JP2015045001A - イオン的に安定化された分散体およびポリウレタンインク添加剤を含む水性インクジェットインク - Google Patents

イオン的に安定化された分散体およびポリウレタンインク添加剤を含む水性インクジェットインク Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、画像の向上した光学密度、彩度および特に光沢および鮮明性(DOI)の向上したインクジェットインクを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、水性ビヒクル中に尿素末端ポリウレタンインク添加物および水性顔料分散体を含む水性顔料インクジェットインクであって:前記水性顔料分散体は、高分子イオン性分散剤および顔料を含み、
(a)前記高分子イオン性分散剤は顔料に物理的に吸着されており、
(b)前記高分子イオン性分散剤は顔料を水性ビヒクル中に安定的に分散させ、
(c)前記分散体の平均粒径は300nm未満であり、ならびに
アミン連鎖停止剤の質量を、この連鎖停止剤を含む他のポリウレタン成分の和で除することにより判定される、前記ポリウレタンの尿素末端ポリウレタン部の重量分率が、ウレタン樹脂の総重量の2重量%〜6.8重量%であり、
;および
尿素末端ポリウレタンは、水性インクの総重量に基づいて0.5重量%超〜30重量%の量のインクジェットインク中で架橋されており、
且つ、前記架橋ポリウレタンにおける架橋の量は、THF不溶分テストによる測定で1%超、かつ、50%未満であることを特徴とする水性顔料インクジェットインクである。
【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
この出願は、米国仮特許出願第60/007021号明細書(2007年12月10日出願)による優先権を主張し、この開示は、本明細書における参照によりすべての目的のためにその内容全体が本明細書に記載されたものとして援用される。
本発明は、インクを生成するために組み合わされるイオン的に安定化された高分子分散剤および選択されたポリウレタンインク添加剤を用いて顔料が分散された新規な水性インクジェットインク、ならびに、インクジェットインクにおけるその使用に関する。
顔料の水性分散体は当該技術分野において公知であると共に、例えば、印刷用のインク(特にインクジェット印刷);車両、建築物、道路標識等用の水性塗料および他のコーティング配合物;化粧品;医薬品調製物;等などの種々の用途において用いられてきている。顔料は、典型的には、水性ビヒクル中に不溶性であるため、度々、高分子分散剤または界面活性剤などの分散剤を用いて、ビヒクル中に顔料の安定な分散体を生成する必要がある。
本発明の適用は、水性ボールペン、万年筆およびフェルトペンなどの筆記用具;サーマルジェットタイプ、ピエゾタイプ等の連続式およびオンデマンドタイプインクジェットプリンタ;ならびに、インクを利用するインクジェット印刷方法に有用なインク(印刷液)に関する。
水性顔料分散体は、一般に、ノニオン性またはイオン性技法の一方により安定化される。ノニオン性技法が用いられる場合、水媒体に延びるノニオン性親水性部分を有するポリマーが典型的に利用される。親水性部分は、顔料粒子を水性ビヒクル中で安定化させるエントロピー安定化または立体安定化をもたらす。ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、エチレンオキシド変性フェノールおよびエチレンオキシド/プロピレンオキシドポリマーがこの目的のために用いられ得る。
ノニオン性技法はpH変化またはイオン性汚染には感受性ではないが、印刷された画像が感水性であるという主要な欠点を有する。
イオン性技法において、顔料粒子は、中和アクリル酸、マレイン酸またはビニルスルホン酸などのイオン含有モノマーのポリマーを用いて安定化される。ポリマーは、イオン性反発力が粒子の凝集を妨げる、帯電二重層メカニズムを介して安定化を提供する。中和成分は印刷後に蒸発する傾向にあるため、ポリマーは低い水溶性を有すると共に、印刷された画像はノニオン性安定化顔料より感水性が低い。
インクジェットインク用途のより高品質で、かつ、異なる特性のインクに対する必要性が継続して存在している。例えば、写真印刷および他の多色印刷は向上したインクジェットインクを必要とする。インク添加剤および高分子分散剤の改良が、向上したインクジェットインクに対して顕著に寄与してきているが、現在の分散剤は、未だに、最新のインクジェット用途について要求される必要な光学密度および彩度を有するインクを提供していない。
新規のクラスの分散剤が米国特許出願公開第2005/0090599号明細書において記載された。これらのイオン的に安定化された分散体は、顔料の立体安定化を実質的に使用していないと記載されている。これらのイオン的に安定化された分散体は、親水性成分が最低限である高分子分散剤から入手される。これらの分散剤は優れた特性を有するインクをもたらしたが、その一方で、これらのイオン的に安定化された分散体の特性をインクジェットインクにおける使用のために最適化する添加剤を見出す必要性が未だある。これらの添加剤は、例えば光学密度を犠牲にすることなく彩度などの画像色特性を向上させるといった、他のインク属性を犠牲にすることなく特性を向上させなければならない。
ポリウレタンが、異なる程度で成功を伴って、インクジェットインクに対する添加剤として用いられている。例えば、米国特許第7,176,248号明細書が、インクジェットインク、特にピエゾインク用のインク中の自己分散型顔料に対するポリウレタン添加剤の使用を記載している。
米国特許第6,908,185号明細書は、自己分散型顔料、3000〜10000の分子量を有するポリウレタンおよび定着剤の組み合わせを検討している。
米国特許出願公開第2005/0176848 A1号明細書は、水溶性PUD、顔料、および1,2−アルキルジオールの組み合わせを請求していると共に検討している。可能性のある分散剤タイプに関する長い説明がなされているが、自己分散型顔料に基づく実施例しかない。
米国特許出願公開第2004/0229976 A1号明細書および欧州特許出願公開第1454968 A1号明細書は、顔料分散体およびPUDの組み合わせであって、PUDが分散性であると共に2.0%未満の尿素含有量を有するものを記載していると共に請求している。この顔料分散体は、自己分散型顔料であるか、または、「従来の」分散型顔料であり得る。
ポリウレタン添加剤を有する水性分散体に基づくインクはインクジェット印刷の多くの態様用の向上したインクジェットインクを提供してきたが、これらのインクを改良する機会が未だ存在する。特に重要な1つの状況は、画像の向上した光学密度;彩度および特に光沢および鮮明性(DOI)を達成することである。これらは、分散安定性、長いノズルの寿命等などの、特に着色分散体といったインクの他の態様を維持しながら達成されなければならない。
上記の特定された文献のすべては、本明細書における参照によりすべての目的のためにその内容全体が本明細書に記載されたものとして援用される。
公知のインク添加剤を有する従来の高分子分散剤の使用は、特にインクジェットインクといったインクを形成する手段として十分に確立されている。普通、これらの従来の分散剤は、少なくとも中程度の水溶性を有し、この水溶性が、分散安定性を予測する指針として用いられている。新規の、向上した高分子分散剤についての熱心な探求の最中に、水溶性または水混和性がほとんどなく、かつ、親水性含有物がきわめて限定されている新たなクラスの分散剤が見出され、これは、新たなおよび向上した特性を有する安定した水性分散体の生成に用いることが可能である。分散剤の新たなクラスは米国特許出願公開第2005/0090599号明細書に記載されており、この開示は、本明細書における参照によりすべての目的のためにその内容全体が本明細書に記載されたものとして援用される。さらに、本明細書において、これらの新たな分散体がインク中において少なくとも1種の特定のタイプのポリウレタンインク添加剤と一緒に利用されると、これらのインクからもたらされる印刷物に増強された光学特性を達成することが可能であることが予想外にも見出された。
既に、米国特許出願公開第2005/0090599号明細書において記載されている新たなクラスの分散剤は、実質的に立体安定化を伴わないイオン性安定化を介して安定な水性分散体を生成することが見出されている。これらの分散体がインクジェットインクに利用される場合、このインクで印刷される画像は、向上した光学密度、彩度の両方、および画像の鮮明性を示す。本発明によれば、これらの新たなクラスの分散剤が本明細書に記載の少なくとも1種のポリウレタンインク添加剤と組み合わされると、選択されたポリウレタンの存在が、光学密度を低減させることなく彩度および画像の鮮明性を予想外に向上させる。
この新たなクラスの分散剤を含有する分散体は、イオン的に安定化された分散体(ISD)と本明細書において称される。これらの分散剤自体は、ISDポリマー分散剤と称される。
従って、ISDポリマー分散剤およびポリウレタンインク添加剤を用いる顔料の安定な水性分散体をもたらす分散剤を有するインク;ISDおよびポリウレタンインク添加剤に基づく少なくとも1種のインクを含むインクセット、ならびに、ISDおよびポリウレタンインク添加剤に基づくインクおよびインクセットを用いるインクジェット印刷法が提供されている。
本発明の一態様によれば、ポリウレタンインク添加剤、ならびに、顔料および高分子イオン性分散剤を水性ビヒクル中に含む顔料分散体を含む水性インクが提供されており、ここで:
(a)イオン性分散剤は顔料に物理的に吸着されており、
(b)高分子イオン性分散剤は顔料を水性ビヒクル中に安定的に分散させ、
(c)分散体の平均粒径は約300nm未満であり、および
(d)3滴のインクを約1.5gの約0.20モル塩の塩水溶液に添加した場合に、添加後24時間観察したときに、顔料が塩水溶液から析出し;ならびに、
ここで、ポリウレタンインク添加剤は
a.)ポリウレタンの尿素末端ポリウレタン部の重量分率がウレタン樹脂に対して少なくとも2重量%である尿素末端ポリウレタン;
b.)水性インクの総重量に基づいて約0.5%超〜約30重量%の量のインク中の架橋ポリウレタンであって、架橋ポリウレタンにおける架橋の量は、THF不溶分テストによる測定で約1%超、かつ、約50%未満であるもの
から本質的になる群から選択される。
本発明の他の態様によれば、ポリウレタンインク添加剤、ならびに、顔料および高分子イオン性分散剤を水性ビヒクル中に含む顔料分散体を含む水性インクが提供されており、ここで:
(a)イオン性分散剤は顔料に物理的に吸着されており、
(b)高分子イオン性分散剤は、実質的に立体安定化を伴わないイオン性安定化を介して顔料を水性ビヒクル中に安定的に分散させ、および
(c)分散体の平均粒径は約300nm未満である。
本発明の他の態様によれば、上記のとおりポリウレタンインク添加剤を含む水性顔料分散体を含む水性顔料インクジェットインクが提供されており、これは、インクの総重量に基づいて約0.05〜約10重量%ポリウレタンインク添加剤、インクの総重量に基づいて約0.1〜約10重量%顔料、約0.5〜約6の顔料対分散剤の重量比、25℃で約20dyne/cm〜約70dyne/cmの範囲の表面張力、および25℃で約30cP未満の粘度を有する。
本発明のさらに他の態様においては、少なくとも1種のシアンインク、少なくとも1種のマゼンタインク、少なくとも1種のイエローインクおよび任意により少なくとも1種のブラックインクを含むインクセットが提供されており、ここで、少なくとも1種のインクが、上記に記載されていると共に以下にさらに詳細に説明されているとおり、イオン的に安定化された顔料分散体および少なくとも1種の選択されたポリウレタンインク添加剤を含む水性顔料インクジェットインクである。
本発明のさらに他の態様においては:
(a)デジタルデータ信号に応答性のインクジェットプリンタを提供するステップ;
(b)印刷されるべき基材をプリンタに装填するステップ;
(c)上記に記載されていると共に以下にさらに詳細に説明されているインク、または、上記に記載されていると共に以下にさらに詳細に説明されているインクジェットインクセットをプリンタに装填するステップ;および
(d)デジタルデータ信号に応答して、基材上にインクまたはインクジェットインクセットを用いて印刷するステップ
を含む基材上へのインクジェット印刷方法が提供されている。
ISD分散された顔料および選択されたポリウレタンインク添加剤の組み合わせは、画像が印刷されたときに、画像が、自己分散型顔料で達成されるものと競合する光学密度を有するが、顕著に向上した光沢および画像の鮮明性を有するインクをもたらす。これらの画像はまた、より耐スミア性であると共により耐久性がある。
そうでないと定義されていない限りにおいて、本明細書において用いられているすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって通例理解されるものと同一の意味を有する。抵触する場合には、定義を含めて本明細書が優先される。
明確に記載されている場合を除き、商標は大文字で示されている。
他に記載されていない限りにおいて、すべての割合、部、比等は重量基準である。
量、濃度または他の値もしくはパラメータが、範囲、好ましい範囲または好ましい上方値および好ましい下方値の列挙のいずれかとして記載されている場合、これは、範囲が個別に開示されているかどうかにかかわらず、いずれかの範囲上限または好ましい値と、いずれかの範囲下限または好ましい値とのいずれかの対から形成されるすべての範囲を特定的に開示していると理解されるべきである。本明細書において数値の範囲に言及されている場合、他に明記されていない限りにおいて、この範囲は、その端点、ならびに、その範囲内のすべての整数および分数を含むと意図されている。本発明の範囲が、範囲を定義する際に言及された特定の値に限定されることは意図されていない。
「約」という用語が値または範囲の端点の説明において用いられている場合、この開示は、参照された特定の値または端点を含むと理解されるべきである。
本明細書において用いられるところ、「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(has)」、「有している(having)」という用語またはこれらのいずれかの他の派生語は、非排他的な包含をカバーすると意図される。例えば、列挙された構成要素を含むプロセス、方法、物品、または装置は、必ずしもこれらの構成要素のみに限定されることはなく、明示的に列挙されていないか、または、このようなプロセス、方法、物品または装置に固有の他の構成要素を含んでいてもよい。さらに、そうでないと明確に記載されていない限りにおいて、「または」は、包含的なまたはを指し、排他的なまたはを指さない。例えば、条件AまたはBは、以下のいずれか1つにより満たされる:Aが真であり(または存在し)、かつ、Bが偽である(または存在しない)、Aが偽であり(または存在せず)、かつ、Bは真である(または存在する)、ならびに、AおよびBの両方が真である(または存在する)。
「a」または「an」の使用は、本発明の構成要素および成分を説明するために利用される。これは、単に簡便性のため、および、本発明の一般的な意味を提供するためになされる。この記載は、1つまたは少なくとも1つを包含し、単数形はまた、そうでないことを意味することが明らかでなければ複数形をも包含すると読解されるべきである。
特定的に記載されている場合を除いて、本明細書における材料、方法および実施例は単に例示的であり、限定的であるとは意図されない。本発明の実施またはテストにおいて、本明細書に記載のものと同様であるかまたは同等の方法および材料を用いることが可能であるが、好適な方法および材料が本明細書に記載されている。
従って、イオン的に安定化された分散剤(ISD)ポリマー分散剤および選択されたポリウレタンインク添加剤を用いる、顔料の安定な水性分散体をもたらす分散剤を有するインク;ISDに基づく少なくとも1種のインクおよび選択されたポリウレタンインク添加剤を含むインクセット、ならびに、インクおよびISDに基づくインクセットおよび選択されたポリウレタンインク添加剤を用いるインクジェット印刷方法が提供されており;ここで、選択されたポリウレタンは、
a.)ポリウレタンの尿素末端ポリウレタン部の重量分率がウレタン樹脂に対して少なくとも2重量%である尿素末端ポリウレタン;
b.)水性インクの総重量に基づいて約0.5%超〜約30重量%の量のインク中の架橋ポリウレタンであって、架橋ポリウレタンにおける架橋の量は、THF不溶分テストによる測定で約1%超、かつ、約50%未満であるもの
から本質的になる群から選択される。
水性顔料インクジェットインクは、水性ビヒクル中にポリウレタン、水性顔料分散体を含み、ここで:水性顔料分散体は、イオン性分散剤および顔料を含み、ここで
(a)イオン性分散剤は顔料に物理的に吸着されており、
(b)高分子イオン性分散剤は顔料を水性ビヒクル中に安定的に分散させ、
(c)分散体の平均粒径は約300nm未満であり、および
(d)3滴のインクを約1.5gの約0.20モル塩の塩水溶液に添加した場合に、添加後24時間観察したときに、顔料が塩水溶液から析出し;ならびに
ポリウレタンインク添加剤は、
a.)ポリウレタンの尿素末端ポリウレタン部の重量分率がウレタン樹脂に対して少なくとも2重量%である尿素末端ポリウレタン;
b.)水性インクの総重量に基づいて約0.5%超〜約30重量%の量のインク中の架橋ポリウレタンであって、架橋ポリウレタンにおける架橋の量は、THF不溶分テストによる測定で約1%超、かつ、約50%未満であるもの
から本質的になる群、好ましくはこれらのみから構成される群から選択される。
本発明のインクは、イオン的に安定化された顔料分散体およびポリウレタンインク添加剤を有する。顔料分散体は、イオン的に安定化された分散剤を含む顔料を分散させることにより、分散プロセスにおいて形成される。次いで、ポリウレタンインク添加剤をビヒクルおよび他のインク成分と一緒にイオン的に安定化された分散体にいずれかの順番で添加することによりインクが好ましく調製される。
これらのポリウレタンインク添加剤は、水性インクにおける好ましい分散体である。換言すると、ポリウレタンインク添加剤は、インク配合ステージで、分散されたポリマー添加剤として添加される。尿素末端ポリウレタンおよび架橋ポリウレタンの化学的特性は、典型的な水性インク配合物中で安定な分散体となるよう選択される。
ISD分散された顔料および選択されたポリウレタンインク添加剤の組み合わせは、画像が印刷されたときに、画像が、自己分散型顔料で達成されるものと競合する光学密度を有するが、顕著に向上した光沢および画像の鮮明性を有するインクをもたらす。これらの画像はまた、より耐スミア性であると共により耐久性がある。この組み合わせを従来の高分子分散顔料を含むインクへのポリウレタン添加剤の添加と比較すると、光学密度は下がると共に、DOIもまた低減される。同様に、自己分散型顔料を含むインクへのポリウレタン添加剤の添加は、匹敵する光学密度、向上した光沢およびDOIをもたらすが、この組み合わせは、本明細書に記載のISD/ポリウレタンインク添加剤組み合わせほど良好な光学特性はもたらさない。
この意外な結果は、インクが最初に印刷基材に遭遇するときのポリウレタンとISDとの相互作用によるものであり得る。理論には束縛されないが、ポリウレタンは疎水性であるが、これは、特にポリウレタンの水素結合部位を介して十分な親水性特性を有して、光沢および画像の鮮明性を顕著に向上させながら低減されていない光学密度をもたらす高い効果をもたらし得る。これらの改良は、特に写真印刷のための多色画像の形成においてインクジェットインクを成功させると考えられている。
イオン的に安定化された分散体
有機高分子分散剤を利用する安定な分散体を生成する科学および技術が研究されていると共に、広範に開発されている。この公報において、分散剤のタイプは、知覚される安定化メカニズムに基づいて特徴付けられる。それ故、高分子分散体は、立体安定化および静電安定化により分散体を安定化させることが可能である。有効な立体または電気立体安定化を提供するために、分散剤は、粒子表面に付着すると共に、分散媒体と相互作用を有さなければならない。両方の要求は、粒子表面と結合するか相互作用する1つまたは複数の官能基またはセグメント、および、分散媒体中に伸びて安定化に必要なバリアをもたらすセグメントまたは尾部を特色とする二元官能基を含む高分子分散剤によって満たされることが可能である。実際には、二元官能基の最適化は、多くの向上した顔料分散体をもたらした。この二元官能基は、親水性および疎水性セグメントを有するポリマーを利用することにより達成される。
あるいは、高分子分散剤は、イオン性のメカニズムにより顔料を安定化させることが可能である。すなわち、安定化メカニズムは、イオン性反発力が粒子の凝集を妨げる帯電二重層メカニズムを介して安定化をもたらすポリマーに由来することを既述の高分子分散剤系が示唆する(米国特許第5,085,698号明細書を参照のこと)。
高分子分散剤は、もっとも頻繁に、立体メカニズムまたはイオン性メカニズムを介して安定化をもたらすと記載されるが、実際には、すべてではないが、ほとんどの現在の高分子分散剤系は、両方のメカニズムの組み合わせにより安定化するように見られる。単に、単一のメカニズムとの関連において記載されているこれらの安定化は、現在では、立体メカニズムおよびイオン性メカニズムの組み合わせであると考えられている。
本発明の文脈において、実質的に立体安定化を伴わずに機能する高分子分散剤でも、分散体を良好に安定化させることが可能であることがここに認識された。
それ故、特性の新たなバランスを有するポリマーが求められていた。ポリマーの疎水性性質は、おそらくはファンデルワールスおよび同様の非結合性の力(顔料への物理的吸着)により顔料表面に付着することが可能である点で重要である。本発明とおよび既述の系との間の主な差異は、本発明によれば、ポリマーの親水性部分が顕著に低減されている点である。しかも、ポリマーの疎水性/親水性セグメントは、親水性成分の大きな分子領域を最低限とするために、ポリマーに配分されている。これらの高密度の親水性基は、望ましくない立体安定化をもたらすことが可能である。
この新たな特性におけるバランスは、立体安定化がほとんどまたはまったく伴わず、高分子安定化がほとんどイオン性安定化のみに起因する水性顔料分散体をもたらす。「Powders, Handling, Dispersion of Powders in Liquids」、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、John Wiley and Sons(2003年)に記載されているとおり、立体安定化の存在を判定するための分光学的手段が存在するが、ISD高分子分散剤を利用する本発明による水性顔料ISDを特徴付けるためのより一般的な方法が開発されている。この方法は、塩安定性テストと呼ばれる。
塩安定性テスト
一連の異なる濃度の塩水溶液(典型的にはNaCl)が調製される。各塩溶液について、およそ1.5mL(約1.5g)が小型のガラスバイアルに添加される。
顔料分散体「濃縮物」について、1滴が塩溶液に添加されると共に、穏やかに混合される。約15重量%総固形分(典型的に)の顔料分散体濃縮物について、1滴は、典型的には合計で約0.04gであろう。インク(これは濃縮物の希釈形態とみなすことが可能である)に対するテストは、インクの固形分含有量が顔料分散体濃縮物のものよりも低く、従って、固形分の概算量を同一に維持するために塩溶液に添加されるインクの体積は増やす必要があること以外は、顔料分散体濃縮物に対する塩安定性テストにかなり類似している。約5重量%総固形分の典型的なインクに基づくと、約3倍の重量のインク(濃縮物と比して)が必要とされる。
上述の顔料分散体濃縮物の場合、濃縮物からの固形分の重量は、約1.5gの水性塩テスト溶液中に約0.006gであるか、または、水性塩テスト溶液の重量に基づいて約0.4重量%であろう。
上記で導かれる0.4重量%の数は塩安定性テストの適用には重大ではないが、所望される場合には標準点として用いることが可能であることに留意すべきである。塩安定性テストの結果が固形分と比した塩の濃度により関連しているため、および、顔料分散体の固形分含有量を正確に測定することが多少困難であり得るため、計測の標準については、以下の慣例が採用されることとする:
濃縮物(約10重量%以上の固形分)と見なされる顔料分散体については、1滴の分散体が1.5mL塩溶液に用いられるべきであり;
中度固形分含有量顔料分散体(約5〜10重量%固形分のインクおよび/または濃縮物)については、2滴の分散体が1.5mL塩溶液に用いられるべきであり、ならびに
より希釈顔料分散体(約5重量%固形分以下のインクなど)については、3滴の分散体が1.5mL塩溶液に用いられるべきである。
本発明のインクについては、この塩安定性テストを行うために3滴が用いられるが、顔料分散体がより高い濃度を有する場合には1滴または2滴が用いられてもよい。
上記に基づいて、適切な量の顔料分散体が塩溶液に添加されると共に、穏やかに混合される。24時間室温で静置させた後、サンプル安定性が以下のとおり格付けされる:
・等級3:顔料の完全な沈降;上部に透明で、無色の液体。
・等級2:無色透明な液体層はない;バイアルを傾けたときに、バイアルの底にはっきりとした沈降が観察される。
・等級1:無色透明な液体層はない;バイアルを傾ける最中にきわめてわずかな沈降(小さい分離されたスポット)が観察される。
・等級0:いかなる沈降の兆候もない。
沈降がはっきりと観察された塩濃度(等級2または3)が、顔料分散体に対する臨界凝集濃度とされる。このテストから、臨界凝集濃度が高まると、高分子(立体)安定化の役割がより支配的となり、静電安定化の安定化メカニズムとしての重要性は低くなることを推察することが可能である。
本発明に対する要求を満たすISDポリマー分散剤は、0.2モル濃度の塩濃度で等級2または3と格付けされる顔料分散体をもたらすものである。すなわち、本発明のISDポリマー分散剤は、ISD中の顔料と関連するとき、および、塩安定性テストによりテストされるとき、0.2モル塩濃度でテスト溶液から析出が観察されるであろう。格付け判断基準2および3は、各々が、析出の判断基準を満たすであろう。約0.18モル濃度以下の塩濃度で2または3と格付けされる顔料分散体がより好ましい。約0.16以下の塩濃度で2または3と格付けされる顔料分散体がさらにより好ましい。
塩水溶液について好ましい塩は、リチウム、ナトリウムまたはカリウム塩である。
上記に示されているとおり、および、さらなる明確化のために、塩安定性テストは、広く多様な顔料分散体固形分含有物について適用可能である。テストに対する1滴、2滴または3滴の定義は添加される固形分の量を明確に定義しないが、このテストはかなり柔軟であり、これらの一般性は、一貫した様式でサンプルを効果的に格付けするのに十分であることが見出された。換言すると、上記に定義されているテストは、テストされる分散体の固形分含有量における偏差にかかわらず一貫した有意義な結果をもたらし、それ故、本発明の文脈において定義として採用された。塩安定性テスト(この結果の一貫性を具体的に実証する)のさらなる詳細および実際の適用は、以下の実施例セクションに提供されている。
本出願のイオン的に安定化された分散体は、分散剤中の最低量のイオン性含有物、および、分散剤中の限定されたまたは無視可能な立体安定化含有物の存在により安定化される。得られた顔料分散体がきわめて微量のイオン性成分しか伴っていないのに、このように安定であるのは意外である。塩安定性テストは、塩の添加により分散体が悪影響を受けることになるという、この分散体の低イオン性特徴を識別する手段である。この影響は、塩安定性テストにおいて記載されている顔料析出において観察される。
この塩安定性テストに合格する可能性が高い分散された顔料の大きな区分は、自己分散顔料(SDP)として加工されてきた顔料である。しかしながら、SDPは、高分子分散剤が系の中に含まれていない点で本発明の判断基準を満たさない。SDPの存在を判定するためのインクまたは分散体のテストは以下のとおりである:
(a)HClを添加することによりインク(または分散体)を酸性化する。これは、COO-、SO3 -、ホスホネート等のようなSDPおよび分散剤上の水溶性成分を酸性化形態に転換させ、これにより、水性媒体における顔料および分散剤の溶解度を低下させる。水和性の共溶媒および界面活性剤が、このステップにより水性相に溶解されるべきである。得られた固体を分離する。あるいは、カチオンベースのインクについては、カチオン性安定化基を塩基化するためにアンモニアを添加することが可能である。
(b)得られた固体をテトラヒドロフラン(THF)で抽出する。これは、バインダおよび分散剤を分離された固体から除去して、実質的にポリマーを含まない顔料を残留させる。顔料に結合した封入剤が顔料上に残留し得る。
(c)得られた固体を乾燥させる。
(d)顔料を水で再分散させると共に、pHを約9に調整する。
(i)顔料が溶液中に再分散される場合には、この顔料は、分散部分が顔料粒子に共有結合しているSDPである。
(ii)顔料が再分散されず、未溶解のまま残留する場合には、これは、SDPではなく、ステップ(b)において除去された高分子成分によって安定な分散体に転換された従来の顔料である。
(e)得られた固体を乾燥させる。
顔料が、SDPと、既に援用された米国特許第6,440,203号明細書に記載のものなどの分散剤を含む従来の顔料との混合物である場合、ステップ(e)で残された顔料は、従来のポリマー分散顔料である可能性があり、ステップ(c)での質量と(e)での質量との差が顔料混合物を構成していたSDPであろう。
本発明のISDポリマー分散剤は二元官能基を有する。主たる部分は、顔料表面に対して吸引力を有する疎水性である。親水性部分は、得られる顔料分散剤が立体安定化をほとんどまたはまったく有せず、および、0.2モル塩溶液での塩安定性テストによりテストされた場合に、得られる顔料/ISDポリマー分散剤が析出するよう限定されている。
ISDポリマーは、明確な疎水性および親水性特性モノマーを反応させることにより形成されることが可能である。これらのモノマーの例は、アクリルモノマーおよびアクリレートモノマーであり、これらは、以下に説明されている。あるいは、高分子分散剤のISD性質は、他のタイプのモノマーの反応の結果であることが可能である。これの例は、ISD塩安定性判断基準を満たすポリウレタン分散剤であり、ここで、疎水性特性および親水性特性の有利なバランスは、ポリウレタン合成において用いられるモノマーおよび末端封止部分の両方に由来する可能性があり、従って、最終ポリウレタン生成物における得られる疎水性/親水性バランスは上記判断基準を満たす。
ISDポリマー分散剤は、疎水性および親水性モノマーの重合により調製される。顔料を含む高分子分散剤としてテストされた場合に、最終ポリマーが、得られる顔料/ISDポリマー分散剤が0.2モル塩溶液で塩安定性テストによりテストされた場合に析出する分散体をもたらすことを除き、これらのモノマーを重合する手段に対する限定はない。
ISDポリマー分散剤は、ランダム;直鎖コポリマー;または、ジブロック(A−B)あるいはトリブロック(A−B−AあるいはB−A−B)ポリマー、あるいはグラフトあるいは分岐ポリマーなどの構造化ポリマーであり得る。ポリマーは、フリーラジカル、イオン、基移動(GTP)、ラジカル付加フラグメンテーション(RAFT)、原子移動反応(ATR)、縮合反応等を含む多くの周知の重合プロセスのいずれかにより形成されることが可能である。このような重合プロセスの一般的な条件および例は、既に援用されている文献の多くに開示されている。
本発明のISDポリマー分散剤は二元官能基を有する。主たる部分は、顔料表面に対して吸引力を有する疎水性である。親水性部分は、得られる顔料分散剤が立体安定化をほとんどまたはまったく有せず、および、得られる顔料/ISDポリマー分散剤が、0.2モル塩溶液での塩安定性テストによりテストされた場合に析出するよう限定されている。
ISDポリマーは、明確な疎水性および親水性特性モノマーを反応させることにより形成されることが可能である。これらのモノマーの例は、アクリルモノマーおよびアクリレートモノマーであり、これらは、以下に説明されている。あるいは、高分子分散剤のISD性質はモノマーの反応の結果であることが可能である。これの例は、ISD塩安定性判断基準を満たすポリウレタン分散剤であり、ここで、疎水性特性および親水性特性の有利なバランスは、ポリウレタン合成において用いられるモノマーおよび最終ポリウレタン生成物における結果的な疎水性/親水性バランスの両方に由来する可能性がある。
好ましいISDポリマー分散剤は、アクリレートおよびアクリルなどの疎水性および親水性モノマーの重合により調製される。顔料を含む高分子分散剤としてテストされた場合に、最終ポリマーが、得られる顔料/ISDポリマー分散剤が0.2モル塩溶液で塩安定性テストによりテストされた場合に析出する分散体をもたらすことを除き、これらのモノマーを重合する手段に対する限定はない。
アクリル/アクリレートモノマーに由来するISDポリマー分散剤は、ランダム;直鎖コポリマー;または、ジブロック(A−B)あるいはトリブロック(A−B−AあるいはB−A−B)ポリマー、あるいはグラフトあるいは分岐ポリマーなどの構造化ポリマーであり得る。ポリマーは、フリーラジカル、イオン、基移動(GTP)、ラジカル付加フラグメンテーション(RAFT)、原子移動反応(ATR)等を含む多くの周知の重合プロセスのいずれかにより形成されることが可能である。このような重合プロセスの一般的な条件および例は、既に援用されている文献の多くに開示されている。
アクリル/アクリレートモノマーに由来するポリマー分散剤は、疎水性および親水性モノマーのコポリマーである。前駆体モノマーは以下のとおり表示されることが可能であり、式中、Aは疎水性セグメントのためのモノマーを表し、Bは親水性セグメントのためのモノマーを表し、ZaはAモノマー上の疎水性置換基を示し、およびZbはBモノマー上の親水性置換基を示す。モノマーの2つ以上のタイプの1タイプが各セグメントに存在し得る。
Figure 2015045001
AおよびBについて、ISD分散剤をもたらすであろう構造の好ましい例は、式中、Ra〜Rfの各々がHおよび1〜20個の炭素を有するアルキル、アリールまたはアルキルアリール基からなる群から独立して選択され、ならびに、式中、ZaおよびZbが以下に記載されているものである。好ましい一実施形態において、Ra〜Rfの各々は、HおよびCH3からなる群から選択される。他の好ましい実施形態において、Ra〜RbおよびRd〜Reの各々はHであり、ならびに、RcおよびRfの各々は、HおよびCH3から独立して選択される。
ISDポリマー分散剤の親水性組成物は、既に援用されている文献の多くにおいて記載されている公知の高分子分散剤と比して最低限とされている。ISDポリマー分散剤の親水性はモノマーB上のイオン性置換基(Zb)に由来する。
b基は、アニオン性、カチオン性、両性または両性イオン性の親水性成分であることが可能である。ノニオン性成分もまた、含まれることによって、顔料を含む高分子分散剤が塩テストにより規定される判断基準を満たさないような十分な立体安定化がもたらされない限り、高分子分散剤中に含まれていることが可能である。ノニオン性成分を含むポリマーの場合、塩テストは、0.2モル以下の濃度のイオン濃度で「不合格」の塩テストを達成するために、どの疎水性/親水性/ノニオン性バランスが必要であるかを判定する手段を提供する。Zb基の例としては:
− アニオン性、例えば、スルホン酸塩、硫酸塩、スルホコハク酸塩、カルボン酸塩、リン酸塩
− カチオン性、例えば、第4級アミン塩を含むアミン
− 両性、例えば、N−>O
− 両性イオン性、例えば、ベタイン、+N−C−CO2−、レシチン
が挙げられる。
親水性モノマーは、単一のZb置換基、または、Zb基の組み合わせを有し得る。Zb基は、その水素置換形態として、または、塩として存在する。
好ましい親水性モノマーとしては、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、クロトン酸、クロトン酸モノエステル、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、t−ブチルアミノエチルアクリレート、ビニルピリジン、N−ビニルピリジン、および2−アクリルアミド−2−プロパンスルホン酸が挙げられる。
他の親水性ノニオン性モノマーが含まれていてもよい。好ましい親水性モノマーとしては、例えば、エトキシトリエチレングリコールメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、およびヒドロキシプロピルアクリレートが挙げられる。
ISDポリマー分散剤の疎水性組成物は、既に援用されている文献の多くにおいて記載されている公知の高分子分散剤と比して、最大限とされている。ISDポリマー分散剤の疎水性は、モノマーA上の疎水性置換基(Za)に由来する。
好ましい実施形態において、Zaは:
(a)1〜20個の炭素原子を含有するアルキル、アリールおよびアルキルアリール基であって、1つまたは複数のヘテロ原子をさらに含有していてもよい基、
(b)構造C(O)ORg(式中、Rgは、1〜20個の炭素原子を含有する、アルキル、アリールおよびアルキルアリール基からなる群から選択される)の基であって、1つまたは複数のヘテロ原子をさらに含有していてもよい基、ならびに
(c)構造C(O)NRhi(式中、RhおよびRiの各々は、H、ならびに、1〜20個の炭素原子を含有する、アルキル、アリールおよびアルキルアリール基からなる群から独立して選択される)の基であって、1つまたは複数のヘテロ原子をさらに含有していてもよい基
からなる群から選択される。
好ましい疎水性モノマーとしては、普通、例えば、ベンジルメタクリレート、ブチルメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、ラウリルエタクリレート、メタクリル酸ステアリル、フェニルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、メタクリロニトリル、グリシジルメタクリレート、p−トリルメタクリレート、ソルビルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、アクリル酸ステアリル、フェニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、アクリロニトリル、グリシジルアクリレート、p−トリルアクリレート、ソルビルアクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、置換スチレン、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、ビニルアセテート、ビニルブチレートおよびビニル安息香酸塩が挙げられる。
A(疎水性)の好ましい例は、ZaがC(O)ORg、C(O)NRhiおよびCNからなる群から選択されるアクリルモノマーである。好ましい一実施形態において、Rgは、1〜20個の炭素原子を有する、アルキル、アリールおよびアルキルアリール基からなる群から選択され、この基は、1つまたは複数のヘテロ原子をさらに含有していてもよく;ならびに、RhおよびRiは、H、および、1〜9個の炭素原子を有するアルキル、アリールまたはアルキルアリール基からなる群から独立して選択される。Aモノマーのポリマーセグメントは、少なくとも約300の数平均分子量を有すると共に、不水溶性であることが好ましい。
ISDポリマー分散剤を生成する(すなわち、塩安定性テストを満足するISDを生成する)いずれかの高分子系は本発明の高分子要求を満たすこととなる点で、このリストは限定的ではない。
モノマーAおよびBを組み合わせてISD高分子分散剤を調製する重合法に対する限定はない。重合法の例としては、これらに限定されないが、フリーラジカルプロセス、基移動プロセス(GTP)等が挙げられる。
本発明の文脈における使用に好ましいアクリル/アクリレートモノマーに由来するISDポリマー分散剤は、300超、好ましくは800超、および、約30,000未満、好ましくは約20,000未満、および、典型的には、約1,000〜約6,000の範囲の数平均分子量を有する。
アクリル/アクリレートモノマーに由来するISDポリマー分散剤は、イオン性含有物の量に限定されている。ランダム、直鎖コポリマー、ジブロック、グラフトおよび分岐ポリマーについて、親水性モノマーの限度は、すべてのモノマーに基づいて約1モルパーセント〜約20モルパーセント未満である。あるいは、親水性モノマーの限度は、すべてのモノマーに基づいて約2モルパーセント〜約15モルパーセント未満である。ABAトリブロックについて、限度は、約2モルパーセント〜約38モルパーセント未満および、あるいは、約25モルパーセント未満である。BABトリブロックについて、限度は、約2モルパーセント〜約25モルパーセント未満である。これらのイオン性限度の各々について、顔料分散体またはインクジェットインクの塩安定性テストが、イオン性含有物に対する判定要因である。
アクリル/アクリレートモノマーに由来するISD高分子分散剤の低親水性含有物の結果の一つは、その水溶性が低いことである。水は、当然、インクジェットインクのための好ましい媒体である。それ故、ISDポリマー分散剤から安定な水性分散体を調製するためには、分散剤および顔料の初期物理的混合物を得ることが可能であるように、アクリル/アクリレートモノマーに由来する顔料およびISDポリマー分散剤の初期混合物がISDポリマー分散剤を十分に可溶化させる水和性の溶剤を含んでいることが好ましい。次いで、アクリル/アクリレートモノマーに由来するこのISD高分子分散剤、顔料および溶媒混合物が従来の分散処理により処理されて、安定なISD高分子分散剤/顔料組み合わせが水性ビヒクル中に形成されることが可能である。この水性ビヒクルは、それ故、水および水和性の溶剤の組み合わせであることが可能である。候補となる溶剤系は、周知の溶解度パラメータ法を用いてアクリル/アクリレートモノマーに由来するISD高分子分散剤の溶解度を研究することにより判定されることが可能である。
ISD高分子分散剤に関して他の好ましい高分子系は、分散剤として作用することが可能であると共に塩安定性テストにより判定されるISD判断基準を満たすポリウレタンが得られるようイソシアネート、ジオールおよびイオン性構成成分が選択された、尿素末端ポリウレタンである。以下に記載の尿素末端ポリウレタンはイオン性含有物が最低限とされており、このISD判断基準を満たす尿素末端ポリウレタンをもたらす。以下に記載のポリウレタンインク添加剤は、特性のバランスが塩安定性判断基準を満たす場合、ISD分散剤であることが可能である。
本発明のISDおよびインク組成物は、当該技術分野において公知である方法によって調製され得る。ISDを濃縮物形態で形成し、その後、これを所望の添加剤を含有する好適な液体で希釈することが一般に望ましい。ISDは、先ず、選択された顔料およびISD高分子分散剤を水性キャリア媒体(水および、場合により、水−混和性の溶剤など)中に予め混合し、次いで、顔料を分散または解凝させることにより調製される。分散ステップは、2−ロールミル、媒体ミル、水平ミニミル、ボールミル、磨砕機において、または混合物を、液体噴射相互作用チャンバ内の複数のノズルに、少なくとも5,000psiの液体圧力で通過させて、顔料粒子の水性キャリア媒体中の均一な分散体(マイクロ流動化装置)を生成することにより達成され得る。あるいは、濃縮物は、高分子分散剤および顔料を圧力下での乾燥ミルにより調製され得る。媒体ミル用の媒体は、ジルコニア、YTZおよびナイロンを含む一般に入手可能である媒体から選択される。これらの種々の分散体プロセスは、米国特許第5022592号明細書、米国特許第5026427号明細書、米国特許第5310778号明細書、米国特許第5891231号明細書、米国特許第5679138号明細書、米国特許第5976232号明細書、米国特許出願公開第20030089277号明細書により例示されるとおり、一般的な意味で当該技術分野において周知である。これらの文献はすべて、本願明細書における参照によりすべての目的のためにその内容全体を本願明細書に記載したものとして援用される。2−ロールミル、媒体ミル、および混合物を液体噴射相互作用チャンバ内の複数のノズルに、少なくとも5,000psiの液体圧力で通過させることが好ましい。
ミルプロセスが完了した後、顔料濃縮物は、水性系中に「薄め」られ得る。「薄め」られるとは、混合または分散での濃縮物の希釈を指し、混合/分散の強度は、通常、試行および慣例の方法を用いる誤差により判定され、および度々、高分子分散剤、溶剤および顔料の組み合わせに依存する。高分子分散剤、溶剤および顔料のすべての組み合わせについて、十分に薄める条件の判定が必要である。
ISDの調製の後、水和性の溶剤の量が、いくつかのインクジェット用途が許容するであろう量を超える可能性がある。いくつかのISDに関しては、それ故、最終的な分散体を限外ろ過して、水和性の溶剤の量を減らす必要があり得る。安定性を向上させると共に顔料分散体の粘度を低減させるために、約30℃〜約100℃、好ましくは約70℃の温度で、約10〜約24時間の加熱により加熱処理がなされ得る。より長時間の加熱も分散体の性能には影響しない。
顔料を安定化させるために必要とされる高分子ISD分散剤の量は、特定のISD分散剤、顔料およびビヒクル相互作用に依存する。顔料対高分子ISD分散剤の重量比は、典型的には、約0.5〜約6の範囲であろう。好ましい範囲は約0.75〜約4である。
理論には束縛されないが、ISDは、以下の手段により向上したインク特性を提供すると考えられている。安定な水性分散体は、インクジェットインクがインクカートリッジの長寿命を確保するため、および、ノズル詰まり等といった問題を少なくするため、重大である。しかしながら、インクは、インク中の顔料が媒体の表面上に「クラッシュアウト(crash out)」する(媒体に吸収されるのとは対照的に)よう、媒体上に噴射されるに伴って不安定になることが望ましい。媒体の表面上に顔料があることにより、インクの有益な特性を達成することが可能である。
ISD高分子分散剤は、(カートリッジ中のものなどの)噴射前のインクを十分に安定化させるが、インクが紙の上に噴射されるに伴って、顔料系を不安定化させると共に顔料を媒体の表面上に残留させる新規な分散剤を提供する。これが向上したインク特性をもたらす。
ISDで形成されたインクジェットインクの疎水性性質は、光学密度および彩度を顕著に向上させる。IS&T’s NIP 18:2002年、International Conference on Digital Printing Technologies、369ページにおける顔料インクの最近の考察は、普通紙上に噴射された場合に、紙表面上に残留する顔料をもたらす疎水性顔料配合物を記載している。顔料のこの表面堆積物は、より良好な光学密度および彩度をもたらす。本発明のISDは、疎水性をさらに高レベルとして、光学密度、彩度、光沢および画像の鮮明性のさらにより良好な組み合わせを達成する。
ポリウレタンインク添加剤
ポリウレタンインク添加剤は、ポリウレタン構造の主鎖中にウレタン結合を有するポリウレタンである。これらのポリウレタンは、可溶性であるか、または、コロイド状分散体、エマルジョン、懸濁液あるいはスラリーの形態であり得る。
ポリウレタンインク添加剤の好ましい形態は、水分散性ポリウレタンである。本発明によれば、「ポリウレタン添加剤」という用語は、その用語が当業者により理解されるとおり、ウレタン基および任意により尿素基を含有するポリマーの水性分散体を指すことが可能である。これらのポリマーにはまた、水中でのポリマーの安定な分散体を維持するために必要とされる程度で親水性官能基が組み込まれている。
好ましいポリウレタンインク添加剤は、ポリマーが、主に、中和された酸基などの、組み込まれたイオン性官能基、特にアニオン性官能基を介して分散体中に安定化されているものである(「アニオン的に安定なポリウレタン分散体」)。さらなる詳細が以下に提供されている。
さらに好ましいポリウレタンインク添加剤は、a.)尿素末端封止されているか、または、b.)または架橋されているものである。尿素末端ポリウレタンは、ウレタン樹脂に対して少なくとも2重量%のポリウレタンの尿素末端ポリウレタン部の重量分率を有する。架橋ポリウレタンは、水性インクの総重量に基づいて約0.5%超〜約30重量%の重量範囲でインク中に存在し、ここで、架橋ポリウレタンにおける架橋の量は、THF不溶分テストによる測定で約1%超、かつ、約50%未満である。
このような水性ポリウレタンインク添加剤は、典型的には、過剰量のNCO基を有するイソシアネート(N=C=O、NCO)プレポリマーが先ず形成されると共に、その後、鎖が単官能性イソシアネート反応性基で末端封止されるか、または、鎖が任意により多官能基鎖延長剤の存在下に、水性相中で延長される多段プロセスにより調製される。多官能基鎖延長剤の場合、これは、ポリウレタン添加剤の架橋をもたらすこととなる。また、NCOプレポリマーも、典型的には、多段プロセスにより形成される。尿素末端ポリウレタンに関して、NCOプレポリマーが第一級または第二級アミンと反応させられて、ポリウレタンが尿素末端封止される。架橋ポリウレタンを形成する他の手段が以下に記載されているが、好ましい架橋ポリウレタンもまた、NCOプレポリマーを重要な中間体として有し、これが、次いで、少なくとも三置換第二級および/または第一級アミンと反応されて、架橋が生成される。架橋の最中には、一および二置換アミンが、三置換架橋剤と一緒に存在していてもよい。
典型的には、プレポリマー形成の第1のステージにおいては、ジイソシアネートが、1種または複数種のイソシアネート−反応性基および少なくとも1種の酸または酸塩基を含有する化合物と反応して、中間体生成物が形成される。酸または酸塩基は、ジイソシアネート化合物の一部またはイソシアネート反応性基を含有する化合物の一部であり得る。イソシアネート基対イソシアネート−反応性基のモル比は、イソシアネート官能基の当量がイソシアネート−反応性官能基の当量より大きく、少なくとも1つのNCO基により末端封止された中間体生成物がもたらされるようなものである。それ故、イソシアネート基対イソシアネート−反応性基のモル比は、少なくとも約1.01〜1.4:1、好ましくは1.05〜1.25:1およびより好ましくは1.1〜1.15:1である。一例として、ジイソシアネートは、イオン基を有するジオールの存在下にジオールと反応性であって、富イソシアネートプレポリマーが生成され、これが、次いで、さらに反応される。
好適なイソシアネートは、イソシアネート基に結合した芳香族、脂環式または脂肪族基のいずれかを含有するものである。これらの化合物の混合物もまた用いられ得る。脂環式または脂肪族部分に結合したイソシアネートを有する化合物が好ましい。芳香族イソシアネートが用いられる場合、脂環式または脂肪族イソシアネートもまた存在することが好ましい。構造I、R1は、好ましくは、脂肪族基で置換されていることが可能である。
ジイソシアネートが好ましく、ポリエーテルグリコール、ジイソシアネートとジオールまたはアミンからのポリウレタンおよび/またはポリウレタン−尿素の、調製に有用であるいずれかのジイソシアネートを本発明において用いることが可能である。
好適なジイソシアネートの例としては、これらに限定されないが、2,4−トルエンジイソシアネート(TDI);2,6−トルエンジイソシアネート;トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI);4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI);4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI);3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジイソシアネート(TODI);ドデカンジイソシアネート(C12DI);m−テトラメチレンキシリレンジイソシアネート(TMXDI);1,4−ベンゼンジイソシアネート;トランス−シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート;1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI);1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI);4,6−キシリレンジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート(IPDI);およびこれらの組み合わせが挙げられる。IPDIおよびTMXDIが好ましい。
少量、好ましくは、ジイソシアネートの重量に基づいて約3重量%未満のモノイソシアネートまたはポリイソシアネートを、ジイソシアネートとの混合物において用いることが可能である。有用なモノイソシアネートの例としては、オクタデシルイソシアネートなどのアルキルイソシアネートおよびフェニルイソシアネートなどのアリールイソシアネートが挙げられる。ポリイソシアネートの例は、トリイソシアナトトルエンHDI三量体(Desmodur 3300)、および高分子MDI(Mondur MRおよびMRS)である。
酸基、すなわち、カルボン酸基、カルボキシレート基、スルホン酸基、スルフォン酸基、リン酸基およびホスホン酸基を含有するイソシアネート−反応性化合物がポリウレタンに化学的に組み込まれて、親水性がもたらされると共に、ポリウレタンを水性媒体中に安定的に分散させる。酸塩は、対応する酸基を、NCOプレポリマーの形成前、その最中、または、その後のいずれかに、好ましくはNCOプレポリマーの形成の後に、中和することにより形成される。カルボン酸またはカルボン酸塩を含有するイソシアネート反応性化合物が好ましい。
カルボキシル基を組み込むために好適な化合物は、米国特許第3,479,310号明細書、米国特許第4,108,814号明細書および米国特許第4,408,008号明細書に記載されており、これらは、本明細書における参照によりすべての目的のためにその内容全体が本明細書に記載されたものとして援用される。カルボン酸基をカルボン酸塩基に転換するための中和剤は、前述の米国特許に記載されていると共に、これらは本明細書においても後述されている。本発明の文脈において、「中和剤」という用語は、カルボン酸基を親水性カルボン酸塩基に転換するために有用なすべてのタイプの薬剤を包含することを意味する。
好ましいカルボン酸基含有化合物は、構造(HO)jQ(COOH)k(式中、Qは、1〜12個の炭素原子を含有する直鎖または分岐、炭化水素ラジカルを表し、jは1または2、好ましくは2であり、および、kは1〜3、好ましくは1または2、より好ましくは1である)に対応するヒドロキシ−カルボン酸である。
これらのヒドロキシ−カルボン酸の例としては、クエン酸、酒石酸およびヒドロキシピバル酸が挙げられる。特に好ましい酸は、上述の構造(式中、j=2およびk=1)のものである。これらのジヒドロキシアルカン酸は、本明細書における参照によりすべての目的のためにその内容全体が本明細書に記載されたものとして援用される米国特許第3412054号明細書に記載されている。特に好ましいジヒドロキシアルカン酸は、構造式:
Figure 2015045001
(式中、Q’は水素、または、1〜8個の炭素原子を含有するアルキル基である)
によって表されるα,α−ジメチロールアルカン酸である。もっとも好ましい化合物は、α,α−ジメチロールプロピオン酸(すなわち、上記式において、Q’がメチルである)である。
酸基は、少なくとも約10、好ましくは少なくとも約18ミリグラムのKOH/1グラムのポリウレタン樹脂固形分のイオン基含有量をもたらすのに十分な量で組み込まれる。酸基の含有量の上限は、1gのポリウレタン樹脂固形分当たり、約100、好ましくは約60、およびより好ましくは約40ミリグラムである。このイオン基含有量は、ポリウレタン樹脂固形分の酸価に等しい。
イソシアネート反応性基化合物としては、ポリオール、特にジオールが挙げられる。前付加物と反応されてNCOプレポリマーを調製し得る、少なくとも2つのヒドロキシ基を含有する好適なポリオールは、約120〜約6000、好ましくは約400〜約3000、およびより好ましくは約600〜約2500の分子量を有するものである。分子量は、数平均分子量(Mn)であると共に、末端基分析(OH数、ヒドロキシル分析)により測定される。これらの高分子量化合物の例としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリヒドロキシポリカーボネート、ポリヒドロキシポリアセタール、ポリヒドロキシポリアクリレート、ポリヒドロキシポリエステルアミドおよびポリヒドロキシポリチオエーテルが挙げられる。ポリオールの組み合わせもまたポリウレタンにおいて用いることが可能である。
好適なポリエステルポリオールとしては、多価、好ましくは、三価アルコールが付加され得る二価アルコールと、多塩基性、好ましくは二塩基性カルボン酸との反応生成物が挙げられる。これらのポリカルボン酸の代わりに、低級アルコールの対応するカルボン酸無水物もしくはポリカルボン酸エステル、または、これらの混合物が、ポリエステルの調製に用いられ得る。ポリカルボン酸は、脂肪族、脂環式、芳香族および/または複素環式であり得、これらは、例えばハロゲン原子で置換されていてもよく、および/または、不飽和であってもよい。以下が例として挙げられる:コハク酸;アジピン酸;スベリン酸;アゼライン酸;セバシン酸;フタル酸;イソフタル酸;トリメリト酸;フタル酸無水物;テトラヒドロフタル酸無水物;ヘキサヒドロフタル酸無水物;テトラクロロフタル酸無水物;エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物;グルタル酸無水物;マレイン酸;マレイン酸無水物;フマル酸;単量体脂肪酸が混合されてもよい、オレイン酸などの、二量体および三量体脂肪酸;ジメチルテレフタレートおよびビス−グリコールテレフタレート。
好適な多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール;プロピレングリコール−(1,2)および−(1,3);ブチレングリコール−(1,4)および−(1,3);ヘキサンジオール−(1,6);オクタンジオール−(1,8);ネオペンチルグリコール;シクロヘキサンジメタノール(1,4−ビス−ヒドロキシメチル−シクロヘキサン);2−メチル−1,3−プロパンジオール;2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール;トリエチレングリコール;テトラ−エチレングリコール;ポリエチレングリコール;ジプロピレングリコール;ポリプロピレングリコール;ジブチレングリコールおよびポリブチレングリコール、グリセリンならびにトリメチロール−プロパンが挙げられる。
ポリエステルはまた、カルボキシル末端基の一部分を含有し得る。例えばε−カプロラクトンといったラクトンのポリエステル、または、例えばω−ヒドロキシカプロン酸といったヒドロキシカルボン酸もまた用いられ得る。
水酸基を含有するポリカーボネートとしては、プロパンジオール−(1,3)、ブタンジオール−(1,4)および/またはヘキサンジオール−(1,6)などのジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールあるいはテトラエチレングリコールと、ホスゲン、ジフェニルカーボネートなどのジアリールカーボネートとの、または、エチレンもしくはプロピレンカーボネートなどの環式炭酸塩との反応から得られる生成物などの、それ自体公知であるものが挙げられる。上述のポリエステルまたはポリラクトンと、ホスゲン、ジアリール炭酸塩または環式炭酸塩とから得られるポリエステル炭酸塩も好適である。好適なポリエーテルポリオールは、反応性水素原子を含有する出発化合物とエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、テトラヒドロフラン、エピクロロヒドリンなどのアルキレンオキシド、または、これらのアルキレンオキシドの混合物との反応による、公知の様式で入手される。より好ましくは、エチレンオキシドの付加なしで得られるポリエーテルが用いられる。反応性水素原子を含有する好適な出発化合物としては、ポリエステルポリオールの調製について記載されている多価アルコール、ならびに、これに加えて、水、メタノール、エタノール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、マンニトール、ソルビトール、メチルグリコシド、スクロース、フェノール、イソノニルフェノール、レソルシノール、ハイドロキノン、1,1,1−または1,1,2−トリス−(ヒドロキシフェニル)エタンが挙げられる。
好ましいポリエーテルジオールは、1,3−プロパンジオール(PO3G)から誘導される。採用されるPO3Gは、種々の周知の化学的経路または生化学的形質変換経路のいずれかにより入手され得る。好ましくは、1,3−プロパンジオールは、再生可能な原料から生化学的に得られる(「生物学的に誘導された」1,3−プロパンジオール)。この生化学的に得られた1,3−プロパンジオールの説明は、共同出願されていると共に同時係属中の米国特許出願第11/782098号明細書(2007年7月24日出願)に見出すことができ、この開示は、本明細書における参照によりすべての目的のためにその内容全体が本明細書に記載されたものとして援用される。
アミン化合物を含有する出発化合物の反応により得られたポリエーテルも用いることが可能であるが、本発明における使用については好ましさに劣る。これらのポリエーテル、ならびに、好適なポリヒドロキシポリアセタール、ポリヒドロキシポリアクリレート、ポリヒドロキシポリエステルアミド、ポリヒドロキシポリアミドおよびポリヒドロキシポリチオエーテルの例は、本明細書における参照によりすべての目的のためにその内容全体が本明細書に記載されたものとして援用される米国特許第4,701,480号明細書に開示されている。
水酸基を含有するポリ(メタ)アクリレートとしては、カチオン性、アニオン性およびラジカル、重合等などの付加重合の技術分野において一般的であるものが挙げられる。α〜ωジオールが好ましい。これらのタイプのジオールの一例は、ポリマーの終端またはその付近への1つの水酸基の配置を可能とする「リビング」または「制御」または連鎖移動重合プロセスにより調製されるものである。米国特許第6,248,839号明細書および米国特許第5,990,245号明細書(共に、本明細書における参照によりすべての目的についてその内容全体が本明細書に記載されたものとして援用される)が末端ジオールを形成するための手順の例を有する。
NCOプレポリマーを調製するための他の任意の化合物としては、約400以下の平均分子量を有する低分子量、少なくとも二官能性イソシアネート−反応性化合物が挙げられる。例としては、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールの調製について既述である二価および高級官能基アルコールが挙げられる。
好ましくは、イソシアネートポリ付加反応における二官能性である上述の成分に追加して、単官能性部分、およびさらにトリメチロールプロパンまたは4−イソシアナト−メチル−1,8−オクタメチレンジイソシアネートなどのポリウレタン化学における一般に知られている三官能性およびより高次な官能性成分の小さな部分が、NCOプレポリマーまたはポリウレタンのわずかな分枝が所望される特別な事例において用いられ得る。しかしながら、NCOプレポリマーは、実質的に直鎖であるべきであり、および、これは、プレポリマー出発成分の平均的な官能性を2:1以下に維持することにより達成され得る。
他の任意の化合物としては、側方または末端、親水性エチレンオキシド単位を含有するイソシアネート−反応性化合物が挙げられる。親水性エチレンオキシド単位の含有量(存在する場合)は、ポリウレタンの重量に基づいて、約50重量%以下、好ましくは約40重量%以下であり得る。
他の任意の化合物としては、自己縮合性部分を含有するイソシアネート−反応性化合物が挙げられる。これらの化合物の含有量は、所望される樹脂特性を提供するために必要な自己縮合の所望のレベルに応じる。3−アミノ−1−トリエトキシシリル−プロパンが、アミノ基を介してイソシアネートと反応し、さらに水に転化される場合にシリル基を介して自己縮合するであろう化合物の例である。
イソシアネート反応性基を有する非縮合性シランは、自己縮合性部分を含有するイソシアネート−反応性化合物の代わりに、またはこれと併せて用いることが可能である。米国特許第5,760,123号明細書および米国特許第6,046,295号明細書(共に、本明細書における参照によりすべての目的についてその内容全体が本明細書に記載されたものとして援用される)が、これらの任意のシラン含有化合物の使用に関する例示的な方法である。
NCOプレポリマーを調製するためのプロセス条件は、参照により既に援用されている特許において検討されている。最終のNCOプレポリマーは、プレポリマー固形分の重量に基づいて、約0.5〜約20%、好ましくは約1〜約10重量%の遊離イソシアネート含有量を有するべきである。
ポリウレタンは、これらのNCOプレポリマーの鎖長を延長させることにより調製することが可能である。鎖延長剤は、本明細書において本明細書における参照によりすべての目的のためにその内容全体が本明細書に記載されたものとして援用される米国特許第4,269,748号明細書および米国特許第4,829,122号明細書において開示されているとおり、任意により、部分的にまたは全体的にブロックされることが可能であるポリアミン鎖延長剤を含む。これらの特許は、NCOプレポリマーと少なくとも部分的にブロックされたジアミンまたはヒドラジン鎖延長剤とを水の不在下で混合すると共に、次いで、この混合物を水に添加することによる水性ポリウレタン分散体の調製を開示する。水との接触で、ブロック剤が放出されると共に、得られた未ブロックのポリアミンがNCOプレポリマーと反応してポリウレタンが形成される。
好適なブロックアミンおよびヒドラジンとしては、ポリアミンがケトンとアルデヒドに反応して形成されるケチミンおよびアルジミン、ならびに、ヒドラジンがケトンとアルデヒドに反応して形成されるケタジン、アルダジン、ケトンヒドラゾンおよびアルデヒドヒドラゾンを含む反応生成物が挙げられる。少なくとも部分的にブロックされたポリアミンは、1つ以下の第一級または第二級アミノ基、ならびに、水の存在下に遊離第一級または第二級アミノ基を遊離させる、少なくとも1つのブロック第一級または第二級アミノ基を含有する。
少なくとも部分的にブロックされたポリアミンを調製するために好適なポリアミンは、2〜6、好ましくは2〜4およびより好ましくは2〜3の平均的な官能性、すなわち、分子当たりのアミン窒素の数を有する。所望の官能性は、第一級または第二級アミノ基を含有するポリアミンの混合物を用いることにより得ることが可能である。ポリアミンは、一般に芳香族、脂肪族または脂環式アミンであると共に、1〜30個、好ましくは2〜15個およびより好ましくは2〜10個の炭素原子を含有する。これらのポリアミンは、追加の置換基を含有していてもよいが、ただし、これらが、第一級または第二級アミンほどイソシアネート基と反応性ではないことを条件とする。これらの同一のポリアミンは、部分または完全ブロックポリアミンであることが可能である。
鎖延長および/または架橋に用いられる好ましいポリアミンとしては、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンイソホロンジアミンまたはIPDA、ビス−(4−アミノ−シクロヘキシル)−メタン、ビス−(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)−メタン、1,6−ジアミノヘキサン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミンおよびペンタエチレンヘキサミンが挙げられる。
鎖延長剤がプレポリマーの過剰量のNCO基との反応に用いられる場合、本発明に準拠して用いられるべき鎖延長剤の量は、プレポリマー中の末端イソシアネート基の数に応じる。好ましくは、プレポリマーの末端イソシアネート基対鎖延長剤のイソシアネート−反応性基の比は、当量基準で、約1.0:0.6〜約1.0:1.1、より好ましくは約1.0:0.8〜約1.0:0.98である。アミンで鎖延長されていないイソシアネート基はいずれかも水と反応し、ジアミン鎖延長剤として機能するであろう。
鎖延長は、プロセスへの水の添加の前に行われることが可能であるが、典型的には、NCOプレポリマー、鎖延長剤、水および他の任意の成分を掻き混ぜながら組み合わせることにより行われる。
ポリウレタンは、多様な技術により特徴付けられることが可能である。1つの技術は、示差走査熱量測定法分析である。この方法は、ポリウレタンの熱転換により特徴付けられる。初期のTgが、ポリウレタンの特徴特性である。
好適なポリウレタン添加剤は、水と混合された場合に、または、ポリウレタンを調製した水溶液中において、分散体を形成するであろう。ポリウレタン添加剤の粒径は、典型的には、約30〜約100,000nmの範囲内である。インクジェットインク用のポリウレタン添加剤についての好ましい範囲は、約30〜約350nmである。
ポリウレタン合成ステップに化学的に関与することのない他のモノマーおよび/またはオリゴマーを添加することが可能である。この添加は、ポリウレタン合成に干渉しない限りにおいて、合成サイクルのどの箇所でもすることが可能である。適合性のオリゴマー/モノマーの特定の例は、スチレンアリルアルコールである。
安定なポリウレタン分散体を得るために、任意の親水性エチレンオキシド単位および任意の外部的な乳化剤と組み合わされたときに、得られるポリウレタンが水性媒体中に安定して分散されたままとなるよう、十分な量の酸基が中和されなければならない。一般に、少なくとも約75%、好ましくは少なくとも約90%の酸基が、対応するカルボン酸塩基に中和される。ポリウレタン添加剤のために好ましい分散体安定化手段は、エチレンオキシド置換基および外部的な乳化剤を伴わないカルボキシレート基である。
NCOプレポリマーへの組み込みの前、その最中、または、その後で酸基を塩基に転化するために好適な中和剤としては、第三級アミン、アルカリ金属カチオンおよびアンモニアが挙げられる。これらの中和剤の例は米国特許第4,501,852号明細書および米国特許第4,701,480号明細書に開示されており、これらの両方は、本明細書における参照によりすべての目的のためにその内容全体が本明細書に記載されたものとして援用される。
中和は、プロセス中の如何なる点で行われてもよい。典型的な手法は、プレポリマーの少なくともいくらかの中和、次いで、追加の中和剤の存在下での、水中でのその鎖延長を含む。
添加剤における好ましいポリウレタンは、a)尿素末端ポリウレタンおよびb)架橋ポリウレタンから選択される。
尿素末端ポリウレタン添加剤
任意のポリウレタンインク添加剤は、一般構造(I)の尿素末端ポリウレタンであることが可能である。
Figure 2015045001
(R1=ジイソシアネートからのアルキル、置換アルキル、置換アルキル/アリールであり、
2=ジオールからのアルキル、置換/分岐アルキルであり、
3=水素;アルキル;アミン末端封止基からの非イソシアネート反応性置換アルキル、イソシアネート反応性置換アルキル、または分岐アルキルであり;
4=水素;アルキル;アミン末端封止基からの非イソシアネート反応性置換アルキル、イソシアネート反応性置換アルキル、または分岐アルキルであり;
イソシアネート反応性基はヒドロキシル、カルボキシル、メルカプトまたはアミドから選択され;
n=2〜30であり;
ならびに、R2=Z1、Z2またはZ3であり、かつ、少なくとも1つのZ1またはZ3および少なくとも1つのZ2がポリウレタン組成物中に存在していなければならず;
Figure 2015045001
pは1以上であり、
p=1である場合、mは2以上〜約36であり、
p=2以上である場合、mは2以上〜約12であり;
5、R6=水素、アルキル、置換アルキル、アリールであり;ここで、R5はR5およびR6置換メチレン基の各々と同一または異なっており、R5とR5またはR6とは結合して環構造を形成していることが可能であり;
2は、イオン基で置換されたジオールであり;
3は、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリエステルカーボネートジオールおよびポリアクリレートジオールから選択される;)
ここで、尿素末端ポリウレタンインク添加剤の尿素含有量はポリウレタン樹脂の少なくとも2重量%である。
構造Iは尿素末端ポリウレタンインク添加剤を示すと共に、構造IIは、構造I用の構築ブロックであるジオールおよびポリエーテルジオールを示す。pが1である場合、ジオールは第一級イソシアネート反応性基であると共に、およびpが1超である場合、ジオールはポリエーテルジオールとして特徴付けられる。
調製における第1のステップは:
(a)(i)ジオールを含む少なくとも1種のポリエーテルジオールZ1またはZ3成分、(ii)ジイソシアネートを含む少なくとも1種のポリイソシアネート成分、および(iii)イオン基Z2を含有する少なくとも1種のイソシアネート反応性処方成分を含む少なくとも1種の親水性反応体を含む反応体を提供するステップ;
(b)(i)、(ii)および(iii)を、水和性の有機溶剤の存在下に反応させて、イソシアネート官能性ポリウレタンプレポリマーを形成するステップ;
(c)水を添加して水性分散体を形成するステップ;ならびに
(d)ステップ(c)の前、これと同時に、または、その後、イソシアネート官能性プレポリマーを、第一級または第二級アミンで鎖末端封止するステップ
を含む、尿素末端ポリウレタンの水性ポリウレタン組成物の水性分散体を調製する方法である。
鎖末端封止アミンは、典型的には、水の添加の前に、実質的に残留するイソシアネート官能基のすべてと反応する量で添加される。鎖末端封止アミンは、好ましくはノニオン性第二級アミンである。
親水性反応体がイオン化基を含有する場合、水の添加時(ステップ(c))には、イオン化基は、酸または塩基(イオン化基のタイプに応じて)をポリウレタンが安定して分散されることが可能であるような量で添加することによりイオン化されていてもよい。この中和は、ポリウレタンの調製最中のいずれかの簡便な時に行うことが可能である。
好ましくは、反応の最中のいずれかの時点で(一般に、水の添加後および鎖延長後)有機溶剤が減圧下で実質的に除去されて、基本的に溶剤を含まない分散体が生成される。
ポリウレタン分散体が調製された後、これは、公知の分散技術による粒子の分散において用いられる。ポリウレタンインク添加剤の重要な特性は、ジオールおよび/または少なくとも1種のポリエーテルジオール、Z1またはZ3、ならびに、尿素末端封止をもたらす、単官能性アミンである。
ポリウレタンの調製に用いられたプロセスは、一般に、最終生成物中に存在する上記構造の尿素末端ポリウレタンポリマーをもたらすことが理解されるべきである。しかしながら、最終生成物は、典型的には、その一部分が上記の尿素末端ポリウレタンポリマーであり、他の部分が他のポリマー生成物の通常の分布であると共に、未反応モノマーを様々な比で含有し得る生成物の混合物であろうことが理解される。得られるポリマーの不均一性は、当業者に明らかであろうとおり、選択された反応体および選択された反応体条件に依存することとなる。
尿素末端封止ポリウレタンインク添加剤のジオールおよびポリエーテルジオール成分
任意のジオール成分{Z1}は、少なくとも2個のメチレン基および30個以下のメチレン基(m=2〜約30)を有するα,ωジアルコールもしくはジオール(p=1)、または、2〜12個のメチレン基(m=2〜約12)を有するポリエーテルジオール(pは1超である)の一方に基づいていることが可能である。ジオールおよびポリエーテルジオールは、個別にまたは混合物で用いることが可能である。ジオール:ポリエーテルジオールの量は、0:100〜100:0の範囲である。ジオールおよびポリエーテルジオールのためのメチレン基の好ましい数は、少なくとも3であるが、約30未満である。
一実施形態においては、構造(II)に示されているジオールおよび/またはポリエーテルジオールは、例えば、ポリオール、ポリアミン、ポリチオール、ポリチオアミン、ポリヒドロキシチオールおよびポリヒドロキシルアミンなどの、他のオリゴマー系および/またはポリマー多官能イソシアネート−反応性化合物とブレンドされてもよい。ブレンドされる際、二官能性成分、ならびに、より好ましくは、例えば、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリアクリレートジオール、ポリオレフィンジオールおよびシリコーンジオールを含む1種または複数種のジオールを用いることが好ましい。
pが1超である場合、構造(II)に示されているポリエーテルジオールは、繰返し単位の少なくとも50%が2〜12個のメチレン基をエーテル化学基中に有する、オリゴマーおよびポリマーである。より好ましくは、繰返し単位の約75%〜100%、さらにより好ましくは約90%〜100%、およびさらにより好ましくは約99%〜100%が、エーテル化学基中の2〜12個のメチレン基(構造(II)において、m=3〜12)である。メチレン基の好ましい数は3または4である。構造(II)に示されているポリエーテルジオールは、m=2〜12であるα,ωジオールを含むモノマーの重縮合により調製されることが可能である。それ故、上記に示される構造結合を含有するポリマーまたはコポリマーがもたらされる。上記に示されているとおり、繰返し単位の少なくとも50%は、2〜12個のメチレンエーテル単位である。
構造(II)に示されているポリエーテルジオール{式中、pは1超である}に基づくオリゴマーおよびポリマーは、繰返し単位として、2〜約50個の構造(II)に示されているポリエーテルジオール、より好ましくは約5〜約20個の構造(II)に示されているポリエーテルジオールを有する。ここで、pは反復基の数を示す。R5およびR6は、水素、アルキル、置換アルキル、アリールであり;ここで、R5は、R5およびR6置換メチレン基の各々と同一または異なっており、ならびに、ここで、R5とR5またはR6とが結合して環式構造を形成していることが可能である。置換アルキルは、以下に記載のとおり、限定された量の三価アルコールを許容することが可能である場合を除き、イソシアネート反応性基を含有していないことが好ましい。普通、置換アルキルは、ポリウレタン調製の最中は不活性であることが意図される。
3〜12個のメチレンエーテル単位に追加して、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドに由来する他のポリアルキレンエーテル繰返し単位などの、より少ない量の他の単位が存在していてもよい。エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等などのエポキシドに由来するエチレングリコールおよび1.2−プロピレングリコールの量は、ポリエーテルジオールの総重量の10%未満に限定されている。
好ましいポリエーテルジオールは、1,3−プロパンジオール(PO3G)から誘導される。採用されるPO3Gは、種々の周知の化学的経路または生化学的形質変換経路のいずれかにより入手され得る。好ましくは、1,3−プロパンジオールは、再生可能な原料から生化学的に得られる(「生物学的に誘導された」1,3−プロパンジオール)。この生化学的に得られた1,3−プロパンジオールの説明は、共同出願された米国特許出願(出願人の識別番号がCL3026である)において見出すことができ、この開示は、本明細書における参照によりすべての目的についてその内容全体が本明細書に記載されたものとして援用される。
構造(II)(p=1)のジオールについて、上述の生化学的に誘導された材料は好ましい1,3−プロパンジオールである。
ジオールを形成するための出発材料は、所望される構造IIのポリエーテルジオール(pは1超である)、出発材料の利用可能性、触媒、器具等に応じることとなり、「1,2〜1,12−ジオール反応体」を含む。「1,2〜1,12−ジオール反応体」とは、1,2〜1,12−ジオール、ならびに、好ましくは2〜50の重合度を有する、1,3〜1,12−ジオールのオリゴマーおよびプレポリマー、ならびに、これらの混合物を意味する。いくつかの事例においては、利用可能である場合には、10%以下、またはそれを越える低分子量オリゴマーを用いることが望ましい場合がある。それ故、好ましくは、出発材料は、1,3〜1,12−ジオール、ならびに、その二量体および三量体を含む。特に好ましい出発材料は、1,3〜1,12−ジオール反応体の重量に基づいて、約90重量%以上の1,3〜1,12−ジオール、およびより好ましくは99重量%以上の1,3〜1,12−ジオールから構成される。
上記に示されているとおり、構造(II)に示されているポリエーテルジオール(pは1超である)は、3〜12個のメチレンエーテル単位に追加して、より少ない量の他のポリアルキレンエーテル繰返し単位を含有していてもよい。ポリ(3〜12)メチレンエーテルグリコールの調製に用いられるモノマーは、従って、1,3−プロパンジオール反応体に追加して、50重量%以下(好ましくは約20重量%以下、より好ましくは約10重量%以下、および、さらにより好ましくは約2重量%以下)のコモノマージオールを含有することが可能である。このプロセスにおける使用に好適なコモノマージオールとしては、脂肪族ジオール、例えば、エチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロ−1,5−ペンタンジオール、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキサンジオール、および3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10−ヘキサデカフルオロ−1,12−ドデカンジオール;脂環式ジオール、例えば、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよびイソソルビド;およびポリヒドロキシ化合物、例えば、グリセロール、トリメチロールプロパン、およびペンタエリスリトールが挙げられる。本発明の実施に有用な構造(II)に示されているポリエーテルジオールは、米国特許第6608168号明細書(この開示は、本明細書における参照によりすべての目的についてその内容全体が本明細書に記載されたものとして援用される)に記載されているものなどの、例えば、脂肪族または芳香族二酸またはジエステルといった少量の他の繰り返し単位を含有することが可能である。構造(II)に示されているこのタイプのポリエーテルジオールはまた「ランダムポリメチレンエーテルエステル」と呼ばれる場合もあり、テレフタル酸、イソフタル酸、ビベンゾイック酸、ナフタル酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−スルホニル二安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸、およびこれらの組み合わせ、およびジメチルテレフタレート、ビベンゾエート、イソフタレート、ナフタレートおよびフタレート;およびこれらの組み合わせなどの、1,3〜1,12−ジオール反応体および約10〜約0.1モル%のその脂肪族または芳香族二酸またはエステルの重縮合により調製することが可能である。これらのうち、テレフタル酸、ジメチルテレフタレートおよびジメチルイソフタレートが好ましい。
構造(II)に示されているポリエーテルジオール(pは1超である)が本発明のジオールのために用いられる場合、これは、約200〜約5000、およびより好ましくは約240〜約3600の範囲内の数平均分子量(Mn)を有することが好ましい。構造(II)に示されているポリエーテルジオールのブレンドもまた用いることが可能である。例えば、構造(II)に示されているポリエーテルジオールは、より高分子量のおよびより低分子量のブレンドを含むことが可能であり、好ましくは、構造(II)に示されているより高分子量のポリエーテルジオールは約1000〜約5000の数平均分子量を有し、および、構造(II)に示されているより低分子量のポリエーテルジオールは約200〜約750の数平均分子量を有する。ブレンドされた、構造(II)に示されているポリエーテルジオールのMnは、さらに、約250〜約3600の範囲内にあることが好ましいであろう。本明細書における使用に好ましい構造(II)に示されているポリエーテルジオールは、典型的には、好ましくは約1.0〜約2.2、より好ましくは約1.2〜約2.2、およびさらにより好ましくは約1.5〜約2.1の多分散性(すなわちMw/Mn)を有する多分散ポリマーである。多分散性は、構造(II)に示されているポリエーテルジオールのブレンドを用いることにより調節することが可能である。
本発明における使用のための構造(II)に示されているポリエーテルジオールは、好ましくは約100APHA未満、およびより好ましくは約50APHA未満の明度を有する。
他のイソシアネート−反応性成分
上記に示されているとおり、構造(II)に示されているポリエーテルジオールは、他の多官能イソシアネート−反応性成分、特にオリゴマー系および/または高分子ポリオールとブレンドされ得る。
好適な他のジオールは、少なくとも2個の水酸基を含有すると共に、好ましくは約60〜約6000の分子量を有する。これらのうち、他の高分子ジオールは、数平均分子量によって定義されることが最適であり、約200〜約6000、好ましくは約400〜約3000、およびより好ましくは約600〜約2500の範囲であることが可能である。分子量は、水酸基分析(OH数)により測定することが可能である。
高分子ポリオールの例としては、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエステルアミド、ポリチオエーテル、ならびに、エステルおよびカーボネート結合の両方が同一のポリマー中に見出される、ポリエステル−ポリカーボネートなどの混合ポリマーが挙げられる。これらのポリマーの組み合わせもまた用いることが可能である。例えば、ポリエステルポリオールおよびポリ(メタ)アクリレートポリオールが、同一のポリウレタン合成において用いられ得る。
好適なポリエステルポリオールとしては、三価アルコールが任意により付加され得る多価、好ましくは二価アルコールと、多塩基性(好ましくは二塩基性)カルボン酸との反応生成物が挙げられる。三価アルコールは、ある程度の分枝が生じることは可能であるが顕著な架橋が生じることのないよう約2重量%以下に限定されると共に、NCOプレポリマーまたはポリウレタンの適度な分枝が所望される場合に用いられ得る。これらのポリカルボン酸の代わりに、対応するカルボン酸無水物または低級アルコールのポリカルボン酸エステルまたはこれらの混合物が、ポリエステルの調製に用いられ得る。
ポリカルボン酸は、脂肪族、脂環式、芳香族および/または複素環式またはこれらの混合物であり得、これらは、例えば、ハロゲン原子によって置換されていても、および/または不飽和であってもよい。以下が例として記載されている:コハク酸;アジピン酸;スベリン酸;アゼライン酸;セバシン酸;1,12−ドデシル二酸;フタル酸;イソフタル酸;トリメリト酸;フタル酸無水物;テトラヒドロフタル酸無水物;ヘキサヒドロフタル酸無水物;テトラクロロフタル酸無水物;エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物;グルタル酸無水物;マレイン酸;マレイン酸無水物;フマル酸;単量体脂肪酸が混合されてもよい、オレイン酸などの、二量体および三量体脂肪酸;ジメチルテレフタレートおよびビス−グリコールテレフタレート。
構造(II)に示されているポリオールとのブレンドに好ましいポリエステルジオールは、ヒドロキシル末端封止ポリ(ブチレンアジペート)、ポリ(ブチレンコハク酸塩)、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(1,2−プロピレンアジペート)、ポリ(トリメチレンアジペート)、ポリ(トリメチレンコハク酸)、ポリ乳酸エステルジオールおよびポリカプロラクトンジオールである。他のヒドロキシル末端封止ポリエステルジオールは、ジオールおよびスルホン化ジカルボン酸に由来する繰り返し単位を含むコポリエーテルであり、米国特許第6316586号明細書(この開示は、本明細書における参照によりすべての目的についてその内容全体が本明細書に記載されたものとして援用される)に記載されているとおり調製される。好ましいスルホン化ジカルボン酸は5−スルホ−イソフタル酸であり、および好ましいジオールは1,3−プロパンジオールである。
好適なポリエーテルポリオールは、反応性水素原子を含有する出発化合物と、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、テトラヒドロフラン、エピクロロヒドリンなどのアルキレンオキシド、または、これらの混合物との反応による公知の様式で入手される。ポリエーテルが、約10重量%を超えるエチレンオキシド単位を含有していないことが好ましい。より好ましくは、エチレンオキシドの付加なしで得られるポリエーテルが用いられる。反応性水素原子を含有する好適な出発化合物としては、ポリエステルポリオールの調製について記載されている多価アルコール、ならびに、これに加えて、水、メタノール、エタノール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、マンニトール、ソルビトール、メチルグリコシド、スクロース、フェノール、イソノニルフェノール、レソルシノール、ハイドロキノン、1,1,1−および1,1,2−トリス−(ヒドロキシフェニル)−エタン、ジメチロールプロピオン酸またはジメチロールブタン酸が挙げられる。
アミン化合物を含有する出発化合物の反応により得られたポリエーテルもまた用いることが可能である。これらのポリエーテル、ならびに、好適なポリヒドロキシポリアセタール、ポリヒドロキシポリアクリレート、ポリヒドロキシポリエステルアミド、ポリヒドロキシポリアミドおよびポリヒドロキシポリチオエーテルの例は、米国特許第4701480号明細書(この開示は、本明細書における参照によりすべての目的についてその内容全体が本明細書に記載されたものとして援用される)に開示されている。
水酸基を含有するポリカーボネートとしては、プロパンジオール−(1,3)、ブタンジオール−(1,4)および/またはヘキサンジオール−(1,6)、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールあるいはテトラエチレングリコール、高級ポリエーテルジオールなどのジオールと、ホスゲン、ジフェニルカーボネートなどのジアリールカーボネート、ジエチルカーボネートなどのジアルキルカーボネートとの、または、エチレンもしくはプロピレンカーボネートなどの環式炭酸塩との反応から得られる生成物などの、それ自体公知であるものが挙げられる。上述のポリエステルまたはポリラクトンと、ホスゲン、ジアリール炭酸塩、ジアルキル炭酸塩または環式炭酸塩とから得られるポリエステル炭酸塩もまた好適である。
ブレンド用のポリカーボネートジオールは、ポリエチレンカーボネートジオール、ポリトリメチレンカーボネートジオール、ポリブチレンカーボネートジオールおよびオイルヘキシレンカーボネートからなる群から選択されることが好ましい。
水酸基を含有するポリ(メタ)アクリレートとしては、カチオン性、アニオン性およびラジカル重合等などの付加重合の技術分野において一般的であるものが挙げられる。α〜ωジオールが例である。これらのタイプのジオールの一例は、ポリマーの終端またはその付近への1つの水酸基の配置を可能とする「リビング」または「制御」または連鎖移動重合プロセスにより調製されるものである。米国特許第6248839号明細書および米国特許第5990245号明細書(これらの開示は、本明細書における参照によりすべての目的についてその内容全体が本明細書に記載されたものとして援用される)は、末端ジオールを形成するための手順の例を有する。他のジ−NCO反応性ポリ(メタ)アクリレート末端ポリマーを用いることが可能である。一例は、アミノまたはチオールなどのヒドロキシル以外の末端基であり、ヒドロキシルとの混合末端基もまた含まれ得る。
ジオールの任意の組は、上記にZ3として示されている、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリエステルカーボネートジオールおよびポリアクリレートジオールである。これらのZ3ジオールは、ポリウレタンのイオン特性を達成することが可能であるよう、常に、Z2と組み合わせて用いられる。
ポリオレフィンジオールは、ShellからKRATON LIQUID Lとして、および、三菱化学株式会社からPOLYTAIL Hとして入手可能である。
シリコーングリコールは周知であり、代表例が米国特許第4647643号明細書に記載されており、この開示は、本明細書における参照によりすべての目的のためにその内容全体が本明細書に記載されたものとして援用される。
NCOプレポリマーを調製するための他の任意の化合物としては、約400以下の平均分子量を有する低分子量、少なくとも二官能性NCO−反応性化合物が挙げられる。例としては、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールの調製について既述である二価および高級官能性アルコールが挙げられる。
好ましくは、イソシアネートポリ付加反応における二官能性である上述の成分に追加して、トリメチロールプロパンまたは4−イソシアナトメチル−1,8−オクタメチレンジイソシアネートなどのポリウレタン化学における一般に知られている単官能性部分およびさらに三官能性およびより高次な官能性成分の小さな部分が、NCOプレポリマーまたはポリウレタンの分枝が所望される事例において用いられ得る。
しかしながら、NCO官能性プレポリマーは、実質的に直鎖であることが好ましく、これは、プレポリマー出発成分の平均官能基を2.1以下に維持することにより達成され得る。
類似のNCO反応性材料を、ヒドロキシ含有化合物およびポリマーについて記載されているとおり用いることが可能であるが、これは、他のNCO反応性基を含有する。例は、ジチオール、ジアミン、チオアミン、ならびに、さらにはヒドロキシチオールおよびヒドロキシルアミンであろう。これらは、ポリオールについて記載されている分子量または数平均分子量を有する化合物またはポリマーのいずれかであることが可能である。
尿素末端封止ポリウレタン添加剤用の鎖末端封止反応体
末端封止剤は、尿素末端封止を形成するために添加される第一級または第二級モノアミンである。構造(I)において、末端封止剤は、ポリウレタン上のR3(R4)N−置換基として示されている。R3およびR4に対する置換パターンは、水素、アルキル、置換/分岐アルキル、イソシアネート反応性を含み、ここで、置換基は、ヒドロキシル、カルボキシル、メルカプト、アミド、および、第一級または第二級アミンより劣るイソシアネート反応性を有する他のものから選択されるイソシアネート反応性基であることが可能である。R3およびR4の少なくとも一方は、水素以外でなければならない。R3およびR4は、接続されて環式化合物を形成してもよい。環式化合物はまた、環式化合物中に酸素を有し得る。
利用される連鎖停止剤の量は、プレポリマー中の未反応イソシアネート基とおよそ同等であるべきであり、連鎖停止剤中のアミンからの活性水素対プレポリマー中のイソシアネート基の比は、当量基準で、好ましくは約1.0:1〜約1.2:1、より好ましくは約1.0:1.1〜約1.1:1、およびさらにより好ましくは約1.0:1.05〜約1.1:1の範囲である。アミンで末端封止されていないイソシアネート基はいずれも他のイソシアネート反応性官能基および水と反応することが可能であるが、イソシアネート基に対する鎖末端封止の比が、確実に尿素末端封止となるように選択される。ポリウレタンのアミン末端封止は鎖末端封止剤の選択および量によって回避され、粒子分散剤として向上した分子量制御および向上した特性を有する尿素末端ポリウレタンがもたらされる。
脂肪族第一級または第二級モノアミンが好ましい。連鎖停止剤として有用なモノアミンの例としては、特にこれらに限定されないが、ブチルアミン、ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ドデシルアミン、ジイソプロパノールアミン、ステアリルアミン、ジブチルアミン、ジノニルアミン、ビス(2−エチルヘキシル)アミン、ジエチルアミン、ビス(メトキエチル)アミン、N−メチルステアリルアミン、ジエタノールアミンおよびN−メチルアニリンが挙げられる。他のノニオン性親水性第二級アミンとしては、モルホリンなどの複素環構造および同様の第二級窒素複素環が挙げられる。好ましいイソシアネート反応性連鎖停止剤はビス(メトキエチル)アミン(BMEA)である。ビス(メトキエチル)アミンは、置換基がイソシアネート化学において非反応性であるがノニオン性親水性基である、尿素末端封止反応体の好ましいクラスの一部である。このノニオン性親水性基は、より水への適合性のある尿素末端封止ポリエーテルジオールポリウレタンを提供する。
イソシアネート反応性に劣る基で置換されたいずれかの第一級または第二級モノアミンが連鎖停止剤として用いられ得る。イソシアネート反応性に劣る基は、ヒドロキシル、カルボキシル、アミドおよびメルカプトであることが可能である。連鎖停止剤として有用なモノアミンの例としては、特に限定されないが、モノエタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、イソプロパノールアミン、N−エチルエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、6−アミノカプロン酸、8−アミノカプリル酸、3−アミノアジピン酸、およびリシンが挙げられる。鎖末端封止剤は、グルタミンなどの、イソシアネート反応性に劣る基を2つ有するものを含み得る。好ましいイソシアネート反応性連鎖停止剤はジエタノールアミンである。ジエタノールアミンは、置換基が向上した顔料濡れ性をもたらすことが可能であるヒドロキシル官能基である尿素末端封止反応体の好ましいクラスの一部である。アミン対イソシアネート反応性に劣る基の相対反応性、ならびに、NCOと鎖末端封止アミンとのモル比が、尿素末端ポリウレタンをもたらす。
ポリウレタンの重量パーセントでの尿素末端ポリウレタンの尿素含有量は、連鎖停止剤の質量を、鎖末端封止剤を含む他のポリウレタン成分の和で除することにより判定される。尿素含有量は、約2重量%〜約14重量%である。尿素含有量は、好ましくは約2.5重量%〜約10.5重量%である。用いられたポリエーテルジオールが大きい、例えばMnが約4000超であるか、および/または、イソシアネートの分子量が高い場合に、2重量%が生じる。
ポリイソシアネート成分
好適なポリイソシアネート、好ましくはジイソシアネートが上述されている。
イオン性反応体
親水性反応体は、イオン性および/またはイオン化基(潜在的にはイオン基)を含有する。好ましくは、これらの反応体は、1個または2個、より好ましくは2個のイソシアネート反応性基、ならびに、少なくとも1個のイオン性基またはイオン化基を含有するであろう。本明細書に記載の尿素末端封止ポリエーテルポリウレタンの構造表現において、イオン基を含有する反応体は、Z2と表されている。
イオン性分散基の例としては、カルボキシレート基(−COOM)、リン酸基(−OPO32)、ホスホン酸基(−PO32)、スルホネート基(−SO3M)、第4級アンモニウム基(−NR3Y、式中、Yは塩素またはヒドロキシルなどの一価アニオンである)、またはいずれかの他の有効なイオン基が挙げられる。Mは、一価金属イオン(例えば、NA+、K+、LI+等)、H+、NR4 +などのカチオンであり、各Rは、独立して、アルキル、アラルキル、アリール、または水素であることが可能である。これらのイオン性分散基は、典型的には、ポリウレタン主鎖からの側基に位置されている。
イオン化基は、普通、酸形態(カルボキシル−COOHなど)または塩基形態(第一級、第二級または第三級アミン−NH2、−NRH、または−NR2など)にある場合を除いてイオン基に相当する。イオン化基は、以下に考察されているとおり、分散体/ポリマー調製プロセスの最中に自身のイオン形態に容易に転化されるようなものである。
イオン性または潜在的なイオン基は、ポリウレタンに分散体の水性媒体中での分散性を付与するために十分なイオン基含有量(必要に応じて中和を伴う)を提供する量で尿素末端ポリウレタンに化学的に組み込まれている。典型的なイオン基含有量は、約10〜約210ミリ当量(meq)以下、好ましくは約20〜約140meq/100gのポリウレタン、およびもっとも好ましくは約90meq未満/100gの尿素末端ポリウレタンの範囲であろう。
これらの基を組み込むために好適な化合物としては、(1)イオン性および/またはイオン化基を含有するモノイソシアネートまたはジイソシアネート、ならびに、(2)イソシアネート反応性基とイオン性および/またはイオン化基との両方を含有する化合物が挙げられる。この開示の文脈において、「イソシアネート反応性基」という用語は、関連する技術分野における当業者に周知であるイソシアネートと反応する基を含むとされ、好ましくはヒドロキシル、第一級アミノ基および第二級アミノ基である。
イオン性または潜在的なイオン基を含有するイソシアネートの例は、スルホン化トルエンジイソシアネートおよびスルホン化ジフェニルメタンジイソシアネートである。
イソシアネート反応性基およびイオン性または潜在的なイオン基を含有する化合物に関して、イソシアネート反応性基は、典型的には、アミノ基および水酸基である。潜在的なイオン基またはその対応するイオン基は、アニオン基が好ましいが、カチオン性であってもアニオン性であってもよい。アニオン基の好ましい例としては、カルボキシレートおよびスルホネート基が挙げられる。カチオン基の好ましい例としては、第4級アンモニウム基およびスルホニウム塩基が挙げられる。
イオン化基をイオン基に転化するための中和剤は既に援用した文献中に記載されており、本明細書中にも後述されている。本発明の文脈において、「中和剤」という用語は、イオン化基をより親水性のイオン性(塩)基に転化するために有用であるすべてのタイプの薬剤を包含することを意味する。
イオン基置換の場合には、この基は、カルボン酸基、カルボキシレート基、スルホン酸基、スルフォン酸基、リン酸基およびホスホン酸基であることが可能であり、酸塩は、対応する酸基を、NCOプレポリマーの形成前、その最中、または、その後のいずれか、好ましくはNCOプレポリマーの形成の後に中和することにより形成される。
カルボキシル基を組み込むために好適な化合物は、米国特許第3,479,310号明細書、米国特許第4,108,814号明細書および米国特許第4,408,008号明細書に記載されており、これらは、本明細書における参照によりすべての目的のためにその内容全体が本明細書に記載されたものとして援用される。カルボン酸基をカルボン酸塩基に転換するための中和剤は、前述の米国特許に記載されていると共に、これらは本明細書においても後述されている。本発明の文脈において、「中和剤」という用語は、カルボン酸基を親水性カルボン酸塩基に転換するために有用なすべてのタイプの薬剤を包含することを意味する。
好ましいカルボン酸基含有化合物は、構造(HO)jQ(COOH)k(式中、Qは、1〜12個の炭素原子を含有する直鎖または分岐、炭化水素ラジカルを表し、jは1または2、好ましくは2であり、および、kは1〜3、好ましくは1または2、より好ましくは1である)に対応するヒドロキシ−カルボン酸である。
これらのヒドロキシ−カルボン酸の例としては、クエン酸、酒石酸およびヒドロキシピバル酸が挙げられる。特に好ましい酸は、上述の構造(式中、j=2およびk=1)のものである。これらのジヒドロキシアルカン酸は、本明細書における参照によりすべての目的のためにその内容全体が本明細書に記載されたものとして援用される米国特許第3412054号明細書に記載されている。特に好ましいジヒドロキシアルカン酸は、構造式:
Figure 2015045001
(式中、Q’は水素、または、1〜8個の炭素原子を含有するアルキル基である)
によって表されるα,α−ジメチロールアルカン酸である。もっとも好ましい化合物は、α,α−ジメチロールプロピオン酸(すなわち、上記式において、Q’がメチルである)である。
イオン性安定化基が酸である場合、酸基は、1.0グラムのポリウレタン当たり、少なくとも約6、好ましくは少なくとも約10ミリグラムKOH、および、さらにより好ましくは、1.0グラムのポリウレタン当たり20ミリグラムKOHの、当業者によって酸価として知られる(mg KOH/1グラム固体ポリマー)尿素末端ポリウレタンの酸基含有量をもたらすのに十分な量で組み込まれ、酸価(AN)の上限は約120、好ましくは約90である。
尿素末端ポリウレタンインク添加剤は、約2000〜約30,000の数平均分子量を有する。好ましくは、分子量は、約3000〜20000である。ここに記載されているとおり、これらの尿素末端ポリウレタンはまた、高分子分散剤としても機能することが可能である。実際には、分散剤と用いられた場合に、上記に示した塩安定性テストに合格する顔料分散体をもたらす配合物を有するものを、ISD分散剤とみなすことが可能である。
架橋ポリウレタンインク添加剤
任意のポリウレタンインク添加剤は架橋ポリウレタンであることが可能である。ポリウレタンの架橋を達成するための手段は、一般に、3つ以上の官能性反応部位を有するポリウレタン(出発材料および/または中間体)の少なくとも1種の成分に依存する。3個(以上)の反応部位の各々の反応が、架橋ポリウレタン(3次元マトリックス)をもたらすこととなる。2個の反応性部位のみが各反応性成分で利用可能である場合、直鎖(場合によっては高分子量であるにもかかわらず)ポリウレタンのみが生成されることが可能である。架橋技術の例としては、これらに限定されないが、以下が挙げられる:
イソシアネート−反応性部分が少なくとも3個の反応性基を有する、例えば多官能アミンまたはポリオール;
イソシアネートが少なくとも3個のイソシアネート基を有する;
イソシアネート反応以外の反応を介して、例えばアミノトリアルコキシシランと反応することが可能である、プレポリマー鎖が少なくとも3個の反応性部位;
インクジェットインク調製におけるその使用に先立つ少なくとも3個の反応性部位を有する反応性成分のポリウレタンへの添加、例えば三官能性エポキシ架橋剤;
オキサゾリン官能基を有する水−分散性架橋剤の添加;
カルボニル官能基を有するポリウレタンの合成、続いて、ジヒドラジド化合物の添加;
ならびに、これらの架橋方法および関連する技術分野における当業者に公知である他の架橋手段のいずれかの組み合わせ。
また、これらの架橋成分は、ポリウレタンに添加される反応性官能基全体のわずかに(ごく)一部であり得ることが理解される。例えば、多官能アミンが添加される場合、単官能性および二官能性アミンもまたイソシアネートとの反応に存在し得る。多官能アミンは、アミンの副たる部分であり得る。
架橋は、ポリウレタンの調製の最中に生じることが好ましい。ポリウレタン反応順序における架橋に好ましい時間は、反転ステップ時またはその後であろう。すなわち、架橋は、水のポリウレタン調製混合物への添加の最中またはその直後に生じることが好ましい。反転は、その安定な分散された水性形態にポリウレタンが転化されるよう、十分な水が添加される時点である。反転の後に架橋が生じることがもっとも好ましい。しかも、ポリウレタンの実質的にすべての架橋が、インク配合物への組み込みの前に完了していることが好ましい。
あるいは、架橋は、イソシアネートまたはイソシアネート−反応性基が3個以上の反応することが可能である基を有する場合、ウレタン結合の初期の形成の最中に生じることが可能である。架橋がこの早いステージで行われる場合、ゲル形成をもたらす程度まで架橋してはならない。このステージでの過剰な架橋は、安定なポリウレタン分散体の形成を妨げることとなる。
インクジェット印刷用の所望のインクジェットインクを達成するポリウレタンの架橋の量は、幅広い範囲にわたって様々であることが可能である。理論には束縛されないが、架橋の量は、ポリウレタン組成物、ポリウレタンの形成に利用される反応条件の全シーケンスおよび当業者に公知である他の要因に応じる。
好ましい架橋は、過剰量のNCO反応性部位を有するプレポリマーと行われ、少なくともいくらかのアミンが三置換以上であるアミンとの反応が続く。富NCO−プレポリマーの反転の後、アミンが添加されて、過剰量のNCOと反応される。三置換アミンに追加して、モノアミンおよびジアミンが存在していてもよい。アミンは、第一級および第二級アミンであり得る。架橋に好ましいアミン混合物は、ジエチレントリアミンおよびテトラエチレントリアミンの混合物である。
本明細書に記載の技術に基づいて、当業者は、日常的な実験を通して、織物および他の基材用の有効なインクジェットインクを得るための特定のタイプのポリウレタンに必要とされる架橋を判定することが可能である。しかも、上述のとおり、これらのインクはまた、普通紙、写真用紙、スライド用フィルム、ビニルおよび他の印刷可能な基材にも用いられ得る。
架橋の量は、標準的なテトラヒドロフラン不溶分テストにより計測されることが可能である。本明細書における定義の目的のために、ポリウレタンインク添加剤のテトラヒドロフラン(THF)不溶分は、1グラムのポリウレタンインク添加剤と30グラムのTHFとを予め計量した遠心分離チューブ中に混合することにより計測される。溶液を17,000rpmで2時間遠心分離した後、上部の液体層を注ぎ出して、底の未溶解ゲルを残留させる。未溶解ゲルを含む遠心分離チューブは、チューブをオーブン中に入れて110℃で2時間乾燥させた後に再計量する。
ポリウレタンの%THF不溶分=(チューブおよび未溶解ゲルの重量−チューブの重量)/(サンプル重量×ポリウレタン固体%)
架橋の上限は、安定な水性ポリウレタン分散体の形成能に関連している。高度に架橋されたポリウレタンが、水に転化されたときに安定であるような適切なイオン性またはノニオン性官能基を有する場合、その架橋レベルは、向上した織物用のインクジェットインクをもたらすこととなる。架橋ポリウレタンのエマルジョン/分散安定性は、添加された分散剤または乳化剤によって向上されることが可能である。THF不溶分テストによって計測される架橋の上限は約90%である。あるいは、上限は約50%である。
ポリウレタンインク添加剤における架橋の下限は、THF不溶分テストによる計測で約1%以上、好ましくは約4%以上である。
ポリウレタンにおいて有効量の架橋を達成する代替的な方法は、架橋性部位を有するポリウレタンを選択し、次いで、自己架橋を介して、および/または添加された架橋剤を介して、これらの部位を架橋させることである。自己架橋官能基の例としては、例えば、上述のとおり一定の出発材料から入手可能であるシリル官能基(自己縮合性)、ならびに、エポキシ/ヒドロキシル、エポキシ/酸およびイソシアネート/ヒドロキシルなどの、ポリウレタンに組み込まれた反応性官能基の組み合わせが挙げられる。ポリウレタンおよび補完的な架橋剤の例としては:(1)ポリウレタンと、イソシアネート反応性部位(ヒドロキシルおよび/またはアミン基など)およびイソシアネート架橋反応体、ならびに、2)ポリウレタンと、未反応イソシアネート基およびイソシアネート−反応性架橋反応体(例えば、ヒドロキシルおよび/またはアミン基を含有する)が挙げられる。補完的な反応体は、インク配合物へのその組み込みの前に架橋が行われるよう、ポリウレタンに添加することが可能である。架橋は、好ましくは、インク配合物への添加剤の組み込みの前に実質的に完了しているべきである。この架橋ポリウレタンは、THF不溶分テストによる計測で約1%〜約50%の架橋を有することが好ましい。
その1種または複数種が架橋されている2種以上のポリウレタン添加剤の組み合わせもまた、インクの配合において利用され得る。
ポリウレタン分散体の調製に関するさらなる詳細は、既に援用されている文献に見出すことができる。
ポリウレタンインク添加剤は、一般に、約60重量%以下、好ましくは約15〜約60重量%およびもっとも好ましくは約30〜約45重量%の固形分含有量を有するポリウレタン粒子の安定な水性分散体である。
しかしながら、所望されるあらゆる最低固形分含有量に分散体を希釈することが常に可能である。
顔料
広く多様な有機顔料および無機顔料が、単独でまたは組み合わせて、ISDおよびインクを形成するために選択され得る。「顔料」という用語は、本明細書において用いられるところ、不溶解性の着色剤を意味すると共に、分散染料を含むことが可能である。顔料粒子は、インクのインクジェット印刷デバイス、特に通常約10ミクロン〜約50ミクロンの範囲の直径を有する吐出ノズルでの自由な流れを許容するために、十分に小さいべきである。粒径はまた、顔料分散安定性に影響を有し、これはインクの寿命を通じて重要である。微細な粒子のブラウン運動は、粒子の凝集の防止を補助する。最大色強度および光沢についても、小さい粒子を用いることが望ましい。有用な粒径の範囲は、典型的には約0.005ミクロン〜約15ミクロンである。好ましくは、顔料粒径は、約0.005〜約5ミクロンおよび、最も好ましくは、約0.005〜約1ミクロンの範囲であるべきである。動的光散乱法により計測される平均粒径は、約500nm未満、好ましくは約300nm未満である。
選択される顔料は、乾燥またはウェット形態で用いられ得る。例えば、顔料は、通常は、水性媒体中に生産され、および得られる顔料は、水で濡れたプレスケーキとして入手される。プレスケーキ形態において、顔料は、乾燥形態における程度にまでは凝塊していない。それ故、水に濡れたプレスケーキ形態の顔料は、インクの調製方法において、乾燥形態の顔料ほどの解凝を必要としない。代表的な商業的な乾燥顔料が米国特許第5085698号明細書に列挙されており、その開示は、本明細書における参照によりすべての目的についてその内容全体が本明細書に記載されたものとして援用される。
有機顔料の場合、インクは、総インク重量に基づいて、およそ30重量%以下、好ましくは約0.1〜約25重量%、およびより好ましくは約0.25〜約10重量%の顔料を含有し得る。無機顔料が選択される場合、インクは、有機顔料を用いる同等のインクより多量の重量パーセントの顔料を含有する傾向にあることとなり、およびいくつかの場合においては、無機顔料は、一般的には、有機顔料より大きい比重を有するため、約75%もの量となり得る。
ISDポリマー分散剤は、総インク組成物の重量に基づいて、好ましくは約0.1〜約20重量%の範囲、より好ましくは約0.2〜約10重量%の範囲、およびさらにより好ましくは約0.25重量%〜約5重量%の範囲で存在する。
インク調製および特性
本発明のインクは、インクジェットインクの調製に通常用いられる方法により調製される。ISD顔料分散体およびポリウレタンインク添加剤が、他の添加剤と一緒に混合されて、インクジェットインクが得られる。処方成分をISD顔料分散体に掻き混ぜながら添加することが好ましい。他の処方成分は、いずれかの簡便な順番で添加することが可能である。
用いられる分散剤はインク添加剤としても用いられ得る。すなわち、構造Iに示されている構造と同様または同一のポリウレタンは、顔料を分散させるために用いること、および、ポリウレタンインク添加剤としても用いることが可能である。
ポリウレタンインク添加剤は、総インク組成物の重量に基づいて、約0.1〜約12%の範囲、より好ましくは約0.2〜約10%の範囲、および、さらにより好ましくは約0.25〜約8重量%の範囲で存在する。
落下速度、小滴の分離長、液滴サイズおよび流れ安定性は、インクの表面張力および粘度によって大きく作用される。インクジェットインクは、典型的には、25℃で約20dyne/cm〜約70dyne/cmの範囲の表面張力を有する。粘度は、25℃で約30cPもの高さであることが可能であるが、典型的には、これよりいくらか低い。インクは、射出条件および印刷ヘッドの設計で調節することが可能である物理特性を有する。インクは、インクジェット装置を顕著な程度で目詰まりさせないよう、長期にわたる優れた保管安定性を有しているべきである。さらに、インクは、接触するインクジェット印刷装置の部品を腐食させず、ならびに、基本的に無臭および無毒であるべきである。
いずれかの特定の粘度範囲または印刷ヘッドに制限されないが、より低粘度のインクを用いることが可能であり、一定の用途については好ましい場合もある。それ故、(25℃での)インクの粘度は、約7cp未満、約5cp未満、またはさらには約3.5cp未満であることが可能である。
水性キャリア媒体
水性キャリア媒体(水性ビヒクル)は、水、または、水と少なくとも1種の水和性の有機溶剤との混合物である。好適な混合物の選択は、所望される表面張力および粘度などの特定の用途の要求、選択された顔料、顔料インクジェットインクの乾燥時間、ならびに、インクが印刷されることとなる紙のタイプに依存する。選択され得る水溶性有機溶剤の代表例としては、(1)メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソ−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、イソ−ブチルアルコール、フルフリルアルコール、およびテトラヒドロフルフリルアルコールなどのアルコール;(2)アセトン、メチルエチルケトンおよびジアセトンアルコールなどのケトンまたはケトアルコール;(3)テトラヒドロフランおよびジオキサンなどのエーテル;(4)酢酸エチル、エチル乳酸塩、エチレンカーボネートおよびプロピレンカーボネートなどのエステル;(5)エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール1,2,6−ヘキサントリオールおよびチオジグリコールなどの多価アルコール;(6)エチレングリコールモノ−メチル(または−エチル)エーテル、ジエチレングリコールモノ−メチル(または−エチル)エーテル、プロピレングリコールモノ−メチル(または−エチル)エーテル、トリエチレングリコールモノ−メチル(または−エチル)エーテルおよびジエチレングリコールジ−メチル(または−エチル)エーテルなどのアルキレングリコールに由来する低級アルキルモノ−またはジ−エーテル;(7)ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、および1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン;1,3−ジヒドロキシエチルジメチルヒダントインなどの窒素含有環式化合物;ならびに、(8)ジメチルスルホキシドおよびテトラメチレンスルホンなどの硫黄含有化合物が挙げられる。
水とジエチレングリコールなどの多価アルコールとの混合物が水性キャリア媒体として好ましい。水とジエチレングリコールの混合物の場合、水性キャリア媒体は、通常、約30%水/70%ジエチレングリコール〜約95%水/5%ジエチレングリコールを含有する。好ましい比は、およそ60%水/40%ジエチレングリコール〜約95%水/5%ジエチレングリコールである。割合は、水性キャリア媒体の総重量に基づいている。水とブチルカルビトールの混合物もまた有効な水性キャリア媒体である。
インク中の水性キャリア媒体の量は、典型的には、インクの総重量に基づいて、約70%〜約99.8%、および好ましくは約80%〜約99.8%の範囲である。
水性キャリア媒体は、グリコールエーテルおよび1,2−アルカンジオールなどの界面活性剤または浸透剤を含むことにより、速浸透性(速乾性)とすることが可能である。グリコールエーテルとしては、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−イソ−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−イソ−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−イソ−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、およびジプロピレングリコールモノ−イソプロピルエーテルが挙げられる。1,2−アルカンジオールは、好ましくは1,2−C4〜6アルカンジオール、もっとも好ましくは1,2−ヘキサンジオールである。好適な界面活性剤としては、エトキシル化アセチレンジオール(例えばAir Products製のSurfynols(登録商標)シリーズ)、エトキシル化第一級アルコール(例えばShell製のNeodol(登録商標)シリーズ)および第二級アルコール(例えばUnion Carbide製のTergitol(登録商標)シリーズ)、スルホコハク酸塩(例えばCytec製のAerosol(登録商標)シリーズ)、オルガノシリコーン(例えばWitco製のSilwet(登録商標)シリーズ)およびフルオロ界面活性剤(例えばDuPont製のZonyl(登録商標)シリーズ)が挙げられる。
添加されるグリコールエーテルおよび1,2−アルカンジオールの量は適当に判定されなければならないが、典型的には、インクの総重量に基づいて、約1〜約15重量%およびより典型的には約2〜約10重量%の範囲である。界面活性剤は、典型的には、インクの総重量に基づいて、約0.01〜約5%、好ましくは約0.2〜約2%の量で用いられ得る。
他の添加剤
殺生剤、湿潤剤、キレート化剤および粘度変性剤などの他の添加剤が、従来の目的のためにインクに添加されてもよい。
殺生剤が、微生物の増殖を阻害するために用いられ得る。
エチレンジアミン4酢酸(EDTA)、イミノ二酢酸(IDA)、エチレンジアミン−ジ(o−ヒドロキシフェニル酢酸)(EDDHA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、ジヒドロキシエチレングリシン(DHEG)、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミンテトラ酢酸(CyDTA)、ジエチレントリアミン−N,N,N’,N”、N”−ペンタ酢酸(DTPA)、およびグリコールエーテルジアミン−N,N,N’,N’−テトラ酢酸(GEDTA)、およびこれらの塩などの金属イオン封鎖(またはキレート化)剤の包含が、例えば、重金属不純物の有害な影響を排除するために有利であり得る。
用いられる場合、他のポリマー添加剤は、可溶性であるか、または、分散されたポリマーであることが可能であると共に、本発明のインク中のポリウレタンインク添加剤に追加して用いることが可能である。これらは、いずれかの好適なポリマーであることが可能であり、例えば、可溶性ポリマーとしては、直鎖ホモポリマー、コポリマー、ブロックポリマーまたは天然ポリマーが挙げられ得る。これらはまた、グラフトまたは分岐ポリマー、星型、デンドリマー等を含む構造化ポリマーであることが可能である。分散ポリマーは、ラテックス等を含むことが可能である。これらのポリマーは、特にこれらに限定されないが、フリーラジカル、基移動、イオン、RAFT、縮合および他のタイプの重合を含むいずれかの公知のプロセスにより形成され得る。ポリマーの有用なクラスとしては、例えば、アクリル、スチレン−アクリル、およびアルギン酸塩が挙げられる。これらの他のポリマー添加剤は、ISDポリマー分散剤として機能することが可能であるポリマーから選択されることが可能であるが、そのようには利用されない。
これらのポリマー添加剤は、噴射安定性、カートリッジに入れられる前のインクの保管安定性およびカートリッジ中での安定性の向上に有効であることが可能である。ポリマー添加剤によって作用されることが可能である他の特性としては、例えば、サーマルインクジェット印刷に対する信頼性および耐スミア性を含む画像耐久性が挙げられる。
インクセット
本発明での使用に好適なインクセットは、少なくとも三色の原色インク:シアンインク、マゼンタインクおよびイエローインク(CMY)を含み、ここで、これらのインクの少なくとも1色(および、好ましくは3色すべて)が、ISDおよびポリウレタンインク添加剤ベースである。このインクセットは、任意により、追加のインク、特にブラックインク(CMYKインクセットを形成する)を含有し得る。
インクセットがブラックインクを含む場合、ブラックに関しては、高光学密度の観点から、顔料が一般に好ましい。ブラックインクは、本明細書に記載のイオン的に安定化された分散剤を用いて分散されたカーボンブラックであり得る。ポリウレタンインク添加剤もまたブラックインク中に存在し得る。任意のブラック顔料はカーボンブラック顔料、特に、SDPブラックである。SDPブラックおよびこれに基づくインクの例は、例えば、米国特許第6,852,156号明細書に見出され得、他のSDPタイプが、米国特許第6,852,156号明細書号において参照されている(これらの開示は、本明細書における参照によりすべての目的についてその内容全体が本明細書に記載されたものとして援用される)。
ブラックインクに追加して、インクセットは、例えば、オレンジインクおよび/またはグリーンインクなどの1種または複数種の他の有色インクをさらに含み得る。
ISD分散顔料およびポリウレタンインク添加剤を含むインクセットは、速乾性水性インクにおけるぶれ、および裏抜けの低減に有利であり得る定着溶液をさらに含んでいてもよい。例えば、その開示が、本明細書における参照によりすべての目的のためにその内容全体が本明細書に記載されたものとして援用される、米国特許第5746818号明細書、米国特許第6450632号明細書、米国特許出願公開第20020044185号明細書、欧州特許第1258510号明細書および米国特許出願公開第20040201658号明細書を参照のこと。
ここで、本発明をさらに詳細に例示するが、以下の実施例によっては限定されない。
処方成分および略語
BMEA=ビス(メトキエチル)アミン
DBTL=ジブチルスズジラウレート
DMEA=ジメチルエタノールアミン
DMIPA=ジメチルイソプロピルアミン
DMPA=ジメチロールプロピオン酸
DMBA=ジメチロール酪酸
EDA=エチレンジアミン
EDTA=エチレンジアミン4酢酸
HDI=1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート
IPDI=イソホロンジイソシアネート
TMDI=トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート
TMXDI=m−テトラメチレンキシリレンジイソシアネート
NMP=n−メチルピロリドン
TEA=トリエチルアミン
TEOA=トリエタノールアミン
TETA=トリエチレンテトラミン
THF=テトラヒドロフラン
テトラグライム=テトラエチレングリコールジメチルエーテル
特に記載のない限り、上記の化学薬品は、Aldrich(Milwaukee,WI)または実験用化学薬品の他の同様な供給者から入手した。
TERATHANE(登録商標)650は、650分子量、Invista(Wichita,KS)製のポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)である
TERATHANE(登録商標)250は250分子量、ポリテトラメチレンエーテルグリコールである。
ポリウレタン反応の程度
ポリウレタン反応の程度は、ウレタン化学において通常の方法である、ジブチルアミン滴定によるNCO%の検出により判定した。
この方法においては、NCO含有プレポリマーのサンプルが、既知の量のジブチルアミン溶液と反応され、残存するアミンがHClで逆滴定される。
粒径計測
ポリウレタン分散体、顔料およびインクの粒径は、Honeywell/Microtrac(Montgomeryville,PA)製のMicrotrac(登録商標)UPA150分析器を用いる動的光散乱により測定した。
この技術は、粒子の速度分布と粒径との間の関係に基づいている。レーザ生成光は各粒子で拡散されると共に、粒子ブラウン運動によりドップラー偏移される。偏移された光と未偏移の光との周波数差が増幅され、デジタル化されると共に、分析されて粒径分布が得られる。
以下に報告された数は体積平均粒径である。
固体含有量計測
溶剤を含まないポリウレタン分散体についての固体含有量は、Sartorius製の水分分析器、モデルMA50で計測した。NMP、テトラエチレングリコールジメチルエーテルなどの高沸点溶剤を含有するポリウレタン分散体に関して、次いで、固体含有量を、150℃オーブンでの180分間の焼成の前後での重量差により測定した。
ポリウレタン添加剤のMW特徴づけ
すべての分子量は、溶出液としてテトラヒドロフランを伴って、ポリ(メチルメタクリレート)標準を用いるGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した。Floryにより導かれた静力学を用いて、ポリウレタンの分子量が、NCO/OH比およびモノマーの分子量に基づいて算出されるか、または、予測され得る。分子量もまた、ポリウレタンの定義に用いることが可能であるポリウレタンの特徴である。分子量は、ルーチン的に、数平均分子量Mwとして報告される。尿素末端ポリウレタンインク添加剤について、好ましい分子量範囲は、2000〜30000、またはより好ましくは3000〜20000である。架橋ポリウレタンインク添加剤について、好ましい分子量は、Mnとして30,000超である。ポリウレタン添加剤は、分子量のガウス分布に限定されず、二峰性分布などの他の分布を有していてもよい。
塩安定性テスト
これらの実施例において用いられた高分子分散体およびインクのテスト手法が以下に記載されている。
(a)ストック溶液(例えば0.2モル濃度NaCl)を脱イオン水で希釈することにより塩溶液を調製する。
(b)ガラスバイアル(キャップを備えた19mm×65mmバイアル)に、使い捨ての全量ピペットで1.5g(ml)の塩溶液が添加される(用いたピペットは、SAMCO全量ピペット、カタログ番号336B/B−PET、Samco Scientific Corp(San Fernado,CA)であった)。
(c)テスト溶液を全量ピペットで添加する。分散体濃縮物については1滴が用いられる。インクサンプルについては3滴が用いられる。
(d)穏やかに掻き混ぜてバイアルを完全に混合する。
(e)室温で24時間、混合物を静置させる。
(f)各サンプルの視覚的観察を記録する。
・等級3:顔料の完全な沈降;上部に透明で、無色の液体。
・等級2:無色透明な液体層はない;バイアルを傾けたときに、バイアルの底にはっきりとした沈降が観察される。
・等級1:無色透明な液体層はない;バイアルを傾ける最中にきわめてわずかな沈降(小さい分離されたスポット)が観察される。
・等級0:いかなる沈降の兆候もない。
THF不溶分計測
ポリウレタンのTHF不溶分含有量を、先ず、1グラムの分散ポリウレタンと30グラムのTHFとを予め軽量した遠心分離チューブ中に混合することにより計測した。溶液を17,000rpmで2時間遠心分離した後、上部の液体層を注ぎ出して、底の未溶解ゲルを残留させた。未溶解ゲルを含む遠心分離チューブは、チューブをオーブンに入れて110℃で2時間乾燥させた後に再計量した。
ポリウレタンの%ミクロゲル=((チューブおよび未溶解ゲルの重量)−(チューブの重量))/(サンプル重量×ポリウレタン固体%)。
高分子分散剤
以下の合成例はすべて基移動重合(GTP)に基づいているが、他のタイプの重合プロセスを用いて同様のタイプのポリマーを生成することが可能である。ブロックポリマーの場合、次のブロック用のモノマーの混合物を添加する前に、現在のブロックを、少なくとも95%転化させた。すべての事例において、供給サイクルストラテジーが記載されている。しかしながら、HPLCによる検出でポリマーの99%が転化された場合に合成を停止した。報告した分子量(特に記載のない限り)は、理論的考察に基づいている。ランダム直鎖ポリマーに関して、記載の比は最終ポリマー中のモノマー単位の重量比であり;トリブロックおよび他のポリマーに関して、この比は、モノマー成分のモル比である。
以下の実施例については、標準的な実験技術を採用した。
酸値は滴定により測定し、これは、mg/1グラムのポリマー固形分として報告されている。分子量はGPCにより測定した。GPC分離は、2つの500−Å、および2つの100−Å、30cm×7.8mm内径、Microstyragelカラム(Waters(Milford,MA))から構成される4つのカラムセットを用いて行った。テトラヒドロフラン移動相を、Hewlett−Packard(PaloAlto,CA)モデル1090勾配液体クロマトグラフにより、1.0mL/minの流量で送った。溶出種は、Hewlett−Packard 1047A示差屈折検出器を用いて検出した。細い低分子量ポリ(メチル−メタクリレート)標準を校正物質として用いた。粒径は、Microtrac Analyzer(Largo,Florida)を用いて動的光散乱により測定した。分散ステップの多くについて、Microfluidics System(Newton,MA)のモデル100FまたはYを用いた。
ポリマー組成物への言及において、2重の斜線はブロック間の分離を示し、1本の斜線はランダムコポリマーを示すことに留意すべきである。それ故、例えば、BZMA/MAA 90/10は、約90重量%ベンジルメタクリレート(BZMA)および約10重量%メタクリル酸(MAA)単位を最終ポリマー中に有するランダムコポリマーであり;ならびに、BZMA//MAA//BZMA 8//10//8は、最初のAブロックが平均で8BZMA単位長であり、Bブロックが平均で10MAA単位長であり、最後のAブロックが平均で8BZMA単位長であるABAトリブロックポリマーである。
ISD分散剤1a BZMA/MAA90/10ランダム直鎖コポリマー
5リットルフラスコに、機械的攪拌機、温度計、N2導入口、乾燥管出口、および滴下漏斗を備えさせた。テトラヒドロフラン(THF)、1715.1gをフラスコに充填した。触媒(テトラブチルアンモニウムm−クロロベンゾエートのアセトニトリル中の1.0M溶液1.2mL)を次いで添加した。開始剤(1−メトキシ−1−トリメチルシロキシ−2−メチルプロペン、51.33g(0.295モル))を注入した。フィードI(テトラブチルアンモニウムm−クロロベンゾエートのアセトニトリル中の1.0M溶液1.2mLおよびTHF、10.0g)を開始すると共に、180分間にわたって添加した。フィードII(トリメチルシリルメタクリレート、267.6g(1.69モル)およびベンジルメタクリレート(BZMA)、1305.6g(7.42モル))を0.0分に開始すると共に、70分間にわたって添加した。
173分に、60.5gのメタノールを上述の溶液に添加すると共に蒸留を開始した。蒸留の第1のステージの最中に、503.0gの材料を除去した。最終ポリマー溶液は51.5%固形分であった。
このポリマーは、BZMA/MAA 90/10;5048の分子量(Mn);および総固形分に基づいて1.24(ミリ当量/1グラムのポリマー固形分)の酸値の組成を有していた。
ISD分散剤1b BZMA/MAA 90/10ランダム直鎖コポリマー
3リットルフラスコに、機械的攪拌機、温度計、N2導入口、乾燥管出口、および滴下漏斗を備えさせた。テトラヒドロフラン(THF)、1200gをフラスコに充填した。触媒(テトラブチルアンモニウムm−クロロベンゾエートのアセトニトリル中の1.0M溶液0.75mL)を次いで添加した。開始剤(1,1−ビス(トリメチルシリルオキシ)−2−メチルプロペン、42.5g(0.18モル))を注入した。フィードI(テトラブチルアンモニウムm−クロロベンゾエートのアセトニトリル中の1.0M溶液0.4mLおよびTHF、5g)を開始すると共に、180分間にわたって添加した。フィードII(トリメチルシリルメタクリレート、135.5g(0.86モル)およびベンジルメタクリレート、825.5g(4.69モル))を0.0分に開始すると共に、45分間にわたって添加した。
125分に、70gのメタノールを上述の溶液に添加すると共に蒸留を開始した。蒸留の第1のステージの最中に、375gの材料を除去した。最終ポリマー溶液は48.5%固形分であった。
このポリマーは、BZMA/MAA 90/10;4995の分子量(Mn)、および総固形分に基づいて1.22(ミリ当量/1グラムのポリマー固形分)の酸値の組成を有していた。
ISD分散剤2a BZMA/MAA 92/8ランダム直鎖コポリマー
213.2gのトリメチルシリルメタクリレートおよび1334.5gのベンジルメタクリレートを用いたこと以外は、調製1aと同一の調製を用いた。これは、BZMA/MAA 92/8、5047の分子量(Mn)および総固形分に基づいて0.99(meq/1グラムのポリマー固形分)の酸値の組成を有する51.7%固形分のポリマー溶液をもたらした。
ISD分散剤2b 最終溶剤として2−ピロリドンを含むBZMA/MAA 92/8ランダム直鎖コポリマー
5リットルフラスコ中に、1449gのポリマー2a溶液を412gの2−ピロリドンと一緒に添加した。この溶液を還流に加熱すると共に、56gの溶剤を蒸散させた。次いで、320.5gの2−ピロリドンを添加して、45.7%固形分のポリマー溶液を形成した。
ISD分散剤2c BZMA/MAA 92/8ランダム直鎖コポリマー
103.0gトリメチルシリルメタクリレート(0.65モル)、844gベンジルメタクリレート(4.80モル)および55gメタノールを用いると共に、354gの材料を除去したこと以外は、ポリマー調製1bと同一の調製を用いた。最終ポリマー溶液は48.4%固形分であった。
このポリマーは、BZMA/MAA 92/8;4999の分子量(Mn)、および総固形分に基づいて0.98(meq/1グラムのポリマー固形分)の酸値の組成を有していた。
ISD分散剤2d 水酸化カリウムでのポリマー2bの中和
以下の処方成分を攪拌しながら組み合わせた。
Figure 2015045001
2リットルフラスコ中に、1000gのポリマー1a溶液を添加した。この溶液を還流に加熱すると共に、284gの溶剤を蒸散させた。次いで、221gの2−ピロリドンをフラスコに添加した。さらに156gの溶剤を蒸散させた後、266gの2−ピロリドンを添加して、47%固形分のポリマー溶液を形成した。
ISD分散剤3a BZMA/MAA 94/6ランダム直鎖コポリマー
160.3gのトリメチルシリルメタクリレートおよび1363.5gのベンジルメタクリレートを用いたこと以外は、調製1aと同一の調製を用いた。結果は、BZMA/MAA 94/6、5047の分子量(Mn)、および総固形分に基づいて0.77(meq/1グラムのポリマー固形分)の酸値の組成を有する49.9%固形分ポリマー溶液であった。
ISD分散剤3b 最終溶剤として2−ピロリドンを含むBZMA/MAA 94/6ランダム直鎖コポリマー
2bと同様の調製において、最終溶剤として2−ピロリドンでポリマー3a溶液を調製した。得られた固形分含有量は43.93%であり、THFは8.8%であり、および、2−ピロリドンは47.27%であった。
ISD分散剤4 BZMA//MAA 5//1短鎖Bブロック
3リットルフラスコに、機械的攪拌機、温度計、N2導入口、乾燥管出口、および滴下漏斗を備えさせた。テトラヒドロフランTHF、1000.6gmをフラスコに充填した。触媒テトラブチルアンモニウムm−クロロベンゾエートのアセトニトリル中の1.0M溶液4.0mLを、次いで添加した。開始剤、1,1−ビス(トリメチルシロキシ)−2−メチルプロペン、232.7gm(1.00モル)を注入した。フィードI[ベンジルメタクリレート、881.0gm(5.00モル)]を0.0分に開始すると共に、60分間にわたって添加した。
190分に、64.2gmのメタノールを上述の溶液に添加すると共に、蒸留を開始した。蒸留の第1のステージの最中に、457.7gmの材料を除去した。最終ポリマーは54.0%固形分であった。
このポリマーは、BZMA//MAA 5//1の組成を有していた。これは、Mn=886の分子量および総固形分に基づいて0.90(ミリ当量/1グラムのポリマー固形分)の酸値を有していた。
ISD分散剤4b BZMA//MAA 5//1短鎖Bブロック
モノマーBZMA//MAAを5//1のモル比で用いたこと以外は、調製4bと同一の調製を用いた。これは、2−ピロリドン中に43.75%固形分のポリマーをもたらした。
ISD分散剤5 BZMA//MAA//BZMA 8//10//8トリブロックコポリマー
5リットルフラスコに、機械的攪拌機、温度計、N2導入口、乾燥管出口、および滴下漏斗を備えさせた。THF、1721.0gをフラスコに充填した。触媒(テトラブチルアンモニウムm−クロロベンゾエートのアセトニトリル中の1.0M溶液1.9mL)を次いで添加した。開始剤(1−メトキシ−1−トリメチルシロキシ−2−メチルプロペン、80.17g(0.46モル))を注入した。フィードI(テトラブチルアンモニウムm−クロロベンゾエートのアセトニトリル中の1.0M溶液1.8mLおよびTHF、16.92g)を開始すると共に、210分間にわたって添加した。フィードII(BZMA、649.3g(3.69モル))を0.0分に開始すると共に、45分間にわたって添加した。フィードIIの完了(モノマーの99%超が反応した)から30分後、フィードIII(トリメチルシリルメタクリレート、726.7g(4.60モル))を開始すると共に、30分間にわたって添加した。フィードIIIの完了(モノマーの99%超が反応した)から150分後、フィードIV(BZMA、647.5g(3.68モル))を開始すると共に、30分間にわたって添加した。
500分に、300.0gのメタノールを上述の溶液に添加すると共に蒸留を開始した。750.0gの材料を除去して、51.5%固形分の最終ポリマー溶液をテトラヒドロフラン中に生成した。
ポリマーは、BZMA//MAA//BZMA 8//10//8、3780の分子量(Mn)、および総固形分に基づいて2.88(meq/1グラムのポリマー固形分)の酸値の組成を有していた。
ISD分散剤6 BZMA/ETEGMA/MAA 84/10/6ランダム直鎖コポリマー
3リットルフラスコに、機械的攪拌機、温度計、N2導入口、乾燥管出口、および滴下漏斗を備えさせた。THF、1200gをフラスコに充填した。触媒(テトラブチルアンモニウムm−クロロベンゾエートのアセトニトリル中の1.0M溶液0.76mL)を次いで添加した。開始剤(1−メトキシ−1−トリメチルシロキシ−2−メチルプロペン、32g(0.18モル))を注入した。フィードI(テトラブチルアンモニウムm−クロロベンゾエートのアセトニトリル中の1.0M溶液0.76mLおよびTHF、10g)を開始すると共に、300分間にわたって添加した。フィードII(トリメチルシリルメタクリレート、99.4g(0.63モル)、ベンジルメタクリレート、754.1g(4.28モル)、およびエトキシトリエチレングリコールメタクリレート(ETEGMA)、92.1g(0.37モル))を0.0分に開始すると共に、45分間にわたって添加した。
175分に、55gのメタノールを上述の溶液に添加すると共に、蒸留を開始した。350.5gの材料を除去して、49.1%固形分の最終ポリマー溶液を生成した。
このポリマーは、BZMA/ETEGMA/MAA 84/10/6、4994の分子量(Mn)、および総固形分に基づいて0.79(meq/1グラムのポリマー固形分)の酸値の組成を有していた。
ISD分散剤7 BZMA//DMAEMA 13//3.4ジブロックコポリマー
3リットルフラスコに、機械的攪拌機、温度計、N2導入口、乾燥管出口、および滴下漏斗を備えさせた。THF、540gをフラスコに充填した。触媒(テトラブチルアンモニウムm−クロロベンゾエートのアセトニトリル中の1.0M溶液0.69g)を次いで添加した。開始剤(1−メトキシ−1−トリメチルシロキシ−2−メチルプロペン、29.8g(0.17モル))を注入した。フィードI(テトラブチルアンモニウムm−クロロベンゾエートのアセトニトリル中の1.0M溶液0.35gおよびTHF、5g)を開始すると共に、150分間にわたって添加した。フィードII(N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、92.3g(0.59モル))を0.0分に開始すると共に、30分間にわたって添加した。フィードIII(ベンジルメタクリレート、390.8g(2.22モル))を60分に開始すると共に、30分間にわたって添加した。
135分に、11gのメタノールを上記の溶液に添加すると共に、フィードIを停止した。蒸留を用いて48gの材料を除去し、47.3%固形分の最終ポリマー溶液をもたらした。
このポリマーは、BZMA//DMAEMA 13//3.4(モル比)、2930の理論的分子量(Mn)、および総固形分に基づいて1.18(meq/1グラムのポリマー固形分)のアミン値の組成を有していた。
ISD分散剤8a BZMA/DMAEMA 85.5/14.5ランダム直鎖コポリマー
3リットルフラスコに、機械的攪拌機、温度計、N2導入口、乾燥管出口、および滴下漏斗を備えさせた。THF、552gをフラスコに充填した。触媒(テトラブチルアンモニウムm−クロロベンゾエートのアセトニトリル中の1.0M溶液0.37g)を次いで添加した。開始剤(1−メトキシ−1−トリメチルシロキシ−2−メチルプロペン、16.8g(0.096モル))を注入した。フィードI(テトラブチルアンモニウムm−クロロベンゾエートのアセトニトリル中の1.0M溶液0.19gおよびTHF、5g)を開始すると共に、150分間にわたって添加した。フィードII(N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、71.7g(0.46モル)およびベンジルメタクリレート、419.6g(2.38モル))を0.0分に開始すると共に、30分間にわたって添加した。
85分に、6.6gのメタノールを上記の溶液に添加すると共に、フィードIを停止した。蒸留を用いて28.5gの材料を除去し、47.8%固形分の最終ポリマー溶液をもたらした。
このポリマーは、BZMA/DMAEMA 85.5/14.5(重量比)、5370の理論的分子量(Mn)、および総固形分に基づいて0.92(meq/1グラムのポリマー固形分)のアミン値の組成を有していた。
ISD分散剤9 BZMA//MAA 13//3短鎖Bブロックコポリマー
12リットルフラスコに、機械的攪拌機、温度計、N2導入口、乾燥管出口、および滴下漏斗を備えさせた。THF、3866gをフラスコに充填した。触媒(テトラブチルアンモニウムm−クロロベンゾエートのアセトニトリル中の1.0M溶液1.2mL)を次いで添加した。開始剤(1,1−ビス(トリメチルシリルオキシ)−2−メチルプロペン、281.1g(1.21モル))を注入した。フィードI(トリメチルシリルメタクリレート、382.8g(2.42モル))を開始すると共に、30分間にわたって添加した。117分に、フィードII(ベンジルメタクリレート、2767.7g(15.73モル))を開始すると共に、64分間にわたって添加した。240分に、232gのメタノールを上述の溶液に添加すると共に、蒸留を開始した。1180gの材料を除去し、50.82%固形分の最終ポリマー溶液をもたらした。
このポリマーは、BZMA//MAA 13//3(モル比)、2522の分子量(Mn)、1.26の多分散性、および総固形分に基づいて1.23(meq/1グラムのポリマー固形分)の酸値の組成を有していた。
(CP1)比較分散体ポリマー1 ETEGMA//BZMA//MAA 3.6//13.6//10.8
以下は、イオン性安定化、ならびに、立体安定化の両方を有するブロックポリマーをどのように形成するかの例である。
3リットルフラスコに、機械的攪拌機、温度計、N2導入口、乾燥管出口、および滴下漏斗を備えさせた。テトラヒドロフランTHF、291.3gをフラスコに充填した。触媒テトラブチルアンモニウムm−クロロベンゾエートのアセトニトリル中の1.0M溶液0.44mLを、次いで添加した。開始剤、1,1−ビス(トリメチルシロキシ)−2−メチルプロペン、20.46g(0.0882モル)を注入した。フィードI[テトラブチルアンモニウムm−クロロベンゾエートのアセトニトリル中の1.0M溶液0.33mLおよびTHF、16.92g]を開始すると共に、185分間にわたって添加した。フィードII[トリメチルシリルメタクリレート、152.00g(0.962モル)]を0.0分に開始すると共に、45分間にわたって添加した。フィードIIの完了(モノマーの99%超が反応した)から180分後、フィードIII[ベンジルメタクリレート、211.63g(1.20モル)を開始すると共に、30分間にわたって添加した。フィードIIIの完了(モノマーの99%超が反応した)から40分後、フィードIV[エトキシトリエチレングリコールメタクリレート、78.9g(0.321モル)を開始すると共に、30分間にわたって添加した。
400分に、73.0gのメタノールおよび111.0gの2−ピロリドンを上述の溶液に添加すると共に、蒸留を開始した。蒸留の第1のステージの最中に、352.0gの材料を除去した。次いで、さらなる2−ピロリドン340.3gを添加すると共に、追加の81.0gの材料を蒸散させた。最後に、2−ピロリドンを、合計で86.9gを添加した。最終ポリマーは40.0%固形分であった。
ポリマーは、ETEGMA//BZMA//MAA 3.6//13.6//10.8の組成を有していた。これは、Mn=4,200の分子量、酸値2.90を有している。
水酸化カリウムでの比較ポリマー1の中和
以下の処方成分を攪拌しながら組み合わせた。
Figure 2015045001
(CP2)比較分散剤ポリマー2 −BZMA//MAA 13//10
以下は、イオン性安定化、ならびに、立体安定化の両方を有するブロックポリマーをどのように形成するかの例である。組成物はBZMA//MAA 13//10であった。
12リットルフラスコに、機械的攪拌機、温度計、N2導入口、乾燥管出口、および滴下漏斗を備えさせた。THF、3750g、およびp−キシレン、7.4gをフラスコに充填した。触媒(テトラブチルアンモニウムm−クロロベンゾエートのアセトニトリル中の1.0M溶液3.0mL)を次いで添加した。開始剤(1,1−ビス(トリメチルシロキシ)−2−メチルプロペン、291.1g(1.25モル))を注入した。フィードI(テトラブチルアンモニウムm−クロロベンゾエートのアセトニトリル中の1.0M溶液3.0mL)を開始すると共に、180分間にわたって添加した。フィードII(トリメチルシリルメタクリレート、1975g(12.5モル))を0.0分に開始すると共に、35分間にわたって添加した。フィードIIの完了(モノマーの99%超が反応した)から100分後、フィードIII(ベンジルメタクリレート、2860g(16.3モル))を開始すると共に、30分間にわたって添加した。
400分に、720gのメタノールを上述の溶液に添加すると共に、蒸留を開始した。蒸留の第1のステージの最中に、1764.0gの材料を除去した。次いで、さらなるメタノール304.0gを添加すると共に、追加の2255.0gの材料を蒸散させた。最終ポリマー溶液は49.7%固形分であった。
このポリマーは、BZMA//MAA 13//10、3200の分子量(Mn)、および総固形分に基づいて3.52(meq/1グラムのポリマー固形分)の酸値の組成を有していた。
ポリウレタンインク添加剤
ポリウレタンインク添加剤実施例1 IPDI/500 PO3G/DMPA AN30
イソホロンジイソシアネートをトルエンジイソシアネートの代わりに用いたこと、および、同一のNCO/OH比を維持するために、分子量の差について配合を調節したこと以外、調製は、ポリウレタンインク添加剤実施例2(以下に調製されている)と同等であった。ポリウレタン分散体は、24.4%固形分の粘度、22.1cP、d50=nmおよびd95=nmの粒径、ならびに、Mn8170、Mw18084およびPd2.21のGPCによる分子量を有していた。尿素含有量は4.2%である。
ポリウレタンインク添加剤実施例2 TDI/500 PO3G/DMPA AN30
2L反応器に、166.4のPO3G(545MW、95.8gテトラエチレングリコールジメチルエーテル、および21.2gジメチロールプロピオン酸を充填した。混合物を、減圧下に110℃で、内容物が400ppm未満の水を有するまで;およそ3.5時間加熱した。次いで、この反応を70℃に冷却すると共に、30分間にわたって89.7gトルエンジイソシアネートを添加し、続いて15.8gテトラエチレングリコールジメチルエーテルを添加した。反応を80℃で保持したところ、2時間で%NCOは1.5%未満であった。次いで、12.4gビス(2−メトキシエチル)アミンを5分間にわたって添加した。60℃で1時間の後、50gを分析のために除去した。残りのポリウレタン溶液を、45%KOH(15.5g)および218.0g水の混合物を添加し、続いて追加の464g水を添加することにより、高速の混合下で転化した。ポリウレタン分散体は、17.6cPの粘度、22.9%固形分、d50=16nmおよびd95=35nmの粒径、ならびに、Mn7465、Mw15500およびPd2.08のGPCによる分子量を有していた。尿素含有量は、4.3である。
ポリウレタンインク添加剤実施例3 IPDI/T250/DMPA BMEA AN30
2L反応器に、104.3のTerathane 250、95.2gテトラエチレングリコールジメチルエーテル、および20.8gジメチロールプロピオン酸を充填した。混合物を、N2パージしながら1時間115℃に加熱した。次いで、この反応を70℃に冷却すると共に、0.4gジブチルスズジラウレートを添加した。30分間にわたって、142.7gイソホロンジイソシアネートを添加し、続いて、23.8gテトラエチレングリコールジメチルエーテルを添加した。反応を80℃で保持したところ、4.5時間で%NCOは1.0%未満であった。次いで、15.6gビス(2−メトキシエチル)アミンを5分間にわたって添加した。80℃で1時間の後、ポリウレタン溶液を、45%KOH(15.2g)および214g水の混合物を添加し、続いて追加の443g水を添加することにより、高速の混合下で転化した。ポリウレタン分散体は、8.2のpH、25.4%固形分、17.8cPの粘度、およびd50=16nmおよびd95=24nmの粒径を有していた。
ポリウレタンインク添加剤実施例4 IPDI/T650/DMPA AN30
2L反応器に、154.3gのTerathane(登録商標)650、95.2gテトラエチレングリコールジメチルエーテル、および20.4gジメチロールプロピオン酸を充填した。混合物を、N2パージしながら10分間110℃に加熱した。次いで、この反応を80℃に冷却すると共に、0.4gジブチルスズジラウレートを添加した。30分間にわたって、96.0gイソホロンジイソシアネートを添加し、続いて、24.0gテトラエチレングリコールジメチルエーテルを添加した。反応を80℃で保持したところ、2時間で%NCOは1.2%未満であった。次いで、10.6gビス(2−メトキシエチル)アミンを5分間にわたって添加した。80℃で2時間の後、ポリウレタン溶液を、45%KOH(16.8g)および236g水の混合物を添加し、続いて追加の467g水を添加することにより、高速の混合下で転化した。ポリウレタン分散体は、11.4cPの粘度、25.3%固形分、d50=22nmおよびd95=35nmの粒径、ならびに、Mn6520、Mw16000およびPd2.5のGPCによる分子量を有していた。尿素含有量は8.8%である。
ポリウレタンインク添加剤実施例5 TDI/T650/DMPA AN30
2L反応器に、164.6のTerathane650、101.4gテトラエチレングリコールジメチルエーテル、および21.6gジメチロールプロピオン酸を充填した。混合物を、N2パージしながら1時間115℃に加熱した。次いで、反応を70℃に冷却すると共に、30分間にわたって、81.1gトルエンジイソシアネートを添加し、続いて、20.6gテトラエチレングリコールジメチルエーテルを添加した。反応を80℃で保持したところ、5時間で%NCOは1.5%未満であった。次いで、11.2gビス(2−メトキシエチル)アミンを5分間にわたって添加した。80℃で2時間の後、ポリウレタン溶液を、45%KOH(15.8g)および221.9g水の混合物を添加し、続いて追加の418g水を添加することにより、高速の混合下で転化した。ポリウレタン分散体は、7.9のpH、22.7%固形分、27.1cPの粘度、d50=15nmおよびd95=25nmの粒径、ならびに、Mn8557、Mw16951およびPd1.98のGPCによる分子量を有していた。
ポリウレタンインク添加剤実施例6 IPDI/T650/DMPA AN30
2L反応器に、154.3のTerathane650、95.2gテトラエチレングリコールジメチルエーテル、および20.3gジメチロールプロピオン酸を充填した。混合物を、N2パージしながら1時間115℃に加熱した。次いで、この反応を70℃に冷却すると共に、0.4gジブチルスズジラウレートを添加した。30分間にわたって、96.0gイソホロンジイソシアネートを添加し、続いて、23.8gテトラエチレングリコールジメチルエーテルを添加した。反応を80℃で保持したところ、4.5時間で%NCOは1.3%未満であった。次いで、10.5gビス(2−メトキシエチル)アミンを5分間にわたって添加した。80℃で1時間の後、ポリウレタン溶液を、45%KOH(14.9g)および208.5g水の混合物を添加し、続いて追加の440g水を添加することにより、高速の混合下で転化した。ポリウレタン分散体は、7.9のpH、24.4%固形分、d50=19nmおよびd95=30nmの粒径、ならびに、Mn9057、Mw18641およびPd2.06のGPCによる分子量を有していた。尿素含有量は3.7である。
ポリウレタンインク添加剤実施例7 IPDI/T650/DMPA AN45
2L反応器に、136.7gのTerathane(登録商標)650、84.3gテトラエチレングリコールジメチルエーテル、および32.1gジメチロールプロピオン酸を充填した。混合物を、N2パージしながら1時間110℃に加熱した。次いで、この反応を80℃に冷却すると共に、0.3gジブチルスズジラウレートを添加した。30分間にわたって、108.9gイソホロンジイソシアネートを添加し、続いて、28.2gテトラエチレングリコールジメチルエーテルを添加した。反応を80℃で保持したところ、5.5時間で%NCOは1.6%未満であった。次いで、11.9gビス(2−メトキシエチル)アミンを5分間にわたって添加した。80℃で2時間の後、ポリウレタン溶液を、45%KOH(22.8g)および320g水の混合物を添加し、続いて追加の361.5g水を添加することにより、高速の混合下で転化した。ポリウレタン分散体は、20.6cPの粘度、23.7%固形分、d50=14nmおよびd95=18nmの粒径、ならびに、Mn6320、Mw17000およびPd2.7のGPCによる分子量を有していた。尿素含有量は4.1%である。
ポリウレタンインク添加剤実施例8 IPDI/T650/DMPA AN60
追加のジメチロールプロピオン酸でいくらかのTerathane 650を置き換えて、同一のNCO/OH比を維持しながら、ポリウレタンの最終酸価を60mg KOH/gポリマーに調節したこと以外、調製は、ポリウレタンインク添加剤実施例1と同等であった。このポリウレタン分散体は、24.1%固形分で21cPの粘度、d50=19nmおよびd95=24nmの粒径、ならびに、Mn5944のGPCによる分子量を有していた。尿素含有量は4.5%である。
ポリウレタンインク添加剤実施例9a DEA末端封止1,6ヘキサンジオール、AN60
滴下漏斗、コンデンサ、攪拌機および窒素ガスラインを備える乾燥した、アルカリも酸も含まないフラスコに、55gの1,6ヘキサンジオール、48gのDMPA、32.2gのTEA、100gのアセトンおよび0.06gのDBTLを添加した。含有物を40℃に加熱し、よく混合した。227g IPDIを、次いで、滴下漏斗を介してフラスコに40℃で60分かけて添加し、残存するIPDIのいずれも滴下漏斗からフラスコに10gアセトンですすいだ。
フラスコ温度を50℃に昇温させ、NCO%が3.5%以下になるまで50℃で保持し、次いで39.5グラムDEAを5分間にわたって添加し、続いて、5グラムのアセトンですすいだ。50℃で1時間の後、613gの脱イオン(DI)水を、滴下漏斗を介して10分間にわたって添加した。混合物を50℃で1時間保持し、次いで、室温に冷却した。アセトン(−115g)を減圧下で除去して、約35.0重量%固形分のポリウレタン溶液を残留させた。最終ポリウレタン分散体は、30cPの粘度、pH7.5、d50=86.5nmの粒径を有していた。
ポリウレタンインク添加剤実施例9b IPDI/HD BMEA AN30
2L反応器に、70.9の1,6−ヘキサンジオール、55.3gテトラエチレングリコールジメチルエーテル、および21.5gジメチロールプロピオン酸を充填した。混合物を、N2パージしながら30分間110℃に加熱した。次いで、この反応を80℃に冷却すると共に、0.5gジブチルスズジラウレートを添加した。30分間にわたって、185.8gイソホロンジイソシアネートを添加し、続いて、45.8gテトラエチレングリコールジメチルエーテルを添加した。反応を85℃で保持したところ、2時間で%NCOは2.1%未満であった。次いで、20.3gビス(2−メトキシエチル)アミンを5分間にわたって添加した。85℃で1時間の後、ポリウレタン溶液を、45%KOH(15.7g)および222g水の混合物を添加し、続いて追加の489g水を添加することにより、高速の混合下で転化した。ポリウレタン分散体は、9.9cPの粘度、25.3%固形分、pH8.0、d50=17nmおよびd95=26nmの粒径、ならびに、Mn5611、Mw10316、およびPD1.8のGPCによる分子量を有していた。尿素含有量は6.8%である。
ポリウレタンインク添加剤実施例10 IPDI/DDD BMEA AN30
2L反応器に、95.9の1,12−ドデカンジオール、74.9gテトラエチレングリコールジメチルエーテル、および20.6gジメチロールプロピオン酸を充填した。混合物を、N2パージしながら1時間110℃に加熱した。次いで、この反応を80℃に冷却すると共に、0.4gジブチルスズジラウレートを添加した。30分間にわたって、153.5gイソホロンジイソシアネートを添加し、続いて、37.9gテトラエチレングリコールジメチルエーテルを添加した。反応を85℃で保持したところ、2時間で%NCOは1.8%未満であった。次いで、16.9gビス(2−メトキシエチル)アミンを5分間にわたって添加した。85℃で1時間の後、ポリウレタン溶液を、45%KOH(16.9g)および214g水の混合物を添加し、続いて追加の458g水を添加することにより、高速の混合下で転化した。ポリウレタン分散体は、11.2cPの粘度、25.4%固形分、pH7.9、d50=17nmおよびd95=25nmの粒径、ならびに、Mn6640、Mw12615、およびPD1.9のGPCによる分子量を有していた。尿素含有量は5.9%である。
ポリウレタンインク添加剤実施例11 IPDI/1000PEG/DMPA BMEA AN20
2L反応器に、154.1gポリエチレングリコール(1075MW、Dow製のCarbowax Sentry)、88.1gテトラエチレングリコールジメチルエーテル、および18.0gジメチロールプロピオン酸を充填した。混合物を、減圧下に110℃で、加熱した。次いで、この反応を75℃に冷却すると共に、0.2gジブチルスズジラウレートを添加した。30分間にわたって、71.1gイソホロンジイソシアネートを添加し、続いて、11.7gテトラエチレングリコールジメチルエーテルを添加した。反応を80℃で保持したところ、5.5時間で%NCOは1.0%未満であった。次いで、7.8gビス(2−メトキシエチル)アミンを5分間にわたって添加した。80℃で1時間の後、ポリウレタン溶液を、45%KOH(15.1g)および211.0g水の混合物を添加し、続いて追加の420g水を添加することにより、高速の混合下で転化した。ポリウレタン分散体は、59.2cPの粘度、6.7のpH、23.9%固形分、およびd50=4nmおよびd95=7nmの粒径を有していた。尿素含有量は3/1%である。
ポリウレタンインク添加剤実施例12 11IPDI/HQEE/DMPA BMEA AN30
2L反応器に、95.2ハイドロキノンジ−(β−ヒドロキシエチル)エーテル(Arch Chemical製のPoly−G HQEE)、74.3gテトラエチレングリコールジメチルエーテル、および20.8gジメチロールプロピオン酸を充填した。混合物を、N2パージしながら1時間115℃に加熱した。次いで、この反応を85℃に冷却すると共に、30分間にわたって、154.5gイソホロンジイソシアネートを添加し、続いて、38.1gテトラエチレングリコールジメチルエーテルを添加した。イソシアネート供給が完了した後、0.3gジブチルスズジラウレートを添加した。反応を85℃で保持したところ、4時間で%NCOは1.9%未満であった。次いで、16.9gビス(2−メトキシエチル)アミンを5分間にわたって添加した。80℃で1時間の後、ポリウレタン溶液を、45%KOH(15.4g)および214g水の混合物を添加し、続いて追加の458g水を添加することにより、高速の混合下で転化した。ポリウレタン分散体は、34.4cPの粘度、25.3%固形分、8.46のpH、d50=11nmおよびd95=16nmの粒径、ならびに、Mn6445、Mw12473およびPd1.94のGPCによる分子量を有していた。尿素含有量は5.9%である。
ポリウレタンインク添加剤実施例13 IPDI/500PC/DMPA BMEA AN30
2L反応器に、146.3のEternacoll UH50(Ubeポリカーボネートジオール、501MW)、84.2gテトラエチレングリコールジメチルエーテル、および20.8gジメチロールプロピオン酸を充填した。混合物を、N2パージしながら1時間75℃に加熱した。次いで、0.5gジブチルスズジラウレートを添加すると共に、30分間にわたって、109.4gイソホロンジイソシアネートを添加し、続いて、28.1gテトラエチレングリコールジメチルエーテルを添加した。反応を80℃で保持したところ、1.5時間で%NCOは1.1%未満であった。次いで、12.0gビス(2−メトキシエチル)アミンを5分間にわたって添加した。80℃で1時間の後、ポリウレタン溶液を、45%KOH(15.3g)および225g水の混合物を添加し、続いて、追加の450.2g水を添加することにより高速の混合下で転化した。ポリウレタン分散体は、8.8cPの粘度、24.4%固形分、8.1のpH、およびd50=14nmおよびd95=28nmの粒径を有していた。尿素含有量4.16%。
ポリウレタンインク添加剤実施例14 (架橋ポリウレタン)
滴下漏斗、コンデンサ、攪拌機および窒素ガスラインを備えるアルカリおよび酸を含まない乾燥したフラスコに、699.2gDesmophen C200、280.0gアセトンおよび0.06g DBTLを添加した。含有物を40℃に加熱し、よく混合した。189.14g IPDIを、次いで、滴下漏斗を介してフラスコに40℃で60分かけて添加し、残存IPDIのいずれも滴下漏斗からフラスコに15.5gアセトンですすいだ。
フラスコ温度を50℃に昇温させ、次いで、30分間維持した。44.57g DMPA続いて、25.2g TEAを、滴下漏斗を介してフラスコに添加し、次いで、これを15.5gアセトンですすいだ。次いで、フラスコ温度を再度50℃に昇温させ、NCO%が1.23%未満となるまで50℃で維持した。
50℃の温度で、1498.0g脱イオン(DI)水を10分間にわたって添加し、続いて、24.4gのEDA(6.25%水溶液として)および118.7gのTETA(6.25%水溶液として)の混合物を5分間にわたって、滴下漏斗を介して添加し、次いで、これを80.0g水ですすいだ。混合物を50℃で1時間保持し、次いで、室温に冷却した。
アセトン(−310.0g)を減圧下で除去して、約35.0重量%固形分を有するポリウレタンの最終分散質を残留させた。
ポリウレタン分散質2について、架橋がテトラエチレントリアミンにより達成された。尿素含有量は0.95重量%である。
ポリウレタンインク添加剤実施例15 12IPDI/15DHE T650 BMEA 45AN 90%KOH
2L反応器に、109.7gのTerathane(登録商標)650、33.8gテトラエチレングリコールジメチルエーテル、および6.6gのDantocol DHE(1,3−ジヒドロキシエチルジメチルヒダントイン)および27.0gジメチロールプロピオン酸を充填した。混合物を、N2パージしながら、20分間、75℃に加熱した。次いで、0.4gジブチルスズジラウレートを添加した。60分間にわたって、96.6gイソホロンジイソシアネートを添加し、続いて、8.0gテトラエチレングリコールジメチルエーテルを添加した。反応を80℃で保持したところ、4時間で補正%NCOは1.5%未満であった。次いで、9.7gビス(2−メトキシエチル)アミンを5分間にわたって添加した。80℃で1時間の後、ポリウレタン溶液を、45%KOH(22.6g)および317g水の混合物を添加し、続いて追加の372g水を添加することにより、高速の混合下で転化した。ポリウレタン分散体は、xxx cPの粘度、xxx%固形分、d50=xx nmおよびd95=xx nmの粒径、ならびに、Mn xxx、Mw xxx、およびPd xxのGPCによる分子量を有していた。尿素含有量は3.9%である。
分散体調製1−ブラック分散体(PD1)
水性ブラック顔料分散体を、以下の処方成分を適切に攪拌しながら混合することにより調製した。
分散体は以下の処方で調製した。
Figure 2015045001
列挙した処方成分を十分に混合し、次いで、Microfluidics systemを用いて分散させた。次いで、上述のものを138gの水で希釈すると共に、Microfluidics systemで再度分散させて、119nmの平均粒径を有する10重量%顔料固形分分散体を得た。
分散体調製2−マゼンタ分散体(PD2)
水性マゼンタ顔料分散体を、先ず、以下の処方成分を2ロールミルで粉砕することにより調製した。
Figure 2015045001
これを粉砕すると共に、89.7重量%固形分であるチップ形態のマゼンタ分散体を形成した。次いで、先ず、これを、以下の処方成分を混合することにより薄めた。
Figure 2015045001
次いで、分散体を、高速分散機中で4時間、3000rpmで混合した。この後、500.0gの分散体を取り出すと共に、53.75gのDowanol(登録商標)DPMおよび253.75gの脱イオン水と混合した。この分散体を、次いで、媒体ミル中で粉砕した。次いで、水で希釈することにより分散体を精製すると共に、過剰量の溶剤を限外ろ過プロセスを介して除去して、1.0重量%の未満の溶剤(水以外)を有する14.09重量%顔料固形分分散体を生成した。
分散体調製3−シアン分散体(PD3)
水性シアン顔料分散体を、先ず、以下の処方成分を2ロールミルで粉砕することにより調製した。
Figure 2015045001
これを粉砕すると共に、93.45重量%固形分であるチップ形態のシアン分散体を形成した。次いで、先ず、これを、以下の処方成分を混合することにより薄めた。
Figure 2015045001
次いで、分散体を、高速分散機中で3時間、4000rpmで混合し、次いで、続けて、媒体ミル中で4時間粉砕した。次いで、341gの材料を441g脱イオン水で希釈することにより分散体を精製し、過剰量の溶剤を限外ろ過プロセスを介して除去して、1.0重量%未満の溶剤(水以外)、および123nmの平均粒径を有する13.65重量%顔料固形分分散体を生成した。
分散体調製4−イエロー分散体(PD4)
水性イエロー顔料分散体を、先ず、以下の処方成分を2ロールミルで粉砕することにより調製した。
Figure 2015045001
これを粉砕すると共に、89.16重量%固形分であるチップ形態のイエロー分散体を形成した。次いで、先ず、これを、以下の処方成分を混合することにより薄めた。
Figure 2015045001
次いで、分散体を、高速分散機(HSD)中で4時間、3000rpmで混合した。次いで、これを4時間、媒体ミル中で粉砕した。次いで、281gの材料を141g脱イオン水で希釈することにより分散体を精製し、過剰量の溶剤を限外ろ過プロセスを介して除去して、1.0重量%未満の溶剤(水以外)および79nmの平均粒径を有する18.37重量%顔料固形分分散体を得た。
比較分散体調製3−自己分散ブラック顔料(CDP3)
既に援用されている米国特許第6,852,156号明細書の実施例3に記載の方法により調製した。
高分子分散体のテスト
ISDに関して、親水性および疎水性組成物の比が表中に示されている。項目の各々について、高分子分散剤およびポリウレタンインク添加剤を、上に挙げた実施例または同様の合成法によって調製した。同様に、分散体およびインクは、上述の手法によって調製した。ランダムポリマーに関しては、重量比が用いられており;ブロックポリマーに関しては、モノマー成分のモル比を用いた。
表1は、カーボンブラック顔料を含むISD高分子分散剤についての塩安定性テストを示す。これらの高分子分散剤の各々について、安定な分散体を、分散体調製1に類似した様式で調製した。顔料はカーボンブラックであった。SDP分散剤および従来の分散剤を含むインクの結果も示されている。
選択されたポリウレタンインク添加剤は、ISD分散剤の特性を有していてもよい。分散体は、92/8分散剤系について記載したものと類似の様式で調製した。
Figure 2015045001
表1における結果は、ブラック顔料が配合される場合、7種のISDポリマーが本発明についての塩テスト判断基準を満たすことを示す。90/10、92/8および94/6のISDを比較すると、親水性成分がこの組においては低減されており、塩安定性テストは高分子分散剤が、より低い塩濃度で析出するであろうことを示している。分散剤としてテストした2種のポリウレタンもまた、ISDとして塩安定性テストを満たす。SDP材料もまた塩テスト判断基準を満たすが、高分子分散剤を有していない。従来の分散剤は、インク用の顔料用に典型的に市販されている配合物である。従来の分散剤は、塩安定性テストについての本発明の判断基準を満たさないことに注意されたい。すなわち、これらの分散体は、高塩濃度で24時間後も析出しない。
テストインクサンプルの印刷
テスト実施例の印刷は、他に示されていない限りにおいては以下の様式で行った。ISDインクについての印刷は、ピエゾ式Epson 980プリンタ(Epson America Inc(Long Beach,Calif))で、普通紙に720ドット/インチ、および光沢紙に1440dpiの公称解像度を有する黒色印刷ヘッドを用いて行った。印刷は、ソフトウェアの選択による標準印刷モードで行った。印刷テストは、サーマルインクジェットプリンタ、HP6122でも行った。光学密度および彩度は、Greytag−Macbeth SpectoEye機器(Greytag−Macbeth AG(Regensdorf,Switzerland))を用いて計測した。普通紙OD値は、3種の異なる普通紙:Hammermill Copy Plus紙、Hewlett−Packard Office紙およびXerox 4024紙への印刷物からの読取り値の平均である。光沢紙結果は、Epson Glossy Photo紙、SO41286を用いて形成した印刷物からのものである。Epson Photo Qualityインクジェット紙(マット紙)のSO41062にも印刷した。光沢は、BYK−Gardner Micro−Tri−Gloss光沢メータ(Gardner Co.(Pompano Beach,Florida))を用いて計測した。ISDを用いて調製したインクを印刷すると共に、光学特性を計測した。ブラックおよび他の顔料インクを、表2に列挙したビヒクルおよびISDを用いて調製した。光学密度は3種の異なるタイプの普通紙でテストした。すべてのポリマー配合物は、それぞれ、1c、2b、3bおよび5である2−ピロリドン配合物に基づいていた。
Figure 2015045001
ポリウレタンインク添加剤を含まないISD配合インクは、従来の分散剤を含む比較インクよりも良好な光学密度を有している。一連のISD90/10、92/8、および94/6に関して、光学密度は、親水性が低下するに伴って向上する。ISD92/8および94/6の両方に関して、光学密度は、3および6%充填量の両方で良好であった。
ISD分散剤およびポリウレタンインク添加剤を含むインクの調製
本発明のインクは、ポリウレタンインク添加剤を添加したことを除き、上述の比較インクの例と同様の様式で、以下の成分を顔料分散体に添加することにより形成した。用いた分散剤は、ISD分散剤2bとして記載されている92/8分散剤であった。示されているすべての量は重量パーセントである。
Figure 2015045001
マゼンタ顔料の原料は、Clariant(Charlotte,NC)製のEO2であると共に、ブラック顔料の原料は、DeGussa(Parsippany,NJ)製のNipex 180IQであった。
表3〜6に示されているインクの各々を印刷すると共に光学特性を計測した。光沢およびDOIデータについての100%および80%の表示は、それぞれ、100%および80%カバレッジである。
マゼンタ
Figure 2015045001
上記に示されている本発明のインクのいくつかについて、1ページしか印刷されなかったというデータ項目リストは、インク配合物は安定ではなかったか、または、印刷に伴う他の問題が生じたことを示す。これらの配合物は、この効果を最低限とするためにさらに最適化しなかった。しかしながら、上記のデータは、光沢およびDOIは計測不可能であったが、光学密度はなお要求範囲内にあることを示す。比較インクは、匹敵する光学密度結果を有し、これは、ポリウレタンインク添加剤は光学密度に悪影響を有していなかったことを示す。
Figure 2015045001
光沢およびDOIに関して、ポリウレタンインク添加剤の1%充填量での本発明のインクは、比較インクよりも顕著に良好であった。例えば、比較インクに対する約61の平均に対してPUD2は92.1の光沢を有していた。
Figure 2015045001
1つのデータ項目のみが、そのインクにより印刷できなかったことを示した。これは3%PUDインク添加剤レベルであった。これは、広い範囲にわたる顔料およびポリウレタンインク添加剤配合物である。比較インクは匹敵する光学密度結果を有し、これは、ポリウレタンインク添加剤は光学密度に悪影響を有していなかったことを示す。
Figure 2015045001
ISD分散顔料およびポリウレタンインク添加剤を含むインクに関して、光沢およびDOIは、ポリウレタン添加剤を含まないISD調製物と比して向上していた。
ISD分散剤およびポリウレタンインク添加剤を含む本発明のインクを比較するために、ISD分散剤およびISD分散剤と同等である高分子添加剤を含むブラックインクを調製した。ISD分散剤は、この場合、ポリウレタンインク添加剤とも同一である。各インクについて、顔料分散体は、従来の分散技術を用いて調製した。次いで、インクを、高分子インク添加剤を含む他の処方成分を添加することにより調製した。
Figure 2015045001
ポリウレタンインク添加剤レベルが1.5、3、4.5および6重量%での本発明のインクは、809および100%カバレッジの両方で顕著により良好な光沢を有していた。DOIは、1.5および3%レベルでより良好であった。これは、4.5および6%の高分子インク添加剤充填量では、DOIが計測可能ではないか、または、くもりの結果をもたらす他の印刷上の問題をインクが有していたことを示し得る。
架橋ポリウレタンインク添加剤の例
本発明のインクを調製し、紙で、および織物への印刷でテストした。織物印刷は、米国特許出願公開第20050215663号明細書に記載の手法に準拠して行った。マゼンタ、シアンおよびイエローインクを調製すると共にテストした。綿およびポリコットン上への織物印刷に関して、織物は計測の前に融着させた。7409は160℃で2分間および419は190℃で2分間。
Figure 2015045001
インクの組成は以下のとおりである。
Figure 2015045001
PUDインク添加剤を含む従来の重合分散インクとの比較。
インクは、比較分散剤ポリマー1での記載のとおり、ETEGMA//BZMA//MAA分散剤で調製した。インクは、ポリウレタンインク添加剤を伴わないもの、および、伴ったものを調製した。
Figure 2015045001
これらのテストのためのインクの組成は重量パーセント単位であった。
3.75% 顔料(Nipex 180IQ)
1.875% アクリルポリマー(固体);分散剤。
2.00% PUDインク添加剤4
9.00% 2−ピロリジノン
2.00% イソプロパノールアルコール
0.20% ネオペンタルアルコール
5.00% Liponics−EG1(LEG)
0.20% Proxel GXL
75.975% 水
PUDインク添加剤は、顕著にODを低下させるが、光沢およびDOIはほとんど変化しない。この従来の分散顔料は、ISDおよびポリウレタンインク添加剤が有するような向上した組み合わせを有さない。
なお、本発明は、特許請求の範囲を含め、以下の発明を包含する。
1. 水性ビヒクル中にポリウレタン、水性顔料分散体を含む水性顔料インクジェットインクであって:前記水性顔料分散体は、高分子イオン性分散剤および顔料を含み、
(a)前記高分子イオン性分散剤は顔料に物理的に吸着されており、
(b)前記高分子イオン性分散剤は顔料を水性ビヒクル中に安定的に分散させ、
(c)前記分散体の平均粒径は約300nm未満であり、ならびに
(d)3滴のインクを約1.5gの約0.20モル塩の塩水溶液に添加した場合に、添加後24時間観察したときに、前記顔料が前記塩水溶液から析出し;ならびに、
前記ポリウレタンは、
a).前記ポリウレタンの尿素末端ポリウレタン部の重量分率がウレタン樹脂に対して少なくとも2重量%である尿素末端ポリウレタン;および
b).水性インクの総重量に基づいて約0.5重量%超〜約30重量%の量のインクジェットインク中の架橋ポリウレタンであって、前記架橋ポリウレタンにおける架橋の量は、THF不溶分テストによる測定で約1%超、かつ、約50%未満であるもの
から本質的になる群から選択される水性顔料インクジェットインク。
2.前記ポリウレタンが、一般構造(I):
Figure 2015045001
(R1=ジイソシアネートからのアルキル、置換アルキル、置換アルキル/アリールであり、
2=ジオールからのアルキル、置換/分岐アルキルであり、
3=水素;アルキル;アミン末端封止基からの非イソシアネート反応性置換アルキル、イソシアネート反応性置換アルキル、または分岐アルキルであり;
4=水素;アルキル;アミン末端封止基からの非イソシアネート反応性置換アルキル、イソシアネート反応性置換アルキル、または分岐アルキルであり;
イソシアネート反応性基はヒドロキシル、カルボキシル、メルカプトまたはアミドから選択され;
n=2〜30であり;
ならびに、R2=Z1、Z2またはZ3であり、かつ、少なくとも1つのZ1またはZ3および少なくとも1つのZ2がポリウレタン組成物中に存在していなければならず;
Figure 2015045001
pは1以上であり、
p=1である場合、mは2以上〜約36であり、
p=2超である場合、mは2以上〜約12であり;
5、R6=水素、アルキル、置換アルキル、アリールであり;ここで、R5はR5およびR6置換メチレン基の各々と同一または異なっており、R5とR5またはR6とは結合して環構造を形成していることが可能であり;
2は、イオン基で置換されたジオールであり;
3は、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリエステルカーボネートジオールおよびポリアクリレートジオールから選択される;)
の少なくとも1種の化合物を含む尿素末端ポリウレタンであり、
構造Iは尿素末端封止成分を示すと共に、構造IIは、構造I用の構築ブロックであるジオールおよび/またはポリエーテルジオールを示す、1に記載のインクジェットインク。
3.前記尿素末端ポリウレタンが、構造II(式中、m=3〜36である)のものである、2に記載のインクジェットインク。
4.前記尿素末端ポリウレタンが、構造II(式中、pは2以上であり、m=3〜12である)のものである、2に記載のインクジェットインク。
5.前記ポリウレタンが、総インク組成物の重量に基づいて約0.1〜約12重量%である、1に記載のインクジェットインク。
6.前記ポリウレタンが、総インク組成物の重量に基づいて約0.2〜約10重量%である、1に記載のインクジェットインク。
7.前記ポリウレタンが、総インク組成物の重量に基づいて約0.25〜約8重量%である、1に記載のインクジェットインク。
8.インクの総重量に基づいて約0.1〜約10重量%の顔料、約0.5〜約6の顔料対分散剤の重量比、25℃で約20dyne/cm〜約70dyne/cmの範囲の表面張力、および、25℃で約30cP未満の粘度を有する、1に記載のインクジェットインク。
9.前記分散剤は、顔料を水性ビヒクルに安定的に分散させ、
(c)分散体の平均粒径は約300nm未満であり、ならびに
(d)3滴のインクを約1.5gの約0.20モル塩の塩水溶液に添加した場合に、添加後24時間観察したときに、前記顔料が前記塩水溶液から析出し;および添加後24時間観察したときに、前記顔料が前記塩水溶液から析出する、1に記載のインクジェットインク。
10.前記高分子イオン性分散剤が親水性部分および疎水性部分を含み、前記疎水性部分が主たる部分である、1に記載のインクジェットインク。
11.前記高分子イオン性分散剤が、1種または複数種の親水性モノマーおよび1種または複数種の疎水性モノマーのコポリマーであり、このコポリマーが約300超〜約30,000未満の数平均分子量を有する、10に記載の高分子イオン性分散剤分散体。
12.前記顔料対高分子イオン性分散剤の重量比が約0.5〜約6である、1に記載のインクジェットインク。
13.前記水性ビヒクルが、水および少なくとも1種の水和性の溶剤の混合物である、1に記載のインクジェットインク。
14.少なくとも1種のシアンインク、少なくとも1種のマゼンタインクおよび少なくとも1種のイエローインクを含み、少なくとも1種のインクが1に記載の水性顔料インクジェットインクであるインクセット。
15.(a)デジタルデータ信号に応答性のインクジェットプリンタを提供するステップ;
(b)印刷されるべき基材を前記プリンタに装填するステップ;
(c)14に記載のインクを前記プリンタに装填するステップ;および
(d)デジタルデータ信号に応答して、インクまたはインクジェットインクセットを用いて基材上に印刷するステップ
を含む基材上へのインクジェット印刷方法。
16.15に記載のインクセットが前記プリンタに装填される、5に記載の基材上へのインクジェット印刷方法。

Claims (4)

  1. 水性ビヒクル中に尿素末端ポリウレタンインク添加物および水性顔料分散体を含む水性顔料インクジェットインクであって:前記水性顔料分散体は、高分子イオン性分散剤および顔料を含み、
    (a)前記高分子イオン性分散剤は顔料に物理的に吸着されており、
    (b)前記高分子イオン性分散剤は顔料を水性ビヒクル中に安定的に分散させ、
    (c)前記分散体の平均粒径は300nm未満であり、ならびに
    アミン連鎖停止剤の質量を、この連鎖停止剤を含む他のポリウレタン成分の和で除することにより判定される、前記ポリウレタンの尿素末端ポリウレタン部の重量分率が、ウレタン樹脂の総重量の2重量%〜6.8重量%であり、
    ;および
    尿素末端ポリウレタンは、水性インクの総重量に基づいて0.5重量%超〜30重量%の量のインクジェットインク中で架橋されており、
    且つ、前記架橋ポリウレタンにおける架橋の量は、THF不溶分テストによる測定で1%超、かつ、50%未満であることを特徴とする水性顔料インクジェットインク。
  2. 前記ポリウレタン末端が、一般構造(I):
    Figure 2015045001
    (R1=ジイソシアネートからのアルキレン、置換アルキレン、アリールレン、または置換アリールレンであり、
    2=Z1、Z2またはZ3由来のアルキレン、または置換アルキレンであり、
    3=水素;アルキル;アミン末端封止基からの非イソシアネート反応性置換アルキル、イソシアネート反応性置換アルキル、または分岐アルキルであり;
    4=水素;アルキル;アミン末端封止基からの非イソシアネート反応性置換アルキル、イソシアネート反応性置換アルキル、または分岐アルキルであり;
    イソシアネート反応性基はヒドロキシル、カルボキシル、メルカプトまたはアミドから選択され;
    n=2〜30であり;
    ならびに、R2は上記に定義したものであり、かつ、少なくとも1つのZ1またはZ3および少なくとも1つのZ2がポリウレタン組成物中に存在していなければならず;
    Figure 2015045001
    pは1以上であり、
    p=1である場合、mは2〜36であり、
    p=2超である場合、mは2〜12であり;
    5、R6=水素、アルキル、置換アルキル、アリールであり;ここで、R5はR5およびR6置換メチレン基の各々と同一または異なっており、R5とR5またはR6とは結合して環構造を形成していることが可能であり;
    2は、イオン基で置換されたジオールであり;
    3は、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリエステルカーボネートジオールおよびポリアクリレートジオールから選択される;)
    の少なくとも1種の化合物を含み、
    構造Iは尿素末端封止成分を示すと共に、構造IIは、構造I用の構築ブロックであるジオールを示す、請求項1に記載のインクジェットインク。
  3. 前記尿素末端ポリウレタンが、構造II(式中、m=3〜36である)のものである、請求項2に記載のインクジェットインク。
  4. 前記尿素末端ポリウレタンが、構造II(式中、pは2以上であり、m=3〜12である)のものである、請求項2に記載のインクジェットインク。
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