以下に添付図面を参照して本願に係る端末装置、情報処理装置、入力プログラムおよび入力方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例により開示技術が限定されるものではない。また、各実施例は、矛盾しない範囲で適宜組みあわせてもよい。
以下の実施例1では、図1を用いて、本願に係る端末装置の一例を説明する。図1は、実施例1に係る端末装置の機能構成を説明する図である。図1に示す例では、端末装置1は、CPU(Central Processing Unit)2、無線制御部3、アンテナ4、NFC(Near Field Communication)制御部5、アンテナ6、表示部7、SIM(Subscriber Identity Module)制御部8を有する。また、端末装置1は、SIMカード9、入力部10、記憶装置11を有する。また、記憶装置11は、パスワード入力プログラム12を記憶する。また、端末装置1は、NFC制御部5、およびアンテナ6を用いた近距離無線を介して、ICカード13と通信する。
CPU2は、各種演算処理を実行する演算処理装置である。例えば、CPU2は、端末装置1を制御する制御ソフトウェア等を実行することで、端末装置1全体の制御を実行する。また、CPU2は、記憶装置11に記憶されたパスワード入力プログラム12を実行することで、外部サイトの認証を受けるためのパスワードの生成処理、および、パスワードの送信処理を実行する。
無線制御部3は、アンテナ4を用いて、3G(3rd Generation)やLTE(Long Term Evolution)等の移動通信システムとの接続を制御する。例えば、無線制御部3は、CPU2から、送信対象となるメールや、認証を行うためのパスワードを含むデータを受信すると、アンテナ4を介して、移動通信システムの基地局に接続する。そして、無線制御部3は、基地局に対して、データを送信し、パスワードを含むデータ等をネットワーク上の情報処理装置へ送信する。なお、アンテナ4は、無線通信を行うためのアンテナであり、例えば、3GやLTEの規格に応じた無線通信を行うためのアンテナである。
NFC制御部5は、アンテナ6を介して、NFCを用いた通信の制御を実行する。例えば、NFC制御部5は、アンテナ6を介して、ICカード13が有するICチップの記憶領域に格納されたデータの読み出しや、データの書き込みを行う。なお、アンテナ6は、NFCの規格に応じた無線通信を行うためのアンテナである。
表示部7は、各種操作画面を表示するための表示装置であり、例えば、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)である。なお、表示部7は、表示機能だけではなく、タッチパネルの機能を有し、入力部10としての機能を有してもよい。例えば、表示部7が入力部10としての機能を発揮する場合は、CPU2は、表示部7に、文字の入力を行うための入力キーの表示を行う。そして、CPU2は、利用者が表示部7にタッチした場合は、タッチ位置に表示した入力キーが押下されたものとみなして、入力処理の受付を行う。
SIM制御部8は、SIMカード9の制御を実行する。例えば、SIM制御部8は、CPU2からのリクエストに応じて、SIMカード9に格納された固有番号の読み出しを行い、読み出した固有番号をCPU2に出力する。その後、CPU2は、読み出した固有番号を用いて、移動通信システムとの接続を行う。また、SIM制御部8は、CPU2からの要求に応じて、SIMカード9に格納されたデータの読み出しや、SIMカード9に対するデータの書き込みを実行する。なお、SIMカード9は、移動通信システムに接続するための固有番号や、各種データを記憶するICチップを有する交換可能なカードである。
入力部10は、端末装置1に対する各種入力を行うためのキーである。例えば、入力部10は、通話キー、クリアキー、通話終了キー、アルファベットの大文字、アルファベットの小文字、日本語の平仮名、片仮名、「0」〜「9」までの番号を入力するためのテンキー等の入力キーを有する。
ここで、図2を用いて、端末装置1が有する入力部10の一例について説明する。図2は、実施例1に係る端末装置の一例を説明する図である。例えば、端末装置1は、図2中(A)に示すように、1つ以上の文字が割り当てられた複数の入力キーを有する。また、各入力キーには、1つ以上の種別の文字が割り当てられる。
例えば、数字の「2」が割り当てられた入力キーには、大文字アルファベットの「A」、「B」、「C」が割り当てられる。また、図2では記載されていないが、数字の「2」が割当てられた入力キーには、小文字アルファベットの「a」、「b」、「c」が割当てられる。そして、端末装置1は、入力する文字の種別の設定や、入力キーの押下回数に応じて、数字の「2」、大文字アルファベットの「A」、「B」、「C」、小文字アルファベットの「a」、「b」、「c」のいずれかの文字の入力を受付ける。
なお、図2では、記載を省略したが、各入力キーには、日本語の平仮名や片仮名が割当てられてもよい。例えば、数字の「2」が割当てられた入力キーには、日本語の平仮名である「か」行の平仮名、および、カタカナが割当てられていてもよい。なお、端末装置1が有する入力キーには、端末装置1が使用される地域によって、様々な種別の文字や記号が割当てられる。また、以下の説明では、入力する文字の種別を入力モードと記載する。
ここで、複数の文字が割り当てられた入力キーを有する端末装置1に対し、文字の入力を行う場合は、端末装置1の利用者は、文字種別の選択を行った後で、入力する文字が割り当てられた入力キーを押下する。例えば、利用者は、小文字のアルファベット「a」を入力する場合は、所定の入力キーを用いて、入力モードを小文字のアルファベットに設定し、数字の「2」が割り当てられた入力キーを「1」回押下して、小文字のアルファベット「a」を入力する。また、利用者は、大文字のアルファベット「B」を入力する場合は、所定の入力キーを用いて、入力モードを大文字のアルファベットに設定し、数字の「2」が割り当てられた入力キーを「2」回押下して、大文字のアルファベット「B」を入力する。
一方、端末装置1は、移動通信システムを介し、インターネット等に接続されたサーバや外部サイト等にアクセスし、ユーザIDとパスワードとの入力画面を表示する。例えば、端末装置1は、図2中(B)に示すように、ユーザIDの入力部と、パスワードの入力部とを有する画面を表示部7に表示し、利用者に、パスワードの入力を求める。
ここで、パスワードは、セキュリティの観点から、認証を受けようとする外部サイトごとに異なる文字列であることが望ましい。また、パスワードは、複雑な文字列であることが望ましい。例えば、パスワードは、所定の文字数以上の文字列であり、かつ、複数の文字種別を含む文字列であることが望ましい。
しかしながら、複数種別の文字を含む文字列等、複雑な文字列を入力するのは煩雑である。例えば、利用者は、「fUJi−2」というパスワードの入力を行うためには、入力モードを小文字アルファベットに設定して「f」を入力し、入力モードを大文字アルファベットに設定して「U」、「J」を入力する。そして、利用者は、入力モードを小文字アルファベットに設定して「i」、「−」を入力し、入力モードを数字に設定して「2」を入力する。
このように、複数種別の文字を含む文字列を入力した場合は、入力モードを何度も切り替えるため、入力に時間がかかるだけでなく、パスワードの入力ミスが生じる場合があり、パスワードの入力が煩雑である。一方、入力を容易にするため、パスワードの文字列を短くした場合は、セキュリティの強度が悪化する。
そこで、端末装置1は、以下の処理を実行する。まず、端末装置1は、入力キーに割り当てられた複数の文字または記号からいずれかの文字または記号を特定する操作のうち、少なくとも一部の操作に対応付けた特定情報を記憶する。例えば、端末装置1は、入力する文字や記号の文字種別を選択する操作や、文字や記号を入力する際に入力キーを押下する回数等を示す符号を特定情報として記憶する。そして、端末装置1は、文字または記号を特定する操作のうちの一部、例えば、文字や記号が割当てられた入力キーが押下された場合は、行われた操作と記憶した特定情報とを用いて、文字または記号を特定する。そして、端末装置1は、特定した文字または記号を要求元となる外部サイトへ送信する。
例えば、端末装置1は、パスワード登録時に、パスワードの文字ごとに、文字種と、文字を入力する際に入力キーを押下した回数とを示す符号を生成し、生成した符号を含む入力モード符号を特定情報として記憶する。そして、端末装置1は、以降のパスワード入力時は、文字種別にかかわらず、利用者がパスワードとして指定する文字列の各文字が割り当てられた入力キーをそれぞれ1回ずつ押下げるよう求める。すなわち、端末装置1は、文字または記号を特定する複数の操作のうちの一部の操作を行うよう利用者に求める。例えば、端末装置1は、入力する文字が大文字アルファベットの「B」である場合は、アルファベット「B」が割り当てられた入力キー、すなわち数字の「2」が割り当てられた入力キーを「1」回押下げるよう求める。
そして、端末装置1は、記憶した入力モード符号を用いて、押下された入力キーに割当てられた文字のうち、パスワードの文字を特定する。詳細には、端末装置1は、符号が示す文字種を入力する入力モードで、押下された入力キーを、符号が示す回数押下した際に入力される文字を特定する。つまり、端末装置1は、文字または記号を特定する複数の操作のうちの一部の操作と記憶した特定情報とを用いて、入力される文字または記号を特定する。
その後、端末装置1は、押下された各入力キーと、入力モード符号に含まれる各符号とからパスワードの各文字を特定し、特定したパスワードを外部サイトに送信することで、外部サイトからの認証を受ける。この結果、端末装置1は、例えば、複雑なパスワードであっても、入力文字種別の切替無しで入力を実現する。このため、端末装置1は、パスワードの容易な入力を実現できる。
なお、端末装置1は、記憶装置11が記憶するパスワード入力プログラム12をCPU2が実行することで、上述した処理を実行する。以下、図3を用いて、パスワード入力プログラム12を実行することで、CPU2が発揮する機能について説明する。なお、以下の説明では、入力キーに割り当てられた複数の文字または記号を、入力キーに割り当てられた文字と記載する場合があるが、かかる記載は、端末装置1が特定するパスワードに含まれる文字の種別を限定するものではない。すなわち、端末装置1は、以下に説明する処理と同様の処理を実行することで、文字、記号、数字等、任意の種別の字を含むパスワードを特定できる。
図3は、パスワード入力プログラムの機能構成を説明する図である。なお、図3には、パスワード入力プログラム12を実行した際に、CPU2が有する機能構成について記載した。図3に示すように、パスワード入力プログラム12を実行したCPU2は、入力検知部20、復元判定部21、入力文字取得部22、入力モード符号生成部23、デバイスアクセス部24、パスワード復元部25を有する。また、図3に示すように、SIMカード9は、入力モード符号テーブル14を記憶する。
まず、図4を用いて、入力モード符号テーブル14について説明する。図4は、入力モード符号テーブルに格納された情報の一例を説明する図である。図4に示すように、入力モード符号テーブル14の各エントリには、画面情報とウインドウ情報と入力モード符号とが対応付けて格納される。
ここで、画面情報とは、外部サイトのURL(Uniform Resource Locator)を示すHTMLタグと画面タイトルである。また、ウインドウ情報とは、外部サイトのパスワード入力ウインドウを識別するための情報であり、例えば、パスワード入力ウインドウに付与されたコントロールIDである。
また、入力モード符号とは、利用者がパスワード入力時に1回押下することで指定する入力キーに割当てられた文字のうち、どの文字が入力対象の文字であるかを特定する情報である。図4に示す例について、具体的に説明すると、入力モード符号は、ギリシャ文字と数字との組である符号を複数有する符号列である。ここで、各符号のギリシャ文字は、文字種別を示す種別情報である。例えば、各符号の「α」は、文字種別が大文字アルファベットであることを示し、「β」は、文字種別が小文字アルファベットであることを示し、「γ」は、文字種別が数字であることを示す。
また、各符号の数字は、特定する文字を入力する際の押下回数を示す変換情報である。例えば、端末装置1は、文字「2」を符号「β2」で符号化する場合は、文字「2」の入力キーに割り当てられた各文字のうち、小文字アルファベットであって、入力キーを「2」回押下した際に入力される文字、例えば「b」を特定する。
図4に示す例では、入力モード符号テーブル14には、画面情報「https://www.input1.com/,ウインドウ1」、ウインドウ情報「ID1」、入力モード符号「β3α2α1β3β5γ1」が対応付けて格納される。また、入力モード符号テーブル14には、画面情報「https://www.input2.com/,ウインドウ2」、ウインドウ情報「ID2」、入力モード符号「γ1β3β2α3α2」が対応付けて格納される。また、入力モード符号テーブル14には、画面情報「https://www.input3.com/,ウインドウ3」、ウインドウ情報「ID3」、入力モード符号「β3α1α3β2β1β3」が対応付けて格納される。
図3に戻り、入力検知部20は、パスワードの入力ウインドウにパスワードの入力を行うか否かを検知する。例えば、入力検知部20は、CPU2が実行する任意のプログラム等から、ウェブページを取得し、取得したウェブページにパスワードを入力するための文字列入力ウインドウが含まれる場合は、パスワードの入力を行うと判定する。
そして、入力検知部20は、パスワードの入力を行うと判定した場合は、パスワード入力ウインドウを含むウェブページのタイトルやURL等の画面情報を取得する。また、入力検知部20は、パスワード入力ウインドウのコントロールID等、ウインドウ情報を取得する。そして、入力検知部20は、取得した画面情報とウインドウ情報とを復元判定部21に出力する。
復元判定部21は、入力モード符号を用いて、入力される文字列をパスワードに変換する復元処理を実行するか否かを判定する。例えば、復元判定部21は、入力検知部20から画面情報とウインドウ情報との組を受信すると、受信した画面情報とウインドウ情報とが入力モード符号テーブル14に対応付けて格納されているかデバイスアクセス部24に問い合わせを行う。
そして、復元判定部21は、受信した画面情報とウインドウ情報との組が入力モード符号テーブル14に対応付けて格納されている旨の応答をデバイスアクセス部24から受信した場合は、復元処理を行うよう入力文字取得部22に指示する。一方、復元判定部21は、受信した画面情報とウインドウ情報との組が入力モード符号テーブル14に対応付けて格納されていない旨の応答をデバイスアクセス部24から受信した場合は、入力モード符号を生成する旨の指示を入力文字取得部22に送信する。
入力文字取得部22は、利用者が入力した文字列を取得する。具体的には、入力文字取得部22は、文字を特定する操作の一例として、利用者が選択した入力モードと利用者が入力キーを押下した回数とを識別し、識別した入力モードと入力キーを押下した回数とに応じて、入力された文字を識別する。
ここで、図5は、入力規則の一例を説明する図である。なお、図5には、入力モードが大文字アルファベットである際に、入力キーの押下回数に応じて入力される文字や文字列の一例を示す表を記載した。また、図5には、入力モードが小文字アルファベットである際に、入力キーの押下回数に応じて入力される文字や文字列の一例を示す表を記載した。また、図5に示す各表には、入力キーに割り当てられた数字、または、記号ごとに、入力キーを押下した回数に応じて入力される文字の一例を記載した。
例えば、図5に示す例では、入力文字取得部22は、入力モードが大文字アルファベットである際に、数字「2」が割当てられた入力キーが「1」回押下されると、文字「A」が入力されたと判定する。また、入力文字取得部22は、入力モードが大文字アルファベットである際に、数字「2」が割当てられた入力キーが「2」回押下されると、文字「B」が入力されたと判定する。また、入力文字取得部22は、入力モードが大文字アルファベットである際に、数字「2」が割当てられた入力キーが「3」回押下されると、文字「C」が入力されたと判定する。
また、例えば、図5に示す例では、入力文字取得部22は、入力モードが小文字アルファベットである際に、数字「2」が割当てられた入力キーが「1」回押下されると、文字「a」が入力されたと判定する。また、入力文字取得部22は、入力モードが小文字アルファベットである際に、数字「2」が割当てられた入力キーが「2」回押下されると、文字「b」が入力されたと判定する。また、入力文字取得部22は、入力モードが小文字アルファベットである際に、数字「2」が割当てられた入力キーが「3」回押下されると、文字「c」が入力されたと判定する。
ここで、入力文字取得部22は、復元判定部21から、入力モード符号の生成を行う旨の指示を復元判定部21から受信した場合は、以下の処理を実行する。例えば、入力文字取得部22は、入力モードを切り替えながら、パスワードの入力を行うよう利用者に求める画面を表示部7に表示する。そして、入力文字取得部22は、入力モードや入力キーの押下回数に応じて、パスワードの文字列を取得する。その後、入力文字取得部22は、取得したパスワードの文字列を入力モード符号生成部23に出力する。
また、入力文字取得部22は、入力されたパスワードの文字列を、パスワード入力ウインドウに入力する。この結果、端末装置1は、変換後の符号化列をパスワードとして、外部サイトに送信し、パスワードの登録や外部サイトからの認証処理を行う。
一方、入力文字取得部22は、復元判定部21から、復元処理を行う旨を指示を受信した場合は、以下の処理を実行する。例えば、入力文字取得部22は、パスワードの文字列が割当てられた入力キーをそれぞれ1回ずつ押下するよう利用者に求める画面を表示部7に表示させる。すなわち、入力文字取得部22は、パスワードの文字を特定する複数の操作のうちの一部の操作を行うよう利用者に求める。そして、入力文字取得部22は、利用者が押下した入力キーに割当てられた数字を含む文字列、すなわち、利用者が指定した入力キーを示す文字列を識別する。例えば、入力文字取得部22は、利用者が押下した入力キーに割り当てられた数字を含む文字列「385412」を識別する。
また、入力文字取得部22は、パスワード復元部25に対し、識別した文字列を出力する。この結果、入力文字取得部22は、パスワード復元部25から、入力モード符号を用いて変換された文字列、すなわちパスワードを取得する。その後、入力文字取得部22は、取得したパスワードをパスワード入力ウインドウに入力する。この結果、端末装置1は、パスワードを外部サイトに送信し、外部サイトからの認証を受ける。
図3に戻り、入力モード符号生成部23は、パスワードの各文字から入力モード符号の生成を行う。すなわち、入力モード符号生成部23は、パスワードの文字や記号を入力する操作のうち、少なくとも一部の操作に対応付けた特定情報を生成する。例えば、入力モード符号生成部23は、入力文字取得部22から、入力されたパスワードの文字を取得すると、取得したパスワードの文字数と同数の符号を含む符号列、すなわち入力モード符号を生成する。そして、入力モード符号生成部23は、生成した入力モード符号をデバイスアクセス部24に出力する。
ここで入力モード符号生成部23が、入力モード符号を生成する符号生成処理について、詳細に説明する。まず、入力モード符号生成部23は、パスワードから文字を1つ抽出し、抽出した文字の文字種別を判定する。次に、入力モード符号生成部23は、抽出した文字が割当てられた入力キーを識別し、抽出した文字を入力する際に入力キーを押下する回数を判定する。そして、入力モード符号生成部23は、判定した文字種別を示す種別情報と、判定した回数を示す変換情報とを組み合わせた符号を生成する。
例えば、入力モード符号生成部23は、パスワードから先頭の文字「f」を抽出し、抽出した文字「f」の文字種別が小文字アルファベットであるので、識別情報が「β」であると判定する。また、入力モード符号生成部23は、文字「f」を入力する際は、数字「3」が割当てられた入力キーが「3」回押下されるので、変換情報が「3」であると判定する。この結果、入力モード符号生成部23は、パスワードから抽出した文字「f」に対応する符号「β3」を生成する。
また、例えば、入力モード符号生成部23は、パスワードから次の文字「U」を抽出し、抽出した文字「U」の文字種別が大文字アルファベットであるので、識別情報が「α」であると判定する。また、入力モード符号生成部23は、文字「U」を入力する際は、数字「8」が割当てられた入力キーが「2」回押下されるので、変換情報が「2」であると判定する。この結果、入力モード符号生成部23は、パスワードから抽出した文字「U」に対応する符号「α2」を生成する。
また、入力モード符号生成部23は、パスワードの各文字「J」、「i」、「−」、「2」についても、同様の判定処理を実行することで、各文字に対応する符号「α1」、「β3」、「β5」、「γ1」を生成する。この結果、入力モード符号生成部23は、パスワード「fUJi−2」から、入力モード符号「β3α2α1β3β5γ1」を生成する。すなわち、入力モード符号生成部23は、パスワードの各文字を入力する際に文字種別を設定する操作と入力キーを押下する回数とを示す特定情報を生成する。その後、入力モード符号生成部23は、生成した入力モード符号「β3α2α1β3β5γ1」をデバイスアクセス部24に出力する。
なお、上述した例では、入力モード符号生成部23が、パスワードの全文字列が入力された後で入力モード符号を生成する例について記載したが、実施例は、これに限定されるものではない。例えば、入力モード符号生成部23は、入力部10の入力キーが押下されるたびに、1つの符号を生成し、生成した符号をデバイスアクセス部24に出力してもよい。
デバイスアクセス部24は、SIMカード9に格納された入力モード符号テーブル14へのアクセスを実行する。具体的には、デバイスアクセス部24は、復元判定部21から画面情報とウインドウ情報との組を受信すると、SIM制御部8を介して、受信した画面情報とウインドウ情報との組が対応付けて入力モード符号テーブル14に格納されているか否かを判定する。そして、デバイスアクセス部24は、判定結果を復元判定部21に出力する。
詳細には、デバイスアクセス部24は、受信した画面情報とウインドウ情報との組が対応付けて入力モード符号テーブル14に格納されていない場合は、以下の処理を実行する。まず、デバイスアクセス部24は、受信した画面情報とウインドウ情報との組が対応付けて入力モード符号テーブル14に格納されていない旨を、復元判定部21に通知する。また、デバイスアクセス部24は、入力モード符号生成部23から、入力モード符号の出力を待機する。そして、デバイスアクセス部24は、入力モード符号生成部23から入力モード符号を受信した場合は、受信した入力モード符号と、復元判定部21から受信した画面情報とウインドウ情報との組を対応付けて、入力モード符号テーブル14に格納する。
一方、デバイスアクセス部24は、受信した画面情報とウインドウ情報との組が対応付けて入力モード符号テーブル14に格納されている場合は、以下の処理を実行する。まず、デバイスアクセス部24は、受信した画面情報とウインドウ情報との組が対応付けて入力モード符号テーブル14に格納されている旨を、復元判定部21に通知する。また、デバイスアクセス部24は、受信した画面情報とウインドウ情報との組に対応付けられた入力モード符号を、入力モード符号テーブル14から読み出す。そして、デバイスアクセス部24は、読み出した入力モード符号をパスワード復元部25に出力する。
なお、デバイスアクセス部24は、入力モード符号テーブル14をSIMカード9ではなく、ICカード13に格納してもよい。例えば、デバイスアクセス部24は、NFC制御部5を介して、ICカード13にアクセスし、ICカード13に入力モード符号を格納する。また、デバイスアクセス部24は、NFC制御部5を介して、ICカード13にアクセスし、ICカード13に格納された入力モード符号を読み出してもよい。
パスワード復元部25は、入力モード符号を用いて、指定された入力キーに割当てられた文字のうち、入力する文字を特定する。すなわち、パスワード復元部25は、文字等を特定する操作のうちの一部の操作と記憶した特定情報とに基づいて、パスワードの文字等を特定する。例えば、パスワード復元部25は、押下された入力キーからパスワードの文字を特定する場合は、入力モード符号を用いて、押下された入力キーに割当てられた文字をパスワードの文字に変換する。
以下、パスワード復元部25が実行する処理の一例として、入力された文字列をパスワードに変換する復元処理を実行する。例えば、パスワード復元部25は、入力文字取得部22から、数字を含む文字列を受信する。また、パスワード復元部25は、デバイスアクセス部24から入力モード符号を受信する。
そして、パスワード復元部25は、以下の変換処理を実行する。例えば、パスワード復元部25は、文字列のn番目の数字を抽出する。次に、パスワード復元部25は、入力モード符号のn番目の符号に含まれる種別情報と変換情報とを抽出する。そして、パスワード復元部25は、抽出した種別情報が示す文字種別を入力する入力モードで、抽出した数字が割当てられた入力キーを、抽出した変換情報が示す回数押下した際に入力される文字を変換後の文字として判別する。
また、パスワード復元部25は、文字列に含まれるすべての数字について上述した変換処理を実行し、文字列に含まれるすべての数字を変換した文字列、すなわちパスワードを特定する。そして、パスワード復元部25は、特定したパスワードを入力文字取得部22に出力する。
例えば、パスワード復元部25は、文字列「385412」を入力文字取得部22から受信し、デバイスアクセス部24から、入力モード符号「β3α2α1β3β5γ1」を受信する。かかる場合は、パスワード復元部25は、文字「3」と対応する符号「β3」とを抽出する。
ここで、符号「β3」には、文字種別が小文字アルファベットである旨を示す種別情報「β」と、入力キーの押下回数を示す変換情報「3」が含まれる。このため、パスワード復元部25は、入力モードが小文字アルファベットである際に、文字「3」が割当てられた入力キーを「3」回押下した文字「f」を特定する。
続いて、パスワード復元部25は、文字列に含まれる文字「8」と対応する符号「α2」とを抽出する。ここで、符号「α2」には、文字種別が大文字アルファベットである旨を示す種別情報「α」と、入力キーの押下回数を示す変換情報「2」が含まれる。このため、パスワード復元部25は、入力モードが大文字アルファベットである際に、文字「8」が割当てられた入力キーを「2」回押下した文字「U」を特定する。
また、パスワード復元部25は、文字列に含まれる他の数字についても、対応する入力モード符号に含まれる種別情報と変換情報とを用いて変換する。例えば、パスワード復元部25は、入力モードが大文字アルファベットである際に、文字「5」が割当てられた入力キーを「1」回押下した文字「J」を特定する。また、パスワード復元部25は、入力モードが小文字アルファベットである際に、文字「4」が割当てられた入力キーを「3」回押下した文字「i」を特定する。
また、パスワード復元部25は、入力モードが小文字アルファベットである際に、文字「1」が割当てられた入力キーを「5」回押下した文字「−」を特定する。また、パスワード復元部25は、入力モードが数字である際に、文字「2」が割当てられた入力キーを「1」回押下した文字「2」を特定する。
この結果、パスワード復元部25は、入力モード符号「β3α2α1β3β5γ1」を用いて、指定された入力キーを示す文字列「385412」からパスワード「fUJi−2」を特定する。そして、パスワード復元部25は、パスワード「fUJi−2」を入力文字取得部22に出力する。このように、パスワード復元部25は、パスワードの各文字や記号を特定するための操作のうちの一部の操作と、残りの操作を示す特定情報とを用いて、パスワードの各文字や記号を特定できる。
なお、上述した例では、指定された入力キーを示す文字列に含まれる文字種別が数字のみである例について説明したが、実施例はこれに限定されるものではない。すなわち、パスワード復元部25は、文字列に含まれるn番目の文字が数字以外の文字であっても、上述した変換処理を実行することができる。例えば、パスワード復元部25は、n番目の符号に含まれる種別情報が示す文字種別を入力する設定で、文字列のn番目の文字が割り当てられた入力キーを、n番目の符号に含まれる変換情報が示す回数押下した際に入力される文字を変換後の文字にすればよい。
次に、端末装置1が入力モード符号を生成する処理、および、パスワードの復元を実行する処理について、具体例を用いて説明する。まず、図6を用いて、入力モード符号を生成する処理の一例について説明する。図6は、入力モード符号生成処理の一例を説明する図である。なお、図6に示す例では、端末装置1は、図5に示す表に従って、文字列の入力を受け付けるものとする。
例えば、端末装置1は、図6中(D)に示すように、パスワード「fUJi−2」の入力を受け付ける。すると、端末装置1は、図6中(E)に示すように、パスワード「fUJi−2」の各文字の種別や入力キーの押下回数を示す入力モード符号「β3α2α1β3β5γ1」を生成する。
そして、端末装置1は、図6中(F)に示すように、生成した入力モード符号を外部サイトの画面情報とウインドウ情報との組に対応付けてSIMカード9に格納する。なお、端末装置1は、図6中(G)に示すように、生成した入力モード符号を、NFC経由でICカード13に格納してもよい。
次に、図7を用いて、パスワード復元処理の流れについて説明する。図7は、パスワード復元処理の一例を説明する図である。なお、図7に示す例では、図6にて入力されたパスワードを復元する処理の例について記載した。
例えば、端末装置1は、利用者に対し、パスワードの各文字が割当てられた入力キーを1回ずつ押下するよう求め、図7中(H)に示すように、押下された入力キーに割当てられた数字を含む文字列「385412」を取得する。また、端末装置1は、図7中(I)に示すように、SIMカード9から、認証を受ける外部サイトの画面情報とウインドウ情報と対応付けて記憶された入力モード符号を読み出す。
この結果、端末装置1は、図7中(J)に示すように、入力モード符号「β3α2α1β3β5γ1」を読出す。そして、端末装置1は、文字列「385412」の各文字を入力モード符号「β3α2α1β3β5γ1」の各符号にしたがって変換し、図7中(K)に示すように、パスワード「fUJi−2」を復元する。そして、端末装置1は、復元したパスワード「fUJi−2」を外部サイトに送信し、外部サイトからの認証を受ける。
次に、図8を用いて、端末装置1が実行する処理の流れについて説明する。図8は、端末装置が実行する処理の流れを説明するためのフローチャートである。まず、端末装置1は、パスワードの入力域がある画面を検知する(ステップS101)。すると、端末装置1は、検知した画面の画面情報とウインドウ情報とを取得する(ステップS102)。そして、端末装置1は、取得した画面情報とウインドウ情報との組に対応付けられた入力モード符号が登録されているか判定する(ステップS103)。
また、端末装置1は、入力モード符号が登録されていると判定した場合は(ステップS103肯定)、以下の復元処理を実行する。すなわち、端末装置1は、入力された文字列を取得し(ステップS104)、記憶した入力モード符号を取得する(ステップS105)。そして、端末装置1は、入力モード符号の各符号を用いて、入力された文字列の各文字を変換し、パスワードを復元する(ステップS106)。その後、端末装置1は、画面のパスワード入力域にパスワードを流しこみ(ステップS107)、外部サイトに送信することで、復元処理を終了する。
また、端末装置1は、入力モード符号が登録されていないと判定した場合は(ステップS103否定)、以下の入力モード符号生成処理を実行する。まず、端末装置1は、入力されたパスワードを取得する(ステップS108)。そして、端末装置1は、パスワードの各文字の種別情報、および、各文字を入力する際に入力キーが押下される回数を示す変換情報とを含む符号を含んだ入力モード符号を生成する(ステップS109)。その後、端末装置1は、画面情報、ウインドウ情報、入力モード符号の組を登録する(ステップS110)。また、端末装置1は、画面のパスワード入力域に、入力されたパスワードを流しこみ(ステップS107)、外部サイトに送信することで、登録処理を終了する。
[端末装置1の効果]
上述したように、端末装置1は、入力キーに割当てられた複数の文字または記号からいずれかの文字または記号を特定する操作のうち、少なくとも一部の操作に対応付けた入力モード符号を記憶する。また、端末装置1は、入力キーが指定される等、文字または記号を特定する操作の一部が行われると、行われた操作と入力モード符号とに基づいて、パスワードの文字または符号を特定する。そして、端末装置1は、特定した文字または符号、すなわちパスワードを、要求元となる外部サイトへ送信する。このため、例えば、端末装置1は、複数の文字種別を含むパスワードの入力時に、文字種別の切替や、入力キーを連続して押下する等の操作を不要とするので、パスワードの複雑性を犠牲にすることなく、パスワードの入力を容易にすることができる。
なお、端末装置1は、パスワードを記憶するのではなく、指定された入力キーから文字を特定する入力モード符号のみを記憶する。このため、端末装置1は、例えば、解析された際にもパスワードの漏洩を防ぐことができるので、セキュリティの悪化を防ぐことができる。さらに、入力モード符号を自装置の記憶部に記憶させているため、別の端末装置において、パスワード入力時に上記と同じ文字列「385412」を入力しても、別の端末装置の記憶部には上記入力モード符号が記憶されていないため、別の端末装置では、入力された文字列がパスワード「fUJi−2」に復元されることはない。
また、端末装置1は、パスワードの文字または記号の入力を受付けると、各文字の種別を示す入力モード符号を生成し、生成した入力モード符号を記憶する。そして、端末装置1は、入力キーが指定されると、指定された入力キーに割当てられた文字または記号のうち、入力モード符号が示す種別の文字または記号をパスワードの文字として特定する。このため、端末装置1は、例えば、文字種別の切替を行わずとも、複数の文字種別を含むパスワードの入力を行うことができるので、パスワードの入力を容易にすることができる。
また、端末装置1は、パスワードの文字または記号の入力を受付けると、各文字を入力する際に入力キーに対して行われる操作の内容、例えば入力キーの押下回数を示す入力モード符号を生成し、生成した入力モード符号を記憶する。そして、端末装置1は、入力キーが指定されると、指定された入力キーに割当てられた文字または記号のうち、入力モード符号が示す操作を指定された入力キーに対して行った際に入力される文字または記号を特定する。
このため、端末装置1は、入力キーを何度も押下せずとも、パスワードの入力を行うことができる。また、例えば、端末装置1は、パスワードの各文字が割当てられた入力キーを1回ずつ押下すればよいので、パスワードの入力時間を削減できる。また、端末装置1は、入力キーを複数回押下する等の各種操作を行わずともパスワードの入力を受け付けることができる結果、パスワードの入力ミスを防ぐことができる。
また、端末装置1は、パスワードを登録した外部サイトごとに、パスワードの各文字を特定するための入力モード符号を記憶する。そして、端末装置1は、パスワードを送信する外部サイトと対応付けた入力モード符号を用いて、指定された入力キーから、パスワードの各文字を特定する。このため、端末装置1は、外部サイトごとに異なるパスワードを設定した際にも、各パスワードの入力を容易にすることができる。
これまで本発明の実施例について説明したが実施例は、上述した実施例以外にも様々な異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では実施例2として本発明に含まれる他の実施例を説明する。
(1)文字種別について
上述した例では、端末装置1は、押下された入力キーに割り当てられた数字を含む文字列を入力モード符号で変換した。しかしながら、実施例は、これに限定されるものではない。すなわち、端末装置1は、任意の文字種別を含む文字列の変換を行うことができる。例えば、端末装置1は、パスワード入力時に、数字ではなくアルファベットの大文字を含む文字列を取得し、取得した文字列の各文字を入力モード符号で変換しても良い。すなわち、端末装置1は、文字入力の際に利用者が指定した入力キーを識別し、識別した入力キーに割り当てられた文字のうち、入力モード符号に含まれる符号が示す文字を変換後の文字として特定すればよい。
(2)入力モード符号について
上述した端末装置1は、変換後の文字種別を示す種別情報と、入力キーの押下回数を示す変換情報とを含む符号を複数含む入力モード符号を用いて、パスワード入力時に入力された文字列を変換した。しかしながら、実施例は、これに限定されるものではない。例えば、端末装置1は、種別情報のみを含む入力モード符号を生成し、生成した入力モード符号を用いて、文字列の変換を行っても良い。
例えば、端末装置1は、パスワード「fUJi−2」の入力を受け付ける。すると、端末装置1は、パスワード「fUJi−2」の各文字の文字種別を示す入力モード符号「βααββγ」を生成する。そして、端末装置1は、例えば、パスワード入力時に、パスワードの文字列の入力を利用者に求め、文字列「FUJI−A」の入力を受け付ける。その後、端末装置1は、文字列「FUJI−A」の各文字を入力モード符号「βααββγ」で変換し、パスワード「fUJi−2」を復元してもよい。
また、端末装置1は、入力キーの押下回数を示す変換情報のみを含む符号を含んだ入力モード符号を用いて、パスワードの復元を行っても良い。すなわち、端末装置1は、入力キーの押下回数に応じて、複数種別の文字の入力を受付ける。例えば、端末装置1は、入力キーの押下回数に応じて、大文字アルファベット、小文字アルファベット、記号、および数字の入力を受付ける。
かかる場合は、端末装置1は、入力されたパスワードから、パスワードの各文字を入力する際の入力キーの押下回数を符号として記憶する。そして、端末装置1は、パスワード入力時に、パスワードが割当てられた入力キーを各々1回押下するよう表示し、押下された入力キーと、記憶した符号とを用いて、パスワードの文字列を復元してもよい。また、端末装置1は、入力キーの押下回数以外にも、任意の操作を示す情報を入力モード符号とすることができる。
また、端末装置1は、外部サイトにパスワードを登録する際に入力モード符号を生成したが、実施例はこれに限定されるものではない。すなわち、端末装置1は、あらかじめ、所定のパスワードを入力するための入力モード符号を記憶し、1回押下された入力キー、すなわち、指定された入力キーと記憶した入力モード符号の符号とを用いて、パスワードの文字を特定してもよい。
また、端末装置1は、外部サイトからの認証を受ける際に入力モード符号を用いた変換を行った。しかし、実施例はこれに限定されるものではない。すなわち、端末装置1は、例えば、メール文章、メールアドレス、URL等、任意の情報を入力する際に、任意のタイミングで、入力モード符号を用いた入力文字の特定を実行することができる。
(3)入力キーについて
上述した端末装置1は、物理的な入力キーを有していた。しかし、実施例はこれに限定されるものではない。例えば、端末装置1は、キーボード形式の入力キーを有しても良い。また、端末装置1は、スマートフォンやタブレット端末等、タッチパネルを有し、タッチパネルに表示した入力キーを介して文字列を取得してもよい。
例えば、図9は、端末装置が実行する処理のバリエーションを説明する図である。図9に示す例では、端末装置1aは、タッチパネルを有するスマートフォンであり、タッチパネル上に表示した入力キーを介して文字列の入力を受け付ける。なお、端末装置1aは、端末装置1と同様の機能を発揮できるものとする。ここで、タッチパネルを用いた文字列の入力方法には、タッチパネル上の入力キーに触れた回数で入力文字の変更を行う形式とは別に、入力キーに触れた指の移動方向で入力する文字を決定するフリック入力が知られている。
例えば、図9中(L)に示すように、点線の円で囲んだ入力キーには、アルファベットの大文字「J」、「K」、「L」が割り当てられている。ここで、利用者が図9中(L)に示す範囲をタッチすると、端末装置1aは、図9中(M)に示すように、アルファベットの大文字「J」、「K」、「L」、および数字の「5」が指の移動方向に従って配置されたウインドウを表示する。
そして、端末装置1aは、利用者がタッチした指をそのまま離すと、アルファベットの大文字「J」が入力されるものとし、タッチした指を上に動かすと、アルファベットの大文字「K」が入力されるものとする。また、端末装置1aは、利用者がタッチした指を左に動かすと、アルファベットの大文字「L」が入力されるものとし、タッチした指を下に動かすと、数字の「5」が入力されるものとする。
このようなフリック入力を採用した場合も、端末装置1aは、入力モード符号の生成やパスワードの復元を行うことができる。例えば、端末装置1aは、入力されたパスワードの各文字から、文字種別を示す種別情報と、指の移動方向を示す変換情報とを含む符号を複数有する入力モード符号を生成する。
ここで、変換情報の例としては、タッチした指をそのまま離した際の文字を示す「0」、指を右に動した際の文字を示す「1」、指を上に動した際の文字を示す「2」、指を左に動した際の文字を示す「3」、指を下に動した際の文字を示す「4」等が考えられる。すなわち、端末装置1aは、入力されたパスワードのある文字が「K」である場合は、対応する符号を「α2」とする。
この結果、例えば、端末装置1aは、入力された文字列のある文字が「J」であり、入力モード符号の対応する符号が「α2」である場合は、以下の処理を実行する。すなわち、端末装置1aは、大文字のアルファベットのうち、「J」が割り当てられた入力キーに利用者が触れてから指を上に動かした際に入力される文字「K」を変換後の文字とする。
このように、端末装置1aは、文字列の入力方式によらず、入力された文字列の変換を行うことができるので、容易な文字入力を保障しつつ、セキュリティの強度を向上させることができる。
(4)パスワード入力プログラム12について
端末装置1は、CPU2ではなく、例えばMPUやFPGA等の演算装置を用いてパスワード入力プログラム12を実行してもよい。また、上記のパスワード入力プログラム12については、記憶装置11に記憶されている必要はなく、他の方法でCPU2に実行させてもよい。例えば、任意規格の外部メモリやICカードなどの「可搬用の物理媒体」にパスワード入力プログラム12を記憶させる。そして、端末装置1が、可搬用の物理媒体から各プログラムを取得して実行するようにしてもよい。また、公衆回線、インターネット、LAN、WAN(Wide Area Network)などを介して他のコンピュータまたはサーバ装置などに記憶させた各プログラムを取得して実行するようにしてもよい。
(5)生成する文字について
端末装置1は、入力モード符号を用いて、押下された入力キーからパスワードを生成した。しかし、実施例はこれに限定されるものではない。すなわち、端末装置1は、ユーザー名等、任意の文字列について入力モード符号を生成して記憶することで、任意の文字列の入力を容易にすることができる。
(6)実施の形態について
上述した実施例では、端末装置1、1aが文字列の変換を行った。しかし、実施例はこれに限定されるものではなく、例えば、クラウドシステムや情報処理装置等、端末装置1、1a以外のシステムが文字列の変換を行ってもよい。
以下、図10を用いて、端末装置1に代わり文字列の変換を行う情報処理装置の一例を説明する。図10は、実施例2に係る情報処理装置の一例を説明する図である。図10に示す例では、情報処理装置30は、ネットワーク31を介して、端末装置32および外部サーバ33と接続されている。また、情報処理装置30は、記憶部34、受信部35、特定部36、送信部37を有する。
端末装置32は、外部サーバ33へ所定の文字または記号を含むパスワードを送信することで、外部サーバ33からの認証を受ける端末装置である。ここで、端末装置32は、ネットワーク31を介して、パスワードの各文字や記号が割当てられた入力キーを一回ずつ押下した際の文字列と文字列を入力する際の画面情報とウインドウ情報とを情報処理装置30へ送信する。
記憶部34は、端末装置32の入力キーに割当てられた複数の文字または記号からいずれかの文字または記号を特定する操作のうち、少なくとも一部の操作に対応付けた特定情報を記憶する。例えば、記憶部34は、図3に示すSIMカード9と同様に、入力モード符号テーブル14を記憶する。
受信部35は、端末装置32から、パスワードの各文字や記号を特定するための操作のうちの一部の操作を示す情報を受信する。例えば、受信部35は、端末装置32からネットワーク31を介して、パスワードの各文字や記号が割当てられた入力キーを一回ずつ押下した際の文字列と画面情報とウインドウ情報とを受信する。
特定部36は、記憶部34が記憶する入力モード符号テーブル14に格納された情報と、受信部35が受信した情報とを用いて、パスワードの各文字や記号を特定する。例えば、特定部36は、受信部35からパスワードの各文字や記号が割当てられた入力キーを一回ずつ押下した際の文字列と画面情報とウインドウ情報とを受信する。
また、特定部36は、入力モード符号テーブル14から、受信した画面情報およびウインドウ情報と対応付けられた入力モード符号を取得する。そして、特定部36は、受信部35から受信した文字列と、入力モード符号テーブル14から取得した入力モード符号とを用いて、パスワードの各文字や記号を特定する。その後、特定部36は、特定したパスワードの各文字や記号を送信部37に出力する。送信部37は、特定部36が特定した文字又は記号を、要求元である外部サーバ33に送信する。この結果、情報処理装置30は、パスワードの複雑性を犠牲にすることなく、パスワードの入力を容易にすることができる。
なお、情報処理装置30は、端末装置1と同様の処理を実行することで、入力モード符号の生成を行ってもよい。例えば、情報処理装置30は、端末装置32がはじめてパスワードの入力を受け付ける場合は、端末装置32からパスワードの各文字や記号を取得し、端末装置1と同様の処理を実行し、入力モード符号を生成する。その後、情報処理装置30は、生成した入力モード符号を記憶部34に格納する。
そして、情報処理装置30は、端末装置32から、パスワードの各文字や記号が割当てられた入力キーを一回ずつ押下した際の文字列を受信した場合は、記憶部34に格納した入力モード符号を用いて、パスワードの各文字や記号を特定する。その後、情報処理装置30は、特定したパスワードの各文字や記号を外部サーバ33へ送信することで、端末装置32の認証を行わせてもよい。
また、情報処理装置30は、複数の端末装置が存在する場合は、入力モード符号と端末装置を示す情報とを対応付けて記憶し、文字列の送信元となる端末装置を示す情報と対応付けられた入力モード符号を用いて、文字列からパスワードを特定してもよい。かかる処理を行った場合は、情報処理装置30は、端末装置と外部サイトとの組ごとに、異なるパスワードの復元を行うことができる。
また、情報処理装置30は、物理的に1つの情報処理装置である必要はない。例えば、情報処理装置30は、クラウドシステムとして実現されてもよい。詳細な例を挙げると、情報処理装置30が有する記憶部34、受信部35、特定部36、送信部37が発揮する機能は、それぞれ別の情報処理装置によって発揮されても良い。
以上の各実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)入力キーに割当てられた複数の文字または記号からいずれかの文字または記号を特定する操作のうち、少なくとも一部の操作に対応付けた特定情報を記憶する記憶部と、
前記操作のうちの一部の操作及び前記特定情報に基づいて、文字または記号を特定する特定部と、
前記特定部が特定した文字または記号を要求元に送信する送信部と、
を有することを特徴とする端末装置。
(付記2)文字または記号の入力を受付けると、入力された文字または記号の種別を示す符号を生成する生成部を有し、
前記記憶部は、前記生成部が生成した符号を記憶し、
前記特定部は、指定された前記入力キーに割当てられた文字または記号のうち、前記記憶部が記憶する符号が示す種別の文字または記号を特定する
ことを特徴とする付記1に記載の端末装置。
(付記3)文字または記号の入力を受付けると、該文字または記号を入力する際に前記入力キーに対して行われる操作の内容を示す符号を生成する生成部を有し、
前記記憶部は、前記生成部が生成した符号を記憶し、
前記特定部は、指定された前記入力キーに割当てられた文字または記号のうち、前記記憶部が記憶する符号が示す操作を当該入力キーに対して行った際に入力される文字または記号を特定する
ことを特徴とする付記1または2に記載の端末装置。
(付記4)前記記憶部は、前記要求元を示す情報と、該要求元に対して送信する文字または記号を特定する際に用いられる前記特定情報とを対応付けて記憶し、
前記特定部は、前記記憶部が前記文字または記号の送信先となる要求元を示す情報と対応付けて記憶する特定情報に基づいて、前記文字または記号を特定する
ことを特徴とする付記1〜3のいずれか1つに記載の端末装置。
(付記5)要求元へ所定の文字または記号を含む列を送信する端末装置と通信可能な情報処理装置において、
前記端末装置が有する入力キーに割当てられた複数の文字または記号からいずれかの文字または記号を特定する操作のうち、少なくとも一部の操作に対応づけた特定情報を記憶する記憶部と、
前記端末装置から、前記操作のうちの一部の操作を示す情報を受信する受信部と、
前記受信部が受信した情報及び前記特定情報に基づいて、文字または記号を特定する特定部と、
前記特定部が特定した文字または記号を前記要求元に送信する送信部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
(付記6)要求元と通信可能な端末装置に、
入力キーに割当てられた複数の文字または記号からいずれかの文字または記号を特定する操作のうち、少なくとも一部の操作に対応づけた特定情報及び前記操作のうちの一部の操作に基づいて、指定された入力キーに割当てられた複数の文字または記号から文字または記号を特定し、
前記特定した文字または記号を前記要求元に送信する
処理を実行させることを特徴とする入力プログラム。
(付記7)文字または記号の入力を受付けると、入力された文字または記号の種別を示す符号を生成し、
生成した前記符号を所定の記憶装置に格納し、
指定された前記入力キーに割当てられた文字または記号のうち、前記記憶装置が記憶する符号が示す種別の文字または記号を特定する
処理を実行させることを特徴とする付記6に記載の入力プログラム。
(付記8)文字または記号の入力を受付けると、該文字または記号を入力する際に前記入力キーに対して行われる操作の内容を示す符号を生成し、
生成した前記符号を所定の記憶装置に格納し、
指定された前記入力キーに割当てられた文字または記号のうち、前記記憶装置が記憶する符号が示す操作を当該入力キーに対して行った際に入力される文字または記号を特定する
処理を実行させることを特徴とする付記6または7に記載の入力プログラム。
(付記9)前記要求元を示す情報と、該要求元に対して送信する文字または記号を特定する際に用いられる前記特定情報とを対応付けて所定の記憶装置に格納し、
前記記憶装置が文字または記号の送信先となる要求元を示す情報と対応付けて記憶する前記特定情報に基づいて、前記文字または記号を特定する
処理を実行させることを特徴とする付記6〜8のいずれか1つに記載の入力プログラム。
(付記10)要求元と通信可能な端末装置が、
入力キーに割当てられた複数の文字または記号からいずれかの文字または記号を特定する操作のうち、少なくとも一部の操作に対応づけた特定情報及び前記操作のうちの一部の操作に基づいて、指定された入力キーに割当てられた複数の文字または記号から文字または記号を特定し、
前記特定した文字または記号を前記要求元に送信する
処理を実行することを特徴とする入力方法。
(付記11)文字または記号の入力を受付けると、入力された文字または記号の種別を示す符号を生成し、
生成した前記符号を所定の記憶装置に格納し、
指定された前記入力キーに割当てられた文字または記号のうち、前記記憶装置が記憶する符号が示す種別の文字または記号を特定する
処理を実行することを特徴とする付記10に記載の入力方法。
(付記12)文字または記号の入力を受付けると、該文字または記号を入力する際に前記入力キーに対して行われる操作の内容を示す符号を生成し、
生成した前記符号を所定の記憶装置に格納し、
指定された前記入力キーに割当てられた文字または記号のうち、前記記憶装置が記憶する符号が示す操作を当該入力キーに対して行った際に入力される文字または記号を特定する
処理を実行することを特徴とする付記10または11に記載の入力方法。
(付記13)前記要求元を示す情報と、該要求元に対して送信する文字または記号を特定する際に用いられる前記特定情報とを対応付けて所定の記憶装置に格納し、
前記記憶装置が文字または記号の送信先となる要求元を示す情報と対応付けて記憶する前記特定情報に基づいて、前記文字または記号を特定する
処理を実行することを特徴とする付記10〜12のいずれか1つに記載の入力方法。