JP2015027097A - 動画像復号方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】マクロブロック内の映像の性質に応じて細かな量子化制御を目的とする。
【解決手段】動画像の各フレームを分割した所定サイズのブロックを更に小ブロックに分割し、小ブロックのサイズ以下で直交変換を行い、小ブロックへの分割形状と同一の小ブロック毎に画像特徴に応じて決定した量子化パラメータにより直交変換係数の量子化を行い、その量子化パラメータと符号化済の周辺の複数の所定サイズのブロック又は小ブロックの量子化パラメータの中間値との差分を求め、所定サイズのブロックを小ブロックに分割した分割情報と差分を含めて符号化された動画像を復号する動画像復号方法において、符号化されたその差分から小ブロックに対応した量子化パラメータを再生し、再生された量子化パラメータに基づいて、符号化時に選ばれた小ブロックに対応した量子化パラメータに基づいて直交変換係数の逆量子化を行うことで、上記課題の解決を図る。
【選択図】図9

Description

本発明は、動画像符号化及びそれに対応した動画像復号の技術分野に関するものであり、特に、量子化計算の演算単位をより細かく制御可能とすることにより、符号化効率や目で見た画質の向上を図るものである。
動画像符号化方式においては、原信号の莫大な情報を、時間方向、空間方向の冗長性を省くことにより情報量圧縮を行っている。具体的には、時間方向としては、動きベクトルを用いて前後フレームとの差分を取る動き補償方式、空間方向としては、画面、すなわち水平・垂直方向に分布した画素の平面を周波数成分に変換する直交変換及び直交変換係数の量子化による代表値化などの手法が採用されている。また、算術的な情報圧縮の手法として可変長符号化(エントロピ符号化)が用いられている。
従来の動画像符号化方式における、特に動き補償方式を採用した符号化処理単位は、16x16画素のMB(Macro Block:マクロブロック)単位が基本であったが、符号化方式H.263、MPEG-4において8x8画素のブロック単位の符号化が可能となった。最新の動画像符号化H.264/AVC(Advanced Video Coding)においては、分割の数がより増えて、16x16、16x8、8x16、8x8の分割、更に8x8画素ブロックにおいては、8x8、8x4、4x8、4x4のサブブロックに分割することが可能となった。
動き補償による時間方向の情報圧縮に限らず、例えば直交変換においても、かつては8x8画素単位のDCT(Discrete Cosine Transform) のみであったが、H.264/AVCにおいてはハイプロファイルより上位のプロファイルという制限こそあるが、4x4/8x8の処理単位切り替えをマクロブロック単位で選択することが可能となっている。
図1は、上述の動画像符号化方式を実現する動画像符号化装置(エンコーダという場合がある。)の機能ブロック構成例を示す図である。
図1に例示するように、動画像符号化装置の機能ブロックは、フレームメモリ11、原画マクロブロックバッファ12、参照ブロックバッファ13、動きベクトル探索器21、予測判定器22、減算器31、第1のスイッチ32、直交変換(DCT)部33、量子化(Q)部34、可変長符号化(ENT)部51、逆量子化(IQ)部44、逆直交変換(IDCT)部43、第2のスイッチ42、及び加算器41を含んで構成される。
フレームメモリ11は動き予測を行うために過去・未来の映像を格納する。
原画マクロブロックバッファ12は、フレームメモリ11に格納されたフレームの符号化対象である原フレームのマクロブロックを格納し、参照ブロックバッファ13は、原フレームのマクロブロックに対する参照ブロックを格納する。
動きベクトル探索器21は、原フレームのマクロブロックと参照ブロックにより動きベクトルを探索する。
予測判定器22は、図3Aに示すマクロブロックの分割形状の全ての場合の動き予測評価を行い、分割形状を決定するとともにフレーム間予測による符号化を行うかフレーム内予測による符号化を行うかを判定する。
減算器31はマクロブロックと予測マクロブロックの差分を演算する。
第1のスイッチ32と第2のスイッチ42は、フレーム間(Inter)予測による符号化であるかフレーム内(Intra)予測による符号化であるかに応じて切り替わる。
直交変換(DCT)部33は、時間方向の情報圧縮された画像データを直交変換(例えばDCT)して直交変換係数を求め、空間方向に情報圧縮する。
量子化(Q)部34は直交変換係数を量子化し、可変長符号化(ENT)部51は、さらに算術的な情報圧縮を行って符号化出力を出力する。
逆量子化(IQ)部44は、量子化された直交変換係数の逆量子化を行い元の直交変換係数を求め、逆直交変換(IDCT)部43は直交変換係数から逆直交変換により直交変換前のデータを復元する。
加算器41は、フレーム間予測による符号化であるときに逆直交変換(IDCT)部43の出力である差分データに予測画像データを加算して原画像を復元する。
図2は、従来例でのマクロブロック処理のフローを説明する図である。
図2のフローは、エンコーダでマクロブロックを処理して生成された各情報が符号化情報として設定され送信される順番に応じたものであり、この順番は、H.264でのデコードシンタックスエレメントとして規定されているものに従っている。後記の表1に示すのは、H.264のマクロブロックレイヤ以下のシンタックス表である。
まず、最初の符号化情報として、ステップS21に示すようにマクロブロックタイプ情報が設定される。この情報中には、フレーム間予測であるかフレーム内予測であるかの情報やマクロブロック分割形状の情報が含まれる。次の符号化情報として、ステップS22に示すように動きベクトル情報が設定される。マクロブロックタイプによってマクロブロックの分割形状が変わるので、ステップS23に示すように動きベクトル情報はその分割数分情報が設定されることになる。
次にステップS24において量子化パラメータ値が符号化情報中に設定されるが、これはマクロブロックに1つの情報となっている。
次に、ステップS25で直交変換を8x8/4x4のどちら単位で行うかのフラグが直交変換情報として符号化情報中に設定される。
最後にステップS26において、8x8か4x4単位での直交変換後の係数を求め、それをステップS24で設定されている量子化パラメータで量子化した変換係数情報がサブブロック単位で生成され、送信される。この処理は、ステップS27に示すように分割数分繰り返される。このとき、符号化情報中にcbp(coded block pattern)というサブブロック毎の有効/無効を示すフラグが動きベクトルの情報の後、量子化パラメータの情報の前に設定されており、そのフラグのとおり有効なサブブロックの係数情報のみ送信されることになる。
図3A〜図3Cは、動画像符号化における従来のマクロブロック分割を説明する図である。図3Aに示すのは、動き予測におけるマクロブロックの分割を説明するものであり、図に示すように、16x16,16x8,8x16,8x8により分割することと、8x8で分割した一部をさらに8x4, 4x8, 4x4で分割することが可能である。
図3Bに示すのは、直交変換におけるマクロブロックの分割を説明するものであり、図に示すように、8x8と4x4による分割が可能である。
図3Cに示すのは、量子化の場合であり、図示のとおり、量子化は16x16単位で実行される。
次に、符号化の処理について、図1及び図3A〜図3Cを参照してさらに説明する。
図1に示す予測判定器22で図3Aに示す16x16,16x8,8x16,8x8…,の全ての分割による動き予測評価を行い、最も効率の良い分割の仕方やフレーム間予測とフレーム内予測のいずれを選択するか判定して予測モード(マクロブロックタイプ)を決定する。
次に、直交変換(DCT)の単位として図3Bに示す8x8と4x4のどちらの単位で処理した方が予測誤差が少なくなるかにより直交変換の対象とするブロックのサイズ(直交変換情報)を決め、直交変換(DCT)部33において直交変換処理を実行する。
次に量子化(Q)部34において、変換された係数を情報量配分の観点から決定された量子化パラメータ値を用いて代表値化し、残った非0の有効係数を伝送する。この際にcbpという各サブブロック単位の量子化係数値に有効係数が存在するかどうかを示すフラグを計算し、符号化情報としては、cbpとcbpで有効フラグが立っているサブブロックである有効係数が存在するサブブロックの量子化係数情報のみを送る。
次に、動画像符号化技術に関する下記特許文献1〜4を紹介する。
特許文献1には、特に画面内における予測符号化技術が記載されている。特許文献2には、特にマクロブロックを任意の線分で分割することが記載されている。特許文献3には、特に符号化方式を変換する場合の再符号化を高速に行おうとする技術が記載されている。特許文献4には、小ブロックに再分割を行って直交変換を行う技術が記載されている。
しかし、いずれの文献にも、マクロブロックを分割して量子化を行うことは記載されていない。
特開2005−318468号公報 特開2005−277968号公報 特開2005−236584号公報 特開平8−79753号公報
上述のように、動き補償による符号化や直交変換による符号化においてはマクロブロックを小ブロックに分割して実行することが行われているが、量子化においては、依然としてマクロブロック単位に一つのパラメータで処理を行うというのが実情である。実際、量子化制御については、適応量子化で、例えばアクティビティの低い所を細かい量子化パラメータ、アクティビティの高い所を粗い量子化パラメータを用いる等の主観評価改善技術があるが、マクロブロック単位に一つのパラメータで処理を行っているので、マクロブロック内に上記双方の映像を含む場合などでも、それぞれの映像に応じた細かい制御が出来ないということになる。
つまり、動き補償や直交変換処理が可変サイズの小ブロック単位で処理可能なのに対して、量子化では細かい制御が出来ないという点で問題がある。
そこで、本発明の解決しようとする課題は、マクロブロック内の映像の性質に応じて細かな量子化制御を可能とすることである。
本発明では、量子化パラメータについて動き補償や直交変換の処理と同様に、マクロブロック以下のサブブロック単位のパラメータ値変更を可能とすることにより、より詳細な量子化制御を実現する。つまりマクロブロック内に、特徴の異なる複数の映像が混在していた場合に、あるサブブロックは細かい量子化パラメータ、別のサブブロックは粗い量子化パラメータを選択するなどして、よりメリハリのある量子化制御を実行する。
本発明の一側面に係る、動画像の各フレームを所定サイズのブロックに分割し、分割した所定サイズのブロックを、所定サイズのブロック以下の小ブロックにさらに分割し、小ブロックと等しいか又は小ブロックより小さいブロックサイズで直交変換を行い、小ブロックへの分割形状と同一の小ブロックごとに、画像特徴に応じて決定した量子化パラメータにより直交変換係数の量子化を行い、小ブロックごとに決定した量子化パラメータと符号化済の周辺の複数の所定サイズのブロック又は小ブロックの量子化パラメータの中間値との差分を求め、所定サイズのブロックを小ブロックに分割した分割情報と差分を含めて符号化された動画像を復号する動画像復号方法は、符号化された、所定サイズのブロックを小ブロックに分割した分割情報と差分を取得し、差分から小ブロックに対応した量子化パラメータを再生し、再生された量子化パラメータに基づいて、符号化時に選ばれた小ブロックに対応した量子化パラメータに基づいて直交変換係数の逆量子化を行う。
本発明によれば、量子化をマクロブロック以下のサブブロック単位で実施することにより、従来方式に比べよりきめ細かい符号化制御を実現することができる。
従来の動画像符号化装置の機能ブロック構成例を示す図である。 従来例でのマクロブロック処理のフローを説明する図である。 動画像符号化における従来の動き予測におけるマクロブロック分割を説明する図である。 動画像符号化における従来の直交変換におけるマクロブロック分割を説明する図である。 動画像符号化における従来の量子化においてマクロブロック分割を行っていないことを示す図である。 本発明の実施例1に係る動画像符号化装置の機能ブロック構成例を示す図である。 図4に示す量子化分割判定器の機能ブロック構成例を示す図である。 本発明の実施例1に係るマクロブロック処理のフローを説明する図である。 本発明の実施例2に係るマクロブロック処理のフローを説明する図である。 本発明の実施例3について説明する図である。 本発明の実施例3について説明する図である。 本発明の実施例3について説明する図である。 本発明の動画像符号化装置に対応する動画像復号装置の機能ブロック構成例を示す図である。
本発明では、量子化パラメータについても、動き補償や直交変換の処理と同様に、マクロブロック以下のサブブロック単位のパラメータ値の変更を可能とする。そのために、本発明の量子化パラメータ切り替えは、上記図1に示す機能ブロックのうちの量子化(Q)部34、逆量子化(IQ)部44の制御単位をより細かくすることにより実現する。
図4は、本発明の実施例1に係る動画像符号化装置の機能ブロック構成例を示す図であり、本発明と関連する部分について示すものである。
図3に示す従来例との違いは、量子化パラメータをどのサブブロック単位で設定するかを判定する量子化分割判定器35が追加されているところである。また、量子化(Q)部34a及び逆量子化(IQ)部44aも量子化分割判定器35の出力である量子化分割情報に応じて処理対象のサブブロック単位を切り替えるように変更されている。
図4の量子化分割判定器35には、第1のスイッチ32を介してマクロブロック単位の画素情報が入力される。フレーム内予測の場合は原画マクロブロックバッファ12からマクロブロックの画像そのものが入力され、フレーム間予測の場合は減算器31を介して差分画像が入力される。
量子化分割判定器35は入力されたマクロブロックの画素を、例えば予測判定器22で全通りの動きベクトル分割モードでの予測評価を行なっているのと同様に、想定している分割単位でモード処理を行い、どの分割モードが良いかの予測評価を実施し、その結果を量子化(Q)部34a及び逆量子化(IQ)部44aに出力する。
図5は、図4に示す量子化分割判定器35の機能ブロック構成例を示す図である。
入力されたマクロブロック単位の画素情報はマクロブロックメモリ110に格納され、分割モードに応じた、例えば小ブロック1(16x16、1個)121、小ブロック2(16x8、2個)122、小ブロック3(8x16、2個)123、小ブロック4(8x8、4個)124のバッファに読み出され、それぞれに対応したアクティビティ計算部131〜134でそれぞれのサブブロックのアクティビティが計算され、その分割モードの評価値を出力する。
アクティビティ計算部131〜134での計算結果は分割モードスイッチ140を介して量子化分割決定部150に入力される。
量子化分割決定部150では前記計算結果に基づき分割モードを決定し、それに対応した量子化分割情報を出力する。
本発明は、アクティビティの異なるサブブロックに対して、それぞれに適応した量子化パラメータにより量子化を行うものであるが、単に分割数を増やすと処理量及び符号量が増大するので、適応量子化と符号量増大等のバランスを考慮する必要がある。
適応量子化の面から考えると、アクティビティに差のある部分がサブブロックとして分離されることが望ましい。アクティビティは画像の模様の細かさに対応することから、画素の分散の大きい領域はアクティビティが高く、画素の分散の小さい領域はアクティビティが低い。つまり、ある画像領域をサブブロックに分割したとき、それらのサブブロックが、画素の分散の大きいサブブロックと画素の分散の小さいサブブロックからなるように分割できれば、その分割が好ましいことになる。例えば、晴れた日の荒れた海のように、上半分は青空、下半分は波が複雑な模様を描く海といった画像であれば図3の(a)に示す16x8の分割が好ましい。
そこで、サブブロック中の画素の分散をサブブロックのアクティビティと定義すると、サブブロックのアクティビティの分散が大きい分割形状であればアクティビティに差のある部分がサブブロックとして分離されることになり、その分割モードの評価を大きくすることが考えられる。
一方、分割による符号量の増大とのバランスを取るためには、分割結果のサブブロックのアクティビティの分散と分割前のサブブロックのアクティビティの分散の差が所定の閾値より大きいという条件を設定することが考えられる。
先の晴れた日の荒れた海の画像の例では、さらに8x8のサブブロックまで分割するかは、その分割によるサブブロックのアクティビティの分散の増加によるメリットと符号量の増大とのバランスの問題となる。
そこで、マクロブロックを0番目の分割形状として、定められた分割形状の範囲で分割数を増やして行き、評価を行うことになるが、評価の方法としては、上記の考えに基づいて、種々の手法があり得る。
例えば、i番目(i≧0)の分割によるサブブロックのアクティビティの分散をB(i)としたとき、ある閾値Cに対して、B(i+1)−B(i)<C が成立すれば、i番目の分割形状を採用することができる。i+1番目の分割形状が複数ある場合には、上記不等式が全ての分割形状について成り立つことを条件にすることができる。また、閾値Cは、C(i)としてiにより変化させることも考えられる。
また、次のステップの分割との比較だけでなく、j>iであるすべてのjについて、B(j)−B(i)<C の成立を条件にすることも考えられる。
さらにまた、次のような手法も考えられる。
いま、サブブロックsのアクティビティA(s)を
A(s)=Σ(各画素値 - 画素の平均値)−(Σ(各画素値 - 画素の平均値))と定義する。和はサブブロック内部の画素について取るものとする。
そして、マクロブロック内のある分割形状D(k)のサブブロックのアクティビティの分散BD(k)を
BD(k)=Σ(A(s) −A(s)の平均値)
−(Σ(A(s)−A(s)の平均値))
と定義する。和は分割形状D(k)のサブブロックについて取るものとする。
さらに、分割形状D(k)の評価式H(k)を、αを正のパラメータとして
H(k)=−ΣA(s)−α*BD(k)
と定義する。和は分割形状D(k)のサブブロックについて取るものとする。
上記評価式H(k)の意図は、サブブロックに分割した際のサブブロック毎のアクティビティ値の差が大きい(つまりブロック内に絵柄の細かいサブブロックと絵柄の平らなサブブロックが存在する)場合に、評価式H(k)の値をより下げる様にして、最終的には各分割モードのアクティビティ(評価式H(k)の値)が最も小さいものを、量子化の分割モードとして選択することである。
H(k)の第1項は、分割数が増えれば増加し、第2項は減少する。αの値は、この2つの項の重みを調整するための変数であり、適宜調整可能な値とする。(画素のアクティビティは16x16=256画素の分散であり、サブブロックのアクティビティは分割の形状が図4に示した例であると、2〜4サブブロックの分散となる。これらの条件と具体的な画素値の大きさ等を勘案してαの値を調整する。)
以上のように、分割によるメリットとデメリットを勘案して分割モードを選択するようにする。
量子化分割決定部150で生成された量子化分割情報は、先に述べたように量子化(Q)部34aに渡され、直交変換後の変換係数を指定された分割単位で量子化演算するのに用いられる。
図6は、本発明の実施例1に係るマクロブロック処理のフローを説明する図である。
図2に示すフローと比較すると、図6のステップS61からステップS63までの動きベクトル情報を求めて符号化情報に設定する処理は、図2のステップS21からステップS23までの処理と同様である。最初の符号化情報として、ステップS61に示すように動き補償分割情報としてのマクロブロックタイプ情報が設定される。この情報中には、先に述べたようにフレーム間予測であるかフレーム内予測であるかの情報やマクロブロック分割形状の情報が含まれる。次に、ステップS62に示すように動きベクトル情報が設定される。マクロブロックタイプによってマクロブロックの分割形状が変わるので、ステップS63に示すように動きベクトル情報はその分割数分情報が設定されることになる。
次にステップS64において、量子化分割判定器35で生成された量子化分割情報が設定される。
次のステップS65とステップS66の処理は、量子化分割情報に示される量子化分割数分の量子化パラメータを求めてそれを符号化情報中に設定するものである。
図5に例示した量子化分割判定器35の構成では、小ブロックへの分割を実質的に行わない16x16の小ブロック1個、16x8の小ブロック2個、8x16の小ブロック2個、8x8の小ブロック4個のいずれかの量子化分割情報が選択されている。これらの分割の形状は、図3の(b)に示す直交変換における分割の形状がその再分割となるように選ばれている。
実施例1では、量子化分割判定器35で選択されたマクロブロックの分割形状に応じたサブブロック単位で量子化パラメータを切り替え可能であり、図2のフローと異なり、量子化パラメータをサブブロック単位に挿入するものである。
次に、ステップS67で直交変換を8x8/4x4のどちら単位で行うかのフラグが直交変換情報として符号化情報中に設定される。
最後にステップS68において、8x8か4x4単位での直交変換後の係数を求め、それをステップS65で設定されている量子化パラメータで量子化した変換係数情報がサブブロック単位で生成され、送信される。この処理は、ステップS69に示すように分割数分繰り返される。このとき、符号化情報中にcbp(coded block pattern)というサブブロック毎の有効/無効を示すフラグが動きベクトルの情報の後、量子化パラメータの情報の前に設定されており、そのフラグのとおり有効なサブブロックの係数情報のみ送信されることは、図2に示す従来例と同様である。
また、直交変換情報として設定する係数は量子化後の係数となるため、図2に示す従来例と同じように、分割された量子化パラメータ情報、そして直交変換情報の順で符号化情報に挿入することになる。
次に、本発明の実施例2について説明をする。実施例2は、量子化処理におけるマクロブロックの分割形状を、他の符号化処理における分割形状と同一とすることにより、量子化分割情報の符号化を不要とするものである。したがって、その分だけ符号量が増加することを防ぐことができる。
図7は、直交変換の分割形状に、量子化の分割形状を合わせた場合のマクロブロック処理のフローを説明する図である。図6に示す実施例1に係るマクロブロック処理のフローと比べると、ステップS65の量子化分割情報を設定する処理が不要となっている。
したがって、実施例2においては、図4に示す量子化分割判定器35は不要であり、そのかわり、予測判定器から直交変換の分割形状の情報が量子化(Q)部34a及び逆量子化(IQ)部44aに出力される。
例えば直交変換のマクロブロック分割によるサブブロックのサイズが8x8であれば、量子化処理のマクロブロック分割によるサブブロックのサイズも8x8となる。
ステップS71からステップS73までの動きベクトル情報を求めて符号化情報に設定する処理は、図2のステップS21からステップS23までの処理及び図6のステップS61からステップS63までの処理と同様である。
次に、ステップS75で直交変換を8x8/4x4のどちら単位で行うかのフラグが直交変換情報として符号化情報中に設定される。
引き続いて、ステップS75で設定された分割形状に応じたサブブロックごとにステップS76で量子化パラメータ情報が設定され、ステップS77で、該設定された量子化パラメータ情報で量子化した直交変換の係数情報が求められ動画像符号化情報中に設定される。
ステップS78に示すように、ステップS76及びステップS77は直交変換のサブブロック分割数分繰り返される。
図7に例示するものを、以上では量子化の分割形状を直交変換の分割形状に合わせたものとして説明したが、直交変換の代わりに動き補償の分割形状と量子化の分割形状を合わせることも可能である。その場合、ステップS76では、ステップS71で設定された分割形状に応じたサブブロックごとに量子化パラメータ情報が設定され、ステップS77では、該設定された量子化パラメータ情報で量子化した直交変換の係数情報が求められ動画像符号化情報中に設定される。ただしこの場合、動き補償の分割形状すなわち量子化の分割形状は、直交変換のサブブロックサイズ以上のサイズを有するサブブロックによる分割である必要がある。それは、量子化の分割形状の方が細かいものであると、直交変換も結局それに合わせた処理を行わざるを得ないからである。
次に、実施例3について説明をする。実施例3は量子化パラメータの符号化に関するものであり、上記実施例1あるいは実施例2と同時に実施可能なものである。
従来の量子化はマクロブロック単位であり、量子化パラメータの符号化方式は、現マクロブロックと現マクロブロックの左に位置するマクロブロックの量子化パラメータ値の差分を符号化するものである。
本発明では、量子化の単位をサブブロックとすることを可能としていることから、実施例3においては、量子化パラメータ値を周辺の複数のサブブロックを参考にして差分符号化を行い、より量子化パラメータ情報の符号量を抑えるようにする。
図8A〜図8Cは、実施例3について説明する図であり、現在符号化処理中のサブブロックと周辺の参考とすべきサブブロックを例示する図である。図8A〜図8Cにおいて、実線の描かれたマクロブロックあるいはサブブロックDは現在符号化処理中のものであり、点線の描かれたマクロブロックあるいはサブブロックB、C、Dは周辺の参考とすべきものである。
例えば、動きベクトルでは、現マクロブロックの動きベクトルの予測として、図8Aに示す左マクロブロック(A)、上マクロブロック(B)、右上マクロブロック(C)の各マクロブロックの動きベクトルの中間値を予測ベクトルとし、その予測ベクトルとの差分を符号化したりしている。これと同様に、量子化の単位をサブブロック化した場合でも、左マクロブロックA、上マクロブロックB、右上マクロブロックCの各マクロブロックの量子化パラメータ値の中間値を計算し、その中間値との差分を符号化することにより、マクロブロックDの量子化パラメータ値に関する情報量を減らすことが可能となる。
図8Bは、現マクロブロックDに対して左マクロブロックのサブブロックA、上マクロブロックのサブブロックB及び右上マクロブロックのサブブロックCの量子化パラメータ値を参照して符号化することを示し、図8Cは、現マクロブロックの現サブブロックDに対して左マクロブロックA、現マクロブロックの上サブブロックB及び現マクロブロックの右上サブブロックCの量子化パラメータ値を参照して符号化することを示している。
上記図8Bや図8のCに示すように、左マクロブロック、上マクロブロック、右上マクロブロックの位置に複数のサブブロックが接している場合がある。この場合には、動きベクトルの予測と同様に、例えば左サブブロックAとしてはより上側のサブブロックを、上サブブロックBとしてはより左側のサブブロックを、右上サブブロックCとしてはより左下側のサブブロックを選択することと決めておく。
以上詳細に説明したように、本発明によれば、良好な動画像符号化を実現することが可能である。また、細かい単位で量子化パラメータを変更することにより、量子化情報伝送についての符号量が増大することが考えられるが、その符号量増大についても、本発明は、最小限に抑えるように工夫をしたものである。
最後に、本発明の動画像符号化方式に対応する動画像復号について説明をする。
図9は、本発明の動画像符号化装置に対応する動画像復号装置の機能ブロック構成例を示す図であり、本発明と関連する部分のみ記載している。動画像復号装置の処理は、ほぼ動画像符号化装置における逆量子化以降の画像復元処理と同様な処理である。
例えば図4に例示する動画像符号化装置から出力された符号化出力は、蓄積媒体あるいは通信媒体を介して可変長復号器(ENT)151に入力される。可変長復号器(ENT)151は、図1及び図4に示す可変長符号化(ENT)部51に対応するものであり、可変長符号化(ENT)部51が行った算術的な情報圧縮の逆変換を行い、算術的な情報圧縮前のデータ、すなわち量子化後のデータ等を復号する。
上記復号後のデータから、量子化分割情報取得器135は図4に示す量子化分割判定器35で設定された量子化分割情報を取得し、逆量子化(IQ)部144の逆量子化処理を制御する。先に述べたように、量子化分割情報は、量子化パラメータをサブブロックごとに切り替え可能とするマクロブロックの分割形状を示すものであるから、逆量子化(IQ)部144は処理対象のマクロブロックを指示された分割形状に応じたサブブロックごとに量子化された直交変換係数の逆量子化を行い元の直交変換係数を求める。
逆直交変換(IDCT)部143は直交変換係数から逆直交変換により直交変換前のデータを復元する。
一方、可変長復号器(ENT)151の復号データは、予測モード取得器122に与えられる。
予測モード取得器122は上記復号データから、図4に示す予測判定器22で選択された予測モードがフレーム間予測とフレーム内予測のいずれであるかの情報を取得し、それに応じてスイッチ142をintra側かinter側に切り替える。
フレーム内予測モードの場合は、逆直交変換(IDCT)部143の出力が復元画像として出力されるとともに、フレーム間予測モードにおける画像復元に用いるためにフレームメモリ111に蓄積される。
フレーム間予測モードの場合は、逆直交変換(IDCT)部143の出力は差分データである。その差分の元になる画像データはフレームメモリ111から読み出され、動きベクトル取得器121で取得した動きベクトル情報を付加して予測モード取得器122から加算器141に与えられる。加算器141は逆直交変換(IDCT)部143の出力である差分データと予測モード取得器122からの画像データを加算して復元画像を生成する。
以上、図9に示す動画像復号器を実施例1の動画像符号化装置に対応するものとして説明したが、量子化分割情報取得器135において、マクロブロックタイプ情報あるいは直交変換情報を取得することにより、実施例2の動画像符号化装置に対応することができることは、明らかである。したがって、図9に示す動画像復号器の機能ブロック構成例は、実施例1のものに限定されるものではないことも明らかである。
表1参考情報:MBレイヤ処理(H.264/AVC規格書より)
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Claims (1)

  1. 動画像の各フレームを所定サイズのブロックに分割し、分割した所定サイズのブロックを、該所定サイズのブロック以下の小ブロックにさらに分割し、
    前記小ブロックと等しいか又は前記小ブロックより小さいブロックサイズで直交変換を行い、
    前記小ブロックへの分割形状と同一の小ブロックごとに、画像特徴に応じて決定した量子化パラメータにより前記直交変換係数の量子化を行い、
    前記小ブロックごとに決定した量子化パラメータと符号化済の周辺の複数の前記所定サイズのブロック又は前記小ブロックの量子化パラメータの中間値との差分を求め、
    前記所定サイズのブロックを小ブロックに分割した分割情報と前記差分を含めて符号化された動画像を復号する動画像復号方法において、
    符号化された、前記所定サイズのブロックを小ブロックに分割した分割情報と前記差分を取得し、
    前記差分から小ブロックに対応した量子化パラメータを再生し、再生された量子化パラメータに基づいて、符号化時に選ばれた小ブロックに対応した量子化パラメータに基づいて直交変換係数の逆量子化を行う、
    ことを特徴とする動画像復号方法。
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