JP2015040141A - カーボンナノチューブマイクロプローブ - Google Patents
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Abstract
【課題】非常に微細な粒子等を吸着してピックアップできるマイクロプローブであって、異物表面を汚染することなく、非常に微細な粒子を効果的にピックアップでき、粒子のピックアップ後にそのまま分析装置内で分析評価を行うことができ、さらに、プローブ自体が屈曲してしまわないような剛直性を備え、使用に際して、プローブ自体が容易にちぎれて飛散しないようなマイクロプローブを提供する。【解決手段】カーボンナノチューブマイクロプローブは、複数のカーボンナノチューブを備えるカーボンナノチューブ集合体プローブを有し、該カーボンナノチューブ集合体プローブの表面の少なくとも側面部が金属化合物によって被覆されており、該金属化合物の被覆により形成される被覆層の厚みが1nm〜30nmである。【選択図】図1
Description
本発明は、カーボンナノチューブマイクロプローブに関する。詳細には、例えば、分析用途などにおいて、分析対象物の表面に点在する微細粒子をピックアップして分析装置内に運び込んで分析評価するため等に好適に用いられる、カーボンナノチューブを用いたマイクロプローブに関する。
部材の表面に点在する異物の組成や形状などを分析評価することによって該部材の製造プロセスにおける該異物の混入経路等を解明することは、異物のないクリーンな部材を提供する上で重要である。
部材の表面に点在する異物の組成や形状を評価する手段としては、タングステンプローブやマイクロナイフをサンプリングツールとして用いた粒子吸着プローブが一般的に用いられている。このような粒子吸着プローブを用いることにより、上記サンプリングツールによって部材の表面に点在する異物をピックアップして分析装置内に運び込み、該異物の組成や形状などが分析評価される(例えば、特許文献1参照)。
しかし、タングステンプローブやマイクロナイフをサンプリングツールとして用いた粒子吸着プローブにおいては、異物をピックアップするために、サンプリングツールを異物に刺すなどの物理的応力を加える必要がある。このような物理的応力が加わると、表面被覆材のはがれや表面凹凸・層構造の変化など、表面の生の構造・組成観察が困難となるという問題が生じる。
他方、物理的応力を加えないで異物をピックアップするために、サンプリングツールとしてペーストなどの接着剤や両面テープなどの粘着剤を用いると、それらに含まれる有機成分によって異物表面が汚染されてしまい、該異物の正確な分析評価ができないという問題がある。また、サンプリングツールとして上記のような接着剤や粘着剤を用いた場合、粒径分布の広い粒子群から特定の粒径の粒子を選択的にピックアップすることは困難である。
また、異物のマイクロサンプリングにおいては、非常に微細な粒子を選択的に1個のみピックアップして分析することが要求される場合があるが、サンプリングツールとして上記のような接着剤や粘着剤を用いた場合には、非常に微細な粒子を選択的に1個のみピックアップすることは困難である。
また、従来の粒子吸着プローブを用いてピックアップした異物を分析装置内に運び込んで分析評価する場合、分析装置内に運び込まれた該異物は、分析評価の際に新たにペースト等で固定される必要があり、工程が煩雑である。
さらに、粒子吸着プローブには、ピックアップの際にプローブ自体が屈曲してしまわないような剛直性が備えられていることが求められる。また、使用に際して、プローブ自体が容易にちぎれて飛散しない性質も求められる。
そこで、非常に微細な粒子等を吸着してピックアップできるマイクロプローブであって、異物表面を汚染することなく、非常に微細な粒子を効果的にピックアップでき、粒子のピックアップ後にそのまま分析装置内で分析評価を行うことができ、さらに、プローブ自体が屈曲してしまわないような剛直性を備え、使用に際して、プローブ自体が容易にちぎれて飛散しないようなマイクロプローブが求められている。しかしながら、このような性能を全て満足するようなマイクロプローブは、現時点で見出されていない。
本発明の課題は、非常に微細な粒子等を吸着してピックアップできるマイクロプローブであって、異物表面を汚染することなく、非常に微細な粒子を効果的にピックアップでき、粒子のピックアップ後にそのまま分析装置内で分析評価を行うことができ、さらに、プローブ自体が屈曲してしまわないような剛直性を備え、使用に際して、プローブ自体が容易にちぎれて飛散しないようなマイクロプローブを提供することにある。
本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブは、
複数のカーボンナノチューブを備えるカーボンナノチューブ集合体プローブを有し、
該カーボンナノチューブ集合体プローブの表面の少なくとも側面部が金属化合物によって被覆されており、
該金属化合物の被覆により形成される被覆層の厚みが1nm〜30nmである。
複数のカーボンナノチューブを備えるカーボンナノチューブ集合体プローブを有し、
該カーボンナノチューブ集合体プローブの表面の少なくとも側面部が金属化合物によって被覆されており、
該金属化合物の被覆により形成される被覆層の厚みが1nm〜30nmである。
好ましい実施形態においては、先端部分の室温におけるガラス面に対するせん断接着力が1.0N/cm2以上である。
好ましい実施形態においては、上記カーボンナノチューブ集合体プローブの直径が10μm以下である。
好ましい実施形態においては、上記カーボンナノチューブ集合体プローブの長さが300μm以下である。
好ましい実施形態においては、上記カーボンナノチューブが複数層を有し、該カーボンナノチューブの層数分布の分布幅が10層以上であり、該層数分布の最頻値の相対頻度が25%以下である。
好ましい実施形態においては、上記カーボンナノチューブが複数層を有し、該カーボンナノチューブの層数分布の最頻値が層数10層以下に存在し、該最頻値の相対頻度が30%以上である。
好ましい実施形態においては、本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブは、軸状基材上に上記カーボンナノチューブ集合体プローブが設けられている。
本発明によれば、非常に微細な粒子等を吸着してピックアップできるマイクロプローブであって、異物表面を汚染することなく、非常に微細な粒子を効果的にピックアップでき、粒子のピックアップ後にそのまま分析装置内で分析評価を行うことができ、さらに、プローブ自体が屈曲してしまわないような剛直性を備え、使用に際して、プローブ自体が容易にちぎれて飛散しないようなマイクロプローブを提供することができる。
≪カーボンナノチューブマイクロプローブ≫
本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブは、複数のカーボンナノチューブを備えるカーボンナノチューブ集合体プローブを有し、該カーボンナノチューブ集合体プローブの表面の少なくとも側面部が金属化合物によって被覆されており、該金属化合物の被覆により形成される被覆層の厚みが1nm〜30nmである。本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブは、このような構成を有することにより、異物表面を汚染することなく、非常に微細な粒子を効果的にピックアップでき、粒子のピックアップ後にそのまま分析装置内で分析評価を行うことができ、さらに、プローブ自体が屈曲してしまわないような剛直性を備え、使用に際して、プローブ自体が容易にちぎれて飛散しない。
本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブは、複数のカーボンナノチューブを備えるカーボンナノチューブ集合体プローブを有し、該カーボンナノチューブ集合体プローブの表面の少なくとも側面部が金属化合物によって被覆されており、該金属化合物の被覆により形成される被覆層の厚みが1nm〜30nmである。本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブは、このような構成を有することにより、異物表面を汚染することなく、非常に微細な粒子を効果的にピックアップでき、粒子のピックアップ後にそのまま分析装置内で分析評価を行うことができ、さらに、プローブ自体が屈曲してしまわないような剛直性を備え、使用に際して、プローブ自体が容易にちぎれて飛散しない。
本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブは、例えば、複数のカーボンナノチューブを備えるカーボンナノチューブ集合体プローブの表面の少なくとも側面部が金属化合物によって被覆されている構成であっても良いし、その構成が軸状基材上に設けられている構成であっても良い。ここで、軸状基材は、軸形状をした基材を意味し、例えば、軸、支柱、金属柱などに言い換えることができる場合もある。軸状基材については、後述する。
本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブにおいては、カーボンナノチューブ集合体プローブの表面の少なくとも側面部が金属化合物によって被覆されている。すなわち、本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブにおいては、カーボンナノチューブ集合体プローブの表面の側面部が金属化合物によって被覆されており、且つ、カーボンナノチューブ集合体プローブの両先端部の少なくとも一部が金属化合物によって被覆されていても良い。
金属化合物の被覆により形成される被覆層は、単層であっても良いし、多層体であっても良い。
カーボンナノチューブ集合体プローブの両先端部の少なくとも一部が金属化合物で被覆されている場合は、その被覆割合は、片方の先端部について、面積割合で、好ましくは10%〜100%であり、より好ましくは30%〜100%であり、さらに好ましくは50%〜100%であり、特に好ましくは70%〜100%であり、最も好ましくは90%〜100%である。カーボンナノチューブ集合体プローブの両先端部の少なくとも一部が金属化合物で被覆されている場合、その被覆割合が、片方の先端部について、上記範囲内に収まることにより、本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブは、異物表面を一層汚染せず、プローブ自体が屈曲してしまわないような剛直性を一層備え、使用に際して、プローブ自体がちぎれて飛散することを一層抑制し得る。
カーボンナノチューブ集合体プローブの両先端部の一部のみが金属化合物で被覆されている場合は、その被覆形態は、不規則に一部のみが被覆されている形態や、規則的に一部のみが被覆されている形態が挙げられる。規則的に一部のみが被覆されている形態としては、規則的なパターンで被覆部と非被覆部とが存在する形態などが挙げられる。
金属化合物の被覆により形成される被覆層の厚みは、1nm〜30nmであり、好ましくは1nm〜25nmであり、より好ましくは3nm〜20nmであり、さらに好ましくは5nm〜15nmであり、特に好ましくは5nm〜10nmである。金属化合物の被覆により形成される被覆層の厚みが上記範囲内に収まることにより、本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブは、異物表面を汚染することなく、非常に微細な粒子を効果的にピックアップでき、粒子のピックアップ後にそのまま分析装置内で分析評価を行うことができ、さらに、プローブ自体が屈曲してしまわないような剛直性を備え、使用に際して、プローブ自体が容易にちぎれて飛散しない。
図1は、本発明の好ましい実施形態におけるカーボンナノチューブマイクロプローブの一例の概略断面図である。図1において、本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブ1000は、複数のカーボンナノチューブ10を備えるカーボンナノチューブ集合体プローブ100と、カーボンナノチューブ集合体プローブ100の表面の少なくとも側面部を被覆している金属化合物20とを有する。なお、図1においては、金属化合物20は、カーボンナノチューブ集合体プローブ100の側面部の全部および片方の先端部の全部を被覆している実施形態を示しているが、カーボンナノチューブ集合体プローブ100の側面部の全部および片方の先端部の一部を被覆している実施形態や、カーボンナノチューブ集合体プローブ100の側面部の全部および両方の先端部の全部を被覆している実施形態も取り得る。図1において、金属化合物20は、カーボンナノチューブ集合体プローブ100の表面に、厚みTの被覆層を形成する。図1において、複数のカーボンナノチューブ10は、それぞれ、長さLの方向に配向しており、束状のカーボンナノチューブ集合体プローブ100を構成している。
図2は、本発明の好ましい実施形態におけるカーボンナノチューブマイクロプローブの別の一例の概略断面図である。図2において、本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブ1000は、複数のカーボンナノチューブ10を備えるカーボンナノチューブ集合体プローブ100と、カーボンナノチューブ集合体プローブ100の表面の少なくとも側面部を被覆している金属化合物20とを有する構成が、軸状基材30上に設けられている。図2において、複数のカーボンナノチューブ10は、それぞれ、長さLの方向に配向しており、束状のカーボンナノチューブ集合体100を構成している。図2において、複数のカーボンナノチューブ10の片端10aは、軸状基材30に固定されている。図2に示すように、複数のカーボンナノチューブ10は、好ましくは、軸状基材30に対して略垂直方向に配向している。ここで、「略垂直方向」とは、軸状基材30の断面側表面30aに対する角度が、好ましくは90°±20°の範囲内であり、より好ましくは90°±15°の範囲内であり、さらに好ましくは90°±10°の範囲内であり、特に好ましくは90°±5°の範囲内である。
なお、複数のカーボンナノチューブ10は、互いに、例えば、ファンデルワールス力によって集合体として存在し得る。したがって、本発明のカーボンナノチューブプローブは、容易にばらばらになることなく、集合体として存在し得る。
本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブにおいて、カーボンナノチューブ集合体プローブ100の直径は、好ましくは10μm以下であり、より好ましくは0.3μm〜10μmであり、さらに好ましくは0.5μm〜8μmであり、特に好ましくは0.5μm〜6μmであり、最も好ましくは0.5μm〜5μmである。本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブにおいて、カーボンナノチューブ集合体プローブ100の直径を上記範囲内に調整することにより、非常に微細な粒子を効果的にピックアップすることが一層可能となる。
本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブにおいて、カーボンナノチューブ集合体プローブ100の長さは、好ましくは300μm以下であり、より好ましくは1μm〜200μmであり、さらに好ましくは3μm〜100μmであり、特に好ましくは5μm〜50μmであり、最も好ましくは10μm〜30μmである。本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブにおいて、カーボンナノチューブ集合体プローブ100の長さを上記範囲内に調整することにより、非常に微細な粒子を効果的にピックアップすることが一層可能なものとなる。
本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブにおいて、カーボンナノチューブの形状としては、その横断面が任意の適切な形状を有していれば良い。例えば、その横断面が、略円形、楕円形、n角形(nは3以上の整数)等が挙げられる。
本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブにおいて、カーボンナノチューブの比表面積、密度は、任意の適切な値に設定され得る。
金属化合物としては、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な金属化合物を採用し得る。このような金属化合物としては、好ましくは、金属単体および金属酸化物から選ばれる少なくとも1つである。
金属単体としては、例えば、Cu、アルミニウム、白金、金、銀、ニッケル、パラジウム、インジウム、亜鉛、鉛、スズ、タングステンが挙げられる。これらの中でも、導電性の点でCuが好ましい。
金属酸化物としては、例えば、ITO、Al2O3、MgO、Fe2O3、TiO2が挙げられる。これらの中でも、導電性の点でITOが好ましい。
本発明のカーボンナノチューブプローブは、先端部分の室温におけるガラス面に対するせん断接着力が、好ましくは1.0N/cm2以上であり、より好ましくは2.0N/cm2〜100N/cm2であり、さらに好ましくは3.0N/cm2〜70N/cm2であり、特に好ましくは5.0N/cm2〜50N/cm2であり、最も好ましくは10N/cm2〜30N/cm2である。上記せん断接着力が上記範囲内に収まることにより、本発明のカーボンナノチューブプローブは、非常に微細な粒子を一層効果的にピックアップできる。
軸状基材の材料としては、目的に応じて、任意の適切な材料を採用し得る。このような材料としては、例えば、ルビー、サファイアなども挙げられるが、好ましくは、SUS、タングステン超硬など導電性の材料が挙げられる。
軸状基材の大きさとしては、目的に応じて、任意の適切な大きさを採用し得る。このような大きさとしては、好ましくは、その断面側表面の面積が、カーボンナノチューブ集合体プローブの直径から算出される面積よりも大きくなるような大きさである。なお、軸状基材の長さ(断面側表面と直交する方向の長さ)は、目的に応じて、任意の適切な長さを採用し得る。
本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブが、図2のように、カーボンナノチューブ集合体プローブが軸状基材上に設けられている構成である場合、該カーボンナノチューブを該軸状基材に固定する方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。このような固定方法としては、例えば、ペーストなどを用いて接着する方法、両面テープなどを用いて粘着固定する方法、カーボンナノチューブ集合体プローブの製造に使用した基板を軸状基材として用いる方法、カーボンナノチューブ集合体プローブの接着特性を利用して固定する方法などが挙げられる。これらの固定方法の中でも、粒子のピックアップ後にカーボンナノチューブ集合体プローブをそのまま分析装置内で分析評価を行う場合を考慮すると、汚染原因の除去と、帯電防止のために、導電性の材料のみを用いて固定する方法が好ましく、具体的には、例えば、カーボンナノチューブの接着特性を利用して固定する方法などが挙げられる。
本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブがピックアップし得る粒子の直径は、好ましくは10μm以下であり、より好ましくは8μm以下であり、さらに好ましくは6μm以下であり、特に好ましくは5μm以下である。本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブがピックアップし得る粒子の直径の下限値は、好ましくは、0.3μm以上である。
≪カーボンナノチューブ集合体プローブ≫
本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブが有するカーボンナノチューブ集合体プローブは、下記の2つの好ましい実施形態を採り得る。
本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブが有するカーボンナノチューブ集合体プローブは、下記の2つの好ましい実施形態を採り得る。
<第1の好ましい実施形態>
本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブが有するカーボンナノチューブ集合体プローブの好ましい実施形態の1つ(以下、第1の好ましい実施形態と称することがある)は、複数のカーボンナノチューブを備え、該カーボンナノチューブが複数層を有し、該カーボンナノチューブの層数分布の分布幅が10層以上であり、該層数分布の最頻値の相対頻度が25%以下である。
本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブが有するカーボンナノチューブ集合体プローブの好ましい実施形態の1つ(以下、第1の好ましい実施形態と称することがある)は、複数のカーボンナノチューブを備え、該カーボンナノチューブが複数層を有し、該カーボンナノチューブの層数分布の分布幅が10層以上であり、該層数分布の最頻値の相対頻度が25%以下である。
上記カーボンナノチューブの層数分布の分布幅は10層以上であり、好ましくは10層〜30層であり、より好ましくは10層〜25層であり、さらに好ましくは10層〜20層である。
上記カーボンナノチューブの層数分布の「分布幅」とは、カーボンナノチューブの層数の最大層数と最小層数との差をいう。
カーボンナノチューブの層数分布の分布幅が上記範囲内にあることにより、該カーボンナノチューブは優れた機械的特性および高い比表面積を兼ね備えることができ、さらには、該カーボンナノチューブは優れた粘着特性を示すカーボンナノチューブ集合体プローブとなり得る。したがって、このようなカーボンナノチューブ集合体プローブを用いたカーボンナノチューブマイクロプローブは、金属化合物の被覆により形成される被覆層を備えることにより、異物表面を一層汚染することなく、非常に微細な粒子を一層効果的にピックアップでき、粒子のピックアップ後にそのまま分析装置内で分析評価を容易に行うことができ、さらに、プローブ自体が屈曲してしまわないような剛直性を一層備え、使用に際して、プローブ自体が容易にちぎれて飛散することを一層抑制し得る。
上記カーボンナノチューブの層数、層数分布は、任意の適切な装置によって測定すれば良い。好ましくは、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過電子顕微鏡(TEM)によって測定される。例えば、カーボンナノチューブ集合体から少なくとも10本、好ましくは20本以上のカーボンナノチューブを取り出してSEMあるいはTEMによって測定し、層数および層数分布を評価すれば良い。
上記カーボンナノチューブの層数の最大層数は、好ましくは5層〜30層であり、より好ましくは10層〜30層であり、さらに好ましくは15層〜30層であり、特に好ましくは15層〜25層である。
上記カーボンナノチューブの層数の最小層数は、好ましくは1層〜10層であり、より好ましくは1層〜5層である。
上記カーボンナノチューブの層数の最大層数と最小層数が上記範囲内にあることにより、該カーボンナノチューブは一層優れた機械的特性および高い比表面積を兼ね備えることができ、さらには、該カーボンナノチューブは一層優れた粘着特性を示すカーボンナノチューブ集合体プローブとなり得る。したがって、このようなカーボンナノチューブ集合体プローブを用いたカーボンナノチューブマイクロプローブは、金属化合物の被覆により形成される被覆層を備えることにより、異物表面を一層汚染することなく、非常に微細な粒子を一層効果的にピックアップでき、粒子のピックアップ後にそのまま分析装置内で分析評価を容易に行うことができ、さらに、プローブ自体が屈曲してしまわないような剛直性を一層備え、使用に際して、プローブ自体が容易にちぎれて飛散することを一層抑制し得る。
上記層数分布の最頻値の相対頻度は、25%以下であり、好ましくは1%〜25%であり、より好ましくは5%〜25%であり、さらに好ましくは10%〜25%であり、特に好ましくは15%〜25%である。上記層数分布の最頻値の相対頻度が上記範囲内にあることにより、該カーボンナノチューブは優れた機械的特性および高い比表面積を兼ね備えることができ、さらには、該カーボンナノチューブは優れた粘着特性を示すカーボンナノチューブ集合体プローブとなり得る。したがって、このようなカーボンナノチューブ集合体プローブを用いたカーボンナノチューブマイクロプローブは、金属化合物の被覆により形成される被覆層を備えることにより、異物表面を一層汚染することなく、非常に微細な粒子を一層効果的にピックアップでき、粒子のピックアップ後にそのまま分析装置内で分析評価を容易に行うことができ、さらに、プローブ自体が屈曲してしまわないような剛直性を一層備え、使用に際して、プローブ自体が容易にちぎれて飛散することを一層抑制し得る。
上記層数分布の最頻値は、好ましくは層数2層から層数10層に存在し、さらに好ましくは層数3層から層数10層に存在する。上記層数分布の最頻値が上記範囲内にあることにより、該カーボンナノチューブは優れた機械的特性および高い比表面積を兼ね備えることができ、さらには、該カーボンナノチューブは優れた粘着特性を示すカーボンナノチューブ集合体プローブとなり得る。したがって、このようなカーボンナノチューブ集合体プローブを用いたカーボンナノチューブマイクロプローブは、金属化合物の被覆により形成される被覆層を備えることにより、異物表面を一層汚染することなく、非常に微細な粒子を一層効果的にピックアップでき、粒子のピックアップ後にそのまま分析装置内で分析評価を容易に行うことができ、さらに、プローブ自体が屈曲してしまわないような剛直性を一層備え、使用に際して、プローブ自体が容易にちぎれて飛散することを一層抑制し得る。
<第2の好ましい実施形態>
本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブが有するカーボンナノチューブ集合体プローブの好ましい実施形態の別の1つ(以下、第2の好ましい実施形態と称することがある)は、複数のカーボンナノチューブを備え、該カーボンナノチューブが複数層を有し、該カーボンナノチューブの層数分布の最頻値が層数10層以下に存在し、該最頻値の相対頻度が30%以上である。
本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブが有するカーボンナノチューブ集合体プローブの好ましい実施形態の別の1つ(以下、第2の好ましい実施形態と称することがある)は、複数のカーボンナノチューブを備え、該カーボンナノチューブが複数層を有し、該カーボンナノチューブの層数分布の最頻値が層数10層以下に存在し、該最頻値の相対頻度が30%以上である。
上記カーボンナノチューブの層数分布の分布幅は、好ましくは9層以下であり、より好ましくは1層〜9層であり、さらに好ましくは2層〜8層であり、特に好ましくは3層〜8層である。
上記カーボンナノチューブの層数分布の「分布幅」とは、カーボンナノチューブの層数の最大層数と最小層数との差をいう。
カーボンナノチューブの層数分布の分布幅が上記範囲内にあることにより、該カーボンナノチューブは優れた機械的特性および高い比表面積を兼ね備えることができ、さらには、該カーボンナノチューブは優れた粘着特性を示すカーボンナノチューブ集合体プローブとなり得る。したがって、このようなカーボンナノチューブ集合体プローブを用いたカーボンナノチューブマイクロプローブは、金属化合物の被覆により形成される被覆層を備えることにより、異物表面を一層汚染することなく、非常に微細な粒子を一層効果的にピックアップでき、粒子のピックアップ後にそのまま分析装置内で分析評価を容易に行うことができ、さらに、プローブ自体が屈曲してしまわないような剛直性を一層備え、使用に際して、プローブ自体が容易にちぎれて飛散することを一層抑制し得る。
上記カーボンナノチューブの層数、層数分布は、任意の適切な装置によって測定すれば良い。好ましくは、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過電子顕微鏡(TEM)によって測定される。例えば、カーボンナノチューブ集合体から少なくとも10本、好ましくは20本以上のカーボンナノチューブを取り出してSEMあるいはTEMによって測定し、層数および層数分布を評価すれば良い。
上記カーボンナノチューブの層数の最大層数は、好ましくは1層〜20層であり、より好ましくは2層〜15層であり、さらに好ましくは3層〜10層である。
上記カーボンナノチューブの層数の最小層数は、好ましくは1層〜10層であり、より好ましくは1層〜5層である。
上記カーボンナノチューブの層数の最大層数と最小層数が上記範囲内にあることにより、該カーボンナノチューブは一層優れた機械的特性および高い比表面積を兼ね備えることができ、さらには、該カーボンナノチューブは一層優れた粘着特性を示すカーボンナノチューブ集合体プローブとなり得る。したがって、このようなカーボンナノチューブ集合体プローブを用いたカーボンナノチューブマイクロプローブは、金属化合物の被覆により形成される被覆層を備えることにより、異物表面を一層汚染することなく、非常に微細な粒子を一層効果的にピックアップでき、粒子のピックアップ後にそのまま分析装置内で分析評価を容易に行うことができ、さらに、プローブ自体が屈曲してしまわないような剛直性を一層備え、使用に際して、プローブ自体が容易にちぎれて飛散することを一層抑制し得る。
上記層数分布の最頻値の相対頻度は、30%以上であり、好ましくは30%〜100%であり、より好ましくは30%〜90%であり、さらに好ましくは30%〜80%であり、特に好ましくは30%〜70%である。上記層数分布の最頻値の相対頻度が上記範囲内にあることにより、該カーボンナノチューブは優れた機械的特性および高い比表面積を兼ね備えることができ、さらには、該カーボンナノチューブは優れた粘着特性を示すカーボンナノチューブ集合体プローブとなり得る。したがって、このようなカーボンナノチューブ集合体プローブを用いたカーボンナノチューブマイクロプローブは、金属化合物の被覆により形成される被覆層を備えることにより、異物表面を一層汚染することなく、非常に微細な粒子を一層効果的にピックアップでき、粒子のピックアップ後にそのまま分析装置内で分析評価を容易に行うことができ、さらに、プローブ自体が屈曲してしまわないような剛直性を一層備え、使用に際して、プローブ自体が容易にちぎれて飛散することを一層抑制し得る。
上記層数分布の最頻値は、層数10層以下に存在し、好ましくは層数1層から層数10層に存在し、より好ましくは層数2層から層数8層に存在し、さらに好ましくは層数2層から層数6層に存在する。本発明において、上記層数分布の最頻値が上記範囲内にあることにより、該カーボンナノチューブは優れた機械的特性および高い比表面積を兼ね備えることができ、さらには、該カーボンナノチューブは優れた粘着特性を示すカーボンナノチューブ集合体プローブとなり得る。したがって、このようなカーボンナノチューブ集合体プローブを用いたカーボンナノチューブマイクロプローブは、金属化合物の被覆により形成される被覆層を備えることにより、異物表面を一層汚染することなく、非常に微細な粒子を一層効果的にピックアップでき、粒子のピックアップ後にそのまま分析装置内で分析評価を容易に行うことができ、さらに、プローブ自体が屈曲してしまわないような剛直性を一層備え、使用に際して、プローブ自体が容易にちぎれて飛散することを一層抑制し得る。
≪カーボンナノチューブ集合体プローブの製造方法≫
本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブが有するカーボンナノチューブ集合体プローブの製造方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。
本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブが有するカーボンナノチューブ集合体プローブの製造方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。
本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブが有するカーボンナノチューブ集合体プローブの製造方法としては、例えば、平滑な基板の上に触媒層を構成し、熱、プラズマなどにより触媒を活性化させた状態で炭素源を充填し、カーボンナノチューブを成長させる、化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition:CVD法)によって、基板からほぼ垂直に配向したカーボンナノチューブ集合体を製造する方法が挙げられる。この場合、例えば、基板を取り除けば、長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体プローブが得られる。
上記基板としては、任意の適切な基板を採用し得る。例えば、平滑性を有し、カーボンナノチューブの製造に耐え得る高温耐熱性を有する材料が挙げられる。このような材料としては、例えば、石英ガラス、シリコン(シリコンウェハなど)、アルミニウムなどの金属板などが挙げられる。上記基板は、そのまま、本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブが含み得る軸状基材として用いることができる。
本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブが有するカーボンナノチューブ集合体プローブを製造するための装置としては、任意の適切な装置を採用し得る。例えば、熱CVD装置としては、図3に示すような、筒型の反応容器を抵抗加熱式の電気管状炉で囲んで構成されたホットウォール型などが挙げられる。その場合、反応容器としては、例えば、耐熱性の石英管などが好ましく用いられる。
本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブが有するカーボンナノチューブ集合体プローブの製造に用い得る触媒(触媒層の材料)としては、任意の適切な触媒を用い得る。例えば、鉄、コバルト、ニッケル、金、白金、銀、銅などの金属触媒が挙げられる。
本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブが有するカーボンナノチューブ集合体プローブを製造する際、必要に応じて、基板と触媒層の中間にアルミナ/親水性膜を設けても良い。
アルミナ/親水性膜の作製方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。例えば、基板の上にSiO2膜を作製し、Alを蒸着後、450℃まで昇温して酸化させることにより得られる。このような作製方法によれば、Al2O3が親水性のSiO2膜と相互作用し、Al2O3を直接蒸着したものよりも粒子径の異なるAl2O3面が形成される。基板の上に、親水性膜を作製することを行わずに、Alを蒸着後に450℃まで昇温して酸化させても、粒子径の異なるAl2O3面が形成され難いおそれがある。また、基板の上に、親水性膜を作製し、Al2O3を直接蒸着しても、粒子径の異なるAl2O3面が形成され難いおそれがある。
本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブが有するカーボンナノチューブ集合体プローブの製造に用い得る触媒層の厚みは、微粒子を形成させるため、好ましくは0.01nm〜20nmであり、より好ましくは0.1nm〜10nmである。本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブが有するカーボンナノチューブ集合体プローブの製造に用い得る触媒層の厚みが上記範囲内にあることによって、該カーボンナノチューブ集合体プローブは優れた機械的特性および高い比表面積を兼ね備えることができ、さらには、該カーボンナノチューブ集合体プローブは優れた粘着特性を示し得る。したがって、このようなカーボンナノチューブ集合体プローブを用いたカーボンナノチューブマイクロプローブは、粒子をピックアップする際に物理的応力を加える必要が一層なく、粒子のピックアップにあたって異物表面を汚染することが一層なく、非常に微細な粒子を効果的にピックアップすることが一層可能となり、粒子のピックアップ後にそのまま分析装置内で分析評価を行うことが一層容易にできる。
触媒層の形成方法は、任意の適切な方法を採用し得る。例えば、金属触媒をEB(電子ビーム)、スパッタなどにより蒸着する方法、金属触媒微粒子の懸濁液を基板上に塗布する方法などが挙げられる。
触媒層は、好ましくは、その形成後に、フォトリソグラフィ加工によって、任意の適切な直径のパターンに加工しても良い。このようなフォトリソグラフィ加工により、最終的に、所望の直径を有するカーボンナノチューブ集合体プローブを製造することができる。
本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブが有するカーボンナノチューブ集合体プローブの製造に用い得る炭素源としては、任意の適切な炭素源を用い得る。例えば、メタン、エチレン、アセチレン、ベンゼンなどの炭化水素;メタノール、エタノールなどのアルコール;などが挙げられる。
本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブが有するカーボンナノチューブ集合体プローブの製造における製造温度としては、任意の適切な温度を採用し得る。たとえば、本発明の効果を十分に発現し得る触媒粒子を形成させるため、好ましくは400℃〜1000℃であり、より好ましくは500℃〜900℃であり、さらに好ましくは600℃〜800℃である。
≪カーボンナノチューブマイクロプローブの製造方法≫
本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブは、カーボンナノチューブ集合体プローブの表面の少なくとも側面部を金属化合物によって被覆して製造される。
本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブは、カーボンナノチューブ集合体プローブの表面の少なくとも側面部を金属化合物によって被覆して製造される。
カーボンナノチューブ集合体プローブの表面の少なくとも側面部を金属化合物によって被覆する方法としては、例えば、蒸着法、スパッタなどが挙げられる。被覆膜の粒子の微細さの点で、好ましくはスパッタである。
蒸着法によってカーボンナノチューブ集合体プローブの表面の少なくとも側面部を金属化合物によって被覆する方法としては、具体的には、例えば、上述のような方法によって任意の適切な基板上に形成させた複数のカーボンナノチューブ集合体プローブの片面側(基板と反対側の面側)から、蒸着法によって、金属化合物をスパッタによって蒸着させる。蒸着条件は、形成させたい被覆層の厚み等によって適宜設定すれば良い。このようにして、カーボンナノチューブ集合体プローブの表面の少なくとも側面部に、被覆層が形成される。その後、基板からカーボンナノチューブ集合体プローブ(被覆層が形成されたもの)を剥離することにより、本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブを得ることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、各種評価や測定は、以下の方法により行った。また、特記しない限り、%は重量%を意味する。
<カーボンナノチューブの長さおよび直径の測定>
カーボンナノチューブの長さおよび直径は、走査型電子顕微鏡(SEM)によって測定した。
カーボンナノチューブの長さおよび直径は、走査型電子顕微鏡(SEM)によって測定した。
<カーボンナノチューブの層数・層数分布の評価>
カーボンナノチューブの層数および層数分布は、走査型電子顕微鏡(SEM)および/または透過電子顕微鏡(TEM)によって測定した。得られたカーボンナノチューブ集合体シートの中から少なくとも10本以上、好ましくは20本以上のカーボンナノチューブをSEMおよび/またはTEMにより観察し、各カーボンナノチューブの層数を調べ、層数分布を作成した。
カーボンナノチューブの層数および層数分布は、走査型電子顕微鏡(SEM)および/または透過電子顕微鏡(TEM)によって測定した。得られたカーボンナノチューブ集合体シートの中から少なくとも10本以上、好ましくは20本以上のカーボンナノチューブをSEMおよび/またはTEMにより観察し、各カーボンナノチューブの層数を調べ、層数分布を作成した。
<せん断接着力の測定>
ガラス(MATSUNAMI スライドガラス27mm×56mm)に、10mm単位面積に切り出したマイクロプローブ(カーボンナノチューブマイクロプローブなど)の先端(金属化合物の被覆により形成される被覆層を有する場合は、該被覆層を有する部分)の集合体に相当するシートが接触するように載置し、5kgのローラーを一往復させて飛行時間型二次イオン質量分析装置用試料固定部材の先端をガラスに圧着した。その後、30分間放置した。引張り試験機(Instro Tensil Tester)で引張速度50mm/minにて、室温(25℃)にてせん断試験を行い、得られたピークをせん断接着力とした。
ガラス(MATSUNAMI スライドガラス27mm×56mm)に、10mm単位面積に切り出したマイクロプローブ(カーボンナノチューブマイクロプローブなど)の先端(金属化合物の被覆により形成される被覆層を有する場合は、該被覆層を有する部分)の集合体に相当するシートが接触するように載置し、5kgのローラーを一往復させて飛行時間型二次イオン質量分析装置用試料固定部材の先端をガラスに圧着した。その後、30分間放置した。引張り試験機(Instro Tensil Tester)で引張速度50mm/minにて、室温(25℃)にてせん断試験を行い、得られたピークをせん断接着力とした。
<剛直性の評価>
プローブ形状の長さが80%相当になるまで高さ方向からマイクロプローブ(カーボンナノチューブマイクロプローブなど)を圧縮し、除荷した際のプローブの復元が90%以上であるかどうかを評価した。
評価は以下の基準で行った。
○:圧縮に対する復元が90%以上。
×:圧縮に対する復元が90%未満。
プローブ形状の長さが80%相当になるまで高さ方向からマイクロプローブ(カーボンナノチューブマイクロプローブなど)を圧縮し、除荷した際のプローブの復元が90%以上であるかどうかを評価した。
評価は以下の基準で行った。
○:圧縮に対する復元が90%以上。
×:圧縮に対する復元が90%未満。
<耐ちぎれ性の評価>
1対のタングステンプローブでマイクロプローブ(カーボンナノチューブマイクロプローブなど)を側面方向から圧着し、除荷した際にマイクロプローブ(カーボンナノチューブマイクロプローブなど)が裂けないかどうかを評価した。
評価は以下の基準で行った。
○:タングステンプローブを除荷した際にマイクロプローブ(カーボンナノチューブマイクロプローブなど)が裂けない。
×:タングステンプローブを除荷した際にマイクロプローブ(カーボンナノチューブマイクロプローブなど)が裂ける。
1対のタングステンプローブでマイクロプローブ(カーボンナノチューブマイクロプローブなど)を側面方向から圧着し、除荷した際にマイクロプローブ(カーボンナノチューブマイクロプローブなど)が裂けないかどうかを評価した。
評価は以下の基準で行った。
○:タングステンプローブを除荷した際にマイクロプローブ(カーボンナノチューブマイクロプローブなど)が裂けない。
×:タングステンプローブを除荷した際にマイクロプローブ(カーボンナノチューブマイクロプローブなど)が裂ける。
<粒子吸着性>
下記タングステンプローブ、プロービングシステムを用いて、タングステンプローブ先端にマイクロプローブ(カーボンナノチューブマイクロプローブなど)を固定した後、マイクロプローブ(カーボンナノチューブマイクロプローブなど)の先端に各粒径の粒子を接触させ、各粒径の粒子の吸着の可否を評価した。
タングステン針:株式会社マイクロサポート製「TP−010」
プロービング:株式会社マイクロサポート製「アクシスプロ(標準セット)」
マニピュレータ本体部:ストローク X=20mm、Y=20mm、Z=29mm
ツールホルダー取付部:φ4mm、軸360°、回転可
セカンドステージ:ストローク X=4mm、Y=4mm
制御部:専用コントローラー・専用ソフトウェア「Axis Pro Ver.1.00
制御部専用PC OS:Windows(登録商標) XP Pro SP2
制御部モニタ:17型TFTカラーモニタ1677色
評価は以下の基準で行った。
○:マイクロプローブ(カーボンナノチューブマイクロプローブなど)に接触させた際に粒子をピックアップすることが可能。
×:マイクロプローブ(カーボンナノチューブマイクロプローブなど)に接触させた際に粒子をピックアップすることが不可。
下記タングステンプローブ、プロービングシステムを用いて、タングステンプローブ先端にマイクロプローブ(カーボンナノチューブマイクロプローブなど)を固定した後、マイクロプローブ(カーボンナノチューブマイクロプローブなど)の先端に各粒径の粒子を接触させ、各粒径の粒子の吸着の可否を評価した。
タングステン針:株式会社マイクロサポート製「TP−010」
プロービング:株式会社マイクロサポート製「アクシスプロ(標準セット)」
マニピュレータ本体部:ストローク X=20mm、Y=20mm、Z=29mm
ツールホルダー取付部:φ4mm、軸360°、回転可
セカンドステージ:ストローク X=4mm、Y=4mm
制御部:専用コントローラー・専用ソフトウェア「Axis Pro Ver.1.00
制御部専用PC OS:Windows(登録商標) XP Pro SP2
制御部モニタ:17型TFTカラーモニタ1677色
評価は以下の基準で行った。
○:マイクロプローブ(カーボンナノチューブマイクロプローブなど)に接触させた際に粒子をピックアップすることが可能。
×:マイクロプローブ(カーボンナノチューブマイクロプローブなど)に接触させた際に粒子をピックアップすることが不可。
〔実施例1〕
基板としてのシリコンウェハ(シリコンテクノロジー製)上に、スパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)により、アルミ薄膜(厚み10nm)を形成した。このアルミナ薄膜上に、さらにスパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)にてFe薄膜(厚み0.35nm)を蒸着した。その後、フォトリソグラフィ加工により、直径5μmにパターン化した。
その後、この基板を30mmφの石英管内に載置し、水分600ppmに保ったヘリウム/水素(90/50sccm)混合ガスを石英管内に30分間流して、管内を置換した。その後、電気管状炉を用いて管内を765℃まで昇温させ、765℃にて安定させた。765℃にて温度を保持したまま、ヘリウム/水素/エチレン(85/50/5sccm、水分率600ppm)混合ガスを管内に充填させ、30秒間放置してカーボンナノチューブを基板上に成長させ、複数のカーボンナノチューブを備え、該カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体プローブ(1)を該基板上に複数得た。
カーボンナノチューブ集合体プローブ(1)の長さは15μmであり、直径は5μmであった。
カーボンナノチューブ集合体プローブ(1)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、最頻値は1層に存在し、相対頻度は61%であった。
基板上に形成させた複数のカーボンナノチューブ集合体プローブ(1)の基板とは反対側の面から、スパッタすることによって、厚みが5nmのITOの被覆層をカーボンナノチューブ集合体プローブの側面と表面に形成させた。その後、基板を剥離して、ITOの被覆層を有するカーボンナノチューブ集合体プローブ(1)を得た。
タングステン針(株式会社マイクロサポート製、TP−010、先端直径=10μm)の平滑断面に、銀ペースト(ドータイトD362、藤倉化成株式会社製)を用いて、得られたカーボンナノチューブ集合体プローブ(1)の基板を剥離した側と反対側を接着し、カーボンナノチューブマイクロプローブ(1)を作成した。
評価結果を表1に示す。
基板としてのシリコンウェハ(シリコンテクノロジー製)上に、スパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)により、アルミ薄膜(厚み10nm)を形成した。このアルミナ薄膜上に、さらにスパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)にてFe薄膜(厚み0.35nm)を蒸着した。その後、フォトリソグラフィ加工により、直径5μmにパターン化した。
その後、この基板を30mmφの石英管内に載置し、水分600ppmに保ったヘリウム/水素(90/50sccm)混合ガスを石英管内に30分間流して、管内を置換した。その後、電気管状炉を用いて管内を765℃まで昇温させ、765℃にて安定させた。765℃にて温度を保持したまま、ヘリウム/水素/エチレン(85/50/5sccm、水分率600ppm)混合ガスを管内に充填させ、30秒間放置してカーボンナノチューブを基板上に成長させ、複数のカーボンナノチューブを備え、該カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体プローブ(1)を該基板上に複数得た。
カーボンナノチューブ集合体プローブ(1)の長さは15μmであり、直径は5μmであった。
カーボンナノチューブ集合体プローブ(1)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、最頻値は1層に存在し、相対頻度は61%であった。
基板上に形成させた複数のカーボンナノチューブ集合体プローブ(1)の基板とは反対側の面から、スパッタすることによって、厚みが5nmのITOの被覆層をカーボンナノチューブ集合体プローブの側面と表面に形成させた。その後、基板を剥離して、ITOの被覆層を有するカーボンナノチューブ集合体プローブ(1)を得た。
タングステン針(株式会社マイクロサポート製、TP−010、先端直径=10μm)の平滑断面に、銀ペースト(ドータイトD362、藤倉化成株式会社製)を用いて、得られたカーボンナノチューブ集合体プローブ(1)の基板を剥離した側と反対側を接着し、カーボンナノチューブマイクロプローブ(1)を作成した。
評価結果を表1に示す。
〔実施例2〕
基板としてのシリコンウェハ(シリコンテクノロジー製)上に、スパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)により、アルミナ薄膜(厚み20nm)を形成した。このアルミナ薄膜上に、さらにスパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)にてFe薄膜(厚み1.0nm)を蒸着した。その後、フォトリソグラフィ加工により、直径5μmにパターン化した。
その後、この基板を30mmφの石英管内に載置し、水分600ppmに保ったヘリウム/水素(90/50sccm)混合ガスを石英管内に30分間流して、管内を置換した。その後、電気管状炉を用いて管内を765℃まで昇温させ、765℃にて安定させた。765℃にて温度を保持したまま、ヘリウム/水素/エチレン(85/50/5sccm、水分率600ppm)混合ガスを管内に充填させ、30秒間放置してカーボンナノチューブを基板上に成長させ、複数のカーボンナノチューブを備え、該カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体プローブ(2)を該基板上に複数得た。
カーボンナノチューブ集合体プローブ(2)の長さは15μmであり、直径は5μmであった。
カーボンナノチューブ集合体プローブ(2)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、最頻値は2層に存在し、相対頻度は75%であった。
基板上に形成させた複数のカーボンナノチューブ集合体プローブ(2)の基板とは反対側の面から、スパッタすることによって、厚みが10nmのITOの被覆層をカーボンナノチューブ集合体プローブの側面と表面に形成させた。その後、基板を剥離して、ITOの被覆層を有するカーボンナノチューブ集合体プローブ(2)を得た。
タングステン針(株式会社マイクロサポート製、TP−010、先端直径=10μm)の平滑断面に、銀ペースト(ドータイトD362、藤倉化成株式会社製)を用いて、得られたカーボンナノチューブ集合体プローブ(2)の基板を剥離した側と反対側を接着し、カーボンナノチューブマイクロプローブ(2)を作成した。
評価結果を表1に示す。
基板としてのシリコンウェハ(シリコンテクノロジー製)上に、スパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)により、アルミナ薄膜(厚み20nm)を形成した。このアルミナ薄膜上に、さらにスパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)にてFe薄膜(厚み1.0nm)を蒸着した。その後、フォトリソグラフィ加工により、直径5μmにパターン化した。
その後、この基板を30mmφの石英管内に載置し、水分600ppmに保ったヘリウム/水素(90/50sccm)混合ガスを石英管内に30分間流して、管内を置換した。その後、電気管状炉を用いて管内を765℃まで昇温させ、765℃にて安定させた。765℃にて温度を保持したまま、ヘリウム/水素/エチレン(85/50/5sccm、水分率600ppm)混合ガスを管内に充填させ、30秒間放置してカーボンナノチューブを基板上に成長させ、複数のカーボンナノチューブを備え、該カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体プローブ(2)を該基板上に複数得た。
カーボンナノチューブ集合体プローブ(2)の長さは15μmであり、直径は5μmであった。
カーボンナノチューブ集合体プローブ(2)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、最頻値は2層に存在し、相対頻度は75%であった。
基板上に形成させた複数のカーボンナノチューブ集合体プローブ(2)の基板とは反対側の面から、スパッタすることによって、厚みが10nmのITOの被覆層をカーボンナノチューブ集合体プローブの側面と表面に形成させた。その後、基板を剥離して、ITOの被覆層を有するカーボンナノチューブ集合体プローブ(2)を得た。
タングステン針(株式会社マイクロサポート製、TP−010、先端直径=10μm)の平滑断面に、銀ペースト(ドータイトD362、藤倉化成株式会社製)を用いて、得られたカーボンナノチューブ集合体プローブ(2)の基板を剥離した側と反対側を接着し、カーボンナノチューブマイクロプローブ(2)を作成した。
評価結果を表1に示す。
〔実施例3〕
基板としての酸化膜付シリコンウェハ(シリコンテクノロジー製)上に、スパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)により、アルミ薄膜(厚み10nm)を形成した。アルミを450℃×30minで酸化させアルミナ薄膜とした。このアルミナ薄膜上に、さらにスパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)にてFe薄膜(厚み2.0nm)を蒸着した。その後、フォトリソグラフィ加工により、直径5μmにパターン化した。
その後、この基板を30mmφの石英管内に載置し、水分600ppmに保ったヘリウム/水素(90/50sccm)混合ガスを石英管内に30分間流して、管内を置換した。その後、電気管状炉を用いて管内を765℃まで昇温させ、765℃にて安定させた。765℃にて温度を保持したまま、ヘリウム/水素/エチレン(85/50/5sccm、水分率600ppm)混合ガスを管内に充填させ、30秒間放置してカーボンナノチューブを基板上に成長させ、複数のカーボンナノチューブを備え、該カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体プローブ(3)を該基板上に複数得た。
カーボンナノチューブ集合体プローブ(3)の長さは15μmであり、直径は5μmであった。
カーボンナノチューブ集合体プローブ(3)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において層数分布の分布幅は17層(4層〜20層)であり、最頻値は4層と8層に存在し、相対頻度はそれぞれ20%と20%であった。
基板上に形成させた複数のカーボンナノチューブ集合体プローブ(3)の基板とは反対側の面から、スパッタすることによって、厚みが30nmのITOの被覆層をカーボンナノチューブ集合体プローブの側面と表面に形成させた。その後、基板を剥離して、ITOの被覆層を有するカーボンナノチューブ集合体プローブ(3)を得た。
タングステン針(株式会社マイクロサポート製、TP−010、先端直径=10μm)の平滑断面に、銀ペースト(ドータイトD362、藤倉化成株式会社製)を用いて、得られたカーボンナノチューブ集合体プローブ(3)の基板を剥離した側と反対側を接着し、カーボンナノチューブマイクロプローブ(3)を作成した。
評価結果を表1に示す。
基板としての酸化膜付シリコンウェハ(シリコンテクノロジー製)上に、スパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)により、アルミ薄膜(厚み10nm)を形成した。アルミを450℃×30minで酸化させアルミナ薄膜とした。このアルミナ薄膜上に、さらにスパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)にてFe薄膜(厚み2.0nm)を蒸着した。その後、フォトリソグラフィ加工により、直径5μmにパターン化した。
その後、この基板を30mmφの石英管内に載置し、水分600ppmに保ったヘリウム/水素(90/50sccm)混合ガスを石英管内に30分間流して、管内を置換した。その後、電気管状炉を用いて管内を765℃まで昇温させ、765℃にて安定させた。765℃にて温度を保持したまま、ヘリウム/水素/エチレン(85/50/5sccm、水分率600ppm)混合ガスを管内に充填させ、30秒間放置してカーボンナノチューブを基板上に成長させ、複数のカーボンナノチューブを備え、該カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体プローブ(3)を該基板上に複数得た。
カーボンナノチューブ集合体プローブ(3)の長さは15μmであり、直径は5μmであった。
カーボンナノチューブ集合体プローブ(3)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において層数分布の分布幅は17層(4層〜20層)であり、最頻値は4層と8層に存在し、相対頻度はそれぞれ20%と20%であった。
基板上に形成させた複数のカーボンナノチューブ集合体プローブ(3)の基板とは反対側の面から、スパッタすることによって、厚みが30nmのITOの被覆層をカーボンナノチューブ集合体プローブの側面と表面に形成させた。その後、基板を剥離して、ITOの被覆層を有するカーボンナノチューブ集合体プローブ(3)を得た。
タングステン針(株式会社マイクロサポート製、TP−010、先端直径=10μm)の平滑断面に、銀ペースト(ドータイトD362、藤倉化成株式会社製)を用いて、得られたカーボンナノチューブ集合体プローブ(3)の基板を剥離した側と反対側を接着し、カーボンナノチューブマイクロプローブ(3)を作成した。
評価結果を表1に示す。
〔実施例4〕
基板としてのシリコンウェハ(シリコンテクノロジー製)上に、スパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)により、アルミナ薄膜(厚み20nm)を形成した。このアルミナ薄膜上に、さらにスパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)にてFe薄膜(厚み2.0nm)を蒸着した。その後、フォトリソグラフィ加工により、直径5μmにパターン化した。
その後、この基板を30mmφの石英管内に載置し、水分600ppmに保ったヘリウム/水素(90/50sccm)混合ガスを石英管内に30分間流して、管内を置換した。その後、電気管状炉を用いて管内を765℃まで昇温させ、765℃にて安定させた。765℃にて温度を保持したまま、ヘリウム/水素/エチレン(85/50/5sccm、水分率600ppm)混合ガスを管内に充填させ、30秒間放置してカーボンナノチューブを基板上に成長させ、複数のカーボンナノチューブを備え、該カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体プローブ(4)を該基板上に複数得た。
カーボンナノチューブ集合体プローブ(4)の長さは15μmであり、直径は5μmであった。
カーボンナノチューブ集合体プローブ(4)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、最頻値は3層に存在し、相対頻度は72であった。
基板上に形成させた複数のカーボンナノチューブ集合体プローブ(4)の基板とは反対側の面から、スパッタすることによって、厚みが30nmのCuの被覆層をカーボンナノチューブ集合体プローブの側面と表面に形成させた。その後、基板を剥離して、Cuの被覆層を有するカーボンナノチューブ集合体プローブ(4)を得た。
タングステン針(株式会社マイクロサポート製、TP−010、先端直径=10μm)の平滑断面に、銀ペースト(ドータイトD362、藤倉化成株式会社製)を用いて、得られたカーボンナノチューブ集合体プローブ(4)の基板を剥離した側と反対側を接着し、カーボンナノチューブマイクロプローブ(4)を作成した。
評価結果を表1に示す。
基板としてのシリコンウェハ(シリコンテクノロジー製)上に、スパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)により、アルミナ薄膜(厚み20nm)を形成した。このアルミナ薄膜上に、さらにスパッタ装置(ULVAC製、RFS−200)にてFe薄膜(厚み2.0nm)を蒸着した。その後、フォトリソグラフィ加工により、直径5μmにパターン化した。
その後、この基板を30mmφの石英管内に載置し、水分600ppmに保ったヘリウム/水素(90/50sccm)混合ガスを石英管内に30分間流して、管内を置換した。その後、電気管状炉を用いて管内を765℃まで昇温させ、765℃にて安定させた。765℃にて温度を保持したまま、ヘリウム/水素/エチレン(85/50/5sccm、水分率600ppm)混合ガスを管内に充填させ、30秒間放置してカーボンナノチューブを基板上に成長させ、複数のカーボンナノチューブを備え、該カーボンナノチューブが長さ方向に配向しているカーボンナノチューブ集合体プローブ(4)を該基板上に複数得た。
カーボンナノチューブ集合体プローブ(4)の長さは15μmであり、直径は5μmであった。
カーボンナノチューブ集合体プローブ(4)が備えるカーボンナノチューブの層数分布において、最頻値は3層に存在し、相対頻度は72であった。
基板上に形成させた複数のカーボンナノチューブ集合体プローブ(4)の基板とは反対側の面から、スパッタすることによって、厚みが30nmのCuの被覆層をカーボンナノチューブ集合体プローブの側面と表面に形成させた。その後、基板を剥離して、Cuの被覆層を有するカーボンナノチューブ集合体プローブ(4)を得た。
タングステン針(株式会社マイクロサポート製、TP−010、先端直径=10μm)の平滑断面に、銀ペースト(ドータイトD362、藤倉化成株式会社製)を用いて、得られたカーボンナノチューブ集合体プローブ(4)の基板を剥離した側と反対側を接着し、カーボンナノチューブマイクロプローブ(4)を作成した。
評価結果を表1に示す。
〔比較例1〕
スパッタ蒸着を行わない以外は、実施例1と同様に行い、カーボンナノチューブマイクロプローブ(C1)を作成した。
評価結果を表1に示す。
スパッタ蒸着を行わない以外は、実施例1と同様に行い、カーボンナノチューブマイクロプローブ(C1)を作成した。
評価結果を表1に示す。
〔比較例2〕
タングステン針(株式会社マイクロサポート製「TP−010」)をマイクロプローブ(C2)とした。
評価結果を表1に示す。
タングステン針(株式会社マイクロサポート製「TP−010」)をマイクロプローブ(C2)とした。
評価結果を表1に示す。
〔比較例3〕
ガラスマイクロサンプリングツール(株式会社マイクロサポート製「MST−005」)をマイクロプローブ(C3)とした。
評価結果を表1に示す。
ガラスマイクロサンプリングツール(株式会社マイクロサポート製「MST−005」)をマイクロプローブ(C3)とした。
評価結果を表1に示す。
表1に示すように、本発明によれば、非常に微細な粒子等を吸着してピックアップできるマイクロプローブであって、異物表面を汚染することなく、非常に微細な粒子を効果的にピックアップでき、粒子のピックアップ後にそのまま分析装置内で分析評価を行うことができ、さらに、プローブ自体が屈曲してしまわないような剛直性を備え、使用に際して、プローブ自体が容易にちぎれて飛散しないようなマイクロプローブを提供することができる。
[実施例5]
実施例1で得られたカーボンナノチューブマイクロプローブは、粒子のピックアップ後に、そのまま分析装置内において同じ状態を維持することができた。
このことにより、実施例で得られたカーボンナノチューブマイクロプローブは、粒子のピックアップ後にそのまま分析装置内で分析評価を行うことができることが判る。
実施例1で得られたカーボンナノチューブマイクロプローブは、粒子のピックアップ後に、そのまま分析装置内において同じ状態を維持することができた。
このことにより、実施例で得られたカーボンナノチューブマイクロプローブは、粒子のピックアップ後にそのまま分析装置内で分析評価を行うことができることが判る。
本発明のカーボンナノチューブマイクロプローブは、例えば、分析用途などにおいて、分析対象物の表面に点在する微細粒子を効果的にピックアップして分析装置内に運び込んで分析評価するため等に好適に用いられる。
1000 カーボンナノチューブマイクロプローブ
100 カーボンナノチューブ集合体プローブ
10 カーボンナノチューブ
10a カーボンナノチューブの片端
20 金属化合物
30 軸状基材
30a 軸状基材の断面側表面
100 カーボンナノチューブ集合体プローブ
10 カーボンナノチューブ
10a カーボンナノチューブの片端
20 金属化合物
30 軸状基材
30a 軸状基材の断面側表面
Claims (7)
- 複数のカーボンナノチューブを備えるカーボンナノチューブ集合体プローブを有し、
該カーボンナノチューブ集合体プローブの表面の少なくとも側面部が金属化合物によって被覆されており、
該金属化合物の被覆により形成される被覆層の厚みが1nm〜30nmである、
カーボンナノチューブマイクロプローブ。 - 先端部分の室温におけるガラス面に対するせん断接着力が1.0N/cm2以上である、請求項1に記載のカーボンナノチューブマイクロプローブ。
- 前記カーボンナノチューブ集合体プローブの直径が10μm以下である、請求項1または2に記載のカーボンナノチューブマイクロプローブ。
- 前記カーボンナノチューブ集合体プローブの長さが300μm以下である、請求項1から3までのいずれかに記載のカーボンナノチューブマイクロプローブ。
- 前記カーボンナノチューブが複数層を有し、該カーボンナノチューブの層数分布の分布幅が10層以上であり、該層数分布の最頻値の相対頻度が25%以下である、請求項1から4までのいずれかに記載のカーボンナノチューブマイクロプローブ。
- 前記カーボンナノチューブが複数層を有し、該カーボンナノチューブの層数分布の最頻値が層数10層以下に存在し、該最頻値の相対頻度が30%以上である、請求項1から4までのいずれかに記載のカーボンナノチューブマイクロプローブ。
- 軸状基材上に前記カーボンナノチューブ集合体プローブが設けられている、請求項1から6までのいずれかに記載のカーボンナノチューブマイクロプローブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013170892A JP2015040141A (ja) | 2013-08-21 | 2013-08-21 | カーボンナノチューブマイクロプローブ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013170892A JP2015040141A (ja) | 2013-08-21 | 2013-08-21 | カーボンナノチューブマイクロプローブ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015040141A true JP2015040141A (ja) | 2015-03-02 |
Family
ID=52694501
Family Applications (1)
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JP2013170892A Pending JP2015040141A (ja) | 2013-08-21 | 2013-08-21 | カーボンナノチューブマイクロプローブ |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2015040141A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN117825355A (zh) * | 2024-01-05 | 2024-04-05 | 中国矿业大学 | 一种基于ses的表面污染中金属颗粒含量的测量方法 |
-
2013
- 2013-08-21 JP JP2013170892A patent/JP2015040141A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN117825355A (zh) * | 2024-01-05 | 2024-04-05 | 中国矿业大学 | 一种基于ses的表面污染中金属颗粒含量的测量方法 |
CN117825355B (zh) * | 2024-01-05 | 2024-06-07 | 中国矿业大学 | 一种基于ses的表面污染中金属颗粒含量的测量方法 |
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