JP2015056436A - 太陽光集光発電装置 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、再生可能であり、燃料費が不要の太陽光が、新たなエネルギー源の1つとして注目されている。
また、線形フレネル型の集熱装置は、南北方向に並列に設定した複数の反射ライン上に複数枚の反射鏡を設置するとともに、これらの反射鏡の上方に南北方向に設定した受光ライン上にレシーバを設置し、反射鏡により太陽光を反射してレシーバに集光して太陽熱を集熱するものである。
さらに、タワー型の集熱装置は、タワー周辺に配置した複数枚の反射鏡により反射した太陽光をタワーに設けたレシーバに集光して太陽熱を集熱するものである。
図16に示すように、複数の太陽電池セルをつなぎ合わせた太陽電池パネルを地上に配設している。パネルの大きさとしては、例えば2m×2mのものが挙げられる。このパネルに太陽光を直射して発電するものである。
上記のようなタワー型等の集光方式では、時間帯(例えば朝9時など、10時から14時以外の時間帯)によっては収差が大きく、結像のぼやけ・歪みが生じ、レシーバに効率良く集光することが難しく、日中、安定してレシーバに集光することができないため、図13に示すように、中央(集光像の中心)付近では光の強度が高く、中央付近以外では強度が低い末広がりの状態で集光され、中央付近以外のように低い強度の箇所では、そこに集められた光のエネルギーを有効利用するのは難しく、実質的に発電効率のロスとなってしまう。
従来のクロスリニア型の集光方式は、南北方向に並列に設定した複数の反射ライン上に複数枚の反射鏡を設置するとともに、これらの反射鏡の上方に、反射ラインに直交して(すなわち東西方向に)設定した受光ライン上にレシーバを定位置に設置し、反射鏡により太陽光を反射してレシーバに集光するものである。
このようなクロスリニア型の集光方式により、上述した他の集光方式よりも、収差を小さくすることができるが、さらなる集光率の向上が求められている。
一方本発明では、集光先のレシーバ中の太陽電池の面積を小さくすることもできるし、該レシーバを回転移動させるとともに反射鏡の反射面の角度調整を行えばいいだけであるので容易である。
図15に、図16のような集光方式における集光度の日中の推移を示す。また、図14に本発明の集光方式における集光度の日中の推移を示す。これらの図に示すように、従来方式では、集光度は特に朝方や夕方に低く、一日を通して不安定である。一方で本発明では、朝方や夕方でも高い集光度を得ることができ、一日を通して高い値で均一に得ることができる。その結果、一日あたりで、本発明では従来方式よりも1.5倍もの光エネルギーを太陽電池に集光することができる。したがって、装置を設置するに要する土地面積を低減することができ、日本のような比較的狭い土地であっても充分に高い発電量を得ることができる。
しかしながら本発明では、前述したように反射鏡の反射面の角度のみならずレシーバの東西方向の回転角も調整するものであるので、上記のような焦点ぼけを1日中低減することができる。このため、1日を通して安定して均一に高効率で集光することができ、光エネルギーをより多く集めることができる。
このようなものであれば、より一層、集光率の向上等を図ることができる。
図1に本発明の太陽光集光発電装置の一例を示す。なお、ここでは1本の反射ラインに対して1基のレシーバを有する場合を例に挙げて説明するが、後述するようにレシーバは1基に限らず、複数基設けることもできる。
まず、太陽光集光発電装置1の全体的な仕組みについて説明する。1本の反射ライン2が設定されており、反射ライン2上には複数枚の反射鏡4が設置されている。また、1基のレシーバ5を備えている。このレシーバ5は反射ライン2を中心軸にして弧を描くように東西方向に回転移動可能である。そして太陽光が反射鏡4に照射して反射され、該反射光をレシーバ5へ集光することで、太陽光を集光するものである。
そしてレシーバ5には太陽電池3が配設されており、その受光面に太陽光が集光され、発電が行われる。
(反射鏡について)
複数枚の反射鏡4について説明する。反射鏡4は太陽光を反射できる反射面6を有しているものであれば良く、反射鏡4の形状等は特に限定されない。例えば、太陽光の反射面6が平らなものとすることもできるし、凹面状のものとすることもできる。大きさも限定されず、例えば反射面6が60cm×60cm程度の面積を有するものとすることができる。
反射鏡4は反射ライン2上に複数枚設置されている。図1には3枚設置されている例(4A1〜4A3)を示したが、この枚数に限定されない。例えば設置箇所の広さに応じて増減することができる。
ヘリオスタット機構7は太陽の動きに追従させて反射面6の角度を調整するものである。反射鏡4の反射面6に関して、東西方向の角度を調整する手段(東西角度調整手段8)と、南北方向の角度を調整する手段(南北角度調整手段9)とを有している。なお、南北角度調整手段9については反射鏡4A2についてのみ記載している。
従来では図18のようなTボーンのみを用いて任意の角度に反射面の角度を調整していたが、本発明におけるヘリオスタット機構7では、東西方向の角度と南北方向の角度とで調整手段が異なっている。これらの手段は、互いに独立して各々の方向の角度を調整できるようになっている。したがって、制御が簡単でありながら、高精度で角度調整することができる。
また、ミラーフレーム21の北側と南側の側面の中央部には後述する東西方向の回転軸(後述する東西角度調整手段8の回転軸棒11)が設けられており、該東西方向の回転軸を中心にしてミラーフレーム21を東西方向に回転駆動させることが可能になっている。ミラーフレーム21の回転駆動により、保持された反射鏡4も一体となって東西方向に回転駆動される。
東西角度調整手段8について説明する。
東西角度調整手段の一例を図3に示す。図3(A)は東西角度調整手段の全体図である。図3(A)に示すように、主には回転駆動モーター10、回転軸棒11からなっている。
まず、回転軸棒11は、隣接し合う反射鏡同士の間にミラーフレーム21を介して設けられており(すなわち、反射鏡4A1と反射鏡4A2の間に回転軸棒11B、反射鏡4A2と反射鏡4A3の間に回転軸棒11C)、隣接し合う反射鏡同士を連結している。
また、直列の一端の反射鏡4A1に対しては、回転軸棒11Bが設けられている側とは反対側にさらに回転軸棒11Aが設けられている。
したがって、回転駆動モーター10による回転駆動、すなわちモーター軸15の回転駆動により、ベルト13を介してプーリー12が回転駆動し、該プーリー12の回転駆動により、東西方向の回転軸棒11を中心にしてミラーフレーム21が反射鏡4A1ごと回転駆動されるように構成されている。
なお、回転駆動モーター10による回転駆動に対して反射鏡4A1の回転駆動する角度は、変速比、すなわち、例えばモーター軸15の直径に対するプーリー12の直径の大きさ等に基づく。この変速比は所望の値に設定することができる。
なお、回転駆動モーター10をどの程度回転駆動させるかは特に限定されず、適宜設定することができる。太陽の動きに追従させてレシーバ5に向けて太陽光をより適切に反射させるため、反射鏡4の反射面6の角度が調整されるよう、回転駆動モーター10の回転駆動の制御を行うことができる。
そして、その隣接し合う反射鏡同士の間に設けられた回転軸棒のうち、いずれか1つが回転駆動モーターと接続されている。回転駆動モーターと接続される回転軸棒は特に限定されず、反射鏡の東西方向の回転駆動がより効率的に行われるよう適宜選択することができる。
一例として、図3の回転軸棒11Cが短回転軸棒72A〜72Cから構成されている場合を図21に示す。そして、ここでは短回転軸棒72Bが、地面等に固定された回転軸棒支柱73で回転可能に支えられており、短回転軸棒72A、72B(また、短回転軸棒72B、72C)がカプラー74で連結されている。カプラー74は緩衝材76(弾性体等とすることができ、特に限定されない)を介して嵌合する2つの軸受(軸受75Aは短回転軸棒72Aと接続されており、軸受75Bは短回転軸棒72Bと接続されている)が包装材77(包帯等とすることができ、特に限定されない)により包まれて構成されている。緩衝材76の存在により、短回転軸棒72A、72Bをフレキシブルに連結することが可能である。
また、カプラー74に負担がかかりやすくなるものの、ミラーフレーム等がそもそも軽量であるし、包装材77によって包まれてある程度固定されているため、カプラー74は十分にそれらの重さに耐えることができ、2つの軸受75A、75Bがはずれてしまうこともない。
なお、当然、このようなカプラーは反射鏡同士間の回転軸棒に設けても良いし、反射鏡と回転駆動モーターとを連結する回転軸棒だけに設けても良い。あるいはそれら両方に設けることもできる。
次に南北角度調整手段9について説明する。
<第一の態様>
図4に南北角度調整手段の一例を示す。図4(A)は図2のA矢視図であり、各々の位置関係が把握しやすいように反射鏡4も併せて記載している。また図4(B)は図2のB矢視図であり、こちらも反射鏡4を併せて記載している。
南北角度調整手段9は反射鏡4に対して個別に設けられており、アーム22を有するアクチュエータ23を備えている。このアクチュエータ23はアーム22を前進後退運動させるものである。またアーム22は反射鏡4に連結されている。
従来用いられているTボーン方式では、図18に示すように各部を回転させることによって、太陽の動きに合わせて反射鏡を任意に回転させている。このようなTボーン方式では風によって反射鏡が揺れてしまい、レシーバへの反射に悪影響が生じることがあったが、図4のアーム22による支持のおかげで、風が吹いたとしても反射鏡4が揺れるのを効果的に防ぐことができる。したがって、反射鏡4の揺れによってレシーバへの反射が適切に行われなくなるのを防ぐことができ、集光率が下がるのを抑制することができる。
また、反射鏡4とアーム22は必ずしも連結されている必要はない。反射鏡を適切に支持しつつ回転させることができるような仕組みであれば良い。
図5に南北角度調整手段の他の一例を示す。図5(A)は、南北角度調整手段を備えた反射鏡4を東側から見た説明図である。また図5(B)は、南北角度調整手段を備えた反射鏡4の上面図である。
この態様の南北角度調整手段109では、反射鏡4ごとに個別に南北角度調整用モーター24が備えられている。ミラーフレーム21を貫通している反射鏡4の南北方向の回転軸に対して南北角度調整用モーター24が接続されている。そして、該南北角度調整用モーター24の駆動制御により、南北方向の回転軸を回転駆動させ、それによって反射鏡4を南北方向に回転駆動させて反射面6の南北方向の角度が調整可能になっている。
なお、この南北角度調整用モーター24の種類等は特に限定されず、南北方向の回転軸を適宜回転駆動することができるものであれば良い。
図18のような従来のTボーン方式では、そのTボーンのみで反射面を様々な方向に回転させて任意の角度に調整しなければならず、そのために制御が複雑であった。
しかしながら、本発明では、反射面の角度調整を、回転駆動モーターや回転軸棒を有する東西角度調整手段とアクチュエータ等を有する南北角度調整手段で分担している。すなわち、東西角度調整手段は東西方向の角度調整だけ行えば良く、また、南北角度調整手段は南北方向の角度調整だけ行えば良いので、各々は、単純な制御構造で簡便に反射面の角度を調整することができ、それらの組合わせで任意の角度に反射面の角度を高い精度で調整可能である。しかも、それぞれの機構は簡単であるため、低コストなものとなる。
このような角度調整を円滑にすすめるため、例えば、東西角度調整手段8および南北角度調整手段9に、暦および真太陽時に応じた太陽の動きに対する反射鏡4の角度調整データを内蔵しておくと良い。
前述したように、東西角度調整手段8においては、回転駆動モーター10の回転駆動により、回転軸棒11を介して反射鏡4が回転駆動され、反射面6の東西方向の角度調整が行われる。また太陽の動きは暦および真太陽時から予め推測することができる。
なお、コンピュータを別個用意するのではなく、例えば回転駆動モーター10に内蔵されるメモリと制御回路に角度調整データを入力して制御させることもできる。
また、南北角度調整用モーター24を備えた場合においても同様に角度調整パターンをインプットしておくことができる。
そして、初期角度を調整した後、引き続き中央制御装置25により角度調整を行っても良いし、あるいは前述したように内蔵データを利用して角度調整を行うこともできる。
前述したように、各々の反射鏡4はミラーフレーム21によって囲まれている。そして、該ミラーフレーム21には例えば三角形状の支持フレーム26が取り付けられている。この支持フレーム26によって、ミラーフレーム21や回転軸棒11を介して各々の反射鏡4が支持されている。この場合において、ミラーフレームが東西方向に回転駆動できるように接続部に対して適宜工夫を施すことができる。
このような支持フレーム26を配設することで、特には、直列の複数枚の反射鏡のうち中側に位置する反射鏡が自重により高さ位置が下がるのを防止することができる。各々の反射鏡4を所望の高さ位置(例えば地面から50cmの高さ位置)に安定させることが可能である。
次にレシーバ5について説明する。図6にレシーバの一例を示す。
このレシーバ5は1つの反射ラインに一基備えられており、主に、レシーバ本体41、太陽電池3、熱交換器43、センサ45から構成されている。また、後述するように、レシーバ5を太陽の動きに追従させて反射ライン2を中心軸にして弧を描くように東西方向に回転移動させるレシーバ回転機構を備えている。反射ライン2との距離は例えば1.5mに設定することができる。
まず、レシーバ本体41自体は特に限定されるものではなく、その形状、大きさは適宜決定することができる。東西方向に移動させやすく、適切な開口部42等を有し、太陽光の反射光を効率よく集光することができるものであれば良い。
このようなセンサ45を配設することで、常に受光面44へと反射光を集光でき、より一層集光率を高めることができる。
レシーバ回転機構の一例を図7(東側の側面図)、図8(南側の側面図)、図9(平面図)に示す。なお、説明のため反射鏡4等も併せて記載している。ここでは、東西方向の回転に関して、ミラーフレームおよび反射鏡が水平になるよう調整されている場合を示す。また、レシーバが反射ラインの直上に位置している場合である。
まず、図7に示すように、レシーバ回転機構46は、主に、レシーバ5を支持して回転させるレシーバ回転支持部材47や、該レシーバ回転支持部材47を回転させるためのモーター等からなっている。
当然、レシーバ回転支持部材47を回転させるためのモーター等を別個に設けることも可能であるが、回転駆動モーター10を兼用することで、コストの低減や装置のコンパクト化を図ることができる。
なお、回転支柱48の先端に直接的に太陽電池3を配設することもできるし、例えば他の部材を介して間接的に太陽電池3を配設することもできる。太陽電池3の受光面に効率良く集光できる形態であれば良い。
図7〜図9に示す例では、リング49と、該リング49とレシーバ5とを連結するレシーバ支持フレーム50と、リング49と回転支柱48とを連結する棒状のリング支持フレーム51とを介して、回転支柱48の先端側に太陽電池3が配設されている。
このように、特にはリング49を配設したり、リング支持フレーム51を棒状のものとして、反射鏡4からの反射光を遮る量を抑制し太陽電池3へ到達し易いように、適宜、各部材の形状等を決定することができる。この場合、リング支持フレーム51で遮られる反射光の量はわずかであるし、また、反射光はリング49の内側を通って太陽電池3へ集光できるのでリング49によって反射光が遮られることもない(図7、9)。
また、回転支柱48において、太陽電池3が配設される側とは反対側にウエイトバランス52を設けることができる。このようなウエイトバランス52を設けることによって、回転軸棒11と連結している箇所を中心にして回転支柱48を回転させやすく、またバランスも取りやすくなる。
ここで、太陽の動きに追従させてレシーバを東西方向に回転移動させる有効性について説明する。レシーバを定位置に配置する場合と回転移動させる場合との反射鏡(ここでは分かりやすいように、反射面が凹面のものとし、反射鏡に垂直に太陽光が入射してきた場合に1点に集光させることができるものとする)からの反射光の集光像の差異を挙げて説明する。
南中時においては図11と同様である。そして、朝方(日の出時含む)においても、反射鏡の東西方向の回転面内において、太陽、レシーバ、反射鏡は直線状に並んでいるため、太陽光は反射鏡に垂直に入射し、南中時と同様の高い集光率を得ることが可能である。さらに夕方においても同様である。したがって、一日を通して(日中)焦点ぼけをなくし、安定して均一に高効率で集光することが可能になる。すなわち、より一層多くの光エネルギーを得ることができる。
このように、太陽光を集光するにあたってレシーバを東西方向に回転移動させるのは極めて有効であることが分かる。
また、図7等の場合において、回転軸棒を介して連結された反射鏡4が設置された反射ライン2には、レシーバ回転支持部材47(およびレシーバ5)とともに反射ライン2を南北方向に回転させる反射ライン回転機構61を備えることもできる。
図19に反射ライン回転機構61の一例を示す。図19(A)が機構の全体図である。反射ライン回転機構61は、反射ライン2の一端を支持して昇降させるための昇降機62、他端に取り付けられた重り63(上下動可能な載置台65に載置されている)、反射ライン2とレシーバ回転支持部材47との連結部を南北方向の回転の支点として支える反射ライン支柱64を有している。ここでは北側に昇降機62が配置されている例を示しているが、逆に南側に配置することも可能である。
図19(B)に示すように、昇降箱69を昇降させる際には、昇降モーター66で昇降軸67を回転させる。昇降リング68は昇降軸67に嵌合しているものの、昇降箱69およびガイドレール70によって固定されており回転できないため、代わりに昇降軸67を昇降することになる。これによりガイドレール70に沿って昇降箱69が昇降できるようになっている。
また、反射ラインを地軸と平行になるように傾くよう調整することができる。
そして、このような調整を適宜行うことによって、1年中、より一層効率良く太陽光を集光することができ、また、コサイン効果も変化を抑制して安定させることが可能になる。
以上の例では1本の反射ラインに対してレシーバが1基設けられている場合について説明してきたが、前述したように複数基のレシーバを設けることも可能である。図20に複数基のレシーバを有する例を示す。
ここでは、反射鏡が4つ(南側から反射鏡4A4〜4A7)であり、図7−9等に示すようなレシーバ回転機構(レシーバ回転支持部材47A〜47C)を有するレシーバ5A〜5Cが設けられている。そして、反射ライン2’を地表面に対して適宜、角度を持たせることにより、反射鏡のシャドーイングや反射光のブロッキングを低減させることができる。さらに、反射ライン2’を地軸と平行になるように傾けてもよい。これにより、1日を通して、すべての反射鏡4A4〜4A7の仰角(反射面の南北方向の角度)を一定とすることが可能となり、仰角の調整が簡単にできる。
なお、例えばレシーバの位置によってレシーバ回転支持部材の長さ、形状等を変更することができる。例えば図20に示すように北側のものほど長さを短くすることができるし、レシーバ回転支持部材47Cのように折れ曲がっていて、レシーバ5Cが反射鏡4A7の上方に位置するよう形状を工夫したものとすることもできる。
また、レシーバには、東西方向に回転移動させるためのレシーバ回転機構の他、さらに、レシーバを南北方向に回転移動させるためのレシーバ南北回転機構を備えたものとすることもできる。レシーバを南北方向に回転できれば良く、その構成は特に限定されない。このような機構を設けることで、集光率をより一層向上することができる。
例えば、まず、図5(A)(B)のような南北角度調整手段において、ミラーフレーム21の内側に第二のミラーフレーム(不図示)を設け、該第二のミラーフレームとしては反射鏡4を囲って支持し、南北角度調整用モーター24で反射鏡4ごと南北方向に回転可能なものとすることができる。そして、該第二のミラーフレームに適当な部材を接続し、その先端にレシーバを設けることができる。このような構成であれば、反射鏡の南北角度調整手段はレシーバを南北方向へ回転移動させる機能を兼ねることができる。
ヘリオスタット機構やレシーバ回転機構の制御対象を各ユニットに留めることで、それぞれ大掛かりな機構を用意する必要がなく簡便である。また、装置を設置する土地の大きさの大小に適宜合わせ易い。複数組配設することで大規模な装置とすることもでき、集光率を下げることなく大容量の光エネルギーを得ることも可能である。
(実施例1)
図1、7等に示すような本発明の太陽光集光発電装置を用いて太陽光を太陽電池に集光するシミュレーションを行った。シミュレーションの条件を以下のように設定した。
1本の反射ライン上に3枚の反射鏡(大きさは60cm×60cm:全反射鏡の面積は10800cm2)を設置し(地上から0.5mの高さ)、図7等に示すレシーバ回転機構を備え、反射ラインを中心軸にして弧を描くように東西方向に移動可能なレシーバを1基配設した(反射ラインから1.5mの距離)。該レシーバに配設された太陽電池(大きさは5cm×5cm)(集光度は144倍(602/52)になる)に太陽光を集光した。
図16のような装置であってパネル面(太陽電池の大きさは10800cm2)の角度を調整しないタイプのものを用いて太陽光から太陽電池により発電した。
従来のクロスリニア型の装置を用いた。すなわち、レシーバ回転機構を備えていないこと、および、反射ラインの上方の定位置にレシーバを固定配置したこと以外は実施例1と同様にして太陽電池に太陽光を集光した。
また、実施例1のほうが用意する太陽電池の量を低減することができ、装置全体にかかるコストを充分に抑制することができた。
実施例1での装置を用いて1年間の集光のシミュレーションを行った。
また、これとは別に、実施例1での装置に対し、図19のような反射ライン回転機構をさらに備えた装置を用意し、反射ライン全体を南北方向に回転させ(北端が南端よりも上に位置)、さらに季節ごとに(日ごとに)その回転角を変化させた。春分時の回転角に対して、夏至の時には地軸の傾きを2で除した程度だけ回転させて北側が相対的に下がるようにし、冬至の時には逆に北側を相対的に上げた。このような条件下で1年間の集光のシミュレーションを行った。
3…太陽電池、 4、4A1〜4A7…反射鏡、
5、5A〜5C…レシーバ、 6…反射面、 7…ヘリオスタット機構、
8…東西角度調整手段、
9、109…南北角度調整手段、 10…回転駆動モーター、
11、11A〜11C…回転軸棒、 12…プーリー、 13…ベルト、
14…台、 15…モーター軸、
21…ミラーフレーム、 22…アーム、 23…アクチュエータ、
24…南北角度調整用モーター、 25…中央制御装置、
26…支持フレーム、
41…レシーバ本体、 42…開口部、 43…熱交換器、 44…受光面、
45…センサ、 46…レシーバ回転機構、
47、47A〜47C…レシーバ回転支持部材、
48…回転支柱、 49…リング、 50…レシーバ支持フレーム、
51…リング支持フレーム、 52…ウエイトバランス、
61…反射ライン回転機構、 62…昇降機、 63…重り、
64…反射ライン支柱、 65…載置台、 66…昇降モーター、
67…昇降軸、 68…昇降リング、 69…昇降箱、 70…ガイドレール、
71…昇降アーム、
72A〜72C…短回転軸棒、 73…回転軸棒支柱、
74…カプラー、 75A、75B…軸受、 76…緩衝材、 77…包装材、
80…レシーバ南北回転機構。
Claims (13)
- 反射ラインと1基以上のレシーバとを有する太陽光集光発電装置であって、
前記反射ラインは、南北方向に設定されたものであり、該反射ライン上には太陽光を反射する複数枚の反射鏡が直列に設置されており、該複数枚の反射鏡は太陽の動きに追従させて反射面の角度を調整するヘリオスタット機構を備えており、
該ヘリオスタット機構は、前記複数枚の反射鏡の反射面を東西方向に角度調整可能な東西角度調整手段と、南北方向に個別に角度調整可能な南北角度調整手段を有しており、
前記1基以上のレシーバは、各々、レシーバを太陽の動きに追従させて前記反射ラインを中心軸にして弧を描くように東西方向に回転移動させるレシーバ回転機構を備えており、かつ、該レシーバには太陽電池が配設されており、該太陽電池の受光面に、前記複数枚の反射鏡からの太陽光の反射光を集光するものであることを特徴とする太陽光集光発電装置。 - 前記東西角度調整手段と前記レシーバ回転機構は、それぞれ、前記複数枚の反射鏡の反射面の東西方向の角度と、前記回転移動するレシーバの東西方向の回転角とを、太陽方位角と同じになるように調整するものであることを特徴とする請求項1に記載の太陽光集光発電装置。
- 前記東西角度調整手段は、回転駆動モーターと回転軸棒とを有しており、
前記回転駆動モーターは、前記反射ラインに1つ設けられており、
前記回転軸棒は、前記直列の複数枚の反射鏡同士の間に設けられていて隣接し合う反射鏡同士を連結しているか、または、
前記直列の複数枚の反射鏡同士の間に設けられていて隣接し合う反射鏡同士を連結しているとともに、直列の一端の反射鏡にさらに設けられており、
前記直列の複数枚の反射鏡が一体となって東西方向に回転駆動されるものであり、
前記回転軸棒のいずれか1つが前記回転駆動モーターと接続されており、かつ、
前記レシーバ回転機構は、前記レシーバを支持して回転させるレシーバ回転支持部材を有しており、該レシーバ回転支持部材は前記東西角度調整手段の前記回転軸棒のいずれか1つと連結されており、
前記東西角度調整手段の回転駆動モーターの回転駆動により、前記回転軸棒を介して、前記直列の複数枚の反射鏡の反射面の東西方向の角度が同時に調整されるとともに、前記レシーバ回転支持部材が回転駆動して前記レシーバの東西方向の回転角が調整されるものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の太陽光集光発電装置。 - 前記レシーバ回転支持部材は、前記東西角度調整手段の前記回転軸棒に連結された回転支柱を有しており、該回転支柱の先端に前記レシーバの前記太陽電池が配設されているものであることを特徴とする請求項3に記載の太陽光集光発電装置。
- 前記回転軸棒を介して連結された複数枚の反射鏡が設置された反射ラインは、前記レシーバ回転支持部材とともに前記反射ラインを南北方向に回転させる反射ライン回転機構を備えたものであることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の太陽光集光発電装置。
- 前記回転軸棒は複数の短回転軸棒がカプラーを介して連結されたものであり、
前記カプラーは、前記短回転軸棒を受ける2つの軸受と、緩衝材と、包装材とを有し、該緩衝材を介して前記2つの軸受が嵌合しており、該嵌合した2つの軸受が前記包装材により包まれたものであることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の太陽光集光発電装置。 - 前記1基以上のレシーバは、各々、南北方向に回転移動させるレシーバ南北回転機構をさらに備えたものであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の太陽光集光発電装置。
- 前記レシーバは、前記太陽電池の受光面から外れた反射光を感知して信号を発信するセンサを有しており、該センサからの信号に基づいて、前記ヘリオスタット機構による前記複数枚の反射鏡の反射面の角度と、前記レシーバ回転機構による前記レシーバの東西方向の回転角のいずれか1つ以上が修正調整されるものであることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の太陽光集光発電装置。
- 前記直列の複数枚の反射鏡は、各々を支えて位置固定するための反射鏡支持フレームを有するものであることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の太陽光集光発電装置。
- 前記南北角度調整手段は、アクチュエータを有し、
該アクチュエータは前記反射鏡毎にそれぞれ配置され、各アクチュエータはアームを有し、該アームと前記反射鏡とが連結されており、前記アームの前進後退運動により各反射鏡の反射面の南北方向の角度が個別に調整されるものであることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の太陽光集光発電装置。 - 前記南北角度調整手段は、南北角度調整用モーターを有し、
該南北角度調整用モーターは前記直列の複数枚の反射鏡の各々に設けられており、前記南北角度調整用モーターの駆動制御により各反射鏡の反射面の南北方向の角度が個別に調整されるものであることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の太陽光集光発電装置。 - 前記反射ラインと前記1基以上のレシーバからなるユニットが、南北方向に直列および/または並列に複数組設置されているものであることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の太陽光集光発電装置。
- 前記レシーバは、さらに熱交換器を備えたものであることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の太陽光集光発電装置。
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