JP2015051997A - 有害節足動物防除組成物及び有害節足動物の防除方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】有害節足動物に対する優れた防除効力を有する有害節足動物防除組成物の提供。
【解決手段】式(1)で示されるアミド化合物、式(2)で示されるアントラニルアミド化合物、等を含有する有害節足動物防除組成物。


【選択図】なし

Description

本発明は、有害節足動物防除組成物及び有害節足動物の防除方法に関するものである。
従来、有害節足動物防除組成物の有効成分として、多くの化合物が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
The Pesticide Manual−15th edition(BCPC刊);ISBN 978−1−901396−18−8
本発明は、有害節足動物に対する優れた防除効力を有する有害節足動物防除組成物を提供することを課題とする。
本発明者等は、有害節足動物に対する優れた防除効力を有する有害節足動物防除組成物を見出すべく検討した結果、下記式(1)で示されるアミド化合物と、下記式(2)で示されるアントラニルアミド化合物と、下記群(A)より選ばれる1種以上のウンカ類防除化合物とを含有する組成物が、有害節足動物に対する優れた防除効力を有することを見出し、本発明に到った。
すなわち、本発明とは以下の[1]〜[5]のものである。
[1] 式(1)
で示されるアミド化合物と、式(2)
〔式中、R1及びR2の組合せは、R1がメチル基かつR2が塩素原子である組合せ、又は、R1がメチル基かつR2がシアノ基である組合せを表す。〕
で示されるアントラニルアミド化合物と、群(A)より選ばれる1種以上のウンカ類防除化合物とを含有する有害節足動物防除組成物;
群(A):クロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサム、ジノテフラン、フィプロニル、ピメトロジン、式(I)で示される化合物及び式(II)で示される化合物からなる群。

[2] アミド化合物と、アントラニルアミド化合物との重量比が、50:1〜1:50である[1]記載の有害節足動物防除組成物。
[3] アミド化合物と、ウンカ類防除化合物との重量比が、50:1〜1:100である[2]記載の有害節足動物防除組成物。
[4] [1]〜[3]いずれか一項記載の有害節足動物防除組成物の有効量を、植物又は植物の栽培地に施用する工程を含む有害節足動物の防除方法。
[5] 植物又は植物の栽培地が、イネ又はイネの栽培地である[4]記載の有害節足動物防除方法。
本発明により、有害節足動物を防除することができる。
本発明の有害節足動物防除組成物とは、下記式(1)で示されるアミド化合物(以下、本アミド化合物と記す場合がある。)と、下記式(2)で示されるアントラニルアミド化合物(以下、本アントラニルアミド化合物と記す場合がある。)と、下記群(A)より選ばれる1種以上のウンカ類防除化合物(以下、本ウンカ類病防除化合物と記す場合がある。)とを含有するものである。

〔式中、R1及びR2の組合せは、R1がメチル基かつR2が塩素原子である組合せ、又は、R1がメチル基かつR2がシアノ基である組合せを表す。〕

群(A):クロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサム、ジノテフラン、フィプロニル、ピメトロジン、式(I)で示される化合物(以下、本化合物(I)と記す。)及び式(II)で示される化合物(以下、本化合物(II)と記す。)からなる群。


本アミド化合物は公知の化合物であり、例えば国際公開第2003/010149号パンフレットに記載された方法で製造することができる。
本アントラニルアミド化合物のうち、式(2)において、R1がメチル基であり、R2が塩素原子である化合物(以下、本アントラニルアミド化合物(i)と記す。)は、例えば「The Pesticide Manual−15th edition(BCPC刊);ISBN 978−1−901396−18−8」の175ページに記載されており、該化合物は市販の製剤から得るか、公知の方法により製造することにより得られる。
本アントラニルアミド化合物のうち、式(2)において、R1がメチル基であり、R2がシアノ基である化合物(以下、本アントラニルアミド化合物(ii)と記す。)は、例えば「The Pesticide Manual−15th edition(BCPC刊);ISBN 978−1−901396−18−8」の251ページに記載されており、該化合物は国際公開第2004/067528号パンフレットに記載された方法で製造することができる。
本発明に用いられるクロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサム、ジノテフラン、フィプロニル及びピメトロジンはいずれも公知の化合物であり、例えば「 The Pesticide Manual−15th edition(BCPC刊);ISBN 978−1−901396−18−8 」の229、645、1112、391、500及び968ページ等に記載されている。これらの化合物は市販の製剤から得るか、公知の方法により製造することにより得られる。
本化合物(I)は公知の化合物であり、たとえば国際公開第2007/095229号パンフレットに記載された方法で製造することができる。
本化合物(II)は公知の化合物であり、たとえば国際公開第2007/115644号パンフレットに記載された方法で製造することができる。
本発明の有害節足動物防除組成物における、本アミド化合物と本アントラニルアミド化合物と本ウンカ類防除化合物との含有割合は、特に限定されるものではないが、本アミド化合物100重量部に対して、本アントラニルアミド化合物が、通常0.2〜50000重量部、好ましくは2〜5000重量部であり、本ウンカ類防除化合物が、通常0.2〜100000重量部、好ましくは2〜10000重量部である。
本発明の有害節足動物防除組成物は、本アミド化合物と本アントラニルアミド化合物と本ウンカ類防除化合物とを単に混合したものでもよいが、通常は、本アミド化合物、本アントラニルアミド化合物及び本ウンカ類防除化合物と不活性担体とを混合し、必要に応じて界面活性剤やその他の製剤用補助剤を添加して、油剤、乳剤、フロアブル剤、水和剤、顆粒水和剤、粉剤、粒剤等に製剤化されたものが用いられる。
また、前記の製剤化された有害節足動物防除組成物は、そのまま又はその他の不活性成分を添加して有害節足動物防除剤として使用することができる。
本発明の有害節足動物防除組成物における、本アミド化合物、本アントラニルアミド化合物及び本ウンカ類防除化合物の合計量は、通常0.01〜99重量%、好ましくは0.1〜90重量%の範囲、さらに好ましくは0.5〜70重量%の範囲である。
製剤化の際に用いられる固体担体としては、例えばカオリンクレー、アッタパルジャイトクレー、ベントナイト、モンモリロナイト、酸性白土、パイロフィライト、タルク、珪藻土、方解石等の鉱物、トウモロコシ穂軸粉、クルミ殻粉等の天然有機物、尿素等の合成有機物、炭酸カルシウム、硫酸アンモニウム等の塩類、合成含水酸化珪素等の合成無機物等からなる微粉末あるいは粒状物等が挙げられ、液体担体としては、例えばキシレン、アルキルベンゼン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素類、2−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル等のアルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、ダイズ油、綿実油等の植物油、石油系脂肪族炭化水素類、エステル類、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル及び水が挙げられる。
界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル塩、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホネートホルムアルデヒド重縮合物等の陰イオン界面活性剤及びポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤、及びアルキルトリメチルアンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤が挙げられる。
その他の製剤用補助剤としては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、アラビアガム、アルギン酸及びその塩、CMC(カルボキシメチルセルロ−ス)、ザンサンガム等の多糖類、アルミニウムマグネシウムシリケート、アルミナゾル等の無機物、防腐剤、着色剤及びPAP(酸性リン酸イソプロピル)、BHT等の安定化剤が挙げられる。
本発明の有害節足動物防除組成物は、植物に対して摂食、吸汁等の加害を行う有害節足動物による加害から植物を保護するために用いることができる。
本発明の有害節足動物防除組成物が防除効力を有する有害節足動物としては、例えば次のものが挙げられる。
半翅目害虫:ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)等のウンカ類、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、タイワンツマグロヨコバイ(Nephotettix virescens)、イナズマヨコバイ(Recilia dorsalis)、チャノミドリヒメヨコバイ(Empoasca onukii)等のヨコバイ類、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、ダイコンアブラムシ(Brevicoryne brassicae)、ユキヤナギアブラムシ(Aphis spiraecola)、チューリップヒゲナガアブラムシ(Macrosiphum euphorbiae)、ジャガイモヒゲナガアブラムシ(Aulacorthum solani)、ムギクビレアブラムシ(Rhopalosiphum padi)、ミカンクロアブラムシ(Toxoptera citricidus)、モモコフキアブラムシ(Hyalopterus pruni)、リンゴワタムシ(Eriosoma lanigerum)等のアブラムシ類、アオクサカメムシ(Nezara antennata)、アカヒゲホソミドリカスミカメ(Trigonotylus caelestialium)、アカスジカメムシ(Graphosoma rubrolineatum)、オオトゲシラホシカメムシ(Eysarcoris lewisi)、ホソハリカメムシ(Riptortus clavetus)、クモヘリカメムシ(Leptocorisa chinensis)、トゲシラホシカメムシ(Eysarcoris parvus)、クサギカメムシ(Halyomorpha mista)、ミナミアオカメムシ(Nezara viridula)、ターニシュトプラントバグ(Lygus lineolaris)等のカメムシ類、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)、ミカンコナジラミ(Dialeurodes citri)、ミカントゲコナジラミ(Aleurocanthus spiniferus)等のコナジラミ類、アカマルカイガラムシ(Aonidiella aurantii)、サンホーゼカイガラムシ(Comstockaspis perniciosa)、シトラススノースケール(Unaspis citri)、ルビーロウムシ(Ceroplastes rubens)、イセリヤカイガラムシ(Icerya purchasi)、フジコナカイガラムシ(Planococcus kraunhiae)、クワコナカイガラムシ(Pseudococcus longispinis)、クワシロカイガラムシ(Pseudaulacaspis pentagona)等のカイガラムシ類、グンバイムシ類、トコジラミ(Cimex lectularius)等のトコジラミ類、ペアシラ(Cacopsylla pyricola)等のキジラミ類等。
鱗翅目害虫:ニカメイガ(Chilo suppressalis)、サンカメイガ(Tryporyza incertulas)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、ワタノメイガ(Notarcha derogata)、ノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)、アワノメイガ(Ostrinia furnacalis)、ハイマダラノメイガ(Hellula undalis)、シバツトガ(Pediasia teterrellus)等のメイガ類、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)、アワヨトウ(Pseudaletia separata)、イネヨトウ(Sesamia inferens)、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、タマナヤガ(Agrotis ipsilon),タマナギンウワバ(Plusia nigrisigna)、イラクサギンウワバ(Trichoplusia ni)、トリコプルシア属、ヘリオティス属、ヘリコベルパ属等のヤガ類、モンシロチョウ(Pieris rapae)等のシロチョウ類、アドキソフィエス属、ナシヒメシンクイ(Grapholita molesta)、マメシンクイガ(Leguminivora glycinivorella),アズキサヤムシガ(Matsumuraeses azukivora)、リンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana fasciata)、チャノコカクモンハマキ(Adoxophyes honmai.)、チャハマキ(Homona magnanima)、ミダレカクモンハマキ(Archips fuscocupreanus)、コドリンガ(Cydia pomonella)等のハマキガ類、チャノホソガ(Caloptilia theivora)、キンモンホソガ(Phyllonorycter ringoneella)のホソガ類、モモシンクイガ(Carposina niponensis)等のシンクイガ類、リオネティア属等のハモグリガ類、リマントリア属、ユープロクティス属等のドクガ類、コナガ(Plutella xylostella)等のスガ類、ワタアカミムシ(Pectinophora gossypiella)ジャガイモガ(Phthorimaea operculella)等のキバガ類、アメリカシロヒトリ(Hyphantria cunea)等のヒトリガ類、イガ(Tinea translucens)、コイガ(Tineola bisselliella)等のヒロズコガ類、トゥタアブソリュータ(Tuta absoluta)等。
アザミウマ目害虫:ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)、ミナミキイロアザミウマ(Thrips parmi)、チャノキイロアザミウマ(Scirtothrips dorsalis)、ネギアザミウマ(Thrips tabaci)、ヒラズハナアザミウマ(Frankliniella intonsa)、タバコアザミウマ(Frankliniella fusca)、イネアザミウマ(Stenchaetothrips biformis)、イネクダアザミウマ(Haplothrips aculeatus)等のアザミウマ類等;
双翅目害虫:タマネギバエ(Hylemya antiqua)、タネバエ(Hylemya platura)、イネハモグリバエ(Agromyza oryzae)、イネヒメハモグリバエ(Hydrellia griseola)、イネキモグリバエ(Chlorops oryzae)、マメハモグリバエ(Liriomyza trifolii)等のハモグリバエ類、ウリミバエ(Dacus cucurbitae)、チチュウカイミバエ(Ceratitis capitata)等;
甲虫目害虫:ニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctopunctata)、ウリハムシ(Aulacophora femoralis)、キスジノミハムシ(Phyllotreta striolata)、イネドロオイムシ(Oulema oryzae)、イネゾウムシ(Echinocnemus squameus)、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、ワタミゾウムシ(Anthonomus grandis)、アズキゾウムシ(Callosobruchus chinensis)、シバオサゾウムシ(Sphenophorus venatus)、マメコガネ(Popillia japonica)、ドウガネブイブイ(Anomala cuprea)、コーンルートワームの仲間(Diabrotica spp.)、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)、コメツキムシの仲間(Agriotes spp.)、タバコシバンムシ(Lasioderma serricorne)等;
直翅目害虫:ケラ(Gryllotalpa africana)、コバネイナゴ(Oxya yezoensis)、ハネナガイナゴ(Oxya japonica)等。
前記有害節足動物の中でも、好ましい例として、ウンカ類、ヨコバイ類、アブラムシ類、カメムシ類、イネミズゾウムシ、イネドロオイムシ、メイガ類、ヤガ類等を挙げることができる。
本発明の有害節足動物防除組成物は植物病害を防除する目的で使用してもよく、例えばイネの紋枯病(Rhizoctonia solani)などを防除することができる。
本発明の有害節足動物防除組成物は、畑、水田、乾田、芝生、果樹園等の農耕地又は非農耕地用にて用いることができる。また、本発明の有害節足動物防除組成物は、「植物」等を栽培する農耕地等において、当該農耕地の有害生物を防除するために使用することができる。
本発明の有害節足動物防除組成物を用いることができる植物としては、例えば次のものが挙げられる。
農作物:トウモロコシ、イネ、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、ソルガム、ワタ、ダイズ、ピーナッツ、ソバ、テンサイ、ナタネ、ヒマワリ、サトウキビ、タバコ等。
野菜;ナス科野菜(ナス、トマト、ピーマン、トウガラシ、ジャガイモ等)、ウリ科野菜(キュウリ、カボチャ、ズッキーニ、スイカ、メロン等)、アブラナ科野菜(ダイコン、カブ、セイヨウワサビ、コールラビ、ハクサイ、キャベツ、カラシナ、ブロッコリー、カリフラワー、アブラナ等)、キク科野菜(ゴボウ、シュンギク、アーティチョーク、レタス等)、ユリ科野菜(ネギ、タマネギ、ニンニク、アスパラガス等)、セリ科野菜(ニンジン、パセリ、セロリ、アメリカボウフウ等)、アカザ科野菜(ホウレンソウ、フダンソウ等)、シソ科野菜(シソ、ミント、バジル等)、イチゴ、サツマイモ、ヤマノイモ、サトイモ等。
果樹:仁果類(リンゴ、セイヨウナシ、ニホンナシ、カリン、マルメロ等)、核果類(モモ、スモモ、ネクタリン、ウメ、オウトウ、アンズ、プルーン等)、カンキツ類(ウンシュウミカン、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ等)、堅果類(クリ、クルミ、ハシバミ、アーモンド、ピスタチオ、カシューナッツ、マカダミアナッツ等)、液果類(ブルーベリー、クランベリー、ブラックベリー、ラズベリー等)、ブドウ、カキ、オリーブ、ビワ、バナナ、コーヒー、ナツメヤシ、ココヤシ、アブラヤシ等。
果樹以外の樹木:チャ、クワ、花木類(サツキ、ツバキ、アジサイ、サザンカ、シキミ、サクラ、ユリノキ、サルスベリ、キンモクセイ等)、街路樹(トネリコ、カバノキ、ハナミズキ、ユーカリ、イチョウ、ライラック、カエデ、カシ、ポプラ、ハナズオウ、フウ、プラタナス、ケヤキ、クロベ、モミノキ、ツガ、ネズ、マツ、トウヒ、イチイ、ニレ、トチノキ等)、サンゴジュ、イヌマキ、スギ、ヒノキ、クロトン、マサキ、カナメモチ、等。
芝生:シバ類(ノシバ、コウライシバ等)、バミューダグラス類(ギョウギシバ等)、ベントグラス類(コヌカグサ、ハイコヌカグサ、イトコヌカグサ等)、ブルーグラス類(ナガハグサ、オオスズメノカタビラ等)、フェスク類(オニウシノケグサ、イトウシノケグサ、ハイウシノケグサ等)、ライグラス類(ネズミムギ、ホソムギ等)、カモガヤ、オオアワガエリ等。
その他:花卉類(バラ、カーネーション、キク、トルコギキョウ、カスミソウ、ガーベラ、マリーゴールド、サルビア、ペチュニア、バーベナ、チューリップ、アスター、リンドウ、ユリ、パンジー、シクラメン、ラン、スズラン、ラベンダー、ストック、ハボタン、プリムラ、ポインセチア、グラジオラス、カトレア、デージー、シンビジューム、ベゴニア等)、バイオ燃料植物(ヤトロファ、ベニバナ、アマナズナ類、スイッチグラス、ミスカンサス、クサヨシ、ダンチク、ケナフ、キャッサバ、ヤナギ等)、観葉植物等。
前記植物の中でも、好ましい例として、トウモロコシ、コムギ、イネ等を挙げることができる。その中でも、特にイネが好ましい。
上記「植物」は、遺伝子組換え技術や交配による育種法により耐性を付与された植物であってもよい。
本発明の有害節足動物防除組成物は、植物又は植物の栽培地に施用することにより、有害節足動物を防除するために用いられる。ここで植物としては、植物の茎葉、植物の花、植物の実、植物の種子等が挙げられる。
本発明の有害節足動物の防除方法は、本発明の有害節足動物防除組成物を処理することにより行われるが、具体的には、例えば、茎葉散布などの植物の茎葉への処理、植物の種子への処理、土壌処理、水面施用などの植物の栽培地への処理等が挙げられる。
本発明における茎葉散布などの植物の茎葉への処理としては、具体的には、例えば、人力噴霧機、動力噴霧機、ブームスプレーヤ若しくはパンクルスプレーヤを用いて行う地上散布や、航空防除若しくは無人ヘリコプターを用いて行う空中散布等により、栽培されている植物の表面に処理する方法が挙げられる。
本発明における植物の種子への処理としては、具体的には、例えば、浸漬処理、吹きつけ処理、塗沫処理、フィルムコート処理及びペレットコート処理等が挙げられる。
本発明における土壌処理や水面施用などの植物の栽培地への処理としては、具体的には、例えば、植穴処理、株元処理、植溝処理、作条処理、全面処理、側条処理、育苗箱処理、苗床処理、培土混和、床土混和、ペースト肥料混和、水面処理、湛水散布等が挙げられ、好ましくは育苗箱処理が挙げられる。
本発明の有害節足動物組成物を、植物又は植物の栽培地に処理する場合、その処理量は、処理する植物の種類、防除対象である有害節足動物の種類や発生程度、製剤形態、処理時期、気象条件等によって変化させ得るが、本アミド化合物と本アントラニルアミド化合物と本ウンカ類防除化合物との合計量として、当該植物を栽培する場所1000m2あたり通常0.05〜10000g、好ましくは0.5〜1000gである。
本発明の有害節足動物組成物を、イネの育苗箱に施用する場合、その処理量は、本アミド化合物と本アントラニルアミド化合物と本ウンカ類防除化合物との合計量として育苗箱1箱(横 約60cm、縦 約30cm)あたり通常0.1〜35g、好ましくは0.2〜20gであり、移植後のイネを栽培する場所1000m2あたり育苗箱20箱を用いる場合、その処理量は、本アミド化合物と本アントラニルアミド化合物と本ウンカ類防除化合物との合計量として、移植後のイネを栽培する場所1000m2あたり通常2〜700g、好ましくは4〜400gである。
本発明の有害節足動物組成物を、植物の種子に処理する場合、その処理量は、処理する植物の種類、防除対象である有害節足動物の種類や発生程度、製剤形態、処理時期、気象条件等によって変化させ得るが、本アミド化合物と本アントラニルアミド化合物と本ウンカ類防除化合物との合計量として、種子1kgあたり通常0.001〜100g、好ましくは0.05〜50gである。
本発明の有害節足動物組成物は、乳剤、水和剤、フロアブル剤等は通常水で希釈して散布することにより処理する。この場合、本アミド化合物と本アントラニルアミド化合物と本ウンカ類防除化合物との合計での濃度は、通常0.00001〜10重量%、好ましくは0.0001〜5重量%の範囲である。粉剤、粒剤等は通常希釈することなくそのまま処理する。
本発明の有害節足動物の防除方法を、イネ又はイネの栽培地にて使用する際は、例えば、イネの播種前、播種時、播種後、移植前、移植時若しくは移植後に施用することができる。施用する時期は、イネの生育状態、病虫害雑草の発生状況、気象条件等によって変わりうるが、通常、イネの播種あるいは移植の日を基準として、播種30日前から移植20日後までを挙げることができ、好ましくは、播種時から移植前であり、更に好ましくは、移植3日前から移植前である。
以下、本発明を製剤例及び試験例にてさらに詳しく説明するが、本発明は以下の例のみに限定されるものではない。なお、以下の例において、部は特にことわりの無い限り重量部を表す。
まず、製剤例を示す。
製剤例1
本アミド化合物2部、本アントラニルアミド化合物(i)0.75部、クロチアニジン1.5部、合成含水酸化珪素1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイト30部及びカオリンクレー残部の混合物100部をよく粉砕混合し、水を加えてよく練り合せた後、造粒乾燥することにより粒剤を得る。
製剤例2〜11
クロチアニジン1.5部に代えて、[表1]記載のそれぞれの化合物及び使用量で適用した以外は製剤例1と同様の操作を行い、それぞれの粒剤を得る。
製剤例12
本アミド化合物2部、本アントラニルアミド化合物(ii)0.75部、クロチアニジン1.5部、合成含水酸化珪素1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイト30部及びカオリンクレー残部の混合物100部をよく粉砕混合し、水を加えてよく練り合せた後、造粒乾燥することにより粒剤を得る。
製剤例13〜22
クロチアニジン1.5部に代えて、[表2]記載のそれぞれの化合物及び使用量で適用した以外は製剤例12と同様の操作を行い、それぞれの粒剤を得る。
製剤例23
本アミド化合物3部、本アントラニルアミド化合物(i)15部及びクロチアニジン15部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部及び珪藻土41部を混合した中に加え、よく攪拌混合して水和剤を得る。
製剤例24〜30
クロチアニジン15部に代えて、[表3]記載のそれぞれの化合物及び使用量で適用した以外は製剤例23と同様の操作を行い、それぞれの水和剤を得る。
製剤例31
本アミド化合物3部、本アントラニルアミド化合物(ii)15部及びクロチアニジン15部を、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部及び珪藻土41部を混合した中に加え、よく攪拌混合して水和剤を得る。
製剤例32〜38
クロチアニジン15部に代えて、[表4]記載のそれぞれの化合物及び使用量で適用した以外は製剤例31と同様の操作を行い、それぞれの水和剤を得る。
製剤例39
本アミド化合物1部、本アントラニルアミド化合物(i)0.5部、クロチアニジン0.15部、カオリンクレー残部及びタルク10部をよく粉砕混合することにより粉剤100部を得る。
製剤例40〜47
クロチアニジン0.15部に代えて、[表5]記載のそれぞれの化合物及び使用量で適用した以外は製剤例39と同様の操作を行い、それぞれの粉剤100部を得る。
製剤例48
本アミド化合物1部、本アントラニルアミド化合物(ii)0.5部、クロチアニジン0.15部、カオリンクレー残部及びタルク10部をよく粉砕混合することにより粉剤100部を得る。
製剤例49〜56
クロチアニジン0.15部に代えて、[表6]記載のそれぞれの化合物及び使用量で適用した以外は製剤例48と同様の操作を行い、それぞれの粉剤100部を得る。
製剤例57
本アミド化合物10部、本アントラニルアミド化合物(i)2部、クロチアニジン6.6部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン30部及び水残部を混合した混合物100部を湿式粉砕法で微粉砕することにより、フロアブル剤を得る。
製剤例58〜65
クロチアニジン6.6部に代えて、[表7]記載のそれぞれの化合物及び使用量で適用した以外は製剤例57と同様の操作を行い、それぞれのフロアブル剤を得る。
製剤例66
本アミド化合物10部、本アントラニルアミド化合物(ii)2部、クロチアニジン6.6部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン30部及び水残部を混合した混合物100部を湿式粉砕法で微粉砕することにより、フロアブル剤を得る。
製剤例67〜74
クロチアニジン6.6部に代えて、[表8]記載のそれぞれの化合物及び使用量で適用した以外は製剤例66と同様の操作を行い、それぞれのフロアブル剤を得る。
次に、本発明の効果を試験例にて示す。
試験例1
本アミド化合物、本アントラニルアミド化合物(i)、本アントラニルアミド化合物(ii)、ジノテフラン、本化合物(I)及び本化合物(II)を、ソルゲンTW−20(第一工業製薬製)を含むアセトン(和光純薬工業製)にそれぞれ溶解した後、所定濃度になるように展着剤(商品名:ダイン(登録商標)、住化タケダ園芸製)0.02容量%を含有する水で希釈した。
本アミド化合物の水希釈液と、本アントラニルアミド化合物(i)又は本アントラニルアミド化合物(ii)の水希釈液と、ジノテフラン、本化合物(I)又は本化合物(II)の水希釈液とを混合し、試験用薬液を調製した。
2.5葉期のペーパーポット植えイネ(Oryza sativa、品種:ほしのゆめ)稚苗に、前記試験用薬液を株あたり10ml散布した。このイネ稚苗を風乾後、水を4.8ml入れたガラス製試験管(直径30mm、高さ200mm)に入れた。その試験管の中にトビイロウンカの3齢幼虫を10頭ずつ放飼し、室内(25℃、湿度55%)に置いた。5日後に供試した幼虫の生死を観察した。その観察結果から、式1)によって死虫率、式2)によって補正死虫率を算出した。なお、試験は2反復で行った。その平均値を表9に示す。
式1);死虫率(%)=(供試虫数−生存虫数)/供試虫数×100
式2);補正死虫率(%)={(処理区死虫率−無処理区死虫率)/(100−無処理区死虫率)}×100
試験例2
本アミド化合物、本アントラニルアミド化合物(i)、本アントラニルアミド化合物(ii)、ジノテフラン、本化合物(I)及び本化合物(II)を、ソルゲンTW−20(第一工業製薬製)を含むアセトン(和光純薬工業製)にそれぞれ溶解した後、所定濃度になるように水で希釈した。
本アミド化合物の水希釈液と、本アントラニルアミド化合物(i)又は本アントラニルアミド化合物(ii)の水希釈液と、ジノテフラン、本化合物(I)又は本化合物(II)の水希釈液とを混合し、試験用薬液を調製した。
2.5葉期のペーパーポット植えイネ(Oryza sativa、品種:ほしのゆめ)稚苗1株の株元土壌に前記試験用の薬液0.6mlを施用した。2時間静置した後、1/10000aワグネルポットの湛水した土壌に移植し、温室(23℃)に置いた。処理1日後、イネの株元をプラスチック製カップで覆い、トビイロウンカの3齢幼虫を10頭ずつ放飼した。放飼6日後に供試した幼虫の生死を観察した。その観察結果から、式3)によって死虫率、式4)によって補正死虫率を算出した。なお、試験は2反復で行った。
その平均値を表10に示す。
式3);死虫率(%)=(供試虫数−生存虫数)/供試虫数×100
式4);補正死虫率(%)={(処理区死虫率−無処理区死虫率)/(100−無処理区死虫率)}×100

試験例3
本アミド化合物、本アントラニルアミド化合物(i)、本アントラニルアミド化合物(ii)、及びピメトロジンを、ソルゲンTW−20(第一工業製薬製)を含むアセトン(和光純薬工業製)にそれぞれ溶解した後、所定濃度になるように水で希釈した。
本アミド化合物の水希釈液と、本アントラニルアミド化合物(i)又は本アントラニルアミド化合物(ii)の水希釈液と、ピメトロジンの水希釈液とを混合し、試験用薬液を調製した。
2.5葉期のペーパーポット植えイネ(Oryza sativa、品種:ほしのゆめ)稚苗1株の株元土壌に前記試験用の薬液0.6mlを施用した。2時間静置した後、1/10000aワグネルポットの湛水した土壌に移植し、温室(23℃)に置いた。処理2日後、イネをプラスチック製カップで覆い、トビイロウンカの成虫を5頭ずつ放飼した。放飼3日後に成虫を取り除き、放飼10日後にイネに寄生する孵化幼虫数を調査した。
その観察結果から、式5)によって防除価を算出した。なお、試験は2反復で行った。その平均値を表11に示す。
式5);防除価={1−(処理区の虫数/無処理区の虫数)}×100
試験例4
本アミド化合物、本アントラニルアミド化合物(i)、本アントラニルアミド化合物(ii)、及びピメトロジンを、ソルゲンTW−20(第一工業製薬製)を含むアセトン(和光純薬工業製)にそれぞれ溶解した後、所定濃度になるように水で希釈した。
本アミド化合物の水希釈液と、本アントラニルアミド化合物(i)又は本アントラニルアミド化合物(ii)の水希釈液と、ピメトロジンの水希釈液とを混合し、試験用薬液を調製した。
2.5葉期のペーパーポット植えイネ(Oryza sativa、品種:ほしのゆめ)稚苗1株の株元土壌に前記試験用の薬液0.6mlを施用した。2時間静置した後、1/10000aワグネルポットの湛水した土壌に移植し、温室(23℃)に置いた。処理5日後、イネをプラスチック製カップで覆い、ニカメイガの1齢幼虫を10頭ずつ放飼した。放飼3日後に供試した幼虫の生死を観察し、その観察結果から、式6)によって死虫率、式7)によって補正死虫率を算出した。なお、試験は2反復で行った。その平均値を表12に示す。
式6);死虫率(%)=(供試虫数−生存虫数)/供試虫数×100
式7);補正死虫率(%)={(処理区死虫率−無処理区死虫率)/(100−無処理区死虫率)}×100

Claims (5)

  1. 式(1)
    で示されるアミド化合物と、式(2)
    〔式中、R1及びR2の組合せは、R1がメチル基かつR2が塩素原子である組合せ、又は、R1がメチル基かつR2がシアノ基である組合せを表す。〕
    で示されるアントラニルアミド化合物と、式(II)で示される化合物とを含有する有害節足動物防除組成物;
  2. アミド化合物と、アントラニルアミド化合物との重量比が、50:1〜1:50である請求項1記載の有害節足動物防除組成物。
  3. アミド化合物と、式(II)で示される化合物との重量比が、50:1〜1:100である請求項2記載の有害節足動物防除組成物。
  4. 請求項1〜3いずれか一項記載の有害節足動物防除組成物の有効量を、植物又は植物の栽培地に施用する工程を含む有害節足動物の防除方法。
  5. 植物又は植物の栽培地が、イネ又はイネの栽培地である請求項4記載の有害節足動物防除方法。
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