JP2015047777A - 押印管理システムおよび印鑑 - Google Patents
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Abstract
【課題】押印管理業務を自動化、省力化するとともに、印鑑の刻印面の偽造、改竄を防止して、刻印面のセキュリティを確保する。【解決手段】刻印面12近傍の本体内部にRFIDタグ11が組み込まれた印鑑10と、アンテナ31を有してRFIDタグ11と通信を行って識別情報を読み取ることができるリーダ/ライタ装置30と、アンテナ31を少なくとも含むリーダ/ライタ装置30の一部もしくは全部を組み込んだスタンプ台22と、印鑑10によりスタンプ台22上で書類21に押印処理を行った際に、アンテナ31を介してリーダ/ライタ装置30により読み取ったRFIDタグ11の識別情報および読み取った日時の情報を含む押印履歴の情報を押印記録台帳41に記録する押印管理サーバ40とを有する。【選択図】図1
Description
本発明は、印鑑等による押印を管理する技術に関し、特に、印鑑等にRFIDタグを組み込んで押印を管理する押印管理システムおよび印鑑に適用して有効な技術に関するものである。
例えば、公的機関の公印や企業の会社印などの重要な印章や印鑑(以下では印章や印鑑などの印全般を「印鑑」と総称する場合がある)については、書類への押印手続が管理される場合がある。この押印管理業務においては、押印者が、必要に応じて申請や承認処理を行った後に押印を行い、押印の日時や押印者名、対象書類などの履歴情報を手動で電子帳票や紙の台帳に記録するという手法がとられるのが一般的である。
このような業務を支援するため、例えば、印鑑にICタグなどのRFIDタグを組み込むことで各印鑑を電子的に識別可能とし、また、承認プロセスや処理プロセス等を電子的にワークフロー化して押印履歴の管理などを行うことで押印管理業務を自動化、省力化するシステムが用いられる場合がある。
このような押印管理業務に関連する技術として、例えば、特開2005−231117号公報(特許文献1)には、半導体メモリ部および第1アンテナ部からなるICタグを組み込んだ印鑑と、第1アンテナ部との間でデータの送受信を行う第2アンテナ部を有するとともに、ICタグに対して、印鑑に固有の識別データの読出しまたは書込みを行うリーダ/ライタ装置と、識別データおよび対応する個人データを登録および管理するデータサーバと、リーダ/ライタ装置によって読み取られた半導体メモリ部内の識別データとデータサーバ内に登録されている識別データおよび個人データとを照合する端末装置とを備えるシステムが記載されている。これにより、書類等に押印する動作と同時に、その際使用された印鑑本体が正規に登録されたものであることの認証を行うことを可能とする。
また、例えば、特開2005−239376号公報(特許文献2)には、ホルダー部と、認証名の刻設された印字ヘッド部とを備えた印鑑等の認証印本体内に、認証名に対応する固有の認証データを書き込み/読み出し可能なICタグを内蔵する配送システムが記載されている。これにより、物流配送業者が各配送先から受領印の押印を受けた配送伝票を回収した後に配送完了処理のための配送伝票の押印を確認し、その各伝票に表示されている伝票固有情報と認証印のICタグに記録された認証データを書込/読取端末にて読み取って、伝票への押印の実行をデータとして確認し、配送結果を集計する膨大な作業を効率化して、物品の配送から配送完了の証明処理と集計及び配送状況データの集計を能率的に実施できるようにする。
例えば、書類への公印や会社印などの押印手続を管理する業務について、承認プロセスや押印手続等をワークフローシステムによって支援した場合でも、実際に、契約書等の書類に、いつ誰がいくつ押印したかなどの実績情報や履歴情報を台帳ファイル等に記録する際には、手動で記録することになるため、ヒューマンエラーを生じる可能性が高い。
これに対し、従来技術のように、例えば、印鑑の柄部分にRFIDタグを組み込んでおき、これをリーダ/ライタ装置で読み取ることで、押印された印鑑を自動的に識別することが可能となる。しかしながら、RFIDタグの感度と、リーダ/ライタ装置のアンテナからの出力電波の強度との関係で、実際に押印操作が行われたときのみ、リーダ/ライタ装置でRFIDタグを読み取ることができるような範囲に調整することは非常に困難である。
例えば、従来技術のように印鑑に組み込まれたRFIDタグを読み取ることができる程度の電波をリーダ/ライタ装置のアンテナから出力すると、リーダ/ライタ装置の読取可能範囲が広くなり、押印のタイミング以外でもRFIDタグを読み取ってしまったり、近傍に置かれただけの印鑑のRFIDタグも読み取ってしまったりなど、ノイズが大きくなる。
また、従来技術のように印鑑の柄部分にRFIDタグを組み込んだ場合、例えば、印鑑の刻印面の部分のみを薄く切除し、他の印鑑の刻印面を貼り合わせてすり替えることで、印鑑全体の外観はほぼ変わらないものの、刻印面を改竄することが可能であり、このような害意を持った第三者が存在する場合には印鑑の真正を確保できない場合も生じ得る。
そこで本発明の目的は、押印管理業務を自動化、省力化するとともに、印鑑の刻印面の偽造、改竄を防止して、刻印面のセキュリティを確保する押印管理システムおよび印鑑を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
本発明の代表的な実施の形態による押印管理システムは、印鑑による押印処理に係る情報を押印履歴として管理する押印管理システムであって、刻印面近傍の本体内部に第1のRFIDタグが組み込まれた印鑑と、アンテナを有して前記第1のRFIDタグと通信を行って当該第1のRFIDタグが有する識別情報を読み取ることができるリーダ/ライタ装置と、前記アンテナを少なくとも含む前記リーダ/ライタ装置の一部もしくは全部を組み込んだ弾力性を有する絶縁素材からなるスタンプ台と、前記印鑑により前記スタンプ台上で書類に押印処理を行った際に、前記アンテナを介して前記リーダ/ライタ装置により読み取った前記印鑑に組み込まれた前記第1のRFIDタグの前記識別情報および読み取った日時の情報を含む押印履歴の情報を押印記録保持部に記録する押印管理装置と、を有するものである。
また、本発明は、上記の押印管理システムにおいて用いられる印鑑にも適用することができる。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
すなわち、本発明の代表的な実施の形態によれば、押印管理業務を自動化、省力化することで、迅速かつ的確な管理業務を可能とするとともに、印鑑の刻印面の偽造、改竄を防止して、刻印面のセキュリティを確保することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
本発明の一実施の形態である押印管理システムは、印鑑にRFIDタグを組み込み、リーダ/ライタ装置のアンテナが組み込まれたスタンプ台の上で書類に押印処理を行うことで、押印時に印鑑のRFIDタグを読み取って、押印処理に係る情報を識別、取得し、押印履歴を台帳管理するサーバに自動記録するシステムである。
ここで、印鑑に組み込むRFIDタグは、感度の低い小型のものとし、印鑑の柄部分ではなく刻印面の近傍の本体内に組み込むものとする。また、リーダ/ライタ装置からの出力電波は微弱なものとし、アンテナの近傍、すなわちスタンプ台の近傍のみ読取可能とする。これにより、押印処理時、すなわち、印鑑の刻印面が書類を介してスタンプ台に近接したときにのみ、印鑑に組み込まれたRFIDタグがリーダ/ライタ装置での読取可能範囲に入ることになり、押印処理が行われたタイミングで印鑑を識別して自動的に押印履歴を記録することが可能となる。
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1である押印管理システムの構成例について概要を示した図である。押印管理システム1は、例えば、テーブル23などの台の上に戴置されたスタンプ台22と、当該スタンプ台22上で書類21に押印する印鑑10とを有する。図1の例では、押印時における印鑑10、書類21、スタンプ台22、およびテーブル23の設置状態について、概略を断面図により示している。
図1は、本発明の実施の形態1である押印管理システムの構成例について概要を示した図である。押印管理システム1は、例えば、テーブル23などの台の上に戴置されたスタンプ台22と、当該スタンプ台22上で書類21に押印する印鑑10とを有する。図1の例では、押印時における印鑑10、書類21、スタンプ台22、およびテーブル23の設置状態について、概略を断面図により示している。
本実施の形態のスタンプ台22は、例えば、一般的なスタンプ台に用いられるゴム等の弾力性のある樹脂などの絶縁素材で、電波吸収の少ない素材により形成されており、内部にリーダ/ライタ装置30のアンテナ31が組み込まれている。図2は、スタンプ台22にアンテナ31を組み込む例について概要を示した図である。図2(a)および(b)の例では、それぞれ、アンテナ31を組み込んだ状態のスタンプ台22を上方(押印面側)から見た上面図を示している。アンテナ31は、例えば、図2(a)の例に示すように、スタンプ台22の押印面に組み込まれた、UHF(Ultra High Frequency)帯で動作する板状アンテナとしての金属板としたり、図2(b)の例に示すように、スタンプ台22の押印面に埋設されるUHF帯の平面アンテナとしたりすることができる。
図1に戻り、アンテナ31が接続されたリーダ/ライタ装置30は、例えば、UHF(Ultra High Frequency)波を利用してRFIDタグと通信して記録内容を読み取ることができる、一般的な携帯型や据え置き型のリーダ/ライタ装置を適宜用いることができる。ライタ機能を有していないものであってもよい。また、スタンプ台22やテーブル23と一体化して構成することも可能である。すなわち、本実施の形態では、スタンプ台22は、少なくともアンテナ31を含むリーダ/ライタ装置30の一部もしくは全部を組み込んで一体化して構成されている。
リーダ/ライタ装置30は、必要に応じて、PC(Personal Computer)等の情報処理端末からなる操作端末42に接続され、さらに、図示しないネットワークを介して押印履歴を台帳管理するサーバシステムである押印管理サーバ40に接続される。押印管理サーバ40では、1つ以上のリーダ/ライタ装置30により押印時に読み取られた印鑑10の識別情報を、押印履歴としてデータベース等により構成される押印記録台帳41に記録し、一元的に管理する。押印に係る申請や承認手続などをワークフローとして管理する機能を有していてもよい。
操作端末42では、例えば、ソフトウェアプログラムの実行により、リーダ/ライタ装置30を制御してRFIDタグに対するデータの読み書きを行ったり、押印管理サーバ40にアクセスして押印記録台帳41の参照やワークフロー処理の実行などを行ったりすることができる。
印鑑10は、押印管理システム1により押印手続や押印の実績を管理する必要がある印鑑や印章であり、例えば、公印や会社印などが主に対象となるが、これらに限られない。例えば、美術工芸品に押印される落款なども含む個人の印章も含まれる。
印鑑10の刻印面12の近傍の内部には、後述するような手法により、RFIDタグ11が組み込まれている。このRFIDタグ11は、印鑑10に組み込める程度の大きさである必要があり、かつ、刻印面12を作製する彫師等が手作業により埋め込める程度の大きさであるのが望ましいことから、例えば、2〜3mm角程度の大きさのICチップからなるパッシブタイプのRFIDタグとする。一般的に、RFIDタグのサイズが大きいほど通信における感度が良くなることから、感度を低くするためにも小型のICチップからなるRFIDタグを用いる。
小型で低感度のRFIDタグとして、例えば、日立化成株式会社製のIM5−PK2525型RFIDタグ(http://www.hitachi-chem.co.jp/japanese/products/ppcm/ppcm015/008.html)は、寸法が2.5mm角で0.4mmの厚さであり、920MHzのUHF波、出力30dBmの呼出電波で感度は3cm程度の距離である。
さらに、本実施の形態では、アンテナ31から出力される、RFIDタグ11を呼び出すための呼出電波32について、RFIDタグ11に対する読取可能範囲(感度)がアンテナ31から数cm以下(例えば2cm以下)程度の距離となるよう、出力を調整する。これにより、印鑑10をスタンプ台22上の書類21に実際に押印するタイミングおよびその直近前後でのみ、刻印面12の近傍に組み込まれたRFIDタグ11が、アンテナ31の読取可能範囲に入り、アンテナ31がRFIDタグ11から出力される信号電波33を受信して、RFIDタグ11に記録された識別情報を読み取ることができる。従って、単に印鑑10を識別するだけではなく、これを用いた実際の押印処理のタイミングを識別することが可能となる。
なお、押印対象の書類21の厚さが厚い場合には、書類21上の押印対象面とアンテナ31との距離が上記の読取可能範囲よりも大きくなる場合も生じ得る。この場合、そのままスタンプ台22の上に戴置して押印したのでは、印鑑10に組み込まれたRFIDタグ11がアンテナ31の読取可能範囲に入らない。従って、例えば、ページを開いて該当ページを含む一部のページのみをスタンプ台22上に戴置するようにして、当該部分の厚さが読取可能範囲よりも小さくなるようにする。
図3は、印鑑10に組み込まれるRFIDタグ11の構造の例について概要を示した図である。図3(a)は、RFIDタグ11の上面から透過的に見た図であり、図3(b)は、図3(a)におけるAB間の一点鎖線によりRFIDタグ11を切断した場合の断面図の例を示している。RFIDタグ11は、例えば、2〜3mm角程度の大きさの基材114の上部にICチップ111と、これに接続された内蔵コイルアンテナ112を配置し、封止樹脂113によって封止して形成されている。
図4は、印鑑10の刻印面12の近傍にRFIDタグ11を組み込む例について概要を示した図である。図4(a)は、印鑑10について刻印面12側から見た状態の例を示しており、円形の刻印面12には、彫られた凹部である刻印部13以外の部分により、“山”という漢字が形成されている。図4(b)および(c)は、それぞれ、図4(a)におけるAB間の一点鎖線により印鑑10を切断した場合の断面図の例を示している。図4(b)の例では、印鑑10に対して刻印部13からRFIDタグ11を組み込んだ場合を示しており、図4(c)の例では、刻印面12の近傍の印鑑10の側面からRFIDタグ11を組み込んだ場合を示している。
図4(b)の例では、刻印部13側から印鑑10の本体をさらに彫って凹部を設け、RFIDタグ11を埋め込んだ後、接着剤等を注入することで封止部14を形成する。新規に印鑑10を作製する場合は、彫師等が刻印面12を彫って刻印部13を形成する際に、併せて当該手法により刻印部13からRFIDタグ11を組み込むことができる。
一方、図4(c)の例では、刻印面12の近傍の印鑑10の側面から本体を彫って凹部を設け、RFIDタグ11を埋め込んだ後、接着剤等を注入することで封止部14を形成する。既存の印鑑10にRFIDタグ11を組み込む場合や、複雑な文字で刻印面12の総面積が広く、十分な面積の刻印部13がない等の場合には、このような手法によりRFIDタグ11を組み込むことも可能である。
なお、印鑑10の材質によっては、小型のRFIDタグ11では所定の感度が得られない場合がある。この場合は、印鑑10の内部にRFIDタグ11を組み込む際、印鑑内部でのRFIDタグ11の姿勢を、図3(a)の例における内蔵コイルアンテナ112のなす面が、刻印面12に対して概ね直交する向きとなるように組み込む。すなわち、小型のRFIDタグ11を、例えば、図4(b)の例の場合には、印鑑10の刻印面12から突き刺すように組み込む事で、所定の感度を得ることが可能となる。
図4(b)および(c)のいずれの場合も、RFIDタグ11が組み込まれる位置は、刻印面12から数mm程度(例えば、5mm以下)の位置とする。これにより、上述したように、RFIDタグ11とアンテナ31との通信可能距離を短くして、実際に押印するタイミングおよびその直近前後でのみ通信が行われるようにすることで、押印処理が行われたタイミングを識別可能となる。
また、RFIDタグ11を損傷させずに印鑑10の刻印面12の近傍のみを薄く切除するというようなことが困難となる。従って、例えば、刻印面12の近傍のみを薄く切除し、他の印鑑の刻印面を貼り合わせてすり替えることで刻印面12のみを偽造、改竄するというような不正行為に対して、これを防止することができ、印鑑10の真正を確保、証明することが可能となる。
なお、印鑑10の材質としては、象牙や木材、樹脂などがよく用いられ、これらは一般的に絶縁素材であるため、RFIDタグ11を埋め込んでもアンテナ31との間で通信を行うことが可能である。一方で、金や、近年ではチタンなどの金属製の素材が用いられる場合があるが、この場合は、アンテナ31から出力された呼出電波32の高周波電流が、印鑑10の表面に流れるため、これをRFIDタグ11に誘導して流すことで、通信を行うことが可能である。
これは、刻印部13の表面を含む、金やチタンなどの金属面に流れる高周波電流と、RFIDタグ11の内蔵コイルアンテナ112の一端とが近接することで電磁的に誘導結合するという通信形態によるものである。なお、この場合も上記と同様に、小型のRFIDタグ11が所定の感度に達するような姿勢で印鑑10に組み込むものとする。例えば、図3(a)の例における内蔵コイルアンテナ112のなす面が、刻印面12に対して概ね直交する向きとなるようにRFIDタグ11を組み込む。これにより、所定の感度を得ることが可能となる。
<実施の形態2>
上述した実施の形態1における押印管理システム1では、少なくともアンテナ31を含むリーダ/ライタ装置30の一部もしくは全部を組み込んだ専用のスタンプ台22を用い、印鑑10の押印時に印鑑10の刻印面12近傍に組み込まれたRFIDタグ11とアンテナ31が通信可能となることによって、押印処理を識別する。これに対し、本発明の実施の形態2である押印管理システムは、アンテナを組み込んでいない汎用のスタンプ台を用いて、RFIDタグを組み込んだ印鑑による押印処理を識別するものである。
上述した実施の形態1における押印管理システム1では、少なくともアンテナ31を含むリーダ/ライタ装置30の一部もしくは全部を組み込んだ専用のスタンプ台22を用い、印鑑10の押印時に印鑑10の刻印面12近傍に組み込まれたRFIDタグ11とアンテナ31が通信可能となることによって、押印処理を識別する。これに対し、本発明の実施の形態2である押印管理システムは、アンテナを組み込んでいない汎用のスタンプ台を用いて、RFIDタグを組み込んだ印鑑による押印処理を識別するものである。
図5は、本発明の実施の形態2である押印管理システムの構成例について概要を示した図である。実施の形態1の図1の例と同様に、押印管理システム1は、例えば、テーブル23などの台の上に戴置されたスタンプ台22と、当該スタンプ台22上で書類21に押印する印鑑10とを有する。図5の例でも、押印時における印鑑10、書類21、スタンプ台22、およびテーブル23の設置状態について、概略を断面図により示している。
本実施の形態のスタンプ台22は、例えば、ゴム等の弾力性のある樹脂(電波吸収の少ない絶縁素材が好適)により形成された一般的な汎用のスタンプ台やマットであり、実施の形態1と異なり、内部にリーダ/ライタ装置30のアンテナが組み込まれていない。本実施の形態では、リーダ/ライタ装置30は、例えば、スタンプ台22の上方に配置された、アンテナ(図示しない)も備える携帯型もしくは据え置き型のリーダ/ライタ装置であり、テーブル23の上面における反射を利用して、呼出電波32を印鑑10に対して出力し、また、印鑑10に組み込まれたRFIDタグ11から出力された信号電波33を受信する。
呼出電波32および信号電波33を反射させるため、テーブル23の上部の少なくとも一部(主に押印位置に対応する領域)には、金属や炭素繊維等の導体からなる反射面221を有するものとする。このような構成とするためには、例えば、図示するように、スタンプ台22の下面部分にアルミなどの金属や炭素繊維等の導体による箔や膜、板などを貼付したりすることができる。
本実施の形態では、図5の例において、ゴム等の樹脂からなるスタンプ台22の下面に反射面221を設ける構成としているが、テーブル23の上部かつ書類21の下部に反射面221を有する構成であればこれに限られない。例えば、スタンプ台22の上面にアルミ箔等の導体部材を貼付して反射面221を設けてもよいし、スタンプ台22とテーブル23とをゴム等の樹脂により一体的に形成して、その上面にアルミ箔等の導体部材を貼付して反射面221を設けてもよい。また、テーブル23の部材自体を金属や炭素繊維等の導体により形成し、その上部にゴム等の樹脂からなるスタンプ台22を設置することで、テーブル23の上面を反射面221とする構成としてもよい。
本実施の形態では、呼出電波32および信号電波33を反射面で反射させて用いるため、実施の形態1と比べて経路長が長くなることから、リーダ/ライタ装置30からの電波の出力の調整、すなわち通信可能範囲の調整が必要となる。この点について、例えば、電波を拡散させずに集中させる技術を用いることで比較的容易に調整することができる。電波の拡散を抑止する技術としては、例えば、反射面221の形状や寸法を、呼出電波32に共振するサイズ(例えば、呼出電波32の半波長のサイズ)等にすることで拡散する出力電波を集中させる技術や、スタンプ台22の反射面221の形状を、パラボラアンテナのような薄い曲面形状であるが近似的には平面に近いものとすることなどを適宜適用することができる。
以上に説明したように、本発明の実施の形態2の押印管理システム1によれば、汎用のスタンプ台22を用いることを可能とすることで、スタンプ台22やテーブル23、リーダ/ライタ装置30の構成の自由度を向上させ、構築を容易にすることができる。
<実施の形態3>
上述した実施の形態1や実施の形態2における押印管理システム1の構成によって、どの印鑑10によって押印処理が実際に行われたかを自動的に識別することが可能となる。本発明の実施の形態3である押印管理システムは、さらに、いつ誰がどの書類にいくつ押印したか等の情報も自動的に取得し、押印履歴情報として管理するものである。
上述した実施の形態1や実施の形態2における押印管理システム1の構成によって、どの印鑑10によって押印処理が実際に行われたかを自動的に識別することが可能となる。本発明の実施の形態3である押印管理システムは、さらに、いつ誰がどの書類にいくつ押印したか等の情報も自動的に取得し、押印履歴情報として管理するものである。
実施の形態1の図1や、実施の形態2の図5の例に示すような押印管理システム1を利用した押印管理業務として、例えば、まず、押印者がICカード型やRFIDカード型の社員証や、押印資格者であることを示すICカード等をリーダ/ライタ装置30により読み取らせることで、システムを起動もしくは準備する。その後、押印者により印鑑10の押印処理が行われた際に、押印管理システム1が印鑑10に組み込まれたRFIDタグ11を読み取って印鑑10を自動的に識別する。そして、その日時や、社員証等から読み取った押印者の情報、リーダ/ライタ装置30の設置場所(すなわち押印場所)の情報などと併せて、押印履歴として押印管理サーバ40の押印記録台帳41に記録する。
これらの情報に加えて、例えば、押印回数(もしくは押印した書類21の枚数)を記録することも可能である。また、押印者が事前にワークフローにより承認プロセスを経ている場合には、承認者などの情報を記録することも可能である。また、書類21に超小型のRFIDタグを組み込むことで、リーダ/ライタ装置30によりこれを読み取り、どの書類21に押印がされたかを自動的に識別することも可能である。
このように、押印処理に係る詳細な情報を自動的に識別もしくは取得し、これらの情報を押印履歴として押印管理サーバ40の押印記録台帳41に記録して管理する情報処理システムとして、押印管理システム1を構成することが可能である。この押印管理システム1により、例えば、公文書や会社の重要な文書に押印する公印や会社印を自動識別して押印業務を管理したり、美術・芸術の分野において、例えば、印刷枚数が限定された版画に押す落款の自動識別により、芸術としての版画の印刷枚数を高精度に制御したりすることが可能である。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、上記の実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部または全部を、例えば、集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。
本発明は、印鑑等にRFIDタグを組み込んで押印を管理する押印管理システムおよび印鑑に利用可能である。
1…押印管理システム、
10…印鑑、11…RFIDタグ、12…刻印面、13…刻印部、14…封止部、
21…書類、22…スタンプ台、23…テーブル、
30…リーダ/ライタ装置、31…アンテナ、32…呼出電波、33…信号電波、
40…押印管理サーバ、41…押印記録台帳、42…操作端末、
111…ICチップ、112…内蔵コイルアンテナ、113…封止樹脂、114…基材、
221…反射面。
10…印鑑、11…RFIDタグ、12…刻印面、13…刻印部、14…封止部、
21…書類、22…スタンプ台、23…テーブル、
30…リーダ/ライタ装置、31…アンテナ、32…呼出電波、33…信号電波、
40…押印管理サーバ、41…押印記録台帳、42…操作端末、
111…ICチップ、112…内蔵コイルアンテナ、113…封止樹脂、114…基材、
221…反射面。
Claims (8)
- 印鑑による押印処理に係る情報を押印履歴として管理する押印管理システムであって、
刻印面近傍の本体内部に第1のRFIDタグが組み込まれた印鑑と、
アンテナを有して前記第1のRFIDタグと通信を行って当該第1のRFIDタグが有する識別情報を読み取ることができるリーダ/ライタ装置と、
前記アンテナを少なくとも含む前記リーダ/ライタ装置の一部もしくは全部を組み込んだ弾力性を有する絶縁素材からなるスタンプ台と、
前記印鑑により前記スタンプ台上で書類に押印処理を行った際に、前記アンテナを介して前記リーダ/ライタ装置により読み取った前記印鑑に組み込まれた前記第1のRFIDタグの前記識別情報および読み取った日時の情報を含む押印履歴の情報を押印記録保持部に記録する押印管理装置と、
を有する、押印管理システム。 - 印鑑による押印処理に係る情報を押印履歴として管理する押印管理システムであって、
刻印面近傍の本体内部に第1のRFIDタグが組み込まれた印鑑と、
前記第1のRFIDタグと通信を行って当該第1のRFIDタグが有する識別情報を読み取ることができるリーダ/ライタ装置と、
導体による反射面を有する、スタンプ台もしくはスタンプ台が戴置されるテーブルと、
前記印鑑により前記スタンプ台上で書類に押印処理を行った際に、前記反射面による電波の反射を利用して前記リーダ/ライタ装置により読み取った前記印鑑に組み込まれた前記第1のRFIDタグの前記識別情報および読み取った日時の情報を含む押印履歴の情報を押印記録保持部に記録する押印管理装置と、
を有する、押印管理システム。 - 請求項1または2に記載の押印管理システムにおいて、
前記押印履歴の情報には、押印者を識別する情報を有するICカードから、前記リーダ/ライタ装置により読み取った前記押印者の情報を含む、押印管理システム。 - 請求項1または2に記載の押印管理システムにおいて、
押印対象の書類には第2のRFIDタグが組み込まれており、
前記押印履歴の情報には、前記リーダ/ライタ装置により読み取った前記押印対象の書類に組み込まれた前記第2のRFIDタグの識別情報を含む、押印管理システム。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の押印管理システムにおいて用いられる印鑑であって、
刻印面近傍の本体内部にRFIDタグが組み込まれた、印鑑。 - 請求項5に記載された印鑑において、
前記RFIDタグは、前記印鑑の刻印部から凹部を設けて埋め込まれた、印鑑。 - 請求項5に記載された印鑑において、
前記RFIDタグは、前記印鑑の刻印面の近傍における側面から凹部を設けて埋め込まれた、印鑑。 - 請求項6または7に記載の印鑑において、
前記RFIDタグは、前記印鑑に設けられた前記凹部に、前記印鑑の刻印面に対して略直交する向きで埋め込まれた、印鑑。
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---|---|---|---|
JP2013180933A JP2015047777A (ja) | 2013-09-02 | 2013-09-02 | 押印管理システムおよび印鑑 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109159555A (zh) * | 2018-11-04 | 2019-01-08 | 宁波喜印科技有限公司 | 一种按压式智能印章 |
CN114312073A (zh) * | 2021-11-15 | 2022-04-12 | 北京智芯微电子科技有限公司 | 智能印章盖章动作检测方法和系统以及智能印章 |
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2013
- 2013-09-02 JP JP2013180933A patent/JP2015047777A/ja active Pending
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CN109159555A (zh) * | 2018-11-04 | 2019-01-08 | 宁波喜印科技有限公司 | 一种按压式智能印章 |
CN114312073A (zh) * | 2021-11-15 | 2022-04-12 | 北京智芯微电子科技有限公司 | 智能印章盖章动作检测方法和系统以及智能印章 |
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