JP2015042229A - 遊技盤 - Google Patents

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Toshio Ogura
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Abstract

【課題】遊技者に特典の付与に関する興趣を向上させることができるようにする。【解決手段】スロットマシン1は、有利遊技状態とは異なる特典を付与する。また、遊技に関連する遊技関連情報を特定可能に記憶し、その遊技関連情報を特定可能な情報を出力する。また、遊技者の操作にもとづいて、遊技関連情報を特定可能な情報を出力するための設定を行い、遊技関連情報を出力するための設定が行われているときには、遊技関連情報を出力するための設定が行われていないときと比較して有利に特典を付与する。そして、演出結果として有利遊技状態に制御されるか否かを示唆する有利可能性示唆結果または特典が付与されたことを示唆する特典付与示唆結果を、共通態様の演出を実行した後に報知する示唆演出を実行する。遊技媒体が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号を外部に出力する。【選択図】図35

Description

本発明は、遊技において特定条件が成立したことにもとづいて、遊技者にとって有利な有利遊技状態に制御する遊技盤に関する。
遊技機として、遊技球などの遊技媒体を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの始動入賞領域に遊技媒体が入賞したときに複数種類の識別情報の可変表示が行われるパチンコ遊技機や、所定の賭け数を設定し、スタート操作が行われたときに、複数種類の識別情報(例えば、図柄)の可変表示が行われるスロットマシンなどがある。このように識別情報の可変表示を実行可能に構成された遊技機では、可変表示部において識別情報の可変表示の表示結果が所定の表示結果となった場合に、所定の遊技価値(例えば、大当たり状態への移行など)を遊技者に与えるように構成されたものがある。
この種の遊技機を用いた遊技システムとして、例えば、特許文献1には、所定情報(例えば、遊技履歴)を含む情報(例えば、二次元コード)を、例えば携帯通信端末によって外部から読みとり、携帯通信端末から管理装置(例えば、サーバ)にアクセスすることによって遊技履歴を反映したパスワードを取得し、取得したパスワードを遊技機に入力して所定の有利価値を得る(例えば、演出のカスタマイズ)ことが記載されている。
特開2009−195432号公報(段落0053〜0055)
特許文献1に記載されたような遊技システムにおいて、遊技履歴(例えば、ミッションの達成)にもとづいて遊技者に特典(例えば、経験値やコイン情報)を付与し、その特典にもとづいて所定の有利価値を得ることが可能に構成することが考えられる。しかし、そのように単に特典を付与可能に構成するだけでは、特典の付与に関して遊技者の興趣を効果的に高めることはできない。
そこで、本発明は、遊技者に特典の付与に関する興趣を向上させることができる遊技盤を提供することを目的とする。
(手段1)本発明による遊技盤は、遊技において特定条件が成立したこと(例えば、始動入賞に基づいて大当りとすると決定すること)にもとづいて、遊技者にとって有利な有利遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御する遊技盤(例えば、パチンコ遊技機700の遊技盤706)であって、複数種類の入賞領域(第1始動入賞口713、第2始動入賞口714、大入賞口、および、一般入賞口)と、有利遊技状態とは異なる特典(例えば、金、銀、銅のコイン)を付与する特典付与手段(例えば、パチンコ遊技機700での図58のステップS7008によるレベル・コイン関連処理における図28のステップS2609〜S2611を実行する部分)と、遊技に関連する遊技関連情報(例えば、演出表示装置709の変動表示の総回転数および大当り回数などの遊技履歴)を特定可能に記憶する遊技関連情報記憶手段(例えば、RAM91bに割り当てられた獲得コイン領域)と、遊技関連情報を特定可能な情報(例えば、遊技履歴そのものでもよいし、遊技履歴を含む2次元コードなどの情報としてもよい)を出力する遊技関連情報出力手段(例えば、パチンコ遊技機700での図58のステップS7009によるパスワード入力後メインメニュー操作処理における図30のステップS2707を実行する部分)と、遊技者の操作にもとづいて、遊技関連情報記憶手段が記憶する遊技関連情報を特定可能な情報を出力するための設定を行う設定手段(例えば、パチンコ遊技機700での図58のステップS7007によるパスワード入力前メインメニュー操作処理における図25のステップS2308を実行する部分)と、前記遊技関連情報出力手段とは別個に、遊技媒体が入賞した入賞領域と入賞個数とを特定可能な信号を出力するための信号出力手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ7560においてS29を実行する部分)とを備え、特典付与手段は、設定手段によって遊技関連情報を特定可能な情報を出力するための設定が行われているときには、遊技関連情報を特定可能な情報を出力するための設定が行われていないときと比較して有利に特典を付与し(例えば、パチンコ遊技機700での図58のステップS7008によるレベル・コイン関連処理における図28のステップS2608A〜S2608C,S2609を実行することによって、図59(a),(b)に示すように、パスワードが入力されて遊技を開始したときの方が、「簡単スタート」を選択して遊技を開始したときと比較して、高い確率でコインを付与する。また、例えば、パチンコ遊技機700での図58のステップS7008によるレベル・コイン関連処理における図28のステップS2601でYのときにのみステップS2608A〜S2608C,S2609の処理に移行する場合があることによって、パスワードが入力されるかまたは「簡単スタート」が選択されて特定演出モードに移行した場合にのみコインが付与される場合があり、パスワードの入力もなく「簡単スタート」も選択されていない場合にはコインが付与される場合はない。)、演出結果として有利遊技状態に制御されるか否かを示唆する有利可能性示唆結果(例えば、「○」または「×」の演出結果)または特典が付与されたことを示唆する特典付与示唆結果(例えば、「コイン」の演出結果)を、共通態様の演出を実行した後に報知する示唆演出を実行する示唆演出実行手段(例えば、パチンコ遊技機700での図60の第1所定演出処置、第2所定演出処理により図23のステップS4010の所定演出に対応する演出を実行することにより、図35や図37、図38に示す態様で所定演出を実行する)をさらに備えたことを特徴とする。そのような構成により、遊技関連情報を出力するための設定を行っている遊技者に対して、特典の付与に関する興趣を向上させることができる。
なお、「有利に特典を付与する」とは、遊技関連情報を特定可能な情報を出力するための設定が行われているときの方が高い割合で特典が付与されるようなものでもよいし、遊技関連情報を特定可能な情報を出力するための設定が行われているときのみ特典を付与可能とし、遊技関連情報を特定可能な情報を出力するための設定が行われていないときには特典を全く付与しないようなものであってもよい。
(手段2)本発明による遊技システムは、遊技において特定条件が成立したこと(例えば、ボーナスに内部当選するとともに入賞すること)にもとづいて、遊技者にとって有利な有利遊技(例えば、ボーナス)に制御する遊技機(例えば、スロットマシン1。なお、第4の実施の形態に示すパチンコ遊技機700に適用してもよい。また、第4の実施の形態に示すパチンコ遊技機700の遊技盤706に適用してもよい。)と、遊技に関連する遊技関連情報(例えば、総ゲーム数や、BB回数、RB回数、獲得コインなどの遊技履歴)を特定可能な情報(例えば、遊技履歴そのものでもよいし、遊技履歴を含む2次元コードなどの情報としてもよい)を受け付けて該情報にもとづいて所定の処理を実行する管理装置(例えば、管理サーバ1200)とを備えた遊技システム(例えば、遊技システム1001)であって、遊技機は、有利遊技状態とは異なる特典(例えば、金、銀、銅のコイン)を付与する特典付与手段(例えば、サブCPU91aにおけるステップS2609〜S2611を実行する部分)と、遊技関連情報を特定可能に記憶する遊技関連情報記憶手段(例えば、RAM91bに割り当てられた獲得コイン領域)と、遊技関連情報を特定可能な情報を出力する遊技関連情報出力手段(例えば、サブCPU91aにおけるステップS2707を実行する部分)と、遊技者の操作にもとづいて、遊技関連情報記憶手段が記憶する遊技関連情報を特定可能な情報を出力するための設定を行う設定手段(例えば、サブCPU91aにおけるステップS2308を実行する部分)とを備え、特典付与手段は、設定手段によって遊技関連情報を特定可能な情報を出力するための設定が行われているときには、遊技関連情報を特定可能な情報を出力するための設定が行われていないときと比較して有利に特典を付与し(例えば、サブCPU91aは、ステップS2608A〜S2608C,S2609を実行することによって、図12(a),(b)に示すように、パスワードが入力されて遊技を開始したときの方が、「簡単スタート」を選択して遊技を開始したときと比較して、高い確率でコインを付与する。また、例えば、サブCPU91aは、ステップS2601でYのときにのみステップS2608A〜S2608C,S2609の処理に移行する場合があることによって、パスワードが入力されるかまたは「簡単スタート」が選択されて特定演出モードに移行した場合にのみコインが付与される場合があり、パスワードの入力もなく「簡単スタート」も選択されていない場合にはコインが付与される場合はない。)、演出結果として有利遊技状態に制御されるか否かを示唆する有利可能性示唆結果(例えば、「○」または「×」の演出結果)または特典が付与されたことを示唆する特典付与示唆結果(例えば、「コイン」の演出結果)を、共通態様の演出を実行した後に報知する示唆演出を実行する示唆演出実行手段(例えば、サブCPU91aは、ステップS4010の所定演出を実行することにより、図35や図37、図38に示す態様で所定演出を実行する)をさらに備えたことを特徴とする。そのような構成により、遊技関連情報を出力するための設定を行っている遊技者に対して、特典の付与に関する興趣を向上させることができる。
なお、「有利に特典を付与する」とは、遊技関連情報を特定可能な情報を出力するための設定が行われているときの方が高い割合で特典が付与されるようなものでもよいし、遊技関連情報を特定可能な情報を出力するための設定が行われているときのみ特典を付与可能とし、遊技関連情報を特定可能な情報を出力するための設定が行われていないときには特典を全く付与しないようなものであってもよい。
(手段3)手段2の遊技システムにおいて、特典付与手段は、特典として所定の交換価値(例えば、金、銀、銅のコイン)を付与し(例えば、サブCPU91aは、ステップS2609を実行して、金、銀、銅のコインを付与する)、管理装置は、所定の交換価値が消費されることによって、所定の有利価値(例えば、アイテムA、アイテムB)を付与する有利価値付与手段(例えば、管理サーバ1200における図47のアイテム付与処理を実行してアイテムAやアイテムBを付与する部分)を含むように構成されていてもよい。そのような構成によれば、遊技関連情報を出力するための設定を行っている遊技者に対して、特典としての所定の交換価値の付与に関する興趣を向上させることができる。
(手段4)手段1から手段3のうちのいずれかの遊技盤、遊技機、または遊技システムにおいて、示唆演出実行手段は、示唆演出において、有利可能性示唆結果として有利遊技状態に制御されることを示唆する有利遊技示唆結果(例えば、「○」の演出結果)または有利遊技状態に制御されないことを示唆する非有利遊技示唆結果(例えば、「×」の演出結果)を報知可能であり(例えば、サブCPU91aは、ステップS4010の所定演出を実行することにより、演出結果として「○」または「×」を報知可能である)、設定手段によって遊技関連情報を特定可能な情報を出力するための設定が行われているときには、示唆演出において、それぞれの演出結果に対応した選択肢表示を複数表示した選択肢表示演出の実行を開始した後に、非有利遊技示唆結果から特典付与示唆結果に切り替えて報知可能である(例えば、サブCPU91aは、図33に示すフローに従って所定演出処理を実行することにより、図35(3)に示すように一旦「×」の演出結果となると見せておいてから、図35(4)に示すように「×」の演出結果から「コイン」の演出結果に切り替える演出を実行可能である)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、示唆演出の報知態様に意外性をもたせることによって、遊技関連情報を出力するための設定を行っている遊技者に対して、特典の付与に関する興趣をさらに向上させることができる。
(手段5)手段1から手段3のうちのいずれかの遊技盤、遊技機、または遊技システムにおいて、示唆演出実行手段は、示唆演出において、有利可能性示唆結果として有利遊技状態に制御されることを示唆する有利遊技示唆結果(例えば、「○」の演出結果)または有利遊技状態に制御されないことを示唆する非有利遊技示唆結果(例えば、「×」の演出結果)を報知可能であるとともに(例えば、サブCPU91aは、ステップS4010の所定演出を実行することにより、演出結果として「○」または「×」を報知可能である)、示唆演出において、それぞれの演出結果に対応した選択肢表示を複数表示した選択肢表示演出の実行を開始した後に、いずれかの演出結果を報知可能であり(例えば、サブCPU91aは、ステップS4010の所定演出を実行することにより、図37および図38に示すように、「○」や「×」、「コイン」などの複数の選択肢を含むルーレットの絵を表示して所定演出を開始した後に、いずれかの演出結果を報知可能である)、設定手段によって遊技関連情報を特定可能な情報を出力するための設定が行われているときには、設定手段によって遊技関連情報を特定可能な情報を出力するための設定が行われていないときに表示される非有利遊技示唆結果に対応した選択肢表示を特典付与示唆結果に対応した選択肢表示に差し替えて表示して選択肢表示演出の実行を開始した後に、特典付与示唆結果を報知可能である(例えば、サブCPU91aは、図36に示すフローに従って所定演出処理を実行することにより、図37および図38に示すように、パスワードを入力して遊技が開始された場合には、「簡単スタート」が選択されて遊技が開始された場合と比較して、「コイン」の選択肢をより多く含む態様でルーレットを球が回転するような演出を開始して、「コイン」の演出結果を報知する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、示唆演出の報知態様に意外性をもたせることによって、遊技関連情報を出力するための設定を行っている遊技者に対して、特典の付与に関する興趣をさらに向上させることができる。
(手段6)本発明による遊技システムの他の態様は、遊技者が所定の遊技を行うことが可能であり、遊技履歴を特定する情報を出力する遊技機(例えば、スロットマシン1)と、遊技機から出力された情報を取得して管理する管理装置(例えば、管理装置1200)とを備えた遊技システム(例えば、遊技システム1001)であって、複数種類の所定の有利価値(例えば、アイテムAまたはアイテムB)のうちのいずれかを付与する権利(例えば、コイン)を遊技履歴に応じて付与する権利付与手段(例えば、図28のS2604〜S2607の処理を行ってS2611の処理を行う部分)と、権利付与手段によって付与された権利にもとづいて付与する所定の有利価値を決定する有利価値決定手段(例えば、図47のS3703やS3713の判定処理を行ってS3710の処理を行う部分)とを備え、有利価値決定手段は、遊技機で実行される演出として遊技者により設定される特定演出が設定されているときには、該特定演出が設定されていないときに比べて、所定の有利価値として該特定演出に関連する種類の所定の有利価値を高い割合で付与することを決定する(例えば、図47のS3704の判定処理を行い、S3708の処理を行ってS3709の処理を行う部分)ことを特徴とする。そのような構成により、設定された特定演出に関連する種類の所定の有利価値が付与されやすいので、遊技者が好む所定の有利価値を付与することができ、遊技者に所定の有利価値付与への喜びを感じさせることができる。また、特定演出を設定して遊技を行うことへの意欲を高めることができるので、遊技機の稼働率を向上させることができる。
(手段7)本発明による遊技システムのさらに他の態様は、遊技者が所定の遊技を行うことが可能であり、遊技履歴を特定する情報を出力する遊技機(例えば、スロットマシン1)と、遊技機から出力された情報を取得して管理する管理装置(例えば、管理装置1200)とを備えた遊技システム(例えば、遊技システム1001)であって、複数種類の所定の有利価値(例えば、アイテムAまたはアイテムB)のうちのいずれかを付与する権利を遊技履歴に応じて付与する権利付与手段(例えば、図28のS2604〜S2607の処理を行ってS2611の処理を行う部分)と、権利付与手段によって付与された権利にもとづいて付与する所定の有利価値を決定する有利価値決定手段(例えば、図47のS3703やS3713の判定処理を行ってS3710の処理を行う部分)と、所望する所定の有利価値の種類を遊技者が任意に選択するための有利価値種類選択手段(例えば、図47のS3706やS3715の処理を行う部分)とを備え、有利価値決定手段は、遊技の頻度が所定の頻度よりも高いときは遊技の頻度が所定の頻度より高くないときと比べて、有利価値種類選択手段によって遊技者が選択した種類の所定の有利価値を高い割合で付与することを決定する(例えば、図47のS3705の判定処理を行い、S3708の処理を行ってS3709の処理を行う部分)ことを特徴とする。そのような構成により、遊技者が好む所定の有利価値が遊技の頻度に応じて付与されるので、遊技者がゲームを行う意欲を高め、遊技機の稼働率を向上させることができる。
(手段8)手段6において、所定の有利価値を付与する権利として、第1権利(例えば、銀コインまたは銅コイン)と、遊技者により設定された特定演出に関連する種類の権利が付与される割合が高い第2権利(例えば、金コイン)を設定し、第2権利が得られたことを報知する報知手段(例えば、図29のS2613の処理を行う部分)を備えるようにしてもよい。そのような構成によれば、遊技者は、自らが好む所定の有利価値が付与されることを識別できるので、遊技者が再度ゲームを行う意欲を高め、遊技機の稼働率を向上させることができる。
(手段9)手段7において、所定の有利価値を付与する権利として、第1権利(例えば、銀コインまたは銅コイン)と、遊技者が付与されることを所望して設定した種類の権利が付与される割合が高い第2権利(例えば、金コイン)を設定し、第2権利が得られたことを報知する報知手段(例えば、図29のS2613の処理を行う部分)を備えるようにしてもよい。そのような構成によれば、遊技者は、自らが好む所定の有利価値が付与されることを識別できるので、遊技者が再度ゲームを行う意欲を高め、遊技機の稼働率を向上させることができる。
(手段10)手段6から手段9のうちのいずれかにおいて、遊技履歴に応じて所定の有利価値を付与する条件を変更する条件変更手段(例えば、図47のS3707の処理を行う部分)を備えるようにしてもよい。そのような構成によれば、ゲームの興趣を向上させることができる。
(手段11)本発明による遊技システムのさらに他の態様は、遊技の結果に応じた所定情報(例えば、2次元コード)を出力する遊技機(例えば、スロットマシン1、パチンコ遊技機700(パチンコ遊技機700の遊技盤706を対象としてもよい。))と、所定情報にもとづいて遊技履歴を更新する管理装置(例えば、管理サーバ1200)とを備えた遊技システム(例えば、遊技システム1001)であって、遊技機は、遊技の進行に応じて第1情報(例えば、経験値、ゲーム数、BB回数、達成ミッション)を更新する第1更新手段(例えば、図28のステップS2602〜S2603)と、遊技の進行に応じて第2情報(例えば、金、銀、銅コインのコイン数)を更新する第2更新手段(例えば、図28のステップS2608〜S2611)と、第1更新手段によって更新された第1情報および第2更新手段によって更新された第2情報を所定情報に含ませて出力する所定情報出力手段(例えば、図31のステップS2808,S2809,S2812,S2813)とを含み、管理装置は、所定情報出力手段によって出力された所定情報に含まれる第1情報を第1履歴情報(例えば、経験値、ゲーム数、BB回数、達成ミッション)として集計する第1集計手段(例えば、図41のステップS3104,S3105、図42のステップS3205,S3206)と、所定情報出力手段によって出力された所定情報に含まれる第2情報を第2履歴情報(例えば、積算コイン数)として集計する第2集計手段(例えば、図41のステップS3104,S3105)と、第1集計手段によって集計された第1履歴情報を遊技者の遊技履歴(例えば、経験値、総ゲーム数、累積BB回数、達成ミッション)として出力する遊技履歴出力手段(例えば、図41のステップS3109、図42のステップS3208)と、第2集計手段によって集計された第2履歴情報に応じて、遊技者に所定の有利価値(例えば、アイテム)を付与する有利価値付与手段(例えば、図47のステップS3709〜S3716)とを含むことを特徴とする。そのような構成により、遊技の進行に応じて第1履歴情報だけでなく、第2履歴情報も集計され、第1履歴情報が遊技履歴として出力されるだけでなく、遊技履歴によらず、第2履歴情報に応じて、遊技者に所定の有利価値が付与されるので、ライトユーザに対しても興趣を向上させることが可能となる。
(手段12)本発明による遊技システムのさらに他の態様は、所定の遊技を行うことが可能であって、遊技の結果に関連する第1の遊技関連情報(例えば、総ゲーム数や、BB回数、RB回数)を出力する遊技機(例えば、スロットマシン1、パチンコ遊技機700(パチンコ遊技機700の遊技盤706を対象としてもよい。))と、遊技機から出力された第1の遊技関連情報を受け付ける第1の遊技関連情報受付手段を含む管理装置(例えば、管理サーバ1200)とを備えた遊技システムであって、管理装置は、所定の交換価値(例えば、金、銀、銅のコイン)を消費することで特典を所定の有利価値(例えば、アイテム)を付与する有利価値付与手段(例えば、図47のステップS3709〜S3716)と、第1の遊技関連情報受付手段により受け付けた第1の遊技関連情報にもとづいて第1の交換価値(例えば、金、銀、銅のコイン)を付与する第1の交換価値付与手段(例えば、図78の変形例2のように構成し、管理サーバ1200によって図28のステップS2609〜S2611と同様の処理を実行する部分)と、あらかじめ定められた遊技を行うことが可能な遊技コンテンツ(例えば、ゲームアプリケーション。図50(I)参照。)を遊技者に対して配信する遊技コンテンツ配信手段(例えば、図46のステップS3601)と、遊技コンテンツにおける遊技の結果に関連する第2の遊技関連情報(例えば、ゲームアプリケーションからの持点)を遊技者から受け付ける第2の遊技関連情報受付手段(例えば、図46のステップS3602,S3603)と、第2の遊技関連情報受付手段により受け付けた第2の遊技関連情報にもとづいて第2の交換価値(例えば、金、銀、銅のコイン)を付与する第2の交換価値付与手段(例えば、図46のステップS3604)とを含み、有利価値付与手段は、第1の交換価値を消費した場合にも、第2の交換価値を消費した場合にも、所定の有利価値を付与する(例えば、図47のステップS3709〜S3716において、第1の交換価値としてのコインであるか第2の交換価値としてのコインであるかを区別することなく、アイテムを付与する処理を実行している)ことを特徴とする。そのような構成により、遊技機での遊技の結果に関連する第1の遊技関連情報を受け付けた場合に付与される第1の交換価値を消費することだけでなく、管理装置が配信した遊技コンテンツにおける遊技の結果に関連する第2の遊技関連情報を受け付けた場合に付与される第2の交換価値を消費することによっても所定の有利価値の付与を受けることができるので、従来の遊技システムと比較して所定の有利価値の付与を受けることができる機会を増やすことによって、有利価値付与機能を十分に活用することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る遊技システムの全体構成を示す図である。 携帯端末の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る管理装置を適用した管理サーバの構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る遊技機を適用したスロットマシンの正面図である。 スロットマシンの内部構造を示す図である。 光電センサの配置位置を示す図である。 リールの図柄配列を示す図である。 スロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。 入賞として定められた役の構成を示す図である。 遊技状態別の内部抽選の対象役を示す図である。 レベル別、ゲーム数別の経験値付与数を示す図である。 遊技間のコイン獲得仕様およびストックコインのストック仕様を示す説明図である。 メインメニュー画面の遷移を示す図である。 ストックコインのヒント画面を示す図である。 パスワードの入力操作について説明するための図(その1)である。 パスワードの入力操作について説明するための図(その2)である。 (a)はパスワード解析テーブルを示す図であり、(b)はパスワードの解析手順を示す図である。 (a)は特定演出領域の通常演出モード時の表示状況の一例を示す図であり、(b)は特定演出モード時の表示状況の一例を示す図である。 2次元コードの出力について説明するための図である。 2次元コードに含まれる情報を示す図である。 ストックコイン獲得抽選演出時の画面を示す図である。 管理サーバが備える遊技者データベース、遊技履歴データベースおよび特典データベースの構成を示す図である。 サブCPUが実行するタイマ割込処理(サブ)を示すフローチャートである。 スロットマシンで実行されるメインメニュー表示処理の手順を示すフローチャートである。 スロットマシンで実行されるパスワード入力前メインメニュー操作処理の手順を示すフローチャートである。 スロットマシンで実行されるパスワード入力受付処理の手順を示すフローチャートである。 異なる機種のパスワードが入力された際の演出画面を示す図である。 スロットマシンで実行されるレベル・コイン関連処理の手順を示すフローチャートである。 金コイン獲得を報知する場合のレベル・コイン関連処理の手順の変形例を示すフローチャートである。 スロットマシンで実行されるパスワード入力後メインメニュー操作処理の手順を示すフローチャートである。 スロットマシンで実行される2次元コード表示処理の手順を示すフローチャートである。 スロットマシンで実行される特別演出実行処理の手順を示すフローチャートである。 所定演出処理を示すフローチャートである。 所定演出決定テーブルの具体例を示す説明図である。 所定演出の演出態様の具体例を示す説明図である。 所定演出処理の変形例を示すフローチャートである。 所定演出の演出態様の変形例を示す説明図である。 所定演出の演出態様の変形例を示す説明図である。 管理サーバで実行されるサーバメイン処理の手順を示すフローチャートである。 管理サーバで実行される会員登録処理の手順を示すフローチャートである。 管理サーバで実行される簡単スタート更新処理の手順を示すフローチャートである。 管理サーバで実行される通常更新処理の手順を示すフローチャートである。 管理サーバで実行されるレベル・経験値更新処理の手順を示すフローチャートである。 管理サーバで実行されるメニュー選択受付処理の手順を示すフローチャートである。 管理サーバで実行されるパスワード発行処理の手順を示すフローチャートである。 管理サーバで実行されるゲーム提供処理の手順を示すフローチャートである。 管理サーバで実行されるアイテム付与処理の手順を示すフローチャートである。 アイテム獲得抽選で使用する抽選テーブルを示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る遊技機を適用したスロットマシンの管理サーバで実行されるアイテム付与処理の手順を示すフローチャートである。 携帯端末の表示部に表示される画面例を示す図である。 会員登録に関して、携帯端末と管理サーバ間のデータのやり取りを示す図である。 簡単スタート更新に関して、スロットマシンと携帯端末、携帯端末と管理サーバ間それぞれのデータのやり取りを示す図である。 通常更新に関して、スロットマシンと携帯端末、携帯端末と管理サーバ間それぞれのデータのやり取りを示す図である。 特典付与に関して、携帯端末と管理サーバ間のデータのやり取りを示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る遊技機を適用したスロットマシンから出力される2次元コードに含まれる情報を示す図である。 本発明の第4の実施の形態に係る遊技機を適用したパチンコ遊技機の正面図である。 パチンコ遊技機が備える主基板における回路構成を示すブロック図である。 演出制御用CPUが実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。 第4の実施の形態における遊技間のコイン獲得仕様およびストックコインのストック仕様を示す説明図である。 演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。 所定演出の実行区間の一例を示す説明図である。 ルーレット態様で実行される所定演出の演出態様の具体例を示す説明図である。 ルーレット態様で実行される所定演出の演出態様の具体例を示す説明図である。 ルーレット態様で実行される所定演出の演出態様の具体例を示す説明図である。 特定演出(リーチ演出)が実行されることを報知する前に、はずれの報知結果を報知する所定演出がルーレット態様で実行される場合の具体例を示す説明図である。 サイコロ態様で実行される所定演出の演出態様の具体例を示す説明図である。 サイコロ態様で実行される所定演出の演出態様の具体例を示す説明図である。 サイコロ態様で実行される所定演出の演出態様の具体例を示す説明図である。 特定演出(リーチ演出)が実行されることを報知する前に、はずれの報知結果を報知する所定演出がサイコロ態様で実行される場合の具体例を示す説明図である。 第1所定演出処理を示すフローチャートである。 第1所定演出処理を示すフローチャートである。 第1所定演出処理を示すフローチャートである。 第1所定演出決定テーブルを示す説明図である。 第1所定演出態様決定テーブルおよび第1所定演出色決定テーブルを示す説明図である。 第2所定演出処理を示すフローチャートである。 第2所定演出決定テーブルを示す説明図である。 第2所定演出態様決定テーブルおよび第2所定演出色決定テーブルを示す説明図である。 遊技用システムにおける構成の組み合わせパターンを説明するための説明図である。 (a)は、放出されるコインの当選確率を示す図であり、(b)は、ストックコインの当選確率を示す図である。 ポイントの回復条件と回復ポイント数を示す図である。 カードユニットおよびパチンコ機を示す正面図である。 カードユニットおよびパチンコ機に用いられる制御回路を示すブロック図である。 パチンコ機からの稼働・未稼働情報の通知処理を説明するための説明図である。 カードユニット側とパチンコ機側とにおいて記憶している各種データおよびその送受信を説明するための説明図である。 カードユニットとパチンコ機との間で送受信されるコマンドおよびレスポンスの概略を説明する説明図である。 電源投入時におけるカードユニットとパチンコ機とでの処理の一例を示す図である。 カードユニットにカードが挿入されたときのカードユニットとパチンコ機との処理の一例を示す図である。 挿入したカードのプリペイド残高から玉貸したときのカードユニットとパチンコ機との処理の一例を示す図である。 持玉払出・貯玉払出をしたときのカードユニットとパチンコ機との処理の一例を示す図である。 遊技玉を計数するときのカードユニットとパチンコ機との通常の処理の一例を示す図である。 遊技者がカード返却操作を行なった場合の計数処理の一例を示す図である。 電源断、通信回線断線があって、カードユニットからパチンコ機への状態情報要求のコマンドが未到達のときの処理の一例を示す図である。 本実施形態に係る遊技機の出荷から廃棄までの履歴情報(機歴情報)の流れを説明するための図である。 本実施形態に係る機歴管理センタに出荷情報が登録されるまでの流れの詳細を示す図である。 出荷情報の具体的な内容の一例を示す図である。 本実施形態に係る機歴管理センタに設置情報が登録されるまでの流れの詳細を示す図である。 図96において機歴管理センタに入力される設置情報の内容の一例を示す図である。 本実施形態に係る機歴管理センタに撤去情報が登録されるまでの流れを示す図である。 本実施形態に係る機歴管理センタに廃棄情報が登録されるまでの流れを示す図である。 機歴管理センタに入力される廃棄情報の内容の一例を示す図である。 本実施形態に係る前枠および遊技盤の機歴管理を説明するための概略図である。 前枠および遊技盤の機歴管理を行なうため、枠の情報および遊技盤の情報を記憶するテーブルの概略図である。 機歴管理センタが前枠および遊技盤の管理の異常判定処理を説明するためのフローチャートである。 図103に示すフローチャートで参照するテーブルを説明する図である。 主制御部、払出制御部、および通信制御ICとの間で行なわれる通信について説明するための概略図である。 払出制御部と暗号通信するための通信制御回路の構成を説明するためのブロック図である。 主制御部と暗号通信するための通信制御回路の構成を説明するためのブロック図である。 通信制御ICと暗号通信するための通信制御回路の構成を説明するためのブロック図である。 リカバリ完了確認処理を説明するためのフローチャートである。 主制御部と払出制御部との間で送受信されるコマンドおよびレスポンスの概略を説明する説明図である。 主制御部と払出制御部との間の通信シーケンスを示す図である。 電源断、通信回線断線があって、主制御部から払出制御部への遊技状態通知のコマンドが未到達のときの処理の一例を示す図である。 スロットマシンの前面扉を開放した状態を示す斜視図である。 カードユニットおよびスロットマシンのそれぞれにおいて記憶している各種データおよびその送受信態様を説明するための説明図である。
本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る遊技システム1001の全体構成を示す図である。遊技システム1001は、図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る遊技機を適用したスロットマシン1と、本発明の第1の実施の形態に係る管理装置を適用した管理サーバ1200と、から構成される。
スロットマシン1は、遊技場(ホール)に設置されており、管理サーバ1200は、インターネット網900に接続されている。スロットマシン1と、管理サーバ1200と、の間のデータのやり取りは、2次元コード読み取り機能およびインターネット網900への接続機能を備える携帯端末1100を介して行われる。
図2は、この実施の形態の携帯端末1100の構成を示すブロック図である。この携帯端末1100は、制御部110と、記憶部120と、操作部130と、表示部140と、無線通信部150と、アンテナ151と、カメラ部160と、を含む。
記憶部120は、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリ、RAM(Random Access Memory)などの揮発性メモリなどの半導体メモリで構成される。記憶部120は、携帯端末1100の各種機能を制御部110に実行させるためのアプリケーションプログラムなどのプログラムやデータを記憶する。
操作部130は、電話番号や各種データなどの数字やアルファベットやその他の文字などを入力するためのダイヤルキーや十字操作キーやその他のファンクションキーで構成される。あるいは、操作部130は、タッチパネルを含んで構成されてもよい。操作部130は、ユーザからの操作入力を受付けて、受け付けた操作に係る信号を制御部110に送出する。
表示部140は、液晶表示装置(Liquid Crystal Display、以下「LCD」という)で構成される。なお、表示部140は、EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの表示装置で構成されてもよい。表示部140は、制御部110から供給される文字データや画像データを表示する。
無線通信部150は、他の携帯端末やサーバからアンテナ151を介して受信した信号を制御部110に送出し、制御部110から他の携帯端末やサーバへ送信する信号をアンテナ151から出力させる。
カメラ部160は、遊技者の操作に応じて、撮影対象を撮像し、撮像した画像を画像データに変換して、制御部110に供給する。この実施の形態においては、カメラ部160は、2次元コードを撮像する。
制御部110は、マイクロプロセッサ(Micro Processing Unit、以下「MPU」という)で構成される。制御部110は、記憶部120に記憶されたアプリケーションプログラムなどのプログラムに従って、記憶部120、操作部130、表示部140、無線通信部150部、カメラ部160からのデータなどに対して処理を施し、処理後のデータを記憶部120、表示部140、無線通信部150に供給する。
なお、携帯端末1100は、上記の構成のほか、一般の携帯電話が備える、音声入出力機能や赤外線通信機能を備えていてもよい。
図3は、管理サーバ1200の構成を示すブロック図である。管理サーバ1200は、一般的なWebサーバとしての機能を有し、図3に示すように、制御部210と、記憶部220と、操作部230と、表示部240と、通信部250と、を含む。
記憶部220は、ROMやRAM、フラッシュメモリやハードディスクドライブなどの外部記憶装置などから構成される。記憶部220には、管理サーバ1200の各種機能を制御部210に実行させるためのプログラムやデータが記憶される。
操作部230は、キーボード、マウス、キーパッド、タッチパッドやタッチパネルなどの入力装置で構成される。操作部230は、管理サーバ1200の管理者などのユーザからの操作入力を受け付けて、受け付けた操作に係る信号を制御部210に送出する。
表示部240は、例えば、LCDで構成される。なお、表示部240は、CRT(Cathode RayTube)ディスプレイやELディスプレイなど他の表示装置で構成されてもよい。表示部240は、制御部210から供給される文字データや画像データを表示する。
通信部250は、携帯端末1100や他のサーバなどから、インターネット網900を介して受信したデータを制御部210に供給し、制御部210から供給されたデータを、インターネット網900を介して携帯端末1100や他のサーバなどに送信する。
制御部210は、例えば、MPUで構成される。制御部210は、記憶部220に記憶されたプログラムに従って、記憶部220、操作部230、表示部240、通信部250からのデータなどに対して処理を施し、処理後のデータを記憶部220、操作部230、表示部240、通信部250に供給する。
続いて、この実施の形態のスロットマシン1について説明する。先ず、図4〜図8を参照して、スロットマシン1の構造や電気的構成について説明する。スロットマシン1は、図4および図5に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
スロットマシン1の筐体1aの内部には、図5に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール2L、中リール2C、右リール2R)が水平方向に並設されており、図4に示すように、これら左リール2L、中リール2C、右リール2Rに配列された図柄のうち、連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
左リール2L、中リール2C、右リール2Rの外周部には、図7に示すように、それぞれ「黒7」、「網7(網掛け7)」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「オレンジ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、各リール2ごとに、それぞれ21個ずつ描かれている。左リール2L、中リール2C、右リール2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L、32C、32R(図5、図8参照)によって回転させられる。これにより、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示される。また、リールモータ32L、32C、32Rによって、各リール2L、2C、2Rの回転が停止させられることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
各リール2L、2C、2Rの内側には、それぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、各リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。リールLED55は、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの連続する3つの図柄に対応する12個のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能となるように構成されている。
前面扉1bにおける各リール2L、2C、2Rに対応する位置には、リール2L、2C、2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、メダル(遊技用価値)を投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(この実施の形態では、何れの遊技状態においても3枚)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、各リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56(CHANCEボタン)が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、賭数が1に設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2に設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3に設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図7参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、対応するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図8参照)がそれぞれ設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、後述のBB終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のBB終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図5参照)側またはメダル払出口9側の何れか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示せず)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図8参照)が設けられている。
筐体1a内部には、上述した左リール2L、中リール2C、右リール2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図8参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわち、オーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
このような構成のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、遊技者は、先ず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには、MAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図4参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。この実施の形態では、規定数の賭数として、遊技状態に関わらず3枚が定められており、規定数の賭数が設定されると入賞ラインL1〜L5が有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。この実施の形態では、図4に示すように、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール2L、2C、2Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、左リール2Lの上段、中リール2Cの中段、右リール2Rの下段、すなわち、右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、左リール2Lの下段、中リール2Cの中段、右リール2Rの上段、すなわち、右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態で何れかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応する左リール2L、中リール2C、右リール2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール(右リール2L、中リール2Cおよび右リール2R)が停止されることで1ゲームが終了し、有効となっている入賞ライン(有効入賞ライン)上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には、入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(この実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接、メダル払出口9(図4参照)から払い出されるようになっている。なお、複数の有効入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(この実施の形態では15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効入賞ライン上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
図6に示すように、液晶表示器51の近傍には、光電センサ57(図8参照)を構成する発光素子57aと受光素子57bとが設けられている。発光素子57aからの照射光が液晶表示器51の前方の領域にある検出対象物(例えば、携帯端末1100)で反射すると、受光素子57bが反射光を受光する。そして、受光素子57bで受光した光量を検出することによって、発光素子57aの照射光が携帯端末1100で反射したか否かを検出している。詳しくは後述するように、携帯端末1100が検出されると、液晶表示器51からは遊技履歴などの情報を含む2次元コードを表示させるためのメインメニュー画面が自動的に表示される。
この実施の形態では、液晶表示器51の前方、かつ携帯端末1100からの反射光を受光素子57bが受光できる位置で、さらに携帯端末1100で2次元コードを取得できる位置(すなわち、液晶表示器51で2次元コードが表示される領域に近接する位置)を特定領域として設定している。これにより、液晶表示器51で2次元コードが表示される領域に近接する位置において2次元コードを取得するための作業を行うだけでメインメニュー画面が出力されるので2次元コードを取得する際に遊技者が感じる煩わしさをなくすことができる。
図8は、スロットマシン1の電気的構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図8に示すように、遊技制御基板40と、演出制御基板90と、電源基板101と、が設けられている。遊技制御基板40によって、遊技状態が制御され、演出制御基板90によって、遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各電気部品に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給される。電源基板101は、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する各電気部品の駆動に必要な直流電圧を生成し、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給する。
また、電源基板101には、上述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、上述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L,33C,33Rが接続されていると共に、電源基板101を介して上述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、上述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、遊技用表示部13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左,中,右停止有効LED22L,22C,22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L,32C,32Rが接続されていると共に、電源基板101を介して上述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御にもとづいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40は、メイン制御部41と、乱数発生回路42と、サンプリング回路43と、スイッチ検出回路44と、モータ駆動回路45と、ソレノイド駆動回路46と、LED駆動回路47と、電断検出回路48と、リセット回路49と、を備える。
メイン制御部41は、メインCPU41a、RAM41b、ROM41c、I/O41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行う。乱数発生回路42は、パルスを発生するたびにカウントアップして値を更新するカウンタによって構成されている。サンプリング回路43は、乱数発生回路42がカウントしている数値を取得し、取得した数値をメイン制御部41に出力する。乱数発生回路42では、遊技の進行に使用される乱数の種類ごとに設定され、乱数の種類ごとにカウントする数値の範囲が定められている。サンプリング回路43は、メインCPU41aの命令に従って、乱数発生回路42が示している数値を乱数として取得する。
乱数を取得する構成は上述の構成に限られず任意である。例えば、メインCPU41aは、サンプリング回路43から取得した数値を基に異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェア処理によって各種数値を加工または更新してもよい。なお、この実施の形態においては、上述の乱数値の範囲は、16ビットの範囲、すなわち、0〜65535の範囲の値とする。
スイッチ検出回路44は、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出する。モータ駆動回路45は、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行う。ソレノイド駆動回路46は、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行う。LED駆動回路47は、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行う。電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する。リセット回路49は、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を送出する。
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41cに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うと共に、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。RAM41bは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域などとして使用される。ROM41cは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブルなどの固定的なデータを記憶する。I/O41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM41bに記憶されているデータが保持されるようになっている。
メインCPU41aは、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メインCPU41aは、上述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっており、電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(メイン)を実行し、一定時間間隔(この実施の形態では、約0.56ms)ごとにタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
メインCPU41aは、I/O41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。
演出制御基板90には、演出用スイッチ56(この実施の形態では、その外面に“CHANCEボタン”と表記される。)が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。
また、演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図4参照)、演出効果LED52、スピーカ53,54、上述したリールLED55などの演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御にもとづいて駆動されるようになっている。
さらに、演出制御基板90には、光電センサ57が接続されている。発光素子57aから照射した光を受光素子57bで受光すると検出信号が入力されるようになっている。サブ制御部91は、受光素子57bで受光した光の光量、すなわち検出対象物で反射した光の光量によって反射対象物の色を検出する。これにより、検出対象物が携帯端末1100であるか否かや、遊技者であるか否かを検出している。
なお、この実施の形態では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53,54、リールLED55などの演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドにもとづいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンにもとづいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
また、この実施の形態では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53,54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90は、サブ制御部91と、表示制御回路92と、LED駆動回路93と、音声出力回路94と、リセット回路95と、スイッチ検出回路96と、時計装置97と、電断検出回路98と、を備える。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、サブCPU91a、RAM91b、ROM91c、I/O91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行う。表示制御回路92は、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う。LED駆動回路93は、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行う。音声出力回路94は、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う。リセット回路95は、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときに、サブCPU91aにリセット信号を送出する。スイッチ検出回路96は、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出する。時計装置97は、日付情報および時刻情報を含む時間情報を出力する。電断検出回路98は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する。
サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うと共に、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。サブCPU91aは、メインCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブ制御部91の割込端子の1つは、コマンド伝送ラインのうち、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、サブCPU91aは、ストローブ信号の入力にもとづいて割込を発生させて、メイン制御部41からのコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、クロック入力数が一定数に到達するごと、すなわち、一定間隔ごとに割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91の割込端子の1つは、電断検出回路98と接続されており、サブCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理(サブ)を実行する。また、サブCPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、元の処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91bに記憶されているデータが保持されるようになっている。
この実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち、設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。なお、設定値は1、3、6や、1、4、H(High)などの3段階や、1〜7の7段階で設定してもよく、6段階に限定する必要はない。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24にRAM41bから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41bに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をON状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をON状態とすると、設定値表示器24にRAM41bから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をOFF状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
この実施の形態のスロットマシン1においては、メインCPU41aが電断検出回路48からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(メイン)を実行する。電断割込処理(メイン)では、メインCPU41aは、レジスタの格納値を後述するRAM41bのスタックに退避させ、RAM41bに何れかのビットが1となる破壊診断用データ(この実施の形態では、5AH)、すなわち、0以外の特定のデータを格納すると共に、RAM41bの全ての領域に格納されたデータにもとづくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41bに格納する。ここで、RAMパリティとは、RAM41bの該当する領域(この実施の形態では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM41bの全ての領域に格納されたデータにもとづくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM41bの全ての領域に格納されたデータにもとづくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、メインCPU41aは、その起動時においてRAM41bの全ての領域に格納されたデータにもとづいてRAMパリティを計算すると共に、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41bに記憶されているデータにもとづいてメインCPU41aの処理状態を電断前の状態に復帰させる。但し、メインCPU41aは、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に遷移させ、遊技の進行を不能化させるようになっている。なお、RAM異常エラー状態は、他のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、上述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
また、サブCPU91aも電断検出回路98からの電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理(サブ)を実行する。電断割込処理(サブ)では、サブCPU91aは、レジスタの格納値を後述するRAM91bのスタックに退避させ、RAM91bに何れかのビットが1となる破壊診断用データを格納すると共に、RAM91bの全ての領域に格納されたデータにもとづくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM91bに格納する処理を行う。
そして、サブCPU91aは、その起動時においてRAM91bの全ての領域に格納されたデータにもとづいてRAMパリティを計算し、RAMパリティが0であることを条件に、RAM91bに記憶されているデータにもとづいてサブCPU91aの処理状態を電断前の状態に復帰させる。但し、サブCPU91aは、RAMパリティが0でない場合(1の場合)には、RAM異常と判定し、RAM91bを初期化するようになっている。この場合、メインCPU41aの場合と異なり、RAM91bが初期化されるのみで、演出の実行が不能化されることはない。
次に、メイン制御部41のRAM41bの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41bの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、停止相ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/O41dの入出力データ、遊技時間の計時カウンタなど、BB終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数など、BB終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数など、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行う際に用いる設定値が格納されるワークであり、設定開始前(設定変更モードへの移行前)の初期化において0が格納された後、1に補正され、設定終了時(設定変更モードへの終了時)に新たに設定された設定値が格納されることとなる。停止相ワークは、リールモータ32L、32C、32Rの停止相を示すデータが格納されるワークであり、リールモータ32L、32C、32Rが停止状態となった際にその停止相を示すデータが格納されることとなる。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41bのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。未使用領域は、RAM41bの格納領域のうちの使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件の何れか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メインCPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件の何れか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
この実施の形態において、メインCPU41aは、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37のみがONの状態での起動時、BB終了時、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態での起動時においてRAM41bのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時、の6つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる5種類の初期化を行う。
初期化0は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合において、その前に行う初期化、またはRAM異常エラー発生時に行う初期化であり、初期化0では、RAM41bの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化1は、起動時において設定キースイッチ37のみがONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合において、その前に行う初期化であり、初期化1では、RAM41bの格納領域のうち、使用中スタック領域および停止相ワークを除く全ての領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化2は、BB終了時に行う初期化であり、初期化2では、RAM41bの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態であり、かつRAM41bのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、RAM41bの格納領域のうち、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。
なお、この実施の形態では、初期化0、初期化1を設定変更モードの移行前に行っているが、設定変更モードの終了時、すなわち、設定が確定した後に行うようにしてもよい。この場合、設定値ワークを初期化してしまうと確定した設定値が失われてしまうこととなるので、設定値ワークの初期化は行われない。
この実施の形態のスロットマシン1は、上述のように遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。この実施の形態では、後に説明するが、遊技状態として、レギュラーボーナス(以下ではRBと称す)と、通常遊技状態と、があり、何れの遊技状態であっても賭数の規定数として3が定められており、遊技状態に関わらず、賭数として3が設定されるとゲームを開始させることが可能となる。なお、この実施の形態では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインL1〜L5の全てが有効化されることとなる。
この実施の形態のスロットマシン1は、全てのリール(左リール2L、中リール2Cおよび右リール2R)が停止した際に、有効入賞ライン(以下、単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであってもよいし、異なる図柄を含む組合せであってもよい。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41bに設定されている必要がある。
なお、これら各役の当選フラグのうち、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち、特別役の当選フラグが一度当選すると、たとえ、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
このスロットマシン1における役としては、図9に示すように、特別役としてレギュラーボーナス(以下、RBという。)と、ビッグボーナス(1)、(2)(以下、BB(1)、(2)という。)が定められている。また、小役として、スイカ、チェリー、ベルが定められ、再遊技役として、リプレイが定められている。
チェリーは、何れの遊技状態においても左リール2Lについて、入賞ラインの何れかに「チェリー−ANY−ベル」または「チェリー−ANY−リプレイ」の組合せが揃ったとき、すなわち、左リール2Lにおいて、入賞ラインの何れかに「チェリー」の図柄が導出され、右リール2Rの、左リール2Lに「チェリー」が停止した入賞ラインに「ベル」または「リプレイ」の図柄が導出されたときに入賞となり、2枚のメダルが払い出される。
スイカは、何れの遊技状態においても入賞ラインの何れかに「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが揃ったときに入賞となり、15枚のメダルが払い出される。
ベルは、何れの遊技状態においても入賞ラインの何れかに「ベル−ベル−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となり、12枚のメダルが払い出される。
リプレイは、通常遊技状態において入賞ラインに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイが入賞したときには、メダルの払い出しはないが、次のゲームを、改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
RBは、RB以外の遊技状態において入賞ラインの何れかに「網7−網7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となり、遊技状態がRBに移行する。RBは、小役、特にベルの当選確率が高まることによって他の遊技状態よりも遊技者にとって有利となる遊技状態であり、RBが開始した後、12ゲームを消化したとき、または4ゲーム入賞(役の種類は、何れでも可)したとき、の何れか早いほうで終了する。
BB(1)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインの何れかに「黒7−黒7−黒7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BB(2)は、RB以外の遊技状態において入賞ラインの何れかに「白7−白7−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。
BB(1)(2)が入賞すると、遊技状態がBBに移行すると共に同時にRBに移行し、RBが終了した際に、BBが終了していなければ、再度RBに移行し、BBが終了するまで繰り返しRB状態に制御される。すなわち、BB中は、常にRB状態に制御されることとなる。そして、BBは、当該BB中において遊技者に払い出したメダルの総数が480枚を超えたときに終了する。BBの終了時には、RBの終了条件が成立しているか否かに関わらずRBも終了する。
続いて、この実施の形態の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール(左リール2L、中リール2Cおよび右リール2R)の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、先ず、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)が取得される。そして、遊技状態および特別役の持ち越しの有無に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態、賭数および設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて、抽選が行われる。
この実施の形態では、図10に示すように、遊技状態が、通常遊技状態であるか、RB(BB)であるか、によって内部抽選の対象となる役が異なり、さらに通常遊技状態においては、特別役の持越中か否か(通常:特別役の持ち越されていない通常遊技状態、当選中:特別役の持ち越されている通常遊技状態)によっても内部抽選の対象が異なる。
遊技状態が通常遊技状態であり、特別役が持ち越されていない状態であれば、RB、BB(1)、BB(2)、RB+スイカ、RB+チェリー、BB(1)+スイカ、BB(1)+チェリー、BB(2)+スイカ、BB(2)+チェリー、リプレイ、スイカ、チェリー、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態が通常遊技状態であり、特別役が持ち越されている状態であれば、リプレイ、スイカ、チェリー、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。
遊技状態がRB(BB)であれば、スイカ、チェリー、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出される。
内部抽選では、現在の遊技状態および設定値に対応して定められた各役の判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
内部抽選において、何れかの役の当選が判定された場合には、メインCPU41aは、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41bに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、メインCPU41aは、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、メインCPU41aは、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。なお、何れの役および役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアされる。
次に、各リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メインCPU41aは、各リール2L、2C、2Rが回転を開始したとき、または、何れかのリールが停止し、未停止のリールが残っているとき、ROM41cに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリールそれぞれの停止制御テーブルを作成する。そして、メインCPU41aは、回転中のリールに対応するストップスイッチ8L、8C、8Rのうち何れかの操作が検出されると、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数にもとづいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応する左リール2L、中リール2C、右リール2Rの回転を停止させる制御を行う。
次に、メインCPU41aが回転中のリールに対応する何れかのストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を検出した場合、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明する。メインCPU41aは、回転中のリールに対応する何れかのストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置(例えば、0番の領域)からのステップ数にもとづいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、メインCPU41aは、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が、停止基準位置(この実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
この実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応する一のアドレスのみが格納されている。さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして、一のアドレスのみが格納されている。すなわち、遊技状態、内部当選状態に対応するテーブル作成用データと、リールの停止状況(および停止済みリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとは一意に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも一意に定められる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みリールの停止位置)の全てが同一条件である場合、メインCPU41aは、同一の停止制御テーブルに基づき制御を行う。
また、この実施の形態では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できる。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できる。
この実施の形態では、何れかの役に当選した場合、その役を何れかの入賞ライン上に4コマの範囲内で最大限に引き込む制御を行うような停止制御テーブルを生成する。また、何れの役にも当選していない場合には、何れの役も入賞ライン上に揃わない制御を行うような停止制御テーブルを生成する。すなわち、何れかの役に当選した場合、当選役の4コマの範囲内で停止操作をすると、その当選役に応じた図柄の組み合わせが揃う制御がなされ、例えば滑りコマ数が2コマで停止することはない。また、何れの役にも当選していない場合、何れかの役を0コマの範囲で停止操作をしても、滑りコマ数が設定されているため、何れの役も揃わない制御がなされる。
図7に示すように、左リール2Lの「ベル」、中リール2Cの「ベル」、右リール2Rの「ベル」は、それぞれ4コマ以内の間隔で配置されており、ベルの当選時には、各リールの停止操作をどのタイミングで行った場合でも、必ず「ベル−ベル−ベル」の組合せが入賞ライン上に揃い、ベルが入賞することとなる。また、左リール2Lの「リプレイ」、中リール2Cの「リプレイ」、右リール2Rの「リプレイ」も、それぞれ4コマ以内の間隔で配置されており、リプレイの当選時には、各リールの停止操作をどのタイミングで行った場合でも、必ず「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組合せが入賞ライン上に揃い、リプレイが入賞することとなる。
一方で、左リール2Lの「チェリー」は、7コマを超える間隔にて配置されており、チェリーの当選時には、「チェリー」の引込範囲となるタイミングで左リール2Lの停止操作を行えば「チェリー−ANY−ベル」または「チェリー−ANY−リプレイ」の組合せが入賞ラインに揃ってチェリーが入賞することとなる。一方、「チェリー」の引込範囲外となるタイミングで右リール2Rの停止操作を行うと、チェリーは入賞せず、取りこぼすこととなる。
また、左リール2Lの「スイカ」、中リール2Cの「スイカ」、右リール2Rの「スイカ」も、4コマを超える間隔にて配置された箇所があり、スイカの当選時には、「スイカ」の引込範囲となるタイミングで各リールの停止操作を行えば「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが入賞ライン上に揃ってスイカが入賞することとなる。一方、何れか1つのリールでも「スイカ」の引込範囲外となるタイミングで停止操作を行うと、スイカは入賞せず、取りこぼすこととなる。
また、BB(1)〜(2)についても、構成図柄が4コマを超える間隔にて配置された箇所があり、BB(1)〜(2)の何れかが当選しても、当選したBBの構成図柄の引込範囲となるタイミングで各リールの停止操作を行えば、当選したBBが入賞することとなるが、何れか1つのリールでも当選したBBの構成図柄の引込範囲外となるタイミングで停止操作すると、BBは入賞せず、取りこぼすこととなる。なお、BBは、上述のように取りこぼしても、次ゲームに持ち越されることから、1度BBに当選すれば、例え、取りこぼしても、次ゲーム以降で適切なタイミングで停止操作を行うことで入賞させることが可能となる。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合や、特別役が持ち越されていない状態で特別役と小役が同時に当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した小役を入賞ライン上に、4コマの範囲内で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められていると共に、当選した小役を入賞ライン上に、4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われる。つまり、当選していない役は、4コマの引込範囲で、はずして停止させる制御が行われることとなる。すなわち、このような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を有効させることが可能となる。
なお、この実施の形態では、特別役と小役が同時に当選している場合に、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる構成であるが、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞させることが可能となる構成としてもよい。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合や特別役が持ち越されていない状態で特別役と再遊技役が同時に当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行われる。なお、この場合、再遊技役を構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの何れについても5図柄以内、すなわち、4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわち、このような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。
この実施の形態において、メインCPU41aは、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールを停止させる制御を行う。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリール2の回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールを停止させる制御を行う。
この実施の形態では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールを停止させる制御を行うようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合には、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、何れかの役が当選している場合でも、何れの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
次に、メインCPU41aが演出制御基板90に対して送信するコマンドについて説明する。
この実施の形態では、メインCPU41aが、演出制御基板90に対して、BETコマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定開始コマンド、確認開始コマンド、確認終了コマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブCPU91aは、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち、賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されていない状態において、メダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、BETコマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、BETコマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるので、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール2L、中リール2C、右リール2Rの何れかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われるごとに送信される。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
入賞判定コマンドは、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態を特定可能なコマンドであり、設定変更状態の終了時およびゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点で、エラー状態の発生およびその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
復帰コマンドは、メインCPU41aが、電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メインCPU41aの起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
設定開始コマンドは、設定変更状態の開始を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する際に送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメインCPU41aの制御状態が初期化されるため、設定開始コマンドにより、メインCPU41aの制御状態が初期化されたことが特定可能となる。
確認開始コマンドは、設定確認状態の開始を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に送信される。確認終了コマンドは、設定確認状態の終了を示すコマンドであり、設定確認状態の終了時に送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R)の検出状態(ON/OFF)を示すコマンドであり、一定間隔ごとに送信される。
上記のこれらのコマンドのうち、設定開始コマンド、RAM異常を示すエラーコマンド、復帰コマンドは、起動処理において割込が許可される前の段階で生成され、RAM41bの特別ワークに割り当てられた特定コマンド送信用バッファに格納され、直ちに送信される。
設定開始コマンド、RAM異常を示すエラーコマンド、復帰コマンド、操作検出コマンド以外のコマンドは、ゲーム処理においてゲームの進行状況に応じて生成され、RAM41bの特別ワークに設けられた通常コマンド送信用バッファに一時格納され、タイマ割込処理(メイン)において送信される。
この実施の形態では、ゲーム処理においてコマンドが生成され、通常コマンド送信用バッファに格納される。タイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において、コマンド送信用バッファに格納された未送信のコマンドが検知されると、通常コマンド送信用バッファに格納された未送信のコマンドが送信される。
また、通常コマンド送信用バッファには、複数のコマンドを格納可能な領域が設けられており、通常コマンド送信用バッファに格納された未送信のコマンドの送信を待たずに、新たに生成したコマンドを通常コマンド送信用バッファの空き領域に格納することが可能となっている。
また、メインCPU41aは、ゲーム処理において通常コマンド送信用バッファにコマンドを格納する際に、これらコマンドをその生成順に格納すると共に、コマンド送信処理では、通常コマンド送信用バッファに生成・格納された順番でコマンドを送信する。すなわち、通常コマンド送信用バッファに格納されたコマンドは、生成・格納された順番で送信される。
操作検出コマンドは、コマンド送信処理が5回実行されるごとに生成され、上述の特定コマンド送信用バッファに格納され、直ちに送信される。また、通常コマンド送信用バッファに未送信のコマンドが格納されている状態で操作検出コマンドの送信時期に到達した場合には、操作検出コマンドの送信を優先し、通常コマンド送信用バッファに格納されている未送信のコマンドは、次回のコマンド送信処理において送信されるようになっている。つまり、1度のコマンド送信処理において複数のコマンドが送信されることがないようになっている。
次に、メインCPU41aが演出制御基板90に対して送信するコマンドにもとづいて、サブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブCPU91aは、メインCPU41aからのコマンドの送信を示すストローブ信号を入力した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91bに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
サブCPU91aは、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドにもとづいてROM91cに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容にもとづいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53,54、リールLED55などの各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターンごとに、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53,54の出力態様、リールLED55の点灯態様など、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブCPU91aは、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91bに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンにもとづいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
なお、サブCPU91aは、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンにもとづく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンにもとづく演出を実行するようになっている。すなわち、演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信したコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除き、現在実行していた演出はキャンセルされて、新たなコマンドにもとづく演出が実行されることとなる。
特に、この実施の形態では、演出の実行中に賭数の設定操作がなされたとき、すなわち、サブCPU91aが、賭数が設定された旨を示すBETコマンドを受信したとき、実行中の演出を中止する。このため、遊技者が、演出を最後まで見るよりも次のゲームを進めたい場合には、演出がキャンセルされ、次のゲームを開始できるので、遊技者に対して煩わしい思いをさせることがない。また、演出の実行中にクレジットまたは賭数の精算操作がなされたとき、すなわち、サブCPU91aが、ゲームの終了を示す遊技状態コマンドを受信した後、ゲームの開始を示す内部当選コマンドを受信する前に、払出開始コマンドを受信した場合には、現在実行中の演出を中止する。クレジットや賭数の精算を行うのは、遊技を終了する場合であり、このような場合に実行中の演出を終了させることで、遊技を終了する意志があるのに、不要に演出が継続してしまわないようにしている。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91bに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91cに格納された演出テーブルに登録されており、サブCPU91aは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果、後述するレベルおよび演出設定に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて、複数種類の演出パターンから何れかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91bに設定する。この場合、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
この実施の形態では、メインCPU41aが、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能な操作検出コマンドをサブCPU91aに対して送信することで、サブCPU91aが、それぞれの制御状態においてゲームの進行制御に関与する操作スイッチであるか否かに関わらず、メインCPU41aにより検出される操作スイッチが操作されたことが特定できるようになっている。このため、サブCPU91aは、ゲームの進行制御に関与しない操作スイッチの操作に応じて演出を実行したり、後述するメインメニュー画面を介した遊技者の操作に応じた処理を行うことが可能である。
また、メインCPU41aは、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8Rの何れかが操作されたか否かに関わらず、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8RそれぞれのON/OFFの状態を特定可能な操作検出コマンドを定期的に送信することで、サブCPU91aは、これら操作スイッチのON/OFFの状態を定期的に特定できるようになっている。このため、サブCPU91aは、操作検出コマンドを取りこぼした場合であっても、次回送信される操作検出コマンドにもとづいて全ての操作スイッチについて最新の検出状態を特定することが可能となり、ゲームの進行制御に関与しない操作スイッチの操作に応じた演出を確実に実行することができる。
また、サブCPU91aは、操作検出コマンドから、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R全ての検出状態を特定することが可能であるため、複数のスイッチの同時操作や特定のスイッチのみの操作といった複数の操作スイッチの操作状況を反映した演出を行うことが可能となり、操作スイッチの操作を用いた演出を多様なものにできる。
なお、この実施の形態では、メインCPU41aが、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8Rの何れかが操作されたか否かに関わらず、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8RそれぞれのON/OFFの状態を特定可能な操作検出コマンドを一定間隔ごとに送信する構成であるが、何れかの操作スイッチの検出状態(ON/OFF)が変化したときのみ、その旨を示す操作検出コマンドを送信するようにしてもよい。このような構成とすることで、操作検出コマンドの送信を極力減らすことが可能となり、操作検出コマンドの送信に係る制御の負荷を軽減できるうえに、サブCPU91a側でも必要以上に操作検出コマンドを受信せずに済む。
また、何れかの操作スイッチの検出状態(ON/OFF)が変化したときに、当該操作スイッチの検出状態に加えて他の操作スイッチの検出状態も特定可能な操作検出コマンドをサブCPU91aに対して送信する構成としてもよい。このような構成とすることで、操作検出コマンドの送信を極力減らすことが可能となるうえに、サブCPU91aは、操作検出コマンドから検出状態の変化した操作スイッチの検出状態だけでなく、他の操作手段の検出状態も特定できるようになり、複数の操作手段の操作状況を反映した演出を行うことが可能となり、操作スイッチの操作を用いた演出を多様なものにできる。
サブ制御部91のRAM91bには、操作スイッチの検出状態の変化状況が操作スイッチごとに格納される検出状態格納領域と、操作スイッチの操作状態が変化した旨を示す操作検出フラグが操作スイッチごとに格納される操作検出フラグ格納領域と、が割り当てられている。さらに検出状態格納領域には、操作検出コマンドを受信する前(前回)の検出状態と、操作検出コマンドを受信した後(今回)の検出状態と、が割り当てられており、それぞれに操作検出コマンドの受信前後の各操作スイッチの検出状態が格納されるようになっている。
サブCPU91aは、タイマ割込処理(サブ)において受信用バッファに未処理のコマンドが格納されていると判定した場合に、操作検出処理を行う。操作検出処理では、未処理のコマンドが、操作検出コマンドか否かを判定し、操作検出コマンドであると判定した場合に、検出状態格納領域に格納されている今回の検出状態を前回の検出状態に移動し、操作検出コマンドが示す各操作スイッチの検出状態を今回の検出状態として格納する。その際、サブCPU91aは、前回の検出状態と今回の検出状態とが異なる操作スイッチがある場合に、OFFからONに変化した場合には、その操作スイッチに対応する操作検出フラグとして立上りフラグを設定し、ONからOFFに変化した場合には、その操作スイッチに対応する操作検出フラグとして立下りフラグを設定する。
このように、この実施の形態では、メインCPU41aは、操作スイッチの検出状態が変化したか否かに関わらず、定期的に全ての操作スイッチの検出状態を特定可能な操作検出コマンドを送信する。一方、サブCPU91aは、操作検出コマンドを受信した際に、検出状態格納領域に格納されている操作検出コマンドの受信前後の各操作スイッチの検出状態を更新し、検出状態が異なる操作スイッチがある場合に、その操作スイッチに対応する操作検出フラグを設定する。サブCPU91aは、操作検出フラグの有無を確認することで、操作スイッチの検出状態が変化した旨に加え、操作検出コマンドの受信前後で各操作スイッチの検出状態がどのように変化したか、すなわちOFFからONに変化したのか、ONからOFFに変化したのか、を判別できる。
このため、サブCPU91aは、操作スイッチの操作が開始されたタイミングだけでなく、その操作が解除されたタイミングに応じて演出を行ったり、演出を変化させることが可能となり、ゲームの進行制御に関与しない操作スイッチの操作態様に応じて多彩な演出を行うことができる。
なお、この実施の形態では、サブCPU91aが、操作スイッチの検出状態の変化に加えて操作検出コマンドの受信前後の各操作スイッチの検出状態がどのように変化したか否かを判別できるようになっているが、サブCPU91aが、操作スイッチが操作されたこと、すなわち、OFFからONに変化したことのみを判別できる構成としてもよい。このような構成とすることで、ゲームの進行制御に影響しない操作スイッチの操作に伴うサブCPU91aの制御負荷を軽減することができる。
また、検出状態格納領域には、各操作スイッチの検出状態が格納されており、サブCPU91aは、何れかの操作検出フラグが設定され、当該操作検出フラグに対応する操作スイッチの検出状態の変化が特定された場合に、検出状態格納領域の他の操作スイッチの検出状態を確認することで、検出状態が変化した操作スイッチだけでなく、他の操作スイッチの検出状態も特定できるようになっている。
このため、サブCPU91aは、複数の操作スイッチが同時に操作されている状態を特定可能となり、複数の操作スイッチが同時に操作されることで演出を行うことが可能となり、複数の操作スイッチの操作の仕方によって多様な演出を行うことができる。
また、サブCPU91aは、左ストップスイッチ8L、中ストップスイッチ8Cの操作スイッチが同時に操作されることで演出を行う場合に、左ストップスイッチ8Lが検出されており、かつ右ストップスイッチ8Rが検出されていない状態で、中ストップスイッチ8Cの操作を検出した場合には、該当する演出を行う。但し、左ストップスイッチ8Lおよび右ストップスイッチ8Rの双方が検出されている状態で、中ストップスイッチ8Cの操作を検出した場合には、上記と同様に左ストップスイッチ8Lと中ストップスイッチ8Cの操作が同時に検出されていることとなるが、この場合には、該当する演出を行わないようになっている。
すなわち、特定の操作スイッチの操作に応じて特定の操作演出を行う際に、特定の操作スイッチと共に特定の操作スイッチ以外の操作スイッチが操作された場合には、特定の操作演出を行わないようになっている。
このため、特定の操作スイッチの操作にもとづく特定の操作演出は、特定の操作スイッチが他の操作スイッチと同時に操作された場合や、他の操作スイッチが操作されている状態で操作された場合には実行されることがなく、誤った操作によって特定の操作演出が実行されることがない。このため、特定の操作演出を希望する遊技者に対してのみ、特定の操作演出を提供することができる。
また、上記のように特定の操作スイッチと共に特定の操作スイッチ以外の操作スイッチが操作された場合には、特定の操作演出を行わないことにより、各々の演出を実行させるための操作スイッチの一部が重複する場合でも、異なる演出を実行させることが可能となる。すなわち、一方の演出は、左ストップスイッチ8Lと中ストップスイッチ8Cが同時に操作されることで実行され、他方の演出は、中ストップスイッチ8Cと右ストップスイッチ8Rが同時に操作されることで実行されるが、左ストップスイッチと右ストップスイッチが同時に操作されている状態で、中ストップスイッチが操作された際に、左ストップスイッチと中ストップスイッチの同時操作なのか、中ストップスイッチと右ストップスイッチの同時操作なのか、を判別することができなくなってしまい、何れか一方の同時操作に対してのみに演出を割り当てることしかできない。しかしながら、特定の操作スイッチと共に特定の操作スイッチ以外の操作スイッチが操作された場合には、特定の操作演出を行わないことにより、上記のようなケースであっても、それぞれの同時操作に対して演出を割り当てることが可能となり、複数の操作スイッチの操作の仕方によってさらに多様な演出を行うことができる。
この実施の形態では、サブCPU91aは、遊技開始時に、遊技者により、後述するパスワード(鍵データ)が入力された場合に、予め定められた達成条件が成立したことを条件に経験値を付与し、10経験値獲得するごとにレベルを加算するようになっている。そしてレベルの値が一定値を超えるごとに、実行される可能性のある演出の種類数を増加させる。より詳しくは、レベル1〜30の場合に用いる演出テーブル1、レベル31〜60の場合に用いる演出テーブル2、レベル61〜99の場合に用いる演出テーブル3を備えており、演出テーブル2には、演出テーブル1に登録されている演出パターンに加えて演出テーブル1に登録されていない演出パターンが定められており、演出テーブル3には、演出テーブル1、2に登録されている演出パターンに加えて演出テーブル1、2に登録されていない演出パターンが定められており、演出テーブル1〜3のうち現在のレベルに応じた演出テーブルを用いて演出パターンを選択することにより、レベルが30を超えた場合、60を超えた場合にそれぞれ演出パターンが増加することとなる。
経験値は、RAM91bに割り当てられた経験値格納領域に格納されている。
また、サブCPU91aは、レベルの値が一定値を超えるごとに、演出設定として選択可能な項目を増加させる。より詳しくは、遊技者の選択操作により演出の頻度(演出設定1)、メインとなるキャラクタ(演出設定2)、キャラクタの衣装(演出設定3)、演出の背景デザイン(演出設定4)、BGM(演出設定5)を選択可能とされており、これら演出設定において、レベルが30を超えるまでは、3種類から選択可能であり、レベルが30を超えると5種類から選択可能となり、レベル60を超えると8種類から選択可能となる。
経験値が付与される達成条件としては、例えば、図11に示すように、特別役の当選可能性を示す連続演出が実行され、かつ特別役が当選した場合または外れた場合、ボーナス確定画面が表示された場合などが定められており、各達成条件の難易度、現在のレベル、ゲームを開始してからのゲーム数に応じて付与される経験値が定められ、達成条件が成立した時点の状況に応じた経験値が付与されることとなる。
図11に示す連続演出Bは、連続演出Aに比較して特別役に当選している可能性が高い旨を示す演出、すなわち特別役の当選時に選択される比率が連続演出Aよりも高い演出であり、かつ連続演出Aより出現率の低い演出である。
そして、連続演出Aが実行され、かつ特別役に当選していない場合と、連続演出Bが実行され、かつ特別役に当選していない場合と、を比較すると後者の方が多くの経験値が付与されるようになっており、特別役に当選している可能性が高いにも関わらず、特別役が当選していない場合には、より多くの経験値が付与されるようになっている。
また、連続演出Aが実行され、かつ特別役に当選していない場合と、連続演出Aが実行され、かつ特別役に当選している場合と、を比較すると後者の方が多くの経験値が付与されるようになっており、特別役に当選している可能性が低いにも関わらず、特別役が当選していた場合には、より多くの経験値が付与されるようになっている。
また、同じ達成条件が成立した場合でも、0〜499Gと、500〜699Gと、700G以上と、で付与される経験値が異なり、ゲーム数が多いほどより多くの経験値が付与されるようになっている。
また、レベルの値が一定の値を超えるごとに、付与される経験値が少なくなり、付与される経験値は少なくなる。詳しくは、レベル30を超えた場合、レベルを60を超えた場合に、それぞれ付与される経験値が減少するようになっており、達成条件によっては、経験値が付与されなくなる。このため、レベルが一定の値を超えるごとに、さらなるレベルの上昇が困難となる。
このようにこの実施の形態のスロットマシン1では、遊技を行った結果に応じた達成条件が成立することで経験値が付与され、その経験値に応じてレベルが上昇し、演出パターンが増加したり、演出の設定項目が増加するようになっており、遊技者が遊技を行う意欲を効果的に高めることができる。
なお、達成条件は、図11で示される条件以外の条件も予め用意されており、たとえば、特定のミッションの達成という結果が得られる条件なども含まれる。
また、この実施の形態では、サブCPU91aは、遊技開始時に、遊技者により、後述するパスワードが入力された場合や「簡単スタート」が選択された場合に、遊技において、予め定められた条件が成立すると、遊技者に対して、管理サーバ1200から所定の特典の付与を受ける際の交換価値であるコイン(金、銀、銅の3種類)を付与する。特典には、例えば、音楽、壁紙、待ち受け画面などのコンテンツデータ、あるいは、所定の物品と交換できる交換券を示すデータ(例えば、2次元コード)などが含まれる。
パスワードが入力された場合におけるコインの獲得仕様を図12(a)に示す。例えば、ボーナス(BB、RBの何れでもよい)に当選すると、50%の確率で、金、銀、銅のコインが各1枚ずつ付与される。また、チェリー獲得時(詳細には、当選時)には、100%の確率で、金、銀、銅のコインが各1枚ずつ付与される。また、2000ゲーム消化ごとに、100%の確率で、金、銀、銅のコインのうち、何れか1枚を付与する。但し、ゲーム数が増える程、良い色のコイン(銅→金or銀、銀→金)が付与される確率を高くするようにしている。
また、ミッション達成時にも、100%の確率で、その達成したミッションのレベルに応じて、コインが付与される。例えば、レベル高のミッション達成時には、金、銀、銅のコインが各1枚ずつ付与される。また、レベル中のミッション達成時には、金、銀、銅のコインのうち、何れか2枚が付与され、レベル低のミッション達成時には、金、銀、銅のコインのうち、何れか1枚が付与される。なお、このような遊技間におけるコインの獲得のほか、詳細は後述するが、遊技終了時において、予め定められた条件が成立すると、遊技者に対して、コインの付与が行われる。
さらに、レベル高、中のミッション達成時には、後述するストックコインがあることを条件に、付与されるコインが追加される。この場合、例えば、レベル高のミッション達成時には、金、銀、銅のコインのうち、何れか2枚が追加付与され、レベル中のミッション達成時には、金、銀、銅のコインのうち、何れか1枚が追加付与される。
また、この実施の形態では、パスワードが入力された場合と「簡単スタート」が選択された場合とではコインの獲得条件の有利度が異なり、パスワードが入力された場合の方が「簡単スタート」が選択された場合よりも有利にコインを獲得できる。
「簡単スタート」が選択された場合におけるコインの獲得仕様を図12(b)に示す。例えば、ボーナス(BB、RBの何れでもよい)に当選すると、25%の確率で、金、銀、銅のコインが各1枚ずつ付与される。また、チェリー獲得時(詳細には、当選時)には、50%の確率で、金、銀、銅のコインが各1枚ずつ付与される。また、2000ゲーム消化ごとに、50%の確率で、金、銀、銅のコインのうち、何れか1枚を付与する。但し、ゲーム数が増える程、良い色のコイン(銅→金or銀、銀→金)が付与される確率を高くするようにしている。
また、ミッション達成時にも、50%の確率で、その達成したミッションのレベルに応じて、コインが付与される。例えば、レベル高のミッション達成時には、金、銀、銅のコインが各1枚ずつ付与される。また、レベル中のミッション達成時には、金、銀、銅のコインのうち、何れか2枚が付与され、レベル低のミッション達成時には、金、銀、銅のコインのうち、何れか1枚が付与される。なお、このような遊技間におけるコインの獲得のほか、詳細は後述するが、遊技終了時において、予め定められた条件が成立すると、遊技者に対して、コインの付与が行われる。
さらに、レベル高、中のミッション達成時には、後述するストックコインがあることを条件に、付与されるコインが追加される。この場合、例えば、レベル高のミッション達成時には、金、銀、銅のコインのうち、何れか2枚が追加付与され、レベル中のミッション達成時には、金、銀、銅のコインのうち、何れか1枚が追加付与される。
遊技者にコインが付与されると、その内容に応じて、RAM91bに割り当てられた獲得コイン領域に記憶されている獲得データ(獲得した金、銀、銅の各コインの枚数を示すデータ)が更新される。
また、この実施の形態では、一定以上のレベルであることや累積ゲーム数や累積ボーナス回数などが一定数以上であることを条件に実行される演出が用意されており、さらに上述のミッションとして、このような一定以上のレベル、累積ゲーム数や累積ボーナス回数などが一定数以上でなければ出現しない演出が実行されることにより達成されるミッションが定められており、遊技者が遊技を行い、レベルを上昇させることへの意欲も効果的に高めることができる。
また、サブCPU91aは、遊技開始時に後述するパスワードが入力された場合の遊技において、ゲーム数に応じて、液晶表示器51にて表示されるストーリーの段階を順次進行させるようにしている。詳しくは、ゲーム数に応じて、ストーリーがある段階まで到達すると、次の段階が展開されることとなる。
また、サブCPU91aは、遊技開始時に後述するパスワードが入力された場合に、入力されたパスワードから特定される記念日が、特定の記念日を示す場合には、その記念日にちなんだ記念日演出(例えば、遊技者の誕生日が特定される場合には、ある条件を満たすことで遊技者を祝福する演出が実行されるなど)を実行することが可能となる。
また、レベルの値は、1台のスロットマシン1において上昇した値のみならず、他のスロットマシン1において上昇した値を引き継ぐことも可能である。また、レベルの値だけではなく、他のスロットマシン1において進展したストーリーの段階や他のスロットマシン1において遊技者が演出設定を変更した場合、その設定内容も引き継ぐことが可能である。
具体的には、遊技者は、図13(a)に示すメインメニュー画面から「パスワード入力」を選択し、予め管理サーバ1200にて発行されたパスワードを入力することにより、以前の遊技履歴に応じたレベルおよび演出設定(ストーリーの段階も含まれる)を引き継いで遊技を行うことが可能となる。
パスワード(鍵データ)は、後に詳述するが、後述する管理サーバ1200にて管理されている遊技者個人の遊技履歴に応じた記念日、レベル、機種情報、直近情報、その他の演出設定を特定可能な8文字からなる文字データである。
メインメニュー画面は、ゲーム終了後(設定変更後)から賭数が設定されるまでの制御状態において、演出用スイッチ56(CHANCEボタン)が操作された場合に、液晶表示器51の表示領域に表示される。
メインメニュー画面が表示されている状態では、図13(a)、(b)に示すように、ストップスイッチ8Lが操作されることで、左側のメニュー項目に移動し、ストップスイッチ8Rが操作されることで右側のメニュー項目に移動する。そして、演出用スイッチ56が操作されることで、手前に表示されているメニュー項目が選択される。また、メニュー項目として「終了」が手前に表示されている状態で演出用スイッチ56が操作されるか、ストップスイッチ8Cが一定時間以上操作されると、図13(c)に示すように、「YES」、「NO」を選択可能な終了確認画面が表示される。この終了確認画面にてストップスイッチ8L、8R、演出用スイッチ56を操作し、「YES」、「NO」のうち「YES」を選択することで、基本画面(メインメニュー画面に移行する前の通常画面)に戻るようになっている。また、何も操作されない状態が、画面ごとに定められた時間継続した場合にも基本画面に戻る。
パスワードの入力前や後述する簡単スタートによる遊技開始前のメインメニュー画面では、図13(a)に示すように、「簡単スタート」、「パスワード入力」、「会員登録」、「ストックコインのヒント」、「終了」のメニュー項目が表示されるようになっている。
遊技者は、この場合のメインメニュー画面にて、ストップスイッチ8L、8Rおよび演出用スイッチ56を操作して「ストックコインのヒント」を選択することにより、図14(a)〜(d)に示すようなストックコインのヒント画面を表示させることができる。ストックコインとは、パスワードの入力有無に関わらす、当該スロットマシン1における遊技において、所定の条件が成立すると、加算され、蓄積されるコイン(金、銀、銅の3種類)である。ストックコインを示すデータ(ストックコインデータ)は、RAM91bに割り当てられたストックコイン格納領域に記憶されている。
このストックコインのストック仕様を図12(c)に示す。例えば、ボーナス(BB、RBの何れでもよい)に当選すると、100%の確率で、金、銀、銅のコインのうち、何れか1枚がストックされる。また、100ゲーム消化ごとに、20%の確率で、金、銀、銅のコインのうち、何れか1枚がストックされる。
新たにコインがストックされると、その内容に応じて、RAM91bに割り当てられたストックコイン格納領域に記憶されているストックコインデータが更新される。
サブCPU91aは、遊技者により「ストックコインのヒント」が選択されると、ストックコイン格納領域に格納されているストックコインデータを参照し、蓄積されているコインの状況に応じて、図14の(a)〜(d)で示されるヒント画面のうちから、何れか一の画面を選択して表示する。この場合、図14において、例えば、(a)の画面が表示されると、蓄積されているコインの価値が高くないことが示唆され、(d)の画面が表示されると、蓄積されているコインの価値が非常に高い(例えば、金コインの枚数が所定数以上)ことが示唆されることになる。
ストックコインは、遊技終了時において、所定の条件が成立することで、遊技者に付与される。したがって、このように、ストックコインのヒントとなる画面を表示することで、遊技者はパスワードを入力する前に、ストックコインがどれぐらい蓄積されているかを予測することができ、ストックコインがより多く蓄積されている遊技機を狙って、選択することが可能となり、興趣性の向上が図れる。
なお、ストックコインデータは、所定のタイミングで再設定される。この実施の形態では、スロットマシン1の電源ON時と、電源ON時から所定時間(例えば、20時間)経過時に再設定される。再設定では、ストックコイン格納領域がクリアされ、価値内容がそれぞれ異なる(すなわち、金、銀、銅の各枚数の組み合わせが異なる)複数のストックコインデータのうちから、抽選により、一のストックコインデータを決定し、決定したストックコインデータをストックコイン格納領域に格納する。
サブCPU91aは、上記の再設定後、所定時間(例えば、1時間)以内に、遊技者により「ストックコインのヒント」が選択されると、ストックコイン格納領域に格納されているストックコインデータの価値内容に関わらず、図14の(a)〜(d)で示される画面のうちの予め定められた一の画面を表示する。このようにすることで、遊技者にとって、ストックコインデータが再設定されたか否かの判別が困難となり、興趣性の向上が図れる。
続いて、パスワードの入力操作仕様について説明する。遊技者は、パスワードの入力前や後述する簡単スタートによる遊技開始前のメインメニュー画面にて、ストップスイッチ8L、8Rおよび演出用スイッチ56を操作してパスワードメニューを選択すると、サブCPU91aにより、図15(b)に示すパスワード入力画面が表示される。パスワード入力画面では、図15(c)に示すように、ストップスイッチ8L、8Rを操作することで、文字が移動し、図16(a)に示すように、演出用スイッチ56(CHANCEボタン)を操作することで、手前に表示されている文字が選択される。
ここでは、1文字選択するごとに、次の文字が選択可能となる。また、「1文字戻る」が手前に表示されている状態で、演出用スイッチ56を操作することで、手前の文字を再度選択可能にすることができる。そして、8文字のパスワードを選択すると、「決定」に移動し、図16(b)に示すように、「1文字戻る」以外の文字が手前に表示されている状態で演出用スイッチ56を操作することで、パスワードの入力が完了する。
入力したパスワードが正規のパスワードであると認証された場合には、図16(c)に示すように、パスワードの入力を受け付けたことを示す「パスワードOK」画面が表示される。パスワードOK画面は、演出用スイッチ56を操作するか、予め定められた時間が経過することで閉じられ、基本画面に切り替わる。なお、パスワードが正規のパスワードであると認証されなかった場合には、パスワードの入力が受け付けられなかったことを示す「パスワードNG」画面(図示略)が表示される。パスワードNG画面も、演出用スイッチ56を操作するか、予め定められた時間が経過することで閉じられ、基本画面に切り替わる。
パスワードが正規のパスワードであると認証されると、RAM91bに割り当てられた個人履歴格納領域(総ゲーム数、BB回数、RB回数、達成ミッションの履歴)の値が初期化されると共に、パスワードから解析される記念日が、RAM91bに割り当てられた記念日格納領域に、パスワードから解析されるレベルが、RAM91bに割り当てられたレベル格納領域に、パスワードから解析される機種を識別するための機種情報が、RAM91bに割り当てられた機種情報格納領域に、パスワードから解析される直近の遊技履歴を示す直近情報が、RAM91bに割り当てられた直近情報格納領域に、パスワードから解析されるその他の演出設定1〜3が、RAM91bに割り当てられた演出設定格納領域に設定される。そして、以上の設定に伴い、以前の遊技履歴に応じたレベル、および演出設定が、当該スロットマシン1に引き継がれることとなる。また、この際、入力されたパスワードそのものがRAM91bに割り当てられたパスワード格納領域に格納されるようになっている。
次に、入力されたパスワードの解析手順について説明する。ROM91cには、図17(a)に示すように、パスワードを構成する文字(ローマ字:26種類、記号6種類の32種類)に対応して0〜31の数値が定められたパスワード解析テーブルが予め記憶されている。サブCPU91aは、図17(b)に示すように、パスワード解析テーブルを参照して、入力されたパスワードを該当する数値に置き換える。例えば、図17(b)に示すようにパスワードが「KZFJC=U*」であれば、図17(a)に示すパスワード解析テーブルに従って、「10−25−5−9−2−26−20−30」に置き換えられる。次いで、置き換えた数値を2進数に変換し、上位2ビット、下位2ビットの合計4ビットの値をランダム値(管理サーバ1200にて、パスワード発行時に取得されたランダム値)として特定し、ランダム値を除いた36ビットの値をランダム値分、右方向にシフトする。例えば、図17(b)に示すように、ランダム値が0110(=6)であればランダム値を除いた36ビットの値を6ビット分、右方向にシフトする。この際、右方向にオーバーフローした値は、上位ビットにシフトする。
次いで、シフト後の36ビットの値からハッシュ値(管理サーバ1200にて、パスワードにばらつきを持たせるために付与された乱数であり、この実施の形態では、ランダム値を除いた36ビットのうち下位4ビット目、下位8ビット目、下位16ビット目、下位23ビット目、下位28ビット目、下位33ビット目の値である。)を除き、それによって得られた30ビットの値から記念日、レベル、機種情報、直近情報およびその他の演出設定を解析する。
この30ビットの値のうち、下位3ビットは記念日を示し、下位4ビットから下位11ビットまでがレベルを示し、下位12ビットから下位24ビットまでが演出設定1〜3を示す値であり、それぞれ5ビット、4ビット、4ビットが割り当てられている。また、下位25ビットから下位27ビットまでが直近情報を示し、下位28ビットから下位30ビットまでが機種情報を示す。これらの値から特定される記念日、レベル、機種情報、直近情報その他の演出設定が、それぞれ、記念日格納領域、レベル格納領域、機種情報格納領域、直近情報格納領域、演出設定格納領域に設定されることとなる。
また、直近情報のうち1ビット目の下位25ビットは、前回のゲーム数が700G以下であるか否かを示し、700G以下の場合「1」とされる。直近情報のうち2ビット目の下位26ビットは、前回のBB回数が10回以上であるか否かを示し、10回以上の場合「1」とされる。直近情報のうち3ビット目の下位27ビットは、前回の遊技から1月以上経過しているか否かを示し、1月以上経過している場合「1」とされる。
また、機種情報は、たとえば、機種のシリーズ、機種の名称、および、機種のスペックなどの区別を示す情報である。
また、上述のようにRAM91bには、個人履歴格納領域が割り当てられており、パスワードを入力し、正規のパスワードと認証されてからの遊技履歴(総ゲーム数、BB回数、RB回数)が蓄積されるようになっている。さらに予めスロットマシン1に設定されたミッション(課題)を達成した場合には、達成したミッションの種類を示す達成ミッションの履歴も蓄積されるようになっている。また、上述のように経験値について、10経験値獲得するごとに、レベル格納領域に格納されたレベルを1つ上昇させるようになっている。
そして、遊技者は、遊技を終える場合に、当該遊技者の遊技履歴、現在のレベル、経験値、獲得コイン数、演出設定(機種情報、および、直近情報は含まず)、達成ミッションの履歴などからなる情報(遊技結果情報)が含まれる2次元コードをスロットマシン1から出力させ、これを携帯端末1100を用いて取得し、この2次元コードに含まれる遊技結果情報を管理サーバ1200が備える後述の遊技者データベースの内容に反映させることができるようになっている。
なお、遊技者により、メインメニュー画面にて、「簡単スタート」が選択されると、パスワードを入力した場合と異なり、以前の遊技履歴を引き継いで遊技を行うことはできないが、遊技者は、「簡単スタート」選択後から遊技終了時までにおける、遊技履歴、現在のレベル、経験値、獲得コイン数、演出設定(機種情報、および、直近情報は含まず)、達成ミッションの履歴などが含まれる2次元コードをスロットマシン1から出力させることができる。
図13(b)に示すように、パスワード入力後や簡単スタートによる遊技開始後のメインメニュー画面では、「データクリア」、「2次元コード作成」、「本日の結果」、「終了」のメニュー項目が表示されるようになっている。例えば、この場合のメインメニュー画面にて、遊技者により、「データクリア」が選択されると、RAM91bに割り当てられた、パスワード格納領域、個人履歴格納領域、経験値格納領域、記念日格納領域、レベル格納領域、機種情報格納領域、直近情報格納領域、演出設定格納領域、獲得コイン格納領域のそれぞれがクリアされる。
また、遊技者により、図13(b)に示すメインメニュー画面にて、「本日の結果」が選択されると、パスワード入力後や簡単スタートによる遊技開始後から現時点までにおける、遊技履歴、現在のレベル、経験値、獲得コインの内容、達成ミッションの履歴などが表示される。
また、遊技者により、図19(a)に示すように、メインメニュー画面にて、「2次元コード作成」が選択されると、サブCPU91aは、2次元コードを生成し、図19(b)に示すように、生成した2次元コードを液晶表示器51に表示させる。ここで表示される2次元コードには、例えば、パスワードを入力した遊技であれば、図20(c)に示すように、管理サーバ1200上の通常更新ページの所在を示すURL(通常更新用URL)と、ゲーム開始時に入力されたパスワードと、2次元コード作成ごとに取得されるランダムな値である遊技乱数(この実施の形態では、32ビットの乱数)と、遊技履歴更新データと、獲得データと、をそれぞれ示す情報が含まれる。ここで、遊技履歴更新データおよび獲得データは、遊技結果情報を構成する。
遊技履歴更新データには、個人履歴格納領域に記憶されている各データ値(総ゲーム数、BB回数、RB回数、達成ミッションの履歴)、レベル格納領域に記憶されているレベル値、経験値格納領域に格納されている経験値、演出設定格納領域に格納されている演出設定1〜3などが格納されている。
また、獲得データは、獲得コイン格納領域に格納されている獲得データ(獲得した金、銀、銅の各コインの枚数を示すデータ)と同一の内容を示す。
ここでは、2次元コードにおいて、総ゲーム数(0〜9999ゲーム)には、14ビット、BB回数(0〜127)には、7ビット、RB回数(0〜63)には、6ビット、レベル値(0〜199)には、8ビット、経験値(0〜999)には、10ビット、演出設定1〜3(それぞれ、0〜99)には、それぞれ、7ビット(合計7×3=21ビット)、達成ミッションの種類(100種類)には、100ビットが用いられる。したがって、遊技履歴更新データには、計166ビットが用いられる。
一方、獲得データ(金コインの枚数、銀コインの枚数、銅コインの枚数(それぞれ、0〜15))には、それぞれ、4ビット(合計4×3=12ビット)が用いられるので、獲得データには、12ビットが用いられる。
このように、アイテムなどの特典の付与に用いられる獲得データについては、遊技履歴の出力に用いられる遊技履歴更新データと異なり、特典の付与に関する情報のデータ量だけで対応できるので、2次元コードに占める割合を、削減することができる。
なお、この実施の形態においては、経験値格納領域に格納されている経験値は、レベルアップに用いられた残りの端数の経験値(すなわち、0〜9)である。
そして、この2次元コードを携帯端末1100により読み取り、2次元コードから特定される管理サーバ1200のURLにアクセスすることで、2次元コードから特定される内容が管理サーバ1200が備える遊技者データベースの内容に反映されるようになっている。
なお、2次元コードの出力においては、図19(b)のように、演出を伴わずに出力されるケースと、所定の条件が成立した際に、図21に示すように、ストックコインの獲得抽選演出を示すJACKPOT演出に伴って出力されるケースがある。JACKPOT演出の詳細については後述する。
なお、パスワードが認証されてから2次元コードが表示されるまでの間は、新たなパスワードの入力が禁止されるようになっている。そして、2次元コードが表示され、演出用スイッチ56の操作により、基本画面に切り替わる際、RAM91bに割り当てられた、パスワード格納領域、個人履歴格納領域、経験値格納領域、記念日格納領域、レベル格納領域、機種情報格納領域、直近情報格納領域、演出設定格納領域、獲得コイン格納領域のそれぞれがクリアされ、再びパスワードの入力が許可されるようになる。
このように、この実施の形態のスロットマシン1では、遊技を開始する際にパスワードを入力することで、以前遊技を行った際のレベルや演出設定など、過去の遊技履歴を反映した(引き継いだ)演出を実行させることが可能となり、長期間にわたり継続性のある演出を行わせることができる。また、遊技の終了後、遊技結果情報を含む2次元コードに、パスワードが含まれるため、パスワードを発行する管理サーバ1200にて、2次元コードに含まれるパスワードを認証することで、パスワードの発行を受けた遊技者であるか否かを判別することが可能となる。したがって、第三者が他人のパスワードを入手して遊技を行い2次元コードを取得したり、他人の2次元コードを取得したりしても、この2次元コードに含まれる遊技結果情報を、管理サーバ1200が備える後述の遊技者データベースに反映させることはできない。これにより、パスワードや2次元コードを流用したり盗用したりしても意味がなくなるため、パスワードおよび2次元コードの流用や盗用を防止することができる。
また、詳細は後述するが、管理サーバ1200によって発行されるパスワードは、その発行の度に変化するランダム値によって変化するため、同一内容の遊技履歴が特定される場合であっても同一パスワードとなる訳ではなく、パスワードを推測することが困難となる。
この実施の形態では、管理サーバ1200からパスワードの発行を受けるためには、予め携帯端末1100を用いて、管理サーバ1200にアクセスし、会員登録を行って、当該携帯端末1100の端末識別情報(SIMデータ)を登録しておく必要がある。この実施の形態では、遊技者により、図13(a)に示すメインメニュー画面にて「会員登録」が選択されると、サブCPU91aは、管理サーバ1200の会員登録ページの所在を示すURLが特定される2次元コード(図20(a)参照)を生成して、液晶表示器51に表示させる。遊技者は、携帯端末1100にて、この2次元コードを読み取ることにより、簡単に管理サーバ1200の会員登録ページにアクセスできる。
図50(A)は、携帯端末1100で2次元コードを読み取っている際の表示部140の表示画面の例を示す図である。このように、オートフォーカスにより焦点が合った状態で、表示画面内の枠内に所定の大きさで、撮影された2次元コードが表示されている状態で、2次元コードの画像が携帯端末1100に取り込まれる。そして、携帯端末1100が備える一般的な2次元コード読み取り用のアプリケーションプログラムにより、読み取った2次元コードが解析される。
図50(B)は、携帯端末1100の表示部140に、2次元コードの解析結果としてのURLが表示されている様子を示す図である。このように、管理サーバ1200の会員登録ページなどの所定のウェブページの所在を示すURLが表示部140に表示される。そして、このURLが選択されることで、このURLによって示される、管理サーバ1200の所定のウェブページにアクセスすることができる。
また、この実施の形態では、予め管理サーバ1200にアクセスして会員登録を済ませていない遊技者であっても、メインメニュー画面にて、上述した「簡単スタート」を選択することで、遊技履歴を蓄積する機能を利用した遊技を開始することができる。但し、この場合では、当然ながら、以前の遊技履歴を引き継いで遊技を行うことはできない。
「簡単スタート」を選択して遊技を開始した後、遊技を終了する際に表示される2次元コードは、パスワードを入力して開始した場合と異なる。具体的には、図20(b)に示すように、通常更新用URLの代わりに、管理サーバ上の簡単スタート用のページの所在を示すURLが含まれており、パスワードが含まれていない構成となっている。他の情報は、パスワードを入力した遊技にもとづく2次元コードと同様である。
そして、遊技者は、この2次元コードを携帯端末1100により読み取り、読み取った2次元コードから特定される管理サーバ1200のURLにアクセスする。管理サーバ1200は、アクセスした携帯端末の端末識別情報(SIMデータ)が既に登録されているか否かを判定する。アクセスした携帯端末の端末識別情報が登録されていない場合には、管理サーバ1200は、当該端末識別情報に対応付けた当該遊技者用の遊技者情報(詳細は後述する)を、後述する遊技者データベースに新規に登録し、当該追加した遊技者情報に、スロットマシン1から出力された2次元コードに含まれる遊技結果情報を反映する。
一方、アクセスした携帯端末の端末識別情報が既に登録されている場合には、管理サーバ1200は、遊技者データベースの当該端末識別情報に対応付けられた遊技者情報に、当該2次元コードに含まれる遊技結果情報を反映する。
このように、この実施の形態のスロットマシン1では、会員登録済みであるか否かに関わらず、遊技者は、メインメニュー画面にて「簡単スタート」を選択するだけで、遊技履歴を蓄積する機能を利用した遊技を開始することができる。
この実施の形態のサブCPU91aは、上述のようにメインメニュー画面から移行する各種メニュー画面を表示させた後、遊技者により何らの操作もなされない場合には、所定時間が経過すると、基本画面に切り替えるようになっている。
また、サブCPU91aは、遊技者により、パスワードが入力されるか、あるいは、「簡単スタート」が選択された場合、これらの操作が行われなかった場合の演出態様(通常演出モード)とは異なる演出態様である特定演出モードに制御状態を変更する。
例えば、図18に示すように、液晶表示器51の表示領域には、その一部に特定演出領域51a、51bが割り当てられており、通常演出モードでは、図18(a)に示すように、特定演出領域51a、51bに規則的な模様のみが表示されるようになっている。
これに対して、特定演出モードに制御された場合には、図18(b)に示すように、特定演出領域51aには、遊技者が設定した演出設定にもとづくキャラクタが表示され、特定演出領域51bには、当該遊技者のレベル値(パスワードから特定されるレベル値)および次回レベル上昇までに要する経験値を示す経験値メータが表示されるようになっている。なお、特定演出モードにおいて特定演出領域51a、51bに表示される対象は、上記に限られず、例えば、ミッションの達成状況などを表示するようにしてもよい。
但し、「簡単スタート」の選択による特定演出モードでは、演出設定やレベル値などを特定できないため、特定演出領域51aには、遊技者が設定した演出設定ではなく、デフォルトの演出設定にもとづくキャラクタが表示され、特定演出領域51bにおいても、デフォルトの値にもとづいて、レベル値および経験値メータが表示される(例えば、レベル値ならば、0、経験値メータならば、0レベル)。
また、サブCPU91aは、通常演出モードか、特定演出モードかに関わらず、基本画面が表示されている状態でストップスイッチ8Cが一定時間以上操作されると、特定演出領域51a、51bを消去する。なお、デフォルトの設定では、特定演出領域51a、51bが表示されるようになっており、本システムに係る遊技の開始操作(パスワードの入力や「簡単スタート」の選択)がなされた場合や遊技の終了操作(「データクリア」や「2次元コード作成」の選択)がなされた場合には、それまで特定演出領域51a、51bが消去されていても、再び、特定演出領域51a、51bが表示される。
また、この実施の形態では、特定演出モードと、通常演出モードとでは、特定演出領域51a、51b以外の領域における表示態様は、どちらも同じであり、同様の演出が行われることとなる。例えば、演出モードに関わらず、背景で雨が降る演出が行われ、これにより内部抽選の結果などが示唆される。
上記のように、特定演出領域51a、51b以外の領域における表示態様が同じではあるが、特定演出モードでは、例えば、特別役の当選期待度に応じて、特定演出領域51a、51bの表示内容を変化させるような演出を行うことも可能である。
このように、特定演出領域51a、51b以外の領域の表示態様は、特定演出モードと通常演出モードとで共通化できるため、使用する画像データや動画データの容量の抑制が図れる。
なお、液晶表示器51の特定演出領域51bに表示される遊技履歴は、上記のようなレベル値や経験値に限られず、累積ゲーム数や累積ボーナス回数、さらには、上述した、演出の実行条件となるレベル値、累積ゲーム数や累積ボーナス数までの残り値などを表示するようにしてもよい。
続いて、本発明の管理装置を適用した管理サーバ1200について説明する。管理サーバ1200は、上述したように、一般的なサーバコンピュータと同等のハードウェアを備える構成であり、インターネット網900を介して、携帯端末1100とのデータ通信が可能となっている。管理サーバ1200は、携帯端末1100からのアクセスの要求内容に応じて、当該遊技者に対応する遊技情報の登録や更新、パスワードの発行、特典の付与などを行う。なお、この実施の形態では、管理サーバ1200には、端末識別情報(SIMデータ)が付与された携帯端末のみからアクセスが可能とされており、端末識別情報が付与されていない携帯端末や端末識別情報は付与されているものの、端末識別情報の送信を拒否した携帯端末からのアクセスは拒否される。
管理サーバ1200は、遊技者の遊技情報を管理するための遊技者データベースと、遊技者の遊技ごとの遊技結果の履歴を管理する遊技履歴データベースと、遊技者に対して付与される特典データについての情報を管理するための特典データベースと、を備えている。
遊技者データベースには、図22(a)に示すように、遊技者の所有する携帯端末1100を識別可能な端末識別情報(SIMデータ)、現在のステータス(待機中/遊技中)、パスワード(最後に発行されたもの)、現在までの総ゲーム数、総BB回数、総RB回数、現在のレベル、(端数の)経験値、獲得コイン(金、銀、銅の各コインの枚数)、ポイント、持点、演出設定1〜3の設定内容、ミッション別の達成状況(達成済みのミッションは1、未達成のミッションは0)などからなる遊技者情報が、遊技者別(端末識別情報別)に登録されている。なお、遊技者情報には、このほかにも、図示はしないが、遊技者名(登録ネーム)、性別、生年月日、都道府県などの遊技者の個人情報(会員情報)も含まれている。
遊技履歴データベースには、図22(b)に示すように、遊技を行った遊技者の所有する携帯端末1100を識別可能な端末識別情報(SIMデータ)、遊技日時、当該遊技開始時にスロットマシン1に入力されたパスワード、当該遊技の遊技終了時にスロットマシン1にてランダムに取得された遊技乱数、当該遊技でのゲーム数、当該遊技でのBB回数、当該遊技でのRB回数、当該遊技の終了時のレベル値、当該遊技の終了時の(端数の)経験値、当該遊技で獲得した金、銀、銅の各コインの枚数、当該遊技の遊技終了時の演出設定1〜3の設定内容、当該遊技でのミッション別達成状況などからなる遊技履歴情報が登録されている。
特典データベースには、図22(c)に示すように、特典を識別可能な特典IDに対応して、特典データ(コンテンツデータ、あるいは、交換券や応募券を示す2次元コードなど)の格納場所、特典データの種別、特典を付与する条件の種別、該当する種別の条件値などからなる特典データ情報が登録されている。条件の種別としては、コイン、ポイント、持点(詳細は後述する)、レベル、ミッションの達成率、ゲーム数、BB回数、RB回数などが設定可能であり、その種別に応じた条件値(コインの種類および枚数、ポイント数、点数など)が設定可能である。
次に、サブ制御部91が内部クロックのカウント値にもとづいて1.12秒の間隔で実行するタイマ割込処理(サブ)について説明する。
図23に示すように、タイマ割込処理(サブ)においては、まず、使用中のレジスタをスタック領域に退避する(ステップS4001)。
次いで、停電判定処理を行う(ステップS4002)。停電判定処理では、電断検出回路98から電圧低下信号が入力されているか否かを判定し、電圧低下信号が入力されていれば、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合には停電と判定し、その旨を示す電断フラグを設定する。
S4002のステップにおける停電判定処理の後、電断フラグが設定されているか否かを判定し(ステップS4003)、電断フラグが設定されていた場合には電断処理(サブ)に移行する。電断処理(サブ)では、前述した破壊診断用データやRAMパリティ調整用データなどをRAM91cに格納する処理などを実行する。
電断フラグが設定されていない場合にはコマンド解析処理を実行する(ステップS4004)。コマンド解析処理では、コマンドバッファにコマンドが格納されているか否かを判定し、コマンドバッファにコマンドが格納されていればコマンドバッファからコマンドを取得する。そして、取得したコマンドに応じた処理を実行する。コマンド解析処理が終了した後は、図24に示すメインメニュー表示処理を実行する(ステップS4005)。
メインメニュー表示処理では、パスワードの入力の有無に応じたメインメニューを表示する処理を実行する。メインメニュー表示処理の実行後は、図25に示すパスワード入力前メインメニュー操作処理を実行する(ステップS4006)。
パスワード入力前メインメニュー操作処理では、パスワード入力前に表示した各メニューに対して行われた操作に関する処理を実行する。パスワード入力前メインメニュー操作処理後は、レベル・コイン関連処理を実行する(ステップS4007)。
レベル・コイン関連処理では、後述する経験値やレベルアップに関する処理や、アイテムの付与を受けるための権利となるコイン(金、銀、銅の3種類)を付与に関する処理などを実行する。レベル・コイン関連処理後は、パスワード入力後メインメニュー操作処理を実行する(ステップS4008)。
パスワード入力後メインメニュー操作処理では、光電センサ57により携帯端末1100が検出されたときにメインメニューを表示するための処理やパスワード入力後に表示した各メニューに対して行われた操作に関する処理を実行する。パスワード入力後メインメニュー操作処理後は特別演出実行処理を実行する(ステップS4009)。
特別演出実行処理では、光電センサ57によりゲーム中に遊技者の動作が検出されたときに特別演出を実行するための処理を実行する。
次いで、サブCPU91aは、所定演出の実行の有無や種類を決定する処理や所定演出を実行する処理を行う所定演出処理を実行する(ステップS4010)。なお、この実施の形態において、「所定演出」とは、演出結果として有利遊技状態に制御されるか否か(本例では、ボーナスに内部当選しているか否か)を示唆する有利可能性示唆結果または特典が付与されたこと(本例では、コインを獲得したこと)を示唆する特典付与示唆結果を、共通態様の演出を実行した後に報知する演出である。この実施の形態では、後述するように、所定演出として、ルーレットを球が回転するような態様の演出が実行される。また、所定演出は、新たなゲームを開始するタイミングで開始され、各リールの停止操作を可能となる直前のタイミングで演出結果が停止表示され終了される。
次いで、サブCPU91aは、所定演出処理を終了すると、タイマ割込処理(サブ)を終了する。
なお、図示はしないが、タイマ割込処理(サブ)では、ボーナスでのゲームや通常中のゲームを実行するための処理も行っている。
次に、遊技者のメインメニュー画面を介して操作に応じて実行される各処理の内容について詳細に説明する。
図24は、スロットマシン1で実行されるメインメニュー表示処理(図23に示すタイマ割込処理(サブ)のS4005の処理)の手順を示すフローチャートである。先ず、サブCPU91aは、現在の遊技状態が、ゲーム終了後(設定変更後)から賭数が設定されるまでの間の状態であるか否かを判定する(ステップS2201)。この状態でないと判定した場合(ステップS2201;NO)、サブCPU91aは、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
一方、ゲーム終了後から賭数が設定されるまでの間の状態であると判定した場合(ステップS2201;YES)、サブCPU91aは、現在の制御状態が特定演出モードであるか否かを判定する(ステップS2202)。
特定演出モードでない、すなわち、通常演出モードである場合(ステップS2202;NO)、サブCPU91aは、図13(a)で示すようなパスワード入力前(「簡単スタート」選択前)のメインメニュー画面を液晶表示器51に表示するよう表示制御回路92を制御する。これにより、パスワード入力前のメインメニュー画面が液晶表示器51の表示領域に表示される(ステップS2203)。その後、サブCPU91aは、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
一方、特定演出モードである場合(ステップS2202;YES)、サブCPU91aが光電センサ57からの検出信号の入力があったか否かを判定する(ステップS2204)。
光電センサ57からの検出信号の入力がなかった場合(ステップS2204;NO)、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。光電センサ57からの検出信号の入力があった場合(ステップS2204;YES)、検出信号の入力レベルが所定値以上であるか否かを判定する(ステップS2205)。すなわち、光電センサ57の受光素子57bで受光した反射光の光量が所定量以上であるか否かを判定することで、発光素子57aの照射光が携帯端末1100で反射したか否かを判定する。
検出信号の入力レベルが所定値以上でない場合(ステップS2205;NO)、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。検出信号の入力レベルが所定値以上の場合(ステップS2205;YES)、携帯端末を検出したことを示す携帯端末検出時報知を行う(ステップS2206)。
報知は、例えば、液晶表示器51からのメッセージや画像の表示(メインメニューが表示されるまでの時間をカウントダウン表示するなど)、スピーカ53,54からの音声の出力などによって行われる。
携帯端末検出時報知を行った後には、サブCPU91aは、図13(b)で示すようなパスワード入力後(「簡単スタート」選択後)のメインメニュー画面を液晶表示器51に表示するよう表示制御回路92を制御する。これにより、パスワード入力後のメインメニュー画面が液晶表示器51の表示領域に表示される(ステップS2207)。その後、サブCPU91aは、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
従来は、メインメニュー画面を表示させるための操作を行ってから2次元コードを表示させるための操作を行う必要があったが、この実施の形態では、携帯端末1100を検出したときに自動的にメインメニュー画面を表示するので、携帯端末1100を用いて2次元コードの取得を行う際の手間を省くことができ、2次元コードの取得の際に遊技者が感じる煩わしさを解消できる。
また、携帯端末1100を検出したことを報知するので、遊技者は携帯端末が検出されたことを確認することが可能になり、2次元コードの取得を確実に行うことができる。
また、携帯端末1100を検出した場合にメインメニュー画面を表示するので、メインメニュー画面を表示するか否かの判定を確実に行うことができる。
なお、携帯端末検出時報知を行った後に所定のスイッチが操作された場合にメインメニューを表示する遊技機に本発明を適用することも可能である。
また、携帯端末1100を特定領域に近づけるための目安(例えば、ガイドラインや小さなキャラクターなど)を液晶表示器51から表示する遊技機に本発明を適用することも可能である。
また、この実施の形態では、携帯端末1100を検出したときにメインメニュー画面を自動的に表示する例を挙げて説明するが、携帯端末1100を検出したときに直接2次元コードを自動的に表示することも可能である。
図25は、スロットマシン1で実行されるパスワード入力前メインメニュー操作処理(図23に示すタイマ割込処理(サブ)のS4006の処理)の手順を示すフローチャートである。この処理は、パスワード入力前(または「簡単スタート」選択前)のメインメニュー画面(図13(a)参照)にて、遊技者により何れかのメニュー項目の選択操作が行われることで開始される。
遊技者により「ストックコインのヒント」が選択された場合(ステップS2301;YES)、サブCPU91aは、ストックコイン格納領域に記憶されているストックコインデータを参照し、蓄積されているコインの状況に応じて、図14の(a)〜(d)で示されるヒント画面のうちから何れか一の画面を選択して表示する(ステップS2302)。但し、上述したように、ストックコインデータの再設定後から、所定時間(例えば、1時間)経過していない場合には、ストックコインデータの価値内容に関わらず、図14の(a)〜(d)で示されるヒント画面のうちの予め定められた一の画面(例えば、図14(c)で示す画面)を表示する。これにより、遊技者は、当該スロットマシン1に、ストックコインがどれぐらい蓄積されているかを予測することができる。ヒント画面の表示中に、演出用スイッチ56が操作されると、メインメニュー画面に戻る。なお、ヒント画面の表示中に、何も操作されない状態が所定時間継続すると、基本画面に戻る。
あるいは、遊技者により「会員登録」が選択された場合(ステップS2303;YES)、サブCPU91aは、管理サーバ1200の会員登録ページの所在を示すURLが特定される2次元コード(図20(a)参照)を生成して、液晶表示器51に表示させる(ステップS2304)。遊技者は、携帯端末1100を操作して、表示された2次元コードを撮像させ、携帯端末1100の内部に取り込ませる(2次元コード画像を記憶部120(図2参照)に保存する)ことができる。2次元コードの表示中に、演出用スイッチ56が操作されるか、あるいは、何も操作されない状態が所定時間継続すると、基本画面に戻る。
また、あるいは、遊技者により「簡単スタート」が選択された場合(ステップS2305;YES)、サブCPU91aは、メインメニュー画面を閉じて、基本画面を液晶表示器51に表示させると共に、通常演出モードから特定演出モードに制御状態を変更する(ステップS2306)。また、この場合、サブCPU91aは、特定演出モードに制御したことを示す特定演出モードフラグもセットする。また、サブCPU91aは、液晶表示器51の特定演出領域51aに、デフォルトの演出設定にもとづくキャラクタを表示し、特定演出領域51bに、デフォルトの値に基づいたレベル値および経験値メータを表示する(例えば、レベル値ならば、0、経験値メータならば、0レベル)。
また、あるいは、遊技者により「パスワード入力」が選択された場合(ステップS2307;YES)、サブCPU91aは、パスワード入力受付処理を実行する(ステップS2308)。
図26は、このパスワード入力受付処理の手順を示すフローチャートである。先ず、サブCPU91aは、パスワード入力画面を液晶表示器51に表示するよう表示制御回路92を制御する。これにより、パスワード入力画面(図15b)参照)が、液晶表示器51の表示領域に表示される(ステップS2401)。
遊技者は、携帯端末1100の表示画面に表示させた(図50(F)参照)、管理サーバ1200から発行されたパスワードを見ながら、ストップスイッチ8L,8R、演出用スイッチ56を操作して、パスワード入力画面に当該パスワードを入力する。
そして、図16(b)に示すように、遊技者によって、パスワード入力画面にてパスワードの決定の操作がなされると(ステップS2402;YES)、サブCPU91aは、上述したようにして(図17参照)、入力されたパスワードの解析を行う(ステップS2403)。
解析の結果、入力されたパスワードが正規のパスワードでない場合(ステップS2404;NO)、サブCPU91aは、上述した、パスワードの入力が受け付けられなかったことを示すパスワードNG画面(図示略)を液晶表示器51に表示させる(ステップS2405)。パスワードNG画面の表示中、演出用スイッチ56が操作されるか、あるいは、所定時間が経過すると、基本画面に切り替わる。
一方、入力されたパスワードは正規のパスワードであるが(ステップS2404;YES)、パスワードに含まれる機種情報が、当該スロットマシン1とは異なる機種を示すものである場合(ステップS2406;YES)、サブCPU91aは、異なる機種である旨を表示する演出を行うよう液晶表示器51を制御する(ステップS2407)。その結果、図27に示すように、異なる機種のパスワードが入力された旨を、キャラクタが話している演出画面が液晶表示器51の特定演出領域51aに表示される。
この演出画面は、所定時間経過すると、通常演出モードの基本画面(図18(a)参照)に切り替わる。すなわち、異なる機種のパスワードが入力された場合は、パスワードの入力は受け付けたものの、特定演出モードに移行せず、遊技履歴を蓄積する機能を利用した遊技を開始することはできない。
一方、異なる機種でない場合(ステップS2406;NO)、サブCPU91aは、パスワードOK画面(図16(c)参照)を液晶表示器51に表示させる(ステップS2408)。パスワードOK画面の表示中、演出用スイッチ56が操作されるか、あるいは、所定時間が経過すると、基本画面に切り替わる。
パスワードOK画面から基本画面に切り替わる際、サブCPU91aは、パスワードの解析結果にもとづいて、レベルや演出設定などをセットする(ステップS2409)。また、サブCPU91aは、入力されたパスワードをRAM91bに割り当てられたパスワード格納領域に格納する。さらに、サブCPU91aは、通常演出モードから特定演出モードに制御状態を変更する(ステップS2410)。また、この場合、サブCPU91aは、特定演出モードに制御したことを示す特定演出モードフラグもセットする。さらに、サブCPU91aは、パスワードが入力されて遊技が開始された場合であることを示すパスワード入力フラグもセットする。なお、レベルや演出設定などのセットや特定演出モードへの移行は、パスワードOK画面を表示するタイミングで行っても構わない。
以上の設定に伴い、以前の遊技履歴に応じたレベルや演出設定が、当該スロットマシン1に引き継がれることとなる。また、特定演出モードに移行することで、遊技者は、遊技履歴を蓄積する機能を利用した遊技を開始することができる。
次にサブCPU91aは、パスワードに含まれる直近情報のうち、3ビット目で示される、前回の遊技から1月以上経過しているか否かを示すフラグをチェックして、当該フラグが、前回の遊技から1ヶ月以上経過していることを示す「1」であるか否かを判定する(ステップS2411)。
その結果、前回の遊技から1ヶ月以上経過していることが示されている場合(ステップS2411;YES)、サブCPU91aは、その旨を示す演出を実行する(ステップS2413)。例えば、最近遊技をしていないので、今回は、多数回の遊技を行って欲しい旨をキャラクタが話している演出画面が、液晶表示器51の表示領域に表示される。
一方、前回の遊技から1ヶ月以上経過していることが示されていない場合(ステップS2411;NO)、サブCPU91aは、パスワードの解析により導出されたフラグの値に応じて、前回遊技を示唆する演出(前回遊技示唆演出)を実行する(ステップS2412)。より詳細には、サブCPU91aは、パスワードに含まれる直近情報のうちの1ビット目で示される、前回のゲーム数が700ゲーム以下であるか否かを示すフラグの値、または、2ビット目で示される、前回のBB回数が10回以上であるか否かを示すフラグの値に応じて、前回遊技示唆演出を実行する。例えば、サブCPU91aは、「この前はボーナス回数が10回以上だったよ。すごいね。」などや、「この前はあんまり回してなかったから今日はがんばって」などのような表示による演出を実行するよう液晶表示器51を制御する。
図25に示すパスワード入力前メインメニュー操作処理に戻り、パスワード入力受付処理が終了した後には、サブCPU91aは演出設定処理を実行する(S2309)。演出設定処理では、メインメニュー画面から演出設定画面(図示せず)に切り替え、演出設定画面を表示する。遊技者は、演出設定画面に表示された複数種類の演出のうちいずれか1つを設定する(例えば、キャラクタを複数のうちから選択)。演出の設定は、例えば、ストップスイッチを押下して選択を行い、演出用スイッチ56を押下して選択した演出に決定することで行われる。なお、演出設定画面の表示中に、演出用スイッチ56を押下するか、何も操作されない状態が所定時間継続すると、基本画面に戻る。
遊技者により「終了」が選択された場合(ステップS2310;YES)、サブCPU91aは、図13(c)に示すような終了確認画面を液晶表示器51に表示させる(ステップS2311)。ここで、遊技者により「YES」を選択する操作が行われるか、あるいは、所定時間が経過すると、基本画面に切り替わる。あるいは、遊技者により「NO」を選択する操作が行われると、メインメニュー画面(図13(a)参照)に戻る。
図28は、スロットマシン1で実行されるレベル・コイン関連処理(図23に示すタイマ割込処理(サブ)のS4007の処理)の手順を示すフローチャートである。この処理は、1ゲームの遊技ごとに実行される。先ず、サブCPU91aは、現在の制御状態が特定演出モードであるか否かを判定する(ステップS2601)。その結果、特定演出モードでないと判定した場合(ステップS2601;NO)、サブCPU91aは、実行する処理をステップS2614の処理に進める。なお、特定演出モードであるか否かは、具体的には、特定演出モードフラグがセットされているか否かを確認することにより判定できる。
一方、特定演出モードであると判定した場合(ステップS2601;YES)、すなわち、パスワードが入力されて遊技が開始された場合または「簡単スタート」が選択されて遊技が開始された場合であれば、サブCPU91aは、図11で示される条件などの所定の達成条件が成立したか否かを判定する(ステップS2602)。その結果、達成条件が成立していない場合(ステップS2602;NO)、サブCPU91aは、実行する処理をステップS2607の処理に進める。
一方、達成条件が成立した場合(ステップS2602;YES)、サブCPU91aは、その達成条件に応じて、経験値や達成ミッションの履歴を更新する(ステップS2603)。サブCPU91aは、更新後の経験値が、レベルに応じた所定値(この実施の形態においては、レベルに関わらず、10経験値)以上になったか否かを判定する(ステップS2604)。その結果、経験値が所定値以上になっていない場合(ステップS2604;NO)、サブCPU91aは、実行する処理をステップS2607の処理に進める。
一方、経験値が所定値以上となった場合(ステップS2604;YES)、サブCPU91aは、経験値にもとづいて、可能な限りレベルをアップ(レベル値を増加)させる(ステップS2605)。そして、サブCPU91aは、経験値から、アップしたレベル分の値を減算する(ステップS2606)。例えば、レベルを2アップさせた場合は、20経験値(10経験値×2)が減算される。
ステップS2607では、サブCPU91aは、その他の遊技履歴(総ゲーム数、BB回数、RB回数など)の更新を行う。次に、サブCPU91aは、上述したようなコインの獲得条件(図12(a),(b)参照)が成立したか否かを判定する(ステップS2608)。その結果、獲得条件が成立していない場合(ステップS2608;NO)、サブCPU91aは、実行する処理をステップS2614の処理に進める。
一方、獲得条件が成立した場合(ステップS2608;YES)、サブCPU91aは、パスワードが入力されて遊技が開始された場合であるか否かを確認する(ステップS2608A)。なお、パスワードが入力されて遊技が開始された場合であるか否かは、具体的には、パスワード入力フラグがセットされているか否かを確認することにより判定できる。パスワードが入力されて遊技が開始された場合であれば、サブCPU91aは、コイン獲得の有無を決定するためのコイン決定テーブルとして、パスワード入力時用のコイン決定テーブルを選択する(ステップS2608B)。一方、パスワードが入力されて遊技が開始された場合でなければ(すなわち、「簡単スタート」が選択された場合であれば)、サブCPU91aは、コイン獲得の有無を決定するためのコイン決定テーブルとして、パスワード非入力時用のコイン決定テーブルを選択する(ステップS2608C)。
そして、サブCPU91aは、ステップS2608B,S2608Cで選択したコイン決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、その成立した条件に応じた抽選処理を実行する(ステップS2609)。この場合、パスワードが入力されて遊技が開始された場合であれば、ステップS2608Bで選択されたパスワード入力時用のコイン決定テーブルを用いて、図12(a)で示した獲得確率に従ってコインを付与すると決定される。一方、「簡単スタート」が選択されて遊技が開始された場合であれば、ステップS2608Cで選択されたパスワード非入力時用のコイン決定テーブルを用いて、図12(b)で示した獲得確率に従ってコインを付与すると決定される。
ステップS2610の抽選処理の結果、抽選に当選しなかった場合(ステップS2610;NO)、サブCPU91aは、実行する処理をステップS2614の処理に進める。一方、抽選に当選した場合(ステップS2610;YES)、サブCPU91aは、当選結果(コインの種類および枚数)に応じて、RAM91bに割り当てられた獲得コイン領域に記憶されている獲得データを更新する(ステップS2611)。
なお、成立した獲得条件がレベル高、中のミッション達成であって、ストックコインがある場合(何れかの種類のコインが1枚あればよい)、上述したように、さらに、コインが追加付与される。その際、サブCPU91aは、追加付与した分のコインを、ストックコインから減ずる。但し、ストックコインにおいて、追加付与したコインと同一種類のコインが、追加枚数分、存在しない場合には、ストックコインにおける当該種類のコインの枚数を0枚にする(元々0枚の場合は、0枚のままとなる。)。
ステップS2614では、サブCPU91aは、ストックコインを加算する(ストックする)ためのストック条件(図12(c)参照)が成立したか否かを判定する。その結果、ストック条件が成立していない場合(ステップS2614;NO)、サブCPU91aは、実行する処理をステップS2616の処理に進める。一方、ストック条件が成立した場合(ステップS2614;YES)、サブCPU91aは、コインをストックするための抽選処理(ストック抽選処理)を実行する(ステップS2615)。
この実施の形態では、上述したように、ボーナスの当選、あるいは、100ゲームの消化(但し、ボーナス状態でのゲームは除く)を条件として、ストック抽選処理が実行される。なお、図12(c)に示す例では、100ゲームの消化を条件とする場合、当選確率を20%にしているが、現在のストックコインの内容に応じて、当選確率を変化させてもよい。例えば、ストックコインにおける各コインの枚数の総計が、15枚以下の場合は、16枚以上の場合に比べ、当選確率を高くしてもよい。
ストック抽選処理の結果、抽選に当選しなかった場合(ステップS2616;NO)、サブCPU91aは、実行する処理をステップS2616の処理に進める。一方、抽選に当選した場合(ステップS2616;YES)、サブCPU91aは、当選結果(コインの種類および枚数)に応じて、RAM91bに割り当てられたストックコイン格納領域に記憶されているストックコインデータを更新する(ステップS2617)。
ステップS2618では、サブCPU91aは、スロットマシン1の電源がONされてから所定時間(例えば、20時間)経過したか否かを判定する。その結果、電源がONされてから所定時間経過していない場合(ステップステップS2616;NO)、サブCPU91aは、実行する処理をレベル・コイン関連処理の呼出元の処理に戻す。
一方、電源がONされてから所定時間経過している場合(ステップS2616;YES)、サブCPU91aは、ストックコインデータを再設定するための抽選処理(ストックコインデータ再設定抽選処理)を実行する(ステップS2619)。この処理では、先ず、ストックコイン格納領域がクリアされ、価値内容がそれぞれ異なる(すなわち、金、銀、銅の各枚数の組み合わせが異なる)複数のストックコインデータのうちから、抽選により、一のストックコインデータを決定する。サブCPU91aは、決定したストックコインデータをストックコイン格納領域に格納する(ステップS2620)。そして、サブCPU91aは、実行する処理をレベル・コイン関連処理の呼出元の処理に戻す。
なお、金コインを獲得した場合に金コイン獲得を報知するように構成してもよい。図29は、金コイン獲得を報知する場合のレベル・コイン関連処理(図23に示すタイマ割込処理(サブ)のS4007の処理)の手順の変形例を示すフローチャートである。図29に示す例では、ステップS2611の処理を実行した後に、サブCPU91aは、金コインを獲得したか否かを判定する(ステップS2612)。その結果、金コインを獲得していない場合(S2612;NO)、サブCPU91aは、実行する処理をステップS2614の処理に進める。一方、金コインを獲得した場合(S2612;YES)、金コインを獲得したことの報知を実行する(ステップS2613)。報知は、例えば、液晶表示器51から金コインを獲得した旨のメッセージや画像の表示、スピーカ53,54からの音声の出力などによって行われる。
詳しくは図47のアイテム付与処理で説明するように、金コインを獲得すると遊技者が設定した演出態様に関連するアイテムや遊技者が所望するアイテムを得ることができる。このため、金コインを獲得した旨の報知を行うと、遊技者は喜びを感じて遊技への意欲が高まるため、スロットマシン1の稼働率を向上させることができる。
図30は、スロットマシン1で実行されるパスワード入力後メインメニュー操作処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、パスワード入力後(または「簡単スタート」選択後)のメインメニュー画面(図13(b)参照)にて、遊技者により何れかのメニュー項目の選択操作が行われることで開始される。
遊技者により「本日の結果」が選択された場合(ステップS2701;YES)、サブCPU91aは、パスワード入力後や簡単スタートによる遊技開始後から現時点までにおける、当該遊技者の遊技履歴などの内容を示す画面(図示せず)を液晶表示器51に表示させる(ステップS2702)。具体的には、サブCPU91aは、RAM91bに割り当てられた、個人履歴格納領域、経験値格納領域、レベル格納領域、獲得コイン格納領域などから、遊技履歴、達成ミッションの履歴、経験値、レベル、獲得データなどを取得する。そして、取得したこれらのデータ内容を示した画面を生成し、液晶表示器51に表示させる。
あるいは、遊技者により「データクリア」が選択された場合(ステップS2703;YES)、サブCPU91aは、制御状態を特定演出モードから通常演出モードに変更する(ステップS2704)と共に、パスワード入力後や簡単スタートによる遊技開始後から現時点までにおける、当該遊技者の遊技履歴などをクリアする(ステップS2705)。具体的には、サブCPU91aは、RAM91bに割り当てられた、パスワード格納領域、個人履歴格納領域、経験値格納領域、記念日格納領域、レベル格納領域、機種情報格納領域、直近情報格納領域、演出設定格納領域、獲得コイン格納領域のそれぞれをクリアする。
あるいは、遊技者により「2次元コード作成」が選択された場合(ステップS2706;YES)、サブCPU91aは、2次元コード表示処理を実行する(ステップS2707)。
図31は、この2次元コード表示処理の手順を示すフローチャートである。先ず、サブCPU91aは、ストックコインを獲得するための抽選条件(ストックコインの獲得抽選条件)が成立したか否かを判定する(ステップS2801)。この実施の形態では、パスワード入力後、または「簡単スタート」選択後から1000ゲーム(但し、ボーナス状態でのゲームは除く)消化していること、さらに、金コインが3枚以上ストックされていること、の何れの条件も満たしている場合に、ストックコインの獲得抽選条件が成立したとして判定される。
その結果、ストックコインの獲得抽選条件が成立していない場合(ステップS2801;NO)、サブCPU91aは、実行する処理をステップS2807の処理に進める。一方、ストックコインの獲得抽選条件が成立した場合(ステップS2801;YES)、サブCPU91aは、ストック獲得抽選フラグをONにする(ステップS2802)と共に、パスワード入力後、または「簡単スタート」選択後から現時点までのメダル差枚数を算出する(ステップS2803)。メダル差枚数は、当該遊技期間において、遊技者が獲得したメダルの総枚数から、遊技者が投入したメダルの総枚数を差し引くことで求められる。
メダル差枚数の算出後、サブCPU91aは、ストック獲得抽選処理を実行する(ステップS2804)。この実施の形態において、この抽選処理では、メダル差枚数が、マイナスである場合には、プラスである場合よりも、当選確率が高くなるようになっている。
ストック獲得抽選処理の結果、抽選に当選しなかった場合(ステップS2805;NO)、サブCPU91aは、実行する処理をステップS2807の処理に進める。一方、抽選に当選した場合(ステップS2805;YES)、サブCPU91aは、当選結果(コインの種類および枚数)に応じて、RAM91bに割り当てられた獲得コイン領域に記憶されている獲得データを更新する(ステップS2806)。この実施の形態では、ストック獲得抽選処理で当選すると、ストックコインの全てを獲得できる仕様となっている。したがって、サブCPU91aは、抽選に当選すると、ストックコイン格納領域に格納されているストックコインデータを、金、銀、銅の各コインの枚数が0となるように更新する。
ステップS2807では、サブCPU91aは、当該特定演出モードでの遊技が、「簡単スタート」の選択によるものか否かを判定する。その結果、簡単スタートでの遊技である場合(ステップS2807;YES)、サブCPU91aは、簡単スタートでの遊技に対応した2次元コード(図20(b)参照)を生成する(ステップS2808)。
一方、簡単スタートでの遊技でない、すなわち、パスワード入力による遊技である場合(ステップS2807;NO)、サブCPU91aは、パスワード入力による遊技に対応した2次元コード(図20(c)参照)を生成する(ステップS2809)。
そして、ストック抽選フラグがONである場合(ステップS2810;YES)、サブCPU91aは、ストック獲得抽選フラグをOFFにする(ステップS2811)。また、サブCPU91aは、液晶表示器51に、ストックコインの獲得抽選演出画面を表示させると共に、生成した2次元コードを表示させる(ステップS2812)。具体的には、サブCPU91aは、図21(a)に示すような、JACKPOT演出画面を液晶表示器51に表示させる。そして、先のストック獲得抽選処理にて、抽選に当選していない場合には、サブCPU91aは、図21(b)に示すような、ストックコインを獲得できなかった旨を示唆するJACKPOT演出画面と、生成した2次元コード合成した画面を液晶表示器51に表示させる。一方、抽選に当選している場合には、図21(c)に示すような、ストックコインを獲得できた旨を示唆するJACKPOT演出画面と、生成した2次元コード合成した画面を液晶表示器51に表示させる。
一方、ストック抽選フラグがONでない場合(ステップS2810;NO)、サブCPU91aは、生成した2次元コードを、図19(b)に示すように、演出のない通常態様で液晶表示器51に表示させる(ステップS2813)。
演出の有無に関わらず、2次元コードの表示中に、演出用スイッチ56が操作されるか、あるいは、何も操作されない状態が所定時間継続すると、基本画面に戻る。その際、サブCPU91aは、制御状態を特定演出モードから通常演出モードに変更する(ステップS2814)。また、サブCPU91aは、パスワード入力後や簡単スタートによる遊技開始後から現時点までにおける、当該遊技者の遊技履歴などをクリアする(ステップS2815)。具体的には、サブCPU91aは、RAM91bに割り当てられた、パスワード格納領域、個人履歴格納領域、経験値格納領域、記念日格納領域、レベル格納領域、機種情報格納領域、直近情報格納領域、演出設定格納領域、獲得コイン格納領域をクリアする。
図27に示すパスワード入力後メインメニュー操作処理に戻り、遊技者により「終了」が選択された場合(ステップS2708;YES)、サブCPU91aは、図13(c)に示すような終了確認画面を液晶表示器51に表示させる(ステップS2709)。ここで、遊技者により「YES」を選択する操作が行われるか、あるいは、所定時間が経過すると、基本画面に切り替わる。あるいは、遊技者により「NO」を選択する操作が行われると、メインメニュー画面(図13(b)参照)に戻る。
図32は、特別演出実行処理(図23に示すタイマ割込処理(サブ)のS4009の処理)を示すフローチャートである。
この処理では、まず、サブCPU91aはゲーム中か否かを判定する(S4101)。ゲーム中でない場合(S4101:NO)、処理を終了する。ゲーム中の場合(S4101:YES)、予め定められた演出が発生したときに、光電センサ57からの検出信号の入力があったか否かを判定する(ステップS4102)。なお、予め定められた演出としては、例えば、光電センサ57が検出可能なように液晶表示器51の前方で動作を行う(手をかざす、あるいは、手を振るなど)ことを遊技者に促すようなメッセージや画像を表示することが挙げられる。光電センサ57からの検出信号の入力がなかった場合(ステップS4102;NO)、処理を終了する。光電センサ57からの検出信号の入力があった場合(S4102;YES)、検出信号の入力レベルが所定値以上であるか否かを判定する(S4103)。すなわち、光電センサ57の受光素子57bで受光した反射光の光量が所定量以上であるか否かを判定することで、遊技者の動作を検出したか否かを判定する。
検出信号の入力レベルが所定値以上の場合(S4103;YES)、処理を終了する。検出信号の入力レベルが所定値以上でない場合(S4103;NO)、すなわち、受光素子57bで受光した反射光の光量が所定量に達せず、遊技者の動作を検出した場合には、その他のときでは実行されることのない特別演出を実行する。特別演出は、例えば、液晶表示器51からプレミアムキャラクターを表示したり、特別なメッセージを表示する、あるいは、敵キャラクターに攻撃を加える様子を液晶表示器51から表示することによって実行される。特別演出によって、例えば、停止ボタンの操作態様を特定するための特定情報を報知する報知期間であるAT(アシストタイム)への移行、ATの継続率引き上げやATのストック数上乗せといったより有利なATの付与、ATに移行しやすい状態の付与、有利RT(リプレイタイム)への移行の許容などを報知することが挙げられる。これにより、前述した予め定められた演出が発生したときに特別演出が実行されることを期待して動作を行わせることができる。特別演出を実行すると処理を終了する。
このように、メインメニュー画面を表示させるために用いる光電センサ57による検出を特別演出を実行するための検出と兼用することによって、スロットマシン1の製造コストの低減を図ることができる。また、特別演出の実行によって演出の興趣を高めることができる。さらに、2次元コードを出力する際に遊技者が感じる煩わしさをなくすことができる。
図33は、所定演出処理(図23に示すタイマ割込処理(サブ)のS4010の処理)を示すフローチャートである。所定演出処理において、サブCPU91aは、所定演出を実行中であることを示す所定演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS701)。
ステップS701で所定演出実行中フラグがセットされていた場合には(すなわち、所定演出の実行中である場合には)、サブCPU91aは、所定演出の演出期間を計測するための所定演出タイマの値を−1する(ステップS702)。そして、所定演出タイマの値が0になったときには(ステップS703)、所定演出を終了する(ステップS704)。また、サブCPU91aは、所定演出実行中フラグをリセットする(ステップS705)。
所定演出実行中フラグがセットされていなければ、サブCPU91aは、ゲームの開始タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS706)。なお、ゲームの開始タイミングとなっているか否かは、具体的には、新たなリール回転開始コマンドを受信しているか否かを確認することにより判定できる。ゲームの開始タイミングでなければ、そのまま処理を終了する。
ゲームの開始タイミングとなっていれば、サブCPU91aは、ボーナスに内部当選しているか否かを特定する(ステップS707)。なお、ボーナスに内部当選しているか否かは、具体的には、受信した内部当選コマンドでボーナスへの内部当選が指定されているか否かを確認することにより特定できる。
次いで、サブCPU91aは、獲得コインがあるか否かを確認する(ステップS708)。なお、獲得コインがあるか否かは、具体的には、レベルコイン関連処理のステップS2611で更新される獲得データを確認することにより判定できる。
獲得コインがある場合には、サブCPU91aは、パスワードが入力されて遊技が開始された場合であるか否かを確認する(ステップS709)。なお、パスワードが入力されて遊技が開始された場合であるか否かは、具体的には、パスワード入力フラグがセットされているか否かを確認することにより判定できる。
パスワードが入力されて遊技が開始された場合であれば、サブCPU91aは、既に以前に実行された所定演出において獲得コインがあることを報知済みであることを示すコイン報知済フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS709X)。コイン報知済フラグがセットされていなければ(すなわち、まだ獲得コインがあることが報知されていなければ)、サブCPU91aは、ステップS707のボーナスに内部当選しているか否かの特定結果に応じて、所定演出の有無および種類を決定するための所定演出決定テーブルとして、コイン報知有り用の所定演出決定テーブルを選択する(ステップS710)。
一方、獲得コインがなかった場合(ステップS708のN)や、パスワードが入力されて遊技が開始された場合でなければ(ステップS709のN)、またはコイン報知済フラグがセットされていた場合(ステップS709XのY)には、サブCPU91aは、ステップS707のボーナスに内部当選しているか否かの特定結果に応じて、所定演出の有無および種類を決定するための所定演出決定テーブルとして、コイン報知無し用の所定演出決定テーブルを選択する(ステップS711)。
そして、サブCPU91aは、ステップS710,S711で選択した所定演出決定テーブルを用いて、乱数にもとづく抽選処理を行い、所定演出の有無および種類の決定を行う(ステップS712)。
ステップS712では、サブCPU91aは、例えば、図34に示す所定演出決定テーブルを用いて、所定演出の有無および種類(いずれの報知結果とするか)を決定する。なお、図34(A)は、コイン報知無し用の所定演出決定テーブルを示している。また、図34(B)は、コイン報知有り用の所定演出決定テーブルを示している。
図34(A)に示すコイン報知無し用の所定演出決定テーブルには、ボーナスに内部当選している場合とボーナスに内部当選していない場合との各々に応じて、所定演出を実行しないことに対応する判定値と、所定演出(×)を実行することに対応する判定値と、所定演出(○)を実行することに対応する判定値とが設定されている。また、図34(B)に示すコイン報知有り用の所定演出決定テーブルには、これらに加えて更に所定演出(コイン)を実行することに対応する判定値も設定されている。なお、所定演出決定テーブルには、少なくとも所定演出を実行することに対応する判定値が設定されていればよい。また、図34には、判定値そのものではなく、判定値数が示されている。
なお、所定演出(×)とは、ボーナスに内部当選しておらず、且つコインも獲得していないこと(以下、はずれの演出結果ともいう)を報知する所定演出である。また、所定演出(○)とは、ボーナスに内部当選していることを報知する所定演出である。また、所定演出(コイン)とは、コインを獲得していることを報知する所定演出である。なお、この実施の形態では、所定演出(コイン)が決定された場合、選択肢(本例では、ルーレットの各ます目)として全て「○」と「×」の選択肢が表示された状態でルーレットを球が回転するような態様の所定演出が実行され、演出結果として一旦「×」の選択肢に球が停止表示したように見せて、その「×」の選択肢が「コイン」の選択肢に切り替わるような態様の演出が実行される。
以上の処理が実行されることによって、この実施の形態では、パスワードが入力されて遊技が開始された場合には、獲得コインがあれば、ステップS710でコイン報知有り用の所定演出決定テーブルが選択されてステップS712の処理が実行されることによって、所定演出(コイン)が決定されて所定演出において獲得コインがあることが報知される場合がある。なお、この実施の形態では、パスワードが入力されて遊技が開始された場合であっても、獲得コインがなければ、ステップS711でコイン報知無し用の所定演出決定テーブルが選択されてステップS712の処理が実行されることによって、所定演出(○)または所定演出(×)のいずれかが実行され、所定演出(コイン)が実行される場合はない。また、この実施の形態では、獲得コインがあっても「簡単スタート」が選択されて遊技が開始された場合であれば、ステップS711でコイン報知無し用の所定演出決定テーブルが選択されてステップS712の処理が実行されることによって、所定演出(○)または所定演出(×)のいずれかが実行され、所定演出(コイン)が実行される場合はない。さらに、パスワードの入力もなく「簡単スタート」の選択もなく遊技が開始された場合には、コインを獲得する場合はないのであるから、必ずステップS708でNと判定され、ステップS711でコイン報知無し用の所定演出決定テーブルが選択されてステップS712の処理が実行されることによって、所定演出(○)または所定演出(×)のいずれかが実行され、所定演出(コイン)が実行される場合はない。
次いで、サブCPU91aは、ステップS712で所定演出を実行することに決定したか否かを確認する(ステップS713)。所定演出を実行しない場合には、そのまま処理を終了する。所定演出を実行することに決定した場合には、サブCPU91aは、ステップS712で決定した所定演出の種類に応じた所定演出実行用の演出データを選択する(ステップS714)。
次いで、サブCPU91aは、所定演出タイマに、決定された所定演出のパターンに応じた時間に対応する値をセットする(ステップS715)。そして、サブCPU91aは、ステップS714で選択した演出データに従って所定演出を開始する(ステップS716)とともに、所定演出実行中フラグをセットする(ステップS717)。
また、サブCPU91aは、所定演出の種類として所定演出(コイン)を決定した場合であれば(ステップS718のY)、コイン報知済フラグをセットする(ステップS719)。なお、この実施の形態では、ステップS709X,S718,S719の処理が実行されることによって、所定演出で獲得コインがあることを報知したときに、その後に実行される所定演出で重複して獲得コインがあることを報知してしまうことを防止している。
図35は、所定演出の演出態様の具体例を示す説明図である。なお、図35に示す例では、一例として、所定演出(コイン)が実行される場合が示されている。新たなゲームが開始され所定演出を実行することに決定された場合には、図35(1)に示すように、液晶表示器51の表示画面に、「○」および「×」の選択肢(図35に示す例では、ルーレットの各ます目に「○」および「×」が表示されている)を含むルーレットの絵が表示される。次いで、図35(2)に示すように、「ルーレットチャンス!」などの所定演出の開始を示唆する表示とともに、ルーレットを球が回転するような演出が開始されることにより、所定演出が開始される。
次いで、演出結果の報知タイミングとなると、図35(3)に示すように、球が一旦「×」のます目に入球するような演出が実行され、恰も所定演出の演出結果がはずれであるかのような演出を実行する。そして、図35(4)に示すように、球が入球したます目が「×」から「コイン」に変化するような演出が実行されることによって、獲得コインがあることが報知される。
なお、図35に示す例では、所定演出(コイン)を実行する場合が示されているが、所定演出(○)を実行する場合には、図35(3)において、「○」のます目に入球するような演出が実行され、そのまま「○」のます目に球が入った状態で確定表示される。また、所定演出(×)を実行する場合には、図35(3)において、「×」のます目に入球するような演出が実行され、その入球した「×」のます目が変化することなく、そのまま「×」のます目に球が入った状態で確定表示される。
また、この実施の形態では、所定演出(コイン)を実行する場合に、図35に示すように、獲得コインの種類が金、銀、銅のいずれであるかにかかわらず、共通の態様で「コイン」と表示して獲得コインがある旨を報知する場合を示しているが、この実施の形態で示した報知態様にかぎられない。例えば、「金コイン」や「銀コイン」、「銅コイン」などと表示したり、「コイン」の表示色を異ならせたりすることによって、獲得コインの種類が金、銀、銅のいずれであるかを特定可能に報知してもよい。また、例えば、「コイン」の表示とともに数字を表示するなどして、獲得コインの枚数も特定可能に表示してもよい。
また、この実施の形態では、ステップS709X,S718,S719の処理が実行されることによって所定演出で獲得コインがあることが一度報知されれば、その後に実行される所定演出では所定演出(コイン)が選択されないようにして重複して獲得コインがあることが報知されることを防止しているが、そのような処理態様にかぎられない。例えば、所定演出で獲得コインがあることを一度報知しても、その後に新たな獲得コインが発生すれば、その後に実行される所定演出において獲得コインがあることを報知するようにして、新たな獲得コインが発生したことを認識可能に構成してもよい。この場合、例えば、「コイン」の表示とともに数字を表示するなどして、獲得コインの増加数も報知するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、ボーナスに内部当選している場合であっても、獲得コインがあることにもとづいて所定演出(コイン)を実行すると決定される場合があり、この場合には、図35に示すような態様で所定演出において獲得コインがあることが報知される(言い換えれば、ボーナスに内部当選していることは所定演出では報知されないことになる)のであるが、所定演出においてボーナスに内部当選していることと獲得コインがあることとの両方を報知可能に構成してもよい。この場合、例えば、図35に示すようなルーレット態様の所定演出において、「○」のます目に入球するような演出を実行することによってボーナスに内部当選していることを報知するとともに、球が入球したます目が「○」から「コイン」に変化したり、「○」とともに「コイン」が表示されるなどの態様で獲得コインがあることも報知するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図35に示すように、「○」および「×」の選択肢のみを含むルーレットの絵を表示して所定演出を開始する場合を示しているが、「コイン」の選択肢も最初から含む態様でルーレットの絵を表示して所定演出を開始するように構成してもよい。以下、図36〜図38を用いて、「コイン」の選択肢も最初から含む態様でルーレットの絵を表示して所定演出を開始する場合の変形例について説明する。
図36は、所定演出処理(図23に示すタイマ割込処理(サブ)のS4010の処理)の変形例を示すフローチャートである。なお、図36において、ステップS701〜S708の処理は、図33で示したそれらの処理と同様である。
図36に示す例では、図33に示したステップS709の処理を行わない。従って、図36に示す例では、サブCPU91aは、ステップS708で獲得コインがあると判定すると、ステップS709Xに移行し、コイン報知済フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS709X)、コイン報知済フラグがセットされていなければ、所定演出の有無および種類を決定するための所定演出決定テーブルとして、コイン報知有り用の所定演出決定テーブルを選択する(ステップS710)。一方、サブCPU91aは、ステップS708で獲得コインがないと判定すると、またはステップS709Xでコイン報知済フラグがセットされていると判定すると、ステップS711に移行し、所定演出の有無および種類を決定するための所定演出決定テーブルとして、コイン報知無し用の所定演出決定テーブルを選択する(ステップS711)。
なお、ステップS712〜S713の処理は、図33に示したそれらの処理と同様である。
次いで、サブCPU91aは、ステップS713で所定演出を実行することに決定したと判定した場合には、特定演出モードに制御されているか否かを確認する(ステップS714A)。なお、特定演出モードに制御されているか否かは、具体的には、特定演出モードフラグがセットされているか否かを確認することにより判定できる。
特定演出モードに制御されていなければ(ステップS714AのN)、パスワードが入力されて遊技が開始された場合でもなく、「簡単スタート」が選択されて遊技が開始された場合でもない。この場合には、コインを獲得することはありえないので、サブCPU91aは、ステップS712で決定した所定演出の種類に応じて、選択肢として「○」および「×」のみを含む(「コイン」の選択肢を含まない)ルーレットの絵を表示して所定演出を開始するコイン無し用の演出データを選択する(ステップS714B)。
特定演出モードに制御されていれば、サブCPU91aは、パスワードが入力されて遊技が開始された場合であるか否かを確認する(ステップS714C)。なお、パスワードが入力されて遊技が開始された場合であるか否かは、具体的には、パスワード入力フラグがセットされているか否かを確認することにより判定できる。
パスワードが入力されて遊技が開始された場合でなければ(すなわち、「簡単スタート」が選択されて遊技が開始された場合であれば)、サブCPU91aは、ステップS712で決定した所定演出の種類に応じて、「○」や「×」の選択肢に加えて「コイン」の選択肢も含むルーレットの絵を表示して所定演出を開始するコイン少用の演出データを選択する(ステップS714D)。
一方、パスワードが入力されて遊技が開始された場合であれば、サブCPU91aは、ステップS712で決定した所定演出の種類に応じて、「○」や「×」の選択肢に加えて「コイン」の選択肢も含むルーレットの絵を表示して所定演出を開始するコイン多用の演出データを選択する(ステップS714E)。
なお、図36〜図38に示す変形例では、パスワードが入力されて遊技が開始された場合には、「簡単スタート」が選択されて遊技が開始された場合と比較して、より多くの「コイン」の選択肢を含むルーレットの絵を表示して所定演出が開始される。従って、ステップS714Dでは「コイン」の選択肢が少ないコイン少用の演出データが選択され、ステップS714Eでは「コイン」の選択肢が多いコイン多用の演出データが選択される。
なお、ステップS715〜S719の処理は、図33に示したそれらの処理と同様である。
図37および図38は、所定演出の演出態様の変形例を示す説明図である。このうち、図37は、「簡単スタート」が選択されて遊技が開始された場合の所定演出の演出態様を示している。また、図38は、パスワードが入力されて遊技が開始された場合の所定演出の演出態様を示している。なお、図37および図38に示す例では、一例として、所定演出(コイン)が実行される場合が示されている。
新たなゲームが開始され所定演出を実行することに決定された場合には、図37(1)および図38(1)に示すように、液晶表示器51の表示画面に、「○」および「×」の選択肢(図35に示す例では、ルーレットの各ます目に「○」および「×」が表示されている)に加えて「コイン」の選択肢(図35に示す例では、ルーレットの各ます目に「コイン」が表示されている)を含むルーレットの絵が表示される。この場合、図37(1)に示すように「簡単スタート」が選択されて遊技が開始された場合には「コイン」の選択肢が2つのみであるのに対して、図38(1)に示すようにパスワードが入力されて遊技が開始された場合には「コイン」の選択肢が4つ含まれ、パスワードが入力されて遊技が開始された場合の方が多くの「コイン」の選択肢を含む態様で所定演出が開始される。
なお、「簡単スタート」が選択されて遊技が開始された場合と、パスワードが入力されて遊技が開始された場合との演出態様の異ならせ方は、図36〜図38に示したものにかぎらず、例えば、「簡単スタート」が選択されて遊技が開始された場合には「コイン」の選択肢が1つのみであるのに対して、パスワードが入力されて遊技が開始された場合には「コイン」の選択肢が3つ含まれるようにすることにより、パスワードが入力されて遊技が開始された場合の方が多くの「コイン」の選択肢を含むようにしてもよく、「コイン」の選択肢の数の設定の仕方は様々なものが考えられる。
また、例えば、パスワードが入力されて遊技が開始された場合にのみ「コイン」の選択肢を含む態様で所定演出が開始されるようにし、「簡単スタート」が選択されて遊技が開始された場合には「○」および「×」の選択肢のみを含む態様で所定演出が開始されるようにしてもよい。
次いで、図37(2)および図38(2)に示すように、「ルーレットチャンス!」などの所定演出の開始を示唆する表示とともに、ルーレットを球が回転するような演出が開始されることにより、所定演出が開始される。
次いで、演出結果の報知タイミングとなると、図37(3)および図38(3)に示すように、球が「コイン」のます目に入球するような演出が実行され、図37(4)および図38(4)に示すように、球が「コイン」のます目に入球したまま確定表示されることによって、獲得コインがあることが報知される。
なお、図37および図38に示す例では、所定演出(コイン)を実行する場合が示されているが、所定演出(○)を実行する場合には、図37(3)および図38(3)において、「○」のます目に入球するような演出が実行され、そのまま「○」のます目に球が入った状態で確定表示される。また、所定演出(×)を実行する場合には、図37(3)および図38(3)において、「×」のます目に入球するような演出が実行され、そのまま「×」のます目に球が入った状態で確定表示される。
また、「簡単スタート」が選択されて遊技が開始された場合でも、パスワードが入力されて遊技が開始された場合でもない場合には、コインを獲得する場合はないのであるから、ステップS714Bで選択したコイン無し用の演出データに従って演出が実行され、「○」および「×」の選択肢しか含まない態様で所定演出が開始され、「○」または「×」の演出結果が報知されることになる。
続いて、管理サーバ1200で実行される各処理の内容について詳細に説明する。
図39は、管理サーバ1200で実行されるサーバメイン処理の手順を示すフローチャートである。このサーバメイン処理は、携帯端末1100から、管理サーバ1200が管理する各ウェブページへのアクセス要求がある度に実行される。管理サーバ1200の制御部210は、このアクセス要求に応じて、以下の各処理を実行する。
携帯端末1100から、会員登録用のウェブページへのアクセス要求があった場合(ステップS2901;YES)、制御部210は、会員登録処理を実行する(ステップS2902)。
図40は、この会員登録処理の手順を示すフローチャートであり、図51は、この処理に関しての、携帯端末1100と管理サーバ1200間のデータのやり取りを示す図である。制御部210は、会員登録要求の送信元の携帯端末1100の端末識別情報(SIMデータ)が、遊技者データベースに既に登録されているか否かを判定する(ステップS3001)。端末識別情報が遊技者データベースに登録済みである場合(ステップS3001;YES)、制御部210は、遊技者の操作に応じて携帯端末1100から送信される会員情報(例えば、遊技者名(登録ネーム)、性別、生年月日、都道府県などの個人情報など)を、端末識別情報に対応する遊技者情報に反映する(ステップS3002)。これにより、例えば、遊技者は、後述する簡単スタートでの更新はしていたものの、未だ会員情報を登録していなかった場合に、会員情報のみを追加登録することができ、あるいは、登録済みの会員情報を変更することができる。
一方、端末識別情報が遊技者データベースに登録済みでない場合(ステップS3001;NO)、制御部210は、当該遊技者(当該端末識別情報)に対応する遊技者情報を遊技者データベースに新規登録する(ステップS3003)。この場合の遊技者情報には、端末識別情報と、遊技者の操作に応じて携帯端末1100から送信される会員情報のみが格納される。そして、制御部210は、会員登録要求を行った携帯端末1100に対して登録結果を通知する(ステップS3004)。登録結果を受けた携帯端末1100では、登録結果が表示され、遊技者にその旨が通知される。
図39に示すサーバメイン処理に戻り、携帯端末1100から、簡単スタート更新用のウェブページへのアクセス要求があった場合(ステップS2903;YES)、制御部210は、簡単スタート更新処理を実行する(ステップS2904)。
図41は、この簡単スタート更新処理の手順を示すフローチャートであり、図52は、この処理に関しての、スロットマシン1と携帯端末1100、携帯端末1100と管理サーバ1200間のデータのやり取りを示す図である。制御部210は、簡単スタート更新要求の送信元の携帯端末1100の端末識別情報(SIMデータ)が、遊技者データベースに既に登録されているか否かを判定する(ステップS3101)。当該端末識別情報が遊技者データベースに登録済みでない場合(ステップS3101;NO)、制御部210は、当該遊技者(当該端末識別情報)に対応する遊技結果情報を遊技者データベースに新規登録する(ステップS3102)。そして、制御部210は、実行する処理をステップS3104の処理に進める。
一方、当該端末識別情報が遊技者データベースに登録済みである場合(ステップS3101;YES)、制御部210は、当該更新要求から特定される遊技乱数と同じものが、遊技履歴データベースの当該端末識別情報に対応する遊技履歴情報に格納されているか否かを判定する(ステップS3103)。その結果、同一の遊技乱数が遊技履歴情報に格納されている場合(ステップS3103;YES)、以前の更新要求に用いられたのと同一の2次元コードによる更新要求である可能性が極めて高いため、制御部210は、遊技履歴などの更新が不可である旨を、当該端末識別情報で示される携帯端末1100に送信する(ステップS3110)。その後、制御部210は、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
一方、同一の遊技乱数が遊技履歴情報に格納されていない場合(ステップS3103;NO)、制御部210は、当該携帯端末1100から受信した、遊技履歴更新データ、獲得データなどにもとづいて、遊技者データベースの当該遊技者に対応する遊技者情報の内容を更新すると共に、遊技履歴データベースに遊技履歴情報を追加登録する(ステップS3104)。また、遊技者情報のステータスを待機中に更新する。なお、ここでの遊技者情報の更新処理では、レベルおよび経験値は更新されず、以下に説明するレベル・経験値更新処理で更新される。
次に、制御部210は、レベル・経験値更新処理を実行する(ステップS3105)。図43は、このレベル・経験値更新処理の手順を示すフローチャートである。
制御部210は、当該遊技者(端末識別情報)に対応する遊技者情報に含まれるレベルを、受信した遊技履歴更新データに含まれるレベルに更新する(ステップS3301)。さらに、制御部210は、当該遊技者情報に含まれる経験値に、受信した遊技履歴更新データに含まれる経験値を加算する(ステップS3302)。制御部210は、この加算の結果、経験値がレベルに応じた所定値(この実施の形態においては、レベルに関わらず、10経験値)以上になったか否かを判定する(ステップS3303)。その結果、経験値が所定値以上になっていない場合(ステップS3303;NO)、制御部210は、実行する処理をステップS3306の処理に進める。
一方、経験値が所定値以上となった場合(ステップS3303;YES)、制御部210は、レベルを1つアップ(レベル値を1つ増加)させる(ステップS3304)。そして、制御部210は、経験値から、1つアップしたレベル分の値(ここでは、10経験値)を減算する(ステップS3305)。以上により、遊技者情報に含まれるレベルおよび経験値が更新される。
ステップS3306では、制御部210は、ポイントを付与するための抽選処理を実行する。ポイントとは、獲得コインと同様、特典の付与を受ける際の交換価値となるものである。この抽選処理で当選しなかった場合(ステップS3307;NO)、制御部210は、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
一方、当選した場合(ステップS3307;YES)、制御部210は、当該遊技者に対応する遊技者情報に含まれる持点(詳細は後述する)が、1000点以上であるか否かを判定する(ステップS3308)。
その結果、持点が1000点以上でない場合(ステップS3308;NO)、制御部210は、受信した遊技履歴更新データに含まれる総ゲーム数に応じたポイントを、当該遊技者に対応する遊技者情報に含まれるポイントに加算する(ステップS3309)。例えば、総ゲーム数の1/10のポイントを加算する。この場合、総ゲーム数が1000ゲームであれば、1000×1/10=100ポイントが加算される。そして、制御部210は、実行する処理をステップS3311の処理に進める。
一方、持点が1000点以上である場合(ステップS3308;YES)、制御部210は、受信した遊技履歴更新データに含まれる総ゲーム数に応じたポイントの2倍を、当該遊技者に対応する遊技者情報に含まれるポイントに加算する(ステップS3310)。例えば、総ゲーム数の1/10のポイントの2倍を加算する。この場合、総ゲーム数が1000ゲームであれば、1000×1/10×2=200ポイントが加算される。
制御部210は、当該遊技者に対応する遊技者情報に含まれる持点をクリアする(ステップS3311)。そして、制御部210は、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
図41に示す簡単スタート更新処理に戻り、ステップS3106では、制御部210は、遊技履歴の更新が完了した旨を当該端末識別情報で示される携帯端末1100に送信する(ステップS3106)。次に、制御部210は、当該端末識別情報で示される携帯端末1100からの簡単スタート更新要求が通算で5回以上送信されてきたか否かを判定する(ステップS3107)。
その結果、5回以上送信されてきていない場合(ステップS3107;NO)、制御部210は、実行する処理をステップS3109の処理に進める。一方、5回以上送信されてきている場合(ステップS3107;YES)、制御部210は、パスワードの発行を受けて遊技を行うことを推奨する旨のパスワード推奨案内を当該端末識別情報で示される携帯端末1100に送信する(ステップS3108)。
ステップS3109では、制御部210は、履歴表示処理を実行する。履歴表示処理は、当該遊技者に対応する遊技者情報にもとづいて、当該遊技者の遊技履歴を携帯端末1100で表示させるための処理である。これにより、携帯端末1100の表示部140に、例えば、今回のゲーム数、BB回数、RB回数、および、今回までに累積されたゲーム数、BB回数、RB回数などが表示される。なお、履歴表示処理において、今回の遊技のダイジェストが表示されるようにしてもよい。
図39に示すサーバメイン処理に戻り、携帯端末1100から、通常更新用のウェブページへのアクセス要求があった場合(ステップS2905;YES)、制御部210は、通常更新処理を実行する(ステップS2906)。
図42は、この通常更新処理の手順を示すフローチャートであり、図53は、この処理に関しての、スロットマシン1と携帯端末1100、携帯端末1100と管理サーバ1200間のデータのやり取りを示す図である。制御部210は、通常更新要求の送信元の携帯端末1100の端末識別情報(SIMデータ)が、遊技者データベースに既に登録されているか否かを判定する(ステップS3201)。当該端末識別情報が遊技者データベースに登録済みでない場合(ステップS3201;NO)、制御部210は、遊技履歴などの更新が不可である旨を、当該端末識別情報で示される携帯端末1100に送信する(ステップS3209)。その後、制御部210は、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
一方、当該端末識別情報が遊技者データベースに登録済みである場合(ステップS3201;YES)、制御部210は、当該更新要求から特定されるパスワードと、遊技者データベースの当該端末識別情報に対応する遊技者情報に格納されているパスワードとが一致するか否かを判定する(ステップS3202)。その結果、パスワードが一致する場合(ステップS3202;YES)、制御部210は、実行する処理をステップS3204の処理に進める。
一方、パスワードが不一致の場合(ステップS3202;NO)、制御部210は、1文字のみの不一致であって、パスワード入力時の配列上の前後1字の違いであるか否かを判定する(ステップS3203)。パスワード入力時の配列上の前後1字の違いとは、図15(b)に示すパスワード入力画面の前後1文字であり、例えば、正規のパスワードに含まれる1文字が「Z」であれば、その前後1字とは「Y」と「=」が該当する。
その結果、2文字以上の不一致、または、前後1字違いでない場合(ステップS3203;NO)、制御部210は、遊技履歴などの更新が不可である旨を、当該端末識別情報で示される携帯端末1100に送信する(ステップS3209)。
一方、1文字のみの不一致であって、前後1字違いである場合(ステップS3203;YES)、入力ミスの条件を満たすとして、パスワードが発行された遊技者であると一応認証し、制御部210は、実行する処理をステップS3204の処理に進める。
ステップS3204では、制御部210は、当該更新要求から特定されるパスワードまたは遊技乱数と同じものが、遊技履歴データベースの当該端末識別情報に対応する遊技履歴情報に格納されているか否かを判定する。その結果、同一のパスワードまたは遊技乱数が遊技履歴情報に格納されている場合(ステップS3204;YES)、以前の更新要求に用いられたのと同一の2次元コードによる更新要求である可能性が極めて高いため、制御部210は、遊技履歴などの更新が不可である旨を、当該端末識別情報で示される携帯端末1100に送信する(ステップS3209)。
一方、同一のパスワードおよび遊技乱数の何れも遊技結果情報に格納されていない場合(ステップS3204;NO)、制御部210は、当該携帯端末1100から受信した、遊技履歴更新データ、獲得データなどにもとづいて、遊技者データベースの当該遊技者に対応する遊技者情報の内容を更新すると共に、遊技履歴データベースに遊技履歴情報を追加登録する(ステップS3205)。また、遊技者情報のステータスを待機中に更新する。なお、ここでの遊技者情報の更新処理では、レベルおよび経験値は更新されず、以下のレベル・経験値更新処理で更新される。
次に、制御部210は、レベル・経験値更新処理を実行する(ステップS3206)。レベル・経験値更新処理の内容は、上述した通り(図43参照)である。
制御部210は、遊技履歴の更新が完了した旨を当該端末識別情報で示される携帯端末1100に送信する(ステップS3207)。そして、制御部210は、履歴表示処理を実行する(ステップ3208)。この履歴表示処理の内容は、図41のステップS3109の処理と同様である。
なお、以上の通常更新処理において、パスワードが、1文字のみの不一致であって、前後1字違いである場合(ステップS3203;YES)の遊技者情報の更新では、受信した、遊技履歴更新データ、獲得データなどにもとづいて、該当する全ての項目を更新するのではなく、このうち、総ゲーム数、総BB回数、総RB回数、当該遊技者情報に格納されているレベルで出現しうる達成ミッションの種類など、遊技履歴の連続性に影響のない項目のみ更新し、レベル、演出設定、当該遊技者情報に格納されているレベルでは出現しない達成ミッションの種類など、遊技履歴の連続性に影響する項目や、獲得コインなどの更新が行われないようにしてもよい。その際、更新完了の通知においては、パスワードが完全には一致しなかったが入力ミスの範囲であったこと、そのため、連続性に影響のない一部の項目しか更新されなかったことを併せて通知するようにしてもよい。このようにすれば、遊技者は、パスワードの入力をミスしたが、遊技履歴は無事更新されたことを認識することができる上、更新されていない遊技履歴があっても、その原因を特定することが可能となる。
また、入力ミスの条件は、任意の設計事項であり、管理サーバ1200に登録されているパスワードと、更新要求に含まれるパスワードの双方に類似性があり、入力ミスである可能性が高いと推測されるものであればよい。例えば、双方のパスワードが1文字だけしか異ならないことのみをもって入力ミスの条件が満たされたと判定してもよいし、2文字まで前後1字違いの相違であることをもって入力ミスの条件が満たされたと判定してもよい。また、双方のパスワードで異なる文字が「O」と「0」のように見間違う可能性の高い文字である場合や、大文字と小文字の違いなど、類似性が高いと推測されるものは、入力ミスの条件を満たすものと判定してもよい。
図39に示すサーバメイン処理に戻り、携帯端末1100から、メニュー画面用のウェブページへのアクセス要求があった場合、すなわち、メニューデータ取得要求があった場合(ステップS2907;YES)、制御部210は、当該要求の送信元の携帯端末1100の端末識別情報(SIMデータ)が、遊技者データベースに既に登録されているか否かを判定する(ステップS2908)。その結果、当該端末識別情報が遊技者データベースに登録済みでない場合(ステップS2908;NO)、制御部210は、メニューデータの取得が不可である旨を、当該端末識別情報で示される携帯端末1100に送信する(ステップS2911)。その後、制御部210は、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
一方、当該端末識別情報が遊技者データベースに登録済みである場合(ステップS2908;YES)、制御部210は、メニューデータを当該端末識別情報で示される携帯端末1100に送信する(ステップS2909)。これにより、当該携帯端末1100の表示部140には、図50(D)に示されるようなメニュー画面が表示される。このメニュー画面には、管理サーバ1200が管理するサイトで、遊技者に提供され得る項目のメニューが表示される。具体的には、パスワード発行、履歴表示、達成ミッションの表示、獲得コイン数の表示、カスタム設定、ゲームの実行、アバターの設定、ショップでのコンテンツなどの購入、掲示板の閲覧および投稿、などを行うための各リンクが表示される。遊技者により、所望のリンクが選択されると、制御部210は、メニュー選択受付処理を実行する(ステップS2910)。
図44は、このメニュー選択受付処理の手順を示すフローチャートである。遊技者により、パスワード発行のリンクが選択されると(ステップS3401;YES)、制御部210は、パスワード発行処理を実行する(ステップS3402)。
図45は、このパスワード発行処理の手順を示すフローチャートである。制御部210は、当該要求の送信元の携帯端末1100の端末識別情報(SIMデータ)が、遊技者データベースに既に登録されているか否かを判定する(ステップS3501)。その結果、当該端末識別情報が遊技者データベースに登録済みでない場合(ステップS3501;NO)、制御部210は、パスワードの発行が不可である旨を、当該端末識別情報で示される携帯端末1100に送信する(ステップS3502)。その後、制御部210は、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
一方、当該端末識別情報が遊技者データベースに登録済みである場合(ステップS3501;YES)、制御部210は、当該遊技者に対応する遊技者情報および遊技履歴情報にもとづいて、レベル、機種情報、直近情報、記念日、および、その他の演出設定などの情報を取得し、取得した各情報にもとづいて、図17(b)を参照して説明した手順と逆の手順に従って、パスワードを生成し、生成したパスワードを当該端末識別情報で示される携帯端末1100に送信する(ステップS3503)。
そして、制御部210は、生成したパスワードを、前回発行パスワードとして、当該遊技者に対応する遊技者情報に格納すると共に、ステータスを遊技中に更新する(ステップS3504)。その後、制御部210は、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
図50(F)は、パスワード発行のリンクが選択されたときに、携帯端末1100の表示部140に表示されるパスワード表示画面の例を示す図である。遊技者は、このパスワード表示画面を見ながら、スロットマシン1に対して、パスワードを入力することができる。
この実施の形態の管理サーバ1200では、パスワードの発行要求を受け付けた際に、該当する遊技者情報のステータスが遊技中であっても、パスワードの発行が禁止されることはなく、このような状況で新たにパスワードの発行要求を受け付けた場合でも、新たにパスワードが発行されるようになっている。したがって、パスワードの発行を受けたものの、遊技を行わなかった場合や、遊技を行ったものの2次元コードを取得しなかった場合、あるいは、2次元コードを取得したものの更新要求を行わなかった場合でも、パスワードを解放するためのアクセスを行うことなく、新たにパスワードの発行を受けることが可能となっている。
図44に示すメニュー選択受付処理に戻り、遊技者により、獲得コイン数のリンクが選択されると(ステップS3403;YES)、制御部210は、遊技者データベースの当該遊技者に対応する遊技者情報を参照して、当該遊技者が現在獲得している、金、銀、銅の各コインの枚数を取得し、その結果を示した画面データを当該携帯端末1100に送信する(ステップS3404)。これにより、当該携帯端末1100の表示部140には、図50(H)に示されるような現在の獲得コインの内容を示す画面が表示される。
また、あるいは、遊技者により、ゲーム実行のリンクが選択されると(ステップS3405;YES)、制御部210は、ゲーム提供処理を実行する(ステップS3406)。
図46は、このゲーム提供処理の手順を示すフローチャートである。制御部210は、当該携帯端末1100に対して、ゲームアプリケーション(この実施の形態では、スロットマシンゲーム)を送信する(ステップS3601)。これにより、遊技者は、当該携帯端末1100にて、図50(I)に示されるようなスロットマシンゲームを実行することができる。このスロットマシンゲームでは、同一図柄が、横方向または斜め方向で揃うことで、その図柄に応じて、持点がアップする仕様となっている。また、このゲームアプリケーションは、遊技者によりその実行が終了されると、その実行結果として、管理サーバ1200に対して、遊技者が獲得した持点を送信する。
ゲームアプリケーションの実行結果、すなわち、持点が受信されなかった場合(ステップS3602;NO)、制御部210は、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。一方、持点が受信された場合(ステップS3602;YES)、制御部210は、受信した持点を、遊技者データベースの当該遊技者に対応する遊技者情報に更新登録する。
また、制御部210は、受信した持点に応じたコイン(金、銀、銅)を、当該遊技者情報に含まれる獲得コインに加算する(ステップS3604)。
また、制御部210は、受信した持点に応じたポイントを、当該遊技者情報に含まれるポイントに加算する(ステップS3605)。そして、制御部210は、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
図44に示すメニュー選択受付処理に戻り、遊技者により、ショップのリンクが選択されると(ステップS3407;YES)、制御部210は、アイテム付与処理を実行する(ステップS3408)。
図47は、このアイテム付与処理の手順を示すフローチャートであり、図54は、この処理に関しての、携帯端末1100と管理サーバ1200間のデータのやり取りを示す図である。制御部210は、当該携帯端末1100の端末識別情報(SIMデータ)が、遊技者データベースに既に登録されているか否かを判定する(ステップS3701)。その結果、当該端末識別情報が遊技者データベースに登録済みでない場合(ステップS3701;NO)、制御部210は、アイテム付与が不可である旨を、当該携帯端末1100に送信する(ステップS3702)。その後、制御部210は、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
一方、当該端末識別情報が遊技者データベースに登録済みである場合(ステップS3701;YES)、制御部210は、遊技者データベースの当該遊技者に対応する遊技者情報から獲得コインを抽出し、遊技者が銀コインまたは銅コインを獲得しているか否かを判定する(ステップS3703)。
銀コインまたは銅コインを獲得している場合(ステップS3703;YES)、図25のS2309に示す演出設定処理内で演出の設定が行われていたか否かを判定する(ステップS3704)。演出の設定が行われていた場合(ステップS3704;YES)、S3707の処理に進む。演出の設定が行われていなかった場合(ステップS3704;NO)、遊技者データベースからゲーム数を抽出し、ゲーム数が1000ゲーム以上であったか否かを判定する(ステップS3705)。
ゲーム数が1000ゲーム以上でなかった場合(ステップS3705;NO)、アイテム獲得抽選で使用する抽選テーブルとして抽選テーブルE(図48(E)参照)を選択する(ステップS3712)。ゲーム数が1000ゲーム以上であった場合(ステップS3705;YES)、アイテム設定処理を実行する(ステップS3706)。
アイテム設定処理では、複数種類のアイテム(例えば、アイテムAまたはアイテムB)を示すアイテムリストを携帯端末1100に送信する。アイテム要求を行った携帯端末1100の表示部140には付与可能なアイテムを示す画面が表示される。遊技者により、所望のアイテム種別に対応したリンクが設定されることによって、選択されたアイテム種別を示すデータが管理サーバ1200に対して送信される。制御部210は、当該携帯端末1100から、遊技者が所望するアイテム種別を受信すると、受信したアイテム種別を特典データベースに格納する。
アイテム設定処理が終了すると、制御部210はゲーム数が5000ゲーム以上であったか否かを判定する(ステップS3707)。そして、この判定結果と演出の設定内容またはアイテムの設定内容とからアイテム獲得抽選で使用する抽選テーブルとして抽選テーブルA〜D(図48に示す(A)〜(D)参照)のうちから選択する(ステップS3708)。抽選テーブルの選択が行われると、遊技者に付与するアイテムを決定するアイテム獲得抽選処理を実行する(ステップS3709)。アイテム獲得抽選処理が終了すると、該処理で実行されるアイテム獲得抽選で決定したアイテム種別のアイテムデータを特典データベースが示す格納場所から読み出してアイテムを抽出し(ステップS3710)、当該携帯端末1100に送信する(ステップS3711)。
ここで、図48を用いてアイテム獲得抽選で使用する抽選テーブルA〜Eについて説明する。
図48(A)に示すように、抽選テーブルAでは、アイテムAの付与確率が60%に設定され、アイテムBの付与確率が40%に設定されている。抽選テーブルAは、設定された演出にアイテムAが関連するかまたはアイテム設定処理でアイテムAが設定された場合で、かつゲーム数が5000ゲーム以上の場合にアイテム獲得抽選で用いられる。
図48(B)に示すように、抽選テーブルBでは、アイテムAの付与確率が80%に設定され、アイテムBの付与確率が20%に設定されている。抽選テーブルBは、設定された演出にアイテムAが関連するかまたはアイテム設定処理でアイテムAが設定された場合で、かつゲーム数が5000ゲーム以内の場合にアイテム獲得抽選で用いられる。
図48(C)に示すように、抽選テーブルCでは、アイテムAの付与確率が40%に設定され、アイテムBの付与確率が60%に設定されている。抽選テーブルCは、設定された演出にアイテムBが関連するかまたはアイテム設定処理でアイテムBが設定された場合で、かつゲーム数が5000ゲーム以上の場合にアイテム獲得抽選で用いられる。
図48(D)に示すように、抽選テーブルDでは、アイテムAの付与確率が20%に設定され、アイテムBの付与確率が80%に設定されている。抽選テーブルDは、設定された演出にアイテムBが関連するかまたはアイテム設定処理でアイテムBが設定された場合で、かつゲーム数が5000ゲーム以内の場合にアイテム獲得抽選で用いられる。
図48(E)に示すように、抽選テーブルEでは、アイテムAの付与確率が50%に設定され、アイテムBの付与確率が50%に設定されている。抽選テーブルEは、演出の設定が行われておらず、かつゲーム数が1000ゲーム以内の場合にアイテム獲得抽選で用いられる。
このように、抽選テーブルA〜Dにおいては、演出を設定した場合には、演出を設定しない場合よりも設定した演出に関連するアイテムの付与確率が高くなるとともに、ゲーム数が1000ゲームを越えている場合には、ゲーム数が1000ゲーム以内である場合よりも遊技者が設定したアイテムの付与確率が高くなるように、アイテムの付与確率が設定されている。また、抽選テーブルA〜Dにおいては、ゲーム数が5000ゲームを越えている場合にはアイテムの付与確率が変更される。
図47に示すアイテム付与処理に戻り、銀コインまたは銅コインを獲得していない場合(ステップS3703;NO)、金コインを獲得したか否かを判定する(ステップS3710)。金コインを獲得していなかった場合、すなわち結果的に金、銀、銅のいずれのコインも獲得していなかった場合(ステップS3713;NO)、処理を終了する。金コインを獲得していた場合(ステップS3713;YES)、図25のS2309に示す演出設定処理内で演出の設定が行われていたか否かを判定する(ステップS3714)。
演出の設定が行われていた場合(ステップS3714;YES)、S3716の処理に進む。演出の設定が行われていなかった場合(ステップS3714;NO)、アイテム設定処理を実行する(ステップS3715)。アイテム設定処理ではステップS3706と同様の処理が行われる。この後、演出の設定内容またはアイテムの設定内容からアイテム種別を特定し、特定したアイテム種別のアイテムデータを特典データベースが示す格納場所から読み出してアイテムを抽出し(ステップS3716)、当該携帯端末1100に送信する(ステップS3711)。これにより、遊技者は、コンテンツデータを示す2次元コードなどのデータを取得することができる。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、スロットマシン1は、有利遊技状態(本例では、ボーナス)とは異なる特典(本例では、金、銀、銅のコイン)を付与する。また、遊技に関連する遊技関連情報(本例では、総ゲーム数や、BB回数、RB回数、獲得コインなどの遊技履歴)を特定可能に記憶し、その遊技関連情報を特定可能な情報を出力(本例では、2次元コードを表示)する。また、遊技者の操作にもとづいて、遊技関連情報を特定可能な情報を出力するための設定(本例では、パスワードの入力)を行い、遊技関連情報を出力するための設定が行われているときには、遊技関連情報を出力するための設定が行われていないときと比較して有利に特典を付与する。そして、演出結果として有利遊技状態に制御されるか否かを示唆する有利可能性示唆結果(本例では、「○」や「×」の演出結果)または特典が付与されたことを示唆する特典付与示唆結果(本例では、「コイン」の演出結果)を、共通態様の演出(本例では、ルーレットを球が回転するような態様の演出)を実行した後に報知する示唆演出(本例では、所定演出)を実行する。そのため、遊技関連情報を出力するための設定を行っていれば、特典が有利に付与され示唆演出で特典が付与されていることが報知される割合も高くなるのであるから、遊技関連情報を出力するための設定を行っている遊技者に対して、特典の付与に関する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、スロットマシン1は、特典として所定の交換価値(本例では、金、銀、銅のコイン)を付与する。そして、管理サーバ1200は、所定の交換価値が消費されることによって、所定の有利価値(本例では、アイテム)を付与する。そのため、遊技関連情報を出力するための設定を行っている遊技者に対して、特典としての所定の交換価値の付与に関する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、スロットマシン1は、示唆演出において、有利可能性示唆結果として有利遊技状態に制御されることを示唆する有利遊技示唆結果(本例では、「○」の演出結果)または有利遊技状態に制御されないことを示唆する非有利遊技示唆結果(本例では、「×」の演出結果)を報知可能である。また、遊技関連情報を出力するための設定が行われているときには、示唆演出において、それぞれの演出結果に対応した選択肢表示を複数表示した選択肢表示演出(本例では、図35に示すように、「○」および「×」の選択肢を含むルーレットの絵を表示して、ルーレットを球が回転するような演出)の実行を開始した後に、非有利遊技示唆結果から特典付与示唆結果に切り替えて報知可能である(本例では、図35(3)に示すように一旦「×」の演出結果となると見せておいてから、図35(4)に示すように「×」の演出結果から「コイン」の演出結果に切り替える)。そのため、示唆演出の報知態様に意外性をもたせることによって、遊技関連情報を出力するための設定を行っている遊技者に対して、特典の付与に関する興趣をさらに向上させることができる。
また、この実施の形態において、図36〜図38に示す変形例のように構成すれば、スロットマシン1は、スロットマシン1は、遊技関連情報を出力するための設定が行われているときには、遊技関連情報を出力するための設定が行われていないときに表示される非有利遊技示唆結果に対応した選択肢表示を特典付与示唆結果に対応した選択肢表示に差し替えて表示して選択肢表示演出の実行を開始(本例では、図37および図38に示すように、パスワードを入力して遊技が開始された場合には、「簡単スタート」が選択されて遊技が開始された場合と比較して、「コイン」の選択肢をより多く含む態様でルーレットを球が回転するような演出が開始される)した後に、特典付与示唆結果を報知可能である。そのため、示唆演出の報知態様に意外性をもたせることによって、遊技関連情報を出力するための設定を行っている遊技者に対して、特典の付与に関する興趣をさらに向上させることができる。
なお、この実施の形態では、示唆演出(本例では、所定演出)において、有利遊技状態としてボーナスに内部当選しているか否かを報知する場合を示したが、示唆演出において報知される有利遊技状態は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、有利遊技状態としてAT(アシストタイム)やRT(リプレイタイム)、ARTに移行したことを示唆演出において報知可能に構成してもよい。また、例えば、小役や再遊技役に当選したことも示唆演出において報知可能に構成してもよい。
また、この実施の形態では、特典として金、銀、銅のコインを付与する場合を示したが、特典として付与される情報は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、この実施の形態で示したような経験値を特典ととらえ、パスワードが入力されて遊技が開始された場合には、そうでない場合と比較して有利に経験値が付与されるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、スロットマシン1側で特典(本例では、金、銀、銅のコイン)を付与する処理を行い、管理サーバ1200側でその特典にもとづいて所定の有利価値(本例では、アイテム)を付与する処理を行うように構成する場合を示しているが、例えば、特典を付与する処理を不要とし、スロットマシン1側で所定の有利価値を付与する処理まで行うように構成してもよい。この場合、スロットマシン1は、所定の有利価値(例えば、画像などのアイテム)を付与するか否かを決定する処理を行い、決定した画像などのアイテムを液晶表示器51に表示するようにすればよい。また、例えば、スロットマシン1は、画像などのアイテムを直接表示するのではなく、画像などのアイテムを付与するか否かの決定結果を含む2次元コードを表示するように構成してもよい。そして、遊技者が携帯端末1100を用いて、その2次元コードを撮影してWebサーバにアクセスすると、その決定された画像などのアイテムを携帯端末1100にダウンロード可能に構成してもよい。そして、そのように構成したスロットマシン1において、パスワードが入力されて遊技が開始された場合には、そうでない場合と比較して有利に所定の有利価値が付与されるように構成すればよい。
また、この実施の形態では、遊技関連情報を特定可能な情報を出力するための設定として、パスワードを入力する操作を例に示しているが、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、パスワードを入力する操作に加えて、「簡単スタート」を選択する操作も、遊技関連情報を特定可能な情報を出力するための設定ととらえてもよい。この場合、例えば、パスワードの入力および「簡単スタート」の選択のいずれの操作も行われなかった場合にも少ない割合で特典が付与されるように構成し、パスワードの入力操作または「簡単スタート」の選択操作が行われた場合には、そうでない場合と比較して有利に特典が付与されるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、示唆演出(本例では、所定演出)として、ルーレットを球が回転するような演出を実行する場合を示したが、示唆演出の演出態様は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、同じルーレット態様の演出であっても、ルーレットが回転動作を行うような態様の演出を実行してもよい。また、例えば、示唆演出として、サイコロが回転するような演出を行い、サイコロのいずれの目で止まるかによって演出結果を報知するような態様の演出を実行してもよい。また、例えば、示唆演出として、フィルムが回転するような演出を行い、フィルム上のいずれのフレームで止まるかによって演出結果を報知するような態様の演出を実行してもよい。
また、この実施の形態によれば、演出が設定されている場合には演出が設定されていない場合に比べて、設定された演出に関連する種類のアイテムが付与される確率が高いので、遊技者が好むアイテムを付与することができ、遊技者にアイテム付与への喜びを感じさせることができる。また、演出を設定して遊技を行うことへの意欲を高めることができるので、スロットマシン1の稼働率を向上させることができる。
また、遊技者が行ったゲーム数が1000ゲーム以上の場合にはゲーム数が1000ゲーム以内のときと比べて、遊技者が設定したアイテム、すなわち遊技者が所望するアイテムの付与確率が高いので、遊技者がゲームを行う意欲を高め、スロットマシン1の稼働率を向上させることができる。
また、金コインを獲得したときには、遊技者が設定した演出に関連するアイテムまたは遊技者が設定したアイテムが付与されるとともに、金コインを獲得したときには、その旨が報知されるので、遊技者は自らが好むアイテムが付与されることを識別できる。これにより、遊技者が再度ゲームを行う意欲を高め、スロットマシン1の稼働率を向上させることができる。
また、ゲーム数が5000ゲーム以上である場合には、アイテムを付与する確率を変更するので、ゲームの興趣を向上させることができる。
なお、先に説明したように、この実施の形態では、サブCPU91aは、レベルの値が一定値を超えるごとに、演出設定として選択可能な項目を増加させる。より詳しくは、遊技者の選択操作により演出の頻度(演出設定1)、メインとなるキャラクタ(演出設定2)、キャラクタの衣装(演出設定3)、演出の背景デザイン(演出設定4)、BGM(演出設定5)を選択可能とされており、これら演出設定において、レベルが30を超えるまでは、3種類から選択可能であり、レベルが30を超えると5種類から選択可能となり、レベル60を超えると8種類から選択可能となる。そして、図47に示すアイテム付与処理では、アイテムAまたはアイテムBのいずれかを付与する例を挙げて説明したが、この実施の形態のようにレベルに応じて項目が増加する場合には、設定した演出に関連する項目(すなわち、アイテム)のうちからいずれかをアイテム獲得抽選により決定して付与する、あるいは、遊技者が複数の項目(すなわち、アイテム)のうちからいずれかを設定してアイテム獲得抽選により当選した場合に設定したアイテムを付与することにより、本発明を実施できる。
[第2の実施の形態]
次に、図47に示すアイテム付与処理と異なる形態のアイテム付与処理を実行した場合の第2の実施の形態について説明する。
図49は、このアイテム付与処理の手順を示すフローチャートであり、図50は、この処理に関しての、携帯端末1100と管理サーバ1200間のデータのやり取りを示す図である。制御部210は、当該携帯端末1100の端末識別情報(SIMデータ)が、遊技者データベースに既に登録されているか否かを判定する(ステップS3701)。その結果、当該端末識別情報が遊技者データベースに登録済みでない場合(ステップS3701;NO)、制御部210は、アイテム付与が不可である旨を、当該携帯端末1100に送信する(ステップS3702)。その後、制御部210は、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
一方、当該端末識別情報が遊技者データベースに登録済みである場合(ステップS3701;YES)、制御部210は、遊技者データベースの当該遊技者に対応する遊技者情報から獲得コインおよびポイントを抽出し、特典データベース(図22(C)参照)にもとづいて、抽出した獲得コインおよびポイントに応じて付与可能なアイテムを抽出する(ステップS3703)。そして、制御部210は、抽出したアイテムのリストを生成し、生成したアイテムリストを当該端末識別情報で示される携帯端末1100に送信する(ステップS3704)。
この場合、アイテム要求を行なった携帯端末1100の表示部140には、図50(G)で示すように、付与可能なアイテムを示す画面が表示される。この画面には、金のコインの残数、ポイントの残数、付与可能なアイテムを選択するためのリンク、その付与に必要な金のコイン数またはポイント数、図50(D)のメニュー画面に移行するために、ショップを出るためのリンクが表示される。
ここでは、金のコインの残数が12枚であること、ポイントの残数が1234ポイントであること、アイテムAを購入するためのリンクと共に、アイテムAの購入に金のコインが1枚、または、100ポイントが必要であること、および、アイテムBを購入するためのリンクと共に、アイテムBの購入に金のコインが2枚必要であることが示されている。
図50(G)の画面において、遊技者により、所望のアイテム種別に対応したリンクが選択されることによって、選択されたアイテム種別を示すデータが管理サーバ1200に対して送信される。
制御部210は、当該携帯端末1100から、遊技者が所望するアイテム種別を受信すると(ステップS3705;YES)、受信したアイテム種別で示されるアイテムデータを、特典データベースが示す格納場所から読み出し、当該携帯端末1100に送信する(ステップS3706)。
これにより、遊技者は、コンテンツデータ、あるいは、交換券や応募券を示す2次元コードなどのデータを取得することができる。
図44に示すメニュー選択受付処理に戻り、遊技者により、その他の各リンクが選択されると(ステップS3409;YES)、制御部210は、その選択されたリンクに応じた処理を実行する(ステップS3410)。例えば、遊技者により、履歴表示のリンクが選択されると、制御部210は、遊技者に日付を選択させるための画面データを当該携帯端末1100に送信する。これにより、図50(E)に示すような、日付選択画面が当該携帯端末1100の表示部140に表示される。この日付選択画面には、遊技履歴データベースの当該遊技者に対応する遊技履歴情報の日付の選択肢のリンクが表示される。遊技者により、何れかのリンクが選択されると、制御部210は、選択されたリンクに対応する日付の遊技履歴情報と、当該遊技者に対応する遊技者情報と、にもとづいて、当該遊技者の遊技履歴を抽出し、当該携帯端末1100に送信する。これにより、図50(C)に示すような、履歴表示画面が当該携帯端末1100の表示部140に表示される。
なお、この実施の形態のスロットマシンにおいて、2次元コードを表示するためのメインメニュー画面を表示する場合には、第1実施の形態と同様に、図24のS2204〜S2207と同様の処理を行い、携帯端末1100を検出して自動的にメインメニュー画面(または2次元コード)を表示させるようにしてもよい。さらに、図47のアイテム付与処理と同様の処理を行い、設定した演出に関連するアイテムや遊技者が設定したアイテムを付与するようにしてもよい。
以上説明したようにこの実施の形態の遊技システム1001によれば、スロットマシン1における遊技履歴を蓄積する機能を利用した遊技において、メダルの差枚数がマイナスになるなど、遊技者にとって不利な遊技結果で遊技を終了した場合、ストックコインを獲得できる確率が、より高くなるように設定されている。したがって、たとえ遊技で負けてしまっても、遊技者は、積極的に2次元コードを出力させ、管理サーバ1200から特典の付与を受けようとする意欲を維持できる。したがって、遊技終了後、2次元コードを出力させないまま、遊技者が立ち去ってしまう事態の発生を低減でき、結果として、当該遊技システム1001によってもたらされるサービスの活用促進が期待できる。
なお、遊技結果が、遊技者にとって有利か不利かの判定は、メダルの差枚数にもとづくものであるが、その判定基準は任意の設計事項である。例えば、0枚を基準にしてもよいし、マイナスの枚数あるいは、プラスの枚数を基準にしてもよい。また、ストックコインを獲得できる確率は、有利な場合と不利な場合の2通りに限定されず、有利の度合いや、不利の度合いに応じて、複数段階で変化させるようにしてもよい。例えば、メダルの差枚数が、−1001枚以下である場合に最も確率が高くなるようにし、以降、−1000〜−500、−500〜0、0〜500、500〜1000、1001枚以上、とメダル差枚数が増加するごとに確率を低下させるようにしてもよい。
また、この実施の形態のスロットマシン1では、遊技履歴を蓄積する機能を利用した遊技遊技の終了時において、ストックコインの獲得抽選条件が成立すると、ストックコインの獲得抽選演出(JACKPOT演出)を実行する。このため、遊技者の射幸心が煽られ、興趣性の向上が図れる。
なお、ストックコインの獲得抽選条件が成立していなくても、JACKPOT演出を実行してもよい。ただし、この場合は、必ず、獲得を失敗した旨の演出画面(図21(b))が表示されることになる。
また、JACKPOT演出時に、例えば、背景やキャラクタの表示、音声や効果音の出力などによって、獲得の期待度を示すようにしてもよい。
この実施の形態のスロットマシン1では、電源投入時または電源がONされてから所定時間経過すると、ストックコインデータは、抽選により再設定される。このため、個人が、スロットマシン1を所有する場合であっても、電源投入時後の状態での遊技を頻繁に繰り返すことによるコインの不適切な獲得や、長時間(例えば、遊技店における通常の遊技可能時間を超える時間)の遊技によるコインの不適切な獲得が防止できる。
電源がONされてからストックコインデータを再設定するまでの時間は、任意に設定できるが、遊技店の通常の営業時間より長い時間(例えば、20時間)に設定するのが好ましい。このような時間に設定すると、営業時間(遊技時間)中のストックコインデータの再設定が回避され、遊技者に落胆感や不信感を与えてしまうことがない。
なお、所定の時刻に、ストックコインデータを再設定してもよい。このようにしても、長時間の遊技によるコインの不適切な獲得が防止できる。この場合においても、上記と同様の趣旨から、遊技店の通常の営業時間帯ではない時刻(例えば、午前0時)に設定するのが好ましい。
また、この実施の形態のスロットマシン1では、ストックコインデータの再設定後、所定時間(例えば、1時間)以内に、遊技者により「ストックコインのヒント」が選択されると、ストックコイン格納領域に格納されているストックコインデータの価値内容に関わらず、図14の(a)〜(d)で示される画面のうちの予め定められた一の画面を表示する。このようにすることで、遊技者にとって、ストックコインデータが再設定されたか否かの判別が困難となり、興趣性の向上が図れる。
なお、上記実施の形態では、遊技機(スロットマシン1)に入力する遊技履歴を特定可能な情報としてパスワードを適用しており、外部から情報を入力するために専用の読み取り装置などを備える必要のないことから好ましいといえるが、バーコードや2次元コードなどのようにコード化され、遊技機が備えるコードリーダにて読み取り可能なデータであってもよいし、有線接続、無線接続、赤外線接続などによって、遊技機に入力可能なデータであってもよく、このような構成とすることで、これらデータの入力を簡単に行うことができる。
また、上記実施の形態では、遊技機(スロットマシン1)から出力する遊技履歴を特定可能な情報として、2次元コードを適用しており、遊技者が2次元コードリーダをかざすのみで簡単にデータを取得できることから好ましいといえるが、バーコードなどのコードリーダにて読み取り可能な他のコードデータにて出力するようにしてもよいし、有線接続、無線接続、赤外線接続などによって出力可能なデータであってもよく、さらには、遊技機へ入力する情報と同様にパスワードを適用してもよい。
また、上記実施の形態では、端末識別情報が付与され、且つ、端末識別情報の送信が許可された携帯端末1100のみ、管理サーバ1200にてアクセスを許可するようになっているが、少なくとも携帯端末1100を識別可能な情報(Cookie)にて遊技者を識別したり、あるいは、管理サーバ1200側で付与した遊技者IDにて遊技者を識別できる場合には、端末識別情報が付与された携帯端末や、端末識別情報の送信が許可されていない携帯端末からのアクセスを許可する構成としてもよい。
また、上記実施の形態では、遊技者データベースに登録される遊技者情報や、遊技履歴データベースに登録される遊技履歴情報は、端末識別情報をキー項目にして管理されているが、遊技者を識別可能な遊技者IDをキー項目にして管理される構成にしてもよい。
また、上記実施の形態のスロットマシン1における、遊技間のコイン獲得仕様(図12(a)参照)、ストックコインのストック仕様(図12(c)参照)、ストックコインの獲得抽選条件などの内容は、あくまで一例であり、これらの内容に限定されることはない。例えば、遊技間のコイン獲得仕様において、レベル高のミッション達成時には、全てのストックコインを獲得できるようにしてもよい。このようにすることで、遊技者の遊技意欲を高め、興趣性の向上が図れる。
また、ストックコインがない場合、ストックコインがある場合に比べ、遊技間のコイン獲得(図12(a)参照)において、遊技者に対してより高条件となるようにしてもよい。この場合、例えば、遊技者が獲得したコインの種類をランクアップさせるようにしてもよい(例えば、銅なら金または銀、銀なら金にする。)。このようにすると、前の遊技者により、遊技終了時に全てのストックコインが獲得された場合であっても(JACKPOT演出により、周りの遊技者にも判る)、次の遊技者は、遊技意欲が低下することなく、当該スロットマシン1での遊技を開始することができる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態に係る遊技機を適用したスロットマシン、本発明の第3の実施の形態に係る管理装置を適用した管理サーバおよびこれらからなる本発明の第3の実施の形態に係る遊技システムについて説明する。なお、この実施の形態の遊技システムは、上述した第1の実施の形態の遊技システム1001と共通する構成を有するため、ここでは第1の実施の形態と異なる構成について主に説明する。
第1の実施の形態のスロットマシン1では、遊技履歴を蓄積する機能を利用した遊技において、予め定められた条件が成立すると、遊技者に対して、管理サーバ1200から所定の特典の付与を受ける際の交換価値であるコイン(金、銀、銅の3種類)を付与する構成であった。このため、スロットマシン1から出力される2次元コードには、図20(b)、(c)に示すように、獲得データが含まれていた。これに対し、この実施の形態のスロットマシンは、コインを付与する構成を備えていない。この実施の形態のスロットマシンから出力される2次元コードには、図55(b)、(c)に示すように、獲得データの代わりに、パスワード入力後、または「簡単スタート」選択後から遊技終了時点までのメダル差枚数が格納される。
一方、この実施の形態の管理サーバは、携帯端末1100から更新要求(簡単スタート更新要求、通常更新要求)を受信すると、受信した、遊技履歴更新データおよびメダル差枚数にもとづいて、遊技者に付与するコイン種類や枚数を決定する。その際、管理サーバでは、メダル差枚数が、マイナスであるなど、遊技者にとって不利な遊技結果で遊技を終了したことを示すものである場合、有利な遊技結果で遊技を終了したことを示すものである場合よりも、多くのコイン(枚数の増加や、コイン種類のグレードアップも含む)を付与する割合を高めている。
以上のように、この実施の形態では、スロットマシンは、複雑な機能を備えずに済むと共に、第1の実施の形態と同様の効果が期待できる。すなわち、たとえ遊技で負けてしまっても、遊技者は、積極的に2次元コードを出力させ、管理サーバから特典の付与を受けようとする意欲を維持できる。したがって、遊技終了後、2次元コードを出力させないまま、遊技者が立ち去ってしまう事態の発生を低減でき、結果として、当該遊技システムによってもたらされるサービスの活用促進が期待できる。
なお、管理サーバは、メダル差枚数が遊技者にとって不利な遊技結果で遊技を終了したことを示す場合、より高条件でポイントの付与を行ってもよい。
また、この実施の形態の変形例として、スロットマシンに、メダル差枚数ではなく、当該遊技期間において、遊技者が獲得したメダルの総枚数と、遊技者が投入したメダルの総枚数と、を2次元コードに含めて出力させるようにしてもよい。この場合、管理サーバ側において、遊技者が獲得したメダルの総枚数から、遊技者が投入したメダルの総枚数を差し引くことで、メダル差枚数を求めるようにすればよい。
また、この実施の形態のスロットマシンにおいて、2次元コードを表示するためのメインメニュー画面を表示する場合には、第1実施の形態と同様に、図24のS2204〜S2207と同様の処理を行い、携帯端末1100を検出して自動的にメインメニュー画面(または2次元コード)を表示させるようにしてもよい。さらに、図47のアイテム付与処理と同様の処理を行い、設定した演出に関連するアイテムや遊技者が設定したアイテムを付与するようにしてもよい。
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態においては、上述した第1〜第3の実施の形態におけるスロットマシン1をパチンコ遊技機700に置き換えた場合について説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機700の全体の構成について説明する。図56は、パチンコ遊技機700の正面図である。
パチンコ遊技機700は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機700は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠702を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品などが取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤706を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠702の下部表面には打球供給皿(上皿)703がある。打球供給皿703の上面には、演出図柄(飾り図柄)の変動表示において特定の演出が実行されるときに操作されるチャンスボタン7111が設けられている。このチャンスボタン7111は、第1の実施の形態で説明したスロットマシン1の演出用スイッチ56に対応する。
打球供給皿703のチャンスボタン7111が設けられている辺りの前面には、図13、図15、図16および図19で説明したような各種設定項目などを選択するときに操作される選択ボタン112A,7112Bが設けられている。この選択ボタン7112A,7112Bは、第1の実施の形態で説明したスロットマシン1の図13、図15、図16および図19のような画面の表示時におけるストップスイッチ8L,8Rに対応する。
打球供給皿703の下部には、打球供給皿703に収容しきれない遊技媒体としての遊技球(遊技玉ともいう)を貯留する余剰球受皿704や、打球(遊技球)を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)705が設けられている。また、ガラス扉枠702の背面には、遊技盤706(図5参照)が着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤706は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤706の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域707が形成されている。遊技領域707には、遊技球を誘導するための、多数の釘が植設されている。
遊技領域707の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置709が設けられている。演出表示装置709では、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示(可変表示、更新表示、または、巡回表示ともいう)が行なわれる。演出図柄の変動表示は、スクロール表示およびその場切替え表示などの各種の変動態様で実行される。演出表示装置709は、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示を行う変動表示装置に相当する。演出表示装置709では、表示画面上で演出図柄を表示する演出図柄表示領域が設けられており、当該演出図柄表示領域に、例えば、「左」,「中」,「右」の3つ(複数)の演出図柄を変動表示する表示領域としての図柄表示エリアがある。これら3つの演出図柄のそれぞれは、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄である。演出表示装置709は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器708aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置709で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器708bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤706における演出表示装置709の上部の左側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示手段)708aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器708aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば、7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器708aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。遊技盤706における演出表示装置709の上部の右側には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示手段)708bが設けられている。第2特別図柄表示器708bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば、7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器708bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、共に0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器708aおよび第2特別図柄表示器708bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器708aと第2特別図柄表示器708bとを特別図柄表示器と総称することがある。第1特別図柄は、第2特別図柄表示器708bで第2特別図柄の変動表示が実行されていないことを条件に変動表示が実行される。第2特別図柄は、第1特別図柄表示器708aで第1特別図柄の変動表示が実行されていないことを条件に変動表示が実行される。つまり、第1特別図柄と第2特別図柄とは、同時に変動表示されることなく、どちらか一方が変動表示される。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口713または第2始動入賞口714に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、且つ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などの予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したこと(遊技球が入ったこと)である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
以下の説明においては、遊技球が第1始動入賞口713に入賞したことを第1始動入賞と呼ぶ場合があり、遊技球が第2始動入賞口714に入賞したことを第2始動入賞と呼ぶ場合がある。始動条件は成立しているが開始条件が成立していない変動表示に関するデータは、開始条件が成立するまで特別図柄の変動表示を行う権利である保留記憶データとして保留して記憶される。具体的に、保留記憶データは、後述する遊技制御用マイクロコンピュータ7560のRAM755の所定領域に記憶される。第1始動入賞の保留記憶データは所定数(たとえば、4個)を上限として第1保留記憶データとして第1保留記憶バッファに記憶され、第2始動入賞の保留記憶データは所定数(たとえば、4個)を上限として第2保留記憶データとして第2保留記憶バッファに記憶される。
パチンコ遊技機700には、遊技者が打球操作ハンドル705を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域707に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域707を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域707に入り、その後、遊技領域707を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口713に入り第1始動口スイッチ713aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器708aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されると共に、演出表示装置709において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口713への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口714に入り第2始動口スイッチ714aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器708bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されると共に、演出表示装置709において演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口714への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置709は、第1特別図柄表示器708aでの第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器708bでの第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(飾り図柄)の変動表示を行う。第1特別図柄表示器708aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置709における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器708bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置709における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、変動表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器708aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器708bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置709において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。前述した第1特別図柄表示器708a、第2特別図柄表示器708b、および、演出表示装置709は、識別情報の変動表示を行ない表示結果を導出表示する変動表示装置であり、変動表示部として用いられる。
演出表示装置709では、変動表示を開始するときに、例えば、左,中,右の演出図柄の全てが変動表示を開始する。そして、変動表示している左,中,右の演出図柄が基本的に所定の順番(例えば、左演出図柄、右演出図柄、中演出図柄の順番のような予め定められた順番)で停止し、変動表示の開始から予め定められた変動時間が経過したときに、左,中,右の全演出図柄が停止して表示結果が確定する。なお、左,中,右の演出図柄が停止する順番は、左,右,中の図柄の順番以外の順番であってもよい。また、左,中,右の演出図柄は、同時に停止してもよい。
演出表示装置709の下方には、第1始動入賞口713を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口713に入賞した遊技球は、遊技盤706の背面に導かれ、第1始動口スイッチ713aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)713を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口714(第2始動口)を有する可変入賞球装置(電動チューリップ)715が設けられている。第2始動入賞口714に入賞した遊技球は、遊技盤706の背面に導かれ、第2始動口スイッチ714aによって検出される。可変入賞球装置715は、ソレノイド716によって開状態とされる。可変入賞球装置715が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口714に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置715が開状態になっている状態では、第1始動入賞口713よりも、第2始動入賞口714に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置715が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口714に入賞しない。なお、可変入賞球装置715が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。このように、可変入賞球装置715が閉状態になっている状態は、遊技球が第2始動入賞口714に入賞しにくいまたは入賞しない状態であればよい。
以下、第1始動入賞口713と第2始動入賞口714とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置715が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置715に向かう遊技球は第2始動入賞口714に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口713は演出表示装置709の直下に設けられているが、演出表示装置709の下端と第1始動入賞口713との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口713の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口713の周辺での釘の配列を遊技球を第1始動入賞口713に導きづらくして、第2始動入賞口714の入賞率の方を第1始動入賞口713の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1特別図柄表示器708aの下部には、第1始動入賞口713に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器(例えば、LED)からなる第1特別図柄保留記憶表示器718aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器718aは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器708aでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器708bの下部には、第2始動入賞口714に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)からなる第2特別図柄保留記憶表示器718bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器718bは、有効始動入賞があるごとに、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器708bでの変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置709の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部718cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部718dとが設けられている(それぞれの表示領域が設けられている)。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
なお、この実施の形態では、図56に示すように、第2始動入賞口714に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置715が設けられているが、第1始動入賞口713および第2始動入賞口714の何れについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
演出表示装置709における演出図柄の変動表示中には、リーチ状態が生じる場合がある。ここで、リーチ状態は、演出表示装置709の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り図柄の組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部若しくは一部の演出図柄が大当り図柄の組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施の形態において、リーチ状態は、例えば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物などを模した演出表示であり、図柄(演出図柄など)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置709の背景画像の表示態様(たとえば、色など)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいように設定され、大当りとなる信頼度が高いものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
また、図56に示すように、可変入賞球装置715の下方には、特別可変入賞球装置720が設けられている。特別可変入賞球装置720は、開閉板を備え、遊技球が入賞可能な開状態(第1の状態)と、遊技球が入賞しない閉状態(第2の状態)とに変化可能である可変入賞装置である。なお、特別可変入賞球装置720は、閉状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。このように、特別可変入賞球装置720が閉状態になっている状態は、遊技球が特別可変入賞球装置720に入賞しにくいまたは入賞しない状態であればよい。
特別可変入賞球装置720は、第1特別図柄表示器708aまたは第2特別図柄表示器708bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド721によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ723で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置720が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置720が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。この実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、何れかの大当り種別が選択される。なお、この実施の形態では、1ラウンドで1回だけ特別可変入賞球装置720を開放状態とする制御例を示したが、これに限らず、1ラウンドで2回などの複数回、特別可変入賞球装置720を開放状態とする制御を行うようにしてもよい。
演出表示装置709の下部には、普通図柄表示器710(図示せず)が設けられている。普通図柄表示器710は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示する。
遊技球がゲート732を通過しゲートスイッチ732aで検出されると、普通図柄表示器710の表示の変動表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、例えば、変動表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器710における停止図柄が所定の図柄(当り図柄○」)である場合に、可変入賞球装置715が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置715の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口714に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。
普通図柄表示器710の近傍には、ゲート732を通過した入賞球数を表示する4つの表示器(たとえば、LED)を有する普通図柄保留記憶表示器741が設けられている。ゲート732への遊技球の通過があるごとに、すなわちゲートスイッチ732aによって遊技球が検出されるごとに、普通図柄保留記憶表示器741は点灯する表示器を1増やす。そして、普通図柄表示器710の変動表示が開始されるごとに、点灯する表示器を1減らす。普図保留記憶数の上限値は4つであり、普通図柄保留記憶表示器741においては、この4つを上限値として表示器を点灯する。
遊技盤706の遊技領域707の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED725が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口726がある。また、遊技領域707の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ727R,727Lが設けられている。遊技領域707の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠LED728a、左枠LED728bおよび右枠LED728cが設けられている。例えば、天枠LED728a、左枠LED728bおよび右枠LED728cは、繰返し変動パターンとしての擬似連の演出(1回の変動期間中におけるそれぞれの再変動期間(初回変動の期間も含む。)において関連する表示演出が実行されるような演出)が実行されるときには、点滅する制御が行なわれる。
繰返し変動パターンとは、特別図柄および演出図柄の変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに特定の演出表示を所定回数繰返し実行した後リーチ演出を実行するような変動パターンをいう。ここで、特定の演出表示は、例えば、再変動をする演出表示などの演出表示であり、所定回数繰返し実行可能な演出表示であれば、例えば、予告表示などの再変動表示以外の演出表示であってもよい。この実施の形態では、繰返し変動パターンの一例として、再変動を特定の演出表示として所定回数繰返し実行可能である擬似連の変動パターンを用いる例を説明する。
ここで、擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。例えば、再変動の繰返し実行回数(擬似連再変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときと、はずれとなるときとを含む全ての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなる。擬似連の変動パターンにおいては、演出表示装置709において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連チャンス目という)のうちからいずれかの擬似連チャンス目に決定される。また、擬似連変動を実行した場合には、必ず最終的にリーチ状態として何らかのリーチ演出を実行するようにしてもよい。
また、左枠LED728bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球LED751が設けられ、右枠LED728cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れLED752が設けられている。天枠LED728a、左枠LED728bおよび右枠LED728cおよび装飾LED725は、パチンコ遊技機700に設けられている演出用の発光体の一例である。なお、上述した演出用(装飾用)の各種LEDの他にも演出のためのLEDやランプが設置されている。
また、プリペイド機能を備えるプリペイドカード等の遊技用記録媒体としての遊技用カードが挿入されることによって玉貸しを可能にするカードユニットが、パチンコ遊技機700に隣接して設置される(図示せず)。
図57は、主基板(遊技制御基板)731における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図57には、払出制御基板737および演出制御基板780なども示されている。主基板731には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機700を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ7560が搭載されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ7560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラムなどを記憶するROM754、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM755、プログラムに従って制御動作を行うCPU756およびI/O757を含む。この実施の形態では、ROM754およびRAM755は遊技制御用マイクロコンピュータ7560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ7560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU756のほかRAM755が内蔵されていればよく、ROM754は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/O757は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ7560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路7503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ7560においてCPU756がROM754に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ7560(またはCPU756)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU756がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板731以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路7503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路7503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路7503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および、数値データの更新規則の選択切替え機能などの各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ7560は、乱数回路7503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM754などの所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ7560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ7560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路7503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路7503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ7560は、第1始動口スイッチ713aまたは第2始動口スイッチ714aへの始動入賞が生じたときに乱数回路7503から数値データをランダムRとして読出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM755は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM755の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態、すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ7560による制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや各保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御用マイクロコンピュータ7560による制御状態に応じたデータとは、停電などが生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電などの発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM755の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ7560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号(図示せず)が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ7560などに供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ7560などは動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ7560などは動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ7560などの動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ7560などの動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ7560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値が予め定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ7560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号(図示せず)が入力される。
また、ゲートスイッチ732a、第1始動口スイッチ713a、第2始動口スイッチ714a、カウントスイッチ723、一般入賞口スイッチ711および回収通路センサ712からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ7560に与える入力ドライバ回路758も主基板731に搭載されている。主基板731は、各種スイッチからの検出信号を受信すると、各種スイッチに応じた賞球の払い出しを実行させるための賞球信号を払出制御基板737に送出する。払出制御基板737は、賞球信号を受信すると、球払出装置797を駆動して賞球信号に応じた賞球を払い出させる。
一般入賞口スイッチ711は、遊技盤706の所定位置に設けられ、例えば、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口(図示せず)に進入した遊技球を検出するスイッチである。一般入賞口スイッチ711によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、回収通路センサ712は、パチンコ遊技機700に回収された全ての遊技球が通過する共通の通路の所定位置に設置され、遊技球の通過を検出する透過型の光センサである。
また、可変入賞球装置715を開閉するソレノイド716、および、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置720を開閉するソレノイド721を遊技制御用マイクロコンピュータ7560からの指令に従って駆動する出力回路759も主基板731に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報などの情報出力信号をホール用管理コンピュータ(ホールコンピュータ)などの外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板731に搭載されている。このような情報出力回路からの情報信号の出力は、遊技制御用マイクロコンピュータ7560による情報出力処理の実行に従って行なわれる。
この実施の形態では、演出制御基板780に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板777を介して遊技制御用マイクロコンピュータ7560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置709の表示制御を行う。
また、この実施の形態では、演出制御基板780には、チャンスボタン7111からの操作信号が入力され、チャンスボタン7111からの操作信号に応じて演出および図13、図15、図16および図19で説明した画面などでの決定操作を実行する。
また、この実施の形態では、演出制御基板780には、選択ボタン7112A,7112Bからの操作信号が入力され、選択ボタン7112A,7112Bからの操作信号に応じて図13、図15、図16および図19で説明した画面などでの選択操作を実行する。
演出制御基板780は、演出制御用CPUおよびRAM(何れも図示せず)を含む演出制御用マイクロコンピュータ(図示せず)を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板780において、演出制御用CPUは、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板777を介して入力される主基板731からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバおよび入力ポート(何れも図示せず)を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPUは、演出制御コマンドにもとづいて、図示しないVDP(ビデオディスプレイプロセッサ)に演出表示装置709の表示制御を行なわせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータと共動して演出表示装置709の表示制御を行うVDPが演出制御基板780に搭載されている。VDPは、演出制御用マイクロコンピュータとは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDPは、VRAM内の画像データを演出表示装置709に出力する。
演出制御用CPUは、受信した演出制御コマンドにしたがってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読出す。キャラクタROMは、演出表示装置709に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号など(演出図柄を含む)を予め格納しておくためのものである。演出制御用CPUは、キャラクタROMから読出したデータをVDPに出力する。VDPは、演出制御用CPUから入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御用CPUは、チャンスボタン7111から入力された操作信号に応じて演出、および、図13、図15、図16および図19の画面などでの選択項目の決定を実行する。演出制御用CPUは、選択ボタン7112A,7112Bから入力された操作信号に応じて、図13、図15、図16および図19の画面などでの選択項目の選択を実行する。
演出制御基板780は、図示しない電源回路と接続されており、演出制御基板780の演出制御用CPUは、電源回路から電源が供給されたことを監視する電源監視機能を有する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板780において、まず、図示しない入力ドライバに入力する。入力ドライバは、中継基板777から入力された信号を演出制御基板780の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板780の内部から中継基板777への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
さらに、演出制御用CPUは、図示しない出力ポートを介してランプドライバ基板735に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPUは、出力ポートを介して音声出力基板770に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板735において、LEDを駆動する信号は、図示しない入力ドライバを介して図示しないLEDドライバに入力される。LEDドライバは、駆動信号を天枠LED728a、左枠LED728b、右枠LED728cなどの枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤706側に設けられている装飾LED725に駆動信号を供給する。なお、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板735に搭載される。
音声出力基板770において、音番号データは、図示しない入力ドライバを介して図示しない音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を発生し、図示しない増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、図示しないボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ727R,727Lに出力する。また、図示しない音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
上述した第1の実施の形態のスロットマシン1の遊技履歴の総ゲーム数およびBB回数(RB回数)を、パチンコ遊技機700の演出表示装置709の変動表示の総回転数および大当り回数に置換えることができる。また、第1の実施の形態のスロットマシン1で算出したメダル差枚数は、払い出された遊技球の総数から、打ち込んだ遊技球の総数を差し引いた遊技球差分数で置換えることができる。例えば、払い出された遊技球の総数は、第1始動口スイッチ713a、第2始動口スイッチ714a、カウントスイッチ723および一般入賞口スイッチ711それぞれの検出結果にもとづいて算出することができる。また、打ち込んだ遊技球の総数は、回収通路センサ712の検出結果にもとづいて算出することができる。
また、パチンコ遊技機700において、2次元コードを表示するためのメインメニュー画面を表示する場合には、第1実施の形態と同様に、図24のS2204〜S2207と同様の処理を行い、携帯端末1100を検出して自動的にメインメニュー画面(または2次元コード)を表示させるようにしてもよい。さらに、図47のアイテム付与処理と同様の処理を行い、設定した演出に関連するアイテムや遊技者が設定したアイテムを付与するようにしてもよい。
次に、この実施の形態におけるパチンコ遊技機700の具体的な動作例について説明する。図58は、演出制御基板780に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ(具体的には、演出制御用CPU)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理において、演出制御用CPUは、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定などを行うための初期化処理を行う(ステップS7001)。
その後、演出制御用CPUは、所定の乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS7002)。そして、タイマ割込フラグの監視(ステップS7003)を行う。タイマ割込フラグがセットされていない場合には、ステップS7002に移行する。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用CPUは、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPUは、そのフラグをクリアし(ステップS7004)、ステップS7005〜S7011の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPUは、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理などを行う(コマンド解析処理:ステップS7005)。
次いで、演出制御用CPUは、第1の実施の形態で示した図23のステップS4005〜S4009と同様の処理に従って、メインメニュー表示処理(ステップS7006)、パスワード入力前メインメニュー操作処理(ステップS7007)、レベル・コイン関連処理(ステップS7008)、パスワード入力後メインメニュー操作処理(ステップS7009)、および特別演出実行処理(ステップS7010)を実行する。
次いで、演出制御用CPUは、演出制御プロセス処理を行う(ステップS7011)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置709の表示制御を実行する。
また、この実施の形態でも、第1の実施の形態と同様に金、銀、銅のコインが付与され、ストックコインのストックも行われる。図59は、第4の実施の形態における遊技間のコイン獲得仕様およびストックコインのストック仕様を示す説明図である。
図59(a)は、パスワードが入力された場合におけるコインの獲得仕様を示す。この実施の形態では、例えば、大当りに当選すると、100%の確率で、金、銀、銅のコインが各1枚ずつ付与される。また、変動表示を2000回実行するごとに、100%の確率で、金、銀、銅のコインのうち、何れか1枚を付与する。但し、変動表示の回数が増える程、良い色のコイン(銅→金or銀、銀→金)が付与される確率を高くするようにしている。
また、ミッション達成時にも、100%の確率で、その達成したミッションのレベルに応じて、コインが付与される。例えば、レベル高のミッション達成時には、金、銀、銅のコインが各1枚ずつ付与される。また、レベル中のミッション達成時には、金、銀、銅のコインのうち、何れか2枚が付与され、レベル低のミッション達成時には、金、銀、銅のコインのうち、何れか1枚が付与される。なお、このような遊技間におけるコインの獲得のほか、詳細は後述するが、遊技終了時において、予め定められた条件が成立すると、遊技者に対して、コインの付与が行われる。
さらに、レベル高、中のミッション達成時には、後述するストックコインがあることを条件に、付与されるコインが追加される。この場合、例えば、レベル高のミッション達成時には、金、銀、銅のコインのうち、何れか2枚が追加付与され、レベル中のミッション達成時には、金、銀、銅のコインのうち、何れか1枚が追加付与される。
また、この実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、パスワードが入力された場合と「簡単スタート」が選択された場合とではコインの獲得条件の有利度が異なり、パスワードが入力された場合の方が「簡単スタート」が選択された場合よりも有利にコインを獲得できる。
図59(b)は、「簡単スタート」が選択された場合におけるコインの獲得仕様を示す。例えば、大当りに当選すると、50%の確率で、金、銀、銅のコインが各1枚ずつ付与される。また、変動表示を2000回実行するごとに、50%の確率で、金、銀、銅のコインのうち、何れか1枚を付与する。但し、変動表示の回数が増える程、良い色のコイン(銅→金or銀、銀→金)が付与される確率を高くするようにしている。
また、ミッション達成時にも、50%の確率で、その達成したミッションのレベルに応じて、コインが付与される。例えば、レベル高のミッション達成時には、金、銀、銅のコインが各1枚ずつ付与される。また、レベル中のミッション達成時には、金、銀、銅のコインのうち、何れか2枚が付与され、レベル低のミッション達成時には、金、銀、銅のコインのうち、何れか1枚が付与される。なお、このような遊技間におけるコインの獲得のほか、詳細は後述するが、遊技終了時において、予め定められた条件が成立すると、遊技者に対して、コインの付与が行われる。
さらに、レベル高、中のミッション達成時には、ストックコインがあることを条件に、付与されるコインが追加される。この場合、例えば、レベル高のミッション達成時には、金、銀、銅のコインのうち、何れか2枚が追加付与され、レベル中のミッション達成時には、金、銀、銅のコインのうち、何れか1枚が追加付与される。
そして、遊技者にコインが付与されると、その内容に応じて、演出制御用マイクロコンピュータのRAMに割り当てられた獲得コイン領域に記憶されている獲得データ(獲得した金、銀、銅の各コインの枚数を示すデータ)が更新される。
図59(c)は、ストックコインのストック仕様を示す。例えば、大当りに当選すると、100%の確率で、金、銀、銅のコインのうち、何れか1枚がストックされる。また、変動表示を100回実行するごとに、20%の確率で、金、銀、銅のコインのうち、何れか1枚がストックされる。
そして、新たにコインがストックされると、その内容に応じて、演出制御用マイクロコンピュータのRAMに割り当てられたストックコイン格納領域に記憶されているストックコインデータが更新される。
図60は、図58に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS7011)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPUは、まず、第1所定演出処理(ステップS810A)および第2所定演出処理(ステップS810B)を実行する。
次いで、演出制御用CPUは、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置709の表示状態が制御され、飾り図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により飾り図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ7560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングなどを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置709に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置709において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図61は、所定演出の実行区間の一例を示す説明図である。「所定演出」は、特別図柄や飾り図柄の変動表示において特定演出(リーチ演出)が実行されるか否か、または可変入賞球装置715が遊技球が進入(通過)しやすい状態(例えば、開放状態)に制御されるか否かを報知する演出である。また、この実施の形態では、所定演出において、所定の種類の当り(例えば、小当り)になることが報知される場合もある。この実施の形態では、所定演出において、演出表示装置709の表示画面においてルーレットを回転させるような態様の演出が実行される。なお、所定演出において、必ずしも、100%特定演出が実行されることを報知したり、100%可変入賞球装置715が遊技球が進入しやすい状態に制御されることを報知する必要はなく、特定演出が実行される可能性を示唆する報知をしたり、可変入賞球装置715が遊技球が進入しやすい状態に制御される可能性を示唆する報知をしたりするものであってもよい。また、所定演出は、演出制御用マイクロコンピュータによって実行される。
図61に示す例では、所定演出は、予兆演出、開始演出、報知用演出、結果報知演出の順に実行される。なお、予兆演出が実行される期間を第1期間といい、開始演出、報知用演出および結果報知演出が実行される期間を第2期間という。
また、第1期間の演出(予兆演出)の実行が省略されることがある。また、結果報知演出の期間は短縮されることがある。
予兆演出は、遊技者に所定演出が開始されることを想起させるような演出である。開始演出は、所定演出が開始されたことを遊技者に認識させるための演出である。報知用演出は、可変入賞球装置715が遊技球が進入しやすい状態に制御されることを遊技者に期待させるような演出である。結果報知演出は、遊技者が可変入賞球装置715が遊技球が進入しやすい状態に制御されるか否かを想起可能な演出である。
なお、第1期間の予兆演出が実行された後に第2期間の開始演出以降の演出(本例では、ルーレットの演出)に発展しない場合も設けられていることが望ましい。そのようにすれば、予兆演出が実行されることによって、ルーレットなどの演出が行われるかもしれないという期待感だけでなく、必ずしもルーレットなどの演出に発展しないかもしれないとの不安感も与えることができ、予兆演出の演出効果を高めることができる。
また、この実施の形態では、後述するように、普通図柄の変動表示の開始を契機として所定演出の有無や報知結果が決定されて所定演出が実行される場合と、特別図柄や飾り図柄の変動表示の開始を契機として所定演出の有無や報知結果が決定されて所定演出が実行される場合とがある。以下、この実施の形態では、普通図柄の変動表示の開始を契機として決定処理が行われて実行される所定演出を「第1所定演出」といい、特別図柄や飾り図柄の変動表示の開始を契機として決定処理が行われて実行される所定演出を「第2所定演出」といって区別する場合がある。
また、この実施の形態では、所定演出の演出態様には、ルーレットが回るような態様の演出が実行されるルーレット態様と、サイコロが回るような態様の演出が実行されるサイコロ態様とがある。さらに、この実施の形態では、所定演出の演出色には赤色の演出色と青色の演出色とがある。従って、この実施の形態では、所定演出の演出態様および演出色の組み合わせは、演出色が赤色のルーレット態様と、演出色が青色のルーレット態様と、演出色が赤色のサイコロ態様と、演出色が青色のサイコロ態様との4種類がある。
次に、所定演出の演出態様の具体例を説明する。図62〜図65は、ルーレット態様で実行される所定演出の演出態様の具体例を示す説明図である。また、図66〜図69は、サイコロ態様で実行される所定演出の演出態様の具体例を示す説明図である。
まず、図62〜図65を用いて、ルーレット態様で実行される所定演出の演出態様の具体例を説明する。まず、図62には、可変入賞球装置715が遊技球が進入しやすい状態に制御されることを報知するための演出が例示されている。
図62(A)に示すように、演出表示装置709において左中右の飾り図柄の変動(可変表示)が停止している状態から、飾り図柄の変動が開始される(図62(B)参照)。そのときに、演出表示装置709の表示画面に表示されているキャラクタ画像9aが動くような表示制御が実行される。そのような表示制御による演出が予兆演出に相当する。
次いで、所定演出が開始されるかのような演出のための画像である報知画像(例えば、「ルーレットチャンス」を表示する画像)9bを表示する制御が実行される(図62(C)参照)。そのような表示制御による演出が開始演出に相当する。そして、報知用演出が開始される。
この実施の形態では、ルーレット態様の所定演出における報知用演出は、演出エリア9Fにおいて図柄が変動するような演出(ルーレットが回転するような態様の演出)である(図62(D)参照)。その後、演出エリア9Fにおいて、可変入賞球装置715が遊技球が進入しやすい状態に制御されることを示唆する画像9cが停止表示される(図62(E)参照)。次いで、可変入賞球装置715が遊技球が進入しやすい状態に制御されることを報知するような報知用画像9dが表示される(図62(F)参照)。その後、演出表示装置709に、可変入賞球装置715が遊技球が進入しやすい状態(開放状態)に制御されることを明示する画像9eが表示される(図62(F)参照)。なお、図62(E),(F)に示すような表示制御がなされる期間が結果報知演出の期間に相当する。
演出制御用マイクロコンピュータは、例えば、普通図柄変動開始指定(当り)コマンドを受信した後、普通図柄の変動表示を終了したことを指定する普通図柄変動終了指定コマンドを受信したことにもとづいて、可変入賞球装置715が遊技球が進入しやすい状態に制御されることを示唆する画像9cを停止表示し(図62(E)参照)、初回の開放の終了時に送信される普通電動役物開放終了指定コマンドを受信したことにもとづいて、可変入賞球装置715が遊技球が進入しやすい状態に制御されることを報知するような報知用画像9dを表示する(図62(F)参照)。
なお、演出制御用マイクロコンピュータは、普通図柄変動終了指定コマンドを受信した時点から所定時間経過後に、可変入賞球装置715が遊技球が進入しやすい状態に制御されることを示唆する画像9cを停止表示するようにしてもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータは、画像9cが停止表示されたときから所定の時間が経過したら、報知用画像9dを表示するようにしてもよい。その場合には、普通図柄変動終了指定コマンドの受信を契機にして報知用画像9dが表示されることになる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ7560が可変入賞球装置715の開放開始時に普通電動役物開放開始指定コマンドを送信するように構成されている場合には、演出制御用マイクロコンピュータは、初回の開放時の普通電動役物開放開始指定コマンドの受信時や2回目の開放時の普通電動役物開放開始指定コマンドの受信時に、報知用画像9dを表示するようにしてもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータは、表示結果が当り図柄であることを示す普通図柄変動開始指定(当り)コマンドを受信してから所定の時間(例えば、変動時間)が経過したら画像9cを表示し、さらに所定の時間(例えば、可変入賞球装置715の初回の開放が終了する時点までの時間)が経過したら報知用画像9dを表示するようにしてもよい。その場合には、普通図柄変動開始指定(当り)コマンドの受信を契機にして報知用画像9dが表示されることになる。
次に、図63には、所定の種類の当り(この例では、小当り)になることを報知するための演出が例示されている。
図63(A)に示すように、演出表示装置709において左中右の飾り図柄の変動(可変表示)が停止している状態から、飾り図柄の変動が開始される(図63(B)参照)。そのときに、演出表示装置709の表示画面に表示されているキャラクタ画像9aが動くような予兆演出が実行される。
次いで、所定演出が開始されるかのような演出である開始演出が実行される(図63(C)参照)。そして、報知用演出が開始される。
ルーレット態様の所定演出における報知用演出は、演出エリア9Fにおいて図柄が変動するような演出である(図63(D)参照)。その後、演出エリア9Fにおいて、所定の種類の当り(この例では、小当り)になることを示唆する画像9fが停止表示される(図63(E)参照)。次いで、所定の種類の当りの発生を報知するような報知用画像9gが表示される(図63(F)参照)。その後、演出表示装置709に、第2大入賞口(可動部材76による)が遊技球が進入しやすい状態(開放状態)に制御されることを明示する画像9hが表示される(図63(F)参照)。なお、図63(E),(F)に示すような表示制御がなされる期間が結果報知演出の期間に相当する。
次に、図64には、リーチ演出(ノーマルリーチ演出やスーパーリーチ演出)が実行されることを報知するための演出が例示されている。
図64(A)に示すように、演出表示装置709において左中右の飾り図柄の変動(可変表示)が停止している状態から、飾り図柄の変動が開始される(図64(B)参照)。そのときに、演出表示装置709の表示画面に表示されているキャラクタ画像9aが動くような予兆演出が実行される。
次いで、所定演出が開始されるかのような演出である開始演出が実行される(図64(C)参照)。そして、報知用演出が開始される。
ルーレット態様の所定演出における報知用演出は、演出エリア9Fにおいて図柄が変動するような演出である(図64(D)参照)。その後、演出エリア9Fにおいて、リーチになることを示唆する画像(大当りの期待度が高いことを報知するための画像)9iが停止表示される(図64(E)参照)。なお、図64に示す例では、リーチになることを示唆する画像9iとして「激熱」の文字列を含む画像が示されているが、この実施の形態では、リーチになることを示唆する画像として、「激熱」の文字列を含む画像と「チャンス」の文字列を含む画像との2つがある。そして、この実施の形態では、スーパーリーチとなる場合には、ノーマルリーチとなる場合と比較して、「チャンス」の文字列を含む画像よりも「激熱」の文字列を含む画像が停止表示される割合が高い。
そして、飾り図柄の表示状態がリーチ状態になる(図64(F)参照)。その後、演出表示装置709に、スーパーリーチの発生を明示する画像9jが表示される(図64(F)参照)。なお、図64(E),(F)に示すような表示制御がなされる期間が結果報知演出の期間に相当する。
また、この実施の形態では、特定演出(リーチ演出)が実行されることや可変入賞球装置715が遊技球が進入(通過)しやすい状態に制御されることを報知する所定演出が実行される場合に、それらの報知結果が報知される前に、特定演出(リーチ演出)が実行されず可変入賞球装置715も遊技球が進入(通過)しやすい状態に制御されないこと(はずれの報知結果)を報知する所定演出(すなわち、「偽」の所定演出)が実行される場合がある。
図65は、一例として、特定演出(リーチ演出)が実行されることを報知する前に、はずれの報知結果を報知する所定演出が実行される場合の具体例を示す説明図である。
図65(A)に示すように、演出表示装置709において左中右の飾り図柄の変動(可変表示)が停止している状態から、飾り図柄の変動が開始される(図65(B)参照)。そのときに、演出表示装置709の表示画面に表示されているキャラクタ画像9aが動くような予兆演出が実行される。
次いで、所定演出が開始されるかのような演出である開始演出が実行される(図65(C)参照)。そして、報知用演出が開始される。
ルーレット態様の所定演出における報知用演出は、演出エリア9Fにおいて図柄が変動するような演出である(図65(D)参照)。その後、演出エリア9Fにおいて、リーチ演出が実行されず可変入賞球装置715も遊技球が進入(通過)しやすい状態に制御されないこと(はずれの報知結果)を示唆する画像9kが停止表示される(図65(E)参照)。
次いで、再び報知用演出は演出エリア9Fにおいて図柄の変動が開始され、再び報知用演出が開始されたような演出が実行される(図65(F)参照)。その後、演出エリア9Fにおいて、リーチになることを示唆する画像(大当りの期待度が高いことを報知するための画像)9iが停止表示される(図65(G)参照)。そして、飾り図柄の表示状態がリーチ状態になる(図65(H)参照)。その後、演出表示装置709に、スーパーリーチの発生を明示する画像9jが表示される(図65(I)参照)。
次に、図66〜図69を用いて、サイコロ態様で実行される所定演出の演出態様の具体例を説明する。まず、図66には、可変入賞球装置715が遊技球が進入しやすい状態に制御されることを報知するための演出が例示されている。
図66(1)に示すように、演出表示装置709において左中右の飾り図柄の変動(可変表示)が停止している状態から、飾り図柄の変動が開始される(図66(2)参照)。なお、この場合、図62〜図65で示したルーレット態様の所定演出と同様に、予兆演出として、演出表示装置709の表示画面に表示されているキャラクタ画像が動くような表示制御を実行してもよい。
次いで、所定演出が開始されるかのような演出のための画像である報知画像(例えば、「サイコロチャンス」を表示する画像)9lを表示する制御が実行される(図66(3)参照)。そのような表示制御による演出が開始演出に相当する。そして、報知用演出が開始される。
この実施の形態では、サイコロ態様の所定演出における報知用演出は、演出表示装置709の表示画面の下方においてサイコロが回転するような態様の演出である(図66(4)参照)。その後、演出表示装置709の表示画面の下方においてサイコロの回転が止まり、可変入賞球装置715が遊技球が進入しやすい状態に制御されることを示唆する画像9mが停止表示される(図66(5)参照)。次いで、可変入賞球装置715が遊技球が進入しやすい状態に制御されることを報知するような報知用画像9nが表示される(図66(6)参照)。その後、演出表示装置709に、可変入賞球装置715が遊技球が進入しやすい状態(開放状態)に制御されることを明示する画像9oが表示される(図66(7)参照)。なお、図66(6),(7)に示すような表示制御がなされる期間が結果報知演出の期間に相当する。
演出制御用マイクロコンピュータは、例えば、普通図柄変動開始指定(当り)コマンドを受信した後普通図柄変動終了指定コマンドを受信したことにもとづいて、可変入賞球装置715が遊技球が進入しやすい状態に制御されることを示唆する画像9mを停止表示し(図66(5)参照)、初回の開放の終了時に送信される普通電動役物開放終了指定コマンドを受信したことにもとづいて、可変入賞球装置715が遊技球が進入しやすい状態に制御されることを報知するような報知用画像9nを表示する(図66(6)参照)。
なお、演出制御用マイクロコンピュータは、普通図柄変動終了指定コマンドを受信した時点から所定時間経過後に、可変入賞球装置715が遊技球が進入しやすい状態に制御されることを示唆する画像9mを停止表示するようにしてもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータは、画像9mが停止表示されたときから所定の時間が経過したら、報知用画像9nを表示するようにしてもよい。その場合には、普通図柄変動終了指定コマンドの受信を契機にして報知用画像9nが表示されることになる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ7560が可変入賞球装置715の開放開始時に普通電動役物開放開始指定コマンドを送信するように構成されている場合には、演出制御用マイクロコンピュータは、初回の開放時の普通電動役物開放開始指定コマンドの受信時や2回目の開放時の普通電動役物開放開始指定コマンドの受信時に、報知用画像9nを表示するようにしてもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータは、表示結果が当り図柄であることを示す普通図柄変動開始指定(当り)コマンドを受信してから所定の時間(例えば、変動時間)が経過したら画像9mを表示し、さらに所定の時間(例えば、可変入賞球装置715の初回の開放が終了する時点までの時間)が経過したら報知用画像9nを表示するようにしてもよい。その場合には、普通図柄変動開始指定(当り)コマンドの受信を契機にして報知用画像9nが表示されることになる。
次に、図67には、所定の種類の当り(この例では、小当り)になることを報知するための演出が例示されている。
図67(1)に示すように、演出表示装置709において左中右の飾り図柄の変動(可変表示)が停止している状態から、飾り図柄の変動が開始される(図67(2)参照)。なお、この場合、図62〜図65で示したルーレット態様の所定演出と同様に、予兆演出として、演出表示装置709の表示画面に表示されているキャラクタ画像が動くような表示制御を実行してもよい。
次いで、所定演出が開始されるかのような演出である開始演出が実行される(図67(3)参照)。そして、報知用演出が開始される。
サイコロ態様の所定演出における報知用演出は、演出表示装置709の表示画面の下方においてサイコロが回転するような態様の演出である(図67(4)参照)。その後、演出表示装置709の表示画面の下方においてサイコロの回転が止まり、所定の種類の当り(この例では、小当り)になることを示唆する画像9pが停止表示される(図67(5)参照)。次いで、所定の種類の当りの発生を報知するような報知用画像9qが表示される(図67(6)参照)。その後、演出表示装置709に、第2大入賞口(可動部材76による)が遊技球が進入しやすい状態(開放状態)に制御されることを明示する画像9rが表示される(図67(7)参照)。なお、図67(6),(7)に示すような表示制御がなされる期間が結果報知演出の期間に相当する。
次に、図68には、リーチ演出(ノーマルリーチ演出やスーパーリーチ演出)が実行されることを報知するための演出が例示されている。
図68(1)に示すように、演出表示装置709において左中右の飾り図柄の変動(可変表示)が停止している状態から、飾り図柄の変動が開始される(図68(2)参照)。なお、この場合、図62〜図65で示したルーレット態様の所定演出と同様に、予兆演出として、演出表示装置709の表示画面に表示されているキャラクタ画像が動くような表示制御を実行してもよい。
次いで、所定演出が開始されるかのような演出である開始演出が実行される(図68(3)参照)。そして、報知用演出が開始される。
サイコロ態様の所定演出における報知用演出は、演出表示装置709の表示画面の下方においてサイコロが回転するような態様の演出である(図68(4)参照)。その後、演出表示装置709の表示画面の下方においてサイコロの回転が止まり、リーチになることを示唆する画像(大当りの期待度が高いことを報知するための画像)9sが停止表示される(図68(5)参照)。なお、図68に示す例では、リーチになることを示唆する画像9sとして「激熱」の文字列を含む画像が示されているが、この実施の形態では、リーチになることを示唆する画像として、「激熱」の文字列を含む画像と「チャンス」の文字列を含む画像との2つがある。そして、この実施の形態では、スーパーリーチとなる場合には、ノーマルリーチとなる場合と比較して、「チャンス」の文字列を含む画像よりも「激熱」の文字列を含む画像が停止表示される割合が高い。
そして、飾り図柄の表示状態がリーチ状態になる(図68(6)参照)。その後、演出表示装置709に、スーパーリーチの発生を明示する画像9tが表示される(図67(7)参照)。なお、図68(6),(7)に示すような表示制御がなされる期間が結果報知演出の期間に相当する。
また、この実施の形態では、特定演出(リーチ演出)が実行されることや可変入賞球装置715が遊技球が進入(通過)しやすい状態に制御されることを報知する所定演出が実行される場合に、それらの報知結果が報知される前に、特定演出(リーチ演出)が実行されず可変入賞球装置715も遊技球が進入(通過)しやすい状態に制御されないこと(はずれの報知結果)を報知する所定演出(すなわち、「偽」の所定演出)が実行される場合がある。
図69は、一例として、特定演出(リーチ演出)が実行されることを報知する前に、はずれの報知結果を報知する所定演出が実行される場合の具体例を示す説明図である。
図69(1)に示すように、演出表示装置709において左中右の飾り図柄の変動(可変表示)が停止している状態から、飾り図柄の変動が開始される(図69(2)参照)。なお、この場合、図62〜図65で示したルーレット態様の所定演出と同様に、予兆演出として、演出表示装置709の表示画面に表示されているキャラクタ画像が動くような表示制御を実行してもよい。
次いで、所定演出が開始されるかのような演出である開始演出が実行される(図69(3)参照)。そして、報知用演出が開始される。
サイコロ態様の所定演出における報知用演出は、演出表示装置709の表示画面の下方においてサイコロが回転するような態様の演出である(図69(4)参照)。その後、演出表示装置709の表示画面の下方においてサイコロの回転が止まり、リーチ演出が実行されず可変入賞球装置715も遊技球が進入(通過)しやすい状態に制御されないこと(はずれの報知結果)を示唆する画像9uが停止表示される(図69(5)参照)。
次いで、再び報知用演出は演出表示装置709の表示画面の下方においてサイコロが回転するような態様の演出が開始され、再び報知用演出が開始されたような演出が実行される(図69(6)参照)。その後、演出表示装置709の表示画面の下方においてサイコロの回転が止まり、リーチになることを示唆する画像(大当りの期待度が高いことを報知するための画像)9sが停止表示される(図69(7)参照)。そして、飾り図柄の表示状態がリーチ状態になる(図69(8)参照)。その後、演出表示装置709に、スーパーリーチの発生を明示する画像9tが表示される(図69(9)参照)。
なお、図66〜図69に示すサイコロ態様の所定演出においても、図62〜図65に示したルーレット態様の所定演出と同様の態様でキャラクタ画像9aを用いた演出も行うようにしてもよい。
図70〜図72は、第1所定演出処理(ステップS810A)を示すフローチャートである。第1所定演出処理では、普通図柄の変動表示が開始されたことを契機として所定の条件が成立すると所定演出が開始される。
第1所定演出処理において、演出制御用CPUは、第1所定演出を実行中であることを示す第1所定演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS731)。第1所定演出実行中フラグがセットされていなければ、演出制御用CPUは、第2所定演出を実行中であることを示す第2所定演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS732)。第2所定演出実行中フラグがセットされている場合には、処理を終了する。第2所定演出実行中フラグがセットされていない場合には、ステップS741に移行する。
ステップS731で第1所定演出実行中フラグがセットされていた場合には(すなわち、第1所定演出の実行中である場合には)、演出制御用CPUは、第1所定演出の演出期間を計測するための第1所定演出タイマの値を−1する(ステップS734)。そして、第1所定演出タイマの値が0になったときには(ステップS735)、第1所定演出を終了する(ステップS736)。また、演出制御用CPUは、第1所定演出実行中フラグをリセットする(ステップS737)。
第1所定演出タイマの値が0になっていない場合、ステップS759Aの処理で「所定演出(○)」を実行することに決定されているときには、演出制御用CPUは、普通電動役物開放終了指定コマンドを受信したか否か確認する(ステップS738)。なお、演出制御用CPUは、ステップS738では、普通図柄変動終了指定コマンドを受信した後の最初に送信される普通電動役物開放終了指定コマンドを確認対象とする。すなわち、可変入賞球装置715の初回の開放に関するコマンドを確認対象とする(2回目以降に送信される普通電動役物開放終了指定コマンドを受信したときには、ステップS738では当該コマンドを受信したことにしない。)。演出制御用CPUは、普通電動役物開放終了指定コマンドを受信した場合には、ルーレット態様の所定演出を実行していた場合であれば、演出表示装置709の表示画面に報知用画像9d(図62(F)参照)を表示し、サイコロ態様の所定演出を実行していた場合であれば、演出表示装置709の表示画面に報知用画像9n(図66(6)参照)を表示する(ステップS739)。なお、所定演出の態様がルーレット態様であるかサイコロ態様であるかは、具体的には、後述するステップS780において第1所定演出実行中フラグをセットする際や第2所定演出の実行を開始するときに第2所定演出実行中フラグをセットする際に設定される所定演出の態様や演出色を特定可能な情報、または第1所定演出実行中フラグや第2所定演出実行中フラグの所定ビットを確認することにより判定できる。
なお、演出制御用CPUは、第1所定演出タイマの値が0になっていない場合に、例えば、普通図柄変動開始指定(当り)コマンドを受信した後普通図柄変動終了指定コマンドを受信したことにもとづいて、ルーレット態様の所定演出を実行していた場合であれば、可変入賞球装置715が遊技球が進入しやすい状態に制御されることを示唆する画像9c(図62(E)参照)を演出表示装置709の表示画面に停止表示し、サイコロ態様の所定演出を実行していた場合であれば、可変入賞球装置715が遊技球が進入しやすい状態に制御されることを示唆する画像9m(図66(5)参照)を演出表示装置709の表示画面に停止表示する処理も行う。なお、所定演出の態様がルーレット態様であるかサイコロ態様であるかは、具体的には、後述するステップS780において第1所定演出実行中フラグをセットする際や第2所定演出の実行を開始するときに第2所定演出実行中フラグをセットする際に設定される所定演出の態様や演出色を特定可能な情報、または第1所定演出実行中フラグや第2所定演出実行中フラグの所定ビットを確認することにより判定できる。
最初に送信される普通電動役物開放終了指定コマンドを受信したときに可変入賞球装置715が開放状態に制御されることが報知されるので、実質的に、第2回目の可変入賞球装置715が開放状態に制御されることが報知される。そして、この実施の形態では、第2回目の可変入賞球装置715が開放期間は長いものとする。よって、報知が実行されることによって、低ベース状態において可変入賞球装置715が開放状態に制御されることへの遊技者の期待感を高めることができる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ7560が複数回の可変入賞球装置715の開放のうち最後の開放の終了時にのみ普通電動役物開放終了指定コマンドを送信するように構成されている場合には、演出制御用CPUが、ステップS738の処理で、普通図柄変動終了指定コマンドを受信した後、所定の時間(例えば、可変入賞球装置715の初回の開放が終了する時点までの時間)が経過したか否か確認し、経過した場合にステップS739の処理を実行するようにしてもよい。また、演出制御用CPUが、普通図柄変動開始指定(当り)コマンドを受信した後、所定の時間(例えば、可変入賞球装置715の初回の開放が終了する時点までの時間)が経過したか否か確認し、経過した場合にステップS739の処理を実行するようにしてもよい。さらに、普通図柄の表示結果が当り図柄であったことにもとづく当り遊技を開始するときに遊技制御用マイクロコンピュータ7560が「当り遊技開始コマンド」を送信するように構成されている場合には、演出制御用CPUが、「当り遊技開始コマンド」を受信した後、所定の時間(例えば、可変入賞球装置715の初回の開放が終了する時点までの時間)が経過したか否か確認し、経過した場合にステップS739の処理を実行するようにしてもよい。
ステップS741では、演出制御用CPUは、次変動ありフラグ(次に開始される特別図柄および飾り図柄の変動中に第1所定演出を実行することに決定されていることを示すフラグ)がセットされているか否か確認する。次変動ありフラグがセットされている場合には、ステップS761に移行する。
次変動ありフラグがセットされていない場合には、演出制御用CPUは、未変動期間計測タイマ(特別図柄および飾り図柄の変動(可変表示)が開始されない期間を計測するためのタイマ)が動作中(0でない)であるか否か確認する(ステップS742)。未変動期間計測タイマが動作中でない場合には、ステップS751に移行する。なお、特別図柄の変動と飾り図柄の変動とは同期しているので、以下、特別図柄の変動を例にして説明を行う。
未変動期間計測タイマが動作中である場合には、演出制御用CPUは、特別図柄の変動が開始されたか否か確認する(ステップS743)。特別図柄の変動が開始されたか否かは、例えば、演出制御プロセスフラグの値が飾り図柄変動開始処理または飾り図柄変動中処理に対応する値であるか否かによって判定される。特別図柄の変動が開始された場合にはステップS771に移行する。
特別図柄の変動が開始されていない場合には、演出制御用CPUは、未変動期間計測タイマの値を−1する(ステップS744)。そして、未変動期間計測タイマの値が0になったときにはステップS771に移行する(ステップS745)。未変動期間計測タイマの値が0でない場合には、処理を終了する。
ステップS751では、演出制御用CPUは、普通図柄変動開始指定コマンド(普通図柄変動開始指定(当り)コマンドまたは普通図柄変動開始指定(はずれ)コマンド)を受信したことを示す普通図柄変動開始指定コマンド受信フラグ(普通図柄変動開始指定(当り)コマンド受信フラグまたは普通図柄変動開始指定(はずれ)コマンド受信フラグ)がセットされているか否か確認する。セットされていない場合には、処理を終了する。
普通図柄変動開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPUは、遊技状態データが、高ベース状態を示す値になっているか否か確認する(ステップS752)。高ベース状態を示す値になっている場合には、処理を終了する。
高ベース状態を示す値になっていない場合には、演出制御用CPUは、大当り遊技状態(小当り遊技状態も含む)であるか否か確認する(ステップS753)。大当り遊技状態であるか否かは、例えば演出制御プロセスフラグの値で確認される。その場合、演出制御用CPUは、演出制御プロセスフラグの値が4以上であるときに大当り遊技状態であるとする。大当り遊技状態である場合には、処理を終了する。
大当り遊技状態でない場合には、演出制御用CPUは、始動入賞発生時に送信された演出制御コマンドを格納する始動入賞時格納領域に小当りに対応する図柄指定コマンドが記憶されているか否か確認する(ステップS754)。小当りに対応する図柄指定コマンドが記憶されている場合には、処理を終了する。
小当りに対応する図柄指定コマンドが記憶されていない場合には、演出制御用CPUは、特別図柄の変動中であるか否か確認する(ステップS755)。特別図柄の変動中であるか否かは、例えば、演出制御プロセスフラグの値が飾り図柄変動中処理または飾り図柄変動停止処理に対応する値であるか否かによって判定される。特別図柄の変動中でない場合には、演出制御用CPUは、特別図柄の変動が終了してから1分以上経過しているか否か確認する(ステップS757)。
なお、例えば、特別図柄の変動が終了してからの時間を計測するためのタイマを用意し、そのタイマの計測値を確認することによって、ステップS757の判定処理が実現される。特別図柄の変動が終了してから1分以上経過している場合には処理を終了する。特別図柄の変動が終了してからの時間が1分未満である場合には、ステップS759Aに移行する。
また、特別図柄の変動が終了してから1分以上経過している場合に処理を終了することは、遊技者が特別図柄の変動が終了してから暫くの間遊技を継続することを考慮するためである。この実施の形態では、低ベース状態における普通図柄の変動時間は10秒であるものとし、ゲート通過記憶数(普図保留記憶数)の上限値は4であるから、[4×10秒]よりもやや多い時間が経過するまでは、ステップS759Aの処理を実行した方がよいと考えられるからである。
特別図柄の変動中である場合には、演出制御用CPUは、変動開始から所定時間(この例では、11.5)経過しているか否か確認する(ステップS758)。所定時間が経過している場合には、処理を終了する。
なお、この実施の形態では、スーパーリーチ演出が実行されることになる変動パターンによって飾り図柄の変動(可変表示)が実行されときには、変動開始から11.5秒後にスーパーリーチ演出が開始される。
所定時間が経過していない場合には、演出制御用CPUは、第1所定演出の有無および報知結果の決定を行う(ステップS759A)。なお、変動開始からの経過時間は、例えば、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の実行中にセットされる変動時間タイマの値によって判定される。
ステップS759Aでは、演出制御用CPUは、例えば、図73に示す第1所定演出決定テーブルを用いて、第1所定演出の有無および報知結果(いずれの報知結果とするか)を決定する。
図73に示す第1所定演出決定テーブルには、普通図柄の表示結果をはずれ図柄にする場合(普通図柄変動開始指定(はずれ)コマンド受信フラグがセットされている場合に相当)と普通図柄の表示結果を当り図柄にする場合(普通図柄変動開始指定(当り)コマンド受信フラグがセットされている場合に相当)との各々に応じて、所定演出を実行しないことに対応する判定値と、所定演出(×)を実行することに対応する判定値と、所定演出(○)を実行することに対応する判定値と、所定演出(×)の後に所定演出(○)を実行することに対応する判定値とが設定されている。なお、所定演出(×)とは、リーチ演出が実行されず可変入賞球装置715も遊技球が進入(通過)しやすい状態に制御されないこと(はずれの報知結果)を報知する所定演出であり、所定演出(○)とは、可変入賞球装置715が遊技球が進入(通過)しやすい状態に制御されることを報知する所定演出である。なお、第1所定演出決定テーブルには、少なくとも所定演出を実行することに対応する判定値が設定されていればよい。また、図73には、判定値そのものではなく、判定値数が示されている。
そして、ステップS759Aに示す処理において、第1の実施の形態で示した図33や図36の所定演出処理の構成を適用し、図73に示す所定演出に加えて所定演出(コイン)を決定可能に構成し、コインが獲得されている場合には、所定演出において獲得コインがあることを報知可能に構成すればよい。
なお、図73に示す「報知内容」(所定演出)の態様に代えて、または図73に示す「報知内容」の態様に加えて、他の態様を用いてもよい。例えば、一般に確変確定報知のために使用されるパトランプ(緊急用の赤色灯)状の画像や、特別図柄の表示結果を予告報知するためのステップアップ予告演出において使用されるキャラクタ画像や、大当り報知のための画像などを、他の態様として用いてもよい。それらを使用する場合には、確変確定報知、ステップアップ予告演出、大当り報知などと所定演出とを連動させた演出が実現される。
また、図73に示す例では、普図当りとなる場合であっても、10%の低い割合で所定演出を実行しない場合があるように構成しているが、普図当りとなる場合には、100%の割合で所定演出を実行するように構成してもよい。
演出制御用CPUは、ステップS759Aの処理において、所定演出の有無および報知結果を決定するための所定演出決定用乱数を抽出し、所定演出決定用乱数が所定演出を実行することに対応する判定値のいずれかと一致した場合に、所定演出を実行することに決定する。なお、演出制御用CPUは、普通図柄変動開始指定(はずれ)コマンド受信フラグがセットされている場合には、第1所定演出決定テーブルにおける「普通図柄はずれ」に関する判定値を使用し、普通図柄変動開始指定(当り)コマンド受信フラグがセットされている場合には、第1所定演出決定テーブルにおける「普通図柄当り」に関する判定値を使用する。
次いで、演出制御用CPUは、第1所定演出の態様および演出色の決定を行う(ステップS759B)。そして、ステップS764に移行する。ただし、ステップS759Aで第1所定演出を実行しないことに決定した場合には、演出制御用CPUは、ステップS759Bで第1所定演出の態様や演出色の決定を行うことなく、そのままステップS764に移行する。
ステップS759Bでは、演出制御用CPUは、例えば、図74(A)に示す第1所定演出態様決定テーブルを用いて、第1所定演出の態様をルーレット態様とするかサイコロ態様とするかを決定する。
図74(A)に示す第1所定演出態様決定テーブルには、普通図柄の表示結果をはずれ図柄にする場合(普通図柄変動開始指定(はずれ)コマンド受信フラグがセットされている場合に相当)と普通図柄の表示結果を当り図柄にする場合(普通図柄変動開始指定(当り)コマンド受信フラグがセットされている場合に相当)との各々に応じて、ルーレット態様とすることに対応する判定値と、サイコロ態様とすることに対応する判定値とが設定されている。なお、図74(A)には、判定値そのものではなく、判定値数が示されている。
図74(A)に示すように、この実施の形態では、普通図柄はずれとなる場合にはルーレット態様に対して判定値がA1個割り振られるとともにサイコロ態様に対して判定値がB1個割り振られ、A1<B1(A1+B1=100)となるように判定値が割り振られている。また、普通図柄当りとなる場合にはルーレット態様に対して判定値がA2個割り振られるとともにサイコロ態様に対して判定値がB2個割り振られ、A2>B2(A2+B2=100)となるように判定値が割り振られている。そして、この実施の形態では、ルーレット態様で第1所定演出が実行された場合には、サイコロ態様で第1所定演出が実行された場合と比較して、普図当りとなり可変入賞球装置715が遊技球が進入しやすい状態に制御されることに対する期待が高くなるように判定値が割り振られている。
具体的に説明すると、この実施の形態では、普通図柄はずれとなる場合にルーレット態様が実行される確率(X1)は、例えば、普通図柄はずれとなる平均的な確率(XA1(例えば、普通図柄当り判定テーブルに設定された判定値数などを参照して求められる))に、普通図柄はずれのときに所定演出が実行される確率(XB1(本例では、図73のテーブルに設定された判定値数から10/100と求められる))を乗算し、さらに図74(A)を参照してA1/100を乗算することによって求められる。また、普通図柄当りとなる場合にルーレット態様が実行される確率(X2)は、例えば、普通図柄当りとなる平均的な確率(XA2(例えば、普通図柄当り判定テーブルに設定された判定値数などを参照して求められる))に、普通図柄当りのときに所定演出が実行される確率(XB2(本例では、図73のテーブルに設定された判定値数から90/100と求められる))を乗算し、さらに図74(A)を参照してA2/100を乗算することによって求められる。従って、ルーレット態様の第1所定演出が出現したときに普通図柄当りとなり可変入賞球装置715が遊技球が進入しやすい状態に制御されることに対する期待度(XT1)は、X2/(X1+X2)を計算することによって求められる。
一方、この実施の形態では、普通図柄はずれとなる場合にサイコロ態様が実行される確率(Y1)は、例えば、普通図柄はずれとなる平均的な確率(XA1)に、普通図柄はずれのときに所定演出が実行される確率(XB1(本例では、10/100))を乗算し、さらに図74(A)を参照してB1/100を乗算することによって求められる。また、普通図柄当りとなる場合にサイコロ態様が実行される確率(Y2)は、例えば、普通図柄当りとなる平均的な確率(XA2)に、普通図柄当りのときに所定演出が実行される確率(XB2(本例では、90/100))を乗算し、さらに図74(A)を参照してB2/100を乗算することによって求められる。従って、サイコロ態様の第1所定演出が出現したときに普通図柄当りとなり可変入賞球装置715が遊技球が進入しやすい状態に制御されることに対する期待度(YT1)は、Y2/(Y1+Y2)を計算することによって求められる。
そして、この実施の形態では、上記の手順で算出されるルーレット態様の第1所定演出が出現したときに普通図柄当りとなり可変入賞球装置715が遊技球が進入しやすい状態に制御されることに対する期待度(XT1)が、サイコロ態様の第1所定演出が出現したときに普通図柄当りとなり可変入賞球装置715が遊技球が進入しやすい状態に制御されることに対する期待度(YT1)よりも高く、ルーレット態様で第1所定演出が実行された場合の方が期待度が高くなるように、確率XA1,XA2,XB1,XB2の値が設計され、A1,A2,B1,B2の割振数が定められている。
なお、図74(A)に示した判定値の割り振りは一例であり、例えば、普通図柄当りとなる場合には100%の割合でルーレット態様と決定されるようにしたり、普通図柄はずれとなる場合には100%の割合でサイコロ態様と決定されるようにしてもよい。また、例えば、サイコロ態様で第1所定演出が実行された場合の方が、ルーレット態様で第1所定演出が実行された場合よりも、普図当りとなり可変入賞球装置715が遊技球が進入しやすい状態に制御されることに対する期待が高くなるように判定値を割り振っても構わない。
演出制御用CPUは、ステップS759Bの処理において、所定演出の態様を決定するための所定演出態様決定用乱数を抽出し、所定演出態様決定用乱数が所定演出の態様に対応する判定値のいずれかと一致した場合に、所定演出の態様をルーレット態様またはサイコロ態様とすることに決定する。なお、演出制御用CPUは、普通図柄変動開始指定(はずれ)コマンド受信フラグがセットされている場合には、第1所定演出態様決定テーブルにおける「普通図柄はずれ」に関する判定値を使用し、普通図柄変動開始指定(当り)コマンド受信フラグがセットされている場合には、第1所定演出態様決定テーブルにおける「普通図柄当り」に関する判定値を使用する。
また、ステップS759Bでは、演出制御用CPUは、例えば、図74(B)に示す第1所定演出色決定テーブルを用いて、第1所定演出の演出色を決定する。
図74(B)に示す第1所定演出色決定テーブルには、第1所定演出の演出色を赤色とすることに対応する判定値と、第1所定演出の演出色を青色とすることに対応する判定値とが設定されている。なお、図74(B)には、判定値そのものではなく、判定値数が示されている。
図74(B)に示すように、この実施の形態では、第1所定演出が実行される場合には演出色(赤色)に対して判定値がC1個割り振られるとともに演出色(青色)に対して判定値がD1個割り振られ、C1>D1(C1+D1=100)となるように判定値が割り振られている。そして、後で具体的に説明するように、この実施の形態では、赤色の演出色で所定演出が実行された場合には、青色の演出色で所定演出が実行された場合と比較して、第1所定演出が実行されて、可変入賞球装置715が遊技球が進入しやすい状態に制御されるか否かの報知が行われる割合が高くなるように判定値が割り振られている。
なお、図74(B)に示した判定値の割り振りは一例であり、例えば、第1所定演出が実行される場合には100%の割合で演出色が赤色と決定されるようにしてもよい。また、例えば、逆に、第1所定演出が実行される場合に演出色が青色と決定される割合が高くなるように判定値を割り振っても構わない。
演出制御用CPUは、ステップS759Bの処理において、所定演出の演出色を決定するための所定演出色決定用乱数を抽出し、所定演出色決定用乱数が所定演出の演出色に対応する判定値のいずれかと一致した場合に、所定演出の演出色を赤色または青色とすることに決定する。
また、図74に示す例では、第1所定演出の態様と演出色とを別々のテーブルを用いて別々の抽選処理により決定する場合を示したが、第1所定演出の態様と演出色とを決定する処理方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、第1所定演出の態様と演出色との組み合わせが設定された1つのテーブルを用いて、1回の抽選処理を実行することによって、一括して第1所定演出の態様および演出色を決定するようにしてもよい。
また、演出制御用CPUは、ステップS759Bの処理を実行するときに、普通図柄変動開始指定コマンド受信フラグをリセットする。なお、演出制御用CPUは、ステップS733で「Y」と判定した場合にも、普通図柄変動開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、普通図柄変動開始指定コマンド受信フラグをリセットする。また、演出制御用CPUは、ステップS752,S753,S754,S757,S758で「Y」と判定したことによりステップS759Bの処理に移行しなかった場合にも、セットされている普通図柄変動開始指定コマンド受信フラグをリセットする。
ステップS761では、演出制御用CPUは、特別図柄の変動が開始されたか否か確認する。特別図柄の変動が開始されたか否かは、例えば、演出制御プロセスフラグの値によって判定される。特別図柄の変動が開始されていない場合には、演出短縮用タイマ(所定演出の演出期間の短縮の程度を決定するためのタイマ)の値を+1する(ステップS762)。特別図柄の変動が開始された場合には、ステップS771に移行する。
ステップS764では、演出制御用CPUは、第1所定演出を実行することに決定されているか否か確認する。なお、ステップS759Aの処理で第1所定演出を実行することに決定される。第1所定演出を実行することに決定されていない場合には、処理を終了する。
第1所定演出を実行することに決定されている場合には、演出制御用CPUは、特別図柄の変動中であるか否か確認する(ステップS765)。特別図柄の変動中であるか否かは、例えば、演出制御プロセスフラグの値が飾り図柄変動中処理または飾り図柄変動停止処理に対応する値であるか否かによって判定される。特別図柄の変動中でなければ、ステップS770に移行する。特別図柄の変動中である場合には、演出制御用CPUは、変動パターンがリーチにもならないはずれであるか否か確認する(ステップS766)。変動パターンがリーチ演出を含む場合には、ステップS771に移行する。
変動パターンがリーチにもならないはずれである場合には、演出制御用CPUは、特別図柄の変動の残り時間(例えば、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の実行中にセットされる変動時間タイマの値で特定される。)が普通図柄の変動時間(例えば、10秒:可変入賞球装置が遊技球が進入しやすい状態に制御されるまでの期間に相当)よりも短いか否か確認する(ステップS767)。短くない場合には、ステップS771に移行する。なお、演出制御用CPUは、特別図柄の変動の残り時間が、普通図柄の変動時間より短い所定時間(例えば、3秒)よりも短いか否か確認するようにしてもよい。
特別図柄の変動の残り時間が短い場合には、演出制御用CPUは、保留記憶がある(少なくとも第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値とのいずれかが0でない)か否か確認する(ステップS768)。保留記憶がない場合には、ステップS771に移行する。
保留記憶がある場合には、演出制御用CPUは、次変動ありフラグをセットする(ステップS769)。
ステップS770では、演出制御用CPUは、未変動期間計測タイマに所定の時間(この例では、3秒)に相当する値を設定する。
ステップS771では、演出制御用CPUは、次変動ありフラグがセットされているか否か確認する。次変動ありフラグがセットされている場合には、演出短縮用タイマの値(ステップS741,S761,S762参照)に応じた所定演出パターンを選択する(ステップS772)。具体的には、所定演出のパターンを、図61に示された所定演出の期間から演出短縮用タイマの値を減算した期間を演出期間とするパターンに決定する。短縮される期間は、図61に示された結果報知演出の期間である。
次変動ありフラグがセットされていない場合には、演出制御用CPUは、未変動期間計測用タイマの値(ステップS742,S743,S744参照)が0になっているか否か確認する(ステップS773)。未変動期間計測用タイマの値が0になっていない場合には、演出制御用CPUは、未変動期間計測用タイマの値に応じた所定演出パターンを選択する(ステップS774)。具体的には、所定演出のパターンを、図61に示された所定演出の期間から未変動期間計測用タイマの値を減算した期間を演出期間とするパターンに決定する。なお、短縮される期間は、図61に示された結果報知演出の期間である。
未変動期間計測用タイマの値が0である(未変動期間計測用タイマがタイムアウトしている)場合には、演出制御用CPUは、特別図柄の変動中であるか否か確認する(ステップS775)。特別図柄の変動中である場合には、演出制御用CPUは、第2期間(図61参照)から開始される所定演出パターンを選択する(ステップS776)。特別図柄の変動中でない場合には、演出制御用CPUは、第1期間(図61参照)から開始される所定演出パターンを選択する(ステップS777)。
次いで、演出制御用CPUは、第1所定演出タイマに、決定された所定演出のパターンに応じた時間に対応する値をセットする(ステップS778)。そして、演出制御用CPUは、第1所定演出を開始する(ステップS779)とともに、第1所定演出実行中フラグをセットする(ステップS780)。
なお、第1所定演出実行中フラグをセットする場合、第1所定演出の報知結果も特定可能な情報もセットする。この場合、例えば、報知結果が「×」であることを示すフラグや、報知結果が「○」であることを示すフラグ、所定演出(×)の後に所定演出(○)を実行することを示すフラグをセットするようにしてもよい。また、例えば、第1所定演出実行中フラグが複数ビット(例えば、1バイト)で構成される場合には、第1所定演出実行中フラグの所定ビットにいずれの報知結果であるかを指定する値を設定することによって、いずれの報知結果であるかを特定可能であるようにしてもよい。
また、第1所定演出実行中フラグをセットする場合、第1所定演出の態様や演出色も特定可能な情報もRAMに記憶する。一例として、第1所定演出の態様がルーレット態様であることを示すフラグやサイコロ態様であることを示すフラグ、第1所定演出の演出色が赤色であることを示すフラグや青色であることを示すフラグをセットする。また、例えば、第1所定演出実行中フラグが複数ビット(例えば、1バイト)で構成される場合には、第1所定演出実行中フラグの所定ビットに第1所定演出の態様や演出色を指定する値を設定することによって、第1所定演出の態様や演出色を特定可能であるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、具体的は、第1所定演出は、プロセステーブルに設定されているデータに従って演出制御を実行することによって実現される(ただし、図62に示す報知用画像の表示制御を除く)。その場合には、演出制御用CPUは、ステップS779の処理で、決定された所定演出のパターンに応じたプロセステーブルを選択し、選択したプロセステーブルに設定されているデータを用いて演出表示装置709の表示制御などを開始する。なお、各プロセステーブルは、あらかじめ演出制御用マイクロコンピュータのROMに格納されている。
図75は、第2所定演出処理(ステップS810B)を示すフローチャートである。第2所定演出処理では、演出制御用CPUは、まず、新たな変動カテゴリコマンド(変動パターン種別の先読み判定結果を示す演出制御コマンド)を受信したか否かを確認する(ステップS5201)。新たな変動カテゴリコマンドを受信した場合には、演出制御用CPUは、第1所定演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS5202)。第1所定演出実行中フラグがセットされていなければ、演出制御用CPUは、第2所定演出実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS5203)。第2所定演出実行中フラグがセットされていなければ、演出制御用CPUは、第2所定演出の実行が決定されていることを示す第2所定演出決定フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS5204)。
第2所定演出決定フラグもセットされていなければ、演出制御用CPUは、次変動ありフラグがセットされているか否か確認する(ステップS5205)。次変動ありフラグがセットされていなければ、演出制御用CPUは、未変動期間計測タイマが動作中(0でない)であるか否か確認する(ステップS5206)。
未変動期間計測タイマが動作中でない場合には、演出制御用CPUは、遊技状態データが、高ベース状態を示す値になっているか否か確認する(ステップS5207)。高ベース状態を示す値になっている場合には、処理を終了する。
高ベース状態を示す値になっていない場合には、演出制御用CPUは、大当り遊技状態(小当り遊技状態も含む)であるか否か確認する(ステップS5208)。大当り遊技状態であるか否かは、例えば演出制御プロセスフラグの値で確認される。その場合、演出制御用CPUは、演出制御プロセスフラグの値が4以上であるときに大当り遊技状態であるとする。大当り遊技状態である場合には、処理を終了する。
大当り遊技状態でなければ、演出制御用CPUは、新たに受信した変動カテゴリコマンドで示される変動パターン種別がスーパーリーチはずれまたはスーパーリーチ大当りの判定結果を示しているか否か確認する(ステップS5209)。具体的には、受信した変動カテゴリコマンドがスーパーリーチはずれまたはスーパーリーチ大当りの変動パターン種別を示すものであったか否かを確認する。
次いで、演出制御用CPUは、普通図柄の変動表示中であるか否かを確認する(ステップS5210a)。なお、普通図柄の変動表示中であるか否かは、具体的には、普通図柄変動開始指定コマンドを受信したことにもとづいてセットされる普通図柄変動中フラグがセットされているか否かを確認することにより判定できる。普通図柄の変動表示中でなければ、ステップS5210bに移行することなく、そのままステップS5212に移行する。ステップS5210aの処理が実行されることによって、この実施の形態では、普通図柄の変動表示も実行している場合にのみステップS5210b以降の処理に移行し、第2所定演出を実行する場合がある。
次いで、演出制御用CPUは、第2所定演出の有無および報知結果を決定するための第2所定演出決定テーブルとして、入賞時判定結果(スーパーリーチはずれ、またはスーパーリーチ大当り)および合算保留記憶数に応じた所定演出決定テーブルを選択する(ステップS5210b)。
また、演出制御用CPUは、ステップS5210bの処理で選択した第2所定演出決定テーブルを用いて、第2所定演出の有無および報知結果の決定を行う(ステップS5211a)。
図76は、第2所定演出決定テーブルを示す説明図である。図76に示すように、この実施の形態では、第2所定演出決定テーブルにおいて、入賞時判定結果および合算保留記憶数に対応付けて、所定演出を実行しないことに対応する判定値と、所定演出(×)を実行することに対応する判定値と、所定演出(チャンス)を実行することに対応する判定値と、所定演出(激熱)を実行することに対応する判定値とが設定されている。
そして、ステップS5211aに示す処理において、第1の実施の形態で示した図33や図36の所定演出処理の構成を適用し、図76に示す所定演出に加えて所定演出(コイン)を決定可能に構成し、コインが獲得されている場合には、所定演出において獲得コインがあることを報知可能に構成すればよい。
また、図76に示すように、この実施の形態では、スーパーリーチ大当りとなる場合には、スーパーリーチはずれとなる場合と比較して、特定演出に対する期待度が最も高い所定演出(激熱)が高い割合で決定されるとともに、合算保留記憶数が多くなるに従って所定演出(激熱)の実行割合が高まる。この実施の形態では、後述するように、第2所定演出が実行される変動表示が開始される前の各変動表示において、先読み予告演出が実行される(すなわち、はずれの報知結果となるがセの所定演出)が実行されるのであるが、そのように合算保留記憶数が多くなるに従って所定演出(激熱)の実行割合が高められていることによって、先読み予告演出の数が多く実行されるほど、特定演出(本例では、スーパーリーチ演出)が出現することに対する期待感を高めることができる。
次いで、演出制御用CPUは、第2所定演出の態様および演出色の決定を行う(ステップS5211b)。そして、ステップS5212に移行する。ただし、ステップS5211aで第2所定演出を実行しないことに決定した場合には、演出制御用CPUは、ステップS5211bで第2所定演出の態様や演出色の決定を行うことなく、そのままステップS5212に移行する。
ステップS5211bでは、演出制御用CPUは、例えば、図77(A)に示す第2所定演出態様決定テーブルを用いて、第2所定演出の態様をルーレット態様とするかサイコロ態様とするかを決定する。
図77(A)に示す第2所定演出態様決定テーブルには、スーパーリーチはずれとなる場合とスーパーリーチ大当りになる場合との各々に応じて、ルーレット態様とすることに対応する判定値と、サイコロ態様とすることに対応する判定値とが設定されている。なお、図77(A)には、判定値そのものではなく、判定値数が示されている。
図77(A)に示すように、この実施の形態では、スーパーリーチはずれとなる場合にはルーレット態様に対して判定値がA3個割り振られるとともにサイコロ態様に対して判定値がB3個割り振られ、A3<B3(A3+B3=100)となるように判定値が割り振られている。また、スーパーリーチ大当りとなる場合にはルーレット態様に対して判定値がA4個割り振られるとともにサイコロ態様に対して判定値がB4個割り振られ、A4>B4(A4+B4=100)となるように判定値が割り振られている。そして、この実施の形態では、ルーレット態様で第2所定演出が実行された場合には、サイコロ態様で第2所定演出が実行された場合と比較して、第2所定演出の報知結果として「激熱」が停止表示されスーパーリーチ大当りとなる期待が高くなるように判定値が割り振られている。
具体的に説明すると、この実施の形態では、スーパーリーチはずれとなる場合にルーレット態様が実行される確率(X3)は、例えば、スーパーリーチはずれとなる平均的な確率(XA3(例えば、大当り判定テーブルや大当り種別判定テーブル、変動パターン種別判定テーブル、変動パターン判定テーブルに設定された判定数などを参照して求められる))に、スーパーリーチはずれのときに所定演出が実行される平均的な確率(XB3(例えば、図76のテーブルに設定された判定数などを参照して求められる))を乗算し、さらに図77(A)を参照してA3/100を乗算することによって求められる。また、スーパーリーチ大当りとなる場合にルーレット態様が実行される確率(X4)は、例えば、スーパーリーチ大当りとなる平均的な確率(XA4(例えば、大当り判定テーブルや大当り種別判定テーブル、変動パターン種別判定テーブル、変動パターン判定テーブルに設定された判定数などを参照して求められる))に、スーパーリーチ大当りのときに所定演出が実行される平均的な確率(XB4(例えば、図76のテーブルに設定された判定数などを参照して求められる))を乗算し、さらに図77(A)を参照してA4/100を乗算することによって求められる。従って、ルーレット態様の第2所定演出が出現したときに「激熱」が停止表示されてスーパーリーチ大当りとなることに対する期待度(XT2)は、X4/(X3+X4)を計算することによって求められる。
一方、この実施の形態では、スーパーリーチはずれとなる場合にサイコロ態様が実行される確率(Y3)は、例えば、スーパーリーチはずれとなる平均的な確率(XA3)に、スーパーリーチはずれのときに所定演出が実行される平均的な確率(XB3)を乗算し、さらに図77(A)を参照してB3/100を乗算することによって求められる。また、スーパーリーチ大当りとなる場合にサイコロ態様が実行される確率(Y4)は、例えば、スーパーリーチ大当りとなる平均的な確率(XA4)に、スーパーリーチ大当りのときに所定演出が実行される平均的な確率(XB4)を乗算し、さらに図77(A)を参照してB4/100を乗算することによって求められる。従って、サイコロ態様の第2所定演出が出現したときに「激熱」が停止表示されてスーパーリーチ大当りとなることに対する期待度(YT2)は、Y4/(Y3+Y4)を計算することによって求められる。
そして、この実施の形態では、上記の手順で算出されるルーレット態様の第2所定演出が出現したときに「激熱」が停止表示されてスーパーリーチ大当りとなることに対する期待度(XT2)が、サイコロ態様の第2所定演出が出現したときに「激熱」が停止表示されてスーパーリーチ大当りとなることに対する期待度(YT2)よりも高く、ルーレット態様で第2所定演出が実行された場合の方が期待度が高くなるように、確率XA3,XA4,XB3,XB4の値が設計され、A3,A4,B3,B4の割振数が定められている。
なお、図77(A)に示した判定値の割り振りは一例であり、例えば、スーパーリーチ大当りとなる場合には100%の割合でルーレット態様と決定されるようにしたり、スーパーリーチはずれとなる場合には100%の割合でサイコロ態様と決定されるようにしてもよい。また、例えば、サイコロ態様で第2所定演出が実行された場合の方が、ルーレット態様で第2所定演出が実行された場合よりも、第2所定演出の報知結果として「激熱」が停止表示されスーパーリーチ大当りとなることに対する期待が高くなるように判定値を割り振っても構わない。
また、この実施の形態では、図76に示すように、スーパーリーチ大当りとなる場合に所定演出(激熱)が実行される割合が高いのに対して、スーパーリーチはずれとなる場合に所定演出(チャンス)が実行される割合が高く、サイコロ態様で第2所定演出が実行された場合には、第2所定演出の報知結果として「チャンス」が停止表示される割合が高くなる場合を示しているが、スーパーリーチはずれとなる場合に所定演出(×)が実行される割合を高くし、サイコロ態様で第2所定演出が実行された場合には、第2所定演出の報知結果として「×」が停止表示される割合が高くなるように構成してもよい。
演出制御用CPUは、ステップS5211bの処理において、所定演出態様決定用乱数を抽出し、所定演出態様決定用乱数が所定演出の態様に対応する判定値のいずれかと一致した場合に、所定演出の態様をルーレット態様またはサイコロ態様とすることに決定する。なお、演出制御用CPUは、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれである場合には、第2所定演出態様決定テーブルにおける「スーパーリーチはずれ」に関する判定値を使用し、入賞時判定結果がスーパーリーチ大当りである場合には、第2所定演出態様決定テーブルにおける「スーパーリーチ大当り」に関する判定値を使用する。
また、ステップS5211bは、演出制御用CPUは、例えば、図77(B)に示す第2所定演出色決定テーブルを用いて、第2所定演出の演出色を決定する。
図77(B)に示す第2所定演出色決定テーブルには、第2所定演出の演出色を赤色とすることに対応する判定値と、第2所定演出の演出色を青色とすることに対応する判定値とが設定されている。なお、図77(B)には、判定値そのものではなく、判定値数が示されている。
図77(B)に示すように、この実施の形態では、第2所定演出が実行される場合には演出色(赤色)に対して判定値がC2個割り振られるとともに演出色(青色)に対して判定値がD2個割り振られ、C2<D2(C2+D2=100)となるように判定値が割り振られている。そして、この実施の形態では、青色の演出色で所定演出が実行された場合には、赤色の演出色で所定演出が実行された場合と比較して、第2所定演出が実行されて、スーパーリーチ大当りとなるか否かの報知が行われる割合が高くなるように判定値が割り振られている。また、図74(B)で説明したように、この実施の形態では、赤色の演出色で所定演出が実行された場合には、青色の演出色で所定演出が実行された場合と比較して、第1所定演出が実行されて、可変入賞球装置715が遊技球が進入しやすい状態に制御されるか否かの報知が行われる割合が高くなるように判定値が割り振られている。
具体的に説明すると、この実施の形態では、第1所定演出が実行されて可変入賞球装置715が遊技球が進入しやすい状態に制御されるか否かの報知が行われる場合に赤色の演出色が選択される確率(S1)は、例えば、普通図柄はずれとなる平均的な確率(XA1)に、普通図柄はずれのときに所定演出が実行される確率(XB1(本例では、10/100))を乗算し、さらに図74(B)を参照してC1/100を乗算することによって求めた値と、普通図柄当りとなる平均的な確率(XA2)に、普通図柄当りのときに所定演出が実行される確率(XB2(本例では、90/100))を乗算し、さらに図74(B)を参照してC1/100を乗算することによって求めた値とを加算することによって求められる。また、第1所定演出が実行されて可変入賞球装置715が遊技球が進入しやすい状態に制御されるか否かの報知が行われる場合に青色の演出色が選択される確率(T1)は、例えば、普通図柄はずれとなる平均的な確率(XA1)に、普通図柄はずれのときに所定演出が実行される確率(XB1(本例では、10/100))を乗算し、さらに図74(B)を参照してD1/100を乗算することによって求めた値と、普通図柄当りとなる平均的な確率(XA2)に、普通図柄当りのときに所定演出が実行される確率(XB2(本例では、90/100))を乗算し、さらに図74(B)を参照してD1/100を乗算することによって求めた値とを加算することによって求められる。
また、この実施の形態では、第2所定演出が実行されてスーパーリーチ大当りとなるか否かの報知が行われる場合に赤色の演出色が選択される確率(S2)は、例えば、スーパーリーチはずれとなる平均的な確率(XA3)に、スーパーリーチはずれのときに所定演出が実行される平均的な確率(XB3)を乗算し、さらに図77(B)を参照してC2/100を乗算することによって求めた値と、スーパーリーチ大当りとなる平均的な確率(XA4)に、スーパーリーチ大当りのときに所定演出が実行される平均的な確率(XB4)を乗算し、さらに図77(B)を参照してC2/100を乗算することによって求めた値とを加算することによって求められる。また、第2所定演出が実行されてスーパーリーチ大当りとなるか否かの報知が行われる場合に青色の演出色が選択される確率(T2)は、例えば、スーパーリーチはずれとなる平均的な確率(XA3)に、スーパーリーチはずれのときに所定演出が実行される平均的な確率(XB3)を乗算し、さらに図77(B)を参照してD2/100を乗算することによって求めた値と、スーパーリーチ大当りとなる平均的な確率(XA4)に、スーパーリーチ大当りのときに所定演出が実行される平均的な確率(XB4)を乗算し、さらに図77(B)を参照してD2/100を乗算することによって求めた値とを加算することによって求められる。
そうすると、この実施の形態では、赤色の演出色で所定演出が実行された場合に第1所定演出が実行される確率(ST1)は、赤色の演出色で第1所定演出が実行される確率(S1)/赤色の演出色で所定演出(第1所定演出および第2所定演出)が実行される確率(S1+S2)で求められる。一方、青色の演出色で所定演出が実行された場合に第1所定演出が実行される確率(TT1)は、青色の演出色で第1所定演出が実行される確率(T1)/青色の演出色で所定演出(第1所定演出および第2所定演出)が実行される確率(T1+T2)で求められる。そして、この実施の形態では、上記の手順で算出される赤色の演出色で所定演出が実行された場合に第1所定演出が実行される確率(ST1)が、青色の演出色で所定演出が実行された場合に第1所定演出が実行される確率(TT1)よりも高く、赤色の演出色で所定演出が実行された場合の方が、第1所定演出が実行されて可変入賞球装置715が遊技球が進入しやすい状態に制御されるか否かの報知が行われる割合が高くなるように、確率XA1,XA2,XA3,XA4,XB1,XB2,XB3,XB4の値が設計され、C1,C2,D1,D2の割振数が定められている。
また、この実施の形態では、赤色の演出色で所定演出が実行された場合に第2所定演出が実行される確率(ST2)は、赤色の演出色で第2所定演出が実行される確率(S2)/赤色の演出色で所定演出(第1所定演出および第2所定演出)が実行される確率(S1+S2)で求められる。一方、青色の演出色で所定演出が実行された場合に第2所定演出が実行される確率(TT2)は、青色の演出色で第2所定演出が実行される確率(T2)/青色の演出色で所定演出(第1所定演出および第2所定演出)が実行される確率(T1+T2)で求められる。そして、この実施の形態では、上記の手順で算出される青色の演出色で所定演出が実行された場合に第2所定演出が実行される確率(TT2)が、赤色の演出色で所定演出が実行された場合に第2所定演出が実行される確率(ST2)よりも高く、青色の演出色で所定演出が実行された場合の方が、第2所定演出が実行されてスーパーリーチ大当りとなるか否かの報知が行われる割合が高くなるように、確率XA1,XA2,XA3,XA4,XB1,XB2,XB3,XB4の値が設計され、C1,C2,D1,D2の割振数が定められている。
なお、図77(B)に示した判定値の割り振りは一例であり、例えば、第2所定演出が実行される場合には100%の割合で演出色が青色と決定されるようにしてもよい。また、例えば、逆に、第2所定演出が実行される場合に演出色が赤色と決定される割合が高くなるように判定値を割り振っても構わない。
演出制御用CPUは、ステップS5211bの処理において、所定演出色決定用乱数(図42参照)を抽出し、所定演出色決定用乱数が所定演出の演出色に対応する判定値のいずれかと一致した場合に、所定演出の演出色を赤色または青色とすることに決定する。
また、図77に示す例では、第2所定演出の態様と演出色とを別々のテーブルを用いて別々の抽選処理により決定する場合を示したが、第2所定演出の態様と演出色とを決定する処理方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、第2所定演出の態様と演出色との組み合わせが設定された1つのテーブルを用いて、1回の抽選処理を実行することによって、一括して第2所定演出の態様および演出色を決定するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPUは、先読み予告演出の有無や態様を決定する先読み予告決定処理を実行する(ステップS5212)。
また、演出制御用CPUは、第2所定演出を実行することに決定した場合には、第2所定演出決定フラグをセットする(ステップS5213,S5214)。
なお、第2所定演出決定フラグをセットする場合、第2所定演出の報知結果も特定可能な情報もRAMに記憶する。一例として、報知結果が「×」であることを示すフラグや、報知結果が「チャンス」であることを示すフラグ、報知結果が「激熱」であることを示すフラグをセットする。また、例えば、第2所定演出決定フラグが複数ビット(例えば、1バイト)で構成される場合には、第2所定演出決定フラグの所定ビットにいずれの報知結果であるかを指定する値を設定することによって、いずれの報知結果であるかを特定可能であるようにしてもよい。
また、第2所定演出決定フラグをセットする場合、第2所定演出の態様や演出色も特定可能な情報もRAMに記憶する。一例として、第2所定演出の態様がルーレット態様であることを示すフラグやサイコロ態様であることを示すフラグ、第2所定演出の演出色が赤色であることを示すフラグや青色であることを示すフラグをセットする。また、例えば、第2所定演出決定フラグが複数ビット(例えば、1バイト)で構成される場合には、第2所定演出決定フラグの所定ビットに第2所定演出の態様や演出色を指定する値を設定することによって、第2所定演出の態様や演出色を特定可能であるようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPUは、合算保留記憶数を第1変動回数カウンタにセットする(ステップS5215)。なお、第1変動回数カウンタは、第2所定演出を含む変動表示が開始されるまでに実行される変動表示の回数をカウントするためのカウンタである。なお、この実施の形態では、特別図柄や飾り図柄の変動表示中に第2所定演出の実行の決定が行われてステップS5215で第1変動回数カウンタがセットされた場合には、まず、その実行中の変動表示の終了時に第1変動回数カウンタの値が1減算され(ステップS8312参照)、結果として、第2所定演出を含む変動表示の1つ前の変動表示までで第1変動回数カウンタの値が0になる。なお、ステップS5215において、特別図柄や飾り図柄の変動表示中でない場合には、演出制御用CPUは、現在の合算保留記憶数から1減算した値を第1変動回数カウンタにセットするようにすることが望ましい。そのように構成すれば、必ず第2所定演出を含む変動表示の1つ前の変動表示までで第1変動回数カウンタの値が0になるようにすることができる。
その後、飾り図柄の変動表示が実行されるごとに第1変動回数カウンタの値が1ずつ減算される。そして、第1変動回数カウンタの値が0となると、その次の飾り図柄の変動表示において第2所定演出が実行され、第2所定演出実行中フラグがセットされる。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、第1の実施の形態で示した構成をパチンコ遊技機700に適用することにより、第1の実施の形態と同様に、遊技関連情報を出力するための設定を行っていれば、特典が有利に付与され示唆演出で特典が付与されていることが報知される割合も高くなるのであるから、遊技関連情報を出力するための設定を行っている遊技者に対して、特典の付与に関する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、示唆演出(本例では、所定演出)において、有利遊技状態として可変入賞球装置715が遊技球が進入しやすい状態に制御されることや、スーパーリーチとなること、スーパーリーチ大当りとなることを報知する場合を示したが、示唆演出において報知される有利遊技状態は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、有利遊技状態として大当りとなることや、確変状態となること、時短状態となること、高ベース状態となることを示唆演出において報知可能に構成してもよい。また、例えば、突然確変大当りや小当りに当選したことも示唆演出において報知可能に構成してもよい。さらに、例えば、擬似連が発生することを示唆演出において報知可能に構成してもよい。
このように、第1の実施の形態の内容をパチンコ遊技機700に適用することができる。また、同様に、第2の実施の形態の内容をパチンコ遊技機700に適用することができる。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の変更は勿論可能である。
[変形例] なお、上記の第1の実施の形態で示した構成を様々に組み合わせて遊技用システム、遊技機、管理装置を構成することが可能である。図78は、遊技用システムにおける構成の組み合わせパターンを説明するための説明図である。
図78に示すように、第1の実施の形態で示した遊技用システムは、(1)遊技機が2次元コードを出力、(2)遊技機がコイン(金、銀、銅のいずれか)を付与、(5)サーバがアイテムを決定、(6)サーバがアイテムを付与、という4つの構成要素を備える。
そして、図78に示した(1)〜(6)の構成要素の組み合わせパターンは、第1の実施の形態で示したもの以外に、図78に示す変形例1、変形例2が考えられる。例えば、変形例1に示す遊技用システムは、(1)〜(6)の構成要素のうち、(1)、(2)、(4)、(6)の4つの構成要素を備える。また、変形例2に示す遊技用システムは、(1)〜(6)の構成要素のうち、(1)、(3)、(5)、(6)の4つの構成要素を備える。
なお、上記第1の実施の形態で示した遊技用システムの各構成要素は、少なくとも2次元コードを出力する構成がスロットマシン1側で備えるべき構成であり、アイテムを付与する構成が管理サーバ1200側で備えるべき構成であることを除いて、スロットマシン1側と管理サーバ1200側とのいずれに備えていてもよい。
なお、上記各実施の形態は、以下の(1)〜(8)に示す発明を含み、以下に説明するような効果を奏する。
(1)第1の観点に係る遊技システムは、遊技者による遊技用価値(例えば、メダルや遊技球)を用いた所定の遊技を可能にすると共に、遊技者の遊技結果(例えば、総ゲーム数、BB,RB回数、レベル、経験値、演出設定や達成ミッション)に関する遊技結果情報を含む情報を所定態様(例えば、2次元コード)で出力可能な遊技機(例えば、スロットマシン1やパチンコ遊技機)と、遊技機についての遊技に関する遊技情報(例えば、図21(a)に示す情報)を、登録された遊技者ごとに管理する管理装置(例えば、管理サーバ1200)と、を含む遊技機システム(例えば、遊技システム1001)であって、管理装置は、遊技結果情報にもとづいて遊技情報を更新する遊技情報更新手段と、遊技情報にもとづいて対応する遊技者に所定の特典(例えば、コンテンツデータや交換券を示すデータ)を付与する特典付与手段と、遊技者の要求に応じて当該遊技者に対応する遊技情報にもとづいて生成した鍵データ(例えば、パスワード)を発行する鍵データ発行手段と、を備え、遊技機は、遊技者から鍵データの入力を受け付ける鍵データ受付手段と、遊技者による所定の終了操作に応じて遊技結果情報を含む情報を所定態様で出力する遊技結果出力手段と、を備え、遊技システムは、鍵データの受け付け後から終了操作に至る期間において遊技者が獲得した遊技用価値の総量から遊技者が使用した遊技用価値の総量を差し引いた値である遊技用価値差分量(例えば、メダル差枚数や遊技球差分数)を特定する差分特定手段を備え、さらに遊技用価値差分量が遊技者にとって有利な結果か不利な結果かを判定し、不利な結果を示すものであると判定した場合には有利な結果を示すものであると判定した場合よりも特典を付与するための条件を当該遊技者側に有利となるように設定することを特徴とする。
このような構成によれば、遊技者にとって不利な遊技結果で遊技を終了した場合、特典を付与するための条件が、遊技者側にとって、より有利となるように設定される。このため、たとえ遊技で負けてしまっても、遊技者は、積極的に遊技結果情報を出力させ、管理装置から特典の付与を受けようとする意欲を維持できる。したがって、遊技終了後、遊技結果情報を出力させないまま、遊技者が立ち去ってしまう事態の発生を低減でき、結果として、当該遊技システムによってもたらされるサービスの活用促進が期待できる。
なお、遊技結果が遊技者にとって有利か不利かの判定は、遊技用価値差分量にもとづくものであるが、その判定基準は任意の設計事項である。例えば、±0を基準にしてもよいし、マイナス側の所定量、あるいは、プラス側の所定量を基準にしてもよい。また、特典を付与するための条件は、遊技結果が遊技者にとって有利な場合と不利な場合の2通りに限定されず、有利の度合いや、不利の度合いに応じて、複数段階で変化させるようにしてもよい。例えば、遊技用価値がメダルであり、遊技用価値差分量がメダルの差枚数である場合、−1001枚以下である場合に最も条件が有利となるように設定し、以降、−1000〜−500枚、−500〜0枚、0〜500枚、500〜1000枚、1001枚以上、とメダル差枚数が増加するごとに、特典を付与するための条件が不利になるように設定してもよい。
また、差分特定手段は、遊技機または管理装置の少なくとも何れか一方が備える構成であればよい。また、遊技用価値差分量が遊技者にとって有利な結果か不利な結果かを判定し、不利な結果を示すものであると判定した場合には有利な結果を示すものであると判定した場合よりも特典を付与するための条件を当該遊技者側に有利となるように設定するのは、遊技機または管理装置の何れであってもよい。
(2)上記(1)の遊技システムにおいて、差分特定手段は遊技機に含まれており、遊技機は、管理装置から特典の付与を受ける際の交換価値(例えば、コイン)を示す特典用価値データ(例えば、ストックコインデータ)を記憶する特典用価値データ記憶手段(例えば、RAM91bに割り当てられたストックコイン格納領域)と、終了操作に応じて、特典用価値データ記憶手段に記憶されている特典用価値データが示す交換価値にもとづいて遊技者が獲得できる交換価値を決定し、その際、遊技用価値差分量が遊技者にとって有利な結果か不利な結果かを判定し、不利な結果を示すものであると判定した場合には有利な結果を示すものであると判定した場合よりも多くの交換価値を獲得できる割合を高めるように決定する獲得決定手段と、をさらに備え、遊技結果出力手段は、獲得決定手段によって決定された交換価値を示す特典用価値データ(例えば、獲得データ)を含めた遊技結果情報を含む情報を所定態様で出力するようにしてもよい。
このような構成によれば、遊技機側において、遊技者にとって不利な遊技結果で遊技を終了した場合、多くの交換価値を獲得できる割合を高めるようにすることで、特典を付与するための条件が、遊技者側にとって、より有利となるように設定される。これにより、管理装置側は、当該遊技者に対応した遊技情報に含まれる、当該遊技者が獲得した交換価値にもとづいて、遊技者への特典の付与を簡易に決定することができる。
(3)上記(2)の遊技システムにおいて、遊技機は、交換価値を獲得できる否かを示唆する示唆演出を実行する示唆演出手段をさらに備えるようにしてもよい。
このような構成によれば、遊技者の射幸心が煽られ、興趣性の向上が図れる。この場合の示唆演出の一例としては、図20に示すように、JACKPOT(ジャックポット)にて、同一の数字(例えば、7)が複数桁(例えば、3桁)で揃うか否かで、交換価値を獲得できる否かを示唆する演出などが挙げられる。また、その際、例えば、背景やキャラクタの表示、音声や効果音の出力などによって、獲得の期待度を示すようにしてもよい。
(4)上記(2)または(3)の遊技システムにおいて、遊技機において、獲得決定手段は、所定の抽選処理により遊技者が獲得できる交換価値を決定し、抽選では、遊技用価値差分量が遊技者にとって不利な結果を示すものであると判定した場合には有利な結果を示すものであると判定した場合よりも当選確率が高くなるようにしてもよい。
このような構成によれば、遊技者の交換価値の獲得に対する射幸心が煽られ、興趣の向上が図れる。
(5)上記(1)の遊技システムにおいて、差分特定手段は遊技機に含まれており、遊技機において、遊技結果出力手段は、差分特定手段により特定された遊技用価値差分量を含めた遊技結果情報を含む情報を所定態様で出力し、管理装置において、登録された遊技者ごとに管理される遊技情報には、当該遊技者が獲得した、特典の付与を受ける際の交換価値を示す特典用価値データが含まれており、管理装置は、遊技結果情報にもとづいて遊技者が獲得できる交換価値を決定し、決定した交換価値にもとづいて当該遊技者に対応する遊技情報に含まれる特典用価値データを更新し、決定の際、当該遊技結果情報に含まれる遊技用価値差分量が遊技者にとって有利な結果か不利な結果かを判定し、不利な結果を示すものであると判定した場合には有利な結果を示すものであると判定した場合よりも多くの交換価値を獲得できる割合を高めるように決定する獲得決定手段をさらに備えるようにしてもよい。
このような構成によれば、遊技機側では、特典用価値データに関する処理が不要となるため、複雑な機能を備えずに済む。
(6)上記(5)の遊技システムにおいて、管理装置において、獲得決定手段は、所定の抽選処理により遊技者が獲得できる交換価値を決定し、抽選では、遊技用価値差分量が遊技者にとって不利な結果を示すものであると判定した場合には有利な結果を示すものであると判定した場合よりも当選確率が高くなるようにしてもよい。
このような構成によれば、遊技者の交換価値の獲得に対する射幸心が煽られ、興趣の向上が図れる。
(7)第2の観点に係る遊技機は、遊技者による遊技用価値(例えば、メダルや遊技球)を用いた所定の遊技を可能にする遊技機(例えば、スロットマシン1やパチンコ遊技機)であって、遊技者に所定の特典(例えば、コンテンツデータや交換券を示すデータ)を付与する管理装置(例えば、管理サーバ1200)から発行された鍵データ(例えば、パスワード)の入力を遊技者から受け付ける鍵データ受付手段と、遊技者の遊技結果(例えば、総ゲーム数、BB,RB回数、レベル、経験値、演出設定や達成ミッション)に関する情報であって、鍵データの受け付け後から終了操作に至る期間において遊技者が獲得した遊技用価値の総量から遊技者が使用した遊技用価値の総量を差し引いた値である遊技用価値差分量(例えば、メダル差枚数や遊技球差分数)を特定し、特定した遊技用価値差分量が遊技者にとって有利な結果か不利な結果かを判定し、不利な結果を示すものであると判定した場合には有利な結果を示すものであると判定した場合よりも管理装置から特典が付与されるための条件を遊技者側に有利となるように設定するための遊技結果情報を含む情報を終了操作に応じて所定態様(例えば、2次元コード)で出力する遊技結果出力手段と、を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、上記(1)の遊技システムと同様の作用効果を奏することが期待できる。
(8)本発明の第3の観点に係る管理装置は、遊技者による遊技用価値(例えば、メダルや遊技球)を用いた所定の遊技を可能にする所定の遊技機(例えば、スロットマシン1やパチンコ遊技機)について、その遊技に関する遊技情報を、登録された遊技者ごとに管理する管理装置(例えば、管理サーバ1200)であって、遊技機から出力された、遊技者の遊技結果に関する遊技結果情報にもとづいて遊技情報を更新する遊技情報更新手段と、遊技情報にもとづいて対応する遊技者に所定の特典(例えば、コンテンツデータや交換券を示すデータ)を付与する特典付与手段と、遊技者の要求に応じて当該遊技者に対応する遊技情報にもとづいて生成した鍵データ(例えば、パスワード)を発行する鍵データ発行手段と、を備え、遊技結果情報には、遊技者が獲得した遊技用価値の総量から遊技者が使用した遊技用価値の総量を差し引いた値である遊技用価値差分量(例えば、メダル差枚数や遊技球差分数)を特定可能な情報が含まれており、当該遊技用価値差分量が遊技者にとって有利な結果か不利な結果かを判定し、不利な結果を示すものであると判定した場合には有利な結果を示すものであると判定した場合よりも特典を付与するための条件を当該遊技者側に有利となるように設定することを特徴とする。
このような構成によれば、上記(1)の遊技システムと同様の作用効果を奏することが期待できる。
なお、以下のように構成された遊技機や遊技システムに上記各実施の形態で説明した発明を適用する事も可能である。
(1)遊技機は、所定の遊技を行うことが可能な遊技機(スロットマシン1/パチンコ遊技機700)であって、遊技者に関連する遊技者情報(パスワード)を入力する遊技者情報入力手段(パチンコ遊技機のプッシュボタンやスティックコントローラなどの操作部/演出用スイッチ56、ストップスイッチ8L、8C、8R)と、遊技者情報入力手段(演出用スイッチ56、ストップスイッチ8L、8C、8R/パチンコ遊技機のプッシュボタンやスティックコントローラなどの操作部)にて入力された遊技者情報(パスワード)に応じた遊技者価値(ポイント)を設定する遊技者価値設定手段(サブ制御部91/パチンコ遊技機の演出制御用CPU)と、遊技者が遊技を行った結果である遊技履歴(200ゲーム消化ごと/100回転消化ごと)にもとづいて特典(コイン)を付与する特典付与手段(サブ制御部91/パチンコ遊技機の演出制御用CPU)と、を備え、特典付与手段(サブ制御部91/パチンコ遊技機の演出制御用CPU)は、遊技者価値設定手段(サブ制御部91/パチンコ遊技機の演出制御用CPU)により設定された遊技者価値(ポイント)を消費した場合に、該遊技者価値(ポイント)を消費しなかった場合よりも優遇された条件にて特典(コイン)を付与することを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者情報入力手段にて入力された遊技者情報に応じて設定された遊技者価値を消費した場合に、遊技者価値を消費しなかった場合よりも優遇された条件にて特典の付与を受けることが可能となる。すなわち遊技者価値の有無によって、特典の付与に際しての優遇度合いが変化するので、特典の付与を受ける際の興趣を効果的に高めることができる。
なお、遊技者に関連する遊技者情報とは、遊技者を特定可能な情報であってもよいし、遊技者が過去に遊技を行った結果である遊技履歴などの情報、遊技者に個人に対して付与された価値を特定可能な情報などであってもよい。
また、特典付与手段が該遊技者価値を消費した場合に、該遊技者価値を消費しなかった場合よりも優遇された条件にて特典を付与するとは、遊技者価値を消費しなかった場合よりも高確率にて特典を付与するものでもよいし、遊技者価値を消費しなかった場合よりも価値の高い特典を付与するもの、価値の高い特典が付与される確率が高いもの、或いはこれらが組み合わさって優遇されるものでもよい。
(2)(1)の遊技機は、所定の増加条件(300ゲーム消化ごと/100回転消化ごと)が成立した場合に遊技者価値設定手段(サブ制御部91/パチンコ遊技機の演出制御用CPU)により設定された遊技者価値(ポイント)を増加させる遊技者価値増加手段(サブ制御部91/パチンコ遊技機の演出制御用CPU)を備えることを特徴としている。この特徴によれば、遊技者価値を消費してしまっても、その後所定の増加条件が成立することで遊技者価値が増加し、再び優遇された条件にて特典の付与を受けることが可能となる。
(3)(1)に記載の遊技機は、所定の増加条件は、遊技履歴が特定条件(300ゲーム消化ごと/100回転消化ごと)を満たすことであることを特徴としている。この特徴によれば、遊技を行うことにより遊技者価値が増加することとなるので、遊技機の稼働を向上させることができる。
(4)(1)ないし(3)のいずれかに記載の遊技機は、遊技者価値設定手段(サブ制御部91/演出制御用CPU1101)により設定された遊技者価値(ポイント)を消費するか否かを遊技者が選択する選択手段(演出用スイッチ56)を備え、特典付与手段(サブ制御部91/パチンコ遊技機の演出制御用CPU)は、選択手段(演出用スイッチ56/パチンコ遊技機のプッシュボタンなどの操作部)により遊技者価値(ポイント)を消費する旨が選択された場合に、優遇された条件にて特典(コイン)を付与することを特徴としている。この特徴によれば、遊技者が特典を受けるにあたり優遇された条件を適用するために遊技者価値を消費させるか否かを遊技者が任意に選択することができる。
(5)(1)ないし(4)のいずれかに記載の遊技機は、遊技終了時に遊技者価値(ポイント)の残りを特定可能な残存遊技者価値特定情報(ポイントが特定される2次元コード)を出力する残存遊技者価値特定情報出力手段(サブ制御部91/パチンコ遊技機の演出制御用CPU)を備えることを特徴としている。この特徴によれば、一の遊技者価値を複数の遊技機に跨って消費し、特典の付与を受ける際に優遇された条件を適用することが可能となる。
(6)遊技システムは、所定の遊技を行うことが可能な遊技機(スロットマシン1/パチンコ遊技機)であって、遊技者に関連する遊技者情報(パスワード)を入力する遊技者情報入力手段(演出用スイッチ56、ストップスイッチ8L、8C、8R/パチンコ遊技機のプッシュボタンやスティックコントローラなどの操作部)と、遊技者情報入力手段(演出用スイッチ56、ストップスイッチ8L、8C、8R/パチンコ遊技機のプッシュボタンやスティックコントローラなどの操作部)にて入力された遊技者情報(パスワード)に応じた遊技者価値(ポイント)を設定する遊技者価値設定手段(サブ制御部91/パチンコ遊技機の演出制御用CPU)と、遊技者が遊技を行った結果である遊技履歴(200ゲーム消化ごと/100回転消化ごと)にもとづいて特典(コイン)の付与を受けるための特典権利(コインの付与を受ける権利)を付与する特典権利付与手段(サブ制御部91/パチンコ遊技機の演出制御用CPU)と、特典権利付与手段(サブ制御部91/パチンコ遊技機の演出制御用CPU)により付与された特典権利(コインの付与を受ける権利)を特定可能な特典権利特定情報(コインの付与を受ける権利が特定される2次元コード)を出力する特典権利特定情報出力手段(サブ制御部91/パチンコ遊技機の演出制御用CPU)と、を備える遊技機(スロットマシン1/パチンコ遊技機)と、特典権利特定情報出力手段(サブ制御部91/パチンコ遊技機の演出制御用CPU)にて出力された特典権利特定情報(コインの付与を受ける権利が特定される2次元コード)から特定される特典権利(コインの付与を受ける権利)にもとづいて特典(コイン)を付与する特典付与手段と、を含み、特典権利付与手段(サブ制御部91/パチンコ遊技機の演出制御用CPU)は、遊技者価値設定手段(サブ制御部91/パチンコ遊技機の演出制御用CPU)により設定された遊技者価値(ポイント)を消費することで、遊技者価値(ポイント)を消費しなかった場合よりも優遇された条件にて特典権利(コインの付与を受ける権利)を付与することを特徴としている。
この特徴によれば、遊技者情報入力手段にて入力された遊技者情報に応じて設定された遊技者価値を消費した場合に、該遊技者価値(ポイント)を消費しなかった場合よりも優遇された条件にて特典の付与を受けるための特典権利の付与を受けることが可能となる。すなわち遊技者価値の有無によって、特典権利の付与に際しての優遇度合いが変化するので、特典権利の付与を受ける際の興趣を効果的に高めることができる。
なお、遊技者に関連する遊技者情報とは、遊技者を特定可能な情報であってもよいし、遊技者が過去に遊技を行った結果である遊技履歴などの情報、遊技者に個人に対して付与された価値を特定可能な情報などであってもよい。
また、特典権利付与手段が該遊技者価値を消費した場合に、該遊技者価値を消費しなかった場合よりも優遇された条件にて特典権利を付与するとは、遊技者価値を消費しなかった場合よりも高確率にて特典権利を付与するものでもよいし、遊技者価値を消費しなかった場合よりも価値の高い特典権利(価値の高い特典を得られる特典権利など)を付与するもの、価値の高い特典権利が付与される確率が高いもの、或いはこれらが組み合わさって優遇されるものでもよい。
また、特典権利特定情報出力手段は、文字データを表示することで、特典権利特定情報を出力する構成でもよいし、バーコードや2次元コードなどのようにコード化したデータを表示することで、特典権利特定情報を出力する構成でもよいし、有線接続、無線接続、赤外線接続などにより外部から読み取り可能に出力することで、特典権利特定情報を出力する構成でもよい。
(7)(6)に記載の遊技システムは、遊技機(スロットマシン1/パチンコ遊技機)は、所定の増加条件(300ゲーム消化ごと/100回転消化ごと)が成立した場合に遊技者価値設定手段(サブ制御部91/パチンコ遊技機の演出制御用CPU)により設定された遊技者価値(ポイント)を増加させる遊技者価値増加手段(サブ制御部91/パチンコ遊技機の演出制御用CPU)を備えることを特徴としている。この特徴によれば、遊技者価値を消費してしまっても、その後所定の増加条件が成立することで遊技者価値が増加し、再び優遇された条件にて特典権利の付与を受けることが可能となる。
(8)(6)に記載の遊技システムは、所定の増加条件は、遊技履歴が特定条件(100回転消化/300ゲーム消化)を満たすことであることを特徴としている。この特徴によれば、遊技を行うことにより遊技者価値(ポイント)が増加することとなるので、遊技機の稼働を向上させることができる。
(9)(6)ないし(8)のいずれかに記載の遊技システムは、遊技機(スロットマシン1/パチンコ遊技機)は、遊技者価値設定手段(サブ制御部91/パチンコ遊技機の演出制御用CPU)により設定された遊技者価値(ポイント)を消費するか否かを遊技者が選択する選択手段(演出用スイッチ56)を備え、特典権利付与手段(サブ制御部91/パチンコ遊技機の演出制御用CPU)は、選択手段(演出用スイッチ56/プッシュボタン1120)により遊技者価値(ポイント)を消費する旨が選択された場合に、優遇された条件にて特典権利(コインの付与を受ける権利)を付与することを特徴としている。この特徴によれば、遊技者が特典を受けるにあたり優遇された条件を適用するために遊技者価値を消費させるか否かを遊技者が任意に選択することができる。
(10)(6)ないし(9)のいずれかに記載の遊技システムは、遊技機(スロットマシン1/パチンコ遊技機)は、遊技終了時に遊技者価値(ポイント)の残りを特定可能な残存遊技者価値特定情報(ポイントが特定される2次元コード)を出力する残存遊技者価値特定情報出力手段(サブ制御部91/パチンコ遊技機の演出制御用CPU)を備え、遊技用装置(管理サーバ1200)は、残存遊技者価値特定情報(ポイントが特定される2次元コード)から特定される遊技者価値(ポイント)にもとづいて遊技者情報(パスワード)を発行する遊技者情報発行手段を備えることを特徴としている。この特徴によれば、一の遊技者価値を複数の遊技機に跨って消費し、特典権利の付与を受ける際に優遇された条件を適用することが可能となる。
(11)(6)ないし(10)のいずれかに記載の遊技システムは、特典権利特定情報出力手段(サブ制御部91/パチンコ遊技機の演出制御用CPU)は、特典権利特定情報として特典権利(コインの付与を受ける権利)を特定可能な2次元コード(コインの付与を受ける権利が特定される2次元コード)を出力し、特典付与手段は、2次元コード(コインの付与を受ける権利が特定される2次元コード)を読み取ることにより特定された特典権利(コインの付与を受ける権利)にもとづいて特典(コイン)を付与することを特徴としている。この特徴によれば、遊技者は、特典権利特定情報としての2次元コードを読み取るのみで特典の付与を受けることができる。
(1)〜(5)の遊技機や(6)〜(11)の遊技システムは、具体的には以下のように実施できる。
サブ制御部91は、ボーナス当選時またはチェリー入賞時などにおいてコインを付与する際に、金、銀、銅のいずれかのコインを選択することとなるが、ポイント格納領域のポイント数が残っている場合に、ポイントを用いることでコインの選択率が優遇される旨の案内と消費ポイントとして0〜3の選択肢とが表示されるようになっており、この際、演出用スイッチ56およびストップスイッチ8L、8C、8Rを操作して1〜3ポイントのいずれかを選択することにより、ポイント格納領域のポイント数から選択したポイント数を減算するとともに、選択したポイント数に応じてコインの選択率が優遇されるようになっている。
具体的には、図79(a)に示すように、0ポイントを選択した場合(ポイントを用いない場合)には、金が10%、銀が15%、銅が75%の確率でそれぞれ当選し、1ポイントを選択した場合には、金が20%、銀が20%、銅が60%の確率でそれぞれ当選し、2ポイントを選択した場合には、金が25%、銀が30%、銅が45%の割合でそれぞれ当選し、3ポイントを選択した場合には、金が30%、銀が40%、銅が30%の確率でそれぞれ当選する。
このようにコインが付与される際には、消費したポイント数に応じてコインの選択率が優遇されるようになっており、消費したポイント数が多い程、良い色のコイン(銅→金or銀、銀→金)が付与される確率を高くなる。
また、サブ制御部91は、遊技終了時において、ストックコイン獲得抽選を行い、ストックコインを獲得できるか否かが決定されることとなるが、ポイント格納領域のポイント数が残っている場合に、ポイントを用いることでストックコイン獲得抽選の当選確率が優遇される旨の案内と消費ポイントとして0〜3の選択肢とが表示されるようになっており、この際、演出用スイッチ56およびストップスイッチ8L、8C、8Rを操作して1〜3ポイントのいずれかを選択することにより、ポイント格納領域のポイント数から選択したポイント数を減算するとともに、選択したポイント数に応じてストックコイン獲得抽選の当選確率が優遇されるようになっている。
具体的には、図79(b)に示すように、0ポイントを選択した場合(ポイントを用いない場合)には、差枚数がマイナスの場合には0.75%、差枚数がプラスの場合には0.5%でそれぞれ当選し、1ポイントを選択した場合には、差枚数がマイナスの場合には3%、差枚数がプラスの場合には2%でそれぞれ当選し、2ポイントを選択した場合には、差枚数がマイナスの場合には7.5%、差枚数がプラスの場合には5%でそれぞれ当選し、3ポイントを選択した場合には、差枚数がマイナスの場合には15%、差枚数がプラスの場合には10%でそれぞれ当選する。
このようにストックコイン獲得抽選が行われる際には、消費したポイント数に応じて当選確率が優遇されるようになっており、消費したポイント数が多い程、当選確率も高くなる。
そして本実施例では、遊技者にとって有用な情報ほど多くのポイントを消費するように定められており、残っているポイント数が同じであっても、情報の価値に応じて有用な情報を得られる回数が異なることとなる。
サブ制御部91は、所定の回復条件が成立することでポイント格納領域に格納されているポイント数を成立した条件に応じた数だけ加算する。具体的には、図80に示すように、パスワード入力後、300ゲーム消化するごとにポイント格納領域のポイント数を1加算し、レア演出(本実施例では、1/2000以下の出現率の演出)が実行されるごとにポイント格納領域のポイント数を2加算する。また、ポイントは、遊技機側だけでなく、管理サーバ1200においても加算されることがあり、本実施例では、日付が変更されるごとに管理サーバ1200にて管理されているポイント数が3加算されることとなる。
(1)以上のように、上記各実施の形態では、所定情報を含むようにコード化された特定情報を出力することが可能な情報出力手段(例えば、図24のS2207の処理を行う部分)と、対象物(例えば、携帯端末1100)が特定領域内(例えば、液晶表示器51の前方)にあるか否かを検出する検出手段(例えば、図24のS2204の処理を行う部分)とを備え、情報出力手段は、特定情報の出力を許可する情報出力条件(例えば、パスワードの入力)が成立しているときに検出手段によって検出対象物が検出されたことを条件に特定情報を出力する(例えば、図24のS2204の判定処理で「YES」と判定された場合にS2207の処理を行って、図30のS2707の処理を行うことを可能にする部分)。よって、特定情報を出力する際に遊技者が感じる煩わしさをなくすことができる。
なお、上記各実施の形態では、携帯端末1100を検出したときにメインメニュー画面を表示する例を挙げたが、例えば、検出対象物を検出したときに直接2次元コードを出力する遊技機に上記の実施の形態で示した構成を適用して、請求項に係る発明を実現することが可能である。
また、上記各実施の形態では、特定情報としてメインメニュー画面を例に挙げたが、例えば、2次元コードやバーコードなど、上記の実施の形態と異なる特定情報を表示する遊技機に上記の実施の形態で示した構成を適用して、請求項に係る発明を実現することが可能である。
また、上記各実施の形態では、検出対象物として携帯端末1100を例に挙げたが、例えば、遊技者の手など遊技者の体の一部など、上記の実施の形態と異なる検出対象物を検出する遊技機に上記の実施の形態で示した構成を適用して、請求項に係る発明を実現することが可能である。
また、上記各実施の形態では、情報出力条件としてパスワードの入力を例に挙げたが、例えば、ゲーム終了から賭数設定までの間であること、ボーナス中であること、大当たり中であることなど、上記の実施の形態と異なる情報出力条件を設定した遊技機に上記の実施の形態で示した構成を適用して、請求項に係る発明を実現することが可能である。
また、上記各実施の形態では、特定領域を液晶表示器51の前方、かつ携帯端末1100からの反射光を受光素子57bが受光できる位置で、さらに携帯端末1100で2次元コードを取得できる位置にした例を挙げたが、例えば、液晶表示器51の斜め下方や斜め上方に特定領域を設定するなど、上記の実施の形態と異なる特定領域を設定した遊技機に上記の実施の形態で示した構成を適用して、請求項1に係る発明を実現することが可能である。
なお、上記各実施の形態では、光電センサ57で携帯端末1100を検出する例を挙げたが、例えば、赤外線センサや磁気センサなど、上記の実施の形態と異なるセンサを用いる遊技機に上記の実施の形態で示した構成を適用して、請求項に係る発明を実現することが可能である。
(2)また、上記各実施の形態では、情報出力手段は、特定情報を予め定められた領域に出力し(例えば、液晶表示器51の表示領域)、特定領域は、情報出力手段によって特定情報が出力される領域に近接する位置である(例えば、液晶表示器51の前方、かつ携帯端末1100からの反射光を受光素子57bが受光できる位置で、さらに携帯端末1100で2次元コードを取得できる位置)。よって、予め定められた領域に近接する位置において特定情報を取得するための作業を行うだけで特定情報が出力されるので、特定情報を出力する際に遊技者が感じる煩わしさをなくすことができる。
(3)また、上記各実施の形態では、検出手段は、情報出力条件が成立していないときに遊技者の動作を検出し、該検出結果に応じて特別演出を実行する特別演出実行手段(例えば、図32のS4103の処理で「NO」と判定された場合に図32のS4104の処理を行う部分)を備える。そのような構成によれば、特別演出を実行するための検出と特定情報を出力させるための検出を兼用させることができるので遊技機の製造コストの低減を図ることができる。また、特別演出の実行によって演出の興趣を高めることができる。さらに、特定情報を出力する際に遊技者が感じる煩わしさをなくすことができる。
なお、上記各実施の形態では、液晶表示器51の近傍に光電センサ57を配置したが、例えば、前面扉1bの透視窓3の近傍に光電センサ57を配置するなど、他の位置に光電センサ57を配置して遊技者の動作を検出してもよい。
(4)また、上記各実施の形態では、検出手段が対象物を検出したことを報知する報知手段(例えば、図24のS2206の処理を行う部分)を備えるようにしてもよい。そのような構成によれば、特定情報が出力されたことを遊技者が確認できるので、確実に特定情報を取得することができる。
なお、上記各実施の形態では、液晶表示器51を用いて報知を行う例を挙げたが、この実施の形態に限らず、例えば、スピーカ53,54、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ(上記実施の形態のリールLED55)、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視できるように構成された液晶表示器)、前面扉1bなどに取り付けられたランプやLED、ストップスイッチの振動、ストップスイッチの周囲からの送風、ストップスイッチの温度の変化など、上記の実施の形態と異なる手段で報知を実行するスロットマシンに上記の実施の形態で示した構成を適用して、請求項に係る発明を実現することが可能である。また、報知は他の機能を有する装置の一部を利用して行ってもよいし(例えば、リールLED55を用いて報知を行う場合にリールLED55はリールを背面側から照明する機能を有する)、報知のみを行う装置を設けて行ってもよい。
(5)また、上記各実施の形態では、検出手段は、対象物の種類を特定し(例えば、図24のS2205の処理を行う部分)、情報出力手段は、検出対象物が特定種類であった場合に特定情報を出力する(例えば、図24のS2205の判定処理で「YES」と判定された場合にS2207の処理を行って、図30のS2707の処理を行うことを可能にする部分)。そのような構成によれば、特定情報を出力するべきか否か確実に認識することができる。
なお、上記各実施の形態では、光電センサ57の受光素子57bでの反射光の受光量によって対象物の種類を特定したが、例えば、照度センサで受光した反射光の照度やカメラにより撮影した画像の解析により対象物の種類を特定するなど、上記の実施の形態と異なる方法で対象物を検出する遊技機に上記の実施の形態で示した構成を適用して、請求項に係る発明を実現することが可能である。
(6)また、上記各実施の形態では、複数種類の特典(例えば、アイテムAまたはアイテムB)のうちのいずれかを付与する権利(例えば、コイン)を遊技履歴に応じて付与する権利付与手段(例えば、図28のS2604〜S2607の処理を行ってS2611の処理を行う部分)と、権利付与手段によって付与された権利にもとづいて付与する特典を決定する特典決定手段(例えば、図47のS3703やS3713の判定処理を行ってS3710の処理を行う部分)とを備え、特典決定手段は、遊技機で実行される演出として遊技者により設定される特定演出が設定されているときには、該特定演出が設定されていないときに比べて、特典として該特定演出に関連する種類の特典を高い割合で付与することを決定する(例えば、図47のS3704の判定処理を行い、S3708の処理を行ってS3709の処理を行う部分)。よって、設定された特定演出に関連する種類の特典が付与されやすいので、遊技者が好む特典を付与することができ、遊技者に特典付与への喜びを感じさせることができる。また、特定演出を設定して遊技を行うことへの意欲を高めることができるので、遊技機の稼働率を向上させることができる。
なお、上記各実施の形態では、特典として、アイテムを例に挙げたが、例えば、設定示唆演出の実行、演出種類の増加、プレミアム演出が出現しやすい状態への移行、携帯端末の壁紙や音楽の付与など、上記の実施の形態と異なる有利な権利を設定したスロットマシンに上記の実施の形態で示した構成を適用して、請求項に係る発明を実現することが可能である。
また、上記各実施の形態では、特典としてアイテムAまたはアイテムBを例に挙げたが、例えば、キャラクタAを特定演出として設定した場合にはキャラクタAに対する携帯端末でのボイスや壁紙、キャラクタBを特定演出として設定した場合にはキャラクタBに対する携帯端末でのボイスや壁紙を特典とするなど、特定演出をカテゴリとして、設定したカテゴリの中に複数種類の特典を設定して請求項に係る発明を実現することが可能である。
(7)また、上記各実施の形態では、複数種類の特典(例えば、アイテムAまたはアイテムB)のうちのいずれかを付与する権利を遊技履歴に応じて付与する権利付与手段(例えば、図28のS2604〜S2607の処理を行ってS2611の処理を行う部分)と、権利付与手段によって付与された権利にもとづいて付与する特典を決定する特典決定手段(例えば、図47のS3703やS3713の判定処理を行ってS3710の処理を行う部分)と、所望する特典の種類を遊技者が任意に選択するための特典種類選択手段(例えば、図47のS3706やS3715の処理を行う部分)とを備え、特典決定手段は、遊技の頻度が所定の頻度よりも高いときは遊技の頻度が所定の頻度より高くないときと比べて、特典種類選択手段によって遊技者が選択した種類の特典を高い割合で付与することを決定する(例えば、図47のS3705の判定処理を行い、S3708の処理を行ってS3709の処理を行う部分)。よって、遊技者が好む特典が遊技の頻度に応じて付与されるので、遊技者がゲームを行う意欲を高め、遊技機の稼働率を向上させることができる。
なお、上記実施の形態では、特典として、アイテムを例に挙げたが、例えば、設定示唆演出の実行、演出種類の増加、プレミアム演出が出現しやすい状態への移行、携帯端末の壁紙や音楽の付与など、上記の実施の形態と異なる有利な権利を設定したスロットマシンに上記の実施の形態で示した構成を適用して、請求項に係る発明を実現することが可能である。
また、上記各実施の形態では、特典としてアイテムAまたはアイテムBを例に挙げたが、例えば、キャラクタAを特定演出として設定した場合にはキャラクタAに対する携帯端末でのボイスや壁紙、キャラクタBを特定演出として設定した場合にはキャラクタBに対する携帯端末でのボイスや壁紙を特典とするなど、特定演出をカテゴリとして、設定したカテゴリの中に複数種類の特典を設定して請求項に係る発明を実現することが可能である。
(8)また、上記各実施の形態では、特典を付与する権利として、第1権利(例えば、銀コインまたは銅コイン)と、遊技者により設定された特定演出に関連する種類の権利が付与される割合が高い第2権利(例えば、金コイン)を設定し、第2権利が得られたことを報知する報知手段(例えば、図29のS2613の処理を行う部分)を備える。
よって、遊技者は、自らが好む特典が付与されることを識別できるので、遊技者が再度ゲームを行う意欲を高め、遊技機の稼働率を向上させることができる。
なお、上記各実施の形態では、液晶表示器51を用いて報知を行う例を挙げたが、この実施の形態に限らず、例えば、スピーカ53,54、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ(上記実施の形態のリールLED55)、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視できるように構成された液晶表示器)、前面扉1bなどに取り付けられたランプやLED、ストップスイッチの振動、ストップスイッチの周囲からの送風、ストップスイッチの温度の変化など、上記の実施の形態と異なる手段で報知を実行するスロットマシンに上記の実施の形態で示した構成を適用して、請求項に係る発明を実現することが可能である。また、報知は他の機能を有する装置の一部を利用して行ってもよいし(例えば、リールLED55を用いて報知を行う場合にリールLED55はリールを背面側から照明する機能を有する)、報知のみを行う装置を設けて行ってもよい。
(9)また、上記各実施の形態では、特典を付与する権利として、第1権利(例えば、銀コインまたは銅コイン)と、遊技者が付与されることを所望して設定した種類の権利が付与される割合が高い第2権利(例えば、金コイン)を設定し、第2権利が得られたことを報知する報知手段(例えば、図29のS2613の処理を行う部分)を備える。
よって、遊技者は、自らが好む特典が付与されることを識別できるので、遊技者が再度ゲームを行う意欲を高め、遊技機の稼働率を向上させることができる。
なお、上記各実施の形態では、液晶表示器51を用いて報知を行う例を挙げたが、この実施の形態に限らず、例えば、スピーカ53,54、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ(上記実施の形態のリールLED55)、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視できるように構成された液晶表示器)、前面扉1bなどに取り付けられたランプやLED、ストップスイッチの振動、ストップスイッチの周囲からの送風、ストップスイッチの温度の変化など、上記各実施の形態と異なる手段で報知を実行する構成を適用して、請求項に係る発明を実現することが可能である。また、報知は他の機能を有する装置の一部を利用して行ってもよいし(例えば、リールLED55を用いて報知を行う場合にリールLED55はリールを背面側から照明する機能を有する)、報知のみを行う装置を設けて行ってもよい。
(10)また、上記各実施の形態では、遊技履歴に応じて特典を付与する条件を変更する条件変更手段(例えば、図47のS3707の処理を行う部分)を備える。よって、ゲームの興趣を向上させることができる。
なお、上記各実施の形態では、ゲーム数が増加して5000ゲームに達すると、設定した演出に関連する特典や設定した所望の特典を得られる確率を低くする例を挙げたが、例えば、ゲーム数が増加するほど設定した演出に関連する特典や設定した所望の特典を得られる確率を高くするなど、遊技履歴が蓄積されるほど特典が得やすくなる構成を適用して、請求項に係る発明を実現することが可能である。
なお、上記各実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを例に挙げて説明したが、これに限定されることなく、例えば、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに上記の実施の形態で示した構成を適用して、請求項に係る発明を実現することが可能である。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させた場合に、上記の実施の形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
また、本発明の遊技機は、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうちのいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものでなく、例えばメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンも本発明の遊技機に含まれるものである。
前述したパチンコ遊技機700については、演出表示装置709の変動表示の総回転数および大当り回数などの遊技履歴とは別に、パチンコ遊技機700に関する情報(データ)を情報出力回路からパチンコ遊技機700の外部に出力する処理(情報出力処理)を行なうことを説明した。このような情報出力処理によりパチンコ遊技機700の外部に出力する情報としては、遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号が含まれてもよい。
パチンコ遊技機700においては、たとえば、第1始動入賞口713、第2始動入賞口714、大入賞口(特別可変入賞球装置720)、および、一般入賞口のような複数種類の入賞口が設けられている。そして、これら入賞口への遊技玉の入賞が、第1始動口スイッチ713a、第2始動口スイッチ714a、カウントスイッチ723、一般入賞口スイッチ711のような入賞検出スイッチにより検出され、検出信号が遊技制御用マイクロコンピュータ7560に入力される。
遊技制御用マイクロコンピュータ7560では、入賞検出スイッチから入力される検出信号に基づいて、所定期間中における各入賞口に入賞した遊技玉の個数(入賞個数)を計数して記憶する処理を行なうことが可能であり、このような処理をすることにより、所定期間中における遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報を記憶する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ7560では、このような入賞情報に基づいて、所定期間が経過するごとに、各所定期間中における遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号を情報出力回路からパチンコ遊技機700の外部に出力する処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ7560において計数記憶し、遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号により特定する入賞個数としては、たとえば、10分ごと等の所定の経過時間ごとの入賞個数に関する情報(所定の経過時間ごとに出力する)、各1回の大当り遊技状態が発生するまでに要する期間ごとの入賞個数に関する情報(大当り遊技状態が発生するごとに出力する)、各日の電源投入時からの入賞個数に関する情報(所定の経過時間ごとに出力する)、および、遊技者ごとの入賞個数に関する情報(遊技用カード情報等の遊技者特定情報により遊技者が特定可能な場合に、各遊技者により遊技終了が選択されたときに出力する)のいずれの情報であってもよい。
なお、遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号としては、遊技玉がいずれかの入賞口に入賞するごとに出力される、入賞口と入賞個数(1個)とを特定可能な入賞情報信号であってもよい。
また、入賞情報信号をパチンコ遊技機700の外部に出力するその他の例としては、主基板731の一部の出力端子に、パチンコ遊技機700の外部に設けられた試験装置で動作試験をするための接続部品を接続し、現在の遊技状態での最新の入賞情報を示す入賞情報信号が、遊技制御用マイクロコンピュータ7560から当該接続部を介して外部に出力されるようにしてもよい。
このように、遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号がパチンコ遊技機700の外部に出力されるので、パチンコ遊技機700の外部において、遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報を認識することができるようになる。
[第5の実施の形態]
第5の実施の形態として、第4の実施の形態で説明したパチンコ遊技機700のような遊技制御を遊技制御の一例とするパチンコ遊技機を封入循環式のパチンコ機(パチンコ遊技機)として構成し、当該パチンコ機とカードユニットとを管理するシステムの例を説明する。なお、以下の第5の実施の形態として説明する遊技機、カードユニット、およびそれらを管理するシステムは、第4の実施の形態として説明した遊技機およびカードユニットのいずれに適用してもよい。
以下で説明する実施の形態により示される本発明は、たとえばパチンコ遊技機やスロットマシン等で代表される遊技機であって、互いに通信する第1制御手段および第2制御手段を備えた遊技機、遊技盤および遊技枠に関する。
従来、たとえば、認証用情報管理装置と通信可能に接続された第1制御手段と、該第1制御手段と通信可能に接続された第2制御手段とを含み、第1制御手段と第2制御手段とは、互いにペアの認証用情報、第2制御手段には、ペアの認証用情報の一方が予め記憶されている遊技機が開示されている(特開2012−100763号公報)。
また、従来、たとえば、遊技機の遊技状態を制御するメインCPUとたとえば可変表示装置を制御するサブCPUとの間で、共通鍵暗号方式による暗号電文の送受信を行なうものがあった(特開2004−89701号公報)。
遊技機において、第1制御手段と第2制御手段とで互いに通信を行なう場合に、両制御手段間の通信が途切れて両者間で通信不能な状態となる可能性がある。このような状況を想定し、両者間で通信不能な状態となった後の復帰手順を予め定めておく必要がある。この場合、一方で生成され、他方へ送信する予定であった所定情報が他方へ到達していなければ、復帰の際には当該所定情報が他方へ送信される復帰処理を定めなければならない。
ところが、このような復帰処理を制御手段が実行するユーザプログラムに含めたのでは、ユーザプログラムを実行する制御手段の制御負担が増大する。
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、第1制御手段と第2制御手段との間で通信不能な状態となった後の復帰処理に関する制御負担を軽減することである。
(1) 互いに通信する第1制御手段(主制御部161F)および第2制御手段(払出制御部171F)を備えた遊技機(P台2F)であって、
前記第1制御手段および前記第2制御手段の少なくとも一方は、
ユーザプログラムを記憶可能なユーザプログラム領域(主制御記憶部161cF、払出制御記憶部171cF)と、
前記ユーザプログラムの実行により生成された所定情報を送信するための通信制御回路(通信制御回路161bF,171bF)とを含み、
前記通信制御回路は、
前記所定情報を記憶する情報記憶部(たとえば、図106に示す送信データバッファ613F、図107に示すデータ受信レジスタ713Fなど)と、
前記情報記憶部に記憶された前記所定情報を所定の態様(たとえば、暗号化するなどの態様)で送信する情報送信手段(暗号通信制御部600F,700F)とを有し、
前記通信制御回路は、通信不能な状態から復帰するとき(通信制御回路161bF,171bFのリカバリ機能)に、前記情報記憶部に記憶された前記所定情報を送信する復帰処理を実行し、前記復帰処理の終了を条件(図109のSF292:リカバリ通信完了レジスタ618Fおよびリカバリ要求/完了レジスタ718Fにリカバリ完了を示すフラグが書込まれていること)に、前記ユーザプログラムの実行による前記所定情報の生成を再開(図109のSF293:ユーザプログラムの処理を開始させる信号を送信、または停止手段により停止していたユーザプログラムの処理を解除してユーザプログラムの処理を再開)する。
上記の構成によれば、通信不能な状態から復帰するときに、通信不能によって未送信となった所定情報をユーザプログラムの実行により生成し直して送信するのではなく、通信制御回路がその回路内の情報記憶部に記憶されている所定情報を送信するため、通信不能な状態から復帰するためにユーザプログラムを実行する必要がなく、その分の制御負担を軽減できる。
(2) 上記(1)において、
前記第1制御手段(主制御部161F)および前記第2制御手段(払出制御部171F)の双方は、前記ユーザプログラム領域と前記通信制御回路(通信制御回路161bF,171bF)とを含む。
上記構成によれば、第1制御手段および第2制御手段の双方は、ユーザプログラム領域と通信制御回路とを含むので、第1制御手段および前記第2制御手段の双方において処理を適切に再開することができる。
(3) 上記(1)または(2)において、
前記第1制御手段(主制御部161F)および前記第2制御手段(払出制御部171F)の双方は、前記ユーザプログラム領域と前記通信制御回路(通信制御回路161bF,171bF)とを含み、
前記通信制御回路は、前記所定情報を送信する際に、当該所定情報の到達確認をするために所定の更新パターンに従って更新される到達確認情報を併せて送信(図112:払出制御部171Fに対して前回送信した通番(主制御通番=n+1)を含む電源投入通知のコマンドを送信)し、
前記第1制御手段および前記第2制御手段の一方の前記通信制御回路は、通信不能な状態から復帰するときに、前回送信した前記到達確認情報を再送(図112:電源投入通知のコマンドに対する電源投入受信のレスポンスを送信)し、
他方の前記通信制御回路を含む前記第1制御手段または前記第2制御手段は、通信不能な状態から復帰するときに受信した前記到達確認情報と、通信不能となる前に受信した前記到達確認情報とが所定の関係にない場合(図112:主制御通番=n+1と払出制御通番=nとが一致しない場合)に、前記復帰処理によって前記一方の通信制御回路が送信した前記所定情報に基づいた情報の更新処理(図112:リカバリ処理を実行する)を実行する。
上記構成によれば、通信不能な状態から復帰するときに受信した到達確認情報と、通信不能となる前に受信した到達確認情報とが所定の関係にない場合に、復帰処理によって一方の通信制御回路が送信した所定情報に基づいた情報の更新処理を実行するので、第1制御手段と第2制御手段との通信の負担を軽減することができる。
(4) 上記(1)〜(3)において、
前記情報記憶部は、不揮発性記憶領域(たとえば、図106に示す送信データバッファ613F、図107に示すデータ受信レジスタ713F)と揮発性記憶領域(たとえば、図106に示す送信データバッファ613F以外のレジスタ、図107に示すデータ受信レジスタ713F以外のレジスタ)とを有する。
上記構成によれば、情報記憶部は、不揮発性記憶領域と揮発性記憶領域とを有するので、通信を再開する際のリカバリ処理において必要となるデータ量を抑えることができる。
(5) 上記(1)〜(4)において、
前記通信制御回路には、通信相手との認証が切れてから継続して前記所定情報を前記情報記憶部に書き込み可能な有効期間を設定可能(図107:主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cFにより、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後に、主制御部161Fの送信データバッファ613Fのデータをデータ受信レジスタ713Fに書込むことができる有効時間を設定する)である。
上記構成によれば、通信制御回路には、通信相手との認証が切れてから継続して所定情報を情報記憶部に書き込み可能な有効期間を設定可能であるので、通信相手との認証が切れてからも必要となる情報を確実に記憶することができる。たとえば、電源断や断線などにより通信相手との認証が切れた場合において浮遊玉(遊技領域27Fの釘等の間に引っ掛かって落下していない玉)が存在しても、継続して所定情報を情報記憶部に書き込み可能な有効期間を設定することで、当該浮遊玉が入賞したことの情報を確実に記憶して保護することができる。
(6) 第1制御手段(主制御部161F)を備えた遊技盤(遊技盤26F)であって、
前記第1制御手段は、
遊技枠(前枠5F)に含まれる第2制御手段(払出制御部171F)と互いに通信することが可能で、
ユーザプログラムを記憶可能なユーザプログラム領域(主制御記憶部161cF)と、
前記ユーザプログラムの実行により生成された所定情報を送信するための通信制御回路(通信制御回路161bF)とを含み、
前記通信制御回路は、
前記所定情報を記憶する情報記憶部(たとえば、図106に示す送信データバッファ613Fなど)と、
前記情報記憶部に記憶された前記所定情報を所定の態様(たとえば、暗号化するなどの態様)で送信する情報送信手段(暗号通信制御部600F)とを有し、
前記通信制御回路は、通信不能な状態から復帰するとき(通信制御回路161bFのリカバリ機能)に、前記情報記憶部に記憶された前記所定情報を送信する復帰処理を実行し、前記復帰処理の終了を条件(図109のSF292:リカバリ通信完了レジスタ618Fにリカバリ完了を示すフラグが書込まれていること)に、前記ユーザプログラムの実行による前記所定情報の生成を再開(図109のSF293:ユーザプログラムの処理を開始させる信号を送信、または停止手段により停止していたユーザプログラムの処理を解除してユーザプログラムの処理を再開)する。
上記の構成によれば、通信不能な状態から復帰するときに、通信不能によって未送信となった所定情報をユーザプログラムの実行により生成し直して送信するのではなく、通信制御回路がその回路内の情報記憶部に記憶されている所定情報を送信するため、通信不能な状態から復帰するためにユーザプログラムを実行する必要がなく、その分の制御負担を軽減できる。
(7) 遊技盤(遊技盤26F)に含まれる第1制御手段(主制御部161F)と互いに通信する第2制御手段(払出制御部171F)を備えた遊技枠(前枠5F)であって、
前記第2制御手段は、
ユーザプログラムを記憶可能なユーザプログラム領域(払出制御記憶部171cF)と、
前記ユーザプログラムの実行により生成された所定情報を送信するための通信制御回路(通信制御回路171bF)とを含み、
前記通信制御回路は、
前記所定情報を記憶する情報記憶部(たとえば、図107に示すデータ受信レジスタ713Fなど)と、
前記情報記憶部に記憶された前記所定情報を所定の態様(たとえば、暗号化するなどの態様)で送信する情報送信手段(暗号通信制御部700F)とを有し、
前記通信制御回路は、通信不能な状態から復帰するとき(通信制御回路171bFのリカバリ機能)に、前記情報記憶部に記憶された前記所定情報を送信する復帰処理を実行し、前記復帰処理の終了を条件(図109のSF292:リカバリ要求/完了レジスタ718Fにリカバリ完了を示すフラグが書込まれていること)に、前記ユーザプログラムの実行による前記所定情報の生成を再開(図109のSF293:ユーザプログラムの処理を開始させる信号を送信、または停止手段により停止していたユーザプログラムの処理を解除してユーザプログラムの処理を再開)する。
上記の構成によれば、通信不能な状態から復帰するときに、通信不能によって未送信となった所定情報をユーザプログラムの実行により生成し直して送信するのではなく、通信制御回路がその回路内の情報記憶部に記憶されている所定情報を送信するため、通信不能な状態から復帰するためにユーザプログラムを実行する必要がなく、その分の制御負担を軽減できる。
(8−1) 互いに通信する第1制御手段(主制御部161F)および第2制御手段(払出制御部171F)を備えた遊技機(P台2F)であって、
前記第1制御手段および前記第2制御手段の少なくとも一方は、
ユーザプログラムを記憶可能なユーザプログラム領域(主制御記憶部161cF、払出制御記憶部171cF)と、
前記ユーザプログラムの実行により生成された所定情報を送信するための通信制御回路(通信制御回路161bF,171bF)とを含み、
前記通信制御回路は、
前記所定情報を記憶する情報記憶部(たとえば、図106に示す送信データバッファ613F、図107に示すデータ受信レジスタ713Fなど)と、
前記情報記憶部に記憶された情報を暗号化する暗号化手段(通信制御回路161bF,171bFの暗号通信機能)と、
前記暗号化手段により暗号化された暗号化情報を送信する暗号化情報送信手段(通信制御回路161bF,171bFの暗号通信機能)とを有し、
前記第1制御手段および前記第2制御手段の少なくとも一方は、他方が送信した前記暗号化情報を復号する復号手段(たとえば、通信制御回路161bFで暗号化した情報を通信制御回路171bFで復号する)を含む。
上記構成によれば、第1制御手段および前記第2制御手段の少なくとも一方は、通信制御回路の暗号化手段で情報記憶部に記憶された情報を暗号化し、他方の復号手段で送信した暗号化情報を復号するので、第1制御手段と第2制御手段との間で行なう暗号化通信の処理を軽減するとともに、暗号化した情報の内容が漏えいしてセキュリティが低下するのを防止することができる。
(8−2) 上記(8−1)において、
前記第1制御手段(主制御部161F)および前記第2制御手段(払出制御部171F)の双方は、前記ユーザプログラム領域と前記通信制御回路(通信制御回路161bF,171bF)とを含む。
上記構成によれば、第1制御手段および第2制御手段の双方は、ユーザプログラム領域と通信制御回路とを含むので、第1制御手段および前記第2制御手段の双方において暗号化通信の処理を軽減するとともに、暗号化した情報の内容が漏えいしてセキュリティが低下するのを防止することができる。
(8−3) 上記(8−1)または(8−2)において、
前記通信制御回路は、電源投入時に暗号通信に用いる暗号鍵および復号鍵を生成する処理(たとえば、図109に示す電源投入時に行なわれる認証シーケンスよって暗号鍵および復号鍵が生成される)と、当該処理によって生成された暗号鍵および復号鍵を用いて暗号通信する処理とを実行する(図109に示す認証シーケンス後、生成された暗号鍵および復号鍵を用いて暗号通信が可能)。
上記構成によれば、通信制御回路が、電源投入時に暗号通信に用いる暗号鍵および復号鍵を生成する処理と、当該処理によって生成された暗号鍵および復号鍵を用いて暗号通信する処理とを実行するので、第1制御手段と第2制御手段との間で行なう暗号化通信の処理を軽減するとともに、第1制御手段および前記第2制御手段の少なくとも一方において処理を適切に再開することができる。
(8−4) 上記(8−1)〜(8−3)において、
前記通信制御回路には、通信相手との認証が切れてから継続して前記所定情報を前記情報記憶部に書き込み可能な有効期間を設定可能(図107:主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cFにより、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後に、主制御部161Fの送信データバッファ613Fのデータをデータ受信レジスタ713Fに書込むことができる有効時間を設定する)である。
上記構成によれば、通信制御回路には、通信相手との認証が切れてから継続して所定情報を情報記憶部に書き込み可能な有効期間を設定可能であるので、通信相手との認証が切れてからも必要となる情報を確実に記憶することができる。たとえば、電源断や断線などにより通信相手との認証が切れた場合において浮遊玉(遊技領域27Fの釘等の間に引っ掛かって落下していない玉)が存在しても、継続して所定情報を情報記憶部に書き込み可能な有効期間を設定することで、当該浮遊玉が入賞したことの情報を確実に記憶して保護することができる。
(8−5) 第1制御手段(主制御部161F)を備えた遊技盤(遊技盤26F)であって、
前記第1制御手段は、
遊技枠(前枠5F)に含まれる第2制御手段(払出制御部171F)と互いに通信することが可能で、
ユーザプログラムを記憶可能なユーザプログラム領域(主制御記憶部161cF)と、
前記ユーザプログラムの実行により生成された所定情報を送信するための通信制御回路(通信制御回路161bF)とを含み、
前記通信制御回路は、
前記所定情報を記憶する情報記憶部(たとえば、図106に示す送信データバッファ613Fなど)と、
前記情報記憶部に記憶された情報を暗号化する暗号化手段(通信制御回路161bFの暗号通信機能)と、
前記暗号化手段により暗号化された暗号化情報を、前記暗号化情報を復号する復号手段(たとえば、通信制御回路161bFで暗号化した情報を通信制御回路171bFで復号する)を含む前記第2制御手段に送信する暗号化情報送信手段(通信制御回路161bFの暗号通信機能)とを有する。
上記の構成によれば、通信不能な状態から復帰するときに、通信不能によって未送信となった所定情報をユーザプログラムの実行により生成し直して送信するのではなく、通信制御回路がその回路内の情報記憶部に記憶されている所定情報を送信するため、通信不能な状態から復帰するためにユーザプログラムを実行する必要がなく、その分の制御負担を軽減できる。
(8−6) 遊技盤(遊技盤26F)に含まれる第1制御手段(主制御部161F)と互いに通信する第2制御手段(払出制御部171F)を備えた遊技枠(前枠5F)であって、
前記第2制御手段は、
ユーザプログラムを記憶可能なユーザプログラム領域(払出制御記憶部171cF)と、
前記ユーザプログラムの実行により生成された所定情報を送信するための通信制御回路(通信制御回路171bF)とを含み、
前記通信制御回路は、
前記所定情報を記憶する情報記憶部(たとえば、図107に示すデータ受信レジスタ713Fなど)と、
前記情報記憶部に記憶された情報を暗号化する暗号化手段(通信制御回路171bFの暗号通信機能)と、
前記暗号化手段により暗号化された暗号化情報を、前記暗号化情報を復号する復号手段(たとえば、通信制御回路171bFで暗号化した情報を通信制御回路161bFで復号する)を含む前記第1制御手段に送信する暗号化情報送信手段(通信制御回路171bFの暗号通信機能)とを有する。
上記の構成によれば、通信不能な状態から復帰するときに、通信不能によって未送信となった所定情報をユーザプログラムの実行により生成し直して送信するのではなく、通信制御回路がその回路内の情報記憶部に記憶されている所定情報を送信するため、通信不能な状態から復帰するためにユーザプログラムを実行する必要がなく、その分の制御負担を軽減できる。
(9−1) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機(P台2F)と、前記遊技機と通信可能に接続され、遊技者所有の有価価値を用いて前記遊技機での遊技を可能にする遊技用装置(CU3F)とを備える遊技用システムであって、
前記遊技機は、
前記遊技点を記憶する遊技点記憶手段(図84:遊技玉数カウンタ)と、
前記遊技点を所定の持点に計数するための操作(たとえば、図90に示す「計数」ボタン押下)に基づいて、前記遊技点記憶手段に記憶する前記遊技点を前記持点に計数する計数要求を前記遊技用装置へ送信する計数要求送信手段(図91:P台2Fは、計数開始時の計数玉の払出要求がある場合、計数要求=ONの情報を含む状態情報応答のコマンドをCU3Fに送信する。)とを含み、
前記遊技用装置は、
前記計数要求送信手段からの前記計数要求に基づき、前記遊技点を前記持点に計数する計数処理手段(図91:CU3Fは、計数要求=ONの情報を含む状態情報応答を受信すると、要求されている計数玉数を持玉数に加算する。)と、
遊技者所有の有価価値を特定可能な記録媒体を受付ける記録媒体受付手段(図81:カードを受け付けるカード挿入/排出口309F)と、
前記計数処理手段で計数した前記持点を前記記録媒体受付手段で受付けた前記記録媒体で特定可能に処理する記録媒体処理手段(図91:CU3Fは、カード挿入/排出口309Fに挿入してあったカードに持玉数を記憶させる。)と、
前記記録媒体処理手段で処理された記録媒体を返却する記録媒体返却手段(図91:CU3Fは、持玉数を記憶させたカードを返却する。)と、
前記記録媒体返却手段により返却された前記記録媒体の取り外し待ち状態であることを前記遊技機に通知する取り外し待ち状態通知手段(図91:CU3Fは、カード抜き取り可能状態となった場合、カード返却準備状態OFFおよびカード抜き取り待ち中ONの情報をP台2Fに通知する。)とを含む。
上記構成によれば、記録媒体返却手段により返却された記録媒体が取り外し待ち状態であることを、取り外し待ち状態通知手段が遊技機に通知するので、遊技機が遊技者に対して記録媒体の取り外しを促す報知を行なうことが可能となり、記録媒体の取り外し忘れを防止することができる。また、記録媒体の取り外し忘れによる盗難防止のための注意喚起を行なうことができる。
(9−2) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機(P台2F)と通信可能に接続され、遊技者所有の有価価値を用いて前記遊技機での遊技を可能にする遊技用装置(CU3F)であって、
前記遊技機からの計数要求に基づき、前記遊技点を持点に計数する計数処理手段(図91:CU3Fは、計数要求=ONの情報を含む状態情報応答を受信すると、要求されている計数玉数を持玉数に加算する。)と、
遊技者所有の有価価値を特定可能な記録媒体を受付ける記録媒体受付手段(図81:カードを受け付けるカード挿入/排出口309F)と、
前記計数処理手段で計数した前記持点を前記記録媒体受付手段で受付けた前記記録媒体で特定可能に処理する記録媒体処理手段(図91:CU3Fは、カード挿入/排出口309Fに挿入してあったカードに持玉数を記憶させる。)と、
前記記録媒体処理手段で処理された記録媒体を返却する記録媒体返却手段(図91:CU3Fは、持玉数を記憶させたカードを返却する。)と、
前記記録媒体返却手段により返却された前記記録媒体の取り外し待ち状態であることを前記遊技機に通知する取り外し待ち状態通知手段(図91:CU3Fは、カード抜き取り可能状態となった場合、カード返却準備状態OFFおよびカード抜き取り待ち中ONの情報をP台2Fに通知する。)とを備える。
上記構成によれば、記録媒体返却手段により返却された記録媒体が取り外し待ち状態であることを、取り外し待ち状態通知手段が遊技機に通知するので、遊技機が遊技者に対して記録媒体の取り外しを促す報知を行なうことが可能となり、記録媒体の取り外し忘れを防止することができる。また、記録媒体の取り外し忘れによる盗難防止のための注意喚起を行なうことができる。
(9−3) 本発明は、遊技者所有の有価価値を用いて遊技を可能にする遊技用装置(CU3F)と通信可能に接続され、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機(P台2F)であって、
前記遊技点を記憶する遊技点記憶手段(図84:遊技玉数カウンタ)と、
前記遊技点を所定の持点に計数するための操作(たとえば、図90に示す「計数」ボタン押下)に基づいて、前記遊技点記憶手段に記憶する前記遊技点を前記持点に計数する計数要求を前記遊技用装置へ送信する計数要求送信手段(図91:P台2Fは、計数開始時の計数玉の払出要求がある場合、計数要求=ONの情報を含む状態情報応答のコマンドをCU3Fに送信する。)とを備え、
前記計数要求送信手段からの前記計数要求に基づき計数した前記持点を、前記遊技用装置で受付けた記録媒体で特定可能に処理し、前記記録媒体を返却する場合に、前記記録媒体の取り外し待ち状態であることの通知を前記遊技用装置から受付可能(図91:P台2Fは、カード抜き取り可能状態となった場合、カード返却準備状態OFFおよびカード抜き取り待ち中ONの情報の通知をCU3Fから受ける。)である。
上記構成によれば、記録媒体返却手段により返却された記録媒体が取り外し待ち状態であることの通知を、前記遊技用装置から受けるので、遊技機が遊技者に対して記録媒体の取り外しを促す報知を行なうことが可能となり、記録媒体の取り外し忘れを防止することができる。また、記録媒体の取り外し忘れによる盗難防止のための注意喚起を行なうことができる。
(9−4) 上記(9−1)〜(9−3)において、
前記遊技用装置は、前記記録媒体の取り外し待ち状態であることを報知する報知手段(たとえば、図81に示す表示器312F)を含む。
上記構成によれば、遊技用装置でも記録媒体の取り外し待ち状態であることを報知することが可能となるので、記録媒体の取り外し忘れを防止することができる。
(9−5) 上記(9−1)〜(9−3)において、
前記遊技機は、前記遊技用装置からの通知に基づき、前記記録媒体の取り外し待ち状態であることを報知する表示手段(たとえば、図81に示す可変表示装置278F)を含む。
上記構成によれば、遊技機で記録媒体の取り外し待ち状態であることを視覚的に報知することが可能となるので、記録媒体の取り外し忘れを防止することができる。
(9−6) 上記(9−1)または(9−2)において、
前記取り外し待ち状態通知手段は、前記遊技用装置または前記遊技機に接続する装置(たとえば、ホールコンピュータ、P台上の呼び出しランプ)に対して、前記記録媒体の取り外し待ち状態であることを通知する。
上記構成によれば、遊技機や遊技用装置以外に対して記録媒体の取り外し待ち状態であることを通知することで、記録媒体の取り外し忘れを防止することができる。
(9−7) 本発明は、入賞の発生により所定の遊技点を付与する遊技機(P台2F)と、前記遊技機と通信可能に接続され、遊技者所有の有価価値を用いて前記遊技機での遊技を可能にする遊技用装置(CU3F)とを備える遊技用システムであって、
前記遊技用装置は、
遊技者所有の有価価値を特定可能な記録媒体を受付ける記録媒体受付手段(図81:カードを受け付けるカード挿入/排出口309F)と、
前記記録媒体受付手段で前記記録媒体を受付けた場合に、前記遊技用装置が設置されている遊技場を特定可能な遊技場特定情報を前記遊技機に通知する遊技場特定情報通知手段(図87:カード挿入/排出口309Fでカードを受付けると、CU3Fは、セキュリティ基板325Fで付加された「店舗コード」を含むカード挿入通知コマンドを、P台2Fに対して送信する。)とを含み、
前記遊技機は、
前記遊技場特定情報通知手段により通知された前記遊技場特定情報を記憶する遊技場特定情報記憶手段(図87:P台2Fは、挿入通知コマンドに含まれる「店舗コード」を記憶する。)と、
前記遊技機と前記遊技用装置とが通信できない通信不能状態から回復した後、通信復旧した場合に、前記遊技場特定情報通知手段により新たに通知された前記遊技場特定情報と、前記遊技場特定情報記憶手段に記憶した前記遊技場特定情報と比較する遊技場特定情報比較手段(図92:P台2Fは、CU3Fから「店舗コード」を含むリカバリ要求が送信されてくると、当該「店舗コード」と記憶してある「店舗コード」とが一致するか否かを判定する。)と、
前記遊技場特定情報比較手段により、前記遊技場特定情報が不一致と判定された場合に遊技の継続を禁止する遊技禁止手段(P台2Fは、CU3Fからの「店舗コード」と、記憶してある「店舗コード」とが不一致の場合、遊技の継続を禁止する。)とを含む。
上記構成によれば、新たに通知された遊技場特定情報と、遊技場特定情報記憶手段に記憶した遊技場特定情報とが不一致の場合、遊技の継続を禁止するので、遊技媒体に計数玉を記憶させた状態で店舗を移動させる不正を防止することができる。
(9−8) 上記(9−7)において、
前記遊技用装置は、
前記記録媒体受付手段で前記記録媒体を受付けたとき、および前記通信復旧したときに、前記遊技用装置に含まれている遊技制御装置(たとえば、図82に示すセキュリティ基板325F)を特定可能な装置特定情報(SC基板ID)を前記遊技機に通知する装置特定情報通知手段(図87:カード挿入/排出口309Fでカードを受付けると、CU3Fは、セキュリティ基板325Fで付加された「SC基板ID」を含むカード挿入通知コマンドを、P台2Fに対して送信する。)をさらに含み、
前記遊技機は、
前記装置特定情報通知手段により通知された前記装置特定情報を記憶する装置特定情報記憶手段(図87:P台2Fは、挿入通知コマンドに含まれる「SC基板ID」を記憶する。)と、
前記通信復旧した場合に、前記装置特定情報通知手段により新たに通知された前記装置特定情報と、前記装置特定情報記憶手段に記憶した前記装置特定情報と比較する装置特定情報比較手段(P台2Fは、CU3Fからの「SC基板ID」と、記憶してある「SC基板ID」とを比較する。)とをさらに含み、
前記遊技禁止手段は、前記装置特定情報比較手段により、前記装置特定情報が不一致と判定された場合に遊技の継続を禁止する(不一致の場合、遊技の継続を禁止する。)。
上記構成によれば、新たに通知された装置特定情報と、装置特定情報記憶手段に記憶した装置特定情報とが不一致の場合、遊技の継続を禁止するので、遊技媒体に計数玉を記憶させた状態で遊技機を移動させる不正を防止することができる。
(9−9) 上記(9−7)または上記(9−8)において、
前記遊技機は、
遊技に使用する遊技媒体に付加されている前記遊技場特定情報を読取る遊技場特定情報読取手段(たとえば、P台2Fの回収玉通過経路にセンサが設けてあり、当該センサが遊技玉に設けてある識別情報(表面の刻印など)を読取る。)をさらに含み、
前記遊技場特定情報比較手段は、前記遊技場特定情報読取手段で読取った前記遊技媒体に付加されている前記遊技場特定情報と、前記遊技場特定情報記憶手段に記憶した前記遊技場特定情報と比較する(読取った識別情報により、自店舗の遊技玉の識別情報と一致するか否かを判定して、不一致の場合、状態情報応答の「不正検知状態3」のBit0を、“1”にする。)。
上記構成によれば、遊技場特定情報読取手段で読取った遊技媒体に付加されている遊技場特定情報と、遊技場特定情報記憶手段に記憶した遊技場特定情報とが不一致であれば、遊技媒体に他店舗の遊技玉が混入していることを報知することが可能となる。
以下、図面を参照して第5の実施の形態(以下、単に“実施の形態”という)を説明する。
<パチンコ機の構成>
まず、図81を参照して、本実施の形態に係るパチンコ機の構成を説明する。遊技場(ホール)内に複数配置されている各遊技島(図示略)には、遊技機の一例の封入循環式パチンコ機(以下、遊技機、パチンコ機またはP台と略称することもある)2Fが併設されている。なお、P台2Fの所定側の側方位置には、該P台2Fに対して遊技用装置の一例のカードユニット(以下CUと略称することもある)3Fが1対1に対応設置されている。
P台2Fは、内部に遊技媒体の一例のパチンコ玉(遊技玉)を封入しており、遊技者が打球操作ハンドル25Fを操作することにより、発射モータ18F(図82参照)を駆動させて封入玉を一発ずつ遊技盤26F前面の遊技領域27Fに打込んで遊技ができるように構成されている。具体的には、打球操作ハンドル25Fの周囲にタッチセンサが設けられており、遊技者が打球操作ハンドル25Fを操作している状態でその遊技者の手がタッチセンサに触れ、その遊技者の手の接触をタッチセンサで検知して発射モータ18Fが駆動される。この状態で、遊技者による打球操作ハンドル25Fの回動操作量に応じて打球発射勢いが調整されて玉が遊技領域27F内に発射される。
打球操作ハンドル25Fの上方には鍵穴10Fが設けられており、遊技場の係員が所持する鍵を挿入して前枠5F(図82参照)の解錠操作(たとえば時計回り回転)することにより前枠5Fが開放され、ガラス扉(前面部材)6Fの解錠操作(たとえば反時計回り回転)することによりガラス扉6Fが開放される。
図81に示すP台2Fは、いわゆる第1種のパチンコ機であって、遊技領域27Fの中央に可変表示装置(以下、特別図柄とも言う)278Fが設けられている。また、遊技領域27Fには、打込まれたパチンコ玉が入賞可能な複数種類の入賞口が設けられている。図81に示す遊技領域27Fには、1つの大入賞口(可変入賞球装置)271Fと、3つの普通入賞口272F,273F,274Fと、3つの始動入賞口275F,276F,277Fとが示されている。特に、始動入賞口276Fは、遊技者にとって有利な第1の状態(たとえば開成状態)と遊技者にとって不利な第2の状態(たとえば閉成状態)とに変化可能な電動チューリップで構成されている。
可変表示装置278Fは、各始動入賞口275F,276F,277Fに入賞した始動入賞玉の検出信号に基づいて変動表示する。可変表示装置の表示結果が特定の識別情報の組合せ(たとえばぞろ目)になると、大当り状態となり、大入賞口271Fが開放する。
また、可変表示装置の表示結果が大当り図柄の組合せ(ぞろ目)のうちの予め定められた特別の識別情報の組合せ(たとえば777等の確変図柄の組合せ)となることにより、確変大当り状態が発生し、それに伴う大当り状態の終了後大当りの発生確率が向上した確率変動状態(確変状態)が発生する。
遊技領域27F内に打込まれたパチンコ玉はいずれかの入賞口に入賞するかあるいは入賞することなくアウト口154Fに回収される。入賞口に入賞したパチンコ玉およびアウト口154Fに回収されたパチンコ玉は再度P台2F内の回収経路(図示略)を通って打球発射位置にまで還元される。そして、遊技者が打球操作ハンドル25Fを操作することにより再びその打球発射位置のパチンコ玉が遊技領域27F内に打込まれる。
P台2Fにおける遊技領域27Fの下方位置には、表示器54Fが設けられている。表示器54Fは、液晶表示装置で構成されている。なお、表示器54Fは、図81に示すようにCU(カードユニット)3Fから独立してP台(パチンコ機)2Fに取付けられる構成でも、CU3Fと一体に形成され、P台2Fの前面に嵌合させる構成でもよい。CU3Fの表示器54Fを、P台2Fの前面に嵌合させる構成であれば、CU3FとP台2Fとをより強く連結することができるので、さらに不正を防止することができる。
また、この表示器54Fの下方部分に7セグ表示器50Fが設けられている。7セグ表示器50Fは7セグメントLEDディスプレイで構成されており、後述の払出制御部171Fによって制御される。この7セグ表示器50Fにより、後述する遊技玉数や発生したエラーのエラー番号等が表示される。
さらに、P台2Fにおける打球操作ハンドル25Fの左方位置には、遊技玉から持玉への計数処理をするための計数ボタン28Fが設けられている。詳しくは後述するが、計数ボタン28Fは、1度押下すると、たとえば100玉だけ遊技玉から持玉への計数が行なわれ、長い期間押下(長押し)すると、現在有している遊技玉を考慮して押下している時間に対応した玉数だけ遊技玉から持玉への計数が行なわれる。
このように、計数ボタン28FをP台側に設けているため、計数ボタン28FをCU側に設ける場合に比較して、P台に正対して座っている遊技者の操作性を向上できる。
計数ボタン28Fの右上方には、遊技玉数を表示するための遊技玉数表示器29Fが設けられている。遊技玉数表示器29Fは、7セグメント式のディスプレイである。なお、遊技玉数表示器29Fは、液晶表示器や有機EL表示器、その他の表示器で構成してもよい。
このように、パチンコ機2Fは、前述のパチンコ遊技機700のような遊技制御を行なう遊技機を封入循環式パチンコ機として構成したものであり、基本的な遊技制御および演出制御は、前述のパチンコ遊技機700と同様の制御(たとえば、保留記憶情報(保留記憶データ)に基づく可変表示制御、保留記憶データに基づく大当り遊技制御、および、保留記憶データに基づく確変制御等の制御)が行なわれる。
<カードユニットの構成>
次に、引き続き図81を参照して、本実施形態に係るCU3Fの構成を説明する。このCU3Fは、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(以下、一般カードとも言う)や、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付ける。ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
それらのカードを受付けたCU3Fは、カードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばカード残高、持玉数、あるいは貯玉数等)を「遊技玉のデータ」に変換する機能を有する。P台2Fでは、遊技玉のデータによって特定される玉数相当の弾球遊技が可能とされる。つまり、「遊技玉のデータ」とは、発射可能な発射残数を示すデータである。以下の説明では、「遊技玉のデータ」を貯玉や持玉と同様に、単に「遊技玉」と称する。
CU3Fの前面側には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302F、装置前面より装置前方方向に突出形成された突出部305F、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入/排出口309Fなどが設けられている。このカード挿入/排出口309Fに挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタ(図示略)に受付けられ、そのカードに記録されている情報が読取られる。
前述の突出部305Fにおいて、遊技者と対向する面には、表示器312Fと、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID(以下単に、カードIDとも言う)ならびに会員カードIDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン319Fと、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)から赤外線信号をIR(Infrared)感光ユニット320Fで受信して電子信号に変換して出力するIR受光ユニットが設けられている。
表示器312Fは、挿入された遊技用記録媒体(カード)に記録されているプリペイド残高(以下、カード残高または単に残高とも言う)を表示するものであるが、遊技玉数やその他の各種情報を表示可能であるとともに、表面が透明タッチパネルで構成されており、表示器312Fの表示部に表示された各種表示項目を指でタッチすることにより各種操作が入力可能となるように構成されている。
再プレイボタン319Fを操作した場合に、挿入されたカードに遊技者が獲得した持玉数が記録されているときにはその持玉数の一部を引落して遊技玉に変換し、変換した遊技玉に基づいてP台2Fによる遊技を行なうことが可能となる。一方、挿入されたカードが会員カードであり持玉数が記録されておらずかつ貯玉がホール用管理コンピュータ等に記録されている場合には、その貯玉の一部が引落されて遊技玉に変換され、P台2Fによる遊技が可能となる。つまり、挿入されたカードに対応付けて貯玉と持点との双方が記憶されている場合には、持玉が優先的に引落される。なお、再プレイボタン319Fとは別に、持玉を引落すための専用の持玉払出ボタンを設け、再プレイボタン319Fは貯玉引落し専用のボタンとしてもよい。
ここで、「貯玉」とは、遊技場に預入れられた遊技媒体であり、一般的に当該遊技場に設置されたホール用管理コンピュータやその他の管理コンピュータにより管理される。
「持玉数」とは、遊技者が遊技機により遊技を行なった結果遊技者の所有となった遊技玉数をカードに記録したものであって、未だに遊技場に預入れられていない玉数のことである。一般的には、遊技場において当日遊技者が獲得した玉数を「持玉」と言い、前日以前に遊技者が獲得した玉数であって遊技場に預入れられた玉数を「貯玉」と言う。
「遊技玉」とは、遊技機で発射可能な玉数のデータである。このデータは、既に説明したとおり、プリペイドカードの残高、持玉、あるいは貯玉を引落すことと引き換えにして生成される。
なお、持玉数を遊技場に設定された持玉数管理用の管理装置で管理してもよい。要するに、「貯玉」と「持玉」との違いは、遊技場に預入れるための貯玉操作が行なわれて遊技場に預入れられた玉数であるか、あるいは、未だに遊技場に預入れられていない段階の玉数であるかの点である。
本実施形態では、貯玉データは会員カードに直接記録させずホール用管理コンピュータ等の遊技場に設置されたホールサーバ801F(図83参照)に会員カード番号と対応付けて記憶させ、会員カード番号に基づいて対応する貯玉を検索できるように構成されている。一方、持玉は、カードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、両者ともにホールサーバ801Fにカード番号と対応付けて記憶させてもよい。ビジターカードの場合も、持玉は、ビジターカードに直接記録している。しかし、それに限定されるものではなく、持玉をホールサーバ801Fにカード番号と対応させて記憶させてもよい。このホールサーバ801Fにカード番号と対応させて記憶させる際に、ホールサーバ801Fに記憶させた時刻を特定できるデータをカード(会員カード、ビジターカード)に書込んで排出してもよい。また、プリペイド残高についてはカード(会員カード、ビジターカード)に直接書込んで排出する。
なお、持玉を、カード(会員カード、ビジターカード)、またはホールサーバ801Fに記憶させるタイミングは、たとえば、計数ボタン28Fが操作されて計数処理が行なわれるたびにリアルタイムに記憶させる、一定周期ごとに記憶させる、またはカードを返却するときに一括して記憶させるなどがある。
紙幣挿入口302Fに挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
CU3Fの前面側には、さらに、玉貸ボタン(以下、貸出ボタンとも言う)321Fとカード返却ボタン322Fとが設けられている。玉貸ボタン321Fは、挿入されたカードに記録されている残高を引落してP台2Fによる遊技に用いるための操作(遊技玉への変換操作)を行なうボタンである。カード返却ボタン322Fは、遊技者が遊技を終了するときに操作され、挿入されているカードに遊技終了時の確定した遊技玉数(カード挿入時の持玉数−遊技玉への変換数+計数操作によって計数された持玉数)を記憶させて排出するための操作ボタンである。
<カードユニットとパチンコ機との構成>
図82は、カードユニットとパチンコ機との構成を示すブロック図である。図82を参照して、CU3FとP台2Fとの制御回路の概略を説明する。
CU3Fには、マイクロコンピュータ等から構成されたCU制御部323Fが設けられている。このCU制御部323Fには、図示していないが制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
CU制御部323Fには、ホール用管理コンピュータやセキュリティ上の管理を行なうホールサーバ801F(図83参照)と通信を行なうための外部通信部(図示略)が設けられているとともに、P台2Fの払出制御基板17Fとセキュリティを確保しながら通信を行なうためのセキュリティ基板325Fが設けられている。CU3FにはP台2F側への接続部(図示略)が設けられるとともに、P台2FにはCU3F側への接続部(図示略)が設けられている。これら接続部は、たとえばコネクタ等で構成されている。
CU側のセキュリティ基板325FとP台側の払出制御基板17Fとは、このコネクタと接続配線とを介して通信可能に接続される。セキュリティ基板325Fには、セキュリティ基板325Fと払出制御基板17Fとの通信を制御するための通信制御IC325aFと、P台2Fのセキュリティを監視するためのセキュリティチップ(SC)325bFが設けられている。セキュリティチップ(SC)325bFには、図示していないが制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。さらに、SC325bFは、不正検知部1325Fを備え、不正検知部1325FがCU制御部323FからP台2Fに通知される遊技玉の加算要求情報を監視することにより不正検知を行ない、不正検知時に鍵管理サーバ800F(図83参照)に通知する。また、不正検知用の設定値(定数)は鍵管理サーバ800Fから基板制御情報として通知される。通信制御IC325aFには、図示していないが制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
CU制御部323F、セキュリティチップ(SC)325bF、および通信制御IC325aFの各RAMは、電源断時にもその記憶データが消去されないバックアップRAMで構成されている。なお、このバックアップRAMの代わりに、EEPROMで構成してもよい。
前述した貨幣識別器により紙幣の真贋および種類が識別されてその識別結果信号がCU制御部323Fに入力される。遊技場の係員が所持しているリモコンから発せられた赤外線をIR感光ユニット320Fが受光すれば、その受光信号がCU制御部323Fに入力される。挿入されたカードの記録情報をカードリーダライタが読取って、その読取り情報がCU制御部323Fに入力されるとともに、CU制御部323Fからカードリーダライタに対し、挿入されているカードに書込むデータが伝送されたときに、カードリーダライタはそのデータを挿入されているカードに書込む。
CU制御部323Fは、遊技者が遊技している際、遊技者の持玉を管理・記憶する。CU制御部323Fから残高あるいは遊技玉数等のデータが表示制御部350Fに出力され、表示制御部350Fで表示用データに変換される。表示器312Fに対し、表示制御部350Fで変換した表示用データが出力され、その出力された表示用データを表示器312Fが表示する。また、表示器312Fの表面に設けられているタッチパネルを遊技者が操作すれば、その操作信号が表示制御部350Fを介してCU制御部323Fに入力される。遊技者が玉貸ボタン321Fを操作することにより、その操作信号がCU制御部323Fに入力される。なお、玉貸ボタン321Fは、CU3Fに設ける構成に限定されるものではなく、P台2Fに設けて操作信号をCU制御部323Fに入力する構成であっても良い。遊技者が再プレイボタン319Fを操作することによりその操作信号がCU制御部323Fに入力される。遊技者がカード返却ボタン322Fを操作することによりその操作信号がCU制御部323Fに入力される。
P台2Fには、P台2Fの遊技の進行制御を行なう主制御基板16F、遊技玉を管理・記憶する払出制御基板17F、払出制御基板17Fの指令に基づいて発射モータ18Fを駆動制御する発射制御基板31F、可変表示装置278F(図81参照)などが備えられている。なお、図82では、主制御基板16Fの指令に基づいて可変表示装置を表示制御する表示制御基板(演出制御基板ともいう)の図示を省略している。
主制御基板16Fは、遊技盤26Fに設けてある。主制御基板16Fには主制御部161Fである遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。主制御部161Fは、遊技盤26Fに設けられている入賞センサ162F、および電波センサ163Fと接続してある。たとえば、主制御部161Fの遊技制御用マイクロコンピュータには、FPGA(field-programmable gate array)基板を用いる。なお、遊技盤26Fには、さらに可変表示装置278F等を制御する表示制御基板(演出制御基板)が設けられている。
払出制御基板17Fは、前枠5F(遊技枠)に設けてある。払出制御基板17Fには、払出制御部171Fである払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。払出制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Memory)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。たとえば、払出制御部171Fの払出制御用マイクロコンピュータには、FPGA基板を用いる。
また、払出制御基板17Fに対し、発射玉検出スイッチ(図示略)、アウト玉検出スイッチ701F、ファール玉検出スイッチ330F、計数ボタン28F、電波センサ173F、ガラス扉開放検出スイッチ12F、前枠開放検出スイッチ13Fが電気的に接続された状態で設けられている。この電波センサ173Fは、電波を不正に発信して主に玉上げスイッチ(上)41aFを常時オン状態にする不正行為を検知するためのものである。この電波センサ173Fの検出信号が払出制御基板17Fの入力ポート(図示略)を介して払出制御部171Fへ入力される。玉上げスイッチ(上)41aFは、前述したように、オンからオフに変化したことにより遊技玉の発射を検出し、その検知に基づいて、払出制御部171Fが、遊技玉数を「1」減算する。従って、不正電波によりこの玉上げスイッチ(上)41aFが常時オン状態になると、いくら玉を発射しても遊技玉数が減算されない状態となる。このような電波による不正を電波センサ173Fにより検知する。なお、玉上げスイッチ(上)41aFばかりでなく、発射玉検出スイッチも電波による不正の対象となる虞がある。つまり、玉上げスイッチ(上)41aFだけ不正電波により常時オン状態にした場合には、玉の発射が検出されなくなる一方、実際に発射された玉が回収されて発射玉検出スイッチで検出された場合には、発射玉と回収玉(アウト玉)との個数に齟齬が生じ、異常が検知されて「発射/OUT不整合玉数」の不正検知情報がP台2FからCU3Fへ送信されることになる。しかし、この発射玉検出スイッチにも不正電波を発信して検出不能状態にすることにより、上記「発射/OUT不整合玉数」の不正検知情報がP台2FからCU3Fへ送信されなくなる不都合が生じる。本実施形態では、このような発射玉検出スイッチに対して発信される不正電波も、電波センサ173Fで検出するため、前述の不都合を防止し得る。
ガラス扉開放検出スイッチ12Fおよび前枠開放検出スイッチ13Fの開放回数は、図示していない計数カウンタにより計数される。計数カウンタは、CPU,ROM,RAM等が搭載され、P台2Fの電源供給が途切れたときでもバックアップ電源により動作可能で、夜間等の電源OFF時でもガラス扉6Fや前枠5Fの開放検出回数を計数してその計数値を払出制御部171Fへ送信することができる。ここで、バックアップ電源は、たとえば、P台2F内に設けられたキャパシタや蓄電池である。
また、7セグ表示器50Fが払出制御部171Fに接続されており、払出制御部171Fからの表示制御信号に従って7セグ表示器50Fがガラス扉6Fや前枠5Fの開放回数等を表示する。
主制御基板16Fから払出制御基板17Fに対し、メインチップID(主制御用セキュリティチップID)、入賞口情報、ラウンド情報、接続確認信号、入賞検出信号、始動入賞口入賞情報、エラー情報、図柄確定回数、大当り情報、メーカ固有大当りの情報などが送信される。
メインチップIDは、P台2Fの主制御基板16Fに記録されているチップIDのことであり、P台2Fの電源投入時に払出制御基板17Fに対して送信される情報である。入賞口情報は、入賞口の種類(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)と、賞球数(入賞口に遊技玉が入ったときの払出玉数)とを含む情報であり、P台2Fの電源投入時に払出制御基板17Fに対して送信される。たとえば、入賞口情報には、入賞口の種類が大入賞口271F(図81参照)に3球入り、賞球数として払出制御基板17Fに対して300球払出しを要求する情報や、始動入賞口275Fおよび始動入賞口277F(図81参照)のそれぞれに1球入り、賞球数として払出制御基板17Fに対して20球払出しを要求する情報が含まれる。なお、普通入賞口272Fなどの入賞口に球が入り、賞球の払出しを要求する入賞口情報が払出制御基板17Fに対して送信された後に電源断や断線などにより通信相手との認証が切れた場合であれば、払出制御基板17Fが入賞口情報を既に受信しており、当該入賞口情報に基づく賞球の払出しが可能となる。しかし、電源断や断線などにより通信相手との認証が切れた後に、遊技領域27Fの釘等の間に引っ掛かって落下していない浮遊玉が普通入賞口272Fなどの入賞口に入った場合、払出制御基板17Fが入賞口情報を受信することができず賞球の払出しができない。そのため、電源断や断線などにより通信相手との認証が切れた後に、浮遊玉が普通入賞口272Fなどの入賞口に入った場合でも賞球の払出しができるように、継続して入賞口情報を払出制御基板17Fが受信(情報記憶部に書き込み)可能な有効期間を設定する。これにより、電源断や断線などにより通信相手との認証が切れた後に、浮遊玉が普通入賞口272Fなどの入賞口に入った場合でも有効期間内であれば払出制御基板17Fが入賞口情報を受信することができ浮遊玉に基づく賞球の払出しが可能となる。ラウンド情報は、大当りしたときのラウンド数の情報であり、P台2Fの電源投入時に払出制御基板17Fに対して送信される。
接続確認信号は、主制御基板16Fと払出制御基板17Fとが接続されていることを確認するための信号であり、主制御基板16Fから払出制御基板17Fへ所定の電圧の信号が常時供給されており、払出制御基板17Fがその所定電圧信号を受信していることを条件として払出制御基板17Fが動作制御するように構成されている。入賞検出信号は、始動入賞口以外の入賞口に入賞したパチンコ玉の検出信号である。この検出信号を受けた払出制御基板17Fは、その入賞玉1個に対して付与すべき玉数を、遊技玉数と加算玉数とに加算する制御を行なう。
始動入賞口入賞情報とは、始動入賞口1または始動入賞口2のいずれかにパチンコ玉が入賞したことを示す情報である。エラー情報とは、主制御基板16Fが遊技制御を行なっている最中にエラーが発生した場合にその旨を払出制御基板17Fへ通知するための情報である。
図柄確定回数とは、各始動入賞口への入賞に対する可変表示装置の表示結果として確定した図柄の情報である。
大当り情報とは、大当りが発生したことを示す情報であり、その内訳は、各メーカ共通の大当りを示す共通大当り情報とメーカ固有の大当りを示すメーカ固有大当り情報とがある。共通大当り情報は、たとえば15ラウンド大当り等のように、各遊技機メーカが共通に採用している大当りであり、その大当りに伴って確変が発生する場合には確変情報を含み、その大当りに伴って時短状態(可変表示装置の可変表示時間を短縮する制御状態)が発生する場合にはその時短情報を含んでいる。メーカ固有大当りとは、たとえば突然確変(突確)のような、或る遊技機メーカのみが採用している大当り状態のことである。
払出制御基板17Fから主制御基板16Fへ、ヘルスチェックコマンドと賞球個数受付コマンドとが送信される。ヘルスチェックコマンドとは、主制御基板16Fが正常に動作しているか否かをチェックするためのコマンドである。賞球個数受付コマンドとは、加算玉数を受付けた旨を示すコマンドである。
アウト玉検出スイッチ701Fから払出制御基板17Fへアウト玉検出信号が入力される。このアウト玉検出信号が入力された払出制御基板17Fは、後述するように遊技中玉数(遊技領域27Fに浮遊している浮遊玉の玉数)を減算更新する。ファール玉検出スイッチ330Fからファール玉検出信号が入力された払出制御基板17Fでは、後述するように、加算玉数と遊技玉数とを加算更新するとともに、遊技中玉数を減算更新する。発射玉検出スイッチから払出制御基板17Fへ発射玉検出信号が入力される。この発射玉検出信号が入力された払出制御基板17Fは、遊技中玉数を減算更新する。
CU3Fのセキュリティ基板325FとP台2Fの払出制御基板17Fとが電気的に接続されており、セキュリティ基板325Fから払出制御基板17Fへ、後述するように、リカバリ要求、リカバリ要求2、通信開始要求、通信終了要求、状態情報要求、カード挿入通知、カード返却通知、通信テスト要求の各種コマンドが送信される。
リカバリ要求は、P台2Fに対してリカバリ情報の通知を要求するコマンドである。払出制御基板17Fは、リカバリ要求を受けてP台2Fのリカバリ情報をCU3Fに通知する。リカバリ要求2のコマンドは、P台2Fに対して加算リカバリ情報を通知するものである。通信開始要求は、P台2Fに対して通信開始を要求するコマンドである。払出制御基板17Fは、通信開始要求を受けてCU3Fに対して通信開始を応答する。通信終了要求は、P台2Fに対して通信終了を要求するコマンドである。払出制御基板17Fは、通信終了要求を受けてCU3Fに対して通信終了を応答する。
状態情報要求は、P台2Fに対して状態情報の通知を要求するコマンドである。払出制御基板17Fは、状態情報要求を受けてP台2Fの状態情報をCU3Fに通知する。カード挿入通知は、P台2Fに対してカード挿入されたことを通知するコマンドである。払出制御基板17Fは、カード挿入通知を受けてCU3Fに対してカード挿入されたことの応答をする。カード返却通知は、P台2Fに対してカード返却されたことを通知するコマンドである。払出制御基板17Fは、カード返却通知を受けてCU3Fに対してカード返却されたことの応答をする。通信テスト要求は、P台2Fに対してテストデータを通知するコマンドである。払出制御基板17Fは、通信テスト要求を受けてCU3Fに対してテストデータを応答する。
払出制御基板17Fからセキュリティ基板325Fへ、リカバリ応答、リカバリ応答2、通信開始応答、通信終了応答、状態情報応答、カード挿入応答、カード返却応答、通信テスト応答の各種レスポンスが送信される。
前枠5F(遊技枠)には、発射制御基板31F、発射モータ18Fが設けられている。発射制御基板31Fは、遊技者が打球操作ハンドル25Fに触れていることを検出するタッチリング(以下、タッチセンサとも言う)の入力信号が入力されているときに発射モータ18Fへ励磁出力を発し、発射モータ18Fを駆動させる。
払出制御基板17Fから発射制御基板31Fへ、発射制御信号と発射許可信号とが出力される。それを受けた発射制御基板31Fは、発射モータ18Fを励磁するための信号を出力する。これにより、パチンコ玉が遊技領域27Fへ弾発発射される状態となる。
前枠5F(遊技枠)には、表示器54Fが設けられている。表示器54Fは、CU3Fの表示制御部350Fからの表示データを受信し、表示画面を表示させる。なお、このように、本実施形態では、P台側の表示器54FがCU側で制御されるように構成されているが、これに代えて、P台側に表示器54Fを表示制御するための表示制御用基板を設けてもよい。この場合、表示制御用基板は、払出制御部171Fの指令に基づいて表示器54Fを表示制御する。
<パチンコ機からの稼働・未稼働情報の通知処理>
図83は、パチンコ機からの稼働・未稼働情報の通知処理を説明するための説明図である。図83に示すP台2Fは、CU3F、ホールサーバ801F、鍵管理サーバ800F、および機歴管理センタ800AFと接続されている。ここで、鍵管理サーバ800Fは、CU3F内部の電子部品のシリアルID(以下、SIDとも言う)毎に対応付けて、CU通信制御部のSIDと認証鍵とを記憶している鍵の管理サーバである。また、鍵管理サーバ800Fは、主制御基板16Fと互いに通信可能なサーバである。機歴管理センタ800AFは、前枠5Fに接続した払出制御基板17Fに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて前枠5Fの情報、および遊技盤26Fに接続した主制御基板16Fに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて遊技盤26Fの情報を記憶して、前枠5Fおよび遊技盤26Fの履歴を管理する履歴管理システムを含んでいる。
製造メーカ(遊技機メーカ)が前枠5Fおよび遊技盤26Fを出荷して、ホールに設置した場合、P台2Fを稼働すると、図83に示すようにP台2Fから遊技機設置情報(稼働情報)が機歴管理センタ800AFに通知される。具体的に、機歴管理センタ800AFに通知される遊技機設置情報(稼働情報)には、たとえば払出制御基板17Fに設けた半導体チップのセキュリティチップID、主制御基板16Fに設けた半導体チップのセキュリティチップIDや、前枠5Fと遊技盤26Fとを組合せた場合の相手のセキュリティチップIDなどが含まれている。なお、セキュリティチップIDは、機歴管理センタ800AFに登録後、変更、削除することができない。
一方、機歴管理センタ800AFには、製造メーカにより出荷した前枠5Fおよび遊技盤26Fの出荷情報が入力される。具体的に、機歴管理センタ800AFへの出荷情報の入力は、機歴管理センタ800AFに通信回線などを介して接続された端末から入力する。そして、機歴管理センタ800AFは、入力された前枠5Fおよび遊技盤26Fの出荷情報を、それぞれに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて記憶するとともに、記憶した情報とP台2Fから通知された遊技機設置情報とを照合する。機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。異常の報知として、たとえば異常報知ランプや表示器312Fによりエラー報知が行なわれたり、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fにエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信されたりする(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fによるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。その結果、係員による人為的な対応を促す所定の報知が行なわれる。なお、前枠5Fおよび遊技盤26FをセキュリティチップIDに関連付けて記憶した情報は、機歴管理センタ800AFへの出荷情報登録後、変更することができない。また、前枠5Fおよび遊技盤26Fの出荷情報は、ホールに設置する1日前に、機歴管理センタ800AFに登録されていることが望ましい。
同様に、ホールに設置してある前枠5Fおよび遊技盤26F(前枠5Fまたは遊技盤26Fの一方のみでもよい)を撤去して倉庫に保管した場合、P台2Fが未稼働状態となるので、図83に示すようにP台2Fから未稼働情報が機歴管理センタ800AFに通知される。具体的に、機歴管理センタ800AFに通知される未稼働情報は、設置していたP台2Fの前枠5Fおよび遊技盤26FのセキュリティチップIDが送信されないことによる情報である。
一方、機歴管理センタ800AFには、ホールまたは倉庫業者により撤去した前枠5Fおよび遊技盤26Fの撤去情報が入力される。そして、機歴管理センタ800AFは、入力された前枠5Fおよび遊技盤26Fの撤去情報を、それぞれに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて記憶するとともに、記憶した情報とP台2Fから通知された未稼働情報とを照合する。機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。
また、中古業者が遊技盤26Fを別のホールに再販して、ホールに設置した場合、P台2Fを稼働すると、図83に示すようにP台2Fから遊技機設置情報(稼働情報)が機歴管理センタ800AFに通知される。具体的に、機歴管理センタ800AFに通知される遊技機設置情報(稼働情報)には、たとえば主制御基板16Fに設けた半導体チップのセキュリティチップIDや、組合せた前枠5FのセキュリティチップIDなどが含まれている。
一方、機歴管理センタ800AFには、中古業者により再販した遊技盤26Fの移動情報(再販情報)が入力される。そして、機歴管理センタ800AFは、入力された遊技盤26Fの移動情報を、遊技盤26Fに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて記憶するとともに、記憶した情報とP台2Fから通知された遊技機設置情報とを照合する。機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。
さらに、廃棄業者が設置してある前枠5Fおよび遊技盤26F(前枠5Fまたは遊技盤26Fの一方のみでもよい)を廃棄した場合、P台2Fが未稼働状態となるので、図83に示すようにP台2Fから未稼働情報が機歴管理センタ800AFに通知される。具体的に、機歴管理センタ800AFに通知される未稼働情報は、設置していたP台2Fの前枠5Fおよび遊技盤26F(前枠5Fまたは遊技盤26Fの一方のみでもよい)のセキュリティチップIDが送信されないことによる情報である。
一方、機歴管理センタ800AFには、廃棄業者により廃棄した前枠5Fおよび遊技盤26F(前枠5Fまたは遊技盤26Fの一方のみでもよい)の撤去情報が入力される。そして、機歴管理センタ800AFは、入力された前枠5Fおよび遊技盤26Fの撤去情報を、それぞれに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて記憶するとともに、記憶した情報とP台2Fから通知された未稼働情報とを照合する。機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。
<カードユニット側とパチンコ機側との送受信態様>
次に、図84は、CU3F側とP台2F側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を示す模式図である。図84を参照して、CU3F側(カードユニット側)とP台2F側(パチンコ機側)とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を説明する。
本実施形態においては、P台2F側において遊技玉数の変動を算出して現在の最新の遊技玉数を記憶・管理している。CU3F側においても現在の遊技玉数の算出・記憶を行なっているが、その遊技玉数はP台2F側から送信されてきた情報に基づいたものである。一方、持玉(カード持玉数)や貯玉数、カード残高(残高)は、CU3F側において管理・記憶している。
図84では、CU3F側のCU制御部323Fに設けられているRAMの記憶データと、P台2F側の払出制御基板17Fに搭載されているRAMの記憶データとを示している。まず、P台(パチンコ機)2FとCU(カードユニット)3Fとが遊技場に設置されて初めて電気的に接続された状態で電源を立上げたときに、P台2F側の払出制御基板17Fは、主制御基板16FからメインチップID(主制御用セキュリティチップID)を送信してもらい、そのメインチップIDをCU3F側に送信するとともに、払出制御基板17F自体が記憶している払出チップID(払出制御用セキュリティチップID)をCU3F側へ送信する。
CU3F側では、それら送信されてきたメインチップIDと払出チップIDとを記憶する。次に、接続時刻すなわちCU3F側とP台2F側とが接続されて通信が開始された時刻のデータがCU3F側からP台2F側へ送信され、P台2F側ではその送信されてきた接続時刻を記憶する。
この状態で、メインチップID、払出チップIDおよびCU3F側で識別された接続時刻の3つの情報がCU3F側とP台2F側とに記憶されることとなる。それ以降の電源投入時においては、P台2F側からCU3F側へそれら3つの情報、すなわち、メインチップIDと払出チップIDと前回の接続時刻データとが送信される。
CU3F側では、それら送信されてきたデータと既に記憶しているデータとを照合し、前回と同じP台2Fが接続されているか否かを判別する。なお、接続時刻のデータは、電源が立上げられる度にCU3F側とP台2F側との通信が開始された新たな接続時刻データがCU3F側からP台2F側へ送信されてその新たな接続時刻データをP台2F側において記憶することとなる。
また、CU3F側とP台2F側とにおいてコマンドおよびレスポンスの送信が行なわれる毎に通番が「1」ずつ加算更新され、その通番がCU3F側とP台2F側とにおいて記憶される。この通番とは、CU3FとP台2Fとの間でのデータの送受信が行なわれる毎に番号が更新されて通信が適正に行なわれているか否かを確認するための通信番号のことであり、CU3F(一次局)が送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信し、P台2F(二次局)は受信した通番をそのまま送信する。なお、CU3Fは、再送時、通番をカウントアップせず、通番の連続性が成立しない場合、無応答とする。前回最終送信通番は、前回の送受信時に更新された通信番号であり、バックアップされる番号のことである。
本実施形態におけるCU3FとP台2Fとにおける通番のバックアップの具体的態様を説明する。CU3Fは、通番をカウントアップ(+1)してコマンドをP台2Fに送信する。P台2Fは、受信したコマンドの通番を前回最終送信通番としてバックアップ記憶する。そして、P台2Fは、受信したコマンドに対するレスポンスを、受信したコマンドの通番のままでCU3Fに送信する。CU3Fは、受信したレスポンスの通番を前回最終送信通番としてバックアップ記憶する。CU3FおよびP台2Fでは、P台2FからのレスポンスをCU3Fに送信するごとに、このような処理を繰返している。
たとえば、CU3F側からP台2F側に対して、あるコマンドを送信するとともにそのときの通番nを送信する。そして、レスポンスをP台2F側からCU3F側へ返信するときに、P台2F側では、その送信されてきた通番nを前回最終送信通番として記憶するとともに、通番nのままでレスポンスを送信する。CU3F側では返信されてきた通番nを前回最終送信通番として記憶する。次に、CU3F側からP台2F側に対して、あるコマンドを送信するときに通番をカウントアップ(+1)して通番n+1を送信する。そして、レスポンスをP台2F側からCU3F側へ返信するときに、P台2F側では、その送信されてきた通番n+1を前回最終送信通番として記憶するとともに、通番n+1のままでレスポンスを送信する。P台2F側では送信されてきた通番n+1が既に記憶していた前回最終送信通番の通番nより1加算されているためにデータの交信が正常に行なわれたと判断し、レスポンスをP台2F側からCU3F側へ返信する。CU3F側では返信されてきた通番n+1が既に記憶していた前回最終送信通番の通番nより1加算されているためにデータの交信が正常に行なわれたと判断し、次にコマンドを送るときには通番をカウントアップ(+1)して通番n+2のコマンドをP台2F側へ送信する。
P台2F側からCU3F側へは、最新遊技台情報(カウント中の遊技台情報)が送信される。この最新遊技台情報は、P台2F側の払出制御部171F(図82参照)にあるRAMの最新遊技台情報記憶領域に記憶されている。具体的には、加算玉数カウンタの情報と、減算玉数カウンタの情報と、計数玉数カウンタの情報とが含まれる。なお、遊技玉数は、最新遊技台情報に含まれず、後述するように遊技玉数カウンタのカウント値としてP台2F側からCU3F側へ送信している。
これらのカウンタの情報が、まとめてレスポンスとしてCU側へ送信される。加算玉数カウンタは、加算玉数をカウントするカウンタである。加算玉は、「賞球玉数×入賞個数」と「バック玉数」との和である。なお、バック玉とはファール玉のことである。つまり、加算玉とは、加算玉カウンタが遊技玉に加算すべき数を示す。減算玉数カウンタは、減算玉数をカウントするカウンタである。減算玉は、「発射玉数」である。つまり、玉上げスイッチ(上)41aFのオンからオフへの出力変化により検出された玉数である。なお、「減算玉数」には、「計数玉数」は含まれない。計数玉数カウンタは、計数玉数をカウントするカウンタである。計数玉は、「計数操作によって遊技玉から持玉に変換された玉数」である。
なお、バック玉が発生した場合に、そのバック玉を打球発射位置に還元して打球発射位置への玉送りを停止させた状態で打球発射動作を行なってバック玉をすべて遊技領域に発射させるようにし、バック玉が発生してもそのバック玉を加算玉としてカウントしないように制御してもよい。この場合は、「加算玉=賞球玉数×入賞個数」となる。
たとえば、遊技領域27Fに打込まれたパチンコ玉が入賞して主制御基板16Fから入賞情報が払出制御基板17Fへ送信されてきたときに、その入賞情報に基づいて遊技玉を加算すべき加算玉数を加算玉数カウンタがカウントし、その加算玉数カウンタの値(加算玉数)をP台2F側からCU3F側へ送信する。また、パチンコ玉が遊技領域27F内に発射されていることによる玉上げスイッチ(上)41aFのオンからオフへの出力変化に基づいて減算玉数カウンタが発射玉数を減算玉数としてカウントし、その減算玉数カウンタの値(減算玉数)をP台2F側からCU3F側へ送信する。
あるいは、払出制御部171Fは、計数ボタン28Fの押下により、遊技玉数を計数玉数としてカウントし、その計数玉数カウンタの値(計数玉数)をP台2F側からCU3F側へ送信する。
P台2F側においては、加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値をCU3F側へ送信する毎に、それらカウント値を前回遊技台情報記憶領域(払出制御部171FのRAM等)にバックアップデータとして記憶(書換え)した後、最新遊技台情報としての加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値を0クリアする(遊技玉数カウンタを除く)。なお、本実施形態において「クリア」とは「初期化」と同じ意味である。
その結果、前回遊技台情報(直前に送信した遊技台情報)の記憶エリアに、直前にCU3F側に送信した遊技台情報である、加算玉数、減算玉数、および計数玉数のデータがバックアップデータとして記憶される。このバックアップデータは、P台2F側からCU3F側へ最新遊技台情報が送信されなかった場合に、次の送信に際して今回の各カウンタの値ばかりでなくその送信されなかった前回の各カウンタの値をも送信できるようにするためのものである。
また、払出制御基板17Fは、入賞の発生、玉の発射、バック玉の発生、および計数玉の発生(遊技玉から持玉への変換)に応じて、遊技玉数カウンタの値を更新し、その更新後の遊技玉数カウンタの値を遊技玉数としてCU3F側に送信する。
CU3F側においては、RAM内の累計データ記憶領域に、遊技玉数、カード持玉数(以下単に、持玉数とも言う)、貯玉数、残高、総加算玉数(加算玉数累計)、総減算玉数(減算玉数累計)、およびカード挿入時持玉数を記憶している。なお、カード持玉数は、カード挿入時持玉数から持玉払出数(カード持玉数から遊技玉数に変換した玉数)を減算し、計数玉数を加算した玉数である。つまり、カード持玉数は、現時点で遊技者が所有している持玉数である。
P台2F側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)に基づいて総加算玉数を加算して玉数を更新する。また、P台2F側から送信されてきた減算玉数カウンタの値(減算玉数)に基づいて総減算玉数を減算して玉数を更新する。さらに、P台2Fから送信されてきた計数玉数カウンタの値に基づいてカード持玉数を加算して更新する。このように、CU3Fは、P台2Fより逐一送信されてくる最新遊技台情報によって総加算玉数、総減算玉数、カード持玉数を更新することで最新のそれらの情報を管理することが可能となる。
CU3Fは、図示のとおり、遊技玉を記憶する領域を備えているとともに、P台2F側から遊技玉数カウンタのカウント値(以下、遊技玉数または遊技玉トータル個数情報とも言う)も受信している。CU3Fは、遊技玉を記憶する領域を以下の手順で更新する。すなわち、CU3Fは、P台側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)、減算玉数カウンタの値(減算玉数)、および計数玉数カウンタの値に基づいて、記憶している遊技玉数を更新するとともに、同じタイミングでP台側から送信されてきた遊技玉数カウンタのカウント値と、更新後の遊技玉数とが一致しているか否かを判定する。一致していれば、遊技の続行を許容するが、一致していなければ、エラー状態に移行する制御を行なう。
その結果、たとえば、異常報知ランプや表示器312Fによりエラー報知が行なわれたり、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fにエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信されたりする(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fによるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。その結果、係員による人為的な対応を促す所定の報知が行なわれる。
なお、エラー状態に移行して遊技を停止させることに代えて、CU3F側で記憶している遊技玉数をP台2F側から送信されてきた遊技玉数カウンタのカウント値に置換えるようにしてもよい。または、それに代えて、CU3F側で管理している遊技玉数と、P台2F側で記憶している遊技玉数との平均値に補正してもよい。
このように、本実施形態では、CU3F側にも遊技玉数を記憶させているが、その遊技玉数がP台2F側で管理記憶している遊技玉数と整合するか否かの判定を行なえるようにしている(CU3F側機能)。そのため、仮に不正行為その他の事情で、P台2F側で記憶している遊技玉数がCU3F側で記憶している遊技玉数と一致しない状況が発生しても、その旨をチェックできる。なお、ここでは、CU3F側にその判定機能を設けたが、たとえば、CU3Fと接続されるホールサーバ801Fまたはホール用管理コンピュータによって、CU3F側で記憶している遊技玉数とP台2F側で記憶している遊技玉数とを受信し、両者が整合しているか否かの判定を行なうものとしてもよい。
図82に示すように、CU3Fは、カード持玉数、貯玉数を記憶する記憶領域と、受付けた(挿入された)カードのカード残高を記憶する記憶領域と、総加算玉数(加算玉数累計)、総減算玉数(減算玉数累計)およびカード挿入時持玉を記憶する記憶領域をさらに有する。CU制御部323F(図82参照)は、貯玉の使用を要求する入力(たとえば、CU3Fに設けられた再プレイボタン319Fの押圧入力(ただし、持玉無しのとき))に応じて貯玉を記憶する記憶領域から所定数の貯玉を減算する。
CU制御部323F(図82参照)は、持玉の使用を要求する入力(たとえば、持玉有のときのCU3Fに設けられた再プレイボタン319Fの押圧入力(ただし、持玉有のとき))に応じて持玉を記憶する記憶領域から所定数の持玉を減算する。さらに、CU制御部323F(図82参照)は、カード残高の使用を要求する入力(たとえば、玉貸ボタン321Fの押圧入力)に応じてカード残高を記憶する記憶領域から所定値を減算する。
遊技者所有の遊技用価値(たとえばプリペイド残高、持玉数、あるいは貯玉数)から価値を引落して遊技に使用する操作を遊技者が行なった場合に、その引落とし分の玉数を遊技玉数カウンタに加算するための加算玉数がCU3F側からP台2F側へ送信される。P台2F側では、それを受けて、遊技玉数カウンタを加算更新する。
本実施形態に係る遊技システムでは、一方、遊技者所有の遊技用価値を引落してドリンク等に交換するといういわゆるワゴンサービスのオーダ等を受付けることが可能である。ただし、遊技玉でワゴンサービスを受けることが制限されており、持玉でしかワゴンサービスを受けることができない。これは、各台計数機が配備された従来の封入循環式のパチンコ機において、皿に残っている計数前の玉を手で掴み出してワゴンサービスに用いることを禁止するようなイメージである。
このため、本実施形態では、ワゴンサービスを行なう操作が実行されたときに、持玉数がワゴンサービスの希望メニューに対応する玉数に満たない場合、遊技者に計数操作を促すように構成されている。その際に遊技者が計数操作を実行すると、その操作に基づく計数玉数がP台2F側からCU3F側へ送信される。CU3F側では、それを受けて、遊技玉数を減算し、カード持玉数を加算して更新する。
<CUとP台との間で送受信するコマンドおよびレスポンス>
次に図85を参照して、CU(カードユニット)3FとP台(パチンコ機)2Fとの間で送受信されるコマンドおよびレスポンスの概略を説明する。
図85には、送信方向および送信されるデータがコマンドかレスポンスかの別と送信情報の名称とその概略が示されている。
まず、CU3FからP台2Fに対してリカバリ要求という名称のコマンドが送信される。このリカバリ要求のコマンドは、P台2Fに対してリカバリ情報を要求するものである。P台2FからCU3Fに対してリカバリ応答という名称のレスポンスが送信される。このリカバリ応答のレスポンスは、CU3Fに対してリカバリ情報を通知するものである。
CU3FからP台2Fに対してリカバリ要求2という名称のコマンドが送信される。このリカバリ要求2のコマンドは、P台2Fに対して加算リカバリ情報を通知するものである。このリカバリ要求2に対応して、P台2FからCU3Fに対してリカバリ応答2という名称のレスポンスが送信される。このリカバリ応答2のレスポンスは、CU3Fに対して加算リカバリ情報の処理結果を通知するものである。これらリカバリ要求2とリカバリ応答2とは、基本的にはリカバリ処理を実行するときにしか送受信されない。具体的には、前述のリカバリ応答を受信したCU3Fがそのリカバリ応答の情報に基づいてリカバリ処理を実行すると判断した場合にのみCU3FがP台2Fにリカバリ要求2のコマンドを送信する。ただし、リカバリ処理を実行しないと判断した場合でもリカバリ要求2が送られた場合に、CU3F側でリカバリ処理を実行するか否かを再度判断してもよい。リカバリ処理は、CU3FやP台2Fに電源断が発生して通信回線断が検知されたときに実行する必要が生じる。本実施形態では、遊技場の営業開始時に電源を立上げたときにもリカバリ処理を実行しているが、営業開始時に電源を立上げ時には実行せずCU3FやP台2Fに電源断が発生して通信回線断が検知されたときに実行するように制御してもよい。
CU3FからP台2Fに対して通信開始要求のコマンドが送信される。この通信開始要求のコマンドは、P台2Fに対して通信開始を要求するものである。P台2FからCU3Fに対して通信開始応答のレスポンスが送信される。この通信開始応答のレスポンスは、CU3Fに対して通信開始を応答するものである。
CU3FからP台2Fに対して通信終了要求のコマンドが送信される。この通信終了要求のコマンドは、P台2Fに対して通信終了を要求するものである。P台2FからCU3Fに対して通信終了応答のレスポンスが送信される。この通信終了応答のレスポンスは、CU3Fに対して通信終了を応答するものである。
CU3FからP台2Fに対して状態情報要求のコマンドが送信される。この状態情報要求のコマンドは、P台2Fに対してCU3Fの状態を要求するものである。CU3Fはこのコマンドを使用して、P台2Fの状態を定期的に確認する。また、状態情報要求のコマンドには、図82に示したCU側からP台側へ向かう加算玉数が含まれている。
P台2FからCU3Fに対して状態情報応答のレスポンスが送信される。この状態情報応答のレスポンスは、CU3Fに対してP台2Fの情報・状態を通知するものである。情報応答のレスポンスには、図82に示した最新遊技台情報や遊技玉数が含まれている。
CU3FからP台2Fに対してカード挿入通知のコマンドが送信される。このカード挿入通知のコマンドは、P台2Fに対してカード挿入を通知するものである。P台2FからCU3Fに対してカード挿入応答のレスポンスが送信される。このカード挿入応答のレスポンスは、CU3Fに対してカード挿入を応答するものである。
CU3FからP台2Fに対してカード返却通知のコマンドが送信される。このカード返却通知のコマンドは、P台2Fに対してカード返却を通知するものである。P台2FからCU3Fに対してカード返却応答のレスポンスが送信される。このカード返却応答のレスポンスは、CU3Fに対してカード返却を応答するものである。
CU3FからP台2Fに対して、通信テスト要求のコマンドが送信される。この通信テスト要求のコマンドは、P台2Fに対してテストデータを通知するものである。P台2FからCU3Fに対して、通信テスト応答のレスポンスが送信される。このカード返却応答のレスポンスは、CU3Fに対してテストデータを応答するものである。
<CUとP台との間で処理される主なシーケンス>
次に、図86〜図92に基づいて、CU制御部323Fに搭載されたCPU、および払出制御基板17Fに搭載されたCPUで実行される処理によるCU3FとP台2Fとの間で処理される主なシーケンスについて説明する。
<<電源投入>>
次に、電源投入時の接続シーケンスの処理について説明する。図86に示すシーケンス処理は、CU3FとP台2Fとの通信が正常に終了した後の通信再開時に実行される処理である。具体的には、カードが挿入されていない待機中において、CU3Fの電源をOFFにした後の通信再開時に実行される。典型例は、遊技場において1日の営業が終了して電源を立下げ、翌日営業開始時に電源を立上げる場合である。
まず、電源を投入する。電源投入時においては、P台2Fでは発射モータ18Fを停止させて遊技を停止させてから通信を開始する。その後、認証シーケンスが開始され、P台2FからCU3Fに対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3Fは、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3Fは、前回最終送信通番および前回最終送信計数通番を含むリカバリ要求をP台2Fへ送信し、P台2Fに対してリカバリ情報を要求する。P台2Fは、CU3Fより通知された前回最終送信計数通番を参照して、計数リカバリ処理を実行する。具体的に、P台2Fは、前回最終送信計数通番を参照して、CU3Fが計数処理を実施していなかった場合、計数要求をなかったものとし、CU3Fが計数処理を実施済の場合、計数前の遊技玉数から計数玉数を減算して遊技玉を確定する。
計数リカバリ処理の実行後、P台2Fは、P台2F内部(具体的には払出制御基板17F)でバックアップしている遊技情報リカバリデータをレスポンスとしてCU3Fへ返信する(リカバリ応答)。リカバリ情報としては、前回最終送信通番、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻、前回最終送信加算通番および前回遊技台情報などが含まれている。
リカバリ応答を受けたCU3Fでは、リカバリ情報に含まれる前回最終送信加算通番の処理を実行していなかった場合、リカバリ情報に含まれる前回遊技台情報を使用してCU3Fの加算リカバリ処理を実施する。CU3Fは、加算玉リカバリ処理を実施する場合、P台2Fに対して、リカバリ要求2をP台2Fへ送信し、P台2Fに対してリカバリデータを送信する。このリカバリデータには、前回最終送信通番、および加算玉数が含まれている。
それを受けたP台2Fでは、受信したリカバリデータに基づいて加算リカバリ処理を実行し、その結果をレスポンスとしてCU3Fへ返信する(リカバリ応答2)。なお、P台2Fが加算玉数を受けられない状態の場合はリカバリ結果としてリカバリ処理NGを応答する。
このリカバリ処理は、CU3FとP台2Fとの間での互いのデータの整合性を回復するための処理であり、電源起動時に実行されるばかりでなく、トラブルが発生し復旧したときにも、実行される。
CU3Fは、リカバリ要求などのコマンドを送信する度に通番をカウントアップする。ただし、コマンドの再送時の際にはカウントアップしない。P台2Fは、前回受信した通番と同じ通番のコマンドを受信した場合には、通信不良が発生してCU3Fがコマンドを再送したと判断する。CU3Fはコマンドの送信し、同じ通番のレスポンスがP台2Fから通知された時に通番をバックアップする。P台2Fは、受信したコマンドに対応するレスポンスを送信する際に、受信した通番をそのままCU3Fに通知する。P台2Fはレスポンスの送信時に通番をバックアップする。
CU3Fは、認証シーケンスが終了した後、通番を“1”としてリカバリ要求のコマンドをP台2Fに送信する。P台2Fは、受信した通番“1”をそのままリカバリ応答のレスポンスとしてCU3Fに返信する。さらに、CU3Fは、通番を“2”としてリカバリ要求2のコマンドをP台2Fに送信する。P台2Fは、受信した通番“2”をそのままリカバリ応答2のレスポンスをCU3Fに返信する。
その後、CU3Fは、通番をカウントアップして“3”として、通信開始要求のコマンドをP台2Fへ送信する。なお、CU3Fは、リカバリ要求2を送信しなかった場合、通番は1カウントダウン(−1)した“2”となる。P台2Fでは、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、P台2Fは、受信した通番“3”のまま、通信開始応答のレスポンスをCU3Fへ返信する。これ以降、CU3FとP台2Fとの間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。
CU3Fは、通番をカウントアップして“4”として、状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。P台2Fは、それを受けて、遊技台情報、遊技情報および前回最終送信通番を更新し、更新したデータを状態情報応答のレスポンスの送信毎にバックアップする。そして、P台2Fは、受信した通番“4”のまま、状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
CU3Fは、それを受けて、前回最終送信通番を更新し、更新したデータを状態情報応答のレスポンスの受信毎にバックアップする。
その後、CU3Fは、通番をカウントアップして“5”として、状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信し、P台2Fは、受信した通番“5”のまま、状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
<<カード挿入>>
カードが挿入されたときのCU3FおよびP台2Fの処理について説明する。図87に示すCU3Fは、カード挿入前、通番=n、カード返却準備状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。P台2Fでは、それを受けて、通番=n、遊技禁止を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
その後、CU3Fでは、カードが挿入されると、カードリーダライタにカードを取込む指令信号を出力するとともに、取込んだカードに記録されている情報(カードID等)をカードリーダライタが読取って、その読取り情報を受信する等の、カード挿入時処理が実行される。なお、カードリーダライタが読取ったカードに記録されている情報(カードID等)をCU3Fで記憶してもよい。
CU3Fは、カードの挿入が行なわれた後の所定期間、カード情報問合せ中の状態になる。これは、挿入されたカードの適否や当該遊技場で登録されている会員カードであるか否か、あるいは持玉、貯玉やカード残額等をたとえばホールサーバ801Fに問合せて認証している最中であることを表示器312Fに表示するとともにP台2F側の表示器54Fに表示させる処理を実行している最中であることを意味している。
CU3Fは、表示器312Fに挿入されたカードの問合せ中であることを表示している間、挿入されたカードを認証していないので、通番=n+1、カード返却準備状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。P台2Fでは、それを受けて、通番=n+1、遊技禁止を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。なお、P台2F側の表示器54Fは、CU3Fの表示制御部350Fにより表示制御が行なわれ、カードの問合せ中である旨の表示がなされる。
その後、CU3Fは、挿入されたカードが認証されると、そのカードのカードIDとカード挿入時刻とをCU制御部323FのRAMに記憶させるとともに、通番=n+2、カードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDを含むカード挿入通知のコマンドをP台2Fへ送信する。なお、店舗コードおよびSC基板IDは、カード挿入通知のコマンドがセキュリティ基板325Fを通過するときに当該コマンドに付加される情報である。P台2Fでは、それを受けて、受信したカードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDのデータを払出制御部171FのRAM等にバックアップするとともに、通番=n+2を含むカード挿入応答のレスポンスをCU3Fに返信する。なお、CU3Fにおいても、挿入されたカードのカードIDをCU制御部323FのRAM等に記憶する。
CU3Fは、それを受けて、通番=n+3、カード返却準備状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信することで、カード挿入中である状態をP台2Fに対して通知する。P台2Fは、カード挿入中である状態の通知を受けて遊技を許可し、通番=n+3、遊技許可を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信することで、遊技許可中である状態をCU3Fに対して通知する。
カード挿入中、CU3Fは、通番=n+4、カード返却準備状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信し、P台2Fは、通番=n+4、遊技許可を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
さらに、カード挿入中に、CU3FからP台2Fに対してカード挿入通知のコマンドが送信される場合について説明する。まず、CU3Fは、通番=n+x、カードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDを含むカード挿入通知のコマンドをP台2Fへ送信する。なお、カード挿入中にカード挿入通知のコマンドが送信される場合、送信されるカードIDやカード挿入時刻は、挿入中のカードのカードIDやカード挿入時刻と異なることが多く、P台2Fに記憶しているカードIDやカード挿入時刻を意図的に変更しようとする不正が行なわれている可能性が高い。
そこで、P台2Fでは、それを受けて、受信したカードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDのデータを払出制御部171FのRAM等にバックアップを行なわない。なお、P台2Fでのカード挿入中か否かの判断は、状態情報要求のコマンドに含まれるカード返却準備状態=ONの情報に基づき容易に判断することができる。
次に、P台2Fは、受信したカードID、カード挿入時刻などのバックアップを行なわずに、通番=n+xを含むカード挿入応答のレスポンスをCU3Fに返信する。なお、CU3Fにおいても、カード挿入通知のコマンドで送信したカードID、カード挿入時刻などをCU制御部323FのRAM等に記憶しない。
<<プリペイド貸出>>
次に、挿入されたカードのプリペイド残額から遊技玉を貸出すときの処理について説明する。図88に示すシーケンス処理では、挿入されたカードに記録されているプリペイド残額が500円で、遊技玉数が50玉である。まず、CU3Fは、通番=n、遊技玉加算要求=OFF、加算通番=mを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n、遊技玉数=50、加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。このように、加算要求が発生していない間は、加算通番が更新されることはない。
その後、遊技者が1回「貸出」ボタンを押下する貸出操作(玉貸操作)を行なうことにより、CU3Fは、残額の500円分すなわち125玉の貸出を行なう。CU3Fは、玉貸ボタン(貸出ボタン)321Fが押下操作された場合、500円分のプリペイド消費を確定させるとともに、加算玉数=125のデータをバックアップする。このように、残額消費は、貸出操作が行なわれた段階でCU3F側単独で確定する。その後、CU3Fは加算表示中となる。この加算表示中では、残額から125玉分引落して遊技玉に加算している最中であることを表示器54Fに表示させる。
次に、CU3Fは、P台2Fに対して遊技玉の加算要求を行なう。そのため、CU3Fは、通番=n+1、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。通番をカウントアップして“n+1”とするとともに、遊技玉の加算要求を行なうため、加算通番もカウントアップして“m+1”とする。CU3Fは、加算通番を“m+1”にカウントアップするとともに、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。それを受けて、P台2Fは、遊技玉数=50(現在の遊技玉数)+125(加算玉数)=175に遊技玉数を更新し、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。そして、P台2Fは、CU3Fに対して遊技玉数=175および遊技玉加算結果=OKを通知するため、通番=n+1、加算玉数=175、遊技玉加算結果=OKおよび加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。遊技玉の加算要求に対する応答であるため、加算通番をカウントアップせずに、そのまま“m+1”とする。
その後、CU3Fは、通番=n+2、遊技玉加算要求=OFFおよび加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信し、P台2Fは、通番=n+5、加算玉数=175および加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。遊技玉の加算要求がOFFの場合、状態情報要求および状態情報応答は、通番をカウントアップするが、加算通番はカウントアップしない。
<<持玉払出・貯玉払出(再プレイ)>>
次に、持玉払出、貯玉払出をして再プレイする処理について説明する。この図91では、当初の遊技玉数が50玉の状態となっている。まず、CU3Fは、通番=n、遊技玉加算要求=OFFおよび加算通番=mを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n、遊技玉数=50および加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。このように、加算要求が発生していない間は、加算通番が更新されることはない。
その後、持玉または貯玉が存在する状態で、遊技者が持玉払出ボタンまたは再プレイボタン319Fを押下すると、CU3Fは、持玉または貯玉からの125玉分の消費を確定させる。このように、持玉または貯玉の消費は、持玉払出ボタンまたは再プレイボタン319Fを押下する操作がなされた段階でCU3F側単独で確定する。なお、持玉と貯玉との双方が存在する場合には、持玉消費が優先される。
この持玉を優先して消費する制御に代えて、貯玉再プレイボタンと持玉再プレイボタンとを設け、遊技者が選択して操作することにより、貯玉消費または持玉消費のいずれかを選べるようにしてもよい。すなわち、再プレイボタンは、貯玉(貯メダル)から遊技玉(遊技点)を得るための貯玉(貯メダル)再プレイボタンと、持玉(持点)から遊技玉(遊技点)を得るための持玉(持点)再プレイボタンとの2つで構成してもよい。
CU3Fは、持玉または貯玉からの消費を確定させた後、加算玉数=125の加算要求をP台2Fに通知する。具体的に、CU3Fは、遊技玉の加算処理中であることを表示するとともに、通番=n+1、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=125および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。遊技玉の加算要求を行なうため、通番をカウントアップして“n+1”とするとともに、加算通番もカウントアップして“m+1”とする。さらに、CU3Fは、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。それを受けて、P台2Fは、遊技玉数=50(現在の遊技玉数)+125(加算玉数)=175に遊技玉数を更新し、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。そして、P台2Fは、通番=n+1、加算玉数=175、遊技玉加算結果=OKおよび加算通番=m+1含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。遊技玉の加算要求に対する応答であるため、加算通番をカウントアップせずに“m+1”のままとする。
その後、CU3Fは、通番=n+2、遊技玉加算要求=OFFおよび加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信し、P台2Fは、通番=n+2、加算玉数=175および加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
<<遊技玉計数(通常)>>
次に、遊技玉の一部を計数して減算する通常時の計数処理について説明する。この図90では、カード返却の操作が検出されることなく計数ボタンが押下された場合を示している。それゆえ、CU3FからP台2Fへ送信されるカード返却準備状態のビットは、いずれもOFF(=0)となっている。このため、以下ではカード返却準備状態のビットの説明を省略する。
また、この図90では、挿入された記録媒体(会員用カードまたはビジターカード)により特定される持玉数が「0」玉であり、当初の遊技玉数が「800」玉の状態となっている。
なお、ここでは、計数ボタンの操作が検出されている間、100点単位での計数が継続し、計数ボタンの操作が検出されなくなった段階で計数動作が終了する例を説明する。
まず、CU3Fは、通番=n、カード返却準備状態=OFF、計数通番=m、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n、遊技玉数=800、計数通番=m、計数玉数=0、計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
CU3Fから送信された通番nに対して、P台2Fから通番n+1が返信されている。CU3Fから送信された計数通番mに対して、P台2Fからは同じ計数通番mが返信されている。これは、計数通番が、計数要求の発生を契機として更新され、計数の完了をもって更新が終了される特別な通番だからである。
その後、遊技者が、計数ボタン28Fを押下する。この図90では、計数ボタン28Fを1回押下する操作がなされた直後に、通番=n+1、カード返却準備状態=OFF、計数通番=m、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドがCU3FからP台2Fへ送信されている。
P台2Fは、計数ボタン28Fの操作を検出した場合、状態情報要求のコマンドに対する応答として、計数要求値を具体的に100に設定した通番n+1の状態情報応答をCU3Fへ送信する。ただし、この段階でP台2Fは計数要求分の計数を実行しない。このため、通番n+1の状態情報応答では、依然として遊技玉数=800とされている。また、この状態情報応答は、計数要求を示す電文であるため、計数通番が“m+1”にカウントアップされている。P台2Fは、このとき、前回最終送信計数通番を更新し、更新した前回最終送信計数通番と計数要求状態ONとのデータをバックアップする。
通番n+1の状態情報応答を受信したCU3Fは、要求されている計数玉数相当の持玉を加算するとともに、持玉の表示を100に更新する。すなわち、CU制御部323Fは、表示制御部350Fに対して計数表示の指令を送信する。表示制御部350Fは、その指令を受けてP台2F側の表示器54Fを表示制御する。その結果、表示器54Fには、遊技玉が計数されてその数が減少する一方で、持玉が増加する画像表示が行なわれる。
この場合、遊技玉が一発ずつ、各台計数器に案内されて計数されていくような演出表示を行なうことが考えられる。この演出表示の他の例としては、遊技玉数のデータが持玉数のデータに経時的に変換されていく表示であってもよい。たとえば、遊技玉数のデータと持玉数のデータとを棒グラフで示し、遊技玉数の棒グラフを減少させつつ持玉数の棒グラフを増加させたり、遊技玉数の棒グラフの一部を持玉数の棒グラフに移動させる表示を繰返したりしてもよい。さらに演出表示の他の例としては、現在の遊技玉数のデータと持玉数のデータをそのままデジタル表示し、遊技玉数を減少させつつ持玉数を増加させたり、遊技玉数の一部を持玉数に移動させる表示を繰返したり、種々の演出表示が考えられる。
さらに、CU3Fは、前回最終送信計数通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。続いて、CU3Fは、P台2Fに対して、通番n+2、計数通番m+1、計数応答=ONの状態情報要求を送信し、要求された計数を終えたことを通知する。
この状態情報要求を受信したP台2Fは、ようやく、計数玉数=100に対応する数だけ遊技玉数を減算し、遊技玉数表示器29Fの表示を800から700に更新する。この段階で、P台2Fは計数要求状態がOFFとなるが、計数ボタンの押下が継続しているため、P台2Fは2度目の計数要求をCU3Fへ送信する。すなわち、計数要求値を具体的に100に設定した通番n+2の状態情報応答をCU3Fへ送信する。ただし、この段階でもP台2Fは計数要求分の計数を実行しない。このため、通番n+2の状態情報応答では、遊技玉数=700とされている。また、この状態情報応答は、新たな計数要求として送信される電文であるため、計数通番を“m+2”にカウントアップして、前回最終送信計数通番を更新し、更新した前回最終送信計数通番と計数要求状態ONとのデータをバックアップする。
通番n+2の状態情報応答を受信したCU3Fは、要求されている計数玉数相当の持玉を加算するとともに、持玉の表示を200に更新する。さらに、CU3Fは、前回最終送信計数通番を“m+2”に更新して、そのデータをバックアップする。続いて、CU3Fは、P台2Fに対して、通番n+3、計数通番m+2、計数応答=ONの状態情報要求を送信し、要求された計数を終えたことを通知する。
この状態情報要求を受信したP台2Fは、計数玉数=100に対応する数だけ遊技玉数を減算し、遊技玉数表示器29Fの表示を700から600に更新する。ところが、この段階で、計数ボタンから遊技者の手が離れており、計数操作が終了している。このため、P台2Fは計数完了を通番n+3の状態情報応答でCU3Fへ通知する。すなわち、現在の遊技玉数=600とともに、計数要求=OFF、計数玉数=0の状態情報応答をCU3Fへ送信する。また、計数要求に対応するすべての計数動作が済んでいるため、この状態情報応答に含まれる計数通番もm+2のままで更新されていない。
この状態情報応答を受信したCU3Fは、計数完了と判定する。図示を省略しているが、CU3Fは、通番n+4、計数通番m+2、カード返却準備状態=OFF、計数応答=OFFの状態情報応答をP台2Fへ送信する。
このように、本実施の形態では、計数玉数を通知する情報状態応答をP台からCUへ送信する際に、P台側で早々と計数玉分の遊技玉の減算を行なっているのではなく、計数玉数を通知する情報状態応答を送信してからこれに対する受領確認をCUから受けた段階で、P台は遊技玉の減算を行なっている。
<<遊技玉計数(カード返却)>>
次に、カードを返却する際の遊技玉の計数処理について説明する。図91は、遊技者がカード返却操作を行なった場合の計数処理を説明するためのシーケンス図である。図91では、挿入された記録媒体(会員用カード等)により特定されるカード持玉数が0玉であり、当初の遊技玉数が800玉の状態となっている。まず、CU3Fは、通番=n、CU開店状態=ON、カード返却準備状態=OFF、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n、遊技玉数=800、計数通番=m、計数玉数=0および計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。
その後、遊技者が、遊技を止める場合や別の遊技台に移動する場合に「カード返却」ボタンを押下する。しかし、遊技者が「カード返却」ボタンを押下した時点では、P台2Fの遊技玉数が800玉で、CU3FはP台2Fの遊技玉数が0玉でないと判定する。また、CU3Fは、遊技者が「カード返却」ボタンを押下したのでカード返却準備状態=ONとして、通番=n+1、CU開店状態=ON、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。なお、CU3Fは、カード返却準備状態=ONの通知を10秒間、P台2Fに通知する。さらに、CU3Fは、P台2Fの遊技玉数が800玉で、0玉でないため、カード返却待機として、表示器54F等に計数操作を促す表示を行なう。
計数操作を促す表示を受けて、遊技者が計数ボタン28Fを押下して、遊技玉を持玉に変換する操作を行なう。P台2Fは、計数ボタン28Fを押下する計数操作が、カード返却準備状態=ONでの計数操作であると判定し、たとえば100玉単位での計数ではなく、一括して計数を処理する。
P台2Fは、遊技玉数800玉の計数受付要求および遊技玉数800玉を一括計数した計数玉数800玉をCU3Fに通知するために、通番=n+1、遊技玉数=800、計数通番=m+1、計数玉数=800および計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。ただし、この段階でP台2Fは計数要求分の計数を実行しない。このため、通番n+1の状態情報応答では、依然として遊技玉数=800とされている。また、この状態情報応答は、計数要求の電文であるため、P台2Fは、計数通番を“m+1”にカウントアップして、前回最終送信計数通番を更新し、更新した前回最終送信計数通番と計数要求状態ONとのデータをバックアップする。
これを受けて、CU3Fは、計数玉数800玉を持玉数に加算して、計数玉数800玉を遊技玉数800玉から0玉に減算する。また、CU3Fは、更新した前回最終送信計数通番のデータをバックアップする。そして、CU3Fは、計数玉受取りを通知するため、通番=n+2、CU開店状態=ON、カード返却準備状態=ON、計数通番=m+1および計数応答=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。
P台2Fは、CU3Fからの応答を受けて、計数玉数800玉を遊技玉数800玉から減算して遊技玉数0玉を表示器54F等に表示する。さらに、P台2Fは、遊技玉数0玉、計数完了した旨をCU3Fに通知するために、通番=n+2、遊技玉数=0、計数通番=m+1、計数玉数=0および計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3Fに返信する。なお、計数要求がOFFとなるので、計数通番はm+1のままカウントアップせずにCU3Fに送信される。
CU3Fは、遊技者がカード返却ボタン322Fを押下してから10秒経過する前、つまり、カード返却準備状態中に、計数ボタン28Fを押下して遊技玉を持玉に一括計数して遊技玉数を0玉にしているので、カード返却処理を実行する。つまり、CU3Fは、通番=n+3を含むカード返却通知のコマンドをP台2Fへ送信する。それを受けて、P台2Fは、通番=n+3、払出制御基板17Fに保持してあるカードIDおよびカード挿入時刻を含むカード返却応答のレスポンスをCU3Fに返信する。カードIDおよびカード挿入時刻をCU3Fに返信後、払出制御基板17Fに保持してあるカードIDおよびカード挿入時刻のデータをクリアする。
それを受けて、CU3Fは、挿入しているカードに記憶しているカードIDと、P台2Fから受信したカードIDとの一致判別を行ない、一致した場合は挿入しているカードを返却し、不一致の場合エラー処理を行ないホールサーバ801Fなどに報告する。CU3Fは、カードIDが一致した場合、カード挿入/排出口309Fに挿入してあったカード(挿入カード)に持玉数800を記憶させてそのカードを遊技者に返却する。また、遊技者がカード挿入/排出口309Fにカードを挿入することなく入金操作により遊技を開始している場合には、CU3Fに設けられているカードストック部にストックされているカード(ストックカード)に持玉数800を記憶させてそのカードを遊技者に返却する。挿入カードまたはストックカードの返却の際、CU3Fは当該カードのカードIDと持玉数のデータとをホールサーバ801Fへ送信し、ホールサーバ801Fが当該カードのカードIDに対応付けて持玉数のデータを記憶してもよい。
その後、CU3Fから返却されたカードは、カード挿入/排出口309Fから抜き取り可能となるため、カードの一部がカード挿入/排出口309Fから突き出た状態(カード抜き取り可能状態)で保持される。CU3Fは、カード抜き取り可能状態であるか否かを判定することが可能なセンサをカード挿入/排出口309Fの近傍に取付けてあり、当該センサの信号がON状態の場合、カード抜き取り可能状態と判定し、OFF状態の場合、カード抜き取り完了状態と判定する。
そして、CU3Fは、カード返却処理が実行され、カード抜き取り可能状態となった場合、カード返却準備状態OFFおよびカード抜き取り待ち中ONの情報をP台2Fに通知する。そのため、CU3Fは、通番=n+4、CU開店状態=ON、カード返却準備状態=OFF、カード抜き取り待ち中=ON、計数通番=m+1および計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。これを受けて、P台2Fは、カード抜き取り忘れを防止するため、遊技者に対して「カード抜き取って下さい」と可変表示装置278Fに表示する。また、P台2Fは、カードの抜き取りを報知するため、LEDを点灯させたり、スピーカで「カード抜き取って下さい」と音声出力させたりしてもよい。さらに、P台2Fは、通番=n+4、遊技玉数=0、計数通番=m+1、計数玉数=0および計数応答=OFFを含む状態情報応答のコマンドをCU3Fへ送信する。なお、CU3Fは、P台2Fに対してカード抜き取り可能状態であることを通知するだけでなく、CU3FまたはP台2Fに接続する装置である、ホールコンピュータ、P台2F上に取付けられた呼び出しランプなどの装置に対してカード抜き取り可能状態であることを通知してもよい。これにより、CU3FやP台2F以外に対してもカード抜き取り可能状態であることを通知することで、カード抜き取り(記録媒体の取り外し)忘れをさらに防止することができる。
カード挿入/排出口309Fの近傍に取付けたセンサがON状態であれば、CU3Fは、カード抜き取り待ち中=ONを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。しかし、遊技者がカード挿入/排出口309Fからカードを抜き取った場合、カード挿入/排出口309Fの近傍に取付けたセンサがOFF状態となるので、CU3Fは、通番=n+5およびカード抜き取り待ち中=OFFを含む状態情報要求のコマンドをP台2Fへ送信する。
これを受けて、P台2Fは、可変表示装置278Fに表示していた「カード抜き取って下さい」の表示を止め、カードの抜き取りの報知を終了する。なお、カードの抜き取りの報知は、カード抜き取り待ち中=ONを含む状態情報要求のコマンドを受取ってから、カード抜き取り待ち中=OFFを含む状態情報要求のコマンドを受取るまで報知を継続する。さらに、P台2Fは、通番=n+5を含む状態情報応答のコマンドをCU3Fへ送信する。
なお、図91で説明したカードを返却する際の遊技玉の計数処理のシーケンスは、カード返却時に限定されるものではなく、簡易離席・食事休憩時にも同様の処理を適用することができる。ここで、簡易離席とは、遊技者が小用を済ませるために5〜10分程度の短い時間遊技を中断するものである。食事休憩とは、簡易離席よりも長いたとえば30分間等遊技を中断して食事や休憩を行なうものである。
<<異常系シーケンス>>
次に、図92を参照して、電源断/通信回線断により状態情報要求が未到達となったときの遊技玉数のリカバリ処理について説明する。図92は、特に、電源断/通信回線断線(たとえば、P台2Fの電源が一旦OFFにした後再度ONになった場合)があって、状態情報要求が未到達(CU3FからP台2Fへコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の計数処理を説明するためのシーケンス図である。
図92を参照して、遊技中において電源断が発生する前に、CU3Fは、通番=nを含む状態情報要求をP台2Fに送信している。それを受けて、P台2Fは、遊技台情報をCU3Fに通知するため、通番=n、遊技玉数=480、加算玉数=3および減算玉数=23を含む状態情報応答をCU3Fに送信する。P台2Fは、前回遊技台情報となる前回最終送信通番を“n”に更新する。
CU3Fは、通番=nの状態情報応答を受け、前回最終送信通番を“n”に更新してバックアアップする。また、遊技玉数=480、加算玉数=3および減算玉数=23の情報に基づいて、自ら記憶している遊技玉数や加算玉数、減算玉数を更新する。
そして、遊技中においてP台2Fに電源断が発生した後に、通番=n+1を含む状態情報要求がCU3FからP台2Fへ送信された場合に、P台2Fが電源断の状態であるためにその状態情報要求を受信できない。それ以降P台2Fからの状態情報応答が送信されてこないためにCU3Fは、3秒後に通信回線断を検知して停止する制御を行なう。P台2Fが状態情報応答のレスポンスをCU3Fに送信してから、電源断発生までの間、P台2Fにおいて遊技が続行されて遊技台情報が変化し、遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36となり、これが最新遊技台情報となる。一方、既に送信した遊技玉数=480、加算玉数=3、減算玉数=23の遊技台情報は前回遊技台情報となる。
その後、P台2Fの電源断が復旧してONの状態になってP台2Fが動作を開始する。P台2Fが動作を開始すると、まず、CU3FとP台2Fとの間で認証シーケンスが開始され、P台2FからCU3Fに対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3Fは、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバ(ホールサーバ801Fを経由して鍵管理サーバ800F)へ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照合してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3Fは、通番=1、前回最終送信通番=n、店舗コードおよびSC基板IDを含むリカバリ要求をP台2Fへ送信する。つまり、CU3Fは、P台2Fに対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたP台2Fでは、まずCU3Fのセキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2Fで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合には以下の処理を行なう。P台2Fは、受信したリカバリ要求の前回最終送信通番=nと、P台2F内部(具体的には払出制御基板17F)でバックアップしている前回最終送信通番=nとが一致しているか否かを判定する。一致している場合には、通信断の前にP台2FからCU3Fに対して最後に送信した状態情報応答はCU3Fに到達していると判断でき、この場合には、その状態情報応答に含まれる遊技情報に基づいてCU3F側でも遊技情報が更新されていることになる。このため、この場合には、P台2Fは、遊技情報格納無(具体的には前回遊技台情報無)としてリカバリ応答(通番=1)をCU3Fへ返信する。仮に、受信したリカバリ要求の前回最終送信通番=nと、P台2F内部(具体的には払出制御基板17F)でバックアップしている前回最終送信通番=nとが不一致の場合には、通信断の前にP台2FからCU3Fに対して最後に送信した状態情報応答はCU3Fに到達していないと判断できるため、このような場合には、遊技情報格納有(具体的には前回遊技台情報有)として遊技情報を含むリカバリ応答(通番=1)をCU3Fへ返信する。なお、P台2Fは、CU3Fのセキュリティ基板325Fから通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、P台2Fで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」とが不一致の場合、遊技の継続を禁止する。
図92において、CU3Fは、リカバリ応答に含まれる遊技情報格納がないため、加算リカバリ処理は行なわない。なお、リカバリ応答を受信したCU3FのCU制御部323Fは、リカバリ応答としてP台2Fから送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値になっているか否かをチェックする第1チェック処理を実行する。遊技情報格納がないため、CU3Fは、リカバリ要求2をP台2Fに送信することなく、通番=2を含む通信開始要求をP台2Fに送信する。なお、CU3Fが通信開始要求のコマンドをP台2Fに送信する際、計数通番は“0”(初期値)にクリアされる。P台2Fは、通信開始要求を受け、通番=2を含む通信開始応答をCU3Fへ送信する。また、P台2Fは、通信開始要求を受信後、リカバリデータ(遊技情報)をクリアするとともに、計数通番も“0”(初期値)にクリアする。
CU3Fは、P台2Fとの通信が開始されると、通番=3を含む状態情報要求をP台2Fに送信する。それを受けたP台2Fでは、未通知の遊技台情報(最新遊技台情報である遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36)を状態情報応答でCU3Fに通知するとともに、前回最終送信通番を更新して、当該データをバックアップする。具体的には、状態情報応答として送信通番=3、遊技玉数=450、加算玉数=6および減算玉数=36を含む。CU3Fは、未通知の遊技台情報を含む状態情報応答を受けて、前回最終送信通番を更新して、当該データをバックアップする。なお、状態情報応答を受信したCU3FのCU制御部323Fは、状態情報応答として送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値であるか否かをチェックする第2チェック処理を実行する。
<遊技機の管理>
次に、出荷から廃棄までの遊技機の履歴を管理するシステムについて説明する。図93は、本実施形態に係る遊技機の出荷から廃棄までの履歴情報(機歴情報)の流れを説明するための図である。ここで、履歴を管理する遊技機の対象は、前述の封入循環式遊技機(P台2F)に限定されるものではなく、従来のCR遊技機も含まれる。もちろん、当該対象の遊技機には、パチンコ遊技機だけでなく、後述するP台2Fに対応するS台(スロットマシン)2SFや、従来のパチスロなども含まれることは言うまでもない。
図93を参照して、遊技機メーカからホールAに対して遊技機が出荷された場合、遊技機メーカのサーバ(図示せず)は、その出荷された遊技機に関する出荷情報を、通信回線を利用して機歴管理センタ800AFに入力する。機歴管理センタ800AFは、入力された当該出荷情報をサーバの記憶領域に登録する。
図94は、本実施形態に係る機歴管理センタ800AFに出荷情報が登録されるまでの流れの詳細を示す図である。
図94を参照して、ホールAは、遊技機メーカに遊技機を発注する際には、売買契約書を遊技機メーカに送付する。遊技機メーカは、ホールAから送付された売買契約書を受取ると、当該売買契約書に従う遊技機の受注を確認する。遊技機メーカは、当該受注を確認すると、保証書と検定通知書の写しをホールAに送付するとともに、遊技機の生産を開始する。遊技機メーカは、生産した遊技機は、遊技機メーカからホールAに出荷される(ホールAに納品される)。また、ホールAに出荷するための遊技機が運送業者に引き渡された後、遊技機メーカのサーバは、当該遊技機に関する出荷情報を、通信回線を介して機歴管理センタ800AFに入力する。機歴管理センタ800AFは、当該出荷情報の入力を受付けるとサーバの記憶領域に登録する。
図95は、出荷情報の具体的な内容の一例を示す図である。具体的には、図95(a)は、出荷情報として登録される項目を示す図である。図95(b)は、登録種別に含まれる登録分類を示す図である。
図95(a)を参照して、出荷情報は、登録種別と、遊技盤製造番号と、主基板管理番号と、主制御チップID番号(メインチップID)と、主制御製品コードと、遊技機枠製造番号と、払出基板管理番号と、払出制御チップID番号(払出チップID)と、払出制御製品コードと、出荷日と、事業者コードと、ホールコードと、取消フラグとを含む。
登録種別は、出荷する遊技機が従来のCR遊技機であるか、封入循環式遊技機(P台2F)であるか、および、部品交換した遊技盤であるか、遊技機枠であるかを指定するための情報である。具体的には、図95(b)では、登録種別の番号が「11」〜「14」の場合には、出荷される遊技機はCR遊技機であり、「21」〜「25」の場合には、出荷される遊技機はP台2Fであることを示している。さらに、登録種別番号「11」〜「14」は、それぞれ部品交換した遊技盤、遊技機枠、遊技盤+遊技機枠、遊技盤(部品交換)であることを示している。また、登録種別番号「21」〜「25」は、それぞれ交換した遊技盤、遊技機枠、遊技盤+遊技機枠、遊技盤の部品、遊技機枠の部品であることを示している。遊技盤の基板または遊技機枠の基板を交換する場合には、基盤を交換した場合に交換後の基板管理番号を設定して登録される。なお、遊技盤、および遊技機枠の製造番号が変更されるような部品交換は、新規の出荷として登録される。なお、登録種別によって、遊技機メーカ名および遊技機の型式名が特定される。
遊技盤製造番号および主基板管理番号は、二次元コードに従う情報である。
主制御チップID番号は、IDリーダで読取られた情報であり、P台2Fの場合のみ設定される(従来のCR遊技機では設定不要)。主制御製品コードは、主制御チップの製品コードである(従来のCR遊技機では設定不要)。
遊技機枠製造番号および払出基板管理番号は、二次元コードに従う情報である。なお、払出基板管理番号は、従来のCR遊技機では設定不要である。
払出制御チップID番号は、IDリーダで読取られた情報であり、P台2Fの場合のみ設定される(CR遊技機では設定不要)。払出制御製品コードは、払出制御チップに書込んだ製品コードである(CR遊技機では設定不要)。
出荷日は、遊技機が出荷された日であり、出荷が確定した日付である。事業者コードは、運送業者名を特定するための情報である。ホールコードは、納品先のホール名を特定するための情報である。取消フラグは、出荷情報を登録する場合には「0」が、登録した出荷情報を取消す場合には「1」が設定される。遊技機メーカは、誤った出荷情報を機歴管理センタ800AFに登録してしまった場合、誤った出荷情報の取消フラグを「1」に設定して、機歴管理センタ800AFに再度登録する。
機歴管理センタ800AFは、取消フラグが「1」に設定された出荷情報を受付けた場合、受付けた出荷情報と同じ内容で、取消フラグが「0」に設定された出荷情報の登録を取消す。つまり、「1」が設定された取消フラグを含む出荷情報と同じ内容の出荷情報が機歴管理センタ800AFの記憶領域から削除される。そのため、機歴管理センタ800AFは、取消フラグを「1」(オン状態)にすることで容易に出荷情報を取消すことができる。
さらに、機歴管理センタ800AFは、「1」が設定された取消フラグを含む出荷情報の受付を所定条件が成立するまで可能とすることができる。つまり、所定条件が成立した以降、「1」が設定された取消フラグを含む出荷情報と同じ内容の出荷情報を機歴管理センタ800AFに登録することができない。
ここで、所定条件としては、たとえば、時刻や期間などがある。そのため、機歴管理センタ800AFは、取消したい出荷情報を登録した日の午後8時まで、「1」が設定された取消フラグを含む当該出荷情報を受付けるように設定することができる。そのため、機歴管理センタ800AFは、取消フラグを「1」(オン状態)にすることで容易に出荷情報を取消すことができるとともに、所定条件が成立した以降(たとえば、登録日の午後8時以降)に出荷情報を不正に改ざんされることを防止することができる。
なお、遊技機が封入循環式遊技機(P台2F)の場合、主制御チップID番号または払出制御チップID番号が、遊技機の個体を特定するための特定情報となり、遊技機が従来のCR遊技機の場合、遊技盤製造番号、主基板管理番号、遊技機枠製造番号、払出基板管理番号の少なくとも1つの番号が遊技機の個体を特定するための特定情報となる。
また、出荷情報を図95(a)のように、遊技機が封入循環式遊技機(P台2F)であっても、従来のCR遊技機であっても同じ形式にすることで、機歴管理センタ800AFにおいて、封入循環式遊技機(P台2F)および従来のCR遊技機の履歴を統一的に管理することができる。
再び、図93を参照して、遊技機メーカから遊技機がホールAに納品され、当該遊技機がホールAに設置された場合、ホールAのサーバ(図示せず)は、通信回線を介してその設置された遊技機に関する設置情報を機歴管理センタ800AFに入力する。機歴管理センタ800AFは、入力された当該設置情報と、出荷時に登録された出荷情報とを関連付けてサーバの記憶領域に登録する。
図96は、本実施形態に係る機歴管理センタ800AFに設置情報が登録されるまでの流れの詳細を示す図である。具体的には、図96(a)は、ホールAに設置されたホール用コンピュータ(図示せず)と機歴管理センタ800AFとが通信可能に構成されていない場合の当該流れを示す図である。なお、図96(a)では、主に従来のCR遊技機の場合であり、ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信回線で接続されていないホールAに従来のCR遊技機が設置された場合が想定される。
図96(b)は、ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信可能に構成されている場合の当該流れを示す図である。図96(b)では、主に封入循環式遊技機(P台2F)の場合であり、ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信回線で接続されているホールAにP台2Fが設置された場合が想定される。
図96(a)を参照して、遊技機メーカから遊技機がホールAに納品されると、ホールAから遊技機メーカに遊技機受渡書の控えが送付される。遊技機メーカが遊技機受渡書の控えを受領すると、遊技機メーカから通信回線を介して遊技機の設置情報が機歴管理センタ800AFに入力され、当該入力された設置情報がサーバの記憶領域に登録される。なお、機歴管理センタ800AFに設置情報が登録されると、登録した結果が通信回線を介して、または書類として出力される。また、ホールAにおいては、所轄実施検査が実施され、変更承認通知がなされると、納品された遊技機がホールA内の所定の場所に設置される。
図96(b)を参照して、遊技機メーカから遊技機がホールAに納品されると、ホールAから遊技機メーカに遊技機受渡書の控えが送付される。その後、ホールAにおいて、所轄実施検査が実施され、変更承認通知がなされると、納品された遊技機がホールA内の所定の場所に設置される。ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信回線を介して接続可能に構成されていることから、ホールAに設置された遊技機の電源が投入されると自動的にホール用コンピュータから機歴管理センタ800AFに設置情報が送信される。機歴管理センタ800AFは、受信した設置情報と出荷時に登録した出荷情報とを関連付けて記憶領域に登録する。
図97は、図96(a)において機歴管理センタ800AFに入力される設置情報の内容の一例を示す図である。図97を参照して、設置情報は、登録種別と、遊技盤製造番号と、主基板管理番号と、遊技機枠製造番号と、設置日と、ホールコードと、取消フラグとを含む。登録種別と、遊技盤製造番号と、主基板管理番号と、遊技機枠製造番号と、ホールコードと、取消フラグとは、図95で説明した内容と同様であるためその詳細な説明は繰返さない。
上述したように、図96(a)の場合には、主に、ホールAに従来のCR遊技機が設置された場合が想定されるため、登録種別の番号は「11」〜「14」となる。設置日は、たとえば、保証書の開店予定日である。
以上から、図96(a)の場合には、機歴管理センタ800AFには、遊技機メーカから入力される設置情報として、遊技機メーカ名、型式名、遊技盤製造番号、主基板管理番号、遊技枠製造番号、設置日、および設置先ホール名が登録される。
また、図96(b)の場合には、機歴管理センタ800AFには、ホール用コンピュータから自動的に送信される設置情報として、遊技機メーカ名、型式名、設置日、設置先ホール名、主制御チップID、および払出制御用IDが登録される。なお、機歴管理センタ800AFは、設置情報として上記の一部の情報を受信し、出荷情報と共通する情報については、出荷情報を参照して登録する場合であってもよい。
再び、図93を参照して、ホールAに設置された遊技機が撤去された場合には、ホールAから撤去情報を書類などに記載して、当該書類を機歴管理センタ800AFに送付する。機歴管理センタ800AFに送付された撤去情報に基づき、機歴管理センタ800AFの入力手段(図示していない端末など)から必要な情報を入力することで撤去情報をサーバの記憶領域に登録する。なお、当該書類が機歴管理センタ800AFに送付されない場合には、後述する中古移動情報または廃棄情報が機歴管理センタ800AFに登録されたときに、ホールAから遊技機が撤去されたと判断して、撤去情報を登録してもよい。
図98は、本実施形態に係る機歴管理センタ800AFに撤去情報が登録されるまでの流れを示す図である。具体的には、図98(a)は、ホールAに設置されたホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信可能に構成されていない場合の当該流れを示す図である。なお、図98(a)では、主に、ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信回線で接続されていないホールAに従来のCR遊技機が設置された場合が想定される。
図98(b)は、ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信可能に構成されている場合の当該流れを示す図である。図98(b)では、主に、ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信回線で接続されているホールAにP台2Fが設置された場合が想定される。
図98(a)を参照して、ホールAに設置された遊技機を撤去する場合には、発行された変更承認申請書に基づいて遊技機が撤去される。遊技機が撤去されると、ホールAから撤去情報を含む書類が機歴管理センタ800AFに送付される。機歴管理センタ800AFは、送付された当該書類に基づいて撤去情報を記憶領域に登録する。
図98(b)を参照して、ホール用コンピュータと機歴管理センタ800AFとが通信可能に構成されていることから、機歴管理センタ800AFは、記憶領域に登録されている設置情報に基づいて、ホールAに設置されているはずの遊技機と通信不能な状態が一定期間(例えば、1カ月間)経過した場合には、当該遊技機が稼働しておらず撤去された状態であると判断して、記憶領域に撤去情報を登録する。なお、図98(a)と同様に、機歴管理センタ800AFは、ホールAから送付された当該書類に基づいて撤去情報を記憶領域に登録してもよい。
従来のCR遊技機が撤去される場合には、機歴管理センタ800AFには、撤去情報として、遊技機メーカ名、遊技盤製造番号、主基板管理番号、遊技枠製造番号、撤去日、および撤去ホール名が登録される。また、P台2Fが撤去される場合には、機歴管理センタ800AFには、撤去情報として、従来のCR遊技機の場合に登録される各情報に加えて、払出制御基板管理番号がさらに登録される。
再び、図93を参照して、ホールAから撤去された遊技機が販売業者の倉庫に入庫され、当該入庫された遊技機を別のホールBに出庫する場合には、販売業者が申請書類に中古移動情報を記入して機歴管理センタ800AFに送付する。機歴管理センタ800AFは、送付された申請書類に基づいて、機歴管理センタ800AFの入力手段から中古移動情報をサーバに登録する。なお、機歴管理センタ800AFと販売業者が有する管理コンピュータとが通信可能に構成されている場合には、当該管理コンピュータは、通信回線を介して機歴管理センタ800AFに中古移動情報を入力してもよい。
販売業者から出庫された遊技機が別のホールBに納品され、当該遊技機が別のホールBに設置された場合には、別のホールBにおいても、図96で説明したような流れで設置情報が機歴管理センタ800AFのサーバに登録される。また、ホールBに設置された遊技機が撤去された場合にも、図98で説明したような流れで撤去情報が機歴管理センタ800AFに登録される。
次に、ホールAから撤去された遊技機が処理会社によって回収され、その回収された遊技機が廃棄される場合には、処理会社から廃棄情報を申請書類に記載して、当該書類を機歴管理センタ800AFに送付する。機歴管理センタ800AFは、自装置内の入力手段から必要な情報を入力することで廃棄情報を記憶領域に登録する。なお、機歴管理センタ800AFと処理会社が有する管理コンピュータとが通信可能に構成されている場合には、当該管理コンピュータは、通信回線を介して機歴管理センタ800AFに廃棄情報を入力してもよい。
また、遊技機メーカによってホールAから下取りした遊技機が廃棄される場合には、ホール用コンピュータは、通信回線を介して廃棄される遊技機に関する廃棄情報を機歴管理センタ800AFに入力する。機歴管理センタ800AFは、入力された当該廃棄情報をサーバの記憶領域に登録する。
図99は、本実施形態に係る機歴管理センタ800AFに廃棄情報が登録されるまでの流れを示す図である。
図99を参照して、遊技機メーカからホールAに遊技機の下取りの受け入れ了承通知がなされると、当該遊技機がホールAから遊技機メーカに引き渡される。遊技機メーカでは、当該遊技機を回収し保管した後、廃棄する場合には処理会社(廃棄業者)に廃棄処理を依頼する。遊技機メーカは、処理会社から遊技機の廃棄処理が完了した旨の連絡(処理明細等)を受けると、遊技機メーカのサーバは、当該遊技機に関する廃棄情報を、通信回線を介して機歴管理センタ800AFに入力する。機歴管理センタ800AFは、当該廃棄情報の入力を受付けるとサーバの記憶領域に登録する。
図100は、機歴管理センタ800AFに入力される廃棄情報の内容の一例を示す図である。
図100を参照して、廃棄情報は、登録種別と、廃棄日と、遊技盤製造事業者コードと、遊技盤製造番号と、主基板管理番号と、遊技機枠製造事業者コードと、遊技機枠製造番号と、払出基板管理番号と、事業者コードと、取消フラグとを含む。登録種別と、遊技盤製造番号と、主基板管理番号と、遊技機枠製造番号と、取消フラグとは、図95で説明した内容と同様であるためその詳細な説明は繰返さない。
廃棄日は、遊技機が廃棄された日である。遊技盤製造事業者コードは、遊技盤を製造した遊技機メーカを特定するための情報である。遊技機枠製造事業者コードは、遊技機枠を製造した遊技機メーカを特定するための情報である。事業者コードは、廃棄処理を実施した事業者を特定するための情報である。典型的には、処理会社(廃棄業者)の事業者コードであるが、遊技機メーカで廃棄処理した場合には、遊技機メーカの事業者コードとなる。
従来のCR遊技機が廃棄される場合には、機歴管理センタ800AFには、廃棄情報として、遊技機メーカ名、遊技盤製造番号、主基板管理番号、遊技枠製造番号、廃棄日、および処理業者名が登録される。また、P台2Fが廃棄される場合には、機歴管理センタ800AFには、廃棄情報として、従来のCR遊技機の場合に登録される各情報に加えて、払出制御基板管理番号がさらに登録される。
<前枠および遊技盤の管理>
前述の機歴管理センタでは、遊技機(P台2F)の履歴を管理する構成について説明したが、P台2Fは、前枠5Fと遊技盤26Fとを組合せて成るため、前枠5Fと遊技盤26Fとに分けて履歴を管理することも可能である。そこで、以下に前枠5Fおよび遊技盤26Fの機歴管理について説明する。
図101は、本実施形態に係る前枠5Fおよび遊技盤26Fの機歴管理を説明するための概略図である。図101に示す機歴管理センタ800AFは、前枠5Fに接続した払出制御基板17Fに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて前枠5Fの情報、および遊技盤26Fに接続した主制御基板16Fに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて遊技盤26Fの情報を図102に示すテーブルに記憶して、前枠5Fおよび遊技盤26Fの履歴を管理している。機歴管理センタ800AFは、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)8001Fと、そのCPU8001Fの動作プログラムや制御データを記憶しているROM(Read Only Memory)8002Fと、CPU8001Fのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)8003Fと、I/Oポート(Input/Output Port)8004Fと、HDD(Hard Disk Drive)などの大容量記憶装置8005Fとが設けられている。
図102は、前枠5Fおよび遊技盤26Fの機歴管理を行なうため、前枠5Fの情報および遊技盤26Fの情報を記憶するテーブルの概略図である。図102に示すテーブルには、払出制御基板17FのセキュリティチップIDに関連付けて遊技盤26Fの情報を記憶する払出側テーブル(図102(a))と、主制御基板16FのセキュリティチップIDに関連付けて遊技盤26Fの情報を記憶する主制御側テーブル(図102(b))とが含まれている。
以下、図101および図102を用いて、前枠5Fおよび遊技盤26Fの機歴管理を具体的に説明する。まず、出荷・設置時について、(1)半導体チップメーカ190Fは、払出制御用半導体チップ17aFを製造して、前枠5Fの製造メーカである枠メーカ191Fに出荷する。また、(2)半導体チップメーカ190Fは、主制御用半導体チップ16aFを製造して、遊技盤26Fの製造メーカである遊技盤メーカ192Fに出荷する。なお、払出制御用半導体チップ17aFおよび主制御用半導体チップ16aFは同じ半導体チップメーカ190Fが製造する場合に限定されず、別々の半導体チップメーカ190Fが製造してもよい。
(3−1)半導体チップメーカ190Fは、製造した払出制御用半導体チップ17aFの払出制御用セキュリティチップIDを機歴管理センタ800AFに通知し、払出側テーブルに払出制御用セキュリティチップIDを入力して、払出側テーブルを更新する。同様に、(3−2)半導体チップメーカ190Fは、製造した主制御用半導体チップ16aFの主制御用セキュリティチップIDを機歴管理センタ800AFに通知し、主制御側テーブルに主制御用セキュリティチップIDを入力して、主制御側テーブルを更新する。
(4)枠メーカ191Fは、払出制御用半導体チップ17aFを前枠5Fに組込み、前枠5Fを製造する。さらに、枠メーカ191Fは、製造した前枠5Fをホール193Fに出荷して、設置する。(5)枠メーカ191Fは、ホール193Fに設置した前枠5Fを特定する情報を機歴管理センタ800AFに通知し、払出制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように払出側テーブルを更新する。なお、前枠5Fを特定する情報として、図102(a)に示すように、前枠製造番号、払出基板管理番号、払出制御用の製品コード、輸送業者コード、ホールコード、出荷日、および設置日時が含まれる。さらに、前枠5Fを特定する情報に、枠の形式名、製品コード、およびメーカーコードを含んでもよい。
(6)遊技盤メーカ192Fは、主制御用半導体チップ16aFを遊技盤26Fに組込み、遊技盤26Fを製造する。さらに、遊技盤メーカ192Fは、製造した遊技盤26Fをホール193Fに出荷して、前枠5Fと遊技盤26Fとを組合せて設置する。(7)遊技盤メーカ192Fは、ホール193Fに設置した遊技盤26Fを特定する情報を機歴管理センタ800AFに通知し、主制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように主制御側テーブルを更新する。なお、遊技盤26Fを特定する情報として、図102(b)に示すように、遊技機の形式名、製品コード、メーカーコード、遊技盤製造番号、主制御基板管理番号、主制御用の製品コード、輸送業者コード、ホールコード、出荷日、および設置日時が含まれる。
(8)ホール193Fは、前枠5Fと遊技盤26Fとを組合せて成るP台2Fを稼働させる。P台2Fは、駆動すると、組込まれた払出制御用セキュリティチップIDや主制御用セキュリティチップIDを含む遊技機設置情報(稼働情報)を鍵管理サーバ800Fに送信する。鍵管理サーバ800Fは、P台2Fから送信されてきた遊技機設置情報に基づいて、P台2Fの認証を行ない、必要な暗証鍵をP台2Fに送信する。(9)鍵管理サーバ800Fは、遊技機設置情報を機歴管理センタ800AFに通知し、払出制御用セキュリティチップIDに関連付けてペア(組合せた)の主制御用セキュリティチップIDを記憶するように払出側テーブルを更新し、主制御用セキュリティチップIDに関連付けてペア(組合せた)の払出制御用セキュリティチップIDを記憶するように主制御側テーブルを更新する。機歴管理センタ800AFは、鍵管理サーバ800Fから送信されてきた遊技機設置情報と、半導体チップメーカ190F、枠メーカ191Fおよび遊技盤メーカ192Fにより更新された払出側テーブルおよび主制御側テーブルの内容とを照合する。
機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。また、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルに含まれる出荷日などの情報(図102(a)に示す(3−1),(5)の情報)が更新された前枠5Fの管理状態(ステータス)を「出荷」、さらに払出側テーブルに含まれるペアの主制御用セキュリティチップIDの情報(図102(a)に示す(9)の情報)が更新された前枠5Fの管理状態(ステータス)を「設置」と判断する。なお、前枠5Fの管理状態(ステータス)は、払出側テーブル内に記憶しても、別の記憶領域に記憶してもよい。なお、出荷登録後の初期不良時、再出荷は行なわない。
同様に、機歴管理センタ800AFは、主制御側テーブルに含まれる出荷日などの情報(図102(b)に示す(3−2),(7)の情報)が更新された遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を「出荷」、さらに主制御側テーブルに含まれるペアの払出制御用セキュリティチップIDの情報(図102(b)に示す(9)の情報)が更新された遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を「設置」と判断する。なお、遊技盤26Fの管理状態(ステータス)は、主制御側テーブル内に記憶しても、別の記憶領域に記憶してもよい。なお、出荷登録後の初期不良時、再出荷は行なわない。
次に、保管時について、(10)ホール193Fは、新しい前枠5Fおよび遊技盤26Fに入替える場合、設置してある前枠5Fおよび遊技盤26Fを撤去して倉庫に保管する。(11)倉庫業者194Fは、ホール193Fから撤去した前枠5Fの保管情報を機歴管理センタ800AFに通知し、払出制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように払出側テーブルを更新する。また、倉庫業者194Fは、ホール193Fから撤去した遊技盤26Fの保管情報を機歴管理センタ800AFに通知し、主制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように主制御側テーブルを更新する。なお、前枠5Fおよび遊技盤26Fの保管情報として、図102に示すように、遊技機の製造業者、設置元ホール、撤去日、保管日、および保管場所が含まれる。
前枠5Fおよび遊技盤26Fがホール193Fから撤去されると、稼働情報が鍵管理サーバ800Fに送信されなくなる。つまり、撤去された前枠5Fおよび遊技盤26Fから、鍵管理サーバ800Fに未稼働情報が送信されたこととみなすことができる。鍵管理サーバ800Fに送信された未稼働情報は、さらに機歴管理センタ800AFに送信される。機歴管理センタ800AFは、鍵管理サーバ800Fから送信されてきた未稼働情報と、倉庫業者194Fにより更新された払出側テーブルおよび主制御側テーブルの内容とを照合する。
機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。また、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御側テーブルに含まれる保管日などの情報(図102に示す(11)の情報)が更新された前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を「保管」と判断する。なお、前枠5Fおよび遊技盤26Fを撤去する場合、必ずしも前枠5Fと遊技盤26Fとをセットとして撤去する必要はなく、いずれか一方を取外して撤去してもよい。その場合、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御側テーブルのいずれか一方の(11)(図102参照)の情報のみが更新される。
次に、再販時について、(12)ホール193Fは、倉庫業者194Fが保管している前枠5Fおよび遊技盤26Fを、中古業者195Fに再販を依頼する。中古業者195Fは、保管してある前枠5Fおよび遊技盤26Fを別のホールに再販して、当該ホールに設置する。(13)中古業者195Fは、再販した前枠5Fの再販情報を機歴管理センタ800AFに通知し、払出制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように払出側テーブルを更新する。また、中古業者195Fは、再販した遊技盤26Fの再販情報を機歴管理センタ800AFに通知し、主制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように主制御側テーブルを更新する。なお、前枠5Fおよび遊技盤26Fの再販情報として、図102に示すように、設置元ホール、撤去日、設置日、および販社名が含まれる。
前枠5Fおよび遊技盤26Fが再販されると、別のホールに設置され、前枠5Fと遊技盤26Fとを組合せてP台2Fを稼働させる。P台2Fは、駆動すると、組込まれた払出制御用セキュリティチップIDや主制御用セキュリティチップIDを含む遊技機設置情報(稼働情報)を鍵管理サーバ800Fに送信する。鍵管理サーバ800Fは、P台2Fから送信されてきた遊技機設置情報に基づいて、P台2Fの認証を行ない、必要な暗証鍵をP台2Fに送信する。また、鍵管理サーバ800Fは、遊技機設置情報を機歴管理センタ800AFに通知し、払出制御用セキュリティチップIDに関連付けてペア(組合せた)の主制御用セキュリティチップIDを記憶するように払出側テーブルを更新し、主制御用セキュリティチップIDに関連付けてペア(組合せた)の払出制御用セキュリティチップIDを記憶するように主制御側テーブルを更新する。機歴管理センタ800AFは、鍵管理サーバ800Fから送信されてきた遊技機設置情報と、中古業者195Fにより更新された払出側テーブルおよび主制御側テーブルの内容とを照合する。
機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。また、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御販テーブルに含まれる販社名などの情報(図102に示す(13)の情報)が更新された前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を「再販」と判断し、さらに払出側テーブルおよび主制御側テーブルに含まれるペアのセキュリティチップIDの情報(図102に示す(9)の情報)が更新された前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を「設置」と判断する。なお、前枠5Fおよび遊技盤26Fを再販する場合、必ずしも前枠5Fと遊技盤26Fとをセットとして再販する必要はなく、いずれか一方を再販してもよい。その場合、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御側テーブルのいずれか一方の(13)(図102参照)の情報のみが更新される。さらに、前枠5Fおよび遊技盤26Fを再販する場合、必ずしも倉庫に保管されている前枠5Fおよび遊技盤26Fを再販する場合に限定されず、ホールに設置してある前枠5Fおよび遊技盤26Fを再販してもよい。また、再販時の再出荷は行なわない。
次に、廃棄時について、(14)ホール193Fは、保管してある前枠5Fおよび遊技盤26Fを、廃棄業者196Fに廃棄を依頼する。廃棄業者196Fは、保管してある前枠5Fおよび遊技盤26Fを適切な方法で廃棄する。(15)廃棄業者196Fは、廃棄した前枠5Fの廃棄情報を機歴管理センタ800AFに通知し、払出制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように払出側テーブルを更新する。また、廃棄業者196Fは、廃棄した遊技盤26Fの廃棄情報を機歴管理センタ800AFに通知し、主制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶するように主制御側テーブルを更新する。なお、前枠5Fおよび遊技盤26Fの廃棄情報として、図102に示すように、設置元ホール、引き取り日、および廃棄日が含まれる。
前枠5Fおよび遊技盤26Fが廃棄されると、稼働情報は鍵管理サーバ800Fに送信されない。つまり、廃棄された前枠5Fおよび遊技盤26Fから、鍵管理サーバ800Fに未稼働情報が送信されたこととみなすことができる。鍵管理サーバ800Fに送信された未稼働情報は、さらに機歴管理センタ800AFに送信される。機歴管理センタ800AFは、鍵管理サーバ800Fから送信されてきた未稼働情報と、廃棄業者196Fにより更新された払出側テーブルおよび主制御側テーブルの内容とを照合する。
機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。また、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御側テーブルに含まれる廃棄日などの情報(図102に示す(15)の情報)が更新された前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を「廃棄」と判断する。なお、前枠5Fおよび遊技盤26Fを廃棄する場合、必ずしも前枠5Fと遊技盤26Fとをセットとして廃棄する必要はなく、いずれか一方を取外して廃棄してもよい。その場合、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御側テーブルのいずれか一方の(15)(図102参照)の情報のみが更新される。さらに、前枠5Fおよび遊技盤26Fを廃棄する場合、必ずしも倉庫に保管されている前枠5Fおよび遊技盤26Fを廃棄する場合に限定されず、ホール193Fに設置してある前枠5Fおよび遊技盤26Fを廃棄してもよい。
<機歴管理センタの異常判定>
機歴管理センタ800AFは、前述したように遊技機設置情報および未稼働情報と更新した情報とを照合した結果、異常であれば、当該異常を報知する。具体的に、機歴管理センタ800AFが異常であるか否かを判定する処理について、フローチャートを用いて説明する。図103は、機歴管理センタ800AFが前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理の異常判定処理を説明するためのフローチャートである。図104は、図103に示すフローチャートで参照するテーブルを説明する図である。
まず、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御側テーブルに含まれる情報に基づき、前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を判断する(SF211)。具体的に、機歴管理センタ800AFは、払出側テーブルおよび主制御側テーブルに含まれる廃棄日などの情報(図102に示す(15)の情報)が更新された前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理状態(ステータス)を「廃棄」と判断する。
次に、機歴管理センタ800AFは、前回判断した管理状態から今回判断した管理状態への変化が遷移禁止テーブルに含まれるか否かを確認する(SF212)。遷移禁止テーブルは、図104(a)に示すように、前回判断した管理状態から遷移が禁止されている管理状態を示している。具体的に、枠メーカ191Fが前枠5Fを製造して出荷した場合、当該前枠5Fが廃棄や再販されることはないので、遷移禁止テーブルでは、管理状態が「出荷」から「廃棄」や「再販」へ遷移することを禁止している。また、一度、設置、保管および再販された前枠5Fが、枠メーカ191Fから出荷されることはないので、遷移禁止テーブルでは、管理状態が「設置」、「保管」および「再販」から「出荷」へ遷移することを禁止している。さらに、廃棄された前枠5Fが、出荷、設置、保管および再販されることはないので、遷移禁止テーブルでは、管理状態が「廃棄」から「出荷」、「設置」、「保管」および「再販」へ遷移することを禁止している。なお、前述の遷移禁止テーブルのでは、前枠5Fを例に説明したが、遊技盤26Fについても同様である。
次に、機歴管理センタ800AFは、今回判断した管理状態への変化が遷移禁止テーブルに含まれないとき(SF212:N)、鍵管理サーバ800Fからの情報に基づいて、前枠5Fおよび遊技盤26Fの稼働状態を判断する(SF213)。具体的に、機歴管理センタ800AFは、鍵管理サーバ800Fから遊技機設置情報が送信されたときは稼働状態と判断し、鍵管理サーバ800Fから未稼働情報が送信されたとき(遊技機設置情報が送信されないとき)、非稼働状態と判断する。
次に、機歴管理センタ800AFは、SF211で今回判断した管理状態、およびSF213で判断した稼働状態が更新異常テーブルに含まれているか否かを確認する(SF214)。更新異常テーブル、図104(b)に示すように、SF211で今回判断した管理状態において禁止されている稼働状態を示している。具体的に、前枠5Fおよび遊技盤26Fが設置されている場合、営業時間内であれば稼働状態となるが、営業時間外であれば通常未稼働状態であるので、更新異常テーブルでは、管理状態が「設置」のとき、「営業時間外で稼働」となると異常と判定する。また、前枠5Fおよび遊技盤26Fが設置されていない場合、常に未稼働状態となるので、更新異常テーブルでは、管理状態が「出荷」,「保管」,「再販」,および「廃棄」のとき、「稼働」となると異常と判定する。
次に、機歴管理センタ800AFは、判断した稼働状態が更新異常テーブルに含まれているとき(SF214:Y)、異常を報知する(SF215)。SF215で、異常を報知する手段は、機歴管理センタ800AFの表示装置に異常を表示する、音声出力装置から警報音を出力するなど、いずれの手段であってもよい。また、機歴管理センタ800AFは、今回判断した管理状態への変化が遷移禁止テーブルに含まれるとき(SF212:Y)も、異常を報知する(SF215)。
機歴管理センタ800AFは、判断した稼働状態が更新異常テーブルに含まれていないとき(SF214:N)、処理を終了する。
以上のように、本実施形態に係る機歴管理センタ800AFは、前枠5Fの履歴情報を払出制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶する払出側テーブルと、遊技盤26Fの履歴情報を主制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶する主制御側テーブルとを大容量記憶装置8005Fに含み、CPU8001Fが払出側テーブルおよび主制御側テーブルに記憶した情報に基づいて、前枠5Fおよび遊技盤26Fの管理状態の異常を判定する。そのため、本実施形態に係る機歴管理センタ800AFは、別々に流通する可能性がある前枠5Fおよび遊技盤26FをそれぞれのセキュリティチップIDに関連付けて履歴を管理することができる。
<主制御部−払出制御部間の通信>
次に、P台2Fにおける主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の通信についてさらに詳しく説明する。まず、図82に示すP台2Fにおいて、遊技盤26Fに設けられた主制御基板16Fと、前枠5Fに設けられた払出制御基板17Fとの通信は、主制御基板16Fに設けられた主制御部161Fと前枠5Fに設けられた払出制御部171Fとの間で行なわれる。図105は、主制御部161F、払出制御部171F、および通信制御ICとの間で行なわれる通信について説明するための概略図である。
図105に示す主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、ワンチップで構成されているものとして以下説明するが、複数のチップで同様の機能を構成してもよい。主制御部161Fは、主制御回路161aF、通信制御回路161bF、主制御記憶部161cFを備えている。主制御回路161aFは、主制御部161Fで様々な処理(たとえば、入賞センサ162Fからの信号に基づいて入賞球をカウントしたり、電波センサ163Fからの信号に基づいて不正を検出したりする処理など)を行なうための制御プログラムを実行する回路である。通信制御回路161bFは、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で暗号通信を行なうための回路である。主制御記憶部161cFは、主制御部161Fで実行するためのユーザプログラム、制御プログラムやデータを記憶するための記憶装置であり、たとえば不揮発メモリのFeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)などで構成されている。なお、主制御記憶部161cFはFeRAMを含む構成であるので、FeRAMに記憶した情報は外部電源によるバックアップが不要となる。
一方、払出制御部171Fは、払出制御回路171aF、通信制御回路171bF、払出制御記憶部171cFを備えている。払出制御回路171aFは、払出制御部171Fで様々な処理(発射制御基板31Fを介して発射モータ18Fを制御したり、計数ボタン28Fからの信号に基づいてCU3Fに対して遊技玉から持玉への変換を要求したりする処理など)を行なうための制御プログラムを実行する回路である。通信制御回路171bFは、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で暗号通信、および払出制御部171Fと通信制御IC325aFとの間の暗号通信を行なうための回路である。払出制御記憶部171cFは、払出制御部171Fで実行するためのユーザプログラム、制御プログラムやデータなどを記憶するための記憶装置であり、たとえば不揮発メモリのFeRAMなどで構成されている。なお、払出制御記憶部171cFはFeRAMを含む構成であるので、FeRAMに記憶した情報は外部電源によるバックアップが不要となる。
さらに、通信制御回路161bF,171bFについて詳しく説明する。図106は、払出制御部171Fと暗号通信するための通信制御回路161bFの構成を説明するためのブロック図である。まず、通信制御回路161bFは、複数の機能を有しており、たとえば認証通信機能、暗号通信機能、割込み機能やリカバリ機能などを有している。
認証通信機能は、前枠5Fの払出制御部171Fとの相互認証する機能である。暗号通信機能は、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の電文を暗号化したり復号化したりする機能である。暗号通信機能は、改ざん防止コードの電文に自動的に挿入したり、通信エラーを検出するためのコードを自動的に挿入したりすることが可能である。また、暗号通信機能は、通信インターバル設定により定期にて主制御部161Fの情報を、払出制御部171Fに渡し、払出制御部171Fの情報を受取ることも可能である。
割込み機能は、たとえば電文の復号が完了した後に割込みを通知したり、認証状態が変化した場合に割込みを通知したりする。リカバリ機能は、ユーザからの要求により暗号通信制御部600Fにて払出制御部171Fとのリカバリ通信を行なう機能である。また、通信制御回路161bFは、通信応答のタイムアウト時間を設定したり、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の通信間隔を設定したりすることができる。
次に、通信制御回路161bFは、図106に示すように主制御回路161aFで実行した制御プログラムとの間で入出力を行なう複数のレジスタ、払出制御部171Fとの暗号通信を行なうための暗号通信制御部600Fを有している。
通信制御回路161bFに含まれるレジスタには、たとえば認証ステータスレジスタ611F、認証割込み設定レジスタ612F、送信データバッファ613F、送信データ数レジスタ614F、情報送信クリアレジスタ615F、主制御遊技情報レジスタ616F、払出制御遊技情報レジスタ617F、リカバリ通信完了レジスタ618Fおよび暗号通信データクリア要求/完了レジスタ619Fなどを有している。
認証ステータスレジスタ611Fは、主制御部161FのチップIDが認証されているか否かの状態、カードユニット−払出制御部間の通信および認証の状態、主制御部−払出制御部間の通信および認証の状態が書込まれている。認証割込み設定レジスタ612Fは、チップID認証、カードユニット−払出制御部間の認証、および主制御部−払出制御部間の認証の状態を変化させる割込みを許可するか否かが設定されている。
送信データバッファ613Fは、主制御部161Fから払出制御部171Fに送信する遊技情報を書込むバッファ(たとえば、記憶容量が128byte)であり、当該バッファにFIFO(First In,First Out)で遊技情報が書込まれる。また、送信データバッファ613Fを不揮発メモリで構成することで、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で通信断が生じ、通信不能によって未送信となった当該バッファに書込まれた遊技情報は、復帰後も保持される。そのため、リカバリ通信を行なう場合であっても、送信データバッファ613Fに書込まれた遊技情報を生成するためにユーザプログラムを再度実行するなどのリカバリ処理が不要となり、主制御部161Fの処理の負担を軽減することができる。また、リカバリ処理において必要となるデータ量を抑えることができる。なお、送信データバッファ613Fは不揮発メモリで構成しているので、外部電源によるバックアップが不要である。送信データバッファ613F以外のレジスタは揮発メモリで構成している。
送信データ数レジスタ614Fは、主制御部161F払出制御部171Fへ送信したデータ数を書込むレジスタであり、送信データバッファ613F内のデータ数をモニタしている。情報送信クリアレジスタ615Fは、送信データバッファ613Fのデータをクリアする要求を書込むレジスタである。
主制御遊技情報レジスタ616Fは、主制御部161Fから払出制御部171Fへ送信されるデータが書込まれるレジスタである。なお、主制御遊技情報レジスタ616Fに書込まれたデータは、暗号通信制御部600Fで暗号化されて払出制御部171Fへ送信される。払出制御遊技情報レジスタ617Fは、払出制御部171Fから主制御部161Fへ送信されてきたデータが書込まれるレジスタである。なお、払出制御遊技情報レジスタ617Fに書込まれたデータは、暗号通信制御部600Fで復号化されたデータである。
リカバリ通信完了レジスタ618Fは、主制御部−払出制御部間でリカバリ通信が完了したか否かを示す情報が書込まれるレジスタである。暗号通信データクリア要求/完了レジスタ619Fは、払出制御部171Fと通信を行なっている暗号通信制御部600Fで保持している通番等のデータのクリアを要求する情報、および当該データが消去されたこと(クリア完了)を示す情報が書込まれるレジスタである。
通信制御回路171bFは、主制御部161Fと暗号通信するための構成と、通信制御IC325aFと暗号通信するための構成とに分けられ、主制御部161Fと暗号通信するための構成の部分を通信制御回路171b1F、通信制御IC325aFと暗号通信するための構成の部分を通信制御回路171b2Fとして以下説明する。
まず、図107は、主制御部161Fと暗号通信するための通信制御回路171b1Fの構成を説明するためのブロック図である。まず、通信制御回路171b1Fは、複数の機能を有しており、たとえば認証通信機能、暗号通信機能、割込み機能やリカバリ機能などを有している。
認証通信機能は、遊技盤26Fの主制御部161Fとの相互認証、およびCU3Fの通信制御IC325aFとの相互認証する機能である。暗号通信機能は、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の電文を暗号化したり復号化したりする機能である。暗号通信機能は、改ざん防止コードの電文に自動的に挿入したり、通信エラーを検出するためのコードを自動的に挿入したりすることが可能である。また、暗号通信機能は、通信インターバル設定により定期にて払出制御部171Fの情報を、主制御部161Fに渡し、主制御部161Fの情報を受取ることも可能である。
割込み機能は、たとえば電文の復号が完了した後に割込みを通知したり、認証状態が変化した場合に割込みを通知したりする。リカバリ機能は、ユーザからの要求により暗号通信制御部700Fにて主制御部161Fおよび通信制御IC325aFとのリカバリ通信を行なう機能である。また、通信制御回路171b1Fは、通信応答のタイムアウト時間を設定したり、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の通信間隔を設定したりすることができる。
次に、通信制御回路171b1Fは、図107に示すように払出制御回路171aFで実行した制御プログラムとの間で入出力を行なう複数のレジスタ、払出制御部171Fとの暗号通信を行なうための暗号通信制御部700Fを有している。
通信制御回路171b1Fに含まれるレジスタには、たとえば認証ステータスレジスタ711F、認証割込み設定レジスタ712F、データ受信レジスタ713F、受信データ数レジスタ714F、情報受信クリアレジスタ715F、払出制御遊技情報レジスタ716F、主制御遊技情報レジスタ717F、リカバリ要求/完了レジスタ718Fおよび暗号通信データクリア要求/完了レジスタ719Fなどを有している。
認証ステータスレジスタ711Fは、払出制御部171FのチップIDが認証されているか否かの状態、カードユニット−払出制御部間の通信および認証の状態、主制御部−払出制御部間の通信および認証の状態が書込まれている。認証割込み設定レジスタ712Fは、チップID認証、カードユニット−払出制御部間の認証、および主制御部−払出制御部間の認証の状態を変化させる割込みを許可するか否かが設定されている。
データ受信レジスタ713Fは、主制御部161Fから送信され払出制御部171Fで受信した遊技情報を書込むバッファ(たとえば、記憶容量が128byte)であり、当該バッファにFIFO(First In,First Out)で遊技情報が書込まれる。また、データ受信レジスタ713Fを不揮発メモリで構成することで、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で通信断が生じ、通信不能によって未送信となった当該レジスタに書込まれた遊技情報は、復帰後も保持される。そのため、リカバリ通信を行なう場合であっても、データ受信レジスタ713Fに書込まれた遊技情報を生成するためにユーザプログラムを再度実行するなどのリカバリ処理が不要となり、主制御部161Fの処理の負担を軽減することができる。また、リカバリ処理において必要となるデータ量を抑えることができる。なお、データ受信レジスタ713Fは不揮発メモリで構成しているので、外部電源によるバックアップが不要となる。データ受信レジスタ713F以外のレジスタは揮発メモリで構成している。
受信データ数レジスタ714Fは、主制御部161Fから送信され払出制御部171Fで受信したデータ数を書込むレジスタであり、データ受信レジスタ713F内のデータ数をモニタしている。情報受信クリアレジスタ715Fは、データ受信レジスタ713Fのデータをクリアする要求を書込むレジスタである。
払出制御遊技情報レジスタ716Fは、払出制御部171Fから主制御部161Fへ送信されるデータが書込まれるレジスタである。なお、払出制御遊技情報レジスタ716Fに書込まれたデータは、暗号通信制御部700Fで暗号化されて主制御部161Fへ送信される。主制御遊技情報レジスタ717Fは、主制御部161Fから払出制御部171Fへ送信されてきたデータが書込まれるレジスタである。なお、主制御遊技情報レジスタ717Fに書込まれたデータは、暗号通信制御部700Fで復号化されたデータである。
リカバリ要求/完了レジスタ718Fは、主制御部−払出制御部間でリカバリ通信を要求するか否か、および完了したか否かを示す情報が書込まれるレジスタである。暗号通信データクリア要求/完了レジスタ719Fは、主制御部161Fと通信を行なっている暗号通信制御部700Fで保持している通番等のデータのクリアを要求する情報、および当該データが消去されたこと(クリア完了)を示す情報が書込まれるレジスタである。
通信制御回路171b1Fには、その他、通信タイムアウト時間設定レジスタ719aF、通信インターバル時間設定レジスタ719bF、および主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cFが含まれている。
主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cFは、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後に、主制御部161Fの送信データバッファ613Fのデータをデータ受信レジスタ713Fに書込むことができる有効時間を設定するレジスタである。当該レジスタを設定することで、データ受信レジスタ713Fへの書込みは、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後であっても設定した有効時間(たとえば、5秒から15秒程度)行なうことができる。これにより、たとえば、電源断や断線などにより認証が切れた場合において浮遊玉(遊技領域27Fの釘等の間に引っ掛かって落下していない玉)が存在しても、当該浮遊玉が入賞したことの情報を確実に記憶して保護することができる。なお、玉の滞留時間が長いステージを有する遊技機の場合でも、浮遊玉が入賞したことの情報を確実に記憶することができるように有効期間を長めに設定することができるものとする。
本来、データ受信レジスタ713Fには、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後、セキュリティの観点から暗号通信制御部700F介して情報を書き込むことができない。しかし、データ受信レジスタ713Fでは、たとえば、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後に浮遊玉が入賞したことの情報を書き込む必要があった。そこで、通信制御回路171b1Fは、主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cFに対して有効時間を設定し、暗号通信制御部700Fで本設定することで、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間の認証が切れた後であっても有効期間内であれば暗号通信制御部700Fを介して情報をデータ受信レジスタ713Fに書き込むことができる。なお、主制御部送信バッファ書込有効時間設定レジスタ719cFの設定値は、暗号通信制御部700Fで本設定された後であれば読み出すことができる。
図108は、通信制御IC325aFと暗号通信するための通信制御回路171b2Fの構成を説明するためのブロック図である。通信制御回路171b2Fは、図108に示すように、通信制御IC325aFと暗号通信するために、たとえば認証ステータスレジスタ721F、認証割込み設定レジスタ722F、送信データバッファ723aF、データ受信レジスタ723bF、送信データ数レジスタ724F、受信データ数レジスタ725F、リカバリ通信加算球要求レジスタ726F、リカバリ通信減算球要求レジスタ727F、リカバリ要求/完了レジスタ728F、暗号通信データクリア要求/完了レジスタ729F、通信タイムアウトタイマ−プリスケーラ設定レジスタ729aFおよび通信タイムアウト時間設定レジスタ729bFなどを有している。
認証ステータスレジスタ721Fは、払出制御部171FのチップIDが認証されているか否かの状態、カードユニット−払出制御部間の通信および認証の状態、主制御部−払出制御部間の通信および認証の状態が書込まれている。認証割込み設定レジスタ722Fは、チップID認証、カードユニット−払出制御部間の認証、および主制御部−払出制御部間の認証の状態を変化させる割込みを許可するか否かが設定されている。
送信データバッファ723aFは、払出制御部171Fから通信制御IC325aFに送信する業務電文を書込むバッファ(たとえば、記憶容量が128byte)であり、当該バッファにFIFO(First In,First Out)で業務電文が書込まれる。データ受信レジスタ723bFは、通信制御IC325aFから送信され払出制御部171Fで受信した業務電文を書込むバッファ(たとえば、記憶容量が128byte)であり、当該バッファにFIFO(First In,First Out)で業務電文が書込まれる。
なお、送信データバッファ723aFおよびデータ受信レジスタ723bFを不揮発メモリで構成することで、払出制御部171Fと通信制御IC325aFとの間で通信断が生じ、通信不能によって未送信となった当該バッファおよびレジスタに書込まれた業務電文は、復帰後も保持される。そのため、リカバリ通信を行なう場合であっても、送信データバッファ723aFおよびデータ受信レジスタ723bFに書込まれた業務電文を生成するためにユーザプログラムを再度実行するなどのリカバリ処理が不要となり、払出制御部171Fや通信制御IC325aFの処理の負担を軽減することができる。また、リカバリ処理において必要となるデータ量を抑えることができる。なお、送信データバッファ723aFおよびデータ受信レジスタ723bFは不揮発メモリで構成しているので、外部電源によるバックアップが不要となる。送信データバッファ723aFおよびデータ受信レジスタ723bF以外のレジスタは揮発メモリで構成している。
送信データ数レジスタ724Fは、払出制御部171Fから通信制御IC325aFに送信したデータ数を書込むレジスタであり、送信データバッファ723aF内のデータ数をモニタしている。受信データ数レジスタ725Fは、通信制御IC325aFから送信され払出制御部171Fで受信したデータ数を書込むレジスタであり、データ受信レジスタ723bF内のデータ数をモニタしている。
リカバリ通信加算球要求レジスタ726Fは、電源断復帰後の通信制御IC−払出制御部間のリカバ通信結果にて加算球が発生した場合に加算球数が書込まれるレジスタである。なお、リカバリ通信加算球要求レジスタ726Fは、リカバリ通信完了時のみ更新される。リカバリ通信減算球要求レジスタ727Fは、電源断復帰後の通信制御IC−払出制御部間のリカバ通信結果にて減算球が発生した場合に減算球数が書込まれるレジスタである。なお、リカバリ通信減算球要求レジスタ727Fも、リカバリ通信完了時のみ更新される。
リカバリ要求/完了レジスタ728Fは、通信制御IC−払出制御部間でリカバリ通信を要求するか否か、および完了したか否かを示す情報が書込まれるレジスタである。暗号通信データクリア要求/完了レジスタ729Fは、通信制御IC325aFと通信を行なっている暗号通信制御部700Fで保持している通番等のデータのクリアを要求する情報、および当該データが消去されたこと(クリア完了)を示す情報が書込まれるレジスタである。
<リカバリ完了確認処理>
次に、主制御部161Fと払出制御部171Fとの通信において、電源断などの通信不能な状態から復帰するとき、主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、主制御記憶部161cFおよび払出制御記憶部171cFに記憶された所定情報を送信するリカバリ処理を実行する。そして、主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、リカバリ処理の終了を条件に、ユーザプログラムの実行による所定情報の生成を再開するリカバリ完了確認処理を行なう。具体的に、リカバリ完了確認処理についてフローチャートを用いて説明する。図109は、リカバリ完了確認処理を説明するためのフローチャートである。
まず、主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、電源断などの通信不能な状態から復帰させるために電源が投入されると、主制御回路161aFおよび払出制御回路171aFが認証シーケンスの処理を開始し、認証が完了すると主制御部161Fおよび払出制御部171Fのそれぞれの認証ステータスレジスタ611F,711Fに認証結果が書込まれる。そして、主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、それぞれの認証ステータスレジスタ611F,711Fに認証完了が書込まれているか否かを確認する(ステップSF291)。主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、それぞれの認証ステータスレジスタ611F,711Fに認証完了が書込まれていない場合(ステップSF291:NO)、ステップSF291の処理に戻る。
主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、それぞれの認証ステータスレジスタ611F,711Fに認証完了が書込まれている場合(ステップSF291:YES)、リカバリ通信完了レジスタ618Fおよびリカバリ要求/完了レジスタ718Fにリカバリ完了を示すフラグが書込まれているか否かを確認する(ステップSF292)。主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、リカバリ通信完了レジスタ618Fおよびリカバリ要求/完了レジスタ718Fにリカバリ完了を示すフラグが書込まれていない場合(ステップSF292:NO)、ステップSF292の処理に戻る。
主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、リカバリ通信完了レジスタ618Fおよびリカバリ要求/完了レジスタ718Fにリカバリ完了を示すフラグが書込まれている場合(ステップSF292:YES)、ユーザプログラムの処理を開始する(ステップSF293)。なお、ユーザプログラムの処理を開始させる手段として、たとえばユーザプログラムの処理を開始させる信号を送信して当該ユーザプログラムの処理を開始させる手段や、ユーザプログラムの処理を停止する停止手段を設け、当該停止手段を解除することで当該ユーザプログラムの処理を開始させる手段などがある。
前述のように、主制御部161Fおよび払出制御部171Fは、リカバリ処理が完了するまでユーザプログラムの処理を開始しないため、リカバリ処理によって復帰させる情報が確定する前にユーザプログラムの処理による新たな情報が書込まれないようにすることでユーザプログラムの処理を適切に再開することができる。
<主制御部と払出制御部との間で送受信するコマンドおよびレスポンス>
次に図110を参照して、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で送受信されるコマンドおよびレスポンスの概略を説明する。
図110には、送信方向および送信されるデータがコマンドかレスポンスかの別と送信情報の名称とその概略が示されている。
まず、主制御部161Fから払出制御部171Fに対して電源投入通知という名称のコマンドが送信される。この電源投入通知のコマンドは、払出制御部171Fに対して電源が投入され通信が開始されることを通知するものである。払出制御部171Fから主制御部161Fに対して電源投入受信という名称のレスポンスが送信される。この電源投入受信のレスポンスは、主制御部161Fに対して電源投入通知を受信し、通信が開始されることの応答である。
次に、主制御部161Fから払出制御部171Fに対して遊技状態通知という名称のコマンドが送信される。この遊技状態通知のコマンドは、払出制御部171Fに対して遊技状態を通知するものである。払出制御部171Fから主制御部161Fに対して遊技状態応答という名称のレスポンスが送信される。この遊技状態応答のレスポンスは、主制御部161Fに対して遊技状態通知を受信したことの応答である。
<主制御部と払出制御部との間で処理される主なシーケンス>
次に、図111および図112に基づいて、主制御部161Fおよび払出制御部171Fで実行される処理による主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で処理される主なシーケンスについて説明する。
<<通信シーケンス>>
まず、図111を参照して、電源投入時、主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で処理されるシーケンスを説明する。図111に示すシーケンスは、主制御部161Fと払出制御部171Fとの通信が正常に終了した後の通信再開時に実行される処理である。
また、主制御部161Fと払出制御部171Fとの通信は、主制御部161Fを一次局としたポーリング方式による通信を行ない、ポーリング間隔は200msである。なお、電源投入通知および電源投入受信の通信については除く。払出制御部171Fは、応答を送信してから1秒経過しても主制御部161Fからの要求コマンドが受信できなかった場合に「通信回線断」とし、遊技を停止させる。
さらに、払出制御部171Fは正常なデータを受信した場合のみ、主制御部161Fへ応答コマンドを送信する。主制御部161Fはポーリング間隔時間内に応答コマンドを受信しなかった場合、初回を含めて最大3回までコマンドを再送する。送受信に用いる通番は、主制御部161F、払出制御部171Fともに記憶部に保存しておき、コマンドの正常性確認、電源断復旧時および通信回線断復旧に用いる。
具体的に、通信シーケンスを説明すると、まず、電源を投入すると主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で電源投入通知および電源投入受信の通信が行なわれ、さらに認証新シーケンスが開始される。認証シーケンスは、前述したように主制御部161Fおよび払出制御部171FのチップIDが認証され、主制御部−払出制御部間の通信が認証されたことが認証ステータスレジスタ611F,711Fに書込まれる。さらに、当該認証シーケンスにより、主制御部161Fと払出制御部171Fとの暗号通信に用いる暗号鍵および復号鍵を生成する処理を行なう。当該処理を行なった以降の主制御部161Fと払出制御部171Fとの通信には、生成された暗号鍵および復号鍵を用いて暗号通信が行なわれる。
次に、主制御部161Fは、認証シーケンスが終了した後、通番を「n」として遊技状態通知のコマンドを払出制御部171Fに送信する。払出制御部171Fは、通番をカウントアップせずに「n」として遊技状態受信のレスポンスを主制御部161Fに返信する。さらに、主制御部161Fは、通番を「n+1」として遊技状態通知のコマンドを払出制御部171Fに送信する。払出制御部171Fは、通番をカウントアップせずに「n+1」として遊技状態受信のレスポンスを主制御部161Fに返信する。
その後、主制御部161Fは、通番をカウントアップして「n+2」として、遊技状態通知のコマンドを払出制御部171Fへ送信する。そして、払出制御部171Fは、通番をカウントアップせずに「n+2」として、遊技状態受信のレスポンスを主制御部161Fへ返信する。
主制御部161Fと払出制御部171Fとの通信において、通番「n」の遊技状態通知のコマンド送信から通番「n+1」の遊技状態通知のコマンド送信までの間隔、通番「n+1」の遊技状態通知のコマンド送信から通番「n+2」の遊技状態通知のコマンド送信までの間隔は、それぞれ200ms間隔である。
<<電源断後のシーケンス>>
次に、図112を参照して、電源断/通信回線断により状態情報要求が未到達となったときの処理について説明する。図112は、特に、電源断/通信回線断線(たとえば、払出制御部171Fの電源が一旦OFFにした後再度ONになった場合)があって、遊技状態通知が未到達(主制御部161Fから払出制御部171Fへコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の処理を説明するためのシーケンス図である。
図112を参照して、遊技中において電源断が発生する前に、主制御部161Fは、通番=nを含む遊技状態通知を払出制御部171Fに送信している。それを受けて、払出制御部171Fは、通番=nを含む遊技状態受信を主制御部161Fに送信する。
そして、遊技中において払出制御部171Fに電源断が発生した後に、通番=n+1を含む遊技状態通知が主制御部161Fから払出制御部171Fへ送信された場合に、払出制御部171Fが電源断の状態であるためにその遊技状態通知を受信できない。それ以降、払出制御部171Fからの遊技状態受信が送信されてこないために主制御部161Fは、1秒後に電源断が発生したとして通信を停止する制御を行なう。
その後、電源投入および主制御部161Fと払出制御部171Fとの間で認証シーケンスが開始されると、主制御部161Fは、通番=1および主制御通番(前回最終送信通番)=n+1を含む電源投入通知を払出制御部171Fに送信する。払出制御部171Fは、電源断が発生する前に主制御部161Fに送信した遊技状態受信の通番が「n」であったため、払出制御部171Fでバックアップしている払出制御通番=nとなる。そのため、払出制御部171Fでバックアップしている払出制御通番=nと、主制御部161Fでバックアップしている主制御通番=n+1とが不一致である。払出制御部171Fは、通番が不一致であるとき、主制御部161Fから送信された電源投入通知に含まれるリカバリ遊技情報に基づき払出制御部171Fの情報をリカバリ処理する。その後、払出制御部171Fは、通番=1を含む電源投入受信を主制御部161Fに送信する。
主制御部161Fは、通番=2を含む遊技状態通知を払出制御部171Fに送信する。払出制御部171Fは、リカバリ処理後の内容で処理を行なうとともに、通番=2を含む遊技状態受信を払出制御部171Fに送信する。以降同様に、主制御部161Fは、通番=3を含む遊技状態通知を払出制御部171Fに送信する。払出制御部171Fは、通番=3を含む遊技状態受信を払出制御部171Fに送信する。
なお、前述のリカバリ処理は、通番が不一致であったので実施する構成であったが、リカバリ遊技情報に含まれる情報(たとえば、遊技情報数や賞球情報など)が主制御部161Fと払出制御部171Fとで不一致であってもリカバリ処理を行なってもよい。
<スロットマシン>
次に、遊技機の他の例としてスロットマシンを説明する。図113は、スロットマシンの前面扉を開放した状態を示す斜視図である。これまでの説明において、パチンコ機を「P台」と略称したこととの関係上、スロットマシンを以下では、「S台」とも略称する。
上記の遊技用システムは、遊技玉および持玉を用いた上記の遊技用システムは、S台にも同様に適用される。ただし、S台では、玉を使わずにゲームが行なわれる関係上、以下では、遊技玉を遊技点、持玉を持点と称する。
図113を参照して、S台(スロットマシン)2SFは、本体枠2aSFに対して前面扉2bSFがその左側縁を揺動中心として開閉可能に設けられている。図113では図示を省略しているが、S台2SFの図面左隣には、P台と同様にCUが接続される。
S台2SFでは、遊技点を用いることによって賭数が設定され、入賞に応じてその遊技点が加算更新される。このため、S台2SFにおいて遊技をする際には、メダルの投入操作は不要である。ゆえに、S台2SFには、メダル投入口およびメダル払出口が設けられていない。
S台2SFの筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2LF、2CF、2RF(以下、左リール、中リール、右リールとも言う)が水平方向に並設されており、これらリール2LF、2CF、2RFに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉2bSFに設けられた透視窓から見えるように配置されている。リール2LF、2CF、2RFの外周部には、複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。
前面扉2bSFの各リール2LF、2CF、2RFを取り囲む部分には、タッチパネル式の表示器510Fが設けられている。この表示器510Fは、P台の表示器54Fに相当する表示器であり、表示器54Fと同種の各種情報(遊技点や持点など)が表示される他、ゲームにおいて設定された賭数などが表示される。表示器510Fは、図82の表示器54Fと同様にCUの表示制御部350Fに接続されており、CU側で表示制御される。なお、この表示器510Fは、各リール2LF、2CF、2RFを取り囲む部分に設けるのではなく、P台と同様にさらに下方のパネル部分(図113に示されるスタートスイッチ7SFよりも下方の位置の、従来のS台のメダル払出口が設けられたパネル部分)に設けてもよい。
また、この表示器510Fの下方部分に7セグ表示器50SFが設けられている。この7セグ表示器50SFは、P台の7セグ表示器50Fに相当する表示器であり、7セグ表示器50Fと同種の各種情報(前面扉2bSFの開放回数など)が表示される。
また、前面扉2bSFには、メダル1枚分に相当する「遊技点=1」を用いて賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5SF、遊技状態に応じて定められた最大の賭数(たとえば、BB発生前の通常遊技状態およびリプレイの当選確率が高確率となるRT(Replay Time)においては「遊技点=3」、ボーナスにおいては「遊技点=2」)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6SF、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7SF、リール2LF、2CF、2RFの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8LF、8CF、8RFがそれぞれ設けられている。
S台2SFにおいてゲームを行なう場合には、まず、P台と同様に、隣接されたCUを利用して遊技点を確保の上で、その遊技点を使用して賭数を設定する。遊技点は、CUに挿入されたプリペイドカードの残高、持点、あるいは遊技場に預入れている貯メダル(P台の貯玉に相当)を引落すことによって得られる。遊技点を使用するには1枚BETスイッチ5SF、またはMAXBETスイッチ6SFを操作すればよい。本実施形態では、たとえば、賭数を1設定することによって遊技点が1減点され、表示器510Fの遊技点の表示も減算更新される。賭数が設定されると、賭数および遊技状態に応じて定められた入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ7SFの操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7SFを操作すると、各リール2LF、2CF、2RFが回転し、各リール2LF、2CF、2RFの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8LF、8CF、8RFを操作すると、対応するリール2LF、2CF、2RFの回転が停止し、透視窓に表示結果が導出表示される。
そしてすべてのリール2LF、2CF、2RFが停止されることで1ゲームが終了し、有効化された入賞ライン上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2LF、2CF、2RFの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた遊技点が遊技者に対して付与され、表示器510Fの遊技点の表示も加算更新される。
S台の場合にも、P台と同様に遊技点を計数することが可能である。図113に示すとおり、S台2SFには、遊技点を計数して持点に変換するための計数ボタン28SFが設けられている。なお、玉貸ボタン、返却ボタン、および再プレイボタンは、CU側に設けられている(図82参照)。遊技者は任意のタイミング、あるいは、P台と同様に計数操作を促す表示が表示器510Fに行なわれたことに基づいて、計数操作を実行する。すると、遊技点が計数されて遊技点が減少する一方で持点が増加する様子が表示器510Fに表示される。なお、玉貸ボタンは、CU側ではなくP台側およびS台側に設けてもよい。その場合に、玉貸ボタンの操作信号が直接CU3Fへ入力されるようにしてもよく、あるいは、P台2FやS台2SFを経由して状態情報応答としてCU3Fへ送信されるようにしてもよい。
入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)への移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役(リプレイ)とがある。
複数種類の入賞役のうちのいずれを当選させるか、あるいはいずれの入賞役も当選しない外れとするかは、たとえば、スタート操作が検出されたときに、S台2SFを制御する主制御部(S台の主制御部161Fに相当)によって決定される。S台2SFの主制御部は、P台2Fに搭載された主制御基板16Fに対応するメイン制御基板に搭載されている。主制御部は、たとえば、所定の乱数発生器から発生され、あるいはソフトウエア上で生成される乱数を抽選することによって当選役の有無を決定する。
その後、主制御部は、遊技者によるリールの停止操作を待ち、停止操作時を基準にして、所定のコマ数範囲に当選役に対応する図柄があればそれを引き込み、なければ、他の図柄を引込む制御を行ない、3つの図柄を停止させ、入賞の有無を判定する。主制御基部は、入賞と判定した場合には、入賞の種類に応じた信号を払出制御部(図82の払出制御部171Fに相当)へ送信する。払出制御部は、その信号に応じた数の遊技点を遊技者に付与する(遊技点を加算する)。
S台2SFの払出制御部は払出制御基板(図示省略)に搭載されている。この払出制御基板は、枠メーカによって本体枠2aSFに取付けられた状態で枠メーカからホールに納品される。
一方、S台2SFのメイン制御基板(図示省略)は、配線を接続するための基板取付盤に取り付けられた状態で、本体枠2aSFとは別にスロットマシンメーカからホールに納品される。
S台により、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、前記可変表示装置に表示結果が導出される前に、複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、前記事前決定手段の決定結果に応じて、前記可変表示装置に表示結果を導出させる制御を行なう導出制御手段と、前記入賞が発生した場合に遊技価値を付与する付与手段とを含むスロットマシンが構成されている。
図114は、カードユニットおよびスロットマシンのそれぞれにおいて記憶している各種データおよびその送受信態様を説明するための説明図である。この図114に示す送受信態様は、P台の構成として説明した図84の用語をS台用に置換えたものであり、その態様は、図84を用いて説明したものと同様であるので、ここでは、これ以上の説明を省略する。
また、パチンコ機2Fの外部に出力する情報としては、パチンコ遊技機700について前述したような、遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号と、現在の遊技状態での最新の保留記憶数を特定可能な保留記憶個数信号とが含まれてもよい。なお、パチンコ機2Fの外部に出力する情報としては、前述したパチンコ遊技機700のように情報出力回路から外部に出力する構成ではなく、主制御部161Fから払出制御部171Fを介して情報を出力するようにしてもよい。
保留記憶数の情報は、前述したように、主制御基板16Fに設けられた遊技制御用マイクロコンピュータが、加減算処理等のデータ処理をしているため、最新情報を認識している。したがって、現在の遊技状態での最新の保留記憶数を特定可能な保留記憶個数信号が、遊技制御用マイクロコンピュータから情報出力回路または払出制御用マイクロコンピュータを介して外部に出力可能である。
また、主制御基板16Fの遊技制御用マイクロコンピュータから払出制御基板17Fの払出制御用マイクロコンピュータには、前述したような情報に加えて、次のような、発射停止信号、電波センサ検出信号、磁石センサ検出信号、不正入賞検出信号、および、遊技状態情報設定完了信号等の各種信号により、各種情報を送信し、払出制御用マイクロコンピュータ側でも、これら各種情報を管理するようにしてもよい。
ここで、発射停止信号は、打球操作ハンドル25Fにおいて、タッチセンサが遊技者の手の接触を検出していないとき、発射停止スイッチ(操作されると強制的に発射停止制御が実行されるスイッチ)が操作されているとき、打球操作ハンドル25Fが一定回転角度以上回転操作されていないとき、または、カードユニット(CU)3Fとパチンコ機(P台)2Fとが電気的に未接続のとき等の所定の発射停止条件が成立したと遊技制御用マイクロコンピュータで判断したときに出力される。
電波センサ検出信号は、異常な電波(不正電波)を検出する前述の電波センサ(電波スイッチ)163Fからの電波検出信号が主制御基板16に入力されたことにより、遊技制御用マイクロコンピュータにおいて、電波センサエラーが判定され、当該判定に基づいて出力される。
磁石センサ検出信号は、異常な磁気(不正磁気)を検出する磁石センサ(磁石スイッチ)が、主制御基板16F(遊技制御用マイクロコンピュータ)に接続されている構成において、磁石を用いて遊技玉の軌道を変える等の磁石を用いた不正遊技に基づいて、磁石センサからの磁気検出信号が主制御基板16Fに入力されたことにより、遊技制御用マイクロコンピュータにおいて、磁石センサエラーが判定され、当該判定に基づいて出力される。
不正入賞検出信号は、大入賞口への入賞玉を検出するカウントスイッチが主制御基板16Fに接続されている構成において、大入賞口が閉じている状態で、入賞センサ162Fのうち大入賞口への入賞玉を検出する入賞センサの検出信号により、遊技制御用マイクロコンピュータにおいて、大入賞口内への入賞玉が検出されたことで不正入賞エラーが判定されたとき、当該判定に基づいて出力される。
遊技状態情報設定完了信号は、パチンコ機(P台)2Fの電源投入時において、主制御部161Fから払出制御部171Fへ送信する各種遊技情報(遊技状態情報)の設定が完了したときに出力される。このような遊技状態情報設定完了信号は、たとえば、CU3F側(カードユニット側)とP台2F側(パチンコ機側)との通信開始のトリガ信号として使用される。
また、払出制御基板17Fの払出制御用マイクロコンピュータから主制御基板16Fの遊技制御用マイクロコンピュータには、前述したような情報に加えて、次のような、ガラス枠・本体枠開放信号、入賞数異常信号、不正加算検出信号、電波センサ検出信号、近接センサ異常信号、夜間開放検出信号、計数報知要求信号、カード抜き取り待ち中信号、および、省電力移行要求信号等の各種信号により、各種情報を送信し、遊技制御用マイクロコンピュータ側でも、これら各種情報を管理するようにしてもよい。
ガラス枠・本体枠開放信号は、前述のガラス扉開放検出スイッチ12Fまたは前枠開放検出スイッチ13Fからの検出信号が払出制御基板17Fに入力されたことにより、払出制御用マイクロコンピュータにおいてガラス扉6Fまたは前枠5Fの開放が判定されたとき、当該判定に基づいて出力される。
入賞数異常信号は、主制御基板16Fから払出制御基板17Fに入力される入賞検出信号による入賞個数について、払出制御用マイクロコンピュータにおいて単位時間当りの入賞個数が所定数以上であるか否かを確認することに基づいて、入賞数異常であるか否かを判定し、入賞数異常が判定されたとき、当該判定に基づいて出力される。
不正加算検出信号は、CU3Fへのカード挿入中以外の状態において、払出制御基板17FがCU3Fから持玉の加算要求を受信したときに払出制御用マイクロコンピュータにおいて不正加算エラーが判定され、当該判定に基づいて出力される。
電波センサ検出信号は、異常な電波(不正電波)を検出する前述の電波センサ(電波スイッチ)173Fからの電波検出信号が払出制御基板17Fに入力されたことにより払出制御用マイクロコンピュータにおいて電波センサエラーが判定され、当該判定に基づいて出力される。
近接センサ異常信号は、入賞センサ162F、玉上げスイッチ(上)41aF、ファール玉検出スイッチ330F、アウト玉検出スイッチ701F、および、発射玉検出スイッチが玉の通過による静電容量の変化により遊技玉を検出する近接スイッチで構成されており、このような近接スイッチについて、玉検出個数の齟齬に基づいて異常であるか否かを払出制御用マイクロコンピュータにおいて判定し、異常が判定されたとき、当該判定に基づいて出力される。たとえば、玉上げスイッチ(上)41aFだけ不正電波により常時オン状態にしたときに、玉の発射が検出されなくなる一方、実際に発射された玉が回収されて発射玉検出スイッチで検出されたときには、発射玉と回収玉(アウト玉)との個数に齟齬が生じ、近接センサが異常であると判定される。
夜間開放検出信号は、次のように払出制御用マイクロコンピュータにおいて、ガラス扉6F、前枠5Fのいずれかが開放されたと判定されたときに出力される。パチンコ機2Fが電源OFFとされる夜間には、バックアップ電源により動作する前述の計数カウンタにより、ガラス扉開放検出スイッチ12F、前枠開放検出スイッチ13Fから出力される検出信号に基づいて、ガラス扉6F、前枠5Fが開放された回数がそれぞれ計数される。そして、パチンコ機2Fの電源投入時において計数カウンタから払出制御基板17Fへ出力されるそれぞれの開放回数の計数値により、払出制御用マイクロコンピュータにおいて、ガラス扉6F、前枠5Fのうちいずれが開放されたかが判定される。なお、ガラス扉6Fと前枠5Fとのうち一方のみの夜間開放を検出して、夜間開放検出信号を出力するようにしてもよい。
計数報知要求信号は、払出制御用マイクロコンピュータにおいて、計数ボタンの操作に応じて計数要求があったと判断したときに、計数値を報知する要求をするために出力される。このような計数報知要求信号は、たとえば、主基板による計数に関する音声出力および数値表示を実行するために使用される。
カード抜き取り待ち中信号は、払出制御用マイクロコンピュータにおいて、CU3Fでカード抜き取り可能状態となったと判断したときに、カード返却準備状態OFFおよびカード抜き取り待ち中ONの情報を通知するために出力される。
省電力移行要求信号は、払出制御用マイクロコンピュータにおいて、タッチセンサが遊技者の手の接触を検出していないとき(たとえば所定期間検出していないとき)、遊技玉数が「0」であるとき、CU3Fにカードが未挿入であるとき、または、変動表示が停止中であるとき等の予め定められた省電力制御移行条件が成立したと判断したときに、たとえば、液晶のバックライトの明るさの減少、および、各種ランプの発光停止等の所定の省電力制御をする省電力状態へ移行する作動要求信号として出力される。
なお、前述したパチンコ遊技機700においては、パチンコ遊技機700の外部に出力する情報として、遊技玉が入賞した入賞口と入賞個数とを特定可能な入賞情報信号が含まれる例を示したが、このような入賞情報信号の外部出力は、パチンコ機(P台)2Fにおいて適用してもよい。
また、前述したパチンコ機2Fの遊技制御用マイクロコンピュータから払出制御用マイクロコンピュータに送信する信号として説明した保留記憶個数信号、発射停止信号、および、電波センサ検出信号等の各種信号を送信することは、前述したパチンコ遊技機700において適用してもよい。また、パチンコ機2Fの払出制御用マイクロコンピュータから遊技制御用マイクロコンピュータに送信する信号として説明したガラス枠・本体枠開放信号、および、入賞数異常信号等の各種信号を送信することは、前述したパチンコ遊技機700において適用してもよい。
<変形例や特徴点など>
次に、以上、説明した本実施形態の変形例や特徴点などを列挙する。
(1) 上記遊技用システムに遊技機の一例となるスロットマシン(S台)を適用した場合、たとえば、リールおよびリールに付属する各種センサ部分とリールを制御する主制御基板とがP台の遊技盤に対応し、それ以外の構成がP台の遊技枠に対応する。ただし、S台には、図82に示した遊技枠の各種検出スイッチ41aF、701F、33F、発射制御基板31F、および発射モータ18Fは、不要である。
従来のS台にはクレジット機能が設けられており、これが有効になっているときには、賭数を設定するとクレジットが減算され、入賞が発生するとクレジットが加算される。ただし、クレジットには上限が定められており、クレジット数が上限値に達している状態で入賞が発生すると、ホッパーからメダルが払い出される。
一方、本実施形態に係るS台では、賭数を設定すると遊技点が減算され、入賞が発生すると遊技点が加算される。また、遊技点が所定数に達すると、計数操作を促す表示がなされ、計数操作をすることによって、遊技点が持点に変換される。このため、従来のS台のようにクレジットが上限に達してメダルを払い出す必要がない。その結果、本実施形態に係るS台にはホッパーを設ける必要がない。
その結果、遊技場は、大量のメダルを確保する必要がなく、経済的負担が軽減される。また、遊技場は、メダルの補充・回収といった業務やメダル詰まりなどに対応するためのメンテナンス業務からも解放される。遊技客は、クレジットが満タンになった後で賭け操作毎にメダルを投入する煩わしさから解放され、遊技に集中しやすくなる。
他方、S台がメダルレスになった場合には、大量のメダルを獲得した遊技者が席の脇にメダルが入った箱を積み上げて自身の腕を誇示するような行為をすることができなくなるという不都合が生じる。しかしながら、本実施形態では、ドル箱表示する機能が設けられることで、このような不都合が生じることも防止できる。なお、S台の場合のドル箱表示は、多数の玉に代えて多数のメダルが積載されているようにするのが望ましい。
遊技機としてS台を適用した場合、「持点」および「遊技点」の2種類と、「クレジット」および「クレジット超過点」の2種類のデータとを用いて、以下のように各データが変換されるような遊技用システムを構成することも可能である。なお、S台の表示器510Fには、これら4種類のデータを表示する。
まず、プリペイドカードの残高、貯メダル、または持点からの変換操作(貸出操作、貯メダル払出し操作、持点払出し操作)が検出された場合には、夫々が引落されて、遊技点に変換される。
遊技点は、従来のスロットマシンにおけるメダルに対応するデータである。このため、たとえば、表示器510Fには遊技点の点数を表示するとともに、遊技点相当の数のメダル画像を表示することが望ましい。たとえば、このメダル画像に遊技者が触れてスロットマシンに投入するような擬似投入メダル操作(たとえば、メダルを押し込むような操作)が検出されると、メダル画像が消え、遊技点が減算されて、代わりに賭数が1つ設定される。このような擬似メダル投入操作が3度行なわれることによって、賭数が最大値の3に設定される。
その後、さらに擬似メダル投入操作が検出されると、その検出に応じて、クレジットが加算される。クレジットには上限値(たとえば、50)が設定されており、クレジットが上限値を超えたときには、クレジット超過点が加算される。
賭数設定は、遊技点を用いて上記のように行なうことが可能である他、クレジットを用いて行なうことも可能である。すなわち、1枚BETスイッチ5SFの操作があれば、賭数設定値が1加算され、クレジットが1減算される。また、MAXBETスイッチ6SFの操作があれば、賭数が3に設定され、クレジットが賭数設定に応じて減算される。
ゲームの結果、入賞が発生すると、入賞に応じた数の得点がクレジットに加算される。なお、クレジットの上限値をオーバーする入賞が発生したときには、そのオーバー分の点数がクレジット超過点として記憶される。このクレジット超過点は、従来のスロットマシンにおける、クレジットの上限を超えて入賞が発生したときに払い出されるメダルに相当する。このため、たとえば、表示器510Fにはクレジット超過点を表示するとともに、クレジット超過点相当の数のメダル画像を表示することが望ましい。また、このメダル画像は、遊技点に対応するメダル画像と区別できるように色を変えるなどすることが望ましい。
また、クレジット超過点は、遊技者の操作によって遊技点に変換されるようにすることが望ましい。たとえば、クレジット超過点に対応するメダル画像に遊技者が触れて遊技点に変換するような擬似メダル変換操作(たとえば、メダルを押し込むような操作)が検出されると、メダル画像が消え、クレジット超過点が減算されて遊技点が加算されるものとする。
あるいは、クレジットが上限値未満になれば、自動的にクレジット超過点がクレジットに変換されるようにしてもよい。
遊技者が計数操作を実行すると、遊技点、クレジット、およびクレジット超過点の各々が計数されて持点に変換される。その結果、遊技者の持点は、「カード持玉数+遊技点+クレジット+クレジット超過点」と掲載される。なお、「カード持玉数」とは、遊技点に変換していない変換前の持点(現時点で遊技者が所有している持玉数)である。
以上の説明において、持点、遊技点、クレジット、およびクレジット超過点の4種類のデータは、CUとS台とでデータのやりとりをすることによって双方で記憶してもよく、あるいは、持点はCU側のみで、それ以外はS台側のみで記憶してもよい。また、クレジット超過点をドル箱表示の対象としてもよい。
また、以上の説明では、クレジット超過点を用いる例を説明したが、クレジット超過点を用いなくてもよい。この場合、クレジットの上限を超えるような場合には、遊技点に加算するようにしてもよい。
(2) 本実施形態では、カード度数を消費することによって、遊技点が加算される。あるいは、貯玉(貯メダル)を消費することによって、遊技点が加算される。つまり、カード度数あるいは貯玉から遊技点に変換される。一方、カード度数および貯玉から持点(計数玉、計数メダル)には変換されない。しかしながら、カード度数および貯玉から一旦、持点に変換されるようにしてもよい。
(3) 本実施形態では、計数操作によって、遊技点が持点に変換される。この場合の変換率は1:1である。しかしながら、変換される場合の変換率を1:1以外としてもよい。たとえば、遊技点100点を変換した場合、そのうちの3点を差し引いた97点が持点に変換されるようにしてもよい。または、持点に対して10割未満の所定割合を乗じて得られた数の遊技玉に変換されるようにしてもよい。
(4) 持点を特定可能に記録するための記録媒体は、スマートフォンなどの携帯端末を利用したものとしてもよい。この場合、CU3Fに携帯端末と通信するための通信部を設けて、携帯端末を通信部にかざすことによって、携帯端末内に記憶されているIDをCUが認識し、後は本実施形態に記載したような手順で遊技を可能とする。一方、遊技終了時には、再度、携帯端末を通信部にかざすことによって、遊技終了時の持点がIDを通じて遊技者の持点に加算されるようにする。
(5) 遊技点を計数するための操作手段は、CU側に設けてもよい。その場合の操作手段は、タッチパネルに表示されるものとしてもよく、物理的なスイッチで構成してもよい。
(6) カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、P台あるいはCU側の表示器にて計数を促すメッセージを表示するのが望ましい。しかし、このような構成に代えて、カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、自動的に計数表示を開始するとともに、P台あるいはCU側の表示器にて、未計数の遊技点が残っているために自動計数を開始したこと、あるいは、さらにそれに加えて、自動計数が完了した後にカードが返却されることを報知してもよい。
あるいは、カード返却操作をしたときに、未計数の遊技点が残っているときには、遊技者が一時的に離席する可能性があると判断し、表示器(CU側あるいはP台側)に、一時的な離席であるか否かを確認するメッセージを表示してもよい。さらに、表示器をタッチパネルで構成し、そのメッセージに対して遊技者が応答入力できるようにしてもよい。さらに、その応答入力が遊技終了であれば、計数操作を促すメッセージを表示する。一方、応答入力が一時離席であれば、CU側あるいはP台側または双方でカードのIDを記憶した状態のままで一旦、カードを排出するようにしてもよい。その後、同じIDのカードが挿入されたときには、元の状態から遊技を再開させる。
(7) 計数操作を開始してから計数表示が完了するまでの計数時間は、遊技点が第1基準値よりも少ないときと、遊技点が第1基準値を超えるときとで、遊技点に対する計数時間の増加割合が小さくなるようにしてもよい。これによって、実球を計数するかのような計数表示という演出を行なうことができるとともに、遊技点が多くなることで計数完了までにあまりに時間がかかってしまうことを防止することができる。また、遊技点がある基準値を超えた場合には、計数時間がすべて同一になるようにしてもよい。あるいは、基準値を設けることなく、遊技点の多少に関わらす一律に同じ計数時間を採用してもよい。
(8) 前述の実施形態においては、ガラス扉6Fの開放検出と前枠5Fの開放検出とを別々のガラス扉開放検出スイッチ12F、前枠開放検出スイッチ13Fにより検出するものを示したが、その代わりに、共通の検出スイッチにより両者を検出するように構成してもよい。
(9) 遊技玉を計数するための計数操作手段としては、2回以上の所定回数操作したときに、計数機能を発揮するようなものを採用してもよい。これによって、誤操作を防止できる。また、この場合、1回操作では、計数機能とは異なる他の機能を発揮させるようにしてもよい。たとえば、1回操作をしてから所定時間(たとえば、1秒以内)、操作がない場合には、店員を呼び出すためのランプを点灯させるような機能を発揮させ、1操作から1秒以内に2回目の操作が検出されたときには、計数機能を発揮させることも考えられる。
(10) 計数操作ボタンを所定時間未満操作(短時間操作)すると、たとえば、第1の玉数が計数される一方、所定時間以上操作(長時間操作)すると、その操作時間に応じて前記第1の玉数よりも多い第の玉数が計数されるように制御するのが望ましい。たとえば、短時間操作では100玉が計数される一方、長時間操作では100玉を超える所定数、たとえば、200玉や400玉が計数されるようにすることが考えられる。また、計数操作ボタンの長押し時間によって、計数対象の遊技点数が異なるように制御してもよい。たとえば、1秒の長押しで100玉が計数され始め、さらにそのまま5秒間の長押しが継続すると、残りのすべての玉が計数されるようにすることが考えられる。あるいは、1回の操作で所定個数が計数され、5回目の操作では残りのすべての玉が計数されるように制御してもよい。
(11) (A)「所定点数」以上の遊技点が記憶されていないことには、計数操作をしても、遊技点の計数が行なわれず、また、その旨の報知が行なわれる。また、(B)記憶している遊技点が「所定点数」に至るまで遊技点の計数が実行されると、それ以上の計数ができなくなるとともに、その旨の報知が行なわれるように制御するのが望ましい。これら(A)(B)2つの場合の所定点数、すなわち、基準値は、同じものを採用してもよいし、異ならせてもよい。
(12) 玉の発射中に計数操作をすると、そのときの遊技玉数が基準値以下の場合には、計数操作が無効とされるように制御するのが望ましい。しかしながら、さらに、玉の発射中に計数操作が検出されたときの遊技玉数が基準値を超える場合であっても、1回の計数操作で計数される玉数が所定数に定められている場合において、計数操作が検出されたときの遊技玉数からその所定数を差し引いた値が前記基準値に満たない場合には、計数操作を無効とするようにしてもよい。
また、遊技中の計数操作を無効とするために、遊技中であるか否かを玉の発射動作が検出されているか否かで判断するのが望ましい。これに代えて、あるいは、これに加えて、遊技中球数(遊技領域27F内で浮遊している浮遊玉)が0になっているか(遊技中でない)否か(遊技中)で、遊技中であるか否かを判定するようにしてもよい。さらに、加えて、可変表示装置が変動中であるか否か、大当り中であるか否か、アタッカーが開いているか否か、などで遊技中であるか否かを判定することも考えられる。
さらに、遊技機としてS台を適用して遊技中の計数操作を無効とする場合の「遊技中」とは、たとえば、リール2LF、2CF、2RFが回転開始してから停止するまでの期間である。あるいは、スタート操作が検出されてからリール2LF、2CF、2RFが停止するまでの期間である。
(13) 大当り中であるか否かに関わらず、遊技玉数が所定数より多いときには、計数操作を促す表示が行なわれるようにしてもよい。
また、計数操作を促す表示が行なわれてから所定時間が経過しても計数操作が検出されない場合、遊技玉の発射を強制的に停止させてもよく、また発射の強制停止までは行なわないようにしてもよい。
(14) 図84を参照して、P台は、計数された計数玉(持玉)を一時記憶する計数玉数カウンタを備えているものの、計数玉の累積値を記憶するカウンタを備えていない。しかしながら、P台側に、計数玉の累積値を記憶する計数玉累積記憶カウンタを備えてもよい。また、CU側には、カード持玉(計数玉)を記憶する領域が備えられているが、この領域には、挿入されたカード自体に持玉が記録されていた場合には、そのカード持玉も含めて現在の遊技者の持玉数が記憶される。このため、この領域のみでは、今回の遊技で遊技者が計数した計数玉の数を特定できない。そこで、今回の遊技で遊技者が計数した計数玉の数を記憶する領域をCU側にさらに設けてもよい。CUは、この場合、遊技が開始してからP台から送られてくる計数玉数の情報に基づいて当該領域に持玉を加算し、持玉が遊技玉に変換されると、当該領域から持玉を減算する。
(15) 計数操作を促す表示としては、文章にて「遊技玉が残っているので計数してから返却操作をして下さい」という表示であってもよく、あるいは画面上に計数ボタン28Fを表示させて点滅するような表示であってもよい。
(16) 遊技玉が所定玉数以上(3000玉以上)であるときに、「所定の報知制御」として、「表示器にて計数操作を促す表示を行なう制御」が実行されるように制御するのが望ましい。ここで、「計数操作を促す」とは、たとえば、「遊技玉数が上限に達したため、計数操作して下さい。」と表示するものや、単に「計数操作が必要です。」と表示するものであってもよい。また、「所定の報知制御」としては、スピーカから計数操作を促す報知音を出力する制御であってもよい。さらに、「報知」としては、「計数操作を促す報知」ではなく、単に、「遊技玉数が上限に達したこと」を通知するのみ(計数操作を促す報知まではしない)であってもよい。
また、遊技点が所定の第1基準値以上(3000玉以上)であるときに、「所定の報知制御」をし、さらに、その後、遊技点が第1基準値よりも多い第2基準値に達した時点で遊技不能状態に制御し、遊技点が前記第1基準値から前記第2基準値に達するまでは遊技を許容(発射禁止しない)するように制御してもよい。なお、遊技機がスロットマシンである場合には、スタートレバーを操作してリールが回転開始しない、あるいは、賭数設定が無効化される、などの制御によって遊技不能状態を実現できる。
(17) 遊技点を用いた遊技が行なわれているとき(玉の発射継続中)は、遊技点が所定点数(たとえば、250点)以上残っていないと、計数操作が有効化されないように制御するのが望ましい。ここで、所定点数は、250点に限られるものではなく、1点以上であれば、どのような点数であってもよい。ただし、たとえば、1点など、あまりに少なすぎる点数を設定した場合には発射のタイミングと計数のタイミングとがほぼ同時に生じたときに、不具合が生じるため、2〜3点以上とするのが望ましい。あるいは、点数が所定点数以下(たとえば、10点以下)で発射が継続しているときに計数操作が検出された場合には、5点を発射用として残し、残りの点数を計数対象とするように制御してもよい。
また、遊技点が所定点数以上、残っていないために計数操作が無効化されていることに気づいた遊技者が玉の発射動作を停止させたことが検出された際には、先に無効化された計数操作を有効化して計数動作が自動的に開始されるようにしてもよい。つまり、この場合には、計数操作が無効化されたことに気づいた遊技者は、発射操作を停止さえすればよく、再度、計数操作をやり直す必要がない。
(18) 計数ボタンを押し続ける時間に応じて、1回の操作で持点変換する遊技点数が異なるようにするために、たとえば、長押し(たとえば、1秒以上連続操作)のときには遊技点のすべてが計数される一方、短押し(たとえば、1秒未満の連続操作)のときには、200玉だけが計数されるようにしてもよい。ただし、この場合には、遊技玉の残数が少ない場合、たとえば、200玉未満の場合には、計数ボタンの操作ですべての遊技玉が計数されるようにするのが望ましい。
(19) 遊技点の残数に応じて、計数ボタンの1回の短押下操作で計数される点数が異なるようにする場合、たとえば、次のようにすることが考えられる。たとえば、遊技点が200点未満のときには、計数ボタンの1回の短押下操作ですべての遊技点が計数されるようにする。遊技点が200以上1000未満のときには、1回の短押下操作で200点が計数されるようにする。遊技点が1000以上5000未満のときには、1回の短押下操作で1000点が計数されるようにする。遊技点が5000以上10000未満のときには、1回の短押下操作で2000点が計数されるようにする。遊技点が10000以上のときには、1回の短押下操作で2500点が計数されるようにする。なお、以上の数値は具体例であって、適宜、設定できる。
(20) 遊技玉(遊技点)を計数して持点変換する際には、計数表示のみならず、計数音をスピーカから出力する制御をしてもよい。また、遊技点の計数の際には、玉が1つずつ、玉貯留皿から計数器へと落下していくような画像表示を行なうことが考えられる。
(21) 計数操作に基づいて遊技点を持点に変換する変換表示(遊技玉を計数していき、持玉が増えていく様を示す表示)を行なうタイミングと、データ上で遊技点を減算し、持点を加算する演算を行なうタイミングとは様々なものとすることができる。変換表示が終わってから、前記演算を実行してもよい。また、そのために、変換表示が終わった後に遊技機からCUに対して計数データが送信されるようにしてもよい。なお、このような変形例は、持点を遊技点に変換する場合についても同様に適用可能である。
(22) 本実施形態では、CUと遊技機との間の通信において、CUを一次局、遊技機を二次局とするコマンド−レスポンス方式が採用されているが、一次局と二次局との関係を逆にしてもよい。あるいは、このような主従の関係がある通信方式を採用するのではなく、通信すべき要求が生じたときに双方が相手にデータを送信するような方式を採用してもよい。
(23) 図84あるいは図114において、遊技機側およびCU側の双方で遊技玉(遊技点)を記憶するようにしているが、遊技玉(遊技点)は遊技機側のみで記憶し、CU側では記憶しないようにしてもよい。一方、カード持玉(持点)は、CU側でのみ記憶しているが、遊技機側でも記憶するようにしてもよい。特に、遊技玉(遊技点)は遊技機側のみで記憶し、一方、カード持玉(持点)は、CU側でのみ記憶するようにして、データの記憶管理の役割分担を明確にしてもよい。
(24) 表示器54Fで行なう計数表示や各種の報知は、同様に表示器312Fで行なうようにしてもよい。
(25) CUにおいて、P台側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)および減算玉数カウンタの値(減算玉数)に基づいて、記憶している遊技玉数を更新し、P台側から送信されてきた計数玉数カウンタの値に基づいて記憶している遊技玉数を減算したときに、遊技玉数の値がマイナスになる場合には、エラー(異常)判定し、エラー処理を行なうようにしてもよい。エラー処理の具体例として、異常報知ランプ等によりエラー報知が行なわれたり、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fにエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信されたりする(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fによるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。
(26) 貸出操作あるいは持点(持玉)から遊技点(遊技玉)への変換操作(貸出操作)が検出された場合、遊技点は、1点ずつカウントアップするようにしてもよいが、遊技者の待ち時間を短くするために、複数点(たとえば、100円相当の25点)ずつカウントアップするように表示してもよい。また、逆に、遊技点の計数操作が実行されたときにも、複数点ずつ持点がカウントアップするように表示してもよい。さらに、遊技点あるいは持点をカウントアップ表示するときの単位数を複数種類の中から設定できるようにしてもよい。その設定の際には、P台あるいはS台の表示器のタッチパネルを利用することが考えられる。
(27) 計数操作が実行されたとき、持点のカウントアップが開始してから所定時間が経過すると、持点が加速度的にカウントアップするようにしてもよい。あるいは、計数表示を加速させるための速度アップボタンをCU側あるいは遊技機側のタッチパネルの表示器に表示し、その操作が検出されることによって、加速計数表示をしてもよい。このように持点の加速計数表示を行なうことにより、多数の遊技点を計数する際の遊技者の待ち時間を短くすることができる。
(28) 打球操作ハンドルにタッチセンサを設けて、遊技者が打球操作ハンドルを握っていることがタッチセンサによって検出されている間は、計数操作を無効にしてもよい。計数操作を無効とは、計数操作を検出するが、その検出出力に基づいた計数動作を実行しないこと、あるいは、計数操作の検出自体をしないことの双方を意味する。または、遊技者が打球操作ハンドルに触れているだけでは計数操作を無効にせず、打球操作ハンドルを玉発射の駆動パルスが出力される程度にまで回している場合に、計数操作を無効にしてもよい。
これらの場合には、計数操作が検出されると、「ハンドルを放して下さい」というメッセージを遊技機あるいはCUの表示器に表示するようにしてもよい。あるいは、計数操作ボタンをタッチパネルの画面上のアイコンで表示するようにしたときには、計数操作ボタンをグレーアウトして、操作不能であることを遊技者に通知するようにしてもよい。
(29) 玉貸ボタン、返却ボタン、再プレイボタン、および計数ボタンのうちの少なくとも1つ、あるいはすべては、遊技機側に設けてもよく、あるいはCU側に設けてもよい。また、そのボタンは、タッチパネル式の表示器として説明した遊技機側あるいはCU側の表示器に表示することが考えられる。
(30) 図86〜図92で示したシーケンス制御は、特にセキュリティに関する処理については、CU3F、P台2F、S台2SF等の遊技機器単体内の制御装置間の送受信シーケンスに限定されるものではなく、たとえば、CU3F、P台2F、ジェットカウンタ、POS端末等の複数の遊技機器間の送受信シーケンスに適用してもよい。
(31) 前述の実施形態では、カードIDにより遊技者の同一性の判別を行なっているが、それに代えてまたはそれに加えて、遊技者の指紋や網膜等のバイオマスにより遊技者の同一性の判別を行なってもよい。
(32) 前述の実施形態においては、いわゆる封入循環式遊技機(P台2FおよびS台2SF)を示したが、それに限定されるものではなく、島の上部から遊技媒体(パチンコ玉等)が遊技機に供給されて入賞によりさらに遊技媒体が払出される一般的な遊技機であってもよい。具体的には、玉貯留皿に貯留された玉を遊技領域に打込んで遊技が行なわれ、入賞することによって玉が玉貯留皿に払い出され、遊技終了時にその玉貯留皿に払い出され玉を用いて景品交換できるパチンコ機でもよい。また、コイン受け皿に貯留されているコインをコイン投入口に投入して賭数を入力設定し、スタートレバーを操作することによりリールが回転して停止することにより1ゲームが終了し、リールの停止時に表示された表示結果入賞が発生している場合には、コインがコイン受け皿に払い出され、遊技終了時にそのコイン受け皿に払い出されコインを用いて景品交換できるスリットマシンでもよい。つまり、遊技媒体(パチンコ玉、コイン)を使用して遊技が可能であり、遊技の結果に応じて遊技者に遊技媒体が払い出される遊技機であってもよい。
(33) 前述の実施形態では、入賞の発生により直接遊技玉数や遊技点を加算するものを示したが、その代わりに、入賞の発生により持点を加算し、その加算された持点を引落して遊技玉数や遊技点を加算するように制御してもよい。
(34) 前述の実施形態では、遊技者所有の有価価値(プリペイド残高、持玉、貯玉)の範囲内で価値を引落して該引落し相当分の遊技点を加算するにおいて、引落した価値と同じ価値の遊技点を加算するものを示したが、その代わりに、たとえば、実際に引落した価値に対し消費税相当額分少ない遊技点を加算するように制御してもよい。
(35) 前述の実施形態では、各種認証鍵を用いて認証を行なっていたが、この各種認証鍵の代わりに、たとえば認証用のID等を用いて認証を行なうようにしてもよい。
(36) 前述の表示器54F、510Fをタッチパネル付きの表示器で構成してもよい。また、P台とCUとの間で送受信される情報は、前述の実施形態で説明されたものに限定されるのではなく、また、どのような情報をP台からCUへ出力するかを遊技機の表示器54F、510Fのタッチパネルでタッチ操作して入力設定できるようにしてもよい。
また、S台2SFにおいても前述のP台2Fと同様にS台2SFから出力された情報を変換してホールコンへ送信するが、変換対象の情報としては、たとえば、ビッグボーナス入賞やレギュラーボーナス入賞や各種小役入賞等の入賞情報、リプレイタイム中を示す情報、図114の加算数や減算数、ゲームスタート回数等である。また、変換対象の情報としては、入賞に伴ってコインを払出すようにした場合のその払出枚数でもよい。
(37) 上記実施形態において、遊技機は、「全遊技点に対する変換処理が終了したことを条件に(遊技点=0)、前記遊技点を前記持点として遊技用装置(CU)が所定の処理(景品交換機でカードを受付けて当該カードで特定される持点を消費して景品交換を可能とする処理、CUから排出されたカードを他の遊技機に接続された別のCUに挿入して使用する場合のCUの処理)をするための記録媒体処理操作(カード返却操作(カード返却ボタン322Fの操作))を有効化する有効化手段」を含む。
ここで、前記有効化手段は、たとえば、「P台側で遊技点0を確認してCUへカード排出操作許可ONを送信する手段」、あるいは、「CUからカード返却通知を受信したときに遊技玉数=0か否かを判定し、0の場合にはCUに対してカード返却応答を返信することによってカード返却を有効とする手段」、さらには、「計数操作等が行なわれることによって遊技玉数=0とし、そのことによって結果的にカード返却を有効とする条件を成立させる手段」を含む概念である。
(38) 払出制御部171Fが、一周フラグが立つ値(=63)を受信したとき異常制御処理として、以下のa〜cに列挙するもののうちから1つまたは2つ以上を採用して実行するように制御してもよい。
a 払出制御部171Fまたはその払出制御部171Fから異常情報を受けた主制御部161Fにより、P台2Fの表示器(たとえば7セグ表示器50Fや識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置)により表示する。
b 払出制御部171Fから異常情報を受信したCU3Fにおいてエラー番号等の異常報知を行なう。
c CU3Fから異常情報を受信したホール用管理コンピュータ等の上位装置においてエラー番号等の異常報知を行なう。
(39) 本実施形態では、払出側テーブルに払出制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶する前枠5Fの履歴情報として、前枠5Fを特定する情報、保管情報、再販情報および廃棄情報などが含まれる例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、前枠5Fの履歴情報として、メンテナンス情報や修理情報などを含めてもよい。同様に、本実施形態では、主制御側テーブルに主制御用セキュリティチップIDに関連付けて記憶する遊技盤26Fの履歴情報として、遊技盤26Fを特定する情報、保管情報、再販情報および廃棄情報などが含まれる例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、遊技盤26Fの履歴情報として、メンテナンス情報や修理情報などを含めてもよい。
(40) 本実施形態では、製造メーカや倉庫業者などが出荷・設置や保管などの作業が完了した後に、機歴管理センタ800AFに接続された端末から必要な情報(図102に示す、たとえば、出荷日、設置日時、撤去日、販社名、や廃棄日などの情報)を入力することで払出側テーブルおよび主制御側テーブルを更新する例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、製造メーカや倉庫業者などが申請書類に必要な情報を記入して機歴管理センタ800AFに送付することで、機歴管理センタ800AF内の入力手段(たとえば、内部端末など)から必要な情報を入力することで払出側テーブルおよび主制御側テーブルを更新してもよい。なお、機歴管理センタ800AFに接続された端末とは、機歴管理センタ800AFに対して直接接続されている端末(たとえば、機歴管理センタ800AFにある内部端末)でも、通信回線を介して接続されている端末(たとえば、インターネットを介して接続された倉庫業者や中古業者などの端末)でもよい。
(41) 本実施形態では、1つの大容量記憶装置8005Fに払出側テーブルおよび主制御側テーブルを記憶する例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、複数の大容量記憶装置に分けて払出側テーブルおよび主制御側テーブルを記憶しても、払出側テーブルを記憶する大容量記憶装置と、主制御側テーブルを記憶する大容量記憶装置とに分けてもよい。また、大容量記憶装置に記憶した払出側テーブルおよび主制御側テーブルは、それぞれセキュリティチップID単位で前枠5Fおよび遊技盤26Fの履歴情報を消去することができる。たとえ、ペアのセキュリティチップIDに関連付けられていても、セキュリティチップID単位で前枠5Fおよび遊技盤26Fの履歴情報を別々に消去することができる。これにより、使用される期間が異なる前枠5Fおよび遊技盤26F(前枠5Fに比べて使用される期間が長い)であっても個別に削除することができるので、それぞれ適切に管理することができる。
(42) 本実施形態では、ホール以外の製造メーカや倉庫業者などが機歴管理センタ800AFに必要な情報を入力することで払出側テーブルおよび主制御側テーブルを更新する例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、ホール自体が機歴管理センタ800AFに必要な情報を入力することで払出側テーブルおよび主制御側テーブルを更新してもよい。
(43) 本実施形態では、中古業者が前枠5Fおよび遊技盤26Fを別のホールに再販して、設置する場合に、前枠5Fおよび遊技盤26Fの履歴情報として再販情報を記憶する例を示した。しかし、これに限られず、たとえば、前枠5Fおよび遊技盤26Fを設置しているホールと同じグループの別のホール(たとえば、同じ法人コードのホール)に移動する場合に、前枠5Fおよび遊技盤26Fの単なる移動として移動情報を履歴情報に記憶する(管理状態(ステータス)を「設置」から「設置」)だけでもよい。つまり、同じ法人コードのホール間で、前枠5Fおよび遊技盤26Fの設置が移動しても異常と判定されない。さらに、同じ法人コードのホール間で、かつ同一県内に限り前枠5Fおよび遊技盤26Fの移動を認め、同じ法人コードのホール間でも他県に移動する場合は、再販と同じ処理を行なうようにしてもよい。
(44) 本実施形態では、機歴管理センタ800AFをたとえば以下のように設定する。機歴管理センタ800AFには、システムに登録されているユーザで、クリア認証で認証されたものをシステムにログインさせる。ログイン時における認証は、(a)指定されたユーザIDがシステムに存在すること。(b)指定されたユーザがアカウント有効期限内であること。(c)指定されたユーザがアカウントロックされていないこと。(d)入力されたパスワードが指定されたユーザIDのパスワードと合致すること。(e)現在がパスワードの有効期間内にない場合は、ログインさせるがユーザ自身のパスワード変更とログアウトのみ利用可能とし、パスワード変更が必要である旨をメッセージ表示する。なお、パスワードが変更された場合は、新パスワードを利用確認してもらうため、ログアウトする。
機歴管理センタ800AFは、認証に成功した場合、そのユーザのログイン失敗回数・連続ログインエラー日時をクリアする。一方、機歴管理センタ800AFは、認証に失敗した場合、そのユーザが実在する場合、ログイン失敗回数を記録する。なお、ログイン失敗回数が[ログイン試行上限回数]に達する都度(整数倍となる場合)アカウントをロックした日時を設定する。
機歴管理センタ800AFは、(a)ユーザを新規に登録した場合、(b)パスワードをクリアした場合、および(c)パスワードをユーザ自身が変更した場合、パスワードの有効期限を更新・設定する。更新・設定したパスワードは、その時点から[パスワード有効期間]経過までを有効とする。
機歴管理センタ800AFは、同一のセッションにおいて、認証を[ログイン試行上限回数]失敗した場合、ログイン画面ではなく、ログインNG画面に遷移し、ログインを試行させない。
機歴管理センタ800AFは、ログイン時に、当該ユーザのパスワードが[パスワード期限切れ警告期間]以内に期限切れになる場合、パスワード有効期限が切れる可能性があることを警告する。なお、当該警告は、たとえばログイン完了画面に表示するが、ログイン完了画面に表示すべきメッセージが無い場合は、ログイン完了画面を表示せず、HOMEメニューに遷移する。
機歴管理センタ800AFは、(ア)ユーザのログイン失敗回数が[ユーザ無効化ログイン失敗回数]を超えている場合(恒久的アカウントロック状態)、または(イ)アカウントロック日時から[ログイン試行拒否時間]が経過していない場合(一時アカウントロック状態)、アカウントロックする。
機歴管理センタ800AFは、(ア)ユーザを新規に登録した場合、または(イ)ユーザ情報画面から有効期間の更新を行った場合、アカウントの有効期限を更新・設定する。なお、アカウント有効開始日からアカウント有効終了日までの期間、アカウントを利用することが可能となる。
機歴管理センタ800AFは、一度に生成可能なアカウント生成最大数を初期導入時にたとえば20に設定してある。ここで、[ログイン試行上限回数]は、連続したログイン試行失敗で一定期間アカウントロックする回数で、初期導入時は、たとえば5回に設定してある。[ユーザ無効化ログイン失敗回数]は、連続したログイン試行失敗で恒久的にアカウントロックする回数で、初期導入時は、たとえば100回である。[ログイン試行拒否時間]は、連続したログイン試行失敗で一定期間アカウントロックする期間で、初期導入時は、たとえば30分である。[パスワード有効期間]は、パスワード変更した時に設定されるパスワードの有効期間で、初期導入時は、たとえば90日である。[パスワード期限切れ警告期間]は、アカウントのパスワード切れ間近をメッセージ通知する期間で、初期導入時は、たとえば14日である。
なお、機歴管理センタ800AFは、パスワードの最小文字数を初期導入時、たとえば8文字とし、パスワードの使いまわしを防ぐ世代数(現在を含む)を初期導入時、たとえば3世代とする。また、機歴管理センタ800AFは、ユーザ情報を登録するには、該当ユーザの事業者情報が登録されていることを条件とする。事業者情報には、機歴管理センタ800AFの業務に関わる各事業者の業種および住所等の属性情報が含まれる。
機歴管理センタ800AFは、遊技機の管理状態(ステータス)を、入力後、基本的に取消しすることができず、誤操作等により誤りが生じた場合は、「機歴全体備考欄」にコメントを記載することで他の人がわかるようにする。ただし、誤投入の可能性があるため、遊技機ステータス更新画面より投入するステータスに限り、取消を可能とする。取消を可能とする場合、限られた人のみ取消しの実行を可能とするよう、権限により制御する。また、機歴管理センタ800AFは、遊技機の管理状態(ステータス)を変更するために機歴を検索する場合、検索対象を最新の遊技機の管理状態(ステータス)のみを対象に検索を行なう。
機歴管理センタ800AFでは、データの種類と種類毎の保持期間をたとえば以下のように管理している。
(1)アカウント関連のデータ(たとえば、事業者情報、アカウント情報など):基本的に論理削除のみで制御し、物理削除しない。
(2)遊技機機種等のマスタ情報(たとえば、遊技機機種マスタなど):基本的に論理削除のみで制御し、物理削除しない。
(3)機歴管理の根拠となる情報(たとえば、遊技機チップ出荷情報、遊技機出荷情報など):基本的に管理が開始されるまでは変更を可能とするが、以後は編集を不能とし、永続的に管理する。
(4)機歴情報(たとえば、前枠5Fおよび遊技盤26Fの履歴情報):基本的にファクト情報の入力であるので、入力後の変更は認めず、永続的に管理する。
(5)カードユニット鍵管理センタから通知された情報(たとえば、不正検知など):システムで検知した情報であるので、変更は認めず、永続的に管理する。
(6)システムへの入力ジャーナル(たとえば、Web入力ログ、オンライン入力ログ、システム連携入力ファイルなど):入力の種類別・ノード別に14日間を保持する。
(7)システムからの出力ジャーナル(たとえば、Web出力ログ、オンライン出力ログ、システム送信ファイルなど):出力の種類別・ノード別に7日間を保持する。
(8)集信・配信の業務的通信の記録(たとえば、配布スケジュールなど):7日間を目途に情報を保持する。
(9)システムテンポラリファイル(たとえば、CSVアップロードファイルなど):アプリケーションの挙動後に削除する。ただし、異常終了時等を考慮してクリーニングバッチで不要と確認されたら削除する。
(10)長期間ステータス更新を行なっていない機種情報(たとえば、長期間ステータス更新を行っていない機種情報など):2世代保持する。
機歴管理センタ800AFでは、管理状態(ステータス)の異常について、更新前の管理状態(ステータス)と更新後の管理状態(ステータス)との関係が異常となった前枠5Fおよび遊技盤26Fの情報のみ抽出したり、当該情報のみファイル出力したりすることが可能である。そのため、ファイル出力した情報に基づいて、管理状態(ステータス)の更新漏れのユーザに対して連絡するなどの報知を行ない、正しい管理状態(ステータス)に更新されるように対応することができる。なお、管理状態(ステータス)の更新漏れのユーザに対しては、連絡を行なうのみでなく、ヒアリングして、正しい管理状態(ステータス)を確認した上で対応を行なってもよい。また、機歴管理センタ800AFは、現在、管理状態(ステータス)の異常が発生している前枠5Fおよび遊技盤26Fのすべてを対象に、連絡するなどの報知を行なう。また、異常となった前枠5Fおよび遊技盤26Fの最新情報(ファイル出力時点)は、機歴管理センタ800AFに接続した端末からダウンロードすることができる。
機歴管理センタ800AFでは、長期間管理状態(ステータス)の更新を行っていない前枠5Fおよび遊技盤26Fの履歴情報に対して、「廃棄」や「その他」以外の管理状態(ステータス)となっている前枠5Fおよび遊技盤26Fの情報のみ抽出したり、当該情報のみファイル出力したりすることが可能である。なお、長期間管理状態(ステータス)の更新が行なわれていない異常については、バッチ処理によりその処理時点の情報を抽出し、機歴管理センタ800AFに接続した端末からダウンロードする。また、ダウンロードする1つのファイルは、最大件数の閾値(初期構築時:10万レコード)が設定してあり、当該閾値を超えた場合は別ファイルに出力を行なう。さらに、ファイルをダウンロードする際、同日に処理を行なった結果をまとめて圧縮ファイルとして出力を行なう。
(45) 本実施形態では、機歴管理センタ800AFに撤去情報を入力する構成を説明したが、本発明はこれに限られず、中古移動情報、廃棄情報や下取り情報などが機歴管理センタ800AFに入力されると、機歴管理センタ800AF内で自動的に撤去情報が登録される構成でもよい。当該構成とすることで、ホールから撤去されていると推定して遊技機の履歴を管理することができ、ホールから履歴管理システムに撤去情報を入力する負担を軽減することができる。
(46) 本実施形態では、遊技機メーカが遊技機をホールに出荷した後に、通信回線を介して機歴管理センタ800AFに出荷情報を登録する構成を示したが、本発明はこれに限られず、遊技機メーカが遊技機をホールに出荷する情報が入力された時点で、自動的に機歴管理センタ800AFに出荷情報を登録する構成でもよい。当該構成とすることで、出荷状態の履歴が登録されずに忘れられてしまうのを防止することができる。
(47) 本実施形態では、遊技機メーカが出荷した封入循環式パチンコ機(P台2F)またはP台2Fを構成する前枠5Fおよび遊技盤26Fを含む遊技機をホールに設置した場合、機歴管理センタ800AFが、P台2Fから通知された遊技機設置情報(稼働情報)を、それぞれに設けた半導体チップのセキュリティチップIDに関連付けて記憶するとともに、記憶した情報とP台2Fから通知された遊技機設置情報とを照合している。そして、機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常であれば、たとえば異常報知ランプや表示器312Fによりエラー報知が行なわれたり、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801Fにエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信されたりなど、当該異常を報知する。しかし、機歴管理センタ800AFは、照合した結果、異常を報知する構成だけに限定されるものではなく、異常と判断したP台2FまたはP台2Fを構成する前枠5Fおよび遊技盤26Fでの遊技を禁止する構成でもよい。なお、機歴管理センタ800AFは、異常と判断した場合でも、一定期間、当該P台2Fでの遊技を暫定的に許可して、ホールの営業行為を妨げないように構成してもよい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
700 パチンコ遊技機、702 ガラス扉枠、703 打球供給皿、704 余剰球受皿、705 打球操作ハンドル、706 遊技盤、707 遊技領域、708a 第1特別図柄表示器、708b 第2特別図柄表示器、709 演出表示装置、710 普通図柄表示器、711 一般入賞口スイッチ、712 回収通路センサ、713 第1始動入賞口、713a 第1始動口スイッチ、714 第2始動入賞口、714a 第2始動口スイッチ、715 可変入賞球装置、716,721 ソレノイド、718a 第1特別図柄保留記憶表示器、718b 第2特別図柄保留記憶表示器、718c 第1保留記憶表示部、718d 第2保留記憶表示部、720 特別可変入賞球装置、723 カウントスイッチ、725 装飾LED、726 アウト口、728a 天枠LED、728b 左枠LED、728c 右枠LED、731 主基板、732 ゲート、732a ゲートスイッチ、735 ランプドライバ基板、737 払出制御基板、741 普通図柄保留記憶表示器、751 賞球LED、752 球切れLED、756 CPU、757 I/O、758 入力ドライバ回路、759 出力回路、770 音声出力基板、777 中継基板、797 球払出装置、7111 チャンスボタン、7112A,7112B 選択ボタン、7503 乱数回路、7560 遊技制御用マイクロコンピュータ、2F パチンコ機、2SF スロットマシン、3F カードユニット、16F 主制御基板、17F 払出制御基板、26F 遊技盤、54F,312F 表示器、309F カード挿入/排出口、319F 再プレイボタン、320F IR受光ユニット、321F 貸出ボタン、322F カード返却ボタン、161F 主制御部、325F 表示制御部、171F 払出制御部、50F,50SF 7セグ表示器、323F CU制御部、12F ガラス扉開放検出スイッチ、13F 前枠開放検出スイッチ。

Claims (1)

  1. 遊技において特定条件が成立したことにもとづいて、遊技者にとって有利な有利遊技状態に制御する遊技盤であって、
    複数種類の入賞領域と、
    前記有利遊技状態とは異なる特典を付与する特典付与手段と、
    遊技に関連する遊技関連情報を特定可能に記憶する遊技関連情報記憶手段と、
    前記遊技関連情報を特定可能な情報を出力する遊技関連情報出力手段と、
    遊技者の操作にもとづいて、前記遊技関連情報記憶手段が記憶する前記遊技関連情報を特定可能な情報を出力するための設定を行う設定手段と、
    前記遊技関連情報出力手段とは別個に、遊技媒体が入賞した入賞領域と入賞個数とを特定可能な信号を出力するための信号出力手段とを備え、
    前記特典付与手段は、前記設定手段によって前記遊技関連情報を特定可能な情報を出力するための設定が行われているときには、前記遊技関連情報を特定可能な情報を出力するための設定が行われていないときと比較して有利に特典を付与し、
    演出結果として前記有利遊技状態に制御されるか否かを示唆する有利可能性示唆結果または特典が付与されたことを示唆する特典付与示唆結果を、共通態様の演出を実行した後に報知する示唆演出を実行する示唆演出実行手段をさらに備えた、遊技盤。
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