JP2015001521A - 側波帯ヘテロダイン検波のシステム及び方法 - Google Patents

側波帯ヘテロダイン検波のシステム及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】側波帯ヘテロダイン検波のシステム及び方法を提供する。【解決手段】光共振器154と、複数の光電界を形成するように制御される少なくとも1つの光源102であって、各電界は共通の変調周波数で位相又は周波数変調104され、異なる周波数である、少なくとも1つの光源とを含む。複数の側波帯を形成するために、それぞれのヘテロダイン周波数で複数の電界のそれぞれの電界を位相又は周波数変調する複数のヘテロダイン変調器114、120,128であって、対応するヘテロダイン周波数は各ヘテロダイン変調器ごとに異なる、複数のヘテロダイン変調器と、複数の側波帯を光共振器に結合する少なくとも1つのカプラと、共振器から外へ送信された複数の側波帯を検出して、複数の検出された側波帯信号を生成し、複数の検出された側波帯信号に基づいて複数の電界の周波数を調整するように構成されるフィードバック制御とを備える。【選択図】図1A

Description

本発明は、側波帯ヘテロダイン検波のシステム及び方法に関する。
政府のライセンス権利
[0001]本発明は、DARPAによって与えられた契約番号HR0011−08−C−0019の下で政府の支援を受けて行われた。政府は本発明において一定の権利を有する。
[0002]ジャイロスコープ(本明細書においてジャイロとも呼ぶ)は、回転速度又は回転軸周りの角速度の変化を測定するために使用されてきた。基本的な従来の光ファイバジャイロ(FOG)は、光源、ビーム生成デバイス、及び、ある領域を取り囲む、ビーム生成デバイスに結合された光ファイバのコイルを含む。ビーム生成デバイスは、光ファイバのコアに沿って時計回り(CW)方向及び反時計回り(CCW)方向に伝播する光ビームをコイルに送る。多くのFOGは、ファイバの固体ガラスコアに沿って光を導くガラスベースの光ファイバを利用する。2つの反対に伝播する(例えば、CW及びCCW)ビームは、回転する閉じた光路の周りで伝播する間に異なる経路長を経験し、2つの経路長の差は囲まれた領域に対して垂直な回転速度に比例する。
[0003]従来の共振器FOG(RFOG)では、反対に伝播する光ビームは、通常、単色(例えば、単一周波数)であり、光ファイバコイルの複数のターンを介して、また、コイルを通過した光を再びコイルへ向け直すファイバカプラなどのデバイスを介した複数の経路に対して循環する。共振コイルの共振周波数を観測できるように、ビーム生成デバイスは、反対に伝播する光ビームの各々の周波数を変調及び/又はシフトする。コイルを通るCW経路及びCCW経路の各々についての共振周波数は、異なる回数コイルを横断した全ての光波がコイル中の任意の点において強め合うように干渉するように、強め合う干渉条件に基づく。この強め合う干渉の結果、往復の共振器光路長が波長の整数倍に等しいとき、波長λを有する光波は「オンレゾナンス(on resonance)」と呼ばれる。コイルの軸の周りの回転は、時計回りと反時計回りの伝播に対して異なる有効経路長を生成し、したがって共振器のそれぞれの共振周波数間のシフトを生成する。回転による閉じた光路の共振周波数シフトと一致するようにCWビーム及びCCWビーム周波数を調整することによって測定することができるような周波数差は、回転速度を示す。
[0004]しかしながら、光ビームの変調はまた、回転速度バイアス誤差をもたらし得る欠点を有している。1つの種類の欠点は変調器の強度変調である。意図された変調が、キャビティ長、光周波数又は光位相に対するものであっても、理想的でない変調器は、変調周波数における成分を有し得る光強度の変調を生成することもある。望ましくない強度変調は、復調器によって検出されて、オフレゾナンス条件を示す信号として解釈される。正常な共振強度信号が望ましくない強度信号を正確に打ち消すまで、共振追跡電子機器は、レーザ周波数を共振周波数から離れて移動する。共振周波数からのずれは、望ましくない強度信号が2つの逆方向に伝播する光波の間で異なる場合、回転検知誤差をもたらす。
[0005]回転検知誤差をもたらし得る別の変調器の欠点は、変調歪みである。変調歪みは、変調器駆動電子機器又は変調器において発生する可能性がある。理想的な変調は単一周波数の正弦波変調である。しかし、歪みにより、変調において高調波の発生がもたらされ得る。偶数次の高調波の変調は、回転検出誤差につながる可能性のある共振検出誤差をもたらす。
[0006]回転検出誤差の別の原因は、共振追跡変調周波数を超える周波数で発生するレーザ位相雑音である。共振追跡変調周波数の2倍及び他のより高い周波数帯域のレーザ位相雑音は、ジャイロ共振器によって相対強度雑音へと変換され、共振検出信号と同じ周波数へと周波数ダウンコンバートされ、したがって、最終的には、ランダムな回転検知誤差となる。この種の誤差を許容可能なレベルに低減するいくつかの方法は、非常に低い位相雑音及び光フィルタリングのレーザを使用することである。しかし、これは、製品の大幅なコスト増につながり、製品の運用ロバスト性を低減することがある。
[0007]位相変調が両方のビームに共通に適用される場合、変調の不完全性は、通常、CW及びCCW光ビームの間で共有され、変調の不完全性は、ジャイロ速度信号の信号処理中に差し引くことができる。しかし、一般的な変調は、光後方散乱に関連付けられる他の速度バイアス誤差をもたらし得る。光後方散乱を抑圧する2つの技術は、固有のシグネチャ(signature)で様々なレーザビームを符号化するために強度変調を使用すること、及び信号処理における様々な検出されるビームの分離を可能にするための共振器出力における平衡ヘテロダイン検波を含む。しかし、強度変調の使用は、角度ランダムウォーク性能の劣化をもたらす著しい光損失を導入する強度変調器を含む。また、平衡ヘテロダイン検波の使用は余分な光学系並びに複雑な信号処理及び制御を含む。
[0008]共通の共振追跡変調の別の利点は、変調周波数を超える周波数において共通のレーザ位相雑音によって生成されたランダム誤差が、ジャイロ速度信号の信号処理中に差し引かれることである。共通モードレーザ位相雑音の除去は、低コスト、高位相雑音のレーザの使用を可能にすることができ、光フィルタリングの必要性を排除することができ、このため、製品コストの大幅な低減をもたらすことができ、製品の運用ロバスト性を大幅に向上させることができる。
側波帯ヘテロダイン検波のシステム及び方法を提供する。
[0009]側波帯ヘテロダイン検波のためのシステム及び方法が提供される。ある実施例において、システムは、光がその中で共振できるように構成された光共振器と、少なくとも1つの光源を含み、少なくとも1つの光源からの光が複数の光電界を形成するように制御され、複数の電界の各電界は共通の変調周波数で位相又は周波数変調され、複数の電界の各電界は異なる周波数である。システムはまた、複数のヘテロダイン変調器を備え、複数のヘテロダイン変調器の各々のヘテロダイン変調器は、複数の側波帯を形成するために、それぞれのヘテロダイン周波数で複数の電界の各電界を位相又は周波数変調し、対応するヘテロダイン周波数は複数のヘテロダイン変調器の各ヘテロダイン変調器ごとに異なる。さらに、システムは、複数の側波帯を光共振器に結合するように構成される少なくとも1つのカプラと、共振器に結合されたフィードバック制御装置とを含み、フィードバック制御装置は、共振器から送信された複数の側波帯を検出して、複数の検出された側波帯信号を生成し、複数の検出された側波帯信号に基づいて複数の電界の周波数を調整するように構成される。
[0010]図面が例示的な実施例のみを示しており、したがって範囲を限定するように考慮されないことを理解した上で、例示的な実施例は、添付の図面の使用を通じてさらに具体的かつ詳細に説明される。
[0011]本開示に記載の1つの実施例における、側波帯ヘテロダイン検波を使用するシステムのブロック図である。 [0012]本開示に記載の1つの実施例における、共振器を介して伝播される異なる周波数の信号を示す図である。 [0013]本開示に記載の1つの実施例における、キャリア周波数の周りで形成される異なる側波帯信号を示す図である。 [0014]本開示に記載の1つの実施例における、複数のキャリア周波数の周りで形成される複数の側波帯信号を示す図である。 [0015]本開示に記載の1つの実施例における共振器光ファイバジャイロスコープのブロック図である。 [0016]本開示に記載の1つの実施例における共振器光ファイバジャイロスコープのブロック図である。 [0017]本開示に記載の1つの実施例における共振器光ファイバジャイロスコープのブロック図である。 [0018]本開示に記載の1つの実施例における、側波帯ヘテロダイン検波を実施する方法のフロー図である。
[0019]一般的な慣例にしたがって、様々な説明される特徴は、縮尺どおりに描かれず、例示的な実施例に関連する特定の特徴を強調するように描かれる。
[0020]以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付の図面が参照され、図面においては特定の例示的な実施例が例として示される。しかしながら、他の実施例が利用されてもよいし、論理的、機械的、及び電気的な変更がなされ得ることが理解されるべきである。さらに、図面及び明細書に提示される方法は、個々のステップが実行され得る順序を限定するものとして解釈されるべきではない。以下の詳細な説明は、したがって、限定的な意味で解釈されるべきではない。
[0021]信号処理において様々な検出された光を分離するために、側波帯ヘテロダイン検波と呼ばれる方法を実施する共振器光ファイバジャイロスコープ(RFOG)の実施例が本明細書において説明される。本明細書に記載されるように、位相又は周波数変調は、RFOG共振コイルの共振周波数を測定するために使用される各レーザビームの固有の(unique)周波数で適用される。固有の周波数での各レーザビームの変調により、各レーザビームの側波帯に基づいて、信号処理中に、互いに異なるレーザビームの区別を容易にすることができる。少なくとも1つの実施例では、側波帯ヘテロダイン検波の使用は、さらなる光学系及び/又は複雑な制御方式を用いることなく実現される。
[0022]図1は、共振器154内で伝播する異なるレーザ電界を区別するために側波帯ヘテロダイン検波(SHD)を実施するシステム100のブロック図である。システム100では、図示されるように、3つの異なるレーザ電界が共振器154内で伝播する。例えば、少なくとも1つの実施例では、3つの異なるレーザ周波数は、レーザ102などの単一のレーザ源によって生成される。システム100がジャイロスコープの一部である実施例では、異なる周波数の異なるレーザ電界は、回転速度又は回転軸の周りの角速度の変化を測定するために使用される。レーザ電界が共振器154内で伝播するとき、レーザ電界は、共振器154内の光ファイバのコアに沿って時計回り(CW)方向又は反時計回り(CCW)方向のいずれかで伝播する。システム100が回転すると、2つの反対に伝播する(例えば、CW及びCCW)レーザ電界は、サニャック効果により、共振器154の周りに伝播する間に、異なる有効経路長を経験する。時計回りの伝播と反時計回りの伝播との間の有効経路長の差は、共振器のそれぞれの共振周波数に差を生じる。周波数の差は、回転中に共振器154のそれぞれの共振周波数に一致するようにCW伝播電界周波数及びCCW伝播電界周波数を調整することによって測定することができる。測定された差はシステム100の回転速度を示す。
[0023]例えば、システム100はRFOGなどのジャイロスコープであってもよい。システム100がRFOGである場合、システム100は、ナビゲーションシステム、プラットフォーム安定化システム、ポインティングシステムなどの一部として使用することができる。例えば、いくつかの実施例では、システム100は、1つ又は複数のRFOG及び1つ又は複数の線形加速度計を含む慣性センサユニットの一部として実施される。システム100は、回転速度を測定し、プロセッサ又は他のデバイスなどの外部コンポーネントに対して回転速度を示す信号を出力し、外部コンポーネントは、システム100からの測定された回転速度を使用して、位置、方向及び角速度などのパラメータを計算する。
[0024]示されるように、システム100は、レーザ102から生成される3つのレーザ周波数を含む。あるいは、システム100は、任意の複数の数の異なるレーザ電界を含むことができる。レーザ102は特定の周波数で単色の光電界を生成する。ある実施例において、レーザ102は、(図1においてfと表される)共通の変調周波数106で共通の変調器104によって変調される。レーザ102によって生成された光を変調することにより、変調源は、電界が共通の変調周波数で変調され、変調の不完全性がまた、すべての電界に共通に適用されるように、共振器154を通って伝播するすべての別個のレーザ電界に影響を与える。共通の変調周波数106は、共振器154を通過する各光電界の共振追跡変調周波数として用いることができる。共通の変調は、共振器を通過するすべての光電界に対して、(fなどの)の共通の共振追跡変調周波数信号を使用する種類の変調である。例えば、これは、共振器154内で伝播する反対に伝播する光波に対して同じ変調器を使用することによって行うことができる。それらは同じ変調源を使用して変調されるので、変調の不完全性に起因する共振検出誤差は、時計回りと反時計回りの共振周波数の両方に対して同じであり、共通の誤差は回転測定において相殺される。さらに、同じ共振追跡変調周波数を使用することにより、変調周波数を超える周波数におけるレーザ位相雑音に起因するランダムな回転誤差はまた、共通のモードであり、回転測定において打ち消し合う。本明細書に記載の実施例は、変調器の不完全性及び共通のレーザ位相雑音変調器に起因する回転検知誤差を低減又は排除するために共通の変調を使用する。代替の実施例では、共通の変調器104は、関連する個々の光電界を共通の変調周波数106で各々が変調する、多くの別個の変調器を含み、個々の電界は共振器154内で伝播する。
[0025]図1Aに示すように、レーザ102によって生成された光を、周波数、伝播方向、空間分離などによって区別可能な別個のレーザ電界へと分離するために、ビームスプリッタ108は、レーザ光の一部をシステム100のCCWブランチ105へと分割し、光の一部をシステム100のCWブランチ103へと分割する。システム100のCWブランチ103へと分割された光の一部は、時計周り方向に共振器154の周りに伝播する第1の電界となる。システム100のCCWブランチ105へと分割された光の一部は、ビームスプリッタ110によって2つの別個のブランチへと分割されて、第2の電界及び第3の電界を形成する。第2の電界及び第3の電界の両方は反時計周り方向に共振器154の周りに伝播する。
[0026]図1Bは、異なる周波数が図1Aの共振器154内で伝播される従来技術の実装を示す。図1Bに示すように、軸の周りの回転速度を検知するために、システム100は、共振器154の時計回りの共振周波数115と反時計回り共振周波数113との間の分離111を検出する。図1Aにおいて、システム100は、各レーザビームの光周波数が共振器154の共振にあるように制御するために、共振検出電子回路及びサーボ162、164、及び166を使用する。2つの異なる電界の干渉又は1つの1次電界と別の電界の後方反射もしくは後方散乱との間の干渉に起因する回転検知誤差を排除するために、システム100は、各電界の周波数を、他の電界の周波数とは異なる周波数にシフトする。このように、回転誤差は、電界の光周波数の間の周波数差に等しい周波数へと周波数シフトされる。少なくとも1つの実施例において、各周波数が他の周波数から少なくとも図1Bにおける自由スペクトル領域117にあるように、システム100は各電界の光周波数をシフトさせ、自由スペクトル領域は共振器154中の隣接する共振周波数の間の差に等しい。いくつかの実施例では、共振器154の自由スペクトル領域が共振器ループの光路長に依存するため、自由スペクトル領域は、共振器154の光路長が変化するときに変化し得る。例えば、温度などのある環境効果は、自由スペクトル領域117を変化させることがある。
[0027]異なる電界の周波数を異なる周波数にシフトするために、システム100は、各電界に関連付けられた別個の周波数シフタを含む。システム100は、CWブランチ103の第1の電界の周波数を第1の周波数へとシフトするための第1の周波数シフタ112を含む。システム100はまた、CCWブランチ105の電界の周波数を異なる周波数へとシフトするための第2の周波数シフタ118及び第3の周波数シフタ124を含む。例えば、第2の周波数シフタ118は第2の電界を第2の周波数へとシフトさせ、第3の周波数シフタ124は第3の電界を第3の周波数へとシフトさせる。図1Bに示すように、第1の周波数119、第2の周波数121、及び第3の周波数123は、すべて互いに異なり、以前の実施例では、異なる共振周波数はすべて、共振器154の自由スペクトル領域によって分離される。各レーザビームの光周波数又は位相の共通の変調は、ビームの光周波数が共振器154の共振からいつ外れたかを示す誤差信号を提供するために使用される。共通の変調は光検出器130及び136において共振器出力信号を生成する。共振器出力信号は、対応するレーザビームがオンレゾナンスであるときを検出するための誤差信号として用いることができる変調周波数での成分を有することになる。レーザビームの周波数がオンレゾナンスであるとき、変調周波数での誤差信号の振幅がゼロになる。レーザ電界周波数が共振から外れる場合、誤差信号の振幅はゼロではなくなり、共振からの偏差の方向に依存する符号を有することになる。変調周波数における誤差信号は、変調周波数における基準信号と混合することにより、DCへと復調される。DC誤差信号は、ビームの周波数を制御するためにサーボによって使用される。しかし、共振検出変調周波数は3つの電界すべてに共通であるので、各電界に関連付けられた誤差信号を区別するための方法を使用しなければならない。各電界の共振検出誤差信号を区別するために、システムは、各電界が周波数スペクトル中の異なる位置において対応する側波帯を有するように、異なる変調周波数で各電界を位相変調する、複数の位相変調器(ヘテロダイン変調器と呼ばれる)を含む。位相変調の周波数はヘテロダイン変調周波数と呼ばれる。ヘテロダイン変調周波数は、光の1次変調側波帯が少なくとも共振器の自由スペクトル領域のオーダーで互いに分離されるように、十分に高い。レーザ周波数は、レーザキャリア及び偶数次側波帯をオンレゾナンスで配置するか又は奇数次側波帯をオンレゾナンスで配置するために調整することができる。奇数次側波帯がオンレゾナンスで配置される場合は、キャリア及び偶数次側波帯はオフレゾナンスになる。例えば、第1の電界は、第1の周波数シフタ112により周波数シフトされた後、第1のヘテロダイン変調器114によって位相変調され、第1のヘテロダイン変調器114は、fH1として表される第1のヘテロダイン周波数116における電界を位相変調する。第2の電界は、第2の周波数シフタ118によって周波数シフトされた後、第2のヘテロダイン変調器120によって位相変調され、第2のヘテロダイン変調器120は、fH2としてここで表される第2のヘテロダイン周波数122における電界を位相変調する。第3の電界は、第3の周波数シフタ124によって周波数シフトされた後、第3のヘテロダイン変調器128によって位相変調され、第3のヘテロダイン変調器128は、fH3としてここで表される第3のヘテロダイン周波数126における電界を位相変調する。
[0028]少なくとも1つの例示的な実施例では、ヘテロダイン変調周波数116、122及び126は、共振器154の自由スペクトル領域の半分の奇数倍にほぼ等しくなるように設定される。電界がヘテロダイン変調周波数116、122、及び126で変調され、電界のキャリアが共振器154の2つの共振モードの間の中間周波数に位置する周波数を有する場合には、電界の変調は側波帯信号を生成し、第1の高調波側波帯は共振器154の共振ピークに位置する。電界がヘテロダイン変調周波数で変調される場合、変調によって生成される側波帯信号は、逆方向に共振器154の周りを伝播される。例えば、第1の電界の側波帯がサーキュレータ134を通過すると、すぐに、第1の電界の側波帯が共振器154へと伝播される。共振器154内では、第1の電界に関連付けられた側波帯は、時計回り(CW)方向に共振器154の周りを伝播する。同様に、第2の電界の側波帯及び第3の電界の側波帯は、単一のチャネルへと結合され、サーキュレータ132を通過する。第2及び第3の電界の組み合わされた側波帯は、次いで、サーキュレータ132から共振器154へと伝播される。図示のように、第2及び第3の電界の側波帯は、反時計回り(CCW)方向に共振器154の周りで伝播する。
[0029]少なくとも1つの実施例では、時計回り方向に伝播する側波帯信号はサーキュレータ132によって受信され、サーキュレータ132は時計回りの側波帯信号154を光検出器130に渡す。第1の電界に関連付けられた側波帯信号はCW方向に伝播するので、第1の側波帯信号は光検出器130によって受信される。光検出器130は、第1の側波帯信号間の干渉によって生成された光ビートノート(うなり音、beat note)を検出し、第1の側波帯信号間のビートノートを表す電気信号を第1の復調器156に渡す。第1の側波帯信号間の周波数分離はヘテロダイン変調周波数の2倍であるので、第1の側波帯間のビートノートはヘテロダイン変調周波数の2倍である。第1の復調器156は、第1の復調周波数160で第1の側波帯信号を復調する。少なくとも1つの例示的な実施例では、第1の復調周波数160は、第1のヘテロダイン周波数116の2倍である。同様に、CCW方向に伝播する側波帯信号はサーキュレータ134によって受信され、サーキュレータ134はCCW側波帯信号154を光検出器136に渡す。第2の電界及び第3の電界に関連付けられた側波帯信号はCCW方向に伝播するので、第2の側波帯信号及び第3の側波帯信号は光検出器136によって受信される。光検出器136は、検出された光に関連付けられる電気信号を第2の復調器144及び第3の復調器140の両方に渡す。第2の復調器144及び第3復調器140はそれぞれ、第2及び第3の側波帯信号の両方を復調する。例えば、第2の復調器144は、第2の復調周波数138で第2及び第3の側波帯信号の両方を復調し、第2の復調周波数138は第2のヘテロダイン周波数122(2fH2)の2倍の周波数にある。同様に、第3の復調器140は、第3の復調周波数150で第2及び第3の側波帯信号の両方を復調し、第3の復調周波数150は第3のヘテロダイン周波数126又は2fH3の2倍の周波数にある。第2の復調周波数138及び第3の復調周波数150によって第2及び第3の信号を復調することにより、システム100は、第2の側波帯信号を第3の側波帯信号と区別することができる。復調された信号は、共通の変調周波数106で3つのすべての信号を復調する異なる共通の復調器によってフィルタリングされて復調される。例えば、第1の共通の復調器158は、共通の変調周波数106で第1の復調器156によって生成された信号を復調する。同様に、第2の共通の復調器146は、共通の変調周波数106で第2の復調器によって生成される信号を復調し、第3の共通の復調器148は、共通の変調周波数106で第3の復調器により生成される信号を復調する。第1の共通の復調器158、第2の共通の復調器146、及び第3の共通の復調器148によって生成された信号は、共振器154内で伝播する異なる電界の周波数を調整するために使用される。システム100は、側波帯信号を共振器の共振周波数にロックするために使用される共振検出誤差を決定するために、共通の変調周波数106によってすべての信号を復調する。
[0030]1つの実施例では、側波帯は強度変調誤差の影響を受けることがあり、その結果、1つの側波帯の振幅が同じ次数の対応する側波帯の振幅とは異なる場合がある。強度変調は共振周波数を検出する際に誤差をもたらすことがあり、したがって回転検知誤差につながることがある。強度変調は、共振線形(resonance lineshape)において明らかな非対称性を生じさせることがある。しかし、ヘテロダイン変調周波数が半分の自由スペクトル領域の奇数倍に設定されるとき、異なる振幅を有する対応する側波帯による共振検出誤差はゼロになる。例えば、光信号の側波帯の平均周波数が共振器154の共振ピークに配置され、レーザキャリア及び側波帯周波数が周波数で上下にシフトされる(共通の変調104がレーザビームに適用されるときに生じる)場合、共振器154を介して送られた側波帯の大きさは、側波帯信号の振幅の間の差にかかわらず、共振周波数の両側で等しい量だけ減少する。したがって、明らかな線形の非対称性や結果として生じる共振検出誤差はない。また、側波帯が周波数スペクトル上の異なる位置にあるので、側波帯は、共振器154内を伝播するときに特定の信号を識別するために使用することができる。
[0031]ヘテロダイン変調の第2高調波歪みもまた、共振検出誤差につながり、したがって回転検知誤差につながる可能性がある。第2高調波歪みは、同じ次数を有する偶数次側波帯に異なる大きさを持たせる。偶数次波帯が共振ピーク上に又は非常に近くにある場合、高調波歪みは、明らかな線形の非対称性につながり、したがって共振周波数検出の誤差につながる可能性がある。ヘテロダイン変調周波数を自由スペクトル領域の半分の奇数倍に正確に設定することにより、高調波歪みからの誤差はゼロになる。しかし、実際には、ヘテロダイン変調周波数は、自由スペクトル領域の半分の奇数倍に正確に設定することはできず、デバイスの制約によって設定されるある許容範囲内に設定できるにすぎない。第2高調波に起因する誤差のさらなる低減は、レーザのキャリア及び偶数次側波帯をオフレゾナンスに設定することで実現することができ、そのため、キャリア、偶数次側波帯及びキャリアと偶数次側波帯に関連付けられる誤差は、共振器を介して送信されない。図2は、共振器の周波数応答200に対してキャリア周波数206の周りに形成された異なる側波帯信号を示す図である。周波数応答200は複数の共振ピーク202を含む。各共振ピーク202は、共振器の自由スペクトル領域に等しい周波数差だけ隣接する共振ピークから離される。図示のように、キャリア周波数206は、隣接する共振ピークから自由スペクトル領域の半分離れた周波数に位置する。キャリア周波数206は共振ピークに位置していないので、キャリア周波数は共振器内で共振することができない。自由スペクトル領域の半分に等しい周波数での変調は、共振ピーク202に位置する側波帯信号204A及び204Bを生成する。また、変調により、キャリア周波数206から自由スペクトル領域の半分のさらなる倍数に位置する他の高次高調波信号208が生成される。高次高調波信号208のいくつかは他の共振ピークに対応し、しかし、高次高調波信号208は、1次高調波側波帯信号204A及び204Bよりも小さい振幅を有する。キャリア周波数206が共振器内で共振することができないので、側波帯信号204A及び204Bは、共振コイル154の共振周波数を検出し、側波帯信号204A及び204Bをオンレゾナンスで保持するようにキャリア周波数206の周波数を調整するために使用される。
[0032]図3は、共振器内を伝播する3つの異なる電界の異なる側波帯信号を示す図であり、共振器は、自由スペクトル領域で分離される複数のCW共振ピーク302及びCCW共振ピーク303を有する周波数応答300を有する。図示のように、共振器は、共振器内を伝播する3つのグループの電界を有する。第1のグループ310、第2のグループ320、及び第3グループ330である。各グループの電界は、図2に関して上述した異なる電界のように機能する。各グループは、キャリア周波数と、キャリア周波数の周りに均一に間隔を置いて配置される高調波の側波帯とを有する。しかしながら、各グループのキャリア周波数と間隔は、異なるグループの少なくとも下位側波帯が重ならないように異なっている。
[0033]各グループにおいて、キャリア周波数は、最も隣接する共振ピークから自由スペクトル領域の半分だけ離れて位置する。図示されるように、第1のグループ310の第1のキャリア周波数312、第2のグループ320の第2のキャリア周波数322、及び第3グループ330の第3のキャリア周波数332は、すべて、最も隣接する共振ピークから自由スペクトル領域の半分だけ離れて異なる周波数に位置する。さらに、第1の高調波側波帯信号は、対応するキャリア周波数から自由スペクトル領域の奇数倍離れて位置し、低次高調波側波帯信号は、共振器内を伝播する他の信号と重ならない。例えば、第1のグループ310において、1次高調波側波帯信号314A及び314Bは、キャリア周波数312と1次高調波側波帯信号314A及び314Bの周波数との間の差が共振器の自由スペクトル領域の4.5倍に等しい周波数に配置される。同様に、第2のグループ320において、1次高調波側波帯信号324A及び324Bは、キャリア周波数322と1次高調波側波帯信号324A及び324Bの周波数との差が共振器の自由スペクトル領域の3.5倍に自由に等しい周波数に配置される。第3のグループ330において、1次高調波側波帯信号334A及び334Bは、キャリア周波数332と1次高調波側波帯信号334A及び334Bの周波数との間の差が共振器の自由スペクトル領域の6.5倍に等しい周波数に配置される。ある実施例では、光信号の1つのグループの低次高調波側波帯信号が低次高調波側波帯信号と重ならないことを保証するために、異なるキャリア周波数及び高調波側波帯間の間隔を特定するためにソフトウェアツールを使用してもよい。
[0034]図4は、側波帯ヘテロダイン検波を実施するRFOG400の1つの実施例のブロック図である。上述したように、RFOG400は、ナビゲーションシステム、プラットフォーム安定化システム、ポインティングシステムなどとして機能することができる。例えば、幾つかの実施例では、RFOG400は、1つ又は複数のRFOG及び1つ又は複数の線形加速度計を含む慣性センサユニットの一部として実施される。RFOG400は、回転速度を測定し、回転速度を示す信号を出力する。RFOG400からの測定された回転速度は、位置、方向、角速度などのパラメータを計算するために使用されてもよい。計算されたパラメータは、いくつかの実施例では、1つ又は複数の任意のアクチュエータに出力される制御信号を計算するために使用されてもよい。
[0035]さらに、少なくとも1つの実施例では、RFOG400は、透過及び反射モードのフィードバック制御を含む。レーザ源からの電界は共振器402を通って循環する。光が共振器402内を伝播できるように、光はポート482及び480において共振器402へと結合される。少なくとも1つの実施例では、ポート482及び480は、ミラー、光ファイバカプラ、導波路、又は共振器402に光を結合するための他の適切なコンポーネントを含む。少なくとも1つの実施例では、ポート482及び480の各々は、入力ポート及び出力ポートの両方として機能する。たとえば、ポート480は、第1の方向(例えば、反時計回り)で共振器402へ光を結合する。共振器402に結合された光は「透過(送信)ポート」及び「反射ポート」を有する。一般に、透過ポートにおいて検出された全ての光は共振器を通って伝播してきたものであるのに対して、反射ポートにおいては、共振器に入らなかった共振器入射光の一部と共振器を伝播した光との組み合わせが存在する。例えば、ポート480はまた、ポート482を介して共振器402に結合される光の透過ポートとして機能し、ポート482は、ポート480を介して共振器402に結合される光の透過ポートとして機能する。ポート478は、ポート480を介して共振器402に結合される光の反射ポートとして機能する。
[0036]いくつかの実施例では、共振器402に結合される光は、ポート480及び482から得られる光に基づくフィードバック制御によって共振器402を使用して周波数安定化される。さらに、マスタレーザアセンブリ448によって生成される光が共振器402内を伝播する光の周波数をさらに安定化するために使用されるいくつかの実施例では、光はまた、マスタ反射ポート478を介して得ることができる。フィードバック制御を使用すると、共振器402内を伝播する電界を高周波と低周波の両方で安定化させることができる。少なくとも1つの実施例では、フィードバック制御は、パウンド・ドレバー・ホール(PDH)技術を使用して位相雑音を低減することができる。PDHフィードバック制御を有するレーザ源は、マスタレーザアセンブリ448に関連付けられた反射ポート478からの光を検知するPDH光検出器414からの信号を受信する。レーザと共振器との間の相対的な周波数の変化に対する共振器の応答は、反射ポートにおいて、透過ポートよりもはるかに高速である。マスタレーザ448を安定化し、したがってマスタレーザ448の位相雑音を低減するために、マスタレーザ448は、PDHフィードバック制御を用いることにより、共振器402のCCW共振にロックされる。通常、反射ポートにおける共振線形は、透過ポートにおける共振線形よりも著しい非対称性を有する。反射ポート線形における大幅に大きな非対称性は、マスタレーザ448と共振器402との間の相対的な周波数でのバイアス誤差及び低周波数ドリフト誤差を生じる。線形の非対称性の変化は主に熱的効果により引き起こされるので、周波数ドリフト誤差は、通常、比較的低い周波数(例えば、10Hzよりもはるかに小さい)である。バイアス誤差及び低周波数ドリフト誤差は、スレーブレーザを共振器にロックするために透過ポートを用いることによって補正することができる。マスタレーザ448と共振器402との間の低い相対周波数雑音は、スレーブレーザをマスタレーザにロックする位相ロックループを用いることによってスレーブレーザ466、468及び484に転送される。スレーブレーザ466、468、及び484を共振器402の対応する共振周波数にロックするために、送信モードフィードバック制御が、共振器402の共振中心(又は、本明細書において単に「共振」と呼ぶ)へとレーザの側波帯をロックするために使用される。マスタレーザ448によって生成される光に追従させられる(slaved)各レーザは、特定の透過ポートに関連付けられた光検出器からの信号を受信する、関連するフィードバック制御を有する。例えば、RFOG400が、第1、第2、及び第3のスレーブレーザを有する場合、第1のスレーブレーザは共振器402中でCCW方向に伝播し、第2及び第3のスレーブレーザはCW方向に伝播する。CW方向に伝播するレーザは共振器402から外へ結合して光検出器410に向かって循環し、光検出器410は、CW方向に伝播するレーザのためのフィードバック制御へと信号を提供する。同様に、CCW方向に伝播するレーザは共振器402から外へ結合して光検出器404に向かって循環し、光検出器404は、CCW方向に伝播するレーザのフィードバック制御へと信号を提供する。したがって、PDHフィードバック制御は、より高い周波数(例えば、10Hzより高い)での位相雑音を低減することができ、フィードバック制御はドリフト(例えば、バイアス)誤差を補正することができる。
[0037]マスタレーザアセンブリ448によって生成された光がPDHフィードバックを介して制御されるいくつかの実施例では、マスタレーザアセンブリ448の出力は、カプラ476及び472を介して複数のスレーブレーザアセンブリ484、466、及び468に結合される。さらに、マスタレーザアセンブリ448の出力は、カプラ474を介して共振器402に結合される。マスタレーザアセンブリ448は、共振器402内での循環のための光を生成するように構成される。マスタレーザアセンブリ448によって生成される光は、マスタレーザアセンブリ448からの光の周波数を、共振器402の共振ポート478で検出された共振器402の共振周波数にロックするために、PDHフィードバックを受信する。PDHフィードバック制御は、マスタレーザアセンブリ448に結合され、マスタレーザアセンブリ448からの光をPDH変調信号で周波数変調するように構成される。ある例では、PDH変調信号は、1−100MHzの範囲内の周波数を有する正弦波信号である。PDHフィードバック制御はまた、共振器402に結合されて、共振器402のポート478からの光を検知し、PDH変調信号に基づいて光を復調するように構成される。この復調に基づいて、PDHフィードバック制御は、マスタレーザアセンブリ448からの光の周波数を、ポート478での共振器402の共振のために調整するためのPDH誤差信号を生成する。マスタレーザアセンブリ448からの光が周波数変調されるので、PDH誤差信号は、光の時間平均周波数の値を調整するように構成される。
[0038]図示のように、RFOG400は、PDHフィードバック制御により、マスタレーザアセンブリ448によって生成される光にロックされる、少なくとも1つのスレーブレーザを含む。マスタレーザアセンブリ448によって生成される光にスレーブレーザをロックすると、PDHフィードバック制御の周波数雑音低減がスレーブレーザにもたらされる。このマスタスレーブ設定を用いることにより、透過ポートにおいて共振周波数を検出するためにスレーブレーザに対して共通の変調を適用する少なくとも2つの方法がある。1つの方法は、PDH誤差信号に変調を加えることであり、これは、共振器402の共振周波数に対してマスタレーザのロック点を変調する。スレーブレーザがマスタレーザに対して位相ロックされるので、スレーブレーザの周波数はまた、共振器の共振周波数に対して変調する。この方法の1つの欠点は、PDH誤差信号の非線形性が、回転検出誤差につながる可能性のある変調歪みを引き起こし得ることである。スレーブレーザに共通の周波数変調を適用する別の方法は、スレーブレーザをマスタにロックするために使用されるマスタ光の位相を変調することである。マスタスレーブ設定を使用すると、PDH誤差信号及び送信モード変調信号を分離することにより変調歪みを低減することができる。PDH誤差信号はマスタレーザ448を制御し、送信モード変調信号はスレーブレーザを変調する。
[0039]以上のように、マスタレーザアセンブリ448によって生成された光は、PDHフィードバック制御を用いて反射ポートにおいて共振器402の共振にロックされる。(第1のスレーブレーザ464などの)スレーブレーザは、光位相ロックループ(PLL)を用いて、マスタレーザアセンブリ448によって生成される光にロックされる。PLLは、スレーブレーザに、共振器相対周波数雑音の質が低いPDH制御されるマスタレーザアセンブリ448を提供する。1つの実施例では、マスタレーザアセンブリ448からの光は、ロックするためにカプラ476を介して第1のスレーブレーザ464に結合される。第1のスレーブレーザ464は、(以下に説明する送信モード調整信号にかかわらず)マスタレーザアセンブリ448及び第1のスレーブレーザ464によって生成される光の間に一定の周波数差があるように設定される。周波数差は、動作中にマスタレーザアセンブリ448、スレーブレーザ464、又は共振器402によって生成される光の変化に基づいて変化しない。周波数差は、共振器402の共振モードに基づいて、RFOG400の初期動作の前又は初期動作中に設定される。特に、共振器402の所与の共振モードに設定されたマスタレーザアセンブリ448によって生成される光により、周波数差は、スレーブレーザ464の側波帯が共振器402の異なる共振モードにあるように設定される。
[0040]周波数差は、スレーブレーザに対する送信モードフィードバック制御からの周波数差信号によって設定される。1つの実施例では、周波数差は、直接デジタルシンセサイザ(DDS)などの安定周波数源によって決定される。したがって、マスタレーザアセンブリ448は第1の周波数付近の光を出力し、第1のスレーブレーザ464は、当該周波数差だけ第1の周波数から離れた第2の周波数付近の光を出力する。マスタレーザアセンブリ448及びスレーブレーザ464によって生成される光の両方の周波数は、変調され、それに応じて異なるものとなる。さらに、(CCWの第1のスレーブ処理434内で実施される)フィードバック制御は、第1のスレーブレーザ464からの光の(平均)周波数を調整するために送信モード調整信号を提供する。送信モード調整信号は、共振器402のポート482における共振追跡誤差信号に基づいて、第1のスレーブレーザ464の周波数に対する調整を含む。特に、CCWの第1のスレーブ処理434からの調整信号は、第1のスレーブレーザ464の側波帯を、透過ポート424において検出された共振へロックする。したがって、調整は、第1のスレーブレーザ464及び共振器402の側波帯の変化に基づいて経時的に変化する。
[0041]CCWの第1のスレーブ処理434は、第1のスレーブレーザ464とマスタレーザアセンブリ448によって生成される光との間の周波数差、及び送信モード調整信号を含む合成信号を、第1のスレーブレーザ464に提供する。CCWの第1のスレーブ処理434からの合成信号は、第1のスレーブレーザ464を、周波数差に送信モード調整信号を加えたものに等しい平均周波数に設定させる。送信モード調整信号は、マスタレーザとスレーブレーザ464との間の相対周波数を調整することにより、第1のスレーブレーザ464の1次側波帯を共振器402の共振に保つことができる。PDHフィードバック制御により第1のスレーブレーザ464をマスタレーザアセンブリ448によって生成される光にロックすることと、第1のスレーブレーザ464の周波数をCCWの第1のスレーブ処理434からの信号とロックすることとの組み合わせにより、第1のスレーブレーザ464に、PDHフィードバック制御の帯域幅内の共振器に関連した低周波数雑音と共振器に関連した低周波数ドリフトの両方がもたらされる。第1のスレーブレーザ464からの光は、次いで、正確な回転測定のために使用することができる。第1のスレーブレーザ464と同様に、第2のスレーブレーザアセンブリ466及び第3のスレーブレーザアセンブリ468によって生成される光もまた、マスタレーザアセンブリ448によって生成される光にロックされる。さらに、第2のスレーブレーザアセンブリ466及び第3のスレーブレーザアセンブリ468からの光はまた、CWの第2のスレーブ処理432及びCWの第3のスレーブ処理430によって生成される信号によってそれぞれ調整される。
[0042]いくつかの実施例では、フィードバック制御で第1のスレーブレーザアセンブリ484、第2のスレーブレーザアセンブリ466、及び第3のスレーブレーザアセンブリ468によって生成される光は、スレーブレーザアセンブリ内のスレーブレーザが、(変調誘起1次側波帯を共振器402の共振周波数にロックすることによって)共振器402の共振ピーク上にロックされて、スレーブレーザと共振器106との間の相対周波数ドリフトやジッタを低減することを可能にする。これにより、位相雑音を有し振動環境にあるレーザを有するジャイロスコープの性能を向上させることができる。
[0043]RFOGにおける回転検知に使用されるスレーブレーザアセンブリ484、466、468内のスレーブレーザは、マスタ−スレーブ設定を使用して透過及び反射モードのフィードバック制御をもたらし、第1のスレーブレーザアセンブリ484から生成された光は共振器402を通じて第1の方向に循環し、第2のスレーブレーザアセンブリ466から生成された光は共振器402を通じて第2の方向に第1のスレーブレーザと対向して伝播する。さらに、第3のスレーブレーザアセンブリ468からの光はまた、共振器402に結合されて、共振器106を通じて第2の方向に、第1のスレーブレーザアセンブリ484からの光と反対に伝播する。少なくとも1つの実施例では、第1、第2、及び第3のスレーブレーザアセンブリ484、466、及び468は同様のコンポーネントを含む。図4は、第1のスレーブレーザアセンブリ484のコンポーネントを示し、第2及び第3のスレーブレーザ466、468は同様のコンポーネントを含むことができる。
[0044]スレーブレーザアセンブリ484、466、468の各々は、共振器402からの透過及び反射モードのフィードバックで安定化される。すなわち、スレーブレーザアセンブリ484、466、468の各々は、回転検知に使用される共振器402からのフィードバックに基づいて制御される。レーザを安定化させるために別個の基準共振器を使用するのではなく、回転検知並びに透過及び反射モードフィードバックについて同じ共振器402を用いることによって、スレーブレーザアセンブリ484、466、468及びジャイロスコープ共振器402によって生成されるレーザ間の相対周波数雑音が低減され、RFOG400の性能を向上させることができる。
[0045]スレーブレーザアセンブリ484、466、及び468により生成される光の周波数雑音を低減するための反射モードフィードバックは、PDHフィードバック制御444によってジャイロ共振器402にロックされるマスタレーザアセンブリ448によって生成される光に、スレーブレーザアセンブリ484、466、及び468の各々からの光をロックすることによって達成される。したがって、マスタレーザアセンブリ448によって生成された光は、ポート478において共振器402の共振にロックすることができる。PDHフィードバック制御444を実現するための様々な実施例は、参照により本明細書に組み込まれる、2012年8月10日に出願された「LASER WITH TRANSMISSION AND REFLECTION MODE FEEDBACK CONTROL」というタイトルの米国特許出願番号第13/571,887号に開示される。したがって、PDHフィードバック制御444は、マスタレーザアセンブリ448によって生成される光を共振器402の反射ポート478において検出される共振にロックし、マスタレーザ448によって生成される参照光のPDH変調を達成するようにマスタレーザアセンブリ448を制御するために、マスタレーザアセンブリ448によって生成される光を調整するように構成される。ある実施例では、マスタレーザアセンブリ448からの参照光は、第1のスレーブレーザアセンブリ484からの第1のスレーブ光と同じ方向に共振器402を介して循環するように結合される。
[0046]マスタレーザアセンブリ448からの参照光はまた、ロックするためにスレーブレーザアセンブリ484、466、及び468の各々に送られる。マスタレーザアセンブリ448によって生成される光と各々のスレーブレーザアセンブリ484、466及び468によって生成される光との間に一定の周波数差が存在するように、スレーブレーザアセンブリ484、466及び468の各々によって生成される光は、マスタレーザアセンブリ448によって生成される光にロックされる。さらに、各スレーブレーザアセンブリ484、466、及び468は、マスタレーザアセンブリ448によって生成される光とは異なる一定の周波数差を有する光を生成し、そのため、各スレーブレーザアセンブリ484、466、及び468は、他のスレーブレーザアセンブリ484、466、及び468によって生成される光とは異なる周波数の光を生成する。スレーブレーザアセンブリ484、466、及び468によって生成される光に関するさらなる詳細は以下に提供される。スレーブレーザアセンブリ484、466、及び468の各々は、光PLLにより、マスタレーザ448によって生成される光にロックすることができる。したがって、スレーブレーザ484、466、及び468の各々によって生成される光は、PDH技術に基づいて、共振器402に対して低周波数雑音を達成することができる。
[0047]図1−3に関連して上述したように、スレーブレーザアセンブリ484、466、及び468によって生成される光は、共振器402の共振ピーク間にある特定の周波数を有する電界の側波帯を生成するための位相変調器を含み、その結果、電界の変調により、共振器402の共振ピーク上に配置された1次高調波側波帯信号が生成される。例えば、第1のスレーブアセンブリ484における第1のスレーブレーザ464は、共振器402の共振ピークから自由スペクトル領域の半分である周波数を有する光をもたらす。第1のスレーブレーザ464からの光は、第1のヘテロダイン変調器454に提供される。第1のヘテロダイン位相変調器454は、第1のヘテロダイン信号源452からの信号で第1のスレーブレーザ464からの光を位相変調し、第1のヘテロダイン信号は、共振器402の自由スペクトル領域の半分の奇数倍に等しい高周波信号を生成する。第1のヘテロダイン変調器454は、共振器402の共振ピークに対応する周波数における第1高調波側波帯を有する信号を生成する。同様に、第2及び第3のスレーブレーザアセンブリ466及び468はまた、共振器402の共振ピークに対応する周波数における側波帯を有する電界を生成する。図3に関連して上述したように、各スレーブレーザアセンブリによって生成される側波帯は、共振器402の異なる共振ピークにある。
[0048]ある実施例では、スレーブレーザアセンブリ484、466、及び468によって生成された光はまた、共振器402のそれぞれの透過ポート482及び480において検出された共振にロックするように制御される。スレーブレーザアセンブリ484、466、及び468によって生成される光は、送信モードフィードバック制御により、それぞれの透過ポートにおいて検出された共振にロックされる。送信モードフィードバック制御は、図1に関連して上述したように、光検出器410及び404によって生成された信号を復調するコンポーネントを含むことができる。特に、光検出器410及び404において検出された光に応答して生成された信号は、発振信号源416によって提供されるヘテロダイン変調周波数の2倍の周波数でヘテロダイン復調器418によって復調される。ある実施例では、ヘテロダイン周波数がモニタされ、共振ポートにおいて受け取られた光をモニタすることによって調整される。さらに、いくつかの実施例では、信号はまた、スレーブレーザアセンブリ484、466、及び468によって生成された光をマスタスレーブアセンブリ448によって生成された光にロックすることによって生成される変調に対応する共通の変調周波数に従って、復調器424によって復調される。少なくとも1つの実施例において、各復調後、信号は低域通過フィルタによってフィルタリングされる。信号がフィルタリングされて復調されると、信号は、スレーブレーザアセンブリ484、466、および468によって生成される光を共振器402の透過ポート共振信号にロックするために信号を提供するスレーブ処理に渡される。例えば、第1のスレーブレーザアセンブリによって生成される側波帯信号は、CCW方向で共振器402内を伝播し、ポート482を介して共振器の外に送信される。側波帯は光検出器404によって検出され、光検出器404は復調器418及び424に信号を提供し、復調器418及び424はCCWの第1のスレーブ処理434のために信号を復調する。CCWの第1のスレーブ処理434はミキサ460に周波数信号を提供し、第1のスレーブレーザ464により生成される光とマスタレーザアセンブリ448から受け取られる光との間の干渉によって生成されるビート信号と混合する。ミキサ460はサーボ462を介して誤差信号を渡し、サーボ462は、スレーブレーザ464とマスタレーザ448との間のビート信号がスレーブ処理434からの周波数信号と同じ周波数を有するように、第1のスレーブレーザ464により生成される光を調整する。スレーブ処理434は、レーザ464の1次ヘテロダイン変調側波帯が共振器402の共振ピークにあるように、第1のレーザ464によって生成された光を調整するためにミキサ460に対する周波数信号を調整する。同様に、CWの第2のスレーブ処理432は、第2のレーザアセンブリ466によって生成される側波帯の電界を共振器402の共振ピークにロックするために、透過ポート480から受け取られる信号を復調する。また、CWの第3のスレーブ処理430は、第3のレーザアセンブリ468によって生成される側波帯の電界を共振器402の共振ピークにロックするために、透過ポート480から受け取られた信号を復調する。
[0049]図5は、側波帯ヘテロダイン検波を実施するRFOG500の1つの実施例のブロック図である。RFOG500は、スレーブレーザアセンブリを除いて、図4のRFOG400と実質的に同様である。例えば、第1のスレーブレーザアセンブリ584は、第1のスレーブレーザ564を含む。ある実施例では、第1のスレーブレーザ564は、共振ピークから自由スペクトル領域の半分離れた周波数を有する第1のスレーブレーザビームを生成する。第1のスレーブレーザビームは、第1のヘテロダイン周波数552でヘテロダイン位相変調器554によって変調されて、共振器502の共振ピークに位置する側波帯を生成する。ヘテロダイン位相変調器554は、光位相ロックループの高周波フィードバック制御を提供するためにも使用される。サーボ562は、第1のレーザ564からの光の周波数を制御するために2つの制御信号を提供する。スレーブレーザ564に向かう制御信号は、スレーブレーザ周波数を、DCから、制御ループの帯域幅によって制限されるある周波数に制御する。典型的には、帯域幅は、レーザの周波数応答によって制限される。レーザ564の周波数の周波数制御の全体的な帯域幅を増加するために、別のフィードバック制御信号が、サーボ562から、レーザ564よりも高速な周波数応答を有し得る位相変調器554に送信される。しかしながら、位相変調器554は、DCにおける利得を有しておらず、したがって、高い周波数での周波数制御を提供することができるにすぎない。側波帯が共振器502の共振ピークにとどまるように第1のスレーブレーザビームの周波数を調整するために、CCWのスレーブ処理534は、周波数信号をミキサ560に対して調整し、これは、次に、サーボ562に、第1のスレーブレーザビームの平均周波数を調整させる。図4に関連して上述したように、サーボ562は、ミキサ560からの入力を受信し、ミキサ560は、マスタレーザアセンブリ548からの入力、CCWの第1のスレーブ処理534から処理結果、及びスレーブレーザ564からの入力を受信する。ヘテロダイン変調周波数は、光位相ロックループの帯域幅より高く設定され、したがって、サーボ562は、スレーブレーザ光に与えられるヘテロダイン変調に応答しない。サーボ562は、第1のレーザビームのキャリア周波数を調整するためにこれらの信号の組み合わせを使用する。
[0050]図6は、側波帯ヘテロダイン検波を実施するRFOG600の1つの実施例のブロック図である。RFOG600は、スレーブレーザアセンブリを除いて、図5のRFOG500と実質的に同様である。例えば、第1のスレーブレーザアセンブリ684は、第1のスレーブレーザ664を含む。ある実施例では、第1のスレーブレーザ664は、共振ピークから自由スペクトル領域の半分離れた周波数を有する第1のスレーブレーザビームを生成する。ヘテロダイン変調を提供したり、光位相ロックループの高周波フィードバック制御を提供したりするために使用される位相変調器は存在しない。代わりに、光位相ロックループのフィードバックは、全体的にスレーブレーザ664に向かう。これは、半導体ベースのレーザなどの、十分な周波数変調帯域幅を有するレーザが採用される場合に行うことができる。ヘテロダイン信号源652からのヘテロダイン変調が、サーボ662の出力のフィードバック信号と加算される。これにより、ヘテロダイン信号源652は、スレーブレーザ664に対して直接的にヘテロダイン変調を適用して、共振器602の共振ピークに位置する側波帯を生成するすることができる。側波帯が共振器602の共振ピークにとどまるように第1のスレーブレーザビームの周波数を調整するために、CCWのスレーブ処理634は、ミキサ660に対する周波数信号を調整し、これは、次いで、サーボ662に、第1のスレーブレーザビームの平均周波数を調整させる。図4及び図5に関連して上述したように、サーボ662は、マスタレーザアセンブリ648からの入力を受信するミキサ660からの入力、CCWの第1のスレーブ処理634からの処理結果、及びスレーブレーザ664からの入力を受信する。ヘテロダイン変調周波数は、光位相ロックループの帯域幅よりもはるかに高く設定され、したがって、サーボ662は、スレーブレーザ光に課されるヘテロダイン変調に応答しない。サーボ662は、第1のレーザビームのキャリア周波数を調整するためにこれらの信号の組み合わせを使用する。
[0051]図7は、共振光ファイバシステムにおいて側波帯ヘテロダイン検波を実施するための方法700のフロー図である。方法700は、複数の電界が生成される702において開始する。複数の電界が生成されると、各電界は、共振器の共振周波数から自由スペクトル領域の半分離れたものに等しい異なる周波数で生成される。方法700は704に進み、複数の電界は、複数のヘテロダイン周波数によって変調されて、複数の側波帯信号を生成する。複数の側波帯信号を生成するために、各電界は自由スペクトル領域の半分の奇数倍に等しい異なる周波数で変調される。変調により側波帯信号が生成され、1次高調波側波帯は共振器の共振周波数に位置するが、別の電界に関連付けられた高調波側波帯と重ならない。
[0052]さらなる実施例では、方法700は706に進み、複数の側波帯信号は共振器内を循環する。ある実施例では、複数の側波帯信号は、CW方向に共振器の周りを伝播する信号のグループと、CCW方向に共振器の周りを伝播する信号のグループとに分離される。方法700は708に進み、複数の側波帯信号が検出されて、複数の側波帯信号を生成する。例えば、共振器内を伝播している側波帯信号は、共振器の外へ循環され、光検出器によって受信される。光検出器は、共振器の外で受けた光から、複数の検出された側波帯信号を生成する。
[0053]少なくとも1つの実施例では、方法700は710に進み、複数の検出された側波帯信号が復調される。例えば、複数の検出された側波帯信号は、側波帯信号を生成するために使用されたヘテロダイン周波数の2倍に等しい周波数で復調される。さらに、複数の検出された側波帯信号は、共通の変調周波数で復調されてもよい。方法700は、次いで、712に進み、複数の電界の周波数が調整される。
例示的な実施例
[0054]実施例1は、光が内部で共振することを可能にするように構成される光共振器と、少なくとも1つの光源、少なくとも1つの光源であって、当該少なくとも1つの光源からの光が複数の光電界を形成するように制御され、複数の電界の各電界が共通の変調周波数で位相又は周波数変調され、複数の電界の各電界が異なる周波数にある、少なくとも1つの光源と、複数のヘテロダイン変調器であって、当該複数のヘテロダイン変調器の各ヘテロダイン変調器は、複数の電界のそれぞれの電界をそれぞれのヘテロダイン周波数で位相又は周波数変調して複数の側波帯を形成し、対応するヘテロダイン周波数は複数のヘテロダイン変調器の各ヘテロダイン変調器について異なる、複数のヘテロダイン変調器と、複数の側波帯を光共振器に結合するように構成される少なくとも1つのカプラと、共振器に結合されたフィードバック制御であって、共振器から外へ送信された複数の側波帯を検出して、複数の検出された側波帯信号を生成し、複数の検出された側波帯信号に基づいて複数の電界の周波数を調整するように構成される、フィードバック制御とを備えるシステムを含む。
[0055]実施例2は、実施例1のシステムを含み、フィードバック制御は、それぞれのヘテロダイン周波数の各々の対応するヘテロダイン周波数の2倍のそれぞれの復調周波数で複数の検出された側波帯信号を復調して、複数の検出された側波帯信号における異なる検出された側波帯信号を区別する。
[0056]実施例3は、実施例1−2のいずれかのシステムを含み、フィードバック制御は、複数の側波帯信号が光共振器の共振周波数にあるかどうかを判断するために、共通の変調周波数によって複数の側波帯を復調する。
[0057]実施例4は、実施例1−3のいずれかに記載のシステムを含み、複数の側波帯における1次高調波側波帯が光共振器の異なる共振周波数に位置するように、対応するヘテロダイン周波数及び複数の電界の異なる周波数が選択される。
[0058]実施例5は、実施例1−4のいずれかのシステムを含み、複数の電界中の電界は、光共振器の共振周波数から自由スペクトル領域の半分に位置し、それぞれのヘテロダイン周波数は自由スペクトル領域の半分の奇数倍に実質的に等しい。
[0059]実施例6は、実施例1−5のいずれかのシステムを含み、複数の電界の周波数はマスタレーザの基準周波数にロックされる周波数を有するスレーブレーザである。
[0060]実施例7は、実施例1−6のいずれかのシステムを含み、複数の電界が、単一のレーザによって生成される光を複数の異なる周波数に周波数シフトすること、及び複数の異なるレーザによって生成される光を使用することのうち少なくとも1つによって生成される。
[0061]実施例8は、共振器光ファイバジャイロスコープであって、光が内部で共振することを可能にするように構成される共振器であって、おのおのが自由スペクトル領域だけ分離される複数の共振周波数を有する、共振器と、第1の周波数を有する第1の光を生成する第1のレーザと、第1のヘテロダイン周波数で第1のスレーブ光を位相又は周波数変調して、複数の共振周波数のうちの第1の側波帯共振周波数に位置する第1の側波帯信号を生成する、第1のヘテロダイン変調器であって、第1の側波帯信号は第1の方向に共振器内を伝播する、第1のヘテロダイン変調器と、第2の周波数を有する第2の光を生成する第2のレーザと、第2のヘテロダイン周波数で第2の光を位相又は周波数変調して、複数の共振周波数のうちの第2の側波帯共振周波数に位置する第2の側波帯信号を生成する、第2のヘテロダイン変調器であって、第2の側波帯信号は第1の方向とは反対の第2の方向に共振器内を伝播する、第2のヘテロダイン変調器と、共振器の第1のポートから受信した第1の側波帯信号を検出して第1の検出された信号を生成し、第1の検出された信号を復調して第1の復調された信号を形成し、第1の復調された信号に基づいて第1の側波帯信号が第1の側波帯共振周波数のより近くに移動するように第1の周波数を調整するように構成された第1のフィードバック制御と、共振器の第2のポートから受信した第2の側波帯信号を検出して第2の検出された信号を生成し、第2の検出された信号を復調して第2の復調された信号を形成し、第2の復調された信号に基づいて第2の側波帯信号が第2の側波帯共振周波数のより近くに移動するように第2の周波数を調整するように構成された第2のフィードバック制御とを備える、共振器光ファイバジャイロスコープを含む。
[0062]実施例9は、実施例8の共振器光ファイバジャイロスコープを含み、第1のフィードバック制御は、第1のヘテロダイン周波数の2倍の第1の復調周波数で第1の検出された信号を復調することによって、第1の検出された信号を復調する。
[0063]実施例10は、実施例8−9のいずれかの共振器光ファイバジャイロスコープを含み、さらに、第3の周波数を有する第3の光を生成する第3のレーザと、第3の光を第3のヘテロダイン周波数で位相又は周波数変調して、複数の共振周波数のうちの第3の共振周波数に位置する第3の側波帯信号を生成する第3のヘテロダイン変調器であって、第3の側波帯信号は第2の方向に共振器中を伝播する、第3のヘテロダイン変調器と、共振器の第3のポートから受信した第3の側波帯信号を検出して第3の検出された信号を生成し、第3の検出された信号を復調して第3の復調された信号を形成し、第3の復調された信号に基づいて第3の側波帯信号が第3の側波帯共振周波数のより近くに移動するように第3の周波数を調整するように構成された第3のフィードバック制御とを備える。
[0064]実施例11は、実施例8−10のいずれかの共振器光ファイバジャイロスコープを含み、第1の側波帯共振周波数が第2の側波帯共振周波数と異なるように、第1の周波数、第2の周波数、第1のヘテロダイン周波数、及び第2のヘテロダイン周波数が選択される。
[0065]実施例12は、実施例8−11のいずれかの共振器光ファイバジャイロスコープを含み、第1の光と第2の光が共通の周波数によって変調される。
[0066]実施例13は、実施例12の共振器光ファイバジャイロスコープを含み、第1の検出された信号及び第2の検出された信号は共通の周波数によって復調される。
[0067]実施例14は、実施例8−13のいずれかの共振器光ファイバジャイロスコープを含み、基準周波数を有する基準レーザビームを生成するように構成された基準レーザをさらに備え、基準レーザビームは第1の方向に共振器を通じて循環し、第1の周波数及び第2の周波数は基準周波数にロックされる。
[0068]実施例15は、実施例14の共振器光ファイバジャイロスコープを含み、第1の光の第1の周波数は複数の共振周波数のうちの第1の共振周波数から自由スペクトル領域の半分であり、第1のヘテロダイン周波数は自由スペクトル領域の半分の奇数倍に実質的に等しく、第2の光の第2の周波数は複数の共振周波数のうちの第2の共振周波数から自由スペクトル領域の半分であり、第2のヘテロダイン周波数は自由スペクトル領域の半分の奇数倍に実質的に等しい。
[0069]実施例16は、実施例8−15のいずれかの共振光ファイバジャイロスコープを含み、第1の側波帯信号は第1のヘテロダイン周波数で変調された第1の周波数の1次高調波帯側波帯を含み、第2の側波帯信号は第2のヘテロダイン周波数で変調された第2の周波数の1次高調波帯側波帯を含む。
[0070]実施例17は、回転をモニタする方法を含み、当該方法は、複数の電界を生成するステップと、複数のヘテロダイン周波数によって複数の電界を変調して複数の側波帯信号を生成するステップと、共振器内で複数の側波帯信号を循環させるステップと、共振器の少なくとも1つのポートにおいて複数の側波帯信号を検出して複数の検出された側波帯信号を生成するステップと、複数の検出された側波帯信号を復調するステップと、複数の電界の周波数を調整するステップとを含み、周波数を調整するステップは、複数の側波帯信号の側波帯周波数を共振器の共振ピークに向かって移動させる。
[0071]実施例18は、実施例17の方法を含み、複数の検出された側波帯信号を復調するステップは、対応するヘテロダイン周波数の2倍で少なくとも1つの検出された側波帯信号を復調して、複数の側波帯信号のうちの各々の検出された側波帯信号を区別するステップと、少なくとも1つの検出された側波帯信号を共通の変調周波数で復調して、共振誤差を識別するステップとを含む。
[0072]実施例19は、実施例17−18のいずれかの方法を含み、共通の変調周波数によって複数の電界を変調するステップをさらに含む。
[0073]実施例20は、実施例17−19のいずれかの方法を含み、複数の電界は、マスタレーザの基準周波数に対して参照される周波数にある。
[0074]本明細書においては特定の実施例が示されて説明されたが、当業者は、同じ目的を達成するために計算される任意の構成が、示された特定の実施例に代えて使用できることを理解するであろう。したがって、本発明が特許請求の範囲及びその均等物によってのみ限定されることが明白に意図される。

Claims (3)

  1. 光が内部で共振することを可能にするように構成される光共振器(154)と、
    少なくとも1つの光源(102)であって、前記少なくとも1つの光源(102)からの光が複数の光電界を形成するように制御され、前記複数の電界の各電界が共通の変調周波数で位相又は周波数変調され、前記複数の電界の各電界が異なる周波数にある、少なくとも1つの光源(102)と、
    複数のヘテロダイン変調器(114、120、128)であって、前記複数のヘテロダイン変調器(114、120、128)の各ヘテロダイン変調器は、前記複数の電界のそれぞれの電界をそれぞれのヘテロダイン周波数で位相又は周波数変調して複数の側波帯を形成し、対応するヘテロダイン周波数は前記複数のヘテロダイン変調器(114、120、128)の各ヘテロダイン変調器について異なる、複数のヘテロダイン変調器(114、120、128)と、
    前記複数の側波帯を前記光共振器(154)に結合するように構成される少なくとも1つのカプラ(470、474)と、
    前記共振器(154)に結合されたフィードバック制御であって、前記共振器から外へ送信された複数の側波帯を検出して、複数の検出された側波帯信号を生成し、前記複数の検出された側波帯信号に基づいて前記複数の電界の周波数を調整するように構成される、フィードバック制御と
    を備えるシステム
  2. 前記フィードバック制御は、前記それぞれのヘテロダイン周波数の各々の前記対応するヘテロダイン周波数の2倍のそれぞれの復調周波数で前記複数の検出された側波帯信号を復調して、前記複数の検出された側波帯信号における異なる検出された側波帯信号を区別する請求項1に記載のシステム。
  3. 回転をモニタする方法であって、
    複数の電界を生成するステップと、
    複数のヘテロダイン周波数によって前記複数の電界を変調して、複数の側波帯信号を生成するステップと、
    共振器(154)内で前記複数の側波帯信号を循環させるステップと、
    前記共振器(154)の少なくとも1つのポートにおいて前記複数の側波帯信号を検出して、複数の検出された側波帯信号を生成するステップと、
    前記複数の検出された側波帯信号を復調するステップと、
    前記複数の電界の周波数を調整するステップであって、前記複数の側波帯信号の側波帯周波数を前記共振器の共振ピークに向かって移動させる、ステップと
    を含む方法。
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