JP2015049238A - チャンネルボックス、および、チャンネルボックスの製造方法 - Google Patents

チャンネルボックス、および、チャンネルボックスの製造方法 Download PDF

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義幸 川原田
Yoshiyuki Kawarada
義幸 川原田
久保 貴博
Takahiro Kubo
貴博 久保
須山 章子
Akiko Suyama
章子 須山
鵜飼 勝
Masaru Ukai
勝 鵜飼
智子 田嶋
Tomoko Tajima
智子 田嶋
正幸 内橋
Masayuki Uchihashi
正幸 内橋
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Abstract

【課題】効率的に製造することが可能な、チャンネルボックス等を提供する。
【解決手段】本実施形態のチャンネルボックスは、内層と、内層の外側に設けられた外層と、内層と外層との間に設けられた中間層とを有する。内層と外層とのそれぞれは、セラミックス材料によって形成されている。中間層は、セラミックス材料の母材とセラミックス材料の繊維とを含むセラミックスマトリックス複合材料で形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、チャンネルボックス、および、チャンネルボックスの製造方法に関する。
沸騰水型原子力発電プラント(BWR)において利用される燃料集合体は、燃料ペレットが燃料被覆管の内部に収容された燃料棒の束を含み、その燃料棒の束の周りをチャンネルボックスが覆うように設置されている。この燃料集合体は、原子炉内において循環水が燃料棒の周囲を流れ、核分裂反応で生じる熱エネルギーによって循環水を沸騰させる。
燃料集合体を構成するチャンネルボックスは、一般に、ジルコニウム基合金で形成されている。ジルコニウム基合金は、たとえば、ジルカロイ−4(Sn−Fe−Cr−Zr合金)、ジルカロイ−2(Sn−Fe−Cr−Ni−Zr合金)であり、耐食性に優れ、中性子吸収断面積が小さいため、チャンネルボックスに用いられている。この他に、Zr−Nb合金などの材料の適用が検討されている。
ジルコニウム基合金は、下記の反応式(A)に示すように、水と反応して酸化し、水素が発生する。
Zr+2HO → ZrO+2H ・・・(A)
上記反応式(A)に示す反応は、発熱反応であり、ジルコニウム基合金は、この発熱反応によって発した熱により、酸化が促進される。そして、およそ900℃以上の高温になったときには、水素の発生速度が、劇的に増加する。
このため、原子炉内が高温になり、チャンネルボックスを構成するジルコニウム基合金と水との反応が起こったときには、水素が短時間で多量に発生する場合がある。
このように発生した水素について、処理して除去する技術が、提案されている(たとえば、特許文献1,2参照)。
この他に、水素の発生を抑制する技術が、提案されている。ここでは、チャンネルボックスについて、SiC(シリコンカーバイド)などのセラミック材料を用いて形成している。たとえば、チャンネルボックスは、外層と内層とを有しており、外層はSiCで形成され、内層は、SiCのセラミックス繊維とSiCのフィラー材料(filler material)とによって形成されている(たとえば、特許文献3参照)。
SiCは、高温環境下での酸化速度が低い。このため、チャンネルボックスをSiCなどのセラミック材料で形成することにより、酸化反応によって水素が生ずることを低減することができ、安全性を向上させることができる。
特許第3611865号公報 特許第4074200号公報 米国特許出願公開第2011/0268243号明細書
Louis Baker, Jr. and Louis C. Just; ANL report 6548 P.F.Tortorelli and K. L. More; Journal of American Ceramic Society 86(8) (2003) pp1249-1255.
上記のチャンネルボックスは、CVI(Chemical Vapor Infiltration)法(化学蒸気浸透法)を利用して、内層が形成される。しかし、CVIは、高真空装置が必要であると共に、複合材料を形成するときの処理時間が長い。このような事情により、安全性を向上可能なチャンネルボックスについて、簡単なプロセスで効率的に製造することが困難な場合がある。
また、チャンネルボックスについて、耐食性および機械的信頼性を十分に向上することが困難な場合がある。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、効率的に製造することが可能であって、安全性、耐食性、および、機械的信頼性の向上を容易に実現することができる、チャンネルボックス、および、チャンネルボックスの製造方法を提供することである。
本実施形態のチャンネルボックスは、内層と、内層の外側に設けられた外層と、内層と外層との間に設けられた中間層とを有する。内層と外層とのそれぞれは、セラミックス材料によって形成されている。中間層は、セラミックス材料の母材とセラミックス材料の繊維とを含むセラミックスマトリックス複合材料で形成されている。
本発明によれば、効率的に製造することが可能な、チャンネルボックス、および、チャンネルボックスの製造方法を提供することができる。
第1実施形態に係るチャンネルボックスを示す斜視図。 (a)は第1実施形態に係るチャンネルボックスの平断面図、(b)は(a)のX−X矢視断面図。 第1実施形態に係るチャンネルボックスを製造するときの製造工程を示すフロー図。 (a)および(b)は、第1実施形態に係るチャンネルボックスの製造工程における第1および第2の巻付け工程で作製されるものの要部拡大断面図。 (a)および(b)は、第1実施形態に係るチャンネルボックスの製造工程において作製されるものの要部拡大断面図。 (a)および(b)は、第1実施形態に係るチャンネルボックスの製造工程における第3の巻付け工程で作製されるものの要部拡大断面図。 第2実施形態に係るチャンネルボックスを製造するときの製造工程を示すフロー図。 (a)および(b)は、第2実施形態に係るチャンネルボックスの製造工程における第1および第2の巻付け工程で作製されるものの要部拡大断面図。 (a)および(b)は、第2実施形態に係るチャンネルボックスの製造工程における第3の巻付け工程で作製されるものの要部拡大断面図。
実施形態について、図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
[A]構成
[A−1]チャンネルボックス
図1は、第1実施形態に係るチャンネルボックスについて示す斜視図である。
図1に示すように、チャンネルボックス1は、四角形状の筒状体である。
チャンネルボックス1は、沸騰水型原子力発電プラント(BWR)(図示省略)において原子炉内に装荷される燃料集合体(図示省略)に利用される。燃料集合体は、その外形が上下方向に長い略角柱形状を呈しており、複数行、複数列となるように配列される燃料棒(図示省略)と、これらの燃料棒を支持する上部タイプレート、下部タイプレート及びスペーサ(図示省略)と、これらによって支持された燃料棒を内部に収納するチャンネルボックス1とを備えて構成されている。
図2は、第1実施形態に係るチャンネルボックスの断面図である。図2(a)は、チャンネルボックス1の延在方向に対して垂直な面を示している。また、図2(b)は、図2(a)のx−x部分の面を拡大して示している。
図2(a),(b)に示すように、チャンネルボックス1は、内層11と、中間層21と、外層31とを有している。
内層11は、チャンネルボックス1において内側に設けられ、セラミックス材料を用いて形成されている。詳細については後述するが、内層11は、たとえば、SiC単層(モノリシックSiC)で形成されている。
中間層21は、チャンネルボックス1において、内層11の外側であって、内層11と外層31との間に設けられている。中間層21は、セラミックスマトリックス複合材料(CMC(Ceramics Matrix Composite))を用いて形成されており、セラミックス繊維3とマトリクス4(母材,フィラー)とを含んで構成されている。詳細については後述するが、本実施形態では、中間層21において、セラミックス繊維3は、たとえば、SiC繊維であり、マトリクス4は、SiCである。
外層31は、チャンネルボックス1において、中間層21の外側に設けられ、セラミックス材料を用いて形成されている。詳細については後述するが、外層31は、内層11と同様に、たとえば、SiC単層(モノリシックSiC)で形成されている。
[B]製造方法
上記のチャンネルボックスを製造する方法について説明する。
図3は、第1実施形態に係るチャンネルボックスを製造するときの製造工程を示すフロー図である。
また、図4から図6は、第1実施形態に係るチャンネルボックスの製造工程において作製されるものの主要部を示す図である。図4から図6において、(a),(b)のそれぞれは、図2(b)と同様に、断面を示している。
本実施形態では、図4(a),図4(b),図5(a),図5(b),図6(a),図6
(b)の各図に示す工程を順次行うことによって、上記のチャンネルボックス1(図1,図2(a),図2(b)参照)の製造を行う。
各製造工程の詳細について、順次、説明する。
[B−1]樹脂製膜準備工程
まず、図3に示すように、樹脂製膜の準備を行う(ST1)。
ここでは、下記のように、セラミックス粉末と樹脂とを準備する。そして、セラミックス粉末と樹脂材料との両者を下記の混合比で混合し、スラリーを形成する。その後、たとえば、ドクターブレード法によって、セラミックス粉末と樹脂材料とを含むスラリーからシート状の板状体を形成することによって、樹脂製膜を作製する。樹脂製膜については、たとえば、下記の厚みになるように作製される。
・セラミックス粉末 ・・・ SiC粉末(平均粒径10nm〜500μm)
・樹脂 ・・・ フェノール樹脂
・混合比(質量比) ・・・ セラミックス粉末:樹脂=1:0.2〜5
・樹脂製膜の厚み ・・・0.1〜2mm
なお、樹脂製膜の作製のときには、SiC粉末と共に、焼結助剤として、BN,BC,Al,Yなどの他のセラミックス粉末を、適宜、添加してもよい。また、セラミックス粉末としてSiC粉末を例示したが、TiCを採用しても良い。
さらに、耐酸化性を保つために、後述する焼成工程ST6での焼成後に分解・消失し、耐酸化性を阻害するような不純物が残らないこと、および、後述する第1から第3の巻付け工程(ST2〜ST4)で巻きつけを可能とするために、シート状の板状体を形成するのに十分な可塑性をもつことを条件として、フェノール樹脂の他に、ポリカルボシラン、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂などの有機樹脂を用いてもよい。
[B−2]第1の巻付け工程
つぎに、図3に示すように、第1の巻付け工程において、中子への樹脂製膜の巻付けを行う(ST2)。
ここでは、図4(a)に示すように、樹脂製膜2を中子100に巻き付ける。具体的には、炭素で製造された四角柱形状の中子100を準備する。その後、上記の製造工程において予め準備したシート状の樹脂製膜2を、中子100の外表面に巻き付ける。
つまり、SiC粉末とフェノール樹脂とを含む樹脂製膜2が、中子100の外表面を覆うように巻き付けられる。たとえば、1層から20層の樹脂製膜2が巻き付けられる。
[B−3]第2の巻付け工程
つぎに、図3に示すように、第2の巻付け工程において、セラミックス繊維と樹脂製膜との巻付けを行う(ST3)。
ここでは、図4(b)に示すように、セラミックス繊維3が、先に巻き付けた樹脂製膜2を介して中子100の外側表面を被覆するように、セラミックス繊維3を中子100に巻き付ける。
具体的には、セラミックス繊維3は、SiC繊維などのセラミックスで形成された繊維であり、フィラメントワインディング法によって、樹脂製膜2を介して中子100の外側表面に巻き付けられる。つまり、セラミックス繊維3は、中子100の延在方向に、螺旋状に巻き付けられ、場合によって、セラミックス繊維3は、未硬化の熱硬化性樹脂(マトリクス)に浸漬された後に、回転する中子100の回転軸に沿って、螺旋状に巻き付けられる。
たとえば、SiC繊維のセラミックス繊維3として、Hi−Nicalon Type S(商品名)を用いる。この他に、Nicalon,Hi−Nicalon,Tyranno−SA,ZMI,Lox Mなどの材料をセラミックス繊維3として用いてもよい。
そして、図5(a)に示すように、上記の製造工程において予め準備したシート状の樹脂製膜2を、中子100の外側表面に巻き付ける。
具体的には、SiC粉末とフェノール樹脂とを含む樹脂製膜2が、先に巻き付けた樹脂製膜2、および、セラミックス繊維3を介して、中子100の外側表面を覆うように巻き付けられる。
本製造工程では、図5(b)に示すように、セラミックス繊維3の巻き付けと、樹脂製膜2の巻き付けとを、交互に、複数回、繰り返す。
[B−4]第3の巻付け工程
つぎに、図3に示すように、第3の巻付け工程において、さらに樹脂製膜の巻付けを行う(ST4)。
ここでは、図6(a)に示すように、上記の製造工程において予め準備したシート状の樹脂製膜2を、中子100の外側表面に巻き付ける。
具体的には、SiC粉末とフェノール樹脂とを含む樹脂製膜2が、先に巻き付けた樹脂製膜2、および、セラミックス繊維3を介して、中子100の外側表面を覆うように巻き付けられる。たとえば、1から20層の樹脂製膜2が巻き付けられる。
このようにして、チャンネルボックス1(図1,図2参照)の前駆体400が、形成される。
[B−5]成型工程
つぎに、図3に示すように、成型を行う(ST5)。
ここでは、上記の製造工程において形成された前駆体400(図6(a)参照)について成型を行うことによって、成型体(図示省略)を形成する。
たとえば、静水圧加圧法(CIP(Cold Isostatic Pressing))によって、成型を行う。これにより、複数の樹脂製膜2の間、および、樹脂製膜2とセラミックス繊維3との間が圧縮され、四角筒形状の成型体(図示省略)が形成される。
[B−6]焼成工程
つぎに、図3に示すように、焼成を行う(ST6)。
ここでは、上記の製造工程において成型された成型体(図示省略)について焼成を行う。
本実施形態では、たとえば、電気炉を用いて、下記の焼成条件において、焼成を行う。
(焼成条件)
・雰囲気 ・・・アルゴン(Ar)雰囲気
・保持温度 ・・・1700℃〜2000℃
・保持時間 ・・・1〜12時間
この焼成によって、成型体(図示省略)中の樹脂製膜2においては、樹脂が分解されて除去され、セラミックス粉末が互いに近づく。そして、隣り合うセラミックス粉末が接着して、全体が収縮する。これにより、図6(b)に示すように、中子100の周囲に、チャンネルボックス1が形成される。
具体的には、第1の巻付け工程において、中子100の外側表面に巻き付けられた樹脂製膜2(図4(a)参照)が、焼成によって、SiC単層の焼成体となる。そして、そのSiC単層の焼成体が、チャンネルボックス1の内層11を構成する(図6(b)参照)。
また、第2の巻付け工程において、内層11になる樹脂製膜2の次に巻き付けられた樹脂製膜2(図5(b)参照)が、焼成によって、マトリクス4(SiC母材)になる。これにより、セラミックス繊維3(SiC繊維)とマトリクス4(SiC母材)とを含むセラミックスマトリックス複合材料が形成され、そのセラミックスマトリックス複合材料が、チャンネルボックス1の中間層21を構成する(図6(b)参照)。
さらに、第3の巻付け工程において、中間層21を構成するセラミックス繊維3と樹脂製膜2の次に、中子100の外側表面に巻き付けられた樹脂製膜2(図6(a)参照)が、焼成によって、SiC単層の焼成体となる。そして、そのSiC単層の焼成体が、チャンネルボックス1の外層31を構成する(図6(b)参照)。
[B−7]中子除去工程
つぎに、図3に示すように、中子の除去を行う(ST7)。
ここでは、図2(b)に示すように、チャンネルボックス1の内部から中子100(図6(b)参照)を除去する。
具体的には、炭素で形成された中子100を燃焼させることによって除去する。これにより、チャンネルボックス1が完成する。
[C]まとめ
以上のように、本実施形態のチャンネルボックス1は、内層11と、内層11の外側に設けられた外層31と、内層11と外層31との間に設けられた中間層21とを有する。内層11と外層31とのそれぞれは、セラミックス材料によって形成されている。中間層21は、セラミックス材料のマトリクス4(母材)とセラミックス材料で形成されたセラミックス繊維3とを含むセラミックスマトリックス複合材料で形成されている。
このように、本実施形態では、内層11と外層31とのそれぞれがセラミックス材料で形成されているので、チャンネルボックス1の耐食性を向上させることができる。また、中間層21が、セラミックス材料のマトリクス4とセラミックス材料の繊維とを含むセラミックスマトリックス複合材料(CMC)で形成されているので、チャンネルボックス1の機械的信頼性を向上させることができる。
本実施形態では、内層11と外層31とのそれぞれは、SiCによって形成され、中間層21は、SiCのマトリクス4(母材)とSiCのセラミック繊維3とを含むセラミックスマトリックス複合材料で形成されている。
上述したように、SiCなどのセラミックスは、高温環境下での酸化速度が低い。具体的には、SiCの場合は、1200℃での減肉速度が、最大で150μm/2000hrであり、酸化速度に換算すると、ジルコニウム基合金の場合と比較して、1/100以下である。このため、本実施形態のチャンネルボックス1は、SiCで形成されているので、酸化反応によって水素の発生を低減させ、それにともなう安全性を向上させることができる。
また、本実施形態にて、上記のチャンネルボックス1を製造するときには、樹脂製膜準備工程(ST1)において、セラミックス粉末と樹脂とを含む樹脂製膜2を準備する。つぎに、第1の巻付け工程(ST2)においては、樹脂製膜準備工程(ST1)で準備した樹脂製膜2を中子100の外側表面に巻き付ける。つぎに、第2の巻付け工程(ST3)においては、第1の巻付け工程(ST2)で樹脂製膜2が巻き付けられた中子100の外側表面にセラミックス繊維3を巻き付けると共に、樹脂製膜準備工程(ST1)で準備した樹脂製膜2を更に巻き付ける。つぎに、第3の巻付け工程(ST4)においては、第2の巻付け工程(ST3)でセラミックス繊維3および樹脂製膜2が巻き付けられた中子100の外側表面に、樹脂製膜準備工程(ST1)において準備した樹脂製膜2を更に巻き付けることによって、チャンネルボックス1の前駆体400を形成する。つぎに、成形工程(ST5)においては、第3の巻付け工程(ST4)で形成された前駆体400を成型することによって、チャンネルボックス1の成型体(図示省略)を形成する。つぎに、焼成工程(ST6)においては、成形工程(ST5)で成型された成型体(図示省略)を焼成することによって、チャンネルボックス1を形成する。最後に、中子除去工程(ST7)においては、焼成工程(ST6)で形成されたチャンネルボックス1から中子100を除去する。特に、本実施形態では、樹脂製膜準備工程(ST1)において、SiC粉末をセラミックス粉末として含む樹脂製膜2を準備する。そして、第2の巻付け工程(ST3)では、セラミックス繊維3として、SiCの繊維を用いる。
このように本実施形態においては、チャンネルボックス1の製造のときに、CVIのように大掛かりな高真空装置を使用する必要がない。このため、本実施形態では、上記のチャンネルボックス1を、簡単なプロセスによって、効率よく、製造することができる。なお、樹脂製膜2の可塑性や、第1の巻付け工程(ST2)で用いる樹脂製膜2、および、第3の巻付け工程(ST4)で用いる樹脂製膜2の厚さ等を最適化し、成形工程(ST5)でセラミックス繊維3の間に充分に浸透すれば、第2の巻付け工程(ST3)では、樹脂製膜2の巻きつけを削減することが可能である。
<第2実施形態>
[A]製造方法等
図7は、第2実施形態に係るチャンネルボックスを製造するときの製造工程を示すフロー図である。
また、図8,図9は、第2実施形態に係るチャンネルボックスの製造工程において作製されるものの主要部を示す図である。図8,図9において、(a),(b)のそれぞれは、図2(b)と同様に、断面を示している。
図7から図9に示すように、本実施形態においては、チャンネルボックスを製造する製造工程の一部が、第1実施形態の場合と異なる。本実施形態は、上記の点、および、関連する点を除き、第1実施形態の場合と同様である。このため、本実施形態において、上記の実施形態と重複する個所については、適宜、説明を省略する。
[A−1]樹脂製膜(第1樹脂製膜、第2樹脂製膜)の準備(ST1b)
まず、図7に示すように、樹脂製膜の準備を行う。
ここでは、第1樹脂製膜と第2樹脂製膜との2種類を、樹脂製膜として準備する。
具体的には、第1樹脂製膜に関しては、第1実施形態の場合と同様に、SiC粉末をセラミックス粉末として含むスラリーからシート状の板状体を形成することで作製する。
一方で、第2樹脂製膜に関しては、セラミックス粉末が第1樹脂製膜の場合と異なることを除き、第1樹脂製膜と同様に作製する。
たとえば、下記のようにセラミックス粉末と樹脂とを準備した後に、そのセラミックス粉末と樹脂材料との両者を下記の混合比で混合し、スラリーを形成する。その後、たとえば、ドクターブレード法によって、セラミックス粉末と樹脂材料との両者を含むスラリーからシート状の板状体を形成することによって、第2樹脂製膜を作製する。
・セラミックス粉末 ・・・ SiO粉末(平均粒径10nm〜500μm)
・樹脂 ・・・ フェノール樹脂
・混合比(質量比) ・・・ セラミックス粉末:樹脂=1:0.2〜5
・第2樹脂製膜の厚み ・・・0.1〜2.0mm
なお、SiO以外に、Nb,Al,Cr,Ta,ZrOなどの酸化物のセラミックス粉末を用いて、第2樹脂製膜を作成してもよい。
[A−2]第1の巻付け(第1樹脂製膜の巻付け)(ST2)
つぎに、図7に示すように、第1の巻付け工程において、中子への樹脂製膜の巻付けを行う。
ここでは、図8(a)に示すように、第1実施形態の場合と同様に、上記の製造工程において予め準備したシート状の第1樹脂製膜2aを、中子100の外側表面に巻き付ける。つまり、SiC粉末とフェノール樹脂とを含む第1樹脂製膜2aが、中子100の外側表面を覆うように巻き付けられる。
[A−3]第2の巻付け(セラミックス繊維と第2樹脂製膜との巻付け)(ST3b)
つぎに、図7に示すように、第2の巻付け工程において、セラミックス繊維と第2樹脂製膜との巻付けを行う。
ここでは、図8(b)に示すように、第1実施形態の場合と同様に、セラミックス繊維3の巻き付けを行う。
その後、第1実施形態の場合と異なり、上記の製造工程において予め準備したシート状の第2樹脂製膜2bを、中子100の外側表面に巻き付ける。つまり、SiO粉末とフェノール樹脂とを含む第2樹脂製膜2bが、第1樹脂製膜2aおよびセラミックス繊維3を介して中子100の外側表面を覆うように巻き付けられる。
そして、セラミックス繊維3の巻き付けと、第2樹脂製膜2bの巻き付けとを、交互に、複数回、繰り返す。
[A−4]第3の巻付け(第1樹脂製膜の巻付け)(ST4)
つぎに、図7に示すように、第3の巻付け工程において、さらに、第1樹脂製膜の巻付けを行う。
ここでは、図9(a)に示すように、上記の製造工程において予め準備したシート状の第1樹脂製膜2aを、中子100の外側表面に巻き付ける。つまり、SiC粉末とフェノール樹脂とを含む第1樹脂製膜2aが、先に巻き付けた第1樹脂製膜2a,第2樹脂製膜2b、および、セラミックス繊維3を介して、中子100の外側表面を覆うように巻き付けられる。
このようにして、チャンネルボックス1(図1,図2参照)の前駆体400bが、形成される。
[A−5]その他
つぎに、第1実施形態の場合と同様に、成型(ST5)、焼成(ST6)を行う。
これにより、図9(b)に示すように、チャンネルボックス1が中子100の周囲に作製される。
本実施形態では、チャンネルボックス1において、内層11と外層31とのそれぞれは、SiCによって形成される。また、中間層21は、SiOなどの酸化物からなるセラミックス材料のマトリクス4b(母材)と、SiCのセラミックス繊維3とを含むセラミックスマトリックス複合材料(CMC)で形成される。
そして、最後に、第1実施形態の場合と同様に、中子の除去(ST7)を行い、チャンネルボックス1を完成させる。
[B]まとめ
以上のように、本実施形態のチャンネルボックス1において、中間層21は、第1実施形態の場合と異なり、酸化物のセラミックス材料で形成されたマトリクス4(母材)と、セラミックス繊維3とを含むセラミックスマトリックス複合材料(CMC)で形成されている。
また、本実施形態にて、上記のチャンネルボックス1を製造するときには、第1実施形態の場合と異なり、樹脂製膜準備工程(ST1)において、SiC粉末をセラミックス粉末として含む第1樹脂製膜2aと、SiOなどの酸化物粉末をセラミックス粉末として含む第2樹脂製膜2bとを、樹脂製膜として準備する。そして、第1の巻付け工程(ST2)では、樹脂製膜準備工程(ST1)で準備した第1樹脂製膜2aを巻き付ける。そして、第2の巻付け工程(ST3)では、樹脂製膜準備工程(ST1)で準備した第2樹脂製膜2bを巻き付ける。また、第3の巻付け工程(ST4)では、樹脂製膜準備工程(ST1)で準備した第1樹脂製膜2bを巻き付ける。
このように、本実施形態では、セラミックスマトリックス複合材料(CMC)で形成された中間層21は、第1実施形態の場合と異なり、マトリクス4b(母材)がSiOなどの酸化物である。このため、本実施形態では、酸化物の耐酸化性により、高温において高い耐酸化性を得ることができる。
<その他>
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…チャンネルボックス、2…樹脂製膜、2a…第1樹脂製膜、2b…第2樹脂製膜、3…セラミックス繊維(繊維)、4,4b…マトリクス(母材)、11…内層、21…中間層、31…外層、100…中子、400,400b…前駆体

Claims (6)

  1. 内層と、
    前記内層の外側に設けられた外層と、
    前記内層と前記外層との間に設けられた中間層と
    を有し、
    前記内層と前記外層とのそれぞれは、セラミックス材料によって形成され、
    前記中間層は、セラミックス材料の母材とセラミックス材料の繊維とを含むセラミックスマトリックス複合材料で形成されていることを特徴とする、
    チャンネルボックス。
  2. 前記内層と前記外層とのそれぞれは、SiCによって形成され、
    前記中間層は、SiCの母材とSiCの繊維とを含むセラミックスマトリックス複合材料で形成されていることを特徴とする、
    請求項1に記載のチャンネルボックス。
  3. 前記内層と前記外層とのそれぞれは、SiCによって形成され、
    前記中間層は、酸化物の母材とSiCの繊維とを含むセラミックスマトリックス複合材料で形成されていることを特徴とする、
    請求項1に記載のチャンネルボックス。
  4. 内層と、前記内層の外側に設けられた外層と、前記内層と前記外層との間に設けられた中間層とを有し、前記内層と前記外層とのそれぞれが、セラミックス材料によって形成され、前記中間層が、セラミックス材料の母材とセラミックス材料の繊維とを含むセラミックスマトリックス複合材料で形成されるチャンネルボックスの製造方法であって、
    セラミックス粉末と樹脂とを含む樹脂製膜を準備する、樹脂製膜準備工程と、
    前記樹脂製膜準備工程において準備した樹脂製膜を中子の外側表面に巻き付ける、第1の巻付け工程と、
    前記第1の巻付け工程において樹脂製膜が巻き付けられた中子の外側表面に、セラミックス繊維を巻き付けると共に、前記樹脂製膜準備工程において準備した樹脂製膜を更に巻き付ける、第2の巻付け工程と、
    前記第2の巻付け工程においてセラミックス繊維および樹脂製膜が巻き付けられた中子の外側表面に、前記樹脂製膜準備工程において準備した樹脂製膜を更に巻き付けることによって、前記チャンネルボックスの前駆体を形成する、第3の巻付け工程と、
    前記第3の巻付け工程において形成された前駆体を成型することによって、前記チャンネルボックスの成型体を形成する、成型工程と、
    前記成形工程において成型された成型体を焼成することによって、前記チャンネルボックスを形成する、焼成工程と
    前記焼成工程において形成されたチャンネルボックスから中子を除去する、中子除去工程と
    を有することを特徴とする、
    チャンネルボックスの製造方法。
  5. 前記樹脂製膜準備工程においては、SiC粉末を前記セラミックス粉末として含む樹脂製膜を準備し、
    前記第2の巻付け工程では、前記セラミックス繊維として、SiCの繊維を用いることを特徴とする、
    請求項4に記載のチャンネルボックスの製造方法。
  6. 前記樹脂製膜準備工程においては、SiC粉末を前記セラミックス粉末として含む第1樹脂製膜と、酸化物粉末を前記セラミックス粉末として含む第2樹脂製膜とを、前記樹脂製膜として準備し、
    前記第1の巻付け工程では、前記樹脂製膜準備工程において準備した第1樹脂製膜を巻き付け、
    前記第2の巻付け工程では、前記樹脂製膜準備工程において準備した第2樹脂製膜を巻き付け、
    前記第3の巻付け工程では、前記樹脂製膜準備工程において準備した第1樹脂製膜を巻き付けることを特徴とする、
    請求項4に記載のチャンネルボックスの製造方法。
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