本願に記載される様々な技術的特徴を組み込んだ特定の実施形態は、(より)小型(より小さい障害を伴う)であって、特に脊柱の軸に対して実質的に直交する軸に沿って(より)容易に移植可能な、そして剛性であって、椎骨を損傷する危険性が低減された(より)確実な固着を可能にする、椎間インプラント用の固定装置を提案することによって、先行技術のこれらおよび/またはその他の不都合のうちの1つ以上を軽減することを、目指す。
上記の目的は、たとえば、椎骨内に貫通するように設計された、前部と称される第一末端と、後部と称される第二末端との間に延在する長手軸に沿って延伸する少なくとも1つの湾曲プレートを含む本体を含み、固定装置は少なくとも1つの椎体終板に貫通して、インプラントを保持する歯止めによってこの椎体終板にインプラントを固着させるために、インプラントの少なくとも一部を横断する通路を通じて挿入されるように設計されている、椎骨内に椎間インプラントを固定するための装置であって、本体は、その面の少なくとも1つの少なくとも一部に少なくとも1つの長手方向リブを含み、前記リブはインプラントの通路内の少なくとも1つの溝と協働するように設計されていることを特徴とする装置によって、達成される。
別の特徴によれば、前記リブのレベルは本体の長手軸に沿って変化する。
別の特徴によれば、前記リブのレベルは本体の長手軸に沿って変化する。
別の特徴によれば、本体の湾曲プレートは、本質的に椎間腔の平面内に長手軸を有する一方で、脊柱の垂直軸に対しておよそ90°を形成する進入路の軸に沿って椎体終板内に固定装置が埋め込まれるように作られた寸法および少なくとも1つの曲率半径を有する、円または楕円の少なくとも1つの弧を描く。
別の特徴によれば、前部末端は、椎骨内への装置の貫通を容易にする、少なくとも1つの面取りまたは少なくとも1つの角取りを含む。
別の特徴によれば、前部末端は、椎骨内への装置の貫通を容易にする、少なくとも1つの刻み目を含む。
別の特徴によれば、本体には、一旦椎骨内に埋め込まれたら装置の抜去に対抗するように配向された、刻み目が設けられている。
別の特徴によれば、本体は、装置が固定されるように設計されている椎骨に対してインプラントを保持するために、装置が固着されるように設計されたインプラント上の少なくとも1つの歯止め面と協働するように設計された、前部末端と本質的に対向して配向された少なくとも1つの歯止め面を含む、保持と称される少なくとも1つの歯止めを含む。
別の特徴によれば、保持歯止めは、固定装置の本体の少なくとも1面上に、少なくとも1つの突起ラグを含む。
別の特徴によれば、保持歯止めは、固定装置の本体の側面上に、2つの突起ラグを含む。
別の特徴によれば、保持歯止めは、後部末端のレベルで、リブに対して直角に突起する2つのラグを含む。
別の特徴によれば、本体は、後部末端に向かって配向され、固定装置の抜去に対抗する抜去歯止めを形成する、少なくとも1つの可撓性ラグを含む。
別の特徴によれば、プレートの曲率はプレートの深さにおいて配向されている。
別の特徴によれば、プレートの曲率は、プレートの幅において配向されている。
別の特徴によれば、固定装置は、プレートの後部末端付近に、インプラントの通路内での装置の遊びを制限する、プレートの残部の厚みよりも大きい厚みを有する少なくとも1つの部分を含む。
別の特徴によれば、本体は、後部末端付近に、装置を抽出するためのツールを受容するために形成され、固定装置の抜去を可能にする、少なくとも1つの陥凹を含む。
別の特徴によれば、陥凹は、ツールが前記陥凹内に直接貫通できるように、本体の後部末端上で開放している。
別の特徴によれば、可撓性ラグの歯止め末端は、インプラントの外側に現れるチャネルを通じてインプラントの歯止めから解放されることが可能である。
別の特徴によれば、固定装置は、一旦埋め込まれたら装置を通じての骨成長を可能にするために、プレートを横断する少なくとも1つの開口部を含む。
別の特徴によれば、リブは、この刻み目がインプラントの通路の末端の歯止め面で停止されるように決定された距離だけ後部末端から離れて位置する、刻み目を含む。
本願に記載される様々な技術的特徴を組み込んだ様々な実施形態の別の目的は、ほぼ椎間腔の平面内に埋め込まれることが可能であって、インプラントの確実な固着を可能にする、椎間固定のシステムを提案することによって、先行技術の前記(および/またはその他の)不都合のうちの1つ以上を軽減することである。
この目的は、たとえば、本発明による2つの装置を含み、第一固定装置は、前部末端と本質的に対向して配向された少なくとも1つの歯止め面を含む、協働と称される歯止めを含み、第二固定装置は、実質的に後部末端に対向する方向に配向された少なくとも1つの歯止め面を含む、協働と称される歯止めを含み、これら2つの協働歯止めは互いに協働するように作られていることを特徴とする、椎骨内に椎間インプラントを固定するためのシステムによって、達成される。
別の特徴によれば、第二固定装置の歯止めは、本質的に前部末端に対向するように配向された第二歯止め面を含み、第一装置は、その後部歯止め末端が歯止めの第二歯止め面と接触して可撓性ラグを支持するのに役立つように位置決めされた可撓性ラグを含み、こうして一旦インプラント内に収まったら、第二装置を保持する第一装置の抜去を妨害する。
別の特徴によれば、第一装置の可撓性ラグの歯止め末端は、インプラントの外側に現れるチャネルを通じて、第二装置の歯止めの第二歯止め面から解放されることが可能である。
本願に記載される様々な技術的特徴を組み込んだ特定の実施形態の別の目的は、ほぼ椎間腔の平面内に埋め込まれることが可能な固定装置によって椎骨に堅固に取り付けられることが可能な、実質的に椎間腔の平面内に埋め込まれることが可能な椎間インプラントを提案することによって、先行技術の前記(および/またはその他の)不都合のうちの1つ以上を軽減することである。
この目的は、たとえば、後部と称されるその少なくとも一部が、その曲率に関わらず変形することなくこの剛性固定装置の通過を許容するように、湾曲プレートを含む少なくとも1つの固定装置を受容するのに適した寸法の少なくとも1つの直線通路を含む、少なくとも1つの周囲壁を含み、この通路は、その間にインプラントが埋め込まれるように設計されている椎骨の1つの椎体終板の方向に固定装置を配向するように、本質的にインプラントの平面内に挿入された、固定装置の曲率に適合した直線および傾斜軌道に沿って、周囲から上面または下面に向かってインプラントを横断している、椎間インプラントであって、通路は本発明による固定装置の少なくとも1つのリブを受容するように設計された少なくとも1つの溝を含むことを特徴とする椎間インプラントによって、達成される。
別の特徴によれば、通路は、インプラントの外側の方向に配向され、固定装置が通路を通じて椎骨内に一旦固定されたらこの保持歯止めがインプラントを保持するように、固定装置の少なくとも1つの保持歯止めと協働するように設計された、少なくとも1つの歯止め面を含む、少なくとも1つの歯止めを含む。
別の特徴によれば、椎間インプラントは、通路内に挿入された固定装置の前部末端と本質的に対向するように配向された少なくとも1つの歯止め面を含む少なくとも1つの抜去歯止めを含み、この抜去歯止めは、インプラントからの固定装置の抜去に対抗するために、固定装置の少なくとも1つの可撓性ラグと協働する。
別の特徴によれば、周囲壁は、インプラントを埋め込むための器具の把持末端と協働するように設計された、少なくとも1つの締結手段を含む。
別の特徴によれば、周囲壁は、その間にインプラントが埋め込まれるように設計された椎骨の各々に固定装置を固定するように、インプラントの上面および下面のうちの1つに向かって各々配向された、2つの通路を含む。
別の特徴によれば、周囲壁は、通路を含むものの反対側の、いわゆる前部分に、椎骨間のインプラントの挿入を容易にするように、少なくとも1つの角取り部分を含む。
本願に記載される様々な技術的特徴を組み込んだ特定の実施形態の別の目的は、椎骨間に椎間インプラントを埋め込み、これら椎骨のうちの少なくとも1つに固定装置を埋め込むための器具であって、実質的に椎間腔の平面内にインプラントを埋め込むこと、および実質的に椎間腔の平面内の進入路の軸に沿って固定装置を埋め込むことを可能にする器具を提案することによって、先行技術の前記(および/またはその他の)不都合のうちの1つ以上を軽減することである。
この目的は、たとえば、椎骨間に椎間インプラントを埋め込み、これら椎骨のうちの少なくとも1つに少なくとも1つの固定装置を埋め込むための器具であって、器具は、一方で、固定装置を押さえるのに適した形状およびサイズのヘッドを含む少なくとも1つの嵌入具を、他方では、インプラントの把持と称される第一末端と、押さえと称される第二末端との間に延在する長手軸に沿って延伸する形状の少なくとも1つのガイドを含み、把持末端は、インプラントの少なくとも1つの締結手段と協働するように設計された少なくとも1つの把持手段を含み、ガイドは、少なくとも部分的に嵌入具のヘッドを受容するのに適した形状およびサイズのヘッドであって、その間にインプラントが埋め込まれるように設計された椎骨のうちの1つの椎体終板内に固定装置を嵌入するために、本発明によるインプラントの通路を通じてこの固定装置を案内するように、本発明による固定装置の少なくとも1つの曲率半径と本質的に同一の少なくとも1つの曲率半径を有する少なくとも1つの案内面を含み、固定装置のリブの通過および/または案内を可能にするように作られている、ヘッドを含むことを特徴とする器具類によって、達成される。
別の特徴によれば、ヘッドは、固定装置のリブの通路のために作られた少なくとも1つの溝を含む。
別の特徴によれば、ガイドのヘッドは、固定装置を受容し、少なくとも部分的に嵌入具のヘッドを受容するのに適切な形状およびサイズの空洞を含み、案内面は、本体の両側で固定装置の側面を案内するためにこの空洞の片側に各々位置する少なくとも2つの湾曲溝を含み、嵌入具のヘッドは、末端からこれら溝の他方まで、空洞内に貫通している。
別の特徴によれば、シャフトは、シャフトがハンドルによって作動されたときにインプラントを固着させるために、陥凹の補完的なネジ切りと協働する、ネジ切り末端を含む。
別の特徴によれば、締結手段は陥凹を含み、この把持手段は、インプラントの陥凹に出入りするためにハンドルによって作動されたときにガイドの本体内を摺動する、シャフトの末端を含む。
別の特徴によれば、締結手段は、周囲壁の側面に陥凹および溝を含み、把持手段は、インプラントの陥凹を出入りするためにハンドルによって作動されたときにガイドの本体内を摺動するシャフトの1つの末端と、溝内に嵌合するように作られ、椎骨間でインプラント2)を位置決めするためのレバーアームの役割を果たすラグと、を含む。
別の特徴によれば、溝は、器具によるインプラントの把持を改善するように、ラグのスタッドを受容するように設計された、陥凹を含む。
別の特徴によれば、固定装置のリブの通路のために形成された前記溝は、ガイドのヘッドの空洞の上部壁および/または下部壁の少なくとも一部に形成される。
本願に記載される様々な特徴を組み込んだ様々な実施形態のその他の目的は、先行技術のいくつかの欠点を克服することであり、上述の問題に関連する可能性がある。
この目的は、たとえば、椎骨内に貫通するように設計された、前部と称される第一末端と、後部と称される第二末端との間に延在する長手軸に沿って延伸する少なくとも1つの直線プレートを含む本体を含み、固定装置は少なくとも1つの椎体終板に貫通して、インプラントを保持する歯止めによってこの椎体終板にインプラントを固着させるために、インプラントの少なくとも一部を横断する通路を通じて挿入されるように設計されている、椎骨内に椎間インプラントを固定するための装置であって、本体は、その面の少なくとも1つの少なくとも一部に少なくとも1つの長手方向リブを含み、前記リブはインプラントの通路内の少なくとも1つの溝と協働するように設計されていることを特徴とする装置によって、達成される。
この目的は、たとえば、椎骨内に貫通するように設計された、前部と称される第一末端と、後部と称される第二末端との間に延在する長手軸に沿って延伸する少なくとも1つのプレートを含む本体を含み、固定装置は少なくとも1つの椎体終板に貫通して、インプラントを保持する歯止めによってこの椎体終板にインプラントを固着させるために、インプラントの少なくとも一部を横断する通路を通じて挿入されるように設計されている、椎骨内に椎間インプラントを固定するための装置であって、本体は、インプラント内の通路の内壁との接触を提供し、インプラント内で固定装置を安定化するために配置された、少なくとも1つの肥厚部および/または少なくとも1つの平坦面を含むことを特徴とする装置によって、達成される。
この目的は、たとえば、椎骨内に貫通するように設計された、前部と称される第一末端と、後部と称される第二末端との間に延在する長手軸に沿って延伸する少なくとも1つの湾曲プレートを含む本体を含み、固定装置は少なくとも1つの椎体終板に貫通して、インプラントを保持する歯止めによってこの椎体終板にインプラントを固着させるために、インプラントの少なくとも一部を横断する通路を通じて挿入されるように設計されている、椎骨内に椎間インプラントを固定するための装置であって、プレートの曲率はプレートの幅に沿って配向されていることを特徴とする装置によって、達成される。
この目的は、たとえば、椎骨内に貫通するように設計された、前部と称される第一末端と、後部と称される第二末端との間に延在する長手軸に沿って延伸する少なくとも1つのプレートを含む本体を含み、固定装置は少なくとも1つの椎体終板に貫通して、インプラントを保持する歯止めによってこの椎体終板にインプラントを固着させるために、インプラントの少なくとも一部を横断する通路を通じて挿入されるように設計されている、椎骨内に椎間インプラントを固定するための装置であって、インプラントの補間的歯止めとの接触によってインプラントからの固定装置の抜去に対抗する少なくとも1つの抜去歯止めを含み、固定装置の抜去歯止めをその補完的歯止めから解放するために配置されたリソースを含むことを特徴とする装置によって、達成される。
この目的は、たとえば、後部と称されるその少なくとも一部が、少なくとも1つのプレートを含む少なくとも1つの固定装置を受容するのに適した寸法の少なくとも1つの通路を含む、少なくとも1つの周囲壁を含み、この通路は、その間にインプラントが埋め込まれるように設計された椎骨のうちの1つの椎体終板の方向に固定装置を配向するように、固定装置に適合した軌道に沿って、周囲から上面または下面に向かってインプラントを横断している、椎間インプラントであって、インプラントからの固定装置の抜去に対抗する抜去歯止めを補完する少なくとも1つの歯止めと、固定装置の抜去歯止めをインプラント内の補完的歯止めから解放するために配置されたリソースと、を含むことを特徴とする椎間インプラントによって、達成される。
この目的は、たとえば、後部と称されるその少なくとも一部が、少なくとも1つのプレートを含む少なくとも1つの固定装置を受容するのに適した寸法の少なくとも1つの通路を含む、少なくとも1つの周囲壁を含み、この通路は、その間にインプラントが埋め込まれるように設計された椎骨のうちの1つの椎体終板の方向に固定装置を配向するように、固定装置に適合した軌道に沿って、周囲から上面または下面に向かってインプラントを横断している、椎間インプラントであって、固定装置の抜去のために配置されたリソースを含むことを特徴とする椎間インプラントによって、達成される。
この目的は、たとえば、椎骨内にインプラントを固定するための2つの固定装置を含み、各装置は、椎骨内に貫通するように設計された、前部と称される第一末端と、後部と称される第二末端との間に延在する長手軸に沿って延伸する少なくとも1つのプレートを含む本体を含み、固定装置は、少なくとも1つの椎体終板に貫通して、インプラントを保持する歯止めによってこの椎体終板にインプラントを固着させるために、インプラントの少なくとも一部を横断する通路を通じて挿入されるように設計されていることを、特徴とし、第一固定装置は、前部末端と本質的に対向して配向された、少なくとも1つの歯止め面を含み、協働と称される歯止めを含み、第二固定装置は、本質的に後部末端に対向する方向に配向された少なくとも1つの歯止め面を含む、協働と称される歯止めを含み、これら2つの協働歯止めは互いに協働するように作られていることを特徴とする、椎骨内に椎間インプラントを固定するためのシステムによって、達成される。
固定システムの別の特徴によれば、第二固定装置の歯止めは、本質的に前部末端に対向して配向された第二歯止め面を含み、第一装置は、その後部歯止め末端が歯止めの第二歯止め面と接触して抜去歯止めを支持するのに役立つように位置決めされた抜去歯止めを含み、こうして一旦インプラント内に収まったら、第二装置を保持する第一装置の抜去を妨害する。
固定システムの別の特徴によれば、固定装置のうちの少なくとも1つは、第二歯止め面から抜去歯止めを解放するために配置されたリソースを含む。
この目的は、たとえば、後部と称されるその少なくとも一部が、本発明によるシステムの少なくとも2つの固定装置を受容するのに適した寸法の少なくとも2つの通路を含む、少なくとも1つの周囲壁を含み、これらの通路は、その間にインプラントが埋め込まれるように設計された椎骨のうちの1つの椎体終板の方向に固定装置を配向するように、固定装置に適合した軌道に沿って、周囲から上面または下面に向かってインプラントを横断している、椎間インプラントであって、インプラントは協働歯止めを経由しての固定装置の抜去のために配置されたリソースを含むことを特徴とする椎間インプラントによって、達成される。
この目的は、たとえば、後部と称されるその少なくとも一部が、本発明によるシステムの少なくとも2つの固定装置を受容するのに適した寸法の少なくとも2つの通路を含む、少なくとも1つの周囲壁を含み、これらの通路は、その間にインプラントが埋め込まれるように設計された椎骨のうちの1つの椎体終板の方向に固定装置を配向するように、固定装置に適合した軌道に沿って、周囲から上面または下面に向かってインプラントを横断している、椎間インプラントであって、インプラントは固定装置の抜去歯止めを解放するために配置されたリソースを含むことを特徴とする椎間インプラントによって、達成される。
本発明の様々な実施形態のその他の特徴および利点は、以下の添付図面を参照してなされる、以下の説明を読むと、より明らかになるだろう。
本発明の様々な態様は、ここで本願の図面を参照して記載される。本発明は、3つの対象グループに同時に関連する:
固定装置(1)(または「固定具」)、および/または同一の、異なる、または補完的であってもよい複数の固定装置(1)を含む固定システム;
このような固定装置(1)またはシステムのうちの1つ以上を受容するように構成された椎間インプラント(2);および
椎骨の間にインプラント(2)を埋め込み、1つ以上の固定装置(1)または固定システムでインプラントを固着させるための器具(3、4)。
各対象グループは、所定の対象に関わる、様々な可能な実施形態を含んでもよい。各対象は、少なくとも1つの技術的特徴によって特徴付けられる、様々な要素(通常は対象の構成要素)を含む。少なくとも1つの技術的特徴に関わる各対象(または所定のグループ)は、対象グループが共通の発明概念を共有するように、たとえば少なくとも1つの補完的技術的特徴について、(同じまたは別のグループの)少なくとも1つの別の対象に関連づけられてもよい。このため本発明は、これらの対象のうちの少なくとも2つを含む集合体、ならびに個別の各対象にも、関わってよい。要素(たとえばプレート、ラグ、歯止め、せり上がり部など)および技術的特徴(たとえば曲率、可撓性、可能な解放、レベル、歯止め面など)が、本願において以下により詳細に記載される。所定の対象の要素に対応する少なくとも1つの技術的要素は、特に本願の序文で言及されたもののうちの、少なくとも1つの技術的問題を解決する。このため本願は、少なくとも1つの要素の少なくとも1つの技術的特徴を特定することによって、各対象または対象グループについて、様々な実施形態および構成を記載する。少なくとも1つの実施形態または構成において記載される各要素の様々な技術的特徴は、別途明確に定められていない限り、あるいはこれらの特徴が両立不可能および/またはその組み合わせが機能しない場合を除き、前記実施形態または構成(このため同じまたは別の要素に関する)に関わる対象(またはこれに関わるおよび/または関連づけられた対象)の別の技術的特徴から分離されてもよく、および/または様々な実施形態または構成において、本明細書に記載されるいずれか別の技術的特徴と組み合わせられてもよいことは、本願を読めば理解されるが、これは特に、このような特徴の分離または組み合わせによって必要とされるであろう構造的適合性が、本開示の理解から直接導き出せるからである。同様に、いくつかの技術的特徴は固定装置を参照して本明細書で説明されるものの、これらは固定システムの様々な実施形態に組み込まれてもよい。一般的に言えば、所定の要素に関する特定の技術的特徴は、これらの技術的特徴の組み合わせが不可能または非機能的であることが明確にわかる場合を除き、別の要素に関するものからも、同じ要素に関する別の技術的特徴からも、除外されると見なされるべきではない。本願は(好適な実施形態を含む)本発明の様々な実施形態または構成を詳述するものの、その精神および範囲は、所定の例に限定されるべきではない。
本発明による固定装置(1)の様々な実施形態は、たとえば椎体間ケージまたは椎間板プロテーゼなどの、椎間インプラント(2)とともに使用可能である。椎間インプラントは、(単独で、または椎体間ケージと組み合わせて使用されることが可能な)骨接合プレートの場合はその周囲に、脊椎の柱(脊柱)の2つの隣り合う椎骨の間に埋め込まれるように、または2つの椎骨の間に関節を提供するように、設計されている。固定装置(1)は、インプラントがこの椎骨に付着するように、椎骨のうちの1つに固定されるように設計されている。本発明による固定装置(1)の様々な実施形態は、インプラントを通じて椎骨内に貫通するように構成された、少なくとも1つの湾曲した剛性のプレートを含み、この椎骨に対してこのインプラントを保持するための少なくとも1つの歯止めを含む。「固定具」対象の「プレート」要素に関する「曲率」および「剛性」の技術的特徴が、以下に詳細に記載される。椎骨内に椎間インプラント(2)を固定するための装置(1)は、本願において、いかなる限定も導入することなく、「固定具」(1)という用語でも称される。このタイプの固定具は、その全体が参照によって本願に組み込まれる、本願の譲受人によって出願された仏国特許出願公開第2,916,956号明細書、米国特許出願公開第2009/105832号明細書、および国際公開第2008/149223号に、記載されている。様々な実施形態において、固定具(1)は、長手軸(L、図13Eおよび図14A)に沿って延伸する少なくとも1つの湾曲プレート(10)を含む本体を含む。固定具(1)のこの長手軸(L)は、椎間内に貫通するように設計された、前部末端と称されることになる第一末端と、後部末端と称されることになる第二末端との間に延在する。なお、固定具(1)、インプラント(2)、および器具(3、4)の「後部」および「前部」末端の意味は、固定具(1)が挿入される方向に関連して本願において使用されることは、留意すべきである。このため固定具(1)について、第一末端(前部末端と称される)は、最初に挿入されるように設計され、インプラントを固着させるために椎骨内に貫通するように設計されたものである。インプラントに関して、「後部」と表示されるその壁または末端は、この壁が実際に配備中にインプラントに対して後部にあるかどうかに関わらず、固定具の挿入のための通路の開口部を含むものである。器具に関して、前部末端は、通路内の固定具の挿入のためにインプラントに隣接するように意図されるものである。本開示に詳細に記載されるいくつかを含み、椎間体ケージに関する、インプラント(2)の特定の実施形態は、椎間板腔内への側方挿入のために作られており、したがって後部末端は椎骨の側面に位置することになり、その一方で前部末端は中線の付近または反対側の側方スライド上に位置することになる。とはいえ、「前部」および「後部」という用語は、移植の観点から理解しやすく、選択される移植進入路(移植経路)に関係なく固定具(1)、インプラント(2)、および器具(3、4)に対して一般的に便利に使用され得るので、やはりこれらが使用されることになる。したがって、「前部」および「後部」という用語は、単純に患者または患者の解剖学的特徴に対して言及するように意図されるものではない。これら2つの末端の間の長手軸(L)がここで参照されること、およびひいてはこの長手軸(L)は、依然として固定具(1)の挿入方向に関連する固定具(1)、インプラント(2)、および器具(3、4)の前後軸に対応することもまた、留意すべきである。「実質的に(substantially)」という用語は、関連する特徴が実際にはわずかに異なり、正確に記述されるとおりではないことを示唆するように、特に配向または方向などの技術的特徴に関して、本記載において数回使用されることもまた、留意すべきである(たとえば、「実質的に直交する」という表現は、正確に直角ではないが実質的に同じ機能を果たす配向を選択することができるかも知れないので、「少なくともほぼ直交する」と解釈されるべきである)。さらに、本願において使用される「実質的に」という用語は、技術的特徴が、「一般的に(in general)」(「generally」)およびしばしば「好ましくは(preferably)」記述されるとおりであるが、その他の実施形態または構成も本発明の範囲に含まれてもよいことを定義するようにも、解釈されてよい。
固定具(1)が少なくとも1つのプレート(10)を含んでもよいということは、プレートの幅が、その中にインプラントが埋め込まれる骨組織内における固定具およびひいてはインプラントの(この表面に対して直角の)運動に対抗する表面を提供するので、少なくともプレートに対して実質的に直交する方向において、固定具(1)に良好な保持を保証させる。プレートが湾曲されるとき、この保持は、プレートの曲率半径に対して実質的に放射状の少なくとも1つの方向に沿って形成されることは、留意すべきである。実際、上記で引用された出願に記載されるものの様々な実施形態と同様に、本発明の様々な実施形態は、その間にインプラントが埋め込まれる椎骨のレベルの(または椎間腔の平面内の)脊柱の軸に対して実質的に直交する進入路軸に沿って椎骨の椎体終板内に埋め込まれるようにする曲率を有するという利点を有しており、これは移植を容易にし、椎骨への進入路の障害(寸法)と関連する不都合のうちのいくつかを回避できるようにするだろう。他方で、様々な実施形態において、固定具は有利なことに、比較的薄くてもよいプレートの形状を有し、骨組織内への固定具(1)の貫通を容易にする。プレート(10)のこの薄さは、たとえば患者が動くときに印加される著しい応力のため、とりわけその椎骨への嵌入の間、またはその後に、(様々な実施形態の長手軸(L)を横断する)プレートの幅に沿った方向に椎骨を割る可能性のある一種の刃をプレートが形成する程度まで、椎骨内の固定具(1)の安定性の問題を引き起こすかも知れない。さらに、この薄さは、プレートの剛性を損なう可能性がある。いくつかの出願において、剛性は効果的な固着にとって重要な特徴であり、可撓性および/または薄さおよび/またはその壊れやすさのため良好な保持を可能にしない、ステープルまたはその他の薄いおよび/または比較的可撓性の、しばしば壊れやすい装置よりも、特に有効な実施形態を生じる。したがって、変形可能な固定具の代わりに、多くの実施形態において、剛性固定具が好ましい(湾曲固定具も好ましいが、椎骨への進入を容易にするためである)。剛性固定具は、この通路(21)内で変形することなく、インプラントの少なくとも一部を横断する通路(21)を通じて椎骨内に貫通する。これら剛性実施形態について、インプラント内のこの通路(21)の内壁(210)は好ましくは:固定具を補完する曲率によって、または;その曲率および剛性にもかかわらずその通路を許容するために、固定具よりもわずかに大きいレベルを備える非湾曲形状によって、固定具が通過できるようにする形状および寸法を有する(こうして、複雑で高額になりがちな、インプラント内の湾曲通路の機械加工を回避する)。
本発明の様々な実施形態は、固定具(1)の本体の面のうちの少なくとも1つの少なくとも一部にわたって少なくとも1つの長手方向リブ(11)を用いることによって、固定具(1)の安定性および剛性の問題を解決する。この長手方向リブ(11)は好ましくは、様々な実施形態において長手軸(L)と実質的に平行な、プレート(10)の長さ方向に配向されている。本発明は、その曲率の方向に関して固定具(1)の様々な構成を想定していることに、留意すべきである。固定具の挿入方向を再び参照することによって、固定具の様々な実施形態が、特に椎体間ケージまたは椎間板プロテーゼなどのインプラントの場合に、椎間板腔の周囲から椎骨内へ、好ましくは上位椎骨の下椎体終板内へ、または下位椎骨の上椎体終板内へ貫通するように設計されていることは、理解される。また、固定具の別の実施形態は、特に骨接合プレートなどの椎間インプラントの場合に、好ましくは椎間腔の付近の椎体の周囲への移植のために構成されてもよい。固定具が、たとえば椎体間ケージまたは椎間板プロテーゼなどのインプラントを通じて、椎骨プレート内への移植を対象とする場合、固定具の曲率は好ましくは、一旦椎骨内に埋め込まれたら、脊柱の軸が、前端の相当部分に対して実質的に接するように、または少なくとも前部末端のこの部分が脊柱の垂直軸に対して小さい(またはわずかな)角度を形成するように、構成されている。
本発明はまた、固定具(1)のプレート(10)の幅が実質的に脊柱のこの垂直軸に沿って配向されている固定具(およびひいてはこれらに関わるであろうインプラントおよび器具も)の様々な実施形態、ならびに固定具(1)のプレート(10)の幅が脊柱のこの垂直軸に対して実質的に直角に、すなわちほぼ水平に配向されている固定具(およびひいてはこれらに関わるであろうインプラントおよび器具も)の別の実施形態も、想定している。このため、特定の実施形態において、固定具(1)のプレート(10)の曲率は、特に図13D〜図13Gに示されるように、ならびに図3B、図3K、図4A、および図13A〜図13Cに示されるように、プレート(10)の幅に配向されてもよい。固定具のこれら特定の実施形態は好ましくは、特に前部解剖学的経路を通じての移植を対象とするインプラントの場合、固定装置の安定化を可能にし、椎骨の過剰な損傷を防止するのに役立つ、少なくとも1つのリブ(11)を含む。このようなリブが存在しない場合、インプラントにかかる最も強い拘束力が同じ方向(矢状または傍矢状)に配向される間、前部解剖学的経路(実質的に矢状または傍矢状)を通じて埋め込まれるインプラントは、この同じ方向に沿って固定具によって固着されることになるので、曲率をこの方向に配向することは好ましくないだろう。反対に、有するべき側方経路による移植を目的とするインプラント(たとえばケージまたはインプラントなど)では、プレートの平面が脊柱の矢状軸(または傍矢状)に対して実質的に直交するように構成され、したがってインプラントおよび固定具上にかかる最も強い拘束力に対抗するので、固定具(1)のプレート(10)の幅に沿って配向されたこの曲率は好ましく、リブ(11)を必要としないだろう。このため、特にプレートの平面が、解剖学的移植経路に応じて、それに沿って最も強い拘束力がかかる軸に対して実質的に直交するように構成されているとき、固定具(1)上のリブ(11)も、関連するインプラントおよび器具の対応する溝(211、3011)も有しないことが可能であることは、理解されるだろう。このため、本願は、特にインプラントおよび固定具が患者体内の所定位置にあるときにプレート(10)が最も強い拘束力に対して理想的に対抗することができるように、固定具(1)の曲率が解剖学的移植経路に応じて構成されている構成のための、リブ(11)を含まない固定具(1)の様々な実施形態、および具体的には側方解剖学的移植経路とともにインプラント向けのプレートの幅に沿って湾曲した固定具(1)を、想定している。このような固定具に関連してもよいインプラントおよび器具は、溝(211、3011)を含む必要がない。特にこのような特徴の分離または組み合わせによって必要とされる場合がある構造的適合性は本開示の理解から直接導き出せるので、これら具体的対象は、これらが両立不可能でない限り、本願において開示されたいずれの対象(または対象の組み合わせ)のいずれの要素(または要素の組み合わせ)について記載されたいずれの技術的特徴(または技術的特徴の組み合わせ)も、含んでも含まなくてもよい。プレート(10)の幅に沿った固定具の曲率が、固定具(1)の2つの側面、ならびに凹側(または縁)(湾曲の内側)および凸側(または縁)(湾曲の外側)を指すことに、留意すべきである。
たとえば図2Gおよび図2Hに示されるような、固定具(およびひいてはこれに関わるであろうインプラントおよび器具も)の別の実施形態において、プレート(10)の曲率は、プレートの深さ(またはレベル、厚み)において配向されている。この配向における固定具の曲率は、固定具(1)の凹面(湾曲の内側)および凸面(湾曲の外側)、ならびに固定具(1)の2つの側面(または縁)を指すことに、留意すべきである。本発明はまた、固定具(1)および/またはインプラント(2)および/または器具(3、4)の様々な技術的特徴を組み込むことによって、本願に記載される様々な対象の組み合わせを想定していることも、留意すべきである。たとえば、図3Eは、各々が異なる曲率配向を有する固定具を受容するように設計されている、2つのタイプの通路(21)が設けられた「混合」インプラント(2)を示す。長手軸(L)は、図13Eおよび図14Aにおいて曲率の異なる変形例について示されていることも、留意すべきである。
本発明は、リブ(11)の位置および長さに関して、固定具(およびひいてはこれに関わるであろうインプラントおよび器具も)の様々な実施形態を想定していることも、留意すべきである。通常、リブ(11)は好ましくは、固定具(1)(およびひいてはインプラントも)が椎骨に対して横方向に移動するのを少なくとも抑制(または防止)するように設計されている。リブ(11)はまた、固定具(1)の剛性を改善するように構成および装備されてもよい。このため一般的に、完全に挿入されたときにインプラント(2)の外側に延在する固定具(1)の部分にリブが存在することが、好ましい。リブは、必ずしも必要ではないが、前部末端まで延在することが可能であり、したがってこの前部末端の付近でまたはそこから所定距離だけ離れて、停止することが可能である。また、通常は、インプラント内に残留するように設計された後部末端まで、またはその付近までリブが延在する必要はない。しかしながら、リブが後部末端までまたはその付近まで延在するとき、これは(たとえば、通路内の溝(211)との協働によって)インプラント内の固定具のさらなる安定化を可能にするだろう。固定具の様々な好適な実施形態は、固定具(1)の面のうちの少なくとも1つの少なくとも一部に少なくとも1つのリブ(11)を有するものの、本発明は多くの別の実施形態を想定しており、その多様な例のうちのいくつかは、図示され、および/または本明細書のいずれか別の箇所で説明される。その曲率がプレート(10)の深さ方向に配向されている固定具を示す図面の大部分において、リブは凸面に位置している(たとえば、図2Gおよび図2H参照)。しかしながら、特定の実施形態において、少なくとも1つのリブ(11)は、たとえば図14C、図14D、および図14Eに示されるように、凹面上に設けられてもよい。別の実施形態において、少なくとも1つのリブは、たとえば図14F、図14G、および図14Hに示されるように、固定具の各面に設けられてもよい。同様に、様々なタイプの固定具(1)を受けるように設計されたインプラント(2)の様々な例示的および非限定的な例は、たとえば図3(AからL)および図4(AからH)に示されている。これらの図は、通路への入り口が有するプロファイル、およびこれに結びつけられることになる固定具の好ましいリブ構成を示している。加えて、図3A、図3C、図3D、図3F、図3G、図3I、図3J、および図3Lは、インプラント内の通路(21)の形状を示すインプラントの断面図を示しており、通常これが、好ましくはこれらインプラントとともに使用されるタイプの固定具の機能となる。たとえば、図3Bは、各固定具が垂直に配向されている(固定具がプレート幅方向に湾曲している)、2つの固定具(1)に関連づけられることになるインプラント(2)を示しており、その一方で図3Eは、垂直配向を有する1つの固定具(1)および水平配向を有する1つの固定具(プレート深さ方向に湾曲している固定具)が関連づけられることになる「混合」インプラント(2)を示している。図3Hは、各々が凸面上にリブ(11)を有し、水平配向で2つの固定具(1)が関連づけられることになるインプラント(2)を示し、図3Kは、各々がインプラントの内側に向かう側面に位置するリブを有し、垂直配向で2つの固定具(1)が関連づけられることになるインプラント(2)を示している。図4Aは、各々がインプラントの外側に向かう側面上にリブ(11)を有し、垂直配向を有する2つの固定具(1)が関連づけられることになるインプラント(2)を示している。本開示内で先に説明されたように、図4Aおよび図4Eのインプラントに関連づけられることになる固定具(1)は、リブ(11)を備える方と反対の面上に保持歯止め(14)を含むことになり、前記保持歯止め(14)は、これらの図面に示されるインプラントの歯止め(214)と協働するために配置されている。図4Bおよび図4Cは各々、2つの固定具(1)が関連づけられることになるインプラント(2)を示しており、各固定具(1)は、水平配向および凸面上の2つのリブ(11)(図ごとに側面に向かって多少ずれている)を有している。図4Dは、2つの固定具(1)が関連づけられることになるインプラント(2)を示しており、各固定具(1)は、水平配向および凸面上の単一のリブ(11)(図4Dでは中心にあり、図4Eでは中心からずれている)を有している。図4Eおよび図4Fは各々2つの固定具(1)が水平配向で関連づけられることになるインプラント(2)を示しており、そのうちの1つは凸面上に単一のリブ(11)を有し、その一方でもう1つは凹面上に単一のリブ(11)を有することになる(図4Fでは中心リブ、図4Eではずれたリブ)。図4Gは、2つの固定具(1)が関連づけられることになるインプラント(2)を示しており、各固定具(1)は、水平配向、および凹面上で中心に位置する単一のリブ(11)を有している。図4Hは、2つの固定具(1)が関連づけられることになるインプラント(2)を示しており、各固定具は、水平配向および凹面上の2つのリブ(11)を有している。中心ずれリブ(たとえば図5Fに示されるものなど)を有する固定具(1)は、インプラント(2)内の2つの通路(21)の存在に必要なサイズの削減を可能にするが、これは特に図5A、図5B、および図5Cの例からわかるとおりである。インプラントの様々な実施形態において、中心ずれリブの使用は、図4Dに示されるような2つの整列された溝(211)を有することを回避するが、これはインプラントを壊れやすくする可能性があり、このため脊柱の構成がこれを必要とする場合に比較的レベルの低い椎体間ケージを有すること、あるいはより強いインプラントを提供するために通路の上方(および/または下方)により多くの材料を維持すること、または図5Aにおいて具体的に見られるように中心取り付け具(22)リソース(可能であればその他の構成よりも大きい)を配置することを、可能にするだろう。これらの例示的および非限定的な例は、特定の構成が、とりわけインプラントの抵抗およびサイズに関して、特に有利であるとは言え(たとえば、小さいサイズがサイズに対して強い拘束力をかけ、材料の強度はインプラントが通路(21)によって過剰に壊れやすくならないことを要する、頸部インプラントの場合、特にPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)で作られた椎体間ケージの場合)、本発明の様々な対象が、固定具の数または位置に関しても、そのリブの数または位置に関しても限定されないことを立証している。
本発明の様々な固定具および固定具システムの実施形態において、プレート(10)は、多くの図に示されるように、実質的に長方形であってもよいが、しかし当然ながら、本発明の精神から逸脱することなく、その他の様々な形状を有することも可能である。好ましくは、プレートの外周の形状が何であれ、これはステープル、釘、またはその他の周知の装置とは対照的に、椎骨内でその動きに効果的に対抗するのに十分な寸法の少なくとも1つの表面を有する。たとえば、図示されるプレートのほとんどは、実質的に長方形の外周を有するが、しかし本願において詳細に記載される形状の変形例を有する。さらに、固定具(1)はいくつかのプレートを含むことができ、および/または本体の単一のプレートは、本発明の精神から逸脱することなく、様々な形状を有することができる。実際、プレートの幅として本明細書に記載される寸法において十分な少なくとも1つの表面を少なくとも1つのプレートが提供することによって、望ましい保持が得られる程度まで、固定具は、実質的に台形または三角形の外周を有する、あるいは多様な形状変形例を有するプレートを、含むことができる。たとえば、固定具(1)の特定の変形例において(図示せず)、固定装置(1)の本体は、たとえば各々が参照によって本願に組み込まれる、仏国特許出願公開第2,827,156号明細書(および国際公開第03/005939号および米国特許出願公開第2004/0199254号明細書)ならびに仏国特許出願公開第2,879,436号明細書(および国際公開第2006/120505号および米国特許出願公開第2006/0136063号明細書)に記載されるものなど、互いに実質的に平行な(および/または実質的に同じ曲率の)、および後部末端でともに接続されている、2つのプレートを有してもよく、これはインプラント上に固定具(1)を保持する歯止めを形成し、こうして椎骨に対してインプラントを保持する。加えて、本開示内のいずれか別の箇所で説明されるように、固定具(1)の様々な実施形態は、たとえばこれらの文献に記載されるような、少なくとも1つの直線プレートを含んでもよく、あるいはインプラントの固着を可能にする歯止めを形成することが可能な、またはそのために配置されたリンクによって接続された、2つの直線プレートを含んでもよい。一般的に、本発明の様々な固定具実施形態は、プレートの幅に対して直角の良好な保持を提供するためにリブ(11)を使用してもよく、このようなリブは、実際に、固定具の剛性を改善して骨組織内の固定具の横方向運動に対抗する表面を提供するために、少なくとも1つのフィンまたは少なくとも1つの類似構造(またはいくつかの構造)によって形成されてもよい。固定具の様々な実施形態は、好ましくはこの横方向運動に対抗するように配置された、リブの寸法、特にレベルの技術的特徴に関しても、想定される。リブ(11)のレベルは、特にその安定化機能において効果的な第二プレートを自身で形成するように、たとえば固定具(1)のプレート(10)の幅のおよそ半分であってもよい。
本発明の様々な実施形態は、実質的に椎間腔(椎間板腔)の平面内の軸に沿って固定装置を埋め込むことができるように、装置および関連する器具のサイズを削減するよう努めている。上記で引用されて参照によって本願に組み込まれる仏国特許出願公開第2,916,956号明細書、米国特許出願公開第2009/105832号明細書、および国際公開第2008/149223号に記載されるように、湾曲プレート(10)は、長手軸に沿って、実質的に椎間腔の平面内にその直交軸を有することによって、すなわち脊柱の軸に対して実質的に直交する進入路の軸に沿って、椎骨の椎体終板内に固定装置(1)が埋め込まれることが可能なようにその寸法および曲率半径が形成されている、円の少なくとも1つの弧および/または楕円の少なくとも1つの弧を描く(すなわち、前記平面または前記進入路軸は、固定具が椎骨に接近するときに前部末端の少なくとも一部に対して実質的に接する)を記載する。上記で引用された出願と同様に、本発明の様々な対象の様々な実施形態は、固定装置(1)の(1つまたは複数の)曲率半径の技術的特徴に関する。固定装置(1)の様々な実施形態は実際に、固定具ごとに異なる曲率半径、および/または所定の固定具(1)の本体の異なる部分においていくつかの異なる曲率半径を有する。このため、たとえば、固定具(1)の本体は円の弧または楕円の弧の形状を有してもよいが、しかしこれはまた、同じ曲率半径または異なる曲率半径を有する円のいくつかの弧が末端から末端まで配置されているかのように、あるいは同じ曲率半径または異なる曲率半径を有する楕円のいくつかの弧が末端から末端まで配置されているかのように、さらには円または楕円の弧のいずれかの組み合わせ、もしくは本体に沿って変化する曲率半径のように、より複雑な曲率を描いてもよい。本記載において、「円の弧」または「曲率半径」という用語は、これら異なる可能性の全てを包含する。このため、本発明の様々な実施形態は、曲率半径および固定装置(1)の特定の関連態様、ならびにこれに関連するインプラント(2)および器具(3、4)に関わる異なる変形例を提供する。実際、たとえば、装置(1)の使用および特に脊柱に沿って意図される移植箇所に応じて、より大きいかまたは小さい曲率半径を有することが好ましいかも知れない。固定装置(1)の曲率半径に応じて、それぞれ装置(1)の貫通末端および歯止め末端を通る軸は、90°未満になるように選択されてもよいものの、通常はおよそ90°から180°の間の角度を形成される。好ましくは、この角度は110°から160°の間になるが、これは多くの場合、この範囲外の値の角度よりも良好に装置を埋め込みやすくするだろう。固定装置(1)によって得ようとする固着にしたがって、角度はより広くまたは狭く選択されることになる。たとえば、椎体終板に対するケージまたはプロテーゼの緊密な固着を推進したい場合には、120°から180°の間の角度が好まれ得るが、その一方でむしろインプラントが椎間板腔の平面内を移動するのを防止したい場合には、90°から150°の間の角度が好まれ得る。これらの角度変形例は図示されていないものの、固定装置(1)の異なる角度は、そのケースに適合したインプラントの固着を保証するために、異なる望ましいタイプの固定を包含できるようにする。その角度がたとえば135°付近などの最適値にある装置(1)は、椎体終板に対してインプラントを強く押さえること、およびこれが椎間板腔の平面内で移動するのを防止することの両方によって、装置の固着のための好適な実施形態のうちの1つに提供されることも、可能である。さらに、インプラント(2)の様々な実施形態によれば、これが自然か、病的か、またはインプラントによって課せられたかにかかわらず、可能性のある脊柱前腕、脊柱後弯、もしくは脊柱側弯にもかかわらず特に良好な固着を可能にするために、装置に対して異なる角度が選択されることが可能である。このため、その曲率半径およびこれが内部に挿入される通路(21)の配向によって、固定装置(1)およびインプラント(2)の様々な実施形態は、実質的に椎間腔の平面内、すなわちインプラント(2)が埋め込まれる平面内の進入路の軸に沿って埋め込まれることが可能であり、これはインプラントおよび装置の全ての要素の椎間腔への接近を容易にする。一実施形態において、固定具(1)の本体によって描かれる(1つまたは複数の)弧は、固定装置(1)が脊柱の垂直軸に対して40°から140°の間の角度、および好ましくはおよそ90°の角度を形成する進入路の軸に沿って、椎体終板内に埋め込まれるような、寸法および少なくとも1つの曲率半径を有する。この角度は、椎骨への進入路の寸法に応じて、同じ固定装置(1)において異なってもよく、使用される装置(1)の曲率半径(およびひいてはその前部および後部末端の間に形成される角度)に応じて、固定装置(1)ごとにも異なることが可能である。さらに、本願はまた、本体が少なくとも1つの直線(非湾曲)プレート(10)を含む固定具(1)の様々な実施形態も記載している。直線固定具(1)(すなわち、少なくとも1つの直線プレートを含む)の場合には、進入路軸は好ましくは実質的に椎間板腔の平面内になくてもよく、傾斜していてもよいことは、留意すべきである。このタイプの傾斜軸は、椎骨への接近の障害のため、通常は好ましくないが、しかしまだいくつかの状況においては使用することが可能である。このような直線固定具(1)とともに使用されるインプラント(2)は、好ましくは脊柱の周囲と椎骨との間の傾斜路(脊柱の軸に対して直角ではない)に沿って、少なくとも1つの椎骨に向かって配向された、少なくとも1つの直線通路(21)を含む。直線通路を備えるこのようなインプラント(2)およびこのような直線固定具(1)とともに使用される器具類は、椎骨に対する傾斜進入路軸を許容するように、前部末端において、好ましくは、その長手軸(本願で使用される慣例によれば前後)に対して傾斜したインプラントとの接触面を有することになる。ガイド(3)のヘッド(30)にある溝(3011)は、好ましくは直線固定具(1)を案内するように直線になっており、固定具をインプラント内の直線通路(21)の入り口に向けるように配置される。さらに、固定具(1)の様々な実施形態は、相互間にある角度を形成する少なくとも2つの直線プレート(10)(またはプレート部)を含む本体も含んでもよい。これら直線プレート(10)(またはプレート部)は、たとえばこのような角度を(たとえばこの接続部の曲率のおかげで)形成する少なくとも1つの接続部によって結びつけられてもよい。これら様々な実施形態は、たとえば通路(21)の内壁の様々な部位または部分との固定具(1)の様々な部位または部分の接触のおかげで、固定具(1)の通過を容易にし、および/またはインプラント(2)内の固定具(1)の最低限の遊びを保証するように、湾曲通路(21)を含むインプラント(2)に関連して使用されてもよい。固定具(1)の様々な実施形態はまた、少なくとも1つの直線プレート(10)(またはプレート部)および少なくとも1つの湾曲プレート(10)(またはプレート部)を含む本体を有してもよい。固定具(1)の本体のこれら様々な実施形態は、様々な部分を含む固定具に関して、本発明の潜在的な対象の様々な実施形態を提供することができるようにする。これら特定の対象は、インプラント(2)を通じて固定具(1)の通過を容易にする問題を解決し、および/またはインプラント(2)内の固定具(1)の安定性を改善するように、構成されることが可能である。このような対象がリブ(11)を含まない場合には、インプラントおよびこれに結びづけられてもよい器具は、溝(211、3011)を含まなくてもよい。これら特定の対象(すなわち、その本体内に少なくとも1つの直線および/または湾曲プレート(またはプレート部)を含むこれら実施形態のいずれか)はまた、様々な実施形態によれば、特にこのような特徴の分離または組み合わせによって必要とされるであろう構造的適合性は本開示の理解から直接導き出されるので、これらが両立不可能ではない限り、本願に開示されるいずれの対象(または対象の組み合わせ)のいずれの要素(または要素の組み合わせ)について記載されるいずれの技術的特徴(または技術的特徴の組み合わせ)も、含んでも含まなくてもよい。
固定装置(1)は通常、固着されるように意図されるインプラントの部分を横断する少なくとも1つの通路(21)と協働する。このような通路はたとえば、特に断面において、固定装置の通路のために設けられた形状およびサイズ(たとえば、丸みを帯びた角を備える実質的に長方形の断面)の導管またはチャネルであってもよい。好ましくは、その機械加工を容易にするように、通路(21)は直線であり、その寸法は、その曲率半径に関係なく、この装置の変形を要することなく、湾曲した剛性の固定装置(1)の通路のために設けられる。したがって、固定具(1)が湾曲している様々な実施形態において、通路の(開口部の)レベルは好ましくは、その曲率およびその剛性に関係なく変形を伴わずに、通路(21)内のこの装置の通過を許容するのに十分なほど、固定装置(1)の厚みよりもわずかに大きく、しかし通路(21)内の装置の遊びを大きくしすぎず、固定装置(1)によるインプラント(2)の良好な保持を保証するのに十分なほど小さい。本発明の特定の実施形態において、通路(21)の幅は、この装置が一旦通路(21)に挿入されたらほとんどまたはまったく横方向の遊びがないように、実質的に装置(1)の幅に等しくなることが可能である。固定装置(1)の長さは、横断すべき通路(21)の長さ、および椎体終板内に貫通しなければならない深さに、適合してもよい。
リブ(11)は通常、固定具(1)の剛性を補強し、固定具(1)の幅方向の「切断」からの椎骨への損傷を抑制する。簡素化のために以下「横方向」と指定される(固定具の長さに対して横方向である)、固定具の幅方向のこの運動を抑制するために、リブ(11)は好ましくは、固定具を横方向に保持するのに十分な大きさの表面を提供することによって、有効な連結のために十分なレベルを有することになる。こうして、リブ(11)は、固定具が横方向運動によって椎骨を切断するのを抑制する一種のフィンを形成し、これが椎骨内への固着を補強する。さらに、固定具(1)の剛性の向上は通常、椎骨内のその固着を強化する傾向がある:プレートは通常、ねじれたり曲がったりしないので、椎骨からはずれる危険性が少ない。したがって、少なくとも1つのリブを含む固定具(1)の様々な実施形態は、このようなリブ(11)がない状態での平面1つのみではなく、2つの平面での良好な保持を提供する。
固定装置の(およびひいてはこれに結びつけられてもよいインプラントおよび/または器具の)様々な実施形態において、リブ(11)の幅および/またはレベルは、本体(10)の長手軸に沿って変化してもよい。このため、たとえば図面のうちのいくつかに示されるように、リブ(11)は固定具の前部末端付近で突起し始め、そのレベルは後部末端に向かって漸次的に増加する。リブ(11)のこのレベルは、たとえば後部末端付近など、所定の部分にわたって一定であってもよく、あるいは全長にわたって変化してもよい。さらに、骨組織内へのリブ(11)の貫通を容易にするために、リブ(11)の頂点、すなわちその上部(プレートと反対側の部分)は、たとえば前部末端付近など、少なくとも一部にわたって鋭化されることが可能である。たとえば、リブはその側面に面取りを有することができる。図18Aの例において、固定具(1)はその凸面上に2つのリブ(11)を含み、各リブは面取り部(113)および平坦部(114)を含んでいる。この例において、面取り部(113)は後部末端の近くに位置しており、このためインプラントは、その深さがこの面取り部(113)を補完する形状を有する溝を含むことができ、その一方で部分(114)は前部末端に近く平坦である。椎骨内への貫通を容易にするように、またはいくつかの異なる部分を備える多様な構成を提供するように、特に前部末端において面取り部(113)の鋭化を有するために、この構成を反転させることができることは、理解されるだろう。同様に、リブの幅(プレートの幅の方向)もまた、前部末端のこの鋭化によって、または本開示内のいずれか別の箇所で記載されるもののように、インプラント(2)内への固定具(1)の安定化のための構造を形成するリブの後部末端の際立った肥厚によって、たとえば後部末端に向かってより厚くなるように、変化することが可能である。
通常、先に述べられたように、固定装置(1)は、少なくとも1つの椎体終板内に貫通して、インプラントを保持する少なくとも1つの歯止めによってこの椎体終板上にインプラント(2)を固着させるために、インプラント(2)の少なくとも一部を横断する通路(21)を通じて挿入されるように設計されている。したがって長手方向リブ(11)は、インプラント(2)の通路(21)内に形成された少なくとも1つの溝(211)と協働するように設計されている。一種の案内フィンを形成するリブ(11)と、通路(21)内の溝(211)との間のこの協働は、とりわけ固定具の横方向の遊び(プレート幅の方向)を低減することによって、インプラント(2)内の固定具(1)の固着を強化するように構成されることが可能である。前部末端と後部末端との間のこのリブのレベルの増加は、たとえば具体的には図6Aから図6Gに見られるように、後部末端付近のこのレベルの一貫性と相まって、骨内へのリブの貫通を容易にし、リブ(11)と溝(211)との間の協働によってインプラント内で固定具を安定化する一定サイズの後部末端を提供することができる。特定のその他の実施形態において、リブ(11)のレベルは、所定の部分(111)について、後部末端から所定の距離で最大値に到達し、その後後部末端の方向に減少してもよい。たとえば、図5Eおよび図5Fに示される実施形態において特に明らかなように、部分(111)は、固定具が一旦インプラント内に完全に挿入されたら(固定具がインプラント上で停止して椎骨に対してこれを保持するようになったら)通路(21)の溝(211)内に残留する、リブ(11)の部分に対応する。これら実施形態のうちのいくつかにおいて、この部分(111)とリブの残部との間の推移は、固定具(1)の抜去に対抗することによってインプラント内に固定具を保持するように、通路(21)の出口において表面(220)上の歯止め(112)として機能する肩部を形成するように構成されることが可能である。より低いがゼロではない部分(111)のレベルは、固定具の横方向の遊びを抑制できるようにするが、しかし一定のレベルの部分(111)は(リブの残部よりも低かったとしても)、漸次的に減少するレベルを備えて図5Eおよび図5Fに示されるものと同じ位うまくこの機能を提供するだろう。したがってこれらの実施形態において、リブ(11)は、刻み目(112)がインプラント(2)の通路(21)の末端において歯止め面(220)上で停止するように配置された後部末端から、ある距離を置いて位置する少なくとも1つの刻み目(112)を含む。この表面(220)は通路の外側であってもよいが、しかしこれは好ましくは通路の出口によって形成される:つまり溝(211)の内面と通路の外側の表面との間の接合部、たとえば(図示される例において)インプラント壁の内面(すなわち、図示されるように、ケージの壁(28)が空洞(26)を定義する実施形態において、ケージの内側の表面)である。リブ(11)上のこの刻み目(112)の存在のため、このリブが溝(211)内に入って刻み目(112)を通過して、インプラントの表面(220)上で停止されるように、特に固定具は変形可能ではないかまたはインプラントよりも変形しにくいので、インプラントの部分(215、図5E)のわずかな変形(および/または、インプラントの構成が許容する場合には溝(211)の底部)が必要であるかも知れないことが理解できる。このわずかな変形は、PEEKなど、固体だが比較的変形可能な材料で作られた椎体間ケージで、可能な場合が多い。リブ以外のどこか別の箇所で固定具上にこのような刻み目(112)を有することも可能であることは、留意されるであろう。このため、本発明は、固定具がインプラントの歯止め面(220)に隣接するように意図される少なくとも1つの刻み目(112)を含み、これが通路(21)の内部または出口にあってもよい、固定具およびインプラントの多様な実施形態を想定する。
いくつかの構成において、固定具(1)の前部末端は、固着すべきインプラント(2)の移植箇所に隣接する椎骨内に貫通するように設計されている。たとえば図1に示されるような、固定具(1)の特定の実施形態において、前部末端は、椎骨内への固定具(1)の貫通を容易にする、少なくとも1つの面取り(15)または角取りを有する。いくつかの実施形態において、この前部末端は、たとえば図1に示されるような刻み目の形状の切り抜き(13)を含むことができ、椎体終板内への前部末端の貫通を容易にする。刻み目の内縁が鋭化されていてもいなくてもよいことも、留意すべきである。通常、前部末端は、椎体終板内に貫通するように設計されたものであり、固定具(1)の残部を案内してもよいので、骨組織内への貫通を容易にするように作られることが、好ましい。このため、本願の図面は、(本開示のいずれか別の箇所でさらに説明されるように)実質的に先端の形状になるように構成された前部末端を示している。この末端は鋭化(または研磨)されてもよいが、しかし骨組織は比較的耐久性があるので、この前部末端の完全性を保つことが好ましいことは、理解される。このため、特に図1において見られるように、たとえば、前部末端は好ましくはプレート(10)の各面上に面取りを有し、プレートの側面は、前部末端の幅を減少させるように傾斜している。好ましくは、これらの角取りは互いに距離を開けて終端しており、したがって前部末端は鋭角で終端させられている(たとえば図1において刻み目(13)が形成されているところ)。その一方で、先に述べられたように、固定具(1)が、固定具(1)の寸法を超えて椎骨を割る危険を冒すことなく容易に椎骨内に貫通することが、好ましい。このため(通常は本体の)プレート(10)の側面(または縁)は、ほとんどの図に示されるように、好ましくは平坦となる。したがって一般的に、固定具(1)のプレート(10)の側面は、椎骨の割裂を回避するように、(たとえば図2G、図2H、および固定具を示す図面の大部分のように)好ましくは平坦である。これらの側面(または縁)は、特に(しかしこれだけではないが)固定具がいかなるリブも含まない実施形態に適合されている。別の実施形態において、側面はこれほど平坦ではなく、たとえば図6D、図8F、図18A、図18Bの例に見られるように、たとえば丸みを帯びているかまたは面取りされていてもよく、あるいは椎骨内に容易に貫通するように鋭化されていてもよいが、しかし後者の場合、固定具は好ましくはリブを含む。実際、リブ(11)の存在が固定具の横方向運動の危険性を低減するので、これはプレート(10)の側縁の鋭化に関連する危険性も低減することになる。
椎骨に対してインプラント(2)を保持する固定具の能力を強化するために、様々な実施形態は、椎体終板に対してインプラントを、好ましくはこれに対して強く押さえられた状態で保持するように、これが固着するように意図されるインプラントの少なくとも1つの表面に対して停止させられるようにする。固定装置(1)の様々な実施形態において、本体は相応に、少なくとも1つの保持歯止め(14)を含む。保持歯止め(14)は、好ましくは前部末端に対向して配向された少なくとも1つの歯止め面を有する。好ましくは、この表面は、長手軸に対してほぼ直角に配向されており、これが後部末端に位置しようがさらに前方に向かって位置しようが、前部末端に対向している。この保持歯止め(14)は、固定装置(1)が固定されるように設計されている椎骨に対してインプラント(2)を保持するために、装置(1)が固着するように設計されているインプラント(2)上に設けられた補完的歯止め(214)の少なくとも1つの歯止め面と協働するように設計されている。様々な実施形態において、歯止め(214)は好ましくは、保持歯止め(14)と最適に協働するために、後部末端に対向して(すなわち、インプラントの周囲に向かって)配向された少なくとも1つの歯止め面を含む。これら協働する歯止め面は、たとえば平坦、湾曲、角柱状など、様々な構成を有することができる。本願の図面のほとんどが示すように、保持歯止め(14)は好ましくは後部末端にあることに、留意すべきである。多くの構成において、保持歯止め(14)は、これがインプラント内の通路(21)への入り口に、またはその付近に位置し、インプラントの歯止め(214)の補完的表面に隣接するように、後部末端のレベルに(すなわち、その位置またはその近傍に)位置する。補完的歯止め(214)のこの表面は、たとえばインプラントの周囲壁の表面であってもよいが、しかし好ましくは、固定具(1)が完全に内部に挿入されたときに歯止め(14)がインプラントから突出(またはこれを超えて延在)しないように、陥凹によって形成されてもよい。さらに、たとえばインプラントの補完的歯止め面(214)が適切に位置する限り、通路(21)内に見いだされるように、歯止め(14)は固定具のさらに前方にあってもよい。しかしながら、後部末端のレベルの保持歯止め(14)の位置は、多くの実施形態において、特に固定具が通路の入り口から出口前インプラントと接触するように構成されているとき、インプラントの良好な保持を提供するという利点を有する。加えて、この後部位置は、本開示のいずれか別の箇所で様々な構成について説明されるように、固定具の意図的な抜去を容易にするようにインプラント(2)および固定具(1)を構成するときに、好ましいだろう。
固定具(1)の特定の実施形態において、保持歯止め(14)は、固定具(1)の面および/または側面(または縁)のうちの少なくとも1つから突出している少なくとも1つの部分を含む。たとえば、保持歯止め(14)は、少なくとも1つの突起ラグを含んでもよい。たとえば、特に図2G、図2H、図6D、図8D、図8E、図8F、図9A〜図9C、図10A〜図10Cに見られるように、保持歯止め(14)は、固定装置(1)の同じ面、特に固定具曲率がプレート(10)の深さ方向に配向されているこれら実施形態において凸面上に、2つの突起ラグを含む。別の構成において、少なくとも1つの突起ラグがいずれかの面および/または側面(または縁)上に設けられることが可能であり、または少なくとも1つのラグが各面および/または側面(または縁)上に設けられることが可能であり、または同じ趣旨の範囲内でその他いずれかの変形例があってもよい。固定具がプレート(10)の幅方向に配向された曲率を有する図13Gの例において、プレートの面のうちの少なくとも1つに少なくとも1つの保持歯止め(14)を設けることも可能であり、図13Gの例はまったく限定的ではない。固定具(1)の特定の実施形態において、保持歯止め(14)は、固定装置(1)の本体の少なくとも1つの側面または縁に、少なくとも1つの突起ラグを含む。好ましくは、少なくとも1つのラグは、たとえば図5F、図6E、図6F、および図6Gに示されるように、保持を改善するように、2つの側面の各々に位置することになる。固定具(1)の特定の実施形態において、保持歯止め(14)は、補完的歯止め面(214)のための溝(211)の周りに過剰に大きいまたは深い陥凹を形成するのを回避するように、リブ(11)の少なくとも1つの側面上、好ましくは固定具の後部末端付近に、少なくとも1つの突起ラグを含む。好ましくは、図7Bおよび図7Eに示されるように、少なくとも1つのラグは、後部末端においてリブ(11)の側面の各々に位置することになる。保持歯止め(14)のこれら例示的構成が示すように、本明細書において使用される「突起ラグ」という用語は限定的に解釈されるべきではなく、ラグの正確な形状は、いくつかの特定の形状がたとえば効率的な保持または固定具の自発的な抜去の意味において様々な利点を有する場合もあるものの、たとえば平坦な歯止め面を提供する小型プレートと湾曲歯止め面を提供する小さいスタッドとの間、またはその他いずれかの変形例との間などで、異なってもよい。加えて、保持歯止め(14)は、最適な方法でインプラント内に固定具(1)を保持して椎骨に対して緊密にインプラントを保持するように、様々な配向を有することができる。固定具(1)上の異なる場所に位置する、いくつかの異なる保持歯止め(14)が設けられることも、可能である。固定具(1)およびインプラント(2)のいくつかの実施形態において、保持歯止め(14)および補完的歯止め(214)の形状は、たとえば陥凹と嵌合するラグを係止することによって、固定具の歯止め(14)がインプラントの歯止め(214)と結合または係合するように、設定されることが可能である。非湾曲部によって接続された2つの湾曲プレートを備える固定具(1)の場合、または湾曲部を備える単一のプレートの場合(特にプロテーゼ固着の場合、各々が参照によって本願に組み込まれる仏国特許出願公開第2,879,436号明細書、国際公開第2006/120505号、および米国特許出願公開第2006/0136063号明細書など、鈎状)、この部分は、たとえばシャフトまたは通路(21)の入り口に位置する少なくとも1つの表面と協働する、保持歯止めの役割を果たすことができる。固定装置(1)は、多くの実施形態において取り外し可能であり、椎骨内に埋め込まれ、椎骨の間に実装された後にインプラントと結合することが可能であり、これは固定具(1)による最終的な固着の前に、椎骨間のインプラントの位置の起こり得る調節を可能にする。いくつかの実施形態において、保持歯止めは、椎骨から固定具(1)を、および必要であれば(たとえば、保持歯止め(14)の少なくとも一部に引っ張る道を提供する湾曲鈎または歯止め(214)の場合)インプラントも抜去するために、固定具(1)を引っ張るために使用されることが可能である。図7Eの例、および類似の構成は、リブ上以外のどこかに設けられることも可能であり(固定具はいかなるリブも含まないため、またはリブが後端の手前で停止するとき)、プレート(10)から突起する脚(またはラグ)上に構成され得ることに、留意する。プレートから離れて(リブまたは突出脚を通じて)形成された歯止めもまた、特に入り口通路が抽出ツールによる接近のための陥凹を有する場合に、抜去のために固定具を引っ張るために使用されることが可能である。
いくつかの実施形態において、固定具(1)の本体は、たとえばインプラント(2)上の少なくとも1つの補完的抜去歯止め(212)と協働することによって、インプラント(2)からの固定装置(1)の抜去に対抗する、少なくとも1つの抜去歯止めまたは締め具を含む。抜去歯止めは、たとえば固定具の、またはインプラント(2)を備える固定具(1)を締結するためのその他の構造の後部末端に向かって実質的に配向されている、たとえば少なくとも1つの可撓性ラグ(12)(またはタブ)を含むラッチの形態を取ることができる。図14Aおよび図14Bに示されるように、様々な構成においてこれらのラグは、固定具がインプラント(2)の通路(21)内に入ることができるようにするために、(この例においてプレートの幅の中に、または本明細書に記載されるその他の例においてプレートの深さの中に、あるいは本明細書の別の例においてリブの幅または深さの中に向かって)後退するように設計されている。ラグの配向は、特に固定具(1)の本体の残部と比較して、脚(12)の望ましい間隔にしたがって、様々な実施形態に応じて異なってもよい。いくつかの好適な構成において、ラグは可撓性である。ラグのこの可撓性は、その材料が実質的に剛性であってもラグが薄いということによって、および/または実質的に可撓性の材料によって、および/またはラグの形状によって、得られることが可能であることは、留意すべきである。たとえば、ラグは、少なくとも1つの面またはインプラントのその他の保持構造と嵌合するために可撓性を強化するため、好ましくは実質的に湾曲した形状を有してもよい。抜去歯止めは、後部末端に向かってのみ配向される必要はないが、ラグがインプラントの表面またはその他の構造と嵌合している構成では(たとえ長手軸と一致していなくても)、抜去の防止は通常このような配向によって促進されるので、その方向はここでは実質的にまたはほぼ後部末端に指定される。通路(21)の内壁(210)との接触がなくなるように固定具がインプラント内に一旦前進させられると、可撓性ラグ(12)が展開され、その位置からインプラントの補完的抜去歯止め(212)に隣接することができ、これは可撓性ラグ(12)の自由末端(122、図14A)を受容し、そうして固定具(1)の抜去を防止するか、または少なくとも固定具および/またはインプラントにかかる力の作用によって固定具(1)がインプラント(2)から出てくるのを防止するために配置された、少なくとも1つの歯止め面を含む。プレート(10)の側面上に可撓性ラグを示す図面の大部分において、ならびに図14Aおよび図14Bで具体的に可視可能なように、可撓性ラグ(12)の自由末端(122、図14A)の一部は、(ラグが展開されているときに)歯止めを形成するように、プレート(10)の周囲(たとえば側面)を超えて延在し、その一方で、一般的にプレートに密着している可撓性ラグ(12)の取り付け末端(121、図14A)は好ましくは、通路(21)内への装置の挿入に対抗しないように、プレート(10)の周囲(たとえば側面)内に形成されることは、留意すべきである。「可撓性ラグ」は、ここでは非限定的に用いられており、固定具の残部を備える一片で形成された可撓性部分、または固定具の本体(10)に取り付けられた個別の可撓性片、もしくは関節領域で撓む固定具の本体(10)に取り付けられた片(可撓性または非可撓性のいずれか)を指してもよいことに、留意する。これらの構成において、可撓性ラグ(12)は、インプラント内への固定具の挿入を妨げることなく容易に折り畳まれ、抜去歯止め(212)の少なくとも1つの表面と嵌合して隣接するために容易に展開される。通常、これら可撓性ラグの展開を妨害しないように、固定具が椎骨内に挿入されてしまうと、可撓性ラグ(12)は、骨組織と接触することのない部分で固定具上に位置することが、好ましい。しかしながら、別の構成において(たとえば図5D、図7B、図8Gに示されるものなど)、可撓性ラグは、インプラント(2)の上面または下面によって形成された抜去歯止め(212)上で停止されるために、通路内で展開されるように、固定具上で位置決めされることが可能である。これらの例において、通路(21)の出口におけるラグの展開は骨組織によって妨害され得、これは、インプラントのより単純な構造、および潜在的により大きい構造的完全性など、このような構成が提供するその他の利点によって、相殺されてもよい。その例が図2Cおよび図2Eに示されている別の実施形態において、一旦固定具(1)が内部に挿入され、その後図15B、図15C、図15D、および特に図15Fにおいて具体的に見られるように、通路(21)が抜去歯止め(212)を形成する少なくとも1つの構造(たとえば陥凹面)を含むと、可撓性ラグは、インプラント内の通路(21)を超えて延在しないように、固定具内に位置決めされる。通路の壁(210)はその後、固定具がインプラント内に完全に挿入されたときにこれらのラグ(12)が位置する抜去歯止め(212)を形成するために、所定部分にわたって拡大することは、理解される。このため、この例において、通路(21)の出口の寸法は、少なくとも通路の軸と平行ではない方向または軸に沿ったその入り口の寸法よりも、少なくとも1つの軸に沿って、より大きい。抜去歯止め(212)は、通路の長手軸と平行に配向された軸に沿って、通路出口からの機械加工によって作られることが可能である。しかしながら、特定の変形例において、抜去歯止め(212)は、陥凹が出口を拡大することなく通路内に形成されるように、傾斜軸に沿って作られることも可能である。拡大通路出口の場合、通路(21)内の固定具(1)の遊びは、通路入り口によって、および/またはリブ(11)と(211)との間の協働によって、制限されたままとなる。好ましくは、これらのラグは、抜去歯止め面(212)を形成するために通路(21)の出口から実現される深い陥凹を必要とするほど、後部末端に近く設けられることはない。
図13D、図13F、および図13Gは、プレートの側面上に、しかしプレート幅の方向に湾曲した固定具上にラグを含む、上述のものと類似の実施形態の一例を示す。これらの例の可撓性ラグは、プレートの側面(凹状および凸状)上に設けられている。しかしながら、プレート幅の方向に湾曲した固定具(垂直配向の固定具)を用いる実施形態では、可撓性ラグ(12)はたとえば、プレートの側面上に(たとえば、リブ(11)の同じ側面または反対側に)、またはリブ(11)上に設けられることが可能であり、いずれの場合も本開示のいずれか別の箇所での説明による。
固定具(1)およびインプラント(2)の特定の実施形態において、プレートの少なくとも片側に位置する代わりに(またはこれに加えて)、可撓性ラグ(12)は、プレートの表面のうちの少なくとも1つに位置することが可能である。図9A、図9B、および図9Cは、溝(11)のいずれかの側で、固定具(1)の凸面上に位置する可撓性ラグ(12)を備える、これらの実施形態の説明例を示す。当然ながら、これらのラグは、凹面上に、または両面上に設けられることが可能であり、あるいは単一のラグが1つまたは両方の面に設けられることも可能である。いくつかの構成において、特にインプラント(2)の部分215(たとえば、図5E)のサイズが許容する場合、可撓性ラグ(12)は凹面上に設けられることが可能であり、部分(215)の内側または上面の抜去歯止め(212)と協働する。この場合、陥凹(240、図15F、図18D、図18F)もまた、本開示のいずれか別の箇所で説明されるように、可撓性ラグが解除され得るようにするため、通路のこの側面に設けられることが可能である。
これらの例において、一方では前部および後部末端の間で、および他方では面上で横方向に、ラグの位置は、変化することが可能であることに留意されたい。好ましくは、これらのラグは、先に説明されたように、抜去歯止め面(212)を形成するために通路(21)の出口から実現される(割かれる)深い陥凹が必要とされるほど後部末端の近くに設けられることはない。可撓性ラグ(12)の位置に応じて、抜去歯止め(212)は、インプラント上の様々な場所に形成されてもよい。たとえば、図9Aおよび図9Bのように後部末端に近いラグの場合、抜去歯止め(212)は、通路(21)の壁(210)内に形成された、たとえば図9Fに示されるような陥凹によって形成されてもよい:図9Aの場合の通路の側面付近の陥凹、または図9Bの場合の溝に隣接する陥凹のいずれでもよい。図9Cの例のように、後部末端から離れて設けられたラグは、図9Gに示されるように、通路の外側の表面と嵌合することができる。
特定の実施形態において、プレートの少なくとも1つの側面または少なくとも1つの面上に位置する代わりに(またはこれに加えて)、ラグ(12)は、リブ(11)の頂点上、または少なくとも1つの側面上に、位置することができる。図10A、図10B、および図10Cは、これら実施形態の説明例を示す。図10Aにおいて、リブ(11)は、リブの側面を超えて延在する2つの可撓性ラグ(12)を含む。これら2つのラグは好ましくは、折り畳まれたときにリブの幅の範囲内、またはこれに近いサイズとなる。図10Bでは、長手軸において互いにずらされたこの構成において、リブは両側に1つのラグを含む。これらのラグはまた、一旦折り畳まれたら、リブの幅に近い、またはこれを超えない寸法を、有してもよい。図10Bの例において、これらのラグはリブ(11)ほど高くないが、しかしこれらは同じ位、またはもっと高くてもよい。図10Cの2つの例において、ラグは、様々な位置で、リブの頂点に形成されている:上部固定具のラグは、底部固定具のラグよりも、後部末端から離れて位置している。これらの例において、ラグは好ましくはリブのレベルを超えないサイズであるが、しかしこれらは様々な寸法または構成を有することができる。
これらの構成のほとんどにおいて、抜去歯止め(212)は、インプラント内に設けられており、固定具上のその位置およびその配向に応じて、可撓性ラグと協働するように配置されている。たとえば、図10Gにおいて、図10Aの固定具は通路(21)の外側に隣接しており、抜去歯止め(212)は、溝(211)の出口の片側に表面によって形成された内部空洞(26)を有する椎体間ケージのこの例において、ケージ内の空洞の内側にある。図10Hにおいて、図10Bの固定具(1)の2つのずれたラグは、ケージ内の空洞の内側で、溝(211)の出口において表面上で、後部末端に近いものについて(図10Hの上のもの)、および後部末端から離れているものについて、溝(211)に沿った陥凹内で、停止されることになる。同様に、図10Iの例において、長手軸に沿ったラグの位置に応じて、陥凹は、抜去歯止め(212)を形成するために溝(211)に沿って設けられることになるが(図10Iの底部固定具を参照)、しかし後部末端から遠いラグについては、図10Iの上部のものと同様に、抜去歯止め(212)は、ケージ内の空洞の内側で、溝(211)の出口において表面によって形成されることになる。
陥凹がラグの展開のために作られなければならないように、可撓性ラグが後部末端から距離を置いて位置するこれら様々な実施形態において、こうして形成された抜去歯止め(212)は、特に図10Iの底部固定具の例においてわかるように、または図9Fの両方の固定具上であまり拘束力されない方法で(たとえば、より大きい陥凹を用いて)、可撓性ラグ(12)の自由末端がそのうちの1つの上で静止して固定具の抜去に対抗するように、そして固定具(1)がインプラントからのその抜去を引き起こす傾向がある力に曝されたときに、別の表面がラグの変形を抑制するように、ともに(好ましくは90°に近い)ある角度を形成する、2つの歯止め面を有するために配置されることが可能であることに、留意する。ラグ(12)が固定具(1)の凸面または凹面上で可撓性であり、インプラント内の陥凹と協働する実施形態において、ラグ(12)は、インプラント内のその歯止めの深さよりも長い距離だけ固定具の本体から離れて、可撓性に作られることが可能なので、これらはインプラントに力を印加し、固定具(1)の安定化に役立ち、インプラント(2)内のその遊びを制限するが、これは、通路(21)が固定具よりも大きいレベルを有するときに、特に通路が直線であるときに、特に有利になり得ることにも、留意する。
特定の実施形態において、ラグの自由末端は、好ましくは固定具を有利な方法で保持するための抜去歯止め面(212)の配向に応じて設けられた角度を備えて、図10Gおよび図13Fにおいて特に見られるように、傾斜していてもよい。自由末端はまた、たとえば、図解目的のため、ラグ(12)の展開が自由末端の直線的形状によって妨害される危険を冒すように見える、図9Fの場合など、ラグ(12)および抜去歯止め(212)の厳しい調節(またはアライメント)にもかかわらず、ラグ(12)の展開を容易にするために傾斜していてもよい。通常、特に有利な構成のため、抜去歯止め(212)の位置、および可撓性ラグの自由末端を受容するその歯止め面の配向は、固定具(1)の可撓性ラグ(12)の位置、および可撓性ラグ(12)の自由末端の形状に依存し、その逆もまた同じである。
本開示において言及されるように、固定具(1)の様々な構成は、固定具の本体を超えて突起して、通路(21)内の固定具の挿入を妨害しないように、可撓性ラグが完全に折り畳まれることを可能にする、陥凹を含んでもよい。たとえば図14Aおよび図14Bに示されるように、可撓性ラグ(12)が固定具の側面上に位置する実施形態において、この陥凹は、固定具(1)の本体の残部に沿ってよりもラグ(12)におけるプレート(10)のより細い幅によって、形成されてもよい。たとえば図9A、図9B、および図9Cに示されるように、可撓性ラグ(12)が固定具の湾曲プレート(10)の表面(凹状または凸状)のうちの少なくとも1つに位置する実施形態において、この陥凹は、固定具(1)の本体の残部に沿ってよりも、ラグ(12)におけるプレート(10)のより細い部分によって、形成されてもよい。可撓性ラグがリブ(11)上に位置する実施形態において、折り畳まれた可撓性ラグ(12)のサイズ(レベルまたは幅)は、通路(21)内への固定具(1)の挿入を妨害しないように、それぞれリブ(11)のレベルまたは幅よりも小さい。
本明細書において説明される可撓性ラグ(12)の例より、多くの変形例が可能であること、ならびに図面を参照して本明細書に記載される例示的および非限定的な例が、これらの可能性の多様性を説明するのに役立つことは、理解される。特定の構成は他の構成よりも有利であるかもしれないが、本明細書に記載されるものの中間を含む、いかなる極端なまたは中間的な構成も、本発明の範囲に含まれる。
固定具(1)の特定の実施形態において、本体は、椎骨内に一旦埋め込まれたら装置(1)の抜去に対抗するように配向された、刻み目(16)を備えて構成されてもよい。好ましくは、これらの刻み目は、固定具がインプラント内に完全に挿入されたときに通路から現れるように設計されている、固定具(1)の本体の部分に沿ってのみ、存在することになる。図2H、図6D、および図8Fに示される非限定例から特にわかることができるように、これらの刻み目(16)は、数、サイズ、および形状において異なることが可能である。
固定装置(1)の特定の実施形態において、プレート(10)を通る少なくとも1つの開口部(17)は、図2Hおよび図6Dに示される非限定例において特にわかるように、装置(1)が一旦埋め込まれたら、骨が開口部を通じて成長できるようにする。このような開口部(17)は、骨組織がプレート(10)を通じて成長できるようにすることによって、一旦骨接合が完了したら、固定具(1)が椎骨から出てくるのを抑制する。いくつかの実施形態において、リブ(11)は、開口部(17)によって生じる可能性のあるプレート(10)のいかなる構造的脆弱性も有利に緩和させるために、使用されてよい。
特定の実施形態において、固定具を容易に抜去する能力が好ましく、それらの実施形態において、開口部(17)および/または刻み目(16)は一般的に望ましくないだろう。本明細書に記載される特定の実施形態は、固定具(1)の取り出しを可能にする少なくとも1つの機構を含み、それらの実施形態において、開口部(17)のサイズは、本明細書に記載される手段によって固定具(1)の抜去を妨害することなく固定具(1)を保持する役割を果たすことができるように、制限されてもよい。同様に、刻み目(16)の形状およびサイズもまた、本明細書に記載される機構によって意図的な抜去を可能にしながら、固定具(1)の自然な抜去に対抗するように適合されることができる。これらの実施形態はこのように、必ずしも排他的ではなく、開口部(17)のサイズおよび/または刻み目(16)の形状およびサイズに依存している。
特定の実施形態において、固定具(1)(および/またはインプラント)は、必要であれば固定具抽出ツールを用いて、インプラントおよび椎骨からの固定具の意図的な抜去を容易にする、抜去機構を含む。固定装置(1)を抽出するためのツールは、たとえば、陥凹内に貫通して、シャフト上で引っ張ることによって固定具の抜去を可能にするように、その末端で湾曲している(鉤のように)シャフトなど、様々な形状を有することができる。たとえば、特定の実施形態において、保持歯止め(14)は、固定具(1)の抜去を容易にするための止め具を備えて構成されてもよい。これら実施形態のうちのいくつかにおいて、このような止め具は、その上で接触するようになるインプラント(2)の補完的歯止め(214)よりも広い保持歯止め(14)によって得られることが可能である。補完的歯止め(214)またはインプラント(2)のその付近の領域は、保持歯止め(14)上で引っ張るための固定具抽出ツールの挿入を可能にする、空間または間隙を備えて構成されてもよい。固定具(1)が、固定具(1)の抜去に対抗する少なくとも1つの抜去歯止めまたはラッチを含むとき、この歯止めまたはラッチは、解放されて固定具(1)の抜去を可能にするように、構成されることが可能である。たとえば、可撓性ラグ(12)の自由末端は、インプラント(2)の末端に現れるチャネルを通じて、インプラント(2)の抜去歯止め(212)から解放されることが可能なように、構成されてもよい。可撓性ラグ(12)が後部末端付近に設けられた構成では、可撓性ラグ(12)の位置に応じて、たとえば後部壁から抜去歯止め(212)までのインプラントの部分を通じて、たとえば一般的には溝(211)の隣、または通路(21)の隣に、チャネルが設けられてもよい。たとえば、図15F、図18D、および図18Fは、通路(21)の入り口に現れる陥凹(240)の例を示しており、たとえばそれぞれ図11Bおよび図18A(および図18B)に示されるもののような固定具の可撓性ラグ(12)を解放するために、および/または図8Eに示されるもののような保持歯止め(14)または本明細書のいずれか別の箇所で説明されるようなその他の機構を引っ張るために、その内部に固定具抽出ツールが挿入される。本明細書のいずれか別の箇所に記載されるその他の実施形態は、インプラント(2)内にこのような陥凹(240)またはチャネルを必要としない機構を用いて、可撓性ラグ(12)の解放または解除を可能にする。特定の実施形態において、固定具(1)の本体は、後部末端付近に、固定具(1)を抽出するためのツールを受容するために配置され、引き上げることによって固定具を抜去できるようにする、少なくとも1つの陥凹(40)を含む。図6D、図6E、図6F、および図6Gは、後部末端付近の、プレート(10)を通じて形成された、このような陥凹(40)の例を示す。特定の実施形態(図示せず)において、陥凹(40)は、たとえば後部末端付近で、リブ内に形成されることが可能である。固定具(1)のプレート(10)またはリブ(11)にあるこのような陥凹(40)は、通路(21)の入り口のインプラントの構成によれば、図15Fに示されるものなどの陥凹(240)によって、アクセス可能にされ得る。図6D、図6F、および図6Gにおいて、リブ(11)は、固定具(1)内にこのような陥凹(40)を設けるのに十分な空間を残すように、固定具の後部末端まで延在しない。図6Eの例では、リブは後部末端まで延在するが、しかし陥凹(40)はリブの少なくとも片側に(図示される例では両側に)形成されることになる。図6Gの例では、固定具の陥凹(40)は、図6D、図6E、および図6Fの例で通常使用されるように、抽出ツールの導入のためにインプラント(2)内の陥凹(240)に依存することなく、ツールが固定具の抜去のために陥凹(40)に直接アクセスすることができるように、後部末端上で開放している。開放しているとは言え、今なおもこの陥凹(40)は、椎骨から抜去するために後部末端に向かって固定具を引っ張るため、後部末端を支える止め具面を提供する。図15Fにおいて、これは可撓性ラグ(12)を解除するためのツールの挿入のための陥凹(240)を含むので、図11Bのタイプの固定具、ならびに図11F、図10C、および図12に示される装置のいくつかの構成を受容するように構成されたインプラント(2)が示されている。
特定の実施形態において、固定装置(1)は、インプラントの通路(21)内でこれを安定化させるのを支援することになる機構を含む。特定の実施形態において、たとえば、その曲率にもかかわらず固定具(1)の変形を伴わずに、インプラントの直線通路を通るために、湾曲固定具が提供される。直線通路(21)を備えるインプラント(2)のこれらの実施形態は、湾曲通路(21)を備えるインプラント(2)の実施形態よりも、作るのが容易で安価である。しかしながら、湾曲固定具が直線通路を通るためには、通路(21)のレベルは、(プレート深さの方向に湾曲した)水平配向の固定具の実施形態におけるプレート(10)の厚みよりも少なくともわずかに大きくなければならず、または(プレート幅の方向に湾曲した)垂直配向の固定具の実施形態におけるプレート(10)の幅よりも大きくなければならない。しかし、固定具は、少なくとも椎骨から固定具を飛び出させる傾向がある固定具(および/またはインプラント)の移動を防止するために、インプラント(2)の通路(21)内にほとんどまたはまったく遊びを有していないことが、好ましい。本開示のいずれか別の箇所に記されるように、いくつかの構成における固定具の本体は、2つの末端(前部および後部)の間に様々な曲率半径を有することができる。特定の実施形態において、後部末端における固定装置(1)の曲率は、インプラント(2)上の固定装置(1)の保持を改善するのに十分なほど、通路(21)の壁(210)と嵌合するように構成されることが可能である。特定の実施形態において、リブ(11)は、その頂点に(すなわちその上面、プレートと反対側の面に)、および後部末端付近の部分(111)に、インプラント(2)の通路(21)の溝(211)の底部の平坦面との締まり嵌めを用いてインプラント(2)内の装置(1)の遊びを制限する平坦面(111a、図6B、図6C)を含んでもよい。これら実施形態の特定の変形例において、本体は、後部末端に近い部分(110)で、リブ(11)を備えるものと反対の面上に、図6Bに示されるように、リブの平坦面(111a)との締まり嵌めを用いてインプラント(2)の通路(21)内の装置の遊びを制限する平坦面(110b)を有する。別の実施形態において、本体の湾曲プレート(10)は、プレート(10)の残部よりもわずかに厚いことによって直線プレートの平坦面(110a、110b、図6A、図6C)がインプラント(2)の通路(21)内の装置の遊びを制限する直線プレートによって、後部末端付近の部分(110)に延在している。図6Cは、リブ(11)の平坦面(111a)を備えるプレート(10)のこれら平坦面(110a、110b)の組み合わせを示している。後部末端に近い部分(111および110)はおおむね通路(21)の全長に最大限対応しているが、しかし長すぎると通路(21)を通じての固定具の挿入が抑制され得るので、これらはより短い方が好ましい。インプラントを通じて椎骨内に固定具(1)を挿入するための器具(たとえば3、4)(本開示のいずれか別の箇所に記載される)は、本発明の潜在的な対象であり、したがって、固定具(1)はこの器具(3、4)を通るように構成されることが、好ましい。このため、好ましくは固定具の長さの一部における、可能であれば平坦な肥厚部は、器具の内部におよびこれを通じての固定具の案内を、妨害しない。このため、様々な実施形態において、固定具は、たとえば図6D、図6E、図6F、図6G、図14C、および図14Eに示されるような、通常はプレート(10)の幅よりも狭い幅だが、およびプレート(10)の残部よりも大きい厚みを有する、少なくとも1つの肥厚安定化部(20)によって、通路内で安定化されてもよい。安定化部(20)は、保持歯止め(14)がインプラントの補完的歯止め(214)上で停止するのを防止すべきではないので、これら保持歯止めがプレートの面のうちの1つに形成されるとき、安定化部(20)は好ましくはこのため保持歯止め(14)を含むのと反対側の面に位置することになり、これがその停止機能を改善する。また、様々な要素の構成に応じたいくつかの実施形態において、安定化部(20)は、特にリブ(11)の平坦面(111a)と組み合わせてこの安定化部を使用することが好ましい場合に、その溝内のリブのより良好な嵌合を提供するために、リブを含むのと反対側の面にあることが、好ましい。固定具(1)が安定化部(20)および抜去のための陥凹(40)を組み込む場合、特に図6D、図6E、図6F、および図6Gに見られるように、部分(20)は好ましくは、固定具(1)の抜去のための陥凹(40)へのアクセスを容易にするために、固定具の後部末端まで延在しないことに、留意する。固定具(1)の様々な構成の挿入の間、厚みの増加があまりに急激である場合には、安定化部は、固定具の通路を妨害する場合がある。このため、安定化部(20)は、通路(21)内で固定具(1)を押さえる最適な厚みまでの漸次的な厚みの増加を提供するように、たとえば図6D、図6E、図6F、図6G、図14Cおよび図14Eに見られるように、実質的に前部末端に向かって、プレートと合流する場所に、少なくとも1つの面取りを含んでもよく、こうしてその遊びを制限する。同様に、上述の平坦面(110a、110b、111a)も漸次的に一体化されることが可能である。いくつかの構成において、特に平坦面(111a)の場合、単体であろうが別の平坦面または安定化部と組み合わせであろうと、リブのレベルは、リブ(11)のこの部分(111)がインプラント(2)内で固定具(1)を安定化するのに役立つように、リブの残部よりも後部末端に近い部分(111)の方が高くてもよい。完全に除去することなく遊びを制限するように、肥厚部(20または110)の厚みは好ましくはやはり通路(21)のレベルよりもわずかに小さい(および/または部分(111)におけるリブのレベルは補完的溝(211)の深さよりもわずかに小さい)ことにも、留意する。とは言うものの、特定の変形例において、この厚み(および/またはレベル)は、とりわけその材料(たとえばPEEKなど)がわずかな変形(たとえば図5Eに示されるケージの部分(215)の変形)を許容する椎体間ケージの場合に、通路(21)のレベル(および/またはぞれぞれ溝の深さ)と等しく、あるいはこれより多少大きくなる。
本願は、リブを含まない固定具(1)などの対象の様々な実施形態を想定しており、ここで固定具(1)は湾曲しているが通路(21)は直線(および固定具のレベルよりも高い)であり、プレート(10)は安定化部(20)および/または本開示に記載される平坦面(110a、110b)を有する部分のうちの少なくとも1つを含む。するとこのような固定具に結びつけられてもよいインプラントおよび器具は、溝(211、3011)を含む必要がない。これらの対象は、インプラント(2)の直線通路内の湾曲固定具(1)の遊びを制限できるようにする。これら特定の対象はまた、様々な実施形態によれば、これらが両立不可能でない限り、本願において開示されたいずれの対象(または対象の組み合わせ)のいずれの要素(または要素の組み合わせ)について記載されたいずれの技術的特徴(または技術的特徴の組み合わせ)も、含んでも含まなくてもよく、これは特に、このような特徴の分離または組み合わせによって必要とされるであろう構造的適合性が、本開示の理解から直接導き出せるからである。
椎骨内にインプラント(2)を固定するために、単一の固定装置(1)が使用されてもよいが、しかしほとんどの用途において、その間にインプラントが埋め込まれる2つの隣り合う椎骨にインプラント(2)を固着させるために、好ましくは少なくとも2つの装置が使用されることになる(各椎骨に少なくとも1つの固定具)。先に述べられたように、本発明の別の潜在的な対象は、互いに同一の、または異なる、または互いに補完的な、2つの固定装置(1)を含むインプラント用の固定システムである。このため、何であれ本明細書に記載される固定具の実施形態のいずれの組み合わせも、本発明の範囲に含まれる。
補完的固定具を備える特定の実施形態において、第一固定装置(1)は、実質的に前部末端に対向して配向された少なくとも1つの歯止め面を含む、第一協働歯止め(18)を含み、第二固定装置(1)は、実質的に後部末端に対向して配向された少なくとも1つの歯止め面を含む、第二協働歯止め(19)を含む。これら第一および第二協働歯止め(18、19)は、インプラント(2)内に一旦配置されたら第一装置(1)が第二装置(1)を保持するように、および/またはその逆もまた同じとなるように、互いに協働するように構成されている。たとえば、図8D、図8E、図8Fの例示的および非限定的な例に示されるように、そして特に図8Hに見られるように、第一固定具(1)は、第一歯止め(18)および第二歯止め(19)が補完的な方法で互いに隣接するように配置された、ラグ、肩部、またはタブなどの第二歯止め(19)を有することが可能な第二固定具(1)の方向に突起している、ラグ、肩部、またはタブなどの第一歯止め(18)を有することができる。図8D、図8E、および図8Fの例において、第一固定具(協働歯止め(18)を含む底部のもの)は、歯止め(14)を有する第二固定具(上のもの)の協働歯止め(19)上に静止するので、保持歯止め(14)を必要としないことに、留意する。しかしながら、第一固定具の第一協働歯止め(18)は保持歯止め(14)を形成してもよく、その逆もまた同じである。図示される例において、通路内の固定具(1)の前進は、第二固定具の保持歯止め(14)によって、および第一固定具の協働歯止め(18)によって、阻止される。これらの構成において、第二固定具は、通路に深く侵入しすぎるのを防止することによって、第一を保持する。同様に、第一固定具の協働歯止め(18)は、第二固定具を保持し、これがインプラントから出るのを防止する。特定の実施形態において、協働歯止め(19)は、少なくとも第二固定具の保持歯止め(14)の後部面上に位置する表面によって、形成されることが可能である。特定の実施形態において、協働歯止め(18)を有する第一固定装置(1)のみが、図11Aに示されるように、インプラントの抜去歯止め(212)と協働するように構成された、たとえば可撓性ラグ(12)などの抜去歯止め(12)を有することになり、これらの構成において、第一装置(1)の協働歯止め(18)は、第二歯止め(19)と隣接することによって、第二装置(1)の抜去歯止めの役割を果たしてもよい。これらの構成において、たとえば特に図11Eに見られるように、第二装置(1)は協働歯止め(18および19)によって第一装置(1)上に保持され、可撓性ラグ(12)はインプラント(2)の抜去歯止め(212)上に第一装置(1)を保持する。記載されるように、特定の実施形態において、第一装置(1)の協働歯止め(18)は、保持歯止め(14)によってこの方向に保持される、第二装置(1)の歯止め(19)に対して隣接することによって、第一装置(1)の保持歯止めの役割を果たすことができるので、歯止め(19)を含む第二装置(1)のみが保持歯止め(14)を備えて構成されてよい。
補完的固定具を備える固定システムの特定の実施形態において、協働歯止め(18、19)は、前後両方向への第一および第二固定装置(1)の両方の運動を抑制するために、さらに連結してもよい。これら実施形態のうちの1つの説明的および非限定的な例は、図11Bおよび図11Fに示されている。図示される構成において、第二固定装置(1)の協働歯止め(19)は、実質的に前部末端に対向して配向された第二協働歯止め面(190)を含み、第一装置(1)は、ラグ(12)の自由末端(その後部末端)が歯止め(19)の第二表面(190)と接触してこれによって保持されるように位置決めされた抜去歯止め(ここでは可撓性ラグ(12)の形態を取る)を含み、こうして、インプラント(2)内で一旦所定位置に収まると第二装置(1)を保持する第一装置の抜去を防止する。本開示のいずれか別の箇所で述べられたように、これらの実施形態において、たとえば図15Fに示されるものなどのチャネルまたは陥凹(240)は、第二歯止め面(190)から可撓性ラグ(12)を解放するための抽出ツールの挿入を可能にすることに、留意する。インプラント内の陥凹またはチャネルを必要としないその他いくつかの実施形態において、特に図12(A〜E)においてわかるように、第二装置の協働歯止め(19)は陥凹(40)(または導管またはチャネル)を含む。図12Bおよび図12Eにおいて特によくわかるように、この陥凹は第二歯止め面(190)の付近に現れ、これがツールを用いて可撓性ラグ(12)を解放できるようにする。この陥凹(40)は、本明細書のいずれか別の箇所に記載されるように、固定具を抜去するために使用されることも可能であることに、留意する。したがって、様々な構成において、第一装置(1)の可撓性ラグ(12)の末端(すなわちラグの自由末端)は、インプラントの外側からアクセス可能な陥凹またはチャネルを通じて第二装置(1)の歯止め(19)の第二歯止め面(190)から解放されることが可能であり、このチャネルはインプラント内または固定具のうちの1つのいずれかに形成されることが可能であり、そして固定具内の陥凹またはチャネルは、固定具の意図的な抜去を容易にする陥凹(40)に対応(または形成も)することが可能である。
協働歯止め(18、19)は、リブに位置するように図11(AからF)および図12(AからE)に示されているが、しかしこれらは固定具(1)の本体上のいずれか別の箇所に設けられることも可能であろう。連結を提供することにより、固定具は他方を保持し(同じ構成において逆もまた同じである)、インプラントの占有面積(したがって、その強度の低下を回避するであろうその機械加工)の減少に役立つ。
協働歯止め(18、19)のこれら様々な構成は、抜去に対抗する第二協働歯止め面(190)を備えるかまたは備えない協働歯止め(18、19)を含む固定具を備える固定システムに関する本発明の潜在的な対象の様々な実施形態を提供できるようにし、リブ(11)を含んでもよいが必ずしも含む必要はない。これら特定の対象は、相互嵌合を可能にする技術的特徴の結果として、固定具の歯止め構造を最小化する問題を解決するために構成されてもよい。これら多様な対象はまた、湾曲本体の代わりに直線本体を有する固定具にも関してよい。リブ(11)を備えない構成では、このような固定具に関連づけられてもよいインプラントおよび器具は、溝(211、3011)を含まなくてもよい。いずれか別の箇所に記載されるように、第二表面(190)を含む構成において、各固定具は、他方の抜去を阻止する。これら特定の対象(すなわち、協働歯止め(18、19)を備えるこれら実施形態のいずれか)はまた、これらが両立不可能でない限り、本願において開示されたいずれの対象(または対象の組み合わせ)のいずれの要素(または要素の組み合わせ)について記載されたいずれの技術的特徴(または技術的特徴の組み合わせ)も、含んでも含まなくてもよく、これは特に、このような特徴の分離または組み合わせによって必要とされるであろう構造的適合性が、本開示の理解から直接導き出せるからである。
いくつかの実施形態において、特に図18Aおよび図18Bに見られるように、固定具は、ラグ(12)の自由末端(122)と取り付け末端(121)との間に段差(123)(肩部または刻み目など)を有する。これらの実施形態において、この段差(123)は、たとえば図18Dに見られるように、固定具が設置されたときに、インプラントの抜去歯止め(212)に隣接するように意図される。これら実施形態のうちのいくつかにおいて、自由末端(122)はインプラントの抜去歯止めと嵌合せず、歯止め(212)から離れる方向に自由末端(122)を押すことによって段差(123)の解放のためにアクセス可能となるように、むしろ固定具の後部末端付近まで延在する。これらの図面に示される例において、自由末端(122)は、ほぼ固定具の後部末端まで延在しているが、しかしまだ、望ましければ、椎骨およびインプラントからこれを抜去するために固定具上で引かれるために使用されてもよいロッド(たとえば、保持歯止め14の間)の背後にある。この例において、インプラント内の陥凹(240)は、特に図18Dおよび図18Fに見られるように、自由末端(122)へのアクセスを提供する。しかしながら、たとえば固定具が歯止め(14)または陥凹(40)、または固定具上で引かれるために使用されることが可能なその他の構造を備えて構成される(たとえば、湾曲または鈎状歯止め、または開口部を備える歯止め)、いくつかの構成において、ラグは固定具の後部末端まで延在してもよく、そのためこれはインプラント内の陥凹(240)を必要とせずに、またはあまり大きくない陥凹によって、アクセス可能である。いくつかの実施形態において、ラグ12の取り付け末端(121)はプレート(10)の厚みにおいて本体に固定されており、この非限定例では、図18Bに示されるように、可撓性ラグ(12)を収容するために中空になっている。この例では、段差(123)が設けられた1つのラグ(12)のみが、実質的に固定具の中央(その側縁の間)に位置しているが、しかし様々な別の実施形態は、たとえばプレートの側縁の近くなど、固定具上のいずれか別の箇所に位置する段差(123)が設けられ、インプラント内の通路(21)の縁に位置する補完的抜去歯止め(212)と嵌合する(いくつかの変形例では、たとえば固定具の側縁上で各々にこのような歯止め機構を含む)、少なくとも1つのラグ(12)を想定している。
本願に記載される、インプラントの補完的抜去歯止め(212)から、または第二協働歯止め面(190)から(たとえば、固定具自体を経由して、および/またはインプラントを経由して、ラグの自由末端へのアクセスを通じて)解放されることが可能な、可撓性ラグ(12)などの、固定具上の少なくとも1つの抜去歯止め(12)を含む固定具(1)(および/またはインプラント)の様々な実施形態は、抜去歯止めまたはラッチの存在にもかかわらず(および最終的にインプラントおよびこのタイプの固着の障害にもかかわらず)、椎骨およびインプラントから固定具を抜去する問題を解決する。抜去歯止めの解放(自由化)のためのこれら技術的特徴は、こうして固定具(1)がリブ(11)を含んでもよいが必ずしも含む必要のない、固定装置および/またはシステムなどの対象の多くの実施形態を可能にする。リブ(11)のない固定具に結びつけられてもよいインプラントおよび器具は、溝(211、3011)を含む必要がない。関連するいくつかの対象は、固定具(1)の抜去歯止め(12)にアクセスするための陥凹(240)を含むインプラントであってもよい。様々な対象は、直線本体を有する、または湾曲本体を有する、固定具にも関してよい。これら特定の対象(すなわち、固定具の抜去歯止め(12)を解放できるようにするこれら実施形態のいずれか)はまた、対象が両立不可能でない限り、本願において開示されたいずれの対象(または対象の組み合わせ)のいずれの要素(または要素の組み合わせ)について記載されたいずれの技術的特徴(または技術的特徴の組み合わせ)も、含んでも含まなくてもよく、これは特に、このような特徴の分離または組み合わせによって必要とされるであろう構造的適合性が、本開示の理解から直接導き出せるからである。
インプラントの一部を横断するスリット、導管、または固定装置(1)を受容するために配置された別のタイプのチャネルなど、固定装置(1)を受容するように設計された少なくとも1つの通路(21)を含む椎間インプラント(2)もまた、本発明の範囲に含まれる。好ましくは、このようなインプラントは、装置(1)の曲率にかかわらず変形を伴わずに通路(21)を通るこの固定装置(1)の通過を許容するように、少なくとも1つの湾曲した剛性のプレートを含む少なくとも1つの固定装置(1)を受容するように、構成されている。ほとんどの構成において、通路(21)は、本開示のいずれか別の箇所で詳細に説明されるように、固定装置(1)の曲率およびインプラントの望ましい固着に適した好ましい直線および傾斜軌道に沿って、周囲壁(28)からインプラント(2)の上面または下面まで、インプラント(2)を横断する。いくつかの構成において、インプラント内の通路(21)は、本明細書のいずれか別の箇所で説明されるように、固定装置(1)の(1つまたは複数の)リブ(11)を受容するために設定された形状およびサイズの、少なくとも1つの溝(211)を含む。本願は、椎間板について詳細に記載しないが、むしろ関節固定のために設計された椎体間ケージの様々な実施形態を記載するのみである。とは言うものの当業者は、本開示を理解した後、本発明による様々な特徴および様々な特徴の組み合わせを備えて構成された固定装置(1)が、本明細書に記載されるように固定具(1)を受容するための少なくとも1つの周囲壁を含むプロテーゼとともに使用されてもよいことを、理解するだろう。たとえば、その椎骨接触プレートが、固定装置の挿入のための本明細書に記載されるものなどの通路を形成することが可能な周囲壁を提供するのに十分なレベルを有する椎間プロテーゼが、知られている。同様に、2つのプレートおよびプレートの間の可動コアを含み、プレートのうちの1つの周囲壁がコアの運動を制限する椎間プロテーゼが、知られている。したがって、本発明は、たとえばコアなど、プロテーゼの様々な部分の運動を妨げることなく周囲面からプレートの椎骨接触面(下側または上側)まで壁を横断する、前記壁の中の少なくとも1つの通路(21)を作ることによって、このタイプのプロテーゼに適合することが可能である。様々な実施形態において、プレート内の通路(21)は、プレートの周囲壁からプレートを横断する必要はないが、その代わりにプロテーゼ自体の周辺領域から椎体終板まで延在している傾斜軸(直線または湾曲)にしたがって、片側から反対側まで(すなわち、上面から下面、またはその逆)プレートを横断してもよく、そして固定具(1)の歯止め(14)および/または可撓性タブ(12)は、プレートの上面または下面と(直接またはプレート内に配置された歯止めを通じて))接触するように適合され得る。たとえば、各々が参照によって本願に組み込まれる仏国特許出願公開第2,879,436号明細書、国際公開第2006/120505号、および米国特許出願公開第2006/0136063号明細書(本願の譲受人による出願)は、プレートの縁の近くで幹と嵌合するように構成された固定具の後部末端における湾曲部(鈎状)によって形成された保持歯止めを備える直線固定具を示しており、この一般的な方法は、本開示を完全に理解した後に、本明細書に開示される実施形態に適合されることが可能である。本発明の固定具(1)は、たとえば、湾曲していてもよく、および/またはこのようなプロテーゼとともに使用するための、1つ以上のリブ(11)および/または1つ以上の保持歯止め(14)および/または1つ以上の抜去歯止め(12)を含んでもよく、本明細書に記載される付加的な特徴および/または特徴の組み合わせは、このような使用に適合されてもよい。固定具がプロテーゼのプレートを横断するように設計されている場合には、「周囲壁」という用語は、プレートの周囲に近い、プロテーゼの周辺領域からアクセス可能な部分を指定するために、使用されてもよい。
したがって、本発明の特定の実施形態はまた、主にインプラント(2)について記載された手段を備えて形成された椎間板プロテーゼにも関する。様々なタイプの椎間板プロテーゼが知られており、たとえば互いに(たとえばプレートの関節表面および/または中間コアを通じて)関節接続された少なくとも2つのプレートを含み、そのうちの少なくとも1つは、たとえば固定具がリブ(11)を含むときに少なくとも1つの溝(211)が設けられるなど、少なくとも1つの通路(21)を含むことを除いて、ここでは詳細に説明されない。本発明によって構成された椎体間ケージはまた、本願の図に示された説明例とは明らかに異なる構成を含む、様々な形態を有することも可能である。本明細書の記述は、添付図面を参照して、実施形態のいくつかの非限定的変形例を提供するが、しかし本開示を完全に理解した後には、本発明によって考案されたケージおよび/またはプロテーゼが本発明の精神および範囲を逸脱することなくその他の形態を有してもよいことが、理解されるだろう。このため、本願において、ケージおよびプロテーゼ、ならびに骨接合プレートも指定するために、椎間インプラントが主に参照される。しかしながら、椎体間ケージの特定の実施形態がケージの特定の技術的特徴の参照を必要とするときには、椎間インプラントよりむしろ椎体間ケージが参照されてもよい。
本明細書に記載される様々な椎間インプラント(2)は、周囲壁の後方部分(本記載に採用される慣例による)が、本発明によって構成された少なくとも1つの固定装置(1)を受容するのに適した寸法の少なくとも1つの通路(21)を含む、少なくとも1つの周囲壁(28)を含む。本明細書のいずれか別の箇所で説明されるように、通路は、湾曲通路の複雑で高額な機械加工を回避するために、直線であってもよい。しかしながら、ともに接合可能な通路において2つの部分に分割可能なインプラントを用いると、湾曲通路を作りやすくなる。さらに、金型成形によって、椎体間ケージなどのインプラントを製造することが可能である。すると、たとえば湾曲インサートを備える金型を用いることによって、湾曲通路を有するインプラントをより容易に製造することができる。加えて、特定の新しい手法は、特に固体材料(たとえば金属)において、湾曲機械加工を可能にする。したがって、特にそのプレートが金属でできている椎間板プロテーゼの場合、直線通路の機械加工と比べてあまり追加の費用および手間をかけることなく、湾曲固定具を受容するように設計された湾曲通路を作ることが可能である。インプラント内の通路(21)が湾曲している場合、そのレベルが固定具プレート(10)の厚みとほぼ等しくてもよい(またはほんのわずかだけそれより大きくてもよい)。通路(21)が直線(まっすぐ)の場合、そのレベルは好ましくは、本願のいずれか別の箇所で説明されるように、その曲率およびその剛性にかかわらず、固定具(1)の変形を伴わずに通過できるようにするため、湾曲固定具の厚みよりも少なくともわずかに大きくなる。インプラント内の湾曲通路(21)のこの技術的特徴は、インプラントが湾曲通路を含み、固定具が湾曲していて、必ずしも必要ではないが少なくとも1つのリブ(11)を含んでもよい、インプラントおよび固定装置および/またはシステムなどの対象の、多くの実施形態を可能にする。リブを備えずに構成された固定具に結びつけられてもよいインプラントおよび器具は、溝(211、3011)を含む必要はない。これら特定の対象(すなわち、インプラント内の湾曲通路を含むかまたはこれに関連づけられるこれら実施形態のいずれか)は、(固定具の安定性の問題に関連するかも知れない)固定具の案内およびインプラントの固着を容易にする問題を解決するように、構成されてもよい。特に、このような特徴の分離または組み合わせによって必要とされるであろう構造的適合性は、本開示の理解から直接導き出せるので、これら特定の対象は、対象が両立不可能でない限り(たとえば直線本体を有する剛性固定具はこのような湾曲通路と両立しない)、本願において開示されたいずれの対象(または対象の組み合わせ)のいずれの要素(または要素の組み合わせ)について記載されたいずれの技術的特徴(または技術的特徴の組み合わせ)も、含んでも含まなくてもよい。
いくつかの実施形態において、本明細書のいずれか別の箇所で説明されるインプラント(2)内の通路(21)は、固定具上に設けられた少なくとも1つのリブ(11)を補完する形状およびサイズの、少なくとも1つの溝(211)を含んでもよい。しかしながら、リブ(11)を有していない固定具(1)も可能である。
いくつかの実施形態において(図示せず)、通路(21)は、通路の幅が、椎間板腔の平面と平行に配向されず、脊柱の軸と平行に配向されてもいない、しかし中間にあってこれら基準配向(図面のほとんどに示されている)との角度を形成する、傾斜配向を備える入り口を有してもよい。これらの実施形態において、同じ椎骨内に埋め込まれる2つの固定具(1)を有することが好ましく、これらの固定具(1)は好ましくは、プレートの厚みにおける曲率と、固定具がその傾斜配向にもかかわらず良好な保持を提供するのに十分な曲率を有するように、垂直または水平に配向された通路の入り口を有するインプラントに結びつけられてもよい固定具で一般的に使用されるよりも短い1つ以上の曲率半径と、を有する。この傾斜配向は、移植の様々な拘束力に直面したときに、固定具およびインプラントの安定性の問題を解決するために、様々な状況において役立つだろう。いくつかの実施形態は、たとえば、同じ椎骨に向けてこのような傾斜配向を備える少なくとも2つの通路を含むインプラントに結びつけられる2つのこのような固定具を提供してもよいが、しかし一方が他方に対して反対の配向を備えてもよい(たとえば、1つの入り口は右に45°傾斜し、他方は左に45°傾斜)。これら様々な実施形態は、固定具(1)上のリブ(11)も、インプラント(2)の通路(21)内の溝(211)も(器具内の溝(3011)も)、必要としないだろう。これら特定の対象(すなわち、入り口が傾斜配向を有する少なくとも1つの通路(21)を含むかまたはこれに関連するこれら実施形態のいずれか)は、特にこのような特徴の分離または組み合わせによって必要とされるであろう構造的適合性は本開示の理解から直接導き出されるので、対象が両立不可能でない限り、本願において開示されたいずれの対象(または対象の組み合わせ)のいずれの要素(または要素の組み合わせ)について記載されたいずれの技術的特徴(または技術的特徴の組み合わせ)も、含んでも含まなくてもよい。
脊柱の後に向いている仙骨の配向は、前部進入路によってでも、この領域に接近するのを一般的に難しくするので、湾曲プレートを含む固定具の使用は、特に椎骨L5とS1との間の椎間板腔の場合に、骨接合プレートを用いると特に有利になり得る。一般的に、湾曲固定具(1)を用いたとしても、脊柱の後に向かう仙骨の配向のため、仙骨のレベルで傾斜している(椎骨に対して直角ではない)器具類の進入路軸を用いることが、好ましい。器具類の前部末端におけるインプラントとの接触面は、骨接合プレートとの最適な接触を可能にするために、その長手軸(本願で使用される慣例によれば前後)に対して傾斜していてもよい。とは言うものの、進入路軸は、いくつかの状況において骨接合プレートに対して実質的に直角であってもよく、すると器具類はこの進入路軸に適合されることになる。さらに、様々な状況においてこの移植を可能にするように(たとえば、傾斜路または椎骨に対して直交する経路)、直線プレートを含む固定具を使用することも可能である。こうして器具類は、選択された固定具および進入路軸の形状に応じて適合されることになる。本発明による様々な特徴を備えて考案されたインプラントは、固定具(1)がリブ(11)を含むか否かに応じて溝(211)を備えるかまたは備えない、通路(21)を含む骨接合プレートを含んでもよい。すると周囲壁(28)は骨接合プレート自体に対応し、椎間板腔の外側と内側との間に壁を形成する。次に固定具は、骨接合プレートに対して実質的に直交する進入路軸(および関連する椎間板腔のレベルにおける脊柱の軸)に沿って、通路内に挿入される。プレート内の通路(21)は、椎間板腔または椎体のレベルに配置され、終板まで、または椎体の周囲内に直接通じるように、配置される。通路(21)の入り口の配向は、特に固定具(1)がリブ(11)を含まない場合に、先に説明されたように傾斜してもよい。これらの固着プレートは、本明細書に記載される少なくとも1つの固定具に加えて、従来のネジを用いて椎骨に対してさらに固着されることが可能である。
通常の方法において、本発明の様々な対象(固定具、固定具システム、インプラント、および器具)の通路、穴、刻み目、歯止め、陥凹、ラグ、およびその他の要素は、機械加工、ドリル加工、鋳造、溶接など、様々な方法によって形成されてもよく、本明細書で提供される例は限定的に解釈されるべきではないことは、留意すべきである。
本明細書のいずれか別の箇所に記されるように、固定具(1)は、その面のうちの少なくとも1つの少なくとも一部に少なくとも1つのリブ(11)を含んでもよく、同じかまたは反対の面に設けられた複数のリブ(11)を含んでもよい。したがって、各固定具用のインプラントの通路(21)は、固定具上の複数のリブを収容する必要があるときには、いくつかの溝(211)を含んでもよい。インプラントはいくつかの固定具によって固着されることが可能であり、したがって、1つ以上のリブ(11)を備える固定具が使用される場合には各々が1つ以上の溝を含む、いくつかの通路(21)を含むことになる。好ましくは、その間にインプラントが埋め込まれるべき椎骨のうちの他方に向かって各々が配向された、2つの通路(21)が存在することになる。このため、特定の実施形態において、周囲壁(28)は、その間にインプラント(2)が埋め込まれるように設計された椎骨の各々に固定装置(1)を固定するように、インプラント(2)の上面および下面(インプラントの椎骨接触面)のうちの1つに向かって各々配向された、2つの通路(21)を含む。固定具(1)の通路(21)は、インプラントの椎骨接触面上に現れるように、インプラントの壁(28)内に形成される。特定の実施形態において、インプラント(2)の周囲壁(28)は、その間にインプラント(2)が埋め込まれるように設計された椎骨の各々に固定装置(1)を固定するように、各々が上面および下面のうちの1つに向かって配向されている、2つの重複した通路(21)(図2C、図2D、図3H、図4Bから図4H、図5C、図7A、図7B、および図8Aから図8C)、またはずれた通路(図3B、図3E、図3K、図4A、図5A、図5B、図13A、および図13D)を含む。別の実施形態において、インプラント(2)は、1つの通路(21)のみを含む。プロテーゼの実施形態も同様に、通路(21)を含むプレートを1つだけ、およびこれを含まない別のプレートを、含んでもよい。
固定装置(1)がインプラント(2)を所定位置に保持するために埋め込まれる前に、時々インプラント(2)が椎間板腔内で動く危険性がある。したがって、特定の実施形態において、インプラント(2)の(上部および/または下部)椎骨接触面のうちの少なくとも1つは、椎骨間のインプラント(2)の運動を防止する刻み目(25)を含んでもよい。椎間板プロテーゼの場合、固定装置(1)によるその固着の前にプロテーゼの安定性を保証(または改善)するように、刻み目またはフィンまたはこれが椎骨間で動くのを防止するいずれかのタイプの構造など、椎骨と接触するように設計された表面上に、安定化手段を設けることもまた、可能である。異なる実施形態によれば、これらの刻み目(25)またはその他の安定化手段は、異なる配向を有することができる。たとえば、刻み目(25)は、互いに実質的に平行に、そして全てがインプラント挿入軸に対して直角に配向されることが可能であり、または刻み目(25)は反対に、様々な方向への運動を防止するように、インプラント(2)の異なる部分において異なる配向を有することも可能である。椎体間ケージを示す例の上面図(図2E、図5D、図7C、図8G、図9D、図10D、図10E、図10F、図11C、図11D、図12A、図13B、図13E、図15A、図17A、図17B、および図17C)に特に見られるように、刻み目は、ほとんどの方向の運動、特に側方挿入を用いるケージのこれらの例では前後軸に対して垂直な運動(すなわち、脊柱の矢状または傍矢状面内の軸に沿った運動)に対抗するのに比較的最適な、実質的に山形模様に配置されることが可能である。
本願の様々な図面において、図示されるケージの例は、そのほとんど全ての椎骨接触面上に刻み目を含むが、しかしケージの周囲壁上には含まないことに、留意すべきである。これらの例において、ケージの椎骨接触面の後方部分は刻み目を有していない。しかしながら、様々な実施形態において、様々な歯止め、リブ、および/またはこれらと結びつけられてもよいこれらのインプラントおよび/または固定具上に構成されてもよいその他の要素および特徴に干渉しなければ、ここおよびその他の周囲部分に刻み目を設けることが可能である。
ケージ(たとえば2A、2B)については、周囲壁(28)は、骨組織移植片または代用物を受容するように設計されたインプラントの上面および下面(椎骨と接触している面)で開放している、空洞(26)を定義することができる。本願の図面に示されるように、椎体間ケージはその中心に、その壁(28)によって定義された空洞(26)を含み、ケージはまた、本発明の範囲内の別の構成において、内部空洞を備えていない中実片で構成されてもよい。このタイプのケージは、たとえば先行技術において周知のようなケージの間の空洞を定義するように、少なくとも対になって使用されるように設計されることが可能である。さらに、少なくとも1つの空洞を備えるケージの場合、および特に図1、図2C、および図2に示される特定の例に見られるように、開口部(24)は、椎間板腔を横断する(すなわち椎体終板と平行に、ケージを通る)骨組織の成長も可能にするように、インプラントの壁(28)(図示される例における側壁)に形成されることが可能である。図示されない特定の実施形態において、椎体間ケージは、ケージ(2)の壁(28)を補強するために、その空洞(26)を左右に横断する補強材を含んでもよい。この補強材は、異なる形状および配向を有することができ、たとえば、椎骨間のケージ(2)の挿入の軸に沿って、または別の軸に沿って、配向されることが可能である。様々な実施形態において、補強材は、ケージの残部よりも低いレベルを有することができる。ケージの残部に対する補強材の低いレベルは、椎体終板の形状における様々な潜在的不規則性をケージが獲得できるようにする。補強材には、刻み目(25)が設けられていてもいなくてもよい。その一方で、特定の実施形態において、通路(21)の一部は空洞(26)内に現れる。通常、壁は通路(21)に応じた寸法であってもよく、通路(21)は、その内部に固定装置が固着されなければならない椎骨の方向に、この装置を配向および保持するために、固定装置(1)に応じた寸法および配向となる。さらに、配向は、本明細書のいずれか別の箇所で述べられたように(たとえば、固定具のために選択された湾曲によって)、所望の固着に応じて選択されることが可能である。しかしながら、インプラントの寸法は、その間にこれらが埋め込まれるように設計された椎骨に応じて変動すること、および固定装置の寸法もまた、これらの椎骨に応じたインプラントの寸法に適合可能であることに、留意する。
通路(21)のレベルにおいてさえ、インプラントの形態は、少なくとも1つの固定具(1)が導入されることを許容する限り、限定的ではない。たとえば、本願の図面に示され、特に上面図(図2E、図5D、図7C、図8G、図9D、図10D、図10E、図10F、図11C、図11D、図12A、図13B、図13E、図15A、図17A、図17B、および図17C)に見られるケージ(2)は、壁が実質的に平坦であって、その付近でこれが器具(3、4)によって保持されることになる、通路(21)を除いて、実質的に長尺の外周を有する。しかしながら、これらの例においてさえ、一般的には好ましいものの、壁がこの領域内でほぼ平坦である必要はない。様々な図示される椎体間ケージにおいて、実質的に長尺の形状はわずかな曲線を有しているが(特に上面図に見られる)、しかしやはりこの形状は、本発明の範囲に関して限定的ではないことに、留意する。様々な上面図、特に図19Aから図19Hは、椎体間ケージの様々な形態が、わずかに凹状の(283)側面(または表面)、わずかに凸状の(284)側面(または表面)、実質的に平坦な(281)後面(または表面)、および湾曲した前(282)面(または表面)を含む周囲壁(28)を有してもよいことを示しているが、しかしやはりこの形状は本発明の範囲に関して限定的ではない。この「豆」型、および特に、(側方進入路軸を備えるケージのための)実質的に様々な椎骨の前方部分に対応する、側方(284)のわずかに凹状の面は、より密度の高い骨組織を有する終板の縁を支持することができる。インプラントの形状は、その間にこれが埋め込まれる椎骨の形状に応じて、およびその移植のために想定される解剖学的経路の軸に応じて、選択されることが好ましい。いくつかの図示される構成について、ケージは側方に(または腰筋横断進入路によって、または腰筋逆行侵入路によって)挿入されるように配置され、一旦冠状配向に(すなわち、その長手軸を、前面とも称される冠状面内にして)埋め込まれたら、最高の安定性を提供する形状をケージに持たせるので、この湾曲形状が好ましい。記載されるように、ケージは、好ましくは予測される使用および挿入進路に合わせて選択される、その他の形状を有することもできるだろう。たとえば、ケージは、とりわけ前部進入路による移植の場合には、湾曲していなくてもよく、とりわけ経椎間孔(transforaminal)経路による移植の場合には、さらに湾曲していてもよい。
通常、インプラント(2)の形状は異なってもよく、インプラント(2)と接触することになる器具(3、4)の末端の形状も結果的に、異なる実施形態において異なってもよい。インプラント(2)は実際、固定装置(1)の挿入に適した少なくとも1つの通路(21)、および好ましくは移植器具の1つの末端と協働するように設計された締め具(または取り付けリソース)(22)を有している限り、異なる形状を有することができる。締め具(22)は、様々な具体的実施形態に応じて、器具との良好な協働を提供するために、この締め具(22)の付近でインプラントの特定の形状と結びつけられることが可能であり、さらに器具の補完的形状と協働する特定の形状を有することもできる。たとえば、器具は、インプラントの形状をかたどる接触面を含むことができる。
先に述べられたように、椎体間ケージ(2)は、特にいくつかの椎体間ケージ(2)が同じ椎間腔に埋め込まれる場合に、その中心に空洞(26)を含んでも含まなくてもよい。こうして埋め込まれたケージは通常、椎間腔内で成長し、その間にこれが埋め込まれる2つの椎骨の融合(関節固定)を可能にする、骨組織(移植片)を封入するために使用される。骨移植片の代わりに代用物を使用することも、知られている。全ての場合において、ケージ(2)の目的は、椎骨の間の空間を修復または維持することである。移植片の成長および椎骨の融合の前に、ケージ(2)は椎間板腔内の所定位置に適切に残留しなければならず、本発明の様々な実施形態は、その固定化を容易にする。同様に、プロテーゼは通常、全ての場合において固定されていなければならない。
特定の実施形態において、(長手軸Lに対応してもよい)前後軸に沿ってインプラントの中心に位置する少なくとも1つの部分は、椎骨の形状を獲得するように、インプラントの残部よりも厚い。たとえば図3A、図3D、図3G、および図3Jに見られるように、インプラントの中心はその末端よりも厚くなっていてもよい。好ましくは、椎骨の下面のみが一般的に凹所を有するので、上面のみが凸状である。
特定の状況において、とりわけその間にインプラント(2)が埋め込まれなければならない椎骨に応じて、椎骨の間の空間の保持に加えて、インプラント(2)が脊柱前弯、脊柱後弯、あるいは脊柱側弯を課す、収容する、または修正することが望ましい。したがって、特定の実施形態は、(ケージまたはプロテーゼのプレートのうちの少なくとも1つの)インプラント(2)の上面および下面を通過する中間面が、その間にインプラント(2)が埋め込まれる椎骨に対する脊柱前弯、脊柱後弯、または脊柱側弯を課す、収容する、または修正する少なくとも1つの方向に、角度を形成するようにしている。この一般的な方法は、たとえば、各々が参照によって本願に組み込まれる、特にインプラントの中間面のこのような傾斜を許容する技術的特徴に関する(すなわち、少なくとも1つのプレートの中間面の間、またはケージの接触脊椎面の間の角度による、および/または非対称核および/または核のずれた位置による)、仏国特許出願公開第2,869,528号明細書(および国際公開第2005/104996号および米国特許出願公開第2005/0246024号明細書)ならびに仏国特許出願公開第2,879,436号明細書(および国際公開第2006/120505号および米国特許出願公開第2006/0136063号明細書)に記載されている。中間面への言及は、本明細書において、(上部および下部)椎骨接触面には刻み目が設けられ、あるいは凸状もしくは凹状であってもよいので、これらは必ずしも平坦ではないことを反映している;したがって中間面は、表面上に置かれている椎骨が取ることになる一般的な配向を反映するように意図される。たとえば、本願の図面に示される椎体間ケージ(2)のいくつかは、脊柱前弯誘発ケージである−これらは側方に挿入されるように設計されており、椎骨の前部側に位置するように意図されるその部分は、反対側の部分よりも厚い。実際、特に図3B、図3E、図3H、および図3Kに見られるように、ケージが右側よりも左側の方が厚いのがわかる。これらの図2において、ケージは脊柱前弯誘発型であるので、刻み目(25)が見えるのはケージの側面のうちの1つ(左側)のみであることにも、留意する。ケージが薄い側(右側)に位置する刻み目が存在するが、その上端しか見えていないので、図面には反映されていない。特定の実施形態は、インプラント(2)の上面および下面を通過して角度を形成する中間面を有するものの、直線ケージも提供可能であり、これは通常このように対称的となり、実質的に互いに平行に構成されたインプラント(2)の上面および下面を通過する中間面を有する。インプラントのための望ましい移植経路に応じて、様々な方向に角度が付与される。脊柱後弯および脊柱前弯では、この方向は脊柱に対して前後であり、脊柱後弯を課すために脊柱の前方に向かってインプラントが薄くなっているか、または脊柱前弯を課すために脊柱の後方に向かってインプラントが薄くなっている。脊柱側弯を課すためには、上面および下面を通過する中間面は、椎間板腔の平面の別の方向に沿って(前方または冠状方向に沿って、すなわち脊柱に対して内外方向に配向された軸に沿って)角度を形成しなければならず、所望の効果に応じて、右または左に向かってインプラントが薄くなっている。たとえば、図19Bおよび図19Cは、脊柱前弯および脊柱側弯を課すためのケージを表している:インプラント(2)の壁(28)の前面(282)は、特に図19Bに見られるようにその背面(281)よりも薄く、特に図19Cに見られるように、凹側面(283)は凸面(284)よりも薄い。この例において、本明細書のいずれか別の箇所で述べられたように、側面は湾曲していなくてもよく、このケージの様々な特徴(たとえば、通路21の位置)は、このケージ向けに意図される特定の挿入進路に対して構成されており、これは異なる進入路が意図される場合に変更されてもよいことに、留意すべきである。本明細書のいずれか別の箇所で説明されるように、たとえば図19Eおよび図19Gのケージなど、その側面(283、284)が通常同じ厚さ(端から端まで)を有する、対称的インプラントも使用されてよい。インプラントの対称性は、前後配向および/または左右配向に関連してもよい。図19Fは、無脊柱前弯および無脊柱後弯ケージを示しており、ここで2つの側面(283、284)は同じ厚みを有するが、このケージはその前面(282)が背面(281)よりも薄いので、脊柱側弯を課す。繰り返しになるが、図19Fのケージで脊柱側弯を扱うために、これは側方進入路を通じて挿入されることに、留意する。図19Hのケージの例にも、同じことが該当する。図19Hのケージの側面(283、284)はいずれも凹状であるが、その一方で図19Fに示されるケージの側面(283、284)はいずれも凸状であることに、留意すべきである。これら例示的で非限定的な例は、本発明の範囲内で、想定される用途に応じて使用されてもよい、インプラントの様々な形状および構成を示している。隣り合う椎骨の傾斜(たとえば、脊柱側弯、脊柱前弯、脊柱後弯)について、運動および傾斜によって印加される力に対する良好な抵抗を提供するために、固定具の幅は、傾斜の方向に対して実質的に直交するように(または斜めに、しかし平行ではなく)配向されることが、一般的に好ましいだろう。たとえば、側方進入路によって挿入されるように構成された、脊柱側弯用途向けのケージ(椎骨の横向き傾斜を課す)では、プレートの深さにおいて配向されたそのプレート(1)の曲率を備える固定具(1)が好ましい(たとえば、図2G、図2H)。反対に、側方進入路によって挿入されるように構成された、脊柱前弯/脊柱後弯用途向けのケージ(椎骨の後方から前方への傾斜を課す)では、プレートの幅において配向されたそのプレート(1)の曲率を備える固定具(1)が好ましい(たとえば、図13G)。
特定の実施形態において、周囲壁(28)は、前部分のレベルで(本明細書のいずれか別の箇所に記される方向慣例を用いる)、椎骨間のインプラント(2)の挿入を容易にするように、たとえばその上面および下面のうちの少なくとも一方の少なくとも1つの周囲部分の少なくとも1つの面取りなど、少なくとも1つの角取り部分(27)を含む。特に図1の椎体間ケージの例に見られるように、ケージの前部末端は、特に前記椎骨の間の空間が不十分なときに、椎骨間のケージの貫通を最適化するために、実質的にシェルの先端の形状(ブルノーズ、モルタル)を有する。面取りまたは角取り(27)は、インプラント(2)の下面および上面の両方に存在してもよい。この面取り(27)または角取りプロファイルは、ケージの残部よりもその迎え側(最初に挿入されるように設計された側)の方にある程度低いレベルを付与することによって、インプラント(2)の移植を容易にする。
本開示において説明されるように、インプラント(2)の様々な構成または実施形態は好ましくは、特に保持歯止め(14)および/または抜去歯止め(12)について、固定具(1)の構成または実施形態に適応することになる。このため、特定の実施形態において、通路(21)は、一旦固定装置(1)が通路(21)を通じて椎骨内に完全に固定されたら、インプラント(2)を保持するために固定装置(1)の少なくとも1つの保持歯止め(14)と協働するように配置された、インプラント(2)の外側にほぼ対向する少なくとも1つの歯止め面を有する、少なくとも1つの歯止め(214)を含む。本明細書のいずれか別の箇所で述べられたように、固定具の様々な構成について、歯止め(214)は、固定装置(1)の本体の側面上の2つの突起ラグを受容するように、固定具の上方および/または下方に、または通路(21)の側面に突起しているラグを受容するために、通路の上方および/または下方に位置していてもよく、あるいはこれらの可能性のいずれの組み合わせであってもよい。好ましくは、いずれの場合も2つの歯止めが存在することになる。好ましくは、歯止め(214)は、周囲壁(28)から突出することなく保持歯止め(14)を受容するのに十分な深さを備え、その底部が歯止め面を形成する陥凹である。特定の実施形態において、インプラントは、通路(21)内に挿入された固定装置の前部末端にほぼ対向する少なくとも1つの歯止め面を有する少なくとも1つの抜去歯止め(212)を含み、この抜去歯止め(212)は、インプラント(2)からの固定装置(1)の抜去に対抗するために、可撓性ラグ(12)など、固定具(1)の少なくとも1つの抜去歯止め(12)と協働する。
特定の実施形態において、器具類(3、4)は、椎骨の間にインプラント(2)を挿入し、インプラント(2)内に固定装置(1)を案内して椎骨内に固定装置(1)を押し進めるために、使用されてもよい。これらの実施形態において、インプラント(2)の周囲壁(28)は、好ましくは移植器具(3、4)の把持末端と協働するように配置された少なくとも1つの締め具(または取り付けリソース)(22)を含む。このため、本発明の潜在的な対象の様々な実施形態は、少なくとも1つの椎骨に対してインプラント(2)を固着させるための、椎間インプラント(2)および固定装置(1)の移植のための移植器具(3、4)に関する。様々な実施形態において、器具は、この装置を椎骨内に固着させるための固定装置(1)に、およびインプラント(2)が器具(3)によって把持または保持され得るように移植器具(3)のための少なくとも1つの締め具(22)(または取り付けリソース)を含む、本発明によって構成された椎間インプラント(2)にも、適合する。いくつかの構成において、インプラント(2)の締め具は、器具の少なくとも1つの把持リソース(321)を受容するように設計された、たとえば図3B、図3E、図3H、図3K、図4(AからH)、図5(AからB)、図13A、および図13Dに示されるように、少なくとも1つの陥凹(22)を含んでもよい。たとえば、開口部(22)は、器具のシャフト(321)の末端を受容することができる。開口部(22)は、別の付加的締め具または取り付けリソースも示す、図16Aおよび図16Bの例に特に見られるように、シャフト(321)の末端のネジ切りと協働するように、ネジ切りされることが可能である。しかしながら、締結手段は、把持手段の陥凹に挿入されるように設計された、インプラントの外側に突起している部分も含むことができる(図示せず)。特定の実施形態において、締め具または取り付けリソース(22、22a、22b、22c)はまた、少なくとも部分的に、ケージまたはプロテーゼを把持できるようにするためにこれらの表面を補完する形状を有する器具の把持リソースを備える、インプラントの異なる表面によって形成された配置を含むことも可能である。たとえば、第一締め具は、器具(3)のシャフト(321)を受容する、インプラントの後部壁(28)の開口部(22a)を含んでもよく、図2C、図2D、図5C、図8A〜C、および図15Fに特に見られるように、インプラント(2)の壁のうちの1つ(たとえば、これらの図における側壁)の陥凹(22b)によって補完されてもよい。別の付加的締め具も示している図16B、図16C、および図17Aに特に見られるように、この陥凹(22b)は、器具(3)の補完的形状のラグ(3210)を受容するように設計されている。二重把持部は、椎骨間の移植の間のインプラント(2)をより良く把持すること、および具体的には、たとえば把持リソース(22a〜321および22b〜3210)の間にレバーアームを提供することにより、インプラントにねじりを印加することを、可能にする。この二重把持部はまた、図1、図7A、図7B、図16B、図16C、および図17Aに特に見られるように、第二リソースまたは配置(22b)内に形成された、第三リソースまたは配置(22c)によって、改良されることも可能である。たとえば、インプラントの壁の陥凹(または補強材)(22b)は、器具のラグ(3210)上に形成された補完的なスタッド(3210b)(またはピン、ラグ、タブ、またはその他いずれかの突起構造)を受容するように設計された別の陥凹(穴、刻み目など)を含むこともできる。この例において、図16B、図16C、および図17Aに特に見られるように、インプラント(2)は、スタッド(3210b)およびラグ(3210)をそれぞれの陥凹(それぞれ22c、22b)に挿入することによって器具(3)と嵌合し、その後インプラント(2)は、必要であれば、器具(3)の上を摺動するように実装され締め付け可能なシャフト(321)によって、器具(3)上に「係止」される。このため、インプラントは器具(3)の少なくとも1つの把持リソース(321)の少なくとも1つの補完的締め具(22)を含んでもよいが、把持部は、器具の把持リソース(それぞれ321、3210、および3210b)の各々を補完する1つ以上の付加的締め具(たとえば、22a、22b、22c)を用いて改良されてもよい。「把持部」という用語は、一般的に把持部品を形成する2つの要素を含む構造のみを指すものとして限定的に解釈されるべきではなく、むしろ本開示におけるその使用は、単純に、記載される構造がインプラントを保持するのに役立つということを指す。好ましくは、締め具(22)は、通常は(以下に記載される嵌入具(4)による)固定具のタッピングを必要とする、特に固定具が椎体間に埋め込まれるときに、アセンブリのサイズを削減して器具によるインプラントの保持を改善するように、固定装置が挿入される場所の付近で器具によるインプラント(2)の把持を可能にするために、通路(21)の付近に位置することになる。さらに、本明細書で述べられる様々な実施形態を示す図に特に見られるように、締め具の位置は、インプラントの後部壁のサイズ、固定具の構成、およびインプラントのサイズに応じて、変化することができる。好ましくは、固定具、インプラント、および器具の構成は、相互依存的および補完的である。
通常、本発明によって構成された、椎骨椎間インプラント(2)を埋め込むための、およびこれら椎骨のうちの少なくとも1つに少なくとも1つの固定装置(1)を埋め込むための機具類(3、4)は、好ましくは、固定装置(1)を押さえるのに適した形状およびサイズのヘッド(44)を含む少なくとも1つの嵌入具(4)、およびインプラント(2)用の把持末端と押さえ末端との間に延在する長手軸に沿って延伸する少なくとも1つのガイド(3)を、含むことになる。様々な構成において、ガイド(3)は、少なくとも部分的に嵌入具のヘッド(44)を受容するのに適した形状およびサイズのヘッド(30)、および少なくとも1つの案内面(31)を含む。好ましくは、湾曲固定具が好まれるので、案内面(31)は、椎骨内に(好ましくは椎体終板内に)固定装置(1)を嵌入するために、インプラント(2)の通路(21)を通じてこの固定装置(1)を案内するように、固定装置(1)の少なくとも1つの曲率半径と実質的に同一の少なくとも1つの極知る半径を有することになる。特定の実施形態において、ヘッド(30)は、固定装置(1)の少なくとも1つのリブ(11)の通路のために形成された、少なくとも1つの溝(3011)を含む。1つまたは複数のリブ(11)が見いだされる1つまたは複数の面に応じて、1つまたは複数のリブの通路のために適切に、ガイド(3)内に1つまたは複数の溝(3011)が構成されることになる。特定の実施形態において、固定装置(1)のリブ(11)の通路のために形成された溝(3011)は、ガイド(3)のヘッド(30)の空洞(300)の上部壁および/または下部壁の少なくとも一部に、形成される。
通常、様々な構成において、ガイド(3)のヘッド(30)は、固定装置(1)を受容し、嵌入具(4)のヘッド(44)を少なくとも部分的に受容するのに適した形状およびサイズの空洞(300)を含み、少なくとも2つの湾曲溝(31、図17D)を含む案内面は、本体(10)の両側の固定装置(1)の側面を受容および案内するために空洞(300)の側面に対向して位置しており、嵌入具(4)のヘッド(44)は、これら溝(31)の1つの末端から他方まで空洞(300)内を貫通している。
いくつかの構成において、固定具のリブ(11)は、ヘッド(30)を通じてインプラントを案内するのに役立つ。リブ(11)の通路のための溝(3011)を含むガイド(3)のヘッド(30)は、固定具(1)を案内するのに役立ち、通常は好ましい。嵌入具は、ガイドのヘッド(30)内に進入するように配置されており、いくつかの構成において、空洞(300)の壁は、嵌入具を案内するように構成されてもよい。
器具の様々な構成は、たとえインプラントがすでにガイドに実装されていても、そしてインプラントが椎間腔内に(完全にまたは部分的に)すでに埋め込まれていても、外科医が移植のための固定具を装着できるようにする。たとえば、ガイド(3)は、ヘッド(30)の後を通じて固定具を装着できるように構成されることが可能である。加えて、ヘッド(30)の後を通じて固定具を装着する能力は、外科的開口部における密集を低減するのに役立つ。必要とされる外科的開口部のサイズを削減するために、器具の様々な構成において、好ましくはヘッド(30)のレベルは、インプラント内への固定具の挿入のための適切な経路をなおも提供しながら、可能な限り低減される。好ましくは、ヘッドはインプラントのレベルと同程度の最大レベルを有することになる。ヘッド内に溝(3011)が存在する場合、たとえば図17Dに示されるようにわずかな追加レベルが必要であるかも知れない。すると、(たとえば図17Dに示されるように)ヘッドの外側まで延在する溝(3011)は、このような場合に特に有用であろう。しかしながら、いくつかの実施形態において、空洞(300)は、溝(3011)を必要とせずに固定具の通路(リブありまたはなし)を許容するのに十分なレベルである。とは言うものの、インプラントおよび椎骨内に挿入されている間、固定具の向上された案内および安定性を提供するために、溝(3011)の使用はいずれにせよ有益である。
インプラントとほぼ同じかまたは低いレベルを有するガイドのヘッド(30)を有する構成において、ガイドの前部末端付近に少なくとも1つの歯止めが設けられてもよい。このような歯止めは、たとえば、調節可能および/またはヘッドまたはガイド(3)の本体上のどこか(チューブ、ハンドル、ヘッドなど)に固着されてもよく、特にインプラントおよび/または固定具(1)の嵌入の間、ガイドが椎間板腔内に深く貫通しすぎるのを防止してもよい。
様々な構成において、器具は、インプラント(2)の少なくとも1つの締め具(22)と協働するように設計された、少なくとも1つの把持リソース(321)を含む。押さえ末端は、いくつかの実施形態において、椎間腔内にインプラント(2)を挿入するためにインプラント(2)を保持するガイドを押さえるために使用される、ハンドル(320)を含んでもよい。図16Bに特に見られるように、このハンドルは、この構成では(取り付けリソースとしてネジ切り穴を含む)インプラント内へのネジ留めのためのホイール(33)に接続されている、シャフト(321)用の通路を含むことができる。外科医は、椎体の間および椎間腔内にインプラント(2)を押し進めるために、たとえばハンマーを用いてまたは周知のタイプの別のツールによって、ハンドル(320)および/またはホイール(33)を叩くことができる。本開示を完全に理解すると、当業者は、器具類(3、4)の様々な要素および技術的特徴のうちのいくつかが、まだインプラント(2)または固定装置(1)の様々な実施形態とともになお使用されてもよい器具類に存在してもしなくてもよいことを、理解するだろう。
ガイド(3)は、あまり空間を必要とすることなく、椎間腔へのケージの送達を可能にする、長尺本体(32)を含む。このガイド本体(32)は、インプラント(2)を把持するシャフト(321)を案内および/または収容する。嵌入具(4)もまた、ガイド(3)の本体(32)に対して摺動可能な、長尺本体(42)を含む。嵌入具(4)のこの長尺本体は、ハンドル(41)によって作動されたときにガイド(3)に対して摺動するシャフト(42)によって形成されることが可能である。図16に特に見られるように、この嵌入具本体(42)は、ガイド(3)のハンドル(320)の開口部(322)の底部に形成された溝(324)によって、ガイドに沿ったそのスライド内を案内されることが可能である。図16Bに特に見られるような、特定の実施形態において、ガイドのホイール(33)は、嵌入具本体の通過を許容するために、刻み目が付けられている。これらの実施形態において、ホイールは、ホイールの刻み目が嵌入具(4)の案内本体(42)のための溝(324)に対向する位置でのみ停止され得るように、たとえば陥凹内に挿入されて弾性リソース(326)(たとえばバネなど)によってホイール(33)に対して圧縮保持されるボール(325)によって、割り出されてもよい。
特定の実施形態において、嵌入具(4)は、ガイド(3)に対して嵌入具本体(42)が摺動できるようにする、ハンドル(41)を含む。このハンドルもまた、インプラントを通じて椎骨内に固定装置(1)を押し進めるために、たとえばハンマーを用いて、または周知のタイプの別のツールによって、外科医によって叩かれることが可能である。さらに、特定の実施形態において、嵌入具(4)は、ガイド(3)のヘッド(30)の内側の嵌入具(4)のヘッド(44)の貫通を制限する、少なくとも1つの歯止め(43)を含む。特定の変形例において、この歯止めは、嵌入具の貫通をガイド(3)のヘッド(30)のサイズに、および使用される固定装置(1)のサイズに合わせて調節可能にするように、嵌入具(4)の本体(42)に沿って調節されることが可能である。実際、たとえば、先に述べられたように、使用される固定装置(1)は、臨床環境およびガイドヘッド(30)に応じて変更可能な長さを有することができ、具体的には湾曲した案内面もまた、固定装置(1)のこの長さに適合したサイズを有することになる。把持リソース(または配置)(321)は、案内面(31)の前部末端がインプラント(2)の通路(21)に合わせられてその内部に向かって開口し、案内面(31)の後部末端がインプラントおよびひいては椎骨内への通過のための固定装置(1)の挿入のためにアクセス可能なままで、ガイドヘッド(30)に対して所定位置にしっかりとインプラント(2)を保持する。特定の実施形態において、シャフト(321)は、シャフトが案内ハンドルまたはホイール(33)によって作動されたときにインプラント(2)を固着させるために、陥凹(22、22a)の補完的なネジ切りと協働する、ネジ切り末端を含む。特定の実施形態において、締め具(22)は陥凹(22、22a)を含み、把持リソース(321)は、インプラント(2)の陥凹(22、22a)に出入りするためにハンドルまたはホイール(33)によって作動されたときにガイド(3)の本体(32)内を摺動するシャフトの末端を含む。すでに述べられたように、特定の実施形態において、締め具(22)は周囲壁(28)の側面上に陥凹(22a)および溝(22b)を含んでもよく、さらに把持リソース(321)は、インプラント(2)の陥凹(22、22a)を出入りするためにハンドルまたはダイヤル(33)によって作動されたときにガイド(3)の本体(32)内を摺動するシャフトの1つの末端と、溝(22b)内に嵌合するように配置され、椎骨間にインプラント(2)を位置決めするためのレバーアームの役割を果たすラグ(3210)と、を含む。さらに、特定の変形例において、溝(22b)は、器具によってインプラント(2)の把持を改善するように、ラグ(3210)のスタッド(3210b)を受容するように設計された、陥凹(22c)を含む。
特定の実施形態において、ヘッド(30)の空洞(300)は、各々が案内溝(31)を含み、各々が空洞(300)の側面に位置する、2つの案内要素(図17Dに特に見られる)を含む。この例において、案内要素は、空洞(300)内にこれらを挿入することによってヘッド(30)と接合され、これはピン、ネジ、クリップ、および/またはその他の締結アイテムなど、これら案内要素(310)を固定するための締結リソースを含むことができる。別の例において、ヘッド(30)は、直接空洞(300)内に案内溝(31)と一体に形成されてもよい。この場合、湾曲溝(31)を機械加工しやすくするために、ヘッドはともに接合された2つの部品で作られてもよい。しかしながら、ヘッド内に直接湾曲した案内面(31)を機械加工することも、可能である。
本発明のその他の潜在的な対象は、ガイド(3)のヘッド(30)内に少なくとも1つの固定具(1)を装着するために配置された、アダプタ(5、図20A〜図20B)に関する。このアダプタ(5)は好ましくは、ガイド(3)のヘッド(30)内にこの固定具(1)を挿入するのに適した方法で、少なくとも1つの固定具(1)を保持するように配置されている。様々な実施形態において、このアダプタ(5)は中空であって、その前部および後部末端(やはり本願で使用される慣例による)において開放しており、こうして端から端まで開放している空洞(50)の範囲を定め、一種の導管またはチャネル(たとえば実質的にその末端で開放している中空で方形の平行六面体の形状の本体を備える)を形成する。様々な実施形態において、この空洞(50)は、ガイドの空洞(300)と実質的に同一の(または少なくともこれに近いまたは類似の)形状および寸法である。このため、アダプタ(5)は、その内部の空洞(50)を通過することが可能な嵌入具(4)に実装されてもよい。いくつかの実施形態において、たとえば、アダプタ(5)が嵌入具(4)を保持するように、アダプタ(5)は、アダプタ(5)の空洞(50)の内部の初期寸法を、少なくともその後部末端(本願で使用される慣例による)のレベルで、嵌入具(4)のサイズよりもわずかに小さく(およびひいてはガイドの空洞の寸法にも合わせて)構成することによって、嵌入具(4)の通過がアダプタ(5)のわずかな変形を生じるように配置されてもよい。アダプタ(5)の外寸は好ましくは、ガイド(3)の空洞(300)内に貫通しないように、少なくとも後部末端(本願で使用される慣例による)のレベルで、ガイド(3)の空洞(300)よりもわずかに大きくなる。たとえば、アダプタ(5)の壁(51)は、その変形を容易にする少なくとも1つのスリット(52)を備えて構成されてもよい。さらに、アダプタの材料は、このような変形を許容するように配置されてもよい。様々な実施形態において、たとえば、後部末端は、嵌入具(4)上にアダプタ(5)を保持しやすくするための少なくとも1つの肥厚(せり上がり)部(浮き出しまたは突出部)を備えて、アダプタ(5)の空洞(50)内に構成されることになり、こうして嵌入具(4)よりもわずかに小さいアダプタの空洞(50)の入り口の寸法を得る。このような肥厚部は、嵌入具の通過を容易にするために、アダプタ(5)のスリットおよび/または変形可能材料と組み合わせられてもよい。少なくとも1つの固定具(1)を保持するアダプタ(5)はこのように、嵌入具(4)およびガイド(3)の配置の結果、ガイドのヘッドの空洞(300)の入り口に固定具を持って行くために(嵌入具は、たとえばガイドのハンドル(320)の開口部(322)を通じて、ガイドから解放可能である)、その後ガイド(3)の空洞(300)の入り口にアダプタ(5)を残したまま、ガイドのヘッド内に固定具(1)を押し込むために、使用される嵌入具(4)上に実装されてもよい。さらに、様々な実施形態において、アダプタ(5)の空洞(50)の側面は、ガイド(3)の溝(3011)と類似の方法で、しかし好ましくはアダプタの(前部)部分のみに、少なくとも1つの固定具(1)を保持および/または案内するために配置された、少なくとも1つの溝(好ましくは、使用される固定具に応じてアダプタの少なくとも1つの壁を通じてまたは通じないで、およびまっすぐにまたは湾曲して延在する、各側面の少なくとも1つの溝)を含む。アダプタ(5)のこれらの溝(53)は好ましくは、固定具がガイド(3)の内部に適切な方法で貫通することが可能なように、ガイドの本体と協働する嵌入具(4)がアダプタ(5)によって保持される少なくとも1つの固定具(1)をガイド(3)のヘッド(30)まで持ってくるときに、固定具(1)の前部末端がガイド(3)のヘッド(30)内の溝(3011)の入り口と実質的に対向するように、配置される。アダプタ(5)の溝(53)はこのように好ましくは、溝(3011)の延長である(すなわち、使用される固定具のタイプに応じて、ガイド(3)のこれらの溝(3011)によって描かれる少なくとも1つの弧の延長、またはガイド(3)のこれらの溝(3011)の直線経路の延長)。このタイプのアダプタ(5)は、たとえば固定具(1)がプレート(10)の深さに沿って湾曲している場合(水平配向の固定具)、および嵌入具(4)のヘッド(40)が、ガイド(3)の空洞(300)を実質的に満たし、そのため同時に両方の固定具(1)を押して、これら2つの固定具(1)がこうしてガイド(3)のヘッド(30)の内部で互いに干渉し合うような寸法を有する場合など、2つの固定具(1)が器具内に同時に挿入されることが不可能な特定の実施形態において、特に有利であることに、留意すべきである。このため、これらの場合、インプラント(2)を保持するガイド(3)内の第一固定具(1)を導入し、ガイド(3)を用いてこのインプラント(2)を埋め込み、次に嵌入具(4)を用いて椎骨内にこの固定具(1)を嵌入し、そして第二固定具(1)を保持するアダプタ(5)を提供するために嵌入具(4)を抜去し、ガイド(3)内に固定具(1)を挿入し、次に嵌入具(4)を用いて椎骨内にこの固定具(1)を嵌入することが、可能である。反対に、別の実施形態において、とりわけ固定具(1)がプレートの幅に沿って湾曲しているときに(垂直配向の固定具)、その経路が互いに交差しないので、2つの固定具(1)がガイド(3)のヘッド(30)内で互いに干渉しないことに、留意すべきである。これらの実施形態において、このようなアダプタ(5)は、必要ではないかも知れないが、それでもなお使用されてもよい。垂直配向を備える固定具(1)のこれらの場合には、アダプタ(5)の溝(53)は、側面ではなくアダプタ(5)の空洞(50)の下位側および上位側になる。このタイプのアダプタ(5)は、外科医が望めば、インプラント(2)を埋め込むときにガイド(3)内に固定具を挿入するのではなく、後で固定具を導入できるようにする。さらに、特に固定具(1)がプレートの幅に沿って湾曲している場合(垂直配向の固定具)に対応する、嵌入具(4)の特定の実施形態において、嵌入具(4)の幅がガイド(3)の空洞(300)の幅と実質的に同じであるときと同時に両方の固定具(1)を押す代わりに、嵌入具(4)が1つの固定具(1)のみを一度に嵌入することを可能にするように、嵌入具(4)の幅は、ガイド(3)の空洞(300)の幅の実質的に半分だけになるように構成されてもよい。このため、このような嵌入具(4)は、第一固定具(1)を嵌入するため、そして第二固定具(1)を嵌入するように回転させられるために、使用されてもよい。アダプタ(5)、固定具(1)、および嵌入具(4)のこれら様々な実施形態はこのようにして、たとえば上述された順序にしたがって、移植を準備する方法の、および移植の方法の、様々なステップの実現を可能にする。
本発明の別の潜在的な対象は、椎間腔内への椎間インプラント(2)の移植を準備する方法、および/または椎間腔内への椎間インプラント(2)の埋め込み方法、および少なくとも1つの椎骨へのインプラントの固着の準備方法、および/または少なくとも1つの椎骨へのインプラントの固着方法の、様々な実施形態に関する。これらの方法は、ガイド(3)上にインプラント(2)を組み付けるステップと、ガイドに対して嵌入具(4)を配置するステップと、ガイド(3)内に少なくとも1つの固定具(1)を配置するステップと、を含んでもよい。これら様々なステップは、本願において説明される様々な実施形態に記載されるように、本発明の様々な対象の配置の結果として、異なる順序で実現されることが可能である。
様々な実施形態において、移植の準備をするためのこれらの方法は:
本願において説明される実施形態による固定装置(1)を提供するステップと;
本願において説明される実施形態による椎骨インプラント(2)を提供するステップと;
本願において説明される実施形態による移植器具(3、4)を提供するステップと;
移植器具(3、4)を用いて椎骨インプラント(2)を把持するステップと、を含んでもよい。
様々な実施形態において、移植の準備をするためのこれらの方法は、器具(3、4)内に少なくとも1つの固定装置(1)を導入するステップを、さらに含んでもよい。
様々な実施形態において、椎骨インプラントを埋め込むための(すなわち椎間板腔内にまたは椎骨上にインプラントを挿入するための)これらの方法は、移植の準備をするための方法のステップを含んでもよく、:
脊椎の隣り合う椎骨の間の椎間腔内に(または骨接合プレートの場合には脊椎の隣り合う椎骨上に)脊椎インプラント(2)を挿入するステップと;
(隣り合う椎骨のレベルにおいて)脊柱の軸に対して実質的に直交する進入路軸に沿って、固定装置(1)を提供するステップと;
移植器具(3、4)の嵌入具(4)を用いて、固定装置(1)がインプラント(2)の少なくとも一部を横断している状態で、移植器具(3、4)のガイドヘッド(30)を通じて、およびインプラント(2)内の通路(21)を通じて、固定装置(1)を挿入するステップと;
移植器具(3、4)の嵌入具(4)を用いて、隣り合う椎骨のうちの1つに固定装置(1)の少なくとも一部を埋め込み、インプラント(2)内に固定装置(1)を完全に挿入するステップと、をさらに含んでもよい。
脊椎インプラントを埋め込むためのこれらの方法の様々な実施形態において、インプラント(2)内に固定装置(1)を完全に挿入するステップは、インプラント(2)内のその補完的歯止め(214)に対して固定装置(1)の保持歯止め(14)を隣接させるステップを含む。
本発明の移植のための方法のいくつかの実施形態は、側方進入路に沿った(すなわち、腰筋横断路に沿った、または腰筋逆行路に沿った)インプラントの挿入を提供する。腰筋横断進入路は、脊柱に対して横方向の筋肉である、腰筋を通る経路を用いる。腰筋逆行路は、患者の前方に腰筋を押すことによって、腰筋の後の経路を用いる。脊椎インプラントを埋め込むためのこれらの方法の様々な実施形態において、インプラントを挿入するステップはこのため、腰筋を切断する少なくとも1つのステップ、および腰筋を通過するステップを含んでもよい。脊椎インプラントを埋め込むためのこれらの方法の様々な実施形態において、インプラントを挿入するステップはこのため、腰筋を押す少なくとも1つのステップ、および腰筋の後を通過するステップを含んでもよい。場合によっては、外科医はまた腰筋の前を通過してもよいことに、留意すべきである。
本願に記載される様々な技術的特徴によって解決されるほとんどの技術的問題は、本開示の序文で述べられた安定性の問題に関するだろう。本開示を理解した後、当業者は、本願で述べられた問題のうちの少なくとも1つに関する、非限定的な方法で以下に説明される以下の技術的特徴を組み合わせて、様々な実施形態を設計してもよい。
少なくとも1つの実施形態または構成において記載され、以下に説明される、これらの技術的特徴またはこれらの要素の各々は、様々な実施形態または構成において、別途明確に記述されない限り、あるいはこれらの特徴が両立不可能および/またはその組み合わせが機能的でない場合を除き、前記実施形態または構成(このため同じまたは別の要素に関する)に関わる対象(またはこれに関わるおよび/または関連づけられた対象)の別の技術的特徴から分離されてもよく、および/または本明細書に記載されるいずれか別の技術的特徴と組み合わせられてもよく、これは特に、このような特徴の分離または組み合わせによって必要とされるであろう構造的適合性が、本開示の理解から直接導き出せるからである。
>椎骨および/またはインプラント内の固定具の安定性(および場合により椎骨間のインプラントの安定性):
技術的特徴および要素:
− リブ(11):椎骨内で固定具を安定化するように構成されてもよいが、さらに(インプラントの溝(211)を含む)インプラント内で固定具を安定化するように構成されてもよく、これはさらにインプラントを安定化するだろう。
− 直線通路内の湾曲固定具の場合の肥厚部および/または平坦面(20、110;110aおよび/または110b、111):インプラント内に固定具を安定化するのを支援するためにインプラント内に固定具の滑合を提供してもよく、したがって椎骨内で固定具を安定化してもよく、したがってインプラントをさらに安定化するだろう。
− 「垂直配向された」、すなわちプレート(10)の幅の方向に湾曲した固定具:椎骨内で固定具を安定化するように構成されてもよく、こうしてインプラントをさらに安定化するだろう。
>インプラント内の固定具の係止:やはりインプラント内の固定具の安定性および/または椎骨間のインプラントの安定性(および/または椎骨内での固定具の安定性)を改善する。
技術的特徴および要素:
− 保持歯止め(14):椎骨内に埋め込まれた固定具によって、椎骨に対して押しつけられたままインプラントを保持してもよい。これは、椎骨上でインプラントを安定化するが、加えてインプラントおよび/または椎骨内で固定具をさらに安定化してもよい。
− 抜去歯止め(12):インプラント内で固定具を保持/維持してもよい。これは、インプラントおよび/または椎骨内で固定具を安定化し、椎骨間のインプラントをさらに安定化してもよい。
− 協働歯止め(18、19):インプラント内で2つの固定具の連結を可能にする。これはインプラントおよび/または椎骨内で固定具を安定化し、椎骨間でインプラントをさらに安定化してもよい。これらの協働歯止め(18、19)はさらに、必要な係止構造(およびそのサイズ)を最小化できるようにする。
>固定具の取り外しは、固定具(および場合によりインプラント)の意図的な抜去を可能にする。この問題は、インプラントの安定性に関わるかも知れない(たとえばこれが良好ではない場合)。たとえば、外科医はより良い安定性のため、インプラントを再位置決めしてもよい。
技術的特徴および要素:
− 意図的な抜去のためにアクセス可能な保持歯止め(14):
インプラント内の補完的歯止め(214)は、固定具の保持歯止め(14)上を引っ張るために配置されてもよい
インプラント内の筐体(240)は、保持歯止め(14)へのアクセスを提供するために配置されてもよい
− 意図的な抜去のためにアクセス可能な協働歯止め(18、19):
固定具内の筐体(40)は、協働歯止め(18、19)のうちの少なくとも1つへのアクセスを提供するように構成されてもよい、
インプラント内の筐体(240)は、協働歯止め(18、19)のうちの少なくとも1つへのアクセスを提供するように構成されてもよい、
− 意図的な抜去のためにアクセス可能な抜去歯止め(12):
固定具内の筐体(40)は、抜去歯止め(12)へのアクセスを提供するように構成されてもよい、
インプラント内の筐体(240)は、抜去歯止め(12)へのアクセスを提供するように構成されてもよい、
固定具内の筐体(40)は、協働歯止め(18、19)および/または抜去歯止め(12)のうちの少なくとも1つへのアクセスを提供するように構成されてもよい、
インプラント内の筐体(240)は、協働歯止め(18、19)および/または抜去歯止め(12)のうちの少なくとも1つへのアクセスを提供するように構成されてもよい
>固定具の案内およびインプラントの固着は、インプラントおよび固定具の移植を容易にし、椎骨および/またはインプラント内の固定具の良好な安定性(および場合により椎骨間のインプラントの安定性)の獲得を容易にする:
技術的特徴および要素:
− 湾曲した剛性固定具のための湾曲通路は、通路を通じて固定具を案内するのに役立ち、固定具の最小クリアランスのために構成されてもよく、これは良好な安定性を保証するのに役立てるためのインプラント内の固定具の滑合を提供するだろう。
− 直線的剛性固定具のための直線通路は、通路を通じて固定具を案内するのに役立つように、および固定具の最小クリアランスを有するように構成されることが可能であり、これは良好な安定性を保証するのに役立てるためのインプラント内の固定具の滑合を提供するだろう。
− 湾曲した剛性固定具のための直接通路は、通路を通じて固定具を案内するのに役立ち、固定具の最小クリアランスのために構成されてもよく、これは良好な安定性を保証するのに役立てるためのインプラント内の固定具の滑合を提供するだろう。
− 直線的剛性固定具または相互間に角度を形成する複数の直線部分を備える固定具のための湾曲通路曲線:通路を通じて固定具を案内するのに役立ち、固定具の最小クリアランスのために構成されてもよく、これは良好な安定性を保証するのに役立てるためのインプラント内の固定具の滑合を提供するだろう。
骨接合プレートなどのインプラントの固着:骨接合プレートの固着は、湾曲または直線固定具を用いて、湾曲固定具用のプレートに対して好ましくは実質的に直交するか、または直線固定具用のこのプレートに対して好ましくは実質的に傾斜している進入路軸に沿って、実行されてもよく、これは骨接合プレート自体の安定性を改善する(インプラントが固着される)。さらに、椎体間ケージと組み合わせて使用されるとき、骨接合プレートは、脊柱の不動性を改善し、こうしてケージの安定性を促進する。プレート型インプラントは、ケージ型インプラントの安定性を改善する。
本開示を完全に理解した後、当業者は、その他様々な具体的形態の多くの実施形態および/または構成が可能であり、本発明の範囲であることを、理解するだろう。結果的に、本実施形態および/または構成は、修正されてもよく、それでもなお添付請求項の範囲内である、非限定的説明例と見なされるべきであり、本発明は上記の詳細に限定されるべきではない。