JP2015001792A - テクスチャ画像データの生成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 テクスチャの生成対象となる地物を撮影した画像データを複数枚読み込む。また、撮影時の撮影条件や画像データ内の色情報の解析によって、画像間で対応する特徴点を得る。テクスチャを生成する際には、テクスチャを構成する処理対象ピクセルPP1〜PP3ごとに、各画像内でこれに対応するピクセルCP11等を求め、対応するピクセルの色情報の平均値によって、各処理対象ピクセルの色を決定する。各画像内の特徴点は相互に対応関係がわかっているため、特徴点を基準とする相対的な位置関係を用いることによって、特徴点以外の点についても、対応するピクセルを特定することができる。このように複数の画像データを用いて画素単位でテクスチャの色を決定するため、他のポリゴンに遮蔽される部分などの欠落を補足し合ってテクスチャ画像を生成することができる。
【選択図】 図6
Description
コンピュータによって、地物の3次元モデルを構成するポリゴンに適用するテクスチャ画像の画像データを生成するテクスチャ画像データの生成方法であって、
前記コンピュータが実行するステップとして、
(A)前記地物の前記ポリゴンに対応する面を撮影した複数の画像データを読み込むステップと、
(B)前記テクスチャ画像を構成するピクセルごとに、前記複数の画像データから該ピクセルに対応する箇所の色情報を取得するステップと、
(C)前記取得された色情報に基づいて、前記ピクセルの色を決定することにより、前記テクスチャ画像を生成するステップと
を備えるテクスチャ画像データの生成方法として構成することができる。
複数の画像データから取得した色情報から、対象となるピクセルの色を決定する方法も、種々の方法をとりうる。例えば、複数の色情報の平均値、中央値、最大度数分布となる色などとすることができる。
前記ステップ(B)は、
(B1)前記複数の画像データにおける複数の特徴点同士の対応関係を求めるステップと、
(B2)前記ピクセルの周囲に位置する複数の特徴点を基準として、該ピクセルに対応する箇所を特定するステップと
を有するものとしてもよい。
処理対象となるピクセルに対応する箇所を特定するために用いる特徴点は、1個または2個としてもよいが、2次元的な位置を精度良く特定するためには3個以上を用いることがより好ましい。
処理対象となるピクセルに対応する箇所は、特徴点から処理対象となるピクセルに対する相対位置を求め、各画像内における特徴点に対して同じ相対位置にある箇所を求めればよい。
特徴点としては、例えば、対称面の角や、地物の表面に存在する窓、手すり、看板その他の構造物の頂点、対象物表面で色や形状が急激に変化する点などを利用することができる。また、SIFT(Scale-Invariant Feature Transform)に代表する画像特徴量関連技術を用いても良い。かかる技術を利用すると、画像の色に基づいて、複数の画像間で非常に多くの特徴点を対応づけることができるため、ピクセルに対応する箇所を特定する精度を向上させることができる。
前記ステップ(C)は、
前記画像データのうち、他の地物によって遮蔽されている部分を除いて、前記ピクセルの色を決定するものとしてもよい。
遮蔽されている部分の色情報は、対象面の色とは異なるため、このように除外することにより、色の決定精度を向上させることができる。
前記ステップ(A)は、さらに、前記画像データの撮影条件を読み込み、
前記ステップ(C)は、前記地物および該地物の周辺の3次元形状を表す3次元モデルを参照し、該3次元モデルと前記撮影条件に基づいて、前記遮蔽されている部分を特定するものとしてもよい。
撮影条件とは、撮影位置、撮影方向または角度、撮影時の画角など、撮影される画像の状態を特定するために必要な情報を言う。
3次元モデルからなる仮想空間内で、撮影条件に基づいて仮想的な「撮影」を行えば、得られた画像データ内で対象面が、他の地物によって遮蔽されている部分を比較的容易に特定することができる。こうして特定された領域を適用すれば、テクスチャの生成に用いる各画像内の遮蔽されている部分を、比較的容易かつ精度良く特定することができる。
遮蔽されている部分は、かかる方法の他、例えば、画像データ内の色や形状の不連続性などを解析して特定してもよい。画像特徴量を用いる場合には、複数の画像間で非常に多くの特徴点を得ることができるだけでなく、各特徴点ごとに法線ベクトルも得ることができるため、法線ベクトルの方向の不連続性に基づいて、遮蔽されている部分を特定することも可能である。
前記ステップ(A)は、前記ポリゴンに対応する面を、当該面の法線方向から見た状態の画像に変換して、前記撮影した複数の画像データを読み込むものとしてもよい。
かかる画像の変換は、例えば、各画像の撮影条件に基づいて、対象面をどの方向から撮影したかを特定し、これに基づいて法線方向から見た状態に変換する方法をとることができる。また別の方法として、各画像の対象面の形状を、いずれかの基準となる形状に合わせるようアフィン変換するものとしてもよい。画像の変換は、その他、種々の方法で行うことができる。
このように、画像データを統一した形状に変換してから処理を行えば、処理対象となるピクセルに対応する箇所も容易に特定することができ、処理の負荷を軽減できるとともに、精度向上を図ることもできる。
図1は、3次元モデル生成システムの構成を示す説明図である。3次元モデル生成システムは、処理対象となる地域の写真を航空機から撮影し、この写真を解析して地物ごとの3次元形状を表す3次元モデルを生成するシステムである。航空機に搭載され、地域の写真の画像データを取得する装置を撮影管理装置100と呼ぶ。画像データから3次元モデルを生成する装置を、3次元モデル生成装置200と呼ぶ。本発明のテクスチャ画像データ生成装置は、3次元モデル生成装置200の一機能として実現されている。以下、それぞれの構成について順に説明する。
撮影管理装置100は、航空機に搭載されている。航空機は、固定翼、回転翼いずれでもよく、有人/無人のいずれであってもよい。
撮影管理装置100には、撮影用のカメラ101、位置情報を取得するためのセンサであるGPS(Global
Positioning System)102、および図示する各機能ブロックが備えられている。機能ブロックは、それぞれの機能を実現するためのコンピュータプログラムを、コンピュータにインストールすることによって構成することもできるし、ハードウェア的に構成してもよい。
カメラ101は、3次元モデルを生成するための解析に使用される写真を撮影するためのものである。解析精度を向上させるためには、高解像度の写真が望ましい。本実施例では高解像度での撮影が可能な静止画用のディジタルカメラを用いた。十分な解像度が得られる場合には、動画撮影用のカメラを用いてもよい。
有人の航空機を用いる場合、飛行経路に従って航空機を飛行させるのはパイロットの役目となる。かかる場合には、撮影シーケンス記憶部112は、パイロットに対し、適宜、設定された飛行経路に沿った飛行を支援するための情報を提供してもよい。
無人の航空機を用いる場合には、撮影シーケンス記憶部112は、飛行を制御する制御装置に、飛行経路に関する情報を送信するように構成してもよい。
また、撮影シーケンスは、必ずしも撮影ポイントを特定する方法だけでなく、一定の時間周期で撮影を行うように設定してもよい。かかる場合には、撮影制御部110は、設定された時間間隔ごとに撮影を行うようカメラ101を制御することになる。
撮影制御部110は、いずれの方法で撮影を行う場合においても、カメラ101による撮影と同期して、GPS102から撮影位置の位置情報を取得し、両者を関連づけて画像記録部120に記録する。
撮影制御部110は、自動的に撮影を行う態様として構成する他、航空機に搭乗した撮影者に対して、撮影タイミングを知らせるものとしてもよい。
3次元モデル生成装置200には、図示する機能ブロックが備えられている。これらの機能ブロックは、それぞれの機能を実現するためのコンピュータプログラムを、コンピュータにインストールすることによって構成されるし、ハードウェア的に構成してもよい。
以下、各機能ブロックの機能について説明する。
3次元点群生成部202は、画像データ記憶部201の画像データおよび撮影位置を用いて、3次元点群を生成する。3次元点群とは、それぞれ3次元の座標値および法線ベクトルが付与された多数の点である。法線ベクトルとは、各点が存在すると推定される面の法線ベクトルを意味する。
本実施例では、画像データを撮影した時系列に並べると、前後の画像データ同士は、約60%程度以上の面積が重複した状態で撮影されている。つまり、対象領域内の建物は、撮影ポイントが異なる複数の画像データに撮影されていることになる。従って、複数の画像データ内で相互に対応する点を特定できれば、いわゆる三角測量と同様の原理によってその点の3次元座標を特定することが可能となる。複数の画像データ内で対応する点を特定する技術としては、種々の技術が知られているが、本実施例では、画像特徴量の一例としてSIFT(Scale-Invariant Feature Transform)と呼ばれる公知の技術を適用した。
3次元点群データ記憶部203は、3次元点群生成部202によって得られた3次元点群を記憶する。画像データに写っている部分を解析して得られた点群であるから、3次元点群は、主として建物等の外壁、屋根などの外面部分を表すものとなる。また、画像内には、地面、道路、街路樹、車両など建物以外も多数写っており、これらについても画像内の対応関係が特定される限り3次元点群は生成可能であるから、3次元点群には、こうした建物以外を表すものも多数含まれている。3次元点群は、それぞれ3次元の座標値と法線ベクトルを有しているが、これらの座標値、法線ベクトルは、地球座標系で定義されたものではなく、解析のために設定された架空の3次元空間における座標値である。
このように地球座標系での位置関係が特定されておらず、建物単位に区分もされていない3次元点群から、建物ごとに地図として利用可能な精度で位置座標を有する3次元ポリゴンを生成するのが、以下で示す各機能ブロックの機能である。
点群分離処理部205は、点群を建物単位に分離する。3次元点群は、画像に写っている点の3次元座標を求めたものであり、建物単位で分離もされていなければ、建物の地面等との分離もされていない。点群分離処理部205は、かかる3次元点群を解析して、建物ごとの点群に分離する機能を奏する。
建物枠生成部206は、建物ごとに分離された点群に基づいて2次元的な外形形状を表す建物枠を生成する。
位置合わせ処理部207は、2次元地図データ210に記憶された2次元地図に複数の建物枠を適合させることによって、重力方向以外の座標系を地球座標系に対応づける機能を奏する。位置合わせ処理部207は、建物ごとに分離された点群を1つずつ2次元地図に適合させていくのではない。点群で表されている複数の建物全体を、その相対的な関係を概ね保った状態で、全体として2次元地図に適合させるのである。このように複数の建物全体を適合させることによって、精度良く位置合わせを行うことができる。
ポリゴン生成部208は、以上の処理によって2次元的な形状が定まった建物ごとに、点群に基づき側面および上面のポリゴンを生成する。
テクスチャ生成部209は、生成されたポリゴンの表面に貼り付けるテクスチャを、画像データ記憶部201に記憶された画像データによって生成する。
以上の処理で生成された3次元ポリゴンおよびテクスチャは、3次元モデルデータ211に格納される。
飛行経路および撮影ポイントが決まると、これに従って、目標の周辺を飛行しながら撮影が行われる。撮影された画像データは、図1で説明した通り、逐次、撮影ポイントの位置座標とともに、撮影管理装置100の画像記録部120に記録される。撮影が完了すると、画像データおよび位置座標は、3次元モデル生成装置200に入力され、3次元点群が生成される。画像データの3次元モデル生成装置200への読込みは、種々の方法で行うことができるが、本実施例では、記録媒体を介して読み込ませるものとした。
処理を開始すると、3次元モデル生成装置200は、画像データおよび位置情報を読み込む(ステップS10)。そして、画像特徴量によるマッチングにより、画像間の特徴点の対応付けを行う(ステップS11)。図中に特徴点の対応付けの様子を示した。図示するように画像1、画像2のそれぞれから、特徴点(図中の4つの×印)を抽出し、それぞれの特徴点同士の対応関係を認識するのである。画像特徴量によるマッチングは、画像内の色成分に基づいて特徴点を抽出し、画像間の対応関係を求める解析技術であり、解析原理およびアルゴリズムともに周知であるため、詳細な説明は省略する。ステップS11では、画像間の特徴点同士を対応づけるものであれば、SIFTなど、種々の手法を用いることができる。
法線ベクトルとは、各特徴点が存在すると推定される推定面の法線方向のベクトルである。実施例では、対応する画像において多数の特徴点が抽出され、各画像内の特徴点同士の相対的な位置関係が維持されることを前提として、画像間での特徴点の対応関係を認識する。このように特徴点同士の相対的な位置関係から、その特徴点が存在する推定面が特定され、その法線ベクトルを求めることができる。
これらの画像間の相対的位置関係、3次元座標および法線ベクトルの算出も、SfM(Structure
from Motion)技術、およびそれを利用した手法として周知であるため、さらなる詳細な説明は省略する。
3次元座標および法線ベクトルが算出された特徴点の集合を、以下、3次元点群と呼ぶ。3次元モデル生成装置200は、得られた3次元点群のデータを格納し(ステップS13)、3次元点群生成処理を終了する。
本実施例では、撮影した画像データから3次元点群を取得しているが、以下の処理は、レーザ計測など、他の方法によって得られた3次元点群を用いて行うこともできる。
図3は、3次元モデル生成処理のフローチャートである。先に説明した3次元点群データに基づいて、建物ごとの3次元形状を表す3次元モデルを生成するための処理である。この処理は、図1に示した重力方向解析部204、点群分離処理部205、建物枠生成部206、位置合わせ処理部207、ポリゴン生成部208、テクスチャ生成部209によって、それぞれ実現される処理である。ハードウェア的には、3次元モデル生成装置200のCPUが実行する処理となる。
D1.重力方向解析処理:
3次元モデル生成処理では、まず重力方向解析処理が行われる(ステップS20)。これは、重力方向解析部204の機能に相当する処理であり、3次元点群を解析して重力方向を以下の手順で、特定する処理である。
本実施例では、3次元点群全体の主成分分析を行い、第3主成分をまず仮の重力方向Gtとして設定する。かかる方法で重力方向を特定できる理由は、次の通りである。本実施例の3次元点群は、目標を中心とする周辺の領域を撮影して得られるものである。撮影される建物が高層ビルであっても、その高さは、撮影される領域の水平方向の広がりに比べれば小さい。従って、3次元点群は、全体的に見れば、図示するように、比較的平たい領域に分布することとなる。
主成分分析とは、3次元空間内における3次元点群の分布を特徴づける方向を求めるものであり、3次元点群の分布が大きい方向から順に第1主成分、第2主成分、第3主成分となる。平たい領域に分布した3次元点群については、水平方向の分布に基づいて第1主成分、第2主成分が求まり、それに直交する方向が第3主成分となる。従って、第3主成分は、3次元点群の重力方向Gtを表すことになる。ただし、点群の分布に基づく誤差が含まれているため、第3主成分は、あくまでも仮の重力方向を示すに過ぎない。
本実施例では、このように平たい領域に分布する3次元点群を利用するため、垂直方向と推測される面のみを抽出するなどといった複雑な前処理を行うまでなく、主成分分析により仮の重力方向を求めることが可能となる。
以上の通り、3次元点群に対して統計的な処理を施すことにより、それぞれの点の位置座標および法線ベクトルに含まれる誤差の影響を抑制し、高い精度で重力方向を決定することが可能となる。
次に、点群分離処理が行われる(ステップS21)。これは、点群分離処理部205の機能に相当する処理であり、3次元点群を建物単位に分離する処理である。
この処理の過程で、まず、3次元モデル生成装置200は、3次元点群を階層ごとに分離する。そして、各階層内で点間の距離によって点群のクラスタリングを行う。このうち、上下方向の法線ベクトルが多く含まれているクラスタには屋上面が存在すると判断することができるから、クラスタを屋上面が存在するものと、側面のみのものに分離することができる。その上で、屋上面が存在するクラスタから、そのクラスタが積層されている下の階層のクラスタを特定していく。この特定は、例えば、上下の階層に属するクラスタ間の2次元的な距離が所定値以下となるもの同士を、同じ建物で上下に重なっているものと判断することで行うことができる。高層階で分岐している複雑な形状の建物の場合、上の分岐部分は、下の階層で共通のクラスタに関連づけられるから、このツリー構造によって、全体が一つの建物であると認識される。
このようにクラスタの関連付けおよびツリー構造を利用することにより、特殊な形状の建物も含め、3次元点群を建物ごとに分離することが可能となる。
次に、建物枠生成処理が行われる(ステップS22)。これは、建物枠生成部206の機能に相当する処理であり、建物の2次元的な形状を特定する処理である。
この処理の過程で、まず、3次元モデル生成装置200は、法線ベクトルに基づいて、3次元点群から側面の点群を抽出する。そして、分離された側面に沿わせて所定サイズのグリッドを配置し、点群を水平面に投影し、1又は複数の点が存在する格子を抽出する。この処理によって、処理対象となるべき点数は、建物枠に対応する位置にある格子点の数にまで減少される。このように処理対象となる点数を減らした上で、3次元モデル生成装置200は、ほぼ直線的に配列されていると判断される部分について、点を間引くことで、建物枠を決定する。
次に、位置合わせ処理が行われる(ステップS23)。これは、位置合わせ処理部207の機能に相当する処理であり、3次元点群を2次元の地図に適合させる処理である。
本実施例における位置合わせ処理は、建物ごとに2次元地図データと対比して、形状や位置の微修正を行うものではない。本実施例では、目標の建物周辺の領域について3次元点群が得られており、これらの3次元点群は、建物ごとに上面、側面を再現するのと同様の精度で、建物間の相対的な位置関係も表しているはずである。かかる考え方の下、本実施例では、これまでの処理で得られている複数の建物枠の全体を,2次元地図に最も精度良く適合させ得る形状および位置の変換方法を見いだすのである。
かかる位置合わせは、得られた建物枠を構成する頂点と、2次元地図上の頂点との対応関係を種々の組み合わせで試行し、最も小さい変形で、3次元点群を2次元地図に適合させられる対応関係を特定する。かかる特定には、焼きなまし法、またはシミューレーテッドアニーリング法を用いることができる。
かかる方法によれば、建物ごとの形状、および建物の相対的な位置関係について、3次元点群が有する情報を十分に活用することができるため、精度良く位置合わせを行うことが可能となる。
次に、ポリゴン生成処理が行われる(ステップS24)。これは、ポリゴン生成部208の機能に相当する処理であり、建物ごとの3次元点群に基づいて、側面および上面のポリゴンを生成する処理である。
3次元モデル生成装置200は、ここまでの処理によって得られた建物枠に基づいて上面を定義し、次にこれを下方に平行移動することで、各辺に対して建物の側面のポリゴンを設定する。上で分岐しているような特殊な形状の建物についても同様に、分岐している各上面を下方に平行移動することによって分岐部分の側面を生成し、また低階層の上面を下方に平行移動することによって低階層の側面ポリゴンを生成することができる。このように上面の形状を利用する他、建物枠生成処理で分離された側面の点群に基づいてポリゴンを定義してもよい。
最後に、テクスチャ生成処理が行われ(ステップS25)、3次元地図として利用可能な位置精度を有する建物ごとの3次元モデルが生成される。
図4〜6は、テクスチャ生成処理のフローチャートである。
処理を開始すると、3次元モデル生成装置200は、テクスチャの生成処理の対象ポリゴンに合わせた形状で無地のテクスチャを生成する(ステップS50)。図中に生成例を示した。左側に示した建物モデルの正面のポリゴンが対象ポリゴンであるとする。3次元モデル生成装置200は、図中の右側に示すように、この対象ポリゴンを正面から見た状態の無地テクスチャを生成するのである。無地テクスチャの形状は、例えば、対象ポリゴンを正面から見た状態に変換することで決めてもよいし、対象ポリゴンの縦横比を求め、それに応じた矩形を新たに生成してもよい。無地テクスチャのピクセル数pix、piyは、形状に応じて定まる。無地テクスチャにいずれかの画像から得られる対象ポリゴン自体を、初期のテクスチャとして用いても良い。
3次元モデル生成装置200は、画像を読み込むと、対象ポリゴンの画像を切り出し、正面から見た画像に変換する。この変換は、その画像を撮影したときの撮影位置、方向、画角などの撮影条件に基づき、正面から見た状態に変換するためのパラメータを設定することで実現できる。また、対象ポリゴンが矩形であることが既知の場合には、撮影条件を用いるまでなく、対象ポリゴンの画像が矩形になるような変換を施しても良い。さらに、ステップS50で求めた無地テクスチャに、対象ポリゴンの頂点を一致させるように変換する方法をとることもできる。
こうして、正面からの画像に変換すると、3次元モデル生成装置200は、対象ポリゴンの画像から、遮蔽部分を除去する処理を行う。いずれの部分が遮蔽されているかの判断には、既に生成されている3次元モデルを利用することができる。それぞれの画像を撮影したときの撮影条件に基づいて、他の地物も含む3次元モデルの仮想空間の中で、撮影を再現する。こうして得られた画像内で、どの地物が写っているかは、3次元モデルに基づいて比較的容易に特定できるから、対象ポリゴンの画像内で他の地物によって遮蔽されている部分も特定可能である。かかる方法によって、対象ポリゴンの画像から、遮蔽部分を除去することができる。
画像データの読込み、および遮蔽部分の除去は、このように画像データを読みこんだ時点で行ってもよいし、ピクセルごとに色を決定する後述の処理の時点で行うようにしてもよい。また、本実施例では、読み込んだ画像を正面画像に変換するものとしているが、かかる変換をせずに利用しても構わない。
まず、3次元モデル生成装置200は、処理対象となるピクセルを選択する(ステップS54)。図中には、テクスチャの左上の画素PPから矢印a1、a2のように順に処理する例を示したが、ピクセルの選択は、かかる順序に限られない。例えば、対象ポリゴンについて既に得られている特徴点を優先して処理するようにしてもよい。
処理対象ピクセルを選択すると、そのピクセルの周辺の特徴点を抽出し、特徴点を基準として、処理対象ピクセルの相対的な位置を特定する(ステップS56)。特徴点としては、本実施例では、画像特徴量に基づいて各画像の対応が得られている点を用いる。この他、対象ポリゴンの画像データを画像解析して得られる頂点その他の点を特徴点として用いても良い。
図中に相対的位置の特定方法を例示した。処理対象ピクセルPPの周囲に特徴点1〜4が存在するものとする。相対的位置関係は、例えば、対象ピクセルPPから、特徴点1〜4までの距離r1〜r4の比で表しても良い。また、左下の特徴点2を基準として、特徴点2,3を結ぶ軸上における対象ピクセルPPの座標CPx、特徴点w、1を結ぶ軸上における対象ピクセルPPの座標CPyによって、相対的な位置関係を表すようにしてもよい。相対的位置関係は、この他、種々の方法で表し得る。
図中に処理のイメージを例示した。特徴点1〜4は、テクスチャ生成の素材となるそれぞれの画像内に存在する点である。従って、画像1において、特徴点1〜4を見いだし、これに先に得られている相対的位置関係を適用すれば、対応ピクセルCP1が得られる。同様に、別の画像2においても、特徴点1〜4を見いだし、これに相対的位置関係を適用すれば、対応ピクセルCP2が得られる。このように、テクスチャ生成の素材となる画像、即ちS52で読み込んだ各画像に対し、同様の処理を施せば、各画像における対応ピクセルを特定することができる。
図中に処理例を示した。処理対象ピクセルPP1の色は、3つの画像内の対応ピクセルCP11、CP21、CP31の色を平均して求めることができる。処理対象ピクセルPP2については、2つめの対応ピクセルCP22は遮蔽部分で除去されているため、対応ピクセルCP12、CP32の平均値で求める。処理対象ピクセルPP3については、2つの対応ピクセルCP13、CP23が遮蔽部分で除去されているため、対応ピクセルCP33を用いて求める。
複数の対応ピクセルに基づいて色を決定する方法は、種々の方法が可能である。例えば、色ごとに対応ピクセルの分布を求めて、そのピーク値を採用するようにしてもよい。
3次元モデル生成装置200は、テクスチャの全ピクセルについて色が決定するまで(ステップS62)、ステップS54以降の処理を繰り返し実行し、完成したテクスチャを格納して(ステップS64)、テクスチャ生成処理を終了する。
以上の実施例によれば、対応ピクセルの平均値によって処理対象ピクセルの色を求めるため、遮蔽部分で除去されていない画像データが1つでも存在すれば、欠落部分を補足し合って、処理対象ピクセルの色を決定することができる。また、ピクセル単位で処理を行うため、複数の画像をパッチワークのように合成したときの継ぎ目などが現れず、テクスチャ全体の画質を向上させることができる。
実施例では、
本発明は上述の実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採ることができることはいうまでもない。例えば、実施例においてハードウェア的に構成されている部分は、ソフトウェア的に構成することもでき、その逆も可能である。
実施例では、3次元点群を用いる例を示したが、テクスチャの生成は、必ずしも3次元点群を利用する態様に限らず適用可能である。
101…カメラ
102…GPS
110…撮影制御部
112…撮影シーケンス記憶部
120…画像記録部
200…3次元モデル生成装置
201…画像データ記憶部
202…3次元点群生成部
203…3次元点群データ記憶部
204…重力方向解析部
205…点群分離処理部
206…建物枠生成部
207…位置合わせ処理部
208…ポリゴン生成部
209…テクスチャ生成部
210…2次元地図データ
211…3次元モデルデータ
Claims (7)
- コンピュータによって、地物の3次元モデルを構成するポリゴンに適用するテクスチャ画像の画像データを生成するテクスチャ画像データの生成方法であって、
前記コンピュータが実行するステップとして、
(A)前記地物の前記ポリゴンに対応する面を撮影した複数の画像データを読み込むステップと、
(B)前記テクスチャ画像を構成するピクセルごとに、前記複数の画像データから該ピクセルに対応する箇所の色情報を取得するステップと、
(C)前記取得された色情報に基づいて、前記ピクセルの色を決定することにより、前記テクスチャ画像を生成するステップと
を備えるテクスチャ画像データの生成方法。 - 請求項1記載のテクスチャ画像データの生成方法であって、
前記ステップ(B)は、
(B1)前記複数の画像データにおける複数の特徴点同士の対応関係を求めるステップと、
(B2)前記ピクセルの周囲に位置する複数の特徴点を基準として、該ピクセルに対応する箇所を特定するステップと
を有するテクスチャ画像データの生成方法。 - 請求項1または2記載のテクスチャ画像データの生成方法であって、
前記ステップ(C)は、
前記画像データのうち、他の地物によって遮蔽されている部分を除いて、前記ピクセルの色を決定する
テクスチャ画像データの生成方法。 - 請求項3記載のテクスチャ画像データの生成方法であって、
前記ステップ(A)は、さらに、前記画像データの撮影条件を読み込み、
前記ステップ(C)は、前記地物および該地物の周辺の3次元形状を表す3次元モデルを参照し、該3次元モデルと前記撮影条件に基づいて、前記遮蔽されている部分を特定する
テクスチャ画像データの生成方法。 - 請求項1〜4いずれか記載のテクスチャ画像データの生成方法であって、
前記ステップ(A)は、前記ポリゴンに対応する面を、当該面の法線方向から見た状態の画像に変換して、前記撮影した複数の画像データを読み込む
テクスチャ画像データの生成方法。 - 地物の3次元モデルを構成するポリゴンに適用するテクスチャ画像の画像データを生成するテクスチャ画像データ生成装置であって、
前記地物の前記ポリゴンに対応する面を撮影した複数の画像データを読み込む画像データ入力部と、
前記テクスチャ画像を構成するピクセルごとに、前記複数の画像データから該ピクセルに対応する箇所の色情報を取得し、前記取得された色情報に基づいて、前記ピクセルの色を決定することにより、前記テクスチャ画像を生成するテクスチャ生成部と
を備えるテクスチャ画像データ生成装置。 - コンピュータに、地物の3次元モデルを構成するポリゴンに適用するテクスチャ画像の画像データを生成する機能を実現させるためのコンピュータプログラムであって、
(A)前記地物の前記ポリゴンに対応する面を撮影した複数の画像データを読み込む機能と、
(B)前記テクスチャ画像を構成するピクセルごとに、前記複数の画像データから該ピクセルに対応する箇所の色情報を取得する機能と、
(C)前記取得された色情報に基づいて、前記ピクセルの色を決定することにより、前記テクスチャ画像を生成する機能と
をコンピュータに実現させるコンピュータプログラム。
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