JP2015045277A - エンジンの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】筒内噴射及びポート噴射を併用するエンジンの制御装置に関し、燃料制御精度を向上させる。
【解決手段】気筒20内に燃料を噴射する筒内噴射弁11と気筒20の吸気ポート21に燃料を噴射するポート噴射弁13とを有するエンジン10の制御装置において、エンジン10の負荷が増加方向に変動する過渡状態を検出する過渡状態検出部2を設ける。
また、過渡状態検出部2で過渡状態が検出されたときに、筒内噴射弁11による筒内噴射とポート噴射弁12によるポート噴射とをともに吸気行程で実施する燃料制御部3を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、筒内噴射とポート噴射とを併用するエンジンの制御装置に関する。
従来、筒内噴射とポート噴射との二種類の燃料噴射方式を両立させたエンジン(内燃機関)が開発されている。すなわち、エンジンの運転状態に応じて、気筒内に燃料を噴射する筒内噴射弁と気筒の吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射弁とを使い分け、あるいは併用するものである。このようなエンジンでは、エンジン負荷の大きさに応じて燃料噴射方式を使い分ける技術や、燃料噴射のタイミングを制御するさまざまな技術が提案されている(特許文献1参照)。
筒内噴射では、原理的にポート内壁面への燃料付着が生じないため、ポート噴射と比較して筒内に供給される燃料量を精度よく管理することができ、空燃比の制御精度を向上させやすいという利点がある。また、燃料の気化潜熱によって吸入空気が冷却されることから、体積効率を増大させやすく、エンジン出力の増大効果も望める。その反面、筒内噴射弁から噴射される燃料は、高温の噴孔近傍及び筒内で変質(熱分解)されやすく、デポジットを発生させやすい。そのため、筒内噴射の使用割合が上昇するにつれて、吸排気ポートの出入口付近にデポジットが堆積し、吸入空気量の制御精度が低下しやすくなる。
一方、ポート噴射では、吸気ポート内で拡散,気化した燃料噴霧が筒内に導入されることとなり、筒内噴射の場合と比較してデポジットが発生しにくい。そこで、筒内噴射とポート噴射とを併用する従来のエンジン制御では、エンジン出力の制御性やデポジットの発生量等を考慮しながら、二種類の燃料噴射方式を使い分け、あるいはこれらを併用する割合を制御している。
特開平4-237854号公報
ところで、筒内噴射される燃料は、ポート噴射される燃料よりも高圧で噴射されるため、気流のエネルギーが比較的大きく、筒内で微粒化しやすいという特性を持つ。これに対して、ポート噴射される燃料は、気流のエネルギーが比較的小さく、吸気流の形状や吸気速度によっては吸気ポート内で微粒化しにくい場合がある。
そこで、ポート噴射のタイミングを早めて、燃料噴霧の気化時間を確保することが検討されている。例えば、筒内噴射を吸気行程で実施しつつ、ポート噴射をその直前の排気行程で実施することが考えられる。ポート噴射を筒内噴射よりも早めに実施することで、ポート噴射された燃料が燃焼するまでの気化時間を延長させることができ、筒内に導入されるまでの間に燃料の微粒化を促進することができる。
しかしながら、ポート噴射の実施時期を進角させる(早める)ほど、ポート噴射が行われてから実際に燃料が燃焼するまでのタイムラグが長くなり、燃料応答性が低下する。特に、エンジンの負荷が変動しつつある過渡状態では、燃料応答性の低下に伴ってエンジン出力の応答性も低下し、ドライブフィーリングを大きく損なう恐れがある。
一方、このような燃料応答性を改善すべく、ポート噴射の実施時期を遅角させた(遅くした)場合には、ポート噴射された燃料の気化時間を十分に確保することができず、燃焼安定性の低下や、微粒化が不十分でHC(例えば排気中の未燃燃料成分)が多くなるなどの弊害がある。このように、筒内噴射及びポート噴射を併用する従来のエンジンでは、ポート噴射された燃料についての燃料応答性と燃焼安定性とをともに向上させることが困難であるという課題がある。
本件の目的の一つは、上記のような課題に鑑み創案されたもので、筒内噴射及びポート噴射を併用するエンジンにおける燃料応答性と燃焼安定性とをともに向上させることである。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的として位置づけることができる。
(1)ここで開示するエンジンの制御装置は、気筒内に燃料を噴射する筒内噴射弁と前記気筒の吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射弁とを有するエンジンの制御装置である。
この制御装置は、前記エンジンの負荷が増加方向に変動する過渡状態を検出する過渡状態検出部を備える。また、前記過渡状態検出部で前記過渡状態が検出されたときに、前記筒内噴射弁による筒内噴射と前記ポート噴射弁によるポート噴射とをともに吸気行程で実施する燃料制御部を備える。
前記過渡状態検出部は、前記エンジンの負荷に相関するパラメーターの変化に基づいて前記過渡状態を検出することが好ましい。例えば、前記エンジンのスロットル開度変化率、又は、アクセル変化速度に基づいて前記過渡状態を検出することが好ましい。また、前記スロットル開度変化率が所定変化率以上であるときや、前記アクセル変化速度が所定変化速度以上であるときに、前記エンジンが前記過渡状態であると判定することが好ましい。一方、前記スロットル開度変化率が前記所定変化率未満である状態が所定時間継続した場合や、前記スロットル開度変化率が前記所定変化率よりも小さい第二所定変化率未満であるときに、前記過渡状態が終了した(定常状態になった)と判定することが好ましい。
(2)前記燃料制御部は、前記筒内噴射及び前記ポート噴射をともに前記吸気行程の開始時に開始することが好ましい。
(3)この場合、前記燃料制御部は、前記筒内噴射及び前記ポート噴射の開始時刻を一致させることが好ましい。つまり、前記筒内噴射及び前記ポート噴射を同時に開始させることが好ましい。なお、前記開始時刻及び終了時刻に関して、これらの両方を一致させてもよいし、何れか一方のみを一致させてもよい。少なくとも、前記ポート噴射の燃料噴霧が前記気筒内に導入されるときに、その燃料噴霧に対して前記筒内噴射の燃料噴霧が衝突するように、各々の噴射時期を設定することが好ましい。
(4)前記燃料制御部は、前記気筒内で前記ポート噴射の燃料噴霧に前記筒内噴射の燃料噴霧が衝突するように(または、前記筒内噴射により励起された気流が前記ポート噴射の噴霧に乱れを起こすように)、前記ポート噴射及び前記筒内噴射のタイミングを制御することが好ましい。
この場合、前記ポート噴射の燃料噴霧が前記気筒内に到達するまでの遅れ時間を考慮して、前記ポート噴射を前記筒内噴射よりもやや先行させてもよい。あるいは、前記ポート噴射の燃料噴霧が前記気筒内に到達するまでの遅れ時間を考慮して、前記ポート噴射の開始時刻と前記筒内噴射の開始時刻とを調節してもよい。
(5)前記燃料制御部は、前記過渡状態検出部で前記過渡状態が検出されないときに、前記筒内噴射を前記吸気行程で実施するとともに、前記ポート噴射を前記吸気行程の直前の排気行程で実施することが好ましい。
開示のエンジンの制御装置によれば、ポート噴射弁から噴射された噴霧に対して筒内噴射弁から噴射された噴霧を衝突させることができ、後者の気流エネルギーを利用して前者の微粒化を促進することができる。これにより、燃焼状態を改善することができ、排ガス低減や燃焼速度の向上を図ることができるとともに、燃焼安定性を向上させることができる。
また、筒内噴射及びポート噴射をともに吸気行程内で実施することで、それぞれの噴射弁から噴射される燃料の気化時間を同等とすることができ、燃料制御精度を向上させることができる。さらに、排気行程でポート噴射を実施するような制御と比較して、燃料応答性を向上させることができる。
一実施形態に係る制御装置が適用されたエンジンの構成を例示する図である。 図1のエンジンの制御装置のハードウェア構成を例示する図である。 図1のエンジンにおけるアクセル開度と燃料の噴射比率との関係を例示するグラフである。 図1のエンジンにおける筒内噴射及びポート噴射のタイミングを説明するための図である。 図1のエンジンの制御装置での制御手順を例示するフローチャートである。 (A),(B)は、図1のエンジンにおける筒内噴射及びポート噴射の衝突を説明するための断面図である。
図面を参照して、実施形態としてのエンジンの制御装置について説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
[1.装置構成]
[1−1.エンジン]
本実施形態のエンジンの制御装置は、図1に示す車載ガソリンエンジン10(以下、単にエンジン10と呼ぶ)に適用される。このエンジン10は、排気の一部を吸気側に循環させるEGRシステム(Exhaust Gas Recirculation,排気再循環システム)を備える。また、図1では多気筒のエンジン10に設けられた複数の気筒20(シリンダー)のうちの一つを示す。シリンダー20内にはピストンが摺動自在に内装され、ピストンの往復運動がコンロッド(コネクティングロッド)を介してクランクシャフトの回転運動に変換される。
各シリンダー20の頂面には吸気ポート21,排気ポート31が設けられ、それぞれのポート開口には吸気弁17,排気弁18が設けられる。また、吸気ポート21と排気ポート31との間には、点火プラグ16がその先端を燃焼室側に突出させた状態で設けられる。点火プラグ16での点火のタイミング(点火時期)は、後述するエンジン制御装置1で制御される。
エンジン10には、各シリンダー20への燃料供給用のインジェクターとして、筒内噴射弁11及びポート噴射弁12が設けられる。筒内噴射弁11は、シリンダー20内に直接的に燃料を噴射する直噴インジェクターであり、ポート噴射弁12は、吸気ポート21内に燃料を噴射するインジェクターである。これらの二種類のインジェクターは、エンジン10に設けられる図示しない他の気筒20にも設けられる。
これらの噴射弁11,12から噴射される燃料噴射量及びその噴射タイミングは、エンジン制御装置1で制御される。例えば、エンジン制御装置1から各噴射弁11,12に制御パルス信号が伝達され、その制御パルス信号の大きさに対応する期間だけ、各噴射弁11,12の噴孔が開放される。これにより、燃料噴射量は制御パルス信号の大きさ(駆動パルス幅)に応じた量となり、噴射タイミングは制御パルス信号が伝達された時刻に対応したものとなる。
筒内噴射弁11は、高圧燃料供給路13Aを介して高圧ポンプ14Aに接続される。高圧燃料供給路13A及び筒内噴射弁11の間には、各気筒20の筒内噴射弁11に燃料を分配するためのデリバリーパイプ19が介装される。一方、ポート噴射弁12は、低圧燃料供給路13Bを介して低圧ポンプ14Bに接続される。
デリバリーパイプ19の内部には、加圧された燃料が貯留される。これにより、筒内噴射弁11には、ポート噴射弁12よりも高圧の燃料が供給される。高圧ポンプ14A及び低圧ポンプ14Bはともに、燃料を圧送するための機械式の流量可変型ポンプである。これらのポンプ14A,14Bは、エンジン10や電動機などから駆動力の供給を受けて作動し、燃料タンク15内の燃料を各供給路13A,13Bに吐出する。各ポンプ14A,14Bから吐出される燃料量及び燃圧は、エンジン制御装置1で可変制御される。
ポート噴射弁12と筒内噴射弁11とは互いの噴霧が干渉するよう配置される。例えば図1に示すように、ポート噴射弁12による燃料噴射方向は、吸気ポート21から筒内に向かう方向に設定される。一方、筒内噴射弁11による燃料噴射方向は、筒内に入ってきたポート噴射弁12による噴霧の流れに乱れを生じさせるように、ポート噴射弁12による噴霧に対して衝突(交差)する向きに設定される。
[1−2.吸排気系]
エンジン10の吸気通路22には、その下流側(吸気ポート21側)から上流側へ向かう順に、サージタンク23,スロットルバルブ24,エアクリーナー25が介装される。サージタンク23は、各気筒20へ流入する吸気の脈動や吸気干渉を緩和するように機能するものであり、例えばインテークマニホールド内に設けられる。また、スロットルバルブ24は、サージタンク23側へ流入する吸気量を制御する弁であり、その開度(スロットル開度TH)は、エンジン10に要求される負荷の大きさ等に応じてエンジン制御装置1で制御される。エアクリーナー25は、外部から取り込まれる空気を濾過するためのフィルターである。
エンジン10の排気通路32には、触媒装置33が介装される。この触媒装置33は、例えば排気中に含まれるPM(Particulate Matter,粒子状物質)や窒素酸化物(NOx),一酸化炭素(CO),炭化水素(HC)等の成分を浄化,分解,除去する機能を持つ。
吸気通路22及び排気通路32の間には、排気の一部を吸気側へ導入するためのEGR通路34が介装される。EGR通路34の上流端は、触媒装置33よりも上流側の排気通路32に接続される。一方、EGR通路34の下流端は、サージタンク23とスロットルバルブ24との間の吸気通路22に接続される。
EGR通路34の中途には、還流ガスを冷却するためのEGRクーラー35が介装される。還流ガスを冷却することでシリンダー20内での燃焼温度が低下し、窒素酸化物の発生率が低下する。また、EGR通路34と吸気通路22との合流部には、排気ガスの還流量を調節するためのEGRバルブ36が介装される。EGRバルブ36の弁開度は可変であり、エンジン制御装置1で制御される。
[1−3.センサー系]
車両の任意の位置には、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度APS[%])を検出するアクセル開度センサー41が設けられる。アクセル開度APSは、運転者の加速要求や発進意思に対応するパラメーターであり、言い換えるとエンジン10の負荷(エンジン10に対する出力要求)に相関するパラメーターである。
エンジン10のウォータージャケット又はエンジン冷却水の循環経路上の任意の位置には、エンジン冷却水の温度(冷却水温T)を検出する冷却水温センサー42が設けられる。冷却水温Tは、エンジン10の温度と相関を持つパラメーターであり、エンジン10が低温であれば冷却水温Tも低温となり、エンジン10が高温になると冷却水温Tも高温となる。また、エンジン10のクランクシャフトの近傍には、エンジン10の回転速度Neに相当するパラメーターを検出するエンジン回転速度センサー43が設けられる。
エンジン10の吸気系におけるスロットルバルブ24よりも上流側には、吸気流量Qを検出するエアフローセンサー44が設けられる。吸気流量Qは、エアクリーナー25を通過した空気の流量に相当し、スロットルバルブ24を通過する流量に対応するパラメーターである。一方、エンジン10の排気系における触媒装置33よりも下流側には、空燃比センサー45が設けられる。空燃比センサー45は、触媒装置33を通過した排気の空燃比AFを検出するものである。
上記の各種センサー41〜45で検出された各種情報及びスロットル開度THの情報は、エンジン制御装置1に伝達される。
[1−4.制御系]
上記のエンジン10を搭載する車両には、エンジン制御装置1(Engine Electronic Control Unit,制御装置)が設けられる。このエンジン制御装置1は、例えばCPU(Central Processing Unit),MPU(Micro Processing Unit)等のマイクロプロセッサやROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)等を集積した電子デバイスとして構成され、車両に設けられた車載ネットワーク網の通信ラインに接続される。なお、車載ネットワーク上には、例えばブレーキ制御装置,変速機制御装置,車両安定制御装置,空調制御装置,電装品制御装置といったさまざまな公知の電子制御装置が、互いに通信可能に接続される。エンジン制御装置1以外の電子制御装置は、外部制御システムと呼ばれ、外部制御システムによって制御される装置は外部負荷装置と呼ばれる。
エンジン制御装置1のハードウェア構成を図2に例示する。エンジン制御装置1には、中央処理装置71,主記憶装置72,補助記憶装置73,インタフェイス装置74が内蔵され、これらが内部バス75を介して通信可能に接続される。また、これらの各装置71〜74は、図示しない電力源(例えば車載バッテリーやボタン電池等)からの電力供給を受けて動作する。
中央処理装置71は、制御ユニット(制御回路)や演算ユニット(演算回路),キャッシュメモリ(レジスタ群)等を内蔵する処理装置(プロセッサ)である。また、主記憶装置72は、プログラムや作業中のデータが格納されるメモリ装置であり、例えば前述のRAM,ROMがこれに含まれる。一方、補助記憶装置73は、主記憶装置72よりも長期的に保持されるデータやプログラムが格納されるメモリ装置であり、例えばマイクロプロセッサ内のROMのほか、フラッシュメモリやハードディスクドライブ(HDD),ソリッドステートドライブ(SSD)等の記憶装置がこれに含まれる。また、インタフェイス装置74は、エンジン制御装置1と外部との間の入出力(Input/Output;I/O)を司るものである。例えば、車両に搭載された各種センサー41〜45やスロットルバルブ24,外部制御システムとエンジン制御装置1との情報の授受は、インタフェイス装置74を介してなされる。
エンジン制御装置1は、エンジン10に関する点火系,燃料系,吸排気系及び動弁系といった広汎なシステムを総合的に制御する電子制御装置であり、エンジン10の各シリンダー20に対して供給される空気量や燃料噴射量,各シリンダー20の点火時期,EGR量等を制御するものである。エンジン制御装置1の入力ポートには、前述の各種センサー41〜45及びスロットルバルブ24が接続される。一方、エンジン制御装置1の具体的な制御対象としては、筒内噴射弁11及びポート噴射弁12から噴射される燃料噴射量とその噴射時期,点火プラグ16による点火時期,吸気弁17及び排気弁18のバルブリフト量及びバルブタイミング,スロットルバルブ24の開度,EGRバルブ36の開度等が挙げられる。
本実施形態では、燃料噴射量の制御のうち、筒内噴射弁11及びポート噴射弁12から燃料が噴射されるタイミングに関する制御について詳述する。この制御は、例えばアプリケーションプログラムとして補助記憶装置73やリムーバブルメディアに記録される。また、プログラムの実行時には、プログラムの内容が主記憶装置72内のメモリ空間内に展開され、中央処理装置71によって実行される。処理内容を機能的に分類すると、このプログラムには過渡状態検出部2,燃料制御部3が設けられる。また、燃料制御部3の内部には、筒内噴射弁11の制御を担当する筒内噴射制御部4と、ポート噴射弁12の制御を担当するポート噴射制御部5とが設けられる。これらの各要素は電子回路(ハードウェア)によって実現してもよく、あるいはこれらの機能のうちの一部をハードウェアとして設け、他部をソフトウェアとしたものであってもよい。
[2.制御構成]
エンジン制御装置1は、エンジン10の作動状態に応じて、筒内噴射とポート噴射との二種類の燃料噴射方式を使用,併用しながら、各気筒20に供給される燃料噴射量及び噴射タイミングを制御する。ここでは、エンジン10に要求される負荷が比較的大きい場合に、筒内噴射とポート噴射とが併用される。一方、エンジン10に要求される負荷が比較的小さい場合には、ポート噴射のみが使用される。
以下の説明では、エンジン10に要求される負荷を表す指標として、アクセル開度APSを用いる。また、一回の燃焼サイクルでの全燃料噴射量に対する筒内噴射の比率をRAと表記し、全燃料噴射量に対するポート噴射の比率をRBと表記する(RA+RB=100[%])。図3は、一回の燃焼サイクルでの全燃料噴射量に対する筒内噴射及びポート噴射のそれぞれの比率RA,RBを、アクセル開度APSに応じて設定するためのグラフの例である。
エンジン制御装置1は、アクセル開度APSが第一所定値A1未満であるとき、筒内噴射の比率をRA=0[%]、ポート噴射の比率をRB=100[%]に設定し、ポート噴射のみを実施する。つまり、アクセル開度APSが第一所定値A1未満であれば、筒内噴射は不実施とされ、各気筒20に噴射される燃料の全てがポート噴射弁12から噴射される。一方、アクセル開度APSが第一所定値A1以上であるときには、アクセル開度APSが大きいほどポート噴射の比率RBが減少し、筒内噴射の比率RAが増加するように、各噴射弁11,12が制御される。
図3に示す例では、アクセル開度APSが第一所定値A1以上の範囲でポート噴射の比率RBが直線的に減少し、逆に筒内噴射の比率RAが直線的に増加する特性が示されている。また、アクセル開度APSが第二所定値A2以上の範囲では、ポート噴射の比率RBがC[%]に固定され、筒内噴射の比率RAがB[%]に固定されている。
筒内噴射を開始するタイミングは、図4中に示すように、吸気行程の開始時(排気上死点)に設定される。また、筒内噴射が実行される期間は、筒内噴射弁11から噴射される燃料量に応じて設定される。したがって、エンジン10の全燃料噴射量が多いほど、あるいは、筒内噴射の比率RAが大きいほど、筒内噴射期間が延長される。
ポート噴射を開始するタイミングは、エンジン10が過渡状態であるか否かによって変更される。ここでいう「過渡状態」とは、エンジン10の負荷が増加方向に変動している状態を意味する。例えば、アクセルペダルの踏み込み操作によってエンジン10の負荷が増加した状態や、増加しつつある状態(例えば、車両発進時,加速時,登坂路走行時など)は、ここでいう「過渡状態」に含まれる。
エンジン10が過渡状態であるとき、エンジン制御装置1は、ポート噴射と筒内噴射とがともに吸気行程内で実施されるように、ポート噴射の開始時期を制御する。例えば、ポート噴射の開始時期が、筒内噴射の開始時期と同様に吸気行程の開始時(排気上死点)に設定される。つまり、ポート噴射と筒内噴射とが同一のタイミングで開始される。この場合、ポート噴射の燃料気化時間と筒内噴射の燃料気化時間とがほぼ同等となり、気筒20内における燃料噴霧の気化状態が均質化される。
ポート噴射が実行される期間は、ポート噴射弁12から噴射される燃料量に応じて設定される。したがって、エンジン10の全燃料噴射量が多いほど、あるいは、ポート噴射の比率RBが大きいほど、ポート噴射期間が延長される。なお、ポート噴射は筒内噴射に比べて燃料の噴射圧力が低いため、同一の燃料量を噴射するのに要する時間は、筒内噴射よりもポート噴射の方が長く設定される。
一方、エンジン10が過渡状態でないとき、エンジン制御装置1は、ポート噴射が少なくとも排気行程で実施されるように、ポート噴射の開始時期を制御する。例えば、ポート噴射の開始時期は、図4中に示すように、吸気行程よりも前の排気行程における開始時(膨張下死点)に設定される。この場合、ポート噴射の燃料噴霧は、筒内噴射の燃料噴霧よりも排気行程に相当する時間分だけ早めに噴射されることになり、燃料気化時間が延長される。これにより、吸気行程でポート噴射が実施された場合と比較して、吸気ポート21内における燃料の微粒化が促進される。このような制御を実施するための具体的な構成を以下に詳述する。
前述の通り、エンジン制御装置1には、過渡状態検出部2,燃料制御部3が設けられる。
過渡状態検出部2は、エンジン10の負荷が増加方向に変動する過渡状態を検出するものである。エンジン10の負荷は、例えばアクセル開度APSやアクセル変化速度ΔAPS(単位時間当たりのアクセル開度APSの変化量),スロットル開度TH,スロットル変化率ΔTH(単位時間当たりのスロットル開度THの変化量),エンジン10の体積効率Ev,充填効率Ec等に基づいて把握される。
本実施形態の過渡状態検出部2は、スロットル変化率ΔTHが所定変化率ΔTH1(0<ΔTH1)を超える場合に、エンジン10が過渡状態であると判定するとともに、エンジン10の過渡状態を検出する。なお、ここでいうスロットル変化率ΔTHの符号は、スロットル開度THの開放方向への変化率が正であり、絞り方向への変化率が負であるものとする。したがって、エンジン10の負荷が増加方向に変動しているときには、スロットル変化率ΔTHが正の値となる。一方、過渡状態検出部2は、スロットル変化率ΔTHが所定変化率ΔTH1以下である状態が所定時間継続した場合に、エンジン10が過渡状態から定常状態へと移行したと判定する。ここで検出された過渡状態に関する情報は、燃料制御部3に伝達される。
燃料制御部3は、筒内噴射弁11及びポート噴射弁12を制御するものである。ここではまず、一回の燃焼サイクルで筒内噴射弁11から噴射される燃料量とポート噴射弁12から噴射される燃料量とを合計した全燃料噴射量が算出される。この全燃料噴射量は、例えばエンジン10に要求される負荷やエンジン10の回転速度Ne,空燃比AF等に基づいて算出される。
また、燃料制御部3は、エンジン10の負荷に基づいて、筒内噴射の比率RA及びポート噴射の比率RBを算出する。これらの比率RA,RBを設定するためのエンジン10の負荷の大きさは、アクセル開度APSやアクセル変化速度ΔAPS,スロットル開度TH,スロットル変化率ΔTH,エンジン10の体積効率Ev,充填効率Ec等に基づいて把握される。本実施形態では、図3に示すような関係に基づいて、比率RA,RBが算出される。
すなわち、筒内噴射の比率RAの値は、アクセル開度APSが第一所定値A1未満であるときに0[%]とされ、アクセル開度APSが第二所定値A2以上の範囲でB[%]とされる。また、アクセル開度APSが第一所定値A1以上、かつ、第二所定値A2未満であるときの比率RA[%]は、RA=B*(APS-A1)/(A2-A1) で与えられる。このとき、ポート噴射の比率RBは100[%]から筒内噴射の比率RAを減じた値として決定される(RB=100-RA)。
また、燃料制御部3には、筒内噴射制御部4及びポート噴射制御部5が設けられる。
筒内噴射制御部4は、上記の全燃料噴射量に比率RAを乗じた量の燃料が筒内噴射弁11から噴射されるように、筒内噴射弁11に対して制御パルス信号を出力するものである。このとき、筒内噴射が吸気行程の開始時に合わせて開始されるように、筒内噴射のタイミングが制御される。
ポート噴射制御部5は、上記の全燃料噴射量に比率RBを乗じた量の燃料がポート噴射弁12から噴射されるように、ポート噴射弁12に対して制御パルス信号を出力するものである。ポート噴射の開始タイミングは、過渡状態検出部2での検出結果に応じて変更される。まず、エンジン10が過渡状態であるとき、ポート噴射が筒内噴射とともに吸気行程内で実施されるように、その開始タイミングが制御される。
例えば、ポート噴射の開始時期が、吸気行程の開始時(排気上死点)に設定される。一方、非過渡状態では、ポート噴射が筒内噴射よりも早く実施されるように、その開始タイミングが制御される。例えば、ポート噴射の開始時期が、排気行程の開始時(膨張下死点)に設定される。
したがって、筒内噴射とポート噴射とが併用される運転状態であって、かつ、過渡状態であれば、吸気行程の開始時に筒内噴射弁11及びポート噴射弁12の双方から燃料が噴射される。また、筒内噴射とポート噴射とが併用される運転状態であっても、エンジン10が過渡状態でなければ、排気行程の開始時にポート噴射が実施された後に、吸気行程の開始時に筒内噴射が実施される。
[3.フローチャート]
図5は、筒内噴射及びポート噴射の制御手順を例示するフローチャートである。このフローは、エンジン制御装置1において所定の演算周期で繰り返し実施される。
ステップA10では、各種センサーで検出された各種情報がエンジン制御装置1に入力される。ここでは、例えばアクセル開度APS,吸気流量Q,スロットル開度TH,エンジン回転速度Ne,空燃比AF等に関する情報が入力される。また、ステップA20では、燃料制御部3において、エンジン10の負荷に基づいて筒内噴射の比率RA,ポート噴射の比率RBが算出される。これらの比率RA,RBは、図3に示すような関係に従って、アクセル開度APSに基づいて算出される。
ステップA30では、燃料制御部3において、筒内噴射とポート噴射とが併用される運転状態であるか否かが判定される。例えば、筒内噴射の比率RAが0でない場合(RA≠0)には、筒内噴射とポート噴射とが併用される運転状態であると判断され、ステップA40に進む。一方、この条件の不成立時にはポート噴射のみが実施される運転状態であると判断され、ステップA90に進む。このステップA90では、ポート噴射制御部5において、ポート噴射弁12から噴射される燃料量のみが算出される。また、ポート噴射の開始時期が、排気行程の開始時(膨張下死点)に設定され、ポート噴射弁12に対して制御パルス信号が出力される。
筒内噴射とポート噴射とが併用されるステップA40では、過渡状態検出部2において、エンジン10の運転状態が過渡状態であるか否かが判定される。ここでは、例えばスロットル変化率ΔTHが所定変化率ΔTH1を超える場合(ΔTH>ΔTH1)に、エンジン10が過渡状態であると判定されてステップA50に進む。一方、この条件の不成立時にはステップA70に進む。
ステップA50では、ポート噴射制御部5において、ポート噴射弁12から噴射される燃料量が算出される。ポート噴射の燃料量は、全燃料噴射量にポート噴射の比率RBを乗じた量とされる。また、ポート噴射の開始時期は、吸気行程の開始時(排気上死点)に設定され、ポート噴射弁12に対して制御パルス信号が出力される。これに続くステップA60では、筒内噴射制御部4において、筒内噴射弁11から噴射される燃料量が算出される。筒内噴射の燃料量は、全燃料噴射量に筒内噴射の比率RAを乗じた量とされる。また、筒内噴射の開始時期は、ポート噴射と同じく吸気行程の開始時(排気上死点)に設定され、筒内噴射弁11に対して制御パルス信号が出力される。このように、筒内噴射とポート噴射とが併用される過渡状態においては、筒内噴射,ポート噴射がともに吸気行程で実施される。
その後、スロットル変化率ΔTHが低下して所定変化率ΔTH1以下になると、ステップA40での条件が不成立となり、制御がステップA70に進む。ステップA70では、過渡状態検出部2において、スロットル変化率ΔTHが所定変化率ΔTH1以下になってからの経過時間が所定時間以上となったか否かが判定される。この条件が成立するまでは、過渡状態が継続中であると判断されてステップA50に進む。この場合、筒内噴射,ポート噴射の両方が、引き続き吸気行程で実施されることになる。
一方、ステップA70の条件が成立すると、エンジン10が過渡状態から定常状態へと移行したものと判断されて、ステップA80に進む。このステップA80では、ポート噴射制御部5において、ポート噴射弁12から噴射される燃料量が算出される。また、ポート噴射の開始時期は、ステップA90と同様に、排気行程の開始時(膨張下死点)に設定され、ポート噴射弁12に対して制御パルス信号が出力される。これに対して、続くステップA60では、筒内噴射の開始時期が吸気行程の開始時(排気上死点)に設定され、筒内噴射弁11に対して制御パルス信号が出力される。したがって、筒内噴射とポート噴射とが併用される非過渡状態においては、ポート噴射が筒内噴射に先行して実施され、その後に筒内噴射が実施される。
[4.作用,効果]
筒内噴射とポート噴射とがともに吸気行程で実施された場合の燃料噴霧の状態について、図6(A),(B)を用いて説明する。ここでは、吸気弁17及び排気弁18を省略して気筒20の内部での燃料噴霧の分布状態を模式的に示す。
エンジン10の過渡状態においては、気筒20内に導入される吸入空気量が増大傾向にある。そのため、吸気行程の開始時にポート噴射弁12から燃料が噴射されると、噴射直後の燃料噴霧は、図6(A)に示すように、吸気ポート21内に滞留することなく迅速に燃焼室内に導入される。
一方、ポート噴射と同時に筒内噴射弁11から噴射された燃料噴霧は、吸気ポート21から導入されたポート噴射の燃料噴霧に向かって進行し、図6(B)に示すように、ポート噴射の燃料噴霧と衝突する。このような燃料噴霧同士の衝突により、燃料噴霧の微粒化が促進される。
筒内噴射の燃料噴射圧力は、ポート噴射の燃料噴射圧力よりも高圧である。そのため、筒内噴射の燃料噴霧は、ポート噴射の燃料噴霧よりも大きな気流エネルギー(運動量,運動エネルギー)を持つ。このような筒内噴射の気流エネルギーをポート噴射の燃料噴霧に衝突させることで、ポート噴射の燃料噴霧に含まれる液滴が燃焼室内に分散し、燃料噴霧の微粒化がさらに促進される。
また、図4に示すように、筒内噴射とポート噴射とがほぼ同時に実施されるため、燃焼室内でこれらの混合気に点火されるまでの時間がほぼ同一となり、すなわち、筒内噴射に係る燃料気化時間とポート噴射に係る燃料気化時間とがほぼ同一となる。
(1)このように、上記のエンジン制御装置1では、過渡状態における筒内噴射弁11の燃料噴射時期とポート噴射弁12の燃料噴射時期とがともに吸気行程に設定される。これにより、それぞれの噴射弁11,12から噴射される燃料の気化時間をほぼ同等とすることができ、燃料制御精度を向上させることができる。
また、図6(A),(B)に示すように、ポート噴射弁12から噴射された燃料噴霧に対して、筒内噴射弁11から噴射された燃料噴霧を衝突させることができる。これにより、後者の気流エネルギーを利用して前者の微粒化を促進することができ、気筒20内での燃焼状態を改善することができる。したがって、排ガス低減や燃焼速度の向上を図ることができる。
なお、ポート噴射の実施時期を遅角させる(遅くする)ほど、ポート噴射された燃料の気化時間は短縮される。しかしながら、上記のエンジン制御装置1では、ポート噴射と筒内噴射とがともに吸気行程で実施されるため、筒内噴射された燃料の貫徹力を利用してポート噴射された燃料の霧化,気化を促進することができ、燃焼安定性を確保することができる。また、ポート噴射を排気行程で実施する場合と比較して、ポート噴射が行われてから実際に燃料が燃焼するまでのタイムラグを短縮することができ、燃料応答性を向上させることができる。
このように、上記のエンジン制御装置1によれば、筒内噴射及びポート噴射を併用するエンジン10における燃料応答性と燃焼安定性とをともに向上させることができる。
(2)上記のエンジン制御装置1では、例えば図4に示すように、過渡状態における筒内噴射及びポート噴射がともに吸気行程の開始時に(排気上死点で)開始される。これにより、ポート噴射の燃料噴霧を吸気ポート21内に長時間滞留させることなく即座に気筒20内へと導入することができる。したがって、ポート噴射の燃料噴霧と筒内噴射の燃料噴霧との衝突頻度を高めることができ、燃料噴霧の微粒化をさらに促進することができる。
また、筒内噴射及びポート噴射を吸気行程の後半に開始した場合と比較して、長い燃料気化時間を確保することができる。したがって、気筒20内での燃焼状態を改善することができる。
(3)なお、上記のエンジン制御装置1では、吸気行程の開始時以外の時刻において、筒内噴射の開始時刻とポート噴射の開始時刻とが一致するように、各々の噴射開始時期を制御することが可能である。このように、少なくとも二種類の噴射方式における燃料噴射開始時刻を一致させることで、筒内噴射の燃料気化時間とポート噴射の燃料気化時間とを同一にすることができる。これにより、筒内の燃料噴霧に含まれる液滴の粒度のばらつきを抑制することができ、燃料制御精度を向上させることができる。
(4)上記のエンジン制御装置1では、例えば図4に示すように、非過渡状態においてはポート噴射が筒内噴射に先行して、排気行程で実施される。このように、エンジン10の負荷が増加方向に変動していない非過渡状態においては、排気行程でポート噴射を実施することで、ポート噴射の燃料噴霧の気化時間を延長することができ、気筒20内での燃焼状態を改善することができる。また、筒内噴射は吸気行程で実施されるため、ポート噴射が実施されてから筒内噴射が実施されるまでの間の負荷変動(排気行程での負荷変動)に対して、筒内噴射量を増減させることができ、燃料応答性を向上させることができる。
[5.変形例]
上述した実施形態に関わらず、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。本実施形態の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせてもよい。
上記の実施形態では、スロットル変化率ΔTHに基づいてエンジン10の過渡状態を検出する制御を例示したが、過渡状態を把握するための手法はこれに限定されない。例えば、アクセル変化速度ΔAPSが所定変化速度以上であることを以て、エンジン10が過渡状態であると判定してもよい。また、過渡状態から定常状態への移行判定に関しても同様であり、例えば、スロットル変化率ΔTHが所定変化率ΔTH1よりも小さい第二所定変化率ΔTH2以下になったことを以て、エンジン10が過渡状態から定常状態へと移行したと判定してもよい。具体的な判定条件は、実施の形態に応じて適宜設定することができる。
また、上記の実施形態では、エンジン10に要求される負荷を表す指標として、おもにアクセル開度APSを用いた場合について詳述したが、アクセル開度APSに代えて、あるいは加えて、アクセル変化速度ΔAPSを用いて負荷を把握してもよいし、あるいは吸入空気量(体積効率Ev,充填効率Ec等)を用いて負荷を把握してもよい。少なくとも、エンジン10に要求される負荷に応じて筒内噴射及びポート噴射の比率RA,RBを設定することで、上述の実施形態と同様の効果を奏するものとなる。
また、上記の実施形態では、エンジン10の過渡状態においてポート噴射と筒内噴射とが同じタイミングで実施されるものを例示したが、これらの二種類の噴射タイミングを相違させてもよい。この場合、図6(A),(B)に示すように、気筒20内でポート噴射の燃料噴霧に筒内噴射の燃料噴霧が衝突するように、ポート噴射の及び筒内噴射のタイミングを制御することが好ましい。
例えば、ポート噴射の燃料噴霧が気筒20の内部に導入されるまでの「遅れ時間」を考慮して、ポート噴射を筒内噴射よりもやや先行させることが考えられる。このとき、ポート噴射が開始される時刻から筒内噴射が開始される時刻までの時間を、上記の「遅れ時間」に対応させる。このような噴射タイミングの制御により、気筒20内における燃料噴霧の微粒化をより確実に促進することができ、燃焼状態を改善することができる。
また、エンジン10の回転速度Neや吸気流量Qから上記の「遅れ時間」を予測して算出し、算出された「遅れ時間」に基づいてポート噴射,筒内噴射の開始時刻を調節してもよい。例えば、ポート噴射の開始時刻が定められている場合には、予測された「遅れ時間」に基づいて、筒内噴射の開始時刻を設定してもよい。反対に、筒内噴射の開始時刻が定められている場合には、予測された「遅れ時間」に基づいて、ポート噴射の開始時刻を設定してもよい。これらのような制御により、筒内噴射の燃料噴霧をより確実にポート噴射の燃料噴霧に衝突させることができ、効率的に燃料噴霧の微粒化を図ることができる。
1 エンジン制御装置
2 過渡状態検出部
3 燃料制御部
4 筒内噴射制御部
5 ポート噴射制御部
10 エンジン
11 筒内噴射弁
12 ポート噴射弁
APS アクセル開度
ΔTH スロットル変化率

Claims (5)

  1. 気筒内に燃料を噴射する筒内噴射弁と前記気筒の吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射弁とを有するエンジンの制御装置において、
    前記エンジンの負荷が増加方向に変動する過渡状態を検出する過渡状態検出部と、
    前記過渡状態検出部で前記過渡状態が検出されたときに、前記筒内噴射弁による筒内噴射と前記ポート噴射弁によるポート噴射とをともに吸気行程で実施する燃料制御部と、
    を備えたことを特徴とする、エンジンの制御装置。
  2. 前記燃料制御部は、前記筒内噴射及び前記ポート噴射をともに前記吸気行程の開始時に開始する
    ことを特徴とする、請求項1記載のエンジンの制御装置。
  3. 前記燃料制御部は、前記筒内噴射及び前記ポート噴射の開始時刻を一致させる
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載のエンジンの制御装置。
  4. 前記燃料制御部は、前記気筒内で前記ポート噴射の燃料噴霧に前記筒内噴射の燃料噴霧が衝突するように、前記ポート噴射及び前記筒内噴射のタイミングを制御する
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のエンジンの制御装置。
  5. 前記燃料制御部は、前記過渡状態検出部で前記過渡状態が検出されないときに、前記筒内噴射を前記吸気行程で実施するとともに、前記ポート噴射を前記吸気行程の直前の排気行程で実施する
    ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載のエンジンの制御装置。
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