JP2015047452A - 脳波信号を解析評価する方法、脳波信号解析評価装置及び脳波信号を解析評価するためのプログラム - Google Patents

脳波信号を解析評価する方法、脳波信号解析評価装置及び脳波信号を解析評価するためのプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】生体情報の解析において、煩雑な計算過程がなく、簡易な構成により脳波解析評価を実行することができる方法を提供する。【解決手段】脳波信号取得部1で取得された脳波信号からバンドパスフィルター2により注目帯域の信号データを取り出し、取り出された帯域の信号データに対し、演算処理部6は設定された時間幅のウィンドウにおいて、信号データ値と、非線形振動子をシミュレートした値との差である誤差関数が最小となるようにして非線形振動子のパラメータを求め、非線形性を示すパラメータの時間変化特性をもとに脳波信号の特徴を評価する。【選択図】図8

Description

本発明は、脳波信号を解析評価する方法、脳波信号解析評価装置及び脳波信号を解析評価するためのプログラムに関する。
脳波は人の生理活動を反映した変化を呈するものであり、心理学的な評価、病気の有無の判断等に関し医療現場の診断において利用されている。脳波信号を解析することは、快適度、覚醒度等の生理現象、あるいはてんかんの発症というような脳活動の状態の判別等に適用されている。
てんかんについて言えば、てんかん患者数は日本全体で100万人を超えると言われ、てんかん発症のメカニズムや発作検知を目的とする研究がなされており、てんかんが発症する脳波の振幅が増大することが確認されている。しかし、脳波の振幅には生理的現象が大きく反映され、振幅が完全に抑制されていない場合でも発作が抑制される場合があることから、脳波の振幅変化でてんかん発生の有無を容易に評価することはできない。
生体における心拍数、脈拍、白血球数、ホルモン分泌等の生理現象あるいは脳波はカオス的にゆらぐものであるということから、カオス解析、フラクタル次元解析等の非線形数学理論による定量解析が試みられている。カオス解析は化学反応における振動現象というような工業的分野、自然現象等の分野に適用され、相応の寄与がなされているが、生理活動についての分析、評価について見れば、生体における非線形振動現象は、生体を構成する要素の多さ、構造の複雑さ、個人差の多様性というようなことから、カオス解析により評価することは容易ではない。
生理現象、脳波に関し取得されたデータの解析、評価を行うことについて、以下のような先行技術文献に開示されている。特許文献1には、脳波時系列データからセグメント(例えば2秒、5秒の)を切り出し、非線形最小自乗法、最大エントロピー法による解析を実行する時系列データの解析装置、プログラムについて記載され、特許文献2には、脳波データの周波数成分をエポック単位(例えば30秒のセグメント)で解析し睡眠ステージの判定を行い、解析のステップとして周波数解析、主成分分析、規格化、多クラス識別を含む、睡眠ステージ自動判定の装置、方法、プログラムについて記載されている。
特許文献3には、脳波信号を2種以上の帯域(α波、β波、θ波等)に濾波し、帯域内での平均パワー値を算出し、帯域ごとの平均パワー値の所定の2種以上の組み合わせごとの比を算出して精神状態の評価を行う脳波解析方法について記載され、特許文献4には、
刺激を与えている際の脳波について1分ごとに区切り、各分ごとの脳波についてFFT処理を行い、α波、β波の平均振幅値を算出し、それに基づいて快・不快を判定する快適性判別装置について記載されている。また、特許文献5には、一次処理された脳波ゆらぎ信号に関し、覚醒度ニューラルネットワークあるいは快適度ニューラルネットワークを用いた推定により心理状態(覚醒度、快適度)の判定を行う生体情報解析装置、方法について記載されている。
非特許文献1には、相関次元、最大Lyapunov指数、Hurst指数およびKolmogorovエントロピーのようなカオス不変量を用いて信号を特性化し、健常者とてんかん患者の脳電気活動が明確に異なることを示すとともに、フラクタル次元解析結果から、てんかん脳においてシステムの複雑性が低減していことが記載されている。
また、非特許文献2には、脳波には細部の微妙な変動や、生体信号の主観的な特性が、時間軸に対してランダムに現れる可能性があることから、相関次元(CD)のようなカオス的測度、最大Lyapunov指数(LLE)、Hurst指数(H)やエントロピーを用いた特性化した非線形測度の利用が考えられること、てんかん性およびアルコール性EEGと正常EEG信号に対して、提案した測度で識別が可能であること、前者の2つは、後者に較べて、動的挙動のランダム性が少ないことに関して記載されている。
特開2010−154998号公報 特開2011−83393号公報 特開2002−577号公報 特開2011−167252号公報 特開平8−117199号公報
KANNATHAL N, PUTHUSSERYPADY S K, MIN L C, ComplexDynamics of Epileptic EEG, Proc Annu Int Conf IEEE Eng Med Biol Soc, Vol.26thNo.Vol.1 Page.604-607, 2004. KANNATHAL N., SADASIVAN P.k., KANNATHAL N.,ACHARYA U. Rajendra, LIM C.m., Characterization of EEG−A comparative study, ComputMethods Programs Biomed, Vol.80 No.1 Page.17-23, 2005.10.
生体の生理活動を反映する脳波信号を解析し生体の状態、疾患についての評価を行うことについて、従来において種々の手法によるものが提案され、適用されている。数学的モデルとして、アトラクタ、カオス的連動、不連続ジャンプとヒステリシス現象を用いるもの等があるが、例えばてんかん発症についての評価を行う場合等において有効な手段は与えられていない。特許文献2、4のように脳波の振幅値、パワー値等に関する解析によるものにおいても、てんかん発症についての評価等に有効なものとはならない。非特許文献1、2に示されるように脳波信号を解析する場合にも、解析を実行する手順としては煩雑な演算過程を含み、簡易に実行できるものではない。
従来の脳波信号の解析による生理活動の評価では、てんかん発症のような場合への適用には有効なものではなく、あるいは解析のプロセス、実行に煩雑さを伴い、簡易に利用できめものではなかった。このようなことから、生体情報の解析において、煩雑な計算過程がなく、簡易な構成により脳波解析評価を実行することができるようにすることが求められていた。
本発明は、前述した課題を解決すべくなしたものであり、本発明による脳波信号を解析評価する方法は、脳波信号を取得することと、取得された脳波信号から注目帯域の信号データを取り出すことと、取り出された帯域の信号データに対し、設定された時間幅のウィンドウにおいて、信号データ値と、非線形振動子をシミュレートした値との差である誤差関数が最小となるようにして非線形振動子のパラメータを求めることと、求められた非線形性を示すパラメータの時間変化特性をもとに脳波信号の特徴を評価することと、からなるものである。
前記脳波信号の評価対象がてんかんの状態についてのものであって、前記非線形性を示すパラメータが0に収束することからてんかんの発症を評価するものとしてもよく、また、前記注目帯域がδ波、θ波、α波、β波の帯域のうちの少なくとも1つ以上であるようにしてもよい。
本発明による脳波信号解析評価装置は、脳波信号を取得するための脳波信号取得部と、取得された脳波信号から注目帯域の信号データを取り出すためのバンドパスフィルターと、取り出された帯域の信号データに対し解析処理を行う演算処理部とを備えており、前記演算処理部においては、設定された時間幅のウィンドウにおいて、信号データ値と、非線形振動子をシミュレートした値との差である誤差関数が最小となるようにして非線形振動子のパラメータを求め、非線形性を示すパラメータの時間変化特性のデータを生成するものである。
前記脳波信号の評価対象がてんかんの状態についてのものであって、前記非線形性を示すパラメータが0に収束することからてんかんの発症を評価するものとしてもよく、また、前記注目帯域がδ波、θ波、α波、β波の帯域のうちの少なくとも1つ以上であるようにしてもよい。
本発明による脳波信号を解析評価するためのプログラムは、脳波信号を解析評価するためのプログラムであって、取得された脳波信号から注目帯域の信号データを取り出し、取り出された帯域の信号データに対し、設定された時間幅のウィンドウにおいて、信号データ値と、非線形振動子をシミュレートした値との差である誤差関数が最小となるようにして非線形振動子のパラメータを求め、求められた非線形性を示すパラメータの時間変化特性をもとに脳波信号の特徴を評価することをコンピュータ上で実行するためのものである。
前記脳波信号の評価対象がてんかんの状態についてのものであって、前記非線形性を示すパラメータが0に収束することからてんかんの発症を評価するものとしてもよく、また、前記注目帯域がδ波、θ波、α波、β波の帯域のうちの少なくとも1つ以上であるようにしてもよい。
本発明では、生理活動を反映した脳波のダイナミクスに対応する非線形現象の説明に用いられる解析用数学モデルとそのモデルパラメータを用い、非線形性のパラメータに注目した解析を行うことにより、てんかん発症のような疾患について適切に評価を行い、また、煩雑な計算過程がなく、簡易な構成により脳波解析評価を実行することができる。
ラットにてんかん誘発剤を投与した場合に取得された脳波信号を示す図である。 (a)δ波の帯域(0.5〜4Hz)の脳波信号を示す図である。 (b)(a)の脳波信号と非線形振動子をシミュレートした値との誤差信号を最小にすることから求められたパラメータCの時間変化を示す図である。 (a)θ波の帯域(4〜8Hz)の脳波信号を示す図である。 (b)(a)の脳波信号と非線形振動子をシミュレートした値との誤差信号を最小にすることから求められたパラメータCの時間変化を示す図である。 (a)α波の帯域(8〜14Hz)の脳波信号を示す図である。 (b)(a)の脳波信号と非線形振動子をシミュレートした値との誤差信号を最小にすることから求められたパラメータCの時間変化を示す図である。 (a)β波の帯域(14〜30Hz)の脳波信号を示す図である。 (b)(a)の脳波信号と非線形振動子をシミュレートした値との誤差信号を最小にすることから求められたパラメータCの時間変化を示す図である。 てんかん発症の場合の脳波と、通常の脳波についてパラメータCの収束値を示す図であり、(a)はα波について、(b)はβ波についてのものである。 脳波解析評価のフローを示す図である。 脳波解析評価装置の構成を示す図である。
以下、本発明による脳波信号の解析における特徴、実施の形態について説明する。脳波信号の解析における手法としては、脳波のダイナミクスを表す振動子として、Duffing振動子を用い、てんかん発症の例による脳波信号の解析について示す。
脳波信号解析の対象としては、てんかんモデルラットを用いて脳波の取得を行った。ラットに対しててんかん誘発剤であるペニシリンGカリウムを皮膚投与することで、てんかんを誘発させ、脳波を取得した。実際には、脳波取得開始して約300秒後にてんかん誘発剤の投与を開始し、約60分間の脳波データの取得によりてんかん波の特徴とされる波形を確認したが、その脳波波形は図1に示すものであり、約1000秒以降振幅が大きく増大する様子が見られる。
取得された脳波信号について脳波信号解析を行うに際し、機械振動系のカオス力学における非線形振動を表す非線形振動子であるDuffing振動子を用いることにより脳波信号の解析、評価を行う。Duffing振動子は
Figure 2015047452

の形で表される。脳内では多くの電気活動によってさまざまな情報伝達が行われているため、多くの信号が外部から入力されると考えられる。そこで、式(1)の右辺項を、フーリエ級数展開を考慮して次式のように変形する。
Figure 2015047452
式(2)における各パラメータは工学的意義を有しており、それぞれA:速度依存性減衰係数、B:変位依存性剛性係数、C:非線形振動復元力依存係数、P〜P:外部入力による振幅である。数理モデル中のf,f(f>f)は、パワースペクトルにおいて最も大きいパワーを有する2つの周波数とする。生体での現象に機械振動系で用いられる振動子を適応させるに際し、パラメータはそれぞれ脳波における現象と対応させて考える必要がある。
脳波信号の解析を行うに際し、(2)による振動子から定められる時系列データx(ti)Meaと、式(2)を数値シミュレーションすることにより得られる時系列データx(ti)Simとの誤差関数が最小になるという条件から式(2)中のモデルパラメータを求めるという手法を用いるのであるが、その際に、時系列データに対し、時間幅T秒のウィンドウを設定し 各ウィンドウにおいてモデルパラメータを求めた上で、ウィンドウごとにこのモデルパラメータがどのように変化するかということを考える。
設定したウィンドウについてパラメータA,B,C,P(k=0,1,2,3,4)を求める手順を示すと、ウィンドウs内の取得されたN個の脳波信号の時系列データをx(ti)Mea、式(2)を数値シミュレーションして得られた時系列データをx(ti)Simとして、誤差関数Error(A,B,C,Pk)
Figure 2015047452
をパラメータA,B,C,Pの関数と見て、誤差関数が最小になるようにパラメータA,B,C,Pを求める。このように脳波信号と式(2)とからウィンドウに対してパラメータA,B,C,Pが求められるが、異なるウィンドウに対しては、また異なるパラメータA,B,C,Pが求められることになる。このようにウィンドウごとに求められたA,B,C,Pを時系列的に見れば、パラメータA,B,C,Pは時間的に変化することになり、このパラメータの時間的変化は、脳波信号の有する特性を反映するものと考えられる。
脳波信号を解析し、評価を行うに際して、取得された脳波信号のうち、生理的意義を有するδ波(0.5〜4.0Hz)、θ波(4.0〜8.0Hz)、α波(8.0〜14.0Hz)、β波(14.0〜30.0Hz)の4つの周波数帯域の信号を用いる。すなわち、取得された脳波信号に対し、バンドパスフィルターを適用して、これら4つの周波数帯域の信号に分けて取り出す。各帯域の信号波について、幅0.8秒、オーバーラップ75%のウィンドウを設定し、解析を行う。すなわち、ウィンドウ幅0.8秒で、0.2秒ずつウィンドウをずらして処理を行うものであり、0.8秒前から今の時点までのデータを使って、今の時点のパラメータを決め、その決定を行うものである。取り出されたある帯域の時系列データについて、設定されたウィンドウごとに誤差関数を最小化するようにパラメータA,B,C,Pを求める。4つの帯域(δ波、θ波、α波、β波)の脳波信号データに対して同様の手順によりパラメータA,B,C,Pが求められる。
図2(a)、図3(a)、図4(a)、図5(a)は、それぞれδ波、θ波、α波、β波について取得された脳波信号からバンドパスフィルターにより分けて取り出された各帯域の信号波形を示し、図2(b)、図3(b)、図4( b)、図5(b)は、それぞれの帯域の信号波形について解析を行って求められたパラメータCの時間変化を示すものである。
図2(b)、図3(b)、図4( b)、図5(b)に示される結果においてパラメータCの時間的変化を見ると、10の4乗あるいは5乗のオーダーであったものが、脳波振幅の増大とともに大きく減少し、もとの値に対してはほとんど0とみなせるオーダーへと変化していることがわかる。図6は、てんかん発症の場合の脳波と、通常の脳波についてパラメータCの収束値を示したものであり、(a)はα波について、(b)はβ波についてのものである。このように、パラメータCがどのように変化し、収束するかということがてんかん発症の脳波か、通常脳波かを示すものである。
このパラメータCは非線形振動子の非線形性の強さに対応したものである。このパラメータCが0に収束することは、非線形性の消失を意味すると言える。一般的に言えば、生体リズムには非線形性が存在しており、一定のリズムではなく、「ゆらぎ」といった現象が観察され、それが健康の証であるとされるのであるが、てんかんの発症という事態は、このような健康状態から外れ、非線形性の消失に至ったことに対応すると言える。
前述した非線形振動子のモデルパラメータの決定において、誤差関数Error(A,B,C,Pk)を式(3)の形としたものを用いているが、誤差関数としては、測定値であるウィンドウ内の脳波の時系列データx(ti)Mea(i=1,2,...,N)に対し、その一階微分、二階微分を求め、二次形式
Figure 2015047452
に対して最小二乗法を適用し、モデルパラメータA,B,C,Pを求めるようにしてもよい。式(3)の形の誤差関数を用いる場合は、モデルパラメータの決定を厳密化する上で有利であるが、収束解を求めるのに時間を要することになり、式(4)の形の誤差関数を用いる場合は、計算が容易であり、処理時間を短くするのに有利であると考えられる。
本発明による脳波信号の解析評価をフロー図で示すと、図7のようになり、基本的には次の4つの段階を有する。
(a)脳波信号を取得する。
脳波信号を取得するための電極を含む脳波信号取得手段により脳波信号を取得する。
(b)注目帯域の信号データを取り出す。
取得された脳波信号から、バンドパスフィルターにより、解析に用いる対象となる帯域の信号データを取り出す。具体的には、δ波、θ波、α波、β波になる。
(c)誤差関数が最小になる非線形振動子のパラメータを求める。
あらかじめモデルパラメータを有する非線形振動子、解析ウィンドウを設定し、各ウィンドウにおいて取得された信号データ値と非線形振動子をシミュレートした値との差である誤差関数が最小になるパラメータ値を求める。
(d)非線形性を示すパラメータの時間変化から脳波信号の特徴を評価する。
(c)における誤差関数が最小になるパラメータ値を求めることを各帯域、各ウィンドウについて行い、非線形性を示すパラメータCの時間変化から脳波がどのような特徴を有するものであるか評価する。
〔脳波信号解析評価装置〕
図8は本発明による脳波信号解析評価装置の構成を示す。1は脳波信号取得部であり、脳波信号を取得するための電極を含む構成を有する。2はバンドパスフィルターであり、取得された脳波信号から、注目帯域の波形信号データを取り出すためのものである。3は非線形振動子設定部であり、脳波信号の解析において用いる非線形振動子を設定するためのものである。4はウィンドウ幅等の条件を設定するためのウィンドウ設定部であり、5は脳波信号データ、設定されたデータ、演算処理上の中間データ等を含むデータを保持するためのデータ保持部であり、6は設定された事項のもとで、脳波信号データの解析処理を行う演算処理部であり、7は演算処理結果を含む事項を表示するための表示部である。
演算処理部6では、取得された脳波信号から取り出された注目帯域の信号データについて、設定された時間幅のウィンドウにおいて、信号データ値と非線形振動子をシミュレートした値との差である誤差関数を求め、誤差関数値が最小になる非線形振動子のパラメータを求めることを各ウィンドウについて行い、非線形性を示すパラメータを経時的変量として求める演算を行う。
図8は脳波信号解析評価装置としての概略的構成要素を示しているが、他面において、本発明は、図7に示すような脳波解析評価のフローによるステップをコンピュータ上で実行するためのプログラムとして構成されるものである。
本発明は、脳波に変化が現れる精神疾患に関連した症例、生理現象の評価、診断に広く適用することができる。


Claims (9)

  1. 脳波信号を取得することと、
    取得された脳波信号から注目帯域の信号データを取り出すことと、
    取り出された帯域の信号データに対し、設定された時間幅のウィンドウにおいて、信号データ値と、非線形振動子をシミュレートした値との差である誤差関数が最小となるようにして非線形振動子のパラメータを求めることと、
    求められた非線形性を示すパラメータの時間変化特性をもとに脳波信号の特徴を評価することと、
    からなることを特徴とする脳波信号を解析評価する方法。
  2. 前記脳波信号の評価対象がてんかんの状態についてのものであり、前記非線形性を示すパラメータが0に収束することからてんかんの発症を評価するものであることを特徴とする請求項1に記載の脳波信号を解析評価する方法。
  3. 前記注目帯域がδ波、θ波、α波、β波の帯域のうちの少なくとも1つ以上であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の脳波信号を解析評価する方法。
  4. 脳波信号を取得するための脳波信号取得部と、取得された脳波信号から注目帯域の信号データを取り出すためのバンドパスフィルターと、取り出された帯域の信号データに対し解析処理を行う演算処理部とを備えており、前記演算処理部においては、設定された時間幅のウィンドウにおいて、信号データ値と、非線形振動子をシミュレートした値との差である誤差関数が最小となるようにして非線形振動子のパラメータを求め、非線形性を示すパラメータの時間変化特性のデータを生成するものであることを特徴とする脳波信号解析評価装置。
  5. 前記脳波信号の評価対象がてんかんの状態についてのものであり、前記非線形性を示すパラメータが0に収束することからてんかんの発症を評価するものであることを特徴とする請求項4に記載の脳波信号解析評価装置。
  6. 前記注目帯域がδ波、θ波、α波、β波の帯域のうちの少なくとも1つ以上であることを特徴とする請求項4または5のいずれかに記載の脳波信号解析評価装置。
  7. 脳波信号を解析評価するためのプログラムであって、取得された脳波信号から注目帯域の信号データを取り出し、取り出された帯域の信号データに対し、設定された時間幅のウィンドウにおいて、信号データ値と、非線形振動子をシミュレートした値との差である誤差関数が最小となるようにして非線形振動子のパラメータを求め、求められた非線形性を示すパラメータの時間変化特性をもとに脳波信号の特徴を評価することをコンピュータ上で実行するための脳波信号を解析評価するためのプログラム。
  8. 前記脳波信号の評価対象がてんかんの状態についてのものであり、前記非線形性を示すパラメータが0に収束することからてんかんの発症を評価するものであることを特徴とする請求項7に記載の脳波信号を解析評価するためのプログラム。
  9. 前記注目帯域がδ波、θ波、α波、β波の帯域のうちの少なくとも1つ以上であることを特徴とする請求項7または8のいずれかに記載の脳波信号を解析評価するためのプログラム。


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