JP2015053995A - スライダー固定部品及び、それを備えるスライドファスナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この発明のスライダー固定部品1は、一方のスライダー101への装着姿勢で、一方のスライダー101の後口側端部101aより突出して、他方のスライダー102側に延びる迫出し部分2を有し、該迫出し部分2の、他方のスライダー102に対向する箇所に、他方のスライダー102の一部が嵌め合わされる嵌合凹部3が形成されてなる。
【選択図】図1
Description
そしてその状態で、一方のエレメント列の一端部に設けた蝶棒を、上記の如く連結させたエレメント通路の双方に挿入するとともに、他方のエレメント列の一端部の箱体に挿入し、その後、一方のスライダーを、エレメント列の他端部に向けて摺動させることで、対をなすエレメント列を噛合させることができる。
この問題に対しては、一対のスライダーのそれぞれの形状を、後口側端部の突合せ状態で互いに係合可能な特殊なものに変更することや、箱棒に係止構造を設けること等によって対処することができるとも考えられるが、それらの対策は、一般的な形状で既に製造された既存のスライドファスナーには適用できず、それらの操作性の向上をもたらすことはできなかった。
なおここで、一対のスライダーはともに、上翼板および下翼板を連結柱により互いに離隔した位置で連結するとともに上翼板および下翼板の相互間にエレメント通路を設けたスライダー胴体と、前記上翼板の上面から隆起する引手取付部に取り付けられて、使用者に把持される引手とを有するものとすることができる。
ここでは、前記連結部分の左右両側に拡がる前記プレート状部分のそれぞれの、上側構成部材側を向く各表面を、前方側に向かうに従い、上側構成部材から次第に離れる下り傾斜面とすることがそれぞれ好ましい。
なお、前記下側構成部材の、上側構成部材側を向く内面には、一方のスライダー101の下翼板108の前端面形状に整合する段差部を設けることが好ましい。
また、スライダーの「左右」方向とは、ファスナーテープの平面上で、エレメント列の延びる方向に直交する方向をいう。そしてまた、スライダーの「上側」とは、ファスナーテープの平面に対し、使用者が把持する引手が存在する側であるファスナーテープ表面側をいい、また「下側」とは、その逆側であるファスナーテープ裏面側をいう。
しかもここでは、既存のスライドファスナーに対して後付け可能な部品としたことにより、スライドファスナー自体の形状等の設計変更を要せずして、上記の操作性の向上を実現することができる。
図1に示すスライダー固定部品1は、スライドファスナー100が有する一対のスライダー101、102のうちの、いずれかのスライダー101もしくは102、ここでは図の上方側に位置する一方のスライダー101に装着されて使用されるものである。
開離嵌挿具105は、一方のエレメント列103bに蝶棒103c、他方のエレメント列104bに箱棒104cを備えている。
逆開きタイプのスライダーに適用される開離嵌挿具105は、一対のスライダー101、102を開離嵌挿具105側まで移動させた状態で、箱棒104cを備えるファスナーストリンガー104に対して、蝶棒103cを備えるファスナーストリンガー103を抜き差しすることができる。
この操作によって、一対のファスナーストリンガー103、104を完全に分離、あるいは噛合わせのためのファスナーストリンガー103、104同士の位置決めを行うことができる。
ここでは、スライダー101、102はいずれも、たとえば、図2に、スライドファスナーチェーンから取り外して示すように、ファスナーテープ103a、104aの表面側に位置する上翼板107と、裏面側に位置する下翼板108との相互を、連結柱109により、たとえばスライダー101、102の前方側で連結してなるスライダー胴体110と、スライダー胴体110の上翼板107の上面から隆起させて設けた逆U字状の引手取付部111に取り付けた引手112とを有するものとしている。
それにより、当該スライダー101、102ではスライダー胴体110の内側に、後口側端部から肩口側端部に向かう途中で二叉に分岐する略Y字状のエレメント通路113が区画形成されることになる。なお、このエレメント通路113では、前方側に、エレメント通路113の分岐点で分離された各エレメント列103b、104bの、スライダー内外への出入り口となるそれぞれの肩口113aが形成され、また、後方側に、噛合したエレメント列103b、104bの出入り口となる後口113bが形成される。
エラストマー製もしくは合成樹脂製等のこのスライダー固定部品1は、一方のスライダー101に装着された姿勢で、そのスライダー101の後口側端部101a近傍から他方のスライダー102側に突出して延びる迫出し部分2を有するものであり、この迫出し部分2の、他方のスライダー102への対向箇所に、他方のスライダー102の一部が嵌合可能な嵌合凹部3を設けたものである。
また、他方のスライダー102の一部がスライダー固定部品1の嵌合凹部3に直接的に嵌り込む場合の他、図示は省略するが、他方のスライダー102にも、スライダー固定部品1と対応する部品を装着し、他方のスライダー102の一部が、当該対応部品を介して間接的に、スライダー固定部品1の嵌合凹部3に嵌り込むものとすることも可能である。
但し、スライダー101、102の相互を、エレメント列103b、104bの延びる方向に直交する左右方向及び、ファスナーテープ103a、104aの平面に直交する上下方向のいずれの方向に対しても位置ずれなしに確実に固定するとの観点からは、嵌合凹部3は、図示の実施形態のように、他方のスライダー102の上翼板107に設けた引手取付部111の後口側端部102aが嵌り込む態様とすることが好ましい。
それにより、後口側端部同士の突合せ状態で、他方のスライダー102の上翼板107上に位置する平板状の迫出し部分2が、当該上翼板107を下方に押し付けて、スライダー相互間の上下方向の位置ずれを防止するとともに、引手取付部111の後口側端部102aを左右両側から挟む嵌合凹部3が、左右方向の位置ずれを防止するので、スライダー101、102の相互が強固に固定されることになる。
より詳細には、この実施形態は、図2に分解斜視図で示すところから明らかなように、一方のスライダー101の上翼板107の周囲を取り囲んで配置されて、上翼板107の、引手取付部111を含む上面を露出させる貫通穴4aを設けた上側構成部材4と、上側構成部材4から離隔させて配置される下側構成部材5と、それらの上側構成部材4及び下側構成部材5の相互を連結する連結部分6とで構成している。そして、このスライダー固定部品1は、図5及び6に断面図で示すように、上側構成部材4及び下側構成部材5の相互間に、一方のスライダー101を挟み込むことで、スライダー胴体110の全体を覆って、スライダー101に装着される。
そして、図5、6に示すように、スライダー固定部品1の前端側で、上側構成部材4に設けた下方への突起部6aと、下側構成部材5に設けた突起受容孔部6bとで構成することができる。
つまり、この実施形態では、上側構成部材4の、略円筒形状を有する突起部6aを、下側構成部材5に設けた円筒部分の内側の、全体として突起部6aの外径よりも大きい突起受容孔部6bに挿入し、突起部6aの外周面に設けた環状溝部に、突起受容孔部6bに設けた環状突出箇所を嵌め合わせて、それらを係合させることにより、連結部分6を構成している。
その結果として、一方のエレメント列103bの蝶棒103cの、エレメント通路113への挿入をさらに容易に行うことが可能になる。
またここでは、カバーフランジ9を、上翼板107の下向きフランジ107aの下端縁よりも下方に突出させて設けることが好適であり、この場合、カバーフランジ9により、上翼板107の下向きフランジ107aと下翼板108の上向きフランジ108aとの間への生地の噛み込みを抑制することができる。
なお図示は省略するが、上記の段差部10の配設に加えて、下側構成部材5の内面には、下翼板108の後口側端部101aに当接して、前記段差部10との間で下翼板108を前後方向の両側から挟み込む壁部を設けることもできる。
但し、このような突出部分11の形成は必須の構成ではない。
このような他の実施形態でも、一対のスライダー101、102の後口側端部101a、102aの、相互の突合せ状態で、迫出し部分32が、他方のスライダー102の上翼板107上に被さって位置するものとし、迫出し部分32に設けた嵌合凹部33を、他方のスライダー102の引手取付部111の後口側端部102aを左右両側から挟んで当該引手取付部111の後口側端部102aを保持する形状とすることが好ましい。それにより、図8に示すところでは、スライダー固定部品31は、平面視で全体としてH字状をなす。
2、32 迫出し部分
3、33 嵌合凹部
4 上側構成部材
4a 翼部
5、25 下側構成部材
6 連結部分
6a 突起部
6b 突起受容孔部
7 プレート状部分
9 カバーフランジ
10 段差部
34本体部分
100 スライドファスナー
101、102 スライダー
101a、102b 後口側端部
103a、104a ファスナーテープ
103b、104b エレメント列
103c 蝶棒
104c 箱棒
105 離開嵌挿具
106 上止
107 上翼板
107a 下向きフランジ
108 下翼板
108a 上向きフランジ
109 連結柱
110 スライダー胴体
111 引手取付部
112 引手
113 エレメント通路
113a 肩口
113b 後口
Claims (10)
- 対をなすエレメント列103b、104bに、該エレメント列103b、104bの延びる方向に沿って摺動する一対のスライダー101、102を、それぞれの後口側端部101a、102aが互いに対向する向きで配置したスライドファスナー100の、一方のスライダー101に装着され、一対のスライダー101、102相互の位置合わせに供されるスライダー固定部品1であって、
一方のスライダー101への装着姿勢で、一方のスライダー101の後口側端部101aより突出して、他方のスライダー102側に延びる迫出し部分2を有し、該迫出し部分2の、他方のスライダー102に対向する箇所に、他方のスライダー102の一部が嵌め合わされる嵌合凹部3が形成されてなる、スライダー固定部品。 - 前記一対のスライダー101、102がともに、上翼板107および下翼板108を連結柱109により互いに離隔した位置で連結するとともに上翼板107および下翼板108の相互間にエレメント通路113を設けたスライダー胴体110と、前記上翼板107の上面から隆起する引手取付部111に取り付けられて、使用者に把持される引手とを有するものであって、
一対のスライダー101、102の各後口側端部101a、102aの、相互の突合せ状態で、前記迫出し部分2が、他方のスライダー102の上翼板107上に被さって位置するものとし、前記嵌合凹部3を、他方のスライダー102の引手取付部111の後口側端部102aを左右両側から挟んで当該引手取付部111の後口側端部102aを保持する形状としてなる、請求項1に記載のスライダー固定部品。 - 一方のスライダー101、102のスライダー胴体110の上翼板107上面の後口側端部102aに取り付けられる本体部分34と、該本体部分34から他方のスライダー102側に延びる前記迫出し部分32とで構成してなる、請求項2に記載のスライダー固定部品。
- 一方のスライダー101への装着姿勢で、該スライダー101の上翼板107の周囲を取り囲んで配置されて、当該上翼板107の、前記引手取付部111を含む上面を露出させる貫通孔4aを設けた上側構成部材4と、上側構成部材4から離隔させて該スライダー101の下翼板108側に配置される下側構成部材5と、上側構成部材4及び下側構成部材5の相互を連結する連結部分6とで構成し、前記上側構成部材4及び下側構成部材5の相互間に該スライダー101のスライダー胴体110が挟み込まれるものとしてなる、請求項2または3に記載のスライダー固定部品。
- 上側構成部材4と下側構成部材5との前記連結部分6を、上側構成部材4及び下側構成部材5の前方側領域に配置し、該連結部分6が、一方のスライダー101への装着姿勢で、該スライダー101の連結柱109の前方側に隣接して位置するものとしてなる、請求項4に記載のスライダー固定部品。
- 前記下側構成部材5に、上側構成部材4との連結部分6の左右両側の少なくとも一方側に拡がって延びる板状に形成され、一方のスライダー101の肩口113aの前方側に配置されるプレート状部分7を設け、下側構成部材5の前記プレート状部分7及び上側構成部材4により、エレメント列103bの一端部を前記エレメント通路113へ誘導するガイド通路8を区画してなる、請求項5に記載のスライダー固定部品。
- 前記連結部分6の左右両側に拡がる前記プレート状部分7のそれぞれの、上側構成部材4側を向く各表面を、前方側に向かうに従い、上側構成部材4から次第に離れる下り傾斜面としてなる、請求項6に記載のスライダー固定部品。
- 前記上側構成部材4の左右両側部のそれぞれに、該側部から下翼板108側に延びて上翼板107の側面を覆って配置され、上翼板107を把持するカバーフランジ9を設けてなる、請求項4〜7のいずれか一項に記載のスライダー固定部品。
- 前記下側構成部材5の、上側構成部材4側を向く内面に、一方のスライダー101の下翼板108の前端面形状に整合する段差部10を設けてなる、請求項4〜8のいずれか一項に記載のスライダー固定部品。
- 一対のファスナーテープ103a、104aと、一対のファスナーテープ103a、104aの、互いに対向するテープ側縁部のそれぞれに取り付けられて、複数のエレメントをテープ側縁部に沿って並べて配置してなるエレメント列103b、104bと、エレメント列103b、104bに、それぞれの後口側端部101a、102aが互いに対向する向きで配置されて、エレメント列103b、104bの延びる方向に沿って摺動して一対のエレメント列103b、104bを相互に噛合ないし分離する一対のスライダー101、102とを備えるスライドファスナー100であって、
一方の前記スライダー101に、請求項1〜9のいずれか一項に記載のスライダー固定部品1、31を装着してなる、スライドファスナー。
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WO2019211914A1 (ja) * | 2018-05-02 | 2019-11-07 | Ykk株式会社 | スライドファスナー |
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JP2007044535A (ja) * | 2005-08-10 | 2007-02-22 | Ykk Corp | スライドファスナー用スライダーとスライドファスナー |
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