JP2015017923A - 糖尿病の病態進展を評価するためのバイオマーカー - Google Patents

糖尿病の病態進展を評価するためのバイオマーカー Download PDF

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Abstract

【課題】糖尿病又は前糖尿病の予後、診断、モニタリング、薬物スクリーニング、診断用キットに利用する新しいバイオマーカーを提供すること。
【解決手段】バイオマーカーとしてホスホグリセリン酸ムターゼ(PGAM)を使用する。糖尿病又は前糖尿病の診断の場合は、哺乳動物より採取した試料(肝臓組織、血液)中のPGAMの量を測定し、糖尿病又は前糖尿病を発症していない哺乳動物より採取した試料中のPGAMの量とを比較する。
また、糖尿病又は前糖尿病の予防、治療又は進展抑制作用を有する所定物質をスクリーニングする場合は、生体試料又は哺乳動物個体に該所定物質を添加又は投与し、該所定物質を添加又は投与した生体試料又は哺乳動物個体中のPGAMの量を測定し、その後、該測定したPGAMの量と、該所定物質を添加又は投与していない生体試料又は哺乳動物個体中のPGAMの量とを比較する。
【選択図】なし

Description

本発明は、糖尿病を推定するための検出方法、及び糖尿病の病態進展を評価する方法に関する。また、所定物質による糖尿病の予防、治療又は病態進展抑制効果の評価方法及び測定用キットに関する。本発明は診断を補助する行為に関する発明であり、医療行為を含まない。
糖尿病はインスリン分泌障害および種々の末梢インスリン抵抗性で高血糖状態を呈する疾患である。糖尿病には大きく分けて2つのタイプがあり、1型糖尿病では自己免疫性の膵β細胞破壊が原因でインスリン産生が欠如して高血糖となり、2型糖尿病では末梢インスリン抵抗性および肝での糖新生増加が原因で高血糖となる。この他に症例は少なくなるが、遺伝子欠損に起因する若年発症成人型糖尿病、特定の薬物が原因となる薬物誘発性糖尿病、妊娠のごく少数例が発症する妊娠糖尿病などが知られている。
糖尿病の最も一般的な症状は高血糖症状である。糖尿によって引き起こされた浸透圧利尿が起立性低血圧や脱水へと進行しうる頻尿、多尿、多飲をもたらす。重度の脱水は脱力、疲労、および精神状態の変化を引き起こす。症状は血糖値の変動につれて出現したり消失したりする。また過食は高血糖の随伴症状である。高血糖は体重減少、悪心・嘔吐、および視力障害を引き起こす恐れもあり、細菌または真菌に感染しやすくなる。1型糖尿病患者は典型的には症候性の高血糖を呈し、ときに糖尿病性ケトアシドーシスもみられる。2型糖尿病患者は症候性の高血糖を呈することもあるがしばしば無症状である。初期症状が糖尿病合併症の症状である患者もおり、糖尿病がしばらく持続していたことが示唆される。また、糖尿病は動脈硬化症の重要な危険因子としても認識されている。糖尿病では心血管イベントの発症が非糖尿病患者に比べて2〜4倍高く、しかも冠動脈疾患の予後が悪い。特に欧米では糖尿病患者の心筋梗塞発症頻度が高く、糖尿病は「心筋梗塞既往に相当するハイリスク群」として取り扱われている(非特許文献1)。
日本糖尿病学会により取りまとめられた糖尿病診療ガイドライン2010(非特許文献2)の診断指針では、糖尿病の診断は慢性高血糖を確認し、さらに症状、臨床所見、家族暦、体重暦などを参考として総合的に判断することとしている。具体的には、空腹時血糖値≧126mg/dL、75g経口糖負荷試験(OGTT)2時間値≧200mg/dL、随時血糖値≧200mg/dLの組み合わせにより、糖尿病型、正常型、境界型に分類する。一方、診断を容易にするために糖化ヘモグロビン(HbA1c)も判定に取り入れ、HbA1c(国際標準値)≧6.5%の場合も糖尿病型とすることとなった。この2つのマーカーは、本質的には、血流中のグルコースの上昇の直接的(グルコース)および間接的(HbA1c)モニターである。グルコースは、血中グルコースの上昇の即時的な測定値であり、糖尿病の診断の補助および治療のモニタリングのいずれにおいても用いられる。HbA1cは、血中グルコースの上昇をより長期に経験していることの測定値であり、その時間尺度は、ヘモグロビン(60〜90日)のin vivo半減期に一般に匹敵し、糖尿病の管理の進行をモニターするうえで典型的に用いられる。
しかし、複雑な問題としては、これらの値(すなわち、空腹時グルコース値=100〜125mg/dL、OGTT値=140〜200mg/dL、HbA1c値=6〜7%)にはグレー領域があり、これは「前糖尿病」状態に起因することが多い。1回の血糖検査では確定診断がでずに2回の検査を行って総合判断する場合も多く、さらに糖尿病の疑いと判断された場合は確定診断がでるまで3〜6ヶ月を要する場合もある。各マーカーは、糖尿病を検出およびモニターするうえで有用であることは広く認識されているが、ヘモグロビンに異常があると、HbA1cでは正しい血糖状態が判定できないという問題が存在していることも事実である。
そこで、健康な状態を前糖尿病状態と区別する、または前糖尿病状態を糖尿病状態と区別するために、新たなマーカーを探す研究が近年盛んに行われている。たとえば、アディポネクチン/レプチン比(特許文献1)、アポリポタンパク質(特許文献2)、新規ペプチド(特許文献3)、遺伝子発現プロファイル(特許文献4)、FXYD2−γ多型(特許文献5)、Gc−グロブリン等(特許文献6)、インスリンシグナルペプチド(特許文献7)、グレリンシグナルペプチド(特許文献8)、アルギニンバソプレシンプロホルモン(特許文献9)が、糖尿病を診断する新たなバイオマーカー候補として報告されている。
ホスホグリセリン酸ムターゼ(Phosphoglyceric acid mutase、PGAM)は、3−ホスホグリセリン酸の2−ホスホグリセリン酸への転換を触媒する細胞間糖分解酵素で、解糖系酵素の一つである。哺乳動物のPGAMは、MサブユニットとBサブユニットの組み合わせから成る三つのダイマー構造、すなわちMMホモダイマー(M型アイソザイム)、BBホモダイマー(B型アイソザイム)およびMBヘテロダイマー(MB型アイソザイム)を有している。心臓組織はアイソザイムMM、MB、およびBBを含有し、骨格筋は主としてPGAM−MMを、他のほとんどの組織はPGAM−BBを含有するという報告がある(非特許文献3)。一方、われわれの検討結果では、骨、肺、皮膚などの組織はPGAM−MBを含有することを確認している。PGAMを病態判定のバイオマーカーに用いるという試みはいくつか報告されており、急性心筋梗塞(非特許文献4)、アルツハイマー病(特許文献10)、脳卒中(特許文献11)、癌(特許文献12)のバイオマーカーとして利用できる可能性が示唆されているが、PGAMが糖尿病の診断や病態進展の評価のためのバイオマーカーとなることを報告した例はない。
特表2007−526449号公報 特表2009−531712号公報 特表2009−537812号公報 特表2011−502537号公報 特表2011−515071号公報 特表2011−515680号公報 特表2011−516037号公報 特表2011−516038号公報 特表2012−507020号公報 特開平11−239500号公報 特開平8−322595号公報 特開2008−26290号公報
Circulation, 110, 227-239 (2004) 科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2010, 7-17, 南江堂 J., Comp. Biochem. Physiol. B. Biochem. Mol. Biol. 114, 217-223 (1996) J., Crit. Rev. Clin. Lab. Sci. 34, 1-66 (1997)
本発明の課題は、糖尿病の予後、診断、モニタリング、薬物スクリーニング、診断用キットに利用する新しいバイオマーカーを提供することにある。
本発明者らは2型糖尿病モデルマウス、全身性PGAMトランスジェニックマウス、及びin vitroの実験を鋭意検討した結果、肝臓中PGAMの発現が糖尿病の重症度に伴って増加するという興味深い知見を得た。さらに、血漿中に漏れ出してくる血漿中分泌型PGAM蛋白量は、空腹時に測定することにより肝臓中PGAM蛋白量と完全な逆相関の関係にあり、このことは、空腹時に血漿中分泌型PGAMを測定することにより、間接的に糖尿病の病態進行を反映する肝臓中PGAMを測定できることを示している。本発明はこれらの知見に基づいてなされたものである。
即ち、本発明は、
[1]哺乳動物個体が糖尿病又は前糖尿病であることを診断するためのデータの収集方法であって、
a)該哺乳動物個体から採取した生体試料中のホスホグリセリン酸ムターゼ(PGAM)の量を測定する工程、及び
b)該測定したPGAMの量と、糖尿病又は前糖尿病を発症していない哺乳動物個体のPGAMの量とを比較する工程、
を含む方法、
[2]前記生体試料中のPGAMの量が、糖尿病又は前糖尿病を発症していない哺乳動物個体のPGAMの量より多い場合に、哺乳動物個体が糖尿病又は前糖尿病であると診断する、[1]に記載の方法、
[3]生体試料が、哺乳動物個体の空腹時に採取されたものである、[1]又は[2]に記載の方法、
[4]哺乳動物がヒトである[1]〜[3]のいずれかに記載の方法、
[5]生体試料が肝臓組織である[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6]生体試料が血清又は血漿である[1]〜[4]のいずれかに記載の方法、
[7]糖尿病が2型糖尿病である[1]〜[6]のいずれかに記載の方法、及び
[8]さらに、1以上の別のバイオマーカーの量を測定することを含む、[1]〜[7]のいずれかに記載の方法に関する。
また、本発明は、
[9]糖尿病又は前糖尿病の予防、治療又は進展抑制作用を有する所定物質をスクリーニングする方法であって、
a)生体試料又は哺乳動物個体に該所定物質を添加又は投与する工程、
b)該所定物質を添加又は投与した生体試料又は哺乳動物個体中のPGAMの量を測定する工程、及び
c)該測定したPGAMの量と、該所定物質を添加又は投与していない生体試料又は哺乳動物個体中のPGAMの量とを比較する工程、
を含む、スクリーニング方法、
[10]生体試料が、哺乳動物個体の空腹時に採取されたものである、[9]に記載の方法、
[11]哺乳動物がヒトである[9]又は[10]に記載の方法、
[12]試料が肝臓組織である[9]〜[11]のいずれかに記載の方法、
[13]試料が血清又は血漿である[9]〜[11]のいずれかに記載の方法、及び
[14]糖尿病が2型糖尿病である[9]〜[13]のいずれかに記載の方法に関する。
さらに、本発明は、
[15]PGAMの量を測定することによって糖尿病又は前糖尿病の予防、治療又は進展抑制作用を評価するための測定用キットであって、PGAMの量を測定することができる物質を該キット内に含む、測定用キット、
[16]さらに、1以上の別のバイオマーカーの量を測定できる物質を含む、[15]に記載の測定用キット、
[17]PGAMの量を測定できる物質が抗体である、[15]又は[16]に記載の測定用キット、
[18]前記抗体が、M型PGAMおよびB型PGAMと結合する抗体である、[17]に記載の測定用キット、及び
[19]哺乳動物個体が糖尿病又は前糖尿病であることを診断(又は検出)するための方法であって、
a)該哺乳動物個体から採取した生体試料中のホスホグリセリン酸ムターゼ(PGAM)の量を測定する工程、及び
b)該測定したPGAMの量と、糖尿病又は前糖尿病を発症していない哺乳動物個体のPGAMの量とを比較する工程、
を含む診断方法(又は検出方法)に関する。
本発明の評価方法は、PGAMを定期的に測定することにより、糖尿病の病態進展をモニターできるという点で有効であり、さらに空腹時に血漿中分泌型PGAMを測定することにより間接的に糖尿病の病態進行を反映する肝臓中PGAMを測定できるという点で簡便である。特に、糖尿病の早期ほど健常対照群と蛋白量に差が出るという血漿中PGAMの特性は、糖尿病の初期状態を判定しづらい従来の血中グルコース/HbA1c(グリコヘモグロビン)判定の欠点を補う第3のバイオマーカーとして非常に有効である。
図1は、2型糖尿病患者の空腹時採血におけるHbA1cまたは血糖値に対する血漿中PGAM値の関係を示す図である。 図2は、正常マウスおよび2型糖尿病モデルマウスにおける絶食時肝臓中PGAM量を示す図である。 図3は、正常マウスおよび2型糖尿病モデルマウスにおける絶食時及び摂食時の血漿中分泌型PGAM量を示す図である。 図4は、絶食時におけるマウスの肝臓中PGAM量と血漿中分泌型PGAM量との相関を示す図である。
以下に本発明についてさらに詳細に説明する。なお、本明細書で使用される用語は、特に言及される場合を除いて、当該分野で通常用いられる意味で使用される。
本発明は、哺乳動物試料中のPGAM測定値が糖尿病の病態進展と有意に相関することに基づいている。本発明によれば、哺乳動物試料中のPGAM値を測定し、得られた測定値に基づいて糖尿病の病態進展を示すことができ、糖尿病又は前糖尿病の病態を判断する指標として利用することができる。すなわち、哺乳動物試料中のPGAM測定値を糖尿病の病態進展を示すバイオマーカーとして使用でき、当該患者の診断、治療、経過観察等に利用できる。たとえば、空腹時肝臓中PGAM値が健常対照群の空腹時肝臓中PGAM値より高い場合は糖尿病又は前糖尿病と判断できる。また、空腹時血漿中分泌型PGAM値が健常対照群の空腹時血漿中分泌型PGAM値より高い場合にも糖尿病又は前糖尿病と判断できる。糖尿病の初期段階においては、健常対象群と糖尿病群のPGAM値の差は肝臓中より血漿中で大きくなることから、空腹時血漿中分泌型PGAM値を測定することで、より容易に前糖尿病(いわゆる、糖尿病の初期段階あるいは糖尿病に移行する段階)を判定することができる。さらに、空腹時肝臓中PGAM値は空腹時血漿中分泌型PGAM値と有意に逆相関するという関係を利用して、採血により測定された血漿中分泌型PGAM値に基づいて肝臓中PGAM値を予測することもできる。
本明細書において、ホスホグリセリン酸ムターゼ(PGAM)とは、解糖系酵素の一つで、2−ホスホグリセリン酸と3−ホスホグリセリン酸の相互交換を触媒する酵素である。哺乳動物にはPGAMをコードする遺伝子が二つ存在する。PGAMのMサブユニット(分子量約3万)の遺伝子は成人の骨格筋、心筋で発現され、これらの組織ではMMホモダイマー(M型PGAM、M−PGAM、PGAM−MM、PGAM−M又はM型アイソザイムともいう)が存在する。PGAMのBサブユニット(分子量約3万)の遺伝子は成人の脳、肝、腎および赤血球で発現され、これらの組織ではBBホモダイマー(B型PGAM、B−PGAM、PGAM−BB、PGAM−B又はB型アイソザイムともいう)が存在する。従って、M型PGAMは筋肉特異的アイソザイムに、またB型PGAMは非筋肉型あるいは脳型アイソザイムに分類される。MおよびBの両サブユニットの遺伝子は心筋で特異的に発現しており、この組織ではB型およびM型PGAMに加えてMBヘテロダイマー(MB型PGAM、MB−PGAM、PGAM−MB又はMB型アイソザイムともいう)も存在する。しかし、本発明者による研究結果によると、MBヘテロダイマーは心臓特異的ではなく、骨、肺、皮膚などの組織にも存在することが明らかにされている。
本明細書において、PGAMの測定対象とできるのは、哺乳動物から採取されるものであれば特に制限されないが、好ましくは肝臓組織または血液検体を用いることができる。肝臓組織は、例えば、外科的に開腹して採取されてもよいし、生検により部分的に採取されてもよい。測定には組織をEDTAやプロテアーゼ阻害剤など一般的に試料の安定化に用いられる試薬を含む緩衝液中で破砕、抽出して得られた組織抽出液を用いることができる。また、血液検体としては、例えば、全血、血漿または血清が挙げられ、いずれでも用いることができる。血漿を使用する場合には、抗凝固剤としてEDTAを使用することが好ましいが、ヘパリン、クエン酸ナトリウムなど当該分野で公知あるいは汎用されているものを使用してもよい。採血後は氷冷あるいは冷蔵保存するのが好ましい。
哺乳動物由来の試料中のPGAMの量の測定は、当該技術分野で公知の方法により実施することができ、その方法は特に制限されないが、例えば免疫学的測定法が挙げられる。免疫学的測定法を使用する場合は、当該分野で汎用されている方法の中から適宜選択して行うことができる。例えば、酵素結合免疫測定法(ELISA法)、二重モノクローナル抗体サンドイッチイムノアッセイ法(米国特許第4,376,110号)、モノクローナルポリクローナル抗体サンドイッチアッセイ法、免疫蛍光法、ウェスタンブロッティング法、ドットブロッティング法、免疫沈降法、プロテインチップによる解析法、2次元電気泳動法、SDS−ポリアクリルアミド電気泳動法等が挙げられるが、これらに限定されない。
PGAM抗体は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体のいずれであってもよく、市販のものを使用できる。例えば、Cell Signaling Technology社、 UPSTATE Biotechnology社、 Santa cruz Biotech社、 Abcam社などからPGAM抗体が市販されている。また、当該技術分野で公知の方法によって調製することもできる。抗体のグロブリンタイプは、特に限定されるものではなく、IgG、IgM、IgA、IgE、IgDのいずれでもよいが、IgGが好ましい。本発明におけるモノクローナル抗体には、特に、重鎖および/または軽鎖の一部が特定の種、または特定の抗体クラスもしくはサブクラス由来であり、鎖の残りの部分が別の種、または別の抗体クラスもしくはサブクラス由来である「キメラ」抗体(免疫グロブリン)、並びに、所望の生物学的活性を有する限り、Fab、F(ab’)2、Fv断片等の抗体断片も含まれる。
本発明は、糖尿病の発症と進行に関して、空腹時肝臓中PGAM値は糖尿病の病態進展に伴って増加し、これに逆相関して空腹時血漿中分泌型PGAM値は糖尿病の早期に増加傾向を示して病態の進展に伴い減少することから、哺乳動物に対してPGAMの測定を経時的に行うことにより、糖尿病の進行、重症化、あるいは安定化の過程を判断することが可能である。さらに、PGAMの測定値と、それ以外の指標、例えば公知の糖尿病マーカーの測定値とを関連付けて判断することもできる。関連づける糖尿病マーカーとしては、空腹時血糖値、経口糖負荷試験(OGTT、例えば75g経口糖負荷試験2時間値等)、随時血糖値、HbA1c値、空腹時インスリン値、グリコアルブミン値、c−ペプチド値などが挙げられる。
本発明において「空腹時」とは、特に限定されないが、前の食事から2時間以上、好ましくは5時間以上、より好ましくは10時間以上経過した時点をいい、通常、前の食事から10〜14時間後の時点をいう。「デジタル大辞泉」では、「空腹時血糖値」とは、食事前(前の食事から10〜14時間後)に測定した血糖値とされている。
本発明において哺乳動物とは、例えば、ヒトおよびサルなどの霊長類、マウス、ラットおよびウサギなどのげっ歯類、イヌおよびネコなどの愛玩動物、ならびにウシ、ウマおよびブタなどの家畜が挙げられる。本発明は、霊長類、特にヒトに対し好適に用いられる。
本発明において2型糖尿病モデル動物とは、自然発症モデル、遺伝子改変発症モデル、食事誘導性モデル、化学的に誘導したモデル、外科的に中枢神経核や臓器を破壊したモデル、糖尿病関連遺伝子のトランスジェニック・ノックアウトモデルなどを示す。2型糖尿病モデル動物は、糖尿病のみならず肥満も併発したモデルが包含される。種としては、実験操作の面からもマウス、ラット等のげっ歯類が好ましい。2型糖尿病モデル動物の具体例として、たとえば、DIOマウス、ob/obマウス、db/dbマウス、KK−Aマウス、ZDFラット等が挙げられる。
DIOマウスはC57BL/6Jマウスへ一定期間高脂肪食給餌を行うことにより作成される食事誘導性モデルであり、次第に脂肪の蓄積、高インスリン血症、高レプチン血症、脂質異常症を呈するようになるモデル動物である。ヒトの病態発症や改善への介入モデルとして優れているといわれているが、血糖値の上昇は緩徐で糖尿病の初期段階を反映するモデルとも考えられる。
ob/obマウスはレプチン遺伝子が欠損改変されている遺伝子改変モデルマウスであり、C57BL/6Jマウスへ戻し交配されたものが一般的に用いられる。レプチン産生欠損を反映して高インスリン血症、糖尿病、脂質異常症を呈するモデル動物である。モデルの重症度としてはDIOマウスとdb/dbマウスの中間に位置する。
db/dbマウスは、レプチン受容体に遺伝子変異を有するためにレプチン作用が欠損した肥満糖尿病モデルマウスであり、C57BL/6Jマウスの自然突然変異型として発見された。基本的にはob/obマウスと同様の表現形を示すが、C57BL/6Jマウスを背景系統とするob/obマウスよりも早期から重度のβ細胞脱落を反映した著しい高血糖を示し、糖尿病の後期段階を反映するモデルとも考えられる。
本発明はまた、薬物などの所定物質による糖尿病の予防、治療又は病態進展抑制効果の評価方法にも関する。すなわち、糖尿病の予防、治療又は病態進展抑制を必要とする哺乳動物に所定物質を投与し、当該動物より採取した試料中のPGAM量を測定することにより、その所定物質による糖尿病の予防、治療又は病態進展抑制効果を評価することができる。より具体的には、糖尿病の予防、治療又は病態進展抑制を必要とする哺乳動物であって所定物質を投与されていない群から採取した試料におけるPGAM量と、糖尿病の予防、治療又は病態進展抑制を必要とする哺乳動物であって所定物質を投与した群から採取した試料におけるPGAM量とを比較することにより、所定物質による糖尿病の予防、治療効果を評価する。また、PGAMの測定を計時的に行うことにより、所定物質による糖尿病の病態進展抑制効果を判断することが可能である。
また、健康な状態であるか前糖尿病状態であるかを区別できる点、前糖尿病状態であるか糖尿病状態であるかを区別できる点で、本発明の診断方法は従来にない有効性を発揮できる。糖尿病が早期であるほど、空腹時血漿中分泌型PGAM値が多い傾向を示し、その病態の進展に伴い減少するという特徴も有するからである。ここで、糖尿病であるか否かの診断は、糖尿病型、正常型、境界型のいずれに属するかによって判断されるが、「前糖尿病状態(境界型)」は糖尿病型にも正常型にも属さない状態のことを言う(日本糖尿病学会により取りまとめられた糖尿病治療ガイド2012−2013血糖コントロール目標改訂版)。
本発明はさらに、糖尿病の診断用もしくは予測用、または所定物質による糖尿病の予防、治療又は病態進展抑制効果評価用のキットにも関する。本発明に係るキットは、糖尿病マーカーとしてのPGAMの量を測定し得る物質、例えば、抗PGAM抗体等を含む。本発明に係るキットは、さらに、希釈剤や洗浄用緩衝液、標準抗原、抗PGAM抗体に対し特異的に免疫学的反応をする標識抗体、発色、発光または蛍光を生じさせる基質試薬、手順と評価方法を記載した手順書等を含んでいてもよく、簡便に検査できるよう構成されたものが好ましい。あるいは、同位体標識試薬、分画用ミニカラム、緩衝液、手順書等により構成された質量分析用試薬セットもキットとして提供しうる。また、本願に係るスクリーニング方法における「所定物質」とは、例えば、低分子化合物等、糖尿病又は前糖尿病の予防、治療又は進展抑制作用を有する可能性のある物質のことを言う。
本発明により、従来のマーカーだけでは判定が困難であった前糖尿病状態の検知が可能になる。さらに、その後の糖尿病病態進行の検知および予測が可能となる。またそのことは予防医学や公衆衛生学上極めて有用である。本発明を使用して、試料中のPGAM量を測定して得た測定値を、糖尿病とそれに起因する疾患発症と症状進行を示す指標として有効利用することが可能となり、糖尿病とそれに起因する疾患の発症と進行の可能性に関する的確且つ簡便な検査または分析の方法の開発、様々な試薬や医薬の開発、関連装置の開発にも利用できる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。なお、下記実施例中で用いられている略号は下記の意味を示す。
GST:グルタチオン S−トランスフェラーゼ
GAPDH:グリセルアルデヒド 3−リン酸デヒドロゲナーゼ
[実施例1]2型糖尿病患者の分泌型PGAMと糖尿病マーカーとの比較。
2型糖尿病患者のうち薬物治療を受けていない新規患者、食事・運動療法を受けている患者で新たに薬物治療を開始する患者、およびα−グルコシダーゼ阻害剤(α−GI)のみを糖尿病治療薬として服用している患者16名を対象として採血を行ない、空腹時における血糖値および血漿中PGAM値を測定した。また、これと同時に、該患者16名を対象としてHbA1c値の測定も行なった。
結果を図1に示す。糖尿病患者の空腹時採血により得られた血漿中PGAM値(ng/mL)は、糖尿病マーカーとして認識されているHbA1c値(%)、空腹時血糖値(mg/dL)に対して負の相関を示すことが確認された。HbA1c値、空腹時血糖値が低い場合、すなわち糖尿病の症状が軽度の場合は、空腹時血漿中PGAM値は高値を示すことが確認された。
[実施例2]正常マウスおよび2型糖尿病モデルマウスにおける絶食時PGAM量の評価と肝臓中PGAM量と血漿中分泌型PGAM量との比較。
正常マウスおよび糖尿病モデル動物であるDIOマウス、ob/obマウス、db/dbマウスを絶食群および自由摂食群に3例ずつ群分けを行ない、絶食群は約12時間の絶食を行なった。採血後、一部は全血をHbA1c測定に用いた。残りを4℃、10,000rpmにて遠心分離を行ない、血漿を凍結保存した。また、肝臓を摘出し液体窒素を用いて凍結保存した。これらの試料を用いて、肝臓中PGAM量および血漿中分泌型PGAM量を測定した。
(PGAM抗体作製)
抗PGAM抗体は以下のようにして作製した。pGEX6pプラスミド(GE Healthcare製)を用いてGST融合タンパク質としてPGAM−M組み換えタンパク質を大腸菌に発現させ、Glutathione−agaroseビーズにて常法に従って精製後、PreScission Protease (GE Healthcare製)を用いてGST部分を除去した。この完全長組み換えPGAM2(PGAM−M)タンパク質をウサギ2匹に免疫した後、その抗血清を組み換えPGAM−Mタンパク質との親和性を利用して精製し、抗PGAM抗体を作製した。
(ウェスタンブロッティング法)
上記方法にて作製した抗PGAM抗体を用いて、常法に従ってウェスタンブロッティングによる検出および数値化を行なった。また、コントロールとして抗GAPDH抗体(6C5、メルクミリポア製)を用いた。
(ELISA法)
抗PGAM抗体をCarbonate Buffer (NaHCO 1.78g、NaCO・12HO 4.8グラム/500 mL、pH9.5)を用いて1μg/mLに希釈後、プレートに一晩4℃にてコーティングした。翌日、1%BSA/PBSにてブロッキング後、Wash Buffer (20 mM Tris、0.15M NaCl、0.01% Tween20、pH7.5)にて2回洗浄後、スタンダードもしくは測定試料を100μL添加した。なお、スタンダードの希釈には1%BSA/PBSを、測定試料の希釈には50 mM Tris−HCl Buffer (pH8.3)を用いた。一晩4℃にて反応後、Wash Bufferにて4回洗浄し、1%BSA/PBSにて1500倍希釈したビオチン化抗PGAM抗体を100μL添加し、60分間反応させた。さらに4回洗浄し、1%BSA/PBSにて1000倍希釈したアビジン−ペルオキシダーゼを100μL添加した。30分インキュベートした後、Wash Bufferにて4回洗浄した。TMB溶液100μLを添加し、アルミホイル遮光下10〜15分間発色反応を行なった後、STOP液(1M HPO)を50μL添加して反応を停止させ、波長450nmの吸光度を測定した。
絶食時肝臓中PGAM量(ng/mL)の結果を図2に示す(検体数=3)。絶食時の肝臓中PGAM量に関しては、軽度の糖尿病モデルに相当するDIOマウスでは正常モデルのC57BL/6Jマウスと差がないが、より重症なモデルであるob/obマウス、db/dbマウスとなるに伴い、その値は顕著に上昇する。これは、糖尿病の症状が進行するほど肝臓中PGAM量が増加することを示している。なお、有意差検定は、正常マウス(C57BL/6J)を対照群としたノンパラメトリックDunnett型多重比較検定法により行い、危険率5%以下(P<0.05)を有意差ありと判定した(*はP<0.05を示す)。
次いで、絶食時及び摂食時の血漿中分泌型PGAM量(ng/mL)の結果を図3に示す(絶食時および摂食時:各検体数=3)。絶食時の血漿中分泌型PGAM量に関しては、軽度の糖尿病モデルに相当するDIOマウスが最も高値を示し、より重症なモデルであるob/obマウス、db/dbマウスとなるに伴いその値は減少する。これは、糖尿病の症状が初期である段階で健常対象群との差が特に明確になることを示している。一方、摂食時の血漿中分泌型PGAM値はモデル間での有意差はなく、測定条件としては不適切であることが確認された。なお、有意差検定は、正常マウス(C57BL/6J)を対照群としたノンパラメトリックDunnett型多重比較検定法により行い、危険率5%以下(P<0.05)を有意差ありと判定した(*はP<0.05を示す)。
さらに、絶食時の肝臓中PGAM量と血漿中分泌型PGAM量との比較結果を図4に示す。肝臓中PGAM量と血漿中分泌型PGAM量には明確な負の相関関係があることが確認された。
以上のことから、PGAM値を測定することにより糖尿病の予防、治療又は病態進展抑制効果の評価をできることがわかった。
本発明の評価方法は、糖尿病の病態進展をモニターできるという点で有効であり、従来の血中グルコース/HbA1c判定の欠点を補う第3のバイオマーカーとして予防医学や公衆衛生学上極めて有用である。本発明を使用して、糖尿病とそれに起因する疾患の発症と進行の可能性に関する的確且つ簡便な検査または分析の方法の開発、様々な試薬や医薬の開発、関連装置の開発にも利用できるため、産業上の利用可能性を有している。

Claims (18)

  1. 哺乳動物個体が糖尿病又は前糖尿病であることを診断するためのデータを収集する方法であって、
    a)該哺乳動物個体から採取した生体試料中のホスホグリセリン酸ムターゼ(PGAM)の量を測定する工程、及び
    b)該測定したPGAMの量と、糖尿病又は前糖尿病を発症していない哺乳動物個体のPGAMの量とを比較する工程、
    を含む方法。
  2. 前記生体試料中のPGAMの量が、糖尿病又は前糖尿病を発症していない哺乳動物個体のPGAMの量より多い場合に、哺乳動物個体が糖尿病又は前糖尿病であると診断する、請求項1に記載の方法。
  3. 生体試料が、哺乳動物個体の空腹時に採取されたものである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 哺乳動物がヒトである請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 生体試料が肝臓組織である請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 生体試料が血清又は血漿である請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  7. 糖尿病が2型糖尿病である、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. さらに、1以上の別のバイオマーカーの量を測定することを含む、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 糖尿病又は前糖尿病の予防、治療又は進展抑制作用を有する所定物質をスクリーニングする方法であって、
    a)生体試料又は哺乳動物個体に該所定物質を添加又は投与する工程、
    b)該所定物質を添加又は投与した生体試料又は哺乳動物個体中のPGAMの量を測定する工程、及び
    c)該測定したPGAMの量と、該所定物質を添加又は投与していない生体試料又は哺乳動物個体中のPGAMの量とを比較する工程、
    を含む、スクリーニング方法。
  10. 生体試料が、哺乳動物個体の空腹時に採取されたものである、請求項9に記載の方法。
  11. 哺乳動物がヒトである請求項9又は10に記載の方法。
  12. 試料が肝臓組織である請求項9〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 試料が血清又は血漿である請求項9〜11のいずれかに記載の方法。
  14. 糖尿病が2型糖尿病である請求項9〜13のいずれかに記載の方法。
  15. PGAMの量を測定することによって糖尿病又は前糖尿病の予防、治療又は進展抑制作用を評価するための測定用キットであって、PGAMの量を測定することができる物質を該キット内に含む、測定用キット。
  16. さらに、1以上の別のバイオマーカーの量を測定できる物質を含む、請求項15に記載の測定用キット。
  17. PGAMの量を測定できる物質が抗体である、請求項15又は16に記載の測定用キット。
  18. 前記抗体が、M型PGAM及びB型PGAMと結合する抗体である、請求項17に記載の測定用キット。
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