以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、スロットマシン1A等のその他の遊技機であってもよく、所定の遊技を実行可能な遊技機、および、開始条件の成立に基づいて所定の遊技を実行可能な遊技機であればどのような遊技機であってもよい。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、図1は、本実施の形態における遊技用システム10の構成の一例を示す図である。図1を参照して、遊技用システム10は、遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1およびスロットマシン1Aなど)と、携帯端末100(スマートフォン100A、携帯電話機100B、タブレット端末、ウェアラブルコンピュータなど)と、サーバ(たとえば、情報提供サーバ200)とを含む。
情報提供サーバ200などのサーバおよび携帯端末100は、通信ネットワーク900を介して通信可能に接続される。通信ネットワーク900には、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、移動体通信網、および、公衆回線網などの通信網が含まれる。移動体通信網には、基地局およびパケット通信網などが含まれる。これにより、情報提供サーバ200などのサーバおよび携帯端末100は、互いに所定のデータ通信をすることが可能である。
[携帯端末100の構成および機能]
図2は、本実施の形態における携帯端末100の構成の一例を示すブロック図である。図2を参照して、携帯端末100は、データ処理部110と、記憶部120と、データ入力部130と、表示部140と、音声入出力部150と、無線通信部160と、アンテナ161と、赤外線通信部180と、カメラ部190とを含む。
記憶部120は、ROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリなどの不揮発性メモリやRAM(Random Access Memory)などの揮発性メモリなどの半導体メモリで構成される。記憶部120は、携帯端末100の各種機能をデータ処理部110に実行させるためのアプリケーションプログラムなどのプログラムやデータを記憶する。
データ入力部130は、タッチパネル、または、電話番号や各種データなどの数字やアルファベットやその他の文字などを入力するためのダイヤルキーや十字操作キーやその他のファンクションキーで構成される。データ入力部130は、ユーザからデータの入力を受付けて、入力されたデータをデータ処理部110に受渡す。
表示部140は、液晶表示装置(Liquid Crystal Display、以下「LCD」という)で構成される。なお、表示部140は、EL(Electro Luminescence)ディスプレイなど他の表示装置で構成されてもよい。表示部140は、データ処理部110から受けた文字データおよび画像データを表示する。
音声入出力部150は、マイクおよびスピーカで構成される。音声入出力部150は、外部からマイクに入力された音声を電気信号に変えて、データ処理部110に受渡し、データ処理部110からの電気信号を音声に変換して、スピーカで外部に出力する。
無線通信部160は、他の携帯端末またはサーバからアンテナ161で受信した信号をデータ処理部110に受渡し、データ処理部110から他の携帯端末またはサーバへ送信する信号をアンテナ161から出力させる。
赤外線通信部180は、他の装置から赤外線で受信した信号をデータ処理部110に受渡し、他の装置へ送信する信号をデータ処理部110から受取り、赤外線で送信する。
カメラ部190は、撮影対象を撮像して、撮像された画像を画像データに変換して、変換された画像データをデータ処理部110に出力する。
データ処理部110は、マイクロプロセッサ(Micro Processing Unit、以下「MPU」という)で構成される。データ処理部110は、記憶部120に記憶されたアプリケーションプログラムなどのプログラムに従って、記憶部120、データ入力部130、音声入出力部150、無線通信部160、赤外線通信部180、または、カメラ部190から入力されたデータを処理して、処理したデータを、記憶部120、表示部140、音声入出力部150、無線通信部160、または、赤外線通信部180に出力する。
なお、本実施の形態においては、携帯端末100は、音声入出力部150および赤外線通信部180を含んでも含まなくてもよい。
[情報提供サーバ200の構成および機能]
図3は、本実施の形態における情報提供サーバ200の構成の一例を示すブロック図である。図3を参照して、情報提供サーバ200は、データ処理部210と、記憶部220と、データ入力部230と、表示部240と、通信部260とを含む。
記憶部220は、ROMやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリやRAMなどの揮発性メモリなどの半導体メモリ、および、ハードディスクなどの外部記憶装置で構成される。記憶部220には、情報提供サーバ200の各種機能をデータ処理部210に実行させるためのプログラムやデータが記憶される。
データ入力部230は、キーボードおよびマウスなどの入力装置で構成される。データ入力部230は、情報提供サーバ200の管理者などのユーザからデータの入力を受付けて、入力されたデータをデータ処理部210に受渡す。
表示部240は、LCDで構成される。なお、表示部240は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイやEL(Electro Luminescence)ディスプレイなど他の表示装置で構成されてもよい。表示部240は、データ処理部210から受けた文字データおよび画像データを表示する。
通信部260は、携帯端末100または他のサーバから、通信ネットワーク900を介して受信したデータをデータ処理部210に受渡し、データ処理部210から通信ネットワーク900を介して携帯端末100または他のサーバに送信するデータを出力する。
データ処理部210は、MPUで構成される。データ処理部210は、記憶部220に記憶されたプログラムに従って、記憶部220、データ入力部230、または、通信部260から入力されたデータを処理して、処理したデータを、記憶部220、表示部240、または、通信部260に出力する。
[パチンコ遊技機1の構成および機能]
次に、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図4はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図5は当り種別表である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5等が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ122が取付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン125(図6参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ121(図6参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図6参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図6参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図6参照)が設けられていればよい。図4に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
なお、本実施の形態では、遊技者が操作可能な操作手段の一例として、プッシュボタン120と、トリガボタン125を有するスティックコントローラ122とを設けた例を示した。しかし、これに限らず、操作手段としては、プッシュボタン120とスティックコントローラ122とのいずれか1つのみを設けてもよい。また、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な演出表示装置9が設けられている。遊技領域7における演出表示装置9の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置9は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示等の各種画像を表示する表示領域が設けられる。このような表示領域には、たとえば「左」,「中」,「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示領域が形成される。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置9で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
第1特別図柄表示器8aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置9においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示領域で同じ図柄が停止し、中の図柄表示領域で図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示領域で停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置9の右方には、各々を識別可能な識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、各々を識別可能な識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字等の特別図柄を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(第1実行条件)または第2始動条件(第2実行条件)が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。本実施の形態では、特別図柄の変動表示に関し、第1特別図柄による第1実行条件と、第2特別図柄による第2実行条件との両方が成立しているときには、第2特別図柄の変動表示の開始条件が、第1特別図柄の変動表示の開始条件よりも優先的に成立し、第2特別図柄の変動表示が優先的に実行される。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1特別図柄の変動表示が開始可能となる第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2特別図柄の変動表示が開始可能となる第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当り表示結果として大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが形成される。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
また、図4に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる(以下、単にRともいう)。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置9の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
図5の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技終了後の大当り確率/ベース、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。図5に示すように、この実施の形態では、大当り種別として、通常大当り、確変大当り、および、突然確変大当り(以下「突確大当り」ともいう)が設けられている。
大当りに当選すること(始動入賞したことに基づく大当り判定の結果、大当りとすることが決定されたこと)により、大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な特定遊技状態である。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定のラウンド開放時間が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における所定の開放回数(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
本実施の形態においては、ラウンド開放時間は、通常大当り、確変大当り、および、突確大当りのそれぞれについて、29秒、29秒、および、0.5秒である。また、開放回数は、通常大当り、確変大当り、および、突確大当りのそれぞれについて、15回、15回、および、2回である。
このように、突確大当りは、大入賞口の開放時間が極めて短く、実質的に大入賞口に入賞することが不可能であり、実質的に賞球(入賞に対して払出される景品球)が得られない大当りである。なお、突確大当りは、賞球が得られる大当りであってもよい。
大当り遊技状態の後には、大当り確率として、通常の確率のままの低確率状態、または、確率が向上させられる高確率状態(確率変動状態、略して、確変状態ともいう)に制御される。高確率状態は、特定遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な特別遊技状態の1つである。
本実施の形態においては、確変大当りおよび突確大当りの場合、高確率状態に制御され、通常大当りの場合、低確率状態に制御される。なお、本実施の形態において、高確率状態は、特別図柄の変動表示が100回行なわれるまでまたは次回大当りが発生するまでのうち、いずれか早い方まで継続する。しかし、これに限定されず、高確率状態は、次回、大当りとなるまで継続するようにしてもよい。
また、大当り遊技状態の後には、ベースが高ベースに制御される。ベースとは、発射球数に対する入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である。高ベース状態は、特定遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な特別遊技状態の1つである。なお、大当り遊技状態の後に、大当りの種類によって、ベースが高ベース状態または低ベース状態に制御されるようにしてもよい。
本実施の形態においては、大当り後のベースは、通常大当り、確変大当りおよび突確大当りのいずれについても、高ベースである。なお、本実施の形態においては、高ベース状態は、特別図柄の変動表示が、100回、行なわれるまで、または、次回大当りが発生するまでのうち、いずれか早い方まで継続する。しかし、これに限定されず、高ベース状態は、次回、大当りとなるまで継続するようにしてもよい。この場合、高確率状態中であることを前提として高ベース状態に制御される。
高ベース状態に制御する方法として、たとえば、時短状態に付随して電チューサポート制御状態に制御する方法がある。時短状態とは、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される状態のことである。電チューサポート制御状態とは、可変入賞球装置15が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置15に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置15への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する状態のことである。可変入賞球装置15、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する制御であるため、電チューサポート制御と呼ばれる。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置15の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置15の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置15が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口14への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。また、このような制御によって第2始動入賞口14への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
なお、電チューサポート制御としては、前述の普通図柄短縮制御、普通図柄確変制御、開放時間延長制御、および、開放回数増加制御のうちのいずれか1つの制御を実行することにより高ベース状態を実現させるものでもよい。また、電チューサポート制御としては、前述の普通図柄短縮制御、普通図柄確変制御、開放時間延長制御、および、開放回数増加制御のうち、いずれか2つの制御の任意の組合せ、または、いずれか3つの制御の任意の組合せにより高ベース状態を実現させるものでもよい。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、「高確低ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
また、本実施の形態では、特別遊技状態として、時短状態および高ベース状態に制御される場合がある。このように、時短状態および高ベース状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。時短状態および高ベース状態は、制御の開始条件および終了条件が同じであるので、時短状態および高ベースに制御されている状態を、時短状態という用語で代表して示す場合があり、高ベース状態という用語で代表して示す場合がある。
なお、大当りの他に、突確大当りと同様の開放回数および開放時間による開放パターンで大入賞口を開放する小当りを設けてもよい。小当りとなったときには、小当り遊技状態終了後に、大当り確率とベースとがともに、小当り遊技状態の開始前に対して変更されないようにする。このような小当りを設ければ、突確大当りと小当りとのそれぞれの当り遊技状態の終了後に確変状態となっているか否かを報知しないときには、開放パターンを見て突確大当りと小当りとのいずれが実行されたことが遊技者に認識されてしまったときでも、同じ開放パターンとなる当りが2種類あるので、確変状態となっているか否かが遊技者にとって把握しにくいものとなるため、実際には確変状態となっていないときでも遊技者の確変状態に対する期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図6は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図6は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54およびRAM55が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示せず)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板80は、演出制御用マイクロコンピュータ100、ROM102、RAM103、VDP109、および、I/Oポート部105等を搭載している。ROM102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM103は、ワークメモリとして使用される。ROM102およびRAM103は、演出制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されてもよい。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御基板80の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板77を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行なうとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ121から、入力ポート(図示せず)を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート(図示せず)を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート(図示せず)を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート(図示せず)を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムRは、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、2R通常大当り、2R確変大当り、および、15R確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、15R確変大当り、2R確変大当り、および、2R通常大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。
図8は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図8(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図8(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図8(B),(C)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図8(B)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図8(C)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図8(B)、および、図8(C)の特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」のうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図8(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突確大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図8(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図8(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「突確大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄の大当り図柄の「5」に対応した判定値としても設定されている。
このような大当り種別大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図8(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと、図8(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとでは、高確率状態となる大当りに決定される割合が同じであるが、第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、大当り遊技状態におけるラウンド数が多い大当り(15ラウンドの大当り)が選択される割合が高く、また、大当り遊技状態における実質的な入賞可能数が多い大当り(15ラウンドの大当り)が選択される割合が高い。したがって、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも、大当りとなったときに、大入賞口への入賞に関して遊技者にとって有利度合いが高い(たとえば、実質的に入賞可能なラウンド数が多い、実質的な入賞可能数が多い等)有利状態としての大当り遊技状態に制御される。
なお、この実施の形態では、図8(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルにおいて、突確大当りが選択されない例を示した。しかし、これに限らず、図8(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルにおいては、突確大当りが選択可能であるが、図8(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも突確大当りの選択割合が高くなるようにデータを設定してもよい。
図9は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図9においては、演出制御コマンドについて具体的なコマンドデータと、コマンドの名称およびコマンドの指定内容との関係が示されている。演出制御コマンドの遊技制御用マイクロコンピュータ560においては、図9に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100へ送信する。
コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(XXは、変動パターン番号であり、コマンド80XXは、それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。変動パターンコマンドは変動パターンを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、変動パターンごとに異なる変動パターンコマンドが送信される。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C04(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、大当りの種別(通常大当り、確変大当り、突確大当り)ごとに大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。たとえば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。たとえば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A30A(H))が送信される。
コマンドA301〜A303(H)は、大当りの種別(通常大当り、確変大当り、突確大当り)ごとに大当り遊技状態の終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率/低ベース状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC001(H)は、第1始動口に始動入賞したことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドC002(H)は、第2始動口に始動入賞したことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。第1始動口の場合、XXは01、第2始動口の場合、XXは02である。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す表示結果先読みコマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、どのような変動パターン種別となるかを示す変動パターン種別先読みコマンドである。第1始動口の場合、XXは01、第2始動口の場合、XXは02である。なお、変動パターン種別先読みコマンドに替えて、どのような変動パターンとなるかを示す変動パターン先読みコマンドを用いるようにしてもよい。
これらの表示結果先読みコマンドおよび変動パターン種別先読みコマンドは、始動入賞が発生した際に送信されるコマンドである。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞発生時にランダム1〜ランダム3の乱数を抽出して保留記憶情報として格納するが、その際に併せてそれらの乱数を判定することによって、その保留情報に基づく変動の変動パターンや当り外れの結果を判定する。これを“先読み”と称する。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、その先読み結果に基づいた示結果先読みコマンドおよび変動パターン種別先読みコマンドを演出制御基板80へ送信する。
変動パターンには、変動時間、リーチとなるか否か、リーチの種類、大当りとなるか否かなどに応じた複数種類の変動パターンがある。「リーチはずれ」の変動パターンとは、表示結果がリーチ図柄を形成するが、全図柄の表示結果の組合せとしてはずれ表示結果である表示結果またはそのような表示結果を導出する変動パターンをいう。
変動パターンの種別は、たとえば、「非リーチはずれ」、「ノーマルリーチ」、「ロングリーチ」、および、「スーパーリーチ」などという複数の種別に分けられている。「非リーチはずれ」の種別は、リーチとならずにはずれとなる種別である。「スーパーリーチ」の種別は、前述したように、大当りが発生し易いように設定される種別である。「ノーマルリーチ」の種別は、スーパーリーチの種別と比較して、大当りが発生し難いように設定される種別のうち、変動時間が比較的短い種別である。「ロングリーチ」の種別は、スーパーリーチの種別と比較して、大当りが発生し難いように設定される種別のうち、変動時間がノーマルリーチよりも長い種別である。遊技制御用マイクロコンピュータ560のROM54には、変動パターン種別決定用の乱数値(ランダム2)と選択する変動パターン種別との対応関係を示す変動パターン種別決定テーブルが記憶されている。
変動パターン種別決定テーブルとしては、表示結果がはずれとなるときに用いるテーブルと、表示結果が確変大当りとなるときに選択されるテーブルと、表示結果が突確大当りとなるときに選択されるテーブルと、表示結果が通常大当りとなるときに選択されるテーブルとが設けられている。たとえば、はずれとなるときに用いる変動パターン種別決定テーブルにおいては、変動パターン種別決定用の乱数値(ランダム2)の判定値が、非リーチはずれの変動パターン種別については0〜99、ノーマルリーチの変動パターン種別については100〜199、ロングリーチの変動パターン種別については200〜229、スーパーリーチの変動パターン種別については230〜251といったように定められている。
各変動パターン種別決定テーブルでは、選択可能な変動パターン種別の各々に、変動パターン種別決定用の乱数値(ランダム2)が割振られている。
変動パターン種別のそれぞれには、1または複数の変動パターンが属している。たとえば、「非リーチはずれ」の変動パターン種別には、リーチ無しA,リーチ無しB、「ノーマルリーチ」の変動パターン種別には、ノーマルリーチA,ノーマルリーチB、「ロングリーチ」の変動パターン種別には、ロングリーチA,ロングリーチB、「スーパーリーチ」の変動パターン種別には、スーパーリーチA,スーパーリーチBのそれぞれの変動パターンが属している。種別が同じで異なる変動パターンは、変動時間が(他の種別にならない程度)異なったり、演出の内容が異なったりする。遊技制御用マイクロコンピュータ560のROM54には、各変動パターン種別ごとに、変動パターン決定用の乱数値(ランダム3)と選択する変動パターンとの対応関係を示す変動パターン決定テーブルが記憶されている。
変動パターンを選択決定するときには、変動パターン種別決定用の乱数値(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定した後に、変動パターン決定用の乱数値(ランダム3)を用いて変動パターンが決定される。
また、前述したような変動パターンの決定に用いるテーブル(変動パターン種別決定用のテーブルおよび変動パターン決定用のテーブル)には、通常状態(低ベース状態)時用のテーブルと、時短状態(高ベース状態)時用のテーブルとがある。変動パターンの決定は、遊技状態に応じてこれらテーブルを使い分けて行なわれる。たとえば、時短状態時の変動パターンの決定に用いるテーブルは、通常状態時の変動パターンの決定に用いるテーブルと比較して、たとえば、リーチとなる変動パターン(特に、スーパーリーチの変動パターン)のような比較的長い変動時間の変動パターンを選択する割合が低くなるようにデータが設定されている。このような割合で変動パターンが選択されるため、結果的に時短状態時には、通常状態時(非時短状態時)と比べて平均変動時間が短くなる。
なお、時短状態時の変動パターンの決定に用いるテーブルは、通常状態時の変動パターンの決定に用いるテーブルと比較して、各変動パターンの選択割合が同じであるが、各変動パターンの変動時間が通常状態時の場合と比べて短いものとしてもよい。たとえば、時短状態時には、変動時間が通常状態時より半分となった変動パターンの決定に用いるテーブルが選択されるようにすることで、結果的に時短状態時には平均変動時間が短くなるように制御することができる。
また、変動パターンの選択率は、変動表示を開始する際の保留記憶数に応じて変更されるように制御してもよい。たとえば、変動表示を開始する際の保留記憶数が所定数(たとえば、3つ)以上であるときに用いる変動パターン決定用のテーブルAと、所定数未満であるときに用いる変動パターン決定用のテーブルBとを設ける。変動パターン決定用のテーブルAは、変動パターン決定用のテーブルBに比べて、変動時間が短い変動パターンが選択される率が高くなるように、各変動パターンと乱数ランダム3とを対応付ける。このようにすることによって、保留記憶数が所定数以上である場合には、変動時間が短い変動パターンが選択され易くなり、保留記憶の消化促進を図ることが可能となる。その結果、始動入賞したにも関わらず保留記憶されないような無効始動入賞が発生することを極力防止できる。
このように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROMに記憶されている変動パターン決定用のテーブルと変動パターン判定用に抽出された乱数値(ランダム3)とを用いて変動パターンを決定する。
図10は、遊技制御用マイクロコンピュータ560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶情報)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。
図10に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560側において、第1保留記憶手段としての第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶手段としての第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)等のデータが記憶される。
このような第1保留記憶バッファにおいては、第1始動入賞口13への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データが記憶される。第2保留記憶バッファにおいては、第2始動入賞口14への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データに対応する判定結果保留記憶データが記憶される。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1においては、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図11は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、図11に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、および、大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図12は、特別図柄プロセス処理(S26)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S311)。そして、内部状態に応じて、S300〜S307のうちのいずれかの処理を行なう。
S300〜S307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S301)は、変動パターンの決定および変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。この変動パターン設定処理にいおいて、変動パターンコマンドに加えて、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれを変動表示させるかに応じて、第1,第2図柄変動指定コマンドのいずれかが送信される。
表示結果指定コマンド送信処理(S302)は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置20において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理に移行する。大当り終了処理(S307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
図13は、S312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。CPU56は、第1始動口スイッチ13aがオンしたか否かを確認する(S1211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていなければ、S1221に移行する。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S1221に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213)。
次に、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S1214)。具体的に、S1214の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が保存(格納)される。以下の保留記憶に関する説明に関しては、このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。
そして、CPU56は、時短フラグ(大当り遊技状態の終了時に時短状態および高ベース状態に制御する場合にセットされるフラグ)がセットされているか否か(S1215A)および大当り状態中であるか否か(S1215B)を判断する。時短フラグがセットされておらず、大当り状態中でもない場合、CPU56は、入賞時判定処理を実行する(S1216)。入賞時判定処理は、検出した始動入賞に対応付けて記憶した各種乱数のデータに基づいて、当該始動入賞に対応する変動表示について、大当りとなるか否か、大当り種別、変動パターン種別および変動パターンを、当該変動表示の開始直前ではなく始動入賞時に予め判定する処理を実行する処理である。次に、CPU56は、検出した始動入賞時の大当り種別の判定結果(大当りか否かの判定および大当り種別の判定の判定結果)を特定可能な表示結果先読みコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する表示結果先読みコマンド送信処理を実行する(S1217)。さらに、CPU56は、検出した始動入賞時の変動パターンの判定結果を特定可能な変動パターン種別先読みコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する変動パターン種別先読みコマンド送信処理を実行する(S1218)。
時短フラグがセットされている場合、および、大当り状態中である場合のいずれかの場合は、CPU56は、S1216からS1218の処理を実行せず、処理をS1219に進める。
次いで、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S1219)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S29)において演出制御コマンドを送信する。
S1211で第1始動口スイッチがオン状態でないと判定された場合、S1212で第1保留記憶数が上限値に達していると判定された場合、または、S1219で第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なった後に、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしたか否かを確認する(S1221)。第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1222)。第2保留記憶数カウンタの値が上限値に達していれば、処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1223)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する(S1224)。具体的に、S1224の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR)、大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が保存(格納)される。
そして、CPU56は、S1216と同様の入賞時判定処理を実行する(S1226)。次に、CPU56は、検出した始動入賞時の表示結果(大当りか否かの判定および大当り種別の判定の判定結果)を特定可能な表示結果先読みコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する表示結果先読みコマンド送信処理を実行する(S1227)。さらに、CPU56は、検出した始動入賞時の変動パターンの判定結果を特定可能な変動パターン種別先読みコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する変動パターン種別先読みコマンド送信処理を実行する(S1228)。次いで、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを送信する制御を行ない(S1229)処理を終了する。
図14は、S1216,S1226の入賞時判定処理を示すフローチャートである。入賞時判定処理では、CPU56は、まず、S1214,S1224で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S220)。
この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、特別図柄通常処理において大当りとするか否か、および大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターン(変動パターン種別の決定も含む)を決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞に基づく変動表示が開始される前に、入賞時判定処理を実行することによって、予め大当りとなるか否か、および、大当りの種別、変動パターンを先読み判定する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前に予め変動表示結果や変動パターンを予測し、後述するように、入賞時の判定結果に基づいて、演出制御用CPU101によって演出図柄の変動表示中に大当りとなることを予告する先読み予告を実行する。
なお、この実施の形態では、高ベース状態中でなく大当り状態中でもない場合は第1特別図柄のみを対象として先読み予告を実行可能とし、高ベース状態中および大当り状態中は第2特別図柄のみを対象として先読み予告を実行可能とする。しかし、これに限定されず、いずれの状態であっても、第1特別図柄の変動表示および第2特別図柄の変動表示の両方を対象として先読み予告を実行するようにしてもよい。また、低ベース状態中は第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の両方を、高ベース状態中は第2特別図柄の変動表示のみを、それぞれ対象として先読み予告を実行するようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S220のN)、CPU56は、遊技状態が高確率状態(確変状態。高確高ベース状態と高確低ベース状態とを含む。)であることを示す確変フラグ(高確率フラグ)がセットされているか否かを確認する(S221)。確変フラグは、大当り遊技状態の終了時に確変状態に制御される場合にセットされる。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、S1214,S1224で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S222)。
なお、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(たとえば、変動回数により遊技状態が変わる場合に、変動回数が100回までと100回より後とで確変状態から通常状態へと遊技状態が変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態に基づいて始動入賞時の判定を行なうようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S222のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータを表示結果先読みコマンドに設定する処理を行なう(S223)。
S220またはS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、S1214,S1224で抽出した大当り種別決定用乱数(ランダム1)に基づいて大当りの種別を判定する(S224)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(S1215の入賞時判定処理を実行する場合)には、図8(B)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて大当り種別が「確変大当り」、「突確大当り」、または「通常大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(S1226の入賞時判定処理を実行する場合)には、図8(C)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて大当り種別が「確変大当り」、「突確大当り」、または「通常大当り」のいずれとなるかを判定する。
そして、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを表示結果先読みコマンドに設定する処理を行なう(S225)。たとえば、「確変大当り」となると判定した場合に、CPU56は、「確変大当り」となることを示すEXTデータを表示結果先読みコマンドに設定する処理を行なう。また、「突確大当り」となると判定した場合に、CPU56は、「突確大当り」となることを示すEXTデータを表示結果先読みコマンドに設定する処理を行なう。また、「通常大当り」となると判定した場合に、CPU56は、「通常大当り」となることを示すEXTデータを表示結果先読みコマンドに設定する処理を行なう。
次に、CPU56は、S1214,S1224で抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて、S223、S225で設定された各表示結果に応じた変動パターン種別を判定する(S226)。たとえば、S226では、変動パターンの判定対象となる保留記憶データについて、当該保留記憶データに基づく変動表示の表示結果等に基づいて、前記した変動パターンの決定に用いるテーブルを選択し、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を判定する。この判定は、前述した変動パターン種別の判定と同様の方法で行なわれる。たとえば、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の乱数値が240であれば、スーパーリーチの変動パターン種別の判定値の範囲内であるので、スーパーリーチの変動パターン種別であると判定される。
なお、始動入賞が発生したときの保留記憶バッファ内の大当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数などの情報などに基づいて、遊技状態の変更などを踏まえた判定を行なうようにしてもよい。
そして、CPU56は、決定結果に応じたEXTデータを変動パターン種別先読みコマンドに設定する処理を行なう(S227)。たとえば、スーパーリーチの変動パターン種別に決定された場合は、スーパーリーチに対応するEXTデータが変動パターン種別先読みコマンドに設定される。
なお、ステップS226およびステップS227で、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)だけでなく、変動パターン判定用乱数(ランダム3)も用いて、変動パターン種別だけでなく、変動パターンの種類まで判定し、変動パターン種別先読みコマンドに替えて、変動パターンの種類を示す変動パターン先読みコマンドを設定するようにしてもよい。
なお、始動入賞時にS221で時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数回の変動表示が実行される可能性がある。そのため、S226で時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(たとえば、変動回数により遊技状態が変わる場合に、変動回数が100回までと100回より後とで時短状態から通常状態へと遊技状態が変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態とは、必ずしも一致するとは限らない。
なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態に基づいて始動入賞時の判定を行なうようにしてもよい。また、変動パターンの判定対象となる保留記憶データについて、時短フラグ、および、時短回数カウンタのような遊技状態を示すデータに基づいて、当該保留記憶データに基づく変動表示が実行されるときの遊技状態を認識して、当該保留記憶データに基づく変動表示の表示結果等に基づいて、前記した変動パターン種別の決定に用いるテーブルを選択し、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を判定する。
また、保留記憶数によって変動パターン種別の判定値が変化する場合には、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)の乱数値に対応する変動パターン種別を直接的に示す変動パターン種別先読みコマンドではなく、乱数値が保留記憶数によって変動パターン種別の判定が変化する判定値の範囲の値であるか、変化しない範囲であればいずれの変動パターン種別の判定値の範囲の値であるかを示すコマンドを設定するようにしてもよい。
具体的には、たとえば、保留記憶数が1または2の場合は、変動パターン種別決定テーブルにおいて、変動パターン種別決定用の乱数値(ランダム2)の判定値が、非リーチはずれの変動パターン種別については0〜70、ノーマルリーチはずれの変動パターン種別については71〜180、スーパーリーチはずれの変動パターン種別については181〜251といったように定められているとする。
また、保留記憶数が3または4の場合は、変動パターン種別決定テーブルにおいて、変動パターン種別決定用の乱数値(ランダム2)の判定値が、非リーチはずれの変動パターン種別については0〜140、ノーマルリーチはずれの変動パターン種別については141〜220、スーパーリーチはずれの変動パターン種別については221〜251といったように定められているとする。
このような場合、変動パターン種別決定用の乱数値が、0〜70の範囲であれば非リーチはずれであることを示す変動パターン種別先読みコマンドを設定し、71〜140であれば非リーチはずれまたはノーマルリーチはずれであることを示す変動パターン種別先読みコマンドを設定し、141〜180の範囲であればノーマルリーチはずれであることを示す変動パターン種別先読みコマンドを設定し、181〜220であればノーマルリーチはずれまたはスーパーリーチはずれであることを示す変動パターン種別先読みコマンドを設定し、221〜251であればスーパーリーチはずれであることを示す変動パターン種別先読みコマンドを設定する。演出用マイクロコンピュータ100は、これらの変動パターン種別先読みコマンドに基づいて、先読み演出を実行する。このため、不確実な先読みであるか確実な先読みであるかを考慮した先読み演出を実行することができる。
次に、演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図15は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
また、演出制御基板80の側では、所定時間が経過する毎に発生するタイマ割込みとは別に、主基板31から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、たとえば主基板31からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御用CPU101は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、たとえば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/Oに含まれる入力ポートのうちで、中継基板77を介して主基板31から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取込む。このとき取込まれた演出制御コマンドは、たとえば演出制御基板80に搭載されたRAMにおける演出制御バッファ設定部に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU101は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読出し、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。
この実施の形態では、演出側保留記憶バッファを構成するデータが、演出制御バッファ設定部の所定領域に記憶される。演出側保留記憶バッファは、第1特別図柄用の演出側保留記憶バッファおよび第2特別図柄用の演出側保留記憶バッファを含む。各演出側保留記憶バッファには、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれの保留記憶数の最大値(「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられている。第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときには、第1または第2始動入賞指定コマンド、表示結果先読みコマンド、および、変動パターン種別先読みコマンド等のコマンドが、主基板31から演出制御基板80へと送信される。
演出制御用CPU101は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを、第1または第2始動入賞指定コマンドに基づいて第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらに対応するものかを区別し、区別したコマンドを、対応する第1特別図柄用または第2特別図柄用の演出側保留記憶バッファの空き領域に格納していく。コマンド受信が正常に行なわれれば、各演出側保留記憶バッファにおけるバッファ番号「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、コマンドが格納されていく。格納されているコマンドは、演出図柄の変動表示を開始する毎に、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出図柄の停止図柄決定用乱数および各種演出内容の選択決定用乱数(先読み予告の演出パターン(後述する保留表示の変化パターン、変化タイミング、変化演出、および、変化ガセ演出)決定用の乱数、および、その他の演出決定用の乱数等)等の各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。また、第1保留記憶表示部18cおよび第2保留記憶表示部18dの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S707)。その後、S702に移行する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ100では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置9、各種ランプ、および、スピーカ27等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100においては、変動パターンコマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を開始させ、図柄確定指定コマンドを受信したときに、演出図柄の変動表示を停止させる。変動表示は、各変動パターンコマンドに対応する変動時間で実行されるように制御される。また、演出図柄の停止図柄は、表示結果指定コマンドに基づいて、はずれとなるか、大当りとなるかの判別、および、大当りとなるときの大当り種別の判別を行なうことに基づいて決定する。
たとえば、確変大当りおよび通常大当りとなるときには、大当り種別に対応して予め定められた大当り表示結果(ゾロ目の表示結果)が決定される。突確大当りとなるときには、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなるチャンス目が表示結果として決定される。突確大当りとなるときには、リーチ状態となった後にチャンス目が表示結果となる場合も含まれる。また、はずれとなるときには、ゾロ目とならない左,中,右の演出図柄の組合せをはずれ表示結果としてランダムに決定する。ただし、はずれとなるときにおいて、変動パターンコマンドがリーチとなることを指定するコマンドであるときには、変動表示中において左,右の図柄が揃ったリーチ図柄を形成することが可能なはずれ表示結果を決定する一方、変動パターンコマンドがリーチとならない(通常変動となる)ことを指定するコマンドであるときには、変動表示中において左,右の図柄が揃ったリーチ図柄を形成しないようなはずれ表示結果(非リーチはずれ)を決定する。
また、変動パターンコマンドにおいてノーマルリーチが指定されたときには、ノーマルリーチに対応したリーチ演出が行なわれる。変動パターンコマンドにおいてロングリーチが指定されたときには、各ロングリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。さらに、変動パターンコマンドにおいてスーパーリーチが指定されたときには、各スーパーリーチの種類に対応したリーチ演出が行なわれる。
図16は、図15に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。図16に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、先読み予告決定処理(S700)を実行する。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力等のように、演出図柄の変動表示動作とは異なる演出動作により、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があること、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、または、変動表示結果が「大当り」となる可能性があること等を、遊技者に予め告知するための予告演出が実行されることがある。
予告演出のうちには、先読み予告演出(先読み予告ともいう)と呼ばれる予告演出が含まれている。先読み予告演出は、変動表示結果が「大当り」となる可能性等が予告される対象(予告対象)となる変動表示が実行されるより前に、演出態様に応じて変動表示結果が「大当り」となる可能性を予告する予告演出である。先読み予告演出との対比において、予告対象となる変動表示が開始された後に実行が開始される予告演出は、単独予告演出(単独予告ともいう、また、変動表示中予告演出ともいう)と呼ばれる。なお、ここでは、先読み予告演出は、大当りの予告演出であるが、リーチとなる可能性を予告する予告演出であってもよい。
先読み予告決定処理においては、先読み予告演出(たとえば、保留記憶の表示態様を変化させる演出)を実行するか否か、および、その演出内容を決定して、実行する場合には、決定されたタイミングで当該演出を実行する。
演出制御プロセス処理において、先読み予告決定処理を実行した後には、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理においては、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄(演出図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。
演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄(演出図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
図17は、本実施の形態において遊技者がパチンコ遊技機1の撮影対象領域を撮影するときの態様を示す図である。図17(A)を参照して、遊技者は、パチンコ遊技機1の正面から撮影対象領域を撮影可能な位置に、携帯端末100を保持して、パチンコ遊技機1の演出表示装置9に表示されている所定の画像が、カメラ部190で撮像されて、表示部140に表示されるように、保持する位置を微調整する。
図18は、遊技機側および携帯端末側の保留記憶表示処理を示すフローチャートである。図18を参照して、遊技機側保留記憶表示処理は、前述した先読み予告決定処理のサブルーチンとして実行される。
まず、演出制御用CPU101は、時短フラグがセットされているか否かを判断する(S510)。時短フラグがセットされていない(ステップS510でNO)と判断した場合、演出制御用CPU101は、第1始動入賞指定コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS511)。
時短フラグがセットされている(ステップS510でYES)と判断した場合、および、第1始動入賞指定コマンドを受信していない(ステップS511でNO)と判断した場合、演出制御用CPU101は、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
一方、第1始動入賞指定コマンドを受信した(ステップS511でYES)と判断した場合、つまり、低ベース時かつ第1特別図柄の始動入賞があった場合、演出制御用CPU101は、さらに表示結果先読みコマンドを受信したか否かを判断する(ステップS512)。表示結果先読みコマンドを受信していない(ステップS512でNO)と判断した場合、演出制御用CPU101は、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
一方、表示結果先読みコマンドを受信した(ステップS512でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、表示結果先読みコマンドで示される今回、入賞の保留記憶の表示結果に応じて、パチンコ遊技機1の側の保留記憶表示の表示態様および携帯端末100の側の保留記憶表示の表示態様を決定する(ステップS513)。
図17(B)および図17(C)は、それぞれ、遊技機側および携帯端末側の保留記憶表示の表示態様を決定するためのテーブルを示す。図17(B)を参照して、表示結果先読みコマンドで当該保留記憶の表示結果を大当りとすることが示される場合、当該保留記憶に対応するパチンコ遊技機1の側の保留記憶表示の表示態様を「?」とすることが、60%の確率で決定され、変化なしとすることが、40%の確率で決定される。
表示結果先読みコマンドで当該保留記憶の表示結果をはずれとすることが示される場合、当該保留記憶に対応するパチンコ遊技機1の側の保留記憶表示の表示態様を、「?」とすることが10%の確率で決定され、変化なしとすることが90%の確率で決定される。
図17(C)を参照して、表示結果先読みコマンドで当該保留記憶の表示結果を大当りとすることが示され、かつ、パチンコ遊技機1の側の保留記憶表示の表示態様を「?」とすることが決定された場合、当該保留記憶に対応する携帯端末100の側の保留記憶表示の表示態様を、強い火とすることが60%の確率で決定され、弱い火とすることが30%の確率で決定され、変化なしとすることが10%の確率で決定される。
表示結果先読みコマンドで当該保留記憶の表示結果を大当りとすることが示され、かつ、パチンコ遊技機1の側の保留記憶表示の表示態様を変化なしとすることが決定された場合、当該保留記憶に対応する携帯端末100の側の保留記憶表示の表示態様を、強い火とすることが50%の確率で決定され、弱い火とすることが30%の確率で決定され、変化なしとすることが20%の確率で決定される。
表示結果先読みコマンドで当該保留記憶の表示結果をはずれとすることが示され、かつ、パチンコ遊技機1の側の保留記憶表示の表示態様を「?」とすることが決定された場合、当該保留記憶に対応する携帯端末100の側の保留記憶表示の表示態様を、強い火とすることが1%の確率で決定され、弱い火とすることが2%の確率で決定され、変化なしとすることが97%の確率で決定される。
表示結果先読みコマンドで当該保留記憶の表示結果をはずれとすることが示され、かつ、パチンコ遊技機1の側の保留記憶表示の表示態様を変化なしとすることが決定された場合、当該保留記憶に対応する携帯端末100の側の保留記憶表示の表示態様を、強い火とすることが2%の確率で決定され、弱い火とすることが4%の確率で決定され、変化なしとすることが94%の確率で決定される。
図18(A)に戻って、演出制御用CPU101は、決定された携帯端末100の側の保留記憶表示の表示態様が2次元コード(マーカ)として埋め込まれ、決定された表示態様のパチンコ遊技機1の側の保留記憶表示を演出表示装置9に表示させる(ステップS514)。その後、演出制御用CPU101は、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
図19は、遊技機側および携帯端末側の保留記憶表示の表示態様を示す表示画面図である。図19(A)を参照して、パチンコ遊技機1の演出表示装置9の第1保留記憶表示部18cの、1〜3番目の保留記憶表示は変化なしの表示態様であり、4番目の保留記憶表示は「?」の表示態様である。このように、保留記憶表示の内側には2次元コード(マーカ)が埋め込まれている。
図18(A)に戻って、携帯端末100の側では、この遊技を行なうための専用アプリケーションプログラムのサブルーチンとして携帯端末側保留記憶表示処理が実行される。
まず、携帯端末100のデータ処理部110は、データ入力部130が操作されることによって、撮影操作があったか否かを判断する(ステップS911)。撮影操作がない(ステップS911でNO)と判断した場合、データ処理部110は、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
一方、撮影操作があった(ステップS911でYES)と判断した場合、データ処理部110は、撮影中の画像を動画像として表示部140に表示するよう制御する(ステップS912)。
そして、データ処理部110は、撮影中の画像に2次元コード(マーカ)を検出したか否かを判断する(ステップS913)。2次元コード(マーカ)を検出していない(ステップS913でNO)と判断した場合、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
一方、2次元コード(マーカ)を検出した(ステップS914でYES)と判断した場合、データ処理部110は、検出した2次元コードを解析する(ステップS914)。
そして、データ処理部110は、解析された情報で示される表示態様が、変化なしの場合は、撮影され表示されている対応する遊技機側の保留記憶表示には何も重畳させず、強い火および弱い火の場合は、撮影され表示されている対応する遊技機側の保留記憶表示に、解析された情報で示される表示態様の保留記憶表示を重畳させて、携帯端末100の表示部140に表示するよう制御する(ステップS915)。その後、データ処理部110は、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
図19(B)を参照して、携帯端末100の表示部140の第1保留記憶表示部118cの、1,3番目の保留記憶表示は変化なしの表示態様であり、2番目の保留記憶表示は弱い火の表示態様であり、4番目の保留記憶表示は強い火の表示態様である。
このように、変化なしの表示態様の保留記憶表示は、変動表示されている演出図柄と同様に、パチンコ遊技機1の演出表示装置9に表示されているものが携帯端末100のカメラ部190で撮像されて、そのまま携帯端末100の表示部140に表示される。
また、弱い火および強い火の表示態様の保留記憶表示の場合は、パチンコ遊技機1の演出表示装置9の対応する保留記憶表示が携帯端末100のカメラ部190で撮像されて、携帯端末100の表示部140に表示されている箇所に、それぞれ、弱い火および強い火の画像が重畳されて表示される。
図20は、大当りのラウンド時の演出を携帯端末側で実行させるための処理を示すフローチャートである。図20を参照して、携帯端末100で実行される大当り演出処理は、図18で説明した携帯端末側保留記憶表示処理と同様、専用アプリケーションプログラムのサブルーチンとして実行される。
まず、携帯端末100のデータ処理部110は、演出データを定期的に更新するタイミングであるか否かを判断する(ステップS931)。具体的には、データ処理部110は、時間情報を確認して、決まった時刻(たとえば、9時)であるか否かを判断する。定期更新時でない(ステップS931でNO)と判断した場合、データ処理部110は、実行する処理をステップS921の処理に進める。
一方、定期更新時である(ステップS931でYES)と判断した場合、データ処理部110は、更新可能な演出があるかを情報提供サーバ200に問合せる(ステップS932)。
未導入演出導入処理は、情報提供サーバ200で実行されるメインプログラムのサブルーチンとして実行される。情報提供サーバ200のデータ処理部210は、携帯端末100から更新可能な演出があるか否かの問合せがあったか否かを判断する(ステップS811)。問合せがない(ステップS811でNO)と判断した場合、データ処理部210は、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
一方、問合せがあった(ステップS811でYES)と判断した場合、データ処理部210は、更新可能な演出があるか否かを判断する(ステップS813)。更新可能な演出がない(ステップS813でNO)と判断した場合、データ処理部210は、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
一方、更新可能な演出がある(ステップS813でYES)と判断した場合、データ処理部は、更新する演出データを、問合せ元の携帯端末100に送信するよう通信部260を制御する(ステップS814)。その後、データ処理部10は、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
携帯端末100の側では、データ処理部110は、情報提供サーバ200から演出データを受信したか否かを判断する(ステップS933)。演出データを受信しなかった(ステップS933でNO)と判断した場合、データ処理部110は、実行する処理をステップS921の処理に進める。
演出データを受信した(ステップS933でYES)と判断した場合、データ処理部110は、受信した演出データを記憶部120に記憶させる。その後、実行する処理をステップS921の処理に進める。
このように、ここまでの処理で、演出データが新たに作成された場合に、新たな演出データを携帯端末100の側に導入したり、携帯端末100の側に既に導入されている演出データを更新したりすることができる。また、自動的に決まった時刻に演出データを更新することができる。
次に、パチンコ遊技機1の側では、ラウンド中処理のサブルーチンとして、2次元コード出力処理が実行される。まず、演出制御用CPU101は、大当りのラウンド中の演出が2次元コードを表示する大当り演出であるか否かを判断する(ステップS521)。2次元コードを表示する大当り演出でない(ステップS521でNO)と判断した場合、演出制御用CPU101は、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
一方、2次元コードを表示する大当り演出である(ステップS522でYES)と判断した場合、演出制御用CPU101は、大当り演出の演出画像とともに2次元コードを含む画像91を表示させるよう制御する(ステップS522)。その後、演出制御用CPU101は、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
図21は、大当りのラウンド時の演出を説明するための第1の表示画面図である。図22は、大当りのラウンド時の演出を説明するための第2の表示画面図である。図21(A)および図22(A)を参照して、図20のステップS522の処理が実行されることで、演出表示装置9には、大当りのラウンド時の演出画像の左下部に、2次元コードを含む画像91が表示される。
図20に戻って、携帯端末100の側では、データ処理部110は、データ入力部130が操作されることによって、2次元コード読込操作がされたか否かを判断する(ステップS921)。2次元コード読込操作がされていない(ステップS921でNO)と判断した場合、データ処理部110は、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
一方、2次元コード読込操作がされた(ステップS921でYES)と判断した場合、データ処理部110は、パチンコ遊技機1の演出表示装置9に表示されている画像91に含まれる2次元コードを読込むようカメラ部190を制御する(ステップS922)。
次に、データ処理部110は、読込んだ2次元コードを解析する(ステップS923)。そして、データ処理部110は、記憶部120に記憶された演出データの中から、解析した2次元コードで示される演出データで示される演出を実行し、当該演出の演出画像192(静止画であってもよいし動画であってもよい。)を、撮影中のパチンコ遊技機1のラウンド中の演出画面に重畳させて表示させるよう表示部140を制御する。その後、データ処理部110は、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
図21(B)を参照して、2次元コードで示される演出データが携帯端末100の記憶部120に未だ記憶されていない場合は、その旨を示す情報191(ここでは、「ComingSoon」の文字)が、携帯端末100の表示部140に表示される。
図22(B)を参照して、2次元コードで示される演出データが携帯端末100の記憶部に記憶されている場合は、その演出データで示される演出画像192が、撮影中で表示部140に表示されているパチンコ遊技機1のラウンド中の演出画面に重畳されて表示される。
[効果]
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1−1) 開始条件の成立に基づいて所定の遊技を実行可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1、スロットマシン1A)であって、
前記開始条件が成立していない前記所定の遊技に関する遊技画像(たとえば、保留記憶表示18c(予告しない通常表示を含む)、ART中の後のゲームでの上乗せの期待度を示す表示)を表示させる遊技機側表示制御手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図18(A)のステップS514)と、
外部端末(たとえば、携帯端末100)の画面(たとえば、表示部140)に前記遊技画像に対応して実行される前記所定の遊技の内容に対応した演出画像を該遊技画像に対応付けて表示させるための表示用情報(たとえば、2次元コード、特定演出画像)を出力(たとえば、表示出力、無線出力、赤外線出力、音声出力、超音波出力)する出力手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、演出表示装置9、図18(A)のステップS514)とを備える。
このような構成によれば、表示用情報が出力されているときであれば、外部端末で演出画像を表示させることができる。その結果、演出の実行タイミングにバリエーションを持たせることが可能な遊技機を提供することができる。
(1−2) 開始条件の成立に基づいて所定の遊技を実行可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1、スロットマシン1A)と、外部端末(たとえば、携帯端末100)とを含む遊技システム(たとえば、遊技用システム10)であって、
前記遊技機は、
前記開始条件が成立していない前記所定の遊技に関する遊技画像(たとえば、保留記憶表示18c(予告しない通常表示を含む)、ART中の後のゲームでの上乗せの期待度を示す表示)を表示させる遊技機側表示制御手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図18(A)のステップS514、図19)と、
前記外部端末の画面に前記遊技画像に対応して実行される前記所定の遊技の内容に対応した演出画像を該遊技画像に対応付けて表示させるための表示用情報(たとえば、保留記憶表示18cの中の2次元コード、特定演出画像)を出力(たとえば、表示出力、無線出力、赤外線出力、音声出力、超音波出力)する出力手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、演出表示装置9、図18(A)のステップS514、図19)とを備え、
前記外部端末は、
前記遊技画像が表示されている箇所を撮影可能な撮影手段(たとえば、カメラ部190)と、
前記遊技機から出力された前記表示用情報に基づいて、前記遊技画像および該遊技画像に対応づけた前記演出画像を表示する外部端末側表示制御手段(たとえば、データ処理部110、表示部140、図18(A)のステップS915、図19)とを備える。
このような構成によれば、表示用情報が出力されているときであれば、外部端末で演出画像を表示させることができる。その結果、演出の実行タイミングにバリエーションを持たせることが可能な遊技システムを提供することができる。
(1−3) 上記(1−1)の遊技機において、
前記遊技画像の表示態様を変更可能な態様変更手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図18(A)のステップS514、図19)をさらに備え、
前記態様変更手段により変更される前記遊技画像の表示態様と、前記演出画像の表示態様とは異なる。
このような構成によれば、外部端末では遊技機と異なる演出画像を表示させることができる。その結果、外部端末で演出画像を表示させた遊技者に優越感を与えることができる。
(1−4) 上記(1−1)の遊技機において、
前記表示用情報の出力によって前記外部端末の画面に前記演出画像の表示が可能となるときに示唆演出(たとえば、保留記憶表示の「○」の上に「?」を表示させる演出)を実行する演出実行手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ、図18(A)のステップS514、図19)をさらに備える。
このような構成によれば、外部端末で演出画像を表示させる意思がある遊技者に、演出画像の表示が可能であることを示唆することができる。
(1−5) 上記(1−1)、(1−3)および(1−4)のいずれかの遊技機において、
前記遊技機側での前記遊技画像の表示態様が所定態様(たとえば、「?」が表示されていない態様)であり、かつ、前記外部端末に前記演出画像(たとえば、強い火、弱い火)が表示されているときと、前記遊技機側での前記遊技画像の表示態様が前記所定態様と異なる特殊態様(たとえば、「?」が表示されている態様)であり、かつ、前記外部端末に前記演出画像が表示されているときとで、前記遊技画像に対応して実行される前記所定の遊技により遊技者にとって有利となるか否かの割合(たとえば、大当りとなるか否かの割合)が異なるように、前記表示用情報の出力態様または前記遊技画像の表示態様を制御する態様制御手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ、図18(A)のステップS514、図18(B)、図18(C)、図19)をさらに備える。
このような構成によれば、遊技機での遊技画像の表示態様と外部端末での演出画像の表示態様との組合せで、遊技者によって有利となるか否かを示唆することができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
(2−1) 所定の遊技を実行可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1、スロットマシン1A)と、外部端末(たとえば、携帯端末100)とを含む遊技システム(たとえば、遊技用システム10)であって、
前記遊技機は、
遊技演出を実行可能な演出実行手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100)と、
外部端末の画面(たとえば、表示部140)に前記遊技演出に関連する関連演出を表示させるための表示用情報(たとえば、2次元コードを含む特定演出仮画像91)を出力(たとえば、表示出力、無線出力、赤外線出力、音声出力、超音波出力)する出力手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、演出表示装置9、図20のステップS522)とを備え、
前記外部端末は、
前記遊技演出を撮影可能な撮影手段(たとえば、カメラ部190)と、
前記遊技機から出力された前記表示用情報に基づいて、前記関連演出(たとえば、演出画像が導入されていないうちは仮画像191、演出が導入された後は当該演出画像192)を表示する制御をする外部端末側表示制御手段(たとえば、データ処理部110、表示部140、図20のステップ925,ステップS926)とを備える。
著作権上の問題などで、或る時期まで、演出画像を公開できない場合がある。しかし、遊技機メーカとしては、遊技機の開発を遅らせたくない。このような構成によれば、遊技機の開発期間を長期化させずに、演出内容に制限が生じることを極力、回避することが可能な遊技システムを提供することができる。
(2−2) 所定の遊技を実行可能な遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1、スロットマシン1A)であって、
遊技演出を実行可能な演出実行手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100)と、
外部端末(たとえば、携帯端末100)の画面(たとえば、表示部140)に前記遊技演出に関連する関連演出(たとえば、演出画像が導入されていないうちは仮画像191、演出が導入された後は当該演出画像192)を表示させるための表示用情報(たとえば、2次元コードを含む特定演出仮画像91)を出力(たとえば、表示出力、無線出力、赤外線出力、音声出力、超音波出力)する出力手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、演出表示装置9、図20のステップS522)とを備える。
著作権上の問題などで、或る時期まで、演出画像を公開できない場合がある。しかし、遊技機メーカとしては、遊技機の開発を遅らせたくない。このような構成によれば、遊技機の開発期間を長期化させずに、演出内容に制限が生じることを極力、回避することが可能な遊技システムを提供することができる。
(2−3) 上記(2−1)の遊技システムにおいて、
前記遊技システムは、サーバ(たとえば、情報提供サーバ200)をさらに含み、
前記サーバは、
前記外部端末の画面に表示する前記関連演出を更新する更新手段(たとえば、データ処理部210、通信部260、図20のステップS811〜ステップS814。著作権許諾後に更新する。定期的に更新する。)を備え、
前記外部端末側表示制御手段は、前記更新手段によって前記関連演出が更新された後は、更新された関連演出を表示する制御をする(たとえば、図20のステップS934で記憶した演出データに基づき、ステップS925で演出を実行する)。
このような構成によれば、更新された関連演出を確実に遊技者に見せることを可能とすることができる。
[変形例および特徴点]
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 上記実施の形態においては、変動表示において実行する演出として、擬似連の演出を実行するようにしてもよい。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
(2) 上記実施の形態においては、変動表示において実行する演出として、滑り演出を実行するようにしてもよい。滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。
(3) 上記実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(4) 前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27R,27L等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(5) 前述した実施の形態は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、次のように遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。具体的に、上記の実施の形態の遊技機は、遊技者に景品として遊技球が払出され、遊技者が払出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行なわれる遊技機であったが、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報により特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点または遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打込んで遊技者が遊技を行なう遊技機にも本発明を適用することができる。すなわち、始動領域を遊技媒体(遊技球)が通過した後に、変動表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を行ない表示結果を導出表示する変動表示装置を備え、該変動表示装置に特定表示結果が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行させる遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれ、遊技球の打込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にも本発明を適用することができる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読出しを行なう遊技用記録媒体処理手段とを備えていてもよい。
(6) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供れる形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(7) 変動パターン設定処理においては、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで変動パターン種別の選択割合が異なるように設定された変動パターンテーブルを用いて変動パターンを選択することにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数(たとえば、2)以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。たとえば、保留記憶数が所定数未満であるときに用いる第1の変動パターンテーブルと、保留記憶数が所定数以上であるときに用いる第2の変動パターンテーブルとを設け、第2の変動パターンテーブルの方が第1の変動パターンテーブルよりも選択される変動パターンの変動時間の平均値が短いようにデータを設定する。そして、変動パターン設定処理において変動パターンを選択するときに、各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるか否かを確認し、保留記憶数が所定数未満であるときには、第1の変動パターンテーブルを用いて変動パターンを決定し、保留記憶数が所定数以上であるときには、第2の変動パターンテーブルを用いて変動パターンを決定すればよい。このような保留数短縮制御が行なわれれば、保留記憶情報を早期に消化することができ、無駄な始動入賞の発生を抑制するとともに、早期に大当り遊技状態を発生させることが可能となる。なお、このような保留数短縮制御は、第1特別図柄の保留記憶情報数と、第2特別図柄の保留記憶情報数とを合算した合算保留記憶数を算出し、当該合算保留記憶数が特定数(たとえば、3)以上であることを条件として実行するようにしてもよい。
このような保留数短縮制御を実行する場合には、先読み予告と実際の変動表示時の変動表示との整合性を確実化するために、たとえば、保留数短縮制御が実行されるか否かに関わらず、リーチ変動パターン等の特定の変動パターンについて、ランダム2(変動パターン種別判定用乱数)およびランダム3(変動パターン判定用乱数)に基づいて同じ変動パターンが決定されるように変動パターンテーブルのデータを設定しておき、当該特定の変動パターンを対象として、先読み予告を実行可能とする制御を行なうようにすればよい。なお、変動パターン種別先読みコマンドとして、詳細な変動パターンまでは先読みせずに、変動パターン種別を先読みし、先読みした変動パターン種別を指定する変動パターン種別先読み指定コマンドを送信する場合には、リーチ変動パターン等の特定の変動パターンについて、前述のようにランダム3を用いることなく、ランダム2(変動パターン種別判定用乱数)に基づいて同じ変動パターン種別が決定されるように変動パターンテーブルのデータを設定しておき、当該特定の変動パターンを対象として、先読み予告を実行可能とする制御を行なうようにすればよい。
前述した実施の形態においては、はずれとなるときに用いる変動パターン種別決定テーブルにおいては、変動パターン種別決定用の乱数値(ランダム2)の判定値が、変動時間が最も短い非リーチはずれの変動パターン種別については0〜99としたが、保留数短縮制御を行なう場合は、保留数が少ない場合(たとえば、0〜2)のときは、非リーチはずれの変動パターン種別について判定値が0〜99として、保留数が多い場合(たとえば、3,4)のときは、非リーチはずれの変動パターン種別について判定値が0〜150とするとともに、スーパーリーチの変動パターン種別については判定値を保留記憶数に応じて変えないようにする。これにより、変動時間が最も短い非リーチはずれの変動表示で保留記憶の消化を早めることができる。また、始動入賞時にスーパーリーチと判定された保留記憶は、変動開始時にもスーパーリーチと判定されるので、スーパーリーチに関する先読み演出に影響を与えることを無くすることができる。
(8) 前述した実施の形態においては、第2特別図柄に対する保留記憶が優先的に消化されるようにしてもよい(以下「優先消化」という)。具体的には、第2特別図柄に対する保留記憶があれば、第2特別図柄の変動表示が先に実行されるようにしてもよい。
しかし、これに限定されず、第1特別図柄および第2特別図柄の保留記憶が入賞順で消化されるようにしてもよい(以下「入賞順消化」という)。つまり、第1始動口または第2始動口への始動入賞に対する保留記憶を入賞順に記憶し、その入賞順に保留記憶に対する変動表示を実行するようにする。具体的には、図10に示した保留記憶バッファを第1始動入賞および第2始動入賞の区別なく所定数(たとえば、8つ)記憶するように変更し、1番目の保留記憶が第1始動口の保留記憶であるか第2始動口の保留記憶であるかを判断して、第1始動口の保留記憶であれば第1特別図柄に関する処理を行ない、第2始動口の保留記憶であれば第2特別図柄に関する処理を行なうようにする。
(9) 前述した実施の形態においては、高確率状態および高ベース状態が、特別図柄および演出図柄の変動表示が、所定回数(たとえば100回)、行なわれるまで、または、次回、大当りが発生するまでのうち、いずれか早い方まで継続するようにした。しかし、これに限定されず、高確率状態および高ベース状態の少なくともいずれか一方が、次回、大当りが発生するまで継続するようにしてもよい。
(10) 前述した実施の形態おいては、図18(A)で示したように、低ベース時、かつ、第1特別図柄の始動入賞記憶が発生したときに、遊技機側および携帯端末側の保留記憶表示を変化させる先読み予告演出を実行するようにした。しかし、これに限定されず、当該先読み予告演出を実行されるのは、他の条件を満たしている場合であってもよく、たとえば、第2特別図柄の始動入賞記憶が発生したときであってもよいし、高ベース時であってもよい。
(11) 前述した実施の形態においては、図18(A)のステップS513で示したように、携帯端末100の側の保留記憶表示の表示態様が、パチンコ遊技機1の側で決定されるようにした。しかし、これに限定されず、携帯端末100の側で決定されるようにしてもよい。
(12) 前述した実施の形態においては、図18(B)および図18(C)で示したように、大当りであるか否かによってパチンコ遊技機1の側および携帯端末100の側の保留記憶表示の表示態様の決定割合を変化させるようにした。しかし、これに限定されず、変動パターン種別先読みコマンドで示される変動パターン種別に応じて決定割合を変化させるようにしてもよい。
また、図18(B)のステップS512で、表示結果先読みコマンドに加えて、変動パターン種別先読みコマンドを受信したか否かを確認し、ステップS513で、表示結果先読みコマンドに加えて、変動パターン種別先読みコマンドにも基づいて、パチンコ遊技機1の側および携帯端末100の側の保留記憶表示の表示態様の決定割合を変化させるようにしてもよい。
具体的には、「大当り」、「スーパーリーチはずれ」および「スーパーリーチ以外ではずれ」のいずれになるかに応じて決定割合を変化させるようにしてもよい。たとえば、「スーパーリーチはずれ」となるときには、「スーパーリーチ以外ではずれ」となるときよりも、期待度の高い表示態様(たとえばパチンコ遊技機1側の「?」、携帯端末100側の「強い火」)が高い割合で決定されるようにしてもよい。
保留記憶表示の表示態様として期待度の低い「青色」の表示態様と期待度の高い「赤色」の表示態様を設けたときに、パチンコ遊技機1側の表示態様と携帯端末100側の表示態様との組合せでも、期待度を異ならせるように、パチンコ遊技機1の側および携帯端末100の側の保留記憶表示の表示態様の決定割合を変化させるようにしてもよい。
この場合、単純に、期待度の高い表示態様同士の組合せ(たとえば「赤色」と「強い火」との組合せ)を期待度が高いものとし、期待度の低い表示態様同士の組合せを期待度が低いものとしてもよい。
また、遊技機側での期待度の低い表示態様と外部端末側での期待度の高い表示態様との組合せを、期待度が高いものとしてもよいし、低いものとしてもよい。たとえば、パチンコ遊技機1の側で「青色」や「変化なし」となっているにも関わらず、携帯端末100側では「強い火」となることで期待度が高い(大当り確定であってもよい)ものとしてもよい。このようにすれば、パチンコ遊技機1の側で期待度が低い表示態様の保留記憶表示が表示された場合であっても遊技者の落胆を抑制することができる。
また、遊技機側での期待度の高い表示態様と外部端末側での期待度の低い表示態様との組合せを、期待度が低いものとしてもよいし、高いものとしてもよい。たとえば、パチンコ遊技機1の側で「赤色」となっているにも関わらず、携帯端末100側では「弱い火」や「変化なし」となることで期待度が低いものとしてもよい。このようにすれば、パチンコ遊技機1の側で期待度が高い表示態様の保留記憶表示が表示された場合であっても遊技者の緊張感を持続させることができる。
(13) 前述した実施の形態においては、図18(A)のステップS514で示したように、保留記憶が発生したときに保留記憶表示の表示態様を変化させる場合は、最初から変化させるようにした。しかし、これに限定されず、最初は、変化なしの表示態様で保留記憶表示を表示させておき、保留記憶の発生時とは異なるタイミング(たとえば、他の保留記憶の消化時など)で表示態様を変化させるようにしてもよい。
この場合に、変化可能なタイミングごとに表示態様を変化させるか否かを決定してもよい。また、予め変化させるタイミングを決定しておき、そのタイミングとなったときに表示態様を変化させるようにしてもよい。
(14) 前述した実施の形態においては、開始条件が成立していない所定の遊技に関する遊技画像が、パチンコ遊技機1での保留記憶表示の画像であることとした。しかし、これに限定されず、開始条件が成立していない所定の遊技に関する遊技画像は、他の画像であってもよく、たとえば、スロットマシン1AでのART(アシストリプレイタイム)中での後のゲームでのARTのゲーム数の上乗せの期待度を示す画像であってもよい。
たとえば、スロットマシン1Aの表示部では、後に開始されるゲームでの上乗せの期待度を示す画像をキャラクタで表示しているが、携帯端末100の表示部140では、スロットマシン1Aで表示され撮影されている上乗せの期待度を示すキャラクタに重畳させて上乗せゲーム数を直接的に示す情報(たとえば、「+100G」との文字)を表示させるようにしてもよい。また、上乗せゲーム数とともに、または、上乗せゲーム数に替えて、上乗せ抽選に当選する期待度を表示させるようにしてもよい。
また、遊技機側で開始条件が成立していない所定の遊技に関する遊技画像が表示され、外部端末側で遊技画像に対応して実行される所定の遊技の内容に対応した演出画像が遊技画像に対応付けられて表示されるのは、スロットマシン1Aの場合、ART中に限定されず、ボーナスに当選してから入賞するまでの間であってもよいし、レア役に当選してからボーナスやAT(アシストタイム)に入賞しているか否かが確定するまでの間(ボーナスやATの当選の期待度が高い期間)であってもよい。たとえば、レア役に当選したゲームから図19の保留記憶表示のような遊技画像を所定個数、表示し、外部端末で当該遊技画像を撮影すると、ボーナスやATの入賞の期待度を示す演出画像が遊技画像に対応付けられて外部端末で表示される。また、ボーナス中であってもよい。この場合、たとえば、ボーナスに入賞したゲームから図19の保留記憶表示のような遊技画像を1つまたは複数、表示し、外部端末で当該遊技画像を撮影すると、AT当選の可能性やATのゲーム数などを示す演出画像が遊技画像に対応付けられて外部端末で表示される。
また、スロットマシン1Aの内部状態の移行タイミングを遊技者に報知しないものにおいては、外部端末側で、内部状態の移行の可能性や移行までのゲーム数を示唆または報知するようにしてもよい。
また、スロットマシン1Aにおいてフリーズ発生でAT当選やARTゲーム数上乗せするもので、何ゲーム後にフリーズを発生させるかを決定可能なものにおいては、外部端末側で、フリーズの発生可能性やフリーズ発生までゲーム数を示唆または報知するようにしてもよい。
(15) 前述した実施の形態においては、図19で示したように、特に、携帯端末100でパチンコ遊技機1の演出表示装置9を撮影することを促す表示はしないようにした。しかし、これに限定されず、当該撮影を促す旨を演出表示装置9に表示させるようにしてもよい。
(16) 前述した実施の形態においては、図19で示したように、2次元コード(マーカ)を保留記憶表示の内側に表示するようにした。しかし、これに限定されず、2次元コード(マーカ)を他の箇所に表示するようにしてもよい。
(17) 前述した実施の形態においては、図20で示したように、携帯端末100によって、2次元コードが読込まれ、当該2次元コードに対応する演出データが記憶されていると、即、当該演出データで示される演出画像が表示されるようにした。しかし、これに限定されず、携帯端末100によって、2次元コードが読込まれた後、当該2次元コードで示されるアクセス先のURLの情報提供サーバ200から演出データが取得されて、当該演出データで示される演出画像が表示されるようにしてもよい。このようにすれば、携帯端末100に記憶されている演出データの更新タイミングを待たずに、最新の演出データに基づいて演出画像を表示させることができる。この場合には、図20のステップS931〜ステップS934の処理を設けなくてもよい。つまり、演出画像の演出データは、携帯端末100には記憶させず、情報提供サーバ200に記憶させておき、情報提供サーバ200で更新されるようにする。
(18) 前述した実施の形態においては、図20で示したように、パチンコ遊技機1などの遊技機から出力された2次元コードに基づく携帯端末100での演出の表示は、大当り中(たとえば、大当りのラウンド中)に行なわれるようにした。しかし、これに限定されず、このような演出の表示は、パチンコ遊技機1でリーチ中に行なわれるようにしてもよい。また、演出表示装置9で演出図柄の変動表示や大当り演出表示が行なわれていないときに実行されるデモ画面の表示中に、2次元コードを表示して、携帯端末側で、当該遊技機の機種の特徴を紹介する演出が表示されるようにしてもよい。
(19) 前述した実施の形態においては、図20で示したように、大当り中に行なわれる携帯端末100での演出の表示が、更新可能であることとした。しかし、これに限定されず、図18で説明した携帯端末100で保留記憶表示に重畳させて表示する演出の表示(図18では、弱い火、強い火の表示)が、更新可能であることとしてもよい。これにより、携帯端末100での保留記憶表示に重畳させる演出を変化させることができる。
(20) 前述した実施の形態において、図20で示したように、携帯端末100で実行される演出を表示させるための2次元コードは、パチンコ遊技機1などの遊技機に予め表示可能なように構成される。そして、2次元コードに対応する演出は、2次元コードが遊技機に組込まれた後のタイミングで更新することが可能とされる。
この場合に、更新のタイミングは、一度に限られず、複数回であってもよい。複数回にした場合は、2次元コードを撮影する時期によって演出データが更新されている場合には携帯端末100などの外部端末で表示される演出画像が異なり、遊技の興趣を向上させることができる。
(21) 前述した実施の形態においては、図19で示したように、1つの保留記憶表示に対して1つの2次元コードを表示するようにした。つまり、1つの保留記憶表示に対応して実行される所定の遊技内容に対応した演出画像を遊技画像に対応付けて表示させるための2次元コードを1つ表示させるようにした。しかし、これに限定されず、全部の保留記憶表示それぞれに対応して実行される所定の遊技内容に対応した演出画像を遊技画像に対応付けて表示させるための2次元コードを1つ表示させるようにしてもよい。たとえば、全部の保留記憶表示に対して1つの2次元コードを表示させるようにしてもよい。
(22) 前述した実施の形態において、図19で示した変化なしに対応する2次元コードの種類を複数、備えるようにしてもよい。また、弱い火および強い火のそれぞれに対応する2次元コードの種類を複数、備えるようにしてもよい。これにより、携帯端末100で2次元コードを撮影しなくても、2次元コードで示される携帯端末100で表示させる演出の態様が遊技者に知られてしまうことを抑制することができる。
(23) 前述した実施の形態においては、図19で示したように、表示用情報(たとえば、2次元コード)の出力によって外部端末(たとえば、携帯端末100)の画面に演出画像の表示が可能となるときに、遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1)側での示唆演出として、保留記憶表示の「○」の上に「?」を表示させる演出が実行されるようにした。
しかし、これに限定されず、保留記憶表示の色を青色や赤色に変えたり保留記憶表示の形態を変えたり保留記憶表示の模様を変えたりして、保留記憶表示の表示態様を複数、備えるようにしてもよい。
この場合に、たとえば、遊技機側の保留記憶表示が青色の場合は、遊技者にとって有利な状態になる期待度が中程度ことを示す、赤色の場合は、期待度が高いことを示すようにしてもよい。さらに、外部端末側の重畳表示で、青色の保留記憶表示に対しては期待度「30%」、赤色の保留記憶表示に対しては期待度「50%」との表示をする、遊技機側の示唆演出よりも具体的な示唆演出を実行するようにしてもよい。
(24) 前述した実施の形態においては、図19で示したように、保留記憶表示の2次元コードは、保留記憶表示が表示されている間、ずっと表示されることとした。しかし、これに限定されず、保留記憶表示が表示されている間の途中で2次元コードを消すようにしてもよいし、保留記憶表示が開始されてから所定期間、経過してから2次元コードを表示させるようにしてもよい。
(25) 前述した実施の形態においては、図19で示したように、示唆演出(実施の形態においては「?」の表示演出)は、保留記憶表示が表示されている間、ずっと表示されることとした。しかし、これに限定されず、保留記憶表示が表示されている間の途中で、示唆演出の実行を停止させるようにしてもよいし、保留記憶表示が開始されてから所定期間、経過してから示唆演出を実行するようにしてもよい。また、2次元コードの表示と合わせたタイミングで示唆演出を実行するようにしてもよい。さらに、保留記憶表示が表示されている間の途中で示唆演出を変化させるようにしてもよい。
また、保留記憶表示に基づく変動開始直前のタイミングで、示唆演出を実行する、または、変化させるようにしてもよい。この場合に、外部端末側では重畳されている画像が変化しない場合であっても、直前に、遊技機側の示唆演出が実行されるまたは変化させられるか否かに応じて、遊技者にとって有利な状態になる期待度を異ならせることもできる。
(26) 前述した実施の形態においては、図19で示したように、保留記憶表示の2次元コードは、保留記憶表示が表示されている間、途中で変化させないようにした。しかし、これに限定されず、2次元コードを途中で変化させるようにしてもよい。これにより、2次元コードを外部端末で撮影するタイミングによって、外部端末で重畳表示される演出の内容(たとえば、弱い火、強い火、変化なし)を変化させることができる。このため、期待度が低い演出が実行されたときに、期待度が高い演出に変化する可能性を持たせることできるので、遊技者の落胆を抑制できる。
(27) 前述した実施の形態において、図19で示した保留記憶表示に重畳させる演出画像(たとえば、弱い火、強い火)は、静止画像であってもよいし、動画像であってもよい。また、キャラクタが保留記憶表示に作用する演出画像(たとえば、キャラクタが保留記憶表示に近付いて保留記憶表示を叩く演出画像)であってもよい。
(28) 前述した実施の形態においては、図18から図22で示したように、2次元コードの表示タイミングは、保留記憶表示の表示中および大当り中であることとした。しかし、これに限定されず、2次元コードの表示タイミングは、デモ中、リーチ中、予告演出の実行中、高ベース状態中、または、高確率状態中であってもよい。また、2次元コードを常に表示させるようしておき、撮影した2次元コードに基づいて機種紹介を外部端末に表示させるようにしてもよい。
(29) 前述した実施の形態においては、図20のステップS931で示したように、時間情報を確認して、決まった時刻である場合に、演出データを更新するようにした。しかし、これに限定されず、更新した日付を記憶しておき、記憶されている日付と現在の日付とが異なっているときに、ステップS932以降の処理で演出データを更新するようにしてもよい。また、更新時間を記憶しておき、更新時間から一定時間(たとえば、1時間)が経過したときに、演出データを更新するようにしてもよい。
また、遊技者による携帯端末100の操作に基づいて演出データを更新するようにしてもよい。また、ステップS931の処理を設けず、当該アプリケーションプログラムが実行されているときには、演出データの更新の実行条件の成立を判断せずに、ステップS932以降の処理を実行し、演出データを更新するようにしてもよい。また、情報提供サーバ200側で更新があったときに、情報提供サーバ200側から携帯端末100側に更新情報を送信し、更新情報を受信すると、携帯端末100は自動的に演出データを更新するようにしてもよい。
(30) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。