JP2015016521A - ばね、微小構造体およびばねの製造方法 - Google Patents

ばね、微小構造体およびばねの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製造工程が容易で、歩留まりが高い導電性を有するばね、微小構造体およびばねの製造方法を提供する。【解決手段】ばね2は、一端が枠部材1に、他端が振動子3にそれぞれ接続されることにより、振動子3を振動可能に支持するばね部材である。このようなばね2は、導電材料からなるばね本体21と、このばね本体21の表面に形成され、導電材料からなる導電層22とから構成されている。【選択図】 図1

Description

本発明は、ばね、微小構造体およびばねの製造方法に関するものである。
近年、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術により、微小な装置の開発が盛んに行われている。MEMS技術は、半導体基板などのウエハ上に薄膜を形成し、この薄膜を加工する半導体集積回路の製造技術を基本としている。MEMS技術により作製されたMEMS素子には、例えば微小振動素子など可動構造を備えたものがある。
微小振動素子は、ばねにより移動可能に支持された振動子を備えている。この微小振動素子は、他の半導体デバイスとの集積化が可能であり、振動子の専有面積が小さいという特徴がある。このため、環境中の振動エネルギーを電気エネルギーに変換するエネルギーハーベスタとしての利用が検討されており、例えば、エレクトレット微小発電素子のような微小電力を発電する発電素子が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。この発電素子は、振動子に形成された可動電極と、振動子を支持するばねを介して可動電極と電気的に接続された固定電極と、電荷を保持するエレクトレットとを備え、振動子が振動することにより可動電極とエレクトレットとの近接および離反を繰り返し行い、可動電極と固定電極との間で電荷を移動させることによって電流を発生させるものである。
発電素子が振動エネルギーを電気エネルギーに変換する際には、振動子が環境中に存在する振動と共振しなければならないが、環境中の振動の大多数は数〜数10[kHz]という低い周波数なので、振動子も低い周波数で共振することが望ましい。このため、振動子を支持するばねは、ばね定数が可能な限り小さいことが求められる(例えば、非特許文献1,2参照。)。そこで、ばねのばね定数を低減するために、MEMS技術により高アスペクト比のばねを作製することが提案されている(例えば、非特許文献3参照。)。このばねでは、パレリン(登録商標)樹脂(ヤング率:〜4[GPa])を材料として用いることにより、従来のシリコン(ヤング率:130[GPa])よりもばね定数を低減することができ、数〜数10[kHz]といった低周波数で振動子を共振させることを可能としている。
ところが、パレリン樹脂は非導電性の材料である。このため、パレリン樹脂のようにヤング率が低い非導電性の材料からなるばねを発電素子に用いる場合には、可動電極と固定電極とを電気的に接続するための構成をばねに設けなければならない。そこで、従来では、中空構造のばねの内部に、毛細管現象を利用して導電性のナノメタルインクを封入することが提案されている(例えば、非特許文献4参照。)。
C. Marboutin, Y. Suzuki and N. Kasagi、"Optimal Design of Micro Electret Generator for Energy Harvesting"、7th Int. Workshop on Micro and Nanotechnology for Power Generation and Energy Conversion Applications (PowerMEMS 2007), Freiburg, Nov. 28-29, 2007, pp. 141-144. K. Najafi, T. Galchev, E.E. Aktakka, R.L. Peterson, and J. McCullagh、"MICROSYSTEMS FOR ENERGY HARVESTING"、Digest Tech. Papers, TRANSDUCERS2011, p. 1845, Beijing, China, June 2011. Y. Suzuki and Y.-C. Tai、"Micromachined High-Aspect-Ratio Parylene Spring and Its Application to Low-frequency Accelerometers"、J. Microelectromech. Syst., Vol. 15, No. 5, pp. 1364-1370 (2006). T. Tsutsumino, Y. Suzuki, N. Sakurai, N. Kasagi and Y. Sakane、"Nano-metal Ink Based Electrode Embedded in Parylene Structures with the Aid of the Capillary Effect"、20th IEEE Int. Conf. Micro Electro Mechanical Systems (MEMS 2007), Kobe, 2007, pp. 313-316. K. Machida et. Al.、"Novel global planarization technology dielectrics using spin on glass film transfer and hot pressing"、J. Vac. Sci. Technol. B, Vol. 16, No.3, pp. 1093-1097, 1998
しかしながら、ばねの内部にナノメタルインクを封入する構成は、製造工程が複雑であるとともに、毛細管現象を利用しているために中空構造の製造誤差によってナノメタルインクが中空構造内に入るときと入らないときがあるなど、歩留まりが悪かった。
そこで、本発明は、製造工程が容易で、歩留まりが高い導電性を有するばねおよびばねの製造方法を提供することを目的とする。
上述したような課題を解決するために、本発明にかかるばねは、弾性材料からなるばね本体と、このばね本体の表面に形成され、導電材料からなる導電層とから構成されることを特徴とするものである。
上記ばねにおいて、導電材料は、弾性材料よりもヤング率が低いようにしてもよい。
また、本発明に係る微小構造体は、振動子と、この振動子に一端が接続されたばねと、このばねの他端が接続された支持部とを備えた微小構造体であって、ばねは上述したばねからなることを特徴とするものである。
また、本発明に係るばねの製造方法は、弾性材料からなるばね本体を形成するステップと、ばね本体の表面に導電材料からなる導電層を形成するステップとを有することを特徴とするものである。
本発明によれば、本体の表面に導電層を形成することにより、製造工程が容易で、歩留まりが高い導電性を有するばねを実現することができる。
図1は、本実施の形態に係るばねを備えた微小構造体の構成を示す平面図である。 図2は、本実施の形態に係るばねの要部断面図である。 図3は、図1のI-I線断面図である。 図4は、本発明の第1の形態に係るばねを備えた微小構造体の製造方法を説明するための図である。 図5は、本発明の第1の形態に係るばねを備えた微小構造体の製造方法を説明するための図である。 図6は、本発明の第1の形態に係るばねを備えた微小構造体の製造方法を説明するための図である。 図7は、本発明の第1の形態に係るばねを備えた微小構造体の製造方法を説明するための図である。 図8は、本発明の第1の形態に係るばねを備えた微小構造体の製造方法を説明するための図である。 図9は、本発明の第1の形態に係るばねを備えた微小構造体の製造方法を説明するための図である。 図10は、本発明の第1の形態に係るばねを備えた微小構造体の製造方法を説明するための図である。 図11は、本発明の第1の形態に係るばねを備えた微小構造体の製造方法を説明するための図である。 図12は、本発明の第1の形態に係るばねを備えた微小構造体の製造方法を説明するための図である。 図13は、本発明の第1の形態に係るばねを備えた微小構造体の製造方法を説明するための図である。 図14は、本発明の第1の形態に係るばねを備えた微小構造体の製造方法を説明するための図である。 図15は、本発明の第1の形態に係るばねを備えた微小構造体の製造方法を説明するための図である。 図16は、本発明の第2の形態に係るばねを備えた微小構造体の製造方法を説明するための図である。 図17は、本発明の第2の形態に係るばねを備えた微小構造体の製造方法を説明するための図である。 図18は、本発明の第2の形態に係るばねを備えた微小構造体の製造方法を説明するための図である。 図19は、本発明の第2の形態に係るばねを備えた微小構造体の製造方法を説明するための図である。 図20は、本発明の第2の形態に係るばねを備えた微小構造体の製造方法を説明するための図である。 図21は、本発明の第2の形態に係るばねを備えた微小構造体の製造方法を説明するための図である。 図22は、本発明の第2の形態に係るばねを備えた微小構造体の製造方法を説明するための図である。 図23は、本発明の第3の形態に係るばねを備えた微小構造体の製造方法を説明するための図である。 図24は、本発明の第3の形態に係るばねを備えた微小構造体の製造方法を説明するための図である。 図25は、本発明の第3の形態に係るばねを備えた微小構造体の製造方法を説明するための図である。 図26は、本発明の第4の形態に係るばねを備えた微小構造体の製造方法を説明するための図である。
[第1の実施の形態]
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下においては、本実施の形態に係るばねを微小構造体に適用した場合を例に説明を行う。
<微小構造体の構成>
図1〜図3に示す微小構造体は、中央部に平面視略矩形の開口1aが形成された平面視略矩形の枠部材1と、一端が開口1aの1組の対辺にそれぞれ接続された一対のばね2と、平面視略矩形に形成され、ばね2の他端が1組の対辺にそれぞれ接続され、開口1a内で移動可能に支持された振動子3とを備えている。
枠部材1は、ばね2を介して振動子3を支持する板状の部材である。このような枠部材1は、図1,図2に示すように、環状の基部11と、この基部11の表面を覆う導電層12とから構成されている。
ここで、基部11の材料としては、例えば、シリコン、ポリイミド、ガラスエポキシ、PDMS(ポリジメチルシロキサン)、ガラス、アクリル樹脂などが用いられる。また、導電層12としては、水分散ポリチオフェン誘導体(PEDOT−PSS)、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレンなどが用いられる。
なお、枠部材1には、ばね2を介して電気的に接続された振動子3と各種信号をやりとりするための電気回路を備えるようにしてもよい。
ばね2は、一端が枠部材1に、他端が振動子3にそれぞれ接続されることにより、振動子3を振動可能に支持するばね部材である。このようなばね2は、弾性材料からなるばね本体21と、このばね本体21の表面に形成され、導電材料からなる導電層22とから構成されている。
ばね本体21の材料としては、ばね2のばね定数を低減するために、ヤング率が低い材料を用いる。例えば、パレリン(登録商標)樹脂(ヤング率:〜4[GPa])といったパラキシリレン系ポリマーなどを用いることができる。このような材料を用いることにより、ばね2の形状が同一の場合、ヤング率が高い材料を用いた場合よりもばね2のばね定数を低減させることができる。
また、ばね本体21は、図2に示すように、平面視矩形の環状の枠部21aと、一端が枠部21aの一方の長辺の両端近傍に接続され、他端が枠部材1に接続された棒状の一対の枠部材側梁部21bと、一端が枠部21aの他方の長辺の両端近傍に接続され、他端が振動子3に接続された棒状の一対の振動子側梁部21cとから構成されている。
一方、導電層22の材料としては、導電性を有し、かつ、ばね本体21よりもヤング率が低い材料を用いる。例えば、水分散ポリチオフェン誘導体(PEDOT−PSS)、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレンなどを用いることができる。これにより、導電層22がばね2のばね定数に与える影響を無視することができる。すなわち、ばね2のばね定数は主にばね本体2の特性に依存することになるので、上述したようにばね本体21の材料にヤング率が低い材料を用いることにより、ばね定数が低いばね2を実現することができる。
振動子3は、微小構造体が振動するなど微小構造体が外部環境から受けた振動エネルギーに基づいて固有振動を起こす部材である。このような振動子3は、平面視略矩形の基部31と、この基部31の表面を覆う導電層32とから構成されている。
ここで、基部31の材料としては、例えば、シリコン、ポリイミド、ガラスエポキシ、PDMS(ポリジメチルシロキサン)、ガラス、アクリル樹脂などが用いられる。また、導電層12としては、水分散ポリチオフェン誘導体(PEDOT−PSS)、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレンなどを用いることができる。
一方、導電層32の材料としては、水分散ポリチオフェン誘導体(PEDOT−PSS)、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレンなどを用いることができる。
このような微小構造体は、例えば微小構造体を備えた装置をユーザが振るなどによって外部環境から振動エネルギーを受けると、振動子3が共振して、振動子3が枠部材1に対して相対的に移動する。ここで、振動子3は、ばね2を介して枠部材1と電気的に接続されている。これにより、例えば、枠部材1に固定電極、振動子3にばね2の導電層22を介して固定電極と電気的に接続された可動電極をそれぞれ形成するとともに、振動子3の移動経路の近傍に電荷を保持するエレクトレットを設け、その電荷を静電誘導する電極を設けることにより、微小構造体を発電素子として機能させることが可能となる。この場合、振動子3が振動することにより可動電極とエレクトレットとの近接および離反が繰り返し行われるので、可動電極と固定電極との間で電荷の移動が繰り返し行われ、結果として、交流電流が発生することとなる。
<微小構造体の製造方法>
次に、図4〜図15を参照して本実施の形態にかかるばね2を備えた微小構造体の製造方法について説明する。
まず、図4に示すように、第1の酸化膜101,102が上面および下面に形成された、基板100を用意する。本実施の形態において、基板100は厚さ600[μm]のシリコン基板からなり、このシリコン基板を熱酸化することにより厚さ2[μm]の酸化シリコンからなる第1の酸化膜101,102を形成する。
そして、基板100上面の第1の酸化膜101上にレジスト材料を塗布し、このレジスト材料に対して所望のパターンを有するマスクを用いて露光することにより、第1の酸化膜101上の所望の位置に開口部が形成されたレジストパターン103を形成する。
レジストパターン103を形成した後、このレジストパターン103をマスクとして第1の酸化膜101をエッチングにより選択的に除去し、図5に示すように、レジストパターン103の開口部から基板100を露出させる。ここで、第1の酸化膜101は、例えば、緩衝フッ酸溶液によりウェットエッチングすることにより除去することができる。
第1の酸化膜101の一部を除去した後、この第1の酸化膜101をマスクとして基板100をエッチングし、図6に示すように、この基板100に溝104を形成する。この溝104は、ばね2の型となる。
ここで、基板100のエッチングは、例えばICP−RIE(ICP:Inductive Coupled Plasma、RIE:Reactive Ion Etching)など公知のDRIE(Deep Reactive Ion Etching)により行うことができる。本実施の形態においては、第1の酸化膜101の開口部から露出した基板100に深さ450[μm]の溝104を形成した。このとき、レジストパターン103は、基板100のエッチング中にアッシングされて消滅する。
溝104を形成した後、図7に示すように、第1の酸化膜101,102をエッチングにより除去する。ここで、第1の酸化膜101,102は、例えば、緩衝フッ酸溶液によりウェットエッチングすることにより除去することができる。
第1の酸化膜101,102を除去した後、図8に示すように、溝104内部を含む基板100の上面および基板100の下面に第2の酸化膜105,106を形成する。本実施の形態では、基板100を熱酸化することにより、厚さ2[μm]の第2の酸化膜105,106を形成する。
第2の酸化膜105,106を形成した後、図9に示すように、基板100上面の第2の酸化膜105上に溝104内部が埋まるまで樹脂107を堆積する。本実施の形態においては、公知のCVD(Chemical Vapor Deposition)法により、樹脂107としてパリレン(登録商標)を堆積する。
樹脂107を堆積した後、図10に示すように、基板100上面に堆積した樹脂107のみを選択的に除去する。ここで、樹脂107は、例えば、公知の酸素プラズマを用いたエッチバック法により除去することができる。
基板100上面の樹脂107を除去した後、基板100の下面側の第2の酸化膜106上にレジスト材料を塗布し、このレジスト材料に対して所望のパターンを有するマスクを用いて露光することにより、図11に示すように、第2の酸化膜106上の所望の位置に開口部が形成されたレジストパターン108を形成する。
レジストパターン108を形成した後、図12に示すように、レジストパターン108をマスクとして第2の酸化膜106をエッチングにより除去する。この後、保持基板109を用意し、この保持基板109の上面に基板100の上面を接着し、基板100を保持基板109上に固定する。
ここで、第2の酸化膜106は、例えば、緩衝フッ酸溶液によりウェットエッチングすることにより除去することができる。保持基板109としては、例えばシリコン基板を用いることができる。また、保持基板109の接着は、例えば接着剤を用いることにより実現することができる。
基板100を保持基板109に固定した後、図13に示すように、第2の酸化膜106をマスクとして基板100を下面側からエッチング(オーバーエッチング)する。このエッチングは、例えばICP−RIEなど公知のDRIEにより行うことができる。本実施の形態においては、ICP−RIEにより基板100を600[μm]程度エッチングする。このとき、第2の酸化膜105がストップ層となるので、基板100の上面側に形成された樹脂107はエッチングされない。
基板100をエッチングした後、図14に示すように、保持基板109から基板100を取り外した後、第2の酸化膜105,106をエッチングにより選択的に除去する。ここで、第2の酸化膜105,106は、例えば、緩衝フッ酸溶液によりウェットエッチングすることにより除去することができる。
第2の酸化膜105,106を除去した後、図15に示すように、基板100の表面に導電層110を形成する。本実施の形態においては、基板100をPEDOT−PSS溶液(ドイツ国ヘレウス社製)に浸し、引き上げた後、オーブンにより120[℃]で30分間加熱することにより、基板100の表面に導電層110を形成する。
これにより、ばね本体21の表面に導電層22が形成されたばね2を備えた微小構造体が作製されることとなる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、ばね2のばね本体21の表面に導電層22を形成することにより、製造工程が容易で、歩留まりが高い導電性を有するばねを実現することができる。
また、本実施の形態では、浸漬することによりばね本体21の表面に導電層22を形成できるので、より容易にばねに導電性をもたせることができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明に係る第2の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態は、上述した第1の実施の形態とばね2となる樹脂107および導電層110に対応する構成をSTP(Spin-coating film Transfer and hot-Pressing technology)法により製造するものである。したがって、本実施の形態において、第1の実施の形態と同等の構成については同じ名称および符号を付し、適宜説明を省略する。
<微小構造体の製造方法>
まず、図8に示したように、溝104内部を含む基板100の上面および基板100の下面に第2の酸化膜105,106を形成した基板100を用意する。
次に、図16に示すように、ベースフィルム200上に液状の非導電性の樹脂をスピン塗布して仮硬化させることにより、ベースフィルム200上に非導電性樹脂層201を形成する。
本実施の形態において、非導電性樹脂層201としては、液状のパリレン(登録商標)樹脂を塗布する。また、ベースフィルム200としては、NTT−AT社製の転写フィルム(厚さ50[μm])を用いる。また、後の工程でベースフィルム200からのパリレン(登録商標)樹脂の剥離を容易にするために、ベースフィルム200上面に表面処理剤(NTT−AT社製フィルムコンディショナーS−101)を予め塗布するようにしてもよい。
非導電性樹脂層201を形成した後、この非導電性樹脂層201上に液状の導電性の樹脂をスピン塗布することにより、導電性樹脂層202を形成する。本実施の形態においては、非導電性樹脂層201上にPEDOT−PSS溶液(ドイツ国ヘレウス社製)スピン塗布することにより導電性樹脂層202を形成する。
導電性樹脂層202を形成した後、図18に示すように、図8に示した基板100の第2の酸化膜105上に、導電性樹脂層202側の面からベースフィルム200を熱圧着する。この熱圧着は、例えば、気圧を20[Pa]に減圧し温度を120[℃]とした処理室内で、10[kgf]の荷重を1分間加えることにより行うことができる。このように真空を保持した状態で熱圧着を行うと、ベースフィルム200上の導電性樹脂層202および非導電性樹脂層201が、図19に示すように、表面に第2の酸化膜105が形成された溝104内に埋め込まれる。これにより、第2の酸化膜105上に導電性樹脂層202’が形成され、この導電性樹脂層202’上に非導電性樹脂層201’が形成された状態となる。
熱圧着を行った後、図20に示すように、基板100からベースフィルム200を剥離する。続いて、非導電性樹脂層201’および導電性樹脂層202’に対して、120[℃]で1時間加熱する。すると、図21に示すように、非導電性樹脂層201’および導電性樹脂層202’が、表面に第2の酸化膜105が形成された溝104に貼り付けられた状態となる。
続いて、図22に示すように、基板100上面の非導電性樹脂層201’および導電性樹脂層202’を選択的に除去し、第2の酸化膜105を露出させる。非導電性樹脂層201’および導電性樹脂層202’の選択的な除去は、例えば、公知の酸素プラズマを用いたエッチバック法により行うことができる。
非導電性樹脂層201’および導電性樹脂層202’を選択的に除去した後の工程は、上述した第1の実施の形態で説明した図11以降の工程と同等である。
以上説明したように、本実施の形態によれば、STP法によりばね2のばね本体21の表面に導電層22を形成することにより、製造工程が容易で、歩留まりが高い導電性を有するばねを実現することができる。
アスペクト比が高いばねを作製する場合、一般的なスピン塗布では、気泡(ボイド)が入るため、溝への材料の充填が困難であった。また、CVDを用いた方法では、ターゲット材料がウエハ以外への領域にも飛散するため、材料コストが高くなったり、作製に時間がかかったりしていた。これに対して、本実施の形態では、STP法によりばね本体21の表面に導電層22を有するばね2を作製することにより、より容易にばね2を作製することができる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明に係る第3の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態は、上述した第1の実施の形態における基板100としてSOI(Silicon on Insulator)基板を用いるものである。したがって、本実施の形態において、第1の実施の形態と同等の構成については同じ名称および符号を付し、適宜説明を省略する
<微小構造体の製造方法>
まず、SOI基板300を用意する。このSOI基板300は、シリコン基部301の上に、埋め込み絶縁層302を介して表面シリコン層303が形成された基板である。本実施の形態におけるSOI基板300の各層の厚さは、シリコン基部301が400[μm]、埋め込み絶縁層302が2[μm]、表面シリコン層303が25[μm]となっている。
そして、SOI基板300を熱酸化することにより、SOI基板300の上面および下面に第1の酸化膜311,312を形成した後、図4を参照して説明した方法と同等の方法により、第1の酸化膜311上の所望の位置に開口部が形成されたレジストパターンを形成する。続いて、図5を参照して説明した方法と同等の方法により、そのレジストパターンをマスクとして第1の酸化膜311をエッチングにより選択的に除去し、レジストパターンの開口部からSOI基板300のシリコン基部301を露出させる。
シリコン基部301を露出させた後、第1の酸化膜311をマスク、埋め込み絶縁層302をエッチストップ層としてシリコン基部301をエッチングし、図23に示すように、シリコン基部301に溝104を形成する。
シリコン基部301の除去は、例えばICP−RIEなど公知のDRIEにより行うことができる。
シリコン基部301をエッチングした後、図24に示すように、第1の酸化膜311,312をエッチングにより除去する。ここで、第1の酸化膜311,312は、例えば、緩衝フッ酸溶液によりウェットエッチングすることにより除去することができる。
第1の酸化膜311,312を除去した後、図25に示すように、溝104内部を含むSOI基板300の上面および下面に第2の酸化膜314,315を形成する。本実施の形態では、SOI基板300を熱酸化することにより、厚さ2[μm]の第2の酸化膜314,315を形成する。
第2の酸化膜314,315形成した後の工程は、上述した第1の実施の形態で説明した図9以降の工程と同等である。
以上説明したように、本実施の形態によれば、基板100としてSOI基板を用いてばね2のばね本体21の表面に導電層22を形成することにより、製造工程が容易で、歩留まりが高い導電性を有するばねを実現することができる。
シリコン基板を用いて溝を形成する場合、DRIEのウエハ面内依存性が発生し、ウエハ内に微細構造を複数作製すると、マイクロローディング効果などの影響でウエハ内の位置により溝の深さが異なってしまう。これに対して、本実施の形態では、SOI基板300内の埋め込み絶縁層302をエッチストップ層とすることで、所望する深さの溝をより容易に形成できる。これにより、歩留まりを向上させることもできる。
[第4の実施の形態]
次に、本発明に係る第4の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態は、上述した第2の実施の形態において、上述した第3の実施の形態で説明した第2の酸化膜314,315が形成されたSOI基板300を用いるものである。したがって、本実施の形態において、第1〜第3の実施の形態と同等の構成については同じ名称および符号を付し、適宜説明を省略する。
<微小構造体の製造方法>
まず、図25を参照して説明した第2の酸化膜314,315が形成されたSOI基板300に対して、図16,図17を参照して説明した非導電性樹脂層201および導電性樹脂層202が形成されたベースフィルム200を、図18,図19を参照して説明した方法と同等の方法により熱圧着した後、図26に示すように、ベースフィルム200を剥離する。
ベースフィルム200を剥離した後の工程は、上述した第2の実施の形態で説明した図21以降の工程と同等である。
以上説明したように、本実施の形態によれば、SOI基板を用いてSTP法でばね2のばね本体21の表面に導電層22を形成することにより、製造工程が容易で、歩留まりが高いばねを実現することができる。
特に、SOI基板を用いることにより、ばね2を高歩留まりで作製することができる。また、STP法を用いることにより、より容易に導電性を有するばね2を作製することができる。
なお、第1〜第4の実施の形態において、ばね2のばね本体21が平面視矩形の環状の枠部21aと、この枠部21aに接続された一対の枠部材側梁部21bおよび一対の振動子側梁部21cとから構成される場合を例に説明したが、ばね本体21の形状はこれに限定されず適宜自由に設定できることは言うまでもない。
なお、第1〜第4の実施の形態では、微小構造体を発電素子の振動構造に適用する場合を例に説明したが、導電性を有するばね2を用いる微小構造体であれば各種装置に適用することができる。
本発明は、例えば発電素子など導電性を有するばねを用いた各種装置に適用することができる。
1…枠部材、2…ばね、3…振動子、21…ばね本体、21a…枠部、1b…枠部材側梁部、21c…振動子側梁部、22…導電層、100…基板、101,102…第2の酸化膜、103…レジストパターン、104…溝、105,106…第2の酸化膜、107…樹脂、108…レジストパターン、109…保持基板、110…導電層、200…ベースフィルム、201,201’…非導電性樹脂層、202,202’…導電性樹脂層、300…SOI基板、301…シリコン基部、302…埋め込み絶縁層、303…表面シリコン層、311,312…第2の酸化膜、314,315…第2の酸化膜。

Claims (4)

  1. 弾性材料からなるばね本体と、
    このばね本体の表面に形成され、導電材料からなる導電層と
    から構成されることを特徴とするばね。
  2. 前記導電材料は、前記弾性材料よりもヤング率が低い
    ことを特徴とする請求項1記載のばね。
  3. 振動子と、
    この振動子に一端が接続されたばねと、
    このばねの他端が接続された支持部と
    を備えた微小構造体であって、
    前記ばねは、請求項1または2記載のばねからなる
    ことを特徴とする微小構造体。
  4. 弾性材料からなるばね本体を形成するステップと、
    前記ばね本体の表面に導電層を形成するステップと
    を有することを特徴とするばねの製造方法。
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