JP2015017764A - 冷媒圧力制御弁および冷凍サイクル装置 - Google Patents

冷媒圧力制御弁および冷凍サイクル装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電動圧縮機を用いる冷凍サイクル装置に冷媒圧力制御弁を設ける場合における、冷房負荷が高いときの冷房能力不足を回避可能にする。【解決手段】蒸発器の出口側の冷媒圧力を所定圧以上に制御する冷媒圧力制御弁50において、弁体54の有効受圧面積をベローズ56の有効受圧面積よりも大きくすることにより、蒸発器の出口側の冷媒圧力を、冷媒流量に関わらず略一定にするか、或いは冷媒流量の増加にともなって低下させる。【選択図】図2

Description

本発明は、蒸発器の出口側における冷媒の圧力を制御する冷媒圧力制御弁およびそれを用いた冷凍サイクル装置に関するものである。
従来の車両用冷凍サイクル装置の圧縮機は、マグネットクラッチを介して内燃機関にて駆動されるようになっている。そして、冷凍サイクル装置の冷房能力制御は、マグネットクラッチをオン・オフさせることで行っていた。この方法によれば、蒸発器からの吹き出し風温度をある幅で制御できるため、広く採用されていた。
また、マグネットクラッチの断続音を問題にする一部の上級車種では、冷凍サイクル装置を一旦起動させるとマグネットクラッチは繋いだままとするものがある。この場合、蒸発器下流に冷媒圧力制御弁を設置し、蒸発器の出口側の冷媒圧力を所定圧以上に制御することにより、冷房負荷が低下しても蒸発器のフロストが発生しないようにしていた。
しかしながら、このような冷凍サイクル装置においては、圧縮機は比較的大型の固定容量型で、内燃機関に直結されるため、急加速時のように圧縮機の回転速度が急上昇する場合、冷媒圧力制御弁の追従が遅れて蒸発器の出口側の冷媒圧力が所定圧未満まで低下してしまい、蒸発器のフロストが発生することがあった。
そこで、冷媒圧力制御弁の追従遅れによるフロストを防止するために、所謂ベローズ式の冷媒圧力制御弁においては、ベローズの有効受圧面積を、弁体の有効受圧面積と等しいかそれよりも大きく設計する必要があった(例えば、特許文献1参照)。
一方、車両走行駆動源として走行用電動機と内燃機関を併用する非プラグイン型のハイブリッド車では、停車時に内燃機関が停止することから、冷凍サイクル装置の圧縮機として電動圧縮機を採用している。
この場合、電動圧縮機の回転速度を調整して冷房能力制御を行うことができるため、冷媒圧力制御弁を設ける必要性は低いが、蒸発器のフロストを確実に防止するために冷媒圧力制御弁を設けることも検討されている。
また、電気自動車の冷凍サイクル装置においては、電動圧縮機を用いるとともに、暖房熱源を得るためにヒートポンプ回路を構成して、冷暖房・除湿機能を持たせている。さらに、プラグインハイブリッド車の冷凍サイクル装置は、内燃機関の稼働率が低いため内燃機関の冷却水を暖房熱源として利用しがたく、したがって電気自動車の冷凍サイクル装置と同様の構成になっている。
そして、ヒートポンプ式の冷凍サイクル装置においては、特に除湿暖房時の成績係数を向上するために室外熱交換器と蒸発器を並列に接続し、蒸発器が低外気温時でもフロストしないように、蒸発器下流に冷媒圧力制御弁を設置するものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
実公昭57−23747号公報 特開2012−225637号公報
しかしながら、電動圧縮機を用いる冷凍サイクル装置に冷媒圧力制御弁を設ける場合、従来のように冷媒圧力制御弁のベローズの有効受圧面積を弁体の有効受圧面積と等しいかそれよりも大きく設計すると、冷房負荷の増加に伴って(すなわち、冷媒流量の増加に伴って)冷媒圧力制御弁の開度は全開に近づくが、一方で、蒸発器の出口側の冷媒圧力も上昇するため吹き出し温度が予定通りに下げられない、すなわち冷房能力が不足するという問題が発生する。
本発明は上記点に鑑みて、冷房負荷が高いときの冷房能力不足を回避可能にすることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、内部に冷媒通路(53)が形成されたケース(51、52)と、ケースに設けられ、蒸発器(20)から冷媒を導入する冷媒導入口(511)と、ケースに設けられ、圧縮機(11)へ冷媒を導出する冷媒導出口(521)と、冷媒導入口側の冷媒圧力により冷媒通路を開く向きに付勢されるとともに、冷媒導出口側の冷媒圧力により冷媒通路を閉じる向きに付勢される弁体(54)と、冷媒導出口側の冷媒圧力により弁体を開弁向きに付勢するベローズ(56)とを備え、弁体の有効受圧面積がベローズの有効受圧面積よりも大きいことを特徴とする。
これによると、弁体の有効受圧面積をベローズの有効受圧面積よりも大きくしたことにより、蒸発器の出口側の冷媒圧力を、冷媒流量に関わらず略一定にするか、或いは冷媒流量の増加にともなって低下させることができる。したがって、冷房負荷が高いときの冷房能力不足を回避することができる。
ところで、電動圧縮機を用いる冷凍サイクル装置においては、走行条件と無関係に圧縮機の回転速度で能力制御が可能となったので、急加速などによる蒸発器のフロストのリスクは殆どなく、したがって、そのリスクを回避するために冷媒圧力制御弁のベローズの有効受圧面積を弁体の有効受圧面積と同等以上にするといった設計は不要である。
よって、請求項2に記載の発明のように、電動圧縮機を用いる冷凍サイクル装置に、請求項1に記載の冷媒圧力制御弁を採用することにより、蒸発器のフロストを回避しつつ、冷房負荷が高いときの冷房能力不足を回避することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態に係る冷凍サイクル装置を採用した車両用空調装置の概略構成図である。 図1の冷媒圧力制御弁の断面図である。 図2の冷媒圧力制御弁における要部の拡大断面図である。 図2の冷媒圧力制御弁の特性図である。
本発明の一実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態では、本発明の冷凍サイクル装置10を、内燃機関および走行用電動機から車両走行用の駆動力を得るハイブリッド車両の車両用空調装置1に適用している。この冷凍サイクル装置10は、車両用空調装置1において、空調対象空間である車室内へ送風される車室内送風空気を冷却あるいは加熱する機能を果たす。
このため、冷凍サイクル装置10は、車室内を冷房する冷房モード(冷房運転)の冷媒流路、車室内を除湿しながら暖房する除湿暖房モード(除湿運転)の冷媒流路、車室内を暖房する暖房モード(暖房運転)の冷媒流路を切替可能に構成されている。
圧縮機11は、エンジンルーム(図示略)内に配置されて、冷凍サイクル装置10において冷媒を吸入し、圧縮して吐出するもので、吐出容量が固定された固定容量型の圧縮機構11aを電動機11bにて駆動する電動圧縮機である。圧縮機構11aとしては、具体的には、スクロール型圧縮機構、ベーン型圧縮機構等の各種圧縮機構を採用することができる。
電動機11bは、制御装置(図示略)から出力される制御信号によって、その作動(回転数)が制御されるもので、交流モータ、直流モータのいずれの形式を採用してもよい。そして、この回転数制御によって、圧縮機構11aの冷媒吐出能力が変更される。
圧縮機11の吐出口側には、室内凝縮器12の入口側が接続されている。放熱器としての室内凝縮器12は、後述する室内空調ユニット30のケーシング31内に配置されて、圧縮機11から吐出された吐出冷媒(高圧冷媒)を放熱させて、後述する蒸発器20を通過した車室内送風空気を加熱する。
室内凝縮器12の出口側には、室内凝縮器12から流出した冷媒を後述する室外熱交換器15へ導く第1冷媒通路13が接続されている。この第1冷媒通路13には、第1冷媒通路13の通路面積(絞り開度)を変更可能に構成された第1膨張弁14が配置されている。
より具体的には、この第1膨張弁14は、第1冷媒通路13の通路開度(絞り開度)を変更可能に構成された弁体と、この弁体の絞り開度を変化させるステッピングモータからなる電動アクチュエータとを有して構成される電気式の可変絞り機構である。
本実施形態の第1膨張弁14は、絞り開度を全開した際に第1冷媒通路13を全開する全開機能付きの可変絞り機構で構成されている。つまり、第1膨張弁14は、第1冷媒通路13を全開にすることで冷媒の減圧作用を発揮させないようにすることができる。また、第1膨張弁14は、制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
第1膨張弁14の出口側には、室外熱交換器15の入口側が接続されている。室外熱交換器15は、その内部を流通する冷媒と送風ファン(図示略)から送風された外気とを熱交換させるものである。この室外熱交換器15は、暖房モード時等には、冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させる蒸発器として機能し、冷房モード時等には、冷媒を放熱させる放熱器として機能する。
室外熱交換器15の出口側には、室外熱交換器15から流出した冷媒を後述するアキュムレータ21を介して圧縮機11の吸入側へ導く第2冷媒通路16、および室外熱交換器15から流出した冷媒を後述する蒸発器20およびアキュムレータ21を介して圧縮機11の吸入側へ導く第3冷媒通路18が接続されている。
この第2冷媒通路16には、第1開閉弁17が配置されている。この第1開閉弁17は、第2冷媒通路16を開閉する電磁弁であり、制御装置から出力される制御信号により、その作動が制御される。
なお、第1開閉弁17が開いている場合、冷媒が第2冷媒通路16を通過する際に生ずる圧力損失は、冷媒が第3冷媒通路18を通過する際に生ずる圧力損失に対して小さい。その理由は、第3冷媒通路18には、後述する逆止弁24および第2膨張弁19が配置されているからである。従って、室外熱交換器15から流出した冷媒は、第1開閉弁17が開いている場合には、第2冷媒通路16側に流れ、第1開閉弁17が閉じている場合には、第3冷媒通路18側に流れる。
このように第1開閉弁17は、第2冷媒通路16を開閉することによって、サイクル構成(冷媒流路)を切り替える機能を果たす。
また、第3冷媒通路18には、第3冷媒通路18の通路面積(絞り開度)を変更可能に構成された第2膨張弁19が配置されている。より具体的には、この第2膨張弁19は、第3冷媒通路18の通路開度(絞り開度)を変更可能に構成された弁体と、この弁体の絞り開度を変化させるステッピングモータからなる電動アクチュエータとを有して構成される電気式の可変絞り機構である。
本実施形態の第2膨張弁19は、絞り開度を全開した際に第3冷媒通路18を全開する全開機能、および絞り開度を全閉した際に第3冷媒通路18を閉鎖する全閉機能付きの可変絞り機構で構成されている。つまり、第2膨張弁19は、冷媒の減圧作用を発揮させないようにすることができるようにすること、および第3冷媒通路18を開閉することができる。なお、第2膨張弁19は、制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
第2膨張弁19の出口側には、蒸発器20の入口側が接続されている。蒸発器20は、室内空調ユニット30のケーシング31内のうち、室内凝縮器12の車室内送風空気流れ上流側に配置され、冷房モード時および除湿暖房モード時等にその内部を流通する冷媒を、室内凝縮器12通過前の車室内送風空気と熱交換させて蒸発させ、吸熱作用を発揮させることにより車室内送風空気を冷却する。
蒸発器20の出口側には、アキュムレータ21の入口側が接続されている。アキュムレータ21は、その内部に流入した冷媒の気液を分離して、サイクル内の余剰冷媒を蓄える気液分離器である。アキュムレータ21の気相冷媒出口には、圧縮機11の吸入口側が接続されている。従って、アキュムレータ21は、圧縮機11に液相冷媒が吸入されることを抑制し、圧縮機11における液圧縮を防止する機能を果たす。
また、第1冷媒通路13における室内凝縮器12の出口側から第1膨張弁14の入口側へ至る範囲の冷媒を、第3冷媒通路18における室外熱交換器15の出口側から第2膨張弁19の入口側へ至る範囲へ導くバイパス通路22が設けられている。換言すると、このバイパス通路22は、室内凝縮器12から流出した冷媒を、第1膨張弁14および室外熱交換器15を迂回させて第2膨張弁19の入口側へ導く冷媒通路である。
このバイパス通路22には、第2開閉弁23が配置されている。この第2開閉弁23は、バイパス通路22を開閉する電磁弁であり、制御装置から出力される制御信号により、その作動が制御される。なお、第2開閉弁23は、バイパス通路22を開閉することによって、サイクル構成(冷媒流路)を切り替える機能を果たす。
また、第3冷媒通路18における室外熱交換器15の出口側とバイパス通路22および第3冷媒通路18の合流部との間に、逆止弁(逆流防止手段)24が配されている。この逆止弁24は、室外熱交換器15の出口側から第2膨張弁19の入口側への冷媒の流れを許容し、第2膨張弁19の入口側から室外熱交換器15の出口側への冷媒の流れを禁止するもので、この逆止弁24によってバイパス通路22から第3冷媒通路18に合流した冷媒が室外熱交換器15側へ流れることを防止することができる。
さらに、第3冷媒通路18における蒸発器20の出口側に、蒸発器20の出口側の冷媒圧力を所定圧以上に制御する冷媒圧力制御弁50が配置されている。
図2、図3に示すように、この冷媒圧力制御弁50は、筒状の第1ケース51と筒状の第2ケース52とを備え、第1ケース51と第2ケース52とによって略円柱状の空間であるケース内冷媒通路53が内部に形成されている。なお、第1ケース51と第2ケース52は、本発明のケースを構成している。
第1ケース51には、蒸発器20から流出した冷媒をケース内冷媒通路53に導入する冷媒導入口511、後述する弁体54が摺動自在に挿入されるガイド孔512、および後述する弁体鍔部542が接離するシート面513が形成されている。なお、ガイド孔512は、ケース内冷媒通路53の一部をなしている。
第2ケース52には、ケース内冷媒通路53を通過した冷媒を、アキュムレータ21を介して圧縮機11へ導出する冷媒導出口521が形成されている。
弁体54は、有底円筒状の部材であり、円筒部に貫通孔形状の弁体通路孔541が形成され、底部側外周面に径外方向に突出する弁体鍔部542が形成され、弁体鍔部542の一端側端面に、L字状の弁体鉤部543が2つ形成され、さらに、底部にオイル戻し用のオイル通路孔544が形成されている。
そして、弁体54は、円筒部がガイド孔512に摺動自在に挿入され、弁体54の位置により弁体通路孔541の開度が変化する(すなわち、ケース内冷媒通路53が開閉される)ようになっている。
また、弁体54は、冷媒導入口511側の冷媒圧力(すなわち、蒸発器20の出口側の冷媒圧力)により、弁体通路孔541の開度が増加する向きに付勢されるとともに、冷媒導出口521側の冷媒圧力(すなわち、アキュムレータ21の入口側の冷媒圧力)により弁体通路孔541の開度が減少する向きに付勢される。
ケース内冷媒通路53には、保持板55が配置されている。この保持板55は、ケース内冷媒通路53の軸方向に対して垂直な方向に延びる3本の脚部を有するY字状の部材であり、その3本の脚部の最外周側が第1ケース51と第2ケース52に挟持されている。また、3本の脚部間が、冷媒を流通させる連通路になっている。
ケース内冷媒通路53には、ベローズ56が配置されている。このベローズ56は、ケース内冷媒通路53の軸方向に伸縮自在に形成された中空の筒状部材である。そして、ベローズ56は、ベローズ56のばね力により、弁体鍔部542がシート面513に当接する向きに(すなわち、閉弁向きに)弁体54を付勢する。
ベローズ56の軸方向一端側には、雄ねじ部561が形成されている。そして、この雄ねじ部561を保持板55に螺合させ、雄ねじ部561に螺合されたナット57を締め付けて、ベローズ56を保持板55に固定している。この際、ベローズ56のばね力と後述するスプリング58のばね力の合計初期荷重が所定値になるように、ベローズ56と保持板55の相対位置を調整する。
ベローズ56の軸方向他端側には、円板状のベローズ板部562が設けられている。このベローズ板部562を弁体鉤部543に係合させることにより、ベローズ56と弁体54が連結されている。
そして、ベローズ56には、冷媒導出口521側の冷媒圧力によりベローズ56の軸方向に収縮する向きの力が作用する。その冷媒導出口521側の冷媒圧力に基づく力により、ベローズ56は、弁体鍔部542がシート面513から離れる向きに(すなわち、開弁向きに)弁体54を付勢する。
ここで、弁体54の有効受圧部径Dvは、ベローズ56の有効受圧部径Dbよりも大きく設定されている。したがって、弁体54の有効受圧面積は、ベローズ56の有効受圧面積よりも大きく設定されている。
ベローズ56の内部空間には、スプリング58が配置されている。このスプリング58は、弁体鍔部542がシート面513に当接する向きに(すなわち、閉弁向きに)弁体54を付勢する。
ベローズ56の内部空間には、ガイド部材59、ステム60、およびプレート61が配置されている。筒状のガイド部材59にステム60が摺動自在に挿入され、ステム60におけるガイド部材59から突出した側の端部に、プレート61が接合されている。
ガイド部材59は、スプリング58により、ベローズ56における軸方向一端側の内部端面に押し付けられている。プレート61は、スプリング58により、ベローズ56における軸方向他端側の内部端面に押し付けられている。
そして、ガイド部材59、ステム60、およびプレート61は、ベローズ56がその軸方向に対して平行に伸縮するように、ベローズ56の伸縮の動きをガイドする。
次に、室内空調ユニット30について説明する。室内空調ユニット30は、車室内最前部の計器盤(インストルメントパネル)の内側に配置されて、その外殻を形成するケーシング31内に送風機32、上述の室内凝縮器12、および蒸発器20、ヒータコア34等を収容したものである。
ケーシング31は、車室内送風空気の空気通路を形成しており、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(例えば、ポリプロピレン)にて成形されている。ケーシング31内の送風空気流れ最上流側には、車室内空気(内気)と外気とを切替導入する内外気切替装置33が配置されている。
内外気切替装置33には、ケーシング31内に内気を導入させる内気導入口および外気を導入させる外気導入口が形成されている。さらに、内外気切替装置33の内部には、内気導入口および外気導入口の開口面積を連続的に調整して、内気の風量と外気の風量との風量割合を変化させる内外気切替ドアが配置されている。
内外気切替装置33の空気流れ下流側には、内外気切替装置33を介して導入された空気を車室内に向けて送風する送風機32が配置されている。この送風機32は、遠心多翼ファン(シロッコファン)32aを電動機32bにて駆動する電動送風機であって、制御装置から出力される制御信号(制御電圧)によって回転数(送風量)が制御される。
送風機32の空気流れ下流側には、蒸発器20、ヒータコア34、および室内凝縮器12が、車室内送風空気の流れに対して、この順に配置されている。換言すると、蒸発器20は、室内凝縮器12およびヒータコア34に対して、車室内送風空気の流れ方向上流側に配置されている。
ここで、ヒータコア34は、車両走行用の駆動力を出力する内燃機関の冷却水と車室内送風空気とを熱交換させる加熱用熱交換器である。なお、本実施形態のヒータコア34は、室内凝縮器12に対して車室内送風空気の流れ方向上流側に配置されている。また、ケーシング31内には、蒸発器20を通過した空気を室内凝縮器12およびヒータコア34を迂回させて流す冷風バイパス通路35が形成されている。
蒸発器20の空気流れ下流側であって、かつ、室内凝縮器12およびヒータコア34の空気流れ上流側には、蒸発器20通過後の空気のうち、室内凝縮器12およびヒータコア34を通過させる空気と冷風バイパス通路35を通過させる空気との風量割合を調整するエアミックスドア36が配置されている。また、室内凝縮器12の空気流れ下流側および冷風バイパス通路35の空気流れ下流側には、室内凝縮器12を通過した空気と 冷風バイパス通路35を通過した空気とを混合させる混合空間が設けられている。
さらに、ケーシング31の送風空気流れ最下流側には、混合空間にて混合された空調風を、空調対象空間である車室内へ吹き出す吹出口(図示略)が配置されている。具体的には、吹出口としては、車室内の乗員の上半身へ空調風を吹き出すフェイス吹出口、乗員の足元へ空調風を吹き出すフット吹出口、および車両前面窓ガラス内側面へ空調風を吹き出すデフロスタ吹出口が設けられている。
従って、エアミックスドア36が室内凝縮器12を通過させる空気と冷風バイパス通路35を通過させる空気との風量割合を調整することで、混合空間にて混合された空調風の温度が調整され、各吹出口から吹き出される空調風の温度が調整される。なお、エアミックスドア36は、制御装置から出力される制御信号によって作動するサーボモータ(図示略)によって駆動される。
さらに、フェイス吹出口、フット吹出口、およびデフロスタ吹出口の送風空気流れ上流側には、フェイス吹出口の開口面積を調整するフェイスドア(図示略)、フット吹出口の開口面積を調整するフットドア(図示略)、およびデフロスタ吹出口の開口面積を調整するデフロスタドア(図示略)が配置されている。
これらのフェイスドア、フットドア、およびデフロスタドアは、吹出口モードを切り替える吹出口モード切替手段を構成するものであって、リンク機構等を介して、制御装置から出力される制御信号によってその作動が制御されるサーボモータ(図示略)によって駆動される。
上記構成の車両用空調装置1では、前述の如く、車室内を冷房する冷房運転、車室内を暖房する暖房運転、車室内を除湿しながら暖房する除湿暖房運転に切り替えることができる。なお、各運転モード毎の具体的な作動や制御については、特開2012−225637号公報に記載された通りであり、ここではその説明を省略する。
以下、冷房運転および除湿暖房運転時の、冷媒圧力制御弁50の作動について説明する。
冷房運転および除湿暖房運転時には、蒸発器20の内部を流通する冷媒を車室内送風空気と熱交換させて蒸発させ、吸熱作用を発揮させることにより車室内送風空気を冷却する。
そして、蒸発器20を通過した冷媒は冷媒圧力制御弁50に導入され、冷媒圧力制御弁50により蒸発器20の出口側の冷媒圧力が制御される。
具体的には、冷媒圧力制御弁50の弁体54は、冷媒導入口511側の冷媒圧力により、弁体通路孔541の開度が増加する向きに付勢される。また、ベローズ56に作用する冷媒導出口521側の冷媒圧力に基づく力により、弁体54は弁体通路孔541の開度が増加する向きに付勢される。さらに、弁体54は、冷媒導出口521側の冷媒圧力、ベローズ56のばね力、およびスプリング58のばね力により、弁体通路孔541の開度が減少する向きに付勢される。
すなわち、冷媒圧力制御弁50の力の釣り合いは、式1のように表される。
P1×A1+P2×A2−K×L−P2×A1=F0…(式1)
なお、P1は1次圧(すなわち、冷媒導入口511側の冷媒圧力。換言すると、蒸発器20の出口側の冷媒圧力)、P2は2次圧(すなわち、冷媒導出口521側の冷媒圧力。換言すると、アキュムレータ21の入口側の冷媒圧力)である。
また、A1は弁体54の有効受圧面積、A2はベローズ56の有効受圧面積、Kはベローズ56とスプリング58の合計ばね定数、Lは弁体54のリフト量、F0はベローズ56のばね力とスプリング58のばね力の合計初期荷重である。
ここで、弁体有効受圧面積A1とベローズ有効受圧面積A2を等しく設計すると、P1×A1=K×L+F0となって、弁の釣り合いは2次圧P2とは無関係となり、リフト量L(すなわち、蒸発器20を通過する冷媒の流量)の増加に伴って1次圧P1は上昇する(図4の実線)。
一方、本実施形態の冷媒圧力制御弁50のように、A2<A1とした場合の制御圧特性は、図4に破線で示すように、弁体有効受圧面積A1とベローズ有効受圧面積A2の面積比(A1/A2)に応じて変化し、その面積比が大きい程、リフト量Lが大(すなわち、冷媒流量大)のときの1次圧P1を低く抑え込むことができる。
因みに、1設計例では、A1=1.02×A2 で設計すると、制御圧特性がほぼフラットになり、蒸発器20のフロスト限界ギリギリまで1次圧P1を下げて冷房能力不足を回避することができる。
また、A1=1.05×A2で設計すると、リフト量Lの増加に伴って1次圧P1は低下し、したがって、冷房負荷が高い冷媒流量大のときには蒸発器20のフロスト限界ギリギリまで1次圧P1を下げて冷房能力不足を回避し、逆に冷房能力に余裕のある冷媒流量小のときには1次圧P1を高めに制御して省電力化を図ることができる。
以上説明したように、本実施形態の冷凍サイクル装置10では、弁体有効受圧面積A1をベローズ有効受圧面積A2よりも大きくした冷媒圧力制御弁50を用いることにより、蒸発器20の出口側の冷媒圧力を、冷媒流量に関わらず略一定にするか、或いは冷媒流量の増加にともなって低下させることができため、冷房負荷が高いときの冷房能力不足を回避することができる。
また、前述したように、電動圧縮機を用いる冷凍サイクル装置においては急加速などによる蒸発器のフロストのリスクは殆どない。弁体有効受圧面積A1をベローズ有効受圧面積A2よりも大きくした冷媒圧力制御弁50は、本実施形態のように電動圧縮機11を用いる冷凍サイクル装置10に好適である。
なお、上記実施形態では、弁体有効受圧面積A1とベローズ有効受圧面積A2の相対関係で述べてきたが、当然ながらベローズ有効受圧面積A2を変えずに弁体有効受圧面積A1を大きくしても、逆に弁体有効受圧面積A1を変えずにベローズ有効受圧面積A2を小さくしても、同じ効果が得られる。特に、ベローズ有効受圧面積A2を小さくすることが出来れば、ベローズ56の外周の冷媒通路面積を広げられるので、圧力損失の低減効果も得られる。
(他の実施形態)
上記実施形態では、ヒータコア34を備える冷凍サイクル装置10に本発明の冷媒圧力制御弁50を適用したが、本発明の冷媒圧力制御弁50はヒータコア34を備えていない冷凍サイクル装置10にも適用することができる。
また、上記実施形態では、冷媒流路を切替可能な冷凍サイクル装置10に本発明の冷媒圧力制御弁50を適用したが、本発明の冷媒圧力制御弁50は冷媒流路を切替ない冷凍サイクル装置10にも適用することができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
また、上記実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
また、上記実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。
また、上記実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
11 圧縮機
20 蒸発器
51 第1ケース(ケース)
52 第2ケース(ケース)
53 ケース内冷媒通路(冷媒通路)
54 弁体
56 ベローズ
511 冷媒導入口
521 冷媒導出口

Claims (3)

  1. 内部に冷媒通路(53)が形成されたケース(51、52)と、
    前記ケースに設けられ、蒸発器(20)から冷媒を導入する冷媒導入口(511)と、
    前記ケースに設けられ、圧縮機(11)へ冷媒を導出する冷媒導出口(521)と、
    前記冷媒導入口側の冷媒圧力により前記冷媒通路を開く向きに付勢されるとともに、前記冷媒導出口側の冷媒圧力により前記冷媒通路を閉じる向きに付勢される弁体(54)と、
    前記冷媒導出口側の冷媒圧力により前記弁体を開弁向きに付勢するベローズ(56)とを備え、
    前記弁体の有効受圧面積が前記ベローズの有効受圧面積よりも大きいことを特徴とする冷媒圧力制御弁。
  2. 電動機(11b)により駆動されて冷媒を圧縮し吐出する圧縮機(11)と、
    前記圧縮機から吐出された吐出冷媒を室内に送風する送風空気と熱交換させて前記送風空気を冷却する蒸発器(20)と、
    請求項1に記載の冷媒圧力制御弁(50)とを備えることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  3. 前記圧縮機から吐出された吐出冷媒を前記送風空気と熱交換させて前記送風空気を加熱する放熱器(12)と、
    前記放熱器から流出した冷媒と外気とを熱交換させる室外熱交換器(15)とを備えることを特徴とする請求項2に記載の冷凍サイクル装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017115762A (ja) * 2015-12-25 2017-06-29 サンデンホールディングス株式会社 スクロール型圧縮機

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