JP2015055963A - アレルゲン低減処理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】お客様建物に対するアレルゲン低減処理システムを提供する。
【解決手段】アレルゲン濃度測定機関には測定者と測定者端末46が与えられ、当該事業の担当者がお客様建物を訪問して行う除去サービス実施工程S4と、除去サービスを実施する前の状態の濃度測定を行うハウスダストのサンプリング工程S3と、ハウスダストのアレルゲン濃度を測定する濃度測定工程S5と、アレルゲン濃度を記録媒体46に記録する濃度記録工程S6からなり、除去サービス実施工程とサンプリング工程と濃度測定工程と濃度記録工程を経時的に繰り返す反復工程S10からなる。
【選択図】図5

Description

本発明はアレルゲン低減処理システムに関し、特にお客様建物の内部におけるダニアレルゲン、花粉アレルゲン、カビアレルゲン、犬猫アレルゲン等を除去して、お客様建物内のアレルゲン濃度を経時的に低減させるアレルゲン低減処理システムに関する。
アレルゲンの中でも、特にハウスダストに含まれるアレルゲン、即ちハウスダストアレルゲンにはダニアレルゲン、花粉アレルゲン、カビアレルゲン、犬猫アレルゲン等が含まれている。しかし、ハウスダストアレルゲンの約70%はダニアレルゲンであり、ダニアレルゲンがハウスダストアレルゲンの中核である。従って、これまでハウスダストアレルゲンの中でも、特にダニアレルゲンに対する研究や技術開発が精力的に行われてきた。以下に、従来のダニアレルゲンに関する技術を散見しておく。
従来文献として特開平8−285841号公報(特許文献1)が挙げられる。この発明は、ダスト中のグアニン乃至ダニの検出方法に関し、ダニアレルゲンと相関性のあるグアニンに着目したものである。まず、家屋内のダスト類をアルカリ金属水酸化物のジメチルスルフォキシド含水溶液で抽出する。次に、得られる抽出液について芳香族ジアゾ化合物との呈色反応を行い、呈色濃度に基づいてダスト中のグアニンを検出する。前述したように、グアニンはダニアレルゲンと良く似た性質を有するので、検出されたグアニンが、ダスト中のダニアレルゲンにほぼ相当し、これによってダスト中のダニアレルゲンを検出する技術である。
特開2002−148188号公報(特許文献2)はダニアレルゲン計測方法及びダニアレルゲン計測装置に関するものである。ダニ抗原を含むハウスダストの水溶液と、担持部にダニ抗体を担持した担持体を接触させて、ダニ抗体にダニ抗原を固定させる。次に、担持部に光照射して、担持部からの反射光強度が表面プラズモン吸収により急に低下する入射角を測定し、この入射角が共鳴角に相当するから、その共鳴角によりダニ抗原を定量的に計測するものである。
特開2007−77557号公報(特許文献3)は抗アレルゲン清掃用繊維製品に関するものである。モップ等の清掃用繊維製品に油剤と一種以上の抗アレルゲン剤を担持させる。この清掃用繊維製品で床などを払拭すると、床面からダニ等のアレルゲンが清掃用繊維製品に吸着され、このアレルゲンが抗アレルゲン剤と反応し、抗アレルゲン剤でアレルゲンを不活化させる技術である。
特許第5198672号公報(特許文献4)は、ATPふき取り検査器による空気調和機室内ユニット内部の微生物汚染の検査方法に関するものである。具体的には、空気調和機室内ユニットを分解して洗浄する作業工程において、熱交換器アルミフィン及び送風ファン等の部品の汚れ状態をデジタルカメラで撮影した写真と、ATPふき取り検査器で微生物の汚染量を数値化して計測し、この数値化した計測データをデジタルカメラで同時に撮影した写真とを顧客のパソコンにインターネットを介して送信報告する検査方法である。微生物の中にはダニの生体や死骸などが含まれ、ダニアレルゲン汚染の検査方法とも考えられる。
特開平8−285841号公報 特開2002−148188号公報 特開2007−77557号公報 特許第5198672号公報
上述したように、特許文献1はダスト中のダニアレルゲンの検出方法であり、特許文献2はダニアレルゲン計測方法及びダニアレルゲン計測装置であり、特許文献3はダニアレルゲンを不活化する抗アレルゲン清掃用繊維製品であり、特許文献4はダニアレルゲンを含む微生物汚染の検査方法である。
このように、ダニアレルゲンに関する従来技術は、ダニアレルゲンを検出したり、検査したり、不活化する等、ダニアレルゲン汚染対策の個々の課題を解決するものばかりである。これらのアレルゲン対策技術を総合的に活用して、家庭や事業所のアレルゲンを組織的に低減してゆくシステムは未だに構築されていないと云わなければならない。
他方、日本全国の多くの家庭や事業所の建物は、ダニアレルゲンを中心とする各種のアレルゲンで汚染され、その中で生活する人々、特に子供達はそれらアレルゲンを原因物質とするアレルギー症状に悩まされている。アレルギー症状に悩む人達はアレルギー専門病院に通院して、アレルギー症状の改善に努力しているが、長期間の苦悩に耐えているのが現状である。病院における治療は医師により着実に行われている。しかし、人々の居住空間である建物の内部を組織的に清掃してアレルゲンを経時的に低減させる総合的技術は未だに存在しない。アレルギー疾患に対する医療技術の開発と同時に、アレルギー疾患を予防し、アレルギー疾患の程度を減弱させるためにも、建物からアレルゲンを低減させる総合的な技術開発が急務である。
従って、本発明の目的は、人々が居住する家庭や事業所などの建物からダニアレルゲンを主体とするアレルゲンを低減させる総合的なアレルゲン低減処理システムを提供することであり、アレルゲン除去サービス実施工程にハウスダストのサンプリング工程とアレルゲン濃度測定工程とアレルゲン濃度記録工程を組み合わせ、しかも必要によりハウスダストの除去を経時的に反復することによりハウスダストアレルゲンを急速且つ確実に低減させ、更に反復工程の中でアレルゲン濃度を測定しながらアレルゲンの低減を確実に達成できるアレルゲン低減処理システムを提供することである。
本発明は上記課題を解決するために為されたものであり、本発明の第1の形態は、お客様の建物を訪問してアレルゲン除去サービスを実施する除去サービス実施工程と、前記アレルゲン除去サービスの前及び/又は後にお客様建物のハウスダストをサンプリングするサンプリング工程と、サンプリングされた前記ハウスダストに含有されるアレルゲンのアレルゲン濃度を測定する濃度測定工程と、前記アレルゲン濃度を記録媒体に記録する濃度記録工程からなり、前記アレルゲン濃度を確認しながら前記お客様建物のアレルゲンを低減させるアレルゲン低減処理システムである。
本発明の第2の形態は、担当者がお客様の建物を訪問してアレルゲン除去サービスを実施する除去サービス実施工程と、前記担当者が前記アレルゲン除去サービスの前及び/又は後にお客様建物のハウスダストをサンプリングするサンプリング工程と、サンプリングされた前記ハウスダストに含有されるアレルゲンのアレルゲン濃度を測定する濃度測定工程と、前記アレルゲン濃度を会員データベースに記録する濃度記録工程からなり、適時にネットワークを介して担当者端末及び/又はお客様端末から前記会員データベースに通信して前記アレルゲン濃度の経時変化を閲覧する閲覧工程から構成され、前記アレルゲン濃度を確認しながら前記お客様建物のアレルゲンを次第に低減させるアレルゲン低減処理システムである。
本発明の第3の形態は、本部が運営するアレルゲン低減処理システムで、本部が契約したお客様の建物に潜在するアレルゲンを次第に低減させるアレルゲン低減処理システムであり、本部が管理するサーバーと、サーバーに接続されたお客様情報を記録する会員データベースと、担当者の担当者端末と、お客様のお客様端末がネットワークを介して接続され、前記担当者がお客様建物を訪問してアレルゲン除去サービスを実施する除去サービス実施工程と、前記担当者が前記アレルゲン除去サービスの前及び/又は後にお客様建物のハウスダストをサンプリングするサンプリング工程と、サンプリングされた前記ハウスダストに含有されるアレルゲンのアレルゲン濃度を測定する濃度測定工程と、前記アレルゲン濃度を会員データベースに記録する濃度記録工程からなり、適時に担当者端末及び/又はお客様端末からネットワークを介してサーバーに通信し会員データベースから前記アレルゲン濃度の経時変化を閲覧する閲覧工程から構成されるアレルゲン低減処理システムである。
本発明の第4の形態は、本部が運営するアレルゲン低減処理システムに加盟店が属し、本部及び/又は加盟店が契約したお客様の建物に潜在するアレルゲンを次第に低減させるアレルゲン低減処理システムであり、本部が管理するサーバーと、サーバーに接続されたお客様情報を記録する会員データベースと、加盟店の担当者端末と、お客様のお客様端末がネットワークを介して接続され、加盟店担当者がお客様建物を訪問してアレルゲン除去サービスを実施する除去サービス実施工程と、前記加盟店担当者がアレルゲン除去サービスの前及び/又は後にハウスダストをサンプリングするサンプリング工程と、サンプリングされた前記ハウスダストに含有されるアレルゲンのアレルゲン濃度を測定する濃度測定工程と、前記アレルゲン濃度を会員データベースに記録する濃度記録工程からなり、適時に加盟店担当者端末及び/又はお客様端末からネットワークを介してサーバーに通信し会員データベースから前記アレルゲン濃度の経時変化を閲覧する閲覧工程から構成されるアレルゲン低減処理システムである。
本発明の第5の形態は、前記除去サービス実施工程と前記サンプリング工程と前記濃度測定工程と前記濃度記録工程を経時的に繰り返す反復工程が付加されるアレルゲン低減処理システムである。
本発明の第6の形態は、アレルゲン除去サービスを最初に実施する第1回目の除去サービス実施工程の前に、初回訪問工程が設けられ、前記初回訪問工程は、お客様建物からハウスダストを初回サンプリングする初回サンプリング工程と、初回サンプリングされた前記ハウスダストに含有されるアレルゲンの初回アレルゲン濃度を測定する初回濃度測定工程と、前記初回濃度測定工程で測定された初回アレルゲン濃度をお客様に知らせる初回濃度報知工程から構成されるアレルゲン低減処理システムである。
本発明の第7の形態は、前記初回訪問工程に初回アレルゲン除去サービスを実施する初回除去サービス実施工程が付加され、前記初回サンプリング工程は、初回アレルゲン除去サービスを実施する前の初回前サンプリング工程と、初回アレルゲン除去サービスを実施した後の初回後サンプリング工程からなり、前記初回濃度測定工程は初回前サンプリング工程と初回後サンプリング工程によりサンプリングされた二つのハウスダストについて実施されるアレルゲン低減処理システムである。
本発明の第8の形態は、除去サービス実施工程と次回の除去サービス実施工程の間に、お客様建物内部をモップや掃除機などにより清掃し、お客様建物内部の空気を空気清浄機により清浄化し、丸洗いした寝具を使用し、防ダニカバーを設置し、のいずれか一つ以上をお客様自身が日常的に行うアレルゲン低減処理システムである。
本発明の第9の形態は、前記お客様が医師から紹介されたお客様であり、適時に医師端末から前記ネットワークを介して前記サーバーに通信し前記会員データベースから前記紹介されたお客様に関する前記アレルゲン濃度の経時変化を閲覧する医師閲覧工程が含まれるアレルゲン低減処理システムである。
本発明の第10の形態は、前記アレルゲンは、ダニアレルゲン、花粉粒子である花粉アレルゲン、カビアレルゲン、犬猫アレルゲンの一種以上であるアレルゲン低減処理システムである。
本発明の第11の形態は、前記濃度測定工程における前記アレルゲン濃度の測定が簡易測定法によって実施され、しかも前記簡易測定法の実施が前記ハウスダストをサンプリングした当日にお客様建物の内部で行われ、その当日に前記アレルゲン濃度をお客様に提示するアレルゲン低減処理システムである。
本発明の第12の形態は、前記サンプリング工程によりサンプリングされた前記ハウスダストを持ち帰り、前記サンプリングの実施日より後日に、前記濃度測定工程における前記アレルゲン濃度の測定が精密測定法によって実施されるアレルゲン低減処理システムである。
本発明の第1の形態によれば、まずお客様の建物を訪問してアレルゲン除去サービスを実施する除去サービス実施工程が行われる。アレルゲンとはハウスダストに含まれるアレルゲン、即ちハウスダストアレルゲンを意味しており、主としてダニ生体、ダニ糞、ダニ死骸に含まれるダニアレルゲンであるが、花粉粒子自体も花粉アレルゲンであり、その他にカビアレルゲンや犬猫アレルゲンも包含される。アレルゲン除去サービスはアレルゲンを除去するための工程であり、具体的には、床・壁・棚・タンスや家電製品の天板・布団や枕などの寝具など隅々からダストを徹底的に除去する清掃、使用している布団の丸洗い、布団カバーの防ダニ布団カバーへの交換、枕の丸洗い、枕カバーの防ダニ枕カバーへの交換、お客様が日常使用する清掃用モップの新品への交換、お客様が日常使用する空気清浄機のフィルタ部の交換などの作業全般を含む。これらの作業工程を行って除去サービス実施工程が行われる。
また、前記アレルゲン除去サービスの前及び/又は後にお客様建物のハウスダストをサンプリングするサンプリング工程が行われる。通常は、前記アレルゲン除去サービスの前にハウスダストのサンプリングが行われる。清掃する前の段階ではハウスダスト中にかなりの量のアレルゲンが堆積しており、この清掃前のアレルゲン量を測定すれば、お客様が清掃前のアレルゲンによる汚染度を認識することができる。前記アレルゲン除去サービスの後にハウスダストのサンプリングを行っても良い。清掃した後の段階ではハウスダスト中のアレルゲン量はかなり低減しており、清掃後のアレルゲン濃度を知ることによって、お客様がアレルゲン除去サービスの実施効果を認識することができる。勿論、アレルゲン除去サービスの前と後の両段階でサンプリングを行っても構わない。このときには、清掃前と清掃後の両段階でのアレルゲン濃度をお客様は知ることができる。これによって、清掃前の高濃度のアレルゲン汚染が清掃により如何にアレルゲン濃度が低減したかを認識でき、お客様がアレルゲン除去サービスの効果を比較認識することが可能になる。
特に、第1回目のアレルゲン除去サービスでは、アレルゲン低減処理システムを適用する前の初期アレルゲン濃度を知る必要があり、アレルゲン除去サービスを実施する前にサンプリング工程を導入することが必要になる。また特に、第1回目のアレルゲン除去サービスでは、お客様にアレルゲン除去サービスの効果を知って頂く必要があり、アレルゲン除去サービスの前と後の両段階でサンプリングを行い、両サンプリングのアレルゲン濃度を測定して、高濃度の前アレルゲン濃度と低濃度の後アレルゲン濃度を比較することによって、アレルゲン低減システムの実施する意味を感得して頂くこともある。この場合には、アレルゲン除去サービスの当日に簡易測定器により前後のアレルゲン濃度をお客様の前で測定し、情報をその場でお客様に提供することが可能になる。
以上のように、サンプリング工程とは、お客様建物の中のハウスダストを収集することである。
次に、サンプリングされた前記ハウスダストに含有されるアレルゲンのアレルゲン濃度を測定する濃度測定工程が行われる。サンプルに含有されるアレルゲンのアレルゲン濃度を測定することによって、反復されるアレルゲン除去サービスのアレルゲン除去効率が実証される。アレルゲン濃度とは、清掃された屋内の単位面積中のアレルゲン量であり、又はハウスダストから大きなダストを除去して得られたファインダスト(FD)の単位質量当たりのアレルゲン量でも良い。アレルゲン量とは、アレルゲンの質量でも良いし、花粉粒子では花粉粒子の個数である。従って、アレルゲン濃度の単位は、アレルゲンの種類によって異なるが、ng/FDg、μg/FDg、ng/m、μg/m2、個数/m、個数/cm等が用いられる。ここでFDgとはファインダストの1g当たりを意味する。ngは10−9gを意味するナノグラムであり、μgは10−6gを意味するマイクログラムである。濃度測定の精密測定はアレルゲン濃度測定機関によって行われ、本発明のアレルゲン低減処理システムを運営する本部や本部付属の研究所が担当する。簡易キットによる簡易測定の場合には、アレルゲン除去サービスを行う担当者が担当する。
更に、前記アレルゲン濃度を記録媒体に記録する濃度記録工程が行われる。測定されたアレルゲン濃度はコンピュータに付設される記録媒体に記録保存される。記録媒体とは、コンピュータ内蔵のメモリでも良いし、コンピュータに外装されるハードディスクなどの記録媒体でも良い。関係者がこの記録媒体に通信することによって、アレルゲン濃度の経時的な変化を確認でき、アレルゲン低減サービスの有効性を確認することができる。
また、測定されたアレルゲン濃度dが目標とする設定濃度の範囲内に低減しているかどうかの確認が行われる。ダニアレルゲンの場合には、例えばWHO基準における感作レベルである2μg/FDg〜発作レベルである10μg/FDgの範囲に入っているかどうかが判定される。WHO基準は国連機関が定めた基準であり、個人差はあるが、2μg/FDg以上であればアレルギーを感作するレベルであり、10μg/FDg以上であればアレルギーによる喘息発作が生じるレベルとされている。従って、本発明のアレルゲン低減処理により、ダニアレルゲン濃度が2μg/FDg〜10μg/FDgの範囲内にまで低減すれば、お客様は安心といえる。勿論、ダニアレルゲン濃度を2μg/FDg以下を設定範囲とし、この感作レベル以下にまで低減できれば、最も望ましいアレルゲン低減処理であると云える。
花粉アレルゲンについては、花粉一個で発症する人もいるから、感作レベルや発症レベルといったWHO基準の様な医学的基準は現在のところ存在しない。但し、花粉飛散量の多少を判定する気象庁基準が存在する。1cmの面積に一日当たり堆積する花粉粒子個数、即ち個数/cm日の単位で測定され、50個/cm日以上は非常に飛散量が多く、30〜50個/cm日であれば多く、10〜30個/cm日であればやや多く、10個/cm日以下であれば少ないとされている。そこで、本発明のアレルゲン低減処理の設定範囲としては種々に設定できるが、例えば一日当たりで0.1個/cm日以下、月当たりで3個/cm月以下と設定することができる。完全にゼロにすることが困難としても、アレルゲン低減処理の目標範囲を設定範囲とする必要性が有ると考える。
以上のように、アレルゲンの種類によって設定範囲は種々に決めることができる。アレルゲンには、ダニ、花粉、カビ、犬猫など多種類あるから、夫々に応じてアレルゲン低減処理の目標値を定めておくことは重要である。
本発明の第2の形態によれば、担当者がお客様の建物を訪問してアレルゲン除去サービスを実施する除去サービス実施工程と、前記担当者が前記アレルゲン除去サービスの前及び/又は後にお客様建物のハウスダストをサンプリングするサンプリング工程と、サンプリングされた前記ハウスダストに含有されるアレルゲンのアレルゲン濃度を測定する濃度測定工程と、前記アレルゲン濃度を会員データベースに記録する濃度記録工程が行われるアレルゲン低減処理システムが提供される。これらの4工程、即ち除去サービス実施工程と、サンプリング工程と、濃度測定工程と、濃度記録工程の作用効果については、既に第1形態で説明した内容と同様であるから、ここではその詳細は省略する。以下には、第1形態と異なる部分及び追加された工程の作用効果について説明する。
第1形態ではアレルゲン濃度は記録媒体に記録されていたが、第2形態では、記録媒体の具体物として会員データベースに記録される。このアレルゲン低減処理システムを利用するお客様は、全て会員として登録され、その全情報は会員データベースに記録される。従って、会員であるお客様はネットワークから自己情報をいつでも閲覧することが可能になる。お客様毎にIDが設定され、IDを入力することによって、各お客様は自己情報を閲覧できるのである。
また、追加工程として、適時にネットワークを介して担当者端末及び/又はお客様端末から前記会員データベースに通信して前記アレルゲン濃度の経時変化を閲覧する閲覧工程が設けられる。適時にとは、前記4工程の時点とは全く無関係に、閲覧工程が実施されることを意味し、担当者やお客様がネットワークに随時入って会員データベースにアクセスできる。担当者は担当するお客様のお客様情報を閲覧でき、お客様はいつでも自己情報を閲覧できる。この情報の一つとしてアレルゲン濃度が有る。従って、担当者及び/又はお客様は、適時に、ネットワークを介して担当者端末及び/又はお客様端末から前記会員データベースに通信でき、アレルゲン濃度の経時変化を閲覧することができる。実施されているアレルゲン低減処理システムの有効性を確認するために必要な閲覧工程である。
この様に、本第2形態のアレルゲン低減処理システムは、前記アレルゲン濃度を確認しながら前記お客様建物のアレルゲンを低減させるアレルゲン低減処理システムである。
本発明の第3の形態によれば、本部が運営するアレルゲン低減処理システムで、本部が契約したお客様の建物に潜在するアレルゲンを次第に低減させるアレルゲン低減処理システムを提供できる。この様に、第3形態では、本部がアレルゲン低減処理システムを運営し、お客様が会員になるためには本部と契約をする必要がある。この契約会員に対して会員データベースを組織し、本部は責任を持ってアレルゲン低減処理システムを運営実行するのである。
そのために、本部が管理するサーバーと、サーバーに接続されたお客様情報を記録する会員データベースと、担当者の担当者端末と、お客様のお客様端末がネットワークを介して接続される。ネットワークを介することにより、本部とお客様と担当者とは、会員データベースを共有し、いつでもネットワークに通信することにより会員データベースにいつでもアクセスすることが可能になる。
本発明の第3の形態によれば、担当者がお客様の建物を訪問してアレルゲン除去サービスを実施する除去サービス実施工程と、前記担当者が前記アレルゲン除去サービスの前及び/又は後にお客様建物のハウスダストをサンプリングするサンプリング工程と、サンプリングされた前記ハウスダストに含有されるアレルゲンのアレルゲン濃度を測定する濃度測定工程と、前記アレルゲン濃度を会員データベースに記録する濃度記録工程が行われるアレルゲン低減処理システムが提供される。これらの4工程、即ち除去サービス実施工程と、サンプリング工程と、濃度測定工程と、濃度記録工程と、反復工程の作用効果については、既に第1形態で説明した内容と同様であるから、ここではその詳細は省略する。
更に、適時に担当者端末及び/又はお客様端末からネットワークを介してサーバーに通信し会員データベースから前記アレルゲン濃度の経時変化を閲覧する閲覧工程を有する点の作用効果については、第2形態において詳細に説明した内容と同様であるから、ここではその説明を省略する。
本発明の第4の形態によれば、本部が運営するアレルゲン低減処理システムに加盟店が属し、本部及び/又は加盟店が契約したお客様の建物に潜在するアレルゲンを次第に低減させるアレルゲン低減処理システムが提供される。本部がアレルゲン低減処理システムを運営し、この事業に関し本部はフランチャイズシステムを構築し、このアレルゲン低減処理システム事業を実行する加盟店を募集して、多くの加盟店が参加して本部を中心とするアレルゲン低減処理システム事業を構築する。
本部が管理するサーバーと、サーバーに接続されたお客様情報を記録する会員データベースと、加盟店の担当者端末と、お客様のお客様端末がネットワークを介して接続される。お客様を訪問してアレルゲン低減処理を実行する担当者は加盟店の担当者であり、本部は多くの加盟店の中心となって会員データベースの管理や、本部と加盟店の相互間の運営事業に専心する。また、本部と加盟店とお客様の間にネットワークを構築し、三者間の相互通信連携システムを実現する。三者はネットワークとサーバーを介して会員データベースに通信できるようになる。会員データベースには、アレルゲン低減処理システムに関する会員の全ての情報が蓄積され、会員には個別のIDが付けられ、IDを特定することによって会員データベースの会員情報に到達することができる。
また、本発明の第4の形態によれば、担当者がお客様の建物を訪問してアレルゲン除去サービスを実施する除去サービス実施工程と、前記担当者が前記アレルゲン除去サービスの前及び/又は後にお客様建物のハウスダストをサンプリングするサンプリング工程と、サンプリングされた前記ハウスダストに含有されるアレルゲンのアレルゲン濃度を測定する濃度測定工程と、前記アレルゲン濃度を会員データベースに記録する濃度記録工程が行われるアレルゲン低減処理システムが提供される。これらの4工程、即ち除去サービス実施工程と、サンプリング工程と、濃度測定工程と、濃度記録工程の作用効果については、既に第1形態で説明した内容と同様であるから、ここではその詳細は省略する。
更に、適時に加盟店担当者端末及び/又はお客様端末からネットワークを介してサーバーに通信し会員データベースから前記アレルゲン濃度の経時変化を閲覧する閲覧工程を有する点の作用効果については、担当者が加盟店担当者に替わるだけで、第2形態において詳細に説明した内容と同様であるから、ここではその説明を省略する。
本発明の第5形態によれば、前記除去サービス実施工程と前記サンプリング工程と前記濃度測定工程と前記濃度記録工程を経時的に繰り返す反復工程が付加されるアレルゲン低減処理システムが提供でき、前述した第1形態〜第4形態のいずれにも付加することができる。
一回のアレルゲン低減処理により前記設定範囲内にすることが困難でも、反復することにより設定範囲内にまで低減させることは可能である。前記4工程は一回のアレルゲン低減処理を意味しており、このアレルゲン低減処理を定期的又は非定期的に、即ち経時的に反復してお客様建物のアレルゲン濃度を次第に低減させるのである。まず、前記4工程からなる一回のアレルゲン低減処理を実施しただけで、お客様建物のアレルゲン濃度はかなり低減する。このアレルゲン低減処理システムでは、アレルゲン濃度が漠然と低下すればよいとは考えておらず、到達目標としてアレルゲン濃度の設定範囲を設ける。アレルゲン濃度が前記設定範囲に入った段階で到達目標を達成したことになる。しかし、設定範囲に入った段階でアレルゲン低減処理を止めると次第にアレルゲン濃度は増加する。そこで、アレルゲン濃度が設定範囲に入り、その状態を維持するためにも反復工程が実施される。従って、反復工程には二つの役割が有る。第1の役割は、アレルゲン濃度が高い値から設定範囲に入るまでの反復工程である。第2の役割は、設定範囲に入ったアレルゲン濃度を持続するための反復工程である。
この様に、本第5形態のアレルゲン低減処理システムは、反復することによって前記アレルゲン濃度を確認しながら前記お客様建物のアレルゲンを低減させるアレルゲン低減処理システムである。
本発明の第6形態によれば、アレルゲン除去サービスを最初に実施する第1回目の除去サービス実施工程の前に、初回訪問工程が設けられるアレルゲン低減処理システムが提供される。契約後に初めて行う除去サービス実施工程が第1回目の除去サービス実施工程である。その前に、お試しとして、初回訪問工程が設けられる。初回訪問をして、アレルゲン濃度の測定によりお客様建物内のアレルゲン濃度がかなり高いことを知り、アレルギー症を克服するためにはお客様建物内のアレルゲン低減処理が必要であることを知った上で、お客様は実質的な契約を行う場合が多いと考えられる。また、アレルゲン低減処理を行っていない未処理状態のアレルゲン濃度を測定しておくことも必要である。即ち、アレルゲン濃度の出発値を記録しておくことは重要である。従って、お試しとしての初回訪問工程は、初回サンプリング工程と、初回濃度測定工程と、初回濃度報知工程から構成される。
お客様建物からハウスダストを初回サンプリングする初回サンプリング工程では、アレルゲン除去サービスを実施する前のお客様建物のアレルゲン濃度を測定するために行われる。この際に、従来使用している布団を布団丸洗いに出し、一時的にアレルゲン除去された布団を貸し出し、また防ダニ加工された防ダニ布団カバーで前記貸与布団をカバーして使用してもらう等のサービスも付加的に行っても良い。寝室の布団にダニアレルゲンが集中していることが多いからである。
次に、初回サンプリングされた前記ハウスダストに含有されるアレルゲンの初回アレルゲン濃度を測定する初回濃度測定工程が設けられる。初回ハウスダストにはダニアレルゲン等のアレルゲンが高濃度に堆積している可能性がある。この初回濃度測定工程は、初回訪問時にお客様建物の中でお客様が見ているその場で担当者が行うことが望ましい。その場で濃度測定を行うため、簡易測定法が採用される。簡易測定法は後述するように厳密な測定では無いが、お客様建物のアレルゲン汚染の概要を知ることはできる。例えば、アレルゲンがダニアレルゲンの簡易測定法の場合には、販売されている商品名としてダニスキャン(アサヒアンドヘルスケア株式会社製)、マイティチェッカー(住化エンビロサイエンス株式会社製)が存在する。担当者によりその場で短時間に測定が可能な簡易精密測定法も初回濃度測定に使用できることは云うまでもない。
更に、初回訪問時にその場で測定された初回アレルゲン濃度をお客様に知らせる初回濃度報知工程が含まれる。この初回濃度報知工程により、お客様は初回訪問時にお客様建物の初回アレルゲン濃度を知ることができる。我が家のアレルゲン濃度がかなり高濃度であることを知ると、お客様は本発明に係るアレルゲン低減処理システムの実施を契約する可能性が有り、契約するかどうかに関するお客様の判断材料にもなる。しかも、アレルゲン低減処理を全く実施していない段階で、アレルゲン濃度の出発値、即ち初期値を記録することは、今後のアレルゲン低減処理にとって有効である。
本発明の第7の形態によれば、前記初回訪問工程に初回アレルゲン除去サービスを実施する初回除去サービス実施工程が付加される。単に初回訪問時にハウスダストを初回サンプリングして初回アレルゲン濃度を測定するだけでなく、初回アレルゲン除去サービスも実施して、本発明のアレルゲン除去サービスの効果を知ってもらい、本発明のアレルゲン低減処理システムを契約するかどうかの判断の基礎としてもらうためである。
従って、前記初回サンプリング工程は、初回アレルゲン除去サービスを実施する前の初回前サンプリング工程と、初回除去サービス実施工程と、初回除去サービスを実施した後の初回後サンプリング工程からなる。これに対応して前記初回濃度測定工程も初回前サンプリング工程と初回後サンプリング工程によりサンプリングされた二つのハウスダストについて実施される。この濃度測定工程も、初回訪問時にお客様建物の内部で、お客様が見ているその場で実施することが必要であるので、簡易測定法を用いて担当者がその場で実施することが要請される。初回前ハウスダストのアレルゲン濃度は初回前アレルゲン濃度と称され、初回後ハウスダストのアレルゲン濃度は初回後アレルゲン濃度と称される。初回アレルゲン除去サービスを実施する前後のアレルゲン濃度を知ることにより、お客様はアレルゲン除去サービスの必要性を知悉することができる。一般的に言って、初回前アレルゲン濃度はかなり高く、初回後アレルゲン濃度はかなり低くなり、お客様が行う本発明のアレルゲン低減処理システムの契約に客観的な証拠を与えることができる。初回前アレルゲン濃度と初回後アレルゲン濃度の両者が契約前にお客様に通知されると、お客様の契約の強い動機づけになり、お客様の契約促進に効果的である。
本発明の第8の形態によれば、除去サービス実施工程と次回の除去サービス実施工程の間に、お客様建物内部をモップや掃除機などにより清掃し、お客様建物内部の空気を空気清浄機により清浄化し、丸洗いした寝具を使用し、防ダニカバーを設置し、のいずれか一つ以上をお客様自身が日常的に行うアレルゲン低減処理システムが提供される。前記丸洗い寝具を使用しとは、丸洗いした布団、丸洗いしたベッド、丸洗いした枕の一つ以上を使用することである。また、防ダニカバーの設置とは、防ダニ布団カバー、ベッドの防ダニシーツ、防ダニ枕カバーの一つ以上を設置使用することである。本発明に係るアレルゲン低減処理システムは本格的なアレルゲン低減処理システムであり、お客様に対して定期的に実施されることが通常である。アレルゲン低減処理を定期的に行えば、お客様建物の内部のアレルゲン濃度は確実に低下する。しかし、第n回目のアレルゲン除去サービスと第n+1回目のアレルゲン除去サービス(n≧1)の間の中間期間中に、お客様建物にアレルゲンが堆積する可能性が大いにある。そこで、その中間期間には、お客様自身がお客様建物内部を清浄化する必要が生じ、このお客様ご自身の清浄化作業により、お客様建物のアレルゲン濃度を低減状態に保持することができる。モップ清掃による建物内部の表面のアレルゲン除去、空気清浄器による建物内部の空気中のアレルゲン除去、また寝具のアレルゲン除去のいずれか一つ以上を継続的に行えば、アレルゲン濃度の低減と低減状態の維持が確実に達成できる。
本発明の第9の形態によれば、前記お客様が医師から紹介されたお客様であり、適時に医師端末から前記ネットワークを介して前記サーバーに通信し前記会員データベースから紹介された前記お客様に関する前記アレルゲン濃度の経時変化を閲覧する医師閲覧工程が含まれるアレルゲン低減処理システムが提供できる。アレルギー症に悩むお客様は、病院で治療を受けているのが通例である。医師は主として治療を行い、家庭内のアレルゲン低減に関してはアドバイスを行うが、アレルゲン低減処理を行うことは皆無である。そこで、医師からアレルギー症に悩むお客様を紹介してもらった場合に、医師が適時に会員データベースに通信してお客様のアレルゲン濃度の経時変化を観察できるようにしておく必要がある。そのため、この第9形態では、医師端末もネットワークに接続され、医師端末からネットワークを介してサーバーに通信し、会員データベースに入ってお客様情報にアクセスできるように設定される。
本発明の第10の形態によれば、前記アレルゲンは、ダニアレルゲン、花粉粒子である花粉アレルゲン、カビアレルゲン、犬猫アレルゲンの一種以上であるアレルゲン低減処理システムが提供される。本発明は、ハウスダストに含まれるアレルゲンを低減するアレルゲン低減処理システムである。従って、対象となるアレルゲンはハウスダスト中に含まれるハウスダストアレルゲンである。
一般的に、ハウスダストアレルゲンの約70%はダニ生体とダニ死骸とダニ糞からなるダニアレルゲンだと云われている。ダニアレルゲンは糞由来のDer1と虫体由来のDer2に分かれる。Der1もヤケヒョウヒダニのDerp1とコナヒョウヒダニのDerf1に分かれ、同様にDer2もヤケヒョウヒダニのDerp2とコナヒョウヒダニのDerf2に分かれている。そこで、本発明において精密測定のダニアレルゲン濃度はDer1を測定して為される。ダニアレルゲンを低減するには、こまめな清掃によりハウスダストを低減させることである。
花粉アレルゲンはスギ花粉、ヒノキ花粉、カモガヤ花粉、ブタクサ花粉などたくさん存在し、花粉粒子自体が花粉アレルゲンと考えられる。花粉の種類によって発生時期が異なり、季節性花粉アレルゲンから通年性花粉アレルゲンまで広く存在する。花粉アレルゲンを低減するには、花粉を建物内に侵入させない努力と、こまめな清掃によりハウスダストを低減させる以外にない。
カビアレルゲンはカビ自体であり、カビアレルギーを真菌アレルギーとも呼んでいる。カビには、グラドスポリウム、スファエロスパーマム、ペリニシリウム、アスペルギルス、アルテルナリア、カンジダ、マラセチア等が有り、条件により大量発生する。カビ粒子を吸引したり、カビと皮膚接触したりすることにより発症する。カビアレルゲンを低減するには、建物内の湿度を制御する努力と、こまめな清掃によりハウスダストを低減させる方法が最善である。
犬アレルギーとは、第1に犬そのものにより起こるアレルギーと、第2に犬のフケを餌として繁殖するヒョウヒダニによって起こるアレルギーである。従って、犬アレルゲンとは犬のフケであり、こまめな清掃と犬の洗浄により犬のフケと毛をハウスダストとして回収低減させる方法が最善である。
猫アレルゲンとは、体毛、皮屑(皮膚のクズのことで、人間でいえばフケ、垢のようなもの)、唾液、尿の4種類である。唾液と尿は雑巾で拭きとることによって解決する。問題なのは体毛、皮屑であり、これらはハウスダストとして回収できるため、猫アレルゲンを低減するには、こまめな清掃によりハウスダストを低減させる方法が最善である。
以上から、第10形態に掲げた各種アレルゲンは、ハウスダストとして回収でき、回収しないままにしておくと、アレルギーを引き起こす可能性が有る。従って、これらの各種アレルゲンは本発明のアレルゲン低減処理システムにより効率的に低減させることができる。
本発明の第11の形態によれば、前記濃度測定工程における前記アレルゲン濃度の測定が簡易測定法によって実施され、しかも前記簡易測定法の実施が前記ハウスダストをサンプリングした当日にお客様建物の内部で行われ、その当日に前記アレルゲン濃度をお客様に提示するアレルゲン低減処理システムが提供される。簡易測定法は担当者がその日にその場で濃度測定ができ、アレルゲン濃度をお客様にその場で直ちに呈示できる点に特徴がある。アレルゲンがダニアレルゲンの場合には、簡易測定法として、販売されている商品名としてダニスキャン(アサヒアンドヘルスケア株式会社製)、マイティチェッカー(住化エンビロサイエンス株式会社製)が存在する。ダニアレルギーとダニアレルゲン濃度との関係に関してWHO基準が存在する。具体的には、2μg/FDg以上ではアレルギーを感作(感じる)する感作レベル、10μg/FDg以上ではアレルギー発作(発症)を生じる発作レベル(発症レベル)である。
そこで、ダニスキャンはダニアレルゲン濃度を濃度1〜濃度4の4段階で測定できる。濃度4は非常汚染濃度、濃度3は中汚染濃度、濃度2は軽汚染濃度、濃度1はダニ汚染測定限度以下である。本発明システムによりアレルゲン濃度を最低限でも軽汚染濃度以下に低減することが必要であり、濃度1まで低減できれば最も好ましい。
また、マイティチェッカーもダニアレルゲン濃度を濃度1〜濃度4の4段階で測定できる。濃度4は非常汚染濃度、濃度3は中汚染濃度、濃度2は軽汚染濃度、濃度1はダニ汚染測定限度以下である。マイティチェッカーでは、濃度1〜濃度2が低減目標であり、濃度1まで低減できれば最も好ましい。
また、別のアレルゲンとして花粉アレルゲンの測定法を取り上げる。花粉アレルゲン濃度を飛散堆積した花粉個数濃度で判断する場合には、簡易測定法と精密測定法の区別は無い。花粉個数濃度の測定は、1日当たり単位面積に落下する花粉粒子を受けて、花粉個数を計測するだけである。従って、1日当たりの時間を要するから、その場で短時間に計測することはできない。
花粉アレルゲンの本体は花粉粒子に含まれるCryj1、Cryj2等の特定タンパク質と考えられるが、最も単純には花粉粒子そのものが花粉アレルゲンと考えても間違いが無い。この考え方では、花粉アレルゲン濃度は、単位時間に単位面積に堆積した花粉粒子の個数で定義される。従って、花粉アレルゲン濃度の単位は、個数/cm日や個数/cm週や個数/cm月などで与えられる。前述したように、ダニアレルゲンでは感作レベルや発作レベルのダニアレルゲン濃度がWHO基準で定められている。他方、花粉アレルゲンでは感作レベルや発作レベルのダニアレルゲン濃度は定義されていない。その理由は、スギ花粉の放出が多い日でも発作が起こる人もあれば、全く発作が起こらない人もいる。1個の花粉粒子で発作が起こる人もあれば、100個の花粉粒子で発作が初めて起こる人もいるからである。
一方、花粉飛散の多い時期に花粉アレルギー発症も多いことから、気象庁は花粉飛散の多少のランク基準を示している。そのランク基準は、個数/cm日の単位で、0〜9個は少ない、10〜29個はやや多い、30〜49個は多い、50個以上は非常に多い、である。花粉採集器として、ダーラム型花粉採集器が日本で最も普及している重力法採集器である。花粉が風によって運ばれ、スライドガラスに自然に落下したところを採集する。他にはロータリー型花粉採集器、バーカード型花粉採集器、カスケードインパクター、パーソナルエアサンプラー、ロトロッドサンプラー等が有る。ワセリンを塗ったスライドガラスを採集器にセットし、24時間後に回収し、カルベラ液により染色して顕微鏡検査を行う。
以上の様な方法では、担当者がアレルゲン低減処理を行う日に直ぐに実施して結果をお客様に報告できないから、1日以上の後日に花粉アレルゲン濃度をお客様に報告することになる。
しかし、1時間や2時間程度の短時間で花粉をスライドガラス上に捕集できる場合には、個数/cm時間の単位で花粉個数濃度を花粉アレルゲン濃度としてお客様にその場で報告することができる。
本発明の第12の形態によれば、前記サンプリング工程によりサンプリングされた前記ハウスダストを持ち帰り、前記サンプリングの実施日より後日に、前記濃度測定工程における前記アレルゲン濃度の測定が精密測定法によって実施されるアレルゲン低減処理システムを提供できる。精密測定法は専門家で無ければ測定が困難であり、お客様の建物の中でお客様に測定値を提示することは困難である。従って、精密測定法は専門的なアレルゲン濃度測定機関を必要とし、アレルゲン低減処理システムを統括する本部の研究所や外部の専門機関が担当することになる。従って、サンプリングされたハウスダストは後日にアレルゲン濃度測定機関に渡され、アレルゲン濃度の精密測定を行って、会員データベースに入力されることになる。会員データベースはネットワークを介して関係者に共有され、関係者は会員情報として精密測定されたアレルゲン濃度の変化をいつでも閲覧することができる。
アレルゲン濃度の精密測定法としてELISA法が使用される。ELISA法は酵素結合免疫吸着法と訳される公知の測定法であり、抗原抗体反応を利用して採集されたハウスダスト中のアレルゲン抗原をその抗体と結合させてアレルゲン抗原量を精密に計測して、ファインダスト1g中のアレルゲン量をngで導出し、アレルゲン濃度をng/FDgで計測するものである。今、ダニアレルゲン濃度のELISA法による測定手順の大枠を説明する。
一例として、まず寝室の面積1mからハウスダストを徹底的に掃除機で集め、掃除機の紙パックからハウスダストをシャーレに丁寧にかき出す。このハウスダストを目開き300μmの篩にかけ、25分間振動させて荒ゴミの塊を細かく解す。このハウスダストから荒ゴミを分離してファインダストだけにする。このファインダスト10mgを採集して抽出液1mlを注入し、一晩静置する。この抽出液1mlに含まれるダニアレルゲン抗原であるDer1抗原をELISA法によりDer1抗体と反応させて発色させ、Der1抗原の質量をng単位で測定する。ELISA法の手順は公知であり、その詳細は省略する。ファインダスト10mg中のDer1抗原の質量がng単位で測定されるから、ファインダスト1g中のDer1の質量がng単位で測定されることになる。従って、ダニアレルゲン濃度がng/FDg単位で計測される。
図1は、本発明に係るアレルゲン低減処理システムの第1実施形態のブロック図で、お客様建物と担当者と病院とアレルゲン濃度測定機関との相互関係が示される。 図2は、本発明に係るアレルゲン低減処理システムの第2実施形態のブロック図で、お客様建物と担当者と病院とアレルゲン濃度測定機関と会員データベースの相互関係が示される。 図3は、本発明に係るアレルゲン低減処理システムの第3実施形態のブロック図で、本部が運営するアレルゲン低減処理システムであり、お客様建物と担当者と病院とアレルゲン濃度測定機関と会員データベースの相互関係が示される。 図4は、本発明に係るアレルゲン低減処理システムの第4実施形態のブロック図で、本部が運営するアレルゲン低減処理システムに加盟店が所属し、お客様建物と加盟店と病院とアレルゲン濃度測定機関と会員データベースの相互関係が示される。 図5は、本発明に係るアレルゲン低減処理システムの第1実施形態のフロー図で、そのブロック図の一部が併示されている。 図6は、本発明に係るアレルゲン低減処理システムの第2実施形態のフロー図で、そのブロック図の一部が併示されている。 図7は、本発明に係るアレルゲン低減処理システムの第3実施形態のフロー図で、そのブロック図の一部が併示されている。 図8は、本発明に係るアレルゲン低減処理システムの第4実施形態のフロー図で、本部が運営するアレルゲン低減処理システムに加盟店が所属するもので、そのブロック図の一部が併示されている。 図9は、本発明に係るアレルゲン低減処理システムの第5実施形態のフロー図で、第4実施形態に医師閲覧工程が追加されており、そのブロック図の一部も併示されている。 図10は、本発明に係るアレルゲン低減処理システムの第6実施形態のフロー図で、第5実施形態に初回訪問工程が追加されており、そのブロック図の一部も併示されている。 図11は、本発明を用いて花粉アレルゲンに対しアレルゲン低減処理を行った実施例2において、お客様建物の平面図である。 図12は、本発明の第2実施例において、未処理状態の5月と低減処理を行った6月の花粉アレルゲン濃度(花粉個数濃度)の測定図である。 図13は、本発明の第2実施例において、図12に示される5月と6月の花粉アレルゲン濃度を同一図に描いた測定図である。 図14は、本発明の第2実施例において、5月観察結果と6月観察結果の説明図である。
以下において、本発明に係るアレルゲン低減処理システムの実施形態を添付図面に従って詳細に説明する。
図1は、本発明に係るアレルゲン低減処理システムの第1実施形態のブロック図で、お客様建物10と担当者22と病院30とアレルゲン濃度測定機関40との相互関係が示される。お客様建物10とは、家庭の場合には住居であるが、事業所の場合には事業用建物を意味する。お客様建物10の中にはお客様12が居住され、お客様端末14を有している。お客様12は家庭人の場合と事業者の場合がある。病院30では医師32が医師端末34を操作しながら、医療行為を行っている。お客様12がアレルギー疾患を有している場合に、病院30に通院して医師32の治療を受けている。
今、第1実施形態に示されたアレルゲン低減処理システムが事業として行われており、当該事業の担当者22が担当者端末24を操作して事業運営に当たっている。アレルゲン濃度測定機関40にはアレルゲン濃度の測定者42と測定者端末44が備えられ、記録媒体46にアレルゲン濃度などの情報が記録されている。アレルゲン濃度測定機関40は事業運営体に所属する機関であっても良いし、独立した測定サービス団体であっても構わない。
図中、A1〜A3は人と人の間の対応矢印、A4〜A9は端末間の通信矢印を示している。担当者22は各種の病院を訪問して、医師と面接してアレルギー症に困っている患者さんを紹介してもらっている。患者さんであるお客様12はアレルギー症に悩み、日頃から病院30に通院して対応矢印A1のように医師32の治療を受けている。医師32から担当者22に患者さんであるお客様12の紹介が有り、対応矢印A2で示すように、担当者22はお客様12を訪問し、お客様建物10に対しアレルゲン低減処理を行うことになる。担当者22は、お客様建物10に対しアレルゲン低減処理を行い、ハウスダストをサンプルとして持ち帰り、対応矢印A3に示すように、サンプルをアレルゲン濃度測定機関40に送付する。測定者42はサンプルを分析してアレルゲン濃度を導出する。測定者端末44から記録媒体46にアレルゲン濃度を記録して行く。
このように、何回もアレルゲン低減処理が行われるに従って、記録媒体46にはお客様の毎回のアレルゲン濃度が記録され、アレルゲン低減処理によるアレルゲン濃度の時間変化の詳細が明瞭になる。アレルゲン低減処理を反復することによってアレルゲン濃度を目標とする設定範囲内にまで低減させるのである。アレルゲン低減処理の方法、例えば徹底的なハウスダストの収集、布団の丸洗いと防ダニ処理、枕カバーの洗いと防ダニ処理、お客様が普段の掃除を行うモップの種類選択、空気清浄機の使用等のように、アレルゲン濃度の低減変化を観察することによってより細かなアレルゲン低減処理を行うことが可能になる。お客様12と担当者22と医師32と測定者42の間には、通信矢印A4、A5、A6、A8、A9で示されるように、お客様12に関するアレルゲン濃度の情報が記録媒体46により相互に共有される。毎回のアレルゲン低減処理により、お客様建物10のアレルゲン濃度は次第に低減する。従って、お客様12は医師による治療によりアレルギー症が改善すると共に、本発明のアレルゲン低減処理によるアレルゲンフリーな生活をお客様建物10の内部で送ることができるようになる。
図2は、本発明に係るアレルゲン低減処理システムの第2実施形態のブロック図で、お客様建物10と担当者22と病院30とアレルゲン濃度測定機関40と会員データベース50の相互関係が示される。図2の中で図1と同一符号は同一部分を示しているから、その詳細な説明を省略し、ここでは異なった符号について説明する。
この第2実施形態では、お客様建物10と担当者22と病院30とアレルゲン濃度測定機関40とはネットワーク60を介して相互通信できるように構成され、お客様情報の全ては会員データベース50に記録されている。会員データベース50にはサーバー52を介して通信することができる。測定されたアレルゲン濃度dは測定者端末44から通信矢印A10により会員データベース50に記録される。勿論、アレルゲン濃度dは測定者端末44からネットトワーク60を介してサーバー52に会員データベース50に記録するように構成することも可能である。お客様12と担当者22と医師32は夫々の通信矢印A11、A12、A13によりネットワーク60に通信し、通信矢印A14でサーバー52に入り、通信矢印A15により会員データベース50に入ってアレルゲン濃度dを含む会員情報を閲覧することが可能である。ネットワーク60としては、インターネットでも良いが、外部と遮断されたイントラネットでも良いことは云うまでもない。関係者全員にIDが付され、会員データベース50に入るときには前記IDにより入ることができ、他人が会員データベース50に入れないように会員情報は保護されている。
図3は、本発明に係るアレルゲン低減処理システムの第3実施形態のブロック図で、本部80が運営するアレルゲン低減処理システムであり、お客様建物10と担当者22と病院30とアレルゲン濃度測定機関40と会員データベース50の相互関係が示される。図3の中で図1及び図2と同一符号は同一部分を示しているから、その詳細な説明を省略し、ここでは異なった符号及び異なった構成について説明する。
この第3実施形態では、本部80がアレルゲン低減処理システムを運営し、担当者22は基本的に本部80に所属している。換言すれば、本部が直営店方式で本発明のアレルゲン低減処理システムを運営することを示している。しかし、後述する加盟店方式を取る場合でも、加盟店担当者の研修や加盟店を希望する人たちのお試し研修として利用する場合には、担当者22はそれらの研修員又はお試し研修員であると考える。この場合には、アレルゲン濃度測定機関40と会員データベース50とサーバー52は本部80に属する。ネットワーク60を徹底的に利用するために、アレルゲン濃度dは測定者42が測定者端末44から通信矢印A16によりネットワーク60に入り、通信矢印A14とサーバー52と通信矢印A15によりアレルゲン濃度dは会員データベース50に記録される。
図4は、本発明に係るアレルゲン低減処理システムの第4実施形態のブロック図で、本部80が運営するアレルゲン低減処理システムに加盟店70が所属し、お客様建物10と加盟店70と病院30とアレルゲン濃度測定機関40と会員データベース50の相互関係が示されている。図4の中で図1、図2及び図3と同一符号は同一部分を示しているから、その詳細な説明を省略し、ここでは異なった符号及び異なった構成について説明する。
本部80は本発明のアレルゲン低減処理システムを事業構成するために、加盟店70によるフランチャイズシステムを構成し、複数の加盟店70がこの事業を実行し、本部80はそれらの加盟店70の中核となり、必要物資の供給と加盟店70の教育研修に当たる。加盟店70には加盟店担当者72と加盟店担当者端末74が配置される。加盟店担当者72は病院30を訪問し、医師32が対応矢印A1により治療しているアレルギー症に悩む患者であるお客様12を紹介してもらう。加盟店担当者72はお客様12を訪問し、お客様建物10のアレルゲン低減処理システムの契約をお客様12と締結する。そして、加盟店担当者72が対応矢印A2で示されるアレルゲン低減処理を反復的に実施する。加盟店担当者72はアレルゲン低減サービスによりサンプリングしたハウスダストのサンプルをアレルゲン濃度測定機関40に送付する。測定者42はアレルゲン濃度を測定し、測定者端末44により、ネットワーク60を介して会員データベース50にアレルゲン濃度dを記録して行く。
図5は、本発明に係るアレルゲン低減処理システムの第1実施形態のフロー図で、そのブロック図の一部が併示されている。第1実施形態は図1に示されており、図5は図1で示されたブロック構成のフロー図である。
ステップS3はアレルゲンのサンプリング工程を示し、アレルゲン除去サービスを実施する前状態の建物内のアレルゲン濃度を測定するためにハウスダストのサンプリングが行われる。前述したように、サンプリングはアレルゲン除去サービスを実施する前に及び/又は後に実施されるのであるが、このフローでは実施前にサンプリングがされる通常のケースが示される。特に、第1回のアレルゲン除去サービスでは、建物のアレルゲン濃度の初期値を測定する必要があり、そのためにサンプリングが清掃前に実施される。
ステップS4はアレルゲンの除去サービス実施工程を示し、お客様の建物を訪問してアレルゲン除去サービスを実施する。具体的には、床・壁・棚・タンスや家電製品の天板・布団や枕などの寝具など隅々からダストを徹底的に除去する清掃、使用している布団の丸洗い、布団カバーの防ダニ布団カバーへの交換、枕の丸洗い、枕カバーの防ダニ枕カバーへの交換、お客様が使用する日常使用する清掃用モップの新品への交換、お客様が使用する日常使用する空気清浄機のフィルタ部の交換などの作業全般を含む。これらの作業工程を行って除去サービス実施工程が行われる。
ステップS5は、サンプリングされた前記ハウスダストに含有されるアレルゲンのアレルゲン濃度を測定する濃度測定工程である。サンプルに含有されるアレルゲンのアレルゲン濃度を測定することによって、反復されるアレルゲン除去サービスのアレルゲン除去効率が実証される。アレルゲン濃度の単位は、アレルゲンの種類によって異なるが、ng/FDg、μg/FDg、ng/m、μg/m2、個数/m、個数/cm等が用いられる。ここでFDgとはファインダストの1g当たりを意味する。ngは10−9gを意味するナノグラムであり、μgは10−6gを意味するマイクログラムである。濃度測定の精密測定はアレルゲン濃度測定機関によって行われ、本発明のアレルゲン低減処理システムを運営する本部や本部付属の研究所が担当する。簡易キットによる簡易測定の場合には、アレルゲン除去サービスを行う担当者が担当する。
ステップS6では、測定された前記アレルゲン濃度を記録媒体に記録する濃度記録工程が行われる。測定されたアレルゲン濃度はコンピュータ44に付設される記録媒体46に記録保存される。記録媒体とは、コンピュータ内蔵のメモリでも良いし、コンピュータに外装されるハードディスクなどの記録媒体でも良い。関係者がこの記録媒体に通信することによって、アレルゲン濃度の経時的な変化を確認でき、アレルゲン低減サービスの有効性を確認することができる。
ステップS7は、お客様建物内のアレルゲン濃度が設定範囲内に低減したかどうかを確認する濃度確認工程である。この濃度確認工程では、測定されたアレルゲン濃度dが目標とする設定濃度の範囲内に低減しているかどうかの確認が行われる。ダニアレルゲンの場合には、例えばWHO基準である感作レベルである2μg/FDg〜発作レベルである10μg/FDgの範囲に入っているかどうかが判定される。アレルゲン低減処理により、ダニアレルゲン濃度が2μg/FDg〜10μg/FDgの範囲内にまで低減すれば、お客様は安心といえる。
花粉アレルゲンについては、花粉一個で発症する人もいるから、感作レベルや発症レベルといったWHO基準の様な医学的基準は現在のところ存在しない。花粉のアレルゲン低減処理の設定範囲としては種々に設定できるが、例えば一日当たりで0.1個/cm日以下、月当たりで3個/cm月以下と設定することができる。完全にゼロにすることが困難としても、アレルゲン低減処理の目標範囲を設定範囲とする必要性が有ると考える。
以上のように、アレルゲンの種類によって設定範囲は種々に決めることができる。アレルゲンには、ダニ、花粉、カビ、犬猫など多種類あるから、夫々に応じてアレルゲン低減処理の目標値を定めておくことは必要である。
ステップS8はアレルゲン濃度が前記設定範囲内に低減したかどうかが判別され、反復工程S10を行うかどうかが判別される。第1回目のアレルゲン低減処理では、この1回の処理で設定範囲内に入る場合もあれば、設定範囲内に入ることが難しい場合もある。従って、設定範囲内に入っていなければ、更に継続的なアレルゲン低減処理が必要であり、反復工程S10に入る。
ステップS9はアレルゲン濃度が設定範囲内であっても、設定範囲内を維持するために反復工程を行うかどうかが判別される。設定範囲内に入っていても、この段階でアレルゲン低減処理を止めてしまうと、アレルゲン濃度が設定範囲外に高くなってしまうからである。
ステップS10は、ステップS8で「N」判定、又はステップS9で「Y」判定の場合に実施される反復工程である。この反復工程S10では、前記サンプリング工程S3と前記除去サービス実施工程S4と前記濃度測定工程S5と前記濃度記録工程S6を経時的に繰り返し実施する。一回のアレルゲン低減処理により前記設定範囲内にすることが困難でも、反復することにより設定範囲内にまで低減させることが重要である。前記4工程は一回のアレルゲン低減処理を意味しており、このアレルゲン低減処理を定期的又は非定期的に、即ち経時的に反復してお客様建物のアレルゲン濃度を次第に低減させるのである。まず、前記4工程からなる一回のアレルゲン低減処理を実施しただけで、お客様建物のアレルゲン濃度はかなり低減する。このアレルゲン低減処理システムでは、アレルゲン濃度が漠然と低下すればよいとは考えておらず、到達目標としてアレルゲン濃度の設定範囲を設けている。この反復工程には二つの役割が有る。第1の役割は、アレルゲン濃度が高い値から設定範囲に入るまでの反復工程である。第2の役割は、設定範囲に入ったアレルゲン濃度を持続するための反復工程である。
図6は、本発明に係るアレルゲン低減処理システムの第2実施形態のフロー図で、そのブロック図の一部が併示されている。
第2実施形態は図2に示されており、図6は図2で示されたブロック構成のフロー図である。ステップS13はサンプリング工程、ステップS14は除去サービス実施工程、ステップS15は濃度測定工程、ステップS16は濃度記録工程、ステップS17は濃度確認工程、ステップS18は設定範囲内かどうかの判別工程、ステップS19は設定範囲を維持するかどうかの判別工程、ステップS20は反復工程である。これらのステップS13〜S20の夫々は、既に図1において詳述したステップS3〜ステップS10の夫々に一対一に対応し、それらの構成・作用・効果は同一であるから、ステップS13〜S20の説明を省略する。ここでは異なった符号及び異なった構成・作用・効果について以下に説明する。
図6の中で図5に無い事項は、ステップS60の閲覧工程が追加されている点である。この第2実施形態ではネットワーク60を介して関係者が会員データベース50を共有し、関係者間の双方向通信が可能になっている。ステップS60の閲覧工程では、適時に担当者端末24及び/又はお客様端末14からネットワーク60を介して会員データベース50に通信して会員情報、特にアレルゲン濃度の経時変化を閲覧できる。アレルゲン濃度の測定者44は測定者端末44から会員データベースに測定されたアレルゲン濃度dを常に追加している。従って、お客様12と担当者22は常にお客様端末14と担当者端末24によりネットワーク60に進入して会員データベース50を検索することができる。日付順にアレルゲン濃度が記録されているから、アレルゲン濃度の経時変化が一目瞭然に視認できる。
図7は、本発明に係るアレルゲン低減処理システムの第3実施形態のフロー図で、そのブロック図の一部が併示されている。
第3実施形態は図3に示されており、図7は図3で示されたブロック構成のフロー図である。ステップS23はサンプリング工程、ステップS24は除去サービス実施工程、ステップS25は濃度測定工程、ステップS26は濃度記録工程、ステップS27は濃度確認工程、ステップS28は設定範囲内かどうかの判別工程、ステップS29は設定範囲を維持するかどうかの判別工程、ステップS30は反復工程である。これらのステップS23〜S30の夫々は、既に図1において詳述したステップS3〜ステップS10の夫々に一対一に対応し、それらの構成・作用・効果は同一であるから、ステップS23〜S30の説明を省略する。また、閲覧工程S60は図6の閲覧工程S60と同一であるから、この詳細説明も省略する。ここでは異なった符号及び異なった構成・作用・効果について第2実施形態の図6と比較して以下に説明する。
図7の中で図6に無い事項は、ステップS21の本部がお客様と契約する工程とステップS22のネットワークの構築工程が追加されている点である。この第3実施形態では、本部80が本発明のアレルゲン低減処理システムを運営するから、ステップS21において、お客様12の会員を集める必要がある。このお客様集めは本部80が事業運営のために実行しなければならない。従って、ステップS21に記載されているように、本部が運営するアレルゲン低減処理システムに関し、本部がお客様12と契約し、お客様建物10の中のアレルゲンを低減させるアレルゲン低減除去サービスを実施する。
次に、ステップS22によりネットワークの構築が行われる。本部サーバー52と、会員データベース50と、担当者端末24と、お客様端末14と測定者端末44の間にネットワーク60が構築される。従って、お客様12と担当者22と測定者42は、ネットワーク60を介して会員データベース50に到達でき、お客様12のアレルゲン濃度の変遷を常に知ることができる。
図8は、本発明に係るアレルゲン低減処理システムの第4実施形態のフロー図で、本部80が運営するアレルゲン低減処理システムに加盟店70が所属するもので、そのブロック図の一部が併示されている。
第4実施形態は図4に示されており、図8は図4で示されたブロック構成のフロー図である。ステップS33はサンプリング工程、ステップS34は除去サービス実施工程、ステップS35は濃度測定工程、ステップS36は濃度記録工程、ステップS37は濃度確認工程、ステップS38は設定範囲内かどうかの判別工程、ステップS39は設定範囲を維持するかどうかの判別工程、ステップS40は反復工程である。これらのステップS33〜S40の夫々は、既に図5において詳述したステップS3〜ステップS10の夫々に一対一に対応し、それらの構成・作用・効果は同一であるから、ステップS33〜S40の説明を省略する。ここでは異なった符号及び異なった構成・作用・効果について第2実施形態の図6と比較して以下に説明する。
図8の中で図7と異なる事項は、ステップS31の本部・加盟店がお客様と契約する工程と、ステップS32のネットワークの構築工程と、ステップS61の閲覧工程である。この第4実施形態では、本部80が本発明のアレルゲン低減処理システムを運営し、その事業に加盟店70が参加するから、ステップS31において、お客様12の会員を集める必要がある。このお客様集めは主として加盟店70が行い、本部80は捕捉的に行う。従って、ステップS31に記載されているように、本部80が運営するアレルゲン低減処理システムに加盟店70が所属し、本部80及び/又は加盟店70がお客様12と契約し、お客様建物10の中のアレルゲンを低減させるアレルゲン低減除去サービスを実施する。
次に、ステップS32によりネットワークの構築が行われる。本部サーバー52と、会員データベース50と、加盟店担当者端末74と、お客様端末14と測定者端末44の間にネットワーク60が構築される。従って、お客様12と加盟店担当者72と測定者42は、ネットワーク60を介して会員データベース50に到達でき、お客様12のアレルゲン濃度の変遷を常に知ることができる。
更に、閲覧工程S61においては、適時に加盟店担当者端末74及び/又はお客様端末14からネットワーク60を介して会員データベース50に通信してお客様建物10のアレルゲン濃度の経時変化を閲覧することができる。
図9は、本発明に係るアレルゲン低減処理システムの第5実施形態のフロー図で、第4実施形態に医師閲覧工程S62が追加されており、そのブロック図の一部も併示されている。第4実施形態のフローを示す図8と対比して、図8に示されていない医師閲覧工程S62の構成・作用・効果だけを以下に説明し、その他の事項は既に図8で説明した共通事項であるから、以下では省略する。
医師閲覧工程を示すステップS62では、医師32から紹介された患者であるお客様12の場合に、医師32が適時に医師端末34からネットワーク60を介して会員データベース50に通信してお客様12のアレルゲン濃度の経時変化を閲覧できる。医師32はアレルギー症状の緩和を目指して常に患者を治療しており、お客様12が常に居住するお客様建物10のアレルゲン濃度が如何に低減された環境にあるかを知ることが重要である。治療と環境改善の両方から患者を治療することが必要であるので、この医師閲覧工程S62が設けられている。
図10は、本発明に係るアレルゲン低減処理システムの第6実施形態のフロー図で、医師閲覧工程S62を含む第5実施形態に初回訪問工程が追加され、そのブロック図の一部も併示されている。第5実施形態のフローを示す図9と対比して、図9に示されていない初回訪問工程として、初回サンプリング工程S51と初回濃度測定工程S52と初回濃度報知工程S53の構成・作用・効果だけを以下に説明し、その他の事項は既に図9で説明した共通事項であるから、以下では省略する。
初回訪問工程では、第1回目の除去サービス実施工程の前に、お客様建物10を訪問する。初回サンプリング工程S51では、アレルゲンが蓄積されていると考えられる部屋、特に寝室からハウスダストが初回サンプリングされる。そして、初回濃度測定工程S52により、初回訪問時にお客様が見ているその場で、初回サンプリングされたハウスダストに含有されるアレルゲンの初回アレルゲン濃度が測定される。その場で濃度測定を行うため、簡易測定法が採用される。更に、初回濃度報知工程S53により、初回訪問時にその場でお客様に対し、お客様12に初回アレルゲン濃度を報知する。換言すれば、初回濃度報知工程により、アレルゲン低減処理を全くしていない段階で、即ち第1回除去サービス実施工程前の初回アレルゲン濃度が如何に高いかが報知されることになり、お客様が本発明のアレルゲン低減処理システムを契約するかどうかの判断材料を提供する。
図示していないが、初回訪問工程をより有効に活用するために、本発明の第6
の形態に示すように、前記初回サンプリング工程を、初回除去サービスを実施する前の初回前サンプリング工程と、初回除去サービス実施工程と、初回除去サービスを実施した後の初回後サンプリング工程から構成してもよい。この場合には、前記初回濃度測定工程を初回前サンプリング工程と初回後サンプリング工程によりサンプリングされた二つのハウスダストについて濃度測定を行うようにする。
初回除去サービス実施工程は、アレルゲン汚染していると考えられるお客様建物に対し効果的なアレルゲン除去を実現するために、念入りなアレルゲン除去サービスが提供される。初回除去サービスを実施する前と実施した後で、夫々ハウスダストがサンプリングされる。初回前サンプリング工程で初回前ハウスダストがサンプリングされ、初回後サンプリング工程で初回除去サービスを実施した後の初回後ハウスダストがサンプリングされる。次に、初回訪問時にお客様が見ているその場で行われる初回濃度測定工程では初回前ハウスダストと初回後ハウスダストの両者のアレルゲン濃度が簡易測定法で測定される。初回前ハウスダストのアレルゲン濃度は初回前アレルゲン濃度と称され、初回後ハウスダストのアレルゲン濃度は初回後アレルゲン濃度と称される。初回訪問時にその場で、初回前アレルゲン濃度と初回後アレルゲン濃度がお客様に通知され、初回除去サービスを実施する前後のアレルゲン濃度の変化が明瞭に判るように設定される。これによって、本発明のアレルゲン低減処理システムが如何に有効であるかがお客様に知らされる。初回前アレルゲン濃度と初回後アレルゲン濃度の両者が契約前にお客様に通知されると、お客様の契約の強い動機づけになり、お客様の契約促進に効果的である。
[実施例1:ダニアレルゲン低減処理システム]
実際に、モニターP01のご家庭を訪問し、アレルゲンの中でもその約70%を占めるダニアレルゲンに的を絞って、本発明に係るアレルゲン低減処理システムを実行した。一定値以下にダニアレルゲン濃度を低減させる必要が有るから、ダニアレルゲンに関する設定範囲を以下のように決定した。
Figure 2015055963
ヒョウヒダニ類のダニアレルゲンに関しては、ダニアレルゲンとしてDer1が選択され、表1に示されるように、WHOによりWHO基準として屋内塵基準が提示されている。ダニアレルゲン濃度dの定義は、屋内のファインダスト(FD)1g中のDer1のアレルゲン量として決められ、その単位はμg/FDgである。WHO基準1として、式1に示すように、ダニアレルギーの感作リスクは2μg/FDgである。また、WHO基準2として、式2に示すように、ダニアレルギーの喘息急性発作リスクは10μg/FDgである。ngで表示すると、夫々2000ng/FDgと10000ng/FDgとなる。従って、屋内のダニアレルゲン濃度dの目標となる設定範囲は、WHO基準を採用し、式(1A)に示すように、2μg/FDg≦d<10μg/FDgである。ng単位を用いると、式(2A)に示すように、2000ng/FDg≦d<10000ng/FDgとなる。
Figure 2015055963
また、他の設定範囲として、表2に示されるヒョウヒダニ類の厚生労働省基準を採用することもできる。厚生労働省基準では、屋内のヒョウヒダニ類の面積1m当たりのDer1のアレルゲン量として、以下のように決められている。但し、ダニアレルゲン濃度の単位はng/mである。式(3)、(4)、(5)、(6)に示すように、フローリングは5ng/m以下、畳は100ng/m以下、布団は1000ng/m以下、カーペットは1000ng/m以下である。従って、本発明のダニアレルゲン濃度dの低減目標値の設定範囲として、厚生労働省基準と全く同様に、式(3A)、(4A)、(5A)、(6A)に示すように、フローリングは5ng/m以下、畳は100ng/m以下、布団は1000ng/m以下、カーペットは1000ng/m以下を採用できる。本実施例1では、国連機関の一つであるWHOが示すWHO基準、即ち式(1A)と式(2A)を設定範囲として優先的に使用し、同時に厚生労働省基準、即ち式(3A)、(4A)、(5A)、(6A)を補助的に使用する。これらの範囲が低減目標の設定範囲である。
本発明によりモニターP01に対し、ダニアレルゲン低減処理を毎月実施し、6ヶ月間のデータが表3に示されている。低減処理対象は、和布団である布団1〜布団4、ベッドである布団5、寝室として使用される洋室1、洋室2、リビング及びラグである。
Figure 2015055963
低減目標であるWHO設定範囲は、ngを単位とする式(2A)、即ち2000ng/FDg≦d<10000ng/FDgが採用される。初回濃度は設定範囲と比較すると極めて高く、第1回処理を行うと急激に低下し、設定範囲内、又は設定範囲以下に低減することが分かった。空欄は低減処理が為されていないことを示す。低減処理をしないとアレルゲン濃度dは増加することも分かる。この様に、本発明のダニアレルゲン低減処理システムはダニアレルゲンを効率よく低減させることが実証された。
Figure 2015055963
表4は、モニターP01に対するダニアレルゲン濃度測定を単位面積当たりのDer1量として計測したものである。その単位はng/m2である。表3と全く同様の6ヶ月間に亘る全サンプルに対し計測された。初回濃度が極めて高いのに対し、厚生労働省設定範囲と比較すると、第1回処理からの5ヵ月間のデータが極めて低減していることが分かる。この様に、本発明に係るアレルゲン低減処理システムが極めて有効であることが実証された。
[実施例2:花粉アレルゲン低減処理システム]
花粉アレルゲンは花粉そのものであり、3月から6月に飛散が集中するスギ花粉やヒノキ花粉に対し、イネ科植物の花粉は5月から11月位まで長期に飛散する。この実施例2では、特にスギ花粉やヒノキ花粉が飛来する5月と6月に本発明のアレルゲン低減処理を行って、本発明に係るアレルゲン低減処理システムが有効であることを試験した。また、一定値以下に花粉アレルゲン濃度を低減させる必要が有るから、花粉アレルゲンに関する設定範囲を例えば以下のように決定した。この設定範囲は汚染程度に対し自在に設定できることは云うまでもない。
Figure 2015055963
表5に示すように、花粉アレルゲンの場合には、花粉1個でも発症する人がいるように、感作リスクや発作リスクというダニアレルゲンの様な閾値が存在しない。しかし、気象庁は花粉飛散の多少を判断するために、1cmの面積に1日当たり花粉粒子が何個堆積するかの基準を定めている。花粉アレルゲン濃度の単位は個/cm日である。
気象庁基準では、花粉の多少は式(7)〜(10)で与えられる基準1〜基準4に設定されている。即ち、50個/cm以上は非常に多く、30個/cm〜50個/cmは多く、10個/cm〜30個/cmはやや多く、10個/cm未満は少ない、と決められている。そこで、本発明に係るアレルゲン低減処理システムでは、仮に低減目標として、花粉設定範囲1と花粉設定範囲2を式(10A)と式(11A)として与える。式(10A)は一日当たりの堆積量で、0.1個/cm日以下である。式(11A)は一月当たりの堆積量で、3個/cm月以下である。この閾値は状況によって変えることができる。月1回や2週間に一回のアレルゲン低減処理では、処理を行った日の翌日から花粉の堆積が始まるので、お客様による日常的な清浄化行為、即ち、モップによる清掃や空気清浄機の作動により、日常的にアレルゲン清浄化が行われて、アレルゲンが効率的に低減すると考えている。従って、本発明のアレルゲン低減処理と日常的な清浄化行為による設定範囲と捉える。
図11は、本発明を用いて花粉アレルゲンに対しアレルゲン低減処理を行った実施例2におけるお客様建物の平面図である。建物は、キッチン、洗面室、浴室、カーペットを敷いた子供部屋の東側洋室、フローリングの廊下、玄関、再びカーペットを敷いた子供部屋の西側洋室、トイレ、畳の和室、フローリングのリビングから構成されている。この建物の各所に対し、5月度と6月度の1cm当たりの蓄積花粉数が測定された。4月度に初回前サンプリングと簡易な低減処理と初回後サンプリングが行われた。それらの花粉アレルゲン濃度が5月度の第1回低減処理を行う前にお客様に報知された。これらの値は表6には記載していない。5月度に第1回目の本格的な低減処理が行われ、第1回サンプリングにより分析された花粉アレルゲン濃度が5月測定として記載されている。同様に第2回目の本格的な低減処理が行われ、第2回サンプリングにより分析された花粉アレルゲン濃度が6月測定として記載されている。
Figure 2015055963
表6に示すように、33箇所において、1.8cm×1.8cm四方の3.24cm面積の花粉個数が測定された。それらの値を3.24で割って1cm2当たりの個/cm月の花粉アレルゲン濃度が測定された。同様にして、第2回目である6月度の花粉アレルゲン濃度が個/cm月単位において測定された。5月測定はかなり大きな値を示したが、6月測定は急激に低下していることが分かる。低減処理と低減処理の間は、お客様ご自身によるモップ清掃と空気清浄機の作動が行われている。
Figure 2015055963
表7は、家庭内の5月度と6月度の平均花粉アレルゲン濃度の測定結果である。分析は、表6と表7によって行われた。これらの測定値に対し、設定範囲は、一月当たりの堆積量として式(11A)の3個/cm月以下である。5月度はこの設定範囲以下にはできなかったが、6月度には殆どの箇所で上記設定範囲を達成していることが分かる。従って、花粉アレルゲンに対しても本発明のアレルゲン低減処理システムが有効であることが実証された。
図12は、本発明の第2実施例において、5月度と6月度の花粉アレルゲン濃度(花粉個数濃度)の測定図である。表6の値が図示されている。横軸の高さ(m)とは、花粉を計測した場所の床面からの高さを意味している。菱形は5月度計測であり、丸は6月度計測である。5月度は花粉個数がかなり多いのに対し、6月度は花粉個数がかなり低減していることが分かる。
図13は、本発明の第2実施例において、図12に示される5月と6月の花粉アレルゲン濃度を同一図に描いた測定図である。横軸の高さ(m)とは、花粉を計測した場所の床面からの高さを意味している。菱形は5月度計測であり、丸は6月度計測である。5月度の菱形に対し6月度の丸はかなり低下していることが明瞭に判る。
図14は、本発明の第2実施例において、5月観察結果と6月観察結果の詳細な説明図である。5月観察では、(1)リビングのフローリングの床は、比較的に頻繁に掃除をするので、花粉は少ない。(2)リビングにある棚上は、掃除頻度が少ない為に、花粉が蓄積している。(3)和室の畳では、外出から帰宅後に、着替え等で花粉がもちこまれると思われる。(4)洗面は、換気の関係で、浴室の窓から吸気されることと、洗濯もの、脱衣による花粉の蓄積が考えられる。(5)廊下は、通行頻度も多く、人の動きで、花粉が多く蓄積するものと思われる。(6)玄関は、外からの持ち込みで、花粉が多く蓄積する。
6月観察では、(1)棚上の掃除をすることで、蓄積花粉数が減った。(2)今年は、花粉飛散時期が長い為、清掃後も花粉の蓄積が考えられる。(3)部屋の部位によっては、清掃残し部分に花粉が多く存在した。(4)5月測定の後、第2回目に徹底的なアレルゲン低減処理と日常清掃を行ったため、家庭内の花粉個数は大幅に減った。
以上から、花粉アレルゲンに対しても本発明のアレルゲン低減処理システムが有効であることが実証された。
本発明は、上記実施形態や実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
上述したように、本発明に係るアレルゲン低減処理システムは、人々が居住する家庭や事業所などの建物からアレルゲンを効率的且つ長期的に低減させることができ、家庭環境や事業所環境をアレルゲンフリーな状態にすることが可能である。特に、ハウスダストアレルゲンが原因となるアレルギー患者数を減少させることができる新たな事業を提供することができる。
10 お客様建物
12 お客様
14 お客様端末
22 担当者
24 担当者端末
30 病院
32 医師
34 医師端末
40 アレルゲン濃度測定機関
42 測定者
44 測定者端末
46 記録媒体
50 会員データベース
52 サーバー
60 ネットワーク
70 加盟店
72 加盟店担当者
74 加盟店担当者端末
80 本部
A1〜A3 対応矢印
A4〜A16 通信矢印
S3〜S62 ステップ

Claims (12)

  1. お客様の建物を訪問してアレルゲン除去サービスを実施する除去サービス実施工程と、前記アレルゲン除去サービスの前及び/又は後にお客様建物のハウスダストをサンプリングするサンプリング工程と、サンプリングされた前記ハウスダストに含有されるアレルゲンのアレルゲン濃度を測定する濃度測定工程と、前記アレルゲン濃度を記録媒体に記録する濃度記録工程からなり、前記アレルゲン濃度を確認しながら前記お客様建物のアレルゲンを低減させることを特徴とするアレルゲン低減処理システム。
  2. 担当者がお客様の建物を訪問してアレルゲン除去サービスを実施する除去サービス実施工程と、前記担当者が前記アレルゲン除去サービスの前及び/又は後にお客様建物のハウスダストをサンプリングするサンプリング工程と、サンプリングされた前記ハウスダストに含有されるアレルゲンのアレルゲン濃度を測定する濃度測定工程と、前記アレルゲン濃度を会員データベースに記録する濃度記録工程からなり、適時にネットワークを介して担当者端末及び/又はお客様端末から前記会員データベースに通信して前記アレルゲン濃度の経時変化を閲覧する閲覧工程から構成され、前記アレルゲン濃度を確認しながら前記お客様建物のアレルゲンを次第に低減させることを特徴とするアレルゲン低減処理システム。
  3. 本部が運営するアレルゲン低減処理システムで、本部が契約したお客様の建物に潜在するアレルゲンを次第に低減させるアレルゲン低減処理システムであり、本部が管理するサーバーと、サーバーに接続されたお客様情報を記録する会員データベースと、担当者の担当者端末と、お客様のお客様端末がネットワークを介して接続され、前記担当者がお客様建物を訪問してアレルゲン除去サービスを実施する除去サービス実施工程と、前記担当者が前記アレルゲン除去サービスの前及び/又は後にお客様建物のハウスダストをサンプリングするサンプリング工程と、サンプリングされた前記ハウスダストに含有されるアレルゲンのアレルゲン濃度を測定する濃度測定工程と、前記アレルゲン濃度を会員データベースに記録する濃度記録工程からなり、適時に担当者端末及び/又はお客様端末からネットワークを介してサーバーに通信し会員データベースから前記アレルゲン濃度の経時変化を閲覧する閲覧工程から構成されることを特徴とするアレルゲン低減処理システム。
  4. 本部が運営するアレルゲン低減処理システムに加盟店が属し、本部及び/又は加盟店が契約したお客様の建物に潜在するアレルゲンを次第に低減させるアレルゲン低減処理システムであり、本部が管理するサーバーと、サーバーに接続されたお客様情報を記録する会員データベースと、加盟店の担当者端末と、お客様のお客様端末がネットワークを介して接続され、加盟店担当者がお客様建物を訪問してアレルゲン除去サービスを実施する除去サービス実施工程と、前記加盟店担当者がアレルゲン除去サービスの前及び/又は後にハウスダストをサンプリングするサンプリング工程と、サンプリングされた前記ハウスダストに含有されるアレルゲンのアレルゲン濃度を測定する濃度測定工程と、前記アレルゲン濃度を会員データベースに記録する濃度記録工程からなり、適時に加盟店担当者端末及び/又はお客様端末からネットワークを介してサーバーに通信し会員データベースから前記アレルゲン濃度の経時変化を閲覧する閲覧工程から構成されることを特徴とするアレルゲン低減処理システム。
  5. 前記除去サービス実施工程と前記サンプリング工程と前記濃度測定工程と前記濃度記録工程を経時的に繰り返す反復工程が付加される請求項1〜4のいずれかに記載されるアレルゲン低減処理システム。
  6. アレルゲン除去サービスを最初に実施する第1回目の除去サービス実施工程の前に、初回訪問工程が設けられ、前記初回訪問工程は、お客様建物からハウスダストを初回サンプリングする初回サンプリング工程と、初回サンプリングされた前記ハウスダストに含有されるアレルゲンの初回アレルゲン濃度を測定する初回濃度測定工程と、前記初回濃度測定工程で測定された初回アレルゲン濃度をお客様に知らせる初回濃度報知工程から構成される請求項1〜5のいずれかに記載のアレルゲン低減処理システム。
  7. 前記初回訪問工程に初回アレルゲン除去サービスを実施する初回除去サービス実施工程が付加され、前記初回サンプリング工程は、初回アレルゲン除去サービスを実施する前の初回前サンプリング工程と、初回アレルゲン除去サービスを実施した後の初回後サンプリング工程からなり、前記初回濃度測定工程は初回前サンプリング工程と初回後サンプリング工程によりサンプリングされた二つのハウスダストについて実施される請求項6に記載のアレルゲン低減処理システム。
  8. 除去サービス実施工程と次回の除去サービス実施工程の間に、お客様建物内部をモップや掃除機などにより清掃し、お客様建物内部の空気を空気清浄機により清浄化し、丸洗いした寝具を使用し、防ダニカバーを設置し、のいずれか一つ以上をお客様自身が日常的に行う請求項1〜7のいずれかに記載のアレルゲン低減処理システム。
  9. 前記お客様が医師から紹介されたお客様であり、適時に医師端末から前記ネットワークを介して前記サーバーに通信し前記会員データベースから前記紹介されたお客様に関する前記アレルゲン濃度の経時変化を閲覧する医師閲覧工程が含まれる請求項2〜8のいずれかに記載のアレルゲン低減処理システム。
  10. 前記アレルゲンは、ダニアレルゲン、花粉粒子である花粉アレルゲン、カビアレルゲン、犬猫アレルゲンの一種以上である請求項1〜9のいずれかに記載のアレルゲン低減処理システム。
  11. 前記濃度測定工程における前記アレルゲン濃度の測定が簡易測定法によって実施され、しかも前記簡易測定法の実施が前記ハウスダストをサンプリングした当日にお客様建物の内部で行われ、その当日に前記アレルゲン濃度をお客様に提示する請求項1〜10のいずれかに記載のアレルゲン低減処理システム。
  12. 前記サンプリング工程によりサンプリングされた前記ハウスダストを持ち帰り、前記サンプリングの実施日より後日に、前記濃度測定工程における前記アレルゲン濃度の測定が精密測定法によって実施される請求項1〜10のいずれかに記載のアレルゲン低減処理システム。
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