JP2015038744A - センシングデータの提供契約及び利用契約のデータ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】センサネットワークの実用化および普及を促進するための技術を提供する。【解決手段】センシングデータの提供者の契約条件を定義した提供契約データのデータ構造は、センサを特定するためのセンサ番号を表すデータと、前記センサのアドレスを表すデータと、契約番号を表すデータと、前記センサにより得られるセンシングデータの種別を表すデータと、前記センサによるセンシングエリアの位置を表すデータと、前記センサのセンシング周期を表すデータと、前記センサにより得られるセンシングデータの信頼度を表すデータと、センシングデータの対価を表すデータと、センシングデータの利用範囲を表すデータと、を含む。【選択図】図13

Description

本発明は、センサネットワークに関する。
センサネットワークとは、センサ機能と無線通信機能をもつ機器(ノード)を様々な場所に設置しそれらをネットワーク化することで、センシングデータの収集、管理、シームレスな利用を可能化する技術である。センサネットワークが実現すれば、あらゆる場所の状況を何処からでも素早く正確に把握することが容易となるので、製造現場や物流などの産業分野への応用はもちろんのこと、交通・各種インフラといった社会システムや、医療・教育などの生活に関わる分野まで、幅広い応用が期待されている。
ところで、センサネットワークの実現および実用化のためには、いくつかクリアすべき課題がある。一つは、各地に設置されたノード(センサ)を24時間365日稼働させるための可用性および信頼性の確保であり、もう一つは、数多くのノードを網羅的に設置するために必要なコスト(あるいは動機付け)の問題である。これらは特に、センサネットワークの普及・拡充を図る上で避け得ない問題として存在する。
本発明者は、これらの問題を解決するために、センサネットワークに関わるシステムおよびサービスの仕組みについて検討を重ねている。その検討のなかで、センサネットワークを構成する各ノードに平常時と災害時とでそれぞれ別の役割を担わせることで、ノードの利用価値を向上することができないかとの着想を得た。例えば、平常時には別の目的(本来の目的)で稼働していたノードを、災害時には情報インフラや情報ステーションとして機能させるというものが考えられる。また、各々のノードが現実世界における位置座標(設置位置)と結びついているという性質を活かし、現実世界でのゲーム(例えばウォークラリーゲーム)のチェックポイントとしてノードを利用するなど、平常時の利用方法にも様々なものが考えられる。
なお、災害時の情報インフラに関わる先行技術としては、例えば特許文献1(特開2008−299597号公報)のシステムが知られている。同システムは、災害時の安否確認や防災情報の告知のためのシステムであり、中央局と親局の間は無線回線と冗長ネットワークとで接続され、親局と複数の子局は無線アドホックネットワークを形成している点に特徴がある。中央局が発信した警報は、親局を経由して、無線アドホックネットワークを通じて各子局に配信される。また、各子局で入力された安否情報は親局を経由して中央局に集約される。しかしながら、特許文献1のものはセンサネットワークとは技術分野が異なり、これをそのままセンサネットワークに適用することはできない。また特許文献1のものは災害時専用のシステムであって、平常時の利用は何ら想定されていない。
一方、特許文献2(特開2007−190344号公報)には、パソコンと歩数計を用いて仮想世界でのウォークラリーゲームを行うシステムが開示されている。具体的には、ユーザが歩数計をパソコンに接続すると、歩数データが所定のウェブサイトに自動的に伝送され、ウェブサイトにおいて当該ユーザの歩行距離・到達地点・残距離などが計算され、それらが地図データとともにユーザのパソコンに表示されるというものである。しかし、このシステムは、現実世界に設置されたノードを利用するものではなく、センサネットワークには適用できない。
特開2008−299597号公報 特開2007−190344号公報
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、センサネットワークの実用化および普及を促進するための技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明では、以下の構成を採用する。
請求項1に係る発明は、センシングデータの提供者が希望する契約条件とセンシングデータの利用者が希望する契約条件とのマッチングに用いるための、提供者の契約条件を定義した提供契約データのデータ構造であって、センサを特定するためのセンサ番号を表すデータと、前記センサのアドレスを表すデータと、契約番号を表すデータと、前記センサにより得られるセンシングデータの種別を表すデータと、前記センサによるセンシングエリアの位置を表すデータと、前記センサのセンシング周期を表すデータと、前記センサにより得られるセンシングデータの信頼度を表すデータと、センシングデータの対価を表すデータと、センシングデータの利用範囲を表すデータと、を含むことを特徴とする、センシングデータの提供契約データのデータ構造である。
請求項2に係る発明は、センシングデータの提供者が希望する契約条件とセンシングデータの利用者が希望する契約条件とのマッチングに用いるための、利用者の契約条件を定義した利用契約データのデータ構造であって、利用者を特定するための利用者番号を表すデータと、センシングデータの提供先のアドレスを表すデータと、契約番号を表すデータと、希望するセンシングデータの種別を表すデータと、希望するセンシングエリアの位置を表すデータと、希望するセンシング周期を表すデータと、希望するセンシングデータの信頼度を表すデータと、希望するセンシングデータの対価を表すデータと、センシングデータの利用範囲を表すデータと、を含むことを特徴とする、センシングデータの利用契約データのデータ構造である。
本発明によれば、センサネットワークの実用化および普及を促進することができる。
センサネットワークシステムの全体構成と平常時の動作を説明するための図。 センサネットワークシステムの全体構成と災害時の動作を説明するための図。 陣取りソーシャルゲームを説明するための図。 (a)はゲーム参加者の個人管理情報のデータ構造の例、(b)はアプリケーションサーバーに集計された移動履歴データのデータ構造の例。 閉ループ間の包含関係の検出処理のフローチャート。 閉ループ間の包含関係に基づき計算された陣取り状態を示す図。 各参加者または各参加グループ単位での獲得ポイントを算出する処理のフローチャート。 陣取りソーシャルゲームの中間状態の提示画面の例。 災害時対応サーバーの構成および動作を説明するための図。 仲介サーバーの構成を示す機能ブロック図。 契約マッチング処理部の機能および動作を説明するための図。 契約マッチング処理のフローチャート。 (a)はセンシングデータ提供契約データベースのデータ構造の例、(b)はセンシングデータ利用契約データベースのデータ構造の例。 センシングデータ配信制御部の機能および動作を説明するための図。 センシングデータ配信制御のフローチャート。 センシングデータ処理制御部の機能および動作を説明するための図。 センシングデータ処理制御のフローチャート。 仮想センサ管理データの一例を示す図。 対価精算処理部の機能および動作を説明するための図。 実センサからのセンシングデータ取得処理部の機能および動作を説明するための図。
本発明は、センサ機能と無線通信機能をもつ機器を様々な場所に設置しネットワーク化することで、センシングデータの収集、管理、シームレスな利用を可能にする技術(センサネットワーク)に関するものである。
本明細書では、センサネットワークを実現するための構成として、異なる地点に設置される多数の「無線通信ノード」と、各無線通信ノードで得られたセンシングデータを収集し管理する「仲介サーバー」と、仲介サーバーから提供を受けたセンシングデータを利用する「アプリケーションサーバー」とからなるシステムを説明する。このシステム構成は、無線通信ノードを設置しそこで得られたセンシングデータを提供する者(提供者)と、アプリケーションサーバーを運用しセンシングデータの利用を行う者(利用者)とが別の者であり、第三者(仲介者)で運用される仲介サーバーが提供者と利用者の間のセンシングデータの取引・売買を仲介する、という形態を想定したものである。このような仕組みの実現によりセンシングデータそのものの流通市場が形成されれば、無線通信ノードを設置する提供者側とデータを利用する利用者側の双方にメリットが生まれるため、提供者および利用者の新たな参加や無線通信ノードの設置が加速度的に進み、センサネットワークの普及・拡充が図られると期待される。
無線通信ノードには、無線通信ノード自身がセンサを備えている構成のものもあるし、別に設けられたセンサからセンシングデータを取得する構成のものもある。以下の説明においては、無線通信ノードを単に「ノード」または(センサを備えた構成の無線通信ノードの場合は)「センサ」ともよぶ。なお、センサには様々な種類のものが存在するが、本発明に係るセンサネットワークでは、センシングした結果をデジタルデータの形式で取り出すことができさえすれば、いかなる種類のセンサ(およびそのセンシングデータ)を利用することができる。センサの一例を挙げると、画像センサ、温度センサ、湿度センサ、照度センサ、力センサ、音センサ、RFIDセンサ、赤外線センサ、姿勢センサ、降雨センサ、放射能センサ、ガスセンサなどがあるが、もちろんこれらに限られない。
以下に述べる実施形態では、各種センサを備えたノードを様々な地点に設置し、平常時には、各ノードから周囲環境の状態を収集する一方で、各ノードを歩数計(活動量計)を使ったゲームのマークポイントとしても活用し、さらに災害時には、各ノードを被災状況や安否情報を収集したり各種情報を提供したりする情報インフラや情報ステーションとして活用するシステムを説明する。ただし、これらの利用形態は本発明の一つの適用例にすぎず、本発明の範囲をこれらの構成に限定する趣旨のものではない。
<システム全体構成(平常時)>
図1は、本発明の実施形態に係るセンサネットワークシステムの全体構成と平常時の動作を模式的に示している。
図に示すように、マークポイントノード設置施設A,B,C,I,N・・・にそれぞれマークポイントノード1と称される無線通信ノードが設置されている。各施設のマークポイントノード1は、無線LANルーター100、モデム(光モデムやADSLモデム)101などのネットワーク装置を介して、公衆通信ネットワークであるインターネットに接続されている。また、ゲームを提供するゲーム実行装置としてのアプリケーションサーバー4、および、センシングデータの仲介を行う仲介装置としての仲介サーバー3もそれぞれインターネットに接続されている。
(マークポイントノードの構成)
マークポイントノード1は、太陽光発電パネル12とバッテリ13からなる電源を内蔵している。太陽光発電パネル12は自然エネルギーである太陽光を受けて発電するデバイスであり、バッテリ13は太陽光発電パネル12で発電した電力を蓄積する電池である。この電源はマークポイントノード1内の給電対象デバイスに電力を供給するために利用される。太陽光発電パネル12とバッテリ13の他に、商用電源(AC電源)を利用するための電源を設けることもできる。その場合、平常時は商用電源を利用し、災害時(停電時)には太陽光発電パネル12とバッテリ13を利用するように切り換えるとよい。あるいは、マークポイントノード設置施設内に太陽光発電システムや風力発電システムなどの非常用電源が設けられている場合は、災害時にはそれらの外部非常用電源から電力の供給を受けるようにしてもよい。
マークポイントノード1は、環境センサ14とRFIDリーダライタ17を有している。環境センサ14は周囲環境の状態をセンシングするためのセンシング手段であり、例えば、画像センサ、温度センサ、湿度センサなど、目的に応じて1つまたは複数のセンサが設けられる。環境センサ14からは定期的にセンシングデータが取り込まれる。RFIDリーダライタ17は、ユーザの保持する移動体端末2から非接触無線通信によりデータを読み取ったり、移動体端末2にデータを伝送したりする手段である。
マークポイントノード1は、ゲームの参加者を含め、当該ノード1を利用する人との間のMMI(マンマシンインターフェイス)のための表示部15とスピーカー16も備えている。図示しないが、キーボードやタッチパネルなどの入力部を備えてもよい。
そして、これらのデバイスは制御用PC(パーソナルコンピュータ)10で制御される。この制御用PC10は、マークポイントノード1の設置位置を例えば(緯度,経度)というデータで記憶しているし、正確な日時を測定するクロックを内蔵する。なお、マークポイントノード1にGPSセンサを内蔵し、GPSセンサの出力からノード1の設置位置を求める構成でもよいし、あるいは仲介サーバー3が各ノード1の設置位置を記憶・管理している場合にはノード1の側に位置データを記憶しておく必要はない。
さらに、制御用PC10は、無線通信手段としての無線LAN子機11を有しており、マークポイントノード設置施設Nに設けられている無線LANルーター100と無線通信を行うことができる。そのため、マークポイントノード1は、電源供給の面でも情報通信の面でも、ケーブル設置工事なしで、マークポイント設置施設Nに設置することができる。
マークポイント設置施設Nは、典型的には一般住宅や店舗である。つまり、一般の人々や店舗の経営者などに、マークポイントノード1の設置・運用ならびにセンシングデータの提供を行う「提供者」となってもらうことを想定している。最近では、光通信、ADSL、ケーブル通信などのブロードバンド接続サービスを導入している住宅、店舗がほとんどである。その場合は、モデム101は既存のものを利用し、(なければ)無線LANル
ーター100を追加するだけで、マークポイントノード1を設置する準備が整う。この提供者が定額制でブロードバンド接続サービスを受けている場合には、マークポイントノード1を設置して、マークポイントノード1が常時動作する状況を実現しても、この提供者の金銭的な負担は増加しない。なお、マークポイントノード1を住宅に設置する場合には、例えばフェンスや外壁などに道路側に向けて取り付けるとよい。店舗の場合には、ゲーム参加者を来店客として呼び込むために、店舗の中に設置するとよい。
(ゲームに関わる動作)
ゲームの参加者は、移動体端末2を保持して歩きながら、マークポイントを巡る。移動体端末2は、歩数計もしくは活動量計、または、歩数計測機能をもつ携帯電話もしくは携帯型情報端末(スマートフォン、スレート型端末含む)である。参加者が歩いた累積歩数データが移動体端末2のメモリ20内に蓄積されている。また、メモリ20内には、参加者毎(端末毎)に割り当てられたID情報も格納されている。
ゲーム参加者が、マークポイントを巡り、移動体端末2をRFIDリーダライタ17にかざすと、(1)ID情報、(2)現時点での累積歩数データがマークポイントノード1に読み取られる。マークポイントノード1の制御用PC10は、移動体端末2から読み取った(1)ID情報と(2)累積歩数データに、(3)マークポイントノード1の位置(緯度,経度)と(4)読み取った時刻の情報を組にして記憶する。このデータを通過点データとよぶ。
各設置施設A,B,C,I,N・・・に設置されている各マークポイントノード1は、そこに訪れたゲーム参加者の通過点データを蓄積し、これを所定の周期でインターネットを通じて仲介サーバー3に送信する。仲介サーバー3は必要な処理を行った後、これらの通過点データをアプリケーションサーバー4に送信する。仲介サーバー3の構成および動作については後述する。
アプリケーションサーバー4上で動作するゲームソフトウェアは、複数のマークポイントノード1から受け取った通過点データを集計すると、(1)ID情報、(2)マークポイントノードの位置(通過点)、(3)IDを読み取った時刻(通過時刻)に基づき集計データを分析することにより、各ゲーム参加者の移動経路を抽出する。そして、アプリケーションサーバー4は、参加者間(あるいは参加グループ間)で移動経路を比較し、その比較結果をゲームのルールに当てはめて、ゲームの結果データを生成する。ゲームの結果(勝敗、獲得ポイントなど)はゲーム参加者のPC40や携帯電話41などに通知され、また各施設のマークポイントノード1でも確認することができる。さらに、アプリケーションサーバー4はゲームの面白さを高めるために、ゲームの途中における中間状態をゲーム参加者やゲーム観戦者に示すため、各種の情報を生成し、提示してもよい。この中間情報についてもPC40、携帯電話41、マークポイントノード1で確認可能にするとよい。
(陣取りソーシャルゲーム)
ゲームの具体例として、陣取りソーシャルゲームを説明する。陣取りソーシャルゲームのルールは以下の通りである。
ルール1: 開始日と終了日からなるゲーム期間と、明確な境界線が定義できる開催地域が定められた陣取りソーシャルゲームにおいて、開催地域内でゲーム期間内に獲得した陣地の所定特性値(例:面積、店の売上高、米の生産量)に応じて換算されるポイントを獲得できる。
ルール2: 陣地を獲得するためには、その陣地の全体を右回りまたは左回りで包む閉曲線(以下、閉ループという)の経路を、ゲーム期間内に周回した回数が、他のどのグル
ープまたは個人よりも多いことが必要である。
ルール3: 個人は、他の個人と提携してグループを形成し、その陣地を各人が周回した回数を、形成したグループ内で合算することができる。この合算においては、陣地を周回する方向が同じ場合は足し算で合算されるが、周回する方向が逆の場合には引き算で合算される。
ルール4: 陣地の領域と周回方向は、対象の個人またはグループに属する個人ごとに、マークポイントノードへの最新の到着時刻の古いものから新しいものに向かう順に、マークポイントノードの系列を形成し、その系列の順にマークポイントの位置を直線で結んでいくことで決定する。
ルール5: 個人は、1つのゲーム期間内においては、陣地獲得のために陣地を囲む周回方向を右回りまたは左回りのどちらかで、周回方向の登録をしておく。周回方向が登録されたものと異なる、その個人のデータは集計の対象とならない。
ルール6: 陣取りソーシャルゲームに参加する個人は、一定の期間ごとに一定の参加料(例:年会費)を支払う。
ルール7: ゲーム参加者がグループを形成する場合、グループを形成する個人のデータは、ゲーム期間の終了の所定時間前またはゲーム期間の開始前までに登録しなければならない。
ルール8: 個人は1つのゲーム期間内では複数のグループには加入できない。
図3は、上記ルールに従った陣取りソーシャルゲームの経過を模式的に示すものである。図3は陣取りソーシャルゲームの開催地域を示す地図であり、地図上の○印がマークポイント(マークポイントノード1が設置された位置)を示している。開催地域内の様々な地点(住宅または店舗)にマークポイントが設けられていることが分かる。それぞれ3名ずつで構成される赤組(Gp01)と青組(Gp02)とがゲームに参加しており、赤組は周回方向を左回りで登録し、青組は右回りで登録したものとする。
(1)赤組は3人全員を投入して、閉ループAを左回りに2回転した。合算後の回転数は6であり、閉ループAの面積は3haである。
(2)青組は1人を投入して、閉ループBを右回りに1回転した。合算後の回転数は1であり、閉ループBの面積は1haである。
(3)青組は2人を投入して、閉ループCを右回りに4回転した。合算後の回転数は8であり、閉ループCの面積は1.5haである。
(4)(1)での赤組の回転数よりも、(3)での青組の回転数の方が多いので、閉ループCの内部は青組の陣地となる。青組は閉ループCと閉ループBを陣地としたので、陣地の面積合計は2.5haとなる。一方、赤組の陣地は閉ループAから閉ループCを除いた面積なので、1.5haとなる。この時点では、青組の陣地の方が赤組の陣地よりも広い。
(アプリケーションサーバーの動作)
次に、図4〜図8を参照して、アプリケーションサーバーのゲームソフトウェアの動作を具体的に説明する。図4(a)はアプリケーションサーバー4に登録されている、ゲーム参加者の個人管理情報のデータ構造の例であり、図4(b)は、アプリケーションサーバー4に集計された移動履歴データのデータ構造の例である。図5は、閉ループ間の包含関係の検出処理のフローチャートであり、図6は、閉ループ間の包含関係に基づき計算された陣取り状態を示す図である。図7は、各参加者または各参加グループ単位での獲得ポイントを算出する処理のフローチャートである。図8(a)と(b)は、陣取りソーシャルゲームの中間状態の提示画面の例である。
ゲームへの参加を希望する個人もしくはグループは、インターネットを通じてアプリケーションサーバー4のウェブサイトにアクセスすることにより、参加申込をすることがで
きる。アプリケーションサーバー4では、ゲーム参加者それぞれの情報を図4(a)および(b)のように管理している。(a)では、個人管理情報として、参加者に一意に割り振られる個人ID(P00201)、氏名(歩行太郎)、メールアドレス(a1@c.jp)、ゲームの中間状態や結果を確認するためのウェブサイトにログインする際に必要なパスワード、所属グループのID(Gp01)、獲得した陣地となる閉ループ番号リスト(初期状態では空であり、陣地を獲得すると閉ループ番号が記述される)、獲得した勝利者ポイント(初期状態では0であり、陣地を獲得するとそれに応じたポイントが付与される)、周回方向(右または左)が示されている。また(b)がこの参加者がマークポイントを巡った履歴をまとめたものである。
アプリケーションサーバー4は、仲介サーバー3を介して各マークポイントノード1から通過点データを受け取ると、それらを参加者のID別に集計し、図4(b)の移動履歴データとしてまとめる。移動履歴データには、マークポイントを通過した日時、マークポイントのID、マークポイントの位置(緯度,経度)、および、閉ループ番号が含まれている。なお、閉ループ番号は、当該参加者の移動履歴を分析した結果、閉ループが形成されたことが判明した時点で入力される情報である(図7のS207参照)。
陣取りソーシャルゲームの期間が終わると、全ての参加者の移動履歴データが確定する。そうしたら、アプリケーションサーバー4は、図7のフローチャートの手順で、各個人およびグループごとに獲得した陣地(閉ループ)を計算し、それに基づいて、各個人およびグループの獲得ポイントを計算する。以下、図7の処理を順に説明する。
アプリケーションサーバー4は、処理対象とする個人IDを順に選択し(S200)、その個人IDの移動履歴データ(図4(b))を個人管理情報から読み取る(S202)。次に、アプリケーションサーバー4は、移動履歴データから日時の古い順にデータを読み込み、上述したルール4と5に従って閉ループとその回転方向を検出する(S203)。次に、アプリケーションサーバー4は、検出した閉ループが他の誰も周回したことのない閉ループか(つまり、閉ループ番号が未付与の閉ループか)どうかを調べる(S204)。YES判定の場合は、アプリケーションサーバー4は新たな閉ループ番号を発行し(S205)、NO判定の場合は、同じ閉ループに付与されている閉ループ番号を用いる(S206)。そしてアプリケーションサーバー4は、S203で検出した閉ループを構成する各行のデータにS205またはS206で決定した閉ループ番号を記入する(S207)。移動履歴データの中に閉ループ番号が記入されていないデータがなくなるまで、S203〜S207の処理が繰り返される(S208)。全てのデータに閉ループ番号を付したら(S208;NO)、アプリケーションサーバー4は、その個人が周回した閉ループについて、その個人の個人IDと閉ループ番号の組み合わせごとに、その個人の閉ループの周回数と回転方向を図6に示すテーブルに記録する(S209)。
以上述べたS202〜S209の処理を個人IDごとに繰り返し(S200,S201)、ゲームの参加者全員の処理が終了したら、S210の処理に移行する。S210では、アプリケーションサーバー4が、閉ループ間の包含関係を評価し、各閉ループが包含する他の閉ループのリストを作成する。
図5のフローチャートを参照して、S210における包含関係の判定アルゴリズムを説明する。図5は、第1の閉ループが第2の閉ループを包含しているか否かを判定する処理を示しており、この判定処理がすべての閉ループの組み合わせについて行われる。
まず、アプリケーションサーバー4が、第1の閉ループを構成するすべての頂点の座標リスト
{(x11,y11);(x12,y12);……;(x1N,y1N)}
を作成する(S100)。ここで、xは緯度、yは経度であり、添え字の1文字目「1」は第1の閉ループであることを示し、2文字目「1」〜「N」は頂点のインデックスを示している。Nは第1の閉ループを構成する頂点の個数である。この座標リストの1点目、2点目、…を順に接続し、最後のN点目を1点目に接続することで閉ループが形成される。
次にアプリケーションサーバー4が、第2の閉ループを構成するすべての頂点の座標リスト
{(x21,y21);(x22,y22);……;(x2M,y2M)}
を作成する(S101)。ここで、xは緯度、yは経度であり、添え字の1文字目「2」は第2の閉ループであることを示し、2文字目「1」〜「M」は頂点のインデックスを示している。Mは第2の閉ループを構成する頂点の個数である。この座標リストの1点目、2点目、…を順に接続し、最後のM点目を1点目に接続することで閉ループが形成される。
次にアプリケーションサーバー4が、第1の閉ループの座標リストのなかからx座標の最大値xmax1とy座標の最大値ymax1を抽出する(S102)。そして、値xmax1,ymax1をそれぞれ2倍した値xE,yEを計算し、これを座標値とする点E(xE,yE)を定義する。このようにして得られた点Eは、第1の閉ループの外側であることが保証された点である。
次にアプリケーションサーバー4が、フラグFを0で初期化するとともに、頂点ポインタQを1で初期化する(S104,S105)。フラグFは、第2の閉ループが第1の閉ループに包含される場合にF=0、包含されない場合にF=1となるフラグである。また頂点ポインタQは第2の閉ループの頂点を一つずつ選択するために用いるポインタである。
そしてアプリケーションサーバー4は、点E(xE,yE)と第2の閉ループのQ番目の頂点(x2Q,y2Q)とを端点とする線分と、第1の閉ループの交点の個数Wを算出し、Wが奇数かどうかを調べる(S107,S108)。このとき、点(x2Q,y2Q)が第1の閉ループ上に乗っている場合も交点とする。
この処理を第2の閉ループを構成するすべての頂点Q(=1〜M)について順に行い(S109,S106)、Wが奇数とならない頂点がひとつでも見つかった場合には(S108;NO)、フラグFに1を設定してループを抜ける(S110)。なお、すべての頂点でWが奇数となった場合は、フラグFは初期値0のままである。最後に、アプリケーションサーバー4は、フラグFに基づき第1の閉ループと第2の閉ループの間の包含関係の結論を設定し(S111)、処理を終了する。
以上の判定処理を閉ループのすべての組み合わせについて実行したら、その結果を図6に示すテーブルに書き込む。図6の最初の行は、閉ループ「B」を、個人ID「P00201」の者が、「27」回、右回りに周回したこと、閉ループ「B」は他の閉ループを包含しておらず(NONE)、個人ID「P00201」の者はグループ「Gp02」に属していること、が記録されている。また、図6の3番目の行には、閉ループ「A」を、個人ID「P00115」の者が、「6」回、左回りに周回したこと、閉ループ「A」は閉ループ「C」を包含していること、個人ID「P00115」の者はグループ「Gp01」に属していること、が記録されている。
図6のテーブルが完成した後、アプリケーションサーバー4は、ルール2と3に従って、陣地ごとに獲得した個人またはグループのIDを検出する(S211)。そして、アプ
リケーションサーバー4は、個人またはグループごとに、獲得した陣地の特性項目ごとの特性値を集計し、それを獲得ポイントに換算する(S212)。獲得した陣地とポイントは図4(a)の個人管理情報に記録される。
S211とS212の処理について、図6の例を用いて詳しく説明する。グループGp01には、P00115というIDを持つメンバーと、P00078というIDを持つメンバーの2名が所属する。P00115は閉ループAを左に6回転し、P00078は閉ループAを左に8回転した。よって、グループGp01としては閉ループAを左に計14回転したことになる。
この閉ループAには閉ループCが含まれる。閉ループCはP00201というIDを持つメンバーによって右に10回転された。また、閉ループCには、その中に含まれる他の閉ループが存在しない。閉ループAと閉ループCは包含関係にあるとともに、回転方向が逆であり、異なるグループが周回している。ルール2に基づいて、閉ループCの陣地は、グループGp01が獲得する。なぜならば、Gp01の回転数は14であり、Gp02の回転数は10であって、Gp01の方がGP02よりも回転数が多く、しかも相互に回転方向が逆であるからである。Gp01が、閉ループC内も含めてループA内の全領域を、自分たちの陣地にできたことになる。
閉ループA内の領域の特性項目ごとの特性値が、Gp01が獲得した陣地の特性項目ごとの特性値に加算される。ここで、特性項目としては、例えば、当該領域内の全店舗の前年度売上高,前年度の米の生産量,当該領域の面積が考えられる。このように、Gp01が獲得した陣地の特性項目ごとに特性値が合計される。このようにして合計された特性値は、各特性項目に応じたポイント換算率を適用して、ポイント数の算出に用いられる。Gp01が獲得した全陣地の特性項目ごとにポイント数が集計され、このようにして集計された特性項目ごとのポイント数が合算されて、Gp01が獲得したポイント数合計が算出される。
前述のように本実施形態のアプリケーションサーバー4では、この陣取りソーシャルゲームの面白さを高めるために、ゲーム期間の途中における中間状態を、ゲーム参加者やゲーム観戦者に示すための各種の情報を生成し、PC40、携帯電話41、各マークポイントノード1(表示部15、スピーカー16)で確認可能とする。図8(a)に、あるマークポイントノード1で確認できる中間状態の表示例を示す。この表示画面では、当該マークポイントを頂点として含む閉ループA,Cそれぞれの各参加者の周回状況が表示されている。また図8(b)は、マークポイントノード1で確認できる中間状態の別の表示例である。この画面は、マークポイントノード1がRFIDリーダライタで読み取った個人IDに基づき、その個人(P00115)に向けたアドバイスを提示した例である。図8(a)や図8(b)の画面を見ることで、ゲーム参加者は、誰が今リードしているのか、逆転するためにはどの閉ループを何周すべきか、といった戦略を立てることができる。このように、マークポイントノード1は、ゲーム参加者が、仮想世界で行うゲームと現実世界との間のリアルタイムな情報交換を行うゲートウェイとしての役割も担っている。
(災害時に備えた自動点検)
本実施形態のマークポイントノード1は、平常時においても、災害時での動作に必要な各機能の定期点検やスケジュールに従った点検を実施する。
すなわち、マークポイントノード1の各部がバッテリ13から供給される電力で動作して、次の各事項が実行できることを確認する。
(1)RFIDリーダライタ17での移動体端末2との通信
(2)環境センサ14からのセンシングデータの読み込み
(3)表示部15へのメッセージの表示
(4)スピーカー16での音声出力
(5)周辺のマークポイントノードとのアドホック無線通信での情報の送受信
ただし、上記(3)と(4)の点検項目は、周囲にその内容を確認可能な人が存在している場合に実行が可能である。内容確認した人は、図1には図示していないキーボード又はボタンを操作して、確認した内容の適否を示すデータを入力する。それ以外の点検項目(1)、(2)、(5)については、通信ができるかどうか、読み込みができるかどうかを自動的に確認する。その動作結果の評価については、仲介サーバー3もしくは不図示の管理サーバーに通知される。
このように、平常時モードにおいても所定のスケジュールで災害時モードの動作テストを自動で実施することで、災害時に必要な機能が適切に実行できる状態を維持できる。これにより、マークポイントノード1ならびにセンサネットワーク全体の信頼性を向上することができる。
<システム全体構成(災害時)>
図2は、本発明の実施形態に係るセンサネットワークシステムの全体構成と災害時の動作を模式的に示している。
災害時には、商用電源とインターネット、固定電話および携帯電話ネットワークがダウンすると想定する。その場合においても、災害現場の状態のセンシングと災害現場にいる人々の安否確認と災害現場にいる人へのメッセージ伝達の機能を実現することが必要である。そこで災害時には、マークポイントノード1が情報インフラあるいは情報ステーションとして機能し、上述した災害時に必要とされる各種のサービスを実現する。
マークポイントノード1は太陽光発電パネル12とバッテリ13を内蔵しているので、商用電源がダウンしても動作を継続することができる。平常時は無線LAN子機11がマークポイントノード設置施設(例:一般住宅)に設置済みの無線LANルーター100とモデム101経由でインターネットに接続していたが、災害時には無線LAN子機11はアドホック通信モードで動作し、隣接するマークポイントノード設置施設(例:一般住宅)内の他のマークポイントノード内の無線LAN子機と通信を行って、無線通信ネットワークを形成する。
無線LAN子機11がアドホック通信モードにモード遷移をするためのイベントとしては、本来の通信相手方である無線LANルーター100が所定時間以上、応答しない場合がある。他には、常に毎時最初の1分間は一斉に各マークポイントノードの無線LAN子機が一時的アドホック通信モードとなり、災害時対応処理の指令があるかどうかを確認し、災害時対応処理の指令を受信できたことをもって、アドホック通信モードとなるためのイベントとするという方法もある。
アドホック通信モードは、IEEE802.11無線LANの動作モードのひとつで、それぞれの端末に設置された無線LANアダプタが、互いに直接通信をするものである。2つの無線LANアダプタをアドホック通信モードで通信させるには、アダプタに設定するESS−ID(Extended Service Set Identifier)を一致させておけば良い。
一時的アドホック通信モードで動作している際に、図2の設置施設I内のマークポイント親ノードが、通信衛星7および災害時通信局6を経由して、災害時対応サーバー5と通信する。そして、マークポイント親ノードが一時的アドホック通信モードが正常動作していることを通報するとともに、災害時対応処理の指令が、災害時対応サーバー5から来る
かどうかをチェックする。災害時対応処理の指令が来た場合は、マークポイント親ノードからアドホック無線通信ネットワークを通じてすべてのマークポイントノードに対し災害時モードへの切り替え命令が送出される。これにより各マークポイントノードはアドホック通信モードを維持するとともに、災害時モードでの動作を開始する。一方、災害時対応処理の指令が一定時間来なければ、一時的アドホック通信モードは終了し、図1に示す平常時の動作に移る。
災害時には、各マークポイントノードが環境センサ14で周囲環境の状態をセンシングし、アドホック無線通信ネットワークを通じて、その地域を統括するマークポイント親ノードに対しセンシングデータを伝送する。これによりマークポイント親ノードに、その地域の現場の状況を示すセンシングデータが収集される。そして各地域のマークポイント親ノードで収集されたデータは、通信衛星7などの回線を通じて、災害時対応サーバー5に集約される。
このセンシングデータの一つとして、移動体端末2から読み取った歩数もしくは活動量のデータが使用できる。すなわち、災害時モードにおいても、RFIDリーダライタ17により移動体端末2から個人IDと歩数もしくは活動量のデータを収集するのである。この個人データは、その個人の所在と活動状態を示す情報ゆえ、安否確認に利用することができる。移動体端末2からデータを読み取るときに、環境センサ14の一つとして設置されている画像センサで本人の画像を取得して、この画像を個人IDとマークポイントIDと一緒に、マークポイント親ノード経由で災害時対応サーバー5に安否確認用に送っても良い。
また、災害時対応サーバー5からの指令や情報を、通信衛星7⇒マークポイント親ノード⇒マークポイントノード1というルートで送って、マークポイントノード設置施設の周辺にいる人々に情報を伝達することもできる。情報の提示には、マークポイントノード1に装備している表示部15とスピーカー16を用いる。
(災害時対応サーバーの動作)
図9に基づいて、災害時対応サーバー5の動作をさらに詳しく説明する。
災害時対応サーバー5(以下、Sサーバー5という)は、災害時通信局6を経由して、各マークポイント親ノードおよび各マークポイントノードと通信を行うための対マークポイントノード通信機能50と、各マークポイントノードから収集した情報を管理するマークポイントノード管理機能51とを有している。マークポイントノード管理機能51は、各マークポイントノード1から収集した災害対応の基礎となる情報を、「マークポイントノード別の個人情報のデータベース」という第1のデータベース52と、「マークポイントノード別のセンシングデータのデータベース」という第2のデータベース53に記録する。
これらの2つのデータベース52,53は、概略として次の情報を管理する。すなわち、第1のデータベース52に入るものは、マークポイントノード1ごとに、その周囲に存在している人のIDと活動量のデータを含む個人情報のリストである。IDと活動量は各人が保有する移動体端末2から取得する。すなわち、平常時には陣取りソーシャルゲームに参加する目的や健康増進の目的に使っていたこの移動体端末2を、災害時には個人のIDと位置と活動量を発信する安否確認の目的に転用するというものである。
第1のデータベース52に集約された情報は、各マークポイントノード1の周囲にいる人の人数と各人の安否状態を示しているし、IDから各人を特定できるので、その人の能力や関係者の連絡先なども把握でき、災害状況マップの作成において有益である。
第2のデータベース53は、マークポイントノード1ごとの環境状態を示すデータを災害時通信局6を通じて収集したものを保管するデータベースである。これには、各マークポイントノード1の環境センサ14(例:温度センサ、ガスセンサ、地震センサ、画像センサ)で収集したデータが、マークポイントノード1のIDまたはマークポイントノードの位置情報および時刻データと対応付けて保存される。
Sサーバー5は、第1のデータベース52を処理して、対個人の通信用の「個人IDとネットワークIDの対応テーブル」を作成する。すなわち、各個人のIDを、その個人が属しているマークポイントノードのIPアドレスに対応付けたテーブル(以下、対応テーブル54という)を作成する。この対応テーブル54は、そのマークポイントノード1を経由して他のノードなどと通信するためのルーティングテーブルの一部を構成する。すなわち、個人IDをあて先にした通信は、その個人IDの人が属するマークポイントノード1のIDを経由ノードにした通信となる。個人IDをあて先とする各種のメッセージは、「対個人の安否確認、所在追跡、メッセージ送信機能」55で生成、送信される。
個人IDをあて先とするメッセージをマークポイントノード1が受信すると、そのメッセージはマークポイントノード1の記憶部にとりあえず保管される。そして、マークポイントノード1が、保管しているメッセージに付された宛先IDと同じ個人IDをRFIDリーダライタ17で読み取った時点で、マークポイントノード1からその人への情報伝達が実行される。例えば、「○○さんへのお知らせがあります。」という通知を表示部15またはスピーカー16から出力した後、保管していたメッセージを表示部15またはスピーカー16から出力することができる。あるいは、保管していたメッセージをRFIDリーダライタ17から移動体端末2に送り、移動体端末2上でメッセージを再生できるようにしてもよい。
さらに、各個人は、移動体端末2もしくはマークポイントノード1を用いて、情報の発信や返信を行うこともできる。例えば、移動体端末2の上で宛先を指定した簡単なメッセージを作成し、マークポイントノード1のRFIDリーダライタ17にかざすと、移動体端末2から個人ID、歩数もしくは活動量のデータ、宛先付きの簡単なメッセージが読み取られる。またマークポイントノード1を用いて情報発信を行う場合は、マークポイントノード1に移動体端末2をかざして個人IDを読み取らせた後、キーボード等のMMI手段を利用してメッセージや宛先の入力を行えばよい。
マークポイントノード1からの送信メッセージの通信パケットは、隣接するマークポイントノードの間で形成しているアドホック無線通信ネットワークを通じて、マークポイント親ノードに集約される。そして、そのマークポイント親ノードから通信衛星7経由で、災害時通信局6に伝達され、そこからSサーバー5に伝送される。
また、「対個人の安否確認、所在追跡、メッセージ送信機能」55は、第1のデータベース52に集約された情報や、MMI機能56で入力された情報に基づき、各人の安否確認や所在追跡を行ったり、各種メッセージの生成・送信を行うこともできる。
さらに、災害状況マップ作成機能57は、第1のデータベース52、第2のデータベース53、地図情報DB58を用いて、災害状況マップを作成する。具体的には、災害状況マップ作成機能57は、地図情報DB58から読み込んだ地図データの上に、各マークポイントノード1の位置、各マークポイントノード1の周囲環境の状況、各マークポイントノード1の周辺に存在する人の数と各人の状況を記述したデータを作成する。このようにして作成された災害状況マップは、災害状況マップの配信機能59により、対マークポイントノード通信機能50を経由して、各マークポイントノードに配信される。
さらに、ユーザが「避難先と避難経路の設定機能」60とMMI機能56を用いて、災害状況マップを参照しながら、避難先や避難経路を設定することもできる。設定された避難先と避難経路は、対マークポイントノード通信機能50を経由して、各マークポイントノード1に配信することもできるし、ラジオ放送設備61を用いて放送することもできる。このラジオ放送は、マークポイントノード1のラジオ受信機18で受信し、スピーカー16から再生することもできるし、移動体端末2がラジオ機能を内蔵しておれば各個人が聞くこともできる。
<仲介サーバーの構成>
次に、図10を用いて、仲介サーバー3の構成を詳しく説明する。図10は仲介サーバー3の機能構成の概略を示す機能ブロック図である。
仲介サーバー3は、前述のように、マークポイントノード1を設置しそこで得られたセンシングデータを提供する者(提供者)と、アプリケーションサーバー4を運用しセンシングデータの利用を行う者(利用者)との間の、センシングデータの取引・売買を仲介する機能を担うサーバーである。センシングデータの提供者は、自分が提供するデータの利用率を高めたいと望む一方で、それが意図しない者に勝手に使われたり、意図しない使われ方をしたりして、自らの利益が害されることは避けたい。一方、センシングデータの利用者は、自分の希望に合致する仕様のセンシングデータをできるだけ低コストで利用できることを希望する。したがって、センシングデータの流通を実現するには、提供者と利用者の間での、センシングデータの取引にかかわる契約条件や法律関係をクリアにする枠組みが必要となる。本実施形態のシステムでは、提供者と利用者のマッチングを仲介サーバー3が自動で行うことで、センシングデータの健全かつ安全な利用を実現している。
仲介サーバー3は、図10に示すように、契約マッチング処理部30、センシングデータ提供契約データベース31、センシングデータ利用契約データベース32、センシングデータ配信制御部33、センシングデータ処理制御部34、実センサからのセンシングデータ取得処理部35、センシングデータデータベース36、仮想センサの管理データデータベース37、配信ログデータベース38、対価精算処理部39を有する。これらの機能は、仲介サーバー3の補助記憶装置に格納された仲介プログラムを仲介サーバー3のCPUが実行することで実現されるものである。以下、各機能について順に説明する。
(契約マッチング処理)
図11に契約マッチング処理部30の機能構成を示し、図12に契約マッチング処理部30における契約マッチング処理のフローチャートを示す。
契約マッチング処理部30は、定期的に図12の契約マッチング処理を実行する。なお契約マッチング処理の実行周期は、数秒から数分に一回でもよいし、数十分から数時間に一回のように設定することもできる。センサネットワークの用途や契約者などに応じて適宜設定すればよい。
まず契約マッチング処理部30は、利用契約読み出しカウンタkと、k番目のマッチングリストを初期化する(S300)。次に、利用契約の読み出し処理部302が、センシングデータ利用契約データベース32から、k番目の契約データを読み出し(S301)、その契約データの利用条件を調べることで当該利用者が現時点においてセンシングデータの利用を必要としているかどうかを判断する(S303)。例えば利用者が毎週土曜日の朝10時の渋滞情報の取得を希望をしている場合には、土曜日の当該時刻以外の場合はS303においてNO判定されることとなる。
図13(b)はセンシングデータ利用契約データベース32に格納されている利用条件の契約データの一例である。契約データは、利用者番号、IPアドレス、契約番号、センシング種別、センシングエリアの位置、センシング周期、センシングデータの信頼度、センシングデータの対価、センシングデータの使用可能アプリの範囲などの項目で構成されている。IPアドレスは、利用者のアプリケーションサーバーのネットワークアドレスである。この利用者「USER002」は、京福嵐山駅の近辺に設置されたノード(センサ)から、200秒以内の周期で80%以上の高信頼度で計測される、人の位置・時刻・IDのセンシングデータを希望している。またその対価としては、センシングデータ1件につき150円まで可能であること、センシングデータの利用範囲は、人の見守りと陣取りゲームに限定する旨、定めている。
S303においてセンシングデータの利用を必要としている利用契約が見つかった場合は、提供契約の読み出し処理部301が、提供契約読み出しカウンタuを初期化し(S305)、センシングデータ提供契約データベース31から、u番目の契約データを読み出す(S306)。図13(a)は、センシングデータ提供契約データベース31に格納されている提供条件の契約データの一例である。提供条件の契約データの項目は、先に述べた利用条件の契約データの項目と同じであるため、説明を割愛する。
次に、契約項目の一致判定処理部303が、k番目の利用契約の各項目とu番目の提供契約の各項目とを比較し、すべての項目の値(条件)が合致するかどうかを判断する(S308)。図13(a)と図13(b)の例を比較すると、両者の条件はマッチしていることが分かる。すべての項目がマッチしていた場合は、マッチングリストの作成処理部304が、契約番号uをk番目のマッチングリストに追加する(S309)。S306〜S309の処理は、センシングデータ提供契約データベース31内に格納されているすべての提供契約について繰り返される(S310、S307)。
すべての提供契約についてk番目の利用契約とのマッチ/非マッチが確認されたら、提供契約の選択部305が、k番目のマッチングリストのなかに契約番号が1つ以上記述されているかどうかを確認する(S311)。1つも契約番号がない場合、k番目の利用契約にマッチする提供契約がないということなので、k番目の利用契約を提示した利用者へのセンシングデータの提供は行われない。一方、マッチングリストのなかに1つ以上契約番号が記述されていた場合には、提供契約の選択部305が、それらの提供契約のなかで対価が最小の提供契約を選択する(S305)。このように対価最小ルールで提供契約を選択することで、利用者の利益を尊重できるとともに、センシングデータの対価の適正を図ることもできる。
以上の処理を、すべての利用契約について実行した後、契約マッチング処理を終了する(S304、S302)。その後、取得元アドレス検出部306が、対価最小の提供契約データからセンシングデータの取得元アドレス(図13(a)の例ではIPアドレス)を読み出し、これをセンシングデータ配信制御部33に引き渡す。同様に、センサ番号検出部307が、対価最小の提供契約データからセンサ番号を読み出し、これをセンシングデータ配信制御部33に引き渡す。なお、センシングデータの取得元が、実センサではなく、後述する仮想センサの場合には、センサ番号のみで特定することとなるため、取得元アドレスには仮のアドレス(例えば「0.0.0.0」など)が設定されている。取得元が実センサか仮想センサかは、センサ番号の範囲で判断することもできるし、提供契約データのなかに正当なIPアドレスが記述されているかどうかでも判断できる。さらに、提供先アドレス検出部308は、利用契約データから利用者のIPアドレスを読み出し、これを提供先アドレスとしてセンシングデータ配信制御部33に引き渡す。
(センシングデータ配信制御)
図14にセンシングデータ配信制御部33の機能構成を示し、図15にセンシングデータ配信制御部33におけるセンシングデータ配信制御のフローチャートを示す。
センシングデータ配信制御部33は、契約マッチング処理部30から、契約条件がマッチしたセンシングデータ取引に関するデータ(具体的には、取得元アドレス、センサ番号、提供先アドレス)を受け取るのを待つ(S400)。データを受け取ったら、取得元アドレスは取得元アドレス記憶部330に、センサ番号はセンサ番号記憶部331に、提供先アドレスは提供先アドレス記憶部332に、それぞれ格納する。
センシングデータ受信部333は、取得元アドレスとセンサ番号をセンシングデータ処理制御部34に引き渡して、それに対応するセンサによる最新のセンシングデータを要求し(S401)、センシングデータ処理制御部34から要求したセンシングデータを受け取るのを待つ(S402)。
その後、センシングデータ送信部334が、受け取ったセンシングデータを、提供先アドレスに対して送信する(S403)。そして、配信記録部335が、配信ログデータベース38に対して、センシングデータの種類、センサ番号、提供先アドレス、取得元アドレス、送信日時を記録する(S404)。これにより、どのセンサから得たどのような種類のセンシングデータをいつ、どの提供先アドレスの利用者に提供したか、というログが残る。
(センシングデータ処理制御)
図16にセンシングデータ処理制御部34の機能構成を示し、図17にセンシングデータ処理制御部34におけるセンシングデータ処理制御のフローチャートを示す。
センシングデータ処理制御部34は、センシングデータ配信制御部33から、センシングデータの要求を受け取るのを待つ(S500)。要求を受け取ったら、センサ種別判定部340が、センサ番号と取得元アドレスに基づき、当該センサが実センサであるか仮想センサであるかを判定する(S501)。実センサとはマークポイントノードとして設置されているセンサのことであり、図10ではR1からRnまでn個の実センサが設けられている。一方、仮想センサとは、1つまたは複数の実センサから得られたセンシングデータを加工して出力するモジュールであり、基本的にはコンピュータプログラムで実現されるものである。現実世界に設置される実センサと区別するため仮想センサと呼ぶが、センシングデータの取扱いは、実センサであると仮想センサであると変わるところはない。
要求のあったセンシングデータが実センサのものである場合には(S501;NO)、センシングデータ読み出し部341がセンシングデータDB36から当該センサ番号もしくは取得元アドレスで特定されるセンサの最新のセンシングデータを読み取り、そのデータをセンシングデータ配信制御部33に引き渡す(S502)。
一方、要求のあったセンシングデータが仮想センサのものである場合には(S501;YES)、仮想センサ管理データ読み出し部342が、仮想センサの管理データDB37から、当該センサ番号に対応する仮想センサ管理データを読み取る。仮想センサ管理データとは、仮想センサのセンシングデータを生成するのに利用される下位のセンサのリストと、下位のセンサのセンシングデータをどのように加工処理するか(処理方式)の定義が記述されたものである。図18(a)、(b)は仮想センサの管理データの一例を示している。図8(a)の例は、仮想センサVS001は、実センサR002と実センサR004のセンシングデータを用いて、信頼性データ付きのセンシングデータを生成するということが定義されている。また図8(b)の例は、仮想センサVS004は、仮想センサVS001と仮想センサVS003のセンシングデータを用いて、条件判断付きセンシング
を行うことが定義されている。仮想センサ管理データ読み出し部343は、このようにして得た下位センサ番号をセンシングデータ読み出し部341に引き渡す。なお、図8(b)のように下位センサも仮想センサである場合には、実センサのセンサ番号が得られるまで再帰的に処理を繰り返せばよい。
センシングデータ読み出し部341は、指定された下位センサそれぞれの最新のセンシングデータをセンシングデータDB36から順次読み出し、センシングデータバッファ343に格納する(S504)。すべての下位センサのセンシングデータが読み出されたら、センシングデータ加工処理部344が、仮想センサ管理データに定義されている加工処理を下位センサのセンシングデータに対し適用することで、加工されたセンシングデータを得る(S505)。この加工されたセンシングデータが、仮想センサのセンシングデータとして、センシングデータ配信制御部33に引き渡される。
(仮想センサの例)
以下、仮想センサの具体例をいくつか説明する。
(1)差分処理
差分処理とは、同じセンシング対象から測定された時間差のある観測値の差分をとって、その変化率を得る処理方式である。位置p1に設置されているセンサs1で時刻t1に測定値m1が測定され、その後、同じIDをもつセンシング対象から、位置p2に設置されているセンサs2で時刻t2に測定値m2が測定されたと仮定する。
差分処理で得られるセンシングデータとしては、例えば、
速度ベクトル=(p2−p1)/(t2−t1)
測定値の時間変化率=(m2−m1)/(t2−t1)
測定値の空間変化率=(m2−m1)/(p2−p1)
などが考えられる。
(2)平均検出処理
平均検出処理とは、同じセンシング対象からほぼ同じ位置・時刻で測定された観測値の平均を計算する処理方式である。SN比を向上してセンシングデータの信頼性を上げるために利用される。位置p1に設置されているセンサs1で時刻t1に測定値m1が測定され、同じIDをもつセンシング対象から、位置p2に設置されているセンサs2で時刻t2に測定値m2が測定されたと仮定する。ただし、|p2−p1|<δp、かつ、|t2−t1|<δtを満たし、両者の位置、時刻はほぼ同じとみなせるとする。この場合、平均検出処理で得られるセンシングデータとしては、例えば、
測定値の平均値=(m1+m2)/2
などが考えられる。なお、単純平均ではなく、重み付き平均など他の平均処理を適用してもよい。
(3)信頼性データ付きのセンシングデータ生成
この処理は、同じセンシング対象から測定された複数の観測値に基づき、観測値の信頼性を計算し、その信頼性データを観測値と一緒に出力するというものである。ここでは、センシング対象領域の関係モデルと一致する関係のセンシングデータは信頼性が高いという仮定の下、以下の方法で信頼性データを計算する。
2つのセンサs1、s2でそれぞれ測定値A1(r,t)、A2(r,t)が得られたとする。各センサからの出力A1とA2の相互相関関数を次のようにする。
S(α,β)=∬A1(r,t)・A2(r−α,t−β)drdt
そして、Sの最大値であるS*と、その際のαとβの組である(α*,β*)を得る。(
α*,β*)が、センサs1とセンサs2のセンシング対象領域の関係モデル(αM,βM)と許容誤差内で一致していて、かつ、S*が閾値THM以上であれば、A1とA2を信頼性の高いセンシングデータとして出力する。
(4)複数のセンシングデータの条件判断付き処理
この処理は、同じセンシング対象から測定された異なる属性に関するセンシングデータを用いて条件判断をすることで、高度な判断結果を出力可能なセンサを実現するというものである。
2つのセンサs1、s2でそれぞれ測定値A(r,t)、B(r,t)が得られたとする。このとき、例えば、以下のような条件判断処理により値Sを求め、仮想センサのセンシングデータとして値Sを出力する。
IF Condition1(A(r,t))&Condition2(B(r,t))
THEN S=True
ELSE S=False
この条件判断処理は、測定値AとBがいずれも所定の条件を満足した場合には、センシングデータとしてTrueを出力し、それ以外の場合にはFalseを出力する、というものである。
(対価精算処理)
図19に対価精算処理部39の機能構成を示す。対価精算処理部39は、配信ログデータベース38に記録されたセンシングデータ取引のログに基づいて、センシングデータ利用者に対する対価請求処理と、センシングデータ提供者に対する対価支払処理とを行う機能である。
具体的には、提供者別の配信ログ作成処理部390が、配信ログデータベース38から未清算の配信ログを読み込み、そのログを提供別に仕分けして提供者別配信ログを生成する。提供契約読み取り部391は、センシングデータ提供契約データベース31から各提供者の提供契約データを読み取る。そして、提供者別の対価計算処理部392が、提供者別配信ログから当該提供者が配信を行ったセンシングデータの件数を求め、その件数に提供契約に定められているセンシングデータの対価を乗じることで、対価の総額を計算する。提供者別の対価データは不図示の決済機関に送信され、各提供者に対価の支払いが行われる。
一方、利用者への対価請求に関しては、まず利用者別の受信ログ作成処理部393が、配信ログデータベース38から未清算の配信ログを読み込み、そのログを利用者別に仕分けして利用者別受信ログを生成する。利用契約読み取り部394は、センシングデータ利用契約データベース32から各利用者の利用契約データを読み取る。利用者別の請求金額計算処理部395は、利用者別受信ログ、提供者別対価データ、および、利用契約に基づいて、各利用者に対する請求総額を計算する。利用者別の請求金額データは不図示の決済機関に送信され、各利用者に対価の請求が行われる。
(実センサからのセンシングデータ取得処理部)
図20に実センサからのセンシングデータ取得処理部35の機能構成を示す。実センサからのセンシングデータ取得処理部35は、図10に示す実センサR1〜Rnから定期的にセンシングデータを収集する機能である。また、センシングデータ処理制御部34からセンサ番号や取得元アドレスを指定して最新のセンシングデータの取得要求があった場合にも、該当する実センサからデータ取得が行われる。
仲介サーバー3には多数の実センサ(ノード)が登録されているが、センサの種類ごとあるいは機種ごとに、データ取得の方法やデータ仕様(データ構造)が異なる場合がある。そこで、センサ管理情報データベース350には、データ取得の方法、データ仕様などの他、センサ別の固有の情報が登録されている。なお新たにセンサを登録する場合には、センサ管理情報設定部351の機能を利用して管理者がこれらの情報を入力することとなる。
例えば、センサ番号や取得元アドレスを指定してのデータ取得要求があると、センサ管理情報読み出し部352が、当該センサの情報をセンサ管理情報データベース350から読み出す。そして、センサ管理情報読み出し部352は、当該センサの取得元アドレスをアドレス設定部353へ、当該センサとの通信に使われるプロトコルの情報をプロトコル制御部354へ、当該センサから取得されるデータの仕様をデータ変換部356へ、それぞれ引き渡す。センサーアクセス実行部355はプロトコル制御部354の制御の下、アドレス設定部353から指定されたアドレスのセンサ(ノード)に対して、センシングデータの要求を送信する。これに応答してセンシングデータが送られてくると、データ変換部356がセンシングデータに所定のデータ変換を適用し、仲介サーバー3あるいはセンシングデータの利用者において取り扱いがしやすい形式のデータを得る。得られたセンシングデータはセンシングデータDB36に格納される。
<本実施形態の利点>
以上述べた本実施形態の構成によれば、次のような利点がある。すなわち、マークポイントノードを平常時モードと災害時モードを含む複数のモードで動作可能としたことで、ノードの利用機会および付加価値を高めることができるため、結果としてノードの設置導入に関するコスト対効果を高めることができる。よって、一般住宅や店舗などへのノードの設置が促進され、センサネットワークの普及・拡充を図ることが期待できる。
また、自然エネルギーによる発電を行う電源を内蔵し、または、利用する機能をマークポイントノードに設けたことにより、停電などの原因で商用電源が使用できなくなった状況下でもノードの稼働を維持できるため、ノードならびにセンサネットワーク全体の可用性・信頼性を向上することができる。
また、災害時には、各ノードが周囲に存在する他のノードとアドホック無線通信ネットワークを形成して各種情報の送受信を行うので、停電や断線などの原因で公衆通信ネットワークが使用できなくなった状況下でも、各ノードから情報を取得したり、各ノードへ情報を配信したりすることができ、災害時の情報インフラや情報ステーションとして活用することができる。さらに、平常時モードにおいても所定のスケジュールで災害時モードの動作テストを自動で実施することで、災害時に必要な機能が適切に実行できる状態を維持できる。これもノードならびにセンサネットワーク全体の信頼性向上に寄与する。
また、本実施形態では、マークポイントノードをゲームに活用することで、ノードの平常時における利用機会および付加価値を一層高めることができる。各ノードは異なる地点に物理的に設置されているものゆえ、ゲーム参加者を現実世界の中で実際に移動させて競わせるといった、競技性の高いゲームや面白いゲームを作るのが容易である。特に本実施形態で例示した陣取りソーシャルゲームにあっては、多くの人が参加するゲームを通じて、その地域の様々な道や店舗へ参加者を積極的に導くことができるので、地域の活性化や町おこしなどの効果を期待できる。また参加者に対しても、歩行を通じた健康促進の効果に加え、現実世界を使ったアトラクション的なゲーム体験を提供することができる。
また、本実施形態では、仲介サーバーを使ってデータ提供者とデータ利用者の間を自動的に仲介するようにしたので、センシングデータの健全かつ安全な利用を実現することが
できる。
1:マークポイントノード(無線通信ノード)
2:移動体端末
3:仲介サーバー(仲介装置)
4:アプリケーションサーバー(ゲーム実行装置)
5:災害時対応サーバー

Claims (2)

  1. センシングデータの提供者が希望する契約条件とセンシングデータの利用者が希望する契約条件とのマッチングに用いるための、提供者の契約条件を定義した提供契約データのデータ構造であって、
    センサを特定するためのセンサ番号を表すデータと、
    前記センサのアドレスを表すデータと、
    契約番号を表すデータと、
    前記センサにより得られるセンシングデータの種別を表すデータと、
    前記センサによるセンシングエリアの位置を表すデータと、
    前記センサのセンシング周期を表すデータと、
    前記センサにより得られるセンシングデータの信頼度を表すデータと、
    センシングデータの対価を表すデータと、
    センシングデータの利用範囲を表すデータと、
    を含むことを特徴とする、センシングデータの提供契約データのデータ構造。
  2. センシングデータの提供者が希望する契約条件とセンシングデータの利用者が希望する契約条件とのマッチングに用いるための、利用者の契約条件を定義した利用契約データのデータ構造であって、
    利用者を特定するための利用者番号を表すデータと、
    センシングデータの提供先のアドレスを表すデータと、
    契約番号を表すデータと、
    希望するセンシングデータの種別を表すデータと、
    希望するセンシングエリアの位置を表すデータと、
    希望するセンシング周期を表すデータと、
    希望するセンシングデータの信頼度を表すデータと、
    希望するセンシングデータの対価を表すデータと、
    センシングデータの利用範囲を表すデータと、
    を含むことを特徴とする、センシングデータの利用契約データのデータ構造。
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