JP2015049593A - 電子機器、方法およびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】画面上の領域選択に関する操作性を向上させることを実現する電子機器を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、電子機器は、処理手段を備える。処理手段は、画面表示された第1情報に対する第1操作に応じて、前記第1操作に対応する前記第1情報上の第1領域を第1選択領域に設定する。処理手段は、前記第1領域に対する第2操作に応じて、前記第2操作に対応する前記第1領域内の第2領域を除く領域を第2選択領域に設定する。
【選択図】図2

Description

本実施形態は、例えば、インターネット上で公開されているウェブページを閲覧する機能を有する電子機器などに好適な情報処理技術に関する。
近年、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォンといった様々な電子機器が普及している。この種の電子機器には、画面上の任意の位置や領域を指定するためのポインティングデバイスが設けられる。パーソナルコンピュータの場合、例えばマウスやタッチパッドであり、タブレットやスマートフォンの場合、例えばタッチパネルやデジタイザである。
このポインティングデバイスの操作で、画面上の任意の領域を指定することにより、ユーザは、例えば、閲覧中のウェブページ上の必要な部分だけを切り取って保存するといったことが可能である。ウェブページから切り取って保存した部分は、クリップまたはスクラップなどと称されている。
特開平6−332611号公報
前述したように、画面上の任意の領域を指定すること、例えば、クリップまたはスクラップとしてウェブページから切り取って保存したい部分を指定することは、ポインティングデバイスの操作で簡単に行うことができる。
一方、ポインティングデバイスは、基本的にモードを持たないため、例えば、画面上の任意の領域を指定した後、この領域内から一部を除外する指示、より具体的には、削除したい領域の指定を、画面上の任意の領域を指定した時と同じポインティングデバイスの操作で行うことは難しい。
本発明の一形態は、画面上の領域選択に関する操作性を向上させることを実現する電子機器、方法およびプログラムを提供することを目的とする。
実施形態によれば、電子機器は、処理手段を備える。処理手段は、画面表示された第1情報に対する第1操作に応じて、前記第1操作に対応する前記第1情報上の第1領域を第1選択領域に設定する。処理手段は、前記第1領域に対する第2操作に応じて、前記第2操作に対応する前記第1領域内の第2領域を除く領域を第2選択領域に設定する。
図1は、実施形態の電子機器の外観を示す斜視図である。 図2は、実施形態の電子機器のシステム構成を示すブロック図である。 図3は、実施形態の電子機器のドキュメント(ウェブページ)からクリップを抽出する際の画面遷移の例を示す図である。 図4は、HTMLファイルの構造を説明するための図である。 図5は、図4に示したHTMLファイルに基づくウェブページの表示例を示す図である。 図6は、実施形態の電子機器におけるポインティングデバイスによるエリア削除操作の第1パターンを説明するための図である。 図7は、実施形態の電子機器における削除エリア指定時のエレメント除外方法を説明するための図である。 図8は、実施形態の電子機器上で動作するブラウザアプリケーションプログラムに組み込まれるクリッピングモジュールの機能ブロック図である。 図9は、実施形態の電子機器におけるポインティングデバイスによるエリア削除操作の第2パターンを説明するための図である。 図10は、実施形態の電子機器におけるポインティングデバイスによるエリア削除操作の第3パターンを説明するための図である。 図11は、実施形態の電子機器における閉曲線の記入方向の判定手法を説明するための第1の図である。 図12は、実施形態の電子機器における閉曲線の記入方向の判定手法を説明するための第2の図である。 図13は、実施形態の電子機器におけるポインティングデバイスによるエリア選択(第1パターン)の流れを示すフローチャートである。 図14は、実施形態の電子機器におけるポインティングデバイスによるエリア選択(第2パターン)の流れを示すフローチャートである。 図15は、実施形態の電子機器におけるポインティングデバイスによるエリア選択(第3パターン)の流れを示すフローチャートである。
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、一実施形態に係る電子機器の外観を示す斜視図である。この電子機器は、例えば、ペンまたは指によって手書き入力可能な携帯型電子機器である。この電子機器は、タブレットコンピュータ、ノートブック型パーソナルコンピュータ、スマートフォン、PDA等として実現され得る。以下では、この電子機器がタブレットコンピュータ10として実現されている場合を想定する。タブレットコンピュータ10は、タブレットまたはスレートコンピュータとも称される携帯型電子機器である。このタブレットコンピュータ10は、例えば、ウェブブラウジング、電子メールの送受信、ソーシャルネットワークサービス(SNS)の利用等を行うための端末として機能し得る。タブレットコンピュータ10は、図1に示すように、本体11とタッチスクリーンディスプレイ12とを備える。タッチスクリーンディスプレイ12は、本体11の上面に重ね合わせるように取り付けられている。
本体11は、薄い箱形の筐体を有している。タッチスクリーンディスプレイ12には、フラットパネルディスプレイと、フラットパネルディスプレイの画面上のペンまたは指の接触位置を検出するように構成されたセンサとが組み込まれている。フラットパネルディスプレイは、例えば液晶表示装置(LCD)であってもよい。センサとしては、例えば、静電容量方式のタッチパネル、電磁誘導方式のデジタイザ等を使用することができる。以下では、デジタイザとタッチパネルの2種類のセンサの双方がタッチスクリーンディスプレイ12に組み込まれている場合を想定する。
デジタイザ及びタッチパネルの各々は、フラットパネルディスプレイの画面と重なるように設けられる。タッチスクリーンディスプレイ12は、指を使用した画面に対するタッチ操作(接触操作)のみならず、ペン10Aを使用した画面に対するタッチ操作(接触操作)も検出することができる。ペン10Aは例えば電磁誘導ペンであってもよい。ユーザは、ペン10Aまたは指を使用してタッチスクリーンディスプレイ12上で様々なジェスチャ操作、例えば、タップ、ドラッグ、スワイプ、フリック等を行うことができる。
また、ユーザは、ペン10Aを使用してタッチスクリーンディスプレイ12上で手書き入力操作を行うことができる。手書き入力操作中においては、画面上のペン10Aの動きの軌跡、つまり手書き入力操作によって手書きされるストローク(手書きストロークの軌跡)がリアルタイムに描画され、これによって手書きにより入力された複数の手書きストローク(各手書きストロークの軌跡)が画面上に表示される。
図2は、本実施形態のタブレットコンピュータ10のシステム構成を示す図である。
タブレットコンピュータ10は、図2に示されるように、CPU101、システムコントローラ102、メインメモリ103、グラフィクスコントローラ104、BIOS−ROM105、記録デバイス106、無線通信デバイス107、エンベデッドコントローラ(EC)108等を備える。
CPU101は、タブレットコンピュータ10内の各種モジュールの動作を制御するプロセッサである。CPU101は、記録デバイス106からメインメモリ103に各種プログラムをロードして実行する。CPU101により実行されるプログラムには、オペレーティングシステム(OS)201や、当該OS201の制御下で動作するブラウザアプリケーションプログラム202等の各種アプリケーションプログラムが含まれている。ブラウザアプリケーションプログラム202は、ウェブサーバからウェブページのデータを取得し、ウェブページを画面に表示する機能を有する。また、ブラウザアプリケーションプログラム202は、アドオン用ソフトウェアであるクリッピングモジュール203を組み込むことで、クリッピング機能を獲得する。なお、クリッピング機能を実現するためのモジュール(クリッピングモジュール203に相当するモジュール)を、予めブラウザアプリケーションプログラム202に搭載するようにしてもよい。
クリッピング機能は、表示されるドキュメントの少なくも一部を含むクリップ(クリップデータ)を記憶媒体に保存する機能である。換言すれば、クリップはドキュメントまたはその一部から生成される。クリッピング機能が適用可能なドキュメントの種類は制限されないが、このドキュメントの例には、例えば、ウェブページが含まれる。
また、CPU101は、BIOS−ROM105に格納された基本入出力システム(BIOS)も実行する。BIOSは、ハードウェア制御のためのプログラムである。
システムコントローラ102は、CPU101のローカルバスと各種コンポーネントとの間を接続するデバイスである。システムコントローラ102には、メインメモリ103をアクセス制御するメモリコントローラも内蔵されている。また、システムコントローラ102は、シリアルバスなどを介してグラフィクスコントローラ104との通信を実行する機能も有している。
グラフィクスコントローラ104は、タブレットコンピュータ10のディスプレイモニタとして使用されるLCD12Aを制御する表示コントローラである。グラフィクスコントローラ104によって生成される表示信号は、LCD12Aに送られる。LCD12Aは、表示信号に基づいて画面イメージを表示する。LCD12Aの上層には、画面上の指の接触位置を検知するための第1センサとしてタッチパネル12Bが配置されている。さらに、LCD12Aの下層には、画面上のペン10Aの接触位置を検知するための第2センサとしてデジタイザ12Cが配置されている。タッチパネル12Bは、LCD12Aの画面上で入力を行うための静電容量式のポインティングデバイスである。指が接触される画面上の接触位置及び接触位置の動き等はタッチパネル12Bによって検出される。デジタイザ12Cは、LCD12Aの画面上で入力を行うための電磁誘導式のポインティングデバイスである。ペン10Aが接触される画面上の接触位置及び接触位置の動き等はデジタイザ12Cによって検出される。
OS201は、タッチパネル12Bを制御するドライバプログラムと協働して、画面上に指が接触したこと、およびその接触位置を示す入力イベントを発行する。また、OS201は、デジタイザ12Cを制御するドライバプログラムと協働して、画面上にペン10Aが接触したこと、およびその接触位置を示す入力イベントを発行する。
無線通信デバイス107は、無線LANまたは3G移動通信などの無線通信を実行するように構成されたデバイスである。
EC108は、電力管理のためのエンベデッドコントローラを含むワンチップマイクロコンピュータである。EC108は、ユーザによるパワーボタンの操作に応じてタブレットコンピュータ10を電源オンまたは電源オフする機能を有している。
図3に、表示中のドキュメント(ウェブページ)からクリップを抽出する際の画面遷移の例を示す。
画面には、テキストと画像とを含むドキュメント(ウェブページ)21が表示されている。ユーザは、例えば、ブラウザアプリケーションプログラム202を起動させ、いわゆるネットサーフィンを行うことによって、画面上に所望のウェブページ21を表示させることができる(図3の(A))。
ユーザは、ウェブページ21のブラウジング中に、ウェブページ21内の気になった部分や後で利用したい部分等を保存しておきたい場合がある。その場合、ユーザは、タッチスクリーンディスプレイ12のような各種ポインティングデバイスを用いて、表示中のドキュメント内のクリップ範囲22を指定するクリップ操作を行う(図3の(B))。クリップ操作は、典型的には、ペン10Aで閉曲線を記入することである。この閉曲線の記入は、始点と終点とを一致させる厳密なものである必要はない。ペン10Aの動きが閉曲線を記入するためのものであると推定される場合、ユーザによる記入後、始点と終点とを結ぶ線分を補うことにより、閉曲線を完成させればよい。
ウェブページ21は、URL(Uniform resource locator)によって取得されるHTML(Hypertext markup language)ファイルに基づき、テキスト、画像、映像等が適切に配置されて表示される。ウェブページ21上に配置されるテキスト、画像、映像等の1つ1つ、または、これらの集合体の1つ1つは、エレメントと称されている。クリップ範囲22を指定するクリップ操作を行うと、ブラウザアプリケーションプログラム202に組み込まれたクリッピングモジュール203により、クリッピンッグの対象となるエレメントを示す枠23が表示される(図3の(C))。この時、例えばOKボタン24とキャンセルボタン25とが表示されるので、ユーザは、目的のエレメントがクリッピンッグの対象になっていたならば、OKボタン24を選択する操作を行うことで、当該エレメントをクリップとして保存することができる。
図4は、HTMLファイルの構造を説明するための図である。
図4に示すように、(1つのウェブページ21に対応する)HTMLファイルは、タイトル部(「Title」)とボディ部(「Body」)とからなり、ボディ部に、複数のエレメント(「Element[])が階層的に記述される。図4の例では、エレメント[1]はエレメント[1−1]とエレメント[1−2]とを含み、エレメント[1−2]はエレメント[1−2−1]を含んでいる。また、各エレメントの記述には、サイズおよび位置情報が含まれる。
図5は、図4に示したHTMLファイルに基づくウェブページ21の表示例を示す図である。図5に示すように、エレメント[1]内にエレメント[1−1]とエレメント[1−2]とが配置され、かつ、エレメント[1−2]内にエレメント[1−2−1]が配置されている。
いま、図5に示すように、クリップ範囲22が指定されたと想定する。クリップ範囲22は、エレメント[1]上に指定されている。しかしながら、クリップ範囲22は、エレメント[1]全体を含まないので、エレメント[1]はクリッピングの対象から除外される。一方、クリップ範囲22は、エレメント[1−1]全体を含むので、このエレメント[1−1]がクリッピングの対象に設定される。どのエレメントがクリップ範囲22に内包されるかは、前述した、各エレメントの記述に含まれるサイズおよび位置情報によって判定することができる。この判定の際、ある程度のマージンを設けて、例えば、そのエレメントの四隅から当該エレメントの中心に向けて所定距離だけ移動させて設定した4つの基準点すべてが含まれる場合、当該エレメントをクリッピングの対象としてもよい。例えば目的のエレメントの一角を欠いた閉曲線を記入してしまった場合でも、当該エレメントをクリッピングの対象として拾い上げるといった、ユーザフレンドリなインタフェースを提供することができる。
ところで、前述したクリップ範囲22の指定のように、タッチスクリーンディスプレイ12上でのペン10Aによる操作により、選択したい領域を指定することはできても、ペン10A(デジタイザ12C)は、基本的にモードを持たないため、選択時と同じタッチスクリーンディスプレイ12上でのペン10Aによる操作により、削除したい領域を指定することは難しい。本タブレットコンピュータ10は、例えば、タッチスクリーンディスプレイ12上でのペン10Aによる操作により、選択したい領域の指定と、削除したい領域との両方を行えるようにすることで、画面上の領域選択に関する操作性を向上させることを実現するものであり、以下、この点について詳述する。
図6は、本タブレットコンピュータ10におけるポインティングデバイスによるエリア削除操作の第1パターンを説明するための図である。
いま、図6に示すように、まず、クリップ範囲22を指定するために、例えばタッチスクリーンディスプレイ12上でペン10Aにより閉曲線22Aが記入されたものと想定する。続いて、このクリップ範囲22を分割する線分22Bが、同じくタッチスクリーンディスプレイ12上でペン10Aにより記入されたものと想定する。
この場合、クリッピングモジュール203は、この線分22Bによって分割されたクリップ範囲22内の2つの領域のうち、面積の大きい方の領域a1を選択エリア、面積の小さい方の領域a2を削除エリアと判定する。面積の算出方法は、既存のいずれの方法も適用可能であり、ここでは問わない。このように、本タブレットコンピュータ10では、1つのポインティングデバイスで、選択したい領域の指定と、削除したい削除したい領域との両方を行うことができる。即ち、画面上の領域選択に関する操作性を向上させることを実現する。なお、閉曲線22Aの記入時に当該閉曲線22Aによってクリップ範囲22として指定された領域は、当初の選択エリアともいえる。つまり、選択エリアとは、クリップ範囲22として選択された領域をいうのであって、クリップ範囲22から分割された2つの領域のうちから選択された領域のみをいうものではない。
ところで、ユーザが、クリップ範囲22を指定した後、当該クリップ範囲22内の一部領域を削除したいと考えるシチュエーションとしては、図3の(C)に示す枠23が、目的のエレメントのほか、意図しないエレメントについても表示された場合が想定される。よって、クリッピングモジュール203は、削除エリアの指定に伴い、この意図しないエレメントをクリッピングの対象から除外することが求められる。この場合、クリッピングモジュール203は、この削除エリアから削除対象とするエレメント(削除エリアに内包されるエレメント)を探す処理を行うのではなく、新たなクリップ範囲22である選択エリアからクリッピングの対象とするエレメント(選択エリアに内包されるエレメント)を探す処理を改めて行う。例えば図7に示すように、クリップ範囲22を分割する線分22Bが、削除対象エレメント全体が削除エリアに含まれるようには記入されなかった場合、削除エリアから削除対象とするエレメントを探す処理を行っても、ユーザが削除したいと考えるエレメントはクリッピングの対象から除外されない。これに対して、新たなクリップ範囲22である選択エリアからクリッピングの対象とするエレメントを探す処理を改めて行えば、ユーザが削除したいと考えるエレメントをクリッピングの対象から確実に除外することができる。
図8は、ブラウザアプリケーションプログラム202に組み込まれるクリッピングモジュール203の機能ブロック図である。
図8に示すように、クリッピングモジュール203は、選択エリア/削除エリア判定部301、クリッピング対象エレメント判定部302、クリッピング対象エレメント提示部303およびクリップ抽出部304を有している。
選択エリア/削除エリア判定部301は、タッチパネル12Bまたはデジタイザ12Cによって取得される手書き入力データに基づき、クリップ範囲22を設定するモジュールである。より具体的には、選択エリア/削除エリア判定部301は、第1に、継続的に供給される手書き入力データが閉曲線22Aの記入を推定させるものである場合、この閉曲線22Aに内包される領域をクリップ範囲22、即ち選択エリアと判定する。また、選択エリア/削除エリア判定部301は、第2に、継続的に供給される手書き入力データがクリップ範囲22を分割する線分22Bの記入を推定させるものである場合、当該線分22Bによって分割されたクリップ範囲22内の2つの領域のうち、面積の大きい方の領域を選択エリア、即ち新たなクリップ範囲22と判定し、一方、面積の小さい方の領域を削除エリアと判定する。
クリッピング対象エレメント判定部302は、選択エリア/削除エリア判定部301による選択エリア(クリップ範囲22)の判定結果を受けて、表示中のウェブページ21のHTMLファイルに基づき、クリッピングの対象とするエレメントを判定するモジュールである。また、クリッピング対象エレメント提示部303は、クリッピング対象エレメント判定部302によってクリッピングの対象に設定されたエレメントをユーザに提示するモジュールである。そして、クリップ抽出部304は、クリッピング対象エレメント判定部302によってクリッピングの対象に設定されたエレメントを、クリップとして例えば記録デバイス106に保存するモジュールである。
選択エリア/削除エリア判定部301の働きにより、ユーザは、例えばペン10Aによって、選択エリアの指定(閉曲線22Aの記入)と、削除エリアの指定(線分22Bの記入)との両方を行うことが可能となる。
なお、ここでは、表示中のウェブページ21からエレメントを抽出してクリップとして保存する場合を例示したが、(閉曲線22Aの記入により設定される)クリップ範囲22を分割する線分22Bの記入により削除エリアを指定する手法は、これに限定されるものではなく、例えば、表示中の画像から部分画像を切り取って保存する等、画面上の領域選択を伴う様々な用途に適用可能である。
次に、図9を参照して、本タブレットコンピュータ10におけるポインティングデバイスによるエリア削除操作の第2パターンについて説明する。
前述した第1パターンでは、(閉曲線22Aをタッチスクリーンディスプレイ12上でペン10Aにより記入して指定した)クリップ範囲22を分割する線分22Bが、タッチスクリーンディスプレイ12上でペン10Aにより記入された場合、クリッピングモジュール203の選択エリア/削除エリア判定部301は、この線分22Bによって分割されたクリップ範囲22内の2つの領域のうち、面積の大きい方の領域を選択エリア、面積の小さい方の領域を削除エリアと判定した。
これに対して、第2パターンでは、クリッピングモジュール203の選択エリア/削除エリア判定部301は、クリップ範囲22を分割する線分22B[1]の記入後、この線分22Bによって分割されたクリップ範囲22内の2つの領域のうち、特定の記号22B[2](ここでは×印)が記入された方の領域を削除エリアと判定する。
この第2パターンでは、ユーザの作業(記号22B[2]の記入)が1つ追加されることになるが、例えば、閉曲線22Aを記入することで指定したクリップ範囲22内の半分以上の面積の領域を削除エリアとして指定することが可能となる。
続いて、本タブレットコンピュータ10におけるポインティングデバイスによるエリア削除操作の第3パターンについて説明する。
この第3パターンでは、クリッピングモジュール203の選択エリア/削除エリア判定部301は、閉曲線が例えば右回りに記入された場合、当該閉曲線に内包される領域を選択エリアの指定と判定する。また、選択エリア/削除エリア判定部301は、閉曲線が例えば(右回りとは逆の)左回りに記入された場合、当該閉曲線に内包される領域を削除エリアの指定と判定する。図10は、まず、閉曲線22Aが右回りに記入され、その後、閉曲線22Bが左回りに記入された状態を示している。
選択エリア/削除エリア判定部301は、閉曲線22Aが右回りに記入された時点においては、当該閉曲線22Aに内包される領域をクリップ範囲22、即ち選択エリアと判定する。その後、閉曲線22Bが左回りに記入されると、選択エリア/削除エリア判定部301は、クリップ範囲22内の領域のうち、当該閉曲線22Bに内包される領域を削除エリアと判定する。換言すれば、選択エリア/削除エリア判定部301は、クリップ範囲22内から当該閉曲線22Bに内包される領域を除外した領域を、選択エリア、即ち新たなクリップ範囲22と判定する。
この第3パターンにおいては、例えば、閉曲線22Aを記入しなくとも、ウェブページ21全体をクリッピングの対象に指定することができる場合、ウェブページ21全体をクリッピングの対象に指定してから、不要な部分のみを左回りに閉曲線22Bを記入することで削除するといったことが可能となる。
また、この第3パターンにおいては、例えば、閉曲線を右回りに記入してクリップ範囲22を指定した後、このクリップ範囲22を拡張したいと考えた場合、拡張したい領域を含む閉曲線を再度右回りに記入することで、その領域をクリップ範囲22に追加することが可能となる。
選択エリア/削除エリア判定部301は、閉曲線が右回りまたは左回りのいずれで記入されたかを、例えば、図11に示す方法で判定する。選択エリア/削除エリア判定部301は、記入された閉曲線の内側に基準点31を任意に設定し、当該基準点31から所定方向に線分32を仮想的に描画して、当該線分32との交差箇所33における閉曲線の記入方向が方向34Aまたは方向34Bのいずれであるかを調べる。選択エリア/削除エリア判定部301は、方向34Aであった場合、閉曲線は右回りで記入されたと判定し、方向34Bであった場合、閉曲線は左回りで記入されたと判定する。
ところで、閉曲線は、常時円状に記入されるとは限らず、例えば、図12のような形状にも記入され得る。より具体的には、基準点31から仮想的に描画した線分32が閉曲線と複数個所で交差することも起こり得る。このような場合でも、選択エリア/削除エリア判定部301は、基準点31から奇数番目の交差箇所33[1,3]のいずれかにおける閉曲線の記入方向を調べることで、閉曲線が右回りまたは左回りのいずれで記入されたかを正確に判定することができる。
図13は、本タブレットコンピュータ10におけるペン10Aによるエリア選択(第1パターン)の流れを示すフローチャートである。
選択エリア/削除エリア判定部301は、エリアを選択する手書き入力、例えば閉曲線の記入を認識すると(ブロックA1のYES)、そのエリアを選択エリアに設定する(ブロックA2)。また、選択エリア/削除エリア判定部301は、設定した選択エリアを分割する手書き入力、例えば選択エリアを二分する線分の記入を認識すると(ブロックA3のYES)、分割後の2つのエリアのうち、面積の大きい方を新たな選択エリアと判定する(ブロックA4)。換言すれば、面積の小さい方を削除エリアと判定する。
また、図14は、本タブレットコンピュータ10におけるペン10Aによるエリア選択(第2パターン)の流れを示すフローチャートである。
選択エリア/削除エリア判定部301は、エリアを選択する手書き入力、例えば閉曲線の記入を認識すると(ブロックB1のYES)、そのエリアを選択エリアに設定する(ブロックB2)。また、選択エリア/削除エリア判定部301は、設定した選択エリアを分割する手書き入力、例えば選択エリアを二分する線分の記入を認識すると(ブロックB3のYES)、分割後の2つのエリアの一方を削除エリアに指定する手書き入力、例えばいずれかのエリア上での特定記号の記入を待機する(ブロックB4)。
そして、選択エリア/削除エリア判定部301は、削除エリアを指定する手書き入力を認識すると(ブロックB4のYES)、分割後の2つのエリアのうち、削除エリアとして指定されなかった方を新たな選択エリアと判定する(ブロックB5)。
図15は、本タブレットコンピュータ10におけるペン10Aによるエリア選択(第3パターン)の流れを示すフローチャートである。
選択エリア/削除エリア判定部301は、エリアを選択する手書き入力、例えば閉曲線の記入を認識すると(ブロックC1のYES)、その手書き入力の方向を判定する(ブロックC2)。選択エリア/削除エリア判定部301は、例えば右回りと判定した場合(ブロックC3のYES)、そのエリアを選択エリアと判定する(ブロックC4)。一方、例えば逆の左回りと判定した場合(ブロックC3のNO)、選択エリア/削除エリア判定部301は、そのエリアを削除エリアと判定する(ブロックC5)。
このように、本タブレットコンピュータ10は、例えば、タッチスクリーンディスプレイ12上でのペン10Aによる操作により、選択したい領域の指定と、削除したい領域との両方を行えるようにすることで、画面上の領域選択に関する操作性を向上させることを実現する。
本実施形態の各種処理はコンピュータプログラムによって実行することができるので、このコンピュータプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を通じてこのコンピュータプログラムを通常のコンピュータにインストールして実行するだけで、本実施形態と同様の効果を容易に実現することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…タブレットコンピュータ、11…本体、12…タッチスクリーンディスプレイ、12A…LCD、12B…タッチパネル、12C…デジタイザ、101…CPU、102…システムコントローラ、103…メインメモリ、104…グラフィクスコントローラ、105…BIOS−ROM、106…記録デバイス、107…無線通信デバイス、108…EC/KBC、201…オペレーティングシステム、202…ブラウザアプリケーションプログラム、203…クリッピングモジュール、301…削除エリア判定部、302…クリッピング対象エレメント判定部、303…クリッピング対象エレメント提示部、304…クリップ抽出部。

Claims (18)

  1. 画面表示された第1情報に対する第1操作に応じて、前記第1操作に対応する前記第1情報上の第1領域を第1選択領域に設定する処理手段を備え、
    前記処理手段は、前記第1領域に対する第2操作に応じて、前記第2操作に対応する前記第1領域内の第2領域を除く領域を第2選択領域に設定する電子機器。
  2. 前記第2操作は、前記第1領域を分割する線を記入するための操作であり、
    前記第2領域は、前記線により分割された前記第1領域内の2つの領域のうちの一方の領域である、
    請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記第2操作は、前記第1領域を分割する線を記入し、かつ、前記線により分割された前記第1領域内の2つの領域のうちの一方を指定するための操作であり、
    前記第2領域は、前記第1領域内の2つの領域のうちの一方を指定するための操作に応じて定められるものであって、前記線により分割された前記第1領域内の2つの領域のうちの一方の領域である、
    請求項1に記載の電子機器。
  4. 前記第1操作は、第1閉曲線を第1方向回りで記入するための操作であり、
    前記第2操作は、第2閉曲線を前記第1方向回りと逆の第2方向回りで記入するための操作であり、
    前記第2領域は、前記第1領域内の前記第2閉曲線に内包される領域である、
    請求項1に記載の電子機器。
  5. 前記第1情報は、HTML(Hypertext markup language)によって記述されるウェブページであり、
    前記処理手段は、画面表示されたウェブページのHTMLファイルに基づき、選択領域に対応するエレメントをクリッピングの対象に設定する、
    請求項1に記載の電子機器。
  6. 前記処理手段は、前記第2選択領域が設定された場合、新たな選択領域を対象として、クリッピングの対象に設定するエレメントの選定を再実行する請求項5に記載の電子機器。
  7. 電子機器の方法であって、
    画面表示された第1情報に対する第1操作に応じて、前記第1操作に対応する前記第1情報上の第1領域を第1選択領域に設定することと、
    前記第1領域に対する第2操作に応じて、前記第2操作に対応する前記第1領域内の第2領域を除く領域を第2選択領域に設定することと、
    を具備する方法。
  8. 前記第2操作は、前記第1領域を分割する線を記入するための操作であり、
    前記第2領域は、前記線により分割された前記第1領域内の2つの領域のうちの一方の領域である、
    請求項7に記載の方法。
  9. 前記第2操作は、前記第1領域を分割する線を記入し、かつ、前記線分により分割された前記第1領域内の2つの領域のうちの一方を指定するための操作であり、
    前記第2領域は、前記第1領域内の2つの領域のうちの一方を指定するための操作に応じて定められるものであって、前記線により分割された前記第1領域内の2つの領域のうちの一方の領域である、
    請求項7に記載の方法。
  10. 前記第1操作は、第1閉曲線を第1方向回りで記入するための操作であり、
    前記第2操作は、第2閉曲線を前記第1方向回りと逆の第2方向回りで記入するための操作であり、
    前記第2領域は、前記第1領域内の前記第2閉曲線に内包される領域である、
    請求項7に記載の方法。
  11. 前記第1情報は、HTML(Hypertext markup language)によって記述されるウェブページであり、
    画面表示されたウェブページのHTMLファイルに基づき、選択領域に対応するエレメントをクリッピングの対象に設定することをさらに具備する、
    請求項7に記載の方法。
  12. 前記クリッピングの対象を設定することは、前記第2選択領域が設定された場合、新たな選択領域を対象として、クリッピングの対象に設定するエレメントの選定を再実行する請求項11に記載の方法。
  13. コンピュータを、
    画面表示された第1情報に対する第1操作に応じて、前記第1操作に対応する前記第1情報上の第1領域を第1選択領域に設定する処理手段として機能させ、
    前記処理手段は、前記第1領域に対する第2操作に応じて、前記第2操作に対応する前記第1領域内の第2領域を除く領域を第2選択領域に設定するプログラム。
  14. 前記第2操作は、前記第1領域を分割する線を記入するための操作であり、
    前記第2領域は、前記線により分割された前記第1領域内の2つの領域のうちの一方の領域である、
    請求項13に記載のプログラム。
  15. 前記第2操作は、前記第1領域を分割する線を記入し、かつ、前記線により分割された前記第1領域内の2つの領域のうちの一方を指定するための操作であり、
    前記第2領域は、前記第1領域内の2つの領域のうちの一方を指定するための操作に応じて定められるものであって、前記線により分割された前記第1領域内の2つの領域のうちの一方である、
    請求項13に記載のプログラム。
  16. 前記第1操作は、第1閉曲線を第1方向回りで記入するための操作であり、
    前記第2操作は、第2閉曲線を前記第1方向回りと逆の第2方向回りで記入するための操作であり、
    前記第2領域は、前記第1領域内の前記第2閉曲線に内包される領域である、
    請求項13に記載のプログラム。
  17. 前記第1情報は、HTML(Hypertext markup language)によって記述されるウェブページであり、
    前記処理手段は、画面表示されたウェブページのHTMLファイルに基づき、選択領域に対応するエレメントをクリッピングの対象に設定する、
    請求項13に記載のプログラム。
  18. 前記処理手段は、前記第2選択領域が設定された場合、新たな選択領域を対象として、クリッピングの対象に設定するエレメントの選定を再実行する請求項17に記載のプログラム。
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