JP2015035654A - 中継装置,ネットワークシステム,及びパケット転送方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】宛先が地理座標範囲で指定されたブロードキャストフレームを中継装置が他の中継装置からパスを介して受信したときに、当該ブロードキャストフレームを送信するポートの検索を回避可能とする。
【解決手段】他の中継装置とともに中継網に接続される中継装置であって、他の中継装置の識別子と、他の中継装置のポート識別子と、ポート識別子で特定されるポートから送出されるデータが端末で受信され得る地理座標範囲とを含む1以上のエントリを記憶する記憶装置と、宛先地理座標範囲と、当該宛先地理座標範囲に位置する端末へ配信すべきデータとを含んだブロードキャストフレームを受信する通信装置と、宛先地理座標範囲に合致するエントリが検索されたときに、他の中継装置との間に生成されたパスを用いて、ブロードキャストフレームと、識別子と、ポート識別子とを含むデータブロックを識別子で特定される他の中継装置へ送信する処理を行う転送制御装置とを含む。
【選択図】図27

Description

本開示は、中継装置,ネットワークシステム,及びパケット転送方法に関する。
現在、河川の氾濫や震災などの災害が発生した場合の避難通知を送信するシステムとして、携帯電話向け(3G/LTE移動体システム)の緊急地震速報の配信サービスがある。緊急地震速報は、Earthquake and Tsunami Warning System (ETWS)を用いて提供される。
ETWSは、既存のエリアメールで利用されているCell Broadcast Service(CBS)をベースに設計されている。緊急地震速報を配信するセル(Cell)を決定することによって、特定の地域に緊急地震速報を配信することができる。セル情報は、無線基地局(Base
Transceiver Station (BTS)等)の設備設計を基に作成され、サービスエリアの通信において利用するために管理ノードに設定される。
従来、地理座標とInternet Protocol(IP)アドレスの対応を常に一致させようとす
る試みとして、IP version 6(IPv6)アドレスに緯度、経度をエンコードする方式がある(例えば、特許文献1)。
特開2005−184482号公報 特開2004−235871号公報 特開2006−174329号公報
現在の移動体端末向けの情報配信システム(ETWS)では、Access Point(AP:移動体基地局)の位置情報とAPが形成するセルのカバー範囲との関連が人手で(マニュアルで)固定的に(静的に)に設定する。例えば、特定の地域に情報を配信する場合には、オペレータ(人)がAPの位置情報とセルのカバー範囲の設定情報を基に、情報の宛先となるAP及びセルを指定する。
このため、例えば、大規模高層マンションの設立や、災害などによってセルのカバー範囲が変動する場合には、人によるカバー範囲の調査やシステムへの入力設定(更新作業)が行われる。このような調査や入力設定には、コスト及び時間がかかるため、結果として、適格及び迅速な情報提供が困難になり得る。
また、特許文献1に記載されたような、IPv6に地理座標をエンコードする方式は、地理座標の数値をIPアドレス内にマッピングすることで、通信開始時点から、発信者の場所を特定することを可能とする。しかし、当該方式では、既存ネットワークに既に割り当てられたIPアドレスを、IPアドレスと地理座標を関連付けた新たなIPアドレスに変更することが前提となる。
このような既存ネットワークのアドレッシングの変更は、他のサービスへも影響を及ぼす。このため、アドレッシングの変更に係るコストだけでなく、他のサービスへの影響を抑えるためのコストも生じるため、移行に要するコストは少なくない。
また、地理座標で通信を行うようなサービスは、広域ネットワークを持つ通信事業者による提供が想定される。しかし、1通信事業者が利用できるグローバルアドレスの範囲は、割り当てられた範囲に制限されるため、実現には困難が伴うと考えられる。
本発明の態様の一つは、宛先が地理座標範囲で指定されたブロードキャストフレームを中継装置が他の中継装置からパスを介して受信したときに、当該ブロードキャストフレームを送信するポートの検索を回避可能とする技術を提供することを課題とする。
本発明の態様(aspect)の一つは、少なくとも1つの他の中継装置とともに中継網に接続される中継装置であって、
他の中継装置の識別子と、前記他の中継装置が有するポートの識別子であるポート識別子と、前記ポート識別子で特定されるポートから送出されるデータが端末で受信され得る地理座標範囲とを含む1以上のエントリを記憶する記憶装置と、
宛先となる地理座標範囲を示す宛先地理座標範囲と、当該宛先地理座標範囲に位置する端末へ配信すべきデータとを含んだブロードキャストフレームを受信する通信装置と、
前記宛先地理座標範囲に合致するエントリが前記記憶装置から検索されたときに、検索されたエントリ中の前記識別子で特定される他の中継装置との間に生成されたパスを用いて、前記ブロードキャストフレームと、前記検索されたエントリ中の前記識別子と、前記ポート識別子とを含むデータブロックを前記識別子で特定される他の中継装置へ送信する処理を行う転送制御装置とを含む。
本発明の態様の一つによれば、宛先が地理座標範囲で指定されたブロードキャストフレームを中継装置が他の中継装置からパスを介して受信したときに、当該ブロードキャストフレームを送信するポートの検索を回避可能となる。
図1は、実施形態に係るネットワークシステムの構成例を示す。 図2は、配信サーバのハードウェア構成例を示す図である。 図3は、図2に示したCPUの機能を示すブロック図である。 図4は、アクセスポイント(AP)のハードウェア構成例を示す図である。 図5は、APの機能的な構成例を示すブロック図である。 図6は、通信エリア情報の例を示す。 図7は、通信エリア情報の生成方法を示す図であり、地理座標範囲の初期値の算出方法を模式的に示す。 図8は、通信エリア情報の生成方法を示す図であり、地理座標範囲の拡張方法を模式的に示す。 図9は、ルータのハードウェア構成例を示す図である。 図10は、ルータの機能構成例を示すブロック図である。 図11は、端末のハードウェア構成例を示す図である。 図12は、端末の機能構成例を示すブロック図である。 図13は、端末の機能例を示すブロック図である。 図14は、“地理座標問い合わせ”メッセージ,“地理座標応答”メッセージ及び“地理座標送信データ”メッセージのそれぞれとして機能するフレームに設定される地理座標ヘッダのフォーマット例を示す表である。 図15は、“問い合わせ”ヘッダのフォーマット例を示す。 図16は、“応答”ヘッダのフォーマット例を示す。 図17は、“送信データ”ヘッダのフォーマット例を示す。 図18は、図14〜図17を用いて説明した地理座標ヘッダが設定されるEtherフレーム(LANフレーム)のフォーマット例を示す。 図19は、図14〜図17を用いて説明した地理座標ヘッダが設定されるIPv6パケット(IPv6フレーム)のフォーマット例を示す。 図20は、OSPFで使用される同期用メッセージ(Opaque-LSA)のフォーマット例を示す図である。 図21は、APにおける処理例を示すフローチャートである。 図22は、図21に示した09の処理(通信可能範囲の拡張処理)の詳細を示すフローチャートである。 図23は、ルータにおいて、地理座標ヘッダを含むEtherフレーム受信時の処理例を示すフローチャートである。 図24は、ルータにおける、通信可能と認識する地理座標範囲(通信可能範囲)の更新処理(図23の002)を示すフローチャートである。 図25は、図24に示した更新処理の内容を模式的に示す。 図26は、通信可能な地理座標範囲をIP/MPLS網(中継網)50内に取込む動作例を示すシーケンス図である。 図27は、情報の配信時における動作例を示すシーケンス図である。 図28は、“地理座標転送状態”の更新処理の詳細を模式的に示す。 図29は、既にトンネリング用のLSP5が生成されている場合において、或る配信用データが送信される場合の動作を示す。 図30は、図27で説明した配信データを試験データに変更した場合の動作例を示す。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。
実施形態では、ルータと、ルータが備えるポート(ルータポート)に接続される無線アクセスポイント(以下AP)で構築されるIP網上に、地理座標(ジオロケーション)を情報配信先として動作するネットワークを多重する方式について説明する。ルータは、“中継装置”の一例であり、IP網は、“中継網”の一例である。APは“無線機”の一例である。
実施形態は、地理座標(ジオロケーション)の学習方式、IP網内への地理座標分布の配布方法、配布された地理座標によりIP網上に地理座標による転送トンネルを自律構築する方法を含む。
ルータポート配下の各通信端末やAPは、端末がGlobal Positioning System(GPS
)により測定した地理座標、コンフィグレーション(Configuration)設定で認識した地
理座標をレイヤ2(Layer 2)上位の独自フレーム(frame)で通知する。
ルータは、フレームを受信したルータポートで通信可能な地理座標範囲を学習する。学習された地理座標範囲は、例えばOpen Shortest Path First(OSPF)の拡張機能を用いて網内に配布される。そして、地理座標に対する通信能力を持つルータ及び当該ルータのインタフェース(IF)に関する情報の同期(共有)が網内で行われる。
地理座標を宛先とするパケット転送を希望する端末は、宛先が地理座標で指定されたレイヤ2上位のフレームを送信する。フレームを受信したルータは、宛先地理座標と学習した地理座標とを比較し、宛先地理座標と通信可能なルータ(宛先ルータ)の識別子(ID)を特定する。さらに、ルータは、宛先ルータへのMulti Protocol Label Switching (MPLS) トンネル(MPLS Tunnel)を自律的に構築する。
これにより、エンド・トゥ・エンド(End-to-End)で、Ethernet (登録商標)over MPLS のパスを構築し、地理座標を宛先としたレイヤ2のコネクションサービスを提供する
。このような実施形態に係る方式は、例えば、広域災害時の特定エリア向けの放送に適用することができる。実施形態に係る方式は、ETWSとの比較において、耐障害性の向上及び罹災時復旧時間の短縮効果を得ることができる。また、実施形態に係る方式では、無線環境の変化に対して自律的に情報の配信範囲を調整する機構が設けられ、自律的な配信範囲の調整によって、運用コストの低減が可能となる。
<ネットワークシステムの構成例>
図1は、実施形態に係るネットワークシステムの構成例を示す。ネットワークシステムは、IP/MPLS網50に接続された配信サーバ10と、IP/MPLS網50の入口及び出口として機能する複数のルータ装置(以下単に“ルータ”と表記)100及び200と、ルータに接続された1以上のアクセスポイント(AP)400と、無線端末(移動端末、以下単に“端末”と表記)20とを含む。IP/MPLS網50は、“中継網”の一例である。
配信サーバ10は、配信データ,すなわち配信すべき情報(例えば、避難通知情報)2と、宛先としての地理理座標情報(宛先地理座標)3を含むデータフレーム(以下、単に“フレーム”と表記する)4を送信する装置である。配信サーバ10は、“サーバ”又は“情報処理装置”の一例である。
ルータ100及びルータ200のそれぞれは、Resource ReSerVation Protocol (RS
VP)及びOSPFプロトコルを用いて、通信可能な地理座標の学習、学習した地理座標
のルータ間での同期を行う。
また、ルータ100及びルータ200のそれぞれは、宛先地理座標を含むフレーム4の受信時に、宛先地理座標を配信可能なルータ(着信側ルータ)までのトンネル5を構築する。トンネル5の構築は、例えば、Label Switched Path (LSP)の生成によって行われる。ルータ100及び200のそれぞれは、配信サーバ10からのデータを着信側ルータのポートまでLSPを用いてトンネリング転送する。
図1には、発信側ルータであるルータ100が着信側ルータであるルータ200との間にトンネル(LSP)5が構築され、配信サーバ10からのデータ(フレーム4)がルータ200へトンネリング転送される様子が図示されている。
ルータ100及び200は例示であり、IP/MPLS網50は、ルータ100又は200と同じ構成を有する3以上のルータを有することができる。また、ルータ100とルータ200との間には、1以上の中継装置(ルータ、L3スイッチ)が存在する場合があり得る。但し、以下の実施形態の説明では、ルータ100とルータ200との間の中継装置に係る記載は省略する。なお、ルータ100及びルータ200のそれぞれは、L3スイッチであっても良い。
AP400は、ルータ100やルータ200が有するポート(ルータポートと称する)の配下に設置される無線アクセス装置である。AP400は、セルを形成し、配下の(自身と接続された)端末20と無線通信可能な範囲(カバレッジエリア)CAを有する。
AP400は、AP自身が通信可能な地理座標の範囲を、GPSを用いた緯度経度情報又はコンフィグ値(APへ静的に設定される情報)により認識する。AP400は、上位に位置するルータからの地理座標の問合せに応答する処理を行う。
また、AP400は、宛先地理座標を含むフレーム4を有線インタフェースから受信したときに、地理座標がカバー範囲内であれば、当該フレーム4を無線インタフェースから転送する処理を行う。
さらに、AP400は、端末20からの地理座標の応答フレームの通過を監視し、通信可能な地理座標エリアを自動的に拡張する機構(自動拡張調整機構)を備える。図1には、AP400の例示として、AP400AとAP400Bとが図示されている。但し、AP400AとAP400Bとを区別しない場合には、“AP400”との表記を用いる。
端末20は、無線インタフェースを有する移動端末である。端末20は、GPS機能とIPv6をサポートし、さらに後述する地理座標ヘッダ(図14)をサポートする。これによって、端末20は、AP400が備える自動拡張調整機構を駆動することができる。
また、端末20は、地理座標を指定した送信者の配信サーバ10に対して、実際に到達した端末20の地理座標を返信する。これによって、配信サーバ10側では、指定された地理座標範囲に関して、実際に到達したエリア分布、端末数の確認を行うことができる。
なお、AP400に接続可能な端末は、端末20が備える自動拡張調整機構の駆動機能や、地理座標の返信機能を有していなくても、配信サーバ10からのデータを受信することができる。すなわち、配信サーバ10からの情報受信のみを目的とする場合には、既存の端末を適用可能である。
ルータ100及び200のそれぞれは、定期的にルータポートの配下(ルータポートに接続されたAP400、AP400と接続された端末20)に対して、地理座標の問い合せフレームを送信する。
AP400及び端末20は、問い合わせフレームの受信時に、地理座標の応答フレームで地理座標の現在位置を含む応答フレームを生成し、問い合わせ元のルータ100又は200へ送信する。
ルータ100及び200のそれぞれは、応答フレームの受信によって得られる、地理座標範囲におけるAP400及び端末20の座標分布に基づき、ルータポートから到達可能な地理座標範囲を学習する。
ルータ100及びルータ200のそれぞれは、OSPFを用いた同期処理によって、学習した座標範囲の交換(共有)を行う。
その後、ルータ100及びルータ200のそれぞれは、地理座標を宛先とするフレーム4の受信時に、発信側ルータとして、当該フレーム4を配信可能なルータポートを備えるルータ(着信側ルータ)へのトンネル(LSP)5を生成し、LSPを用いて当該フレームを送信する。
着信側ルータでは、当該フレーム4をルータポートから配信することで、地理座標範囲に属する端末にフレーム4に含まれたデータを配信することができる。このようにして、IPアドレッシングに依存しない地理座標を宛先とする通信を行うことができる。
また、端末20が地理座標の応答をサポートし、AP400が端末20からの応答の通過を監視し、自律的にAP400自身の通信可能な座標範囲を拡張調整する。これによって、AP400の周辺における無線環境の変化に対する対応を、人手を介することなく図
ることができる。
図1に示すネットワークシステムにおいて、配信サーバ10から送信された配信情報2(例えば、緊急避難通知情報)は、相互接続された複数のルータ(ルータ100及び200を含む)のうち、例えばルータ100からルータ200へ転送される。配信情報2は、ルータ200と各AP400(AP400A及びAP400B)とを接続するネットワーク(アクセスネットワーク,例えばLAN)を経由して、各AP400から配下の端末(端末20を含む)に配信される。
なお、IP/MPLS網50として、既存の中継網を適用可能であり、実施形態に係る地理座標を宛先情報に用いた通信を行うに当たり、アドレッシング(IPアドレスの設定)やルータ間の結線を変更する必要はない。
配信サーバ10からの配信情報には、配信先を指定する地理座標情報が含まれる。IP/MPLS網50では、指定された地理座標の値に基づいて、着信側ルータまでのパス(例えばLSP)の構築,及びパスを用いたパケット転送制御が実行される。以下、実施形
態をさらに詳細に説明する。
<配信サーバ>
図2は、配信サーバ10のハードウェア構成例を示す図である。配信サーバ10は、CPU11と、 メモリ12と、 CPU11及びメモリ12にブリッジ13を介して接続された有線ネットワークインタフェース(以下“NWIF”)14,入力装置18及び表示
装置19を含む。
メモリ12は、主記憶装置と補助記憶装置とを含む。主記憶装置は、Read Only Memory(ROM)とRandom Access Memory(RAM)とを含む。主記憶装置は、CPU11の作業領域として使用される。補助記憶装置は、CPU11によって実行される様々なプログラムと、プログラムの実行時に使用されるデータを記憶する。補助記憶装置は、例えば、不揮発性記録媒体であり、例えば、ハードディスクドライブ(HDD),フラッシュメモリ, Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory(EEPROM),及びSolid State Drive(SSD)の少なくとも1つを適用することができる。メモリ12は、「記憶装置」,「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」の一例である。
ブリッジ13は、周辺バスの一例であり、例えば、Peripheral Component Interconnect(PCI)やPCI expressのような所定の周辺バス規格に従って、CPU11及びメモリ12と、周辺機器(例えば、入力装置、表示装置、有線NWIF)とのデータ送受信を制御する。
NWIF14は、ネットワークとの通信を司る。NWIF14は、ネットワークインタフェースカード,Local Area Network(LAN)カードのような、ネットワークカードと
呼ばれる通信インタフェース機能を有するデバイスを適用することができる。NWIF14は、“通信装置”の一例である。
入力装置18は、情報の入力に使用される。例えば、キーボード、マウスのようなポインティングデバイス、タッチパネルの少なくとも1つから選択される。表示装置19は、情報を表示する。入力装置18と表示装置19とで、ユーザインタフェース(UI)を提供することができる。なお、UIは、配信サーバ10は、CPU11のプログラム実行によって、ネットワークを介して接続された所定の操作用端末にWebベースのUIを提供し、当該UIを用いて入力された情報を受信する構成を備えていても良い。
図3は、図2に示したCPU11がメモリ12に記憶されたプログラムを実行することによって得られるCPU11の機能を示すブロック図である。CPU11は、プログラムの実行によって、少なくとも、配信アプリケーション部(配信APL部)15,配信先座標指定部16,及びメッセージ送信部17として機能する。
配信APL部15は、端末に配信すべき様々な情報(例えば、緊急地震速報)を配信する
ための処理を司る。配信宛先座標指定部16は、例えば、上記した入力装置18及び表示装置19を用いたUIをユーザに提供し、ユーザから入力される、情報の宛先の地理座標(例えば、緯度、経度、及び高度の組み合わせ)の指定を受け付ける。配信宛先座標指定部16は、入力された(指定された)地理座標をメモリ12に記憶する。メッセージ送信部17は、情報を含み、且つ情報の宛先として宛先地理座標が設定されたフレームの生成及び送信処理を行う。
CPU11は、“プロセッサ”或いは“制御装置”の一例である。また、配信APL部1
5,配信宛先座標指定部16,及びメッセージ送信部17のそれぞれの機能は、Digital Signal Processor(DSP),或いは、Field Programmable Gate Array(FPGA)のようなプログラマブルロジックデバイス(PLD)を用いて実装(実現)可能である。
また、配信APL部15,配信宛先座標指定部16,及びメッセージ送信部17のそれぞれの
機能は、Large Scale Integrated circuit(LSI)や、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)のような、集積回路(IC)を用いたハードウェアロジック又
はワイヤードロジックによって実装(実現)可能である。
<AP>
図4は、AP400のハードウェア構成例を示す図である。AP400は、CPU401と、メモリ402とを含む。CPU401及びメモリ402は、ブリッジ403を介して、通信可能範囲の管理メモリ404,GPS受信機405,転送部406,無線ネットワークインタフェース(無線NWIF)414及び有線ネットワークインタフェース(有線NWIF)415と接続されている。
メモリ402及び管理メモリ404は、メモリ102について説明した構成を適用することができる。GPS受信機405は、GPS衛星からの電波を受信してAP400の現在位置情報(緯度、経度及び高度情報)を出力する。管理メモリ404は、GPS受信機405で得られた現在位置情報に基づき作成された通信可能範囲を示す情報を記憶する。
転送部406は、無線NWIF414及び有線NWIF415とCPU401との間のデータ送受信処理(転送処理)を司る電子回路チップである。無線NWIF414は、AP400の配下の端末(端末20を含む)との無線通信に係る処理を行う。
転送部406で行われる処理は、電子回路チップによるハードウェアロジック又はワイヤードロジックとして実装可能である。但し、転送部406の有する機能は、CPUやDSPのようなプロセッサ、或いはFPGAやPLDのような、プログラムの実行による機能として実装されても良い。
有線NWIF415は、アクセスネットワーク(例えばLAN)を介してルータが備えるポートに接続され、IP/MPLS網50とのデータ送受信に係る処理を行う。有線NWIF415は、有線NWIF14に関して説明した構成を適用可能である。
図5は、AP400の機能的な構成例を示すブロック図である。CPU401は、メモリ402に記憶されたプログラムを実行することによって、制御部409,メッセージ送
信部410,メッセージ受信部411として機能する。転送部406は転送制御部として
機能する。無線NWIF414は無線IFとして機能し、有線NWIF415は有線IFとして機能する。
管理メモリ404は、通信エリア情報412を記憶する。図6は、通信エリア情報412の例を示す。図6に示すように、通信エリア情報412として、通信可能範囲を示す情報が記憶される。通信可能範囲は、例えば、緯度の最小値及び最大値,経度の最小値及び最大値,並びに高度の最小値及び最大値で示される。
CPU401は、“プロセッサ”或いは“制御装置”の一例である。制御部409,メ
ッセージ送信部410,メッセージ受信部411としての機能は、CPU401の代わり
に、CPU11について説明したような、DSP,PLD,集積回路の少なくとも1つを用いて実装可能である。
図7は、通信エリア情報412の生成方法を示す図であり、APが配信可能な地理座標範囲の初期値を決定する方法を模式的に示す。図7の左側に示すように、通信可能範囲を決定するためのオリジナルの情報として、AP400の中心座標と、通信半径(セル半径)が用いられる。
AP400の中心座標は、GPS受信機405での測定によって得られる緯度,経度及び高度を用いることができる。或いは、コンフィグ設定によって静的に設定される中心座標を用いることもできる。通信半径は、AP400から送信される電波の距離(出力電波強度に比例)から求めることができる。
中心座標及び通信半径を用いて、通信可能範囲の初期値が計算(換算)される。例えば、図7の右側に示すように、通信半径を有する球体を完全に包含する直方体(立方体を含む)を想定する。直方体は、緯度,経度,及び高度の三次元座標系に配置される。
そして、緯度軸,経度軸,高度軸のそれぞれでの直方体の頂点座標が、それぞれ、緯度の最小値及び最大値(緯度(min),緯度(max)),経度の最小値及び最大値(経度(min),経度(max)),並びに高度の最小値及び最大値(高度(min),高度(max))として定義される。これらの、緯度,経度及び高度のそれぞれにおける最小値及び最大値が、通信可能範囲の初期値として使用される。通信可能範囲の初期値は、中心座標又は出力電波強度が変化した場合にリセットされる。
通信可能範囲の初期値は、例えば、CPU401がプログラムを実行することによって取得することができる。通信可能範囲の初期値は、通信エリア情報412として、メモリ404に記憶される。
図8は、通信エリア情報412の生成方法を示す図であり、地理座標範囲の拡張方法を模式的に示す。後述する“地理座標応答”により、現在の通信可能範囲(例えば、通信可能範囲の初期値)外の通信範囲が示された場合には、その通信範囲を含むように、通信可能範囲(通信エリア)が拡張される。
図8に示す例では、通信可能範囲の初期値における高度の最小値(高度min)と高度の
最大値(高度max)との間の範囲外である高度max’を含む通信範囲が応答されたことに基づき、通信可能範囲の高度の最大値を高度max’まで拡張した様子が示されている。この
ような拡張処理は、CPU401によって実行される。
<ルータ>
図9は、ルータ100(200)のハードウェア構成例を示す図である。ルータ100
及びルータ200は、同じ構成を備えているため、ルータ100を例に説明する。ルータ100は、CPU101及びメモリ102を含む。さらに、ルータ100は、CPU101及びメモリ102にブリッジ103を介して接続された収集地理座標の転送状態用メモリ104, 転送部105, 1以上のネットワークインタフェース(NWIF)106を含む。NWIF106は、AP400と接続されたポート(ルータポート)を有する。
メモリ102及び転送状態用メモリ104のそれぞれとして、メモリ12に関して説明した構成を適用することができる。メモリ102及び転送状態用メモリ104のそれぞれは、“記憶装置”の一例である。ブリッジ103は、周辺バスの一例である。転送部105及びNWIF106としては、転送部406及び有線NWIF415について説明した構成と同様の構成を適用可能である。
図10は、ルータ100(200)の機能構成例を示すブロック図である。CPU101は、メモリ102に記憶されたプログラムを実行することによって、RSVP−TEスタック部106,OSPFスタック部107,制御部108,メッセージ送信部109, メ
ッセージ受信部110として機能する。
RSVP-TEスタック部106は、ルータ間に生成されるLSPを用いたトンネルの
生成処理を司る。OSPFスタック部107は、地理座標範囲の同期処理を司る。制御部109は、ルータ全体の制御を行う。メッセージ送信部109は、メッセージの送信処理を司る。メッセージ受信部110は、メッセージの受信処理を司る。
CPU101は、“プロセッサ”或いは“制御装置”の一例である。RSVP−TEスタック部116,OSPFスタック部107,制御部108,メッセージ送信部109, メ
ッセージ受信部110としての機能は、CPU101の代わりに、CPU11について説明したような、DSP,PLD,集積回路の少なくとも1つを用いて実装可能である。
転送部105は転送制御部として機能する。メモリ102は、リンク状態データベース(DB)113, 収集地理座標データ114を記憶する。転送状態用メモリ104は、収集地理座標転送状態テーブル115を記憶する。転送部105は、“転送制御装置”の一例である。
転送部105で行われる処理は、電子回路チップによるハードウェアロジック又はワイヤードロジックとして実装可能である。但し、転送部105の有する機能は、CPUやDSPのようなプロセッサ、或いはFPGAやPLDのような、プログラムの実行による機能として実装されても良い。
図11は、リンク状態DB113, 収集地理座標データ114,及び収集地理座標転送状態テーブル115(転送状態テーブル115)の関係及び記憶内容の説明図である。
収集地理座標データ114には、ルータ100が有するNWIF106(ローカルIF:ルータポートに相当)の配下における通信可能範囲を示す情報が記憶される。通信可能範囲は、例えば、NWIF106毎に示され、通信可能範囲のエントリは、NWIF106の識別子であるIF-IDで識別される。IF-IDは、“ポート識別子”の一例である。
リンク状態DB113は、自ルータにおける通信可能範囲(通信エリア情報)と、他ルータとの同期処理を通じて得られた他ルータにおける通信可能範囲(通信エリア情報)とを記憶する。リンク状態DB113は、“タイプ”,“広報ルータ”,“IF-ID”,
“データ(通信可能範囲)”を示す複数のエントリを有する。リンク状態DB113は、
OSPFスタック部107によって管理される。リンク情報DB113には、有向グラフで表現されるネットワーク地図が格納される。
“タイプ”は、地理座標(Geographic)のような、エントリに格納されるデータのタイプを示す。“広報ルータ”として、当該エントリに係る通信可能範囲を広告したルータの識別情報(例えばIPアドレス)が記憶される。“IF-ID”は、広報ルータにおける
ローカルIFのIDを示す。“データ”として、通信可能範囲として、緯度,経度及び高度のそれぞれの最大値及び最小値を示すデータが記憶される。リンク状態DB113には、収集地理座標データ114として得られた自ルータにおける通信可能範囲を示すエントリが登録される。
リンク状態DB113には、上記したように、情報を発信したルータのID(IPアドレス)である“広報ルータ”と、広報ルータ内で一意に識別可能な“IF-ID”と、そ
して、IF-IDを有するローカルIFについて学習された通信可能範囲と記憶している
リンク状態DB113は、先に述べた通り、図20に示すような拡張LSAを利用して、IP/MPLS網50内で同期した各ルータの通信可能範囲の情報を保持(記憶)している。RSVPでLSPが設定されるとき、宛先地理座標に対応するルータのIDとして、着信(受信側)ルータのIPアドレスが使用される。
リンク状態DB113は、OSPFプロトコルスタック管理下のデータ格納エリアである。リンク状態DB113には、ネットワークのリンク接続状態などが格納される。リンク状態DB113は、通常、ルーティングテーブル算出に利用される。本実施形態では、リンク状態DB113に、拡張LSAを用いた同期処理によって得られた、ローカルIFに対する通信可能範囲が格納される。リンク情報DB113を参照することで、IP/MPLS網50において、宛先地理座標へのデータ配信が可能なローカルIFを有するルータを割り出すことができる。
転送状態テーブル115は、リンク状態DB113を基に、中継用のLSP(トンネリング用パス)が生成された場合に、当該LSPに係る情報が設定される。換言すれば、転送状態テーブル115には、地理座標に対するトンネリング実施中の情報が反映される。
転送状態テーブル115は、例えば、LSPに係る情報として、“地理座標範囲”と、“宛先ルータ”と、“IF-ID”と、“RSVP Label”と、“通過カウンタ”とを含む、
既存のLSP数のエントリを記憶する。
“地理座標範囲”は、LSPを終端するルータ(着信ルータ)からの通信可能範囲を示す。“宛先ルータ”は、LSPを終端するルータ(着信ルータ)のの識別情報(例えばIPアドレス)を示す。“IF-ID”は、宛先ルータが有する地理座標範囲と合致するロ
ーカルIFのIDを示す。
“RSVP Label”は、MPLSを用いて発信ルータから着信ルータへデータを送信するときに設定されるラベル値であり、発信ルータと着信ルータとの間で実行されるRSVPのシグナリングによって得られる。
“通過カウンタ”は、LSPの削除制御に用いられる。通過カウンタの値は、宛先ルータへのデータの転送に応じてインクリメントされる。インクリメントは、パケット単位で実行されるようにしても良く、一定時間に1以上のパケットが通過(送信)されることを以てインクリメントされてもよい。
通過カウンタの値が一定時間変化しない場合には、LSPが未使用であると判断され、当該LSPは消去される。LSPが消去されると、当該LSPに係るエントリは、転送状態テーブル115から削除される。転送状態テーブル115に、宛先地理座標を含む地理座標範囲を有するエントリが記憶されているか否かを以て、配信データをするためのLSPがあるか否か(LSP生成を要するか否か)を判断することができる。エントリがないとき、宛先地理座標に対応するLSPが生成されていないことを示す。
LSPを用いて転送されるデータには、二つのMPLS値(ラベル)が設定される。一つは、上述した“RSVP Label”であり、データを次ノードへ転送するために使用される。もう一つは、“IF-ID”であり、“RSVP Label”がセットされる領域よりも内側の領
域にセットされ、着信ルータでデータを送出するインタフェースを特定するために使用される。このように、二つのMPLS値を使用することで、IF-IDの通知によるデータ
の出力先指定を可能にしている。
<端末>
図12は、端末20のハードウェア構成例を示す図である。端末20は、CPU21及びメモリ22を含む。端末20は、さらに、CPU21及びメモリ22にブリッジ23を介して接続されたGPS受信機24及びネットワークインタフェース(NWIF)25を含む。
メモリ22として、メモリ12に関して説明した構成を適用することができる。ブリッジ23は、周辺バスの一例である。NWIF25は、AP400との無線通信に係る処理を行うインタフェース回路である。
図13は、端末20の機能を示すブロック図である。端末20が備えるCPU21は、メモリ22に記憶されたプログラムを実行することによって、アプリケーション(Application)27,制御部28,メッセージ送信部29,メッセージ受信部30及びオペレーティングシステム(OS)31として機能する。NWIF25は、無線インタフェース(無線IF)として機能する。
CPU21は、“プロセッサ”或いは“制御装置”の一例である。アプリケーション27,制御部28,メッセージ送信部29,メッセージ受信部30及びオペレーティングシス
テム(OS)31としての機能は、CPU21の代わりに、CPU11について説明したような、DSP,PLD,集積回路の少なくとも1つを用いて実装可能である。
<ヘッダフォーマット>
実施形態におけるネットワークシステムでは、IP/MPLS網(中継網)50に接続された1以上のルータが、地理座標の学習を行う。学習においては、“地理座標問い合わせ”メッセージがルータから配下のAP400や端末20へ送信される。
“地理座標問い合わせ”メッセージを受信したAP400や端末20は、地理座標情報を含む応答メッセージである“地理座標応答”を生成し、問い合わせの送信元のルータへ返信する。ルータは、ルータ間での同期処理により、地理座標情報を共有する。そして、各ルータは、配信情報を送信すべき範囲を、“地理座標送信データ”を用いて決定する。
図14は、“地理座標問い合わせ”メッセージ,“地理座標応答”メッセージ及び“地
理座標送信データ”メッセージのそれぞれとして機能するフレームに設定されるヘッダ(以下、“地理座標ヘッダ”と称する)のフォーマット例を示す表である。
地理座標ヘッダには、メッセージタイプ(Msg Type)と副タイプ(Sub Type)とを示す数値が格納される。メッセージタイプ及び副タイプとして設定された数値によって、地理座標ヘッダは、“地理座標問い合わせ”ヘッダ(以下“問い合わせ”ヘッダ),“地理座
標応答”ヘッダ(以下“応答”ヘッダ)及び“地理座標送信データ”ヘッダ(以下“送信データ”ヘッダ)のいずれかとして機能する。地理座標ヘッダは、イーサネット(登録商標)(以下、“Ether”又は“LAN”と表記)ヘッダ又はIPv6ヘッダの次(ペイロード部分)に挿入(セット)される。
図14の例では、メッセージタイプ“1”には、“地理座標問い合わせ”が割り当てられている。“地理座標問い合わせ”は、ルータから配下のAP400や端末20へ、現在位置の地理座標の返却を要求するメッセージである。“地理座標問い合わせ”の副タイプ“1”は、端末20への問い合わせを意味し、副タイプ“2”は、AP400への問い合わせを意味する。
メッセージタイプ“2”には、“地理座標応答”が割り当てられている。“地理座標応答”は、“地理座標問い合わせ”に応じた地理座標を含む応答メッセージであり、端末20やAP400からルータへ送信される。“地理座標応答”の副タイプ“1”は、端末20の応答時に使用される。端末20からの“地理座標応答”は、端末20の中心地理座標及び精度を含む。副タイプ“2”は、AP400の応答時に使用される。AP400からの“地理座標応答”には、AP400の中心座標及び精度、並びに無線通信エリアの半径が含まれる。
メッセージタイプ“3”には “地理座標送信データ”が割り当てられている。“送信
データ”ヘッダは、地理座標を宛先としたデータを送信する場合に付与される。当該ヘッダの後ろに、データを含むペイロードが付与される。“地理座標送信データ”の副タイプ“1”は、“ポイント指定”を意味する。ポイント指定は、特定の地理座標ポイントを宛先とする場合に使用される。副タイプ“2”は、“範囲指定”を意味する。“範囲指定”は、特定の地理座標範囲を宛先とする場合に使用される。副タイプ“3”は、“範囲指定,通信外エリア指定”を意味する。“範囲指定,通信外エリア指定”は、宛先の範囲と、範囲内で配信を除外したいエリアを指定する場合に使用される。
図15は、“問い合わせ”ヘッダのフォーマット例を示す。図15に示すように、ヘッダの“flags”フィールドにメッセージタイプ及び副タイプが続くことを示す識別子(値
)が設定され、“flags”フィールドの後ろ側にメッセージタイプ及び副タイプが設定さ
れる。
図16は、“応答”ヘッダのフォーマット例を示す。図16に示すように、ヘッダの“flags”フィールドにメッセージタイプ及び副タイプが続くことを示す識別子(値)が設
定され、“flags”フィールドの後ろ側にメッセージタイプ及び副タイプが設定される。
さらに、地理座標情報(中心地理座標)として、緯度,経度,及び高度が設定される。
或いは、図16の下段に示すように、地理座標範囲を示す情報として、緯度の最小値及び最大値(緯度min及び緯度max),経度の最小値及び最大値(経度min及び経度max),及び高度の最小値及び最大値(高度min及び高度max)を設定することができる。
図17は、“送信データ”ヘッダのフォーマット例を示す。図17に示すように、ヘッダの“flags”フィールドにメッセージタイプ及び副タイプが続くことを示す識別子(値
)が設定され、“flags”フィールドの後ろ側にメッセージタイプ及び副タイプが設定さ
れる。さらに、宛先を示す地理座標として、宛先緯度,宛先経度,及び宛先高度が設定される。地理座標の次に、送信対象のデータが設定される。
<フレームフォーマット>
図18は、図14〜図17を用いて説明した地理座標ヘッダが設定されるEtherフレー
ム(LANフレーム)のフォーマット例を示す。図18の上段は、通常のEtherフレーム
フォーマットを示し、下段は、仮想LAN(VLAN)IDを含むEtherフォーマットを
示す。上段及び下段のフォーマットのいずれも、“type/length”フィールドを含んでお
り、当該フィールドに、地理座標ヘッダが続くことを示す値が設定される。そして、“type/length”フィールドに続く“Payload”フィールドに、地理座標ヘッダ(“問い合わせ”ヘッダ,“応答”ヘッダ又は“送信データ”ヘッダのいずれか)が設定される。
図19は、図14〜図17を用いて説明した地理座標ヘッダが設定されるIPv6パケット(IPv6フレーム)のフォーマット例を示す。IPv6ヘッダは、“Next Header
”フィールドを含んでいる。“Next Header”フィールドには、地理座標ヘッダが続くこ
とを示す値が設定される。
“問い合わせ”ヘッダを含むIPv6パケットでは、IPv6ヘッダの送信元アドレス(Source Address)フィールドには、ルータのリンクローカルアドレスが設定される。一方、宛先アドレス(Destination Address)フィールドには、応答型ノードマルチキャス
トアドレス(Solicited-Node multicast address)が設定される。
一方、“応答”ヘッダを含むIPv6パケットでは、IPv6ヘッダの送信元アドレスフィールドには、端末20のリンクローカルアドレスが設定される。一方、宛先アドレスフィールドには、ルータのリンクローカルアドレスが設定される。
AP400への問い合わせには、ペイロードに“問い合わせ”ヘッダがセットされたEtherフレーム(図18)が使用される。一方、端末20への問い合わせには、ペイロード
に“問い合わせ”ヘッダがセットされたIPv6フレーム(図19)が使用される。
端末20への“地理座標問い合わせ”及び“地理座標応答”にIPv6ヘッダを使用する理由は、以下の通りである。すなわち、AP400から先の無線区間において、無線アクセス種別によりフォーマットが変更される可能性がある。しかしながら、フォーマットの変更による影響はレイヤ3(IPv6)には及ばない。すなわち、IPv6のペイロードに格納される地理座標ヘッダに影響は及ばない。但し、無線区間においても、地理座標ヘッダが後続することを指定乃至指示可能なフィールドを有するプロトコルであれば、IPv6以外のプロトコルを適用可能である。
<同期用メッセージフォーマット>
実施形態では、各ルータのポートにおける通信可能範囲が、ルータ間で交換されることによって、通信可能範囲の同期(共有)が行われる。Opaque LSAは、例えば、RFC2370で
定義される拡張方法を利用して、リンクごとの消費帯域状況の通知に利用することができる(RFC3630)。この拡張定義方法を利用し、Opaque LSAにルータポートごとの通信可能囲
を搭載して、網内での通信可能範囲の情報の同期を図る。
図20は、OSPFで使用される同期用メッセージ(Opaque-LSA)のフォーマットの例を示す図である。RFC2370に記述される拡張方法に従って定義し、広告するルータID、
そのルータポートのInterfaceを特定するID、そのルータポートで通信できる地理座標
範囲(緯度、経度、高度)をセットにしたLink-State Advertisement(LSA(リンク状態広告))が生成される。そして、当該LSAを含むメッセージがOSPFを用いて網内で交換されることで、ルータ間での情報共有が図られる。
フォーマット中の“Opaque Type”フィールドには、実施形態の地理座標同期処理に係
るプロトコルであることを識別するユニークな値(すなわち、当該フレームが地理座標範囲の同期用メッセージであることを示す値)が設定される。“LS-Type”フィールドには
、OSPF1エリア内で使用されるとき、“10”が設定される。
また、フレームは、“Advertising Router”、すなわち、地理座標を広告するルータのIDを記憶するフィールドを含む。さらに、フレームは、ルータポート、すなわちルータが備えるローカルIFを特定する識別情報(IF-ID)と、当該IF-IDで特定されるNWIFを用いて通信可能な範囲を示す情報が格納される。通信可能範囲は、緯度の最小値及び最大値,経度の最小値及び最大値,並びに高度の最小値及び最大値で表される。
ルータ間での同期処理において、各ルータは、同期用メッセージに自ルータのルータID,IF-ID,及び通信可能範囲をセットして、IP/MPLS網50へ送信する。各
ルータは、他ルータから受信される同期用メッセージに含まれたルータID,IF-ID
及び通信可能範囲をリンク状態DB113に記憶する。
<AP400における処理例>
図21は、AP400における処理例を示すフローチャートである。図21に示す処理は、転送制御部として機能する転送部406がフレームを受信したときに開始される。
01において、転送部406は、フレームを受信したインタフェース(入力インタフェース:入力IF)の識別を行う。このとき、入力IFが有線NWIF(有線IF)415であれば、02に処理が進む。これに対し、入力IFが無線NWIF(無線IF)414であれば、処理が06に進む。
02では、転送部406は、フレームに地理座標ヘッダ(地理座標HDR)が付与されているか否かを判定する。転送部406は、フレームのflagsフィールドの値が地理座標
ヘッダを示す値か否かを判定することで、地理座標ヘッダの有無を判定することができる。さらに、地理座標ヘッダが付与されている場合には、転送部406は、メッセージタイプ及び副タイプの数値を参照することによって、地理座標ヘッダが“問い合わせ”と“送信データ”とのいずれを示すかを判定する。
このようにして、地理座標ヘッダがないと判定される場合(02,other)には、処理
が03に進む。これに対し、地理座標ヘッダが“問い合わせ”を示す場合には(02,問い合わせ(L2))、処理が04に進む。地理座標ヘッダが“送信データ”を示す場合には(02,送信データ)、処理が05に進む。03では、転送部406は、フレームを無
線NWIF414から送信する。
04では、転送部406は、通信範囲管理メモリ404(図4)に記憶されている通信エリア情報412(通信可能範囲)を含む“地理座標応答”フレーム(以下“応答”フレームと表記)を生成する(図14,図16参照)。さらに、転送部406は、応答フレームを有線NWIF415から送信する。
05では、転送部406は、地理座標ヘッダに格納された宛先の地理座標が通信エリア情報412で特定される通信可能範囲内か否かを判定する。このとき、宛先の地理座標が通信可能範囲外であれば(05,No)、転送部406は、フレームの転送を中止し、フレームを廃棄する。これに対し、宛先の地理座標が通信可能範囲内であれば(05,Yes)、転送部406は、処理を03に進める。
06に処理が進んだ場合には、転送部406は、フレームが“応答”の地理座標ヘッダ
(応答ヘッダ)を含むか否かを判定する。このとき、応答ヘッダが含まれる場合(06,Yes)には、処理が07に進む。これに対し、応答ヘッダが含まれない場合(06,No)には、処理が08に進む。
07では、転送部406は、応答ヘッダに含まれた地理座標が通信エリア情報412で特定される通信可能範囲内か否かを判定する。このとき、地理座標が通信可能範囲内であれば(07,Yes)は、処理が08に進む。これに対し、地理座標が通信可能範囲内であれば(07,No)は、処理が09に進む。
08では、転送部406は、フレームを有線NWIF415へ送る。有線NWIF415は、フレームをルータへ向けて送信する。09では、転送部406は、通信エリアの拡張処理を行う(図8参照)。そして、フレームに対する処理を終了する。
<<通信可能範囲の拡張処理>>
図22は、図21に示した09の処理(通信可能範囲の拡張処理)の詳細を示すフローチャートである。図22に示す処理は、転送制御部として機能する転送部406によって実行される。
11において、転送部406は、応答ヘッダ中の緯度(“Hdr緯度”と表記)が通信エ
リア情報412で特定される通信可能範囲の緯度の最小値(緯度min)より小さいか否か
を判定する。Hdr緯度が緯度minより小さい場合(11,Yes)には、処理が12に進む。Hdr緯度が緯度min以上である場合(11,No)には、処理が13に進む。
12では、転送部406は、Hdr緯度の値を緯度minに設定(変更)して処理を13に進める。13では、転送部406は、Hdr緯度が通信可能範囲の緯度の最大値(緯度max)より大きいか否かを判定する。Hdr緯度が緯度maxより大きい場合(13,Yes)には、処理が14に進む。Hdr緯度が緯度max以下である場合(13,No)には、処理が15に進む。14では、転送部406は、Hdr緯度の値を緯度maxに設定して処理を15に進める。
15では、転送部406は、応答ヘッダ中の経度(“Hdr経度”と表記)が通信エリア
情報412で特定される通信可能範囲の経度の最小値(経度min)より小さいか否かを判
定する。Hdr経度が経度minより小さい場合(15,Yes)には、処理が16に進む。Hdr経度が経度min以上である場合(16,No)には、処理が17に進む。
16では、転送部406は、Hdr経度の値を経度minに設定(変更)して処理を17に進める。17では、転送部406は、Hdr経度が通信可能範囲の経度の最大値(経度max)より大きいか否かを判定する。Hdr経度が経度maxより大きい場合(17,Yes)には、処理が18に進む。Hdr経度が経度max以下である場合(17,No)には、処理が19に進む。
19では、転送部406は、応答ヘッダ中の高度(“Hdr高度”と表記)が通信エリア
情報412で特定される通信可能範囲の高度の最小値(高度min)より小さいか否かを判
定する。Hdr高度が高度minより小さい場合(19,Yes)には、処理が20に進む。Hdr高度が高度min以上である場合(19,No)には、処理が21に進む。
20では、転送部406は、Hdr高度の値を高度minに設定(変更)して処理を21に進める。21では、転送部406は、Hdr高度が通信可能範囲の高度の最大値(高度max)より大きいか否かを判定する。Hdr高度が高度maxより大きい場合(21,Yes)には、処理が22に進む。Hdr高度が高度max以下である場合(21,No)には、処理が終了する。22では、転送部406は、Hdr高度の値を高度maxに設定(変更)して処理を終了する
<ルータにおける処理>
図23は、ルータ100又は200において、地理座標ヘッダを含むEtherフレーム受
信時の処理例を示すフローチャートである。以下、ルータ100を例として説明する。図23の処理は、地理座標ヘッダを含むEtherフレームを受信したときに開始される。
ルータ100は、配信サーバ10から地理座標ヘッダを含むフレームをNWIF106で受信する。フレームは、転送部105に与えられる。すると、転送部105は、転送制御部として機能し、以下の処理を行う。
001において、フレームを受信した転送部105は、地理座標ヘッダの種別を、メッセージタイプを元に判定する。このとき、地理座標ヘッダが“応答”ヘッダであれば、処理が002に進む。地理座標ヘッダが“送信データ”ヘッダであれば、処理が005に進む。
002では、転送部105は、通信可能と認識する地理座標範囲(通信可能範囲)、すなわち収集地理座標データ114の更新処理を、“応答”ヘッダ中の地理座標を用いて行う。
次に、003では、転送部105は、通信可能範囲(配信可能範囲)が変更されているか否かを判定する。このとき、通信可能範囲が変更されていない場合には(003,No)、転送部105は処理を終了する。これに対し、通信可能範囲が変更されている場合には(003,Yes)、転送部105は、ブリッジ103を介してフレームをCPU101に渡し、処理が004に進む。
004では、CPU101は、メッセージ受信部110として転送部105から受け取ったフレームを制御部108に渡す。CPU101は、制御部108として、OSPFスタック部107に指示を与える。OSPFスタック部107として機能するCPU101は、リンク状態DB113の自ノード(ルータ100)の情報を更新する。
このとき、CPU101は、リンク状態DB113中の自ノード情報を含む地理座標同期用のメッセージを生成し、メッセージ送信部109として同期用のメッセージを送信し、処理を終了する。同期用メッセージは、ブリッジ103を介して転送部105に与えられ、転送部105は、1以上のNWIF106から同期用のメッセージを送信する。
005に処理が進んだ場合には、転送部105は、転送制御部として機能し、宛先の地理座標に対応するトンネルがある(生成されている)か否かを判定する。すなわち、転送部105は、収集地理座標転送状態テーブル115を参照し、既存のトンネルの地理座標範囲と宛先の地理座標とが合致しているか否かを判定する。このとき、既存のトンネルがあれば(005,Yes)、処理が010に進む。既存のトンネルがなければ(005,No)、転送部105は、ブリッジ103を介してフレームをCPU101に渡す。そして、処理が006に進む。
006では、CPU101は、メッセージ受信部110としてフレームを受信し、制御部108としてフレームを受け取り、OSPFスタック部107を起動する。CPU101は、OSPFスタック部107として機能し、リンク状態DB113に、フレーム中の宛先の地理座標範囲を広告するエントリ(テーブル)があるか否かを判定する。エントリがなければ(006,No)、処理が011に進み、エントリがあれば(006,Yes)、処理が007に進む。
007では、CPU101は、RSVP-TEスタック部116として機能し、宛先の
地理座標に応じた広報ルータ(例えば、ルータ200)向けのLSP生成要求メッセージを生成し、メッセージ送信部109として、ブリッジ103へ送信する。LSP生成要求メッセージは、ブリッジ103を介して転送部105に送られる。転送部105は、LSP生成要求メッセージを、広報ルータと接続されたNWIF112から送信する。
その後、LSP生成要求に応じて、ルータ100とルータ200との間に、LSPが生成される。LSPが生成されると、ルータ100のNWIF112は、LSP生成要求の応答メッセージを受信する。応答メッセージは、転送部105及びブリッジ103を介してCPU101に与えられる。
CPU101は、メッセージ受信部109として応答メッセージを受信したとき、LSP生成が成功したと判定し(008,Yes)、処理を009に進める。これに対し、一定時間応答メッセージを受信できない場合には、CPU101は、LSP生成が失敗したと判定(008,No)し、処理を011に進める。
009では、CPU101は、制御部108として機能し、生成されたLSP,すなわちトンネルに係る情報を地理座標転送状態テーブル(転送状態テーブル)115に登録する。続いて、010において、転送部105は、制御部109及びメッセージ送信部109として機能し、転送状態テーブル115に基づき、トンネルを用いて、地理座標ヘッダを含むフレームをルータ200に送信する。その後、処理が終了する。
011に処理が進んだ場合には、CPU101は、フレームを廃棄する。また、012に処理が進んだ場合には、転送状態テーブル115に記憶された通過カウンタの値がインクリメントされ、処理が010に進む。
<<通信可能範囲の更新処理例>>
図24は、ルータにおける、通信可能と認識する地理座標範囲(通信可能範囲)の更新処理(図23の002)を示すフローチャートである。図24に示す処理は、“応答”ヘッダを含むフレームの受信時に行われる。図24において、転送部105は、以下の処理を行う。
すなわち、021において、転送部105は、“応答”の地理座標ヘッダを含むフレームを受信した場合に、当該フレームを受信したNWIF106(受信IF)を、インタフェースの識別情報(IF-ID)で認識する。
次に、022において、転送部105は、IF-IDに対応する地理座標範囲(緯度(min,max),経度(min,max),高度(min,max))を、収集地理座標データ114から
読み出す。転送部105は、読み出した緯度(min,max)と、“応答ヘッダ”に含まれた緯度(min,max)すなわち、Hdr緯度min及びHdr緯度maxと比較する。
そして、転送部105は、Hdr緯度min及びHdr緯度maxが、緯度(min,max)の範囲内か否かを判定する。Hdr緯度min及びHdr緯度maxが範囲内にあれば(022,Yes)、処理が024に進む。Hdr緯度min及びHdr緯度maxが範囲外であれば(022,No)、処理が023に進む。
023では、転送部105は、緯度(min,max)の値を、Hdr緯度min及びHdr緯度maxの少なくとも一方の値に応じた範囲外の値に更新する。その後、処理が024に進む。
024では、転送部105は、Hdr経度min及びHdr経度maxが、収集地理座標データ114から得られた経度(min,max)の範囲内か否かを判定する。Hdr経度min及びHdr経度maxが範囲内にあれば(024,Yes)、処理が026に進む。Hdr経度min及びHdr経度maxが範囲外であれば(024,No)、処理が025に進む。
025では、転送部105は、経度(min,max)の値を、Hdr経度min及びHdr経度maxの少なくとも一方の値に応じた範囲外の値に更新する。その後、処理が026に進む。
026では、転送部105は、Hdr高度min及びHdr高度maxが、収集地理座標データ114から得られた高度(min,max)の範囲内か否かを判定する。Hdr高度min及びHd高度max
が範囲内にあれば(026,Yes)、処理が終了する。Hdr高度min及びHdr高度maxが範囲外であれば(026,No)、処理が027に進む。
027では、転送部105は、高度(min,max)の値を、Hdr高度min及びHdr高度maxの少なくとも一方の値に応じた範囲外の値に更新する。その後、処理が終了する。
図25は、図24に示した処理の内容を模式的に示す。例えば、021で認識されたIF−IDが“1”であれば、このIF−ID“1”に対応する収集地理座標データ114(図25で斜体で示す)に含まれた通信可能範囲として、緯度(min,max),経度(min
,max),高度(min,max)を有する。この地理座標データは、緯度(min,max),経度
(min,max),高度(min,max)を頂点とする直方体で表現される。
一方、“応答”ヘッダからは、端末20での受信範囲(地理座標範囲)として、緯度(min’,max’),経度(min’,max’),高度(min’,max’)が得られる。地理座標範囲も、緯度(min’,max’),経度(min’,max’),高度(min’,max’)を頂点とする立方体で表現できる。
そして、受信範囲の立方体が通信可能範囲の立方体内に収まらない(通信可能範囲外である)ときに、二つの立方体を内包する立方体が定義され、当該立方体が更新に係る通信可能範囲として定義される。図25に示す例では、更新によって、通信可能範囲は、緯度(min,max’),経度(min,max’),高度(min,max’)に更新(拡張)された例が示されている。なお、受信範囲の立方体が通信可能範囲の立方体内に収まる場合には、更新は行われない。
なお、“応答”ヘッダにおいて、地理座標範囲が精度で通知される場合には、以下の換算式を用いて緯度(min,max),経度(min,max),高度(min,max)が求められる。
緯度(min, max)= 緯度(中心−精度, 中心+精度)
経度(min, max)= 緯度(中心−精度, 中心+精度)
高度(min, max)= 緯度(中心−精度, 中心+精度)
<動作例>
<<通信可能範囲の学習>>
図26は、通信可能な地理座標範囲をIP/MPLS網(中継網)50内に取込む動作例を示すシーケンス図である。中継網に接続されたルータ100,200、及び各ルータ
に配下に接続されるAP400は、通信可能な地理座標範囲を学習する。
図26では、複数のルータを代表して、ルータ200が地理座標問い合わせのフレームを送信するケースを例示している。但し、地理座標問い合わせは、地理座標問合せに対する応答が期待される全てのルータにて実行される。
ルータ200は、AP400と接続されたポート(ルータポート)から“問い合わせ”ヘッダを含むEtherフレーム(問い合わせフレーム)を送信する。
問い合わせフレームは、Etherフレームに、“問い合わせ”ヘッダ(図14、図15)
を付加することで生成される。また、“問い合わせ”フレームの宛先アドレスとして、L2ブロードキャストが指定される。すなわち、宛先MACアドレスがオール“f”に設定される。
転送部105は、宛先MACアドレス(ブロードキャスト指定)に従って、複数のNWIF106(NWIF112)から問い合わせフレームを送出する。これによって、ルータ200の配下のAP400(例えば、図1のAP400A及びAP400B)に問い合わせが受信される(図26<1>)。但し、図26では、1つのAP400のみを例示している。
問い合わせフレームを受信したAP400では、図21に示した01,02及び04の処理が実行される(図26<2>)。これによって、問い合わせフレームに対する応答フレーム(図14,図16)が生成され、ルータ200へ返信される(図26<3>)。
ルータ200は、応答フレームを受信すると、収集地理座標データ114(図10,図11)を更新する(図26<4>)。すなわち、ルータ200では、図23に示した001,002(図24,図25)の処理が行われる。これによって、応答フレームに含まれたIF-ID及び通信可能範囲が収集地理座標データ114の記憶領域に記憶される。但
し、図26に示す例では、003にてNoの判定が行われるケースを例示している。
次に、ルータ200は、ルータポートから端末20向けの“問い合わせ”ヘッダを含むIPv6パケット(問い合わせパケット)を生成し、AP400へ送信する(図26<5>)。問い合わせパケットの宛先IPアドレスには、端末20が宛先に含まれるSolicited-Node multicast address が設定されている。このため、問い合わせパケットは、AP
400を経由し、端末20で受信される。AP400では、問い合わせパケットは、通常のIPパケットとして取り扱われる。
なお、ルータポート配下のLANにブロードキャストでき、無線区間で地理座標ヘッダを含むことを認識可能なフィールドを有するプロトコルであれば、IPv6以外のプロトコルを適用可能である。
端末20では、問い合わせパケットはNWIF25で受信され、ブリッジ23を介してCPU21に与えられる。すると、以下のような応答の生成処理が行われる(図26<6>)。
CPU21は、OS31として機能し、IPv6ヘッダの“Next Header”フィールド
の値を参照する。値が“地理座標ヘッダ”が続くことを示す値であるとき、CPU21は、メッセージ受信部30として機能し、地理座標ヘッダを参照する。地理座標ヘッダに設定されたメッセージタイプ及び副タイプから、“問い合わせ”であることを認識する。
すると、CPU21は、制御部28として機能し、以下のような処理を行う。すなわち、CPU21は、GPS受信機24で受信される現在位置座標を得る。さらに、CPU21は、現在位置座標を必要に応じて通信可能範囲に換算し、“応答”ヘッダ(図16)を生成する。そして、CPU21は、メッセージ送信部29として機能し、“応答”ヘッダをOS31に渡す。CPU21(OS)31は、“応答”ヘッダを含むIPv6パケット(図18,応答パケットと称する)を生成し、NWIF25から送信する。
応答パケットは、AP400で受信される(図26<7>)。すると、AP400では、以下のような動作を行う(図26<8>)。すなわち、AP400では、応答パケットのIPv6ヘッダの“Next Header”の値が参照される(図21の06)。値が地理座標
ヘッダの存在を示す値であるとき、AP400は、通信エリア情報412の拡張要否をチェックする(図21の07)。
そして、応答パケットに含まれた通信可能範囲が、AP400における現在の通信エリア情報412で特定される通信可能範囲外であるとき、通信可能範囲の拡張(図21の09,図8)が行われ、更新に係る通信エリア情報412がメモリ404に記憶される。“Next Header”の値が地理座標ヘッダの存在を示す値でないとき、上記チェックは行われ
ない。転送部105は、ルータ200と接続されたNWIF106から応答パケットを送出する(図26<9>)。
ルータ200では、応答パケットは、NWIF106で受信される。受信されたパケットが応答パケットであると認識されたとき、収集地理座標データ114の更新が行われる(図26<10>)。すなわち、図23における001,002(図24)の処理が実行される。
収集地理座標データ114の更新によって、新規の通信可能範囲のエントリの追加、或いは、既存エントリの通信可能範囲の変更が検出された場合(図23の003,Yes)には、リンク情報DB113の更新処理(図23の004)が行われる(図26<11>)。上記追加又は変更の検出は、転送部105又はCPU101によって行われる。また、リンク情報DB113の更新処理は、OSPFスタック部107によって行われる。
004の処理によって、ルータ200から、ルータ200のポートの配下の通信可能範囲を含む同期用メッセージ(図20)が、送信される(図26<12>)。同期用メッセージは、ルータ100で受信される。ルータ100では、CPU101が、リンク状態DB113の更新処理を行う(図26<13>)。これによって、ルータ200の通信可能範囲が、ルータ100で記憶される。すなわち、ルータ100のCPU101は、同期用メッセージに含まれたルータ200の通信エリア情報(広告ルータID,IF-ID,及
び通信可能範囲)をリンク状態DB113に記憶する。
図26に示した一連の流れによって、AP400及び端末20がGPS受信機を用いて測定した地理座標から、ルータポートに対する通信可能範囲を、網内のルータ100,200間で共有することができる。なお、端末20への問い合わせに係る動作(図26<5>〜<9>)は、オプションとすることができる(省略可能である)。
<<地理座標を宛先とした情報の配信>>
次に、配信サーバ10から送信される情報を配信する場合における動作例について説明する。図27は、情報の配信時における動作例を示すシーケンス図である。図27には、学習された通信可能範囲を利用し、地理座標を宛先とするデータを受信した契機で、IP/MPLS網50内に、当該地理座標に到達可能なルータまでデータを転送する場合の動作が図示されている。
配信サーバ10では、CPU11がプログラム実行によって、配信APL部15として機
能し、配信用の情報(配信データ)と、宛先としての地理座標(宛先地理座標)の入力環境(UI)をユーザに提供する。
ユーザは、配信データ(配信データ1とする)と、宛先地理座標とを入力することがで
きる(図27<1>)。配信APL部15は、配信データ(例えば緊急地震速報、以下、配
信データ1と表記)と、配信データ1の配信指示との入力を受け付けると、配信宛先座標指定部16として機能し、入力された宛先地理座標を配信宛先座標として指定する。
CPU11は、メッセージ送信部17として機能し、配信データ1及び宛先地理座標を含む“送信データ”ヘッダ(メッセージタイプ=3,図14)を含むEtherフレーム(図
17参照,以下、“送信データ1”と称する)を生成して送出する。地理座標送信データ1は、ブリッジ13を介して有線NWIF14からブロードキャスト送信される(図27<2>)。送信データ1は、“ブロードキャストフレーム”の一例である。
有線NWIF14は、LANに接続されており、当該LANにはルータ100(発信ルータ)のNWIF106が接続されている。これによって、ルータ100は、NWIF106で送信データ1を受信する。
すると、ルータ100では、図23の005以降の処理が行われる(図27<3>)。すなわち、図23の001で、“送信データ”ヘッダのメッセージタイプが参照される。このとき、メッセージタイプが“3”であるので、処理が005に進む。005において、転送状態用メモリ104に格納されている、転送状態テーブル115(図11)が転送部105によって参照される。
この時点では、ルータ100は、配信サーバ100からルータ200へ向けられた送信データ1を初めて受信したと仮定する。このため、転送状態テーブル115には、宛先地理座標に対応するエントリは記憶されていない。この場合、送信データ1は、CPU101(制御部108)に送られる。
送信データ1が制御部108に送られることは、転送状態テーブル115に転送用のトンネル情報が記憶されていないことを意味する。すなわち、配信サーバ10から送信データ1を受信した発信ルータであるルータ100と、宛先地理座標に対応する着信ルータであるルータ200との間に、トンネリングを実施するためのLSPが生成されていない状態である。
CPU101は、制御部108として、メッセージタイプを参照し、メッセージタイプが“3”(送信データ)である場合(図23の005,No)、リンク状態DB113を参照する(図23の006)。
CPU101(制御部108)は、リンク状態DB113から、送信データ1に含まれた宛先地理座標へ配信データ1を配信可能なエントリを検索する。エントリが存在する場合には、CPU101(制御部108)は、RSVP-TEスタック部116として機能
し、検索によってヒットしたエントリ中の“広報ルータ”(着信ルータとなるルータ200)に対するLSP生成要求メッセージを生成して送信する(図23の007)。
RSVP-TEスタック部106は、LSP生成要求メッセージであるRSVP-Pathメッセージをルータ200に送信する(図27<4>)。RSVP-Pathメッセー
ジを受信したルータ200は、応答メッセージであるRSVP-Resvメッセージを返
信する(図27<5>)。
ルータ100は、RSVP-Resvメッセージを受信すると、ルータ200とのLS
P5の構築を完了する。LSP5の生成動作は、RSVP/MPLSの通常の動作であるので、詳細な説明は省略する。
LSP5の生成が成功した場合には、“地理座標伝送状態”の更新処理(図23の009)がルータ100にて実行される(図27<6>)。図28は、“地理座標転送状態”の更新処理の詳細を模式的に示す。
制御部108として機能するCPU101は、転送状態テーブル115に、 宛先ルー
タ(着信ルータ:ルータ200)のIPアドレス,宛先ルータのIF-ID, 地理座標範囲,及びRSVP Labelを登録する。
さらに、転送部105は、転送制御部として機能し、以下のような処理を行う(図23の010,図28)。すなわち、転送部105は、転送状態テーブル115を参照し、送信データ1を、MPLSスタック6とMPLSスタック7とでカプセル化する。
MPLSスタック7には、転送状態テーブル115から得られるRSVP Labelが外側ラベル(Outer Label)として設定される。一方、MPLSスタック6には、IF-IDが内側ラベル(inner label)として設定される。なお、“Exp”及び“TTL”の値には、
事前のコンフィグ設定により指定された値が設定される。
最終的に、ルータ100のNWIF106にてL1-L2 Headerを付加されたカプセル化送信データ8がルータ200へ送信される(図27<7>)。カプセル化送信データ8は、LSP5を用いてMPLS転送される。カプセル化送信データ8は、“データブロック”の一例である。
LSP5の終端点となるルータ200は、ルータ200自身がLSPの終端点と認識している。このため、ルータ200において、転送制御部として機能する転送部105は、MPLSスタック6のLabel値を参照して、次の出力IFを決定する。
ここで、MPLSスタック6 のLabel値として、宛先地理座標に対応するIF-IDが
設定されている。このため、転送部105は、IF-IDで特定されるNWIF106に
、送信データ1を出力する。出力に当たり、転送部105は、カプセル化送信データ8のデカプセル化を行い、ルータ100で受信された状態を有する送信データ1をブロードキャストアドレスで出力する(図27<8>)。
ブロードキャストであるので、ルータ100のIF-IDで特定されるルータ200の
ポート(出力ルータポート)に接続された、全てのAP400(AP400A及び400B)にて送信データ1が受信される。
各AP400での動作は同じであるので、例として、AP400Aの動作について説明する。AP400Aにおいて、送信データ1は、有線NWIF415で受信され、転送部406に与えられる。
転送部406は、転送制御部として機能し、図21に示した処理を行う。すなわち、転送部406は、01のYes判定を経て、02で地理座標ヘッダが含まれているか判定する。地理座標ヘッダが含まれている場合、地理座標ヘッダのメッセージタイプを参照する。このとき、メッセージタイプは“3(送信データ)”である。
このため、転送部406は、地理座標ヘッダに含まれている宛先地理座標としての緯度,経度及び高度を参照し、管理メモリ404に記憶された通信エリア情報412との比較を行う。このとき、宛先地理座標が、自AP(AP400A)の通信可能範囲内に属してれば、転送部406は、地理座標ヘッダを除去し、無線NWIF414から配信データ1をブロードキャストする(図27<9>)。
ブロードキャストされた配信データ1は、AP400Aの通信範囲内に存在する端末20(及び通常の端末)にて受信される。なお、宛先地理座標が通信範囲内でない場合には、ルータ200から受信された送信データ1は送信不可能であるため、廃棄される。
AP400Aからの配信データ1の送信時において、地理座標ヘッダは除去され、無線
NWIF414から送信される。このため、配信データ1は、端末20において、通常のブロードキャストメッセージと同じ形式で受信される。ブロードキャストメッセージ受信による端末20の動作は、当該端末の仕様に従う。すなわち、配信データ受信のための特殊要件は無く、通常パケット(通常フレーム)と同様に、OS31にて処理され、配信データ1を待ち受けるアプリケーション27などに渡される。例えば、配信データが、緊急地震速報である場合、端末20の表示装置19に緊急地震速報が表示されることによって、端末20のユーザは、地震速報を知ることができる。
図29は、既にトンネリング用のLSP5が生成されている場合において、或る配信用のデータ(配信データ2)が送信される場合の動作を示す。配信データ2に係る宛先地理座標は配信データ1の宛先地理座標と同じであり、既存のLSP5を用いてMPLS転送が可能である。
図29の<1>及び<2>は、配信データ1が配信データ2であることを除き、図27<1>及び<2>の動作と同じであるので説明を省略する。これに対し、図29の動作例では、図29の<3>において、宛先地理座標に対応するLSPのエントリが転送状態テーブル115に登録済み(すなわち、LSP5が生成済み)であると判定される。
この場合、ルータ100では、転送状態テーブル115に登録された情報を用いてカプセル化送信データが生成され、ルータ200へ送信される(図29<4>)。さらに、転送状態テーブル115における、該当エントリの通過カウンタのインクリメントが行われる(図29<5>)。その後の、配信データ2の端末20までの転送動作(図29<6>及び<7>)は、図27の<8>及び<9>と同じであるので説明を省略する。
ルータ100の転送部105は、定期的に、転送状態テーブル115内の通過カウンタを参照する。例えば、配信サーバ10のデータ配信が終了しており(図29<8>)、通過カウンタ値が一定時間変化しなかった場合(すなわち、通過カウンタ値の無変更の時間が、所定の監視時間(閾値)に達した場合)には、転送部105及びCPU101は、以下の処理を行う(図29<9>)。
すなわち、転送部105は、CPU101(制御部108)に対して、転送状態テーブル115の該当エントリの無変更時間が閾値以上になったことを通知する。CPU101(制御部108)は、RSVP-TEプロトコルスタック部116に対して、LSP削除
要求を発行する。
すると、CPU101は、RSVP-TEスタック部116として機能し、削除メッセ
ージであるRSVP-PathTearメッセージをルータ200へ送信することによって、LSP5
をIP/MPLS網50から削除する。その後、転送部105は、転送状態テーブル115内の該当エントリを削除する。これにより、未使用になったトンネリング用のLSP5が開放(削除)される。
なお、図示していないが、ルータ200がLANを介して配信サーバ10に相当する情報処理装置と接続され、上記した送信データ1に相当する送信データであって、ルータ200のポートに対応する宛先地理座標範囲を含む送信データを受信することがあり得る。
この場合、ルータ200では、リンク状態DB113から、宛先地理座標範囲に対応する自ルータの通信エリア情報を得る。このとき、ルータ200のCPU101は、LSPを用いた転送は不要であるので、送信データをAP400にそのまま送信する。
<配信試験>
次に、配信サーバ10から端末20へのデータ配信試験について説明する。図30は、図27で説明した配信データを試験データに変更した場合の動作例を示す。この例では、配信データの代わりに、Pingで使用するInternet Control Message ProtocolICMP/
IPが使用される。また、以下の動作例においては、試験データの宛先地理座標に対応するLSPが既に生成されていると仮定する。
配信サーバ10から、試験を所望する宛先地理座標が指定されたPingメッセージを生成する(図30<1>)。図30に示すようにPingメッセージのプロトコルスタックは、以下のように形成されている。すなわち、Ether層の上に、宛先地理座標を含む“送信デー
タ”ヘッダが設定される。“送信データ”ヘッダの上に、Ping フォーマットが設定され
る。Pingフォーマットは、下から順に、IPヘッダ,Internet Control Message Protocol(ICMP)ヘッダ,ICMP Echoが設定される。
IPヘッダにおける宛先IPアドレスとして、ループバックIPアドレス(Loopback IP Address,例えば、127.0.0.1)が設定される。ループバックIPアドレスが宛先であるパケットは、受信側の端点に到着した後、折り返して送信側に戻る。また、IPヘッダ中の送信元IPアドレスとして、配信サーバ10のIPアドレスが設定される。ICMPヘッダは、Echo Requestに設定される。以上のようなフォーマットを有するメッセージを、“試験データ”と称する。試験データは、“試験データのブロードキャストフレーム”の一例である。
配信サーバ10から送信された試験データは、図29に示した送信データ2と同様の手法で、宛先地理座標の範囲に存在する端末20へ向けてブロードキャスト配信される(図30<2>,<3>,<4>,<5>)。
端末20では、宛先IPアドレスがLoopback IP Addressであるため、そのまま受信し
、ICMP Echo Requestの応答メッセージ(試験応答メッセージ)であるICMP Echo Reply
を生成する(図30<6>)。
そして、端末20は、PingフォーマットにICMP Echo Replyを設定するとともに、IP
ヘッダにおける宛先IPアドレスとして、試験データの送信元IPアドレスとして設定されていた配信サーバ10のIPアドレスを設定する。このようにして生成された試験データの応答メッセージ(ICMP Echo Reply)が、配信サーバ10へ向けて送信される(図3
0<7>)。
応答メッセージは、AP400,ルータ200,ルータ100を通過して、配信サーバ10で受信される(図30<8>,<9>,<10>)。試験データはAP400からブロードキャストされるため、配信サーバ10は、AP400の配下における、宛先地理座標に属する複数の端末から応答メッセージを受信することができる。
配信サーバ10では、例えば、CPU11のプログラム実行によって、応答メッセージ数が計数され、宛先地理座標における応答端末数として、表示装置19に表示する処理が行われる(図30<11>)。これにより、配信サーバ10は、宛先地理座標に指定した範囲に存在する端末の数やIPアドレスを確認することができる。
また、ICMPの代わりに、例えばUser Datagram Protocol (UDP)を使用するこ
とができる。UDPが使用される場合、試験データが到達した端末の現在位置を収集し、指定した宛先座標範囲と、実際に到達した座標範囲の調査が可能となる。この場合、端末20のアプリケーションには、試験用の特定ポートで待ち受け、データ受信時にGPS受信機で得られた情報を搭載して折り返す、或いは、予め指定したアドレスにデータを送信する機能が実装される。
<実施形態の作用効果>
実施形態のネットワークシステムによれば、ルータ100(200)がAP400及び端末20から地理座標情報を受信して、自身のポートから到達可能な地理座標範囲を示す情報を自律的に収集及び生成することができる。地理座標範囲の生成に、人手は不要である。
したがって、例えば、自然災害やイベントにより、単数又は複数のAPがダウンした(障害により動作を停止した)場合に、動作を停止したAPの周辺にあるAPの出力電波強度を調整する(強度を高める)ことで、周辺APを配下に持つルータにおける通信可能範囲が自動的に更新される。これによって、迅速なサービス復旧や保守コストの低減が可能となる。
また、宛先地理座標により、配信サーバ10から宛先地理座標を含むルータポートまで、送信データをトンネリングするパス(LSP)が自律的に生成される。このため、IPアドレスに依存しないレイヤ2レベルの通信路を提供できる。従って、既存網のIPアドレッシングを変更することなく、地理座標に基づく情報配信システムを、中継網内に追加(重畳配置)することが可能となる。このように、システム導入のためのアドレス付与に対する制約、既存サービスへの影響を回避することができるので、従来におけるIPアドレスに地理座標を多重する方式よりも容易に導入することができる。
また、APの配置と、宛先地理座標の指定方法を組み合わせれば、ドーナツ型の配信が可能である。例えば、1km圏内(スモールセル)に緊急避難命令を配信する一方で、3km〜10km圏内(ラージセル)に避難勧告を配信する。このような、ドーナツ型(同心円型)の配信によって、現状のエリア一斉配信よりも、柔軟な情報配信形態を提供することができる。
上記した実施形態は、以下の付記を開示する。付記は適宜組み合わせることができる。
(付記1) 少なくとも1つの他の中継装置とともに中継網に接続される中継装置であって、
他の中継装置の識別子と、前記他の中継装置が有するポートの識別子であるポート識別子と、前記ポート識別子で特定されるポートから送出されるデータが端末で受信され得る地理座標範囲とを含む1以上のエントリを記憶する記憶装置と、
宛先となる地理座標範囲を示す宛先地理座標範囲と、当該宛先地理座標範囲に位置する端末へ配信すべきデータとを含んだブロードキャストフレームを受信する通信装置と、
前記宛先地理座標範囲に合致するエントリが前記記憶装置から検索されたときに、検索されたエントリ中の前記識別子で特定される他の中継装置との間に生成されたパスを用いて、前記ブロードキャストフレームと、前記検索されたエントリ中の前記識別子と、前記ポート識別子とを含むデータブロックを前記識別子で特定される他の中継装置へ送信する処理を行う転送制御装置と
を含む中継装置。(1)
(付記2) 前記中継装置が有するポートに接続されたアクセスポイントへ問い合わせ
メッセージを送信する処理と、前記問い合わせメッセージを受信した前記アクセスポイントから受信される応答メッセージに含まれた前記アクセスポイントが通信可能な地理座標範囲を示す情報を得る処理と、前記アクセスポイントが通信可能な地理座標範囲を示す情報と、前記応答メッセージを受信したポートを特定するポート識別子とを含む通信エリア情報を記憶領域に記憶する処理と、関記憶領域に記憶された通信エリア情報を前記他の中継装置に広告する処理とを実行する制御装置
をさらに含む付記1に記載の中継装置。(2)
(付記3) 前記制御装置は、前記中継装置が有するポートに接続されたアクセスポイントに接続された端末へ問い合わせメッセージを送信する処理と、前記問い合わせメッセージを受信した前記端末から受信される応答メッセージに含まれた前記端末の現在位置を示す地理座標を得る処理と、前記現在位置を示す地理座標が前記通信エリア情報に含まれた地理座標範囲外であるときに前記記憶領域中の通信エリア情報に含まれた地理座標範囲が前記現在位置を示す地理座標を含むように拡張する処理と、拡張された地理座標範囲を含む通信エリア情報を前記他の中継装置に広告する処理とをさらに実行する
付記2に記載の中継装置。(3)
(付記4) 前記制御装置は、前記他の中継装置から広告された、前記他の中継装置の識別子と、前記識別子で特定される中継装置が有するポートの識別子であるポート識別子と、前記ポート識別子で特定されるポートから送出されるデータが端末で受信され得る地理座標範囲を含む通信エリア情報が受信されたときに、当該他の中継装置の通信エリア情報を含むエントリを前記記憶装置に記憶する
付記1から3のいずれか1項に記載の中継装置。(4)
(付記5) 前記アクセスポイントが通信可能な地理座標範囲の初期値は、前記アクセスポイントの中心座標と、前記アクセスポイントの出力電波強度に比例する通信半径から求められ、前記初期値は、前記アクセスポイントの地理座標と前記出力電波強度との一方が変動したときにリセットされる
付記1から4のいずれか1項に記載の中継装置。
(付記6) 前記制御装置は、記宛先地理座標範囲に合致するエントリが前記記憶装置から検索されたときに、検索されたエントリ中の前記識別子で特定される他の中継装置との間に前記パスがなければ、前記パスの生成処理を行う
付記1に記載の中継装置。
(付記7) 前記制御装置は、所定時間使用されない前記パスの削除処理を行う
付記6に記載の中継装置。
(付記8) 前記パスは、ラベル・スイッチド・パスであり、前記データブロックは、前記他の中継装置を終点とする前記パスを用いた転送用のラベル値と、当該ラベル値の内側ラベルとして設定された前記ポート識別子を含む
付記1から7のいずれか1項に記載の中継装置。
(付記9) 情報処理装置と接続された第1中継装置と、
中継網を介して前記第1中継装置と接続された第2中継装置と、
前記第2中継装置に接続された少なくとも1つのアクセスポイントと、を含み、
前記第1中継装置は、
中継装置の識別子と、中継装置が有するポートの識別子であるポート識別子と、前記ポート識別子で特定されるポートから送出されるデータが端末で受信され得る地理座標範囲とを含む1以上のエントリを記憶する記憶装置と、
宛先となる地理座標範囲を示す宛先地理座標範囲と、当該宛先地理座標範囲に位置する端末へ配信すべき情報とを含んだブロードキャストフレームを前記情報処理装置から受信する通信装置と、
前記宛先地理座標範囲に合致するエントリとして、前記第2中継装置の識別子を含んだエントリが前記記憶装置から検索されたときに、前記第2中継装置との間に生成されたパスを用いて、前記ブロードキャストフレームと、前記第2中継装置の識別子と、前記ポート識別子とを含むデータブロックを前記第2中継装置へ送信する処理を行う転送制御装置と、を含み、
前記第2中継装置は、前記パスを介して前記第1中継装置から受信された前記データブロック中の前記ブロードキャストフレームを、前記データブロック中の前記ポート識別子で特定されるポートから前記アクセスポイントに転送し、
前記アクセスポイントは、前記第2中継装置から受信された前記ブロードキャストフレーム中の前記データを、前記宛先地理座標に基づき配下の端末へ向けてブロードキャストする
ネットワークシステム。(5)
(付記10) 前記第2中継装置は、前記アクセスポイントへ問い合わせメッセージを送信する処理と、前記問い合わせメッセージを受信した前記アクセスポイントから受信される応答メッセージに含まれた前記アクセスポイントが通信可能な地理座標範囲を示す情報を得る処理と、前記アクセスポイントが通信可能な地理座標範囲を示す情報と、前記応答メッセージを受信したポートを特定するポート識別子とを含む通信エリア情報を記憶領域に記憶する処理と、前記記憶領域に記憶された通信エリア情報を前記第1中継装置に広告する処理とを実行する制御装置を含み、
前記第1中継装置は、前記広告された通信エリア情報が受信されたときに、当該通信エリア情報を含むエントリを前記記憶装置に記憶する
付記9に記載のネットワークシステム。(6)
(付記11) 前記情報処理装置は、宛先にループバックアドレスが設定され、且つ送信元に情報処理装置のアドレスが設定され、さらに宛先地理座標範囲が指定された試験データのブロードキャストフレームを送信し、
前記第1中継装置は、前記宛先地理座標範囲に基づいて、前記パスを用いて前記試験データのブロードキャストフレームと、前記第2中継装置の識別子と、前記ポート識別子とを含むデータブロックを前記第2中継装置へ送信し、
前記第2中継装置は、前記データブロックに含まれた試験データのブロードキャストフレームを前記ポート識別子で特定されるポートから前記アクセスポイントへ送信し、
前記アクセスポイントは、前記ブロードキャストフレームに含まれるデータを前記宛先座標範囲に基づいて配下の複数の端末にブロードキャストする一方で、前記データを受信した前記複数の端末のそれぞれから受信される、前記情報処理装置のアドレスが宛先アドレスとして設定されたループバックパケットを前記第2中継装置へ送信し、
前記情報処理装置は、前記第2中継装置から前記第1中継装置を介して受信される前記複数の端末からの前記ループバックパケットを用いて、前記試験ブロードキャストフレームを受信した端末の数を計数する
付記9又は10に記載のネットワークシステム。(7)
(付記12) 前記ループバックパケットは、送信元の端末のアドレスを含み、
前記情報処理装置は、前記ループバックパケットを送信した端末のアドレスを記憶する付記11に記載のネットワークシステム。
(付記13) 第1中継装置とともに中継網に接続された第2中継装置と接続されたアクセスポイントであって、
前記第2中継装置から、問い合わせメッセージを受信する有線インタフェースと、
前記第1通信装置で受信された問い合わせメッセージに応じて、前記アクセスポイントから送信されるデータが端末で受信され得る地理座標範囲を含む応答メッセージを前記第2中継装置に送信する処理を行う転送制御装置と、
端末との通信を行うための無線インタフェースとを含み、
前記有線インタフェースは、前記第1中継装置と間に生成されたパスを用いて前記第2中継装置が前記第1中継装置から受信したデータブロック中に含まれ、当該データブロックに含まれた前記応答メッセージを受信した前記第2中継装置のポートの識別子に従って当該ポートから送信されるブロードキャストフレームであって、宛先地理座標範囲と、当該宛先地理座標範囲に位置する端末へ配信すべきデータとを含むブロードキャストフレームを前記第2中継装置から受信し、
前記転送制御装置は、前記ブロードキャストフレーム中の前記宛先地理座標範囲が前記地理座標範囲に含まれていれば、前記データを前記無線インタフェースから配下の端末へ向けてブロードキャストする一方で、前記宛先地理座標範囲が前記地理座標範囲に含まれていなければ、前記ブロードキャストフレームを廃棄する処理を行う
を含むアクセスポイント。(8)
(付記14) 前記転送制御装置は、前記有線インタフェースで前記第2中継装置から受信される端末向けの問い合わせメッセージを前記無線インタフェースから送信する処理と、前記無線インタフェースから受信される前記問い合わせメッセージの応答メッセージを前記有線インタフェースから前記第2中継装置へ送信する処理と、前記応答メッセージに含まれる端末の地理座標が前記第2中継装置に応答した地理座標範囲外であるときに、前記端末の地理座標を包含するように前記第2中継装置に応答すべき地理座標範囲を拡張する処理とを行う
付記13に記載のアクセスポイント。(9)
(付記15) 少なくとも1つの他の中継装置とともに中継網に接続される中継装置におけるパケット転送方法であって、
通信装置が、宛先となる地理座標範囲を示す宛先地理座標範囲と、当該宛先地理座標範囲に位置する端末へ配信すべきデータとを含んだブロードキャストフレームを受信し、
前記宛先地理座標範囲に合致するエントリが、他の中継装置の識別子と、前記他の中継装置が有するポートの識別子であるポート識別子と、前記ポート識別子で特定されるポートから送出されるデータが端末で受信され得る地理座標範囲とを含む1以上のエントリを記憶する記憶装置から検索されたときに、転送制御装置が、検索されたエントリ中の前記識別子で特定される他の中継装置との間に生成されたパスを用いて、前記ブロードキャストフレームと、前記検索されたエントリ中の前記識別子と、前記ポート識別子とを含むデータブロックを前記識別子で特定される他の中継装置へ送信する処理を行う
ことを含む中継装置のパケット転送方法。(10)
5・・・LSP
10・・・配信サーバ
11,21,101,401・・・CPU
12,22,102,402・・・メモリ
14,415・・・有線ネットワークインタフェース
20・・・端末
24,405・・・GPS受信機
50・・・IP/MPLS網
100,200・・・ルータ
104・・・収集地理座標転送状態用メモリ
105,406・・・転送部
113・・・リンク状態データベース
114・・・収集地理座標データ
115・・・収集地理座標転送状態テーブル
400・・・AP
404・・・通信可能範囲管理メモリ
414・・・無線ネットワークインタフェース

Claims (10)

  1. 少なくとも1つの他の中継装置とともに中継網に接続される中継装置であって、
    他の中継装置の識別子と、前記他の中継装置が有するポートの識別子であるポート識別子と、前記ポート識別子で特定されるポートから送出されるデータが端末で受信され得る地理座標範囲とを含む1以上のエントリを記憶する記憶装置と、
    宛先となる地理座標範囲を示す宛先地理座標範囲と、当該宛先地理座標範囲に位置する端末へ配信すべきデータとを含んだブロードキャストフレームを受信する通信装置と、
    前記宛先地理座標範囲に合致するエントリが前記記憶装置から検索されたときに、検索されたエントリ中の前記識別子で特定される他の中継装置との間に生成されたパスを用いて、前記ブロードキャストフレームと、前記検索されたエントリ中の前記識別子と、前記ポート識別子とを含むデータブロックを前記識別子で特定される他の中継装置へ送信する処理を行う転送制御装置と
    を含む中継装置。
  2. 前記中継装置が有するポートに接続されたアクセスポイントへ問い合わせメッセージを送信する処理と、前記問い合わせメッセージを受信した前記アクセスポイントから受信される応答メッセージに含まれた前記アクセスポイントが通信可能な地理座標範囲を示す情報を得る処理と、前記アクセスポイントが通信可能な地理座標範囲を示す情報と、前記応答メッセージを受信したポートを特定するポート識別子とを含む通信エリア情報を記憶領域に記憶する処理と、関記憶領域に記憶された通信エリア情報を前記他の中継装置に広告する処理とを実行する制御装置
    をさらに含む請求項1に記載の中継装置。
  3. 前記制御装置は、前記中継装置が有するポートに接続されたアクセスポイントに接続された端末へ問い合わせメッセージを送信する処理と、前記問い合わせメッセージを受信した前記端末から受信される応答メッセージに含まれた前記端末の現在位置を示す地理座標を得る処理と、前記現在位置を示す地理座標が前記通信エリア情報に含まれた地理座標範囲外であるときに前記記憶領域中の通信エリア情報に含まれた地理座標範囲が前記現在位置を示す地理座標を含むように拡張する処理と、拡張された地理座標範囲を含む通信エリア情報を前記他の中継装置に広告する処理とをさらに実行する
    請求項2に記載の中継装置。
  4. 前記制御装置は、前記他の中継装置から広告された、前記他の中継装置の識別子と、前記識別子で特定される中継装置が有するポートの識別子であるポート識別子と、前記ポート識別子で特定されるポートから送出されるデータが端末で受信され得る地理座標範囲を含む通信エリア情報が受信されたときに、当該他の中継装置の通信エリア情報を含むエントリを前記記憶装置に記憶する
    請求項1から3のいずれか1項に記載の中継装置。
  5. 情報処理装置と接続された第1中継装置と、
    中継網を介して前記第1中継装置と接続された第2中継装置と、
    前記第2中継装置に接続された少なくとも1つのアクセスポイントと、を含み、
    前記第1中継装置は、
    中継装置の識別子と、中継装置が有するポートの識別子であるポート識別子と、前記ポート識別子で特定されるポートから送出されるデータが端末で受信され得る地理座標範囲とを含む1以上のエントリを記憶する記憶装置と、
    宛先となる地理座標範囲を示す宛先地理座標範囲と、当該宛先地理座標範囲に位置する端末(図1,20)へ配信すべき情報とを含んだブロードキャストフレームを前記情報処理装置から受信する通信装置と、
    前記宛先地理座標範囲に合致するエントリとして、前記第2中継装置の識別子を含んだエントリが前記記憶装置から検索されたときに、前記第2中継装置との間に生成されたパスを用いて、前記ブロードキャストフレームと、前記第2中継装置の識別子と、前記ポート識別子とを含むデータブロックを前記第2中継装置へ送信する処理を行う転送制御装置と、を含み、
    前記第2中継装置は、前記パスを介して前記第1中継装置から受信された前記データブロック中の前記ブロードキャストフレームを、前記データブロック中の前記ポート識別子で特定されるポートから前記アクセスポイントに転送し、
    前記アクセスポイントは、前記第2中継装置から受信された前記ブロードキャストフレーム中の前記データを、前記宛先地理座標に基づき配下の端末へ向けてブロードキャストする
    ネットワークシステム。
  6. 前記第2中継装置は、前記アクセスポイントへ問い合わせメッセージを送信する処理と、前記問い合わせメッセージを受信した前記アクセスポイントから受信される応答メッセージに含まれた前記アクセスポイントが通信可能な地理座標範囲を示す情報を得る処理と、前記アクセスポイントが通信可能な地理座標範囲を示す情報と、前記応答メッセージを受信したポートを特定するポート識別子とを含む通信エリア情報を記憶領域に記憶する処理と、前記記憶領域に記憶された通信エリア情報を前記第1中継装置に広告する処理とを実行する制御装置を含み、
    前記第1中継装置は、前記広告された通信エリア情報が受信されたときに、当該通信エリア情報を含むエントリを前記記憶装置に記憶する
    請求項5に記載のネットワークシステム。
  7. 前記情報処理装置は、宛先にループバックアドレスが設定され、且つ送信元に情報処理装置のアドレスが設定され、さらに宛先地理座標範囲が指定された試験データのブロードキャストフレームを送信し、
    前記第1中継装置は、前記宛先地理座標範囲に基づいて、前記パスを用いて前記試験データのブロードキャストフレームと、前記第2中継装置の識別子と、前記ポート識別子とを含むデータブロックを前記第2中継装置へ送信し、
    前記第2中継装置は、前記データブロックに含まれた試験データのブロードキャストフレームを前記ポート識別子で特定されるポートから前記アクセスポイントへ送信し、
    前記アクセスポイントは、前記ブロードキャストフレームに含まれるデータを前記宛先座標範囲に基づいて配下の複数の端末にブロードキャストする一方で、前記データを受信した前記複数の端末のそれぞれから受信される、前記情報処理装置のアドレスが宛先アドレスとして設定されたループバックパケットを前記第2中継装置へ送信し、
    前記情報処理装置は、前記第2中継装置から前記第1中継装置を介して受信される前記複数の端末からの前記ループバックパケットを用いて、前記試験ブロードキャストフレームを受信した端末の数を計数する
    請求項5又は6に記載のネットワークシステム。
  8. 第1中継装置とともに中継網に接続された第2中継装置と接続されたアクセスポイントであって、
    前記第2中継装置から、問い合わせメッセージを受信する有線インタフェースと、
    前記第1通信装置で受信された問い合わせメッセージに応じて、前記アクセスポイントから送信されるデータが端末で受信され得る地理座標範囲を含む応答メッセージを前記第2中継装置に送信する処理を行う転送制御装置と、
    端末との通信を行うための無線インタフェースとを含み、
    前記有線インタフェースは、前記第1中継装置と間に生成されたパスを用いて前記第2中継装置が前記第1中継装置から受信したデータブロック中に含まれ、当該データブロッ
    クに含まれた前記応答メッセージを受信した前記第2中継装置のポートの識別子に従って当該ポートから送信されるブロードキャストフレームであって、宛先地理座標範囲と、当該宛先地理座標範囲に位置する端末へ配信すべきデータとを含むブロードキャストフレームを前記第2中継装置から受信し、
    前記転送制御装置は、前記ブロードキャストフレーム中の前記宛先地理座標範囲が前記地理座標範囲に含まれていれば、前記データを前記無線インタフェースから配下の端末へ向けてブロードキャストする一方で、前記宛先地理座標範囲が前記地理座標範囲に含まれていなければ、前記ブロードキャストフレームを廃棄する処理を行う
    を含むアクセスポイント。
  9. 前記転送制御装置は、前記有線インタフェースで前記第2中継装置から受信される端末向けの問い合わせメッセージを前記無線インタフェースから送信する処理と、前記無線インタフェースから受信される前記問い合わせメッセージの応答メッセージを前記有線インタフェースから前記第2中継装置へ送信する処理と、前記応答メッセージに含まれる端末の地理座標が前記第2中継装置に応答した地理座標範囲外であるときに、前記端末の地理座標を包含するように前記第2中継装置に応答すべき地理座標範囲を拡張する処理とを行う
    請求項8に記載のアクセスポイント。
  10. 少なくとも1つの他の中継装置とともに中継網に接続される中継装置におけるパケット転送方法であって、
    通信装置が、宛先となる地理座標範囲を示す宛先地理座標範囲と、当該宛先地理座標範囲に位置する端末へ配信すべきデータとを含んだブロードキャストフレームを受信し、
    前記宛先地理座標範囲に合致するエントリが、他の中継装置の識別子と、前記他の中継装置が有するポートの識別子であるポート識別子と、前記ポート識別子で特定されるポートから送出されるデータが端末で受信され得る地理座標範囲とを含む1以上のエントリを記憶する記憶装置から検索されたときに、転送制御装置が、検索されたエントリ中の前記識別子で特定される他の中継装置との間に生成されたパスを用いて、前記ブロードキャストフレームと、前記検索されたエントリ中の前記識別子と、前記ポート識別子とを含むデータブロックを前記識別子で特定される他の中継装置へ送信する処理を行う
    ことを含む中継装置のパケット転送方法。
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