JP2015017124A - 担体としてオリゴヌクレオチド修飾されたナノ粒子を使用する治療薬の送達 - Google Patents

担体としてオリゴヌクレオチド修飾されたナノ粒子を使用する治療薬の送達 Download PDF

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Abstract

【課題】担体としてオリゴヌクレオチド修飾されたナノ粒子を使用する治療薬の送達の提供。【解決手段】オリゴヌクレオチド修飾されたナノ粒子および治療薬を含む、薬物送達組成物を開示する。具体的には、治療薬分子の細胞内への十分な輸送を可能にするように、治療薬分子に対しての比率で、いくつかのオリゴヌクレオチド分子を含む組成物を開示する。本治療薬には、疎水性および親水性の双方が含まれる。組成物中の治療薬の異なる結合についても記載する。【選択図】なし

Description

関連出願への相互参照
本出願は、2009年9月1日に出願された米国仮出願第61/238,930号、および2010年3月5日に出願された米国仮出願第61/314,114号の、35 U.S.C. § 119(e)の下の優先権の利益を主張し、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
政府権益に関する記述
本発明は、National Institutes of Health(国立衛生研究所)(NIH)/National Cancer Institute(国立癌研究所)/Centers of Cancer Nanotechnology Excellence(癌ナノテクノロジーエクセレンスセンター)(NCI/CCNE)より与えられた助成金番号5U54 CA119341、NIH(NCI)より与えられた助成金番号CA034992、およびNational Institutes of Health(NIH)より与えられた助成金番号5DP1 OD000285の下、政府の援助を受けて行われた。政府は、本発明において特定の権利を有する。
本発明は、オリゴヌクレオチド修飾されたナノ粒子および治療薬を含む、治療薬送達組成物を対象とする。
水溶液中の治療薬の溶解度は、それらの作用部位への吸収および輸送にとって非常に重要であり、治療薬としてのそれらの有効性およびそれらの投薬量形成の設計における主な要因である。疎水性治療薬の溶媒和は、共溶媒により達成され、治療薬、エマルジョン、および界面活性剤とのコロイド溶液を形成する。しかしながら、各取り組みは関連する短所を有する。共溶媒の濃度は、例えば、その使用と関連する毒性の許容可能な程度内で使用されなければならず、それらは一般的にアルコール溶液に限定される。疎水性治療薬は、ナノメートルスケールのゾルとして水溶液中に分散させることができる。しかしながら、これらの分散は一般的に溶液中で非常に限定された保管寿命を有する。治療薬はエマルジョン中に分散させることができるが、送達のこの形態は広くは使われていない。最後に、治療薬の臨床的送達に界面活性剤のミセルが使用されるが、それらは多数の不利点を有する。例えば、送達は、治療薬がミセルから放出されることに左右される。さらに、界面活性剤のミセルは粘膜を刺激する場合があり、いくつかは溶血活性がある。
治療薬の細胞内の送達にとって有用であるオリゴヌクレオチドおよび治療薬を含むナノ粒子組成物が、本明細書に記載される。実施形態において、オリゴヌクレオチド修飾されたナノ粒子および治療薬を含む薬物送達組成物が提供され、本治療薬は、オリゴヌクレオチド修飾されたナノ粒子に結合される場合の治療薬の送達と比較して、オリゴヌクレオチド修飾されたナノ粒子への治療薬の結合の非存在において著しく低いレベルで送達可能であり、オリゴヌクレオチド修飾されたナノ粒子上の、オリゴヌクレオチドとナノ粒子に結合された治療薬との比率は細胞中への治療薬の輸送を可能にするために十分である。
種々の態様において、治療薬は低分子量の治療薬である。いくつかの実施形態において、治療薬は疎水性である。いくつかの態様において、治療薬は親水性である。
いくつかの態様において、組成物が検出可能なマーカーをさらに含むということを提供する。関連する態様において、検出可能なマーカーは蛍光色素分子である。
開示により企図されるさらなる実施形態において、オリゴヌクレオチドおよび治療薬は独立して直接ナノ粒子に結合する。種々の実施形態において、治療薬はナノ粒子に結合するオリゴヌクレオチドに結合する。
関連する態様において、治療薬は、ナノ粒子に結合するオリゴヌクレオチドへ共有結合される。他の態様において、治療薬は、ナノ粒子に結合するオリゴヌクレオチドへ非共有的に結合される。
本開示により企図される実施形態はまた、ナノ粒子の表面上のオリゴヌクレオチドと治療薬との比率は、少なくとも約1オリゴヌクレオチド分子対2治療薬分子であるものも含む。
本開示により提供される組成物はまた、さらに追加的治療薬を含むものも含む。いくつかの態様において、追加的治療薬はオリゴヌクレオチド修飾されたナノ粒子に結合する。他の態様において、追加的治療薬追加のオリゴヌクレオチド修飾されたナノ粒子に結合する。さらなる態様において、追加的治療薬は、オリゴヌクレオチド修飾されたナノ粒子に結合せず、細胞膜を自由に横断する。
また、哺乳動物へ治療上有効量の本開示の組成物を投与するステップを含む、疾患を治療する方法も提供される。
いくつかの実施形態において、本開示の組成物を含むキットが提供される。
例えば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
オリゴヌクレオチド修飾されたナノ粒子および治療薬を含む薬物送達組成物であって、前記治療薬は、前記オリゴヌクレオチド修飾されたナノ粒子に結合された時の前記治療薬の前記送達と比較して、前記オリゴヌクレオチド修飾されたナノ粒子への結合の非存在下において、著しく低いレベルで送達可能であり、前記組成物は、前記治療薬の細胞内への輸送を可能にするのに十分な比率で、治療薬分子と比較していくつかのオリゴヌクレオチド分子を有する、組成物。
(項目2)
前記治療薬は、低分子量治療薬である、項目1に記載の組成物。
(項目3)
前記治療薬は疎水性である、項目1または項目2に記載の組成物。
(項目4)
前記治療薬は親水性である、項目1〜3のいずれかに記載の組成物。
(項目5)
検出可能なマーカーをさらに含む、項目1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
(項目6)
前記治療薬は、表2から選択される薬剤である、項目1〜5のいずれかに記載の組成物。
(項目7)
前記オリゴヌクレオチドおよび前記治療薬は独立して、前記ナノ粒子に直接結合される、項目1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
(項目8)
前記治療薬は、前記ナノ粒子に結合された前記オリゴヌクレオチドに結合される、項目1〜6のいずれかに記載の組成物。
(項目9)
前記治療薬は、前記ナノ粒子に結合された前記オリゴヌクレオチドに共有結合される、項目8に記載の組成物。
(項目10)
前記治療薬は、前記ナノ粒子に結合された前記オリゴヌクレオチドに非共有的に結合される、項目8に記載の組成物。
(項目11)
前記比率は、オリゴヌクレオチドと治療薬との数の比較である、項目1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
(項目12)
前記ナノ粒子の表面上の前記オリゴヌクレオチドと前記治療薬との前記比率は、少なくとも約1個のオリゴヌクレオチド分子:2個の治療薬分子である、項目11に記載の組成物。
(項目13)
追加的治療薬をさらに含む、項目1〜12のいずれか1項に記載の組成物。
(項目14)
前記追加的治療薬は、前記オリゴヌクレオチド修飾されたナノ粒子に結合される、項目1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
(項目15)
前記追加的治療薬は、第2のオリゴヌクレオチド修飾されたナノ粒子に結合される、項目1〜14のいずれか1項に記載の組成物。
(項目16)
前記追加的治療薬は、前記オリゴヌクレオチド修飾されたナノ粒子に結合されず、細胞膜を自由に横断する、項目1〜15のいずれか1項に記載の組成物。
(項目17)
項目1〜16のいずれかに記載の治療上有効量の前記組成物を、哺乳動物に投与するステップを含む、疾患を治療する方法。
(項目18)
項目1〜16のいずれかに記載の前記組成物を含む、キット。
PEG−Cy5−DNAナノ抱合体(左)およびPEG−Cy5抱合体(右)の細胞取り込みを描写する。 (A)PBS緩衝液における、PTX−DNA−金ナノ粒子(AuNP)、DNA−AuNP、およびパクリタキセルの流体力学的サイズ(n=3)を描写する。粒子または化合物は、動的光散乱(DLS)測定のために25nMの当量のパクリタキセル濃度でPBS緩衝液中に懸濁された。(B)PTX−DNA@AuNPのTEM画像。スケールバーは20nmである。 MCF7、SKOV−3、およびMES−SA/Dx5細胞を用いた、同じパクリタキセル用量での、PTX−DNA−AuNP(黒丸)、パクリタキセル(赤四角)、および化合物1(青丸)の細胞毒性プロファイル(n=6)を描写し、それぞれ上部、中間、および下部パネルに存在する。 MCF7(左)およびMES−SA/Dx5(右)細胞内の48時間のインキュベーション後の、0.064、0.32、1.6、8、40、200、1000nMの同等のオリゴヌクレオチド濃度を含有するDNA−AuNPのMTTアッセイ(n=6)を描写する。
オリゴヌクレオチド機能化ナノ粒子(ON−NP)は、オリゴヌクレオチドの殻で機能化されるナノ粒子(NP)核から成る抱合の独特のクラスである。それらは、有害な形質移入試薬の添加を必要とすることなく細胞膜を容易に横断することができる。重要なことは、これらの構造は、単に核酸送達のビヒクルとして機能するのではなく、それらの多価表面に起因する協同的性質を呈する。
本開示は、治療薬の改善された送達に対するナノ粒子に基づく担体を提供する。企図される治療薬は、オリゴヌクレオチド機能化ナノ粒子と結合されていない場合と比較して、オリゴヌクレオチド機能化ナノ粒子と結合される場合により効果的に細胞膜を横断することができるものである。当該分野においてすでに開示されているオリゴヌクレオチドおよび治療薬で機能化されるナノ粒子は、本開示の範囲から明示的に除外される。
ON−NPの驚くべき性質は、多種多様な細胞型へ侵入するためのそれらの能力である。ON−NPを細胞培養媒体へ直接加えることができ、その後高い数の細胞により取り込まれるということが、今日までに調べられた全ての細胞型において示された(表1、以下)。誘誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP−MS)を使用して取り込む定量化は、内部粒子の数が細胞型の機能、濃度、およびインキュベーション時間として変化する一方で、ON−NPの細胞の内部化がこれらの物質の一般的な性質であることを示す。およそ18pmol・cm−2を越えるオリゴヌクレオチド表面負荷で、細胞の取り込みが細胞につき100万ON−NPを超えることができる。細胞の取り込みのためのオリゴヌクレオチドの多価配置の重要性は、ON−NPをNPの他の型と比較する場合さらに強調することができる。例えば、ヒーラ細胞は、ほとんど同一の条件下で100万を超えるON−NPを比較すると、ほんの数千のコーティングされた金粒子でコーティングされたクエン酸を内在化する。薬物送達用途の構成において、ON−NPの高い取り込み性質および高い細胞内の濃度は極めて有用である。ON−NPの異常な取り込みは、ON−NPとの会合の非存在において減少されたレベルで治療薬を取り込む細胞内部に治療薬を濃縮する方法へそれ自身を導く。ON−NPの途方もなく高い取り込みにもかかわらず、それらはこれまでは試験された細胞型においてなにも有害でないことを呈す(表1、以下参照)。この性質はオフターゲット効果を減少するための治療薬送達用途に対し極めて重要である。
NP表面は、例えば、オリゴヌクレオチド、タンパク質、ペプチド、抗体、抗体断片、および小分子の結合のための足場の役目を務めることができるが、これらに限定されない。細胞培養において試験される場合、得られた抱合体は、ON−NPの場合は細胞質とは対照的に核周囲の領域において内在的および局在的である。それらの局在性に起因して、これらの粒子は遺伝子の発現抑制能が増強された(標的タンパク質発現において>75%低下させる)。この発達は、NPを得られる抱合の特性を変化するための多くの部分とともに修飾することができる際、薬物送達用途に対して有用である。例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステルとともにNP表面上でオリゴヌクレオチドを断つことにより、抗体および他のタンパク質を粒子に共有結合的に固定化することができるが、これに限定されない。これらの生体分子は、in vitroおよびin vivoにおいてナノ粒子を標的にするためにしばしば活用され、NP塩基の薬物送達システムにおいて有用な成分である。
本明細書および付属の特許請求の範囲に使用される、単数形「a」、「an」、および「the」は、別途明確に記載のない限り、複数形の参照を含むことを、ここに記載しておく。
「結合される」、「抱合される」、および「機能化される」という用語も、本明細書において互換的に使用され、オリゴヌクレオチドおよび治療薬のナノ粒子との会合を指すことをさらに記載しておく。
また、本明細書に使用される「約」は、およそを意味することが理解されることも記載しておく。
「ハイブリッド形成」とは、ワトソン−クリックDNA相補性、フーグスティーン結合、または当該分野に公知の他の配列特異的結合の規則に従う水素結合により、核酸の二本鎖間または三本鎖間の相互作用を意味する。ハイブリッド形成は、当該分野に公知の異なる厳密性条件下で実施することができる。
治療薬
本明細書に使用される「治療薬」、「薬物」、または「活性薬剤」は、治療または診断目的に有用なあらゆる化合物を意味する。本明細書に使用される用語は、本開示のナノ粒子の非存在下で投与される場合よりも、本開示のナノ粒子と結合している場合、より効率的に細胞膜を横断することができる、疾患の治療のために患者に投与されるあらゆる化合物を意味することが理解される。本発明の一部として企図される治療薬は、本明細書において定義されたオリゴヌクレオチドを明示的に除外する。さらに、本明細書に開示されたオリゴヌクレオチドが遺伝子免疫の活性を保有する場合があることが理解されるであろう一方で、この活動は本開示の態様に解釈されない。
治療薬は、親水性および疎水性の化合物を含むが、これらに限定されない。したがって、本開示によって企図される治療薬は薬物様分子、タンパク質、ペプチド、抗体、抗体断片、アプタマー、および小分子を含むが、これらに限定されない。
タンパク質治療薬は、それらの断片および派生物と同様に、ペプチド、酵素、構造タンパク質、受容体、および他の細胞または血中のタンパク質を含むがこれらに限定されず、それらの異常な発現は1つ以上の疾患を引き起こす。さらに治療薬は、一具体的な実施形態として化学療法薬を含む。さらに種々の実施形態において、治療薬は放射性物質を含む。
種々の態様において、タンパク質治療薬は、IL−1アルファ、IL−1ベータ、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−11、コロニー刺激因子−1(CSF−1)、M−CSF、SCF、GM−CSF、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、EPO、インターフェロン−アルファ(IFN−アルファ)、コンセンサスインターフェロン、IFN−ベータ、IFN−ガンマ、IL−7、IL−8、IL−9、lL−10、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、トロンボポエチン(TPO)、アンギポイエチン、例えば、Ang−1、Ang−2、Ang−4、Ang−Y、ヒトアンギオポイエチン様ポリペプチド、血管内皮増殖因子(VEGF)、アンギオジェニン、骨形態形成タンパク質−1、骨形態形成タンパク質−2、骨形態形成タンパク質−3、骨形態形成タンパク質−4、骨形態形成タンパク質−5、骨形態形成タンパク質−6、骨形態形成タンパク質−7、骨形態形成タンパク質−8、骨形態形成タンパク質−9、骨形態形成タンパク質−10、骨形態形成タンパク質−11、骨形態形成タンパク質−12、骨形態形成タンパク質−13、骨形態形成タンパク質−14、骨形態形成タンパク質−15、骨形態形成タンパク質受容体IA、骨形態形成タンパク質受容体IB、脳由来神経栄養因子、毛様体神経栄養因子、毛様体神経栄養因子受容体、サイトカイン誘導性好中球走化性因子1、サイトカイン誘導性好中球、走化性因子2α、サイトカイン誘導性好中球走化性因子2β、β内皮細胞成長因子、エンドセリン1、上皮細胞成長因子、上皮由来好中球誘引物質、線維芽細胞成長因子4、線維芽細胞成長因子5、線維芽細胞成長因子6、線維芽細胞成長因子7、線維芽細胞成長因子8、線維芽細胞成長因子8b、線維芽細胞成長因子8c、線維芽細胞成長因子9、線維芽細胞成長因子10、線維芽細胞成長因子(酸性)、線維芽細胞成長因子(塩基性)、グリア細胞株由来神経栄養因子受容体α1、グリア細胞株由来神経栄養因子受容体α2、成長関連タンパク質、成長関連タンパク質α、成長関連タンパク質β、成長関連タンパク質γ、ヘパリン結合上皮細胞成長因子、肝細胞成長因子、肝細胞成長因子受容体、インスリン様増殖因子I、インスリン様増殖因子受容体、インスリン様増殖因子II、インスリン様増殖因子結合タンパク質、ケラチノサイト成長因子、白血病抑制因子、白血病抑制因子受容体α、神経成長因子神経成長因子受容体、ニューロトロフィン−3、ニューロトロフィン−4、胎盤成長因子、胎盤成長因子2、血小板由来内皮細胞成長因子、血小板由来増殖因子、血小板由来増殖因子A鎖、血小板由来増殖因子AA、血小板由来増殖因子AB、血小板由来増殖因子B鎖、血小板由来増殖因子BB、血小板由来増殖因子受容体α、血小板由来増殖因子受容体β、プレB細胞成長刺激因子、幹細胞因子受容体、TNF0、TNF1、TNF2を含むTNF、形質転換成長因子α、形質転換成長因子β、形質転換成長因子β1、形質転換成長因子β1.2、形質転換成長因子β2、形質転換成長因子β3、形質転換成長因子β5、潜在的な形質転換成長因子β1、形質転換成長因子β結合タンパク質I、形質転換成長因子β結合タンパク質II、形質転換成長因子β結合タンパク質III、腫瘍壊死因子受容体I型、腫瘍壊死因子受容体II型、ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子受容体、血管内皮増殖因子、およびキメラタンパク質、ならびに生物学的にまたは免疫学的に活性なそれらの断片を含むサイトカインまたは造血因子を含むが、これらに限定されない。
本明細書に使用される「小分子」という用語は、化学化合物、例えば、任意に誘導体化されるペプチド模倣、またはその他の低分子量の有機化合物を指し、天然もしくは合成のどちらか一方である。このような小分子は、治療的に送達可能な物質になる場合があり、または誘導体化され送達を促進する場合もある。
「低分子量」とは、1000ダルトン未満の分子量を有する化合物を意味し、一般的に300ダルトンと700ダルトンの間である。種々の態様において、低分子量化合物は、約100ダルトン、約150ダルトン、約200ダルトン、約250ダルトン、約300ダルトン、約350ダルトン、約400ダルトン、約450ダルトン、約500ダルトン、約550ダルトン、約600ダルトン、約650ダルトン、約700ダルトン、約750ダルトン、約800ダルトン、約850ダルトン、約900ダルトン、約1000ダルトン以上である。
「薬物様分子」という用語は、当業者に周知であり、それにより医療分野での使用が適切となる特徴を有する化合物の意味を含み、例えば、薬剤における活性薬剤があるがこれに限定されない。したがって、例えば、薬物様分子は、有機化学の技術、または分子生物学もしくは生化学の技術によって合成される分子であり、いくつかの態様においては、本明細書において定義された小分子であるがこれに限定されない。種々の態様において、薬物様分子は、さらに特定のタンパク質またはタンパク質で選択的な相互作用の特性を呈し、単独または本開示の組成物もしくは方法との組み合わせのどちらか一方で、生物学的に利用可能および/または細胞膜に浸透することが可能である。
本開示に記載されるように、治療薬は、いくつかの態様において、小分子(すなわち、一般的に300と700ダルトンの間である1000ダルトン未満の分子量を有する化合物)を含む。
本明細書に使用される「疎水性」は、本開示において企図される活性薬剤用の水溶液中の溶解度が、「控えめに」(1部の溶質、または活性薬剤を溶解するために30から100部の溶媒)、「わずかに」(1部の溶質を溶解するために100から1000部の溶媒)、「極めてわずかに」(1部の溶質を溶解するために1000から10,000部の溶媒)水溶性であるか、または「実質的に不溶性」(1部の溶質を溶解するために10,000部を超える溶媒)であることを意味することが理解される[例えば、The United States Pharmacopeia(USP 24/NF 19),United States Pharmacopeial Convention,Inc.,2000を参照されたく、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる]。本開示はまた、前述のものより高いが、所望の投薬量で、所望の比率および所望のプロファイルにおいて、可溶化状態の用量単位から薬物を送達するために、可溶化剤の支援が必要であるか、またそれから恩恵を受けるであろう溶解度の薬物も企図する。一般的に、このような薬物は、高い溶解度のためのモデレートを有する場合があるそれらを含むものことになるが、高い薬物負荷を求めるものでもある。本明細書に使用される「高い薬物負荷」は、用量ユニットがナノ粒子と会合される薬物の量である30%以上の薬物を用量ユニットが含有することを意味する。
種々の実施形態において、米国特許第7,667,004号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載された治療薬は、本明細書において開示される組成物および方法における使用が企図され、アルキル化剤、抗生物質製剤、代謝拮抗剤、ホルモン剤、植物由来剤、および生物剤を含むがこれらに限定されない。
アルキル化剤の例は、ビスクロロエチルアミン(ナイトロジェンマスタード、例えば、クロラムブシル、クロラムブシルアミド、イホスファミド、メクロレタミン、メルファラン、ウラシルマスタード)、アジリジン(例えば、チオテパ)、アルキルアルカンスルホン酸塩(例えばブスルファン)、ニトロソウレア(例えば、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン)、非古典型アルキル化剤(アルトレタミン、ダカルバジン、およびプロカルバジン)、白金化合物(例えば、カルボプラチン、およびシスプラチン)を含むが、これらに限定されない。
抗生物質製剤の例は、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、およびアントラセンジオン)、マイトマイシンC、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、プリカマイシンを含むが、これらに限定されない。
代謝拮抗剤の例は、フルオロウラシル(5−FU)、フロキシウリジン(5−FUdR)、メトトレキサート、ロイコボリン、ヒドロキシ尿素、硫黄グアニン(6−TG)、メルカプトプリン(6−MP)、シタラビン、ペントスタチン、フルダラビンリン酸塩、クラドリビン(2−CDA)、アスパラギナーゼ、メシル酸イマチニブ(またはGLEEVEC(登録商標))、およびゲムシタビンを含むが、これらに限定されない。
ホルモン剤の例は、合成エストロゲン(例えば、ジエチルスチルベストロール)、抗エストロゲン(例えば、タモキシフェン、トレミフェン、フルオキシメステロン、およびラロキシフェン)、抗アンドロゲン物質(ビカルタミド、ニルタミド、フルタミド)、アロマターゼ阻害薬(例えば、アミノグルテチミド、アナストロゾール、およびテトラゾール)、ケトコナゾール、酢酸ゴセレリン、ロイプロリド、酢酸メゲストロール、およびミフェプリストンを含むが、これらに限定されない。
植物由来剤の例は、ビンカアルカロイド(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビンゾリジン、および酒石酸ビノレルビン)、ポドフィロトキシン(例えば、エトポシド(VP−16)およびテニポシド(VM−26))、カンプトテシン化合物(例えば、20(S)カンプトテシン、トポテカン、ルビテカン、およびイリノテカン)、タキサン(例えば、パクリタキセルおよびドセタキセル)を含むが、これらに限定されない。
生物剤の例は、サイトカイン、腫瘍抗原に対するモノクローナルの抗体、腫瘍抑制遺伝子、および癌ワクチンのような免疫調節タンパク質を含むが、これらに限定されない。本発明の組成物および方法と併用して使用してもよいインターロイキンの例は、インターロイキン2(IL−2)、およびインターロイキン4(IL−4)、インターロイキン12(IL−12)を含むが、これらに限定されない。本発明の組成物および方法と併用して使用してもよいインターフェロンの例は、インターフェロンα、インターフェロンβ、およびインターフェロンγを含むが、これらに限定されない。サイトカインの例は、エリスロポエチン(エポエチンα)、顆粒球−CSF(フィルグラスチム)、および顆粒球、マクロファージ−CSF(サルグラモスチム)を含むが、これらに限定されない。サイトカイン以外の他の免疫調節剤は、カルメット−ゲラン菌、レバミゾール、およびオクトレオチドを含むが、これらに限定されない。
さらに、治療薬という用語は、種々の態様において、その他の活性薬剤(複数または1つ)とともに、このような化合物の1つ以上、または組成物にけるこのような化合物の1つ以上を包含することができる。具体的に「治療薬」という用語の範囲から除外されるものは、本明細書に記載されるオリゴヌクレオチドである。本明細書において開示される組成物および方法は、種々の実施形態において、前記ナノ粒子は治療薬の多様性を含んでいることが提供される。一態様において、組成物および方法は、治療薬の多様性が具体的に1つのナノ粒子に結合されることを提供される。別の態様において、治療薬の多様性は具体的に1つを越えるナノ粒子に結合されることが提供される。
使用が企図される化学療法薬には、以下を含むアルキル化剤:メクロレタミン、クロラムブシルアミド、イホスファミド、メルファラン、およびクロラムブシル等のナイトロジェンマスタード;カルムスチン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、およびセムスチン(メチル−CCNU)等のニトロソウレア;トリエチレンメラミン(TEM)、トリエチレン、チオホスホルアミド(チオテパ)、ヘキサメチルメラミン(HMM、アルトレタミン)等のエチレンイミン/メチルメラミン;ブスルファン等のスルホン酸アルキル;ダカルバジン(DTIC)等のトリアジン;メトトレキサートおよびトリメトレキサート等の葉酸類似物、5−フルオロウラシル、フルオロデオキシウリジン、ゲムシタビン、シトシンアラビノシド(AraC、シタラビン)、5−アザシチジン、2,2−ジフルオロデオキシシチジン、等のピリミジン類似物、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、アザチオプリン、2’−デオキシコホルマイシン(ペントスタチン)、エリスロヒドロキシノニルアデニン(EHNA)、リン酸フルダラビン、および2−クロロデオキシアデノシン(クラドリビン、2−CdA)等のプリン類似物、を含む代謝拮抗物質;ビンブラスチン(VLB)、ビンクリスチン、および酒石酸ビノレルビン、タキソテレ、エストラムスチン、ならびにエストラムスチンリン酸塩を含むパクリタキセル、ビンカアルカロイド等の抗有糸分裂性薬物を含む天然の生成物;エトポシドおよびテニポシド等のエピポドフィロトキシン;アクチノマイシンD、ダウノマイシン(ルビドマイシン)、ドキソルビシン、ミトキサントロン、イダルビシン、ブレオマイシン、プリカマイシン(ミトラマイシン)、マイトマイシンC、およびアクチノマイシン等の抗生物質;L−アスパラギナーゼ等の酵素;インターフェロン−アルファ、IL−2、G−CSFおよびGM−CSF等の生物反応調節剤;シスプラチンおよびカルボプラチン等の白金配位複合体、ミトキサントロン等のアントラセンジオン、ヒドロキシ尿素等の置換尿素、N−メチルヒドラジン(MIH)およびプロカルバジン、ミトタン(o,p’−DDD)等の副腎皮質抑制剤を含むメチルヒドラジン派生物、およびアミノグルテチミドを含む混合型薬剤;プレドニゾンおよび同等物、デキサメタゾンならびにアミノグルテチミド等の副腎皮質ステロイドアンタゴニストを含むホルモンおよびアンタゴニスト;カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、酢酸メドロキシプロゲステロン、およびメゲストロールアセテート等のプロゲスチン;ジエチルスチルベストロールおよびエチニルエストラジオール同等物等のエストロゲン;タモキシフェン等のジエチルスチルベストロール;プロピオン酸テストステロンおよびフルオキシメステロン/同等物を含むアンドロゲン;フルタミド、ゴナドトロピン放出ホルモン類似物およびロイプロリド等の抗アンドロゲン物質;ならびにフルタミド等の非ステロイド系抗アンドロゲン物質が挙げられるが、これらに限定されない。
本開示の材料および方法において有用である治療薬は、当業者によって決定され得る。例えば、本明細書において例示されるように、その当業者が、治療薬がオリゴヌクレオチド機能化ナノ粒子に結合する場合、オリゴヌクレオチド機能化ナノ粒子への結合の非存在におけるものより、より効果的に細胞の細胞膜を横断することができるかどうかを判定するために、ルーティンのin vitro試験を実施することができるが、これに限定されない。
一実施形態において、方法および組成物が提供され、そこで治療薬が、オリゴヌクレオチド機能化ナノ粒子と結合しない場合より、オリゴヌクレオチド機能化ナノ粒子と結合する場合、約1%より効率的に細胞膜を横断することができる。種々の態様において、オリゴヌクレオチド機能化ナノ粒子と結合しない場合よりもオリゴヌクレオチド機能化ナノ粒子と結合する場合、治療薬は、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約20倍、約30倍、約40倍、約50倍、約60倍、約70倍、約80倍、約90倍、または約100倍、あるいはそれ以上効率的に細胞膜を横断することができる。
別の実施形態においては、方法および組成物が提供され、そこで治療薬は、オリゴヌクレオチド機能化ナノ粒子と結合しない場合より、オリゴヌクレオチド機能化ナノ粒子と結合する場合、約1%低い効率で細胞膜を横断することがある。種々の態様において、オリゴヌクレオチド機能化ナノ粒子と結合しない場合よりもオリゴヌクレオチド機能化ナノ粒子と結合する場合、治療薬は、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%,、約61%、約62%、約63%、約64%、約65%、約66%、約67%、約68%、約69%、約70%、約71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約20倍、約30倍、約40倍、約50倍、約60倍、約70倍、約80倍、約90倍、または約100倍、あるいはより低い効率で細胞膜を横断することができる。
種々の実施形態において、オリゴヌクレオチド修飾されたナノ粒子および治療薬を含む薬物送達組成物が提供され、本治療薬は、オリゴヌクレオチド修飾されたナノ粒子と結合された場合の治療薬の送達と比較して、オリゴヌクレオチド修飾されたナノ粒子への治療薬の結合の非存在下において、著しく低いレベルで送達可能であるものであり、オリゴヌクレオチド修飾されたナノ粒子上のオリゴヌクレオチドとナノ粒子に結合された治療薬との比率は細胞内への治療薬の輸送を可能にするために十分である。本明細書に使用される「比率」は、オリゴヌクレオチドと治療薬との数の比較を指す。例えば、1:1の比率は、ナノ粒子に結合される治療薬分子ごとに、1つのオリゴヌクレオチド分子が存在することを指すが、これに限定されない。
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドと治療薬との比率は少なくとも約1:2である。種々の態様において、オリゴヌクレオチドとナノ粒子の表面上の治療薬との比率は、約1:3、約1:4、約1:5、約1:6、約1:7、約1:8、約1:9、約1:10、約1:11、約1:12、約1:13、約1:14、約1:15、約1:16、約1:17、約1:18、約1:19、約1:20、約1:21、約1:22、約1:23、約1:24、約1:25、約1:26、約1:27、約1:28、約1:29、約1:30、約1:31、約1:32、約1:33、約1:34、約1:35、約1:36、約1:37、約1:38、約1:39、約1:40、約1:41、約1:42、約1:43、約1:44、約1:45、約1:46、約1:47、約1:48、約1:49、約1:50、約1:51、約1:52、約1:53、約1:54、約1:55、約1:56、約1:57、約1:58、約1:59、約1:60、約1:61、約1:62、約1:63、約1:64、約1:65、約1:66、約1:67、約1:68、約1:69、約1:70、約1:71、約1:72、約1:73、約1:74、約1:75、約1:76、約1:77、約1:78、約1:79、約1:80、約1:81、約1:82、約1:83、約1:84、約1:85、約1:86、約1:87、約1:88、約1:89、約1:90、約1:91、約1:92、約1:93、約1:94、約1:95、約1:96、約1:97、約1:98、約1:99、少なくとも約1:100、少なくとも約1:110、少なくとも約1:120、少なくとも約1:130、少なくとも約1:140、少なくとも約1:150、少なくとも約1:160、少なくとも約1:170、少なくとも約1:180、少なくとも約1:190、少なくとも約1:200、少なくとも約1:210、少なくとも約1:220、少なくとも約1:230、少なくとも約1:240、少なくとも約1:250、少なくとも約1:260、少なくとも約1:270、少なくとも約1:280、少なくとも約1:290、少なくとも約1:300、少なくとも約1:310、少なくとも約1:320、少なくとも約1:330、少なくとも約1:340、少なくとも約1:350、少なくとも約1:360、少なくとも約1:370、少なくとも約1:380、少なくとも約1:390、少なくとも約1:400、少なくとも約1:410、少なくとも約1:420、少なくとも約1:430、少なくとも約1:440、少なくとも約1:450、少なくとも約1:460、少なくとも約1:470、少なくとも約1:480、少なくとも約1:490、少なくとも約1:500、少なくとも約1:510、少なくとも約1:520、少なくとも約1:530、少なくとも約1:540、少なくとも約1:550、少なくとも約1:560、少なくとも約1:570、少なくとも約1:580、少なくとも約1:590、少なくとも約1:600、少なくとも約1:610、少なくとも約1:620、少なくとも約1:630、少なくとも約1:640、少なくとも約1:650、少なくとも約1:660、少なくとも約1:670、少なくとも約1:680、少なくとも約1:690、少なくとも約1:700、少なくとも約1:710、少なくとも約1:720、少なくとも約1:730、少なくとも約1:740、少なくとも約1:750、少なくとも約1:760、少なくとも約1:770、少なくとも約1:780、少なくとも約1:790、少なくとも約1:800、少なくとも約1:810、少なくとも約1:820、少なくとも約1:830、少なくとも約1:840、少なくとも約1:850、少なくとも約1:860、少なくとも約1:870、少なくとも約1:880、少なくとも約1:890、少なくとも約1:900、少なくとも約1:910、少なくとも約1:920、少なくとも約1:930、少なくとも約1:940、少なくとも約1:950、少なくとも約1:960、少なくとも約1:970、少なくとも約1:980、少なくとも約1:990、少なくとも約1:1000、少なくとも約1:1500、少なくとも約1:2000、少なくとも約1:3000、少なくとも約1:4000、または少なくとも約1:5000、あるいはそれ以上である。
いくつかの態様において、治療薬とナノ粒子の表面上のオリゴヌクレオチド機能化ナノ粒子との比率は、少なくとも約1:2である。種々の態様において、オリゴヌクレオチドとナノ粒子の表面上の治療薬との比率は、約1:3、約1:4、約1:5、約1:6、約1:7、約1:8、約1:9、約1:10、約1:11、約1:12、約1:13、約1:14、約1:15、約1:16、約1:17、約1:18、約1:19、約1:20、約1:21、約1:22、約1:23、約1:24、約1:25、約1:26、約1:27、約1:28、約1:29、約1:30、約1:31、約1:32、約1:33、約1:34、約1:35、約1:36、約1:37、約1:38、約1:39、約1:40、約1:41、約1:42、約1:43、約1:44、約1:45、約1:46、約1:47、約1:48、約1:49、約1:50、約1:51、約1:52、約1:53、約1:54、約1:55、約1:56、約1:57、約1:58、約1:59、約1:60、約1:61、約1:62、約1:63、約1:64、約1:65、約1:66、約1:67、約1:68、約1:69、約1:70、約1:71、約1:72、約1:73、約1:74、約1:75、約1:76、約1:77、約1:78、約1:79、約1:80、約1:81、約1:82、約1:83、約1:84、約1:85、約1:86、約1:87、約1:88、約1:89、約1:90、約1:91、約1:92、約1:93、約1:94、約1:95、約1:96、約1:97、約1:98、約1:99、少なくとも約1:100、少なくとも約1:110、少なくとも約1:120、少なくとも約1:130、少なくとも約1:140、少なくとも約1:150、少なくとも約1:160、少なくとも約1:170、少なくとも約1:180、少なくとも約1:190、少なくとも約1:200、少なくとも約1:210、少なくとも約1:220、少なくとも約1:230、少なくとも約1:240、少なくとも約1:250、少なくとも約1:260、少なくとも約1:270、少なくとも約1:280、少なくとも約1:290、少なくとも約1:300、少なくとも約1:310、少なくとも約1:320、少なくとも約1:330、少なくとも約1:340、少なくとも約1:350、少なくとも約1:360、少なくとも約1:370、少なくとも約1:380、少なくとも約1:390、少なくとも約1:400、少なくとも約1:410、少なくとも約1:420、少なくとも約1:430、少なくとも約1:440、少なくとも約1:450、少なくとも約1:460、少なくとも約1:470、少なくとも約1:480、少なくとも約1:490、少なくとも約1:500、少なくとも約1:510、少なくとも約1:520、少なくとも約1:530、少なくとも約1:540、少なくとも約1:550、少なくとも約1:560、少なくとも約1:570、少なくとも約1:580、少なくとも約1:590、少なくとも約1:600、少なくとも約1:610、少なくとも約1:620、少なくとも約1:630、少なくとも約1:640、少なくとも約1:650、少なくとも約1:660、少なくとも約1:670、少なくとも約1:680、少なくとも約1:690、少なくとも約1:700、少なくとも約1:710、少なくとも約1:720、少なくとも約1:730、少なくとも約1:740、少なくとも約1:750、少なくとも約1:760、少なくとも約1:770、少なくとも約1:780、少なくとも約1:790、少なくとも約1:800、少なくとも約1:810、少なくとも約1:820、少なくとも約1:830、少なくとも約1:840、少なくとも約1:850、少なくとも約1:860、少なくとも約1:870、少なくとも約1:880、少なくとも約1:890、少なくとも約1:900、少なくとも約1:910、少なくとも約1:920、少なくとも約1:930、少なくとも約1:940、少なくとも約1:950、少なくとも約1:960、少なくとも約1:970、少なくとも約1:980、少なくとも約1:990、少なくとも約1:1000、少なくとも約1:1500、少なくとも約1:2000、少なくとも約1:3000、少なくとも約1:4000、または少なくとも約1:5000、あるいはそれより大きい。
本開示は、1つの特定の活性薬剤を限定するのではなく、例えば、送達に望ましい任意の治療薬に適用できるが、それに限定されない。疎水性薬物と同様にそのような活性薬剤の非限定例は、米国特許第7,611,728号において見出されており、それは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本開示によって企図される追加的治療薬には以下表2の治療薬が含まれるが、これらに限定されない。
ナノ粒子
それに結合されるオリゴヌクレオチドを有するように機能化されるナノ粒子を提供する。ナノ粒子の大きさ、形状、および化学組成は、得られるオリゴヌクレオチド機能化ナノ粒子の特性の一因となる。これらの特性は、例えば、光学特性、光電子特性、電気化学特性、電子特性、種々の溶液における安定性、磁気特性、および細孔およびチャネルの大きさの変化を含む。異なる大きさ、形状、および/または化学組成を有するナノ粒子の混合物、ならびに均一な大きさ、形状、および化学組成を有するナノ粒子の使用、したがって、特性の混合が企図される。適切な粒子の例としては、その開示が参照によりその全体として本明細書に組み込まれる、米国特許第7,238,472号および国際公開第WO2003/08539号に記載されるもの等の、集合粒子、等方性粒子(球形粒子等)、異方性粒子(非球形桿体、四面体、および/または角柱等)、およびコア−シェル粒子が含まれるが、これらに限定されない。
一実施形態において、ナノ粒子は金属性であり、種々の態様において、ナノ粒子はコロイド性金属である。よって、種々の実施形態において、本発明のナノ粒子は、金属(例えば、銀、金、白金、アルミニウム、パラジウム、銅、コバルト、インジウム、ニッケル、またはナノ粒子形成に受け入れられる任意の他の金属を含むが、これらに限定されない)、半導体(例えば、CdSe、CdS、およびCdSまたはZnSでコーティングされるCdSeを含むが、これらに限定されない)、および磁性(例えば、強磁性)コロイド物質が挙げられる。
また、米国特許公開第2003/0147966号に記載されるように、本発明のナノ粒子は、商業的に入手可能なもの、ならびに合成されるもの、例えば、溶液中の進行性核形成から(例えば、コロイド反応により)、またはスパッタ蒸着法等の種々の物理および化学蒸着プロセスにより生成されるものを含む。例えば、HaVashi,Vac.Sci.Technol.A5(4):1375−84(1987)、Hayashi,Physics Today,44−60(1987)、MRS Bulletin,January 1990,16−47を参照のこと。米国特許公開第2003/0147966号にさらに記載されるように、企図されるナノ粒子は、当該分野に公知の方法を使用して、代替的にHAuClおよびクエン酸還元剤を使用して生成される。例えば、Marinakos et al.,Adv.Mater.11:34−37(1999)、Marinakos et al.,Chem.Mater.10:1214−19(1998)、Enustun & Turkevich,J.Am.Chem.Soc.85:3317(1963)を参照のこと。
ナノ粒子は、大きさが、平均直径約1nm〜約250nm、平均直径約1nm〜約240nm、平均直径約1nm〜約230nm、平均直径約1nm〜約220nm、平均直径約1nm〜約210nm、平均直径約1nm〜約200nm、平均直径約1nm〜約190nm、平均直径約1nm〜約180nm、平均直径約1nm〜約170nm、平均直径約1nm〜約160nm、平均直径約1nm〜約150nm、平均直径約1nm〜約140nm、平均直径約1nm〜約130nm、平均直径約1nm〜約120nm、平均直径約1nm〜約110nm、平均直径約1nm〜約100nm、平均直径約1nm〜約90nm、平均直径約1nm〜約80nm、平均直径約1nm〜約70nm、平均直径約1nm〜約60nm、平均直径約1nm〜約50nm、平均直径約1nm〜約40nm、平均直径約1nm〜約30nm、または平均直径約1nm〜約20nm、平均直径約1nm〜約10nmの範囲であることができる。他の態様において、ナノ粒子の大きさは、約5nm〜約150nm(平均直径)、約5〜約50nm、約10〜約30nm、約10〜150nm、約10〜約100nm、または約10〜約50nmである。ナノ粒子の大きさは、約5nm〜約150nm(平均直径)、約30〜約100nm、約40〜約80nmである。本方法に使用されるナノ粒子の大きさは、それらの特定の使用または用途に応じて変動する。大きさの変動は、ナノ粒子の特定の物理的特徴、例えば、本明細書に記載されるように機能化することができる、光学特性または表面積の量を最適化するように有利に使用される。
オリゴヌクレオチド
本開示により企図されるオリゴヌクレオチドは、本明細書に定義されるDNA、RNA、およびその修飾された形態を含む。「オリゴヌクレオチド」は、当該分野において、個々に重合されたヌクレオチドサブユニットを含むことが理解される。本明細書に使用される、「ヌクレオチド」という用語、またはその複数形は、本明細書に記載されるように、修飾形態と代替可能であり、そうでなければ当該分野において公知である。特定の場合において、当該技術は、自然に生じるヌクレオチドを包含する「核酸塩基」という用語、および修飾ヌクレオチドを含む非天然ヌクレオチドを使用する。よって、ヌクレオチドまたは核酸塩基は、自然に生じる核酸塩基アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)、およびウラシル(U)を意味する。非天然核酸塩基としては、例えば、キサンチン、ジアミノプリン、8−オキソ−N6−メチルアデニン、7−デアザキサンチン、7−デアザグアニン、N4,N4−エタノシトシン、Ν’,Ν’−エタノ−2,6−ジアミノプリン、5−メチルシトシン(mC)、5−(C−C)−アルキニル−シトシン、5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、プソイドイソシトシン、2−ヒドロキシ−5−メチル−4−トリアゾロピリジン、イソシトシン、イソグアニン、イノシン、ならびにBennerらの米国特許第5,432,272号、およびSusan M.Freier and arl−Heinz Altmann,1997,Nucleic
Acids Research,vol.25:pp 4429−4443に記載される「非天然」核酸塩基が挙げられるが、これらに限定されない。「核酸塩基」という用語はまた、既知のプリンおよびピリミジン複素環だけでなく、複素環式類似体およびその互変異性体も含む。 さらなる自然に生じる、および非天然の核酸塩基には、米国特許第3,687,808号(Meriganら)、Chapter 15 by Sanghvi,in Antisense Research and Application,Ed.S.T.Crooke and B.Lebleu,CRC Press,1993、Englisch et al.,1991,Angewandte Chemie,international Edition,30:613−722(特にページ622〜623、ならびにConcise Encyclopedia of Polymer Science and Engineering,J.I.Kroschwitz Ed.,John Wiley & Sons,1990,pages 858−859、Cook,Anti−Cancer Drug Design 1991,6,585−607内を参照されたく、これらはそれぞれ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示されるものが含まれる。種々の態様において、オリゴヌクレオチドは、核酸塩基のように機能できる複素環式化合物等の化合物を含む、非天然ヌクレオチドの分類である、1つ以上の「ヌクレオシド塩基」または「塩基部」」も含み、最も伝統的な意味でヌクレオシド塩基ではないが、ヌクレオシド塩基として機能する、特定の「普遍的塩基」を含む。普遍的塩基は、3−ニトロピロール、任意に、置換インドール(例えば、5−ニトロインドール)、および任意に、置換ヒポキサンチンを含む。他の望ましい普遍的塩基は、ピロール、ジアゾール、またはトリアゾール誘導体を含み、当該分野に公知のこれらの普遍的塩基を含む。
修飾されたヌクレオチドは、欧州特許第EP1 072 679号および国際公開第WO97/12896に記載されており、それらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。修飾されたヌクレオチドには、5−メチルシトシン(5−me−C)、5−ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2−アミノアデニン、6−メチルおよび他のアデニンとグアニンのアルキル誘導体、2−プロピルおよび他のアデニンとグアニンのアルキル誘導体、2−チオウラシル、2−チオチミン、および2−チオシトシン、5−ハロウラシルおよびシトシン、5−プロピニルウラシルおよびシトシンならびに他のピリミジン塩基のアルキニル誘導体、6−アゾウラシル、シトシン、およびチミン、5−ウラシル(プソイドウラシル)、4−チオウラシル、8−ハロ、8−アミノ、8−チオール、8−チオアルキル、8−ヒドロキシル、ならびに他の8−置換アデニンおよびグアニン、5−ハロ、特に5−ブロモ、5−トリフルオロメチル、ならびに他の5−置換ウラシルおよびシトシン、7−メチルグアニンおよび7−メチルアデニン、2−F−アデニン、2−アミノ−アデニン、8−アザグアニンおよび8−アザアデニン、7−デアザグアニンおよび7−デアザアデニン、ならびに3−デアザグアニンおよび3−デアザアデニンが含まれるが、これらに限定されない。さらなる修飾された塩基には、フェノキサジンシチジン(1H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾキサジン−2(3H)−オン)等の三環ピリミジ、フェノチアジンシチジン(1H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾチアジン−2(3H)−オン)、置換フェノキサジンシチジン(例えば9−(2−アミノエトキシ)−H−ピリミド[5,4−b][1,4]ベンゾキサジン−2(3H)−オン)等のG−クランプ、カルバゾールシチジン(2H−ピリミド[4,5−b]インドール−2−オン)、ピリドインドールシチジン(H−ピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[2,3−d]ピリミジン−2−オン)が含まれる。修飾された塩基は、プリンまたはピリミジン塩基が他の複素環、例えば、7−デアザアデニン、7−デアザグアノシン、2−アミノピリジン、および2−ピリドンと置換されるものを含んでもよい。さらなる核酸塩基には、米国特許第3,687,808号に開示されるもの、The Concise Encyclopedia Of Polymer Science And Engineering,pages 858−859,Kroschwitz,J.I.,ed.John Wiley & Sons,1990に開示されるもの、Englisch et al.,1991,Angewandte Chemie,International Edition,30:613により開示されるもの、およびSanghvi,Y.S.,Chapter 15,Antisense Research and Applications,pages 289−302,Crooke,S.T.and Lebleu,B.,ed.,CRC Press,1993により開示されるものが含まれる。これらの塩基のいくつかは、結合親和性を増大するのに有用であり、5−置換ピリミジン、6−アザピリミジン、ならびにN−2、N−6およびO−6置換プリンを含み、これは、2−アミノプロピルアデニン、5−プロピニルウラシル、および5−プロピニルシトシンを含む。5−メチルシトシン置換は、0.6〜1.2℃で核酸二重鎖安定性を増加することが示されており、特定の態様において、2’−O−メトキシエチル糖修飾と組み合わされる。米国特許第3,687,808号、米国特許第4,845,205号、第5,130,302号、第5,134,066号、第5,175,273号、第5,367,066号、第5,432,272号、第5,457,187号、第5,459,255号、第5,484,908号、第5,502,177号、第5,525,711号、第5,552,540号、第5,587,469号、第5,594,121号、第5,596,091号、第5,614,617号、第5,645,985号、第5,830,653号、第5,763,588号、第6,005,096号、第5,750,692号、および第5,681,941号を参照されたく、それらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
所定の配列のオリゴヌクレオチドを作製する方法は周知である。例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning: A Laboratory Manual(2nd ed.1989)、およびF.Eckstein(ed.)Oligonucleotides and Analogues,1st Ed.(Oxford University Press,New York,1991)を参照のこと。固相合成法は、ポリリボヌクレオチドおよびポリデオキシリボヌクレオチドの両方に好適である(周知のDNA合成方法は、RNA合成にも有用である)。ポリリボヌクレオチドは、酵素的に調製することもできる。非天然核酸塩基は、オリゴヌクレオチドの中に組み込むこともできる。例えば、米国特許第7,223,833号。Katz,J.Am.Chem.Soc,74:2238(1951)、Yamane,et al.,J.Am.Chem.Soc,83:2599(1961)、Kosturko,et al.,Biochemistry,13:3949(1974)、Thomas,J.Am.Chem.Soc,76:6032(1954)、Zhang,et al.,J.Am.Chem.Soc,127:74−75(2005)、およびZimmermann,et al.,J.Am.Chem.Soc,124:13684−13685(2002)を参照のこと。
オリゴヌクレオチドで機能化されるか、またはその修飾形態である、提供されるナノ粒子、および任意に本明細書の以下に定義されるドメインは、一般に、約5ヌクレオチド〜約100ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドを含む。より具体的には、ナノ粒子は、約5〜約90ヌクレオチド長、約5〜約80ヌクレオチド長、約5〜約70ヌクレオチド長、約5〜約60ヌクレオチド長、約5〜約50ヌクレオチド長、約5〜約45ヌクレオチド長、約5〜約40ヌクレオチド長、約5〜約35ヌクレオチド長、約5〜約30ヌクレオチド長、約5〜約25ヌクレオチド長、約5〜約20ヌクレオチド長、約5〜約15ヌクレオチド長、約5〜約10ヌクレオチド長、ならびにオリゴヌクレオチドが所望の結果を達成することができる範囲において、具体的に開示される大きさの中間の長さの全てのオリゴヌクレオチドである、オリゴヌクレオチドで機能化される。したがって、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、またはそれ以上のヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドが企図される。
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドおよび治療薬を結合させたナノ粒子が提供され、ここで、ドメインをさらに含むオリゴヌクレオチドがナノ粒子と会合する。本明細書に記載されるように、オリゴヌクレオチド機能化ナノ粒子の一部であるドメインは、ナノ粒子が細胞によって取り込まれる効率に影響をおよぼす。したがって、ドメインは、効率を増加または低下させる。本明細書に使用される、「効率」とは、細胞における/細胞によるナノ粒子の取り込みの数または割合を指す。ナノ粒子の細胞への進入およびそこからの退出のプロセスは、動的なものであるため、効率は、多くのナノ粒子を取りこむことにより、または細胞に進入するそれらのナノ粒子を長期間保持することにより増加することができる。同様に、効率は、少ないナノ粒子を取りこむことにより、または細胞に進入するそれらのナノ粒子を短期間保持することにより低下させることができる。
このドメインは、いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドと隣接/共線的であり、ナノ粒子に対して近位に位置する。いくつかの態様において、ドメインは、オリゴヌクレオチドと隣接/共線的であり、ナノ粒子に対して遠位に位置する。「近位」および「遠位」という用語は、オリゴヌクレオチドの中間点に対する位置を指す。いくつかの態様において、ドメインは、オリゴヌクレオチド内の内部領域に位置する。さらなる態様において、ドメインは、ナノ粒子に結合される第2のオリゴヌクレオチド上に位置する。したがって、いくつかの実施形態において、ドメインは、オリゴヌクレオチドとは個別の実体として、ナノ粒子に結合されるように企図される。
オリゴヌクレオチドが、いくつかの実施形態において、本明細書に記載される位置のいずれかに位置する、1つを超えるドメインを含むことがさらに企図される。
このドメインは、いくつかの実施形態において、細胞によるオリゴヌクレオチド機能化ナノ粒子の取り込みの効率を増加させる。いくつかの態様において、ドメインは、チミジン残基(ポリT)またはウリジン残基(ポリU)の配列を含む。さらなる態様において、ポリTまたはポリU配列は、2つのチミジンまたはウリジンを含む。種々の態様において、polyTまたはpolyU配列は、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、約85、約90、約95、約100、約125、約150、約175、約200、約250、約300、約350、約400、約450、約500、またはそれ以上のチミジンまたはウリジン残基を含む。
いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチド、治療薬、およびドメインで機能化されるナノ粒子が、同じオリゴヌクレオチドで機能化されるが、そのドメインを欠損するナノ粒子より高い効率で、細胞によって取り込まれることが企図される。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチド、治療薬、およびドメインで機能化されるナノ粒子は、同じオリゴヌクレオチドで機能化されるが、そのドメインを欠損するナノ粒子よりも、1%より効率的に細胞によって取り込まれる。種々の態様において、オリゴヌクレオチド、治療薬、およびドメインで機能化されるナノ粒子は、同じオリゴヌクレオチドおよび治療薬で機能化されるが、そのドメインを欠損するナノ粒子よりも、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約20倍、約30倍、約40倍、約50倍、約100倍、またはそれ以上より効率的に細胞によって取り込まれる。
いくつかの実施形態において、そのドメインは、細胞によるオリゴヌクレオチド機能化ナノ粒子の取り込みの効率を低下させる。いくつかの態様において、そのドメインは、2つのリン酸塩から成るリン酸重合体(C3残基)を含む。種々の態様において、C3残基は、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、約85、約90、約95、約100、約125、約150、約175、約200、約250、約300、約350、約400、約450、約500、またはそれ以上のリン酸塩を含む。
いくつかの実施形態において、オリゴヌクレオチド、治療薬、およびドメインで機能化されるナノ粒子が、同じオリゴヌクレオチドで機能化されるが、そのドメインを欠損するナノ粒子より低い効率で、細胞によって取り込まれることが企図される。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチド、治療薬、およびドメインで機能化されるナノ粒子は、同じオリゴヌクレオチドで機能化されるが、そのドメインを欠損するナノ粒子よりも、1%低い効率で細胞によって取り込まれる。種々の態様において、オリゴヌクレオチドおよびドメインで機能化されるナノ粒子は、同じオリゴヌクレオチおよび治療薬で機能化されるが、そのドメインを欠損するナノ粒子よりも、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%,32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%,、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約6倍、約7倍、約8倍、約9倍、約10倍、約20倍、約30倍、約40倍、約50倍、約100倍、またはそれ以上低い効率で、細胞によって取り込まれる。
治療薬の結合
本開示は、いくつかの実施形態において、治療薬がオリゴヌクレオチドに結合するON−NPを提供する。治療薬または化学療法薬がオリゴヌクレオチドへ結合する方法は当該分野に公知であり、Priestの米国特許第5,391,723号、Arnold,Jr.らの米国特許第5,585,481号、Reedらの米国特許第5,512,667号、および第PCT/US2006/022325号において記載され、それらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。)
修飾されたオリゴヌクレオチド
上述のように、ナノ粒子を機能化するための、修飾されたオリゴヌクレオチドが企図される。種々の態様において、ナノ粒子上で機能化されたオリゴヌクレオチドは、完全に修飾されているか、または部分的に修飾されている。よって、種々の態様において、オリゴヌクレオチドのヌクレオチドユニットの1つ以上もしくは全ての糖類および/または1つ以上もしくは全てのヌクレオチド間結合が、「非天然」基で置換される。
一態様において、本実施形態は、ペプチド核酸(PNA)を企図する。PNA化合物では、オリゴヌクレオチドの糖骨格が、骨格を含有するアミドと置換される。例えば米国特許第5,539,082号、第5,714,331号、および第5,719,262号、ならびにNielsen et al.,Science,1991,254,1497−1500を参照されたく、それらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
開示されるオリゴヌクレオチドに企図されるヌクレオチドと非天然ヌクレオチドとの間の他の結合には、米国特許第4,981,957号、第5,118,800号、第5,319,080号、第5,359,044号、第5,393,878号、第5,446,137号、第5,466,786号、第5,514,785号、第5,519,134号、第5,567,811号、第5,576,427号、第5,591,722号、第5,597,909号、第5,610,300号、第5,627,053号、第5,639,873号、第5,646,265号、第5,658,873号、第5,670,633号、第5,792,747号、および第5,700,920号、米国特許公開第20040219565号、国際特許公開第WO98/39352号、および第WO99/14226号、Mesmaeker et.al.,Current Opinion in Structural Biology 5:343−355(1995)、およびSusan
M. Freier and Karl−Heinz Altmann,Nucleic Acids Research,25:4429−4443(1997)に記載のものが含まれ、それらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
オリゴヌクレオチドの具体的な例としては、修飾された骨格または非天然ヌクレオシド間結合を含有するものが挙げられる。修飾された骨格を有するオリゴヌクレオチドは、骨格にリン原子を保持するもの、および骨格にリン原子を持たないものを含む。それらのヌクレオシド間骨格にリン原子を持たない修飾されたオリゴヌクレオチドは、「オリゴヌクレオチド」の意味内であると見なされる。
リン原子を含有する修飾されたオリゴヌクレオチド骨格としては、例えば、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、メチルおよび3’−アルキレンホスホネート、5’−アルキレンホスホネート、およびキラルホスホネートを含む他のアルキルホスホネート、ホスフィネート、3’−アミノホスホルアミデートおよびアミノアルキルホスホルアミデートを含むホスホルアミデート、チオノホスホルアミデート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル、通常の3’−5’結合を有するセレノホスフェートおよびボラノホスフェート、それらの2’−5’結合類似体、ならびに1つ以上のヌクレオチド間結合が3’−3’、5’−5’、または2’−2’結合である反転極性を有するものが挙げられる。また、最も3’側のヌクレオチド間結合に単一の3’−3’結合、すなわち、非塩基であってもよい単一反転ヌクレオシド残基(ヌクレオチドが欠損しているか、またはその位置にヒドロキシル基を有する)を含む、反転極性を有するオリゴヌクレオチドも企図される。塩類、混合塩、および遊離酸形態も企図される。
上記のリン含有結合の調製を教示する代表的な米国特許としては、米国特許第3,687,808号、第4,469,863号、第4,476,301号、第5,023,243号、第5,177,196号、第5,188,897号、第5,264,423号、第5,276,019号、第5,278,302号、第5,286,717号、第5,321,131号、第5,399,676号、第5,405,939号、第5,453,496号、第5,455,233号、第5,466,677号、第5,476,925号、第5,519,126号、第5,536,821号、第5,541,306号、第5,550,111号、第5,563,253号、第5,571,799号、第5,587,361号、第5,194,599号、第5,565,555号、第5,527,899号、第5,721,218号、第5,672,697号、および第5,625,050号が挙げられ、それらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
リン原子を含まない修飾されたオリゴヌクレオチド骨格は、短鎖アルキルもしくはシクロアルキルヌクレオシド間結合、混合ヘテロ原子およびアルキルもしくはシクロアルキルヌクレオシド間結合、または1つ以上の短鎖ヘテロ原子もしくは複素環式ヌクレオシド間結合により形成される骨格を有する。これらは、モルホリノ結合、シロキサン骨格、スルフィド、スルホキシドおよびスルホン骨格、ホルムアセチルおよびチオホルムアセチル骨格、メチレンホルムアセチルおよびチオホルムアセチル骨格、リボアセチル骨格、アルケン含有骨格、スルファメート骨格、メチレンイミノおよびメチレンヒドラジノ骨格、スルホネートおよびスルホンアミド骨格、アミド骨格、および混合N、O、SおよびCH構成要素を有する他のものを有するものを含む。さらに他の実施形態において、オリゴヌクレオチドにはホスホロチオエート骨格が提供され、オリゴヌクレオシドにはヘテロ原子骨格が提供され、米国特許第5,489,677号、および第5,602,240号に記載される−CH−NH−O−CH−、−CH−N(CH)−O−CH−、−CH−O−N(CH)−CH−、−CH−N(CH)−N(CH)−CH−、および−O−N(CH)−CH−CH−を含む。例えば、米国特許第5,034,506号、第5,166,315号、第5,185,444号、第5,214,134号、第5,216,141号、第5,235,033号、第5,264,562号、第5,264,564号、第5,405,938号、第5,434,257号、第5,466,677号、第5,470,967号、第5,489,677号、第5,541,307号、第5,561,225号、第5,596,086号、第5,602,240号、第5,610,289号、第5,602,240号、第5,608,046号、第5,610,289号、第5,618,704号、第5,623,070号、第5,663,312号、第5,633,360号、第5,677,437号、第5,792,608号、第5,646,269号、および第5,677,439号を参照されたく、それらの開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
種々の形態において、オリゴヌクレオチド内の2つの連続したモノマー間の結合は、−CH−、−O−、−S−、−NRH−、>C=0、>C=NRH、>C=S、−Si(R’’)−、−SO−、−S(O)−、−P(O)−、−PO(BH)−、−P(O,S)−、−P(S)−、−PO(R’’)−、−PO(OCH)−、および−PO(NHRH)−から選択される2〜4個、望ましくは3個の基/原子から成り、式中、RHは水素およびC1−4−アルキルから選択され、R’’はC1−6−アルキルおよびフェニルから選択される。そのような結合の例示的な例は、−CH−CH−CH−、−CH−CO−CH− −CH−CHOH−CH−、−O−CH−O−、−O−CH−CH−、−O−CH−CH=(後続モノマーへの結合として使用される時、R5を含む)、−CH−CH−O−、−NRH−CH−CH−、−CH−CH−NRH−、−CH−NRH−CH−、−O−CH−CH−NRH−、−NRH−CO−O−、−NRH−CO−NRH− −NRH−CS−NRH−、−NRH−C(=NRH)−NRH−、−NRH−CO−CH−NRH−O−CO−O−、−O−CO−CH−O−、−O−CH−CO−O−、−CH−CO−NRH−、−O−CO−NRH−、−NRH−CO−CH−、−O−CH−CO−NRH−、−O−CH−CH−NRH−、−CH=N−O−、−CH−NRH−O−、−CH−O−N=(後続モノマーへの結合として使用される時、R5を含む)、−CH−O−NRH−、−CO−NRH−CH−、−CH−NRH−O−、−CH−NRH−CO−、−O−NRH−CH−、−O−NRH、−O−CH−S−、−S−CH−O−、−CH−CH−S−、−O−CH−CH−S−、−S−CH−CH=(後続モノマーへの結合として使用される時、R5を含む)、−S−CH−CH−、−S−CH−CH−O−、−S−CH−CH−S−、−CH−S−CH−、−CH−SO−CH−、−CH−SO−CH−、−O−SO−O−、−O−S(O)−O−、−O−S(O)−CH−、−O−S(O)−NRH−、−NRH−S(O)−CH−;−O−S(O)−CH−、−O−P(O)−O−、−O−P(O,S)−O−、−O−P(複数または1つ)−O−、−S−P(O)−O−、−S−P(O,S)−O−、−S−P(S)−O−、−O−P(O)−S−、−O−P(O,S)−S−、−O−P(S)−S−、−S−P(O)−S−,−S−P(O,S)−S−、−S−P(S)−S−、−O−PO(R’’)−O−、−O−PO(OCH)−O−、−O−PO(OCHCH)−O−、−O−PO(OCHCHS−R)−O−、−O−ΡΟ(BH)−O−、−O−PO(NHRN)−O−、−O−P(O)−NRH H−、−NRH−P(O)−O−、−O−P(O,NRH)−O−、−CH−P(O)−O−、−O−P(O)−CH−、および−O−Si(R’’)−O−であり、とりわけ−CH−CO−−NRH−、−CHNRH−O−、−S−CH−O−、−O−P(O)−O−O−−P(−O,S)−O−、−O−P(S)−O−、−NRHP(O)−O−、−O−P(O,NRH)−Ο−、−O−PO(R’’)−O−、−O−PO(CH)−O−、および−O−PO(NHRN)−O−が企図され、式中、RHは水素およびC1−4−アルキルから選択され、R’’はC1−6−アルキルおよびフェニルから選択される。さらなる例示的な例は、Mesmaeker et.al.,1995,Current Opinion in Structural Biology,5:343−355、およびSusan M.Freier and Karl−Heinz Altmann,1997,Nucleic Acids Research,vol25:pp4429−4443に記載される。
オリゴヌクレオチドのさらに他の修飾された形態は、米国特許出願第20040219565号に詳細に記載されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
修飾されたオリゴヌクレオチドは、1つ以上の置換糖部分も含有してもよい。特定の態様において、オリゴヌクレオチドは、2’位に、OH;F;O−、S−、もしくはN−アルキル;O−、S−、もしくはN−アルケニル;O−、S−、もしくはN−アルキニル;またはO−アルキル−O−アルキルのうちの1つを含み、それらのアルキル、アルケニル、およびアルキニルは、置換または非置換のC〜C10アルキルまたはC〜C10アルケニルおよびアルキニルであってもよい。他の実施形態には、O[(CHO]CH、O(CH2)OCH、O(CHNH、O(CHCH、O(CHΟΝΗ、およびO(CHON[(CHCHが含まれ、式中、nおよびmは1〜約10である。他のオリゴヌクレオチドは、2’位に、C1〜C10低級アルキル、置換低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリル、アラルキル、O−アルカリル、もしくはO−アラルキル、SH、SCH、OCN、Cl、Br、CN、CF、OCF、SOCH、SOCH、ONO、NO、N、NH、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリル、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、介入物、オリゴヌクレオチドの薬物動態特性を改善するための基、またはオリゴヌクレオチドの薬物動力特性を改善するための基、ならびに類似の特性を有する他の置換基のうちの1つを含む。一態様において、修飾には、2’−メトキシエトキシ(2’−O−CHCHOCHであって、2’−O−(2−メトキシエチル)または2’−MOEとしても知られる)(Martin et al.,1995,Helv.Chim.Acta,78:486−504)、すなわち、アルコキシアルコキシ基が含まれる。他の修飾には、2’−ジメチルアミノオキシエトキシ、すなわち、2’−DMAOEとしても知られるO(CHON(CH基、および2’−ジメチルアミノエトキシエトキシ(当該分野で2’−O−ジメチル−アミノ−エトキシ−エチルまたは2’−DMAEOEとしても知られる)、すなわち2’−O−CH−O−CH−N(CHが含まれる。
さらに他の修飾としては、2’−メトキシ(2’−O−CH)、2’−アミノプロポキシ(2’−OCHCHCHNH)、2’−アリル(2’−CH−CH=CH)、2’−O−アリル(2’−O−CH−CH=CH)、および2’−フルオロ(2’−F)が挙げられる。2’修飾は、アラビノ(上)位置またはリボ(下)位置であってもよい。一態様において、2’−アラビノ修飾は2’−Fである。同様の修飾が、オリゴヌクレオチド上の他の位置、例えば、3’末端ヌクレオチドまたは2’−5’結合オリゴヌクレオチド上の糖の3’位、および5’末端ヌクレオチドの5’位で行われてもよい。オリゴヌクレオチドは、ペントフラノシル糖の代わりに、シクロブチル部分等の糖模擬体も有してもよい。例えば、米国特許第4,981,957号、第5,118,800号、第5,319,080号、第5,359,044号、第5,393,878号、第5,446,137号、第5,466,786号、第5,514,785号、第5,519,134号、第5,567,811号、第5,576,427号、第5,591,722号、第5,597,909号、第5,610,300号、第5,627,053号、第5,639,873号、第5,646,265号、第5,658,873号、第5,670,633号、第5,792,747号、および第5,700,920号を参照されたく、それらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
一態様において、糖修飾には、2’−ヒドロキシル基が糖環の3’または4’炭素原子に結合され、これによって二環式糖部分を形成する、ロックされた核酸(LNA)が含まれる。この結合は、特定の態様において、2’酸素原子と4’炭素原子とを架橋するメチレン(−CH−)n基であり、式中、nは1または2である。LNAおよびその調製は、国際公開第WO98/39352号および国際公開第WO99/14226号に記載されており、それらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
ナノ粒子へのオリゴヌクレオチド結合
本方法において使用が企図されるオリゴヌクレオチドは、任意の手段を介してナノ粒子と結合するものを含む。オリゴヌクレオチドがナノ粒子に結合する手段にかかわらず、種々の態様における結合は、5’結合、3’結合、内部結合の一種、またはこれらの結合の任意の組み合わせを介して達成される。
機能化NPは、細胞内の局在性へ影響をおよぼすように設計されたアンチセンス・オリゴヌクレオチドおよびペプチドの両方を用いて調製することができる。合成の戦略は、種々の態様において、チオール化オリゴヌクレオチドおよびNP表面を修飾するためにシスチン末端ペプチドを使用する。
結合の方法は、当業者に既知であり、米国公開第2009/0209629号において記載されており、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。RNAをナノ粒子へ結合させる方法は、PCT/US2009/65822号において一般に記載されており、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。したがって、いくつかの実施形態において、本開示はナノ粒子に結合されたオリゴヌクレオチドがRNAであることを企図する。
いくつかの実施形態において、ナノ粒子に結合されたオリゴヌクレオチドはDNAである。DNAがナノ粒子に結合する場合、DNAは、オリゴヌクレオチドの標的配列と十分相補的である配列を備え、その結果、ナノ粒子に結合されたDNAオリゴヌクレオチドと標的オリゴヌクレオチドとのハイブリッド形成が起こり、それによって標的オリゴヌクレオチドをナノ粒子へ会合させる。種々の態様におけるDNAは、二本鎖分子が標的オリゴヌクレオチドの単一鎖配列へハイブリッド形成する単一鎖配列も含む限りは、単一鎖または二本鎖である。いくつかの態様において、ナノ粒子上の機能化オリゴヌクレオチドのハイブリッド形成は、二本鎖の標的オリゴヌクレオチドで三重構造を形成することができる。別の態様において、三重構造を、ナノ粒子上の機能化二本鎖オリゴヌクレオチドのハイブリッド形成により、単一鎖の標的オリゴヌクレオチドへ形成することができる。
スペーサー
特定の態様において、オリゴヌクレオチドがスペーサーを介してナノ粒子へ結合するものを含む機能化ナノ粒子が企図される。本明細書に使用される「スペーサー」は、本質的には遺伝子発現を調節することに関与しないが、ナノ粒子およびオリゴヌクレオチド間の距離を増加させるために、多重コピーにおいてナノ粒子に結合する場合に単一のオリゴヌクレオチド間の距離を増加させるために、あるいは治療薬およびナノ粒子の距離間を増加させるために機能する部分を意味する。よって、オリゴヌクレオチドが同じ配列を有するか、または異なる配列を有するかに関わらず、スペーサーは、直列型で個別のオリゴヌクレオチド間に位置するように企図される。ドメインがナノ粒子に直接結合される本発明の態様において、ドメインは、任意に、スペーサーを介してナノ粒子に機能化される。直列型のドメインがナノ粒子に機能化される態様において、スペーサーは、任意に、直列型構造のドメイン単位のいくつかまたは全ての間に存在する。一態様において、スペーサーは、存在する場合、有機部分である。別の態様において、スペーサーは重合体であり、水溶性重合体、核酸、ポリペプチド、オリゴ糖、炭水化物、脂質、エチルグリコール、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
スペーサーは、いくつかの実施形態において、開裂可能な結合を含む。本明細書に使用される「開裂可能な結合」は細胞内の治療薬の放出を促進する。例えば、酸に不安定なリンカー、感受性ペプチダーゼリンカー、ジメチルリンカーまたはジスルフィド含有リンカー[Chari et al.Cancer Research52:127−131(1992)]、生理学的pHで比較的に安定しているが酸性エンドソーム環境内では不安定であるエステルおよびヒドラゾンを使用してもよいが、これらに限定されない。したがって、本開示の治療薬は、いくつかの態様において、細胞に進入して薬物を放出するように設計された多数の異なる開裂可能なリンカーを経由してNP表面へ結合する。他の開裂可能なリンカーは、マトリックス金属プロテアーゼのような癌特異的酵素により開裂されるペプチドを含むが、これらに限定されない。
特定の態様において、オリゴヌクレオチドは、それを介してナノ粒子へ共有結合するスペーサーを有する。これらのオリゴヌクレオチドは、上述のオリゴヌクレオチドと同じである。スペーサーがオリゴヌクレオチドである事例において、種々の実施形態におけるスペーサーの長さは少なくとも約5ヌクレオチド、少なくとも6ヌクレオチド、少なくとも7ヌクレオチド、少なくとも8ヌクレオチド、少なくとも9ヌクレオチド、少なくとも10ヌクレオチド、少なくとも11ヌクレオチド、少なくとも12ヌクレオチド、少なくとも13ヌクレオチド、少なくとも14ヌクレオチド、少なくとも15ヌクレオチド、少なくとも16ヌクレオチド、少なくとも17ヌクレオチド、少なくとも18ヌクレオチド、少なくとも19ヌクレオチド、少なくとも20ヌクレオチド、少なくとも21ヌクレオチド、少なくとも22ヌクレオチド、少なくとも23ヌクレオチド、少なくとも24ヌクレオチド、少なくとも25ヌクレオチド、少なくとも26ヌクレオチド、少なくとも27ヌクレオチド、少なくとも28ヌクレオチド、少なくとも29ヌクレオチド、少なくとも30ヌクレオチド、少なくとも31ヌクレオチド、少なくとも32ヌクレオチド、少なくとも33ヌクレオチド、少なくとも34ヌクレオチド、少なくとも35ヌクレオチド、少なくとも36ヌクレオチド、少なくとも37ヌクレオチド、少なくとも38ヌクレオチド、少なくとも39ヌクレオチド、少なくとも40ヌクレオチド、少なくとも41ヌクレオチド、少なくとも42ヌクレオチド、少なくとも43ヌクレオチド、少なくとも44ヌクレオチド、少なくとも45ヌクレオチド、少なくとも46ヌクレオチド、少なくとも47ヌクレオチド、少なくとも48ヌクレオチド、少なくとも49ヌクレオチド、少なくとも50ヌクレオチド、または50ヌクレオチドですら超える。スペーサーは、ナノ粒子へ結合になるためまたは機能化ナノ粒子の取り込みを促進するためのオリゴヌクレオチドの能力を妨害しない任意の配列を有することができる。スペーサーは、互いにまたはオリゴヌクレオチドの相補的な配列を有するべきではない。特定の態様において、オリゴヌクレオチドスペーサーの塩基は、全てアデニン、全てチミン、全てシチジン、全てグアニン、全てウラシル、または全て他の何らかの修飾された塩基である。
面密度
NPの表面上のオリゴヌクレオチドの密度は、所与の用途のために調節することができる。例えば、Seferosらの研究[Nano Lett.,9(1):308−311,2009]は、NP表面上のDNAの密度が、ヌクレアーゼにより分解される速度に影響を及ぼすことを示した。この密度修正は、例えば、薬物およびON−NPが細胞に進入し、ONが制御された速度で分解される、NPに基づく治療薬送達系において使用される。
したがって、本明細書に提供されるナノ粒子は、種々の態様において、単一ナノ粒子上のナノ粒子間およびオリゴヌクレオチド鎖間の協同作用をもたらすのに十分である、ナノ粒子の表面上のオリゴヌクレオチドの充填密度を有する。別の態様において、ナノ粒子間の協同作用は、オリゴヌクレオチドのヌクレアーゼ分解への耐性を増大させる。さらに別の態様において、細胞によるナノ粒子の取り込みは、ナノ粒子と会合するオリゴヌクレオチドの密度により影響を受ける。参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、PCT/US2008/65366号に記載されるように、ナノ粒子の表面上のより高密度のオリゴヌクレオチドは、細胞によるナノ粒子の取り込みの増加と関連する。
ナノ粒子およびオリゴヌクレオチドの所望の組み合わせのための、ナノ粒子を安定させるために適した面密度、およびそれを得るために必要な条件は、経験的に判断することができる。一般に、少なくとも2ピコモル/cmの面密度が、安定したナノ粒子−オリゴヌクレオチド組成物を提供するには適しているだろう。いくつかの態様において、面密度は少なくとも15ピコモル/cmである。オリゴヌクレオチドが、少なくとも2pmol/cm、少なくとも3pmol/cm、少なくとも4pmol/cm、少なくとも5pmol/cm、少なくとも6pmol/cm、少なくとも7pmol/cm、少なくとも8pmol/cm、少なくとも9pmol/cm、少なくとも10pmol/cm、少なくとも約15pmol/cm、少なくとも約20pmol/cm、少なくとも約25pmol/cm、少なくとも約30pmol/cm、少なくとも約35pmol/cm、少なくとも約40pmol/cm、少なくとも約45pmol/cm、少なくとも約50pmol/cm、少なくとも約55pmol/cm、少なくとも約60pmol/cm、少なくとも約65pmol/cm、少なくとも約70pmol/cm、少なくとも約75pmol/cm、少なくとも約80pmol/cm、少なくとも約85pmol/cm、少なくとも約90pmol/cm、少なくとも約95pmol/cm、少なくとも約100pmol/cm、少なくとも約125pmol/cm、少なくとも約150pmol/cm、少なくとも約175pmol/cm、少なくとも約200pmol/cm、少なくとも約250pmol/cm、少なくとも約300pmol/cm、少なくとも約350pmol/cm、少なくとも約400pmol/cm、少なくとも約450pmol/cm、少なくとも約500pmol/cm、少なくとも約550pmol/cm、少なくとも約600pmol/cm、少なくとも約650pmol/cm、少なくとも約700pmol/cm、少なくとも約750pmol/cm、少なくとも約800pmol/cm、少なくとも約850pmol/cm、少なくとも約900pmol/cm、少なくとも約950pmol/cm、少なくとも約1000pmol/cm、またはそれ以上の面密度でナノ粒子に結合される方法も提供する。
標的部分
本明細書に使用される「標的部分」という用語は、特定の標的、標的領域に結合もしくは局在化すること、標的細胞(複数または1つ)に進入すること、または標的受容体に結合することにおいて、化合物もしくは他の分子に対して支援する任意の分子構造を指す。例えば、標的部分としては、タンパク質、ペプチド、アプタマー、脂質(陽イオン性、中性、およびステロイド性の脂質、ビロゾームおよびリポソームを含む)、抗体、レクチン、リガンド、糖、ステロイド、ホルモン、および栄養素が挙げられるが限定せず、これらは標的部分として機能することができる。
いくつかの実施形態において、標的部分はタンパク質である。本開示の組成物のタンパク質部分は、いくつかの態様において、組成物を標的細胞に標的とすることが可能なタンパク質である。このような標的タンパク質は、タンパク質、ポリペプチド、またはその断片であり、所望の標的部位にin vivoで結合することが可能である。本開示の標的タンパク質は、標的細胞または他の標的部位上の受容体、基質、抗原決定基、もしくは他の結合部位と結合することができる。
標的タンパク質は(例えば、タンパク質の変異体および断片を生成するためであるが、これに限定されない)、その標的部位に結合されている所望の生物学的特性が保持される限りは、修飾されてもよい。標的タンパク質は、種々の遺伝子工学またはタンパク質工学技術を使用して修飾されてもよい。一般的に、タンパク質は、より効率的に標的細胞結合部位と結合するために修飾される。このような修飾は、当業者に既知であり、ルーティンである。
標的タンパク質の例は、抗体および抗体断片、血清タンパク質、線維素溶解酵素、ペプチドホルモン、ならびに生物反応修飾物質を含むがこれに限定されない。適切な生物反応修飾物質のうちで使用することができるものは、例えばインターロイキン(例えば、IL−1、−2、−3、−4、−5、および−6であるが、これに限定されない)またはインターフェロン(例えば、アルファ、ベータ、およびガンマであるが、これに限定されない)のようなリンフォカイン、エリスロポエチン、およびコロニー刺激因子(例えば、G−CSF、GM−CSF、およびM−CSFであるが、これに限定されない)である。ペプチドホルモンは、メラニン細胞刺激ホルモン、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、およびヒト成長ホルモンを含む。線維素溶解酵素は、組織型プラスミノーゲン活性化因子、ストレプトキナーゼ、およびウロキナーゼを含む。血清タンパク質は、ヒト血清アルブミンおよびリポタンパク質を含む。
標的タンパク質として有用な抗体は、ポリクローナルまたはモノクローナルであってもよい。細胞の特異的な型と結合する多数のモノクローナル抗体(MAb)が開発されている。これらは、ヒトにおける腫瘍関連抗原に特異的なMAbを含む。多数のMAbの使用することができる例は、抗TACまたは他のインターロイキン2受容体抗体、NR−ML−05または250キロダルトンのヒトメラノーマ関連プロテオグリカンと結合する他の抗体、NR−LU−10つまり37〜40キロダルトンの汎癌腫糖タンパク質を対象とする汎癌腫抗体、および未だ識別されていない腫瘍関連抗原を認識するOVB3である。遺伝子工学またはタンパク質工学を通じて生じた抗体も同様に使用されることができる。
本開示において標的薬剤として採用される抗体は、無処置分子、その断片、またはそれの機能的に同等の物であってもよい。本開示の組成物において有用な抗体断片の例は、F(ab’)、Fab’Fab、およびFv断片であり、これらは遺伝子工学またはタンパク質工学による従来の方法によって生成されることができる。
いくつかの実施形態において、本発明のオリゴヌクレオチド部分は、追加または補助の標的部分として機能することができる。オリゴヌクレオチド部分は、細胞外標的を支援するように、もしくは細胞内標的部分として働くように選択または設計される。すなわち、オリゴヌクレオチド部分は、標的細胞を探し出すDNAプローブとして働くことができる。この追加の標的能力は、組成物の標的細胞への送達における特異性を改善するよう機能するだろう。標的タンパク質が抱合体を細胞外で標的とする一方で、オリゴヌクレオチドは、追加的または代替的に、標的細胞内で組成物を標的にするよう選択または設計されることができる。
種々の実施形態において、標的部分が、ナノ粒子またはオリゴヌクレオチドに結合されることができることが企図される。標的部分がオリゴヌクレオチドである態様においては、それがナノ粒子または治療薬に抱合されたオリゴヌクレオチドの一部に結合されることが企図される。さらなる態様において、標的部分は、ナノ粒子組成物と関連し、他の態様において標的部分は本開示の組成物の投与の前に、同時に、またはその後に投与される。
用量および製剤処方
本明細書に使用される「治療上有効量」という用語は、識別された疾患または病状を治療する、軽減する、もしくは防止する、または検出可能な治療効果もしくは阻害効果を呈するために十分な治療薬の量を指す。効果は、例えば、臨床病状の改善、症状の減少、または本明細書に記載の任意のアッセイもしくは臨床診断試験によって検出されることができる。対象に対する正確な有効量は、対象の体重、体の大きさ、および健康状態、病状の性質および程度、ならびに投与に選択される治療法またはその組み合わせに依存する。所与の状態の治療上有効量は、臨床医の技能および判断の内である日常の実験により決定することができる。
本明細書の他の箇所に記載されるように、本明細書に記載の治療薬は、薬学的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤とともに、薬学的組成物に製剤化されてもよい。治療薬または治療薬を含む組成物は、疾患または病状の治療を可能にする任意の経路により投与することができる。一態様において、投与は経口投与である。さらに、治療薬または治療薬を含む組成物は、特定の態様において、任意の標準投与経路を通じて患者に送達されてもよく、その投与経路は、静脈内、腹腔内、肺内、皮下的、もしくは筋肉内の非経口的、くも膜下内、経皮的、直腸的、経口的、経鼻的、または吸引を含む。本開示はまた、いくつかの態様において、本明明細書に記載されるように、組成物の細胞内保持時間を増やすための方法も含む。本開示は、さらに、いくつかの態様において、本明細書に記載されるように、組成物の生体内分布または細胞の流出に影響を及ぼす方法も含む。
徐放製剤も、胃腸管の体液と接触する活性剤の放出制御を達成するために、および血漿中に十分に一定した、有効レベルの活性剤を提供するために、本明細書に記載される薬剤から調製されてもよい。本目的のために、生物分解性重合体、水溶性重合体、またはその両方の混合物の重合体マトリックス、および任意に適切な界面活性剤に本開示のON−NPの適切な形状を埋め込んでもよい。本内容において、埋め込みとは、重合体のマトリックスへのナノ粒子の組み込みを意味してもよい。放出制御製剤も、既知の分散剤またはエマルジョンコーティング技術を介して、分散されたナノ粒子または乳化マイクロ液滴のカプセル封入により得られる。
投与は、単回投与の形態を取るか、または実施形態の治療薬は、分割量で、または連続放出製剤もしくは投与方法(例えば、ポンプ)のいずれかで、一定期間にわたり投与することができる。しかしながら、実施形態の治療薬は対象に投与され、投与された治療薬の量および選択された投与経路は、疾患病状の効果的な治療を可能にするように選択されなければならない。
ある実施形態において、薬学的組成物は、特定の投与形式および投与形態に応じて、担体、溶媒、安定剤、アジュバント、希釈剤等の薬学的に許容される賦形剤とともに製剤化することができる。薬学的組成物は、一般に、生理学的に相溶性のpHを達成するように製剤化されるべきであり、製剤および投与経路に応じて、約3のpH〜約11のpH、望ましくは約pH3〜約pH7の範囲であってもよい。代替の実施形態において、pHが約pH5.0〜約pH8の範囲に調節されることが望ましい場合がある。より具体的には、薬学的組成物は、種々の態様において、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤とともに、治療上有効量の、本明細書に記載される少なくとも1つの組成物を含むことができる。薬学的組成物は、任意に、本明細書に記載される治療薬の組み合わせを含んでもよく、または細菌感染の治療または予防において有用な第2の活性薬剤(例えば、抗細菌剤または抗微生物剤)を含んでもよい。
製剤化は、例えば、非経口または経口投与のためには、固形、液体溶液、エマルジョンまたは懸濁液が最も一般的であるが、一方で肺内投与のための吸入製剤は一般的に液体または粉末である。代替的な薬学的組成物は、シロップ、クリーム、軟膏、および錠剤として製剤化されることができる。
薬学的に許容される賦形剤」とは、本明細書に記載される治療薬等の、薬学的薬剤の投与用の賦形剤を指す。本用語は、過度の毒性なしに投与され得る任意の薬学的賦形剤を指す。
薬学的に許容される賦形剤は、一部には、投与される特定の組成物ならびに該組成物を投与するために使用される特定の方法により決定される。したがって、広範な薬学的組成物の適切な製剤が存在する(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciencesを参照のこと)。
適切な賦形剤は、タンパク質、多糖類、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、重合アミノ酸、アミノ酸共重合体、および不活性ウイルス粒子等の、大きく、ゆっくり代謝される巨大分子を含む担体分子であってもよい。他の例示的な賦形剤は、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸)、キレート剤(例えば、EDTA)、炭水化物(例えば、デキストリン、ヒドロキシアルキルセルロース、および/またはヒドロキシアルキルメチルセルロース)、ステアリン酸、液体(例えば、油、水、生理食塩水、グリセロールおよび/またはエタノール)、湿潤剤または乳化剤、およびpH緩衝物質を含むがこれに限定されない。リポソームも薬学的に許容される賦形剤の定義内に含まれる。
本明細書に記載の薬学的組成物は、意図される投与方法に適切な任意の形状に製剤化されることができる。経口使用に意図される場合、例えば、錠剤、トローチ、ドロップ、水性もしくは油性懸濁液、非水性溶液、散性粉末もしくは顆粒(微粒子もしくはナノ粒子を含む)、エマルジョン、硬もしくは軟カプセル、シロップ、またエリキシルが調製され得る。経口使用に意図される組成物は、薬学的組成物の製造の当該技術分野で公知の任意の方法に従って調製されてもよく、このような組成物は、口当たりのよい調製を提供するために、1つ以上の甘味料、香味料、着色料、および保存料を含むことができる。
薬学的に許容される賦形剤は、錠剤と一体化しての使用に特に適しており、その錠剤には、例えば、セルロース、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム等の不活性希釈剤、架橋ポビドン、トウモロコシでんぷん、またはアルギン酸等の崩壊剤、ポビドン、でんぷん、ゼラチン、またはアカシア等の結合剤、およびステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルク等の平滑剤が含まれる。
錠剤は、コーティングされてなくてもよく、崩壊および胃腸管における吸着を遅らせ、長期間にわたって持続する効果を提供するために、マイクロカプセル封入を含む公知の技術によってコーティングされてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリル等の時間遅延物質を、単独またはワックスとともに利用することができる。
経口使用のための製剤は、活性薬剤が例えばセルロース、ラクトース、リン酸カルシウム、もしくはカオリン等の不活性固形希釈剤と混合されている硬ゼラチンカプセルとして存在してもよく、あるいは活性薬剤がグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ピーナッツ油、流動パラフィン、もしくはオリーブ油等の非水性媒体または油媒体と混合している軟ゼラチンカプセルとして存在してもよい。
別の実施形態において、薬学的組成物は、実施形態の治療薬を含む懸濁液として、懸濁液の製造に適切な少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤との混合物において、製剤化されてもよい。
さらに別の実施形態において、薬学的組成物は、適切な賦形剤の添加による懸濁液の調製に適切な分散性の粉末および顆粒として製剤化されてもよい。
懸濁液に関連する使用に適切な賦形剤には、懸濁化剤(例えば、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム、アラビアゴム)、分散剤または湿潤剤(例えば、自然発生的リン脂質(例えば、レシチン)、アルキレンオキシドの脂肪酸との縮合生成物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、エチレンオキシドの長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシエタノール)、エチレンオキシドの、脂肪酸から派生した部分エステルおよびヘキシトール無水物との縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート))、および増粘剤(例えば、カルボマー、蜜ろう、硬パラフィンもしくはセチルアルコール)が含まれる。懸濁液は、1つ以上の防腐剤(例えば、酢酸、メチルまたはn−プロピルp−ヒドロキシベンゾエート)、1つ以上の着色料、1つ以上の香味料、およびスクロースまたはサッカリン等の1つ以上の甘味料を含有することもできる。
薬学的組成物は、水中油型エマルジョンの製剤であってもよい。油性相は、オリーブ油もしくはラッカセイ油等の植物油、流動パラフィン等の鉱油、またはこれらの混合物であってもよい。適切な乳化剤としては、アラビアゴムおよびトロガカントゴム等の自然発生的なゴム、大豆レシチン、脂肪酸から派生したエステルもしくは部分エステル等の自然発生的リン脂質、ソルビタンモノオレエート等のヘキシトール無水物、およびポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のエチレンオキシドと、これらの部分エステルとの縮合生成物が挙げられる。エマルジョンは、甘味および香味料を含有することができる。シロップおよびエリキシルは、グリセロール、ソルビトールまたはスクロース等の甘味料とともに製剤化されてもよい。このような製剤は、鎮痛薬、防腐剤、香味料、または着色料を含有してもよい。
加えて、薬学的組成物は、減菌の注入可能な水性エマルジョンまたは油性懸濁液等の、減菌の注入可能な調製物の形態であってもよい。本エマルジョンまたは懸濁液は、上記のものを含む適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用して、当業者により調合されてもよい。減菌の注入可能な調製物は、1,2−プロパン−ジオール中の溶液等、非毒性の非経口的に許容される希釈液または溶媒中の減菌の注入可能な溶液または懸濁液であってもよい。
減菌の注入可能な調製物は、凍結乾燥された粉末としても調製することができる。許容されるビヒクルおよび溶媒のうち、水、リンゲル液、および等張塩化ナトリウム液を利用してもよい。加えて、減菌の固定油は、溶媒または懸濁媒体として利用することができる。本目的のために、合成モノまたはジグリセリドを含む、任意の無刺激性固定油が利用されてもよい。加えて、脂肪酸(例えば、オレイン酸)も同様に、注入可能物の調製に使用することができる。
送達を適切(例えば、溶解度、生物活性、味の良さを増加させ、有害反応を減少させるが、これに限定されない)にする、化学的部分または生化学的部分の置換または付加によって修飾されている治療薬も同様に企図され、それは例えば、エステル化、グリコシル化、およびペグ化によるがこれに限定されない。
いくつかの態様において、さらに、検出可能なマーカーを含む組成物が提供される。本明細書に使用される「検出可能なマーカー」は、組成物の位置が、in vivoまたはin vitroどちらかを識別するために使用することができる任意の標識である。検出可能なマーカーの非限定的な例は、フルオロフォア、化学的またはタンパク質タグであり、ポリペプチドの可視化を可能にする。可視化は、肉眼または装置(例えば、顕微鏡であるが、これに限定されない)を用いて行われることができ、代替的なライトまたはエネルギー源を伴うこともできる。
治療薬の組み合わせもまた、本開示によって企図され、それらは、種々の態様において、(1)複合製剤において、同時に、共通の処方および投与、もしくは送達されてもよく、(2)別々の製剤として交互にもしくは並行に送達されてもよく、または(3)当該分野で公知の他のいかなる組み合わせ治療計画によるものであってもよい。交互治療から派生する場合、本明細書に記載される方法は、活性薬剤を逐次的に投与または送達することを含み、それは例えば、別々の溶液、エマルジョン、懸濁液、錠剤、ピルもしくはカプセルにおいて、または別々のシリンジにおける異なる注入によって行われる。一般的に、交互治療の際は、各活性薬剤の効果的な用量が、逐次的、すなわち連続的に投与され、一方で同時治療においては2つ以上の活性薬剤の効果的な用量が同時に投与される。断続的な組み合わせ治療の種々の配列も使用することができる。また、治療薬がさらにオリゴヌクレオチド機能化ナノ粒子と関連する実施形態も、本開示によって企図される。さらなる態様は、ナノ粒子と関連せずに、細胞膜を自由に横断することができる治療薬の投与を含む。
本発明は、本発明の例示的な実施形態を詳述する以下の実施例を参照することにより、より完全に理解されるだろう。しかしながら、それらは本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。本開示にわたる全ての引用が、参照により明示的に本明細書に組み込まれる。
実施例1
本実施例において、疎水性薬物様分子(短いチオール化ポリエチレングリコール(PEG)鎖)を、シアニン色素(Cy5)へ抱合し、チオール化DNA(PEG−Cy5−DNA AuNP抱合体)とともにAuNPの表面に吸着させた。これは追加分子の共通の単分子層を形成した。この戦略におけるオリゴヌクレオチドの役割を示すために、チオール化PEGのみ、チオール化オリゴヌクレオチドのみ、または様々の比率の分子を使用した。異種AuNPを細胞の存在下でインキュベートした。PEG−シアニン色素と組み合わせてDNAおよびRNAで修飾したAuNPは、強い細胞内蛍光(PEG−Cy5−DNA)を示し、一方PEG−Cy5で修飾したAuNPは示さなかった(図1)。これらの研究は、オリゴヌクレオチド修飾されたAuNPが、細胞内の疎水性薬物様分子を可溶化する、および輸送する能力があることを示した。
実施例2
本実施例において、共有結合パクリタキセル−DNA−金ナノ粒子(AuNP)抱合体を、薬物送達および生物活性のため合成し、特徴づけ、in vitroで試験した。加えて、これらの抱合体は画像化を可能にする蛍光色素で標識をつけ、細胞取り込みおよび細胞内追跡を確認した。これらのナノ抱合は、効果的な化学療法薬としてパクリタキセルに関連する3つの一般的な問題を解決する。(1)高濃度の塩を含む緩衝液および血清含有細胞培養液のような水溶液系での溶解度の増強、(2)パクリタキセル耐性細胞株における治療効果の増加、(3)その検出および追跡の方法の提供。
全ての物質および溶媒をSigma−Aldrich Chemical Co.(St.Louis,MO,USA)から購入し、言及しない限りさらなる精製なしに使用した。クエン酸で安定されたAuNP(直径13±1.0nm)を、Frens法[Frens,Nature−Physical Science241(105):20−22(1973)]で調製し、約10nMの溶液を得た。化合物1を文献[Deutsch et al.,J Med Chem,32(4):788−92(1989)]に従って無水コハク酸で合成し、スキーム1(スキーム1に示す配列はSEQ ID NO:2)に示すように、C−2’−OH配置の分子上でカルボキシル酸基を添加した。化合物1はESI−MS(Thermo Finnegan LCQ,Integrated Molecular Structure Education and Research Center,Northwestern University)を特徴とする。M/Z:計算値=953.98;実測値=953.92。
一般細胞培養
MCF7、SKOV−3およびMES−SA/Dx5細胞をAmerican Type Culture Collection(ATCC,Manassas,VA,USA)から購入した。媒体、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(DPBS)、および0.25%トリプシン/EDTAをInvitrogen(Carlsbad,CA,USA)から購入した。MCF7細胞をイーグル最少必須培地(EMEM)で培養し、10%のウシ胎仔血清(FBS)および0.01mg/mlのウシインスリンで補完した。SKOV−3およびMES−SA/Dx5細胞を、McCoy’s5A修飾された媒体を使用して培養し、10%FBSで補完した。全ての実験を37℃で5%COのインキュベータ中の上述の細胞特殊媒体で実施した。
蛍光画像化
MCF7およびMES−SA/Dx5細胞を、画像化に先立ってLab−Tek(登録商標)II Chamber #1.5 German Coverglass System(Thermo Scientific−Nunc international,Naperville,IL,USA)で24時間成長させた。次いで0.42nMフルオレセイン−PTX−DNA−AuNP(25nMの濃度のフルオレセインで標識した鎖に対応する)を、細胞培養培地に直接添加した。処理の6時間後、細胞をPBSですすぎ、新鮮培地を添加した。生細胞を、製造業者の使用説明書に従って、細胞質アクチン染色および細胞核染色のため、それぞれCellular LightsTM Actin−RFP(Invitrogen)およびDRAQ5(Biostatus Ltd.)で染色した。画像をZeiss LSM510倒立顕微鏡(Zeiss Zen ソフトフェアを使用するコンピュータ制御)で得た。アポクロマート浸水対物レンズ(40X,NA1.2)を全ての測定に使用した。
パクリタキセル−オリゴヌクレオチド抱合体の合成
オリゴヌクレオチドを、標準固相ホスホラミダイト方法を使用して、Expedite8909Nucleotide Synthesis System(ABI)で合成した。塩基塩基および試薬をGlen Research(Sterling,VA,USA)から購入した。AuNPを機能化させるために使用されたオリゴヌクレオチドは、アミン機能化鎖5’−NH2−T20−ヘキシルジスルフィド−3’(SEQ ID NO:1)であった。オリゴヌクレオチドを逆相高性能液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)で精製し、MALDI−MS(Bruker Apex III,Integrated Molecular Structure Education and Research Center,Northwestern University)で特徴づけた。オリゴヌクレオチドの濃度を、UV−Vis分光光度計で260nmの吸光度の監視によって決定した。次いで、その鎖をEDC/スルホ−NHS化学反応を介して化合物1と反応させ、PTX−DNA抱合体を調製した。典型的な反応において、0.5mLのアセトニトリル溶液中の化合物1を、HEPES緩衝液(0.1M、pH=7)中の1mLの10倍モル過剰のスルホ−NHSおよびEDC溶液へ添加した。得られた混合物を室温で15分間反応させた。オリゴヌクレオチド鎖5’−NH2−T20−ヘキシルジスルフィド−3’(SEQ ID NO:1)の0.5モル等量(化合物1に関連する)を、その溶液へ添加した。反応混合物を室温で3日間、穏やかに振とうさせた。PTX−DNA抱合体をRP−HPLCで精製し、MALDI−MSで特徴づけた。ナノ粒子および細胞イメージングに供したパクリタキセルの数量化のため、追加のフルオレセイン/アミン−修飾鎖(5−NH2−T9−(フルオレセイン−dT ホスホラミダイト)−T10−ヘキシルジスルフィド3’、SEQ ID NO:2)を合成し、同様の方法で反応させ、フルオレセイン標識PTX−DNA抱合体を得た。
したがって、クエン酸−安定金ナノ粒子を末端パクリタキセル含有するチオール化オリゴヌクレオチドと反応させることによって、ナノ粒子抱合体を調製した(スキーム1)。最初に、前述のように、DNAオリゴマーを、パクリタキセルへの共有結合のため末端アミン基を有する固体支持体上で合成し、分子上のC−2’−OH位置にカルボキシル酸基を添加するために、EDC/スルホ−NHSカップリング化学を介して無水コハク酸によって修飾し、化合物1を形成した。RP−HPLCによる精製の後、パクリタキセル−DNA(PTX−DNA)抱合体を、マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析(MALDI−MS)によって特徴づけ、抱合体の構造を確認した(図S1)。次いで、PTX−DNA抱合体を、使用される類似の文献手順に従ってクエン酸−安定化AuNPで固定化し、DNA−AuNPを製作し、最終的にPTX−DNA−AuNPを回収した[Hurst et al.,Anal Chem 78(24):8313−8(2006)]。この方法は以下に詳細に記載する。
PTX−DNA−AuNPおよびフルオレセイン−PTX−DNA−AuNPの調製
オリゴヌクレオチドAuNP抱合体を既に記載したように合成した[Hurst et
al.,Anal Chem 78(24):8313−8(2006)]。簡潔には、ジスルフィド機能化オリゴヌクレオチドは使用の前に、室温で1時間、ジチオスレイトール(DTT)によって新たに開裂させた。開裂させたオリゴヌクレオチドを、NAP−10カラム(GE Healthcare)を使用して精製した。次いで、新たに開裂させたオリゴヌクレオチドに金ナノ粒子(1OD/1mL)を添加した。16時間のインキュベーションの後、PBSおよびドデシル硫酸ナトリウム(SDS)の濃度をそれぞれ0.01Mおよび0.01%にした。オリゴヌクレオチド/金ナノ粒子溶液を室温で20分間インキュベートさせた。NaClを、0.01%のSDS濃度を維持しながら0.1M NaClの濃度に達するまで、5時間毎に0.02M NaCl単位で繰り返し加塩した2M NaClを使用して添加した。加塩プロセスに続いてを室温で一晩インキュベーションした。最終抱合体を過剰オリゴヌクレオチドとともに緩衝液中−4℃で保存した。使用前に、PTX−DNA−AuNPまたはフルオレセイン−PTX−DNA−AuNP抱合体を遠心沈殿させ、上清内にMALDI−MSによって検出される鎖がなくなるまで洗浄した。
過剰PTX−DNAを、上清内にMALDI−MSによって検出されるPTX−DNAがなくなるまで、繰り返しの遠心分離およびPTX−DNA−AuNPの再懸濁を介して取り除いた。フルオレセイン標識PTX−DNA抱合体は、共焦点顕微鏡法を介した画像化およびナノ粒子抱合体上でのパクリタキセル数量化の後の負荷の両方のための、フルオレセイン−PTX−DNA−AuNPを生成するために、スキーム1に記載するように合成した。各粒子に負荷されたパクリタキセル分子の数を判定するために、蛍光PTX−DNAを、ジチオスレイトール(DTT)を用いて金ナノ粒子の表面から化学的に分離し、蛍光PTX−DNAおよびナノ粒子の濃度を、すでに記載したように測定した[Hurst et al.,Anal Chem 78(24):8313−8(2006)]。ナノ粒子当たりのパクリタキセル分子の量を、蛍光オリゴヌクレオチドの濃度をナノ粒子の濃度で割ることによって、1ナノ粒子抱合体につき59±8パクリタキセル分子であると判定した。
金ナノ粒子に負荷されたアルカンチオール化オリゴヌクレオチドの数量化
各粒子に負荷されたオリゴヌクレオチドの数を、すでに報告したように各試料中のナノ粒子の濃度および蛍光DNAの濃度の測定によって判定した[Hurst et al.,Anal Chem 78(24):8313−8(2006)]。各アリコート中の金ナノ粒子の濃度を、UV−vis分光学測定を実行して判定した。次いで、これらの吸光度値を、ランベルト・ベールの法則によりナノ粒子濃度と関連付けた(A=εbc)。吸光度の最大値(λ)の波長および13nm金ナノ粒子のために使用した減衰係数(ε)は次の通りである:λ=520nm.ε=2.7×10−1cm−1
各アリコート中の蛍光オリゴヌクレオチドの濃度を判定するために、DNAをpH8.0の0.18M PBS中の1.0M DTTを使用して、ナノ粒子の表面から化学的に置き換えた。オリゴヌクレオチドを、一晩のインキュベーション中にナノ粒子の表面から溶液の中へ開裂させ、その後、金の沈殿物を遠心分離によって取り除いた。オリゴヌクレオチド濃度の判定のため、上清の100μLを96ウェルプレートに入れ、蛍光性を同様の1.0M DTT緩衝液溶液で調製された標準曲線と比較した。蛍光測定中、フルオロフォアを490nmで活性化させ、その放出物を520nmで収集した。
各アリコートの粒子毎のオリゴヌクレオチドの数を、蛍光オリゴヌクレオチドの濃度をナノ粒子の濃度で割ることによって算出した。実験は新しい試料を使用して繰り返し3回行い、信頼できるエラーバーを得た。
動的光散乱(DLS)および透過電子顕微鏡法(TEM)
PTX−DNA−AuNPまたはDNA−AuNPを、200uLのPBS緩衝液で25μΜの当量濃度のオリゴヌクレオチド鎖と再懸濁させた。流体力学的サイズ測定を、Zetasizer Nano ZS(Malvern,Worcestershire,U.K.)を使用して実施した。そのサイズ測定は、使い捨てのマイクロキュベット(最小体積40μL,Malvern,Worcestershire,U.K.)、173°散乱角、25℃で行った。平均の流体力学的直径を累積分析によって判定した。
透過型電子顕微鏡法(TEM)を200kV Hitachi H−8100TEM(EPIC,Northwestern University)を使用して行った。脱イオン水の希釈PTX−DNA−AuNPを、市販の炭素TEMグリッド(Ted Pella Inc.,Redding,CA)上にピペットで取得した。2時間の空気乾燥の後、次いで、試料をHitachi H−8100TEM内で観察した。
水溶液で懸濁される場合、PTX−DNA−AuNP抱合体が、520nmでのAuプラズモン共鳴のため透明な深紅の溶液として現れる。結果として生じる抱合体は4℃で数ヶ月安定しており、結果として生じる懸濁液が濁っており多量のペレットをはっきりと確認することができるPBS中の非抱合の遊離パクリタキセルとは全く対照的である。PTX−DNA−AuNPの表面プラズモンバンドのUV−Vis分光法は、薬物抱合の後の粒子凝集の非存在を確認した。さらに、結果として現れた薬物−ナノ粒子抱合体が、塩含有緩衝液中で著しく増幅された親水性および溶解性を呈することに言及するのは興味深い。動的光散乱(DLS)分析およびTEM画像(図2)は、25μΜ パクリタキセルを含有するPTX−DNA−AuNPが狭い範囲の分布でPBS中によく分散されていることを示すのに対して、疎水パクリタキセルの同量が懸濁された際、PBSでの数秒の超音波処理の後でさえ、重度の凝集が起こる。遊離パクリタキセル(0.4μg/mL)[Hwu et al.,J Am Chem Soc 131(1),66−8(2009)、Skwarczynski et al.,Journal of Medicinal Chemistry 49(25):7253−7269(2006)]と比較すると、抱合体PTX−DNA−AuNPは、0.4μg/mLから21.35μg/mLより上(25μΜパクリタキセルに対応する)まで、少なくとも53倍の増加になるパクリタキセルの溶解度を上昇させる。修飾されていないDNA−AuNP(29.2±0.6nm)と比較する場合、PTX−DNA−AuNPは、0.2のポリ多様性指標(PDI)とともに、若干大きめの34.7±1.7の平均サイズを呈する。
薬物負荷ナノ粒子の治療効果は、成功した内面化および疾患細胞による持続的な滞留次第であることを示した[Zhang et al.,Acta Biomater 6(6):2045−52;Jin et al.,Biomaterials 28(25):3724−30(2007)]。この研究において、DNA−AuNPを、パクリタキセルの送達ビヒクルとして、特に、細胞に効率的に進入するDNA−AuNPの能力を理由として選択した[Giljohann et al.,Angew Chem Int Ed Engl 49(19):3280−94(2010)]。さらに、DNA−AuNPは、AuNPの他の型と比較した場合、優れた細胞取り込みの能を示す。例えば、ヒーラ細胞は、ほぼ同一の条件[Giljohann et al.,Nano Lett 7(12):3818−21(2007)]下の100万を超えるDNA−AuNPと比較すると、わずか数千のクエン酸−コーティング金ナノ粒子[Chithrani et al.,Nano Lett 6(4):662−8(2006)]を内面化する。
フルオレセイン−PTX−DNA−AuNPの細胞に進入する能力を、フルオレセイン−標識PTX−DNA分子の単分子層で機能化された金ナノ粒子を使用して共焦点顕微鏡法によって調査した。共焦点蛍光画像は、6時間のインキュベーション後にMCF7ヒト乳腺癌細胞およびMES−SA/Dx5ヒト子宮肉腫細胞において蛍光標識された抱合体の成功した内面化を示した。MES−SA/Dx5細胞内において、ほとんどのフルオレセイン−PTX−DNA−AuNPが、パクリタキセル−金ナノ粒子抱合体の効率的な転移を示す細胞質で観察される。MCF7細胞内には、細胞質内で共局在化するナノ粒子もあれば、核周囲領域の小胞中に位置するナノ粒子もある。
TUNELアッセイ
MCF7およびMES−SA/Dx5細胞を、蛍光TUNELアッセイの24時間前に2×10細胞/ウェルの密度で12ウェルプレートの0.17mmの厚みのカバースリップに蒔いた。細胞を、それぞれ48時間、無処理、100nMのDNA鎖濃度のでのDNA−AuNP(陰性対照)、100nMの遊離パクリタキセルおよび化合物1(陽性対照)、または50nMおよび100nMと同等のパクリタキセル濃度のPTX−DNA−AuNP(試料)で処理した。生細胞を、Chemicon International ApopTag Plus Fluorescein In situ Apoptosis Detection Kit S7111(Temecula,CA)に提供された接着培養細胞に対する指示書および材料によりすすぎ、染色した。ApopTagは、フルオレセイン抱合抗ジゴキシゲニン抗体を増幅する末端デオキシヌクレオチド転移(TdT)酵素、DNAの断片上のジゴキシゲニン標識ヌクレオチド標識30−OH末端に対して有効な二次抗体を利用し、画像をZeiss LSM510倒立顕微鏡(Zeiss Zenソフトフェアを使用するコンピュータ制御)で得た。
MTTアッセイ
MCF7、MES−SA/Dx5およびSKOV−3細胞における、PTX−DNA−AuNP抱合体、パクリタキセルおよび化合物1の細胞毒性プロファイルを製造業者の手順に従って3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル−)−2,5−ジフェニルテラゾリウムブロミド(MTT)アッセイを使用して調査した。簡潔には、細胞を、アッセイの24時間前に1.5×10細胞/ウェルの密度で96ウェルプレートに蒔いた。24時間の成長に続いて、培地を200μLの対応する試料液と交換し、完全細胞培地において異なる濃度で新たに調製した。何も添加されない10%FBSを含有する培地の細胞を対照として使用した。処理の12時間または48時間後に、細胞をすすいで、さらに3時間0.5mg/mLのMTTを含有する新鮮培地で培養した。続いてMTT溶液の慎重な吸引およびMTTインキュベーション後の培地、200μLのMTT可溶化溶液を各ウェルに添加し、完全に混合した。570nmの光学密度をSafireマイクロプレートリーダー(Tecan Systems,Inc.,San Jose,CA)を使用して測定した。690nmのバックグラウンド吸光度を差し引いた。値を対照(培地のみのインキュベート)の割合として表した。全ての条件を各細胞株に対する2つの独立した実験で6回行った。
ナノ粒子抱合体の表面の薬物の存在の活性維持を試験するために、ターミナル・デオキシヌクレオチジル・トランスフェラーゼ−dUTPニック末端標識(TUNEL)アッセイ[Gavrieli et al.,J.Cell Biol.119(3):493−501(1992)]を、DNA断片化およびパクリタキセルによって誘発されるアポトーシスを検出するために行った。MCF7またはMES−SA/Dx5細胞を、薬物を使用しないDNA−AuNP、遊離パクリタキセル、化合物1およびPTX−DNA@AuNPでそれぞれ、異なる濃度で48時間インキュベートした。MCF7細胞とは異なり、MES−SA/Dx5細胞は、高レベルのmdr−1 mRNAおよびP−糖タンパク質を表し、パクリタキセルを含む多量の化学療法薬の注目される交差耐性を呈する[Angelini et al.,Oncol Rep 20(4):731−5(2008);Chen et al.,Br J Cancer 83(7):892−8(2000);Chu et al.,Toxicol Lett1 81(1):7−12(2008)]。未処理細胞および薬物を使用しないDNA−AuNPを陰性対照として使用し、最小のアポトーシスの兆候および最大の細胞生存率を示した。100nMの遊離パクリタキセルまたは化合物1で処理した場合、MES−SADx5細胞は、MCF7細胞と比較して低い割合のTUNEL−陽性信号を呈し、パクリタキセルに対するMES−SA/Dx5細胞の生来の耐性を示す。TUNEL−陽性細胞の強い信号および陽性対照に関連する減少した個体群が、MCF7細胞およびMES−SA/Dx5細胞の両方における、100nMのパクリタキセルを含有するPTX−DNA@AuNP抱合体でのインキュベーション後でもなお明らかに観察されることは、言及に値する。TUNEL染色画像は、パクリタキセルが抱合上で活発なままであることを示し、結果として得られた金ナノ粒子抱合体がパクリタキセル耐性を回避する可能性を有することを強く示唆している。
PTX−DNA@AuNPの効率を評価するために、種々の起源の癌細胞内で死を誘発する能力を調査した。図3は、パクリタキセル、化合物1およびPTX−DNA−AuNPと培養されたMCF7、MES−SA/Dx5およびSKOV−3の卵巣癌細胞のin vitro生存率を示し、それは、0.064から1000nMの幅の異なるの当量のパクリタキセル濃度で抱合する。当量のDNA鎖濃度を含有するDNA−AuNPのMTTアッセイも、陰性対照としてMCF7およびMES−SA/Dx5細胞で実施した(図4)。薬物なしのDNA−AuNPは、48時間のインキュベーションの後でさえMCF7およびMES−SA/Dx5細胞内でわずかまたはゼロの細胞毒性プロファイルを生成する。1μΜ以上のDNA濃度でDNA−AuNPと培養した場合、75〜90%以上の細胞は、48時間生存可能である。しかしながら、図3で示されるように、異なる濃度のPTX−DNA−AuNPでの12時間または48時間の処理の後では、細胞毒性をパクリタキセルおよび化合物1のみの場合と比較して、3つ全ての細胞株で観察した。特に、200nM薬物濃度での2日間のインキュベーション後のMES−SA/Dx5細胞生存率は、化合物1に対して84.3%からパクリタキセルのみに対して76.0%に低下し、PTX−DNA@AuNP製剤に対して35.4%低下する。パクリタキセルおよび化合物1の両方とも、同じ条件下のパクリタキセル耐性MES−SA/Dx5細胞で、いかなる有意な治療活性も示さなかったが、パクリタキセルの活性は、DNA−AuNPに結びついた時にかなり増幅された。同様に、MCF7およびSKOV−3細胞で、PTX−DNA−AuNPは、12時間および48時間インキュベーションの後にパクリタキセルおよび化合物1の有効性を越える有効性を反映する。PTX−DNA−AuNPの改善された細胞毒性は、遊離薬物と比較して増加された抱合体の細胞取り込みと同様に、増幅された親水性に起因すると考えられる。
種々の薬物濃度でのインキュベーション後のMCF7、SKOV−3およびMES−SA/Dx5細胞における効果は、それらのIC50値によって要約される(表1)。そのデータは、遊離薬物に関連して、ナノ粒子抱合体を使用する利点を示す。例えば、12時間および48時間インキュベーションの後に、MCF7細胞のIC50値は、遊離パクリタキセルに対して1μΜを超える値からおよび193nMに、PTX−DNA−AuNPに対して119.4nMおよび52.6nMまでそれぞれ低下する。耐性MES−SA/Dx5細胞において、パクリタキセルおよび化合物1の両方とも、1μΜを超えるIC50値を有するのに対して、PTX−DNA−AuNPは、12時間および48時間のインキュベーションの後に、それぞれ118nMおよび104.5nMのIC50値を呈する。同様の傾向はSKOV−3細胞で観察される。48時間インキュベーションの後、PTX−DNA−AuNPは、パクリタキセル(28.9nM)および化合物1(188.0nM)のIC50値より低い17.5nMのIC50値を有し、DNAリンカーを経由する金ナノ粒子への抱合のパクリタキセル化合物の異なる癌性細胞株にわたる増幅された活性を証明している。
生来の金ナノ粒子の表面化学反応を使用することは、DNA−AuNPをベースとする薬物送達に関する複数の重要な特性を解明することができる。この研究において、ヒト癌細胞での薬物流出を同時に打開しながら、疎水性パクリタキセルの送達に効率的な戦略を示した。PTX−DNA−AuNPを、DNAスペーサー経由の金ナノ粒子上で疎水性パクリタキセルを共有結合することによって組み立て、遊離パクリタキセルのみの場合と比較して、PBSにおいて著しく増幅された親水性および安定性をもたらした。共焦点蛍光顕微鏡法によるヒト乳腺癌細胞および子宮肉腫細胞内のフルオレセイン標識PTX−DNA−AuNPの視覚化は、有効な細胞内面化、送達およびパクリタキセルの分布を示す。さらに、パクリタキセルの治療活性を、DNA−AuNP上で結合する場合に複数の癌細胞株に対してin vitroで上昇した。複数濃度および細胞株にわたるTUNELおよびMTTアッセイにおいて、PTX−DNA−AuNPは、パクリタキセル耐性MES−SA/Dx5細胞内で最も顕著なアポトーシスを誘発することにおいて遊離薬物よりも効果的であった。

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