JP2015024530A - 液体吐出装置及び短絡検出方法 - Google Patents

液体吐出装置及び短絡検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】2種類の電圧からそれらの中間電圧を生成して吐出駆動部に供給可能な給電部において、2つの電圧供給ラインの間の短絡の検出精度を向上させること。【解決手段】圧電アクチュエータに接続される給電部61は、所定の第1電圧が印加される第1ライン66aと、第1電圧よりも低い所定の第2電圧が印加される第2ライン66bと、第1ライン66aと第2ライン66bにそれぞれ接続されて、第1電圧と第2電圧の間の第3電圧を生成する中間電圧生成回路65と、を有する。さらに、給電部61は、中間電圧生成回路65を経由する導通経路68に設けられて、第1ライン66aと第2ライン66bとの間の短絡を判定する際に導通経路68を遮断可能な経路遮断スイッチSWaを有する。【選択図】図7

Description

本発明は、液体吐出装置、及び、この液体吐出装置の吐出駆動部に接続された給電部における短絡検出方法に関する。
特許文献1には、ノズルから液体を吐出させるための圧電素子を備えた液体吐出装置(インクジェットヘッド)が開示されている。この特許文献1のインクジェットヘッドは、圧電素子の2つの電極にそれぞれ電圧を印加して圧電素子を駆動する給電部(ヘッド駆動装置)を有する。給電部は、圧電素子の一方の電極には駆動信号を供給し、グランド側の他方の電極には一定電圧を印加する。
ところで、従来から、圧電素子の前記他方の電極がグランドに接続された構成がよく知られているが、特許文献1では、グランド側の前記他方の電極に、グランドよりも高いバイアス電圧が印加される構成が開示されている。即ち、特許文献1の給電部は、グランド側の前記他方の電極にバイアス電圧を印加するバイアス電源回路を備えている。
バイアス電源回路は、駆動信号を生成するためのヘッド駆動電源を利用して、バイアス電圧を生成する。詳細には、バイアス電源回路は、ヘッド駆動電源とグランド間との間に設けられたツェナーダイオードを有し、このツェナーダイオードによって、グランドよりもやや高いバイアス電圧(例えば、6V)を生成する。
特開2003−72069号公報(図1)
前記特許文献1の給電部(ヘッド駆動装置)において、圧電素子の一方の電極と電源とを接続する電源供給ラインと、圧電素子の他方の電極とグランドとを接続するグランドラインとの間に、万が一短絡が生じた場合、前記2つのラインの間に大きな漏れ電流が流れる虞があることから、その短絡を確実に検出することが望まれる。上記短絡を検出するには、例えば、短絡箇所における漏れ電流に起因する、電源供給ラインの電圧変動を監視することが考えられる。
しかしながら、特許文献1では、電源供給ラインとグランドラインとが、バイアス電源回路によって繋がった構成となっている。そして、バイアス電源回路のツェナーダイオードには圧電素子の駆動に関係なく、常に一定量の電流が流れる。そのため、短絡箇所を流れる漏れ電流が、ツェナーダイオードを流れる電流に対して小さいと、この漏れ電流に起因する電圧変化を検出することは難しい。従って、2つのラインの間の漏れ電流の検知精度が低くなり、かなり大きな漏れ電流が流れる状態となるまで短絡を検出できなくなる虞がある。
本発明の目的は、2種類の電圧からそれらの中間電圧を生成して吐出駆動部に供給可能な給電部において、2つの電圧供給ラインの間の短絡の検出精度を向上させることにある。
第1の発明の液体吐出装置は、ノズルを含む液体流路が形成された流路構造体と、前記流路構造体に設けられて前記ノズルから液体を吐出させる吐出駆動部と、前記吐出駆動部に接続される給電部と、を備え、
前記給電部は、所定の第1電圧が印加される第1ラインと、前記第1電圧よりも低い所定の第2電圧が印加される第2ラインと、前記第1ラインと前記第2ラインにそれぞれ接続されて、前記吐出駆動部に供給するための、前記第1電圧と前記第2電圧の間の第3電圧を生成する、中間電圧生成部と、を有し、
前記第1ラインと前記第2ラインの間に短絡が生じているか否かを判定する判定部をさらに備え、
前記給電部は、前記第1ラインと前記第2ラインの間の、前記中間電圧生成部を経由する導通経路に設けられて、前記判定部が前記第1ラインと前記第2ラインとの間の短絡を判定する際に前記導通経路を遮断可能な経路遮断スイッチを有することを特徴とするものである。
本発明では、第1ラインと第2ラインとの間の、中間電圧生成部を経由する導通経路に、この導通経路を遮断可能な経路遮断スイッチが設けられている。第1ラインと第2ラインとの間に短絡が生じているか否かを検出する際に、経路遮断スイッチにより導通経路を遮断することで導通経路に電流が流れなくすることができる。これにより、導通経路を流れる電流の影響を排除することで、短絡箇所の漏れ電流が微小であっても把握しやすくなるため、短絡の検出精度が向上する。
第2の発明の液体吐出装置は、前記第1の発明において、前記第1ラインの電圧を検出する電圧検出部と、前記経路遮断スイッチの動作を制御する制御部と、を有し、
前記判定部は、前記制御部が前記経路遮断スイッチを制御して前記導通経路を遮断した後に、前記電圧検出部によって検出された前記第1ラインの電圧変化に基づいて、前記第1ラインと前記第2ラインの間の短絡の判定を行うことを特徴とするものである。
本発明では、経路遮断スイッチにより導通経路を遮断してから、第1ラインの電圧変化を検出することで、短絡がある場合の、その短絡箇所における漏れ電流に起因する第1ラインの電圧変化を検出しやすくなる。従って、短絡の検出精度が向上する。
第3の発明の液体吐出装置は、前記第2の発明において、前記第1電圧を生成する電圧生成部からの、前記第1ラインへの前記第1電圧の供給を遮断する供給遮断スイッチをさらに備え、前記制御部は、前記供給遮断スイッチの動作を制御し、前記判定部は、前記制御部が前記経路遮断スイッチを制御して前記導通経路を遮断し、次に、前記供給遮断スイッチを制御して前記電圧生成部からの電圧供給を遮断した後に、前記電圧検出部によって検出された前記第1ラインの電圧変化に基づいて、前記第1ラインと前記第2ラインの間の短絡の判定を行うことを特徴とするものである。
経路遮断スイッチによって導通経路を遮断し、その後、供給遮断スイッチにより電圧生成部から第1ラインへの電圧供給を遮断したときに、短絡の有無(漏れ電流の有無)によって第1ラインの電圧の下がり方が異なってくる。従って、供給遮断スイッチによって導通経路を遮断した後の第1ラインの電圧変化から、第1ラインと第2ラインとの間の短絡の有無を検出することができる。
第4の発明の液体吐出装置は、前記第3の発明において、前記給電部は、前記第1ラインと前記第2ラインとの間に、前記中間電圧生成部を経由する前記導通経路と並列的に設けられた、電圧安定化のためのコンデンサを有し、前記電圧検出部は、前記供給遮断スイッチにより前記第1ラインへの電圧供給が遮断されて、前記コンデンサが放電するときの、前記第1ラインの前記第1電圧からの電圧低下を検出することを特徴とするものである。
第1ラインと第2ラインとの間に設けられたコンデンサにより、圧電アクチュエータへ大きな電流が瞬間的に流れても、第1ライン及び第2ラインの電圧が変動することが抑制される。本発明では、この電圧安定化のためのコンデンサを、第1ラインと第2ラインとの間の短絡の判定に使用する。即ち、供給遮断スイッチにより電圧供給を遮断したときに、第1ラインの電圧は、コンデンサの放電に伴って徐々に低下する。そのため、短絡がある場合とない場合とで、電圧変化の違いを判別しやすくなり、第1ラインと第2ラインとの間の短絡の有無を容易に検出できる。
第5の発明の液体吐出装置は、前記第1〜第4の何れかの発明において、前記吐出駆動部が前記ノズルから液体を吐出させないときに、前記経路遮断スイッチにより前記導通経路を遮断して、前記判定部による前記短絡の判定を行うことを特徴とするものである。
経路遮断スイッチにより導通経路を遮断すると、中間電圧生成部による第3電圧の生成ができなくなる。そこで、吐出駆動部がノズルから液体を吐出させないときに、短絡の検出を行う。
第6の発明の短絡検出方法は、前記第1の発明の液体吐出装置において、前記給電部の前記第1ラインと前記第2ラインの間の短絡を検出する方法であって、前記経路遮断スイッチにより前記導通経路を遮断した後の、前記第1ラインの電圧変化に基づいて、前記第1ラインと前記第2ラインの間に短絡が生じているか否かを判定することを特徴とするものである。
本発明では、経路遮断スイッチにより導通経路を遮断してから、第1ラインの電圧変化を検出することで、短絡箇所における漏れ電流に起因する電圧変化を検出しやすくなり、短絡の検出精度が向上する。
本発明によれば、第1ラインと第2ラインとの間に短絡が生じているか否かを検出する際に、経路遮断スイッチにより導通経路を遮断することで導通経路に電流が流れなくする。これにより、導通経路を流れる電流が及ぼす影響を排除し、短絡箇所の漏れ電流が微少である場合でも把握しやすくなるため、短絡の検出精度が向上する。
本実施形態のインクジェットプリンタの概略平面図である。 インクジェットヘッドの平面図である。 図2のA部拡大図である。 図3のIV-IV線断面図である。 図3のV-V線断面図である。 制御装置、電源装置、及びインクジェットヘッドの電気的な構成を概略的に示す図である。 圧電アクチュエータ及び給電部の等価回路図である。 圧電アクチュエータの動作説明図である。 短絡検出時における圧電アクチュエータ及び給電部の等価回路図である。 短絡検出処理のフローチャートである。 電圧供給を遮断したときの第1ラインの電圧低下を示す図である。 変更形態の圧電アクチュエータの、図5相当の断面図である。 図12の圧電アクチュエータ及びその給電部の等価回路図である。
次に、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施形態のインクジェットプリンタの概略平面図である。まず、図1を参照してインクジェットプリンタ1の概略構成について説明する。尚、以下では、図1の紙面手前側を上方、紙面向こう側を下方と定義して、適宜、「上」「下」の方向語を使用して説明する。
(プリンタの概略構成)
図1に示すように、インクジェットプリンタ1(本発明の液体吐出装置)は、プラテン2と、キャリッジ3と、インクジェットヘッド4と、搬送機構5と、制御装置6等を備えている。
プラテン2の上面には、被記録媒体である記録用紙100が載置される。キャリッジ3は、プラテン2と対向する領域において2本のガイドレール10,11に沿って走査方向に往復移動可能に構成されている。キャリッジ3には無端ベルト14が連結され、キャリッジ駆動モータ15によって無端ベルト14が駆動されることで、キャリッジ3は走査方向に移動する。
インクジェットヘッド4は、キャリッジ3に取り付けられており、キャリッジ3とともに走査方向に移動する。インクジェットヘッド4は、プリンタ1に装着された4色(例えば、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)のインクカートリッジ17と、図示しないチューブによって接続されている。また、インクジェットヘッド4の下面(図1の紙面向こう側の面)には、複数のノズル25が形成されている。そして、このインクジェットヘッド4は、インクカートリッジ17から供給された4色のインクを、複数のノズル25からプラテン2に載置された記録用紙100に対して吐出する。
搬送機構5は、搬送方向にプラテン2を挟むように配置された2つの搬送ローラ18,19を有する。搬送機構5は、2つの搬送ローラ18,19によって、プラテン2に載置された記録用紙100を搬送方向に搬送する。
制御装置6は、後で説明する図6に示されるように、CPU(Central Processing Unit)70、ROM(Read Only Memory)71、RAM(Random Access Memory)72、及び、各種制御回路を含むASIC(Application Specific Integrated Circuit)73等を備える。また、制御装置6は、図示しないPC等の外部装置とデータ通信可能に接続されている。
制御装置6は、ROM71に格納されたプログラムに従い、CPU70及びASIC73により、記録用紙100への印刷等の各種処理を実行する。例えば、印刷処理においては、制御装置6は、PC等の外部装置から入力された印刷指令に基づいて、インクジェットヘッド4やキャリッジ駆動モータ15等を制御して、記録用紙100に画像等を印刷させる。具体的には、キャリッジ3とともにインクジェットヘッド4を走査方向に移動させながらインクを吐出させるインク吐出動作と、搬送ローラ18,19によって記録用紙100を搬送方向に所定量搬送する搬送動作とを、交互に行わせる。尚、上の説明では、制御装置6が、CPU70及びASIC73によって各種の処理を行う例を挙げたが、本発明はこれに限るものではなく、制御装置6はいかなるハードウェア構成で実現してもよい。例えば、CPUのみ又はASICのみで処理を行ってもよい。また、2以上のCPUや、2以上のASICに機能を分担して実現してもよい。
(インクジェットヘッド)
次に、インクジェットヘッド4について説明する。図2は、インクジェットヘッドの平面図である。図3は、図2のA部拡大図である。図4は、図3のIV-IV線断面図である。図5は、図3のV-V線断面図である。尚、図2、図4では、圧電アクチュエータ21に接続されるCOF63を二点鎖線で概略的に示している。また、図5では、図4においては示されている、圧力室26よりも下側の流路構造の図示が省略されている。図2〜図5に示すように、インクジェットヘッド4は、流路ユニット20と圧電アクチュエータ21を備えている。
(流路ユニットの構成)
図4に示すように、流路ユニット20(本発明の流路構造体)は、それぞれ流路形成孔が形成された5枚のプレート31〜35が互いに積層されることによって形成されている。これら5枚のプレート31〜35が積層されたときにそれぞれの流路形成孔が連通することによって、流路ユニット20には、以下に述べるようなインク流路が形成されている。
図2に示すように、流路ユニット20の上面には、4つのインクカートリッジ17(図1参照)と接続される4つのインク供給孔23が形成されている。流路ユニット20の内部には、4つのインク供給孔23にそれぞれ接続された4本のマニホールド24が形成されている。4本のマニホールド24には、4つのインク供給孔23を介して、4つのインクカートリッジ17の4色のインクがそれぞれ供給される。また、4本のマニホールド24は、それぞれ搬送方向に延在している。
また、流路ユニット20は、最下層のプレート35に形成された複数のノズル25と、最上層のプレート31に形成された複数の圧力室26を有する。図2に示すように、流路ユニット20の下面(図3の紙面向こう側の面)において、複数のノズル25は搬送方向に沿って配列され、4本のマニホールド24にそれぞれ対応した4列のノズル列を構成している。各圧力室26は、走査方向に長い、略矩形の平面形状を有する孔である。
複数の圧力室26は、流路ユニット20の上面に沿って平面的に配置されている。流路ユニット20の上面に接合される圧電アクチュエータ21の圧電体40によって、複数の圧力室26は上方から覆われている。また、複数の圧力室26は、4本のマニホールド24、及び、4列のノズル列に対応して、4列に配列されている。各圧力室26は、走査方向に長い、略楕円形の平面形状を有する。また、各圧力室26の長手方向一端部は、マニホールド24と連通し、長手方向他端部はノズル25と連通している。これにより、図4に示すように、流路ユニット20には、マニホールド24から分岐して、圧力室26を経てノズル25に至る、個別インク流路が複数形成されている。
(圧電アクチュエータの構成)
圧電アクチュエータ21(本発明の吐出駆動部)は、流路ユニット20の上面に、複数の圧力室26を覆うように接合されている。図2〜図5に示すように、圧電アクチュエータ21は、インク封止膜43と、2枚の圧電層41〜43からなる圧電体40と、複数の個別電極44、及び、共通電極45とを備えている。
インク封止膜43は、インク透過性の低い材料、例えば、ステンレス鋼等の金属材料で形成された薄い膜である。インク封止膜43は、複数の圧力室26を覆うように、流路ユニット20の上面に接合されている。
圧電体40を構成する2枚の圧電層41,42は、それぞれ、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との混晶であるチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電材料からなる。圧電層41,42は互いに積層された状態で、インク封止膜43の上面に配置されている。
複数の個別電極44は、上層の圧電層41の上面に配置されている。より詳細には、図2〜図5に示すように、各個別電極44は、圧電層41の上面の、圧力室26の中央部と対向する領域に配置されている。複数の個別電極44は、複数の圧力室26に対応して搬送方向に沿って配列され、4列の個別電極列を構成している。各個別電極44からは個別端子49が引き出され、さらに、この個別端子49の端部には、金などの導電性材料からなるバンプ57が設けられている。図4に示すように、このバンプ57には、配線部材であるCOF63が押し付けられて接合される。これにより、個別端子49は、バンプ57を介して、COF63に形成された配線と電気的に接続される。
共通電極45は、2枚の圧電層41,42の間に配置されている。共通電極45は、圧電層41を挟んで、複数の個別電極44と共通に対向している。図2に示すように、上層の圧電層41の上面の、走査方向における両端部には2つの引出電極47がそれぞれ設けられ、これら2つの引出電極47は、圧電層41に形成された複数のスルーホール(図示省略)を介して共通電極45と導通している。また、引出電極47には複数のバンプ58が設けられている。2つの引出電極47は、複数のバンプ58を介してCOF63に形成された配線と電気的に接続される。
尚、圧電層41の、個別電極44と共通電極45に挟まれた部分を、特に、活性部51と呼ぶ。図5に白抜き矢印aで示すように、活性部51は、厚み方向において下向き、即ち、個別電極44から共通電極45に向かう方向に分極されている。
(給電部の構成)
次に、圧電アクチュエータ21の電極44,45にそれぞれ電圧を印加する給電部61について説明する。図6は、制御装置、電源装置、及び、インクジェットヘッドの電気的な構成を概略的に示す図である。給電部61は、ヘッド基板62、及び、ドライバIC64等を有する。尚、図示は省略するが、給電部61のヘッド基板62は、電源装置55及び制御装置6と、フレキシブルフラットケーブル(FFC)等の配線部材によって接続されている。
また、給電部61は、FFC等の配線部材に形成された、電源装置55(本発明の電圧生成部)のVDD端子に接続された、第1ライン66aと、電源装置55のGND端子に接続された第2ライン66bとを有する。第1ライン66aは電源電圧に維持され、第2ライン66bはグランドに維持されている。以下の説明において、第1ライン66aに印加されている電源電圧を「第1電圧V1」、グランドを「第2電圧V2」とも呼ぶ。また、ここでの「電圧」とは、グランドに対する電位差を意味する。即ち、第2電圧V2=0Vである。
さらに、給電部61のヘッド基板62は、制御装置6と、FFC等の配線部材に形成された複数の信号配線66cによって接続されている。制御装置6のASIC73は、図示しないPC等の外部装置から入力された印刷データに基づき、ドライバIC64を制御するための制御信号を生成する。このASIC73で生成された制御信号は、複数の信号配線66cを介してヘッド基板62に送られる。
ヘッド基板62は、図2、図4に示される、ドライバIC64が実装されたCOF63によって圧電アクチュエータ21と接続されている。図2、図4に示すように、COF63は、圧電アクチュエータ21の圧電体40を上方から覆うように配置される。COF63の裏面には複数の端子(図示省略)が設けられている。これらCOF63の複数の端子は、圧電体40の上面に形成された、複数の個別電極44からそれぞれ引き出された複数の個別端子49、及び、共通電極45と導通する2つの引出電極47と、バンプ57,58を介してそれぞれ電気的に接続される。
ドライバIC64は、制御装置6からヘッド基板62を経て送信されてきた制御信号に基づき、個別電極44に印加する電圧を、第1ライン66aに印加されている第1電圧V1(電源電圧)と、第2ライン66bに印加されている第2電圧V2(グランド)との間で切り換える。図7は、圧電アクチュエータ及び給電部の等価回路図である。尚、強誘電体である圧電材料で形成された、圧電アクチュエータ21の活性部51は、この活性部51を挟む電極44,45間に電位差が生じたときには電荷を蓄え(充電)、電位差が解消したときに蓄えた電荷を放出する(放電)。つまり、図7に示すように、活性部51は、ある静電容量を有するコンデンサCとみなすことができる。
図7に示すように、ドライバIC64は、トランジスタで構成された一種のスイッチング回路である。ドライバIC64は、制御装置6から送信された制御信号に基づいて、図7に示される2つのスイッチSW1,SW2のON/OFFを切り換えることにより、図7におけるA点の電圧、即ち、個別電極44に印加する電圧を、第1電圧V1と第2電圧V2との間で切り換える。
図6、図7に示すように、ヘッド基板62には、コンデンサC0、電圧検出回路67、供給遮断スイッチSWb、中間電圧生成回路65等が組み込まれている。
コンデンサC0は、第1ライン66aと第2ライン66bとの間に設けられている。このコンデンサC0は、第1ライン66aと第2ライン66bの電圧を安定化させるために設けられている。また、第1ライン66aと第2ライン66bの間には、コンデンサC0に蓄えられた電荷を放電させる放電経路69も設けられている。また、放電経路69には、直列的に接続された抵抗Rx,Ryが設けられている。抵抗Rxの抵抗値は、例えば、数十kΩ、抵抗Ryの抵抗値は、例えば、数kΩである。活性部51の駆動時(コンデンサCの充放電時)に、給電部61に瞬間的に大きな電流が流れた場合でも、このコンデンサC0の充放電によって第1ライン66a及び第2ライン66bの電圧変動が抑えられる。
電圧検出回路67(本発明の電圧検出部)は、第1ライン66aの電圧変動を検出し、その検出した信号を制御装置6に送る。本実施形態では、上記の放電経路69に、電圧検出回路67が接続されている。この電圧検出回路67は、第1ライン66aの電圧を常時監視するために設けられているが、後述するように、第1ライン66aと第2ライン66bとの間の短絡を検出する場合にも用いられる。
供給遮断スイッチSWbは、第1ライン66aの、電圧検出回路67との接続点よりも上流側(電源装置55側)に設けられている。供給遮断スイッチSWbの開閉動作は、制御装置6のASIC73からの制御信号によって制御され、電源装置55から給電部61(第1ライン66a)への電圧供給を遮断可能である。
コンデンサC0よりも下流側(圧電アクチュエータ21側)には、第1ライン66aと第2ライン66bとを繋ぐ導通経路68が、コンデンサC0と並列的に設けられている。この導通経路68には、第1電圧V1と第2電圧V2の間の、中間の第3電圧V3を生成する、中間電圧生成回路65(本発明の中間電圧生成部)が設けられている。図7に示すように、中間電圧生成回路65は、直列に接続された2つの抵抗R1,R2を有する。抵抗R1、R2の抵抗値は、例えば、数kΩ程度である。第1ライン66aと第2ライン66bとの間の電圧が2つの抵抗R1,R2により分圧されることにより、第1電圧V1と第2電圧V2の中間の第3電圧V3が生成される。例えば、第1電圧V1=28V、第2電圧V2=0Vである場合、5V程度の第3電圧V3を生成する。図7のB点には、中間電圧生成回路65の出力が接続される。即ち、個別電極44との間で活性部51を挟む共通電極45には、常時、中間電圧である第3電圧V3が印加されている。
また、中間電圧生成回路65は、導通経路68を遮断する経路遮断スイッチSWaを有する。図7では、経路遮断スイッチSWaは、2つの抵抗R1,R2の間に設けられている。後で説明するが、この経路遮断スイッチSWaは、第1ライン66aと第2ライン66bとの間の短絡を検出する際に、導通経路68を遮断するものである。経路遮断スイッチSWaの開閉動作は、制御装置6のASIC73からの制御信号によって制御され、経路遮断スイッチSWaにより導通経路68の状態が導通状態と遮断状態の間で切り換えられる。尚、経路遮断スイッチSWaが設けられる位置は、抵抗R1と抵抗R2の間には限られず、導通経路68内のどの位置であってもよい。
尚、上記のコンデンサC0、電圧検出回路67、供給遮断スイッチSWb、中間電圧生成回路65は、全て、ヘッド基板62に組み込まれている必要はなく、FFC等の配線部材やドライバIC等に設けられてもよい。例えば、コンデンサC0が、ヘッド基板62と制御装置6とを接続する、FFC等の配線部材に設けられてもよい。また、図6は、制御装置6と電源装置55とが、別々に、インクジェットヘッド4のヘッド基板62に接続された図となっているが、電源装置55に接続された第1ライン66a及び第2ライン66bが、制御装置6を経由してヘッド基板62に接続された構成も採用できる。その場合、電圧検出回路67が、制御装置6のASIC73に組み込まれてもよい。また、中間電圧生成回路65が、制御装置6に設けられていてもよい。
(圧電アクチュエータの動作)
次に、給電部61のドライバIC64によって個別電極44の電圧が切り換えられたときの、圧電アクチュエータ21の動作について説明する。図8は、圧電アクチュエータ21の動作説明図である。尚、図8において、太線の縦向き矢印bは、活性部51にそれぞれ作用する電界の方向を示し、塗りつぶした横向き矢印cは、活性部51における面方向における変形方向(伸長又は収縮)を示す。
(a)第1電圧印加時
図8(a)は、個別電極44に、電源電圧である第1電圧V1が印加された状態を示す。このとき、第1電圧V1が印加される個別電極44と、第3電圧V3が印加される共通電極45との間に電圧差が生じて、矢印bで示すように、活性部51に、個別電極44から共通電極45に向かう下向きの電界が作用する。また、矢印aで示すように、活性部51の分極方向も下向きである。従って、活性部51に作用する電界の方向が、分極方向と同じとなることから、矢印cで示すように、活性部51は面方向に収縮する。圧力室26の中央部と対向する活性部51が面方向に収縮することで、圧電体40は圧力室26側(下側)に凸となるように撓み、その中央部が下方向に変位する。
ここで、共通電極45に印加される第3電圧V3は、第1電圧V1と第2電圧V2の間の中間の電圧である。そのため、共通電極45に第2電圧V1(グランド)がそのまま印加される場合と比べると、個別電極44と共通電極45の間の電位差が小さくなり、活性部51に作用する電界の強度が下がる。これにより、活性部51に、高い強度の電界が作用することによる絶縁破壊の発生が防止される。尚、上記のように、活性部51に作用する電界が小さくなると、その分、活性部51の圧電変形(収縮量)は当然小さくなり、圧電体40の、圧力室26の中央部と対向する部分の下向きの変位量も小さくなる。しかし、後で説明するように、上記の圧電体40の変位量の減少分は、次述の個別電極44への第2電圧V2の印加時に補われる。
(b)第2電圧印加時
図8(b)は、個別電極44に、グランドである第2電圧V2が印加された状態を示す。この場合においても、第2電圧V2が印加された個別電極44と第3電圧V3が印加されている共通電極45との間に電圧差が生じる。但し、この場合は、共通電極45の電圧が個別電極44の電圧よりも高くなる。従って、矢印bで示すように、活性部51には、図8(a)とは逆に、共通電極45から個別電極44に向かう、上向きの電界が作用する。この電界は、矢印aで示される活性部51の分極方向とは逆向きである。従って、矢印cで示すように、活性部51は面方向に伸長する。このように、圧力室26の中央部と対向する活性部51が面方向に伸長することで、圧電体40は、圧力室26とは逆側(上側)に凸となるように撓み、その中央部が上方向に変位する。
このように、個別電極44に第2電圧V2が印加されたときには、先の第1電圧V1の印加時とは逆方向に圧電体40が変形する。つまり、共通電極45に、第2電圧V2よりも高い第3電圧V3が印加されることによって、先の、図8(a)の個別電極44に第1電圧V1が印加されたときの圧電体40の変位量は低下するが、その変位量の低下は、図8(b)の個別電極44に第2電圧V2が印加された場合に圧電体40が逆方向に変位することによって補われる。
以上のように、個別電極44の電圧が第1電圧V1と第2電圧V2との間で切り換えられると、圧力室26と対向する領域において圧電体40が上下に変位するため圧力室26の容積が変化する。この容積変化によって、圧力室26内のインクに圧力(吐出エネルギー)が付与され、圧力室26に連通するノズル25からインクが吐出される。
(短絡検出)
次に、給電部61の、第1ライン66aと第2ライン66bとの間における短絡の検出について説明する。図9は、短絡検出時における圧電アクチュエータ21及び給電部61の等価回路図である。図9に二点鎖線で示すように、第1ライン66aと第2ライン66bとの間に短絡が生じていると、その短絡箇所75において大きな漏れ電流が流れる虞がある。尚、上記短絡は、例えば、静電気や雷等によってドライバIC64内の回路が破壊されることで、ドライバIC64内において発生しうる。また、FFC、FPC63、ヘッド基板62等に、導電性の異物が付着することによっても発生しうる。そこで、本実施形態のプリンタ1は、以下のようにして、第1ライン66aと第2ライン66bとの間の短絡を検出する。
図10は、短絡検出処理のフローチャートである。尚、図10において、Si(i=10,11,12,13)はステップ番号を示す。図10の短絡検出処理は、制御装置6のCPU70及びASIC73によって実行される。また、この短絡検出処理は、圧電アクチュエータ21を駆動させないとき、即ち、ノズル25からインクを吐出させない状態において、適宜のタイミングで実行される。例えば、前回の検出から一定時間が経過する毎に行ってもよいし、あるいは、外部から短絡検出を行わせる信号が入力されたときに行ってもよい。
図10に示すように、まず、制御装置6は、経路遮断スイッチSWaを制御して、中間電圧生成回路65が設けられた導通経路68を遮断させる(S10)。これにより、短絡検出の際に、導通経路68に電流が流れないようにしておく。尚、導通経路68が遮断されると、中間電圧生成回路65にて第3電圧V3を生成することはできなくなる。しかし、上述したように、短絡検出処理は、圧電アクチュエータ21を駆動させない場合に実行されることから、中間電圧生成回路65で第3電圧V3を生成できなくても、特段問題は生じない。
次に、制御装置6は、供給遮断スイッチSWbを制御して、電源装置55から第1ライン66aへの電圧供給を遮断する(S11)。つまり、電源装置55から給電部61への給電を遮断する。電源装置55から第1ライン66aへ第1電圧V1が印加されている状態では、コンデンサC0は充電状態である。供給遮断スイッチSWbによって電源装置55からの電圧供給(給電)が遮断されると、コンデンサC0の放電が開始されて、放電経路69を通って放電電流Iaが流れるとともに第1ライン66aの電圧が低下する。制御装置6は、供給遮断スイッチSWbによって遮断した後に、電圧検出回路67にて検出された第1ライン66aの電圧低下をチェックする(S12)。
ここで、図9に二点鎖線で示すように、第1ライン66aと第2ライン66bとの間に短絡が生じている場合を考える。図11は、電圧供給を遮断したときの第1ライン66aの電圧低下を示す図である。図11は、時間t1に、供給遮断スイッチSWbにより電圧供給を遮断(OFF)した場合の電圧変化を示しており、実線で示す曲線Aは短絡がない場合の電圧変化、二点鎖線で示す曲線Bは短絡がある場合の電圧変化である。電圧供給を遮断すると、コンデンサC0の放電によって第1ライン66aの電圧が曲線的に低下する。さらに、短絡がある場合には、コンデンサC0の放電の際に、短絡箇所75に漏れ電流Ibが流れることとなるため、図11に示すように、短絡がない場合と比べて電圧の下がり方(電圧低下速度)が大きくなる。
そこで、制御装置6は、第1ライン66aの電圧低下チェックの結果に基づいて、第1ライン66aと第2ライン66bとの間に短絡が生じているか否かを判定する(S13)。尚、本実施形態においては、制御装置6が、スイッチSWa,SWbを制御する本発明の「制御部」と、短絡の有無を判定する「判定部」を兼ねている。
以下、判定手法の例を挙げる。図11の、短絡がない場合の電圧低下曲線Aのデータが、制御装置6のROM71に予め記憶されているとする。その上で、電圧検出回路67で実際に検出された電圧検出値を、電圧低下曲線Aの値と比較し、その差が一定以上である場合には、短絡が存在すると判定する。尚、時間t1後の所定時間内に、電圧検出回路67で複数回電圧を検出し、それら複数回の電圧検出値を用いて、短絡の判定を行ってもよい。
ここで、前述したように、本実施形態では、第1ライン66aと第2ライン66bの間の、中間電圧生成回路65を経由する導通経路68に、この導通経路68を遮断可能な経路遮断スイッチSWaが設けられている。そして、第1ライン66aと第2ライン66bとの間の短絡検出を行う際に、経路遮断スイッチSWaにより導通経路68を遮断することで導通経路68に電流が流れなくしている。これにより、導通経路68を流れる電流の影響を排除でき、短絡箇所75を流れる漏れ電流Ibが微小であっても、S13の短絡判定において、その漏れ電流Ibによる影響(具体的には、漏れ電流Ibに起因する電圧低下)を把握しやすくなる。従って、短絡の検出精度が向上する。
また、本実施形態では、供給遮断スイッチSWbによって、第1ライン66aの電圧供給を遮断した後の、第1ライン66aの電圧低下に基づいて、短絡の有無を検出している。さらに、本実施形態では、電圧安定化のためのコンデンサC0を、第1ライン66aと第2ライン66bとの間の短絡の判定に使用する。即ち、供給遮断スイッチSWbにより電圧供給を遮断したときに、第1ライン66aの電圧は、コンデンサC0の放電に伴って徐々に低下する。そのため、短絡がある場合とない場合とで、電圧変化の違いを判別しやすくなり、短絡の有無を容易に検出できる。
S13において、制御装置6が、第1ライン66aと第2ライン66bの間に短絡が存在すると判定した場合は、その旨をユーザに通知するために、制御装置6は、例えば、以下のような処理を行う。即ち、制御装置6は、プリンタ1の表示装置(図示省略)にその旨を表示させる。あるいは、PC等の外部装置に、異常発生を示す信号を送信する。
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
1]中間電圧生成回路65の回路構成は、前記実施形態の図7の構成には限られない。例えば、図7の抵抗R2の代わりに、ツェナーダイオードを用いて第3電圧を生成してもよい。
2]前記実施形態では、電源装置55からの電圧供給が遮断されたときの、第1ライン66aの電圧変化に基づいて、短絡の有無を検出していた。これに対して、電源装置55からの電圧供給が遮断されたときの、電流変化に基づいて短絡の有無を検出することも可能である。例えば、図9において、第1ライン66aと第2ライン66bとの間に短絡がある場合は、その短絡箇所75を漏れ電流Ibが流れるために、その分、コンデンサC0からの放電電流Iaが多くなる。そこで、この放電電流Iaの電流値を検出し、その時間変化に基づいて短絡を判定してもよい。
3]前記実施形態では、短絡検出の際に、供給遮断スイッチSWbにより、電源装置55から第1ライン66aへの電圧供給を遮断しているが(図10のS11)、電圧供給を遮断せずとも短絡検出は可能である。例えば、第1ライン66aと第2ライン66bとの間の短絡がある場合とない場合とで、第1ライン66aを流れる電流が異なる。そこで、第1ライン66aに、ホール素子や、抵抗及び増幅回路を用いた電流検出回路が設けられた上で、この電流検出回路にて第1ライン66aを流れる電流を監視することにより、短絡の有無を検出することもできる。
4]圧電アクチュエータ21及び給電部61の構成は、前記実施形態のものには限られない。即ち、圧電アクチュエータ21に、第1電圧V1と第2電圧V2との中間の電圧が供給される構成であれば、本発明を適用しうる。
(a)例えば、中間電圧生成回路から圧電アクチュエータに、2種類以上の中間電圧が供給される構成であってもよい。図12に示す圧電アクチュエータ21Aは、3枚の圧電層41A,42A,43Aからなる圧電体40Aと、個別電極44A、第1共通電極45A、及び、第2共通電極46Aを有する。個別電極44Aは最上層の圧電層41Aの上面に配置されている。第1共通電極45Aは、最上層の圧電層41Aと中間層の圧電層42Aの間に配置されている。第2共通電極46Aは、中間層の圧電層42Aと最下層の圧電層43Aとの間に配置されている。個別電極44Aと第1共通電極45Aは圧電層41A(第1活性部51A)を挟んで対向している。また、個別電極44Aと第2共通電極46Aは2枚の圧電層41A,42A(第2活性部52A)を挟んで対向している。個別電極44Aの電圧は、第1電圧V1と第2電圧V2の間で切り換えられる。また、第1共通電極45Aと第2共通電極46Aには、第1電圧V1と第2電圧V2の間の中間電圧である、第3電圧V3と第4電圧V4がそれぞれ印加される(電圧の大小関係:V1>V3>V4>V2)。
図13は、図12の圧電アクチュエータ21A及びその給電部61Aの等価回路図である。第1活性部51Aと第2活性部52Aは、それぞれ、コンデンサC1,C2と等価である。中間電圧生成回路65Aは、直列的に接続された3つの抵抗Ra,Rb,Rcを有し、第1ライン66aと第2ライン66bとの間の電圧を分圧し、第3電圧V3と第4電圧V4を生成する。尚、抵抗Rbと抵抗Rcとの間には、導通経路68Aを遮断可能な経路遮断スイッチSWaが設けられている。図13のC点電圧、即ち、個別電極44Aの電圧は、ドライバIC64AのスイッチSW1,SW2によって、第1電圧V1と第2電圧V2との間で切り換えられる。図13のD点、即ち、第1共通電極45Aには、中間電圧生成回路65Aで生成された第3電圧V3が印加される。図13のE点、即ち、第2共通電極46Aには、中間電圧生成回路65Aで生成された第4電圧V4が印加される。
この構成において、第1ライン66aと第2ライン66bとの短絡を検出する際には、経路遮断スイッチSWaによって、中間電圧生成回路65Aを経由する導通経路68Aを遮断する。これにより、導通経路68Aに電流を流れないようにして、短絡検出に及ぼす影響を排除する。
(b)また、前記実施形態では、第1電圧V1が電源装置55の電源電圧であり、第2電圧V2がグランドであったが、第1電圧V1、第2電圧V2が、電源電圧やグランド以外の電圧であってもよい。
(c)また、インクジェットヘッド4のノズル25からインクを吐出させる吐出駆動部としては、圧電アクチュエータには限られない。例えば、発熱素子によってインクを加熱して、インクに吐出エネルギーを与える方式のものにも、本発明を適用することができる。
5]前記実施形態では、経路遮断スイッチSWaの制御を行う制御装置6のASIC73が、短絡の有無の判定も行う構成である。即ち、制御装置6が、本発明の「制御部」と「判定部」とを兼ねている。これに対して、短絡を判定する判定部が、制御部とは別に設けられていてもよい。例えば、経路遮断スイッチSWaのスイッチ制御回路が実装された回路基板とは別に、短絡を判定する判定回路が実装された回路基板が設けられてもよい。
6]短絡の判定が、プリンタ内で行われる形態には限られない。例えば、前記実施形態において、電圧検出回路67で検出された第1ライン66aの電圧変化の情報が、PC等の外部装置に送られ、この情報に基づいて、前記外部装置が第1ライン66aと第2ライン66bの間の短絡の有無を判定してもよい。この場合は、短絡判定用の回路等がプリンタ内に設けられる必要がない。この形態は、特に、プリンタの出荷前検査において、プリンタを、短絡判定プログラムがインストールされたPC等に接続して短絡判定を行う場合に好適である。
以上、説明した前記実施形態及びその変更形態は、本発明を、記録用紙にインクを吐出して画像等を印刷するインクジェットヘッドに適用したものであるが、画像等の印刷以外の様々な用途で使用される液体吐出装置においても本発明は適用されうる。例えば、基板に導電性の液体を噴射して、基板表面に導電パターンを形成する液体吐出装置にも、本発明を適用することは可能である。
1 インクジェットプリンタ
4 インクジェットヘッド
6 制御装置
20 流路ユニット
21,21A 圧電アクチュエータ
25 ノズル
55 電源装置
61,61A 給電部
65,65A 中間電圧生成回路
66a 第1ライン
66b 第2ライン
67 電圧検出回路
68,68A 導通経路
C0 コンデンサ
SWa 経路遮断スイッチ
SWb 供給遮断スイッチ

Claims (6)

  1. ノズルを含む液体流路が形成された流路構造体と、
    前記流路構造体に設けられて前記ノズルから液体を吐出させる吐出駆動部と、
    前記吐出駆動部に接続される給電部と、を備え、
    前記給電部は、
    所定の第1電圧が印加される第1ラインと、
    前記第1電圧よりも低い所定の第2電圧が印加される第2ラインと、
    前記第1ラインと前記第2ラインにそれぞれ接続されて、前記吐出駆動部に供給するための、前記第1電圧と前記第2電圧の間の第3電圧を生成する、中間電圧生成部と、を有し、
    前記第1ラインと前記第2ラインの間に短絡が生じているか否かを判定する判定部をさらに備え、
    前記給電部は、
    前記第1ラインと前記第2ラインの間の、前記中間電圧生成部を経由する導通経路に設けられて、前記判定部が前記第1ラインと前記第2ラインとの間の短絡を判定する際に前記導通経路を遮断可能な経路遮断スイッチを有することを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記第1ラインの電圧を検出する電圧検出部と、
    前記経路遮断スイッチの動作を制御する制御部と、を有し、
    前記判定部は、前記制御部が前記経路遮断スイッチを制御して前記導通経路を遮断した後、前記電圧検出部によって検出された前記第1ラインの電圧変化に基づいて、前記第1ラインと前記第2ラインの間の短絡の判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記第1電圧を生成する電圧生成部からの、前記第1ラインへの前記第1電圧の供給を遮断する供給遮断スイッチをさらに備え、
    前記制御部は、前記供給遮断スイッチの動作を制御し、
    前記判定部は、
    前記制御部が前記経路遮断スイッチを制御して前記導通経路を遮断し、次に、前記供給遮断スイッチを制御して前記電圧生成部からの電圧供給を遮断した後に、前記電圧検出部によって検出された前記第1ラインの電圧変化に基づいて、前記第1ラインと前記第2ラインの間の短絡の判定を行うことを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記給電部は、前記第1ラインと前記第2ラインとの間に、前記中間電圧生成部を経由する前記導通経路と並列的に設けられた、電圧安定化のためのコンデンサを有し、
    前記電圧検出部は、前記供給遮断スイッチにより前記第1ラインへの電圧供給が遮断されて、前記コンデンサが放電するときの、前記第1ラインの前記第1電圧からの電圧低下を検出することを特徴とする請求項3に記載の液体吐出装置。
  5. 前記吐出駆動部が前記ノズルから液体を吐出させないときに、前記経路遮断スイッチにより前記導通経路を遮断して、前記判定部による前記短絡の判定を行うことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の液体吐出装置。
  6. 請求項1に記載の液体吐出装置において、前記給電部の前記第1ラインと前記第2ラインの間の短絡を検出する方法であって、
    前記経路遮断スイッチにより前記導通経路を遮断した後の、前記第1ラインの電圧変化に基づいて、前記第1ラインと前記第2ラインの間に短絡が生じているか否かを判定することを特徴とする短絡検出方法。
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