JP2015011441A - 入力ペン及びそれを用いた出没式入力ペン - Google Patents

入力ペン及びそれを用いた出没式入力ペン Download PDF

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Abstract


【課題】導電性が優れ、使用する筒体の材料及び形状の幅を広げた入力ペンを提供することである。
【解決手段】中空筒状体の前部に、前記入力装置に接触する導電性を有するペン先をペン先ホルダーを介して具備してなる入力ペンであり、前記中空筒状体内に、導電性液組成物を収容してなり、前記ペン先ホルダーが、 少なくとも炭素粒子および/または炭素繊維からなることを特徴とする入力ペンとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、操作領域を入力ペンのペン先で触れることにより、静電容量変化に伴う電気量変化によって位置を検出し、カーソル移動ができる入力装置に用いる入力ペンに関するものである。
従来、入力ペンのペン先については、ペン先に導電性ゴムを用いたものとしては、導電性金属からなる芯部材と、芯部材の前部外面に取り付けられる導電性ゴムと、芯部材と導電性ゴムの間に充てんされるゲル状物質からなる充てん材により導電性を有するペン先を構成し、このペン先を導電性の軸筒の前端部に取り付けた入力ペンが知られている(特許文献1参照)。
その他、ペン先に導電性繊維を用いたものとしては、可撓性を有する複数本の導電性繊維を束ねたものをペン先に取り付けた入力ペンが知られている。(特許文献2参照)。
しかしながら、前記した入力ペンは、導電性ゴム等の ペン先と、ペン先を装着した外筒等の筒体を保持する手とが導通することによって、操作領域の操作部分の座標位置を静電容量変化に伴う電気量変化によって検出することが可能となるため、使用する外筒にも導電性の高い材料が必要であった。
特許第4142776号公報 特許第5042159号公報
ところで、最近では、液晶パネルのようなタッチパネル方式の入力装置が数多く製品化され、その大きさも様々であり、持ち運び性を考慮した細く短い入力ペンや握り易さや操作性を考慮した太さや長さとした入力ペンなども数多く提案されている。その一方で、使用する筒体に導電性の高い材料を用いると、コストが高騰し、製品重量や筒体形状等に制約があることも事実であった。
また、ペン先は、視認性の観点から入力装置への誤作動を防止するため、より細い方が好ましいが、筒体の前端部に、直接、ペン先を装着するには、筒体の前端部のみ又は全体を細くする必要がある。しかし、筒体の前端部のみを細くすることは、製造が困難であり、製造コストが高騰する問題があった。また、筒体全体を細くすると、把持し難く、形状が制約されてしまう問題があった。そのため、ペン先と筒体との間に、導電性を有するペン先ホルダーを介する必要があった。
前記導電性のペン先ホルダーとしては、金属材料や 金属を含む導電性充填剤を含有したペン先ホルダーとすることが考えられる。しかし、前者の金属製のペン先ホルダー
は、コストが高騰し、形状に制約が生じ、後者の金属を含む導電性充填剤は、比重が重く、分散性が悪いため、導電性にバラツキが生じてしまう問題があった。
本発明の目的は、導電性が優れ、使用する筒体の材料及び形状の幅を広げた入力ペンを提供することである。
本発明は、上記課題を解決するために、
「1.操作領域の操作部分の座標位置を静電容量変化に伴う電気量変化によって検出し、操作部分の座標位置を入力する入力装置に用いる入力ペンであって、中空筒状体
の前部に、 前記入力装置に接触する導電性を有するペン先をペン先ホルダーを介して具備してなる入力ペンであり、前記中空筒状体内に、導電性液組成物を収容してなり、前記ペン先ホルダーが、少なくとも炭素粒子および/または炭素繊維からなることを特徴とする入力ペン。
2.前記炭素粒子および/または炭素繊維の総含有量が、ペン先ホルダー全量に対して、0.1〜40.0質量%含有することを特徴とする第1項に記載の入力ペン。
3.前記炭素粒子が、DBP吸油量50〜600g/100gのカーボンブラックであることを特徴とする第1項または第2項に記載の入力ペン。
4.前記ペン先ホルダーが、前記中空筒状体の先端部から導電性液組成物の漏出を防止する漏出防止栓であることを特徴とする第1項ないし第3項のいずれか1項に記載の入力ペン。
5.前記導電性液体組成物が、少なくともイオン液体および/または電解質からなることを特徴とする第1項ないし第4項のいずれか1項に記載の入力ペン。
6.前記導電性液体組成物に増粘剤を含有することを特徴とする第1項ないし第5項のいずれか1項に記載の入力ペン。
7.第1項ないし第6項の何れか1項に記載の入力ペンを外筒内に配設し、前記外筒を把持して入力操作可能としたことを特徴とする入力ペン。
8.第1項ないし第6項の何れか1項に記載の入力ペンを外筒内に配設し、前記入力ペンのペン先が、前記外筒の前端開口部から出没可能としたことを特徴とする入力ペン。」とする。
本発明は、導電性が優れることで、ペン先で触れることでスムーズなカーソル移動ができ、使用する筒体の材料及び形状の幅を広げた入力ペンを提供することができた。
実施例1の入力ペンを示す縦断面図である。 図1における一部省略したペン先部の拡大縦断面図である 実施例2の入力ペンを示す縦断面図である。 図3におけるペン先が突出した状態を示す縦断面図である。
本発明の特徴としては、中空筒状体の前部に、前記入力装置に接触する導電性を有するペン先をペン先ホルダーを介して具備してなる入力ペンであり、前記中空筒状体内に、導電性液組成物を収容してなり、前記ペン先ホルダーが、少なくとも炭素粒子および/または炭素繊維からなることを特徴とすることで、導電性に優れ、導電性液体組成物が漏れることがない入力ペンとすることが可能である。
本発明で用いるペン先ホルダーは、樹脂、エラストマー、ゴムなどの基材に導電性を付与する目的で金属粉、金属繊維、炭素粒子、炭素繊維などの導電性充填剤を混練して作成するが、金属を含む導電性充填剤だと比重が重く、分散性が悪く、導電性にバラツキが生じてしまうため、少なくとも炭素粒子および/または炭素繊維を用いることで導電性を有するペン先ホルダーとなり、 安定して優れた導電性が得られるとともに、成形性も良好であり、形状も安定する。
また炭素粒子、炭素繊維については、炭素繊維を熱可塑性樹脂などの基材とで混練すると、炭素繊維同士が絡まり、分散性に優れたペレット材を製造しにくい傾向がある。一方、炭素粒子については、必要に応じて分散剤を用いることで対応可能であるため、炭素粒子を用いる方が好ましい。
炭素粒子としては、カーボンブラックなどの導電性炭素粒子が挙げられ。カーボンブラックは、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラックが挙げられる。それらのカーボンブラックの中でも、DBP吸油量50〜600ml/100gである方が好ましい。これは、DBP吸油量50ml/100g以上であると、少量で高い導電性が得られやすいが、DBP吸油量が600ml/100gを超えると、カーボンブラックの分散性に影響を及ぼしやすいためである。より導電性を考慮すれば、DBP吸油量300〜600ml/100gである方が好ましい。具体的には、プリンテックス45、プリンテックス60、プリンテックス70、プリンテックス90、プリンテックス95(デグサ(株))、#33、MCF88、#3950B(三菱化成工業(株))などが挙げられる。
なお、カーボンブラックの吸油量は、カーボンブラックのストラクチャーを示す特性であり、乾燥された一定量のカーボンブラックがDBP(ジブチルフタレート)を吸収する量をいいJISK6221に規定される試験方法で測定される。
炭素粒子および/または炭素繊維の総含有量は、ペン先ホルダー全量に対し、0.1量%未満だと良好な導電性が得られにくく、40.0質量%を越えると、均一分散しづらいため、0.1〜40.0質量%が好ましい。また、より導電性と均一分散を考慮すれば、1.0〜20.0質量%がより好ましく、さらに、より考慮すれば、3.0〜15.0質量%が最も好ましい。
また、炭素粒子および/または炭素繊維と混練するペンホルダーの基材は、非導電性の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマー、ゴムなどが挙げられるが、コスト、成形しやすさと、導電性液体組成物が漏れを防止することを考慮すれば、熱可塑性樹脂が好ましく、具体的には、非導電性のポリアセタール樹脂、ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などが挙げられる。
また、ペン先ホルダーについては、ペン先ホルダーの前後を貫通する内部孔を設けて、中空筒状体内の導電性液体組成物を前記内部孔を通ってペン先に伝えても良いが、導電性液体組成物の漏出防止を考慮すれば、貫通する内部孔を設けないで、導電性液体組成物がより漏出しづらい漏出防止栓とする方が好ましい。
本発明で用いる入力ペンの前部に具備するペン先については、導電性を有するものであれば限定されるものではなく、導電性ゴム、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、チタン、鉄、真鍮、ブロンズなどの金属材料や、炭素繊維材料、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェンおよびポリアニリン等の導電性樹脂材料、非導電性樹脂に無機物質を中心とする導電体を添加して電気・電子機能を与えた複合導電性樹脂材料等を用いることができる。導電性を良好にすることやペン先の損耗を抑制するには、金属材からなるものが好ましい。
その中でも、ステンレス鋼は、含有するクロムが空気中で酸素と結合して表面に不動態不動態皮膜を形成しており、耐食性が高いため好ましい。前記導電性を有するペン先が、金属材からなるものを用いる場合は、入力装置の操作面を傷つけないように、前記ペン先、特に入力装置の操作時に、前記入力装置と接触する先端接触部にダイヤモンド様膜(DLC膜)のような炭素質膜で覆うことで滑りやすくして、スムーズにカーソル移動し易くすることが好ましい。また、前記ペン先に導電性のある保護被膜で覆い、入力時のペン先端部の衝撃を和らげることもできる。
前記ペン先には、ボールペンのように、ステンレス鋼からなるペン先本体の前端部にボールを抱持し、ペン先本体の前端縁部を内側にかしめることで、ボールを回転自在に抱持したボールペンチップタイプとすることが好ましい。これは、ボールが回転することで、スムーズなカーソル移動ができるため好適に用いることができる。さらに、前記ボールを前後動可能に配設し、且つボールの後方に、ボールを常時、押圧する弾発部材を配設することによって、入力時に、前記ボールが後方に移動することで衝撃を和らげるようにする方が好ましい。尚、前記弾発部材は、導電性を有するものが好ましく、また、前記弾発部材の押圧力は30〜300gfが好ましい、これは30gf未満だと衝撃吸収力が劣りやすく、300gfを越えると、ボールが回転しづらくなるためであり、より考慮すれば、50〜200gfが好ましい。前記ボールの前後の移動距離は、20μm未満では衝撃吸収力が小さく、200μmを超えると操作時の感触が低下するため、20μm〜200μmとすることが好ましく、さらに好ましくは、40μm〜100μmである。
前記ペン先は、入力装置への誤作動を防止するため、前記入力装置との接触面積が20 mm2以下の面状または点状で接触する、先端接触部を設けることが好ましい。尚、先端接触部の形状は、特に限定されるものではないが、略球状又は円弧状として入力装置の操作面を傷つけないようにすることが好ましい。尚、入力装置との接触面積とは、25℃、入力角度70度、入力荷重100gfで、入力ペンのペン先の先端接触部を入力装置に接触した時の面積を示すものである。
前記ペン先の先端接触部4aは、算術平均粗(Ra)で0.1〜100.0nmが好ましい、これは、100.0nmを越えると、入力装置の操作面を傷つけやすくなってしまうためであり、より考慮すれば、0.1〜10.0nmが好ましい。算術平均粗さ(Ra)とは、(式1)で示すように、表面粗さ測定器(セイコーエプソン社製の機種名SPI3800N)により測定された粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さLだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から測定曲線までの偏差の絶対値を合計し、平均した値である。
(式1)
Figure 2015011441
また、前記ペン先は、視認性の観点から入力装置への誤作動を防止するため、より細い方が好ましく、パイプ状や棒線状などであっても良いが、視認性とペン先の強度を得るために、砲弾型、尖頭型、段形状などの先細形状とすることが最も好ましい。ペン先の大きさは、特に限定されないが、最大外径や横断面の最大幅が10mmよりも大きいと視認性が低下しやすく、0.5mmより小さいとペン先の強度が低下しやすいために、0.5〜10mm、より考慮すれば、1〜5mmが好ましい。
前記ペン先先端部は、入力装置への誤作動を防止するため、より細い方が好ましく、前記入力装置を前記入力ペンで操作時に、前記入力装置と前記ペン先先端部が、点状または面状で接触し、面状に接触する時の接触面積が20mm2以下とする方が好ましい。
また、本発明で用いる中空筒状体の形状や材料については、導電性の有無に関わらず適宜選択して使用することができ、導電性を有する材料としては、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、チタン、鉄、真鍮、ブロンズなどの金属材料や、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェンおよびポリアニリン等の導電性樹脂材料、炭素繊維材、非導電性樹脂に無機物質を中心とする導電体を添加して電気・電子機能を与えた複合導電性樹脂等が挙げられる。また、非導電性材料としては、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ABS樹脂など、導電性のない、或いは極めて少ない導電性の絶縁材料と呼ばれる樹脂等が挙げられる。コスト面、中空筒状体の生産性、加工性、特に前記したペン先ホルダーからの液漏れ防止を考慮すると、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ABS樹脂などの非導電性材料を用いることが好ましい。
また、入力ペンの中空筒状体には、前述の通り、導電性の有無に関わらず適宜選択して使用することができるが、中空筒状体として非導電性材料を用いる場合には、中空筒状体の肉厚が、2mmより厚いと、導電性液体組成物による導電性が低下しやすく、0.05mmより薄いと、中空筒状体の強度が低下しやすいため、0.05〜2mm、より考慮すれば、0.1〜1mmが好ましい。さらに、収容する導電性液体組成物の収容量は、特に限定されないが、必要な導電性を得るためには0.1g以上含有する方が好ましい。
入力ペンの中空筒状体は、前端及び/又は後端を開口してあってもよいが、中空筒状体内に導電性液体組成物を収容しやすくするため、両端を開口することが好ましく、両端を開口した中空筒状体においては、収容した導電性液体組成物の液漏れ防止のために、導電性液体組成物の後方に高粘性液栓や固体栓を配設する。前記高粘性液栓や固体栓には導電性を有する材料とすることが好ましい。
また、本発明の入力ペンは、外筒内に入力ペンを収容して、前記外筒を把持して入力操作することができる。外筒の材料としては、中空円筒体内に収容した導電性液体組成物によって、導電性の有無に関わらず適宜選択して使用することができる。導電性を有する材料としては、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、チタン、鉄、真鍮、ブロンズなどの金属材料や、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェンおよびポリアニリン等の導電性樹脂 材料、炭素繊維材、非導電性樹脂に無機物質を中心とする導電体を添加して電気・電子機能を与えた複合導電性樹脂等が挙げられる。また、非導電性材料としては、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ABS樹脂など、導電性のない、或いは極めて少ない導電性の絶縁材料と呼ばれる樹脂等が 挙げられる。コスト面、外筒の生産性、成形性、形状の自由性を考慮すると、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ABS樹脂などの非導電性材料を用いることが好ましい。尚、中空円筒体と外筒体は、導電性を考慮して近接又は接触することが好ましい。
また、中空筒状体内に収容する導電性液体組成物については、イオン液体および/または電解質を用いる方が好ましい。イオン液体は、常温溶融塩または単に溶融塩などとも称されるものであり、常温(室温)を含む幅広い温度域で溶融状態を示す陽イオンと陰イオンの塩である。これは塩を構成するイオンを比較的サイズの大きな有機イオンに置換した場合、融点が低くなり、常温付近でも液体状態で存在するようになるためである。
また、イオン液体については、カチオン成分とアニオン成分からなる塩であるが、カチオン成分は、イミダゾリウム、ピリジニウム、ヒペリジニウム、ピラゾニウム、ピロリジニウム、ピロリニウム、アンモニウム、ホスホニウムなどがあげられる。また、イオン液体化合物のアニオン成分は、ハロゲン(塩素、臭素、ヨウ素など)、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、トリフルオロメタンスルホネート、ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(トリフルオロスルホニル)イミド、トリ(トリフルオロスルホニル)カルボアニオン、トリフルオロアセテート、ヒドロフッ化物アニオンなどが挙げられる。これらのイオン液体を水などの溶剤に溶解することで、導電性に優れた液体組成物とすることが可能である。これらは、単独または2種以上混合して使用してもよい。
また、電解質については、アルカリ金属やアルカリ土類金属の塩化物、フッ化物、臭化物およびヨウ化物などのハロゲン化物が挙げられ、具体的には、ハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化カリウム、ハロゲン化リチウムなどのアルカリ金属ハロゲン化物、ハロゲン化マグネシウム、ハロゲン化カルシウムなどのアルカリ土類金属ハロゲン化物が挙げられる。これらの電解質を水などの溶剤に溶解することで、導電性に優れた液体組成物とすることが可能である。これらは、単独または2種以上混合して使用してもよい。
これらのイオン液体、電解質の中でも、導電性液体組成物中において、イオン液体はコストが高いため、電解質を用いる方が好ましく、特にアルカリ金属イオンを有する化合物は安定性に優れるため、アルカリ金属塩化物、臭化物およびヨウ化物などのアルカリ金属ハロゲン化物を用いる方が好ましい。
また、電解質溶液の含有量は、導電性液体組成物全量に対し、0.1量%未満だと良好な導電性が得られにくく、30.0質量%を越えると溶解しづらいため、0.1〜30.0質量%が好ましい。さらに、そのことを考慮すれば、1.0〜20.0質量%がより好ましく、より考慮すれば、3.0〜15.0質量%が最も好ましい。
また、本発明では溶剤を用いても良く、イオン液体および/または電解質の溶解安定性を考慮して、水や、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなどのグリコール系溶剤、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、t−ブタノール、プロパギルアルコール、アリルアルコール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタートやその他の高級アルコール等のアルコール系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、3−メトキシブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤などが挙げられる。これらは、単独または2種以上混合して使用してもよい。
溶剤の含有量は、溶解安定性を考慮すると、導電性液体組成物全量に対し、50.0質量%以上が好ましく、より考慮すれば、70.0質量%が好ましい。
また、中空筒状体内の導電性液体組成物の漏れを防止するために、導電性液体組成物に増粘剤を用いる方が好ましい。これは、導電性液体組成物の粘度を高くすることで、導電性液体組成物の漏れをより防止することが可能である。
また、増粘剤については、ポリアクリル酸やその架橋型重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールなどの合成高分子や、キサンタンガム、ウェランガム、サクシノグリカン、サイリュウムシュードガム、グアーガム、ローカストビーンガム、ダイユータンガム、アルカシーガム、ゼラチン、アルギン酸、カラギーナンなどの多糖類、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースやその塩などのセルロース類などが挙げられる。その中でも、少量で粘度を高くすることが可能で、導電性液体組成物の漏出防止効果があるため、多糖類を用いる方が好ましい。これらは、単独または2種以上混合して使用してもよい。
増粘剤の含有量は、導電性液体組成物全量に対して、0.1質量%未満だと、導電性液体組成物の漏れ防止効果が得られにくく、5.0質量%を越えても導電性液体組成物の漏れ防止効果が変わらないため、0.1〜5.0質量%が好ましい。より考慮すれば、0.3〜3.0質量%が好ましい。
なお、導電性液体組成物の粘度については、限定されるものではないが、導電性液体組成物の漏れ抑制効果を考慮すると、剪断速度1.92sec−1において、500mPa・s以上にする方が好ましく、より考慮すれば、2000mPa・s以上である。
次に、実施例を示して本発明を説明する。
図1、図2に示す実施例1の入力ペンは、非導電性樹脂であるポリプロピレンからなる中空円筒体2の先端部に、先端接触部4aとなる表面の算術平均粗さ(Ra)が5.0nmである導電性を有するボール径1.0mmのステンレスボール5をステンレス鋼材からなる導電性を有するペン先本体に回転自在に抱持したペン先4を、導電性を有するペン先ホルダー3の前端部3aに装着し、ペン先ホルダー3の閉鎖した後端部3bを中空円筒体2内に圧入装着してある。中空円筒体2内には、配合例1の導電性液体組成物7及びグリース状の液体栓8を直詰めして入力ペン1を得ている。また、中空円筒体2の後端部には、尾栓を装着してある。さらに、ボール5の後方に、ボール5を常時、押圧する導電性を有する弾発部材(コイルスプリング)9を配設してある。尚、前記弾発部材(コイルスプリング)の押圧力は50gf、前記ボール5の前後の移動距離は、100μmであり、ペン先4の横断面の最大径Lは3mmであった。
実施例1の入力ペン1を使用するには、配合例1の導電性液体組成物7を収容した中空円筒体2を指で把持し、入力装置(図示せず)の操作領域を入力ペン1のペン先4のボール5が触れることにより、ボール5よりペン先4、弾発部材9、ペン先ホルダー3、導電性液体組成物7を介して、中空円筒体2を把持した指に導電して、カーソル操作を行うことができる。
実施例1の導電性液体組成物7は、水、電解質(塩化ナトリウム)、防腐剤、防菌剤を50℃にて混合攪拌機を用いて攪拌して、その後、増粘剤を投入して加温しながらホモジナイザー攪拌機を用いて均一な状態となるまで充分に混合攪拌した後、濾紙を用い濾過を行って、実施例に用いる導電性液体組成物を得た。具体的な配合量は下記の通りである。
導電性液体組成物の配合例1
水 94.0質量部
電解質(塩化ナトリウム) 5.0質量部
防錆剤(ベンゾトリアゾール) 0.5質量部
防菌剤(1,2ベンゾイソチアゾリン−3−オン) 0.5質量部
増粘剤(キサンタンガム) 1.0質量部
図3、図4に、実施例2の出没式の入力ペン21を示す。入力ペン21は、前外筒22と後外筒23とを着脱自在に螺着した外筒本体内に、実施例1の入力ペン1を弾発材24によって後方に付勢して収納してあり、後外筒23内に具備した回転カム26による出没機構によって、ノック体25を押圧することで、入力ペン1のペン先4の前端部を前外筒22の前端開口部22aから出没可能とした出没式の入力ペン21としてある。尚、後外筒23には、クリップ27を配設し、前外筒22の把持には、非導電性であるオレフィン系の熱可塑性エラストマーからなるグリップ28を装着してある。
実施例2の出没式の 入力ペン21を使用するには、入力ペン1を収納した外筒本体の前外筒22の把持部(グリップ28)を指で把持し、入力装置(図示せず)の操作領域を入力ペン1のペン先4のボール5が触れることにより、ボール5及びペン先4から、ペン先ホルダー3、導電性液体組成物7、前外筒22、グリップ28を介して、グリップ28を把持した指に導電して、カーソル操作を行うことができる。
実施例1、2では、導電性に優れているペン先ホルダ−を用いたため、通電が良好であり、スムーズなカーソル移動ができ良好であった。入力装置を前記入力ペンで操作を行っているところを観察したところ、前記入力装置と前記ペン先先端部は点状接触をしていた。
尚、図示はしていないが、ペン先ホルダー3を導電性がないペン先ホルダ−にした以外は、同じ部材、同じ導電性液体組成物を用いて実施例1と同様にして比較例となる入力ペンを作成し、入力装置の操作領域を入力ペンのペン先で触れることにより、カーソル操作を行った。
比較例の入力ペンでは、導電性がないペン先ホルダ−を用いたため、実施例に比べ導電性が悪く、カーソル移動も実施例に比べて低下する結果となった。
尚、実施例2では、便宜上、回転カムによる出没機構を例示しているが、回転繰り出し式、スライド式等、出没機構は特に限定されるものではなく、出没機構を具備していないキャップ式であってもよいが、利便性やペン先の汚れ防止のため、出没式にすることが好ましい。また、外筒内に1本の入力ペンを収容した出没式の入力ペンを例示しているが、外筒内に複数の入力ペンを収容する多芯式であってもよく、筆記具用レフィル等の筆記具を組合せて用いることもできる。
導電性が優れ、使用する筒体の材料及び形状の幅を広げた入力ペンとして利用可能である。
1、21 入力ペン
2 中空筒状体
3 ペン先ホルダー
3a 前端部
3b 後端部
4 ペン先
4 a 先端接触部
5 ボール
6 尾栓
7 導電性液体組成物
8 液体栓
9 弾発部材
22 前外筒
23 後外筒
24 弾発材
25 ノック体
26 回転カム
27 クリップ
28 グリップ
L ペン先24の横断面の最大径

Claims (8)

  1. 操作領域の操作部分の座標位置を静電容量変化に伴う電気量変化によって検出し、操作部分の座標位置を入力する入力装置に用いる入力ペンであって、中空筒状体の前部に、 前記入力装置に接触する導電性を有するペン先をペン先ホルダーを介して具備してなる入力ペンであり、前記中空筒状体内に、導電性液組成物を収容してなり、前記ペン先
    ホルダーが、少なくとも炭素粒子および/または炭素繊維からなることを特徴とする入力ペン。
  2. 前記炭素粒子および/または炭素繊維の総含有量が、ペン先ホルダー全量に対して、0.1〜40.0質量%含有することを特徴とする請求項1に記載の入力ペン。
  3. 前記炭素粒子が、DBP吸油量50〜600g/100gのカーボンブラックであることを特徴とする請求項1または2に記載の入力ペン。
  4. 前記ペン先ホルダーが、前記中空筒状体の先端部から導電性液組成物の漏出を防止する漏出防止栓であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の入力ペン。
  5. 前記導電性液体組成物が、少なくともイオン液体および/または電解質からなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の入力ペン。
  6. 前記導電性液体組成物に増粘剤を含有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の入力ペン。
  7. 請求項1ないし6の何れか1項に記載の入力ペンを外筒内に配設し、前記外筒を把持して入力操作可能としたことを特徴とする入力ペン。
  8. 請求項1ないし6の何れか1項に記載の入力ペンを外筒内に配設し、前記入力ペンのペン先が、前記外筒の前端開口部から出没可能としたことを特徴とする入力ペン。
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