JP2015007959A - 太陽電池の設計装置、設計方法および製造方法 - Google Patents

太陽電池の設計装置、設計方法および製造方法 Download PDF

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Yasuaki Yashiki
保聡 屋敷
知弘 池田
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知弘 池田
細野 彰彦
Akihiko Hosono
彰彦 細野
本並 薫
Kaoru Motonami
薫 本並
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【課題】太陽電池の実際の稼働における性能の正確な評価と、太陽電池の高い性能を得るための調整とを可能とする太陽電池の設計装置、設計方法および製造方法を得ること。【解決手段】太陽電池の等価回路の情報と回路パラメータとを記録するモデル情報記録部3と、太陽電池の設置場所の環境についての情報が入力される設置場所情報入力部1と、等価回路の情報および回路パラメータと、設置場所の情報とを基に、太陽電池による発電量をシミュレーションする回路シミュレータである回路シミュレータ本体2と、回路シミュレータによるシミュレーション結果を記録するシミュレーション結果記録部4と、シミュレーション結果のうち発電量が最大となるときにおける回路パラメータの組み合わせに対応する製造レシピを格納する最適パラメータセット格納部5と、最適パラメータセット格納部5から読み込んだ製造レシピを記録するプロセスレシピ記録部7と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池の設計装置、設計方法および製造方法に関する。
太陽電池は、高い発電効率を実現するための性能向上が図られている。太陽電池の性能を評価する手法の一つとして、太陽電池の構造を等価回路として表し、等価回路の特性を示す各種の回路パラメータを解析するものが知られている。例えば、特許文献1には、ダイオードにおける電流および電圧の関係を示したダイオード特性式のパラメータの評価において、簡易な等価回路モデルを使用して、実際の電流−電圧特性をフィッティングする方法が開示されている。
また、例えば特許文献2には、トップセルおよびボトムセルを備える太陽電池について、任意の設置場所で高い発電力を得るために、ボトムセルの発電電流で太陽電池全体の発電電流を律速とすることが開示されている。
特開2009−168559号公報 特許第4410654号公報
従来の簡易な等価回路モデルを使用する評価手法では、太陽電池が正常な状態であるときは、ある程度の精度で特性を表すことができる一方、製造上のトラブルや、劣化、故障などによるパラメータの変化があった場合に、太陽電池のいずれの箇所がどのように変化している状態なのかを判断することが困難となる。このような変化に対しては、技術者の経験に頼った調整によって解決がなされている。
例えば、太陽電池の開放電圧が基準値より低い場合、結晶系の太陽電池であれば、ドーピングを拡散する工程やパッシベーション膜を形成する工程についてのレシピの変更などを行う。また、薄膜系の太陽電池であれば、透明電極のテクスチャ構造の緩和、ドーピング層を形成する工程についてのレシピの変更、微結晶シリコンの結晶性の調整などを行う。これらの調整は、複数の要因が挙げられる中で、有効と予測される要因についての調整が順次試されていくこととなる。このような従来の評価手法によると、予測が外れたときにはそれまでの検証作業が無駄となるため、調整のための手間やコストの増加が問題となる。
また、太陽電池の評価においては、太陽電池の実際の設置場所の環境と、太陽電池を設計する際の標準試験条件とが相違する場合に、評価どおりの発電量が得られなくなることが問題となる。標準試験条件では、太陽電池の温度は一定、例えば25℃などに固定される一方、実際の環境では、夏場であれば60℃を超えることもある。太陽電池の出力特性は、一般に、温度の上昇に対して低下していく。例えば、出力の温度係数が−0.4%/℃の太陽電池が60℃の環境下に設置されている場合、太陽電池の出力は標準試験条件における評価値に対して14%も低下することとなる。さらに、設置場所の緯度や天候の影響による日射スペクトルの変化、周囲からの散乱光や反射光の影響によっても、太陽電池の出力は、性能評価試験の結果に対し変化することとなる。
このように、標準試験条件と実際の設置場所の環境とは少なからず相違することになるため、従来の等価回路モデルから導き出される電流−電圧特性のみからは、実際の環境における太陽電池の出力を正確に予測することが困難となる。そのため、太陽電池は、標準試験条件では最適な構造設計がなされたとしても、各地における実際の稼働において、評価よりも発電量が低くなる場合がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、太陽電池の実際の稼働における性能の正確な評価と、太陽電池の高い性能を得るための調整とを可能とする太陽電池の設計装置、設計方法および製造方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、太陽電池の等価回路の情報と、前記等価回路を構成する要素ごとの特性を表す回路パラメータとを記録するモデル情報記録部と、前記太陽電池の設置場所の環境についての情報が入力される設置場所情報入力部と、前記モデル情報記録部から読み出された前記等価回路の情報および前記回路パラメータと、前記設置場所情報入力部から読み出された前記設置場所の情報とを基に、前記太陽電池による発電量をシミュレーションする回路シミュレータと、前記回路シミュレータによるシミュレーション結果を記録するシミュレーション結果記録部と、前記回路パラメータと、前記太陽電池の製造工程ごとの製造レシピとを対応付けて記録するプロセス情報記録部と、前記シミュレーション結果のうち前記発電量が最大となるときにおける前記回路パラメータの組み合わせに対応する前記製造レシピを、前記プロセス情報記録部から読み込んで格納する最適パラメータセット格納部と、前記最適パラメータセット格納部から読み込んだ前記製造レシピを記録するプロセスレシピ記録部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、太陽電池の設計装置は、太陽電池を構成する各要素に対応する回路パラメータをもつ等価回路を基に、太陽電池の出力特性を導き出す。設計装置は、太陽電池の実際の設置場所の環境や、製造時の要因によるばらつき、経年劣化、故障等による太陽電池の状態に応じた発電量の予測を可能とする。設計装置は、太陽電池の設置場所の環境に最適な構造、各要素の最適な回路パラメータを導き出すことができる。これにより、設計装置は、太陽電池が設置される場所の環境や、太陽電池の状態に関わらず、太陽電池の実際の稼働における性能を正確に評価することができる。また、設計装置は、太陽電池について高い性能を得るための調整を行うことができる。
図1は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池の設計装置の構成を示すブロック図である。 図2は、図1に示す設計装置による性能評価および設計の対象とする太陽電池の例を示す模式断面図である。 図3は、従来の性能評価の手法にて用いられている等価回路を示す図である。 図4は、実施の形態1にかかる設計装置による性能評価に用いられる等価回路の例を示す図である。 図5は、設計装置による太陽電池の性能評価および設計の手順を示すフローチャートである。 図6は、太陽電池を横断するように避雷針の影が移動する様子を説明する図である。 図7は、影の動きを予測した結果の例を示す図である。 図8は、図7に示す影の動きの予測の条件において、実際に照度計によって観測された照度の変化を示す図である。 図9は、太陽光の入射角度と、太陽光が大気を横切る距離とについて説明する図である。 図10は、ある同じ場所で異なる天候および異なる時刻における日射スペクトルを実測した結果の例を示す図である。 図11は、モデル情報記録部が保持する回路パラメータの例を示す図である。 図12は、本発明の実施の形態2にかかる太陽電池の設計装置の構成を示すブロック図である。 図13は、一日における電力の需要曲線と、太陽電池の発電特性との例を示す図である。 図14は、受光面を東向きとした太陽電池と、受光面を西向きとした太陽電池とを設置した場合における発電特性について説明する図である。 図15は、結晶シリコン太陽電池の上面図である。 図16は、図15に示す結晶シリコン太陽電池の断面図である。 図17は、実施の形態2にかかる設計装置による結晶シリコン太陽電池の性能評価に用いられる等価回路の例を示す図である。 図18は、本発明の実施の形態3にかかる太陽電池の設計装置の構成を示すブロック図である。 図19は、実施の形態3にかかる設計装置による結晶シリコン太陽電池の性能評価に用いられる等価回路の例を示す図である。 図20は、図19に示す等価回路を用いて評価される結晶シリコン太陽電池の断面図である。 図21は、シリコン結晶端部のバンドを示す図である。 図22は、界面固定電荷密度と、伝導帯下端のエネルギー準位Eとの関係を示す図である。 図23は、界面固定電荷密度と、界面再結合速度Sとの関係を示す図である。 図24は、ピンホール欠陥の特性ごとにおける太陽電池の特性の例を示す図である。 図25は、本発明の実施の形態4にかかる太陽電池の製造方法の手順を示すフローチャートである。 図26は、太陽電池の設計部門と、製造部門あるいは製造工場とにおける工程の分担例を説明する図である。
以下に、本発明にかかる太陽電池の設計装置、設計方法および製造方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる太陽電池の設計装置の構成を示すブロック図である。設計装置は、コンピュータ等の演算機器による回路シミュレータと、ハードディスク等からなるデータベースおよび記録媒体とによる、太陽電池の動作解析を実施する。また、設計装置は、太陽電池の評価結果に応じて、太陽電池の製造レシピを生成する機能を備える。
設計装置は、設置場所情報入力部1、回路シミュレータ本体2、モデル情報記録部3、シミュレーション結果記録部4、最適パラメータセット格納部5、プロセス情報記録部6およびプロセスレシピ記録部7を備える。
設置場所情報入力部1は、太陽電池の設置場所の環境についての情報が入力される。回路シミュレータ本体2は、太陽電池による発電量をシミュレーションする。モデル情報記録部3は、太陽電池の等価回路の情報と、回路パラメータとを記録する。回路パラメータは、等価回路を構成する要素ごとの特性を表すパラメータとする。回路シミュレータ本体2は、モデル情報記録部3から読み出された等価回路の情報および回路パラメータと、設置場所情報入力部1から読み出された設置場所の情報とを基に、シミュレーションを実施する。
シミュレーション結果記録部4は、回路シミュレータ本体2によるシミュレーション結果を記録する。最適パラメータセット格納部5は、シミュレーション結果のうち発電量が最大となるときにおける回路パラメータの組み合わせに対応する製造レシピを、プロセス情報記録部6から読み込んで格納する。プロセス情報記録部6は、回路パラメータと、太陽電池の製造工程ごとの製造レシピとを対応付けて記録する。プロセスレシピ記録部7は、最適パラメータセット格納部5から読み出された製造レシピを記録する。
図2は、図1に示す設計装置による性能評価および設計の対象とする太陽電池の例を示す模式断面図である。本実施の形態は、設計装置による、薄膜太陽電池の性能の評価および設計を例として説明する。図2に示す太陽電池は、二層積層型の薄膜太陽電池である。
この薄膜太陽電池は、ガラス基板11に透明電極12、トップセル13、ボトムセル14および裏面電極15が順次積層されて構成されている。トップセル13は、短波長の光を吸収する発電層である。ボトムセル14は、長波長の光を吸収する発電層である。トップセル13、ボトムセル14および裏面電極15からなる積層体は、分離溝16によって、太陽電池の最小単位とする複数のセルに分離されている。分離溝16は、例えばレーザスクライブ法を用いて形成される。
図3は、従来の性能評価の手法にて用いられている等価回路を示す図である。従来、太陽電池は、その構造に関わらず、電流源21、並列抵抗(シャント抵抗)成分22、直列抵抗(シリーズ抵抗)成分23およびダイオード成分24からなる等価回路として表される。並列抵抗成分22は、pn接合の周辺におけるリーク電流などによって生じる抵抗成分である。直列抵抗成分23は、素子各部を電流が流れるときの抵抗成分である。
ダイオード成分24の電流−電圧特性は、次の式(1)によって表される。従来の手法によると、かかる等価回路から、太陽電池の動作が予測されている。
Figure 2015007959
式(1)において、Iは電流、Iは逆方向飽和電流、nはダイオード因子、eは素電荷、Vは電圧、kはボルツマン係数、Tは温度とする。
本実施の形態において評価の対象とする太陽電池は、トップセル13とボトムセル14との2つのダイオードが直列に接続された形となっている。このため、例えばトップセル13の製造工程に問題があり、太陽電池の最終的な出力が変化していたとしても、従来の等価回路を用いる性能評価によるとトップセル13およびボトムセル14のどちらに問題があるかの判断が困難となる。この場合、太陽電池の製造工程の全てを見直していくか、問題が存在する可能性のある工程を技術者の経験から順次解析していくなどの措置が採られることになる。
図4は、実施の形態1にかかる設計装置による性能評価に用いられる等価回路の例を示す図である。設計装置は、複数のダイオードを搭載する等価回路を用いて、太陽電池の出力解析を行う。モデル情報記録部3は、図4に示す等価回路の情報を記録する。
ここでは、トップセル13として、アモルファスシリコンのような非晶質シリコン系薄膜を用い、ボトムセル14として、微結晶シリコンのように複数の結晶が結晶粒界を持ちながら形成されたものを用いる太陽電池を想定して説明する。
太陽電池の等価回路は、電流源31,32、並列抵抗(シャント抵抗)成分33、直列抵抗(シリーズ抵抗)成分34、4つのダイオード成分35,36,37,38からなる。第1ダイオード成分35および第2ダイオード成分36は、互いに直列に接続されている。第1ダイオード成分35および第2ダイオード成分36と、電流源32とは、並列に接続されている。
第3ダイオード成分37、第4ダイオード成分38および電流源31は、互いに並列に接続されている。第1ダイオード成分35、第2ダイオード成分36および電流源32と、第3ダイオード成分37、第4ダイオード成分38および電流源31とは、直列に接続されている。
等価回路において、トップセル13およびボトムセル14は明確に分けられている。トップセル13は、互いに直列に接続された第1ダイオード成分35および第2ダイオード成分36として表される。第1ダイオード成分35は、トップセル13のうち透明電極12と接触する界面付近の部分を表している。第2ダイオード成分36は、トップセル13のうち光電変換を行う部分を表している。等価回路に第1ダイオード成分35および第2ダイオード成分36を含めることで、発電層と電極との界面における特性を表すことができる。
ボトムセル14は、互いに並列に接続された第3ダイオード成分37および第4ダイオード成分38として表される。第3ダイオード成分37は、ボトムセル14の結晶内部の動作を表している。第4ダイオード成分38は、結晶粒界付近の動作を表している。等価回路に第3ダイオード成分37および第4ダイオード成分38を含めることで、微結晶シリコンや多結晶シリコンのように、結晶内部と結晶粒界とを持つ太陽電池の動作を再現することができる。
図3に示した等価回路では、並列抵抗成分22には、太陽電池内部の再結合や、分離溝16の加工不具合等によるリーク電流成分等が含まれている。これに対し、図4に示す等価回路では、太陽電池内部の再結合のうち、トップセル13での再結合は第2ダイオード成分36、ボトムセル14の結晶内部での再結合は第3ダイオード成分37、ボトムセル14の結晶粒界での再結合は第4ダイオード成分38でそれぞれ表される。並列抵抗成分33は、分離溝16の特性を表している。
設計装置は、図4に示す等価回路を性能評価に用いることで、各構成要素と太陽電池の出力との関係を詳細に評価することができる。また、太陽電池の動作特性に変化が現れた場合に、太陽電池を構成する要素のどの部分に変化があったのかを具体的に特定することができる。
なお、設計装置は、図4に示した等価回路に変形を加えたものを、性能評価に用いることとしても良い。設計装置は、評価対象とする太陽電池の構成に応じて、ダイオード成分や抵抗成分の追加等、等価回路の構成を適宜変更しても良い。これにより、設計装置は、いずれの構成の太陽電池についても、太陽電池を構成する各要素の詳細な解析を行うことができる。
図5は、設計装置による太陽電池の性能評価および設計の手順を示すフローチャートである。まず、ステップS1では、図1に示す設置場所情報入力部1へ環境情報が入力される。環境情報は、太陽電池の設置場所の環境についての情報とする。
図1に示す設置場所情報入力部1は、環境情報として、太陽電池の出力特性に影響を及ぼし得る条件、例えば、日射スペクトル、気温、風速、太陽電池の受光面を向ける方位および受光面の傾斜角、設置場所の周辺に位置する建造物による影の移動、建造物や地面からの散乱光および反射光についての情報が入力される。建造物は、設置場所の周辺に立設され太陽電池への光の進行に影響を及ぼし得る設置物とする。かかる設置物としては、建造物のほか、樹木など、地面に立設されたいずれの物体も含まれるものとする。
設置場所情報入力部1は、これらの環境情報の入力操作を受け付ける入力インタフェースである。設置場所情報入力部1は、入力された環境情報を記録するハードディスクなどの記録媒体を備える。設置場所情報入力部1は、入力操作に応じて環境情報を取得するほか、データベースに収録されているデータから必要な情報を適宜抽出することとしても良い。設置場所情報入力部1は、環境情報として、例えば、太陽電池の設置場所の緯度および経度等の情報を、公的なデータベースに収録されている地図データから得ることとしても良い。
設置場所情報入力部1は、環境情報として、例えば、年間における太陽の高度および方位の情報と、周辺の建造物等のCADデータとを取得し、年間における影の詳細な動きを予測することとしても良い。これにより、設計装置は、回路シミュレータにおいて、日射や影の影響をより詳細に反映させたシミュレーションを実施することができる。
ここで、太陽電池の周辺に建てられている建造物の影の軌跡を予測した例を説明する。図6は、太陽電池を横断するように避雷針の影が移動する様子を説明する図である。太陽電池41の周辺に設けられている避雷針40の影は、ある期間における太陽の移動に伴って、太陽電池41を横断するように移動する。太陽電池41の外縁部には、影の動きを検証するための8個の日照計42−1〜42−8が取り付けられているとする。
避雷針40の影の頂点の位置を表す二次元座標を(x,y)とした場合、xおよびyは、以下の式(2)および(3)により表される。ただし、hは避雷針40の高さ、αは太陽の高度、φは太陽の方位とする。
Figure 2015007959
Figure 2015007959
図7は、影の動きを予測した結果の例を示す図である。例えば、xは東西方向における位置を、東をプラスとして表したものとする。yは南北方向における位置を、北をプラスとして表したものとする。図7には、東西南北の二次元方向における避雷針40の影の頂点の位置を予測した結果と、避雷針40の位置、日照計42−1〜42−8の位置とを表している。図7には、例えば、午前6時45分から午前7時10分までのうち5分おきにおける影の頂点の位置を予測した結果を表しているものとする。
図8は、図7に示す影の動きの予測の条件において、実際に照度計によって観測された照度の変化を示す図である。図8では、日照計42−1〜42−8による照度の計測結果を、下から上に並べて示している。図8に示す照度の変化の中で、照度が一旦低下してからすぐに戻っている部分は、影が通過している時間であることを表す。
図7に示す予測結果と図8に示す照度の変化とを比較すると、太陽電池41のうち日照計42−1〜42−8が取り付けられた各位置において影が横切ると予測される時刻と、各日照計42−1〜42−8において照度の低下が確認される時刻とがほぼ一致していることがわかる。これにより、設計装置は、影の影響を含めて出力特性をシミュレーションすることができる。設計装置は、太陽電池による発電量を正確に評価することができる。
設計装置は、建造物や地面からの散乱光および反射光についての情報が環境情報として入力されることで、建造物や地面での光の散乱および反射による影響を加味して出力特性をシミュレーション可能とする。これにより、太陽電池による発電量を正確に評価することができる。
次に、日射スペクトルの影響について説明する。図9は、太陽光の入射角度と、太陽光が大気を横切る距離とについて説明する図である。地表における太陽光の入射角度は、太陽光が入射する位置の緯度および経度に応じて異なる。太陽光が大気を横切る距離は、太陽光の入射角度に応じて変化する。太陽光は、大気を横切る距離に応じて、大気中で散乱および吸収される量が変化する。大気中で散乱および吸収される太陽光の量が変化することで、地表における日射スペクトルは変化することとなる。
太陽光が大気中を横切る距離は、エアマス(Air Mass)として定義されている。例えば、結晶系太陽電池モジュールの出力測定方法についての規格であるJIS C8914によると、太陽電池の出力測定を行う際は、エアマスを1.5とすることが定められている。地表における実際の環境では、天候によって大気中の水分や雲の状態が変化することや、朝方や夕方に太陽の高度が低くなることで、スペクトルの形状は変化することとなる。
図10は、ある同じ場所で異なる天候および異なる時刻における日射スペクトルを実測した結果の例を示す図である。図10に示すグラフは、縦軸をスペクトル強度、横軸を波長として、実測された日射スペクトルをスペクトル強度の最大値で規格化したものを表している。
図10に示すように、同じ場所であっても、天候や時刻が異なることで日射スペクトルが大きく変化し、太陽電池の電流量は著しく変化することとなる。図2に示す積層型の薄膜太陽電池の場合、トップセル13およびボトムセル14が直列に接続されている。太陽電池が外部に取り出すことができる電流量は、トップセル13およびボトムセル14のそれぞれでの光電変換によって得られた電流量のうち最も低い電流量に制限されることとなる。したがって、特に積層型の薄膜太陽電池の場合、日射スペクトルの変化が、出力特性に大きく影響を及ぼすこととなる。本実施の形態によると、設計装置は、日射スペクトルの影響を含めて出力特性をシミュレーションすることで、太陽電池による発電量を正確に評価することができる。
次に、温度の影響について説明する。温度は、例えば上記の式(1)に示すように、ダイオードの電流−電圧特性を決定する要素の一つとされる。太陽電池の出力特性は、温度の影響を受けることとなる。太陽電池の温度は、設置場所の環境温度(気温)、太陽エネルギーによる温度上昇、風による冷却、太陽電池内部の電子の再結合による温度上昇等によって変化する。
一般に、温度の上昇に伴い、太陽電池の開放電圧および出力は低下し、短絡電流は増加する。出力の温度係数が−0.2%/℃程度である薄膜シリコン太陽電池の場合、太陽電池が60℃以上にまで上昇すると、定格出力は15〜16%程度低下することとなる。本実施の形態によると、設計装置は、温度の影響を含めて出力特性をシミュレーションすることで、太陽電池による発電量を正確に評価することができる。
設計装置は、太陽電池の設置場所の風速についての情報が環境情報として入力されることで、風による影響を加味して出力特性をシミュレーション可能とする。これにより、太陽電池による発電量を正確に評価することができる。
図5に示すステップS2では、回路シミュレータ本体2は、設置場所情報入力部1が保持する環境情報、モデル情報記録部3が保持する等価回路の情報および回路パラメータを読み込む。
図11は、モデル情報記録部が保持する回路パラメータの例を示す図である。モデル情報記録部3は、ハードディスク等の記録媒体からなる。モデル情報記録部3は、太陽電池の各構成要素の製造レシピと回路パラメータとが対応付けられたデータを保持する。本実施の形態において、製造レシピは、各構成要素の製造工程を示す大工程、大工程の中に含まれる小工程、小工程ごとのレシピ番号の組み合わせとされている。
回路パラメータのうち、Rsh1,Rsh2は並列抵抗成分33、Rsは直列抵抗成分34である。nx(x=1,2・・・)は、上記の式(1)にも示されているダイオード因子である。Jx(x=1,2・・・)は、逆方向飽和電流Iを面積で割った逆方向飽和電流密度である。Tx(x=tco,asp,asi,asn,csp,csi,csn,tcb)は、各構成要素の透過率を表す。
なお、tcoは透明電極12、aspはトップセル13のp層、asiはトップセル13のi層、asnはトップセル13のn層、cspはボトムセル14のp層、csiはボトムセル14のi層、csnはボトムセル14のn層、tcbは裏面電極15のうちの透明電極膜を表すものとする。
ステップS3において、回路シミュレータ本体2は、設置場所情報入力部1から読み出された環境情報と、モデル情報記録部3から読み出された回路パラメータとを用いて、電流値を算出する。このときトップセル13およびボトムセル14の量子効率が既知である場合、回路シミュレータ本体2は、日射スペクトルと量子効率との乗算によって電流値を求める。
トップセル13およびボトムセル14の量子効率が既知ではない場合、回路シミュレータ本体2は、各構成要素の透過率を基に、以下の式(4)および(5)を用いて、トップセル13の電流値およびボトムセル14の電流値を算出する。
トップセルの電流値=日射スペクトル×Ttco×Tasp×(1−Tasi) ・・・(4)
ボトムセルの電流値=日射スペクトル×Ttco×Tasp×Tasi×Tasn×Tcsp×(1−Tcsi) ・・・(5)
回路シミュレータ本体2は、式(4)および(5)以外の数式を使用して、トップセル13の電流値およびボトムセル14の電流値を算出することとしても良い。回路シミュレータ本体2は、例えば、トップセル13およびボトムセル14の屈折率、反射率、吸収係数から電流値を算出することとしても良い。
ステップS4において、回路シミュレータ本体2は、発電量を算出する。回路シミュレータ本体2は、モデル情報記録部3から等価回路の情報を読み出す。回路シミュレータ本体2は、等価回路の電流源32に、ステップS3で求めたトップセル13の電流値を代入する。回路シミュレータ本体2は、等価回路の電流源31に、ステップS3で求めたボトムセル14の電流値を代入する。回路シミュレータ本体2は、電流源31,32への電流値の代入により、指定期間における予測発電量を算出する。
回路シミュレータ本体2は、ステップS4における算出結果である発電量を、ステップS5においてシミュレーション結果記録部4へ記録する。シミュレーション結果記録部4は、ハードディスク等の記録媒体からなる。
モデル情報記録部3は、太陽電池の製造工程に適用可能な複数の製造レシピと、各製造レシピに対応する回路パラメータとが登録されている。モデル情報記録部3におけるこれらの登録内容は、図11に示す製造レシピと回路パラメータのセットの例をさらに拡張させたものとして登録されている。回路シミュレータ本体2は、モデル情報記録部3に登録されている複数の回路パラメータの組み合わせごとに、発電量を算出する。
ステップS6において、回路シミュレータ本体2は、モデル情報記録部3に登録されている回路パラメータの全ての組み合わせについて発電量の算出が完了したか否かを判断する。発電量の算出が完了していない回路パラメータの組み合わせが存在する場合(ステップS6、No)、回路シミュレータ本体2は、発電量の算出が完了していない回路パラメータの組み合わせについて、ステップS2からの手順を繰り返す。
回路パラメータの全ての組み合わせについて発電量の算出が完了している場合(ステップS6、Yes)、ステップS7において、最適パラメータセット格納部5は、シミュレーション結果記録部4へ記録されたシミュレーション結果のうち、発電量が最大となるときにおける回路パラメータの組み合わせを読み出す。最適パラメータセット格納部5は、シミュレーション結果記録部4から読み込んだ回路パラメータの組み合わせを格納する。
プロセス情報記録部6は、回路パラメータと製造レシピとを対応付けて記録する。プロセス情報記録部6は、ハードディスク等の記録媒体からなる。ステップS8において、最適パラメータセット格納部5は、発電量が最大となるときにおける回路パラメータの組み合わせに対応する製造レシピを、プロセス情報記録部6から読み出す。最適パラメータセット格納部5は、プロセス情報記録部6から読み込んだ製造レシピを格納する。最適パラメータセット格納部5は、コンピュータ等の演算機器と、ハードディスク等の記録媒体とからなる。
プロセスレシピ記録部7は、最適パラメータセット格納部5に格納されている製造レシピを読み出す。プロセスレシピ記録部7は、最適パラメータセット格納部5から読み込んだ製造レシピを記録する(ステップS9)。プロセスレシピ記録部7は、ハードディスク等の記録媒体からなる。また、プロセスレシピ記録部7は、記録された製造レシピを、ディスプレイ等の表示デバイス8や製造ラインの各装置が読み込み可能なレシピファイル9として出力する機能を備える。以上により、設計装置は、太陽電池の性能評価のための処理を終了する。
本実施の形態によると、太陽電池の設計装置は、太陽電池の設置場所に最適な太陽電池の構造、各構成要素の特性を示す回路パラメータ、製造レシピを的確に決定することができる。設計装置は、製造された太陽電池の出力を等価回路モデルによって解析することで、回路パラメータが設計どおりとなっているか否かを評価することができる。
設計装置は、太陽電池の各構成要素の製造レシピと回路パラメータとが紐付けされていることから、解析の結果、回路パラメータが設計とは異なっていた場合に、どの構成要素の製造工程に異常が生じたかを特定することができる。性能の向上のための調整が試行錯誤によらずに実施可能であることで、設計装置は、調整のための手間やコストを低減できる。
標準試験条件と実際の設置場所の環境との相違がある場合も、設計装置は、実際の環境における太陽電池の出力を正確に予測可能とする。標準試験条件は、例えば、太陽電池のカタログスペックを決定する際における測定条件とする。太陽電池は、設計装置の性能評価に応じた最適な設計がなされることで、各地における実際の稼働において、評価どおりの発電量を得ることができる。
設計装置は、太陽電池の実際の設置場所の環境や、製造時の要因によるばらつき、経年劣化、故障等による太陽電池の状態に応じた発電量の予測を可能とする。設計装置は、太陽電池の設置場所の環境に最適な構造、各要素の最適な回路パラメータを導き出すことができる。これにより、設計装置は、太陽電池の実際の稼働における性能の正確な評価と、太陽電池の高い性能を得るための調整とを実現できるという効果を奏する。
実施の形態2.
図12は、本発明の実施の形態2にかかる太陽電池の設計装置の構成を示すブロック図である。設計装置は、コンピュータ等の演算機器による回路シミュレータと、ハードディスク等からなるデータベースおよび記録媒体とによる、太陽電池の動作解析を実施する。実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
設計装置は、設置場所情報入力部1、回路シミュレータ本体2、モデル情報記録部3、シミュレーション結果記録部4および最適パラメータセット格納部5を備える。本実施の形態において、モデル情報記録部3は、市販されている太陽電池の回路パラメータの情報を、データベースとして保持する。設計装置は、モデル情報記録部3が保持する情報を用いることで、太陽電池の設置予定場所において所望の発電特性を得るための太陽電池の動作解析を実施可能とする。
設置場所情報入力部1は、環境情報として、実施の形態1で例示する日射スペクトル、温度、周辺からの影などの情報のほか、太陽電池の出力特性に関するいずれの条件を入力可能としても良い。
例えば、売電を目的とする太陽光発電システムに使用される太陽電池については、発電量が最大となるときの回路パラメータを求めることで、構成要素の特性の最適化を図り得る。その一方で、例えば、建造物や特定のコミュニティ内での消費電力を賄うこと等を目的とするような場合には、太陽電池は、必ずしも発電量が最大としなくても良いケースもあり得る。
図13は、一日における電力の需要曲線と、太陽電池の発電特性との例を示す図である。図13に示す需要曲線51は、例えば、昼間人口の少ない地域における電力の需要量の変化を示している。昼間人口の少ない地域では、昼間の電力需要は少なくなる。需要曲線51は、朝と夕方とにピークが見られるとともに、日中は低くなるように変化する。
一般に、太陽電池は、一日に渡って高い発電量を得るためには、受光面が南向きとなるように設置される。そのため、太陽電池の発電量は、通常、太陽の高度が最も高くなる12時前後がピークとなる。一般的な太陽電池の発電特性52は、12時前後をピークとする山型となる。
発電量がピークとなる昼時間帯において電力需要が少ないと、消費される電力よりも発電による電力が上回ることで、余剰電力が電力系統へ戻っていく逆潮流を生じさせる可能性がある。この逆潮流は、系統の電圧や周波数に変動を生じさせ、近い系統に繋げられている利用者への電力供給に影響を及ぼす可能性がある。
需要曲線51に見合う電力需要を可能とする上で、太陽電池は、昼時間帯に対し朝と夕方とに発電量が高くなるような発電特性53とすることが望ましいといえる。太陽電池は、受光面を東向きとすることで、朝に高い発電量を得ることが可能となる。また、太陽電池は、受光面を西向きとすることで、夕方に高い発電量を得ることが可能となる。
図14は、受光面を東向きとした太陽電池と、受光面を西向きとした太陽電池とを設置した場合における発電特性について説明する図である。受光面を東向きとした太陽電池は、他の時間帯に対し朝に発電量が高くなる発電特性54を示す。受光面を西向きとした太陽電池は、他の時間帯に対し夕方に発電量が高くなる発電特性55を示す。双方の太陽電池の発電特性54,55を合成することで、朝と夕方とに発電量が高くなる発電特性56を得ることができる。
本実施の形態において、回路シミュレータ本体2は、太陽電池の複数の設置態様についてのシミュレーションを実施する。設置態様とは、例えば、太陽電池の受光面を向ける方位や受光面の傾斜角などとする。シミュレーション結果記録部4は、回路シミュレータ本体2によるシミュレーション結果を記録する。
回路シミュレータ本体2は、シミュレーション結果記録部4に記録されたシミュレーション結果のうち、予測される発電特性が需要曲線51に最も近くなるときの設置態様の組み合わせを回路パラメータの組み合わせとともに特定し、最適パラメータセット格納部5へ出力する。これにより、設計装置は、電力需要の傾向に応じて、所望の発電特性を持つ太陽電池を設計することができる。
回路シミュレータ本体2は、例えば、以下の式(6)によって得られる標準偏差σが最小となる設置態様の組み合わせおよび回路パラメータの組み合わせを特定する。標準偏差σは、需要曲線51と太陽電池による発電量との、各時間における差分の標準偏差である。
Figure 2015007959
これにより、回路シミュレータ本体2は、需要曲線51に最も近い発電特性の太陽電池を設計することができる。なお、式(6)において、Pdemiは時間iにおける電力需要量、Psoliは時間iにおける太陽電池による発電量、nはデータの個数とする。
さらに、回路シミュレータ本体2は、予測される発電特性が需要曲線51を上回らないような設置態様の組み合わせおよび回路パラメータの組み合わせを特定することとしても良い。これにより、設計装置は、逆潮流を生じさせない太陽電池を設計することができる。
実施の形態1および2の設計装置は、薄膜太陽電池に限らず、結晶シリコン太陽電池を対象とする性能の評価および設計を行うこととしても良い。図15は、結晶シリコン太陽電池の上面図である。図16は、図15に示す結晶シリコン太陽電池の断面図である。
結晶シリコン太陽電池は、シリコン基板60、タブ線61、フィンガー電極62、裏面電極(図示省略)を備える。シリコン基板60は、P型またはN型のシリコン基板とする。シリコン基板60は、単結晶シリコン基板および多結晶シリコン基板のいずれであっても良い。
フィンガー電極62は、シリコン基板60の受光面に設けられている。表面電極である複数のフィンガー電極62は、結晶シリコン太陽電池が生成した電力を収集する。裏面電極は、シリコン基板60のうち、受光面とは反対側の裏面に設けられている。タブ線61は、シリコン基板60の受光面において各フィンガー電極62に直交させて設けられている。タブ線61は、結晶シリコン太陽電池同士を、受光面側と裏面側とで接続する。
図17は、実施の形態2にかかる設計装置による結晶シリコン太陽電池の性能評価に用いられる等価回路の例を示す図である。モデル情報記録部3は、図17に示す等価回路の情報を記録する。
結晶シリコン太陽電池の等価回路は、電流源71、3つのダイオード成分72,73,74、並列抵抗成分75よび直列抵抗成分76からなる。第2ダイオード成分73、第3ダイオード成分74および電流源71は、互いに並列に接続されている。第2ダイオード成分73、第3ダイオード成分74および電流源71と、第1ダイオード成分72とは、直列に接続されている。
第1ダイオード成分72は、シリコン基板60とフィンガー電極62との接続部分を表している。第2ダイオード成分73は、シリコン基板60のシリコン結晶内部での拡散を表している。第3ダイオード成分74は、結晶シリコン太陽電池内部の再結合を表している。
設計装置は、図17に示す等価回路を性能評価に用いることで、各構成要素と結晶シリコン太陽電池の出力との関係を詳細に評価することができる。また、結晶シリコン太陽電池の動作特性に変化が現れた場合に、結晶シリコン太陽電池を構成する要素のどの部分に変化があったのかを具体的に特定することができる。設計装置は、結晶シリコン太陽電池についても、実際の稼働における性能の正確な評価と、太陽電池の高い性能を得るための調整とを実現できる。
設計装置は、評価対象とする太陽電池の構成に応じて、ダイオード成分や抵抗成分の追加等、等価回路の構成を適宜変更しても良い。これにより、設計装置は、太陽電池を構成する各要素について詳細な解析を行うことができる。設計装置は、モデル情報記録部3の内容を適宜更新することで、新たに開発された太陽電池に対しても同様の手法による評価および設計を行うことができる。
実施の形態3.
図18は、本発明の実施の形態3にかかる太陽電池の設計装置の構成を示すブロック図である。実施の形態3にかかる設計装置は、実施の形態1にかかる設計装置が備える構成に加えて、束縛条件記録部80を備える。実施の形態1および2と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
束縛条件記録部80は、回路パラメータ同士の依存関係を、束縛条件として記録する。設計装置は、束縛条件記録部80を付加することで、例えば結晶シリコン太陽電池について、回路パラメータごとの分離が難しい要素の特性であっても、等価回路を用いて評価することができる。
図19は、実施の形態3にかかる設計装置による結晶シリコン太陽電池の性能評価に用いられる等価回路の例を示す図である。図20は、図19に示す等価回路を用いて評価される結晶シリコン太陽電池の断面図である。図20に示す結晶シリコン太陽電池は、ポイントコンタクト構造を備える。
この結晶シリコン太陽電池は、裏面電極82の上の結晶界面に、裏面電界障壁層88および裏面パッシベーション層87が設けられている。裏面パッシベーション層87は、シリコン系の薄膜からなる。結晶シリコン太陽電池の表面には、表面銀電極83および反射防止コーティング層84が設けられている。結晶シリコン太陽電池の内層に、P型シリコン基板85およびN型ドープ層86が備えられている。
図19に示す等価回路は、図17に示す等価回路に、寄生シャント抵抗成分(Rpa_sh)81が加えられたものである。寄生シャント抵抗成分81は、例えば、裏面パッシベーション層87に発生したピンホール欠陥を通して裏面電極82へ流れるリーク電流による抵抗を表す。等価回路は、リーク電流による抵抗を表す並列抵抗成分75および寄生シャント抵抗成分81を含む。並列抵抗成分75および寄生シャント抵抗成分81は、互いに並列に接続されている。
設計装置は、互いに並列に接続された複数の抵抗成分を含む等価回路を性能評価に用いることで、シリコン系の薄膜からなるパッシベーション層および反射防止層を備える太陽電池に対する詳細な評価と、生産工程の管理とが可能となる。設計装置は、電極構造の製造工程における異常と、パッシベーション層および反射防止層の製造工程における異常を検知できる。
図19に示す等価回路は、ポイントコンタクト構造を備える結晶シリコン太陽電池以外の太陽電池に適用しても良い。この等価回路は、パッシベーション層および反射防止層を備える結晶系太陽電池、例えば、ヘテロ接合型太陽電池、バックコンタクト型太陽電池等に適用しても良い。
設計装置は、太陽電池の設計において、環境情報として設置場所情報入力部1へ入力された日射スペクトルに対して、高い発電量を得るために最も効果の高い反射防止コーティング層84の構造を求める。回路シミュレータ本体2は、反射防止コーティング層84の膜厚および屈折率の最適値を求める。
例えば、次に示す式(7)および(8)を満足するとき、反射防止コーティング層84は、波長λの入射光に対して最も反射率が低くなる。なお、nは反射防止コーティング層84の屈折率、nは真空の屈折率、nSiは結晶シリコンの屈折率、dは反射防止コーティング層84の膜厚とする。
Figure 2015007959
Figure 2015007959
波長λが変化することで、反射防止コーティング層84の膜厚および屈折率の最適値は変化するため、太陽光に含まれる全波長に対して反射率が最低値となるような反射防止コーティング層84を実現することはできない。さらに、波長ごとの強度分布は、設置場所ごとに異なる。設計装置は、この強度分布を日射スペクトルとして保持している。回路シミュレータ本体2は、日射スペクトルを参照して、どの波長に対し反射防止コーティング層84の膜厚および屈折率を最適値とすることで最も発電量が多くなるかをシミュレーションする。
また、反射防止コーティング層84、裏面パッシベーション層87および裏面電界障壁層88は、膜中の固定電荷の電界効果によってシリコン結晶端部の少数キャリアを減少させ、キャリアの再結合を抑制する、電界効果パッシベーション効果も有する。
実施の形態2の場合と同様、等価回路の第1ダイオード成分72は、表面電極とシリコンウェハとの界面を表す。第2ダイオード成分73は、シリコン結晶内部の拡散を表す。第3ダイオード成分74は、シリコン結晶内部の再結合を表す。これらのダイオード成分は、パッシベーションの電界効果を表す要素とされていない。さらに、この電界効果は、第3ダイオード成分74で表されるシリコン結晶内部の再結合の項に隠れてしまう場合が多く、製造工程後の特性から解析することが困難である。設計装置は、反射防止効果のみならず、パッシベーションの電界効果も考慮したうえで、最適な構造を求める。
シリコン結晶端部では、シリコン結晶内部とは異なり、多くの欠陥が存在する。光電変換によって生成した電子は、その欠陥が再結合中心となって、正孔と再結合してしまうことになる。この再結合は、次の式(9)に示すShockley-Read-Hallモデルによって表される。
Figure 2015007959
ただし、Sは界面再結合速度、nは界面での電子密度、pは界面での正孔密度、nは真性キャリア密度、Δnは少数キャリア注入量、νthはキャリアの熱速度、Dit(E)はバンドギャップ内のエネルギー位置Eにおける面欠陥密度、σは電子捕獲断面積、σは正孔捕獲断面積とする。n、pは、それぞれ次の式(10)、式(11)で表される。
Figure 2015007959
Figure 2015007959
ただし、Nは伝導帯の有効状態密度、eは素電荷、Eは伝導帯下端のエネルギー準位、Nは価電子帯の有効状態密度、Eは価電子帯上端のエネルギー準位、kはボルツマン係数、Tは絶対温度とする。
式(9)によると、再結合を減少させるには、Dit(E)を小さくするか、nもしくはpを大きくする必要があることがわかる。nもしくはpを大きくするには、界面付近への電界の印加によって界面付近のバンドを曲げる措置を採り得る。
図21は、シリコン結晶端部のバンドを示す図である。例えば、P型結晶シリコン端部に、固定電荷92を持つパッシベーション膜91を形成して、P型結晶シリコンとパッシベーション膜91との界面に固定電荷92を導入する。固定電荷92の導入によって電界を発生させることで、バンドの曲がりが発生する。バンドの曲がりが発生することで面欠陥密度が変化するため、図21に示す場合では負の固定電荷92によってpが大きくなる。
図22は、界面固定電荷密度と、伝導帯下端のエネルギー準位Eとの関係を示す図である。図23は、界面固定電荷密度と、界面再結合速度Sとの関係を示す図である。図22に示す関係におけるEは、バンドの曲がりによって決められる。図22に示す関係を用いた計算結果が、図23に示す関係となる。図23に示す関係から、界面再結合速度Sを一定の値以下に保持するためには、界面固定電荷密度を、ある一定の値以上とする必要があることがわかる。
本実施の形態では、設計装置は、特性評価によってあらかじめ求めた界面固定電荷密度を満たすパラメータの組み合わせを、回路パラメータの依存関係を表す束縛条件として、束縛条件記録部80に記録する。束縛条件記録部80は、パラメータの組み合わせとして、反射防止コーティング層84の屈折率nと、反射防止コーティング層84の膜厚dとの組み合わせを保持する。
回路シミュレータ本体2は、反射防止コーティング層84、裏面パッシベーション層87および裏面電界障壁層88の構造を決定する際に、束縛条件記録部80からパラメータの組み合わせを取得する。回路シミュレータ本体2でのシミュレーションによって、設計装置は、反射防止効果と、パッシベーションの電界効果による再結合速度の低減とを含めて、最も発電量が多くなる構造と、製造レシピとを決定できる。
上述のように、寄生シャント抵抗成分81の由来として、裏面パッシベーション層87に発生したピンホール欠陥が挙げられる。寄生シャント抵抗成分81は、太陽電池の内部電界に応じて値が変化し、開放電圧に近い電界(例えば0.5V〜0.7V)において太陽電池の特性に影響を与えることがある。
図24は、ピンホール欠陥の特性ごとにおける太陽電池の特性の例を示す図である。この例では、例えば、ピンホールが無い場合、電流密度は、電圧に比例している。ピンホール欠陥(ピンホールA,B)があるとき、0.5V〜0.7Vにおいて、ピンホールが無い場合に比べて電流密度が低下している。なお、ピンホールAとピンホールBは、互いに異なる特性のピンホール欠陥とする。
並列抵抗成分75の場合、太陽電池の特性を表すグラフのうち、0V付近における傾きに応じて値を求めることができる。これに対し、寄生シャント抵抗成分81の場合は、太陽電池の特性に影響を与える0.5V〜0.7Vにおける値を使用して、他の回路パラメータとともに解析を行うことで、値を決定できる。これにより、設計装置は、裏面パッシベーション層87の形成工程の状態の評価と、裏面電極82の形成工程の状態の評価とを行うことができる。
実施の形態4.
図25は、本発明の実施の形態4にかかる太陽電池の製造方法の手順を示すフローチャートである。本実施の形態にかかる製造方法は、上記の実施の形態にかかる設計装置による設計方法を含む。
実施の形態1と同様に、回路シミュレータ本体2は、環境情報、等価回路の情報および回路パラメータに基づいて、太陽電池の発電量が最大となるときの回路パラメータを決定する。決定された回路パラメータを、回路パラメータの設計値とする(ステップS11)。
太陽電池の製造ラインは、かかる設計値の組み合わせに対応する製造レシピを、レシピファイル9として、設計装置から取得する(ステップS12)。製造ラインは、レシピファイル9にしたがった製造工程を経て、太陽電池を製造する(ステップS13)。
さらに、本実施の形態にかかる製造方法では、製造工程の見直しのための、ステップS14以降の手順を実施しても良い。例えば製造ラインの周辺機器である演算装置は、ステップS13にて得られた太陽電池の製造品について、実際の回路パラメータを算出する(ステップS14)。算出された回路パラメータを、製造品における回路パラメータの評価値とする。
演算装置は、ステップS14で算出された回路パラメータの評価値を、製造レシピにおける回路パラメータの設計値と比較する(ステップS15)。演算装置は、設計値に対する評価値の分布が、あらかじめ設定されている規格内であるか否かを判断する(ステップS16)。
評価値の分布が規格外であった場合(ステップS16、No)、演算装置は、評価値が規格外であった回路パラメータに対応する製造工程を特定する。演算装置は、かかる製造工程には何らかの異常が発生しているか、製造プロセスの裕度(マージン)が狭いものと認める。製造ラインでは、該当する製造工程の見直しが行われる(ステップS17)。評価値の分布が規格内であった場合(ステップS16、Yes)、製造ラインでは、それまでの製造工程による太陽電池の製造を継続する。
本実施の形態の製造方法によると、設計装置での設計にしたがった回路パラメータを持つ高性能な太陽電池を製造できる。製造装置あるいは製造工場が変更した場合も、回路パラメータの設計値にしたがい、太陽電池を安定して製造することができる。また、回路パラメータの評価値を設計値と比較して、異常がある製造工程を特定して見直すことで、製造工程の管理、歩留まりの向上が可能となる。
次に、太陽電池の製造方法における各工程の分担例について説明する。例えば、太陽電池の設計部門は、上記のステップS11にて回路パラメータの設計値を決定する。太陽電池の製造部門は、回路パラメータの設計値を設計部門から取得し、設計値に対応する製造レシピを決定する。製造部門は、ステップS12以降の工程を実施する。
例えば、太陽電池の設計部門と製造部門とが一体、例えば同一社内にある場合は、設計部門がステップS12までの工程において製造レシピを決定しても良い。製造部門は、設計部門から指示された製造レシピに応じて、太陽電池を製造する。製造部門は、ステップS13以降の工程を実施する。
設計部門が、例えば、他社の製造工場へ太陽電池の製造を委託している場合、委託先の製造工場が、設計部門から指示された回路パラメータの設計値に基づいて製造レシピを決定しても良い。
図26は、太陽電池の設計部門と、製造部門あるいは製造工場とにおける工程の分担例を説明する図である。設計部門は、設置場所情報入力部1、回路シミュレータ本体2、モデル情報記録部3、シミュレーション結果記録部4、データベースおよび記録媒体を備える。この例では、設計部門は、上記のステップS11までの工程を実施する。
例えば、太陽電池の製造部門は、最適パラメータセット格納部5、プロセス情報記録部6、プロセスレシピ記録部7、表示デバイス8および記録媒体を備える。この例では、製造部門は、上記のステップS12以降の工程を実施する。製造部門の最適パラメータセット格納部5は、設計部門のシミュレーション結果記録部4から回路パラメータの設計値を取得する。
最適パラメータセット格納部5は、回路パラメータの設計値の組み合わせに対応する製造レシピを、製造部門内のプロセス情報記録部6から取得する。太陽電池の製造ライン(図示省略)は、プロセスレシピ記録部7からレシピファイル9を取得する。太陽電池の製造が委託された製造工場の場合も、製造部門の場合と同様とする。以上により、設計部門での設計にしたがった回路パラメータを持つ高性能な太陽電池を、製造部門あるいは委託先の製造工場にて製造できる。
1 設置場所情報入力部、2 回路シミュレータ本体、3 モデル情報記録部、4 シミュレーション結果記録部、5 最適パラメータセット格納部、6 プロセス情報記録部、7 プロセスレシピ記録部、8 表示デバイス、9 レシピファイル、11 ガラス基板、12 透明電極、13 トップセル、14 ボトムセル、15 裏面電極、16 分離溝、21 電流源、22 並列抵抗成分、23 直列抵抗成分、24 ダイオード成分、31,32 電流源、33 並列抵抗成分、34 直列抵抗成分、35 第1ダイオード成分、36 第2ダイオード成分、37 第3ダイオード成分、38 第4ダイオード成分、40 避雷針、41 太陽電池、42−1〜42−8 日照計、51 需要曲線、52,53,54,55,56 発電特性、60 シリコン基板、61 タブ線、62 フィンガー電極、71 電流源、72 第1ダイオード成分、73 第2ダイオード成分、74 第3ダイオード成分、75 並列抵抗成分、76 直列抵抗成分、80 束縛条件記録部、81 寄生シャント抵抗成分、82 裏面電極、83 表面銀電極、84 反射防止コーティング層、85 P型シリコン基板、86 N型ドープ層、87 裏面パッシベーション層、88 裏面電界障壁層、91 パッシベーション膜、92 固定電荷。

Claims (18)

  1. 太陽電池の等価回路の情報と、前記等価回路を構成する要素ごとの特性を表す回路パラメータとを記録するモデル情報記録部と、
    前記太陽電池の設置場所の環境についての情報が入力される設置場所情報入力部と、
    前記モデル情報記録部から読み出された前記等価回路の情報および前記回路パラメータと、前記設置場所情報入力部から読み出された前記設置場所の情報とを基に、前記太陽電池による発電量をシミュレーションする回路シミュレータと、
    前記回路シミュレータによるシミュレーション結果を記録するシミュレーション結果記録部と、
    前記回路パラメータと、前記太陽電池の製造工程ごとの製造レシピとを対応付けて記録するプロセス情報記録部と、
    前記シミュレーション結果のうち前記発電量が最大となるときにおける前記回路パラメータの組み合わせに対応する前記製造レシピを、前記プロセス情報記録部から読み込んで格納する最適パラメータセット格納部と、
    前記最適パラメータセット格納部から読み込んだ前記製造レシピを記録するプロセスレシピ記録部と、を有することを特徴とする太陽電池の設計装置。
  2. 前記等価回路は、前記太陽電池の発電層を表す複数のダイオード成分を含み、
    前記複数のダイオード成分は、互いに直列に接続されたダイオード成分を含むことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池の設計装置。
  3. 前記等価回路は、前記太陽電池の発電層を表す複数のダイオード成分を含み、
    前記複数のダイオード成分は、互いに並列に接続されたダイオード成分を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池の設計装置。
  4. 前記設置場所情報入力部は、前記設置場所の環境についての情報として、日射スペクトルの情報が入力されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の太陽電池の設計装置。
  5. 前記設置場所情報入力部は、前記設置場所の環境についての情報として、前記設置場所の周辺に立設された設置物についての情報が入力されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の太陽電池の設計装置。
  6. 前記設置場所情報入力部は、前記設置場所の環境についての情報として、前記設置場所の周辺の設置物や地面からの散乱光および反射光についての情報が入力されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の太陽電池の設計装置。
  7. 前記設置場所情報入力部は、前記設置場所の環境についての情報として、前記設置場所の気温についての情報が入力されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の太陽電池の設計装置。
  8. 前記設置場所情報入力部は、前記設置場所の環境についての情報として、前記設置場所の風速についての情報が入力されることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の太陽電池の設計装置。
  9. 太陽電池の等価回路の情報と、前記等価回路を構成する要素ごとの特性を表す回路パラメータとを記録するモデル情報記録部と、
    前記太陽電池の設置場所の環境についての情報が入力される設置場所情報入力部と、
    前記モデル情報記録部から読み出された前記等価回路の情報および前記回路パラメータと、前記設置場所情報入力部から読み出された前記設置場所の情報とを基に、前記太陽電池による発電量をシミュレーションする回路シミュレータと、
    前記回路シミュレータによるシミュレーション結果を記録するシミュレーション結果記録部と、を有し、
    前記回路シミュレータは、前記シミュレーション結果のうち、予測される前記太陽電池の発電特性が電力の需要曲線に最も近くなるときの前記回路パラメータの組み合わせを特定することを特徴とする太陽電池の設計装置。
  10. 前記回路シミュレータは、前記太陽電池の複数の設置態様についてのシミュレーションを実施し、前記発電特性が前記需要曲線に最も近くなるときの前記設置態様の組み合わせを特定することを特徴とする請求項9に記載の太陽電池の設計装置。
  11. 前記回路シミュレータは、前記需要曲線と発電量との、各時間における差分の標準偏差が最小となる前記回路パラメータの組み合わせを特定することを特徴とする請求項9または10に記載の太陽電池の設計装置。
  12. 前記回路シミュレータは、前記シミュレーション結果のうち、前記発電特性が前記需要曲線を上回らないような前記回路パラメータの組み合わせを特定することを特徴とする請求項9から11のいずれか一つに記載の太陽電池の設計装置。
  13. 前記回路パラメータ同士の依存関係を、束縛条件として記録する束縛条件記録部をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の太陽電池の設計装置。
  14. 前記等価回路は、リーク電流による抵抗を表す複数の抵抗成分を含み、
    前記複数の抵抗成分は、互いに並列に接続された抵抗成分を含むことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池の設計装置。
  15. 太陽電池の等価回路の情報と、前記等価回路を構成する要素ごとの特性を表す回路パラメータとを記録する工程と、
    前記太陽電池の設置場所の環境についての情報を入力する工程と、
    前記等価回路の情報、前記回路パラメータおよび前記設置場所の情報を基に、前記太陽電池による発電量をシミュレーションし、シミュレーション結果を記録する工程と、
    前記回路パラメータと、前記太陽電池の製造工程ごとの製造レシピとを対応付けて記録する工程と、
    前記シミュレーション結果のうち前記発電量が最大となるときにおける前記回路パラメータの組み合わせに対応する前記製造レシピを記録する工程と、を含むことを特徴とする太陽電池の設計方法。
  16. 太陽電池の等価回路の情報と、前記等価回路を構成する要素ごとの特性を表す回路パラメータとを記録する工程と、
    前記太陽電池の設置場所の環境についての情報を入力する工程と、
    前記等価回路の情報、前記回路パラメータおよび前記設置場所の情報を基に、前記太陽電池による発電量をシミュレーションし、シミュレーション結果を記録する工程と、
    前記シミュレーション結果のうち、予測される前記太陽電池の発電特性が電力の需要曲線に最も近くなるときの前記回路パラメータの組み合わせを特定する工程と、を含むことを特徴とする太陽電池の設計方法。
  17. 太陽電池の等価回路の情報と、前記等価回路を構成する要素ごとの特性を表す回路パラメータとを取得する工程と、
    前記太陽電池の設置場所の環境についての情報を取得する工程と、
    前記等価回路の情報、前記回路パラメータおよび前記設置場所の情報を基に、前記太陽電池による発電量をシミュレーションし、シミュレーション結果を取得する工程と、
    前記シミュレーション結果のうち前記発電量が最大となるときにおける前記回路パラメータを設計値として決定する工程と、
    前記設計値の組み合わせに対応する、前記太陽電池の製造工程ごとの製造レシピを取得する工程と、を含むことを特徴とする太陽電池の製造方法。
  18. 前記製造レシピにしたがった製造工程を経て製造された製造品について、回路パラメータの評価値を求める工程と、
    前記評価値を、前記設計値と比較する工程と、を含むことを特徴とする請求項17に記載の太陽電池の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109600117A (zh) * 2018-12-17 2019-04-09 中原工学院 一种光伏电池输出特性的模拟方法
WO2022070328A1 (ja) * 2020-09-30 2022-04-07 富士通株式会社 等価回路解析プログラム、等価回路解析装置及び等価回路解析方法

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