JP2015036493A - 地下タンクの施工方法 - Google Patents

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三雄 永島
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Abstract

【課題】側壁の上部側が、地下タンクが構築される前の地盤面よりも上方に位置する地下タンクの施工においても、屋根のある状態で、地下タンク内部の掘削工程や底版および側壁を構築する工程を行うことができる。
【解決手段】底版2の周囲に沿って構築された側壁3と、側壁3の上部を覆う本体屋根4とを備え、底版2と側壁3とが地中に埋設された地下タンクの施工方法であって、地盤中に筒状の地中連続壁5を構築する工程と、地盤上に側壁3のうち上半部分の第1側壁3Aを構築する工程と、第1側壁3Aの上端部3aに、本体屋根4を固定する工程と、本体屋根4を設置した後に、地中連続壁5の内部を掘削する工程と、底版2を構築する工程と、第1側壁3Aよりも下半部分の第2側壁3Bを底版2から上方に向けて構築して第1側壁3Aの下端部分に連設する工程と、を備える地下タンクの施工方法を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、液化天然ガス等の低温液体の貯蔵に用いられる地下タンクの施工方法に関する。
従来より、液化天然ガス(LNG)等の低温液体の貯蔵タンクとして、底版と、底版の周囲に沿って構築された側壁と、側壁の上部を覆う屋根を備え、底版と側壁とが地中に埋設された地下タンクが使用されている。
このような、地下タンクの施工手順としては、地中に筒状の地中連続壁を構築して、地中連続壁の内部を掘削し、続いて、底版や側壁などの躯体を構築して、躯体が完成した後に屋根を構築している。このため、地中連続壁の内部の掘削工事や、底版や側壁の構築工事は、屋根がない状態で行われていて明かり工事となるため、工程が天候に左右されている。
このことは、地下タンクの施工において、工期短縮を困難にする一要因となっている。
近年では、地下タンク内部の掘削工事や、底版や側壁の構築工事に先行して、屋根を構築する地下タンクの施工方法が行われている(例えば、特許文献1乃至4参照)。これらの地下タンクの施工方法では、屋根がある状態でタンク内部の掘削工事や、底版構築工事を行うことができるため、工程が天候に左右されることが少ない。
特開平7−279475号公報 特開平7−91103号公報 特開2000−73384号公報 特開2000−87371号公報
ところで、地下タンクには、側壁の全部またはほとんどが、地中に埋設された地下タンクの他に、側壁の上部側が、地下タンクが構築される前の地盤面よりも上方に位置し、この側壁の上部側の外周に盛土を行うことで、地中に埋設された形態とした地下タンクがある。
このような地下タンクでは、側壁の上端部が、構築される前の地盤面よりも、例えば、10m程度上側に位置するように構築されている。そのため、側壁の全部またはほとんどが地中に埋設された地下タンクと比べて、施工の際に、地盤の掘削量を少なくすることができると共に、地下水による揚圧力に対抗するために躯体を補強したり躯体のボリュームを大きくしたりする必要が少ないため、工期の短縮や、コストの削減を図ることができる。
そこで、このような地下タンクの施工において、特許文献1乃至4に開示された従来の地下タンクの施工方法のように、屋根が架設された状態で地下タンク内部の掘削工事や、底版および側壁の構築工事を行うと、更なる工期の短縮およびコストの削減を図ることが可能である。
しかしながら、特許文献1乃至4に開示された従来の地下タンクの施工方法は、側壁の全部またはほとんどが、地中に埋設された地下タンクを対象としたものである。
例えば、特許文献1に記載された地下タンクの施工方法では、屋根が扇形または半円に分割され、横方向にスライド可能であるが、屋根が原地盤面よりも上方に位置する場合、横方向の移動は困難である。
また、例えば、特許文献2及び3に記載された従来の地下タンクの施工方法では、工事中は、屋根に工事用の開口部を形成し、この開口部からすべての揚重作業を行っているが、屋根が地盤面よりも上方に位置する場合、すべての被揚重物を高く吊上げる必要があり、また吊り上げ可能な場所にも制限があり、かえって工期やコストがかかることになる。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、側壁の上部側が、地下タンクが構築される前の地盤面よりも上方に位置する地下タンクの施工においても、屋根のある状態で、地下タンク内部の掘削工程や底版および側壁を構築する工程を行うことができる地下タンクの施工方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る地下タンクの施工方法では、底版と、該底版の周囲に沿って構築された側壁と、該側壁の上部を覆う本体屋根と、を備え、前記底版と前記側壁とが地中に埋設された地下タンクの施工方法であって、地盤中に筒状の地中連続壁を構築する地中連続壁構築工程と、前記地盤上に前記側壁のうち上半部分の第1側壁を構築する上部側壁構築工程と、前記第1側壁の上端部に、前記本体屋根を固定する本体屋根設置工程と、前記本体屋根を設置した後に、前記地中連続壁の内部を掘削する内部掘削工程と、前記底版を構築する底版構築工程と、前記側壁のうち前記第1側壁よりも下半部分の第2側壁を前記底版から上方に向けて構築して前記第1側壁の下端部分に連設する下部側壁構築工程と、を備えることを特徴としている。
本発明では、内部掘削工程、底版構築工程および下部側壁構築工程を、本体屋根がある状態で行うことができるため、天候に左右されず、工期短縮を図ることができるとともに、コストを削減することができる。また、底版や第2側壁のコンクリート打設などに降雨の影響がないため、地下タンクの品質を向上することができる。
また、側壁のうち上半部分の第1側壁を構築した段階で、その第1側壁の上端部に本体屋根を固定して所定の位置に設置することがきるので、内部掘削前の早い段階で屋根の下方に広い空間を確保することができ、作業効率の向上を図ることができる。
さらに、本発明の地下タンクの施工方法では、本体屋根の組み立てと並行して第1側壁の構築を行うことができるので、工期の短縮を図ることができる。
また、本発明に係る地下タンクの施工方法では、前記本体屋根設置工程で前記第1側壁に固定される前記本体屋根は、予め地盤上で組み立てられた後に上昇させて、前記第1側壁の上端部に固定されることが好ましい。
この場合には、本体屋根の組み立てを地盤上で行うため、作業性および安全性を向上させることができる。
また、第1側壁を地盤上で構築した後に本体屋根を上昇させていることにより、本体屋根の上昇作業の効率を高めることができる。
また、本発明に係る地下タンクの施工方法では、前記本体屋根設置工程で前記第1側壁に固定される前記本体屋根は、地盤上に仮支柱を立て、該仮支柱上で組み立てられて、前記第1側壁の上端部に固定されることが好ましい。
この場合には、本体屋根を第1側壁の上端部の固定位置で組み立てることができるので、地盤上で組み立てる場合のように所定の前記固定位置まで上昇させる作業が不要となり、その上昇にかかる作業の手間や時間、あるいは上昇のための設備が不要になるという利点がある。しかも、本体屋根の組み立て中においても地盤上のスペースを使用して他の作業も行うことが可能となる。
また、本発明に係る地下タンクの施工方法では、前記本体屋根設置工程で構築された前記本体屋根には、該本体屋根の外周部に沿って移動可能な第1揚重設備と、該第1揚重設備の内側に配置される第2揚重設備と、の少なくとも一方が設けられていることが好ましい。
本発明によれば、本体屋根の設置後において、平面視で本体屋根の外周部分が揚重可能領域となる第1揚重設備と、本体屋根の内側部分が揚重可能領域となる第2揚重設備との少なくとも一方が設けられているので、本体屋根の下方で行われる内部掘削工程、底版構築工程および下部側壁構築工程の作業を揚重設備を用いて行うことができ、施工効率を向上させることができる。
また、本発明に係る地下タンクの施工方法では、第2揚重設備は、前記本設屋根設置工程で構築された前記本体屋根の中心部を中心にして旋回可能な案内レールに沿って移動可能に設けられていることが好ましい。
この場合には、第2揚重設備が半径方向に設けられる旋回可能な案内レールに沿って移動可能であり、本設屋根に配置される第2揚重設備の案内レール等の構成部材量を低減することができ、本体屋根にかかる荷重を小さくすることができる利点がある。
本発明の地下タンクの施工方法によれば、側壁の上部側が地下タンクが構築される前の地盤面よりも上方に位置する地下タンクであっても、屋根のある状態で内部掘削工程、底版構築工程よび側壁構築工程を行うことができることにより、工事が天候に左右されることがないため、工期短縮やコスト削減を実現することができる。
本発明の第1の実施の形態による地下タンクの一例を示す図である。 地盤改良工程および地盤表層部掘削工程を説明する図である。 ガイドウォール構築工程および地中連続壁構築工程を説明する図である。 (a)は屋根組立工程を説明する図、(b)は(a)の上面図である。 (a)は仮設屋根の工事用開口部を説明する図、(b)は仮設屋根に設けられた足場を示す図、(c)は(b)に示す足場の挙動を説明する図である。 屋根に設けられる揚重設備の構成を示す図である。 図6に示す揚重設備の上面図であって、屋根部を省略した図である。 上部側壁構築工程を説明する図である。 本体屋根設置工程、および内部掘削工程を説明する図である。 底版構築工程を説明する図である。 下部側壁構築工程を説明する図である。 第2の実施の形態による地下タンクの施工方法を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態による地下タンクの施工方法について、図面に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
図1に示すように、本実施の形態による地下タンク1は、例えば、LNG貯蔵タンクとして使用されるものであり、地盤G面より下方に配された平面視略円形状の底版2と、略円筒状の側壁3と、側壁3の上端部3aに支持されたドーム状の本体屋根4と、を備えている。
また、側壁3の下端部3b側の外周の地盤Gには、側壁3の外周面に沿った形状で平面視円環状の地中連続壁5が設けられていて、地中連続壁5の外周の地盤Gには、地盤改良体6が施工されている。また、地中連続壁5と地盤改良体6との間には、地下タンク1施工時に後述する屋根21(図4参照)を支持していたガイドウォール7と、側部ヒーター8とを備えている。
なお、ガイドウォール7は、地中連続壁5を構築する際の定規となるものである。
底版2は、鉄筋コンクリート造で、掘削された地盤G上に設けられた砕石層11の上部に構築されている。底版2の内部には、地下タンク1内の温度調整を行う底部ヒーター12が設置されている。
側壁3は、鉄筋コンクリート造で、下端部3bが底版2の外縁部2aに剛に接合されて、底版2および側壁3は有底円筒状に構成されている。
この地下タンク1が施工される前の地盤面を施工前地盤面Gaとすると、側壁3は、下部側が施工前地盤面Gaの下方に位置し、上部側が施工前地盤面Gaの上方に位置している。そして、側壁3の上部側の外周には地下タンク1の施工中に盛土されているため、地下タンク1は地下に配された構成となっている。
地中連続壁5は、土留めとして地盤Gの崩落を防ぐ機能や止水機能を備えている。地中連続壁5は、地下タンク1の底版2よりもさらに深く構築されており、下端部5bは難透水層(洪積粘性土層)13まで達している。
地中連続壁5は、例えば、鉄筋コンクリートなどで構築されている。
地盤改良体6は、例えば、サンドコンパクションパイル工法などにより形成されていて、地下タンク1の周辺の地盤Gの液状化対策として設けられている。
本体屋根4は、平面視において円形状に形成され、側壁3の上端部3aに架設される複数の骨組材15と、骨組材15の下側に配される保冷材16と、骨組材15の上側に配される屋根材17と、を備えている。
底版2と側壁3との内面には、図示しない保冷材と、この保冷材の内側に取り付けられた例えば、ステンレス薄鋼板製のメンブレン材とを備える保冷層(内槽)18が形成されている。
次に、上述した地下タンク1の施工方法について図面を用いて説明する。
本実施の形態による地下タンク1の施工方法は、図1に示す地下タンク1が構築される地中連続壁5の内側の地盤Gの掘削や、底版2や一部の側壁3などの躯体の構築に先行して、図4に示すように地盤G上に屋根21を配設するものである。
(地盤改良工程)
まず、図2に示すように、地下タンク1の外周側の地盤Gの地盤改良を行う。
この地盤改良は、例えば、サンドコンパクションパイル工法などにより行う。地盤改良体6の形状や大きさは、地下タンク1の形状や地盤Gの強度を考慮して決定する。
(地盤表層部掘削工程)
続いて、図2に示すように、地下タンク1が配設される領域およびその外周近傍の地盤Gの表層部Gbを、盤下げ掘削し、周囲の地盤Gよりも低くなるようにする。このときの盤下げ地盤面、盤下げ領域Gdという。
本実施の形態による地下タンク1の施工方法では、屋根21(図4(a)参照)を、この地盤Gの表層部Gbが掘削された盤下げ領域Gdに設置するため、屋根21の周囲が地盤Gで囲まれた状態となり、工事中に屋根21に当たる風を少なくすることができると共に、資機材の搬入を容易に行うことができるうえ、作業の安全性を高めることができる。
この地盤Gの表層部Gbの盤下げ掘削の深さは、仮設屋根21の形状や、地形などを考慮して決定する。
(ガイドウォール設置工程)
続いて、図3に示すように、地中連続壁5を施工するための定規であると共に、屋根21(図4(a)参照)の外周部を支持する基礎でもあるガイドウォール7を設置する。
ガイドウォール7は、地中連続壁5の外側に位置する外側ガイドウォール7aと、地中連続壁5の内側に位置する内側ガイドウォール7bと、から構成されている。外側ガイドウォール7aと内側ガイドウォール7bとは、地中連続壁5を挟むように設置され、コンクリートなどで平面視円環状に形成されている。
なお、内側ガイドウォール7bは、後の内部掘削工程で、地中連続壁5内部の地盤Gとともに撤去され、外側ガイドウォール7aのみが地下タンク1の完成後も地盤G中に残されている。ガイドウォール設置工程では、外側ガイドウォール7aの内周面と内側ガイドウォール7bの外周面との間に、地中連続壁5の厚さに相当する間隔があくように、外側ガイドウォール7aおよび内側ガイドウォール7bを設置する。
(地中連続壁設置工程)
続いて、間隔をおいて設置された外側ガイドウォール7aと内側ガイドウォール7bとの間に、地中連続壁5を構築する。
地中連続壁5の構築は、地下タンク1の設置予定箇所の周囲に沿って掘削溝を設け、その溝内に鉄筋を配してコンクリートを打設する周知技術により構築する。このとき、下端部5bが難透水層13に達するように地中連続壁5を構築する。
(屋根組立工程)
続いて、図4(a)および(b)に示すように、屋根21を設置する。屋根21は、本体屋根4(図1参照)が部分的に構築された屋根部22と、屋根部22の外周部に設けられて屋根部22と分離可能な分離部23とから構成されている。
屋根部22は、骨組材15と、保冷材16(図1参照)のうち、平面視で径方向中心側付近に配された保冷材16aと、屋根材17(図1参照)のうち、平面視で径方向中心側に配されると共に外周側に部分的に配された屋根材17aと、を備えている。この屋根材17aの外周側端部の位置は、側壁3の内周側近傍の位置となるように配されている。
また、屋根部22の屋根材17aが配されていない部分には、工事用開口部24が形成されている。工事用開口部24は、施工中の資機材の搬出入や、土砂を搬出するための開口部として使用される。そして、図5(a)に示すように、この工事用開口部24は、着脱自在な覆い材25で覆われていて、必要に応じて開閉されている。
この覆い材25は、例えば、シート状の部材とし、作業(使用)時には、覆い材25をロール状に巻き取って工事用開口部24を開口させ、作業休止(未使用)時には、工事用開口部24に被せて工事用開口部24を塞ぐようにしてもよい。
また、覆い材25は、例えば、工事用開口部24よりも若干大大きく組み立てられた枠体と、この枠体に張り付けられたシートを備える部材とし、この覆い材25全体を移動させて、工事用開口部24を開口させたり塞いだりするようにしてもよい。
また、屋根21の分離部23にも、別途でシート状の覆い材を設けて、屋根21全体に降雨対策が施されているようにする。
図4(a)および(b)に示すように、分離部23は、屋根部22の骨組材15と連結している骨組材からなり、屋根部22の骨組材15との連結側の反対側(外周部)が、外側ガイドウォール7aに支持されている。屋根部22と分離部23との連結位置は、側壁3の内周面近傍の位置とする。
屋根部22と分離部23との連結は、一体化して連結されていてもよく、またボルトなどの連結具で連結されていてもよい。なお、いずれの場合も、屋根部22と分離部23とは、分離可能に構成されている。例えば、屋根部22と分離部23とが、一体化して連結されている場合は、切断すること分離され、ボルトなどの連結具で連結されている場合は、連結具を外すことで分離される。
そして、屋根組立工程では、分離部23の外周部が外側ガイドウォール7aに支持されるように設置すると共に、屋根部22の骨組材15を配設する。このとき、骨組材15と分離部23とを連結した状態にする。
続いて、保冷材16aおよび屋根材17aを設置する。
保冷材16aを設置する際には、図5(b)および(c)に示すような屋根部22の半径と略同じ長さで、屋根部22の曲率にあわせて形成された足場31を使用する。この足場31は、骨組材15に支持されて屋根部22の周方向に同心円状に延びる複数のガイドレール32に摺動自在に支持されており、屋根部22の周方向に沿って回転可能に構成されている。
そして、保冷材16aの設置は、この足場31を回転させながら行う。
屋根材17aの設置は、クレーンなどで屋根材17aを吊り上げて骨組材15の上部に設置する。
なお、屋根組立工程では、骨組材15から吊られた足場31の代わりに地盤面Gdから足場を立ち上げ、それを利用して作業を行ってもよい。
また、図6および図7に示すように、屋根21には、工事用の揚重設備40が設けられている。揚重設備40は、本体屋根4(屋根部22)の外周部に沿って移動可能な外周揚重クレーン41(第1揚重設備)と、外周揚重クレーン41の内側に配置されるとともに、本体屋根4の中心部Oを中心にして旋回可能な案内レール43に沿って移動可能な内部揚重クレーン42(第2揚重設備)と、からなる。これら外周揚重クレーン41と内部揚重クレーン42によって、本体屋根4の下方の全範囲が揚重可能な範囲となっている。
なお、図6及び図7は、後述する内部掘削工程、底版構築工程、および下部側壁構築工程が完了した状態を示している。
外周揚重クレーン41は、本体屋根4の外周部の全周にわたって延在されるガイドレール44に沿って移動可能に設けられている。
内部揚重クレーン42は、鋼材などで形成され屋根の半径方向に延びるとともに、屋根部22の中心Oに対して周方向に回転可能に支持されたビーム46が設けられ、このビーム46の下面にその長手方向に沿って前記案内レール43が固定され、この案内レール43に沿って移動可能に設けられている。つまり、内部揚重クレーン42は、平面視で外周揚重クレーン41の内側の全てが揚重範囲となる。
(上部側壁構築工程)
そして、図8に示すように、本体屋根4の組み立て(上記屋根組立工程)後に、又は同時に、盤下げ領域Gdよりさらに少し盤下げした領域Gd´上に側壁3のうち上半部分の第1側壁3Aを構築する。第1側壁3Aは、下端を地中連続壁5にアンカー等で一体的に接続し、上端部3a側に向って、所定高さ毎に鉄筋を配してコンクリートを順次打ち継いで打設することで構築する。このとき、第1側壁3Aの上端部3a側は、地盤G面よりも高いため、屋根21の分離部23を巻き込むように施工する。このとき、覆い材25(図5(a)参照)を外した状態で側壁3を施工することになる。
(本体屋根設置工程)
続いて、図9に示すように、屋根部22を第1側壁3Aの上端部3aに設置する。
まず、第1側壁3Aの上端部3aに、屋根固定装置26を取り付ける。そして、屋根部22を第1側壁3Aの上端部3aまで上昇させるための、例えばジャッキなどの上昇装置27を所定の位置に設置する。
そして、屋根部22を上昇できるように、上昇装置27と屋根部22とをセットした後に、屋根21を屋根部22と分離部23とに分離する。また、このとき、屋根部22の保冷材16や屋根材17が施工されていない部分の一部に、保冷材16や屋根材17を施工してもよい。
次に、上昇装置27の駆動により、屋根部22を側壁3の上端部3aの高さまで上昇させ、屋根固定装置26に固定する。これにより、屋根部22が本体屋根4となる。
また、分離部23を、側壁3のコンクリートに巻き込まれている部分を除き撤去する。
なお、外側ガイドウォール7aは、そのまま地盤G上に残す。
(内部掘削工程)
本体屋根4を設置した後に、図9に示すように、地下タンク1の内部の地盤Gの掘削を揚重設備40(外周揚重クレーン41および内部揚重クレーン42)を用いて行う。この工程では、地中連続壁5の内側を所定の深さまで掘削する。このとき、地中連続壁5の内側に配された内側ガイドウォール7bは、この掘削と共に撤去される。なお、掘削機材や掘削土砂などの搬出入は、屋根21に形成された工事用開口部24から行う。
(底版構築工程)
続いて、図10に示すように、内部掘削工程で掘削された地盤G上に底版2を構築する。底版2の構築は、地盤G上に砕石層11を配し、その上部に鉄筋を配してコンクリートを打設することで底版2を構築する。このとき、底版2に底部ヒーター12を設置する。
底版構築工程においても資機材の搬出入は、屋根21の工事用開口部24から行う。
(下部側壁構築工程)
続いて、図11に示すように、側壁3のうち第1側壁3Aよりも下半部分の第2側壁3Bを構築する。
第2側壁3Bは、底版2と一体化させ、下端部3b側から第1側壁3Aの下端部3c側に向って、所定高さ毎に鉄筋を配してコンクリートを順次打ち継いで打設し、第1側壁3Aの下端部分に連設することで構築する。
そして、この本体屋根設置工程と同時に、側壁3の内周側に保冷材およびメンブレンを設置する内槽工事を行う。そして、最後に、屋根の工事用開口部24に保冷材16や屋根材17を施すことで閉塞し、本体屋根4を完成させる。
(盛土工程)
続いて、図1に戻り、側壁3の上部側外周の盛土を行う。
また、盛土工程において、側部ヒーター8の設置を行う。
このとき、側壁3(第1側壁3A)の外周面が地中に埋設されるように、側壁3の上端部3a付近の高さまで盛土を行う。図1において、盛土された地盤GをGcと示す。この盛土に使用する土砂は、内部掘削工程で掘削された土砂とすることが好ましい。
このように、内部掘削工程で掘削された土砂を盛土に使用することで、内部掘削工程において生じた土砂の処分量を削減することができる。
また、このとき、外側ガイドウォール7aと地中連続壁5と側壁3とが一体となっていれば、外側ガイドウォール7a上部の盛土と外側ガイドウォール7aと地中連続壁5の重量を、地下タンク1の重量として見込むことが可能となる。
なお、この盛土工程は、本体屋根設置工程と並行して行ってもよい。
第1実施の形態による地下タンク1の施工方法によれば、内部掘削工程、底版構築工程および下部側壁構築工程を、本体屋根4がある状態で行うことができるため、天候に左右されず、工期短縮を図ることができるとともに、コストを削減することができる。
また、底版2や第2側壁3Bのコンクリート打設などに降雨の影響がないため、地下タンク1の品質を向上することができる。
また、側壁3のうち上半部分の第1側壁3Aを構築した段階で、その第1側壁3Aの上端部3aに本体屋根4を固定して所定の位置に設置することがきるので、内部掘削前の早い段階で屋根の下方に広い空間を確保することができ、作業効率の向上を図ることができる。
さらに、本実施の形態では、本体屋根4の組み立てと並行して第1側壁3Aの構築を行うことができるので、工期の短縮を図ることができる。
また、本体屋根設置工程で第1側壁3Aに固定される本体屋根4は、予め地盤上で組み立てられた後に上昇させて、第1側壁3Aの上端部3aに固定され、本体屋根4の組み立てを地盤上で行うことから、作業性および安全性を向上させることができる。
また、第1側壁3Aを地盤上で構築した後に本体屋根4を上昇させていることにより、本体屋根4の上昇作業の効率を高めることができる。
さらに、本実施の形態では、本体屋根4の設置後において、平面視で本体屋根4の外周部分とその内側部分の領域がそれぞれ外周揚重クレーン41、内部揚重クレーン42における揚重可能領域となることから、本体屋根4の下方で行われる内部掘削工程、底版構築工程および下部側壁構築工程の作業を揚重設備40を用いて行うことができ、施工効率を向上させることができる。
そして、内部揚重クレーン42は、半径方向に設けられる旋回可能な案内レール43に沿って移動可能であり、本設屋根4に配置される案内レール等の揚重設備の構成部材量を低減することができ、本体屋根4にかかる荷重を小さくすることができる。
(第2の実施の形態)
次に、図12に示すように、第2の実施の形態による地下タンクの施工方法では、上述した地中連続壁設置工程の後において、上部側壁構築工程を行う。この第1側壁3Aの構築と同時に、第1側壁3Aの平面視で内側のほぼ全体の領域の地盤上に内部仮支柱51を立設するとともに、第1側壁3Aの外側にも地盤上に外部仮支柱52を立設した上部に仮支持梁53を設けている。そして、これら内外部の仮支柱51、52、及び仮支持梁53に支持させた状態で屋根21を組み立てる。屋根21は、第1側壁3Aの上端部3aに設置された屋根固定装置26に固定する。
このとき、第1側壁3Aと屋根21の構築はそれぞれ単独で行うことが可能であるので、並行作業が可能となり、どちらかが先に施工が完了してもかまわない。
なお、本第2の実施の形態では、第1の実施の形態のよう地上で屋根21を組み立てて上昇させることがなく、屋根21の分離部23(図4参照)を設けずに、屋根部22を直接、第1側壁3Aの上端部3aに固定し、屋根21の組み立てが完了となる。続いて、第1側壁3Aの内外に設けた仮支柱51、52、及び仮支持梁53を解体し撤去し、本体屋根4に図6および図7に示す揚重設備40を設置する。
その後は、上述した第1の実施の形態と同様に、内部掘削工程、底版構築工程、下部側壁構築工程を揚重設備40を使用して行い、さらに盛土工程を行うこととなる。
本第2の実施の形態による地下タンク1の施工方法では、本体屋根4を第1側壁3Aの上端部3aの固定位置で組み立てることができるので、地盤上で組み立てる場合のように所定の前記固定位置まで上昇させる作業が不要となり、その上昇にかかる作業の手間や時間、あるいは上昇のための設備が不要になるという利点がある。しかも、本体屋根4の組み立て中においても地盤上のスペースを使用して他の作業も行うことが可能となる。
以上、本発明による地下タンクの施工方法の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上述した実施の形態では、内部掘削工程、底版構築工程および下部側壁構築工程において、本体屋根4に設けた揚重設備40を使用しているが、このような揚重設備40を設けない方法であってもかまわないし、外周揚重クレーン41、および内部揚重クレーン42のいずれか一方のみを使用する設備であってもかまわない。そして、内部揚重クレーン42においても、上記実施の形態のように半径方向に設けられる旋回可能な案内レール43に沿って移動可能とする構成であることに制限されず、例えば中心を通る一方向、或いは二方向に向けて延在する固定された案内レールであったり、複数本が平行に配列された案内レールなど他の構成を採用することが可能である。
また、地盤Gの表層部Gbを盤下げ掘削して、表層部Gbが掘削された地盤Gに屋根21を設置しているが、地盤Gの表層部Gbを掘削せずに屋根21を設置してもよい。
また、上述した実施の形態では、地下タンク1が構築される地盤Gの周囲の地盤Gを地盤改良しているが、地盤改良は行わなくてもよい。
また、上述した実施の形態では、屋根部22を上昇させる際にジャッキを使用しているが、ジャッキに代わって、屋根部22の周辺に複数のクレーンを設置して、複数のクレーンで本体屋根4を吊って上昇させてもよい。
また、上記の実施の形態では、側壁3の内周側に保冷材とメンブレンとからなる内槽の工事は、側壁3の施工が完了した後に着手するようにしている。しかし、更に工程短縮を図るためには、側壁3のコンクリートがある程度打ち上がったら、底版2での内槽工事に着手すること、さらには、側壁3のコンクリートの打ちあがりに伴って、その下方で側壁3部分の内槽工事を施工することも考えられる。この場合、側壁工事と内槽工事とが上下作業とならないように、平面視における施工箇所を異なるようにしたり、上下作業となる場合には側壁工事と内槽工事との間に防護材を設けたりするなどの安全上の配慮が必要と考えられる。
1 地下タンク
2 底版
3 側壁
3A 第1側壁
3B 第2側壁
3a 上端部
3b 下端部
4 本体屋根
5 地中連続壁
6 地盤改良体
21 屋根
22 屋根部
40 揚重設備
41 外周揚重クレーン(第1揚重設備)
42 内部揚重クレーン(第2揚重設備)
G 地盤

Claims (5)

  1. 底版と、該底版の周囲に沿って構築された側壁と、該側壁の上部を覆う本体屋根と、を備え、前記底版と前記側壁とが地中に埋設された地下タンクの施工方法であって、
    地盤中に筒状の地中連続壁を構築する地中連続壁構築工程と、
    前記地盤上に前記側壁のうち上半部分の第1側壁を構築する上部側壁構築工程と、
    前記第1側壁の上端部に、前記本体屋根を固定する本体屋根設置工程と、
    前記本体屋根を設置した後に、前記地中連続壁の内部を掘削する内部掘削工程と、
    前記底版を構築する底版構築工程と、
    前記側壁のうち前記第1側壁よりも下半部分の第2側壁を前記底版から上方に向けて構築して前記第1側壁の下端部分に連設する下部側壁構築工程と、
    を備えることを特徴とする地下タンクの施工方法。
  2. 前記本体屋根設置工程で前記第1側壁に固定される前記本体屋根は、
    予め地盤上で組み立てられた後に上昇させて、前記第1側壁の上端部に固定されることを特徴とする請求項1に記載の地下タンクの施工方法。
  3. 前記本体屋根設置工程で前記第1側壁に固定される前記本体屋根は、
    地盤上に仮支柱を立て、該仮支柱上で組み立てられて、前記第1側壁の上端部に固定されることを特徴とする請求項1に記載の地下タンクの施工方法。
  4. 前記本体屋根設置工程で構築された前記本体屋根には、
    該本体屋根の外周部に沿って移動可能な第1揚重設備と、
    該第1揚重設備の内側に配置される第2揚重設備と、
    の少なくとも一方が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の地下タンクの施工方法。
  5. 第2揚重設備は、前記本設屋根設置工程で構築された前記本体屋根の中心部を中心にして旋回可能な案内レールに沿って移動可能に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の地下タンクの施工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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