JP2015020122A - マイクロチャンバー - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便かつ小さなスケールで化学反応を行うことを可能とするマイクロチャンバーを提供する。
【解決手段】化学反応を行うためのマイクロチャンバー1であって、狭窄部13を有する貫通孔11を備え、貫通孔11の一方から液を導入すると、界面張力を利用したバルブとして狭窄部13が機能して貫通孔11の少なくとも一部に液を保持可能なマイクロチャンバー1に関する。
【選択図】図1A
【解決手段】化学反応を行うためのマイクロチャンバー1であって、狭窄部13を有する貫通孔11を備え、貫通孔11の一方から液を導入すると、界面張力を利用したバルブとして狭窄部13が機能して貫通孔11の少なくとも一部に液を保持可能なマイクロチャンバー1に関する。
【選択図】図1A
Description
本開示は、マイクロチャンバー、マイクロチャンバーを用いた液体のハンドリング方法又は物質の合成方法、及び合成用キットに関する。
生命科学等の分野において、核酸、脂質、糖鎖及びタンパク質等といった細胞を構成する分子の合成は、通常、ミリリットルやマイクロリットル等のスケールで行われている。しかしながら、合成の低コスト化やハイスループット化の点から、より小さなスケールでのより多種類の合成が求められている。例えば、引用文献1には、分子の合成及びスクリーニングのハイスループット化を実現するために、複数の貫通孔を有するプレートを複数枚重ね合わせたプラテン等が開示されている。
本開示は、一又は複数の実施形態において、小さなスケールで簡便に化学反応を行うこと可能とするマイクロチャンバーを提供する。本開示は、一又は複数の実施形態において、小さなスケールで簡便に核酸、ペプチド、タンパク質、及び糖鎖などのバイオポリマーを合成することを可能とするマイクロチャンバーを提供する。
本開示は、一又は複数の実施形態において、化学反応に用いるマイクロチャンバーであって、狭窄部を有する貫通孔を備え、前記貫通孔の一方から液を導入すると、前記狭窄部が界面張力を利用したバルブとして機能し、前記貫通孔の少なくとも一部に前記化学反応に用いる液を保持可能なマイクロチャンバーに関する。
本開示は、一又は複数の実施形態において、凹部、及び前記凹部の底面と前記凹部に対向する側の面とを連通する連通部を備え、前記凹部の底面と前記連通部との間には狭窄部が形成され、前記狭窄部での流体抵抗によって前記凹部に液を保持可能な、マイクロチャンバーに関する。
本開示のマイクロチャンバーによれば、化学反応やバイオポリマーの合成をより小さなスケールで行うことができる。また、本開示のマイクロチャンバーによれば、一又は複数の実施形態において、貫通孔内に微量の液を保持でき、保持された液を反応空間として利用できるという効果を奏しうる。
本開示は、貫通孔内に導入される液表面の曲率を制御することによって、液内部に働く圧力(ラプラス圧)と液表面に働く界面張力(表面張力)とを利用して貫通孔内に液を保持し、化学反応が可能な微小な反応の場を形成することができ、それにより、例えば、バイオポリマー等の物質を合成できる、との知見に基く。
本開示において「貫通孔内に導入される液表面の曲率を制御する」とは、一又は複数の実施形態において、貫通孔内に狭窄部を形成することを含み、また、貫通孔内に所定の大きさの狭窄部を形成することを含みうる。
本開示は、以下の一又は複数の実施形態に関する。
[1] 化学反応を行うためのマイクロチャンバーであって、
狭窄部を有する貫通孔を備え、
前記貫通孔の一方から液を導入すると、前記狭窄部が界面張力を利用したバルブとして機能し、前記貫通孔の少なくとも一部に前記化学反応に用いる液を保持可能な、マイクロチャンバー。
[2] マイクロチャンバーであって、
凹部、及び前記凹部の底面と前記凹部に対向する側の面とを連通する連通部を備え、
前記凹部の底面と前記連通部との間には狭窄部が形成され、前記狭窄部での流体抵抗によって前記凹部に液を保持可能な、マイクロチャンバー。
[3] 前記凹部は、前記狭窄部に向かってテーパー状に傾斜した形状を有する、[2]記載のマイクロチャンバー。
[4] 前記狭窄部の径は、0.01mm〜1mmである、[1]から[3]のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
[5] 前記凹部の最大径は、0.1mm〜10mmである、[2]から[4]のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
[6] 前記狭窄部の長さは、0.1mm〜50mmである、[1]から[5]のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
[7] 前記凹部の容積は、100pL〜1mLである、[2]から[6]のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
[8] 前記連通部の最大径は、0.1mm〜10mmである、[2]から[7]のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
[9] 前記凹部の最大径と前記狭窄部の最大径との比が、1:10〜1000である、[2]から[8]のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
[10] 前記マイクロチャンバーは、前記凹部がアレイ状に複数形成されたマイクロチャンバープレートであって、
前記凹部は、0.1mm〜10mmのピッチで形成されている、[2]から[9]のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
[11] 前記連通部の形状は、円筒状、角柱状、円錐状、又は角錐状である、[2]から[10]のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
[12] 前記凹部は、固相合成反応用固相担体を配置可能である、[2]から[11]のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
[13] 前記マイクロチャンバーの材質は、樹脂(フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエーテルエーテルケトン等)、導電性プラスティック(導電性フッ素樹脂、導電性ポリプロピレン、導電性ポリエチレン、導電性ポリエーテルエーテルケトン等)、金属(ステンレス、チタン等)、ガラス、導電性ガラス、セラミックス、導電性セラミックスからなる群から選択される少なくとも一つである、[1]から[12]のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
[14] バイオポリマー合成のために用いられる、[1]から[13]のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
[15] [1]から[14]のいずれかに記載のマイクロチャンバーを用いた、液体のハンドリング方法。
[16] 前記マイクロチャンバーの凹部に化学反応に用いる液を導入し、前記液を保持しながら前記凹部で化学反応を行うことを含む、[15]記載のハンドリング方法。
[17] マイクロチャンバーを用いて物質を合成する方法であって、
[1]から[14]のいずれかに記載のマイクロチャンバーの凹部に前記合成に用いる液を導入すること、及び
前記液を保持しながら前記凹部において前記物質を合成することを含む、合成方法。
[18] 前記合成が、固相合成反応を用いた合成であって、
前記凹部に、固相合成反応用固相担体を配置することを含む、[17]記載の合成方法。
[19] 前記担体の最大径は、0.02mm〜2mmである、[18]記載の合成方法。
[20] 前記物質の合成を前記凹部に配置された前記担体の表面若しくは内部又はその両方で行うこと、及び
合成した物質を回収することを含む、[18]又は[19]に記載の合成方法。
[21] 前記回収は、前記担体から合成した物質を分離すること、及び前記分離した物質を前記マイクロチャンバーの連通部を通して回収することを含む、[20]記載の合成方法。
[22] 前記回収は、前記担体に結合した状態で合成した物質を、前記凹部の開口部から回収することを含む、[20]記載の合成方法。
[23] [1]から[14]のいずれかに記載のマイクロチャンバーと、
前記マイクロチャンバーの凹部に配置可能な固相合成反応用固相担体と、を含む、合成用キット。
[24] さらに、前記担体を前記マイクロチャンバーの凹部に装填するための装填用容器を含む、[23]記載のキット。
[25] さらに、前記凹部から合成した物質を回収するための回収用容器を含む、[23]又は[24]記載のキット。
[1] 化学反応を行うためのマイクロチャンバーであって、
狭窄部を有する貫通孔を備え、
前記貫通孔の一方から液を導入すると、前記狭窄部が界面張力を利用したバルブとして機能し、前記貫通孔の少なくとも一部に前記化学反応に用いる液を保持可能な、マイクロチャンバー。
[2] マイクロチャンバーであって、
凹部、及び前記凹部の底面と前記凹部に対向する側の面とを連通する連通部を備え、
前記凹部の底面と前記連通部との間には狭窄部が形成され、前記狭窄部での流体抵抗によって前記凹部に液を保持可能な、マイクロチャンバー。
[3] 前記凹部は、前記狭窄部に向かってテーパー状に傾斜した形状を有する、[2]記載のマイクロチャンバー。
[4] 前記狭窄部の径は、0.01mm〜1mmである、[1]から[3]のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
[5] 前記凹部の最大径は、0.1mm〜10mmである、[2]から[4]のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
[6] 前記狭窄部の長さは、0.1mm〜50mmである、[1]から[5]のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
[7] 前記凹部の容積は、100pL〜1mLである、[2]から[6]のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
[8] 前記連通部の最大径は、0.1mm〜10mmである、[2]から[7]のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
[9] 前記凹部の最大径と前記狭窄部の最大径との比が、1:10〜1000である、[2]から[8]のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
[10] 前記マイクロチャンバーは、前記凹部がアレイ状に複数形成されたマイクロチャンバープレートであって、
前記凹部は、0.1mm〜10mmのピッチで形成されている、[2]から[9]のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
[11] 前記連通部の形状は、円筒状、角柱状、円錐状、又は角錐状である、[2]から[10]のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
[12] 前記凹部は、固相合成反応用固相担体を配置可能である、[2]から[11]のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
[13] 前記マイクロチャンバーの材質は、樹脂(フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエーテルエーテルケトン等)、導電性プラスティック(導電性フッ素樹脂、導電性ポリプロピレン、導電性ポリエチレン、導電性ポリエーテルエーテルケトン等)、金属(ステンレス、チタン等)、ガラス、導電性ガラス、セラミックス、導電性セラミックスからなる群から選択される少なくとも一つである、[1]から[12]のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
[14] バイオポリマー合成のために用いられる、[1]から[13]のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
[15] [1]から[14]のいずれかに記載のマイクロチャンバーを用いた、液体のハンドリング方法。
[16] 前記マイクロチャンバーの凹部に化学反応に用いる液を導入し、前記液を保持しながら前記凹部で化学反応を行うことを含む、[15]記載のハンドリング方法。
[17] マイクロチャンバーを用いて物質を合成する方法であって、
[1]から[14]のいずれかに記載のマイクロチャンバーの凹部に前記合成に用いる液を導入すること、及び
前記液を保持しながら前記凹部において前記物質を合成することを含む、合成方法。
[18] 前記合成が、固相合成反応を用いた合成であって、
前記凹部に、固相合成反応用固相担体を配置することを含む、[17]記載の合成方法。
[19] 前記担体の最大径は、0.02mm〜2mmである、[18]記載の合成方法。
[20] 前記物質の合成を前記凹部に配置された前記担体の表面若しくは内部又はその両方で行うこと、及び
合成した物質を回収することを含む、[18]又は[19]に記載の合成方法。
[21] 前記回収は、前記担体から合成した物質を分離すること、及び前記分離した物質を前記マイクロチャンバーの連通部を通して回収することを含む、[20]記載の合成方法。
[22] 前記回収は、前記担体に結合した状態で合成した物質を、前記凹部の開口部から回収することを含む、[20]記載の合成方法。
[23] [1]から[14]のいずれかに記載のマイクロチャンバーと、
前記マイクロチャンバーの凹部に配置可能な固相合成反応用固相担体と、を含む、合成用キット。
[24] さらに、前記担体を前記マイクロチャンバーの凹部に装填するための装填用容器を含む、[23]記載のキット。
[25] さらに、前記凹部から合成した物質を回収するための回収用容器を含む、[23]又は[24]記載のキット。
[マイクロチャンバー]
本開示は、一態様において、化学反応を行うためのマイクロチャンバーであって、狭窄部を有する貫通孔を備え、前記貫通孔の一方から反応液を導入すると、界面張力を利用したバルブとして前記狭窄部が機能して前記貫通孔の少なくとも一部に前記反応液を保持可能なマイクロチャンバー(以下、「本開示のマイクロチャンバー」ともいう)に関する。本開示のマイクロチャンバーによれば、貫通孔内に反応液を導入すると、界面張力によってバルブとして機能する狭窄部を備えるため、前記狭窄部のバルブ機能により、貫通孔の一部(液の導入側の貫通孔の一部と狭窄部の一部とによって形成された空間)に化学反応に用いられる液(以下、「反応液」ともいう)が保持できる。保持された液が、化学反応の反応場として用いられる。本開示のマイクロチャンバーによれば、従来よりも小さなスケールで、例えばバイオポリマー等を合成することができる。本開示のマイクロチャンバーは、一又は複数の実施形態において、貫通孔を1個又は2個以上備え、スループット向上の点から、貫通孔を複数個備えることが好ましい。
本開示は、一態様において、化学反応を行うためのマイクロチャンバーであって、狭窄部を有する貫通孔を備え、前記貫通孔の一方から反応液を導入すると、界面張力を利用したバルブとして前記狭窄部が機能して前記貫通孔の少なくとも一部に前記反応液を保持可能なマイクロチャンバー(以下、「本開示のマイクロチャンバー」ともいう)に関する。本開示のマイクロチャンバーによれば、貫通孔内に反応液を導入すると、界面張力によってバルブとして機能する狭窄部を備えるため、前記狭窄部のバルブ機能により、貫通孔の一部(液の導入側の貫通孔の一部と狭窄部の一部とによって形成された空間)に化学反応に用いられる液(以下、「反応液」ともいう)が保持できる。保持された液が、化学反応の反応場として用いられる。本開示のマイクロチャンバーによれば、従来よりも小さなスケールで、例えばバイオポリマー等を合成することができる。本開示のマイクロチャンバーは、一又は複数の実施形態において、貫通孔を1個又は2個以上備え、スループット向上の点から、貫通孔を複数個備えることが好ましい。
本開示における「マイクロチャンバー」は、一又は複数の実施形態において、100pL〜1mLのスケールでの合成や液のハンドリングが可能なチャンバー(空間)を少なくとも一つ以上有する。本開示のマイクロチャンバーは、一又は複数の実施形態において、貫通孔が1個形成されたカラム状であってもよいし、貫通孔が2個以上形成されたプレート状であってもよい。本開示のマイクロチャンバーは、一又は複数の実施形態において、貫通孔を複数個備え、それらがアレイ状に配置されていてもよい。本開示のマイクロチャンバーは、一又は複数の実施形態において、化学反応を行うために用いられる。本開示において「化学反応を行う」とは、物質の物理的及び/又は化学的性質が変化する反応を生じさせることをいう。化学反応としては、一又は複数の実施形態において、無機化学反応及び有機化学反応、これらの反応を用いた物質の合成等が挙げられる。また、化学反応としては、一又は複数の実施形態において、溶媒を用いた反応が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、一又は複数の実施形態において、各種有機溶媒、水、又はこれらと同程度の表面張力と粘性を有する溶媒等が挙げられる。中でも本開示のマイクロチャンバーは、バイオポリマーの合成に適している。
本開示のマイクロチャンバーは、狭窄部を有する貫通孔を備える。狭窄部は、界面張力を利用したバルブとして機能する。すなわち、貫通孔の一部に、すぼまって狭い部分(狭窄部)が形成され、貫通孔に導入された液が狭窄部に差し掛かると液表面の曲率が大きくなって界面張力の合力(ラプラス圧)が大きくなることにより、狭窄部において液を凝着させ、その結果、貫通孔の一部に液を保持することができる。本開示のマイクロチャンバーにおいて、液を導入した側の貫通孔の一部と狭窄部とによって形成される部分に液が保持され、そこが化学反応を行うための反応の場となりうる。本開示のマイクロチャンバーにおいて、狭窄部の径は、一又は複数の実施形態において、貫通孔に導入する液の物性等に応じて適宜決定できる。狭窄部の径は、一又は複数の実施形態において、貫通孔の最大径よりも小さく、かつ界面張力を利用したバルブとして機能する大きさであればよい。狭窄部の径は、一又は複数の実施形態において、狭窄部をバルブとして十分に機能させる点から、0.01mm〜1mmであり、バルブ機能をさらに向上させ、狭窄部に流入する液の量を低減し、液に働くラプラス圧の影響をより大きくし、より小さなスケールでの合成が可能になる点から、0.2mm以下が好ましく、また狭窄部への微粒子の詰まりを防止する点及び狭窄部を作成するために使用する機械加工の精度の点から、0.1mm以上が好ましい。本開示において「狭窄部の径」とは、孔面積が等価な円形状の孔の径をいう。
液の導入手段は、一又は複数の実施形態において、自動分注機、及びマイクロピペット等が挙げられ、自動化及びハイスループットの点から、自動分注機が好ましい。自動分注機を用いて液を導入する場合、貫通孔の最大径は、自動分注機のノズルの位置精度の点から、0.1mm〜10mmであり、チャンバーをより小スケール化し複数のチャンバーを配置する場合の集積度を上げる点から、0.1mm〜3mmが好ましい。本開示において「最大径」とは、貫通孔の孔径のうち最も長いものをいう。孔径は、例えば、横断面において、貫通孔の中心軸を通り、かつ貫通孔を形成する壁面を結ぶ線分において最大の線分をいう。
本開示のマイクロチャンバーにおける「狭窄部を備える貫通孔」は、一又は複数の実施形態において、凹部と、前記凹部の底面に形成された狭窄部と、連通部とを備え、前記連通部は前記狭窄部を介して前記凹部の底面と連通した構造、ともいうことができる。よって、本開示のマイクロチャンバーは、その他の態様において、一方の面に凹部、及び前記凹部の底面と前記凹部に対向する側の面とを連通する連通部を備え、前記凹部の底面と前記連通部との間には狭窄部が形成され、前記狭窄部での流体抵抗によって前記凹部に液を保持可能なマイクロチャンバーともいうことができる。本開示において「狭窄部での流体抵抗」とは、一又は複数の実施形態において、液体が凹部から狭窄部内に導入される際及び液体が狭窄部内を通過する際に液表面及び液内部に働く摩擦抵抗及び粘性抵抗をいう。
本開示のマイクロチャンバーにおいて「凹部の底面」とは、一又は複数の実施形態において、凹部の開口部と対向する側に位置する面、又は凹部の開口部を上とした場合に凹部の開口部から向かって下側に位置する面をいう。本開示のマイクロチャンバーにおいて、凹部は、一又は複数の実施形態において、凹部の開口部から狭窄部に向かってテーパー状に傾斜した形状を含み、凹部の底面が狭窄部に向かってテーパー状に傾斜した形状であることが好ましい。
本開示のマイクロチャンバーは、一又は複数の実施形態において、固相合成反応用固相担体を配置することができる。固相担体は、例えば、バイオポリマー等の合成における支持体として機能しうる。
本開示のマイクロチャンバーは、一又は複数の実施形態において、マルチウェルプレート等に配置して使用できる。マルチウェルプレートは、一又は複数の実施形態において、固相合成用固相担体を回収するための担体回収用容器、及び、化学反応に使用した反応液を回収するための反応液回収用容器等として機能しうる。本開示のマイクロチャンバーは、一又は複数の実施形態において、マルチウェルプレートの1つの穴に対して、複数の貫通孔が位置するように貫通孔が形成されていてもよい。これにより、各貫通孔内で合成した異なる種類の物質を合成し、1つのウェルに回収することができる。マルチウェルプレートの1つの穴に対する貫通孔の数は特に限定されるものではないが、一又は複数の実施形態において、1〜100個、又は4〜64個である。
本開示のマイクロチャンバーは、貫通孔に微量の液体を保持することができることから、一又は複数の実施形態において、液体のハンドリングに用いることができる。液体のハンドリングとしては、一又は複数の実施形態において、液体を貫通孔の一部に保持し、保持した液体の一部又は全部を基板、細胞培養容器、又は化学反応容器等に吐出すること、貫通孔の一部に残った前記液体に新たな液体を追加して保持すること等が挙げられる。
[液体のハンドリング方法]
本開示は、一又は複数の実施形態において、本開示のマイクロチャンバーを用いた液体のハンドリング方法(以下、「本開示の液体のハンドリング方法」ともいう)に関する。本開示の液体のハンドリング方法は、一又は複数の実施形態において、本開示のマイクロチャンバーの凹部に反応に用いる液を導入し、前記液を保持しながら前記凹部で化学反応を行うことを含む。本開示の液体のハンドリング方法は、一又は複数の実施形態において、本開示のマイクロチャンバーの貫通孔に反応に用いる液を導入すること、及び前記液を前記貫通孔の少なくとも一部に保持しながら化学反応を行うことを含む。
本開示は、一又は複数の実施形態において、本開示のマイクロチャンバーを用いた液体のハンドリング方法(以下、「本開示の液体のハンドリング方法」ともいう)に関する。本開示の液体のハンドリング方法は、一又は複数の実施形態において、本開示のマイクロチャンバーの凹部に反応に用いる液を導入し、前記液を保持しながら前記凹部で化学反応を行うことを含む。本開示の液体のハンドリング方法は、一又は複数の実施形態において、本開示のマイクロチャンバーの貫通孔に反応に用いる液を導入すること、及び前記液を前記貫通孔の少なくとも一部に保持しながら化学反応を行うことを含む。
[物質の合成方法]
本開示は、一又は複数の実施形態において、本開示のマイクロチャンバーを用いて物質を合成する方法(以下、「本開示の物質の合成方法」ともいう)に関する。本開示の物質の合成方法は、一又は複数の実施形態において、本開示のマイクロチャンバーの凹部に合成に用いる液を導入すること、及び前記液を保持しながら前記凹部において物質を合成することを含む。また、本開示の物質の合成方法は、一又は複数の実施形態において、本開示のマイクロチャンバーの貫通孔に合成に用いる液を導入すること、及び前記液を前記貫通孔の少なくとも一部に保持しながら物質の合成を行うことを含む。
本開示は、一又は複数の実施形態において、本開示のマイクロチャンバーを用いて物質を合成する方法(以下、「本開示の物質の合成方法」ともいう)に関する。本開示の物質の合成方法は、一又は複数の実施形態において、本開示のマイクロチャンバーの凹部に合成に用いる液を導入すること、及び前記液を保持しながら前記凹部において物質を合成することを含む。また、本開示の物質の合成方法は、一又は複数の実施形態において、本開示のマイクロチャンバーの貫通孔に合成に用いる液を導入すること、及び前記液を前記貫通孔の少なくとも一部に保持しながら物質の合成を行うことを含む。
本開示において「物質」としては、バイオポリマー、ポリマー、小分子、及びナノ粒子等の化学的に合成されうる物質が挙げられる。バイオポリマーとしては、生物が生体内で合成しうる高分子及び非天然核酸、非天然アミノ酸、非天然糖を一部の構成要素とする高分子のことをいい、一又は複数の実施形態において、DNA、RNA、ペプチド、及び糖鎖等が挙げられる。
本開示の物質の合成方法は、固相合成反応を用いた合成であってもよいし、液相合成反応を用いた合成であってもよい。
[バイオポリマーの合成方法]
本開示は、一又は複数の実施形態において、本開示のマイクロチャンバーを用い、前記マイクロチャンバーの凹部にバイオポリマー合成用反応液を導入すること、及び前記反応液を保持しながら前記凹部においてバイオポリマーを合成することを含む、バイオポリマーの合成方法(以下、「本開示のバイオポリマーの合成方法」ともいう)に関する。本開示のバイオポリマーの合成方法によれば、本開示のマイクロチャンバーを用いるため、従来よりも小さなスケールで、効率よくバイオポリマーを合成することができ、また、より低コストで、より小さなスペースでより多種類のバイオポリマーを同時に合成することができる。
本開示は、一又は複数の実施形態において、本開示のマイクロチャンバーを用い、前記マイクロチャンバーの凹部にバイオポリマー合成用反応液を導入すること、及び前記反応液を保持しながら前記凹部においてバイオポリマーを合成することを含む、バイオポリマーの合成方法(以下、「本開示のバイオポリマーの合成方法」ともいう)に関する。本開示のバイオポリマーの合成方法によれば、本開示のマイクロチャンバーを用いるため、従来よりも小さなスケールで、効率よくバイオポリマーを合成することができ、また、より低コストで、より小さなスペースでより多種類のバイオポリマーを同時に合成することができる。
[バイオポリマー合成用キット]
本開示は、一又は複数の実施形態において、本開示のマイクロチャンバーと、マイクロチャンバーの凹部に配置可能な固相合成反応用固相担体とを含む、合成用キット(以下、「本開示のキット」ともいう)に関する。本開示のキットによれば、一又は複数の実施形態において、従来よりも小さなスケールで、効率よくバイオポリマー等の物質を合成することができる。
本開示は、一又は複数の実施形態において、本開示のマイクロチャンバーと、マイクロチャンバーの凹部に配置可能な固相合成反応用固相担体とを含む、合成用キット(以下、「本開示のキット」ともいう)に関する。本開示のキットによれば、一又は複数の実施形態において、従来よりも小さなスケールで、効率よくバイオポリマー等の物質を合成することができる。
固相合成反応用固相担体(以下、「担体」ともいう)は、一又は複数の実施形態において、バイオポリマー等の物質を合成するために用いられる。物質の合成は、一又は複数の実施形態において、担体の表面及び/又は内部において行われる。担体は、一又は複数の実施形態において、担体の全部又は少なくとも一部が多孔質材料で形成された担体が挙げられる。少なくとも一部が多孔質材料で形成された担体としては、一又は複数の実施形態において、コアシェル構造の粒子が挙げられる。コアの材質としては、一又は複数の実施形態において、ガラス、フッ素樹脂、及びポリプロピレン等が挙げられ、担体の内部及び/又は表面への有機溶剤の残留を抑制する点から、ガラス及びフッ素樹脂が好ましい。シェルの材質としては、一又は複数の実施形態において、多孔質材料等が挙げられる。多孔質材料としては、一又は複数の実施形態において、多孔質ガラス、ポリアクリルアミドゲル、アガロースゲル、及びポリエチレン等が挙げられる。
担体の大きさは、一又は複数の実施形態において、マイクロチャンバーの貫通孔(凹部)に配置できる大きさであればよい。担体の最大径は、一又は複数の実施形態において、0.02〜2mmであり、担体の表面積/体積比を大きくする点から、0.02〜1mmが好ましく、視認性と取り扱い易さの点から、0.5〜1mmがより好ましい。
本開示のキットは、一又は複数の実施形態において、固相合成反応用固相担体をマイクロチャンバーの貫通孔(凹部)に装填するための担体装填用容器、固相合成用固相担体を回収するための担体回収用容器、反応液を回収するための反応液回収用容器、及び反応液を吸引除去するための吸引用容器を含んでいてもよい。本開示のキットは、本開示のマイクロチャンバーがプレート状である場合、一又は複数の実施形態において、固相合成反応用固相担体をマイクロチャンバーの貫通孔(凹部)に装填するための担体装填用プレート、固相合成用固相担体を回収するための担体回収用プレート、反応液を回収するための反応液回収用プレート、及び反応液を吸引除去するための吸引用プレートを含んでいてもよい。担体回収用プレート及び反応液回収用プレートとしては、一又は複数の実施形態において、マルチウェルプレートが挙げられる。マルチウェルプレートにおけるウェルの数は、特に限定されるものではなく、一又は複数の実施形態において、24、96、384、及び1536等が挙げられる。
以下に、本開示を好適な実施形態を示しながら詳細に説明する。但し、本開示は以下の実施形態に限定されないことはいうまでもない。
[マイクロチャンバーの構成]
図1Aは、本開示の一実施形態におけるマイクロチャンバーの断面図であり、図1Bは、本開示の一実施形態におけるマイクロチャンバーの上面図である。図1Aの断面は、貫通孔の中心軸を含み、プレートの面方向に直交する方向の断面である。
図1Aは、本開示の一実施形態におけるマイクロチャンバーの断面図であり、図1Bは、本開示の一実施形態におけるマイクロチャンバーの上面図である。図1Aの断面は、貫通孔の中心軸を含み、プレートの面方向に直交する方向の断面である。
図1Aに示されているように、本実施形態におけるマイクロチャンバー1は、プレート10に複数の貫通孔11が形成されているマイクロチャンバープレートである。貫通孔11は、凹部12と、狭窄部13と、連通部14とからなる。凹部12、狭窄部13、及び連通部14は、この順番で凹部12から連通部14まで連通するように形成されている。凹部12、狭窄部13、及び連通部14は、一又は複数の実施形態において、同一の中心軸aを有することが好ましい。
凹部12は、一又は複数の実施形態において、円筒形の側面部12aと、狭窄部13に向かってテーパー状に傾斜した形状(逆円錐形)の底面部12bとを含み、円筒形状の部分12aの下部(狭窄部13側)に逆円錐形の部分12bが位置する構造となっている。凹部12の形状は、一又は複数の実施形態において、円錐形、角錐形、段差構造等が挙げられる。凹部12は、一又は複数の実施形態において、円筒形、及び角柱形等の形状の部分を含んでいてもよい。凹部12の横断面形状は、一又は複数の実施形態において、円形状、楕円形状、正方形状、矩形状、及び多角形状等が挙げられる。凹部12の最大径は、一又は複数の実施形態において、0.1mm〜10mmであり、チャンバーをより小スケール化し複数のチャンバーを配置する場合の集積度を上げる点から、0.1mm〜2mmが好ましい。凹部12の容積は、一又は複数の実施形態において、100pL〜1mLであり、小スケール化の点から、100pL〜1μLが好ましい。凹部12の底面の傾斜角(図1Aにおけるθ)は、一又は複数の実施形態において、10°〜80°であり、壁面に付着した液滴のチャンバー底面(連通部14側)への落ち易さと機械加工を用いる場合の加工のし易さの点から、45°〜60°が好ましい。
複数形成された凹部12は、一又は複数の実施形態において、アレイ状に形成されていてもよい。凹部12のピッチは、一又は複数の実施形態において、0.1mm〜10mmであり、チャンバーをより小スケール化し複数のチャンバーを配置する場合の集積度を上げる点から、0.1mm〜3mmが好ましい。
狭窄部13は、担体が凹部12の中心に位置しやすくなり、バイオポリマーの合成を効率よく行う点から、一又は複数の実施形態において、凹部12の底面の略中心に形成されていることが好ましい。狭窄部13の形状は、一又は複数の実施形態において、円筒状、角柱状、円錐状、及び角錐状等が挙げられる。狭窄部13の径は、一又は複数の実施形態において、0.01mm〜1mmであり、液に働くラプラス圧の影響をより大きくし、狭窄部において十分な液体抵抗を得て、バルブ機能をさらに向上させ、狭窄部に流入する液の量を低減し、より小さなスケールでの合成が可能になる点から、0.2mm以下が好ましく、また狭窄部への微粒子の詰まりを防止する点と狭窄部を作成するために用いることがある機械加工のし易さの点から、0.1mm以上が好ましい。狭窄部13の長さは、一又は複数の実施形態において、0.1mm〜10mmであり、狭窄部13において十分な流体抵抗を得られる点から、1mm〜5mmが好ましく、加工のし易さの点から、1mm〜3mmがより好ましい。
連通部14の形状は、一又は複数の実施形態において、円筒状、角柱状、円錐状、及び角錐状等が挙げられる。連通部14の最大径は、一又は複数の実施形態において、狭窄部13の径よりも大きい。連通部14の最大径は、一又は複数の実施形態において、0.1mm〜10mmであり、加工のし易さの点から、1mm〜3mmが好ましい。
マイクロチャンバー1の材質は、一又は複数の実施形態において、溶剤耐性又は耐腐食性を有するものが好ましく使用できる。マイクロチャンバー1の材質は、一又は複数の実施形態において、樹脂、導電性プラスティック、金属、ガラス、導電性ガラス、セラミックス、及び導電性セラミックス等が挙げられる。樹脂としては、フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。導電性プラスティックとしては、導電性フッ素樹脂、導電性ポリプロピレン、導電性ポリエチレン、及び導電性ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。金属としては、ステンレス、及びチタン等が挙げられる。マイクロチャンバー1の大きさは、凹部の個数及び大きさ、用途等に応じて適宜決定でき、一又は複数の実施形態において、1mm角〜50cm角である。
[マイクロチャンバーを用いたバイオポリマーの合成方法]
マイクロチャンバー1を用いてバイオポリマーを合成する方法を説明する。
マイクロチャンバー1を用いてバイオポリマーを合成する方法を説明する。
まず、マイクロチャンバー1の凹部12に、固相合成反応用固相担体を配置する。配置する担体の数は、一又は複数の実施形態において、1〜数百万個である。担体は、一又は複数の実施形態において、担体装填用プレートを用いて行ってもよい。図2に担体装填用プレートの断面図を示す。図2に示すように担体装填用プレート2は、プレート20に複数の装填用貫通孔21がアレイ状に形成されている。装填用貫通孔21は、担体配置部22と、支持部23と、足部24とからなる。担体装填用プレート2の大きさ、装填用貫通孔21の大きさ及びピッチ等は、担体を装填するマイクロチャンバー1の大きさ、マイクロチャンバー1の貫通孔11の大きさ及びピッチ等に応じて適宜決定できる。担体配置部22の高さ及び大きさは、配置する担体の大きさ及び個数に応じて適宜決定できる。担体配置部22の大きさを、配置する担体の大きさ及び個数に応じた大きさとすることにより、必要数の担体を担体配置部22に容易に配置することができる。担体装填用プレート2の材質は、特に限定するものではなく、上述のマイクロチャンバー1と同様のものが使用できる。
担体装填用プレート2を用いたマイクロチャンバー1への担体の配置は、図3に示す手順で行うことができる。図3A〜Eは、担体装填用プレート2を用いたマイクロチャンバー1への担体の配置方法を示す概略図である。まず、マイクロチャンバー1を準備し(図3A)、ついて、担体装填用プレート2の担体配置部22に担体30を配置する(図3B)。担体を配置した担体装填用プレート2の担体配置部22側と、マイクロチャンバー1の凹部12側とが向かい合うように、担体装填用プレート2上にマイクロチャンバー1をのせ(図3C)、それら上下反転させることにより(図3D)、マイクロチャンバー1の凹部12に担体30を配置することができる(図3E)。なお、図3では、1つの凹部12に配置する担体の個数が1個の場合を例にとり説明したが、本開示はそれに限定されるものではなく、1つの凹部12あたり担体を2個以上配置してもよい。
ついで、担体を配置したマイクロチャンバー1をマルチウェルプレート上に配置し、凹部12に反応液を充填する。反応液の充填は、例えば、自動分注機、及びマイクロピペット等を用いて行うことができる。充填する反応液は、合成するバイオポリマーに応じて適宜決定できる。特に限定されない実施形態において、反応液としては、デブロック液、アミダイト試薬の有機溶媒溶液、キャッピング液、酸化液、及びアセトニトリル等が挙げられる。マルチウェルプレートにおけるウェルの数は、一又は複数の実施形態において、6、12、24、48、96、又は384個である。
凹部12から連通部14を通じた液の排出は、例えば、吸引用プレートで吸引、及び加圧用プレートで加圧などすることにより行うことができる。
必要に応じて、凹部12に洗浄液等を充填してもよい。洗浄液は、合成するバイオポリマーの種類等に応じて決定できる。
ついで、合成したバイオポリマーを回収する。バイオポリマーは、一又は複数の実施形態において、バイオポリマーを保持した担体ごと回収してもよいし、担体からバイオポリマーを分離してバイオポリマーのみを回収してもよい。バイオポリマーの回収は、上述の液の排出と同様に行うことができ、合成されたバイオポリマーは、狭窄部13及び連通部14を通じて回収できる。また、バイオポリマーを保持した担体の回収は、マイクロチャンバー1の凹部12側に回収用プレートの開口部が面するように、回収用プレートをマイクロチャンバー1上にのせ、それらを上下反転させることにより回収してもよい。
Claims (23)
- 化学反応を行うためのマイクロチャンバーであって、
狭窄部を有する貫通孔を備え、
前記貫通孔の一方から液を導入すると、前記狭窄部が界面張力を利用したバルブとして機能し、前記貫通孔の少なくとも一部に前記化学反応に用いる液を保持可能な、マイクロチャンバー。 - マイクロチャンバーであって、
凹部、及び前記凹部の底面と前記凹部に対向する側の面とを連通する連通部を備え、
前記凹部の底面と前記連通部との間には狭窄部が形成され、前記狭窄部での流体抵抗によって前記凹部に液を保持可能な、マイクロチャンバー。 - 前記凹部は、前記狭窄部に向かってテーパー状に傾斜した形状を有する、請求項2記載のマイクロチャンバー。
- 前記狭窄部の径は、0.01mm〜1mmである、請求項1から3のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
- 前記凹部の最大径は、0.1mm〜10mmである、請求項2から4のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
- 前記狭窄部の長さは、0.1mm〜10mmである、請求項1から5のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
- 前記凹部の容積は、100pL〜1mLである、請求項2から6のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
- 前記連通部の最大径は、0.1mm〜10mmである、請求項2から7のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
- 前記マイクロチャンバーは、前記凹部がアレイ状に複数形成されたマイクロチャンバープレートであって、
前記凹部は、0.1mm〜10mmのピッチで形成されている、請求項2から8のいずれかに記載のマイクロチャンバー。 - 前記凹部は、固相合成反応用固相担体を配置可能である、請求項2から9のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
- 前記マイクロチャンバーの材質は、フッ素樹脂、導電性フッ素樹脂、ポリプロピレン、導電性ポリプロピレン、ポリエチレン、導電性ポリエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、導電性ポリエーテルエーテルケトン、チタン、ステンレス、ガラス、導電性ガラス、セラミックス、及び導電性セラミックスからなる群から選択される少なくとも一つである、請求項1から10のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
- バイオポリマー合成のために用いられる、請求項1から11のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
- 請求項1から12のいずれかに記載のマイクロチャンバーを用いた、液体のハンドリング方法。
- 前記マイクロチャンバーの凹部に化学反応に用いる液を導入し、前記液を保持しながら前記凹部で化学反応を行うことを含む、請求項13記載のハンドリング方法。
- マイクロチャンバーを用いて物質を合成する方法であって、
請求項1から12のいずれかに記載のマイクロチャンバーの凹部に前記合成に用いる液を導入すること、及び
前記液を保持しながら前記凹部において前記物質を合成することを含む、合成方法。 - 前記合成が、固相合成反応を用いた合成であって、
前記凹部に、固相合成反応用固相担体を配置することを含む、請求項15記載の合成方法。 - 前記担体の最大径は、0.02mm〜2mmである、請求項16記載の合成方法。
- 前記物質の合成を、前記凹部に配置された前記担体の表面若しくは内部又はその両方で行うこと、及び
合成した物質を回収することを含む、請求項16又は17に記載の合成方法。 - 前記回収は、前記担体から合成した物質を分離すること、及び前記分離した物質を前記マイクロチャンバーの連通部を通して回収することを含む、請求項18記載の合成方法。
- 前記回収は、前記担体に結合した状態で合成した物質を、前記凹部の開口部から回収することを含む、請求項18記載の合成方法。
- 請求項1から12のいずれかに記載のマイクロチャンバーと、
前記マイクロチャンバーの凹部に配置可能な固相合成反応用固相担体と、を含む、合成用キット。 - さらに、前記マイクロチャンバーの凹部に前記担体を装填するための装填用容器を含む、請求項21記載のキット。
- さらに、前記凹部から合成した物質を回収するための回収用容器を含む、請求項21又は22記載のキット。
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JP2013150783A JP2015020122A (ja) | 2013-07-19 | 2013-07-19 | マイクロチャンバー |
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2013
- 2013-07-19 JP JP2013150783A patent/JP2015020122A/ja active Pending
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