JP2015030918A - コーティング装置、およびコーティング装置を製造する方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コーティング装置およびコーティング装置を製造する方法を提供する。【解決手段】コーティング装置100は支持体102、支持体の上の光を少なくとも部分的に反射するようにセットアップされている複数の構造部材104、支持体の上および複数の構造部材の上に配置された第1の層106、第1の層の上に配置された第2の層108、第2の層は第1の層より熱伝導性が低い。第2の層上に配置された第3の層110、第3の層は入射する光を吸収し、局所的に光によって加熱することができる。コーティング材料は第3の層によって気化することができるように第3の層に対して相対的に領域116に配置される。【選択図】図1B
Description
本発明はコーティング装置に関するものであり、および、コーティング装置を製造する方法に関するものである。
一般に薄層システムには、または基板の上で構造化される薄層には、数多くの利用可能性がもたらされ得る。たとえば光透過性の基板の上に層構造を形成することができ、それにより、これらを、次いで光マスクまたはフィルタとして使用することができる。こうしたマスクは製造中や使用中に、たとえばマスクに入射する光の少なくとも一部がマスクで吸収される露光プロセス中に、強い加熱(たとえば100℃を超える範囲の温度まで)に暴露されていることがあり得るか、または暴露されることがあり得る。このとき層システムの物理的(機械的および/または熱力学的)特性、および化学的特性は、たとえば次のようなものによって影響を受け得る:関与する材料、互いに接する層の界面物理または界面化学、関与する層のミクロ構造、関与する層の層成長、およびその他、である。そのために、たとえば機械的、熱的、および/または化学的に安定している、そのつどの要求事項に適合した層システムを提供するのが困難になる場合がある。
さまざまな実施形態のうちの1つの側面は、具体的には、層構造を有することができる光透過性の支持体をベースとしたコーティング装置(たとえばコーティングマスク、いわゆるフラッシュマスク)を提供するという点に見ることができ、この層構造は改善された機械的、熱的、および/または化学的な安定性を有することができ、それにより、たとえばコーティング装置を品質低下させることなく、連続する多数のコーティングプロセスにコーティング装置を利用することができる。
さまざまな実施形態によれば、コーティング装置は転写マスクであってよく、またはこれを有していてよく、転写マスクは転移されるべき材料を受容するための領域を有することができ、この領域は局所的に加熱することができ、それによって転移されるべき材料を気化させることができる。このことは、たとえばコーティングされるべき基板を構造化してコーティングするために利用することができ、コーティングされる基板は、そのために転写マスクに対して相対的に、転移されるべき気化した材料がコーティングされるべき基板の方向に拡散することができ、コーティング基板の表面に析出することができるように配置されていてよい。コーティング装置(転写マスク)の材料転写は、たとえば真空中で行うことができ、このことは真空室によって提供されていてよく、または提供することができる。
さらに、さまざまな実施形態の別の側面は、具体的には、構造化された表面を有することができる支持体(たとえば支持体の表面上で構造化された金属層)の上に、第1の層構造と第2の層構造を提供しておくという点に見ることができ、それにより、これらの層を備える支持体は急速な加熱(たとえばフラッシュランプによるもの)に何度も耐えることができるので、層構造の上にあるコーティング材料受容領域で受容されていてよいコーティング材料を気化させるために、層構造を利用することができる。
このときさらに別の側面は、具体的には、熱で誘導される特別に高い機械的負荷に暴露される転写マスクの領域を機械的に安定化し、および/または熱的に安定化させるという点に見ることができる。さらに、たとえば追加の熱伝導性層が熱的な安定化のためにコーティング装置に提供されていてよいことによって、または提供されることによって、コーティング装置(たとえばリフレクタ)の一部の溶融を防止することができる。
さまざまな実施形態によれば、基板をコーティングするためのコーティング装置が提供され、コーティング装置は次のものを有することができる:支持体、支持体の上に配置された複数の構造部材、ここで、複数の構造部材は光を少なくとも部分的に反射するためにセットアップされている;第1の層と第2の層を有している第1の層構造、ここで、第1の層は支持体の上および複数の構造部材の上に配置され、ここで、第2の層は第1の層の上に配置され、ここで、第2の層の熱伝導性は第1の層の熱伝導性よりも低く;第3の層を少なくとも有している第2の層構造、ここで、第3の層は第1の層構造の上に配置され、ここで、第3の層は入射する光を吸収するようにセットアップされている;および、第3の層に対して相対的に、当該領域で受容されたコーティング材料が第3の層により気化することができるように配置されている領域(コーティング材料受容領域)、である。
さまざまな実施形態によれば、基板をコーティングするためのコーティング装置が提供され、コーティング装置は次のものを有することができる:支持体、支持体の上に配置された複数の構造部材、ここで、複数の構造部材は光を少なくとも部分的に反射するようにセットアップされ;第1の層と第2の層を有している第1の層構造、ここで、第1の層構造は支持体の上および複数の構造部材の上に配置され、ここで、第2の層は第1の層の上に配置され、ここで、第2の層の熱伝導性は第1の層の熱伝導性よりも低く;第3の層を少なくとも有している第2の層構造、ここで、第2の層構造は第1の層構造の上に配置され、第3の層は入射する光を吸収するようにセットアップされ;および、当該領域で受容されたコーティング材料が第3の層によって気化することができるように第3の層に対して相対的に配置されている領域、である。
さまざまな実施形態によれば、基板をコーティングするためのコーティング装置が提供され、コーティング装置は次のものを有することができる:支持体、支持体の上に配置された複数の構造部材、ここで、複数の構造部材は光を少なくとも部分的に反射するようにセットアップされている;第1の層と第2の層を有している第1の層構造、ここで、第1の層は支持体の上および複数の構造部材の上に配置され、ここで、第2の層は第1の層の上に配置され、ここで、第2の層の熱伝導性は第1の層の熱伝導性よりも低く;第3の層を少なくとも有している第2の層構造、ここで、第3の層は第1の層構造の上に配置され、ここで、第3の層は入射する光を吸収するようにセットアップされ;基板をコーティングするためのコーティング材料を受容するための領域(コーティング材料受容領域)(第2の層構造の上に配置されるか、または第2の層構造の上および横に配置されるもの);ここで、当該領域は第3の層に対して相対的に、コーティング材料受容領域で受容されたコーティング材料が気化することができるように配置されている。
さまざまな実施形態によれば、支持体は光透過性または実質的に光透過性であってよく、たとえば50%より多い、たとえば60%より多い、たとえば70%より多い、たとえば80%より多い、たとえば90%より多い入射光を、支持体を通して透過させることができる。換言すると、支持体は特定の波長の光に対して透明(光透過性)であってよく、または部分的に透明であってよく、または実質的に透明であってよい。
さまざまな実施形態によれば、複数の構造部材は、入射する光が部分的にのみ支持体を通って第2の層構造の第3の層へ到達できるようにする役目を果たすことができる。たとえば、複数の構造部材は光反射性の材料(たとえば金属)を有することができ、支持体の複数の構造部材に入射する光が部分的に(たとえば大部分)反射されるように、たとえば50%より多い、たとえば60%より多い、たとえば70%より多い、たとえば80%より多い、たとえば90%より多い入射光が反射されるようにセットアップされていてよい(たとえば相応の高さまたは厚みを有している)。
具体的に見て、複数の構造部材は支持体の第1の側(たとえば前側)に配置され、ここで、コーティング装置は、第1の側と向かい合う第2の側(たとえば裏側)に光を照射することができるように利用することができ、それにより光の一部が複数の構造部材により反射され、それにより第2の層構造(または第3の層)の複数の領域が複数の構造部材によって陰になる。
さまざまな実施形態によれば、第3の層は吸収体層であってよく、ここで、吸収体層は、入射する光を吸収体層で一部分(たとえば大部分)熱に変換することができるような、たとえば50%より多い、たとえば60%より多い、たとえば70%より多い、たとえば80%より多い、たとえば90%より多い、吸収体層への入射光を熱に変換することができるような材料を有することができ、および/またはそのようにセットアップされていてよい(たとえば吸収体層の層厚が相応に大きくなっていてよい)。
(第3の層の)吸収体層の複数の領域は複数の構造部材によって入射する光の陰になり得るので、たとえば、実質的に光が複数の構造部材の間だけを通過して吸収体層に到達することができ、吸収体層を局所的に光によって加熱(高温化)することができる。このことは具体的には、コーティング材料をコーティング材料受容領域から気化させるために利用することができる。
さまざまな実施形態によれば、第1の層構造の第1の層は第1の層構造の第2の層よりも高い熱伝導性を有することができる。換言すると、第1の層構造の第1の層は熱を伝導する材料を有することができ、熱を伝導または分配するようにセットアップされていてよく、第1の層構造の第2の層は熱を絶縁する(熱伝導性の低い)材料を有することができ、および/または熱をわずかな程度だけ伝導するように、および/または熱輸送に対するバリアを提供するようにセットアップされていてよい。このようにして、たとえば第2の層によって吸収体層を複数の構造部材および第1の層から熱的に隔絶することができ(絶縁または少なくとも部分的に絶縁することができ)、それにより、吸収体層で発生する熱に対するバリアが形成される。
このとき第1の層は、熱的に絶縁をする第2の層を通って到達する、吸収体層に局所的に生じる熱の割合を空間的に分散させるために利用することができ、それにより、吸収体層で生じる熱が複数の構造部材に及ぼす影響が低減される。このことは、熱で誘導される応力および/または複数の構造部材に対する圧力もしくは複数の構造部材の変形(局所的な溶融)を減らすことができる。
さまざまな実施形態によれば、第1の層は、たとえば複数の構造部材で覆われていない支持体の表面の領域で、支持体と直接接触していてよい。
さまざまな実施形態によれば、さらに第2の層構造は、第3の層の上および/または第3の層と前記領域との間に配置された第4の層を有することができ、ここで、第4の層は熱を第3の層から導出するようにセットアップされていてよく、ここで、第4の層の熱伝導性は第2の層の熱伝導性よりも高い。このとき第4の層は、第3の層を熱的および/または機械的に安定化させる役目を果たすことができる。
さまざまな実施形態によれば、さらにコーティング装置は(たとえば第3の層の上および/または第4の層の上に)第5の層を第2の層構造と前記領域の間(および/または横)に有することができ、ここで、第5の層の材料はコーティング材料に対して不活性である。コーティング材料は、たとえば第5の層との直接的な接触を有することができる。第5の層は、たとえば前記領域で、たとえばコーティング材料をコーティング装置上で塗布することができるようにする役目を果たすことができ、ここで、コーティング材料はその下に位置しているコーティング装置の部分と化学的に反応することがなく、または、その下に位置しているコーティング装置の部分が悪影響を受けることがない。具体的には、第5の層は吸収体保護層とみなすことができる。
さらに第4の層は、それが第5の層のための相応に適切な土台を提供することができるようにセットアップされていてよく、それにより、第5の層を第4の層から容易に除去することができる。さまざまな実施形態によれば、第4の層と第5の層は、たとえば選択的な化学エッチングによって第4の層を第5の層から選択的に除去することができる、たとえば相応の材料を有するようにセットアップされていてよい。
さまざまな実施形態によれば、前記領域は支持体の表面に沿って配置されていてよい。具体的には、たとえば第3の層の近傍または第2の層構造の近傍で表面に沿って、前記領域はコーティング装置の表面にわたって全面的または部分的に延びていてよい。
さまざまな実施形態によれば、前記領域は支持体の複数の構造部材に対して側方にオフセットされて、たとえば側方に重なり合うように、または重なり合わないように、配置されていてよい。具体的には前記領域は、入射する光によって加熱することができる吸収体層の一部の近傍にセットアップされていてよい。
さまざまな実施形態によれば、第1の層構造は第1の勾配層としてセットアップされていてよい。このとき第1の勾配層の第1の領域が第1の層を形成することができ、第1の勾配層の第2の領域が第2の層を形成することができる。換言すると、第1の層および第2の層の材料の化学的な分布を、流動的に相互に移行させることができる。
さまざまな実施形態によれば、第1の層構造の第1の層は第1の材料を有することができ、複数の構造部材は第2の材料(構造部材材料)を有することができ、ここで、第1の材料は第2の材料とは異なっていてよい。さらに、第1の層の第1の材料は複数の構造部材の第2の材料よりも高い融点を有することができ、それにより、複数の構造部材は第1の層により熱的に安定化されていてよく、または安定化させることができる。
さまざまな実施形態によれば、第1の層構造は支持体の一部を複数の構造部材の間でたとえば全面的に、または少なくとも部分的に覆うことができる。このようにして、たとえば熱を構造部材にではなく基板に伝達することができる。
さまざまな実施形態によれば、第2の層構造は第2の勾配層として提供されていてよい。このとき第2の勾配層の第3の領域が第3の層を形成することができ、および/または第2の勾配層の第4の領域が第4の層を形成することができる。換言すると、第3の層および第4の層の材料の化学的な分布を、流動的に相互に移行させることができる。
さまざまな実施形態によれば、第1の層と第4の層は熱伝導異方性を層厚に基づいて有することができ、たとえば第1の層および/または第4の層は5μmより小さい層厚を有することができ、10μmより大きい側方の長さを有することができる。
さまざまな実施形態によれば、複数の構造部材は次の材料の群からの少なくとも1つの材料を有することができる:導電性のある材料、金属および合金であり;ここで、これらの材料はその電子特性に基づいて光(または電磁放射)を反射することができる(たとえば自由電子に基づくもの、および/または集団的な電子プラズマ振動に基づくもの)。
さまざまな実施形態によれば、複数の構造部材は次の金属の群からの少なくとも1つの材料を有することができる:アルミニウム、銅、銀、金、チタン、である。
さまざまな実施形態によれば、第1の層構造の第1の層は次の材料群からの少なくとも1つの材料を有することができる:金属、金属窒化物、遷移金属窒化物、希土類金属窒化物、アルミニウム、窒化アルミニウム、銀、である。さまざまな実施形態によれば、第1の層は熱伝導性の材料を有することができ、またはそのような材料からなっていてよい。
さまざまな実施形態によれば、熱伝導性の材料は約30WK−1m−1より大きい、たとえば約100WK−1m−1より大きい、たとえば約130WK−1m−1より大きい、たとえば約140WK−1m−1より大きい(固有の)熱伝導性または熱伝導係数を有することができる。それに応じて熱絶縁性の材料は、約30WK−1m−1より小さい、たとえば10WK−1m−1より小さい、たとえば1WK−1m−1より小さい(固有の)熱伝導率を有することができる。
さらに、材料の熱伝導性はミクロ構造に基づいて低減されていてよく、または低減させることができる。さまざまな実施形態によれば、熱絶縁性の材料は欠陥のある結晶構造または不規則なミクロ構造を有することができ、たとえば多数の粒子境界、封入物、キャビティ、および/またはその他を有することができる。
さまざまな実施形態によれば、第1の層構造の第2の層は次の材料の群からの少なくとも1つの材料を有することができる:酸化物、セラミック、金属酸化物、遷移金属酸化物、希土類金属酸化物、酸化アルミニウム、酸化銀、酸化ケイ素、である。さまざまな実施形態によれば、第2の層は熱絶縁性の材料を有することができ、またはそのような材料からなっていてよい。
さまざまな実施形態によれば、第2の層構造の第4の層は次の材料の群からの少なくとも1つの材料を有することができる:金属、耐熱性金属、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、およびタングステン、である。さまざまな実施形態によれば、第4の層は熱伝導性の材料を有することができ、またはそのような材料からなっていてよい。
さまざまな実施形態によれば、第2の層構造の第3の層は次の材料の群からの少なくとも1つの材料を有することができる:金属窒化物、耐熱性金属窒化物、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム、窒化バナジウム、窒化ニオブ、窒化タンタル、窒化クロム、窒化モリブデン、および窒化タングステン、である。さまざまな実施形態によれば、第3の層は熱伝導性の材料を有することができ、またはそのような材料からなっていてよい。さらに第3の層の材料は、特定の波長または特定の波長領域の光に対して低い透過係数(たとえば0.2より小さいもの)と低い反射係数(たとえば0.2より小さいもの)を有することができる。さらに第3の層の材料は、特定の波長または特定の波長領域の光に対して高い吸収係数(たとえば0.8より大きいもの)を有することができる。
さまざまな実施形態によれば、第1の層構造と第2の層構造は複数の構造部材の上で同一に形成されていてよく、または形成することができ、それにより、複数の構造部材により設定される表面構造に基づき、1つまたは複数の凹部がコーティング材料を受容するために形成される。
さまざまな実施形態によれば、基板をコーティングするためのコーティング装置を製造する方法は次のものを有することができる:支持体の上に複数の構造部材を形成し、ここで、複数の構造部材は光を少なくとも部分的に反射するようにセットアップされ;第1の層と第2の層を有する第1の層構造を形成し、ここで、第1の層は支持体の上におよび複数の構造部材の上に配置され、ここで、第2の層は第1の層の上に配置され、第2の層の熱伝導性は第1の層の熱伝導性よりも低く;第3の層を少なくとも有する第2の層構造を形成し、ここで、第3の層は第1の層構造の上に配置され、ここで、第3の層は入射する光を吸収するようにセットアップされ;および、当該領域で受容されるコーティング材料が第3の層によって気化することができるように第3の層に対して相対的に配置された領域を提供すること、である。
さまざまな実施形態によれば、基板をコーティングするためのコーティング装置を製造する方法は次のものを有することができる:支持体の上に複数の構造部材を形成し、ここで、複数の構造部材は光を少なくとも部分的に反射するようにセットアップされ;第1の層と第2の層を有する第1の層構造を形成し、ここで、第1の層は支持体の上におよび複数の構造部材の上に配置され、ここで、第2の層は第1の層の上に配置され、ここで、第2の層の熱伝導性は第1の層の熱伝導性よりも低く;第3の層を少なくとも有する第2の層構造を形成し、ここで、第3の層は第1の層構造の上に配置され、第3の層は入射する光を吸収するようにセットアップされ;および、基板をコーティングするためのコーティング材料を受容するための領域を形成または提供し(たとえば第2の層構造の上に配置され)、ここで、当該領域は第3の層に対して相対的に、当該領域で受容されるコーティング材料が気化することができるように配置される。
さまざまな実施形態によれば、さらに第2の層構造の形成は、第3の層と前記領域との間の第4の層の形成を有することができ、ここで、第4の層は、第4の層の熱伝導性が第2の層の熱伝導性よりも高くなるようにセットアップされる。
さまざまな実施形態によれば、コーティング装置を製造する方法はさらに次のものを有することができる:第2の層構造と前記領域の間の第5の層の提供し、ここで、第5の層はコーティング材料のための支持体層として、第5の層がコーティング材料に対して不活性であるようにセットアップされる。
さまざまな実施形態によれば、第1の層構造の形成および/または第2の層構造の形成は勾配層の形成を有することができる。
さまざまな実施形態によれば、コーティング方法は次のものを有することができる:コーティング装置のコーティング材料受容領域へコーティング材料を注入し;コーティングされるべき基板をコーティング装置に対して相対的に配置し、ここで、支持体の第1の表面はコーティングされるべき基板の方向に向けられ;コーティング装置を露光し、それにより第3の層への熱注入に基づいてコーティング材料がコーティングされるべき基板に転移されること、である。
さまざまな実施形態によれば、第1の層構造は特定の波長領域の光に対して透明または少なくとも部分的に透明であってよく、たとえば、第1の層構造の光に対する透過性は50%より大きくてよい。
さまざまな実施形態によれば、前記領域(コーティング材料を受容するための領域)はコーティング材料受容領域と呼ぶことができる。さらにコーティング材料受容領域は、第3の層に対して相対的に、当該領域で受容されたコーティング材料が第3の層(110)によって気化することができるように配置された領域であると理解することができる。
本発明の実施例を図面に示し、以下において詳しく説明する。
以下に記述する説明では、本明細書の一部を形成し、本発明を実施することができる特別な実施形態が図解のために示された、添付の図面を援用する。この観点において、たとえば「上の」、「下の」、「前の」、「後の」、「前側の」、「後側の」などといった方向を表す術語は、説明している図面の向きを基準として使用している。各実施形態のコンポーネントは異なる複数の向きで位置決めすることができるので、方向を表す述語は図解のためのものであり、いかなる限定をするものでもない。当然のことながら、本発明の権利保護範囲から逸脱することなく、別の実施形態を適用して構造的または論理的な改変を行うこともできる。当然ながら、ここで説明しているさまざまな一例としての実施形態の各構成要件は、特に別段の断りがない限り、相互に組み合わせることもできる。したがって以下に述べる説明は、限定をするという意味合いで把握すべきものではなく、本発明の権利保護範囲は、記載されている特許請求の範囲によって定義される。
さらに各図面は、1つまたは複数の点線を含んでいる場合があるが、これは、たとえばよりよい向きに関する補助線である場合があり、および/またはたとえば領域を図示することがある。
本明細書の枠内において「結合される」、「接続される」、「連結される」などの用語は、直接的な結合と間接的な結合、直接的な接続と間接的な接続、ならびに直接的な連結と間接的な連結を表すために使用している。図面では、それが好都合である限りにおいて、同一または類似の部材には同一の符号が付されている。
他の層や構造の「上の」層という意味で本明細書の枠内で使用している「上に」という用語は、ある層が別の層または構造の上に直接配置され得るか、あるいは、たとえば1つまたは複数のさらなる別の層または構造を間に介在させて、別の層または構造の上に間接的に配置され得ることも指すことができる。
さまざまな実施形態によれば、たとえばいわゆるFMTLコーティング法(Flash Mask Transfer Lithography:フラッシュマスク転写リソグラフィ)によって構造化された有機層や無機層を製造するためのコーティング装置、いわゆる転写マスクが提供される。
このとき、たとえば基板の構造化されたコーティングは、転写マスク(コーティング装置)の複数のコーティング材料受容領域の局所的な加熱によってコーティング材料が気化するように行うことができ、コーティング材料はコーティング材料受容領域に受容されていてよく、それにより、コーティング材料が転写マスクからコーティングされるべき基板の方向へ拡散していき、コーティングされるべき基板の上で析出する。
コーティング材料の気化、または転写マスクの複数のコーティング材料受容領域の局所的な加熱は、たとえば一時的なエネルギー注入によって、好ましくはフラッシュランプによって行うことができる。このときフラッシュランプは光パルスを放出することができ、ここで、光パルスのパルス時間と強度を変えることができる。転写マスク(コーティング装置)は層列からなることができ、この層列は少なくとも1つのリフレクタ層と吸収体層とを有することができる。
このとき吸収体層とリフレクタ層の間には、熱絶縁性の層が配置されていてよく、またはそのような層を形成することができ、それにより、吸収体層からその下に位置する層へ、またはその下に位置するリフレクタ層への熱拡散が低減されていてよい。
リフレクタ層からの吸収体層の熱的な分離または絶縁は、たとえば転写マスクにより実現可能な解像度を改善することができる。
このとき熱絶縁性の層は、吸収体とリフレクタの間に配置されていてよい熱伝導性の低い層であってよい。この熱絶縁性の層(第1の層構造の第2の層)は、低い熱伝導性を有することができ、たとえば二酸化ケイ素(SiO2)および/または酸化アルミニウム(Al2O3)からなっていてもよく、あるいは二酸化ケイ素(SiO2)および/または酸化アルミニウム(Al2O3)を有することができる。
ここで説明する実施形態のさまざまな側面は、たとえば、吸収体とリフレクタとの単純な絶縁を有している従来使用されているマスクは、複数回の使用には好適であり得ないという知見を踏まえている。たとえば熱応力、関与する材料のさまざまに異なる膨張係数、およびたとえば場合により材料相互の付着性の不良などに基づき、従来の転写マスクは層組織の内部に亀裂形成や層間剥離を生じやすい傾向がある。
さまざまな実施形態によれば、コーティングプロセス中に十分に高い解像度を可能にすることができるマスク構造を同時に維持しながら、改善された機械的または熱的な安定性を有する、たとえば転写マスクの形態のコーティング装置が提供される。このように、ここで説明するコーティング装置は、より高い耐久性および/または改善された再利用可能性を有することができる。
図1Aには、コーティング装置100が模式的な側面図または横断面図として図示されており、ここで、コーティング装置100は、コーティングされるべき基板をコーティング装置100によってコーティングすることができるようにセットアップされている。さまざまな実施形態によれば、コーティング装置100は基板をコーティングするために次のものを有することができる:支持体102、支持体102の上および/または中に配置された複数の構造部材104、ここで、複数の構造部材104は光を少なくとも部分的に反射するようにセットアップされ;第1の層106と第2の層108を有する第1の層構造112、ここで、第1の層108は支持体102の上および複数の構造部材104の上に配置され、ここで、第2の層108は第1の層106の上に配置されていることで、である。このとき第2の層108の熱伝導性は、第1の層106の熱伝導性よりも低くてよい。さらにコーティング装置100は次のものを有することができる:第2の層構造114、ここで、第2の層構造114は少なくとも第3の層110を有し、ここで、第3の層110は第1の層構造112の上に配置され、ここで、第3の層110は入射する光を吸収するようにセットアップされていること、である。さらにコーティング装置100は、たとえばコーティング材料を受容するためのコーティング材料受容領域116を有し、ここで、コーティング材料はコーティングされるべき基板をコーティングするために利用することができ、ここで、コーティング材料受容領域は第3の層110に対して相対的に、コーティング材料受容領域116に受容されるコーティング材料が気化することができるように配置されている。
さまざまな実施形態によれば、複数の構造部材104はリフレクタ(またはリフレクタ層)として理解されることができ、たとえばFMTLプロセスのための転写マスクのリフレクタとして理解されることができる。さまざまな実施形態によれば、第2の層構造は吸収体(または吸収体層)として理解されることができ、たとえばFMTLプロセスのための転写マスクの吸収体として理解されることができる。さらに、ここで説明している第1の層構造はリフレクタと吸収体を両方とも熱的に隔絶する(少なくとも部分的に熱的に絶縁する)ことができるばかりでなく、リフレクタを安定化させることもでき、それにより、たとえばFMTLプロセスのための改善された転写マスクが提供されていてよく、または提供することができる。
さまざまな実施形態によれば、支持体102は次の材料のうちの少なくとも1つの材料を有することができる:光学的に透明な材料、たとえばガラス、導電性でない材料、たとえば酸化物、である。さらに支持体102は、およそ数センチメートルからおよそ数メートルの範囲内の、たとえば約5cmから約4mの範囲内の、たとえば約5cmから約2mの範囲内の、たとえば約5cmから約1mの範囲内の、たとえば約5cmから約50cmの範囲内の横方向長さを有することができる。さらに支持体102は、数十マイクロメートルまたは数百マイクロメートルからおよそ数センチメートルの範囲内の、たとえば約50μmから約10cmの範囲内の、たとえば約100μmから約5cmの範囲内の、たとえば約1mmから約30mmの範囲内の厚みを有することができる。さらに支持体102の厚みは、支持体102の支持体材料の光学特性に合わせて適合されていてよく、それにより、光に対して十分に高い透過性が保証されていてよい。
さまざまな実施形態によれば、ここで使用している「透明な」、「光学的に透明な」、「光透過性の」、「透明または光透過性の材料」、および/または「光学的に透明または光透過性の層」などの用語は、前記材料および/または前記層が50%より高い透過率(0.5)を有することができるものと理解されることができ、それにより、たとえば層の表面上にまたは材料上に入射する、50%より多い光が層または材料を通過することができる。この関連により、「反射性層」、「光反射性層」、「光学的反射性層」、「反射性材料」、および/または「光学的反射性材料」とは、たとえば50%より高い反射率(0.5)を有することができ、それにより、たとえば層の表面上にまたは材料上に入射する、50%より多い光を層または材料によって反射することができる。それに応じて「吸収」、「光吸収性層」、および/または「光吸収性材料」といった用語により、その層またはその材料が低い透過性を有すると同時に低い反射性、たとえば30%より低い反射率(0.3)と30%より低い透過率(0.3)を有することができることがもたらされる。このように光が吸収されると、光の一部を熱に変換することができる。さらに「光吸収性層」および/または「光吸収性材料」といった用語は、その層またはその材料が50%より高い光吸収率(0.5)を有することができると理解されることができる。このように光が吸収されると、光の一部を熱に変換することができる。
さまざまな実施形態によれば、層の光学特性は次のものに依存し得る:層を形成する材料の光学特性、層構造(たとえばミクロ構造)、層厚、層成長(たとえば粒度)、表面モルフォロジー、である。
ここで説明している光学特性は、コーティング装置100の露光に利用される放射に関わる、材料または層のそれぞれの特性を基準とすることができる。たとえばコーティング装置100を露光するために、約350nmから約1100nmの範囲内の波長の光を利用することができ、それにより、光学特性はこのような光の波長領域を基準とすることができる。
さまざまな実施形態によれば、光学的に透明な材料(たとえば支持体102の支持体材料)は非導電性の材料であってよく、たとえば次のものを有している:酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、である。
さまざまな実施形態によれば、支持体102は熱伝導性であってよく、または熱伝導性の材料を有することができる。このことは、たとえば複数の構造部材104を安定化させることができる。熱をより効率的に放出することができるからである。別案として、支持体102は熱絶縁性の材料を有することができる。
さまざまな実施形態によれば、熱伝導性の材料は約30WK−1m−1より高い、たとえば約100WK−1m−1より高い、たとえば約130WK−1m−1より高い、たとえば約140WK−1m−1より高い(固有の)熱伝導率または熱伝導係数を有することができる。それに応じて熱絶縁性の材料は、約30WK−1m−1より小さい、たとえば10WK−1m−1より小さい、たとえば1WK−1m−1より小さい(固有の)熱伝導率を有することができる。
さまざまな実施形態によれば、層の熱特性は次のものに依存し得る:層を形成する材料の熱伝導性、層構造(たとえばミクロ構造)、層厚、層成長(たとえば粒度)、である。
さまざまな実施形態によれば、複数の構造部材104は光学的に反射性の材料を有することができ、たとえばアルミニウムや銀を有することができる。さらに複数の構造部材104は、光学的に反射性の合金または光学的に反射性の混合物を有することができる。さまざまな実施形態によれば、複数の構造部材104はアルミニウムを有することができ、またはアルミニウムからなることができる。アルミニウムはたとえば支持体102での良好な付着特性に基づき、または接する層との良好な付着に基づき、複数の構造部材104のための材料として利用することができる。複数の構造部材104は支持体102の上に直接(直接接触して)配置されていてよく、たとえば部分的に支持体102の中にまたは支持体の上に配置されていてよい。さらに、1つまたは複数の別の層が、たとえば付着性を改善するために、またはコーティング装置の熱特性を改善するために、複数の構造部材104と支持体102の間に配置されるかまたは形成されていてよい。換言すると、複数の構造部材104は支持体102の上で間接的に配置されていてよく、または、支持体は1つまたは複数の機能性表面コーティングを有することができる。
さまざまな実施形態によれば、複数の構造部材104は数ナノメートルから数マイクロメートルの範囲内の厚み(たとえば図面に示しているように厚み方向103に沿った空間的な広がり)、たとえば約20nmから約500nmの範囲内の厚みをそれぞれ有することができる。
さまざまな実施形態によれば、複数の構造部材104は、数百ナノメートルから数百マイクロメートルの範囲内の側方の長さまたは幅(たとえば図面に示しているように横方向101に沿った空間的な広がり)、たとえば約20nmから約500μmの範囲内の側方の長さまたは幅、あるいはこれよりもさらに大きい側方の長さまたは幅をそれぞれ有することができる。
さまざまな実施形態によれば、複数の構造部材104は、その上に位置する層(たとえば第1および第2の層構造)に受け継ぐことができる、または少なくとも部分的にもしくは実質的に受け継ぐことができる表面モルフォロジーを定義することができる。換言すると、第1および/または第2の層構造は、複数の構造部材104により影響を受けた層表面モルフォロジーを有することができる。このようにして、たとえば具体的にはコーティング装置100の表面100aの上に凹部を形成することができ、または、コーティング装置100の表面100aは、複数の構造部材104の配置から生じさせることができる凹部を有することができる。
さまざまな実施形態によれば、第1の層構造112の第1の層106は光学的に透明な層であってよく、および/または光学的に透明な材料を有することができる。さまざまな実施形態によれば、第1の層106は窒化アルミニウム(AlN)を有することができ、またはこれからなっていてよい。このようにして、第1の層106はたとえばその下に位置する複数の構造部材104の上で、および/またはその下に位置する支持体102の上で、高い付着性を有することができる。
ここで使用している「付着性」、「付着特性」などの用語は、たとえば高い付着性が強い結合力を惹起し、それによって高い付着性を有する層がたとえば土台から剥離することがなく、または層が熱処理に耐えることができ、その際にたとえば熱で誘導される応力に基づいて層が土台から剥離することがないと理解されることができる。土台または他の層の上での層の付着特性は、次のものに依存し得る:関与する材料、関与する材料のミクロ構造、層と土台との間の、または層と他の層との間の境界面、である。
さまざまな実施形態によれば、窒化アルミニウムはアルミニウムの上に良好に付着することができ、たとえば酸化物の材料よりも良好にアルミニウムの上で直接付着する。以下に説明する通り、たとえば酸化物の材料、たとえば酸化アルミニウムまたは酸化ケイ素などは、アルミニウムの上ではさほど良好に直接付着しないが、窒化アルミニウムの上では良好に付着する。こうした原理により、第1の層106は、たとえば酸化物を有することができる第2の(熱絶縁性の)層108と、たとえば金属を有する複数の構造部材104との間の付着媒体としての役目を果たすことができる。このことは、たとえば第1の層106が複数の構造部材104の金属の窒化物を有することができることによって行うことができる。さらに、第2の(熱絶縁性の)層108は、複数の構造部材104の金属の酸化物を有することができる。
さまざまな実施形態によれば、さらに第1の層構造112の第1の層106は熱伝導性の層であってよく、および/または熱伝導性の材料を有することができ、もしくはこれからなっていてよい。すでに説明した通り、第1の層106は熱伝導性の透明な窒化アルミニウムを有することができ、またはこれからなっていてよい。
第1の層106は、たとえばすでに述べた通り、複数の構造部材104の上方で熱を分散させるようにセットアップされていてよく、それにより、たとえば複数の構造部材104を強すぎる熱負荷から、または強すぎる熱で誘導される負荷から防護されていてよく、または防護することができる。さらに、第1の層106は安定化層と特徴づけることができ、および/または安定化層とみなすことができる。第1の層106は、たとえばコーティング装置100の層(106,108)および/または複数の構造部材104が熱負荷を受けたときに層間剥離するか、または悪影響を受けることを防止することができ、ここで、熱負荷は露光プロセスであってよく、および/または短い時間帯(たとえば1秒より短い時間)の中での急激な温度変化(たとえば摂氏数百度の温度変化)であってよい。さらに第1の層106は、たとえばコーティング装置100の層(106,108)および/または複数の構造部材104が複数回の熱負荷を受けたときに層間剥離するか、または悪影響を受けることを防止することができる。さらにこのことは、たとえば第1の層106が第2の層108と複数の構造部材104の間で、または第2の層108と支持体102の間で、熱膨張係数を補償および/または順応させることができることによって、もたらされることができ、および/または促進することができる。
第1の層106は、たとえば複数の構造部材104の間の領域で、支持体102と(支持体の第1の表面102aと、または支持体前面102aと)直接接触していてよい。さらに第1の層106は、複数の構造部材104と直接接触していてよい。さらに前述した原理と機能形態に基づき、さらに別の1つまたは複数の層が第1の層106と複数の構造部材104との間に、および/または第1の層106と支持体102との間に配置されていてもよい。
さまざまな実施形態によれば、第1の層106は複数の構造部材104を覆うことができ、ここで、複数の構造部材104の間にある支持体102の部分は第1の層106が存在していなくてよく、または残存していてよい。
さまざまな実施形態によれば、第1の層106は、数ナノメートルから数マイクロメートルの範囲内の厚み(たとえば図面に示しているように厚み方向103に沿った空間的な広がり)、たとえば約5nmから約1μmの範囲内の厚みを有することができる。
さらに第1の層106は、複数の構造部材104の材料を析出しながら、同時に勾配層として構成されることができる。第1の層106は、たとえば複数の構造部材104のためのアルミニウム層を蒸着させるときに、窒素の導入によって形成することができる。このことは、たとえば複数の構造部材104と第1の層106との間の急激でない(連続的な)移行を可能にすることができ、それにより、複数の構造部材104の上での第1の層106の付着特性および/または安定性が改善され得る。
さまざまな実施形態によれば、第2の層108は熱的な絶縁層であってよく、またはこれを有することができ、ここで、第2の層108は第1の層106を部分的にまたは全面的に覆うことができる。このとき第2の層108は、第1の層106と直接接触していてよく、あるいは別案として、さらに別の1つの層または複数の別の層が第1の層106と第2の層108の間に配置されていてもよく、それにより、第2の層108は第1の層106に対して間接的な接触を有することができる。
さまざまな実施形態によれば、第2の層108は透明な層であってよい。さらに第2の層108は熱絶縁性の(熱伝導性の低い)材料を有することができ、またはそのような材料からなっていてよい。さまざまな実施形態によれば、第2の層108はたとえばAl2O3および/またはSiO2を有する、熱的な絶縁層であるとみなすことができる。
さまざまな実施形態によれば、第2の層108は、数ナノメートルから数マイクロメートルの範囲内の厚み(たとえば図面に示しているように厚み方向103に沿った空間的な広がり)、たとえば約5nmから約1μmの範囲内の厚みを有することができる。
さらに第2の層108は、第1の層106の材料を析出しながら、同時に勾配層として形成することができ、それは、たとえばコーティング中に酸素が反応性のプロセスガスとして使用されることによって行われ、それによって酸化物層が形成される。たとえば第1の層106を形成するために、窒素プロセスガス雰囲気の中でアルミニウムを析出することができ、それにより、第1の層106は窒化アルミニウムを有し、ここで、第2の層108を形成するためにプロセスガスを窒素から酸素に切り換えることができ、それにより、第2の層108は酸化アルミニウムを有する。換言すると、第1の層106と第2の層108は1つの(共通の)コーティング装置で勾配層として形成することができる。したがって第1の層構造は、たとえば(第1の層106としての)金属窒化物から(第2の層108としての)金属酸化物への勾配層であってよく、またはその勾配層を有することができる。このとき勾配層の化学的および/または物理的特性を、連続的に変化させることができる。このことは、たとえば1つの勾配層が、良好な相互の付着性を有する2つの層106,108を提供することができ、または、内部の機械的応力が低減された層106,108を提供することができることをもたらすことができ、それにより勾配層は、互いに個別に析出された2つの層に対して、改善された安定性を有することができる。
ここで説明している勾配層は、たとえば直接的な(明確な)境界面を第1の層とその上に配置された第2の層との間で防止することができる。物質移行(化学組成の変化)を連続的に行うことができるからである。
さらに第2の層108は、複数の構造部材104および第1の層106の材料を析出するときに、同時に勾配層として形成することができる。第1の層はたとえば窒素の導入により、複数の構造部材104のためのアルミニウム層を蒸着するときに形成することができ、これに続いて第2の層108は、窒素に代わる酸素の導入により形成することができる。このことは、たとえば複数の構造部材104と、第1の層106と、第2の層108との間の急激でない移行を可能にし、それにより、このような層列の付着特性および/または安定性が改善され得る。
具体的に見て、第1の層106は第1の層構造の第1の領域であってよく、第2の層108は第1の層構造の第2の領域であってよく、ここで、第1の層構造は勾配層として提供されていてよい。このとき第1の層構造の熱伝導性は、第1の領域(第1の層106)から第2の領域(第2の層108)にかけて減少していくことができ、それにより、第2の領域(第2の層108)は第1の領域(第1の層108)よりも低い熱伝導性を有することができる。
付属の金属の上での金属窒化物(たとえばアルミニウムの上での窒化アルミニウム)の付着特性、および金属窒化物の上での相応の金属酸化物(たとえば窒化アルミニウムの上での酸化アルミニウム)の付着特性は最適であり得る。基本となる化学結合が、共通の金属(たとえばアルミニウム)をベースとすることができるからである。この原理は、その他の金属にも同様に転用することができ、たとえばチタン、タングステン、ニッケル、タンタル、ハフニウム、モリブデン、およびその他の金属であって、対応する酸化物および窒化物を形成することができるものに転用することができる。
さまざまな実施形態によれば、第3の層100は吸収体層としてセットアップされていてよく、たとえば、入射する光を吸収して熱に変換する金属を有している。換言すると、第3の層110は特定の波長の光に対して実質的に透明でなくてよい。
第3の層100は、たとえば第2の層108を部分的または全面的に覆うことができる。このとき第3の層110は、第2の層108と直接接触していてよく、あるいは別案として、さらに別の1つの層または別の複数の層が第3の層110と第2の層108との間に配置されていてよく、それにより、第3の層100は第2の層108に対して間接的接触を有することができる。
さらに第3の層110は、熱的に伝導をする(熱伝導性の)材料を有することができ、またはそのような材料からなっていてよい。さまざまな実施形態によれば、第3の層110はたとえば耐熱性金属および/または耐熱性金属化合物の群からの材料を有することができ、たとえば窒化モリブデンを有することができる。
さまざまな実施形態によれば、第3の層110は数ナノメートルから数マイクロメートルの範囲内の厚み(たとえば図面に示しているように厚み方向103に沿った空間的な広がり)、たとえば約5nmから約1μmの範囲内の厚みを有することができる。このとき、層厚は光の吸収に相応の影響を及ぼすことがあり得るが(第3の層が厚くなるほど、熱に変換される、吸収される光の割合は多くなり得る)、それは、コーティング装置の耐用寿命を短くすることがある。たとえば窒化物や第3の層の材料は、温度が高くなるほど分解しやすい傾向があるからである。さらに、第3の層で熱により誘導される応力勾配は、層厚が大きすぎる(たとえば1μmより大きい)と露光プロセス中に吸収される大量の放射に基づき、コーティング装置の損傷をもたらすことがある。
さまざまな実施形態によれば、第3の層の上方にはおよび/または上にはコーティング材料受容領域116が、以下に図1Bを参照して詳細に説明する通り、コーティング材料を受容するようにセットアップされていてよい。
図1Bには、ここで説明しているコーティング装置100の機能原理が模式的な側面図または横断面図として図示されている。
コーティングされるべき基板(図示せず)をコーティングするために、相応のコーティング材料がコーティング装置100の表面100aの上に塗布されていてよく、または塗布することができる。たとえばコーティング材料はコーティング材料受容領域116に受容されていてよく、またはこれに注入することができる。コーティング材料受容領域116は、たとえば1つまたは複数の領域を有することができる。換言すると、コーティング材料受容領域116に受容されるコーティング材料は、コーティング装置100の表面100aを少なくとも部分的に覆い、ここで、コーティング材料は第3の層によって局所的に気化されることができ、そのようにして、コーティングされるべき基板を局所的にコーティングすることができる。具体的に見ると、コーティング材料はコーティング装置100の表面100aの上に配置されていてよく、または、コーティング装置100の表面100aに塗布することができ、次いで、露光プロセス(たとえばフラッシュ露光による)で構造化されて、コーティングされるべき基板へと転移させることができ、そこから具体的には転写マスクという用語を導き出すことができる。さらに、コーティング材料は構造化された上でコーティング装置の表面上に塗布されていてもよい。
さらに、コーティング材料を受容するための領域116(コーティング材料受容領域116)は全面的または部分的に、コーティング装置100の表面100aにわたって延びることができる。
このとき露光プロセス(コーティングプロセス)は次のように実施することができる。コーティング装置100は光源(フラッシュ光源またはレーザ)に対して相対的に、たとえば光120が支持体102の裏面102bに当たり、透明な支持体102の中で伝搬するように配置されていてよい。支持体102の中で伝搬する光は、複数の構造部材104が配置されている領域で、コーティング装置100の複数の構造部材104によって反射される(ここで、反射された光120rは第1の層構造112および/または第2の層構造114の中へそれ以上侵入しない)。このとき、複数の構造部材104が存在していない支持体102の領域は、入射する光120tにとっての通過領域を提供し、それにより、入射する光120tは透明な第1の層構造112を通って吸収体層110(第3の層110)へと到達することができる。それによって吸収体層110の部分110wを加熱することができ、コーティング材料受容領域116に受容されているコーティング材料を、吸収体層110へのエネルギー注入に基づいて気化させることができ、それにより、蒸気となったコーティング材料116dがコーティング装置100から離れるように拡散していく。
コーティングされるべき基板は、気化したコーティング材料116dをコーティングされるべき基板の上で析出させることができるように、コーティング装置100に対して相対的に配置されていてよい。これは、たとえば真空室の中で行うことができ、それにより、材料蒸気拡散を十分に広い距離にわたって行うことができる。気化した材料の粒子の平均自由行程の長さは真空中で増大するからである。
さらに、コーティングされるべき基板はコーティング装置100と直接接触するように配置されていてよく、それにより、コーティング材料116dを気化によってコーティングされるべき基板に転移させることができる。
具体的に見ると、吸収体層110の加熱される領域110wを複数の構造部材104から分離している第1の層構造は、上で説明した通り、吸収体層110で発生する可能性がある高い温度に複数の構造部材104が耐えることができるようにセットアップされていてよく、それは、たとえば熱が第1の層106によって分散および/または導出され、あるいは第1の層106により吸収されることによって行われる。
次に、コーティング装置100のさまざまな改良と設計、および第2の層構造114の詳細について説明し、ここで、図1Aおよび1Bに関して説明した基本的な構成要件および機能形態をこれに準じて取り入れることができる。さらに、以下に説明する構成要件や機能形態は、図1Aおよび1Bで説明したコーティング装置100にもこれに準じて転用することができ、または、図1Aおよび1Bで説明したコーティング装置100と組み合わせることができる。
図2Aは、たとえば第2の層構造114の第3の層110の上に配置された第4の層210を有する、さまざまな実施形態によるコーティング装置100を示している。
換言すると第2の層構造114は、たとえば第3の層と直接的な接触を有する別の層210(第4の層210)を有することができ、または、ここで、さらに1つまたは複数の別の層が第4の層210と第3の層110との間に配置されていてよく、それにより、第4の層210は第3の層110と間接的接触を有することができる。
具体的に見ると、第4の層210は追加の吸収体層210であってよい。換言すると、第2の層構造114は吸収体層構造114であってよく、またはこれを有することができる。
さまざまな実施形態によれば、第4の層210は金属を有することができ、たとえば耐熱性金属の群からの金属を有することができる。たとえば第4の層210はモリブデンを有することができ、またはこれからなっていてよい。
さらに第4の層210は、数ナノメートルから数マイクロメートルの範囲内の厚み(たとえば図面に示しているように厚み方向103に沿った空間的な広がり)、たとえば約5nmから約5μmの範囲内、たとえば約50nmから約3μmの範囲内の厚みを有することができる。
さらに、第4の層210の厚みは第3の層110の厚みよりも大きくてよい。
さまざまな実施形態によれば、第4の層210は、第4の層210が光を吸収することができ、それと同時に熱も第3の層110から導出することができるようにセットアップされていてよく、および/または相応の材料を有することができる。換言すると第4の層210は、同時に熱伝導性のある光吸収性の材料を有することができる。
さまざまな実施形態によれば、第3の層110と第4の層210は同じ材料を有することができ、たとえば耐熱性金属の群からの金属、たとえばチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステンなどを有することができる。
このとき第3の層110は、たとえば耐熱性金属窒化物を有することができ(たとえば窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム、窒化バナジウム、窒化ニオブ、窒化タンタル、窒化クロム、窒化モリブデン、窒化タングステン)、ここで、第4の層210は対応する付属の耐熱性金属を有することができる(たとえばチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン)。このとき第3の層110の耐熱性金属は、たとえば第4の層210の耐熱性金属よりも高い光吸収性を可能にすることができるが、ここで、第4の層210の耐熱性金属は、第3の層110の耐熱性金属窒化物よりも高い機械的、化学的、および/または熱的な安定性を有することができる。このように具体的に見ると、この材料の組み合わせによって、改善された機械的、化学的、および/または熱的な安定性を同じ吸収能力で有することができる、改善された吸収体層構造114が製造されていてよく、または製造されることができる。さらに第4の層210は、第3の層110で発生する熱を導出し、それによって第3の層110に対する負荷を低減することができる。
さらに、上で説明した通り、耐熱性金属窒化物(たとえばMoN)の上での耐熱性金属(たとえばMo)の付着性および/または安定性は、基礎となる化学物質が同じであることから最適であり得る。
上記の説明に準じて、第2の層構造114(吸収体層構造)が勾配層としてセットアップされていてよい。換言すると、第3の層110は第2の勾配層114の第3の領域であってよく、第4の層210は第2の勾配層114の第4の領域であってよい。勾配層114は、たとえばまず耐熱性金属が窒素雰囲気の中で析出され、それにより耐熱性金属窒化物を形成することができ(第3の層110の材料として)、次いで連続的に窒素雰囲気が削減されていき、それによって次第に純粋な耐熱性金属が析出される(第4の層210の材料として)ように形成されていてよく、または形成することができる。
勾配層114としての吸収体層構造114の提供は、たとえば最適な層列を可能にすることができ(たとえば明確な境界面のない連続的な移行部を備えるもの)、それにより、吸収体層構造114は改善された安定性を有することができる。さらに吸収体層列114は、たとえば700℃の温度まで、または700℃を越える温度まで、たとえば品質低下を起こすことなく、より高い熱負荷に耐えることができる。
さらに、吸収体層構造114の中で熱により誘導される機械的応力が低減されていてよく、または低減することができ、それにより吸収体層構造114は複数回の加熱と冷却に耐えることができる。具体的に見ると、コーティング装置100の吸収体層は、2つの異なる層の異なる材料特性を活用するために、2つの異なる層に区分することができる。
図2Bは、たとえば第2の層構造114の上および/または第2の層構造114の第4の層210の上に配置された第5の層220を有する、さまざまな実施形態によるコーティング装置100を示している。
具体的に見ると、第5の層220は吸収体保護層であるとみなすことができる。このとき第5の層は、第2の層構造114(吸収体層構造114)を機械的影響から保護することができ、および/または化学的に不動態化することができる。さらに第5の層220は、たとえば第5の層220がコーティング材料のための適切な不活性の土台を提供することができる相応の材料を有するようにセットアップされていてよい。換言すると第5の層220は、その下に位置する層(106,108,110,210)を、コーティング材料受容領域に受容されていてよい、または受容することができるコーティング材料から、化学的におよび/または機械的に分離するための役目を果たすことができる。それに応じて第5の層は、コーティングプロセスのためのコーティング装置100の使用に基づくコーティング装置100の磨耗を低減させることができる。たとえば第5の層220を洗浄することができ(残留しているコーティング材料を、コーティングプロセス後に、コーティング装置100から除去することができる)、その際に、コーティング装置100を品質低下させることがない。
さまざまな実施形態によれば、第5の層220は、これがその下に位置する層に対して(たとえば第4の層に対して)高い選択性を有することができる材料を有するようにセットアップされていてよく、それにより、たとえば選択的なエッチング方法によって第5の層220を第4の層210から除去することができる。このような種類の選択的なエッチング方法は、たとえば湿式化学法を有することができ、またはプラズマエッチングによって実施することができ、ここで、エッチング剤は、実質的に1つの材料だけがエッチングされるように、エッチングされるべき相応の材料に合わせて適合されていてよく、他の材料は実質的に残留する(エッチングされない)。
さまざまな実施形態によれば、第5の層220は、析出する気化物質(有機物または金属)に対して不活性であり、吸収体に対して選択的に除去することができる材料を有することができる。たとえば第4の層210はモリブデンを有することができ、第5の層220は第4の層210のための保護層として酸化アルミニウムを有することができ、ここで、酸化アルミニウム層を選択的に除去するための湿式化学媒体として苛性ソーダ溶液(NaOH)を利用することができる。換言すると、酸化アルミニウムを苛性ソーダ溶液により選択的に吸収体層構造114から除去することができる。このことは、コーティング装置100の改善された再利用可能性を帰結としてもたらすことができる。
図3は、さまざまな実施形態によるコーティング装置100を示し、ここで、層(第1の層106、第2の層108、第3の層110、第4の層210、および第5の層220)は複数の構造部材104の上で同一に形成されている。このとき層の表面モルフォロジーは、複数の構造部材104により設定されていてよい。
図3に図示するように、このように、複数の構造部材104に基づき、コーティング材料受容領域116として機能することができる1つまたは複数の凹部316が形成されていてよい。
図2Aおよび図2Bにも示すように、コーティング材料受容領域116は複数の構造部材104に対して側方にオフセットされて配置されていてよく、ここで、コーティング材料受容領域116は、複数の構造部材104が存在していない支持体102の領域の上方に配置されていてよく、それにより、コーティング材料受容領域116の下方に位置している吸収体層構造の部分を光が加熱することができる。凹部316は、たとえばコーティング装置100からコーティングされるべき基板への構造化された材料転移を改善することができる。
図4は、さまざまな実施形態による、コーティングされるべき基板をコーティングするためのコーティング装置100を製造する方法400についての模式的なフローチャートを示している。この方法は次のものを有することができる:410において、支持体102の上に複数の構造部材104を形成し、ここで、複数の構造部材104は光を少なくとも部分的に反射するようにセットアップされ;420において、第1の層106と第2の層108を有する第1の層構造112を形成し、ここで、第1の層106は支持体102の上におよび複数の構造部材104の上に配置され、ここで、第2の層108は第1の層106の上に配置され、ここで、第2の層108の熱伝導性は第1の層106の熱伝導性よりも低く;430において、第3の層110を少なくとも有する第2の層構造114を形成し、ここで、第3の層110は第1の層構造112の上に配置され、ここで、第3の層110は入射する光を吸収するようにセットアップされ;440において、基板をコーティングするためのコーティング材料を受容するためのコーティング材料受容領域116を形成し、ここで、コーティング材料受容領域116は第3の層110に対して相対的に、コーティング材料受容領域116に受容されたコーティング材料が気化することができるように配置される。
さまざまな実施形態によれば、層および/または層構造の形成は次のプロセスのうちの少なくとも1つを有することができる:コーティングプロセス(たとえば化学および/または物理気相成長プロセス(CVD,PVD)と、たとえばスパッタリング、原子層堆積(ALD)、またはその他のコーティング法)、たとえば複数の構造部材104を形成するための構造化プロセス、ここで、構造化プロセスはリソグラフィプロセスとエッチングプロセスを有することができ、それにより、たとえば事前に塗布されている層を構造化することができ、それによって複数の構造部材104が形成される。
具体的に見て、コーティング装置100は半導体産業の典型的なプロセスによって行うことができる。
さらに、勾配層の形成はコーティングプロセスを有することができ、そのパラメータを連続的および/または段階的に適合させることができ、それにより、第1の材料が勾配層の第1の領域で形成され、第2の(第1の材料とは異なる)材料が勾配層の第2の領域で形成される。このときプロセスパラメータはたとえば材料組成であってよく、または、上で説明したように反応析出の場合には、使用するプロセスガスであってよい。
ここで説明している機能形態および知見に従い、それぞれの層(たとえば第1の層106、第2の層108、第3の層110、第4の層210、および/または第5の層220)は、たとえば複数の層でできた積層からなる多層構造を有することができる。さらに、それぞれの層は、相応に適合された特性を有するそれぞれ異なる領域を有することができる。当然ながら、ここには明示的に挙げていない他の材料を類似のおよび/または等価の仕方で使用することもできる。
さまざまな実施形態によれば、コーティング装置100の層(たとえば第1の層106、第2の層108、第3の層110、第4の層210、および/または第5の層220)もまた構造化されていてもよく、それによりこれらはこれらのそれぞれの土台を部分的にのみ覆う。
さまざまな実施形態によれば、支持体102は一方の側(たとえば裏側102b)に反射防止層または反射防止層構造を有することができ、それにより、入射する光の発光効率を高くすることができる。
100 コーティング装置
101 横方向
102 支持体
103 厚み方向
104 複数の構造部材
106 第1の層
108 第2の層
110 第3の層
116 領域
210 第4の層
316 複数の凹部
101 横方向
102 支持体
103 厚み方向
104 複数の構造部材
106 第1の層
108 第2の層
110 第3の層
116 領域
210 第4の層
316 複数の凹部
Claims (18)
- 基板をコーティングするためのコーティング装置であって、前記コーティング装置は次のもの:
・支持体と、
・前記支持体の上の複数の構造部材であって、ここで、前記複数の構造部材は光を少なくとも部分的に反射するようにセットアップされた構造部材と、
・第1の層と第2の層を有している第1の層構造であって、ここで、前記第1の層は前記支持体の上におよび前記複数の構造部材の上に配置され、ここで、前記第2の層は前記第1の層の上に配置された構造部材と、
・前記第2の層の熱伝導性は前記第1の層の熱伝導性よりも低くなっているものと、
・第3の層を少なくとも有している第2の層構造であって、ここで、前記第3の層は前記第1の層構造の上に配置され、ここで、前記第3の層は入射する光を吸収するようにセットアップされた第2の層構造と、
・領域に受容されたコーティング材料が前記第3の層によって気化することができるように前記第3の層に対して相対的に配置された領域と、
を有する、コーティング装置。 - 前記第2の層構造は前記第3の層と前記領域との間に配置された第4の層をさらに有し、ここで、前記第4の層は熱を前記第3の層から導出するようにセットアップされ、ここで、前記第4の層の熱伝導性は前記第2の層の熱伝導性よりも高い、
請求項1に記載のコーティング装置。 - 前記第2の層構造と前記コーティング材料受容領域との間に第5の層をさらに有し、ここで、前記第5の層の材料は前記コーティング材料に対して不活性である、
請求項2に記載のコーティング装置。 - 前記第1の層構造は第1の勾配層としてセットアップされている、
請求項1に記載のコーティング装置。 - 前記第1の層構造の前記第1の層は第1の材料を有し、前記複数の構造部材は第2の材料を有し、前記第1の材料は前記第2の材料とは異なる、
請求項1に記載のコーティング装置。 - 前記第1の層構造は前記複数の構造部材の間で前記支持体の一部を覆っている、
請求項1に記載のコーティング装置。 - 前記第2の層構造は第2の勾配層として提供される、
請求項1に記載のコーティング装置。 - 前記複数の構造部材は次の材料の群:導電性材料、金属および合金、からの少なくとも1つの材料を有する、
請求項1に記載のコーティング装置。 - 前記第1の層構造の前記第1の層は次の材料の群:金属、金属窒化物、遷移金属窒化物、希土類金属窒化物、アルミニウム、窒化アルミニウム、銀、からの少なくとも1つの材料を有する、
請求項1に記載のコーティング装置。 - 前記第1の層構造の前記第2の層は次の材料の群:酸化物、セラミック、金属酸化物、遷移金属酸化物、希土類金属酸化物、酸化アルミニウム、酸化銀、酸化ケイ素、からの少なくとも1つの材料を有する、
請求項1に記載のコーティング装置。 - 前記第2の層構造の前記第4の層(210)は次の材料の群:金属、耐熱性金属、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデンおよびタングステン、からの少なくとも1つの材料を有している、
請求項2に記載のコーティング装置。 - 前記第2の層構造の前記第3の層は次の材料の群:金属窒化物、耐熱性金属窒化物、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム、窒化バナジウム、窒化ニオブ、窒化タンタル、窒化クロム、窒化モリブデンおよび窒化タングステン、からの少なくとも1つの材料を有する、
請求項1に記載のコーティング装置。 - 前記第1の層構造および/または前記第2の層構造は前記複数の構造部材の上で同一に形成され、これにより、前記複数の構造部材により設定される表面構造に基づいて1つまたは複数の凹部がコーティング材料の受容のために形成さる、
請求項1に記載のコーティング装置。 - 前記第1の層の熱伝導性は前記第3の層の熱伝導性よりも高い、
請求項1に記載のコーティング装置。 - 基板をコーティングするためのコーティング装置を製造するための方法であって、前記方法は次のステップ:
・支持体の上に複数の構造部材を形成し、ここで、前記複数の構造部材は光を少なくとも部分的に反射するようにセットアップされるステップと、
・第1の層と第2の層を有する第1の層構造を形成し、ここで、前記第1の層は前記支持体の上におよび前記複数の構造部材の上に配置され、ここで、前記第2の層は前記第1の層の上に配置され、ここで、前記第2の層の熱伝導性は前記第1の層の熱伝導性よりも低いステップと、
・第3の層を少なくとも有する第2の層構造を形成し、ここで、前記第3の層は前記第1の層構造の上に配置され、ここで、前記第3の層は入射する光を吸収するようにセットアップされるステップと、
・領域で受容されるコーティング材料が前記第3の層によって気化することができるように前記第3の層に対して相対的に配置された前記領域を提供するステップと、
を有する、方法。 - 前記第2の層構造の形成は前記第3の層と前記コーティング材料受容領域との間の第4の層の形成をさらに有し、前記第4の層は前記第4の層の熱伝導性が前記第2の層の熱伝導性よりも高くなるようにセットアップされる、
請求項15に記載の方法。 - 前記第2の層構造と前記領域の間の第5の層の形成をさらに有し、ここで、前記第5の層はコーティング材料のための支持体層として、前記第5の層がコーティング材料に対して不活性であるようにセットアップされる、
請求項16に記載の方法。 - 前記第1の層構造の形成および/または前記第2の層構造の形成は勾配層の形成を有する、
請求項15に記載の方法。
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