以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
(遊技機の構成)
図1は本発明の遊技機1の一例を示す正面図であり、図2は遊技機1の裏面側の斜視図である。
遊技機1は、遊技店の島設備に取り付けられる外枠60と、その外枠60と回動可能に支持されたガラス枠50とが備えられている。また、外枠60には、遊技球が流下する遊技領域6が形成された遊技盤2が設けられている。なお、遊技盤2は、透明な板、例えば、強化プラスチックやポリカーボネートで作られている。ガラス枠50には、回動操作されることにより遊技領域6に向けて遊技球を発射させる操作ハンドル3と、スピーカからなる音声出力装置32と、複数のランプを有する演出用照明装置34と、押圧操作により演出態様を変更させるための演出ボタン35とが設けられている。
遊技者が操作ハンドル3に触れることで、操作ハンドル3の内部に設けられているタッチセンサ3a(図3参照)が、操作ハンドル3と遊技者とが接触していることを検知して、発射用ソレノイド4a(図3参照)の通電を許可する。さらに、遊技者が操作ハンドル3を回動させると、操作ハンドル3に直結している可変抵抗器からなる発射ボリューム3b(図3参照)も回動し、発射ボリューム3bが発射制御基板160(図3参照)に供給する電圧を可変させる。
発射制御基板160は、発射ボリューム3bにより可変された電圧に基づいて、ロータリーソレノイドからなる発射用ソレノイド4aを通電する。発射用ソレノイド4aが通電されると、発射用ソレノイド4aに直結された打出部材が回転し、打出部材により発射レールの下り傾斜の端部に貯留されている遊技球が打ち出され、遊技球が発射されることとなる。
上記のようにして発射された遊技球は、発射レールからレール5a、5b間を上昇して玉戻り防止片5cを超えると、遊技領域6に到達し、その後遊技領域6内を落下する。このとき、遊技領域6に設けられた複数の釘や風車によって、遊技球は予測不能に落下することとなる。
また、遊技領域6には、複数の一般入賞口12が設けられている。これら各一般入賞口12には、一般入賞口検出スイッチ12a(図3参照)が設けられており、この一般入賞口検出スイッチ12aが遊技球の入賞を検出すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。
さらに、遊技領域6には、遊技球が通過可能な普通領域を構成する普通図柄ゲート13が設けられている。
この普通図柄ゲート13には、遊技球の通過を検出するゲート検出スイッチ13a(図3参照)が設けられており、このゲート検出スイッチ13aが遊技球の通過を検出すると、後述する「普通図柄の抽選」が行われる。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な始動領域を構成する第1始動口14、第2始動口15および遊技球が入球可能な第1大入賞口16、第2大入賞口17が設けられている。
この第2始動口15は、一対の可動片15bを有しており、これら一対の可動片15bが閉状態に維持される第1の態様と、一対の可動片15bが開状態となる第2の態様とに可動制御される。なお、第2始動口15が上記第1の態様に制御されているときには、当該第2始動口15の真上に位置する第1始動口14が障害物となって、遊技球の受入れを不可能としている。一方で、第2始動口15が上記第2の態様に制御されているときには、上記一対の可動片15bが受け皿として機能し、第2始動口15への遊技球の入賞が容易となる。つまり、第2始動口15は、第1の態様にあるときには遊技球の入賞機会がなく、第2の態様にあるときには遊技球の入賞機会が増すこととなる。
ここで、第1始動口14には、遊技球の入球を検出する第1始動口検出スイッチ14aが設けられ、第2始動口15には、遊技球の入球を検出する第2始動口検出スイッチ15aが設けられている。そして、第1始動口検出スイッチ14aまたは第2始動口検出スイッチ15aが遊技球の入球を検出すると、後述する大当たり遊技を実行する権利獲得の抽選(以下、「大当たりの抽選」という)が行われる。また、第1始動口検出スイッチ14aまたは第2始動口検出スイッチ15aが遊技球の入球を検出した場合にも、所定の賞球(例えば3個の遊技球)が払い出される。
本実施の形態においては、第1始動口検出スイッチ14aおよび第2始動口検出スイッチ15aが始動口検出手段を構成する。
第1大入賞口16は、通常は第1大入賞口開閉扉16bによって閉状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対して、後述する特別遊技が開始されると、第1大入賞口開閉扉16bが開放されるとともに、この第1大入賞口開閉扉16bが遊技球を第1大入賞口16内に導く受け皿として機能し、遊技球が第1大入賞口16に入球可能となる。第1大入賞口16には第1大入賞口検出スイッチ16aが設けられており、この第1大入賞口検出スイッチ16aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
また、第2大入賞口17は、遊技盤2に形成された開口部から構成されている。この第2大入賞口17の下部には、遊技盤面側からガラス板側に立設可能な第2大入賞口開閉扉17bを有しており、この第2大入賞口開閉扉17bが遊技盤面側に立設する開放状態と、遊技盤面に埋没する閉鎖状態とに可動制御される。そして、第2大入賞口開閉扉17bが遊技盤面に立設していると、遊技球を第2大入賞口17内に導く受け皿として機能し、遊技球が第2大入賞口17に入球可能となる。この第2大入賞口17には第2大入賞口検出スイッチ17aが設けられており、この第2大入賞口検出スイッチ17aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。
さらには、遊技領域6の最下部には、一般入賞口12、第1始動口14、第2始動口15、第1大入賞口16および第2大入賞口17のいずれにも入球しなかった遊技球を排出するためのアウト口11が設けられている。
また、遊技領域6の中央には、遊技球の流下に影響を与える飾り部材7が設けられている。この飾り部材7の略中央部分には、液晶表示器(LCD)等からなる演出表示装置31が設けられており、この演出表示装置31の上方には、ベルトの形をした演出用駆動装置33が設けられている。なお、本実施形態においては、演出表示装置31を液晶表示器として用いているが、円環状の構造物からなるリールや、いわゆる7セグメントLED、ドットマトリクス等の表示装置を用いてもよい。
この演出表示装置31は、遊技が行われていない待機中に画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示したりする。なかでも、後述する大当りの抽選結果を報知するための3個の演出図柄36が表示され、特定の演出図柄36の組合せ(例えば、777等)が停止表示されることにより、大当りの抽選結果として大当りが報知される。
より具体的には、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときには、3個の演出図柄36をそれぞれスクロール表示するとともに、所定時間経過後に当該スクロールを停止させて、演出図柄36を停止表示するものである。また、この演出図柄36の変動表示中に、さまざまな画像やキャラクタ等を表示することによって、大当たりに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えるようにもしている。
本実施形態では、演出表示装置31が報知手段を構成するが、音声出力装置32、演出用駆動装置33または演出用照明装置34での報知態様を用いて、音声出力装置32、演出用駆動装置33または演出用照明装置34を報知手段としてもよい。
上記演出用駆動装置33は、その動作態様によって遊技者に期待感を与えるものである。演出用駆動装置33は、例えば、ベルトが下方に移動したり、ベルト中央部の回転部材が回転したりする動作を行う。これら演出用駆動装置33の動作態様によって、遊技者にさまざまな期待感を与えるようにしている。
さらに、上記の各種の演出装置に加えて、音声出力装置32は、BGM(バックグランドミュージック)、SE(サウンドエフェクト)等を出力し、サウンドによる演出を行い、演出用照明装置34は、各ランプの光の照射方向や発光色を変更して、照明による演出を行うようにしている。
また、演出ボタン35は、遊技者の操作指示を入力することができるようになっている。演出ボタン35には、演出ボタン検出スイッチ35a(図3参照)が設けられており、この演出ボタン検出スイッチ35aは、遊技者の操作指示の入力を検知するようになっている。演出ボタン検出スイッチ35aが、上記操作指示の入力を検知すると、この検知結果に基づいて演出表示装置31に表示される演出画像が後述するように変更されるようになっている。
本実施の形態においては、演出ボタン35が操作入力手段を構成する。
遊技領域6の右下方には、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21、普通図柄表示装置22、第1特別図柄保留表示器23、第2特別図柄保留表示器24、普通図柄保留表示器25が設けられている。
上記第1特別図柄表示装置20は、第1始動口14に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するものであり、7セグメントのLEDで構成されている。つまり、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が複数設けられており、この第1特別図柄表示装置20に大当たりの抽選結果に対応する特別図柄を表示することによって、抽選結果を遊技者に報知するようにしている。例えば、大当たりに当選した場合には「7」が表示され、ハズレであった場合には「−」が表示される。このようにして表示される「7」や「−」が特別図柄となるが、この特別図柄はすぐに表示されるわけではなく、所定時間変動表示された後に、停止表示されるようにしている。
ここで、「大当たりの抽選」とは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときに、特別図柄判定用乱数値を取得し、取得した特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか、「小当たり」に対応する乱数値であるかの判定する処理をいう。この大当たりの抽選結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、第1特別図柄表示装置20において特別図柄が点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、大当たりの抽選結果に対応する特別図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。なお、第2特別図柄表示装置21は、第2始動口15に遊技球が入球したことを契機として行われた大当たりの抽選結果を報知するためのもので、その表示態様は、上記第1特別図柄表示装置20における特別図柄の表示態様と同一である。
また、本実施形態において「大当たり」というのは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当たり遊技を実行する権利を獲得したことをいう。「大当たり遊技」においては、第1大入賞口16または第2大入賞口17が開放されるラウンド遊技を計15回行う。各ラウンド遊技における第1大入賞口16または第2大入賞口17の総開放時間については予め定められた時間が設定されており、この間に第1大入賞口16または第2大入賞口17に所定個数の遊技球(例えば9個)が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。つまり、「大当たり遊技」は、第1大入賞口16または第2大入賞口17に遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できることから、多量の賞球を獲得可能な遊技である。
また、普通図柄表示装置22は、普通図柄ゲート13を遊技球が通過したことを契機として行われる普通図柄の抽選結果を報知するためのものである。詳しくは後述するが、この普通図柄の抽選によって当たりに当選すると普通図柄表示装置22が点灯し、その後、上記第2始動口15が所定時間、第2の態様に制御される。
ここで、「普通図柄の抽選」とは、普通図柄ゲート13に遊技球が通過したときに、普通図柄判定用乱数値を取得し、取得した普通図柄判定用乱数値が「当たり」に対応する乱数値であるかどうかの判定する処理をいう。この普通図柄の抽選結果についても、普通図柄ゲート13を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、普通図柄表示装置22において普通図柄が点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。
さらに、特別図柄の変動表示中や後述する特別遊技中等、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球して、即座に大当たりの抽選が行えない場合には、一定の条件のもとで、大当たりの抽選の権利が保留される。より詳細には、第1始動口14に遊技球が入球したときに取得された特別図柄判定用乱数値を第1保留として記憶し、第2始動口15に遊技球が入球したときに取得された特別図柄判定用乱数値を第2保留として記憶する。
これら両保留は、それぞれ上限保留個数を4個に設定し、その保留個数は、それぞれ第1特別図柄保留表示器23と第2特別図柄保留表示器24とに表示される。なお、第1保留が1つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の左側のLEDが点灯し、第1保留が2つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の2つのLEDが点灯する。また、第1保留が3つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の左側のLEDが点滅するとともに右側のLEDが点灯し、第1保留が4つの場合には、第1特別図柄保留表示器23の2つのLEDが点滅する。また、第2特別図柄保留表示器24においても、上記と同様に第2保留の保留個数が表示される。
そして、普通図柄の上限保留個数も4個に設定されており、その保留個数が、上記第1特別図柄保留表示器23および第2特別図柄保留表示器24と同様の態様によって、普通図柄保留表示器25において表示される。
ガラス枠50は、遊技盤2の前方(遊技者側)において遊技領域6を視認可能に覆うガラス板を支持している。なお、ガラス板は、ガラス枠50に対して着脱可能に固定されている。
また、ガラス枠50は、左右方向の一端側(たとえば遊技機1に正対して左側)においてヒンジ機構部51を介して外枠60に連結されており、ヒンジ機構部51を支点として左右方向の他端側(たとえば遊技機1に正対して右側)を外枠60から開放させる方向に回動可能とされている。ガラス枠50は、ガラス板とともに遊技盤2を覆い、ヒンジ機構部51を支点として扉のように回動することによって、遊技盤2を含む外枠60の内側部分を開放することができる。ガラス枠50の他端側には、ガラス枠50の他端側を外枠60に固定するロック機構が設けられている。ロック機構による固定は、専用の鍵によって解除することが可能とされている。また、ガラス枠50には、ガラス枠50が外枠60から開放されているか否かを検出する扉開放スイッチ133(図3参照)も設けられている。
遊技機1の裏面には、主制御基板110、演出制御基板120、払出制御基板130、電源基板170、遊技情報出力端子板30などが設けられている。また、電源基板170には、遊技機1に電力を給電するための電源プラグ171や、図示しない電源スイッチが設けられている。
(制御手段の内部構成)
次に、図3の遊技機1全体のブロック図を用いて、遊技の進行を制御する制御手段について説明する。
主制御基板110は、遊技の基本動作を制御する主制御手段であり、第1始動口検出スイッチ14a等の各種検出信号を入力して、第1特別図柄表示装置20や第2大入賞口開閉ソレノイド17c等を駆動させて遊技を制御するものである。
この主制御基板110は、メインCPU110a、メインROM110bおよびメインRAM110cから構成されるワンチップマイコン110mと、図示しない主制御用の入力ポートと、出力ポートと、を備えている。
この主制御用の入力ポートには、払出制御基板130、一般入賞口12に遊技球が入球したことを検知する一般入賞口検出スイッチ12a、普通図柄ゲート13に遊技球が入球したことを検知するゲート検出スイッチ13a、第1始動口14に遊技球が入球したことを検知する第1始動口検出スイッチ14a、第2始動口15に遊技球が入球したことを検知する第2始動口検出スイッチ15a、第1大入賞口16に遊技球が入球したことを検知する第1大入賞口検出スイッチ16a、第2大入賞口17に遊技球が入球したことを検知する第2大入賞口検出スイッチ17aが接続されている。この主制御用の入力ポートによって、各種信号が主制御基板110に入力される。
また、主制御用の出力ポートには、払出制御基板130、第2始動口15の一対の可動片15bを開閉動作させる始動口開閉ソレノイド15c、第1大入賞口開閉扉16bを動作させる第1大入賞口開閉ソレノイド16c、第2大入賞口開閉扉17bを動作させる第2大入賞口開閉ソレノイド17c、特別図柄を表示する第1特別図柄表示装置20と第2特別図柄表示装置21、普通図柄を表示する普通図柄表示装置22、特別図柄の保留球数を表示する第1特別図柄保留表示器23と第2特別図柄保留表示器24、普通図柄の保留球数を表示する普通図柄保留表示器25、外部情報信号を出力する遊技情報出力端子板30が接続されている。この主制御用の出力ポートによって、各種信号が出力される。
メインCPU110aは、各検出スイッチやタイマから入力された入力信号に基づいて、メインROM110bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。
主制御基板110のメインROM110bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、大当たり抽選に参照される大当り判定テーブル(図5参照)、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブル(図6参照)、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブル(図7参照)等がメインROM110bに記憶されている。
なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
主制御基板110のメインRAM110cは、メインCPU110aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。
例えば、メインRAM110cには、普通図柄保留数(G)記憶領域、普通図柄保留記憶領域、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域、第1特別図柄乱数値記憶領域、第2特別図柄乱数値記憶領域、ラウンド遊技回数(R)記憶領域、開放回数(K)記憶領域、大入賞口入球数(C)記憶領域、遊技状態記憶領域(高確率遊技フラグ記憶領域と時短遊技フラグ記憶領域)、高確率遊技回数カウンタ、時短回数カウンタ、停止図柄データ記憶領域、演出用伝送データ格納領域、特別図柄時間カウンタ、特別遊技タイマカウンタなど各種の記憶領域が設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
遊技情報出力端子板30は、主制御基板110において生成された外部情報信号を遊技店のホールコンピュータ等に出力するための基板である。遊技情報出力端子板30は、主制御基板110と配線接続され、外部情報を遊技店のホールコンピュータ等と接続をするためのコネクタが設けられている。
電源基板170は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機1に電源電圧を供給するとともに、遊技機1に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板110に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU110aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU110aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
演出制御基板120は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板120は、サブCPU120a、サブROM120b、サブRAM120cを備えており、主制御基板110に対して、当該主制御基板110から演出制御基板120への一方向に通信可能に接続されている。
サブCPU120aは、主制御基板110から送信されたコマンド、または、演出ボタン検出スイッチ35a、タイマから入力された入力信号に基づいて、サブROM120bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータをランプ制御基板140、画像制御基板150に送信する。
例えば、演出制御基板120におけるサブCPU120aは、主制御基板110から特別図柄の変動態様を示す変動パターン指定コマンドを受信すると、受信した変動パターン指定コマンドの内容を解析して、演出表示装置31、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34に所定の演出を実行させるためのデータを生成し、かかるデータを画像制御基板150やランプ制御基板140へ送信する。
上記処理により、サブCPU120aは、演出表示装置31が表示する演出画像の表示制御を行う。特に、サブCPU120aは、演出ボタン35への入力に基づいて、演出表示装置31が表示する演出画像の表示制御を行うようになっている。さらに、サブCPU120aは、演出ボタン35への操作指示の入力を有効とするか否かを制御する。
演出制御基板120のサブROM120bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、主制御基板から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて演出パターンを決定するための演出パターン決定テーブル、停止表示する演出図柄36の組み合わせを決定するための演出図柄決定テーブル等がサブROM120bに記憶されている。なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
演出制御基板120のサブRAM120cは、サブCPU120aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。
サブRAM120cには、遊技状態記憶領域、演出モード記憶領域、演出パターン記憶領域、演出図柄記憶領域、等が設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
払出制御基板130は、遊技球の払い出し制御を行う。この払出制御基板130は、図示しない払出CPU、払出ROM、払出RAMから構成されるワンチップマイコンを備えており、主制御基板110に対して、双方向に通信可能に接続されている。また、払出制御基板130は、入力側に遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数検知スイッチ132および扉開放スイッチ133が接続されており、出力側に遊技球の貯留部から所定数の賞球を遊技者に払い出すための賞球払出装置の払出モータ131が接続されている。
払出CPUは、払出球計数検知スイッチ132、扉開放スイッチ133およびタイマから入力された入力信号に基づいて、払出ROMに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板110に送信する。また、払出CPUは、主制御基板110から送信された払出個数指定コマンドに基づいて、払出ROMから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、賞球払出装置の払出モータ131を制御して所定の賞球を遊技者に払い出す。このとき、払出RAMは、払出CPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
ランプ制御基板140は、遊技盤2に設けられた演出用照明装置34を点灯制御したり、光の照射方向を変更するためのモータに対する駆動制御をしたりする。また、演出用駆動装置33を動作させるソレノイドやモータ等の駆動源を通電制御する。このランプ制御基板140は、演出制御基板120に接続されており、演出制御基板120から送信されたデータに基づいて、上記の各制御を行うこととなる。
画像制御基板150は、上記演出制御基板120に双方向通信可能に接続されており、その出力側に上記演出表示装置31および音声出力装置32を接続している。画像制御基板150は、演出制御基板120から送信された各種のコマンドに基づいて、演出表示装置31における画像の表示制御、音声出力装置32における音声の出力制御を行う。画像制御基板150の詳細については、後述する。
発射制御基板160は、遊技球の発射制御を行う。この発射制御基板160は、入力側にタッチセンサ3aおよび発射ボリューム3bが接続されており、出力側に発射用ソレノイド4aおよび玉送りソレノイド4bを接続している。発射制御基板160は、タッチセンサ3aからタッチ信号を入力するとともに、発射ボリューム3bから供給された電圧に基づいて、発射用ソレノイド4aや玉送りソレノイド4bを通電させる制御を行う。
タッチセンサ3aは、操作ハンドル3の内部に設けられ、遊技者が操作ハンドル3に触れたことによる静電容量の変化を利用した静電容量型の近接スイッチから構成される。タッチセンサ3aは、遊技者が操作ハンドル3に触れたことを検知すると、発射制御基板160に発射用ソレノイド4aの通電を許可するタッチ信号を出力する。発射制御基板160は、タッチセンサ3aからタッチ信号の入力がなければ、遊技球を遊技領域6に発射させないように構成されている。
発射ボリューム3bは、可変抵抗器から構成され、その発射ボリューム3bに印加された定電圧(例えば5V)を可変抵抗器により分圧して、分圧した電圧を発射制御基板160に供給する。
発射用ソレノイド4aは、ロータリーソレノイドから構成され、発射用ソレノイド4aには打出部材が直結されており、発射用ソレノイド4aが回転することで、打出部材により遊技球が発射されることとなる。
ここで、発射用ソレノイド4aの回転速度は、発射制御基板160に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間における発射遊技数は、発射ソレノイドが1回転する毎に1個発射されるため、約99.9(個/分)となる。すなわち、1個の遊技球は約0.6秒毎に発射されることになる。
玉送りソレノイド4bは、直進ソレノイドから構成され、受け皿にある遊技球を、発射用ソレノイド4aに直結された打出部材に向けて1個ずつ送り出す。
次に、図4に画像制御基板150のブロック図を示し、画像制御基板150の構成および画像表示制御について、説明する。
画像制御基板150は、演出表示装置31の画像表示制御を行うための画像CPU150a、制御RAM150b、制御ROM150c、CGROM151、水晶発振器152、VRAM153、VDP(Video Display Processor)154、音制御回路155を備えている。
画像CPU150aは、演出制御基板120から受信したコマンドに基づいて、VDP154を制御して、CGROM151に記憶されている画像データを演出表示装置31に表示させる。この画像CPU150aのVDP154の制御は、図示しないVDP154の制御レジスタにおけるデータの設定、描画制御コマンド群から構成されるディスプレイリストの出力によって行われる。また、画像CPU150aは、VDP154からVブランク割込信号や描画終了信号を受信すると、適宜割り込み処理を行う。
さらに、画像CPU150aは、音制御回路155を制御して、演出制御基板120から受信したコマンドに基づいて、所定の音声データを音声出力装置32に出力させる。
本実施の形態においては、画像CPU150aが演出表示手段を構成する。
制御RAM150bは、画像CPU150aに内蔵されており、画像CPU150aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、制御ROM150cから読み出されたデータを一時的に記憶するものである。
また、制御ROM150cは、画像CPU150aの制御処理のプログラム、ディスプレイリストを生成するためのディスプレイリスト生成プログラム、演出パターンのアニメーションを表示するためのアニメパターン、アニメシーン情報等が記憶されている。
このアニメパターンは、演出パターンのアニメーションを表示するにあたり参照され、その演出パターンに含まれるアニメシーン情報の組み合わせや各アニメシーン情報の表示順序等を記憶している。また、アニメシーン情報には、ウェイトフレーム(表示時間)、対象データ(スプライトの識別番号、転送元アドレス等)、パラメータ(スプライトの表示位置、転送先アドレス等)、描画方法等などの情報を記憶している。
CGROMには、演出表示装置31に表示される演出図柄36や背景等の画像データが多数格納されており、画像CPUが演出制御基板120から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、VDPにCGROMに格納された所定の画像データをVRAMに展開させ、VRAMに展開された画像データを演出表示装置31に表示させる制御を行う。
水晶発振器152は、パルス信号をVDP154に出力し、このパルス信号を分周することで、図示しないVDP154のクロック生成回路によってVDP154が制御を行うためのシステムクロック、演出表示装置31と同期を図るための同期信号等が生成される。
VRAM153は、画像データの書き込みおよび読み出しが高速なSRAMで構成され、画像表示用の一時記憶領域として使用される。また、VRAM153は、画像CPU150aから出力されたディスプレイリストを一時的に記憶するディスプレイリスト記憶領域、CGROM151に記憶された画像データを伸長したデータ等を記憶する展開記憶領域、画像を描画または表示するための第1フレームバッファ、第2フレームバッファを有している。
この第1フレームバッファおよび第2フレームバッファは、「描画用フレームバッファ」と「表示用フレームバッファ」とで、描画の開始毎に切り替えられるようになっている。
VDP154は、画像CPU150aに制御される画像プロセッサである。VDP154は、CGROM151に格納された所定の画像データをVRAM153に展開させ、描画用フレームバッファに画像データの描画を行う。また、VDP154は、VRAM153の表示用フレームバッファから描画した画像データを読み出し、読み出した画像データに基づいて映像信号(RGB信号等)を生成し、演出表示装置31に出力するものである。
音制御回路155は、音声出力制御を行う音声CPU、ワークエリアとして機能する音声RAM、所定のプログラムおよび音声データが多数格納されている音声ROMを備えている。音制御回路155は、音声CPUにより、演出制御基板120から送信されたコマンドに基づいて、音声ROMから所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置32における音声出力制御を行う。
次に、図5〜図7を参照して、メインROM110bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
(大当たり判定テーブル)
図5(a−1)、図5(a−2)は、「大当たりの抽選」に用いられる大当り判定テーブルを示す図である。図5(a−1)は、第1特別図柄表示装置20において参照される大当り判定テーブルであり、図5(a−2)は、第2特別図柄表示装置21において参照される大当り判定テーブルである。図5(a−1)と図5(a−2)とのテーブルでは、小当たりの当選確率が相違しているものの、大当たり確率は同一である。
具体的には、大当り判定テーブルは、確率遊技状態と取得された特別図柄判定用乱数値に基づいて、「大当たり」か「小当たり」か「ハズレ」かを判定するものである。
例えば、図5(a−1)に示す第1特別図柄表示装置用の大当り判定テーブルによれば、低確率遊技状態であるときには、「7」、「8」という2個の特別図柄判定用乱数値が大当たりと判定される。一方、高確率遊技状態であるときには、「7」〜「26」の20個の特別図柄判定用乱数値が大当たりと判定される。
また、図5(a−1)に示す第1特別図柄表示装置用の大当り判定テーブルによれば、低確率遊技状態であっても高確率遊技状態であっても、特別図柄判定用乱数値が「50」、「100」、「150」、「200」の4個の特別図柄判定用乱数値であった場合に「小当たり」と判定される。なお、上記以外の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。
したがって、特別図柄判定用乱数値の乱数範囲が0〜598であるから、低確率遊技状態のときに大当たりと判定される確率は1/299.5であり、高確率遊技状態のときに大当たりと判定される確率は10倍アップして1/29.9である。また、第1特別図柄表示装置においては、小当たりと判定される確率は、低確率遊技状態であっても高確率遊技状態であっても1/149.75となる。
(当たり判定テーブル)
図5(b)は、「普通図柄の抽選」に用いられる当り判定テーブルを示す図である。
具体的には、当たり判定テーブルは、遊技状態と取得された普通図柄判定用乱数値に基づいて、「当たり」か「ハズレ」かを判定するものである。
例えば、図5(b)に示す当り判定テーブルによれば、非時短遊技状態であるときには、「0」という1個の普通図柄判定用乱数値が当たりと判定される。一方、時短遊技状態であるときには、「0」〜「65534」の65535個の普通図柄判定用乱数値が当たりと判定される。なお、上記以外の乱数値であった場合には、「ハズレ」と判定される。
したがって、普通図柄判定用乱数値の乱数範囲が0〜65535であるから、非時短遊技状態のときに当たりと判定される確率は1/65536であり、時短遊技状態のときに当たりと判定される確率は65535/65536=1/1.00002である。
(図柄決定テーブル)
図6は、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブルを示す図である。
図6(a)は、大当たりのときに停止図柄を決定するための図柄決定テーブルであり、図6(b)は、小当たりのときに停止図柄を決定するための図柄決定テーブルであり、図6(c)は、ハズレのときに停止図柄を決定するための図柄決定テーブルである。
具体的には、図柄決定テーブルによれば、特別図柄表示装置の種別(遊技球が入賞した始動口の種別)と、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したときに取得される大当たり図柄用乱数値または小当たり図柄用乱数値等とに基づいて、特別図柄の種類(停止図柄データ)が決定される。
例えば、第1特別図柄表示装置においては、大当たりのときには大当たり図柄用乱数値を参照し、大当たり図柄用乱数値が「55」であれば、停止図柄データとして「03」(特別図柄3(第1確変短当たり2))を決定する。また、第1特別図柄表示装置においては、小当たりのときには小当たり図柄用乱数値を参照し、小当たり図柄用乱数値が「50」であれば、停止図柄データとして「08」(特別図柄B(小当たりB))を決定する。さらに、ハズレのときには、いずれの乱数値も参照せずに、停止図柄データとして「00」(特別図柄0(ハズレ))を決定する。
なお、後述するように、特別図柄の種類(停止図柄データ)によって、大当たり終了後の遊技状態、大当たり態様が決定されることから、特別図柄の種類が大当たり終了後の遊技状態と大当たり態様を決定するものといえる。
(特別図柄の変動パターン決定テーブル)
図7は、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定テーブルを示す図である。
具体的には、図7に示す特別図柄の変動パターン決定テーブルによって、作動する特別図柄表示装置(遊技球が入賞した始動口の種別)、大当たりの判定結果、停止する特別図柄、時短遊技状態の有無、特別図柄保留数、リーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値に基づき、特別図柄の変動パターンが決定される。そして、決定した特別図柄の変動パターンに基づいて、特別図柄の変動時間が決定されるとともに、演出制御基板120に特別図柄の情報を送信する特別図柄の変動パターン指定コマンドが生成される。したがって、「特別図柄の変動パターン」とは、少なくとも大当たりの判定結果および特別図柄の変動時間を定めるものといえる。また、大当たりまたは小当たりのときには、必ずリーチを行うように構成しているため、大当たりまたは小当たりのときにはリーチ判定用乱数値を参照しないように構成されている。なお、リーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値は、乱数範囲が100個(0〜99)に設定されている。
また、この図7に示す特別図柄の変動パターン決定テーブルの特徴として、大当たりの判定結果がハズレの場合に時短遊技状態であるときには、特別図柄の変動時間が短くなりやすく設定されている。例えば、大当たりの判定結果がハズレの場合に保留球数が2のときには、時短遊技状態であればリーチ判定用乱数値に基づいて95%の確率で変動時間が5000msの変動パターン9(短縮変動)が決定されるが、非時短遊技状態であれば変動時間が5000msを超える変動パターンが決定される。このように、時短遊技状態になると変動時間が短くなるように設定されている。
(遊技状態の説明)
次に、遊技が進行する際の遊技状態について説明する。本実施形態においては、大当たりの抽選に関する状態として「低確率遊技状態」と「高確率遊技状態」とを有し、第2始動口15が有する一対の可動片15bに関する状態として「非時短遊技状態」と「時短遊技状態」とを有する。この大当たりの抽選に関する状態(低確率遊技状態、高確率遊技状態)と一対の可動片15bに関する状態(非時短遊技状態、時短遊技状態)とは、それぞれの状態を関連させることもでき、独立させることもできる。つまり、
(1)「低確率遊技状態」であって「時短遊技状態」である場合と、
(2)「低確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」である場合と、
(3)「高確率遊技状態」であって「時短遊技状態」である場合と、
(4)「高確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」である場合とを設けることが可能になる。
なお、遊技を開始したときの遊技状態、すなわち遊技機1の初期の遊技状態は、「低確率遊技状態」であって「非時短遊技状態」に設定されており、この遊技状態を本実施形態においては「通常遊技状態」と称することとする。
本実施形態において「低確率遊技状態」というのは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当たりの当選確率が1/299.5に設定された遊技状態をいう。これに対して「高確率遊技状態」というのは、上記大当たりの当選確率が1/29.95に設定された遊技状態をいう。したがって、「高確率遊技状態」では、「低確率遊技状態」よりも、大当たりに当選しやすいこととなる。なお、この高確率遊技状態のときには、後述する高確率遊技フラグがセットされており、低確率遊技状態のときには、高確率遊技フラグがオフになっている。
また、低確率遊技状態から高確率遊技状態に変更するのは、後述する大当たり遊技を終了した後である。
本実施形態において「非時短遊技状態」というのは、普通図柄ゲート13を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄の抽選において、その抽選結果に対応する普通図柄の変動時間が29秒と長く設定され、かつ、当たりに当選した際の第2始動口15の開放制御時間が0.2秒と短く設定された遊技状態をいう。つまり、普通図柄ゲート13を遊技球が通過すると、普通図柄の抽選が行われて、普通図柄表示装置22において普通図柄の変動表示が行われるが、普通図柄は変動表示が開始されてから29秒後に停止表示する。そして、抽選結果が当たりであった場合には、普通図柄の停止表示後に、第2始動口15が約0.2秒間、第2の態様に制御される。
これに対して「時短遊技状態」というのは、普通図柄ゲート13を遊技球が通過したことを条件として行われる普通図柄の抽選において、その抽選結果に対応する普通図柄の変動時間が3秒と、「非時短遊技状態」よりも短く設定され、かつ、当たりに当選した際の第2始動口15の開放制御時間が3.5秒と、「非時短遊技状態」よりも長く設定された遊技状態をいう。さらに、「非時短遊技状態」においては普通図柄の抽選において当たりに当選する確率が1/65536に設定され、「時短遊技状態」においては普通図柄の抽選において当たりに当選する確率が65535/65536に設定される。なお、この時短遊技状態のときには、後述する時短遊技フラグがセットされており、非時短遊技状態のときには、時短遊技フラグがオフになっている。
したがって、「時短遊技状態」においては、「非時短遊技状態」よりも、普通図柄ゲート13を遊技球が通過する限りにおいて、第2始動口15が第2の態様に制御されやすくなる。これにより、「時短遊技状態」では、遊技者が遊技球を消費せずに遊技を進行することが可能となる。
なお、普通図柄の抽選において当たりに当選する確率を「非時短遊技状態」および「時短遊技状態」のいずれの遊技状態であっても変わらないように設定してもよい。
(大当たりの種類の説明)
本実施形態においては、第1大入賞口16を長い開放時間で開放させる「長当たり」と第2大入賞口17を短い開放時間で開放させる「短当たり」との2種類の「大当たり」と、1種類の「小当たり」とが設けられている。なお、本実施形態においては、「大当たり」と上記「小当たり」とを総称して「特別遊技」という。
本実施形態において「長当たり」というのは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当りに当選し、長当たりに対応する特別図柄が決定されたときに実行される遊技をいう。
「長当たり」においては、第1大入賞口16が開放されるラウンド遊技を合計15回行う。各ラウンド遊技における第1大入賞口16の最大開放時間は最大29.5秒に設定されており、この間に第1大入賞口16に規定個数(9個)の遊技球が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。つまり、「長当たり」は、第1大入賞口16に遊技球が入球するとともに、当該入球に応じた賞球を遊技者が獲得できることから、多量の賞球を獲得可能な特別遊技である。
本実施形態において「短当たり」というのは、第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当りに当選し、短当たりに対応する特別図柄が決定されたときに実行される遊技をいう。
「短当たり」においては、第2大入賞口17が開放されるラウンド遊技を合計15回行う。各ラウンド遊技における第2大入賞口17の最大開放時間は、最大0.052秒に設定されており、1個の遊技球が発射される発射時間(約0.6秒)よりも短くなっている。この間に第2大入賞口17に規定個数(9個)の遊技球が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となるが、上記のとおり第2大入賞口17の開放時間が極めて短いため、遊技球が入球することはほとんどない。つまり、「短当たり」は、「長当たり」とは異なり、賞球の獲得が困難な特別遊技である。
本実施形態において「小当たり」というのは、第1始動口14もしくは第2始動口15に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、小当たり遊技を実行する権利を獲得した場合に実行される遊技をいう。
「小当たり」においても、上記「短当たり」と同様、第2大入賞口17が15回開放される。このときの第2大入賞口17の開放時間、開閉タイミング、開閉態様は、上記「短当たり」と同じか、または、遊技者が「小当たり」と「短当たり」との判別を不能もしくは困難な程度に近似するように設定している。
次に、遊技機1における遊技の進行について、フローチャートを用いて説明する。
(主制御基板のメイン処理)
図8を用いて、主制御基板110のメイン処理を説明する。
電源基板170により電源が供給されると、メインCPU110aにシステムリセットが発生し、メインCPU110aは、以下のメイン処理を行う。
まず、ステップS10において、メインCPU110aは、初期化処理を行う。この処理において、メインCPU110aは、電源投入に応じて、メインROM110bから起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM110cに記憶されるフラグなどを初期化する処理を行う。
ステップS20において、メインCPU110aは、特別図柄の変動態様(変動時間)を決定するためのリーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値の更新を行う演出用乱数値更新処理を行う。
ステップS30において、メインCPU110aは、特別図柄判定用初期乱数値、大当たり図柄用初期乱数値、小当たり図柄用初期値乱数値、普通図柄判定用初期乱数値の更新を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS20とステップS30との処理を繰り返し行う。
(主制御基板のタイマ割込処理)
図9を用いて、主制御基板110のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板110に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、以下に述べるタイマ割込処理が実行される。
まず、ステップS100において、メインCPU110aは、メインCPU110aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
ステップS110において、メインCPU110aは、特別図柄時間カウンタの更新処理、特別電動役物の開放時間等などの特別遊技タイマカウンタの更新処理、普通図柄時間カウンタの更新処理、普電開放時間カウンタの更新処理等の各種タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。具体的には、特別図柄時間カウンタ、特別遊技タイマカウンタ、普通図柄時間カウンタ、普電開放時間カウンタから1を減算する処理を行う。
ステップS120において、メインCPU110aは、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、普通図柄判定用乱数値の乱数更新処理を行う。
具体的には、それぞれの乱数値および乱数カウンタを+1加算して更新する。なお、加算した乱数カウンタが乱数範囲の最大値を超えた場合(乱数カウンタが1周した場合)には、乱数カウンタを0に戻し、その時の初期乱数値からそれぞれの乱数値を新たに更新する。
ステップS130において、メインCPU110aは、ステップS30と同様に、特別図柄判定用初期乱数値、大当たり図柄用初期乱数値、小当たり図柄用初期値乱数値、普通図柄判定用初期乱数値を更新する初期乱数値更新処理を行う。
ステップS200において、メインCPU110aは、入力制御処理を行う。
この処理において、メインCPU110aは、一般入賞口検出スイッチ12a、第1大入賞口検出スイッチ16a、第2大入賞口検出スイッチ17a、第1始動口検出スイッチ14a、第2始動口検出スイッチ15a、ゲート検出スイッチ13aの各種スイッチに入力があったか否か判定し、入力があった場合には所定のデータをセットする入力制御処理を行う。詳しくは、図10および図11を用いて後述する。
ステップS300において、メインCPU110aは、大当たりの抽選、特別電動役物、遊技状態の制御を行うための特図特電制御処理を行う。詳しくは、図12を用いて後述する。
本実施の形態においては、メインCPU110aが遊技データ取得手段および移行抽選手段を構成する。
ステップS400において、メインCPU110aは、普通図柄の抽選、普通電動役物の制御を行うための普図普電制御処理を行う。
具体的には、まず普通図柄保留数(G)記憶領域に1以上のデータがセットされているか否かを判定し、普通図柄保留数(G)記憶領域に1以上のデータがセットされていなければ、今回の普図普電制御処理を終了する。
普通図柄保留数(G)記憶領域に1以上のデータがセットされていれば、普通図柄保留数(G)記憶領域に記憶されている値から1を減算した後、普通図柄保留記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された普通図柄判定用乱数値を1つ前の記憶部にシフトさせる。また、普通図柄保留記憶領域には以下で述べる判定を行うための判定記憶領域(以下、第0記憶部という)を設け、上記のシフト処理によって第1記憶部に記憶された普通図柄判定用乱数値が第0記憶部に記憶される。このとき、既に第0記憶部に書き込まれていた普通図柄判定用乱数値は上書きされて消去されることとなる。
なお、以下で説明する特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値、変動パターン用乱数値等を記憶する記憶領域においても、当該遊技における遊戯用の判定を行う乱数値を記憶する判定記憶領域のことを、第0記憶部ということにする。
そして、図5(b)に示す当たり判定テーブルを参照し、普通図柄保留記憶領域の第0記憶部に記憶された普通図柄判定用乱数値が「当たり」に対応する乱数値であるかどうかの判定する処理を行う。その後、普通図柄表示装置22において普通図柄の変動表示を行って、普通図柄の変動時間が経過すると普通図柄の抽選の結果に対応する普通図柄の停止表示を行う。そして、参照した普通図柄判定用乱数値が「当たり」のものであれば、始動口開閉ソレノイド15cを駆動させ、第2始動口15を所定の開放時間、第2の態様に制御する。
ここで、非時短遊技状態であれば、普通図柄の変動時間を29秒に設定し、「当たり」であると第2始動口15を0.2秒間、第2の態様に制御する。これに対して、時短遊技状態であれば、普通図柄の変動時間を0.2秒に設定し、「当たり」であると第2始動口15を3.5秒間、第2の態様に制御する。
ステップS500において、メインCPU110aは、払出制御処理を行う。
この払出制御処理において、メインCPU110aは、ぞれぞれの賞球カウンタを参照し、各種入賞口に対応する払出個数指定コマンドを生成して、生成した払出個数指定コマンドを払出制御基板130に送信する。
ステップS600において、メインCPU110aは、外部情報データ、始動口開閉ソレノイドデータ、第1大入賞口開閉ソレノイドデータ、第2大入賞口開閉ソレノイドデータ、特別図柄表示装置データ、普通図柄表示装置データ、記憶数指定コマンドのデータ作成処理を行う。
ステップS700において、メインCPU110aは、出力制御処理を行う。この処理において、上記S600で作成した外部情報データ、始動口開閉ソレノイドデータ、第1大入賞口開閉ソレノイドデータ、第2大入賞口開閉ソレノイドデータの信号を出力させるポート出力処理を行う。
また、第1特別図柄表示装置20、第2特別図柄表示装置21および普通図柄表示装置22の各LEDを点灯させるために、上記S600で作成した特別図柄表示装置データと普通図柄表示装置データとを出力する表示装置出力処理を行う。
さらに、メインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされているコマンドを演出制御基板120に送信するコマンド送信処理も行う。なお、演出制御基板120に送信される各種コマンドの種別については、図14を用いて後述する。
ステップS800において、メインCPU110aは、ステップS100で退避した情報をメインCPU110aのレジスタに復帰させる。
(主制御基板の入力制御処理)
図10を用いて、主制御基板110の入力制御処理を説明する。
ステップS210において、メインCPU110aは、一般入賞口検出スイッチ入力処理を行う。
この一般入賞口検出スイッチ入力処理では、一般入賞口検出スイッチ12aから検出信号を入力したか否かの判定を行う。一般入賞口検出スイッチ12aから検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移す。
一般入賞口検出スイッチ12aから検出信号を入力した場合には、一般入賞口用の賞球カウンタに所定のデータを加算して更新した後、次のステップに処理を移す。
ステップS220において、メインCPU110aは、大入賞口検出スイッチ入力処理を行う。
この大入賞口検出スイッチ入力処理では、第1大入賞口検出スイッチ16aまたは第2大入賞口検出スイッチ17aから検出信号を入力したか否かの判定を行う。第1大入賞口検出スイッチ16aまたは第2大入賞口検出スイッチ17aから検出信号の入力がなければ、そのまま次のステップに処理を移す。
第1大入賞口検出スイッチ16aまたは第2大入賞口検出スイッチ17aから検出信号を入力した場合には、大入賞口用の賞球カウンタに所定のデータを加算して更新するとともに、第1大入賞口16または第2大入賞口17に入賞した遊技球を計数するための大入賞口入球数(C)記憶領域に1を加算して更新した後、次のステップに処理を移す。
ステップS230において、メインCPU110aは、第1始動口検出スイッチ入力処理を行う。
メインCPU110aは、第1始動口検出スイッチ14aから検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第1始動口14に入賞したか否かを判定して、大当たりの判定等を行うための所定のデータをセットする。詳しくは図11を用いて後述する。
ステップS240において、メインCPU110aは、第2始動口検出スイッチ入力処理を行う。
メインCPU110aは、第2始動口検出スイッチ15aから検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が第2始動口15に入賞したか否かを判定して、大当たりの判定等を行うための所定のデータをセットする。また、第2始動口検出スイッチ入力処理は、後述する図11の第1始動口検出スイッチ入力処理と比較すると、データを記憶する領域が第1特別図柄乱数値記憶領域と第2特別図柄乱数値記憶領域とで相違するものの、同様の処理を行う。このため、第2始動口検出スイッチ入力処理についての説明は省略する。
ステップS250において、メインCPU110aは、ゲート検出スイッチ入力処理を行う。
このゲート検出スイッチ入力処理は、ゲート検出スイッチ13aから検出信号を入力したか否かの判定を行う。ゲート検出スイッチ13aから検出信号の入力がなければ、入力制御処理を終了する。
ゲート検出スイッチ13aから検出信号を入力した場合には、ゲート通過指定コマンドを生成し、生成したゲート通過指定コマンドをメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットする。次に、普通図柄保留数(G)記憶領域にセットされているデータが4未満であれば、普通図柄保留数(G)記憶領域に1を加算し、普通図柄判定用乱数値を取得して、取得した普通図柄判定用乱数値を普通図柄保留記憶領域にある所定の記憶部(第0記憶部〜第4記憶部)に記憶した後、入力制御処理を終了する。
(第1始動口検出スイッチ入力処理)
図11を用いて第1始動口検出スイッチ入力処理を説明する。
ステップS271において、メインCPU110aは、第1始動口検出スイッチ14aから検出信号を入力したか否かを判断する。
第1始動口検出スイッチ14aから検出信号を入力した場合には、ステップS272に処理を移し、第1始動口検出スイッチ14aから検出信号を入力しなかった場合には、第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
ステップS272において、メインCPU110aは、第1始動口用の賞球カウンタに所定のデータを加算する。
ステップS273において、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域にセットされているデータが4未満であると判定した場合には、ステップS274に処理を移す。第1特別図柄保留数(U1)記憶領域にセットされているデータが4以上であると判定した場合には、ステップS281に処理を移す。
ステップS274において、メインCPU110aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域にセットされているデータに「1」を加算して記憶する。
ステップS275において、メインCPU110aは、特別図柄判定用乱数値を取得して、取得した特別図柄判定用乱数値を第1特別図柄乱数値記憶領域における特別図柄乱数値記憶領域の第1記憶部から第4記憶部の順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に取得した特別図柄判定用乱数値を記憶する。
なお、上記第1特別図柄乱数値記憶領域における特別図柄乱数値記憶領域には、第0記憶部から第4記憶部の記憶領域が設けられており、上述したように第0記憶部とは、当該遊技における遊技用の判定を行う乱数値を記憶する判定記憶領域のこととする。また、第1特別図柄乱数値記憶領域には、大当たり図柄乱数値記憶領域、小当たり図柄乱数値記憶領域、リーチ乱数値記憶領域、変動パターン用乱数値記憶領域等を有し、各記憶領域においても、上記第0記憶部から第4記憶部が設けられているものとする。
ステップS276において、メインCPU110aは、大当たり図柄用乱数値を取得して、取得した大当たり図柄用乱数値を第1特別図柄乱数値記憶領域における大当たり図柄乱数値記憶領域の第1記憶部から第4記憶部の順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に取得した大当たり図柄用乱数値を記憶する。
ステップS277において、メインCPU110aは、小当たり図柄用乱数値を取得して、取得した小当たり図柄用乱数値を第1特別図柄乱数値記憶領域における小当たり図柄用乱数値記憶領域の第1記憶部から第4記憶部の順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に取得した小当たり図柄用乱数値を記憶する。
ステップS278において、メインCPU110aは、演出用乱数値として、リーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値を取得して、取得したリーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値を、第1特別図柄乱数値記憶領域におけるリーチ乱数値記憶領域および特図変動用乱数値記憶領域の第1記憶部から第4記憶部の順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に取得したリーチ判定用乱数値および特図変動用乱数値を記憶する。
以上より、第1特別図柄乱数値記憶領域の所定の記憶部には、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値、および、特図変動用乱数値が記憶されたことになる。
ステップS279において、メインCPU110aは、事前判定処理を行う。事前判定処理とは、メインCPU110aが図7に示す特別図柄の変動パターン決定テーブルを参照して、特別図柄表示装置として第1特別図柄表示装置を選択(第2始動口検出スイッチ入力処理においては、第2特別図柄表示装置を選択)し、今回取得した特別図柄判定用乱数値に基づき図5(a−1)(第2始動口検出スイッチ入力処理においては、図5(a−2))に示す大当たり判定テーブルを参照して決定された抽選の当落、今回取得した大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値に基づき図6(a)から図6(c)に示す図柄決定テーブルを参照して決定された特別図柄の種別、遊技状態、保留球数(第1特別図柄保留数記憶領域、第2始動口検出スイッチ入力処理においては、第2特別図柄保留数記憶領域にセットされている値)、リーチ判定用乱数値、および、特図変動用乱数値、に基づき特別図柄の変動パターンを事前に仮決定する処理である。
ステップS280において、メインCPU110aは、上記ステップS279の事前判定処理の結果に基づき決定される始動入賞指定コマンドを、演出制御基板120に送信するために、メインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットし、第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。なお、始動入賞指定コマンドについては、図14を用いて後述する。
一方、ステップS281において、メインCPU110aは、演出制御基板120に送信するために、オーバーフロー用の始動入賞指定コマンドをメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットし、第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
なお、オーバーフローとは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に4がセットされている時に第1始動口14に遊技球が入球した場合、または、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に4がセットされている時に第2始動口15に遊技球が入球した場合である。
なお、演出制御基板120におけるサブCPU120aは、上述の始動入賞指定コマンドを受信すると、始動入賞指定コマンドを解析して、今回の第1始動口への遊技球の入賞を契機とした特別図柄の変動が開始される前から、事前に所定の演出を行うことができる。
(主制御基板の特図特電制御処理)
図12を用いて、主制御基板110の特図特電制御処理を説明する。
まず、ステップS301において特図特電処理データの値をロードし、ステップS302においてロードした特図特電処理データから分岐アドレスを参照し、特図特電処理データ=0であれば特別図柄記憶判定処理(ステップS310)に処理を移し、特図特電処理データ=1であれば特別図柄変動処理(ステップS320)に処理を移し、特図特電処理データ=2であれば特別図柄停止処理(ステップS330)に処理を移し、特図特電処理データ=3であれば大当たり遊技処理(ステップS340)に処理を移し、特図特電処理データ=4であれば大当り遊技終了処理(ステップS350)に処理を移し、特図特電処理データ=5であれば小当り遊技終了処理(ステップS360)に処理を移す。
この「特図特電処理データ」は、後述するように特図特電制御処理の各サブルーチンの中で必要に応じてセットされていくので、その遊技において必要なサブルーチンが適宜処理されていくことになる。
ステップS310の特別図柄記憶判定処理においては、メインCPU110aは、大当たりの判定、停止表示する特別図柄の決定をする処理を行う。ここで、一旦図12の説明から図13を用いて、特別図柄記憶判定処理の具体的な内容を説明する。
(主制御基板の特別図柄記憶判定処理)
図13は、主制御基板110の特別図柄記憶判定処理を示す図である。
ステップS370において、メインCPU110aは、特別図柄が変動表示中であるか否かを判定する。ここで、特別図柄が変動表示中であれば、特別図柄記憶判定処理を終了し、変動表示中でなければステップS371に処理を移す。
ステップS371において、メインCPU110aは、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている値が1以上であるか否かを判定する。メインCPU110aは、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている値が1以上であると判定した場合には、ステップS372に処理を移し、1未満である場合には、ステップS373に処理を移す。
ステップS372において、メインCPU110aは、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている値から「1」を減算した後に記憶し、ステップS375に処理を移す。
一方、ステップS373において、メインCPU110aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている値が1以上であるか否かを判定する。メインCPU110aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている値が1以上であると判定した場合には、ステップS374に処理を移し、1未満である場合には、ステップS384に処理を移す。
ステップS374において、メインCPU110aは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている値から「1」を減算した後に記憶し、ステップS375に処理を移す。
ステップS375において、メインCPU110aは、第1特別図柄乱数値記憶領域または第2特別図柄乱数値記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行う。具体的には、メインCPU110aは、第1特別図柄乱数値記憶領域または第2特別図柄乱数値記憶領域にある第1記憶部から第4記憶部に記憶された各データを1つ前の記憶部にシフトさせる。
ここで、第1記憶部に記憶されているデータは、第0記憶部にシフトさせる。このとき、第1記憶部に記憶されているデータは、第0記憶部に書き込まれるとともに、既に第0記憶部に記憶されていたデータは前述の上書きにより消去される。これにより、前回の遊技で用いた特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、小当たり図柄用乱数値、リーチ判定用乱数値、変動パターン用乱数値が消去される。
ステップS376において、メインCPU110aは、大当たり判定処理を行う。
具体的には、メインCPU110aは、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1以上のデータがセットされている場合には、図5(a−2)に示す大当たり判定テーブルを参照して、第2特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶された特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか、「小当たり」に対応する乱数値であるかの判定を行う。
また、メインCPU110aは、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に1以上のデータがセットされておらず、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に1以上のデータがセットされている場合には、図5(a−1)に示す大当たり判定テーブルを参照して、第1特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶された特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか、「小当たり」に対応する乱数値であるかの判定を行う。
ステップS377において、メインCPU110aは、変動パターン決定処理を行う。
メインCPU110aは、変動パターン決定処理では、上記ステップS376において「大当たり」と判定された場合には、図6(a)に示す図柄決定テーブルを参照して、第1特別図柄乱数値記憶領域または第2特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶された大当たり図柄用乱数値に基づいて大当たり図柄(特別図柄1〜特別図柄6)を決定する。また、上記ステップS376において「小当たり」と判定された場合には、図6(b)に示す図柄決定テーブルを参照して、第1特別図柄乱数値記憶領域または第2特別図柄乱数値記憶領域の第0記憶部に記憶された小当たり図柄用乱数値に基づいて小当たり図柄(特別図柄A、特別図柄B)を決定する。また、上記ステップS376において「ハズレ」と判定された場合には、図6(c)に示す図柄決定テーブルを参照して、ハズレ図柄(特別図柄0)を決定する。
そして、メインCPU110aは、決定した特別図柄に対応する停止図柄データを停止図柄データ記憶領域に記憶する。
そして、メインCPU110aは、図7の特別図柄の変動パターン決定テーブルを参照し、大当たりの判定結果、特別図柄の種類、時短遊技状態の有無、保留球数、リーチ判定用乱数値、および、特別図柄の変動パターン用乱数値に基づき特別図柄の変動パターンおよび変動時間を決定する。
ステップS378において、メインCPU110aは、ステップS377で決定した変動パターン指定コマンドをメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットする。主制御基板110から演出制御基板120に送信されるコマンドの種別の詳細については、図14を用いて後述する。
ステップS379において、メインCPU110aは、変動開始の遊技状態を確認し、現在の遊技状態に対応する遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS380において、メインCPU110aは、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に特別図柄の変動表示(LEDの点滅)を行わせるための変動表示データを所定の処理領域にセットする。これにより、所定の処理領域に変動表示データがセットされていると、前述の図9におけるステップS600でLEDの点灯または消灯のデータが適宜作成され、作成されたデータがステップS700において出力されることで、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21の変動表示が行われる。
ステップS381において、メインCPU110aは、ステップS377で既に決定した特別図柄の変動時間のセットを行う。具体的には、メインCPU110aは、決定された特別図柄の変動時間に対応するカウンタを特別図柄時間カウンタにセットする処理を行う。
ステップS382において、メインCPU110aは、デモ判定フラグに00Hをセットする。すなわち、デモ判定フラグをクリアする。
ステップS383において、メインCPU110aは、特図特電処理データ=1にセットして、特別図柄変動処理のサブルーチンに移す準備を行い、特別図柄記憶判定処理を終了する。
一方、ステップS384において、メインCPU110aは、デモ判定フラグに01Hがセットされているか否かを判定する。メインCPU110aは、デモ判定フラグに01Hがセットされている場合には、特別図柄記憶判定処理を終了し、デモ判定フラグに01Hがセットされていない場合には、ステップS385に処理を移す。
ステップS385において、メインCPU110aは、後述するステップS386でデモ指定コマンドを何度もセットすることがないように、デモ判定フラグに01Hをセットする。
ステップS386において、メインCPU110aは、デモ指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットし、特別図柄記憶判定処理を終了する。
再び、図12に示す特図特電制御処理について説明を戻すことにする。
ステップS320の特別図柄変動処理においては、メインCPU110aは、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定する処理を行う。
具体的には、メインCPU110aは、上記ステップS377で決定された特別図柄の変動時間が経過した(特別図柄時間カウンタ=0)か否かを判定し、変動時間が経過していないと判定した場合には、特図特電処理データ=1を保持したまま、今回の特別図柄変動処理を終了する。なお、上記ステップS377で決定された特別図柄の変動時間は、上記ステップS381で特別図柄の変動時間に対応する特別図柄時間カウンタとしてセットされ、この特別図柄時間カウンタは、上記ステップS110において減算処理されていく。
メインCPU110aは、変動時間が経過したと判定すれば、上記ステップS377で決定された特別図柄を第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に停止表示させる。これにより、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に特別図柄が停止表示され、遊技者に大当たりの判定結果が報知されることとなる。
また、メインCPU110aは、時短回数>0のときには時短回数カウンタから1を減算して更新し、時短回数=0となれば、時短遊技フラグをクリアし、高確率遊技回数>0のときには高確率遊技回数カウンタから1を減算して更新し、高確率遊技回数=0となれば、高確率遊技フラグをクリアする。
最後に、メインCPU110aは、特図特電処理データ=1から特図特電処理データ=2にセットして、特別図柄停止処理のサブルーチンに移す準備を行い、特別図柄変動処理を終了する。
ステップS330の特別図柄停止処理においては、メインCPU110aは、停止表示された特別図柄が「大当たり図柄」であるか、「小当たり図柄」であるか、「ハズレ図柄」であるかを判定する処理を行う。
そして、大当たり図柄と判定された場合には、メインCPU110aは、遊技状態記憶領域に記憶されているデータをクリアするとともに、特図特電処理データ=2から特図特電処理データ=3にセットして、大当たり遊技処理のサブルーチンに移す準備を行い、特別図柄停止処理を終了する。
また、小当たり図柄と判定された場合には、メインCPU110aは、遊技状態記憶領域に記憶されているデータはクリアせずに、特図特電処理データ=2から特図特電処理データ=5にセットして、小当たり遊技処理のサブルーチンに移す準備を行い、特別図柄停止処理を終了する。
一方、ハズレ図柄と判定された場合には、メインCPU110aは、特図特電処理データ=2から特図特電処理データ=0にセットして、特別図柄記憶判定処理のサブルーチンに移す準備を行い、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS340の大当たり遊技処理においては、メインCPU110aは、上記長当たりまたは短当たりのいずれの大当たりを実行させるかを決定し、決定した大当たりを制御する処理を行う。
具体的には、メインCPU110aは、上記ステップS377で決定された大当たり図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、大当たりの開放態様を決定する。
次に、メインCPU110aは、決定した大当たりの開放態様を実行させるために、大当たりの種類に応じた開放時間を特別遊技タイマカウンタにセットするとともに、第1大入賞口開閉ソレノイド16c(または第2大入賞口開閉ソレノイド17c)の駆動データを出力して第1大入賞口開閉扉16b(または第2大入賞口開閉扉17b)を開放させる。このとき、メインCPU110aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域に1を加算する。
メインCPU110aは、この開放中に規定個数の遊技球が入球するか、大入賞口の開放時間が経過すると(大入賞口入球数(C)=9または特別遊技タイマカウンタ=0である)と、第1大入賞口開閉ソレノイド16c(または第2大入賞口開閉ソレノイド17c)の駆動データの出力を停止して第1大入賞口開閉扉16b(または第2大入賞口開閉扉17b)を閉鎖させる。これにより、1回のラウンド遊技が終了する。メインCPU110aは、このラウンド遊技の制御を繰り返し15回行う。
15回のラウンド遊技が終了すると(ラウンド遊技回数(R)=15)、メインCPU110aは、ラウンド遊技回数(R)記憶領域および大入賞口入球数(C)記憶領域に記憶されているデータをクリアするとともに、特図特電処理データ=3から特図特電処理データ=4にセットして、大当り遊技終了処理のサブルーチンに移す準備を行い、大当たり遊技処理を終了する。
ステップS350の大当り遊技終了処理においては、メインCPU110aは、高確率遊技状態または低確率遊技状態のいずれかの確率遊技状態を決定するとともに、時短遊技状態または非時短遊技状態のいずれかの遊技状態を決定する処理を行う。
具体的には、メインCPU110aは、上記ステップS376で決定された大当たり図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、高確率遊技フラグの設定、高確率遊技回数の設定、時短遊技フラグの設定、時短回数の設定が行われる。
その後、メインCPU110aは、特図特電処理データ=4から特図特電処理データ=0にセットして、特別図柄記憶判定処理のサブルーチンに移す準備を行い、大当り遊技終了処理を終了する。
ステップS360の小当たり遊技処理においては、メインCPU110aは、上記ステップS376で決定された小当たり図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、小当たりの開放態様を決定する。
次に、メインCPU110aは、決定した小当たりの開放態様を実行させるために、小当たりの開放時間を特別遊技タイマカウンタにセットするとともに、第2大入賞口開閉ソレノイド17cの駆動データを出力して第2大入賞口開閉扉17bを開放させる。このとき、メインCPU110aは開放回数(K)記憶領域に1を加算する。
小当たりの開放時間が経過する(特別遊技タイマカウンタ=0)と、メインCPU110aは、第2大入賞口開閉ソレノイド17cの駆動データの出力を停止して第2大入賞口開閉扉17bを閉鎖させる。この第2大入賞口開閉扉17bの開閉制御を繰り返し15回行う。
そして、第2大入賞口開閉扉17bの開閉制御が15回行われるか、第2大入賞口17に規定個数の遊技球が入球する(開放回数(K)=15または大入賞口入球数(C)=9である)と、メインCPU110aは、小当たり遊技を終了させるため、第2大入賞口開閉ソレノイド17cの駆動データの出力を停止させ、開放回数(K)記憶領域および大入賞口入球数(C)記憶領域に記憶されているデータをクリアするとともに、特図特電処理データ=5から特図特電処理データ=0にセットして、特別図柄記憶判定処理のサブルーチンに移す準備を行い、小当たり遊技処理を終了する。
(コマンドの説明)
上述の主制御基板110におけるフローチャートでは説明を省略した主制御基板110から演出制御基板120に送信されるコマンドの種別について、図14を用いて説明する。
主制御基板110から演出制御基板120に送信されるコマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEの情報と、実行される制御コマンドの内容を示す1バイトのDATAの情報とから構成されている。
「演出図柄指定コマンド」は、停止表示される特別図柄の種別を示すものであり、「MODE」が「E0H」で設定され、特別図柄の種別に合わせてDATAの情報が設定されている。なお、特別図柄の種別が結果的に大当たりの種別や高確率遊技状態を決定するものであるから、演出図柄指定コマンドは、大当たりの種別や、遊技状態を示すものともいえる。
この演出図柄指定コマンドは、各種の特別図柄が決定され、特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS376において各種の特別図柄が決定され、上記ステップS380において特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄に対応する演出図柄指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている演出図柄指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「第1特別図柄記憶指定コマンド」は、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている保留記憶数を示すものであり、「MODE」が「E1H」で設定され、保留記憶数に合わせてDATAの情報が設定されている。
この第1特別図柄記憶指定コマンドは、第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている保留記憶数が切り替わるときに、保留記憶数に対応する第1特別図柄記憶指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS230または上記ステップS374において第1特別図柄保留数(U1)記憶領域に記憶されている値が増減したときに、増減後の保留記憶数に対応する第1特別図柄記憶指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている第1特別図柄記憶指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「第2特別図柄記憶指定コマンド」は、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている保留記憶数を示すものであり、「MODE」が「E2H」で設定され、保留記憶数に合わせてDATAの情報が設定されている。
この第2特別図柄記憶指定コマンドは、第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている保留記憶数が切り替わるときに、保留記憶数に対応する第2特別図柄記憶指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS240または上記ステップS372において第2特別図柄保留数(U2)記憶領域に記憶されている値が増減したときに、増減後の保留記憶数に対応する第2特別図柄記憶指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている第2特別図柄記憶指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
なお、本実施形態では、「第1特別図柄記憶指定コマンド」と「第2特別図柄記憶指定コマンド」とをまとめて「特別図柄記憶指定コマンド」という。
「図柄確定コマンド」は、特別図柄が停止表示されていることを示すものであり、「MODE」が「E3H」で設定され、「DATA」が「00H」に設定されている。
この図柄確定コマンドは、特別図柄が停止表示されているときに演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS320において特別図柄を第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に停止表示させるときに、図柄確定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている図柄確定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「電源投入時指定コマンド」は、遊技機1の電源が投入されたことを示すものであり、「MODE」が「E4H」で設定され、「DATA」が「00H」に設定されている。
この電源投入時指定コマンドは、遊技機1の電源が投入されたときに演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS10において遊技機の電源が投入されたときに、電源投入時指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている電源投入時指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「RAMクリア指定コマンド」は、メインRAM110cに記憶された情報がクリアされたことを示すものであり、「MODE」が「E4H」で設定され、「DATA」が「01H」に設定されている。
ここで、遊技機1の裏側には図示しないRAMクリアボタンが設けられており、RAMクリアボタンを押圧しながら、遊技機1の電源を投入すると、上記ステップS10においてメインRAM110cに記憶された情報がクリアされる。
そして、RAMクリア指定コマンドは、RAMクリアボタンを押圧しながら遊技機1の電源が投入されたときに演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS10においてRAMクリアボタンを押圧しながら遊技機の電源が投入されたときに、RAMクリア指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされているRAMクリア指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「デモ指定コマンド」は、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21が作動していないことを示すものであり、「MODE」が「E5H」で設定され、「DATA」が「00H」に設定されている。
このデモ指定コマンドは、第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21の特別図柄の保留記憶がないときに、演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS385において第1特別図柄保留数(U1)記憶領域および第2特別図柄保留数(U2)記憶領域のいずれの記憶領域にも1以上のデータがセットされていないときに、デモ指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされているデモ指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「第1特別図柄用変動パターン指定コマンド」は、第1特別図柄表示装置20における特別図柄の変動時間(変動態様)を示すものであり、「MODE」が「E6H」で設定され、各種の変動パターンに合わせてDATAの情報が設定されている。
この第1特別図柄用変動パターン指定コマンドは、第1特別図柄表示装置20の特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄の変動パターンに対応する第1特別図柄用変動パターン指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS377において特別図柄の変動パターンが決定され、上記ステップS380において特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄の変動パターンに対応する第1特別図柄用変動パターン指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている第1特別図柄用変動パターン指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「第2特別図柄用変動パターン指定コマンド」は、第2特別図柄表示装置21における特別図柄の変動時間(変動態様)を示すものであり、「MODE」が「E7H」で設定され、各種の変動パターンに合わせてDATAの情報が設定されている。
この第2特別図柄用変動パターン指定コマンドは、第2特別図柄表示装置21の特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄の変動パターンに対応する第2特別図柄用変動パターン指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS377において特別図柄の変動パターンが決定され、上記ステップS380において特別図柄の変動表示が開始されるときに、決定された特別図柄の変動パターンに対応する第2特別図柄用変動パターン指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている第2特別図柄用変動パターン指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
なお、本実施形態では、「第1特別図柄用変動パターン指定コマンド」と「第2特別図柄用変動パターン指定コマンド」とをまとめて、「変動パターン指定コマンド」という。
「始動入賞指定コマンド」は、前述の第1始動口14または第2始動口15への遊技球の入球を契機に行われる事前判定処理により決定されるコマンドである。始動入賞指定コマンドにおける「MODE」は、「E8H」または「E9H」で設定され、「DATA」は事前判定処理によって決定された「大当たりの種別」や「リーチ演出の有無」等によって設定されている。なお、前述のオーバーフローの場合には、始動入賞指定コマンドは、「DATA」に「FFH」が設定されるコマンドになる。
この始動入賞指定コマンドは、第1始動口14または第2始動口15への遊技球の入球があるとメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている始動入賞指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
演出制御基板120は、受信した始動入賞指定コマンドにより、大当たりの種別やリーチ演出の有無を、当該始動口への入賞による演出図柄36の変動表示が行われる前に判別できることになる。
「大入賞口開放指定コマンド」は、各種大当りの種別に合わせた大当たりのラウンド数を示すものであり、「MODE」が「EAH」で設定され、大当たりのラウンド数に合わせてDATAの情報が設定されている。
この大入賞口開放指定コマンドは、大当りラウンドが開始されるときに、開始されたラウンド数に対応する大入賞口開放指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS340において第1大入賞口開閉扉16b(または第2大入賞口開閉扉17b)を開放させるときに、開放させるときのラウンド数に対応する大入賞口開放指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている大入賞口開放指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「オープニング指定コマンド」は、各種の大当りが開始することを示すものであり、「MODE」が「EBH」で設定され、大当たりの種別に合わせてDATAの情報が設定されている。
このオープニング指定コマンドは、各種の大当りが開始するときに、大当たりの種別に対応するオープニング指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS340の大当たり遊技処理の開始のときに、大当たりの種別に対応するオープニング指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされているオープニング指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「エンディング指定コマンド」は、各種の大当りが終了したことを示すものであり、「MODE」が「ECH」で設定され、大当たりの種別に合わせてDATAの情報が設定されている。
このエンディング指定コマンドは、各種の大当りが終了するときに、大当たりの種別に対応するエンディング指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS350の大当り遊技終了処理の開始のときに、大当たりの種別に対応するエンディング指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされているエンディング指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
「遊技状態指定コマンド」は、時短遊技状態であるか非時短遊技状態であるかを示すものであり、「MODE」が「EEH」で設定され、非時短遊技状態であれば「DATA」が「00H」に設定され、時短遊技状態であれば「DATA」が「01H」に設定されている。
この遊技状態指定コマンドは、特別図柄の変動表示が開始されるときと、特別図柄が停止表示されているときに、遊技状態に対応する遊技状態指定コマンドが演出制御基板120に送信される。具体的には、上記ステップS380において特別図柄の変動表示が開始されるときと、上記ステップS320において特別図柄を第1特別図柄表示装置20または第2特別図柄表示装置21に停止表示させるときに、現在の遊技状態に対応する遊技状態指定コマンドがメインRAM110cの演出用伝送データ格納領域にセットされる。その後、すぐさま上記ステップS700において演出用伝送データ格納領域にセットされている遊技状態指定コマンドが演出制御基板120に送信されることになる。
次に、図15を参照して、サブROM120bに記憶されている変動演出パターン決定テーブルの詳細について説明する。
(変動演出パターン決定テーブル)
図15は、演出表示装置31等においての演出図柄36の変動態様を決定するための変動演出パターン決定テーブルを示す図である。
サブCPU120aは、主制御基板110から受信した特別図柄の変動パターン指定コマンドおよび演出用乱数値1に基づいて、変動演出パターンを決定する。ここで、同じ特別図柄の変動パターン指定コマンドであっても演出用乱数値1に基づいて、異なる変動演出パターンが決定可能に構成されていることから、特別図柄の変動パターン指定コマンドの数を減少させて、主制御基板110における記憶容量の削減を図っている。
なお、「変動演出パターン」とは、特別図柄の変動中に行われる演出手段(演出表示装置31、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34)における具体的な演出態様をいう。例えば、演出表示装置31においては、変動演出パターンによって表示される背景の表示態様、キャラクタの表示態様、演出図柄36の変動態様が決定される。
また、本実施形態でいう「リーチ」とは、特別遊技に移行することを報知する演出図柄36の組み合わせの一部が停止表示され、他の演出図柄36が変動表示を行っている状態をいう。例えば、大当たり遊技に移行することを報知する停止表示の組み合わせが演出図柄「7」が3カ所に停止表示した場合であると設定されている場合に、演出図柄「7」が2カ所で停止表示され、残りの演出図柄36が変動表示を行っている状態をいう。
サブCPU120aは、変動演出パターンを決定すると、決定した変動演出パターンに対応する演出パターン指定コマンドを画像制御基板150の画像CPU150aに送信する。
具体的には、演出パターン指定コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEデータと、実行される制御コマンドの内容を示す1バイトのDATAデータとから構成される。また、変動演出パターンに対応する演出パターン指定コマンドとしては、第1特別図柄表示装置20における特別図柄の変動パターンに基づく変動演出パターンのときには、「MODE」が「A1H」で設定され、第2特別図柄表示装置21における特別図柄の変動パターンに基づく変動演出パターンのときには、「MODE」が「B1H」で設定され、変動演出パターンの識別番号に合わせて「DATA」が設定される。
図示は省略するが、演出パターン指定コマンドは、変動演出パターンに対応するもの以外にも、MODEの設定値を変化させて、「デモ演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド(MODE=01H)」、「当たり開始演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド(MODE=02H)」、「大当り演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド(MODE=03H)」、「当たり終了演出パターンに対応する演出パターン指定コマンド(MODE=04H)」等の各種の演出パターン指定コマンドを画像制御基板150に送信する。
次に、図16を参照して、サブROM120bに記憶されている保留演出パターン決定テーブルについて説明する。
(保留演出パターン決定テーブル)
図16は、サブROM120bに記憶されており、後述する保留演出を行うために用いる各種データを決定するための保留演出パターン決定テーブルを示す図である。
サブCPU120aは、主制御基板110から受信した始動入賞指定コマンドおよび演出用乱数値2に基づいて、保留演出パターンを決定する。ここで同じ始動入賞指定コマンドであっても演出用乱数値2に基づいて、異なる保留演出パターンが決定可能に構成されていることから、始動入賞指定コマンドの数を減少させて、主制御基板110における記憶容量の削減を図っている。
サブCPU120aは保留演出パターンを決定すると、その保留演出パターンに基づく演出表示に対応した演出パターン指定コマンドを画像制御基板150のCPU150aに送信する。
保留演出における演出パターン指定コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEデータと、実行される制御コマンドの内容を示す1バイトのDATAデータとから構成される。また、保留演出における演出パターン指定コマンドは、第1始動口14への遊技球の入球に基づく保留演出では、「MODE」が「A5H」で設定され、第2始動口15への遊技球の入球に基づく保留演出では、「MODE」が「B5H」で設定される。また、保留演出で用いる保留演出パターンの種別に合わせて「DATA」が設定される。詳細は、図20から図23を用いて後述する。
次に、図17を用いて、保留演出および保留継承演出について説明する。
図17は、演出表示装置31に表示される保留演出および保留継承演出の画面例である。
(保留演出)
保留演出とは、演出図柄36が変動表示中に第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球した場合、その入球による演出図柄36の変動表示が保留状態であることを、保留時岩画像41の表示によって遊技者に示唆する演出である。
なお、以下では、第1始動口14への遊技球の入球に対する保留時岩画像41の表示態様について説明するが、第2始動口15への遊技球の入球に対する保留時岩画像41についても、同様の表示態様となる。また、第2始動口15への遊技球の入球に対する保留時岩画像41は、第1始動口14についての保留時岩画像41が表示される領域とは、異なる領域に表示される。
図17に示す画面例においては、保留時岩画像41は、画面上部の左側に2つ表示されている。ここで、第1始動口14への遊技球の1回の入球に対して1つの保留が発生し、1つの保留に対して保留時岩画像41が1つ表示される。したがって、2つの保留時岩画像41の表示により、第1始動口14への遊技球の入球に基づく変動表示の保留が、2つ記憶されていることを示している。
新たな変動表示が開始され、第1始動口14への遊技球の入球に対する演出図柄36の変動表示の保留が1つ解除されると、表示される保留時岩画像41の個数は1つ減少する。この場合において既に表示されている保留時岩画像41が複数ある場合には、一番左側に表示されていた保留時岩画像41は表示されなくなり、残りの保留時岩画像41が1つずつ左側にシフトされて表示される。
なお、上述の変動表示の保留とは、演出図柄36の変動表示中に第1始動口14または第2始動口15に遊技球が入球して、即座に演出図柄36の変動表示が行えない場合に、その遊技球の入球に基づく演出図柄36の変動表示の開始を待機させることである。また、変動表示の保留解除とは、その待機された演出図柄36の変動表示を開始することをいう。
また、変動表示の保留が解除される前に第1始動口14に遊技球が入球した場合には、表示される保留時岩画像41は1つ増加する。
この場合には、増加する保留時岩画像41は、既に表示されている最も右側の保留時岩画像41のさらに右側の所定の位置に表示される。なお、本実施の形態においては、第1始動口14への入球に対して、保留される変動表示の最大個数は4個であるため、既に4個の保留時岩画像41が表示されている場合に、新たな遊技球の入球がある場合には前述のオーバーフローとなり、その新たな遊技球の入球についての保留時岩画像41は表示されない。
本実施の形態においては、第1始動口14への遊技球の入球に対して表示される保留時岩画像41の上限の個数と、第2始動口15への遊技球の入球に対して表示される保留時岩画像41の上限の個数はそれぞれ4個であり、演出表示装置31上には最大で8個の保留時岩画像41が表示されることになる。
(保留継承演出)
保留継承演出とは、演出図柄36の変動表示の保留解除とともに開始される演出であり、所定の条件を満たした場合に行われる演出である。所定の条件については、図18を用いて後述する。本実施の形態における保留継承演出は、変動時岩画像42、ハンマー画像43、板画像44、および、演出示唆画像45等を表示することによって行われる。
変動時岩画像42は、演出図柄36の変動表示の開始に伴い画面上方から下方に落下する岩画像アニメーションを示す画像である。ハンマー画像43は、演出ボタン検出スイッチ35aの入力検出に基づき変化するアニメーションを示す画像である。また、板画像44は、演出ボタン検出スイッチ35aの検出および所定の条件を満たした場合に変化するアニメーションを示す画像である。
なお、変動時岩画像42は、変動表示の保留解除に伴い表示されなくなる保留時岩画像41が直前に表示されていた位置に、演出図柄36の変動表示の保留解除とともに保留継承演出の一つとして表示される画像である。
また、保留継承演出は、第1の保留継承演出と第2の保留継承演出とからなり、第1の保留継承演出終了後に連続して第2の保留継承演出が表示される。第1の保留継承演出は、変動開始時に演出パターンは決定されるが、演出ボタン検出スイッチ35aの入力に基づき演出内容が変化する。また、第2の保留継承演出は、その変化した第1の保留継承演出の表示結果に基づき決定される。なお、本実施の形態においては、第1の保留継承演出は、保留継承演出開始時から表示されている変動時岩画像42が静止表示されるまでの演出をいう。保留継承演出の詳細については、図24、図27から図31を用いて後述する。
次に、図18を参照して、サブROM120bに記憶されており、保留継承演出で用いる各種データを決定する保留継承演出に関する演出パターン指定コマンド決定テーブルについて説明する。
(保留継承演出に関する演出パターン指定コマンド決定テーブル)
図18に示すテーブルは、画像制御基板150が保留継承演出を演出表示装置31に表示させるために、サブCPU120aが画像制御基板150に送信する演出パターン指定コマンドを示している。
サブCPU120aは、変動表示が保留中の時に保留演出に用いていた保留演出パターン、大当たり種別、および、演出用乱数値3に基づき、図18に示す保留継承演出に関する演出パターン指定コマンド決定テーブルを参照し、保留継承演出パターンを決定する。
サブCPU120aは、決定した保留継承演出の演出パターン指定コマンドを画像制御基板150に送信する。
なお、保留継承演出に関する演出パターン指定コマンドの処理についての詳細は、図20から図23を用いて後述する。
次に、演出制御基板120におけるサブCPU120aにより実行される処理について説明する。
(演出制御基板のメイン処理)
図19を用いて、演出制御基板120のメイン処理を説明する。
ステップS1000において、サブCPU120aは、初期化処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、電源投入に応じて、サブROM120bからメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM120cに記憶されるフラグなどを初期化し、設定する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1100に処理を移す。
ステップS1100において、サブCPU120aは、演出用乱数更新処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、サブRAM120cに記憶される乱数(演出用乱数値、演出図柄決定用乱数値、演出モード決定用乱数値等)を更新する処理を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、上記ステップS1100の処理を繰り返し行う。
(演出制御基板のタイマ割込処理)
図20を用いて、演出制御基板120のタイマ割込処理を説明する。
図示はしないが、演出制御基板120に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(2ミリ秒)毎にクロックパルスが発生され、タイマ割込処理プログラムを読み込み、演出制御基板のタイマ割込処理が実行される。
まず、ステップS1400において、サブCPU120aは、サブCPU120aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
ステップS1500において、サブCPU120aは、演出制御基板120で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。
ステップS1600において、サブCPU120aは、コマンド解析処理を行う。この処理において、サブCPU120aは、サブRAM120cの受信バッファに格納されているコマンドを解析する処理を行う。コマンド解析処理の具体的な説明は、図21および図22を用いて後述する。なお、演出制御基板120は、主制御基板110から送信されたコマンドを受信すると、図示しない演出制御基板120のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。その後、本ステップS1600において受信したコマンドの解析処理が行われる。
ステップS1700において、サブCPU120aは、演出ボタン検出スイッチ35aの信号のチェックを行い、演出ボタン35に関する演出入力制御処理を行う。
そして、サブCPU120aは、演出ボタン検出スイッチ35aの検出に基づき、保留継承演出における各アニメーションパターンの変更の有無を判断する。変更する場合には新たなアニメーションの描画を画像制御基板150に行わせるために、演出パターン指定コマンドを決定する。詳細については、図24を用いて後述する。
ステップS1800において、サブCPU120aは、サブRAM120cの送信バッファにセットされている各種データをランプ制御基板140や画像制御基板150へ送信するデータ出力処理を行う。
ステップS1900において、サブCPU120aは、ステップS1400で退避した情報をサブCPU120aのレジスタに復帰させる。
(演出制御基板のコマンド解析処理)
図21および図22を用いて、演出制御基板120のコマンド解析処理を説明する。なお、図22に示すコマンド解析処理2は、図21に示すコマンド解析処理1に引き続いて行われるものである。
ステップS1601において、サブCPU120aは、受信バッファにコマンドが有るか否かを確認して、コマンドを受信したかを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファにコマンドがなければコマンド解析処理を終了し、受信バッファにコマンドがあればステップS1610に処理を移す。
ステップS1610において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、デモ指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがデモ指定コマンドであれば、ステップS1611に処理を移し、デモ指定コマンドでなければステップS1620に処理を移す。
ステップS1611において、サブCPU120aは、デモ演出パターンを決定するデモ演出パターン決定処理を行う。
具体的には、デモ演出パターンを決定し、決定したデモ演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定したデモ演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定したデモ演出パターンに基づくデータをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS1620において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、特別図柄記憶指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが特別図柄記憶指定コマンドであれば、ステップS1621に処理を移し、特別図柄記憶指定コマンドでなければステップS1630に処理を移す。
ステップS1621において、サブCPU120aは、特別図柄記憶指定コマンドを解析して、演出表示装置31における特図保留画像の表示個数を決定するとともに、決定した特図保留画像の表示個数に対応する特図表示個数指定コマンドを画像制御基板150とランプ制御基板140に送信する特別図柄記憶数決定処理を行う。
ステップS1622において、サブCPU120aは、保留演出パターン決定処理を行う。ここで、一旦図21から図23(a)に移り、保留演出パターン決定処理の詳細について説明する。
ステップS3101において、サブCPU120aは、変動表示中であるか否かについて判断する。変動表示中の場合には、サブCPU120aは、ステップS3102に処理を移し、変動表示でない場合には保留演出パターン決定処理を終了する。
ステップS3102において、サブCPU120aは、前述の図16に示す保留演出パターン決定テーブルを参照し、受信した始動入賞指定コマンドと演出用乱数値2とに基づき、保留演出パターンを決定する。また、始動入賞指定コマンドを解析し大当たりの種別を決定する。
ステップ3103において、サブCPU120aは、上述の処理により決定された保留演出パターンと大当たり種別とを、サブRAM120cの第1保留演出記憶領域および第2保留演出記憶領域の第1記憶部から第4記憶部に記憶する。なお、この処理で用いる記憶部は、第1記憶部から第4記憶部であるが、後述する保留継承演出パターン決定処理で用いるため、第1保留演出記憶領域および第2保留演出記憶領域のいずれにおいても、第0記憶部の記憶領域を有している。
なお、サブCPU120aが記憶をする領域は、第1始動口14への遊技球の入球に対応する始動入賞指定コマンドの場合には、第1保留演出記憶領域の空いている記憶部に、第2始動口15への遊技球の入球に対応する始動入賞指定コマンドの場合には、第2保留演出記憶領域の空いている記憶部に、第1記憶部から優先して記憶する。
ステップ3104において、サブCPU120aは、既に決定した保留演出パターンに対応する演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
再び、図21に示す演出制御基板のコマンド解析処理に説明を戻すことにする。
ステップS1630において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、演出図柄指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが演出図柄指定コマンドであれば、ステップS1631に処理を移し、演出図柄指定コマンドでなければステップS1640に処理を移す。
ステップS1631において、サブCPU120aは、受信した演出図柄指定コマンドの内容に基づいて、演出表示装置31に停止表示させる演出図柄36を決定する演出図柄決定処理を行う。
具体的には、演出図柄指定コマンドを解析して、大当たりの有無、大当たりの種別に応じて演出図柄36の組み合わせを構成する演出図柄データを決定し、決定された演出図柄データを演出図柄記憶領域にセットするとともに、演出図柄データを画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、演出図柄データ示す情報をサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS1632において、サブCPU120aは、上記ステップ1100において更新されている演出モード決定用乱数値から1つの乱数値を取得し、取得した演出モード決定用乱数値と受信した演出図柄指定コマンドに基づいて、複数の演出モード(例えば、ノーマル演出モードやチャンス演出モード)の中から1つの演出モードを決定する演出モード決定処理を行う。また、決定した演出モードは、演出モード記憶領域にセットされる。
ステップS1640において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、変動パターン指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが変動パターン指定コマンドであれば、ステップS1641に処理を移し、変動パターン指定コマンドでなければステップS1650に処理を移す。
ステップS1641において、サブCPU120aは、上記ステップ1100において更新されている演出用乱数値から1つの乱数値を取得し、取得した演出用乱数値、受信した変動パターン指定コマンドおよび演出モード記憶領域にセットされている演出モードに基づいて、複数の変動演出パターンの中から1つの変動演出パターンを決定する変動演出パターン決定処理を行う。
具体的には、ノーマル演出モードであれば、取得した演出用乱数値に基づいて1つの変動演出パターンを決定し、決定した変動演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した変動演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した変動演出パターンに基づくデータをサブRAM120cの送信バッファにセットする。その後、かかる演出パターンに基づいて、演出表示装置31、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34が制御されることになる。なお、ここで決定した変動演出パターンに基づいて、演出図柄36の変動態様が決定されることとなる。
ステップS1642において、サブCPU120aは、サブRAM120cの第1保留演出記憶領域および第2保留演出記憶領域の第1記憶部から第4記憶部に記憶されている保留演出パターンのシフト処理を行い、ステップS1643に処理を移す。
具体的には、第1保留演出記憶領域の第4記憶部にデータが記憶されている場合には、その記憶されているデータを第3記憶部に記憶する。第3記憶部から第1記憶部についても同様に1つ前の記憶部にデータをシフトする。なお、第1記憶部に記憶されているデータについては第0記憶部にシフトされ、第0記憶部のデータは、第1記憶部のデータのシフトに伴い上書きされる。サブCPU120cは、同様なデータシフト処理を第2保留演出記憶領域についても行う。
ステップ1643において、サブCPU120aは、保留継承演出パターン決定処理を行う。ここで一旦図21から図23(b)に移り、保留継承演出パターン決定処理の詳細について説明する。
ステップS3151において、サブCPU120aは、サブRAM120cの第2保留演出記憶領域の第0記憶部に保留演出パターンが記憶されているか判断する。記憶されている場合には、サブCPU120aは、ステップS3152に処理を移し、記憶されていない場合には、ステップS3153に処理を移す。
ステップS3152において、サブCPU120aは、図18に示す保留継承演出に関する演出パターン指定コマンド決定テーブルを参照し、サブRAM120cの第2保留演出記憶領域の第0記憶部に記憶されている保留演出パターン、大当たりの種別および演出用乱数値3に基づき、保留継承演出パターンを決定し、ステップS3155に移行する。
ステップS3153において、サブCPU120aは、サブRAM120cの第1保留演出記憶領域の第0記憶部に保留演出パターンが記憶されているか判断する。サブCPU120aは、保留演出パターンが記憶されている場合には、ステップS3154に処理を移し、保留演出パターンが記憶されていない場合には、保留継承演出パターン決定処理を終了する。
ステップS3154において、サブCPU120aは、ステップS3152において行った処理と同様に、図18に示す保留継承演出に関する演出パターン指定コマンド決定テーブルを参照し、サブRAM120cの第1保留演出記憶領域の第0記憶部に記憶されている保留演出パターン、大当たりの種別および演出用乱数値3に基づき、保留継承演出パターンを決定し、ステップS3155に移行する。
ステップS3155において、サブCPU120aは、ステップS3152またはステップS3154で決定した保留継承演出パターンの演出パターン指定コマンドをサブRAM120cの送信バッファにセットし、保留継承演出パターン決定処理を終了する。
再び、図21に示す演出制御基板のコマンド解析処理について説明を戻すことにする。
ステップS1650において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、図柄確定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが図柄確定コマンドであれば、ステップS1651に処理を移し、図柄確定コマンドでなければステップS1660に処理を移す。
ステップS1651において、サブCPU120aは、演出図柄36を停止表示させるために、上記ステップS1641で決定された演出図柄データに基づくデータと、演出図柄を停止表示させるための停止指示データをサブRAM120cの送信バッファにセットする演出図柄停止表示処理を行う。
ステップS1660において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、遊技状態指定コマンドであるか否かを判定する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが遊技状態指定コマンドであればステップS1661に処理を移し、遊技状態指定コマンドでなければステップS1670に処理を移す。
ステップS1661において、サブCPU120aは、受信した遊技状態指定コマンドに基づいた遊技状態を示すデータをサブRAM120cにある遊技状態記憶領域にセットする。
ステップS1670において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、オープニング指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがオープニング指定コマンドであればステップS1671に処理を移し、オープニング指定コマンドでなければステップS1680に処理を移す。
ステップS1671において、サブCPU120aは、当たり開始演出パターンを決定する当たり開始演出パターン決定処理を行う。
具体的には、オープニング指定コマンドに基づいて当たり開始演出パターンを決定し、決定した当たり開始演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した当たり開始演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した当たり開始演出パターンに基づくデータをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS1680において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、大入賞口開放指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが大入賞口開放指定コマンドであればステップS1681に処理を移し、大入賞口開放指定コマンドでなければステップS1690に処理を移す。
ステップS1681において、サブCPU120aは、大当たり演出パターンを決定する大当たり演出パターン決定処理を行う。
具体的には、大入賞口開放指定コマンドに基づいて大当たり演出パターンを決定し、決定した大当たり演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した大当たり演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した大当たり演出パターンに基づくデータをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS1690において、サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドが、エンディング指定コマンドであるか否かを確認する。
サブCPU120aは、受信バッファに格納されているコマンドがエンディング指定コマンドであればステップS1691に処理を移し、エンディング指定コマンドでなければコマンド解析処理を終了する。
ステップS1691において、サブCPU120aは、当たり終了演出パターンを決定する当たり終了演出パターン決定処理を行う。
具体的には、エンディング指定コマンドに基づいて当たり終了演出パターンを決定し、決定した当たり終了演出パターンを演出パターン記憶領域にセットするとともに、決定した当たり終了演出パターンの情報を画像制御基板150とランプ制御基板140に送信するため、決定した当たり終了演出パターンに基づくデータをサブRAM120cの送信バッファにセットする。
本処理を終了すると、コマンド解析処理が終了する。
ここで、演出制御基板のタイマ割込処理における演出入力制御処理(ステップS1700)の詳細について、図24を用いて説明をする。
なお、図24で用いる演出制御変数Fとは、保留継承演出の進行状態を管理するために用いる変数であって、サブRAM120cに記憶されている。また、演出制御変数Fは、保留継承演出の開始から変動時岩画像42が所定の条件を満たすまでの値を“0”とし、その後から保留継承演出を終了するまでの値を“1”とする。また、この演出制御変数Fは、初期化処理および保留継承演出終了時において“2”をセットするものとする。したがって、この演出制御変数Fの値が“2”の場合には、変動表示時以外であることを示す。
また、演出ボタンカウンタNとは、サブRAM120cに記憶されており、演出ボタン検出スイッチ35aの検出の回数をカウントするために用いる変数である。演出ボタンカウンタNは、演出ボタン検出スイッチ35aの入力があると1加算され、破壊される板画像46のアニメーションを表示するか否かを決定する際に用いられるパラメータである。
また、以下のステップS3201からステップS3204の処理は、実際には、前述の図21に示したタイマ割込処理におけるステップS1600のコマンド解析処理において、メインCPU110aから変動パターン指定コマンドを受信(図22におけるステップS1640の変動パターン指定コマンドの受信判定処理でYESと判定)した場合に行うが、説明を分かりやすくするため、この演出入力制御処理において行うものとして説明する。
ステップS3201において、サブCPU120aは、変動表示開始時であるか否かを判断する。変動表示開始時と判断した場合には、サブCPU120aは、ステップS3202に処理を移し、変動表示開始時でないと判断した場合には、ステップS3205に処理を移す。
ステップS3202において、サブCPU120aは、演出制御変数Fの値に0をセットする。
ステップS3203において、サブCPU120aは、演出ボタンカウンタNの値に0をセットする。
ステップS3204において、サブCPU120aは、既に決定された保留継承演出パターンに基づき、第1の保留継承演出で用いるアニメーションをセットする。具体的には、第1の保留継承演出開始時における、変動時岩画像42の落下アニメーション、板画像44のアニメーション、ハンマー画像43のアニメーション、および、演出示唆画像45のアニメーションの表示についての演出パターン指定コマンドを決定し、サブRAM120cの送信バッファにセットする。
サブCPU120aは、上述のセットするアニメーションを、図示はしないが所定のテーブルを参照し、取得した乱数値、大当たりの当否、および、保留継承演出パターン等に基づき決定する。参照する所定のテーブルとは、変動時岩画像44の落下アニメーションを決定する場合には、変動時岩画像落下アニメーション決定テーブルであり、板画像44のアニメーションを決定する場合には、板画像アニメーション決定テーブルであり、ハンマー画像43を決定する場合には、ハンマー画像アニメーション決定テーブルであり、演出示唆画像45を決定する場合には、演出示唆画像アニメーション決定テーブルとなる。
ステップS3205において、サブCPU120aは、演出制御変数Fが0であるか否かを判断し、演出制御変数Fが0の場合にはステップS3206に処理を移し、演出制御変数Fが0でない場合には、ステップS3218に処理を移す。
ステップS3206において、サブCPU120aは、演出ボタン検出スイッチ35aから入力された信号があった場合には、ステップS3207に処理を移し、信号がなかった場合には、ステップS3210に処理を移す。
ステップS3207において、サブCPU120aは、演出ボタンカウンタNの値に1を加算する。
ステップS3208において、サブCPU120aは、ハンマー画像43についてのアニメーションの表示が既に終了しているか否かを判断し、終了している場合には、ステップS3209に処理を移し、終了していない場合には、ステップS3210に処理を移す。
ステップS3209において、サブCPU120aは、セットするハンマーのアニメーションを前述のハンマーアニメーション決定テーブルを参照し、取得した乱数値および大当たりの当否等に基づき決定し、そのアニメーション表示についての演出パターン指定コマンドを決定し、サブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS3210において、サブCPU120aは、演出ボタンカウンタNの値が10よりも大きいか否かについて判断し、大きい場合には、ステップS3211に処理を移し、大きくない場合には、ステップS3215に処理を移す。
ステップS3211において、サブCPU120aは、既にセットした板のアニメーションがある場合には、そのアニメーションの表示が終了しているか否かについて判断する。サブCPU120aは、既にセットした板のアニメーションが終了している場合には、ステップS3212に処理を移し、終了していない場合には、ステップS3215に処理を移す。
ステップS3212において、サブCPU120aは、上述のコマンド解析処理におけるステップS1643で決定した保留継承演出パターンの情報に基づき、板が破壊されるアニメーションを新たにセットするか否かについて判断し、板が破壊されるアニメーションをセットする場合には、ステップS3213に処理を移し、板が破壊されるアニメーションをセットしない場合には、ステップS3215に処理を移す。
ステップS3212を行う理由は、保留継承演出で破壊される板の枚数によって、保留継承演出により示唆する内容(例えば、大当たりの当選の可能性や現在の変動演出がリーチに発展する可能性等)が遊技者に認識できるように演出を行うため、予め破壊される板の枚数は、変動開始時に決定した保留継承演出パターンにより定めておく必要があり、演出ボタンカウンタNの回数が10より大きい場合でも板が破壊されるアニメーションを再生しないようにする必要があるためである。
ステップS3213において、サブCPU120aは、セットする板が破壊されるアニメーションを、図示はしないが、破壊される板画像アニメーション決定テーブルを参照し、取得した乱数値および大当たりの当否等に基づき決定し、そのアニメーション表示についての演出パターン指定コマンドを決定し、サブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS3214において、サブCPU120aは、演出ボタンカウンタNの値を0にセットする。
ステップS3215において、サブCPU120aは、現在の変動時岩画像42の表示位置と、最も上に表示されている板画像44の表示位置、または、全ての板画像44が破壊された板画像46に変化している場合には、演出示唆画像45の表示位置との距離が一定の距離内であるかを判断する。一定の距離内であれば、ステップS3216に処理を移し、一定の距離内でなければ、演出入力制御処理を終了する。
詳しくは図29を用いて後述するが、保留継承演出は、第1の保留継承演出と第2の保留継承演出とからなり、本実施の形態においては、保留継承演出の開始時から、変動時岩画像42と、板画像44または演出示唆画像45の表示位置とが一定の距離内になるまでの保留継承演出を第1の保留継承演出とし、その後の保留継承演出を第2の保留継承演出と呼ぶ。よって、前述のステップS3215において、“YES”と判定された場合には、第1の保留継承演出が終了することになる。
ステップS3216において、サブCPU120aは、変動時岩画像42の静止アニメーション表示についての演出パターン指定コマンドを決定し、サブRAM120cの送信バッファにセットする。
ステップS3217において、サブCPU120aは、演出制御変数Fの値に1をセットし、演出入力制御処理を終了する。
一方、ステップS3218において、サブCPU120aは、演出制御変数Fの値が1であるか否かについて判断し、演出制御変数Fの値が1である場合には、ステップS3219に処理を移し、演出制御変数Fの値が1でない場合には、演出入力制御処理を終了する。
ステップS3219において、サブCPU120aは、第2の保留継承演出用のアニメーションを決定する。図示はしないが、サブCPU120aは、第2の保留継承演出決定テーブルを参照し、第1の保留継承演出の表示結果と、ステップS1641で決定した変動演出パターンに基づき、第2の保留継承演出で用いる保留継承演出パターンを決定し、そのアニメーション表示についての演出パターン指定コマンドを決定し、サブRAM120cの送信バッファにセットする。
第2の保留継承演出の一例としては、ステップS1641で決定した変動演出パターンによりリーチ演出が確定しており、かつ、第1の保留継承演出中の演出ボタン35の操作によって、変動時岩画像42の表示位置と、「リーチ」という文字が付された演出示唆画像45の表示位置とが一定の距離内になった場合に、「リーチ」という文字が付された画像を表示領域の下部に表示する演出である。
ステップS3220において、サブCPU120aは、演出制御変数Fの値に2をセットし、演出入力制御処理を終了する。
(画像制御基板のメイン処理)
図25を用いて、画像制御基板150のメイン処理を説明する。
電源基板170により電源が供給されると、画像CPU150aにシステムリセットが発生し、画像CPU150aは、以下のメイン処理を行う。
ステップS2010において、画像CPU150aは、初期化処理を行う。この処理において、画像CPU150aは、電源投入に応じて、制御ROM150cからメイン処理プログラムを読み込むとともに、画像CPU150aの各種モジュールやVDP154の初期設定を指示する。
ここで、画像CPU150aは、VDP154の初期設定の指示として、映像信号作成の指示をしたり、初期値画像データ(「電源投入中」という文字画像等)を描画させるため、初期値ディスプレイリストを出力したりする。
ステップS2020において、画像CPU150aは、描画実行開始処理を行う。この処理において、既に出力したディスプレイリストに対する描画の実行をVDP154に指示するため、描画レジスタに描画実行開始データをセットする。
すなわち、電源投入開始時には上記ステップS2010で出力された初期値ディスプレイリストに対する描画の実行が指示され、通常のルーチン処理時には後述するS2050で出力されたディスプレイリストに対する描画の実行が指示されることになる。
ステップS2030において、画像CPU150aは、演出制御基板120から送信された演出指示コマンド(制御RAM150bの受信バッファに格納されているコマンド)を解析する演出指示コマンド解析制御処理を行う。
なお、画像制御基板150は、演出制御基板120から送信されたコマンドを受信すると、図示しない画像制御基板150のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。その後、本ステップS2030において受信したコマンドの解析処理が行われる。
すなわち、演出指示コマンドとは、例えば、上記演出制御基板120のコマンド解析処理において、サブRAM120cの受信バッファにコマンドがあった場合に、サブCPU120aによってそのコマンドが解析され、解析結果によりサブRAM120cの送信バッファにセットされ、演出制御基板120から画像制御基板150に送信された所定のコマンドであり、前述の演出パターン指示コマンドを含むコマンドである。
演出指示コマンド解析制御処理は、受信バッファに演出指示コマンドが記憶されているか否かを確認する。受信バッファに演出指示コマンドが記憶されていなければ、そのままステップS2040に処理を移す。
受信バッファに演出指示コマンドが記憶されていれば、新たな演出指示コマンドを読み込み、読み込んだ演出指示コマンドに基づいて、実行する1つまたは複数のアニメグループを決定するとともに、それぞれのアニメグループからアニメパターンを決定する。そして、アニメパターンを決定すると、読み込んだ演出指示コマンドを送信バッファから消去する。
ステップS2040において、画像CPU150aは、アニメーション制御処理を行う。この処理において、後述するステップS2210において更新される上記「シーン切替カウンタ」、上記「ウェイトフレーム」、上記「フレームカウンタ」と、上記ステップS2030で決定されたアニメパターンとに基づいて、各種アニメシーンのアドレスを更新する。
ステップS2050において、画像CPU150aは、演出画像生成処理を行う。演出生成処理については後述するが、例えば、アニメシーンが属するアニメグループの優先順位(描画順序)にしたがって、更新したアドレスにあるアニメシーンの1フレームの表示情報(スプライトの識別番号、表示位置等)から、ディスプレイリストを生成する。そして、ディスプレイリストの生成が完了すると、画像CPU150aはディスプレイリストをVDP154に出力する。
なお、ここで出力されたディスプレイリストは、VDP154におけるインタフェース(以下、VDP_I/Fという)を介して、VRAM153のディスプレイリスト記憶領域に記憶される。
ステップS2060において、画像CPU150aは、FB切換フラグ=01であるか否かを判定する。
ここで、FB切換フラグは、図26で後述するように、1/60秒(約16.6ms)毎のVブランク割込みにおいて、前回のディスプレイリストの描画が完了していれば、FB切換フラグ=01になる。すなわち、ステップS2060では、前回の描画が完了したか否かを判定することになる。
画像CPU150aは、FB切換フラグ=01であれば、ステップS2070に処理を移し、FB切換フラグ=00であれば、FB切換フラグ=01になるまで待機する。
ステップS2070において、画像CPU150aは、FB切換フラグ=00をセットして(FB切換フラグをオフにして)、ステップS2020に処理を移す。
以降は、図26に示す所定の割り込みが発生するまで、ステップS2020〜ステップS2070の処理を繰り返し行う。
(画像制御基板の割込処理)
次に、図26を用いて、画像制御基板150の割込処理を説明する。
画像制御基板150の割込処理には、描画終了割込信号を入力したことで行う描画終了割込処理と、Vブランク割込信号を入力したことで行うVブランク割込処理と、コマンドを受信したことで行われるコマンド受信割込処理とを、少なくとも備えている。
なお、描画終了割込処理とVブランク割込処理とは、図23を用いて説明を行うが、コマンド受信割込処理については、ステップS2030において説明をした通りであり、図示は省略する。
(画像制御基板の描画終了割込処理)
図26(a)は、画像制御基板150の描画終了割込処理を示す図である。
VDP154は所定単位のフレーム(1フレーム)の描画が終了すると、VDP_I/Fを介して、画像CPU150aに描画終了割込信号を出力する。
画像CPU150aは、VDP154から描画終了割込信号を入力すると、描画終了割込処理を実行する。
描画終了割込処理においては、画像CPU150aは、描画終了フラグ=01をセット(描画終了フラグをオン)して、今回の描画終了割込処理を終了する(ステップS2110)。すなわち、描画の終了毎に描画終了フラグがオンになる。
(画像制御基板のVブランク割込処理)
図26(b)は、画像制御基板150のVブランク割込処理を示す図である。
VDP154は1/60秒(約16.6ms)毎に、VDP_I/Fを介して、画像CPU150aにVブランク割込信号(垂直同期信号)を出力する。
画像CPU150aは、VDP154からVブランク割込信号を入力すると、Vブランク割込処理を実行する。
ステップS2210において、画像CPU150aは、「シーン切替カウンタ」、「ウェイトフレーム」、「フレームカウンタ」の各種カウンタを更新する処理を行う。
次に、ステップS2220において、画像CPU150aは、描画終了フラグ=01であるか否かを判定する。すなわち、所定単位のフレームの描画が終了しているか否かを判定する。
画像CPU150aは、描画終了フラグ=01であれば、ステップS2230に処理を移し、描画終了フラグ=01でなければ、今回のVブランク割込処理を終了する。すなわち、Vブランク割込信号を入力しても、描画が終了していなければ、ステップS2230以降の処理が行われない。
ステップS2230において、画像CPU150aは、描画終了フラグ=00をセットする(描画終了フラグをオフにする)。
ステップS2240において、画像CPU150aは、VDP154のメモリコントローラに、「表示用フレームバッファ」と「描画用フレームバッファ」とを切り替える指示を与える。
ステップS2250において、画像CPU150aは、FB切換フラグ=01をセットし(FB切換フラグをオンにし)、上記ステップS2060における待機状態を解除して、今回のVブランク割込処理を終了する。
また、VDP154は、画像CPU150aから映像信号の作成指示があると、VRAM153の表示用フレームバッファに記憶された画像データ(デジタル信号)から、映像信号として画像データを示すRGB信号(アナログ信号)を生成し、生成した映像信号(RGB信号)と、演出表示装置31と同期を図るための同期信号(垂直同期信号、水平同期信号等)とを演出表示装置31に出力する。
次に、本実施の形態における保留演出および保留継承演出について、図27から図31を用いて詳細に説明する。
図27(a)は、保留演出および保留継承演出が表示されている画面例である。図27(a)で示す画面例には、前述の図17で示したように、保留時岩画像41、変動時岩画像42、ハンマー画像43、板画像44、および、演出示唆画像45が表示されている。なお、矢印40は、演出図柄36が変動表示中であることを示す。なお、図27(a)は、第1の保留継承演出中の画面例である。
保留演出は、演出図柄36が変動表示中に第1始動口14または第2始動口15に遊技球の入球があった場合に、その遊技球による変動表示が保留状態であることを示す演出である。また、遊技球の1回の入球に対して1つの保留が発生し、1つの保留に対して保留時岩画像41が1つ表示される。したがって、保留状態の変動表示の数分、保留時岩画像41が表示されている。
保留時岩画像41は、保留演出パターンに基づいてサブCPU120aにより決定される画像であり、本実施の形態においては、保留時岩画像41は、図27(a)に示す岩の画像の他に、岩の画像の上に「10t」、「30t」という文字を付した画像の3種類を備える。
保留演出パターンと保留時岩画像41との対応関係は、保留演出パターン0が選択された場合には、文字が付されていない保留時岩画像41が表示され、保留演出パターン1が選択された場合には、「10t」という文字が付された保留時岩画像41が表示され、保留演出パターン2が選択された場合には、「30t」という文字が付された保留時岩画像41が表示される。
本実施の形態において、保留継承演出は、演出図柄36の変動表示が行われている領域の左側において行われる。変動時岩画像42は、保留継承演出に用いられている画像であり、画面の上方から下方へ岩が落下するアニメーションによって表示される画像である。また、詳細は後述するが、保留演出に用いる保留時岩画像41と、保留継承演出で用いる変動時岩画像42と、は同じ画像である。
ハンマー画像43および板画像44は、保留継承演出に用いられる画像である。ハンマー画像43は、板画像44の近傍に表示され、演出ボタン検出スイッチ35aの検出に応じて表示されるハンマーのアニメーションによって表示される画像である。また、ハンマーのアニメーションとは、板画像44を叩くハンマーの動きを表現するアニメーションである。また、板画像44は、縦方向に等間隔に複数表示される。
図27(b)は、図27(a)で示した画面例が時間の経過とともに変化した画面例であり、第1の保留継承演出中の画面例である。
板画像44は、所定の条件を満たすと板が破壊されるアニメーションが表示され、破壊された板画像46へと変化する。具体的には、演出ボタン35が10回操作されるごとに、上部に表示されている板画像44から破壊された板画像46へと変化する。ただし、演出ボタン35が10回操作された場合であっても、既に決定された保留継承演出パターンによって、破壊された板画像46に変化させない板画像44の場合には、破壊された板画像46に変化はさせない。
板画像44が破壊された板画像46に変化すると、ハンマー画像43は1つ下の板画像44の近傍に移動する。また、落下する変動時岩画像42は、破壊された板画像46の中央部の空間を通り落下を続ける。前述と同様に板画像44が破壊された板画像46にさらに変化した場合には、変動時岩画像42は破壊された板画像46の中央部の空間を通りさらに落下を続ける。しかし、演出ボタン35が10回操作されていなかったり、保留継承演出パターンによって破壊された板画像46に変化することができない場合には、変動時岩画像46は落下せず、板画像44の上に静止して表示される。
演出示唆画像45は、保留継承演出の表示領域の下部に表示されており、変動時岩画像42が到達すると、そこに付されている文字の内容を示唆する予告が成立することを意味する。例えば、付されている文字が「チャンス」では、抽選結果が遊技者に有利な結果となる可能性が通常よりも高いことを意味する。また、他に、「激アツ」、「リーチ」、「SPリーチ」などの文字を付した画像を表示しても良いし、文字以外でも図形、記号等が付された画像を表示しても良い。
また、図27(a)および図27(b)に示す画面例の場合は、演出示唆画像45は「チャンス」という文字が付された画像であり、変動時岩画像42がこの演出示唆画像45に到達すると、現在行われている変動表示がチャンスである(通常の変動表示よりも大当たりに当選している可能性が高い)ことを意味する。
図28(a)は、変動表示終了直前の画面例である。図28(a)に示す画面には、通常の保留時岩画像41が2つ表示されている。
図28(b)は、変動表示開始直後の画面例である。変動表示開始直前に1番左側に表示されていた保留時岩画像41は、変動表示開始とともに保留が解除され、以下で説明する変動時岩画像42に変更されて表示されなくなり、一番左側に表示されていた保留時岩画像41が表示されていた位置に、左から2番目に表示されていた保留時岩画像41がシフトされて表示される。
また、保留が解除された保留時岩画像41が表示されていた位置に、保留継承演出に用いられる変動時岩画像42が表示され、変動時岩画像42が落下するアニメーションが表示される。つまり、変動開始時には、保留時岩画像41と変動時岩画像42とが同じ位置に重ねて表示されることとなる。また、変動時岩画像42の表示と同時に保留継承演出に用いられるハンマー画像43、板画像44、演出示唆画像45が表示され、保留継承演出が開始される。
図28(c)は、図28(b)の状態から一定時間経過後の画面例である。変動時岩画像42は、前述のように落下するアニメーションにより表示される。図28(b)の時よりも変動時岩画像42は、下方に移動している。
図28(a)から図28(c)に示すように、変動表示の保留解除にともない表示されなくなる保留時岩画像41が直前に表示されていた位置に、保留時岩画像41と同様の画像であり保留継承演出で用いられる変動時岩画像42が表示されるので、保留演出と保留継承演出とは、表示内容の一部が重なり、継続された演出となる。なお、図28(a)から図28(c)における保留継承演出は、第1の保留継承演出となる。
図29(a)は、第1の保留継承演出の終了時の画面例である。図29(a)に示す画面例は、第1の保留継承演出の終了時の画面なので、その過程については示されていないが、上部から落下する変動時岩画像42が板画像44に到達する前にハンマーによって2枚の板画像44が破壊され、3枚目の板画像が破壊されずに変動時岩画像42が板画像44によって落下を妨げられ、変動時岩画像42が板画像44の上に静止したアニメーションが表示された結果の画像である。
このように、演出示唆画像45にまで変動時岩画像42が到達していないことは、演出示唆画像45に表示されている「チャンス」という予告は成立しないことを意味している。
図29(b)は、第1の保留継承演出の終了時の画面例である。全ての板画像44は破壊されており、変動時岩画像42の落下アニメーションは終了しており、変動時岩画像42は演出示唆画像45に到達し、静止状態となっている。
図29(b)に示す画面例は、第1の保留継承演出の終了時の画面なのでその過程については示されていないが、上部から落下する変動時岩画像42が板画像44に到達する前に、ハンマーによって全ての板画像44が破壊され、変動時岩画像42が演出示唆画像45にまで到達した様子のアニメーションが表示された結果の画像である。
このように、演出示唆画像45にまで変動時岩画像42が到達していることは、演出示唆画像45に表示されている「チャンス」という予告が成立し、現在行われている変動表示の結果が大当たりの可能性が高いことや、リーチに発展する可能性が高いこと等を意味している。
なお、上述した実施の形態においては、変動時岩画像42が到達する前に板画像44が破壊されるとしているが、変動時岩画像42の落下によって板画像44が破壊されるアニメーションを行っても良いし、板画像44の上に変動時岩画像42が乗って一時的に静止したが、ハンマー画像43によって板画像44が破壊されるアニメーションを表示し、その後に変動時岩画像42が落下するアニメーションを再び発生させても良い。なお、その場合には、それぞれの演出形式に合わせて、第1の保留継承演出と第2の保留継承演出を決定する。
また、演出示唆画像45が変動時岩画像42によって破壊されるアニメーションを表示することで、大当たりが確定であるとしても良い。すなわち、第1の保留継承演出の内容によって「大当たりの当選」、「リーチ演出の発展」を確定させても構わない。
ここで、第2の保留継承演出について説明する。
(第2の保留継承演出)
第2の保留継承演出とは、第1の保留継承演出の終了に伴い行われる保留継承演出であって、サブCPU120aが、変動開始時に決定する変動演出パターン(大当たりの当否を含む)と、第1の保留継承演出中の操作ボタン35の操作とによって決定される演出である。図29(a)および図29(b)の場合の第2の保留継承演出について、図30を用いて説明する。
例えば、図29(a)に示す第1の保留継承演出終了後に表示する第2の保留継承演出では、図30(a)に示すように、何もメッセージを表示せずに第1の保留継承演出で用いた画像をフェートアウトさせながら消す等の演出を行う。また、「残念」というメッセージを表示する別の演出を行うようにしても良い。
図29(b)に示す第1の保留継承演出終了後の第2の保留継承演出では、図30(b)に示すように、「チャンス!」という文字が付された大きな画像を表示領域の中心近くに表示する演出を行う。また、表示画面の縁を金色に変化させる等の演出を行っても良い。
このように、第2の保留継承演出は、第1の保留継承演出の結果に応じて決定される演出であり、第1の保留継承演出の結果の内容を遊技者に改めて告知する演出となる。
ここで、入球変動演出について説明する。
(入球変動演出)
入球変動演出とは、保留演出および保留継承演出を除く、演出図柄36の変動表示の開始とともに行われる全ての演出であり、停止した演出図柄36の表示態様により抽選結果を報知することを含む演出である。
本実施の形態においては、入球変動演出は、3個の演出図柄36が変動表示し、一定時間経過後に演出図柄36がそれぞれ停止され、その停止された演出図柄36の組み合わせによって、抽選結果を報知する演出である。
ここで、第1の入球変動演出、および、第2の入球変動演出について説明する。
(第1の入球変動演出と第2の入球変動演出)
入球変動演出は、その表示態様によって第1の入球変動演出と第2の入球変動演出とに分けられる。本実施の形態では、3個の演出図柄36の停止表示によって抽選結果を報知する入球変動演出において、2個の演出図柄36が停止する直前の演出を第1の入球変動演出とし、その後の入球変動演出を第2の入球変動演出とする。
すなわち、入球変動演出がリーチ演出をともなう場合には、リーチ演出は必ず2個の演出図柄36の停止を要するので、第1の入球変動演出はリーチ発生直前の入球変動演出となり、第2の入球変動演出はリーチ発生後の入球変動演出となる。また、入球変動演出がリーチ演出をともなわない演出の場合には、第1の入球変動演出はリーチに移行しないことが確定する直前の入球変動演出となり、第2の入球変動演出はリーチに移行しないことが確定した後の入球変動演出となる。
また、前述の第2の保留継承演出を第2の入球変動演出の内容に応じて決定し、さらに第2の保留継承演出を第2の入球変動演出の開始前に表示を終えることで、第2の保留継承演出の内容によって第2の入球変動演出の内容を遊技者に示唆させることが可能となる。
例えば、第2の入球変動演出がリーチ演出をともなう演出の場合に、第2の入球変動演出の発生前に、第2の保留継承演出によってリーチが発生することを遊技者に示唆させることが可能となる。
また、第2の入球変動演出をリーチ発生後の入球変動演出とせずに、第2の入球変動演出を抽選結果の報知後の入球変動演出としても良い。この場合の第2の入球変動演出は、大当たりの場合には、「大当たり」という文字が付された画像を表示することや、「はずれ」の場合には何も表示しない演出等である。
その場合には、前述の場合と同様に、第2の保留継承演出を第2の入球変動演出の内容に応じて決定し、第2の保留継承演出を第2の入球変動演出の表示開始前に表示を終了させることで、第2の保留継承演出によって、入球変動演出によって行われる抽選結果の報知を、入球変動演出による報知が行われる前に遊技者に示唆させることが可能となる。
図31(a)は、保留演出表示によって通常の保留時岩画像41が表示されている画面例である。この場合には、通常の保留時岩画像41が2つ表示されている。ここで、第1始動口14への遊技球の1回の入球に対して1つの保留が発生し、1つの保留に対して保留時岩画像41が1つ表示される。したがって、2つの保留時岩画像41の表示により、第1始動口14への遊技球の入球に基づく変動表示の保留が、2つ記憶されていることを示している。
図31(b)は、図31(a)における演出図柄36の変動表示の終了前に新たな遊技球の入球が第1始動口14にあった場合の画面例である。図31(b)では、保留時岩画像41が3つ表示されている。この場合は、図31(a)と同様に、第1始動口14への遊技球の入球に基づく変動表示の保留が3つ記憶されていることを示している。
なお、既に入球された遊技球の入球に基づいて保留されている変動表示が、その後に保留解除されて変動表示が行われるのと同様に、この新たな遊技球の入球に基づいて保留されている変動表示も、その後に保留解除されて変動表示が開始される。
また、既に入球された遊技球の入球に基づいて保留されている変動表示が、その後に保留解除されるともに保留継承演出が行われるのと同様に、この新たな遊技球の入球に基づいて保留されている変動表示が、その後に保留解除されるとともに、保留継承演出が行われる。
さらに、既に入球された遊技球の入球に基づいて行われている保留演出と同様に、新たな入球に基づいた保留演出も行われる。
すなわち、保留演出および保留継承演出は、保留個数が1つの時のみではなく、複数の場合であっても同様に行われる演出である。
また、図31(b)において、一番右側に表示された保留時岩画像41には、「10t」という文字が付されている。文字が付されている岩画像は、文字が付されていない場合よりも、大当たり当選やリーチ演出への発展の可能性が高い変動表示が行われることを意味する。
また、ここでは「10t」という1種類の文字が付された保留時岩画像41のみを図示をしているが、「30t」、「100t」の文字を付し、付された文字が示す数値が大きくなるほど大当たりの可能性が高くしても良い。また、保留時岩画像41の大きさや色を複数設け、大きさや色の違いによって示唆する内容を変化させても良い。また、このような文字が付されている場合には、「リーチ演出への移行」や「大当たりの当選」を確定としても構わない。
図32は、上記した実施の形態とは異なる保留継承演出を示す画面例である。
ここでは、板画像44の代わりに、「リーチ?」、「SP1?」、「SP2?」、という文字が付された画像が表示されている。また、上記画像を上から順番に演出示唆画像47、演出示唆画像48、演出示唆画像49と呼ぶ。また、演出示唆画像45には、「激アツ!?」という文字が付されている。
この保留継承演出においても、変動時岩画像42が表示領域の上部より落下するアニメーションが表示される。図示はしないが、前述の実施の形態における保留継承演出と同様に、変動時岩画像42が演出示唆画像47に到達する前に演出示唆画像47が破壊されるアニメーションが表示された場合には、変動時岩画像42は、演出示唆画像47の表示領域を通過して演出示唆画像48に向けて落下が継続されるアニメーションが表示される。
この保留継承演出の場合には、変動時岩画像42の落下が終了し、変動時岩画像42が到達した演出示唆画像47から演出示唆画像49、あるいは、演出示唆画像45に付されている文字が、この保留継承演出によって示唆される変動表示の予告となる。
また、演出示唆画像47の場合には「リーチ」に、演出示唆画像48の場合には「スペシャルリーチ1」に、演出示唆画像49の場合には「スペシャルリーチ2」に、それぞれ発展する可能性が高いことを意味する。なお、「大当たり」に当選している可能性が高いのは、「スペシャルリーチ2」、「スペシャルリーチ1」、「リーチ」の順番となっている。
また、演出示唆画像45に到達した場合には、上記の場合よりもさらに「大当たり」に当選している可能性が高いことを意味する。
なお、図32に示す保留継承演出においては、少なくても「リーチ?」という演出示唆画像47には到達するため、この演出が出現した時点でリーチの可能性が高い演出となる。
以上のように、本実施の形態における遊技機1は、第1始動口14または第2始動口15への遊技球の入球に基づき行われた演出図柄36の変動表示中に、新たな遊技球の入球があると演出図柄36の変動表示を保留状態にし、その保留状態を保留演出によって表示し、保留の解除に伴い保留演出を継承する保留継承演出を発生させ、演出ボタン検出スイッチ35aの検出に基づいて保留継承演出を変化させるので、保留時の演出と保留解除後の演出とを連続させ、演出の発展性を高めることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本実施の形態における遊技機1は、変動演出パターン、大当たりの当否、および、保留継承演出中の操作ボタン35の操作に基づき、保留継承演出の演出内容を決定するので、保留継承演出の表示結果により変動演出パターンおよび大当たりの当否を示唆させることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
さらに、本実施の形態における遊技機1は、事前判定処理により決定されたリーチ演出の有無および大当たりの当否に基づき保留演出の演出内容を決定するので、保留演出の表示結果によりリーチ演出の有無および大当たりの当否を示唆させることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
さらに、本実施の形態における遊技機1は、既に保留演出が行われている場合に新たに入球した遊技球についても保留演出を行い、新たに入球した遊技球の解除に伴っても保留継承演出を行うので、それぞれの入球に対して保留演出および保留継承演出を行うことができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
さらに、本実施の形態における遊技機1は、入球変動演出が第1の入球変動演出と第2の入球変動演出とを有し、第2の保留継承演出を第2の入球変動演出に基づき決定し、第2の入球変動演出の開始前に表示終了するので、第2の保留継承演出によって第2の入球変動演出の演出内容を示唆させることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
さらに、本実施の形態における遊技機1は、抽選結果を報知する第2の入球変動演出に応じて決定された第2の保留継承演出を表示するので、第2の保留継承演出によって抽選結果を示唆させることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本実施の形態における遊技機1は、大当たりの当否の抽選結果および変動演出パターンに基づき保留継承演出を決定しているが、大当たりの種別や確変の有無等に基づいて保留継承演出を決定しても良い。この場合も上述した遊技機と同様の効果が得られる。
また、本実施の形態における遊技機1は、保留継承演出で用いる岩画像44を破壊する画像として1つのハンマー画像43を用いているが、複数のハンマー画像を用いるようにしても良い。さらに、岩画像44を破壊する画像として、複数種類のハンマー画像を用いたり、ハンマーの大きさや色を変えても良いし、ハンマー画像43以外の画像を用いても良い。また、岩画像44を破壊する画像の種類に応じて、板画像44が破壊されるまでに必要とする演出ボタン検出スイッチ35aの検出回数を変化させても良い。この場合も上述した遊技機と同様の効果が得られる。
さらに、本実施の形態における遊技機1は、保留継承演出で用いる破壊される画像として1種類の板画像44を用いているが、複数種類の板画像や、板画像44以外の画像を用いても良い。また、破壊される画像の種類に応じて画像が破壊されるまでに必要とする演出ボタン検出スイッチ35aの検出回数を変化させても良い。この場合も上述した遊技機と同様の効果が得られる。
さらに、本実施の形態における遊技機1は、演出示唆画像45に付されている文字を表示途中では変化させていないが、所定の条件で文字を変化させても良い。この場合も上述した遊技機と同様の効果が得られる。
以上説明したように、本発明に係る遊技機は、保留演出終了後の演出を保留演出と関連づけることで演出の発展性を高め、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果を有し、演出表示を行う遊技機等として有用である。