JP2015046250A - 端子金具付きアルミ電線 - Google Patents
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Abstract
【課題】電線保持力、電気特性、耐食性等、優れた信頼性を有する端子金具付きアルミ電線を提供する。【解決手段】端子金具付きアルミ電線は、複数のアルミ素線を撚り合わせてなる芯線の外周面に絶縁被覆が施されたアルミ電線の端末部に、銅又は銅合金の表面にSnめっきが施された端子金具が接続されてなる。端子金具は、アルミ電線の先端から所定長の絶縁被覆を除去することにより露出した芯線部分を保持するワイヤーバレル部と、アルミ電線の絶縁被覆部分を保持するインシュレーションバレル部と、を備え、ワイヤーバレル部は、先端側に位置する第1のワイヤーバレル部と、インシュレーションバレル側に位置する第2のワイヤーバレル部と、を有する。第1のワイヤーバレル部と芯線部分とがSn−Mg合金層を介して圧接により接続され、第2のワイヤーバレル部と芯線部分とが圧着により接続される。【選択図】図1
Description
本発明は、アルミ電線の端末部に端子金具が接続されてなる端子金具付きアルミ電線に関する。
近年、自動車用のワイヤーハーネスには、銅電線の代替として、軽量なアルミ電線が使用され始めている。アルミ電線は、例えば複数本のアルミ素線を撚り合わせてなる芯線の外周面に絶縁被覆が施された構成を有する。一般に、アルミ電線の端末部には、芯線部分を保持するワイヤーバレル部と絶縁被覆部分を保持するインシュレーションバレル部とを有する端子金具が接続される。
従来、アルミ電線用の端子金具には、銅電線用の端子金具と同様に、銅又は銅合金で構成され、表面に錫めっきを施された圧着端子が用いられている。所定の圧着工具(クリンパー)を用いてワイヤーバレル部を加圧して押し潰すことにより、アルミ電線と端子金具とが圧着される。
例えば、特許文献1、2には、ワイヤーバレル部を、電線保持用のワイヤーバレル部と導通用のワイヤーバレル部の二段構成とし、導通用のワイヤーバレル部の減面率が電線保持用のワイヤーバレル部の減面率よりも大きくなるように圧着することが開示されている。
また、特許文献3、4には、電線の端末部の芯線部分に、端子金具とイオン化傾向が近い、すなわち電解腐食を生じにくい材質からなるキャップ部材を被せ、絶縁被覆部分とキャップ部材の間をシールすることで、水分の侵入を防止し、電解腐食の進行を抑制することが開示されている。
また、特許文献3、4には、電線の端末部の芯線部分に、端子金具とイオン化傾向が近い、すなわち電解腐食を生じにくい材質からなるキャップ部材を被せ、絶縁被覆部分とキャップ部材の間をシールすることで、水分の侵入を防止し、電解腐食の進行を抑制することが開示されている。
一方で、送配電の分野では、アルミ電線用の端子金具として、主材がアルミニウムで構成された圧縮端子が用いられる。所定の圧縮工具((例えば六角ダイス)を用いて端子金具のワイヤーバレル部をアルミ電線に向かって均等に加圧して圧縮することにより、アルミ電線と端子金具が圧接される。送配電用のアルミ電線は線径が太く、また圧縮部も長いため、所望の引張強度が保持される。
本明細書では、塑性変形した電線の復元力(弾性)と端子金具の残留応力によって電線と端子金具とが機械的に結合することを「圧着」と称し、電線と端子金具との接合界面が圧縮によって接合することを「圧接」と称する。
しかしながら、特許文献1、2のようにアルミ電線に圧着端子を圧着する場合、アルミ電線と端子金具とが機械的に結合しているだけなので、良好な信頼性(電線保持力、電気特性、耐食性)を確保できない虞がある。例えば、アルミ電線と端子金具との接続部では、異種金属(錫とアルミニウム)が接触することとなるため、電解腐食が発生しやすい。特許文献3、4のように電線部分にキャップ部材を被せた場合でも、電線とキャップ部材の間は異種金属接触となるため、シール部分が損傷する等して水分が侵入すると、電解腐食が生じてしまう。
また、アルミニウムは銅と比較して、常温で応力緩和が発生し易いという特性(いわゆる冷間流れ)を有するため、アルミ電線と端子金具との接触圧が経時的に低下し、表面酸化も相俟って接触抵抗が増大したり、引張強度が低下したりする虞がある。
また、アルミニウムは銅と比較して、常温で応力緩和が発生し易いという特性(いわゆる冷間流れ)を有するため、アルミ電線と端子金具との接触圧が経時的に低下し、表面酸化も相俟って接触抵抗が増大したり、引張強度が低下したりする虞がある。
また、アルミ電線に圧縮端子を圧接する場合、銅の場合よりも強く圧縮され、アルミ電線の断面積が50〜70%に減少する(減面率:30〜50%)ため、アルミ電線自体の強度が低下し、所望の電線保持力が得られない虞がある。また、アルミニウム製の端子金具は、コネクターに要求されるバネ性を維持することが困難であるため、好ましくない。
本発明の目的は、電線保持力、電気特性、耐食性等、優れた信頼性を有する端子金具付きアルミ電線を提供することである。
本発明に係る端子金具付きアルミ電線は、複数のアルミ素線を撚り合わせてなる芯線の外周面に絶縁被覆が施されたアルミ電線の端末部に、銅又は銅合金の表面にSnめっきが施された端子金具が接続されてなる端子金具付きアルミ電線であって、
前記端子金具が、前記アルミ電線の先端から所定長の前記絶縁被覆を除去することにより露出した芯線部分を保持するワイヤーバレル部と、前記アルミ電線の絶縁被覆部分を保持するインシュレーションバレル部と、を備え、
前記ワイヤーバレル部が、先端側に位置する第1のワイヤーバレル部と、前記インシュレーションバレル側に位置する第2のワイヤーバレル部と、を有し、
前記第1のワイヤーバレル部と前記芯線部分とがSn−Mg合金層を介して圧接により接続され、
前記第2のワイヤーバレル部と前記芯線部分とが圧着により接続されることを特徴とする。
前記端子金具が、前記アルミ電線の先端から所定長の前記絶縁被覆を除去することにより露出した芯線部分を保持するワイヤーバレル部と、前記アルミ電線の絶縁被覆部分を保持するインシュレーションバレル部と、を備え、
前記ワイヤーバレル部が、先端側に位置する第1のワイヤーバレル部と、前記インシュレーションバレル側に位置する第2のワイヤーバレル部と、を有し、
前記第1のワイヤーバレル部と前記芯線部分とがSn−Mg合金層を介して圧接により接続され、
前記第2のワイヤーバレル部と前記芯線部分とが圧着により接続されることを特徴とする。
本発明によれば、電線保持力、電気特性、耐食性等、優れた信頼性を有する端子金具付きアルミ電線が提供される。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、実施の形態に係る端子金具付きアルミ電線AWを示す斜視図である。図1に示すように、端子金具付きアルミ電線AWは、アルミ電線2の端末部に端子金具1が接続された構成を有する。端子金具付きアルミ電線AWは、例えば自動車や家電用のワイヤーハーネスに用いられる。
図1は、実施の形態に係る端子金具付きアルミ電線AWを示す斜視図である。図1に示すように、端子金具付きアルミ電線AWは、アルミ電線2の端末部に端子金具1が接続された構成を有する。端子金具付きアルミ電線AWは、例えば自動車や家電用のワイヤーハーネスに用いられる。
図2は、実施の形態で用いるアルミ電線2を示す斜視図である。図2に示すように、アルミ電線2は、複数のアルミ素線211を撚り合わせてなる芯線21の外周面に絶縁被覆22が施された構成を有する。
芯線21は、例えば、外径0.32mmのアルミ素線211を7本撚り合わせた構成を有する。アルミ素線211は、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金で構成される。
絶縁被覆22は、例えば塩化ビニル等の樹脂で構成される。絶縁被覆22は、例えばアルミ電線2の外径が1.0mm(断面積で0.5mm2)となるように仕上げられる。
なお、アルミ素線211の外径、撚り本数、材質、また絶縁被覆22の厚さ、材質等は、ここで説明したものに限定されない。
芯線21は、例えば、外径0.32mmのアルミ素線211を7本撚り合わせた構成を有する。アルミ素線211は、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金で構成される。
絶縁被覆22は、例えば塩化ビニル等の樹脂で構成される。絶縁被覆22は、例えばアルミ電線2の外径が1.0mm(断面積で0.5mm2)となるように仕上げられる。
なお、アルミ素線211の外径、撚り本数、材質、また絶縁被覆22の厚さ、材質等は、ここで説明したものに限定されない。
端子金具1をアルミ電線2に装着するに際し、アルミ電線2の先端から所定長の絶縁被覆22が剥がされ、芯線21が露出した状態とされる。そして、図3に示すように、露出した芯線21にはキャップ部材14が装着される。
キャップ部材14は、一端が閉塞された有蓋円筒形状を有する。開口している他端側からアルミ電線2の芯線21が挿入される。キャップ部材14の長さは、後述する第1のワイヤーバレル部111の長さと同等である。キャップ部材14は、錫−マグネシウム合金(Sn−Mg合金)で構成される。Sn−Mg合金のMg含有量は、圧着時の延性を得るため、2重量%以下であることが好ましい。キャップ部材14の内径は、アルミ電線2の芯線21を挿入可能であればよいが、接触抵抗を低減するために、作業性が低下しない程度に芯線21の外径に近いことが好ましい。
キャップ部材14は、一端が閉塞された有蓋円筒形状を有する。開口している他端側からアルミ電線2の芯線21が挿入される。キャップ部材14の長さは、後述する第1のワイヤーバレル部111の長さと同等である。キャップ部材14は、錫−マグネシウム合金(Sn−Mg合金)で構成される。Sn−Mg合金のMg含有量は、圧着時の延性を得るため、2重量%以下であることが好ましい。キャップ部材14の内径は、アルミ電線2の芯線21を挿入可能であればよいが、接触抵抗を低減するために、作業性が低下しない程度に芯線21の外径に近いことが好ましい。
図4は、実施の形態で用いる端子金具1を示す斜視図である。図5は、端子金具1の一部を展開した状態を示す平面図である。
端子金具1は、例えばコネクターの雄型端子金具が接続される雌型端子金具である。端子金具1は、例えば銅又は銅合金からなる金属板材のプレス加工により所定の形状に成形される。また、端子金具1の表面(少なくともアルミ電線2と接触する内面)には錫めっきが施される。端子金具1を銅又は銅合金製とすることにより、コネクターに要求されるバネ性を維持することができる。
端子金具1は、例えばコネクターの雄型端子金具が接続される雌型端子金具である。端子金具1は、例えば銅又は銅合金からなる金属板材のプレス加工により所定の形状に成形される。また、端子金具1の表面(少なくともアルミ電線2と接触する内面)には錫めっきが施される。端子金具1を銅又は銅合金製とすることにより、コネクターに要求されるバネ性を維持することができる。
図4、5に示すように、端子金具1は、接続相手となる雄型端子金具に接続される接続部13、接続部13に連設されるワイヤーバレル部11、及びワイヤーバレル部11に連設されるインシュレーションバレル部12を備える。
接続部13は、雄型端子金具(図示略)の雄タブを挿入可能な筒状に形成され、内部に弾性接触片13aを有する。弾性接触片13aと雄型端子金具(図示略)の雄タブとが弾性的に接触することにより、端子金具1と雄型端子金具(図示略)とが電気的に接続される。
ワイヤーバレル部11は、全体として断面U字状に成形される。ワイヤーバレル部11は、アルミ電線2の先端から所定長の絶縁被覆22を除去することにより露出した芯線21を保持する。ワイヤーバレル部11は、先端側(接続部13側)に位置する第1のワイヤーバレル部111と、インシュレーションバレル部12側に位置する第2のワイヤーバレル部112とを有する。第1のワイヤーバレル部111と第2のワイヤーバレル部112とは、スリット113により分割される。
第1のワイヤーバレル部111は、主として良好な電気特性を実現するための部位であり、導通用ワイヤーバレルと呼ぶことができる。
第2のワイヤーバレル部112は、主として良好な電線保持力を実現するための部位であり、電線保持用ワイヤーバレルと呼ぶことができる。第2のワイヤーバレル部112は、内面に、凹凸状のセレーション112aを有する。セレーション112aには、公知の形状を適用することができる。これにより、圧着工程においてアルミ電線2の芯線21の表面に形成されている酸化皮膜を容易に破壊することができるとともに、電線保持力が向上して電線の抜けを抑制することができる。
第2のワイヤーバレル部112は、主として良好な電線保持力を実現するための部位であり、電線保持用ワイヤーバレルと呼ぶことができる。第2のワイヤーバレル部112は、内面に、凹凸状のセレーション112aを有する。セレーション112aには、公知の形状を適用することができる。これにより、圧着工程においてアルミ電線2の芯線21の表面に形成されている酸化皮膜を容易に破壊することができるとともに、電線保持力が向上して電線の抜けを抑制することができる。
インシュレーションバレル部12は、ワイヤーバレル部11と同様に全体として断面U字状に成形される。
端子金具1をアルミ電線2に接続する場合、アルミ電線2の端末部から露出する芯線21がワイヤーバレル部11に載置され、アルミ電線2の端末部の絶縁被覆22が端子金具1のインシュレーションバレル部12に載置される。そして、第1のワイヤーバレル部111と芯線21とが圧接工程により接続され、第2のワイヤーバレル部112と芯線21、及びインシュレーションバレル部12と絶縁被覆22とは圧着工程により接続される。
具体的には、第1のワイヤーバレル部111には、アルミ電線2の芯線21がキャップ部材14を装着した状態で載置される。そして、所定の圧接工具(例えばクリンパー)を用いて、第1のワイヤーバレル部111を芯線21に向かって第1の加圧力で圧縮することにより、第1のワイヤーバレル部111と芯線21が圧接される。このとき、第1のワイヤーバレル部111内の芯線21の減面率が例えば30〜50%となるようにする。
すなわち、第1のワイヤーバレル部111、キャップ部材14、及び芯線21の境界部において、金属原子が接近して金属結合を行うことにより、芯線21とキャップ部材14、及びキャップ部材14と第1のワイヤーバレル部111とが接合される(いわゆる常温圧接)。加えて、時間とともに境界部において原子の相互拡散が生じるので、第1のワイヤーバレル部111、キャップ部材14、及び芯線21は、より強固に接合される(いわゆる拡散接合)。
すなわち、第1のワイヤーバレル部111、キャップ部材14、及び芯線21の境界部において、金属原子が接近して金属結合を行うことにより、芯線21とキャップ部材14、及びキャップ部材14と第1のワイヤーバレル部111とが接合される(いわゆる常温圧接)。加えて、時間とともに境界部において原子の相互拡散が生じるので、第1のワイヤーバレル部111、キャップ部材14、及び芯線21は、より強固に接合される(いわゆる拡散接合)。
さらに、芯線21の表面に形成されている酸化皮膜は圧縮により破壊されるが、キャップ部材14に含まれるMgの還元効果も期待され、圧接接合及び拡散接合が促進される。したがって、第1のワイヤーバレル部111と芯線21は電気的に極めて良好な接続状態となる。
ここで、圧接時の芯線21の減面率は30〜50%であることが好ましい。これにより、第1のワイヤーバレル部111と芯線21との境界部を確実に合金化することができる。
また、第1のワイヤーバレル部111の肉厚は0.1〜2.0mmであることが好ましい。これにより、強大な加圧力による圧縮に耐えることができる。
また、第1のワイヤーバレル部111の肉厚は0.1〜2.0mmであることが好ましい。これにより、強大な加圧力による圧縮に耐えることができる。
一方、第2のワイヤーバレル部112には、アルミ電線2の芯線21が直接載置される。そして、所定の圧着工具(例えば凹凸ダイス)を用いて、第2のワイヤーバレル部112を一方向から第2の加圧力で押し潰すことにより、第2のワイヤーバレル部112と芯線21が圧着される。このとき、芯線21の減面率が例えば15〜30%となるようにする。セレーション112aが個々のアルミ素線211に食い込み、表面に形成されている酸化皮膜が破壊されるので、芯線21と端子金具1は電気的に接続される。
第2のワイヤーバレル部112においては、第1のワイヤーバレル部111における圧接時の第1の加圧力よりも弱い第2の加圧力で圧着が行われるので、アルミ電線2の強度は損なわれない。
第2のワイヤーバレル部112においては、第1のワイヤーバレル部111における圧接時の第1の加圧力よりも弱い第2の加圧力で圧着が行われるので、アルミ電線2の強度は損なわれない。
インシュレーションバレル部12は、第2のワイヤーバレル部112と同様に、圧着工程により絶縁被覆22と圧着される。
また、第1のワイヤーバレル部111からインシュレーションバレル部12にわたる外周面には、熱収縮チューブ(図示略)による防水処理が施される。キャップ部材14の先端側は閉塞されているので、熱収縮チューブをワイヤーバレル部11とインシュレーションバレル部12を含む外周面に密着させるだけで、容易に防水加工を行うことができる。これにより、アルミ電線2と端子金具1との接合部における電解腐食をより確実に防止することができる。
このように、実施の形態に係る端子金具付きアルミ電線AWは、複数のアルミ素線211を撚り合わせてなる芯線21の外周面に絶縁被覆22が施されたアルミ電線2の端末部に、銅又は銅合金の表面に錫めっきが施された端子金具1が接続されてなる。
端子金具1は、アルミ電線2の先端から所定長の絶縁被覆22を除去することにより露出した芯線部分(21)を保持するワイヤーバレル部11と、アルミ電線2の絶縁被覆部分(22)を保持するインシュレーションバレル部12と、を備える。
また、ワイヤーバレル部11は、先端側に位置する第1のワイヤーバレル部111と、インシュレーションバレル部12側に位置する第2のワイヤーバレル部112と、を有する。
そして、第1のワイヤーバレル部111と芯線部分(21)とがキャップ部材14(Sn−Mg合金層)を介して圧接により接続され、第2のワイヤーバレル部112と芯線部分(21)とが圧着により接続される。
端子金具1は、アルミ電線2の先端から所定長の絶縁被覆22を除去することにより露出した芯線部分(21)を保持するワイヤーバレル部11と、アルミ電線2の絶縁被覆部分(22)を保持するインシュレーションバレル部12と、を備える。
また、ワイヤーバレル部11は、先端側に位置する第1のワイヤーバレル部111と、インシュレーションバレル部12側に位置する第2のワイヤーバレル部112と、を有する。
そして、第1のワイヤーバレル部111と芯線部分(21)とがキャップ部材14(Sn−Mg合金層)を介して圧接により接続され、第2のワイヤーバレル部112と芯線部分(21)とが圧着により接続される。
端子金具付きアルミ電線AWによれば、アルミ電線2の芯線21と第1のワイヤーバレル部111とがSn−Mg合金層(実施の形態ではキャップ部材14)を介して圧接により強固に接合される。これにより、常温でアルミニウムの応力緩和が発生することにより接触抵抗が増大したり、引張強度が低下したりするのを防止することができる。また、異種金属接触にはならないので、電解腐食の発生を抑制することができる。さらには、アルミ電線2の芯線21の表面に形成された酸化皮膜を、Sn−Mg合金層に含まれるMgの還元作用により容易に除去することができる。
また、第2のワイヤーバレル部112は圧着により芯線21と接続されるので、アルミ電線2の強度が損なわれることはなく、所望の電線保持力を発揮する。すなわち、減面によってアルミ電線2自体の強度が低下し、第1のワイヤーバレル部111における電線保持力が小さくなっても、所望の電線保持力が維持される。
このように、端子金具付きアルミ電線AWは、電線保持力、電気特性、耐食性等、優れた信頼性を有する。
このように、端子金具付きアルミ電線AWは、電線保持力、電気特性、耐食性等、優れた信頼性を有する。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、実施の形態では、アルミ電線2の芯線21と第1のワイヤーバレル部111との間にSn−Mg合金からキャップ部材14を介在させているが、第1のワイヤーバレル部111の表面にSn−Mgめっきを施すことにより、芯線21と第1のワイヤーバレル部111との間にSn−Mg合金層を介在させるようにしてもよい。また、キャップ部材14としては、先端が閉塞されていない円筒形状のものを適用することもできる。
例えば、実施の形態では、アルミ電線2の芯線21と第1のワイヤーバレル部111との間にSn−Mg合金からキャップ部材14を介在させているが、第1のワイヤーバレル部111の表面にSn−Mgめっきを施すことにより、芯線21と第1のワイヤーバレル部111との間にSn−Mg合金層を介在させるようにしてもよい。また、キャップ部材14としては、先端が閉塞されていない円筒形状のものを適用することもできる。
また、実施形態では、本発明を適用しうる端子金具1として雌型の接続部を有する雌型端子金具を示したが、接続部13の構成は実施の形態で説明したものに限定されない。例えば、雄型端子金具、リング型端子金具、フック型端子金具、Y型端子金具等、ワイヤーバレル部を有する様々な端子金具に、本発明を適用することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 端子金具
11 ワイヤーバレル部
111 第1のワイヤーバレル部
112 第2のワイヤーバレル部
113 スリット
12 インシュレーションバレル部
13 接続部
14 キャップ部材
2 アルミ電線
21 芯線
211 アルミ素線
22 絶縁被覆
11 ワイヤーバレル部
111 第1のワイヤーバレル部
112 第2のワイヤーバレル部
113 スリット
12 インシュレーションバレル部
13 接続部
14 キャップ部材
2 アルミ電線
21 芯線
211 アルミ素線
22 絶縁被覆
Claims (7)
- 複数のアルミ素線を撚り合わせてなる芯線の外周面に絶縁被覆が施されたアルミ電線の端末部に、銅又は銅合金の表面にSnめっきが施された端子金具が接続されてなる端子金具付きアルミ電線であって、
前記端子金具が、前記アルミ電線の先端から所定長の前記絶縁被覆を除去することにより露出した芯線部分を保持するワイヤーバレル部と、前記アルミ電線の絶縁被覆部分を保持するインシュレーションバレル部と、を備え、
前記ワイヤーバレル部が、先端側に位置する第1のワイヤーバレル部と、前記インシュレーションバレル側に位置する第2のワイヤーバレル部と、を有し、
前記第1のワイヤーバレル部と前記芯線部分とがSn−Mg合金層を介して圧接により接続され、
前記第2のワイヤーバレル部と前記芯線部分とが圧着により接続されることを特徴とする端子金具付きアルミ電線。 - 前記第1のワイヤーバレル部と前記芯線部分とは、Sn−Mg合金からなる円筒形状のキャップ部材に前記芯線部分を挿通した状態で前記第1のワイヤーバレル部に載置して、圧接することにより接続されることを特徴とする請求項1に記載の端子金具付きアルミ電線。
- 前記キャップ部材は、先端が閉塞された有蓋円筒形状を有することを特徴とする請求項2に記載の端子金具付きアルミ電線。
- 前記第1のワイヤーバレル部から前記インシュレーションバレルにわたる外周面が熱収縮チューブで覆われていることを特徴とする請求項3に記載の端子金具付きアルミ電線。
- 前記第1のワイヤーバレル部と前記芯線部分とは、減面率が30〜50%となるように圧接されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の端子金具付きアルミ電線。
- 前記第2のワイヤーバレル部は、前記芯線部分と接触する面にセレーションを有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の端子金具付きアルミ電線。
- 前記第1のワイヤーバレル部の肉厚が0.1〜2.0mmであることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の端子金具付きアルミ電線。
Priority Applications (1)
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JP2013175543A JP2015046250A (ja) | 2013-08-27 | 2013-08-27 | 端子金具付きアルミ電線 |
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2013
- 2013-08-27 JP JP2013175543A patent/JP2015046250A/ja active Pending
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