JP2015018715A - 有機エレクトロルミネッセンス素子及び照明装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子及び照明装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2015018715A
JP2015018715A JP2013145789A JP2013145789A JP2015018715A JP 2015018715 A JP2015018715 A JP 2015018715A JP 2013145789 A JP2013145789 A JP 2013145789A JP 2013145789 A JP2013145789 A JP 2013145789A JP 2015018715 A JP2015018715 A JP 2015018715A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light emitting
auxiliary light
substrate
metal body
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013145789A
Other languages
English (en)
Inventor
高志 安食
takashi Ajiki
高志 安食
隆雄 宮井
Takao Miyai
隆雄 宮井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2013145789A priority Critical patent/JP2015018715A/ja
Publication of JP2015018715A publication Critical patent/JP2015018715A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

【課題】発光強度が高く、光取り出し効率に優れた有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。【解決手段】有機エレクトロルミネッセンス素子は、光透過性を有する基板1と、光透過性を有する第1電極2と、基板1とは反対側で第1電極2と対となる第2電極4と、第1電極2と第2電極4との間に設けられた1以上の発光層3と、を備えている。基板1の第1電極2側の面よりも光取り出し側に、補助発光構造5を備えている。補助発光構造5は、補助発光材料7と微小金属体6とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子及びそれを用いた照明装置に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下「有機EL素子」ともいう)として、基板の上に設けられた陽極と陰極との間に、ホール輸送層、発光層、電子注入層などの機能層により構成される有機層を積層させた構造のものが一般的に知られている。有機EL素子では、陽極と陰極の間に電圧を印加することによって、発光層で発した光が面状に外部に取り出される。
特開2004−235140号公報
有機EL素子においては、所定の電流を供給したときに、発光強度がより高いことが求められる。発光層で発した光は吸収や全反射などにより一部の光が取り出せなくなることがあるため、より強度の高い発光を行うことで、光取り出し効率を高めることができるからである。また、照明用途の有機EL素子においては、演色性が高いことが求められる。特に、白色発光の有機EL素子では、演色性を高めると、照明性が向上する。
特許文献1には、有機電界発光光回復層を設けて発光層からの光を回復させて外部に放出する有機電界発光装置が開示されている。しかしながら、有機電界発光光回復層においては、基板に到達する前で光を回復させており、回復した光においては反射するなどして基板に入射しないものが発生し得るため、外部に一部の回復光が取り出せず、十分に発光強度を高めることができないおそれがある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、発光強度が高く、光取り出し効率に優れた有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することを目的とするものである。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、光透過性を有する基板と、光透過性を有する第1電極と、前記基板とは反対側で前記第1電極と対となる第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に設けられた1以上の発光層と、を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記基板の前記第1電極側の面よりも光取り出し側に、補助発光構造を備え、
前記補助発光構造は、補助発光材料と微小金属体とを含むことを特徴とするものである。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子にあっては、前記補助発光材料の吸収スペクトルのピークは、前記発光層の発光スペクトルのピークと重複していることが好ましい。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子にあっては、前記補助発光構造は、前記補助発光材料と前記微小金属体とが混合した混合領域により形成されていることが好ましい。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子にあっては、前記補助発光構造は、前記補助発光材料を含む領域と、前記微小金属体を含む領域とが厚み方向に重なって形成されていることが好ましい。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子にあっては、前記補助発光構造は、厚みが150nmより小さいことが好ましい。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子にあっては、前記補助発光構造は、複数種の前記補助発光材料を含むことが好ましい。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子にあっては、前記発光層は、複数種の発光材料を有し、前記補助発光材料の種類数は、前記発光材料の種類数と同じであることが好ましい。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子にあっては、前記微小金属体は、粒度分布において複数のピークを有し、前記微小金属体の前記ピークの数は、前記補助発光材料の種類数と同じであることが好ましい。
本発明に係る照明装置は、上記の有機エレクトロルミネッセンス素子を備える。
本発明によれば、補助発光構造を有することにより、所定の電流を供給したときに発光強度がより高まるため、光取り出し効率を向上することができる。
有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。 発光のメカニズムを示す模式図である。 (a)はスペクトルの一例を示すグラフ、(b)はスペクトルの一例を示すグラフ、(c)はピークの説明図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。 (a)及び(b)は、有機エレクトロルミネッセンス素子の各一例を示す一部の断面図である。 (a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)は、有機エレクトロルミネッセンス素子の各一例を示す一部の断面図である。 (a)及び(b)は、有機エレクトロルミネッセンス素子の各一例を示す一部の断面図である。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、光透過性を有する基板1と、光透過性を有する第1電極2と、基板1とは反対側で第1電極2と対となる第2電極4と、第1電極2と第2電極4との間に設けられた1以上の発光層3とを備えている。基板1の第1電極2側の面よりも光取り出し側に、補助発光構造5を備えている。補助発光構造5は、補助発光材料7と微小金属体6とを含む。有機EL素子では、補助発光構造5を有することにより、所定の電流を供給したときに発光性がより高まるため、発光強度を向上することができる。その結果、光取り出し効率を向上することができる。
図1は、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)の一例を示している。この有機EL素子は、光透過性を有する基板1と、光透過性を有する第1電極2と、第1電極2と対となる第2電極4と、第1電極2と第2電極4との間に設けられた1以上の発光層3とを備えている。図1では、発光層3の厚み方向の境界部分を破線で示している。図1の白抜き矢印は、光の出射方向である。
第1電極2と第2電極4との間には、発光層3を含む複数の機能層により構成される有機層11が設けられている。有機層11の全体は、機能層の集合体により構成される。第1電極2、有機層11及び第2電極4の積層体が、発光積層体となる。なお、発光に支障がないのであれば、有機層11が単一の又は複数の発光層3で構成される構造であってもよい。
発光積層体は、基板1の表面に設けられている。基板1は、発光積層体を支持する基材となる。発光積層体の積層形成時には、基板1の上に各層が順に重ねられて積層される。例えば、図1では、基板1の上に、第1電極2、有機層11を構成する各機能層、第2電極4の順に積層される。
図1の有機EL素子は、光透過性の第1電極2が光透過性の基板1の表面に形成されている。基板1の上に第1電極2を形成する場合、有機EL素子をより容易に製造することができる。基板1は支持基板となる。そして、発光層3で発した光は基板1側から取り出される。この有機EL素子は、いわゆるボトムエミッション構造の素子である。もちろん、有機EL素子は、ボトムエミッション構造に限られるものではなく、トップエミッション構造であってもよい。トップエミッション構造では、基板1は封止基板を構成し、基板1と対向して配置される支持基板の上(表面)に、光取り出し側とは反対側の電極である第2電極4が形成される。この場合、基板1と第1電極2は離間していてよい。そして、図1とは逆の順序で各層が積層形成される。図1において、第2電極4の上方に支持基板を描画し、基板1を第1電極2と離間し下方に移動させて封止基板として機能させれば、トップエミッション構造の素子構成が理解されるであろう。以下の各図の有機EL素子では、ボトムエミッション構造の例を示しているが、これらはトップエミッション構造に変更され得る。
基板1は、適宜の基板材料によって構成される。例えば、ガラスであってよい。ガラスを用いた場合、発光積層体を良好に形成し、支持することができる。また、ガラスを用いれば、水分の浸入を抑制することができ、有機層11の劣化を抑制することができる。また、プラスチックにより基板1を構成してもよい。プラスチックの基板1を用いれば、取り扱い性を高めることができる。この場合、プラスチックは防湿性を有することが好ましい。また、基板1として、ガラスとプラスチックとが積層された複合基板を用いることもできる。複合基板では、光取り出し性を高めることができる。複合基板で基板1を構成する場合、光取り出し側(第1電極2とは反対側)にガラスを配置することが好ましい。それにより、光取り出し性と防湿性とを高めることができる。
第1電極2は、光透過性を有する電極である。第1電極2は適宜の電極材料で形成することができる。例えば、光透過性を有する金属薄膜、金属酸化物膜などが挙げられる。金属酸化物膜としては、ITO、IZO、AZOなどが例示される。
第2電極4は、第1電極2と電気的に対となる電極である。第1電極2と第2電極4とに電圧を印加することにより、電極間に電流が流れ、発光層3で発光が生じる。第2電極4は、光反射性を有することが好ましい。それにより、発光層3から第2電極4側に進む光を反射させて光の進路を第1電極2側に変更し、光を第1電極2側から取り出すことができるため、光取り出し効率を高めることができる。また、第2電極4は、光透過性を有していてもよい。第2電極4が光透過性を有する場合、両面取り出し構造の有機EL素子を作製することができる。また、第2電極4が光透過性を有する場合、第2電極4の有機層11とは反対側に反射膜を設けることによって、光を反射させて第1電極2側から光を取り出す構造にすることもできる。第2電極4は、適宜の導電膜で形成することができる。例えば、第2電極4の材料として、アルミニウム、銀などが例示される。
第1電極2及び第2電極4は、一方が陽極で他方が陰極を構成する。一の形態では、第1電極2を陽極とし、第2電極4を陰極とすることができる。他の態様では、第1電極2を陰極とし、第2電極4を陽極とすることができる。図1の有機EL素子では、第1電極2を陽極とし、第2電極4を陰極とする構造がより好ましい。それにより、発光効率の高い素子をより容易に製造することができる。
有機層11は、第1電極2と第2電極4との間で、機能層の集合体である機能層群を構成している。機能層群を構成する有機層11は、有機EL素子を駆動させて発光を生じるための適宜の層の積層体によって構成される。複数の機能層の少なくとも一つは発光層3である。発光層3は、発光材料8を含む層であり、電子と正孔(ホール)とが結合して、発光を生じさせる層である。発光層3は、通常、発光材料8としてドーパントと、このドーパントをドープするための母体とから構成される。
有機層11は、複数の発光層3を有するものであってよい。その場合、複数の発光層3は、発光材料8が異なる層であってよい。また、複数の発光材料8は、発光する光の波長が異なるものであってよい。例えば、赤色発光層と緑色発光層と青色発光層との少なくとも三つの発光層を設け、赤緑青の三色の発光を生じさせれば、種々の色を作り出すことが可能である。特に、三色の発光を得るようにすると、白色発光が可能であり、照明として有用な有機EL素子を得ることができる。なお、白色発光は、例えば青と橙の二色発光などでも可能である。ただし、三色発光の方がより発光特性の良好な白色発光を得ることできる。
複数の発光層3を設ける場合、図1では発光層3は一つ図示しているが、この発光層3の位置に、複数の発光層3を設けるようにしてもよい。また、有機EL素子は、マルチユニット構造であってもよい。マルチユニット構造は、陽極と陰極とで挟んで電圧を印加すれば発光する機能を有する機能層の集まりを1つの発光ユニットとして、複数の発光ユニットを光透過性および導電性を有する中間層を介して積層した構造である。マルチユニット構造では、1つの陽極と1つの陰極との間に、厚み方向に重なる複数の発光ユニットが電気的に直列接続して配置される。
有機層11は発光層3を一つだけ有するものであってもよい。その場合、簡単な構成で有機EL素子を得ることができる。発光層3は、複数の場合及び一つの場合のいずれにおいても、複数の発光材料8を含んでもよい。したがって、発光層3が一つの場合においても、発光層3が波長の異なる複数の発光材料8を含めば、白色発光が可能である。ただし、照明用途として良好な白色発光を得るためには、発光層3は複数設けられることがより好ましい。
有機層11を構成する個々の機能層は、発光層3の他に、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、中間層等が例示される。有機層11内における発光層3以外の層は、通常、電荷(正孔又は電子)を移動させる機能を有する層が含まれる。ここでは、有機層11のうち、発光層3以外の層を電荷移動層9と定義する。電荷移動層9は、複層構造であってもよいし、単層構造であってもよい。要するに電荷(正孔又は電子)を移動させる機能を有すればよい。
電荷移動層9は、発光層3の第1電極2側に配置される第1電荷移動層9aと、発光層3の第2電極4側に配置される第2電荷移動層9bとにより構成される。第1電極2が陽極を構成し第2電極4が陰極を構成する場合、第1電荷移動層9aは、正孔を移動させる機能を有する層で形成することができる。正孔の移動は、注入及び/又は輸送と定義され得る。この場合、例えば、第1電荷移動層9aは、第1電極2側から、正孔注入層及び正孔輸送層によって構成することができる。第1電極2が陽極を構成し第2電極4が陰極を構成する場合、第2電荷移動層9bは、電子を移動させる機能を有する層で形成することができる。電子の移動は、注入及び/又は輸送と定義され得る。この場合、例えば、第2電荷移動層9bは、第2電極4側から、電子注入層及び電子輸送層によって構成することができる。
有機EL素子は、通常、封止される。封止により外部から水分が浸入することを抑制し、素子の劣化を抑制することができる。図1の例では、封止は、基板1と有機層11側で対向するように配置される封止基板によって行うことができる。なお、封止された場合、外部から発光層3に電気を供給できるように、第1電極2及び第2電極4は、封止領域の内部から外部に配線を引き出した配線引き出し構造が設けられる。
第1電極2と基板1との間には、光取り出し構造が設けられてもよい。光取り出し構造の好ましい一態様は樹脂層により構成される。樹脂層では屈折率差が低減されて、光取り出し性が高まる。また、光取り出し構造の好ましい一態様は積層構造により構成される。積層構造では、屈折率差のさらなる低減が図れる。積層構造は、高屈折率層と低屈折率層との積層で構成されることが好ましい。また、光取り出し構造のより好ましい一態様は凹凸構造により構成される。凹凸構造は、前記の積層構造の界面に設けられることが好ましい。凹凸構造では、凹凸界面によって光が散乱されるため、基板1の表面での全反射を抑制し、光取り出し性を高めることができる。
有機EL素子では、基板1の第1電極2側の面よりも光取り出し側に、補助発光構造5を備えている。図1の例では、基板1の第1電極2とは反対側の表面に、補助発光層10が設けられている。この補助発光層10が補助発光構造5を構成している。補助発光層10は、基板1の光取り出し側の面に設けられている。光取り出し側とは、光の出射方向(図1の白抜き矢印の方向)に沿った側である。
補助発光構造5は、補助発光材料7と微小金属体6とを含んでいる。本形態では、補助発光層10が補助発光材料7と微小金属体6とを含んでいる。有機EL素子では、補助発光材料7と微小金属体6とを含む補助発光構造5を有することにより、所定の電流を供給したときに発光強度がより高まるため、光取り出し効率を向上することができる。
図2は、補助発光構造5における補助発光のメカニズムを概念的に示している。もちろん、この補助発光構造5のメカニズムは考えられ得る一例を表しているだけであり、他のメカニズムが関与していてもよい。
有機層11に電流が供給されると、発光材料8が励起し基底状態に戻る過程で発光が生じる。図2では、発光材料8から生じた光を光P1で示している。図2の左側の光P1に示すように、光P1は、有機層11、第1電極2、基板1を透過し、外部に出射する。ここで、補助発光構造5が設けられていると、図2の右側で示すように、光P1のうち微小金属体6に照射された光は、微小金属体6の表面においてプラズモン共鳴が発生し、このプラズモン共鳴によるエネルギーPEが微小金属体6の表面で移動する。そして、プラズモン共鳴からのエネルギーPEは、補助発光材料7に伝達され、この補助発光材料7は、エネルギーを吸収するとともにこのエネルギーを光に変換し、発光を生じる。図2では、補助発光材料7によって生じる光を光P2で示している。こうして発生した光P2は、外部に出射する。
有機EL素子においては、外部に出射される光P1と光P2とは、どちらが強度が大きくてもよい。光P1の強度が光P2の強度よりも大きいことが好ましい一態様である。この場合、有機EL素子から出射する主要な光は光P1となり、発光層3での発光に近い色を取り出すことができる。また、光P1の強度が光P2の強度と略同等であることが好ましい他の一態様である。この場合、光P1と光P2とが略同等に取り出されるので、演色性をさらに高めることができる。また、光P2の強度が光P1の強度よりも大きいことが好ましい他の一態様である。この場合、補助発光の色をより多く取り出すことができるため、光P2の色に近づいた色を得ることができる。この態様は、補助発光構造5での発光が発光層3での発光よりも安定な場合に特に有効である。光P1の強度と光P2の強度との関係は特に限定されないが、例えば、光P2の強度は光P1の強度の100分の1以上であってもよい。
図2で示すように、有機EL素子では、発光層3からの発光エネルギーによって微小金属体6において局在表面プラズモン共鳴(LSPR)を発生し、さらにLSPRから補助発光材料7へのエネルギー変換により補助発光材料7からの発光を得ている。このとき、局在表面プラズモン共鳴は、発光層3からのエネルギーを増幅させることができるため、プラズモン共鳴に与えられた光P1のエネルギーよりも大きいエネルギーを補助発光材料7に与えることができる。その結果、補助発光構造5では、与えられた光P1よりも強度の高い光P2を得ることが可能である。このように、微小金属体6のプラズモン共鳴で補助発光材料7を励起し、発光させることで、発光効率を向上させることができるのである。補助発光構造5は、増幅層として機能する。
補助発光材料7の吸収スペクトルのピークは、発光層3の発光スペクトルのピークと重複していることが好ましい。補助発光材料7は光エネルギーを吸収し、そのエネルギーから発光を生じさせている。そのため、補助発光材料7が吸収するスペクトルのピークが、発光層3から生じる光のスペクトルのピークと重複していると、効果的にエネルギー変換が生じて発光を生じさせることができる。
図3(a)は、スペクトルのグラフを示している。図3(a)では、発光材料8の発光スペクトルと、補助発光材料7の吸収スペクトルと、補助発光材料7の発光スペクトルとの関係が示されている。図3(a)においては、発光材料8の発光スペクトルと、補助発光材料7の吸収スペクトルとは、ピークが重複している。そのため、補助発光材料7は、エネルギーを効率よく吸収し、新たな発光エネルギーに変換して、発光を生じさせることができる。補助発光材料7からは、通常、吸収スペクトルのピークよりも長波長側に発光スペクトルのピークを有する発光が得られる。すなわち、補助発光材料7の発光スペクトルは補助発光材料7の吸収スペクトルよりも長波長側(図の右側)にシフトする。エネルギーレベルが長波長側の方が低いからである。したがって、発光材料8から生じる発光スペクトルのピークよりも、補助発光材料7から生じる発光スペクトルのピークの方が長波長になる。このため、発光材料8からの光と、補助発光材料7からの光とは波長が異なる。波長が異なると、通常、発光色が異なる。そのため、補助発光構造5を設けると、有機EL素子全体として、ピークの谷間が埋められるため、演色性を高めることができる。また、視野角特性が向上され得る。なお、図3(a)では、ピークの最大の高さを規格化して示しており、実際のスペクトルの強度は高低が生じるものであってよい。
図3(c)は、スペクトルにおけるピークの一例を示している。この図により、ピークの重複を説明する。ピークの重複は、発光材料8の発光スペクトルにおけるピークと、補助発光材料7の吸収スペクトルにおけるピークとの重複に適用される。ピークの重複はピーク高さにも依存し得る。そのため、ピークの重複は、各スペクトルにおけるピークの最大の高さHを1に規格化して、考えることができる。図3(c)では、2つのスペクトルS1,S2の最大高さHを同じ(H=1)にして示している。そして、ピークの重複は、最大ピーク高さの4分の1の位置〔(1/4)H〕において、ピークS1,S2が重複していることが好ましい。これよりも高さの低いピークの裾野で重複しても、エネルギー変換は生じ得るため、発光強度の向上は期待できるが、ピーク高さがより高い位置においてピークが重複する方が発光性を高めるのに有利である。そのため、最大ピーク高さの4分の1の位置において、ピークを重複させることが好ましいのである。発光強度をより高めるためには、ピーク高さの高い位置で重複していることが好ましい。そのため、より好ましくは、最大ピーク高さの2分の1の位置〔(1/2)H〕において、各ピークが重複していることが好ましい。最大ピーク高さの2分の1の位置は、最大ピーク高さの半分の位置であり、この位置でのピークの幅は、半値幅と呼ばれる。この半値幅において、重複していることがより好ましいのである。また、さらに好ましくは、最大ピーク高さの4分の3の位置〔(3/4)H〕において、各ピークが重複していることが好ましい。それにより、発光強度をさらに高めることができる。
図3(b)は、スペクトルのグラフを示している。図3(b)では、発光材料8の発光スペクトルと、微小金属体6においてプラズモン共鳴が生じるスペクトルとが示されている。補助発光構造5においては、発光材料8から生じた光が効率よくプラズモン共鳴を生じさせることが求められる。そのため、発光材料8の発光スペクトルと、微小金属体6のプラズモン共鳴発生スペクトルとは、ピークが重複していることが好ましい。それにより、効率よくプラズモン共鳴を生じさせて、補助発光材料7にエネルギーを伝達することができ、発光強度をさらに高めることができる。ピークの重複とは、上記のように図3(c)で行った説明と同様であってよい。
補助発光構造5は、補助発光材料7と微小金属体6とが混合した混合領域A0により形成されていることが好ましい一態様である。図1では、補助発光層10に補助発光材料7と微小金属体6とが混合されており、補助発光層10が混合領域A0を構成している。このように、混合領域A0を形成すると、補助発光材料7と微小金属体6との距離を容易に近づけることができるため、効率よくエネルギー変換させることができる。また、補助発光材料7と微小金属体6との混合で補助発光構造5を形成できるため、製造がより容易になる。
補助発光層10は、補助発光材料7と微小金属体6とを含む混合層となっている。この補助発光層10は、基板1の外部側の面に形成されている。そのため、電極や有機層11の積層とは別の段階で、補助発光層10を形成することができるので、製造をさらに容易に行うことができる。例えば、有機層11を積層する前の基板1に補助発光層10を形成することもできるし、有機層11を積層し、封止した後の基板1に補助発光層10を形成することもできる。なお、基板1の外部側に補助発光構造5を形成した場合、基板1を透過した外部モードの光しかプラズモン共鳴に寄与できない可能性がある。しかしながら、前述のように基板1と第1電極2との間に、光取出し構造を設けることで、発光強度を向上することができる。
補助発光構造5は、厚みが150nmより小さいことが好ましい。それにより、補助発光材料7と微小金属体6との距離を容易に近づけることができるため、効率よくエネルギー変換させることができる。微小金属体6と補助発光材料7とは、エネルギーの伝達が行われるが、その際、補助発光構造5の厚みが大きいと、微小金属体6と補助発光材料7との間の距離が大きくなり、エネルギーの受け渡しが円滑に進行されなくなるおそれがある。そのため、補助発光構造5の厚みを150nmよりも小さくすることにより、厚み方向において微小金属体6と補助発光材料7とが過剰に離間するのを抑制し、エネルギーの受け渡しを促進させることができる。図1の例では、補助発光構造5が補助発光層10を構成しているため、補助発光層10の厚みが150nmより小さいことが好ましい。
補助発光構造5の厚みは、5nm以上であることが好ましい。それにより、補助発光構造5をより安定に形成することができる。図1の例では、補助発光構造5が補助発光層10を構成しているため、補助発光層10の厚みが5nmより大きいことが好ましい。
補助発光構造5においては、微小金属体6と補助発光材料7とが離間距離50nm以下で配置されていることが好ましい。それにより、エネルギーの受け渡しが促進され、発光強度を向上することができる。局在表面プラズモン共鳴は近接した距離において生じるからである。ここで、微小金属体6と補助発光材料7との離間距離とは、ある微小金属体6と、その微小金属体6にもっとも近い補助発光材料7との距離であってよい。微小金属体6と補助発光材料7との距離が小さくなるほど、エネルギーの受け渡しは円滑になる傾向にある。ただし、微小金属体6と補助発光材料7とは接していないことが好ましい。微小金属体6と補助発光材料7とが接すると、プラズモン共鳴以外の作用が生じ、プラズモン共鳴の作用が得られなくなるおそれがある。微小金属体6と補助発光材料7との離間距離は、限定されるものではないが、例えば、1nm以上であってよい。微小金属体6の表面で発生した表面プラズモンは、微小金属体6の表面から離れるにしたがって指数関数的に電場が減少する傾向にある。そのため、微小金属体6の表面から補助発光材料7までの距離は小さい方が好ましいのである。
微小金属体6の形状は、球状、柱状、円柱状、ラグビーボール状、棒状、ロッド状などであってよい。微小金属体6の形状はロッド状であることが好ましい一態様である。微小金属体6がロッド状になることにより、プラズモン共鳴を効率よく得ることができる。図1では、ロッド状の微小金属体6が図示されている。ロッド状の微小金属体6は、長手方向を基板1の表面と平行にして配置されていてよい。
微小金属体6は、ナノサイズの金属体であることが好ましい。それにより、発光層3からの光を透過させてそのまま外部に出射するととともに、その光の一部をエネルギー変換させることができる。微小金属体6のサイズが大きいと、光の透過性が低下するおそれがある。
微小金属体6の大きさは5nm〜100nmであることが好ましい。それにより、表面プラズモン共鳴の作用をより有効に得ることができる。微小金属体6の大きさは平均粒径を基準に考えることもできる。そのため、微小金属体6の平均粒径が5nm〜100nmの範囲であってもよい。この平均粒径は、レーザー回折粒度分布計で求められるものであってよい。また、この平均粒径は、有機EL素子を電子顕微鏡観察して100個の微小金属体6の平均から求められるものであってもよい。なお、微小金属体6は球形状に限定されない。そのため、微小金属体6の大きさは、粒子の最大長さで定義される。例えば、微小金属体6を球とみなすことができるときは、その球の直径が微小金属体6の大きさとなる。また、微小金属体6がラグビーボール状、棒状、柱状又はロッド状の場合は、その長軸の長さが微小金属体6の大きさとなる。また、微小金属体6が円柱状の場合は、その高さ又は直径のうちの長い方が微小金属体6の大きさとなる。
微小金属体6の材料としては、Ag、Au、Pt、Cu、Al、及びこれらのいずれか1種以上を含む合金を例示することができる。これらは粒子であってよい。
補助発光材料7は、発光性を有するものであり、分子レベルの化合物であってもよいし、粒子であってもよい。補助発光材料7が粒子である場合には、補助発光材料7の大きさは、特に限定されるものではないが、例えば、5nm〜100nmであってもよい。補助発光材料7の大きさは平均粒径を基準に考えることもできる。そのため、補助発光材料7の平均粒径が5nm〜100nmの範囲であってもよい。
補助発光材料7としては、エネルギーを発光に変換する機能を有する材料であれば特に限定されるものではなく、有機半導体材料及び無機半導体材料から選ばれるものを適宜用いることができる。有機半導体材料としては、発光層3の発光材料8として使用可能な、高分子の材料、又は低分子の材料を用いることができる。無機半導体材料としては、GaN、InGaN、AlGaN、ZnSe、ZnO、ダイヤモンドなどから選ばれる1種以上を含むLED用の発光材料を利用することが可能である。
図1の補助発光構造5は補助発光層10により構成されている。補助発光層10は、微小金属体6及び補助発光材料7が層媒体中に分散されている。補助発光層10の層媒体としては、樹脂などを用いることができる。樹脂を用いた場合、容易に補助発光層10を形成することができる。この場合、補助発光層10は塗布により形成することができる。もちろん、補助発光層10の層媒体は無機材料であってもよい。また、層媒体を有さずに、補助発光層10が補助発光材料7と微小金属体6とのみで構成されていてもよい。
補助発光構造5においては、補助発光材料7と微小金属体6とは、その含有比率(補助発光材料:微小金属体)が、質量比で、0.001:1〜1:0.1であることが好ましい。それにより、発光強度を効果的に高めることができる。また、演色性の作用を高めることができる。
補助発光層10においては、補助発光材料7は、補助発光層10の全体の質量に対して、0.1〜10質量%で含有されていることが好ましい。それにより、発光強度をより向上することができる。補助発光層10においては、微小金属体6は、補助発光層10の全体の質量に対して、1〜99質量%で含有されていることが好ましい。それにより、発光強度をより向上することができる。
補助発光層10は、混合領域A0として形成する場合、好ましい一態様では、補助発光材料7、微小金属体6及び層媒体を混合した溶液又は分散液を塗布し乾燥することにより形成することができる。塗布法では簡単に補助発光層10を形成することができる。層媒体は、樹脂であってもよい。溶液又は分散液として塗布液を得るために、有機溶剤又は水などの溶媒を使用してもよい。補助発光材料7は有機半導体材料であってもよいし、無機半導体材料であってもよい。有機半導体材料を用いる場合、高分子の補助発光材料7であってもよいし、低分子の補助発光材料7であってもよい。塗布は、適宜のコート法を用いることができる。例えば、スピンコート、スリットコートなどが例示される。基板1の表面に塗布液を塗布することにより、補助発光層10を形成することができる。なお、層媒体を含まなくても、層が形成できるのであれば、層媒体は含まれなくてよい。その場合、微小金属体6及び補助発光材料7から構成される補助発光層10が形成され得る。
塗布法を用いる場合、補助発光層10の塗布前に、シランカップリング材を基板1の表面に塗布することも好ましい。このとき、シランカップリング材の層は、補助発光層10の下地層となる。シランカップリング材の層を設けておくと、補助発光層10の材料中の微小金属体6が基板1表面に吸着して凝集することを抑制することができる。それにより、発光強度を効果的に高めることができる。
補助発光層10は、混合領域A0として形成する場合、好ましい他の態様では、補助発光材料7及び微小金属体6を共蒸着することにより形成することができる。このとき、ホスト材料として層媒体の材料を同時に蒸着させると、層媒体中に補助発光材料7と微小金属体6とが配置した補助発光層10を得ることができる。また、補助発光材料7と微小金属体6とのみを共蒸着して、補助発光材料7及び微小金属体6から構成される補助発光層10を形成することもできる。蒸着は真空蒸着により行うことが好ましい。真空蒸着では低分子物質を効率よく積層させることができる。
補助発光層10は、無機質膜により構成されていてもよい。その場合、無機質膜に補助発光材料7と微小金属体6とが配置されて、補助発光構造5が形成される。無機質膜としては、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜などが例示される。無機質膜で補助発光層10を構成すると、補助発光構造5の材料を注入することにより、補助発光層10を得ることができる。補助発光層10が無機質膜である場合、この無機質膜に、微小金属体6及び補助発光材料7を注入することができる。無異質膜は、混合領域A0となる。
補助発光層10が無機質膜で構成される場合、補助発光構造5の形成方法としては、基板1の表面に無機質膜を形成した後、この無機質膜に補助発光構造5の材料を注入することにより行うことができる。微小金属体6の注入は、例えば、微小金属体6の元となる金属イオンを無機質膜にイオン注入した後、アニール処理して、金属イオンから微小金属体6を形成することにより行うことができる。アニール処理は、例えば、温度を100〜1000℃の範囲内とし、時間を10分〜10時間の範囲内として行うことができるが、これに限定されるものではない。また、補助発光材料7の注入は、微小金属体6と同様の注入方法で行うことができる。アニール処理においては、補助発光材料7が変性しない条件が好ましい。補助発光材料7を無機質膜に注入する方法では、無機半導体材料により構成される補助発光材料7を好適に用いることができる。無機半導体材料では、アニール処理による劣化を抑制しやすくなる。
有機EL素子の製造において、第1電極2、有機層11及び第2電極4の積層は、通常の積層方法で形成することができる。例えば、スパッタリング、真空蒸着、塗布、などの適宜の手法で形成することができる。発光積層体は、通常、封止材で封止される。封止は、封止基板を接着剤で基板1に貼り付けることにより行うことができる。封止により、水分や衝撃から発光積層体を保護することができる。
図4は、有機EL素子の実施形態の一例である。図1の形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略する。
本形態では、補助発光構造5は、基板1に設けられている。すなわち、基板1は補助発光構造5を有している。補助発光構造5は、基板1の光取り出し側の表面領域に形成されている。補助発光構造5は、補助発光材料7と微小金属体6とを含んでいる。補助発光構造5は、補助発光材料7と微小金属体6とが混合した混合領域A0として形成されている。本形態でも、補助発光構造5を有することにより、局在表面プラズモン共鳴によってエネルギーを変換して補助発光材料7から生じた光を外部に取り出すことができるため、発光強度を向上することができる。そのメカニズムは、上記で説明したものと同じである。また、補助発光材料7及び微小金属体6の材料は、上記と同様の材料を用いることができる。
本形態では、補助発光構造5が、基板1の中に設けられる。そのため、もともと外部に取り出せる光だけではなく、基板モードの光も局在表面プラズモン共鳴(LSPR)に寄与させることができる。それにより、発光効率を向上させる効果を大きく得ることができる。
本形態では、基板1の内部に補助発光構造5を形成することを要する。そのため、基板1として複合基板を用いてもよい。もちろん、基板1として、単一材料の基板(例えばガラス基板)を用いることも有効である。
補助発光構造5は基板1内に設けているため、図1の例のように補助発光層10を別途設けることをしなくてもよい。そのため、補助発光構造5を形成する工程を簡略化することができる。また、部材数を少なくすることができるという利点がある。ただし、本形態では、補助発光材料7を基板1内に保持させることを要する。
補助発光構造5の形成方法としては、補助発光構造5の材料を基板1に注入することにより行うことができる。微小金属体6の注入は、例えば、微小金属体6の元となる金属イオンを基板1にイオン注入した後、アニール処理して、金属イオンから微小金属体6を形成することにより行うことができる。アニール処理は、例えば、温度を100〜1000℃の範囲内とし、時間を10分〜10時間の範囲内として行うことができるが、これに限定されるものではない。また、補助発光材料7の注入は、微小金属体6と同様の注入方法で行うことができる。アニール処理においては、補助発光材料7が変性しない条件が好ましい。補助発光材料7を基板1に注入する方法では、無機半導体材料により構成される補助発光材料7を好適に用いることができる。無機半導体材料では、アニール処理による劣化を抑制しやすくなる。
図5は、有機EL素子の実施形態の一例である。図1の形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略する。
本形態では、補助発光構造5は、基板1に設けられている。すなわち、基板1は補助発光構造5を有している。補助発光構造5は、基板1の厚みの中央領域に形成されている。補助発光構造5は、補助発光材料7と微小金属体6とを含んでいる。補助発光構造5は、補助発光材料7と微小金属体6とが混合した混合領域A0として形成されている。本形態でも、補助発光構造5を有することにより、局在表面プラズモン共鳴によってエネルギーを変換して補助発光材料7から生じた光を外部に取り出すことができるため、発光強度を向上することができる。そのメカニズムは、上記で説明したものと同じである。また、補助発光材料7及び微小金属体6の材料は、上記と同様の材料を用いることができる。
本形態では、補助発光構造5が、基板1の中に設けられる。そのため、もともと外部に取り出せる光だけではなく、基板モードの光も局在表面プラズモン共鳴(LSPR)に寄与させることができる。それにより、発光効率を向上させる効果を大きく得ることができる。
本形態では、基板1の内部に補助発光構造5を形成することを要する。そのため、基板1としては複合基板が好ましく用いられる。もちろん、基板1として、単一材料の基板(例えばガラス基板)を用いることも有効である。
ここで、基板1の厚み方向の領域として、外部側から第1電極2側に、第1基板領域1aと第2基板領域1bと第3基板領域1cと定義する。第2基板領域1bは、補助発光構造5が形成された領域である。第2基板領域1bは混合領域A0に等しいといってよい。
本形態の好ましい一態様では、第1基板領域1aと第2基板領域1bとが一体となった基材を用いることができる。この基材の表面に、補助発光構造5の材料を注入する。注入は、上記の形態で説明した方法と同様の方法で行うことができる。その後、第3基板領域1cの基材を補助発光構造5が形成された面に重ねて接着する。第3基板領域1cは、ガラスで構成されてもよいし、樹脂で構成されてもよい。接着は適宜の接着剤により行うことができる。また、溶着や熱圧着などを用いてもよい。このようにして、第1基板領域1a及び第2基板領域1bを構成する基材と、第3基板領域1cを構成する基材とが積層一体化され、基板1を複合基板として得ることができる。なお、第3基板領域1cが樹脂である場合、第1基板領域1a及び第2基板領域1bで構成される基材における補助発光構造5が形成された面に、第3基板領域1cの材料を塗布することにより複合基板を形成してもよい。
本形態の好ましい他の一態様では、第2基板領域1bと第3基板領域1cとが一体となった基材を用いることができる。この基材の表面に、補助発光構造5の材料を注入する。注入は、上記の形態で説明した方法と同様の方法で行うことができる。その後、この基材を、第1基板領域1aを構成する基材に、補助発光構造5が形成された面を重ねて接着する。第1基板領域1aを構成する基材は、ガラスであってもよいし、樹脂であってもよいが、ガラスであることが好ましい。接着は適宜の接着剤により行うことができる。また、溶着や熱圧着などを用いてもよい。このようにして、第2基板領域1b及び第3基板領域1cを構成する基材と、第1基板領域1aを構成する基材とが積層一体化され、基板1を複合基板として得ることができる。
本形態の好ましい他の一態様では、第1基板領域1aを構成する基材と、第2基板領域1bを構成する層と、第3基板領域1cを構成する基材とを積層させることにより形成することができる。この場合、第1基板領域1aは、ガラスで構成することが好ましい。第3基板領域1cは、ガラスであってもよいし、プラスチックであってもよい。また、第3基板領域1cは樹脂層により構成されてもよい。本形態では、第2基板領域1bは、図1の形態で説明した補助発光層10と同様の構成を用いることができる。第2基板領域1bは、両側から基材に挟まれる層となるため、第1基板領域1a及び第3基板領域1cと密着する層であることが好ましい。例えば、第1基板領域1aを構成する基材の表面に、塗布、蒸着、注入などにより、補助発光構造5を有する第2基板領域1bを形成し、その表面に第3基板領域1cを構成する基材を形成することにより、基板1を複合基板として得ることができる。第3基板領域1cが樹脂である場合、補助発光構造5が形成された面に、第3基板領域1cの材料を塗布することにより複合基板を形成することができる。第3基板領域1cが樹脂で構成されると、屈折率差を低減することができるため、光取り出し性を高めることができる。
図5の形態では、第3基板領域1cが光取り出し構造を有することがさらに好ましい。例えば、第3基板領域1cが光散乱物質を含むことにより、光取り出し構造を形成することができる。あるいは、第3基板領域1cは、複層構造であってもよい。例えば、低屈折率層と高屈折率層との積層構造で形成することができる。好ましくは、低屈折率層と高屈折率層との間に凹凸構造が設けられる。凹凸構造は、ナノオーダーの微細な凹凸であってよい。それにより、光散乱性が付与され、光取り出し性をさらに高めることができる。第3基板領域1cが積層構造の場合、例えば、低屈折率層を第2基板領域1b側に配置し、高屈折率層を第1電極2側に配置することができる。低屈折率層及び高屈折率層は樹脂で構成することができる。高屈折率層には、屈折率を調整するために、高屈折率粒子を含有させてもよい。
補助発光構造5の形成方法としては、上記で説明した方法と同様の方法、例えば、塗布法、蒸着法、注入法などを用いることができる。
図6は、有機EL素子の実施形態の一例である。図1の形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略する。
本形態では、補助発光構造5は、基板1に設けられている。すなわち、基板1は補助発光構造5を有している。補助発光構造5は、基板1の第1電極2側の表面領域に形成されている。補助発光構造5は、補助発光材料7と微小金属体6とを含んでいる。補助発光構造5は、補助発光材料7と微小金属体6とが混合した混合領域A0として形成されている。本形態でも、補助発光構造5を有することにより、局在表面プラズモン共鳴によってエネルギーを変換して補助発光材料7から生じた光を外部に取り出すことができるため、発光強度を向上することができる。そのメカニズムは、上記で説明したものと同じである。また、補助発光材料7及び微小金属体6の材料は、上記と同様の材料を用いることができる。
本形態では、補助発光構造5が、基板1の中に設けられる。そのため、もともと外部に取り出せる光だけではなく、基板モードの光も局在表面プラズモン共鳴(LSPR)に寄与させることができる。それにより、発光効率を向上させる効果を大きく得ることができる。また、補助発光構造5が、基板1と第1電極2との界面の近傍に設けられるため、薄膜モードの光を利用することも可能である。特に、基板1と第1電極2との間に光取り出し構造が設けられたり、補助発光構造5が光取り出し構造中に形成されたりした場合には、薄膜モードの光から効率よく補助発光に変換することができる。なお、薄膜モードの光とは基板1の表面で全反射する光のことを意味する。また、基板モードの光とは、全反射や吸収によって基板1内に閉じ込められる光のことを意味する。基板モードの光は、いわゆる基板導波光を含む。
補助発光構造5は基板1内に設けているため、図1の例のように補助発光層10を別途設けることをしなくてもよい。そのため、補助発光構造5を形成する工程を簡略化することができる。また、部材数を少なくすることができるという利点がある。ただし、本形態では、補助発光材料7を基板1内に保持させることを要する。
補助発光構造5の形成方法としては、上記で説明した注入方法を好ましく用いることができる。注入方法を用いれば、効率よく補助発光構造5を形成することができる。注入方法の条件等は同じであってよい。注入によって補助発光構造5を形成する方法は、基板1として、単一材料の基板(例えばガラス基板)を用いる場合に有効である。
本形態では、基板1の第1電極2側の表面領域に補助発光構造5を形成する。そのため、基板1として複合基板を用いてもよい。複合基板を用いた場合、複合基板を構成する基材中に補助発光構造5をより容易に形成することができる。
ここで、基板1の厚み方向の領域として、外部側から第1電極2側に、第1基板領域1aと第2基板領域1bと定義する。第2基板領域1bは、補助発光構造5が形成された領域である。第2基板領域1bは混合領域A0に等しいといってよい。
本形態の好ましい他の一態様では、第1基板領域1aを構成する基材と、第2基板領域1bを構成する層とを積層させることにより形成することができる。この場合、第1基板領域1aは、ガラスで構成することが好ましい。第2基板領域1bは、ガラスであってもよいし、プラスチックであってもよい。また、第2基板領域1bは樹脂層により構成されてもよい。本形態では、第2基板領域1bは、上記の形態で説明した補助発光層10と同様の構成を用いてもよい。第2基板領域1bは、支持基板(基板1)の上側に配置されるため、第1基板領域1aを構成する基材と密着する層であることが好ましい。例えば、第1基板領域1aを構成する基材の表面に、塗布、蒸着、注入などにより、補助発光構造5を有する第2基板領域1bを形成することにより、基板1を複合基板として得ることができる。第2基板領域1bが樹脂である場合、第1基板領域1aを構成する基材の表面に、補助発光構造5の材料を塗布することにより複合基板を形成することができる。第2基板領域1bが樹脂で構成されると、屈折率差を低減することができるため、光取り出し性を高めることができる。
この態様では、第2基板領域1bが光取り出し構造を有することがさらに好ましい。すなわち、補助発光構造5は、光取り出し構造と同じ領域で形成される。例えば、第2基板領域1bが光散乱物質を含むことにより、光取り出し構造を形成することができる。あるいは、第2基板領域1bは、複層構造であってもよい。例えば、低屈折率層と高屈折率層との積層構造で形成することができる。好ましくは、低屈折率層と高屈折率層との間に凹凸構造が設けられる。凹凸構造は、ナノオーダーの微細な凹凸であってよい。それにより、光散乱性が付与され、光取り出し性をさらに高めることができる。第2基板領域1bが積層構造の場合、例えば、低屈折率層を第1基板領域1a側に配置し、高屈折率層を第1電極2側に配置することができる。低屈折率層及び高屈折率層は樹脂で構成することができる。高屈折率層には、屈折率を調整するために、高屈折率粒子を含有させてもよい。
補助発光構造5の形成方法としては、上記で説明した方法と同様の方法、例えば、塗布法、蒸着法、注入法などを用いることができる。
図7(a)及び(b)は、有機EL素子の実施形態の一例である。図1の形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略する。図7では、基板1の光取り出し側を抽出して図示している。省略された部分は、図1の形態と同様であってよい。上記の各形態においては、補助発光構造5は、補助発光材料7と微小金属体6とが混合した混合領域A0で形成されているが、図7(a)及び(b)の形態においては、補助発光構造5は、微小金属体6を含む領域A1と、補助発光材料7を含む領域A2とにより構成されている。
補助発光構造5は、補助発光材料7を含む領域A2と、微小金属体6を含む領域A1とが厚み方向に重なって形成されていることが好ましい一態様である。それにより、補助発光材料7と微小金属体6との間の距離を容易に調整することができるため、エネルギーの受け渡しをしやすい距離を設定することができるので、発光強度をさらに高めることができる。
図7(a)及び(b)では、補助発光構造5は補助発光層10により構成されている。補助発光層10は、微小金属体含有層10aと、補助発光材料含有層10bとの積層構造により構成されている。いわば、図7(a)及び(b)の形態は、図1の形態の変形例といえる。微小金属体含有層10aは、微小金属体6を含有する層である。補助発光材料含有層10bは、補助発光材料7を含有する層である。
図7(a)では、微小金属体含有層10aは基板1側に配置され、補助発光材料含有層10bは外部側に配置されている。図7(b)では、微小金属体含有層10aは外部側に配置され、補助発光材料含有層10bは基板1側に配置されている。このように、補助発光構造5を、微小金属体6を含む領域A1と補助発光材料7を含む領域A2とで構成するようにすると、微小金属体6と補助発光材料7との距離が容易に制御できる。層の厚みの制御で距離を調整することができるからである。そのため、プラズモン共鳴をより有効に利用して発光性を高めることができる。
微小金属体6を含む領域A1は、微小金属体6を主成分として含有している。補助発光材料7を含む領域A2は、補助発光材料7を主成分として含有している。微小金属体6を含む領域A1は、補助発光材料7を含んでいなくてよい。補助発光材料7を含む領域A2は、微小金属体6を含んでいなくてよい。もちろん、微小金属体6を含む領域A1に補助発光材料7が微量混入されていてもよい。また、補助発光材料7を含む領域A2に微小金属体6が微量混入されていてもよい。
本形態においては、補助発光構造5の全体の厚み(補助発光層10の全体の厚み)は、150nm以下であることが好ましい。本形態では、距離調整の観点から、微小金属体6を含む領域A1及び補助発光材料7を含む領域A2の厚みが好適化され得る。微小金属体6を含む領域A1の厚みは5〜100nmであることが好ましい。補助発光材料7を含む領域A2の厚みは0.1〜100nmであることが好ましい。
局在表面プラズモン共鳴(LSPR)の分布は光出射面側に偏ると推測される。そのため、補助発光材料7が微小金属体6よりも光取り出し側にある図7(a)の形態の方が、図7(b)の形態よりも有利であると考えられる。ただし、補助発光材料7が外部側に配置されると劣化しやすいなどの場合には、図7(b)の形態の方が図7(a)の形態よりも有利な場合があると考えられる。
補助発光層10の積層構造は、補助発光材料7を含む材料と、微小金属体6を含む材料とを積層させることにより、形成することができる。積層方法は、塗布、蒸着などにより行うことができる。具体的な方法は、上記で説明した方法と同様であってよい。なお、微小金属体6の積層前には、シランカップリング材の層を形成しておくことが好ましい。それにより、微小金属体6の凝集が抑制される。図7(a)の形態では、シランカップリング材の層が基板1の外部側の表面に形成され得る。図7(b)の形態では、シランカップリング材の層が、補助発光材料含有層10bと微小金属体含有層10aとの界面に形成され得る。
ここで、厚み方向の2つの領域で構成される補助発光層10は、単層として構成された無機質層への注入によっても形成することができる。注入においては、厚み方向の位置を制御して注入物質を注入することが可能である。そのため、補助発光材料7の厚み方向の位置と、微小金属体6の厚み方向の位置とを異ならせて、各材料を注入することにより、補助発光材料7を含む領域A2と、微小金属体6を含む領域A1とを形成し、補助発光層10を形成することができる。
図8(a)〜(f)は、有機EL素子の実施形態の一例である。図1の形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略する。図8では、基板1の光取り出し側を抽出して図示している。省略された部分は、図1の形態と同様であってよい。図8(a)〜(f)の形態においては、補助発光構造5は、微小金属体6を含む領域A1と、補助発光材料7を含む領域A2とにより構成されている。
補助発光構造5は、補助発光材料7を含む領域A2と、微小金属体6を含む領域A1とが厚み方向に重なって形成されていることが好ましい一態様である。それにより、補助発光材料7と微小金属体6との間の距離を容易に調整することができるため、エネルギーの受け渡しをしやすい距離を設定することができるので、発光強度をさらに高めることができる。
図8(a)〜(f)では、補助発光構造5は基板1の内部に形成されている。補助発光構造5を構成する、微小金属体6を含む領域A1と、補助発光材料7を含む領域A2とは、基板1内において隣接して形成されている。いわば、図8(a)〜(f)の形態は、図4〜6の形態の変形例といえる。
図8の各形態においても、補助発光構造5が、微小金属体6を含む領域A1と補助発光材料7を含む領域A2とで構成されているので、微小金属体6と補助発光材料7との距離を容易に制御できる。そのため、プラズモン共鳴をより有効に利用して発光性を高めることができる。
図8(a)及び(b)では、補助発光構造5は基板1の外部側の表面領域に形成されている。これらは、図4の形態の変形例といえる。図8(a)では、微小金属体6を含む領域A1は内部側(第1電極2側)に配置され、補助発光材料7を含む領域A2は外部側(光取り出し側)に配置されている。図8(b)では、微小金属体6を含む領域A1は外部側(光取り出し側)に配置され、補助発光材料7を含む領域A2は内部側(第1電極2側)に配置されている。
図8(c)及び(d)では、補助発光構造5は基板1の内部の領域に形成されている。これらは、図5の形態の変形例といえる。図8(c)では、微小金属体6を含む領域A1は内部側(第1電極2側)に配置され、補助発光材料7を含む領域A2は外部側(光取り出し側)に配置されている。図8(d)では、微小金属体6を含む領域A1は外部側(光取り出し側)に配置され、補助発光材料7を含む領域A2は内部側(第1電極2側)に配置されている。
図8(e)及び(f)では、補助発光構造5は基板1の第1電極2側の表面領域に形成されている。これらは、図6の形態の変形例といえる。図8(e)では、微小金属体6を含む領域A1は内部側(第1電極2側)に配置され、補助発光材料7を含む領域A2は外部側(光取り出し側)に配置されている。図8(f)では、微小金属体6を含む領域A1は外部側(光取り出し側)に配置され、補助発光材料7を含む領域A2は内部側(第1電極2側)に配置されている。
図8(a)及び(b)の補助発光構造5は、図4において説明した方法と同様の方法で製造することができる。その際、補助発光材料7と微小金属体6とが厚み方向で異なる領域に配置するように形成する。
図8(a)及び(b)では、注入法が好ましく用いられる。注入においては、厚み方向の位置を制御して注入物質を注入することが可能である。そのため、補助発光材料7の厚み方向の位置と、微小金属体6の厚み方向の位置とを異ならせて、各材料を基板1に注入することにより、補助発光材料7を含む領域A2と、微小金属体6を含む領域A1とを形成し、補助発光構造5を形成することができる。注入は、上記で説明したとおりであり、例えば、イオン注入などを用いることができる。注入法では、部材数を減らすことができるとともに、簡単に補助発光構造5を形成することができる。
図8(c)及び(d)の補助発光構造5は、図5において説明した方法と同様の方法で製造することができる。その際、補助発光材料7と微小金属体6とが厚み方向で異なる領域に配置するように形成する。
図8(c)及び(d)では、塗布法、蒸着法、注入法のいずれかが好ましく用いられる。塗布法においては、第1基板領域1a又は第3基板領域1cを構成する基材の表面に、補助発光材料7を含有する塗布液と、微小金属体6を含有する塗布液とを、この順又はこれとは逆順で塗布することにより形成することができる。蒸着法においては、第1基板領域1a又は第3基板領域1cを構成する基材の表面に、補助発光材料7と、微小金属体6とを、この順又はこれとは逆順で蒸着することにより形成することができる。このとき、共蒸着により層媒体を構成するホスト材料を同時に蒸着してもよい。注入においては、厚み方向の位置を制御して注入物質を注入することが可能である。そのため、補助発光材料7の厚み方向の位置と、微小金属体6の厚み方向の位置とを異ならせて、各材料を第1基板領域1a又は第3基板領域1cを構成する基材に注入することにより、補助発光材料7を含む領域A2と、微小金属体6を含む領域A1とを形成し、補助発光構造5を形成することができる。注入は、上記で説明したとおりであり、例えば、イオン注入などを用いることができる。補助発光構造5を形成した後は、補助発光構造5を形成した基材の表面に他の基材を形成することにより、基板1を複合基板として得ることができる。このとき、第3基板領域1cを樹脂層で形成すると光取り出し性を高めることができる。さらに、この樹脂層を積層構造とし、層の界面に凹凸構造を設けると光取り出し性をさらに高めることができる。
図8(e)及び(f)の補助発光構造5は、図6において説明した方法と同様の方法で製造することができる。その際、補助発光材料7と微小金属体6とが厚み方向で異なる領域に配置するように形成する。
図8(e)及び(f)では、注入法、塗布法のいずれかが好ましく用いられる。注入においては、厚み方向の位置を制御して注入物質を注入することが可能である。そのため、補助発光材料7の厚み方向の位置と、微小金属体6の厚み方向の位置とを異ならせて、各材料を基板1に注入することにより、補助発光材料7を含む領域A2と、微小金属体6を含む領域A1とを形成し、補助発光構造5を形成することができる。注入は、上記で説明したとおりであり、例えば、イオン注入などを用いることができる。塗布法においては、第1基板領域1aを構成する基材の表面に、補助発光材料7を含有する塗布液と、微小金属体6を含有する塗布液とを、この順又はこれとは逆順で塗布することにより形成することができる。塗布法では、補助発光構造5の領域に、光取り出し構造を同時に形成することが好ましい。光取り出し構造は、凹凸構造を有することがさらに好ましい。例えば、補助発光材料7及び微小金属体6の一方を含有する塗布液を塗布した後、この表面に微細な凹凸を形成し、その後、補助発光材料7及び微小金属体6の他方を含有する塗布液を塗布することにより、光取り出し構造を有する補助発光構造5を形成することができる。層媒体は樹脂であってよい。
微小金属体6を含む領域A1は、微小金属体6を主成分として含有している。補助発光材料7を含む領域A2は、補助発光材料7を主成分として含有している。微小金属体6を含む領域A1は、補助発光材料7を含んでいなくてよい。補助発光材料7を含む領域A2は、微小金属体6を含んでいなくてよい。もちろん、微小金属体6を含む領域A1に補助発光材料7が微量混入されていてもよい。また、補助発光材料7を含む領域A2に微小金属体6が微量混入されていてもよい。
図8の各形態においては、補助発光構造5の全体の厚みは、150nm以下であることが好ましい。本形態では、距離調整の観点から、微小金属体6を含む領域A1及び補助発光材料7を含む領域A2の厚みが好適化され得る。微小金属体6を含む領域A1の厚みは5〜100nmであることが好ましい。補助発光材料7を含む領域A2の厚みは0.1〜100nmであることが好ましい。
図9(a)及び(b)は、有機EL素子の実施形態の一例である。図1の形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略する。図9では、基板1の光取り出し側を抽出して図示している。省略された部分は、図1の形態と同様であってよい。図9(a)及び(b)の形態においては、補助発光構造5は、微小金属体6を含む領域A1と、補助発光材料7を含む領域A2とにより構成されている。
補助発光構造5は、補助発光材料7を含む領域A2と、微小金属体6を含む領域A1とが厚み方向に重なって形成されていることが好ましい一態様である。それにより、補助発光材料7と微小金属体6との間の距離を容易に調整することができるため、エネルギーの受け渡しをしやすい距離を設定することができるので、発光強度をさらに高めることができる。
図9(a)及び(b)では、補助発光構造5は基板1の表面領域と、基板1の表面に設けられた層(微小金属体含有層10a又は補助発光材料含有層10b)とで構成されている。補助発光構造5を構成する、微小金属体6を含む領域A1と、補助発光材料7を含む領域A2とは、基板1内において隣接して形成されている。
図9の各形態においても、補助発光構造5が、微小金属体6を含む領域A1と補助発光材料7を含む領域A2とで構成されているので、微小金属体6と補助発光材料7との距離を容易に制御できる。そのため、プラズモン共鳴をより有効に利用して発光性を高めることができる。
図9(a)では、微小金属体6を含む領域A1は基板1内の外部側表面領域に形成され、補助発光材料7を含む領域A2は基板1の表面に設けられた補助発光材料含有層10bで形成されている。図9(b)では、微小金属体6を含む領域A1は基板1の表面に設けられた微小金属体含有層10aで形成され、補助発光材料7を含む領域A2は基板1内の外部側表面領域に形成されている。
図9(a)及び(b)では、補助発光構造5の一部が、基板1の中に設けられる。そのため、もともと外部に取り出せる光だけではなく、基板モードの光も局在表面プラズモン共鳴(LSPR)に寄与させることができる。それにより、発光効率を向上させる効果を大きく得ることができる。基板モードの光を取り出すためには、微小金属体6が基板1内に存在する図9(a)の方が、図9(b)よりも有利である。また、補助発光材料7を基板1内に注入することは容易ではない場合があるので、製造性の観点からも、図9(a)の方が有利である。
なお、基板1の表面に設けられる層(微小金属体含有層10a又は補助発光材料含有層10b)は、基板1の表面に接していることが好ましく、これらの層と基板1との間には、接着層などの他の層が設けられていないことが好ましい。それにより、微小金属体6と補助発光材料7との距離を近づけることができるので、発光強度をより向上することができる。
上記の各形態に適用可能なさらに好ましい態様を説明する。以下の説明は、上記の形態のいずれにも適用可能である。
有機EL素子においては、補助発光構造5は、複数種の補助発光材料7を含むことが好ましい。それにより、補助発光材料7から複数の発光色を得ることが可能になるため、全体の色調整を容易に行うことができる。補助発光材料7は、プラズモン共鳴からエネルギーを吸収し、そのエネルギーから発光を生じさせる。その際に、複数種の補助発光材料7を有すると、各材料が異なる発光波長に変換して発光を生じさせることができる。そのため、複数の発光色を得ることが可能になるのである。複数の発光色が得られると、スペクトルの谷間が埋められて、演色性を高めることができるという効果も発現する。補助発光材料7の種類が複数の場合、その種類数は特に限定されるものではないが、10種以下が好ましく、5種以下が好ましく、3種以下がさらに好ましい。補助発光材料7の種類が増えると、製造が容易でなくなるおそれがある。補助発光材料7の種類を複数にする場合、有機半導体材料と無機半導体材料とを用いたり、高分子材料と低分子材料とを用いたりすることができる。
有機EL素子においては、発光層3は複数種の発光材料8を有し、補助発光材料7の種類数は、発光材料8の種類数と同じであることが好ましい。それにより、発光材料8からの光でそれぞれの補助発光材料7が対応して発光することが可能になるため、発光強度を効率よく高めることができる。補助発光材料7の種類数及び材料は、上記と同様である。発光材料8の種類数は、2以上が好ましく、3以上がさらに好ましい。発光材料8の種類が2以上になると、白色発光が得られやすくなり、3以上になると、白色発光がさらに得られやすくなる。ただし、発光材料8の種類数が増えると、製造が容易でなくなるおそれがあるため、発光材料8の種類数は、10種以下が好ましく、5種以下がさらに好ましい。なお、発光層3が複数種の発光材料8を有するとは、有機層11に含まれる発光層3の全体において、複数種の発光材料8を有するという意味である。そのため、異なる種類の発光材料8を有する発光層3が積層された構造であってよい。
有機EL素子においては、微小金属体6は、粒度分布において複数のピークを有し、微小金属体6のピークの数は、補助発光材料7の種類数と同じであることが好ましい。それにより、各補助発光材料7のそれぞれに対応してプラズモン共鳴を発生して、補助発光材料7を発光させることが可能になり、発光強度を効率よく高めることができる。微小金属体6の粒径のピークの数は、5個以下が好ましく、4個以下が好ましく、3個以下がさらに好ましい。微小金属体6の粒径のピークの数が多いと、製造が容易でなくなるおそれがある。微小金属体6が粒度分布において複数のピークを有する場合、各ピークの粒径差は、5nm以上であることが好ましい。それにより、プラズモン共鳴を効果的に発生させることができる。各ピークの粒径差は、例えば、60nm以下であってよい。
微小金属体6のピークの数と、補助発光材料7の種類数と、発光材料8の種類数とが同じになることがさらに好ましい。それにより、さらに発光性を高めることができる。
ここで、発光層3に含まれる発光材料8は、青色発光材料と緑色発光材料と赤色発光材料とにより構成され得る。青色と緑色と赤色との3色を用いると、色調整が容易になり、白色発光が可能である。このとき、発光材料8の各色に対応して、微小金属体6のピーク数が設定されていることが好ましい。また、発光材料8の各色に対応して、補助発光材料7の種類が設定されていることが好ましい。例えば、発光層3が青色発光材料と緑色発光材料と赤色発光材料とを含む場合、微小金属体6の粒径のピーク数を3にし、青色発光材料に対応するピークと、緑色発光材料に対応するピークと、赤色発光材料に対応するピークとを設けることができる。例えば、発光層3が青色と緑色と赤色の3色の発光材料を含む場合、補助発光材料7の種類数を3にし、青色発光材料に対応する補助発光材料7と、緑色発光材料に対応する補助発光材料7と、赤色発光材料に対応する補助発光材料7とを設けることができる。
照明装置は、上記の有機EL素子を備える。照明装置は有機EL素子を備えているため、発光強度が高く、光取り出し効率に優れた照明装置を得ることができる。一つの有機EL素子の発光面は、例えば、縦10cm以上、横10cm以上の矩形状にすることができるが、これに限定されるものではない。照明装置は、複数の有機EL素子を面状に配置するものであってよい。照明装置は、有機EL素子に給電するための配線構造を備えるものであってよい。照明装置は、有機EL素子を支持する筐体を備えるものであってよい。照明装置は、有機EL素子と電源とを電気的に接続するプラグを備えるものであってよい。照明装置は、パネル状に構成することができる。照明装置は面状に構成することができる。照明装置は、厚みを薄くすることができるため、省スペースの照明器具を提供することが可能である。
1 基板
2 第1電極
3 発光層
4 第2電極
5 補助発光構造
6 微小金属体
7 補助発光材料
8 発光材料
9 電荷移動層
10 補助発光層
10a 微小金属体含有層
10b 補助発光材料含有層
11 有機層
A0 混合領域
A1 微小金属体を含む領域
A2 補助発光材料を含む領域

Claims (9)

  1. 光透過性を有する基板と、光透過性を有する第1電極と、前記基板とは反対側で前記第1電極と対となる第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に設けられた1以上の発光層と、を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記基板の前記第1電極側の面よりも光取り出し側に、補助発光構造を備え、
    前記補助発光構造は、補助発光材料と微小金属体とを含むことを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記補助発光材料の吸収スペクトルのピークは、前記発光層の発光スペクトルのピークと重複していることを特徴とする、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記補助発光構造は、前記補助発光材料と前記微小金属体とが混合した混合領域により形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記補助発光構造は、前記補助発光材料を含む領域と、前記微小金属体を含む領域とが厚み方向に重なって形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記補助発光構造は、厚みが150nmより小さいことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記補助発光構造は、複数種の前記補助発光材料を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記発光層は、複数種の発光材料を有し、
    前記補助発光材料の種類数は、前記発光材料の種類数と同じであることを特徴とする、請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 前記微小金属体は、粒度分布において複数のピークを有し、
    前記微小金属体の前記ピークの数は、前記補助発光材料の種類数と同じであることを特徴とする、請求項6又は7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備える照明装置。
JP2013145789A 2013-07-11 2013-07-11 有機エレクトロルミネッセンス素子及び照明装置 Pending JP2015018715A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013145789A JP2015018715A (ja) 2013-07-11 2013-07-11 有機エレクトロルミネッセンス素子及び照明装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013145789A JP2015018715A (ja) 2013-07-11 2013-07-11 有機エレクトロルミネッセンス素子及び照明装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015018715A true JP2015018715A (ja) 2015-01-29

Family

ID=52439542

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013145789A Pending JP2015018715A (ja) 2013-07-11 2013-07-11 有機エレクトロルミネッセンス素子及び照明装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015018715A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110492020A (zh) * 2019-08-29 2019-11-22 京东方科技集团股份有限公司 显示面板、显示装置及显示面板的制作方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110492020A (zh) * 2019-08-29 2019-11-22 京东方科技集团股份有限公司 显示面板、显示装置及显示面板的制作方法
CN110492020B (zh) * 2019-08-29 2022-12-23 京东方科技集团股份有限公司 显示面板、显示装置及显示面板的制作方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3018721B1 (en) Substrate for organic light emitting device and organic light emitting device comprising same
TWI517473B (zh) 有機電致發光裝置,照明器具裝置,及用於製造有機電致發光裝置之方法
JP2008270812A (ja) 有機オプトエレクトロニクス素子
WO2013042745A1 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
US9425431B2 (en) Organic electroluminescent element and light emitting device with light extraction portions
KR20120102482A (ko) 유기 전계 발광 소자 및 조명 장치
US20170125722A1 (en) Lighting device, method for producing a lighting device
JP2008251217A (ja) 有機エレクトロルミネセンス素子
US10497891B2 (en) Lighting apparatus using organic light-emitting diode
JP2014078499A (ja) 有機電界発光素子および発光装置
US9040963B2 (en) Organic light emitting device
JP6388996B2 (ja) オプトエレクトロニクスアセンブリ及びオプトエレクトロニクスアセンブリを製造するための方法
US9614188B2 (en) Organic electroluminescent element and lighting device
US9806294B2 (en) Surface light emitting element
US9774012B2 (en) Organic light-emitting component
US10312290B2 (en) Optoelectronic component and method for producing an optoelectronic component
KR102260673B1 (ko) 유기 발광 표시 장치
US10276834B2 (en) Organic light-emitting device
JP2015018715A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子及び照明装置
Shanmuga Sundar et al. High efficient plastic substrate polymer white light emitting diode
JP2006139932A (ja) 有機エレクトロルミネセンス素子、および有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法
JP2016035830A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
KR20160021861A (ko) 광전자 컴포넌트, 광전자 컴포넌트를 제조하기 위한 방법, 및 미러 디바이스
DE102013105154A1 (de) Optoelektronisches Bauelement und Verfahren zum Herstellen eines optoelektronischen Bauelementes
CN109244264B (zh) 使用有机发光二极管的发光装置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20150312