JP2015019483A - 電力エネルギー収支予測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】精度良く電力エネルギー収支を予測することができる装置の提供。【解決手段】太陽光発電装置の総発電量を予測する期間発電量算出部と、複数の類型それぞれに含まれる対象日の日数に関するデータと複数の類型それぞれについての日射の時間変動に関するデータとを保持するデータベース部と、各類型についての太陽光発電装置の単位時間当たり発電量を予測する単位時間発電量算出部と、機器の単位時間当たり消費電力量を予測する単位時間消費電力量算出部と、各類型についての単位時間当たり発電量と単位時間当たり消費電力量とに基づいて各類型についての一日のエネルギー収支を算出する一日収支算出部と、複数の類型それぞれに含まれる対象日の日数に関するデータに基づいて対象期間のエネルギー収支を算出する期間収支算出部と、を有する電力エネルギー収支予測装置。【選択図】図2

Description

本発明は、エネルギー収支予測(シミュレーション)装置に関し、特に、太陽光発電装置を備えた電力需要家のための、電力エネルギー収支予測装置に関する。
従来、電力需要家(住宅等)の電力消費を予測(シミュレート)する装置の開発が行われている。近年の太陽光発電装置といった発電装置の普及に伴い、当該分野では、電力消費のみならず、発電装置が創出するエネルギー量を考慮したエネルギー収支予測に注目が集まっている。
特許文献1に記載された住宅用エネルギー消費量予測装置では、ユーザに太陽光パネルの仕様、枚数、方位、勾配等を入力させ、太陽光パネルメーカ等によって公表された月間発電量に関するデータに基づいて、太陽光発電装置が発電する電力量が予測される。
特開2013−033401号公報
太陽光発電装置から得られる電力量は、天候の変化を受けて時々刻々変化する。そのため、太陽光発電装置が一日に発電する電力量は、日によって異なる。また、住宅等に設置される一般的な太陽光発電システムでは、日中に発電された電力はその日のうちに自家消費、売電といった用途に用いられて使い切られることが殆どである。そのため、電力需要家が太陽光発電装置から享受できる電力量は、天候の変化の影響を受けて日々異なるのが現実である。
しかしながら、従来の電力エネルギー収支予測においては、例えば、一ヶ月当たりといった一日よりも長いスパンでの発電量予測が行われていたため、予測が実際と精度良く一致しない場合があった。
逆に、時々刻々と変化する天候、即ち日射量の変動、を詳細に追跡し、太陽光発電装置が発電する電力量を精確に予測することは、強力な計算資源を必要とすることとなり、コスト面で不利である。また、予測に相応の時間を要するため、運用面でも不都合が生じやすい。
以上を鑑み、本発明の一実施形態により、計算資源に過度な負担をかけずに従来よりも精度良く電力エネルギー収支を予測することができる電力エネルギー収支予測装置が提供される。
本発明の一態様は、
太陽光発電装置を有する電力需要家の、対象期間における電力エネルギーの収支を予測する電力エネルギー収支予測装置であって、
対象期間における太陽光発電装置の総発電量を予測する期間発電量算出部と、
対象期間に含まれる複数の対象日を一日の日射量の多寡にもとづいて複数の類型に分類した場合に複数の類型それぞれに含まれる対象日の日数に関するデータと、複数の類型それぞれについての日射の時間変動に関するデータと、を保持する、データベース部と、
総発電量と、複数の類型それぞれについての日射の時間変動に関するデータと、に基づいて、各類型についての太陽光発電装置の単位時間当たり発電量を予測する単位時間発電量算出部と、
電力需要家が有する機器の単位時間当たり消費電力量を予測する単位時間消費電力量算出部と、
各類型についての太陽光発電装置の単位時間当たり発電量と、単位時間当たり消費電力量と、に基づいて、各類型についての一日のエネルギー収支を算出する一日収支算出部と、
各類型についての一日のエネルギー収支と、複数の類型それぞれに含まれる対象日の日数に関するデータと、に基づいて、対象期間のエネルギー収支を算出する期間収支算出部と、を有する電力エネルギー収支予測装置である。
本発明の別の一態様は、
太陽光発電装置を有する電力需要家の、対象期間における電力エネルギーの収支を予測する電力エネルギー収支予測装置おける電力エネルギー収支予測方法であって、
対象期間における太陽光発電装置の総発電量を予測する期間発電量算出ステップと、
対象期間に含まれる複数の対象日を一日の日射量の多寡にもとづいて複数の類型に分類した場合に複数の類型それぞれに含まれる対象日の日数に関するデータと、複数の類型それぞれについての日射の時間変動に関するデータと、をデータベース部から取得するデータ取得ステップと、
総発電量と、複数の類型それぞれについての日射の時間変動に関するデータと、に基づいて、各類型についての太陽光発電装置の単位時間当たり発電量を予測する単位時間発電量予測ステップと、
電力需要家が有する機器の単位時間当たり消費電力量を予測する単位時間消費電力量予測ステップと、
各類型についての太陽光発電装置の単位時間当たり発電量と、単位時間当たり消費電力量と、に基づいて、各類型についての一日のエネルギー収支を算出する一日収支算出ステップと、
各類型についての一日のエネルギー収支と、複数の類型それぞれに含まれる対象日の日数に関するデータと、に基づいて、対象期間のエネルギー収支を算出する期間収支算出ステップと、を有する電力エネルギー収支予測方法である。
本発明のさらに別の一態様は、
コンピュータに、太陽光発電装置を有する電力需要家の、対象期間における電力エネルギーの収支を予測させる電力エネルギー収支予測プログラムであって、
コンピュータに、
対象期間における太陽光発電装置の総発電量を予測する期間発電量算出ステップと、
対象期間に含まれる複数の対象日を一日の日射量の多寡にもとづいて複数の類型に分類した場合に複数の類型それぞれに含まれる対象日の日数に関するデータと、複数の類型それぞれについての日射の時間変動に関するデータと、をデータベース部から取得するデータ取得ステップと、
総発電量と、複数の類型それぞれについての日射の時間変動に関するデータと、に基づいて、各類型についての太陽光発電装置の単位時間当たり発電量を予測する単位時間発電量予測ステップと、
電力需要家が有する機器の単位時間当たり消費電力量を予測する単位時間消費電力量予測ステップと、
各類型についての太陽光発電装置の単位時間当たり発電量と、単位時間当たり消費電力量と、に基づいて、各類型についての一日のエネルギー収支を算出する一日収支算出ステップと、
各類型についての一日のエネルギー収支と、複数の類型それぞれに含まれる対象日の日数に関するデータと、に基づいて、対象期間のエネルギー収支を算出する期間収支算出ステップと、を実行させる電力エネルギー収支予測プログラムである。
本発明の一態様による電力エネルギー収支予測装置によれば、計算資源に過度な負担をかけずに従来よりも精度良く電力エネルギー収支を予測することができる。
本発明の実施形態による電力エネルギー収支予測システムのハードウェア構成を示すブロック図。 本発明の実施形態による電力エネルギー収支予測装置の機能的な構成を示すブロック図。 電力エネルギー収支予測装置がする処理のフローチャート。 本発明の実施形態によるユーザインタフェース装置の入力画面例を示す図。 毎時発電量予測部の構成の詳細を示すブロック図。 標準パネル月間発電量データベースの構成方法の一例を示す図。 モデル補正係数データベースの構成方法の一例を示す図。 天候類型別毎時日射量季節積算データおよび期間内天候日数データの生成方法の一例を示す図。 クラスタ分類データベースの構成方法の一例を示す図。 クラスタ分類結果の一例を示す図。 春秋期、夏期、冬期それぞれの天候類型別毎時日射量季節積算クラスタ平均値データの生成方法の一例を示す図。 クラスタ別日射量比率データベースの構成方法の一例を示す図。 空調機器毎時消費電力量予測部の構成の詳細を示すブロック図。 年間全館空調負荷算出係数データベースおよび各季節室別空調負荷比率データベースの構成方法の一例を示す図。 各季節室別空調負荷比率のデータの一例を示す図。 クラスタ別各天候類型毎時空調負荷比率データベースの構成方法の一例を示す図。 他機器毎時消費電力量予測部の構成の詳細を示すブロック図。 蓄電機器動作模擬部の構成の詳細を示すブロック図。 各天候類型一時間収支決定部の構成の詳細を示すブロック図。 季節収支算出部の構成の詳細を示すブロック図。 ある季節の天候類型別一日電力エネルギー収支予測の結果を示す図。 季節別各クラスタ天候類型出現日数データベースの構成方法の一例を示す図。 地域「大阪」の季節別クラスタ分類の例を示す図。 春秋期クラスタIVの天候類型出現日数(比率)を示す図。 夏期クラスタIIの天候類型出現日数(比率)を示す図。 冬期クラスタIIの天候類型出現日数(比率)を示す図。 各季節と月との対応関係、および、各季節の日数を示す図。 年間電力エネルギー収支予測の結果を示す図。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
1.概要
本発明の一実施形態は、太陽光発電装置を備えた電力需要家(住宅等)の、年間のエネルギー収支を予測(シミュレート)する装置である。
当該実施形態による電力エネルギー収支予測装置(以下、誤解のおそれがないと思われる場合には「予測装置」と略称する。)は、一年を複数の期間(対象期間)に分割し、各対象期間についてエネルギー収支を求め、それらを総合することにより年間のエネルギー収支を予測する。なお、ここでの対象期間としては、例えば、春秋期、夏期、冬期といった気候の類似性が顕著に認められる期間が選ばれてよい。また、言うまでもなく、予測装置は、一年以外の期間(一週間、一ヶ月、一季節(数ヶ月相当)等)について電力エネルギー収支の予測をすることもできる。また、当該期間を複数に分割することは必須ではない。すなわち、予測装置は、任意の期間のエネルギー収支を予測することができる。
対象期間についてのエネルギー収支の予測の手法について概説する。予測装置は、先ず、対象期間に発電される総発電量を予測する。次に、予測装置は、当該総発電量に基づいて、対象期間に含まれる複数の対象日それぞれにおける一日の発電量を予測する。ここでは、予測装置は、データベース化して保持する当該複数の対象日の日射量のデータに基づき、総発電量を、各対象日における一日の日射量の多寡に応じて按分することにより、各対象日における発電量を求める。
具体的には、予測装置は、計算資源節約のため、予め複数の対象日を一日の日射量の多寡に基づいて類型化しておき、データベースとして、各天候類型の一日の日射の時間変動のパターンに関するデータと、対象期間における各類型の出現日数に関するデータとを保持し、これらデータに基づいて、対象期間の総発電量を、各天候類型の単位時間当たり(たとえば一時間当たり)の発電量に、配分する。そして、予測装置は、そのようにして求めた単位時間当たり発電量から、各天候類型の一日の発電量を導出する。
また、これとは別に、予測装置は、各天候類型の一日の単位時間(例えば、一時間)当たりの消費電力量を予測する。そして、予測装置は、そのようにして求めた単位時間当たり発電量および単位時間当たり消費電力量に基づいて、各天候類型の日の単位時間(例えば、一時間)当たりの電力エネルギー収支を予測し、当該予測値の24時間総和をとることによって当該天候類型の一日の電力エネルギー収支を予測する。
各天候類型の日の一日の電力エネルギー収支を求めた予測装置は、次に、データベースに保持する対象期間における各類型の出現日数に関するデータを用いて、各天候類型の日の電力エネルギー収支の予測値を日数分だけ積算することにより、対象期間におけるエネルギー収支を求める。そして、最後に、予測装置は、複数の対象期間についてエネルギー収支の総和により、年間のエネルギー収支を求める。
さらに、予測装置は、天候の影響を受けやすい電力消費要素である、空調機器についても、その消費電力量予測において、天候を考慮することが可能である。つまり、予測装置は、空調機器に関する消費電力量予測において、各天候類型について単位時間当たりの消費電力量を予測し、電力エネルギー収支予測に反映させることができる。
そのようにすることで、本実施形態による予測装置では、比較的少ない計算資源を用いて精度の高い電力エネルギー収支の予測が可能となっている。
言い換えれば、本実施の形態による予測装置は、
太陽光発電装置を有する電力需要家の、対象期間における電力エネルギーの収支を予測する電力エネルギー収支予測装置であって、
対象期間における太陽光発電装置の総発電量を予測する期間発電量算出部と、
対象期間に含まれる複数の対象日を一日の日射量の多寡にもとづいて複数の類型に分類した場合に複数の類型それぞれに含まれる対象日の日数に関するデータと、複数の類型それぞれについての日射の時間変動に関するデータと、を保持する、データベース部と、
総発電量と、複数の類型それぞれについての日射の時間変動に関するデータと、に基づいて、各類型についての太陽光発電装置の単位時間当たり発電量を予測する単位時間発電量算出部と、
電力需要家が有する機器の単位時間当たり消費電力量を予測する単位時間消費電力量算出部と、
各類型についての太陽光発電装置の単位時間当たり発電量と、単位時間当たり消費電力量と、に基づいて、各類型についての一日のエネルギー収支を算出する一日収支算出部と、
各類型についての一日のエネルギー収支と、複数の類型それぞれに含まれる対象日の日数に関するデータと、に基づいて、対象期間のエネルギー収支を算出する期間収支算出部と、を有する電力エネルギー収支予測装置である。
本実施の形態による予測装置においては、
さらに、電力需要家の所在する地域に関するデータを受け取る入力部を有し、
データベース部は、複数の類型それぞれに含まれる対象日の日数に関するデータおよび当該データに対応する複数の類型それぞれについての日射の時間変動に関するデータの組を複数組保持し、
単位時間発電量予測部は、所在する地域に関するデータに基づいて、データベース部が保持する複数組の組のなかから発電量の予測に用いる組を決定してもよい。
本実施の形態による予測装置においては、
データベース部が保持する複数組の組み合わせはそれぞれ、地域の一日の日射量の多寡にもとづいて複数の対象日を複数の類型に分類した場合に得られる当該地域についての複数の類型それぞれの対象日の日数の類似度に基づいて複数の地域をクラスタリングした場合に同一のクラスタに区分される複数の地域それぞれについての複数の類型それぞれに含まれる対象日の日数の平均値および複数の類型それぞれについての日射の時間変動の平均値に関するデータを含んでもよい。
本実施の形態による予測装置においては、
対象期間は、一年であり、
データベース部は、一年に含まれる春秋期、夏期、および、冬期のそれぞれについて、複数の類型それぞれに含まれる対象日の日数に関するデータおよび当該データに対応する複数の類型それぞれについての日射の時間変動に関するデータの組み合わせを保持し、
単位時間発電量予測部は、発電量の予測に用いる組み合わせを、春秋期の発電量予測と、夏期の発電量予測と、冬期の発電量予測とで、変更してもよい。
本実施の形態による予測装置においては、
複数の類型それぞれについての日射の時間変動に関するデータは、単位時間当たり日射量の対象期間の総日射量に対する比率の時間変動に関するデータを含み、
単位時間発電量予測部は、総発電量を、比率に応じて比例配分することにより、太陽光発電装置の単位時間当たり発電量を予測してもよい。
本実施の形態による予測装置においては、
さらに、対象期間における電力需要家が有する空調機器の総空調負荷を予測する期間空調負荷算出部を有し、
単位時間消費電力量算出部は、電力需要家が有する空調機器の単位時間当たり消費電力量を予測する空調機器単位時間消費電力量算出部と、電力需要家が有する空調機器以外の機器の単位時間当たり消費電力量を予測する他機器単位時間消費電力量算出部と、を備え、
データベース部は、さらに、複数の類型それぞれについての空調負荷の時間変動に関するデータを保持し、
空調機器単位時間消費電力量算出部は、総空調負荷と、複数の類型それぞれについての空調負荷の時間変動に関するデータと、に基づいて、各類型についての空調機器の単位時間当たり消費電力量を予測してもよい。
なお、これらの概括的かつ特定の態様は、システム、方法、コンピュータプログラム並びにシステム、方法及びコンピュータプログラムの任意の組み合わせにより実現してもよい。
2.構成
2−i.ハードウェア構成
図1は、予測条件の入力および予測結果の出力を行うクライアント装置(ユーザインタフェース装置)1と、それとネットワーク4で接続されたサーバ装置(予測装置)5と、で構成されるエネルギー収支予測システム(以下、「予測システム」)の構成を示すブロック図である。
クライアント装置1は、本予測システムのユーザインタフェース装置を構成する。クライアント装置1は、予測にかかる諸条件の入力(図4参照)を受け付ける入力部2、および、予測結果(図28参照)をユーザへ通知する出力部3を有する。
クライアント装置1は、汎用のパーソナル・コンピュータあるいは専用の入出力装置により実現することができる。
サーバ装置(予測装置)5は、ネットワークインタフェース部6を備え、インターネットといったネットワーク4を介してクライアント装置1と接続され、クライアント装置1の入力部2が受け付けたデータを受信することができ、かつ、クライアント装置1へデータを送信することで、クライアント装置1の出力部3から情報を出力させることができる。
予測装置5は、データおよびプログラムを格納する主記憶装置9および補助記憶装置10を備える。主記憶装置9は、例えば、リード・オンリー・メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)等でよい。補助記憶装置10は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、フレキシブルディスク(FD)およびそのドライブ装置、光ディスクおよびそのドライブ装置、不揮発性メモリ(NV−RAM)等でよい。
予測装置5は、主記憶装置9に保持されるプログラムを実行することができる中央処理装置7(CPU)を有する。中央処理装置7は、主記憶装置9に保持された電力エネルギー収支予測プログラムを実行することにより、予測装置5としての各種機能(図2参照)を実現する。ただし、電力エネルギー収支予測プログラムは、記憶装置9および10に保持されずとも、ネットワーク4等を介して外部からCPU7に直接的にロードされてもよい。
2−ii.機能的構成
図2は、予測装置5が有するハードウェア、および、電力エネルギー収支予測プログラムにより、予測装置5内に実現される機能を説明するためのブロック図である。
入力部11は、予測条件に関するデータを受け付け、受け付けたデータの全部または一部を、必要に応じて、各部へ転送する。
毎時発電量予測部131は、入力部11からの入力およびデータベース部23を参照して得たデータに基づいて、対象期間における各天候類型の一日について、太陽光発電装置の毎時の発電量を予測する。
空調機器毎時消費電力量予測部132と他機器毎時消費電力量予測部133は、電力需要家が有する機器の単位時間当たり消費電力量を予測する単位時間消費電力量算出部を構成する。
空調機器毎時消費電力量予測部132は、入力部11からの入力およびデータベース部23を参照して得たデータに基づいて、対象期間における各天候類型の一日について、空調機器の毎時の消費電力量を予測する。
他機器毎時消費電力量予測部133は、入力部11からの入力に基づいて、対象期間における各天候類型の一日について、空調機器以外の機器(以下、「他機器」)の毎時の消費電力量を予測する。なお、他機器毎時消費電力量予測部133は、入力部11からの入力に加え、データベース部23を参照して他機器の毎時の消費電力量を予測してもよい。
蓄電器動作模擬部134は、入力部11からの入力、データベース部23を参照して得たデータ、ならびに、毎時発電量予測部131による発電量予測、空調機器毎時消費電力量予測部132による空調機器消費電力量予測、および、他機器毎時消費電力量予測部133による空調以外の機器の消費電力量予測に基づいて、対象期間における各天候類型の一日について、蓄電機器の毎時の動作(充放電の有無、および、その量)を予測する。
各天候類型一時間収支決定部135は、データベース部23を参照して得たデータ、ならびに、毎時発電量予測部131による発電量予測、空調機器毎時消費電力量予測部132による空調機器消費電力量予測、他機器毎時消費電力量予測部133による空調以外の機器の消費電力量予測、蓄電機器動作模擬部134による蓄電機器の充放電量予測に基づいて、対象期間における各天候類型の一日について、毎時のエネルギー収支を決定し、出力する。各天候類型一時間収支決定部135は、上記した諸量に基づき、各天候類型の一日について、毎時の、消費電力量、太陽光発電装置による発電量、自家消費電力量、蓄電機器充放電量、購入電力量、エネルギー自給率、光熱費等を求めることができる。
このように、毎時発電量予測部131、空調機器毎時消費電力量予測部132、他機器毎時消費電力量予測部133、蓄電機器動作模擬部134、および、各天候類型一時間収支決定部135は、入力部11からの入力およびデータベース部23を参照して得たデータに基づいて、各天候類型の一日の単位時間当たりのエネルギー収支を算出する一時間収支算出部13を構成する。
各天候類型一日収支算出部15は、一時間収支算出部13の出力に基づき、各天候類型の一日当たりのエネルギー収支を算出し、出力する。
季節収支算出部17は、データベース部23を参照して得たデータ、および、各天候類型一日収支算出部15の出力に基づき、対象期間(季節)のエネルギー収支を求める。
年間収支算出部19は、データベース部23を参照して得たデータ、および、季節収支算出部17の出力に基づき、複数対象期間(一年間)のエネルギー収支を求める。
出力部21は、このようにして得られた年間エネルギー収支予測の結果を出力する。
データベース部23は、エネルギー収支予測に用いる様々なデータを保持し、各部からの問い合わせに応じて、自身が保持するデータを提供することができる。データベース部23が保持するデータベース(以下「DB」と略称することがある)は、例えば、
・標準パネル月間発電量DB(23a)、
・モデル補正係数DB(23b)、
・クラスタ分類DB(23c)、
・クラスタ別日射量比率DB(23d)、
・年間全館空調負荷算出係数DB(23e)、
・各季節室別空調負荷比率DB(23f)、
・クラスタ別各天候類型毎時空調負荷比率DB(23g)、
・標準エアコンCOPDB(23h)、
・機器別消費電力DB(23k)、
・機器別使用スケジュール(23m)、
・蓄電機器制御情報DB(23n)、
・換算係数DB(23p)、
・季節別各クラスタ天候類型出現日数DB(23r)等、を保持する。これら各データベースについては後ほど説明する。
3.動作
図3は、予測装置5がする処理のフローチャートである。以下、本図を参照し、予測装置5の動作について説明する。
3−i.予測条件の入力
先ず、予測装置5の入力部11(図2)は、予測条件に関する諸量のデータをユーザインタフェース装置1から受け取る(ステップS1)。
図4は、ユーザインタフェース装置1における予測条件に関する諸量の入力画面の一例である。なお、本例は、一例に過ぎず、本図に図示しない諸量を予測条件として入力することも可能である。
ユーザは、住宅の地域条件322として、建築地331および詳細地域332等を入力することができる。入力は、選択肢をプルダウンメニューとして出力部3に表示させて、ユーザに選択肢を入力部2で選択させることで行われてもよい。建築地331は、例えば、住宅が建築される都道府県でよい。建築地331は、電力需要家が所在する地域に関するデータとして用いることができる。詳細地域332は、各都道府県をより細分化した地域であればよい。例えば、建築地331が大阪府であれば、詳細地域332は、熊取、堺、生駒山、豊中、枚方、能勢、大阪(市域)、等となる。他の都道府県についても同様である。
ユーザは、住宅仕様条件323として、試算対象商品333、断熱仕様(断熱地域)334、延床面積335、LDK面積336、階段タイプ337、建物方位338、屋根形状339、屋根勾配340等を入力することができる。ここでも、入力は、ユーザにプルダウンメニュー中の選択肢を選択させることで行われてよい。
試算対象商品333とは、住宅のタイプである。住宅のタイプとは、例えば、工業化住宅の商品名でよい。断熱仕様(断熱地域)334は、住宅を建築する地域の断熱地域区分であり、例えば、次世代省エネI地域、同II地域、同III地域、同IV・V地域といった区分である。延床面積335は、住宅の延床面積である。LDK面積336は、住宅のLDKの床面積である。階段タイプ337の欄は、階段がLDK内に設置されるか否か(リビング階段か、リビング階段以外か)を選択するための入力欄である。建物方位338は、住宅の主たる開口部が向く方位である。屋根形状339は、住宅の屋根のタイプである。屋根のタイプは、例えば、寄棟、切妻、片流れフラット、フラット、寄切複合、といったタイプを含んでよい。屋根勾配340は、住宅の屋根の勾配である。住宅の屋根の勾配は、例えば、5度、14度、22度、27度、31度、といった勾配を含んでよい。
ユーザは、設備仕様条件324として、エアコンタイプ341、蓄電池タイプ342、テレビタイプ343、LDK、居室(寝室、子供部屋等)、非居室(洗面、トイレ等)の照明器具タイプ344、(HEMS機器としての)エネルギーモニタの有無345、ソーラパネルタイプ346、ソーラパネルの搭載枚数347、キッチン、シャワー、洗面、トイレの水栓のタイプ348等を入力することができる。ここでも、入力は、ユーザにプルダウンメニュー中の選択肢を選択させることで行われてよい。エアコンタイプ341は、住宅に設置するエアコンの選択に用いられる入力欄である。本欄では、エアコンのタイプとして、普及タイプ(APF5.9程度)、高効率タイプ(APF6.6程度)といった、エアコンの通年エネルギー消費効率(APF)の入力が可能である。蓄電池タイプ342は、設置される蓄電機器のタイプを選択するための入力欄である。テレビタイプ343は、テレビの種別およびサイズの入力欄である。本欄では、テレビのタイプとして、プラズマ(50型以上)、プラズマ(50型未満)、液晶(40型以上)、液晶(30〜40型)、液晶(30型未満)といった入力が可能である。LDK、居室(寝室、子供部屋等)、非居室(洗面、トイレ等)の照明器具タイプ344は、それぞれ、LDK、居室、非居室の照明器具のタイプの選択のための入力欄である。照明器具のタイプとしては、例えば、蛍光灯、LEDといった選択が可能である。エネルギーモニタの有無345の入力欄は、(HEMS機器としての)エネルギーモニタを住宅に設置するか否かを選択する欄である。また、本欄では、エネルギーモニタの種類が選択可能であってもよい。
ソーラパネルタイプ346は、住宅に設置するソーラパネルのタイプの選択のための欄である。ソーラパネルのタイプとしては、ソーラパネルのメーカおよび製品名等の入力が可能であればよい。ソーラパネルの搭載枚数347は、屋根の各方位に設置するソーラパネルの枚数の入力欄である。
キッチン、シャワー、洗面、トイレの水栓のタイプ348は、水栓のタイプ(シングルレバー、タッチレス水栓)等、節水性能の異なるタイプの水栓を選択するための欄である。
最後に、ユーザは、家族構成条件325として、大人人数349、大人(親世帯)人数350、子供人数351を入力することができる。
以上のように、ユーザは、ユーザインタフェース装置1を介して予測条件を予測装置5へ入力することができる。なお、図4の入力画面は一例であり、図4に表されていない条件項目(調理機器のタイプ等)についても、適宜入力可能としてよい。また、ユーザは、これら諸条件の全てについて、入力する必要はない。ユーザが入力しなかった条件については、予測装置5は、適当なデフォルト値を設定して予測を行えばよい。
このようにして入力された予測条件に関する諸量は、入力部11によって、適宜、各部へ送られる。
3−ii.発電量の予測
再度図3を参照すれば、予測装置5は、次に、一時間収支算出部13の毎時発電量予測部131(図2)において、季節ごとに(対象期間別に)各天候類型の日の毎時の発電量を予測する(ステップS2)。
以下、ステップS2における毎時発電量予測部131の動作について図5〜図12を参照して詳細に説明する。
図5は、毎時発電量予測部131の構成の詳細を示すブロック図である。
毎時発電量予測部131は、標準パネル月間発電量DB23aおよびモデル補正係数DB23bから取得したデータに基づいて太陽光発電装置が一ヶ月間に発電する発電量を算出する月間発電量算出部131aを有する。月間発電量算出部131aは、入力部11から受け取った予測条件(詳細地域332、屋根勾配340、設置方位347等)を用いて、標準パネル月間発電量DB23aから、詳細地域332に相当する地域において屋根勾配340に相当する勾配で所定の方位(予測条件347の設置方位)を向いて設置された標準太陽光パネル(標準モデルとして想定された機種)の一枚あたり月間発電量を取得し、予測条件(ソーラパネルタイプ346)を用いて、モデル補正係数DB23bから標準パネルの月間発電量を、予測条件で指定された機種のパネルの月間発電量に換算する係数を取得し、当該係数と予測条件(予測条件347の搭載パネル枚数)とを用いて、予測条件で指定された搭載太陽光パネル346の月間発電量を算出する。
次に、期間発電量算出部131bは、月間発電量に基づいて、各期間(春秋期、夏期、冬期)の期間発電量を算出する。例えば、期間発電量算出部131bは、4、5、6、10、11月の月間発電量を総和することで、春秋期の期間発電量を算出する。同様、期間発電量算出部131bは、7、8、9月の月間発電量を総和することで夏期の期間発電量を算出し、1、2、3、12月の月間発電量を総和することで冬期の期間発電量を算出する(図27参照)。各季節の期間発電量は、各天候類型毎時発電量算出部131eへ送られる。
一方、クラスタ分類データ取得部131cは、入力部11から受け取った予測条件(建築地331)を用いて、クラスタ分類DB23cから、これから予測するべき電力需要家の所在地(建築地331)のクラスタ分類を取得する。ここでのクラスタ分類とは、日本を都道府県レベルの地域区分で区分けし、これら地域を、一期間(季節)内の天候類型の出現日数の類似性でグループ分けしたものである。なお、クラスタ分類については、後でも具体例を参照して説明する。取得されたクラスタ分類のデータは、各天候類型日射量比率データ取得部131dへ送られる。
各天候類型日射量比率データ取得部131dは、クラスタ分類のデータを用いて、クラスタ別日射量比率DB23dから、これから予測する地域(建築地331)が属するクラスタについての、各天候類型の一日における日射の時間変動のデータを取得する。ここで日射の時間変動のデータは、クラスタ別日射量比率DB23dに、例えば、各季節のクラスタ別に、各天候類型(快晴、晴天、薄曇り、曇天等)の一日の、日射の24時間変動を示すデータとして保持される。日射の24時間変動を示すデータは、例えば、各天候類型の日の24時間各時刻における一時間あたり日射量が、一期間(季節)の総日射量に占める割合(各天候類型の日の24時間各時刻における一時間あたり日射量の、一期間(季節)の総日射量に対する比率)として保持されている。つまり、各天候類型日射量比率データ取得部131dは、予測対象地域が属するクラスタにおける、各天候類型の一日について、一時間当たりの日射量の時間変動の情報を、一時間あたり日射量の、一期間(春秋期、夏期、冬期)の総日射量に対する比のかたちで取得し、取得した情報を、各天候類型毎時発電量算出部131eへ送る。
各天候類型毎時発電量算出部131eは、期間発電量算出部131bから、各季節における総発電量(春秋期の期間発電量、夏期の期間発電量、冬期の期間発電量)を受け取るとともに、各天候類型日射量比率データ取得部131dから、予測の対象の地域が属するクラスタの各天候類型の一日の各時刻における、一時間あたり日射量が、一期間(春秋期、夏期、冬期)の総日射量に占める比率(以下、「日射量比率」とも称する。)の情報(日射の時間変動の情報)を受け取る。そして、各天候類型毎時発電量算出部131eは、各期間(春秋期、夏期、冬期)の各天候類型(快晴、晴天、薄曇り、曇天)の日の各時刻について、一期間の総発電量である期間発電量と、当該時刻の一時間あたり日射量が期間総日射量に占める比率(日射量比率)との積をとり、当該積を、各期間の各天候類型の日の各時刻における一時間当たり発電量とする。そして、各天候類型毎時発電量算出部131eは、各期間(季節)の各天候類型の日の各時刻の一時間当たり発電量を、蓄電機器動作模擬部134および各天候類型一時間収支決定部135へ出力する。
以下、ステップS2の処理と関連して毎時発電量予測部131が用いるデータベースの構成について、構成例を示す図を参照しながら説明する。
図6は、標準パネル月間発電量DB23aの構成手法の一例を説明する図である。標準パネル月間発電量DB23aは、月平均の日射量データを収録したMONSOLA(MONthly mean SOLAr radiation data throughout Japan)11のデータをもとにして、月平均日射量を太陽光パネルの標準モデルの発電量に換算する処理603を施して構成したデータベースである。標準パネル月間発電量DB23aは、日本国内675地点(図4の詳細地域332に相当。)について、複数の方位、複数の勾配についての、太陽光パネルの標準モデルでの月間の発電量のデータを保持する。標準パネル月間発電量DB23aは、地点(詳細地域332)と月とを指定することで、当該月の太陽光パネルの標準モデルの月間発電量を返すことができるデータベースである。
図7は、モデル補正係数DB23bの構成手法の一例を説明する図である。モデル補正係数DB23bは、各社各モデルの太陽光パネルの各月の損失係数を、標準モデルの損失係数に対する比のかたちで表したデータを保持するデータベースである。モデル補正係数DB23bは、各社各モデルの太陽光パネルの月別の損失係数の太陽光パネルメーカ公表値を、標準モデルの損失係数で正規化703することにより構成したデータベースである。モデル補正係数DB23bは、太陽光パネルのメーカ名、モデル名等と月とを指定することで、当該月の該当するモデルの損失係数を、標準モデルの損失係数に対する比のかたちで返すことができるデータベースである。
図8は、毎時日射量データ801から天候類型別毎時日射量季節積算データ809および期間内天候日数データ813を導出するまでの手法の一例を説明する図である。
ここでの基礎となる毎時日射量データ801は、365日分の各都道府県の代表地点(例えば、県庁所在地)の各時刻の日射量のデータである。本例では、当該データは、例えば、SMASH(Simplified Analysis System for Housing Air Conditioning Energy、財団法人建築環境・省エネルギー機構)の気象データや、拡張アメダス気象データをもとに構成されている。
毎時日射量データ801に対し天候類型化処理803を行うことにより、各日天候データ805を生成する。各日天候データ805は、365日それぞれがいずれの天候類型に属するかを示すデータである。天候類型化処理803は、一日の総日射量の当該一日が属する月における一日総日射量の最大値に対する比に基づいて、各日を複数の天候類型のいずれかに分類する処理である。天候類型化処理803では、例えば、ある日の一日の総日射量が、その日が属する月の一日総日射量の最大値の90%以上であれば、その日を、天候類型「快晴」に分類する。同様、天候類型化処理803では、ある日の一日の総日射量が、その日が属する月の一日総日射量の最大値の50%以上90%未満であれば、その日を、天候類型「晴天」に分類する。同様、ある日の一日の総日射量が、その日が属する月の一日総日射量の最大値の10%以上50%未満であれば、その日を、天候類型「薄曇り」に分類し、10%未満であれば、その日を、天候類型「曇天」に分類する。このようにして、各都道府県代表地点の365日それぞれの天候類型を示すデータを含んだ各日天候データ805が生成される。なお、天候類型の総数は、4類型に限定されない。また、各類型に分類するための閾値(上記50%、90%等)は一例に過ぎず、その他の値であってもよい。また、上の例では、対象日の一日総日射量と当該対象日が属する月の一日総日射量の最大値とを比較することにより対象日の天候類型を決定したが、その他の決定方法に従って各対象日の天候類型を決定してもよい。
次に、各日天候データ805を参照して各日の天候類型を取得しながら、毎時日射量データ801に対し天候類型別毎時日射量季節内積算処理807を行うことにより、天候類型別毎時日射量季節積算データ809を生成する。天候類型別毎時日射量季節積算データ809は、各都道府県代表地点それぞれについて、各季節(春秋期、夏期、冬期)ごとに、同じ天候類型の日の同一時刻の日射量を積算(累計)したデータである。したがって、天候類型別毎時日射量季節積算データ809は、各都道府県代表地点の春秋期、夏期、冬期それぞれについての、同一天候類型の日の同一時刻の日射量の積算値(累計値)のデータを含んでいる。
次に、各日天候データ805に対し、季節内天候日数集計処理811を施し、期間内天候日数データ813を生成する。これは、各都道府県代表地点について、各期間(春秋期、夏期、冬期)それぞれにおいて各天候類型が出現した日数を集計したデータである。つまり、期間内天候日数データ813は、各都道府県代表地点の、期間ごとの、各天候類型(快晴、晴天、薄曇り、曇天)の日数を集計したデータを含んでいる。
図9は、期間内天候日数データ813から、クラスタ分類DB23cを構成する手法の一例を説明する図である。ここでのクラスタ分類とは、各期間について、他の期間から独立に、各都道府県代表地点の天候類型の出現傾向の類似性に基づいて、都道府県をグループ化したものである。具体的には、期間内天候日数データ813の春秋期に関するデータのみを用い、各地域の春秋期の四天候類型出現比率の間のユークリッド距離に基づいてクラスタリングを行い、都道府県を複数のクラスタにグループ化する(815)。ここでの四天候類型出現比率とは、各天候類型が現れた日数を期間の総日数で除して得た値(4成分のうち3成分が独立し、残る1成分が先の3成分に従属して決定される4次元ベクトル量)である。このようにして生成された春秋期地域クラスタ分類データ821が、春秋期についての各都道府県のクラスタ分類を示すデータである。同様にして、期間内天候日数データ813の夏期に関するデータのみを用い、各地域の夏期の四天候類型出現比率の間のユークリッド距離に基づいてクラスタリングを行い、都道府県を複数のクラスタにグループ化する(817)。このようにして生成された夏期地域クラスタ分類データ823が、夏期についての各都道府県のクラスタ分類を示すデータである。また、同様にして、期間内天候日数データ813の冬期に関するデータのみを用い、各地域の冬期の四天候類型出現比率の間のユークリッド距離に基づいてクラスタリングを行い、都道府県を複数のクラスタにグループ化する(819)。このようにして生成された冬期地域クラスタ分類データ825が、冬期についての各都道府県のクラスタ分類を示すデータである。このようにして生成された3つのデータ821、823、825を統合することにより、クラスタ分類DB23cが構成される。クラスタ分類DB23cは、地域名(例えば、都道府県名)を指定することで、当該都道府県が各期間に属するクラスタを返すことができるデータベースである。つまり、都道府県名を受け取ったクラスタ分類DB23cは、当該都道府県の春秋期、夏期、冬期のクラスタを返すことができる。図23は、クラスタ分類DB23cの一例「大阪」である。このように、クラスタ分類DB23cでは、一地域につき、春秋期・夏期・冬期の3期間それぞれについてのクラスタ分類(クラスタ名称)が記録されている。
図10は、クラスタ分類の一例を示す図である。本例では、四天候類型出現比率の距離が0.5以上離れた集合を各クラスタとして表している。ここで、都道府県をグループに合併した後での、グループ間、および、グループと任意の一都道府県との間の距離の計算については、ウォード法を適用している。本例のように、本実施形態で用いるクラスタ分類は、期間毎に、各クラスタを構成する都道府県の組み合わせが異なることも特徴の1つである。例えば、春秋期においては、松江や鳥取は、福島をはじめ多くの都道府県と、四天候類型の出現比率が類似する(春秋期クラスタI)。だが、冬期においては、松江や鳥取は、他の都道府県とは類似しない、独特の天候上の特徴を有することがわかる(冬期クラスタV)。本実施の形態では、季節単位で他の季節から独立して、都道府県を気候の類似性でクラスタリングし、各クラスタを代表する値(例えば、平均値)をエネルギー収支予測に用いる。そのため、本実施の形態では、計算の量および保持すべきデータの量を著しく削減しつつ、各地域の各季節の気候の特性をエネルギー収支予測に十分に反映させることが可能になっている。
図11および図12は、天候類型別毎時日射量季節積算データ809から各季節の天候類型別毎時日射量季節積算クラスタ平均値データ1103、1107、1111を導出し、最終的にクラスタ別日射量比率DB23dを構成するまでの手法の一例を説明する図である。
先述のとおり、天候類型別毎時日射量季節積算データ809は、各都道府県それぞれについて、各期間(春秋期、夏期、冬期)内の同じ天候類型の日の同一時刻の日射量を積算(累計)したデータを含む。次に、天候類型別毎時日射量季節積算データ809の、各期間のクラスタ平均を求める。先ず、春秋期クラスタ分類(図10)を参照し、春秋期クラスタの各々について、当該クラスタに含まれる都道府県について、各天候類型の日の各時刻の日射量の積算値(累計値)の平均をとる(1101)。そうすることにより、各春秋期クラスタについて、春秋期の天候類型別毎時日射量季節積算値のクラスタ平均値が求められる(1103)。同様にして、夏期クラスタ分類(図10)を参照し、夏期クラスタの各々について、当該クラスタに含まれる都道府県について、各天候類型の日の各時刻の日射量の積算値(累計値)の平均をとる(1105)。そうすることにより、各夏期クラスタについて、夏期の天候類型別毎時日射量季節積算値のクラスタ平均値が求められる(1107)。冬期についても同様に、冬期クラスタ分類(図10)を参照し、冬期クラスタの各々について、当該クラスタに含まれる都道府県について、各天候類型の日の各時刻の日射量の積算値(累計値)の平均をとる(1109)。そうすることにより、各冬期クラスタについて、冬期の天候類型別毎時日射量季節積算値のクラスタ平均値が求められる(1111)。
加えて、各データ1103、1107、1111には、それぞれ、各期間の四天候類型出現比率のクラスタ平均値(同一クラスタ内都道府県の四天候類型出現比率の平均値)のデータも格納される。また、四天候類型出現比率のクラスタ平均値に加えて、またはそれに代えて、各期間の四天候類型の出現日数の実値のクラスタ平均値を各データ1103、1107、1111に格納してもよい。
次に図12を参照し、データ1103、1107、1111からクラスタ別日射量比率DB23dの構成までの流れを説明する。先述のとおり、データ1103、春秋期クラスタの各クラスタについて、春秋期の天候類型別毎時日射量季節積算値のクラスタ平均値と、四天候類型出現比率のクラスタ平均値、および/または、四天候類型の日数のクラスタ平均値が格納されている。データ1107、1111についても、同様に、夏期、冬期についてのクラスタ平均値が格納されている。
処理1201においては、先ず、各天候類型の各時刻の日射量季節積算値のクラスタ平均値に当該天候類型出現比率のクラスタ平均値を掛けて(各天候類型の各時刻の日射量季節積算値のクラスタ平均値を当該天候類型出現日数のクラスタ平均値で割って)各天候類型の各時刻の一時間当たり日射量のクラスタ平均値を導出する。そして次に、そのようにして得た各期間の各天候類型の各時刻の一時間当たり日射量のクラスタ平均値を当該期間の総日射量で割って、各期間の各天候類型の各時刻の日射量比率のクラスタ平均値を導出する。処理1201は、上記した日射量比率クラスタ平均値導出のための処理を、データ1103、1107、1111について行い、結果を総合して、クラスタ別日射量比率DB23dを構成する。このようにして構成されたクラスタ別日射量比率DB23dは、クラスタ(春秋期クラスタI〜IV、夏期クラスタI〜IV、冬期クラスタI〜V)と天候類型(快晴、晴天、薄曇り、曇天)と時刻(0時〜23時)とを指定することで、指定されたクラスタの指定された天候類型の指定された時刻の日射量比率を返すことができるデータベースである。
3−iii.空調機器の消費電力量の予測
再度図3を参照すれば、予測装置5は、次に、一時間収支算出部13の空調機器毎時消費電力量予測部132(図2)において、季節ごとに(対象期間ごとに)、各天候類型の日の各時刻の毎時の空調機器による消費電力量を予測する(ステップS3)。
以下、ステップS3における空調機器毎時消費電力量予測部132の動作について図13〜図16を参照して詳細に説明する。
図13は、空調機器毎時消費電力量予測部132(以下、「空調予測部」とも称する。)の構成の詳細を示すブロック図である。
空調予測部132は、年間空調負荷決定部132aを有する。年間空調負荷決定部132aは、入力部から受け取った予測条件(地域条件322、住宅仕様条件323、家族構成条件325等(図4))を用いて年間全館空調負荷算出係数DB23eから係数データを取得する。年間全館空調負荷算出係数DB23eに保持され年間空調負荷決定部132aにより参照される係数データは、所定の計算式の係数群の各値に関するデータである。ここでの所定の計算式とは、様々な地域に立地する様々な仕様の住宅について標準的な使用スケジュールで空調機器を使用することを仮定して空調負荷の数値シミュレーション(SMASHを使用。)を行うことにより得られた複数の年間全館空調負荷シミュレーションの結果を重回帰分析して導出した年間全館空調負荷の近似式である。係数データ(係数群の各値)とは、当該近似式を用いて予測条件(図4)が規定する建築物の年間全館空調負荷を導出するときに使用されるべき係数群の値の組み合わせである。年間空調負荷決定部132aは、取得した係数データと所定の計算式を用いて、予測条件(図4)が規定する予測対象建築物の全館の年間の空調負荷(「年間空調負荷」)を決定する。この年間空調負荷は、年間の暖冷房負荷であってよい。その場合、年間空調負荷は、年間暖房負荷と年間冷房負荷とで構成される。決定された年間空調負荷は、期間空調負荷算出部132bへ送られる。
期間空調負荷算出部132bは、各季節室別空調負荷比率DB23fから、建築物の各室の季節毎の空調負荷の年間空調負荷に対する比率に関するデータを取得する。このデータは、上述の複数の年間全館空調負荷シミュレーションの結果を分析し統計処理することにより得られたデータでよい。図15は、その一例である。本図においては、H_LDKsf、H_Bsf、H_Csf、H_LDKwt、H_Bwt、H_Cwtは、春秋期LDK暖房負荷比率、春秋期主寝室暖房負荷比率、春秋期子供室暖房負荷比率、冬期LDK暖房負荷比率、冬期主寝室暖房負荷比率、冬期子供室暖房負荷比率を表し、それぞれ0以上1以下の実定数である。同様、C_LDKsf、C_Bsf、C_Csf、C_LDKsm、C_Bsm、C_Csmは、春秋期LDK冷房負荷比率、春秋期主寝室冷房負荷比率、春秋期子供室冷房負荷比率、夏期LDK冷房負荷比率、夏期主寝室冷房負荷比率、夏期子供室冷房負荷比率を表し、それぞれ0以上1以下の実定数である。図15の例では、例えば、春秋期におけるLDKの暖房負荷は、建築物全館の年間空調負荷(の年間暖房負荷)の(H_LDKsf×100)%を占め、また、夏期におけるLDKの冷房負荷は、建築物全館の年間空調負荷(の年間冷房負荷)の(C_LDKsm×100)%を占めることが示されている。期間空調負荷算出部132bは、各室の季節毎の空調負荷の年間空調負荷に対する比率に関するデータを用いて、年間空調負荷を、季節別かつ室別に配分することにより(年間空調負荷に図15の例での空調負荷比率の値を掛けることにより)、各期間(季節)における各室の期間総空調負荷(期間総暖房負荷および期間総冷房負荷)を算出する。これにより、予測対象の建築物の各室の各期間での空調負荷が決定される。決定された各室の各期間での空調負荷の値は、各天候類型毎時空調負荷決定部132eへ送られる。
その一方において、クラスタ分類データ取得部132cは、毎時発電量予測部131のクラスタ分類データ取得部131c(図5)と同様に、クラスタ分類DB23cから、電力需要家(予測対象の建築物)の所在地(建築地331)のクラスタ分類(図10)を取得する。取得されたクラスタ分類のデータは、各天候類型空調負荷比率データ取得部132dへ送られる。
各天候類型空調負荷比率データ取得部132dは、毎時発電量予測部131の各天候類型日射量比率データ取得部131d(図5)の動作と類似して、クラスタ分類のデータを用いて、クラスタ別各天候類型毎時空調負荷比率DB23gから、予測対象の地域(建築地331)が属するクラスタについての、各天候類型の一日における各室の空調負荷の時間変動のデータを取得する。ここで空調負荷の時間変動のデータは、クラスタ別各天候類型毎時空調負荷比率DB23gに、例えば、各季節のクラスタ別に、各室(LDK、寝室、子供室等)について、各天候類型(快晴、晴天、薄曇り、曇天等)の一日の、室の空調負荷の24時間変動を示すデータとして保持される。室の空調負荷の24時間変動を示すデータは、例えば、各天候類型の日の24時間各時刻における室の一時間あたり空調負荷が、当該室の一期間(季節)の総空調負荷に占める割合(各天候類型の日の24時間各時刻における室の一時間あたり空調負荷の、当該室の一期間(季節)の総空調負荷に対する比率)として保持されている。つまり、各天候類型空調負荷比率データ取得部132dは、予測対象地域が属するクラスタにおける、各季節の各天候類型の一日について、各室の一時間当たりの空調負荷の時間変動の情報を、各室の一時間あたり空調負荷の、同室の一期間(春秋期、夏期、冬期)の総空調負荷に対する比のかたちで取得し、取得した情報を、各天候類型毎時空調負荷決定部132eへ送る。
各天候類型毎時空調負荷決定部132eは、期間空調負荷算出部132bから、各季節における各室の総空調負荷(春秋期の暖冷房負荷、夏期の暖冷房負荷、冬期の暖冷房負荷)を受け取るとともに、各天候類型空調負荷比率データ取得部132dから、予測対象の地域が属するクラスタの各天候類型の一日の各時刻における、各室の一時間あたり空調負荷が、当該室の一期間(春秋期、夏期、冬期)の総空調負荷に占める比率(以下、「空調負荷比率」とも称する。)の情報(空調負荷の時間変動の情報)を受け取る。そして、各天候類型毎時空調負荷決定部132eは、各期間(春秋期、夏期、冬期)の各天候類型(快晴、晴天、薄曇り、曇天)の日の各時刻について、各室の一期間の総空調負荷である期間空調負荷と、当該室当該時刻の一時間あたり空調負荷が期間総空調負荷に占める比率(空調負荷比率)との積をとり、当該積を、各期間の各天候類型の日の各時刻における当該室の一時間当たり空調負荷とする。そして、各天候類型毎時空調負荷決定部132eは、そのようにして得られた各期間(季節)の各天候類型の日の各時刻の室の一時間当たり空調負荷を、各天候類型毎時空調消費電力量算出部132fへ送る。
各天候類型毎時空調消費電力量算出部132fは、入力部から受け取った予測条件(地域条件322等(図4))を用いて、標準エアコンCOPDB23hから地域条件322に合致する標準エアコン(例えば、APF5.9のエアコン)の毎時COPデータを取得する。標準エアコンCOPDB23hに保持され各天候類型毎時空調消費電力量算出部132fにより参照される毎時COPデータは、予測対象の建築物が立地する地域についての時間別エアコンCOPの値である。つまり、標準エアコンCOPDB23hは、地域名等(例えば、都道府県名)を指定することで、当該都道府県における標準エアコンの毎時COPデータを返すことができるデータベースである。標準エアコンの毎時COPデータを受け取った各天候類型毎時空調消費電力量算出部132fは、入力部から受け取った予測条件(エアコンタイプ341)のAPF値と標準エアコンのAPF値(例えば、5.9)の比を標準エアコンの毎時COPデータの値に掛けて、予測条件が規定するエアコンの毎時COPを導出する。そして、算出部132fは、決定部132eから受け取った各期間(季節)の各天候類型の日の各時刻の各室の一時間当たり空調負荷を予測条件が規定するエアコンの毎時COPで割って、各期間(季節)・各天候類型・各時刻・各室の一時間当たり空調機器消費電力量を算出する。そして最後に、算出部132fは、そのようにして算出した各期間(季節)・各天候類型・各時刻・各室の一時間当たり空調機器消費電力量の全館総和をとることにより、各期間(季節)・各天候類型・各時刻での全館の一時間当たり空調機器消費電力量を算出する。このようにして算出された各期間(季節)・各天候類型・各時刻での全館の一時間当たり空調機器消費電力量は、蓄電機器動作模擬部134および各天候類型一時間収支決定部135へ送られる。
以下、ステップS3の処理と関連して空調予測部132が用いるデータベースの構成について、構成例を示す図を参照しながら説明する。
図14は、年間全館空調負荷算出係数DB23eおよび各季節室別空調負荷比率DB23fの構成手法の一例を説明する図である。両データベース23e、23fは、複数住宅仕様プラン空調負荷計算結果データ1401を基礎として構築されるデータベースである。ここでの複数住宅仕様プラン空調負荷計算結果データ1401は、様々な地域および省エネ地域区分に立地する様々な仕様の住宅において標準的な使用スケジュールで空調機器を使用することを想定してなされた複数の年間全館空調負荷の数値シミュレーションの結果含んだデータである。このデータ1401に対し重回帰分析1403を行うことにより、様々な地域および省エネ地域区分における様々な仕様の住宅の年間全館空調負荷を近似的に導出できる計算式、および、その式に現れる係数群の値を求める。年間全館空調負荷算出係数DB23eは、このようにして求めた様々な地域および省エネ地域区分のための係数群の値を保持している。年間全館空調負荷算出係数DB23eは、地域(建築地331等(図4))(および省エネ地域区分(図4の断熱仕様334))を指定することで、当該地域(の省エネ地域区分)のための、上記計算式の係数群の値を返すことができるデータベースである。
他方、複数住宅仕様プラン空調負荷計算結果データ1401に含まれる様々な条件下でなされた複数の年間全館空調負荷の数値シミュレーションの結果を用いて、各室の一期間(季節)の空調負荷が年間全館空調負荷に対する比率を平均化することにより(1405)、各季節室別空調負荷比率DB23fを構成する。図15は、各季節室別空調負荷比率DB23fの一例である。各季節室別空調負荷比率DB23fは、図15の例のように全国一律の各室空調負荷比率データでもよいし、地域や省エネ地域区分毎に異なるデータを保持するデータベースであってもよい。
図16は、クラスタ別各天候類型毎時空調負荷比率DB23gの構成手法の一例を説明する図である。
基礎となるデータ、各都道府県室別365日24時間空調負荷計算結果データ1601、は、LDK、寝室、子供室といった室についての熱負荷数値シミュレーションの結果を含むデータである。熱負荷数値シミュレーションは、SMASHを用い、各都道府県の代表地点に立地する所定の住宅仕様の住宅について、標準的なエアコン使用スケジュールを設定して行った。データ1601は、一年分の各都道府県の代表地点における各室(LDK、主寝室等)の一時間当たり空調負荷(暖冷房負荷)のシミュレーション結果を含むデータである。
次に、各日天候データ805を参照して各日の天候類型を取得しながら、各都道府県室別365日24時間空調負荷計算結果データ1601に対し天候類型別各室毎時空調負荷季節内積算処理1603を行うことにより、天候類型別各室毎時空調負荷季節積算データ1605を生成する。天候類型別各室毎時空調負荷季節積算データ1605は、各都道府県代表地点それぞれについて、各季節(春秋期、夏期、冬期)ごとに、同じ天候類型の日の同一時刻の室の空調負荷(暖冷房負荷)を積算(累計)したデータである。したがって、天候類型別各室毎時空調負荷季節積算データ1605は、各都道府県代表地点の春秋期、夏期、冬期それぞれについての、同一天候類型の日の各室の同一時刻の空調負荷の積算値(累計値)のデータを含んでいる。
次に、期間(季節)ごとに、各期間のクラスタ分類に基づいて、データ1605のクラスタ内平均を求める。先に説明した処理1101、1105、1109(図11)と同様に、春秋期、夏期、冬期のクラスタの各々について、当該クラスタに含まれる都道府県について、各天候類型の日の各室の各時刻の空調負荷の積算値(累計値)の平均をとる(1607)。
最後に処理1609において、各天候類型の各室の各時刻の空調負荷季節積算値のクラスタ平均値に当該天候類型出現比率のクラスタ平均値を掛けて(各天候類型の各室の各時刻の空調負荷季節積算値のクラスタ平均値を当該天候類型出現日数のクラスタ平均値で割って)各天候類型の各室の各時刻の一時間当たり空調負荷のクラスタ平均値を導出する。そして、そのようにして得た各期間の各天候類型の各室の各時刻の一時間当たり空調負荷(暖房負荷および冷房負荷それぞれ)のクラスタ平均値を当該期間における同じ室の総空調負荷(総暖房負荷および総冷房負荷それぞれ)で割って、各期間の各天候類型の各室の各時刻の空調負荷比率のクラスタ平均値を導出する。このようにして構成されたクラスタ別(各室)各天候類型毎時空調負荷比率DB23gは、クラスタ(春秋期クラスタI〜IV、夏期クラスタI〜IV、冬期クラスタI〜V)と室(LDK、寝室、子供室等)と、天候類型(快晴、晴天、薄曇り、曇天)と時刻(0時〜23時)とを指定することで、指定されたクラスタの指定された室の指定された天候類型の指定された時刻の空調負荷比率を返すことができるデータベースである。
3−iv.空調機器以外の機器(「他機器」)の消費電力量の予測
再度図3を参照すれば、予測装置5は、次に、一時間収支算出部13の他機器毎時消費電力量予測部133(図2)において、空調機器以外の機器(「他機器」)の毎時の消費電力量を予測する(ステップS4)。
以下、ステップS4における他機器毎時消費電力量予測部133の動作について図17を参照して詳細に説明する。
図17は、他機器毎時消費電力量予測部133(以下、「他機器予測部」とも称する。)の構成の詳細を示すブロック図である。
他機器予測部133は、他機器毎時消費電力量算出部133aを有する。
他機器毎時消費電力量算出部133aは、入力部から受け取った予測条件(地域条件322、住宅仕様条件323、設備仕様条件324、家族構成条件325等(図4))を用いて、電力需要家が保有する電気機器の種類および数量を推定し、他機器の消費電力に関するデータを保持する機器別消費電力DB23kから推定された機器の消費電力に関するデータを取得する。ここでの電気機器の種類および数量の推定は、予め保持する標準的な家族構成の家庭が有する機器の種類・各数量のモデルデータをもとに、設備仕様条件324や家族構成条件325を考慮して求めればよい。
次に、他機器毎時消費電力量算出部133aは、電力需要家が保有すると推定される他機器それぞれについて、機器別使用スケジュールDB23mから、推定された機器の使用スケジュールに関するデータを取得する。なお、ここでの機器別使用スケジュールDB23mは、様々な電気機器の標準的な使用スケジュールを保有するデータベースである。例えば、DB23mは、LDKに設置されたテレビが使用される時間帯や、子供室に設置されたオーディオ装置が使用される時間帯といった情報をデータベース化して保持する。他機器の使用スケジュールは、天候類型別に設定され保持されてもよいし、天候類型に依らずともよい。他機器の使用スケジュールのデータは、各期間(季節)の任意の一日について、各時刻における当該他機器の使用状態が特定できる程度の情報を有せばよい。例えば、他機器の使用スケジュールのデータは、任意の一日の各時刻について、当該時刻からの一時間継続的に使用される場合に「1」、全く使用されない場合に「0」、例えば、6分間だけ使用される場合に「0.1」といった値を有するように構成されればよい。
最後に、他機器毎時消費電力量算出部133aは、電力需要家が保有すると推定した他機器のそれぞれについて、機器別消費電力DB23kから取得した各機器の消費電力に関するデータと機器別使用スケジュールDB23mから取得した各機器の使用スケジュールをもとに、各機器の各時刻における消費電力量を算出し、それらを総計することにより、各時刻における他機器の一時間当たり消費電力量を算出する。このようにして算出された他機器の毎時消費電力量は、蓄電機器動作模擬部134および各天候類型一時間収支決定部135へ送られる。
3−v.蓄電機器の充放電量の予測
再度図3を参照すれば、予測装置5は、次に、一時間収支算出部13の蓄電機器動作模擬部134(図2)において、蓄電機器の毎時の充放電量を予測する(ステップS5)。
以下、ステップS5における蓄電機器動作模擬部134の動作について図18を参照して詳細に説明する。なお、ここで想定している蓄電機器は、太陽光発電装置が発電した電力を充電するための機器である。ただし、蓄電機器動作模擬部134は、系統電力からの充電も行うことができる蓄電機器の動作を模擬してもかまわない。
先ず、蓄電機器動作模擬部134の毎時充放電量算出部134aは、入力部11から受け取った予測条件(蓄電池タイプ342等(図4))を用いて蓄電機器制御情報DB23nから電力需要家が保有するタイプの蓄電機器の動作の特徴を示す蓄電機器制御情報データを取得する。つまり、ここでの蓄電機器制御情報DB23nは、各社各モデルの蓄電機器の仕様を保持するデータベースであり、蓄電機器のモデルの指定を受けると、当該モデルについての蓄電機器制御情報データを出力することができる。蓄電機器制御情報データには、1)充放電制御情報(発電された電力についての:自家消費、充電、売電の優先順位を規定する情報、および、充放電についてのタイマー制御設定の有無等の情報)、2)充電レートの情報、3)放電出力の情報、4)最大充電容量の情報、ならびに、5)蓄電最低残存量の情報が含まれてよく、またこれら以外の情報が含まれてもよい。
毎時充放電量算出部134aは、上記蓄電機器制御情報データ、ならびに、毎時発電量予測部131から受け取った各期間(季節)の各天候類型の日の各時刻の一時間当たり発電量の情報、空調機器予測部132から受け取った各期間(季節)・各天候類型・各時刻での全館の一時間当たり空調機器消費電力量の情報、および、他機器予測部133から受け取った他機器の毎時消費電力量の情報に基づいて、各期間(季節)の各天候類型の日の各時刻の一時間当たり充放電量を算出する。
一時間当たり充放電量の算出について具体例を挙げてさらに説明する。以下では、発電された電力は、自家消費→充電→売電の優先順位に従って、使用され、かつ、蓄電機器充放電についてタイマー制御は行われないとする(充放電制御情報)。なお以下では、太陽光発電装置の一時間当たり発電量を「発電量」、空調機器の一時間当たり消費電力量と他機器の一時間当たり消費電力量との和を「消費電力量」と略す。
まず、毎時充放電量算出部134a(以下「算出部134a」)は、次のようにして、蓄電機器の一時間当たり充電量を求める。消費電力量が発電量より大きい場合、算出部134aは、蓄電機器の一時間当たり充電量をゼロ[Wh]と予測する。発電量が消費電力量以上である場合、算出部134aは、蓄電機器の一時間当たり充電量を発電量−消費電力量[Wh]と予測する。ただし、充電量は、充電レートを超えない値に制限される。また、充電されている電力量が、最大充電容量に等しくなった時点で充電は停止する。
次に、算出部134aは、蓄電機器の一時間当たり放電量を求める。消費電力量が発電量より大きい場合、算出部134aは、蓄電機器の一時間当たり放電量を消費電力量−発電量[Wh]と予測する。ただし、放電量は、放電出力を超えない値に制限される。また、充電されている電力量が、蓄電最低残存量に等しくなった時点で放電は停止する。発電量が消費電力量より大きい場合、算出部134aは、蓄電機器の一時間当たり放電量をゼロ[Wh]と予測する。
最後に、算出部134aは、一時間当たり充電量および放電量にもとづき、例えば、充電量をプラス符号の量、放電量をマイナス符号の量として、一時間当たり充放電量を算出する。算出された一時間当たり充放電量は、各天候類型一時間収支決定部135へ送られる。
3−vi.毎時エネルギー収支の算出
再度図3を参照すれば、予測装置5は、次に、一時間収支算出部13の各天候類型一時間収支決定部135(図2)において、季節ごと(対象期間ごと)に、各天候類型の日の各時刻の毎時のエネルギー収支を求める(ステップS6)。
図19は、各天候類型一時間収支決定部135(以下、「一時間収支決定部」とも称する。)の構成の詳細を示すブロック図である。
一時間収支決定部135の集計部135aは、毎時発電量予測部131から受け取った一時間当たり発電量の情報、空調機器予測部132から受け取った一時間当たり空調機器消費電力量の情報、他機器予測部133から受け取った一時間当たり他機器消費電力量の情報、および、蓄電機器動作模擬部134から受け取った一時間当たり充放電量の情報を総合し、各期間・天候類型・時刻における、一時間当たり購入電力量、一時間当たり消費電力量、一時間当たり発電電力自家消費量、一時間当たり売電量、一時間当たり充放電量等を求める。ここで、一時間当たり消費電力量は、一時間当たり空調機器消費電力量と一時間当たり他機器消費電力量との和である。一時間当たり発電電力自家消費量は、太陽光発電装置の発電電力のうち電力需要家が消費した電力量であって、その値は、一時間当たり消費電力量および一時間当たり発電量のうちで大きくない方の値に等しい。一時間当たり購入電力量は、一時間当たり自家消費電力量から一時間当たり発電量を差し引き、一時間当たり充放電量を加算した値である(マイナス値の充放電量を放電量とする場合)。ここで一時間当たり購入電力量が負値となった場合、その絶対値を、一時間当たり売電量とし、当該時刻の一時間当たり購入電力量をゼロとする。一時間当たり購入電力量が非負の値である場合、一時間当たり売電量をゼロとする。一時間当たり充放電量は、蓄電機器動作模擬部134から受け取った一時間当たり充放電量の情報をそのまま用いてよい。
このようにして集計部135aが求めた一時間当たり諸量は、換算部135bへ送られる。
換算部135bは、様々な換算係数を保持する換算係数DB23pを参照しながら、集計部135aから送られた一時間当たり諸量にもとづいて、各期間・天候類型・時刻における、一時間当たり光熱費(電力購入に要した費用(従量料金))、一時間当たりCO2収支、一時間当たり一次エネルギー収支、一時間当たりエネルギー自給率等を求める。一時間当たり光熱費は、一時間当たり購入電力量と(換算係数DB23pより取得する)料金単価の積である。一時間当たりCO2収支は、一時間当たり消費電力量にCO2排出係数を掛けた値から一時間当たり発電量にCO2削減係数を掛けた値を差し引いた値である。CO2排出係数およびCO2削減係数(単位はともに[kg-CO2/Wh])は、換算係数DB23pに保持されている。一時間当たり一次エネルギー収支は、一時間当たり消費電力量に一次エネルギー換算係数を掛けた値から一時間当たり発電量に一次エネルギー換算係数を掛けた値を差し引いた値である。一次エネルギー換算係数(単位は[MJ/Wh])もまた、換算係数DB23pに保持されている。一時間当たりエネルギー自給率は、一時間当たり発電電力自家消費量と一時間当たり放電量(放電量が負値の充放電量として表される場合、その絶対値を用いる。)との和を、一時間当たり消費電力量で割ったときの商の百分率である。
一時間収支決定部135は、以上のようにして求められた各期間・天候類型・時刻における、一時間当たり発電量、一時間当たり購入電力量、一時間当たり消費電力量、一時間当たり発電電力自家消費量、一時間当たり売電量、一時間当たり充放電量、一時間当たり光熱費、一時間当たりCO2収支、一時間当たり一次エネルギー収支、一時間当たりエネルギー自給率等を、各天候類型一日収支算出部15へ送る。
3−vii.一日のエネルギー収支の算出
再度図3を参照すれば、予測装置5は、次に、各天候類型一日収支算出部15(図2)(以下、「一日収支算出部」と称する。)において、季節ごと(対象期間ごと)に、各天候類型の日の一日のエネルギー収支を求める(ステップS7)。
一日収支算出部15は、一時間収支決定部135から受け取った諸量に基づいて、各期間・天候類型の日における、一日当たり発電量、一日当たり購入電力量、一日当たり消費電力量、一日当たり発電電力自家消費量、一日当たり売電量、一日当たり充電量、一日当たり放電量、一日当たり光熱費、一日当たりCO2収支、一日当たり一次エネルギー収支、一日当たりエネルギー自給率等を求め、得られた諸量を季節収支算出部17へ送る。図21は、そのようにして求められた天候類型別一日当たり消費電力量等の例を示す図である。
3−viii.期間(季節)エネルギー収支の算出
予測装置5は、次に、季節収支算出部17(図2)において、季節ごと(対象期間ごと)のエネルギー収支を求める(ステップS8)。
図20は、季節収支算出部17の構成の詳細を示すブロック図である。
季節収支算出部17の天候日数積算部17aは、一日収支算出部15から受け取った天候類型別の一日当たりの諸量のそれぞれに、季節別各クラスタ天候類型出現日数DB23rから取得した各季節の各天候類型の日数を掛けることにより、各季節の天候類型別の量に変換し、加算部17bが、天候類型別の量を加算することにより、当該季節のエネルギー収支に関する諸量に変換する。(例えば、季節エネルギー自給率については、季節総発電電力自家消費量と季節総放電量(放電量が負値の充放電量として表される場合その絶対値)との和を、季節総消費電力量で割ったときの商の百分率を季節エネルギー自給率とする。)このようにして得られた、各季節についての、季節総発電量、季節総購入電力量、季節総消費電力量、季節総発電電力自家消費量、季節総売電量、季節総充電量、季節総放電量、季節光熱費、季節CO2収支、季節一次エネルギー収支、季節エネルギー自給率等は、年間収支算出部19へ送られる。
図22は、季節別各クラスタ天候類型出現日数DB23rの構成手法の一例を説明する図である。該図を参照して季節別各クラスタ天候類型出現日数DB23rについて簡単に説明する。季節別各クラスタ天候類型出現日数DB23rは、季節およびクラスタを指定することで、当該季節における各天候類型の日数の値を返すデータベースである。このデータベースは、各都道府県代表地域の、春秋期、夏期、冬期それぞれにおける、各天候類型の日の日数のデータを備えた期間内天候日数データ813に基づいて構成される。該データ813について、クラスタ分類DB23cを参照して季節別クラスタ(図10)内の都道府県平均を求めることにより(2101)、各クラスタについて、各季節における天候類型の日の出現日数のクラスタ内都道府県平均値を備えたデータベース23rが構成される。
なお、季節別各クラスタ天候類型出現日数DB23rは、日数の実値を保持する代わりに、期間総日数に対する出現日数の比率を保持してもよい。図24は、地域「大阪」が含まれる春秋期クラスタIVの各天候類型出現比率のデータである。図25は、地域「大阪」が含まれる夏期クラスタIIの各天候類型の出現比率のデータであり、図26は、冬期クラスタIIの各天候類型の出現比率のデータである。季節別各クラスタ天候類型出現日数DB23rは、このような出現比率のデータで構成されてもよい。この場合、予測装置5は、図27のような、各期間(季節)の総日数に関するデータを別に保持すればよい。
3−ix.年間エネルギー収支の算出
再度図3を参照すれば、予測装置5は、次に、年間収支算出部19(図2)において、年間のエネルギー収支に関する諸量を算出する。具体的には、年間収支算出部19は、季節収支算出部17から受け取った、春秋期・夏期・冬期それぞれについての諸量(季節総発電量、季節総購入電力量、季節総消費電力量、季節総発電電力自家消費量、季節総売電量、季節総充電量、季節総放電量、季節光熱費、季節CO2収支、季節一次エネルギー収支、季節エネルギー自給率等)を総合して、年間総発電量、年間総購入電力量、年間総消費電力量、年間総発電電力自家消費量、年間総売電量、年間総充電量、年間総放電量、年間光熱費、年間CO2収支、年間一次エネルギー収支、年間エネルギー自給率等を算出し、算出された諸量を出力部21へ送る。なお、年間光熱費の算出においては、春秋期、夏期、および、冬期の季節光熱費(従量料金)の総和をとって、さらに該総和に基本料金を加算することにより年間光熱費としてよい。
3−x.結果の出力
予測装置5は、次に、出力部21により、予測結果の出力を行う。当該予測結果は、予測装置5のネットワークインタフェース部6(図1)およびネットワーク4を介してユーザインタフェース装置1へ送られて、ディスプレイ装置といった出力部3に表示されてよい。図28は、そのようにしてなされる出力部3による予測結果の表示の一例である。
このように、本実施形態による予測装置5では、太陽光発電やエアコンでの電力消費について、対象期間での総量(総発電量や総消費電力量)を日々の天候の相違(日射量の相違)に応じて、各日に配分する。これにより、天候の相違を考慮した一日分の発電量や消費電力量を予測することが可能となっている。そうすることで、予測装置5では、従来よりも、天候、すなわち日射、の日格差を考慮したエネルギー収支予測が可能となり、一季節や一年間といった対象期間のエネルギー収支予測の精度が向上されている。
加えて、本実施形態による予測装置5では、天候の相違を、一日の総日射量の多寡に基づいて4つ程度の類型に分類することにより、予測に要する計算の簡単化を実現している。そうすることで、予測装置5では、予測精度を従来よりも高いレベルに維持しながら、保持すべきデータの量や、必要な計算の量の増大を最小限に留めることに成功している。
また、本実施形態による予測装置5では、様々な地域に立地する電力需要家のエネルギー収支予測に対応するべく、季節毎に、天候類型の出現比率の類似性にもとづいて都道府県を複数のクラスタに分類し、各季節各クラスタについて、天候類型毎に日射の時間変動パターン(および、暖冷房負荷の時間変動パターン)を与えている。このような構成によって、予測装置5では、保持すべきデータの量や、必要な計算の量の増大を最小限に留めながら、様々な地域の電力需要家のエネルギー収支予測を従来よりも高い精度で行うことが可能になっている。
1 ユーザインタフェース装置
4 ネットワーク
5 エネルギー収支予測装置
11 入力部
13 一時間収支算出部
15 各天候類型一日収支算出部
17 季節収支算出部
19 年間収支算出部
21 出力部
23 データベース部

Claims (8)

  1. 太陽光発電装置を有する電力需要家の、対象期間における電力エネルギーの収支を予測する電力エネルギー収支予測装置であって、
    前記対象期間における前記太陽光発電装置の総発電量を予測する期間発電量算出部と、
    前記対象期間に含まれる複数の対象日を一日の日射量の多寡にもとづいて複数の類型に分類した場合に前記複数の類型それぞれに含まれる対象日の日数に関するデータと、前記複数の類型それぞれについての日射の時間変動に関するデータと、を保持する、データベース部と、
    前記総発電量と、前記複数の類型それぞれについての日射の時間変動に関するデータと、に基づいて、各類型についての前記太陽光発電装置の単位時間当たり発電量を予測する単位時間発電量算出部と、
    前記電力需要家が有する機器の単位時間当たり消費電力量を予測する単位時間消費電力量算出部と、
    前記各類型についての前記太陽光発電装置の単位時間当たり発電量と、前記単位時間当たり消費電力量と、に基づいて、前記各類型についての一日のエネルギー収支を算出する一日収支算出部と、
    前記各類型についての一日のエネルギー収支と、前記複数の類型それぞれに含まれる対象日の日数に関するデータと、に基づいて、前記対象期間のエネルギー収支を算出する期間収支算出部と、を有する電力エネルギー収支予測装置。
  2. さらに、前記電力需要家の所在する地域に関するデータを受け取る入力部を有し、
    前記データベース部は、前記複数の類型それぞれに含まれる対象日の日数に関するデータおよび当該データに対応する前記複数の類型それぞれについての日射の時間変動に関するデータの組を複数組保持し、
    前記単位時間発電量予測部は、前記所在する地域に関するデータに基づいて、前記データベース部が保持する複数組の前記組のなかから前記発電量の予測に用いる前記組を決定する、請求項1に記載の電力エネルギー収支予測装置。
  3. 前記データベース部が保持する前記複数組の組み合わせはそれぞれ、地域の一日の日射量の多寡にもとづいて前記複数の対象日を前記複数の類型に分類した場合に得られる当該地域についての前記複数の類型それぞれの対象日の日数の類似度に基づいて複数の地域をクラスタリングした場合に同一のクラスタに区分される複数の地域それぞれについての前記複数の類型それぞれに含まれる対象日の日数の平均値および前記複数の類型それぞれについての日射の時間変動の平均値に関するデータを含む、請求項2に記載の電力エネルギー収支予測装置。
  4. 前記対象期間は、一年であり、
    前記データベース部は、前記一年に含まれる春秋期、夏期、および、冬期のそれぞれについて、前記複数の類型それぞれに含まれる対象日の日数に関するデータおよび当該データに対応する前記複数の類型それぞれについての日射の時間変動に関するデータの組み合わせを保持し、
    前記単位時間発電量予測部は、前記発電量の予測に用いる前記組み合わせを、前記春秋期の発電量予測と、前記夏期の発電量予測と、前記冬期の発電量予測とで、変更する、請求項1に記載の電力エネルギー収支予測装置。
  5. 前記複数の類型それぞれについての日射の時間変動に関するデータは、単位時間当たり日射量の前記対象期間の総日射量に対する比率の時間変動に関するデータを含み、
    前記単位時間発電量予測部は、前記総発電量を、前記比率に応じて比例配分することにより、前記太陽光発電装置の単位時間当たり発電量を予測する、請求項1に記載の電力エネルギー収支予測装置。
  6. さらに、前記前記対象期間における前記電力需要家が有する空調機器の総空調負荷を予測する期間空調負荷算出部を有し、
    前記単位時間消費電力量算出部は、前記電力需要家が有する空調機器の単位時間当たり消費電力量を予測する空調機器単位時間消費電力量算出部と、前記電力需要家が有する前記空調機器以外の機器の単位時間当たり消費電力量を予測する他機器単位時間消費電力量算出部と、を備え、
    前記データベース部は、さらに、前記複数の類型それぞれについての空調負荷の時間変動に関するデータを保持し、
    前記空調機器単位時間消費電力量算出部は、前記総空調負荷と、前記複数の類型それぞれについての空調負荷の時間変動に関するデータと、に基づいて、各類型についての前記空調機器の単位時間当たり消費電力量を予測する、請求項1に記載の電力エネルギー収支予測装置。
  7. 太陽光発電装置を有する電力需要家の、対象期間における電力エネルギーの収支を予測する電力エネルギー収支予測装置おける電力エネルギー収支予測方法であって、
    前記対象期間における前記太陽光発電装置の総発電量を予測する期間発電量算出ステップと、
    前記対象期間に含まれる複数の対象日を一日の日射量の多寡にもとづいて複数の類型に分類した場合に前記複数の類型それぞれに含まれる対象日の日数に関するデータと、前記複数の類型それぞれについての日射の時間変動に関するデータと、をデータベース部から取得するデータ取得ステップと、
    前記総発電量と、前記複数の類型それぞれについての日射の時間変動に関するデータと、に基づいて、各類型についての前記太陽光発電装置の単位時間当たり発電量を予測する単位時間発電量予測ステップと、
    前記電力需要家が有する機器の単位時間当たり消費電力量を予測する単位時間消費電力量予測ステップと、
    前記各類型についての前記太陽光発電装置の単位時間当たり発電量と、前記単位時間当たり消費電力量と、に基づいて、前記各類型についての一日のエネルギー収支を算出する一日収支算出ステップと、
    前記各類型についての一日のエネルギー収支と、前記複数の類型それぞれに含まれる対象日の日数に関するデータと、に基づいて、前記対象期間のエネルギー収支を算出する期間収支算出ステップと、を有する電力エネルギー収支予測方法。
  8. コンピュータに、太陽光発電装置を有する電力需要家の、対象期間における電力エネルギーの収支を予測させる電力エネルギー収支予測プログラムであって、
    前記コンピュータに、
    前記対象期間における前記太陽光発電装置の総発電量を予測する期間発電量算出ステップと、
    前記対象期間に含まれる複数の対象日を一日の日射量の多寡にもとづいて複数の類型に分類した場合に前記複数の類型それぞれに含まれる対象日の日数に関するデータと、前記複数の類型それぞれについての日射の時間変動に関するデータと、をデータベース部から取得するデータ取得ステップと、
    前記総発電量と、前記複数の類型それぞれについての日射の時間変動に関するデータと、に基づいて、各類型についての前記太陽光発電装置の単位時間当たり発電量を予測する単位時間発電量予測ステップと、
    前記電力需要家が有する機器の単位時間当たり消費電力量を予測する単位時間消費電力量予測ステップと、
    前記各類型についての前記太陽光発電装置の単位時間当たり発電量と、前記単位時間当たり消費電力量と、に基づいて、前記各類型についての一日のエネルギー収支を算出する一日収支算出ステップと、
    前記各類型についての一日のエネルギー収支と、前記複数の類型それぞれに含まれる対象日の日数に関するデータと、に基づいて、前記対象期間のエネルギー収支を算出する期間収支算出ステップと、を実行させる電力エネルギー収支予測プログラム。
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