ成立に応じたリーチ演出の実行が開始されればよい。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型を構成する可動部材など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出における演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、予告パターンの決定結果に応じて実行される単一または複数の予告演出のそれぞれについて、演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
図5(A)は、各々の演出制御パターンの構成例を示している。図5(A)に示す構成例において、演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。
演出制御プロセスタイマ判定値は、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの格納値である演出制御プロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切替タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置5の画面上における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L、8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えばスティックコントローラ31Aの操作桿に対する傾倒操作とトリガボタンに対する指示操作とを有効に検出する操作有効期間、あるいはプッシュボタン31Bに対する指示操作を有効に検出する操作有効期間や、各々の操作を有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を指定するデータといった、遊技者の操作行為に応じた演出動作態様を示すデータが含まれている。
なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。さらに、例えば演出用模型に含まれる可動部材における動作態様を示す演出用可動部材制御データといった、その他の各種制御データが含まれることがあってもよい。
図5(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を示している。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御用CPU120は、パチンコ遊技機1における演出の進行に応じて演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算または1加算)し、演出制御パターンに含まれる演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L、8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。図5(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。また、演出制御用CPU120は、予告パターンの決定結果に対応して、飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、対応する演出制御パターン(予告演出制御パターン)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。
その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。こうして、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9や装飾用LED等の発光体、演出用模型に含まれる可動部材など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
この実施の形態では、例えば変動パターンPB1−1や変動パターンPB1−2などといった、所定の変動パターンが指定されたことに基づいて、「反復変動」の可変表示演出が所定割合で実行されることがある。こうした「反復変動」の可変表示演出を実行可能な変動パターンごとに、反復変動の有無や実行回数に対応して、複数の演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)を予め用意しておけばよい。
図6は、変動パターンPB1−1、変動パターンPB1−2、変動パターンPA2−4、変動パターンPB2−5、変動パターンPB2−6といった、「反復変動」の可変表示演出を実行可能な変動パターンに対応して、反復変動の有無や実行回数に応じた演出制御パターンの設定例を示している。この設定例では、「反復変動」の可変表示演出を実行可能な変動パターンが変動パターン指定コマンドにより指定された場合に、遊技状態が確変状態や時短状態であり時短制御が行われる時短中であるなどの条件下で、反復変動の有無や実行回数の決定結果に応じて、異なる演出制御パターンを決定することができる。なお、例えば遊技状態が通常状態である通常時のように、「反復変動」の可変表示演出を実行するための条件が成立していないときには、反復変動を実行しない場合に対応した演出制御パターンに決定されればよい。このように、反復変動の有無や実行回数に応じた演出制御パターンを用いて飾り図柄の可変表示などを制御することにより、「反復変動」の可変表示演出を実行することができればよい。
演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域が設けられていればよい。演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図7は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。始動入賞判定処理では、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動入賞が発生したか否かや、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動入賞が発生したか否かといった、始動入賞発生の有無を判定する。そして、始動入賞が発生した場合には、特図保留記憶数が上限値に達していないときに、可変表示の始動条件が成立したとして、所定の遊技用乱数を抽出して可変表示の保留データとして記憶させるための処理を実行する。例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域には、保留用乱数値記憶部として、図8(A)に示すような第1特図保留記憶部151Aと、図8(B)に示すような第2特図保留記憶部151Bとが設けられていればよい。
図8(A)に示す第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動入賞が発生したときに、第1特図保留記憶数が上限値「4」に達していないことにより第1始動条件が成立したにもかかわらず未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。第1始動条件は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの始動条件である。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104などから抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が上限値「4」に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばスーパーリーチのリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。第1始動条件の成立に基づき第1特図保留記憶部151Aに保留データが記憶されるときには、第1特図保留記憶数や合計保留記憶数が1加算されるように更新すればよい。
図8(B)に示す第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動入賞が発生したときに、第2特図保留記憶数が上限値「4」に達していないことにより第2始動条件が成立したにもかかわらず未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。第2始動条件は、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの始動条件である。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104などから抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が上限値「4」に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かの判定や、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばスーパーリーチのリーチ演出など)となるか否かの判定などを可能にする保留記憶情報となる。第2始動条件の成立に基づき第2特図保留記憶部151Bに保留データが記憶されるときには、第2特図保留記憶数や合計保留記憶数が1加算されるように更新すればよい。
図7に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームを開始するときには、例えば第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に関連付けて記憶されている保留データを読み出し、保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。このときには、第1特図保留記憶数や合計保留記憶数が1減算されるように更新すればよい。一方、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するときには、例えば第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に関連付けて記憶されている保留データを読み出し、保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。このときには、第2特図保留記憶数や合計保留記憶数が1減算されるように更新すればよい。
また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
このように、ステップS110の特別図柄通常処理では、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かが、可変表示の表示結果が導出表示される以前に決定される。CPU103は、遊技状態が確変状態であるか否かを示す確変フラグがオフであるかオンであるかに応じて異なる可変表示結果決定用データを参照して、可変表示結果を「大当り」とするか否かを決定すればよい。可変表示結果決定用データは、確変フラグの状態(オフまたはオン)に応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、可変表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に割り当てられたものであればよい。例えば確変フラグがオンであるときには、確変フラグがオフであるときよりも多くの決定値が、可変表示結果を「大当り」とする決定結果に割り当てられていればよい。このような設定により、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態であるときには、通常状態や時短状態であるときよりも高い割合で、可変表示結果が「大当り」に決定される。
特別図柄通常処理では、可変表示結果が「大当り」に決定されたときに、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットするとともに、大当り種別決定用の乱数値MR2と大当り種別決定用データとを用いて、大当り遊技状態の終了後における遊技状態に対応する大当り種別の決定を行う。例えば大当り種別には「非確変」と「確変」とがある。大当り種別決定用データは、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を「非確変」と「確変」のいずれとするかの決定結果に割り当てられたものであればよい。このような大当り種別の決定により、可変表示結果が「大当り」に基づく大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態とするか時短状態とするかが決定される。例えば大当り種別が「非確変」に決定された場合には、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が時短状態となり、大当り種別が「確変」に決定された場合には、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態となる。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間(特図変動時間)が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。さらに、変動パターン設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。確定特別図柄の停止表示に対応して、図柄確定コマンドの送信設定が行われてもよい。図柄確定コマンドは、特別図柄停止処理にて送信設定が行われた後、遊技制御用タイマ割込処理に含まれるコマンド制御処理が実行されることにより、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、確定特別図柄を停止表示させたときには、大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンであれば、当り開始指定コマンドの送信設定などを行った後、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであれば、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。当り開始指定コマンドは、特別図柄停止処理にて大当りフラグがオンであることに対応して送信設定が行われた後、遊技制御用タイマ割込処理に含まれるコマンド制御処理が実行されることにより、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して特別可変入賞球装置7における大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、特別可変入賞球装置7における大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、特別可変入賞球装置7における大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、特別可変入賞球装置7における大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、特別可変入賞球装置7における大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理などが含まれている。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、当り終了指定コマンドの送信設定を行う処理や、画像表示装置5、スピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9および装飾用LEDなどといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理、確変制御条件の成否に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。そして、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図9は、変動パターン設定処理として、図7のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS251)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS251;Yes)、特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS252)。一方、大当りフラグがオフ状態である場合には(ステップS251;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS253)。
ステップS252の処理では、例えばROM101の所定領域に記憶するなどして予め用意された大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが複数の大当り変動パターンのいずれかに決定される。大当り変動パターン決定テーブルでは、例えば変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。
ステップS253の処理では、遊技状態が通常状態である通常時の場合と、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短中の場合とに対応して、例えばROM101の所定領域に記憶するなどして予め用意されたハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが複数のハズレ変動パターンのいずれかに決定される。例えば、時短制御が行われていないときには、通常時のハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。一方、時短制御が行われているときには、時短中のハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。通常時と時短中のハズレ変動パターン決定テーブルでは、それぞれ、所定の特図保留記憶数に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。例えば、通常時のハズレ変動パターン決定テーブルでは、第1特図保留記憶数に応じて、変動パターンの決定結果に対する決定値の割当てが異なっていればよい。一方、時短中のハズレ変動パターン決定テーブルでは、第2特図保留記憶数に応じて、変動パターンの決定結果に対する決定値の割当てが異なっていればよい。CPU103は、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、通常時と時短中とに応じたハズレ変動パターン決定テーブルのいずれかを参照することにより、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。
ハズレ変動パターン決定テーブルでは、所定の特図保留記憶数(第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数)が所定数(例えば「2」)以上であるときに、所定数未満であるときよりも高い割合で、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」に決定されるように、決定値が割り当てられてもよい。このように、特図保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときよりも飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様に決定されにくいように設定されてもよい。これにより、特図保留記憶数が比較的に多いときには、比較的に少ないときよりも平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制することや、遊技者による遊技球の発射停止(いわゆる「止め打ち」)を低減することで、パチンコ遊技機1における遊技を促進できる。
高開放制御(高ベース制御)を伴う時短制御が行われない通常時には、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる第2始動入賞が発生しにくいことから、第2特図保留記憶数にかかわらず第1特図保留記憶数に応じて異なる割合で、複数の変動パターンのうちいずれかを使用パターンに決定できればよい。このような通常時に第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときにも、第1特図保留記憶数に応じて異なる割合で、ハズレ時の変動パターンが決定されればよい。これに対して、高開放制御(高ベース制御)を伴う時短制御が行われる時短中には、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態と第2可変状態とに変化させる。第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されてもよい。この場合、時短中には第1特図保留記憶数にかかわらず第2特図保留記憶数に応じて異なる割合で、複数の変動パターンのうちいずれかを使用パターンに決定できればよい。このような時短中に第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が「0」になっていることから、第2特図保留記憶数が「0」であることに応じた割合で、ハズレ時の変動パターンが決定されればよい。なお、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数に応じて異なる割合で変動パターンが決定されるものに限定されず、例えば合計保留記憶数に応じて異なる割合で、ハズレ時の変動パターンが決定されるものであってもよい。
図10(A)は、大当り変動パターンの決定例を示している。図10(A)に示す決定例では、ノーマルのリーチ演出が実行される変動パターンPA3−1〜変動パターンPA3−4、スーパーAのリーチ演出が実行される変動パターンPB3−1〜変動パターンPB3−6、スーパーBのリーチ演出が実行される変動パターンPC3−1〜変動パターンPC3−6ごとに、所定の決定割合で大当り時の変動パターンが決定される。なお、単一または複数の変動パターンを、例えばリーチ演出といった所定の演出態様に基づいて分類した複数の変動パターン種別を設け、変動パターン種別を決定した後に、決定された変動パターン種別に含まれる1の変動パターンに決定するようにしてもよい。また、大当り変動パターンの決定割合は、大当り種別が「非確変」であるか「確変」であるかに応じて異なる割合に設定されてもよい。
図10(B1)は、遊技状態が通常状態である通常時におけるハズレ変動パターンの決定例を示している。図10(B1)に示す決定例では、変動パターンPA2−1〜変動パターンPA2−4といった、ノーマルのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、変動パターンPB2−1〜変動パターンPB2−6や変動パターンPC2−1〜変動パターンPC2−6といった、スーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合よりも高くなるように設定されている。一方、図10(A)に示されたように、大当り時にはスーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、ハズレ時よりも高くなり、ノーマルのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合よりも高くなる。これにより、スーパーリーチのリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出表示されるときには、その可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高められる。
図10(B2)は、遊技状態が確変状態や時短状態であるときに時短制御が行われる時短中におけるハズレ変動パターンの決定例を示している。図10(B2)に示す決定例では、第2特図保留記憶数が0、1または2以上のいずれであるかに応じて、変動パターンPB1−1〜変動パターンPB1−3の決定割合が異なっている。例えば第2特図保留記憶数が2以上であるときには、変動パターンPB1−3の決定割合が最も高く、通常時に用いられる変動パターンPA1−1の特図変動時間である12秒(12000ms)よりも短縮された第1可変表示時間となる3秒(3000ms)に決定されやすい。これに対して、第2特図保留記憶数が1であるときには、変動パターンPB1−2の決定割合が最も高く、変動パターンPB1−3の第1可変表示時間よりも長い第2可変表示時間のうち6秒(6000ms)に決定されやすい。また、第2特図保留記憶数が0であるときには、変動パターンPB1−1の決定割合が最も高く、変動パターンPB1−3の第1可変表示時間よりも長い第2可変表示時間のうち9秒(9000ms)に決定されやすい。
図10(B2)に示す決定例では、第2特図保留記憶数が2以上であるときでも、所定割合で変動パターンPB1−1または変動パターンPB1−2に決定され、特図変動時間が第2可変表示時間の9秒(9000ms)または6秒(6000ms)となることがある。このように、第2特図保留記憶数が所定数以上であるときでも、可変表示時間が第2可変表示時間に決定されたときには、「反復変動」の可変表示演出を実行することができるようにすればよい。
ステップS252、S253の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS254)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図3に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。また、飾り図柄の可変表示は、第1特図や第2特図を用いた特図ゲームと同期して実行される。したがって、ステップS252、S253の処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が決定される。CPU103は、特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。
ステップS254の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS255)。一例として、第1特図を用いた特図ゲームを開始するときには、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、第2特図を用いた特図ゲームを開始するときには、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS255の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS256)。例えば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを開始する場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する。他方、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを開始する場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを指定する。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する演出制御コマンドである。ステップS256の処理によるコマンドの送信設定が行われた後、遊技制御用タイマ割込処理に含まれるコマンド制御処理が実行されることにより、それぞれの演出制御コマンドが主基板11から演出制御基板12に対して送信される。
ステップS256の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS257)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS257にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図7に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受ける。起動用の電力供給が開始された演出制御用CPU120では、所定の演出制御メイン処理が実行される。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の起動時処理を実行する。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。こうしたタイマ割込みフラグをオン状態にする割込みは、演出制御用のタイマ割込みとなる。演出制御用CPU120は、演出制御用のタイマ割込みが発生するまで待機する。
演出制御用のタイマ割込みが発生してタイマ割込フラグがオンになったときには、これをクリアしてオフ状態にするとともに、演出制御用のタイマ割込処理を実行する。なお、演出制御用CPU120は、演出制御用のタイマ割込処理の他に、コマンド受信用の割込処理を実行可能であり、主基板11から中継基板15を介して伝送される演出制御コマンドを受信できればよい。演出制御用のタイマ割込処理において、演出制御用CPU120は、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、演出制御コマンドの受信があったか否かの判定が行われ、受信があった場合には受信コマンドに対応した設定や制御などが行われる。コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった発光体における点灯動作、演出用可動部材の駆動動作など、各種の演出装置を用いた動作制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値としてカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図11は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域などに記憶された演出プロセスフラグの値を判定し、演出制御用のコンピュータプログラムに予め記述された複数の処理から、判定値に応じた処理を選択して実行する。演出プロセスフラグの判定値に応じて実行される処理には、ステップS170〜S175の処理が含まれている。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。そして、第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームが開始されること、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームが開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えばRAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を導出表示(完全停止表示)させる。確定飾り図柄を導出表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターンなどを設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどの発光体を点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどの発光体を点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図12(A)は、可変表示開始設定処理として、図11のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図12(A)に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などを決定する(ステップS401)。ステップS401の処理として、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。この最終停止図柄などを決定するときには、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた可変表示内容として、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「大当り」のいずれかを設定する。例えば可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、変動パターンPA1−1〜変動パターンPA1−4、変動パターンPB1−1〜変動パターンPB1−3のいずれかである場合には、可変表示内容を「非リーチ(ハズレ)」に設定し、変動パターンPA2−1〜変動パターンPA2−4、変動パターンPB2−1〜変動パターンPB2−6、変動パターンPC2−1〜変動パターンPC2−6のいずれかである場合には、可変表示内容を「リーチ(ハズレ)」に設定する。また、可変表示結果が「大当り」となる場合には、可変表示内容を「大当り」に設定する。
図12(B)は、ステップS401の処理における最終停止図柄となる飾り図柄の決定例を示している。この例では、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて異なる(不一致の)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
可変表示内容が「大当り」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」と「確変」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行されるか否かなどに応じて、通常図柄(例えば偶数を示す飾り図柄)と確変図柄(例えば奇数を示す飾り図柄)のいずれを確定飾り図柄とするかが決定されればよい。大当り中昇格演出は、画像表示装置5において大当りを想起させるが確変状態を想起させないような飾り図柄の組合せ(非確変大当り組合せ)が一旦は停止表示されてから、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に確変状態となるか否かを報知する演出である。
具体的な一例として、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。また、大当り種別が「確変」で大当り中昇格演出を実行しないと決定されたときには、複数種類の確変図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これに対して、大当り種別が「確変」であっても大当り中昇格演出を実行すると決定されたときには、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これにより、確定飾り図柄として確変図柄が揃って導出表示されたにもかかわらず、大当り中昇格演出が実行されてしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすればよい。
ステップS401の処理では、可変表示内容が「大当り」である場合に、再抽選演出や大当り中昇格演出といった確変昇格演出を実行するか否かが決定されてもよい。再抽選演出では、飾り図柄の可変表示中に同一の通常図柄からなる非確変大当り組合せの飾り図柄が一旦表示されることによって、確変状態に制御されることを一旦は認識困難または認識不能とし、飾り図柄を再び可変表示(再変動)させて同一の確変図柄からなる確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることによって確変状態に制御されることを報知できる。なお、再抽選演出にて飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることにより、確変状態に制御されることを報知しない場合もある。ステップS401の処理にて再抽選演出を実行すると決定された場合には、再抽選演出の実行前に仮停止表示する飾り図柄の組合せなどを決定すればよい。
ステップS401の処理における最終停止図柄などの決定に続いて、飾り図柄の可変表示中に実行される各種演出の設定を行う可変表示中演出設定処理が実行される(ステップS402)。可変表示中演出設定処理では、例えばパチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短中といった、所定遊技状態において、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに応じて、反復変動の有無や実行回数が決定される。また、可変表示中演出設定処理では、予告演出の有無や演出態様に対応する予告パターンが決定される。さらに、可変表示中演出設定処理では、「擬似連」の可変表示演出が実行される場合における再変動演出の演出態様が決定される。その他、可変表示中演出設定処理では、ミッション報知演出の有無やミッションの内容に対応するミッション報知パターンが決定される。
ステップS402の可変表示中演出設定処理を実行した後には、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS403)。例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターン、およびステップS402の可変表示中演出設定処理で決定された反復変動の有無や実行回数などに対応して、複数用意された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、演出制御用CPU120は、ステップS402の可変表示中演出設定処理による各種演出の設定に対応して、複数用意された演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。例えば各種の予告演出を実行するための設定がなされた場合には、その設定に対応した演出制御パターン(予告演出制御パターン)が選択されてもよい。
ステップS403の処理に続いて、例えばRAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS404)。このとき、演出制御プロセスタイマには、例えば変動パターン指定コマンドに示された変動パターンに対応したタイマ初期値が設定されればよい。これにより、飾り図柄の可変表示時間が設定(初期設定)されればよい。なお、演出制御プロセスタイマのタイマ値は時間経過に伴い「0」からカウントアップするように更新し、飾り図柄の可変表示時間に対応した可変表示終了判定値が設定されるようにしてもよい。ステップS404の処理を実行した後には、画像表示装置5の画面上にて飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS405)。例えばステップS403の処理にて決定された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)に含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDPに対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
ステップS405の処理を実行したことにより飾り図柄の可変表示が開始されるときには、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示を更新するための設定を行う(ステップS406)。例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて保留番号が「1」に対応した表示部位を消去するとともに、全体の表示部位を1つずつ左方向に移動させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS407)、可変表示開始設定処理を終了する。
図13は、図12のステップS402にて実行される可変表示中演出設定処理の一例を示すフローチャートである。図13に示す可変表示中演出設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態や時短状態において時短制御が行われる時短中であるか否かを判定する(ステップS501)。そして、時短中であると判定された場合には(ステップS501;Yes)、時短制御を行う可変表示の残り回数を示す時短残回数が5回以下であるか否かを判定する(ステップS502)。
ステップS502にて時短残回数が5回よりも多いと判定された場合には(ステップS502;No)、「反復変動」の可変表示演出において反復変動を実行するか否かという反復変動の有無や、反復変動を実行する場合における回数を決定する(ステップS503)。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される反復変動決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された反復変動決定テーブルを参照することなどにより、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンに応じた所定割合で、反復変動の有無や実行回数を決定すればよい。
図14は、ステップS503の処理による反復変動の決定例を示している。図14に示す決定例では、「反復変動」の可変表示演出を実行可能な変動パターンに応じた割合で、「反復変動」の可変表示演出を実行しない「反復変動なし」、反復変動を1回実行する「反復変動1回」または反復変動を2回実行する「反復変動2回」のいずれかに決定される。「反復変動」の可変表示演出を実行するか否かの決定割合は、可変表示結果が「大当り」となるか「ハズレ」となるかにかかわらず、共通の割合となるように設定されていればよい。例えば図3に示すように、可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合に対応したリーチ変動パターンに含まれる変動パターンPB2−5または変動パターンPC2−5が指定されたときと、可変表示結果が「大当り」である場合に対応した大当り変動パターンに含まれる変動パターンPB3−5または変動パターンPC3−5が指定されたときには、共通の割合で「反復変動なし」または「反復変動1回」に決定されればよい。
図13に示すステップS501にて時短中ではないと判定された場合や(ステップS501;No)、ステップS503、S505の処理のいずれかを実行した後には、予告演出を決定する(ステップS506)。この実施の形態では、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出されるまでに、互いに演出態様が異なる複数の予告演出を、組み合わせて実行することができる。例えば、複数のタイミングにて実行可能な予告演出として、メッセージ予告、ステップアップ予告、リーチ成立時予告が、設けられていればよい。なお、「擬似連」の可変表示演出が実行される場合には、ステップS506の処理により決定される予告演出を、擬似連変動が実行される場合の最終変動時の演出内容とすればよい。
図15および図16は、メッセージ予告、ステップアップ予告、リーチ成立時予告のそれぞれにおける演出態様(演出内容)を例示している。図15(A)や図15(B)に示すように、メッセージ予告では、例えば飾り図柄の可変表示中に画像表示装置5の画面上に表示された文字画像により、所定のキャラクタが発するセリフを報知する。そして、メッセージ予告は、文字画像の表示態様に応じて大当り期待度が異なり、図15(B)に示す文字画像の表示色が黒色である黒文字のメッセージ予告MS2であるときに、図15(A)に示す文字画像の表示色が白色(白抜き)である白文字のメッセージ予告MS1であるときよりも、大当り期待度が高いことを示唆している。このように、メッセージ予告では、例えばキャラクタが発するセリフの文字画像といった、所定画像を表示する画像表示演出が行われる。そして、可変表示結果が「大当り」で大当り遊技状態となるか否かに応じて異なる割合で、例えば文字画像の表示色といった、所定画像の一部の表示態様を異なる表示態様で表示することができる。
なお、文字画像によりキャラクタが発するセリフを報知するものに限定されず、例えばスピーカ8L、8Rから出力される音声により、キャラクタが発するセリフを報知してもよい。文字画像の表示色に応じて大当り期待度を異ならせるものに限定されず、セリフを発するキャラクタの種類や表示色、形状、表示柄といった、キャラクタ画像の一部または全部の表示態様を異ならせることにより、大当り期待度を異ならせてもよい。キャラクタ画像の表示態様の他にも、背景画像の表示態様(例えば表示色や表示柄がサクラの花柄であるか否かなどで、サクラの花柄である場合には大当り期待度が高い)における一部または全部を異ならせることにより、大当り期待度を異ならせてもよい。さらには、文字画像の表示とともにスピーカ8L、8Rから出力される音声の出力態様や、遊技効果ランプ9または装飾用LEDの点灯態様といった、演出態様の一部または全部を異ならせることにより、大当り期待度を異ならせてもよい。すなわち、遊技者からみて予告する手段(表示、音、ランプ、可動部材等)の状態が少なくとも一部は異なるものと認識可能にすることで、異なる大当り期待度を示唆できれよい。
ステップアップ予告は、特図ゲームの開始条件が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が導出されるまでに、演出態様が所定の順番に従って1段階から複数段階まで変化可能(ステップアップ可能)な予告演出である。なお、ステップアップ予告では、最初に出現した演出態様が次の段階に変化することなく、予告演出の実行を終了させることがあるようにしてもよい。
一例として、図16(A1)〜(A4)に示すように、ステップアップ予告では、飾り図柄の可変表示中に画像表示装置5の画面上にて、予め用意された複数種類の演出画像を所定の順番に従って切り替えて表示させる演出表示SUE1〜SUE4により、演出態様が複数段階に変化(ステップアップ)すればよい。他の一例として、飾り図柄の可変表示中に遊技領域の内部または外部に設けられた演出用模型(可動部材)を所定の順番に従って複数種類の動作態様で動作させる演出動作により、演出態様が複数段階に変化(ステップアップ)してもよい。その他にも、スピーカ8L、8Rから出力される音声の出力態様や、遊技効果ランプ9または装飾用LEDの点灯態様といった、任意の演出態様を所定の順番に従って複数段階に変化(ステップアップ)させてもよい。
ステップアップ予告は、演出態様が変化する回数(ステップ数)に応じて大当り期待度が異なり、ステップ数が多いときに、ステップ数が少ないときよりも、大当り期待度が高いことを示唆している。すなわち、可変表示結果が「大当り」で大当り遊技状態となる場合には、大当り遊技状態とならない場合よりも高い割合で、予め定められた段階まで演出態様が変化する。図16(A5)に示すように、ステップアップ予告SU1〜SU4はそれぞれ、演出態様が変化するステップ数が互いに異なり、ステップ数が「1」のステップアップ予告SU1から、ステップ数が「2」のステップアップ予告SU2、ステップ数が「3」のステップアップ予告SU3、ステップ数が「4」のステップアップ予告SU4となるに従って、大当り期待度が高くなる。
ステップアップ予告における演出態様の変化(ステップアップ)としては、異なるキャラクタ画像が順番に表示されるものであってもよいし、1つのキャラクタにおける形状や表示色、表示柄といった、表示態様の一部または全部が変化することでステップアップするようなものであってもよい。すなわち、遊技者からみて予告する手段(表示、音、ランプ、可動部材等)の状態が少なくとも一部は段階的に変化したと認識可能なものであればよい。キャラクタ画像の表示によるステップアップの他にも、背景画像の表示態様(例えば表示色や表示柄がサクラの花柄であるか否かなどで、サクラの花柄である場合には大当り期待度が高い)における一部または全部を異ならせることにより、大当り期待度を異ならせてもよい。
なお、ステップアップ予告におけるステップ数、あるいは、各ステップにおける演出態様に応じて、「非確変大当り」や「確変大当り」となる可能性(確変期待度)、特定のリーチ演出が実行される可能性(特定リーチ期待度)などを異ならせてもよい。さらに変化する回数(ステップ数)によって予告する対象も変化するものでもよい。例えば第2ステップまで行くと「リーチ確定」、第3ステップまで行くと「スーパーリーチ確定」、第4ステップまで行くと「大当り確定」となるようなものでもよい。
図16(B1)〜(B3)に示すように、リーチ成立時予告では、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに基づいて、所定のキャラクタ(蝶)を示す演出画像群を表示する。一例として、リーチ成立時予告では、同一または類似した多数のキャラクタとなる蝶を示す演出画像群が画像表示装置5の画面上を通過するような演出が行われる。この場合、他の予告演出(例えばメッセージ予告やステップアップ予告など)にて用いられるキャラクタとは異なる種類のキャラクタを示す演出画像群を表示する演出動作が行われてもよいし、他の予告演出にて用いられるキャラクタと同じ種類のキャラクタを示す演出画像群を表示する演出動作が行われてもよい。他の予告演出にて用いられるキャラクタとは異なる種類でも共通するテーマのキャラクタ(例えば同じ映画やアニメの登場人物を模したキャラクタなど)を示す演出画像群を表示する予告演出が行われてもよい。リーチ成立時予告は、演出画像群により示されるキャラクタ(例えば蝶)の数に応じて大当り期待度が異なる。例えば図16(B1)に示すリーチ成立時予告GR1では蝶の数が「1」であり、図16(B2)に示すリーチ成立時予告GR2では蝶の数が「3」であり、図16(B3)に示すリーチ成立時予告GR3では蝶の数が「5」であり、この順に大当り期待度が高くなる。
なお、演出画像群により示されるキャラクタの数に応じて大当り期待度を異ならせるものに限定されず、演出画像群により示されるキャラクタの種類や表示色、形状、表示柄といった、キャラクタ画像の一部または全部の表示態様を異ならせることにより、大当り期待度を異ならせてもよい。キャラクタ画像の他にも、背景画像の表示態様(例えば表示色や表示柄がサクラの花柄であるか否かなどで、サクラの花柄である場合には大当り期待度が高い)を異ならせてもよい。さらには、演出画像群の表示とともにスピーカ8L、8Rから出力される音声の出力態様や、遊技効果ランプ9または装飾用LEDの点灯態様といった、演出態様の一部または全部を異ならせることにより、大当り期待度を異ならせてもよい。すなわち、遊技者からみて予告する手段(表示、音声、ランプ、可動部材等)の状態が少なくとも一部は異なるものと認識可能にすることで、異なる大当り期待度を示唆できればよい。
このように、リーチ成立時予告では、例えば蝶のキャラクタを示す演出画像群といった、所定画像を表示する画像表示演出が行われる。そして、可変表示結果が「大当り」で大当り遊技状態となるか否かに応じて異なる割合で、例えば演出画像群により示される蝶の数といった、所定画像の一部の表示態様を異なる表示態様で表示することができる。
画像表示演出は、例えば再変動演出におけるカード図柄、メッセージ予告におけるセリフの文字画像、リーチ成立時予告における蝶のキャラクタのように、所定の示唆演出における演出画像の全部または一部を所定画像として表示する場合に、大当り遊技状態となるか否かや、大当り遊技状態となる可能性(大当り期待度)に応じて異なる割合で、所定画像の一部の表示態様を異なる表示態様で表示するものであればよい。また、示唆演出が実行されるときに画像表示装置5の画面上に表示される演出画像の一部を所定画像とするものに限定されず、画像表示装置5の画面上に表示される演出画像の全部を所定画像として、その所定画像の一部の表示態様を、大当り遊技状態となるか否かや大当り期待度に応じて異なる割合で、異なる表示態様で表示するものであってもよい。
各予告演出の期待度は、例えば低期待度、中期待度、高期待度といった、複数の段階に区分けすることができる。なお、低期待度の予告演出は「弱予告」とも称され、中期待度の予告演出は「中予告」とも称され、高期待度の予告演出は「強予告」とも称される。低期待度の予告演出は、例えば大当り遊技状態となる可能性が「10%未満」であることを示唆する。中期待度の予告演出は、例えば大当り遊技状態となる可能性が「10%以上30%未満」であることを示唆する。高期待度の予告演出は、例えば大当り遊技状態となる可能性が「30%以上」であることを示唆する。こうした予告演出により示唆される大当り遊技状態となる可能性(大当り期待度)は、可変表示結果が「大当り」となるか「ハズレ」となるかに応じて各予告演出における演出態様の選択割合を異ならせることで、予め設定できればよい。例えば低期待度の予告演出は、中期待度や高期待度の予告演出に比べて、大当りとなるときに選択される割合が低く、ハズレとなるときに選択される割合が高くなればよい。また、高期待度の予告演出は、低期待度や中期待度の予告演出に比べて、大当りとなるときに選択される割合が高く、ハズレとなるときに選択される割合が低くなればよい。ここで、大当り遊技状態となる可能性が0%の場合には、常に可変表示結果が「ハズレ」となり、大当り遊技状態にはならないことを意味している。また、大当り遊技状態となる可能性が100%の場合には、常に可変表示結果が「大当り」となり、必ず大当り遊技状態となることを意味している。
なお、メッセージ予告、ステップアップ予告、リーチ成立時予告といった複数の予告演出ごとに、低期待度、中期待度、高期待度といった複数の段階に対応する大当り期待度が異なるように設定されてもよい。例えば高期待度のメッセージ予告は大当り期待度が「25%以上」であることを示唆する一方、高期待度のステップアップ予告は大当り期待度が「40%以上」であることを示唆し、高期待度のリーチ成立時予告は大当り期待度が「70%以上」であることを示唆してもよい。
図17は、このような予告演出の決定例を示している。この決定例では、図13に示すステップS506の処理により予告演出を決定するときに、変動パターンや可変表示結果の組合せ、さらにはステップS503の処理による反復変動の決定結果に応じた可変表示内容として、「非リーチ(ハズレ)反復変動なし」、「非リーチ(ハズレ)反復変動あり」、「ノーマルリーチ(ハズレ)」、「スーパーリーチ(ハズレ)」、「大当り」のいずれかを設定する。例えば図3に示された変動パターンPA1−1〜変動パターンPA1−4および変動パターンPB1−1〜変動パターンPB1−3のうち、変動パターンPB1−1または変動パターンPB1−2が指定され、ステップS503の処理にて「反復変動1回」または「反復変動2回」に決定された場合には、可変表示内容を「非リーチ(ハズレ)反復変動あり」に設定する。これに対して、変動パターンPB1−1および変動パターンPB1−2以外の非リーチ変動パターンが指定された場合や、変動パターンPB1−1または変動パターンPB1−2が指定されてもステップS503の処理にて「反復変動なし」に決定された場合には、可変表示内容を「非リーチ(ハズレ)反復変動なし」に設定する。
図17に示す決定例では、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)反復変動あり」に対応して、メッセージ予告、ステップアップ予告、リーチ成立後予告をいずれも常に実行しないことに決定する。これにより、第2可変表示時間内において第1可変表示時間の可変表示と同様の態様で可変表示が繰り返されるときには、複数の予告演出がいずれも実行されないように、演出の実行に制限が設けられる。一方、可変表示内容が「ノーマルリーチ(ハズレ)」、「スーパーリーチ(ハズレ)」、「大当り」のいずれかである場合には、「反復変動」の可変表示演出が実行されるか否かにかかわらず、所定割合で複数の予告演出をそれぞれ実行するように決定される。このように、「反復変動」の可変表示演出が実行される場合でも、反復変動の後に飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる場合には、複数の予告演出をそれぞれ実行できるように、演出の実行に制限が設けられないようにしてもよい。なお、リーチ状態となる場合でも、「反復変動」の可変表示演出が実行される場合には、複数の予告演出がいずれも実行されないように、演出の実行に制限が設けられてもよい。あるいは、リーチ状態となる場合のうち、可変表示結果が「大当り」となる場合に限り、「反復変動」の可変表示演出が実行される場合でも、複数の予告演出をそれぞれ実行できるように、演出の実行に制限が設けられないようにしてもよい。
図13に示すステップS506にて予告演出を決定した後には、変動パターンが「擬似連」の可変表示演出を実行するものであるか否かを判定する(ステップS507)。このとき、「擬似連」の可変表示演出を実行する擬似連ありと判定された場合には(ステップS507;Yes)、各回の擬似連変動が実行されるよりも前に実行される予告演出を決定する(ステップS508)。この場合には、最終変動となる擬似連変動が実行されるよりも前に実行される初回変動や他の擬似連変動に対応して、それぞれの可変表示中に実行される予告演出を決定すればよい。例えば、初回変動や各回の擬似連変動においてメッセージ予告やステップアップ予告などの予告演出が実行される場合に、前回の変動中(初回変動または擬似連変動)にて実行された予告内容よりも今回の変動中にて実行される予告内容が大当り期待度の低いものにはならないように、それぞれの予告内容を決定すればよい。
ステップS508の処理に続いて、再変動演出を決定する(ステップS509)。例えばステップS509の処理では、擬似連変動の回数に応じて、各回の擬似連変動が開始される直前に仮停止されるカード図柄や、スピーカ8L、8Rから出力させる効果音、演出用模型の動作態様などが、決定されればよい。
ステップS507にて「擬似連」の可変表示演出を実行しない擬似連なしと判定された場合や(ステップS507;No)、ステップS509の処理を実行した後には、ミッション報知演出の実行によりミッションを報知済みであるか否かを判定する(ステップS510)。一例として、RAM122の所定領域(演出制御バッファ設定部など)には、ミッション報知パターンバッファが設けられ、ミッション報知演出が実行される場合に、その演出によって報知されるミッションの内容などに対応したミッション報知パターンなどを特定可能に記憶する。このミッション報知パターンバッファに有効なミッション報知パターンが記憶されている場合には、ミッションを報知済みであると判定すればよい。
ステップS510にてミッションを報知済みではないと判定された場合には(ステップS510;No)、ミッション報知演出を実行するか否かといったミッション報知の有無を決定する(ステップS511)。例えば演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタにより更新されるミッション報知決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121の所定領域に予め記憶して用意されたミッション報知決定テーブルを参照することにより、ミッション報知の有無を決定すればよい。ミッション報知決定テーブルでは、ミッション報知演出を実行するか否かの決定結果に対して、ミッション報知決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が割り当てられていればよい。
図18は、ステップS511の処理によるミッション報知有無の決定例を示している。この決定例では、ミッション報知演出の有無を決定するときに、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた可変表示内容として、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「大当り」のいずれかを設定する。そして、設定した可変表示内容に応じて異なる割合で、ミッション報知演出を実行しない「ミッション報知なし」、またはミッション報知演出を実行する「ミッション報知あり」に決定すればよい。図18に示す決定例では、「反復変動」の可変表示演出が実行されるか否かにかかわらず、所定割合でミッション報知演出を実行できるように決定される。このように、「反復変動」の可変表示演出が実行される場合でも、ミッション報知演出を実行できるように、演出の実行に制限が設けられないようにしてもよい。なお、「反復変動」の可変表示演出が実行される場合には、ミッション報知演出が実行されないように、演出の実行に制限が設けられてもよい。あるいは、「反復変動」の可変表示演出が実行される場合でも、反復変動の後に飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる場合には、ミッション報知演出を実行できるように、演出の実行に制限が設けられないようにしてもよい。
ステップS511の処理に続いて、ミッション報知演出を実行する「ミッション報知あり」に決定されたか否かを判定する(ステップS512)。このとき、ミッション報知演出を実行しない「ミッション報知なし」に決定されていれば(ステップS512;No)、可変表示中演出設定処理を終了する。一方、「ミッション報知あり」に決定された場合には(ステップS512;Yes)、ミッション報知パターンを決定する(ステップS513)。ステップS513の処理では、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」や「リーチ(ハズレ)」であるか「大当り」であるかに応じたミッション報知パターンが決定されればよい。例えば可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」や「リーチ(ハズレ)」である場合には、図12(A)に示されたステップS401の処理で決定した最終停止図柄やステップS506の処理で決定した予告演出に基づいて、達成条件として提示されるミッションが最終停止図柄や予告演出によっては達成されないようにミッション報知パターンを決定する。一方、可変表示内容が「大当り」である場合には、最終停止図柄や予告演出の決定結果に基づいて、ミッションが達成されるようにミッション報知パターンを決定すればよい。なお、例えば可変表示内容が「大当り」である場合でも、所定割合でミッションが達成されないようにミッション報知パターンが決定されてもよい。ステップS513の処理により決定されたミッション報知パターンは、ミッション報知パターンバッファに記憶されればよい。
ステップS513の処理を実行した後には、ミッション報知演出の実行時間となるミッション報知時間を設定する(ステップS514)。例えば演出制御用CPU120は、予め用意された複数種類の報知時間のうちで、ミッション報知時間に設定するものを所定割合で決定すればよい。このときには、ミッションが達成されるか否かに応じて異なる割合で、ミッション報知時間が決定されてもよい。なお、ステップS510の処理にてミッションを報知済みであると判定されるときでも、ミッションの追加や変更などができるように、新たなミッション報知パターンの決定が行われるようにしてもよい。ミッションの追加や変更が行われるときには、ステップS514の処理を実行して、新たなミッション報知時間を設定してもよい。
ステップS510にてミッションを報知済みであると判定された場合や(ステップS510;Yes)、ステップS514の処理を実行した後には、ミッション(課題または指令)が達成されるか否かを判定する(ステップS515)。演出制御用CPU120は、ミッション報知パターンバッファに記憶されているミッション報知パターンに応じた報知内容と、最終停止図柄や予告演出の決定結果などに基づいて、ミッション報知演出にて報知されるミッションが達成されるか否かを判定すればよい。ミッションが達成されない場合には(ステップS515;No)、可変表示中演出設定処理を終了する。
ステップS515にてミッションが達成されると判定した場合には(ステップS515;Yes)、ミッション達成時演出を実行するための設定を行ってから(ステップS516)、可変表示中演出設定処理を終了する。例えばステップS516の処理では、ミッション達成時演出を実行するために用いられる演出制御パターンを決定するための設定が行われればよい。また、ミッション報知パターンバッファをクリアするなどして、ミッション報知パターンの記憶を初期化すればよい。
図19は、可変表示中演出処理として、図11のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS421)。一例として、ステップS421の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算または1加算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS421にて可変表示時間が経過していないと判定された場合には(ステップS421;No)、「反復変動」の可変表示演出における反復変動の実行があるか否かを判定する(ステップS422)。反復変動の有無は、例えば図12(A)に示すステップS403の処理にて決定された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)から特定されればよい。ステップS422にて反復変動ありと判定された場合には(ステップS422;Yes)、反復変動を実行するための制御を行う(ステップS423)。例えば、演出制御パターンの設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることにより、所定の可変表示が繰り返されるように、飾り図柄の可変表示態様などが制御されればよい。
ステップS422にて反復変動なしと判定された場合には(ステップS422;No)、時短終了接近演出の実行期間であるか否かを判定する(ステップS424)。時短終了接近演出の実行期間は、例えば図13に示すステップS505の処理による演出設定に基づき図12(A)に示すステップS403の処理にて決定された演出制御パターンにより、予め定められていればよい。ステップS424にて時短終了接近演出の実行期間であるときには(ステップS424;Yes)、時短終了接近演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS425)。
ステップS425の処理は、ステップS422の処理にて反復変動なしと判定されたことに基づいて、ステップS424の処理にて所定の実行期間であると判定されたときに実行される。これにより、時短終了接近演出は、反復変動が実行されない飾り図柄の可変表示中にて実行することができる。一方、反復変動が実行される飾り図柄の可変表示中には、時短終了接近演出が実行されないように制限が設けられる。また、時短終了接近演出が実行される特定期間では、時短制御が行われる時短中であっても反復変動が実行されないように制限が設けられる。
ステップS424にて時短終了接近演出の実行期間ではないと判定された場合や(ステップS424;No)、ステップS425の処理を実行した後には、再変動演出の実行期間であるか否かを判定する(ステップS426)。再変動演出の実行期間は、例えば図12(A)に示すステップS403の処理にて決定された演出制御パターンにより、予め定められていればよい。ステップS426にて再変動演出の実行期間であるときには(ステップS426;Yes)、再変動演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS427)。
ステップS427の処理は、ステップS422の処理にて反復変動なしと判定されたことに基づいて、ステップS426の処理にて所定の実行期間であると判定されたときに実行される。これにより、再変動演出は、反復変動が実行されない飾り図柄の可変表示中にて実行することができる。一方、反復変動が実行される飾り図柄の可変表示中には、再変動演出が実行されないように制限が設けられる。つまり、反復変動が実行されるときには、再変動演出が実行されないことで、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動が実行される場合のような特別報知が実行されないように、制限が設けられる。また、「擬似連」の可変表示演出が実行される飾り図柄の可変表示中には、「反復変動」の可変表示演出が競合して実行されることがないように制限が設けられる。
ステップS426にて再変動演出の実行期間ではないと判定された場合や(ステップS426;No)、ステップS423、S427の処理のいずれかを実行した後には、予告演出の実行期間であるか否かを判定する(ステップS428)。予告演出の実行期間は、例えば図12(A)に示すステップS403の処理にて決定された演出制御パターンにより、予め定められていればよい。ステップS428にて予告演出の実行期間であると判定されたときには(ステップS428;Yes)、予告演出を実行するための演出動作制御を行う。
図13に示されたステップS506の処理では、図17に示された可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)反復変動あり」の場合に、メッセージ予告、ステップアップ予告などの予告演出を実行しないことに決定する。この場合、ステップS428の処理では、予告演出の実行期間であると判定されることがない。こうして、変動パターンPB1−1や変動パターンPB1−2に対応して「反復変動」の可変表示演出が実行され、変動パターンPB1−3による可変表示と同様の態様の可変表示が繰り返されるときには、予告演出が実行されないように制限が設けられる。
ステップS428にて予告演出の実行期間ではないと判定された場合や(ステップS428;No)、ステップS429の処理を実行した後には、ミッション報知開始演出の実行期間であるか否かを判定する(ステップS430)。ミッション報知開始演出の実行期間は、例えば図12(A)に示すステップS403の処理にて決定された演出制御パターンにより、予め定められていればよい。ステップS430にてミッション報知開始演出の実行期間であると判定されたときには(ステップS430;Yes)、ミッション報知開始演出を実行するための演出動作制御を行う。なお、ミッション報知開始演出の実行に対応して、図13に示されたステップS514の処理にて設定したミッション報知時間の計測を開始し、このミッション報知時間が経過するまではミッションを遊技者が認識可能に報知するミッション報知演出を行うようにすればよい。ただし、ミッションを達成させる演出が実行されたときには、ミッション報知時間が経過する前でもミッション報知演出を終了させればよい。
ステップS430にてミッション報知開始演出の実行期間ではないと判定された場合には(ステップS430;No)、ミッション達成時演出の実行期間であるか否かを判定する(ステップS432)。ミッション達成時演出の実行期間は、例えば図12(A)に示すステップS403の処理にて決定された演出制御パターンにより、予め定められていればよい。ステップS432にてミッション達成時演出の実行期間であると判定されたときには(ステップS432;Yes)、ミッション達成時演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS433)。
ステップS432にてミッション達成時演出の実行期間ではないと判定された場合や(ステップS432;No)、ステップS431、S433の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動パターンに対応した特図変動時演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた演出動作制御を行ってから(ステップS434)、可変表示中演出処理を終了する。ステップS434の処理では、例えばリーチ演出を実行するための演出動作制御が行われてもよい。
ステップS421にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS421;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS435)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS435;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS435にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS435;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS436)。このときには、ミッション報知演出を終了するための条件であるミッション報知終了条件が成立したか否かを判定する(ステップS437)。例えばステップS437の処理では、ミッション報知時間が経過した場合に、ミッション報知終了条件が成立したと判定すればよい。また、ステップS433の処理によりミッション達成時演出が実行された場合に、ミッション報知終了条件が成立したと判定してもよい。ステップS437にてミッション報知終了条件が成立したと判定された場合には(ステップS437;Yes)、ミッション報知演出を終了させるための設定を行う(ステップS438)。なお、ステップS433の処理によりミッション達成時演出が実行されるときに、ミッション報知演出を終了させるための設定が行われてもよい。
ステップS437にてミッション報知終了条件が成立していないと判定された場合や(ステップS437;No)、ステップS438の処理を実行した後には、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS439)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS440)、可変表示中演出処理を終了する。
以下、パチンコ遊技機1における具体的な制御の一例について説明する。
パチンコ遊技機1では、例えば遊技領域に打ち込まれた遊技球が第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)して第1始動入賞や第2始動入賞といった始動入賞が発生した後、特別図柄や飾り図柄の可変表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始される。画像表示装置5の画面上では、特別図柄の可変表示に同期して、飾り図柄の可変表示が行われる。
そして、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が導出され、特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となったときには、大当り遊技状態に制御されて大入賞口が第1状態(例えば開放状態)に変化するラウンドが行われることで、遊技者が多数の賞球を得られる有利な状態となる。このように、パチンコ遊技機1において、可変表示結果が「大当り」に決定されたことに基づく特図ゲームや、それに対応して実行される飾り図柄の可変表示は、可変表示結果が「ハズレ」に決定された場合よりも遊技者の有利度が高い遊技となる。大当り遊技状態が終了した後には、確変状態や時短状態において時短制御が行われる時短中となる。
特別図柄や飾り図柄の変動パターンとして、「擬似連」の可変表示演出を実行する再可変表示パターンが用意されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、図9に示すステップS252、S253の処理のいずれかにより再可変表示パターンを決定すると、ステップS256の処理などにより、決定した再可変表示パターンを指定する変動パターン指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信する。
演出制御基板12の側では、演出制御用CPU120が図13に示すステップS506の処理にて予告演出を決定した後、ステップS507の処理にて擬似連ありと判定したときに、ステップS508の処理にて各回の擬似連変動よりも前に実行される予告演出を決定するとともに、ステップS509の処理にて再変動演出を決定する。これにより、初回変動や擬似連変動が実行されるごとに、メッセージ予告やステップアップ予告などの予告演出を実行可能とし、擬似連変動の実行に対応した再変動演出を実行可能とする。
図20は、例えば図3に示す変動パターンPB2−2といった、「擬似連」の可変表示演出における擬似連回数が1回に設定された変動パターンに基づく演出動作例を示している。この演出動作例において、図20(A)に示すような飾り図柄の可変表示が開始されたときには、初回変動に対応したメッセージ予告として、例えば図20(B)に示すようなメッセージ予告MS1が実行される。続いて、図20(C)に示すようにメッセージ予告MS1の実行が終了し、初回変動に対応したステップアップ予告として、例えば図20(D)に示すようなステップアップ予告SU1が実行される。その後、第1擬似連変動の実行前に初回変動の終了に対応した再変動演出として、例えば図20(E)に示すようなカード図柄の仮停止表示やスピーカ8L、8Rにおける効果音の出力などが行われる。こうした再変動演出の実行により、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動として一旦仮停止した飾り図柄の可変表示が再び実行されることを、遊技者が認識可能に報知する。
図20(E)に示すように飾り図柄の可変表示が一旦仮停止された次には、例えば図20(F)に示すように再び変動が開始されることで、第1擬似連変動が行われる。このとき、第1擬似連変動に対応したメッセージ予告として、例えば図20(G)に示すようなメッセージ予告MS1が実行される。続いて、図20(H)に示すようにメッセージ予告MS1の実行が終了し、第1擬似連変動に対応したステップアップ予告として、例えば図20(I)に示すようなステップアップ予告SU2が実行される。その後、例えば図20(J)に示すように、「左」および「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Cにて同一の飾り図柄が停止表示されることで、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる(リーチ成立)。
このようなリーチ成立に対応したリーチ成立時予告として、例えば図20(K)に示すようなリーチ成立時予告GR2が実行される。その後、例えば変動パターンPB2−2による可変表示でのリーチ成立に基づきスーパーAのリーチ演出が実行されることに対応して、例えば図20(L)に示すような演出画像が表示される。これにより、スーパーAのリーチ演出が実行されることを報知する。こうしてリーチ演出が実行されてから、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が経過すると、特図ゲームにて確定特別図柄となる特別図柄が導出表示されることに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
確変状態や時短状態にて時短制御が行われる時短中といった所定遊技状態において、第2特図保留記憶数が2以上で可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、特別図柄や飾り図柄の変動パターンとして、通常時ロングの変動パターンPA1−1による可変表示時間の12秒(12000ms)よりも短縮された第1可変表示時間の3秒(3000ms)となる時短中ショートの変動パターンPB1−3が、図10(B2)に示されるような高い割合(88/100の決定割合)で決定される。一方、所定遊技状態において、第2特図保留記憶数が0または1で可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、特別図柄や飾り図柄の可変表示パターンとして、第1可変表示時間よりも長い第2可変表示時間として、9秒(9000ms)となる時短中第1ロングの変動パターンPB1−1、または6秒(6000ms)となる時短中第2ロングの変動パターンPB1−2が、図10(B2)に示されるような高い割合で決定される。
変動パターンPB1−1または変動パターンPB1−2が決定されたことに基づいて、図13に示す可変表示中演出設定処理では、ステップS503の処理により、図14に示すような割合で、反復変動の有無や実行回数が決定される。このとき、反復変動ありに決定された場合には、図13に示すステップS506の処理において、図14に示すような可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)反復変動あり」に対応して、メッセージ予告、ステップアップ予告などの予告演出を実行しないことに決定する。また、「反復変動」の可変表示演出が実行される場合には、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動が実行されないので、図13に示すステップS509の処理により再変動演出が決定されることはない。
図21は、時短中の第2特図保留記憶数に基づき決定された変動パターンに応じて、「反復変動」の可変表示演出が実行されない場合と実行される場合とにおける画像表示装置5の表示例を示している。図21(A1)に示すような飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第2特図保留記憶数が「4」から1減算されて「3」になる。このとき、変動パターンPB1−3に決定されたことに応じて、図21(B1)に示すような飾り図柄の可変表示が行われる。その後、例えば図21(C1)に示すように、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄が停止表示されることで、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
一方、図21(A2)に示すような飾り図柄の可変表示が開始されるときには、第2特図保留記憶数が「2」から1減算されて「1」になる。このとき、変動パターンPB1−2の決定や、図13に示すステップS503の処理にて反復変動を1回実行する決定に基づいて、図21(B2)に示すような飾り図柄の可変表示が行われる。その後、例えば図21(C2)に示すように、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて一旦仮停止させてから、図21(D2)に示すような第1反復変動となる飾り図柄の可変表示が繰り返される。そして、例えば図21(E2)に示すように、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄が停止表示されることで、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
このように、反復変動は、時短中といった所定遊技状態において、第2特図保留記憶数が所定数未満であるときに決定されやすい変動パターンに対応して、第1可変表示時間よりも長い第2可変表示時間となる場合に、その第2可変表示時間内において第1可変表示時間の可変表示と同様の態様で繰り返される可変表示となる。こうした反復変動を実行可能な変動パターンには、変動パターンPB1−1や変動パターンPB1−2といった非リーチ変動パターンがあり、反復変動が実行されたからといって可変表示結果が「大当り」となる可能性が高められるものではない。そこで、反復変動が実行されるときには、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)反復変動あり」に対応して、メッセージ予告、ステップアップ予告などの予告演出を実行しないように決定する。これにより、反復変動の実行を伴う可変表示において大当り遊技状態に対する期待感が過度に高められることを防止できる。
また、例えば「擬似連」の可変表示演出が実行される場合には、図13に示されたステップS508の処理を実行して擬似連変動前の予告演出を決定したり、ステップS509の処理を実行して再変動演出を決定したりするなど、擬似連変動を伴う可変表示において各種演出を実行するための処理量が増大しやすい。これに対して、「反復変動」の可変表示演出が実行される場合には、予告演出や再変動演出を実行しないように制限を設ける。これにより、反復変動を伴う可変表示における演出実行の処理負担を軽減することができる。
しかしながら、「反復変動」の可変表示演出が実行される場合に、あらゆる演出の実行に制限を設けてしまうと、遊技者に違和感を与えるおそれがある。例えばミッション報知演出は、図13に示すステップS511の処理により実行の決定がなされた後、ステップS514の処理により設定されたミッション報知時間が経過するなどして図19に示すステップS437の処理にてミッション報知終了条件が成立したと判定されるまで、複数回の可変表示にわたって実行されることがある。このような演出が実行されているときに、「反復変動」の可変表示演出に対応して制限を設けてしまうと、例えばミッション報知演出が途切れるような印象を遊技者に与えるおそれがある。そこで、予め定められた特定演出については、「反復変動」の可変表示演出が実行される場合でも、演出の実行を許容することで、遊技者に演出の違和感を与えないようにする。
図22は、ミッション報知演出の実行が開始されてから終了するより前に、「反復変動」の可変表示演出が実行される場合における画像表示装置5の表示例を示している。この例では、図22(A)に示すような飾り図柄の可変表示が開始されるときに、ミッション報知演出においてミッションを報知する文字画像MM1が表示されている。そして、変動パターンPB1−2の決定や、反復変動を1回実行する決定に基づいて、図22(B)に示すような飾り図柄の可変表示が行われる。このときには、ミッション報知終了条件が成立していないことから、ミッション報知演出が継続して実行される。その後、例えば図22(C)に示すように一旦仮停止させてから、図22(D)に示すような第1反復変動となる飾り図柄の可変表示が繰り返される。続いて、例えば図22(E)に示すように、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
このように、「反復変動」の可変表示演出が実行される場合でも、例えばミッション報知演出のような特定演出の実行を許容する。これにより、演出実行の制約を緩和するとともに、反復変動の実行に伴う演出の実行に過度の制限を設けることによる違和感を遊技者に与えないようにすることができる。なお、反復変動を伴う可変表示でも実行が許容される特定演出は、ミッション報知演出に限定されず、例えば背景画像を通常時とは異なる画像に変化させることなどにより演出状態を特定演出モードに変更するモード移行演出や、始動入賞時の判定結果に基づき複数回の可変表示にわたり特定遊技状態となる可能性を予告する先読み予告演出などであってもよい。複数回の可変表示にわたって実行される演出に限定されず、1回の可変表示において実行される演出のうちに、反復変動が実行される場合でも実行が許容される演出があってもよい。
さらに、「反復変動」の可変表示演出が実行される場合でも、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となってリーチ演出が実行される可変表示では、「反復変動」の可変表示演出が実行されない場合と同様に、所定割合で予告演出を実行するか否かが決定されてもよい。例えば図13に示されたステップS506の処理では、図17に示すように、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)反復変動あり」である場合には予告演出の実行に制限が設けられる一方、可変表示内容が「ノーマルリーチ(ハズレ)」、「スーパーリーチ(ハズレ)」または「大当り」である場合には予告演出の実行に制限が設けられず、「反復変動」の可変表示演出が実行されるか否かにかかわらず所定割合で複数の予告演出をそれぞれ実行するように決定される。図3に示すように、可変表示内容が「ノーマルリーチ(ハズレ)」、「スーパーリーチ(ハズレ)」や「大当り」に対応する変動パターンには、「反復変動」の可変表示演出を実行可能な変動パターンが含まれており、このような変動パターンによる可変表示では、予告演出の実行に制限が設けられない。また、「反復変動」の可変表示演出における反復変動を実行した後に飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる場合を設けることにより、反復変動が実行されるときでも大当り遊技状態に対する遊技者の期待感を持続させることができる。
時短中といった所定遊技状態において、常に「反復変動」の可変表示演出が実行可能となるものであってもよいし、「反復変動」の可変表示演出が実行されない特別期間を設けてもよい。例えば図13に示されたステップS502の処理にて時短残回数が5回以下であると判定されたときには、ステップS504の処理により「反復変動」の可変表示演出を実行しないことに決定される。このときには、ステップS505の処理による演出設定に基づいて、図19に示すステップS425の処理における演出動作制御により、時短終了接近演出が実行される。こうして、特別期間では、反復変動が実行される場合とは異なる態様の可変表示が実行される。これにより、可変表示のバリエーションを増加させて、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、所定遊技状態において「反復変動」の可変表示演出が実行されない特別期間は、時短残回数が5回以下となる期間に限定されず、時短中といった所定遊技状態において予め定められた所定条件が成立する期間であればよい。例えば大当り遊技状態が終了してから可変表示の実行回数が所定回数(例えば10回など)に達するまでの期間を特別期間として、「反復変動」の可変表示演出を実行せずに、第2始動入賞口に向けた遊技球の発射を促す発射促進演出などが実行されてもよい。
変動パターンPB1−1や変動パターンPB1−2のような「反復変動」の可変表示演出を実行可能な変動パターンは、例えば時短中といった所定遊技状態において第2特図保留記憶数が所定数未満であるときに限らず、第2特図保留記憶数が所定数以上であるときにも所定割合で決定されてもよい。例えば図9に示されたステップS253の処理では、図10(B2)に示すように、時短中の第2特図保留記憶数が2以上であるときでも、所定割合で変動パターンPB1−1や変動パターンPB1−2に決定される。この場合、図13に示されたステップS504の処理では、図14に示すように、第2特図保留記憶数にかかわらず所定割合で反復変動を実行することに決定される。これらの決定に基づいて、図19に示すステップS423の処理における反復変動の実行制御などにより、反復変動が実行される。こうして、保留データの記憶数が所定数以上であるときにも、可変表示時間を所定割合で第2可変表示時間に決定可能として、反復変動が実行される場合を設ける。これにより、保留データの記憶数が所定数未満であるときだけ反復変動が実行されることによる違和感を遊技者に与えないようにすることができる。
また、図10(B2)に示す決定例において、変動パターンPA2−4、変動パターンPB2−5、変動パターンPB2−6、変動パターンPC2−5、変動パターンPC2−6は、第2特図保留記憶数にかかわらず所定割合で決定され、「反復変動」の可変表示演出が実行可能になる。そのため、第2特図保留記憶数が所定数以上であるときに、変動パターンPB1−1や変動パターンPB1−2に決定されないと、「反復変動」の可変表示演出が実行されたときにはリーチ状態となることが確定してしまい、遊技者に違和感を与えるおそれがある。一方、所定遊技状態において第2特図保留記憶数が所定数以上であるときにも所定割合で変動パターンPB1−1や変動パターンPB1−2に決定可能とし、これらの非リーチ変動パターンによる可変表示において「反復変動」の可変表示演出を実行可能にすることで、保留データの記憶数が所定数以上であるときにはリーチ状態となる場合だけ反復変動が実行されることによる違和感を遊技者に与えないようにすることができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
上記実施の形態では、「反復変動」の可変表示演出が実行される場合でも、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となってリーチ演出が実行される可変表示では、「反復変動」の可変表示演出が実行されない場合と同様に、所定割合で予告演出を実行するか否かが決定されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となってリーチ演出が実行される可変表示でも、「反復変動」の可変表示演出が実行される場合には、予告演出を実行しないように制限を設けてもよい。これにより、反復変動の実行を伴う可変表示における演出実行の処理負担を軽減することができ、また、予告演出が実行されずに飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる意外性を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
また、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となってリーチ演出が実行される可変表示では、「反復変動」の可変表示演出が実行されることがないようにしてもよい。例えば上記実施の形態における変動パターンPA2−4や変動パターンPB2−5、変動パターンPB2−6、変動パターンPC2−5、変動パターンPC2−6のようなリーチ変動パターン、および、変動パターンPA3−4や変動パターンPB3−5、変動パターンPB3−6、変動パターンPC3−5、変動パターンPC3−6のような大当り変動パターンを設けないようにしてもよい。こうして、「反復変動」の可変表示演出が実行されたときにはリーチ状態にならないようにすることで、反復変動の実行により大当り遊技状態に対する期待感が高められることを防止しつつ、反復変動の実行を伴う可変表示の間延びを防止して、所定遊技状態における可変表示の実行が促進されている印象を与え、所定遊技状態における遊技の興趣を向上させることができる。
上記実施の形態では、「反復変動」の可変表示演出が実行される場合に、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動が実行される場合のような再変動演出が実行されないように制限を設けるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、「反復変動」の可変表示演出における反復変動が実行されるときに、所定の報知が実行されることがあるようにしてもよい。例えば飾り図柄の可変表示が開始される変動開始時に実行可能な変動開始時予告となる予告演出が用意されている場合に、反復変動による可変表示が繰り返されるときには、変動開始時予告と同様の演出態様で反復変動報知が実行されるようにしてもよい。反復変動報知が実行されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かにかかわらず所定割合で決定されてもよいし、可変表示結果が「大当り」となるか否かに応じて異なる割合で決定されてもよい。
上記実施の形態では、時短中といった所定遊技状態となる期間のうち、時短残回数が5回以下の期間といった特別期間においては、「反復変動」の可変表示演出を実行せず、これとは異なる時短終了接近演出を実行するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、時短中といった所定遊技状態となる期間では、第2特図保留記憶数といった保留データの記憶数が所定数未満であるときに、常に所定割合で「反復変動」の可変表示演出が実行されるようにしてもよい。例えば図13に示されたステップS501の処理で時短中と判定されたときには、ステップS502の処理を実行せずにステップS503の処理に進むようにしてもよい。
上記実施の形態では、時短中といった所定遊技状態において、第2特図保留記憶数といった保留データの記憶数が所定数以上であるときにも、図10(B2)に示すような決定割合で変動パターンPB1−1や変動パターンPB1−2に決定可能とし、所定割合で「反復変動」の可変表示演出が実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、所定遊技状態において保留データの記憶数が所定数以上であるときには、「反復変動」の可変表示演出が実行されないように制限を設けてもよい。例えば図9に示されたステップS253の処理において、時短中に第2特図保留記憶数が2以上であるときは、変動パターンPB1−1や変動パターンPB1−2に決定されないように変動パターンの決定割合を予め設定してもよい。あるいは、図13に示すステップS503の処理では、時短中に第2特図保留記憶数が2以上であるときは、常に「反復変動」の可変表示演出を実行しない「反復変動なし」に決定されるようにしてもよい。
上記実施の形態では、「反復変動」の可変表示演出が実行される場合でも、例えばミッション報知演出のような特定演出の実行を許容するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、「反復変動」の可変表示演出が実行されるときには、継続して実行されている演出を中断または終了させるように制限を設けてもよい。例えば図13に示されたステップS503の処理にて「反復変動」の可変表示演出を実行することに決定されたときには、ミッション報知終了条件が成立したとして、飾り図柄の可変表示が開始されることなどに対応して図19に示されたステップS438と同様の処理を実行することで、ミッション報知演出の実行を終了させてもよい。これにより、「反復変動」の可変表示演出に対する遊技者の注目を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
上記実施の形態では、可変表示時間や飾り図柄の可変表示態様などを示す変動パターンを演出制御基板12の側に通知するために、可変表示を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12の側に通知してもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の前)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の後)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信してもよい。この場合、演出制御基板12では、例えば演出制御用CPU120が2つのコマンドの組合せから導かれる可変表示時間に基づいて可変表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより可変表示時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な可変表示態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信してもよいし、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信してもよい。なお、それぞれのコマンドで示される可変表示態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知することで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、各種遊技や演出の決定割合、画像表示装置5における画像表示動作やスピーカ8L、8Rにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどの発光体における点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、例えばパチンコ遊技機1などの遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
以上説明したように、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、確変状態や時短状態にて時短制御が行われる時短中といった所定遊技状態において、第2特図保留記憶数が2以上であるような保留データの記憶数が所定数以上であるときに、可変表示時間が通常時よりも短縮された第1可変表示時間となる変動パターンPB1−3が決定される。一方、所定遊技状態において第2特図保留記憶数が0または1であるような保留データの記憶数が所定数未満であるときには、可変表示時間が第1可変表示時間よりも長い第2可変表示時間となる変動パターンPB1−1や変動パターンPB1−2が決定される。そして、図13に示されたステップS503の処理にて「反復変動」の可変表示演出を実行することに決定された場合には、図19に示されたステップS423の処理により、第2可変表示時間内において第1可変表示時間の可変表示と同様の態様で可変表示が繰り返される反復変動が実行される。また、図13に示されたステップS506の処理では、図14に示すような可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)反復変動あり」に対応して、予告演出を実行しないことに決定する。こうして、反復変動が実行されるときには所定の演出が実行されないように制限を設けることで、大当り遊技状態に対する期待感が過度に高められることを防止できる。また、反復変動の実行を伴う可変表示における演出実行の処理負担を軽減することができる。
反復変動の実行を伴う可変表示では、例えば再変動演出のような特別報知を実行しないように制限が設けられる。これにより、反復変動の実行を伴う可変表示に対する違和感を遊技者に与えないようにすることができる。
可変表示内容が「ノーマルリーチ(ハズレ)」、「スーパーリーチ(ハズレ)」や「大当り」に対応する変動パターンには、「反復変動」の可変表示演出を実行可能な変動パターンが含まれており、このような変動パターンによる可変表示では、反復変動を実行した後に飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とする。これにより、反復変動の実行を伴う可変表示でも大当り遊技状態に対する遊技者の期待感を持続させることができる。
所定遊技状態において「反復変動」の可変表示演出が実行されない特別期間を設け、例えば図13に示されたステップS505の処理による演出設定に基づいて、図19に示すステップS425の処理における演出動作制御などにより、反復変動の実行とは異なる時短終了接近演出が実行される。こうして、特別期間では反復変動が実行される場合とは異なる態様の可変表示が実行されることにより、可変表示のバリエーションを増加させて、遊技の興趣を向上させることができる。
所定遊技状態において第2特図保留記憶数が2以上であるような保留データの記憶数が所定数以上であるときにも、所定割合で変動パターンPB1−1や変動パターンPB1−2に決定されたことなどに基づいて、反復変動が実行される。これにより、反復変動の実行を伴う可変表示に対する違和感を遊技者に与えないようにすることができる。
所定遊技状態において「反復変動」の可変表示演出が実行される場合でも、例えばミッション報知演出のような特定演出の実行を許容する。これにより、演出実行の制約を緩和して演出のバリエーションを増加させるとともに、反復変動の実行を伴う可変表示に対する違和感を遊技者に与えないようにすることができる。