JP2015030151A - 印刷装置、印刷方法および印刷装置の調整方法 - Google Patents

印刷装置、印刷方法および印刷装置の調整方法 Download PDF

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舞 久保田
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【課題】レンチキュラーレンズを有する記録媒体への印刷を行う際に生じ得る画質劣化を抑制する。【解決手段】インクを吐出するためのノズルを複数有する印刷ヘッドを備え、所定の搬送方向へ搬送される記録媒体へ当該ノズルからインクを吐出することにより記録媒体への画像の印刷を実現する印刷装置であって、レンチキュラーレンズを有する記録媒体へ画像を印刷する第一印刷モードの指示を受けた場合には、前記印刷ヘッドにおいて前記搬送方向に沿って並ぶ前記複数のノズルのうち一部のノズルのみを使用してインクの吐出を行い、前記レンチキュラーレンズを有する記録媒体とは異なる記録媒体へ画像を印刷する第二印刷モードの指示を受けた場合には、前記印刷ヘッドにおいて前記搬送方向に沿って並ぶ前記複数のノズルのうち前記一部のノズルよりも多い数のノズルを使用してインクの吐出を行う。【選択図】図7

Description

本発明は、印刷装置、印刷方法および印刷装置の調整方法に関する。
インクを吐出するノズルが所定方向に配列されたインクジェット記録ヘッドを搭載したキャリッジをノズルの配列方向と交差する方向に記録媒体上で走査させて記録を行い、記録媒体を走査方向と略直交する方向に搬送すべく、記録ヘッドが走査する領域の前後に設けられた第1及び第2の搬送手段を有するインクジェット記録装置において、記録媒体が一方の搬送手段によって搬送されているときに、記録媒体の搬送方向における位置に応じて、記録媒体の記録面との距離が所定の範囲内となるノズルから走査に使用するノズルを設定する構成が知られている(特許文献1参照)。
特許第4307092号
ここで、複数の視点画像が合成されたレンチキュラー画像を、レンチキュラーレンズを有する記録媒体(レンチキュラーシート)へ印刷することにより、立体的に視認される印刷結果をユーザーに提供する印刷技術が知られている。レンチキュラー画像の印刷に際して使用するレンチキュラーシートは、一般的な用紙よりも剛性が高くかつ厚みがある。そのため、レンチキュラーシートは、プリンターにおいて所定の搬送方向に沿って印刷ヘッド(記録ヘッド)へ搬送されたとき、一般的な用紙とは異なりプラテン上で大きく撓んだ姿勢となることがある。つまり、レンチキュラーシートは、印刷ヘッドのノズル面との距離(ペーパーギャップ。以下、PGと表現する。)が、搬送方向に沿う位置毎に大きくばらつくような姿勢となることがある。このようなPGのばらつきは、印刷ヘッドの各ノズルから吐出されるインク滴によって再現される画像の色味や明るさにムラ(画質劣化)を与え得るものである。なお、上記文献は、レンチキュラーシートへの印刷を行う際の当該レンチキュラーシートの姿勢に起因する画質劣化を抑制するための技術を提供するものではない。
また、このようなレンチキュラーシートが採り得る姿勢は、プリンターの機体毎に異なる。そのため、レンチキュラーシートの姿勢に起因する画質劣化を抑制するには、個々のプリンター毎に最適な調整を行う必要がある。
本発明は上述の課題の少なくとも一つを解決するためになされたものであり、レンチキュラーレンズを有する記録媒体への印刷を行う際に生じ得る画質劣化を抑制することが可能な印刷装置、印刷方法および印刷装置の調整方法を提供する。
本発明の態様の一つは、インクを吐出するためのノズルを複数有する印刷ヘッドを備え、所定の搬送方向へ搬送される記録媒体へ当該ノズルからインクを吐出することにより記録媒体への画像の印刷を実現する印刷装置であって、レンチキュラーレンズを有する記録媒体へ画像を印刷する第一印刷モードの指示を受けた場合には、前記印刷ヘッドにおいて前記搬送方向に沿って並ぶ前記複数のノズルのうち一部のノズルのみを使用してインクの吐出を行い、前記レンチキュラーレンズを有する記録媒体とは異なる記録媒体へ画像を印刷する第二印刷モードの指示を受けた場合には、前記印刷ヘッドにおいて前記搬送方向に沿って並ぶ前記複数のノズルのうち前記一部のノズルよりも多い数のノズルを使用してインクの吐出を行う構成としてある。
当該構成によれば、PGのばらつきが大きいと考えられるレンチキュラーレンズを有する記録媒体へ印刷を行う場合(第一印刷モードの場合)に、インクの吐出に使用するノズル数を制限する。これにより、レンチキュラーレンズを有する記録媒体への印刷結果において、レンチキュラーレンズを有する記録媒体の姿勢(PGのばらつき)に起因する画質劣化を抑制できる。
本発明の態様の一つは、印刷装置は、前記印刷ヘッドよりも前記搬送方向の上流側に配設された記録媒体を搬送するための第一ローラーと、前記印刷ヘッドよりも前記搬送方向の下流側に配設された記録媒体を搬送するための第二ローラーとを備え、前記第一印刷モードの指示を受けた場合、少なくとも前記第一ローラーおよび前記第二ローラーによって前記レンチキュラーレンズを有する記録媒体が搬送されている期間に、前記一部のノズルのみを使用したインクの吐出を行うとしてもよい。
レンチキュラーレンズを有する記録媒体は、第一ローラーおよび第二ローラーによって搬送されている期間の姿勢が、PGのばらつきが大きい姿勢であることが多い。そのため、少なくとも当該期間にインクの吐出に使用するノズル数に制限を加えることで、レンチキュラーレンズを有する記録媒体の姿勢(PGのばらつき)に起因する画質劣化を抑制できる。
本発明の態様の一つは、印刷装置は、前記第一印刷モードの指示を受けた場合、前記第一ローラーおよび前記第二ローラーのうちいずれか一方によって前記レンチキュラーレンズを有する記録媒体が搬送されている期間には、前記一部のノズルよりも多い数のノズルを使用したインクの吐出を行うとしてもよい。
レンチキュラーレンズを有する記録媒体は、第一ローラーおよび第二ローラーのうちいずれか一方によって搬送されている期間の姿勢は、PGのばらつきが比較的小さい姿勢であることが多い。そのため、当該期間においては、敢えてインクの吐出に使用するノズル数を制限しない或いは制限を少なくしても画質劣化を避けることができる。
本発明の態様の一つは、前記一部のノズルとは、前記レンチキュラーレンズを有する記録媒体との距離のばらつきが所定範囲に収まるノズルであるとしている。
当該構成によれば、印刷ヘッドが備える複数のノズルのうちレンチキュラーレンズを有する記録媒体とのPGが略安定しているノズルを用いて印刷が行われるため、印刷結果の画質を確実に良好なものとすることができる。
本発明の態様の一つは、前記レンチキュラーレンズを有する記録媒体が、前記レンチキュラーレンズを構成する長尺状のレンズの長手方向が前記搬送方向と平行な状態で搬送される場合と、前記レンチキュラーレンズを有する記録媒体が、前記長尺状のレンズの長手方向が前記搬送方向と直交した状態で搬送される場合とで、前記印刷ヘッドにおいて前記搬送方向に沿って並ぶ前記複数のノズルのうちでインクの吐出に使用するノズルを異ならせるとしてもよい。
搬送されるレンチキュラーレンズを有する記録媒体の向きが異なれば、その姿勢も異なると言える。そのため、搬送されるレンチキュラーレンズを有する記録媒体の向きに応じて、インクの吐出に使用するノズルを異ならせることで、レンチキュラーレンズを有する記録媒体の向きがいずれの向きであっても画質劣化を抑制することができる。
本発明にかかる技術的思想は印刷装置という形態のみで実現されるものではなく、他の物によって具現化されてもよい。また、上述したいずれかの態様の印刷装置の特徴に対応した工程を備える方法(印刷方法)の発明や、当該方法を所定のハードウェアに実行させる印刷プログラムの発明や、当該プログラムを記録したコンピューター読取可能な記憶媒体の発明も把握することができる。
さらに本発明は、印刷装置の調整方法であって、前記印刷装置は、インクを吐出するためのノズルを複数有する印刷ヘッドを備え、所定の搬送方向へ搬送されるレンチキュラーレンズを有する記録媒体へ当該ノズルからインクを吐出することにより当該記録媒体への画像の印刷を実現可能であり、前記印刷ヘッドにおいて前記搬送方向に沿って並ぶ前記複数のノズルのうち、前記記録媒体との距離のばらつきが所定範囲に収まるノズルを特定するノズル特定工程と、前記特定されたノズルを使用してインクの吐出を行う記録方法を印刷装置に対して設定する設定工程と、を備える構成としてもよい。
当該構成によれば、調整の対象とした印刷装置毎に、搬送されるレンチキュラーレンズを有する記録媒体が採る姿勢に応じてPGが略安定しているノズルを特定し、当該特定したノズルを用いた印刷を実行できる。つまり、機体固有の癖を有する印刷装置毎に、レンチキュラーシートの姿勢に起因する画質劣化を的確に抑制することができる。
また、前記ノズル特定工程にて特定されたノズルの数が前記印刷ヘッドが有するノズルの総数に対して占める比率が所定のしきい値以下である場合、前記設定工程では、前記特定されたノズルの数よりも多い数のノズルを使用しかつ前記記録方法よりも高い解像度でインクの吐出を行う別の記録方法を印刷装置に対して設定するとしてもよい。
PGが安定しているノズルが少なすぎた場合、それらノズルだけを用いてレンチキュラーレンズを有する記録媒体へ印刷を行うと、印刷に多くの時間を要してしまう。そこで、このような場合には、敢えて印刷に使用するノズル数を多くしつつ、解像度を向上させることで、印刷スピードの低下防止と画質低下の防止とを図るようにしている。
なお、このような調整方法を実施するための装置や、この装置に当該調整方法を実施させるためのプログラムや、当該プログラムを記録したコンピューター読取可能な記憶媒体等も、それぞれ発明として把握することができる。
印刷装置を概略的に示す図である。 レンチキュラーシートへの印刷を簡単に説明するための図である。 印刷装置の調整方法を実施するためのシステムを簡易に示す図である。 印刷装置の調整方法を示すフローチャートである。 印刷ヘッドのノズル面を例示する図である。 印刷ヘッド周辺の一部構成を主走査方向からの視点により例示する図である。 印刷処理を示すフローチャートである。 レンチキュラーシートの向きと搬送方向との関係を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
1.印刷装置の概略
図1は、本実施形態にかかる印刷装置の構成を概略的に示している。図1では、印刷装置10を示している。ここでは、印刷装置10は、インク(液体)を吐出するための複数のノズルからインクを吐出するインクジェットプリンターであるとして説明を行う。印刷装置10は、印刷処理を制御するための制御部11を有する。制御部11では、CPU12が、例えば、ROM13に記憶されたプログラムをRAM14等のメモリーに展開してプログラムに従った演算を行なうことにより、自機を制御するためのファームウェアが実現される。
制御部11は、例えば、通信インターフェイス(IF)15を介して有線あるいは無線で通信可能に接続された不図示の外部装置(例えば、デスクトップPC、携帯型端末、スキャナー、デジタルスチルカメラ等)や、印刷装置10に外部より挿入された記憶メディア等から画像データを入力し、入力した画像データに基づいた印刷処理を実現することができる。外部より挿入された記憶メディアとは、例えばメモリーカードMCであり、メモリーカードMCは、印刷装置10の筺体に形成されたスロット部16に挿入される。
印刷装置10は、操作パネル17を備える。操作パネル17は、表示部(例えば液晶パネル)や、表示部内に形成されるタッチパネルや、各種ボタンやキーを含み、印刷処理に必要な情報を、ユーザーからの入力により受け付けたり、必要なユーザーインターフェイス(UI)画面を表示部に表示したりする。
また、印刷装置10は、搬送機構18を備える。搬送機構18は、ローラー26,27(図6参照)やローラー26,27を回転させる不図示のモーター等を備え、所定の搬送方向FD(図5参照)に沿って記録媒体を搬送する。記録媒体は、代表的には紙であるが、例えば、プラスチックや繊維等、紙以外の各種素材であってもよい。また、印刷装置10は、記録媒体の一種として、レンチキュラーレンズを有する記録媒体(レンチキュラーシートS)も使用可能である。
印刷装置10は、キャリッジ19を備えており、キャリッジ19は複数種類のインク毎のカートリッジ20を搭載している。図1の例では、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色のインクに対応した複数のカートリッジ20が搭載されている。ただし、印刷装置10が使用する液体の具体的な種類や数は上述したものに限られず、例えば、ライトシアン、ライトマゼンダ、オレンジ、グリーン、グレー、ライトグレー、ホワイト、メタリックインク、プレコート液…等、種々の液体を使用可能である。また、カートリッジ20は、キャリッジ19に搭載されずに印刷装置10内の所定位置に設置されるとしてもよいし、カートリッジ20は、インクタンク、インクパッケージ等の体裁でもよい。また、キャリッジ19は、各カートリッジ20から供給されるインクを複数のノズル23(図5参照)から吐出(噴射)する印刷ヘッド21を備える。
制御部11は、画像データに対して各種画像処理や変換処理(例えば、解像度変換処理や、色変換処理や、ハーフトーン処理)を行うことにより、搬送機構18やキャリッジモーター22や印刷ヘッド21等を駆動するための駆動信号を生成する。印刷ヘッド21内には、各ノズル23に対応して、ノズル23からインク(インク滴)を吐出させるための圧電素子が設けられている。圧電素子は、前記駆動信号が印加されると変形して、対応するノズル23からインクを吐出させる。搬送機構18は、制御部11に駆動制御されることにより、搬送方向FDに沿って記録媒体を搬送する。また、制御部11は、キャリッジモーター22を駆動制御することにより、キャリッジ19(および印刷ヘッド21)を搬送方向FDと交差する方向(主走査方向SD。図5参照。)に沿って移動(主走査)させ、かつ当該移動に伴って印刷ヘッド21の各ノズル23からインクを吐出させる。これにより、記録媒体にドットが形成され、画像データに基づく画像が記録媒体上に再現される。ドットとは、記録媒体に付着した状態のインク滴を意味する。なお前記“交差”とは、直交の意である。ただし、直交といっても、厳密な直交(90°)のみを意味するのではなく、製品の品質上許容される程度の角度の誤差を含む意味である。
2.レンチキュラーシートへの印刷についての簡単な説明
次に、レンチキュラーシートSへの画像の印刷について、図2に基づいて簡単に説明する。図2は、上段右にレンチキュラーシートSを、上段左にレンチキュラーシートSへ印刷されるレンチキュラー画像IMを、それぞれ例示している。レンチキュラー画像IMとは、複数の視点画像を合成した画像であり、ここではビットマップデータ(前記画像データの一種)の状態とする。例えば、任意の被写体を異なる複数の視点で撮像して得られた複数枚の画像(視点画像)をそれぞれ短冊状に細かく切り分け、それら切り分けた短冊状の複数の画像を束状に寄せ集めて1枚分の画像サイズに圧縮したものが、レンチキュラー画像IMである。レンチキュラー画像IMの生成の元となる視点画像の枚数は特に限定されないが、図2の説明においては一例として、その数を8とする。
レンチキュラーシートSは、一方側の面にレンチキュラーレンズLを有する。レンチキュラーレンズLは、長尺状かつ断面が半球状のレンズ(単位レンズLa)を複数有して構成されている。図2の中段においては、レンチキュラーシートSの一部を拡大して斜視図により例示している。レンチキュラーレンズLを構成する複数の単位レンズLaは、長手方向を平行にして、それらの短手方向に並んでいる。ここでは、レンチキュラーシートSについて、単位レンズLaの長手方向(=レンチキュラーレンズLの長手方向)を方向Dy、単位レンズLaの短手方向(=レンチキュラーレンズLの短手方向)を方向Dxと表現する。また、レンチキュラーシートSのレンチキュラーレンズLが配置された面と反対側の面を記録面PSと呼ぶ。印刷装置10は、レンチキュラー画像IMを記録面PSへ印刷する。ユーザーは、このような印刷の結果を、レンチキュラーレンズLが配置された面側から見ることで、レンチキュラー画像IMが表現する被写体を立体的に視認することができる。
レンチキュラー画像IMは、単位レンズLaのサイズに略対応した長尺状の画像領域IMaを単位レンズLaの数分有する。一つの画像領域IMaは上述した短冊状の画像の寄せ集めである。つまり、上述したように視点画像の数が8であれば、一つの画像領域IMaは、8枚それぞれの視点画像から切り分けられた8種の短冊状の画像が束になって構成されている。図2の下段においては、一つの単位レンズLaに対応する記録面PSの範囲に、一つの画像領域IMaを構成する複数の画像(前記8枚の視点画像それぞれから切り分けられた8種の短冊状の画像I1,I2,I3,I4,I5,I6,I7,I8)が方向Dxに並んで印刷された状態を拡大図により例示している。
3.印刷装置の調整方法
上述の構成を踏まえ、本実施形態にかかる印刷装置の調整方法を説明する。
図3は、印刷装置の調整方法を実施するためのシステム50を簡易的に示している。システム50は、当該調整方法の主体となる調整装置30(コンピューター)と、調整対象となる複数台の印刷装置10,10,10…と、測定器40と、を含む。
図4は、調整装置30が当該調整方法のために用意されたプログラムに従って実行する印刷装置の調整処理を示したフローチャートである。当該フローチャートは、例えば、複数台の印刷装置10が市場に出荷される前の段階で実施される。
ステップS100では、調整装置30は、調整対象とする一台の印刷装置10と通信可能に接続して、ノズル23についてのPGの評価を実行する。
図5は、印刷ヘッド21における複数のノズル23が配列されたノズル面25を例示している。ノズル面25には、印刷ヘッド21が吐出するインク種類(例えば、C、M、Y、K)毎のノズル群が設けられている。ノズル群の各々は、ノズル列24によって構成されている。ノズル列24とは、一定方向に略等間隔で並ぶ複数のノズル23からなる列であり、図5では一つのノズル列24を鎖線で囲って分かり易く示している。なお、図5では、ノズル列24を構成するノズル23数を、現実に製造される製品(印刷ヘッド21)におけるノズル列を構成するノズル数よりもかなり少なく描いている。
ノズル面25においてノズル列24が向く方向を、ノズル列方向(方向D1)と表現する。また、ノズル面25において方向D1と直交する方向を、方向D2とする。図5の例では、一つのインク種類に対応するノズル群は、方向D1に所定距離だけずれて配置された2つのノズル列24によって構成されている。また、インク種類毎の複数のノズル群は、方向D2に沿って並んでいる。印刷ヘッド21は、図5に示すように、ノズル面25に垂直な視点で見たとき、方向D1が搬送方向FDと平行になるように(方向D2が主走査方向SDと平行になるように)印刷装置10内に配設される。むろん、平行といっても、厳密な平行のみを意味するのではなく、製品の品質上許容される程度の角度の誤差を含む意味である。
図6は、印刷ヘッド21周辺の一部構成を、主走査方向SDからの視点により例示している。印刷ヘッド21のノズル面25の鉛直方向下側には、プラテン28が配置されている。また、印刷ヘッド21よりも搬送方向FDの上流側(給紙側)にはローラー26が、印刷ヘッド21よりも搬送方向FDの下流側(排紙側)にはローラー27が、それぞれ設けられている。記録媒体(例えば、レンチキュラーシートS)は、搬送機構18によって上流側から下流側へ搬送される過程で、ある期間はローラー26,27のうちローラー26のみに挟まれて搬送される。そして、記録媒体の先端がローラー27に到達してからのある期間ではローラー26,27の両方に挟まれて搬送され、記録媒体の後端がローラー26から離脱してからのある期間ではローラー26,27のうちローラー27のみに挟まれて搬送される。以下では、記録媒体がローラー26,27のうちローラー26のみに挟まれて搬送さる期間を「第一期間」、記録媒体がローラー26,27の両方に挟まれて搬送される期間を「第二期間」、記録媒体がローラー26,27のうちローラー27のみに挟まれて搬送される期間を「第三期間」、とそれぞれ呼ぶ。このように搬送されるレンチキュラーシートSは、ノズル面25下を通過する際、その剛性の高さや厚さに起因して、搬送方向FDに沿う複数のノズル23の各位置でPGが一定とならない姿勢(例えば、図6に示すような姿勢)となる。
ステップS100の詳細を説明する。ステップS100においては、調整装置30は、所定のテスト画像を表現した画像データに基づく当該テスト画像のレンチキュラーシートS(記録面PS)への印刷を印刷装置10に実行させる。例えば、印刷ヘッド21が有する複数のノズル23を搬送方向FDに沿って複数のグループに分けたときの各グループ(ノズルグループ)に、同一の画像データによる同じテスト画像を印刷させる。テスト画像の印刷に際しては、印刷ヘッド21は、主走査方向SDの往路および復路のいずれでもインクを吐出する双方向印刷を行う。図5では、複数のノズル23を、搬送方向FDに沿って、例えば4つのノズルグループに分けた場合を例示している。図5(図6も参照)では、各ノズルグループについて、便宜上、上流側から下流側へ順番にグループG1,G2,G3,G4と名付けている。
レンチキュラーシートSに印刷されたテスト画像は、測定器40によって測定される。測定器40は、例えば、測色器である。測定器40によるテスト画像の測定結果(測色結果)は、調整装置30へ入力される。調整装置30は、入力されたグループG1,G2,G3,G4の各々によって印刷されたテスト画像の測色結果を評価する。例えば、グループG1によって印刷されたテスト画像の色彩値(例えば、L*a*b*値)の平均値、グループG2によって印刷されたテスト画像の色彩値の平均値、グループG3によって印刷されたテスト画像の色彩値の平均値、グループG4によって印刷されたテスト画像の色彩値の平均値それぞれを、テスト画像についての基準となる色彩値(既知)と比較する。当該比較によって、グループG1,G2,G3,G4毎のPGのばらつき具合を間接的に評価することができる。
仮に、ノズル面25における搬送方向FDに沿ういずれの位置でもPGが一定であれば、グループG1,G2,G3,G4がそれぞれ印刷したテスト画像の測色結果は、ほぼ同一となる。一方、ノズル面25における搬送方向FDに沿う各位置でPGがばらついていれば、グループG1,G2,G3,G4がそれぞれ印刷したテスト画像の測色結果もばらつく。これは、PGが異なれば、ノズル23から吐出されるインクの記録媒体上での着弾位置にずれ(特に、主走査方向SDへのずれ)が生じ、このような位置のずれが、印刷結果の色味や明るさの違いを生むからである。
ステップS110では、調整装置30は、ステップS100の結果に従って、印刷ヘッド21において搬送方向FDに沿って並ぶ複数のノズル23(グループG1,G2,G3,G4)のうち、PGのばらつきが所定範囲に収まるノズル23を特定する。このようなPGのばらつきが所定範囲に収まるノズル23を「使用ノズル」と表現する。
例えば、調整装置30は、前記テスト画像の基準となる色彩値との比較において差(色差)が所定範囲に収まるグループを、PGのばらつきが所定範囲に収まるノズル23として特定する。搬送されるレンチキュラーシートSの姿勢を考慮すると、基本的にグループG1,G2,G3,G4間でのPGの差は、搬送方向FDにおける距離が遠いグループ間でより大きなものとなる。そのため、ステップS110では、搬送方向FDに沿って連続して存在する幾つかのグループがまとめて、PGのばらつきが所定範囲に収まるノズル23(使用ノズル)として特定される。
ステップS120では、調整装置30は、ステップS110で特定した使用ノズルに従って、レンチキュラーシートSへ印刷を行うための記録方法の設定を印刷装置10に対して行う。記録方法とは、搬送機構18による記録媒体の搬送速度、キャリッジ19の移動速度、主走査中における単位時間当たりのノズル23からインクを吐出する回数、主走査方向の一ラスターラインの印刷に必要な主走査の回数、等といった印刷の実現に必要な種々の要素を規定したルールである。記録方法の中には、どのノズル23を使用しどのノズル23を使用しないかといったノズル制限の規定も含まれる。例えば、各印刷装置10は、複数の記録方法に対応可能であり、複数の記録方法を予めROM13等のメモリーに記憶している。そこで、調整装置30は、レンチキュラーシートSへの印刷の際には当該複数の記録方法のうちステップS110で特定した使用ノズルを使用する記録方法を採用する設定を、印刷装置10に対して施す。
具体的には、本実施形態では、各印刷装置10はグループG1,G2,G3,G4の全てを使用する「記録方法1」、グループG1,G2,G3のみを使用する「記録方法2」、グループG2,G3,G4のみを使用する「記録方法3」、のそれぞれに少なくとも対応可能であるとする。そこで、ステップS110においてグループG1,G2,G3,G4の全てが使用ノズルと特定された場合は、調整装置30は、レンチキュラーシートSへの印刷の際には「記録方法1」を採用する設定を印刷装置10に施す(当該設定をROM13等のメモリーに記憶させる。以下同様。)。また、調整装置30は、グループG1,G2,G3が使用ノズルと特定された場合は、レンチキュラーシートSへの印刷の際には「記録方法2」を採用する設定を印刷装置10に施し、グループG2,G3,G4が使用ノズルと特定された場合は、レンチキュラーシートSへの印刷の際には「記録方法3」を採用する設定を印刷装置10に施す。
印刷ヘッド21下を搬送される際のレンチキュラーシートSの姿勢は、印刷装置10の機体毎に異なる。これは、例えば、ローラー26,27の取り付け位置や、ローラー26,27を回転させるモーター等の特性が、機体毎に微妙に異なるからである。そのため、上述したステップS100〜S120の処理は、調整対象となる複数台の印刷装置10,10,10…毎に行われる。つまり本実施形態によれば、印刷装置10それぞれに、機体固有の特性の影響を受けて異なるレンチキュラーシートSの姿勢に応じて、PGのばらつきの少ないノズル23を使用する最適な記録方法が設定される。
なお、レンチキュラーシートSの姿勢によっては、印刷ヘッド21が有するノズル23の総数に対して占めるステップS110で特定された使用ノズルの比率が、50%以下となることがある。つまり、グループG1,G2が使用ノズルと特定される場合や、グループG2,G3が使用ノズルと特定される場合や、グループG3,G4が使用ノズルと特定される場合である。このような場合、使用ノズルに忠実に従った記録方法を設定すると、使用ノズル数が少ないために、以後のレンチキュラーシートSへの印刷に時間がかかり過ぎる虞がある。そこで、このような場合には、調整装置30は、レンチキュラーシートSへの印刷の際にはグループG1,G2,G3,G4の全てを使用する「記録方法4」を採用する設定を印刷装置10に対して施す(ステップS120)としてもよい。
記録方法4と記録方法1との違いは解像度(dpi)にある。つまり、記録方法4は、主走査方向SDの解像度が、記録方法1が規定する主走査方向SDの解像度以上であり、かつ、搬送方向FDの解像度が、記録方法1が規定する搬送方向FDの解像度以上である。同様に、記録方法4は、記録方法2および記録方法3との比較においても、より高解像度であるとする。例えば、記録方法1,2,3による解像度が720dpi×720dpiである場合、記録方法4による解像度は1440dpi×1440dpiとする。このように、記録方法4によれば、ノズル数が少な過ぎることによる印刷時間の長時間化を防ぎ、かつ、高解像度化により、PGのばらつきが少ないノズル23以外のノズル23も使用することによる画質劣化を打ち消すようにしている。
各印刷装置10は、ステップS120における設定に以後拘束される。つまり、市場に出荷された後、レンチキュラーシートSに印刷を行う際には、ステップS120で設定された記録方法を採用する。ステップS120で設定された記録方法を、以下では便宜上、レンチキュラーシートSの印刷に専用の記録方法という意味で「専用記録方法」と呼ぶ。
ローラー26,27とレンチキュラーシートSの姿勢との関係について説明を補足する。上述したように記録媒体が印刷ヘッド21下を搬送される期間は、第一、第二および第三期間に大別されるが、このような期間毎に記録媒体の姿勢は微妙に異なる。発明者が、これら各期間とレンチキュラーシートSの姿勢との関係を検証したところ、ローラー26,27のいずれか一方のみによって搬送される第一期間および第三期間におけるレンチキュラーシートSの姿勢よりも、ローラー26,27の両方によって搬送される第二期間におけるレンチキュラーシートSの姿勢の方が、搬送方向FDに沿った各位置でのPGのばらつきが大きいという知見が得られた。これは、剛性が高くかつ厚みがあるレンチキュラーシートSに特有の結果と言える。なお、レンチキュラーシートSよりも柔らかくかつ薄い他の記録媒体(普通紙や光沢紙)では、第二期間よりも第一期間および第三期間の方が、記録媒体の姿勢が不安定となりやすい。
このような知見に基づき、前記ステップS100では、調整装置30は、印刷装置10に、レンチキュラーシートSへのテスト画像の印刷を第二期間内に実行させる。つまり、搬送方向FDに沿った各位置のPGにばらつきが最も表れやすい期間にテスト画像を印刷させることにより、テスト画像の測定結果に応じて、画質を安定させるために相応しいノズル23(使用ノズル)を確実に特定できるようにしている。
なお、ノズル23の総数に対して占める使用ノズルの比率が低いか否かを判定するためのしきい値は、上述の場合は50%であるが、むろんそれ以外の値であってもよい。
また、印刷ヘッド21が有するノズル23を搬送方向FDに沿ってグループ分けする際のノズルグループ数は、4つに限られないことは言うまでもない。ノズルグループ数の増加に伴い、印刷装置10に設定され得る専用記録方法の種類も増加する。また本実施形態において、ノズル面25とレンチキュラーシートSとの間におけるPGと、ステップS110で特定される使用ノズルとの関係性を簡潔に表すと、搬送方向FDの上流側のPGと下流側のPGとの差が大きいほど、使用ノズルとして特定されるノズル数は少なくなると言える。
4.印刷装置の挙動についての詳細
上述の調整処理を受けた後の印刷装置10の挙動についてさらに説明をする。
図7は、一台の印刷装置10が実行する印刷処理をフローチャートにより示している。当該フローチャートは、制御部11により実行される。
ステップS200では、制御部11は、外部からの印刷指示を受け付ける。外部からの印刷指示とは、例えば、通信IF15を介して受信した前記外部装置からの指示(印刷コマンド等)であったり、操作パネル17を操作するユーザーがUI画面を介して行う指示であったりする。印刷指示には、印刷すべき画像を表現した画像データの指定(あるいは、適宜圧縮等がされた画像データそのもの)が含まれており、また、印刷モードの指定も含まれている。ユーザー(前記外部装置あるいは印刷装置10を操作するユーザー)は複数の印刷モードの中から任意に選択した印刷モードを指示可能であり、複数の印刷モードの中には「第一印刷モード」が含まれる。第一印刷モードとは、レンチキュラーシートSに対してレンチキュラー画像IMを印刷するための印刷モードである。
ステップS210では、制御部11は、ステップS200で受け付けた印刷指示に含まれる印刷モードの指定が、第一印刷モードの指定であるか否か判定する。第一印刷モードが指定されていればステップS220へ進み、第一印刷モード以外の印刷モードが指定されていればステップS230へ進む。第一印刷モード以外の印刷モードとは、レンチキュラーシートSとは異なる記録媒体(例えば、普通紙や光沢紙)へ画像を印刷するための印刷モードであり、それらをまとめて「第二印刷モード」とも呼ぶ。
ステップS220では、制御部11は、前述の専用記録方法を採用して、印刷指示にかかる画像データ(レンチキュラー画像IMを表現した画像データ)に基づく印刷を実行する。つまり、専用記録方法が規定する使用ノズルを用いて、かつ専用記録方法が規定する、使用ノズルの設定以外に関する各種ルール(解像度等)にも従い、印刷ヘッド21からレンチキュラーシートS(記録面PS)へインクを吐出させ、レンチキュラー画像IMを再現する。
一方、ステップS230では、制御部11は、「ノズル制限が無い所定の記録方法」を採用して、印刷指示にかかる画像データに基づく印刷を、そのとき指定されている印刷モード(第二印刷モード)で使用する記録媒体(レンチキュラーシートSとは異なる記録媒体)に対して行う。「ノズル制限」とは、印刷ヘッド21が有する全ノズルの一部が使用ノズルでありその使用ノズルを用いることを意味し、「ノズル制限が無い」とは、全てのノズルグループを使用するという意味である。なお、ノズル制限が無い所定の記録方法は、実質的に記録方法1と同じであってもよい。
上述したように専用記録方法は、例えば、記録方法1,2,3,4のいずれかである。そのため、印刷装置10によっては、専用記録方法として記録方法1または記録方法4が設定されていることがある。しかし、搬送されるレンチキュラーシートSの姿勢を考慮すると、前記調整処理の対象とされた複数の印刷装置10の多くで、専用記録方法として、ノズル制限を伴う記録方法2または記録方法3が設定される。かかる観点に基づけば、前記調整処理の対象とされた複数の印刷装置10の少なくとも一部の印刷装置10は、第一印刷モードの指示を受けた場合には、印刷ヘッド21において搬送方向FDに沿って並ぶ複数のノズル23のうち一部のノズル23(例えば、グループG2,G3,G4に属するノズル23)のみを使用してインクの吐出を行うと言える。かつ、当該一部の印刷装置10は、第二印刷モードの指示を受けた場合には、印刷ヘッド21において搬送方向FDに沿って並ぶ複数のノズル23のうち前記一部のノズル23(例えば、グループG2,G3,G4に属するノズル23)よりも多い数のノズル23(例えば、グループG1,G2,G3,G4に属するノズル23)を使用してインクの吐出を行う、と言える。
ただし、ノズル制限が無い所定の記録方法は、グループG1,G2,G3,G4すべてを使用する場合であっても、グループG1,G2,G3,G4に属する全てのノズル23(印刷ヘッド21が有する全てのノズル23)を使用するかと言えば、そうとも言い切れない。個々のノズル23の吐出性能を考慮して、例えば、ドットの飛行曲がりが大きいとされる一部の不良なノズル23(例えば、ノズル列24の最も上流側の幾つかのノズル23および最も下流側の幾つかのノズル23)については使用を禁止するとしてもよい。
また本実施形態によれば、ステップS220,S230のいずれであっても、採用された記録方法は、基本的には上述の第一、第二および第三期間に亘って実施される。従って、専用記録方法として記録方法2または記録方法3が設定された印刷装置10は、第一印刷モードの指示を受けた場合、少なくとも第二期間に、印刷ヘッド21において搬送方向FDに沿って並ぶ複数のノズル23のうち一部のノズル23のみを使用したインクの吐出を行う(ステップS220)、と言える。
記録媒体は、搬送機構18によって搬送されるとき、斜めに傾いたままで搬送される(スキュー搬送される)ことがある。本実施形態では、レンチキュラーシートSがスキュー搬送された場合であっても、インクの吐出に用いるノズル数を上述したように制限して印刷を行うことにより、レンチキュラーシートSへのインクの着弾位置のずれを少なくでき、その結果、画質劣化を抑制することができる。
なお、上述したインクの着弾位置のずれが大きい場合、レンチキュラーシートSへの印刷結果においては、レンチキュラーシートSの特性上、このようなずれが特に視認され易い。そのため、本発明を適用することにより、着弾位置のずれを少なくし、レンチキュラーシートSに印刷された画像の画質劣化を抑制することができる。
5.変形例
本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば以下に説明する変形例も可能である。上述の実施形態と変形例とを適宜組み合わせた構成も、本発明の開示に含まれる。
変形例1:
ノズル制限を伴う専用記録方法が設定された印刷装置10は、第一印刷モードの指示を受けた場合、第二期間に限って、専用記録方法を採用する(ステップS220)としてもよい。つまり、専用記録方法として記録方法2が設定されている印刷装置10は、第一印刷モードの指示を受けた場合、第二期間に、使用ノズル(グループG1,G2,G3)に限定したインク吐出を行い、第一期間および第三期間では、ノズル制限をせずグループG1,G2,G3,G4の全てからインク吐出可能とする。同様に、専用記録方法として記録方法3が設定されている印刷装置10は、第一印刷モードの指示を受けた場合、第二期間に、使用ノズル(グループG2,G3,G4)に限定したインク吐出を行い、第一期間および第三期間では、ノズル制限をせずグループG1,G2,G3,G4の全てからインク吐出可能とする。
つまり、PGのばらつきが特に大きいのは第二期間であるため、第二期間に限ってノズル制限をすることでPGのばらつきに起因する画質劣化を実質的に抑え、かつ、それ以外の期間ではノズル制限を無くすことで全体的な印刷速度の向上を図っている。このような変形例1によれば、印刷装置10は、第一印刷モードの指示を受けた場合、第一期間および第三期間には、印刷ヘッド21が有する全てのノズル23の一部である使用ノズルよりも多い数のノズル23を使用したインクの吐出を行う、と言える。印刷装置10は、第一、第二および第三期間の判別を、例えば、ローラー26,27の近傍で記録媒体の端部を検知するセンサーによる検知結果に基づいて行ったり、ローラー26,27を回転させるモーターにおける負荷の計測に基づいて行ったりすることができる。
変形例2:
印刷装置10では、レンチキュラーシートSが、単位レンズLaの長手方向(方向Dy)が搬送方向FDと平行な状態で搬送される場合(図8A参照)と、方向Dyが搬送方向FDと直交した状態で搬送される場合(図8B参照)とが有り得る。以下では、図8Aに示したレンチキュラーシートSの向きと搬送方向FDとの関係を「第一の搬送態様」と呼び、図8Bに示したレンチキュラーシートSの向きと搬送方向FDとの関係を「第二の搬送態様」と呼ぶ。第一の搬送態様と第二の搬送態様とでは、当然、搬送中のレンチキュラーシートSの姿勢も異なる。そこで、調整装置30は、印刷装置10毎のステップS100〜S120(図4)の処理を、第一の搬送態様、第二の搬送態様毎に行うとしてもよい。つまり、一台の印刷装置10について、レンチキュラーシートSを第一の搬送態様で搬送した状況下での専用記録方法と、レンチキュラーシートSを第二の搬送態様で搬送した状況下での専用記録方法とが設定される。
そして、印刷装置10は、ステップS220(図7)では、そのときのレンチキュラーシートSの搬送態様が第一の搬送態様か第二の搬送態様かを(例えば、搬送経路に設けられた所定のセンサーにより)判別し、判別した搬送態様に対応して設定されている専用記録方法を採用して印刷を行う。第一の搬送態様に対応する専用記録方法と、第二の搬送態様に対応する専用記録方法とで、使用ノズルが異なることが当然有り得る。そのような場合の印刷装置10は、レンチキュラーシートSの搬送態様が第一の搬送態様であるか第二の搬送態様であるかによって、印刷ヘッド21において搬送方向FDに沿って並ぶ複数のノズル23のうちでインクの吐出に使用するノズル23を異ならせる、と言える。このような変形例2によれば、搬送方向FDに対する向きの違いによって異なるレンチキュラーシートSの姿勢に基づいて、PGのばらつきの少ないノズル23を使用する最適な記録方法が設定される。つまり、第一の搬送態様、第二の搬送態様のいずれを採用しても、レンチキュラーシートSへの印刷結果の画質劣化を防止できる。
変形例3:
印刷装置10は、上述のように印刷ヘッド21が主走査方向SDに沿って移動する、いわゆるシリアルプリンターに限られない。例えば、印刷装置10は、ノズル23が主走査方向SDに沿って並ぶインク種類毎のノズル列を搬送方向FDに複数並列させたラインプリンター用ヘッドを有する、いわゆるラインプリンターであってもよい。また、ノズル23からドットを吐出させる手段も、前記圧電素子に限られず、発熱素子によりインクを加熱してノズル23からドットを吐出させる手段を採用してもよい。さらに、プリンターが採用する印刷方式は、前記のようなインクジェット方式に限る必要はなく、レーザー方式やサーマル方式であってもよい。
10…印刷装置、11…制御部、21…印刷ヘッド、23…ノズル、24…ノズル列、25…ノズル面、30…調整装置、40…測定器、50…システム、FD…搬送方向、G1,G2,G3,G4…(ノズル)グループ、IM…レンチキュラー画像、L…レンチキュラーレンズ、La…単位レンズ、PG…ペーパーギャップ、S…レンチキュラーシート、SD…主走査方向

Claims (7)

  1. インクを吐出するためのノズルを複数有する印刷ヘッドを備え、所定の搬送方向へ搬送される記録媒体へ当該ノズルからインクを吐出することにより記録媒体への画像の印刷を実現する印刷装置であって、
    レンチキュラーレンズを有する記録媒体へ画像を印刷する第一印刷モードの指示を受けた場合には、前記印刷ヘッドにおいて前記搬送方向に沿って並ぶ前記複数のノズルのうち一部のノズルのみを使用してインクの吐出を行い、
    前記レンチキュラーレンズを有する記録媒体とは異なる記録媒体へ画像を印刷する第二印刷モードの指示を受けた場合には、前記印刷ヘッドにおいて前記搬送方向に沿って並ぶ前記複数のノズルのうち前記一部のノズルよりも多い数のノズルを使用してインクの吐出を行う、ことを特徴とする印刷装置。
  2. 前記印刷ヘッドよりも前記搬送方向の上流側に配設された記録媒体を搬送するための第一ローラーと、前記印刷ヘッドよりも前記搬送方向の下流側に配設された記録媒体を搬送するための第二ローラーとを備え、
    前記第一印刷モードの指示を受けた場合、少なくとも前記第一ローラーおよび前記第二ローラーによって前記レンチキュラーレンズを有する記録媒体が搬送されている期間に、前記一部のノズルのみを使用したインクの吐出を行うことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記第一印刷モードの指示を受けた場合、前記第一ローラーおよび前記第二ローラーのうちいずれか一方によって前記レンチキュラーレンズを有する記録媒体が搬送されている期間には、前記一部のノズルよりも多い数のノズルを使用したインクの吐出を行うことを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
  4. 前記一部のノズルとは、前記レンチキュラーレンズを有する記録媒体との距離のばらつきが所定範囲に収まるノズルであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の印刷装置。
  5. インクを吐出するためのノズルを複数有する印刷ヘッドを備え、所定の搬送方向へ搬送される記録媒体へ当該ノズルからインクを吐出することにより記録媒体への画像の印刷を実現する印刷装置による印刷方法であって、
    レンチキュラーレンズを有する記録媒体へ画像を印刷する第一印刷モードの指示を受けた場合には、前記印刷ヘッドにおいて前記搬送方向に沿って並ぶ前記複数のノズルのうち一部のノズルのみを使用してインクの吐出を行い、
    前記レンチキュラーレンズを有する記録媒体とは異なる記録媒体へ画像を印刷する第二印刷モードの指示を受けた場合には、前記印刷ヘッドにおいて前記搬送方向に沿って並ぶ前記複数のノズルのうち前記一部のノズルよりも多い数のノズルを使用してインクの吐出を行う、ことを特徴とする印刷方法。
  6. 印刷装置の調整方法であって、
    前記印刷装置は、インクを吐出するためのノズルを複数有する印刷ヘッドを備え、所定の搬送方向へ搬送されるレンチキュラーレンズを有する記録媒体へ当該ノズルからインクを吐出することにより当該記録媒体への画像の印刷を実現可能であり、
    前記印刷ヘッドにおいて前記搬送方向に沿って並ぶ前記複数のノズルのうち、前記記録媒体との距離のばらつきが所定範囲に収まるノズルを特定するノズル特定工程と、
    前記特定されたノズルを使用してインクの吐出を行う記録方法を印刷装置に対して設定する設定工程と、を備えることを特徴とする印刷装置の調整方法。
  7. 前記ノズル特定工程にて特定されたノズルの数が前記印刷ヘッドが有するノズルの総数に対して占める比率が所定のしきい値以下である場合、前記設定工程では、前記特定されたノズルの数よりも多い数のノズルを使用しかつ前記記録方法よりも高い解像度でインクの吐出を行う別の記録方法を印刷装置に対して設定する、ことを特徴とする請求項6に記載の印刷装置の調整方法。
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