JP2015039703A - 鋳型製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形型を複雑な構造にする必要がない鋳型製造装置を提供する。
【解決手段】注入口1を設けた成形型2と、粘結剤コーテッドサンド3を注入口1から成形型2内に注入して充填するサンド供給ヘッド4と、成形型2内に注入口1から水蒸気を吹き込んで粘結剤コーテッドサンド3を固化乃至硬化させる水蒸気供給ヘッド5を備える。粘結剤コーテッドサンド3を補給する位置と、粘結剤コーテッドサンド3を注入する成形型2の直上位置の間でサンド供給ヘッド4を横移動するサンドヘッド横移動装置6と、成形型2を型開きする際に注入口1に差し込んで、注入口1内の粘結剤コーテッドサンド3を排出する押出しピン7を備える。押出しピン7をサンド供給ヘッド4と一体的に連結し、サンドヘッド横移動装置6でサンド供給ヘッド4を粘結剤コーテッドサンド3の補給位置に移動させた際に押出しピン7を注入口1に差し込む成形型2の直上位置に移動させるようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、鋳造に用いられる鋳型の製造装置、特に水蒸気による加熱で鋳型の造型を行なうようにした鋳型の製造装置に関するものである。
現在使用されている鋳型は一般に、生砂型、高圧造型、高速造型など粘土類等を粘結剤として用いる普通鋳型と、熱硬化性鋳型、自硬性鋳型、ガス硬化鋳型、精密鋳造用鋳型など硬化性粘結剤を用いる特殊鋳型と、その他の鋳型とに分類される。
これらの鋳型には一長一短があるが、鋳型を製造する際に高温の加熱が必要であったり、粘結剤の硬化に時間を要して短時間で安定して鋳型を製造することが難しかったり、鋳型を製造する際に有毒ガスが発生するおそれがあったりするなどの問題を有することが多い。
そこで、粘結剤を耐火骨材に混合して調製される粘結剤コーテッドサンド(いわゆるレジンコーテッドサンド)を成形型内に充填し、この成形型内に水蒸気を吹き込んで粘結剤コーテッドサンドを加熱することによって、粘結剤を固化乃至硬化させ、耐火骨材を粘結剤で結合して形成される鋳型を製造する方法が提案されている。すなわち、水蒸気は高い凝縮潜熱を有するので、粘結剤コーテッドサンドを充填した型内に水蒸気を吹き込むことによって、水蒸気が粘結剤コーテッドサンドに接する際にこの潜熱が伝達され、粘結剤コーテッドサンドを瞬時に加熱して粘結剤を固化乃至硬化させることができるものである。従って、成形型を高温に加熱しておく必要なく、安定して短時間で鋳型を製造することができると共に、有毒ガスの発生も低減することができるのである(特許文献1等参照)。
このように水蒸気による加熱で鋳型の造型を行なうにあたって、鋳型製造装置としては、鋳型を造型する成形型の他に、成形型に粘結剤コーテッドサンドを供給する機構と、成形型に水蒸気を吹き込む機構とを備える必要があり、例えば特許文献2,3のような鋳型製造装置が提案されている。
特許第3563973号公報 特開2009−241094号公報 特開2009−241135号公報
上記の特許文献2,3で提案されている鋳型製造装置はいずれも、鋳型を造型する成形型に、粘結剤コーテッドサンドを供給する機構や、水蒸気を供給する機構を一体的に組み込んだものとして形成されている。
従って、これらのものでは、成形型の構造が複雑になるので、設備コストが高くなって実用性に欠けるものであり、また造型する鋳型の種類を切り換える際の成形型の交換が困難である等の問題を有するものであった。
また上記の特許文献2,3に記載されるような成形型を用いて鋳型を製造するにあたって、成形型には上面に設けた注入口から粘結剤コーテッドサンドを注入して充填し、さらにこの注入口から水蒸気を吹き込んで、成形型内の粘結剤コーテッドサンドを固化乃至硬化させることになる。そしてこの場合、成形型の注入口部分に充填されている粘結剤コーテッドサンドも水蒸気の作用で固化乃至硬化することになるが、注入口内が固化乃至硬化した粘結剤コーテッドサンドで詰まると、成形型を型開きして成形された鋳型を脱型するにあたって鋳型を成形型から取り出すことが困難になる。特に成形型が上型と下型から構成され、上下に割って型開きする水平割り型の場合、注入口は上型に設けられており、注入口の部分は型割りされないので、注入口内には固化乃至硬化した粘結剤コーテッドサンドが詰まったままになっている。
そこでこのような水平割りの成形型には、押出しピンを設けて、型開きする際に押出しピンを注入口に差し込み、注入口内に詰まった粘結剤コーテッドサンドを押し出して、成形型からの鋳型の脱型が容易に行なわれるようにしている。
従ってこの場合も、成形型に押出しピンと、押出しピンを作動させる機構を設ける必要があり、成形型の構造が複雑になって設備コストが高くなるという問題があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、成形型を複雑な構造にする必要がなく、また鋳型の製造サイクルの効率を高めることができる鋳型製造装置を提供することを目的とするものである。
本発明に係る鋳型製造装置は、上面に注入口1を設けた成形型2と、耐火物に粘結剤を被覆して調製される粘結剤コーテッドサンド3を注入口1から成形型2内に注入して充填するサンド供給ヘッド4と、粘結剤コーテッドサンド3が充填された成形型2内に注入口1から水蒸気を吹き込むことによって、水蒸気による加熱で粘結剤コーテッドサンド3の粘結剤を固化乃至硬化させる水蒸気供給ヘッド5とを具備した鋳型製造装置であって、サンド供給ヘッド4に粘結剤コーテッドサンド3を補給する位置と、注入口1に粘結剤コーテッドサンド3を注入する成形型2の直上位置との間でサンド供給ヘッド4を横移動させるサンドヘッド横移動装置6と、粘結剤コーテッドサンド3を固化乃至硬化させた後に成形型2を型開きする際に注入口1に差し込まれ、注入口1内の固化乃至硬化した粘結剤コーテッドサンド3を押出し排出する押出しピン7を備え、押出しピン7をサンド供給ヘッド4に一体的に連結して設けると共に、サンドヘッド横移動装置6でサンド供給ヘッド4を粘結剤コーテッドサンド3の補給位置に移動させた際に押出しピン7を注入口1に差し込む成形型2の直上位置に移動させるようにして成ることを特徴とするものである。
成形型2内への粘結剤コーテッドサンド3の充填は、サンド供給ヘッド4を成形型2に接続することによって行なうことができると共に、成形型2内への水蒸気の吹き込みは、水蒸気供給ヘッド5を成形型2に接続することによって行なうことができ、鋳型を造型する成形型2に粘結剤コーテッドサンド3を注入する機構や水蒸気を吹き込む機構を一体的に結合して設ける場合のような、特別な仕様の複雑な構造の成形型2を用いる必要がなくなるものである。
また、注入口1内の固化乃至硬化した粘結剤コーテッドサンド3を押出し排出する押出しピン7を備えるため、成形型2を型割りして成形した鋳型を脱型するにあたって、注入口1内の粘結剤コーテッドサンド3を排出した状態で鋳型を容易に取り出すことができるものである。
そして押出しピン7をサンド供給ヘッド4に一体的に連結して設けると共に、サンドヘッド横移動装置6でサンド供給ヘッド4を粘結剤コーテッドサンド3の補給位置に移動させた際に押出しピン7を注入口1に差し込む成形型2の直上位置に移動させるようにしているので、サンドヘッド横移動装置6でサンド供給ヘッド4の他に押出しピン7も移動させることができ、押出しピン7を移動させるための特別な装置を設ける必要がなくなるものである。しかもサンド供給ヘッド4を粘結剤コーテッドサンド3の補給位置に移動させた際に押出しピン7は注入口1に差し込む成形型2の直上位置に移動するものであり、サンド供給ヘッド4に粘結剤コーテッドサンド3を補給する工程と、成形型2の注入口1から結剤コーテッドサンド3を排出したり成形型2から鋳型を取り出したりする脱型工程を同時に行なうことができ、鋳型の成形のサイクルを短縮することが可能になるものである。
請求項2の発明は、上記成形型2は上下方向に分離させて型開きする水平割り型であることを特徴とするものである。
上下に割って型開きする水平割り型の場合、左右に割って型開きする縦割り型のように注入口1の部分は型割りされないので、注入口1内から固化乃至硬化した粘結剤コーテッドサンド3が抜け難くなるが、上記のように押出しピン7を具備することによって、注入口1内の粘結剤コーテッドサンド3を容易に押し出して排出することができ、成形型2から成形した鋳型を容易に脱型することができるものである。
請求項3の発明は、サンド横移動装置6の作動によって移動するサンド台車12と、サンド台車12に連結されて共に移動するピン台車13を備え、サンド台車12に上記サンド供給ヘッド4を設けると共にピン台車13に上記押出しピン7を設け、且つ、押出しピン7が成形型2の直上位置に移動したときに作動し、押出しピン7を下動させて押出しピン7を成形型2の注入口1に差し込ませるピン昇降装置11をピン台車13に設けて成ることを特徴とするものである。
サンド供給ヘッド4や押出しピン7はサンド台車12やピン台車13によってスムーズに移動させることができ、成形のサイクルを速めることが可能になるものである。また押出しピン7や押出しピン7を作動させるピン昇降装置11をピン台車13に設けることによって、成形型2からこれらを完全に分離させることができ、成形型2として複雑な構造のものを用いる必要がなくなるものである。
請求項4の発明は、上記サンド供給ヘッド4は上下動可能に形成されており、サンド供給ヘッド4が成形型2の直上位置に移動した際に作動し、サンド供給ヘッド4を押し下げて、サンド供給ヘッド4の粘結剤コーテッドサンド3を吐出するノズル口8を成形型2の注入口1に接続させるサンドヘッド昇降装置15を備えて成ることを特徴とするものである。
サンド供給ヘッド4はこのようにサンドヘッド昇降装置15で上下方向に移動すると共に上記したようにサンドヘッド横移動装置6で横方向に移動するものであり、成形型2と完全に独立した状態でサンド供給ヘッド4を移動させて成形型2への粘結剤コーテッドサンド3の供給を行なうことができるものであり、成形型2として複雑な構造のものを用いる必要がなくなるものである。
請求項5の発明は、成形型2内に水蒸気を吹き込む成形型2の直上位置と、成形型2から横に外れる位置との間で水蒸気供給ヘッド5を横移動させる蒸気ヘッド横移動装置16を備えて成ることを特徴とするものである。
水蒸気供給ヘッド5はこのように蒸気ヘッド横移動装置16で移動するものであり、成形型2と完全に独立した状態で水蒸気供給ヘッド5を移動させて成形型2への水蒸気の供給を行なうことができるものであり、成形型2として複雑な構造のものを用いる必要がなくなるものである。
請求項6の発明は、上記水蒸気供給ヘッド5は上下動可能に形成されており、上記のサンドヘッド昇降装置15は、水蒸気供給ヘッド5が成形型2の直上位置に移動したときに、サンド供給ヘッド4を押し下げることによってサンド供給ヘッド4で水蒸気供給ヘッド5を押えて押し下げ、水蒸気供給ヘッド4の水蒸気を吐出するノズル口9を成形型2の注入口1に密着させるものであることを特徴とするものである。
サンドヘッド昇降装置15により下動されるサンド供給ヘッド4で水蒸気供給ヘッド5を押し下げることによって、水蒸気供給ヘッド5のノズル口9を成形型2の注入口1に密着させて、ノズル口9と注入口1の隙間から水蒸気が漏れるようなことなく成形型2内に水蒸気吹き込むことができるものであり、水蒸気供給ヘッド5を押し下げるための駆動装置を別途設ける必要なく、サンド供給ヘッド4を下動させるためのサンドヘッド昇降装置15を利用して、水蒸気供給ヘッド5のノズル口9と成形型2の注入口1を密着させることができるものである。
請求項7の発明は、水蒸気を加熱して過熱水蒸気として水蒸気供給ヘッド5に供給する過熱器14を備えることを特徴とするものである。
過熱水蒸気は高温の乾き空気であって、成形型2内で水蒸気から凝縮水が過剰に生成されることが少なくなり、成形型2内の粘結剤コーテッドサンド3の温度上昇速度を速めることができ、鋳型の成形のサイクルを短縮することが可能になるものである。
請求項8の発明は、上記の水蒸気として温度120℃以上、水蒸気濃度10〜95%の高温高湿気体を用いることを特徴とするものである。
熱硬化性樹脂の粘結剤を表面に被覆した粘結剤コーテッドサンド3を充填した成形型内に、温度120℃以上、水蒸気濃度10〜95%の高温高湿気体を成形型内に通すことによって、高温高湿気体の顕熱と凝縮潜熱により粘結剤コーテッドサンド3の温度を上昇させることができ、さらに継続して成形型2内に通される高温高湿気体で加熱して成形型2内の凝縮水を蒸発させると共に粘結剤コーテッドサンド3の粘結剤を硬化させることができるものである。
そして、成形型2内に通す高温高湿気体は、温度が120℃以上、水蒸気濃度10〜95%であるので、高温高湿気体中の含有水分量は、従来から使用される水蒸気に比べると大幅に少ないものであって、成形型2内で生成される凝縮水の量が少なくなり、凝縮水を蒸発させるのに要する時間を短縮することができ、鋳型の成形時間を短くすることができるものである。
請求項9の発明は、上記の水蒸気として温度50〜500℃、水蒸気濃度10〜90%の高温高湿気体を用いることを特徴とするものである。
水分を吸収した湿潤状態で粘着作用が生じる固形の粘結剤を表面に被覆した粘結剤コーテッドサンド3を充填した成形型2内に温度50〜500℃、水蒸気濃度10〜90%の高温高湿気体を通すと、高温高湿気体は粘結剤コーテッドサンド3に接触して温度が低下し、高温高湿気体中の水蒸気が凝縮して生成される凝縮水が粘結剤に供給され、凝縮水の水分を吸収して粘着性が生じた粘結剤で粘結剤コーテッドサンド3の粒子同士を粘結させることができるものであり、次いで継続して成形型2に通される高温高湿気体により、成形型内の粘結剤コーテッドサンド3を加熱して、粘結剤に含有されている水分を蒸発させて粘結剤を固化させることができ、固化した粘結剤で粘結剤コーテッドサンド3の粒子を結合した鋳型を得ることができるものである。
そして成形型2内に通す高温高湿気体は、温度が50〜500℃、水蒸気濃度が10〜90%であるので、高温高湿気体中の含有水分量は、粘結剤を湿潤状態にして粘着作用を付与するのに十分であると共に、従来から使用される水蒸気に比べると大幅に少ないものであって、成形型2内で余分な凝縮水を多量に発生させることが少なくなくなり、凝縮水を蒸発させて粘結剤を乾燥固化させる時間を短縮することができ、鋳型の成形時間を短くすることができるものである。またこのように成形型内で余分な凝縮水が多量に生成されることがないので、粘結剤コーテッドサンド3の粘結剤が凝縮水で流されるようなことがなくなり、粘結剤が偏在するようなことなく均一な強度の鋳型を製造することができるものである。
請求項10の発明は、水蒸気を成形型2に吹き込んだ後、成形型2に加熱気体を供給して通す加熱気体供給装置17を備えることを特徴とするものである。
粘結剤コーテッドサンド3を充填した成形型2内に水蒸気を吹き込むことによって、水蒸気の凝縮潜熱により粘結剤コーテッドサンド3の温度を100℃近傍まで急速に上昇させることができると共に、次いで、加熱気体を成形2型内に吹き込むことによって、水蒸気より水分の少ない加熱気体で凝縮水を迅速に蒸発させることができ、短時間で100℃以上の温度に上昇させることができるものであり、粘結剤コーテッドサンド3の粘結剤が固化乃至硬化する温度以上にまで成形型2内の温度を上昇させる速度を速めることができるものであって、短時間の加熱で強度の高い鋳型を製造することができるものである。
本発明によれば、成形型2内への粘結剤コーテッドサンド3の充填は、サンド供給ヘッド4を成形型2に接続することによって行なうことができると共に、成形型2内への水蒸気の吹き込みは、水蒸気供給ヘッド5を成形型2に接続することによって行なうことができ、鋳型を造型する成形型2に粘結剤コーテッドサンド3を注入する機構や水蒸気を吹き込む機構を一体的に組み込んで設ける場合のような、特別な仕様の複雑な構造の成形型2を用いる必要がなくなると共に、成形型2は粘結剤コーテッドサンド3を注入する機構や水蒸気を吹き込む機構と独立して形成できるため、造型する鋳型の種類を切り換える際に成形型2を交換することが容易になるものである。
また、注入口1内の固化乃至硬化した粘結剤コーテッドサンド3を押出し排出する押出しピン7を備えるため、成形型2を型割りして鋳型を脱型するにあたって、注入口1内の粘結剤コーテッドサンド3を排出した状態で鋳型を容易に取り出すことができるものである。
そして押出しピン7をサンド供給ヘッド4に一体的に連結して設けると共に、サンドヘッド横移動装置6でサンド供給ヘッド4をサンド供給ヘッド4に粘結剤コーテッドサンド3を補給する位置に移動させた際に押出しピン7を注入口1に差し込む成形型2の直上位置に移動させるようにしているので、押出しピン7は成形型2とは独立して設けることができ、成形型2を複雑な構造に形成する必要がなくなるものであり、しかもサンド供給ヘッド4を粘結剤コーテッドサンド3の補給位置に移動させた際に押出しピン7は注入口1に差し込む成形型2の直上位置に移動するものであって、サンド供給ヘッド4に粘結剤コーテッドサンド3を補給する工程と、成形型2の注入口1から結剤コーテッドサンド3を排出したり成形型2から鋳型を取り出したりする脱型工程を同時に行なうことができ、鋳型の成形のサイクルを短縮することが可能になるものである。
本発明に係る鋳型製造装置の一例の全体構成を示す正面図である。 (a)は同上の一部の正面図、(b)は一部の平面図である。 (a)は同上のサンド供給ヘッドの部分を示す側面図、(b)は同上の押出しピンの部分を示す側面図である。 同上のサンド供給ヘッドの部分を示す正面図である。 (a)は同上のサンド供給ヘッドの部分の左側面図、(b)はサンド供給ヘッドの部分の右側面図である。 (a)は同上の押出しピンの部分の一部を破断した正面図、(b)は押出しピンの部分の側面図である。 (a)(b)はそれぞれ同上の水蒸気供給ヘッドの部分の正面図である。 同上の水蒸気供給ヘッドの部分の平面図である。 (a)は同上の成形型の斜視図、(b)は成形型の断面図、(c)は成形型の部分の側面図、(d)は成形型の部分の正面図である。 同上のサンド貯留槽とサンド供給ヘッドの部分の一部を破断した正面図である。 同上のサンド供給ヘッドと押え筒の部分の一部を破断した正面図である。 (a)は同上のサンド供給ヘッドの断面図、(b)はノズル口部分の拡大した断面図、(c)はノズル筒の拡大した断面図、(d)はノズル筒の拡大した平面図である。 (a)(b)は水蒸気供給ヘッドの部分の一部破断した側面図である。 (a)は水蒸気供給ヘッドの部分の断面図、(b)は水蒸気供給ヘッドの底面図である。 (a)(b)はそれぞれ水蒸気供給ヘッドの底面図である。 高温高湿気体を調製する装置を示すものであり、(a)乃至(d)はそれぞれ概略図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明に係る鋳型製造装置の一例の全体構成を示すものであり、31は装置躯体であって、基台32に立上り部33を立設すると共に立上り部33の上端に横長の水平な上支持体34を取り付けて形成してある。この装置躯体31に成形型2その他の各種の装置・部材を組み込むことによって、本発明の鋳型製造装置が形成されるものである。
成形型2は図9(a)(b)のように、上型2aと下型2bとを具備して形成されるものであり、上下に分離させて型割りする水平割り型として形成してある。上型2aと下型2bを型締めしたときに、上型2aと下型2bの間にキャビティ37が形成されるようにしてある。そして上型2aにはキャビティ37と連通する注入口1が形成してあり、注入口1は上型2aの上面で開口させてある。成形型2を左右に型開きする縦割り型として形成する場合、注入口1をパーティング面に形成して、型開きする際に注入口1の部分で型割りするようにすることが可能であるが、上型2aと下型2bを上下に分離させる水平割りの型では、上型2aに設けられる注入口1の部分で型割りすることはできない。図9の実施の形態では、上型2aの複数個所に注入口1を設けるようにしてある。
成形型2の下型2bは装置躯体31の基台32の上側に、上型2aは装置躯体31の上支持体34の下側にそれぞれ配置してある。基台32内には図1のように型開閉シリンダー装置38が設けてあり、この型開閉シリンダー装置38はシリンダーロッド38aが上方へ突出する上向き姿勢で配置してある。このシリンダーロッド38aの先端(上端)に下型支持台39が取り付けてあり、図9(c)(d)のように下型支持台39の上面に下型2bが脱着自在に取り付けてある。
上型2aは、上型2aの一部をなすことになる支持プレート40の下面に取り付けてあり、上型支持プレート40には上型2aの注入口1に対応する個所に孔が設けてあって、上型2aの注入口1はこの孔を通して上型支持プレート40の上面に開口するものである。上型支持プレート40は両側端に取付片41を立ち上げて設けることによって図9(c)のように上向き開口コ字型に形成してある。そして一端を図1のように装置躯体31の立上り部33に固定し、上面を図2(a)のように吊り支柱36で上支持体34に連結した一対の受け材35の下面にそれぞれこの取付片41を着脱自在に取り付けることによって、上型2aを上支持体34の下側に配置して取り付けてある(図3、図6等参照)。この上型2aは下型2bの直上方位置に配置されるものである。
そして型開閉シリンダー装置38を作動させてシリンダーロッド38aを上方へ突出させることによって、下型支持台39を上昇させて下型支持台39の上面の下型2bを上動させることができるものであり、下型2bの上方に配置されている上型2aに合致させて成形型2の型締めをすることができるものである。またこの状態から型開閉シリンダー装置38を作動させてシリンダーロッド38aを下方へ引っ込ませることによって、下型支持台39を下降させて下型2bを下動させることができるものであり、上型2aから下型2bを下方へ分離させて成形型2の型開きをすることができるものである。
成形型2の上型2aは上支持体34の長手方向の一方の端部位置の下側に配置してあり、上支持体34の他方の端部の上側にはサンド貯留槽10が設けてある。サンド貯留槽10は上面が開口するホッパーとして形成してあり、図2(a)に示すようにサンド貯留槽10の下部の排出筒47は上支持体34の下側に突出するようにしてある。サンド貯留槽10にはサンド搬入ダクト48で搬入される粘結剤コーテッドサンド3が貯留されており、図10に示すように、排出筒47の下端の排出口49はシャッター50で開閉されるようになっている。
シャッター50にはシャッター孔50aが設けてあり、シャッター開閉シリンダー装置51のシリンダーロッド51aの先端にシャッター50が取り付けてある。シャッター50は排出筒47の排出口49に接した状態で、シャッター開閉シリンダー装置51によって前後に往復移動されるようにしてある。そしてシャッター50のシャッター孔50aが排出口49に合致したときに排出口49は開口され、図10の矢印のように粘結剤コーテッドサンド3はシャッター孔50aを通過して自重でサンド貯留槽10の排出口49から排出される。またこの状態からシャッター開閉シリンダー装置51でシャッター50を前進させて、排出口49の位置からシャッター孔50aを外すことによって、シャッター50で排出口49を閉じることができ、サンド貯留槽10から粘結剤コーテッドサンド3が排出されないようにすることができる。通常状態では排出口49はシャッター50で閉じられている。
また装置躯体31の上支持体34の上型2aを配置した側の端部にはサンド吐出用シリンダー装置84が取り付けてある(図3(b)参照)。サンド吐出用シリンダー装置84はシリンダーロッド84aが下方へ突出するように上支持体34に下向き姿勢で固定してあり、シリンダーロッド84aは上支持体34より下側へ突出するようにしてある(図3(b)参照)。このシリンダーロッド84aの先端(下端)に押え筒85が取り付けてある。押え筒85は図11のように下面が開口する有底筒として形成してあり、下面の開口部85aの周縁にはパッキン86が張ってある。押え筒85の側面にはエアー配管87が接続してあり、エアー配管87から高圧エアーが押え筒85内に供給されるようになっている。この押え筒85は上型2aの直上位置に配置されるものである。
装置躯体31の上支持体34の下面には長手方向に沿って一対の平行なレール受け54が垂下してあり、各レール受け54の下端部外面にレール55が平行に設けてある(図3、図5、図6等参照)。上記のサンド貯留槽10の排出筒47やサンド吐出用シリンダー装置84の押え筒85はこの一対のレール受け54やレール55の間の位置に配置されるものである。これらのレール受け54とレール55両端部は上支持体34の長手方向の端部よりも外方へ延びるように形成してある。
このレール55にはサンド台車12とピン台車13が走行自在に取り付けてある(図1、図2参照)。サンド台車12は上下に開口する矩形枠状に形成されるものであり、その両側端部の上端に各一対の車輪56を設け、この車輪56をレール55の上に転動自在に載置することによって、サンド台車12をレール55に沿って走行自在にしてある。車輪56の下側には補助車輪57を設け、この補助車輪57がレール55の下側に位置することによって、サンド台車12が浮き上がることを防止するようにしてある(図3(a)、図5参照)。ピン台車13も同様に上下に開口する矩形枠状に形成されるものであり、その両側端部の上面に各一対の車輪58を設け、この車輪58をレール55の上に転動自在に載置することによって、ピン台車12をレール55に沿って走行自在にしてある。車輪58の下側にはピン台車13の浮き上がりを防止する補助車輪59が設けてある(図3(b)、図6参照)。
装置躯体31の立上り部33には固定具60でサンドヘッド横移動装置6が取り付けてある(図2(b)参照)。サンドヘッド横移動装置6はシリンダー装置で形成されるものであって、シリンダーロッド6aが水平方向に出入りするように配置してあり、シリンダーロッド6aの先端をサンド台車13の外側面に連結具61で固定してある。そしてサンドヘッド横移動装置6を作動してシリンダーロッド6aを突出させたり引っ込ませたりすることによって、サンド台車12をレール55に沿って移動させることができるものである。
またサンド台車12とピン台車13は図2のようにジョイント62で連結してあり、サンド台車12にピン台車13を一体化してある。従って、サンド台車12とピン台車13は一体として走行するものであり、サンドヘッド横移動装置6を作動してサンド台車12を移動させることによって、ピン台車13も共に一体的にレール55に沿って移動させることができるものである。
上記のサンド台車12にはサンド供給ヘッド4が取り付けてある。サンド供給ヘッド4は図12(a)に示すように、下面が閉塞され上端面がサンド導入口65として開口する筒状の容器として形成してある。サンド供給ヘッド4は下部ほど幅が広がる形状に形成してあり、その下面にはノズル口8が設けてある。サンド導入口65からサンド供給ヘッド4内に補給された粘結剤コーテッドサンド3はノズル口8から吐出されるようになっている。ノズル口8は、成形型2に形成した注入口1に対応した位置においてサンド供給ヘッド4に設けられるものであり、成形型2に複数の注入口1を形成する場合には、これに対応した個数のノズル口8が設けられるものである。
ノズル口8は図12(b)に示すような冷却板66とノズル筒67をサンド供給ヘッド4に取り付けることによって形成されるものである。冷却板66は水を通して冷却できるようにしたものであり、サンド供給ヘッド4の下端は加熱された成形型2に接触するが、成形型2の熱がサンド供給ヘッド4内の粘結剤コーテッドサンド3に伝わることを、この冷却板66で防ぐことができるものである。冷却板66の中央部にサンド供給ヘッド4内に連通する連通孔66aが形成してあり、この連通孔66aの個所において冷却板66の下面にノズル取付板68が取り付けてある。ノズル取付板68には連通孔66aと連通するノズル取付口68aが形成してあり、ノズル取付口68aにノズル筒67が装着してある。
ノズル筒67は図12(c)のように円筒状に形成してあり、ノズル筒67の下面の開口はフランジ底片69で閉塞してある。このフランジ底片69の中央部にノズル口8が開口して形成してあり、ノズル口8はノズル取付口68a、連通孔66aを介してサンド供給ヘッド4内に連通している。ノズル筒67内には邪魔板70が取り付けてある。この邪魔板70は円板状に形成されるものであり、図12(d)のように外周の複数個所に等間隔でスペーサ片70aが同じ突出寸法で突設してある。邪魔板70は、このスペーサ突片70aがノズル筒67の内周に当接した状態で、フランジ底片69から離れた位置に固定されるものであり、ノズル筒67内は邪魔板70によって上下に仕切られるものである。そしてスペーサ突片70aによって、邪魔板70の外周とノズル筒67の内周の間に狭い隙間71が形成され、邪魔板70の上側と下側はこの隙間71で連通されるものである。
サンド供給ヘッド4内の粘結剤コーテッドサンド3は、冷却板66の連通孔66a、ノズル取付板68のノズル取付口68a、ノズル筒67を通過してノズル口8から吐出されるが、ノズル筒67には邪魔板70が設けられており、粘結剤コーテッドサンド3は狭い隙間71を容易に通過できないので、粘結剤コーテッドサンド3の自重だけではノズル口8から吐出されないようになっている。特にサンド供給ヘッド4内と邪魔板70の間には狭い連通孔66aが設けられているので、サンド供給ヘッド4内の総ての粘結剤コーテッドサンド3の自重が邪魔板70に作用することがなく、通常の状態では粘結剤コーテッドサンド3はノズル口8から吐出されない。一方、後述のように、サンド供給ヘッド4内にエアーを導入して、サンド供給ヘッド4内を外気圧よりも高圧にすることによって、エアー圧でサンド供給ヘッド4内の粘結剤コーテッドサンド3を押圧して邪魔板70の隙間71を強制的に通過させ、ノズル口8から図12(c)の矢印のように粘結剤コーテッドサンド3を吐出させることができるものである。
サンド台車12には一対のサンドヘッド昇降装置15が取り付けてある。サンドヘッド昇降装置15はシリンダー装置によって形成されるものであり、シリンダーロッド15aが下方へ突出するように下向き姿勢でサンド台車12に固定してある。このシリンダーロッド15aの先端(下端)に、図3(a)や図5(a)に示すようにサンド供給ヘッド4の下端のフランジ74に立設した支持片75の上端が取り付けてあり、サンド供給ヘッド4は枠状に形成されるサンド台車12内に配置した状態で、サンドヘッド昇降装置15によって支持されているものである。従って、サンド昇降装置15を作動してシリンダーロッド15aを突出させたり引っ込ませたりすることによって、サンド供給ヘッド4を下降あるいは上昇させることができるものである。
上記のピン台車13には押出しピン7が取り付けてある(図6参照)。押出しピン7はピンプレート77の下面に下方へ垂直に突出して設けられるものであり、成形型2に形成した注入口1に対応した位置において、成形型2に形成した注入口1の数に対応した本数で設けられるものである。枠状に形成されるピン台車13の下面に底板78が張ってあり、この底板78の上にピン昇降装置11が取り付けてある。ピン昇降装置11はシリンダー装置によって形成されるものであり、シリンダーロッド11aが下方へ突出するように下向き姿勢で固定し、シリンダーロッド11aを底板78の下側に突出させてある。このシリンダーロッド11aの先端(下端)に、下側にピンプレート77を取り付けた昇降プレート79が固定してある。従って、ピン昇降装置11を作動してシリンダーロッド11aを突出させたり引っ込ませたりすることによって、昇降プレート79及びピンプレート77を下降あるいは上昇させて、押出しピン7を上下動させることができるものである。ここで、昇降プレート79にはガイドピン80が下方へ突出して設けてあり、底板78に設けたガイドスリーブ81内をガイドピン80が摺動することによって、押出しピン74は正確な位置で上下動されるようにしてある。
また、装置躯体31の上支持体34のサンド貯留槽10を設けた側の端部の下側には水蒸気供給ヘッド5が配置してある。図7及び図8において91は立上り部33の内側に固定した状態で装置躯体31に組み付けられる基台であって、上面の両側端部にそれぞれ支持板97が立設してあり、各支持板97の内側に同じ高さの複数個所に上車98が取り付けてあると共に、各上車98の下側に下車99が取り付けてある。また基台91の他方の端部の上に後支持体100が設けてある。
102は両側の枠片103の後端間を桟材104で連結して形成したスライド枠体であり、両側の枠片103のそれぞれの外面に全長に亘って、レール板105が取り付けてある。また両側の枠片103の前端部間に渡して保持枠板106が取り付けてある。そして図13(a)に示すように、保持枠板106の両側端部の複数個所に、昇降ガイドピン88が上下動自在に挿通して取り付けてあり、保持枠板106の下側に配置した昇降板89にこれらの昇降ガイドピン88の下端が固定してある。昇降板89は保持枠板106の枠内の開口106aよりも大きい寸法に形成してある。昇降ガイドピン88はその外周に設けたスプリング90によって上方へ引き上げる方向に弾発付勢されており、昇降板89はこのスプリング90の力で上方へ引き上げられて保持枠板106の下面に当接されるようになっている。
この昇降板89の下側に水蒸気供給ヘッド5が取り付けてある。水蒸気供給ヘッド5は矩形板状に形成されるものであり、下面にノズル口9が設けてある。水蒸気供給ヘッド5には図14(a)に示すように、後端部に開口する横穴108が穴加工によって形成してあり、この横穴108に連通する縦穴109が水蒸気供給ヘッド5の下面で開口するように穴加工して形成してある。そしてリング状のパッキン110を縦穴109の下面開口部に取り付けることによって、パッキン110の内周にノズル口9が形成されるようにしてある。横穴108の後端の開口には管接続具111によって水蒸気供給管112が接続してあり、水蒸気供給管112を通して水蒸気供給ヘッド5に供給された水蒸気は横穴108と縦穴109を通過してノズル口9から噴出されるようになっている。
ノズル口9は、成形型2に形成した注入口1に対応した位置において、成形型2に形成した注入口1の数に対応した本数で水蒸気供給ヘッド5に設けられるものである。図14(b)の実施の形態では水蒸気供給ヘッド5に一対の横穴108を設けると共に各横穴108にそれぞれ一対の縦穴109を設けることによって、4か所にノズル口9を形成するようにしてある。また、分岐接続具113で分岐した水蒸気供給管112を各横穴108に接続するようにしてある。
このように昇降板89と水蒸気供給ヘッド5を下面に設けた保持枠板106を取り付けたスライド枠体102は、その両側端のレール板105を基台91の両側の支持板97の上車98と下車99の間に差し込むことによって、支持板97の間に支持した状態で、基台91の上に配置されるものである。スライド枠体102は両側端のレール板95が上車98と下車99の間に差し込まれているので、レール板105が上車98や下車99を回転させて走行することによって、スライド枠体102を前後にスライドさせることができ、このスライド枠体102のスライドによって保持枠板106に設けた水蒸気供給ヘッド5を前後方向に移動させることができるものである。
スライド枠体102に取り付けた保持枠板106と基台91の後支持体100の間には水平配置される一対のシリンダー装置92,93からなる蒸気ヘッド横移動装置16が設けてある。各シリンダー装置92,93はそれぞれ反対方向にシリンダーロッド92a,93aが出入りするように、逆向き配置で上下に重ねた状態でシリンダー保持台94に取り付けてある。基台91の中央部には図8に示すように支持板97の間において支持板97と平行にスライドガイド95が設けてあり、図7(b)のようにシリンダー保持台94に設けたスライダ96によって、シリンダー保持台94をスライドガイド95にスライド自在に取り付けてある。そして一方のシリンダー装置92のシリンダーロッド92aの先端は後支持体100に設けた後固定具115に固定してあり、他方のシリンダー装置93のシリンダーロッド93aの先端部は保持枠板106の後端に立設した前固定具116に固定してある。
従って、各シリンダー装置92,93を作動させてシリンダーロッド92a,93aを出入りさせると、シリンダー保持台94がスライドガイド95に沿ってスライドすることによってシリンダー装置92,93が移動すると共に、上車98や下車99を回転させながらスライド枠体102がスライドすることで保持枠板106を移動させることができ、シリンダー装置92,93の各シリンダーロッド92a,93aが出入りするストロークの2倍のストロークで、保持枠板106に設けた水蒸気供給ヘッド5を前進後退させて、上記の装置躯体31のレール55と平行な方向に移動させることができるものである。
ここで、本発明の鋳型製造装置で使用する粘結剤コーテッドサンド3について説明する。粘結剤コーテッドサンド3はレジンコーテッドサンド(RCS)とも呼ばれるものであり、耐火骨材に粘結剤を混合することによって、耐火骨材の表面を粘結剤で被覆して形成されるものである。耐火骨材としては、特に限定されるものではないが、硅砂、山砂、アルミナ砂、オリビン砂、クロマイト砂、ジルコン砂、ムライト砂、その他、人工砂などを例示することができる。また粘結剤としては、シェルモールド用のレジンコーテッドサンドに使用されるものであれば、特に限定されるものではない。例えば、フェノール樹脂、フラン樹脂、イソシアネート化合物、アミンポリオール樹脂、ポリエーテルポリオール樹脂等から選ばれる熱硬化性樹脂、糖類、水溶性無機化合物、水溶性熱可塑性樹脂などを挙げることができる。この粘結剤コーテッドサンド3はサンド搬入ダクト48でサンド貯留槽10に搬入されて貯留されている。
そして本発明に係る鋳型製造装置で鋳型を製造するにあたっては、サンド貯留槽10からサンド供給ヘッド4に粘結剤コーテッドサンド3を補給することから鋳型を成形する一つのサイクルが始まる。すなわち、サンドヘッド横移動装置6を作動させてシリンダーロッド6aを引っ込ませることによって、サンド台車12をレール55に沿って走行させ、サンド台車12に取り付けたサンド供給ヘッド4をサンド貯留槽10の直下位置へと移動させる(図2(a),図3(a)参照)。このようにサンド供給ヘッド4がサンド貯留槽10の直下位置に移動すると、シャッター開閉シリンダー装置51が作動してシャッター50でサンド貯留槽10の排出口49を開き、サンド貯留槽10内に貯留されている粘結剤コーテッドサンド3の一部が自重で落下して排出口49から排出される。サンド貯留槽10の排出口49の直下には図10のようにサンド供給ヘッド4が位置しているので、排出口49から排出された粘結剤コーテッドサンド3は、サンド導入口65からサンド供給ヘッド4内に補給される。
このようにサンド台車12を走行させてサンド供給ヘッド4をサンド貯留槽10の直下に位置させた状態では、サンド台車12に連結されたピン台車13も移動し、ピン台車13に取り付けた押出しピン7が成形型2の上型2aの直上に位置するようになっている(図2(a)参照)。またこの工程では、蒸気ヘッド横移動装置16の一対のシリンダー装置92,93の各シリンダーロッド92a,93aは引っ込んで図7(a)のように水蒸気供給ヘッド5は最も後退しており、この状態では水蒸気供給ヘッド5はサンド貯留槽10の直下に位置している。
サンド供給ヘッド4内に粘結剤コーテッドサンド3を補給した後、サンドヘッド横移動装置6を作動させてシリンダーロッド6aを突出させ、サンド台車12をレール55に沿って走行させることによって、サンド供給ヘッド4をサンド貯留槽10の直下の位置から、成形型2の上型2aの直上位置に移動させる(図1参照)。ここで、上型2aの直上にはサンド吐出用シリンダー装置84に取り付けた押え筒85が配置されているので、サンド供給ヘッド4は上型2aの直上で且つ押え筒85の直下に位置することになる。またこのようにサンド供給ヘッド4が成形型2の上型2aの直上位置に移動するとき、同時に、型開閉シリンダー装置38が作動し、下型2bを上昇させて固定された状態にある上型2aの下面に下型2bを合致させて成形型2の型締めが行なわれる。
このように型締めされた成形型2の直上位置にサンド供給ヘッド4が移動すると、サンドヘッド昇降装置15を作動させ、シリンダーロッド15aを下方へ突出させることによって、サンド供給ヘッド4を降下させる。成形型2の直上に位置するサンド供給ヘッド4が降下すると、図9(c)に示すように、サンド供給ヘッド4の下端のノズル口8が成形型2の上面の注入口1に合致して密着する。このとき同時に、サンド吐出用シリンダー装置84も作動してシリンダーロッド84aが下方へ突出し、シリンダーロッド84aの下端に取り付けられた押え筒85が図11のようにサンド供給ヘッド4のサンド導入口65の上端に押さえ付けられるようになっている。このように押え筒85がサンド供給ヘッド4の上端に押さえ付けられるとパッキン86が密着してサンド供給ヘッド4のサンド導入口65と押え筒85の下面の開口部85aが気密的に連通する。そしてこの状態でエアー配管87から高圧エアーを押え筒85内に供給することによって、高圧エアーが図11の矢印のようにサンド供給ヘッド4内に流入してサンド供給ヘッド4内は加圧状態になり、サンド供給ヘッド4内に貯留された粘結剤コーテッドサンド3は図12(c)の矢印のようにノズル口8を通過して吐出され、注入口1から成形型2のキャビティ33内に注入されるものである。
このように、粘結剤コーテッドサンド3はエアーの圧力でサンド供給ヘッド4から成形型2内に吹き込まれるものであり、成形型2内への粘結剤コーテッドサンド3の注入を短時間で行なうことができ、また充填不良が発生することなく成形型2のキャビティ33内に粘結剤コーテッドサンド3を充填することができるものである。サンド供給ヘッド4から成形型2内に粘結剤コーテッドサンド3が注入されて充填されると、エアー配管87からの高圧エアーの供給が停止され、サンドヘッド昇降装置15をシリンダーロッド15aが引っ込むように作動させると共にサンド吐出用シリンダー装置84をシリンダーロッド84aが引っ込むように作動させ、サンド供給ヘッド4を上昇させる。サンド供給ヘッド4は成形型2の直上位置にある状態で上昇されるものである。
次に、蒸気ヘッド横移動装置16を構成するシリンダー装置92,93を作動させ、シリンダーロッド92a,93aを突出させることによって、図7(a)の位置から図7(b)の位置へと水蒸気供給ヘッド5を前進させ、成形型2の上型2aの直上の位置まで移動させる。成形型2の直上にはサンド供給ヘッド4が配置されているので、水蒸気供給ヘッド5は成形型2とサンド供給ヘッド4の間に差し込まれることになる。ここで、水蒸気供給ヘッド5はスライド枠体102に取り付けられた保持枠板106の下側に保持されているが、水蒸気供給ヘッド5を図7(b)のように前進させたとき、図13(a)に示すように、保持枠板106の開口106aを介してサンド供給ヘッド4の直下に水蒸気供給ヘッド5が位置するようになっている。
この状態で、サンドヘッド昇降装置15を作動させ、シリンダーロッド15aを下方へ突出させることによって、サンド供給ヘッド4を下降させる。そしてこのようにサンド供給ヘッド4が下降すると、図13(b)に示すように、サンド供給ヘッド4は保持枠板106の開口106aを通過して、昇降板89の上面に当接し、昇降板89はサンド供給ヘッド4で下方へ押圧される。昇降板89はスプリング90によって上方へ弾発付勢された状態で上下動自在であるので、サンド供給ヘッド4で押圧されると昇降板89はスプリング90を圧縮させながら下降することになり、昇降板89の下面側に設けた水蒸気供給ヘッド5も下降する。そしてこのように水蒸気供給ヘッド5が下降することによって、図13(b)のように水蒸気供給ヘッド5のノズル口9が成形型2の注入口1に合致して密着し、水蒸気供給管91から水蒸気供給ヘッド5に供給されている水蒸気がノズル口9から注入口1を通して成形型2のキャビティ33内に吹き込まれるものである。
ここで、水蒸気が漏れないように成形型2の注入口1に水蒸気供給ヘッド5のノズル口9を密着させるため、上記のように、サンド供給ヘッド4をサンドヘッド昇降装置15で下降させて、サンド供給ヘッド4によって水蒸気供給ヘッド5を押し下げるようにしてある。従って、サンド供給ヘッド4を昇降させるためのサンドヘッド昇降装置15をそのまま利用して、水蒸気供給ヘッド5を押えて注入口1にノズル口9を密着させることができるものであり、水蒸気供給ヘッド5を押し下げるための専用のシリンダー装置などを別途設備する必要がなくなるものである。
上記のように、粘結剤コーテッドサンド3が充填された成形型2内に水蒸気を吹き込むと、粘結剤コーテッドサンド3の表面に水蒸気が接触することによって、水蒸気は潜熱が粘結剤コーテッドサンド3に奪われて凝縮するが、水蒸気は高い潜熱を有するので、水蒸気が凝縮する際に伝熱されるこの潜熱で粘結剤コーテッドサンド3の温度は100℃付近にまで急速に上昇する。このように水蒸気の潜熱の伝熱によって粘結剤コーテッドサンド3が100℃付近にまで加熱される時間は、水蒸気の温度や成形型2内への吹き込み流量、成形型2内の粘結剤コーテッドサンド3の充填量などで変動するが、通常、3〜30秒程度の短時間である。
そして成形型2内に吹き込んだ水蒸気の凝縮潜熱で粘結剤コーテッドサンド3の温度を急速に上昇させることができるものであり、水蒸気の凝縮で成形型2内に生成される凝縮水は、その後に成形型2内に吹き込まれる水蒸気による加熱で蒸発されることにより、成形型2内の温度は水蒸気の温度付近にまで急速に上昇し、この温度で粘結剤コーテッドサンド3を加熱することができるものである。
ここで、粘結剤コーテッドサンド3の粘結剤が熱硬化性樹脂の場合、成形型2内に充填した粘結剤コーテッドサンド3を水蒸気の凝縮潜熱で加熱して、熱硬化性樹脂の硬化温度以上の温度に上昇させることによって、粘結剤を溶融・硬化させることができ、耐火骨材(サンド)を粘結剤で結合した状態で鋳型を成形することができるものである。
また粘結剤コーテッドサンド3の粘結剤が糖類、水溶性無機化合物、水溶性熱可塑性樹脂の場合、成形型2内に水蒸気を吹き込み始める際に、上記のように水蒸気が粘結剤コーテッドサンド3に接触することで熱を奪われて凝縮水が生成されるので、粘結剤コーテッドサンド3の粘結剤に凝縮水が作用する。そして粘結剤コーテッドサンド3の固形状態の粘結剤に凝縮水が作用すると、粘結剤が糖類であるときは、この凝縮水を吸収して膨潤あるいは溶解して糊化し、また粘結剤が水溶性無機化合物や水溶性熱可塑性樹脂であるときは、この凝縮水に溶解して液状になって糊化し、糖類、水溶性無機化合物、水溶性熱可塑性樹脂からなる粘結剤はいずれも糊状になって粘着性が生じる。このように粘結剤に粘着性が生じることによって、成形型2内に充填された粘結剤コーテッドサンド3の耐火骨材はこの粘結剤の粘着性で結合される。次いで、引き続いて成形型2内に吹き込まれる水蒸気の凝縮潜熱で粘結剤コーテッドサンド3が加熱され、粘結剤に作用した水分が蒸発して乾燥するものであり、糖類、水溶性無機化合物、水溶性熱可塑性樹脂からなる粘結剤を乾燥固化させることができ、耐火骨材をこの固化した粘結剤によって結合させて、鋳型を成形することができるものである。
上記のように、成形型2に水蒸気を供給して粘結剤コーテッドサンド3の加熱を行なうことによって、水蒸気の高い凝縮潜熱で粘結剤コーテッドサンド3を瞬時に加熱して、粘結剤を固化乃至硬化させることができ、成形型2を予め高温に加熱しておくような必要なく、安定して短時間で鋳型を製造することができるものであり、鋳型の生産性を向上することができるものである。また加熱の際に仮に粘結剤から有毒ガスが発生しても水蒸気の凝縮水に吸収させることができ、環境が汚染されることを低減することができるものである。
ここで、水蒸気としては飽和水蒸気をそのまま用いることができるが、過熱水蒸気を用いるのが好ましい。過熱水蒸気は、飽和水蒸気をさらに加熱して、沸点以上の温度とした完全気体状態の水蒸気であり、100℃以上の乾き蒸気である。飽和水蒸気を加熱して得られる過熱水蒸気は、圧力を上げないで定圧膨張させたものであってもよく、あるいは膨張させないで圧力を上げた加圧水蒸気であってもよい。成形型2内に吹き込む過熱水蒸気の温度は特に限定されるものではなく、過熱水蒸気は900℃程度にまで温度を高めることができるので、100〜900℃の間で必要に応じた温度に設定すればよい。
図15(a)に示す実施の形態では、ボイラーなど水蒸気生成装置118で発生した飽和水蒸気を過熱器14で加熱して過熱水蒸気を調製し、この過熱水蒸気を水蒸気供給管112を通して水蒸気供給ヘッド5に供給するようにしてある。
また、粘結剤コーテッドサンド3の温度が100℃付近にまで上昇した後、成形型2への供給を水蒸気から加熱気体に切り換え、加熱気体を成形型2内に吹き込むようにしてもよい。加熱気体は水分含有率が上記の水蒸気より低いものであればよく、加熱した空気を用いることができる。この加熱気体の温度は特に限定されるものではなく、50℃以上、好ましくは100℃以上であり、且つ粘結剤コーテッドサンド3の粘結剤が固化乃至硬化する温度以上のものであればよい。加熱気体の温度の上限は、粘結剤コーテッドサンド3の粘結剤を分解させる温度未満であればよく、特定の温度に限定されない。
図15(b)に示す実施の形態では、水蒸気供給ヘッド5に水蒸気を供給する水蒸気供給管112に三方弁などの切換弁119を設け、この切換弁119を介して加熱気体供給装置17が接続してある。加熱気体供給装置93としては、空気を加熱して送風する温風ブロアなどを用いることができる。そして水蒸気生成装置118から水蒸気供給管112を通して水蒸気供給ヘッド5に水蒸気を供給し、水蒸気供給ヘッド5から上記のように成形型2に水蒸気を吹き込んだ後、切換弁119を切り換えて水蒸気生成装置118からの水蒸気の供給を停止すると共に加熱気体供給装置17から水蒸気供給管112を通して水蒸気供給ヘッド5に加熱気体を供給し、水蒸気供給ヘッド5から成形型2に加熱気体を吹き込むようにすることができるものである。
また加熱気体として、上記の水蒸気に加熱空気を混合して含有水分量を低くした混合気体を用いることもできる。この場合は、切換弁119の操作で、水蒸気発生装置118と加熱気体供給装置17の両方が水蒸気供給管112に接続されるようにし、水蒸気発生装置118から水蒸気が、加熱気体供給装置17から加熱気体がそれぞれ水蒸気供給管112を通して水蒸気供給ヘッド5に供給されるようにし、水蒸気と加熱気体が混合された状態で水蒸気供給ヘッド5から成形型2に加熱気体を吹き込まれるようにすることができる。
上記したように、成形型2内に水蒸気を吹き込むことによって生成される凝縮水はその後に吹き込まれる水蒸気による加熱で蒸発されるが、水蒸気は水分を多く含むので、凝縮水を蒸発させる効率が低い。そこでこのように加熱気体を成形型2内に吹き込んで通過させるようにしたものであり、加熱気体は水蒸気よりも含有される水分量が少なく、湿度の低い乾燥気体であるので、成形型2内で生成された凝縮水を短時間で蒸発させて乾燥することができるものである。ここで、過熱水蒸気及び加熱空気の気流で水の蒸発実験を行なった場合、温度が170℃付近以下では、過熱水蒸気中への水の蒸発速度より、加熱空気中への水の蒸発が大きくなることが報告されている(T.Yosida,Hyodo,T.,Ind.Eng.Chem.Process Des.Dev.,9(2),207-214(1970))。この報告にもみられるように、加熱気体を成形型2内に吹き込むことによって、水蒸気を吹き込み続ける場合よりも、短時間で凝縮水を蒸発させて乾燥することができるものである。
上記のように成形型2内に水蒸気を吹き込んで鋳型の成形を行なった後、サンドヘッド昇降装置15を作動させ、シリンダーロッド15aを引っ込ませることによって、サンド供給ヘッド4を上昇させる。このようにサンド供給ヘッド4が上昇すると、サンド供給ヘッド4による昇降板89の押圧が解除されるので、昇降板89はスプリング90の弾発力で上昇する。昇降板89の下面側に設けた水蒸気供給ヘッド5も上昇し、成形型2から離れる(図7(b)、図13(a)参照)。
このようにサンド供給ヘッド4が上昇した後、水蒸気供給ヘッド5が後退移動する。すなわち、蒸気ヘッド横移動装置16を構成するシリンダー装置92,93が作動して、シリンダーロッド92a、93aが引っ込み、水蒸気供給ヘッド5は初期の図7(a)の位置にまで移動し、次の成形に備える。
次に、このように水蒸気供給ヘッド5が後退した後、サンドヘッド横移動装置6を作動させてシリンダーロッド6aを引っ込ませることによって、サンド台車12をレール55に沿って走行させ、サンド台車12に設けたサンド供給ヘッド4をサンド貯留槽10の直下位置へと後退移動させる。
このようにサンド供給ヘッド4が成形型2の直上位置から離れるように移動する際に、成形型2の上面の清掃がされるようにしてある。すなわち図4に示すように、サンド台車12のピン台車13側の端部に掻き板支持体122が取り付けてあり、ワイパー121を設けた掻き板123の一端が掻き板支持体122に上下回動自在に枢着してある。また掻き板支持体122にシリンダー装置124が取り付けてあり、そのシリンダーロッド124aの下端が掻き板123に枢着してある。シリンダー装置124のシリンダーロッド124aは通常時は上方へ引っ込んでおり、図4に鎖線で示すように掻き板123は上方へ回動されて引き上げられた状態にある。そしてサンド供給ヘッド4が成形型2の直上位置から離れるように移動する際に、シリンダー装置124が作動してシリンダーロッド124aを下方へ突出させ、掻き板123を下方へ回動させて図4に実線で示すように垂下された状態にし、サンド供給ヘッド4の移動と共に掻き板123のワイパー121が図5(b)のように成形型2の上型支持プレート40の上面を摺動し、上型支持プレート40に付着した粘結剤コーテッドサンド3などを掻き取って清掃することができるものである。
また上記のようにサンド供給ヘッド4を初期位置であるサンド貯留槽10の直下に移動させるためにサンド台車12を走行させると、サンド台車12に連結されたピン台車13もレール55に沿って移動し、ピン台車13に設けた押出しピン7が成形型2の上型2aの直上に位置する(図6参照)。このように押出しピン7が上型2aの直上位置に移動すると、ピン昇降装置11が作動してシリンダーロッド11aが下方へ突出し、昇降プレート79及びピンプレート77を下降させて、押出しピン7を下動させ、押出しピン7を成形型2の上型2aの注入口1に差し込ませる。このように成形型2の注入口1に押出しピン7が差し込まれる動作に連動して、型開閉シリンダー装置38が作動し、下型2bを下降させて上型2aから下方へ引き離すようにして成形型2の型開きが行なわれる。
注入口1から成形型2のキャビティ37に粘結剤コーテッドサンド3を供給して充填するにあたって、粘結剤コーテッドサンド3は注入口1内にも充填されており、注入口1から成形型2内に水蒸気を吹き込んで成形を行なう際に、注入口1内の粘結剤コーテッドサンド3の固化乃至硬化し、注入口1内には粘結剤コーテッドサンド3の固化・硬化物が詰まっているが、上記のように押出しピン7を注入口1に差し込ませることによって、上型2aから下型2bを引き離して型開きをする際に、注入口1内の粘結剤コーテッドサンド3の固化・硬化物を下方へ押し出すことができるものである。従って、上型2aの注入口1に詰りが発生することを防ぐことができると共に、成形型2内で成形された鋳型が上型2aの側に残ることなく、下型2aの側に鋳型が残るようにして成形型2の型開きを行なうことができ、成形型2からの鋳型の脱型を容易に行なうことができるものである。
成形型2が型開きを始めるとピン昇降装置11が作動してシリンダーロッド11aが引っ込み、押出しピン7は注入口1から抜け出て元の高さまで上動する。またこの成形型2の型開き・脱型の工程の際に、サンド供給ヘッド4にサンド貯留槽10から粘結剤コーテッドサンド3が補給されるサンド補給工程が行なわれるものであり、上記の工程のサイクルを繰り返すことによって、連続して鋳型の製造を行なうことができるものである。
上記の実施の形態では、水蒸気として飽和水蒸気や過熱水蒸気を用いるようにしたが、水蒸気として高温高湿気体を用いることも可能である。ここで、粘結剤コーテッドサンド3が、熱硬化性樹脂の粘結剤を表面に被覆した粘結剤コーテッド耐火物である場合は、温度120℃以上、水蒸気濃度10〜95%の高温高湿気体を用いるものである。また粘結剤コーテッドサンド3が、水分を吸収した湿潤状態で粘着作用が生じる固形の粘結剤を表面に被覆した粘結剤コーテッド耐火物である場合は、温度50〜500℃、水蒸気濃度10〜90%の高温高湿気体を用いるものである。
本発明において用いるこの高温高湿気体は、水蒸気と水蒸気以外の気体との混合気体である。この水蒸気以外の気体としては空気の他に窒素ガスなど任意のガスを用いることができるが、コストや使い易さの点などから、空気を用いるのが好ましい。また高温高湿気体の水蒸気濃度は、高温高湿気体中において水蒸気の体積が占める割合(近似的に水蒸気分圧/全圧)をいうものであり、例えば、
水蒸気濃度(%)=
[水蒸気の体積/(水蒸気の体積+水蒸気以外の気体の体積)]×100
の式から求められる。
ここで、このような高温高湿気体は、水蒸気と空気などの気体とを混合することによって調製することができる。水蒸気と空気などの気体との混合比率を調整することによって、水蒸気濃度を上記の範囲に容易に設定することができるものである。また高温高湿気体の温度は、水蒸気と空気などの気体を混合した後に加熱したり、あるいは気体を予め所定温度に加熱しておくなどすることによって、上記の範囲に容易に設定することができるものである。
図16(a)は高温高湿気体を調製する装置の一例を示すものであり、ボイラーなどで形成される水蒸気生成装置127と気体供給装置128がヒーター付きの混合器129に接続してある。気体供給装置128は、気体として大気中の空気を用いる場合にはブロワーやコンプレッサーなどで形成されるものであり、気体として窒素ガスなどを用いる場合にはガスボンベなどで形成されるものである。混合器129と水蒸気生成装置127や気体供給装置128の間にはバルブ130,131が設けてある。
このものにあって、水蒸気生成装置127から水蒸気を、気体供給装置128から空気などの気体を、それぞれ混合器129に供給し、混合器129内で混合しながらヒーターで所定温度に加熱することによって、高温高湿気体を調製することができる。このとき、バルブ130,131の操作で水蒸気生成装置127から送られる水蒸気と気体供給装置128から供給される気体の比率を調節することによって高温高湿気体の水蒸気濃度を任意に調整することができる。
ここで、水蒸気としては飽和水蒸気をそのまま用いることができるが、過熱水蒸気を用いることもできる。過熱水蒸気は、飽和水蒸気を水の沸点以上の温度に加熱して得られる水蒸気である。過熱水蒸気は、飽和水蒸気を圧力を上げないで定圧膨張させつつ加熱して得られた常圧過熱水蒸気であってもよく、飽和水蒸気を膨張させないで加熱して得られた加圧過熱水蒸気であってもよい。過熱水蒸気の温度は特に限定されるものではなく、100〜900℃程度の間で必要に応じた温度に設定すればよい。
図16(b)の例では、水蒸気生成装置127に過熱器132が接続してあり、水蒸気生成装置127で生成された水蒸気を過熱器132に通して加熱して、100℃以上の過熱水蒸気にした後、バルブ130を通して混合器129に供給するようにしてある。尚、図13(a)(b)の装置において、水蒸気と空気などの気体との混合気体を加熱して温度調整する必要がないときには、混合器129は不要であり、水蒸気と気体を配管内で混合して高温高湿気体を調製することが可能である。
高温高湿気体として特に高い温度・高い湿度のものを調製する場合には、100℃以上の過熱水蒸気と100℃以上に加熱した高温の空気など水蒸気以外の気体を混合するのが好ましい。図16(c)はその装置の一例を示すものであり、水蒸気生成装置127に過熱器132を接続すると共に、気体供給装置128にヒーターなどを備えた加熱器133が接続してある。
そして水蒸気生成装置127で生成された水蒸気を過熱器132に通して100℃以上の所定温度の過熱水蒸気にし、この過熱水蒸気はバルブ130を通して混合器129に供給される。また気体供給装置128から空気などの気体を加熱器133に通して100℃以上の所定温度の高温気体にし、この高温気体はバルブ131を通して混合器129に供給され、過熱水蒸気と高温気体の混合気体として高温高湿気体を調製することができる。混合器129にはヒーターが内蔵してあり、高温高湿気体をさらに加熱することが可能であるが、過熱水蒸気と高温気体との混合気体を加熱する必要がないときには、混合器129は不要であり、過熱水蒸気と高温気体は配管内で混合されて高温高湿気体になる。
また、高温高湿気体は空気などの水蒸気以外の気体中で水を気化させることによっても調製することができる。例えば図16(d)のように加熱器133に空気などの気体と水とを供給し、加熱器133内で水を加熱して気化させることによって、気化した水の水蒸気と空気などの気体とが混合された高温高湿気体を調製することができる。このとき、図16(d)の実線のように、気体に水を噴霧したり滴下したりして気体に水滴を混合した状態で加熱器133に送るようにしてもよく、また図16(d)の破線のように、気体とは別に水を加熱器133に直接供給するようにしてもよい。
上記のようにして調製された高温高湿気体は、上記の図15(a)(b)における水蒸気の代りに、水蒸気供給管112を通して水蒸気供給ヘッド5に供給されるものであり、粘結剤コーテッドサンド3を充填した成形型2内に水蒸気供給ヘッド5から高温高湿気体を吹き込んで、鋳型の成形を行なうことができるものである。
ここで、粘結剤コーテッドサンド3として熱硬化性樹脂の粘結剤を表面に被覆した粘結剤コーテッド耐火物を用いる場合、温度120℃以上、水蒸気濃度10〜95%の高温高湿気体を成形型2内に吹き込むが、このように高温高湿気体を吹き込むと、高温高湿気体が粘結剤コーテッドサンド3に接触することによって、高温高湿気体の高温の顕熱が粘結剤コーテッドサンド3に伝熱されると共に、高温高湿気体中の水蒸気から潜熱が粘結剤コーテッドサンド3に奪われて凝縮し、水蒸気が凝縮する際のこの凝縮潜熱が粘結剤コーテッドサンド3に伝熱される。高温高湿気体の顕熱と凝縮潜熱で粘結剤コーテッドサンド3の温度は100℃付近にまで急速に上昇する。粘結剤コーテッドサンド3が100℃付近にまで加熱される時間は、高温高湿気体の温度や水蒸気濃度、成形型2内への吹き込み流量、成形型2内の粘結剤コーテッドサンド3の充填量などで変動するが、通常、2〜30秒程度の短時間である。
このように、粘結剤コーテッドサンド3を充填した成形型2内に高温高湿気体を通すことによって、粘結剤コーテッドサンド3を100℃付近まで短時間で加熱することができる。そして、成形型2内で高温高湿気体から凝縮水が生成されるので、粘結剤コーテッドサンド3を100℃以上の温度に上昇させるには、成形型2内の凝縮水を蒸発させる必要があるが、引き続いで成形型2内に通される高温高湿気体による加熱によって、成形型2内のこの凝縮水は蒸発される。ここで、成形型2に通す高温高湿気体は温度が120℃以上、水蒸気濃度が10〜95%であり、高湿度ではあるが、飽和状態の水蒸気よりも含有する水分量は低い。このため、高温高湿気体が成形型2内の粘結剤コーテッドサンド3によって冷却されて温度低下して生成される凝縮水の量を少なくすることができるものであり、成形型2内の凝縮水を蒸発させる時間は短時間で済むものである。
成形型2内の凝縮水が蒸発すると、高温高湿気体によって粘結剤コーテッドサンド3は100℃以上の温度に急加熱され、熱硬化性樹脂からなる粘結剤を硬化温度以上の温度にまで短時間で上昇させることができるものであり、熱硬化性樹脂からなる粘結剤の溶融・硬化によって、粘結剤コーテッドサンド3の粒子を結合させて鋳型を成形することができるものである。
粘結剤コーテッドサンド3を充填した成形型2内に高温高湿気体を通し始めてから、熱硬化性樹脂の粘結剤が硬化して鋳型の成形が完了するまでの時間は、高温高湿気体の温度や水蒸気濃度、成形型2内への吹き込み流量、成形型2内の粘結剤コーテッドサンド3の充填量などで変動するが、通常、10秒から1分程度の短時間である。このようにして成形された鋳型は、成形型2を開いて取り出すことができる。
上記のように成形型2内で多量の凝縮水が生成されないように、高温高湿気体は水蒸気濃度が95%以下であることが必要である。しかし水蒸気濃度が低いと、高温高湿気体中での水蒸気の凝縮潜熱が低くなり、高温高湿気体による加熱効率が低下するおそれがあるので、水蒸気濃度は10%以上であることが必要である。このように高温高湿気体の水蒸気濃度は10〜95%の範囲に設定されるが、20〜90%の範囲が好ましく、30〜80%の範囲がより好ましい。
また高温高湿気体の温度が低いと、高温高湿気体で粘結剤コーテッドサンド3を加熱したり、凝縮水を蒸発させたりする効率が悪くなり、粘結剤コーテッドサンド3の粘結剤を硬化させるのに長時間を要することになるので、高温高湿気体の温度は120℃以上である必要がある。高温高湿気体の温度の上限は特に設定されるものではないが、粘結剤コーテッドサンド3の粘結剤の熱硬化性樹脂の熱分解温度以下であることが望ましい。
一方、粘結剤コーテッドサンド3として水分を吸収した湿潤状態で粘着作用が生じる固形の粘結剤を表面に被覆した粘結剤コーテッド耐火物を用いる場合、温度50〜500℃、水蒸気濃度10〜90%の高温高湿気体を成形型2内に吹き込む。このような粘結剤としては、糖類、水溶性無機化合物、水溶性熱可塑性樹脂から選ばれるものを用いることができる。糖類は水に膨潤あるいは溶解して糊状になって粘着性を示すようになり、水溶性無機化合物や水溶性熱可塑性樹脂は水に溶解して糊状になって粘着性を示すようになるものである。
上記の糖類としては、単糖類、少糖類、多糖類を用いることができ、各種の単糖類、少糖類、多糖類のなかから、1種を選んで単独で用いる他、複数種を選んで併用することもできる。単糖類としては、グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、ガラクトースなどを挙げることができ、また少糖類としては、マルトース(麦芽糖)、スクロース(ショ糖)、ラクトース(乳糖)、セロビオースなどの二糖類を挙げることができる。さらに多糖類としては、でんぷん糖、デキストリン、ザンサンガム、カードラン、プルラン、シクロアミロース、キチン、キトサン、セルロース、でんぷんなどを挙げることができる。
また上記の水溶性無機化合物としては、水ガラス、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、バナジン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、酸化アルミニウムナトリウム、塩化カリウム、炭酸カリウム、硫酸化合物を用いることができる。
さらに上記の水溶性熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではないが、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリイタコン酸、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、メチルセルロース、メトキシ化ナイロンなどを挙げることができる。
そして、上記のように高温高湿気体を吹き込むと、高温高湿気体を通す初期の工程では、粘結剤コーテッドサンド3の表面に高温高湿気体が接触することによって、高温高湿気体の温度が下がって露点温度以下になり、高温高湿気体中の水蒸気が凝縮して、粘結剤コーテッドサンド3の表面で凝縮水が生成される。粘結剤コーテッドサンド3の表面のコーティング層の糖類、水溶性無機化合物、水溶性熱可塑性樹脂からなる水粘着性の粘結剤は固形であるので、固形のままでは粘結剤コーテッドサンド3同士を結合させることはできないが、このように粘結剤コーテッドサンド3の表面に凝縮水が供給されると、固形の粘結剤はこの水分の補給によって湿潤な糊状になって粘着性が生じ、粘結剤の粘着性で粘結剤コーテッドサンド3の粒子同士を粘結させることができるものである。
このように高温高湿気体の凝縮水で粘結剤コーテッドサンド3の水粘着性の粘結剤を糊化して、この粘結剤で粘結剤コーテッド耐火物を粘結させることができるが、引き続いて連続して成形型2内に通される高温高湿気体で粘結剤コーテッドサンド3が加熱される。高温高湿気体中の水蒸気は高い潜熱を有するので、水蒸気が凝縮する際に伝熱されるこの潜熱で粘結剤コーテッドサンド3の温度は高温高湿気体の露点温度以上にまで急速に上昇する。このように粘結剤コーテッドサンド3が露点温度以上にまで加熱される時間は、高温高湿気体の温度や水蒸気濃度、成形型2内への吹き込み流量、成形型2内の粘結剤コーテッドサンド3の充填量などで変動するが、通常、2〜30秒程度の短時間である。このように粘結剤コーテッドサンド3が露点温度以上に加熱されると、粘結剤コーテッドサンド3の表面の粘結剤に含まれる水分が蒸発し、粘結剤を乾燥することができるものである。
上記のように、成形型2に高温高湿気体を通過させることによって、高温高湿気体中の水蒸気を凝縮させて粘結剤コーテッドサンド3の粘結剤に水分を補給し、粘結剤コーテッドサンド3を粘結剤の粘着作用で粘結させ、次いで継続して成形型2内に通過させる高温高湿気体で加熱して粘結剤の水分を蒸発させ、粘結剤を乾燥固化させることができるものである。そして水粘着性の粘結剤の粘着作用による耐火骨材の結合は、粘結剤が固化することによって強固なものとなり、強度の高い鋳型を得ることができるものである。このようにして成形を終了した後、成形型2を開くことによって、鋳型を取り出すことができる。
ここで、成形型2に通す高温高湿気体は温度が50〜500℃、水蒸気濃度が10〜90%であり、飽和状態の水蒸気よりも含有する水分量は低い。このため、高温高湿気体が成形型2内の粘結剤コーテッドサンド3によって冷却されて温度低下し、高温高湿気体の温度が露点以下になって生成される凝縮水の量は過剰に多くならず、成形型2内で余分な凝縮水が発生することが少なくなる。粘結剤コーテッドサンド3に被覆されている粘結剤の量は一般に耐火骨材の0.5〜6質量%程度に過ぎず、この粘結剤を湿潤させて粘着作用を発揮させるのに必要な水分量は粘結剤の0.1〜3倍程度である。従って上記の高温高湿気体から生成される凝縮水の量で、粘結剤コーテッドサンド3の粘結剤に粘着作用を発揮させることが十分に可能である。
そして本発明ではこのように成形型2内で高温高湿気体から生成される凝縮水の量を抑制することができるので、粘結剤コーテッドサンド3の粘結剤に粘着作用を付与するために水分を補給した後、継続して成形型2に通す高温高湿気体で加熱して粘結剤に含まれる水分を蒸発させるにあたって、余分な水分の蒸発が不要になって、蒸発に要する時間を短縮することができるものであり、粘結剤の乾燥固化時間を短くすることができるものである。
またこのように成形型2内で凝縮水が多量に生成されることがないので、粘結剤コーテッドサンド3の表面の粘結剤が凝縮水に溶解したりして流されるようなことを防ぐことができるものである。従って、粘結剤が流れることによって鋳型内で粘結剤が偏在するようなことがなくなり、均一な強度の鋳型を製造することができるものである。
上記のように成形型2内で余分な凝縮水が生成されないように、高温高湿気体は水蒸気濃度90%以下であることが必要である。しかし水蒸気濃度が低すぎると、凝縮水の生成が少なくなり過ぎて、粘結剤コーテッドサンド3の粘結剤に粘着作用を十分に付与できなくなるおそれがあり、また露点温度が低くなるので、水蒸気濃度は10%以上であることが必要である。
高温高湿気体の水蒸気濃度はこのように10〜90%の間に設定されるが、成形型2内で余分な凝縮水が生成されることを確実に防ぐには水蒸気濃度が60%以下であることが望ましく、また凝縮水を十分に生成させて粘結剤コーテッドサンド3の粘結剤の粘着作用を十分に確保するためには水蒸気濃度が30%以上であることが望ましい。従って高温高湿気体の水蒸気濃度は30〜60%の範囲がより望ましい。
また高温高湿気体の温度が高すぎると、成形型2内で高温高湿気体が露点以下に温度低下しないことがあり、成形型2内で凝縮水を十分に生成させることができないおそれがあるので、高温高湿気体の温度は500℃以下である必要がある。逆に高温高湿気体の温度が低すぎると、高温高湿気体で粘結剤コーテッドサンド3を加熱して凝縮水を蒸発させる効率が悪くなり、粘結剤コーテッドサンド3の粘結剤を乾燥固化させるのに長時間を要することになるので、高温高湿気体の温度は50℃以上である必要がある。
ここで、高温高湿気体の温度や水蒸気濃度は温度50〜500℃、水蒸気濃度10〜90%の範囲内で、夏場と冬場など雰囲気温度に応じて調整するようにしてもよい。例えば冬場のように外気温や粘結剤コーテッドサンド3の温度が低いときには、温度が50℃付近、水蒸気濃度が10%付近と温度・水蒸気濃度が比較的低い高温高湿気体を用いても十分に成形を行なうことができるものであり、この場合にはエネルギーコストの低い高温高湿気体で成形ができるものである。
尚、上記の実施の形態では、成形型2として上下に型を分離させて開く水平割り型を用いるようにしたが、これのみに限定されるものではなく、縦割りの成形型2に本発明を適用することも可能である。また上記の実施の形態は、サンド供給ヘッド4や押出しピン7の移動方向と、水蒸気供給ヘッド5の移動方向を同じ方向に設定したが、これに限定されるものではなく、直交する移動方向に設定するようにしてもよい。
1 注入口
2 成形型
3 粘結剤コーテッドサンド
4 サンド供給ヘッド
5 水蒸気供給ヘッド
6 サンドヘッド横移動装置
7 押出しピン
8 ノズル口
9 ノズル口
10 サンド貯留槽
11 ピン昇降装置
12 サンド台車
13 ピン台車
14 過熱器
15 サンドヘッド昇降装置
16 蒸気ヘッド横移動装置
17 加熱気体供給装置

Claims (10)

  1. 上面に注入口を設けた成形型と、耐火物に粘結剤を被覆して調製される粘結剤コーテッドサンドを注入口から成形型内に注入して充填するサンド供給ヘッドと、粘結剤コーテッドサンドが充填された成形型内に注入口から水蒸気を吹き込むことによって、水蒸気による加熱で粘結剤コーテッドサンドの粘結剤を固化乃至硬化させる水蒸気供給ヘッドとを具備した鋳型製造装置であって、サンド供給ヘッドに粘結剤コーテッドサンドを補給する位置と、注入口に粘結剤コーテッドサンドを注入する成形型の直上位置との間でサンド供給ヘッドを横移動させるサンドヘッド横移動装置と、粘結剤コーテッドサンドを固化乃至硬化させた後に成形型を型開きする際に注入口に差し込まれ、注入口内の固化乃至硬化した粘結剤コーテッドサンドを押出し排出する押出しピンを備え、押出しピンをサンド供給ヘッドと一体的に連結すると共に、サンドヘッド横移動装置でサンド供給ヘッドを粘結剤コーテッドサンドの補給位置に移動させた際に押出しピンを注入口に差し込む成形型の直上位置に移動させるようにして成ることを特徴とする鋳型製造装置。
  2. 上記成形型は上下方向に分離させて型開きする水平割り型であることを特徴とする請求項1に記載の鋳型製造装置。
  3. サンド横移動装置の作動によって移動するサンド台車と、サンド台車に連結されて共に移動するピン台車を備え、サンド台車に上記サンド供給ヘッドを設けると共にピン台車に上記押出しピンを設け、且つ、押出しピンが成形型の直上位置に移動したときに作動し、押出しピンを下動させて押出しピンを成形型の注入口に差し込ませるピン昇降装置をピン台車に設けて成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋳型製造装置。
  4. 上記サンド供給ヘッドは上下動可能に形成されており、サンド供給ヘッドが成形型の直上位置に移動した際に作動し、サンド供給ヘッドを押し下げて、サンド供給ヘッドの粘結剤コーテッドサンドを吐出するノズル口を成形型の注入口に接続させるサンドヘッド昇降装置を備えて成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の鋳型製造装置。
  5. 成形型内に水蒸気を吹き込む成形型の直上位置と、成形型から横に外れる位置との間で水蒸気供給ヘッドを横移動させる蒸気ヘッド横移動装置を備えて成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の鋳型製造装置。
  6. 上記水蒸気供給ヘッドは上下動可能に形成されており、上記のサンドヘッド昇降装置は、水蒸気供給ヘッドが成形型の直上位置に移動したときに、サンド供給ヘッドを押し下げることによってサンド供給ヘッドで水蒸気供給ヘッドを押えて押し下げ、水蒸気供給ヘッドの水蒸気を吐出するノズル口を成形型の注入口に密着させるものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の鋳型製造装置。
  7. 水蒸気を加熱して過熱水蒸気として水蒸気供給ヘッドに供給する過熱器を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の鋳型製造装置。
  8. 水蒸気として温度120℃以上、水蒸気濃度10〜95%の高温高湿気体を用いることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の鋳型製造装置。
  9. 水蒸気として温度50〜500℃、水蒸気濃度10〜90%の高温高湿気体を用いることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の鋳型製造装置。
  10. 水蒸気を成形型に吹き込んだ後、成形型に加熱気体を供給して通す加熱気体供給装置を備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の鋳型製造装置。
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