以下、添付図面を参照して、本実施形態に係るスロットマシン1について説明する。図1は、スロットマシン1の全体構造を示す正面図である。また、図2は、スロットマシン1の内部構造を示す図である。また、図3は、可変表示装置を構成する各リール上における図柄の配列を示す図である。また、図4は、スロットマシン1の制御回路の全体構成を示すブロック図である。
スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筺体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとから構成されている。
スロットマシン1の筐体1a内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールとも称する)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ、「メロン(たとえば、左リール2Lの領域番号21)」、「リプa(たとえば、左リール2Lの領域番号20)」、「ベル(たとえば、左リール2Lの領域番号19)」、「白7(たとえば、左リール2Lの領域番号18)」、「バナナ(たとえば、左リール2Lの領域番号13)」、「イチゴ(たとえば、左リール2Lの領域番号12)」、「黒7(たとえば、左リール2Lの領域番号11)」、「リプb(たとえば、左リール2Lの領域番号10)」、「ブランク(たとえば、左リール2Lの領域番号7)」、「星7(たとえば、左リール2Lの領域番号3)」といった互いに識別可能な複数種類の図柄(ただし、図3では文字のみを表記し、絵柄は省略している)が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。
リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。また、リール2L、2C、2Rの図柄が描かれた部分以外は白色であり、高い透過率で光を透過するようになっており、図柄が描かれた部分についても、その図柄の色彩に応じて光を透過するようになっている。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図2、図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から白色光で照射するリールLED55とが設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する9つのLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
また、前面扉1bには液晶表示器51が設けられている。液晶表示器51は、遊技者に視認可能な状態で配置された画面を有し、この画面の左上には、遊技者が視認可能な態様でATカウント表示部60が表示されるようになっている。ATカウント表示部60には、後述するアシストタイム(以下、ATと称する)に遊技状態が制御されたときに、ATの残りゲーム数が表示されるようになっている。たとえば、ATに制御されていないときにおいては、ATカウント表示部60には何も表示されず単なる楕円形の枠のみ表示される。一方、ATに制御されたときにおいては、ATカウント表示部60に表示された楕円形の枠内にカウントダウン形式で数字画像が表示される。この数字は、現在制御中のATの残りゲーム数(なお、以下では、ATに制御されるゲームのことを「ATゲーム」と称し、ATに制御されるゲーム数のことを「ATゲーム数」と称する)を示しており、遊技者がこれを確認することによって現在行われている1セットのATにおける残りATゲーム数を認識することができるようになっている。たとえば、ATカウント表示部60に「30」の数字が表示されていれば、残りATゲーム数が30ゲームであることを遊技者は認識することができる。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてその範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
本実施の形態では、規定数の賭数として、遊技状態がビッグボーナスおよびレギュラーボーナス(以下、ボーナスとも称する)、また、遊技状態がビッグボーナスおよびレギュラーボーナス以外の遊技状態にかかわらず、全ての遊技状態において「3」が定められている。
また、前面扉1bには、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリール2L、2C、2Rの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリール2L、2C、2Rの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
また、図4に示すように、前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するRAM異常エラーを除くエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、後述のBB(ビッグボーナス)終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述するBB終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられたホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、リール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)、リールLED55からなるリールユニット、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンク35が満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、起動時に設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはRAM異常エラーを除くエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更モードにおいては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
スロットマシン1においてゲームを行う場合には、先ず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。
遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。
「入賞ライン」とは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために予め設定されているラインである。本実施の形態では、図1に示すように、1種類の入賞ラインL1のみが入賞ラインとして定められている。
入賞ラインL1は、左リール2Lの中段、中リール2Cの中段、右リール2Rの中段、すなわち中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインである。なお、入賞ラインは、L1に示すラインに限らず、複数の入賞ラインを含んでいてもよい。たとえば、入賞ラインは、左リール2Lの上段、中リール2Cの上段、右リール2Rの上段、すなわち上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2と、左リール2Lの上段、中リール2Cの中段、右リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3と、左リール2Lの下段、中リール2Cの中段、右リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4と、左リール2Lの下段、中リール2Cの下段、右リール2Rの下段、すなわち下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5とを含んでいてもよい。
規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化された入賞ラインL1上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。また、有効化された入賞ラインL1上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリール2L、2C、2Rの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、その結果として当該図柄から6コマ先までの図柄を上段に表示させることができる。すなわち、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリール2L、2C、2Rの下段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ラインL1上に表示させることができる。
[スロットマシンの構成]
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、クレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメイン制御部41、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数回路42、一定周波数のクロック信号を乱数回路42に供給するパルス発振器43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブルなどの固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域などとして使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メインCPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(メイン)を実行し、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)ごとにタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
電断割込処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAM41cに退避させる処理が行われる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。
次いで、全出力ポートを初期化した後、RAM41cに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算して所定のパリティ格納領域にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行わないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。
このように電断割込処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域に格納されるようになっており、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAM41cに格納されているデータが正常か否かを確認できるようになっている。
次に、リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させるとともに、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行わなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へのコマンド送信は、シリアル通信にて行われる。なお、遊技制御基板40と演出制御基板90とは、直接接続される構成に限らず、たとえば、中継基板を介して接続されるように構成してもよい。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、およびリールLED55などの電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。また、演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。
なお、本実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、およびリールLED55などの演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
また、本実施の形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、およびリールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、たとえば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55、LED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ回路96、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路など、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
サブCPU91aは、メインCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブ制御部91の割込端子の1つは、コマンド伝送ラインのうち、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、サブCPU91aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させて、メイン制御部41からのコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、クロック入力数が一定数に到達するごと、すなわち一定間隔ごとに割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91の割込端子の1つは、電断検出回路98と接続されており、サブCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(サブ)を実行する。また、サブCPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
[設定値について]
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、スロットマシン1の電源がON状態である場合には一旦OFF状態にし、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24に設定値の初期値として1が表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更モードに移行する。設定変更モードにおいて、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された設定値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると設定値が確定し、確定した設定値がメイン制御部41のRAM41cに格納される。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、賭数を設定することによりゲームが開始可能となる状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をON状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をON状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をOFF状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施の形態におけるスロットマシン1においては、メインCPU41aが電断検出回路48からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(メイン)を実行する。電断割込処理(メイン)では、レジスタを後述するRAM41cのスタックに退避し、RAM41cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行うようになっている。なお、「RAMパリティ」とはRAM41cの該当する領域の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、メインCPU41aは、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメインCPU41aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。なお、RAM異常エラー状態は、他のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
なお、本実施の形態では、RAM41cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、メインCPU41aは、電源投入時においてRAM41cのデータが正常であると判定した場合に、RAM41cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM41cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としてもよい。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であればよく、たとえば、入力ポートの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
また、サブCPU91aも電断検出回路98からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(サブ)を実行する。電断割込処理(サブ)では、レジスタを後述するRAM91cのスタックに退避し、RAM91cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データを格納するとともに、RAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM91cに格納する処理を行うようになっている。
そして、サブCPU91aは、その起動時においてRAM91cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算し、RAMパリティが0であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブCPU91aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、サブCPU91aと異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
なお、本実施の形態では、RAM91cに格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、サブCPU91aは、電源投入時においてRAM91cのデータが正常であると判定した場合に、RAM91cの格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM91cに格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としてもよい。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であればよく、入力ポートの状態や、演出が途中で中断された場合の途中経過などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。たとえば、ボーナス(後述するビッグボーナス、レギュラーボーナス)、通常遊技状態(RT1)、RT0、RT2〜4のいずれであるかなどの遊技状態を示すデータのみをバックアップするとともに、遊技状態に対応する演出(BB中であればBB中演出、通常遊技状態であれば通常演出)以外の特定の演出(小役告知など)の実行中に電断が発生した場合に、次回電源投入時において電断時に実行されていた特定の演出を再開するのではなく、電源投入時においてバックアップされている遊技状態に対応する演出を最初から実行するようにしてもよい。
[初期化について]
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、停止相ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oポート41dの入出力データ、遊技時間の計時カウンタなど、BB終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数など、BB終了時に初期化可能なデータ、各ゲームの終了時において初期化される当選フラグ(小役、リプレイ、SB)および入賞フラグが格納されるワークである。
特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数など、設定開始前にのみ初期化されるデータ、各ゲームの終了時においてクリアされることはなく入賞時および設定変更時(設定変更モードへの移行時)に初期化される当選フラグ(ビッグボーナス、レギュラーボーナス)、次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグ、消化したゲーム数が所定ゲーム数に到達することにより終了する遊技状態に制御される場合には残りゲーム数が格納されるワークである。なお、特別ワークにおいては、残りゲーム数が格納される例について説明するが、これに限らず、当該遊技状態に制御されてから消化したゲーム数が格納されるものであってもよい。
設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行う際に用いる設定値が格納されるワークであり、設定開始前(設定変更モードへの移行前)の初期化において0が格納された後、1に補正され、設定終了時(設定変更モードへの終了時)に新たに設定された設定値が格納されることとなる。
なお、設定変更モードに移行させた場合(すなわち設定変更操作が行われた場合)、遊技状態フラグは、原則として、後述する通常遊技状態に関する情報に更新される。これにより、たとえば、RT中やボーナス中に設定変更モードに移行させた場合には、設定変更モードに移行された後において通常遊技状態に制御される。また、特別ワークにボーナスの当選フラグが設定されているときに設定変更モードに移行させた場合には、当該当選フラグが初期化される。たとえば、ボーナス当選している内部中RT中に設定変更モードに移行させた場合には、通常遊技状態に制御される。このように、設定変更に関連して、遊技状態フラグを通常遊技状態に対応する値に書き換えられる(初期化)。
停止相ワークは、リールモータ32L、32C、32Rの停止相を示すデータが格納されるワークであり、リールモータ32L、32C、32Rが停止状態となった際にその停止相を示すデータが格納されることとなる。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かにかかわらず必ず値が設定されることとなる。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。
スタック領域は、メインCPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施の形態においてメインCPU41aは、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37のみがONの状態での起動時、BB終了時、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態での起動時においてRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の6つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる5種類の初期化を行う。
初期化0は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態であり、設定変更モードへ移行される場合に行う初期化、またはRAM異常エラー発生時に行う初期化であり、初期化0では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域および次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグが格納される領域を除く全ての領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)が初期化され、通常遊技状態に制御される。
初期化1は、起動時において設定キースイッチ37のみがONの状態であり、設定変更モードへ移行される場合に行う初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域、次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグが格納される領域、および停止相ワークを除く全ての領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)が初期化される。
初期化2は、BB終了時に行う初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。
なお、本実施の形態では、初期化0、初期化1は設定変更モードの終了時に行う例について説明するが、設定変更モードへ移行される前、設定変更モード中、あるいは設定変更後最初のゲームが開始されるまで(スタートスイッチ7が操作されるまで)に行うようにしてもよい。この場合、設定値ワークを初期化してしまうと確定した設定値が失われてしまうこととなるので、設定値ワークの初期化は行われない。
本実施の形態のスロットマシン1においては、可変表示装置の入賞ラインL1上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、がある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
[入賞役、遊技状態の遷移]
図5は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。また、図6は、取りこぼし出目の種類、取りこぼし出目の図柄組合せ、および取りこぼし出目に関連する技術事項について説明するための図である。また、図7は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図である。
本実施の形態におけるスロットマシンは、図7に示すように、メイン制御部41により、RT1(不利遊技状態)、RT0(通常遊技状態)、RT2(有利遊技状態)、RT3(準備遊技状態)、RT4(内部中RT)、ボーナス状態のうち、いずれかに制御される。なお、遊技状態がボーナス状態以外の遊技状態を一般遊技あるいは一般遊技状態と称する。
RT1とは、後述する再遊技役に当選する確率が最も低く、遊技者が遊技全体を通して最も長く遊技する可能性が高い遊技状態である。RT0とは、RT1よりも再遊技役に当選する確率が高い遊技状態である。RT2とは、RT0のみから移行可能であり、RT0〜4の遊技状態の中で最も再遊技役に当選する確率が高い遊技状態である。RT3とは、ボーナス状態が終了すると移行する遊技状態である。RT4とは、RT1、RT0、RT2の遊技状態においてBBもしくはRBに当選したときに移行し、BBもしくはRBに入賞したときにはボーナス状態に移行する遊技状態である。ボーナス状態とは、BBに入賞した場合は所定の終了条件が成立するまでBBが行われ、RBが入賞した場合は所定の終了条件が成立するまでRBが行われる遊技状態である。
RT1においては、32ゲームが行われ、当該32ゲーム全てが消化した場合に遊技状態がRT0へ移行する。また、32ゲームの間にBBもしくはRBに当選した場合は、遊技状態がRT4へ移行する。
RT0においては、後述する昇格リプ(リプレイ3)に入賞した場合に、遊技状態がRT2へ移行する。また、後述する転落リプ(リプレイ4、リプレイ5)に入賞した場合に、遊技状態がRT1へ移行する。また、BBもしくはRBに当選した場合は、遊技状態がRT4へ移行する。
RT2においては、後述する取りこぼし出目が導出された場合に、遊技状態がRT0へ移行する。また、BBもしくはRBに当選した場合は、遊技状態がRT4へ移行する。
また、本実施の形態におけるスロットマシン1は、サブ制御部91により、内部抽選結果を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイム(AT)に演出状態を制御可能となっている。
本実施の形態におけるATは、後述するナビストック抽選によってナビストックが付与された場合にナビストック1個につき50ゲームに決定される。本実施形態においては、ナビストックを1個消費(減算)することにより、50ゲームを消化する間、ATに制御され、その間ナビ演出が実行される。このため、決定されたナビストック数が多いほど、長期間に亘りATに制御されることになり、遊技者にとって有利であるといえる。
なお、RT0またはRT2では、ナビストックを1個消費する度にAT開始報知がされるとともに50ゲームのカウントが開始され、ATカウント表示部60において当該カウントが数字画像によって表示される。なお、AT開始報知とは、ナビストックを消費して1セットのATを開始することを報知する演出である。また、1セット内でのATにおいて、後述するATゲーム上乗せ抽選によってATゲームが上乗せされたときには、0〜100ゲームの間でATゲームが上乗せされる。なお、ATゲーム上乗せ抽選によってATゲームが上乗せされた場合に、上乗せされたATゲームが未報知の場合(後述する後報知の場合)には、ATゲームは上乗せされずにRAM91cの記憶領域に記憶されたままとなる(以下、潜伏ともいう)。
RT4においては、BBもしくはRBに入賞した場合に、遊技状態がボーナス状態へ移行する。
ボーナス状態においては、所定の終了条件が成立した場合にRT3へ遊技状態が移行する。ここで、「所定の終了条件」とは、後述するBB1もしくはBB2が行われたときには351枚以上のメダルを獲得したことであり、BB3が行われたときには216枚以上のメダルを獲得したことであり、RB1もしくはRB2が行われたときには5ゲーム遊技もしくは何らかの入賞役に5回入賞したことである。
RT3においては、後述する取りこぼし出目が導出された場合に、遊技状態がRT0へ移行する。
[入賞役]
図5を参照して、入賞役のうち特別役には、3種類のビッグボーナス1〜3(以下、各々のビッグボーナスをBB1〜3とも称する)と、2種類のレギュラーボーナス1、2(以下、レギュラーボーナスをRB1、2とも称する)とが含まれる。
BB1は、入賞ラインL1に「白7−白7−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB2は、入賞ラインL1に「黒7−黒7−黒7」、もしくは「リプb−黒7−リプb」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB3は、入賞ラインL1に「星7−星7−星7」の組合せが揃ったときに入賞となる。
BB1〜BB3のいずれかに入賞すると、ビッグボーナスに制御される。遊技状態がビッグボーナスに制御されている間は、入賞したBBの種類に対応するビッグボーナス中フラグがRAM41cに設定される。また、ビッグボーナスに制御されている間は、小役の所定確率に向上したBB時用のRBに制御される。BB時用のRBに制御されている間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。すなわち、ビッグボーナス中フラグがON状態に設定されている間は、毎ゲーム、レギュラーボーナス中フラグがON状態に設定された状態に制御される。
BB1またはBB2の入賞に起因して発生したビッグボーナスは、351枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。BB3の入賞に起因して発生したビッグボーナスは、216枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。
RB1は、入賞ラインL1に「白7−白7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。また、RB2は、入賞ラインL1に「星7−星7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。RB1またはRB2に入賞すると、レギュラーボーナスに制御される。遊技状態がレギュラーボーナスに制御されている間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。RBの入賞に起因して発生したレギュラーボーナスは、5ゲーム遊技もしくはいずれかの入賞役に5回入賞することを条件として終了する。
図7に示すように、BB1〜BB3およびRB1、RB2のいずれかに内部当選してから入賞するまでは、RT4に遊技状態が制御される。RT4では、再遊技役に当選する確率がRT1であるときよりも高確率となる。また、図7に示すように、BB1〜BB3やRB1、RB2が終了した後は、RT3に遊技状態が制御される。
内部抽選においてBB1〜BB3およびRB1、RB2のうちいずれかに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。BB1〜BB3およびRB1、RB2を構成する図柄(「黒7」、「白7」、「星7」、「リプb」)は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていないためである。なお、内部抽選においてBB1〜BB3およびRB1、RB2のうちいずれかに当選しているときには、当選しているボーナスに入賞するまで、当該ボーナスの当選フラグが持ち越される。
次に、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、イチゴ1、イチゴ2、1枚役1、1枚役2、メロン、ベル1、ベル2、9枚役1〜8、およびBB役が含まれる。
小役のうちイチゴ1は、入賞ラインL1に「イチゴ−ANY−ベル」、「イチゴ−ANY−メロン」、「イチゴ−ANY−バナナ」のいずれかの組合せが揃ったときに入賞となる。イチゴ1が入賞すると、2枚メダルが払い出される。イチゴ1は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、イチゴ1を構成する左リール2Lの図柄(「イチゴ」)は、左リール2Lにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
小役のうちイチゴ2は、入賞ラインL1に「黒7−ANY−白7」、「黒7−ANY−星7」、「黒7−ANY−ベル」、「バナナ−ANY−白7」、「バナナ−ANY−星7」、「バナナ−ANY−ベル」のいずれかの組合せが揃ったときに入賞となる。イチゴ2が入賞すると、2枚メダルが払い出される。イチゴ2は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、イチゴ2を構成する左リール2Lの図柄(「黒7」、「バナナ」)は、左リール2Lにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
小役のうち1枚役1は、入賞ラインL1に「ベル−星7−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となる。1枚役1が入賞すると、1枚メダルが払い出される。1枚役1は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、1枚役1を構成する中リール2Cの図柄(「星7」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
小役のうち1枚役2は、入賞ラインL1に「星7−ブランク−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。1枚役2が入賞すると、1枚メダルが払い出される。1枚役2は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、1枚役2を構成する左リール2Lの図柄(「星7」)は、左リール2Lにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
小役のうちメロンは、入賞ラインL1に「白7−メロン−ベル」、「ベル−メロン−ベル」、「ブランク−メロン−ベル」、「リプa−メロン−リプa」、「リプa−メロン−イチゴ」、「リプa−メロン−ブランク」のいずれかの組合せが揃ったときに入賞となる。メロンが入賞すると、5枚メダルが払い出される。メロンは、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、メロンを構成する中リール2Cの図柄(「メロン」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
小役のうちベル1は、入賞ラインL1に「ベル−ベル−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となる。ベル1が入賞すると、9枚メダルが払い出される。ベル1は、当選していれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず入賞する。ベル1を構成する左リール2Lの図柄(「ベル」)、中リール2Cの図柄(「ベル」)、右リール2Rの図柄(「ベル」)は、リール2L、2C、2Rのいずれにおいて5コマ以内に配置されているためである。
小役のうちベル2は、入賞ラインL1に「リプa−ベル−リプa」、「リプa−ベル−リプb」、「リプb−ベル−リプa」、「リプb−ベル−リプb」のいずれかの組合せが揃ったときに入賞となる。ベル2が入賞すると、9枚メダルが払い出される。ベル2は、当選していれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず入賞する。ベル2を構成する左リール2Lの図柄(「リプa」、「リプb」)、中リール2Cの図柄(「ベル」)、右リール2Rの図柄(「リプa」、「リプb」)は、リール2L、2C、2Rのいずれにおいて5コマ以内に配置されているためである。
次に、小役のうち9枚役1〜8について説明する。9枚役1〜8は、後述するようにベル1、ベル2を取りこぼした場合に入賞する可能性のある役である。
小役のうち9枚役1は、入賞ラインL1に「リプa−イチゴ−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役1が入賞すると、9枚メダルが払い出される。9枚役1は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、9枚役1を構成する中リール2Cの図柄(「イチゴ」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
小役のうち9枚役2は、入賞ラインL1に「リプa−イチゴ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役2が入賞すると、9枚メダルが払い出される。9枚役2は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、9枚役2を構成する中リール2Cの図柄(「イチゴ」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
小役のうち9枚役3は、入賞ラインL1に「リプa−ブランク−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役3が入賞すると、9枚メダルが払い出される。9枚役3は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、9枚役3を構成する中リール2Cの図柄(「ブランク」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
小役のうち9枚役4は、入賞ラインL1に「リプa−ブランク−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役4が入賞すると、9枚メダルが払い出される。9枚役4は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、9枚役4を構成する中リール2Cの図柄(「ブランク」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
小役のうち9枚役5は、入賞ラインL1に「リプb−イチゴ−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役5が入賞すると、9枚メダルが払い出される。9枚役5は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、9枚役5を構成する中リール2Cの図柄(「イチゴ」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
小役のうち9枚役6は、入賞ラインL1に「リプb−イチゴ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役6が入賞すると、9枚メダルが払い出される。9枚役6は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、9枚役6を構成する中リール2Cの図柄(「イチゴ」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
小役のうち9枚役7は、入賞ラインL1に「リプb−ブランク−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役7が入賞すると、9枚メダルが払い出される。9枚役7は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、9枚役7を構成する中リール2Cの図柄(「ブランク」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
小役のうち9枚役8は、入賞ラインL1に「リプb−ブランク−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役8が入賞すると、9枚メダルが払い出される。9枚役8は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、9枚役8を構成する中リール2Cの図柄(「ブランク」)は、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
小役のうちBB役は、BB中のみ入賞する役であり、入賞ラインL1に「リプa−イチゴ−イチゴ」、「リプa−イチゴ−ブランク」、「リプa−ブランク−イチゴ」、「リプa−ブランク−ブランク」、「リプb−イチゴ−イチゴ」、「リプb−イチゴ−ブランク」、「リプb−ブランク−イチゴ」、「リプb−ブランク−ブランク」のいずれかの組合せが揃ったときに入賞となる。BB中にBB役が入賞すると、9枚メダルが払い出される。また、BB役が当選した場合は、9枚役1〜8が必ず同時当選するため、BB役に当選していれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず、取りこぼすことなくいずれかの役に入賞することができる。また、BB役と同時当選する役には、9枚役1〜8が含まれていればよく、これに加えて、たとえばイチゴ1、2やメロン、その他の役が含まれていてもよい。
次に、入賞役のうち再遊技役について説明する。入賞役のうち再遊技役には、リプレイ1〜6が含まれる。再遊技役のいずれかに入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した枚数分のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
リプレイ1は、入賞ラインL1に「リプa−リプa−リプa」、「リプa−リプa−リプb」、「リプb−リプa−リプa」、「リプb−リプa−リプb」、のいずれかの組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ1を構成する左リール2Lの図柄(「リプa」、「リプb」)、中リール2Cの図柄(「リプa」)、右リール2Rの図柄(「リプa」、「リプb」)は、リール2L、2C、2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、リプレイ1については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず入賞させることができる役といえる。リプレイ1は、入賞してもRT移行を伴わず、現状の遊技状態を維持する通常のリプレイであるため、以下では通常リプとも称する。
リプレイ2は、入賞ラインL1に「ベル−リプa−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ2を構成する左リール2Lの図柄(「ベル」)、中リール2Cの図柄(「リプa」)、右リール2Rの図柄(「ベル」)は、リール2L、2C、2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、リプレイ2については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず入賞させることができる役といえる。リプレイ2は、入賞してもRT移行を伴わず、現状の遊技状態を維持する通常のリプレイであるため、以下では通常リプとも称する。
リプレイ3は、入賞ラインL1に「リプa−リプa−メロン」、「リプa−リプa−バナナ」、「リプb−リプa−メロン」、「リプb−リプa−バナナ」、のいずれかの組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ3を構成する左リール2Lの図柄(「リプa」、「リプb」)、中リール2Cの図柄(「リプa」)、右リール2Rの図柄(「メロン」、「バナナ」)は、リール2L、2C、2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、リプレイ3については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず入賞させることができる役といえる。図7に示すように、RT0の状態においてリプレイ3に入賞した後は、RT0よりもリプレイ当選確率がさらに向上したRT2に制御される。このため、リプレイ3は、以下では昇格リプとも称する。
また、RT2へ一旦制御されると、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選しない限り、取りこぼし出目が導出されるまでの間、当該RT2への制御が維持される。
リプレイ4は、入賞ラインL1に「リプa−リプa−ベル」、「リプb−リプa−ベル」のいずれかの組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ4を構成する左リール2Lの図柄(「リプa」、「リプb」)、中リール2Cの図柄(「リプa」)、右リール2Rの図柄(「ベル」)は、リール2L、2C、2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、リプレイ4については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず入賞させることができる役といえる。図7に示すように、RT0においてリプレイ4に入賞したときには、RT1に制御される。このため、リプレイ4は、以下では転落リプとも称する。
リプレイ5は、入賞ラインL1に「ベル−リプa−メロン」、「ベル−リプa−バナナ」のいずれかの組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ5を構成する左リール2Lの図柄(「ベル」)、中リール2Cの図柄(「リプa」)、右リール2Rの図柄(「メロン」、「バナナ」)は、リール2L、2C、2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、リプレイ5については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングにかかわらず入賞させることができる役といえる。図7に示すように、RT0においてリプレイ5に入賞したときには、RT1に制御される。このため、リプレイ5は、以下では転落リプとも称する。
リプレイ6は、BB2に内部当選中の場合にのみ当選する再遊技役である。リプレイ6は、入賞ラインL1に「リプa−リプa−ブランク」、「リプb−リプa−ブランク」のいずれかの組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイ6は、当選していてもストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ入賞することはない。たとえば、リプレイ6を構成する右リール2Rの図柄(「ブランク」)は、右リール2Rにおいて5コマ以内に配置されていないためである。
[取りこぼし出目]
次に、図6を参照して取りこぼし出目について説明する。取りこぼし出目は、後述するようにベル1、ベル2を構成する図柄を入賞ラインL1上に引込むことができず、さらに9枚役1〜8を構成する図柄を入賞ラインL1上に引込むことができない場合に導出される役である。RT2およびRT3の遊技状態ときに取りこぼし出目が導出されると、RT0への制御が作動される。
取りこぼし出目のうち取りこぼし出目1は、入賞ラインL1に揃う「リプa−イチゴ−ベル」、「リプa−ブランク−ベル」、「リプb−イチゴ−ベル」、「リプb−ブランク−ベル」のいずれかの組合せである。
取りこぼし出目のうち取りこぼし出目2は、入賞ラインL1に揃う「リプa−ベル−メロン」、「リプa−ベル−バナナ」、「リプb−ベル−メロン」、「リプb−ベル−バナナ」のいずれかの組合せである。
取りこぼし出目のうち取りこぼし出目3は、入賞ラインL1に揃う「星7−イチゴ−メロン」、「星7−イチゴ−バナナ」、「星7−ブランク−メロン」、「星7−ブランク−バナナ」、「メロン−イチゴ−メロン」、「メロン−イチゴ−バナナ」、「メロン−ブランク−メロン」、「メロン−ブランク−バナナ」、「バナナ−イチゴ−メロン」、「バナナ−イチゴ−バナナ」、「バナナ−ブランク−メロン」、「バナナ−ブランク−バナナ」のいずれかの組合せである。
[抽選対象役の組合せ]
次に、図8、図9を参照して、内部抽選において抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せおよび判定値数について説明する。図8、図9においては、各々、左2列により、“抽選対象役名称”およびその名称に対応する“抽選対象役の組合せ”が示され、左3列目から、“遊技状態”が示されている。抽選対象役と遊技状態とが交差する欄の数値は、当該抽選対象役が当該遊技状態であるときに内部抽選において読み出されること、および当該抽選対象役の内部抽選で用いる判定値数を示す。図8、図9では、判定値数として、たとえば設定値1であるときの判定値数を示すが、設定値2〜6であるときの判定値数も特定可能にROM41bに格納されている。また、抽選対象役と遊技状態とが交差する欄の×印は、当該抽選対象役が当該遊技状態であるときの内部抽選において読み出されないあるいは読み出されたとしても当選しないことを示している。
なお、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、たとえば、判定値数として「495」が設定されている抽選対象役(図8のRT0〜3における弱イチゴA)の当選確率は、495/65536となる。
また、スロットマシン1においては、抽選対象役として複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。以下では、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
図8は、一般遊技状態における特別役・小役に関する抽選対象役および判定値数を説明するための図である。
遊技状態が、RT0〜3のうちいずれかであるときには、弱イチゴA〜F、強イチゴA〜F、1枚役A〜L、メロンA〜F、不問ベル、左ベルA〜D、中ベルA〜D、右ベルA〜D、RB1、2、BB1〜3が内部抽選の対象役となり内部抽選の対象役として順に読出される。
弱イチゴAとは、イチゴ2を読み出す抽選対象役をいう。弱イチゴBとは、イチゴ2+RB1を読み出す抽選対象役をいう。弱イチゴCとは、イチゴ2+RB2を読み出す抽選対象役をいう。弱イチゴDとは、イチゴ2+BB1を読み出す抽選対象役をいう。弱イチゴEとは、イチゴ2+BB2を読み出す抽選対象役をいう。弱イチゴFとは、イチゴ2+BB3を読み出す抽選対象役をいう。なお、本実施の形態においては、弱イチゴAに当選したときには、後述するナビストック抽選に基づきATに制御されるときに必要となるナビストック数が抽選によって決定される。
強イチゴAとは、イチゴ1+イチゴ2を読み出す抽選対象役をいう。強イチゴBとは、イチゴ1+イチゴ2+RB1を読み出す抽選対象役をいう。強イチゴCとは、イチゴ1+イチゴ2+RB2を読み出す抽選対象役をいう。強イチゴDとは、イチゴ1+イチゴ2+BB1を読み出す抽選対象役をいう。強イチゴEとは、イチゴ1+イチゴ2+BB2を読み出す抽選対象役をいう。強イチゴFとは、イチゴ1+イチゴ2+BB3を読み出す抽選対象役をいう。なお、本実施の形態においては、強イチゴAに当選したときには、後述するナビストック抽選に基づきナビストック数が抽選によって決定される。
1枚役Aとは、1枚役1を読み出す抽選対象役をいう。1枚役Bとは、1枚役2を読み出す抽選対象役をいう。1枚役Cとは、1枚役1+RB1を読み出す抽選対象役をいう。1枚役Dとは、1枚役2+RB1を読み出す抽選対象役をいう。1枚役Eとは、1枚役1+RB2を読み出す抽選対象役をいう。1枚役Fとは、1枚役2+RB2を読み出す抽選対象役をいう。1枚役Gとは、1枚役1+BB1を読み出す抽選対象役をいう。1枚役Hとは、1枚役2+BB1を読み出す抽選対象役をいう。1枚役Iとは、1枚役1+BB2を読み出す抽選対象役をいう。1枚役Jとは、1枚役2+BB2を読み出す抽選対象役をいう。1枚役Kとは、1枚役1+BB3を読み出す抽選対象役をいう。1枚役Lとは、1枚役2+BB3を読み出す抽選対象役をいう。なお、本実施の形態においては、1枚役Aまたは1枚役Bに当選したときには、後述するATゲーム上乗せ抽選に基づき上乗せするATゲーム数が抽選によって決定される。
メロンAとは、メロンを読み出す抽選対象役をいう。メロンBとは、メロン+RB1を読み出す抽選対象役をいう。メロンCとは、メロン+RB2を読み出す抽選対象役をいう。メロンDとは、メロン+BB1を読み出す抽選対象役をいう。メロンEとは、メロン+BB2を読み出す抽選対象役をいう。メロンFとは、メロン+BB3を読み出す抽選対象役をいう。なお、本実施の形態においては、メロンAに当選したときには、後述するナビストック抽選に基づきナビストック数が抽選によって決定される。
不問ベルとは、ベル1+ベル2+9枚役1〜8を読み出す抽選対象役をいう。左ベルAとは、ベル2+9枚役1+9枚役4を読み出す抽選対象役をいう。左ベルBとは、ベル2+9枚役2+9枚役3を読み出す抽選対象役をいう。左ベルCとは、ベル2+9枚役5+9枚役8を読み出す抽選対象役をいう。左ベルDとは、ベル2+9枚役6+9枚役7を読み出す抽選対象役をいう。中ベルAとは、ベル1+9枚役1+9枚役6を読み出す抽選対象役をいう。中ベルBとは、ベル1+9枚役2+9枚役5を読み出す抽選対象役をいう。中ベルCとは、ベル1+9枚役3+9枚役8を読み出す抽選対象役をいう。中ベルDとは、ベル1+9枚役4+9枚役7を読み出す抽選対象役をいう。右ベルAとは、ベル1+9枚役1+9枚役7を読み出す抽選対象役をいう。右ベルBとは、ベル1+9枚役3+9枚役5を読み出す抽選対象役をいう。右ベルCとは、ベル1+9枚役2+9枚役8を読み出す抽選対象役をいう。右ベルDとは、ベル1+9枚役4+9枚役6を読み出す抽選対象役をいう。
RB1とは、RB1を読み出す抽選対象役をいう。RB2とは、RB2を読み出す抽選対象役をいう。BB1とは、BB1を読み出す抽選対象役をいう。BB2とは、RB2を読み出す抽選対象役をいう。BB3とは、BB3を読み出す抽選対象役をいう。
遊技状態がRT4であるときには、弱イチゴA、強イチゴA、1枚役A、1枚役B、メロンA、不問ベル、左ベルA〜D、中ベルA〜D、および右ベルA〜Dが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。
図9は、一般遊技状態における再遊技役に関する抽選対象役および判定値数を説明するための図である。
不問リプとは、リプレイ1+リプレイ2を読み出す抽選対象役をいう。リプAとは、リプレイ3+リプレイ4+リプレイ5+リプレイ6を読み出す抽選対象役をいう。リプBとは、リプレイ1+リプレイ3+リプレイ4+リプレイ5+リプレイ6を読み出す抽選対象役をいう。リプCとは、リプレイ2+リプレイ3+リプレイ4+リプレイ5+リプレイ6を読み出す抽選対象役をいう。リプDとは、リプレイ3+リプレイ4+リプレイ5を読み出す抽選対象役をいう。リプEとは、リプレイ1+リプレイ3+リプレイ4+リプレイ5を読み出す抽選対象役をいう。リプFとは、リプレイ2+リプレイ3+リプレイ4+リプレイ5を読み出す抽選対象役をいう。リプGとは、リプレイ1+リプレイ2+RB1を読み出す抽選対象役をいう。リプHとは、リプレイ1+リプレイ2+RB2を読み出す抽選対象役をいう。リプIとは、リプレイ1+リプレイ2+BB1を読み出す抽選対象役をいう。リプJとは、リプレイ1+リプレイ2+BB2を読み出す抽選対象役をいう。リプKとは、リプレイ1+リプレイ2+BB3を読み出す抽選対象役をいう。
遊技状態が、RT0〜3のいずれかであるときには、不問リプおよびリプC〜Kが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。また、遊技状態が、RT4のときには、不問リプおよびリプA〜Fが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。
次に、BB1〜3中におけるRB1の抽選対象役および判定値数を説明する。
BB1〜3中におけるRB1であるときには、強イチゴ+1枚役A+1枚役B+メロンA+不問ベル、および不問ベル+BB役が内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。
次に、BB1〜BB3中におけるRB2の抽選対象役および判定値数を説明する。
BB1〜3中におけるRB2であるときには、強イチゴ+1枚役A+1枚役B+メロンA+不問ベル、および不問ベルが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。
次に、RB(RB1、2)中の抽選対象役および判定値数を説明する。
RB(RB1、2)中であるときには、強イチゴ+1枚役A+1枚役B+メロンA+不問ベル、強イチゴ+不問ベル、不問ベル+1枚役A+1枚役B、および不問ベル+メロンAが内部抽選の対象となり、内部抽選の対象役として順に読出される。
[内部抽選]
次に、内部抽選について詳細に説明する。内部抽選は、上記した各入賞役の発生を許容するか否か、すなわち入賞役を発生させる図柄組合せを入賞ラインL1に揃える制御を行うことを許容するか否かを、可変表示装置の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7操作時に)、決定するものである。内部抽選では、乱数回路42から内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)を取得する。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態と、リセット/設定スイッチ38により設定された設定値に応じて定められた各入賞役の判定値数に応じて行われる。
本実施の形態においては、各役および役の組合せの判定値数から、小役や再遊技役などの一般役、特別役がそれぞれ単独で当選する判定値の範囲と、一般役のいずれかと特別役とが重複して当選する判定値の範囲と、が特定されるようになっており、内部抽選における当選は、排他的なものではなく、1ゲームにおいて一般役と特別役とが同時に当選することがあり得る。ただし、種類の異なる特別役については、重複して当選する判定値の範囲が特定されることがなく、種類の異なる特別役については、排他的に抽選を行うものである。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役または役の組合せおよび現在の遊技状態について定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役または役の組合せに当選したものと判定される。
また、RB1、2、BB1〜3は、小役や再遊技役と同時に当選し得る。たとえば、イチゴに当選したときに、RB1、2、BB1〜3のうちいずれかに同時当選している割合は、弱イチゴA〜Fのうちいずれかに当選しているときよりも、強イチゴA〜Fのうちいずれかに当選しているときの方が高くなるように、弱イチゴA〜Fおよび強イチゴA〜F各々の判定値数が設定されている。後述するように、弱イチゴA〜F当選時と強イチゴA〜F当選時とで異なるリール制御が行われるため、遊技者は、当該リール制御内容からRB1、2、BB1〜3のうちいずれかに同時当選している可能性を予測することができる。
また、一般遊技状態においては、図8に示すように、左ベルA〜D各々の判定値数が「830」に設定されており、左ベルA〜Dのいずれかが830×4/65536=3320/65536の確率で当選するように判定値数が設定されている。また、中ベルA〜D各々の判定値数が「1600」に設定されており、中ベルA〜Dのいずれかが1600×4/65536=6400/65536の確率で当選するように判定値数が設定されている。また、右ベルA〜D各々の判定値数が「1600」に設定されており、右ベルA〜Dのいずれかが1600×4/65536=6400/65536の確率で当選するように判定値数が設定されている。このように、左ベルA〜D、中ベルA〜D、および右ベルA〜Dにおいては、他の抽選対象役と比較して高い確率で当選するように判定値数が設定されている。
次に、図9の再遊技役の判定値数に着目して、遊技状態ごとに再遊技役の当選確率を比較する。RT0においては、不問リプが読み出されるときの判定値数として「83」が、リプC〜Fが読み出されるときの判定値数として「2200」が、リプG、H、Kが読み出されるときの判定値数として「5」が、リプI、Jが読み出されるときの判定値数として「1」が設定されている。よって、RT0においていずれかのリプレイに当選する確率は、8900/65536となる。また、このうち、RT0からRT2に昇格させる可能性のあるリプレイ3を含むのはリプC〜Fであり、そのいずれかに当選する確率は、2200×4/65536=8800/65536となる。また、RT0からRT1に転落させる可能性のあるリプレイ4、5を含むのはリプC〜Fであり、そのいずれかに当選する確率は、2200×4/65536=8800/65536となる。このように、RT0において、RT2に昇格する確率とRT1に転落する確率とは、同じ確率となるように設定されている。なお、RT0においては、リプAおよびリプBは当選しないように設定されている。
RT1においては、不問リプが読み出されるときの判定値数として「6961」が、リプC〜Fが読み出されるときの判定値数として「500」が、リプG、H、Kが読み出されるときの判定値数として「5」が、リプI、Jが読み出されるときの判定値数として「1」が設定されている。よって、RT1においていずれかのリプレイに当選する確率は、8978/65536となる。なお、RT1においては、リプAおよびリプBは当選しないように設定されている。
RT2においては、不問リプが読み出されるときの判定値数として「46755」が、リプC〜Fが読み出されるときの判定値数として「500」が、リプG、H、Kが読み出されるときの判定値数として「5」が、リプI、Jが読み出されるときの判定値数として「1」が設定されている。よって、RT2においていずれかのリプレイに当選する確率は、48772/65536となる。なお、RT2においては、リプAおよびリプBは当選しないように設定されている。
RT3においては、不問リプが読み出されるときの判定値数として「8961」が、リプC〜Fが読み出されるときの判定値数として「500」が、リプG、H、Kが読み出されるときの判定値数として「5」が、リプI、Jが読み出されるときの判定値数として「1」が設定されている。よって、RT3においていずれかのリプレイに当選する確率は、10978/65536となる。なお、RT3においては、リプAおよびリプBは当選しないように設定されている。
RT4においては、不問リプが読み出されるときの判定値数として「5018」が、リプA〜Fが読み出されるときの判定値数として「1000」が設定されている。よって、RT4においていずれかのリプレイに当選する確率は、11018/65536となる。
これらより、本実施の形態においては、いずれかのリプレイに当選する確率がRT2であるときに、RT0、RT1、RT3、およびRT4であるときよりも高くなるように設定されている。このため、RT2は、RT0、RT1、RT3、およびRT4であるときよりも、リプレイの当選確率が高い点で、遊技者にとって有利な状態であるといえる。
また、RT0では、ATに制御されていないときには当該RT0を維持させること、および昇格リプであるリプレイ3を入賞させてRT2に制御させることが困難となるように構成されている。
次に、BB1〜3中におけるRB1であるときには、強イチゴ+1枚役A+1枚役B+メロンA+不問ベルの判定値数が「65527」、不問ベル+BB役の判定値数が「9」に設定されており、高確率で当選するように設定されている。
また、BB1〜3中におけるRB2であるときには、強イチゴ+1枚役A+1枚役B+メロンA+不問ベルの判定値数が「65535」に設定されており、不問ベルの判定値数が「1」に設定されており、高確率で当選するように設定されている。
また、RB1、2中であるときには、強イチゴ+1枚役A+1枚役B+メロンA+不問ベルの判定値数が「1」、強イチゴ+不問ベルの判定値数が「21845」、不問ベル+1枚役A+1枚役Bの判定値数が「21845」、不問ベル+メロンAの判定値数が「21845」に設定されており、高確率で当選するように設定されている。
いずれかの役または役の組合せの当選が判定された場合には、当選が判定された役または役の組合せに対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。
詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、特別役+一般役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、いずれの役および役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
[リールの停止制御]
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メインCPU41aは、リールの回転が開始したとき、および、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの引込コマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた引込コマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リール2Lのみ停止しているか、中リール2Cのみ停止しているか、右リール2Rのみ停止しているか、左リール2Lおよび中リール2Cが停止しているか、左リール2Lおよび右リール2Rが停止しているか、中リール2Cおよび右リール2Rが停止しているか、によって異なる場合がある。さらに、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合がある。よって、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の引込コマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して8ステップ(1図柄が移動するステップ数)ごとに分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20(図3参照)の領域番号が割り当てられている。
一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、1番図柄から21番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の引込コマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の引込コマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の引込コマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、先ず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。より具体的には、先ずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メインCPU41aがストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明する。
ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する引込コマ数を取得する。そして、取得した引込コマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。
より具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した引込コマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から引込コマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。
すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
また、本実施の形態では、引込コマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ラインL1上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ラインL1上に揃わないように引き込む引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ラインL1上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役(イチゴなど)に当選した場合や、特別役が同時当選役と同時に当選した場合などでは、当選した小役を入賞ラインL1に4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインL1に最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインL1に4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ラインL1上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ラインL1上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ラインL1上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
すなわち、このような場合には、特別役よりも小役を入賞ラインL1上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。その結果、小役を優先的に入賞させた後に特別役を入賞させることにより、小役よりも特別役を優先的に入賞させるものと比較して、小役を入賞させてメダルを獲得した後に特別役を入賞させることができるため、特別役入賞前に遊技者のメダルを極力増加させるようにすることができ、遊技者にとって有利なリール制御が行われる。なお、特別役と小役とを同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、小役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
次に、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合や、特別役と再遊技役が同時に当選している場合などでは、当選した再遊技役を入賞ラインL1に4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ラインL1上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行われる。
複数種類の再遊技役が同時に当選している場合(たとえば、リプAなど)には、図10に示すように、同時当選した再遊技役の種類および停止操作順に応じて定められた入賞役を入賞ラインL1上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。
なお、本実施の形態では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。また、本実施の形態において、順押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。また、順挟み押しとは、左リール2Lを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。中左押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。中右押しとは、中リール2Cを第1停止させた後に、右リール2Rを第2停止させる操作手順をいう。逆挟み押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、左リール2Lを第2停止させる操作手順をいう。逆押しとは、右リール2Rを第1停止させた後に、中リール2Cを第2停止させる操作手順をいう。
図10は、再遊技役に当選したときのリール制御を説明するための図である。
たとえば、不問リプに当選しているときには、遊技者によるリール2L、2C、2Rの停止順序がいずれの順番であっても、リプレイ1またはリプレイ2を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
リプAに当選しているときには、順押しとなる操作手順で操作された場合に、当選している再遊技役のうちリプレイ3またはリプレイ6を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。なお、リプレイ6は、BB2に内部当選している場合にのみ入賞するよう制御される。一方、順押し以外となる操作手順で操作された場合には、当選している再遊技役のうちリプレイ4またはリプレイ5を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
リプBに当選しているときには、順挟み押しとなる操作手順で操作された場合に、当選している再遊技役のうちリプレイ3を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。一方、順挟み押し以外となる操作手順で操作された場合には、当選している再遊技役のうちリプレイ4またはリプレイ5を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
リプCに当選しているときには、中左押しとなる操作手順で操作された場合に、当選している再遊技役のうちリプレイ3を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。一方、中左押し以外となる操作手順で操作された場合には、当選している再遊技役のうちリプレイ4またはリプレイ5を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
リプDに当選しているときには、中右押しとなる操作手順で操作された場合に、当選している再遊技役のうちリプレイ3を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。一方、中右押し以外となる操作手順で操作された場合には、当選している再遊技役のうちリプレイ4またはリプレイ5を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
リプEに当選しているときには、逆挟み押しとなる操作手順で操作された場合に、当選している再遊技役のうちリプレイ3を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。一方、逆挟み押し以外となる操作手順で操作された場合には、当選している再遊技役のうちリプレイ4またはリプレイ5を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
リプFに当選しているときには、逆押しとなる操作手順で操作された場合に、当選している再遊技役のうちリプレイ3を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。一方、逆押し以外となる操作手順で操作された場合には、当選している再遊技役のうちリプレイ4またはリプレイ5を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
なお、上記以外の再遊技役(リプG〜K)に当選しているときには、不問リプと同様に、遊技者によるリールの停止順序がいずれの順番であっても、リプレイ1またはリプレイ2を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
このように、昇格リプであるリプレイ3を入賞させてRT2に昇格させるための操作手順として、当選している再遊技役の種類ごとに、異なる操作手順が設定されている。このため、RT0においてリプA〜Fのいずれかに当選したとしても、当選している再遊技役の種類を特定することができない限り、1/6の確率でしか昇格リプを入賞させてRT2に制御させないようにすることができる。これにより、後述するATに制御されていないときには、昇格リプに入賞し難くして極力RT2に制御されないようにしつつ、ATに制御されているときには、昇格リプに入賞させてRT2に制御されるようにすることができる。
次に、小役のうちベル役が当選しているときには、図11に示すように、当選したベル役の種類および停止操作順に応じて定められた入賞役を入賞ラインL1上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。
図11は、ベル役に当選したときのリール制御を説明するための図である。
たとえば、不問ベルに当選しているときには、遊技者によるリールの停止順序がいずれの順番であっても、ベル1を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
左ベルAに当選しているときには、第1停止が左リール2Lである場合に、当選している役のうちベル2を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。一方、第1停止が左リール2L以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役1または9枚役4を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
左ベルBに当選しているときには、第1停止が左リール2Lである場合に、当選している役のうちベル2を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。一方、第1停止が左リール2L以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役2または9枚役3を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
左ベルCに当選しているときには、第1停止が左リール2Lである場合に、当選している役のうちベル2を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。一方、第1停止が左リール2L以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役5または9枚役8を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
左ベルDに当選しているときには、第1停止が左リール2Lである場合に、当選している役のうちベル2を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。一方、第1停止が左リール2L以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役6または9枚役7を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
中ベルAに当選しているときには、第1停止が中リール2Cである場合に、当選している役のうちベル1を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。一方、第1停止が中リール2C以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役1または9枚役6を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
中ベルBに当選しているときには、第1停止が中リール2Cである場合に、当選している役のうちベル1を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。一方、第1停止が中リール2C以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役2または9枚役5を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
中ベルCに当選しているときには、第1停止が中リール2Cである場合に、当選している役のうちベル1を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。一方、第1停止が中リール2C以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役3または9枚役8を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
中ベルDに当選しているときには、第1停止が中リール2Cである場合に、当選している役のうちベル1を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。一方、第1停止が中リール2C以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役4または9枚役7を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
右ベルAに当選しているときには、第1停止が右リール2Rである場合に、当選している役のうちベル1を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。一方、第1停止が右リール2R以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役1または9枚役7を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
右ベルBに当選しているときには、第1停止が右リール2Rである場合に、当選している役のうちベル1を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。一方、第1停止が右リール2R以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役3または9枚役5を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
右ベルCに当選しているときには、第1停止が右リール2Rである場合に、当選している役のうちベル1を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。一方、第1停止が右リール2R以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役2または9枚役8を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
右ベルDに当選しているときには、第1停止が右リール2Rである場合に、当選している役のうちベル1を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。一方、第1停止が右リール2R以外である場合にストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作すれば、当選している役のうち9枚役4または9枚役6を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
さらに、左ベルA〜D、中ベルA〜D、および右ベルA〜Dに当選しているときに、第1停止の押し順を間違えてベル1またはベル2を取りこぼし、さらに、ストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作できずに9枚役1〜8のうちいずれも取りこぼした場合には、最終停止したリールの種類に応じて取りこぼし出目を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
より具体的には、9枚役1〜9枚役8のうちいずれも取りこぼした場合であって、最終停止が右リール2Rであった場合には、取りこぼし出目1を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。また、9枚役1〜9枚役8のうちいずれも取りこぼした場合であって、最終停止が中リール2Cであった場合には、取りこぼし出目2を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。また、9枚役1〜9枚役8のうちいずれも取りこぼした場合であって、最終停止が左リール2Lであった場合には、取りこぼし出目3を入賞ラインL1に揃えて停止させる制御を行う。
このように、ベル1またはベル2を入賞させるための操作手順として、当選しているベル役の種類ごとに、異なる操作手順が設定されている。このため、RT2またはRT3において左ベルA〜D、中ベルA〜D、および右ベルA〜Dのいずれかに当選したとしても、当選しているベル役の種類を特定することができない限り、ベル1またはベル2を入賞させないようにすることができる。これにより、後述するATに制御されていないときには、ベル1またはベル2を入賞し難くして取りこぼし出目を導出させ易くし、その結果、RT0に制御され易くすることができる。
[メイン制御部41による処理]
次に、本実施の形態に係るスロットマシン1におけるメイン制御部41により実行される処理について説明する。スロットマシン1においては、ゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行われることで遊技が進行されるものであるが、そのためには、先ず、遊技の進行が可能な状態となっていなければならない。
遊技の進行が可能な状態であるためには、たとえば、メインCPU41aを含むメイン制御部41が起動された状態で正常範囲の設定値が設定値ワークに格納されており、RAM41cに格納されたデータに異常がないことが条件となる。そして、遊技の進行が可能な状態となると、スロットマシン1においてゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行われることとなる。以下、スロットマシン1における各ゲームについて説明する。
なお、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでをいうものであるが、ゲームを行う際には、スタートスイッチ7の操作前の賭数の設定や、リール2L、2C、2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。
ゲーム制御処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行った後、またはリセット/設定スイッチ38の操作により設定変更を行った直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、先ず、MAXBETスイッチ6を操作することにより、あるいはメダル投入部4からメダルを投入することにより賭数を設定し、スタートスイッチ7を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行う。なお、スタートスイッチ7が操作されると、スタートコマンドが演出制御基板90に送信される。
前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイゲーム中フラグにより前のゲームと同じ賭数が自動設定される(この段階でリプレイゲーム中フラグが消去される)。BET処理では、賭数が設定されるごとに、賭数の設定に使用されたメダルを特定可能なBETコマンドが演出制御基板90に送信される。
BET処理により賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定するといった内部抽選を行う内部抽選処理を行う。内部抽選処理では、抽選結果に応じてRAM41cに設定されている当選フラグの設定状況を示す内部当選コマンドが演出制御基板90に送信される。
また、内部抽選処理では、BB1〜BB3およびRB1、2のいずれかに当選したときに、RT4に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にRT4フラグの値を設定など)が行われる。
内部抽選処理が終了すると、次にリール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回のゲームでのリール2L、2C、2Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(たとえば、4.1秒)経過していることを条件に、リールモータ32L、32C、32Rを駆動させ、左、中、右の全てのリール2L、2C、2Rを回転開始させる。
リール2L、2C、2Rの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ33SL、33SC、33SRにより基準位置を検出すること)が成立すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作有効とする。その後、ストップスイッチ8L、8C、8Rが遊技者によって操作されることにより、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールモータ32L、32C、32Rを駆動停止させ、リール2L、2C、2Rの回転を停止させる。本実施の形態におけるスロットマシン1は、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作することにより対応するリールの回転を停止させる例について説明するが、たとえば、リール回転開始から所定時間経過したときにストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたか否かにかかわらず、回転中のリールを強制的に停止させるようにしてもよい。
リール回転処理では、リール2L、2C、2Rの回転開始時にリールの回転の開始を通知するリール回転コマンドが演出制御基板90に送信され、リール2L、2C、2Rのうちいずれかの回転が停止するごとに、当該停止したリールがいずれであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号を特定可能なリール停止コマンドが演出制御基板90に送信される。より具体的には、回転している3つのリールのうちいずれか1つのリールが停止すると第1リール停止コマンドが演出制御基板90に送信され、続いて2つ目のリールが停止すると第2リール停止コマンドが演出制御基板90に送信され、さらに続いて3つ目のリールが停止すると第3リール停止コマンドが演出制御基板90に送信される。
リール2L、2C、2Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示結果において、入賞ライン上に図5で示したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行われる。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板40において発生した入賞に応じた各種の処理が行われる。
入賞判定処理においては、入賞判定が行われた後に、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能な入賞判定コマンドが演出制御基板90に送られる。なお、入賞判定処理において、BB1〜BB3およびRB1、2のうちいずれかに入賞したと判断されたときには、対応するボーナスに制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に対応するボーナスの値を設定など)が行われる。
また、RT0における入賞判定処理において、リプレイ3(昇格リプ)に入賞したと判定されたときには、RT2に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にRT2の値を設定など)が行われる。RT0における入賞判定処理において、リプレイ4またはリプレイ5(転落リプ)に入賞したと判定されたときには、RT1に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にRT1の値を設定など)が行われる。
また、RT2、RT3において取りこぼし出目が入賞ラインL1に停止していると判定されたときには、RT0に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にRT0の値を設定など)が行われる。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定数だけメダルの払い出しまたはクレジット加算させる。ただし、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ34bを駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払出口9から払い出させる。
また、払出処理では、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払い出しが開始されたときに、メダルの払出開始を通知する払出開始コマンドが演出制御基板90に送信され、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払い出しが終了したときに、メダルの払出終了を通知する払出終了コマンドが演出制御基板90に送信される。
また、払出処理では、入賞にかかわらない各種の処理として、ボーナス中においてはボーナスに応じたボーナス終了条件が成立したか否かを判定するためのボーナス終了判定処理が行われる。
ボーナス終了判定処理において、ボーナス終了条件が成立したと判定されたときには、RT3に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にRT3の値を設定など)が行われる。
また、RT1中における払出処理では、当該RT1中において消化したゲーム数を特定可能に計数し、消化したゲーム数が32ゲームに到達したか否かを判定し、32ゲームに到達したと判定したときにRT0に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にRT0の値を設定など)が行われる。
また、払出処理では、次のゲームの遊技状態(RT0〜RT4のいずれであるか、BBであるか、非BB中のRBであるかなど)を特定可能な遊技状態コマンドが演出制御基板90に送信される。
また、払出処理では、持ち越しのない当選フラグ(小役、再遊技役の当選フラグ)の消去なども行われ、特別ワークに格納されるBBやRBのボーナスの当選フラグが消去されない。これにより、ボーナスの当選フラグは、当選しているボーナスに入賞するまで次のゲームに持ち越される。払出処理の最後、すなわち1ゲームの最後で次のゲームの遊技状態を示す遊技状態コマンドが演出制御基板90に送られる。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板40のメイン制御部41は、RT0〜RT4、ボーナス状態の間で遊技状態の移行を行っており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信している。これに対して、演出制御基板90のサブ制御部91は、遊技制御基板40から受信したコマンドに基づいて、各種処理を行う。
[サブ制御部91による処理]
次に、サブ制御部91により実行される処理について説明する。サブ制御部91は、先ず、所定の演出初期設定処理を実行し、演出制御基板90における制御状態を電力供給停止時の状態に復旧させるための演出制御復旧処理を実行した後、演出側乱数値更新処理を繰り返して実行する。
また、サブ制御部91では、所定の時間間隔(たとえば、2ミリ秒)で演出の進行を制御するための割り込みが発生し、リセット/割込コントローラによりRAM91cのタイマ割込フラグがON状態にセットされ、演出制御割り込み処理が実行される。演出制御割り込み処理では、内部レジスタの内容を退避し、演出バックアップ処理を実行して、サブ制御部91が再起動された場合に再起動の以前における制御状態を復旧させるために必要なデータのバックアップが行われる。
また、遊技制御基板40から送信された各種コマンドを解析するためのコマンド解析処理を実行し、所定の演出制御処理を実行する。この演出制御処理により、スロットマシン1における遊技の進行状況に応じて、液晶表示器51に画像を表示させるとともに、スピーカ53、54から音を発生させるなどによる各種の遊技演出が行われる。遊技演出を行うための画像の要素データや動画像データは、所定のROMに記憶されている。
遊技演出を行うために、サブ制御部91のRAM91cには、各種カウンタ、各種フラグを設定する領域、遊技状態コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、および内部当選コマンドに基づいて、各役の当選状況、リール2L、2C、2Rに導出された表示結果の組合せ、入賞の発生の有無を示す情報、遊技制御基板40の側で進行しているゲームにおいて適用される遊技状態を保存する領域(当選状況および遊技状態については、2回分)、ナビストック数などAT関連の情報を記憶する記憶領域がRAM91cに設けられている。なお、本実施の形態においては、内部当選コマンドに基づきメロンAが当選していた場合には、メロン当選情報がRAM91cの所定領域に格納され、弱イチゴAが当選していた場合には、弱イチゴ当選情報がRAM91cの所定領域に格納され、強イチゴAが当選していた場合には、強イチゴ当選情報がRAM91cの所定領域に格納され、1枚役Aが当選していた場合には、1枚役A当選情報がRAM91cの所定領域に格納され、1枚役Bが当選していた場合には、1枚役B当選情報がRAM91cの所定領域に格納される。
また、演出制御基板90においては、リール停止コマンドに基づいて可変表示装置の表示結果を判断するための停止図柄テーブルがRAM91cに設けられている。もっとも、リール停止コマンドは、停止したリールの種類と中段に停止した図柄の番号しか情報として含んでいないので、これだけではどのような図柄が停止しているかどうかが判断できない。このため、ROM91bには、リール2L、2C、2Rに配置された全ての図柄を示すテーブルが予め記憶されており、このテーブルを参照して停止図柄テーブルにリール2L、2C、2Rに停止されている図柄が登録される。サブ制御部91は、停止図柄テーブルの登録情報に基づき、演出を行う。
また、演出制御基板90側にて乱数回路(図示略)などによりカウントされる各種の乱数値が更新され、その後、退避したレジスタの内容を復帰させてから、演出制御割り込み処理を終了する。
演出制御割り込み処理において実行される演出制御処理では、サブ制御部91により、遊技状態などに応じて演出状態をATに制御するためのAT制御処理、遊技状態などに応じて遊技演出やナビ演出を実行するための遊技演出実行処理、制御中のATを終了するためのAT終了処理などが行われる。
[AT関連の記憶領域]
次に、図12を用いて、サブ制御部91のRAM91cに設けられたAT関連の記憶領域について説明する。
図12に示すように、サブ制御部91のRAM91cに設けられたAT関連の記憶領域としては、ナビストック記憶領域、ATゲーム潜伏記憶領域、AT連チャン回数記憶領域、およびATゲーム数カウント記憶領域が少なくとも存在する。
ナビストック記憶領域には、未だ消費していない残りナビストック数を特定するデータが格納されている。たとえば、図12(a)に示すように、未だ消費していない残りナビストック数が0個であれば、ナビストック記憶領域には、それを特定する情報として「0」のデータが格納される。その後、ナビストックが5個付与されたときには、ナビストック記憶領域に格納された「0」に対して「5」のデータが加算されてデータ更新され、その結果、「5」のデータが格納される。さらに、その後、ナビストックを1個消費したときには、ナビストック記憶領域に格納された「5」に対して「1」のデータが減算されてデータ更新され、その結果、「4」のデータが格納される。
ATゲーム潜伏記憶領域には、未だ上乗せ報知されずに潜伏しているATゲーム数を特定するデータが格納されている。たとえば、図12(b)に示すように、潜伏している上乗せATゲーム数が0ゲームであれば、ATゲーム潜伏記憶領域には、それを特定する情報として「0」のデータが格納される。その後、30ゲームの上乗せATゲームが付与されたときには、ATゲーム潜伏記憶領域に格納された「0」に対して「30」のデータが加算されてデータ更新され、その結果、「30」のデータが格納される。さらに、その後、潜伏していた30ゲームの上乗せATゲームが全て上乗せ報知されたときには、ATゲーム潜伏記憶領域に格納された「30」に対して「30」のデータが減算されてデータ更新され、その結果、「0」のデータが格納される。
AT連チャン回数記憶領域には、複数のナビストックを消費していくことで、1セットのATに繰り返し継続して制御された回数を特定するデータが格納されている。たとえば、図12(c)に示すように、未だATに1回も制御されていないときであれば、AT連チャン回数記憶領域には、それを特定する情報として「0」のデータが格納される。その後、ナビストック1個を消費して次のATに制御されたときには、AT連チャン回数記憶領域に格納された「0」に対して「1」のデータが加算されてデータ更新され、その結果、「1」のデータが格納される。さらに、その後、ナビストック1個を消費して次のATに制御されたときには、AT連チャン回数記憶領域に格納された「1」に対して「1」のデータが加算されてデータ更新され、その結果、「2」のデータが格納される。
ATゲーム数カウント記憶領域には、AT1セット内での残りATゲーム数を特定するデータが格納されている。たとえば、図12(d)に示すように、1セットのATに制御され未だ1ゲームもATゲームを実行していないときであれば、ATゲーム数カウント記憶領域には、それを特定する情報として「50」のデータが格納される。その後、1ゲームのATゲームを実行したときには、ATゲーム数カウント記憶領域に格納された「50」に対して「1」のデータが減算されてデータ更新され、その結果、「49」のデータが格納される。さらに、その後、1ゲームのATゲームを実行したときに、潜伏していた30ゲームのATゲームが上乗せ報知された場合には、ATゲーム数カウント記憶領域に格納された「49」に対して「1」のデータが減算されてデータ更新され、さらに、「30」のデータが加算されてデータ更新され、その結果、「78」のデータが格納される。
また、本実施の形態においては、潜伏している上乗せATゲーム数が、ナビストック1個を消費したときに実行されるATゲーム数に相当する50ゲームに達すると、AT9セット目であるときに限り、その50ゲームの上乗せATゲーム数をナビストック1個に変換することができるようになっている。たとえば、図12(e)に示すように、ATゲーム潜伏記憶領域に格納された50ゲームの上乗せATゲーム数をナビストック1個に変換したときには、ATゲーム潜伏記憶領域に格納された「50」に対して「50」のデータが減算されてデータ更新され、その結果、「0」のデータが格納されるとともに、ナビストック記憶領域に格納された「0」に対して「1」のデータが加算されてデータ更新され、その結果、「1」のデータが格納される。
[ナビストック抽選処理]
サブ制御部91は、AT制御処理に含まれるナビストック抽選処理を実行することにより、ナビストックを付与するか否かのナビストック抽選を行う。
図13を用いて、サブ制御部91が実行するナビストック抽選処理を説明する。図13は、ナビストック抽選処理を実行するためのフローチャートである。なお、サブ制御部91は、ナビストック抽選処理を毎ゲーム実行する。
図13に示すように、先ず、サブ制御部91は、メイン制御部41から内部当選コマンドを受信したか否かを判定する(S10)。サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信していないと判定したときには(S10においてNO)、ナビストック抽選処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信したと判定したときには(S10においてYES)、ナビストック抽選役に当選したか否かを判定する(S20)。本実施形態においては、ナビストック抽選役としてメロンA,弱イチゴA、および強イチゴAが設定されており、この処理では、サブ制御部91がいずれかのナビストック抽選役に当選したことを示す内部当選コマンドをメイン制御部41から受信したか否かを判定する。
サブ制御部91は、ナビストック抽選役に対応する内部当選コマンドをメイン制御部41から受信していないと判定したときには(S20においてNO)、ナビストック抽選処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、ナビストック抽選役に対応する内部当選コマンドをメイン制御部41から受信したと判定したときには(S20においてYES)、図14に示すナビストック抽選テーブルを用いてナビストック抽選を実行する(S30)。
ここで、図14を用いて、サブ制御部91が実行するナビストック抽選について説明する。図14は、ナビストック抽選テーブルを説明するための図である。なお、ナビストック抽選テーブルは、RAM91cに格納されている。
ナビストック抽選テーブルには、当選したナビストック抽選役に対応してナビストック数(0個、1個、3個、5個)ごとの当選確率の情報が格納されている。サブ制御部91は、ナビストック抽選を実行することにより、このナビストック抽選テーブルに格納された当選確率の情報に基づいて付与するナビストック数を抽選により決定する。
ナビストック抽選テーブルにおいては、当選したナビストック抽選役がメロンAであれば、0個のナビストック数に対する当選確率として50%の情報が、1個のナビストック数に対する当選確率として30%の情報が、3個のナビストック数に対する当選確率として20%の情報が、5個のナビストック数に対する当選確率として0%の情報が格納されている。
また、ナビストック抽選テーブルにおいては、当選したナビストック抽選役が弱イチゴAであれば、0個のナビストック数に対する当選確率として0%の情報が、1個のナビストック数に対する当選確率として60%の情報が、3個のナビストック数に対する当選確率として30%の情報が、5個のナビストック数に対する当選確率として10%の情報が格納されている。
また、ナビストック抽選テーブルにおいては、当選したナビストック抽選役が強イチゴAであれば、0個のナビストック数に対する当選確率として0%の情報が、1個のナビストック数に対する当選確率として0%の情報が、3個のナビストック数に対する当選確率として70%の情報が、5個のナビストック数に対する当選確率として30%の情報が格納されている。
ここで、本実施の形態においては、図8に示すように、強イチゴA、弱イチゴA、およびメロンAの順に当選確率が低く、当選しにくくなっている。そのため、図14に示すように、強イチゴA、弱イチゴA、およびメロンAの順により多くのナビストック数が付与されるように当選確率が振り分けられている。これにより、当選しにくいナビストック抽選役に当選したときには、遊技者に期待値の大きいナビストック数が付与されることに対しして期待させることができる。なお、ナビストック抽選テーブルにおける当選確率の振り分けは、図14に示す値に限らずその他の値であってもよい。さらに、ナビストック抽選役もメロンA、弱イチゴA、および強イチゴAに限らず、その他の役に当選したときにナビストック抽選が行われるものであってもよい。
図13に戻り、S30でナビストック抽選を実行した後、サブ制御部91は、ナビストックが付与決定されたか否かを判定する(S40)。サブ制御部91は、ナビストックが付与決定されていないと判定したときには(S40においてNO)、ナビストック抽選処理を終了する。一方、サブ制御部91は、ナビストックが付与決定されたと判定したときには(S40においてYES)、付与決定したナビストック数を特定するデータをナビストック記憶領域に格納する(S50)。これにより、サブ制御部91は、ナビストック記憶領域に格納されたナビストックを用いてATに制御可能となる。その後、サブ制御部91は、ナビストック抽選処理を終了する。
[ATゲーム上乗せ抽選処理]
サブ制御部91は、AT制御処理に含まれるATゲーム上乗せ抽選処理を実行することにより、1セットのATにおいて、ATゲームを上乗せするか否かのATゲーム上乗せ抽選を行う。
図15を用いて、サブ制御部91が実行するATゲーム上乗せ抽選処理を説明する。図15は、ATゲーム上乗せ抽選処理を実行するためのフローチャートである。なお、サブ制御部91は、ATゲーム上乗せ抽選処理を毎ゲーム実行する。
図15に示すように、先ず、サブ制御部91は、メイン制御部41から内部当選コマンドを受信したか否かを判定する(S110)。サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信していないと判定したときには(S110においてNO)、ATゲーム上乗せ抽選処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信したと判定したときには(S110においてYES)、ATゲーム上乗せ抽選役に当選したか否かを判定する(S120)。本実施形態においては、ATゲーム上乗せ抽選役として1枚役Aおよび1枚役Bが設定されており、この処理では、サブ制御部91がいずれかのATゲーム上乗せ抽選役に当選したことを示す内部当選コマンドをメイン制御部41から受信したか否かを判定する。
サブ制御部91は、ATゲーム上乗せ抽選役に対応する内部当選コマンドをメイン制御部41から受信していないと判定したときには(S120においてNO)、ATゲーム上乗せ抽選処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、ATゲーム上乗せ抽選役に対応する内部当選コマンドをメイン制御部41から受信したと判定したときには(S120においてYES)、AT中であるか否かを判定する(S130)。サブ制御部91は、AT中でないと判定したときには(S130においてNO)、ATゲーム上乗せ抽選処理を終了する。一方、サブ制御部91は、AT中であると判定したときには(S130においてYES)、図16に示すATゲーム上乗せ抽選テーブルを用いてATゲーム上乗せ抽選を実行する(S140)。
ここで、図16を用いて、サブ制御部91が実行するATゲーム上乗せ抽選について説明する。図16は、ATゲーム上乗せ抽選テーブルを説明するための図である。なお、ATゲーム上乗せ抽選テーブルは、RAM91cに格納されている。
ATゲーム上乗せ抽選テーブルには、当選したATゲーム上乗せ抽選役に対応して、ATゲーム数(0ゲーム、10ゲーム、30ゲーム、50ゲーム、100ゲーム)ごとの当選確率の情報が格納されている。サブ制御部91は、ATゲーム上乗せ抽選を実行することにより、このATゲーム上乗せ抽選テーブルに格納された当選確率の情報に基づいて上乗せするATゲーム数を抽選により決定する。
さらに、本実施の形態においては、ATゲーム上乗せ抽選テーブルとして、通常演出時用のテーブルおよび特定演出時用のテーブルの2種類のテーブルが設けられている。「特定演出」とは、AT連チャン回数を10回達成したときのAT内でのみ行われる演出であり、AT連チャン回数を10回達成したこと、および遊技者にとって有利な状態であることが示唆される演出である。たとえば、特定演出が実行されたときには、液晶表示器51の画面上の背景画像が夕方の背景画像となる。一方、「通常演出」とは、AT連チャン回数を10回達成したとき以外で行われる演出であり、通常演出が実行されたときには、液晶表示器51の画面上における背景画像が昼間の背景画像となる。
通常演出時のATゲーム上乗せ抽選テーブルにおいては、当選したATゲーム上乗せ抽選役が1枚役Aであれば、0ゲームに対する当選確率として20%の情報が、10ゲームに対する当選確率として50%の情報が、30ゲームに対する当選確率として25%の情報が、50ゲームに対する当選確率として5%の情報が、100ゲームに対する当選確率が0%の情報が格納されている。なお、このときの上乗せ期待値としては、当選確率と決定され得るATゲーム数との関係から、(0.2×0)+(0.5×10)+(0.25×30)+(0.05×50)+(0×100)=15となる。
また、通常演出時のATゲーム上乗せ抽選テーブルにおいては、当選したATゲーム上乗せ抽選役が1枚役Bであれば、0ゲームに対する当選確率として10%の情報が、10ゲームに対する当選確率として50%の情報が、30ゲームに対する当選確率として25%の情報が、50ゲームに対する当選確率として10%の情報が、100ゲームに対する当選確率が5%の情報が格納されている。なお、このときの上乗せ期待値としては、当選確率と決定され得るATゲーム数との関係から、(0.1×0)+(0.5×10)+(0.25×30)+(0.1×50)+(0.05×100)=22.5となる。
また、特定演出時のATゲーム上乗せ抽選テーブルにおいては、当選したATゲーム上乗せ抽選役が1枚役Aであれば、0ゲームに対する当選確率として10%の情報が、10ゲームに対する当選確率として30%の情報が、30ゲームに対する当選確率として30%の情報が、50ゲームに対する当選確率として20%の情報が、100ゲームに対する当選確率が10%の情報が格納されている。なお、このときの上乗せ期待値としては、当選確率と決定され得るATゲーム数との関係から、(0.1×0)+(0.3×10)+(0.3×30)+(0.2×50)+(0.1×100)=32となる。
また、特定演出時のATゲーム上乗せ抽選テーブルにおいては、当選したATゲーム上乗せ抽選役が1枚役Bであれば、0ゲームに対する当選確率として0%の情報が、10ゲームに対する当選確率として10%の情報が、30ゲームに対する当選確率として40%の情報が、50ゲームに対する当選確率として30%の情報が、100ゲームに対する当選確率が20%の情報が格納されている。なお、このときの上乗せ期待値としては、当選確率と決定され得るATゲーム数との関係から、(0×0)+(0.1×10)+(0.4×30)+(0.3×50)+(0.2×100)=48となる。
ここで、本実施の形態においては、図8に示すように、1枚B、1枚Aの順に当選確率が低く、当選しにくくなっている。そのため、図16に示すように、1枚B、1枚Aの順により多くのATゲーム数が付与されるように当選確率が振り分けられている。これにより、当選しにくいATゲーム上乗せ抽選役に当選したときには、遊技者により多くの上乗せATゲーム数が付与されることに対して期待させることができる。
さらに、特定演出時においては、通常演出時よりも、ATゲーム上乗せ抽選における上乗せ期待値が高くなっている。これにより、特定演出が実行されているときには、通常演出が実行されているときよりも、ATゲーム上乗せ抽選におけるATゲームの上乗せに対して遊技者に期待をもたせることができる。このように、特定演出は、通常演出よりも、遊技者にとって有利度合いの高い演出であると言える。
図15に戻り、S140でATゲーム上乗せ抽選を実行した後、サブ制御部91は、ATゲームが上乗せ決定されたか否かを判定する(S150)。サブ制御部91は、ATゲームが上乗せ決定されていないと判定したときには(S150においてNO)、ATゲーム上乗せ抽選処理を終了する。一方、サブ制御部91は、ATゲームが上乗せ決定されたと判定したときには(S150においてYES)、上乗せ決定したATゲーム数を特定するデータをATゲーム潜伏記憶領域に格納する(S160)。これにより、サブ制御部91は、ATゲーム潜伏記憶領域に格納された潜伏中の上乗せATゲーム数を報知することで、1セットのATで実行されるATゲーム数を増やしたり、ナビストック1個に変換したりすることが可能となる。その後、サブ制御部91は、ATゲーム上乗せ抽選処理を終了する。
[ATゲーム上乗せ報知抽選処理]
サブ制御部91は、AT制御処理に含まれるATゲーム上乗せ報知抽選処理を実行することにより、上乗せ決定されたATゲーム数の上乗せ報知時期を決定する。
図17を用いて、サブ制御部91が実行するATゲーム上乗せ報知抽選処理を説明する。図17は、ATゲーム上乗せ報知抽選処理を実行するためのフローチャートである。なお、サブ制御部91は、ATゲーム上乗せ報知抽選処理を毎ゲーム実行する。
図17に示すように、先ず、サブ制御部91は、図15に示したATゲーム上乗せ抽選処理によってATゲーム数が上乗せ決定されたか否かを判定する(S210)。サブ制御部91は、上乗せ決定されていないと判定したときには(S210においてNO)、ATゲーム上乗せ報知抽選処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、上乗せ決定されたと判定したときには(S210においてYES)、図18に示すATゲーム上乗せ報知抽選テーブルを用いてATゲーム上乗せ報知抽選を実行する(S220)。
ここで、図18を用いて、サブ制御部91が実行するATゲーム上乗せ報知抽選および上乗せ報知の報知時期について説明する。図18は、ATゲーム上乗せ報知抽選テーブルおよび報知時期について説明するための図である。なお、ATゲーム上乗せ報知抽選テーブルは、RAM91cに格納されている。
ATゲーム上乗せ報知抽選テーブルには、報知時期を特定するために使用される報知フラグに対応して、付与決定されたATゲーム数(10ゲーム、30ゲーム、50ゲーム、100ゲーム)ごとの当選確率の情報が格納されている。
報知時期の種類としては、「先報知」と「後報知」が設けられている。報知時期が先報知に決定されたときには、付与決定されたゲーム内で上乗せ報知が行われる。一方、報知時期が後報知に決定されたときには、AT連チャン回数が9回であるか否か、残りナビストック数が0個であるか否か、および付与決定された上乗せATゲーム数が50ゲーム以上であるか否かに応じて報知時期が異なる。
たとえば、AT連チャン回数が9回以外となるATにおいて後報知に決定されたときには、制御中のATの残りATゲーム数が0ゲームとなったゲーム内(つまり、最終ゲーム)で上乗せ報知が行われる。また、残りナビストック数が0個でない場合に後報知に決定されたときにも、制御中のATの残りATゲーム数が0ゲームとなったゲーム内で上乗せ報知が行われる。さらに、付与決定された上乗せATゲーム数が50ゲーム未満である場合に後報知に決定されたときにも、制御中のATの残りATゲーム数が0ゲームとなったゲーム内で上乗せ報知が行われる。一方、AT連チャン回数が9回であり、かつ残りナビストック数が0個であり、かつ付与決定された上乗せATゲーム数が50ゲーム以上である場合に後報知に決定されたときには、ナビストック1個に相当する分、すなわち50ゲーム分のATゲームは潜伏状態にしておき、それ以外のゲーム数を制御中のATの残りATゲーム数が0ゲームとなったゲーム内で上乗せ報知するようになっている。この場合において、未報知状態とした50ゲーム分は、その後ナビストック1個に変換される。
図18に示すように、ATゲーム上乗せ報知抽選テーブルにおいては、先報知に決定される当選確率として、残りATゲーム数が10ゲームに対して100%の情報が、30ゲームに対して50%の情報が、50ゲームに対して30%の情報が、100ゲームに対して10%の情報が格納されている。
また、ATゲーム上乗せ報知抽選テーブルにおいては、後報知に決定される当選確率として、残りATゲーム数が10ゲームに対して0%の情報が、30ゲームに対して50%の情報が、50ゲームに対して70%の情報が、100ゲームに対して90%の情報が格納されている。
このように、本実施の形態においては、ATゲーム上乗せ抽選によってATゲーム数が付与決定されたことを遊技者に報知する上乗せ報知の実行時期が、付与決定されたゲーム内で実行される先報知だけでなく、その後所定期間が経過した後の残りATゲーム数が0ゲームとなったゲーム内でも実行される後報知もあり得る。そのため、ATゲーム上乗せ抽選役に当選したゲームで上乗せ報知されなかったときでも、その後、残りATゲーム数が0ゲームとなったゲーム内でも上乗せ報知される可能性があるため、未報知の上乗せATゲーム数が潜伏していることに対して遊技者に期待させることができる。
なお、ATゲーム上乗せ報知抽選テーブルにおける当選確率の振り分けは、図18に示す値に限らずその他の値であってもよい。
図17に戻り、S220でATゲーム上乗せ報知抽選を実行した後、サブ制御部91は、ATゲーム上乗せ報知抽選によって決定した上乗せ報知の実行時期に対応する報知フラグをRAM91cにセットする(S230)。より具体的には、上乗せ報知の実行時期を先報知に決定したときには、サブ制御部91は、先報知フラグをRAM91cにセットする。また、上乗せ報知の実行時期を後報知に決定したときには、サブ制御部91は、後報知フラグをRAM91cにセットする。その後、サブ制御部91は、ATゲーム上乗せ報知抽選処理を終了する。
以上のように、サブ制御部91は、潜伏している上乗せATゲーム数を、抽選に基づき決定された先報知または後報知によって遊技者に報知する。言い換えると、サブ制御部91は、ATゲーム潜伏記憶領域のデータを更新したときには、更新結果に基づき、先報知や後報知といった不定のタイミングで上乗せ報知を行う。これにより、遊技者は、AT中のどのタイミングで上乗せ報知されるかの予測が困難であるため、上乗せ報知に対して常に期待をもてるようになっている。
一方、サブ制御部91は、ナビストック記憶領域のデータを更新したときには、更新結果に基づき予められた固定のタイミングでナビストックを消費してATに制御する旨の報知を行う。たとえば、サブ制御部91がナビストックを消費するタイミングは、残りATゲーム数が0となった後(つまり、ATカウント表示部60に表示された残りATゲーム数が0ゲームとなった後)、所定期間(たとえば、10ゲーム間)に亘って次のATに制御されるか否かを期待させる煽り演出が終了するタイミングに常に設定されている。サブ制御部91は、煽り演出が終了するタイミングでナビストックを消費することで、次のセットのAT開始を報知するAT開始報知を行う。このように、ナビストック記憶領域のデータが更新されたときには、更新結果に基づき、煽り演出が終了するといった固定のタイミングでAT開始報知が行われる。そのため、遊技者は、残りATゲーム数が0となった後の煽り演出が終了するといった決まったタイミングで、ナビストックの消費に基づくAT開始報知がされることに対して期待をもてるようになっている。
[AT管理処理]
サブ制御部91は、RT0またはRT2であるときに、AT制御処理に含まれるAT管理処理を行うことにより、ナビストック抽選の結果に応じてデータ更新されるナビストック記憶領域のデータに基づき、ATへの制御を管理する。
より具体的には、サブ制御部91は、RT1において32ゲーム消化された時点でナビストック記憶領域に「1」以上のナビストック数を特定するデータが格納されていると判定したときには、ナビストック記憶領域に格納されたデータを「1」減算更新してATに制御する。このとき、遊技状態がRT1からRT0へ同時に移行する。なお、AT中におけるRT0においてリプレイ3(昇格リプ)の入賞によりRT2に制御されたときには、当該RT2においても当該ATへの制御が継続される。
一方、サブ制御部91は、AT中におけるRT0においてリプレイ4およびリプレイ5(転落リプ)の入賞によりRT1に制御されたときには、非ATに制御する。なお、RT1に移行したときにナビストック記憶領域に「1」以上のナビストック数を特定するデータが格納されていれば、RT1における32ゲームの消化後にRT0へ移行するまでそのデータを維持する。
また、サブ制御部91は、AT中におけるRT2において取りこぼし出目が導出されたときには、当該RT0においても当該ATへの制御が継続される。
また、サブ制御部91は、AT管理処理を行うことにより、RT0、RT2においてATに制御したときには、消化したATゲーム数をカウントする。また、サブ制御部91は、制御中のATの全てのゲームを消化したと判定した場合に、ナビストック記憶領域に「1」以上のナビストック数を特定するデータが格納されていれば、再びナビストック記憶領域に格納されたデータを「1」減算更新することにより追加で50ゲームの間、ATに制御する。一方、サブ制御部91は、制御中のATの全てのゲームを消費したと判定した場合にナビストック記憶領域に「0」のナビストック数を特定するデータが格納されていれば、非ATに制御する。
非ATに制御されたときには、ナビ演出が実行されない。これにより、RT0においては、リプレイ3(昇格リプ)の入賞が発生しにくくなるとともに、リプレイ4およびリプレイ5(転落リプ)が発生しやすくなる。また、RT2においては、取りこぼし出目が導出しやすくなる。そのため、RT0やRT2での遊技が継続されることを極力防止することができる。
[ナビ演出実行処理]
サブ制御部91は、遊技演出実行処理に含まれるナビ演出実行処理を実行することにより、ATに制御されているときに、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、遊技状態に応じたナビ対象役に当選したときに対応するナビ演出を実行する。
本実施の形態におけるATは、RT0およびRT2の遊技状態にのみナビ演出が実行される。たとえば、RT0におけるナビ対象役は、リプA〜F、左ベルA〜D、中ベルA〜D、および右ベルA〜Dである。
また、本実施の形態においては、リプレイ3(昇格リプ)に入賞することにより、RT2へ移行するが、そのときにナビ演出が実行されていれば、RT2においてもナビ演出は継続される。なお、RT2におけるナビ対象役は、左ベルA〜D、中ベルA〜D、および右ベルA〜Dである。
リプA〜Fのいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じてストップスイッチ8L、8C、8Rの押し順が報知される。たとえば、リプAに当選したときのナビ演出としては、「順押し」に対応するナビ演出が液晶表示器51の表示画面上になされる。これにより、遊技者は、リプレイ3(昇格リプ)に入賞してRT2へ移行し易くなるとともに、リプレイ4およびリプレイ5(転落リプ)の入賞を回避してRT1へ移行することを防止することができる。
左ベルA〜D、中ベルA〜D、および右ベルA〜Dのいずれかに当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じてストップスイッチ8L、8C、8Rのうちの第1停止が報知される。たとえば、左ベルAに当選したときのナビ演出としては、「左」に対応するナビ演出が液晶表示器51の表示画面上になされる。これにより、遊技者は、ベル1またはベル2に入賞してメダルを取得し易くなるとともに、RT2の状態においては取りこぼし出目が導出されることを回避してRT0へ移行することを防止することができる。
以上のように、本実施の形態におけるナビ演出は、遊技者にとって有利となる操作手順を想起させるメッセージが報知される。なお、ナビ演出の態様は、上記に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであってもよい。また、ナビ演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、およびリールLED55などを用いて実行するものであってもよい。
[ATに関するタイミングチャートの一例]
次に、図19を用いて、ATに関するタイミングチャートの一例を説明する。図19には、「AT連チャン回数」と、「煽り演出」と、「ナビストック記憶」と、「ATゲーム数カウント」と、「ATゲーム潜伏記憶」と、「特定演出」との関係が示されている。
「AT連チャン回数」においては、ATに制御されている状態が「ON」、ATに制御されていない状態が「OFF」で示されている。「煽り演出」においては、煽り演出が実行されている状態が「ON」、煽り演出が実行されていない状態が「OFF」で示されている。「ナビストック記憶」においては、ナビストック記憶領域に格納されたナビストック数の推移が数字で示されている。なお、ナビストック記憶領域のデータ更新については、図19の例に対応したデータの推移が図20にも示されている。「ATゲーム数カウント」においては、1セットのATで実行される残りATゲーム数の推移が数字で示されている。「ATゲーム潜伏記憶」においては、ATゲーム潜伏記憶領域に格納された潜伏中の上乗せATゲーム数の推移が数字で示されている。なお、AT9セット目におけるATゲーム潜伏記憶領域のデータ更新については、図19の例に対応したデータの推移が図21にも示されている。「特定演出」においては、特定演出が実行されている状態が「ON」、特定演出が実行されていない状態が「OFF」で示されている。
先ず、図20に示すように、非AT中において、当初残りナビストック数が0個であるとする。この場合、(a)に示すように、ナビストック記憶領域には「0」のデータが格納されている。その後、ナビストック抽選によってナビストックが5個付与されると、(b)に示すように、「0」に対して「5」のデータが加算更新され、その結果、「5」のデータが格納される。
上記の状態で、図19に示すように、タイミングt1でナビストックを1個消費したとする。この場合、タイミングt1で1セット目のATに制御される。このとき、図20(c)に示すように、ナビストック記憶領域においては「5」に対して「1」のデータが減算更新され、その結果、「4」のデータが格納される。また、図19に示すように、ATゲーム数カウントは50ゲームから開始される。
次に、図19に示すように、タイミングt2でATゲーム数カウントが0ゲームになると、煽り演出が実行される。煽り演出は、タイミングt3までの10ゲーム継続し、その間、次のATに制御されるか否かを期待させるバトル演出が行われる。たとえば、煽り演出においては、液晶表示器51の画面上で味方キャラクタと敵キャラクタがバトルをする演出画像が表示され、最終的に味方キャラクタが勝利する演出がなされると次のATに制御され、味方キャラクタが敗北する演出がなされると次のATに制御されずにATへの継続が終了するようになっている。
図19の例では、ナビストック数がまだ4個残っているため、煽り演出の結果は味方キャラクタが勝利する演出がなされ、タイミングt3で2セット目のAT開始報知が行われる。このとき、図20(d)に示すように、ナビストック記憶領域においては「4」に対して「1」のデータが減算更新され、その結果、「3」のデータが格納される。また、図19に示すように、ATゲーム数カウントは再び50ゲームから開始される。
次に、図19に示すように、タイミングt3からt4の間でナビストック抽選によってナビストックが5個上乗せされている。このとき、図20(e)に示すように、ナビストック記憶領域においては「3」に対して「5」のデータが加算更新され、その結果、「8」のデータが格納される。
次に、図19に示すように、タイミングt4でATゲーム数カウントが0ゲームになると、煽り演出が実行される。図19の例では、ナビストック数がまだ8個残っているため、煽り演出の結果は味方キャラクタが勝利する演出がなされ、タイミングt5で3セット目のAT開始報知が行われる。このとき、図20(f)に示すように、ナビストック記憶領域においては「8」に対して「1」のデータが減算更新され、その結果、「7」のデータが格納される。また、図19に示すように、ATゲーム数カウントは再び50ゲームから開始される。
次に、引き続き4〜7セットのATに継続して制御された後、図19に示すように、タイミングt6で8セット目のATが開始され、タイミングt7でATゲーム数カウントが0ゲームになると、煽り演出が実行される。図19の例では、ナビストック数がまだ1個残っているため、煽り演出の結果は味方キャラクタが勝利する演出がなされ、タイミングt8で9セット目のAT開始報知が行われる。このとき、図20(g)、(h)に示すように、ナビストック記憶領域においては「1」に対して「1」のデータが減算更新され、その結果、「0」のデータが格納される。つまり、ナビストックは残り0個である。また、図19に示すように、ATゲーム数カウントは再び50ゲームから開始される。このとき、図21に示すように、潜伏している上乗せATゲーム数は0ゲームであるため、(k)に示すように、ATゲーム潜伏記憶領域には「0」のデータが格納される。
次に、図19に示すように、AT開始から3ゲーム消化後のタイミングt9でATゲーム上乗せ抽選により30ゲームが上乗せされ、かつATゲーム上乗せ報知抽選により先報知に決定されると、ATゲーム数カウントは47ゲームから30ゲーム加算され77ゲームとなる。このとき、図21(l)〜(n)に示すように、3ゲーム目でATゲームが30ゲーム上乗せされることで、ATゲーム潜伏記憶領域においては「0」に対して「30」のデータが加算更新され、その後、30ゲームを先報知として上乗せ報知したため、ATゲーム潜伏記憶領域においては「30」に対して「30」のデータが減算更新され、その結果、「0」のデータが格納される。
次に、図19に示すように、AT開始から40ゲーム消化後のタイミングt10でATゲーム上乗せ抽選により100ゲームが上乗せされ、かつATゲーム上乗せ報知抽選により後報知に決定されると、その時点では上乗せ報知はされずに100ゲーム分は潜伏状態となる。このとき、図21(o)に示すように、ATゲーム潜伏記憶領域においては「0」に対して「100」のデータが加算更新され、その結果、「100」のデータが格納される。
次に、図19に示すように、タイミングt11でATゲーム数カウントのゲーム数が0ゲームになると、潜伏していた100ゲームの上乗せATゲームのうち、50ゲーム分のみを後報知として上乗せ報知する。このとき、図21(p)、(q)に示すように、ATゲーム潜伏記憶領域においては「100」に対して「50」のデータが減算更新され、その結果、「50」のデータが格納される。なお、後報知に決定されていた潜伏中の残りの50ゲーム分は、AT連チャン回数が9回であり、かつ残りナビストック数が0個であり、かつ上乗せATゲーム数が50ゲーム以上である場合に後報知に決定されたものであるため、ナビストック1個への変換用として潜伏し、この時点では上乗せ報知されない。
次に、図19に示すように、タイミングt12でATゲーム数カウントのゲーム数が再び0ゲームになると、煽り演出が実行される。さらに、残されていた潜伏中の上乗せATゲーム数である50ゲーム分は、ナビストック1個分に変換される。このとき、図20(i)に示すように、ナビストック記憶領域においては「0」に対して「1」のデータが加算更新され、その結果、「1」のデータが格納される。つまり、ナビストックは残り1個に増えたことになる。一方、図21(r)、(s)に示すように、ATゲーム潜伏記憶領域においては「50」に対して「50」のデータが減算更新され、その結果、「0」のデータが格納される。つまり、潜伏していた上乗せATゲーム数は、すべて使用したことになる。
次に、図19に示すように、50ゲームのATゲーム数をナビストック1個に変換したことによりナビストック数がまだ1個残っているため、煽り演出の結果は味方キャラクタが勝利する演出がなされ、タイミングt13で10セット目のAT開始報知が行われる。このとき、図20(j)に示すように、ナビストック記憶領域においては「1」に対して「1」のデータが減算されてデータ更新され、その結果、「0」のデータが格納される。また、図19に示すように、ATゲーム数カウントは再び50ゲームから開始される。さらに、AT10連チャンを達成したため、特定演出が実行される。これにより、特定演出が実行される10セット目のATにおいては、通常演出が実行されているときよりも期待値の高いテーブルによるATゲーム上乗せ抽選が行われることになり、遊技者にとって有利な状態となる。
以上のように、本実施の形態においては、ナビストック記憶領域に記憶されているナビストック数を判別した結果が「1」以上であることを条件に、記憶されたナビストックを用いてATに制御され、その制御されたATが継続することで10連チャンに達したときに、特定演出が実行される。さらに、AT9セット目でナビストック記憶領域に記憶されているナビストック数ではATが10連チャンに到達せずに特定演出が実行されていない状態において、ATゲーム潜伏記憶領域に記憶されている潜伏中の上乗せATゲーム数を判別した結果が「50」以上であるときに、上乗せATゲーム数の50ゲームをナビストック1個に変換して、ナビストック記憶領域に記憶されているナビストック数を「1」に更新することで、当該更新前よりも、ATが10連チャンに達する確率が高まる。これにより、ナビストック記憶領域に記憶されているナビストック数ではATが10連チャンに到達せずに特定演出が実行されない場合であっても、ATゲーム潜伏記憶領域に記憶されている潜伏中の上乗せATゲーム数をナビストックに変換してデータ更新することで、特定演出が実行される場合があり、特定演出の実行機会が多くなる。その結果、特定演出により遊技の興趣が向上する機会を増やすことができる。
また、ナビストック記憶領域に記憶されているナビストックを消化することで、煽り演出の終了するといった固定のタイミングでAT開始報知が行われ、ATゲーム潜伏記憶領域に記憶されている潜伏中の上乗せATゲーム数を先報知または後報知といった遊技者が容易に予測不可能な不定のタイミングで上乗せ報知が行われる。さらに、ナビストック記憶領域に記憶されているナビストック数ではナビストックが0個であるためAT開始報知ができない状態において、ATゲーム潜伏記憶領域に記憶されている潜伏中の上乗せATゲーム数が50ゲーム以上あるためナビストックに変換してAT開始報知ができるときには、潜伏中の上乗せATゲーム数を用いてナビストックに変換してデータ更新することができる。これにより、ナビストック記憶領域に記憶されているナビストック数ではナビストックが0個であるためAT開始報知が行われないタイミングであっても、ATゲーム潜伏記憶領域に記憶されている潜伏中の上乗せATゲーム数をナビストックに変換してデータ更新することで、AT開始報知が行われるタイミングとなる場合がある。その結果、一連のATにおいてナビストック数や上乗せATゲーム数といった複数のデータを更新することを活用してAT開始報知が行われる機会を増やすことができ、遊技の興趣を向上させることができる。このように、一のデータに基づいては報知できないタイミングであっても、複数のデータによって一の有利状態を管理していることに着目して自由に設計できることを利用して、意図的に他のデータを一のデータに変換してデータ更新することで、報知タイミングを増やして、遊技者が関心をもつ情報の報知の頻度を増やすことができる。
また、ATゲーム潜伏記憶領域に記憶されている潜伏中の上乗せATゲーム数でナビストック記憶領域に記憶されているナビストック数を変換してデータ更新しても、50ゲームのATゲームを同等の払い出し期待値を有するナビストック1個に変換するに過ぎないため、更新対象となったデータの更新前後の遊技者の有利度合いは略同一で変わらない。そのため、更新対象となったデータに関しては、更新されるか否かにかかわらずに遊技者間の公平性は担保される。
また、特定演出が実行されることでATゲーム上乗せ抽選において上乗せ期待値が高くなるため、特定演出が実行される機会が増えることで、より遊技の興趣を向上させることができる。
また、1セットのATにおける所定ゲーム数に追加する上乗せATゲーム数の50ゲーム分をATに制御するためのナビストック1個に更新することができる。これにより、一旦50ゲーム分のATが終了した後でも、更新されることで、更新後のナビストックを用いてその後継続して次のATに制御されることになり、遊技の興趣を向上させることができる。
[変形例]
以上、本発明における主な実施の形態を説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
[特定演出の実行について]
本実施の形態においては、AT連チャン回数を10回達成したときに特定演出が実行される例について説明した。しかし、特定演出の実行条件はこれに限らない。
たとえば、図22に示す他の実施形態のように、特定演出は、AT1セット内で実行されたATゲーム数が100ゲームに到達したときに実行されるものであってもよい。
図22を用いて、AT1セット内で実行されたATゲーム数が100ゲームに到達したときに特定演出が実行される場合のATに関するタイミングチャートの一例を説明する。図22においては、図19に示した、「AT連チャン回数」、「煽り演出」、「ナビストック記憶」、「ATゲーム数カウント」、「ATゲーム潜伏記憶」、および「特定演出」の他に、「1セット内で実行されたATゲーム数」も示されている。「1セット内で実行されたATゲーム数」においては、AT1セット内で実行されたATゲーム数の推移が数字で示されている。なお、「1セット内で実行されたATゲーム数」を特定するデータは、RAM91cに記憶された実行ゲーム数カウント領域に格納されている。
図22に示すように、タイミングt1でナビストックを1個消費すると、1セット目のATに制御される。このとき、ナビストック記憶領域においては「5」に対して「1」のデータが減算更新され、その結果、「4」のデータが格納される。また、ATゲーム数カウントは50ゲームから開始される。また、1セット内で実行されたATゲーム数は0ゲームから開始される。
次に、図22に示すように、タイミングt2でATゲーム数カウントが0ゲームになると、1セット目のATが終了して煽り演出が実行される。このとき、1セット内で実行されたATゲームは50ゲームでATが終了しているため、特定演出は実行されない。その後、未だナビストックは残っているため、煽り演出の後のタイミングt3で2セット目のAT開始報知がされる。このとき、ナビストック記憶領域においては「4」に対して「1」のデータが減算更新され、その結果、「3」のデータが格納される。また、ATゲーム数カウントは再び50ゲームから開始される。また、1セット内で実行されたATゲーム数は再び0ゲームから開始される。
その後、ATゲームを50ゲーム消化した後、タイミングt4でAT2セット目が終了すると、煽り演出の後のタイミングt5で3セット目のAT開始報知がされる。このとき、ナビストック記憶領域においては「3」に対して「1」のデータが減算更新され、その結果、「2」のデータが格納される。また、ATゲーム数カウントは再び50ゲームから開始される。また、1セット内で実行されたATゲーム数は再び0ゲームから開始される。
次に、ATゲームを40ゲーム消化した後のタイミングt6において、ATゲーム上乗せ抽選により30ゲームが上乗せされ、かつATゲーム上乗せ報知抽選により先報知に決定されると、ATゲーム数カウントは10ゲームから30ゲーム加算され40ゲームとなる。
次に、ATゲームを40ゲーム消化した後のタイミングt7においては、残りATゲームが0ゲームとなる。このとき、3セット目のAT1セット内で実行されたATゲーム数は80ゲームとなるため、特定演出が実行される条件となる100ゲームには到達していない。ところが、この例においては、残存しているナビストック2個のうち、1個分がAT50ゲームに変換され、1セット内のATゲームに50ゲームが追加される。これにより、追加分のATゲームを消化することで、その後のタイミングt8において3セット目のAT1セット内で実行されたATゲーム数が100ゲームに到達する。その結果、ATゲーム上乗せ抽選において上乗せ期待値が向上する特定演出が、3セット目のATが終了するタイミングt9まで実行される。
このように、図22に示した他の実施形態においては、1セット内で実行されたATゲーム数が100ゲーム以上に達したと判別したときに、特定演出が実行される。さらに、実行ゲーム数カウント領域に格納された実行済みのATゲーム数では100ゲーム以上に到達せずに特定演出が実行されていない状態において、ナビストック記憶領域に記憶されている残りナビストックが1個以上あるときに、ナビストック1個を50ゲーム分のATゲームに変換して、追加されたATゲームを消化することで実行ゲーム数カウント領域に格納されたデータが更新され、その結果、当該更新前よりも、実行済みのATゲーム数が100ゲーム以上に到達する確率が高まる。これにより、実行ゲーム数カウント領域に格納された実行済みのATゲーム数では100ゲーム以上に到達せずに特定演出が実行されない場合であっても、ナビストック記憶領域に記憶されている残りナビストックをATゲームに変換してデータ更新することで、特定演出が実行される場合があり、特定演出の実行機会が多くなる。その結果、特定演出により遊技の興趣が向上する機会を増やすことができる。
以上、説明してきた本実施の形態および他の実施形態においては、有利状態であるATを、ナビストックとATゲーム数を用いた管理方法であることを説明した。しかし、以下のように、ATを管理するものであってもよい。
たとえば、一の管理方法としてATの継続率を用いてATを管理し、他の管理方法としてATゲーム数を用いてATを管理するものであってもよい。
具体的には、1セットのATがAT内で行われる継続抽選によって当選したときに次のATに継続するものが考えれる。継続抽選において当選するための継続率(言わば当選確率)は、10%、20%、30%、・・・といったように所定条件(たとえば、1セット内で特定役に当選したとき)を満たしたときに増え、90%の継続率になると、特定演出が実行されるものであってよい。さらに、50ゲーム分のATゲームがナビストック1個に相当することを考えると、45ゲーム分のATゲームが90%の継続率に相当するとする。この場合、現在の継続率では90%に至らないため特定演出が実行されない状態において、潜伏している上乗せATゲーム数が45ゲーム以上残っているときには、当該上乗せATゲーム数を継続率90%に変換して継続率のデータを更新することで、特定演出が実行されるものであってもよい。
あるいは、一の管理方法としてATの継続率を用いてATを管理し、他の管理方法としてATゲーム数を用いてATを管理するものとして、次のような形態であってもよい。
具体的には、1セットのATがAT内で行われる継続抽選によって当選したときに次のATに継続するものが考えれる。継続抽選において当選するための継続率(言わば当選確率)は、予め定められた継続率(たとえば、50%)に固定されている。このとき、継続抽選によってATが継続し続け、10連チャンに到達したときに特定演出が実行されるものであってよい。さらに、50ゲーム分のATゲームがナビストック1個に相当することを考えると、45ゲーム分のATゲームが90%の継続率に相当するとする。この場合、現在の50%の継続率ではATが10連チャンに到達する可能性が低い状態であっても、50ゲーム分のATゲームを継続率90%に変換することで、ATが10連チャンに到達して特定演出が実行されるものであってもよい。
また、その他のデータとしては、AT中に払い出されたメダル枚数、純増数、およびナビ演出が実行されたゲーム数などを用いて、有利状態であるATを管理するものであってもよい。
[パチンコ遊技機における実施形態について]
本実施の形態においては、スロットマシン1についての一例を説明した。しかし、スロットマシンに限らず、パチンコ遊技機においても本発明を適用することができる。
パチンコ遊技機においては、遊技球などの遊技媒体が発射装置によって遊技領域に発射され、該遊技領域に設けられている入賞口などの始動領域に遊技媒体が入賞したときに複数種類の識別情報の可変表示が行われる。たとえば、本実施の形態におけるパチンコ遊技機においては、遊技盤の所定位置に特別図柄表示装置が設けられている。特別図柄表示装置は、たとえば7セグメントのLEDなどから構成され、特別図柄ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である特別図柄が、可変可能に表示(可変表示)される。
特別図柄表示装置による特別図柄ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を導出表示する。このとき、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば「大当り」となる。また、大当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特別図柄ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、大入賞口を所定回数に亘って開閉する遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」とも称する)を実行する大当り遊技状態に制御される。
たとえば、本実施の形態におけるパチンコ遊技機では、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号などから構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。また、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、それ以外の数字を示す特別図柄をハズレ図柄とする。
特別図柄ゲームにおいて大当り図柄が停止表示されて「大当り」となった後、大当り遊技状態において、所定の上限時間(たとえば29秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(たとえば7個)の入賞球が発生するまでの期間に亘り、大入賞口が開閉される。これにより、大入賞口を遊技者にとって有利な開状態とするラウンドが所定期間実行される。
本実施の形態においては、大当りの種類として、確変状態に制御されない通常大当りと大当り遊技終了後にラウンド100回分の確変状態に制御される確変大当りとに大きく分類される。さらに、確変大当りには、大当り遊技状態の終了後に、ラウンド100回分の時短状態に制御される高確高ベース大当りと、時短状態に制御されない高確低ベース大当りとがある。なお、通常大当りは、大当り遊技状態の終了後に必ずラウンド100回分の時短状態に制御されるが、確変状態には制御されないため、低確高ベース大当りともいう。高確高ベース大当りは、大当り抽選によって高確高ベース大当りに当選し、「7」の特別図柄が停止表示されれば成立する。高確低ベース大当りは、大当り抽選によって高確低ベース大当りに当選し、「5」の特別図柄が停止表示されれば成立する。通常大当りは、大当り抽選によって通常大当りに当選し、「3」の特別図柄が停止表示されれば成立する。
「確変状態」とは、通常の状態に比べて大当りが発生する確率が高く変動する状態のことをいう。「時短状態」とは、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示時間が通常の状態に比べて短縮される状態のことをいう。なお、この実施形態においては、ラウンド100回分の確変状態は、ラウンド100回分の時短状態と同じ分だけ払い出し球数を得られる期待値を有するものである。すなわち、ラウンド100回分の確変状態に起因して遊技者が得られる払い出し球数は、ラウンド100回分の時短状態に起因して遊技者が得られる払い出し球数と概ね同じとなるように設定されている。
また、パチンコ遊技機においては、RAMに複数種類の記憶領域が設けられている。たとえば、確変フラグ記憶領域には、確変状態に制御する旨を特定するデータ(確変フラグ)が格納される。この確変状態に制御する旨を特定するデータは、確変大当りが発生したときに、確変フラグONとして確変フラグ記憶領域に格納される。確変連チャン回数記憶領域には、確変状態に連続して制御された確変連チャン回数を特定するデータが格納される。確変連チャン回数を特定するデータは、確変状態に制御されたときに、確変連チャン回数記憶領域に格納される。時短回数記憶領域には、大当り遊技終了後に時短状態に制御される時短回数を特定するデータが格納される。時短回数を特定するデータは、時短状態に制御される大当りが発生したときに、時短回数記憶領域に格納される。なお、時短回数記憶領域には、時短制御する旨を特定するデータとして時短フラグも格納される。時短回数が「1」以上であれば時短フラグはONになる。
また、パチンコ遊技機においては、大当り抽選を行う処理、確変状態に制御する処理、および時短に制御する処理などを行う主制御部の他に、主制御部からの指示に伴ない液晶表示器やスピーカなどを制御する副制御部が設けられている。
上記のようなパチンコ遊技機において、たとえば、図23に示すように、確変状態が10連チャンに到達したときに特定演出が実行されるものであってもよい。
図23を用いて、パチンコ遊技機の実施形態における確変に関するタイミングチャートの一例を説明する。図23には、「確変連チャン回数」と、「大当り」と、「時短回数」と、「特定演出」との関係が示されている。
「確変連チャン回数」においては、確変状態に制御されている状態が「ON」、確変状態に制御されていない状態が「OFF」で示されている。「大当り」においては、大当りが発生したときが「ON」、それ以外が「OFF」で示されている。「時短回数」においては、1回の大当りにおける時短回数の推移が数字で示されている。「特定演出」においては、特定演出が実行されている状態が「ON」、特定演出が実行されていない状態が「OFF」で示されている。
図23に示すように、タイミングt1で確変大当り(高確高ベース大当り)が発生して「7」の特別図柄が停止表示すると、確変報知とともに1連目の確変状態への制御を伴なう大当り遊技状態に移行する。このとき、確変連チャン回数記憶領域には、確変状態に1回制御したことを特定する情報として「1」のデータが格納される。その後、タイミングt2から時短報知とともに100回分の時短状態に制御されて高確高ベース状態となる。このとき、時短回数記憶領域には、時短回数である「100回」を特定する情報として「100」のデータが格納される。次に、タイミングt3で確変大当り(高確高ベース大当り)が発生して「7」の特別図柄が停止表示すると、確変報知とともに2連目の確変状態への制御を伴なう大当り遊技状態に移行する。このとき、確変連チャン回数記憶領域には、確変状態に連続して2回制御したため、格納されていた「1」に対して「1」のデータが加算更新され、その結果、「2」のデータが格納される。その後、タイミングt4から時短報知とともに100回分の時短状態に制御されて高確高ベース状態となり、時短回数記憶領域には、時短回数である「100回」を特定する情報として「100」のデータが格納される。
次に、引き続き3〜9連目の確変状態に連続して制御された後、図23に示すように、タイミングt9で大当り抽選によって通常大当り(低確高ベース大当り)が発生すると、確変連チャン回数は9連目で終了してしまうため、大当り遊技の終了後に行われる予定であった時短制御の100回分が確変状態に変換される。具体的には、タイミングt9で大当り抽選によって発生した通常大当り(低確高ベース大当り)が確変大当り(高確低ベース大当り)に変換され、「5」の特別図柄が停止表示される。これにより、10連目の確変報知とともに10連目の確変状態への制御を伴なう大当り遊技状態に移行する。その結果、確変連チャン回数は10連目に到達する。このとき、確変連チャン回数記憶領域には、確変状態に連続して10回制御したため、格納されていた「9」に対して「1」のデータが加算更新され、その結果、「10」のデータが格納される。さらに、確変連チャン回数が10回に到達したため、主制御部から副制御部に対して特定演出を実行する旨の情報が送信され、それを受けた副制御部は、タイミングt10で特定演出を実行する。特定演出においては、プレミアム画像による演出が実行される。これにより、特定演出が実行された遊技者は、滅多に現れないプレミアム画像を見れる点で他の遊技者よりも有利となり、遊技の興趣が向上することになる。
このように、確変フラグ記憶領域に記憶されているデータを判別した結果が遊技者にとって有利な確変状態に制御するもの(確変フラグON)であることを条件にそのデータを用いて確変状態にされ、その制御された確変状態が10連チャンに到達したときに、特定演出が実行される。さらに、10連目における大当りが通常大当りであったために確変状態に制御されず特定演出が実行されていない状態において、時短回数記憶領域に記憶されているデータを判別した結果が時短状態に100回制御するものであるときには、時短制御の100回分を確変状態に変換して確変大当り状態とする(たとえば、低確高ベース大当りを高確低ベース大当りに変換する)ことで、確変フラグ記憶領域に記憶されているデータを確変状態に制御することを特定するデータ(確変フラグON)に更新し、当該更新前よりも、確変状態が10連チャンに到達する確率が高まる。これにより、通常大当りのままでは確変状態が10連チャンに到達しないために特定演出が実行されない場合であっても、時短制御の100回分を確変状態に変換して確変大当りに変更することで、特定演出が実行される場合があり、特定演出の実行機会が多くなる。その結果、特定演出により遊技の興趣が向上する機会を増やすことができる。
また、図23の例においては、確変報知が確変状態への制御を伴なう大当り遊技状態に移行するタイミングで行われ、時短報知が大当り遊技終了後の時短状態に制御するタイミングで行われるものであった。つまり、確変報知および時短報知はともに固定のタイミングで報知されるものであった。しかし、時短報知は、時短に制御されることを報知するタイミングとして、不定のタイミングで報知されるものであってもよい。たとえば、時短報知は、大当り遊技の途中で報知されたり、大当り遊技終了後に報知されたりと、ランダムに報知タイミングが変更されるものであってもよい。
これにより、確変フラグ記憶領域に記憶された確変状態に制御することを特定するデータ(確変フラグON)に基づき固定のタイミングで確変報知が行われ、時短回数記憶領域に記憶された時短状態に制御することを特定するデータ(時短フラグON)に基づき不定のタイミングで時短報知が行われる。さらに、10連目における大当りが通常大当りであったために確変状態に制御されず確変報知ができない状態において、時短回数記憶領域に記憶された時短状態に制御することを特定するデータに基づき時短報知ができるときに、時短制御の100回分を確変状態に変換して確変大当り状態とする(たとえば、低確高ベース大当りを高確低ベース大当りに変換する)ことで、確変フラグ記憶領域に記憶されているデータを確変状態に制御することを特定するデータに更新することができる。これにより、10連目における大当りが通常大当りであったために確変フラグ記憶領域に記憶されたデータでは確変報知ができないタイミングであっても、時短制御の100回分を確変状態に変換して確変大当り状態とすることで、確変報知ができるタイミングとなる場合がある。その結果、一の有利状態において複数のデータを更新することを活用して確変報知が行われる機会を増やすことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、時短回数記憶領域に記憶された時短制御の100回分を用いて通常大当りを確変大当りに変換しても、ラウンド100回分の確変状態に起因して遊技者が得られる払い出し球数は、ラウンド100回分の時短状態に起因して遊技者が得られる払い出し球数と概ね同じとなるように設定されているため、遊技者の有利度合いは略同一で変わらない。そのため、更新対象となったデータに関しては、更新されるか否かにかかわらずに遊技者間の公平性は担保される。
また、特定演出が実行されることで滅多に現れないプレミアム画像を見ることができるため、特定演出が実行される機会が増えることで、より遊技の興趣を向上させることができる。
以上、説明してきたパチンコ遊技機の実施形態においては、有利状態として、確変状態と時短状態を適用して説明した。しかし、これに限らず、有利状態として、大当り遊技状態を適用するものであってもよい。
たとえば、15ラウンド大当りと5ラウンド大当りが発生するパチンコ遊技機であれば、5ラウンド大当りが発生した回数が連続して10回に到達したときに特定演出が実行されるものであってもよい。この場合、7連目の大当りが15ラウンド大当りであるときには、ラウンドを3分割して8〜10連目の大当りをそれぞれ5ラウンド大当りとなるように大当りの結果を変更するものであってもよい。
[第2データで第1データを更新するタイミングについて]
本実施の形態においては、AT連チャン回数が10連チャン目の目前となるAT9セット目において、潜伏している上乗せATゲーム数をナビストックに変換して、ナビストック記憶領域のデータを更新するものであったが、更新するタイミングはこれに限らない。
たとえば、AT8セット目に上乗せ決定されたATゲーム数が100ゲーム以上あれば、AT8セット目において、ナビストック2個(ATゲーム数が100ゲームに相当する数)に変換してナビストック記憶領域に記憶されたナビストック数を加算更新するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機においても、確変状態が9連目のときに限らず、たとえば、8連目のときに通常大当りになると、当該通常大当り後に制御される時短回数100回を用いて、9連目と10連目の大当りを確変大当りに変更するものであってもよい。
また、すでに特定演出が実行された後の有利状態においては、一方のデータを他方のデータに変換してデータ更新する処理を行わないものであってもよい。たとえば、AT12セット目において50ゲーム以上の上乗せATゲーム数が付与されても、すでに特定演出が実行されているため、ATゲーム数をナビストックに変換することはしないものであってもよい。
さらに、一方のデータを他方のデータに変換してデータ更新することで、必ずしもATや確変状態が10連チャンに到達して特定演出の実行が確定するものに限らない。
たとえば、スロットマシンの実施例であれば、AT8セット目で残りナビストックが0個であるときに、潜伏している50ゲームの上乗せATゲーム数をナビストック1個に変換更新して、9セット目のATを実行するものであってもよい。この場合は、ATが10セットに到達ないため、更新されても特定演出が実行されることがない。なお、更新前よりも、ATが10セット目に到達する確率が高まったり、到達する速度が早まることで、特定演出が実行されやすくなるものであれば好ましい。
さらに、一方のデータを他方のデータに変換するタイミングは、他方のデータに基づき有利状態に制御できないときに限らず、他方のデータに基づき有利状態に制御できるときであってもよい。
たとえば、スロットマシンの実施例であれば、AT7セット目で残りナビストックが1個であるときに、潜伏している100ゲームの上乗せATゲーム数をナビストック2個に変換更新して、当初残っていたナビストック1個と合わせて合計3個のナビストックを消費することで、8〜10セット目のATを実行するものであってもよい。
[変換対象について]
本実施の形態においては、50ゲーム分の上乗せATゲーム数をナビストック1個に変換してデータ更新する例や、時短制御の100回分を1回の確変大当りに変換(たとえば、低確高ベース大当りを高確低ベース大当りに変換)してデータ更新する例を用いたが、変換対象はこれに限らない。
たとえば、ナビストックをATゲーム数に変換する例、ナビストックをATの継続率に変換する例、ATの継続率をナビストックに変換する例、ATゲーム数をATの継続率に変換する例、ATの継続率をATゲーム数に変換する例、および確変制御を時短制御に変換する例など、その他、一のデータを他のデータに変換して他のデータを更新できるものであれば、いずれのデータを変換対象としてもよい。これらの場合においても、変換前のデータに起因して発生する遊技者の有利度合い(払い出し数や大当り当選確率などの期待値)と、変換後のデータに起因して発生する遊技者の有利度合いとが、略同一(同一を含む)である方が好ましい。
また、本実施の形態においては、一のデータを他のデータに変換した上で、他のデータを更新するものであったが、これに限らず、一のデータを変換せずにそのまま用いて、他のデータを更新するものであってもよい。たとえば、報知済みのATゲーム数が所定ゲームに到達したときに特定演出が実行されるものであり、一のデータを未報知のATゲーム数とし、他のデータを報知済みのATゲーム数とすれば、未報知のATゲーム数をそのまま報知済みのATゲーム数に加算してデータ更新するものであってもよい。
[特定演出について]
本実施の形態においては、特定演出が実行されたときには、ATの上乗せ期待値が向上したり、プレミアム画像による演出が行われることで、遊技者にとって有利度合いが向上するものであった。しかし、特定演出による有利度合いの向上は、その他の手段を用いるものであってもよい。
たとえば、特定演出が実行されたときには、ボーナス特典として払い出しを受けることができたり、特定演出の実行後にボーナスや大当りに当選しやすい有利な状態に移行したりするものであってもよい。
また、特定演出は、夕方の背景画像となる演出が行なわれるものであったが、これに限らず、有利状態が終了することを示唆するエンディング演出や、スピーカから出力されている曲が変化するものであってもよい。
[ナビストック抽選について]
第1実施形態に係るスロットマシン1においては、ナビストック1個につき予め固定のATゲーム数(たとえば、1セット50ゲームなど)が対応付けられていたが、これに限らず、付与されたナビストック1個につき制御されるATゲーム数を抽選によって決定するものであってもよい。
[ナビ対象役について]
本第1実施形態に係るスロットマシン1のナビ対象役は、RT0であるときには、リプA〜F、左ベルA〜D、中ベルA〜D、および右ベルA〜Dであり、RT2であるときには、左ベルA〜D、中ベルA〜D、および右ベルA〜Dであったが、これに限らず、他の役であってもよい。また、たとえば、ナビ対象役に、メロンやイチゴを含め、当選したときにメロンに当選した旨あるいはイチゴに当選した旨を報知するようにしてもよい。
[本実施形態におけるその他の変形例や実施の形態の特徴点について]
(1) ナビストック数が残存している状態でボーナス当選したときにおける当該ナビストック数について、クリア(たとえば「0」)する処理を行うものであってもよく、当該ボーナス終了後まで持ち越す処理を行うものであってもよく、所定数減算する処理を行うものであってもよく、所定数上乗せ加算する処理を行うものであってもよく、また当該ボーナス当選ごとにいずれの処理を行うかを決定し、該決定された処理を行うものであってもよい。これにより、ナビストック数が残存している状態においてボーナス当選したときのバリエーションが増加し、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 本実施形態では、賭数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施の形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
また、本実施形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、これに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合には、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施の形態で賭数として3を設定する場合は15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、本実施形態においては、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうちのいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえばメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るものであってもよい。
(3) 本実施形態では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、全てのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
(4) 本実施形態に係るスロットマシン1は、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を変動表示可能な複数の可変表示領域(透視窓3)のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値(メダル、クレジット)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、複数の可変表示領域のすべてに表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として複数の可変表示領域のそれぞれに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであってもよい。
本実施の形態では、「割合(比率、確率)」を例示したが、「割合(比率、確率)」は、これに限るものではなく、たとえば0%〜100%の範囲内の値のうち、0%を含む値や、100%を含む値、0%および100%を含まない値であってもよい。
本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。
また、遊技機の一例としてスロットマシンを例に挙げて説明したが、本実施の形態はパチンコ遊技機に適用することも可能である。この場合、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すパチンコ遊技機を採用してもよく、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のパチンコ遊技機を採用してもよい。封入式のパチンコ遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉をパチンコ遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。また、パチンコ遊技機は、発射装置および玉払出装置を備えた遊技枠に遊技球が打ち込まれる遊技領域を形成する遊技盤を取り付けた構成であるが、これに限らず、発射装置は玉払出装置などの基本的な機能を共通化し、遊技の特長的構成である遊技盤のみを流通させるようにしてもよい。この場合、遊技の特長的構成であるところの遊技盤を遊技機と称する。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。