JP2015011227A - 光信号選択装置および光信号選択装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】制御パラメータ数の増大を経路の組み合わせ数の増大に比べて抑制すること。
【解決手段】本発明の光信号選択装置は、複数の光ファイバが配列した入出力光ファイバアレイ2と、入出力光ファイバアレイ2の光ファイバから入射された光信号を分光方向に分光する波長分光器3と、光偏向素子の各々が波長分光器からの光信号をスイッチ方向に関して所定の角度で偏向させて反射することにより、光ファイバの経路を結合する光偏向器5と、第1の組み合わせに対応した光偏向素子に対する第1の制御パラメータを記憶しておく記憶部61と、第1の制御パラメータを用いて、第1の組み合わせ以外の第2の組み合わせに対応した光偏向素子に対する第2の制御パラメータを演算する演算部62と、第2の制御パラメータを用いて光偏向素子を駆動する駆動制御部63とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の光信号選択装置は、複数の光ファイバが配列した入出力光ファイバアレイ2と、入出力光ファイバアレイ2の光ファイバから入射された光信号を分光方向に分光する波長分光器3と、光偏向素子の各々が波長分光器からの光信号をスイッチ方向に関して所定の角度で偏向させて反射することにより、光ファイバの経路を結合する光偏向器5と、第1の組み合わせに対応した光偏向素子に対する第1の制御パラメータを記憶しておく記憶部61と、第1の制御パラメータを用いて、第1の組み合わせ以外の第2の組み合わせに対応した光偏向素子に対する第2の制御パラメータを演算する演算部62と、第2の制御パラメータを用いて光偏向素子を駆動する駆動制御部63とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、光信号選択装置および光信号選択装置の制御方法に関するものである。
光波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)方式の通信は、1本の光ファイバケーブルに複数の光信号を同時に伝送することができるので、高速かつ大容量の情報通信手段として有用である。
ところが、光波長分割多重方式を利用した光ネットワークであっても、経路の切換えの際に光信号を電気信号に変換した場合、この経路の切換えがボトルネックとなってしまい、光ネットワークのメリットを十分に享受することができない。そこで、光信号を電気信号に変換せずに経路の切換えを行う光信号選択装置の重要性が高まっている。
光信号選択装置は、光ファイバから入出力される光信号を波長帯ごとに分離する波長分光器と光信号の経路を切換えるための光偏向器とを備えるものが一般的である。また、光信号選択装置における光偏向器として、例えばMEMS(Micro-Electro Mechanical Systems)ミラーを用いたもの(特許文献1参照)、または、例えば反射型位相変調器を用いたもの(特許文献2参照)が知られている。
ところで、近年の光ネットワークの進展に伴い、光信号選択装置におけるポート数が増加する傾向にある。また、入力ポートと出力ポートとを相互変更できる光信号選択装置も必要とされている。そして、ポート数の増加または入出力ポートの相互変更を可能にすると、経路の組み合わせは劇的に増加する。
例えば、従来の光信号選択装置における代表的な1×9の構成(「入力ポート1、出力ポート9」もしくは「入力ポート9、出力ポート1」)では経路の組み合わせが9通りであったものが、ポート数が30ポートかつ入出力ポートの相互変更可能とすると、経路の組み合わせの数は「30C2=435通り」となる。一般に、経路の組み合わせの数は、ポート数の増加に対して2乗のオーダーで増加することになる。
このような経路の組み合わせ数の増加に伴い、光偏向器の制御パラメータ数も増加すると、制御パラメータを記憶するためのメモリ容量がより多く必要とされる。さらに、制御パラメータをキャリブレーションするための工数も増加するので、製造工程の煩雑化にもつながる。そこで、経路の組み合わせが増大しても、経路の組み合わせ数の増大に比べて制御パラメータ数が増大しない方策が必要となる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、制御パラメータ数の増大を経路の組み合わせ数の増大に比べて抑制することができる光信号選択装置および光信号選択装置の制御方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる光信号選択装置は、複数の光ファイバが所定のスイッチ方向に沿って配列した入出力光ファイバアレイと、前記入出力光ファイバアレイの光ファイバから入射された光信号を前記スイッチ方向と略垂直である分光方向に分光する波長分光器と、少なくとも前記分光方向に対して配列された光偏向素子を有し、前記光偏向素子の各々が前記波長分光器からの該光信号を前記スイッチ方向に関して所定の角度で偏向させて反射することにより、前記光ファイバの経路を結合する光偏向器と、前記複数の光ファイバの経路の組み合わせのうち、少なくとも1つの第1の組み合わせに対応した前記光偏向素子に対する第1の制御パラメータを記憶しておく記憶部と、前記第1の制御パラメータを用いて、前記第1の組み合わせ以外の第2の組み合わせに対応した前記光偏向素子に対する第2の制御パラメータを演算する演算部と、前記第2の制御パラメータを用いて前記光偏向素子を駆動する駆動制御部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明にかかる光信号選択装置は、上記発明において、前記第1の制御パラメータは、前記複数の光ファイバのうち1つに定められた基準光ファイバと前記第2の組み合わせの各光ファイバとの経路を結合する際の前記光偏向素子の角度であり、前記演算部は、前記第2の組み合わせの各光ファイバに対する前記第1の制御パラメータを加算することにより、前記第2の制御パラメータを演算することを特徴とする。
また、本発明にかかる光信号選択装置は、上記発明において、前記第1の制御パラメータは、前記第2の組み合わせの各光ファイバの経路を自分自身に結合する際の前記光偏向素子の角度であり、前記演算部は、前記第2の組み合わせの各光ファイバに対する前記第1の制御パラメータを加算したものを2で除算することにより、前記第2の制御パラメータを演算することを特徴とする。
また、本発明にかかる光信号選択装置は、上記発明において、前記第1の制御パラメータは、前記複数の光ファイバのうち1つに定められた基準光ファイバの経路と、前記基準光ファイバに隣接した最隣接光ファイバの経路と、を結合する際の前記光偏向素子の角度であり、前記演算部は、前記基準光ファイバと最隣接光ファイバとの間の間隔を基準とした、前記第2の組み合わせの各光ファイバについての前記基準光ファイバとの間の間隔の比率の和を、前記第1の制御パラメータに対し乗算することにより、前記第2の制御パラメータを演算することを特徴とする。
また、本発明にかかる光信号選択装置は、上記発明において、前記演算部は、前記第2の制御パラメータを補正した補正制御パラメータを前記駆動制御部へ出力することを特徴とする。
また、本発明にかかる光信号選択装置は、上記発明において、前記光偏向器は、MEMSミラーアレイであることを特徴とする。
また、本発明にかかる光信号選択装置は、上記発明において、前記光偏向器は、位相変調素子アレイであることを特徴とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる光信号選択装置の制御方法は、複数の光ファイバが所定のスイッチ方向に沿って配列した入出力光ファイバアレイと、前記入出力光ファイバアレイの光ファイバから入射された光信号を前記スイッチ方向と略垂直である分光方向に分光する波長分光器と、少なくとも前記分光方向に対して配列された光偏向素子を有し、前記光偏向素子の各々が前記波長分光器からの該光信号を前記スイッチ方向に関して所定の角度で偏向させて反射することにより、前記光ファイバの経路を結合する光偏向器と、記憶部と演算部と前記光偏向素子を駆動する駆動制御部とを有する制御部とを備える光信号選択装置の制御方法であって、前記記憶部に記憶された前記複数の光ファイバの経路の組み合わせのうち、少なくとも1つの第1の組み合わせに対応した前記光偏向素子に対する第1の制御パラメータを読み出すステップと、前記第1の制御パラメータを用いて、前記第1の組み合わせ以外の第2の組み合わせに対応した前記光偏向素子に対する第2の制御パラメータを演算する演算ステップと、前記駆動制御部へ前記第2の制御パラメータを出力するステップとを含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる光信号選択装置の制御方法は、上記発明において、前記第1の制御パラメータは、前記複数の光ファイバのうち1つに定められた基準光ファイバの経路と、前記基準光ファイバに隣接した最隣接光ファイバの経路と、を結合する際の前記光偏向素子の角度であり、前記演算ステップは、前記基準光ファイバと最隣接光ファイバとの間の間隔を基準とした、前記第2の組み合わせの各光ファイバについての前記基準光ファイバとの間の間隔の比率の和を、前記第1の制御パラメータに対し乗算することにより、前記第2の制御パラメータを演算することを特徴とする。
また、本発明にかかる光信号選択装置の制御方法は、上記発明において、前記第1の制御パラメータは、前記光ファイバの経路を自分自身に結合する際の前記光偏向素子の角度であり、前記演算ステップは、前記2つの光ファイバに対する前記第1の制御パラメータを加算したものを2で除算することにより、前記第2の制御パラメータを演算することを特徴とする。
また、本発明にかかる光信号選択装置の制御方法は、上記発明において、前記第1の制御パラメータは、前記複数の光ファイバのうち1つに定められた基準光ファイバから入出力される光信号が伝播する経路と、前記基準光ファイバに隣接した最隣接光ファイバから入出力される光信号が伝播する経路と、を結合する際の前記光偏向素子の角度であり、前記演算ステップは、前記基準光ファイバと最隣接光ファイバとの間の間隔を基準とした、前記2つの光ファイバの各々についての光ファイバと前記基準光ファイバとの間の間隔の比率の和を、前記第1の制御パラメータに対し乗算することにより、前記第2の制御パラメータを演算することを特徴とする。
また、本発明にかかる光信号選択装置の制御方法は、上記発明において、前記第2の制御パラメータを補正する補正ステップをさらに含むことを特徴とする。
本発明の光信号選択装置および光信号選択装置の制御方法によれば、制御パラメータ数の増大を経路の組み合わせ数の増大に比べて抑制することができるという効果を奏する。
以下に、図面を参照して本発明にかかる光信号選択装置の制御方法および光信号選択装置の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。また、各図面において、同一または対応する要素には適宜同一の符号を付している。さらに、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係などは、現実のものとは異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
(基本実施形態)
図1は、基本実施形態にかかる光信号選択装置1の模式的な構成図である。光信号選択装置1は、入出力光ファイバアレイ2と、波長分光器3と、集光レンズ4と、光偏向器5と、制御部6とを備えている。
図1は、基本実施形態にかかる光信号選択装置1の模式的な構成図である。光信号選択装置1は、入出力光ファイバアレイ2と、波長分光器3と、集光レンズ4と、光偏向器5と、制御部6とを備えている。
入出力光ファイバアレイ2は、所定のスイッチ方向にN本の光ファイバ21,…,2Nをアレイ状に配列して構成されている。ここで、Nは光ファイバの本数を示す正の整数である。ここでスイッチ方向とは、光ファイバの経路を切換える方向のことをいう。光ファイバのそれぞれの先端にはコリメータレンズ付のフェルール2aが取り付けられている。N本の光ファイバは、それぞれが入力ポートおよび出力ポートとして機能し得る。
波長分光器3は、例えば回折格子を用いて構成されている。波長分光器3は、入出力光ファイバアレイ2から入射された光信号を所定の分光方向に分光するように配置されている。ここで分光方向とは、光信号が分光される方向であり、スイッチ方向と略垂直な方向である
集光レンズ4は、波長分光器3が分光した光信号を光偏向器5の素子表面に集光するように配置されている。
光偏向器5は、電圧を印加することによって光入射面に配列されたマイクロミラーを傾斜させることができるMEMSミラーアレイ、または、屈折率を変化させることができる位相変調素子アレイである。位相変調素子アレイは、たとえば位相変調素子として液晶素子を用いた反射型のLCOS(Liquid Crystal On Silicon)を用いて構成することができる。
光偏向器5は、少なくとも分光方向に対して配列された光偏向素子を有する。ここで光偏向素子とは、例えば光偏向器5がMEMSミラーアレイの場合はマイクロミラーであり、光偏向器5が反射型のLCOSの場合は位相変調素子である。特に、光偏向器5が位相変調素子からなる場合には、分光方向だけでなくスイッチ方向にも配列した2次元状の光偏向素子を有する。光偏向素子の各々は、波長分光器3からの光信号をスイッチ方向に関して所定の角度に偏向して反射する。その後、光偏向器5にて反射された光信号は、集光レンズ4および波長分光器3を介して入出力光ファイバアレイ2の光ファイバに入射される。
ここで、説明のために、光偏向器5の素子面に座標軸を規定する。スイッチ軸とは、光ファイバの経路を切換える方向の軸であり、光偏向素子各々が所定の角度で偏向して反射する方向の軸である。分光軸とは、分光された光信号が投影される方向であり、スイッチ方向と垂直な方向である。
制御部6は、記憶部61と演算部62と駆動制御部63とを有し、光偏向器5を構成する各光偏向素子に所望の電圧を印加するように接続されている。制御部6は、外部から入力された指示により、光信号選択装置1の経路を切換える制御を行う。
記憶部61は、入出力光ファイバアレイ2が備える光ファイバの本数以下の所定のパラメータを記憶し、演算部62は、この所定のパラメータを用いて、経路切換えのための光偏向素子の角度を演算し、駆動制御部63は、光偏向素子が演算された角度となるように光偏向素子に電圧を印加する。なお、制御部6における記憶部61、演算部62、および駆動制御部63の具体的作用については、後に各実施形態の説明において詳述する。
ここで、光信号選択装置1の動作について説明する。以下では、光ファイバ21から光信号ch1,ch2,ch3が入力され、光ファイバ2kから光信号ch1が出力され、光ファイバ2lから光信号ch2が出力され、光ファイバ2Nから光信号ch3が出力される例を用いるが、入力される光信号の数および経路の組み合わせはこの例に限るものではない。なお、k,lは、1<k,l≦Nとなる正の整数である。
まず、入出力光ファイバアレイ2の光ファイバ21から光信号ch1,ch2,ch3が光信号選択装置1に入射される。ここで、光信号ch1,ch2,ch3は、互いに異なる波長を有し、WDM光信号の異なるチャネルに割り当てられている。光信号ch1,ch2,ch3の波長は光通信に使用される波長であり、たとえば1520nm〜1620nmの範囲である。光信号ch1,ch2,ch3はフェルール2aのコリメータレンズによって平行光とされて波長分光器3に照射される。図1中、光ファイバ21から波長分光器3までの光信号ch1,ch2,ch3の光路は、太実線により記載されている。
波長分光器3に照射された光信号ch1,ch2,ch3は、それぞれの波長に応じた異なる回折角で回折し、3つの光信号ch1、光信号ch2、および光信号ch3に分離される。図1中、分離された3つの光信号ch1、光信号ch2、および光信号ch3は、それぞれ、破線、点線、および、一点鎖線により記載されている。
波長分光器3にて分離された3つの光信号ch1、光信号ch2、および光信号ch3は、それぞれの波長に応じた異なる角度で回折するので、集光レンズ4を介して光偏向器5の素子表面に入射される際には、それぞれの波長に応じた異なる位置に入射される。
光偏向器5は、分光軸方向に対して複数の光偏向素子を有しているので、それぞれの波長に応じた異なる位置に照射された3つの光信号ch1、光信号ch2、および光信号ch3を、それぞれ独立した方向に偏向することが可能である。そこで、制御部6により、光偏向器5における光偏向素子の偏向角度を制御し、3つの光信号ch1、光信号ch2、および光信号ch3を、それぞれスイッチ軸方向の所定の角度へ偏向して反射する。
異なるスイッチ軸方向へ偏向して反射された3つの光信号ch1、光信号ch2、および光信号ch3は、集光レンズ4を介して波長分光器3に投影される際に、光偏向器5における光偏向素子の偏向角度に応じた異なる位置に照射される。その後、波長分光器3にて回折された3つの光信号ch1、光信号ch2、および光信号ch3は、スイッチ軸方向に沿って配列された入出力光ファイバアレイの異なる光ファイバに入射される。図1に示される例では、光信号ch1が光ファイバ2kに入射され、光信号ch2が光ファイバ2lに入射され、光信号ch3が光ファイバ2Nに入射されている。
以上のように、基本実施形態にかかる光信号選択装置1では、制御部6が光偏向器5の光偏向素子を駆動制御することにより、入出力光ファイバアレイ2の光ファイバから入射された光信号の経路の切換を実現することができる。
ここで、図2を参照して、光偏向器5としてMEMSミラーアレイを用いた場合の、光信号の反射角度(Θ)と光信号を結合する光ファイバの間隔(d)とミラー角度(θ)との関係を説明する。図2は、光信号の反射角度(Θ)と経路を結合する光ファイバの間隔(d)とミラー角度(θ)との関係を示す光路図である。ここで、ミラー角度(θ)とは、レンズ4の光軸に垂直な平面に対するマイクロミラー5aの傾斜角度をスイッチ軸断面で計ったものである。マイクロミラー5aは、図1に示された光偏向器5の光偏向素子であり、図2は、図1における光偏向器5の1つの光偏向素子に着目して光信号の反射経路を図示した光路図となっている。したがって、図2では、光偏向素子における光信号の反射角度に関係のない波長分光器3などの構成は省略されている。
ここで、以下の説明を容易にするために、入出力光ファイバアレイ2の各光ファイバにポート番号を割り当てる。ミラー角度(θ)が0となる位置に配置された光ファイバを基準光ファイバとし、これをPort(0)の光ファイバとする。なお、ミラー角度(θ)が0となる位置に配置された光ファイバを基準光ファイバと定義するのではなく、基準光ファイバを先に定義して、基準光ファイバの位置に基づいてミラー角度(θ)が0となるマイクロミラー5aの基準角度を定めてもよい。
この基準光ファイバに隣接した光ファイバのうち1つを最隣接光ファイバとし、Port(1)の光ファイバとする。その後、基準光ファイバを基点として順に、m番目の光ファイバをPort(m)の光ファイバとし、n番目の光ファイバをPort(n)の光ファイバと定義する。
また、基準光ファイバを基点として最隣接光ファイバの反対方向にも光ファイバを配置する場合、基準光ファイバを基点として順に、m番目の光ファイバをPort(−m)の光ファイバとし、n番目の光ファイバをPort(−n)の光ファイバと定義する。よって、負のポート番号(Port(−m)など)も考慮した場合、ミラー角度(θ)は負の角度となり得る。また、上記のように入出力光ファイバアレイ2の各光ファイバにポート番号を割り当てた場合、ポート番号m,nは、ポートの総数Nに対し、2m+1≦N,2n+1≦Nとなる整数となる。
なお、記載を容易にするため、以下の説明では、Port(m)の光ファイバから入出力される光信号が伝播する経路を単にPort(m)の経路と記載する。
図2に示されるように、Port(0)とPort(1)との経路を結合する場合、Port(0)およびPort(1)の光ファイバの間隔(d)と光信号の反射角度(Θ)との関係は、下記式(1)により表現される。なお、下記式(1)において、Dは、集光レンズ4の焦点距離である。
また、光信号の反射角度が十分小さい場合、すなわち集光レンズの焦点距離に対してポート間隔が十分小さい場合(d<<D)には、式(2)の高次の項が無視できるので、上記ミラー角度(θ)と光ファイバの間隔(d)の関係は、下記式(3)のように近似される。
このように、光信号の反射角度が十分小さい場合には、ミラー角度(θ)と光ファイバの間隔(d)は比例の関係で表現できる。
本実施形態では、上記関係を考慮し、記憶部61に記憶されている組み合わせの経路数よりも少ないパラメータを用いて、演算部62が全ての組み合わせの経路のための光偏向素子の角度を演算する。
なお、以下で説明する第1実施形態から第4実施形態は、上記説明した基本実施形態にかかる光信号選択装置1における制御部6を置き換えて構成したものである。以下では、各実施形態における制御部についてのみの説明を行うが、制御部以外の構成は、基本実施形態と同様であるものとする。
(第1実施形態)
図3は、第1実施形態にかかる制御部6aのブロック図である。図3に示されるように、第1実施形態の制御部6aは、記憶部61aと演算部62aと駆動制御部63とを有する。記憶部61aには、ミラー角度(θ0,m)が各ポート(m=0,±1,±2,…;2m+1≦N)について記憶されている。ミラー角度(θ0,m)とは、Port(0)とPort(m)との経路を結合する際のレンズ4の光軸に垂直な平面に対するマイクロミラー5aの傾斜角度をスイッチ軸断面で計ったものである。
図3は、第1実施形態にかかる制御部6aのブロック図である。図3に示されるように、第1実施形態の制御部6aは、記憶部61aと演算部62aと駆動制御部63とを有する。記憶部61aには、ミラー角度(θ0,m)が各ポート(m=0,±1,±2,…;2m+1≦N)について記憶されている。ミラー角度(θ0,m)とは、Port(0)とPort(m)との経路を結合する際のレンズ4の光軸に垂直な平面に対するマイクロミラー5aの傾斜角度をスイッチ軸断面で計ったものである。
なお、記憶部61aに記憶させておく各ミラー角度(θ0,m)は、マイクロミラー5aの角度を測定した値を用いることもでき、また、Port(0)とPort(m)との光ファイバの間隔(d)から上記式(3)を用いて算出した値を用いることもできる。
演算部62aは、結合させる経路の組み合わせ(m,n)の情報を含む入力に対して、Port(m)とPort(n)との経路を結合する際のミラー角度(θm,n)を算出する。演算部62aは、加算部64を有し、加算部64がミラー角度(θ0,m)およびミラー角度(θ0,n)を用いて、ミラー角度(θm,n)を算出する。駆動制御部63は、算出されたミラー角度(θm,n)に対応した電圧を光偏向素子に印加する。
図4から図6は、第1実施形態の演算部62aがミラー角度(θ0,m)およびミラー角度(θ0,n)からミラー角度(θm,n)を算出する原理を説明する図である。図4は、Port(0)とPort(m)との経路を結合する際のマイクロミラー5aのミラー角度(θ0,m)を示し、図5は、Port(0)とPort(n)との経路を結合する際のマイクロミラー5aのミラー角度(θ0,n)を示し、図6は、Port(m)とPort(n)との経路を結合する際のマイクロミラー5aのミラー角度(θm,n)を示している。
図4に示すように、Port(0)とPort(m)との経路を結合する場合には、ミラー5aに対する垂線と各ポートの経路とがなす角度は、それぞれミラー角度(θ0,m)に等しくなる。また図5に示すように、Port(0)とPort(n)との経路を結合する場合も同様に、ミラー5aに対する垂線と各ポートの経路とがなす角度は、それぞれミラー角度(θ0,n)に等しくなる。
一方で、Port(m)とPort(n)との経路を結合する場合を考えると、図6に示すように、ミラー5aに対する垂線と光軸(Port(0)からの経路)とがなす角度は、ミラー角度(θm,n)に等しくなる。ここで、ミラー5aに対する垂線はPort(m)とPort(n)との経路がなす角度を2分割する線となっていることから、ミラー角度(θm,n)は、下記式(4)のように表現できる。
θm,n=2θ0,m+(2θ0,n−2θ0,m)/2=θ0,m+θ0,n ・・・(4)
θm,n=2θ0,m+(2θ0,n−2θ0,m)/2=θ0,m+θ0,n ・・・(4)
したがって、第1実施形態の演算部62aでは、加算部64が記憶部61aに記憶されているミラー角度(θ0,m)とミラー角度(θ0,n)とを加算することにより、光ファイバのポートの組み合わせ(m,n)に対して、Port(m)とPort(n)との経路を結合する際のミラー角度(θm,n)を算出することができる。
以上より、第1実施形態にかかる光信号選択装置1およびその制御方法によれば、Port(0)とPort(m)との経路を結合する際のミラー角度(θ0,m)を制御パラメータとして記憶部61aに記憶しておくことにより、記憶部61aに記憶されていない組み合わせに対応するミラー角度(θm,n)を算出することができる。結果、光信号選択装置1のポート総数Nと同数の制御パラメータを記憶しておくことにより、すべての経路の組み合わせの制御を実現できるので、制御パラメータ数の増大を経路の組み合わせ数の増大に比べて抑制することができる。
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態にかかる制御部6bのブロック図である。図7に示されるように、第2実施形態の制御部6bは、記憶部61bと演算部62bと駆動制御部63とを有する。記憶部61bには、ミラー角度(θm,m)が各ポート(m=0,±1,±2,…;2m+1≦N)について記憶されている。ミラー角度(θm,m)とは、Port(m)の経路を自分自身と結合する際のレンズ4の光軸に垂直な平面に対するマイクロミラー5aの傾斜角度をスイッチ軸断面で計ったものである。
図7は、第2実施形態にかかる制御部6bのブロック図である。図7に示されるように、第2実施形態の制御部6bは、記憶部61bと演算部62bと駆動制御部63とを有する。記憶部61bには、ミラー角度(θm,m)が各ポート(m=0,±1,±2,…;2m+1≦N)について記憶されている。ミラー角度(θm,m)とは、Port(m)の経路を自分自身と結合する際のレンズ4の光軸に垂直な平面に対するマイクロミラー5aの傾斜角度をスイッチ軸断面で計ったものである。
なお、記憶部61aに記憶させておく各ミラー角度(θm,m)は、マイクロミラー5aの角度を測定した値を用いることもでき、また、Port(0)とPort(m)との光ファイバの間隔(d)から上記式(3)を用いて算出した角度の2倍の値を用いることもできる。
演算部62bは、結合させる経路の組み合わせ(m,n)の情報を含む入力に対して、Port(m)とPort(n)との経路を結合する際のミラー角度(θm,n)を算出する。演算部62bは、加算部64および除算部65を有し、加算部64と除算部65とがミラー角度(θm,m)およびミラー角度(θm,n)を用いてミラー角度(θm,n)を算出する。駆動制御部63は、算出されたミラー角度(θm,n)に対応した電圧を光偏向素子に印加する。
図8から図9は、第2実施形態の演算部62bがミラー角度(θm,m)およびミラー角度(θn,n)からミラー角度(θm,n)を算出する原理を説明する図である。図8は、Port(m)の経路を自分自身と結合する際のマイクロミラー5aのミラー角度(θm,m)を示し、図9は、Port(n)の経路を自分自身と結合する際のマイクロミラー5aのミラー角度(θn,n)を示し、図10は、Port(m)とPort(n)との経路を結合する際のマイクロミラー5aのミラー角度(θm,n)を示している。
図8に示すように、Port(m)の経路を自分自身と結合する場合には、Port(m)の経路と光軸(Port(0)からの経路)とがなす角度は、ミラー角度(θm,m)に等しくなる。また図9に示すように、Port(n)の経路を自分自身と結合する場合も同様に、Port(n)の経路と光軸(Port(0)からの経路)とがなす角度は、ミラー角度(θn,n)に等しくなる。
一方で、Port(m)とPort(n)との経路を結合する場合を考えると、図10に示すように、ミラーに対する垂線と光軸(Port(0)からの経路)がなす角度は、ミラー角度(θm,n)に等しくなる。ここで、ミラーに対する垂線はPort(m)とPort(n)の経路がなす角度を2分割する線となっていることから、ミラー角度(θm,n)は、下記式(5)のように表現できる。
θm,n=θm,m+(θn,n−θm,m)/2=(θm,m+θn,n)/2 ・・・(5)
θm,n=θm,m+(θn,n−θm,m)/2=(θm,m+θn,n)/2 ・・・(5)
したがって、第2実施形態の演算部62bでは、加算部64が記憶部61bに記憶されているミラー角度(θm,m)およびミラー角度(θn,n)を加算し、除算部65が加算部64の出力を2で除算することにより、経路の組み合わせ(m,n)の情報を含む入力に対して、ミラー角度(θm,n)を算出することができる。
以上より、第2実施形態にかかる光信号選択装置1およびその制御方法によれば、Port(m)の経路を自分自身に結合する際のミラー角度(θm,m)のパラメータを記憶部61bに記憶しておくことにより、記憶部61aに記憶されていないミラー角度(θm,n)を算出することができる。結果、光信号選択装置1のポート総数Nと同数の制御パラメータを記憶しておくことにより、すべての経路の組み合わせの制御を実現できるので、制御パラメータ数の増大を経路の組み合わせ数の増大に比べて抑制することができる。
(第3実施形態)
図11は、第3実施形態にかかる光信号選択装置1の制御部6cのブロック図である。第3実施形態では、各ポートの光ファイバが等間隔である場合に、等間隔であることを利用し、1つの制御パラメータを記憶するのみで、全ての組み合わせに対応するミラー角度を算出する。
図11は、第3実施形態にかかる光信号選択装置1の制御部6cのブロック図である。第3実施形態では、各ポートの光ファイバが等間隔である場合に、等間隔であることを利用し、1つの制御パラメータを記憶するのみで、全ての組み合わせに対応するミラー角度を算出する。
図11に示されるように、第3実施形態の制御部6cは、記憶部61cと演算部62cと駆動制御部63とを有する。記憶部61cには、ミラー角度(θ0,1)のみが記憶されている。ミラー角度(θ0,1)とは、Port(0)とPort(1)との経路を結合する際のレンズ4の光軸に垂直な平面に対するマイクロミラー5aの傾斜角度をスイッチ軸断面で計ったものである。つまり、ミラー角度(θ0,1)は、基準光ファイバから入出力される光信号が伝播する経路と最隣接光ファイバから入出力される光信号が伝播する経路とを結合する際のレンズ4の光軸に垂直な平面に対するマイクロミラー5aの傾斜角度をスイッチ軸断面で計ったものである。
演算部62cは、結合させる経路の組み合わせ(m,n)の情報を含む入力に対して、Port(m)とPort(n)との経路を結合する際のミラー角度(θm,n)を算出する。演算部62cは、積算部66を有し、積算部66が、ミラー角度(θ0,1)を用いてミラー角度(θm,n)を算出する。駆動制御部63は、算出されたミラー角度(θm,n)に対応した電圧を光偏向素子に印加する。
図12および図13は、第3実施形態の演算部62cがミラー角度(θ0,1)からミラー角度(θm,n)を算出する原理を説明する図である。図12は、Port(0)とPort(1)との経路を結合する際のマイクロミラー5aのミラー角度(θ0,1)を示し、図13は、Port(m)とPort(n)との経路を結合する際のマイクロミラー5aのミラー角度(θm,n)を示している。
図12および図13に示されるように、各ポートの光ファイバが等間隔であることを利用すれば、ポート番号mは、基準光ファイバと最隣接光ファイバとの間の間隔を基準とした、Port(m)の光ファイバと基準光ファイバとの間の間隔の比率を表していることが解る。したがって、上記式(3)の関係を考慮すれば、Port(0)とPort(m)との経路を結合する際のマイクロミラー5aのミラー角度(θ0,m)は、θ0,m=m×θ0,1となることが解る。
結果、Port(m)の光ファイバとPort(n)の光ファイバとの経路を結合する際のマイクロミラー5aのミラー角度(θm,n)は、ミラー角度(θ0,1)を用いて、下記式(6)のように表現できる。
θm,n=(m+n)×θ0,1 ・・・(6)
θm,n=(m+n)×θ0,1 ・・・(6)
したがって、第3実施形態の演算部62cでは、積算部66が記憶部61cが記憶しているミラー角度(θ0,1)に(m+n)を積算することにより、経路の組み合わせ(m,n)の情報を含む入力に対して、Port(m)とPort(n)との経路を結合する際のミラー角度(θm,n)を算出することができる。
以上より、第3実施形態にかかる光信号選択装置1およびその制御方法によれば、ミラー角度(θ0,1)のパラメータを記憶部61cに記憶しておくことにより、記憶部61aに記憶されていないミラー角度(θm,n)を算出することができる。結果、1つの制御パラメータを記憶しておくことにより、すべての経路の組み合わせの制御を実現できるので、制御パラメータ数の増大を経路の組み合わせ数の増大に比べて抑制することができる。
(第4実施形態)
光ファイバの間隔(d)とミラー角度(θ)とは、マイクロミラー5aの反射角度(Θ)が十分小さければ比例とみなすことができるが、光ファイバの本数が増加すると光ファイバの間隔と集光レンズの焦点距離の比(d/D)の高次の項の影響が無視できなくなり、上記式(3)の比例関係を仮定することができなくなる。特に、第3実施形態においては、反射角度が大きくなると、その誤差が顕著となってしまう。
光ファイバの間隔(d)とミラー角度(θ)とは、マイクロミラー5aの反射角度(Θ)が十分小さければ比例とみなすことができるが、光ファイバの本数が増加すると光ファイバの間隔と集光レンズの焦点距離の比(d/D)の高次の項の影響が無視できなくなり、上記式(3)の比例関係を仮定することができなくなる。特に、第3実施形態においては、反射角度が大きくなると、その誤差が顕著となってしまう。
そこで、第4実施形態では、結合させる経路の組み合わせ(m,n)に応じた補正式を用いることにより、より正確な演算が行われる。なお、以下で説明する第4実施形態は、第3実施形態に改良を加えた形態であるが、第3実施形態に限らず第1実施形態および第2実施形態においても同様の考え形で改良を加えることが可能である。
図14は、第4実施形態にかかる光信号選択装置1の制御部6dのブロック図である。図14に示されるように、第4実施形態の制御部6dは、記憶部61dと演算部62dと駆動制御部63とを有する。記憶部61dには、Port(0)とPort(1)との経路を結合する際のミラー角度(θ0,1)が記憶されている。
演算部62dは、結合させる経路の組み合わせ(m,n)の情報を含む入力に対して、Port(m)とPort(n)との経路を結合する際のミラー角度(θm,n)を算出する。演算部62dは、積算部66および補正部67を有し、積算部66がミラー角度(θ0,1)を用いてミラー角度(θm,n)を算出し、補正部67が算出されたミラー角度(θm,n)に対して補正式により補正する。
補正部67が用いる補正式は、以下のように得られる。
Port(0)とPort(1)との経路を結合する際のミラー角度(θ0,1)は、反射角度が十分小さいので、Port(0)およびPort(1)の光ファイバの間隔(d)と集光レンズ4の焦点距離(D)とを用いて、下記式(7)により近似される。
Port(0)とPort(n)との経路を結合する際のミラー角度(θ0,n)についても同様の近似式を用いることにより、Port(m)とPort(n)との経路を結合する際の補正後のミラー角度(θm,n)は、下記式(9)のように近似される。
したがって、積算部66が算出したミラー角度((m+n)θ0,1)に対して、補正部67が上記補正項を加えることにより、演算部62dは、より正確な演算を行うことができる。
(第5実施形態)
上記実施形態は、光偏向器5としてMEMSミラーアレイを用いた場合であったが、第5実施形態では、光偏向器5として位相変調素子アレイが用いられる。なお、以下で説明する第5実施形態は、第1実施形態に改良を加えた形態であるが、第1実施形態に限らず第2実施形態から第4実施形態に改良を加えた形態とすることも可能である。
上記実施形態は、光偏向器5としてMEMSミラーアレイを用いた場合であったが、第5実施形態では、光偏向器5として位相変調素子アレイが用いられる。なお、以下で説明する第5実施形態は、第1実施形態に改良を加えた形態であるが、第1実施形態に限らず第2実施形態から第4実施形態に改良を加えた形態とすることも可能である。
図15は、第5実施形態にかかる光信号選択装置1の制御部6eのブロック図である。図15に示されるように、第5実施形態の制御部6eは、記憶部61eと演算部62eと駆動制御部63とを有する。記憶部61eには、Port(0)の光ファイバとPort(m)の光ファイバとの経路を結合する際のミラー角度(θ0,m)がすべての光ファイバのポートについて記憶されている。
演算部62eは、加算部64および位相算出部68を有し、加算部64が記憶部61dに記憶されているミラー角度(θ0,m)およびミラー角度(θ0,n)を用いて、光ファイバのポートの組み合わせ(m,n)に対して、Port(m)の光ファイバとPort(n)の光ファイバとの経路を結合する際のミラー角度(θm,n)を算出し、位相算出部68が算出されたミラー角度(θm,n)を位相変調の傾き(Δφ)に変換する。
ここで、位相変調の傾き(Δφ)とは、隣接する位相変調素子に印加する位相変調量の変化率を意味し、具体的には下記式(10)により定義される。
Δφ=2π/L・・・(10)
ただし、Lは位相変調の周期(位相変調量が0から2πまで変化するスイッチ軸方向の長さ)である。
Δφ=2π/L・・・(10)
ただし、Lは位相変調の周期(位相変調量が0から2πまで変化するスイッチ軸方向の長さ)である。
また、ここでは、図16に示されるように、位相変調素子アレイのスイッチ軸方向に多数配列された各位相変調素子の位相変調量を、各位相変調素子間で少しずつ変化させて全体の位相変調量の分布を鋸刃状にした場合の位相変調の傾き(Δφ)を考えている。なお、図16のグラフにて、横軸は位相変調素子アレイのスイッチ軸を示し、縦軸は位相変調素子アレイを構成する各位相変調素子が光信号を反射する際の位相変調量を示している。
位相算出部68が行うミラー角度(θm,n)を位相変調の傾き(Δφ)へ変換する方法は、以下の通りである。
位相変調素子アレイに印加された位相変調の傾き(Δφ)が図16に示されるような鋸刃状となる場合、光信号が位相変調素子アレイに対して垂直に入射した時にその位相変調素子アレイにより回折される光信号の回折角度(Θ)と位相変調素子アレイに印加される位相変調の傾き(Δφ)には、下記式(9)の関係がある。ただし、下記式(11)にて、λは光信号の波長である。
Δφ=2π/L=(2π/λ)×sinΘ≒(2π/λ)×Θ ・・・(11)
Δφ=2π/L=(2π/λ)×sinΘ≒(2π/λ)×Θ ・・・(11)
そこで、第5実施形態にかかる演算部62eでは、位相算出部68が、加算手段64により算出されたミラー角度(θm,n)を上記変換式および式2にあるミラー角度と反射角度の関係(Θ=2θ)を用いて位相変調の傾き(Δφm,n)に変換することができる。
Δφm,n=(2π/λ)×2θm,n ・・・(12)
Δφm,n=(2π/λ)×2θm,n ・・・(12)
その後、変換した位相変調の傾き(Δφ)から位相変調素子アレイに印加する位相変調(φ)を算出し、位相算出部68の出力である位相変調(φ)に基づいて、駆動制御部63が位相変調素子アレイに位相変調を印加する。
以上のように、第5実施形態にかかる光信号選択装置1の制御部6eは、位相算出部68が算出されたミラー角度(θm,n)を位相変調の傾きに変換することにより、光偏向器5として位相変調素子アレイが用いても、第1実施形態から第4実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、上記の形態では、記憶部に格納されたミラー角度を位相算出部68にて位相変調の傾きに変換してから位相変調を算出しているが、あらかじめミラー角度(θ)から算出した位相変調の傾き(Δφ)を記憶部61eに格納し、第1実施形態から第4実施形態と同様の演算を行なうことで、Port(m)とPort(n)との経路を結合する際の位相変調の傾き(Δφm,n)を算出してもよい。この場合には、ミラー角度から位相変調の傾きへの変換をあらかじめ行っておくので、位相算出部68での演算をより簡易にすることが可能となる。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明してきたが、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。
例えば、式(6)に示すように、液晶による位相変調と光信号の反射角度の間には、波長依存性が存在する。また、MEMSミラーアレイを用いる場合でも、集光レンズなどの光学系による波長依存性が存在する。そこで、これらの波長依存性を吸収するために、記憶部に格納するパラメータを波長ごとに持たせても良い。また、第4実施形態で用いた補正式を波長ごとに持たせても良い、さらには、波長依存性を吸収するための補正式を別に持たせても良い。
このように、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
1 光信号選択装置
2 入出力光ファイバアレイ
21,2k,2l,2N 光ファイバ
2a フェルール
3 波長分光器
4 集光レンズ
5 光偏向器
5a マイクロミラー
6,6a,6c,6d,6e 制御部
61,61a,61c,61d,61e 記憶部
62,62a,62c,62d,62e 演算部
63 駆動制御部
64 加算部
65 除算部
66 積算部
67 補正部
68 位相算出部
2 入出力光ファイバアレイ
21,2k,2l,2N 光ファイバ
2a フェルール
3 波長分光器
4 集光レンズ
5 光偏向器
5a マイクロミラー
6,6a,6c,6d,6e 制御部
61,61a,61c,61d,61e 記憶部
62,62a,62c,62d,62e 演算部
63 駆動制御部
64 加算部
65 除算部
66 積算部
67 補正部
68 位相算出部
Claims (12)
- 複数の光ファイバが所定のスイッチ方向に沿って配列した入出力光ファイバアレイと、
前記入出力光ファイバアレイの光ファイバから入射された光信号を前記スイッチ方向と略垂直である分光方向に分光する波長分光器と、
少なくとも前記分光方向に対して配列された光偏向素子を有し、前記光偏向素子の各々が前記波長分光器からの該光信号を前記スイッチ方向に関して所定の角度で偏向させて反射することにより、前記複数の光ファイバの経路を結合する光偏向器と、
前記複数の光ファイバの経路の組み合わせのうち、少なくとも1つの第1の組み合わせに対応した前記光偏向素子に対する第1の制御パラメータを記憶しておく記憶部と、
前記第1の制御パラメータを用いて、前記第1の組み合わせ以外の第2の組み合わせに対応した前記光偏向素子に対する第2の制御パラメータを演算する演算部と、
前記第2の制御パラメータを用いて前記光偏向素子を駆動する駆動制御部と、
を備えることを特徴とする光信号選択装置。 - 前記第1の制御パラメータは、前記複数の光ファイバのうち1つに定められた基準光ファイバと前記第2の組み合わせの各光ファイバとの経路を結合する際の前記光偏向素子の角度であり、
前記演算部は、前記第2の組み合わせの各光ファイバに対する前記第1の制御パラメータを加算することにより、前記第2の制御パラメータを演算することを特徴とする請求項1に記載の光信号選択装置。 - 前記第1の制御パラメータは、前記第2の組み合わせの各光ファイバの経路を自分自身に結合する際の前記光偏向素子の角度であり、
前記演算部は、前記第2の組み合わせの各光ファイバに対する前記第1の制御パラメータを加算したものを2で除算することにより、前記第2の制御パラメータを演算することを特徴とする請求項1に記載の光信号選択装置。 - 前記第1の制御パラメータは、前記複数の光ファイバのうち1つに定められた基準光ファイバの経路と、前記基準光ファイバに隣接した最隣接光ファイバの経路と、を結合する際の前記光偏向素子の角度であり、
前記演算部は、前記基準光ファイバと最隣接光ファイバとの間の間隔を基準とした、前記第2の組み合わせの各光ファイバについての前記基準光ファイバとの間の間隔の比率の和を、前記第1の制御パラメータに対し乗算することにより、前記第2の制御パラメータを演算することを特徴とする請求項1に記載の光信号選択装置。 - 前記演算部は、前記第2の制御パラメータを補正した補正制御パラメータを前記駆動制御部へ出力することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の光信号選択装置。
- 前記光偏向器は、MEMSミラーアレイであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の光信号選択装置。
- 前記光偏向器は、位相変調素子アレイであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の光信号選択装置。
- 複数の光ファイバが所定のスイッチ方向に沿って配列した入出力光ファイバアレイと、
前記入出力光ファイバアレイの光ファイバから入射された光信号を前記スイッチ方向と略垂直である分光方向に分光する波長分光器と、
少なくとも前記分光方向に対して配列された光偏向素子を有し、前記光偏向素子の各々が前記波長分光器からの該光信号を前記スイッチ方向に関して所定の角度で偏向させて反射することにより、前記光ファイバの経路を結合する光偏向器と、
記憶部と演算部と前記光偏向素子を駆動する駆動制御部とを有する制御部とを備える光信号選択装置の制御方法であって、
前記記憶部に記憶された前記複数の光ファイバの経路の組み合わせのうち、少なくとも1つの第1の組み合わせに対応した前記光偏向素子に対する第1の制御パラメータを読み出すステップと、
前記第1の制御パラメータを用いて、前記第1の組み合わせ以外の第2の組み合わせに対応した前記光偏向素子に対する第2の制御パラメータを演算する演算ステップと、
前記駆動制御部へ前記第2の制御パラメータを出力するステップと、
を含むことを特徴とする光信号選択装置の制御方法。 - 前記第1の制御パラメータは、前記複数の光ファイバのうち1つに定められた基準光ファイバと前記第2の組み合わせの各光ファイバとの経路を結合する際の前記光偏向素子の角度であり、
前記演算ステップは、前記第2の組み合わせの各光ファイバに対する前記第1の制御パラメータを加算することにより、前記第2の制御パラメータを演算することを特徴とする請求項8に記載の光信号選択装置の制御方法。 - 前記第1の制御パラメータは、前記第2の組み合わせの各光ファイバの経路を自分自身に結合する際の前記光偏向素子の角度であり、
前記演算ステップは、前記第2の組み合わせの各光ファイバに対する前記第1の制御パラメータを加算したものを2で除算することにより、前記第2の制御パラメータを演算することを特徴とする請求項8に記載の光信号選択装置の制御方法。 - 前記第1の制御パラメータは、前記複数の光ファイバのうち1つに定められた基準光ファイバの経路と、前記基準光ファイバに隣接した最隣接光ファイバの経路と、を結合する際の前記光偏向素子の角度であり、
前記演算ステップは、前記基準光ファイバと最隣接光ファイバとの間の間隔を基準とした、前記第2の組み合わせの各光ファイバについての前記基準光ファイバとの間の間隔の比率の和を、前記第1の制御パラメータに対し乗算することにより、前記第2の制御パラメータを演算することを特徴とする請求項8に記載の光信号選択装置の制御方法。 - 前記第2の制御パラメータを補正する補正ステップをさらに含むことを特徴とする請求項8〜11の何れか1項に記載の光信号選択装置の制御方法。
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