JP2015054824A - Mersコロナウイルス感染症予防治療剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】MERS−CoVの生体細胞侵入を防止することができるMERS感染症予防治療剤の提供。
【解決手段】CD26のアミノ酸番号248〜449を認識する抗CD26モノクローナル抗体、そのキメラ抗体又はそのヒト化抗体を有効成分とするMERSコロナウイルス感染症予防又は治療剤。
【選択図】なし
【解決手段】CD26のアミノ酸番号248〜449を認識する抗CD26モノクローナル抗体、そのキメラ抗体又はそのヒト化抗体を有効成分とするMERSコロナウイルス感染症予防又は治療剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、中東呼吸器症候群コロナウイルス(Middle East respiratory syndrome coronavirus:MERS−CoV)感染症の予防又は治療剤に関する。
MERSは、2012年に中東地域で発生した新型コロナウイルス感染症であり、SARSに似ているものの、主な感染部位は下気道であり、その致死率が50%以上と高い感染症である。MERSの原因は、MERSコロナウイルス(MERS−CoV)であり、現在有効な治療法やワクチンは見出されていない。
最近、MERS−CoVのスパイクタンパク質S1は、ヒトの宿主細胞にウイルスが侵入するのに必要であることが報告された(非特許文献1、2)。さらに、最近では、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPPIV)は、MERS−CoVのS1ドメインを介して、MERS−CoVの機能的受容体として同定された(非特許文献3)。この受容体は、コウモリやヒトなどの異なる種間においても保持され、MERS−CoVの広範囲の宿主域を部分的に説明する。DPPIV(EC 3.4.14.5)は、CD26としても知られており、その細胞外ドメインにジペプチダーゼ活性を有する110−kDaの表面糖蛋白である(非特許文献4)。CD26/DPPIVは、Tリンパ球、気管支粘膜、あるいは、近位細管の刷子縁を含むほとんどの細胞において広く発現される、多機能性細胞表面たんぱく質である。また、血清や、尿、精液、あるいは胸水などの他の体液中に、切断型(sCD26)で存在する。CD26やsCD26のこのような分散は、ヒトにおけるMERS−CoV感染の全身播種の役割を担っている(非特許文献5〜7)。そのため、MERS−CoVの有効な治療法は、呼吸器系、腎臓、腸のようなCD26の発現する臓器(器官)にMERS−CoVが侵入するのをブロックするだけでなく、血中や他の体液におけるT細胞やsCD26に関連するMERS−CoVの循環を阻害するために必要とされる。さらに、最近では、Sタンパク質中の受容体結合ドメインが、MERS−CoV Sタンパク質の231アミノ酸断片にマップされた(残基数358−588)(非特許文献8)。しかしながら、計算による予測によると、CD26受容体中の結合領域は、生物学的実験によっていまだに解読されていないと報告されている。
J. Infect. 66, 464-466(2012)
J. Virol. 87, 5502-5511(2013)
Nature 495, 251-254(2013)
J. Immunol. 149, 481-486(1992)
N. Engl. J. Med. 368, 2487-2494(2013)
The Lancet Infectious Diseases,13, 745-751(2011)
Lancet, 381, 2265-2272(2013)
Journal of Vivology,87, 156-158(2013)
しかしながら、いまだ、MERS−CoVの生体内侵入を防止できる薬剤は未だ見出されていない。
従って、本発明の課題は、MERS−CoVの生体細胞侵入を防止することができるMERS感染症予防治療剤を提供することにある。
従って、本発明の課題は、MERS−CoVの生体細胞侵入を防止することができるMERS感染症予防治療剤を提供することにある。
そこで本発明者は、生体に広く分布しているCD26に対する抗体(抗CD26抗体)のうち、抗CD26モノクローナル抗体に着目し、種々のモノクローナル抗体を使用してMERS−CoV感染防御能及びそのモノクローナル抗体の特性について検討したところ、CD26アミノ酸配列の特定の部位を認識する抗CD26モノクローナル抗体、そのキメラ抗体又はそのヒト化抗体が、MERS−CoVのCD26発現細胞に対する結合を強力に阻害することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔8〕を提供するものである。
〔1〕CD26のアミノ酸番号248〜449を認識する抗CD26モノクローナル抗体、そのキメラ抗体又はそのヒト化抗体を有効成分とするMERSコロナウイルス感染症予防又は治療剤。
〔2〕前記抗CD26モノクローナル抗体が、2F9(NITE BP−01699)又はs604069.YST−pABMC149(PTA−7695)が産生する抗体である〔1〕記載のMERSコロナウイルス感染症予防又は治療剤。
〔3〕CD26のアミノ酸番号248〜449を認識する抗CD26モノクローナル抗体、そのキメラ抗体又はそのヒト化抗体を投与することを特徴とするMERSコロナウイルス感染症の予防又は治療方法。
〔4〕前記抗CD26モノクローナル抗体が、2F9(NITE BP−10699)又はs604069.YST−pABMC149(PTA−7695)が産生する抗体である〔3〕記載のMERSコロナウイルス感染症の予防又は治療方法。
〔5〕MERSコロナウイルス感染症を予防又は治療するためのCD26のアミノ酸番号248〜449を認識する抗CD26モノクローナル抗体、そのキメラ抗体又はそのヒト化抗体。
〔6〕前記抗CD26モノクローナル抗体が、2F9(NITE BP−01699)又はs604069.YST−pABMC149(PTA−7695)が産生する抗体である〔5〕記載の抗体。
〔7〕CD26のアミノ酸番号248〜449を認識する抗CD26モノクローナル抗体、そのキメラ抗体又はそのヒト化抗体の、MERSコロナウイルス感染症予防又は治療剤製造のための使用。
〔8〕前記抗CD26モノクローナル抗体が、2F9(NITE BP−01699)又はs604069.YST−pABMC149(PTA−7695)が産生する抗体である〔7〕記載の使用。
〔2〕前記抗CD26モノクローナル抗体が、2F9(NITE BP−01699)又はs604069.YST−pABMC149(PTA−7695)が産生する抗体である〔1〕記載のMERSコロナウイルス感染症予防又は治療剤。
〔3〕CD26のアミノ酸番号248〜449を認識する抗CD26モノクローナル抗体、そのキメラ抗体又はそのヒト化抗体を投与することを特徴とするMERSコロナウイルス感染症の予防又は治療方法。
〔4〕前記抗CD26モノクローナル抗体が、2F9(NITE BP−10699)又はs604069.YST−pABMC149(PTA−7695)が産生する抗体である〔3〕記載のMERSコロナウイルス感染症の予防又は治療方法。
〔5〕MERSコロナウイルス感染症を予防又は治療するためのCD26のアミノ酸番号248〜449を認識する抗CD26モノクローナル抗体、そのキメラ抗体又はそのヒト化抗体。
〔6〕前記抗CD26モノクローナル抗体が、2F9(NITE BP−01699)又はs604069.YST−pABMC149(PTA−7695)が産生する抗体である〔5〕記載の抗体。
〔7〕CD26のアミノ酸番号248〜449を認識する抗CD26モノクローナル抗体、そのキメラ抗体又はそのヒト化抗体の、MERSコロナウイルス感染症予防又は治療剤製造のための使用。
〔8〕前記抗CD26モノクローナル抗体が、2F9(NITE BP−01699)又はs604069.YST−pABMC149(PTA−7695)が産生する抗体である〔7〕記載の使用。
本発明の抗CD26モノクローナル抗体を用いれば、生体内に広く分布している細胞に対するMERS−CoVの侵入を防御でき、MERS感染症が予防及び/又は治療できる。
本発明のMERS感染症予防又は治療薬の有効成分は、CD26のアミノ酸番号248〜449を認識する抗CD26モノクローナル抗体、そのキメラ抗体又はそのヒト化抗体である。当該抗CD26モノクローナル抗体は、例えば、CD26を抗原として用いて得られたモノクローナル抗体から、選択する方法、あるいは前記アミノ酸配列を抗原として用いて得ることができる。
モノクローナル抗体は、CD26又は前記アミノ酸配列を有するペプチドを免疫した動物(例えばマウス、ラット、ウサギなど)から脾臓細胞を採取し、ミエローマ細胞と融合させ、モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを作製することにより得ることができる。ELISAアッセイ、ウエスタンブロット分析、またはラジオイムノアッセイ等の当該技術分野においてよく知られる方法を用いて、前記アミノ酸配列を認識する抗体を産生するハイブリドーマ細胞を選択する。所望の抗体を分泌するハイブリドーマをクローニングし、適切な条件下で培養し、分泌された抗体を回収し、当該技術分野においてよく知られる方法、例えばイオン交換カラム、アフィニティークロマトグラフィー等を用いて精製することができる。あるいは、ゼノマウス株を用いてヒト型モノクローナル抗体を製造してもよい(Green,J.Immunol.Methods 231:11−23,1999;Wells,Eek,Chem Biol 2000 Aug;7(8):R185−6を参照)。また、免疫を行わないファージディスプレイに基づいたモノクローナル抗体の作製も現在行われており、本発明のモノクローナル抗体はこれらの方法のいずれで製造されてもかまわない。
キメラ抗体は、ヒト以外の哺乳動物、例えば、マウス抗体の重鎖、軽鎖の可変領域とヒト抗体の重鎖、軽鎖の定常領域からなる抗体であり、マウス抗体の可変領域をコードするDNAをヒト抗体の定常領域をコードするDNAと連結し、これを発現ベクターに組み込んで宿主に導入し産生させることにより得ることができる。ヒト化抗体は、再構成(reshaped)ヒト抗体とも称され、ヒト以外の哺乳動物、たとえばマウス抗体の相補性決定領域(CDR;complementarity determining region)をヒト抗体の相補性決定領域へ移植したものであり、その一般的な遺伝子組換え手法も知られている。具体的には、マウス抗体のCDRとヒト抗体のフレームワーク領域(framework region;FR)を連結するように設計したDNA配列を、末端部にオーバーラップする部分を有するように作製した数個のオリゴヌクレオチドからPCR法により合成する。得られたDNAをヒト抗体定常領域をコードするDNAと連結し、次いで発現ベクターに組み込んで、これを宿主に導入し産生させることにより得られる(欧州特許出願公開番号EP239400、国際特許出願公開番号第96/02576参照)。CDRを介して連結されるヒト抗体のFRは、相補性決定領域が良好な抗原結合部位を形成するものが選択される。必要に応じ、再構成ヒト抗体の相補性決定領域が適切な抗原結合部位を形成するように抗体の可変領域のフレームワーク領域のアミノ酸を置換してもよい(Sato,K.et al.,Cancer Res,1993,53,851−856.)。
本発明の抗CD26モノクローナル抗体は、CD26のアミノ酸番号248〜449を認識する抗CD26モノクローナル抗体であるが、その具体例としては、本発明者らが先に報告した2F9、YS110、1F7が好ましく、2F9、YS110がより好ましい。これらのモノクローナル抗体は、例えば(The Journal of Immunology, 159, 6070-6076(1997)、Molecular Immunology 35, 13-21(1998)、Clinical Cancer Research, Vol.7, 2031-2040(2001)、Clinical Cancer Research, 12(11), 3470-3476(2006)、Clinical Cancer Research, 13(14), 4191-4200(2007)、British Journal of Haematology, 162, 263-277(2013))に記載の方法に従って製造することができる。ここでYS110はヒト化抗体であり、これを産生する大腸菌(ヒトCD26cDNAに対するヒト化モノクローナル抗体の重鎖および軽鎖のcDNAが挿入されたプラスミドを有するDH5α大腸菌)s604069.YST−pABMC149は、PTA−7695として米国のATCCに寄託されており、2F9を産生するハイブリドーマ2F9はNITE BP−01699として独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センターに寄託されている。
また、2F9はCD26のアミノ酸番号359〜449を認識するモノクローナル抗体であり、YS110はCD26のアミノ酸番号248〜358を認識するモノクローナル抗体である。
また、2F9はCD26のアミノ酸番号359〜449を認識するモノクローナル抗体であり、YS110はCD26のアミノ酸番号248〜358を認識するモノクローナル抗体である。
前記の抗CD26モノクローナル抗体は、後記の実施例に示すように、ヒトのCD26発現細胞に対するMERS−CoVの結合を顕著に阻害する。一方、CD26は、呼吸器、腎臓、腸等の臓器だけでなく、Tリンパ球などの体液中の細胞表面にも存在する。従って、本発明のモノクローナル抗体を用いれば、下気道等の臓器におけるMERS−CoVの侵入を防止し、かつ循環系を介したMERS−CoVの循環も阻害することができることから、MERS感染症予防及び/又は治療が可能となる。
本発明のMERS感染症予防治療剤は、抗CD26モノクローナル抗体を、当該技術分野においてよく知られる薬学的に許容しうる担体とともに、混合、溶解、顆粒化、錠剤化、乳化、カプセル封入、凍結乾燥等により、製剤化することができる。
経口投与用には、抗CD26モノクローナル抗体を、薬学的に許容しうる溶媒、賦形剤、結合剤、安定化剤、分散剤等とともに、錠剤、丸薬、糖衣剤、軟カプセル、硬カプセル、溶液、懸濁液、乳剤、ゲル、シロップ、スラリー等の剤形に製剤化することができる。
非経口投与用には、抗CD26モノクローナル抗体を、薬学的に許容しうる溶媒、賦形剤、結合剤、安定化剤、分散剤等とともに、注射用溶液、懸濁液、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、吸入剤、坐剤等の剤形に製剤化することができる。注射用の処方においては、抗CD26モノクローナル抗体を水性溶液、好ましくはハンクス溶液、リンゲル溶液、または生理的食塩緩衝液等の生理学的に適合性の緩衝液中に溶解することができる。さらに、組成物は、油性または水性のベヒクル中で、懸濁液、溶液、または乳濁液等の形状をとることができる。あるいは、抗CD26モノクローナル抗体を粉体の形態で製造し、使用前に滅菌水等を用いて水溶液または懸濁液を調製してもよい。吸入による投与用には、抗CD26モノクローナル抗体を粉末化し、ラクトースまたはデンプン等の適当な基剤とともに粉末混合物とすることができる。坐剤処方は、抗CD26モノクローナル抗体をカカオバター等の慣用の坐剤基剤と混合することにより製造することができる。さらに、本発明の予防治療剤は、ポリマーマトリクス等に封入して、持続放出用製剤として処方することができる。
抗CD26モノクローナル抗体の投与量は、患者の症状、投与経路、体重、年令等によっても異なるが、例えば成人1日あたり1μg〜500mgであるのが好ましい。
本発明のMERS感染症予防治療剤は、通常非経口投与経路で、例えば注射剤(皮下注、静注、筋注、腹腔内注など)、経皮、経粘膜、経鼻、経肺などで投与される。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに何ら限定されるものではない。
(材料と方法)
(1)抗体と試薬
4G8、1F7、2F9、9C11、16D4B又は14D10といった抗ヒトCD26マウスモノクローナル抗体の種々のクローン及びヒト化抗CD26モノクローナル抗体YS110は、Mol. Immunol. 35, 13-21(1998)に従って製造した。ヤギポリクローナル抗CD26抗体は、R&Dシステムズ(ミネアポリス、ミネソタ)から購入した。キメラ融合タンパク質MERS−CoV S1−Fc(もとの名称hCoV−EMC S1−Fc)はBosch研究室で開発された(Nature 495, 251-254(2013))。ヒトFc(ヒトイムノグロブリンG1のFc領域)組換えタンパク質は、Biochem. Biophys. Res. Commun. 386, 327-332(2009)及びJ. Biol. Chem. 282,10117-10131(2007)に従って製造した。精製アデノシンデアミナーゼ(ADA)は、シグマアルドリッチ(セントルイス、ミズーリ)から購入した。色素(Alexa 488又はAlexa 647)によるモノクローナル抗体、ADA、MERS−CoV S1−Fc又はヒトFcの標識は、Alexa Fluor 488 Antibody Labeling Kit(ライフテクノロジーズ、カールスバッド、カリフォルニア)又はAlexa Fluor 647 Protein Labeling Kit(ライフテクノロジーズ)を用い、使用説明書に従って行った。
(1)抗体と試薬
4G8、1F7、2F9、9C11、16D4B又は14D10といった抗ヒトCD26マウスモノクローナル抗体の種々のクローン及びヒト化抗CD26モノクローナル抗体YS110は、Mol. Immunol. 35, 13-21(1998)に従って製造した。ヤギポリクローナル抗CD26抗体は、R&Dシステムズ(ミネアポリス、ミネソタ)から購入した。キメラ融合タンパク質MERS−CoV S1−Fc(もとの名称hCoV−EMC S1−Fc)はBosch研究室で開発された(Nature 495, 251-254(2013))。ヒトFc(ヒトイムノグロブリンG1のFc領域)組換えタンパク質は、Biochem. Biophys. Res. Commun. 386, 327-332(2009)及びJ. Biol. Chem. 282,10117-10131(2007)に従って製造した。精製アデノシンデアミナーゼ(ADA)は、シグマアルドリッチ(セントルイス、ミズーリ)から購入した。色素(Alexa 488又はAlexa 647)によるモノクローナル抗体、ADA、MERS−CoV S1−Fc又はヒトFcの標識は、Alexa Fluor 488 Antibody Labeling Kit(ライフテクノロジーズ、カールスバッド、カリフォルニア)又はAlexa Fluor 647 Protein Labeling Kit(ライフテクノロジーズ)を用い、使用説明書に従って行った。
(2)細胞
CD26陰性親Jurkat細胞株、COS−1細胞及びHuh−7細胞は、ATCCより入手した。全長ヒトCD26を安定的に導入したJurkat細胞(JKT−hCD26WT)又はADA結合部位を欠失したヒトCD26を安定的に導入したJurkat細胞(JKT−hCD26−ADA-)は、J. Immunol. 149, 481-486(1992)、Mol. Immunol. 35, 13-21(1998)、J. Immunol. 159, 6070-6076(1997)に従って製造した。JKT−hCD26−ADA-細胞は、マウスCD26の340番目から344番目のアミノ酸を、ヒトCD26の相当する部分の代わりに有している。Jurkat細胞又はCOS−1細胞は、10%熱不活性化胎児ウシ血清(FBS)、ペニシリン(100units/mL)及びストレプトマイシン(100μg/mL)(ライフテクノロジーズ、グランドアイランド、ニューヨーク(ネブラスカ))を添加したRPMI1640培地(ライフテクノロジーズ)で培養した。JKT−hCD26WT又はJKT−hCD26−ADA-は、ペニシリン、ストレプトマイシン及びG418(50μg/mL、シグマアルドリッチ)を添加した10%FBS含有RPMI1640培地で培養した。Huh−7細胞は、ペニシリン及びストレプトマイシンを添加した10%FBS含有DMEM培地(ライフテクノロジーズ)で培養した。
CD26陰性親Jurkat細胞株、COS−1細胞及びHuh−7細胞は、ATCCより入手した。全長ヒトCD26を安定的に導入したJurkat細胞(JKT−hCD26WT)又はADA結合部位を欠失したヒトCD26を安定的に導入したJurkat細胞(JKT−hCD26−ADA-)は、J. Immunol. 149, 481-486(1992)、Mol. Immunol. 35, 13-21(1998)、J. Immunol. 159, 6070-6076(1997)に従って製造した。JKT−hCD26−ADA-細胞は、マウスCD26の340番目から344番目のアミノ酸を、ヒトCD26の相当する部分の代わりに有している。Jurkat細胞又はCOS−1細胞は、10%熱不活性化胎児ウシ血清(FBS)、ペニシリン(100units/mL)及びストレプトマイシン(100μg/mL)(ライフテクノロジーズ、グランドアイランド、ニューヨーク(ネブラスカ))を添加したRPMI1640培地(ライフテクノロジーズ)で培養した。JKT−hCD26WT又はJKT−hCD26−ADA-は、ペニシリン、ストレプトマイシン及びG418(50μg/mL、シグマアルドリッチ)を添加した10%FBS含有RPMI1640培地で培養した。Huh−7細胞は、ペニシリン及びストレプトマイシンを添加した10%FBS含有DMEM培地(ライフテクノロジーズ)で培養した。
(3)フローサイトメトリー(FCM)分析
MERS−CoV S1−FcのJKT−hCD26WTへの結合阻害アッセイのため、種々の抗ヒトCD26モノクローナル抗体(染色バッファー(1%BSA、1mM EDTA及び0.1%NaN3含有PBS)中、表記濃度で使用)をJKT−hCD26WT(1(105/サンプル)と4℃で30分間インキュベートした。細胞は、氷冷染色バッファーで3回洗浄した後、Alexa Fluor 488標識MERS−CoV S1−Fc(染色バッファー中5μg/mL)又はAlexa Fluor 488標識ヒトFcを用い、4℃で30分間染色した。細胞は、氷冷染色バッファーで3回洗浄し、500μLのFCMバッファー(1%ホルマリン含有PBS)に懸濁し、FACSCalibur(BDバイオサイエンス)を用いて分析した。MERS−CoV S1−FcのCD26中のADA結合領域への結合阻害アッセイのため、JKT−hCD26WT又はJKT−hCD26−ADA-(1(105/サンプル)を精製ADA(染色バッファー中、表記濃度で使用)と37℃で30分間インキュベートした。細胞は、氷冷染色バッファーで3回洗浄した後、Alexa Fluor 488標識MERS−CoV S1−Fc、ヒトFc、抗ヒトADAモノクローナル抗体及び/又はAlexa Fluor 647標識抗CD26モノクローナル抗体、マウスIgGアイソタイプコントロールを用い、4℃で30分間染色した。細胞は、氷冷染色バッファーで3回洗浄し、500μLのFCMバッファーに懸濁し、FACSCalibur(BDバイオサイエンス)を用いて分析した。
MERS−CoV S1−FcのJKT−hCD26WTへの結合阻害アッセイのため、種々の抗ヒトCD26モノクローナル抗体(染色バッファー(1%BSA、1mM EDTA及び0.1%NaN3含有PBS)中、表記濃度で使用)をJKT−hCD26WT(1(105/サンプル)と4℃で30分間インキュベートした。細胞は、氷冷染色バッファーで3回洗浄した後、Alexa Fluor 488標識MERS−CoV S1−Fc(染色バッファー中5μg/mL)又はAlexa Fluor 488標識ヒトFcを用い、4℃で30分間染色した。細胞は、氷冷染色バッファーで3回洗浄し、500μLのFCMバッファー(1%ホルマリン含有PBS)に懸濁し、FACSCalibur(BDバイオサイエンス)を用いて分析した。MERS−CoV S1−FcのCD26中のADA結合領域への結合阻害アッセイのため、JKT−hCD26WT又はJKT−hCD26−ADA-(1(105/サンプル)を精製ADA(染色バッファー中、表記濃度で使用)と37℃で30分間インキュベートした。細胞は、氷冷染色バッファーで3回洗浄した後、Alexa Fluor 488標識MERS−CoV S1−Fc、ヒトFc、抗ヒトADAモノクローナル抗体及び/又はAlexa Fluor 647標識抗CD26モノクローナル抗体、マウスIgGアイソタイプコントロールを用い、4℃で30分間染色した。細胞は、氷冷染色バッファーで3回洗浄し、500μLのFCMバッファーに懸濁し、FACSCalibur(BDバイオサイエンス)を用いて分析した。
実施例1
(1)抗CD26モノクローナル抗体の種々のクローン又はコントロールマウスIgGの存在下にMERS−CoV S1−Fcで染色し、抗CD26モノクローナル抗体の各クローンが、JKT−hCD26WT細胞へのMERS−CoV S1−Fcの結合性を阻害するか否かを検討した。
JKT−hCD26WT細胞を、4℃の条件下、各々の抗CD26(マウスモノクローナル抗体;4G8、1F7、14D10、2F9、16D4B、9C11又はヒト化mAb;YS110)(赤色のヒストグラム)又はコントロールIgG(黒色のヒストグラム)(それぞれ10μg/mL)で30分間インキュベートした。洗浄後、細胞を、Alexa Fluor 488標識化MERS−CoV S1−Fc(5μg/mL)で染色した。
染色ヒストグラムを図1に示す。図1中、グレー色のヒストグラムは、アイソタイプコントロールでの染色を示している。図のヒストグラムにおいて、グレー色のヒストグラムに対して赤色のヒスドラムがずれている場合にブロックしていることを示す。Alexa Fluor 488標識化MERS−CoV S1−Fcの平均蛍光強度(MFI)を、棒グラフで示した。1F7又はYS110がMERS−CoV S1−Fcの結合を部分的にブロックし(*)、そして2F9が完全にブロックした(**)。3回の実験の代表的な結果を、平均MFI±s.e.m.として示した(両側スチューデントt検定、*、**p<0.05対コントロールIgG)。
(1)抗CD26モノクローナル抗体の種々のクローン又はコントロールマウスIgGの存在下にMERS−CoV S1−Fcで染色し、抗CD26モノクローナル抗体の各クローンが、JKT−hCD26WT細胞へのMERS−CoV S1−Fcの結合性を阻害するか否かを検討した。
JKT−hCD26WT細胞を、4℃の条件下、各々の抗CD26(マウスモノクローナル抗体;4G8、1F7、14D10、2F9、16D4B、9C11又はヒト化mAb;YS110)(赤色のヒストグラム)又はコントロールIgG(黒色のヒストグラム)(それぞれ10μg/mL)で30分間インキュベートした。洗浄後、細胞を、Alexa Fluor 488標識化MERS−CoV S1−Fc(5μg/mL)で染色した。
染色ヒストグラムを図1に示す。図1中、グレー色のヒストグラムは、アイソタイプコントロールでの染色を示している。図のヒストグラムにおいて、グレー色のヒストグラムに対して赤色のヒスドラムがずれている場合にブロックしていることを示す。Alexa Fluor 488標識化MERS−CoV S1−Fcの平均蛍光強度(MFI)を、棒グラフで示した。1F7又はYS110がMERS−CoV S1−Fcの結合を部分的にブロックし(*)、そして2F9が完全にブロックした(**)。3回の実験の代表的な結果を、平均MFI±s.e.m.として示した(両側スチューデントt検定、*、**p<0.05対コントロールIgG)。
(2)種々の濃度の抗CD26モノクローナル抗体2F9又はコントロールマウスIgGの存在下にMERS−CoV S1−Fcで染色し、2F9による、JKT−hCD26WT細胞へのMERS−CoV S1−Fcの結合阻害性を検討した。JKT−hCD26WT細胞を、4℃の条件下、種々の濃度の抗CD26モノクローナル抗体2F9又はコントロールIgGで30分間インキュベートした。洗浄後、細胞を、Alexa Fluor 488標識化MERS−CoV S1−Fc(5μg/mL)で染色した。
染色ヒストグラムを図2に示す。図2中、グレー色のヒストグラムは、アイソタイプコントロールでの染色を示している。Alexa Fluor 488標識化MERS−CoV S1−FcのMFIを、棒グラフで示した。3種の異なる実験の代表的な結果を、平均MFI±s.e.m.として示した(両側スチューデントt検定、*p<0.05vs.対応のコントロールIgG)。0μg/mLのプレインキュベートされたコントロールIgG又は2F9の条件下、黒色のバーと赤色のバーの両方について、同じデータを用いてプロットした。
染色ヒストグラムを図2に示す。図2中、グレー色のヒストグラムは、アイソタイプコントロールでの染色を示している。Alexa Fluor 488標識化MERS−CoV S1−FcのMFIを、棒グラフで示した。3種の異なる実験の代表的な結果を、平均MFI±s.e.m.として示した(両側スチューデントt検定、*p<0.05vs.対応のコントロールIgG)。0μg/mLのプレインキュベートされたコントロールIgG又は2F9の条件下、黒色のバーと赤色のバーの両方について、同じデータを用いてプロットした。
(3)種々の濃度の抗CD26モノクローナル抗体1F7、YS110、9c11又はコントロールマウスIgGの存在下にMERS−CoV S1−Fcで染色し、1F7、YS110又は9C11による、JKT−hCD26WT細胞へのMERS−CoV S1−Fcの結合阻害性を検討した。JKT−hCD26WT細胞を、4℃の条件下、種々の濃度の、標識されていない1F7、YS110、9C11又はコントロールIgGで30分間インキュベートした。洗浄後、細胞を、Alexa Fluor 488標識化MERS−CoV S1−Fc(5μg/mL)で染色した。
染色ヒストグラムを図3〜図5に示す。図3〜5中のグレー色のヒストグラムは、アイソタイプコントロールでの染色を示している。Alexa Fluor 488標識化MERS−CoV S1−FcのMFIを、棒グラフで示した。3種の異なる実験の代表的な結果を、平均MFI±s.e.m.として示した(両側スチューデントt検定、*p<0.05vs.対応コントロールIgG)。0μg/mLのプレインキュベートされたコントロールIgG又は抗CD26mABの条件下、黒色のバーと赤色のバーの両方について、同じデータを用いてプロットした。
染色ヒストグラムを図3〜図5に示す。図3〜5中のグレー色のヒストグラムは、アイソタイプコントロールでの染色を示している。Alexa Fluor 488標識化MERS−CoV S1−FcのMFIを、棒グラフで示した。3種の異なる実験の代表的な結果を、平均MFI±s.e.m.として示した(両側スチューデントt検定、*p<0.05vs.対応コントロールIgG)。0μg/mLのプレインキュベートされたコントロールIgG又は抗CD26mABの条件下、黒色のバーと赤色のバーの両方について、同じデータを用いてプロットした。
(4)上記(1)〜(3)の結果から、抗CD26モノクローナル抗体2F9、1F7、YS110及び9C11はCD26を発現する細胞へのMERS−CoV S1−Fcの結合を阻害することがわかった。このうち、2F9、1F7及びYS110の結合阻害性が強く、特に2F9は強力に結合を阻害することがわかった。
実施例2
CD26のアデノシン・デアミナーゼ(ADA)の結合領域の存在下における、CD26発現細胞とMERS−CoV S1−Fcとの結合に対する抗CD26モノクローナル抗体の作用を検討した。
CD26のアデノシン・デアミナーゼ(ADA)の結合領域の存在下における、CD26発現細胞とMERS−CoV S1−Fcとの結合に対する抗CD26モノクローナル抗体の作用を検討した。
(1)JKT−hCD26WT細胞を、4℃の条件下、種々の濃度の抗CD26モノクローナル抗体又はコントロールIgGで30分間インキュベートした。洗浄後、細胞を、Alexa Fluor 488標識化ADA(10μg/mL)で染色した。
結果を図6〜図8に示す。グレー色のヒストグラムは、アイソタイプコントロールでの染色を示している。データは、3回のそれぞれ独立した実験を代表するものであり、同様の結果が得られた。
ADA結合領域の欠失したヒトCD26で安定的にトランスフェクトされたJurkat細胞(JKT−hCD26−ADA-)へのADA又は抗CD26モノクローナル抗体14D10の結合を表す代表的なヒストグラムを図9の(a)(左側)に示す。ADAの結合は観察されなかったが、CD26の発現を14D10によって検出した。
(2)JKT−hCD26−ADA-細胞を、表示された濃度条件下、Alexa Fluor 488標識化MERS−CoV S1−Fc(赤色のヒストグラム)で染色した。
結果を図9の(b)(右側)に示す。グレー色のヒストグラムは、アイソタイプコントロールとして、Alexa Fluor 488標識化組み換えFcでの染色を示している。データは、3回のそれぞれ独立した実験を代表するものであり、同様の結果が得られた。
結果を図9の(b)(右側)に示す。グレー色のヒストグラムは、アイソタイプコントロールとして、Alexa Fluor 488標識化組み換えFcでの染色を示している。データは、3回のそれぞれ独立した実験を代表するものであり、同様の結果が得られた。
(3)(1)及び(2)から、ADAの存在により、S1−Fcの結合を部分的にブロックするが、2F9と合わせるとS1−Fcの結合はが完全にブロックされた。2F9はADAの存在により、CD26との結合は部分的にブロックされた。
実施例3
ヒトCD26欠失変異体を用いたMERS−CoV S1−FcのCD26における結合領域の評価
(1)ヒトCD26のMERS−CoV結合に関与する領域を決定するため、MERS−CoV S1−FcのCD26欠失変異体への結合を、FCM、次いで所定の欠失を含むCD26 cDNAコンストラクトと緑色蛍光タンパク質(GFP)発現ベクターのCOS−1細胞への一過性コトランスフェクションにより分析した。Mol. Immunol. 35, 13-21(1998)で報告したように、ヒトCD26 cDNAコンストラクトのC末欠失変異体として、Nco I制限酵素サイトを用いてC末の740−766番目のアミノ酸で示されるドメインを欠失させたもの、Nhe I制限酵素サイトを用いて578番目以降のアミノ酸で示されるドメインを欠失させたもの、Bspe I制限酵素サイトを用いて450番目以降のアミノ酸で示されるドメインを欠失させたもの、Stu I制限酵素サイトを用いて359番目以降のアミノ酸で示されるドメインを欠失させたもの、及びPst I制限酵素サイトを用いて248番目以降のアミノ酸で示されるドメインを欠失させたものを作製した。これらのcDNAは、フレームをあわせてpcDL−SRα発現ベクターにライゲーションした(Mol. Cell Biol. 8, 466-472(1988))。GFP発現ベクターpEB6−CAG−GFPは、三輪佳宏博士(筑波大学、つくば市、日本)より頂いた(Biochem. Biophys. Res. Commun. 264, 938-943(1999))。pcDL−SRαに組み込んだ各CD26欠失コンストラクトは、Lipofectamine 2000 reagent(ライフテクノロジーズ)を用いて、pEB6−CAG−GFPとともにCOS−1細胞にコトランスフェクションした。トランスフェクション24時間後、細胞は、5mM EDTA含有氷冷PBSで剥離して回収し、Alexa Fluor 649標識MERS−CoV S1−Fc、2F9、YS110又はヒトFc(染色バッファー中5μg/mL)コントロールを用いて4℃で30分間染色した。細胞は、氷冷染色バッファーで3回洗浄し、500μLのFCMバッファー中に懸濁し、FACSCaliburによる分析に供した。
ヒトCD26欠失変異体を用いたMERS−CoV S1−FcのCD26における結合領域の評価
(1)ヒトCD26のMERS−CoV結合に関与する領域を決定するため、MERS−CoV S1−FcのCD26欠失変異体への結合を、FCM、次いで所定の欠失を含むCD26 cDNAコンストラクトと緑色蛍光タンパク質(GFP)発現ベクターのCOS−1細胞への一過性コトランスフェクションにより分析した。Mol. Immunol. 35, 13-21(1998)で報告したように、ヒトCD26 cDNAコンストラクトのC末欠失変異体として、Nco I制限酵素サイトを用いてC末の740−766番目のアミノ酸で示されるドメインを欠失させたもの、Nhe I制限酵素サイトを用いて578番目以降のアミノ酸で示されるドメインを欠失させたもの、Bspe I制限酵素サイトを用いて450番目以降のアミノ酸で示されるドメインを欠失させたもの、Stu I制限酵素サイトを用いて359番目以降のアミノ酸で示されるドメインを欠失させたもの、及びPst I制限酵素サイトを用いて248番目以降のアミノ酸で示されるドメインを欠失させたものを作製した。これらのcDNAは、フレームをあわせてpcDL−SRα発現ベクターにライゲーションした(Mol. Cell Biol. 8, 466-472(1988))。GFP発現ベクターpEB6−CAG−GFPは、三輪佳宏博士(筑波大学、つくば市、日本)より頂いた(Biochem. Biophys. Res. Commun. 264, 938-943(1999))。pcDL−SRαに組み込んだ各CD26欠失コンストラクトは、Lipofectamine 2000 reagent(ライフテクノロジーズ)を用いて、pEB6−CAG−GFPとともにCOS−1細胞にコトランスフェクションした。トランスフェクション24時間後、細胞は、5mM EDTA含有氷冷PBSで剥離して回収し、Alexa Fluor 649標識MERS−CoV S1−Fc、2F9、YS110又はヒトFc(染色バッファー中5μg/mL)コントロールを用いて4℃で30分間染色した。細胞は、氷冷染色バッファーで3回洗浄し、500μLのFCMバッファー中に懸濁し、FACSCaliburによる分析に供した。
(2)図1に記載の欠失を有するCD26 cDNAを、材料と方法で記載のように、COS−1細胞に対して、GFP発現プラスミドとコトランスフェクトした。トランスフェクションの24時間後、細胞を、Alexa Fluor 647標識化MERS−CoV S1−Fc、2F9又はYS110(それぞれ5μg/mL)で染色した。
結果を図10に示す。Alexa Fluor 647のヒストグラムは、得られた全ての細胞の中で、GFPポジティブな細胞をゲートすることによって得られた。3回の実験による結果は、全長±s.e.m.に対してポジティブ細胞%として示されている(各底部パネルの棒グラフ)。縦線は、マイナスとプラスの強度の間の境界を示している。
その結果、MERS−CoVとの結合を阻害する抗CD26モノクローナル抗体のCD26認識領域はアミノ酸番号248〜449であることが明らかになった。なお、CD26の全アミノ酸配列を図21−1、図21−2及び配列番号1に示す。
Mol. Immunol. 35, 13-21(1998)で報告したように、2F9又はYS110(1F7に類似するエピトープを認識する)によって特定されたエピトープは、それぞれ359〜449番目又は248〜358番目のアミノ酸に位置していた。一方、図10に示すように、MERS−CoV S1−Fcとの結合に関与するCD26エピトープは、2F9エピトープと同様に、358番目のアミノ酸近傍に位置すると考えられる。計算予測から得られた領域とは異なるが、上記検討の結果は、MERS−CoV S1−FcのCD26との結合には、CD26のADA結合領域及び付加的部位が関わっていることを示唆する。
その結果、MERS−CoVとの結合を阻害する抗CD26モノクローナル抗体のCD26認識領域はアミノ酸番号248〜449であることが明らかになった。なお、CD26の全アミノ酸配列を図21−1、図21−2及び配列番号1に示す。
Mol. Immunol. 35, 13-21(1998)で報告したように、2F9又はYS110(1F7に類似するエピトープを認識する)によって特定されたエピトープは、それぞれ359〜449番目又は248〜358番目のアミノ酸に位置していた。一方、図10に示すように、MERS−CoV S1−Fcとの結合に関与するCD26エピトープは、2F9エピトープと同様に、358番目のアミノ酸近傍に位置すると考えられる。計算予測から得られた領域とは異なるが、上記検討の結果は、MERS−CoV S1−FcのCD26との結合には、CD26のADA結合領域及び付加的部位が関わっていることを示唆する。
実施例4
抗CD26モノクローナル抗体2F9によるMERS−CoV感染の阻害を検討した。
Huh−7細胞を、40μg/mLの濃度条件下、ノーマルマウスIgG(コントロールIgG)又は種々の抗CD26mAb(4G8、1F7、2F9、16D4B、9C11)、ヒト化抗CD26mAb(YS110)又は抗CD26ヤギポリクローナル抗体(pAb)で0.5時間プレインキュベートしてから、MERS−CoVウイルスを接種したが(1時間)、全ては室温条件下で行った。Mockインキュベート細胞(コントロール)を、対照として採用した。37℃で8時間インキュベーションした後、感染した細胞を、免疫蛍光検査法にて検出し、感染を定量化(対照に対して)した。
抗CD26モノクローナル抗体2F9によるMERS−CoV感染の阻害を検討した。
Huh−7細胞を、40μg/mLの濃度条件下、ノーマルマウスIgG(コントロールIgG)又は種々の抗CD26mAb(4G8、1F7、2F9、16D4B、9C11)、ヒト化抗CD26mAb(YS110)又は抗CD26ヤギポリクローナル抗体(pAb)で0.5時間プレインキュベートしてから、MERS−CoVウイルスを接種したが(1時間)、全ては室温条件下で行った。Mockインキュベート細胞(コントロール)を、対照として採用した。37℃で8時間インキュベーションした後、感染した細胞を、免疫蛍光検査法にて検出し、感染を定量化(対照に対して)した。
結果を図11に示す。2回の独立した実験を行い、一方の代表的な実験から得られたデータを示す。エラーバーは、s.e.m.を示している。MERS−CoV感染の部分的な阻害が、1F7又はYS110にて観察され(*)、一方、MERS−CoV感染の完全な阻害が、2F9又はpAbにて観察された(**)。
実施例5
(1)親Jurkat細胞及びCD26JurkatトランスフェクタントにおけるCD26発現
全長ヒトCD26を遺伝子導入したJurkat細胞(JKT−hCD26WT)又はベクターコントロール(JKT−Mock)のAlexa Fluor 488標識抗CD26mAb 2F9を用いた染色のヒストグラムを図12に示す(赤ヒストグラム)。CD26はJKT−hCD26WTで発現するが、JKT−Mockでは発現しない。3回の実験の結果を示す。
(2)MERS−CoV S1−FcのJKT−hCD26WTへの結合
JKT−Mock(上パネル)又はJKT−hCD26WT(下パネル)を用いた種々の濃度のAlexa Fluor結合MERS−CoV S1−Fc(赤ヒストグラム)又はコントロール組み換え体Fc(グレーヒストグラム)を用いた染色のヒストグラムを図13に示す。MERS−CoV S1−Fcの結合は、JKT−Mockでは検出されなかった。一方で、JKT−hCD26WTでは、MERS−CoV S1−Fcの結合が5μg/mL以上の強度で確認された。3回の実験の結果を示す。
(1)親Jurkat細胞及びCD26JurkatトランスフェクタントにおけるCD26発現
全長ヒトCD26を遺伝子導入したJurkat細胞(JKT−hCD26WT)又はベクターコントロール(JKT−Mock)のAlexa Fluor 488標識抗CD26mAb 2F9を用いた染色のヒストグラムを図12に示す(赤ヒストグラム)。CD26はJKT−hCD26WTで発現するが、JKT−Mockでは発現しない。3回の実験の結果を示す。
(2)MERS−CoV S1−FcのJKT−hCD26WTへの結合
JKT−Mock(上パネル)又はJKT−hCD26WT(下パネル)を用いた種々の濃度のAlexa Fluor結合MERS−CoV S1−Fc(赤ヒストグラム)又はコントロール組み換え体Fc(グレーヒストグラム)を用いた染色のヒストグラムを図13に示す。MERS−CoV S1−Fcの結合は、JKT−Mockでは検出されなかった。一方で、JKT−hCD26WTでは、MERS−CoV S1−Fcの結合が5μg/mL以上の強度で確認された。3回の実験の結果を示す。
(3)2F9結合後のCD26発現レベル
種々の濃度の2F9(赤ヒストグラム)又はコントロールマウスIgG(黒ヒストグラム)の存在下における抗CD26mAb 14D10を用いた染色のヒストグラムを図14に示す。JKT−hCD26WT細胞を各濃度の抗CD26mAb 2F9又はコントロールIgGともに30分、4℃でインキュベートした。洗浄後、細胞をAlexa Fluor 488標識14D10(5μg/mL)で染色した。グレーのヒストグラムは、アイソトープコントロールを用いた染色を示す。2F9処理後、CD26発現に変化はなかった。
(4)MERS−CoV S1−Fcを用いたプレインキュベーションによりMERS−CoV S1−Fcの結合が部分的に阻害される
(A)種々の濃度の未標識MERS−CoV S1−Fc又はコントロールFcの存在下におけるMERS−CoV S1−Fcを用いた染色のヒストグラムを図15(A)に示す(左の6つのパネル)。JKT−hCD26WT細胞を各濃度の未標識MERS−CoV S1−Fc(赤ヒストグラム)又はコントロールFc(黒ヒストグラム)とともに30分、4℃でインキュベートした。洗浄後、細胞をAlexa Fluor 488標識MERS−CoV S1−Fc(5μg/mL)で染色した。グレーのヒストグラムは、アイソトープコントロールを用いた染色を示す。Alexa Fluor 488標識MERS−CoV S1−FcのMFIを棒グラフで示す(右パネル)。MERS−CoV S1−Fcは添加量に依存してセルフブロックされたが、完全には阻害されなかった。3回の実験の結果をMFI平均値±s.e.m.(両側Student’s t検定、*p<0.05vs.対応するコントロールFc)。プレインキュベートのMERS−CoV S1−Fc又はコントロールFcの0μg/mLにおける赤及び黒の棒グラフは同じデータを用いてプロットした。
(B)種々の濃度のMERS−CoV S1−Fc又はコントロールFcの存在下における抗CD26mAb 14D10を用いた染色のヒストグラムを図15(B)に示す。(A)と同様に実験を行った。MERS−CoV S1−Fc処理後、CD26発現レベルに変化はなかった。
(5)アデノシンデアミナーゼ(ADA)のJKT−hCD26WTへの結合
ADA(上パネル)又は抗CD26mAb 14D10(下パネル)のJKT−Mock(左パネル)又はJKT−hCD26WT(右パネル)への結合のヒストグラムを図16に示す。JKT−Mock又はJKT−hCD26WTをAlexa Fluor 488標識ADA(10μg/mL)、14D10(10μg/mL)又はコントロールIgGとともにインキュベートした。ADA及び抗CD26mAbの結合は、JKT−hCD26WTで明らかに検出されたが、JKT−Mockでは検出されなかった。データは3回の実験を示し、ほぼ同じ結果が得られた。
(6)外因性ADAの存在下において2F9は、CD26のMERS−CoV S1−Fc結合を完全に阻害する
(A)種々の濃度の外因性ADA(赤ヒストグラム)又は溶媒コントロール(担体)としてPBS(黒ヒストグラム)の存在下におけるMERS−CoV S1−Fcを用いた染色のヒストグラムを図17に示す(左5つのパネル)。JKT−hCD26WT細胞を各濃度の外因性ADA又は対応する希釈PBSともに30分、37℃でインキュベートした。洗浄後、細胞をAlexa Fluor 488標識MERS−CoV S1−Fc(5μg/mL)で染色した。グレーのヒストグラムは、アイソトープコントロールを用いた染色を示す。Alexa Fluor 488標識MERS−CoV S1−FcのMFIを棒グラフで示す(右パネル)。外因性ADAによりMERS−CoV S1−Fc結合は添加量依存的に阻害されたが、完全には阻害されなかった。3回の実験の結果をMFI平均値±s.e.m.で示す(両側Student’s t検定、*p<0.05vs.対応する担体)。プレインキュベートのADA又は担体の0μg/mLにおける赤及び黒の棒グラフは同じデータを用いてプロットした。
種々の濃度の2F9(赤ヒストグラム)又はコントロールマウスIgG(黒ヒストグラム)の存在下における抗CD26mAb 14D10を用いた染色のヒストグラムを図14に示す。JKT−hCD26WT細胞を各濃度の抗CD26mAb 2F9又はコントロールIgGともに30分、4℃でインキュベートした。洗浄後、細胞をAlexa Fluor 488標識14D10(5μg/mL)で染色した。グレーのヒストグラムは、アイソトープコントロールを用いた染色を示す。2F9処理後、CD26発現に変化はなかった。
(4)MERS−CoV S1−Fcを用いたプレインキュベーションによりMERS−CoV S1−Fcの結合が部分的に阻害される
(A)種々の濃度の未標識MERS−CoV S1−Fc又はコントロールFcの存在下におけるMERS−CoV S1−Fcを用いた染色のヒストグラムを図15(A)に示す(左の6つのパネル)。JKT−hCD26WT細胞を各濃度の未標識MERS−CoV S1−Fc(赤ヒストグラム)又はコントロールFc(黒ヒストグラム)とともに30分、4℃でインキュベートした。洗浄後、細胞をAlexa Fluor 488標識MERS−CoV S1−Fc(5μg/mL)で染色した。グレーのヒストグラムは、アイソトープコントロールを用いた染色を示す。Alexa Fluor 488標識MERS−CoV S1−FcのMFIを棒グラフで示す(右パネル)。MERS−CoV S1−Fcは添加量に依存してセルフブロックされたが、完全には阻害されなかった。3回の実験の結果をMFI平均値±s.e.m.(両側Student’s t検定、*p<0.05vs.対応するコントロールFc)。プレインキュベートのMERS−CoV S1−Fc又はコントロールFcの0μg/mLにおける赤及び黒の棒グラフは同じデータを用いてプロットした。
(B)種々の濃度のMERS−CoV S1−Fc又はコントロールFcの存在下における抗CD26mAb 14D10を用いた染色のヒストグラムを図15(B)に示す。(A)と同様に実験を行った。MERS−CoV S1−Fc処理後、CD26発現レベルに変化はなかった。
(5)アデノシンデアミナーゼ(ADA)のJKT−hCD26WTへの結合
ADA(上パネル)又は抗CD26mAb 14D10(下パネル)のJKT−Mock(左パネル)又はJKT−hCD26WT(右パネル)への結合のヒストグラムを図16に示す。JKT−Mock又はJKT−hCD26WTをAlexa Fluor 488標識ADA(10μg/mL)、14D10(10μg/mL)又はコントロールIgGとともにインキュベートした。ADA及び抗CD26mAbの結合は、JKT−hCD26WTで明らかに検出されたが、JKT−Mockでは検出されなかった。データは3回の実験を示し、ほぼ同じ結果が得られた。
(6)外因性ADAの存在下において2F9は、CD26のMERS−CoV S1−Fc結合を完全に阻害する
(A)種々の濃度の外因性ADA(赤ヒストグラム)又は溶媒コントロール(担体)としてPBS(黒ヒストグラム)の存在下におけるMERS−CoV S1−Fcを用いた染色のヒストグラムを図17に示す(左5つのパネル)。JKT−hCD26WT細胞を各濃度の外因性ADA又は対応する希釈PBSともに30分、37℃でインキュベートした。洗浄後、細胞をAlexa Fluor 488標識MERS−CoV S1−Fc(5μg/mL)で染色した。グレーのヒストグラムは、アイソトープコントロールを用いた染色を示す。Alexa Fluor 488標識MERS−CoV S1−FcのMFIを棒グラフで示す(右パネル)。外因性ADAによりMERS−CoV S1−Fc結合は添加量依存的に阻害されたが、完全には阻害されなかった。3回の実験の結果をMFI平均値±s.e.m.で示す(両側Student’s t検定、*p<0.05vs.対応する担体)。プレインキュベートのADA又は担体の0μg/mLにおける赤及び黒の棒グラフは同じデータを用いてプロットした。
(B)種々の濃度の外因性ADA(赤ヒストグラム)又は溶媒コントロール(担体)としてPBS(黒ヒストグラム)の存在下における2F9を用いた染色のヒストグラムを図18に示す(左5つのパネル)。(A)と同様に処理した後、JKT−hCD26WT細胞をAlexa Fluor 488標識2F9(10μg/mL)で染色した。グレーのヒストグラムは、アイソトープコントロールを用いた染色を示す。Alexa Fluor 488標識2F9のMFIを棒グラフで示す(右パネル)。外因性ADAにより2F9結合は添加量依存的に阻害されたが、完全には阻害されなかった。3回の実験の結果をMFI平均値±s.e.m.で示す(両側Student’s t検定、*p<0.05vs.対応する担体)。プレインキュベートのADA又は担体の0μg/mLにおける赤及び黒の棒グラフは同じデータを用いてプロットした。
(C)種々の濃度の外因性ADA(赤ヒストグラム)又は溶媒コントロール(担体)としてPBS(黒ヒストグラム)の存在下における抗CD26mAb 14D10を用いた染色のヒストグラムを図19に示す。(A)と同様に、処理した後、JKT−hCD26WT細胞をAlexa Fluor 488標識14D10(10μg/mL)で染色した。グレーのヒストグラムは、アイソトープコントロールを用いた染色を示す。データは3回の実験を示し、ほぼ同じ結果が得られた。
(D)2F9を添加するとともに、種々の濃度の外因性ADA(赤ヒストグラム)又は溶媒コントロール(担体)としてPBS(黒ヒストグラム)の存在下におけるMERS−CoV S1−Fcを用いた染色のヒストグラムを図20に示す。JKT−hCD26WT細胞を、各濃度の外因性ADA又は対応する希釈PBSとともに30分、37℃でインキュベートし、次いで2F9(10μg/mL)とともに30分4℃で更にインキュベートした。洗浄後、細胞をAlexa Fluor 488標識MERS−CoV S1−Fc(5μg/mL)で染色した。グレーのヒストグラムは、アイソトープコントロールを用いた染色を示す。2F9を添加した外因性ADAによりMERS−CoV S1−Fc結合は完全に阻害された。3回の実験の結果を示す。
(7)(1)〜(6)の結果から、JKT−hCD26WTにおいてCD26の発現が確認されたが、JKT−Mock(コントロールベクターでトランスフェクト)では確認されなかった。更に、JKT−hCD26WTにおいてMERS−CoV S1−FcのCD26への結合が確認され、またJKT−hCD26WTへのMERS−CoV S1−Fcの結合濃度は5μg/mL以上であった。2F9はMERS−CoV S1−FcのJKT−hCD26WTへの結合を完全に阻害した。2F9のブロッキング効果は用量依存的(dose−dependent)であった。抗CD26mAbによるCD26の発現の下方制御(down−modulation)が、一定の実験条件において観察されていることを踏まえ、細胞表面におけるCD26の発現を評価した。図17〜図20に示すように、CD26の発現レベルは2F9の濃度変化による影響を受けなかった。
Claims (2)
- CD26のアミノ酸番号248〜449を認識する抗CD26モノクローナル抗体、そのキメラ抗体又はそのヒト化抗体を有効成分とするMERSコロナウイルス感染症予防又は治療剤。
- 前記抗CD26モノクローナル抗体が、2F9(NITE BP−01699)又はs604069.YST−pABMC149(PTA−7695)が産生する抗体である請求項1記載のMERSコロナウイルス感染症予防又は治療剤。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2013187124A Pending JP2015054824A (ja) | 2013-09-10 | 2013-09-10 | Mersコロナウイルス感染症予防治療剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2015054824A (ja) |
-
2013
- 2013-09-10 JP JP2013187124A patent/JP2015054824A/ja active Pending
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